JP2023509618A - 遺伝子変異ライブラリーを構築する方法 - Google Patents

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Abstract

遺伝子変異ライブラリーを構築するための方法であって、該方法によって得られた遺伝子変異ライブラリーにも関連する、方法、遺伝子変異ライブラリーを構築するための方法のためのキット、並びにタンパク質中のアミノ酸変異とタンパク質の特性、調節及び/又は機能との間の関係を該方法によって構築された遺伝子変異ライブラリーを用いて分析するための方法。

Description

本発明は、バイオテクノロジーの分野に属する。具体的には、本発明は、遺伝子変異ライブラリーの構築の分野に関する。
遺伝子変異ライブラリーは大量のDNAバリアント配列の組み合わせであり、遺伝子合成、遺伝子変異及び指向性進化試験の組み合わせの産物である。遺伝子変異ライブラリーは、ハイスループット薬物標的スクリーニング、タンパク質エンジニアリングによる指向性進化、高い親和性及び特異性を有するバリアント抗体をスクリーニングするための多様性抗体ライブラリーの合成などの研究分野においてますます使用されている。遺伝子変異ライブラリーの構築は、分子指向性進化を使用して自然選択プロセスをシミュレートし、それにより元のタンパク質のアミノ酸配列を変化させ、特異的機能を有する変異タンパク質を得ることを含む。
分子指向性進化は、現代の分子生物学法を使用して大量の変異相同遺伝子を含むライブラリーを作出して自然進化機序を人工的にシミュレートし、高感度指向性スクリーニング方針を使用して天然に存在しないか、又はある特性の有意な変化を有する変異タンパク質又は他の生体分子を作出することを含む。分子指向性進化はタンパク質の分子改変において広く使用されており、タンパク質特性を改善するか、又は配列を調節する最も効率的な方法であるとみなされる。
遺伝子変異ライブラリーを使用してタンパク質中の特異的部位又はDNA中の調節領域を変更することができ、それを使用して構造と機能との間の関係を試験することができる。異なる設計目的によれば、試験配列の多様性をインビトロ合成ライブラリーにおいてより正確に、且つ意図的に制御することができる。さらに、核酸又はタンパク質変異体を得ることの効率は合成DNAライブラリーにより有意に改善することができ、それは下流研究に有用である。
遺伝子変異ライブラリーは、アラニンスキャニングライブラリー、縮重変異ライブラリー(degenerate mutation library)、トリマーライブラリー(trimer library)、部位特異的飽和変異ライブラリー、ランダム変異ライブラリーなどを含む。
インビトロ分子最適化を有意に有効に使用して改善された又は新規の変異タンパク質を生成し、調節配列を同定し、構造及び機能に重要な残基を探索することができる。インビトロ分子最適化の方法を使用する合成ライブラリーの構築は、タンパク質の特性、調節及び機能を体系的に研究するための極めて有効な手法である。
ハイスループット半導体精密プライマープールを使用して変異ライブラリーの構築に理論的に要求される全てのプライマーを合成することにより、異なる下流発現系によれば、コドン最適化を実施することができ、それぞれの変異位置における異なる変異分布率を、予期されない終止コドンの導入という問題を根本的に排除するように設定することができる。ライブラリーは、後続のスクリーニングのための時間及び労力を節約するために、要求される変異体のみを含有する。
しかしながら、現在の遺伝子変異ライブラリーを構築する方法は複雑なステップを有し、時間消費及び労働集約型である。既存の方法は、チップにより合成された変異領域をP
CRによりさらに増幅し、次いで変異させるべき遺伝子を鋳型として使用することにより変異領域の前後の2つの非変異領域を増幅し、次いでアセンブリPCRにより3つの断片を1つの断片にアセンブルし、最後に、アセンブリ産物を鋳型として使用し、遺伝子についてのヘッド及びテールプライマーを使用することによりアセンブルされた全長断片を増幅することを含む。さらに、それぞれのステップ後に精製を実施しなければならない。
本発明は、比較的簡易なステップを介して遺伝子変異ライブラリーの構築を完了させ得、遺伝子変異ライブラリーの構築のためのコストを大幅に節約する、遺伝子変異ライブラリーを構築する方法を記載する。
さらに、現在の遺伝子変異ライブラリーを構築する方法により生成される遺伝子変異ライブラリーは、変異分布が予測に合致しない課題も有する。
本発明の遺伝子変異ライブラリーを構築する方法は、得られる遺伝子変異ライブラリー中の種々の変異を含む配列の比が、反応条件を簡易に最適化することにより要求される比により類似し得ることも実現し得る。
遺伝子変異ライブラリーは、タンパク質エンジニアリング及び抗体薬物エンジニアリングに極めて重要である。遺伝子変異ライブラリーの後続の構築及びスクリーニングのための多くの時間及び労力を、ハイスループット半導体精密プライマープールを使用する合成により節約することができる。しかしながら、現在の遺伝子変異ライブラリーを構築する方法は、複雑なステップを有する。
本発明は、比較的簡易なステップを介して遺伝子変異ライブラリーの構築を完了させ得、遺伝子変異ライブラリーの複雑な構築ステップの課題を解決し、同時に遺伝子変異ライブラリーを構築するためのコストを節約する、新たな遺伝子変異ライブラリーを構築する方法を提供する。
第1の態様において、本発明は、遺伝子変異ライブラリーを構築する方法であって、
(1)1つ以上の変異部位における変異ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列のプールを合成すること;
(2)変異ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列の合成プール中のオリゴヌクレオチドに対してPCR増幅を実施すること;
(3)メチル化部位及び変異させるべき遺伝子又はその一部を含むプラスミドを鋳型として使用し、ステップ(2)において得られた増幅オリゴヌクレオチド配列のプール中のオリゴヌクレオチドをプライマーとして使用することによりPCR増幅を実施すること;
(4)メチル化部位を認識し、切断させるエンドヌクレアーゼを使用してステップ(3)の増幅系中に存在する鋳型プラスミドを切断させること;並びに
(5)変異させるべき遺伝子又はその一部の両末端にそれぞれ対応するフォワードプライマー及びリバースプライマーをステップ(4)において得られた系に添加し、PCR増幅を実施して変異ヌクレオチドを含有する複数の遺伝子又はその一部を含む遺伝子変異ライブラリーを得ること
を含む方法を提供する。
一部の実施形態において、本発明の遺伝子変異ライブラリーを構築する方法のステップ(1)~ステップ(5)の間に精製ステップを実施しない。
一部の実施形態において、本発明の遺伝子変異ライブラリーを構築する方法は、(6)ステップ(5)の増幅産物を回収し、精製して最終産物を得ることをさらに含む。一部の実施形態において、ステップ(6)は、ステップ(5)の増幅産物に対してアガロースゲル電気泳動を実施し、次いでゲル切断を実施し、好ましくは、回収及び精製のためのDNAゲル回収キットを使用して増幅産物を回収し、精製することを含む。
一部の実施形態において、本発明の遺伝子変異ライブラリーを構築する方法は、(6)ステップ(5)の増幅産物を回収し、精製して最終産物を得ること;並びに(7)ステップ(6)において得られた最終産物を配列決定して配列を検証し、及び/又は遺伝子変異分布を検出することをさらに含む。一部の実施形態において、配列決定は、サンガー配列決定及び/又はハイスループット配列決定である。
一部の実施形態において、本発明の遺伝子変異ライブラリーを構築する方法のステップ(1)において、プール合成されたオリゴヌクレオチド配列のプール中のオリゴヌクレオチド配列の長さは、60~170bp、例えば、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160又は170bp、好ましくは、80~90bp、例えば、80又は90である。
一部の実施形態において、本発明の遺伝子変異ライブラリーを構築する方法のステップ(1)において、ステップ(1)において合成されたオリゴヌクレオチド配列のプール中のオリゴヌクレオチドは、1から10個の変異部位における変異ヌクレオチドを含み、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個の変異部位における変異ヌクレオチドを含む。一部の実施形態において、本発明の遺伝子変異ライブラリーを構築する方法のステップ(1)において、ステップ(1)において合成されたオリゴヌクレオチド配列のプール中のオリゴヌクレオチドは、2から10個の変異部位における変異ヌクレオチドを含む。一部の実施形態において、2から10個の変異部位は、隣接しているか又は隣接していない。
一部の実施形態において、本発明の遺伝子変異ライブラリーを構築する方法において、変異ヌクレオチドを含む遺伝子によりコードされるアミノ酸配列は、変異させるべき遺伝子によりコードされるアミノ酸配列と比較して少なくとも1つのアミノ酸差異を有する。一部の実施形態において、少なくとも1つのアミノ酸差異は、置換、付加又は欠失から選択される。好ましくは、少なくとも1つのアミノ酸差異は、置換である。一部の実施形態において、置換は、元のアミノ酸を、元のアミノ酸と異なる特性を有するアミノ酸で置換することである。好ましくは、置換は、元のアミノ酸を、元のアミノ酸と異なる特性を有するアミノ酸で置換することであり、特性は、酸度及びアルカリ度、極性、荷電特性及び側鎖基から選択される。アミノ酸の酸度及びアルカリ度によれば、アミノ酸は、酸性アミノ酸(リジン、アルギニン及びヒスチジン)及び塩基性アミノ酸(アスパラギン酸及びグルタミン酸)に分類される。側鎖の極性によれば、アミノ酸は非極性アミノ酸(アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン及びメチオニン)及び極性アミノ酸に分類され、極性アミノ酸は、極性非荷電アミノ酸(グリシン、セリン、トレオニン、システイン、チロシン、アスパラギン酸及びグルタミン)、極性正荷電アミノ酸(リジン、アルギニン及びヒスチジン)、及び極性負荷電アミノ酸(アスパラギン酸及びグルタミン酸)に分類される。側鎖基の構造によれば、アミノ酸は、脂肪族アミノ酸(アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、リジン、アルギニン、グリシン、セリン、トレオニン、アスパラギン、システイン、及びグルタミン)、芳香族アミノ酸(フェニルアラニン及びチロシン)、複素環アミノ酸(ヒスチジン及びトリプトファン)、及び複素環イミノ酸(プロリン)に分類される。
一部の実施形態において、本発明の遺伝子変異ライブラリーを構築する方法のステップ(1)において、合成オリゴヌクレオチド配列のプール中の異なる変異オリゴヌクレオチドの変異ヌクレオチドは、変異させるべき遺伝子の対応部位のコドンによりコードされるアミノ酸と異なるアミノ酸の変異コドンをコードし得、例えば、変異させるべき遺伝子中の変異させるべき部位がアラニンである場合、合成オリゴヌクレオチド配列のプール中の異なる配列のこの部位におけるヌクレオチドコドンは、異なる一般アミノ酸をコードするコドン、例えば、グリシン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、セリン、トレオニン、システイン、メチオニン、アスパラギン、グルタミン、アスパラギン酸、グルタミン酸、リジン、アルギニン、及びヒスチジンをコードするコドンであり得る。別の例として、変異遺伝子ライブラリー中の異なる配列中の特異的変異ヌクレオチドコドンは、変異させるべき部位における元のコドンによりコードされるアミノ酸と異なる特性を有するアミノ酸をコードし得る。例えば、変異させるべき遺伝子中の変異させるべき部位が非極性アミノ酸アラニンをコードするコドンである場合、オリゴヌクレオチド配列のプール中の異なるオリゴヌクレオチド配列中の対応する変異部位は、極性アミノ酸をコードするコドン、例えば、トリプトファン、セリン、チロシン、システイン、メチオニン、アスパラギン、グルタミン又はトレオニンをコードするコドンであり得る。
本発明の遺伝子変異ライブラリーを構築する方法のステップ(2)の目的は、チップにより合成されたオリゴヌクレオチドのコピー数をさらに増加させることである。
一部の実施形態において、本発明の遺伝子変異ライブラリーを構築する方法のステップ(2)において、1つ以上の変異部位における変異ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列の両末端にそれぞれ対応する2つのプライマーをPCR増幅において使用する。
本発明の遺伝子変異ライブラリーを構築する方法のステップ(2)において、PCR増幅のサイクルの数を最小化して変異部位におけるコドンにコードされるアミノ酸の分布への影響を回避する。変異部位におけるコドンによりコードされるアミノ酸の頻度差異は、PCRサイクルの数の増加に伴って指数関数的に増幅される。好ましくは、PCR増幅のサイクルの数は、10~30サイクルであり、10から28サイクル、10から26サイクル、10から28サイクル、10から25サイクル、10から22サイクル、10から20サイクル、10から18サイクル、10から16サイクル、12から30サイクル、12から28サイクル、12から26サイクル、12から24サイクル、12から22サイクル、12から20サイクル、12から18サイクル、12から16サイクル、12から14サイクル、14から30サイクル、14から28サイクル、14から26サイクル、14から24サイクル、14から22サイクル、14から20サイクル、14から18サイクル、14から16サイクル、16から30サイクル、16から28サイクル、16から26サイクル、16から24サイクル、16から22サイクル、16から20サイクル、及び16から18サイクル、より好ましくは、10から20サイクル、いっそうより好ましくは、12から22サイクル、14から16サイクル、例えば、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30サイクル、最も好ましくは、16サイクルであり得る。
本発明の遺伝子変異ライブラリーを構築する方法のステップ(2)において、DNAポリメラーゼは、任意のDNAポリメラーゼ、好ましくは、増幅エラーを低減させるための高フィデリティDNAポリメラーゼ、より好ましくは、高フィデリティPhusion DNAポリメラーゼであり得る。DNAポリメラーゼは、高フィデリティDNAポリメラーゼ、例えば、PrimeSTAR HS DNAポリメラーゼ及びQ5(登録商標)高フィデリティDNAポリメラーゼであってもよい。
本発明の遺伝子変異ライブラリーを構築する方法のステップ(3)において、メチル化部位及び変異させるべき遺伝子又はその一部を含むプラスミドを鋳型として使用し、ステップ(2)において得られた増幅オリゴヌクレオチド配列のプール中のオリゴヌクレオチドをプライマーとして使用することによりPCR増幅を実施する。このステップの目的は、変異部位における変異ヌクレオチドを含む遺伝子又はその一部の配列を得ることである。反応系中で他のプライマーは存在せず、フォワード増幅のためのプライマーは対応するフォワードプライマーを欠き、バックワード増幅のためのプライマーは対応するリバースプライマーを欠く。プラスミドは、変異が必要とされる全長遺伝子又は変異されないその一部の配列を含有する。ステップ(2)において得られる増幅オリゴヌクレオチド配列のプール中のオリゴヌクレオチド配列は、二本鎖DNAである。PCRの変性段階において、二本鎖DNAは2本の一本鎖DNAに解離される。一本鎖DNAは、それぞれのPCR反応のためのプライマーとしてそれぞれ使用する。それぞれのPCR反応において、フォワード線形増幅及びバックワード線形増幅は、変異させるべき遺伝子又はその一部を含むプラスミドを鋳型として使用することによりそれぞれ実施する。線形増幅は、DNA分子の線形増幅である。最終的に得られるDNA分子の数は指数関数的増幅のものよりもかなり少なく、要求されるプライマーの数も指数関数的増幅よりもかなり少ない。したがって、ステップ(3)の線形増幅において、系中のプライマーの数及び鋳型の数を厳密に制御し、PCR反応のサイクルの数を可能な限り最小化することが必要である。
一部の実施形態において、本発明の遺伝子変異ライブラリーを構築する方法のステップ(3)において、系中のプライマー(すなわち、ステップ(2)において得られる増幅オリゴヌクレオチド配列のプール中のオリゴヌクレオチド)の量及び鋳型(すなわち、メチル化部位及び変異させるべき遺伝子又はその一部を含むプラスミド)の量を厳密に制御することが必要である。本発明者らは、プライマーと鋳型とのモル比が20:1である場合、増幅効果が最良であることを見出した。一部の実施形態において、プライマーと鋳型とのモル比は、15:1から100:1、好ましくは、15:1から90:1、15:1から80:1、15:1から70:1、15:1から60:1、15:1から50:1、15:1から40:1、15:1から30:1、15:1から28:1、15:1から26:1、15:1から24:1、15:1から22:1、15:1から20:1、及び16:1から100:1;好ましくは、16:1から90:1、16:1から80:1、16:1から70:1、16:1から60:1、16:1から50:1、16:1から40:1、16:1から30:1、16:1から28:1、16:1から26:1、16:1から24:1、16:1から22:1、及び16:1から20:1;好ましくは、17:1から90:1、17:1から80:1、17:1から70:1、17:1から60:1、17:1から50:1、17:1から40:1、17:1から30:1、17:1から28:1、17:1から26:1、17:1から24:1、17:1から22:1、及び17:1から20:1;好ましくは、18:1から90:1、18:1から80:1、18:1から70:1、18:1から60:1、18:1から50:1、18:1から40:1、18:1から30:1、18:1から28:1、18:1から26:1、18:1から24:1、18:1から22:1、及び18:1から20:1;好ましくは、19:1から90:1、19:1から80:1、19:1から70:1、19:1から60:1、19:1から50:1、19:1から40:1、19:1から30:1、19:1から28:1、19:1から26:1、19:1から24:1、19:1から22:1、及び19:1から20:1;好ましくは、20:1から90:1、20:1から80:1、20:1から70:1、20:1から60:1、20:1から50:1、20:1から40:1、20:1から30:1、20:1から28:1、20:1から26:1、20:1から24:1、及び20:1から22:1、最も好ましくは、20:1である。
本発明の遺伝子変異ライブラリーを構築する方法のステップ(3)において、PCR増幅のサイクルの数を最小化して変異部位におけるヌクレオチドによりコードされるアミノ
酸の分布への影響を回避する。変異部位によりコードされるアミノ酸の頻度差異は、PCRサイクルの数の増加に伴って指数関数的に増幅される。好ましくは、PCR増幅のサイクルの数は、10~30サイクルであり、10から28サイクル、10から26サイクル、10から28サイクル、10から25サイクル、10から22サイクル、10から20サイクル、10から18サイクル、10から16サイクル、12から30サイクル、12から28サイクル、12から26サイクル、12から24サイクル、12から22サイクル、12から20サイクル、12から18サイクル、12から16サイクル、12から14サイクル、14から30サイクル、14から28サイクル、14から26サイクル、14から24サイクル、14から22サイクル、14から20サイクル、14から18サイクル、14から16サイクル、16から30サイクル、16から28サイクル、16から26サイクル、16から24サイクル、16から22サイクル、16から20サイクル、及び16から18サイクル、より好ましくは、10から20サイクル、いっそうより好ましくは、12から22サイクル、14から16サイクル、例えば、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30サイクル、最も好ましくは、15サイクルであり得る。
本発明の遺伝子変異ライブラリーを構築する方法のステップ(3)において、増幅すべき遺伝子又はその一部の長さによれば、ステップ(2)において得られた増幅オリゴヌクレオチド配列のプール中のオリゴヌクレオチドの2つのストランドをプライマーとして使用する2つのPCR反応は、PCR反応の伸長時間を制御することにより遺伝子又はその一部のヘッド及びテール末端にそれぞれ及び得る。
本発明の遺伝子変異ライブラリーを構築する方法のステップ(4)において、メチル化部位を認識し、切断させるエンドヌクレアーゼを使用してステップ(3)の増幅系中に存在する鋳型プラスミドを切断させ、この目的は、次のステップのための鋳型としての変異を含有しないプラスミドを増幅して変異を含有しない最終遺伝子産物を得ることを回避することである。細菌から抽出されたプラスミドは全てメチル化部位を有し、ステップ(3)におけるPCR増幅により得られる産物はメチル化部位を含有せず、したがって、メチル化部位を認識し、切断させるエンドヌクレアーゼはプラスミドを小断片に選択的に切断させ得、したがって次のPCR反応のための鋳型として使用することができない。
一部の実施形態において、本発明の遺伝子変異ライブラリーを構築する方法において、プラスミドは、細菌から抽出される。一部の実施形態において、プラスミドは、大腸菌(E.coli)から抽出される。一部の実施形態において、プラスミドは、大腸菌(E.coli)TOP10から抽出される。細菌は、一般に、細菌のDNAをメチル化するためのメチラーゼを有する。例えば、Damメチラーゼは大腸菌(E.coli)TOP10中に存在する。Damメチラーゼは、GATCモチーフ中のアデニンを認識し、メチル化する。
一部の実施形態において、本発明の遺伝子変異ライブラリーを構築する方法のステップ(4)において、メチル化部位を認識し、切断させるエンドヌクレアーゼは、当技術分野において周知である。例えば、メチル化部位を認識し、切断させるエンドヌクレアーゼは、DpnI、MspJI、FspEIなどである。好ましくは、メチル化部位を認識し、切断させるエンドヌクレアーゼは、DpnIである。制限エンドヌクレアーゼDpnIは、メチル化GATCのアデニンを有効に認識し、切断し得るが、非メチル化GATC配列を切断し得ない。Dam+細菌から抽出されたプラスミドは全てGATCを含有し、それはDpnIの基質として作用し得る。好ましくは、DpnIにより消化され得るプラスミドは大腸菌(E.coli)TOP10株から抽出される。
一部の実施形態において、本発明の遺伝子変異ライブラリーを構築する方法において、
メチル化部位を有するプラスミドは、pMB1、pBR322、pcDNA3.1又はpUC57である。一部の実施形態において、メチル化部位を有するプラスミドはpMB1である。
一部の実施形態において、本発明の遺伝子変異ライブラリーを構築する方法のステップ(5)において、変異させるべき遺伝子又はその一部の両末端にそれぞれ対応するフォワードプライマー及びリバースプライマーをステップ(4)において得られた系に添加し、PCR増幅を実施して変異ヌクレオチドを含有する複数の遺伝子又はその一部を含む遺伝子変異ライブラリーを得る。PCR反応の鋳型は、相補的塩基対合により異なる方向で一緒に結合しているステップ(3)において得られた2つのPCR増幅産物である。
本発明の遺伝子変異ライブラリーを構築する方法のステップ(5)において、PCR増幅のサイクルの数を最小化して変異部位におけるコドンによりコードされるアミノ酸の分布への影響を回避する。変異部位におけるアミノ酸の頻度差異は、PCRサイクルの数の増加に伴って指数関数的に増幅される。好ましくは、PCR増幅のサイクルの数は、10~30サイクルであり、10から28サイクル、10から26サイクル、10から28サイクル、10から25サイクル、10から22サイクル、10から20サイクル、10から18サイクル、10から16サイクル、12から30サイクル、12から28サイクル、12から26サイクル、12から24サイクル、12から22サイクル、12から20サイクル、12から18サイクル、12から16サイクル、12から14サイクル、14から30サイクル、14から28サイクル、14から26サイクル、14から24サイクル、14から22サイクル、14から20サイクル、14から18サイクル、14から16サイクル、16から30サイクル、16から28サイクル、16から26サイクル、16から24サイクル、16から22サイクル、16から20サイクル、及び16から18サイクル、より好ましくは、10から20サイクル、いっそうより好ましくは、12から22サイクル、14から16サイクル、例えば、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30サイクル、最も好ましくは、16サイクルであり得る。
本発明の遺伝子変異ライブラリーを構築する方法のステップ(5)において、好ましくは、このステップは、増幅産物をアガロースゲル電気泳動、回収及び/又は精製に供して最終産物を得ることをさらに含む。
さらに、本発明の遺伝子変異ライブラリーを構築する方法は、ステップ(6):ステップ(5)において得られた最終産物を配列決定して配列が正確か否かを検証することも含む。好ましくは、配列決定は、サンガー配列決定である。このステップは、最終産物の平滑末端ライゲーションを実施して線形化Puc57-EVをライゲートし、M13Fプライマーを使用することにより最終産物を配列決定することを含む。好ましくは、配列決定は、ハイスループット配列決定又は次世代配列決定技術(短鎖についてはNGS)であり、それを使用して配列が正確か否かを確認し、配列決定を使用してそれぞれの変異部位における種々のヌクレオチド変異の比率をそれぞれ検出して比率が所望の比率にマッチすることを確認することもできる。
第2の態様において、本発明は、本発明の遺伝子変異ライブラリーを構築する方法により構築された遺伝子変異ライブラリーを提供する。
第3の態様において、本発明は、上記の遺伝子変異ライブラリーを構築する方法のためのキットであって、1つ以上の変異部位における変異ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列のプール、メチル化部位及び変異させるべきヌクレオチドを含む遺伝子又はその一部を含むプラスミド、並びにメチル化部位を認識し、切断させるエンドヌクレアーゼを
含むキットを提供する。一部の実施形態において、キットは、DNAポリメラーゼも含む。
第4の態様において、本発明は、タンパク質中のアミノ酸変異と、タンパク質の特性、調節及び/又は機能との間の関係を分析する方法であって、以下のステップ:
(1)本発明の方法を使用してタンパク質をコードする遺伝子の遺伝子変異ライブラリーを構築するステップ;
(2)遺伝子変異ライブラリー中の変異遺伝子によりコードされるタンパク質の特性、調節及び/又は機能を、非変異タンパク質の特性、調節及び/又は機能と比較するステップ;並びに
(3)変異位置におけるアミノ酸と、タンパク質の特性、調節及び/又は機能との間の関係を分析するステップ
を含む方法を提供する。
具体的には、本発明は以下の項に関する:
1.遺伝子変異ライブラリーを構築する方法であって、
(1)1つ以上の変異部位における変異ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列のプールを合成すること;
(2)変異ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列の合成プール中のオリゴヌクレオチドに対してPCR増幅を実施すること;
(3)メチル化部位及び変異させるべき遺伝子又はその一部を含むプラスミドを鋳型として使用し、ステップ(2)において得られた増幅オリゴヌクレオチド配列のプール中のオリゴヌクレオチドをプライマーとして使用することによりPCR増幅を実施すること;
(4)メチル化部位を認識し、切断させるエンドヌクレアーゼを使用してステップ(3)の増幅系中に存在する鋳型プラスミドを切断させること;並びに
(5)変異させるべきヌクレオチドを有する遺伝子又はその一部の両末端にそれぞれ対応するフォワードプライマー及びリバースプライマーをステップ(4)において得られた系に添加し、PCR増幅を実施して変異を含有する複数の遺伝子又はその一部を含む遺伝子変異ライブラリーを得ること
を含む方法。
2.ステップ(1)~ステップ(5)の間に精製を実施しない、項1に記載の方法。
3.(6)ステップ(5)の増幅産物を回収し、精製して最終産物を得ること
をさらに含む、項1に記載の方法。
4.(7)ステップ(6)において得られた最終産物を配列決定して配列を検証し、及び/又は遺伝子変異分布を検出すること
をさらに含む、項3に記載の方法。
5.配列決定は、サンガー配列決定及び/又はハイスループット配列決定である、項4に記載の方法。
6.ステップ(1)において合成されたオリゴヌクレオチド配列のプール中のオリゴヌクレオチド配列の長さは、60~170bp、好ましくは、80~90bpである、項1~5のいずれか1つに記載の方法。
7.ステップ(1)において合成されたオリゴヌクレオチド配列のプールは、1から10個の変異部位における変異ヌクレオチドを含む、項1~6のいずれか1つに記載の方法。8.変異部位は、隣接しているか又は隣接していない、項1~7のいずれか1つに記載の方法。
9.変異ヌクレオチドを含む遺伝子によりコードされるアミノ酸配列は、変異させるべき遺伝子によりコードされるアミノ酸配列と比較して少なくとも1つのアミノ酸差異を有する、項1~8のいずれか1つに記載の方法。
10.少なくとも1つのアミノ酸差異は、置換、付加又は欠失から選択される、項9に記載の方法。
11.少なくとも1つのアミノ酸差異は、置換である、項10に記載の方法。
12.置換は、元のアミノ酸を、元のアミノ酸と異なる特性を有するアミノ酸で置換することである、項11に記載の方法。
13.特性は、酸度及びアルカリ度、極性、荷電特性及び側鎖基から選択される、項12に記載の方法。
14.1つ以上の変異部位における変異ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列の両末端にそれぞれ対応する2つのプライマーをステップ(2)におけるPCR増幅において使用する、項1~13のいずれか1つに記載の方法。
15.ステップ(2)におけるPCR増幅のサイクルの数は、10~25サイクル、好ましくは、12~22サイクル、14~20サイクル、15~18サイクル又は15~16サイクル、最も好ましくは、16サイクルである、項1~14のいずれか1つに記載の方法。
16.ステップ(2)におけるPCR増幅において使用されるDNAポリメラーゼは、高フィデリティDNAポリメラーゼである、項1~15のいずれか1つに記載の方法。
17.ステップ(3)におけるプライマーと鋳型とのモル比は、15:1から50:1、好ましくは、16:1から40:1、17:1から30:1、18:1から25:1、又は19:1から22:1、より好ましくは、19:1から21:1、最も好ましくは、20:1である、項1~16のいずれか1つに記載の方法。
18.ステップ(3)におけるPCR増幅のサイクルの数は、10~20サイクル、好ましくは、12~18サイクル、14~16サイクル、最も好ましくは、15サイクルである、項1~17のいずれか1つに記載の方法。
19.ステップ(3)におけるPCR増幅において使用されるDNAポリメラーゼは、高フィデリティDNAポリメラーゼ、好ましくは、高フィデリティPhusion DNAポリメラーゼである、項1~18のいずれか1つに記載の方法。
20.プラスミドは、プラスミドをメチル化する細菌から、好ましくは、大腸菌(E.coli)から、より好ましくは、大腸菌(E.coli)TOP10株から抽出される、項1~19のいずれか1つに記載の方法。
21.ステップ(4)におけるエンドヌクレアーゼは、DpnI、MspJI又はFspEIである、項1~20のいずれか1つに記載の方法。
22.項1~21のいずれか1つに記載の方法を使用して構築された遺伝子変異ライブラリー。
23.項1~21のいずれか1つに記載の遺伝子変異ライブラリーを構築する方法のためのキットであって、1つ以上の変異部位における変異ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列のプール、メチル化部位及び変異させるべき遺伝子又はその一部を含むプラスミド、並びにメチル化部位を認識し、切断させるエンドヌクレアーゼを含むキット。
24.DNAポリメラーゼを含む、項23に記載のキット。
25.タンパク質中のアミノ酸変異と、タンパク質の特性、調節及び/又は機能との間の関係を分析する方法であって、以下のステップ:
(1)項1~21のいずれか1つに記載の方法を使用してタンパク質をコードする遺伝子の遺伝子変異ライブラリーを構築するステップ;
(2)遺伝子変異ライブラリー中の変異遺伝子によりコードされるタンパク質の特性、調節及び/又は機能を、非変異タンパク質の特性、調節及び/又は機能と比較するステップ;並びに
(3)変異位置におけるアミノ酸と、タンパク質の特性、調節及び/又は機能との間の関係を分析するステップ
を含む方法。
本発明の遺伝子変異ライブラリーを構築するための方法の系統図である。 変異体ヌクレオチドを含む合成されたオリゴヌクレオチド配列のプール中のオリゴヌクレオチドに対してPCR増幅を実施することにより得られた産物の電気泳動図である。右レーンは、DL3000マーカーであり、左レーンは、プライマーとしてChip-F及びChip-Rを使用し、また鋳型として変異体ヌクレオチドを含む合成されたオリゴヌクレオチド配列のプールを使用した増幅産物である。 実施例5において得られた最終産物の電気泳動図である。左レーンは、DL3000マーカーであり、右レーンは、プライマーとしてChip-F及びChip-Rを使用し、また鋳型として相補的領域によって一緒に連結された一本鎖DNAを使用して増幅を実施することによって得られた産物のアガロースゲル電気泳動、回収及び精製によって得られた最終産物である。一本鎖DNAは、プライマーとして実施例3における合成されたオリゴヌクレオチドの2本の鎖を使用して増幅を各々実施することによって得られたセンス及びアンチセンスPCR増幅産物である。 最終産物のサンガー配列決定の結果である。標的変異部位、即ち35位のアミノ酸のコドン位置、即ち103~105位のヌクレオチドで、変異が生じた。 最終産物のサンガー配列決定の結果である。標的変異部位、即ち35位のアミノ酸のコドン位置、即ち103~105位のヌクレオチドで、変異が生じた。 最終産物のサンガー配列決定の結果である。標的変異部位、即ち35位のアミノ酸のコドン位置、即ち103~105位のヌクレオチドで、変異が生じた。 プライマーとして合成されたオリゴヌクレオチドを使用し、また1:254の鋳型対プライマーのモル比、及び25のPCR反応のサイクル数を使用する線形増幅のステップにおける最終産物の電気泳動図である。左レーンは、DL3000マーカーであり、右レーンは、プライマーとしてChip-F及びChip-Rを使用し、鋳型として相補的領域によって一緒に連結された一本鎖DNAを使用して増幅を実施することによって得られた最終産物である。一本鎖DNAは、プライマーとして実施例7における合成されたオリゴヌクレオチドの2本の鎖を使用して増幅を各々実施することによって得られたセンス及びアンチセンスPCR増幅産物である。 プライマーとして合成されたオリゴヌクレオチドを用いる線形増幅のステップにおける、鋳型対プライマーのモル比が1:254であり、PCR反応のサイクル数が15であるときの状況を試験する。左レーンは、DL3000マーカーであり、右レーンは、プライマーとしてChip-F及びChip-Rを使用し、また鋳型として相補的領域によって一緒に連結された一本鎖DNAを使用して増幅を実施することによって得られた最終産物である。一本鎖DNAは、プライマーとして実施例7における合成されたオリゴヌクレオチドの2本の鎖を使用して増幅を各々実施することによって得られたセンス及びアンチセンスPCR増幅産物である。
本説明及び添付の特許請求の範囲において使用される通り、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「その(the)」は、文脈上そうでないとする明確な指示がない限り、複数の参照対象を含む。したがって、例えば、「分子(a molecule)」に対する参照は、任意選択的には、かかる分子の2つ以上の組み合わせなどを含む。
本明細書で用いられるとき、用語「約」は、当業者によって容易に認知される対応する数値の通常の誤差範囲を指す。「約」が付く特定の値又はパラメータに対する本明細書での参照は、その値又はパラメータ自身を含む実施形態を含み(そして記載する)。
本明細書に記載の本発明の態様及び実施形態が、「含む」、「~からなる」、及び「~から本質的になる」を含む態様及び実施形態を含むことが理解される。
用語「オリゴヌクレオチド」は、短鎖ヌクレオチドに対する一般用語を指す。これに関連して、オリゴヌクレオチドは、ホスホジエステル結合を介して2~300ヌクレオチドを重合することにより作製され得る。
用語「オリゴヌクレオチド配列のプール」は、種々の異なるオリゴヌクレオチド配列からなる混合物を指す。
用語「遺伝子変異ライブラリー」は、種々の異なるDNAバリアント配列からなる混合物を指す。遺伝子変異ライブラリーは、遺伝子合成、遺伝子変異及び指向性進化研究の組み合わせの産物である。遺伝子変異ライブラリーは、例えば、ハイスループット薬物標的スクリーニング、タンパク質工学による指向性進化、高い親和性及び特異性を有するバリアント抗体をスクリーニングするための多様な抗体ライブラリーの合成などの研究分野においてますます使用されている。
用語「PCR増幅」は、特定のDNA断片を増幅するための分子生物学的技法であるポリメラーゼ連鎖反応を指す。それはインビトロでの特殊なDNA複製とみなすことができる。PCRの最大の特徴は、それが微量のDNAを大幅に増加させ得ることである。具体的には、PCR技術の基本的原理は、DNAの天然の複製プロセスに類似し、その特異性は、標的配列の両末端に相補的なオリゴヌクレオチドプライマーに依存する。PCRは、3つの基本的な反応ステップ:変性、アニーリング及び伸長からなり、(1)鋳型DNAの変性:鋳型DNAを特定期間にわたり90℃超に加熱し、次に二本鎖鋳型DNA又はPCR増幅によって形成された二本鎖DNAを解離させ、一本鎖にすることで、一本鎖がプライマーと結合され、次の反応ラウンドに備えられること;(2)鋳型DNA及びプライマーのアニーリング(復元):鋳型DNAが加熱により一本鎖に変性されてから、温度をより低温に下げることで、プライマーは一本鎖鋳型DNAの相補的配列と対合及び結合されること;(3)プライマーの伸長:反応原料としてdNTPを使用し、鋳型として標的配列を使用し、且つ相補的塩基対合及び半保存的複製の原理に従い、約70℃のDNAポリメラーゼ(TaqDNAポリメラーゼなど)の作用下で、DNA鋳型-プライマーコンジュゲートからの鋳型DNA鎖に相補的な新しい半保存的複製鎖を合成すること、を含む。さらなる「半保存的複製鎖」は、変性-アニーリング-伸長の3つのプロセスのサイクルを反復することにより得ることができる。
本願の遺伝子変異ライブラリーを構築するための方法のステップ(5)では、変異されるべき遺伝子又はその一部の両末端に対応するフォワードプライマー及びリバースプライマーの各々が、ステップ(4)で得られた系に添加され、変異体ヌクレオチドを有する複数の遺伝子又はそれらの一部を含む遺伝子変異ライブラリーを得るため、PCR増幅が実施される。このステップでは、融合PCRが実施され、(1)鋳型DNAの変性:鋳型DNAを特定期間にわたり90℃超に加熱し、鋳型DNAを元の一本鎖状態で保持することであり、ここで鋳型DNAは、鋳型としてステップ(3)における変異されるべき遺伝子を有するプラスミドを使用し、またプライマーとしてステップ(2)において増幅されたオリゴヌクレオチドのプール中のオリゴヌクレオチドを使用してPCR増幅を実施することによって得られた産物であり、ステップ(1)において合成されたオリゴヌクレオチドのプール中のオリゴヌクレオチド配列に対応する位置で相補的である;(2)アニーリング:鋳型DNAをアニーリングすることで、一本鎖鋳型DNAの相補的配列が対合及び結合される;(3)伸長:DNAポリメラーゼを使用し、3’末端からDNA鎖を伸長させ、鋳型として相補鎖を使用することにより完全二本鎖DNAを形成すること、を含む。次に、それに続くPCR反応は、通常のPCRと同じであり、変異体ヌクレオチドを有する複数の遺伝子又はそれらの一部を含む遺伝子変異ライブラリーは、鋳型として形成された完全二本鎖DNAを使用し、またプライマーとして変異されるべき遺伝子又はその一部の2つの末端に対応する添加されたフォワードプライマー及びリバースプライマーを使用する変性/アニーリング/伸長の3ステップ増幅により得られる。
用語「PCRプライマー」は、ポリメラーゼ連鎖反応のアニーリング(復元)段階中に
一本鎖鋳型DNAの相補的配列と対合及び結合され、且つ伸長段階中にDNAポリメラーゼの作用下で反応系におけるヌクレオチドと共有結合を介して連結される、特定のヌクレオチド配列を有する合成高分子を指す。
通常、プライマー対における一方のプライマーは、標的領域の一方の末端で一方のDNA鋳型鎖に相補的であり、且つプライマー対における他方のプライマーは、標的領域の他方の末端で他方のDNA鋳型鎖に相補的である。プライマーの機能は、ヌクレオチド重合の開始点として働くことであり、核酸ポリメラーゼは各々、2つのプライマーの3’末端から新しい核酸鎖を合成し始め得る。合成された二本鎖DNAは、次のサイクルのDNA変性段階中に再溶融され、増幅におけるこのサイクルの鋳型として使用可能である。理論的には、この増幅方法は、m(mは最初に添加された鋳型鎖の数であり、nはサイクルの数である)二本鎖DNAを生成する。したがって、このプライマー対を用いるPCR増幅は、指数関数的増幅とも称される。
本明細書中のプライマー対は、2つの相補的オリゴヌクレオチドでもあり得、2つのオリゴヌクレオチドは、変性段階中に溶融され、アニーリング段階中にそれらの対応する鋳型に各々相補的であり、各々が前方及び後方に伸長及び増幅される。増幅後に得られた二本鎖DNAは、系に最初に添加された鋳型鎖とプライマーから開始された伸長によって得られた産物鎖との複合体である。この場合、産物鎖は次の増幅反応における鋳型として使用され得ない。系に最初に添加された鋳型鎖のみが各PCRサイクルにおける鋳型として使用可能である。したがって、理論的には、この増幅方法の各々は、nサイクル後、各方向にmn(mは最初に添加された鋳型鎖の数であり、nはサイクルの数である)一本鎖DNAを生成する。したがって、かかるプライマー対を用いるPCR増幅は、線形増幅である。
用語「DNAポリメラーゼ」は、複製のための鋳型としてDNAを用いて、5’末端から3’末端へDNAを複製する酵素である。DNAポリメラーゼの主な活性は、鋳型、プライマー、dNTPなどの存在下でDNAの合成を触媒することである。
用語「高フィデリティDNAポリメラーゼ」は、目的のDNAの忠実な複製を確保するための低い取り込みエラー率(incorporation error rate)及び校正活性を有するDNAポリメラーゼを指す。
用語「変異されるべき遺伝子」は、本明細書中で、遺伝子変異ライブラリーを構築するために特異的に変異される必要がある遺伝子を指し、変異されるべき遺伝子の配列は、変異体ヌクレオチドを有しない元の配列である。
用語「プラスミド」は、細菌などの生物中の染色体DNA(又は核様体)以外のDNA分子を指す。プラスミドは、細胞質内に存在し、自律的に複製する能力を有することで、それが娘細胞内に存在し、一定のコピー数を維持し、そして全ての運ばれた遺伝子情報を発現することを可能にする。一般に、細菌から抽出されたプラスミドは、メチル化部位を有する。
用語「DNAメチル化」は、DNA配列を変更することなく遺伝的挙動を改変し得る、DNAの化学修飾の形態である。広義には、DNAメチル化は、DNA配列上の特定塩基が、共有結合を介して、DNAメチルトランスフェラーゼ(DNMT)の触媒作用下で、且つメチルドナーとしてS-アデノシルメチオニン(SAM)を用いてメチル基を得る化学修飾プロセスを指す。このDNAメチル化修飾は、例えばシトシンのC-5位、アデニンのN-6位及びグアニンのN-7位などの位置で生じ得る。DNAメチル化は、安定な修飾状態として、重要なエピジェネティック機構であるDNAメチルトランスフェラーゼ
の作用下のDNA複製プロセスとともに、新しい娘DNAに遺伝され得る。
実験室内の一般的なK12大腸菌(E.coli)株、例えばTOP10は、異なるDNA配列を認識する3種のメチラーゼ:DNAのGATCモチーフのAにメチルを付加するDamメチラーゼ;DNAのCCWGGモチーフの2番目のCにメチルを付加するDcmメチラーゼ;及びDNAのAACNNNNNNGTGCモチーフ又はGCACNNNNNNGTTモチーフのAにメチルを付加するEcoKIメチラーゼを含む。
用語「制限エンドヌクレアーゼ」は、特定のデオキシヌクレオチド配列を認識し、それに付着し、各鎖内の特定位置で2つのデオキシリボヌクレオチド間のホスホジエステル結合を切断し得る酵素のクラスを指し、「エンドヌクレアーゼ」と称される。
用語「制限部位」は、DNA鎖上の特定の配列を指し、ここで制限エンドヌクレアーゼは、該配列を特異的に認識し、DNA配列をここで2つの断片に特定の様式で切断し得る。
用語「メチル化部位を認識し、切断するエンドヌクレアーゼ」は、メチル化デオキシヌクレオチドを含む特定のデオキシヌクレオチド配列を認識し、それに付着し、各鎖内の特定位置で2つのデオキシリボヌクレオチド間のホスホジエステル結合を切断し得る酵素のクラスを指す。例えば、メチル化部位を認識し、切断するエンドヌクレアーゼは、DpnI酵素、FspEI酵素及びMspJIであり得る。
DpnI酵素は、Damメチラーゼを有する細菌から抽出されたプラスミド内のメチル化モチーフGATCを認識し、切断する。しかし、非メチル化PCR産物は、PCRシステムがメチラーゼを全く有しないことから切断されない。特に、モチーフ「GATC」内の「A」は、メチル化アデニンヌクレオチドを表す。
FspEI酵素は、修飾シトシンC、即ち
Figure 2023509618000001

のCC部位を認識し、3’末端N12/N16で二本鎖DNA切断を生成する修飾依存性エンドヌクレアーゼである。したがって、FspEI酵素は、Dcmメチラーゼを有する細菌から抽出されたプラスミド内のメチル化モチーフCCWGGを認識し、切断する。しかし、非メチル化PCR産物は、PCRシステムがメチラーゼを全く有しないことから切断されない。特に、モチーフ「CC」及び「CCWGG」内の「C」は、メチル化シトシンヌクレオチドを表す。
MspJI酵素は、修飾シトシン、即ち
Figure 2023509618000002

(式中、R=A又はGであり;及びY=C又はTである)のCNNR部位を認識し、3’末端N/N13で二本鎖DNA切断を生成する修飾依存性エンドヌクレアーゼである。特に、モチーフ「CNNR」内の「C」は、メチル化シトシンヌクレオチドを表す。
サンガー配列決定は、固定点で開始し、ヌクレオチドの特定塩基で無作為に終了し、各
塩基を蛍光標識し、A、T、C、及びGで終了する異なる長さの一連の4つのヌクレオシド群を生成し、次に尿素変性PAGEゲル上での電気泳動により検出し、可視DNA塩基配列を得ることを含む方法である。
ハイスループット配列決定は、「次世代」配列決定技術(NGSと略される)としても知られ、従来のサンガー配列決定方法と比較される。NGSは、数十万~数百万のDNA分子を並行して一般により短いリードで配列決定する能力によって特徴づけられる。現在、ハイスループット配列決定用の主なプラットフォームは、Roche 454シークエンサー(Roch GS FLXシークエンサー)、Illumina Solexaゲノムアナライザー(Illumina Genome Analyzer)及びABI SOLiDシークエンサーによって代表される。それらの一般的特徴は、(1)目的のDNAが小さい断片に切断される;(2)単一の小さい断片DNA分子が固相の表面に結合する;(3)単一分子が独立して増幅される;(4)1塩基(A、C、T、及びG)のみが一度に複製され、シグナルが検出される;及び(5)高解像度画像処理システムである。
用語「配列決定深度」は、ゲノムのサイズに対する配列決定によって得られた塩基(bp)の総数の比を指し、配列決定の量を評価するための指標の1つである。配列決定深度とゲノムカバレッジとの間に正の相関があり、配列決定によって得られる誤り率又は偽陽性の結果は、配列決定深度の増加に伴って減少することになる。これに関連して、配列決定深度は、遺伝子変異ライブラリーのハイスループット配列決定によって得られた配列決定結果において使用される。これに関連して、配列決定深度は、具体的にはハイスループット配列決定結果における各遺伝子変異体の配列決定深度を指す。
用語「平均配列決定深度」は、本明細書中で遺伝子変異ライブラリーの配列決定結果における各遺伝子変異体の平均配列決定深度を指す。
用語「10%にランク付けされた配列決定深度」は、10%にランク付けされた遺伝子変異体に対応する配列決定深度を指し、遺伝子変異ライブラリーの配列決定結果において得られた全ての遺伝子変異体が、それらの対応する配列決定深度に従い、小から大にランク付けされる。
用語「90%にランク付けされた配列決定深度」は、90%にランク付けされた遺伝子変異体に対応する配列決定深度を指し、遺伝子変異ライブラリーの配列決定結果において得られた全ての遺伝子変異体が、それらの対応する配列決定深度に従い、小から大にランク付けされる。
用語「偏り度合い」は、90%にランク付けされた配列決定深度/10%にランク付けされた配列決定深度を指し、遺伝子変異ライブラリーのハイスループット配列決定によって得られた全ての遺伝子変異体の配列決定深度が均一であるか否かを特徴づけるために使用され、特定の変異部位での異なる変異を含む異なる変異体配列のコピー数が遺伝子変異ライブラリーにおいて均一であるか否かを示す。1は、最適な偏り度合いであり、遺伝子変異ライブラリーにおいて、特定の変異部位での異なる変異を含む異なる変異配列のコピー数が同じであることを意味する。偏り度合いが1に近づくと、特定の変異部位での異なる変異を含む異なる変異体配列のコピー数は接近する。
用語「遺伝子変異分布」は、本明細書中で、最終的に得られた遺伝子変異ライブラリー内の全ての配列における特定位置での変異の全体分布を指す。
Figure 2023509618000003
特定の実施例
実施例1.オリゴヌクレオチドの合成
ライブラリーの構築が必要とされる場合のアミノ酸配列は以下の通りであった:
Figure 2023509618000004

(全部で407アミノ酸であり、35番目アミノ酸は変異が必要であるアミノ酸であり、即ちアラニン(Ala)は、別の19の一般アミノ酸、即ち、グリシン(Gly)、バリン(Val)、ロイシン(Leu)、イソロイシン(Ile)、フェニルアラニン(Phe)、プロリン(Pro)、トリプトファン(Trp)、セリン(Ser)、チロシン(Try)、システイン(Cys)、メチオニン(Met)、アスパラギン(Asn)、グルタミン(Gln)、トレオニン(Thr)、アスパラギン酸(Asp)、グルタミン酸(Glu)、リジン(Lys)、アルギニン(Arg)及びヒスチジン(His)への変異が必要とされる)。
変異が必要である全長遺伝子のヌクレオチド配列は、次の通りである(全部で1224bp)。
Figure 2023509618000005
変異体ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列のプールを合成するためのチップを使用するため、Genscriptに依頼した。各オリゴヌクレオチドは、35位で他の19の一般アミノ酸の1つの変異体アミノ酸を含むタンパク質をコードするヌクレオチド配列であった。各オリゴヌクレオチドは80bp長である。特に、各アミノ酸変異の比は1/19である。配列は次の通りである:
agaagatgcagaacgctttggtgacgtcggggctgacaccctgggtcatatcGGCgaagcttgtgccaaaggcgaagctg(配列番号3);
agaagatgcagaacgctttggtgacgtcggggctgacaccctgggtcatatcGTTgaagcttgtgccaaaggcgaagctg(配列番号4);
agaagatgcagaacgctttggtgacgtcggggctgacaccctgggtcatatcCTGgaagcttgtgccaaaggcgaagctg(配列番号5);
agaagatgcagaacgctttggtgacgtcggggctgacaccctgggtcatatcATTgaagcttgtgccaaaggcgaagctg(配列番号6);
agaagatgcagaacgctttggtgacgtcggggctgacaccctgggtcatatcATGgaagcttgtgccaaaggcgaagctg(配列番号7);
agaagatgcagaacgctttggtgacgtcggggctgacaccctgggtcatatcTTTgaagcttgtgccaaaggcgaagctg(配列番号8);
agaagatgcagaacgctttggtgacgtcggggctgacaccctgggtcatatcTGGgaagcttgtgccaaaggcgaagctg(配列番号9);
agaagatgcagaacgctttggtgacgtcggggctgacaccctgggtcatatcCCGgaagcttgtgccaaaggcgaagctg(配列番号10);
agaagatgcagaacgctttggtgacgtcggggctgacaccctgggtcatatcTCAgaagcttgtgccaaaggcgaagctg(配列番号11);
agaagatgcagaacgctttggtgacgtcggggctgacaccctgggtcatatcACAgaagcttgtgccaaaggcgaagctg(配列番号12);
agaagatgcagaacgctttggtgacgtcggggctgacaccctgggtcatatcTGCgaagcttgtgccaaaggcgaagctg(配列番号13);
agaagatgcagaacgctttggtgacgtcggggctgacaccctgggtcatatcTATgaagcttgtgccaaaggcgaagctg(配列番号14);
agaagatgcagaacgctttggtgacgtcggggctgacaccctgggtcatatcAATgaagcttgtgccaaaggcgaagctg(配列番号15);
agaagatgcagaacgctttggtgacgtcggggctgacaccctgggtcatatcCAAgaagcttgtgccaaaggcgaagctg(配列番号16);
agaagatgcagaacgctttggtgacgtcggggctgacaccctgggtcatatcGATgaagcttgtgccaaaggcgaagctg(配列番号17);
agaagatgcagaacgctttggtgacgtcggggctgacaccctgggtcatatcGAAgaagcttgtgccaaaggcgaagctg(配列番号18)
agaagatgcagaacgctttggtgacgtcggggctgacaccctgggtcatatcAAAgaagcttgtgccaaaggcgaagctg(配列番号19);
agaagatgcagaacgctttggtgacgtcggggctgacaccctgggtcatatcAGAgaagcttgtgccaaaggcgaagctg(配列番号20);及び
agaagatgcagaacgctttggtgacgtcggggctgacaccctgggtcatatcCATgaagcttgtgccaaaggcgaagctg(配列番号21)。
実施例2.チップにより合成されたオリゴヌクレオチドの増幅
増幅プライマーを設計し、ここでフォワードプライマーをChip-Fと称し、リバースプライマーをChip-Rと称した。プライマー配列は次の通りであり:Chip-F:agaagatgcagaacgctttggtgac(配列番号22)、リバースプライマー配列は次の通りである:Chip-R:cagcttcgcctttggcacaagcttc(配列番号23)。PCR反応系を調製し(表1を参照)、鋳型は、チップにより合成されたオリゴヌクレオチド配列のプールであり、プライマーは、上記のChip-F/Chip-Rであり、そして反応系は、キットPhusion(登録商標)高フィデリティDNAポリメラーゼ(New England Biolabsから購入)からのPhusion DNAポリメラーゼ、dNTP及び5×HF緩衝液も含み、水を
添加し、全体積を50μlにした。チップにより合成されたオリゴヌクレオチドに対し、表2に示すPCR反応手順に従い、PCR増幅を実施した。増幅結果を図2に示す。
Figure 2023509618000006
PCR反応手順を表2に示す。
Figure 2023509618000007
実施例3 プライマーとしてチップにより合成された増幅されたオリゴヌクレオチドを用いる線形増幅
鋳型として、変異されるべき全長遺伝子及びメチル化部位を含む、大腸菌(E.coli)TOP10から抽出されたプラスミドPMB1を使用し、且つプライマーとして、実施例2におけるチップにより合成された増幅されたオリゴヌクレオチドを使用することにより、PCR増幅を実施した。実施例2におけるチップにより合成された増幅されたオリゴヌクレオチドは、二本鎖DNAであり、両鎖は各々、前方末端及び後方末端の方へ増幅するためのプライマーとして使用可能であり、両方の増幅は線形増幅であった。線形増幅に必要とされるプライマーの数は、指数関数的増幅における場合よりもはるかに少なかった。したがって、線形増幅の間、系における鋳型(即ち、プラスミド)に対するプライマー(即ち、実施例2におけるチップにより合成された増幅されたオリゴヌクレオチド)の比を厳密に制御することが必要である。プラスミド鋳型と実施例2におけるチップにより合成された増幅されたオリゴヌクレオチド(二本鎖)のモル比は1:20であり、PCR反応のサイクル数は15であった。PCR反応系を表3に示す。
Figure 2023509618000008
PCR反応手順を表4に示す。
Figure 2023509618000009
実施例4.DpnIによる増幅系におけるプラスミド鋳型の消化
それに続く増幅系がPMB1プラスミド鋳型を有する場合、次の増幅反応において変異を全く有しない元の全長遺伝子が作製されることになり、それ故、反応系におけるプラスミドは除去される必要があった。大腸菌(E.coli)TOP10株は、プラスミドにおけるGATCのアデニンメチル化を触媒し、GATCを形成することが可能であるDamメチラーゼを有する。したがって、大腸菌(E.coli)DH5αから抽出されたプラスミドPMB1は、メチル化修飾を有する。DpnIは、メチル化部位GATCを認識し、切断することが可能である。増幅系におけるプラスミド鋳型は、DpnIを加えることにより小さい断片に消化されたが、次のPCR増幅のための鋳型として使用できない。酵素消化系の調製は、10μlのPCR反応産物、DpnI(New England Biolabs,R0176L)及び10×Cutsamrtを添加し、且つ水を添加し、全体積を50μlにすることを含んだ。反応は、DpnI酵素に最適な温度である37℃で2時間実施した。
酵素消化系を表5に示す。
Figure 2023509618000010
実施例5.最終産物を得るためのPCR増幅
遺伝子のヘッド及びテールプライマーを設計した。フォワードプライマーを遺伝子の頭部に設定し、Gene-Fと名付け、リバースプライマーを遺伝子の尾部に設定し、Gene-Rと名付けた。プライマー配列は、次の通りである:Gene-F:atgaaacgtgcatttattatgg(配列番号24)、及びGene-R:ttagaacatggctttgccatat(配列番号25)。PCR反応系の調製は、鋳型として実施例4で得られたエンドヌクレアーゼDpnIで消化された生成系を使用し、プライマーGene-F/Gene-R、Phusion DNAポリメラーゼ、dNTP、及び5×HF緩衝液を反応系に添加し、且つ水を添加し、全体積を50μlにし、遺伝子の全長配列を増幅することを含んだ。実施例3におけるプライマーとしてチップにより合成されたオリゴヌクレオチドの2本の鎖を各々用いることによって得られた(変異部位で相補的ヌクレオシドを有する、2本の一本鎖DNAであった)センス及びアンチセンスPCR増幅産物は、相補的領域により一緒に連結され、PCR増幅反応における鋳型として使用され得る。PCRが完了後、産物をアガロースゲル電気泳動にかけた。最終産物のサイズに対応するバンドは、ゲルを切断し、axygen DNAゲル回収キット(AXYGENから購入、物品番号:AP-GX-250)を使用することにより回収及び精製し、図3に示す通り、最終産物を得た。
PCR増幅の反応系を表6に示す。
Figure 2023509618000011
PCR増幅反応の反応手順を表7に示す。
Figure 2023509618000012
実施例6.最終産物の同定
実施例5において回収及び精製されたDNAをサンガー配列決定にかけ、配列決定結果を図4A~4Cに示す。図4Aは、標的変異部位で、即ち35位のアミノ酸のコドン位置で(即ち、103~105位のヌクレオチドで)、変異が生じたことを示す。
実施例5において回収及び精製されたDNAをハイスループット配列決定にかけ、変異部位での変異体ヌクレオチド配列及び得られたDNA配列における各変異体ヌクレオチド配列の頻度を分析した。ハイスループット配列決定結果を表8に示す。
Figure 2023509618000013
実施例7.プライマーとしてチップにより合成されたオリゴヌクレオチドを使用する線形増幅ステップにおける鋳型対プライマーの異なる比の比較
プライマーとしてチップにより合成されたオリゴヌクレオチドを使用する線形増幅ステップにおける鋳型対プライマーの異なる比を試験した。鋳型として変異されるべき全長遺伝子及びメチル化部位を含む大腸菌(E.coli)TOP10から抽出されたプラスミドPMB1を使用し、且つプライマーとして実施例2におけるチップにより合成された増幅されたオリゴヌクレオチドを使用することにより、PCR増幅を実施した。鋳型プラスミドと実施例2におけるチップにより合成された増幅されたオリゴヌクレオチド(二本鎖)のモル比は1:254であり、PCR反応のサイクル数は25であった。PCR反応系を表8に示し、反応手順を表9に示す。次に、実施例4~6と同じステップを反復し、最
終的に得られた全長遺伝子の電気泳動結果を図5に示し、ここではバンドは浅く、強いスメアを示す。
Figure 2023509618000014
PCR反応手順を表9に示す。
Figure 2023509618000015
反応のサイクル数を最適化した。鋳型として変異されるべき全長遺伝子及びメチル化部位を含む大腸菌(E.coli)TOP10から抽出されたプラスミドPMB1を使用し、且つプライマーとして実施例2におけるチップにより合成された増幅されたオリゴヌクレオチドを使用することにより、PCR増幅を実施した。鋳型プラスミドと実施例2におけるチップにより合成された増幅されたオリゴヌクレオチド(二本鎖)のモル比は1:254であり、PCR反応のサイクル数は15に減少した。PCR反応系を表8に示し、反応手順を表10に示す。最終的に得られた全長遺伝子の電気泳動結果を図6に示し、ここではバンドは浅く、わずかなスメアを示す。
Figure 2023509618000016
実施例8:本発明の遺伝子変異ライブラリーを構築するための方法と先行技術における遺伝子変異ライブラリーを構築するための方法との間の比較
先行技術における遺伝子変異ライブラリーを構築するための従来の方法は次の通りである:1.チップにより合成された変異体領域をPCRにより増幅し、次にカラム精製を実施する、2.鋳型として変異されるべき遺伝子を使用し、変異体領域の前及び後の非変異体領域を増幅し(ここで変異体領域の前の領域及び変異体領域の後の領域は、別々に増幅される必要があり、また各々がPCR反応にかけられる)、次にアガロースゲル電気泳動を実施し、そしてゲルを切断することによりDNA断片を回収し、精製する;3.アセンブリPCRにより、3つの断片を1つの断片にアセンブルする、及び4.鋳型として構築された産物を使用することにより全長断片を増幅し(精製を伴わない)、遺伝子におけるヘッド及びテールプライマーを添加し、次にアガロースゲル電気泳動を実施し、そしてゲルを切断することによりDNA断片を回収し、精製する。
先行技術における遺伝子変異ライブラリーを構築するための上の従来の方法は全体で約6.5時間かかる一方で、本発明の遺伝子変異ライブラリーを構築するための方法は約5.5時間かかる。本発明の遺伝子変異ライブラリーを構築するための方法がより少ないステップを有し、時間を節約することは理解することができる。
さらに、それが実行可能であり、本発明の要点に明らかには違反しないことを前提として、本説明における技術的解決法の構成要素として記載された任意の技術的特徴又は技術的特徴の組み合わせは、他の技術的解決法にも適用可能であり;さらに、それが実行可能であり、本発明の要点に明らかには違反しないことを前提として、異なる技術的解決法の構成要素として記載された技術的特徴は、いかなる方法であっても組み合わせることで、他の技術的解決法を得ることも可能であることは注目されるべきである。本発明は、上記の場合における組み合わせることにより得られる技術的解決法も含み、これらの技術的解決法は、本発明において記載されていることに相当する。
本発明は、具体的な実施形態及び実施例によって説明されたが、当業者であれば、これらが本発明の範囲を限定することが意図されないことを理解する必要がある。本発明の範囲は、特許請求の範囲により決定されるべきである。

Claims (25)

  1. 遺伝子変異ライブラリーを構築するための方法であって、
    (1)1つ以上の変異部位で変異体ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列のプールを合成するステップと;
    (2)前記変異体ヌクレオチドを含む前記オリゴヌクレオチド配列の前記合成されたプール中の前記オリゴヌクレオチドに対してPCR増幅を実施するステップと;
    (3)鋳型としてメチル化部位及び変異されるべき遺伝子又はその一部を含むプラスミドを使用し、且つプライマーとしてステップ(2)において得られた前記増幅されたオリゴヌクレオチド配列の前記プール中の前記オリゴヌクレオチドを使用することにより、PCR増幅を実施するステップと;
    (4)前記メチル化部位を認識し、且つ切断するエンドヌクレアーゼを使用し、ステップ(3)の前記増幅系において存在している前記鋳型プラスミドを切断するステップと;
    (5)変異されるべき前記遺伝子又はその前記一部の両末端に対応するフォワードプライマー及びリバースプライマーの各々をステップ(4)において得られた前記系に添加し、且つPCR増幅を実施し、前記変異体ヌクレオチドを有する複数の遺伝子又はそれらの一部を含む前記遺伝子変異ライブラリーを得るステップと、
    を含む方法。
  2. 精製は、ステップ(1)~(5)中に実施されない、請求項1に記載の方法。
  3. (6)ステップ(5)の増幅産物を回収及び精製し、最終産物を得るステップ
    をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  4. (7)ステップ(6)において得られた前記最終産物を配列決定し、配列を検証し、且つ/又は遺伝子変異分布を検出するステップ
    をさらに含む、請求項3に記載の方法。
  5. 前記配列決定は、サンガー配列決定及び/又はハイスループット配列決定である、請求項4に記載の方法。
  6. ステップ(1)において合成された前記オリゴヌクレオチド配列の前記プール中の前記オリゴヌクレオチド配列の長さは、60~170bp、好ましくは80~90bpである、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
  7. ステップ(1)において合成された前記オリゴヌクレオチド配列の前記プールは、1~10の変異部位に変異体ヌクレオチドを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記変異部位は、隣接するか又は非隣接であるかのいずれかである、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記変異体ヌクレオチドを含む遺伝子によってコードされるアミノ酸配列は、変異されるべき前記遺伝子によってコードされる前記アミノ酸配列と比較して、少なくとも1つのアミノ酸の差異を有する、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記少なくとも1つのアミノ酸の差異は、置換、付加又は欠失から選択される、請求項9に記載の方法。
  11. 前記少なくとも1つのアミノ酸の差異は、置換である、請求項10に記載の方法。
  12. 前記置換は、前記元のアミノ酸を前記元のアミノ酸と異なる特性を有するアミノ酸と置換することである、請求項11に記載の方法。
  13. 前記特性は、酸性度及びアルカリ度、極性、荷電特性及び側鎖基から選択される、請求項12に記載の方法。
  14. 1つ以上の変異部位で前記変異体ヌクレオチドを含む前記オリゴヌクレオチド配列の両末端に対応する2つのプライマーの各々は、ステップ(2)における前記PCR増幅において使用される、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
  15. ステップ(2)における前記PCR増幅のサイクルの数は、10~25サイクル、好ましくは12~22サイクル、14~20サイクル、15~18サイクル又は15~16サイクル、及び最も好ましくは16サイクルである、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
  16. ステップ(2)における前記PCR増幅において使用されるDNAポリメラーゼは、高フィデリティDNAポリメラーゼである、請求項1~15のいずれか一項に記載の方法。
  17. ステップ(3)における前記プライマー対前記鋳型のモル比は、15:1~50:1、好ましくは16:1~40:1、17:1~30:1、18:1~25:1、又は19:1~22:1、より好ましくは19:1~21:1、及び最も好ましくは20:1である、請求項1~16のいずれか一項に記載の方法。
  18. ステップ(3)における前記PCR増幅のサイクルの数は、10~20サイクル、好ましくは12~18サイクル、14~16サイクル、及び最も好ましくは15サイクルである、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法。
  19. ステップ(3)における前記PCR増幅において使用される前記DNAポリメラーゼは、高フィデリティDNAポリメラーゼ、好ましくは高フィデリティPhusion DNAポリメラーゼである、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 前記プラスミドは、前記プラスミドをメチル化する細菌、好ましくは大腸菌(E.coli)、より好ましくは大腸菌(E.coli)TOP10株から抽出される、請求項1~19のいずれか一項に記載の方法。
  21. ステップ(4)における前記エンドヌクレアーゼは、DpnI、MspJI又はFspEIである、請求項1~20のいずれか一項に記載の方法。
  22. 請求項1~21のいずれか一項に記載の方法を用いて構築される遺伝子変異ライブラリー。
  23. 請求項1~21のいずれか一項に記載の遺伝子変異ライブラリーを構築するための方法のためのキットであって、1つ以上の変異部位で変異体ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列のプール、メチル化部位及び変異されるべき遺伝子又はその一部を含むプラスミド、並びに前記メチル化部位を認識及び切断するエンドヌクレアーゼを含むキット。
  24. DNAポリメラーゼをさらに含む、請求項23に記載のキット。
  25. タンパク質中のアミノ酸変異と前記タンパク質の特性、調節及び/又は機能との間の関
    係を分析するための方法であって、
    (1)請求項1~21のいずれか一項に記載の方法を用いて、前記タンパク質をコードする遺伝子の遺伝子変異ライブラリーを構築するステップと;
    (2)前記遺伝子変異ライブラリーにおける変異遺伝子によってコードされる前記タンパク質の特性、調節及び/又は機能を、非変異タンパク質の特性、調節及び/又は機能と比較するステップと;
    (3)前記変異位置の前記アミノ酸と前記タンパク質の特性、調節及び/又は機能との間の関係を分析するステップと、
    を含む方法。
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