JP2020008009A - スクロール圧縮機 - Google Patents

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JP2020008009A JP2018132454A JP2018132454A JP2020008009A JP 2020008009 A JP2020008009 A JP 2020008009A JP 2018132454 A JP2018132454 A JP 2018132454A JP 2018132454 A JP2018132454 A JP 2018132454A JP 2020008009 A JP2020008009 A JP 2020008009A
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内田 和秀
Kazuhide Uchida
和秀 内田
雅至 井ノ上
Masashi Inoue
雅至 井ノ上
井上 孝
Takashi Inoue
孝 井上
江原 俊行
Toshiyuki Ebara
俊行 江原
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Denso Corp
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Abstract

【課題】従来よりもスクロール圧縮機の性能を向上させる。【解決手段】内周側固定基板面131bは、外周側固定基板面131aよりも圧縮機軸方向DRaの一方側(具体的には、下側)に位置している。内周側逆止弁42は、内周側固定部材423によって固定基板131に固定されている。そして、その内周側固定部材423は、外周側圧縮空間4aに対し圧縮機軸方向DRaの一方側に重なるように配置されている。これにより、例えば内周側固定部材423が外周側圧縮空間4aではなく内周側圧縮空間6aに対し圧縮機軸方向DRaの一方側に重なるように配置されている場合に比して、内周側逆止弁42を固定基板131に固定するための肉厚を大きく確保できる。従って、その分、デッドボリュームとしての内周側吐出ポート923の容積を圧縮機軸方向DRaに小さくできるので、スクロール圧縮機2の圧縮効率と体積効率とを向上させることが可能である。【選択図】図7

Description

本発明は、スクロール圧縮機に関するものである。
この種のスクロール圧縮機として、例えば特許文献1に記載されたスクロール圧縮機が従来から知られている。この特許文献1に記載されたスクロール圧縮機は、固定スクロールと、固定スクロールに対し旋回移動する旋回スクロールとを備えている。その固定スクロールは、固定基板と、固定基板から圧縮機の軸方向に突き出て渦巻き形状を成す固定ラップと、その固定ラップにより形成される渦巻き状溝の途中に設けられた分割壁とを有している。特許文献1のスクロール圧縮機は、その分割壁の外周側を低段圧縮室とし且つ内周側を高段圧縮室として2段圧縮を行う。
また、高段圧縮室を形成する固定ラップおよび旋回ラップの歯丈が、低段圧縮室を形成する固定ラップおよび旋回ラップの歯丈よりも高くなっている。特許文献1では、これにより、低段圧縮室に導入される冷媒循環量と高段圧縮室に導入される冷媒循環量とが異なる場合であっても、簡易な構成で装置の小型化を実現できるとされている。
特開2017−31887号公報
ここで、スクロール圧縮機には、通常、圧縮室から圧縮後の流体を吐出させる吐出ポートと、吐出ポートから吐出された流体が圧縮室へ逆流することを防止するように吐出ポートを開閉する逆止弁とが設けられる。すなわち、特許文献1のスクロール圧縮機でも、図示はされていないが、低段圧縮室と高段圧縮室とのそれぞれに対応して、吐出ポートと逆止弁とが設けられる。
しかし、高段圧縮室から流体を吐出させる吐出ポートは固定基板に形成され、その吐出ポートを開閉する逆止弁は、固定基板に対し高段圧縮室側とは反対側から固定される。例えば逆止弁が固定基板にネジ止め固定されるとすれば、或る程度のネジ山数を固定基板に確保する必要があるので、その必要なネジ山数に応じて固定基板の厚さを厚くする必要がある。例えば、逆止弁を固定基板に固定するために固定基板の厚さが厚くなれば、その分、吐出ポートの容積が大きくなる。
その一方で、高段圧縮室用の吐出ポートの容積は、高段圧縮室での流体圧縮においてデッドボリュームになるので、その吐出ポートの容積が大きくなるほどスクロール圧縮機の効率は悪化する。発明者らの詳細な検討の結果、以上のようなことが見出された。
本発明は、上記に例示した事情等に鑑みてなされたものであり、従来よりもスクロール圧縮機の性能を向上させることを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載のスクロール圧縮機は、
固定スクロール(130)と、
固定スクロールに対し軸線(S)まわりに旋回移動する可動スクロール(120)と、
内周側逆止弁(42)とを備え、
固定スクロールは、可動スクロールに対し軸線の軸方向(DRa)の一方側に配置された固定基板(131)と、固定基板から可動スクロール側に突出すると共に渦巻き形状を成す固定ラップ(132)と、固定基板および固定ラップに囲まれる渦巻き形状の空間(4a、6a)を外周側圧縮空間(4a)と内周側圧縮空間(6a)とに仕切る仕切部(133)とを有し、
可動スクロールは、固定基板に対し上記軸方向に対向する可動基板(121)と、可動基板から外周側圧縮空間内へ突出するとともに渦巻き形状を成す外周側可動ラップ(122)と、可動基板から内周側圧縮空間内へ突出するとともに渦巻き形状を成す内周側可動ラップ(123)とを有し、
外周側圧縮空間は、固定ラップの渦巻き形状に沿った渦巻き方向において仕切部に対し外周側に配置され、可動スクロールの旋回移動に伴い外周側可動ラップによって流体が圧縮される外周側圧縮室(130c、130d)とその外周側圧縮室へ流体を吸気させるための外周側吸気室(130j)とを含み、
内周側圧縮空間は、固定ラップの渦巻き形状に沿った渦巻き方向において仕切部に対し内周側に配置され、可動スクロールの旋回移動に伴い内周側可動ラップによって流体が圧縮される内周側圧縮室(130e、130f)とその内周側圧縮室へ流体を吸気させるための内周側吸気室(130k)とを含み、
固定基板は、上記軸方向の一方側とは反対側である他方側を向き且つ外周側圧縮空間の底面を構成する外周側固定基板面(131a)と、上記軸方向の他方側を向き且つ内周側圧縮空間の底面を構成する内周側固定基板面(131b)とを有し、
内周側固定基板面は、外周側固定基板面よりも上記軸方向の一方側に位置し、
固定基板には、上記軸方向で固定基板の一方側に配置された内周側吐出室(924)と、内周側圧縮空間と内周側吐出室との間を連通し内周側圧縮室で圧縮された流体を内周側吐出室へ流す内周側吐出ポート(923)とが形成され、
内周側逆止弁は、内周側吐出室に設けられ、内周側固定部材(423)によって固定基板に固定され、内周側吐出ポートから内周側吐出室への流体流れを許容する一方で内周側吐出室から内周側吐出ポートへの流体流れを止めるものであり、
内周側固定部材は、内周側固定基板面に対し上記軸方向の一方側に重ならないように配置されている。
これによれば、内周側固定部材が例えば内周側固定基板面に対し軸方向の一方側に重なるように配置される場合に比して、内周側逆止弁を固定基板に固定するための肉厚を大きく確保できる。従って、その分、デッドボリュームとしての内周側吐出ポートの容積を軸方向に小さくできるので、スクロール圧縮機の圧縮効率と体積効率とを向上させることが可能である。
また、請求項2に記載のスクロール圧縮機は、
固定スクロール(130)と、
固定スクロールに対し軸線(S)まわりに旋回移動する可動スクロール(120)と、
内周側逆止弁(42)と、
外周側逆止弁(44)とを備え、
固定スクロールは、可動スクロールに対し軸線の軸方向(DRa)の一方側に配置された固定基板(131)と、固定基板から可動スクロール側に突出すると共に渦巻き形状を成す固定ラップ(132)と、固定基板および固定ラップに囲まれる渦巻き形状の空間(4a、6a)を外周側圧縮空間(4a)と内周側圧縮空間(6a)とに仕切る仕切部(133)とを有し、
可動スクロールは、固定基板に対し上記軸方向に対向する可動基板(121)と、可動基板から外周側圧縮空間内へ突出するとともに渦巻き形状を成す外周側可動ラップ(122)と、可動基板から内周側圧縮空間内へ突出するとともに渦巻き形状を成す内周側可動ラップ(123)とを有し、
外周側圧縮空間は、固定ラップの渦巻き形状に沿った渦巻き方向において仕切部に対し外周側に配置され、可動スクロールの旋回移動に伴い外周側可動ラップによって流体が圧縮される外周側圧縮室(130c、130d)とその外周側圧縮室へ流体を吸気させるための外周側吸気室(130j)とを含み、
内周側圧縮空間は、固定ラップの渦巻き形状に沿った渦巻き方向において仕切部に対し内周側に配置され、可動スクロールの旋回移動に伴い内周側可動ラップによって流体が圧縮される内周側圧縮室(130e、130f)とその内周側圧縮室へ流体を吸気させるための内周側吸気室(130k)とを含み、
固定基板には、上記軸方向で固定基板の一方側に配置された内周側吐出室(924)と、内周側圧縮空間と内周側吐出室との間を連通し内周側圧縮室で圧縮された流体を内周側吐出室へ流す内周側吐出ポート(923)と、上記軸方向で固定基板の一方側に配置された外周側吐出室(925)と、外周側圧縮空間と外周側吐出室との間を連通し外周側圧縮室で圧縮された流体を外周側吐出室へ流す外周側吐出ポート(913)とが形成され、
内周側逆止弁は、内周側吐出室に設けられ、内周側固定部材(423)によって固定基板に固定され、内周側吐出ポートから内周側吐出室への流体流れを許容する一方で内周側吐出室から内周側吐出ポートへの流体流れを止めるものであり、
外周側逆止弁は、外周側吐出室に設けられ、外周側固定部材(443)によって固定基板に固定され、外周側吐出ポートから外周側吐出室への流体流れを許容する一方で外周側吐出室から外周側吐出ポートへの流体流れを止めるものであり、
内周側逆止弁は、内周側固定部材によって固定基板に固定された弁体固定部(421a)と内周側吐出ポートを開閉するポート開閉部(421b)とを有する板状の内周側逆止弁体(421)を含み、その内周側逆止弁体のポート開閉部が固定基板のうちの内周側吐出ポート周りの部位(131d)から離れるように内周側逆止弁体が撓むことによって内周側吐出ポートを開放し、
外周側逆止弁は、外周側固定部材によって固定基板に固定された弁体固定部(441a)と外周側吐出ポートを開閉するポート開閉部(441b)とを有する板状の外周側逆止弁体(441)を含み、その外周側逆止弁体のポート開閉部が固定基板のうちの外周側吐出ポート周りの部位(131f)から離れるように外周側逆止弁体が撓むことによって外周側吐出ポートを開放し、
内周側逆止弁体の弁体固定部と内周側吐出ポートとの距離(DSi)は、外周側逆止弁体の弁体固定部と外周側吐出ポートとの距離(DSo)よりも長い。
ここで、強度確保などの観点から、内周側吐出ポートでは外周側吐出ポートとの比較でポート径を大きくし難い。これに対し、上述のように、内周側逆止弁体の弁体固定部と内周側吐出ポートとの距離は、外周側逆止弁体の弁体固定部と外周側吐出ポートとの距離よりも長い。従って、内周側逆止弁体が撓む際のバネ定数を小さくできるので、内周側逆止弁の開弁圧を小さくでき、過圧縮低減による圧縮効率の向上を図ることが可能である。
また、請求項5に記載のスクロール圧縮機は、
固定スクロール(130)と、
固定スクロールに対し軸線(S)まわりに旋回移動する可動スクロール(120)と、
内周側逆止弁(42)とを備え、
固定スクロールは、可動スクロールに対し軸線の軸方向(DRa)の一方側に配置された固定基板(131)と、固定基板から可動スクロール側に突出すると共に渦巻き形状を成す固定ラップ(132)と、固定基板および固定ラップに囲まれる渦巻き形状の空間(4a、6a)を外周側圧縮空間(4a)と内周側圧縮空間(6a)とに仕切る仕切部(133)とを有し、
可動スクロールは、固定基板に対し上記軸方向に対向する可動基板(121)と、可動基板から外周側圧縮空間内へ突出するとともに渦巻き形状を成す外周側可動ラップ(122)と、可動基板から内周側圧縮空間内へ突出するとともに渦巻き形状を成す内周側可動ラップ(123)とを有し、
外周側圧縮空間は、固定ラップの渦巻き形状に沿った渦巻き方向において仕切部に対し外周側に配置され、可動スクロールの旋回移動に伴い外周側可動ラップによって流体が圧縮される外周側圧縮室(130c、130d)とその外周側圧縮室へ流体を吸気させるための外周側吸気室(130j)とを含み、
内周側圧縮空間は、固定ラップの渦巻き形状に沿った渦巻き方向において仕切部に対し内周側に配置され、可動スクロールの旋回移動に伴い内周側可動ラップによって流体が圧縮される内周側圧縮室(130e、130f)とその内周側圧縮室へ流体を吸気させるための内周側吸気室(130k)とを含み、
固定基板は、上記軸方向の一方側とは反対側である他方側を向き且つ外周側圧縮空間の底面を構成する外周側固定基板面(131a)と、上記軸方向の他方側を向き且つ内周側圧縮空間の底面を構成する内周側固定基板面(131b)とを有し、
内周側固定基板面は、外周側固定基板面よりも上記軸方向の一方側に位置し、
固定基板には、上記軸方向で固定基板の一方側に配置された内周側吐出室(924)と、内周側圧縮空間と内周側吐出室との間を連通し内周側圧縮室で圧縮された流体を内周側吐出室へ流す内周側吐出ポート(923)とが形成され、
内周側逆止弁は、内周側吐出室に設けられ、内周側吐出ポートから内周側吐出室への流体流れを許容する一方で内周側吐出室から内周側吐出ポートへの流体流れを止めるものであり、
固定基板は、内周側吐出室に面し内周側吐出ポートが開口し内周側逆止弁が固定される内周側吐出室底面(131c)を有し、
内周側吐出室底面は、その内周側吐出室底面のうち内周側逆止弁が固定された逆止弁固定部位(131g)と内周側吐出ポートが開口したポート開口部位(131h)とが上記軸方向にずれて位置するように、内周側固定基板面に対して傾いている。
上述のように、内周側吐出室底面は内周側固定基板面に対して傾いているので、例えばその内周側吐出室底面が内周側固定基板面に平行である場合に比して、内周側吐出室の容積を拡大しやすい。そして、その内周側吐出室の容積を拡大することにより、内周側吐出ポートから内周側吐出室へ流体が流入する際のマフラー効果を一層大きく得ることができる。これにより、スクロール圧縮機の騒音低減の面から、スクロール圧縮機の性能を向上させることが可能である。
また、請求項8に記載のスクロール圧縮機は、
固定スクロール(130)と、
固定スクロールに対し軸線(S)まわりに旋回移動する可動スクロール(120)とを備え、
固定スクロールは、可動スクロールに対し軸線の軸方向(DRa)の一方側に配置された固定基板(131)と、固定基板から可動スクロール側に突出すると共に渦巻き形状を成す固定ラップ(132)と、固定基板および固定ラップに囲まれる渦巻き形状の空間(4a、6a)を外周側圧縮空間(4a)と内周側圧縮空間(6a)とに仕切る仕切部(133)とを有し、
可動スクロールは、固定基板に対し上記軸方向に対向する可動基板(121)と、可動基板から外周側圧縮空間内へ突出するとともに渦巻き形状を成す外周側可動ラップ(122)と、可動基板から内周側圧縮空間内へ突出するとともに渦巻き形状を成す内周側可動ラップ(123)とを有し、
外周側圧縮空間は、固定ラップの渦巻き形状に沿った渦巻き方向において仕切部に対し外周側に配置され、可動スクロールの旋回移動に伴い外周側可動ラップによって流体が圧縮される外周側圧縮室(130c、130d)とその外周側圧縮室へ流体を吸気させるための外周側吸気室(130j)とを含み、
内周側圧縮空間は、固定ラップの渦巻き形状に沿った渦巻き方向において仕切部に対し内周側に配置され、可動スクロールの旋回移動に伴い内周側可動ラップによって流体が圧縮される内周側圧縮室(130e、130f)とその内周側圧縮室へ流体を吸気させるための内周側吸気室(130k)とを含み、
固定基板は、上記軸方向の一方側とは反対側である他方側を向き且つ外周側圧縮空間の底面を構成する外周側固定基板面(131a)と、上記軸方向の他方側を向き且つ内周側圧縮空間の底面を構成する内周側固定基板面(131b)とを有し、
内周側固定基板面は、外周側固定基板面よりも上記軸方向の一方側に位置し、
固定基板には、上記軸方向で固定基板の一方側に配置された外周側吐出室(925)と、外周側圧縮空間と外周側吐出室との間を連通し外周側圧縮室で圧縮された流体を外周側吐出室へ流す外周側吐出ポート(913)と、内周側圧縮空間と外周側吐出室との間を連通し外周側吐出室の流体を内周側圧縮室へ流す内周側吸入ポート(921)とが形成され、
内周側吸入ポートの流路断面積(AHs)は、外周側吐出ポートの流路断面積(ALd)よりも大きい。
上述のように、内周側吸入ポートの流路断面積は外周側吐出ポートの流路断面積よりも大きいので、外周側吐出ポートから内周側吸入ポートを経て内周側圧縮室へ導入される流体の流れが内周側吸入ポートで絞られにくくなる。従って、内周側圧縮室へ流体が流入するときの流入損失を低減することが可能である。
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
第1実施形態において、スクロール圧縮機の軸線を含む平面でスクロール圧縮機を切断した断面を示した断面図である。 第1実施形態のスクロール圧縮機を含む冷凍サイクルの概略構成を示した冷媒回路図の一例である。 図1のうち、スクロール圧縮機が有する圧縮機構を拡大図示した拡大図である。 図1のIV−IV断面を示した断面図であって、外周側圧縮空間と内周側圧縮空間との渦巻き形状を表した図である。 図1のV−V断面を示した断面図であって、固定スクロールの固定基板を下側から見た図である。 図5のVI−VI断面を示した断面図であって、外周側逆止弁と外周側吐出ポートと外周側吐出室とを示した図である。 図5のVII−VII断面を示した断面図であって、内周側逆止弁と内周側吐出ポートと内周側吐出室とを示した図である。 図5のうち、外周側吐出室と内周側吐出室とそれらの周辺とを抜粋して示した図である。 第2実施形態において内周側逆止弁と内周側吐出ポートと内周側吐出室とを示した断面図であって、図7に相当する図である。 第3実施形態において内周側逆止弁と内周側吐出ポートと内周側吐出室とを示した断面図であって、図7に相当する図である。 第4実施形態において内周側逆止弁と内周側吐出ポートと内周側吐出室とを示した断面図であって、図7に相当する図である。 第5実施形態において図1のIV−IV断面を示した断面図であって、図4に相当する図である。 第5実施形態において図12のXIII−XIII断面を示した断面図であって、外周側吐出ポートと内周側吸入ポートとを1つの図に表した図である。 第5実施形態において固定スクロールの固定基板を下側から見た断面図であって、図5に相当する図である。 第6実施形態において図12のXIII−XIII断面を示した断面図であって、図13に相当する図である。 第7実施形態のスクロール圧縮機を含む冷凍サイクルの概略構成を示した冷媒回路図であって、図2に相当する図である。
以下、図面を参照しながら、各実施形態を説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
本実施形態において、図1に示すスクロール圧縮機2は、図2に示す冷凍サイクル70の一部を構成している。すなわち、本実施形態のスクロール圧縮機2は、冷凍サイクル70に循環する作動流体である冷媒を吸入し、その吸入した冷媒を圧縮してから吐出する。
また、冷媒回路図の一例である図2は、本実施形態のスクロール圧縮機2を含む冷凍サイクル70が、2段圧縮サイクルすなわちガスインジェクションサイクルとして構成されている場合の形態を示している。従って、図2に示されたの冷凍サイクル70では、中間圧の冷媒がスクロール圧縮機2にてインジェクションされる。その中間圧とは、冷凍サイクル70における最低の冷媒圧力よりも高く且つ冷凍サイクル70における最高の冷媒圧力よりも低い圧力である。図2の冷凍サイクル70は蒸気圧縮式の超臨界冷凍サイクルであり、その冷凍サイクル70に循環する冷媒は、例えば二酸化炭素(すなわち、CO2)である。
具体的に図2の冷凍サイクル70は、2段圧縮サイクルのうち気液分離サイクルと呼ばれるものである。図2に示すように、冷凍サイクル70は、スクロール圧縮機2のほかに、ガスクーラ71と上段膨張弁72と気液分離器73と下段膨張弁74とエバポレータ75とを有している。図2の冷凍サイクル70では、スクロール圧縮機2から吐出された冷媒はガスクーラ71へ流れ、ガスクーラ71はその冷媒から放熱させる。
ガスクーラ71にて放熱した冷媒は、上段膨張弁72にて減圧膨張させられ、上段膨張弁72から気液二相となって気液分離器73へと流れる。気液分離器73では気液二相の冷媒が気相冷媒と液相冷媒とに分離され、液相冷媒は気液分離器73から下段膨張弁74へと流れる。その一方で、気液分離器73の気相冷媒は気液分離器73からスクロール圧縮機2へ導入される。この気液分離器73からの気相冷媒が、上記の中間圧の冷媒である。
下段膨張弁74へ流入した冷媒はその下段膨張弁74にて減圧膨張させられ、その減圧膨張後の冷媒はエバポレータ75へ流れる。そして、エバポレータ75はその冷媒に吸熱させることによりその冷媒を蒸発させ、蒸発後の気相冷媒はエバポレータ75からスクロール圧縮機2へ吸入される。この吸入された冷媒は、スクロール圧縮機2の1段目の圧縮で中間圧になるまで圧縮される。その1段目の圧縮後の冷媒は、スクロール圧縮機2内にて、気液分離器73から導入された中間圧の冷媒と合流し、その合流後の冷媒は、スクロール圧縮機2の2段目の圧縮で中間圧から更に昇圧され、その2段目の圧縮後の冷媒は、スクロール圧縮機2からガスクーラ71へ吐出される。
図1に示すように、スクロール圧縮機2はスクロール式の電動圧縮機である。スクロール圧縮機2は、冷媒を圧縮する圧縮機構40と、圧縮機構40を駆動する電動モータ31とを上下方向(言い換えれば、縦方向)に配置した縦置きタイプになっている。スクロール圧縮機2は、圧縮機構40および電動モータ31に加え、密閉ハウジング3等を備えている。
密閉ハウジング3は、スクロール圧縮機2の外殻を成し気密に構成された密閉容器である。密閉ハウジング3は、大まかには両端が塞がれた円筒形状を成している。そして、密閉ハウジング3は、その内部に、圧縮機構40および電動モータ31を収容している。
本実施形態のスクロール圧縮機2では、密閉ハウジング3内において、圧縮機構40は、電動モータ31に対し、軸線Sの軸方向DRaの一方側に配置されている。なお、以下の説明では、軸線Sの軸方向DRaを圧縮機軸方向DRaと呼ぶ場合がある。また、本実施形態では圧縮機軸方向DRaは上下方向に一致し、圧縮機軸方向DRaの一方側は下側になり、圧縮機軸方向DRaの一方側とは反対側である他方側は上側になっているが、圧縮機軸方向DRaと上下方向との関係はこれに限られるわけではない。
電動モータ31は、ロータ32とステータ33とを有し、ロータ32には、出力軸34が一体的に結合されている。上記の軸線Sは、この出力軸34の回転中心としての軸線であるので、ロータ32の回転中心としての軸線でもある。
出力軸34は、ロータ挿通軸部341と鍔部342と下端部343とを有している。このロータ挿通軸部341と鍔部342と下端部343は一体構成となっている。ロータ挿通軸部341は、軸線Sを中心軸線として有する回転軸であり、ロータ32の内側に挿通されている。その一方で、鍔部342と下端部343は、ロータ32よりも下側に設けられている。
出力軸34の鍔部342は、軸線Sを中心とする径方向DRrへ鍔状に張り出すように形成されている。また、その鍔部342にはバランスウェイト344が設けられている。以下の説明では、軸線Sを中心とする径方向DRrを圧縮機径方向DRrとも呼ぶ。
ロータ挿通軸部341の上端部はロータ32から上側へ突き出て、密閉ハウジング3に固定された軸受部材27内に挿入されている。また、鍔部342に連結するロータ挿通軸部341の下端部はロータ32から下側へ突き出て、密閉ハウジング3に固定されたミドルハウジング110の軸受部111内に挿入されている。これにより、出力軸34は、軸線Sまわりに回転できるように支持されている。
圧縮機構40は、可動スクロール120と、固定スクロール130と、自転防止機構としてのオルダムリング150とを備えている。可動スクロール120はミドルハウジング110に対し下側に配置され、固定スクロール130は可動スクロール120に対し下側に配置されている。
可動スクロール120は、固定スクロール130に対し自転を伴わずに軸線Sまわりに旋回移動する可動側部材である。固定スクロール130は、密閉ハウジング3に対して固定された非回転部材としての固定側部材である。
図3および図4に示すように、可動スクロール120は、略円板形状の可動基板121と、渦巻き形状を成す外周側可動ラップ122と、渦巻き形状を成す内周側可動ラップ123とを有している。外周側可動ラップ122と内周側可動ラップ123は、可動基板121から下側(すなわち、圧縮機軸方向DRaの一方側)へ突出している。なお、図1、図3では、逆止弁42、44の図示は省略されている。
固定スクロール130は、略円板状の固定基板131と、渦巻き形状を成す固定ラップ132と、仕切部133とを有している。固定基板131は、可動スクロール120に対し下側(すなわち、圧縮機軸方向DRaの一方側)に配置されている。従って、固定基板131は可動基板121に対し下側に配置されている。また、固定基板131と可動基板121は、圧縮機軸方向DRaに互いに対向している。固定ラップ132と仕切部133は、固定基板131から可動スクロール120側(すなわち、圧縮機軸方向DRaの他方側)へ突き出るように設けられている。そして、固定スクロール130のうちの仕切部133も含め、固定スクロール130における圧縮機軸方向DRaの他方側の面は、圧縮機軸方向DRaの他方側を向いた一定の平面または略一定の平面で出来ている。
仕切部133は、固定ラップ132のうち圧縮機径方向DRrに隣り合う異なる2つの部分を、圧縮機径方向DRrに連結する。この仕切部133によって、固定基板131と固定ラップ132と可動基板121とによって囲まれる渦巻き形状の空間4a、6aが、圧縮機径方向DRrの内側と外側との2つに仕切られる。すなわち、仕切部133は、その渦巻き形状の空間4a、6aを、圧縮機径方向DRrの外側の空間である外周側圧縮空間4aと、圧縮機径方向DRrの内側の空間である内周側圧縮空間6aとに仕切る。その外周側圧縮空間4aおよび内周側圧縮空間6aは何れも渦巻き形状を成している。
内周側圧縮空間6aは、固定ラップ132の渦巻き形状に沿った渦巻き方向DRwである固定ラップ渦巻方向DRwにおいて外周側圧縮空間4aよりも内周側に設けられている。すなわち、外周側圧縮空間4aは仕切部133に対して固定ラップ渦巻方向DRwの外周側に配置され、内周側圧縮空間6aは、仕切部133に対して固定ラップ渦巻方向DRwの内周側に配置されている。
また、外周側可動ラップ122は可動基板121から外周側圧縮空間4a内へ突出し、その外周側圧縮空間4aにて冷媒を圧縮する。内周側可動ラップ123は可動基板121から内周側圧縮空間6a内へ突出し、その内周側圧縮空間6aにて冷媒を圧縮する。外周側可動ラップ122と内周側可動ラップ123は、同じインボリュート曲線上の外周側と内周側に位置する。そして、固定ラップ132は、外周側圧縮空間4aと内周側圧縮空間6aとの両方を囲うように設けられている。
なお、固定ラップ132のうち固定ラップ渦巻方向DRwの内周側の端部は固定ラップ132の巻き始め(別言すれば、伸開始め)であり、固定ラップ渦巻方向DRwの外周側の端部は固定ラップ132の巻き終りである。これと同様に、外周側可動ラップ122のうち外周側可動ラップ122の渦巻き方向の内周側の端部は外周側可動ラップ122の巻き始めであり、外周側の端部は外周側可動ラップ122の巻き終りである。また、内周側可動ラップ123のうち内周側可動ラップ123の渦巻き方向の内周側の端部は内周側可動ラップ123の巻き始めであり、外周側の端部は内周側可動ラップ123の巻き終りである。
図1に示すように、可動基板121の上側には、上側を向いて円筒状に突き出た軸嵌入部124が形成されている。その軸嵌入部124は可動基板121の中央部分に配置されており、軸嵌入部124には、出力軸34の下端部343が嵌め入れられている。また、出力軸34の下端部343は、軸線Sに対して偏心した偏心部になっている。
また、圧縮機構40は、可動スクロール120の自転を防止するオルダムリング150を有している。そのため、可動スクロール120は自転することなく、出力軸34の回転に伴い、軸線Sを中心とした環状の軌跡に沿って固定スクロール130に対し旋回移動する。要するに、可動スクロール120は、軸線Sを公転中心として図4の矢印Rtの方向へ公転運動をする。
図4に示すように、外周側可動ラップ122は外周側圧縮空間4a内に挿入されて固定ラップ132と係合している。そして、内周側可動ラップ123は内周側圧縮空間6a内に挿入されて固定ラップ132と係合している。すなわち、外周側可動ラップ122は外周側圧縮空間4aにて固定ラップ132と噛み合い、内周側可動ラップ123は内周側圧縮空間6aにて固定ラップ132と噛み合っている。
このように固定ラップ132と外周側可動ラップ122とが互いに係合しているので、図4に示すように、外周側圧縮空間4aでは、外周側可動ラップ122を挟んで複数の外周側圧縮室130c、130dが形成される。外周側圧縮空間4aは、それらの外周側圧縮室130c、130dと、その外周側圧縮室130c、130dへ冷媒を吸気させるための外周側吸気室130jとを含んでいる。
詳細に言えば、固定ラップ132と外周側可動ラップ122は相互に噛み合って複数箇所で接触し、それによって外周側圧縮室130c、130dを形成している。その外周側圧縮室130c、130dは何れも、外周側可動ラップ122と固定ラップ132との間に挟まれる。そして、外周側圧縮室130c、130dでは、可動スクロール120の旋回移動に伴い、外周側可動ラップ122によって冷媒が圧縮される。
また、固定ラップ132と内周側可動ラップ123とが互いに係合しているので、内周側圧縮空間6aでは、内周側可動ラップ123を挟んで複数の内周側圧縮室130e、130fが形成される。内周側圧縮空間6aは、それらの内周側圧縮室130e、130fと、その内周側圧縮室130e、130fへ冷媒を吸気させるための内周側吸気室130kとを含んでいる。
詳細に言えば、固定ラップ132と内周側可動ラップ123は相互に噛み合って複数箇所で接触し、それによって内周側圧縮室130e、130fを形成している。その内周側圧縮室130e、130fは何れも、内周側可動ラップ123と固定ラップ132の間に挟まれる。そして、内周側圧縮室130e、130fでは、可動スクロール120の旋回移動に伴い、内周側可動ラップ123によって冷媒が圧縮される。
図4に示すように、固定ラップ132の先端面には、弾性体で構成されたチップシール132tが設けられている。このチップシール132tは、固定ラップ132の渦巻き形状に沿って延びており、固定ラップ132の先端面とその先端面に対向する可動基板121との間の隙間を塞ぎ、その隙間を通る冷媒漏れを防止する。
なお、固定ラップ132と同様に、外周側可動ラップ122および内周側可動ラップ123のそれぞれの先端面にもチップシールが設けられ、そのチップシールは、それぞれの可動ラップ122、123の渦巻き形状に沿って延びている。可動ラップ122、123のチップシールも、固定ラップ132のチップシール132tと同様の役割を果たす。
上述のように本実施形態の固定ラップ132および可動ラップ122、123のそれぞれの先端にはチップシールが設けられているが、そのチップシールを不要とする構造もある。例えば、可動スクロール120に対する圧縮機軸方向DRaの他方側に背圧室を設け、可動スクロール120を圧縮機軸方向DRaの一方側へ押付けること、すなわち可動スクロール120を固定スクロール130に押付けることで、各ラップ122、123、132の先端にチップシールを設置せずに、冷媒漏れを防止することも可能である。
図3および図4に示すように、外周側圧縮空間4aおよび内周側圧縮空間6aは、渦巻き状に延びる溝形状を成している。すなわち、外周側圧縮空間4aおよび内周側圧縮空間6aは、スクロール溝として固定スクロール130に形成されている。
固定基板131は、溝状の外周側圧縮空間4aの底面を構成する外周側固定基板面131aと、溝状の内周側圧縮空間6aの底面を構成する内周側固定基板面131bとを有している。その外周側固定基板面131aと内周側固定基板面131bは何れも、圧縮機軸方向DRaの他方側を向いた面であり、要するに、圧縮機軸方向DRaを法線方向とする上向き面である。そして、外周側固定基板面131aは外周側圧縮空間4aに面し、内周側固定基板面131bは内周側圧縮空間6aに面している。
また、固定ラップ132は固定基板131から上側へ突き出ているので、外周側固定基板面131aおよび内周側固定基板面131bは何れも、圧縮機軸方向DRaでの固定ラップ132の根元側端部に連結している。
外周側固定基板面131aと内周側固定基板面131bは同一平面上にはなく、内周側固定基板面131bは、外周側固定基板面131aよりも圧縮機軸方向DRaの一方側(具体的には、下側)に位置している。従って、圧縮機軸方向DRaにおける可動基板121から内周側固定基板面131bまでの距離は、圧縮機軸方向DRaにおける可動基板121から外周側固定基板面131aまでの距離よりも長い。そのため、圧縮機軸方向DRaにおける内周側可動ラップ123の突出高さHi(すなわち、内周側可動ラップ123の歯丈Hi)は、外周側可動ラップ122の突出高さHo(すなわち、外周側可動ラップ122の歯丈Ho)よりも大きい。その内周側可動ラップ123の突出高さHiとは、内周側可動ラップ123の歯元から先端(すなわち、歯先)までの長さであり、外周側可動ラップ122の突出高さHoとは、外周側可動ラップ122の歯元から先端までの長さである。
そして、圧縮機軸方向DRaで内周側固定基板面131bの位置を歯元位置とした固定ラップ132の歯丈である内周側固定ラップ歯丈は、内周側可動ラップ123の歯丈Hiと同一または略同一である。圧縮機軸方向DRaで外周側固定基板面131aの位置を歯元位置とした固定ラップ132の歯丈である外周側固定ラップ歯丈は、外周側可動ラップ122の歯丈Hoと同一または略同一である。従って、内周側固定ラップ歯丈は外周側固定ラップ歯丈よりも大きい。
図4および図5に示すように、固定基板131には、外周側吸入ポート911と外周側吐出ポート913と内周側吸入ポート921と内周側吐出ポート923と内周側吐出室924と外周側吐出室925とが形成されている。
外周側吸入ポート911は、外周側圧縮空間4aの渦巻き方向の外周側において、外周側圧縮空間4aに対し圧縮機径方向DRrの外側から連通している。外周側圧縮空間4aのうち、外周側吸入ポート911と連通している部分は、外周側吸気室130jとして機能する。
また、外周側吸入ポート911には、固定基板131に形成された冷媒流路を介して、エバポレータ75(図2参照)の冷媒出口が接続されている。従って、そのエバポレータ75から流出した冷媒は、外周側吸入ポート911を介して外周側圧縮空間4aへ吸入される。
図4〜図6に示すように、外周側吐出ポート913は、外周側圧縮空間4aと外周側吐出室925との間を連通し、外周側圧縮室130c、130dで圧縮された冷媒を外周側吐出室925へ流す。
詳細には、外周側吐出ポート913は、外周側圧縮空間4aのうちその外周側圧縮空間4aの渦巻き方向の内周端部に面する部分おいて外周側圧縮空間4aに対して開口している。従って、外周側吐出ポート913は、外周側圧縮空間4aの渦巻き方向において、外周側吸入ポート911よりも内周側に配置されている。
この外周側吐出ポート913には、外周側圧縮空間4aから冷媒が圧縮されて流入する。従って、外周側圧縮空間4aにおいて、外周側吸気室130jには外周側吸入ポート911から冷媒が流入し、外周側圧縮室130c、130dがこの冷媒の一部を含みながら外周側吸気室130jから分離するように形成される。そして、各外周側圧縮室130c、130dの容積変化(詳細に言えば、容積縮小)により圧縮された冷媒は各外周側圧縮室130c、130dから外周側吐出ポート913を通って外周側吐出室925へ流出する。詳細には、可動スクロール120の旋回移動に伴ってそれらの圧縮室130c、130dが互いに連通して合体し、圧縮室130c、130dで圧縮された冷媒は外周側吐出ポート913を通って外周側吐出室925へ流出する。
図4および図5に示すように、内周側吸入ポート921は、内周側圧縮空間6aと外周側吐出室925との間を連通し、外周側吐出室925の冷媒を後述の内周側吸気室130kを経て内周側圧縮室130e、130fへ流す。
詳細には、内周側吸入ポート921は、内周側圧縮空間6aの渦巻き方向の外周側にて内周側圧縮空間6aへ連通している。従って、内周側吸入ポート921を通った直後の冷媒は、内周側圧縮空間6aへ吸入される。
そして、内周側吸入ポート921は、固定基板131に形成された外周側吐出室925を介して外周側吐出ポート913へ連通している。すなわち、外周側吐出ポート913は、外周側圧縮空間4aから外周側吐出室925へ冷媒を吐き出し、内周側吸入ポート921は、外周側吐出ポート913が吐き出した冷媒を外周側吐出室925から内周側圧縮空間6aに導入する。内周側圧縮空間6aのうち、内周側吸入ポート921と連通している部分は、内周側吸気室130kとして機能する。
このような冷媒流れから、可動スクロール120の旋回移動に伴って、外周側圧縮空間4aでは冷媒が圧縮されると共に、内周側圧縮空間6aでは、外周側圧縮空間4aで圧縮された冷媒が更に圧縮される。すなわち、外周側圧縮空間4aは低段側の圧縮部であり、外周側可動ラップ122は低段側の可動ラップである。その一方で、内周側圧縮空間6aは高段側の圧縮部であり、内周側可動ラップ123は高段側の可動ラップである。要するに、本実施形態のスクロール圧縮機2では、冷媒に対し2段階の圧縮が行われる。
図4、図5、図7に示すように、内周側吐出ポート923は、内周側圧縮空間6aと内周側吐出室924との間を連通し、内周側圧縮室130e、130fで圧縮された冷媒を内周側吐出室924へ流す。
詳細には、内周側吐出ポート923は、内周側圧縮空間6aのうちその内周側圧縮空間6aの渦巻き方向の内周端部に面する部分おいて内周側圧縮空間6aに対して開口している。従って、内周側吐出ポート923は、内周側圧縮空間6aの渦巻き方向において、内周側吸入ポート921よりも内周側に配置されている。
この内周側吐出ポート923には、内周側圧縮空間6aから冷媒が圧縮されて流入する。従って、内周側圧縮空間6aにおいて、内周側吸気室130kには内周側吸入ポート921から冷媒が流入し、内周側圧縮室130e、130fがこの冷媒の一部を含みながら内周側吸気室130kから分離するように形成される。そして、内周側圧縮室130e、130fの容積変化(詳細に言えば、容積縮小)により圧縮された冷媒は内周側吐出ポート923を通って内周側吐出室924に流出する。詳細には、可動スクロール120の旋回移動に伴ってそれらの圧縮室130e、130fが互いに連通して合体し、圧縮室130e、130fで圧縮された冷媒は内周側吐出ポート923を通って内周側吐出室924に流出する。
内周側吐出室924は、内周側圧縮空間6aから内周側吐出ポート923を通って排出された冷媒が流入する空間である。この内周側吐出室924は、圧縮機軸方向DRaで固定基板131の一方側、すなわち、固定基板131を基準として可動スクロール120側とは反対側に配置されている。そして、図3に示すように、圧縮機軸方向DRaにおける内周側吐出室924の一方側(具体的には下側)は、吐出プレート140によって塞がれている。この吐出プレート140は、固定スクロール130の下側の面に対して、不図示のガスケットを介して取り付けられた板状の部材である。
これらの吐出プレート140とガスケットにより、内周側吐出室924と、外周側吐出室925と、密閉ハウジング3内で圧縮機構40周りに設けられた空間である圧縮機構周辺空間とが互いに区分されている。そして、その内周側吐出室924の内圧(すなわち、吐出圧)と外周側吐出室925の内圧(すなわち、中間圧)と圧縮機構周辺空間の内圧との圧力差を保持できるようになっている。その圧縮機構周辺空間の内圧は、外周側吸入ポート911の冷媒圧力である吸気圧力と同一または略同一の圧力になっている。
吐出流路931は、内周側吐出室924にある冷媒、すなわち内周側圧縮空間6aにおいて圧縮された後の高圧冷媒を、スクロール圧縮機2の外部に向けて排出する流路であり、固定基板131内に形成されている。本実施形態では、吐出流路931はガスクーラ71(図2参照)の冷媒入口に接続されているので、内周側吐出室924の高圧冷媒は、ガスクーラ71へと吐出される。なお、図2の点P2oは、内周側吐出室924の高圧冷媒の状態を示している。
図3および図5に示すように、固定基板131には中間インジェクション流路951が形成されている。この中間インジェクション流路951は、スクロール圧縮機2の外部から外周側吐出室925にインジェクションされる中間圧の冷媒が通る流路である。本実施形態では、気液分離器73(図2参照)から流出した中間圧の気相冷媒が、中間インジェクション流路951を通って外周側吐出室925に導入される。
外周側吐出室925は、外周側吐出ポート913と中間インジェクション流路951とのそれぞれから中間圧の冷媒が流入する中間圧室である。この外周側吐出室925は、圧縮機軸方向DRaで固定基板131の一方側、すなわち、固定基板131を基準として可動スクロール120側とは反対側に配置されている。そして、図3に示すように、圧縮機軸方向DRaにおける外周側吐出室925の一方側(具体的には下側)は、内周側吐出室924と同様に、吐出プレート140によって塞がれている。
中間インジェクション流路951を通った後の冷媒は、外周側吐出室925において、外周側吐出ポート913から外周側吐出室925に流入した冷媒と合流する。合流後の冷媒は、内周側吸入ポート921を通って内周側圧縮空間6aへ流入する。
なお、図2の点P1oは、外周側吐出ポート913から吐出された冷媒が中間インジェクション流路951からの冷媒と合流する前の状態を示している。そして、点P2iは、外周側吐出ポート913から吐出された冷媒と中間インジェクション流路951からの冷媒とが合流した後の冷媒の状態を示している。
図5〜図7に示すように、圧縮機構40は、内周側吐出室924に設けられた内周側逆止弁42と、外周側吐出室925に設けられ外周側逆止弁44とを有している。なお、図6および図7では、可動スクロール120および吐出プレート140の図示は省略されている。
図5および図7に示すように、内周側逆止弁42は、内周側吐出ポート923から内周側吐出室924への冷媒流れを許容する一方で内周側吐出室924から内周側吐出ポート923への冷媒流れを止めるものである。内周側逆止弁42は、内周側吐出ポート923の冷媒圧力の方が内周側吐出室924の冷媒圧力よりも高くなり且つそれらの冷媒圧力の差が所定の開弁圧を超えた場合に、内周側吐出ポート923を開く。
具体的に、内周側逆止弁42は内周側逆止弁体421と弁体押え422とを有し、その内周側逆止弁体421と弁体押え422は共に、内周側固定部材423によって固定基板131に固定されている。その内周側固定部材423は、本実施形態では固定基板131に螺合されたネジである。
詳細には、固定基板131は、内周側吐出室924に圧縮機軸方向DRaの他方側から面する内周側吐出室底面131cを有している。この内周側吐出室底面131cは、例えば内周側固定基板面131bと平行な平面で構成されている。そして、内周側固定部材423は、その内周側吐出室底面131cに設けられたネジ穴へ螺合されることで、内周側逆止弁42を内周側吐出室底面131cに対して固定している。この内周側吐出室底面131cには、内周側吐出ポート923が開口している。
内周側逆止弁体421は圧縮機軸方向DRaを板厚方向とした薄肉の板材であり、湾曲するように弾性変形可能となっている。内周側逆止弁体421と弁体押え422は内周側吐出室底面131cに対して圧縮機軸方向DRaに積層されるように配置され、内周側逆止弁体421は、内周側吐出室底面131cと弁体押え422との間に挟まれている。
内周側逆止弁体421は、内周側固定部材423によって固定基板131に固定された弁体固定部421aと、内周側吐出ポート923を開閉するポート開閉部421bとを有している。そして、内周側逆止弁42は、ポート開閉部421bが固定基板131のうちの内周側吐出ポート923周りの部位131dから離れるように内周側逆止弁体421が撓むことによって内周側吐出ポート923を開放する。別言すれば、内周側逆止弁体421は、弁体固定部421aを内周側吐出室底面131cに密着させたままポート開閉部421bが内周側吐出室底面131cから離れるように反らされることで、内周側吐出ポート923を開放する。
内周側逆止弁42の弁体押え422は、内周側逆止弁体421と比較して高い曲げ剛性を備えている。そして、その弁体押え422は、内周側逆止弁体421が内周側吐出ポート923を開放する際に反るように撓む撓み量を、一定限度以下に制限し、内周側逆止弁体421に異常な曲げ応力が発生するのを抑えている。
図5および図6に示すように、外周側逆止弁44は、外周側吐出ポート913から外周側吐出室925への冷媒流れを許容する一方で外周側吐出室925から外周側吐出ポート913への冷媒流れを止めるものである。外周側逆止弁44は、外周側吐出ポート913の冷媒圧力の方が外周側吐出室925の冷媒圧力よりも高くなり且つそれらの冷媒圧力の差が所定の開弁圧を超えた場合に、外周側吐出ポート913を開く。
具体的に、外周側逆止弁44は外周側逆止弁体441と弁体押え442とを有し、その外周側逆止弁体441と弁体押え442は共に、外周側固定部材443によって固定基板131に固定されている。その外周側固定部材443は、本実施形態では固定基板131に螺合されたネジである。
詳細には、固定基板131は、外周側吐出室925に圧縮機軸方向DRaの他方側から面する外周側吐出室底面131eを有している。この外周側吐出室底面131eは、例えば内周側固定基板面131bと平行な平面で構成されている。そして、外周側固定部材443は、その外周側吐出室底面131eに設けられたネジ穴へ螺合されることで、外周側逆止弁44を外周側吐出室底面131eに対して固定している。この外周側吐出室底面131eには、外周側吐出ポート913と内周側吸入ポート921とが開口している。
外周側逆止弁44は、内周側逆止弁42と比較して基本的に同様の構造を備えている。具体的には、外周側逆止弁体441は圧縮機軸方向DRaを板厚方向とした薄肉の板材であり、湾曲するように弾性変形可能となっている。そして、外周側逆止弁体441と弁体押え442は外周側吐出室底面131eに対して圧縮機軸方向DRaに積層されるように配置され、外周側逆止弁体441は、外周側吐出室底面131eと弁体押え442との間に挟まれている。
外周側逆止弁体441は、外周側固定部材443によって固定基板131に固定された弁体固定部441aと、外周側吐出ポート913を開閉するポート開閉部441bとを有している。そして、外周側逆止弁体441は、ポート開閉部441bが固定基板131のうちの外周側吐出ポート913周りの部位131fから離れるように外周側逆止弁体441が撓むことによって外周側吐出ポート913を開放する。別言すれば、外周側逆止弁体441は、弁体固定部441aを外周側吐出室底面131eに密着させたままポート開閉部441bが外周側吐出室底面131eから離れるように反らされることで、外周側吐出ポート913を開放する。
外周側逆止弁44の弁体押え442は、外周側逆止弁体441と比較して高い曲げ剛性を備えている。そして、その弁体押え442は、外周側逆止弁体441が外周側吐出ポート913を開放する際に反るように撓む撓み量を、一定限度以下に制限し、外周側逆止弁体441に異常な曲げ応力が発生するのを抑えている。
また、図5および図7に示すように、本実施形態では、固定基板131において内周側吐出室924は、外周側圧縮空間4aに対し圧縮機軸方向DRaの一方側に重なる箇所にまで拡がっている。要するに、内周側吐出室924は、固定基板131において外周側圧縮空間4aの裏側にまで拡がっている。
また、内周側逆止弁体421と弁体押え422は、外周側圧縮空間4aに対し圧縮機軸方向DRaの一方側に重なる箇所にまで延びている。そして、内周側固定部材423と内周側逆止弁体421の弁体固定部421aは、外周側圧縮空間4aに対し圧縮機軸方向DRaの一方側に重なるように配置されている。
また、図6〜図8に示すように、内周側逆止弁体421の弁体固定部421aと内周側吐出ポート923との距離DSiは、外周側逆止弁体441の弁体固定部441aと外周側吐出ポート913との距離DSoよりも長くなっている。その弁体固定部421aと内周側吐出ポート923との距離DSiは例えば内周側吐出室底面131cに沿った距離である。また、弁体固定部441aと外周側吐出ポート913との距離DSoは例えば外周側吐出室底面131eに沿った距離である。
次に、上述のような構成のスクロール圧縮機2の作動について説明する。図1に示す電動モータ31に電力が供給されると、出力軸34が回転して、可動スクロール120が軸線Sまわりに旋回移動する。このとき、自転防止機構であるオルダムリング150の作用によって、可動スクロール120は自転することなく軸線Sを中心として公転する。従って、外周側可動ラップ122と内周側可動ラップ123が同期して公転する。
この公転によって、外周側可動ラップ122と固定ラップ132との間に吸気室および圧縮室が形成され、内周側可動ラップ123と固定ラップ132の間にも吸気室および圧縮室が形成される。
詳細には図4に示すように、外周側可動ラップ122の公転の進行に伴って、外周側可動ラップ122が外周側吸気室130jから外周側圧縮室130c、130dを分離する。さらに、外周側可動ラップ122が外周側圧縮室130c、130dの体積を押し縮めながら外周側圧縮室130c、130dを渦巻き方向の外周側から内周側へ移動させる。
これにより、外周側吸入ポート911から外周側吸気室130jに吸入された冷媒が、外周側圧縮室130c、130d内で、渦巻き方向の外周側から内周側へ移動しながら圧縮されて圧力上昇する。そして、外周側圧縮室130c、130dで圧縮されて中間圧となった冷媒が、外周側吐出ポート913から図5の外周側吐出室925に吐出される。
外周側吐出室925では、外周側吐出ポート913から吐出された冷媒と、中間インジェクション流路951から流入する冷媒とが混合される。そして、混合後の冷媒が、外周側吐出室925から内周側吸入ポート921を通って図4の内周側吸気室130kに流入する。
また、内周側可動ラップ123の公転の進行に伴って、内周側可動ラップ123が内周側吸気室130kから内周側圧縮室130e、130fを分離する。さらに、内周側可動ラップ123が内周側圧縮室130e、130fの体積を押し縮めながら内周側圧縮室130e、130fを渦巻き方向の外周側から内周側へ移動させる。
これにより、内周側吸入ポート921から内周側吸気室130kに吸入された冷媒が、内周側圧縮室130e、130f内で、渦巻き方向の外周側から内周側に移動しながら圧縮されて圧力上昇する。そして、内周側圧縮室130e、130fで圧縮されて高圧となった冷媒は、図1の内周側吐出ポート923から内周側吐出室924、吐出流路931をこの順に通り、スクロール圧縮機2の外部に吐出される。このようにして、スクロール圧縮機2は、図2の冷凍サイクル70のエバポレータ75から吸入した冷媒を圧縮し、その圧縮した冷媒をガスクーラ71へ吐出することができる。以上が、スクロール圧縮機2の作動説明である。
上述したように、本実施形態によれば、図7に示すように、内周側逆止弁42は、内周側固定部材423によって固定基板131に固定されている。そして、その内周側固定部材423は、外周側圧縮空間4aに対し圧縮機軸方向DRaの一方側に重なるように配置されている。
これにより、例えば内周側固定部材423が外周側圧縮空間4aではなく内周側圧縮空間6aに対し圧縮機軸方向DRaの一方側に重なるように配置されている場合に比して、内周側逆止弁42を固定基板131に固定するための肉厚を大きく確保できる。別言すれば、内周側逆止弁42を固定するために必要とされる固定基板131の厚さを最少化できる。従って、その分、デッドボリュームとしての内周側吐出ポート923の容積を圧縮機軸方向DRaに小さくできるので、スクロール圧縮機2の圧縮効率と体積効率とを向上させることが可能である。
ここで、強度確保などの観点から、内周側吐出ポート923では外周側吐出ポート913との比較でポート径を大きくし難い。これに対し、本実施形態によれば、図6〜図8に示すように、内周側逆止弁体421の弁体固定部421aと内周側吐出ポート923との距離DSiは、外周側逆止弁体441の弁体固定部441aと外周側吐出ポート913との距離DSoよりも長い。従って、内周側逆止弁体421のリード長さを長くして内周側逆止弁体421が撓む際のバネ定数を小さくできるので、内周側逆止弁42の開弁圧を小さくでき、過圧縮低減による圧縮効率の向上を図ることが可能である。
また、本実施形態のスクロール圧縮機2のように2段圧縮を行うスクロール圧縮機では、中間インジェクション流路951からの中間圧の冷媒が、外周側吐出ポート913から吐出された冷媒に合流する。従って、外周側吐出ポート913から吐出される吐出し流量と比較して、内周側吐出ポート923から吐出される吐出し流量の方が多くなる。そのため、2段圧縮を行うスクロール圧縮機では、一般的に、内周側圧縮室130f、130eの冷媒は、外周側圧縮室130c、130dの冷媒と比較して過圧縮になりやすい傾向にある。
従って、上記のように内周側逆止弁42の開弁圧を小さくできることは、本実施形態のように2段圧縮を行うスクロール圧縮機2において特に良好な効果を奏する。
なお、内周側逆止弁体421のバネ定数を小さくして内周側逆止弁体421を動きやすくするために、例えば内周側逆止弁体421の板厚を下げることや内周側逆止弁体421の幅を狭めることも想定されるが、これらの方法でバネ定数を小さくのは好ましくない。なぜなら、そのようにした場合、内周側逆止弁体421が内周側吐出ポート923の開閉とは関係のない変形を生じ易くなり、内周側逆止弁42の信頼性低下やバルブ挙動変化による騒音増加などの悪影響があり得るからである。
また、図3に示すように、固定基板131において、内周側吐出室924の深さは、外周側吐出室925の深さと同じになっている。すなわち、内周側吐出室底面131cと外周側吐出室底面131eは、圧縮機軸方向DRaを法線方向とする同一の平面上に配置されている。従って、固定基板131を製造する際の生産性を向上させることが可能である。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第1実施形態と異なる点を主として説明する。また、前述の実施形態と同一または均等な部分については省略または簡略化して説明する。このことは後述の実施形態の説明においても同様である。
図9に示すように、内周側逆止弁42は、内周側固定部材423によって固定基板131に固定されている。この点では本実施形態は第1実施形態と同様であるが、本実施形態の内周側固定部材423は、ネジではなく、固定基板131に圧入されたリベットである。すなわち、本実施形態の内周側固定部材423は、内周側吐出室底面131cに設けられた圧入穴へ圧入されることで、内周側逆止弁42を内周側吐出室底面131cに対して固定している。この点において、本実施形態は第1実施形態と異なっている。
以上説明したことを除き、本実施形態は第1実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第1実施形態と共通の構成から奏される効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第1実施形態と異なる点を主として説明する。
図10に示すように、内周側吐出室底面131cは、内周側固定基板面131bに対して傾いた平面で構成されている。この点において、本実施形態は第1実施形態と異なっている。
具体的に、内周側吐出室底面131cは、内周側逆止弁42が固定された逆止弁固定部位131gと、内周側吐出ポート923が開口したポート開口部位131hとを有している。そして、内周側吐出室底面131cは、その逆止弁固定部位131gとポート開口部位131hとが圧縮機軸方向DRaにずれて位置するように、内周側固定基板面131bに対して傾いている。
詳細には、内周側吐出室底面131cは、逆止弁固定部位131gがポート開口部位131hよりも圧縮機軸方向DRaの一方側(具体的には、下側)に位置するように、内周側固定基板面131bに対して傾いている。なお、本実施形態では、逆止弁固定部位131gは、ポート開口部位131hに対し圧縮機径方向DRr(図1参照)において外側に位置しており、このことは第1実施形態でも同様である。
以上説明したことを除き、本実施形態は第1実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第1実施形態と共通の構成から奏される効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
また、本実施形態によれば、内周側吐出室底面131cは内周側固定基板面131bに対して傾いているので、例えばその内周側吐出室底面131cが内周側固定基板面131bに平行である場合に比して、内周側吐出室924の容積を拡大しやすい。そして、その内周側吐出室924の容積を拡大することにより、内周側吐出ポート923から内周側吐出室924へ冷媒が流入する際のマフラー効果を一層大きく得ることができる。これにより、スクロール圧縮機2の騒音低減の面から、スクロール圧縮機2の性能を向上させることが可能である。また、上記のマフラー効果は、騒音対策のみならず、内周側圧縮空間6aから流出するガス流れをスムーズにさせ、過圧縮の低減にも効果が期待できる。
また、本実施形態によれば、内周側吐出室底面131cは、逆止弁固定部位131gがポート開口部位131hよりも圧縮機軸方向DRaの一方側に位置するように、内周側固定基板面131bに対して傾いている。従って、内周側固定部材423で内周側逆止弁42を固定するための固定代を固定基板131に十分に確保しつつ、例えば内周側吐出室底面131cが内周側固定基板面131bに平行である場合に比して、内周側吐出ポート923のデッドボリュームとしての容積をより小さくできる。
なお、本実施形態は第1実施形態に基づいた変形例であるが、本実施形態を前述の第2実施形態と組み合わせることも可能である。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第3実施形態と異なる点を主として説明する。
図11に示すように、本実施形態の内周側吐出室底面131cは、逆止弁固定部位131gとポート開口部位131hとが圧縮機軸方向DRaにずれて位置するように、内周側固定基板面131bに対して傾いている。この点では、本実施形態は第3実施形態と同様である。
しかしながら、本実施形態では、内周側吐出室底面131cの傾斜する向きが、第3実施形態と比較して逆である。すなわち、内周側吐出室底面131cは、ポート開口部位131hが逆止弁固定部位131gよりも圧縮機軸方向DRaの一方側(具体的には、下側)に位置するように、内周側固定基板面131bに対して傾いている。
以上説明したことを除き、本実施形態は第3実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第3実施形態と共通の構成から奏される効果を第3実施形態と同様に得ることができる。
ここで、固定基板131の中心部分で固定基板厚さを薄くし過ぎると、固定ラップ132の基端にて歯元応力の増加を招くので、その固定基板131の中心部分で固定基板厚さを薄くすることによる内周側吐出室924の拡大には限界がある。この点、本実施形態によれば、内周側吐出室底面131cは、ポート開口部位131hが逆止弁固定部位131gよりも圧縮機軸方向DRaの一方側に位置するように、内周側固定基板面131bに対して傾いている。
従って、上記歯元応力の増加を回避するために固定基板131の中心部分で固定基板厚さを薄くすることができない場合にも、外周側固定基板面131aと内周側固定基板面131bとの段差を利用して内周側吐出室924の容積を拡大することが可能である。
(第5実施形態)
次に、第5実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第1実施形態と異なる点を主として説明する。
図12〜図14に示すように、本実施形態では、外周側吐出ポート913および内周側吸入ポート921の大きさ等が第1実施形態と異なっている。
具体的には、固定スクロール130の仕切部133は、圧縮機軸方向DRaの他方側(具体的には、上側)に他方端133aを有している。内周側吸入ポート921は、仕切部133の一部分に圧縮機軸方向DRaの一方側から食い込むように形成された穴となっている。そして、内周側吸入ポート921は、仕切部133をその仕切部133の他方端133aまで貫通しないように形成されている。
このように内周側吸入ポート921が形成されているので、本実施形態の内周側吸入ポート921は、仕切部133を利用して大きく形成されている。そのため、本実施形態において、内周側吸入ポート921の流路断面積AHsは、外周側吐出ポート913の流路断面積ALdよりも大きい。この場合、その流路断面積AHs、ALdの大小については、例えば流路断面積AHs、ALdの最小値同士が比較されるのが好ましい。
また、本実施形態では、外周側吐出室底面131eに形成された内周側吸入口131iの面積が、外周側吐出室底面131eに形成された外周側吐出口131jの面積よりも大きくなっている。その内周側吸入口131iとは、外周側吐出室底面131eに形成された内周側吸入ポート921の開口端であり、外周側吐出口131jとは、外周側吐出室底面131eに形成された外周側吐出ポート913の開口端である。
また、内周側吸入ポート921の形状について説明すると、仕切部133は、内周側吸入ポート921に面する内周側吸入ポート端面133bと交差ポート面133cと連結面133dとを有している。
その内周側吸入ポート端面133bは、内周側吸入ポート921のうち圧縮機軸方向DRaの他方側の端にて内周側吸入ポート921に面するポート内壁面である。交差ポート面133cは、内周側吸入ポート端面133bと交差する向きを有し内周側吸入ポート921に面するポート内壁面である。連結面133dは、交差ポート面133cと内周側吸入ポート端面133bとの間をつなぐポート内壁面である。
そして、連結面133dはテーパ形状を成している。例えば、内周側吸入ポート921の穴あけ方法として、その穴あけを途中で止めること、または、内周側固定基板面131bに対して傾斜を付けて穴をあけることで、本実施形態の内周側吸入ポート921を形成することができる。
以上説明したことを除き、本実施形態は第1実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第1実施形態と共通の構成から奏される効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
また、本実施形態によれば、内周側吸入ポート921の流路断面積AHsは、外周側吐出ポート913の流路断面積ALdよりも大きい。そのため、図13の矢印F1、F2で示すように外周側吐出ポート913から内周側吸入ポート921を経て内周側圧縮室130f、130e(図4参照)へ導入される冷媒の流れが、内周側吸入ポート921で絞られにくくなる。従って、内周側圧縮室130f、130eへ冷媒が流入するときの流入損失を低減することが可能である。
別言すれば、外周側吐出ポート913から吐出される冷媒の吐出圧を下げると同時に、内周側吸入ポート921へ吸入される冷媒の吸気圧を上げることができるので、スクロール圧縮機2の効率を改善できる。
また、本実施形態では中間圧の気相冷媒が外部から外周側吐出室925へ導入され外周側吐出ポート913からの吐出冷媒と合流するので、内周側吸入ポート921へ吸入される気相冷媒の温度は、その外周側吐出ポート913からの吐出冷媒の冷媒温度よりも低くなる。そのため、内周側吸入ポート921へ吸入される気相冷媒が高密度のガスになり、ガスの密度が高くなると、流路抵抗による圧力損失が拡大しやすい。従って、中間圧の気相冷媒が圧縮機の外部から導入される本実施形態では、上記のように内周側吸入ポート921の流路断面積AHsを大きくすることによる流路抵抗低減の効果を大きく得ることができる。
また、内周側圧縮室130f、130eでの冷媒圧縮における体積効率を向上させることで、中間圧を下げることができ、スクロール圧縮機2を含むシステムのシステム効率向上の一助となる。
なお、近年の冷凍空調機器の効率改善として、図2または後述の図16の冷凍サイクル70などが提案されており、本実施形態のスクロール圧縮機2は、図2の冷凍サイクル70すなわち気液分離サイクルに用いられている。これらの冷凍サイクル70は、圧縮途中の冷媒に、内部熱交換器または気液分離器等から主にガス成分をインジェクションすることで成立しており、内周側圧縮室130f、130eへ吸入される冷媒流量を増加させるものである。そのため、内周側圧縮室130f、130eへ冷媒が吸入される際の吸気ロスを低減することが重要であり、内周側吸入ポート921の流路断面積AHsを十分確保し、外周側吐出ポート913の流路断面積ALdよりも大きくする必要がある。
そして、2段圧縮のスクロール圧縮機2において内周側圧縮室130f、130eでの冷媒圧縮が、圧縮機全体の圧縮仕事の大半を担う場合も、実際には多く見受けられる。その場合、このように内周側圧縮室130f、130eでの冷媒圧縮に伴う効率を向上させることは、内周側圧縮室130f、130eでの冷媒圧縮のみの改善で圧縮機全体の圧縮機効率を向上させる効果があるので、有効な手法と言える。
また、本実施形態によれば、図12〜図14に示すように、内周側吸入ポート921は、仕切部133の一部分に圧縮機軸方向DRaの一方側から食い込むように形成された穴である。そして、内周側吸入ポート921は、仕切部133をその仕切部133の他方端133aまで貫通しないように形成されている。
従って、仕切部133の一部分を内周側吸入ポート921として活用することができる。そして、その仕切部133の剛性低下を限定的なものにすると共に、互いに摺動する可動基板121と仕切部133との壁面同士で外周側圧縮空間4aと内周側圧縮空間6aとの間をシールするシール長さLs(図12参照)を十分に確保することができる。その結果として、性能向上と信頼性の両立を果たすことが可能である。
また、内周側吸入ポート921の穴形状を上述のようにする効果として、外周側圧縮室130c、130dで圧縮された冷媒の吐出圧を下げ、内周側圧縮室130f、130eの吸気と吐出の損失を同時に解決することができる。これにより、内周側圧縮室130f、130eの平均吸気圧と平均吐出圧との昇圧圧力差を低減でき、理論動力を下げることでスクロール圧縮機2の効率を改善できる。
また、内周側圧縮室130f、130eでの冷媒圧縮における効率が一層向上することを期待でき、スクロール圧縮機2全体の効率向上のみならず、このスクロール圧縮機2を採用した冷凍・空調機器のシステム効率向上にも有効となる。このことは、内周側圧縮室130f、130eだけで冷媒が圧縮される単段でも言える。
また、本実施形態によれば、仕切部133が有し内周側吸入ポート921に面する連結面133dはテーパ形状を成している。従って、内周側吸入ポート921内において冷媒の流通抵抗の低減を図ることが可能である。また、その連結面133dのテーパ形状により、仕切部133の剛性低下を抑えることが可能である。なお、連結面133dのテーパ形状は、内周側吸入ポート端面133b周りの全体に施される必要はなく、部分的に施されていても差し支えない。
本実施形態は第1実施形態に基づいた変形例であるが、本実施形態を前述の第2〜第4実施形態の何れかと組み合わせることも可能である。
(第6実施形態)
次に、第6実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第5実施形態と異なる点を主として説明する。
図15に示すように、本実施形態では、内周側吸入ポート921に面する連結面133dはR形状を成している。従って、本実施形態でも、内周側吸入ポート921内において冷媒の流通抵抗の低減を図ることが可能である。
以上説明したことを除き、本実施形態は第5実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第5実施形態と共通の構成から奏される効果を第5実施形態と同様に得ることができる。なお、冷媒の流通抵抗の低減策として、内周側固定基板面131bのうち内周側吸入ポート921に接続する吸入ポート周縁部分に傾斜やコーナーRを施すことも有効である。
(第7実施形態)
次に、第7実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第1実施形態と異なる点を主として説明する。
図16に示すように、本実施形態では、スクロール圧縮機2を含む冷凍サイクル70が第1実施形態と異なっている。
具体的に、本実施形態の冷凍サイクル70は、2段圧縮サイクルのうち過冷却サイクルと呼ばれるものである。図16に示すように、冷凍サイクル70は、スクロール圧縮機2のほかに、ガスクーラ71と分配器76と過冷却膨張弁77と内部熱交換器78と主膨張弁79とエバポレータ75とを有している。その内部熱交換器78は、互いに熱交換される放熱熱交換部781と吸熱熱交換部782とを有している。
図16の冷凍サイクル70では、スクロール圧縮機2から吐出された冷媒はガスクーラ71へ流れ、ガスクーラ71はその冷媒から放熱させる。
ガスクーラ71にて放熱した冷媒は分配器76で分配され、過冷却膨張弁77と内部熱交換器78の放熱熱交換部781とへそれぞれ流れる。その過冷却膨張弁77へ流れた冷媒は、過冷却膨張弁77にて減圧膨張させられ、過冷却膨張弁77から気液二相となって内部熱交換器78の吸熱熱交換部782へ流れる。
内部熱交換器78では、放熱熱交換部781に流通する冷媒と吸熱熱交換部782に流通する冷媒とが熱交換させられる。これにより、放熱熱交換部781に流通する冷媒は放熱させられ、その放熱後の冷媒は、放熱熱交換部781から主膨張弁79へ流れる。その一方で、吸熱熱交換部782に流通する冷媒は吸熱させられ、気相冷媒となって、吸熱熱交換部782からスクロール圧縮機2の中間インジェクション流路951を介して外周側吐出室925(図1参照)に流入する。この吸熱熱交換部782からの気相冷媒が、上記の中間圧の冷媒である。
主膨張弁79へ流入した冷媒はその主膨張弁79にて減圧膨張させられ、その減圧膨張後の冷媒はエバポレータ75へ流れる。エバポレータ75以降の冷媒流れは第1実施形態と同様である。
以上説明したことを除き、本実施形態は第1実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第1実施形態と共通の構成から奏される効果を第1実施形態と同様に得ることができる。なお、二酸化炭素の特性として、ドライアウト(すなわち、完全気化)し難い特徴があり、内部熱交換器78による熱交換ロスはあるが、図16の冷凍サイクル70は、二酸化炭素を冷媒として採用する場合においては有効なサイクルであると考えられる。
本実施形態は第1実施形態に基づいた変形例であるが、本実施形態を前述の第2〜第6実施形態の何れかと組み合わせることも可能である。
(他の実施形態)
(1)上述の各実施形態では、例えば図2に示すように、スクロール圧縮機2を含む冷凍サイクル70は2段圧縮サイクルであるが、それに限らず、スクロール圧縮機2に中間圧の冷媒が導入されない1段圧縮サイクルであっても差し支えない。
(2)上述の各実施形態において、スクロール圧縮機2が圧縮する冷媒は例えば二酸化炭素であるが、その冷媒に限定はない。更に言えば、スクロール圧縮機2が圧縮する流体は、冷媒である必要もない。また、上述の各実施形態においてスクロール圧縮機2を含む冷凍サイクル70は蒸気圧縮式の超臨界冷凍サイクルであるが、亜臨界冷凍サイクルであってもよい。
(3)上述の各実施形態では、図1に示すスクロール圧縮機2は、圧縮機構40と電動モータ31とを上下方向に配置した縦置きタイプになっているが、圧縮機構40と電動モータ31との位置関係は、これに限られない。例えば、圧縮機構40の下方に電動モータ31があってもよい。また、圧縮機構40と電動モータ31が上下方向には並でおらず、圧縮機構40と電動モータ31とが水平方向に(言い換えれば、横方向に)並んでいてもよい。
(4)上述の第1実施形態では図7に示すように、内周側固定部材423と内周側逆止弁体421の弁体固定部421aは、外周側圧縮空間4aに対し圧縮機軸方向DRaの一方側に重なるように配置されているが、これは一例である。例えば、内周側吐出室924と外周側吐出室925とを分離してレイアウト可能であれば、内周側固定部材423と弁体固定部421aは、仕切部133(図4参照)に対し圧縮機軸方向DRaの一方側に重なるように配置されていても差し支えない。要するに、内周側固定部材423と弁体固定部421aは、外周側圧縮空間4aと仕切部133との少なくとも何れかに対し圧縮機軸方向DRaの一方側に重なるように配置されていればよい。
更に言えば、内周側固定部材423と弁体固定部421aは、例えば外周側圧縮空間4aよりも圧縮機径方向DRrの外側に配置されていても差し支えない。すなわち、内周側固定部材423と弁体固定部421aは、内周側固定基板面131bに対し圧縮機軸方向DRaの一方側に重ならないように配置されていればよい。
(5)上述の第2実施形態では図9に示すように、内周側固定部材423は、固定基板131に圧入されたリベットであるが、これは一例である。例えば、その内周側固定部材423は、リベットではなく、固定基板131に圧入された圧入ピンであっても差し支えない。
(6)なお、本発明は、上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。
また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。
また、上記各実施形態において、構成要素等の材質、形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の材質、形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その材質、形状、位置関係等に限定されるものではない。
(まとめ)
上記各実施形態の一部または全部で示された第1の観点によれば、可動スクロールは、固定スクロールに対し軸線まわりに旋回移動する。内周側逆止弁は、内周側吐出室に設けられ、内周側固定部材によって固定基板に固定され、内周側吐出ポートから内周側吐出室への流体流れを許容する一方で内周側吐出室から内周側吐出ポートへの流体流れを止めるものである。内周側固定部材は、内周側固定基板面に対し上記軸線の軸方向の一方側に重ならないように配置されている。
また、第2の観点によれば、内周側逆止弁は、内周側固定部材によって固定基板に固定された弁体固定部と内周側吐出ポートを開閉するポート開閉部とを有する板状の内周側逆止弁体を含む。そして、内周側逆止弁は、内周側逆止弁体のポート開閉部が固定基板のうちの内周側吐出ポート周りの部位から離れるように内周側逆止弁体が撓むことによって内周側吐出ポートを開放する。一方、外周側逆止弁は、外周側固定部材によって固定基板に固定された弁体固定部と外周側吐出ポートを開閉するポート開閉部とを有する板状の外周側逆止弁体を含む。そして、外周側逆止弁は、外周側逆止弁体のポート開閉部が固定基板のうちの外周側吐出ポート周りの部位から離れるように外周側逆止弁体が撓むことによって外周側吐出ポートを開放する。また、内周側逆止弁体の弁体固定部と内周側吐出ポートとの距離は、外周側逆止弁体の弁体固定部と外周側吐出ポートとの距離よりも長い。
また、第3の観点によれば、内周側固定部材は、固定基板に螺合されたネジである。
また、第4の観点によれば、内周側固定部材は、固定基板に圧入された圧入ピンまたはリベットである。
また、第5の観点によれば、固定基板は、内周側吐出室に面し内周側吐出ポートが開口し内周側逆止弁が固定される内周側吐出室底面を有する。また、内周側吐出室底面は、その内周側吐出室底面のうち内周側逆止弁が固定された逆止弁固定部位と内周側吐出ポートが開口したポート開口部位とが上記軸方向にずれて位置するように、内周側固定基板面に対して傾いている。
また、第6の観点によれば、内周側吐出室底面は、逆止弁固定部位がポート開口部位よりも上記軸方向の一方側に位置するように、内周側固定基板面に対して傾いている。従って、例えばネジ等で内周側逆止弁を固定するための固定代を固定基板に十分に確保しつつ、例えば内周側吐出室底面が内周側固定基板面に平行である場合に比して、内周側吐出ポートのデッドボリュームとしての容積をより小さくできる。
また、第7の観点によれば、内周側吐出室底面は、ポート開口部位が逆止弁固定部位よりも上記軸方向の一方側に位置するように、内周側固定基板面に対して傾いている。ここで、固定基板の中心部分で固定基板厚さを薄くし過ぎると、固定ラップの基端にて歯元応力の増加を招くので、その固定基板の中心部分で固定基板厚さを薄くすることによる内周側吐出室の拡大には限界がある。この点、上記のように内周側吐出室底面が傾いている。従って、上記歯元応力の増加を回避するために固定基板の中心部分で固定基板厚さを薄くすることができない場合にも、外周側固定基板面と内周側固定基板面との段差を利用して内周側吐出室の容積を拡大することが可能である。
また、第8の観点によれば、内周側吸入ポートの流路断面積は、外周側吐出ポートの流路断面積よりも大きい。
また、第9の観点によれば、仕切部は、上記軸方向の他方側に他方端を有する。そして、内周側吸入ポートは、仕切部の一部分に上記軸方向の一方側から食い込むように形成された穴であり、仕切部をその仕切部の他方端まで貫通しないように形成されている。従って、仕切部の一部分を内周側吸入ポートとして活用することができる。そして、その仕切部の剛性低下を限定的なものにすると共に、互いに摺動する可動基板と仕切部との壁面同士で外周側圧縮空間と内周側圧縮空間との間をシールするシール長さを十分に確保することができる。その結果として、性能向上と信頼性の両立を果たすことが可能である。このことは、第10の観点および第11の観点においても同様である。
また、第12の観点によれば、仕切部は、内周側吸入ポートのうち上記軸方向の他方側の端にてその内周側吸入ポートに面する内周側吸入ポート端面と、その内周側吸入ポート端面と交差する向きを有し内周側吸入ポートに面する交差ポート面と内周側吸入ポート端面との間をつなぐ連結面とを有する。そして、その連結面はテーパ形状を成している。従って、内周側吸入ポート内において流体の流通抵抗の低減を図ることが可能である。
また、第13の観点によれば、仕切部は、内周側吸入ポートのうち上記軸方向の他方側の端にてその内周側吸入ポートに面する内周側吸入ポート端面と、その内周側吸入ポート端面と交差する向きを有し内周側吸入ポートに面する交差ポート面と内周側吸入ポート端面との間をつなぐ連結面とを有する。そして、その連結面はR形状を成している。従って、内周側吸入ポート内において流体の流通抵抗の低減を図ることが可能である。
2 スクロール圧縮機
42 内周側逆止弁
120 可動スクロール
121 可動基板
122 外周側可動ラップ
123 内周側可動ラップ
130 固定スクロール
131 固定基板
132 固定ラップ
423 内周側固定部材

Claims (13)

  1. 固定スクロール(130)と、
    前記固定スクロールに対し軸線(S)まわりに旋回移動する可動スクロール(120)と、
    内周側逆止弁(42)とを備え、
    前記固定スクロールは、前記可動スクロールに対し前記軸線の軸方向(DRa)の一方側に配置された固定基板(131)と、前記固定基板から前記可動スクロール側に突出すると共に渦巻き形状を成す固定ラップ(132)と、前記固定基板および前記固定ラップに囲まれる渦巻き形状の空間(4a、6a)を外周側圧縮空間(4a)と内周側圧縮空間(6a)とに仕切る仕切部(133)とを有し、
    前記可動スクロールは、前記固定基板に対し前記軸方向に対向する可動基板(121)と、前記可動基板から前記外周側圧縮空間内へ突出するとともに渦巻き形状を成す外周側可動ラップ(122)と、前記可動基板から前記内周側圧縮空間内へ突出するとともに渦巻き形状を成す内周側可動ラップ(123)とを有し、
    前記外周側圧縮空間は、前記固定ラップの渦巻き形状に沿った渦巻き方向において前記仕切部に対し外周側に配置され、前記可動スクロールの旋回移動に伴い前記外周側可動ラップによって流体が圧縮される外周側圧縮室(130c、130d)と該外周側圧縮室へ流体を吸気させるための外周側吸気室(130j)とを含み、
    前記内周側圧縮空間は、前記固定ラップの渦巻き形状に沿った渦巻き方向において前記仕切部に対し内周側に配置され、前記可動スクロールの旋回移動に伴い前記内周側可動ラップによって流体が圧縮される内周側圧縮室(130e、130f)と該内周側圧縮室へ流体を吸気させるための内周側吸気室(130k)とを含み、
    前記固定基板は、前記軸方向の前記一方側とは反対側である他方側を向き且つ前記外周側圧縮空間の底面を構成する外周側固定基板面(131a)と、前記軸方向の前記他方側を向き且つ前記内周側圧縮空間の底面を構成する内周側固定基板面(131b)とを有し、
    前記内周側固定基板面は、前記外周側固定基板面よりも前記軸方向の前記一方側に位置し、
    前記固定基板には、前記軸方向で前記固定基板の前記一方側に配置された内周側吐出室(924)と、前記内周側圧縮空間と前記内周側吐出室との間を連通し前記内周側圧縮室で圧縮された流体を前記内周側吐出室へ流す内周側吐出ポート(923)とが形成され、
    前記内周側逆止弁は、前記内周側吐出室に設けられ、内周側固定部材(423)によって前記固定基板に固定され、前記内周側吐出ポートから前記内周側吐出室への流体流れを許容する一方で前記内周側吐出室から前記内周側吐出ポートへの流体流れを止めるものであり、
    前記内周側固定部材は、前記内周側固定基板面に対し前記軸方向の前記一方側に重ならないように配置されている、スクロール圧縮機。
  2. 固定スクロール(130)と、
    前記固定スクロールに対し軸線(S)まわりに旋回移動する可動スクロール(120)と、
    内周側逆止弁(42)と、
    外周側逆止弁(44)とを備え、
    前記固定スクロールは、前記可動スクロールに対し前記軸線の軸方向(DRa)の一方側に配置された固定基板(131)と、前記固定基板から前記可動スクロール側に突出すると共に渦巻き形状を成す固定ラップ(132)と、前記固定基板および前記固定ラップに囲まれる渦巻き形状の空間(4a、6a)を外周側圧縮空間(4a)と内周側圧縮空間(6a)とに仕切る仕切部(133)とを有し、
    前記可動スクロールは、前記固定基板に対し前記軸方向に対向する可動基板(121)と、前記可動基板から前記外周側圧縮空間内へ突出するとともに渦巻き形状を成す外周側可動ラップ(122)と、前記可動基板から前記内周側圧縮空間内へ突出するとともに渦巻き形状を成す内周側可動ラップ(123)とを有し、
    前記外周側圧縮空間は、前記固定ラップの渦巻き形状に沿った渦巻き方向において前記仕切部に対し外周側に配置され、前記可動スクロールの旋回移動に伴い前記外周側可動ラップによって流体が圧縮される外周側圧縮室(130c、130d)と該外周側圧縮室へ流体を吸気させるための外周側吸気室(130j)とを含み、
    前記内周側圧縮空間は、前記固定ラップの渦巻き形状に沿った渦巻き方向において前記仕切部に対し内周側に配置され、前記可動スクロールの旋回移動に伴い前記内周側可動ラップによって流体が圧縮される内周側圧縮室(130e、130f)と該内周側圧縮室へ流体を吸気させるための内周側吸気室(130k)とを含み、
    前記固定基板には、前記軸方向で前記固定基板の前記一方側に配置された内周側吐出室(924)と、前記内周側圧縮空間と前記内周側吐出室との間を連通し前記内周側圧縮室で圧縮された流体を前記内周側吐出室へ流す内周側吐出ポート(923)と、前記軸方向で前記固定基板の前記一方側に配置された外周側吐出室(925)と、前記外周側圧縮空間と前記外周側吐出室との間を連通し前記外周側圧縮室で圧縮された流体を前記外周側吐出室へ流す外周側吐出ポート(913)とが形成され、
    前記内周側逆止弁は、前記内周側吐出室に設けられ、内周側固定部材(423)によって前記固定基板に固定され、前記内周側吐出ポートから前記内周側吐出室への流体流れを許容する一方で前記内周側吐出室から前記内周側吐出ポートへの流体流れを止めるものであり、
    前記外周側逆止弁は、前記外周側吐出室に設けられ、外周側固定部材(443)によって前記固定基板に固定され、前記外周側吐出ポートから前記外周側吐出室への流体流れを許容する一方で前記外周側吐出室から前記外周側吐出ポートへの流体流れを止めるものであり、
    前記内周側逆止弁は、前記内周側固定部材によって前記固定基板に固定された弁体固定部(421a)と前記内周側吐出ポートを開閉するポート開閉部(421b)とを有する板状の内周側逆止弁体(421)を含み、該内周側逆止弁体のポート開閉部が前記固定基板のうちの前記内周側吐出ポート周りの部位(131d)から離れるように前記内周側逆止弁体が撓むことによって前記内周側吐出ポートを開放し、
    前記外周側逆止弁は、前記外周側固定部材によって前記固定基板に固定された弁体固定部(441a)と前記外周側吐出ポートを開閉するポート開閉部(441b)とを有する板状の外周側逆止弁体(441)を含み、該外周側逆止弁体のポート開閉部が前記固定基板のうちの前記外周側吐出ポート周りの部位(131f)から離れるように前記外周側逆止弁体が撓むことによって前記外周側吐出ポートを開放し、
    前記内周側逆止弁体の弁体固定部と前記内周側吐出ポートとの距離(DSi)は、前記外周側逆止弁体の弁体固定部と前記外周側吐出ポートとの距離(DSo)よりも長い、スクロール圧縮機。
  3. 前記内周側固定部材は、前記固定基板に螺合されたネジである、請求項1または2に記載のスクロール圧縮機。
  4. 前記内周側固定部材は、前記固定基板に圧入された圧入ピンまたはリベットである、請求項1または2に記載のスクロール圧縮機。
  5. 固定スクロール(130)と、
    前記固定スクロールに対し軸線(S)まわりに旋回移動する可動スクロール(120)と、
    内周側逆止弁(42)とを備え、
    前記固定スクロールは、前記可動スクロールに対し前記軸線の軸方向(DRa)の一方側に配置された固定基板(131)と、前記固定基板から前記可動スクロール側に突出すると共に渦巻き形状を成す固定ラップ(132)と、前記固定基板および前記固定ラップに囲まれる渦巻き形状の空間(4a、6a)を外周側圧縮空間(4a)と内周側圧縮空間(6a)とに仕切る仕切部(133)とを有し、
    前記可動スクロールは、前記固定基板に対し前記軸方向に対向する可動基板(121)と、前記可動基板から前記外周側圧縮空間内へ突出するとともに渦巻き形状を成す外周側可動ラップ(122)と、前記可動基板から前記内周側圧縮空間内へ突出するとともに渦巻き形状を成す内周側可動ラップ(123)とを有し、
    前記外周側圧縮空間は、前記固定ラップの渦巻き形状に沿った渦巻き方向において前記仕切部に対し外周側に配置され、前記可動スクロールの旋回移動に伴い前記外周側可動ラップによって流体が圧縮される外周側圧縮室(130c、130d)と該外周側圧縮室へ流体を吸気させるための外周側吸気室(130j)とを含み、
    前記内周側圧縮空間は、前記固定ラップの渦巻き形状に沿った渦巻き方向において前記仕切部に対し内周側に配置され、前記可動スクロールの旋回移動に伴い前記内周側可動ラップによって流体が圧縮される内周側圧縮室(130e、130f)と該内周側圧縮室へ流体を吸気させるための内周側吸気室(130k)とを含み、
    前記固定基板は、前記軸方向の前記一方側とは反対側である他方側を向き且つ前記外周側圧縮空間の底面を構成する外周側固定基板面(131a)と、前記軸方向の前記他方側を向き且つ前記内周側圧縮空間の底面を構成する内周側固定基板面(131b)とを有し、
    前記内周側固定基板面は、前記外周側固定基板面よりも前記軸方向の前記一方側に位置し、
    前記固定基板には、前記軸方向で前記固定基板の前記一方側に配置された内周側吐出室(924)と、前記内周側圧縮空間と前記内周側吐出室との間を連通し前記内周側圧縮室で圧縮された流体を前記内周側吐出室へ流す内周側吐出ポート(923)とが形成され、
    前記内周側逆止弁は、前記内周側吐出室に設けられ、前記内周側吐出ポートから前記内周側吐出室への流体流れを許容する一方で前記内周側吐出室から前記内周側吐出ポートへの流体流れを止めるものであり、
    前記固定基板は、前記内周側吐出室に面し前記内周側吐出ポートが開口し前記内周側逆止弁が固定される内周側吐出室底面(131c)を有し、
    前記内周側吐出室底面は、該内周側吐出室底面のうち前記内周側逆止弁が固定された逆止弁固定部位(131g)と前記内周側吐出ポートが開口したポート開口部位(131h)とが前記軸方向にずれて位置するように、前記内周側固定基板面に対して傾いている、スクロール圧縮機。
  6. 前記内周側吐出室底面は、前記逆止弁固定部位が前記ポート開口部位よりも前記軸方向の前記一方側に位置するように、前記内周側固定基板面に対して傾いている、請求項5に記載のスクロール圧縮機。
  7. 前記内周側吐出室底面は、前記ポート開口部位が前記逆止弁固定部位よりも前記軸方向の前記一方側に位置するように、前記内周側固定基板面に対して傾いている、請求項5に記載のスクロール圧縮機。
  8. 固定スクロール(130)と、
    前記固定スクロールに対し軸線(S)まわりに旋回移動する可動スクロール(120)とを備え、
    前記固定スクロールは、前記可動スクロールに対し前記軸線の軸方向(DRa)の一方側に配置された固定基板(131)と、前記固定基板から前記可動スクロール側に突出すると共に渦巻き形状を成す固定ラップ(132)と、前記固定基板および前記固定ラップに囲まれる渦巻き形状の空間(4a、6a)を外周側圧縮空間(4a)と内周側圧縮空間(6a)とに仕切る仕切部(133)とを有し、
    前記可動スクロールは、前記固定基板に対し前記軸方向に対向する可動基板(121)と、前記可動基板から前記外周側圧縮空間内へ突出するとともに渦巻き形状を成す外周側可動ラップ(122)と、前記可動基板から前記内周側圧縮空間内へ突出するとともに渦巻き形状を成す内周側可動ラップ(123)とを有し、
    前記外周側圧縮空間は、前記固定ラップの渦巻き形状に沿った渦巻き方向において前記仕切部に対し外周側に配置され、前記可動スクロールの旋回移動に伴い前記外周側可動ラップによって流体が圧縮される外周側圧縮室(130c、130d)と該外周側圧縮室へ流体を吸気させるための外周側吸気室(130j)とを含み、
    前記内周側圧縮空間は、前記固定ラップの渦巻き形状に沿った渦巻き方向において前記仕切部に対し内周側に配置され、前記可動スクロールの旋回移動に伴い前記内周側可動ラップによって流体が圧縮される内周側圧縮室(130e、130f)と該内周側圧縮室へ流体を吸気させるための内周側吸気室(130k)とを含み、
    前記固定基板は、前記軸方向の前記一方側とは反対側である他方側を向き且つ前記外周側圧縮空間の底面を構成する外周側固定基板面(131a)と、前記軸方向の前記他方側を向き且つ前記内周側圧縮空間の底面を構成する内周側固定基板面(131b)とを有し、
    前記内周側固定基板面は、前記外周側固定基板面よりも前記軸方向の前記一方側に位置し、
    前記固定基板には、前記軸方向で前記固定基板の前記一方側に配置された外周側吐出室(925)と、前記外周側圧縮空間と前記外周側吐出室との間を連通し前記外周側圧縮室で圧縮された流体を前記外周側吐出室へ流す外周側吐出ポート(913)と、前記内周側圧縮空間と前記外周側吐出室との間を連通し前記外周側吐出室の流体を前記内周側圧縮室へ流す内周側吸入ポート(921)とが形成され、
    前記内周側吸入ポートの流路断面積(AHs)は、前記外周側吐出ポートの流路断面積(ALd)よりも大きい、スクロール圧縮機。
  9. 前記仕切部は、前記軸方向の前記他方側に他方端(133a)を有し、
    前記内周側吸入ポートは、前記仕切部の一部分に前記軸方向の前記一方側から食い込むように形成された穴であり、前記仕切部を該仕切部の他方端まで貫通しないように形成されている、請求項8に記載のスクロール圧縮機。
  10. 前記固定基板には、前記軸方向で前記固定基板の前記一方側に配置された外周側吐出室(925)と、前記外周側圧縮空間と前記外周側吐出室との間を連通し前記外周側圧縮室で圧縮された流体を前記外周側吐出室へ流す外周側吐出ポート(913)と、前記内周側圧縮空間と前記外周側吐出室との間を連通し前記外周側吐出室の流体を前記内周側圧縮室へ流す内周側吸入ポート(921)とが形成され、
    前記仕切部は、前記軸方向の前記他方側に他方端(133a)を有し、
    前記内周側吸入ポートは、前記仕切部の一部分に前記軸方向の前記一方側から食い込むように形成された穴であり、前記仕切部を該仕切部の他方端まで貫通しないように形成されている、請求項1または5に記載のスクロール圧縮機。
  11. 前記固定基板には、前記内周側圧縮空間と前記外周側吐出室との間を連通し前記外周側吐出室の流体を前記内周側圧縮室へ流す内周側吸入ポート(921)が形成され、
    前記仕切部は、前記軸方向の前記一方側とは反対側である他方側に他方端(133a)を有し、
    前記内周側吸入ポートは、前記仕切部の一部分に前記軸方向の前記一方側から食い込むように形成された穴であり、前記仕切部を該仕切部の他方端まで貫通しないように形成されている、請求項2に記載のスクロール圧縮機。
  12. 前記仕切部は、前記内周側吸入ポートのうち前記軸方向の前記他方側の端にて該内周側吸入ポートに面する内周側吸入ポート端面(133b)と、該内周側吸入ポート端面と交差する向きを有し前記内周側吸入ポートに面する交差ポート面(133c)と前記内周側吸入ポート端面との間をつなぐ連結面(133d)とを有し、
    前記連結面はテーパ形状を成している、請求項9ないし11のいずれか1つに記載のスクロール圧縮機。
  13. 前記仕切部は、前記内周側吸入ポートのうち前記軸方向の前記他方側の端にて該内周側吸入ポートに面する内周側吸入ポート端面(133b)と、該内周側吸入ポート端面と交差する向きを有し前記内周側吸入ポートに面する交差ポート面(133c)と前記内周側吸入ポート端面との間をつなぐ連結面(133d)とを有し、
    前記連結面はR形状を成している、請求項9ないし11のいずれか1つに記載のスクロール圧縮機。
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