JP2023514488A - アミン-エポキシ樹脂付加生成物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、エポキシ基の1モル当量当たり1.3~1.7モルのジアミンの範囲の化学量論比での、式(I)の少なくとも1種のジアミンと少なくとも1種の芳香族ジエポキシドとの反応からのアミノ官能性付加生成物に関する。この付加生成物は、希釈剤なしで室温において液体であり、意外にも低い粘度を有する。本発明による組成物は、良好な施工性を有し、低温及び湿気のある条件で特に速く及び高い表面品質で硬化する低排出エポキシ樹脂コーティングの製造を可能にし、かつ他のアミン及び希釈剤との広範囲の組合せを可能にする。JPEG2023514488000008.jpg16160

Description

本発明は、ジアミンとジエポキシドとのアミン官能性付加体に、及び床コーティングとして特に好適であるエポキシ樹脂組成物用の硬化剤としてのその使用に関する。
エポキシ樹脂をベースとするコーティングは、建設業において広く使用されている。それらは、液体樹脂と硬化剤成分とからなり、それらは塗布前に混合され、その後約5~35℃の範囲内の周囲温度で硬化する。塗布されるとき、コーティングの粘度は、周囲温度で十分に流れるようにできる限り低いものであるべきである。塗布後にもまた、湿気のある、低温条件下でさえも、できる限り迅速に及び欠陥なく硬化し、曇り、スポット又はクレーターなしの欠陥のない表面を形成すべきである。いったん硬化すると、それらは、できる限り十分に機械的ストレスに耐えるために低い脆さ及び高いガラス転移温度と相まって高い硬度を有するべきである。視覚的に要求の厳しい用途、例えば床の一番上の被覆材向けには、それらは、その上、高いレベルの光沢及び光の影響下で最小限の黄変傾向を有するべきである。
しかしながら、そのようなエポキシ樹脂コーティングは、多くの場合、曇り、スポット、「かぶり(白化)」とも言われる、粗さ又は粘着性などの表面欠陥の傾向を有する。かぶりは、硬化剤成分中に存在するアミンが空気からの二酸化炭素と塩を形成することによって引き起こされ、特に高湿度及び低温で起こる。エポキシ樹脂コーティング用の多くの硬化剤は、ジアミンとエポキシ樹脂との付加体を含む。これは、かぶり効果を低減する及びまたより速い硬化を可能にする。しかしながら、ジアミン-エポキシ樹脂付加体は、遊離ジアミンよりも著しくより粘性がある。粘度を制限するために、ジアミンは、エポキシ樹脂に対して大きい化学量論的過剰に使用される。未反応のジアミンの含有量及び様々な付加体分子の分布は、付加体の製造に用いられる化学量論及びジアミン過剰のレベルに従って変わる。低過剰のジアミンを使用して製造される付加体は、少ない未反応のジアミンと、2、3又はそれ以上のジエポキシド単位を有する2、3若しくはより高い分子量の付加体分子とを含有する。そのような付加体は、それら自体有利であろう。それらは、低い臭気、特に低いかぶり傾向を有し、付加体が大量に使用されること及び/又は更なるアミンと組み合わせられることを可能にする。しかしながら、低過剰のジアミンで製造された付加体は、非常に高く粘性があるか又は固体でさえあり、その結果として、かなりの量のベンジルアルコールなどのうすめ液を使って初めて室温でそれらを取り扱うことが可能である。うすめ液は、硬化中に樹脂マトリックス中へ組み込まれず、蒸発又は拡散プロセスによって環境中へ放出され得る。最近は、しかしながら、硬化後に放出可能な物質の低い含有量を有する低排出製品への要求が高まりつつある。低排出又は排出なしのエポキシ樹脂組成物のために、この種のうすめ液は、それ故、少量のみ使用されるか又は全く使用されない。
先行技術からのジアミンと芳香族エポキシ樹脂との希釈剤を含まない付加体は、典型的には、例えば欧州特許第0 722 965号明細書の比較例2又は米国特許第7,598,325号明細書の合成実施例1及び3において、エポキシ基の1モル当量に対して少なくとも2.5モルのジアミンとの化学量論で製造される。より小過剰のジアミンで製造された付加体は、例えば国際公開第2019/134824号パンフレットの場合のように、うすめ液、通常はベンジルアルコールを含有し、このパンフレットでは、エポキシ基の1モル当量当たり1.25モルのジアミンでメチルシクロヘキシルジアミン又はイソホロンジアミン又はメタ-キシリレンジアミンの付加体が製造され、操作できる粘度を可能にするためにそれにベンジルアルコールが添加された。
米国特許第3,625,918号明細書の実施例3は、イソホロンジアミンと、ビスフェノールAジグリシジルエーテルとの、エポキシ基の1モル当量に対して1.2モルのジアミンの比での付加体を記載している。この付加体は、室温で固体である。
国際公開第2017/046293号パンフレットは、N-ベンジルプロパン-1,2-ジアミン及びN-ベンジルエタン-1,2-ジアミンと、ビスフェノールAジグリシジルエーテルとの、エポキシ基の1モル当量に対して2.5モルのジアミンの比での付加体を開示している(付加体1又は付加体8)。
水性エポキシ樹脂製品用の硬化剤の構成成分としてのアルキル化ジアミンとエポキシドとの付加体も公知である。そのような付加体は、典型的には、ポリエーテル単位を含有し、反応後に、水及び多くの場合大量の付加体形成していないジアミンで薄められている。
低過剰のジアミンで製造され、及びうすめ液なしに室温で永久に液体のままであり、及び取り扱うのが容易であるジアミンと芳香族エポキシ樹脂との付加体は、先行技術から公知ではない。
それ故、低過剰のジアミンで製造されるジアミン-エポキシ樹脂付加体であって、うすめ液の添加なしに比較的長い時間室温で液体のままであり、取り扱うのが容易であり、及びエポキシ樹脂コーティング用の硬化剤として使用される場合に、湿気のある及び低温条件においてさえも、良好な加工性、速い硬化、及び欠陥のない、光沢のある表面を可能にする付加体を提供することが本発明の目的である。
この目的は、請求項1に特許請求されるような付加体によって達成される。それは、モノアルキル化第一級アミンである、式(I)のジアミンと、芳香族ジエポキシドとから、エポキシ基の1モル当量に対して1.3~1.7モルのジアミンの範囲内の化学量論比で製造される。意外にも、付加体は、室温で液体であり、うすめ液の添加なしに低粘度のものであり、比較的長い期間の放置後でさえも液体のまま及び透明のままである。それは、したがって、エポキシ樹脂用の硬化剤の構成成分として使用するために加熱される又は薄められる必要がない。
それは、比較的高い濃度の付加体分子と、低い含有量にすぎない未反応の式(I)のジアミンとを有する。結果として、それは、特に低い臭気を有し、エポキシ樹脂用の硬化剤に様々なやり方で使用することができる。それは、特に高い濃度の付加体分子、したがってより速い硬化を有する、うすめ液を含まない又は低うすめ液硬化剤を可能にする。更に、それは、大量の更なるアミンと、特にまた非アルキル化第一級ジアミンと組み合わせることができ、それは、速い硬化及び高いガラス転移温度を可能にし、且つ、特に経済的である。
本発明の付加体は、高次付加体分子の高い含有量にもかかわらず、意外にも、エポキシ樹脂組成物を良好に薄くする。それは、湿気のある及び低温条件下でさえもかぶり関連欠陥の少ない傾向をも有する、並びに硬化後に、高い硬度及び低い黄変傾向を有する、良好な加工性及び速い硬化を有する低排出又は排出なしのエポキシ樹脂コーティングを可能にする。
本発明の更なる態様は、更なる独立クレームの対象である。本発明の特に好ましい実施形態は、従属クレームの対象である。
本発明は、エポキシ基の1モル当量に対して1.3~1.7モルの範囲内のジアミンの化学量論比での、
(i)式(I)の少なくとも1種のジアミン:
Figure 2023514488000002
(式中、
Aは、2~12個の炭素原子を有するアルキレン基、シクロアルキレン基、又はアリールアルキレン基であり、
Rは、1~12個の炭素原子を有するアルキル基、シクロアルキル基、又はアリールアルキル基であり、
ここで、2個の窒素原子は、少なくとも2個の炭素原子によって互いに分離されており、式(I)のジアミンは、合計8~15個の炭素原子を有する)
と、
(ii)少なくとも1種の芳香族ジエポキシド
との反応からのアミン官能性付加体を提供する。
ジエポキシドは、少なくとも1つの芳香環を含有する場合「芳香族」と言われる。
「第一級アミノ基」は、ただ一つの有機基に結合し、2個の水素原子を有するアミノ基を言い;「第二級アミノ基」は、また一緒に環の一部であってもよい2つの有機基に結合し、1個の水素原子を有するアミノ基を言い;「第三級アミノ基」は、それらの2つ又は3つがまた1つ以上の環の一部であってもよい、3つの有機基に結合し、いかなる水素原子も持たないアミノ基を言う。
「アミン水素」は、第一級及び第二級アミノ基の水素原子を言う。
「アミン水素当量」は、1モル当量のアミン水素を含有するアミン又はアミン含有組成物の質量を言う。それは、「g/当量」の単位で表される。
「エポキシド当量」は、1モル当量のエポキシ基を含有するエポキシ基含有化合物又は組成物の質量を言う。それは、「g/当量」の単位で表される。
ポリアミン又はポリエポキシドなどの、「ポリ」で始まる物質名は、1分子当たりそれらの名前に現れる2つ以上の官能基を形式上含有する物質を言う。
「うすめ液」は、エポキシ樹脂に可溶であり、その粘度を低下させる、且つ、硬化プロセス中にエポキシ樹脂ポリマー中へ化学的に組み込まれない物質を言う。
「分子量」は、分子のモル質量(1分子当たりのグラム単位での)を言う。
「平均分子量」は、オリゴマー分子又はポリマー分子の多分散混合物の数平均分子量Mを言い、それは、典型的には、標準としてのポリスチレンに対するゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって測定される。
「ゲル化時間」は、エポキシ樹脂組成物の成分の混合からそれのケル化までの時間間隔である。
「室温」は、23℃の温度を言う。
Aは、好ましくは、1,2-エチレン、1,2-プロピレン、1,3-プロピレン、1,4-ブチレン、1,3-ブチレン、2-メチル-1,2-プロピレン、1,3-ペンチレン、1,5-ペンチレン、2,2-ジメチル-1,3-プロピレン、1,6-ヘキシレン、2-メチル-1,5-ペンチレン、1,7-ヘプチレン、1,8-オクチレン、2,5-ジメチル-1,6-ヘキシレン、1,9-ノニレン、2,2(4),4-トリメチル-1,6-ヘキシレン、1,10-デシレン、1,11-ウンデシレン、2-ブチル-2-エチル-1,5-ペンチレン、1,12-ドデシレン、1,2-シクロヘキシレン、1,3-シクロヘキシレン、1,4-シクロヘキシレン、(1,5,5-トリメチルシクロヘキサン-1-イル)メタン-1,3、4(2)-メチル-1,3-シクロヘキシレン、1,3-シクロヘキシレンビス(メチレン)、1,4-シクロヘキシレンビス(メチレン)、1,3-フェニレンビス(メチレン)、及び1,4-フェニレンビス(メチレン)からなる群から選択される。式(I)のこれらのジアミンは、商業的に容易に入手可能な第一級ジアミンに由来する。
Aは、とりわけ、1,2-エチレン、1,2-プロピレン、2-メチル-1,2-プロピレン、1,3-ペンチレン、1,2-シクロヘキシレン、1,4-シクロヘキシレン、4(2)-メチル-1,3-シクロヘキシレン、1,3-シクロヘキシレンビス(メチレン)、1,4-シクロヘキシレンビス(メチレン)、1,3-フェニレンビス(メチレン)、及び1,4-フェニレンビス(メチレン)からなる群から選択される。
Aは、最も好ましくは、1,2-エチレンである。式(I)のこれらのジアミンは、特に低い粘度及び特に高い反応性を有する付加体を可能にし、特に低い黄変傾向を可能にする。
Rは、好ましくは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、n-ペンチル、3-メチル-ブタ-2-イル、ヘキシル、4-メチルペンタ-2-イル、2-エチルヘキシル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、及び任意選択的に置換された1-フェニルエチル、2-フェニルエチル、ベンジル、ナフチルメチル、シクロヘキシルメチル、及び2-シクロヘキシルエチル基からなる群から選択される。
6~12個の炭素原子、とりわけ6~8個の炭素原子を有する基Rが好ましい。
Rは、特に好ましくは、2-エチルヘキシル、2-フェニルエチル、ベンジル、1-ナフチルメチル、及びシクロヘキシルメチルからなる群から選択される。
最も好ましくは、Rはベンジルである。式(I)のこれらのジアミンは、とりわけ芳香族基を含まない基Aと組み合わせられる場合に、特に低い粘度、特に高い反応性、特に少ないかぶり効果傾向、及び低い黄変傾向を有する付加体可能にする。
式(I)のジアミンは、特に好ましくは、N-ベンジルエタン-1,2-ジアミン、N-(1-ナフチルメチル)エタン-1,2-ジアミン、N-シクロヘキシルメチルエタン-1,2-ジアミン、N-ベンジルプロパン-1,2-ジアミン、及びN-(2-エチルヘキシル)-1,3-ビス(アミノメチル)ベンゼンからなる群から選択される。
式(I)の最も好ましいジアミンは、N-ベンジルエタン-1,2-ジアミンである。このジアミンは、特に低い粘度及び反応性の高い付加体を可能にする。
式(I)のジアミンは、好ましくは、少なくとも1種のアルキル化剤での式HN-A-NHの少なくとも1つのアミンの部分アルキル化によって製造される。
アルキル化は、好ましくは、アルキル化剤としてのアルデヒド又はケトンと水素とを使用する還元アルキル化である。
好適な触媒の存在下で還元アルキル化を実施することが好ましい。好ましい触媒は、チャコール上のパラジウム(Pd/C)、チャコール上の白金(Pt/C)、アダムス触媒又はラネーニッケル、とりわけチャコール上のパラジウム又はラネーニッケルである。
分子状水素が使用される場合、還元アルキル化は、好ましくは、5~150bar、とりわけ10~100barの水素圧で圧力装置において操作される。これは、回分式プロセスで又は好ましくは連続プロセスで行うことができる。
還元アルキル化は、好ましくは、40~120℃、特に60~100℃の範囲内の温度で実施される。
小さい揮発性アミン、例えば特にエタン-1,2-ジアミン又はプロパン-1,2-ジアミンの場合には、これは、好ましくは、アルデヒド又はケトンに対して化学量論的過剰に使用され、アルキル化後に、未反応のアミンのいくらか又は全ては、とりわけストリッピングによって、反応混合物から除去される。必要ならば、反応混合物は、次いで、とりわけ蒸留によってジアルキル化されたアミンのいくらか又は全てを、得られる式(I)のジアミンから除去することによって、更に精製され得る。
付加体を製造するために使用される式(I)のジアミンは、好ましくは、少なくとも80重量%の純度を有する。これは、高い反応性の付加体を提供する。純度は、好ましくは、少なくとも85重量%、より好ましくは少なくとも90重量%、特に少なくとも95重量%である。
芳香族ジエポキシドは、好ましくは、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテルとビスフェノールFジグリシジルエーテルとの混合物、カテコールジグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、ヒドロキノンジグリシジルエーテル、ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)メタンジグリシジルエーテル、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)プロパンジグリシジルエーテル、ビス(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)メタンジグリシジルエーテル、2,2-ビス(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパンジグリシジルエーテル、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-tert-ブチルフェニル)プロパンジグリシジルエーテル、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ブタンジグリシジルエーテル、3,3-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ペンタンジグリシジルエーテル、3,4-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ヘキサンジグリシジルエーテル、4,4-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ヘプタンジグリシジルエーテル、2,4-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-2-メチルブタンジグリシジルエーテル、及び4,4’-ジヒドロキシビフェニルジグリシジルエーテルからなる群から選択される。
芳香族ジエポキシドは、特に好ましくは、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル又はビスフェノールA/Fジグリシジルエーテル、とりわけビスフェノールAジグリシジルエーテルである。
芳香族ジエポキシドは、好ましくは、工業銘柄品質で使用される。
商業的に入手可能な液体樹脂、例えば特にAraldite(登録商標)GY 240、Araldite(登録商標)GY 250、Araldite(登録商標)GY 281、Araldite(登録商標)GY 282、Araldite(登録商標)GY 285、Araldite(登録商標)PY 304若しくはAraldite(登録商標)PY 720(全てHuntsman製)、又はD.E.R.(登録商標)330、D.E.R.(登録商標)331、D.E.R.(登録商標)332、D.E.R.(登録商標)336、D.E.R.(登録商標)351、D.E.R.(登録商標)352、D.E.R.(登録商標)354若しくはD.E.R.(登録商標)356(全てDow製)などが特に好ましい。
芳香族ジエポキシドは、好ましくは、110~260g/当量、好ましくは156~200g/当量の範囲内のエポキシド当量を有する。
式(I)のジアミンは、エポキシ基の1モル当量に対して1.3~1.7モルのジアミンの範囲内の化学量論比で付加体の製造に使用される。
化学量論比は、好ましくは、エポキシ基の1モル当量に対して1.4~1.6モルのジアミンの範囲内にある。
好ましくは、反応中の温度は、40~120℃、とりわけ60~100℃の範囲内にある。
反応後に、未反応の式(I)のジアミンは、好ましくは、反応生成物から除去されず、そこに留まり、付加体の構成成分である。
付加体は、2モルの式(I)のジアミンと1モルのジエポキシドとの付加からのいわゆる2:1付加体を含有する。N-ベンジルエタン-1,2-ジアミンとビスフェノールAジグリシジルエーテルとの場合には、付加体は、主に以下の2:1付加体を徐々に減少する量で含有する:
Figure 2023514488000003
付加体はまた、高次付加体、特に、3モルの式(I)のジアミンと2モルのジエポキシドとの付加からのいわゆる3:2付加体を含有し;N-ベンジルエタン-1,2-ジアミンとビスフェノールAジグリシジルエーテルとの場合には、それは、第二級アミノ基との反応からの3:2付加体と一緒に、存在する、主として下記である:
Figure 2023514488000004
付加体はまた、さらなる高次付加体、いわゆる3:2超付加体、特に4モルの式(I)のジアミンと3モルのジエポキシドとの付加又は5モルの式(I)のジアミンと4モルのジエポキシドとの付加からのものを更に含有する。
本発明の付加体は、好ましくは、2:1付加体と高次付加体とを、30/70~49.9/50.1、特に35/65~49/51の範囲内の重量比で含有する。そのような付加体は、低い粘度と速い硬化との有利な組合せを可能にする。
本発明の付加体は、意外にも、うすめ液又は水を本質的に含まない場合でさえも、室温で永久に液体のままであり、取り扱うのが容易である。
付加体は、好ましくは、1重量%未満のうすめ液又は水を含有する。
付加体は、好ましくは、10s-1のせん断速度でコーン-プレート粘度計を用いて測定される、50~500Pa・s、特に100~400Pa・sの範囲内の20℃での粘度を有する。
本発明の付加体は、特に、エポキシ樹脂を硬化させるのに好適である。
本発明は、本発明の付加体と、更なるアミン、硬化促進剤、及びうすめ液からなる群から選択される少なくとも1つのさらなる構成成分とを含む、エポキシ樹脂用の硬化剤を更に提供する。
硬化剤は、好ましくは、1重量%~70重量%、好ましくは2重量%~60重量%、より好ましくは3重量%~50重量%、特に4重量%~40重量%、最も好ましくは5重量%~30重量%の、本発明の付加体を含有する。
硬化剤は、好ましくは水系ではない。それは、とりわけ、15重量%未満、好ましくは10重量%未満の、水を含有する。そのような硬化剤は、非水性エポキシ樹脂製品、とりわけ床コーティング用に好適である。
硬化剤は、好ましくは、脂肪族アミノ基及び少なくとも3個のアミン水素を有する少なくとも1種の更なるアミンを含む。この更なるアミンは、付加体の製造中に存在しなかったが、その後にようやく付加体と混合される。この更なるアミンは、式(I)のジアミンのような付加体を製造するために使用されるものと同じアミンであってもよいし、又はそれは異なるアミンであってもよい。
好適な更なるアミンは、とりわけ、N-ベンジルエタン-1,2-ジアミン、N-ベンジルプロパン-1,2-ジアミン、N-ベンジル-1,3-ビス(アミノメチル)ベンゼン、N-(2-エチルヘキシル)-1,3-ビス(アミノメチル)ベンゼン若しくはN-(2-フェニルエチル)-1,3-ビス(アミノメチル)ベンゼン、及びまた2,2-ジメチルプロパン-1,3-ジアミン、ペンタン-1,3-ジアミン(DAMP)、ペンタン-1,5-ジアミン、1,5-ジアミノ-2-メチルペンタン(MPMD)、2-ブチル-2-エチルペンタン-1,5-ジアミン(C11-ネオジアミン)、ヘキサン-1,6-ジアミン、2,5-ジメチルヘキサン-1,6-ジアミン、2,2(4),4-トリメチルヘキサン-1,6-ジアミン(TMD)、ヘプタン-1,7-ジアミン、オクタン-1,8-ジアミン、ノナン-1,9-ジアミン、デカン-1,10-ジアミン、ウンデカン-1,11-ジアミン、ドデカン-1,12-ジアミン、1,2-、1,3-若しくは1,4-ジアミノシクロヘキサン、1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ビス(4-アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(4-アミノ-3-メチルシクロヘキシル)メタン、ビス(4-アミノ-3-エチルシクロヘキシル)メタン、ビス(4-アミノ-3,5-ジメチルシクロヘキシル)メタン、ビス(4-アミノ-3-エチル-5-メチルシクロヘキシル)メタン、1-アミノ-3-アミノメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキサン(IPDA)、2(4)-メチル-1,3-ジアミノシクロヘキサン、2,5(2,6)-ビス(アミノメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン(NBDA)、3(4),8(9)-ビス(アミノメチル)トリシクロ[5.2.1.02.6]デカン、1,4-ジアミノ-2,2,6-トリメチルシクロヘキサン(TMCDA)、メンタン-1,8-ジアミン、3,9-ビス(3-アミノプロピル)-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、1,3-ビス(アミノメチル)ベンゼン(MXDA)、1,4-ビス(アミノメチル)ベンゼン、ビス(2-アミノエチル)エーテル、3,6-ジオキサオクタン-1,8-ジアミン、4,7-ジオキサデカン-1,10-ジアミン、4,7-ジオキサデカン-2,9-ジアミン、4,9-ジオキサドデカン-1,12-ジアミン、5,8-ジオキサドデカン-3,10-ジアミン、4,7,10-トリオキサトリデカン-1,13-ジアミン又はこれらのジアミン高次オリゴマー、ビス(3-アミノプロピル)ポリテトラヒドロフラン若しくは他のポリテトラヒドロフランジアミン、ポリオキシアルキレンジアミン若しくは-トリアミン、とりわけポリオキシプロピレンジアミン若しくはポリオキシプロピレントリアミン、例えばJeffamine(登録商標)D-230、Jeffamine(登録商標)D-400若しくはJeffamine(登録商標)T-403(全てHuntsman製)、ジエチレントリアミン(DETA)、トリエチレンテトラミン(TETA)、テトラエチレンペンタミン(TEPA)、ペンタチレンヘキサミン(PEHA)、ジプロピレントリアミン(DPTA)、N-(2-アミノエチル)プロパン-1,3-ジアミン(N3-アミン)、N,N’-ビス(3-アミノプロピル)エチレンジアミン(N4-アミン)、N,N’-ビス(3-アミノプロピル)-1,4-ジアミノブタン、N5-(3-アミノプロピル)-2-メチルペンタン-1,5-ジアミン、N3-(3-アミノペンチル)ペンタン-1,3-ジアミン、N5-(3-アミノ-1-エチルプロピル)-2-メチルペンタン-1,5-ジアミン、N,N’-ビス(3-アミノ-1-エチルプロピル)-2-メチルペンタン-1,5-ジアミン、3-(2-アミノエチル)アミノプロピルアミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン(BHMT)、N-アミノエチルピペラジン、3-ジメチルアミノプロピルアミン(DMAPA)又は3-(3-(ジメチルアミノ)プロピルアミノ)プロピルアミン(DMAPAPA)である。
本発明の硬化剤が2種以上の更なるアミンの組合せを含む場合、有利であり得る。
N-ベンジルエタン-1,2-ジアミン、N-ベンジルプロパン-1,2-ジアミン、N-ベンジル-1,3-ビス(アミノメチル)ベンゼン、N-(2-エチルヘキシル)-1,3-ビス(アミノメチル)ベンゼン、N-(2-フェニルエチル)-1,3-ビス(アミノメチル)ベンゼン、TMD、1,2-ジアミノシクロヘキサン、1,3-ジアミノシクロヘキサン、1,4-ジアミノシクロヘキサン、1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ビス(4-アミノシクロヘキシル)メタン、IPDA、2(4)-メチル-1,3-ジアミノシクロヘキサン、MXDA、200~500g/molの範囲内の平均分子量Mを有するポリオキシプロピレンジアミン、300~500g/molの範囲内の平均分子量Mを有するポリオキシプロピレントリアミン、DMAPAPA、BHMT、DETA、TETA、TEPA、PEHA、DPTA、N3-アミン及びN4-アミンからなる群から選択される更なるアミンが好ましい。
これらの中で、N-ベンジルエタン-1,2-ジアミン、TMD、1,2-ジアミノシクロヘキサン、1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、IPDA、2(4)-メチル-1,3-ジアミノシクロヘキサン、MXDA、ポリオキシプロピレンジアミン又はポリオキシプロピレントリアミンが好ましい。
特に好ましい更なるアミンは、N-ベンジルエタン-1,2-ジアミンである。このアミンは、特に良好な加工性、速い硬化及びかぶり効果の少ない傾向を有する硬化剤を可能にする。
別の特に好ましい更なるアミンは、任意選択的にエポキシ樹脂とのアミン官能性付加体の形態での、MXDAである。このアミンは、特に速い硬化を可能にする。
別の特に好ましい更なるアミンは、任意選択的にエポキシ樹脂とのアミン官能性付加体の形態での、IPDAである。このアミンは、特に高いガラス転移温度及び最終硬度を可能にする。
好ましくは、IPDA及び/又はIPDAとエポキシ樹脂との付加体は、IPDAに由来するアミン水素の数と式(I)のジアミンに由来するアミン水素の数の比が、90/10~20/80、より好ましくは85/15~25/75、特に80/20~30/70の範囲内にあるような量で硬化剤中に存在する。遊離IPDA、付加体を形成したIPDA、式(I)の遊離ジアミン、及び付加体を形成した式(I)のジアミンのアミン水素がここではまたカウントされる。そのような硬化剤は、速い硬化と、高い最終硬度と、高いガラス転移温度と、かぶり効果の少ない傾向との特に魅力的な組合せを可能にする。
好適な硬化促進剤は、とりわけ、酸又は酸へと加水分解可能な化合物、とりわけ有機カルボン酸、例えば酢酸、安息香酸、サリチル酸、2-ニトロ安息香酸、乳酸など、有機スルホン酸、例えばメタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸若しくは4-ドデシルベンゼンスルホン酸など、スルホン酸エステル、他の有機若しくは無機酸、例えば特にリン酸など、又は上述の酸及び酸エステルの混合物、硝酸塩、特に硝酸カルシウムなど;第三級アミン、例えば特に1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、ベンジルジメチルアミン、α-メチルベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、イミダゾール類、例えば特にN-メチルイミダゾール、N-ビニルイミダゾール若しくは1,2-ジメチルイミダゾール、そのような第三級アミンの塩、第四級アンモニウム塩、例えば特に塩化ベンジルトリメチルアンモニウムなど、アミジン類、例えば特に1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エンなど、グアニジン類、例えば特に1,1,3,3-テトラメチルグアニジンなど、フェノール類、とりわけビスフェノール類、フェノール樹脂若しくはマンニッヒ塩基、例えば特に2-(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール若しくはフェノール、ホルムアルデヒド及びN,N-ジメチルプロパン-1,3-ジアミンから製造されるポリマー、ホスファイト、例えば特にジ-若しくはトリフェニルホスファイト、又はメルカプト基を有する化合物である。
酸、硝酸塩、第三級アミン若しくはマンニッヒ塩基、とりわけサリチル酸、硝酸カルシウム若しくは2,4,6-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、又はこれらの硬化促進剤の組合せが好ましい。
好適なうすめ液は、とりわけ、キシレン、2-メトキシエタノール、ジメトキシエタノール、2-エトキシエタノール、2-プロポキシエタノール、2-イソプロポキシエタノール、2-ブトキシエタノール、2-フェノキシエタノール、2-ベンジルオキシエタノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールジフェニルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジ-n-ブチルエーテル、プロピレングリコールブチルエーテル、プロピレングリコールフェニルエーテル、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジ-n-ブチルエーテル、ジフェニルメタン、ジイソプロピルナフタレン、鉱油留分、例えばSolvesso(登録商標)グレード(Exxon製)、アルキルフェノール、例えばtert-ブチルフェノール、ノニルフェノール、ドデシルフェノール、カルダノール(カシューナットシェル油から、3-(8,11-ペンタデカジエニル)フェノールをその主要構成成分として含有する)、スチレン化フェノール、ビスフェノール類、芳香族炭化水素樹脂、とりわけフェノール基を含有するタイプ、アルコキシル化フェノール、とりわけエトキシル化若しくはプロポキシル化フェノール、とりわけ2-フェノキシエタノール、アジペート、セバケート、フタレート、ベンゾエート、有機リン酸エステル若しくはスルホン酸エステル又はスルホンアミドである。
好ましいうすめ液は、200℃超の沸点を有する。
うすめ液は、好ましくは、ベンジルアルコール、スチレン化フェノール、エトキシル化フェノール、フェノール基を含有する芳香族炭化水素樹脂、とりわけNovares(登録商標)LS 500、LX 200、LA 300又はLA 700製品(Ruetgers製)、ジイソプロピルナフタレン及びカルダノールからなる群から選択される。
ベンジルアルコールが特に好ましい。
フェノール基を含有するうすめ液は、また、硬化促進剤としても有効である。
硬化剤は、更なる構成成分、とりわけ下記:
- さらなる付加体、とりわけMXDA、DETA、TETA若しくはTEPAとビスフェノールA、F若しくはA/Fジグリシジルエーテルとの付加体、又はMPMD若しくはエタン-1,2-ジアミン若しくはプロパン-1,2-ジアミンとクレジルグリシジルエーテルとの付加体、ここで、未反応のMPMD若しくはエタン-1,2-ジアミン若しくはプロパン-1,2-ジアミンは、反応後に蒸留によって除去された;
- 2つの第二級アミノ基を有するジアミン、特に、両方の窒素原子上でアルキル化されている式(I)のジアミンから誘導されるもの、とりわけN,N’-ジベンジルエタン-1,2-ジアミン、又は2つの第二級アミノ基を有する他のジアミン;
- モノアミン、例えば特にベンジルアミン又はフルフリルアミンなど;
- ポリアミドアミン、とりわけ一塩基性若しくは多塩基性カルボン酸、又はそれのエステル若しくは無水物、とりわけダイマー脂肪酸と、化学量論的過剰に使用されるポリアミン、とりわけDETA又はTETAとの反応生成物;
- マンニッヒ塩基、とりわけフェナルカミン、すなわち、フェノール類、とりわけカルダノールと、アルデヒド、とりわけホルムアルデヒドと、ポリアミンとの反応生成物。
- 芳香族ポリアミン、例えば特に4,4’-、2,4’及び/若しくは2,2’-ジアミノジフェニルメタン、2,4-及び/若しくは2,6-トリレンジアミン、3,5-ジメチルチオ-2,4-トリレンジアミン並びに/又は3,5-ジメチルチオ-2,6-トリレンジアミン、3,5-ジエチル-2,4-トリレンジアミン並びに/又は3,5-ジエチル-2,6-トリレンジアミンなど;
- メルカプト基を有する化合物、とりわけ液体メルカプタン末端ポリスルフィドポリマー、メルカプタン末端ポリオキシアルキレンエーテル、メルカプタン末端ポリオキシアルキレン誘導体、チオカルボン酸のポリエステル、2,4,6-トリメルカプト-1,3,5-トリアジン、トリエチレングリコールジメルカプタン又はエタンジチオール
を含有し得る。
本発明の付加体、任意選択的に式(I)の更なるジアミン及び任意選択的にIPDAに加えて、硬化剤は、好ましくは、低い含有量の更なるアミンを有するにすぎない。
硬化剤に存在するアミン水素全ての、少なくとも30%、より好ましくは少なくとも40%、特に少なくとも50%は、式(I)のジアミン及びIPDAに由来する。付加体形成した式(I)のジアミン、付加体形成したIPDA、式(I)の遊離ジアミン、及び遊離IPDAのアミン水素がここではまたカウントされる。そのような硬化剤は、速い硬化と、かぶり効果の少ない傾向と、高い硬度と、高いガラス転移温度との魅力的な組合せを可能にする。
硬化剤は、好ましくは、低い量のうすめ液、より具体的には0%~50重量%、好ましくは0%~30重量%の、うすめ液、とりわけベンジルアルコールを有するにすぎない。
本発明は、以下を含むエポキシ樹脂組成物を更に提供する:
- 少なくとも1種のエポキシ樹脂を含む樹脂成分、及び
- 本発明の付加体を含む硬化剤成分。
硬化剤成分は、好ましくは、上記の硬化剤を含む。
好適なエポキシ樹脂は、とりわけエピクロロヒドリンと、ポリオール、ポリフェノール又はアミンとの反応から公知の方法で得られる。
好適なエポキシ樹脂は、とりわけ芳香族エポキシ樹脂、とりわけ、
- ビスフェノールA、ビスフェノールF又はビスフェノールA/F(ここで、Aは、これらのビスフェノール類の製造に反応剤として使用されるアセトンを表し、Fはホルムアルデヒドを表す)。ビスフェノールFの場合には、位置異性体、より具体的には2,4’-又は2,2’-ヒドロキシフェニルメタンに由来するものがまた存在し得る。
- ジヒドロキシベンゼン誘導体、例えばレゾルシノール、ヒドロキノン又はカテコールなど;
- 更なるビスフェノール類又はポリフェノール、例えばビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)メタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)プロパン(ビスフェノールC)、ビス(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)メタン、2,2-ビス(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-tert-ブチルフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ブタン(ビスフェノールB)、3,3-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ペンタン、3,4-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ヘキサン、4,4-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ヘプタン、2,4-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-2-メチルブタン、2,4-ビス(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)-2-メチルブタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン(ビスフェノールZ)、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン(ビスフェノールTMC)、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1-フェニルエタン、1,4-ビス[2-(4-ヒドロキシフェニル)-2-プロピル]ベンゼン(ビスフェノールP)、1,3-ビス[2-(4-ヒドロキシフェニル)-2-プロピル]ベンゼン(ビスフェノールM)、4,4’-ジヒドロキシジフェニル(DOD)、4,4’-ジヒドロキシベンゾフェノン、ビス(2-ヒドロキシ-1-ナフチル)メタン、ビス(4-ヒドロキシ-1-ナフチル)メタン、1,5-ジヒドロキシナフタレン、トリス(4-ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2,2-テトラキス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)エーテル又はビス(4-ヒドロキシフェニル)スルホン;
- とりわけ、フェノール又はクレゾールと、ホルムアルデヒド若しくはパラホルムアルデヒド又はアセトアルデヒド又はクロトンアルデヒド又はイソブチロアルデヒド又は2-エチルヘキサナール又はベンズアルデヒド又はフルフラールとの縮合生成物である、ノボラック;
- 芳香族アミン、例えばアニリン、トルイジン、4-アミノフェノール、4,4’-メチレンジフェニルジアミン、4,4’-メチレンジフェニルジ(N-メチル)アミン、4,4’-[1,4-フェニレンビス(1-メチルエチリデン)]ビスアニリン(ビスアニリンP)又は4,4’-[1,3-フェニレンビス(1-メチルエチリデン)]ビスアニリン(ビスアニリンM)
のグリシジルエーテルである。
更なる好適なエポキシ樹脂は、脂肪族又は脂環式ポリエポキシド、とりわけ
- 飽和若しくは不飽和の、分岐若しくは無分岐の、環状若しくは開鎖二-、三-若しくは四官能性C~C30アルコール、とりわけエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ポリプロピレングリコール、ジメチロールシクロヘキサン、ネオペンチルグリコール、ジブロモネオペンチルグリコール、ヒマシ油、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、ソルビトール若しくはグリセロール、又はアルコキシル化グリセロール若しくはアルコキシル化トリメチロールプロパンのグリシジルエーテル;
- 水素化ビスフェノールA、F若しくはA/F液体樹脂又は水素化ビスフェノールA、F若しくはA/Fのグリシジル化生成物;
- アミド又は複素環式窒素塩基のN-グリシジル誘導体、例えばトリグリシジルシアヌレート若しくはトリグリシジルイソシアヌレート、又はエピクロロヒドリンとヒダントインとの反応生成物
である。
エポキシ樹脂は、好ましくは、2つ以上の液体エポキシ樹脂を含む液体樹脂又は混合物である。
「液体エポキシ樹脂」は、25℃よりも下のガラス転移温度を有する工業用ポリエポキシドを言う。
樹脂成分は、任意選択的にその上、数割合の固体エポキシ樹脂を含有する。
エポキシ樹脂は、とりわけ、例えばOlin、Huntsman又はMomentiveから商業的に入手可能であるような、ビスフェノールをベースとする液体樹脂、とりわけビスフェノールAジグリシジルエーテル及び/又はビスフェノールFジグリシジルエーテルである。これらの液体樹脂は、エポキシ樹脂向けの低い粘度を有し、速い硬化及び高い硬度を可能にする。それらは、数割合の固体ビスフェノールA樹脂又はノボラックグリシジルエーテルを含み得る。
樹脂成分は、反応性希釈剤を含み得る。
好ましい反応性希釈剤は、エポキシ基を含有する反応性希釈剤、とりわけブタンジオールジグリシジルエーテル、ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンジ-若しくはトリグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、クレジルグリシジルエーテル、グアイアコールグリシジルエーテル、4-メトキシフェニルグリシジルエーテル、p-n-ブチルフェニルグリシジルエーテル、p-tert-ブチルフェニルグリシジルエーテル、4-ノニルフェニルグリシジルエーテル、4-ドデシルフェニルグリシジルエーテル、カルダノールグリシジルエーテル、ベンジルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、ヘキシルグリシジルエーテル、2-エチルヘキシルグリシジルエーテル、又は天然アルコールのグリシジルエーテル、例えば特にC~C10若しくはC12~C14若しくはC13~C15アルキルグリシジルエーテルである。
エポキシ樹脂組成物は、好ましくは、うすめ液、硬化促進剤及び充填材からなる群から選択される少なくとも1つの更なる構成成分を含む。
好適な硬化促進剤は、既に述べられたもの、とりわけサリチル酸、硝酸カルシウム若しくは2,4,6-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール又はそれらの組合せである。
好適なうすめ液は、既に述べられたもの、とりわけ200℃超の沸点を有するものである。
うすめ液は、好ましくは、ベンジルアルコール、スチレン化フェノール、エトキシル化フェノール、フェノール基を含有する芳香族炭化水素樹脂、とりわけNovares(登録商標)LS 500、LX 200、LA 300又はLA 700製品(Ruetgers製)、ジイソプロピルナフタレン及びカルダノールからなる群から選択される。
ベンジルアルコールが特に好ましい。
好適な充填材は、特に、任意選択的に脂肪酸、とりわけステアレートでコートされている、粉砕若しくは沈澱炭酸カルシウム、バライト(重晶石)、タルク、石英粉、ケイ砂、炭化ケイ素、黒雲母、ドロマイト、ウォラストナイト、カオリン、雲母(ケイ酸アルミニウムカリウム)、モレキュラーシーブ、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、シリカ、セメント、石膏、フライアッシュ、カーボンブラック、黒鉛、金属粉、例えばアルミニウム、銅、鉄、亜鉛、銀又は鋼など、PVC粉末若しくは中空ビーズである。
炭酸カルシウム、石英粉、ケイ砂又はそれらの組合せが好ましい。
エポキシ樹脂組成物は、任意選択的に、助剤及び添加剤、とりわけ下記:
- 反応性希釈剤、とりわけ既に述べられたもの、又はエポキシ化大豆油若しくはアマニ油、アセトアセテート基を含有する化合物、とりわけアセトアセチル化ポリオール、ブチロラクトン、カーボネート、アルデヒド、イソシアネート又は反応基を有するシリコーン;
- ポリマー、とりわけポリアミド、ポリスルフィド、ポリビニルホルマール(PVF)、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリウレタン(PUR)、カルボキシル基を有するポリマー、ポリアミド、ブタジエン-アクリロニトリルコポリマー、スチレン-アクリロニトリルコポリマー、ブタジエン-スチレンコポリマー、とりわけ、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン、イソプレン、酢酸ビニル又はアルキル(メタ)アクリレートからなる群からの、不飽和モノマーのホモポリマー又はコポリマー、とりわけクロロスルホン化ポリエチレン又はフッ素含有ポリマー又はスルホンアミド変性メラミン;
- 繊維、とりわけガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、セラミック繊維又はポリマー繊維、例えばポリアミド繊維若しくはポリエチレン繊維など;
- 顔料、とりわけ二酸化チタン、酸化鉄又は酸化クロム(III);
- レオロジー調整剤、とりわけ増粘剤又は沈降防止剤;
- 接着向上剤、とりわけオルガノアルコキシシラン;
- 難燃性物質、とりわけ、既に述べられた水酸化アルミニウム又は水酸化マグネシウム充填材、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、ホウ酸(B(OH))、ホウ酸亜鉛、リン酸亜鉛、ホウ酸メラミン、メラミンシアヌレート、ポリリン酸アンモニウム、リン酸メラミン、ピロリン酸メラミン、ポリ臭素化ジフェニルオキシドつまりジフェニルエーテル、ホスフェート、例えば特にジフェニルクレジルホスフェート、レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)、レゾルシノールジホスフェートオリゴマー、テトラフェニルレゾルシノールジホスファイト、エチレンジアミンジホスフェート、ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)、トリス(クロロエチル)ホスフェート、トリス(クロロプロピル)ホスフェート、トリス(ジクロロイソプロピル)ホスフェート、トリス[3-ブロモ-2,2-ビス(ブロモメチル)プロピル]ホスフェート、テトラブロモビスフェノールA、ビスフェノールAのビス(2,3-ジブロモプロピルエーテル)、臭素化エポキシ樹脂、エチレンビス(テトラブロモフタルイミド)、エチレンビス(ジブロモノルボルナンジカルボキサミド)、1,2-ビス(トリブロモフェノキシ)エタン、トリス(2,3-ジブロモプロピル)イソシアヌレート、トリブロモフェノール、ヘキサブロモシクロドデカン、ビス(ヘキサクロロシクロペンタジエノ)シクロオクタン又はクロロパラフィン;或いは
- 添加剤、とりわけ分散パラフィンワックス、フィルム形成助剤、湿潤剤、レベリング剤、消泡剤、脱気剤、酸化、熱、光又はUV放射線に対する安定剤、又は殺生物剤
を更に含み得る。
エポキシ樹脂組成物は、好ましくは、更なる助剤及び添加剤、とりわけ顔料、湿潤剤、レベリング剤及び/又は消泡剤を含む。
エポキシ樹脂組成物は、好ましくは、低い含有量にすぎないうすめ液を有する。それは、好ましくは20重量%未満、より好ましくは15重量%未満、とりわけ10重量%未満の、うすめ液を含有する。これは、低排出又は排出なしのエポキシ樹脂製品を可能にする。
エポキシ樹脂組成物は、好ましくは、低い含有量にすぎない水、好ましくは5重量%未満、特に1重量%未満の、水を有する。
エポキシ樹脂組成物において、エポキシ基の数に対するエポキシ基への反応性が高い基の数の比は、好ましくは、0.5~1.5、特に0.7~1.2の範囲内にある。
エポキシ樹脂組成物中に存在する第一級及び第二級アミノ基、並びにエポキシ基への反応性が高い存在する任意の更なる基は、エポキシ基と反応し、それの開環(付加反応)をもたらす。この反応の結果として第一に、組成物は重合し、それによって硬化する。
エポキシ樹脂組成物の樹脂成分及び硬化剤成分は、別個の容器中に貯蔵される。エポキシ樹脂組成物の更なる構成成分は、樹脂成分の又は硬化剤成分の構成成分として存在し得;エポキシ基への反応性が高い更なる構成成分は、好ましくは、硬化剤成分の構成成分である。更なる構成成分が別個の専用成分として存在することが同様に可能である。
樹脂成分又は硬化剤成分の貯蔵用の好適な容器は、とりわけバット、ホブボック、バッグ、バケツ、缶、カートリッジ又はチューブである。成分は、それらの使用に関係する程度までそれらのそれぞれの特性のいかなる変化もなしに、使用前に数ヶ月から1年以上まで貯蔵できることを意味する、貯蔵可能である。エポキシ樹脂組成物の使用のために、成分は、塗布の直前に又は塗布中に互いに混合される。樹脂性分と硬化剤成分との間の混合比は、エポキシ基への反応性が高い硬化剤成分の基が、上で記載されたような、樹脂成分のエポキシ基に対して好適な比にあるように好ましくは選択される。重量部で、樹脂成分と硬化剤成分との間の混合比は、普通は1:10~10:1の範囲内にある。
成分は、好適な方法によって混合され;この混合は、連続的に又は回分式に行われ得る。混合が塗布の直前ではない場合、成分の混合とそれの塗布との間に余りにも多くの時間が過ぎないこと及び塗布が可使時間(ポットライフ)内に行われることを確実にしなければならない。混合は、典型的には約5~40℃、好ましくは約10~35℃の範囲内である、周囲温度で特に行われる。
化学反応による硬化は、上で記載されたような、2つの成分の混合から始まる。硬化は、典型的には、0~150℃の範囲内の温度で行われる。それは、好ましくは、周囲温度で行われ、典型的には、2、3日~数週間の期間に及ぶ。継続時間は、温度、構成成分の反応性、及びそれらの化学量論などの因子に、並びに硬化促進剤の存在に依存する。
フレッシュに混合される場合、エポキシ樹脂組成物は低い粘度を有する。樹脂成分と硬化剤成分とが混合された10分後の20℃での粘度は、好ましくは、10s-1のせん断速度でコーン-プレート粘度計を用いて測定される、300~4000mPa・s、好ましくは300~3000mPa・s、特に300~2500mPa・sの範囲内にある。
エポキシ樹脂組成物は、少なくとも1つの基材に塗布され、以下の基材が特に好適である:
- ガラス、ガラスセラミック、コンクリート、モルタル、セメントスクリード、繊維セメント、れんが、タイル、プラスター又は天然石、例えば花崗岩若しくは大理石など;
- PCC(ポリマー変性セメントモルタル)又はRCC(エポキシ樹脂変性セメントモルタル)をベースとする修理又はレベリングコンパウンド;
- 金属又は合金、例えばアルミニウム、鉄、鋼、銅、表面アップグレード金属又は合金、例えば亜鉛めっき若しくはクロムめっきされた金属などの、他の非鉄金属;
- アスファルト又はビチューメン;
- 皮革、布地、紙、木材、樹脂、例えばフェノール樹脂、メラミン又はエポキシ樹脂で接着された木質材料、樹脂-布地複合材料又は更なるいわゆるポリマー複合材料;
- プラスチック、例えば硬質及び軟質PVC、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエステル、ポリアミド、PMMA、ABS、SAN、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、PUR、POM、TPO、PE、PP、EPM又はEPDM(各ケースで、処理されていないか又は例えばプラズマ、コロナ若しくはフレームによって表面処理されている);
- 繊維強化プラスチック、例えば炭素繊維強化プラスチック(CFRP)、ガラス繊維強化プラスチック(GFRP)及びシートモールディングコンパウンド(SMC)など;
- とりわけEPS、XPS、PUR、PIR、ロックウール、ガラスウール又は発泡ガラスでできた、断熱発泡体;
- コートされた又は塗装された基材、とりわけ塗装タイル、被覆コンクリート、粉体コートされた金属若しくは合金又は塗装金属シート;
- コーティング、ペイント又はワニス、とりわけ、更なる床被覆層でオーバーコートされた被覆床。
必要ならば、基材は、とりわけ物理的及び/若しくは化学的クリーニング方法又は活性化剤若しくはプライマーの塗布によって、塗布前に前処理することができる。
エポキシ樹脂組成物の硬化は、硬化した組成物を提供する。
いったん硬化すると、エポキシ樹脂組成物は、硬化剤中に、本発明の付加体に加えてIPDAをまた含む場合にとりわけ、特に高いガラス転移温度を有する。
室温で14日の硬化時間後に、ガラス転移温度は、(1)2分間-10℃、(2)10K/分の加熱速度で-10から200℃まで(=第1ラン)、(3)-50K/分の冷却速度で200から-10℃まで、(4)2分間-10℃、(5)10K/分の加熱速度で-10から180℃まで(=第2ラン)の測定プログラムのDSCによって測定される、第1加熱(第1ラン)中に好ましくは少なくとも47℃、好ましくは少なくとも49℃、及び第2加熱(第2ラン)において少なくとも60℃、好ましくは少なくとも63℃である。
エポキシ樹脂組成物は、好ましくは、コーティング、プライマー、接着剤、シーラント、ポッティングコンパウンド、キャスティング樹脂、含浸樹脂として、又は繊維複合材料、例えば特にCFRP若しくはGFRPなど用のマトリックスとして使用される。
エポキシ樹脂組成物は、特に好ましくは、コーティングとして使用される。コーティングは、あるエリア一面に塗布される全ての種類の被覆材、とりわけ床被覆材、ペイント、ワニス、シーラント、ベースコート、プライマー又は保護コーティング、とりわけまた、強力な腐食防止用のものを意味するとここでは理解される。
エポキシ樹脂組成物は、オフィス、産業ホール、スポーツホール若しくは低温室などの屋内、又はバルコニー、テラス、立体駐車場、橋梁若しくは屋根用の屋外用の床被覆材又は床コーティングとして、コンクリート、セメント、金属、プラスチック若しくは木材用の保護コーティングとして、例えば木材建造物、車両、載荷場所、タンク、サイロ、シャフト、パイプライン、機械又は、例えば船、埠頭、沖合プラットフォーム、ロックゲート、水力発電所、河川建造物、スイミングプール、風力タービン、橋梁、煙突、クレーン若しくは矢板壁の鋼建造物の表面シーリングのために、或いはアンダーコート、タイコート若しくは防錆プライマーとして又は表面の疎水性化のために特に好適である。
エポキシ樹脂組成物は、例えば(EC1 Plus)、AgBB、DIBt、Der Blaue Engel、AFSSET、RTS(M1)及びUS Green Building Council(LEED)に従った、環境品質証紙付きの低排出コーティングに特に有利に使用される。
コーティングとしての使用のために、エポキシ樹脂組成物は、有利には、低い粘度及び良好なレベリング特性の流体コンシステンシーを有する。混合組成物は、典型的には周囲温度で、約50μm~約5mmの層厚さを有する薄いフィルムとして基材の表面に、その可使時間内に、典型的には塗布される。それは、とりわけ、コートされる基材上へ注ぎ、次いで、例えば、ドクターブレード又はノッチ付き鏝を用いてそれを均等に広げることによって塗布される。それはまた、例えば鋼上の防錆コーティングのように、ブラシ若しくはローラーで又はスプレー塗布の形態で塗布される。硬化は、典型的には、多種多様の異なる基材への良好な接着性を有する高い硬度の、実質的に均一な、光沢のある及び非粘着性のフィルムを生じさせる。
この場合に、エポキシ樹脂組成物は、特に、以下の工程を含むコーティング方法に使用される:
(i)エポキシ樹脂組成物の成分を混合すること、
(ii)混合組成物を可使時間内に基材に塗布し、続いてこの混合組成物を硬化させること。
完全に若しくは部分的に硬化した組成物に更なるコーティングを塗布することが可能であり、その場合に、前記更なる層は、同様にエポキシ樹脂組成物であってもよいし、或いは別の材料、とりわけポリウレタン又はポリウレアコーティングであってもよい。
エポキシ樹脂組成物を接着剤として使用することもまたとりわけ好ましい。接着剤として使用される場合、エポキシ樹脂組成物は、典型的には、成分が混合された後に、構造上粘性のある特性のペースト状コンシステンシーを有する。適用時に、混合接着剤は可使時間内に、接着される基材の少なくとも1つに塗布され、2つの基材は、接合されて接着剤のオープンタイム内に接着結合を形成する。
混合接着剤は、とりわけ、ブラシ、ロール、スパチュラ、ドクターブレード若しくは鏝によって、又はチューブ、カートリッジ若しくは計量供給デバイスから塗布される。
接着剤は、建設業における使用のために、とりわけ、鋼薄板若しくは炭素繊維強化複合プラスチック(CFRP)でできた薄板による建造物の強化のために、接着されたプレキャストされたコンクリート構成要素を含有する建造物、とりわけ橋梁又は、例えば風力タービン用の、コンクリート・タワー、シャフト、パイプライン若しくはトンネルのために、或いは接着された天然石、セラミックエレメント又は繊維セメント、鋼、鋳鉄、アルミニウム、木材若しくはポリエステルでできた部品を含有する建造物のために、掘削孔中でのだぼ若しくは鋼棒の固定のために、例えば、手すり、欄干又はドア枠の固定のために、コンクリートメンテナンスにおけるエッジ、穴若しくは接合部の特に充填などの修理のために、或いはコンクリート若しくは鋼へのポリ塩化ビニル(PVC)のフィルム、軟化ポリオレフィン(Combiflex(登録商標))若しくは接着剤変性クロロスルホン化ポリエチレン(Hypalon(登録商標))の接着のために好適である。
使用の更なる分野は、とりわけ接着モルタル、アセンブリ接着剤、強化接着剤、特に、コンクリート、れんが造りの壁若しくは木材へのCFRP若しくは鋼でできた薄板の接着のためなどの強化接着剤として、例えばブリッジ素子のための、素子接着剤、サンドイッチ素子接着剤、ファサード素子接着剤、強化接着剤、車体接着剤又は風力タービンの回転翼の羽根用の半シェル接着剤としての、建設業又は製造業における構造接着に関する。
そのようなエポキシ樹脂接着剤は、同様に、空洞、例えば間隙、亀裂又はドリル穴などを充填するのに好適であり、ここで、接着剤は、空洞中へ充填されるか又は注入され、硬化後にそれを充填し、力嵌めで空洞の側面を互いに接合するか又は貼り付ける。
この場合に、エポキシ樹脂組成物は、特に、以下の工程を含む接着方法に使用される:
(i)エポキシ樹脂組成物の成分を混合すること、
(ii)混合組成物を可使時間内に、
- 接着される基材の少なくとも1つに塗布し、基材を接合してオープンタイム内に接着を形成するか、又は
- 2つ以上の基材間の空洞又は間隙中へ塗布し、任意選択的にアンカーをオープンタイム内に空洞又は間隙中へ挿入し、
続いて、この混合組成物を硬化させること。
「アンカー」は、ここではより具体的には、鉄筋、ねじ棒又はボルトを言う。アンカーは、特にこうして、それの一部が力に適合したやり方で接着され、それの一部が突き出ており、施工荷重を受けることができるように壁、天井又は基礎に接着結合される。
同一の若しくは異なる基材が接着され得る。
エポキシ樹脂組成物の塗布及び硬化は、物品を提供する。
本発明は、したがって、エポキシ樹脂組成物の使用から得られる物品を更に提供する。
物品は、好ましくは、建造物又はそれの一部、とりわけ地上又は地下の建造物、オフィス、産業ホール、スポーツホール、低温室、サイロ、橋梁、屋根、階段、床、バルコニー、テラス若しくは立体駐車場、又は産業財若しくは消費財、とりわけ埠頭、沖合プラットフォーム、ロックゲート、クレーン、隔壁、パイプライン若しくは風力タービンの回転翼の羽根、又は輸送手段、例えば特に自動車、トラック、鉄道車両、船、航空機若しくはヘリコプター、又はそれらのインストール可能な構成要素である。
エポキシ樹脂組成物は、有利な特性によって特徴付けられる。それはまた、ほとんどない又は全くないうすめ液で調合することができ、そのような調合物は、低い粘度及び良好な加工性を有し、特に湿気のある及び低温条件下でさえも、再現性よく及び迅速に硬化する。これは、高い機械的品質の及び高い表面品質を有するコーティングをもたらす。そのようなエポキシ樹脂製品は、とりわけ床用の、コーティングとして特に好適である。エポキシ樹脂組成物中に存在するアミン官能性付加体は、更なるアミン及びうすめ液と組み合わせるための高い柔軟性を可能にし、特に速い硬化を可能にする。さらに存在する任意選択のIPDAは、ガラス転移温度の上昇を可能にする。
記載される本発明を更に明らかにすることを意図する、実施例が、本明細書で以下に提示される。本発明は、もちろん、これらの記載される実施例に限定されない。
「AHEW」は、アミン水素当量を表す。
「EEW」は、エポキシ当量を表す。
「標準気候条件」(「SCC」)は、23±1℃の温度及び50±5%の相対空気湿度を言う。
使用される化学薬品は、特に明記しない限り、Sigma-Aldrich Chemie GmbH製であった。
測定方法の説明:
粘度は、恒温Rheotec RC30コーン-プレート粘度計(コーン直径 50mm、コーン角 1°、コーンチップ-プレート直径 0.05mm、せん断速度 10s-1)で測定した。
アミン価は、(クリスタルバイオレットに対して酢酸中の0.1N HClOでの)滴定によって測定した。
液体クロマトグラフィー(UHPLC)は、フェニルイソシアネートでの誘導体化後のN-ベンジルエタン-1,2-ジアミンの定量的測定のために外部較正に対したて実施した。
ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)は、2:1付加体、3:2付加体及び3:2超付加体の重量比の測定のために標準としてのポリスチレンに対した実施した。
使用される物質及び略語:
Araldite(登録商標)GY 250:ビスフェノールAジグリシジルエーテル、EEW 187g/当量(Huntsman製)
Araldite(登録商標)DY-E:C12~C14アルコールのモノグリシジルエーテル、EEW およそ290g/当量(Huntsman製)
B-EDA:N-ベンジルエタン-1,2-ジアミン、下記のように調製される、150.2g/mol、AHEW 50g/当量
IPDA:1-アミノ-3-アミノメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキサン、AHEW 42.6g/当量(Evonik製のVestamin(登録商標)IPD)
Ancamine(登録商標)K54 2,4,6-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール(Air Products製)
式(I)のジアミンの調製
N-ベンジルエタン1,2-ジアミン(B-EDA):
丸底フラスコに、室温で窒素雰囲気下に180.3g(3mol)のエタン-1,2-ジアミンを装入した。1200mlのイソプロパノール中の106.0g(1mol)のベンズアルデヒドの溶液を、十分に撹拌しながらゆっくり滴加し、撹拌を更なる2時間続行した。反応混合物を次いで、80barの水素圧、80℃の温度、及び5ml/分の流量でPd/C固定床触媒を使って連続水素化装置において水素化した。反応を監視するために、IR分光法を用いておよそ1665cm-1でのイミンバンドが消失したかどうかをチェックした。水素化溶液を次いで、65℃にてロータリーエバポレーターで濃縮し、未反応エタン-1,2-ジアミン、水、及びイソプロパノールを除去した。このようにして得られた反応混合物は、678mg KOH/gのアミン価を有する及び、GCによって測定されるように、およそ85重量%のN-ベンジルエタン-1,2-ジアミン(保持時間 8.47~8.57分)を含有する透明な、淡黄色の液体であった。
120gのこの反応混合物を減圧下で80℃での蒸留によって精製し、60~65℃の蒸気温度及び0.06mbarで集められる75.1gの留出物(N-ベンジルエタン-1,2-ジアミン)をもたらした。20℃で8mPa・sの粘度、750mg KOH/gのアミン価及び97%超の、GCによって測定される、純度を有する無色液体が得られ、それを以下の実施例において使用した。これを、更なる実施例のために使用した。
付加体の調製
付加体A1:(エポキシ基の1モル当量に対して1.5モルのジアミン(I)を含有する発明付加体)
45.0g(0.3mol)のN-ベンジルエタン-1,2-ジアミン(B-EDA)の最初の装入物を窒素雰囲気下で80℃に加熱した。これに、反応混合物の温度が冷却によって70~90℃に維持された状態で、十分に撹拌しながら36.8g(0.2molのエポキシ基)のAraldite(登録商標)GY 250をゆっくり添加した。反応混合物を1時間この温度範囲内に保持し、次いで冷却した。262Pa・sの20℃での(132Pa・sの25℃での)粘度、408mg KOH/gのアミン価、及び116.3g/当量の算出AHEWを有する透明な、わずかに黄色っぽい液体が得られた。
密封容器中室温で3ヶ月間の貯蔵後に、付加体は、透明で液体のままであった。
付加体A1は、UHPLCに従って24.2重量%のN-ベンジルエタン-1,2-ジアミンを含有し、付加体分子は、GPCに従って重量比2:1付加体/3:2付加体/3:2超付加体=42.5/27.0/30.5にあった。
付加体A2:(エポキシ基の1モル当量に対して2.5モルのジアミン(I)を含有する比較例)
45.0g(0.3mol)のN-ベンジルエタン-1,2-ジアミン(B-EDA)の最初の装入物を窒素雰囲気下で80℃に加熱した。これに、反応混合物の温度が冷却によって70~90℃に維持された状態で、十分に撹拌しながら22.5g(0.12molのエポキシ基)のAraldite(登録商標)GY 250をゆっくり添加した。反応混合物を1時間この温度範囲内に保持し、次いで冷却した。2.8Pa・sの20℃での粘度、493mg KOH/gのアミン価、及び86.5g/当量の計算AHEWを有する透明な、わずかに黄色っぽい液体が得られた。
付加体A2は、UHPLCに従って45.1重量%のN-ベンジルエタン-1,2-ジアミンを含有し、付加体分子は、GPCに従って重量比2:1付加体/3:2付加体/3:2超付加体=63/27/10にあった。
付加体A3:(IPDAの付加体)
51.1g(0.3mol)のIPDA及び147.3gのベンジルアルコールの最初の装入物を窒素雰囲気下で80℃に加熱した。これに、反応混合物の温度が冷却によって70~90℃に維持された状態で、十分に撹拌しながら37.6g(0.2molのエポキシ基)のAraldite(登録商標)GY 250をゆっくり添加した。反応混合物を1時間この温度範囲内に保持し、次いで冷却した。236.4g/当量の計算AHEWを有する透明な、わずかに黄色っぽい液体が得られた。
硬化剤及びエポキシ樹脂組成物の調製
実施例1~9:
各実施例について、表1及び2に明記される樹脂成分の構成要素を、遠心ミキサー(SpeedMixer(商標) DAC 150,FlackTek Inc.)を用いて明記される量で(重量部単位で)混合し、水分を排除して貯蔵した。
表1及び2に明記される硬化剤成分の構成要素を同様に処理し、貯蔵した。
各組成物の2つの成分を、次いで、遠心ミキサーを用いて処理して均一液体にし、これを直ちに次の通り試験した:
混合の10分後に、粘度を20℃で測定した(「粘度(10分)」)。
ゲル化時間は、混合組成物(25g)を、それがケル化し始めるまで時々スパチュラでかき混ぜることによって標準気候条件において測定した。
DIN 53505に従ったショアD硬度の測定については、2つの円筒形試験検体(直径 20mm、厚さ 5mm)を各場合に製造した。1つは、標準気候条件下で貯蔵し、硬度を1日後及び2日後に測定し(1d SCC及び2d SCC);他は、8℃及び80%相対湿度で貯蔵し、硬度を低温状態で1日後及び2日後に測定した(1d 8℃/80%及び2d 8℃/80%)。
第1フィルムコーティングを、500μmの層厚さでガラス板に塗布し、これを標準条件下で貯蔵し/硬化させた。Koenig硬度(Koenigペンジュラム硬度、DIN EN ISO 1522に従って測定される)を、このフィルムに関して1日後に(「Koenig硬度(1d SCC)」)、2日後に(「Koenig硬度(2d SCC)」)、4日後に(「Koenig硬度(4d SCC)」)、7日後に(「Koenig強度(7d SCC)」)、及び14日後に(「Koenig硬度(14d SCC)」)測定した。いったん200s超の値が達成されたら、Koenig硬度は再び測定しなかった。14日後に、フィルムの外観を評価した(表において「外観(SCC)」と指定される)。フィルムは、構造物なしで光沢のある、非粘着性の表面を有する場合に「良い」と記載された。「構造」は、表面上のあらゆる種類のマーキング又はパターンを言う。
第2フィルムコーティングを、500μmの層厚さでガラス板に塗布し、これを塗布後に直ぐに8℃及び80%相対湿度で7日間、次いで、標準気候条件下で2週間貯蔵し/硬化させた。塗布の24時間後に、その真下に小型の湿らせたスポンジが配置されていたポリプロピレンボトルの蓋をフィルム上に置いた。更なる24時間後に、スポンジ及びボトルの蓋を除去し、フィルム上の新たな点に配置し、24時間後にそこからそれらを順繰りに除去し、再配置し、これを合計4回行った。このフィルムの外観を、次いで、外観(SCC)について記載されたのと同じ方法で評価した(表には「外観(8℃/80%)」と指定する)。また、トップ上の湿らせたスポンジ又はボトルの蓋の結果としてフィルムに形成された、目に見えるマークの数及び性質を、各場合について報告した。白色着色スポットの数を「かぶり」として報告した。かすかな白色変色スポットは、「(1)」と指定した。塗布の後24時適用された第1ボトルの蓋の沈下のために環形状の跡が存在する場合に、指定「環」を報告した。そのような環形状の跡は、コーティングが固まらず、すぐにその上を歩けなかったことを示す。このようにして硬化したフィルムに関してKoenig硬度を、各場合に8℃及び80%相対湿度で7日後に(「Koenig硬度(7d 8℃/80%)」)及び次いで、SCC下で更なる2日後に(「Koenig硬度(+2d SCC)」)、SCC下で7日後に(「Koenig硬度(+7d SCC)」)、及びSCC下で14日後に(「Koenig硬度(+14d SCC)」)再び測定した。いったん190s超の値が達成されたら、Koenig硬度は再び測定しなかった。
Tg(ガラス転移温度)は、Mettler Toledo DSC 3+700機器及び以下の測定プログラム:(1)2分間-10℃、(2)10K/分の加熱速度で-10から200℃まで(=第1ラン)、(3)-50K/分の冷却速度で200から-10℃まで、(4)2分間-10℃、(5)10K/分の加熱速度で-10から180℃まで(=第2ラン)の測定プログラムを用いて、標準気候条件下で14日間貯蔵された硬化試料に関してDSCによって測定した。
黄変の尺度として、耐候試験装置でストレスを加えた後の色の変化を測定した。このために、更なるフィルムコーティングを500μmの層厚さでガラス板に塗布し、これを2週間標準気候条件下で貯蔵し/硬化させ、次いで、Q-SUN Daylight-Q光学フィルターと340nmで0.51W/mの光強度を有するキセノンランプとを有するモデルQ-Sun Xenon Xe-1耐候試験装置で65℃の温度にて72時間ストレスを加えた(Q-Sun(72h))。ストレスを加えたフィルム対対応するストレスを加えていないフィルムの色の差ΔEを、次いで、シリコン光電子ダイオード検出器、光源A、色空間測定界面CIE L*a*b*C*H*を備えたShenzen 3NH Technology Co.LTD製のNH310比色計を用いて測定した。5以下のΔE値は、わずかな黄変を表す。
結果を表1及び2に報告する。
「(Ref.)」と指定される実施例は、比較例である。
Figure 2023514488000005
Figure 2023514488000006

Claims (15)

  1. エポキシ基の1モル当量に対して、1.3~1.7モルの範囲内のジアミンの化学量論比での、
    (i)式(I)の少なくとも1種のジアミン:
    Figure 2023514488000007
    (式中、
    Aは、2~12個の炭素原子を有するアルキレン基、シクロアルキレン基、又はアリールアルキレン基であり、
    Rは、1~12個の炭素原子を有するアルキル基、シクロアルキル基、又はアリールアルキル基であり、
    ここで、2個の窒素原子は、少なくとも2個の炭素原子によって互いに分離しており、式(I)の前記ジアミンは、合計8~15個の炭素原子を有する)
    と、
    (ii)少なくとも1種の芳香族ジエポキシド
    との反応からのアミン官能性付加体。
  2. Aは、1,2-エチレン、1,2-プロピレン、2-メチル-1,2-プロピレン、1,3-ペンチレン、1,2-シクロヘキシレン、1,4-シクロヘキシレン、4(2)-メチル-1,3-シクロヘキシレン、1,3-シクロヘキシレンビス(メチレン)、1,4-シクロヘキシレンビス(メチレン)、1,3-フェニレンビス(メチレン)、及び1,4-フェニレンビス(メチレン)からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の付加体。
  3. Rは、2-エチルヘキシル、2-フェニルエチル、ベンジル、1-ナフチルメチル、及びシクロヘキシルメチルからなる群から選択されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の付加体。
  4. 式(I)の前記ジアミンは、N-ベンジルエタン-1,2-ジアミンであることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の付加体。
  5. 製造のために使用される式(I)の前記ジアミンは、少なくとも80重量%の純度を有することを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の付加体。
  6. 30/70~49.9/50.1の範囲内の重量比で、2:1付加体及びより高次の付加体を含有することを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の付加体。
  7. 1重量%未満のうすめ液又は水を含有することを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の付加体。
  8. 10s-1のせん断速度でコーン-プレート粘度計を用いて測定される、50~500Pa・sの範囲内の20℃での粘度を有することを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の付加体。
  9. 請求項1~8のいずれか一項に記載の付加体と、更なるアミン、硬化促進剤、及びうすめ液からなる群から選択される少なくとも1つの更なる構成成分とを含む、エポキシ樹脂用の硬化剤。
  10. 1~70重量%の請求項1~8のいずれか一項に記載の付加体が存在することを特徴とする、請求項9に記載のエポキシ樹脂用の硬化剤。
  11. 任意選択的にエポキシ樹脂とのアミン官能性付加体の形態で、1-アミノ-3-アミノメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキサンが更なるアミンとして存在することを特徴とする、請求項9又は10に記載のエポキシ樹脂用の硬化剤。
  12. 1-アミノ-3-アミノメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキサンに由来するアミン水素の数と式(I)の前記ジアミンに由来するアミン水素の数の比は、90/10~20/80の範囲内にあることを特徴とする、請求項11に記載のエポキシ樹脂用の硬化剤。
  13. 以下を含む、エポキシ樹脂組成物:
    - 少なくとも1種のエポキシ樹脂を含む樹脂成分、及び
    - 請求項1~8のいずれか一項に記載の付加体又は請求項9~12のいずれか一項に記載の硬化剤を含む硬化剤成分。
  14. コーティング、プライマー、接着剤、シーラント、ポッティングコンパウンド、キャスティング樹脂、含浸樹脂として、又は繊維複合材料用のマトリックスとしての請求項13に記載のエポキシ樹脂組成物の使用。
  15. 請求項14に記載の使用から得られる物品。
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