JP2023511709A - 光電子デバイス用有機分子 - Google Patents

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ステファン ザイファーマン,
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Abstract

本発明は、特に光電子デバイスにおける応用のための有機分子に関する。本発明によると、本有機分子は、以下の式Iの構造を有し、式中、RI、RII、RIII、RIV、RV、RVI、RVII、RVIII、RIX、RX、RXI、RA、RB、RCおよびRDが、水素、重水素、ハロゲン、C1~C12-アルキルであって、随意に一つ以上の水素原子がR5により独立して置換されているもの、C6~C18-アリールであって、随意に一つ以上の水素原子がR5により独立して置換されているもの、およびC3~C15-ヘテロアリールであって、随意に一つ以上の水素原子がR5により独立して置換されているもの、からなる群から独立して選択され、RI、RII、RIII、RIV、RV、RVI、RVII、RVIII、RIX、RX、RA、RB、RC、RDの任意の隣接する二つが、5~8個のC原子を有する単環式環系を形成してもよく、随意に、各水素は互いに独立して、R6によって置換されてもよく、少なくともRAおよびRBは共に、5~8個のC原子を有する単環式環系を形成する。【化1】JPEG2023511709000095.jpg4566式I【選択図】なし

Description

本発明は、発光有機分子およびその有機発光ダイオード(OLED)ならびに他の光電子デバイスにおける使用に関する。
本発明の目的は、光電子デバイスにおける使用に適した分子を提供することである。
この目的は、新規有機分子を提供する本発明により達成される。
本発明によれば、有機分子は純粋な有機分子であり、すなわち、当該有機分子は、光電子デバイスにおける使用が公知である金属錯体とは異なり、いかなる金属イオンも含有しない。しかしながら、本発明の有機分子は、特にB、Si、Sn、Se、および/またはGeのメタロイドを含む。
本発明によれば、有機分子は、青色、空色または緑色のスペクトル領域に発光最大値を示す。有機分子は、特に420nm~520nm、好ましくは440nm~495nm、より好ましくは450nm~470nmにおいて発光最大値を示す。本発明による有機分子のフォトルミネッセンス量子収率は、特に50%以上である。例えば、有機発光ダイオード(OLED)などの光電子デバイスにおける、本発明による分子の使用は、当該デバイスによる半値全幅(FWHM)により表される、より高い効率性、またはより高い色純度をもたらす。対応するOLEDは、公知の発光体材料および同等の色を備えたOLEDよりも高い安定性を有する。
図1は、実施例1PMMA中(2重量%)の発光スペクトルである。 図2は、実施例2PMMA中(2重量%)の発光スペクトルである。 図3は、実施例3PMMA中(2重量%)の発光スペクトルである。 図4は、実施例4PMMA中(2重量%)の発光スペクトルである。 図5は、実施例5PMMA中(2重量%)の発光スペクトルである。 図6は、実施例6PMMA中(2重量%)の発光スペクトルである。
本発明による有機発光分子は、式Iの構造を含むかまたはその構造からなる。
Figure 2023511709000002

式I
式中、
、RII、RIII、RIV、R、RVI、RVII、RVIII、RIX、R、RXI、R、R、RおよびRが、
水素、重水素、ハロゲン、
~C12-アルキルであって、
随意に一つ以上の水素原子がRにより独立して置換されているもの、
~C18-アリールであって、
随意に一つ以上の水素原子がRにより独立して置換されているもの、
~C15-ヘテロアリールであって、
随意に一つ以上の水素原子がRにより独立して置換されているもの、からなる群から独立して選択される。
は各出現において、
水素、重水素、ハロゲン、
~C12-アルキルであって、
随意に一つ以上の水素原子がRにより独立して置換されているもの、
~C18-アリールであって、
随意に一つ以上の水素原子がRにより独立して置換されているもの、
~C15-ヘテロアリールであって、
随意に一つ以上の水素原子がRにより独立して置換されているもの、からなる群から独立して選択される。
は各出現において、
水素、重水素、ハロゲン、
~C12-アルキル、
~C18-アリールであって、
随意に一つ以上の水素原子がC~C-アルキル置換基により独立して置換されているもの、
~C15-ヘテロアリールであって、
随意に一つ以上の水素原子がC~C-アルキル置換基により独立して置換されているもの、からなる群から独立して選択される。
随意に、R、RII、RIII、RIV、R、RVI、RVII、RVIII、RIX、R、R、R、RC、の任意の隣接する二つが、5~8個のC原子(すなわち、5、6、7または8個の炭素原子、特に5または6個の炭素原子)を有する単環式環系を、独立して形成し、
随意に、各水素は互いに独立してRにより置換されることができる。
、RII、RIII、RIV、R、RVI、RVII、RVIII、RIX、R、R、R、R、Rの任意の隣接する二つとは、例えば、RとRII、RIIとIII、IIIとRIV、RIVとR、RVIとRVII、RVIIとRVIII、RとR、RとRなどである。
特に、用語「単環式環系」は、非芳香族環を示す。
少なくともRおよびRは、5個、6個、7個、または8個のC原子を有する単環式環系を共に形成し、
随意に、水素は互いに独立して、Rによって置換されることができる。
随意に、有機分子の各水素は、重水素またはハロゲン(F、Cl、Br、I)によって独立して置換されてもよい。
有機分子の一部の実施形態では、R、RII、RIII、RIV、R、RVI、RVII、RVIII、RIX、RおよびRXIの各々は、水素、重水素、ハロゲン、
~C12-アルキル、
~C18-アリールであって、
随意に一つ以上の水素原子がC~C-アルキル置換基により独立して置換されているもの、
~C15-ヘテロアリールであって、
随意に一つ以上の水素原子がC~C-アルキル置換基により独立して置換されているもの、からなる群から独立して選択され、
随意に、R、RII、RIII、RIV、R、RVI、RVII、RVIII、RIXおよびRの任意の隣接する二つが5~8個のC原子を有する単環式環系を共に形成し、
随意に、各水素は互いに独立して、Meによって置換することができる。
有機分子の一部の実施形態では、R、RII、RIII、RIV、R、RVI、RVII、RVIII、RIX、RおよびRXIは、水素、重水素、ハロゲン、Me、Bu、Ph(=フェニル)、シクロヘキシル、カルバゾールからなる群から独立して選択され、
随意に、R、RII、RIII、RIV、R、RVI、RVII、RVIII、RIXおよびRの任意の隣接する二つが5~8個のC原子を有する単環式環系を共に形成し、
随意に、各水素は互いに独立して、Meによって置換することができる。
有機分子の一部の実施形態では、R、RII、RIII、RIV、R、RVI、RVII、RVIII、RIX、RおよびRXIの各々は、水素、重水素、ハロゲン、Me、Bu、Ph、シクロヘキシル、カルバゾールから独立して選択される。
好ましい実施形態では、RII、RIV、RVIIおよびRIXの各々は、Buである。
好ましい実施形態では、RII、RIV、RVIIおよびRIXの各々はPhであり、RIIIおよびRVIIIの各々はMeである。
好ましい実施形態では、RXIはHである。
好ましい実施形態では、RXIはMeである。
好ましい実施形態では、RXIはカルバゾールである。
特定の実施形態では、R、R、RVI、および/またはRは水素である。好ましい実施形態では、R、R、RVI、およびRは水素である。
別の実施形態では、RXIは、水素、メチル、および
カルバゾリル、からなる群から選択され、
随意に一つ以上の水素原子がRにより独立して置換される。
本発明のさらなる実施形態において、RXIは、
水素、
メチル、および
カルバゾリルからなる群から選択される。
別の実施形態では、RXIはメチル、および
カルバゾリル、からなる群から選択され、
随意に一つ以上の水素原子がRにより独立して置換される。
別の実施形態では、RXIは、ハロゲン、
~C12-アルキルであって、
随意に一つ以上の水素原子がRにより独立して置換されているもの、
~C18-アリールであって、
随意に一つ以上の水素原子がRにより独立して置換されているもの、および
~C15-ヘテロアリールであって、
随意に一つ以上の水素原子がRにより独立して置換されているもの、からなる群から選択される。
一実施形態では、有機分子は、式Iaの構造を含むかまたはその構造からなり、RおよびRは、6個のC原子を有する単環式環系を形成する。
Figure 2023511709000003

式Ia
式中、R、RII、RIII、RIV、R、RVI、RVII、RVIII、RIX、R、RXI、RおよびRの各々は、水素、重水素、ハロゲン、
~C12-アルキル、
~C18-アリールであって、
随意に一つ以上の水素原子がC~C-アルキル置換基により独立して置換されているもの、
~C15-ヘテロアリールであって、
随意に一つ以上の水素原子がC~C-アルキル置換基により独立して置換されているもの、から独立して選択され、
随意に、R、RII、RIII、RIV、R、RVI、RVII、RVIII、RIXおよびRの任意の隣接する二つが5~8個のC原子を有する単環式環系を共に形成し、
随意に、各水素は互いに独立して、Meによって置換することができる。
一部の実施形態では、有機分子は式Iaの構造を含むかまたはその構造からなり、R、RII、RIII、RIV、R、RVI、RVII、RVIII、RIX、R、RXI、RおよびRの各々は、水素、重水素、ハロゲン、Me、Bu、Ph、シクロヘキシル、およびカルバゾールから選択され、
随意に、R、RII、RIII、RIV、R、RVI、RVII、RVIII、RIXおよびRの任意の隣接する二つが5~8個のC原子を有する単環式環系を共に形成し、
随意に、各水素は互いに独立して、Meによって置換することができる。
一部の実施形態では、有機分子は、式Iaの構造を含むかまたはその構造からなり、R、RII、RIII、RIV、R、RVI、RVII、RVIII、RIX、R、RXI、RおよびRの各々は、水素、重水素、ハロゲン、Me、Bu、Ph、シクロヘキシル、およびカルバゾールから独立して選択される。
好ましい実施形態では、有機分子は、式Iaの構造を含むかまたはその構造からなり、RII、RIV、RVIIおよびRIXの各々は、Buであり、RXIはHである。
好ましい実施形態では、有機分子は、式Iaの構造を含むかまたはその構造からなり、RII、RIV、RVIIおよびRIXの各々は、Buであり、RXIはMeである。
好ましい実施形態では、有機分子は、式Iaの構造を含むかまたはその構造からなり、RII、RIV、RVIIおよびRIXの各々は、Buであり、RXIはカルバゾールである。
好ましい実施形態では、有機分子は、式Iaの構造を含むかまたはその構造からなり、RII、RIV、RVIIおよびRIXの各々はPh(フェニル)であり、RIIIおよびRVIIIの各々はMeであり、RXIはHである。
好ましい実施形態では、有機分子は、式Iaの構造を含むかまたはその構造からなり、RII、RIV、RVIIおよびRIXの各々はPhであり、RIIIおよびRVIIIの各々はMeであり、RXIはHである。
好ましい実施形態では、有機分子は、式Iaの構造を含むかまたはその構造からなり、RII、RIV、RVIIおよびRIXの各々はPhであり、RIIIおよびRVIIIの各々はMeおよびRXIはカルバゾールである。
好ましい実施形態では、有機分子は、式Iaの構造を含むかまたはその構造からなり、R、RII、RIII、RIV、R、RVI、RVII、RVIII、RIX、R、RXI、RおよびRの各々は、Hである。
一実施形態では、有機分子は、式Ia-2の構造を含むかまたはその構造からなり、各々が6個のC原子を有する単環式環系を形成する、RおよびR、ならびにRおよびRの実施例であり、
Figure 2023511709000004

式Ia-2
式中、R、RII、RIII、RIV、R、RVI、RVII、RVIII、RIX、RおよびRXIの各々は、水素、重水素、ハロゲン、
~C12-アルキル、
~C18-アリールであって、
随意に一つ以上の水素原子がC~C-アルキル置換基により独立して置換されているもの、
~C15-ヘテロアリールであって、
随意に一つ以上の水素原子がC~C-アルキル置換基により独立して置換されているもの、から独立して選択され、
随意に、R、RII、RIII、RIV、R、RVI、RVII、RVIII、RIXおよびRの任意の隣接する二つが5~8個のC原子を有する単環式環系を共に形成し、
随意に、各水素は互いに独立して、Meによって置換することができる。
特定の実施形態では、有機分子は、式Ia-2の構造を含むかまたはその構造からなり、R、RII、RIII、RIV、R、RVI、RVII、RVIII、RIX、RおよびRXIの各々は独立して、水素、重水素、ハロゲン、Me、Bu、Ph、シクロヘキシル、カルバゾールから独立して選択され、
随意に、R、RII、RIII、RIV、R、RVI、RVII、RVIII、RIXおよびRの任意の隣接する二つが5~8個のC原子を有する単環式環系を共に形成し、
随意に、各水素は互いに独立して、Meによって置換することができる。
特定の実施形態では、有機分子は、式Ia-2の構造を含むかまたはその構造からなり、R、RII、RIII、RIV、R、RVI、RVII、RVIII、RIX、RおよびRXIの各々は、水素、重水素、ハロゲン、Me、Bu、Ph、シクロヘキシル、カルバゾールから独立して選択される。
さらなる実施形態では、RII、RIV、RVIIおよびRIXの各々はBuであり、RXIはHである。
さらなる実施形態では、有機分子は、式Ia-2の構造を含むかまたはその構造からなり、RII、RIV、RVIIおよびRIXの各々はBuであり、RXIはMeである。
さらなる実施形態では、有機分子は、式Ia-2の構造を含むかまたはその構造からなり、RII、RIV、VIIおよびRIXの各々は、Buであり、RXIはカルバゾールである。
さらなる実施形態では、有機分子は、式Ia-2の構造を含むかまたはその構造からなり、RII、RIV、VIIおよびRIXの各々はPhであり、RIIIおよびRVIIIの各々はMeであり、RXIはHである。
さらなる実施形態では、有機分子は、式Ia-2の構造を含むかまたはその構造からなり、RII、RIV、VIIおよびRIXの各々はPhであり、RIIIおよびRVIIIの各々はMeであり、RXIはMeである。
さらなる実施形態では、有機分子は、式Ia-2の構造を含むかまたはその構造からなり、RII、RIV、RVIIおよびRIXの各々はPhであり、RIIIおよびRVIIIの各々はMeであり、RXIはカルバゾールである。
さらなる実施形態では、有機分子は、式Ia-2の構造を含むかまたはその構造からなり、R、RII、RIII、RIV、R、RVI、RVII、RVIII、RIX、RおよびRXIの各々は、Hである。
一実施形態では、有機分子は、式Ibの構造を含むかまたはその構造からなり、これは、RおよびRの例であり、5個のC原子を有する単環式環系を形成し、
Figure 2023511709000005

式Ib
式中、R、RII、RIII、RIV、R、RVI、RVII、RVIII、RIX、R、RXI、RおよびRの各々は、水素、重水素、ハロゲン、
~C12-アルキル、
~C18-アリールであって、
随意に一つ以上の水素原子がC~C-アルキル置換基により独立して置換されているもの、
~C15-ヘテロアリールであって、
随意に一つ以上の水素原子がC~C-アルキル置換基により独立して置換されているもの、から独立して選択され、
随意に、R、RII、RIII、RIV、R、RVI、RVII、RVIII、RIXおよびRの任意の隣接する二つが5~8個のC原子を有する単環式環系を共に形成し、
随意に、各水素は互いに独立して、Meによって置換することができる。
一部の実施形態では、有機分子は式Ibの構造を含むかまたはその構造からなり、R、RII、RIII、RIV、R、RVI、RVII、RVIII、RIX、R、RXI、RおよびRの各々は、水素、重水素、ハロゲン、Me、Bu、Ph、シクロヘキシル、カルバゾールから独立して選択され、
随意に、R、RII、RIII、RIV、R、RVI、RVII、RVIII、RIXおよびRの任意の隣接する二つが5~8個のC原子を有する単環式環系を共に形成し、
随意に、各水素は互いに独立して、Meによって置換することができる。
一部の実施形態では、有機分子は、式Ibの構造を含むかまたはその構造からなり、R、RII、RIII、RIV、R、RVI、RVII、RVIII、RIX、R、RXI、RおよびRの各々は、水素、重水素、ハロゲン、Me、Bu、Ph、シクロヘキシル、カルバゾールから独立して選択される。
好ましい実施形態では、有機分子は、式Ibの構造を含むかまたはその構造からなり、RII、RIV、VIIおよびRIXの各々は、Buであり、RXIは、Hである。
好ましい実施形態では、有機分子は、式Ibの構造を含むかまたはその構造からなり、RII、RIV、RVII、およびRIXの各々は、Buであり、RXIは、Meである。
好ましい実施形態では、有機分子は、式Ibの構造を含むかまたはその構造からなり、RII、RIV、RVIIおよびRIXの各々は、Buであり、RXIは、カルバゾールである。
好ましい実施形態では、有機分子は、式Ibの構造を含むかまたはその構造からなり、RII、RIV、RVIIおよびRIXの各々は、Phであり、RIIIおよびRVIIIの各々は、Meであり、RXIは、Hである。
好ましい実施形態では、有機分子は、式Ibの構造を含むかまたはその構造からなり、RII、RIV、RVIIおよびRIXの各々は、Phであり、RIIIおよびRVIIIの各々は、Meであり、RXIは、Meである。
好ましい実施形態では、有機分子は、式Ibの構造を含むかまたはその構造からなり、RII、RIV、RVIIおよびRIXの各々は、Phであり、RIIIおよびRVIIIの各々は、Meであり、RXIは、カルバゾールである。
好ましい実施形態では、有機分子は、式Ibの構造を含むかまたはその構造からなり、R、RII、RIII、RIV、R、RVI、RVII、RVIII、RIX、R、RXI、RおよびRの各々は、Hである。
一実施形態では、有機分子は、式Ib-2の構造を含むかまたはその構造からなり、式Ib-2は、RおよびR並びにRおよびRが、5つのC原子を有する単環式環系を形成する一例であり、
Figure 2023511709000006

式Ib-2
式中、R、RII、RIII、RIV、R、RVI、RVII、RVIII、RIX、RおよびRXIの各々は、水素、重水素、ハロゲン、
~C12-アルキル、
~C18-アリールであって、
随意に一つ以上の水素原子がC~C-アルキル置換基により独立して置換されているもの、
~C15-ヘテロアリールであって、
随意に一つ以上の水素原子がC~C-アルキル置換基により独立して置換されているもの、から独立して選択され、
随意に、R、RII、RIII、RIV、R、RVI、RVII、RVIII、RIXおよびRの任意の隣接する二つが5~8個のC原子を有する単環式環系を共に形成し、
随意に、各水素は互いに独立して、Meによって置換することができる。
一部の実施形態では、有機分子は、式Ib-2の構造を含むかまたはその構造からなり、R、RII、RIII、RIV、R、RVI、RVII、RVIII、RIX、RおよびRXIの各々は独立して、水素、重水素、ハロゲン、Me、Bu、Ph、シクロヘキシル、カルバゾール、から選択され、
随意に、R、RII、RIII、RIV、R、RVI、RVII、RVIII、RIXおよびRの任意の隣接する二つが5~8個のC原子を有する単環式環系を共に形成し、
随意に、各水素は互いに独立して、Meによって置換することができる。
一部の実施形態では、有機分子は、式Ib-2の構造を含むかまたはその構造からなり、R、RII、RIII、RIV、R、RVI、RVII、RVIII、RIX、RおよびRXIの各々は独立して、水素、重水素、ハロゲン、Me、Bu、Ph、シクロヘキシル、カルバゾールから選択される。
好ましい実施形態では、有機分子は、式Ib-2の構造を含むかまたはその構造からなり、RII、RIV、RVIIおよびRIXの各々は、Buであり、RXIは、Hである。
好ましい実施形態では、有機分子は、式Ib-2の構造を含むかまたはその構造からなり、RII、RIV、RVIIおよびRIXの各々は、Buであり、RXIは、Meである。
好ましい実施形態では、有機分子は、式Ib-2の構造を含むかまたはその構造からなり、RII、RIV、RVIIおよびRIXの各々は、Buであり、RXIは、カルバゾールである。
好ましい実施形態では、有機分子は、式Ib-2の構造を含むかまたはその構造からなり、RII、RIV、RVIIおよびRIXの各々は、Phであり、RIIIおよびRVIIIの各々は、Meであり、RXIは、Hである。
好ましい実施形態では、有機分子は、式Ib-2の構造を含むかまたはその構造からなり、RII、RIV、RVIIおよびRIXの各々は、Phであり、RIIIおよびRVIIIの各々は、Meであり、RXIは、Meである。
好ましい実施形態では、有機分子は、式Ib-2の構造を含むかまたはその構造からなり、RII、RIV、RVIIおよびRIXの各々は、Phであり、RIIIおよびRVIIIの各々は、Meであり、RXIは、カルバゾールである。
好ましい実施形態では、有機分子は、式Ib-2の構造を含むかまたはその構造からなり、R、RII、RIII、RIV、R、RVI、RVII、RVIII、RIX、RおよびRXIの各々は、Hである。
一実施形態では、有機分子は、式Icの構造を含むかまたはその構造からなり、式Icは、RおよびRが、6個のC原子を有する単環式環系を形成する一例であり、ここで、水素の一部はメチル基によって置換され、
Figure 2023511709000007

式Ic
式中、R、RII、RIII、RIV、R、RVI、RVII、RVIII、RIX、R、RXI、RおよびRの各々は、水素、重水素、ハロゲン、
~C12-アルキル、
~C18-アリールであって、
随意に一つ以上の水素原子がC~C-アルキル置換基により独立して置換されているもの、
~C15-ヘテロアリールであって、
随意に一つ以上の水素原子がC~C-アルキル置換基により独立して置換されているもの、から独立して選択され、
随意に、R、RII、RIII、RIV、R、RVI、RVII、RVIII、RIXおよびRの任意の隣接する二つが5~8個のC原子を有する単環式環系を共に形成し、
随意に、各水素は互いに独立して、Meによって置換することができる。
一部の実施形態では、有機分子は、式Icの構造を含むかまたはその構造からなり、R、RII、RIII、RIV、R、RVI、RVII、RVIII、RIX、R、RXI、RおよびRの各々は、水素、重水素、ハロゲン、Me、Bu、Ph、シクロヘキシル、カルバゾールから、独立して選択され、
随意に、R、RII、RIII、RIV、R、RVI、RVII、RVIII、RIXおよびRの任意の隣接する二つが5~8個のC原子を有する単環式環系を共に形成し、
随意に、各水素は互いに独立して、Meによって置換することができる。
一部の実施形態では、有機分子は、式Icの構造を含むかまたはその構造からなり、R、RII、RIII、RIV、R、RVI、RVII、RVIII、RIX、R、RXI、RおよびRの各々は、水素、重水素、ハロゲン、Me、Bu、Ph、シクロヘキシル、カルバゾールから独立して選択される。
好ましい実施形態では、有機分子は、式Icの構造を含むかまたはその構造からなり、RII、RIV、RVIIおよびRIXの各々は、Buであり、RXIは、Hである。
好ましい実施形態では、有機分子は、式Icの構造を含むかまたはその構造からなり、RII、RIV、RVIIおよびRIXの各々は、Buであり、RXIは、Meである。
好ましい実施形態では、有機分子は、式Icの構造を含むかまたはその構造からなり、RII、RIV、RVIIおよびRIXの各々は、Buであり、RXIは、カルバゾールである。
好ましい実施形態では、有機分子は、式Icの構造を含むかまたはその構造からなり、RII、RIV、RVIIおよびRIXの各々は、Phであり、RIIIおよびRVIIIの各々は、Meであり、RXIは、Hである。
好ましい実施形態では、有機分子は、式Icの構造を含むかまたはその構造からなり、RII、RIV、RVIIおよびRIXの各々は、Phであり、RIIIおよびRVIIIの各々は、Meであり、RXIは、Meである。
好ましい実施形態では、有機分子は、式Icの構造を含むかまたはその構造からなり、RII、RIV、RVIIおよびRIXの各々は、Phであり、RIIIおよびRVIIIの各々は、Meであり、RXIは、カルバゾールである。
好ましい実施形態では、有機分子は、式Icの構造を含むかまたはその構造からなり、R、RII、RIII、RIV、R、RVI、RVII、RVIII、RIX、R、RXI、RおよびRの各々は、Hである。
一実施形態では、有機分子は、式Ic-2の構造を含むかまたはその構造からなり、式Ic-2は、RおよびRならびにRおよびRが、6個のC原子を有する単環式環系を形成する一例であり、その中の一部の水素は、メチル基によって置換され、
Figure 2023511709000008

式Ic-2
式中、R、RII、RIII、RIV、R、RVI、RVII、RVIII、RIX、RおよびRXIの各々は、水素、重水素、ハロゲン、
~C12-アルキル、
~C18-アリールであって、
随意に一つ以上の水素原子がC~C-アルキル置換基により独立して置換されているもの、
~C15-ヘテロアリールであって、
随意に一つ以上の水素原子がC~C-アルキル置換基により独立して置換されているもの、から独立して選択され、
随意に、R、RII、RIII、RIV、R、RVI、RVII、RVIII、RIXおよびRの任意の隣接する二つが5~8個のC原子を有する単環式環系を共に形成し、
随意に、各水素は互いに独立して、Meによって置換されてもよい。
一部の実施形態では、有機分子は、式Ic-2の構造を含むかまたはその構造からなり、R、RII、RIII、RIV、R、RVI、RVII、RVIII、RIX、RおよびRXIの各々は、水素、重水素、ハロゲン、Me、Bu、Ph、シクロヘキシル、カルバゾール、から独立して選択され、
随意に、R、RII、RIII、RIV、R、RVI、RVII、RVIII、RIXおよびRの任意の隣接する二つが5~8個のC原子を有する単環式環系を共に形成し、
随意に、各水素は互いに独立して、Meによって置換することができる。
一部の実施形態では、有機分子は、式Ic-2の構造を含むかまたはその構造からなり、R、RII、RIII、RIV、R、RVI、RVII、RVIII、RIX、RおよびRXIの各々は、水素、重水素、ハロゲン、Me、Bu、Ph、シクロヘキシル、カルバゾールから、独立して選択される。
好ましい実施形態では、有機分子は、式Ic-2の構造を含むかまたはその構造からなり、RII、IV、RVII、およびRIXの各々は、Buであり、RXIは、Hである。
好ましい実施形態では、有機分子は、式Ic-2の構造を含むかまたはその構造からなり、RII、IV、RVII、およびRIXの各々は、Buであり、RXIは、Meである。
好ましい実施形態では、有機分子は、式Ic-2の構造を含むかまたはその構造からなり、RII、IV、RVII、およびRIXの各々は、Buであり、RXIは、カルバゾールである。
好ましい実施形態では、有機分子は、式Ic-2の構造を含むかまたはその構造からなり、RII、RIV、RVIIおよびRIXの各々は、Phであり、RIIIおよびRVIIIの各々は、Meであり、RXIは、Hである。
好ましい実施形態では、有機分子は、式Ic-2の構造を含むかまたはその構造からなり、RII、RIV、RVIIおよびRIXの各々は、Phであり、RIIIおよびRVIIIの各々は、Meであり、RXIは、Meである。
好ましい実施形態では、有機分子は、式Ic-2の構造を含むかまたはその構造からなり、RII、RIV、RVIIおよびRIXの各々は、Phであり、RIIIおよびRVIIIの各々は、Meであり、RXIは、カルバゾールである。
好ましい実施形態では、有機分子は、式Ic-2の構造を含むかまたはその構造からなり、R、RII、RIII、RIV、R、RVI、RVII、RVIII、RIX、RおよびRXIの各々は、Hである。
一実施形態では、有機分子は、式Ic-3の構造を含むかまたはその構造からなり、式Ic-3は、RおよびR、RおよびR、RIIおよびRIIIならびにRVIIIおよびRIXが、6個のC原子を有する単環式環系を形成する実施例であり、その中の一部の水素は、メチル基によって置換され、
Figure 2023511709000009

式Ic-3
式中、R、RIV、R、RVI、RVII、RおよびRXIの各々は水素、重水素、ハロゲン、
~C12-アルキル、
~C18-アリールであって、
随意に一つ以上の水素原子がC~C-アルキル置換基により独立して置換されているもの、
~C15-ヘテロアリールであって、
随意に一つ以上の水素原子がC~C-アルキル置換基により独立して置換されているもの、から独立して選択される。
一部の実施形態では、有機分子は、式Ic-3の構造を含むかまたはその構造からなり、R、RIV、R、RVI、RVII、RおよびRXIの各々は、水素、重水素、ハロゲン、Me、Bu、Ph、シクロヘキシル、およびカルバゾールからなる群から独立して選択される。
好ましい実施形態では、有機分子は、式Ic-3の構造を含むかまたはその構造からなり、RXIはHである。
好ましい実施形態では、有機分子は、式Ic-3の構造を含むかまたはその構造からなり、RXIはMeである。
好ましい実施形態では、有機分子は、式Ic-3の構造を含むかまたはその構造からなり、RXIはカルバゾールである。
一実施形態では、有機分子は、式Idの構造を含むか、またはその構造からなる。
Figure 2023511709000010

式Id
一部の実施形態では、有機分子は、式Idの構造を含むかまたはその構造からなり、RII、RIV、RIII、RVIII、RVII、RIXおよびRXIの各々は、水素、重水素、ハロゲン、Me、Bu、Ph、シクロヘキシル、およびカルバゾールからなる群から独立して選択される。
好ましい実施形態では、有機分子は、式Idの構造を含むかまたはその構造からなり、RXIはHである。
別の実施形態では、有機分子は、式Idの構造を含むか又はその構造からなり、RXIは、ハロゲン、
~C12-アルキルであって、
随意に一つ以上の水素原子がRにより独立して置換されているもの、
~C18-アリールであって、
随意に一つ以上の水素原子がRにより独立して置換されているもの、および
~C15-ヘテロアリールであって、
随意に一つ以上の水素原子がRにより独立して置換されているもの、からなる群から選択される。
別の実施形態では、有機分子は、式Idの構造を含むか又はその構造からなり、RXIは、ハロゲン、
メチル、および
~C15-ヘテロアリールであって、
随意に一つ以上の水素原子がRにより独立して置換されているもの、からなる群から選択される。
別の実施形態では、有機分子は、式IDの構造を含むか又はその構造からなり、RXIは、
メチル、および
カルバゾリルからなる群から選択される。
好ましい実施形態では、有機分子は、式Idの構造を含むかまたはその構造からなり、RXIはMeである。
好ましい実施形態では、有機分子は、式Idの構造を含むかまたはその構造からなり、RXIはカルバゾールである。
一実施形態では、有機分子は、式Ieの構造を含むかまたはその構造からなる。
Figure 2023511709000011

式Ie
式中、一部の実施形態では、有機分子は、式Ieの構造を含むかまたはその構造からなり、RII、RIII、RVIII、RIXおよびRXIの各々は、水素、重水素、ハロゲン、Me、Bu、Ph、シクロヘキシル、およびカルバゾールからなる群から、独立して選択される。
好ましい実施形態では、有機分子は、式Ieの構造を含むかまたはその構造からなり、RXIはHである。
別の実施形態では、有機分子は式Ieの構造を含むかまたはその構造からなり、RXIはハロゲン、
~C12-アルキルであって、
随意に一つ以上の水素原子がRにより独立して置換されているもの、
~C18-アリールであって、
随意に一つ以上の水素原子がRにより独立して置換されているもの、および
~C15-ヘテロアリールであって、
随意に一つ以上の水素原子がRにより独立して置換されているもの、からなる群から選択される。
別の実施形態では、有機分子は、式Ieの構造を含むか又はその構造からなり、RXIは、
ハロゲン、
メチル、および
~C15-ヘテロアリールであって、
随意に一つ以上の水素原子がRにより独立して置換されているもの、から選択される。
別の実施形態では、有機分子は、式Ieの構造を含むかまたはその構造からなり、RXIは、水素、メチル、およびカルバゾリルからなる群から選択される。
別の実施形態では、有機分子は、式Ieの構造を含むか又はその構造からなり、RXIは、メチルおよびカルバゾリルからなる群から選択される。
好ましい実施形態では、有機分子は、式Ieの構造を含むかまたはその構造からなり、RXIはMeである。
好ましい実施形態では、有機分子は、式Ieの構造を含むかまたはその構造からなり、RXIはカルバゾールである。
一実施形態では、有機分子は、式Le-0の構造を含むか、またはその構造からなる。
Figure 2023511709000012

式Ie-0
一部の実施形態では、有機分子は、式Ie-0の構造を含むかまたはその構造からなり、式中、RXIは、水素、重水素、ハロゲン、Me、Bu、Ph、シクロヘキシル、およびカルバゾールからなる群から選択される。
一部の実施形態では、有機分子は、式Ie-0の構造を含むかまたはその構造からなり、R、RIV、R、RVI、RVII、RおよびRXIの各々は、水素、重水素、ハロゲン、Me、Bu、Ph、シクロヘキシル、およびカルバゾールからなる群から独立して選択される。
一部の実施形態では、有機分子は、式Ie-0の構造を含むかまたはその構造からなり、R、RIV、R、RVI、RVII、およびRは水素である。
好ましい実施形態では、有機分子は、式Ie-0の構造を含むかまたはその構造からなり、RXIはHである。
別の実施形態では、有機分子は、式Ie-0の構造を含むか又はその構造からなり、RXIは、
ハロゲン、
~C12-アルキルであって、
随意に一つ以上の水素原子がRにより独立して置換されているもの、
~C18-アリールであって、
随意に一つ以上の水素原子がRにより独立して置換されているもの、および
~C15-ヘテロアリールであって、
随意に一つ以上の水素原子がRにより独立して置換されているもの、からなる群から選択される。
別の実施形態では、有機分子は、式Ie-0の構造を含むか又はその構造からなり、RXIは、ハロゲン、メチル、および
~C15-ヘテロアリールであって、
随意に一つ以上の水素原子がRにより独立して置換されているもの、からなる群から選択される。
別の実施形態では、有機分子は、式Ie-0の構造を含むか又はその構造からなり、RXIは、メチルおよびカルバゾリルからなる群から選択される。
好ましい実施形態では、有機分子は、式Ie-0の構造を含むかまたはその構造からなり、RXIはMeである。
好ましい実施形態では、有機分子は、式Ie-0の構造を含むかまたはその構造からなり、RXIはカルバゾールである。
一実施形態では、有機分子は、式Ie-1の構造を含むか、またはその構造からなる。
Figure 2023511709000013

式Ie-1
一部の実施形態では、有機分子は、式Ie-1の構造を含むかまたはその構造からなり、式中、RXIは、水素、重水素、ハロゲン、Me、Bu、Ph、シクロヘキシル、およびカルバゾールからなる群から選択される。
好ましい実施形態では、有機分子は、式Ie-1の構造を含むかまたはその構造からなり、RXIはHである。
別の実施形態では、有機分子は式Ie-1の構造を含むかまたはその構造からなり、RXIは、ハロゲン、
~C12-アルキルであって、
随意に一つ以上の水素原子がRにより独立して置換されているもの、
~C18-アリールであって、
随意に一つ以上の水素原子がRにより独立して置換されているもの、および
~C15-ヘテロアリールであって、
随意に一つ以上の水素原子がRにより独立して置換されているもの、からなる群から選択される。
別の実施形態では、有機分子は、式Ie-1の構造を含むか又はその構造からなり、RXIは、ハロゲン、メチル、および
~C15-ヘテロアリールであって、
随意に一つ以上の水素原子がRにより独立して置換されているもの、からなる群から選択される。
別の実施形態では、有機分子は、式Ie-1の構造を含むか又はその構造からなり、RXIは、メチルおよびカルバゾリルからなる群から選択される。
好ましい実施形態では、有機分子は、式Ie-1の構造を含むかまたはその構造からなり、RXIはMeである。
好ましい実施形態では、有機分子は、式Ie-1の構造を含むかまたはその構造からなり、RXIはカルバゾールである。
一実施形態では、有機分子は、式Ie-2の構造を含むか、またはその構造からなる。
Figure 2023511709000014

式Ie-2
一部の実施形態では、有機分子は、式Ie-2の構造を含むかまたはその構造からなり、式中、RXIは、水素、重水素、ハロゲン、Me、Bu、Ph、シクロヘキシル、およびカルバゾールからなる群から選択される。
一部の実施形態では、有機分子は、式Ie-2の構造を含むかまたはその構造からなり、R、RIV、R、RVI 、RVII、RおよびRXIの各々は、水素、重水素、ハロゲン、Me、Bu、Ph、シクロヘキシル、およびカルバゾールからなる群から独立して選択される。
一部の実施形態では、有機分子は、式Ie-2の構造を含むかまたはその構造からなり、R、RIV、R、RVI、RVII、およびRは水素である。
好ましい実施形態では、有機分子は、式Ie-2の構造を含むかまたはその構造からなり、RXIはHである。
別の実施形態では、有機分子は式Ie-2の構造を含むかまたはその構造からなり、RXIはハロゲン、
~C12-アルキルであって、
随意に一つ以上の水素原子がRにより独立して置換されているもの、
~C18-アリールであって、
随意に一つ以上の水素原子がRにより独立して置換されているもの、および
~C15-ヘテロアリールであって、
随意に一つ以上の水素原子がRにより独立して置換されているもの、からなる群から選択される。
別の実施形態では、有機分子は、式Ie-2の構造を含むか又はその構造からなり、RXIは、ハロゲン、メチル、および
~C15-ヘテロアリールであって、
随意に一つ以上の水素原子がRにより独立して置換されているもの、からなる群から選択される。
別の実施形態では、有機分子は、式Ie-2の構造を含むか又はその構造からなり、RXIは、メチルおよびカルバゾリルからなる群から選択される。
好ましい実施形態では、有機分子は、式Ie-2の構造を含むかまたはその構造からなり、RXIはMeである。
好ましい実施形態では、有機分子は、式Ie-2の構造を含むかまたはその構造からなり、RXIはカルバゾールである。
一実施形態では、有機分子は、式Ie-3の構造を含むか、またはその構造からなる。
Figure 2023511709000015

式Ie-3
一部の実施形態では、有機分子は、式Ie-3の構造を含むかまたはその構造からなり、式中、RXIは、水素、重水素、ハロゲン、Me、Bu、Ph、シクロヘキシル、およびカルバゾールからなる群から選択される。
一部の実施形態では、有機分子は、式Ie-3の構造を含むかまたはその構造からなり、R、RIV、R、RVI、RVII、RおよびRXIの各々は、水素、重水素、ハロゲン、Me、Bu、Ph、シクロヘキシル、およびカルバゾールからなる群から独立して選択される。
一部の実施形態では、有機分子は、式Ie-3の構造を含むかまたはその構造からなり、R、RIV、R、RVI、RVII、およびRは水素である。
好ましい実施形態では、有機分子は、式Ie-3の構造を含むかまたはその構造からなり、RXIはHである。
別の実施形態では、有機分子は、式Ie-3の構造を含むか又はその構造からなり、RXIは、ハロゲン、
~C12-アルキルであって、
随意に一つ以上の水素原子がRにより独立して置換されているもの、
~C18-アリールであって、
随意に一つ以上の水素原子がRにより独立して置換されているもの、および
~C15-ヘテロアリールであって、
随意に一つ以上の水素原子がRにより独立して置換されているもの、からなる群から選択される。
別の実施形態では、有機分子は、式Ie-3の構造を含むか又はその構造からなり、RXIは、ハロゲン、メチル、および
~C15-ヘテロアリールであって、
随意に一つ以上の水素原子がRにより独立して置換されているもの、から選択される。
別の実施形態では、有機分子は、式Ie-3の構造を含むか又はその構造からなり、RXIは、メチルおよびカルバゾリルからなる群から選択される。
好ましい実施形態では、有機分子は、式Ie-3の構造を含むかまたはその構造からなり、RXIはMeである。
好ましい実施形態では、有機分子は、式Ie-3の構造を含むかまたはその構造からなり、RXIはカルバゾールである。
一実施形態では、有機分子は、式Ie-4の構造を含むか、またはその構造からなる。
Figure 2023511709000016

式Ie-4
一部の実施形態では、有機分子は、式Ie-4の構造を含むかまたはその構造からなり、式中、RXIは、水素、重水素、ハロゲン、Me、Bu、Ph、シクロヘキシル、およびカルバゾールからなる群から選択される。
一部の実施形態では、有機分子は、式Ie-4の構造を含むかまたはその構造からなり、R、RIV、R、RVI、RVII、RおよびRXIの各々は、水素、重水素、ハロゲン、Me、Bu、Ph、シクロヘキシル、およびカルバゾールからなる群から独立して選択される。
一部の実施形態では、有機分子は、式Ie-4の構造を含むかまたはその構造からなり、R、RIV、R、RVI、RVII、およびRは水素である。
好ましい実施形態では、有機分子は、式Ie-4の構造を含むかまたはその構造からなり、RXIはHである。
別の実施形態では、有機分子は、式Ie-4の構造を含むか又はその構造からなり、RXIは、ハロゲン、
~C12-アルキルであって、
随意に一つ以上の水素原子がRにより独立して置換されているもの、
~C18-アリールであって、
随意に一つ以上の水素原子がRにより独立して置換されているもの、および
~C15-ヘテロアリールであって、
随意に一つ以上の水素原子がRにより独立して置換されているもの、からなる群から選択される。
別の実施形態では、有機分子は、式Ie-4の構造を含むかまたはその構造からなり、RXIは、ハロゲン、メチル、および
~C15-ヘテロアリールであって、
随意に一つ以上の水素原子がRにより独立して置換されているもの、からなる群から選択される。
別の実施形態では、有機分子は、式Ie-4の構造を含むか又はその構造らなり、RXIは、メチルおよびカルバゾリルからなる群から選択される。
好ましい実施形態では、有機分子は、式Ie-4の構造を含むかまたはその構造からなり、RXIはMeである。
好ましい実施形態では、有機分子は、式Ie-4の構造を含むかまたはその構造からなり、RXIはカルバゾールである。
一実施形態では、有機分子は、式Ifの構造を含むか、またはその構造からなる。
Figure 2023511709000017

式If
本願全体において使用される場合、「アリール」および「芳香族」という用語は、任意の単環式、二環式または多環式の芳香族部分として最も広範な意味で理解することができる。したがって、アリール基は6~60個の芳香環原子を含み、ヘテロアリール基は5~60個の芳香環原子を含み、その中の少なくとも1個はヘテロ原子である。それにもかかわらず、本願全体にわたって、芳香環原子の数は、特定の置換基の定義において下付き文字として与えられていてもよい。特に、ヘテロ芳香環は、1~3個のヘテロ原子を含む。「ヘテロアリール基」および「ヘテロ芳香族」という用語もまた、任意の少なくとも一つのヘテロ原子を含む単環式、二環式または多環式ヘテロ芳香族部分として、最も広範な意味で理解することができる。各ヘテロ原子は、同じでも異なってもよく、個々にN、OおよびSからなる群から選択されうる。したがって、「アリレン」という用語は、他の分子構造との二つの結合部位を保持し、それによってリンカー構造として機能する二価の置換基を示す。例示的な実施形態の中の基がここで与えられている定義と異なって定義される場合、例えば、芳香環原子の数またはヘテロ原子の数が与えられている定義と異なる場合には、例示的な実施形態での定義が適用されるものとする。本発明によれば、縮合(環化)した芳香族またはヘテロ芳香族多環式は、縮合反応を経て多環を形成する、ニつ以上の単一の芳香族またはヘテロ芳香族環で構築され、これらは縮合反応を介して多環式を形成した。
特に全体にわたり使用されるように、「アリール基」または「ヘテロアリール基」という用語は、ベンゼン、ナフタリン、アントラセン、フェナントレン、ピレン、ジヒドロピレン、クリセン、ペリレン、フルオランテン、ベンズアントラセン、ベンズフェナントレン、テトラセン、ペンタセン、ベンズピレン、フラン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ジベンゾフラン、チオフェン、ベンゾチオフェン、イソベンゾチオフェン、ジベンゾチオフェン、ピロール、インドール、イソインドール、カルバゾール、ピリジン、キノリン、イソキノリン、アクリジン、フェナントリジン、ベンゾ-5,6-キノリン、ベンゾ-6,7-キノリン、ベンゾ-7,8-キノリン、フェノチアジン、フェノキサジン、ピラゾール、インダゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、ナフトイミダゾール、フェナントロイミダゾール、ピリドイミダゾール、ピラジノイミダゾール、キノキサリノイミダゾール、オキサゾール、ベンゾオキサゾール、ナフトオキサゾール、アントロオキサゾール、フェナントロオキサゾール、イソオキサゾール、1,2-チアゾール、1,3-チアゾール、ベンゾチアゾール、ピリダジン、ベンゾピリダジン、ピリミジン、ベンゾピリミジン、1,3,5-トリアジン、キノキサリン、ピラジン、フェナジン、ナフチリジン、カルボリン、ベンゾカルボリン、フェナントロリン、1,2,3-トリアゾール、1,2,4-トリアゾール、ベンゾトリアゾール、1,2,3-オキサジアゾール、1,2,4-オキサジアゾール、1,2,5-オキサジアゾール、1,2,3,4-テトラジン、プリン、プテリジン、インドリジンおよびベンゾチアジアゾールまたは先述した基の組み合わせから誘導される芳香族またはヘテロ芳香族基の任意の位置を介して結合することができる基を含む。
全体で使用されるように、「環式基」という用語は、任意の単環式、二環式または多環式の部分として最も広範な意味で理解することができる。
全体で使用されるように、置換基としての「ビフェニル」という用語は、オルト-ビフェニル、メタ-ビフェニル、またはパラ-ビフェニルとして最も広義の意味で理解されることができ、この場合においてオルト、メタ、およびパラは、別の化学部分との結合部位に関して定義される。
全体で使用されるように、「アルキル基」という用語は、任意の直鎖、分枝、または環式のアルキル置換基として最も広範な意味で理解することができる。特に、アルキルという用語は、メチル(Me)、エチル(Et)、n-プロピル(Pr)、i-プロピル(Pr)、シクロプロピル、n-ブチル(Bu)、i-ブチル(Bu)、s-ブチル(Bu)、t-ブチル(Bu)、シクロブチル、2-メチルブチル、n-ペンチル、s-ペンチル、t-ペンチル、2-ペンチル、ネオ-ペンチル、シクロペンチル、n-ヘキシル、s-ヘキシル、t-ヘキシル、2-ヘキシル、3-ヘキシル、ネオ-ヘキシル、シクロヘキシル、1-メチルシクロペンチル、2-メチルペンチル、n-ヘプチル、2-ヘプチル、3-ヘプチル、4-ヘプチル、シクロヘプチル、1-メチルシクロヘキシル、n-オクチル、2-エチルヘキシル、シクロオクチル、1-ビシクロ[2,2,2]オクチル、2-ビシクロ[2,2,2]-オクチル、2-(2,6-ジメチル)オクチル、3-(3,7-ジメチル)オクチル、アダマンチル、2,2,2-トリフルオレチル、1,1-ジメチル-n-ヘキサ-1-イル、1,1-ジメチル-n-ヘプタ-1-イル、1,1-ジメチル-n-オクタ-1-イル、1,1-ジメチル-n-デカ-1-イル、1,1-ジメチル-n-ドデカ-1-イル、1,1-ジメチル-n-テトラデカ-1-イル、1,1-ジメチル-n-ヘキサデカ-1-イル、1,1-ジメチル-n-オクタデカ-1-イル、1,1-ジエチル-n-ヘキサ-1-イル、1,1-ジエチル-n-ヘプタ-1-イル、1,1-ジエチル-n-オクタ-1-イル、1,1-ジエチル-n-デカ-1-イル、1,1-ジエチル-n-ドデカ-1-イル、1,1-ジエチル-n-テトラデカ-1-イル、1,1-ジエチル-n-ヘキサデカ-1-イル、1,1-ジエチル-n-オクタデカ-1-イル、1-(n-プロピル)-シクロヘキサ-1-イル、1-(n-ブチル)-シクロヘキサ-1-イル、1-(n-ヘキシル)-シクロヘキサ-1-イル、1-(n-オクチル)-シクロヘキサ-1-イル、および1-(n-デシル)-シクロヘキサ-1-イルである置換基を含む。
全体で使用されるように、「アルケニル」という用語は、直鎖、分枝、および環式のアルケニル置換基を含む。「アルケニル基」という用語は、例えば、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、シクロペンテニル、ヘキセニル、シクロヘキセニル、ヘプテニル、シクロヘプテニル、オクテニル、シクロオクテニルまたはシクロオクタジエニルである置換基を含む。
全体で使用されるように、「アルキニル」という用語は、直鎖、分枝、および環式のアルキニル置換基を含む。「アルキニル基」という用語は、例えば、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニルまたはオクチニルを含む。
全体で使用されるように、「アルコキシ」という用語は、直鎖、分枝、および環式のアルコキシ置換基を含む。「アルコキシ基」という用語は、例示的に、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、i-プロポキシ、n-ブトキシ、i-ブトキシ、s-ブトキシ、t-ブトキシおよび2-メチルブトキシを含む。
全体で使用されるように、「チオアルコキシ」という用語は、直鎖、分枝、および環式のチオアルコキシ置換基を含み、この場合、例示的なアルコキシ基のOはSで置き換えられている。
全体で使用されるように、「ハロゲン」および「ハロ」という用語は、好ましくはフッ素、塩素、臭素またはヨウ素であるものとして、最も広範な意味で理解することができる。
本明細書において水素(H)に言及するときはいつでも、それは各々重水素で置換することも可能である。
分子の断片が置換基である、またはさもなければ別の部分に付加されていると記載されている場合、その名称は、それが断片であるかのように(例えば、ナフチル、ジベンゾフリル)またはそれが全分子であるかのように(例えば、ナフタレン、ジベンゾフラン)書かれていてもよいことを理解されたい。本明細書で使用される場合、置換基または付加された断片を命名するこれらの異なる方式は等しいものとみなされる。
一実施形態においては、本発明による有機分子は、5重量%の有機分子を有するポリ(メタクリル酸メチル)(PMMA)のフィルム内で、室温で、150μ秒以下、100μ秒以下、特に50μ秒以下、より好ましくは10μ秒以下、または7μ秒以下の励起状態寿命を有する。
一実施形態においては、本発明による有機分子は、1~5重量%、特に2重量%の本発明による有機分子を有するポリ(メタクリル酸メチル)(PMMA)のフィルム内で、室温で、150μ秒以下、100μ秒以下、特に50μ秒以下、好ましくは10μ秒以下、または7μ秒以下の励起状態寿命を有する。
本発明のさらなる実施形態においては、本発明による有機分子は、可視領域または近紫外領域、すなわち380nm~800nmの波長領域に発光ピークを有し、その半値全幅が、5重量%の有機分子を含むポリ(メタクリル酸メチル)(PMMA)のフィルムの状態で、室温で、0.23eV未満、好ましくは0.20eV未満、より好ましくは0.19eV未満、さらにより好ましくは0.18eV未満、またはなおさらに0.17eV未満である。
本発明のさらなる実施形態においては、本発明による有機分子は、可視領域または近紫外領域、すなわち380nm~800nmの波長領域に発光ピークを有し、その半値全幅が、1~5重量%、特に2重量%の有機分子を含むポリ(PMMA)のフィルムの状態で、室温で、0.23eV未満、特に0.20eV未満、好ましくは0.19eV未満、さらにより好ましくは0.18eV未満、またはなおさらに0.17eV未満である。
軌道状態および励起状態のエネルギーは、いずれかの実験方法によって決定することができる。最高被占分子軌道EHOMOのエネルギーは、サイクリックボルタンメトリー測定から当業者に公知の方法により、0.1eVの精度で求められる。最低空軌道ELUMOのエネルギーは、EHOMO+Egap(式中、Egapは以下の通り求められる)のように計算される:別途述べられていない限り、ホスト化合物に対しては、ポリ(メタクリル酸メチル)(PMMA)中に10重量%のホストを有するフィルムの発光スペクトルの立ち上がりをEgapとして使用する。発光体分子に対しては、PMMA架橋物中に10重量%の発光体を有するフィルムの励起および発光スペクトルでのエネルギーとして、Egapを求める。本発明による有機分子に対しては、PMMA架橋物中に5重量%の発光体を有するフィルムの励起および発光スペクトルでのエネルギーとして、Egapを求める。
軌道状態および励起状態のエネルギーは、いずれかの実験方法によって決定することができる。最高被占分子軌道EHOMOのエネルギーは、サイクリックボルタンメトリー測定から当業者に公知の方法により、0.1eVの精度で求められる。最低空軌道ELUMOのエネルギーは、EHOMO+Egap(式中、Egapは以下の通り求められる)のように計算される。別途述べられていない限り、ホスト化合物に対しては、ポリ(メタクリル酸メチル)(PMMA)中に10重量%のホストを有するフィルムの発光スペクトルの立ち上がりをEgapとして使用する。発光体分子に対しては、PMMA架橋物中に10重量%の発光体を有するフィルムの励起および発光スペクトルでのエネルギーとして、Egapを求める。本発明による有機分子に対しては、PMMA架橋物中に1~5重量%、特に2重量%の発光体を有するフィルムの励起および発光スペクトルでのエネルギーとして、Egapを求める。
第一励起三重項状態T1のエネルギーは、低温、通常は77Kでの発光スペクトルの立ち上がりから求める。第一励起一重項状態および最低三重項状態がエネルギー的に>0.4eVの分だけ分離されているホスト化合物に対して、リン光は2-Me-THFにおける定常状態スペクトルにおいて通常可視である。三重項エネルギーは、リン光スペクトルの立ち上がりとして求めることができる。TADF発光体分子に対しては、第一励起三重項状態T1のエネルギーは、別段の記載が無い限りは10重量%の発光体を有するPMMAのフィルムにおいて測定された、そして本発明による有機分子の場合には1重量%の本発明による有機分子を有するPMMAのフィルムにおいて測定された、77Kでの遅延発光スペクトルの立ち上がりから求められる。ホスト化合物と発光体化合物の両方に対しては、第一励起一重項状態S1のエネルギーは、別段の記載が無い限り10重量%のホスト化合物または発光体化合物を有するPMMAのフィルムにおいて測定された、そして本発明の有機分子の場合には1重量%の本発明による有機分子を有するPMMAのフィルムにおいて測定された、発光スペクトルの立ち上がりから求められる。
発光スペクトルの立ち上がりは、x軸と、発光スペクトルへの接線との交点を計算することにより求める。発光スペクトルの接線は、発光帯の高エネルギー側で、および発光スペクトルの最大強度の半値の点で設定される。
一実施形態では、本発明による有機分子が発光スペクトルの開始を有し、それは発光最大値にエネルギー的に近接しており、すなわち、発光スペクトルの開始と発光最大値のエネルギーとの間のエネルギー差が0.14eV未満である、好ましくは0.13eV未満である、あるいはさらに0.12eV未満である、一方、室温で5%重量の有機分子を有するポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)のフィルム中において、有機分子の半値全幅(FWHM)は0.23eV未満であり、好ましくは0.20eV未満であり、より好ましくは0.19eVであり、さらにより好ましくは0.18eV未満であり、あるいはさらに0.17eV未満であり、その結果として、CIEy座標は0.20未満、好ましくは0.18未満、より好ましくは0.16未満、またはさらにより好ましくは0.14未満となる。
一実施形態では、本発明による有機分子が発光スペクトルの開始を有し、それは発光最大値にエネルギー的に近接しており、すなわち、発光スペクトルの開始と発光最大値のエネルギーとの間のエネルギー差が0.14eV未満である、特に0.13eV未満である、あるいはさらに0.12eV未満である、一方、室温で1~5%重量、特に2重量%の有機分子を有するポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)のフィルム中において、有機分子の半値全幅(FWHM)は0.23eV未満であり、特に0.20eV未満であり、好ましくは0.19eVであり、より好ましくは0.18eV未満であり、あるいはさらに0.17eV未満であり、その結果として、CIEy座標は0.20未満、特に0.18未満、好ましくは0.16未満、またはさらにより好ましくは0.14未満となる。
本発明のさらなる態様は、光電子デバイスにおける、発光体としての、もしくは吸収体としての、および/またはホスト材料としての、および/または電子輸送材料としての、および/または正孔注入材料としての、および/または正孔ブロッキング材料としての本発明による有機分子の使用に関する。
好ましい実施形態は、本発明による有機分子の光電子デバイスにおける発光体としての使用に関する。
光電子デバイスは、可視領域又は近紫外(UV)領域での、すなわち380~800nmの波長領域での発光に好適である有機材料ベースの任意のデバイスとして広義で理解されうる。より好ましくは、光電子デバイスは、可視領域、すなわち400nm~800nmで発光することができるものでありうる。
こうした使用の文脈においては、光電子デバイスは、より具体的には以下からなる群から選択される。
・ 有機発光ダイオード(OLEDs)、
・ 発光電気化学セル、
・ OLEDセンサーであって、特に周囲に対して気密封止されていない気体および蒸気のセンサーにおけるOLEDセンサー、
・ 有機ダイオード、
・ 有機太陽電池、
・ 有機トランジスター、
・ 有機電界効果トランジスター、
・ 有機レーザー、および
・ ダウンコンバージョン素子。
こうした使用の文脈における好ましい実施形態においては、光電子デバイスは、有機発光ダイオード(OLED)、発光電気化学セル(LEC)および発光トランジスターからなる群から選択されるデバイスである。
使用する場合、光電子デバイス、より具体的にはOLEDにおける発光層内の本発明による有機分子の分率は、0.1~99重量%、より具体的には1%~80重量%である。代替的な実施形態においては、発光層中の有機分子の割合は、100重量%である。
一実施形態においては、発光層は、本発明による有機分子だけでなく、三重項(T1)および一重項(S1)エネルギー準位が、有機分子の三重項(T1)および一重項(S1)エネルギー準位よりエネルギー的に高いホスト材料も含む。
本発明のさらなる態様は、以下のものを含む、またはそれからなる組成物に関する。
(a)特に発光体および/またはホストの形態での少なくとも一つの本発明による有機分子、ならびに
(b)本発明による有機分子とは異なる、一つ以上の発光体材料および/またはホスト材料、ならびに
(c)随意の一つ以上の染料および/または一つ以上の溶媒。
一実施形態においては、発光層は、以下のものを含む、または以下のものからなる組成物を含む(または本質的に当該組成物からなる)。
(a)特に発光体および/またはホストの形態での少なくとも一つの本発明による有機分子、ならびに
(b)本発明による有機分子とは異なる、一つ以上の発光体材料および/またはホスト材料、ならびに
(c)随意の一つ以上の染料および/または一つ以上の溶媒。
特定の実施形態においては、発光層EMLは、以下のものを含む、または以下のものからなる組成物を含む(または本質的に当該組成物からなる)。
(i)0.1~10重量%、好ましくは0.5~5重量%、特に1~3重量%の本発明による一つ以上の有機分子、
(ii)5~99重量%、好ましくは15~85重量%、特に20~75重量%の少なくとも一つのホスト化合物H、および
(iii)本発明による分子の構造とは異なる構造を有する、0.9~94.9重量%、好ましくは14.5~80重量%、特に24~77重量%の少なくとも一つのさらなるホスト化合物D、および
(iv)随意に、0~94重量%、好ましくは0~65重量%、特に0~50重量%の溶媒、および
(v)随意に、本発明による分子の構造とは異なる構造を有する、0~30重量%、特に0~20重量%、好ましくは0~5重量%の少なくとも一つのさらなる発光体分子F。
好ましくは、エネルギーは、ホスト化合物Hから一つ以上の本発明による有機分子まで移動することが可能であり、特に、ホスト化合物Hの第一励起三重項状態T1(H)から一つ以上の本発明Eによる有機分子の第一励起三重項状態T1(E)まで、および/または、ホスト化合物Hの第一励起一重項状態S1(H)から一つ以上の本発明Eによる有機分子の第一励起一重項状態S1(E)まで移動することが可能である。
一実施形態においては、ホスト化合物Hは、-5~-6.5eVの範囲のエネルギーEHOMO(H)を有する最高被占分子軌道HOMO(H)を有し、少なくとも一つのさらなるホスト化合物Dは、エネルギーEHOMO(D)(EHOMO(H)>EHOMO(D)である)を有する最高被占分子軌道HOMO(D)を有する。
さらなる実施形態においては、ホスト化合物HはエネルギーELUMO(H)を有する最低被占分子軌道LUMO(H)を有し、少なくとも一つのさらなるホスト化合物DはエネルギーELUMO(D)(ELUMO(H)>ELUMO(D)である)を有する最低被占分子軌道LUMO(D)を有する。
一実施形態においては、ホスト化合物HはエネルギーEHOMO(H)を有する最高被占分子軌道HOMO(H)およびエネルギーELUMO(H)を有する最低被占分子軌道LUMO(H)を有し、
少なくとも一つのさらなるホスト化合物Dは、エネルギーEHOMO(D)を有する最高被占分子軌道HOMO(D)およびエネルギーELUMO(D)を有する最低被占分子軌道LUMO(D)を有し、
本発明Eによる有機分子は、エネルギーEHOMO(E)を有する最高被占分子軌道HOMO(E)およびエネルギーELUMO(E)を有する最低被占分子軌道LUMO(E)を有し、
式中、
HOMO(H)>EHOMO(D)であり、本発明Eによる有機分子の最高被占分子軌道HOMO(E)のエネルギーレベル(EHOMO(E))と、ホスト化合物Hの最高被占分子軌道HOMO(H)のエネルギーレベル(EHOMO(H))との差は、-0.5eV~0.5eVであり、より好ましくは-0.3eV~0.3eVであり、さらにより好ましくは-0.2eV~0.2eV、またはさらに-0.1eV~0.1eVであり、
LUMO(H)>ELUMO(D)であり、本発明Eによる有機分子の最低被占分子軌道LUMO(E)のエネルギーレベル(ELUMO(E))と、少なくとも一つのさらなるホスト化合物Dの最低被占分子軌道LUMO(D)(ELUMO(D))との差は、-0.5eV~0.5eVであり、より好ましくは-0.3eV~0.3eVであり、さらにより好ましくは-0.2eV~0.2eV、またはさらに-0.1eV~0.1eVである。
本発明による一実施形態において、ホスト化合物Dおよび/またはホスト化合物Hは、熱活性化遅延蛍光性(TADF:thermally-activated delayed fluorescence)材料である。TADF材料は、第一励起一重項状態(S1)と第一励起三重項状態(T1)との間のエネルギー差に相当する、2500cm-1未満のΔEST値を示す。好ましくは、TADF材料は、3000cm-1未満、より好ましくは1500cm-1未満、さらにより好ましくは1000cm-1未満、またはさらには500cm-1未満のΔEST値を呈する。
一実施形態において、ホスト化合物Dは、TADF材料であり、ホスト化合物Hは、2500cm-1を超えるΔEST値を呈する。特定の実施形態において、ホスト化合物Dは、TADF材料であり、ホスト化合物Hは、CBP、mCP、mCBP、9-[3-(ジベンゾフラン-2-イル)フェニル]-9H-カルバゾール、9-[3-(ジベンゾフラン-2-イル)フェニル]-9H-カルバゾール、9-[3-(ジベンゾチオフェン-2-イル)フェニル]-9H-カルバゾール、9-[3,5-ビス(2-ジベンゾフラニル)フェニル]-9H-カルバゾール、および9-[3,5-ビス(2-ジベンゾチオフェニル)フェニル]-9H-カルバゾールからなる群から選択される。
一実施形態において、ホスト化合物Hは、TADF材料であり、ホスト化合物Dは、2500cm-1を超えるΔEST値を呈する。特定の実施形態では、ホスト化合物Hは、TADF材料であり、ホスト化合物Dは、T2T (2,4,6-トリス(ビフェニル-3-イル)-1,3,5-トリアジン)、T3T(2,4,6-トリス(トリフェニル-3-イル)-1,3,5-トリアジン)、および/またはTST (2,4,6-トリス(9,9’-スピロビフルオレン-2-イル)-1,3,5-トリアジン)からなる群から選択される。
さらなる態様においては、本発明は、より具体的には有機発光ダイオード(OLED)、発光電気化学セル、OLEDセンサー、より具体的には、外部から気密封止されていない気体および蒸気センサー、有機ダイオード、有機太陽電池、有機トランジスター、有機電界効果トランジスター、有機レーザーおよびダウンコンバージョン素子からなる群から選択されるデバイスの形態の本明細書に記載されているような有機分子または組成物を含む光電子デバイスに関する。
好ましい実施形態においては、光電子デバイスは、有機発光ダイオード(OLED)、発光電気化学セル(LEC)および発光トランジスターからなる群から選択されるデバイスである。
本発明の光電子デバイスの一実施形態においては、本発明Eによる有機分子を、発光層EML中の発光材料として用いる。
本発明の光電子デバイスの一実施形態では、発光層EMLは、本明細書に記載されている本発明による組成物からなる。
光電子デバイスがOLEDである場合、それは、例えば、以下の層構造を有する。
1.基板
2.アノード層A
3.正孔注入層、HIL
4.正孔輸送層、HTL
5.電子ブロッキング層、EBL
6.発光層、EML
7.正孔ブロッキング層、HBL
8.電子輸送層、ETL
9.電子注入層、EIL
10.カソード層
この場合において、OLEDは、HIL、HTL、EBL、HBL、ETLおよびEILの群から選択される各層を含み、随意にのみ、異なる層が融合されてもよく、またOLEDは上記で定義されたそれぞれの層タイプのうち二層以上を含んでもよい。
また、光電子デバイスは、一実施形態においては、水分、蒸気および/または気体を含む、環境内の有害種への損傷的曝露からデバイスを保護する一つ以上の保護層を含んでもよい。
本発明による一実施形態においては、光電子デバイスは、以下の逆の層構造を有するOLEDである。
1.基板
2.カソード層
3.電子注入層、EIL
4.電子輸送層、ETL
5.正孔ブロッキング層、HBL
6.発光層、B
7.電子ブロッキング層、EBL
8.正孔輸送層、HTL
9.正孔注入層、HIL
10.アノード層A
この場合において、OLEDは、HIL、HTL、EBL、HBL、ETLおよびEILの群から選択される各層を含み、随意にのみ、異なる層が融合されてもよく、またOLEDは上記で定義されたそれぞれの層タイプのうち二層以上を含んでもよい。
本発明の一実施形態においては、光電子デバイスは、積層構造を有しうるOLEDである。この構造では、OLEDが並んで配置される典型的な構造とは異なり、個々の構成単位が互いの上にスタックされている。スタック構造を示すOLEDを用いてブレンドされた光を作ることができ、特に青色、緑色および赤色のOLEDをスタッキングすることにより白色光を作ることができる。さらに、スタック構造を示すOLEDは、電荷発生層(CGL)を含んでもよく、この電荷発生層は通常、二つのOLEDサブユニットの間に位置し、通常、n-ドープしたおよびp-ドープした層からなり、一つのCGLのn-ドープした層は通常アノード層のより近くに位置する。
本発明の一実施形態においては、光電子デバイスはOLEDであり、それはアノードとカソードとの間に二つ以上の発光層を備える。特に、このいわゆる直列OLEDは、三つの発光層を含み、一つの発光層が赤色光を発光し、一つの発光層が緑色光を発光し、および一つの発光層が青色光を発光し、そして随意に、個々の発光層の間で、さらなる層、例えば、電荷発生層、ブロッキング層または輸送層などを含んでもよい。さらなる実施形態においては、発光層は隣接してスタックされる。さらなる実施形態においては、直列OLEDは、発光層の各二層間に電荷発生層を備える。さらに、隣接する発光層または電荷発生層で分離された発光層は、融合されてもよい。
基板は、任意の材料または材料の組成物によって形成されてもよい。最もよく基板として用いられるのはガラススライドである。代わりに、薄い金属層(例えば、銅、金、銀またはアルミニウムフィルム)またはプラスチックフィルムまたはスライドを用いてもよい。これにより、より高度な可撓性が可能になる。アノード層Aは、(本質的に)透明なフィルムを得ることを可能にする材料で主に構成される。OLEDからの発光を可能にするように両方の電極の少なくとも一つが(本質的に)透明であるべきなので、アノード層Aまたはカソード層Cのいずれかは透明である。好ましくは、アノード層Aは、透明導電性酸化物(TCOs)を大量に含有するか、またはそれからなる。このようなアノード層Aは、酸化インジウムスズ、アルミニウム酸化亜鉛、フッ素ドープ酸化スズ、インジウム酸化亜鉛、PbO、SnO、酸化ジルコニウム、酸化モリブデン、酸化バナジウム、酸化タングステン、グラファイト、ドープSi、ドープGe、ドープGaAs、ドープポリアニリン、ドープポリーピロールおよび/またはドープポリチオフェンを例えば含んでもよい。
アノード層Aは、(本質的に)酸化インジウムスズ(ITO)(例えば、(InO0.9(SnO0.1)からなりうる。透明導電性酸化物(TCO)により引き起こされるアノード層Aの粗さは、正孔注入層(HIL)を使用することにより埋め合わせることができる。さらに、TCOから正孔輸送層(HTL)への擬電荷担体の輸送が促進されるという意味で、HILは擬電荷担体(すなわち、正孔)の注入を促進することができる。正孔注入層(HIL)は、ポリ-3,4-エチレンジオキシチオフェン(PEDOT)、ポリスチレンスルホネート(PSS)、MoO、V、CuPCまたはCuI、特にPEDOTとPSSの混合物を含むことができる。正孔注入層(HIL)はまた、アノード層Aから正孔輸送層(HTL)への金属の拡散を阻止することができる。HILは、PEDOT:PSS(ポリ-3,4-エチレンジオキシチオフェン:ポリスチレンスルホネート)、PEDOT(ポリ-3,4-エチレンジオキシチオフェン)、mMTDATA(4,4’,4”-トリス[フェニル(m-トリル)アミノ]トリフェニルアミン)、スピロ-TAD(2,2’,7,7’-テトラキス(n,n-ジフェニルアミノ)-9,9’-スピロビフルオレン)、DNTPD(N1,N1’-(ビフェニル-4,4’-ジイル)ビス(N1-フェニル-N4,N4-di-m-トリルベンゼン-1,4-ジアミン)、NPB(N,N’-nis-(1-ナフタレニル)-N,N’-ビス-フェニル-(1,1’-ビフェニル)-4,4’-ジアミン)、NPNPB(N,N’-ジフェニル-N,N’-ジ-[4-(N,N-ジフェニル-アミノ)フェニル]ベンジジン)、MeO-TPD(N,N,N’,N’-テトラキス(4-メトキシフェニル)ベンジジン)、HAT-CN(1,4,5,8,9,11-ヘキサアザトリフェニレン-ヘキサカルボニトリル)および/またはスピロ-NPD(N,N’-ジフェニル-N,N’-ビス-(1-ナフチル)-9,9’-スピロビフルオレン-2,7-ジアミン)を例えば含んでもよい。
アノード層Aまたは正孔注入層(HIL)に隣接して、通常は正孔輸送層(HTL)が位置する。本明細書においては、任意の正孔輸送化合物を使用することができる。例えば、電子を豊富に含むヘテロ芳香族化合物、例えば、トリアリールアミンおよび/またはカルバゾールなどを正孔輸送化合物として使用することができる。HTLは、アノード層Aと発光層EMLとの間のエネルギーバリアを低減することができる。正孔輸送層(HTL)はまた電子ブロッキング層(EBL)であってもよい。好ましくは、正孔輸送化合物は、これらの三重項状態T1と同等の高エネルギーレベルを保持する。例えば、正孔輸送層(HTL)は、星形状ヘテロ環、例えば、トリス(4-カルバゾイル-9-イルフェニル)アミン(TCTA)、ポリ-TPD(ポリ(4-ブチルフェニル-ジフェニル-アミン))、[アルファ]-NPD(ポリ(4-ブチルフェニル-ジフェニル-アミン))、TAPC(4,4’-シクロヘキシリデン-ビス[N,N-ビス(4-メチルフェニル)ベンゼンアミン])、2-TNATA(4,4’,4”-トリス[2-ナフチル(フェニル)アミノ]トリフェニルアミン)、スピロ-TAD、DNTPD、NPB、NPNPB、MeO-TPD、HAT-CNおよび/またはTrisPcz(9,9’-ジフェニル-6-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)-9H,9’H-3,3’-ビカルバゾール)を含む。さらに、HTLは、有機正孔輸送マトリックスにおいて無機または有機ドーパントで構成され得るp-ドープ層を含んでもよい。遷移金属オキシド、例えば、酸化バナジウム、酸化モリブデンまたは酸化タングステンなどを例えば無機ドーパントとして使用することができる。テトラフルオロテトラシアノキノジメタン(F-TCNQ)、銅-ペンタフルオロベンゾエート(Cu(I)pFBz)または遷移金属錯体を例えば有機ドーパントとして使用することができる。
EBLは、例えば、mCP(1,3-ビス(カルバゾール-9-イル)ベンゼン)、TCTA、2-TNATA、mCBP(3,3-ジ(9H-カルバゾール-9-イル)ビフェニル)、tris-Pcz、CzSi(9-(4-tert-ブチルフェニル)-3,6-ビス(トリフェニルシリル)-9H-カルバゾール)、および/またはDCB(N,N’-ジカルバゾリル-1,4-ジメチルベンゼン)を含んでもよい。
発光層EMLは、一般的には正孔輸送層(HTL)に隣接して配置される。発光層EMLは、少なくとも一つの発光分子.を含む。特に、EMLは、本発明Eによる少なくとも一つの発光分子を含む。一実施形態において、発光層は、本発明による有機分子のみを含む。一般的には、EMLは一つ以上のホスト材料Hを追加的に含む。例えば、ホスト材料Hは、CBP(4,4’-ビス-(N-カルバゾリル)-ビフェニル)、mCP、mCBP Sif87(ジベンゾ[b,d]チオフェン-2-イルトリフェニルシラン)、CzSi、Sif88(ジベンゾ[b,d]チオフェン-2-イル)ジフェニルシラン)、DPEPO(ビス[2-(ジフェニルホスフィノ)フェニル]エーテルオキシド)、9-[3-(ジベンゾフラン-2-イル)フェニル]-9H-カルバゾール、9-[3-(ジベンゾフラン-2-イル)フェニル]-9H-カルバゾール、9-[3-(ジベンゾチオフェン-2-イル)フェニル]-9H-カルバゾール、9-[3,5-ビス(2-ジベンゾフラニル)フェニル]-9H-カルバゾール、9-[3,5-ビス(2-ジベンゾチオフェニル)フェニル]-9H-カルバゾール、T2T(2,4,6-トリス(ビフェニル-3-イル)-1,3,5-トリアジン)、T3T(2,4,6-トリス(トリフェニル-3-イル)-1,3,5-トリアジン)および/またはTST(2,4,6-トリス(9,9’-スピロビフルオレン-2-イル)-1,3,5-トリアジン)から選択される。ホスト材料Hは、一般的に、有機分子の第一の三重項エネルギーレベル(T1)および第一の一重項エネルギーレベル(S1)よりもエネルギー的に高い、第一の三重項エネルギーレベル(T1)および第一の一重項エネルギーレベル(S1)を示すように選択されるべきである。
本発明による一実施形態においては、EMLは、少なくとも一つの正孔が優位なホストおよび一つの電子が優位なホストを有するいわゆる混合したホストシステムを含む。特定の実施形態においては、EMLは、本発明にかかる厳密に一つの発光有機分子と、電子優勢ホストとしてT2Tならびに、ホール優勢ホストとしてCBP、mCP、mCBP、9-[3-(ジベンゾフラン-2-イル)フェニル]-9H-カルバゾール、9-[3-(ジベンゾフラン-2-イル)フェニル]-9H-カルバゾール、9-[3-(ジベンゾチオフェン-2-イル)フェニル]-9H-カルバゾール、9-[3,5-ビス(2-ジベンゾフラニル)フェニル]-9H-カルバゾールおよび9-[3,5-ビス(2-ジベンゾチオフェニル)フェニル]-9H-カルバゾールから選択されたホストを含む混合ホスト系と、を含む。さらなる実施形態では、EMLは、50~80重量%、好ましくは60~75重量%の、CBP、mCP、mCBP、9-[3-(ジベンゾフラン-2-イル)フェニル]-9H-カルバゾール、9-[3-(ジベンゾフラン-2-イル)フェニル]-9H-カルバゾール、9-[3-(ジベンゾチオフェン-2-イル)フェニル]-9H-カルバゾール、9-[3,5-ビス(2-ジベンゾフラニル)フェニル]-9H-カルバゾールおよび9-[3,5-ビス(2-ジベンゾチオフェニル)フェニル]-9H-カルバゾールから選択されるホスト;10~45重量%、好ましくは15~30重量%のT2T、および5~40重量%、好ましくは10~30重量%の本発明による発光分子を含む。
発光層EMLに隣接して、電子輸送層(ETL)が位置してもよい。本明細書においては、任意の電子輸送体を用いることができる。例示的には、例えば、ベンズイミダゾール、ピリジン、トリアゾール、オキサジアゾール(例えば1,3,4-オキサジアゾール)、ホスフィンオキシドおよびスルホン等の電子不足の化合物が使用されてもよい。電子輸送体はまた、星形状ヘテロ環、例えば、1,3,5-トリ(1-フェニル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)フェニル(TPBi)であってもよい。ETLは、NBphen(2,9-ビス(ナフタレン-2-イル)-4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン)、Alq(アルミニウム-トリス(8-ヒドロキシキノリン))、TSPO1(ジフェニル-4-トリフェニルシリルフェニル-ホスフィンオキシド)、BPyTP2(2,7-ジ(2,2’-ビピリジン-5-イル)トリフェニル)、Sif87(ジベンゾ[b,d]チオフェン-2-イルトリフェニルシラン)、Sif88(ジベンゾ[b,d]チオフェン-2-イル)ジフェニルシラン)、BmPyPhB(1,3-ビス[3,5-ジ(ピリジン-3-イル)フェニル]ベンゼン)および/またはBTB(4,4’-ビス-[2-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジニル)]-1,1’-ビフェニル)を含んでもよい。随意に、ETLは、Liqなどの材料でドープされていてもよい。電子輸送層(ETL)はまた正孔をブロックすることもでき、または正孔ブロッキング層(HBL)が導入される。
HBLは、例えばBCP(2,9-ジメチル-4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン=バソクプロイン)、BAlq(ビス(8-ヒドロキシ-2-メチルキノリン)-(4-フェニルフェノキシ)アルミニウム)、NBphen(2,9-ビス(ナフタレン-2-イル)-4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン)、Alq(アルミニウム-トリス(8-ヒドロキシキノリン))、TSPO1(ジフェニル-4-トリフェニルシリルフェニル-ホスフィンオキシド)、T2T(2,4,6-トリス(ビフェニル-3-イル)-1,3,5-トリアジン)、T3T(2,4,6-トリス(トリフェニル-3-イル)-1,3,5-トリアジン)、TST(2,4,6-トリス(9,9’-スピロビフルオレン-2-イル)-1,3,5-トリアジン)および/またはTCB/TCP(1,3,5-トリス(N-カルバゾリル)ベンゾール/1,3,5-トリス(カルバゾール)-9-イル)ベンゼン)を含みうる。
電子輸送層(ETL)に隣接して、カソード層Cが位置してもよい。カソード層Cは、例えば、金属(例えば、Al、Au、Ag、Pt、Cu、Zn、Ni、Fe、Pb、LiF、Ca、Ba、Mg、In、W、もしくはPd)または金属合金を含んでもよいし、またはこれから成ってもよい。実用的な理由から、カソード層はまた、不透明な金属、例えば、Mg、CaまたはAlなどから(本質的に)成ってもよい。代わりにまたはさらに、カソード層Cはまた、グラファイトおよびまたは炭素ナノチューブ(CNT)を含んでもよい。代わりに、カソード層Cはまた、ナノスケールの銀導線から成ってもよい。
OLEDは、さらに随意に、電子輸送層(ETL)とカソード層C(電子注入層(EIL)と命名することもできる)の間に保護層を含んでもよい。この層は、フッ化リチウム、フッ化セシウム、銀、Liq(8-ヒドロキシキノリノラトリチウム)、LiO、BaF、MgOおよび/またはNaFを含んでもよい。
随意に、電子輸送層(ETL)および/またはホールブロッキング層(HBL)はさらに、一つ以上のホスト化合物Hを含んでもよい。
発光層EMLの発光スペクトルおよび/または吸収スペクトルをさらに改変するため、発光層EMLは、一つ以上のさらなる発光体分子Fをさらに含んでもよい。このような発光体分子Fは、当技術分野で公知の任意の発光体分子であってよい。こうした発光体分子Fは、本発明Eにかかる分子の構造とは異なる構造をもつ分子であることが好ましい。発光体分子Fは随意にTADF発光体であってもよい。代わりに、発光体分子Fは、随意に、発光層EMLの発光スペクトルおよび/または吸収スペクトルをシフトすることができる蛍光のおよび/またはリン光発光体分子であってもよい。例示としては、本発明による有機発光体分子から発光体分子Fへと三重項および/または一重項の励起子が輸送され、その後、有機分子による発光と比較して通常は赤方偏移した光を発することにより、基底状態S0へと緩和される。随意に、発光体分子Fは、二光子効果を誘発することもできる(すなわち、最大吸収エネルギーの半分の二つの光子の吸収)。
随意に、光電子デバイス(例えばOLED)は、例えば、本質的に白色の光電子デバイスとしうる。例えば、こうした白色の光電子デバイスは、少なくとも一つの(深)青色発光体分子および緑色光および/又は赤色光を発する一つ以上の発光体分子を含みうる。次いで随意に、上記に記載した分子の二個以上の間のエネルギー透過率も存在し得る。
本明細書で使用される場合、特定の状況においてより具体的に定義されていない限り、発光するおよび/または吸収される光の色の命名は以下の通りである。
紫色: 波長範囲>380~420nm
深青色: 波長範囲>420~480nm
水色: 波長範囲>480~500nm
緑色: 波長範囲>500~560nm
黄色: 波長範囲>560~580nm
オレンジ色: 波長範囲>580~620nm
赤色: 波長範囲>620~800nm
発光体分子に関して、こうした色が発光最大値を示す。したがって、例えば、深青色発光体は、>420~480nmの範囲に発光最大値を有し、水色発光体は、>480~500nmの範囲に発光最大値を有し、緑色発光体は、>500~560nmの範囲に発光最大値を有し、赤色発光体は、>620~800nmの範囲に発光最大値を有する。
深青色発光体は、好ましくは480nm未満、より好ましくは470nm未満、さらにより好ましくは465nm未満またはさらには460nm未満の発光最大値を有してもよい。発光最大値は通常、420nm超、好ましくは430nm超、より好ましくは440nm超、またはさらに450nm超である。
したがって、本発明のさらなる態様は、1000cd/mにおいて、8%を超える、より好ましくは10%を超える、より好ましくは13%を超える、さらにより好ましくは15%を超える、もしくはさらには20%をも超える外部量子効率を示し、および/または420nm~500nmの間、好ましくは430nm~490nmの間、より好ましくは440nm~480nmの間、さらにより好ましくは450nm~470nmの間の発光最大値を示し、および/または500cd/mにおいて、100hを超える、好ましくは200hを超える、より好ましくは400hを超える、さらにより好ましくは750hを超える、もしくはさらに1000hを超える、LT80値を示すOLEDに関する。したがって、本発明のさらなる態様は、その発光が、0.45未満、好ましくは0.30未満、より好ましくは0.20未満またはさらにより好ましくは0.15未満、またはさらに0.10未満の、CIEy色座標を示すOLEDに関する。
本発明のさらなる態様は、明確な色ポイントにおいて光を発光するOLEDに関する。本発明によれば、OLEDは、狭い発光帯(小さな半値全幅(FWHM))を有する光を発光する。一態様においては、本発明によるOLEDは、0.30eV未満、好ましくは0.25eV未満、より好ましくは0.20eV未満、さらにより好ましくは0.19eV未満、またはさらに0.17eV未満の、主要発光ピークのFWHMを有する光を発光する。
本発明のさらなる態様は、ITU-R Recommendation BT.2020(Rec.2020)で定義されているような原色の青色(CIEx=0.131およびCIEy=0.046)のCIEx(=0.131)およびCIEy(=0.046)色座標に近いCIExおよびCIEyの色座標で発光し、したがって、超高精細(UHD)ディスプレイ、例えば、UHD-TVなどにおける使用に適合したOLEDに関する。したがって、本発明のさらなる態様は、その発光が0.02~0.30の間、好ましくは0.03~0.25の間、より好ましくは0.05~0.20の間、もしくはさらにより好ましくは0.08~0.18の間、もしくはさらに0.10~0.15の間のCIEx色座標、および/または0.00~0.45の間、好ましくは0.01~0.30の間、より好ましくは0.02~0.20の間、もしくはさらにより好ましくは0.03~0.15の間、もしくはさらに0.04~0.10の間のCIEy色座標を示すOLEDに関する。
さらなる態様においては、本発明は、光電子部品の製造方法に関する。この場合、本発明の有機分子が用いられる。
光電子デバイス、特に本発明によるOLEDは、任意の手段の蒸着および/または液体処理によって製造することができる。したがって、少なくとも一つの層は、
- 昇華プロセスによって調製され、
- 有機気相堆積プロセスによって調製され、
- キャリアガス昇華プロセスによって調製され、
- 溶液処理または溶液印刷される。
光電子デバイス、特に本発明にかかるOLEDを製造するために用いる方法は、この技術分野において公知である。異なる層は、続く蒸着プロセスにより、適切な基板上に個々におよび逐次的に堆積される。個々の層は、同じまたは異なる堆積方法を使用して堆積させることができる。
蒸気堆積処理は、例えば、熱的(共)蒸着、化学蒸着および物理蒸着を含む。アクティブマトリックスOLEDディスプレイに対して、AMOLEDバックプレーンを基板として使用する。個々の層は、十分な溶媒を利用して、溶液または分散液から処理してもよい。溶液堆積処理は、例えば、スピンコーティング、ディップコーティングおよびジェット式プリンティングを例示的に含む。液体処理は、随意に、不活性雰囲気下(例えば、窒素雰囲気下)で行ってもよく、溶媒は、最先端技術で公知である手段によって、完全にまたは部分的に除去してよい。
一般的合成スキームI
一般的合成スキームIは、本発明による有機分子の合成スキームを提供し、式中、R=R、RII=RIX、RIII=RVIII、RIV=RVIIおよびR=RVI、R=RおよびR=R
Figure 2023511709000018

Figure 2023511709000019

Figure 2023511709000020

Figure 2023511709000021
合成AAV1の一般的手順とは、以下である。
Figure 2023511709000022
E1(1.00当量)、E2(2.20当量)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムPd(dba)(0.01当量、CAS:51364-51-3)、トリ-tert-ブチル-ホスフィンP(Bu)(0.04当量、CAS:13716-12-6)、およびナトリウムtert-ブトキシドNaOBu(5.00当量、CAS:865-48-5)を、窒素雰囲気下でトルエン中にて90℃にて攪拌する。室温(rt)まで冷却した後、反応混合物をトルエンおよび塩水で抽出し、相を分離する。一つにまとめた有機層を、MgSO上で乾燥させ、次いで溶媒を減圧下で除去する。得られた粗生成物を再結晶化またはカラムクロマトグラフィーにより精製して、固形物としてI1を得る。
合成AAV2の一般的手順とは、以下である。
Figure 2023511709000023
I1(1.00当量)、E3(2.20当量)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムPd(dba)(0.01当量、CAS:51364-51-3)、トリ-tert-ブチル-ホスフィンP(Bu)(0.04当量、CAS:13716-12-6)、およびナトリウムtert-ブトキシドNaOBu(5.00当量、CAS:865-48-5)を、窒素雰囲気下でトルエン中にて110℃にて攪拌する。室温(rt)まで冷却した後、反応混合物をトルエンおよび塩水で抽出し、相を分離する。一つにまとめた有機層を、MgSO上で乾燥させ、次いで溶媒を減圧下で除去する。得られた粗生成物を再結晶化またはカラムクロマトグラフィーにより精製して、固形物としてI2を得る。
合成AAV2-aの一般的手順は、以下である。
Figure 2023511709000024
I2-a(1当量)、E2a(8当量)、酢酸パラジウム(II)(CAS:3375-31-3、0.06当量)、X-Phos(CAS:564483-18-7、0.12当量)、およびリン酸三カリウム(12当量)を、ジオキサン/トルエン1:1の窒素雰囲気下で、100℃で20時間攪拌した。室温(rt)まで冷却した後、反応混合物をDCMおよび塩水で抽出し、相を分離する。一つにまとめた有機層を、MgSO上で乾燥させ、次いで溶媒を減圧下で除去する。得られた粗生成物を再結晶化またはカラムクロマトグラフィーにより精製して、固形物としてI2を得る。
合成AAV3の一般的手順は、以下である。
Figure 2023511709000025
I2(1.00当量)を、窒素雰囲気下のテトラヒドロフラン中で、-5℃で攪拌する。Tert-ブチルリチウム(BuLi、2.20当量、CAS 594-19-4)を滴加し、反応物を0℃で攪拌する。リチオ化は、ホウ酸塩トリメチル(6.00当量、CAS 121-43-7)を室温でゆっくりと添加することによって抑制される。反応混合物を40℃まで一晩加熱した後、反応混合物を室温まで冷却する。水を加え、混合物をさらに2時間攪拌する。酢酸エチルで抽出した後、有機相をMgSOで乾燥し、溶媒を減圧下で除去する。得られた粗生成物を再結晶化およびカラムクロマトグラフィーにより精製して、固形物としてI3を得る。
合成AAV4の一般的手順は、以下である。
Figure 2023511709000026
I3(1.00当量)は、クロロベンゼン中で、窒素雰囲気下で攪拌される。N,N-ジイソプロピルエチルアミン(10.0当量、CAS7087-68-5)および塩化アルミニウム(AlCl、10.0当量、CAS7446-70-0)を添加し、反応混合物を120℃まで加熱する。60分後、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(5.00当量、CAS7087-68-5)および塩化アルミニウム(AlCl、5.00当量、CAS7446-70-0)を加え、反応混合物を1.5時間攪拌する。室温まで冷却した後、反応混合物を、氷上で精製し、DCMと水で抽出する。有機相をMgSO上で乾燥し、溶媒を減圧下で部分的に除去する。粗生成物P1を再結晶またはカラムクロマトグラフィーで精製する。
一般的合成スキームII
一般合成スキームIは、有機分子の合成スキームを提供し、式中、R=R、R=R、R=R、RII=RIX、RIII=RVIII、RIV=RVII、およびR=RVIである。
Figure 2023511709000027

Figure 2023511709000028

Figure 2023511709000029

Figure 2023511709000030

Figure 2023511709000031

合成AAV5の一般的手順は、以下である。
Figure 2023511709000032
1,3-ジブロモ-2,5-ジクロロベンゼン(CAS:81067-41-6、1.00当量)、E4(2.10当量)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムPd(dba)(0.01当量、CAS:51364-51-3)、トリ-tert-ブチル-ホスフィン(P(Bu)、CAS:13716-12-6、0.04当量)、およびナトリウムtert-ブトキシド(NaOBu、4.00当量)は、85℃にて窒素雰囲気下でトルエン中にて、完了するまで攪拌する。室温(rt)まで冷却した後、反応混合液を酢酸エチルと塩水で抽出し、層を分離させる。一つにまとめた有機層を、MgSO上で乾燥させ、次いで溶媒を減圧下で除去する。得られた粗生成物を再結晶化およびカラムクロマトグラフィーにより精製して、固形物としてI4を得る。
合成AAV6のための一般的手順は、以下である。
Figure 2023511709000033
I4(1.00当量)、E5(2.10当量)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムPd(dba)(0.01当量、CAS:51364-51-3)、トリ-tert-ブチルホスフィンテトラフルオロボレート(0.04当量、P(Bu)HBF、CAS:131274-22-1)、およびナトリウムtert-ブトキシド(NaOBu;4.00当量)を、窒素雰囲気下でトルエン中にて、110℃下で完了するまで撹拌する。室温(rt)まで冷却した後、反応混合液をトルエンと塩水で抽出し、層を分離させる。一つにまとめた有機層を、MgSO上で乾燥させ、次いで溶媒を減圧下で除去する。得られた粗生成物を再結晶化およびカラムクロマトグラフィーにより精製して、固形物としてI5を得る。
合成AAV7のための一般的手順は、以下である。
Figure 2023511709000034
I5(1.00当量)を、窒素雰囲気下で、tert-ブチルベンゼンに溶解し、-20℃に冷却するか、またはtert-ブチルベンゼンに溶解し、-10℃に冷却した後、BuLi(2.20当量、CAS:594-19-4)を加え、反応混合物を0℃で30分間攪拌する。完全なリチオ化の後、ホウ酸塩トリメチル(6.00当量、CAS:121-43-7)を加え、反応混合物を、55℃で一晩、還流下で攪拌する。室温(rt)まで冷却した後、反応混合液を酢酸エチルおよび塩水で抽出し、層を分離させる。一つにまとめた有機層を、MgSO上で乾燥させ、次いで溶媒を減圧下で除去する。得られた粗生成物を再結晶化およびカラムクロマトグラフィーにより精製して、固形物としてI6を得る。
合成AAV8の一般的手順は、以下である。
Figure 2023511709000035
I6(1.00当量)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(10.0当量、CAS:7087-68-5)およびAlCl(10.0当量、CAS:7446-70-0)を、クロロベンゼン中、窒素雰囲気下で、完了するまで、110℃で攪拌する。完了後、反応を0℃で水を加えることによって抑制する。その後、相を分離し、水層を酢酸エチルで抽出する。合わせた有機層を、水および塩水で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、その後、減圧下で濃縮する。得られた粗生成物を再結晶化およびカラムクロマトグラフィーにより精製して、固形物としてI7を得る。
合成AAV9の一般的手順は、以下である。
Figure 2023511709000036
I7(1.00当量)、E6(6.00当量)、酢酸パラジウム(II)(CAS:3375-31-3、0.06当量)、X-Phos(CAS:564483-18-7、0.24当量)およびリン酸三カリウム(6.00当量)を、ジオキサン/トルエン1:1の窒素雰囲気下で、完全に攪拌するまで、100℃で攪拌する。室温(rt)まで冷却した後、反応混合物をDCMおよび塩水で抽出し、相を分離する。一つにまとめた有機層を、MgSO上で乾燥させ、次いで溶媒を減圧下で除去する。得られた粗生成物を再結晶化およびカラムクロマトグラフィーにより精製して、固形物としてP1を得る。
一般的合成スキームIII
一般的合成スキームIIIは、本発明による有機分子の合成スキームを提供し、式中、R=R、RII=RIX、RIII=RVIII、RIV=RVII、およびR=RVI、およびR=RおよびR=R
Figure 2023511709000037

Figure 2023511709000038
I2からP1までの一般的スキームIIIの最後の合成工程は、AAV3およびAAV4に記載されるのと同様の条件下で実施される。
合成AAV10の一般的手順は、以下である。
Figure 2023511709000039
E6(1.00当量)、E7(1.05当量)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムPd(dba)(0.01当量、CAS:51364-51-3)、トリ-tert-ブチル-ホスフィン(P(Bu)、CAS:13716-12-6、0.04当量)、およびナトリウムtert-ブトキシド(NaOBu、1.50当量)を、トルエン中、窒素雰囲気下で、80℃で完全に攪拌するまで攪拌する。室温(rt)まで冷却した後、反応混合液を酢酸エチルおよび塩水で抽出し、層を分離させる。一つにまとめた有機層を、MgSO上で乾燥させ、次いで溶媒を減圧下で除去する。得られた粗生成物を再結晶化およびカラムクロマトグラフィーにより精製して、固形物としてI8を得る。
合成AAV11の一般的手順は、以下である。
Figure 2023511709000040
E8(1.00当量)、I8(2.20当量)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムPd(dba)(0.01当量、CAS:51364-51-3)、トリ-tert-ブチル-ホスフィン(P(Bu)、CAS:13716-12-6、0.04当量)、およびナトリウムtert-ブトキシド(NaOBu、4.00当量)を、トルエン中、窒素雰囲気下で、110℃で完全に攪拌するまで攪拌する。室温(rt)まで冷却した後、反応混合液をトルエンおよび塩水で抽出し、層を分離させる。一つにまとめた有機層を、MgSO上で乾燥させ、次いで溶媒を減圧下で除去する。得られた粗生成物を再結晶化およびカラムクロマトグラフィーにより精製して、固形物としてI2を得る。
I2からP1までの一般的スキームIIIの最後の合成工程は、AAV3およびAAV4に記載されるのと同様の条件下で実施される。
合成AAV12の全般的手順(RXI=カルバゾール誘導体)は、以下である。
Figure 2023511709000041
雰囲気下で、2つ口フラスコを、1-クロロ-2,6-ジブロモ-4-フルオロベンゼン[179897-90-6](1.00当量)、三リン酸カリウム[7778-53-2](3.00当量)、および対応するカルバゾール誘導体(1.05当量)で充填する。乾燥DMSO(4mL/mmolのフッ化アリール)を加え、得られた懸濁液を、完了するまで100℃で加熱する。rtまで冷却した後、混合物をビーカーの水(400mL)に注ぐ。沈殿物を濾過し、水、続いてエタノールをふんだんに用い洗浄する。濾過ケーキは、再結晶によって収集および精製され、所望の生成物E8を固体として得る。
サイクリックボルタンメトリー
サイクリックボルタモグラムは、ジクロロメタンまたは適切な溶媒中10-3モル/Lの濃度の有機分子および適切な支持電解質(例えば0.1モル/Lのテトラブチルアンモニウムヘキサフルオロホスフェート)を有する溶液から測定する。測定は、窒素雰囲気下、室温で、3電極接合体(作用電極および対電極:Pt導線、基準電極:Pt導線)を用いて行われ、内部標準としてFeCp/FeCp を使用して較正される。飽和カロメル電極(SCE)に対する内部標準としてフェロセンを用いて、HOMOデータを補正した。
密度汎関数法の計算
分子構造は、BP86関数手法および単位の分解手法(RI)を利用して最適化する。励起エネルギーは、時間依存性DFT(TD-DFT)法を利用した、(BP86)最適化構造を使用して計算する。B3LYP関数を用いて、軌道および励起状態エネルギーを計算する。数値積分のためのDef2-SVPベースのセットおよびm4-グリッドを使用する。全ての計算に、Turbomoleプログラムパッケージを用いる。
光物理的測定
サンプルの事前処理:スピンコーティング
装置:Spin150、SPS euro。
サンプル濃度は、10mg/mlであり、適切な溶媒に溶解している。
プログラム:1)400U/分で3秒、1000U/分で1000Upm/秒で20秒、3)4000U/分で1000Upm/秒で10秒。コーティング後、フィルムは70℃で1分間乾燥する。
フォトルミネセンス分光法および時間相関単一光子計数(TCSPC)
150W Xenon-Arcランプ、励起および発光モノクロメーター、ならびに浜松ホトニクス製R928光電子増倍管および時間相関単一光子計数オプションを備えた、堀場製作所製FluoroMax-4型で定常状態の発光分光法を測定する。標準的な補正適合を使用して発光および励起スペクトルを補正する。
FM-2013装置および堀場製作所製Yvon TCSPC hubを用いたTCSPC方法を使用して、同じシステムを利用して、励起状態寿命を決定する。
励起光源:
NanoLED 370(波長:371nm、パルス幅:1,1ns)
NanoLED 290(波長:294nm、パルス幅:<1ns)
SpectraLED 310(波長:314nm)
SpectraLED 355(波長:355nm)
データ分析(指数近似)は、ソフトウエアスイートDataStationおよびDAS6分析ソフトウエアを使用して行う。適合はカイ二乗検定を使用して特定する。
フォトルミネッセンス量子収率測定
フォトルミネッセンス量子収率(PLQY)測定のため、絶対PL量子収率測定C9920-03Gシステム(浜松ホトニクス製)を使用する。量子収率およびCIE座標は、ソフトウエアU6039-05バージョン3.6.0を使用して決定する。
発光最大値はnmで、量子収率Φは%で、CIE座標はx、y値として与えられる。
PLQYは、以下のプロトコルを使用して決定する。
1)品質保証:エタノール中のアントラセン(公知の濃度)を基準物質として使用する
2)励起波長:有機分子の最大吸収を決定し、この波長を使用して分子を励起させる
3)測定
窒素雰囲気下、溶液またはフィルムの試料に対して量子収率を測定する。収率は、以下の式を用いて計算する。
Figure 2023511709000042

式中、nphotonはフォトン数を示し、Int.は強度を示す。
光電子デバイスの製造および特性付け
この発明による有機分子を備える、特にOLEDデバイスなどの光電子デバイスは、真空蒸着法により製造可能である。層が一つ以上の化合物を含有する場合、一つ以上の化合物の重量パーセンテージは%で与えられる。総重量パーセンテージ値は100%になるため、したがって、値が与えられていない場合、この化合物の分率は、与えられた値と100%との間の差異に等しい。
標準的方法を使用して、ならびにエレクトロルミネッセンススペクトル、フォトダイオードにより検出した光を使用して計算した、強度に対する依存性における外部量子効率(単位:%)、および電流を測定して、完全には最適化されていないOLEDを特徴付ける。OLEDデバイス寿命は、定電流密度での動作中の輝度の変化から抽出する。LT50値は、測定された輝度が最初の輝度の50%まで低減する時間に対応し、同様にLT80は、測定された輝度が最初の輝度の80%まで低減する時間点に対応し、LT95は、測定された輝度が最初の輝度の95%まで低減する時間点に対応する。
加速された寿命測定を実施する(例えば、より高い電流密度を適用することによって)。例えば、500cd/mでのLT80値は、以下の方程式を使用して決定する。
Figure 2023511709000043

式中、Lは、適用された電流密度での最初の輝度を表す。
値はいくつかのピクセル(通常、2~8)の平均に相当し、これらのピクセル間の標準偏差が与えられる。
HPLC-MS:
HPLC-MS分析は、MS-検出器(Thermo LTQ XL)を有するAgilent製(1100シリーズ)のHPLC上で実施する。
例えば、典型的なHPLC方法の例は以下の通りである:逆相カラム 4,6mm×150mm、Agilentの粒子サイズ3,5μm(ZORBAX Eclipse Plus 95Å C18、4.6x150mm、3.5μm HPLCカラム)がHPLCに使用される。HPLC-MS測定は、勾配に従って室温(rt)で実施される。
Figure 2023511709000044
以下の溶媒混合物を使用する。
Figure 2023511709000045
0.5mg/mLの濃度の分析物を含む溶液から、5μLの注入量を測定用に採取する。
プローブのイオン化は、ポジティブ(APCI+)またはネガティブ(APCI-)のイオン化モードのいずれかで、大気圧化学イオン化(APCI)源を使用して実施される。
実施例1
Figure 2023511709000046
実施例1は、以下により合成された。
AAV5(収率84%)、5,6,7,8-テトラヒドロ-5,5,8,8-テトラメチル-2-ナフチルアミン(CAS:92050-16-3)を反応物E4として使用した。
AAV6(収率99%)、6-ブロモ-1,1,4,4-テトラメチル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン(CAS:27452-17-1)を反応物E5として使用した。
AAV7(収率54%)、
AAV8(収率51%)、
AAV9(収率93%)、メタンボロン酸(CAS:13061-96-6)を反応物E6として使用した。
MS(HPLC-MS)、m/z(保持時間):875.9(9.38分)
実施例1の発光最大値(PMMA中2重量%)は、459nmであり、半値全幅(FWHM)は、0.16eVであり、CIExおよびCIEy座標はそれぞれ、0.14および0.10である。フォトルミネッセンス量子収率(PLQY)は79%である。
実施例2
Figure 2023511709000047
実施例2は、以下により合成された。
AAV1(収率83%)、1,3-ジブロモ-2-クロロベンゼン(CAS:19230-27-4)を反応物E1として使用し、5,6,7,8-テトラヒドロ-5,5,8,8-テトラメチル-2-ナフチルアミン(CAS:92050-16-3)を反応物E2として使用した。
AAV2(収率83%)、6-ブロモ-1,1,4,4-テトラメチル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン(CAS:27452-17-1)を反応物E3として使用した。
AAV3(収率0.2%)、下記をI3として生成する。
Figure 2023511709000048

AAV4(収率65%)、反応物I3を使用した。
Figure 2023511709000049
反応物I3
MS(HPLC-MS)、m/z(保持時間):861.9(9.57分)
実施例2の発光最大値(PMMA中2重量%)は461nmであり、半値全幅(FWHM)では0.16eVであり、CIExおよびCIEy座標はそれぞれ0.13および0.10である。
フォトルミネッセンス量子収率(PLQY)は67%である。
実施例3
Figure 2023511709000050
実施例3は、以下により合成された。
AAV1(収率47%)、1,3-ジブロモ-2-クロロベンゼン(CAS:19230-27-4)を反応物E1として使用し、5-アミノインダン(CAS:24425-40-9)を反応物E2として使用した。
AAV2(収率42%)、5-ブロモ-1,3-ジクロロ-2-メチルベンゼン(CAS:204930-37-0)を反応物E3として使用した。
AAV2-a(収率48%)、下記をI2-aとして使用し、フェニルボロン酸(CAS:98-80-6)を反応物E2-aとして使用した。
Figure 2023511709000051


AAV3、
AAV4。
MS(HPLC-MS)、m/z(保持時間):833.6(7.70分)
実施例3の発光最大値(PMMA中2重量%)は、457nmであり、半値全幅(FWHM)は、0.15eVであり、CIEx座標およびCIEy座標はそれぞれ、0.14および0.09である。フォトルミネッセンス量子収率(PLQY)は70%である。
実施例4
Figure 2023511709000052
実施例4は、以下により合成された。
AAV10(収率80%)、1-ブロモ-3,5-ジ-tert-ブチルベンゼン(CAS:22385-77-9)を反応物E6として使用し、5,6,7,8-テトラヒドロ-2-ナフチルアミン(CAS:2217-43-8)を反応物E7として使用した。
AAV11(収率66%)、1,3-ジブロモ-2-クロロベンゼン(CAS:19230-27-4)を反応物E8として使用した。
AAV3、
AAV4。
MS(HPLC-MS)、m/z(保持時間):753.8(8.74分)
実施例4の発光最大値(PMMAの重量2%)は463nmであり、半値全幅(FWHM)は0.16eVであり、CIExおよびCIEy座標はそれぞれ0.13および0.12である。
実施例5
Figure 2023511709000053
実施例5は、以下により合成された。
AAV1(収率47%)、1,3-ジブロモ-2-クロロベンゼン(CAS:19230-27-4)を反応物E1として使用し、5-アミノインダン(CAS:24425-40-9)を反応物E2として使用した。
AAV2(87%の収率)、1-ブロモ-3,5-ジ-tert-ブチルベンゼン(CAS:22385-77-9)を反応物E3として使用した。
AAV3(収率21%)、
AAV4(収率13%)。
MS(HPLC-MS)、m/z(保持時間):725.7(8.41分)
実施例5の発光最大値(PMMA中2重量%)は、459nmであり、半値全幅(FWHM)は、0.16eVであり、CIExおよびCIEy座標はそれぞれ、0.14および0.10である。
フォトルミネッセンス量子収率(PLQY)は71%である。
実施例6
Figure 2023511709000054
実施例6は、以下により合成された。
AAV12(収率78%)、E8を得るためのカルバゾール誘導体としてカルバゾール(CAS:86-74-8)を用いた。
AAV10(収率80%)、1-ブロモ-3,5-ジ-tert-ブチルベンゼン(CAS:22385-77-9)を反応物E6として使用し、5,6,7,8-テトラヒドロ-2-ナフチルアミン(CAS:2217-43-8)を反応物E7として使用した。
AAV11(収率68%)、
AAV3、
AAV4。
MS(HPLC-MS)、m/z(保持時間):918.80(9.11分)
実施例6の発光最大値(PMMA中2重量%)は453nmであり、半値全幅(FWHM)は0.14eVであり、CIExおよびCIEy座標はそれぞれ0.14および0.07である。
フォトルミネッセンス量子収率(PLQY)は79%である。
実施例D1
実施例1を、以下の層構造で製造したOLED D1中で試験した。
Figure 2023511709000055
Figure 2023511709000056
デバイスD1により、1000cd/mで外部量子効率(EQE)11.8%が得られた。発光最大値は464nmであり、3.7Vで24nmのFWHMを伴う。対応するCIEx値は0.13であり、CIEy値は0.09である。
実施例D2
実施例2を、以下の層構造で構築したOLED D2中で試験した。
Figure 2023511709000057
Figure 2023511709000058

MAT5
デバイスD2により、1000cd/mで外部量子効率(EQE)12.2%が得られた。発光最大値は466nmであり、3.6Vで24nmのFWHMを伴う。対応するCIEx値は0.13であり、CIEy値は0.10である。
実施例D3
実施例3を、以下の層構造で製造したOLED D3中で試験した。
Figure 2023511709000059
デバイスD3により、1000cd/mで外部量子効率(EQE)11.4%が得られた。発光最大値は462nmであり、3.5Vで24nmのFWHMを伴う。対応するCIEx値は0.13であり、CIEy値は0.09である。
実施例D4
実施例4を、以下の層構造で構築したOLED D4中で試験した。
Figure 2023511709000060
デバイスD4により、1000cd/mで外部量子効率(EQE)11.7%が得られた。発光最大値は466nmであり、3.5Vで24nmのFWHMを伴う。対応するCIEx値は0.13であり、CIEy値は0.11である。
実施例D5
実施例5を、以下の層構造で構築したOLED D5中で試験した。
Figure 2023511709000061
デバイスD5により、1000cd/mで外部量子効率(EQE)11.3%が得られた。発光最大値は462nmであり、3.5Vで24nmのFWHMを伴う。対応するCIEx値は0.13であり、CIEy値は0.09である。
実施例D6
実施例6を、以下の層構造で製造したOLED D6中で試験した。
Figure 2023511709000062
デバイスD6により、1000cd/mで外部量子効率(EQE)10.5%が得られた。発光最大値は456nmであり、3.5Vで22nmのFWHMを伴う。対応するCIEx値は0.14であり、CIEy値は0.06である。
本発明の有機分子の追加実施例
構造において、略語Cbzは、結合したカルバゾール基を示し、下記材料は等しい。
Figure 2023511709000063

Figure 2023511709000064
さらに、Buは、結合した第三級ブチル基を示し、従って、下記材料は等しい。
Figure 2023511709000065

Figure 2023511709000066
さらに、Phが構造中に示される場合、結合したフェニル基を意味し、それにより、下記材料は等しい。
Figure 2023511709000067

Figure 2023511709000068
Figure 2023511709000069
Figure 2023511709000070
Figure 2023511709000071
Figure 2023511709000072
Figure 2023511709000073
Figure 2023511709000074
Figure 2023511709000075
Figure 2023511709000076
Figure 2023511709000077
Figure 2023511709000078
Figure 2023511709000079
Figure 2023511709000080
Figure 2023511709000081
Figure 2023511709000082
Figure 2023511709000083
Figure 2023511709000084
Figure 2023511709000085
Figure 2023511709000086
Figure 2023511709000087
Figure 2023511709000088
Figure 2023511709000089

Claims (15)

  1. 式Iの構造を含む有機分子であって、
    Figure 2023511709000090

    式I
    式中、
    、RII、RIII、RIV、R、RVI、RVII、RVIII、RIX、R、RXI、R、R、RおよびRが、
    水素、重水素、ハロゲン、
    ~C12-アルキルであって、
    随意に一つ以上の水素原子がRにより独立して置換されているもの、
    ~C18-アリールであって、
    随意に一つ以上の水素原子がRにより独立して置換されているもの、および
    ~C15-ヘテロアリールであって、
    随意に一つ以上の水素原子がRにより独立して置換されているもの、からなる群から独立して選択され、
    は各出現において、
    水素、重水素、ハロゲン、
    ~C12-アルキルであって、
    随意に一つ以上の水素原子がRにより独立して置換されているもの、
    ~C18-アリールであって、
    随意に一つ以上の水素原子がRにより独立して置換されているもの、および
    ~C15-ヘテロアリールであって、
    随意に一つ以上の水素原子がRにより独立して置換されているもの、からなる群から独立して選択され、
    は各出現において、
    水素、重水素、ハロゲン、
    ~C12-アルキル、
    ~C18-アリールであって、
    随意に一つ以上の水素原子がC~C-アルキル置換基により独立して置換されているもの、および
    ~C15-ヘテロアリールであって、
    随意に一つ以上の水素原子がC~C-アルキル置換基により独立して置換されているもの、からなる群から独立して選択され、
    、RII、RIII、RIV、R、RVI、RVII、RVIII、RIX、R、R、R、R、Rの任意の隣接する二つは、5~8個のC原子を有する単環式環系を形成してもよく、
    随意に、水素はRにより独立して置換され、
    少なくともRおよびRは共に、5~8個のC原子を有する単環式環系を形成し、
    随意に、水素はRにより独立して置換され、
    および、随意に、水素は重水素またはハロゲンにより独立して置換される、有機分子。
  2. 式Idの構造を含む、請求項1に記載の有機分子。
    Figure 2023511709000091

    式Id
  3. 式Ie-1の構造を含む、請求項1または2に記載の有機分子。
    Figure 2023511709000092

    式Ie-1
  4. 式Ib-2の構造を含む、請求項1に記載の有機分子。
    Figure 2023511709000093

    式Ib-2
  5. 式Ic-3の構造を含む、請求項1に記載の有機分子。
    Figure 2023511709000094

    式Ic-3
  6. 、RII、RIII、RIV、R、RVI、RVII、RVIII、RIX、RおよびRXIが、水素、重水素、ハロゲン、
    ~C12-アルキル、
    ~C18-アリールであって、
    随意に一つ以上の水素原子がC~C-アルキル置換基により独立して置換されているもの、および
    ~C15-ヘテロアリールであって、
    随意に一つ以上の水素原子がC-C-アルキル置換基により独立して置換されているもの、からなる群から独立して選択され、
    随意に、R、RII、RIII、RIV、R、RVI、RVII、RVIII、RIXおよびRの任意の隣接する二つが、5~8個のC原子を有する単環式環系を共に形成し、
    随意に、各水素は互いに独立して、Meによって置換されてもよい、請求項1、4および5のいずれかに記載の有機分子。
  7. 、RIV、R、RVI、RおよびRXIが、水素、重水素、ハロゲン、Me、Bu、Ph、シクロヘキシルおよびカルバゾールからなる群から独立して選択される、請求項1~6のいずれかに記載の有機分子。
  8. 、R、RVIおよびRが水素である、請求項1~7のいずれかに記載の有機分子。
  9. XIがMeである、請求項1~8に記載の有機分子。
  10. 光電子デバイスにおける発光体としての、請求項1~9のいずれかに記載の有機分子の使用。
  11. 前記光電子デバイスが、
    ・ 有機発光ダイオード(OLEDs)、
    ・ 発光電気化学セル、
    ・ OLEDセンサー、
    ・ 有機ダイオード、
    ・ 有機太陽電池、
    ・ 有機トランジスター、
    ・ 有機電界効果トランジスター、
    ・ 有機レーザー、および
    ・ ダウンコンバージョン素子、からなる群から選択される、請求項10に記載の使用。
  12. (a)特に発光体および/またはホストの形態の請求項1~9のいずれかに記載の有機分子、および
    (b)前記有機分子とは異なる発光体および/またはホスト材料、および
    (c)随意に染料および/または溶媒を含む、組成物。
  13. 特に、有機発光ダイオード(OLED)、発光電気化学セル、OLEDセンサー、有機ダイオード、有機太陽電池、有機トランジスター、有機電界効果トランジスター、有機レーザーおよびダウンコンバージョン素子からなる群から選択されるデバイスの形態である、請求項1~9のいずれかに記載の有機分子または請求項12に記載の組成物を含む、光電子デバイス。
  14. - 基板、
    - アノード、および
    - カソードであって、前記アノードまたは前記カソードが前記基板上に配置されるカソード、および
    - 前記アノードと前記カソードの間に配置され、前記有機分子または前記組成物を含む発光層、を含む、請求項13に記載の光電子デバイス。
  15. 請求項1~9のいずれかに記載の有機分子または請求項12に記載の組成物が使用され、特に、真空蒸着法により、または溶液から、前記有機分子を処理することを含む、光電子デバイスを製造するための方法。
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