JP2023506308A - 複素環化合物およびその製造方法と使用 - Google Patents

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Abstract

化合物1および/または化合物2の化合物、結晶形態、および医薬組成物を本明細書に開示する。その必要がある対象に、一種類または複数種類の本開示の化合物または組成物を投与することを含む、疾患または障害(例えば、癌または感染性疾患)を治療する方法もまた、開示する。

Description

様々な実施形態では、本開示は、全体的に、新たな複素環化合物、その組成物、その製造方法およびその使用方法に関し、例えば、RASを阻害するおよび/または複数種類の疾患または病症、例えば、膵臓癌、大腸癌、および肺癌を治療することに関する。
背景
RASタンパク質調節は細胞膜受容体から受け取ったシグナルを細胞の増殖と生存に重要な下流分子(例えば、Raf、MEK、ERKとPI3K)の重要な細胞に伝達する経路である。RASは結合GDPの不活性化状態と結合GTPの活性化状態の間を循環する。RASタンパク質は、KRAS、NRAS、HRASの3つの遺伝子サブタイプを持ち、また、N末端ドメイン(アミノ酸1~165)に高い相同性(>90%)を持つ。RASはよく変異する癌であり、そのうち、KRASはすべてのRAS変異の80%を占めている。膵臓癌の約60%、大腸癌の40%、肺癌の30%、子宮内膜癌の20%でKRAS突然変異が発生する(F.McCormick、2017、Clin Cancer Res 21:1797-1801(非特許文献1))。RASホットスポット突然変異は12、13、61番コドンに発生し、そのうち75%のKRAS変異は12番コドン(グリシン)に発生する(D.K.Simanshu、D.V.NissleyとF.McCormick、2017、Cell、170:17-33(非特許文献2))。
RAS突然変異(例えばKRAS G12C突然変異)を持つ癌患者に対して治療的な処置を行う医学的ニーズがある。
F.McCormick、2017、Clin Cancer Res 21:1797-1801 D.K.Simanshu、D.V.NissleyとF.McCormick、2017、Cell、170:17-33
簡単な概要
2019年5月21日に出願された国際出願PCT/CN2019/087772および2019年7月15日に出願された国際出願PCT/CN2019/095947のそれぞれの全ての内容は、参考として本開示に取り込まれ、これらには、いずれもRAS阻害剤として、例えば、KRAS G12C阻害剤としての化合物1および2が記載され、様々な疾患または病症、例えば、KRAS G12C突然変異に関連する癌を治療するために使用できることが記載されている。
Figure 2023506308000001
様々な実施形態では、本開示は、化合物1または化合物2に関し、これらは、例えば、単離の形態、実質的に純粋な形態および/または固体の形態であっても良い。さらに、化合物1または化合物2を含む医薬組成物、およびその製造方法およびそれらの使用方法を提供している。
本開示のいくつかの実施形態は、化合物1に関し、例えば、実質的に純粋な形態および/または固体形態であってもよい。いくつかの実施形態では、化合物1が、アモルファス形態であってもよい。いくつかの実施形態では、化合物1が、結晶形態、例えば、ここで記載される形態I、形態II、形態IIIまたは形態IVであってもよい。いくつかの実施形態では、化合物1が、実質的に純粋であってもよい。
本開示のいくつかの実施形態は、化合物2に関し、例えば、実質的に純粋な形態および/または固体形態であってもよい。いくつかの実施形態では、化合物2が、アモルファス形態であってもよい。いくつかの実施形態では、化合物2が、結晶形態、例えば、ここで記載される形態A、形態B、形態Cまたは形態Dであってもよい。いくつかの実施形態では、化合物2が、実質的に純粋であってもよい。
本開示の化合物は、医薬組成物の製造に使用してもよい。いくつかの実施形態では、前記医薬組成物は、一種類または複数種類の本開示の化合物(例えば、形態IVの化合物1、アモルファスの化合物1、形態Bの化合物2、アモルファスの化合物2またはそれらのいずれかの組み合わせ)を含んでもよい。
ここで記載される医薬組成物は、いずれかの適切な投与経路のために調製されてもよい。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、経口投与のために調製されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、医薬組成物が、錠剤またはカプセル剤であってもよい。
本開示のいくつかの実施形態は、本開示の化合物または組成物を使用する方法に関する。例えば、いくつかの実施形態では、本開示は、細胞中のKRAS G12C突然変異タンパク質の阻害方法であって、細胞と化合物1または2とを接触させることを含んでもよい方法を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、対象における癌の治療方法であって、対象に治療有効量の本開示の化合物(例えば、形態IVの化合物1、アモルファスの化合物1、形態Bの化合物2、アモルファスの化合物2またはその任意組み合わせ)、またはここで記載される医薬組成物を投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、癌は、血液系悪性腫瘍、肺癌(例えば、非小細胞肺癌)、膵臓癌、子宮内膜癌、胆嚢癌、甲状腺癌、胆管癌および/または直腸癌である。
本開示の化合物は、単一療法または併用療法として使用されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、ここでいう方法は、その必要がある対象において癌を治療するために使用され、当該方法が、対象に有効量(例えば、治療有効量)の本開示の化合物を投与することを含む。いくつかの実施形態では、当該方法は、さらに、その他の抗癌療法により対象を治療することを含んでもよい。いくつかの実施形態では、その他の抗癌療法は、化学治療剤、治療性抗体、放射線療法、細胞療法、または免疫療法である。
なお、以上の概要および以下の詳細な説明は、いずれも本発明の例示および説明のためのものであり、限定的なものではないと理解されるべきである。
図1Aが、化合物1の結晶形態Iの代表的X線粉末回折(XRPD)パターンを示す。図1Bが、化合物1の結晶形態Iの代表的熱重量解析(TGA)および示差走査熱量測定(DSC)解析を示す。 図2Aが、化合物1の結晶形態IIの代表的X線粉末回折(XRPD)パターンを示す。図2Bが、化合物1の結晶形態IIの代表的熱重量解析(TGA)および示差走査熱量測定(DSC)解析を示す。 図3Aが、化合物1の結晶形態IIIの代表的X線粉末回折(XRPD)パターンを示す。図3Bが、化合物1の結晶形態IIIの代表的熱重量解析(TGA)および示差走査熱量測定(DSC)解析を示す。 図4Aが、化合物1の結晶形態IVの代表的X線粉末回折(XRPD)パターンを示す。 図4Bが、化合物1の結晶形態IVの代表的熱重量解析(TGA)および示差走査熱量測定(DSC)解析を示す。 図4Cが、化合物1の形態IVの代表的動的吸湿解析(DVS)を示す。 図5Aが、化合物2の結晶形態Aの代表的X線粉末回折(XRPD)パターンを示す。図5Bが、化合物2の結晶形態Aの代表的熱重量解析(TGA)および示差走査熱量測定(DSC)解析を示す。 図6Aが、化合物2の結晶形態Bの代表的X線粉末回折(XRPD)パターンを示す。 図6Bが、化合物2の結晶形態Bの代表的熱重量解析(TGA)および示差走査熱量測定(DSC)解析図を示す。 図6Cが、化合物2の形態Bの代表的動的吸湿解析(DVS)を示す。 図6Dが、XRPDパターンを示し、DVS研究後に、形態Bが変化しないことを示す。 図7Aが、化合物2の結晶形態Cの代表的X線粉末回折(XRPD)パターンを示す。図7Bが、化合物2の結晶形態Cの代表的熱重量解析(TGA)および示差走査熱量測定(DSC)解析を示す。 図8Aが、化合物2の結晶形態Dの代表的X線粉末回折(XRPD)パターンを示す。図8Bが、化合物2の結晶形態Dの代表的熱重量解析(TGA)および示差走査熱量測定(DSC)解析を示す。 図9Aが、アモルファスの化合物1の代表的X線粉末回折(XRPD)パターンを示す。 図9Bが、アモルファスの化合物1の代表的熱重量解析(TGA)および示差走査熱量測定(DSC)解析図を示す。 図9Cが、アモルファスの化合物1に対する示差走査熱量測定(DSC)の研究を示す。 図10が、化合物1に対して観察された異なるXRPDパターンの比較を示す。
詳細な説明
様々な実施形態では、本開示は、RAS阻害剤、例えば、KRAS阻害剤に関し、より具体的に、化合物1および2であり、例えば、単離の形態、実質的に純粋な形態および/または固体形態であってもよい。化合物1および2は、pKaが3であり、一般的に遊離塩基形態として存在する。特に説明しない限り、ここでいう化合物1または2は、酸または塩基との塩でなく、その遊離塩基形態として存在すると理解すべきである。実施例部分で例を挙げて説明するように、化合物1および2の様々な多形形態が発見された。これらの多形のうち、化合物1の形態IVおよび化合物2の形態Bが安定的であり、そしてそれぞれの化合物のその他の形態と比べて、様々な医薬用途により適することが発見された。化合物1および2は、それぞれ、以下のような構造式を持つ。
Figure 2023506308000002
2019年5月21日に出願された国際出願PCT/CN2019/087772および2019年7月15日に出願されたPCT/CN2019/095947(それぞれの内容が参考として本開示に取り込まれる。)に記載されるように、化合物1および2が、RAS阻害剤であり、例えば、KRAS G12C阻害剤であり、そして様々な疾患または病症、例えば、KRAS G12C突然変異に関連する癌を治療するために使用することができる。そのため、本開示のいくつかの実施形態は、さらに、ここで記載される化合物1および/または化合物2を含む医薬組成物に関する。いくつかの実施形態では、さらに、RAS(例えば、KRAS G12C突然変異)に関連する疾患または病症を治療または予防する方法であって、その必要がある対象に治療有効量のここで記載される化合物1またはここで記載される医薬組成物を投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、さらに、RAS(例えば、KRAS G12C突然変異)に関連する疾患または病症を治療または予防する方法であって、その必要がある対象に治療有効量のここで記載される化合物2またはここで記載される医薬組成物を投与することを含む、方法を提供する。
化合物1
いくつかの実施形態では、本開示は、化合物1に関する。化合物1およびその合成は、すでに2019年5月21日に出願された国際出願PCT/CN2019/087772および/または2019年7月15日に出願されたPCT/CN2019/095947に説明され、それぞれの全ての内容が参考として本開示に取り込まれる。化合物1は、外部の酸または塩基との塩と区別するように、遊離塩基形態として理解すべきである。文脈から明らかにならない限り、ここで記載されるとおり、化合物1は、その遊離塩基形態として理解すべきである。
いくつかの実施形態では、化合物1が、固体形態であってもよく、例えば、アモルファス形態、結晶形態またはその組み合わせであってもよい。いくつかの実施形態では、化合物1が、アモルファス形態であってもよい。いくつかの実施形態では、化合物1が、結晶形態(例えば、ここで記載される結晶形態I、II、IIIおよびIV中のいずれかの一種類または複数種類)であってもよい。ここで用いるように、化合物(例えば、化合物1)がある特定の固体形態(例えば、結晶形態)として存在するまたはそれであると記載される場合、いくつかの実施形態では、化合物が主に当該特定の形態として存在すると理解すべきである。ただし、いくつかの実施形態では、化合物は、一種類または複数種類のその他の固体形態(アモルファス形態を含む。)を有する混合物において、当該特定形態として存在することもできる。例えば、化合物1が、形態IVとして存在するまたはそれであると記載される場合、化合物1が、主に形態IVとして存在し、例えば、80重量%超え、90重量%超えまたは95重量%超えの化合物1が形態IVであり、或いは、例えば、XRPDで認識可能なその他のいずれかの固体形態を含まないことであってもよく;或いは、いくつかの実施形態では、化合物1が、一種類または複数種類の固体形態(例えば、アモルファス形態)を有する混合物において、形態IVとして存在することができる。
ここでいう化合物1は、一般的に、実質的に純粋な形態である。例えば、いくつかの実施形態では、重量で、HPLC面積でまたはその両方で、化合物1が、70%超え、好ましくは90%超え(例えば、95%超え、97%超え、98%超え、98.5%超え)の純度を持つことができる。いくつかの実施形態では、化合物1は、重量でおよび/またはHPLC面積での純度が、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約97%、約99%、または前記指定値の間のいずれかの範囲であることを特徴とする。例えば、いくつかの実施形態では、化合物1は、HPLC面積での純度が、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約97%、約99%または前記指定値の間のいずれかの範囲であることを特徴とすることができる。実質的に純粋な化合物1が、固体形態(例えば、ここで記載される結晶形態、アモルファス形態またはその組み合わせ)または溶液、懸濁液または別の形態であってもよい。いくつかの実施形態では、実質的に純粋な化合物1が、結晶形態IVであってもよい。疑問を避けるため、ここで実質的に純粋な化合物1および一種類または複数種類のその他の成分を含む組成物は、ここでの実質的に純粋な化合物1と、一種類または複数種類のその他の成分との混合物と理解されるべき、例えば、実質的に純粋な化合物1と、一種類または複数種類のその他の成分(例えば、溶媒、薬学的に許容される賦形剤等)と混合して直接または間接的に当該組成物を得ることができる。
いくつかの実施形態では、化合物1が、結晶形態である。いくつかの実施形態では、化合物1が、結晶形態Iである。形態Iの特徴は、ここで記載されるいずれかの特徴を含む。いくつかの実施形態では、結晶形態Iは、(1)以下のピーク:6.9、11.4、11.5、13.0、14.8、17.4、17.8、18.1、19.4および22.8°2θ±0.2°のうち一つ又は複数(例えば、2、4、6、8、または10個)を有するX線粉末回折(XRPD)パターン;(2)以下のピーク:6.9、11.4、11.5、13.0、13.9、14.8、16.8、17.1、17.4、17.8、18.1、19.4、21.0、22.8、23.7、24.7および26.2°2θ±0.2°のうち一つ又は複数(例えば、6個以上、8個以上、12個以上、または全部)を有するX線粉末回折(XRPD)パターン;(3)図1Aで示されるものと実質的に同一のXRPDパターン;(4)図1Bで示されるものと実質的に同一の示差走査熱量測定(DSC)パターン;または、それらの任意の組み合わせ(例えば、(1)と(4)、(2)と(4)、(1)と(2)と(4)、または(3)と(4))を特徴とする。いくつかの実施形態では、結晶形態Iは、図1Aまたは表1で示されるような主なピーク(例えば、相対強度20%以上、30%以上、40%以上、50%上、60%以上、70%以上、80%以上、または90%以上のピーク)(°2θ±0.2°)を有するXRPDパターンを特徴とすることができる。より明らかに、形態IのXRPDパターンが、図1Aまたは表1の主なピークを持つ、或いは、図1Aと実質的に同一であると記載される場合、場合によって、XRPDパターンが、必ずしも図1Aまたは表1で示される対応のピークと同じ相対強度を有する必要がない。場合によって、それらの相対強度に関わらず、XRPDパターンが図1Aまたは表1で示されるようなピークに対応するそれぞれの回折角(°2θ±0.2°)でピークを含めばよい。ここでのその他の結晶形態の類似する表現も、同じように理解すべきである。いくつかの実施形態では、結晶形態Iは、以下のピーク:6.9、11.4、11.5、13.0、14.8、17.4、17.8、18.1、19.4および22.8°2θ±0.2°のすべてを有するXRPDパターンを特徴とすることができる。いくつかの実施形態では、結晶形態Iは、開始温度約238.7℃および/またはピークトップ温度約240.9℃の吸熱ピークを有するDSCパターンを特徴とすることもできる。実施例部分で示されるように、結晶形態Iが無水物であると同定する。いくつかの実施形態では、結晶形態Iは、本願の実施例3で得られた形態Iと実質的に同一である。
結晶形態Iの化合物1は、ここで記載される方法により製造することができる。例えば、いくつかの実施形態では、1)アモルファスの化合物1を、例えば、水、イソプロパノール、MTBE、THF/ヘプタンおよびEA/ヘプタン、好ましくはイソプロパノールのような溶媒に懸濁し、懸濁液を形成することと;2)室温(RT)または加熱(例えば、50℃)で当該懸濁液を、例えば、1日、3日等の一定の期間で撹拌し、結晶形態Iの化合物1を形成することと、を含む方法により、結晶形態Iの化合物1を製造することができる。いくつかの実施形態では、1)化合物1を、例えば、酢酸エチル(EA)またはテトラヒドロフラン(THF)のような第1の溶媒に溶解し、溶液を形成することと;その後、2)溶液に、例えば、MTBE(メチル-t-ブチルエーテル)の反溶媒を加入し、化合物1を沈殿させることと、を含む方法により、結晶形態Iの化合物1を製造することができる。本願の実施例3では、形態Iの化合物1を製造する例示的な工程を示している。
いくつかの実施形態では、化合物1は、結晶形態IIである。形態IIの特徴は、ここで記載されるいずれかの特徴を含む。いくつかの実施形態では、結晶形態IIは、(1)以下のピーク:8.1、15.6および18.8°2θ±0.2°のうち一つ又は複数(例えば、1、2または3個)を有するX線粉末回折(XRPD)パターン;(2)以下のピーク:6.2、8.1、9.4、10.2、15.6、18.8、19.1、20.1、21.0、25.0および26.0°2θ±0.2°のうち一つ又は複数(例えば、6個以上、8個以上、または全部)を有するX線粉末回折(XRPD)パターン;(3)図2Aで示されるものと実質的に同一のXRPDパターン;(4)図2Bで示されるようなパターンと実質的に同一である示差走査熱量測定(DSC)パターン;または、それらの任意の組み合わせ(例えば、(1)と(4)、(2)と(4)、(1)と(2)と(4)、または(3)と(4))を特徴とすることができる。いくつかの実施形態では、結晶形態IIは、図2Aで示されるまたは表2で示されるような主なピーク(例えば、相対強度20%以上、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、または90%以上のピーク)(°2θ±0.2°)を有するXRPDパターンを特徴とすることができる。いくつかの実施形態では、結晶形態IIは、以下のピーク:8.1、15.6および18.8°2θ±0.2°のすべてを有するXRPDパターンを特徴とすることができる。いくつかの実施形態では、結晶形態IIは、さらに、開始温度約171.2°Cおよび/またはピークトップ温度約176.8℃の吸熱ピーク;および開始温度約111.2℃および/またはピークトップ温度約148.8℃の吸熱ピークを有するDSCパターンを特徴とすることもできる。実施例部分で示されるように、形態IIは、一水和物であると同定する。いくつかの実施形態では、結晶形態IIは、本願の実施例3で得られた結晶形態IIと実質的に同一である。
結晶形態IIの化合物1は、ここで記載される方法により製造することができる。例えば、いくつかの実施形態では、結晶形態IIの化合物1は、1)化合物1を第1の溶媒(例えば、アセトン)に溶解し、例えば、室温で、溶液を形成することと;その後、2)溶液に、例えば、水のような反溶媒を加入し、化合物1を沈殿させることと、を含む方法により製造することができる。いくつかの実施形態では、当該方法は、さらに、例えば、室温で第1の溶媒および反溶媒中の化合物1の混合物を一定の期間(例えば、1~5日間)で撹拌し、懸濁液を形成することと;任意にろ過し、沈殿された化合物1を乾燥することとを含む。本願の実施例3では、形態IIの化合物1を製造する例示的な工程を示している。
いくつかの実施形態では、化合物1は、結晶形態IIIである。形態IIIの特徴は、ここで記載されるいずれかの特徴を含む。いくつかの実施形態では、結晶形態IIIは、(1)以下のピーク:6.6、8.3、11.5、19.1、19.9および22.0°2θ±0.2°のうち一つ又は複数(例えば、1、2、3、4、5、または6個)を有するX線粉末回折(XRPD)パターン;(2)以下のピーク:6.6、8.3、11.5、12.1、16.7、19.1、19.9、22.0、25.7および26.8°2θ±0.2°のうち一つ又は複数(例えば、4個以上、8個以上、または全て)を有するX線粉末回折(XRPD)パターン;(3)図3Aで示されるものと実質的に同一のXRPDパターン;(4)図3Bで示されるものと実質的に同一の示差走査熱量測定(DSC)パターン;または、それらの任意の組み合わせ(例えば、(1)と(4)、(2)と(4)、(1)と(2)と(4)、または(3)と(4))を特徴とすることができる。いくつかの実施形態では、結晶形態IIIは、図3Aまたは表3で示されるような主なピーク(例えば、相対強度20%以上、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、または90%以上のピーク)(°2θ±0.2°)を有するXRPDパターンを特徴とすることができる。いくつかの実施形態では、結晶形態IIIは、以下のピーク:6.6、8.3、11.5、19.1、19.9および22.0°2θ±0.2°のすべてを有するXRPDパターンを特徴とすることができる。いくつかの実施形態では、結晶形態IIIは、さらに、開始温度約95.1℃および/またはピークトップ温度約114.2℃の吸熱ピークを有するDSCパターンを特徴とすることもできる。実施例部分で示されるように、形態IIIは二水和物であると同定する。いくつかの実施形態では、結晶形態IIIは、本願の実施例3で得られた結晶形態IIIと実質的に同一である。
結晶形態IIIの化合物1は、ここで記載される方法により製造することができる。例えば、いくつかの実施形態では、1)化合物1を第1の溶媒(例えば、メタノール)に溶解し、例えば、室温で、溶液を形成することと;その後、2)溶液に、反溶媒を加入し、例えば、水、化合物1を沈殿させることと、を含む、方法により結晶形態IIIの化合物1を製造することができる。いくつかの実施形態では、当該方法は、さらに、例えば、室温で第1の溶媒および反溶媒中の化合物1の混合物を一定の期間(例えば、1時間から5日間)で撹拌し、懸濁液を形成することと;そして任意にろ過しおよび沈殿された化合物1を乾燥することとを含む。本願の実施例3では、形態IIIの化合物1を製造する例示的な工程を示している。
いくつかの実施形態では、化合物1が、結晶形態IVである。形態IVの特徴は、ここで記載されるいずれかの特徴を含む。いくつかの実施形態では、結晶形態IVは、(1)以下のピーク:6.7、8.6、16.6、18.9および19.2°2θ±0.2°のうち一つ又は複数(例えば、1、2、3、4、または5個)を有するX線粉末回折(XRPD)パターン;(2)以下のピーク:6.3、6.7、8.6、14.6、14.8、15.7、16.6、17.6、18.9、19.2、20.8、21.2および23.2°2θ±0.2°のうち一つ又は複数(例えば、4個以上、8個以上、12個以上または全部)を有するX線粉末回折(XRPD)パターン;(3)図4Aで示されるものと実質的に同一のXRPDパターン;(4)図4Bで示されるものと実質的に同一の示差走査熱量測定(DSC)パターン;または、それらの任意の組み合わせ(例えば、(1)と(4)、(2)と(4)、(1)と(2)と(4)、または(3)と(4))を特徴とすることができる。いくつかの実施形態では、結晶形態IVは、図4Aで示されるまたは表4で示されるような主なピーク(例えば、相対強度20%以上、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、または90%以上のピーク)(°2θ±0.2°)を有するXRPDパターンを特徴とすることができる。いくつかの実施形態では、結晶形態IVは、以下のピーク6.7、8.6、16.6、18.9および19.2°2θ±0.2°のすべてを有するXRPDパターンを特徴とすることができる。いくつかの実施形態では、結晶形態IVは、さらに、開始温度約273.0℃および/またはピークトップ温度約276.0℃の吸熱ピークを有するDSCパターンを特徴とすることもできる。実施例部分で示されるように、形態IVは無水物であると同定する。いくつかの実施形態では、結晶形態IVは、本願の実施例3で得られた結晶形態IVと実質的に同一である。
結晶形態IVの化合物1は、ここで記載される方法により製造することができる。例えば、いくつかの実施形態では、結晶形態IVの化合物1は、1)化合物1を第1の溶媒(例えば、メタノール)に溶解し、例えば、50℃で、溶液を形成することと;その後、2)溶液に、反溶媒を加入し、例えば、ヘプタン、化合物1を沈殿させることとを含む方法により製造することができる。いくつかの実施形態では、前記方法は、さらに、第1の溶媒および反溶媒中の化合物1の混合物を一定の期間(例えば、0.2時間から2時間)で撹拌することと;そして任意にろ過し、沈殿された化合物1を乾燥することとを含む。いくつかの実施形態では、1)加熱(例えば、溶媒の沸点まで)の条件で化合物1を、例えば、酢酸エチルのような適切な溶媒に溶解し、溶液を形成することと;その後、2)溶液を冷却し、例えば、室温またはそれ以下、例えば、0~10℃まで冷却し、化合物1を沈殿させることと、を含む方法により結晶形態IVの化合物1を製造することができる。本願の実施例3では、形態IVの化合物1を製造する例示的な工程を示している。
実施例部分で詳細に説明するように、様々なその他の形態と比較し、形態IVの化合物1は、様々な医薬用途により適することができる。例えば、相互転換の研究に基づいて、無水の溶媒系において全ての形態I、IIおよびIIIが、50℃または室温で形態IVに転換し、形態IVが安定的な形態であると示した。形態IVの水溶液中の形態安定性を評価したところ、形態IVが室温または50℃で3日間安定的であり、かつ水和物を形成しないと示した。
いくつかの実施形態では、化合物1は、アモルファス形態であってもよい。化合物1のアモルファス形態は、ここで記載される様々な方法により製造することができる。本文で示されるように、様々なその他の形態と比較し、アモルファスの化合物1は、いくつかの医薬用途により適することができ、これは、試験された結晶形態と比較して、アモルファスの化合物1が生物関連液体においてより優れた溶解性を持つためである。
本発明に係る化合物1の様々な結晶形態の製造方法は、一般的に、一種類または複数種類の溶媒を使用する。適切な溶媒は、一般的に既知なものであり、THF、トルエン、MeOH、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、イソブタノール、メチル-t-ブチルエーテル、エチルエーテル、イソアミルアルコール、酢酸ブチル、ギ酸エチル、1,4-ジオキサン、n-ブタノール、t-ブタノール、n-ヘプタン、シクロヘキサン、メチルイソブチルケトン、キシレン、酢酸イソブチル、2-ブタノン、アセトニトリル、アセトン、酢酸エチル、酢酸イソプロピルおよび水を含むが、これらに限定されない。溶媒は、単独で、または複数種類の組み合わせで使用されてもよい。結晶技術は、当分野で周知である。例えば、室温または加熱で化合物1を一種類または複数種類の溶媒にスラリー化してもよく;化合物1を一種類または複数種類の溶媒に加熱し、その後、冷却してもよく;化合物1を溶媒に溶解し、その後、反溶媒を加入してもよく;その他の技術、例えば、固/液拡散または液/液拡散を使用してもよい。出発化合物1は、限定されないが、アモルファス固体であってもよい。いくつかの実施形態では、出発化合物1が、また、結晶形態、例えば、形態Iであってもよい。いくつかの実施形態では、出発化合物1が、また、アモルファス固体および結晶形態の組み合わせであってもよい。
いくつかの実施形態では、本開示は、さらに、実施例部分で記載のいずれかの適用する方法により製造され得る化合物1の固体形態を提供している。
化合物2
いくつかの実施形態では、本開示は、化合物2に関する。化合物2およびその合成は、2019年5月21日に出願された国際出願PCT/CN2019/087772および/または2019年7月15日に出願されたPCT/CN2019/095947に説明し、それぞれの全ての内容が参考として本開示に取り込まれる。化合物2は、外部の酸または塩基との塩と区別するように、遊離塩基形態として理解すべきである。文脈から明らかにならない限り、ここで記載されるとおり、化合物2は、その遊離塩基形態として理解すべきである。
いくつかの実施形態では、化合物2が、固体形態であってもよく、例えば、アモルファス形態、結晶形態またはその組み合わせであってもよい。いくつかの実施形態では、化合物1が、アモルファス形態であってもよい。いくつかの実施形態では、化合物2が、結晶形態(例えば、ここで記載される結晶形態A、B、CおよびD中のいずれかの一種類または複数種類)であってもよい。ここで用いるように、化合物2がある特定の固体形態(例えば、結晶形態)として存在するまたはそれであると記載される場合、いくつかの実施形態では、化合物2が主に当該特定の形態として存在すると理解すべきである。ただし、いくつかの実施形態では、化合物2は、一種類または複数種類のその他の固体形態(アモルファス形態を含む。)を有する混合物において、当該特定形態として存在することもできる。例えば、化合物2が、形態Bとして存在するまたはそれであると記載される場合、化合物2が、主に形態Bとして存在し、例えば、80重量%超え、90重量%超えまたは95重量%超えの化合物2が形態Bであり、或いは、例えば、XRPDで認識可能なその他のいずれかの固体形態を含まないことであってもよく;或いは、いくつかの実施形態では、化合物2が、一種類または複数種類の固体形態(例えば、アモルファス形態)を有する混合物において、形態Bとして存在することができる。
ここでいう化合物2は、一般的に、実質的に純粋な形態である。例えば、いくつかの実施形態では、重量で、HPLC面積でまたは両方で、化合物2が、70%超え、好ましくは90%超え(例えば、95%超え、97%超え、98%超え、98.5%超え)の純度を持つことができる。いくつかの実施形態では、化合物2は、重量でおよび/またはHPLC面積での純度が、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約97%、約99%、または前記指定値の間のいずれかの範囲であることを特徴とすることができる。例えば、いくつかの実施形態では、化合物2は、HPLC面積での純度が、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約97%、約99%または前記指定値の間のいずれかの範囲であることを特徴とすることができる。実質的に純粋な化合物2が、固体形態(例えば、ここで記載される結晶形態、アモルファス形態またはその組み合わせ)または溶液、懸濁液または別の形態であってもよい。いくつかの実施形態では、実質的に純粋な化合物2が、結晶形態Bであってもよい。疑問を避けるため、ここで実質的に純粋な化合物2および一種類または複数種類のその他の成分を含む組成物は、ここでの実質的に純粋な化合物2と、一種類または複数種類のその他の成分との混合物と理解されるべきであり、例えば、実質的に純粋な化合物2と、一種類または複数種類のその他の成分(例えば、溶媒、薬学的に許容される賦形剤等)と混合して直接または間接的に当該組成物を得ることができる。
いくつかの実施形態では、化合物2が結晶形態である。いくつかの実施形態では、化合物2が、結晶形態Aである。形態Aの特徴は、ここで記載されるいずれかの特徴を含む。いくつかの実施形態では、結晶形態Aは、(1)以下のピーク:6.2、12.6、14.8、および19.9°2θ±0.2°のうち一つ又は複数(例えば、1、2、3、または4個)を有するX線粉末回折(XRPD)パターン;(2)以下のピーク:6.2、12.6、13.8、14.8、15.1、18.0、19.6および19.9°2θ±0.2°のうち一つ又は複数(例えば、4個以上、6個以上、または全部)を有するX線粉末回折(XRPD)パターン;(3)図5Aで示されるものと実質的に同一のXRPDパターン;(4)図5Bで示されるものと実質的に同一の示差走査熱量測定(DSC)パターン;または、それらの任意の組み合わせ(例えば、(1)と(4)、(2)と(4)、(1)と(2)と(4)、または(3)と(4))を特徴とすることができる。いくつかの実施形態では、結晶形態Aは、図5Aで示されるまたは表9で示されるような主なピーク(例えば、相対強度20%以上、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、または90%以上のピーク)(°2θ±0.2°)を有するXRPDパターンを特徴とすることができる。いくつかの実施形態では、結晶形態Aは、以下のピーク:6.2、12.6、14.8および19.9°2θ±0.2°のすべてを有するXRPDパターンを特徴とすることができる。いくつかの実施形態では、結晶形態Aは、以下のピーク:7.3、14.2、15.7および16.3°2θ±0.2°を有さないXRPDパターンを特徴とすることができる。いくつかの実施形態では、結晶形態Aは、以下のピーク:7.3、14.2、15.7および16.3°2θ±0.2°のうち二つ以上、三つ以上または全てを有さないXRPDパターンを特徴とすることができる。いくつかの実施形態では、結晶形態Aは、以下のピーク:14.5、15.6、20.2および38.6°2θ±0.2°を有さないXRPDパターンを特徴とすることができる。いくつかの実施形態では、結晶形態Aは、以下のピーク:14.5、15.6、20.2および38.6°2θ±0.2°のうち二つ以上、三つ以上または全てを有さないXRPDパターンを特徴とすることができる。いくつかの実施形態では、結晶形態Aは、さらに、開始温度約286.4℃および/またはピークトップ温度約289.2℃の吸熱ピークを有するDSCパターンを特徴とすることもできる。いくつかの実施形態では、結晶形態Aは、本願の実施例5または6で得られた結晶形態Aと実質的に同一である。
結晶形態Aの化合物2は、ここで記載される方法により製造することができる。例えば、いくつかの実施形態では、化合物2を、例えば、酢酸エチル(EAまたはEtOAc)のような溶媒にスラリー化することを含む方法;または1)化合物2を適切な溶媒(例えば、アセトン、THF、2-ブタノンおよび/またはジクロロメタン(DCM))に溶解することと、その後、2)反溶媒(例えば、n-ヘプタン)を加入し、化合物2を沈殿させることを含む方法により、結晶形態Aの化合物2を製造することができる。本願の実施例5および6では、形態Aの化合物2を製造する例示的な工程を示している。
いくつかの実施形態では、化合物2が、結晶形態Bである。形態Bの特徴は、ここで記載されるいずれかの特徴を含む。いくつかの実施形態では、結晶形態Bは、(1)以下のピーク:6.2、12.6、14.8、19.0および19.8°2θ±0.2°のうち一つ又は複数(例えば、1、2、3、4、または5個)を有するX線粉末回折(XRPD)パターン;(2)以下のピーク:6.2、12.6、13.6、14.5、14.8、17.8、19.0、19.8、21.4、26.3、31.9および38.6°2θ±0.2°のうち一つ又は複数(例えば、4個以上、6個以上、8個以上、または全部)を有するX線粉末回折(XRPD)パターン;(3)図6Aで示されるものと実質的に同一のXRPDパターン;(4)図6Bで示されるものと実質的に同一の示差走査熱量測定(DSC)パターン;または、それらの任意の組み合わせ(例えば、(1)と(4)、(2)と(4)、(1)と(2)と(4)、または(3)と(4))を特徴とすることができる。いくつかの実施形態では、結晶形態Bは、図6Aで示されるまたは表10で示されるような主なピーク(例えば、相対強度20%以上、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、または90%以上のピーク)(2θ±0.2°)を有するXRPDパターンを特徴とすることができる。いくつかの実施形態では、結晶形態Bは、以下のピーク:6.2、12.6、14.8、19.0および19.8°2θ±0.2°のすべてを有するXRPDパターンを特徴とすることができる。いくつかの実施形態では、結晶形態Bは、以下のピーク:14.5、17.8、21.4、26.3、31.9および38.6°2θ±0.2°のうち少なくとも一つ(例えば、1、2、3、4、5、または6個)を有するXRPDパターンを特徴とすることができる。いくつかの実施形態では、結晶形態Bは、以下のピーク:6.2、12.6、14.8、19.0および19.8°2θ±0.2°のすべてを有し、以下のピーク:14.5、17.8、21.4、26.3、31.9および38.6°2θ±0.2°のうち少なくとも一つ(例えば、1、2、3、4、5、または6個)を有するXRPDパターンを特徴とすることができる。いくつかの実施形態では、結晶形態Bは、以下のピーク:6.2、12.6、14.8、19.0および19.8°2θ±0.2°のすべてを有し、以下のピーク:14.5、15.6、20.2および38.6°2θ±0.2°のうち二つ以上、三つ以上または全てを有し;かつ、以下のピーク:7.3および14.2°2θ±0.2°の両方または一方を有さないXRPDパターンを特徴とすることができる。いくつかの実施形態では、結晶形態Bは、さらに、開始温度約289.0℃および/またはピークトップ温度約290.1℃の吸熱ピークを有するDSCパターンを特徴とすることもできる。いくつかの実施形態では、結晶形態Bは、本願の実施例6で得られた結晶形態Bと実質的に同一である。
結晶形態Bの化合物2は、ここで記載される方法により製造することができる。例えば、いくつかの実施形態では、結晶形態Bの化合物2は、1)化合物2を第1の溶媒(例えば、メタノール)に溶解し、例えば、室温で、溶液を形成することと;その後、2)溶液に、例えば、水のような反溶媒を加入し、化合物2を沈殿させることと、を含む方法により製造することができる。いくつかの実施形態では、前記方法は、さらに、例えば、室温で第1の溶媒および反溶媒中の化合物2の混合物を一定の期間(例えば、1~24時間)で撹拌し、懸濁液を形成することと;および任意にろ過し、そして沈殿された化合物2を乾燥することとを含む。いくつかの実施形態では、様々な結晶形態で結晶形態Bの化合物2を製造することができる。例えば、いくつかの実施形態では、結晶形態Bの化合物2は、1)化合物2(例えば、形態A)を溶媒(例えば、メタノール)に懸濁し、懸濁液を形成することと;2)室温(RT)または加熱で、例えば、50℃で、当該懸濁液を、例えば、1日、3日等の一定の期間で撹拌し、結晶形態Bの化合物2を形成することと、を含む方法により製造することができる。溶媒を有する懸濁液の濃度範囲が、15~100mg/ml、例えば、約100mg/mLであってもよい。本願の実施例6では、形態Bの化合物2を製造する例示的な工程を示している。
いくつかの実施形態では、化合物2が、結晶形態Cである。形態Cの特徴は、ここで記載されるいずれかの特徴を含む。いくつかの実施形態では、結晶形態Cは、(1)以下のピーク:6.2、12.5および19.9°2θ±0.2°のうち一つ又は複数(例えば、1、2、または3個)を有するX線粉末回折(XRPD)パターン;(2)以下のピーク:6.2、6.8、7.3、12.5、14.2、14.7、15.7、16.3、19.9、21.2、22.9および26.1°2θ±0.2°のうち一つ又は複数(例えば、4個以上、8個以上、または全て)を有するX線粉末回折(XRPD)パターン;(3)図7Aで示されるものと実質的に同一のXRPDパターン;(4)図7Bで示されるものと実質的に同一の示差走査熱量測定(DSC)パターン;または、それらの任意の組み合わせ(例えば、(1)と(4)、(2)と(4)、(1)と(2)と(4)、または(3)と(4))を特徴とすることができる。いくつかの実施形態では、結晶形態Cは、図7Aで示されるまたは表11で示されるような主なピーク(例えば、相対強度20%以上、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、または90%以上のピーク)(°2θ±0.2°)を有するXRPDパターンを特徴とすることができる。いくつかの実施形態では、結晶形態Cは、以下のピーク:6.2、12.5および19.9°2θ±0.2°のすべてを有するXRPDパターンを特徴とすることができる。いくつかの実施形態では、結晶形態Cは、以下のピーク:7.3、14.2、14.7、15.7、16.3、19.9、21.2、22.9および26.1°2θ±0.2°のうち少なくとも一つ(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8個、または全部)を有するXRPDパターンを特徴とすることができる。いくつかの実施形態では、結晶形態Cは、以下のピーク:6.2、12.5および19.9°2θ±0.2°のすべてを有し、かつ以下のピーク:7.3、14.2、20.8および26.1°2θ±0.2°のうち少なくとも一つ(例えば、1、2、3、または4個)を有するXRPDパターンを特徴とすることができる。いくつかの実施形態では、結晶形態Cは、以下のピーク:6.2、12.5および19.9°2θ±0.2°のすべてを有し;かつ以下のピーク:7.3および14.2°2θ±0.2°の一方または両方を有するXRPDパターンを特徴とすることができる。いくつかの実施形態では、結晶形態Cは、さらに、開始温度約288.7℃および/またはピークトップ温度約289.4℃の吸熱ピークを有するDSCパターンを特徴とすることもできる。いくつかの実施形態では、結晶形態Cは、本願の実施例6で得られた結晶形態Cと実質的に同一である。
結晶形態Cの化合物2は、ここで記載される方法により製造することができる。本願の実施例6では、形態Cの化合物2を製造する例示的な工程を示している。
いくつかの実施形態では、化合物2が、結晶形態Dである。形態Dの特徴は、ここで記載されるいずれかの特徴を含む。いくつかの実施形態では、結晶形態Dは、(1)以下のピーク:5.6、11.2、16.9および22.6°2θ±0.2°のうち一つ又は複数(例えば、1、2、3、または4個)を有するX線粉末回折(XRPD)パターン;(2)以下のピーク:5.6、11.2、15.8、16.1、16.9、21.4、22.6および34.3°2θ±0.2°のうち一つ又は複数(例えば、2個以上、4個以上、6個以上、または全部)を有するX線粉末回折(XRPD)パターン;(3)図8Aで示されるものと実質的に同一のXRPDパターン;(4)図8Bで示されるものと実質的に同一の示差走査熱量測定(DSC)パターン;または、それらの任意の組み合わせ(例えば、(1)と(4)、(2)と(4)、(1)と(2)と(4)、または(3)と(4))を特徴とすることができる。いくつかの実施形態では、結晶形態Dは、図8Aで示されるまたは表12で示されるような主なピーク(例えば、相対強度20%以上、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、または90%以上のピーク)(°2θ±0.2°)を有するXRPDパターンを特徴とすることができる。いくつかの実施形態では、結晶形態Dは、以下のピーク:5.6、11.2、16.9および22.6°2θ±0.2°のすべてを有するXRPDパターンを特徴とすることができる。いくつかの実施形態では、結晶形態Dは、以下のピーク:5.6、11.2、15.8、16.1、16.9、21.4、22.6および34.3°2θ±0.2°のうち少なくとも一つ(例えば、1、2、3、4、5、6、7、または8個)を有するXRPDパターンを特徴とすることができる。いくつかの実施形態では、結晶形態Dは、さらに、開始温度約286.9℃および/またはピークトップ温度約289.0℃の吸熱ピーク、および開始温度約133.7℃および/またはピークトップ温度約140.8°Cの吸熱ピークを有するDSCパターンを特徴とすることもできる。いくつかの実施形態では、結晶形態Dは、本願の実施例6で得られた結晶形態Dと実質的に同一である。
結晶形態Dの化合物2は、ここで記載される方法により製造することができる。例えば、いくつかの実施形態では、1)化合物2を、例えば、イソプロパノールまたはイソブタノールのような第1の溶媒に溶解し、例えば、飽和溶液である第1の溶液を形成することと;その後、2)化合物2を、例えば、2-ブタノン、アセトンまたはTHFのような第2の溶媒に溶解し、例えば、飽和溶液である第2の溶液を形成することと;3)第1の溶液と第2の溶液とを混合することと;4)ゆっくり溶媒を蒸発することにより化合物2を沈殿させることと、を含む方法により結晶形態Dの化合物2を製造することができる。いくつかの実施形態では、第1と第2の溶媒が、イソプロパノールと2-ブタノン、イソプロパノールとTHF、イソプロパノールとアセトン、或いは、イソブタノールとTHFであってもよい。本願の実施例6では、形態Dの化合物2を製造する例示的な工程を示している。
実施例部分で詳細に説明するように、様々なその他の形態と比較し、形態Bの化合物2は、様々な医薬用途により適することができる。固形安定性の結果からわかるように、形態Bは、40℃/75%RH(相対湿度)の条件で7日間、物理的および化学的のいずれにも安定的であり、かつ当該結晶形態は、92.5%RHで10日間および60℃で7日間、変化しない。また、互転換の研究に基づいて、形態Bは、形態AおよびCよりも安定である。
いくつかの実施形態では、化合物2が、アモルファス形態であってもよい。化合物2のアモルファス形態は、ここで記載される様々な方法により製造することができる。
本明細書における化合物2の様々な結晶形態を製造する方法では、一般的に、一種類または複数種類の溶媒を使用する。適切な溶媒は、一般的に既知なものであり、THF、トルエン、MeOH、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、イソブタノール、メチル-t-ブチルエーテル、エチルエーテル、イソアミルアルコール、酢酸ブチル、ギ酸エチル、1,4-ジオキサン、n-ブタノール、t-ブタノール、n-ヘプタン、シクロヘキサン、メチルイソブチルケトン、キシレン、酢酸イソブチル、2-ブタノン、アセトニトリル、アセトン、酢酸エチル、酢酸イソプロピルおよび水を含むが、これらに限定しない。溶媒は、単独で、または複数種類の組み合わせで使用されてもよい。結晶技術は、当分野で周知である。例えば、室温または加熱で化合物2を一種類または複数種類の溶媒にスラリー化してもよく;化合物2を一種類または複数種類の溶媒において加熱し、その後、冷却してもよく;化合物2を溶媒に溶解し、その後、反溶媒を加入してもよく;その他の技術、例えば、固/液拡散または液/液拡散を使用してもよい。出発化合物2は、限定がないが、アモルファス固体であってもよく、結晶形態、例えば、形態Aであってもよい。いくつかの実施形態では、出発化合物2が、アモルファス固体および結晶形態の組み合わせであってもよい。
いくつかの実施形態では、本開示は、さらに、実施例部分で記載のいずれかの適用方法により製造され得る化合物2の固体形態を提供する。
いくつかの実施形態では、本開示は、さらに、ここでいういずれかの方法により生産されたいずれかの製品、およびこれらの製品を使用する方法に関する。
医薬組成物
様々な実施形態では、本開示は、さらに、本開示の化合物、例えば、ここで記載される化合物1(例えば、形態IV)または化合物2(例えば、形態B)と、任意に薬学的に許容される賦形剤とを含む、医薬組成物を提供している。非限定的な適切な賦形剤は、例えば、吸収促進剤、酸化防止剤、結合剤、緩衝剤、担体、コーティング剤、着色剤、希釈剤、崩壊剤、乳化剤、増量剤、充填剤、調味剤、保湿剤、潤滑剤、香料、防腐剤、推進剤、離型剤、滅菌剤、甘味剤、可溶化剤、湿潤剤およびその混合物のような、例えば、被包剤または添加剤を含む。医薬組成物を調製するための様々な賦形剤およびその製造の既知技術を開示する、Remington′s The Science and Practice of Pharmacy、第21版、A. R. Gennaro(Lippincott、Williams & Wilkins、Baltimore、MD、2005;参照としてここに取り込まれる)を参照することもできる。
いくつかの実施形態では、本開示は、一種類または複数種類の本開示の化合物(例えば、形態IVの化合物1、アモルファスの化合物1、形態Bの化合物2、アモルファスの化合物2またはその任意組み合わせ)を含む、医薬組成物を提供している。一般的に、医薬組成物は、治療有効量の一種類または複数種類の本開示の化合物(例えば、形態IVの化合物1、アモルファスの化合物1、形態Bの化合物2、アモルファスの化合物2またはその任意組み合わせ)と、任意の薬学的に許容される賦形剤または担体とを含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、一種類または複数種類のここで記載される実質的に純粋な化合物(例えば、化合物1および/または2)を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、形態Iの化合物1、形態IIの化合物1、形態IIIの化合物1、形態IVの化合物1、アモルファスの化合物1、形態Aの化合物2、形態Bの化合物2、形態Cの化合物2、形態Dの化合物2およびアモルファスの化合物2からなる群より選ばれる、一種類または複数種類の固体形態を含む。
いくつかの特定の実施形態では、医薬組成物は、化合物1の形態IVを含む。いくつかの特定の実施形態では、医薬組成物中の活性成分は、化合物1の形態IVを含んでもよく、それから本質的に構成されてもよく、或いは、それから構成されてもよい。いくつかの実施形態では、化合物1は、本質的に形態IVとして医薬組成物に存在し、例えば、化合物1のうちの少なくとも80%(例えば、化合物1の総重量の少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%を占める)は、形態IVとして医薬組成物に存在する。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、いずれかのその他の固体形態(例えば、その他の結晶形態)の化合物1を実質的に含まない。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、形態IV以外の結晶形態の化合物1を含まないか、実質的に含まなく、例えば、いくつかの実施形態では、医薬組成物は、化合物1の総重量に基づいて、10%未満、5%未満、2%未満、1%未満または検出不可能な量の形態IV以外の結晶形態の化合物1を含んでもよい。
いくつかの具体の実施形態では、医薬組成物中の活性成分は、形態IV、アモルファス形態またはその混合物の化合物1を含んでもよく、それから本質的に構成されてもよく、或いは、それから構成されてもよい。いくつかの実施形態では、化合物1は、化合物1の形態IVとアモルファス形態の混合物として医薬組成物に存在してもよく、例えば、少なくとも80%(例えば、化合物1の総重量で、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%)の化合物1は、形態IVまたはアモルファス形態として医薬組成物に存在してもよい。
いくつかの特定の実施形態では、医薬組成物は、化合物2の形態Bを含む。いくつかの特定の実施形態では、医薬組成物中の活性成分は、化合物2の形態Bを含んでもよく、それから本質的に構成されてもよく、或いは、それから構成されてもよい。いくつかの実施形態では、化合物2は、本質的に形態Bとして医薬組成物に存在し、例えば、化合物2中少なくとも80%(例えば、化合物2の総重量に基づいて、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%)は、形態Bとして医薬組成物に存在する。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、いずれかのその他の固体形態の化合物2、例えば、その他の塩またはその他の結晶形態を実質的に含まない。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、形態B以外の結晶形態の化合物2を含まないか、実質的に含まなく、例えば、いくつかの実施形態では、医薬組成物は、化合物2の総重量に基づいて、10%未満、5%未満、2%未満、1%未満または検出不可能な量の形態B以外の結晶形態の化合物2を含んでもよい。
いくつかの具体の実施形態では、医薬組成物中の活性成分は、形態B、アモルファス形態またはその混合物の化合物2を含んでもよく、それから本質的に構成されてもよく、或いは、それから構成されてもよい。いくつかの実施形態では、化合物2は、化合物2の形態Bとアモルファス形態の混合物として医薬組成物に存在してもよく、例えば、化合物2の少なくとも80%(例えば、化合物2の総重量で、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%)は、形態Bまたはアモルファス形態として医薬組成物に存在してもよい。
一般的に、医薬組成物では、有効量で本開示の化合物を提供する。いくつかの実施形態では、有効量は、治療有効量(例えば、その必要がある対象において、KRAS、HRASおよび/またはNRASのG12C突然変異(例えば、KRAS G12C突然変異)を含む癌を治療するための有効量)である。ここで用いるように、本発明化合物の治療有効量は、ここで記載される疾患または病症を有効に治療する量であり、治療を受ける対象、治療する疾患または病症およびその重篤性、当該化合物を含む組成物、投与時間、投与経路、治療持続時間、化合物の薬効(例えば、KRAS G12Cを阻害する薬効)、そのクリアランスレートおよび別の医薬を同時に服用するかによるものであってもよい。
ここで記載される医薬組成物は、薬理学分野で既知のいずれかの方法により製造されることができる。一般的に、このような製造方法は、本発明の塩のような活性成分と、担体または賦形剤および/または一種類または複数種類のその他の補助成分とを混合し、その後、必要および/または所望により、製品を必要な単剤量または多剤量単位に成形および/または包装することを含む。
医薬組成物は、単一の単位剤量としておよび/または複数の単一の単位剤量として一括して製造、包装および/または販売されてもよい。「単位剤量」は、所定量の活性成分の単離量を含む医薬組成物である。活性成分の量は、一般的に、対象に投与しようとする活性成分の剤量および/または当該剤量の半分または三分の一のような当該剤量の便宜な分数と等しい。
ここで記載される医薬組成物中の活性成分、薬学的に許容される賦形剤および/またはいずれかのその他の成分の相対量は、治療する対象の身分、サイズおよび/または状況に応じて、さらに当該組成物が投与されようとする経路に応じて、変化可能である。当該組成物は、0.1%から100%(w/w)の活性成分を含んでもよい。
ここでいう医薬組成物の製造に使用できる薬学的に許容される賦形剤は、例えば、不活性希釈剤、分散剤および/または造粒剤、界面活性剤および/または乳化剤、崩壊剤、結合剤、防腐剤、緩衝剤、潤滑剤および/または油を含む。組成物には、例えば、カカオバターや坐剤ワックス、着色剤、コーティング剤、甘味剤、調味剤、香付け剤などの賦形剤が存在してもよい。
医薬組成物は、経口投与などの任意の投与経路に使用できるように調制することができる。一般的に、医薬組成物は固形剤形である。ただし、いくつかの実施形態では、液体、懸濁液、半固体剤形などの他の剤形を使用することもできる。
経口投与に使用する固形剤形は、例えば、カプセル剤、錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤を含む。このような固形剤形の中には、有効成分と少なくとも一種類の不活性で薬学的に許容される賦形剤または担体(例えば、クエン酸ナトリウム、リン酸二カルシウム)および/または(a)充填剤または増量剤(例えば、デンプン、乳糖、ショ糖、グルコース、マンニトール、ケイ酸)、(b)結合剤(例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、ショ糖、アラビアゴム)、(c)保湿剤(例えば、グリセリン)、(d)崩壊剤(例えば、寒天、炭酸カルシウム、馬鈴薯またはタピオカ澱粉、アルギン酸、一部のケイ酸塩および炭酸ナトリウム)、(e)溶解阻害剤(例えば、パラフィン)、(f)吸収促進剤(例えば、第四級アンモニウム化合物)、(g)湿潤剤(例えば、セチルアルコール、モノステアリン酸グリセリル)、(h)吸収剤(例えば、カオリン、ベントナイト)、(i)潤滑剤(例えば、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固形ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、およびその混合物)を混合する。カプセル剤、錠剤、および丸剤の場合、剤形には、緩衝剤を含んでもよい。
同様のタイプの固形組成物は、乳糖またはミルク糖、および高分子量ポリエチレングリコールなどの賦形剤を使用したソフトおよびハード充填ゼラチンカプセルに充填剤として使用することができる。錠剤、糖衣丸、カプセル、丸剤、および顆粒剤の固形剤形は、コーティングと外殻(例えば、腸溶コーティングおよび薬学分野でよく知られている他のコーティング)で製造することができる。これらは、必要に応じて遮光剤を含んでいてもよく、そして腸管の一部においてのみ、あるいは好ましくは任意に遅延して活性成分を放出する組成物であってもよい。使用可能な被包組成物の例は、例えば、重合性物質、およびワックスを含む。同様のタイプの固形組成物は、乳糖またはミルク糖、高分子量ポリエチレングリコールなどの賦形剤を使用したソフトおよびハード充填ゼラチンカプセルに充填剤として使用することができる。
活性成分(例えば、本開示の化合物)は、一種類または複数種類の上記の賦形剤を有するマイクロカプセル化された形態であってもよい。錠剤、糖衣丸、カプセル、丸剤、および顆粒剤の固形剤形は、コーティングと外殻(例えば、腸溶コーティングおよび薬学分野でよく知られている他のコーティング)で製造することができる。このような固形剤形では、有効成分と少なくとも一種類の不活性希釈剤(例えば、ショ糖、乳糖、デンプン)とを混合することができる。このような剤形には、不活性希釈剤以外の物質、例えば、打錠潤滑剤、およびステアリン酸マグネシウム、マイクロクリスタリンセルロースなどの他の打錠助剤を一般的な規則に従って含有することができる。カプセル剤、錠剤、および丸剤の場合、剤形には、緩衝剤を含んでもよい。これらは、必要に応じて遮光剤を含んでいてもよく、そして腸管の一部においてのみ、あるいは好ましくは任意に遅延して活性成分を放出する組成物であってもよい。使用可能な被包組成物の例は、例えば、重合性物質、およびワックスを含む。
ここで提供する医薬組成物の記載は、主にヒトへの投与に適した医薬組成物としているが、この組成物は一般的に様々な動物への投与に適している。ヒトへの投与に適した医薬組成物を、各種動物への投与に適したものに修正することはよく知られており、一般的な技術を持つ獣医薬師は、一般的な実験によってこの修正を設計および/または行うことができる。獣医の用途については、一般的に獣医の実践に基づいて、本開示の化合物を適切に受け入れられる製剤として施用することができる。獣医は特定の動物に最適な投与プランと投与経路を容易に特定することができる。
本開示の化合物は、一般的に、投与しやすく、投与量が均一であるように、投与量単位で調制される。しかし、本明細書に記載する組成物の1日あたりの総使用量は、医師が合理的な医学的判断の範囲内で決定することを理解すべきである。特定の被験者または生体に対して、具体的な治療の有効投与量レベルは、治療する疾患および病症の重篤度、使用する特定の活性成分の活性、使用する具体的な組成物、対象の年齢、体重、全体的な健康状態、性別および食事、投与時間、投与経路および使用する具体的な活性成分の排泄速度、治療の持続時間、使用する具体的な活性成分と組み合わせまたは同時に使用する医薬、および医学分野でよく知られている同様な要因を含む、様々な要因に依存する。
いくつかの実施形態では、本発明の化合物を、単独で、または従来このような疾患の治療に使用されてきた別の薬剤または介入措置と組み合わせて使用してKRAS関連疾患を治療するためのすべての必要な成分は、キットに包装されていてもよい。具体的には、いくつかの実施形態では、本発明は、前記医薬の送達可能な形態を製造するための緩衝液およびその他の成分、および/または当該医薬を送達するためのデバイス;および/または本開示の化合物と併用治療に使用するいずれかの薬剤、および/または医薬と一緒に包装される疾患の治療説明書を含む、パッケージ化された医薬群を含む、疾患の治療介入用のキットを提供している。前記説明書は、印刷用紙などの任意の有形媒体に固定してもよく、コンピュータ可読磁気媒体または光学媒体でもよく、あるいはインターネットを介してアクセス可能なウェブページなどの遠隔コンピュータのデータソースを参照するように指示してもよい。
治療方法
本開示の化合物およびここで記載される医薬組成物は、RAS(例えば、KRAS G12C)に関連する疾患または病症を治療および/または予防するために使用されてもよい。
いくつかの実施形態では、本開示は、RASを介した細胞シグナル伝達の阻害方法であって、細胞と、有効量の一種類または複数種類の本開示の化合物(例えば、化合物1および/または2)とを接触させることを含む、方法を提供している。RASを介したシグナル伝達の阻害は、本分野で既知の複数種類の方式により評価および証明することができる。非限定的な例は、(a)RASのGTP酵素活性の低下;(b)GTP結合親和力の低下またはGDP結合親和力の向上;(c)GTPのKoffの向上またはGDPのKoffの低下;(d)RAS経路下流のシグナル伝達分子レベルの低下、例えば、pMEK、pERKまたはpAKTレベルの低下;および/または(e)RAS複合体と下流シグナル伝達分子(Rafを含むが、これらに限定しない。)の結合の減少を示すことを含む。キットおよび市販可能な測定法は、上記一種類または複数種類の決定のために使用されてもよい。
いくつかの実施形態では、本開示は、細胞中のKRAS、HRASおよび/またはNRAS G12Cの阻害方法であって、細胞と、有効量の一種類または複数種類の本開示の化合物(例えば、化合物1および/または2)とを接触させることを含む方法を提供している。
いくつかの実施形態では、本開示は、その必要がある対象において疾患または病症、例えば、KRAS、HRASおよび/またはNRASのG12C突然変異に関連する癌、例えば、KRAS G12Cに関連する癌を治療する方法を提供している。いくつかの実施形態では、当該方法は、対象に治療有効量の本開示の化合物(例えば、形態IVの化合物1、アモルファスの化合物1、形態Bの化合物2、アモルファスの化合物2またはその任意組み合わせ)または治療有効量のここで記載される医薬組成物を投与することを含む。
いくつかの実施形態では、癌を治療する方法であって、その必要がある対象に有効量の本開示のいずれかの化合物(例えば、形態IVの化合物1、アモルファスの化合物1、形態Bの化合物2、アモルファスの化合物2またはそれらのいずれかの組み合わせ)または本開示の化合物を含む医薬組成物を投与することを含む方法を提供している。いくつかの実施形態では、癌は、KRAS、HRASおよび/またはNRASのG12C突然変異、例えば、KRAS G12C突然変異を含む。腫瘍または癌がKRAS、HRASおよび/またはNRASのG12C突然変異を含むかを決定することは、本分野で既知なものであり、例えば、US2018/0334454に記載されている。様々な実施形態では、癌が、膵臓癌、子宮内膜癌、結腸直腸癌または肺癌(例えば、非小細胞肺癌)であってもよい。いくつかの実施形態では、癌は、血液系癌(例えば、ここで記載されるもの)である。いくつかの実施形態では、癌は、MYHに関連するポリープ症である。いくつかの実施形態では、癌は、胆嚢癌、甲状腺癌または胆管癌である。癌の非限定的な例は、さらに、急性髄細胞性白血病、青少年癌、小児副腎皮質癌、エイズ関連癌(例えば、リンパ腫とカルボジライト肉腫)、肛門癌、虫垂癌、星型細胞腫、非典型的奇形腫、基底細胞癌、胆管癌、膀胱癌、骨癌、脳幹神経膠腫、脳腫瘍、乳癌、気管支腫瘍、ベトキットリンパ腫、類癌腫瘍、非典型的奇形腫、胚胎腫瘍、生殖細胞腫瘍、原発性リンパ腫、子宮頸がん、小児期癌、脊索腫、心臓腫瘍、慢性リンパ球性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性骨髄増殖性疾患、結腸癌、結腸直腸癌、頭蓋咽頭管腫、皮膚T細胞リンパ腫、肝外管原位癌(DCIS)、胚胎性腫瘍、中枢神経系癌、子宮内膜癌、心室管膜腫、食道癌、鼻腔神経芽細胞腫、ユヴェンコ肉腫、頭蓋外生殖細胞腫瘍、性腺外生殖細胞腫瘍、眼癌、骨線維芽細胞腫、胆嚢癌、胃癌、胃腸癌腫、胃腸間質腫(GIST)、生殖細胞腫瘍、妊娠栄養膜細胞、有毛細胞白血病、頭頚癌、心臓癌、肝臓癌、ホジキンリンパ腫、下咽頭癌、眼内メラノーマ、膵島細胞腫、膵臓神経内分泌腫瘍、腎癌、喉頭癌、唇と口腔癌、肝臓癌、非浸潤性小葉癌(LCIS)、肺癌、リンパ腫、転移性扁平上皮癌と秘匿性原発性中心線癌、口腔癌多発性内分泌腫瘍症候群、多発性骨髄腫/漿細胞腫瘍、ムスカリン様真菌症、骨髄増殖異常症候群、骨髄増殖異常/骨髄増殖性腫瘍、多発性骨髄腫、メルケル細胞癌、悪性中皮腫、骨悪性線維組織細胞腫と骨肉腫、鼻腔と鼻洞癌、鼻咽頭癌、神経芽細胞腫、非ホジキンリンパ腫、非小細胞肺癌(NSCLC)、口腔癌、唇と口腔癌、口咽頭癌、卵巣癌、膵臓癌、乳頭腫症、副神経節腫、副鼻腔と鼻腔癌、副甲状腺癌、陰茎癌、咽頭癌、胸膜肺母細胞腫、原発性中枢神経系(CNS)リンパ腫、前立腺癌、直腸癌、移行細胞癌、網膜母細胞腫、横紋筋肉腫、唾液腺癌、皮膚癌、胃癌、小細胞肺癌、小腸癌、軟部組織肉腫、T細胞リンパ腫、精巣癌、咽頭癌、胸腺腫と胸腺癌、甲状腺癌、腎盂と尿管移行細胞癌、滋養細胞腫瘍、小児異常癌、尿道癌、子宮肉腫、膣癌、外陰癌またはウイルスによって誘発される癌を含む。
いくつかの実施形態では、本開示は、その必要がある対象において疾患または病症(例えば、ここで記載される癌)を治療する方法であって、前記対象がKRAS、HRASおよび/またはNRASのG12C突然変異(例えば、KRAS G12C突然変異)を有するかを決定することと、当該対象がKRAS、HRASおよび/またはNRAS G12C突然変異(例えば、KRAS G12C突然変異)を有すると決定した場合、当該対象に治療有効剤量の少なくとも一種類の本開示の化合物(例えば、形態IVの化合物1、アモルファスの化合物1、形態Bの化合物2、アモルファスの化合物2またはその任意組み合わせ)または本開示の少なくとも一種類の化合物を含む医薬組成物を投与することと、を含む方法を提供している。
血液系悪性腫瘍(例えば、血液、骨髓および/またはリンパ節に影響を及ぼす癌)においても、KRAS、HRASおよび/またはNRASのG12C突然変異が同定された。そのため、いくつかの実施形態は、その必要がある対象において血液系悪性腫瘍を治療する方法であって、一般的に、対象に本開示の化合物(例えば、医薬組成物として)投与することを含む方法に関する。このような悪性腫瘍は、白血病およびリンパ腫、例えば、急性リンパ球性白血病(ALL)、急性骨髓性白血病(AML)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、慢性骨髓性白血病(CML)、急性単核性白血病(AMoL)および/またはその他の白血病を含むが、これらに限定しない。いくつかの実施形態では、血液系悪性腫瘍は、さらに、リンパ腫(例えば、ホジキンリンパ腫または非ホジキンリンパ腫)、形質細胞悪性腫瘍(例えば、多発性骨髓瘤、外套細胞リンパ腫および華氏マクログロブリン血症)を含むことができる。
本開示の化合物は、単一療法または併用療法として使用することができる。いくつかの実施形態では、併用療法は、化学治療剤、治療性抗体、放射線療法、細胞療法または免疫療法で対象を治療することを含む。いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、その他の医薬活性化合物と、任意の順序で同時または順次に共同でその必要がある対象(例えば、ここで記載されるKRAS G12C突然変異に関連する癌を患う対象)に投与することもできる。いくつかの実施形態では、その他の医薬活性化合物は、化学治療剤、治療性抗体等であってもよい。任意の既知の化学治療剤と本開示の化合物とを組み合わせて使用してもよい。いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、当業者により周知の放射線療法、ホルモン療法、細胞療法、手術および免疫療法と組み合わせて使用してもよい。
ここでいう投与は、いずれかの特定の投与経路に限定しない。例えば、いくつかの実施形態では、投与は、経口、経鼻、経皮、経肺、経吸入、経頬、舌下、腹膜内、皮下、筋内、静脈内、直腸、胸膜内、鞘内または腸胃外であってもよい。いくつかの実施形態では、経口投与をする。
用量を含む投与方案は、治療を受ける対象、治療する疾患または病症およびその重篤性、当該化合物を含む組成物、投与時間、投与経路、治療持続時間、化合物の効力、クリアランスレートおよび別の医薬を同時に投与するかに応じて変化しかつ調整することができる。
定義
ここで使用するように、「本開示の(一種類または複数種類の)化合物」とは、化合物1、化合物2、その単離形態、その実質的に純粋な形態、その固体形態(結晶形態、アモルファス形態、水和物および/または溶媒和物を含む。)を意味する。
ここで使用するように、本発明に関する量を限定する用語「約」とは、例えば、通常のテストおよび処理;このようなテストおよび処理中の意図しないエラー;本発明で用いる成分の製造、由来または純度上の差等により、発生可能な数値の数の変化を意味する。ここで使用するように、「約」特定値は、さらに、当該特定値を含み、例えば、約10%が10%を含む。用語「約」で限定されているか否かにかかわらず、請求項は、挙げられた数の同等の形式を含む。一つの実施形態では、用語「約」とは、報告された数値の20%以内のことを指す。
ここで使用するように、用語「治療(treat、treating、treatment等)」とは、疾患または病症および/またはそれに関連する症状を解消、軽減または寛解することを意味する。排除されていないが、疾患または病症の治療は、必ずしも、前記疾患、病症または与それに関連する症状を完全に解消する必要がない。ここで使用するように、用語「治療(treat、treating、treatment等)」は、「予防的治療」を含んでもよく、罹患していないが、リスクがある、または再進行しやすい疾患または疾患または再発しやすい疾患または疾患または疾患の再進行または以前にコントロールした再発の可能性を低減することを意味する。用語「治療」と同義語は、このような治療を必要とする対象に治療有効量の本開示の化合物を投与することと理解される。
ここで用いる用語「治療有効量」とは、疾患または病症(例えば、与KRAS G12C突然変異に関連する癌)の一種類または複数種類の症状を寛解する、または疾患または病症の出現または進展を防止する、または疾患または病症の消退または治癒を招くために十分な治療剤(例えば、本開示の化合物のいずれかの一種類または複数種類)の量を意味する。
ここで使用するように、用語「対象」(ここで、代わりに「患者」とも呼ばれる。)とは、治療、観察、または実験の対象となった動物を意味し、好ましくは哺乳動物であり、最も好ましくはヒトである。ここで記載されるいずれかの実施形態では、前記対象はヒトであってもよい。
実施例1.汎用方法
材料:出発材料、試薬、溶媒等は、一般的に、市販により取得できるものである。
H NMRは、オートサンプラー(B-ACS 120)を備えるBruker Advance 300で行われた。
粉末X線回折(XRPD):X線回折装置(Bruker D8 advance)で固体試料を検査した。システムは、LynxEye検出器を備えた。X線の波長は、1.5418Åであった。試料は、3から40°2θで、ステップサイズ0.02°2θでスキャンされた。管電圧と電流は、それぞれ、40KVと40mAであった。
偏光顕微鏡解析(PLM):偏光顕微鏡ECLIPSE LV100POL(Nikon、JPN)で光学顕微鏡検査を行った。
TGA解析:TGAは、TGA Q500またはDiscovery TGA 55(TA Instruments,US)で行われた。試料を開放されたアルミ秤量皿に入れ、自動的に重量を量り、その後、TGA炉に挿入した。試料を、室温(RT)から10℃/minの速度で最終温度まで加熱した。
DSC解析:DSCは、DSC Q200またはDiscovery DSC 250(TA Instruments,US)で行われた。試料を、アルミピンホール密閉鍋に入れ、重量を正確に記録した。試料を10℃/minの速度で25℃から最終温度まで加熱した。
動的水分吸収解析(DVS):
方法1.化合物1の固体の研究のために使用された。DVS Intrinsic(SMS,UK)で水分吸着/脱着データを収集した。試料を重量サンプル室に入れ、自動的に重量を量った。試料は、dm/dtが0.002%未満となるまで、40℃で乾燥され、その後、25℃まで冷却した。以下のように装置パラメーターを設定した。
ステップ時間(分間): 60min
試料温度: 25℃
サイクル: フルサイクル
吸着: 0、10、20、30、40、50、60、70、80、90
脱着: 80、70、60、50、40、30、20、10、0
保存データレート: 5s
総フローレート: 200sccm
実験後総フローレート: 200sccm
方法2.化合物2の固体の研究のために使用された。IGAsorp動的水分吸着解析装置で水分吸着/脱着データを収集した。試料を重量サンプル室に入れ、自動的に重量を量った。試料は、湿度が0.3%未満となるまで、50℃で乾燥され、その後、25℃まで冷却した。以下のように装置パラメーターを設定した。
試料温度: 25℃
温度安定性: 0.1℃/min
フローレート: 250mL/min
スキャン: 2
モード: F1
最小時間: 30min
タイムアウト: 120min
エンド: 98%
スタート: 吸着スキャン
吸着: 0、10、20、30、40、50、60、70、80、90
脱着: 80、70、60、50、40、30、20、10、0
HPLC解析:
方法1.以下は、代表的なHPLC方法を示し、当該方法は、例えば、ここでいう化合物1の純度、溶解度および安定性を解析することに使用できる。
Figure 2023506308000003
方法2.Agilent HPLC 1260シリーズ装置でHPLC解析を行った。代表的なHPLC方法は、化合物2の純度、溶解度、および安定性研究を解析することに使用できる。
Figure 2023506308000004
実施例2.化合物1の製造および固体特徴決定
Figure 2023506308000005
化合物1-1は、WO2020233592A1の実施例1における化合物1-1の合成工程に従って製造された。
工程1:3-フルオロ-2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)アニリン(10g、42.18mmol)およびジ炭酸ジ-t-ブチル(12.6g、57.73mmol)のトルエン(10mL)中の混合物を80℃で5時間加熱した。混合物を濃縮し、そして残留物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し(酢酸エチル/石油エーテル=0/1から1/3)、1-aを取得した。
工程2:室温で、2,5,6-トリクロロニコチン酸(10g、44mmol)のジクロロメタン(100mL)懸濁液にオキサリルクロリド(11g、88mmol)および15滴の乾燥のDMFを加入した。30分後、得られた溶液を濃縮し、残留物を取得し、それを1,4-ジオキサン(40mL)に溶解した。0℃で100mLアンモニア水(28%のNH水溶液)を滴下し、そして反応混合物を再び10分間撹拌し、ろ過し、そして水で洗浄した。濾過ケーキを回収し、そして冷凍乾燥し、1-2を取得した。
工程3:オキサリルクロリド(33.7g、265.52mmol)で1-2(30g、133.07mmol)のDCE(300mL)中の溶液を処理した。混合物を80℃で45分間撹拌し、その後、濃縮した。残留物をジクロロメタン(60mL)に溶解し、そして濃縮した。残留物をTHF(120mL)に溶解し、そして-10℃まで冷却し、そして1-1(23.3g、139.96mmol)のTHF(120mL)溶液を加入した。得られた混合物を室温で2時間撹拌した。混合物をEtOAcと水の間に抽出した。有機層を塩水で洗浄し、そして濃縮した。残留物をEtOAc/PE(1/10)にスラリー化し、そしてろ過した。濾過ケーキを乾燥し、1-3を取得した。
工程4:撹拌している1-3(10g、25.63mmol)のDMF(60mL)溶液にKPO(6.5g、30.62mmol)を加入した。その後、得られた混合物を室温で(RT)2時間撹拌した。HCl(1N)で反応をクエンチし、そしてろ過した。水で濾過ケーキを洗浄し、その後、MeCNにスラリー化した。ろ過し、濾過ケーキを乾燥し、1-4を取得した。
工程5:室温で1-4(10g、25.63mmol)およびDIEA(8.3g、64.22mmol)のMeCN(50mL)溶液にPOCl3(7.9g、51.53mmol)を滴下した。得られた溶液を80℃で45分間撹拌し、その後-10℃でDIEA(8.3g、64.22mmol)と(2R,5S)-t-ブチル-2,5-ジメチルピペラジン-1-カルボキシレート(6.6g、30.80mmol)のMeCN(50mL)溶液を滴下した。室温で1時間撹拌した後、氷水で反応をクエンチし、そして混合物を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、そして濃縮した。残留物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し(酢酸エチル/石油エーテル=0/1から3/1)、1-5を取得した。
工程6:80℃で、窒素雰囲気で、1-5(2g、3.41mmol)、1-a(1.38g、4.09mmol)、Pd(dppf)Cl(250mg、0.34mmol)およびKPO(1.45g、6.83mmol)のトルエン(20mL)中の混合物を2時間撹拌した。当該混合物を水で希釈し、そして酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を無水NaSOで乾燥し、そして濃縮した。残留物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し(酢酸エチル/石油エーテル=0/1から3/1)、1-6を取得した。
工程7:1-6(5g、6.57mmol)のDCM(25mL)溶液をTFA(9g)で処理し、そして当該混合物を25℃で3時間撹拌した。NaCO水溶液で反応をクエンチし、そして混合物を分離した。有機層を水で二回洗浄し、その後、濃縮し、1-7を取得した。
工程8:-10℃で、1-7(2g、3.56mmol)およびDIPEA(550mg、4.26mmol)のTHF(40mL)中の混合物にアクリル酸クロリド(322mg、3.56mmol)を加入した。混合物を1時間撹拌し、その後、クエン酸水溶液でクエンチした。混合物をEtOAcで抽出し、有機層を水で洗浄した。有機層を濃縮し、残留物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し(酢酸エチル/石油エーテル=0/1から3/1)、1を取得した。化合物1をMeCN/HOに凍結乾燥し、アモルファス形態を取得した。LCMS(ESI、m/z):[M+H]=615.3;HNMR(400MHz,DMSO-d,ppm): δ 8.74(s,1H),8.52-8.35(m,1H),7.16-7.07(m,1H),6.94-6.76(m,1H),6.51(d,J=6.0Hz,1H),6.38(t,J=6.6Hz,1H),6.20(dd,J=12.6,1.8Hz,1H),5.76(dd,J=12.6,1.6Hz,1H),4.91-4.80(m,2H),4.51-3.50(m,6H),1.91-1.65(m,1H),1.45-1.15(m,6H),1.10-0.70(m,8H). FNMR(376MHz,DMSO-d,ppm): δ -114.30(1F)。
これにより得られた化合物1は、アモルファス固体であったと発見した。TGAにより、200℃の前に、1.4%およびその後の0.6%の重量損失という2つの重量損失段階を示し、DSCにより、35℃で一つの広い吸熱ピークが観察された。また、DSCで観察されたこのようなアモルファス固体のTgが、約154℃であった。
Figure 2023506308000006
実施例3.化合物1の多形スクリーニング
本実施例では、化合物1の多形がスクリーニングされた。
蒸発結晶:適量の化合物1を2.5mLの13種類の溶媒(MeOH、EtOH、IPA(イソプロパノール)、IBA(イソブタノール)、MEK(メチルエチルケトンまたは2-ブタノン)、THF(テトラヒドロフラン)、ACN(アセトニトリル)、MTBE(メチル-t-ブチルエーテル)、アセトン、水、トルエン、EA(酢酸エチル)、IPAC(酢酸イソプロピル))に加入し、それぞれ懸濁液を調製した。撹拌後、2mLの13種類の薬物懸濁液をそれぞれろ過した。その後、ろ過液を二元溶媒スクリーニングまたは単溶媒蒸発研究に用いた。
二元蒸発研究について:飽和薬物溶液(ろ過液)を96ウェルプレートに分散した。それぞれのウェルに二種類の異なるろ過液を入り、それぞれのろ過液の体積が100μLであった。当該プレートをピンホール付きの封止膜で覆われ、そして環境条件下で運転中の実験室換気ケースで蒸発した。得られた全ての試料は、いずれもガラス状態またはアモルファスであり、結晶試料が製造されなかった。
単溶媒蒸発研究について:飽和薬物溶液(ろ過液)をスロー蒸発研究に用いた。乾燥後、XRPDにより固体試料を検査した。2つの結晶試料しか取得しなかった。IPAにおいて試料1を取得し、イソブタノールにおいて形態IIを取得し、その他の試料はいずれもガラス状態またはアモルファスであった。
スラリー化研究について:IPA、水、MTBEおよびヘプタンで製造された懸濁液を室温で3日間スラリー化し、その後、50℃で1日間スラリー化した。ろ過により固体試料を収集し、そして特定の時間でXRPDにより解析した。新しいXRPDパターンが同定された場合、DSCおよびTGAにより試料をさらに解析した。
代わりに、アモルファスの化合物1(約20mg)をバイアルに量り、その後、0.5mLの選定された混合溶媒を加入した。懸濁液を室温で数日間または50℃で1日間撹拌した。ろ過により固体試料を収集し、そして特定の時間でXRPDにより解析した。新しいXRPDパターンが同定された場合、DSCおよびTGAにより試料をさらに解析した。
反溶媒沈殿について:アモルファスの化合物1(約20mg)を室温で0.1または0.2mLの溶媒に溶解し、その後、沈殿が出現するか1mL以下の反溶媒まで、ゆっくり反溶媒を加入した。沈殿が発生した場合、生成物に対して対応する同定を行った。アモルファスの化合物1は、大多数の溶媒において高い溶解度を有し、一方、MTBE、水およびヘプタンにおいて低い溶解度を有する。
多形スクリーニングにおいて、5つのXRPDパターン(図11)が発生し、かつ2種類の無水物および2種類の水和物を含む、4つの形態が同定された。試料1は、ウェットケーキのXRPDパターンであり、そして不安定である。試料2から5は、それぞれ、形態I、II、IIIおよびIVと同定された。詳細は、以下の通りである。
試料1は、IPA中で蒸発またはスラリー化して製造した試料のウェットケーキであった。パターン1は、空気乾燥の過程で形態Iに転換することができ、そして純粋な試料1が製造しなかった。そのため、試料1は、不安定の溶媒和物/水和物であり、形態として指定されなかった。
形態Iは、水、IPA、MTBE、THF/ヘプタンおよびEA/ヘプタンにおいてスラリー化する、またはEA/MTBEおよびTHF/MTBEからの反溶媒沈殿により取得した。IPAにおいて製造された形態Iのみが一つの鋭い融解ピークを持つのは、残留溶媒または結晶の品質に起因すると考えられる。
形態Iのスケールアップ試験:室温で、アモルファス化合物(約250mg)を1.5mL IPAにおいて3日間スラリー化した。試料をろ過により収集し、50℃で5時間乾燥した後、同定した。形態I(約180mg)を成功に製造し、収率72%であった。熱曲線により、一つの融解ピークが存在し、開始温度239℃、室温から200℃までの重量損失が0.17%であると示し(図1B)、NMRにより、残留溶媒がなく、形態Iが無水形態であるとわかった。
形態Iの代表的XRPDおよびDSCパターンは、図1A~1Bに示している。XRPDピークのリストは、以下の表1に示している。
(表1)形態IのXRPDピーク値の表。
Figure 2023506308000007
形態IIは、アセトン-ヘプタンまたはアセトン-水の混合溶媒において生成し、そしてアセトン-水を溶媒として選択し形態IIを製造した。
形態IIのスケールアップ試験:室温で、アモルファスの化合物1を(約100mg)0.2mLアセトンに溶解した。0.2mL水を加入した後、すぐに粘着性の試料が出現した。ただし、室温で3日間撹拌した後、懸濁液になった。ろ過により試料を収集し、そして50℃で5時間乾燥した後、同定した。形態II(約65mg)を成功に製造し、収率63%であった。
DSC結果から、開始温度がそれぞれ111℃および171℃である2つの吸熱ピークが存在するとわかった。TGAにより、150℃の前の約3.1%の重量損失(図2B)が観察され、ただし、NMRにより0.1%の残留アセトンが検出された。そのため、重量損失が水によるものとし、かつ形態IIが一水和物であった(一水和物の理論水含有量が2.8%である)。しかしながら、それは、安定的な水和物でなく、低温で脱水が発生した。
形態IIの代表的XRPDおよびDSCパターンは、図2A~2Bに示している。XRPDピークのリストは、以下の表2に示している。
(表2)形態IIのXRPDピーク値の表。
Figure 2023506308000008
形態IIIは、MeOH/水から沈殿することにより取得した。以下の工程に従って、形態III(115mg)を成功に製造し、収率73%であった。
形態IIIのスケールアップ試験:室温で、アモルファスの化合物1(約100mg)を0.3mL MeOHに溶解し、その後、ゆっくり0.2mL水を加入した。すぐに粘着性の試料が出現し、2時間撹拌した後、固体が出現した。再び2時間撹拌した後、ろ過により固体試料を収集し、その後、室温で一晩乾燥した。
熱曲線により、95℃の開始温度および150℃の前の5%の重量損失を有する一つの吸熱ピークが存在するとわかった(図3B)。NMRにより残留溶媒が検出されなかった。そのため、形態IIIは、二水和物(二水和物の理論水含有量が5.5%である)であり、依然として不安定であり、かつ低温で脱水が発生し、脱水後にアモルファス形態に転換した。
形態IIIの代表的XRPDおよびDSCパターンは、図3A~3Bに示している。XRPDピークのリストは、以下の表3に示している。
(表3)形態IIIのXRPDピーク値の表。
Figure 2023506308000009
形態IVは、形態Iを出発原料としてEAにおいて冷却結晶する、或いは、アモルファス化合物1を出発原料として50℃でアセトン/ヘプタンにおいて反溶媒沈殿することにより取得した。最後に、アセトン-ヘプタンにおいて形態IVを製造した。
形態IVのスケールアップ試験:50℃でアモルファスの化合物1(約100mg)を0.2mLアセトンに溶解し、その後、0.4mLヘプタンを加入した。50℃で0.5時間撹拌した後、固体が出現した。1時間撹拌した後、ろ過により試料を収集し、そして50℃で3時間真空乾燥した後、同定した。形態IV(約80mg)を成功に製造し、収率80%であった。
DSCおよびTGAにより、それぞれ、開始温度273℃の一つの融解ピークおよび200℃の前の0.33%の重量損失が観察された(図4B)。NMRにより、約0.22%の残留アセトンが検出された。形態IVは、無水形態であるべきだが、残留溶媒を含有した。DVS結果(図4C)により、形態IVは、軽く吸湿性をもち、80%RHで約1.37%吸水し、そしてDVSテスト後に結晶形態が変化しないことを示した。
形態IVの代表的XRPDおよびDSCパターンは、図4A~4Bに示している。XRPDピークのリストは、以下の表4に示している。
(表4)形態IVのXRPDピーク値の表。
Figure 2023506308000010
まず、表5にまとめるように、4つの形態が取得かつ同定された。形態IおよびIVは、無水物であった。形態II(一水和物)および形態III(二水和物)の二種類の水和物は、いずれも不安定であり、かつ低温で脱水が発生した。
(表5)それぞれの形態の特徴決定結果
Figure 2023506308000011
実施例4. 化合物1の固体形態の相互転換および溶解度研究
相互転換研究:等量(約7mg)の形態I、IIおよびIIIを一緒に混合し、その後、室温でまたは50℃でそれぞれ0.5mLの様々な溶媒に懸濁した。ろ過により残留固体を収集し、そして適切な時間で同定した。また、形態IV(約12mg)を0.5mL水またはMeOH/水(1/4)の溶液に室温でまたは50℃で3日間スラリー化した。ろ過により残留固体を収集し、そしてXRPDにより解析した。
結果から、IPAおよびMeOH/水(1/4)以外において、形態I、IIおよびIIIの混合物が室温で形態IVに転換したとわかった(表6)。IPAにおいて、ウェットケーキは、依然としてパターン1であり、IPA溶媒和物である可能性が高く、かつ室温で水含有の溶媒系において形態IIを取得した。そのため、形態IVは、高温での溶媒系および室温で無水の溶媒系においては、安定な形態であった。
(表6)相互転換研究
Figure 2023506308000012
形態IVを水を含有する溶媒体系においてスラリー化し、水中に安定な形態であるかを確認した。結果からわかるように、形態IVを、室温でおよび50℃の水またはメタノール/水において3日間スラリー化して変化しなく、そして水和物が形成されなかった。そのため、形態IVは、水和物結晶シードがない含水系において3日間安定であった。
溶解度研究:3つの生物関連培地(模擬胃液(SGF)、断食状態模擬腸液(FaSSIF)および食事状態模擬腸液(FeSSIF))および水において、形態IVの溶解度を測定した。FaSSIFにおいてアモルファス化合物1の溶解度を測定した。形態IV(約10mg)を量り2mLの4つの培地に入れ、それぞれ懸濁液を調製し、そして約10mgのアモルファス原料も2mLのFaSSIFに添加した。その後、全ての懸濁液を37℃で200rpmの速度で24時間振盪した。0.5、2および24時間で、約0.7mLのそれぞれの懸濁液をろ過した。HPLCおよびpH計によりろ過液を解析し、そして24時間でXRPDにより残留の固体を検査した。
表7で示されるように、形態IVは、FaSSIF中の溶解度がアモルファス原料よりも低く、そして溶解度が0.3mg/mLから0.02mg/mLまでに低下した。その他の培地中、形態IVも、比較的低い溶解度を有し、<0.07mg/mLであった。
(表7)溶解度結果
Figure 2023506308000013
安定性研究:適量の形態IVを40℃/75%RH、60℃および25±2℃/92.5%RH条件で14日間放置した。その後、HPLCおよびXRPDにより試料を測定し、化学および物理的安定性を確認した。結果を、表8に示している。
(表8)安定性評価の結果
Figure 2023506308000014
形態IVを60℃で2週間保存した後、新たな不純物が検出され、不純物が時間とともに増加した。一方、原料の形態IVの純度は、約98.3%しかなかった。物理的安定性試験について、試験条件で14日間後、XRPDが変化しなく、試験期間中、形態IVが、3つの試験条件でいずれも物理的安定性を有するとわかった。
さらに、形態IVの機械的安定性を測定した。このような場合、適量の形態IVを2および5分間研磨し、その後、XRPDにより測定し、その結晶形態を検査した。結果からわかるように、新たな形態は産生されず、そして研磨時の結晶度が低下した。
実施例5.化合物2の製造および固体特徴決定
Figure 2023506308000015
工程1:2,6-ジクロロ-5-フルオロニコチン酸(23g、0.11mol)のジクロロメタン(300mL)中の混合物にジメチルホルムアミド(0.2mL)を加入した。室温で30分間内にゆっくりオキサリルクロリド(33g、0.26mol)を加入した。混合物を室温で1時間撹拌し、その後、濃縮し、油状物を取得し、それを1,4-ジオキサン(50mL)に溶解した。0℃で30分間内に当該溶液にアンモニア水(150mL)を加入した。得られた混合物を0℃で30分間撹拌し、その後、ろ過した。濾過ケーキを冷水(50mL)で洗浄し、そして乾燥し、2-1を取得した。
工程2:オキサリルクロリド(8.68g、68.4mmol)で、2-1(11g、52.6mmol)の1,2-ジクロロエタン(80mL)中の溶液を処理した。80℃で混合物を45分間撹拌し、反応物を濃縮した。残留物をアセトニトリル(100mL)に溶解し、-10℃まで冷却し、そして1-1(9.6g、55.2mmol)のTHF(30mL)溶液を加入した。得られた混合物を室温で2時間撹拌した。飽和NaHCO水溶液で当該溶液を希釈し、そして酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、そして濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し(石油エーテルから石油エーテル/酢酸エチル=4/1)、2-2を取得した。
工程3:20-30℃で撹拌している2-2(14g、34.13mmol)のDMF(84mL)溶液にKPO(8.7g、40.99mmol)を加入した。得られた混合物を室温で16時間撹拌した。HCl(1N)で反応をクエンチし、そしてろ過した。固体を水で洗浄し、その後、MeCNにおいてスラリー化した。混合物をろ過し、そして濾過ケーキを乾燥し、2-3を取得した。
工程4:室温で、2-3(16.6g、44.41mmol)およびDIEA(8.6g、66.54mmol)のMeCN(83mL)溶液にPOCl(8.2g、53.48mmol)を滴下した。得られた混合物を80℃で45分間撹拌し、その後-10℃で、DIEA(8.6g、66.54mmol)と(2R,5S)-t-ブチル-2,5-ジメチルピペラジン-1-カルボキシレート(9.5g、約44.33mmol)のMeCN(33mL)溶液を滴下した。室温で1時間撹拌した後、NaCO水溶液で反応をクエンチし、そして当該混合物をろ過した。固体を水においてスラリー化し、その後、ろ過した。固体を乾燥し、2-4を取得した。
工程5:2-4(50g、87.71mmol)、3-フルオロ-2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)アニリン(25g、105.45mmol)、Pd(dppf)Cl(1.3g、0.18mmol)、醋酸カリウム(KOAc)(17.2g、175.26mmol)および水(1.6g)の1,4-ジオキサン(500mL)中の混合物を、窒素雰囲気下80℃で2時間撹拌した。混合物を冷却し、そしてろ過した。ろ過液を水に加入し、沈殿し、その後、ろ過した。固体をDMCに溶解し、そしてNaCO水溶液で洗浄した。有機相を複数回蒸留することにより、トルエンに溶媒交換した。混合物をトルエンに80℃で加熱し、その後、20℃まで冷却し、結晶した。ろ過し、そして濾過ケーキを乾燥し、2-5を取得した。
工程6:TFA(21.2g)で、2-5(10g、15.51mmol)のDCM(50mL)中の混合物を処理し、そして当該混合物を25℃で3時間撹拌した。NaCO水溶液で反応をクエンチし、そして混合物を分離した。有機層を水で二回洗浄し、その後、濃縮した。残留物をEtOHに溶解し、そしてフマル酸のEtOH溶液を加入した。混合物をろ過し、そして固体をEtOHで洗浄した。固体をNaCO水溶液に加入し、DCMで混合物を抽出した。有機層を水で洗浄し、その後、濃縮した。残留物を複数回蒸留することにより、ヘプタンに溶媒交換し、そしてろ過した。濾過ケーキをヘプタンで洗浄し、そして乾燥し、2-6を取得した。
工程7:-10℃で2-6(10g、18.36mmol)およびDIPEA(2.6g、20.12mmol)のTHF(100mL)中の混合物に3-クロロプロピオン酸クロリド(2.28g、17.96mmol)のTHF(100mL)溶液を加入した。混合物を1時間撹拌し、その後、クエン酸水溶液でクエンチした。混合物をEtOAcで抽出し、有機層を水で洗浄した。有機層を複数回蒸留することにより、トルエンに溶媒交換し、その後、ろ過した。濾過ケーキをヘプタンで洗浄し、そして乾燥し、2-7を取得した。
工程8:2-7(10g、15.75mmol)およびDBU(4.79g、31.26mmol)のTHF(70mL)およびDMSO(30mL)中の混合物を20℃で1時間撹拌した。EtOAcおよびクエン酸水溶液を加入した。混合物を分離し、有機層を水で洗浄した。有機層を複数回蒸留することにより、イソプロパノールに溶媒交換し、そしてろ過した。濾過ケーキを水で洗浄し、そして乾燥し、2を取得した。LCMS(ESI、m/z):[M+H]=599.1。HNMR(400MHz、メタノール-d、ppm):δ 8.73(s,1H),8.26-8.22(m,1H),7.15-7.09(m,1H),6.84-6.74(m,1H),6.53(d,J=8.4Hz,1H),6.42-6.38(m,1H),6.30-6.24(m,1H),5.83-5.78(m,1H),5.01(brs,1H),4.91-4.83(m,1H),4.53-4.29(m,2H),3.96 - 3.89(m,1.5H),3.54-3.50(m,0.5H),1.82-1.75(m,1H),1.73-1.66(m,1H),1.47(d,J=6.8Hz,3H),1.37-1.27(m,3H),1.16-1.05(m,4H),1.03-0.97(m,2H),0.88-0.83(m,2H)。FNMR(376MHz、メタノール-d、ppm):δ -114.9(1F)、-125.6(1F)。
上記過程により製造された化合物2をEtOAcにおいてスラリー化し、そしてろ過し、結晶形態Aの化合物2を取得した。H-NMRにより、約1.1%の残留EtOAcが検出され、TGA(図5B)で120~290℃の重量損失に対応した。DSC(図5B)により、2つの重複な吸熱ピークが観察された。形態Aの化合物2を250℃まで加熱し、残留固体のDSC曲線に変化がなく、重畳するピークは、結晶形態転換に伴う融解によるものであるとわかった。そのため、出発原料は、無水物であった。
形態Aは、DCMにおいて非常に溶解しやすく(>92mg/mL)、メタノール、ブタノン、THF、ACNおよびアセトンにおいて溶解可能(20~33mg/mL)であった。その他の溶媒において、形態Aは、実質的に溶解しないものであった。
形態Aの代表的XRPDおよびDSCパターンは、図5A~5Bに示している。XRPDピークのリストは、以下の表9に示している。
(表9)形態AのXRPDピーク値の表。
Figure 2023506308000016
実施例6.化合物2の多形スクリーニング
本実施例では、化合物2の多形がスクリーニングされた。実施例3と同じような工程に従って、化合物2の形態Aを出発点として、一般的に使用される溶媒および溶媒混合物でスラリー化し、冷却し、蒸発結晶し、反溶媒沈殿および機械処理方法により、多形のスクリーニングを行った。
単一溶媒中のスラリー化:15から20mgの形態Aの化合物2を異なる溶媒(MeOH、EtOH、IPA(イソプロパノール)、IBA(イソブタノール)、MEK(メチルエチルケトンまたは2-ブタノン)、THF(テトラヒドロフラン)、ACN(アセトニトリル)、MTBE(メチル-t-ブチルエーテル)、アセトン、水、トルエン、EA(酢酸エチル)またはIPAC(酢酸イソプロピル))に加入し、濃度15から100mg/mLの懸濁液を調製した。懸濁液を、それぞれ50℃で1日間撹拌しまたは室温で3日間撹拌した。ろ過により固体試料を収集し、そしてXRPDにより解析した。新しいXRPDパターンが同定された場合、試料を50℃で一晩真空乾燥し、その後、DSCおよびTGAにより試料をさらに解析した。
XRPDにより5つの新しいパターンが同定され、そしてそれらをパターン2、3、4、5および6として指定し、大多数の溶媒からパターン2を取得した。EtOHにおいて50℃で1日間スラリー化することにより得られたウェットケーキは、パターン3として同定され、乾燥後、それがパターン4に転換した。IPAにおいて室温または50℃でスラリー化することにより得られたウェットケーキは、パターン5として同定され、乾燥後、それがパターン6に転換した。
室温および50℃の混合溶媒(有機溶媒/水)中のスラリー化:約20mg形態Aの化合物2をそれぞれ1mL MeOH/HO(1/9)およびACN/HO(1/9)混合溶媒に加入し、濃度20mg/mLの懸濁液を調製した。懸濁液をそれぞれ50℃または室温で撹拌した。ろ過により固体試料を収集し、そしてXRPDにより解析した。新しいXRPDパターンが同定された場合、試料を50℃で一晩真空乾燥し、その後、DSCおよびTGAにより試料をさらに解析した。全ての実験において、いずれもパターン1(形態A)を取得し、新しいパターンが得られなかった。
二元溶媒中の蒸発結晶:MeOH、EtOH、IPA(イソプロパノール)、IBA(イソブタノール)、MEK(メチルエチルケトンまたは2-ブタノン)、THF(テトラヒドロフラン)、ACN(アセトニトリル)、MTBE(メチル-t-ブチルエーテル)、アセトン、水、トルエン、EA(酢酸エチル)またはIPAC(酢酸イソプロピル)中の13種類の飽和薬物溶液(ろ過液)を96ウェルプレートに分散した。それぞれのウェルに二種類の異なるろ過液を含み、それぞれのろ過液の体積が100μLであった。当該プレートをピンホール付きの封止膜で覆われ、そして環境条件下で運転中の実験室換気ケースで蒸発した。XRPDにより、全ての十分な量をもつ固体を解析した。
3つの新しいパターンが同定され、そしてそれぞれパターン7、9およびパターン10として指定された。EtOHから蒸発することによりパターン7が得られ、パターン4と類似している。IPA/2-ブタノン、IPA/THF、IPA/アセトンおよびイソブタノール/THF中の96ウェルプレートからパターン9が得られた。アセトン/iPrOAcから蒸発することによりパターン10が得られ、そして乾燥後、パターン2(形態B)に転換した。96ウェルプレート上に得られたその他の試料は、いずれもガラス状態であった。
単一溶媒中の蒸発結晶:MeOH、EtOH、IPA(イソプロパノール)、IBA(イソブタノール)、MEK(メチルエチルケトンまたは2-ブタノン)、THF(テトラヒドロフラン)、ACN(アセトニトリル)、MTBE(メチル-t-ブチルエーテル)、アセトン、水、トルエン、EA(酢酸エチル)またはIPAC(酢酸イソプロピル)の約0.5mLの13種類の飽和薬物溶液(ろ過液)を環境条件下で、運転中の実験室換気ケースにおいて、蓋を開けて蒸発した。XRPDにより、全ての十分な量をもつ固体を解析した。
冷却結晶:15~20mg形態Aの化合物2をバイアルに加入した。50℃で撹拌しながら異なる溶媒(MeOH、THF、アセトン、ACN、2-ブタノン、酢酸エチルまたはEtOH)を100から500μLずつ溶液が透明になるまで添加した。50℃でろ過した後、ろ過液を室温または5℃まで冷却した。ろ過により固体試料を収集し、そしてXRPDにより解析した。それぞれ、MeOHおよびEtOHにおいて行った実験から、パターン2およびパターン6が発見された。
反溶媒沈殿:見込み溶解度の結果により、室温で6つの選択された良溶媒(アセトン、MeOH、THF、ACN、2-ブタノンおよびDCM)と5つの反溶媒(トルエン、iPrOAc、MEBE、水およびn-ヘプタン)により反溶媒沈殿を行った。良溶媒において飽和薬物溶液を製造した。その後、室温で混濁または15Vまで、徐々に反溶媒を加入した。MeOH/MTBE、MeOH/水および2-ブタノン/水以外(それらにおいてパターン2(形態B)が得られた。)、大多数の沈殿実験からパターン1(形態A)が生成された。アセトン/水およびTHF/水から新しいパターンが同定された。それをパターン8として指定され、そして乾燥後にパターン1(形態A)に転換した。
合計10個のXRPDパターンが発見された。全てのXRPDパターンが類似であり、約6°2θの主ピークをもつが、パターン9がピークシフトを示した。興味深いところ、結晶試料は、非常に類似するXRPDパターンを示しており、それらが類似構造をもつと示した。同定データにより、初期形態を含む三つの無水形態が決定され、そしてそれらを形態A(パターン1)、B(パターン2)および形態C(パターン6)として指定し;さらに、溶媒和物が発見され、そしてそれを形態D(パターン9)として指定した。その他のパターンは、不純物相または不安定であるため、形態として指定されなかった。
50℃でMeOHにおいてスラリー化(約100mg/mL)することにより得られた形態B(パターン2)を使用して、同定を行った。TGAにより、60~280℃で重量損失が観察されず、DSCの融解吸熱ピークが289~290℃であり、かつエンタルピーが95J/gであった(図6B)。試料は、無水物であり、そして形態Bとして指定された。
形態Bは、最も安定な形態であり、それに対して小規模なスケールアップ試験を行い、DVS解析、溶解度および安定性研究に用いた。室温で103.02mg形態Aの化合物2を5mL MeOH(48V)に溶解した。ろ過後、10mL水をろ過液に加入した。すぐに沈殿が発生した。懸濁液を室温で約2時間撹拌した。ろ過により固体試料を収集し、50℃で一晩真空乾燥した。94.16mg固体を取得し、収率が91%であった。
形態Bは、やや吸湿性をもち、0~80%RHで約0.84%の水を吸収し(図6C)、DVS試験後に結晶形態に変化がなかった(図6D)。
形態Bの代表的なXRPDおよびDSCパターンは、図6A~6Bに示している。XRPDピークのリストは、以下の表10に示している。
(表10)形態BのXRPDピーク値の表。
Figure 2023506308000017
50℃のEtOHにおけるスラリー化実験から、パターン3が同定された。50℃で一晩真空乾燥した後、それをパターン4に転換し、かつ脱溶媒または脱水後に最終的に形態B(パターン2)に転換した。
パターン4は、プレート状結晶であった。TGAにより、110~240℃で1.76%の重量損失が観察され、DSCにより観察された脱溶媒または脱水による小さい広い吸熱ピークに対応した。脱溶媒後、それを形態Bに転換し、熔点が288~290℃であり、エンタルピーが85J/gであった。パターン4は、溶媒和物または水和物である可能性があるが、パターン6と比較した後、パターン6および別のパターンの混合物であるとわかった。
50℃でIPAにおけるスラリー化実験から、パターン5が得られた。50℃で一晩真空乾燥した後、それをパターン6に転換し、最後に加熱期間に形態Bに転換した。
形態C(パターン6):TGAにより112~232℃で0.9%の重量損失が観察され、溶媒損失によるものと推定した。DSCにおいて一つの206~221℃での放熱ピークが観察され、その後、288.7~289.4℃の融解ピークがあり(図7B)、加熱過程中に潜在的な結晶転換が存在するとわかった。パターン6は、無水物である可能性があり、そして形態Cとして指定された(図7A)。形態CのXRPDパターンは、パターン4と類似したが、XRPDによりパターン4におけるその他のピークが観察され、パターン4が形態Cと溶媒和物または水和物の混合物であるとわかった。
形態Cの代表的XRPDおよびDSCパターンは、図7A~7Bに示している。XRPDピークのリストは、以下の表11に示している。
(表11)形態CのXRPDピーク値の表。
Figure 2023506308000018
EtOHから蒸発することによりパターン7が得られ、それが、パターン4と類似した。DSCにより、250℃まで加熱した後、それを形態B(パターン2)に転換した。H-NMRにより、約1.3%の残留EtOHが検出され、TGAにおいて102~210℃での重量損失に対応した。DSCにより、脱溶媒および融解による2つの吸熱ピークが観察された。パターン7は、混合形態である可能性があり、パターン4に類似している。
パターン8は、アセトンおよび水からの反溶媒沈殿により得られた。50℃で一晩真空乾燥した後、形態Aに転換した。パターン8は、形態Aと不安定の溶媒和物の混合形態である可能性があった。さらなる解析が行われなかった。
96ウェルプレートでIPA/2-ブタノン、IPA/THF、IPA/アセトンおよびイソブタノール/THFから蒸発することにより、形態D(パターン9)が得られた。50℃で一晩真空乾燥した後、結晶形態に変化がないが、結晶度が低下した。DSCにより250℃まで加熱した後、それを形態Bに転換した。TGAにおいて107~223℃で約4%の重量損失が観察された(図8B)。NMRにより4.8%(約0.5mol)の溶媒が観察され、TGAでの重量損失は溶媒による損失であると推定した。DSCにより、脱溶媒および融解による2つの吸熱ピークが観察された(図8B)。パターン9は、溶媒和物であり、形態Dとして指定された。
形態Dの代表的XRPDおよびDSCパターンは、図8A~8Bに示している。XRPDピークのリストは、以下の表12に示している。
(表12)形態DのXRPDピーク値の表。
Figure 2023506308000019
96ウェルプレートでアセトン/iPrOAcおよびアセトン/水から蒸発することによりパターン10が得られた。50℃で一晩真空乾燥した後、形態Bに転換した。パターン10は、不安定な形態であり、更なる解析が行われなかった。
合計10個のXPRDパターンが同定され、3つの無水物、1つの溶媒和物、2つの混合形態および4つの不安定パターンが含まれる。形態Aと形態BのXRPDパターンは、非常に類似しており、かつ形態Cと明らかに異なり、形態Cの特徴ピークは、7.3°、14.2°、15.7°、16.3°、20.8°および26.1°2θの位置にあった。形態Aと異なる形態Bの特徴ピークは、主に、14.5°、15.6°、17.5°、20.2°、31.9°および38.6°2θの位置にあった。表13は、化合物2の無水形態をまとめる。
(表13)化合物2の無水形態のまとめ
Figure 2023506308000020
実施例7.化合物2の固体形態の相互転換および溶解性研究
相互転換研究:形態A、形態Bおよび形態Cの競争的スラリー化は、アセトンおよびアセトン/水(1/4)において室温または50℃で行われ、詳細を以下に示している。
Figure 2023506308000021
形態A、形態Bおよび形態Cは、アセトンおよびアセトン/水(1/4)において競争的にスラリー化した。異なる形態の混合物は、1日間後、非水溶媒中に完全に形態Bに転換し、そして7日間後、溶媒-水溶液中に形態Bに転換する傾向を示しており、14.5°および17.5°2θでのピークが徐々に増大した。残りの固体のDSCは、形態Aの吸熱ピークが非常に弱くなったと示しており、混合物が形態Bに転換する傾向を示した。これらの結果から、形態Bは、形態Aおよび形態Cよりも安定な形態であった。
生物関連培地中の溶解度:形態Aおよび形態BをそれぞれSGF、FeSSIF、FaSSIFおよび水に添加した。懸濁液を、37℃、200rpmで24時間振盪し続けた。0.5h、2hおよび24hで、懸濁液をろ過し、そしてHPLCによりろ過液の薬物濃度を解析した。それぞれの時点でろ過液のpHを測定した。XRPDにより24時間後に残った固体が同定された。
2つの形態は、いずれもpHに依存する溶解度曲線を示しており、低pHで溶解度がやや高くなった。24時間で、形態Aは、SGF中の溶解度が形態Bよりも高かった。その他の培地中、この2つの形態の溶解度は、類似している。24時間後に残った固体のXRPDパターンには、変化がなかった。結果を、表14に示している。
(表14)生物関連培地中の形態A(パターン1)および形態B(パターン2)の溶解度結果
Figure 2023506308000022
形態Bの固形安定性:約10mg形態Bをそれぞれ40℃/75%RHおよび60℃開口で7日間放置し、および25℃/92.5%RH開口で10日間放置した。それぞれの条件で一式二分の試料を用意した(n=2)。XRPDおよびHPLC(40℃/75%RHおよび60℃条件のみに対して)により固体を解析した。
固体安定性検査は、それぞれ、40℃/75%RHおよび60℃で7日間行われ、25℃/92.5%RHで10日間行われた。結果を、表15にまとめる。形態Bは、試験条件で物理的安定であり、結晶形態に変化がなかった。形態Bは、40℃/75%RHで7日間に化学的安定であるが、60℃で7日間に軽く分解が観察され、純度が0.16%低下し、かつ2つの新しい不純物が検出された(RRT 0.86およびRRT 0.93)。
(表15)安定性評価結果
Figure 2023506308000023
約10~20mg形態Aおよび形態Bの化合物2をそれぞれ手動で5分間研磨した。研磨後に、形態Aには変化がないが、形態Bの結晶度は弱くなった。5分間研磨後、形態BのDSCから、研磨後に形態Aが出現されたことを示しており、機械処理の過程中に、潜在的な結晶形態の変化があるとわかった。
以上、形態Aおよび形態Bの溶解度は、いずれもpH依存性を示した。形態Bの最も高い溶解度は、SGFにおいて、0.056mg/mLであり、最も低いのは、FaSSIFにおいて、0.018mg/mLであった。SGFにおいて、形態Aの溶解度は、形態Bよりもやや高く、その他の培地においても類似している。固形安定性結果から、形態Bは、40℃/75%RHの条件で7日間物理および化学的にいずれも安定であり、かつ当該結晶形態が92.5%RHの条件で10日間および60℃で7日間にも、変化がなかった。
なお、「発明の概要」と「要約」の部分ではなく、「発明を実施するための形態」の部分は、特許請求の範囲を説明するために使用されることを理解すべきである。概要および要約の部分は、発明者が検討した本発明の1つ以上の例示的な実施形態を示すことができるが、すべての例示的な実施形態ではないので、本発明および添付の特許請求の範囲をいかなる方法で制限することも意図されていない。
以上、特定の機能の実現とその関係を説明する機能構成ブロックを用いて本発明を説明した。説明の便宜上、本稿ではこれらの機能部材の境界を任意に定義した。特定の機能とその関係を適切に実行すれば、他の境界を定義することができる。
属として説明された本発明の態様について、個々の種類はすべて本発明の個々の態様とみなされる。本発明の各態様が「特徴を含む」と記載されている場合、「特徴からなる」または「本質的に特徴からなる」実施形態も考えられる。
前記した特定の実施形態の説明は、本発明の一般的性質を十分に明らかにするので、本発明の一般的概念を逸脱することがない限り、他の人は過剰な実験をすることなく、当技術分野の知識を応用することで、これらの特定の実施形態のような様々な応用を容易に修正および/または適応できる。したがって、ここで提案した教えと指導に基づいて、このような適応と修正も開示した実施形態の同等の形の意味と範囲に含まれる。本明細書の語句または用語は説明のためのものであって、限定のためのものではないと理解されるべきである。したがって、本明細書の用語または用語は、教示および指導のもとに当業者によって説明される。
本発明の広さと範囲は、上記の例示的な実施形態によって制限されるべきではない。
本明細書で説明する様々な態様、実施形態、およびオプションは、任意のバリエーションとすべてのバリエーションで組み合わせることができる。
本明細書で言及されるすべての出版物、特許、および特許出願は、個々の出版物、特許、または特許出願が明確かつ個別に参照によって組み込まれていることと同様に、参照の形で本明細書に組み込まれている。本明細書内の用語の意味または定義が、参照によって組み込まれた文書内の同じ用語の意味または定義と矛盾する場合は、本明細書内の用語に割り当てられている意味または定義に基づく。

Claims (26)

  1. 以下の式;
    Figure 2023506308000024
    を有する、化合物。
  2. 固体形態、例えば、アモルファス形態、結晶形態、またはそれらの組み合わせである、請求項1記載の化合物。
  3. 結晶形態Iであって、
    (1)以下のピーク:6.9、11.4、11.5、13.0、14.8、17.4、17.8、18.1、19.4および22.8°2θ±0.2°のうち一つ又は複数(例えば、2、4、6、8、または10個)を有するX線粉末回折(XRPD)パターン;(2)以下のピーク:6.9、11.4、11.5、13.0、13.9、14.8、16.8、17.1、17.4、17.8、18.1、19.4、21.0、22.8、23.7、24.7および26.2°2θ±0.2°のうち一つ又は複数(例えば、6個以上、8個以上、12個以上、または全部)を有するX線粉末回折(XRPD)パターン;(3)図1Aで示されるものと実質的に同一のXRPDパターン;(4)図1Bで示されるものと実質的に同一の示差走査熱量測定(DSC)パターン;または、それらの任意の組み合わせ(例えば、(1)と(4)、(2)と(4)、(1)と(2)と(4)、または(3)と(4))
    を特徴とする、請求項1記載の化合物。
  4. 結晶形態IIであって、
    (1)以下のピーク:8.1、15.6および18.8°2θ±0.2°のうち一つ又は複数(例えば、1、2、または3個)を有するX線粉末回折(XRPD)パターン;(2)以下のピーク:6.2、8.1、9.4、10.2、15.6、18.8、19.1、20.1、21.0、25.0および26.0°2θ±0.2°のうち一つ又は複数(例えば、6個以上、8個以上、または全部)を有するX線粉末回折(XRPD)パターン;(3)図2Aで示されるものと実質的に同一のXRPDパターン;(4)図2Bで示されるものと実質的に同一の示差走査熱量測定(DSC)パターン;または、それらの任意の組み合わせ(例えば、(1)と(4)、(2)と(4)、(1)と(2)と(4)、または(3)と(4))
    を特徴とする、請求項1記載の化合物。
  5. 結晶形態IIIであって、
    (1)以下のピーク:6.6、8.3、11.5、19.1、19.9および22.0°2θ±0.2°のうち一つ又は複数(例えば、1、2、3、4、5、または6個)を有するX線粉末回折(XRPD)パターン;(2)以下のピーク:6.6、8.3、11.5、12.1、16.7、19.1、19.9、22.0、25.7および26.8°2θ±0.2°のうち一つ又は複数(例えば、4個以上、8個以上、または全部)を有するX線粉末回折(XRPD)パターン;(3)図3Aで示されるものと実質的に同一のXRPDパターン;(4)図3Bで示されるものと実質的に同一の示差走査熱量測定(DSC)パターン;または、それらの任意の組み合わせ(例えば、(1)と(4)、(2)と(4)、(1)と(2)と(4)、または(3)と(4))
    を特徴とする、請求項1記載の化合物。
  6. 結晶形態IVであって、
    (1)以下のピーク:6.7、8.6、16.6、18.9および19.2°2θ±0.2°のうち一つ又は複数(例えば、1、2、3、4、または5個)を有するX線粉末回折(XRPD)パターン;(2)以下のピーク:6.3、6.7、8.6、14.6、14.8、15.7、16.6、17.6、18.9、19.2、20.8、21.2および23.2°2θ±0.2°のうち一つ又は複数(例えば、4個以上、8個以上、12個以上、または全部)を有するX線粉末回折(XRPD)パターン;(3)図4Aで示されるものと実質的に同一のXRPDパターン;(4)図4Bで示されるものと実質的に同一の示差走査熱量測定(DSC)パターン;または、それらの任意の組み合わせ(例えば、(1)と(4)、(2)と(4)、(1)と(2)と(4)、または(3)と(4))
    を特徴とする、請求項1記載の化合物。
  7. アモルファス形態である、請求項1記載の化合物。
  8. 実質的に純粋である、請求項1~7のいずれか一項記載の化合物。
  9. 請求項1~8のいずれか一項記載の化合物と、任意の薬学的に許容される賦形剤とを含む、医薬組成物。
  10. 請求項6記載の化合物を含み、形態IV以外の固体形態の前記化合物を含まないまたは実質的に含まない、請求項9記載の医薬組成物。
  11. 以下の式:
    Figure 2023506308000025
    を有する化合物。
  12. 固体形態、例えば、アモルファス形態、結晶形態、またはそれらの組み合わせである、請求項11記載の化合物。
  13. 結晶形態Aであって、
    (1)以下のピーク:6.2、12.6、14.8および19.9°2θ±0.2°のうち一つ又は複数(例えば、1、2、3、または4個)を有するX線粉末回折(XRPD)パターン;(2)以下のピーク:6.2、12.6、13.8、14.8、15.1、18.0、19.6、および19.9°2θ±0.2°のうち一つ又は複数(例えば、4個以上、6個以上、または全部)を有するX線粉末回折(XRPD)パターン;(3)図5Aで示されるものと実質的に同一のXRPDパターン;(4)図5Bで示されるものと実質的に同一の示差走査熱量測定(DSC)パターン;または、それらの任意の組み合わせ(例えば、(1)と(4)、(2)と(4)、(1)と(2)と(4)、または(3)と(4))
    を特徴とする、請求項11記載の化合物。
  14. 結晶形態Bであって、
    (1)以下のピーク:6.2、12.6、14.8、19.0および19.8°2θ±0.2°のうち一つ又は複数(例えば、1、2、3、4、または5個)を有するX線粉末回折(XRPD)パターン;(2)以下のピーク:6.2、12.6、13.6、14.5、14.8、17.8、19.0、19.8、21.4、26.3、31.9および38.6°2θ±0.2°のうち一つ又は複数(例えば、4個以上、6個以上、8個以上、または全部)を有するX線粉末回折(XRPD)パターン;(3)図6Aで示されるものと実質的に同一のXRPDパターン;(4)図6Bで示されるものと実質的に同一の示差走査熱量測定(DSC)パターン;または、それらの任意の組み合わせ(例えば、(1)と(4)、(2)と(4)、(1)と(2)と(4)、または(3)と(4))
    を特徴とする、請求項11記載の化合物。
  15. 結晶形態Cであって、
    (1)以下のピーク:6.2、12.5および19.9°2θ±0.2°のうち一つ又は複数(例えば、1、2、または3個)を有するX線粉末回折(XRPD)パターン;(2)以下のピーク:6.2、6.8、7.3、12.5、14.2、14.7、15.7、16.3、19.9、21.2、22.9および26.1°2θ±0.2°のうち一つ又は複数(例えば、4個以上、8個以上、または全部)を有するX線粉末回折(XRPD)パターン;(3)図7Aで示されるものと実質的に同一のXRPDパターン;(4)図7Bで示されるものと実質的に同一の示差走査熱量測定(DSC)パターン;または、それらの任意の組み合わせ(例えば、(1)と(4)、(2)と(4)、(1)と(2)と(4)、または(3)と(4))
    を特徴とする、請求項11記載の化合物。
  16. 結晶形態Dであって、
    (1)以下のピーク:5.6、11.2、16.9および22.6°2θ±0.2°のうち一つ又は複数(例えば、1、2、3、または4個)を有するX線粉末回折(XRPD)パターン;(2)以下のピーク:5.6、11.2、15.8、16.1、16.9、21.4、22.6および34.3°2θ±0.2°のうち一つ又は複数(例えば、2個以上、4個以上、6個以上、または全部)を有するX線粉末回折(XRPD)パターン;(3)図8Aで示されるものと実質的に同一のXRPDパターン;(4)図8Bで示されるものと実質的に同一の示差走査熱量測定(DSC)パターン;または、それらの任意の組み合わせ(例えば、(1)と(4)、(2)と(4)、(1)と(2)と(4)、または(3)と(4))
    を特徴とする、請求項11記載の化合物。
  17. アモルファス形態である、請求項11記載の化合物。
  18. 実質的に純粋である、請求項11~17のいずれか一項記載の化合物。
  19. 請求項11~18のいずれか一項記載の化合物と、任意の薬学的に許容される賦形剤とを含む、医薬組成物。
  20. 請求項14記載の化合物を含み、形態B以外の固体形態の前記化合物を含まないまたは実質的に含まない、請求項19記載の医薬組成物。
  21. 細胞中のKRAS G12C突然変異タンパク質を阻害する方法であって、
    前記細胞と、請求項1~8および11~18のいずれか一項記載の化合物とを接触させることを含む、方法。
  22. 対象における癌を治療する方法であって、
    治療有効量の請求項1~8および11~18のいずれか一項記載の化合物または請求項9~10および19~20のいずれか一項記載の医薬組成物を、前記対象に投与することを含む、方法。
  23. 前記癌は、血液系悪性腫瘍、肺癌(例えば、非小細胞肺癌)、膵臓癌、子宮内膜癌、胆嚢癌、甲状腺癌、胆管癌、および/または直腸癌である、請求項22記載の方法。
  24. 追加の療法により前記対象を治療することをさらに含む、請求項22または23記載の方法。
  25. 前記追加の療法は、化学治療剤、治療性抗体、放射線、細胞療法、または免疫療法である、請求項24記載の方法。
  26. 前記対象は、KRAS、HRAS、および/またはNRASのG12C突然変異を有する、請求項23~25のいずれか一項記載の方法。
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