JP2023509185A - 喫煙製品 - Google Patents

Abstract

【要約】喫煙製品（１０）であって、管壁（１１１）、およびエアロゾル形成基質を収容するための管チャンバ（１１２）を有する煙発生部（１１）と、管壁（１１１）の少なくとも一部の内面に形成された赤外線放射層（１１３）と、を含み、赤外線放射層（１１３）は、喫煙具によって加熱されて昇温して赤外線を生成し、かつエアロゾル形成基質を少なくとも放射により加熱するために使用される。管壁（１１１）の内面に設けられた赤外線放射層（１１３）は、喫煙具によって加熱されて昇温して赤外線を生成し、かつエアロゾル形成基質を少なくとも放射により加熱し、波長の長い赤外線は、物体を透過し、その内部の分子や原子と「共振」して強い振動や回転を発生させることで、物体を昇温させて加熱の目的を達成し、物体全体の温度を上げ、これにより、既存の喫煙製品が不均一に加熱されることを回避し、使用者の喫煙性を向上させる。【選択図】図２

Description

本出願は、２０２０年０１月１３日に中国特許局に提出された、「喫煙製品」と題する中国特許出願第２０２０１００３１２８８．４号の優先権を主張し、その内容全体が参照により本出願に組み込まれる。

本出願は、タバコの技術分野に関し、特に喫煙製品に関する。

当技術分野では、煙草を燃焼させるのではなく、加熱するいくつかのエアロゾル生成製品が提案されている。このような「加熱式」喫煙製品の目的は、従来のタバコに含まれる煙草の燃焼や熱分解による既知の種類の有害な煙成分を低減することである。

煙草加熱式喫煙製品など、エアロゾル形成基質を加熱するエアロゾル生成製品では、エアロゾル形成基質の到達温度は、官能的に許容できるエアロゾルを生成する能力に大きな影響を与えている。使用者へのエアロゾルの供給を最適化するために、エアロゾル形成基質の温度を一定の範囲に維持することが常に望まれている。

既存の喫煙製品の加熱方法は、周向加熱や中心加熱を含むことが一般的である。周向加熱の場合、喫煙具のヒータが少なくとも一部の喫煙製品を包み込み、喫煙製品はヒータに近い部分の温度は高いが、中心部の温度は低く、中心加熱の場合、喫煙具のヒータの外周が喫煙製品中の煙草に直接接触するため、喫煙製品の中心の温度は高いが、外周の温度は低い。

上記から分かるように、周向加熱でも中心加熱でも喫煙製品は加熱が不均一である。

本出願は、従来の喫煙製品に存在する加熱が不均一であることを解決するために、喫煙製品を提供する。

本出願の第１の態様は、喫煙製品を提供し、エアロゾル形成基質を加熱して前記エアロゾル形成基質の少なくとも１つの成分を揮発させるための喫煙具と共に使用され、前記喫煙製品は、
管壁、および前記エアロゾル形成基質を収容するための管チャンバを有する煙発生部と、
前記管壁の少なくとも一部の内面に形成された赤外線放射層と、を含み、前記赤外線放射層は、前記喫煙具によって加熱されて昇温して赤外線を生成し、かつ前記エアロゾル形成基質を少なくとも放射により加熱するために使用される。

本出願の第２の態様は、第１の態様に記載の喫煙製品に適用される喫煙具を提供し、前記喫煙具は、ハウジングと、少なくとも１つの加熱装置とを含み、
前記ハウジングは開口を有し、前記喫煙製品は、前記開口を介して前記喫煙具に少なくとも部分的に挿入されても、前記喫煙具から取り外されてもよく、
前記少なくとも１つの加熱装置は、前記ハウジング内に配置され、使用中に前記喫煙製品のエアロゾル形成基質を加熱し、前記エアロゾル形成基質の少なくとも１つの成分を揮発させるために使用される。

本出願によって提供される喫煙製品では、管壁の内面に設けられた赤外線放射層は、喫煙具によって加熱されて昇温して赤外線を生成し、かつエアロゾル形成基質を少なくとも放射により加熱し、波長の長い赤外線は、物体を透過し、その内部の分子や原子と「共振」して強い振動や回転を発生させることで、物体を昇温させて加熱の目的を達成し、物体全体の温度を上げ、これにより、既存の喫煙製品が不均一に加熱されることを回避し、使用者の喫煙性を向上させる。

１つ以上の実施例は、それに対応する図面によって例示されており、これらの例示的な説明は、実施例を限定するものではなく、同じ参照数字番号を有する図面の素子は、類似の素子を示し、図面では、特に説明されていない限り、縮尺の限定を構成しない。

本出願の実施形態によって提供される喫煙製品の模式図である。 本出願の実施形態によって提供される喫煙製品における煙発生部の模式図である。 本出願の実施形態によって提供される喫煙製品における、赤外線反射層を有する煙発生部の模式図である。 本出願の実施形態によって提供される喫煙製品における、難燃層を有する煙発生部の模式図である。 本出願の実施形態によって提供される喫煙製品における赤外線放射層の模式図である。 本出願の実施形態によって提供される巻付塗布装置の模式図である。

本出願を容易に理解するために、以下は、図面および具体的な実施形態と併せて、本出願をより詳細に説明する。なお、ある素子が他の素子に「固定」されるように表現される場合、他の素子に直接存在してもよいし、それらの間に１つ以上の中央にある素子が存在してもよいと理解できる。ある素子が他の素子に「接続」されるように表現される場合、他の素子に直接接続されてもよいし、それらの間に１つ以上の中央にある素子が存在してもよいと理解できる。本明細書で使用される「上」、「下」、「左」、「右」、「内」、「外」などの表現は、説明するためにのみ使用される。

特に定義されていない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、当業者が一般的に理解するものと同じ意味を有する。本出願の明細書で使用される用語は、特定の実施例を説明するためのものに過ぎず、本出願を限定するものではない。本明細書で使用される「および／または」という用語は、関連する１つ以上の記載項目の任意およびそのすべての組合せを含む。

図１に示すように、本出願の実施形態によって提供される喫煙製品１０は、エアロゾル形成基質を含み、加熱するための喫煙具と共に、前記エアロゾル形成基質の少なくとも１つの成分を揮発させる。

喫煙製品１０は、煙発生部１１と、フィルタ部１２とを含む。

煙発生部１１は、内部にエアロゾル形成基質が充填される。煙発生部１１は、喫煙具によって加熱される場合、前記エアロゾル形成基質の少なくとも１つの成分を揮発させてエアロゾルを形成することができる。

エアロゾル形成基質は、エアロゾルを形成し得る揮発性化合物を放出可能な基質である。このような揮発性化合物は、当該エアロゾル形成基質を加熱することで放出され得る。エアロゾル形成基質は、固体または液体であってもよいし、固体および液体の両方を含んでもよい。エアロゾル形成基質は、吸着、塗着、含浸または他の方法により、担体や支持部材に担持することができる。エアロゾル形成基質は、エアロゾル生成製品または喫煙製品の一部であってよい。

エアロゾル形成基質は、ニコチンを含んでもよい。エアロゾル形成基質は、揮発性タバコフレーバー化合物を含有する煙草含有材料のような煙草を含んでもよく、加熱されると、前記揮発性タバコフレーバー化合物は、エアロゾル形成基質から放出される。好ましいエアロゾル形成基質は、均質な煙草材料、例えば落葉煙草を含んでもよい。エアロゾル形成基質は、少なくとも１つのエアロゾル形成剤を含んでもよく、エアロゾル形成剤は、任意の適切な既存化合物または化合物の混合物であってもよく、使用中に、前記化合物または化合物の混合物は、エアロゾル形成の安定化に寄与し、かつ、エアロゾル生成システムの操作温度での熱分解に対してほぼ抵抗性がある。適切なエアロゾル形成剤は、当技術分野でよく知られており、トリエチレングリコール、１，３－ブタンジオールやグリセロールなどのポリオール、グリセロールモノアセテート、グリセロールジアセテートやグリセロールトリアセテートなどのポリオールエステル、およびジメチルドデカン二酸やメチルテトラデカン二酸などのモノカルボン酸、ジカルボン酸またはポリカルボン酸の脂肪酸エステルを含むが、これらに限定されない。エアロゾル形成剤は、好ましくは、ポリヒドロキシアルコールまたはその混合物、例えば、トリエチレングリコール、１，３－ブタンジオールであり、最も好ましくはプロパントリオールである。

フィルタ部１２は、前記エアロゾル形成基質から揮発した前記少なくとも１つの成分を濾過するために使用され、かつ使用者のマウスに入れられる。

一例では、フィルタ部１２は、前記エアロゾル形成基質から揮発した前記少なくとも１つの成分を濾過するための濾過部と、使用者のマウスに入れられる吸い口部と、を含んでもよい。

なお、喫煙製品１０は、上記構造に限定されない。一例では、煙発生部１１とフィルタ部１２との間には、冷却部がさらに設けられてもよく、冷却部は、冷却部の一端に入った前記エアロゾル形成基質が揮発した前記少なくとも１つの成分と、冷却部の他端から離れた前記エアロゾル形成基質が揮発した前記少なくとも１つの成分との間に一定の温度差を与えるように構成することができる。その結果、エアロゾルが口を火傷することなく吸引できるようになり、使用者の喫煙体験を向上させる。

図２に示すように、煙発生部１１は、管壁１１１および管チャンバ１１２を有し、管チャンバ１１２は、前記エアロゾル形成基質（図中での灰色物質）を収容するために使用される。

赤外線放射層１１３は、管壁１１１の少なくとも一部の内面に形成され、前記喫煙具によって加熱されて昇温して赤外線を生成し、かつ前記エアロゾル形成基質を少なくとも放射により加熱するために使用される。

この例では、赤外線放射層１１３は、管壁１１１の内面に形成され、かつ管チャンバ１１２内のエアロゾル形成基質を被覆する連続的な膜層である。赤外線放射層１１３は、前記喫煙具からの熱を吸収した後、昇温し、一定の波長を有する赤外線を生成することができる。

赤外線放射層１１３は、酸化物、炭素材料、炭化物、窒化物など、赤外線放射率の高い材料で作ることができる。具体的には、以下のとおりです。

金属酸化物および多成分の合金酸化物は、三酸化鉄、三酸化アルミニウム、三酸化クロム、三酸化インジウム、三酸化ランタン、三酸化コバルト、三酸化ニッケル、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、二酸化チタン、二酸化ジルコニウム、二酸化マンガン、二酸化セリウム、酸化銅、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、三酸化モリブデンなどを含み、以上の２つ以上の金属酸化物の組合せであってよく、さらにスピネル、カルコサイト、オリビンなどの結晶構造を有するセラミックス材料であってもよい。

炭素材料の放射率は黒体特性に近く、高い赤外線放射率を持つ。炭素材料は、グラファイト、炭素繊維、カーボンナノチューブ、グラフェン、ダイヤモンドライク薄膜などを含む。

炭化物は、広い赤外線波長範囲（２．３μｍ－２５μｍ）で高い放射率を持ち、優れたほぼ全波長域を有する赤外線放射材料である炭化ケイ素を含み、また、高い赤外線放射率（ＭｅＣ相は厳密な化学算出成分や化学式がない）を持つ炭化タングステン、炭化鉄、炭化バナジウム、炭化チタン、炭化ジルコニウム、炭化マンガン、炭化クロム、炭化ニオブなども含む。

窒化物は、金属窒化物および非金属窒化物を含み、金属窒化物は、窒化チタン、窒化チタン炭素、窒化アルミニウム、窒化マグネシウム、窒化タンタル、窒化バナジウムなどを含み、非金属窒化物は、窒化ホウ素、五酸化三リン、窒化ケイ素（Ｓｉ３Ｎ４）などを含む。

その他の無機非金属材料は、シリカ、ケイ酸塩（ホスホケイ酸塩、ホウケイ酸塩等を含む）、チタン酸塩、アルミネート、リン酸塩、ホウ化物、イオウ化合物などを含む。

この例では、赤外線放射層１１３の厚さは、１００ｎｍ－３０００ｎｍである。

図６の巻付塗布装置と併せて、赤外線放射層１１３を管壁１１１の内面に形成する作製工程を以下に説明する。

図６に示すように、巻付塗布装置は、真空チャンバ２１、膜放出ロール２２、タバコペーパーベース膜２３、イオンソース２４、空気経路２５、フローバルブ２６、空気経路２７、フローバルブ２８、空気導入管２９、ターゲット材料３０、コーティングドラム３１、ターゲット材料３２、空気吸引孔３３、テンションホイール３４、巻取ロール３５を含む。

巻付コーティングは、真空環境下で様々な方法を適用して、フレキシブル基板への連続コーティングを実現する技術である。巻付コーティング技術には、次のような特徴がある。

１、蒸着速度が速く、基材の温度上昇が少ないため、フレキシブル基材および低融点基材に適している。

２、イオンソース２４により基材に対してボンバード処理を行い、作製した膜が基体に良好に接合している。

３、作製した膜は、高純度、良好な緻密性、良好な膜形成の均一性を有する。

４、作製工程の再現性が良く、大面積の基材に厚みが均一な膜を得ることができ、かつ膜放出ロール２２と巻取ロール３５の回転速度および塗布工程（ターゲット材料パワー、プロセス雰囲気等）を調整することで膜厚を正確に制御することができる。

５、異なる金属、合金、酸化物、窒化物を混合し、基材に同時にスパッタリングすることができる。

タバコペーパー基材に赤外線放射コーティング１１３を蒸着した後、切断、刻みタバコの装填、接着などを行い、赤外線放射コーティング１１３を施したタバコを作製する。赤外線放射層１１３は、酸化チタンである。具体的には、チタンターゲットを用い、ターゲット電源としてバイポーラパルスＤＣマグネトロンスパッタリング電源を用い、反応ガスとしてアルゴンと適量の酸素を流して酸化チタン薄膜を蒸着する。作製過程は以下のとおりである。

まず、ロール状のタバコペーパー基材を膜放出ロール２２に装着し、膜放出ロール２２の一端をコーティングドラム３１およびテンションホイール３４に沿って巻取ロール３５に巻き付け、
全てのチャンバドアを閉め、５×１０－４Ｐａまで排気し、
アルゴンと酸素を０．１Ｐａまで導入し、そのうち、アルゴンと酸素の割合を８：２ー９：１に維持し、
巻取ロール３５の巻付速度を、４ｍ／ｍｉｎに設定し、
（中周波）イオンソース電源をオンにし、電源パワーを８００Ｗに設定し、イオンソースは、タバコペーパー膜の表面をプラズマ洗浄し、新鮮な表面を形成し、膜層と基体の接合力を向上させることができ、
チタンターゲットに接続されたバイポーラパルスＤＣマグネトロンスパッタリング電源をオンにし、電源パワーを３０００Ｗに設定し、チタンターゲットをプラズマでスパッタリングし、かつ酸素と反応して酸化チタンを生成し、タバコペーパー基材に蒸着する。

上記の工程を経て、酸化チタンの蒸着膜厚は約４００ｎｍで、膜厚の均一性は９０％を超え、半球法の赤外線放射試験を行った結果、赤外線放射率が高く（約８０－９５％）、タバコペーパーの赤外線放射率（約５０－７０％）に比べてはるかに大きいことが確認された。

図３を参照すると、一例では、喫煙製品１０は赤外線反射層１１４をさらに含み、赤外線反射層１１４は、赤外線放射層１１３と管壁１１１の内面との間に設けられる。

中心加熱の場合、赤外線放射層１１３が前記喫煙具からの熱を吸収すると、発生した赤外線が管壁１１１を介して喫煙製品１０の外部に透過することがある。赤外線反射層１１４は、赤外線放射層１１３で発生した赤外線が管壁１１１を介して喫煙製品１０の外部に透過することを防止し、熱利用率を高めることができる。

この例では、赤外線反射層１１４は、金属、金属酸化物、窒化物のうちの少なくとも１つを含む。具体的には、金、銀、ニッケル、アルミニウム、金合金、銀合金、ニッケル合金、アルミニウム合金、金酸化物、銀酸化物、ニッケル酸化物およびアルミニウム酸化物、酸化チタン、酸化亜鉛、二酸化セリウムのうちの１つ以上で作ることができる。

続いて図６の巻付塗布装置と併せて、赤外線放射層１１３および赤外線反射層１１４の作製工程を以下に説明する。

作製過程では、ダブルターゲットを利用して一度に塗布を完成させる。まず、タバコペーパー基材に赤外線反射層１１４を蒸着し、次に、赤外線放射層１１３を蒸着し、作製過程において、塗布面を刻みタバコに向けることで、赤外線反射層１１４は、赤外線放射層１１３と比較して刻みタバコから離れる方向に向く。刻みタバコ内部の熱が赤外線によって外部に放射されることを防止することができる一方で、赤外線放射層１１３は、赤外線を放射する方向性がより優れており、すなわち、刻みタバコ内部に向かって赤外線を放射する。作製過程は以下のとおりである。

まず、ロール状のタバコペーパー基材を膜放出ロール２２に装着し、膜放出ロール２２の一端をコーティングドラム３１およびテンションホイール３４に沿って巻取ロール３５に巻き付け、
全てのチャンバドアを閉め、５×１０－４Ｐａまで排気し、
アルゴンを導入し、アルゴンの流れを調整し、真空室の圧力を０．１Ｐａに維持し、
巻取ロール３５の巻付速度を、４ｍ／ｍｉｎに設定し、
（中周波）イオンソース電源をオンにし、電源パワーを８００Ｗに設定し、イオンソースは、タバコペーパー膜の表面をプラズマ洗浄し、新鮮な表面を形成し、膜層と基体の接合力を向上させることができ、
アルミニウムターゲットに接続された直流電源をオンにし、電源スパッタリングパワーを２５００Ｗに設定し、アルミニウムターゲットをアルゴンプラズマでスパッタリングし、タバコペーパー基材に蒸着し、赤外線反射層１１４を形成し、
炭化ケイ素ターゲットに接続されたＲＦマグネトロンスパッタリング電源をオンにし、電源パワーを３０００Ｗに設定し、炭化ケイ素ターゲットをアルゴンプラズマでスパッタリングし、スパッタリングされた炭化ケイ素プラズマを直接タバコペーパー基材に蒸着し、赤外線放射率の高い炭化ケイ素膜、すなわち赤外線放射層１１３を形成し、
上記の工程を経て、アルミニウム膜の蒸着膜厚は約３００－５００ｎｍで、炭化ケイ素膜厚は約３００－５５０ｎｍで、膜厚の均一性は９０％を超え、赤外線反射率は９５％以上、赤外線放射率は９２％以上である。

上記の工程で作製したタバコペーパーについて、中心加熱の場合、タバコペーパー付近の刻みタバコの温度を試験した結果、コーティングされていないタバコペーパーで作製したタバコより、温度を２００度まで昇温させるためにかかる時間が５秒（２０秒から１５秒まで）短縮されることがわかり、赤外線周向加熱の場合、タバコペーパー付近の刻みタバコの温度を試験した結果、コーティングされていないタバコペーパーで作製したタバコより、温度を２００度まで昇温させるためにかかる時間が５秒（２５から２０秒まで）短縮されることが分かる。

図４を参照すると、一例では、喫煙製品１０は、赤外線反射難燃層１１５をさらに含み、赤外線反射難燃層１１５は、赤外線放射層１１３と管壁１１１の内面との間に設けられる。

この例では、赤外線反射難燃層１１５は、アルミニウム箔またはスズ箔を選択することができる。アルミニウム箔またはスズ箔を平滑化し、平滑化したアルミニウム箔またはスズ箔に赤外線放射層１１３を蒸着する。平滑化したアルミニウム箔またはスズ箔は、赤外線放射層１１３で発生した赤外線を反射する効果がある程度あり、また、一定の難燃性もある。

赤外線放射層１１３の作製工程は、前述内容を参照することができ、ここでは繰り返さない。

一例では、赤外線放射層１１３は、非連続的な膜であってもよい。具体的には、赤外線放射層１１３は、パターン化された赤外線放射層であってもよい。

図５を参照すると、赤外線放射層１１３は、格子状の赤外線放射層であり、前記格子状の赤外線放射層１１３は、複数の赤外線放射ブロック１１３１と複数のメッシュ１１３２を含み、メッシュ１１３２は、いくつかの赤外線放射ブロック１１３１の周囲の一部で取り囲まれて形成され、メッシュ１１３２は、赤外線放射機能を有さない膜層である。

図５の例では、赤外線放射ブロック１１３１は、正六角形であり、メッシュ１１３２は、４つの正六角形の赤外線放射ブロック１１３１における４つの辺で取り囲まれて形成された正方形である。メッシュ１１３２の面積は、赤外線放射層１１３の３０％－８０％である。

赤外線周向加熱の場合（喫煙具が赤外線を発生させ、かつエアロゾル形成基質を少なくとも放射により加熱する場合）、赤外線放射ブロック１１３１は、喫煙具で発生した赤外線をある程度吸収し、対応する波長の赤外線が管壁１１１を透過する割合を対応して低減する（それと同時に、管壁１１１は、赤外線を吸収して昇温し、赤外線の形態でエアロゾル形成基質の方向に放射を行う）。この問題を回避するために、喫煙具で発生した赤外線を遮断しないメッシュ１１３２を設けることにより、赤外線は喫煙製品１０の内部に透過することができる。相対的に、喫煙製品１０に対する喫煙具の加熱効率を向上させることができる。

なお、赤外線放射ブロック１１３１とメッシュ１１３２の形状は、図５に限定されない。他の例では、赤外線放射ブロック１１３１の形状は、多角形、円形、不定形の少なくとも１つであってもよく、メッシュ１１３２の形状は、多角形、円形、不定形の少なくとも１つである。

なお、本出願の明細書および図面は、本出願の好ましい実施例を説明したが、本出願は、多くの異なる形態で実施することができ、本明細書に記載された実施例に限定されるものではなく、これらの実施例は、本出願の内容に対する追加の制限ではなく、本出願の開示内容をより完全かつ包括的に理解するために提供される。また、上記の各技術的特徴を互いに組み合わせて形成した、以上に記載されていない様々な実施例は、全て本出願の明細書の範囲内にあると考えられ、さらに、当業者は上記の説明に基づいて改良または変形を行うことができ、その全ての改良および変形は、本出願に添付された請求項の保護範囲に含まれるものとする。

Claims (10)

1. エアロゾル形成基質を含み、加熱するための喫煙具と共に、前記エアロゾル形成基質の少なくとも１つの成分を揮発させる喫煙製品であって、
   管壁、および前記エアロゾル形成基質を収容するための管チャンバを有する煙発生部と、
   前記管壁の少なくとも一部の内面に形成された赤外線放射層と、を含み、前記赤外線放射層は、前記喫煙具によって加熱されて昇温して赤外線を生成し、かつ前記エアロゾル形成基質を少なくとも放射により加熱するために使用されることを特徴とする、喫煙製品。
2. 前記赤外線放射層は、連続的な膜層であることを特徴とする、請求項１に記載の喫煙製品。
3. 前記喫煙製品は赤外線反射層をさらに含み、
   前記赤外線反射層は、前記赤外線放射層と前記内面との間に設けられることを特徴とする、請求項２に記載の喫煙製品。
4. 前記赤外線反射層は、金属、金属酸化物、窒化物のうちの少なくとも１つを含むことを特徴とする、請求項３に記載の喫煙製品。
5. 前記赤外線反射層は、アルミニウム箔またはスズ箔を含む赤外線反射難燃層であることを特徴とする、請求項４に記載の喫煙製品。
6. 前記赤外線放射層は、非連続的な膜層であることを特徴とする、請求項１に記載の喫煙製品。
7. 前記赤外線放射層は、パターン化された赤外線放射層であることを特徴とする、請求項６に記載の喫煙製品。
8. 前記赤外線放射層の厚さは、１００ｎｍ－３０００ｎｍであることを特徴とする、請求項１－請求項７のいずれか一つに記載の喫煙製品。
9. 前記赤外線放射層は、酸化物、炭素材料、炭化物、窒化物のうちの少なくとも１つを含むことを特徴とする、請求項１－請求項８のいずれか一つに記載の喫煙製品。
10. 前記赤外線放射層は、巻付コーティングにより前記管壁の少なくとも一部の内面に形成されることを特徴とする、請求項１－請求項９のいずれか一つに記載の喫煙製品。

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