JP2023514080A - 幹細胞を含む心膜内注入用組成物およびその用途 - Google Patents

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Abstract

【課題】幹細胞の治療効果を向上させるための、幹細胞を有効成分として含む心膜内注入用組成物およびその用途などを提供する。【解決手段】本発明は、幹細胞を含む心膜内注入用組成物およびその用途などに関し、より詳しくは、幹細胞を心膜内に効果的に移植して、幹細胞の治療効果を向上させることができる組成物に関する。【選択図】図1

Description

本発明は、幹細胞を含む心膜内注入用組成物およびその用途などに関する。
幹細胞(stem cell)とは、生物組織を構成する多様な細胞に分化できる細胞であり、胚芽、胎児、および成体の各組織で得ることができる分化する前の未分化細胞を総称する。多様な種類の幹細胞のうち、心臓幹細胞(cardiac stem cell)とは、心臓内に常駐する細胞であり、心臓を構成するすべての細胞に分化できる多機能性を有する幹細胞を指す。
一方、虚血性心疾患(Ischemic heart disease)とは、心臓に血液を供給する血管(冠状動脈)が狭くなって、心臓筋肉の一部に血液供給が不足して発生する疾患であり、最近、高齢化社会への急進的変化に起因して発病率が顕著に増加している疾患の一つである。虚血性心疾患としては、狭心症(angina pectoris)、心筋梗塞(myocardial infarction)などがあり、これを治療するために、薬物治療、血管成形術、心臓移植などを含む多様な治療方法が試みられているが、まだ心疾患を効果的に治療できる方法は不足しているのが現状である。
最近では、このような限界点を克服するために、幹細胞を用いて心臓および心筋の再生を可能にする細胞治療(cell therapy)に関する研究が活発に行われているが、幹細胞を体内に移植した後に、心臓組織への分化効率が顕著に低いだけでなく、移植された幹細胞の体内生存率が低いため、実質的な治療方法として使用されるには限界がある(韓国特許登録10-1915367号)。
したがって、幹細胞を用いて心筋への分化効率を増加させることができるだけでなく、血管の新生を促進させることができる効果的な方法が開発される場合、幹細胞を用いた虚血性心疾患の治療効果を顕著に増加させることができることが期待される。
本発明は、前記のような従来技術上の問題点を解決するためになされたもので、幹細胞の治療効果を向上させるための、幹細胞を有効成分として含む心膜内注入用組成物およびその用途などを提供することをその目的とする。
しかしながら、本発明が解決しようとする技術的課題は、以上で言及した課題に制限されず、言及されていない他の課題は、以下の記載から本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が明確に理解できる。
本発明は、幹細胞を有効成分として含む心膜内注入用組成物を提供する。
本発明の一具体例において、前記幹細胞は、幹細胞微小球であってもよく、前記幹細胞微小球は、好ましくは、10~500μmの直径を有していてもよく、より好ましくは、50~300μm以下であることが好ましい。また、前記幹細胞微小球は、好ましくは、1個当たり100~5000個の細胞を含んでもよく、より好ましくは、300~3000個の細胞を含んでもよい。
本発明の他の具体例において、前記心膜内注入用組成物は、ヒドロゲル(hydrogel)をさらに含んでもよく、前記ヒドロゲルは、好ましくは、コラーゲン(collagen)、ゼラチン(gelatin)、コンドロイチン(chondroitin)、ヒアルロン酸(hyaluronic acid)、アルギン酸(alginic acid)、マトリゲル(MatrigelTM)、キトサン(chitosan)、ペプチド(peptide)、フィブリン(fibrin)、PGA(polyglycolic acid)、PLA(polylactic acid)、PEG(polyethylene glycol)、ポリアクリルアミド(polyacrylamide)などであってもよく、前記高分子物質を一つ以上混合して製造することもできる。しかし、一般的に、心膜内に注射するための容易な形態のヒドロゲルであれば、これに制限されない。
本発明のさらに他の具体例において、前記フィブリンゲルは、トロンビン(thrombin)およびフィブリノゲン(fibrinogen)を混合して製造することができ、前記トロンビンは、好ましくは、0.05~5IU/mLの濃度で使用することができ、より好ましくは、0.1~2IU/mLであってもよく、前記フィブリノゲンは、好ましくは、0.01~10mg/mLの濃度で使用することができ、より好ましくは、0.05~5mg/mLの濃度で使用することができるが、一般的に、フィブリノゲンを作るのに使用される濃度であれば、制限されない。また、前記フィブリノゲンは、ヒト由来フィブリノゲン濃縮物を使用することもできる。
本発明のさらに他の具体例において、前記幹細胞は、好ましくは、心筋由来幹細胞(心臓幹細胞または心臓前駆細胞)、骨髄由来幹細胞、脂肪由来幹細胞、臍帯血由来幹細胞、逆分化幹細胞、血管内皮前駆細胞、造血幹細胞、神経幹細胞などであってもよいが、虚血性疾患の治療用途に使用できる幹細胞であれば、これに制限されない。
また、本発明は、前記心膜内注入用組成物を有効成分として含む虚血性心疾患の予防または治療用薬学的組成物を提供する。
また、本発明は、前記心膜内注入用組成物を有効成分として含む組成物を個体に投与する段階を含む虚血性疾患の予防または治療方法を提供する。
また、本発明は、前記心膜内注入用組成物を有効成分として含む組成物の虚血性疾患の予防または治療用途を提供する。
また、本発明は、前記心膜内注入用組成物の虚血性疾患に用いられる薬剤を生産するための用途を提供する。
本発明の一具体例において、前記虚血性心疾患は、好ましくは、心筋梗塞、狭心症などであってもよいが、心筋細胞への分化促進、心臓血管形成促進などによって治療できる心疾患であれば、これに制限されない。
本発明による心膜内注入用組成物を用いて幹細胞を移植した場合には、動物モデルの生存率、幹細胞の生着程度、移植された幹細胞の心筋細胞および血管細胞への分化などが促進されるだけでなく、心筋梗塞に起因して損傷した心臓組織が移植された幹細胞により効果的に再生され、血管形成が促進されて、心臓機能を効果的に回復させることができる。したがって、本発明の心膜内注入用組成物を用いて幹細胞を多様な虚血性心疾患の治療剤として効果的に使用できることが期待される。
図1は、本発明の一実施例による心筋梗塞動物モデルに心臓幹細胞を心筋内または心嚢内移植した後、心臓機能の回復程度を心超音波で確認した結果を示す図である。**は、p<0.01を示す。 図2は、本発明の一実施例による心臓幹細胞微小球を顕微鏡で確認した結果を示す図である。白色バーは100μmを示す。 図3は、本発明の一実施例による心筋梗塞動物モデルに心臓幹細胞微小球を移植した後、生存率を確認した結果を示す図である。 図4は、本発明の一実施例による心筋梗塞動物モデルに心臓幹細胞微小球を移植した後、心臓幹細胞微小球が心臓内に正常に生着したか否かを蛍光顕微鏡で確認した結果を示す図である。 図5Aは、本発明の一実施例によるDiR蛍光強度による細胞数を測定した結果を示し、図5Bは、本発明の一実施例による心臓内心臓幹細胞の数を蛍光強度によって確認した結果を示す図である。 図6は、本発明の一実施例による心臓幹細胞微小球の移植方法による生着率を比較した結果を示す図であり、白色バーは20μmを示し、*は、p<0.05を示す。 図7は、本発明の一実施例による移植された心臓幹細胞の分化有無を免疫染色法を用いて確認した結果を示す図である。白色バーは20μmを示す。 図8は、本発明の一実施例による心臓幹細胞微小球の移植方法による心筋細胞の再生効果を免疫染色法を用いて確認した結果を示す図である。白色バーは50μmを示し、*は、Controlグループとのp valueが0.05未満であることを示し、**は、Controlグループとのp valueが0.01未満であることを示し、#は、CSC spheroidグループとのp valueが0.01未満であることを示す。 図9は、本発明の一実施例による心臓幹細胞微小球の移植方法による心臓血管の再生効果を免疫染色法を用いて確認した結果を示す図である。白色バーは50μmを示し、**は、Controlグループとのp valueを示し、p<0.01であることを示し、#は、CSC spheroidグループとのp valueを示し、p<0.01であることを示す。 図10は、本発明の一実施例による心臓幹細胞微小球の移植方法による損傷した心臓組織の回復程度をH&E染色法で確認した結果を示す図である。黒色バーは50μmを示す。 図11は、本発明の一実施例による心臓幹細胞微小球の移植方法による損傷した心臓組織の回復程度をMT染色法で確認した結果を示す図である。黒色バーは50μmを示し、*は、Controlグループとのp valueが0.05未満であることを示し、**は、Controlグループとのp valueが0.01未満であることを示し、#は、CSC spheroidグループとのp valueが0.01未満であることを示す。 図12は、本発明の一実施例による心臓幹細胞または心臓幹細胞微小球の移植による心臓機能の回復程度を心超音波で確認した結果を示す図である。**は、p<0.01を示し、***は、p<0.001を示す。 図13は、本発明の一実施例による心臓幹細胞/フィブリンゲルまたは心臓幹細胞微小球/フィブリンゲルの移植による心臓機能の回復程度を心超音波で確認した結果を示す図である。*と#は、0.05を示し、**と##は、0.01を示し、***は、0.001を示す。
本発明の幹細胞心膜内注入用組成物を用いて幹細胞を移植する場合、動物モデルの生存率、幹細胞の生着程度、移植された幹細胞の心筋細胞および血管細胞への分化が促進されるだけでなく、心筋梗塞によって損傷した心臓組織が移植された幹細胞により効果的に再生され、血管形成が促進されて、心臓機能が顕著に向上することを確認した。したがって、多様な虚血性心疾患の細胞治療剤として効果的に使用できることを確認することができた。
本明細書において、「幹細胞(stem cell)」とは、様々な種類の身体組織細胞に分化できる能力、すなわち、幹細胞性(stemness)を有する未分化細胞を総称する広義の概念をいう。このような幹細胞は、大きく、胚芽を用いて製造できる胚性幹細胞(embryonic stem cell)、成体幹細胞(adult stem cell)、生殖細胞(gamete)、がん幹細胞(cancer stem cell)などに分けられる。これらのうち、心臓幹細胞(cardiac stem cell)は、心臓内に存在する幹細胞であり、心臓を構成するすべての細胞に分化できる多機能性を有する幹細胞を指す。
本明細書において、「微小球(spheroid)」とは、心臓幹細胞を立体培養(3D培養)して製造された球体形態の細胞塊を総称する。
本明細書において、「虚血性心疾患(Ischemic heart disease)」とは、心臓に血液を供給する血管(冠状動脈)が狭くなって、心臓筋肉の一部に血液供給が不足して発生する疾患である。血液供給が不足して心臓に必要な酸素と栄養素が十分に供給できにくくなり、心臓に異常が生じることが特徴であり、虚血性心疾患の種類としては、心筋梗塞および狭心症、具体的に安定狭心症(Stable angina)、不安定狭心症(Unstable angina)、異型狭心症(Variant angina)、急性心筋梗塞症(Acute myocardial infarction)などがある。
本明細書において、「予防(prevention)」とは、本発明による組成物の投与によって虚血性心疾患を抑制させたり発病を遅延させるすべての行為を意味する。
本明細書において、「治療(treatment)」とは、本発明による組成物の投与によって虚血性心疾患の症状が好転したり有益に変更されるすべての行為を意味する。
本明細書において、「個体( subject )」とは、本発明の組成物が投与される対象をいい、その対象には制限がない。
本明細書において、「薬学的組成物(pharmaceutical composition)」とは、カプセル、錠剤、顆粒、注射剤、軟膏剤、粉末または飲料形態であることを特徴とし、前記薬学的組成物は、ヒトを対象にすることを特徴とする。本発明の薬学的組成物は、製薬学的に許容可能な担体を含んでもよい。薬剤学的に許容可能な担体は、経口投与時には、結合剤、滑沢剤、崩解剤、賦形剤、可溶化剤、分散剤、安定化剤、懸濁化剤、色素、香料などを使用でき、注射剤の場合には、緩衝剤、保存剤、無痛化剤、可溶化剤、等張化剤、安定化剤などを混合して使用でき、局所投与用の場合には、基剤、賦形剤、潤滑剤、保存剤などが使用できる。本発明の薬学的組成物の剤形は、上述したような薬剤学的に許容可能な担体と混合して多様に製造することができる。例えば、経口投与時には、錠剤、トローチ、カプセル、エリクシール(elixir)、サスペンション、シロップ、ウェハーなどの形態で製造することができ、注射剤の場合には、単位投薬アンプルまたは多回投薬形態で製造することができる。その他、糖衣錠、ゲル、丸剤、散剤、顆粒剤、坐剤、外用剤、溶液、懸濁液、徐放性製剤、スラリーなどに剤形化して使用することもできる。一方、製剤化に適した担体、賦形剤および希釈剤の例としては、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、マルチトール、デンプン、アカシアガム、アルギネート、ゼラチン、カルシウムホスフェート、カルシウムシリケート、セルロース、メチルセルロース、微晶質セルロース、ポリビニルピロリドン、水、メチルヒドロキシ安息香酸、プロピルヒドロキシ安息香酸、タルク、マグネシウムステアレート、鉱物油などが使用できる。また、充填剤、抗凝集剤、潤滑剤、湿潤剤、香料、乳化剤、防腐剤などをさらに含んでもよい。
本発明による薬学的組成物の投与経路は、これらに限定されるものではないが、心膜内投与が好ましく、例えば、口腔、静脈内、筋肉内、関節内、滑液嚢内、動脈内、骨髄内、硬膜内、心臓内、経皮、皮内、皮下、腹腔内、鼻腔内、腸管、局所、舌下、直腸、胸骨内、病巣内、頭蓋骨内などが含まれる。
本発明の薬学的組成物の投与量は、使用された特定化合物の活性、年齢、体重、一般的な健康、性別、食事、投与時間、投与経路、排出率、薬物配合および予防または治療される特定疾患の重症を含む様々な要因によって多様に変わることができて、患者の状態、体重、病気の程度、薬物形態、投与経路および期間によって異なるが、当業者によって適切に選択されることができ、1日に0.0001~500mg/kgまたは0.001~500mg/kgで投与することができる。投与は、一日に一回投与することもでき、数回に分けて投与することもできる。前記投与量は、いかなる面においても、本発明の範囲を限定するものではない。
以下、本発明の理解を助けるために好ましい実施例を提示する。しかしながら、下記の実施例は、ただ本発明をより容易に理解するために提供されるものであり、下記実施例によって本発明の内容が限定されるものではない。
[実施例]
実施例1:心筋梗塞動物モデルの製作および心臓幹細胞の移植
すべての動物の取り扱いおよび手続きは、韓国の梨花女子大学校の動物管理および使用委員会の承認を得た研究プロトコルによって行った(IACUC番号:18-073)。心筋梗塞(myocardial infarction,MI)動物モデルを製作するために、10~12週齢のBALB/c雄マウスを3%イソフルラン(isoflurane)を用いて麻酔させた。また、開胸術を通じて心臓を確認し、近位左前下行冠動脈(proximal left anterior descending coronary artery)を7-0 Prolene縫合糸(Ethicon)を用いて結紮(ligation)させて、心筋梗塞動物モデルを製作した。
また、心臓幹細胞を移植するために、動物モデルの心筋(intramuscular,IM)または心膜腔(pericardial cavity,IP)に27ゲージのハミルトンシリンジを用いて心臓幹細胞を注射した。より詳しくは、15μLの塩類溶液に添加された5×10 cellsの心臓幹細胞を心筋または心膜内注入し、対照群としては、塩類溶液を同量注射した。
移植が完了した後、胸および皮膚を閉じ、鎮痛剤として2~5mg/kg s.cのケトプロフェン(ketoprofen)を提供して、手術後の痛みを軽減させて回復させた。また、虚血(ischemia)の有無は、移植手術後、1週間から心電図(ECG)上でST segmentが増加し、心臓チアノーゼ(cyanosis)が現れることを通じて確認した。
心臓幹細胞移植方法による治療効果を確認するために、心臓の機能を心超音波を用いて確認した。より詳しくは、移植後2週間後にマウスを麻酔させ、37℃のheating padの上に載置し、echocardiography probe(MS-400)が装着されたVEVO2100micro-ultrasound system(Visual Sonics)を用いて心超音波を実施した。左心室(LV)は、parasternal long-axisおよびM-mode tracingsを全部イメージ化し、2次元心超音波のcine loopsを記録した。駆出率(ejection fraction,EF)、短縮率(fractional shortening,FS)値をそれぞれ測定した。その結果は、図1に示した。
図1に示されたように、黒色バーは心筋に注射した結果であり、灰色バーは心膜内注射した結果であり、心臓幹細胞を心筋に注射した場合と比較して、心膜内注射した場合に有意的に心臓の機能が回復したことを確認し、これを通じて、心臓幹細胞を心膜内注入することによって、心筋梗塞の治療効果を向上させることができることを確認することができた。
実施例2:心臓幹細胞微小球の製作
心臓幹細胞(cardiac stem cells,CSCs)の微小球(spheroid)を製造するために、一次的にヒト由来心臓幹細胞を培養液(10%(v/v)ウシ胎仔血清(fetal bovine serum,FBS)、10ng/ml epidermal growth factor(EGF)、2ng/ml basic fibroblast growth factor(bFGF)、10ng/ml insulin-like growth factor-1(IGF-1)および1%(v/v)antibiotics-antimycoplasmic reagent(AA)がDMEM:F-12(1:1 volume ratio))が収容されたT-75フラスコに接種し、5%CO、37℃培養器で密集度(confluency)が80%に到達するまで培養した後、継代培養した。11回継代培養した心臓幹細胞をそれぞれ2.5×10、5×10、7.5×10、1×10 cells/mLの濃度になるように、1%(v/v)子牛の血清(calf serum,CS)、0.1%(v/v)DMSO、および50μg/mLのアスコルビン酸(ascorbic acid)が添加されたDMEM with low glucoseが収容されているUltra-Low Attachment Surface 6 well culture plate(Corning)に接種し、3日間培養して、心臓幹細胞微小球を製作した。それぞれの細胞数によって生成された微小球のサイズは、光学顕微鏡で生成された微小球の直径を測定して示した。その結果は、図2Cおよび図2Dに示した。また、形成された微小球をLIVE/DEAD Viability/Cytotoxicity Assay Kit(Molecular ProbesTM)を用いて染色した後、微小球内に含まれている細胞の数による細胞の生存程度を確認した。その結果は、図2Aおよび図2Bに示した。
図2Cおよび図2Dに示されたように、平均直径が300μm程度の均一なサイズの心臓幹細胞微小球が製作されたことを確認した。また、図2Aおよび図2Bに示されたように、微小球に5000個の細胞が含まれた場合、また、直径が500μm以上になった場合、微小球内部の細胞が死滅が誘導されることを確認した。前記結果を通じて、微小球それぞれに200cells以上、かつ、5000cells未満で含まれた場合、または、微小球の直径が10~500μmである場合、細胞死滅が誘導されない最も効果的な心臓幹細胞微小球であることを確認することができた。
実施例3:ヒドロゲルを用いた微小球心膜内注入用組成物の製作
ヒドロゲルを用いた心膜内注入用組成物を製造するために、7.5μLのトロンビン溶液(0.5IU/mL)に5×10cells/mLの心臓幹細胞または5×10cells/mLの心臓幹細胞を用いて製造された心臓幹細胞微小球を懸濁し、前記懸濁液に7.5μLのフィブリノゲン濃縮物(0.2mg/mL)を添加し、反応させて、ゲル形態の心臓幹細胞微小球心膜内注入用組成物を製作した。
実施例4:心臓幹細胞、心臓幹細胞微小球、ヒドロゲルに含まれている心臓幹細胞、またはヒドロゲルに含まれている心臓幹細胞微小球の移植
心臓幹細胞微小球を移植するために、一次的に実施例1と同じ方法で心筋梗塞動物モデルを製作した。また、製作された心筋梗塞動物モデルに5×10cells/mLの心臓幹細胞、5×10cells/mLの心臓幹細胞を用いて製造された心臓幹細胞微小球(CSC spheroid)、または実施例3と同じ方法で製造されたヒドロゲルに含まれている心臓幹細胞(CSC+gel)、またはヒドロゲルに含まれている心臓幹細胞微小球(CSC spheroid-Gel)をそれぞれ15μLずつ心膜腔(pericardial cavity)に27ゲージのハミルトンシリンジを用いて試料を注射した。以下、すべての実験において「Sham」グループは、何らの処置もしない正常マウスであり、「Control」グループは、心筋梗塞動物モデルであり、「Saline」グループは、塩類溶液を同量注射した対照群であり、「CSC」グループは、心臓幹細胞を注射した実験群であり、「CSC spheroid」グループは、心臓幹細胞微小球を同量注射した実験群であり、「CSC+gel」グループは、ヒドロゲルに含まれている心臓幹細胞を同量注射した実験群であり、「CSC spheroid-Gel」グループは、ヒドロゲルに含まれている心臓幹細胞微小球を同量注射した実験群を示す。
また、移植が完了した後、胸および皮膚を閉じ、鎮痛剤として2~5mg/kg s.cのケトプロフェン(ketoprofen)を提供して、手術後の痛みを軽減させて回復させた。
実施例5:心臓幹細胞微小球心膜内注入用組成物の治療効果の確認
5.1.動物モデルの生存率の確認
実施例4と同じ方法で移植された心筋梗塞動物モデルの生存率をKaplan-Meierカーブで確認した。以後、すべての実験は、最小3回以上繰り返し行い、結果は、平均値±標準偏差で示した。統計的有意性は、2つのグループ間には、Student’s t-testで確認し、3つ以上のグループ間には、two-way ANOVA後にBonferroni’s comparison testを用いて確認した。p<0.05であれば、統計的に有意性があると判断した。その結果は、図3に示した。
図3に示されたように、4週目にControlグループは、48%程度の生存率を示し、Salineグループは、Controlグループより低い40%程度の生存率を示し、心臓幹細胞微小球を移植した場合には、59%程度の生存率を示す反面、心臓幹細胞微小球の心膜内注入用組成物を移植した場合には、初めて移植した1週目から生存率が減少せず、67%程度の生存率を維持することを確認した(p<0.01)。前記結果を通じて、心筋梗塞が誘導されるにつれて減少した生存率(1週目)が心臓幹細胞微小球またはヒドロゲルに含まれている心臓幹細胞微小球を移植した場合に心筋梗塞治療効果を示して、生存率が維持されることを確認することができた。
5.2.移植された心臓幹細胞微小球の生着有無の確認
移植された心臓幹細胞微小球による虚血性心疾患の治療効果を確認するために、移植された細胞の生着有無をDiRを用いて確認した。より詳しくは、IVIS-100 imaging system(Caliper Life Science)を用いて生きている動物モデルの蛍光を観察した。蛍光強度は、photons/cm per secondで算出した。また、心臓組織の染色のために、心臓幹細胞微小球を移植した動物モデルを4週後に安楽死させた後に心臓組織を抽出した。また、抽出された心臓組織は、4%パラホルムアルデヒド溶液を用いて固定させ、パラフィンを用いてembeddingさせた後、0.4μmの厚さに切って、心臓組織切片を製造して使用した。その結果は、図4~図6に示した。
図4は、DiR-labeled心臓幹細胞微小球の蛍光を確認した蛍光顕微鏡写真であり、蛍光シグナルが心臓においてのみ観察され、肺、肝など他の組織では観察されないことを確認した。前記結果を通じて、心臓幹細胞微小球が正常に心臓に移植されたことを確認した。
図5Aは、DiR蛍光強度による細胞数を測定したグラフであり、図5Bは、動物モデルの心臓で測定された蛍光強度を用いて心臓内に存在するDiR-labeled心臓幹細胞の保持率(retention rate)を定量化したものであり、移植されたDiR-labeled心臓幹細胞が次第に減少して、移植後4週目には全く観察されないことを確認した。
図6は、心臓組織切片をDAPI(4’,6-diamidino-2-phenylindole)を用いて細胞核を染色し、蛍光顕微鏡を用いて観察した結果であり、心臓幹細胞微小球を直接移植した動物モデル(CSC spheroid)とヒドロゲルに含まれている心臓幹細胞微小球を移植した動物モデル(CSC spheroid-Gel)を比較したとき、心臓幹細胞微小球またはヒドロゲルに含まれている心臓幹細胞微小球を移植した場合、全部DiR labeled心臓幹細胞が観察され、これを通じて、3週以上移植された心臓幹細胞が生存していることを確認することができた。
5.3.移植された心臓幹細胞微小球の分化有無の確認
移植された心臓幹細胞微小球による虚血性心疾患の治療効果を確認するために、移植された細胞の心血管分化効率を確認した。心血管分化効率を確認するために、前記実施例5.2と同じ方法で準備した心臓組織切片をα-SA(α-sarcomeric actinin)抗体(Abcam)またはα-SMA(α-smooth muscle actin)抗体(Abcam)、そして、DAPIを用いて染色し、蛍光顕微鏡を用いて観察した。その結果は、図7に示した。
図7に示されたように、DiR labeled心臓幹細胞と同じ部分でα-SAとα-SMAが観察されることを確認した。α-SAは、心筋細胞(cardiomyocyte)に分化したことを示し、α-SMAは、血管平滑筋細胞(vascular smooth muscle cell)に分化したことを意味する。前記結果を通じて、移植された心臓幹細胞が心臓内に安定的に生着して、心臓筋肉細胞および血管平滑筋細胞に分化したことを確認することができた。
5.4.心臓幹細胞微小球の移植による心臓再生効果の確認
心臓幹細胞微小球の移植による心臓再生効果を確認するために、前記実施例5.2と同じ方法で準備した心臓組織切片をcTnI(cardiac troponin I)抗体(Abcam)、α-SMA抗体(Abcam)、そして、DAPIを用いて染色し、蛍光顕微鏡を用いて観察した。その結果を図8および図9に示した。
図8に示されたように、心臓幹細胞微小球を心膜内注入方式で移植した場合に、cTnIにより染色された面積が有意的に増加することを確認した。特に、ヒドロゲルに含まれている心臓幹細胞微小球を心膜内移植した場合に、cTnIにより染色された面積が21.7%と顕著に増加することを確認した。前記結果を通じて、心臓幹細胞微小球を心膜内移植した場合に、心筋細胞(myocardial cell)の再生性が顕著に促進されることを確認し、これを通じて、虚血性心疾患において心筋細胞の生成を促進させて治療効果を向上させることができることを確認することができた。
図9に示されたように、心臓幹細胞微小球自体を移植した場合にも、α-SMA陽性細胞がControlグループと比較して増加するが、ヒドロゲルに含まれている心臓幹細胞微小球を心膜内注入した場合に、α-SMA陽性細胞が顕著に増加することを確認した。前記結果を通じて、本発明の心臓幹細胞微小球を心膜内注入することによって心臓血管の生成を促進させることができ、これを通じて、虚血性心疾患において心臓血管の再生性を促進させて治療効果を向上させることができることを確認することができた。
また、hematoxylin-eosin(H&E)stain(Abcam)を用いて心臓組織切片を染色した。その結果を図10に示した。
図10に示されたように、Shamグループの場合には、筋原線維(myofibril)と隣接して縞があり、分岐した形態の正常な心臓組織の形態を示すが、Controlグループでは、心筋梗塞が誘導されて、心臓組織が損傷して、正常な心臓組織の形態でないことを確認した。また、炎症性細胞(inflammatory cells)が浸透(infiltration)し、核が凝集(aggregation)し、心筋細胞でnecrosisが観察された。しかしながら、心臓幹細胞微小球またはヒドロゲルに含まれている心臓幹細胞微小球を心膜内注入した場合には、Shamグループと類似した形態の心臓組織が現れることを確認した。前記結果を通じて、心臓幹細胞微小球を心膜内注入することによって、正常マウスと類似した程度に心臓が回復することを確認することができた。さらに、免疫抑制剤(immunosuppressive drug)を使用しなくとも、免疫拒否反応(immune rejection)が現れないことを確認した。
また、Masson’s trichrome(MT)stain(Polysciences)を用いて心臓組織切片を染色して、線維症(fibrosis)程度と左心室(left ventricular,LV)の壁厚さ(wall thickness)を定量した。顕微鏡イメージにおいて青色は、コラーゲンファイバー(collagen fiber)を示し、赤色は、筋細胞(myocyte)を示す。その結果を図11に示した。
図11に示されたように、心筋梗塞が誘導された動物モデルの場合には、心臓組織の周辺に線維症が誘発されて、ほとんど青色を帯び、左心室の壁厚さが0.5mm程度と減少したが、心臓幹細胞微小球自体を移植した場合には、線維症の誘発程度が減少し、左心室の壁厚さがさらに増加したことを確認した。また、心臓幹細胞微小球の心膜内注入用組成物を用いて心臓幹細胞微小球を移植した場合には、線維症の誘発程度が半分以上に減少し、左心室の壁厚さも、1.2mm程度と2倍以上増加したことを確認した。
前記結果を通じて、本発明の心臓幹細胞微小球の心膜内注入用組成物を用いて心筋梗塞動物モデルに心臓幹細胞微小球を移植した場合には、心臓幹細胞微小球が正常に心臓に生着して、安定的に心臓筋肉細胞または血管平滑筋細胞に分化されるだけでなく、周辺に損傷した心臓組織内でも心筋細胞の生成と血管生成を促進させて、損傷した心臓を効果的に再生させることができ、これを通じて、虚血性心疾患の治療効果を顕著に増加させることができることを確認することができた。
5.5.心臓幹細胞または心臓幹細胞微小球の移植による心臓機能の確認
心臓幹細胞または心臓幹細胞微小球の移植による治療効果を確認するために、心臓機能を心超音波を用いて確認した。より詳しくは、マウスを麻酔させ、37℃のheating padの上に載置し、echocardiography probe(MS-400)が装着されたVEVO2100micro-ultrasound system(Visual Sonics)を用いて心超音波を実施した。左心室(LV)は、parasternal long-axisおよびM-mode tracingsを全部イメージ化し、2次元心超音波のcine loopsを記録した。駆出率(ejection fraction,EF)、短縮率(fractional shortening,FS)、左心室拡張末期径(left ventricle end diastolic diameter,LVEDD)、および左心室収縮末期径(left ventricle end systolic diameter,LVESD)値をそれぞれ測定し、測定時期は、心筋梗塞の誘導前、心筋梗塞の誘導後、そして、心臓幹細胞の移植後1週間後、2週間後、3週間後および4週間後それぞれに測定した。その結果を図12に示した。
図12に示されたように、4週目の結果を見ると、心筋梗塞が誘導されたControlグループ、SalineグループおよびGelグループの場合には、心室壁の扁平化によって異常中隔運動(septal motion)が観察されるが、心臓幹細胞または心臓幹細胞微小球を心膜内注入した場合には、中隔運動が回復し、心筋梗塞が誘導されて減少した駆出率と短縮率がさらに増加することを確認した。
前記結果を通じて、心臓幹細胞または心臓幹細胞を心膜内注入方式で移植することによって、心臓機能の回復が顕著に増加することを確認することができた。
5.6.ヒドロゲルに含まれている心臓幹細胞または心臓幹細胞微小球の移植による心臓機能の確認
ヒドロゲルに含まれている心臓幹細胞または心臓幹細胞微小球の移植による治療効果を確認するために、実施例5.5と同じ方法で心臓機能を心超音波を用いて確認した。「Gel」グループは、フィブリンゲルのみを同量注射した対照群である。その結果を図13に示した。
図13に示されたように、4週目の結果を見ると、Gelグループの場合には、心室壁の扁平化によって異常中隔運動(septal motion)が観察されるが、ヒドロゲルに含まれている心臓幹細胞または心臓幹細胞微小球を心膜内注入方式で移植した場合には、中隔運動が心筋梗塞が誘導される前と類似した程度に回復することを確認した。また、心筋梗塞が誘導されて減少した駆出率と短縮率がさらに増加することを確認した。
前記結果を通じて、一般的に幹細胞を移植するために使用される心筋内注射方式と比較して、心膜内注入を通じて心筋梗塞により低下した心臓機能が顕著に向上し、これを通じて、本発明の心臓幹細胞を有効成分として含む心膜内注入用組成物を用いることによって、多様な虚血性心疾患を効果的に治療できることを確認することができた。さらに、心臓幹細胞微小球、またはヒドロゲルを用いることによって、動物モデルの生存率、心臓幹細胞微小球の生着程度、移植された心臓幹細胞微小球の心筋細胞および血管細胞への分化が促進されるだけでなく、心筋梗塞により損傷した心臓組織が移植された心臓幹細胞微小球により効果的に再生され、血管形成が促進されて、心臓機能が顕著に向上することを確認することができた。したがって、本発明の心膜内注入用組成物を用いて多様な虚血性心疾患を効果的に治療できることを確認することができた。
上述した本発明の説明は、例示のためのものであって、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明の技術的思想や必須的な特徴を変更することなく、他の具体的な形態に容易に変形が可能であることが理解することができる。したがって、以上で記述した実施例は、全ての面において例示的なものであり、限定的でないものと理解すべきである。
本発明の幹細胞心膜内注入用組成物は、幹細胞を治療剤として使用するために、心膜内に注入する方式を通じて幹細胞を移植することによって、幹細胞の生着率および分化効率を上げるだけでなく、損傷した心臓組織の回復および心臓機能の回復を顕著に増加させることができるので、多様な虚血性心疾患の治療に適用することによって、治療効率を顕著に増加させることができることが期待される。

Claims (11)

  1. 幹細胞を有効成分として含む、心膜内注入用組成物。
  2. 前記幹細胞は、幹細胞微小球であることを特徴とする請求項1に記載の心膜内注入用組成物。
  3. 前記幹細胞微小球は、10μm~500μmの直径を有することを特徴とする請求項2に記載の心膜内注入用組成物。
  4. 前記幹細胞微小球は、微小球当たり100~5000個の細胞を含んでいることを特徴とする請求項2に記載の心膜内注入用組成物。
  5. 前記心膜内注入用組成物は、ヒドロゲル(hydrogel)をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の心膜内注入用組成物。
  6. 前記ヒドロゲルは、コラーゲン(collagen)、ゼラチン(gelatin)、コンドロイチン(chondroitin)、ヒアルロン酸(hyaluronic acid)、アルギン酸(alginic acid)、マトリゲル(MatrigelTM)、キトサン(chitosan)、ペプチド(peptide)、フィブリン(fibrin)、PGA(polyglycolic acid)、PLA(polylactic acid)、PEG(polyethylene glycol)およびポリアクリルアミド(polyacrylamide)からなる群から選ばれたいずれか一つ以上であることを特徴とする請求項5に記載の心膜内注入用組成物。
  7. 前記幹細胞は、心筋由来幹細胞、骨髄由来幹細胞、脂肪由来幹細胞、臍帯血由来幹細胞、逆分化幹細胞、血管内皮前駆細胞、造血幹細胞、神経幹細胞、および心臓前駆細胞からなる群から選ばれたいずれか一つ以上であることを特徴とする請求項1に記載の心膜内注入用組成物。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載の心膜内注入用組成物を有効成分として含む、虚血性心疾患の予防または治療用薬学的組成物。
  9. 前記虚血性心疾患は、心筋梗塞または狭心症であることを特徴とする請求項8に記載の薬学的組成物。
  10. 請求項1から7のいずれか1項に記載の心膜内注入用組成物を有効成分として含む組成物を個体に投与する段階を含む虚血性疾患の予防または治療方法。
  11. 請求項1から7のいずれか1項に記載の心膜内注入用組成物を有効成分として含む組成物の虚血性疾患の予防または治療用途。
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