JP2024517847A - Ras阻害剤 - Google Patents

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Abstract

本開示は、Rasタンパク質を阻害可能な大環状化合物、ならびにその医薬組成物及びタンパク質複合体、ならびに、がん治療におけるそれらの使用を特徴とする。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、その全容を参照により本明細書に援用するところの2021年5月5日出願の米国特許仮出願第63/184,599号に基づく優先権の利益を主張する。
背景技術
圧倒的多数の低分子薬剤は、標的タンパク質上で機能的に重要なポケットに結合することにより作用し、これによって、当該タンパク質の活性を制御する。例えば、スタチンとして知られる、コレステロール低下剤は、HMG-CoAレダクターゼの酵素活性部位に結合し、故に、酵素が、その基質とかみ合うことを防止する。多くのこのような薬剤/標的相互作用ペアが知られているという事実は、ある程度の人をミスリードし、妥当な時間、努力、及びリソースの量を考慮すると、低分子モジュレーターが、全てではないにせよ、大部分のタンパク質に対して発見されることができるということを信じさせる可能性がある。これは、事実とはほど遠い。全てのヒトタンパク質のうち約10%のみが、低分子により標的化可能であるというのが、現在の推定である。非特許文献1。他の90%は現在、上述した低分子創薬に対して、不応性または難治性であると考えられている。このような標的は一般に、「アンドラッガブル」と呼ばれている。これらのアンドラッガブルな標的は、臨床的に重要なヒトタンパク質の、広大かつ大量の、利用されていないリザーバーを含む。したがって、このようなアンドラッガブルな標的の機能を制御可能な、新規の分子モダリティを発見することに、多くの関心が存在する。
Rasタンパク質(K-Ras、H-Ras、及びN-Ras)が、様々なヒトのがんにおいて不可欠な役割を果たし、故に、抗がん治療法に対する適切な標的であることが、文献では十分に確立されてきた。実際、Rasタンパク質における変異は、米国での全てのヒトのがんの約30%を占め、これらの多くは致死性である。変異の活性化、過剰発現、または上流発現によるRasタンパク質の調節不全は、ヒト腫瘍において一般的であり、Rasにおける変異の活性化は、ヒトのがんにおいて頻繁に発見されている。例えば、Rasタンパク質中のコドン12における変異の活性化は、GTPの、GTPase活性化タンパク質(GAP)依存性及び固有の加水分解速度の両方を阻害し、Ras変異タンパク質の集団を「オン」(GTP結合)状態(Ras(ON))に著しく歪め、発がん性MAPKシグナル伝達をもたらすことにより機能する。特に、Rasは、GTPに対するピコモル親和性を示し、低濃度のこのヌクレオチドの存在下においてさえも、Rasが活性化されることを可能にする。Rasのコドン13における変異(例えば、G13D)、及びコドン61における変異(例えば、Q61K)もまた、いくつかのがんにおいて、発がん性活性を担う。
近年の数十年の間に、Rasに対して大規模な創薬努力がなされてきたものの、Rasを直接標的化する薬剤は依然として認可されていない。様々なRas変異により駆動されるがんに対する追加の薬剤を明らかにする、さらなる努力が必要とされている。
Bojadzic and Buchwald,Curr Top Med Chem 18:674-699(2019)
RAS阻害剤を本明細書で提供する。本明細書に記載するアプローチは、合成リガンドと通常の生理学的条件下で相互作用しない2つの細胞内タンパク質:対象となるタンパク質(例えば、Ras)、及び、細胞内で広範に発現するサイトゾルシャペロン(プレゼンタータンパク質)(例えば、サイクロフィリンA)との間での、高親和性の3成分複合体またはコンジュゲートの形成を必要とする。より具体的には、いくつかの実施形態では、本明細書に記載するRasの阻害剤は、Rasタンパク質と、広範に発現するサイトゾルシャペロンのサイクロフィリンA(CYPA)との間で、高親和性のトリ複合体またはコンジュゲートの形成を駆動することによる、Ras中での新規の結合ポケットサイトゾルを含む。理論に束縛されるものではないが、本発明の化合物及び複合体、またはコンジュゲートにより、Rasでの阻害効果が影響を受ける1方法は、Rasと、RAF及びPI3Kなどの下流エフェクター分子との間での相互作用部位の立体閉塞が形成されることであり、これは、発がん性シグナルを生長させるのに必要であると、本発明者らは考えている。
そのため、いくつかの実施形態では、本開示は、構造式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩を特徴とする:
[式中、Aは、任意に置換された3~6員のヘテロシクロアルキレン、任意に置換された3~6員のシクロアルキレン、任意に置換された6員のアリーレン、または、任意に置換された5~10員のヘテロアリーレンであり、
は存在しないか、またはリンカーであり、
Wは、ビニルケトン、ビニルスルホン、イノン、またはアルキニルスルホンを含む架橋基であり、
は、水素、任意に置換された3~10員のヘテロシクロアルキル、または任意に置換されたC-Cヘテロアルキルであり、
は、任意に置換されたC-Cアルキルであり、かつ
は、任意に置換されたC-Cアルキル、または任意に置換されたC-Cヘテロアルキルである。]。
式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、及び、薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物もまた提供する。表1の化合物、またはその薬学的に許容される塩、及び、薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物もまた提供する。
がんの治療を必要とする対象における、がんの治療方法であって、上記方法が、上記対象に、治療に有効な量の本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、上記方法もまた提供する。
いくつかの実施形態では、Rasタンパク質関連疾患の治療を必要とする対象における、Rasタンパク質関連疾患の治療方法であって、上記方法が、上記対象に、治療に有効な量の本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、上記方法を提供する。
細胞内でのRasタンパク質の阻害方法であって、上記方法が、上記細胞を、有効量の本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩と接触させることを含む、上記方法をさらに提供する。
本発明の一実施形態に関して論じられるあらゆる限定は、本発明の任意の他の実施形態に適用され得ることが具体的に想到される。さらに、本発明の任意の化合物または組成物を、本発明の任意の方法で使用することができ、本発明の任意の方法を使用して、本発明の任意の化合物または組成物を生成または利用することができる。
定義及び化学用語
本出願において、文脈から別段に明確でない限り、(i)用語「1つの(a)」は「1つ以上の」を意味し、(ii)は、代替表現のみを意味すること、または、当該代替表現が相互に排他的であることが明示的に示されない限り、「及び/または」を意味するために用いられるが、本開示は、代替表現のみ、及び、「及び/または」に言及する定義を支持し、(iii)用語「を含む(comprising)」及び「を含む(including)」は、それら自身により提示されるか、または、1つ以上の追加の構成成分もしくは工程と共に提示されるかに拘わらず、項目別にされた構成成分または工程を包含すると理解され、(iv)範囲が示される場合、端点が含まれる。
本明細書で使用する場合、「約」という用語は、値が、値を決定するために用いられるデバイスまたは方法の誤差の標準偏差を含むことを示すために使用される。特定の実施形態では、「約」という用語は、別途記載のない限り、または別途内容から明らかでない限り(例えば、そのような数が可能な値の100%を超え得る場合)、記載された値のいずれかの方向(上回るまたは下回る)において、25%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%以下に含まれる値の範囲を指す。
本明細書で使用する場合、隣接する原子について記載する文脈における用語「隣接する」とは、共有結合により直接結合した二価原子を意味する。
本明細書で使用する場合、「本発明の化合物」及び類似の用語は、明示的に記載されるか否かに拘わらず、式Iの化合物及びそのサブ式、例えば、表1の化合物、加えて、それらの塩(例えば、薬学的に許容される塩)、溶媒和物、水和物、立体異性体(アトロプ異性体を含む)、及び互変異性体を含む、本明細書に記載するRas阻害剤を意味する。
用語「野生型」とは、自然において「正常」(変異体、疾患、変化などと対をなす)状態または文脈で発見される構造または活性を有する存在を意味する。野生型遺伝子及びポリペプチドは多くの場合、複数の異なる形態(例えば、アレル)で存在することを、当業者は理解するであろう。
本明細書に記載するある種の化合物は、1つ以上の異なる異性体(例えば、立体異性体、幾何異性体、アトロプ異性体、互変異性体)形態、または、同位体(例えば、重水素で置換された水素といった、1つ以上の原子が、当該原子の異なる同位体で置換されている)形態で存在することができることを、当業者は理解するであろう。特に明記しない限り、または、文脈より明らかでない限り、記載した構造は、個別での、または組み合わせでの、任意のこのような異性体または同位体形態を表すものと理解することができる。
本明細書に記載する化合物は、不斉である(例えば、1つ以上の立体中心を有する)ことができる。エナンチオマー及びジアステレオマーといった、あらゆる立体異性体が、特に明記しない限り意図される。不斉置換炭素原子を含有する本開示の化合物は、光学的に活性な形態、またはラセミ体で単離することができる。ラセミ混合物の分割、または立体選択合成などによる、光学的に活性な形態を、光学的に活性な出発物質から調製する方法は、当技術分野において既知である。オレフィン、C=N二重結合等の多くの幾何異性体もまた、本明細書に記載される化合物中に存在することができ、すべてのそのような安定した異性体が本開示において企図される。本開示の化合物のシス及びトランス幾何異性体が説明され、異性体の混合物として、または分離された異性形態として単離され得る。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載する1つ以上の化合物は、異なる互変異性形態で存在することができる。文脈から明らかとなるように、明示的に除外されない限り、このような化合物への言及は、このような互変異性形態を全て包含する。いくつかの実施形態では、互変異性形態は、単結合を、隣接する二重結合と交換すること、及び、付随するプロトンの移動により生じる。特定の実施形態では、互変異性形態はプロトトロピー互変異性体であることができ、これは、参照形態と同一の実験式及び全電荷を有する、異性体のプロトン化状態である。プロトトロピー互変異性形態を有する部分の例は、ケトン-エノールペア、アミド-イミド酸ペア、ラクタム-ラクチムペア、アミド-イミド酸ペア、エナミン-イミンペア、ならびに、1H-及び3H-イミダゾール、1H-、2H-、及び4H-トリアゾール、1H-及び2H-イソインドール、ならびに、1H-及び2H-ピラゾールなどの、プロトンが、複素環式系の2つ以上の位置を占有することができる環状形態である。いくつかの実施形態では、互変異性形態は、平衡であるか、または、適切な置換により、一方の形態に立体的に固定されていることができる。特定の実施形態では、互変異性形態は、アセタール相互変換により生じる。
別段明記しない限り、本明細書に示される構造はまた、1つ以上の同位体濃縮原子の存在下だけが異なる化合物を含むことを意味する。本発明の化合物に組み込むことができる例示的な同位体としては、H、H、11C、13C、14C、13N、15N、15O、17O、18O、32P、33P、35S、18F、36Cl、123I、及び125Iなどの、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素、塩素、及びヨウ素などの同位体が挙げられる。同位体標識した化合物(例えば、H及び14Cで標識した化合物)は、化合物または基質組織分配アッセイにおいて有用であることができる。トリチウム標識(すなわち、H)、及び炭素14(すなわち、14C)同位体は、調製及び検出可能性の容易さから、有用であることができる。さらに、より重い同位体、例えば重水素(すなわち、H)などによる置換を行うと代謝安定性がより高くなり、結果として特定の治療的利点が得られ得る(例えばインビボ半減期が長くなるか、または必要な投薬量が少なくなる)。いくつかの実施形態では、1つ以上の水素原子がHもしくはHにより置き換えられるか、または、1個以上の炭素原子が13Cもしくは14C濃縮炭素により置き換えられる。15O、13N、11C及び18Fなどのポジトロン放出同位体は、基質受容体占有を検査するためのポジトロン放出断層撮影(PET)研究に有用である。同位体標識した化合物の調製は、当業者に既知である。例えば、同位体標識された化合物は一般に、本明細書に記載する本発明の化合物に対して開示した手順に類似する手順に従い、同位体標識していない試薬を、同位体標識した試薬で置き換えることにより調製することができる。
本発明の化合物に、1個以上の重水素置換を含有し得る部分(任意の位置「R」が、重水素(D)であってよい)の非限定例としては、
などの、本明細書に記載する式の化合物の、任意のA部分において利用可能な位置での重水素化もまた企図される。さらなる例としては、
ならびに同様のR型部分の重水素化が挙げられ、Rの定義は、本明細書に(例えば、式I、Ia、II-5、II-5a、II-6、II-6a、II-6b、及びII-6cに)見出される。本発明の化合物中の置換基Wの中にある部分の重水素化もまた企図され、ここで、Wは、本明細書で定義される(例えば、一般式I及びII、ならびにこれらのサブ式、加えて、本明細書に記載するWの具体例、例えば
を参照されたい)。さらに、
などの、本明細書に記載する式の化合物の、任意のA部分において利用可能な位置での重水素化もまた企図される。さらに、重水素置換はまた、
などのリンカー位置において、本発明の化合物で生じることができる。
さらなる実施形態では、以下のようなリンカーにおけるものなどの、シリル化置換もまた企図される:
従来技術で公知なように、多くの化学成分を、様々な異なる固体形態、例えば、非晶質形態または結晶形態(例えば多形体、水和物、溶媒和物)などに採用することができる。いくつかの実施形態では、本発明の化合物を、任意の固体形態を含む、任意のこのような形態で利用することができる。いくつかの実施形態では、本明細書で記載または説明する化合物を、水和物または溶媒和物形態で提供または利用することができる。
本明細書の様々な箇所において、本開示の化合物の置換基を、群または範囲で開示する。本開示が、このような群及び範囲のメンバーのそれぞれ1つ1つの個別の部分的組み合わせを含むことが具体的に意図される。例えば、用語「C-Cアルキル」とは、具体的には、メチル、エチル、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、及びCアルキルを個別に開示することを意図する。さらに、化合物が、置換基が群または範囲で開示される複数の位置を含む場合、特に明記しない限り、本開示は、各位置における、各、及び全ての、個別の要素のサブコンビネーションを含有する個別の化合物、ならびに化合物の群(例えば、属及び下位属)に及ぶことが意図される。
「任意に置換されたX」(例えば、任意に置換されたアルキル)という用語は、「Xであって、Xは任意に置換されている」(例えば、「アルキルであって、上記アルキルは任意に置換されている」)に等しいことを意図している。特徴「X」(例えば、アルキル)それ自体は任意のものであると意味することを意図しているわけではない。本明細書中に記載するように、対象となるある種の化合物は、1つ以上の「任意に置換された」部分を含有することができる。通常、用語「置換された」は、用語「任意に」が先に来るか否かに関わらず、指定した部分の1つ以上の水素が好適な置換基、例えば、本明細書に記載する置換基または基のいずれかによって置換されていることを意味する。特に明記しない限り、「任意に置換された」基は、基の各好適な位置において好適な置換基を有し得る。また、任意の所定の構造中における2つ以上の位置が、特定の基から選択される2つ以上の置換基で置換され得る場合、置換基は各位置で同一であるか、または異なるかのいずれかであってよい。例えば、用語「任意に置換されたC-Cアルキル-C-Cヘテロアリール」において、アルキル部分、ヘテロアリール部分、またはこの両方が、任意に置換されていてよい。本開示によって想定される置換基の組み合わせは、好ましくは、安定なまたは化学的に実現可能な化合物の形成をもたらすものである。用語「安定した」は、本発明で使用する場合、化合物の生産、検出、ならびに、特定の実施形態では、それらの回収、精製、及び本明細書にて開示した1つ以上の目的のための使用を見越した条件に供する際に、実質的に変化しない化合物を意味する。
「任意に置換された」基の置換可能な炭素原子における、好適な一価の置換基は、独立して、重水素、ハロゲン、-(CHR°、-(CHOR°、-O(CHR°、-O-(CHC(O)OR°、-(CHCH(OR°)、-(CHSR°、-(CHPh[R°で置換されてもよい。]、-(CHO(CHPh[R°で置換されてもよい。]、-CH=CHPh[R°で置換されてもよい。]、-(CHO(CH-ピリジル[R°で置換されてもよい。]、4~8員の飽和または不飽和ヘテロシクロアルキル(例えば、ピリジル)、3~8員の飽和または不飽和シクロアルキル(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、またはシクロペンチル)、-NO、-CN、-N、-(CHN(R°)、-(CHN(R°)C(O)R°、-N(R°)C(S)R°;-(CHN(R°)C(O)NR°;-N(R°)C(S)NR°;-(CHN(R°)C(O)OR°;-N(R°)N(R°)C(O)R°;-N(R°)N(R°)C(O)NR°;-N(R°)N(R°)C(O)OR°;-(CHC(O)R°;-C(S)R°;-(CHC(O)OR°;-(CH-C(O)-N(R°);-(CH-C(O)-N(R°)-S(O)-R°;-C(NCN)NR°°;-(CHC(O)SR°;-(CHC(O)OSiR°;-(CHOC(O)R°;-OC(O)(CHSR°;-SC(S)SR°;-(CHSC(O)R°;-(CHC(O)NR°;-C(S)NR°;-C(S)SR°;-(CHOC(O)NR°;-C(O)N(OR°)R°;-C(O)C(O)R°;-C(O)CHC(O)R°;-C(NOR°)R°;-(CHSSR°;-(CHS(O)R°;-(CHS(O)OR°;-(CHOS(O)R°;-S(O)NR°;-(CHS(O)R°;-N(R°)S(O)NR°;-N(R°)S(O)R°;-N(OR°)R°;-C(NOR°)NR°;-C(NH)NR°;-P(O)R°;-P(O)R°;-P(O)(OR°);-OP(O)R°;-OP(O)(OR°);-OP(O)(OR°)R°、-SiR°;-(C直鎖または分枝鎖アルキレン)O-N(R°);または-(C直鎖又は分枝鎖アルキレン)C(O)O-N(R°)であることができ、式中、各R°は、以下で定義するとおりに置換されてよく、独立して、水素、-C脂肪族、-CHPh、-O(CHPh、-CH-(5~6員のヘテロアリール環)、または、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0~4個のヘテロ原子を有する、3~6員の、飽和、部分的不飽和、もしくはアリール環であるか、あるいは、上述の定義に拘わらず、独立して存在する2つのR°は、その間に入っている原子(複数可)と共に、窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される0~4個のヘテロ原子を有する、3~12員の飽和、部分的不飽和、またはアリール単もしくは二環式環を形成し、これらは、以下で定義するように置換されていてよい。
R°(または、その間に入っている原子と共に、独立して存在する2つのR°を用いることより形成される環)上の好適な一価の置換基は独立して、ハロゲン、-(CH、-(ハロR)、-(CHOH、-(CHOR、-(CHCH(OR、-O(ハロR)、-CN、-N、-(CHC(O)R、-(CHC(O)OH、-(CHC(O)OR、-(CHSR、-(CHSH、-(CHNH、-(CHNHR、-(CHNR 、-NO、-SiR 、-OSiR 、-C(O)SR、-(C直鎖もしくは分枝鎖アルキレン)C(O)OR、または-SSRであることができ、式中、各Rは非置換であるか、または「ハロ」が先に付く箇所では、1つ以上のハロゲンによってのみ置換されており、独立して、C脂肪族、-CHPh、-O(CHPh、または、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0~4個のヘテロ原子を有する、5~6員の、飽和、部分的不飽和、もしくはアリール環から選択される。R°の飽和炭素原子上の好適な二価の置換基としては、=O及び=Sが挙げられる。
「任意に置換された」基の飽和炭素原子上の好適な二価の置換基としては、以下:=O、=S、=NNR 、=NNHC(O)R、=NNHC(O)OR、=NNHS(O)、=NR、=NOR、-O(C(R ))O-、または-S(C(R ))S-が挙げられ、式中、それぞれ独立して存在するRは、水素、以下で定義するように置換されることができるC脂肪族、または、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0~4個のヘテロ原子を有する、非置換5~6員の、飽和、部分的不飽和、もしくはアリール環から選択される。「任意に置換された」基のビシナルな置換可能な炭素に結合した好適な二価の置換基としては-O(CR O-が挙げられ、式中、それぞれ独立して存在するRは、水素、以下で定義するように置換されることができるC脂肪族、または、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0~4個のヘテロ原子を有する、非置換5~6員の、飽和、部分的不飽和、もしくはアリール環から選択される。
の脂肪族基上の好適な置換基としては、-R、(ハロR)、-OH、-OR、-OR、-O(ハロR)、-CN、-C(O)OH、-C(O)OR、-NH、-NHR、-NR、または-NOであり、式中、各Rは非置換であるか、または「ハロ」が先に付く箇所では、1つ以上のハロゲンによってのみ置換されており、独立して、C脂肪族、-CHPh、-O(CHPh、または、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0~4個のヘテロ原子を有する、5~6員の、飽和、部分的不飽和、もしくはアリール環である。
「任意に置換された」基の置換可能な窒素上の好適な置換基としては、-R、-NR 、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)C(O)R、-C(O)CHC(O)R、-S(O)、-S(O)NR 、-C(S)NR 、-C(NH)NR 、または-N(R)S(O)が挙げられ、式中、各Rは独立して、水素、以下で定義するように置換されることができるC脂肪族、非置換の-OPh、もしくは、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0~4個のヘテロ原子を有する、非置換3~6員の、飽和、部分的不飽和、もしくはアリール環であるか、または、上の定義に関わらず、独立して存在する2つのRは、その間に入っている原子(複数可)と共に、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0~4個のヘテロ原子を有する、非置換3~12員の飽和、部分的不飽和、もしくはアリール単もしくは二環式環を形成する。
の脂肪族基上の好適な置換基は独立して、ハロゲン、-R、-(ハロR)、-OH、-OR、-O(ハロR)、-CN、-C(O)OH、-C(O)OR、-NH、-NHR、-NR 、または-NOであり、式中、各Rは非置換であるか、または「ハロ」が先に付く箇所では、1つ以上のハロゲンによってのみ置換されており、独立して、C-C脂肪族、-CHPh、-O(CHPh、または、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0~4個のヘテロ原子を有する、5~6員の、飽和、部分的不飽和、もしくはアリール環である。Rの飽和炭素原子上の好適な二価の置換基としては、=O及び=Sが挙げられる。
本明細書で使用する場合、用語「アセチル」とは、基-C(O)CHを意味する。
本明細書で使用する場合、用語「アルコキシ」とは、-O-C-C20アルキルを意味し、アルコキシ基は、酸素原子を介して化合物の残りの部分に結合する。
本明細書で使用する場合、用語「アルキル」とは、1~20(例えば、1~10、または1~6)個の炭素を含有する、飽和、直鎖または分枝鎖の一価の炭化水素基を意味する。いくつかの実施形態では、アルキル基は非分枝鎖(即ち、直鎖)であり、いくつかの実施形態では、アルキル基は分枝鎖である。アルキル基は、メチル、エチル、n-及びイソプロピル、n-、sec-、イソ及びtert-ブチル、ならびにネオペンチルにより例示されるが、これらに限定されない。
本明細書で使用する場合、用語「アルキレン」とは、2つの水素原子を取り除くことによる、直鎖または分枝鎖飽和炭化水素から誘導される飽和の二価炭化水素基を表し、メチレン、エチレン、イソプロピレンなどにより例示される。用語「C-Cアルキレン」とは、x~y個の炭素を有するアルキレン基を表す。xの例示的な値は1、2、3、4、5、及び6であり、yの例示的な値は2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、14、16、18、または20である(例えば、C-C、C-C10、C-C20、C-C、C-C10、またはC-C20アルキレン)。いくつかの実施形態では、アルキレンは、本明細書で定義するように、1、2、3、または4個の置換基でさらに置換することができる。
本明細書で使用する場合、用語「アルケニル」とは、特に明記されない限り、1つ以上の炭素-炭素二重結合を含有する2~20個の炭素(例えば、2~6、または2~10個の炭素)の、一価の直鎖または分枝鎖基を表し、エテニル、1-プロペニル、2-プロペニル、2-メチル-1-プロペニル、1-ブテニル、及び2-ブテニルにより例示される。アルケニルは、シス及びトランス異性体の両方を含む。本明細書で使用する場合、用語「アルケニレン」とは、特に明記されない限り、1つ以上の炭素-炭素二重結合を含有する2~20個の炭素(例えば、2~6、または2~10個の炭素)の、二価の直鎖または分枝鎖基を表す。
本明細書で使用する場合、用語「アルキニル」とは、炭素-炭素三重結合を含有する2~20個の炭素原子(例えば、2~4、2~6、または2~10個の炭素)による、一価の直鎖または分枝鎖基を表し、エチニル及び1-プロピニルにより例示される。
本明細書で使用する場合、用語「アルキニルスルホン」とは、構造
[式中、Rは、本明細書に記載する化学的に適した任意の置換基である。]を含む基を表す。
本明細書で使用する場合、用語「アミノ」とは、-N(R、例えば、-NH及び-N(CHを表す。
本明細書で使用する場合、用語「アミノアルキル」とは、1個以上の炭素原子上で、1つ以上のアミノ部分により置換されたアルキル部分を表す。
本明細書に記載する用語「アミノ酸」とは、側鎖、アミノ基、及び酸性基(例えば、-COHまたは-SOH)を有する分子を意味し、アミノ酸は、側鎖、アミノ基、または酸基(例えば、側鎖)により、親分子基に結合する。本明細書で使用する場合、最も広い意味における用語「アミノ酸」とは、例えば、1つ以上のペプチド結合の形成によりポリペプチド鎖に組み込まれることが可能な任意の化合物または物質を意味する。いくつかの実施形態では、アミノ酸は、一般構造HN-C(H)(R)-COOHを有する。いくつかの実施形態では、アミノ酸は自然に存在するアミノ酸である。いくつかの実施形態では、アミノ酸は合成アミノ酸であり、いくつかの実施形態では、アミノ酸はD-アミノ酸であり、いくつかの実施形態では、アミノ酸はL-アミノ酸である。「標準的なアミノ酸」とは、自然に存在するペプチドで一般的に見出される、20個の標準的なL-アミノ酸のいずれかを意味する。例示的なアミノ酸としては、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、任意に置換されたヒドロキシルノルバリン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、ノルバリン、オルニチン、フェニルアラニン、プロリン、ピロリシン、セレノシステイン、セリン、タウリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、及びバリンが挙げられる。
本明細書で使用する場合、用語「アリール」とは、炭素原子により形成される一価の単環式、二環式、または多環式環系を表し、ペンダント基に結合する環は芳香族である。アリール基の例は、フェニル、ナフチル、フェナントレニル、及びアントラセニルである。アリール環は、安定構造をもたらす任意のへテロ原子または炭素環原子にて、そのペンダント基に結合することができ、特に明記されない限り、環原子のいずれかが任意に置換されることができる。
本明細書で使用する場合、用語「C」とは、結合を表す。例えば、用語-N(C(O)-(C-Cアルキレン-H)-の一部は、-N(C(O)-(Cアルキレン-H)-を含み、これは、-N(C(O)-H)-によってもまた表される。
本明細書で使用する場合、用語「炭素環式」及び「カルボシクリル」とは、一価の任意に置換されたC12単環式、二環式、または三環式の環状構造を意味し、これは任意に架橋され、縮合され、またはスピロ環式であってよく、全ての環が炭素原子により形成され、少なくとも1つの環が非芳香族である。炭素環式構造としてはシクロアルキル、シクロアルケニル、及びシクロアルキニル基が挙げられる。カルボシクリル基の例は、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロオクチニル、1,2-ジヒドロナフチル、1,2,3,4-テトラヒドロナフチル、フルオレニル、インデニル、インダニル、デカリニルなどである。炭素環式環は、安定構造をもたらす任意の環原子にて、そのペンダント基に結合することができ、特に明記されない限り、環原子のいずれかが任意に置換されることができる。
本明細書で使用する場合、用語「カルボニル」は、C=Oとして表すこともできるC(O)基を表す。
本明細書で使用する場合、用語「カルボキシル」とは、-COH、(C=O)(OH)、COOH、もしくはC(O)OH、または、非プロトン化の対応基を意味する。
本明細書で使用する場合、用語「シアノ」とは、-CN基を表す。
本明細書で使用する場合、用語「シクロアルキル」とは、一価の飽和環式炭化水素基を表し、特に明記されない限り、これは架橋され、縮合され、または、3~8個の炭素を有するスピロ環式であってよく、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロへプチル、及びシクロへプチルにより例示される。
本明細書で使用する場合、用語「シクロアルケニル」とは、一価の非芳香族飽和環式炭化水素基を表し、特に明記されない限り、これは架橋され、縮合され、または、3~8個の炭素を有するスピロ環式であってよく、1つ以上の炭素-炭素二重結合を含有する。
本明細書で使用する場合、用語「ジアステレオマー」とは、互いに鏡像ではなく、互いに重ね合わせることができない立体異性体を意味する。
本明細書で使用する場合、「エナンチオマー」とは、少なくとも80%(即ち、少なくとも90%の1つのエナンチオマー、及び最大10%の他のエナンチオマー)、好ましくは少なくとも90%、ならびに、より好ましくは、少なくとも98%の光学純度または鏡像異性体過剰率(当該技術分野において標準的な方法で測定される)を有する、本発明の化合物の、各個別の光学活性形態を意味する。
用語「グアニジル」とは、構造
[式中、各Rは独立して、本明細書に記載する任意の化学的に適した置換基である。]を有する基を意味する。
本明細書で使用する場合、用語「グアニジノアルキルアルキル」とは、1個以上の炭素原子上で、1つ以上のグアニジル部分により置換されたアルキル部分を表す。
本明細書で使用する場合、用語「ハロアセチル」とは、少なくとも1つの水素がハロゲンにより置換されているアセチル基を意味する。
本明細書で使用する場合、用語「ハロアルキル」とは、1つ以上の炭素原子上において、1つ以上の同一または異なるハロゲン部分で置換したアルキル部分を表す。
本明細書で使用する場合、用語「ハロゲン」は、臭素、塩素、ヨウ素、またはフッ素から選択されるハロゲンを表す。
本明細書で使用する場合、用語「ヘテロアルキル」は、少なくとも1個の炭素原子がヘテロ原子(例えば、O、N、またはS原子)で置き換えられている「アルキル」基(本明細書で定義される)を指す。ヘテロ原子は、ラジカルの中央または端部に出現し得る。
本明細書で使用する場合、用語「ヘテロアリール」とは、少なくとも1つの完全な芳香環を含有する一価の単環式または多環式の環状構造を表す。即ち、これらは単環式または多環式環系内に4n+2個のπ電子を含有し、当該芳香環内にN、OまたはSから選択される少なくとも1個の環へテロ原子を含有する。例示的な非置換ヘテロアリール基は、1~12(例えば、1~11、1~10、1~9、2~12、2~11、2~10、または2~9)個の炭素のものである。用語「ヘテロアリール」は、上記ヘテロ芳香族環のいずれかが1つ以上のアリールまたは炭素環式環、例えばフェニル環もしくはシクロヘキサン環に縮合した、二環式、三環式、及び四環式基を含む。ヘテロアリール基の例としては、ピリジル、ピラゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、キノリニル、テトラヒドロキノリニル、及び4-アザインドリルが挙げられるが、これらに限定されない。ヘテロアリール環は、安定構造をもたらす任意の環原子にて、そのペンダント基に結合することができ、特に明記されない限り、環原子のいずれかが任意に置換されることができる。いくつかの実施形態では、ヘテロアリールは、1、2、3、または4個の置換基で置換される。
本明細書で使用する場合、用語「ヘテロシクロアルキル」は、一価の一環式、二環式または多環式環系を表し、これは架橋され、縮合され、またはスピロ環式であってよく、少なくとも1つの環は非芳香族であり、非芳香環は、窒素、酸素、及び硫黄からなる群から独立して選択される1、2、3、または4個のヘテロ原子を含有する。5員環は0~2個の二重結合を有し、6及び7員環は0~3個の二重結合を有する。例示的な非置換ヘテロシクロアルキル基は、1~12(例えば、1~11、1~10、1~9、2~12、2~11、2~10、または2~9)個の炭素のものである。用語「ヘテロシクロアルキル」は、1つ以上の炭素またはヘテロ原子が、単環式環、例えばキヌクリジニル基の2つの非隣接要素に架橋する、架橋多環式構造を有する複素環式化合物もまた表す。用語「ヘテロシクロアルキル」は、上記複素環式環のいずれかが1つ以上の芳香族、炭素環式、複素芳香族、または複素環式環、例えば、アリール環、シクロヘキサン環、シクロヘキセン環、シクロペンタン環、シクロペンテン環、ピリジン環、またはピロリジン環に縮合した、二環式、三環式、及び四環式基を含む。ヘテロシクロアルキル基の例は、ピロリジニル、ピペリジニル、1,2,3,4-テトラヒドロキノリニル、デカヒドロキノリニル、ジヒドロピロロピリジン、及びデカヒドロナフチリジニルである。ヘテロシクロアルキル環は、安定構造をもたらす任意の環原子にて、そのペンダント基に結合することができ、特に明記されない限り、環原子のいずれかが任意に置換されることができる。
本明細書で使用する場合、用語「ヒドロキシ」は、-OH基を表す。
本明細書で使用する場合、用語「ヒドロキシアルキル」とは、1個以上の炭素原子上で、1つ以上の-OH部分により置換されたアルキル部分を表す。
本明細書で使用する場合、「異性体」とは、本発明のずれか化合物の、任意の互変異性体、立体異性体、アトロプ異性体、エナンチオマー、またはジアステレオマーを意味する。本発明の化合物は1つ以上のキラル中心または二重結合を有することができ、それ故、立体異性体、例えば二重結合異性体(即ち幾何E/Z異性体)、またはジアステレオマー(例えば、エナンチオマー(即ち(+)もしくは(-)、もしくはcis/trans異性体)として存在することが認識されている。本発明に従うと、本明細書で記述した化学構造、及びそれ故、本発明の化合物は、対応するすべての立体異性体、すなわち、立体異性的に純粋な形態(例えば、幾何学的に純粋、鏡像異性的に純粋、またはジアステレオ的に純粋)、ならびに鏡像異性及び立体異性混合物(例えばラセミ化合物)の両方を包含する。本発明の化合物の、鏡像異性及び立体異性混合物は通常、周知の方法、例えばキラル相ガスクロマトグラフィー、キラル相高速液体クロマトグラフィー、キラル塩錯体としての化合物の結晶化、または、化合物のキラル溶媒中での結晶化により、構成成分であるエナンチオマーまたは立体異性体に分解することができる。エナンチオマー及び立体異性体は、周知の不斉合成法により、立体異性的または鏡像異性的に純粋な中間体、試薬、及び触媒からもまた入手することができる。
本明細書で使用する場合、用語「リンカー」とは、第1の部分(例えば、大環状部分)を第2の部分(例えば、架橋基)に接続する、二価の有機部分を意味する。いくつかの実施形態では、リンカーにより、以下の実施例、及びここで提供されるRas-RAF破壊アッセイプロトコルにおいて、2uM以下のIC50を達成可能となる化合物がもたらされる。
本バイオケミカルアッセイの目的は、試験化合物が、ヌクレオチドロードRasアイソフォームとサイクロフィリンAとの間での3元複合体形成を容易にする能力を測定することであり、得られる3元複合体は、BRAFRBD構築物への結合を破壊し、RAFエフェクターを介してのRasシグナル伝達を阻害する。
25mMのHEPES(pH7.3)を含有するアッセイバッファー内で、0.002%のTween20、0.1%のBSA、100mMのNaCl及び5mMのMgCl、タグ無しサイクロフィリンA、His6-K-RasGMPPNP(または他のRasバリアント)、ならびにGST-BRAFRBDを、それぞれ25μM、12.5nM、及び50nMの終濃度にて、384ウェルアッセイプレートで組み合わせる。化合物は、30μMの終濃度から開始する、10点3倍希釈系列としてプレートウェルに存在する。25℃で3時間のインキュベーションの後、抗His Eu-W1024と抗GSTアロフィコシアニンの混合物を、それぞれ10nM及び50nMの終濃度にてアッセイサンプルウェルに添加し、反応物をさらに1.5時間インキュベートした。TR-FRETシグナルを、マイクロプレートリーダー(励起320nm、蛍光665/615nm)で読み取る。Ras:RAF複合体の破壊を促進する化合物は、DMSO対照ウェルに対して、TR-FRET比率の低下を誘発するものとして識別される。
いくつかの実施形態では、リンカーは、20個以下の直鎖原子を含む。いくつかの実施形態では、リンカーは、15個以下の直鎖原子を含む。いくつかの実施形態では、リンカーは、10個以下の直鎖原子を含む。いくつかの実施形態では、リンカーは500g/mol未満の分子量を有する。いくつかの実施形態では、リンカーは400g/mol未満の分子量を有する。いくつかの実施形態では、リンカーは300g/mol未満の分子量を有する。いくつかの実施形態では、リンカーは200g/mol未満の分子量を有する。いくつかの実施形態では、リンカーは100g/mol未満の分子量を有する。いくつかの実施形態では、リンカーは50g/mol未満の分子量を有する。
本明細書で使用する場合、「一価の有機部分」は、500kDa未満である。いくつかの実施形態では、「一価の有機部分」は、400kDa未満である。いくつかの実施形態では、「一価の有機部分」は、300kDa未満である。いくつかの実施形態では、「一価の有機部分」は、200kDa未満である。いくつかの実施形態では、「一価の有機部分」は、100kDa未満である。いくつかの実施形態では、「一価の有機部分」は、50kDa未満である。いくつかの実施形態では、「一価の有機部分」は、25kDa未満である。いくつかの実施形態では、「一価の有機部分」は、20kDa未満である。いくつかの実施形態では、「一価の有機部分」は、15kDa未満である。いくつかの実施形態では、「一価の有機部分」は、10kDa未満である。いくつかの実施形態では、「一価の有機部分」は、1kDa未満である。いくつかの実施形態では、「一価の有機部分」は、500g/mol未満である。いくつかの実施形態では、「一価の有機部分」は、500g/mol~500kDaの範囲である。
本明細書で使用する場合、用語「立体異性体」とは、化合物が有し得る、全ての可能な異なる異性体形態、及び構造形態(例えば、本明細書で記載される任意の式の化合物)、特に、アトロプ異性体を含む、基本的な分子構造の全ての可能な立体化学異性形態及び構造異性体形態、全てのジアステレオマー、エナンチオマー、または配座異性体を意味する。本発明のいくつかの化合物は、異なる互変異性形態で存在することができ、後者のものは全て、本発明の範囲に含まれる。
本明細書で使用する場合、用語「スルホニル」は、-S(O)-基を表す。
本明細書で使用する場合、用語「チオカルボニル」とは、-C(S)-基を意味する。
本明細書で使用する場合、用語「ビニルケトン」とは、炭素-炭素二重結合に直接結合したカルボニル基を含む基を意味する。
本明細書で使用する場合、用語「ビニルスルホン」とは、炭素-炭素二重結合に直接結合したスルホニル基を含む基を意味する。
本明細書で使用する場合、用語「イノン」とは、構造
[式中、Rは、本明細書に記載する化学的に適した任意の任意の置換基である。]を含む基を表す。
本明細書に記載する特定の化合物は、例えば塩形態、保護形態、プロドラッグ形態、エステル形態、異性体形態(例えば、光学または構造異性体)、同位体形態などといった、様々な形態のいずれかで提供または利用することができることを、本開示を読む当業者は理解するであろう。いくつかの実施形態では、特定の化合物への言及は、当該化合物の特定の形態に関連し得る。いくつかの実施形態では、特定の化合物への言及は、任意の形態における当該化合物に関連し得る。いくつかの実施形態では、例えば、化合物の単一の立体異性体の調製物は、当該化合物のラセミ混合物とは異なる当該化合物の形態と考えられ得、化合物の特定の塩は、当該化合物の別の塩形態とは異なる形態と考えられ得、二重結合の構造異性体((Z)または(E))を含有する調製物は、当該二重結合の他の構造異性体((E)または(Z))を含有するものとは異なる形態であると考えられ得、1つ以上の原子が、参照調製物中に存在するものとは異なる同位体である調製物は、異なる形態であると考えられ得る。
特定の本発明の化合物(式BB)(右にある点)、及び、対応する式AAの化合物(左にある点)の、能力の一致する対の分析について示し、2つの異なる細胞ベースアッセイの文脈においては、Hは、(S)Meで置き換えられている。y軸は、H358細胞株で測定した、pERK EC50を示す。 特定の本発明の化合物(式BB)(右にある点)、及び、対応する式AAの化合物(左にある点)の、能力の一致する対の分析について示し、2つの異なる細胞ベースアッセイの文脈においては、Hは、(S)Meで置き換えられている。y軸は、H358細胞株で測定した、CTG IC50を示す。 式AAの化合物が、11.233分及び11.346分の保持時間を有する、分離不可能なジアステレオマーをもたらすことを示すHPLCトレースを示す(図2A)。対照的に、メチル基を付加して式BBの化合物を形成することにより、ジアステレオマーの容易な分離が可能となり、一のジアステレオマーは11.364分の保持時間を有し(図2B)、他のジアステレオマーは、10.045分の保持時間を有する(図2C)。化合物の構造を、各HPLCトレース上に示す。 同上。 同上。
化合物
RAS阻害剤を本明細書で提供する。本明細書に記載するアプローチは、合成リガンドと通常の生理学的条件下で相互作用しない2つの細胞内タンパク質:対象となるタンパク質(例えば、Ras)、及び、細胞内で広範に発現するサイトゾルシャペロン(プレゼンタータンパク質)(例えば、サイクロフィリンA)との間での、高親和性の3成分複合体またはコンジュゲートの形成を必要とする。より具体的には、いくつかの実施形態では、本明細書に記載するRasの阻害剤は、Rasタンパク質と、広範に発現するサイトゾルシャペロンのサイクロフィリンA(CYPA)との間で、高親和性のトリ複合体またはコンジュゲートの形成を駆動することによる、Ras中での新規の結合ポケットサイトゾルを含む。理論に束縛されるものではないが、本発明の化合物及び複合体、またはコンジュゲートにより、Rasでの阻害効果が影響を受ける1方法は、Rasと、RAFなどの下流エフェクター分子との間での相互作用部位の立体閉塞が形成されることであり、これは、発がん性シグナルを生長させるのに必要であると、本発明者らは考えている。
理論に束縛されるものではないが、本発明の化合物の、Ras及びシャペロンタンパク質(例えばサイクロフィリンA)との、共有及び非共有相互作用の両方が、Ras活性の阻害に寄与し得ると、本発明者らは仮定している。いくつかの実施形態では、本発明の化合物は、Rasタンパク質の側鎖(例えば、変異Rasタンパク質の位置12または13における、システインのメルカプト(基)スルフヒドリル側鎖)と共有付加化合物を形成する。共有付加物は、Rasの他の側鎖ともまた形成され得る。さらに、または代替的に、非共有相互作用が作用され得る:例えば、ファン・デル・ワールス相互作用、疎水性相互作用、親水性相互作用、及び水素結合相互作用、ならびにこれらの組み合わせが、本発明の化合物が複合体を形成し、RAS阻害剤として作用する能力に寄与し得る。したがって、様々なRasタンパク質が、本発明の化合物により阻害されることができる(例えば、位置12、13、及び61におけるK-Ras、N-Ras、H-Ras、及びこれらの変異体、例えば、G12C、G12D、G12V、G12S、G13C、G13D、及びQ61L、ならびに本明細書に記載する他のもの)。
共有付加物形成の測定方法は、当技術分野において既知である。共有付加物形成を測定する1方法は、以下の条件下などで「架橋」アッセイを行うことである(注-以下のプロトコルは、本発明の化合物に対するK-Ras G12C(GMP-PNP)の架橋を監視するための手順について記載する。本プロトコルは、他のRasタンパク質またはヌクレオチドで実行することもまた可能である)。
本バイオケミカルアッセイの目的は、試験化合物が、ヌクレオチドロードK-Rasアイソフォームを共有標識する能力を測定することである。12.5mMのHEPES(pH7.4)を含有するアッセイバッファー内で、75mMのNaCl、1mMのMgCl、1mM BME、5μMのサイクロフィリンA及び2μMの試験化合物、5μMのGMP-PNPロードK-Ras(1-169)G12Cの原液を10倍希釈し、0.5μMの終濃度を得る。最終のサンプル体積は100μLである。
サンプルを最大24時間の期間、25℃でインキュベートした後、10μLの5%ギ酸を添加してクエンチする。クエンチしたサンプルをベンチトップ遠心分離器で15分間、15000rpmで遠心分離にかけた後、10μLのアリコートを逆相C4カラムに注入し、移動相中のアセトニトリル勾配を増加させながら、質量分析計に溶出する。Waters MassLynx MSソフトウェアを用いてローデータの分析を行うことができ、結合割合は、標識及び未標識K-Rasに対する、逆畳み込みを行ったタンパク質ピークから計算する。
いくつかの実施形態では、本発明の化合物は、K-Ras G13Cと比較して、K-Ras G12Cを強力に阻害する。いくつかの実施形態では、本発明の化合物は、K-Ras G12Cと比較して、K-Ras G13Cを強力に阻害する。いくつかの実施形態では、本発明の化合物は、当該技術分野において既知の化合物と比較して、K-Ras G13Cを強力に阻害する。いくつかの実施形態では、本発明の化合物は、K-Ras G13Cと比較して、より大きな程度でK-Ras G12Cに架橋する。いくつかの実施形態では、本発明の化合物は、K-Ras G12Cと比較して、より大きな程度でK-Ras G13Cに架橋する。例えば、いくつかの実施形態では、本発明の化合物は、100%のG13C架橋を示す一方で、G12C架橋を示さない。いくつかの実施形態では、本発明の化合物は、100%のG12C架橋を示す一方で、G13C架橋を示さない。いくつかの実施形態では、本発明の化合物は、当該技術分野において既知の化合物と比較して、より大きな程度でK-Ras G13Cに架橋する。本発明の特定の化合物によって、他のRas変異体(即ち、G12C)と比較して、G13C Ras変異体を優先して標的にすることは通常、少なくとも部分的には、リンカー(例えば、L)の性質、特に、リンカーの長さに因るものである。
したがって、式Iの構造を有する化合物、またはその薬学的に許容される塩を、本明細書で提供する:
[式中、Aは、任意に置換された3~6員のヘテロシクロアルキレン、任意に置換された3~6員のシクロアルキレン、任意に置換された6員のアリーレン、または、任意に置換された5~10員のヘテロアリーレンであり、
は存在しないか、またはリンカーであり、
Wは、ビニルケトン、ビニルスルホン、イノン、またはアルキニルスルホンを含む架橋基であり、
は、水素、任意に置換された3~10員のヘテロシクロアルキル、または任意に置換されたC-Cヘテロアルキルであり、
は、任意に置換されたC-Cアルキルであり、かつ
は、任意に置換されたC-Cアルキル、または任意に置換されたC-Cヘテロアルキルである。]。
いくつかの実施形態では、Wは、ビニルケトン、ビニルスルホン、またはイノンを含む架橋基である。
いくつかの実施形態では、式Iaの構造を有する化合物、またはその薬学的に許容される塩を、本明細書で提供する:
本発明の化合物のいくつかの実施形態では、Aは、任意に置換されたチアゾール、任意に置換されたオキサゾール、任意に置換されたモルホリノ、任意に置換されたピロリジニル、任意に置換されたピリジル、任意に置換されたアゼチジニル、任意に置換されたピラジニル、任意に置換されたピリミジン、任意に置換されたピペリジニル、任意に置換されたオキサジアゾール、任意に置換されたチアジアゾール、任意に置換されたトリアゾール、任意に置換されたチオモルホリノ、または、任意に置換されたフェニルである。
いくつかの実施形態では、本開示は、構造式II-1の化合物、またはその薬学的に許容される塩を特徴とする:
いくつかの実施形態では、式II-2の構造を有する化合物、またはその薬学的に許容される塩を提供する:
[式中、R、R、及びRはそれぞれ独立して、水素、任意に置換されたC-Cアルキル、任意に置換されたC-Cヘテロアルキル、任意に置換された3~6員のシクロアルキル、任意に置換された3~6員のヘテロシクロアルキルから選択されるか、あるいは
及びRは、それらが結合する原子と組み合わさり、任意に置換された3~8員のシクロアルキル、または、任意に置換された3~8員のヘテロシクロアルキルを形成するか、あるいは
及びRは、それらが結合する原子と組み合わさり、任意に置換された3~8員のシクロアルキル、または、任意に置換された3~8員のヘテロシクロアルキルを形成する。]。
いくつかの実施形態では、本発明の化合物は、式II-3の構造、またはその薬学的に許容される塩を有する:
いくつかの実施形態では、本発明の化合物は、式II-4の構造、またはその薬学的に許容される塩を有する:
本発明の化合物のいくつかの実施形態では、Rは、
である。
本発明の化合物のいくつかの実施形態では、Rは、任意に置換されたC-Cアルキルである。いくつかの実施形態では、Rは、
である。
本発明の化合物のいくつかの実施形態では、Rは、任意に置換されたC-Cヘテロアルキルである。いくつかの実施形態では、Rは、
である。
本発明の化合物のいくつかの実施形態では、Aは、任意に置換された5~10員のヘテロアリーレンである。いくつかの実施形態では、Aは、
である。
本発明の化合物のいくつかの実施形態では、Aは、任意に置換されたフェニルである。いくつかの実施形態では、Aは、
である。
本発明の化合物のいくつかの実施形態では、Aは、任意に置換された3~6員のヘテロシクロアルキレンである。いくつかの実施形態では、Aは、以下のもの、または、これらの立体異性体から選択される:
本発明の化合物のいくつかの実施形態では、リンカーは、式IIIの構造である:
-(B-(C-(B-(D)-(B-(C-(B-A
式III
[式中、Aは、リンカーとCH(R)との間の結合であり;Aは、Wとリンカーとの間の結合であり;B、B、B、及びBはそれぞれ独立して、任意に置換されたC-Cアルキレン、任意に置換されたC-Cヘテロアルキレン、O、S、及びNRから選択され;各Rは独立して、水素、任意に置換されたC-Cアルキル、任意に置換されたC-Cアルケニル、任意に置換されたC-Cアルキニル、任意に置換された3~14員のヘテロシクロアルキル、任意に置換された6~10員のアリール、または、任意に置換されたC-Cヘテロアルキルであり;C及びCはそれぞれ独立して、カルボニル、チオカルボニル、スルホニル、またはホスホリルから選択され;f、g、h、i、j、及びkはそれぞれ独立して、0または1であり;Dは、任意に置換されたC-C10アルキレン、任意に置換されたC-C10アルケニレン、任意に置換されたC-C10アルキニレン、任意に置換された3~14員のヘテロシクロアルキレン、任意に置換された5~10員のヘテロアリーレン、任意に置換された3~8員のシクロアルキレン、任意に置換された6~10員のアリーレン、任意に置換されたC-C10ポリエチレングリコレン、もしくは、任意に置換されたC-C10ヘテロアルキレン、または、A-(B-(C-(B-を-(B-(C-(B-Aに結合させる化学結合である。]。
本発明の化合物のいくつかの実施形態では、リンカーは、環式部分であるか、またはこれを含む。いくつかの実施形態では、リンカーは、式IIIaの構造を有する:
[式中、oは0または1であり、
は、水素、任意に置換されたC-Cアルキル、任意に置換された3~8員のシクロアルキレン、または任意に置換された3~8員のヘテロシクロアルキレンであり、
は存在しないか、任意に置換されたC-Cアルキレン、O、NCH、または任意に置換されたC-Cヘテロアルキレンであり、
Cyは、任意に置換された3~8員のシクロアルキレン、任意に置換された3~12員のヘテロシクロアルキレン、任意に置換された6~10員のアリーレン、または任意に置換された5~10員のヘテロアリーレンであり、かつ、
は存在しないか、-SO-、-NH-、任意に置換されたC-Cアルキレン、任意に置換されたC-Cヘテロアルキレン、または、任意に置換された3~6員のヘテロシクロアルキレンである。]。
いくつかの実施形態では、リンカーは、以下、またはこれらの立体異性体から選択される:
いくつかの実施形態では、本発明の化合物は、式II-5の構造、またはその薬学的に許容される塩を有する:
[式中、Cyは、任意に置換されたスピロ環式の8~11員のヘテロシクロアルキレン、または、任意に置換された二環式の7~9員のヘテロシクロアルキレンであり、かつ、
式中、Wは、ビニルケトンまたはビニルスルホンを含む。]。
いくつかの実施形態では、Cyは、任意に置換されたスピロ環式の10~11員のヘテロシクロアルキレンである。
いくつかの実施形態では、本発明の化合物式II-5aの構造を有する:
[式中、XはO、C(R11、NR12、S、またはSOであり、
rは1または2であり、
各tは独立して0、1、または2であり、
11及びR12はそれぞれ独立して、水素、任意に置換されたC-Cアルキル、任意に置換されたC-Cヘテロアルキル、または任意に置換された3~5員のシクロアルキルであり、かつ、
各R13は独立して、-CHである。]。
いくつかの実施形態では、rは1である。いくつかの実施形態では、rは2である。いくつかの実施形態では、XはOである。いくつかの実施形態では、XはSである。いくつかの実施形態では、XはSOである。
いくつかの実施形態では、XはNR12である。いくつかの実施形態では、R12は、以下、またはこれらの立体異性体から選択される:
-CH
または-H。
いくつかの実施形態では、XはC(R11である。いくつかの実施形態では、各R11は水素である。
本発明の化合物のいくつかの実施形態では、Wは、ビニルケトンを含む架橋基である。いくつかの実施形態では、Wは式IVaの構造を有する:
[式中、R8a、R8b、及びR8cは独立して、水素、-CN、ハロゲン、または、-OH、-O-C-Cアルキル、
-NH、-NH(C-Cアルキル)、-N(C-Cアルキル)、もしくは4~7員の飽和ヘテロシクロアルキルから独立して選択される1つ以上の置換基で任意に置換されている-C-Cアルキルである。]。いくつかの実施形態では、Wは、以下、またはこれらの立体異性体から選択される:
本発明の化合物のいくつかの実施形態では、Wは、ビニルスルホンを含む架橋基である。いくつかの実施形態では、Wは式IVcの構造を有する:
[式中、R10a、R10b、及びR10cは、独立して、水素、-CN、または、-OH、-O-C-Cアルキル、
-NH、-NH(C-Cアルキル)、-N(C-Cアルキル)、もしくは4~7員の飽和ヘテロシクロアルキルから独立して選択される1つ以上の置換基で任意に置換されている-C-Cアルキルである。]。いくつかの実施形態では、Wは
である。
本発明の化合物のいくつかの実施形態では、Wは、イノンを含む架橋基である。いくつかの実施形態では、Wは式IVbの構造を有する:
[式中、Rは、水素;-OH、-O-C-Cアルキル、-NH、-NH(C-Cアルキル)、-N(C-Cアルキル)、もしくは、4~7員の飽和シクロアルキルから独立して選択される1つ以上の置換基で任意に置換されている-C-Cアルキル;または、4~7員の飽和ヘテロシクロアルキルである。]。いくつかの実施形態では、Wは以下から選択される:
いくつかの実施形態では、本発明の化合物式II-6の構造を有する:
[式中、QはCH、NR、またはOであり、
はCO、NR、またはOであり、かつ、
Zは、任意に置換された3~6員のヘテロシクロアルキレン、または、任意に置換された5~10員のヘテロアリーレンであるか、あるいは
式中、Q-Q-Zは、任意に置換された9~10員のスピロ環式ヘテロシクロアルキレンである。]。
いくつかの実施形態では、本発明の化合物式II-6aの構造を有する:
[式中、R14はフルオロ、水素、またはC-Cアルキルであり、かつ、
uは0または1である。]。
いくつかの実施形態では、R14はフルオロであり、uは1である。いくつかの実施形態では、R14は水素であり、uは0である。
いくつかの実施形態では、本発明の化合物式II-6bの構造を有する:
いくつかの実施形態では、本発明の化合物式II-6cの構造を有する:
いくつかの実施形態では、本発明の化合物は表1から選択されるか、または、その薬学的に許容される塩もしくは立体異性体である。いくつかの実施形態では、本発明の化合物は表1から選択されるか、または、その薬学的に許容される塩もしくはアトロプ異性体である。
いくつかの実施形態では、本発明の化合物は表2から選択される化合物、または、その薬学的に許容される塩もしくは立体異性体である。いくつかの実施形態では、本発明の化合物は表2から選択される化合物、または、その薬学的に許容される塩もしくはアトロプ異性体である。
いくつかの実施形態では、本発明の化合物は、表2から選択される化合物ではない。いくつかの実施形態では、本発明の化合物は表2から選択される化合物、または、その薬学的に許容される塩もしくは立体異性体ではない。いくつかの実施形態では、本発明の化合物は表2から選択される化合物、または、その薬学的に許容される塩もしくはアトロプ異性体ではない。
いくつかの実施形態では、化合物は、その開示全体が本発明において参照により組み込まれているWO 2020/132597に含まれている化合物ではない。いくつかの実施形態では、化合物は、その開示全体が本発明において参照により組み込まれているWO 2021/091982に含まれている化合物ではない。
本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩、及び薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物もまた提供する。
式Vの構造を含むコンジュゲート、またはその塩をさらに提供する:
M-L-P
式V
[式中、Lはリンカーであり、
Pは、一価の有機部分であり、
Mは、式VIaの構造を有する。]。
[式中、Aは、任意に置換された3~6員のヘテロシクロアルキレン、任意に置換された3~6員のシクロアルキレン、任意に置換された6員のアリーレン、または、任意に置換された5~10員のヘテロアリーレンであり、
は、任意に置換されたC-Cアルキルであり、
は、任意に置換されたC-Cアルキル、または任意に置換されたC-Cヘテロアルキルであり、
はO、C(R11、NR12、S、またはSOであり、
rは1または2であり、
各tは独立して0、1、または2であり、
11及びR12はそれぞれ独立して、水素、任意に置換されたC-Cアルキル、任意に置換されたC-Cヘテロアルキル、または任意に置換された3~5員のシクロアルキルであり、
各R13は独立して、-CHであり、かつ、
、R、及びRはそれぞれ独立して、水素、任意に置換されたC-Cアルキル、任意に置換されたC-Cヘテロアルキル、任意に置換された3~6員のシクロアルキル、任意に置換された3~6員のヘテロシクロアルキルから選択されるか、あるいは
及びRは、それらが結合する原子と組み合わさり、任意に置換された3~8員のシクロアルキル、または、任意に置換された3~8員のヘテロシクロアルキルを形成するか、あるいは
及びRは、それらが結合する原子と組み合わさり、任意に置換された3~8員のシクロアルキル、または、任意に置換された3~8員のヘテロシクロアルキルを形成する。]。
式Vの構造を含むコンジュゲート、またはその塩をさらに提供する:
M-L-P
式V
[式中、Lはリンカーであり、
Pは、一価の有機部分であり、
Mは、式VIbの構造を有する。]。
[式中、Aは、任意に置換された3~6員のヘテロシクロアルキレン、任意に置換された3~6員のシクロアルキレン、任意に置換された6員のアリーレン、または、任意に置換された5~10員のヘテロアリーレンであり、
は、任意に置換されたC-Cアルキルであり、
は、任意に置換されたC-Cアルキル、または任意に置換されたC-Cヘテロアルキルであり、
14はフルオロ、水素、またはC-Cアルキルであり、
uは0または1であり、かつ、
、R、及びRはそれぞれ独立して、水素、任意に置換されたC-Cアルキル、任意に置換されたC-Cヘテロアルキル、任意に置換された3~6員のシクロアルキル、任意に置換された3~6員のヘテロシクロアルキルから選択されるか、あるいは
及びRは、それらが結合する原子と組み合わさり、任意に置換された3~8員のシクロアルキル、または、任意に置換された3~8員のヘテロシクロアルキルを形成するか、あるいは
及びRは、それらが結合する原子と組み合わさり、任意に置換された3~8員のシクロアルキル、または、任意に置換された3~8員のヘテロシクロアルキルを形成する。]。
式Vの構造を含むコンジュゲート、またはその塩をさらに提供する:
M-L-P
式V
[式中、Lはリンカーであり、
Pは、一価の有機部分であり、
Mは、式VIcの構造を有する。]
[式中、Aは、任意に置換された3~6員のヘテロシクロアルキレン、任意に置換された3~6員のシクロアルキレン、任意に置換された6員のアリーレン、または、任意に置換された5~10員のヘテロアリーレンであり、
は、任意に置換されたC-Cアルキルであり、
は、任意に置換されたC-Cアルキル、または任意に置換されたC-Cヘテロアルキルであり、かつ、
、R、及びRはそれぞれ独立して、水素、任意に置換されたC-Cアルキル、任意に置換されたC-Cヘテロアルキル、任意に置換された3~6員のシクロアルキル、任意に置換された3~6員のヘテロシクロアルキルから選択されるか、あるいは
及びRは、それらが結合する原子と組み合わさり、任意に置換された3~8員のシクロアルキル、または、任意に置換された3~8員のヘテロシクロアルキルを形成するか、あるいは
及びRは、それらが結合する原子と組み合わさり、任意に置換された3~8員のシクロアルキル、または、任意に置換された3~8員のヘテロシクロアルキルを形成する。]。
式Vの構造を含むコンジュゲート、またはその塩をさらに提供する:
M-L-P
式V
[式中、Lはリンカーであり、
Pは、一価の有機部分であり、
Mは、式VIdの構造を有する。]
[式中、Aは、任意に置換された3~6員のヘテロシクロアルキレン、任意に置換された3~6員のシクロアルキレン、任意に置換された6員のアリーレン、または、任意に置換された5~10員のヘテロアリーレンであり、
は、任意に置換されたC-Cアルキルであり、
は、任意に置換されたC-Cアルキル、または任意に置換されたC-Cヘテロアルキルであり、かつ、
、R、及びRはそれぞれ独立して、水素、任意に置換されたC-Cアルキル、任意に置換されたC-Cヘテロアルキル、任意に置換された3~6員のシクロアルキル、任意に置換された3~6員のヘテロシクロアルキルから選択されるか、あるいは
及びRは、それらが結合する原子と組み合わさり、任意に置換された3~8員のシクロアルキル、または、任意に置換された3~8員のヘテロシクロアルキルを形成するか、あるいは
及びRは、それらが結合する原子と組み合わさり、任意に置換された3~8員のシクロアルキル、または、任意に置換された3~8員のヘテロシクロアルキルを形成する。]。
本発明のコンジュゲートいくつかの実施形態では、一価の有機部分はタンパク質である。いくつかの実施形態では、タンパク質はRasタンパク質である。いくつかの実施形態では、Rasタンパク質は、K-Ras G12C、K-Ras G13C、H-Ras G12C、H-Ras G13C、N-Ras G12C、またはN-Ras G13Cである。本発明のコンジュゲートいくつかの実施形態では、リンカーは、一価の有機部分のアミノ酸残基のスルフヒドリル基への結合を介して一価の有機部分に結合する。
がんの治療を必要とする対象における、がんの治療方法であって、上記方法が、上記対象に、治療に有効な量の本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、上記方法をさらに提供する。がんは例えば、膵癌、結腸直腸癌、非小細胞肺癌、急性骨髄性白血病、多発性骨髄腫、甲状腺癌、骨髄異形成症候群、または小扁平上皮癌濾胞癌であることができる。いくつかの実施形態では、がんは、K-Ras G12C、K-Ras G13C、H-Ras G12C、H-Ras G12C、N-Ras G12C、またはN-Ras G13Cなどの、Ras変異を含む。他のRas変異を、本明細書に記載する。
Rasタンパク質関連疾患の治療を必要とする対象における、Rasタンパク質関連疾患の治療方法であって、上記方法が、上記対象に、治療に有効な量の本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、上記方法をさらに提供する。
細胞内でのRasタンパク質の阻害方法であって、上記方法が、上記細胞を、有効量の本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩と接触させることを含む、上記方法をさらに提供する。例えば、Rasタンパク質は、K-Ras G12C、K-Ras G13C、H-Ras G12C、H-Ras G13C、N-Ras G12C、またはN-Ras G13Cである。他のRasタンパク質を本明細書に記載する。細胞は、膵癌細胞、結腸直腸癌細胞、非小細胞肺癌細胞、急性骨髄性白血病細胞、多発性骨髄腫細胞、甲状腺癌細胞、骨髄異形成症候群細胞、または、小扁平上皮癌濾胞癌細胞などのがん細胞であることができる。他のがんの種類を、本明細書に記載する。細胞はインビボまたはインビトロであってよい。
式II-5の化合物による、K-Ras G13C変異体癌の治療方法をさらに提供する。
式II-6の化合物による、K-Ras G12C変異体癌の治療方法をさらに提供する。
本発明の化合物に関して、ある立体異性体が、別の立体異性体よりも良好な阻害を示し得る。例えば、あるアトロプ異性体は阻害を示し得る一方で、他のアトロプ異性体は阻害をほとんど、または全く示し得ない。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載する方法または使用は、追加の抗がん治療法を投与することをさらに含む。いくつかの実施形態では、追加の抗がん治療法は、HER2阻害剤、EGFR阻害剤、第2のRas阻害剤、SHP2阻害剤、SOS1阻害剤、Raf阻害剤、MEK阻害剤、ERK阻害剤、PI3K阻害剤、PTEN阻害剤、AKT阻害剤、mTORC1阻害剤、BRAF阻害剤、PD-L1阻害剤、PD-1阻害剤、CDK4/6阻害剤、またはこれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、追加の抗がん治療法はSHP2阻害剤である。他の追加の抗がん治療法を、本明細書に記載する。
合成方法
本明細書に記載する化合物は、市販の出発材料から作製され得るか、または既知の有機、無機、もしくは酵素プロセスを使用して合成され得る。
本発明の化合物は、有機合成の当業者に周知のいくつもの方法で調製することができる。例えば、本発明の化合物は、有機合成化学の分野で公知の合成方法、または当業者であれば理解しているようなその変法と共に、下記のスキームで示す方法を用いて合成することができる。これらの方法として、以下のスキームに記載する方法が挙げられるが、これらに限定されない。
スキーム1。大環状エステルの一般的な合成
大環状エステルの一般的な合成をスキーム1に概略する。適切に置換されたアリール-3-(5-ブロモ-1-エチル-1H-インドール-3-イル)-2,2-ジメチルプロパン-1-オール(1)を、保護された3-(5-ブロモ-2-ヨード-1H-インドール-3-イル)-2,2-ジメチルプロパン-1-オール、及び、適切に置換されたボロン酸から開始する、パラジウム媒介カップリング、アルキル化、及び脱保護反応を含む3工程で調製することができる。
メチル-アミノ-ヘキサヒドロピリダジン-3-カルボキシレート-ボロン酸エステル(2)を、保護、イリジウム触媒が媒介するホウ素化、及び、メチルメチル(S)-ヘキサヒドロピリダジン-3-カルボキシレートを含む3工程で調製することができる。
メチル-L-バリネートと、保護された(S)-ピロリジン-3-カルボン酸のカップリング、続いて脱保護、適切に置換されたマイケル受容体を含有するカルボン酸とのカップリング、及び、加水分解工程により、適切に置換されたアセチルピロリジン-3-カルボニル-N-メチル-L-バリン(または、代替のアミノ酸誘導体(4))を作製することができる。
Pd触媒の存在下での、メチル-アミノ-ヘキサヒドロピリダジン-3-カルボキシレート-ボロン酸エステル(2)とアリール-3-(5-ブロモ-1-エチル-1H-インドール-3-イル)-2,2-ジメチルプロパン-1-オール(1)のカップリング、続いて、加水分解及びマクロラクトン化工程により最終の大環状エステルを作製し、適切に保護された大環状中間体(5)ことができる。脱保護、及び、適切に置換された中間体4とのカップリングにより、大環状生成物が得られる。最終化合物を生成するために、さらなる脱保護または官能基化工程が必要とされ得る。
スキーム2。大環状エステルの代替の一般的な合成
あるいは、大環状エステルは、スキーム2に記載するとおりに調製することができる。適切に保護したブロモ-インドリル(6)を、Pd触媒の存在下でボロン酸エステル(3)とカップリングし、続ていヨウ素化、脱保護、及びエステル加水分解を行う。メチル(S)-ヘキサヒドロピリダジン-3-カルボキシレートとのカップリングの後、加水分解及びマクロラクトン化を続けて、ヨード中間体(7)を得ることができる。Pd触媒の存在下で、適切に置換されたボロン酸エステルとカップリングし、アルキル化することにより、完全に保護された大環状化合物(5)を得ることができる。最終化合物を作製するために、追加の脱保護または官能基化工程が必要である。
さらに、本開示の化合物は、合成有機化学の当該技術分野において既知の合成方法、または、当業者により理解されるそれらのバリエーションと共に、以下の実施例に記載する方法を用いて合成することができる。これらの方法として、以下の実施例に記載する方法が挙げられるが、これらに限定されない。例えば、当業者は、本明細書の実施例セクションで例示される方法を用いることにより、大環状エステルに、式(I)の化合物の所望の-B-L-W基[式中、B、L、及びWは本明細書で定義するとおりである。]を導入することができるであろう。
本明細書の表1における化合物を、本明細書で開示する方法を用いて調製したか、または、当業者の知識と組み合わせて、本明細書で開示する方法を用いて調製した。表2における化合物を、本明細書で開示する方法を用いて調製することができるか、または、当業者の知識と組み合わせて、本明細書で開示する方法を用いて調製することができる。
スキーム3。大環状エステルの一般的な合成
大環状エステルの代替の一般的な合成をスキーム3に概略する。適切に置換されたインドリルボロン酸エステル(8)を、保護された3-(5-ブロモ-2-ヨード-1H-インドール-3-イル)-2,2-ジメチルプロパン-1-オール及び適切に置換されたボロン酸から開始する、パラジウム媒介カップリング、アルキル化、脱保護、及び、パラジウムが媒介するホウ素化反応を含む、4工程で調製することができる。
(S)-2-アミノ-3-(4-ブロモチアゾール-2-イル)プロパン酸(9)の、メチル(S)-ヘキサヒドロピリダジン-3-カルボキシレートとのカップリングにより、メチル-アミノ-3-(4-ブロモチアゾール-2-イル)プロパノイル)ヘキサヒドロピリダジン-3-カルボキシレート(10)を調製することができる。
Pd触媒の存在下での、メチル-アミノ-3-(4-ブロモチアゾール-2-イル)プロパノイル)ヘキサヒドロピリダジン-3-カルボキシレート(10)及び適切に置換されたインドリルボロン酸エステル(8)のカップリング、続いて、加水分解及びマクロラクトン化工程により最終の大環状エステルを作製し、適切に保護された大環状中間体(11)ができる。脱保護、及び、適切に置換された中間体4とのカップリングにより、大環状生成物を得ることができる。最終化合物13または14を作製するために、追加の脱保護または官能基化工程が必要である可能性がある。
スキーム4。大環状エステルの一般的な合成
パラジウム媒介カップリングにより、適切に置換されたモルホリン、または、代替のヘレ環式(herecyclic)中間体(15)を、適切に保護された中間体1とカップリングすることができる。その後のエステル加水分解、及び、ピペラジンエステルとのカップリングにより、中間体16がもたらされる。
大環状エステルは、加水分解、脱保護、及び、大環状化配列により作製することができる。その後の脱保護、及び、中間体4(または類似体)とのカップリングにより、適切に置換された最終大環状生成物が得られる。最終化合物17を作製するために、追加の脱保護または官能基化工程が必要である可能性がある。
スキーム5。大環状エステルの一般的な合成
パラジウム媒介カップリング、加水分解、ピペラジンエステルとのカップリング、加水分解、脱保護、及び、大環状化工程を含む、適切に保護されたボロン酸エステル18及びブロモインドリル中間体(19)から開始して、適切に置換された大環状化合物(20)を調製することができる。適切に置換された保護アミノ酸との、その後のカップリング、続いて、パラジウム媒介カップリングにより、中間体21が得られる。アルキル化を含む追加の脱保護及び誘導体化工程が、この時点で必要になる場合がある。
最終の大環状エステルを、中間体(22)と、適切に置換されたカルボン酸中間体(23)とのカップリングにより作製することができる。最終化合物(24)を作製するために、追加の脱保護または官能基化工程が必要である可能性がある。
さらに、本開示の化合物は、合成有機化学の当該技術分野において既知の合成方法、または、当業者により理解されるそれらのバリエーションと共に、以下の実施例に記載する方法を用いて合成することができる。これらの方法として、以下の実施例に記載する方法が挙げられるが、これらに限定されない。例えば、当業者は、本明細書の実施例セクションで例示される方法を用いることにより、大環状エステルに、式(I)の化合物の所望の-B-L-W基[式中、B、L、及びWは本明細書で定義するとおりである。]を導入することができるであろう。
医薬組成物及び使用方法
医薬組成物及び投与方法
本発明が関係する化合物はRAS阻害剤であり、がん治療に有用である。したがって、本発明の一実施形態は、本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩、及び薬学的に許容される賦形剤を含有する医薬組成物、加えて、本発明の化合物を用いてこのような組成物を調製する方法を提供する。
本発明で使用する場合、用語「医薬組成物」とは、薬学的に許容される賦形剤と共に製剤化された、本発明の化合物などの化合物、またはその薬学的に許容される塩を意味する。
いくつかの実施形態では、化合物は、関連する集団に投与した際に所定の治療効果を実現する、統計的に有意な確率を示す治療レジメンでの投与に適切な単位用量で医薬組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、以下:経口投与、例えば、飲薬(水溶液もしくは非水溶液もしくは懸濁液)、錠剤、例えば、頬、舌下、及び体内吸収を標的にしたもの、丸薬、粉末、顆粒、舌への適用のためのペースト;例えば、滅菌溶液もしくは懸濁液、もしくは徐放性製剤としての皮下、筋肉内、静脈内、もしくは硬膜外注射による、例えば非経口的投与;例えば、クリーム、軟膏、もしくは徐放性貼付剤、もしくは皮膚、肺、もしくは口腔に適用されるスプレーとしての局所適用;例えば、ペッサリー、クリーム、もしくはフォームとしての腟内もしくは直腸内;舌下;眼内;経皮;または経鼻、肺、及び、他の粘膜表面に対して適したものを含む、固体または液体形態での投与のために特別に製剤化することができる。
本明細書で使用する場合、「薬学的に許容される賦形剤」とは、対象内で毒性かつ非炎症性である性質を有する任意の不活性な成分(例えば、活性化合物を懸濁または溶解可能なビヒクル)を意味する。典型的な賦形剤としては、例えば、抗接着剤、酸化防止剤、結合剤、コーティング剤、圧縮助剤、崩壊剤、染料(着色剤)、皮膚軟化剤、乳化剤、充填剤(希釈剤)、皮膜形成剤もしくはコーティング剤、香味料、香料、滑剤(流動向上剤)、潤滑剤、防腐剤、印刷用インク、吸着剤、懸濁剤もしくは分散剤、甘味料、または水和水が挙げられる。賦形剤としては、任意に置換されたブチル化ヒドロキシルトルエン(BHT)、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム(二塩基性)、ステアリン酸カルシウム、クロスカルメロース、架橋ポリビニルピロリドン、クエン酸、クロスポビドン、システイン、エチルセルロース、ゼラチン、任意に置換されたヒドロキシルプロピルセルロース、任意に置換されたヒドロキシルプロピルメチルセルロース、ラクトース、ステアリン酸マグネシウム、マルチトール、マンニトール、メチオニン、メチルセルロース、メチルパラベン、微結晶セルロース、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポビドン、アルファ化デンプン、プロピルパラベン、パルミチン酸レチニル、セラック、二酸化ケイ素、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、クエン酸ナトリウム、グリコール酸ナトリウムデンプン、ソルビトール、デンプン(トウモロコシ)、ステアリン酸、ステアリン酸、スクロース、タルク、二酸化チタン、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンC、及びキシリトールが挙げられるが、これらに限定されない。当業者は、賦形剤として有用な様々な剤及び材料に精通している。例えば、例えば、Ansel,et al.,Ansel’s Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems.Philadelphia:Lippincott,Williams & Wilkins,2004;Gennaro,et al.,Remington:The Science and Practice of Pharmacy.Philadelphia:Lippincott,Williams & Wilkins,2000;及びRowe,Handbook of Pharmaceutical Excipients.Chicago,Pharmaceutical Press,2005.を参照されたい。いくつかの実施形態では、組成物は、少なくとも2つの異なる薬学的に許容される賦形剤を含む。
本明細書に記載する化合物は、明示的に記載されているか否かに拘わらず、明示的に反対に記載されない限り、塩形態、例えば、薬学的に許容される塩形態で提供または利用されることができる。本明細書で使用する場合、用語「薬学的に許容される塩」とは、妥当な医学的判断の正常な範囲内で、過度の毒性、刺激性、アレルギー応答などを起こさずに、ヒト及び他の動物の組織と接触させて使用するのに適するとともに、合理的な利益/リスク比と釣り合う、本明細書に記載する化合物のこれらの塩を意味する。薬学的に許容される塩は、当該技術分野において周知である。例えば、薬学的に許容される塩は、Berge et al.,J.Pharmaceutical Sciences 66:1-19,1977 and in Pharmaceutical Salts:Properties,Selection,and Use,(Eds.P.H.Stahl and C.G.Wermuth),Wiley-VCH,2008に記載されている。塩は、本明細書に記載する化合物の最終単離及び精製の間にin situで、または、遊離塩基基を好適な有機酸と反応させることにより別個に調製することができる。
本発明の化合物は、薬学的に許容される塩としての調製が可能であるように、イオン性基を有することができる。これらの塩は、無機もしくは有機酸を伴う酸付加塩であることができるか、または、塩は、本発明の化合物の酸性形態の場合においては、無機もしくは有機塩基から調製することができる。いくつかの実施形態では、化合物は、薬学的に許容される酸または塩基の付加生成物として調製した薬学的に許容される塩として調製する、または用いる。酸付加塩を形成するための、塩酸、硫酸、臭化水素酸、酢酸、乳酸、または酒石酸、及び、塩基性塩を形成するための、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウム、カフェイン、様々なアミン類などなどの、好適な薬学的に許容される酸及び塩基が、当該技術分野において周知である。適切な塩の調製方法は、当該技術分野において十分に確立されている。
代表的な酸付加塩としては、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、樟脳酸塩、カンファースルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-(任意に置換された)ヒドロキシル-エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩などが挙げられる。代表的なアルカリまたはアルカリ土類金属塩としては、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなど、加えて、無毒性アンモニウム、四級アンモニウム、及びアミンカチオン(アンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、エチルアミンなどを含むがこれらに限定されない)が挙げられる。
本明細書で使用する場合、用語「対象」とは、動物界における任意の要素を意味する。いくつかの実施形態では、「対象」とは、任意の成長段階におけるヒトを意味する。いくつかの実施形態では、「対象」とは、ヒト患者を意味する。いくつかの実施形態では、「対象」とは、非ヒト動物を意味する。いくつかの実施形態では、非ヒト動物は、哺乳類(例えば、げっ歯類、マウス、ラット、ウサギ、サル、イヌ、ネコ、ヒツジ、ウシ、霊長類、またはブタ)である。いくつかの実施形態では、対象としては、哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類、魚類、または虫が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、対象はトランスジェニック動物、遺伝子組み換え動物、またはクローンであることができる。
本明細書で使用する場合、用語「剤形」とは、対象への投与のための、化合物(例えば、本発明の化合物)の物理的に別個の単位を意味する。各単位は、所定量の化合物を含有する。いくつかの実施形態では、このような量は、関連する集団に投与した際に、所望の、または有益なアウトカムと相関することが測定されている投与レジメンに従った(即ち、治療投与レジメンを用いる)投与に適切な単位用量(または、その全画分)である。当業者は、特定の対象に投与された治療用組成物または化合物の総量は、1人以上の主治医により決定され、複数の剤形の投与を伴う場合があることを理解する。
本明細書で使用する場合、用語「投与レジメン」とは、通常は期間で区切られる、対象に個別に投与される単位用量(通常は2回以上)のまとまりを意味する。いくつかの実施形態では、所与の治療用化合物(例えば、本発明の化合物)は、推奨される投与レジメンを有し、これは、1回以上の用量を有し得る。いくつかの実施形態では、投与レジメンは、複数の用量を含み、その各々は、同じ長さの時間期間で互いに区切られ、いくつかの実施形態では、投与レジメンは、複数の用量、及び個別の用量を区切る少なくとも2つの異なる時間期間を含む。いくつかの実施形態では、投与レジメン内の全ての用量は、同一の単位用量である。いくつかの実施形態では、投与レジメン内の異なる用量は異なる量である。いくつかの実施形態では、投与レジメンは、第1の投与量での第1用量、続いて、第1の投与量と異なる第2の投与量での、1回以上のさらなる用量を含む。いくつかの実施形態では、投与レジメンは第1の投与量での第1用量、続いて第1の投与量と同じ第2の投与量での、1回以上のさらなる用量を含む。いくつかの実施形態では、投与レジメンは、関連する集団にまたがり投与した際に、所望の、または有益なアウトカムと相関する(即ち、治療用投与レジメンである)。
「治療レジメン」とは、関連する集団にまたがる投与が、所望の、または有益な治療用アウトカムと相関する投与レジメンを意味する。
用語「治療」(加えて、「治療する」または「治療すること」)は、その最も広い意味において、特定の疾患、障害もしくは病状を部分的もしくは完全に寛解、緩和、軽減、阻害する、特定の疾患、障害もしくは病状の開始を部分的もしくは完全に遅延させる、特定の疾患、障害もしくは病状の深刻度を部分的もしくは完全に低下させる、または、特定の疾患、障害もしくは病状の1つ以上の症状、特徴、もしくは原因の発生を部分的もしくは完全に低下させる物質(例えば、本発明の化合物)の任意の投与を意味する。いくつかの実施形態では、そのような治療は、関連疾患、障害もしくは病状の兆候を示さない対象、または疾患、障害もしくは病状の初期徴候のみを示す対象に投与することができる。代替的に、または加えて、いくつかの実施形態では、そのような治療は、関連疾患、障害、または病状のうちの1つ以上の確立された徴候を示す対象の治療に投与することができる。いくつかの実施形態では、治療は、関連する疾患、障害または病状に苦しむと診断された対象におけるものであってよい。いくつかの実施形態では、治療は、関連する疾患、障害または病状の進行のリスク増加と統計的に相関している1つ以上の感受性因子を有することが知られている対象におけるものであってよい。
用語「治療に有効な量」とは、治療用投与レジメンに従い、疾患、障害もしくは病状に苦しむ、または、疾患、障害もしくは病状が疑われる集団に投与した際に、当該疾患、障害または病状を治療するのに十分な量を意味する。いくつかの実施形態では、治療に有効な量は、疾患、障害もしくは病状の1つ以上の症状の発生もしくは深刻度を低下させる、または、疾患、障害もしくは病状の1つ以上の症状の開始を遅延させる量である。「治療に有効な量」という用語は、実際には、特定の個体で治療の成功が実現されることを必要とされないことを、当業者は理解するであろう。むしろ、治療に有効な量は、そのような治療を必要とする対象に投与した際に、著しい数の対象において、特定の所望される薬理学的応答をもたらす量であることができる。特定の対象は、実際には、「治療に有効な量」に対して「不応」性であり得ると、具体的に理解される。いくつかの実施形態では、治療に有効な量への言及は、1つ以上の特定の組織(例えば、疾患、障害もしくは病状により影響を受ける組織)、または流体(例えば、血液、唾液、血清、汗、涙、尿)で測定した量への言及であることができる。いくつかの実施形態では、治療に有効な量は単回用量で製剤化または投与されることができることを、当業者は理解するであろう。いくつかの実施形態では、治療に有効な量は、例えば、投与レジメンの一部として、複数の用量で製剤化または投与されることができる。
対象への治療として用いるために、本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩を、医薬または獣医学組成物として製剤化することができる。治療される対象、投与方法、及び、所望される治療の種類、例えば、防止、予防、または治療法に応じて、化合物、またはその薬学的に許容される塩は、これらのパラメーターに一致する方法で製剤化される。このような技術の要約は、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,21st Edition,Lippincott Williams & Wilkins,(2005);及びEncyclopedia of Pharmaceutical Technology,eds.J.Swarbrick and J.C.Boylan,1988-1999,Marcel Dekker,New Yorkに見出すことができ、これらそれぞれは、参照により本明細書に組み込まれている。
組成物は、それぞれ、従来の混合、造粒、または被覆方法に従って調製することができ、本医薬組成物は、約0.1%~約99%、約5%~約90%、または、約1%~約20%(重量%または体積%)の本発明の化合物、またはまたはその薬学的に許容される塩を含有することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載する化合物、またはその薬学的に許容される塩は、合計で、医薬組成物などの組成物の総重量の1~95%の量で存在することができる。
組成物は、関節内、経口、非経口(例えば静脈内、筋肉内)、直腸、皮膚、皮下、局所、経皮、舌下、経鼻、膣内、膀胱内、尿道内、髄腔内、硬膜外、経耳、または眼内投与、または、注射、吸入、または、鼻、泌尿生殖器、生殖、もしくは口粘膜との直接接触に好適な剤形で提供することができる。したがって、医薬組成物は、例えば、錠剤、カプセル、丸薬、粉末、顆粒、懸濁液、エマルション、溶液、ヒドロゲルを含むゲル、ペースト、軟膏、クリーム、プラスター、飲薬、浸透送達デバイス、座薬、浣腸剤、注射液、インプラント、スプレー、イオン泳動送達に好適な調製物、またはエアゾールの形態であることができる。組成物は、従来の薬務に従って製剤化されることができる。
本明細書で使用する場合、用語「投与」とは、対象または系への、組成物(例えば、化合物、または、本明細書に記載する化合物を含む調製物)の投与を意味する。動物対象(例えばヒト)への投与は、任意の適切な経路によるものであってよい。例えば、いくつかの実施形態では、投与は、気管支(気管支点滴を含む)、頬、経腸、経皮(interdermal)、動脈内、皮内、胃内、髄内、筋肉内、経鼻、腹腔内、髄腔内、静脈内、心室内、粘膜、鼻内、経口、直腸、皮下、舌下、局所、気管内(気管内点滴を含む)、経皮、膣内、または硝子体内であることができる。
製剤は、全身投与、または局所もしくは局部投与に適した方法で調製することができる。全身用製剤としては、注射(例えば、筋肉内、静脈内、もしくは皮下注射)用に設計されたものが挙げられるか、または、経皮、経粘膜、もしくは経口投与のために調製することができる。製剤は一般に希釈剤を含み、加えて、場合によってはアジュバント、緩衝液、防腐剤などを含む。化合物、またはその薬学的に許容される塩はまた、リポソーム組成物中に、または、マイクロエマルションとして投与することもできる。
注射のために、製剤は、溶液もしくは懸濁液として、または、注射前に液体中で溶液もしくは懸濁液に好適な固体形態として、またはエマルションとして、従来の形態で調製することができる。好適な賦形剤としては例えば、水、生理食塩水、デキストロース、グリセロールなどが挙げられる。このような組成物は、ある量の無毒性補助物質(例えば湿潤剤または乳化剤)、pH緩衝剤など、例えば、酢酸ナトリウム、モノラウリル酸ソルビタンなどもまた含有することができる。
様々な、薬剤用徐放性系もまた考案されている。例えば、米国特許第5,624,677号を参照されたい。
全身投与としては、座薬、経皮貼付剤、経粘膜送達、及び経鼻投与の使用といった、比較的非侵襲性の方法もまた挙げることができる。経口投与は、本発明の化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩にもまた好適である。好適な形態としては、当該技術分野において理解されるように、シロップ、カプセル、及び錠剤が挙げられる。
本明細書に記載する各化合物、またはその薬学的に許容される塩は、当技術分野において既知の様々な方法で製剤化されることができる。例えば、併用療法の第1剤及び第2剤は、合わせて、または個別に製剤化されることができる。併用療法の他のモダリティを、本明細書に記載する。
個々に、または個別に製剤化された剤を、キットとして合わせてパッケージ化することができる。非限定例としては、例えば、2つの丸薬、丸薬と粉末、座薬とバイアル中の液体、2つの局所用クリームなどを含有するキットが挙げられるが、これらに限定されない。キットは、粉末形態を再構成するためのバイアル、注射用シリンジ、カスタマイズされたIVデリバリーシステム、吸入器などといった、対象に単位用量を投与することを補助する任意の構成要素を含むことができる。加えて、単位用量キットは、組成物の調製または投与のための説明書を含有することができる。キットは、ある対象用の単回使用単位用量、(一定濃度で、もしくは、治療が進行するにつれ、個別の化合物、もしくはその薬学的に許容される塩の効能が変化する)特定の対象用の複数回使用として製造されてもよく、または、キットは、複数の対象への投与に好適な複数回用量(バルクパッケージング)を含有してもよい。キットの構成要素は、カートン、ブリスターパック、ボトル、チューブなどに組み立てることができる。
経口使用のための配合物は、薬学的に許容される無毒性賦形剤との混合物中に活性成分(複数可)を含有する錠剤を含む。これらの賦形剤は、例えば、不活性希釈剤または充填剤(例えば、スクロース、ソルビトール、糖、マンニトール、微結晶性セルロース、ジャガイモデンプンを含むデンプン、炭酸カルシウム、塩化ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、またはリン酸ナトリウム);造粒剤及び崩壊剤(例えば、微結晶性セルロースを含むセルロース誘導体、ジャガイモデンプンを含むデンプン、クロスカルメロースナトリウム、アルギン酸塩、またはアルギニン酸);結合剤(例えば、スクロース、グルコース、ソルビトール、アカシア、アルギニン酸、アルギン酸ナトリウム、ゼラチン、デンプン、α化デンプン、微結晶性セルロース、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、任意に置換されたヒドロキシルプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルピロリドン、またはポリエチレングリコール);ならびに平滑剤、滑剤、及び抗接着剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸、シリカ、硬化植物油、またはタルク)であり得る。他の薬学的に許容される賦形剤は、着色剤、香味剤、可塑剤、湿潤剤、緩衝剤などであり得る。
2つ以上の化合物は錠剤、カプセル、もしくは他のビヒクル中で混合することができる、または分画することができる。一例において、第1の化合物は錠剤の内側に含有され、第2の化合物は外側に存在し、第2の化合物の実質的部分が第1の化合物の放出前に放出される。
経口使用のための製剤は、咀嚼錠として提供され得るか、活性成分が、不活性固体希釈剤(例えば、バレイショデンプン、ラクトース、微結晶セルロース、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、もしくはカオリン)と混合される硬性ゼラチンカプセルとして、または活性成分が、水または油培養液、例えば、ピーナッツ油、流動パラフィン、もしくはオリーブ油と混合され得る軟性ゼラチンカプセルとしても提示される。粉末、顆粒、及びペレットは、例えばミキサー、流動床装置、または噴霧乾燥装置を用いる従来方式にて、錠剤及びカプセルの下で、上述した成分を用いて調製することができる。
溶解または拡散制御放出は、化合物の錠剤、カプセル、ペレット、もしくは顆粒形成の適切なコーティングにより、または、化合物、もしくはその薬学的に許容される塩を適切なマトリックスに組み込むことにより実現することができる。徐放性コーティングは、上述したコーティング物質、または、例えば、セラック、蜜蝋、グリコワックス、ヒマシワックス、カルナウバワックス、ステアリルアルコール、モノステアリン酸グリセリル、ジステアリン酸グリセリル、パルミトステアリン酸グリセロール、エチルセルロース、アクリル樹脂、dl-ポリ乳酸、酢酸酪酸セルロース、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ビニルピロリドン、ポリエチレン、ポリメタクリレート、メチルメタクリレート、2-(任意に置換された)ヒドロキシルメタクリレート、メタクリレートヒドロゲル、1,3-ブチレングリコール、エチレングリコールメタクリレート、もしくはポリエチレングリコールのうちの1つ以上を含むことができる。徐放性マトリックス製剤において、マトリックス材料としては、例えば、水和メチルセルロース、カルナウバワックス及びステアリルアルコール、カーボポール934、シリコーン、トリステアリン酸グリセリル、アクリル酸-メチルメタクリル酸メチル、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、またはハロゲン化フルオロカーボンもまた挙げることができる。
本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩、及び組成物が経口よる投与のために組み込まれ得る液体形態としては、水溶液、好適に風味付けされたシロップ、水性または油性懸濁液、及び綿実油、ゴマ油、ココナッツ油、またはピーナッツ油などの食用油で風味付けされた乳剤、ならびにエリキシル剤及び類似の薬学的ビヒクルが挙げられる。
一般に、ヒトに投与される場合、本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩のいずれかの経口用量は、化合物の性質に左右され、当業者により速やかに決定することができる。用量は例えば、約0.001mg~約2000mg/日、約1mg~約1000mg/日、約5mg~約500mg/日、約100mg~約1500mg/日、約500mg~約1500mg/日、約500mg~約2000mg/日、またはこれらの任意の範囲変数であってよい。
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、抗増殖活性を有する追加の化合物をさらに含むことができる。投与方法に応じて、化合物、またはその薬学的に許容される塩は、容易な送達を可能にする好適な組成物に製剤化される。併用療法の各化合物、またはその薬学的に許容される塩は、当技術分野において既知の様々な方法で製剤化されることができる。例えば、併用療法の第1剤及び第2剤は、合わせて、または個別に製剤化されることができる。望ましくは、第1剤及び第2剤は、剤の同時投与、またはほぼ同時の投与のために、合わせて製剤化される。
本発明の化合物及び医薬組成物を併用療法で製剤化及び利用することができる、即ち、化合物及び医薬組成物を、1つ以上の他の所望される治療薬または医療操作と同時に、これらの前に、またはこれらの後に製剤化または投与することができることが理解されよう。併用レジメンを用いる、治療法(治療薬または手順)の特定の組み合わせでは、所望の治療薬または手順の適合性、及び、実現される所望の治療効果を考慮に入れる。さらに、用いる治療法は、同じ疾患に対して所望の効果を実現し得る、または、異なる効果(例えば、あらゆる悪影響の制御)を実現し得ると理解されよう。
本明細書に記載するように、併用療法における各薬剤の投与は独立して、1日から1年にかけて、1日1回から4回であることができ、またさらに、対象の生涯におけるものであってもよい。慢性的な長期投与が示される場合がある。
使用方法
いくつかの実施形態では、本発明は、Ras変異体が原因の異所性Ras活性を特徴とする、疾患または障害の治療方法について開示する。いくつかの実施形態では、疾患または障害はがんである。
したがって、がんの治療を必要とする対象における、がんの治療方法であって、上記方法が、上記対象に、治療に有効な量の本発明の化合物、もしくはその薬学的に許容される塩、または、そのような化合物もしくは塩を含む医薬組成物を投与することを含む、上記方法もまた提供する。いくつかの実施形態では、がんは、結腸直腸癌、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、膵癌、虫垂癌、黒色腫、急性骨髄性白血病、小腸癌、膨大部癌、生殖細胞癌、子宮頸癌、未知の原発性由来の癌、子宮体癌、食道癌、GI神経内分泌癌、卵巣癌、性索間質腫瘍癌、肝胆癌、または膀胱癌である。いくつかの実施形態では、がんは虫垂癌、子宮内膜癌、または黒色腫である。Rasタンパク質関連疾患の治療を必要とする対象における、Rasタンパク質関連疾患の治療方法であって、上記方法が、上記対象に、治療に有効な量の本発明の化合物、もしくはその薬学的に許容される塩、または、そのような化合物もしくは塩を含む医薬組成物を投与することを含む、上記方法もまた提供する。
いくつかの実施形態では、本発明の化合物、または薬学的に許容されるそれらの塩、このような化合物もしくは塩を含む医薬組成物、及び、本明細書で提供する方法を、例えば肺癌、前立腺癌、乳癌、脳癌、皮膚癌、子宮頚癌、睾丸癌などの腫瘍を含む多種多様ながんの治療に用いることができる。より具体的には、化合物またはその塩、そのような化合物もしくは塩を含む医薬組成物、及び本発明の方法により治療可能ながんとしては、星状細胞、乳、子宮頸、結腸直腸、子宮体、食道、胃、頭頸、肝細胞、喉頭、肺、咽頭、卵巣、前立腺、ならびに、甲状腺癌及び肉腫などの腫瘍種が挙げられるが、これらに限定されない。他のがんとしては例えば、以下が挙げられる:
心臓、例えば、非上皮性悪性腫瘍(血管肉腫、繊維肉腫、横紋筋肉腫、脂肪肉腫)、粘液腫、横紋筋腫、線維腫、脂肪腫、及び奇形腫;
肺、例えば、気管支原性癌(扁平上皮細胞、未分化小細胞、未分化大細胞、腺癌)、肺胞(気管支)癌、気管支腺腫、非上皮性悪性腫瘍、リンパ腫、軟骨性過誤腫、中皮腫;
胃腸、例えば、食道(扁平上皮癌、腺癌、平滑筋肉腫、リンパ腫)、胃(上皮性悪性腫瘍、リンパ腫、平滑筋肉腫)、膵臓(管腺癌、膵島細胞腫、グルカゴン産生腫瘍、ガストリン産生腫瘍、カルチノイド腫瘍、VIP産生腫瘍)、小腸(腺癌、リンパ腫、カルチノイド腫瘍、カポジ肉腫、平滑筋腫、血管腫、脂肪腫、神経繊維腫、線維腫)、大腸(腺癌、管状腺腫、絨毛腺腫、過誤腫、平滑筋腫);
泌尿生殖器官、例えば、腎臓(腺癌、ウィルムス腫瘍、(腎芽細胞腫)、リンパ腫、白血病)、膀胱及び尿道(扁平上皮癌、移行上皮癌、腺癌)、前立腺(腺癌、非上皮性悪性腫瘍)、睾丸(精上皮腫、奇形腫、胚性癌、奇形癌、絨毛腫、非上皮性悪性腫瘍、間質細胞癌、線維腫、線維腺腫、類腺腫瘍、脂肪腫);
肝臓、例えば、肝癌(肝細胞癌)、胆管癌、肝芽腫、血管肉腫、肝細胞腺腫、血管腫;
胆道、例えば、胆嚢癌、膨大部癌、胆管癌;
骨、例えば、骨原性肉腫(骨肉腫)、線維肉腫、悪性線維性組織球腫、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、悪性リンパ腫(細網肉腫)、多発性骨髄腫、悪性巨細胞腫瘍脊索腫、骨軟骨腫(osteochronfroma)(骨軟骨性外骨腫)、良性軟骨腫瘍、軟骨芽細胞腫、軟骨粘液線維腫(chondromyxofibroma)、類骨骨腫、及び巨細胞腫瘍;
神経系、例えば、頭蓋骨(骨腫、血管腫、肉芽腫、黄色腫、変形性骨炎)、髄膜(髄膜腫、髄膜肉腫(meningiosarcoma)、神経膠腫症)、脳(星状細胞腫、髄芽腫、神経膠腫、上衣腫、胚細胞腫(松果体腫)、多形性膠芽腫、乏突起膠腫、神経鞘腫、網膜芽細胞腫、先天性腫瘍)、脊髄神経繊維腫、神経線維腫症I型、髄膜腫、神経膠腫、非上皮性悪性腫瘍);
婦人科、例えば、子宮(子宮内膜癌、子宮癌、子宮体部子宮内膜癌)、頸部(子宮頸癌、前腫瘍(pre-tumor)子宮頸部異形成)、卵巣(卵巣癌(漿液性嚢胞腺癌、粘液性嚢胞腺癌、分類不能癌)、顆粒膜-莢膜細胞腫瘍、セルトリ・ライディッヒ細胞腫瘍、未分化胚細胞腫、悪性奇形腫)、外陰部(扁平上皮癌、上皮内癌、腺癌、繊維肉腫、黒色腫)、膣(明細胞癌、扁平上皮癌、ブドウ状肉腫(胎児性横紋筋肉腫)、卵管(上皮性悪性腫瘍);
血液学的、例えば、血液(骨髄性白血病(急性及び慢性)、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ球性白血病);骨髄増殖性疾患(例えば、骨髄線維症及び骨髄増殖性腫瘍形成);多発性骨髄腫;骨髄異形成症候群、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫(悪性リンパ腫);
皮膚、例えば、悪性黒色腫、基底細胞癌、扁平上皮癌、カポジ肉腫、ほくろ異形成母斑、脂肪腫、血管腫、皮膚線維腫、ケロイド、乾癬;ならびに
副腎、例えば、神経芽細胞腫。
いくつかの実施形態では、Rasタンパク質は野生型(RasWT)である。したがって、いくつかの実施形態では、本発明の化合物は、RasWT(例えば、K-RasWT、H-RasWT、またはN-RasWT)を含むがんを有する患者の治療方法で用いられる。いくつかの実施形態では、Rasタンパク質はRas増幅(例えば、K-Rasamp)である。したがって、いくつかの実施形態では、本発明の化合物は、Rasamp(K-Rasamp、H-Rasamp、またはN-Rasamp)を含むがんを有する患者の治療方法で用いられる。いくつかの実施形態では、がんは、本明細書に記載するRas変異などのRas変異を含む。いくつかの実施形態では、変異は、以下から選択される:
(a) 以下のK-Ras変異体:G12D、G12V、G12C、G13D、G12R、G12A、Q61H、G12S、A146T、G13C、Q61L、Q61R、K117N、A146V、G12F、Q61K、L19F、Q22K、V14I、A59T、A146P、G13R、G12L、もしくはG13V、及びそれらの組み合わせ;
(b) 以下のH-Ras変異体:Q61R、G13R、Q61K、G12S、Q61L、G12D、G13V、G13D、G12C、K117N、A59T、G12V、G13C、Q61H、G13S、A18V、D119N、G13N、A146T、A66T、G12A、A146V、G12N、もしくはG12R、及びそれらの組み合わせ;ならびに
(c) 以下のN-Ras変異体:Q61R、Q61K、G12D、Q61L、Q61H、G13R、G13D、G12S、G12C、G12V、G12A、G13V、G12R、P185S、G13C、A146T、G60E、Q61P、A59D、E132K、E49K、T50I、A146V、もしくはA59T、及びそれらの組み合わせ;
または、前述のいずれかの組み合わせ。いくつかの実施形態では、がんは、G12C、G12D、G13C、G12V、G13D、G12R、G12S、Q61H、Q61K、及びQ61Lからなる群から選択されるK-Ras変異を含む。いくつかの実施形態では、がんは、G12C、Q61H、Q61K、Q61L、Q61P、及びQ61Rからなる群から選択されるN-Ras変異を含む。いくつかの実施形態では、がんは、Q61H及びQ61Lからなる群から選択されるH-Ras変異を含む。いくつかの実施形態では、がんは、G12C、G13C、G12A、G12D、G13D、G12S、G13S、G12V、及びG13Vからなる群から選択されるRas変異を含む。いくつかの実施形態では、がんは、G12C、G13C、G12A、G12D、G13D、G12S、G13S、G12V、及びG13Vからなる群から選択される少なくとも2つのRas変異を含む。いくつかの実施形態では、本発明の化合物は、2つ以上のRas変異体を阻害する。例えば、化合物はK-Ras G12C及びK-Ras G13Cの両方を阻害し得る。化合物は、N-Ras G12C及びK-Ras G12Cの両方を阻害し得る。いくつかの実施形態では、化合物はK-Ras G12C及びK-Ras G12Dの両方を阻害し得る。いくつかの実施形態では、化合物はK-Ras G12V及びK-Ras G12Cの両方を阻害し得る。いくつかの実施形態では、化合物はK-Ras G12V及びK-Ras G12Sの両方を阻害し得る。いくつかの実施形態では、本発明の化合物は、1つ以上の追加のRas変異に加えて、RasWTを阻害する(例えば、K、H、もしくはN-RasWTと、K-Ras G12D、G12V、G12C、G13D、G12R、G12A、Q61H、G12S、A146T、G13C、Q61L、Q61R、K117N、A146V、G12F、Q61K、L19F、Q22K、V14I、A59T、A146P、G13R、G12L、またはG13V;K、H、もしくはN-RasWTと、H-Ras Q61R、G13R、Q61K、G12S、Q61L、G12D、G13V、G13D、G12C、K117N、A59T、G12V、G13C、Q61H、G13S、A18V、D119N、G13N、A146T、A66T、G12A、A146V、G12N、もしくはG12R;または、K、H、もしくはN-RasWTと、N-Ras Q61R、Q61K、G12D、Q61L、Q61H、G13R、G13D、G12S、G12C、G12V、G12A、G13V、G12R、P185S、G13C、A146T、G60E、Q61P、A59D、E132K、E49K、T50I、A146V、もしくはA59T)。いくつかの実施形態では、本発明の化合物は、1つ以上の追加のRas変異に加えて、Rasampを阻害する(例えば、K、H、もしくはN-Rasampと、K-Ras G12D、G12V、G12C、G13D、G12R、G12A、Q61H、G12S、A146T、G13C、Q61L、Q61R、K117N、A146V、G12F、Q61K、L19F、Q22K、V14I、A59T、A146P、G13R、G12L、またはG13V;K、H、もしくはN-Rasampと、H-Ras Q61R、G13R、Q61K、G12S、Q61L、G12D、G13V、G13D、G12C、K117N、A59T、G12V、G13C、Q61H、G13S、A18V、D119N、G13N、A146T、A66T、G12A、A146V、G12N、もしくはG12R;または、K、H、もしくはN-Rasampと、N-Ras Q61R、Q61K、G12D、Q61L、Q61H、G13R、G13D、G12S、G12C、G12V、G12A、G13V、G12R、P185S、G13C、A146T、G60E、Q61P、A59D、E132K、E49K、T50I、A146V、もしくはA59T)。
Ras変異の検出方法は、当技術分野において既知である。このような手段としては、直接配列決定、ならびに、例えば、Domagala,et al.,Pol J Pathol 3:145-164(2012)に記載されているような、TheraScreen PCR;AmoyDx;PNAClamp;RealQuality;EntroGen;LightMix;StripAssay;Hybcell plexA;Devyser;Surveyor;Cobas;及びTheraScreen Pyroを含む、その全体が本明細書に参照により組み込まれている、(CE-IVDマークを用いる)高感度診断アッセイの利用が挙げられるが、これらに限定されない。例えば、WO2020/106640もまた参照されたい。
いくつかの実施形態では、がんは非小細胞肺癌であり、Ras変異は、K-Ras G12C、K-Ras G12V、またはK-Ras G12DなどのK-Ras変異を含む。いくつかの実施形態では、がんは結腸直腸癌であり、Ras変異は、K-Ras G12C、K-Ras G12V、またはK-Ras G12DなどのK-Ras変異を含む。いくつかの実施形態では、がんは膵癌であり、Ras変異は、K-Ras G12DまたはK-Ras G12VなどのK-Ras変異を含む。いくつかの実施形態では、がんは膵癌であり、Ras変異は、N-Ras G12DなどのN-Ras変異を含む。いくつかの実施形態では、がんは黒色腫であり、Ras変異は、N-Ras Q61RまたはN-Ras Q61KなどのN-Ras変異を含む。いくつかの実施形態では、がんは非小細胞肺癌であり、Rasタンパク質はK-Rasampである。化合物は同様に、RasWT(例えば、K-、H-、もしくはN-RasWT)、またはRasamp(例えば、K-、H-、もしくはN-Rasamp)を阻害し得る。
いくつかの実施形態では、がんはRas変異、及び、STK11LOF、KEAP1、EPHA5、またはNF1変異を含む。いくつかの実施形態では、がんは非小細胞肺癌であり、K-Ras G12C変異を含む。いくつかの実施形態では、がんは非小細胞肺癌であり、K-Ras G12C変異及びSTK11LOF変異を含む。いくつかの実施形態では、がんは非小細胞肺癌であり、K-Ras G12C変異及びSTK11LOF変異を含む。いくつかの実施形態では、がんはK-Ras G13C Ras変異、及び、STK11LOF、KEAP1、EPHA5、またはNF1変異を含む。いくつかの実施形態では、がんは非小細胞肺癌であり、K-Ras G12D変異を含む。いくつかの実施形態では、がんは非小細胞肺癌であり、K-Ras G12V変異を含む。いくつかの実施形態では、がんは結腸直腸癌であり、K-Ras G12C変異を含む。いくつかの実施形態では、がんは膵癌であり、K-Ras G12CまたはK-Ras G12D変異を含む。いくつかの実施形態では、がんは膵癌であり、K-Ras G12V変異を含む。いくつかの実施形態では、がんは、子宮体癌、卵巣癌、胆管癌、または、粘液虫垂癌であり、K-Ras G12C変異を含む。いくつかの実施形態では、がんは胃癌であり、K-Ras G12C変異を含む。いくつかの実施形態では、がんは肺癌、結腸直腸癌、または膵癌であり、K-Ras G13C変異を含む。いくつかの実施形態では、がんは肺癌または膵癌であり、K-Ras G13C変異を含む。いくつかの実施形態では、がんは肺癌であり、K-Ras G13C変異を含む。いくつかの実施形態では、がんは膵癌であり、K-Ras G13C変異を含む。いくつかの実施形態では、がんは結腸直腸癌であり、K-Ras G13C変異を含む。前述のいずれかにおいて、化合物は同様に、RasWT(例えば、K-、H-、もしくはN-RasWT)、またはRasamp(例えば、K-、H-、もしくはN-Rasamp)を阻害し得る。
細胞内でのRasタンパク質の阻害方法であって、上記方法が、上記細胞を、有効量の本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩と接触させることを含む、上記方法もまた提供する。RAF-Ras結合の阻害方法であって、上記方法が、上記細胞を、有効量の本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩と接触させることを含む、上記方法を提供する。細胞はがん細胞であり得る。がん細胞は、本明細書に記載する任意の種類のがんのものであってよい。細胞はインビボまたはインビトロであってよい。
併用療法
本発明の方法は、単独で、または1つ以上の追加の療法(例えば、非薬物治療または治療剤)と組み合わせて使用される本発明の化合物を含み得る。1つ以上の追加の療法(例えば、非薬物治療または治療剤)の投薬量は、単独で投与される場合、標準的な投薬量から減らされ得る。例えば、用量は、薬剤の組み合わせ及び順列から経験的に決定され得るか、またはアイソボログラフィー分析によって推定され得る(例えば、Black et al.,Neurology 65:S3-S6(2005))。
本発明の化合物は、そのような1つ以上の追加の療法の前、後、またはそれと同時に投与し得る。組み合わせた場合、本発明の化合物の投薬量及び1つ以上の追加の療法(例えば、非薬物治療または治療剤)の投薬量は、治療効果(例えば、相乗的または相加的治療効果)を提供する。本発明の化合物及び追加の療法、例えば抗がん剤は、単一の医薬組成物中に一緒に、または別個に投与され得、別個に投与される場合、同時にまたは連続して投与され得る。このような連続投与は、投与間隔が短くても離れていてもよい。
いくつかの実施形態では、追加の療法は、副作用制限剤(例えば、治療の副作用の発生または重症度を軽減するよう意図された薬剤)の投与である。例えば、いくつかの実施形態では、本発明の化合物はまた、悪心を治療する治療剤と組み合わせて使用することもできる。悪心を治療するために使用することができる薬剤の例には、ドロナビノール、グラニセトロン、メトクロプラミド、オンダンセトロン、及びプロクロルペラジン、またはそれらの医薬的に許容される塩が挙げられる。
いくつかの実施形態では、1つ以上の追加の療法は、非薬物治療(例えば、外科手術または放射線療法)を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の追加の療法は、治療剤(例えば、抗血管新生剤、シグナル伝達阻害剤、抗増殖剤、解糖阻害剤、もしくオートファジー阻害剤である化合物または生物学的製剤)を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の追加の療法は、非薬物治療(例えば、外科手術または放射線療法)及び治療剤(例えば、抗血管新生剤、シグナル伝達阻害剤、抗増殖剤、解糖阻害剤、もしくオートファジー阻害剤である化合物または生物学的製剤)を含む。他の実施形態では、1つ以上の追加の療法は、2つの治療剤を含む。さらに他の実施形態では、1つ以上の追加の療法は、3つの治療剤を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の追加の療法は、4つ以上の治療剤を含む。
この併用療法の項では、明示的に記載されているかどうかに拘わらず、記載されている薬剤のすべての参考文献が参照により組み込まれる。
非薬物療法
非薬物治療の例には、放射線療法、凍結療法、温熱療法、外科手術(例えば、腫瘍組織の外科的切除)、及びT細胞養子移入(ACT)療法が挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、本発明の化合物は、外科手術後の補助療法として使用され得る。いくつかの実施形態では、本発明の化合物は、外科手術前の術前補助療法として使用され得る。
放射線療法は、対象(例えば、哺乳動物(例えば、ヒト))において、異常な細胞増殖を阻害するため、またはがんなどの過剰増殖性障害を治療するために使用され得る。放射線療法を投与するための技術は、当技術分野において既知である。放射線療法は、いくつかの方法のうちの1つ、または方法の組み合わせによって投与することができ、これらの方法には、外部ビーム療法、内部放射線療法、インプラント放射線、定位放射線手術、全身放射線療法、放射線療法、及び永続的または一時的な間質性近接照射療法が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書で使用される場合、「近接照射療法」という用語は、腫瘍もしくは他の増殖性組織疾患部位で、またはその近辺で体内に挿入された空間的に閉じ込められた放射性物質によって送達される放射線療法を指す。この用語は、これらに限定されるものではないが、放射性同位元素(例えば、At-211、I-131、I-125、Y-90、Re-186、Re-188、Sm-153、Bi-212、P-32、及びLuの放射性同位体)への曝露を含むことを意図している。本発明の細胞調整剤として使用するのに好適な放射線源には、固体と液体の両方が含まれる。非限定的な例として、放射線源は、固体源としてのI-125、I-131、Yb-169、Ir-192、固体源としてのI-125などの放射性核種、または、光子、ベータ粒子、ガンマ線、もしくは他の治療光線を放出する他の放射性核種であり得る。放射性物質はまた、放射性核種(複数可)の任意の溶液、例えば、I-125もしくはI-131の溶液から作製された流体であり得るか、または放射性流体は、Au-198もしくはY-90などの固体の放射性核種の小さな粒子を含有する好適な流体のスラリーを使用して生成され得る。さらに、放射性核種(複数可)は、ゲルまたは放射性ミクロスフェアで具体化することができる。
いくつかの実施形態では、本発明の化合物は、異常な細胞を、そのような細胞を死滅させるかまたはその増殖を阻害する目的の放射線治療に対してより感受性にすることができる。したがって、本発明は、哺乳動物の異常細胞を放射線治療に対して感作させる方法にさらに関し、この方法は、異常細胞を放射線治療に対して感作させるのに有効な量の本発明の化合物を哺乳動物に投与することを含む。この方法における化合物の量は、本明細書に記載のそのような化合物の有効量を確認するための手段に従って決定することができる。いくつかの実施形態では、本発明の化合物は、放射線療法後の補助療法として、または放射線療法前の術前補助療法として使用され得る。
いくつかの実施形態では、非薬物治療は、T細胞養子移入(ACT)療法である。いくつかの実施形態では、T細胞は、活性化T細胞である。T細胞は、キメラ抗原受容体(CAR)を発現するように改変され得る。CAR修飾T(CAR-T)細胞は、当該技術分野において公知の任意の方法により生成することができる。例えば、CAR-T細胞は、CARをコードする好適な発現ベクターをT細胞に導入することによって生成することができる。T細胞の増殖及び遺伝子改変前に、T細胞源を対象から得る。T細胞は、末梢血単核細胞、骨髄、リンパ節組織、臍帯血、胸腺組織、感染部位からの組織、腹水、胸水、脾臓組織、及び腫瘍を含むいくつかの源から得ることができる。本発明の特定の実施形態では、当該技術分野で入手可能な任意の数のT細胞株が使用され得る。いくつかの実施形態では、T細胞は、自家T細胞である。望ましいタンパク質(例えば、CAR)を発現するためのT細胞の遺伝子改変前または後にかかわらず、T細胞は、一般に、例えば、米国特許第6,352,694号、同第6,534,055号、同第6,905,680号、同第6,692,964号、同第5,858,358号、同第6,887,466号、同第6,905,681号、同第7,144,575号、同第7,067,318号、同第7,172,869号、同第7,232,566号、同第7,175,843号、同第7,572,631号、同第5,883,223号、同第6,905,874号、同第6,797,514号、及び同第6,867,041号に記載の方法を使用して、活性化及び増殖することができる。
治療剤
治療剤は、がんまたはそれに関連する症状の治療に使用される化合物であり得る。
例えば、治療剤は、ステロイドであり得る。したがって、いくつかの実施形態では、1つ以上の追加の療法は、ステロイドを含む。好適なステロイドは、21-アセトキシプレグネノロン、アルクロメタゾン、アルゲストン、アムシノニド、ベクロメタゾン、ベタメタゾン、ブデソニド、クロロプレドニゾン、クロベタゾール、クロコルトロン、クロプレドノール、コルチコステロン、コルチゾン、コルチバゾール、デフラザコート、デソニド、デスオキシメタゾン、デキサメタゾン、ジフロラゾン、ジフルコルトロン、ジフプレドネート、エノキソロン、フルアザコート、フルクロロニド、フルメタゾン、フルニソリド、フルオシノロンアセトニド、フルオシノニド、フルコルチンブチル、フルコルトロン、フルオロメトロン、酢酸フルペロロン、酢酸フルプレドニデン、フルプレドニゾロン、フルランドレノリド、プロピオン酸フルチカゾン、ホルモコルタール、ハルシノニド、プロピオン酸ハロベタゾール、ハロメタゾン、ヒドロコルチゾン、エタボン酸ロテプレドノール、マジプレドン、メドリゾン、メプレドニゾン、メチルプレドニゾロン、フランカルボン酸モメタゾン、パラメタゾン、プレドニカルベート、プレドニゾロン、プレドニゾロン25-ジエチルアミノアセテート、プレドニゾロンリン酸ナトリウム、プレドニゾン、プレドニバル、プレドニリデン、リメキソロン、チキソコルトール、トリアムシノロン、トリアムシノロンアセトニド、トリアムシノロンベネトニド、トリアムシノロンヘキサアセトニド、及びそれらの塩または誘導体が挙げられ得るが、これらに限定されない。
本発明の化合物との併用療法で使用され得る治療剤のさらなる例としては、以下の特許に記載されている化合物が挙げられる:米国特許第6,258,812号、同第6,630,500号、同第6,515,004号、同第6,713,485号、同第5,521,184号、同第5,770,599号、同第5,747,498号、同第5,990,141号、同第6,235,764号、及び同第8,623,885号、ならびに、国際特許出願第WO01/37820号、同第WO01/32651号、同第WO02/68406号、同第WO02/66470号、同第WO02/55501号、同第WO04/05279号、同第WO04/07481号、同第WO04/07458号、同第WO04/09784号、同第WO02/59110号、同第WO99/45009号、同第WO00/59509号、同第WO99/61422号、同第WO00/12089号、及び同第WO00/02871号。
治療剤は、がんまたはそれに関連する症状の治療に使用される生物学的製剤(例えば、サイトカイン(例えば、インターフェロンまたはIL-2などのインターロイキン))であり得る。いくつかの実施形態では、生物学的製剤は、免疫グロブリン系の生物学的製剤、例えば、モノクローナル抗体(例えば、ヒト化抗体、完全ヒト抗体、Fc融合タンパク質、またはそれらの機能的断片)であり、これは標的に苦痛を与えて抗がん応答を刺激するか、またはがんにとって重要な抗原に拮抗する。また、抗体-薬物コンジュゲートも含まれる。
治療剤は、T細胞チェックポイント阻害剤であり得る。一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、阻害性抗体(例えば、モノクローナル抗体などの単一特異性抗体)である。抗体は、例えば、ヒト化または完全ヒト抗体であり得る。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、融合タンパク質、例えば、Fc受容体融合タンパク質である。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、チェックポイントタンパク質と相互作用する抗体などの薬剤である。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、チェックポイントタンパク質のリガンドと相互作用する抗体などの薬剤である。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、CTLA-4(例えば、抗CTLA-4抗体または融合タンパク質)の阻害剤(例えば、阻害性抗体または小分子阻害剤)である。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、PD-1の阻害剤またはアンタゴニスト(例えば、阻害性抗体または小分子阻害剤)である。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、PD-L1の阻害剤またはアンタゴニスト(例えば、阻害性抗体または低分子阻害剤)である。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、PD-L2(例えば、PD-L2/Ig融合タンパク質)の阻害剤またはアンタゴニスト(例えば、阻害性抗体またはFc融合もしくは小分子阻害剤)である。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、B7-H3、B7-H4、BTLA、HVEM、TIM3、GAL9、LAG3、VISTA、KIR、2B4、CD160、CGEN-15049、CHK1、CHK2、A2aR、B-7ファミリーリガンド、またはそれらの組み合わせの阻害剤またはアンタゴニスト(例えば、阻害抗体または小分子阻害剤)である。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、ペムブロリズマブ、ニボルマブ、PDR001(NVS)、REGN2810(Sanofi/Regeneron)、PD-L1抗体、例えば、アベルマブ、デュルバルマブ、アテゾリズマブ、ピジリズマブ、JNJ-63723283(JNJ)、BGB-A317(BeiGene&Celgene)、またはPreusser,M.et al.(2015)Nat.Rev.Neurol.に開示されているチェックポイント阻害剤であり、イピリムマブ、トレメリムマブ、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、AMP224、AMP514/MEDI0680、BMS936559、MEDl4736、MPDL3280A、MSB0010718C、BMS986016、IMP321、リリルマブ、IPH2101、1-7F9、及びKW-6002が挙げられるが、これらに限定されない。
治療剤は、抗TIGIT抗体、例えば、MBSA43、BMS-986207、MK-7684、COM902、AB154、MTIG7192A、またはOMP-313M32(エチギリマブ)であってよい。
治療剤は、がんまたはそれに関連する症状を治療する薬剤(例えば、細胞毒性剤、非ペプチド小分子、またはがんもしくはそれに関連する症状の治療に有用な他の化合物、総称して「抗がん剤」)であり得る。抗がん剤は、例えば、化学療法剤または標的療法剤であり得る。
抗がん剤には、有糸分裂阻害剤、挿入抗生物質、増殖因子阻害剤、細胞サイクル阻害剤、酵素、トポイソメラーゼ阻害剤、生物学的応答改変剤、アルキル化剤、代謝拮抗剤、葉酸類似体、ピリミジン類似体、プリン類似体及び関連阻害剤、ビンカアルカロイド、エピポドピロトキシン、抗生物質、L-アスパラギナーゼ、トポイソメラーゼ阻害剤、インターフェロン、プラチナ配位複合体、アントラセンジオン置換尿素、メチルヒドラジン誘導体、副腎皮質抑制剤、副腎皮質ステロイド、プロゲスチン、エストロゲン、抗エストロゲン、アンドロゲン、抗アンドロゲン、及びゴナドトロピン放出ホルモン類似体が挙げられる。さらなる抗がん剤には、ロイコボリン(LV)、イレノテカン、オキサリプラチン、カペシタビン、パクリタキセル、及びドキセタキセルが挙げられる。いくつかの実施形態では、1つ以上の追加の療法は、2つ以上の抗がん剤を含む。2つ以上の抗がん剤は、組み合わせて投与されるか、または別個に投与されるカクテルに使用することができる。組み合わせ抗がん剤の好適な投与レジメンは、当該技術分野で既知であり、例えば、Saltz et al.,Proc.Am.Soc.Clin.Oncol.18:233a(1999)、及びDouillard et al.,Lancet 355(9209):1041-1047(2000)に記載されている。
抗がん剤の他の非限定的な例には、Gleevec(登録商標)(メシル酸イマチニブ);Kyprolis(登録商標)(カルフィルゾミブ);Velcade(登録商標)(ボルテゾミブ);Casodex(ビカルタミド);Iressa(登録商標)(ゲフィチニブ);アルキル化剤、例えば、チオテパ及びシクロホスファミド;スルホン酸アルキル、例えば、ブスルファン、インプロスルファン、及びピポスルファン;アジリジン、例えば、ベンゾドーパ、カルボコン、メツレドーパ、及びウレドーパ;エチレンイミン及びメチルアメラミン、例えば、アルトレタミン、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホルアミド、トリエチレンチオホスホラミド、及びトリメチローロメラミン;アセトゲニン(特に、ブラタシン及びブラタシノン);カンプトテシン(例えば、合成類似体トポテカン);ブリオスタチン;カリスタチン;CC-1065(例えば、そのアドゼレシン、カルゼレシン、及びバイゼレシン合成類似体);クリプトフィシン(具体的には、クリプトフィシン1及びクリプトフィシン8);ドラスタチン;デュオカルマイシン(例えば、合成類似体KW-2189及びCB1-TM1);エリュテロビン;パンクラチスタチン;サルコジクチインA;スポンギスタチン;ナイトロジェンマスタード、例えば、クロラムブシル、クロルナファジン、コロホスファミド、エストラムスチン、イホスファミド、メクロレタミン、メクロレタミンオキシド塩酸塩、メルファラン、ノベンビチン、フェネステリン、プレドニムスチン、トロフォスファミド、及びウラシルマスタード;ニトロソウレア、例えば、カムルスチン、クロロゾトシン、ホテムスチン、ロムスチン、ニムスチン、及びラニムスチン;抗生物質、例えば、エンジイン抗生物質(例えば、カリケアマイシン、例えば、カリケアマイシンガンマll及びカリケアマイシンオメガll(例えば、Agnew,Chem.Intl.Ed Engl.33:183-186(1994)を参照);ダイネミシンAなどのダイネミシン;クロドロネートなどのビスホスホネート;エスペラミシン;ネオカルジノスタチン発色団及び関連色素タンパク質エンジイン抗生物質発色団、アクラシノマイシン、アクチノマイシン、オートラマイシン(authramycin)、アザセリン、ブレオマイシン、カクチノマイシン、カリケアマイシン、カラビシン、カミノマイシン、カルミノマイシン、カルジノフィリン、クロモマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デトルビシン、6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシン、アドリアマイシン(ドキソルビシン)、モルホリノ-ドキソルビシン、シアノモルホリノ-ドキソルビシン、2-ピロリノ-ドキソルビシン、デオキシドキソルビシン、エピルビシン、エソルビシン、イダルビシン、マルセロマイシン、マイトマイシンCなどのマイトマイシン、ミコフェノール酸、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポトフィロマイシン、ピューロマイシン、ケラマイシン、ロドルビシン、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン、ウベニメクス、ジノスタチン、ゾルビシン;メトトレキサート及び5-フルオロウラシル(5-FU)などの抗代謝物;デノプテリン、プテロプテリン、トリメトレキサートなどの葉酸類似体;フルダラビン、6-メルカプトプリン、チアミプリン、チオグアニンなどのプリン類似体;アンシタビン、アザシチジン、6-アザウリジン、カルモフール、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフルリジン、エノシタビン、フロキシウリジンなどのピリミジン類似体;カルステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、エピチオスタノール、メピチオスタン、テストラクトンなどのアンドロゲン;アミノグルテチミド、ミトタン、トリロスタンなどの抗副腎剤;フロリン酸などの葉酸補液;アセグラトン;アルドホスファミドグリコシド;アミノレブリン酸;エニルウラシル;アムサクリン;ベストラブシル;ビサントレン;エダトレキサート;デフォファミン(defofamine);デメコルシン;ジアジクオン;エルホミチン(elfomithine);酢酸エリプチニウム;エポチロンBなどのエポチロン;エトグルシド;硝酸ガリウム;ヒドロキシウレア;レンチナン;ロニダイニン、マイタンシン及びアンサミトシンなどのマイタンシノイド;ミトグアゾン;ミトキサントロン;モピダモール;ニトラクリン;ペントスタチン;フェナメト;ピラルビシン;ロソキサントロン;ポドフィリン酸;2-エチルヒドラジド;プロカルバジン;PSK(登録商標)多糖複合体(JHS Natural Products,Eugene,OR);ラゾキサン;リゾキシン;シゾフィラン;スピロゲルマニウム;テヌアゾン酸;トリアジコン;2,2’,2’’-トリクロロトリエチルアミン;T-2毒素、ベラキュリンA、ロリジンA、及びアングイジンなどのトリコテセン;ウレタン;ビンデシン;ダカルバジン;マンノムスチン;ミトブロニトール;ミトラクトール;ピポブロマン;ガシトシン(gacytosine);アラビノシド(「Ara-C」);シクロホスファミド;チオテパ;タキソイド、例えば、Taxol(登録商標)(パクリタキセル)、Abraxane(登録商標)(発色団不含、パクリタキセルのアルブミン操作ナノ粒子製剤)、及びTaxotere(登録商標)(ドキセタキセル);クロランブシル;タモキシフェン(Nolvadex(商標));ラロキシフェン;アロマターゼ阻害化4(5)-イミダゾール;4-ヒドロキシタモキシフェン;トリオキシフェン;ケオキシフェン;LY 117018;オナプリストン;トレミフェン(Fareston(登録商標));フルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、リュープロリド、ゴセレリン;クロラムブシル;Gemzar(登録商標)ゲムシタビン;6-チオグアニン;メルカプトプリン;シスプラチン、オキサリプラチン、及びカルボプラチンなどの白金類似体;ビンブラスチン;白金;エトポシド(VP-16);イホスファミド;ミトキサントロン;ビンクリスチン;Navelbine(登録商標)(ビノレルビン);ノバントロン;テニポシド;エダトレキサート;ダウノマイシン;アミノプテリン;イバンドロネート;イリノテカン(例えば、CPT-11);トポイソメラーゼ阻害剤RFS 2000;ジフルオロメチルオルニチン(DMFO);レチノイン酸などのレチノイド;エスペラミシン;カペシタビン(例えば、Xeloda(登録商標));ならびに上記のうちのいずれかの医薬的に許容される塩が挙げられる。
抗がん剤の追加の非限定的な例には、トラスツズマブ(Herceptin(登録商標))、ベバシズマブ(Avastin(登録商標))、セツキシマブ(Erbitux(登録商標))、リツキシマブ(Rituxan(登録商標))、Taxol(登録商標)、Arimidex(登録商標)、ABVD、アビシン、アバゴボマブ、アクリジンカルボキサミド、アデカツムマブ、17-N-アリルアミノ-17-デメトキシゲルダナマイシン、アルファラジン、アルボシジブ、3-アミノピリジン-2-カルボキサルデヒドチオセミカルバゾン、アモナフィド、アントラセンジオン、抗CD22免疫毒素、抗腫瘍薬(例えば、細胞サイクル非特異的抗腫瘍薬、及び本明細書に記載の他の抗腫瘍薬)、抗腫瘍性ハーブ、アパジクオン、アチプリモド、アザチオプリン、ベロテカン、ベンダムスチン、BIBW 2992、ビリコダール、ブロスタリシン、ブリオスタチン、ブチオニンスルホキシミン、CBV(化学療法)、カリキュリン、ジクロロ酢酸、ジスコーダモリド、エルサミトル、エノシタビン、エリブリン、エキサテカン、エクシスリンド、フェルギノール、フォロデシン、フォスフェストロール、ICE化学療法レジメン、IT-101、イメキソン、イミキモド、インドロカルバゾール、イロフルベン、ラニキダール、ラロタキセル、レナリドマイド、ルカントン、ルルトテカン、マフォスファミド、ミトゾロミド、ナフォキシジン、ネダプラチン、オラパリブ、オルタタキセル、PAC-1、ポポー、ピキサントロン、プロテアソーム阻害剤、レベッカマイシン、レシキモド、ルビテカン、SN-38、サリノスポラミドA、サパシタビン、スタンフォードV、スウェインソニン、タラポルフィン、タリキダール、テガフール-ウラシル、テモダール、テセタキセル、四硝酸トリプラチン、トリス(2-クロロエチル)アミン、トロキサシタビン、ウラムスチン、バジメザン、ビンフルニン、ZD6126、及びゾスキダルが挙げられる。
抗がん剤のさらなる非限定的な例には、ビンカアルカロイド(例えば、ビンブラスチン、ビンクリスチン、及びビノレルビン)、エピジポドフィロトキシン(例えば、エトポシド及びテニポシド)、抗生物質(例えば、ダクチノマイシン(アクチノマイシンD)、ダウノルビシン、及びイダルビシン)、アントラサイクリン、ミトキサントロン、ブレオマイシン、プリカマイシン(ミトラマイシン)、マイトマイシン、酵素(例えば、L-アスパラギンを全身的に代謝し、独自のアスパラギンを合成する能力を有しない細胞を奪うL-アスパラギナーゼ)、抗血小板剤、ナイトロジェンマスタードなどの抗増殖性/抗有糸分裂性アルキル化剤(例えば、メクロレタミン、シクロホスファミド及び類似体、メルファラン、ならびにクロラムブシル)、エチレンイミン及びメチルメラミン(例えば、ヘキサメチルメラアミン及びチオテパ)、CDK阻害剤(例えば、アベマシクリブ、リボシクリブ、パルボシクリブなどのCDK4/6阻害剤)、セリシクリブ、UCN-01、P1446A-05、PD-0332991、ダイナシクリブ、P27-00、AT-7519、RGB286638、及びSCH727965)、アルキルスルホネート(例えば、ブスルファン)、ニトロソウレア(例えば、カルムスチン(BCNU)及び類似体、ならびにストレプトゾシン)、トラゼネス-ダカルバジニン(DTIC)、葉酸類似体、ピリミジン類似体(例えば、フルオロウラシル、フロクスウリジン、及びシタラビン)、プリン類似体などの抗増殖性/抗有糸分裂性代謝物及び関連阻害剤(例えば、メルカプトプリン、チオグアニン、ペントスタチン、及び2-クロロデオキシアデノシン)、アロマターゼ阻害剤(例えば、アナストロゾール、エキセメスタン、及びレトロゾール)、及び白金配位複合体(例えば、シスプラチン及びカルボプラチン)、プロカルバジン、ヒドロキシ尿素、ミトタン、アミノグルテチミド、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害剤(例えば、トリコスタチン、酪酸ナトリウム、アピシダン、スベロイルアニリドヒドロアミック酸、ボリノスタット、LBH 589、ロミデプシン、ACY-1215、及びパノビノスタット)、mTOR阻害剤(例えば、ビストセルチブ、テムシロリムス、エベロリムス、リダフォロリムス、及びシロリムス)、KSP(Eg5)阻害剤(例えば、Array 520)、DNA結合剤(例えば、Zalypsis(登録商標))、PI3Kデルタ阻害剤(例えば、GS-1101及びTGR-1202)などのPI3K阻害剤、PI3Kデルタ及びガンマ阻害剤(例えば、CAL-130)、コパンリシブ、アルペリシブ、及びイデラリシブ;マルチキナーゼ阻害剤(例えば、TG02及びソラフェニブ)、ホルモン(例えば、エストロゲン)、及びロイチン化ホルモン放出ホルモン(LHRH)アゴニスト(例えば、ゴセレリン、ロイプロリド、及びトリプトレリン)などのホルモンアゴニスト、BAFF中和抗体(例えば、LY2127399)、IKK阻害剤、p38MAPK阻害剤、抗IL-6(例えば、CNT0328)、テロメラーゼ阻害剤(例えば、GRN 163L)、オーロラキナーゼ阻害剤(例えば、MLN8237)、細胞表面モノクローナル抗体(例えば、抗CD38(HUMAX-CD38))、抗CS1(例えば、エロツズマブ)、HSP90阻害剤(例えば、17AAG及びKOS953)、P13K/Akt阻害剤(例えば、ペリホシン)、Akt阻害剤(例えば、GSK-2141795)、PKC阻害剤(例えば、エンザスタウリン)、FTI(例えば、Zarnestra(商標))、抗CD138(例えば、BT062)、Torcl/2特異的キナーゼ阻害剤(例えば、INK128)、ER/UPR標的化剤(例えば、MKC-3946)、cFMS阻害剤(例えば、ARRY-382)、JAK1/2阻害剤(例えば、CYT387)、PARP阻害剤(例えば、オラパリブ及びベリパリブ(ABT-888))、及びBCL-2アンタゴニストなどの天然物が挙げられる。
いくつかの実施形態では、抗がん剤は、メクロレタミン、カンプトテシン、イホスファミド、タモキシフェン、ラロキシフェン、ゲムシタビン、Navelbine(登録商標)、ソラフェニブ、または前述のものの任意の類似体または誘導体バリアントから選択される。
いくつかの実施形態では、抗がん剤はHER2阻害剤である。HER2阻害剤の非限定例としては、モノクローナル抗体、例えばトラスツズマブ(Herceptin(登録商標))及びペルツズマブ(Perjeta(登録商標));低分子チロシンキナーゼ阻害剤、例えばゲフィチニブ(Iressa(登録商標))、エルロチニブ(Tarceva(登録商標))、ピリチニブ、CP-654577、CP-724714、カネルチニブ(CI 1033)、HKI-272、ラパチニブ(GW-572016;Tykerb(登録商標))、PKI-166、AEE788、BMS-599626、HKI-357、BIBW 2992、ARRY-334543、及びJNJ-26483327が挙げられる。
いくつかの実施形態では、抗がん剤は、ALK阻害剤である。ALK阻害剤の非限定的な例としては、セリチニブ、TAE-684(NVP-TAE694)、PF02341066(クリゾチニブまたは1066)、アレクチニブ、ブリガチニブ、エヌトレクチニブ、エンサルチニブ(X-396)、ロルラチニブ、ASP3026、CEP-37440、4SC-203、TL-398、PLB1003、TSR-011、CT-707、TPX-0005、及びAP26113が挙げられる。ALKキナーゼ阻害剤の追加の例は、WO05/016894の実施例3~39に記載されている。
いくつかの実施形態では、抗がん剤は、受容体チロシンキナーゼ(RTK)/増殖因子受容体の下流のメンバーの阻害剤(例えば、SHP2阻害剤(例えば、SHP099、TNO155、RMC-4550、RMC-4630、JAB-3068、JAB-3312、RLY-1971、ERAS-601、SH3809、PF-07284892、またはBBP-398)、SOS1阻害剤(例えば、BI-1701963、BI-3406、SDR5、MRTX0902、RMC-5845、またはBAY-293)、Raf阻害剤、MEK阻害剤、ERK阻害剤、PI3K阻害剤、PTEN阻害剤、AKT阻害剤、またはmTOR阻害剤(例えば、mTORC1阻害剤またはmTORC2阻害剤)である。いくつかの実施形態では、抗がん剤は、JAB-3312である。
いくつかの実施形態では、抗がん剤は、さらなるRas阻害剤、またはRasワクチン、またはRasの発がん活性を直接的もしくは間接的に低下させるように設計された別の治療モダリティである。いくつかの実施形態では、抗がん剤は、Ras阻害剤である。いくつかの実施形態では、Ras阻害剤は、その活性、またはGTP結合状態(Ras(ON))でRasを標的にする。いくつかの実施形態では、Ras(ON)阻害剤は、RMC-6291、RMC-6236、RMC-9805、またはRMC-8839である。いくつかの実施形態では、Ras阻害剤は、本明細書に参照によりそれらの全容を援用するところの、WO2021091956、WO2021091967、WO2021091982、WO2022060836、またはWO2020132597に開示されるRAS(ON)阻害剤、またはそれらの薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体である。いくつかの実施形態では、Ras阻害剤は、その不活性、またはGDP結合状態でRasを標的にする。いくつかの実施形態では、Ras阻害剤は、例えば、AMG510、MRTX1257、MRTX849、JNJ-74699157(ARS-3248)、LY3499446、またはARS-1620、ARS-853、BPI-421286、LY3537982、JDQ443、ERAS-3490、JAB-21000、BPI-421286、D-1553、JAB-21822、GH-35、ICP-915、IBI351、RMC-6291、またはGDC-6036などのK-Ras G12Cの阻害剤である。いくつかの実施形態では、Ras阻害剤は、ERAS-4、MRTX1133、RMC-9805、またはJAB-22000などのK-Ras G12Dの阻害剤である。いくつかの実施形態では、Ras阻害剤は、JAB-23000などのK-Ras G12Vの阻害剤である。いくつかの実施形態では、Ras阻害剤は、RMC-6236である。本発明のRas阻害剤と組み合わせることができるRAS阻害剤の他の例を以下に示し、これらは、それら全体が参照により本明細書に組み込まれている: WO 2022087624、WO 2022087375、WO 2022087371、WO 2022083616、WO 2022083569、WO 2022081655、WO 2022078414、WO 2022076917、WO 2022072783、WO 2022066805、WO 2022066646、WO 2022063297、WO 2022061251、WO 2022056307、WO 2022052895、WO 2022047093、WO 2022042630、WO 2022040469、WO 2022037560、WO 2022031678、WO 2022028492、WO 2022028346、WO 2022026726、WO 2022026723、WO 2022015375、WO 2022002102、WO 2022002018、WO 2021259331、WO 2021257828、WO 2021252339、WO 2021248095、WO 2021248090、WO 2021248083、WO 2021248082、WO 2021248079、WO 2021248055、WO 2021245051、WO 2021244603、WO 2021239058、WO 2021231526、WO 2021228161、WO 2021219090、WO 2021219090、WO 2021219072、WO 2021218939、WO 2021217019、WO 2021216770、WO 2021215545、WO 2021215544、WO 2021211864、WO 2021190467、WO 2021185233、WO 2021180181、WO 2021175199、2021173923、WO 2021169990、WO 2021169963、WO 2021168193、WO 2021158071、WO 2021155716、WO 2021152149、WO 2021150613、WO 2021147967、WO 2021147965、WO 2021143693、WO 2021142252、WO 2021141628、WO 2021139748、WO 2021139678、WO 2021129824、WO 2021129820、WO 2021127404、WO 2021126816、WO 2021126799、WO 2021124222、WO 2021121371、WO 2021121367、WO 2021121330、WO 2020050890、WO 2020047192、WO 2020035031、WO 2020028706、WO 2019241157、WO 2019232419、WO 2019217691、WO 2019217307、WO 2019215203、WO 2019213526、WO 2019213516、WO 2019155399、WO 2019150305、WO 2019110751、WO 2019099524、WO 2019051291、WO 2018218070、WO 2018217651、WO 2018218071、WO 2018218069、WO 2018206539、WO 2018143315、WO 2018140600、WO 2018140599、WO 2018140598、WO 2018140514、WO 2018140513、WO 2018140512、WO 2018119183、WO 2018112420、WO 2018068017、WO 2018064510、WO 2017201161、WO 2017172979、WO 2017100546、WO 2017087528、WO 2017058807、WO 2017058805、WO 2017058728、WO 2017058902、WO 2017058792、WO 2017058768、WO 2017058915、WO 2017015562、WO 2016168540、WO 2016164675、WO 2016049568、WO 2016049524、WO 2015054572、WO 2014152588、WO 2014143659、WO 2013155223、CN 114195804、CN 114195788、CN 114057776、CN 114057744、CN 114057743、CN 113999226、CN 113980032、CN 113980014、CN 113929676、CN 113754653、CN 113683616、CN 113563323、CN 113527299、CN 113527294、CN 113527293、CN 113493440、CN 113429405、CN 113248521、CN 113087700、CN 113024544、CN 113004269、CN 112920183、CN 112778284、CN 112390818、CN 112390788、CN 112300196、CN 112300194、CN 112300173、CN 112225734、CN 112142735、CN 112110918、CN 112094269、CN 112047937、及びCN 109574871、または、その薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体。
いくつかの実施形態では、本発明の化合物と組み合わせ得る治療剤は、MAPキナーゼ(MAPK)経路の阻害剤(または「MAPK阻害剤」)である。MAPK阻害剤には、Cancers(Basel)2015 Sep;7(3):1758-1784に記載の1つ以上のMAPK阻害剤が挙げられるが、これらに限定されない。例えば、MAPK阻害剤は、トラメチニブ、ビニメチニブ、セルメチニブ、コビメチニブ、LErafAON(NeoPharm)、ISIS 5132、ベムラフェニブ、ピマセルチブ、TAK733、RO4987655(CH4987655)、CI-1040、PD-0325901、CH5126766、MAP855、AZD6244、レファメチニブ(RDEA 119/BAY 86-9766)、GDC-0973/XL581、AZD8330(ARRY-424704/ARRY-704)、RO5126766(Roche、PLoS One.2014 Nov 25;9(11)に記載)、及びGSK1120212(またはJTP-74057、Clin Cancer Res.2011 Mar 1;17(5):989-1000に記載)のうちの1つ以上から選択され得る。MAPK阻害剤は、PLX8394、LXH254、GDC-5573、LY3009120であり得る。
いくつかの実施形態では、抗がん剤は、RAS-RAF-ERKまたはPI3K-AKT-TORまたはPI3K-AKTシグナル伝達経路の破壊因子または阻害剤である。PI3K/AKT阻害剤には、Cancers(Basel)2015 Sep;7(3):1758-1784に記載の1つ以上のPI3K/AKT阻害剤が挙げられるが、これらに限定されない。例えば、PI3K/AKT阻害剤は、NVP-BEZ235、BGT226、XL765/SAR245409、SF1126、GDC-0980、PI-103、PF-04691502、PKI-587、GSK2126458のうちの1つ以上から選択され得る。
いくつかの実施形態では、抗がん剤は、PD-1またはPD-L1アンタゴニストである。
いくつかの実施形態では、追加の治療剤には、ALK阻害剤、HER2阻害剤、EGFR阻害剤、IGF-1R阻害剤、MEK阻害剤、PI3K阻害剤、AKT阻害剤、TOR阻害剤、MCL-1阻害剤、BCL-2阻害剤、SHP2阻害剤、プロテアソーム阻害剤、及び免疫療法が挙げられる。いくつかの実施形態では、治療剤は汎RTK阻害剤、例えばアファチニブであり得る。
IGF-1R阻害剤には、リンシチニブ、またはその薬学的に許容される塩が挙げられる。
EGFR阻害剤には、小分子アンタゴニスト、抗体阻害剤、または特定のアンチセンスヌクレオチドもしくはsiRNAが挙げられるが、これらに限定されない。EGFRの有用な抗体阻害剤には、セツキシマブ(Erbitux(登録商標))、パニツムマブ(Vectibix(登録商標))、ザルツムマブ、ニモツズマブ、及びマツズマブが挙げられる。さらなる抗体ベースのEGFR阻害剤には、その天然リガンドによるEGFR活性化を部分的または完全に遮断することができる任意の抗EGFR抗体または抗体断片が挙げられる。抗体ベースのEGFR阻害剤の非限定例としては、Modjtahedi et al.,Br.J.Cancer 1993,67:247-253;Teramoto et al.,Cancer 1996,77:639-645;Goldstein et al.,Clin.Cancer Res.1995,1:1311-1318;Huang et al.,1999,Cancer Res.15:59(8):1935-40;及びYang et al.,Cancer Res.1999,59:1236-1243に記載されているものが挙げられる。EGFR阻害剤は、モノクローナル抗体Mab E7.6.3(上記Yang,1999)、もしくはMab C225(ATCC受託番号HB-8508)、またはそれらの結合特異性を有する抗体もしくは抗体断片であり得る。
EGFRの小分子アンタゴニストには、ゲフィチニブ(Iressa(登録商標))、エルロチニブ(Tarceva(登録商標))、及びラパチニブ(TykerB(登録商標))が挙げられる。例えば、Yan et al.,Pharmacogenetics and Pharmacogenomics In Oncology Therapeutic Antibody Development,BioTechniques 2005,39(4):565-8、及びPaez et al.,EGFR Mutations In Lung Cancer Correlation With Clinical Response To Gefitinib Therapy,Science 2004,304(5676):1497-500を参照されたい。いくつかの実施形態では、EGFR阻害剤はオシメルチニブ(Tagrisso(登録商標))である。低分子EGFR阻害剤のさらなる被限定例としては、以下の特許公報に記載されているEGFR阻害剤のいずれか、及び、このようなEGFR阻害剤のあらゆる薬学的に許容される塩が挙げられる:EP0520722;EP0566226;WO96/33980;米国特許第5,747,498号;WO96/30347;EP0787772;WO97/30034;WO97/30044;WO97/38994;WO97/49688;EP837063;WO98/02434;WO97/38983;WO95/19774;WO95/19970;WO97/13771;WO98/02437;WO98/02438;WO97/32881;DE19629652;WO98/33798;WO97/32880;WO97/32880;EP682027;WO97/02266;WO97/27199;WO98/07726;WO97/34895;WO96/31510;WO98/14449;WO98/14450;WO98/14451;WO95/09847;WO97/19065;WO98/17662;米国特許第5,789,427号;同第5,650,415号;同第5,656,643号;WO99/35146;WO99/35132;WO99/07701;及びO92/20642。小分子EGFR阻害剤の追加の非限定的な例には、Traxler et al.,Exp.Opin.Ther.Patents 1998,8(12):1599-1625に記載のEGFR阻害剤のうちのいずれかが挙げられる。いくつかの実施形態では、EGFR阻害剤はERBB阻害剤である。ヒトにおいて、ERBBファミリーは、HER1(EGFR、ERBB1)、HER2(NEU、ERBB2)、HER3(ERBB3)、及びHER(ERBB4)を含有する。
MEK阻害剤には、ピマセルチブ、セルメチニブ、コビメチニブ(Cotellic(登録商標))、トラメチニブ(Mekinist(登録商標))、及びビニメチニブ(Mektovi(登録商標))が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、MEK阻害剤は、D67N、P124L、P124S、及びL177Vから選択されるクラスI MEK1変異であるMEK変異を標的とする。いくつかの実施形態では、MEK変異は、ΔE51-Q58、ΔF53-Q58、E203K、L177M、C121S、F53L、K57E、Q56P、及びK57Nから選択されるクラスII MEK1変異である。
PI3K阻害剤には、ワートマニン、WO06/044453に記載の17-ヒドロキシワートマニン類似体、4-[2-(1H-インダゾール-4-イル)-6-[[4-(メチルスルホニル)ピペラジン-1-イル]メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル]モルホリン(ピクチリシブまたはGDC-0941としても既知であり、WO09/036082及びWO09/055730に記載されている)、2-メチル-2-[4-[3-メチル-2-オキソ-8-(キノリン-3-イル)-2,3-ジヒドロイミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル]フェニル]プロピオニトリル(BEZ 235またはNVP-BEZ 235としても既知であり、WO06/122806に記載されている)、(S)-1-(4-((2-(2-アミノピリミジン-5-イル)-7-メチル-4-モルホリノチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)-2-ヒドロキシプロパン-1-オン(WO08/070740に記載)、LY294002(2-(4-モルホリニル)-8-フェニル-4H-1-ベンゾピラン-4-オン(Axon Medchemから入手可能)、PI 103塩酸塩(3-[4-(4-モルホリニルピリド-[3’,2’:4,5]フロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル]フェノール塩酸塩(Axon Medchemから入手可能)、PIK 75(2-メチル-5-ニトロ-2-[(6-ブロモイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチレン]-1-メチルヒドラジド-ベンゼンスルホン酸、一塩酸塩)(Axon Medchemから入手可能)、PIK 90(N-(7,8-ジメトキシ-2,3-ジヒドロ-イミダゾ[1,2-c]キナゾリン-5-イル)-ニコチンアミド(Axon Medchemから入手可能)、AS-252424(5-[1-[5-(4-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-フラン-2-イル]-メタ-(Z)-イリデン]-チアゾリジン-2,4-ジオン(Axon Medchemから入手可能)、TGX-221(7-メチル-2-(4-モルホリニル)-9-[1-(フェニルアミノ)エチル]-4H-ピリド-[1,2-a]ピリニジン-4-オン(Axon Medchemから入手可能)、XL-765、及びXL-147が挙げられるが、これらに限定されない。他のPI3K阻害剤には、デメトキシビリジン、ペリホシン、CAL101、PX-866、BEZ235、SF1126、INK1117、IPI-145、BKM120、XL147、XL765、Palomid 529、GSK1059615、ZSTK474、PWT33597、IC87114、TGI 00-115、CAL263、PI-103、GNE-477、CUDC-907、及びAEZS-136が挙げられる。
AKT阻害剤としては、Akt-1-1(Akt1を阻害する)(Barnett et al.,Biochem.J.2005,385(Pt.2):399-408);Akt-1-1,2(Ak1及び2を阻害する)(Barnett et al.,Biochem.J.2005,385(Pt.2):399-408);API-59CJ-Ome(例えば、Jin et al.,Br.J.Cancer 2004,91:1808-12);1-H-イミダゾ[4,5-c]ピリジニル化合物(例えば、WO05/011700);インドール-3-カルビノール及びその誘導体類(例えば、米国特許第6,656,963号;Sarkar and Li J Nutr.2004,134(12 Suppl):3493S-3498S);ペリホシン(例えば、Akt膜局在化に干渉する;Dasmahapatra et al.Clin.Cancer Res.2004,10(15):5242-52);ホスファチジルイノシトールエーテル脂質類似体(例えば、Gills and Dennis Expert.Opin.Investig.Drugs 2004,13:787-97);ならびに、トリシリビン(TCNまたはAPI-2またはNCI識別因子:NSC 154020;Yang et al.,Cancer Res.2004,64:4394-9)が挙げられるが、これらに限定されない。
mTOR阻害剤には、ATP競合的mTORC1/mTORC2阻害剤、例えば、PI-103、PP242、PP30;Torin 1;FKBP12増強剤;4H-1-ベンゾピラン-4-オン誘導体;ならびにラパマイシン(シロリムスとしても既知)及びその誘導体、例えば、テムシロリムス(Torisel(登録商標));エベロリムス(Afinitor(登録商標)、WO94/09010);リダフォロリムス(デフォロリムスまたはAP23573としても既知);ラパログ、例えば、WO98/02441及びWO01/14387に開示されているようなもの、例えば、AP23464及びAP23841;40-(2-ヒドロキシエチル)ラパマイシン;40-[3-ヒドロキシ(ヒドロキシメチル)メチルプロパノエート]-ラパマイシン(CC1779としても既知);40-エピ-(テトラゾライト)-ラパマイシン(ABT578とも称される);32-デオキソラパマイシン;16-ペンチニルオキシ-32(S)-ジヒドロラパニシン;WO05/005434に開示されている誘導体;米国特許第5,258,389号、第5,118,677号、第5,118,678号、第5,100,883号、第5,151,413号、第5,120,842号、及び第5,256,790号、ならびにWO94/090101、WO92/05179、WO93/111130、WO94/02136、WO94/02485、WO95/14023、WO94/02136、WO95/16691、WO96/41807、WO96/41807、及びWO2018/204416に開示されている誘導体、ならびにリン含有ラパマイシン誘導体(例えば、WO05/016252)が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、mTOR阻害剤は、RMC-5552のような以下の構造を有する、二立体阻害剤(例えば、WO2018/204416、WO2019/212990、及びWO2019/212991を参照)である。
本発明の化合物と組み合わせて使用され得るBRAF阻害剤には、例えば、ベムラフェニブ、ダブラフェニブ、及びエンコラフェニブが挙げられる。BRAFは、クラス3 BRAF変異を含み得る。いくつかの実施形態では、クラス3 BRAF変異は、ヒトBRAFにおいて、以下のアミノ酸置換:D287H;P367R;V459L;G466V;G466E;G466A;S467L;G469E;N581S;N581I;D594N;D594G;D594A;D594H;F595L;G596D;G596R;及びA762Eの1つ以上から選択される。
MCL-1阻害剤には、AMG-176、MIK665、及びS63845が挙げられるが、これらに限定されない。骨髄性細胞白血病-1(MCL-1)タンパク質は、B細胞リンパ腫-2(BCL-2)タンパク質ファミリーの主要な抗アポトーシスメンバーの1つである。MCL-1の過剰発現は、腫瘍の進行、ならびに従来の化学療法に対してだけでなく、ABT-263などのBCL-2阻害剤を含む標的治療薬に対する耐性と密接に関連している。
いくつかの実施形態では、追加の治療剤は、SHP2阻害剤である。SHP2は、PTPN11遺伝子によってコードされる非受容体タンパク質チロシンホスファターゼであり、増殖、分化、細胞周期の維持、及び移動などの複数の細胞機能に寄与する。SHP2は、2つのN末端Src相同性2ドメイン(N-SH2及びC-SH2)、触媒ドメイン(PTP)、及びC末端テールを有する。2つのSH2ドメインは、SHP2の細胞内局在及び機能調節を制御する。この分子は、N-SH2ドメイン及びPTPドメインの両方からの残基に関与する結合ネットワークによって安定化された、不活性な自己阻害型コンフォメーションで存在する。例えば、受容体チロシンキナーゼ(RTK)を介して作用するサイトカインまたは増殖因子による刺激は、触媒部位の曝露につながり、SHP2の酵素的活性化をもたらす。
SHP2は、RASマイトジェン活性化タンパク質キナーゼ(MAPK)、JAK-STAT、またはホスホイノシトール3-キナーゼ-AKT経路を介したシグナル伝達に関与する。PTPN11遺伝子の変異及びその後のSHP2の変異は、ヌーナン症候群及びレオパード症候群などのいくつかのヒト発達疾患、ならびに若年性骨髄単球性白血病、神経芽細胞腫、黒色腫、急性骨髄性白血病、ならびに乳癌、肺癌、及び結腸癌などのヒトのがんにおいて特定されている。これらの変異のいくつかは、SHP2の自己阻害型コンフォメーションを不安定化し、SHP2の自己活性化または強化された増殖因子駆動活性化を促進する。したがって、SHP2は、がんを含む様々な疾患の治療のための新規療法の開発にとって非常に魅力的な標的である。RAS経路阻害剤(例えば、MEK阻害剤)と組み合わせたSHP2阻害剤(例えば、RMC-4550またはSHP099)は、インビトロで複数のがん細胞株(例えば、膵臓癌、肺癌、卵巣癌、及び乳癌)の増殖を阻害することが示されている。したがって、SHP2阻害剤及びRAS経路阻害剤を併用する併用療法は、広範囲の悪性腫瘍における腫瘍抵抗性を予防するための一般的な戦略となり得る。
当該技術分野では周知であるこのようなSHP2阻害剤の非限定的な例としては、以下の刊行物に見られるもの:Chen et al.Mol Pharmacol.2006,70,562;Sarver et al.,J.Med.Chem.2017,62,1793;Xie et al.,J.Med.Chem.2017,60,113734;及びIgbe et al.,Oncotarget,2017,8,113734;ならびに、本明細書に参照により援用するところの特許出願WO2022063190、WO 2022043685、WO 2022042331、WO 2022033430、WO 2022033430、WO 2022017444、WO 2022007869、WO 2021259077、WO 2021249449、WO 2021249057、WO 2021244659、WO 2021218755、WO 2021281752、WO 2021197542、WO 2021176072、WO 2021149817、WO 2021148010、WO 2021147879、WO 2021143823、WO 2021143701、WO 2021143680、WO 2021121397、WO 2021119525、WO 2021115286、WO 2021110796、WO 2021088945、WO 2021073439、WO 2021061706、WO 2021061515、WO 2021043077、WO 2021033153、WO 2021028362、WO 2021033153、WO 2021028362、WO 2021018287、WO 2020259679、WO 2020249079、WO 2020210384、WO 2020201991、WO 2020181283、WO 2020177653、WO 2020165734、WO 2020165733、WO 2020165732、WO 2020156243、WO 2020156242、WO 2020108590、WO 2020104635、WO 2020094104、WO 2020094018、WO 2020081848、WO 2020073949、WO 2020073945、WO 2020072656、WO 2020065453、WO 2020065452、WO 2020063760、WO 2020061103、WO 2020061101、WO 2020033828、WO 2020033286、WO 2020022323、WO 2019233810、WO 2019213318、WO 2019183367、WO 2019183364、WO 2019182960、WO 2019167000、WO 2019165073、WO 2019158019、WO 2019152454、WO 2019051469、WO 2019051084、WO 2018218133、WO 2018172984、WO 2018160731、WO 2018136265、WO 2018136264、WO 2018130928、WO 2018129402、WO 2018081091、WO 2018057884、WO 2018013597、WO 2017216706、WO 2017211303、WO 2017210134、WO 2017156397、WO 2017100279、WO 2017079723、WO 2017078499、WO 2016203406、WO 2016203405、WO 2016203404、WO 2016196591、WO 2016191328、WO 2015107495、WO 2015107494、WO 2015107493、WO 2014176488、WO 2014113584、US 20210085677、US 10858359、US 10934302、US 10954243、US 10988466、US 11001561、US 11033547、US 11034705、US 11044675、CN 114213417、CN 114163457、CN 113896710、CN 113248521、CN 113248449、CN 113135924、CN 113024508、CN 112920131、CN 112823796、CN 112402385、CN 111848599、CN 111704611、CN 111265529、及びCN 108113848、または、その薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体が挙げられる。
いくつかの実施形態では、SHP2阻害剤は、活性部位に結合する。いくつかの実施形態では、SHP2阻害剤は、混合型の不可逆的阻害剤である。いくつかの実施形態では、SHP2阻害剤は、アロステリック部位、例えば、非共有結合アロステリック阻害剤に結合する。いくつかの実施形態では、SHP2阻害剤は、ホスファターゼの活性部位の外側にあるシステイン残基(C333)を標的とする阻害剤などの共有結合SHP2阻害剤である。いくつかの実施形態では、SHP2阻害剤は、可逆的阻害剤である。いくつかの実施形態では、SHP2阻害剤は、不可逆的阻害剤である。いくつかの実施形態では、SHP2阻害剤は、SHP099である。いくつかの実施形態では、SHP2阻害剤は、TNO155である。いくつかの実施形態では、SHP2阻害剤は、RMC-4550である。いくつかの実施形態では、SHP2阻害剤は、RMC-4630である。いくつかの実施形態では、SHP2阻害剤は、JAB-3068である。いくつかの実施形態では、SHP2阻害剤は、JAB-3312である。いくつかの実施形態では、SHP2阻害剤は、RLY-1971である。いくつかの実施形態では、SHP2阻害剤は、ERAS-601である。いくつかの実施形態では、SHP2阻害剤は、BBP-398である。
いくつかの実施形態では、追加の治療剤は、MEK阻害剤、HER2阻害剤、SHP2阻害剤、CDK4/6阻害剤、mTOR阻害剤、SOS1阻害剤、及びPD-L1阻害剤からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、追加の治療剤は、MEK阻害剤、SHP2阻害剤、及びPD-L1阻害剤からなる群から選択される。例えば、Hallin et al.,Cancer Discovery,DOI:10.1158/2159-8290(October 28,2019)、及びCanon et al.,Nature,575:217(2019)を参照されたい。いくつかの実施形態では、本発明のRas阻害剤は、MEK阻害剤及びSOS1阻害剤と組み合わせて使用される。いくつかの実施形態では、本発明のRas阻害剤は、PD-L1阻害剤及びSOS1阻害剤と組み合わせて使用される。いくつかの実施形態では、本発明のRas阻害剤は、PD-L1阻害剤及びSHP2阻害剤と組み合わせて使用される。いくつかの実施形態では、本発明のRas阻害剤は、MEK阻害剤及びSHP2阻害剤と組み合わせて使用される。いくつかの実施形態では、がんは結腸直腸癌であり、治療は、本発明のRas阻害剤を、第2または第3の治療剤と組み合わせて投与することを含む。
プロテアソーム阻害剤には、カルフィルゾミブ(Kyprolis(登録商標))、ボルテゾミブ(Velcade(登録商標))、及びオプロゾミブが挙げられるが、これらに限定されない。
免疫療法には、モノクローナル抗体、免疫調節イミド(IMiD)、GITRアゴニスト、遺伝子操作されたT細胞(例えば、CAR-T細胞)、二重特異性抗体(例えば、BiTE)、ならびに抗PD-1、抗PD-L1、抗CTLA4、抗LAG1、及び抗OX40剤が挙げられるが、これらに限定されない。
免疫調節剤(IMiD)は、イミド基を含有する免疫調節薬物(免疫応答を調整する薬物)のクラスである。IMiDクラスには、サリドマイド及びその類似体(レナリドマイド、ポマリドマイド、及びアプレミラスト)が含まれる。
例示的な抗PD-1抗体、及びそれらの使用方法は、Goldberg et al.,Blood 2007,110(1):186-192;Thompson et al.,Clin.Cancer Res.2007,13(6):1757-1761;及びWO06/121168 A1)により記載されており、加えて、本明細書の他の箇所に記載されている。
GITRアゴニストには、GITR融合タンパク質及び抗GITR抗体(例えば、二価抗GITR抗体)、例えば、米国特許第6,111,090号、同第8,586,023号、WO2010/003118、及びWO2011/090754に記載のGITR融合タンパク質、または、例えば、米国特許第7,025,962号、EP1947183、米国特許第7,812,135号、同第8,388,967号、同第8,591,886号、同第7,618,632号、EP1866339、ならびにWO2011/028683、WO2013/039954、WO05/007190、WO07/133822、WO05/055808、WO99/40196、WO01/03720、WO99/20758、WO06/083289、WO05/115451、及びWO2011/051726に記載の抗GITR抗体が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の化合物と組み合わせて使用され得る治療剤の別の例は、抗血管新生剤である。抗血管新生剤には、インビトロで合成的に調製された化学組成物、抗体、抗原結合領域、放射性核種、ならびにそれらの組み合わせ及びコンジュゲートが挙げられるが、これらに限定されない。抗血管新生剤は、アゴニスト、アンタゴニスト、アロステリック調節剤、毒素であり得るか、またはより一般的には、その標的を阻害もしくは刺激するように作用(例えば、受容体または酵素の活性化または阻害)し、それによって細胞死を促進するか、または細胞増殖を停止させ得る。いくつかの実施形態では、1つ以上の追加の療法は、抗血管新生剤を含む。
抗血管新生剤は、MMP-2(マトリックス-メタロプロテイナーゼ2)阻害剤、MMP-9(マトリックス-メタロプロチエナーゼ9)阻害剤、及びCOX-II(シクロオキシゲナーゼ11)阻害剤であり得る。抗血管新生剤の非限定例としては、ラパマイシン、テムシロリムス(CCI-779)、エベロリムス(RAD001)、ソラフェニブ、スニチニブ、及びベバシズマブが挙げられる。有用なCOX-II阻害剤の例には、アレコキシブ、バルデコキシブ、及びロフェコキシブが挙げられる。有用なマトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤の例は、WO96/33172、WO96/27583、WO98/07697、WO98/03516、WO98/34918、WO98/34915、WO98/33768、WO98/30566、WO90/05719、WO99/52910、WO99/52889、WO99/29667、WO99/007675、EP0606046、EP0780386、EP1786785、EP1181017、EP0818442、EP1004578、及びUS2009/0012085、ならびに米国特許第5,863,949号、及び同第5,861,510号に記載されている。好ましいMMP-2及びMMP-9阻害剤は、MMP-1を阻害する活性がほとんどないかまたは全くないものである。より好ましいのは、他のマトリックスメタロプロテイナーゼ(すなわち、MAP-1、MMP-3、MMP-4、MMP-5、MMP-6、MMP-7、MMP-8、MMP-10、MMP-11、MMP-12、及びMMP-13)と比較して、MMP-2またはAMP-9を選択的に阻害するものである。MMP阻害剤のいくつかの特定の例は、AG-3340、RO 32-3555、及びRS13-0830である。
さらなる例示的な抗血管新生剤には、KDR(キナーゼドメイン受容体)阻害剤(例えば、キナーゼドメイン受容体に特異的に結合する抗体及び抗原結合領域)、抗VEGF剤(例えば、VEGF(例えば、ベバシズマブ)、またはそれらの可溶性VEGF受容体もしくはリガンド結合領域に特異的に結合する抗体もしくは抗原結合領域)、例えば、VEGF-TRAP(商標)、及び抗VEGF受容体剤(例えば、それに特異的に結合する抗体または抗原結合領域)、EGFR阻害剤(例えば、それに特異的に結合する抗体または抗原結合領域)、例えば、Vectibix(登録商標)(パニツムマブ)、エルロチニブ(Tarceva(登録商標))、抗Ang1及び抗Ang2剤(例えば、それらもしくはそれらの受容体、例えば、Tie2/Tekに特異的に結合する抗体または抗原結合領域)、ならびに抗Tie2キナーゼ阻害剤(例えば、それに特異的に結合する抗体または抗原結合領域)が挙げられる。他の抗血管新生剤には、キャンパス、IL-8、B-FGF、Tekアンタゴニスト(US2003/0162712、US6,413,932)、抗TWEAK剤(例えば、特異的に結合する抗体もしくは抗原結合領域、または可溶性TWEAK受容体アンタゴニスト、US6,727,225を参照)、インテグリンのそのリガンドへの結合に拮抗するADAMディストインテグリンドメイン(US2002/0042368)、特異的に結合する抗eph受容体または抗エフリン抗体または抗原結合領域(米国特許第5,981,245号、同第5,728,813号、同第5,969,110号、同第6,596,852号、同第6,232,447号、同第6,057,124号、及びそれらの特許ファミリーメンバー)、及び抗PDGF-BBアンタゴニスト(例えば、特異的に結合する抗体または抗原結合領域)、ならびにPDGF-BBリガンドに特異的に結合する抗体または抗原結合領域、及びPDGFRキナーゼ阻害剤(例えば、それに特異的に結合する抗体または抗原結合領域)が挙げられる。追加の抗血管新生剤としては、SD-7784(Pfizer,USA)、シレンジタイド(Merck KGaA,Germany、EPO0770622)、ペガプタニブオクタナトリウム(Gilead Sciences,USA)、アルファスタチン(BioActa,UK)、M-PGA(Celgene,USA、US5712291)、イロマスタット(Arriva,USA、US5892112)、エマキサニブ(Pfizer,USA、US5792783)、バタラニブ(Novartis,Switzerland)、2-メトキシエストラジオール(EntreMed,USA)、TLC ELL-12(Elan,Ireland)、酢酸アネコルタブ(Alcon,USA)、アルファ-D148 Mab(Amgen,USA)、CEP-7055(Cephalon,USA)、抗Vn Mab(Crucell,Netherlands)、DAC抗血管新生剤(ConjuChem,Canada)、アンギオシジン(InKine Pharmaceutical,USA)、KM-2550(Kyowa Hakko,Japan)、SU-0879(Pfizer,USA)、CGP-79787(Novartis,Switzerland、EP0970070)、ARGENT技術(Ariad,USA)、YIGSR-ステルス(Johnson&Johnson,USA)、フィブリノーゲン-E断片(BioActa,UK)、血管新生阻害剤(Trigen,UK)、TBC-1635(Encysive Pharmaceuticals,USA)、SC-236(Pfizer,USA)、ABT-567(Abbott,USA)、メタスタチン(EntreMed,USA)、マスピン(Sosei,Japan)、2-メトキシエストラジオール(Oncology Sciences Corporation,USA)、ER-68203-00(IV AX,USA)、BeneFin(Lane Labs,USA)、Tz-93(Tsumura,Japan)、TAN-1120(Takeda,Japan)、FR-111142(Fujisawa,Japan、JP02233610)、血小板第4因子(RepliGen,USA、EP407122)、血管内皮増殖因子アンタゴニスト(Borean,Denmark)、ベバシズマブ(pINN)(Genentech,USA)、血管新生阻害剤(SUGEN,USA)、XL 784(Exelixis,USA)、XL 647(Exelixis,USA)、MAb、アルファ5ベータ3インテグリン、第2世代(Applied Molecular Evolution,USA及びMedImmune,USA)、塩酸エンザスタウリン(Lilly,USA)、CEP 7055(Cephalon,USA及びSanofi-Synthelabo,France)、BC 1(Genoa Institute of Cancer Research,Italy)、rBPI 21及びBPI由来抗血管新生剤(XOMA,USA)、PI 88(Progen,Australia)、シレンジタイド(Merck KGaA,German、Munich Technical University,Germany、Scripps Clinic and Research Foundation,USA)、AVE 8062(Ajinomoto,Japan)、AS 1404(Cancer Research Laboratory,New Zealand)、SG 292(Telios,USA)、エンドスタチン(Boston Childrens Hospital,USA)、ATN 161(Attenuon,USA)、2-メトキシエストラジオール(Boston Childrens Hospital,USA)、ZD 6474(AstraZeneca,UK)、ZD 6126(Angiogene Pharmaceuticals,UK)、PPI 2458(Praecis,USA)、AZD 9935(AstraZeneca,UK)、AZD 2171(AstraZeneca,UK)、バタラニブ(pINN)(Novartis,Switzerland及びSchering AG,Germany)、組織因子経路阻害剤(EntreMed,USA)、ペガプタニブ(Pinn)(Gilead Sciences,USA)、キサントリゾール(Yonsei University,South Korea)、ワクチン、遺伝子ベースVEGF-2(Scripps Clinic and Research Foundation,USA)、SPV5.2(Supratek,Canada)、SDX 103(University of California at San Diego,USA)、PX 478(ProlX,USA)、メタスタチン(EntreMed,USA)、トロポニンI(Harvard University,USA)、SU 6668(SUGEN,USA)、OXI 4503(OXiGENE,USA)、o-グアニジン(Dimensional Pharmaceuticals,USA)、モツポラミンC(British Columbia University,Canada)、CDP 791(Celltech Group,UK)、アチプリモド(pINN)(GlaxoSmithKline,UK)、E 7820(Eisai,Japan)、CYC 381(Harvard University,USA)、AE 941(Aeterna,Canada)、ワクチン、血管新生剤(EntreMed,USA)、ウロキナーゼ・プラスミノーゲン活性化因子阻害剤(Dendreon,USA)、オグルファニド(pINN)(Melmotte,USA)、HIF-lalfa阻害剤(Xenova,UK)、CEP 5214(Cephalon,USA)、BAY RES 2622(Bayer,Germany)、アンギオシジン(InKine,USA)、A6(Angstrom,USA)、KR 31372(Korea Research Institute of Chemical Technology,South Korea)、GW 2286(GlaxoSmithKline,UK)、EHT 0101(ExonHit, France)、CP 868596(Pfizer,USA)、CP 564959(OSI,USA)、CP 547632(Pfizer,USA)、786034(GlaxoSmithKline,UK)、KRN 633(Kirin Brewery,Japan)、薬物送達系、眼内、2-メトキシエストラジオール、アンギネックス(Maastricht University,Netherlands及びMinnesota University,USA)、ABT 510(Abbott,USA)、AAL 993(Novartis,Switzerland)、VEGI(ProteomTech,USA)、腫瘍壊死因子-アルファ阻害剤、SU 11248(Pfizer,USA及びSUGEN,USA)、ABT 518(Abbott,USA)、YH16(Yantai Rongchang,China)、S-3APG(Boston Childrens Hospital,USA及びEntreMed,USA)、MAb、KDR(ImClone Systems,USA)、MAb、アルファ5ベータ(Protein Design,USA)、KDRキナーゼ阻害剤(Celltech Group,UK及びJohnson&Johnson,USA)、GFB 116(South Florida University,USA及びYale University,USA)、CS 706(Sankyo,Japan)、コンブレタスタチンA4プロドラッグ(Arizona State University,USA)、コンドロイチナーゼAC(IBEX,Canada)、BAY RES 2690(Bayer,Germany)、AGM 1470(Harvard University,USA、Takeda,Japan、及びTAP,USA)、AG 13925(Agouron,USA)、テトラチオモリブデート(University of Michigan,USA)、GCS 100(Wayne State University,USA)、CV 247(Ivy Medical,UK)、CKD 732(Chong Kun Dang,South Korea)、イルソグラジン(Nippon Shinyaku,Japan)、RG 13577(Aventis,France)、WX 360(Wilex,Germany)、スクアラミン(Genaera,USA)、RPI 4610(Sirna,USA)、ヘパラナーゼ阻害剤(InSight,Israel)、KL 3106(Kolon,South Korea)、ホーノキオール(Emory University,USA)、ZK CDK(Schering AG,Germany)、ZKアンギオ(Schering AG,Germany)、ZK 229561(Novartis,Switzerland及びSchering AG,Germany)、XMP 300(XOMA,USA)、VGA 1102(Taisho,Japan)、VE-カドヘリン-2アンタゴニスト(ImClone Systems,USA)、バソスタチン(National Institutes of Health,USA)、Flk-1(ImClone Systems,USA)、TZ 93(Tsumura,Japan)、タムスタチン(Beth Israel Hospital,USA)、短縮型可溶性FLT 1(血管内皮増殖因子受容体1)(Merck&Co,USA)、Tie-2リガンド(Regeneron,USA)、及びトロンボ
スポンジン1阻害剤(Allegheny Health,Education and Research Foundation,USA)が挙げられる。
本発明の化合物と組み合わせて使用され得る治療剤のさらなる例には、肝細胞増殖因子(HGF、スキャッター因子としても既知)のアンタゴニストなどの増殖因子の活性を特異的に結合及び阻害する剤(例えば、抗体、抗原結合領域、または可溶性受容体)、ならびにその受容体であるc-Metに特異的に結合する抗体または抗原結合領域が挙げられる。
本発明の化合物と組み合わせて使用され得る治療剤の別の例は、オートファジー阻害剤である。オートファジー阻害剤には、クロロキン、3-メチルアデニン、ヒドロキシクロロキン(Plaquenil(商標))、バフィロマイシンA1、5-アミノ-4-イミダゾールカルボキサミドリボシド(AICAR)、オカダ酸、2A型または1型のタンパク質ホスファターゼを阻害するオートファジー抑制藻類毒素、cAMPの類似体、ならびにアデノシン、LY204002、N6-メルカプトプリンリボシド、及びビンブラスチンなどのcAMPレベルを上昇させる薬物が挙げられるが、これらに限定されない。さらに、(オートファジーに関係する)ATG5を含むがこれらに限定されないタンパク質の発現を阻害するアンチセンスまたはsiRNAも使用され得る。いくつかの実施形態では、1つ以上の追加の療法は、オートファジー阻害剤を含む。
本発明の化合物と組み合わせて使用され得る治療剤の別の例は、抗悪性腫瘍剤である。いくつかの実施形態では、1つ以上の追加の療法は、抗悪性腫瘍剤を含む。抗悪性腫瘍剤の非限定的な例には、アセマンナン、アクラルビシン、アルデスロイキン、アレムツズマブ、アリトレチノイン、アルトレタミン、アミホスチン、アミノレブリン酸、アムルビシン、アムサクリン、アナグレリド、アナストロゾール、アンサー(ancer)、アンセスチム、アルグラビン、三酸化ヒ素、BAM-002(Novelos)、ベキサロテン、ビカルタミド、ブロモデオキシウリジン、カペシタビン、セルモロイキン、セトロレリクス、クラドリビン、クロトリマゾール、シタラビンオクホスフェート、DA 3030(Dong-A)、ダクリズマブ、デニロイキンジフチトクス、デスロレリン、デクスラゾキサン、ジラゼプ、ドセタキセル、ドコサノール、ドキセルカルシフェロール、ドキシフルリジン、ドキソルビシン、ブロモクリプチン、カルムスチン、シタラビン、フルオロウラシル、HITジクロフェナク、インターフェロンアルファ、ダウノルビシン、ドキソルビシン、トレチノイン、エデルホシン、エドレコロマブエフロルニチン、エミテフル、エピルビシン、エポエチンベータ、リン酸エトポシド、エキセメスタン、エクシスリンド、ファドロゾール、フィルグラスチム、フィナステリド、リン酸フルダラビン、ホルメスタン、ホテムスチン、硝酸ガリウム、ゲムシタビン、ゲムツズマブゾガマイシン、ギメラシル/オテラシル/テガフールの組み合わせ、グリコピン、ゴセレリン、ヘプタプラチン、ヒト絨毛性ゴナドトロピン、ヒト胎児アルファフェトプロテイン、イバンドロン酸、イダルビシン(イミキモド、インターフェロンアルファ、インターフェロンアルファ、天然型、インターフェロンアルファ-2、インターフェロンアルファ-2a、インターフェロンアルファ-2b、インターフェロンアルファ-NI、インターフェロンアルファ-n3、インターフェロンアルファコン-1、インターフェロンアルファ、天然型、インターフェロンベータ、インターフェロンベータ-la、インターフェロンベータ-lb、インターフェロンガンマ、天然型インターフェロンガンマ-la、インターフェロンガンマ-lb、インターロイキン-1ベータ、イオベングアン、イリノテカン、イルソグラジン、ランレオチド、LC9018(Yakult)、レフルノミド、レノグラスチム、硫酸レンチナン、レトロゾール、白血球アルファインターフェロン、リュープロレリン、レバミゾール+フルオロウラシル、リアロゾール、ロバプラチン、ロニダミン、ロバスタチン、マソプロコール、メラルソプロール、メトクロプラミド、ミフェプリストーン、ミルテホシン、ミリモスチム、ミス対合二重鎖RNA、ミトグアゾン、ミトラクトール、ミトキサントロン、モルグラモスチム、ナファレリン、ナロキソン+ペンタゾシン、ナルトグラスチム、ネダプラチン、ニルタミド、ノスカピン、新規の赤血球生成促進タンパク質、NSC631570オクトレオチド、オプレルベキン、オサテロン、オキサリプラチン、パクリタキセル、パミドロン酸、ペガスパルガーゼ、ペグインターフェロンアルファ-2b、ペントサン、ポリ硫酸ナトリウム、ペントスタチン、ピシバニール、ピラルビシン、ウサギ抗胸腺細胞ポリクローナル抗体、ポリエチレングリコールインターフェロンアルファ-2a、ポルフィマーナトリウム、ラロキシフェン、ラルチトレキセド、ラスブリエンボディメント(rasburiembodiment)、エチドロン酸レニウムRe186、RIIレチナミド、リツキシマブ、ロムルチド、サマリウム(153Sm)レキシドロナム、サルグラモスチム、シゾフィラン、ソブゾキサン、ソネルミン、塩化ストロンチウム-89、スラミン、タソネルミン、タザロテン、テガフール、テモポルフィン、テモゾロミド、テニポシド、テトラクロロデカオキシド、サリドマイド、チマルファシン、甲状腺刺激ホルモンアルファ、トポテカン、トレミフェン、トシツモマブ-ヨウ素131、トラスツズマブ、トレオスルファン、トレチノイン、トリロスタン、トリメトレキサート、トリプトレリン、腫瘍壊死因子アルファ、天然型、ウベニメクス、膀胱癌ワクチン、丸山ワクチン、黒色腫可溶化液ワクチン、バルルビシン、ベルテポルフィン、ビノレルビン、ビルリジン、ジノスタチンスチマラマーまたはゾレドロン酸;アバレリクス;AE941(Aeterna)、アンバムスチン、アンチセンスオリゴヌクレオチド、bcl-2(Genta)、APC8015(Dendreon)、デシタビン、デキサアミノグルテチミド、ジアジコン、EL532(Elan)、EM800(Endorecherche)、エニルウラシル、エタニダゾール、フェンレチニド、フィルグラスチムSD01(Amgen)、フルベストラント、ガロシタビン、ガストリン17イムノゲン、HLA-B7遺伝子療法(Vical)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子、ヒスタミン二塩酸塩、イブリツモマブチウキセタン、イロマスタット、IM862(Cytran)、インターロイキン-2、イプロキシフェン、LDI200(Milkhaus)、レリジスチム、リンツズマブ、CA125MAb(Biomira)、がんMAb(Japan Pharmaceutical Development)、HER-2及びFc MAb(Medarex)、イディオタイプ105AD7 MAb(CRC Technology)、イディオタイプCEA MAb(Trilex)、LYM-1-ヨウ素131MAb(Techniclone)、多形上皮性ムチン-イットリウム90MAb(Antisoma)、マリマスタット、メノガリル、ミツモマブ、モテキサフィン、ガドリニウム、MX6(Galderma)、ネララビン、ノラトレキセド、P30タンパク質、ペグビソマント、ペメトレキセド、ポルフィロマイシン、プリノマスタット、RL0903(Shire)、ルビテカン、サトラプラチン、フェニル酢酸ナトリウム、スパルホス酸、SRL172(SR Pharma)、SU5416(SUGEN)、TA077(Tanabe)、テトラチオモリブデート、サリブラスチン、トロンボポエチン、スズエチルエチオプルプリン、チラパザミン、がんワクチン(Biomira)、黒色腫ワクチン(New York University)、黒色腫ワクチン(Sloan Kettering Institute)、黒色腫腫瘍崩壊産物ワクチン(New York Medical College)、ウイルス黒色腫細胞可溶化物ワクチン(Royal Newcastle Hospital)、またはバルスポダールが挙げられる。
本発明の化合物と組み合わせて使用され得る治療剤の追加の例には、イピリムマブ(Yervoy(登録商標));トレメリムマブ;ガリキシマブ;ニボルマブ、BMS-936558(Opdivo(登録商標))としても既知;ペムブロリズマブ(Keytruda(登録商標));アベルマブ(Bavencio(登録商標));AMP224;BMS-936559;MPDL3280A、RG7446としても既知;MEDI-570;AMG557;MGA271;IMP321;BMS-663513;PF-05082566;CDX-1127;抗OX40(Providence Health Services);huMAbOX40L;アタシセプト;CP-870893;ルカツムマブ;ダセツズマブ;ムロモナブ-CD3;イピルムマブ;MEDI4736(Imfinzi(登録商標));MSB0010718C;AMP 224;アダリムマブ(Humira(登録商標));アド-トラスツズマブエムタンシン(Kadcyla(登録商標));アフリベルセプト(Eylea(登録商標));アレムツズマブ(Campath(登録商標));バシリキシマブ(Simulect(登録商標));ベリムマブ(Benlysta(登録商標));バシリキシマブ(Simulect(登録商標));ベリムマブ(Benlysta(登録商標));ブレンツキシマブベドチン(Adcetris(登録商標));カナキヌマブ(Ilaris(登録商標));セルトリズマブペゴル(Cimzia(登録商標));ダクリズマブ(Zenapax(登録商標));ダラツムマブ(Darzalex(登録商標));デノスマブ(Prolia(登録商標));エクリズマブ(Soliris(登録商標));エファリズマブ(Raptiva(登録商標));ゲムツズマブオゾガマイシン(Mylotarg(登録商標));ゴリムマブ(Simponi(登録商標));イブリツモマブチウキセタン(ゼバリン(登録商標));インフリキシマブ(Remicade(登録商標));モタビズマブ(Numax(登録商標));ナタリズマブ(Tysabri(登録商標));オビヌツズマブ(Gazyva(登録商標));オファツムマブ(Arzerra(登録商標));オマリズマブ(Xolair(登録商標));パリビズマブ(Synagis(登録商標));ペルツズマブ(Perjeta(登録商標));ペルツズマブ(Perjeta(登録商標));ラニビズマブ(Lucentis(登録商標));ラキシバクマブ(Abthrax(登録商標));トシリズマブ(Actemra(登録商標));トシツモマブ;トシツモマブ-i-131;トシツモマブ及びトシツモマブ-i-131(Bexxar(登録商標));ウステキヌマブ(Stelara(登録商標));AMG 102;AMG 386;AMG 479;AMG 655;AMG 706;AMG 745;及びAMG 951が挙げられる。
本明細書に記載の化合物は、治療される状態に応じて、本明細書に開示される薬剤または他の好適な薬剤と組み合わせて使用することができる。したがって、いくつかの実施形態では、本開示の1つ以上の化合物は、本明細書に記載されるような他の療法と同時投与される。併用療法で使用される場合、本明細書に記載の化合物は、第2の薬剤と同時にまたは別個に投与され得る。この組み合わせての投与は、同じ剤形での2つの薬剤の同時投与、別個の剤形での同時投与、及び別個の投与を含み得る。すなわち、本明細書に記載の化合物及び本明細書に記載の任意の薬剤は、同じ剤形に一緒に製剤化され、同時に投与することができる。あるいは、本発明の化合物及び本明細書に記載の任意の療法は、同時に投与することができ、両方の薬剤は、別個の製剤で存在する。別の代替法では、本開示の化合物を投与し、続いて本明細書に記載の任意の療法を投与することができ、その逆も可能である。別個の投与プロトコルのいくつかの実施形態では、本発明の化合物及び本明細書に記載の任意の療法は、数分間隔、または数時間間隔、または数日間隔で投与される。
本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、第1の療法(例えば、本発明の化合物)及び1つ以上の追加の療法は、いずれかの順序で同時にまたは連続して投与される。第1の治療剤は、1つ以上の追加の療法の直前もしくは直後、または前後最大1時間、最大2時間、最大3時間、最大4時間、最大5時間、最大6時間、最大7時間、最大8時間、最大9時間、最大10時間、最大11時間、最大12時間、最大13時間、最大14時間、最大16時間、最大17時間、最大18時間、最大19時間、最大20時間、最大21時間、最大22時間、最大23時間、最大24時間、または前後最大1~7、1~14、1~21、もしくは1~30日目に投与される。
本発明はまた、(a)本明細書に記載の薬剤(例えば、本発明の化合物)を含む医薬組成物と、(b)本明細書に記載の方法のうちのいずれかを実施するための説明書が挿入されたパッケージと、を含むキットを特徴とする。いくつかの実施形態では、キットは、(a)本明細書に記載の薬剤(例えば、本発明の化合物)を含む医薬組成物と、(b)1つ以上の追加の療法(例えば、非薬物治療または治療剤)と、(c)本明細書に記載の方法のうちのいずれかを実施するための説明書が挿入されたパッケージと、を含む。
本発明の一態様は、別個に投与され得る医薬的に活性な化合物の組み合わせを用いた疾患またはそれに関連する症状の治療を企図するため、本発明は、キットの形態で別個の医薬組成物を組み合わせることにさらに関する。キットは、2つの別個の医薬組成物、すなわち本発明の化合物と、1つ以上の追加の療法とを含み得る。キットは、分割されたボトルまたは分割されたホイルパケットなどの別個の組成物を収容するための容器を含み得る。容器の追加の例には、注射器、箱、及び袋が挙げられる。いくつかの実施形態では、キットは、別個の成分を使用するための指示書を備え得る。キットの形態は、別個の成分が好ましくは異なる剤形(例えば、経口及び非経口)で投与される場合、異なる投薬間隔で投与される場合、または組み合わせの個々の成分の滴定が処方医療従事者によって所望される場合に、特に有利である。
番号付けした実施形態
実施形態1。式Iの構造を有する化合物、またはその薬学的に許容される塩:
[式中、Aは、任意に置換された3~6員のヘテロシクロアルキレン、任意に置換された3~6員のシクロアルキレン、任意に置換された6員のアリーレン、または、任意に置換された5~10員のヘテロアリーレンであり、
は存在しないか、またはリンカーであり、
Wは、ビニルケトン、ビニルスルホン、イノン、またはアルキニルスルホンを含む架橋基であり、
は、水素、任意に置換された3~10員のヘテロシクロアルキル、または任意に置換されたC-Cヘテロアルキルであり、
は、任意に置換されたC-Cアルキルであり、かつ
は、任意に置換されたC-Cアルキル、または任意に置換されたC-Cヘテロアルキルである。]。
実施形態2。Aは、任意に置換されたチアゾール、任意に置換されたオキサゾール、任意に置換されたモルホリノ、任意に置換されたピロリジニル、任意に置換されたピリジル、任意に置換されたアゼチジニル、任意に置換されたピラジニル、任意に置換されたピリミジン、任意に置換されたピペリジニル、任意に置換されたオキサジアゾール、任意に置換されたチアジアゾール、任意に置換されたトリアゾール、任意に置換されたチオモルホリノ、または、任意に置換されたフェニルである、実施形態1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
実施形態3。式II-1の構造を有する、実施形態1または2に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩:
実施形態4。式II-2の構造を有する、実施形態1または2に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩:
[式中、R、R、及びRはそれぞれ独立して、水素、任意に置換されたC-Cアルキル、任意に置換されたC-Cヘテロアルキル、任意に置換された3~6員のシクロアルキル、任意に置換された3~6員のヘテロシクロアルキルから選択されるか、あるいは
及びRは、それらが結合する原子と組み合わさり、任意に置換された3~8員のシクロアルキル、または、任意に置換された3~8員のヘテロシクロアルキルを形成するか、あるいは
及びRは、それらが結合する原子と組み合わさり、任意に置換された3~8員のシクロアルキル、または、任意に置換された3~8員のヘテロシクロアルキルを形成する。]。
実施形態5。式II-3の構造を有する、実施形態4に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩:
実施形態6。式II-4の構造を有する、実施形態4に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩:
実施形態7。R
である、実施形態1~6のいずれか1つに記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
実施形態8。Rは、任意に置換されたC-Cアルキルである、実施形態1~7のいずれか1つに記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
実施形態9。Rは、
である、実施形態8に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
実施形態10。Rは、任意に置換されたC-Cヘテロアルキルである、実施形態1~7のいずれか1つに記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
実施形態11。Rは、
である、実施形態10に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
実施形態12。Aは、任意に置換された5~10員のヘテロアリーレンである、実施形態1~11のいずれか1つに記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
実施形態13。Aは、
である、実施形態12に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
実施形態14。Aは、任意に置換されたフェニルである、実施形態1~11のいずれか1つに記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
実施形態15。Aは、
である、実施形態14に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
実施形態16。Aは、任意に置換された3~6員のヘテロシクロアルキレンである、実施形態1~11のいずれか1つに記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
実施形態17。Aは、以下のもの、または、これらの立体異性体から選択される、実施形態16に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩:
実施形態18。上記リンカーは、式IIIの構造を有する、実施形態1~17のいずれか1つに記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩:
-(B-(C-(B-(D)-(B-(C-(B-A
式III
[式中、Aは、リンカーとCH(R)との間の結合であり;Aは、Wとリンカーとの間の結合であり;B、B、B、及びBはそれぞれ独立して、任意に置換されたC-Cアルキレン、任意に置換されたC-Cヘテロアルキレン、O、S、及びNRから選択され;各Rは独立して、水素、任意に置換されたC-Cアルキル、任意に置換されたC-Cアルケニル、任意に置換されたC-Cアルキニル、任意に置換された3~14員のヘテロシクロアルキル、任意に置換された6~10員のアリール、または、任意に置換されたC-Cヘテロアルキルであり;C及びCはそれぞれ独立して、カルボニル、チオカルボニル、スルホニル、またはホスホリルから選択され;f、g、h、i、j、及びkはそれぞれ独立して、0または1であり;Dは、任意に置換されたC-C10アルキレン、任意に置換されたC-C10アルケニレン、任意に置換されたC-C10アルキニレン、任意に置換された3~14員のヘテロシクロアルキレン、任意に置換された5~10員のヘテロアリーレン、任意に置換された3~8員のシクロアルキレン、任意に置換された6~10員のアリーレン、任意に置換されたC-C10ポリエチレングリコレン、もしくは、任意に置換されたC-C10ヘテロアルキレン、または、A-(B-(C-(B-を-(B-(C-(B-Aに結合させる化学結合である。]。
実施形態19。上記リンカーは、環式部分であるか、またはこれを含む、実施形態1~18のいずれか1つに記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
実施形態20。上記リンカーは、式IIIaの構造を有する、実施形態19に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩:
[式中、oは0または1であり、
は、水素、任意に置換されたC-Cアルキル、任意に置換された3~8員のシクロアルキレン、または任意に置換された3~8員のヘテロシクロアルキレンであり、
は存在しないか、任意に置換されたC-Cアルキレン、O、NCH、または任意に置換されたC-Cヘテロアルキレンであり、
Cyは、任意に置換された3~8員のシクロアルキレン、任意に置換された3~12員のヘテロシクロアルキレン、任意に置換された6~10員のアリーレン、または任意に置換された5~10員のヘテロアリーレンであり、かつ、
は存在しないか、-SO-、-NH-、任意に置換されたC-Cアルキレン、任意に置換されたC-Cヘテロアルキレン、または、任意に置換された3~6員のヘテロシクロアルキレンである。]。
実施形態21。上記リンカーは、以下のもの、または、これらの立体異性体から選択される、実施形態20に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩:
実施形態22。上記化合物は、表2における化合物ではない、実施形態1~21のいずれか1つに記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
実施形態23。式II-5の構造を有する、実施形態1~22のいずれか1つに記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩:
[式中、Cyは、任意に置換されたスピロ環式の8~11員のヘテロシクロアルキレン、または、任意に置換された二環式の7~9員のヘテロシクロアルキレンであり、かつ、
式中、Wは、ビニルケトンまたはビニルスルホンを含む。]。
実施形態24。Cyは、任意に置換されたスピロ環式の10~11員のヘテロシクロアルキレンである、実施形態23に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
実施形態25。式II-5aの構造を有する、実施形態24に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩:
[式中、XはO、C(R11、NR12、S、またはSOであり、
rは1または2であり、
各tは独立して0、1、または2であり、
11及びR12はそれぞれ独立して、水素、任意に置換されたC-Cアルキル、任意に置換されたC-Cヘテロアルキル、または任意に置換された3~55員のシクロアルキルであり、かつ、
各R13は独立して、-CHである。]。
実施形態26。rは1である、実施形態25に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
実施形態27。rは2である、実施形態25に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
実施形態28。XはOである、実施形態25~27のいずれか1つに記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
実施形態29。XはSである、実施形態25~27のいずれか1つに記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
実施形態30。XはSOである、実施形態25~27のいずれか1つに記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
実施形態31。XはNR12である、実施形態25~27のいずれか1つに記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
実施形態32。R12は、以下のもの、または、これらの立体異性体から選択される、実施形態31に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩:
-CH
または-H。
実施形態33。XはC(R11である、実施形態25~27のいずれか1つに記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
実施形態34。各R11が水素である、実施形態33に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
実施形態35。Wは、ビニルケトンを含む架橋基である、実施形態1~34のいずれか1つに記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
実施形態36。Wは、式IVaの構造を有する、実施形態35に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩:
[式中、R8a、R8b、及びR8cは独立して、水素、-CN、ハロゲン、または、-OH、-O-C-Cアルキル、
-NH、-NH(C-Cアルキル)、-N(C-Cアルキル)、もしくは4~7員の飽和ヘテロシクロアルキルから独立して選択される1つ以上の置換基で任意に置換されている-C1-C3アルキルである。]。
実施形態37。Wは、以下のもの、または、これらの立体異性体から選択される、実施形態36に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩:
実施形態38。Wは、ビニルスルホンを含む架橋基である、実施形態1~34のいずれか1つに記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
実施形態39。Wは、式IVcの構造を有する、実施形態38に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩:
[式中、R10a、R10b、及びR10cは、独立して、水素、-CN、または、-OH、-O-C-Cアルキル、
-NH、-NH(C-Cアルキル)、-N(C-Cアルキル)、もしくは4~7員の飽和ヘテロシクロアルキルから独立して選択される1つ以上の置換基で任意に置換されている-C-Cアルキルである。]。
実施形態40。Wは、
である、実施形態39に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
実施形態41。Wは、イノンを含む架橋基である、実施形態1~34のいずれか1つに記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
実施形態42。Wは、式IVbの構造を有する、実施形態41に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩:
[式中、Rは、水素;-OH、-O-C-Cアルキル、-NH、-NH(C-Cアルキル)、-N(C-Cアルキル)、もしくは、4~7員の飽和ヘテロシクロアルキルから独立して選択される1つ以上の置換基で任意に置換されている-C-Cアルキル;または、4~7員の飽和ヘテロシクロアルキルである。]。
実施形態43。Wは、
から選択される、実施形態42に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
実施形態44。式II-6の構造を有する、実施形態42または43に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩:
[式中、QはCH、NR、またはOであり、
はCO、NR、またはOであり、かつ、
Zは、任意に置換された3~6員のヘテロシクロアルキレン、または、任意に置換された5~10員のヘテロアリーレンであるか、あるいは
式中、Q-Q-Zは、任意に置換された9~10員のスピロ環式ヘテロシクロアルキレンである。]。
実施形態45。式II-6aの構造を有する、実施形態42~44のいずれか1つに記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩:
[式中、R14はフルオロ、水素、またはC-Cアルキルであり、かつ、
uは0または1である。]。
実施形態46。R14はフルオロであり、uは1である、実施形態45に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
実施形態47。R14は水素であり、uは0である、実施形態45に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
実施形態48。式II-6bの構造を有する、実施形態42~44のいずれか1つに記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩:
実施形態49。式II-6cの構造を有する、実施形態42~44のいずれか1つに記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩:
実施形態50。表1から選択される化合物、またはその薬学的に許容される塩。
実施形態51。実施形態1~50のいずれか1つに記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される賦形剤と、を含む医薬組成物。
実施形態52。式Vの構造を含むコンジュゲート、またはその塩:
M-L-P
式V
[式中、Lはリンカーであり、
Pは、一価の有機部分であり、
Mは、式VIaの構造を有する。]
[式中、Aは、任意に置換された3~6員のヘテロシクロアルキレン、任意に置換された3~6員のシクロアルキレン、任意に置換された6員のアリーレン、または、任意に置換された5~10員のヘテロアリーレンであり、
は、任意に置換されたC-Cアルキルであり、
は、任意に置換されたC-Cアルキル、または任意に置換されたC-Cヘテロアルキルであり、
はO、C(R11、NR12、S、またはSOであり、
rは1または2であり、
各tは独立して0、1、または2であり、
11及びR12はそれぞれ独立して、水素、任意に置換されたC-Cアルキル、任意に置換されたC-Cヘテロアルキル、または任意に置換された3~5員のシクロアルキルであり、
各R13は独立して、-CHであり、かつ、
、R、及びRはそれぞれ独立して、水素、任意に置換されたC-Cアルキル、任意に置換されたC-Cヘテロアルキル、任意に置換された3~6員のシクロアルキル、任意に置換された3~6員のヘテロシクロアルキルから選択されるか、あるいは
及びRは、それらが結合する原子と組み合わさり、任意に置換された3~8員のシクロアルキル、または、任意に置換された3~8員のヘテロシクロアルキルを形成するか、あるいは
及びRは、それらが結合する原子と組み合わさり、任意に置換された3~8員のシクロアルキル、または、任意に置換された3~8員のヘテロシクロアルキルを形成する。]。
実施形態53。式Vの構造を含むコンジュゲート、またはその塩:
M-L-P
式V
[式中、Lはリンカーであり、
Pは、一価の有機部分であり、
Mは、式VIbの構造を有する。]
[式中、Aは、任意に置換された3~6員のヘテロシクロアルキレン、任意に置換された3~6員のシクロアルキレン、任意に置換された6員のアリーレン、または、任意に置換された5~10員のヘテロアリーレンであり、
は、任意に置換されたC-Cアルキルであり、
は、任意に置換されたC-Cアルキル、または任意に置換されたC-Cヘテロアルキルであり、
14はフルオロ、水素、またはC-Cアルキルであり、
uは0または1であり、かつ、
、R、及びRはそれぞれ独立して、水素、任意に置換されたC-Cアルキル、任意に置換されたC-Cヘテロアルキル、任意に置換された3~6員のシクロアルキル、任意に置換された3~6員のヘテロシクロアルキルから選択されるか、あるいは
及びRは、それらが結合する原子と組み合わさり、任意に置換された3~8員のシクロアルキル、または、任意に置換された3~8員のヘテロシクロアルキルを形成するか、あるいは
及びRは、それらが結合する原子と組み合わさり、任意に置換された3~8員のシクロアルキル、または、任意に置換された3~8員のヘテロシクロアルキルを形成する。]。
実施形態54。式Vの構造を含むコンジュゲート、またはその塩:
M-L-P
式V
[式中、Lはリンカーであり、
Pは、一価の有機部分であり、
Mは、式VIcの構造を有する。]
[式中、Aは、任意に置換された3~6員のヘテロシクロアルキレン、任意に置換された3~6員のシクロアルキレン、任意に置換された6員のアリーレン、または、任意に置換された5~10員のヘテロアリーレンであり、
は、任意に置換されたC-Cアルキルであり、
は、任意に置換されたC-Cアルキル、または任意に置換されたC-Cヘテロアルキルであり、かつ、
、R、及びRはそれぞれ独立して、水素、任意に置換されたC-Cアルキル、任意に置換されたC-Cヘテロアルキル、任意に置換された3~6員のシクロアルキル、任意に置換された3~6員のヘテロシクロアルキルから選択されるか、あるいは
及びRは、それらが結合する原子と組み合わさり、任意に置換された3~8員のシクロアルキル、または、任意に置換された3~8員のヘテロシクロアルキルを形成するか、あるいは
及びRは、それらが結合する原子と組み合わさり、任意に置換された3~8員のシクロアルキル、または、任意に置換された3~8員のヘテロシクロアルキルを形成する。]。
実施形態55。式Vの構造を含むコンジュゲート、またはその塩:
M-L-P
式V
[式中、Lはリンカーであり、
Pは、一価の有機部分であり、
Mは、式VIdの構造を有する。]
[式中、Aは、任意に置換された3~6員のヘテロシクロアルキレン、任意に置換された3~6員のシクロアルキレン、任意に置換された6員のアリーレン、または、任意に置換された5~10員のヘテロアリーレンであり、
は、任意に置換されたC-Cアルキルであり、
は、任意に置換されたC-Cアルキル、または任意に置換されたC-Cヘテロアルキルであり、かつ、
、R、及びRはそれぞれ独立して、水素、任意に置換されたC-Cアルキル、任意に置換されたC-Cヘテロアルキル、任意に置換された3~6員のシクロアルキル、任意に置換された3~6員のヘテロシクロアルキルから選択されるか、あるいは
及びRは、それらが結合する原子と組み合わさり、任意に置換された3~8員のシクロアルキル、または、任意に置換された3~8員のヘテロシクロアルキルを形成するか、あるいは
及びRは、それらが結合する原子と組み合わさり、任意に置換された3~8員のシクロアルキル、または、任意に置換された3~8員のヘテロシクロアルキルを形成する。]。
実施形態56。上記一価の有機部分はタンパク質である、実施形態52~55のいずれか1つに記載のコンジュゲート、またはその塩。
実施形態57。上記タンパク質はRasタンパク質である、実施形態56に記載のコンジュゲート、またはその塩。
実施形態58。上記Rasタンパク質は、K-Ras G12C、K-Ras G13C、H-Ras G12C、H-Ras G13C、N-Ras G12C、またはN-Ras G13Cである、実施形態57に記載のコンジュゲート、またはその塩。
実施形態59。上記リンカーは、一価の有機部分のアミノ酸残基のスルフヒドリル基への結合を介して一価の有機部分に結合する、実施形態52~58のいずれか1つに記載のコンジュゲート、またはその塩。
実施形態60。必要とする対象におけるがんの治療方法であって、上記対象に、治療に有効な量の、実施形態1~50のいずれか1つに記載の化合物、もしくはその薬学的に許容される塩、または実施形態51に記載の医薬組成物を投与することを含む、上記方法。
実施形態61。上記がんは膵癌、結腸直腸癌、非小細胞肺癌、または子宮体癌である、実施形態60に記載の方法。
実施形態62。上記がんはRas変異を含む、実施形態60または61に記載の方法。
実施形態63。上記Ras変異は、K-Ras G12C、K-Ras G13C、H-Ras G12C、H-Ras G13C、N-Ras G12C、またはN-Ras G13Cである、請求項62に記載の方法。
実施形態64。Rasタンパク質関連疾患の治療を必要とする対象におけるRasタンパク質関連疾患の治療方法であって、上記対象に、治療に有効な量の、実施形態1~50のいずれか1つに記載の化合物、もしくはその薬学的に許容される塩、または実施形態51に記載の医薬組成物を投与することを含む、上記方法。
実施形態65。細胞内でのRasタンパク質の阻害方法であって、上記細胞を、有効量の、実施形態1~50のいずれか1つに記載の化合物、もしくはその薬学的に許容される塩、または実施形態51に記載の医薬組成物と接触させることを含む、上記方法。
実施形態66。上記Rasタンパク質は、K-Ras G12C、K-Ras G13C、H-Ras G12C、H-Ras G13C、N-Ras G12C、またはN-Ras G13Cである、実施形態64または65に記載の方法。
実施形態67。上記細胞はがん細胞である、実施形態65または66に記載の方法。
実施形態68。上記がん細胞は膵癌細胞、結腸直腸癌細胞、非小細胞肺癌細胞、または子宮体癌細胞である、実施形態67に記載の方法。
実施形態69。上記方法または使用は、追加の抗癌治療法を投与することをさらに含む、実施形態60~68のいずれか1つに記載の方法または使用。
実施形態70。上記追加の抗がん治療法は、EGFR阻害剤、第2のRas阻害剤、SHP2阻害剤、SOS1阻害剤、Raf阻害剤、MEK阻害剤、ERK阻害剤、PI3K阻害剤、PTEN阻害剤、AKT阻害剤、mTORC1阻害剤、BRAF阻害剤、PD-L1阻害剤、PD-1阻害剤、CDK4/6阻害剤、HER2阻害剤、またはこれらの組み合わせである、実施形態69に記載の方法。
実施形態71。上記追加の抗癌治療法はSHP2阻害剤である、実施形態69または70に記載の方法。
実施例
本開示は、以下の実施例及び合成例によってさらに例示され、これらは、本開示の範囲または趣旨を本明細書に記載の特定の手順に限定するものとみなされるべきではない。実施例は、特定の実施形態を例示するために提供されること、及びそれによって本開示の範囲に対するいかなる制限も意図されていないことを理解されたい。本開示の趣旨または添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、それら自体を当業者に示唆し得る、様々な他の実施形態、改変、及びそれらの同等物に対する手段が取られ得ることをさらに理解されたい。
化学合成
以下の実施例及び本明細書の他の場所において使用されている定義は、以下のとおりである。
器具
質量分析データ収集は、QDa検出器またはSQ検出器2のいずれかを備えた、Shimadzu LCMS-2020、Agilent 1260LC-6120/6125MSD、Shimadzu LCMS-2010EV、またはWaters Acquity UPLCにより行った。サンプルを、液相でC18逆相に注入した。アセトニトリル勾配を用いて、カラムから化合物を溶出し、質量分析器に供給した。初期データ分析は、Agilent ChemStation、Shimadzu LabSolutions、またはWaters MassLynxのいずれかで行った。NMRデータを、Bruker AVANCE III HD 400MHz、Bruker Ascend 500MHz機器、または、Varian 400MHzのいずれかを用いて収集し、生データを、TopSpinまたはMestrelab Mnovaのいずれかを用いて分析した。
中間体の合成
中間体1。3-(5-ブロモ-1-エチル-2-[2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル]インドール-3-イル)-2,2-ジメチルプロパン-1-オールの合成
工程1。N雰囲気下、0℃にて、3-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)-2,2-ジメチルプロパノイルクロリド(65g、137mmol、粗)の、DCM(120mL)との混合物に、1Mの、SnClのDCM(137mL、137mmol)をゆっくりと添加した。混合物を0℃で30分間撹拌した後、5-ブロモ-1H-インドール(26.8g、137mmol)のDCM(40mL)溶液を滴加した。混合物を0℃で45分間撹拌した後、EtOAc(300mL)で希釈し、ブライン(100mL×4)で洗浄し、NaSOで乾燥させ濾過した。濾液を減圧下にて濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、1-(5-ブロモ-1H-インドール-3-イル)-3-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)-2,2-ジメチルプロパン-1-オン(55g、75%収率)を得た。LCMS(ESI):m/z [M+Na]C2932BrNOSiNaに対する計算値556.1;実測値556.3。
工程2。Nの雰囲気下、0℃で、1-(5-ブロモ-1H-インドール-3-イル)-3-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)-2,2-ジメチルプロパン-1-オン(50g、93.6mmol)の、THF(100mL)との混合物に、LiBH(6.1g、281mmol)を添加した。混合物を60℃まで加熱し、20時間撹拌した後、MeOH(10mL)及びEtOAcを添加し、混合物をブライン(50mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ濾過し、濾液を減圧下にて濃縮した。残渣をDCM(50mL)で希釈し、10℃まで冷却し、ジルジン(9.5g、37.4mmol)及びTsOH・HO(890mg、4.7mmol)を添加した。混合物を10℃で2時間撹拌して濾過し、濾液を減圧下にて濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、1-(5-ブロモ-1H-インドール-3-イル)-3-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)-2,2-ジメチルプロパン-1-オン(41g、84%収率)を得た。LCMS(ESI);m/z [M+H]C2934BrNOSiに対する計算値519.2;実測値520.1;H NMR(400MHz、CDCl3)δ7.96 (s, 1H),7.75 - 7.68 (m, 5H), 7.46- 7.35 (m,6H), 7.23 -7.19 (m, 2H),6.87 (d, J= 2.1 Hz,1H), 3.40 (s,2H), 2.72 (s,2H), 1.14 (s,9H), 0.89 (s,6H)。
工程3。1-(5-ブロモ-1H-インドール-3-イル)-3-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)-2,2-ジメチルプロパン-1-オン(1.5g、2.9mmol)、及びI(731mg、2.9mmol)の、THF(15mL)との混合物に、室温でAgOTf(888mg、3.5mmol)を添加した。混合物を室温で2時間撹拌した後、EtOAc(200mL)で希釈し、飽和Na(100mL)で洗浄して無水NaSOで乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下にて濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、5-ブロモ-3-(3-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)-2,2-ジメチルプロピル)-2-ヨード-1H-インドール(900mg、72%収率)を固体として得た。H NMR(400MHz、DMSO-d)δ11.70 (s, 1H),7.68 (d, J= 1.3 Hz,1H), 7.64 -7.62 (m, 4H),7.46 - 7.43 (m, 6H), 7.24- 7.22 (d,1H), 7.14 -7.12 (dd, J= 8.6, 1.6Hz, 1H), 3.48(s, 2H), 2.63(s, 2H), 1.08(s, 9H), 0.88(s, 6H)。
工程4。Arの雰囲気下、0℃で、HCOOH(66.3g、1.44mol)の、TEA(728g、7.2mol)の撹拌混合物に、(4S,5S)-2-クロロ-2-メチル-1-(4-メチルベンゼンスルホニル)-4,5-ジフェニル-1,3-ジアザ-2-ルテナシクロペンタンシメン(3.9g、6.0mmol)を小分けにして添加した。混合物を40℃まで加熱して15分間撹拌した後、室温まで冷却し、1-(3-ブロモピリジン-2-イル)エタノン(120g、600mmol)を小分けにして添加した。混合物を40℃まで加熱し、さらに2時間撹拌した後、溶媒を減圧下にて濃縮した。ブライン(2L)を残渣に添加し、混合物をEtOAcで抽出し(4×700mL)、無水NaSOで乾燥させて濾過した。濾液を減圧下にて濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、(1S)-1-(3-ブロモピリジン-2-イル)エタノール(100g、74%収率)を油として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]CBrNOに対する計算値:201.1;実測値201.9。
工程5。0℃で、(1S)-1-(3-ブロモピリジン-2-イル)エタノール(100g、495mmol)のDMF(1L)との撹拌混合物に、NaH(油の60%分散液)(14.25g、594mmol)を小分けにして添加した。混合物を0℃で1時間撹拌した。MeI(140.5g、990mmol)を0℃で滴加し、混合物を室温まで温め、2時間撹拌した。混合物を0℃まで冷却し、飽和NHCl(5L)を添加した。混合物をEtOAcで抽出し(3×1.5L)、無水NaSOで乾燥させて濾過した。濾液を減圧下にて濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、3-ブロモ-2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン(90g、75%収率)を油として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]C10BrNOに対する計算値215.0;実測値215.9。
工程6。Arの雰囲気下、室温で、3-ブロモ-2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン(90g、417mmol)及びPd(dppf)Cl2(30.5g、41.7mmol)の、トルエン(900mL)との撹拌混合物に、ビス(ピナコラト)ジボロン(127g、500mmol)及びKOAc(81.8g、833mmol)を小分けにして添加した。混合物を100℃まで加熱し、3時間撹拌した。濾液を減圧下にて濃縮し、残渣をAlカラムクロマトグラフィーにより精製し、2-[(1S)-1-メトキシエチル]-3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピリジン(100g、63%収率)を半固体として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H] C1422BNOに対する計算値263.2;実測値264.1。
工程7。5-ブロモ-3-[3-[(tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ]-2,2-ジメチルプロピル]-2-ヨード-1H-インドール(140g、217mmol)及び2-[(1S)-1-メトキシエチル]-3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピリジン(100g、380mmol)の、1,4-ジオキサン(1.4L)との撹拌混合物に、Arの雰囲気下、室温で、KCO(74.8g、541mmol)、Pd(dppf)Cl(15.9g、21.7mmol)、及びHO(280mL)を小分けにして添加した。混合物を85℃まで加熱し、4時間撹拌した後冷却し、HO(5L)を添加し、混合物をEtOAcで抽出した(3×2L)。合わせた有機層をブラインで洗浄し(2×1L)、無水NaSOで乾燥させて濾過した。濾液を減圧下にて濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、5-ブロモ-3-[3-[(tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ]-2,2-ジメチルプロピル]-2-[2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル]-1H-インドール(71g、45%収率)を固体として得た。LCMS (ESI):m/z [M+H]C3743BrNSiに対する計算値654.2;実測値655.1。
工程8。Nの雰囲気下、0℃で、5-ブロモ-3-[3-[(tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ]-2,2-ジメチルプロピル]-2-[2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル]-1H-インドール(71g、108mmol)の、DMF(0.8L)との撹拌混合物に、CsCO(70.6g、217mmol)及びEtI(33.8g、217mmol)を小分けにして添加した。混合物を室温まで温め、16時間撹拌した後、HO(4L)を添加し、混合物をEtOAcで抽出した(3×1.5L)。合わせた有機層をブラインで洗浄し(2×1L)、無水NaSOで乾燥させて濾過した。濾液を減圧下にて濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、5-ブロモ-3-[3-[(tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ]-2,2-ジメチルプロピル]-1-エチル-2-[2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル]インドール(66g、80%収率)を油として得た。LCMS (ESI):m/z [M+H]C3947BrNSiに対する計算値682.3;実測値683.3。
工程9。Nの雰囲気下、室温で、TBAF(172.6g、660mmol)の、THF(660mL)との撹拌混合物に、5-ブロモ-3-[3-[(tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ]-2,2-ジメチルプロピル]-1-エチル-2-[2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル]インドール(66g、97mmol)を小分けにして添加した。混合物を50℃まで加熱して16時間撹拌し、冷却してHO(5L)で希釈し、EtOAcで抽出した(3×1.5L)。合わせた有機層をブラインで洗浄し(2×1L)、無水NaSOで乾燥させて濾過した。濾過後、濾液を減圧下にて濃縮した。濾液を減圧下にて濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、3-(5-ブロモ-1-エチル-2-[2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル]インドール-3-イル)-2,2-ジメチルプロパン-1-オール(30g、62%収率)を固体として得た。LCMS (ESI):m/z [M+H]C2329BrNに対する計算値444.1;実測値445.1。
中間体1。フィッシャーインドール経路による代替合成。
工程1。Nの雰囲気下、-10℃で、i-PrMgClの混合物(2M、THF中、0.5L)に、n-BuLi(ヘキサン中に2.5M、333mL、833mmol)を15分にわたり滴加した。混合物を30分間-10℃で撹拌した後、3-ブロモ-2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン(180g、833mmol)のTHF(0.5L)溶液を、30分にわたり-10℃で滴加した。得られた混合物を-5℃まで温め、1時間撹拌した後、3,3-ジメチルオキサン-2,6-ジオン(118g、833mmol)のTHF(1.2L)溶液を、30分にわたり-5℃で滴加した。混合物を0℃まで温め、1.5時間撹拌した後、予めプールした4Mの、1,4-ジオキサン(0.6L)中のHClを0℃で添加してクエンチし、pHを約5に調整した。混合物を0℃で、H2O(3L)で希釈し、EtOAcで抽出した(3×2.5L)。合わせた有機層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧下にて濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、5-[2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル]-2,2-ジメチル-5-オキソペンタン酸(87g、34%収率)を固体として得た。LCMS (ESI):m/z [M+H]C1521NOに対する計算値279.2;実測値280.1。
工程2。Nの雰囲気下、室温で、5-[2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル]-2,2-ジメチル-5-オキソペンタン酸(78g、279mmol)の、EtOH(0.78L)との混合物に、(4-ブロモフェニル)ヒドラジン塩酸塩(68.7g、307mmol)を小分けにして添加した。混合物を85℃まで加熱して2時間撹拌し、室温まで冷却した後、4MのHCl(1,4-ジオキサン中、69.8mL、279mmol)を滴加した。混合物を85℃まで加熱して、さらに3時間撹拌した後、減圧下にて濃縮し、残渣をTFA(0.78L)に溶解した。混合物を60℃まで加熱し、1.5時間撹拌して減圧下にて濃縮し、飽和NaHCOにより残渣のpHを約5に調整した後で、EtOAcで抽出した(3×1.5L)。合わせた有機層を無水NaSOで乾燥させて濾過し、濾液を減圧下にて濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、3-(5-ブロモ-2-[2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル]-1H-インドール-3-イル)-2,2-ジメチルプロパン酸及びエチル(S)-3-(5-ブロモ-2-(2-(1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-1H-インドール-3-イル)-2,2-ジメチルプロパノエート(78g、粗)を得た。LCMS (ESI):m/z [M+H]C2123BrNに対する計算値430.1、及び、C2327BrNに対する計算値458.1;実測値431.1及び459.1。
工程3。Nの雰囲気下、0℃で、3-(5-ブロモ-2-[2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル]-1H-インドール-3-イル)-2,2-ジメチルプロパン酸及びエチル(S)-3-(5-ブロモ-2-(2-(1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-1H-インドール-3-イル)-2,2-ジメチルプロパノエート(198g、459mmol)の、DMF(1.8L)との混合物に、CsCO(449g、1.38mol)を小分けにして添加した。次に、EtI(215g、1.38mmol)のDMF(200mL)溶液を0℃で滴加した。混合物を室温まで温め、4時間撹拌した後、ブライン(5L)で希釈し、EtOAcで抽出した(3×2.5L)。合わせた有機層をブラインで洗浄し(2×1.5L)、無水NaSOで乾燥させて濾過した。濾液を減圧下にて濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、エチル3-(5-ブロモ-1-エチル-2-[2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル]インドール-3-イル)-2,2-ジメチルプロパノエート(160g、57%収率)を固体として得た。LCMS (ESI):m/z [M+H]C2531BrNに対する計算値486.2;実測値487.2。
工程4。Nの雰囲気下、0℃で、エチル3-(5-ブロモ-1-エチル-2-[2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル]インドール-3-イル)-2,2-ジメチルプロパノエート(160g、328 mmol)の、THF(1.6L)との混合物に、LiBH(28.6g、1.3mol)を添加した。混合物を60℃まで16時間加熱し、冷却して、予めプールした(0℃)NHCl水溶液(5L)でクエンチした。混合物をEtOAcで抽出し(3×2L)、合わせた有機層をブラインで洗浄して(2×1L)、無水NaSOで乾燥させて濾過した。濾液を減圧下にて濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、3-(5-ブロモ-1-エチル-2-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-1H-インドール-3-イル)-2,2-ジメチルプロパン-1-オールの2つのアトロプ異性体(単一のアトロプ異性体として)(60g、38%収率、及び40g、26%収率)を、共に固体として得た。LCMS (ESI):m/z [M+H]C2329BrNに対する計算値444.1;実測値445.2。
中間体2。tert-ブチル((6S,4S,Z)-1-エチル-1-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-10,10-ジメチル-5,7-ジオキソ-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-2(4,2)-チアゾラ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナシクロウンデカファン-4-イル)カルバメートの合成
工程1。室温で、メチル(2S)-3-(4-ブロモ-1,3-チアゾール-2-イル)-2-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]プロパノエート(110g、301.2mmol)の、THF(500mL)及びHO(200mL)溶液に、LiOH(21.64g、903.6mmol)を添加した。得られた溶液を1時間撹拌した後、減圧下にて濃縮した。得られた残渣を1M HClでpH6に調整した後、DCMで抽出した(3×500mL)。合わせた有機層をNaSOで乾燥させて濾過し、減圧下にて濃縮し、所望の生成物を得た(108g、粗)。LCMS(ESI) m/z:[M+H]C1115BrNSに対する計算値:351.00;実測値351.0。
工程2。0℃で、(S)-3-(4-ブロモチアゾール-2-イル)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロパン酸(70g、199.3mmol)のDCM(500mL)溶液に、メチル(3S)-1,2-ジアジナン-3-カルボキシレートビス(トリフルオロ酢酸)塩(111.28g、298.96mmol)、NMM(219.12mL、1993.0mmol)、EDCI(76.41g、398.6mmol)、及びHOBt(5.39g、39.89mmol)を添加した。得られた溶液を室温まで温めて1時間撹拌した。次に、反応物をHO(500mL)でクエンチして、EtOAcで抽出した(3×500mL)。合わせた有機層をNaSOで乾燥させて濾過し、減圧下にて濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(0→50%EtOAc/石油エーテル)により精製して、所望の生成物を得た(88.1g、92.6%収率)。LCMS(ESI) m/z:[M+H]C1725BrNSに対する計算値:477.08;実測値477.1。
工程3。室温で、3-(5-ブロモ-1-エチル-2-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-1H-インドール-3-イル)-2,2-ジメチルプロパン-1-オール(60g、134.7mmol)のトルエン(500mL)溶液に、ビス(ピナコラト)ジボロン(51.31g、202.1mmol)、Pd(dppf)Cl2(9.86g、13.48mmol)、及びKOAc(26.44g、269.4mmol)を添加した。次に、反応混合物を次に90℃まで加熱して、2時間撹拌した。次に、反応溶液を室温まで冷却して減圧下にて濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(0→50%EtOAc/石油エーテル)による精製によって、所望の生成物を得た(60.6g、94.0%収率)。LCMS(ESI) m/z:[M+H]C2941BNに対する計算値:493.32;実測値493.3。
工程4。室温で、(S)-3-(1-エチル-2-(2-(1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-インドール-3-イル)-2,2-ジメチルプロパン-1-オール(30g、60.9mmol)のトルエン(600mL)、ジオキサン(200mL)、及びH2O(200mL)溶液に、メチル(S)-1-((S)-3-(4-ブロモチアゾール-2-イル)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロパノイル)ヘキサヒドロピリダジン-3-カルボキシレート(43.62g、91.4mmol)、KPO(32.23g、152.3mmol)、及びPd(dppf)Cl(8.91g、12.18mmol)を添加した。得られた溶液を70℃まで加熱し、一晩撹拌した。次に、反応混合物を室温まで冷却してHO(200mL)でクエンチした。得られた混合物をEtOAcで抽出し(3×1000mL)、合わせた有機層をNaSOで乾燥させて濾過し、減圧下にて濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(0→90%EtOAc/石油エーテル)により精製して、所望の生成物を得た(39.7g、85.4%収率)。LCMS(ESI) m/z:[M+H]C4054Sに対する計算値:763.39;実測値763.3。
工程5。室温で、メチル(S)-1-((S)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-(4-(1-エチル-3-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)-2-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-1H-インドール-5-イル)チアゾール-2-イル)プロパノイル)ヘキサヒドロピリダジン-3-カルボキシレート(39.7g、52.0mmol)のTHF(400mL)及びHO(100mL)溶液に、LiOH・HO(3.74g、156.2mmol)を添加した。得られた混合物を1.5時間撹拌した後、減圧下にて濃縮した。残渣を1M HClでpH6まで酸性化した後、DCMで抽出した(3×1000mL)。合わせた有機層をNaSOで乾燥させて濾過し、減圧下にて濃縮し、所望の生成物を得た(37.9g、粗)。LCMS(ESI) m/z:[M+H]C3952Sに対する計算値:749.37;実測値749.4。
工程6。0℃で、(S)-1-((S)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-(4-(1-エチル-3-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)-2-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-1H-インドール-5-イル)チアゾール-2-イル)プロパノイル)ヘキサヒドロピリダジン-3-カルボン酸(37.9g、50.6mmol)、HOBt(34.19g、253.0mmol)、及びDIPEA(264.4mL、1518mmol)のDCM(4L)溶液に、EDCI(271.63g、1416.9mmol)を添加した。得られた混合物を室温まで温め、一晩撹拌した。次に、反応混合物をHOでクエンチして1M HClで洗浄した(4×1L)。有機層を分離し、減圧下にて濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(0→70%EtOAc/石油エーテル)により精製して、所望の生成物を得た(30g、81.1%収率)。LCMS(ESI) m/z:[M+H]C3950Sに対する計算値:731.36;実測値731.3。
中間体3。(S)-3-ブロモ-5-ヨード-2-(1-メトキシエチル)ピリジンの合成。
工程1。3-ブロモ-2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン(80.00g、370.24mmol、1.00当量)及びビス(ピナコラト)ジボロン(141.03g、555.3mmol、1.50当量)の、THF(320mL)との撹拌溶液に、dtbpy(14.91g、55.5mmol)及びクロロ(1,5-シクロオクタジエン)イリジウム(I)二量体(7.46g、11.1mmol)を、アルゴン雰囲気下で添加した。得られた混合物を16時間、75℃で、アルゴン雰囲気下で撹拌した。混合物を減圧下で濃縮した。得られた混合物をEtOAc(200mL)に溶解して、混合物を、NaCO(40g)及びNaOH(10g)(質量4:1)の水溶液(600mL)により、pH10に調整した。水層をEtOAc(800mL)で抽出した。水相を、HCl(6N)によりpH=6に酸性化して、所望の固体を沈殿させ、5-ブロモ-6-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イルボロン酸(50g、52.0%収率)を、淡黄色固体として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H] C11BBrNO に対する計算値259.0;実測値260.0。
工程2。5-ブロモ-6-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イルボロン酸(23.00g、88.5mmol)の、ACN(230mL)との撹拌溶液に、NIS(49.78g、221.2mmol)を室温で、アルゴン雰囲気下で添加した。得られた混合物を一晩、80℃、アルゴン雰囲気下で撹拌した。得られた混合物を減圧下にて濃縮した。得られた混合物をDCM(2.1L)に溶解し、Naで洗浄した(3×500mL)。有機層を無水Na2SO4で乾燥させた。濾過後、濾液を減圧下にて濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、(S)-3-ブロモ-5-ヨード-2-(1-メトキシエチル)ピリジン(20g、66.0%収率)を得た。LCMS(ESI):m/z [M+H] CBrINOに対する計算値340.9;実測値341.7。
中間体4。tert-ブチル((6S,4S,Z)-11-エチル-1-(2-((S)-1-メトキシエチル)-5-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピリジン-3-イル)-10,10-ジメチル-5,7-ジオキソ-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-2(4,2)-チアゾラ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナシクロウンデカファン-4-イル)カルバメートの合成
工程1。アルゴンの不活性雰囲気をパージしてこれを維持した、3Lの三ツ口丸底フラスコに、3-ブロモ-5-ヨード-2-[(1S)-1-メトキシメチル]ピリジン(147g、429.8mmol)、ベンジルピペラジン-1-カルボキシレート(94.69g、429.8mmol)、Pd(OAc)(4.83g、21.4mmol)、BINAP(5.35g、8.6mmol)、CsCO(350.14g、1074.6 mmol)、トルエン(1L)を入れた。得られた溶液を一晩、油浴中にて100℃で撹拌した。反応の終了後、反応混合物を25℃まで冷却した。得られた混合物を減圧下にて濃縮した。残渣を、酢酸エチル/ヘキサン(1:1)を使用してシリカゲルカラムにアプライした。減圧下にて溶媒を除去することにより、ベンジル(S)-4-(5-ブロモ-6-(1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(135g、65.1%収率)を、暗黄色固体として得られた。LCMS(ESI):m/z [M+H] C2024BrNに対する計算値433.1;実測値434.1。
工程2。アルゴンの不活性雰囲気をパージしてこれを維持した、3Lの三ツ口丸底フラスコに、ベンジル4-[5-ブロモ-6-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル]ピペラジン-1-カルボキシレート(135g、310.8mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(86.82g、341.9mmol)、Pd(dppf)Cl(22.74g、31.0mmol)、KOAc(76.26g、777.5mmol)、トルエン(1L)を配置した。得られた溶液を2日間、油浴中にて90℃で撹拌した。反応混合物を25℃まで冷却した。得られた混合物を真空濃縮した。残渣を、酢酸エチル/ヘキサン(1:3)を使用して、中性アルミナカラムにアプライした。減圧下にて溶媒を除去し、ベンジル(S)-4-(6-(1-メトキシエチル)-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピリジン-3-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(167g、粗)を暗黄色固体として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H] C2636BNに対する計算値481.3;実測値482.1。
工程3。アルゴンの不活性雰囲気をパージしてこれを維持した、3Lの三ツ口丸底フラスコに、(S)-4-(6-(1-メトキシエチル)-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピリジン-3-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(167g、346.9mmol)、5-ブロモ-3-[3-[(tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ]-2,2-ジメチルプロピル]-2-ヨード-1H-インドール(224.27g、346.9mmol)、Pd(dppf)Cl(25.38g、34.6mmol)、ジオキサン(600mL)、HO(200mL)、KPO(184.09g、867.2mmol)、トルエン(200mL)を入れた。得られた溶液を一晩、油浴中にて70℃で撹拌した。反応の終了後、反応混合物を25℃まで冷却した。得られた混合物を真空濃縮した。残渣を、酢酸エチル/ヘキサン(1:1)を使用してシリカゲルカラムにアプライした。減圧下にて溶媒を除去することにより、ベンジル(S)-4-(5-(5-ブロモ-3-(3-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)-2,2-ジメチルプロピル)-1H-インドール-2-イル)-6-(1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(146g、48.1%収率)を黄色固体として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H] C4957BrNSiに対する計算値872.3;実測値873.3。
工程4。N雰囲気下、0℃で、ベンジル(S)-4-(5-(5-ブロモ-3-(3-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)-2,2-ジメチルプロピル)-1H-インドール-2-イル)-6-(1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(146g,167.0mmol)及びCsCO(163.28g,501.1mmol)の、DMF(1200mL)との撹拌混合物に、CI(52.11g、334.0mmol)を小分けにして添加した。最終反応混合物を25℃で12時間撹拌した。所望の生成物はLCMSにより検出可能であった。得られた混合物をEA(1L)で希釈し、ブラインで洗浄した(3×1.5L)。有機層を無水NaSOで乾燥させた。濾過後、濾液を減圧下にて濃縮し、ベンジル(S)-4-(5-(5-ブロモ-3-(3-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)-2,2-ジメチルプロピル)-1-エチル-1H-インドール-2-イル)-6-(1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(143g、粗)を黄色固体として得、これをさらに精製することなく、次工程で直接使用した。LCMS(ESI):m/z [M+H] C5161BrNSiに対する計算値900.4;実測値901.4。
工程5。ベンジルベンジル(S)-4-(5-(5-ブロモ-3-(3-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)-2,2-ジメチルプロピル)-1-エチル-1H-インドール-2-イル)-6-(1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(143g、158.5mmol)の、DMF(1250mL)の撹拌混合物に、CsF(72.24g、475.5mmol)を添加した。次に、反応混合物を60℃で2日間、N雰囲気下で撹拌した。所望の生成物はLCMSにより検出可能であった。得られた混合物をEtOAc(1L)で希釈し、ブラインで洗浄した(3×1L)。次に、有機相を減圧下にて濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE/EA(1/3)で溶出)により精製して、ベンジル(S)-4-(5-(5-ブロモ-1-エチル-3-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)-1H-インドール-2-イル)-6-(1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)ピペラジン-1-カルボキシレートA(38g、36%収率、3分LCMS(0.1%FA)にて、RT=1.677分)、及びB(34g、34%収率、3分LCMS(0.1%FA)にて、RT=1.578分)の2つのアトロプ異性体を、共に黄色固体として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H] C3543BrNに対する計算値663.2;実測値662.2。
工程6。窒素の不活性雰囲気をパージして維持した500mLの3ツ口丸底フラスコ内に、ベンジル(S)-4-(5-(5-ブロモ-1-エチル-3-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)-1H-インドール-2-イル)-6-(1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)ピペラジン-1-カルボキシレートA(14g、21.1mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(5.89g、23.21mmol) 、Pd(dppf)Cl(1.54g、2.1mmol)、KOAc(5.18g、52.7mmol)、トルエン(150mL)を配置した。得られた溶液を5時間、油浴中にて90℃で撹拌した。反応混合物を25℃まで冷却した。得られた混合物を真空濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE/EA(1/3)で溶出)により精製して、ベンジル(S)-4-(5-(1-エチル-3-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-インドール-2-イル)-6-(1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(12g、76.0g収率)を黄色固体として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H] C4155BNに対する計算値710.4;実測値711.3。
工程7。アルゴンの不活性雰囲気をパージして維持した250mLの丸底フラスコ内に、ベンジル(S)-4-(5-(1-エチル-3-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-インドール-2-イル)-6-(1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(10.8g、15.2mmol)、メチル(3S)-1-[(2S)-3-(4-ブロモ-1,3-チアゾール-2-イル)-2-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]プロパノイル]-1,2-ジアジナン-3-カルボキシレート(7.98g、16.7mmol)、Pd(dtbpf)Cl(0.99g、1.52mmol)、KPO(8.06g、37.9mmol)、トルエン(60mL)、ジオキサン(20mL)、HO(20mL)を配置した。得られた溶液を3時間、油浴中にて70℃で撹拌した。反応混合物を25℃まで冷却した。得られた溶液をEtOAcで抽出し(2×50mL)、減圧下にて濃縮した。残渣を、酢酸エチル/ヘキサン(10:1)を使用してシリカゲルカラムにアプライした。溶媒を除去することで、メチル(S)-1-((S)-3-(4-(2-(5-(4-((ベンジルオキシ)カルボニル)ピペラジン-1-イル)-2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-1-エチル-3-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)-1H-インドール-5-イル)チアゾール-2-イル)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロパノイル)ヘキサヒドロピリダジン-3-カルボキシレート(8g、50.9%収率)を黄色固体として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H] C5268Sに対する計算値980.5;実測値980.9。
工程8。メチル(S)-1-((S)-3-(4-(2-(5-(4-((ベンジルオキシ)カルボニル)ピペラジン-1-イル)-2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-1-エチル-3-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)-1H-インドール-5-イル)チアゾール-2-イル)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロパノイル)ヘキサヒドロピリダジン-3-カルボキシレート(12g、12.23mmol)の、THF(100mL)/HO(100mL)の撹拌混合物に、N雰囲気下でLiOH(2.45g、61.1mmol)を添加し、得られた混合物を2時間25℃で撹拌した。所望の生成物はLCMSにより検出可能であった。THFを減圧下にて濃縮した。0℃で、HCl(1N)により、水相のpHを5まで酸性化した。水層をDCMで抽出した(3×100mL)。有機相を減圧下にて濃縮して、(S)-1-((S)-3-(4-(2-(5-(4-((ベンジルオキシ)カルボニル)ピペラジン-1-イル)-2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-1-エチル-3-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)-1H-インドール-5-イル)チアゾール-2-イル)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロパノイル)ヘキサヒドロピリダジン-3-カルボン酸(10g、84.5g収率)を淡黄色固体として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H] C5166Sに対する計算値966.5;実測値967.0。
工程9。窒素の不活性雰囲気をパージしてこれを維持した、3Lの丸底フラスコに、(S)-1-((S)-3-(4-(2-(5-(4-((ベンジルオキシ)カルボニル)ピペラジン-1-イル)-2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-1-エチル-3-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)-1H-インドール-5-イル)チアゾール-2-イル)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロパノイル)ヘキサヒドロピリダジン-3-カルボン酸(18g、18.61mmol)、ACN(1.8L)、DIEA(96.21g、744.4mmol)、EDCI(107.03g、558.3mmol)、HOBT(25.15g、186.1mmol)を配置した。得られた溶液を一晩25℃で撹拌した。反応の完了後、得られた混合物を減圧濃縮した。得られた溶液をDCM(1L)で希釈した。得られた混合物をHCl(3×1L、1N水溶液)で洗浄した。結果として生じた混合物を水で洗浄した(3×1L)。次に、有機層を濃縮して、残渣を、酢酸エチル/ヘキサン(1:1)を使用してシリカゲルカラムにアプライした。減圧下にて溶媒を除去することにより、ベンジル4-(5-((6S,4S,Z)-4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-1-エチル-10,10-ジメチル-5,7-ジオキソ-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-2(4,2)-チアゾラ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナシクロウンデカファン-1-イル)-6-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(10.4g、54.8%収率)を淡黄色固体として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H] C5164Sに対する計算値948.5;実測値949.3。
工程10。窒素還元性雰囲気をパージして維持した250mLの丸底フラスコ内に、ベンジル4-(5-((63S,4S,Z)-4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-11-エチル-10,10-ジメチル-5,7-ジオキソ-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-2(4,2)-チアゾラ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナシクロウンデカファン-12-イル)-6-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(10.40g、10.9mmol)、Pd(OH)2/C(5g、46.9mmol)、MeOH(100mL)を配置した。得られた溶液、2気圧のH雰囲気下で、3時間、25℃で撹拌した。固体を濾過し、濾塊をMeOHで洗浄した(3×100mL)。次に、合わせた有機相を減圧下にて濃縮し、tert-ブチル((6S,4S,Z)-11-エチル-1-(2-((S)-1-メトキシエチル)-5-(ピペラジン-1-イル)ピリジン-3-イル)-10,10-ジメチル-5,7-ジオキソ-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-11H-8-オキサ-2(4,2)-チアゾラ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナシクロウンデカファン-4-イル)カルバメート(8.5g、90.4%収率)を淡黄色固体として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H] C4358Sに対する計算値814.4;実測値815.3。
工程11。窒素還元性雰囲気をパージして維持した1000mLの丸底フラスコ内に、tert-ブチル((6S,4S,Z)-1-エチル-12-(2-((S)-1-メトキシエチル)-5-(ピペラジン-1-イル)ピリジン-3-イル)-10,10-ジメチル-5,7-ジオキソ-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-11H-8-オキサ-2(4,2)-チアゾラ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナシクロウンデカファン-4-イル)カルバメート(8.5g、10.4mmol)、MeOH(100mL)、AcOH(1.88g、31.2mmol)を配置し、15分間撹拌した。次に、HCHO(1.88g、23.15mmol、37%水溶液)及びNaBHCN(788mg、12.5mmol)を、25℃で添加した。得られた溶液を3時間、25℃で撹拌した。得られた混合物を100mLの水でクエンチし、減圧下にて濃縮してMeOHを除去した。得られた溶液を、300mLのDCMで希釈した。結果として生じた混合物を水で洗浄した(3×100mL)。溶媒を除去することで、tert-ブチル((6S,4S,Z)-1-エチル-1-(2-((S)-1-メトキシエチル)-5-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピリジン-3-イル)-10,10-ジメチル-5,7-ジオキソ-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-2(4,2)-チアゾラ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナシクロウンデカファン-4-イル)カルバメート(8.2g、90.1%収率)を黄色固体として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H] C4460Sに対する計算値828.4;実測値829.3。
中間体5。(6S,4S)-4-アミノ-1-エチル-1-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-10,10-ジメチル-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(1,3)-ベンゼナシクロウンデカファン-5,7-ジオンの合成
工程1。室温で、(2S)-3-(3-ブロモフェニル)-2-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]プロパン酸(100g、290mmol)のDMF(1L)溶液に、NaHCO(48.8g、581.1mmol)及びMeI(61.9g、435.8mmol)を添加した。反応混合物を16時間撹拌した後、HO(1L)でクエンチしてEtOAcで抽出した(3×1L)。合わせた有機層をブラインで洗浄し(3×500mL)、NaSOで乾燥させて濾過し、減圧下にて濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(13%EtOAc/石油エーテル)により精製して、最終生成物を得た(109g、粗)。LCMS(ESI) m/z[M+Na] C1520BrNOに対する計算値380.05;実測値:380.0。
工程2。メチル(2S)-3-(3-ブロモフェニル)-2-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]プロパノエート(108g、301.5mmol)及びビス(ピナコラト)ジボロン(99.53g、391.93mmol)の、ジオキサン(3.2L)との撹拌溶液に、KOAc(73.97g、753.70mmol)及びPd(dppf)Cl(22.06g、30.15mmol)を添加した。反応混合物を90℃まで3時間加熱した後室温まで冷却し、EtOAcで抽出した(2×3L)。合わせた有機層をブラインで洗浄し(3×800mL)、NaSOで乾燥させて濾過し、減圧下にて濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(5%EtOAc/石油エーテル)により精製して、生成物を得た(96g、78.6%収率)。LCMS(ESI) m/z[M+Na]C2132BNOに対する計算値428.22;実測値:428.1。
工程3。メチル(2S)-2-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-3-[3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル]プロパノエート(94g、231.9mmol)及び3-(5-ブロモ-1H-インドール-3-イル)-2,2-ジメチルプロピルアセテート(75.19g、231.93mmol)の、ジオキサン(1.5L)及びHO(300mL)との混合物に、KCO(64.11g、463.85mmol)及びPd(DtBPF)Cl(15.12g、23.19mmol)を添加した。反応混合物を70℃まで加熱し、4時間撹拌した。反応混合物をEtOAcで抽出し(2×2L)、合わせた有機層をブラインで洗浄し(3×600mL)、NaSOで乾燥させて濾過し、減圧下にて濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(20%EtOAc/石油エーテル)により精製して、生成物を得た(130g、粗)。LCMS(ESI) m/z[M+H]C3038に対する計算値523.28;実測値523.1。
工程4。-10℃で、メチル(2S)-3-(3-[3-[3-(アセトキシ)-2,2-ジメチルプロピル]-1H-インドール-5-イル]フェニル)-2-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]プロパノエート(95.0g、181.8mmol)及びヨウ素(36.91g、145.41mmol)の、THF(1L)溶液に、AgOTf(70.0g、272.7mmol)及びNaHCO(22.9g、272.65mmol)を添加した。反応混合物を30分間撹拌した後、0℃で飽和Na水溶液(100mL)を添加することでクエンチした。得られた混合物をEtOAcで抽出し(3×1L)、合わせた有機層をブラインで洗浄し(3×500mL)てNaSOで乾燥させて濾過し、減圧下にて濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(50%EtOAc/石油エーテル)により精製して、メチル(S)-3-(3-(3-(3-アセトキシ-2,2-ジメチルプロピル)-2-ヨード-1H-インドール-5-イル)フェニル)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロパノエートを得た(49.3g、41.8%収率)。LCMS(ESI) m/z[M+H]C3037INに対する計算値:649.18;実測値649.1。
工程5。メチル(2S)-3-(3-[3-[3-(アセチルオキシ)-2,2-ジメチルプロピル]-2-ヨード-1H-インドール-5-イル]フェニル)-2-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]プロパノエート(60g、92.5mmol)のTHF(600mL)溶液に、LiOH・HO(19.41g、462.5mmol)の水溶液(460mL)を添加した。得られた溶液を一晩撹拌した後、HCl(1M)によりpHを6に調整した。得られた溶液をEtOAcで抽出し(2×500mL)、合わせた有機層をブラインで洗浄し(2×500mL)てNaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下にて濃縮して生成物を得た(45g、82.1%収率)。LCMS(ESI) m/z[M+Na]C2733INに対する計算値615.13;実測値:615.1。
工程6。(2S)-2-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-3-[3-[3-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)-2-ヨード-1H-インドール-5-イル]フェニル]プロパン酸(30g、50.6mmol)及びメチル(3S)-1,2-ジアジナン-3-カルボキシレート(10.9g、75.9mmol)の、DCM(400mL)溶液に、NMM(40.97g、405.08mmol)、HOBt(2.05g、15.19mmol)、及びEDCI(19.41g、101.27mmol)を添加した。反応混合物を一晩撹拌した後、混合物をNHCl(2×200mL)及び飽和ブライン(2×200mL)で洗浄し、混合物をNaSOで乾燥させて濾過し、減圧下にて濃縮して生成物を得た(14g、38.5%収率)を得た。LCMS(ESI) m/z[M+H]C3343INに対する計算値718.23;実測値719.4。
工程7。0℃で、メチル(S)-1-((S)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-(3-(3-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)-2-ヨード-1H-インドール-5-イル)フェニル)プロパノイル)ヘキサヒドロピリダジン-3-カルボキシレート(92g、128.0mmol)のTHF(920mL)溶液に、LiOH・HO(26.86g、640.10mmol)の水溶液(460mL)を添加した。反応混合物を2時間撹拌した後、減圧下にて濃縮して生成物を得た(90g、粗)。LCMS(ESI)m/z [M+H]C3241INに対する計算値705.22;実測値705.1。
工程8。0℃で、(3S)-1-[(2S)-2-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-3-[3-[3-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)-2-ヨード-1H-インドール-5-イル]フェニル]プロパノイル]-1,2-ジアジナン-3-カルボン酸(90g、127.73mmol)の、DCM(10L)溶液に、HOBt(34.52g、255.46mmol)、DIPEA(330.17g、2554.62mmol)、及びEDCI(367.29g、1915.96mmol)を添加した。反応混合物を16時間撹拌した後、減圧下にて濃縮した。混合物をDCMで抽出し(2×2L)、合わせた有機層をブラインで洗浄し(3×1L)てNaSOで乾燥させて濾過し、減圧下にて濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(50%EtOAc/石油エーテル)により精製して、生成物を得た(70g、79.8%収率)。LCMS(ESI) m/z[M+H]C3239INに対する計算値687.21;実測値687.1。
工程9。室温で、1Lの丸底フラスコに、tert-ブチル((63S,4S)-1-ヨード-10,10-ジメチル-5,7-ジオキソ-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(1,3)-ベンゼナシクロウンデカファン-4-イル)カルバメート(22.0g、32.042mmol)、トルエン(300.0mL)、Pd(dba)(3.52g、3.845mmol)、S-Phos(3.95g、9.613mmol)、及びKOAc(9.43g、96.127mmol)を充填した。室温で、混合物に、4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(26.66g、208.275mmol)を、撹拌しながら滴加した。得られた溶液を3時間、60℃で撹拌した。得られた混合物を濾過し、濾塊をEtOAcで洗浄した。濾液を濾液を減圧下にて濃縮し、残った残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、生成物(22g、90%収率)を固体として得た。LCMS(ESI) m/z[M+H]C3851BNに対する計算値687.3;実測値687.4。
工程10。tert-ブチル((63S,4S)-10,10-ジメチル-5,7-ジオキソ-12-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(1,3)-ベンゼナシクロウンデカファン-4-イル)カルバメート(2.0g、2.8mmol)、3-ブロモ-2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン(0.60g、2.8mmol)、Pd(dppf)Cl2(0.39g、0.5mmol)、及びKPO(1.2g、6.0mmol)の、ジオキサン(50mL)及びHO(10mL)との混合物を、Nの雰囲気下で70℃まで加熱し、2時間撹拌した。混合物をHO(50mL)で希釈し、EtOAcで抽出した(3×50mL)。合わせた有機層をブラインで洗浄し(3×50mL)、無水NaSOで乾燥させて濾過した。濾液を濾液を減圧下にて濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、生成物(1.5g、74%収率)を固体として得た。LCMS(ESI) m/z[M+H]C4049に対する計算値695.4;実測値696.5。
工程11。0℃で、tert-ブチル((63S,4)-12-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-10,10-ジメチル-5,7-ジオキソ-6,62,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(1,3)-ベンゼナシクロウンデカファン-4-イル)カルバメート(20g、28.7mmol)及びCsCO(18.7g、57.5mmol)の、DMF(150mL)溶液に、Etl(13.45g、86.22mmol)のDMF(50mL)溶液を添加した。得られた混合物を一晩35℃で撹拌した後、HO(500mL)で希釈した。混合物をEtOAcで抽出し(2×300mL)、合わせた有機層をブラインで洗浄し(3×100mL)てNaSOで乾燥させて濾過し、減圧下にて濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、生成物(4.23g、18.8%収率)、及び、アトロプ異性体(5.78g、25.7%)を固体として得た。LCMS(ESI) m/z:[M+H]C4253に対する計算値724.4;実測値724.6。
工程12。tert-ブチル((6S,4S)-11-エチル-1-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-10,10-ジメチル-5,7-ジオキソ-61,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(1,3)-ベンゼナシクロウンデカファン-4-イル)カルバメート(1.3g、1.7mmol)の、TFA(10mL)及びDCM(20mL)との混合物を、0℃で2時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、生成物(1.30g、粗)を固体として得た。LCMS(ESI)m/z [M+H]C3745に対する計算値623.3;実測値624.4。
中間体6:(S)-3-(5-ブロモ-1-エチル-2-(5-ヨード-2-(1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-1H-インドール-3-イル)-2,2-ジメチルプロピルアセテートの合成
工程1。0℃、アルゴン雰囲気下にて、(S)-3-(5-ブロモ-1-エチル-2-(2-(1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-1H-インド-ル-3-イル)-2,2-ジメチルプロパン-1-オール(100g、224.517mmol)及びEtN(45.44g、449.034mmol)の、DCM(1L)の撹拌溶液に、DMAP(2.74g、22.452mmol)及びAcO(27.50g、269.420mmol)を小分けにして添加した。得られた混合物を3時間室温で撹拌した。得られた混合物を減圧下にて濃縮した後、EtOAc1000mLで希釈した。得られた混合物を1MのHCl(500mL)で洗浄した後、飽和NaHCO(500mL)及びブライン(500mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させた。濾過後、濾液を減圧下にて濃縮した。残渣を、石油エーテル(500mL)でトリチュレーションすることで精製し、生成物(93.3g、85%収率)を白色固体として得た。LCMS(ESI) m/z[M+H]C2531BrNに対する計算値:487.16;実測値489.2。
工程2。室温、アルゴン雰囲気下にて、(S)-3-(5-ブロモ-1-エチル-2-(2-(1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-1H-インドール-3-イル)-2,2-ジメチルプロピルアセテート(93.3g、191.409mmol)及びBPIN(72.91g、287.113mmol)の、THF(370mL)の撹拌溶液に、dtbpy(7.71g、28.711mmol)及びクロロ(1,5-シクロオクタジエン)イリジウム(I)二量体(6.43g、9.570mmol)を小分けにして添加した。得られた混合物を一晩75℃で撹拌した。得られた混合物を減圧下にて濃縮し、生成物(190g、粗)を油として得た。LCMS(ESI) m/z[M+H];C2532BBrNに対する計算値:531.17;実測値:533.3
工程3。0℃、空気雰囲気下にて、(S)-(5-(3-(3-アセトキシ-2,2-ジメチルプロピル)-5-ブロモ-1-エチル-1H-インドール-2-イル)-6-(1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)ボロン酸(110g、207.059mmol)及びクロラミン-T三水和物(349.96g、1242.354mmol)の、THF(550mL)の撹拌溶液溶液に、NaI(186.22g、1242.354mmol)の水(225mL)溶液を小分けにして添加した。得られた混合物を一晩、50℃、アルゴン雰囲気下にて撹拌した。得られた混合物を減圧下にて濃縮した後、CHCl(500mL)で洗浄した。得られた混合物を濾過して濾塊をCHClで洗浄した(3×250mL)。濾液をCHClで抽出した(3×500mL)。合わせた有機層をNa(500mL)で洗浄し、ブライン(2×200mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させた。濾過後、濾液を減圧下にて濃縮した。残渣をシリカゲルカラムにより精製した。
中間体7:3-(5-ブロモ-1-エチル-2-(2-((S)-1-メトキシエチル)-5-((R)-オクタヒドロ-2H-ピリド[1,2-a]ピラジン-2-イル)ピリジン-3-イル)-1H-インドール-3-イル)-2,2-ジメチルプロピルアセテートの合成
室温、アルゴン雰囲気下にて、3-(5-ブロモ-1-エチル-2-{5-ヨード-2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル}インドール-3-イル)-2,2-ジメチルプロピルアセテート(9g、14.674mmol)、(R)-オクタヒドロ-2H-ピリド[1,2-a]ピラジン(2.469g、17.609mmol)、CsCO(11.9523g、36.685mmol)、及びBINAP(456.85mg、0.734mmol)の、トルエン(63mL)の撹拌溶液に、Pd(OAc)2(329.44mg、1.467mmol)を小分けにして添加した。得られた混合物を6時間、100℃で撹拌した後、混合物を濾過し、濾塊をEtOAc(100mL)で洗浄した。濾過液を減圧下で濃縮した。残渣を分取TLC(8% MeOH/DCM)により精製して、生成物(6g、65%収率)を固体として得た。LCMS(ESI) m/z[M+H]C3345BrNに対する計算値:625.28;実測値:627.4
中間体8。(6S,4S)-4-アミノ-1-エチル-2-(フルオロメチル)-1-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-10,10-ジメチル-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(1,3)-ベンゼナシクロウンデカファン-5,7-ジオンの合成
工程1。0℃で、(3-ブロモ-5-ヨードフェニル)メタノール(175.0g、559.227mmol)のDCM(2L)溶液に、BAST(247.45g、1118.454mmol)を滴加した。得られた混合物を16時間室温で撹拌した。0℃で、反応物を飽和NaHCO水溶液でクエンチした。有機層をHOで洗浄し(3×700mL)、無水NaSOで乾燥させた。濾過後、濾液を減圧下にて濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(3%EtOAc/石油エーテル)により精製して、所望の生成物を得た(120g、68%収率)。
工程2。1000mLの3ツ口丸底フラスコに、DMF(350.0mL)及びI2(967.12mg、3.810mmol)中のZn粉末(32.40g、495.358mmol)を添加した。混合物に、メチル(2R)-2-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-3-ヨードプロパノエート(27.0g、82.03mmol)のDMF(10mL)溶液を添加した。混合物を30℃まで10分間加熱した。次に、混合物に、メチル(2R)-2-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-3-ヨードプロパノエート(54.0g、164.07mmol)のDMF(20mL)溶液を添加した。得られた混合物を30分間室温で撹拌し、濾過した。アルゴン雰囲気下、室温で、得られた溶液に、1-ブロモ-3-(フルオロメチル)-5-ヨードベンゼン(60g、190.522mmol)、トリス(フラン-2-イル)ホスファン(2.65g、11.431mmol)及びPd(dba)(3.49g、3.810mmol)の、DMF(400mL)との混合物を添加し、反応混合物を60℃まで10分間加熱した後、油浴を取り除いた。温度を50℃に冷却するまで、得られた混合物を約1時間撹拌した。反応物をNHCl(3000mL)水溶液でクエンチし、得られた混合物をEtOAcで抽出した(3×1000mL)。合わせた有機層をブラインで洗浄し(2×1000mL)、無水NaSOで乾燥させた。濾過後、濾液を減圧下にて濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(9%EtOAc/石油エーテル)により精製して、所望の生成物を得た(45g、60%収率)。
工程3。メチル(2S)-3-[3-ブロモ-5-(フルオロメチル)フェニル]-2-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]プロパノエート(75.28g、192.905mmol)、(S)-3-(1-エチル-2-(2-(1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-インドール-3-イル)-2,2-ジメチルプロパン-1-オール(95g、192.905mmol)、Pd(dppf)Cl(14.11g、19.291mmol)、及びKCO(53.32g、385.810mmol)の、ジオキサン(900mL)及びHO(180mL)との混合物を、2時間80℃で撹拌した。得られた混合物を減圧下にて濃縮した後、HOで希釈した。得られた混合物をEtOAcで抽出し(3×1200mL)、合わせた有機層をHOで洗浄し(3×500mL)て無水NaSOで乾燥させた。濾過後、濾液を減圧下にて濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(50%EtOAc/石油エーテル)により精製して、所望の生成物を得た(105g、80%収率)。LCMS(ESI) m/z:[M+H]C3950FNに対する計算値:676.38;実測値676.1。
工程4。0℃で、メチル(S)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-(3-(1-エチル-3-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)-2-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-1H-インドール-5-イル)-5-(フルオロメチル)フェニル)プロパノエート(108g、159.801mmol)の、THF(500mL)の撹拌溶液に、LiOH・HO(11.48g、479.403mmol)の水溶液(500mL)を添加した。得られた混合物を2時間、0℃で撹拌した後、1M HCl(水溶液)により、pH6まで酸性化した。混合物をEtOAcで抽出し(3×800mL)、合わせた有機層をブラインで洗浄し(2×200mL)、無水NaSOで乾燥させた。濾過後、濾液を減圧下にて濃縮し、所望の生成物を得た(101g、粗)。LCMS(ESI) m/z:[M+H]C3848FNに対する計算値:662.36;実測値662.1。
工程5。0℃で、(S)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-(3-(1-エチル-3-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)-2-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-1H-インドール-5-イル)-5-(フルオロメチル)フェニル)プロパン酸(103g、155.633mmol)及びNMM(157.42g、1556.330mmol)の、DCM(1200mL)の撹拌溶液に、メチル(3S)-1,2-ジアジナン-3-カルボキシレート(33.66g、233.449mmol)、HOBt(10.51g、77.816mmol)、及びEDCI(59.67g、311.265mmol)を小分けにして添加した。得られた混合物を室温で16時間撹拌した。次に、有機層を0.5M HCl(2×1000mL)及びブライン(2×800mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させて濾過し、減圧下にて濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(50%EtOAc/石油エーテル)により精製して、所望の生成物を得た(103g、83%収率)。LCMS(ESI) m/z:[M+H]C4458FNに対する計算値:788.44;実測値788.1。
工程6。0℃で、メチル(S)-1-((S)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-(3-(1-エチル-3-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)-2-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-1H-インドール-5-イル)-5-(フルオロエチル)フェニル)プロパノイル)ヘキサヒドロピリダジン-3-カルボキシレート(103g、130.715mmol)の、THF(700mL)の撹拌溶液に、LiOH・HO(27.43g、653.575mmol)の水溶液(700mL)を添加した。得られた混合物を2時間、0℃で撹拌した後、1M HClでpH6まで中和した。得られた混合物をEtOAcで抽出し(3×800mL)、合わせた有機層をブラインで洗浄し(2×600mL)て無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下にて濃縮して所望の生成物を得た(101g、粗)。LCMS(ESI) m/z:[M+H]C4356FNに対する計算値:774.43;実測値774.1。
工程7。0℃で、(S)-1-((S)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-(3-(1-エチル-3-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)-2-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-1H-インドール-5-イル)-5-(フルオロメチル)フェニル)プロパノイル)ヘキサヒドロピリダジン-3-カルボン酸(101g、130.50mmol)の、DCM(5500mL)の撹拌溶液に、DIPEA(227.31mL、1305.0mmol)及びHOBt(88.17g、652.499mmol)、ならびにEDCI(375.26g、1957.498mmol)を添加した。得られた混合物を室温で一晩撹拌した。次に、混合物を0.5M HCl(2×2000mL)、ブライン(2×2000mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させて濾過し、減圧下にて濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(50%EtOAc/石油エーテル)により精製して、所望の生成物を得た(68g、65%収率)。LCMS(ESI) m/z:[M+H]C4354FNに対する計算値:756.42;実測値756.4。
工程8。0℃で、tert-ブチル((6S,4S)-1-エチル-2-(フルオロメチル)-1-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-10,10-ジメチル-5,7-ジオキソ-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(1,3)-ベンゼナシクロウンデカファン-4-イル)カルバメート(350mg、0.403mmol)の、DCM(4mL)の撹拌溶液に、TFA(1.50mL)を添加した。得られた混合物を室温で1.5時間撹拌した後、減圧下にて濃縮し、所望の生成物を得た(600mg、粗)。LCMS(ESI) m/z:[M+H]C3846FNに対する計算値:656.36;実測値656.4。
中間体9。(6S)-4-アミノ-1-エチル-1-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-10,10-ジメチル-2,2,2,2,6,6,6,6,6,6-デカヒドロ-1H-8-オキサ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(5,1)-ピリジナシクロデカファン-5,7-ジオンの合成
工程1。メチル(tert-ブトキシカルボニル)-L-セリネート(10g、45mmol)の無水MeCN(150mL)溶液に、DIPEA(17g、137mmol)を添加した。反応混合物を45℃で2時間撹拌した後、生成物を溶液で得た。LCMS(ESI) m/z:[M+H]C15NOに対する計算値201.1;実測値224.1。
工程2。0℃で、メチル2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)アクリレート(12g、60mmol)の、無水MeCN(150mL)溶液に、DMAP(13g、90mmol)及び(Boc)O(26g、120mmol)を添加した。反応物を6時間撹拌した後、HO(100mL)でクエンチして、DCMで抽出した(3×200mL)。合わせた有機層をブライン(150mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、生成物(12.5g、65%収率)を固体として得た。LCMS(ESI) m/z:[M+H]C1423NOに対する計算値301.2;実測値324.1。
工程3。Ar雰囲気下で、5-ブロモ-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン(8.0g、49mmol)の、MeOH(120mL)との混合物に、メチル2-{ビス[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ}プロパ-2-エノエート(22g、74mmol)を添加した。混合物を16時間撹拌した後、減圧下にて濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、生成物(12g,47%収率)を油として得た。LCMS(ESI) m/z[M+H]C1931BrNに対する計算値462.1;実測値463.1。
工程4。メチル2-(ビス(tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-(5-ブロモ-3,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-イル)プロパノエート(14g、30mmol)の、ジオキサン(30mL)及びHO(12mL)との混合物に、LiOH(3.6g、151mmol)を添加した。混合物を35℃まで加熱して12時間撹拌した後、1M HClを添加してpHを約3~4に調整した。混合物をDCMで抽出し(2×300mL)、合わせた有機層を無水NaSOで乾燥させて濾過した。濾液を減圧下で濃縮して、生成物(10g、85%収率)を固体として得た。LCMS(ESI) m/z[M+H]C1321BrNに対する計算値348.1実測値349.0。
工程5。Arの雰囲気下、0℃で、3-(5-ブロモ-3,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-イル)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロパン酸(10g、30mmol)、DIPEA(12g、93mmol)、及びメチル(3S)-1,2-ジアジナン-3-カルボキシレート(5.4g、37mmol)の、DMF(100mL)との混合物に、HATU(13g、34mmol)を添加した。混合物を0℃で2時間撹拌した後、HOを添加して混合物をEtOAcで抽出した(2×300mL)。合わせた有機層を無水NaSOで乾燥させて濾過し、濾液を減圧下で濃縮して、残渣を逆相クロマトグラフィーにより精製し、生成物(9.0g、55%収率)を固体として得た。LCMS(ESI) m/z[M+H]C1931BrNに対する計算値474.1;実測値475.1。
工程6。Ar雰囲気下で、メチル(3S)-1-(3-(5-ブロモ-3,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-イル)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロパノイル)ヘキサヒドロピリダジン-3-カルボキシレート(9.0g、18mmol)、K2CO(4.5g、32mmol)、Pd(dppf)Cl・DCM(1.4g、2mmol)、3-(1-エチル-2-{2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル}-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)インドール-3-イル)-2,2-ジメチルプロパン-1-オール(9.8g、20mmol)の、ジオキサン(90mL)及びHO(10mL)との混合物を、75℃まで加熱して、2時間撹拌した。HOを添加し、混合物をEtOAcで抽出した(3×200mL)。合わせた有機層をNaSOで乾燥させて濾過し、濾液を減圧下で濃縮して、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、生成物(4.0g、25%収率)を固体として得た。LCMS(ESI) m/z[M+H]C4260に対する計算値760.5;実測値761.5。
工程7。0℃で、メチル(3S)-1-(2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-(5-(1-エチル-3-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)-2-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-1H-インドール-5-イル)-3,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-イル)プロパノイル)ヘキサヒドロピリダジン-3-カルボキシレート(4.1g、5.0mmol)の、THF(35mL)との混合物に、LiOH(0.60g、27mmol)を添加した。混合物を0℃で1.5時間撹拌した後、1M HClを添加してpHを約6~7に調整し、混合物をEtOAcで抽出した(3×200mL)。合わせた有機層をNaSOで乾燥させて濾過し、濾液を減圧下で濃縮して生成物(3.6g、80%収率)を固体として得た。LCMS(ESI) m/z[M+H]C4158に対する計算値746.4;実測値757.4。
工程8。Ar雰囲気下で、(3S)-1-(2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-(5-(1-エチル-3-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)-2-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-1H-インドール-5-イル)-3,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-イル)プロパノイル)ヘキサヒドロピリダジン-3-カルボン酸(3.6g、5.0mmol)及びDIPEA(24g、190mmol)の、DCM(700mL)との混合物に、EDCI・HCl(28g、140mmol)及びHOBt(6.5g、50mmol)を添加した。混合物を30℃まで加熱して、30℃で16時間撹拌した後、減圧下にて濃縮した。残渣をEtOAc(200mL)で希釈してHO(2×200mL)、ブライン(200mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させて濾過した。濾液を濾液を減圧下にて濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、生成物(1.45g、40%収率)を固体として得た。LCMS(ESI) m/z[M+H]C4156に対する計算値728.4;実測値729.4。
工程9。0℃で、tert-ブチル((63S)-1-エチル-1-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-10,10-ジメチル-5,7-ジオキソ-21,2,2,2,6,6,6,6,6,6-デカヒドロ-1H-8-オキサ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(5,1)-ピリジナシクロデカファン-4-イル)カルバメート(130mg、0.20mmol)の、DCM(1.0mL)との混合物に、TFA(0.3mL)を添加した。混合物を室温まで温めて2時間撹拌した後、減圧下で濃縮して生成物を得、これを次工程にて直接に、さらに精製することなく使用した。LCMS(ESI) m/z[M+H]C3648に対する計算値628.4;実測値629.4。
中間体10。(6S,4S)-4-アミノ-1-エチル-1-(2-((S)-1-メトキシエチル)-5-((R)-オクタヒドロ-2H-ピリド[1,2-a]ピラジン-2-イル)ピリジン-3-イル)-10,10-ジメチル-2,2,2,2,6,6,6,6,6,6-デカヒドロ-1H-8-オキサ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(5,1)-ピリジナシクロデカファン-5,7-ジオンの合成
工程1。3-(5-ブロモ-1-エチル-2-(2-((S)-1-メトキシエチル)-5-((R)-オクタヒドロ-2H-ピリド[1,2-a]ピラジン-2-イル)ピリジン-3-イル)-1H-インドール-3-イル)-2,2-ジメチルプロピルアセテート1g、1.598mmol)及びBPin(0.81g、3.196mmol)の、トルエン(20mL)の撹拌溶液に、KOAc(0.39g、3.995mmol)及びPd(dppf)Cl(0.12g、0.16mmol)を添加した。混合物を2時間、90℃、窒素雰囲気下にて撹拌した。次に、混合物を、飽和NaHCO水溶液によりpH8まで塩基性化した。得られた混合物をで抽出し(3×40mL)、合わせた有機層をブラインで洗浄し(3×40mL)て、無水NaSOで乾燥させた。濾過後、濾液を減圧下にて濃縮した。MeOH/DCM残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(2% MeOH/DCM)により精製して、生成物(0.9g、83%収率)を固体として得た。LCMS(ESI) m/z[M+H]C3957BNに対する計算値673.45;実測値673.6。
工程2。3-(1-エチル-2-(2-((S)-1-メトキシエチル)-5-((R)-オクタヒドロ-2H-ピリド[1,2-a]ピラジン-2-イル)ピリジン-3-イル)-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-インドール-3-イル)--2,2-ジメチルプロピルアセテート(0.9g、1.338mmol)、メチル(3S)-1-[(2S)-3-(3-ブロモ-5,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-1-イル)-2-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]プロパノイル]-1,2-ジアジナン-3-カルボキシレート(1.02g、2.141mmol)、KCO(0.46g、3.345mmol)、及びX-Phos(0.26g、0.535mmol)の、トルエン(13.5mL)、ジオキサン(90mL)、及びHO(4.5mL)の撹拌溶液に、Pd(dba)(0.37g、0.401mmol)を添加した。混合物を2時間、70℃、窒素雰囲気下にて撹拌した。次に、混合物を、飽和NaHCO水溶液によりpH8まで塩基性化した。得られた混合物をで抽出し(3×100mL)、合わせた有機層をブラインで洗浄し(3×100mL)て、無水NaSOで乾燥させた。濾過後、濾液を減圧下にて濃縮した。MeOH/DCM残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(2% MeOH/DCM)により精製して、生成物(1.1g、87%収率)を固体として得た。LCMS(ESI) m/z[M+H]C5276に対する計算値:941.59;実測値:941.8
工程3。0℃、窒素雰囲気下にて、メチル(S)-1-((S)-3-(5-(3-(3-アセトキシ-2,2-ジメチルプロピル)-1-エチル-2-(2-((S)-1-メトキシエチル)-5-((R)-オクタヒドロ-2H-ピリド[1,2-a]ピラジン-2-イル)ピリジン-3-イル)-1H-インドール-5-イル)-3,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-イル)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロパノイル)ヘキサヒドロピリダジン-3-カルボキシレート(1.1g、1.169mmol)の、THF(8mL)の撹拌溶液に、LiOH(0.14g、5.845mmol)の、HO(8mL)溶液を滴加した。この反応混合物を16時間攪拌した。次に、混合物を、濃塩酸でpH6まで酸性化した。得られた混合物をDCMで抽出し(3×50mL)、無水NaSOで乾燥させた。濾過後、濾液を減圧濃縮して生成物(1.0g、96%収率)を固体として、これをさらに精製することなく、次工程で直接使用した。LCMS(ESI) m/z[M+H]C4972に対する計算値:885.56;実測値885.5。
工程4。0℃、窒素雰囲気下にて、(S)-1-((S)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-(5-(1-エチル-3-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)-2-(2-((S)-1-メトキシメチル)-5-((R)-オクタヒドロ-2H-ピリド[1,2-a]ピラジン-2-イル)ピリジン-3-イル)-1H-インドール-5-イル)-3,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-イル)プロパノイル)ヘキサヒドロピラジン-3-カルボン酸(1.0g、1.13mmol)及びHOBt(0.76g、5.65mmol)の、DCM(100mL)の撹拌溶液に、EDC・HCl(6.06g、31.64mmol)及びDIPEA(5.11g、39.55mmol)を滴加した。この反応混合物を16時間攪拌した。次に、混合物を、飽和NaHCO水溶液によりpH8まで塩基性化した。得られた混合物をで抽出し(3×100mL)、合わせた有機層をブラインで洗浄し(3×100mL)て、無水NaSOで乾燥させた。濾過後、濾液を減圧下にて濃縮した。MeOH/DCM残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(3% MeOH/DCM)により精製して、生成物(650mg、66%収率)を固体として得た。LCMS(ESI) m/z[M+H]C4970に対する計算値:867.55;実測値867.5。
工程5。0℃、窒素雰囲気下にて、tert-ブチル((6S,4S)-1-エチル-1-(2-((S)-1-メトキシエチル)-5-((R)-オクタヒドロ-2H-ピリド[1,2-a]ピラジン-2-イル)ピリジン-3-イル)-10,10-ジメチル-5,7-ジオキソ-2,2,2,2,6,6,6,6,6,6-デカヒドロ-1H-8-オキサ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(5,1)-ピリジナシクロデカファン-4-イル)カルバメート(300mg、0.346mmol)の、DCM(3mL)の撹拌溶液に、TFA(3mL)を滴加した。得られた混合物を0℃で1時間撹拌した。次に、混合物を、飽和NaHCO水溶液によりpH8まで塩基性化した。得られた混合物をで抽出し(3×50mL)、合わせた有機層をブラインで洗浄し(3×50mL)て、無水NaSOで乾燥させた。濾過後、濾液を減圧濃縮して生成物(260mg、98%収率)を固体として、これをさらに精製することなく、次工程で直接使用した。LCMS(ESI) m/z[M+H]C4462に対する計算値:767.50;実測値767.2。
中間体11。(2S,6S,4S)-4-アミノ-1-エチル-1-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-10,10-ジメチル-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-2(4,2)-モルホリナ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナシクロウンデカファン-5,7-ジオンの合成
工程1。室温で、tert-ブチル(2R)-2-(ヒドロキシメチル)モルホリン-4-イルホルメート(50g、230mmol)のEtOAc(1L)溶液に、TEMPO(715mg、4.6mmol)及びNaHCO3(58g、690mmol)を添加した。混合物を-50℃まで冷却した後、TCCA(56g、241mmol)のEtOAc(100mL)溶液を、30分にわたり滴加した。反応混合物を5℃まで2時間温めた後、10%Na(200mL)でクエンチして20分間撹拌した。得られた混合物を濾過して、有機相を分離した。水相をEtOAc(2×100mL)で抽出した。合わせた有機層をHO(100mL)及びブライン(100mL)で洗浄した後、無水NaSOで乾燥させた。有機層を減圧下にて濃縮し、生成物(50g、粗)を油として得た。
工程2。tert-ブチル(2R)-2-ホルミルモルホリン-4-イルホルメート(49g、153mmol)及びメチル2-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-2-(ジメトキシホスホリル)アセテート(60g、183mmol)の、MeCN(300mL)溶液に、テトラメチルグアニジン(35g、306mmol)を0~10℃で添加した。反応混合物を10℃で30分間撹拌した後、室温まで2時間温めた。反応混合物をDCM(200mL)で希釈して、10%クエン酸(200mL)及び10% NaHCO水溶液(200mL)で洗浄した。有機相を減圧下にて濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、生成物(36g、90%収率)を固体として得た。LCMS(ESI) m/z[M+H]C2128に対する計算値420.2;実測値443.1。
工程3。tert-ブチル(S,Z)-2-(2-(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)-3-メトキシ-3-オキソプロパ-1-エン-1-イル)モルホリン-4-カルボキシレート(49g、0.12mol)のMeOH(500mL)溶液に、(S,S)-Et-DUPHOS-Rh(500mg、0.7mmol)を添加した。混合物をH(60psi)雰囲気下で48時間、室温で撹拌した。反応物を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、生成物(44g、90%収率)を固体として得た。LCMS(ESI) m/z[M+H]C2130に対する計算値422.2;実測値445.2。
工程4。15℃で、tert-ブチル(S)-2-((S)-2-(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)-3-メトキシ-3-オキソプロピル)モルホリン-4-カルボキシレート(2.2g、5.2mmol)の、EtOAc(2mL)との撹拌溶液に、HCl/EtOAc(25mL)を添加した。反応物を15℃で2時間撹拌した後、減圧下にて濃縮し、生成物(1.51g、90.4%収率)を油として得た。LCMS(ESI) m/z[M+H]C1622に対する計算値322.1;実測値323.2。
工程5。3-(5-ブロモ-1-エチル-2-{2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル}インドール-3-イル)-2,2-ジメチルプロパン-1-オール(100g、0.22mol)及びイミダゾール(30.6g、0.45mol)の、DCM(800mL)溶液に、TBSCl(50.7g、0.34mol)のDCM(200mL)溶液を0℃で添加した。反応物を室温で2時間撹拌した。得られた溶液をHO(3×300mL)及びブライン(2×200mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させて濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、生成物(138g、90%収率)を固体として得た。LCMS(ESI) m/z[M+H]C2943BrNSiに対する計算値558.2;実測値559.2。
工程6。105℃、N雰囲気下で、(S)-5-ブロモ-3-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2,2-ジメチルプロピル)-1-エチル-2-(2-(1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-1H-インドール(50g、89.3mmol)の、ジオキサン(500mL)の撹拌溶液に、メチル(2S)-2-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-3-[(2S)-モルホリン-2-イル]プロパノエート(31.7g、98.2mmol)、RuPhos(16.7g、35.7mmol)、ジ-μ-クロロビス(2-アミノ-1,1-ビフェニル-2-イル-C,N)ジパラジウム(II)(2.8g、4.4 mmol)及び炭酸セシウム(96g、295mmol)、続けてRuPhos-Pd-G2(3.5g、4.4mmol)を添加した。反応混合物を6時間105℃で、N雰囲気下で撹拌した。得られた混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。残渣を分取TLCクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(55g、73%収率)を固体として得た。LCMS(ESI) m/z[M+H]C4564Siに対する計算値800.5;実測値801.5。
工程7。室温で、メチル(2S)-2-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-3-[(2S)-4-(3-{3-[(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]-2,2-ジメチルプロピル}-1-エチル-2-{2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル}インドール-5-イル)モルホリン-2-イル]プロパノエート(10g、12mmol)のTHF(270mL)溶液に、LiOH(1.3g、31mmol)の水溶液(45mL)を添加した。反応物を室温で2時間撹拌した後、0~5℃にて、1N HClで処理し、pHを4~5に調整した。得られた混合物をEtOAcで抽出した(2×50mL)。合わせた有機層をブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥させた。次に、有機相を減圧下で濃縮し、生成物(9.5g、97%収率)を固体として得た。LCMS(ESI) m/z[M+H]C4462Siに対する計算値786.4;実測値787.4。
工程8。(2S)-2-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-3-[(2S)-4-(3-{3-[(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]-2,2-ジメチルプロピル}-1-エチル-2-{2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル}インドール-5-イル)モルホリン-2-イル]プロパン酸(10g、12.7mmol)の、DMF(150mL)の撹拌溶液に、メチル(S)-ヘキサヒドロピリダジン-3-カルボキシレート(2g、14mmol)を添加した後、0℃まで冷却し、DIPEA(32.8g、254mmol)、続いてHATU(9.7g、25.4mmol)を0~5℃で添加した。反応混合物を0~5℃で1時間撹拌した。得られた混合物をEtOAc(500mL)及びHO(200mL)で希釈した。有機層を分離してHO(2×100mL)及びブライン(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶液を濾過して減圧下にて濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して生成物を得た。LCMS(ESI) m/z:[M+H]C5072Siに対する計算値912.5;実測値913.4。
工程9。室温で、メチル(S)-1-((S)-2-(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)-3-((S)-4-(3-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2,2-ジメチルプロピル)-1-エチル-2-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-1H-インドール-5-イル)モルホリン-2-イル)プロパノイル)ヘキサヒドロピリダジン-3-カルボキシレート(8.5g、9mmol)のTHF(8mL)溶液に、フッ化テトラブチルアンモニウム(THFに1M、180mL、180mmol)とAcOH(11g、200mmol)の混合物を添加した。反応混合物を75℃で3時間撹拌した。得られた混合物をEtOAc(150mL)で希釈して、HOで洗浄した(6×20mL)。有機相を減圧下で濃縮し、生成物(7.4g、100%収率)を固体として得た。LCMS(ESI) m/z[M+H]C4458に対する計算値799.4;実測値798.4。
工程10。メチル(S)-1-((S)-2-(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)-3-((S)-4-(1-エチル-3-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)-2-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-1H-インドール-5-イル)モルホリン-2-イル)プロパノイル)ヘキサヒドロピリダジン-3-カルボキシレート(8g、10mmol)のTHF(200mL)溶液に、LiOH(600mg、25mm)の水溶液(30mL)を添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌した後、0~5℃で、1N HClで処理してpHを4~5に調整し、EtOAcで抽出した(2×500mL)。有機相をブラインで洗浄し、減圧下で濃縮して生成物(8g、粗)を固体として得た。LCMS(ESI) m/z[M+H]C4356に対する計算値784.4;実測値785.4。
工程11。アルゴン雰囲気下、室温で、(S)-1-((S)-2-(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)-3-((S)-4-(1-エチル-3-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)-2-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-1H-インドール-5-イル)モルホリン-2-イル)プロパノイル)ヘキサヒドロピリダジン-3-カルボン酸(8g、10.2mmol)及びDIPEA(59g、459mmol)の、DCM(800mL)との混合物に、EDCI(88g、458mmol)及びHOBt(27.6g、204mmol)を添加した。反応混合物を室温で16時間撹拌した。得られた混合物を濾液を減圧下にて濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、生成物(5g、66%収率)を固体として得た。LCMS(ESI) m/z[M+H]C4354に対する計算値766.4;実測値767.4。
工程12。H雰囲気下、室温で、ベンジル((2S,6S,4S)-11-エチル-1-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-10,10-ジメチル-5,7-ジオキソ-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-2(4,2)-モルホリナ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナシクロウンデカファン-4-イル)カルバメート(400mg、0.5mmol)のMeOH(20mL)溶液に、Pd/C(200mg)及び酢酸アンモニウム(834mg、16mmol)を添加し、混合物を2時間撹拌した。得られた混合物を濾過し、減圧下にて濃縮した。残渣をDCM(20mL)に再度溶解してHOで洗浄し(5mL×2)、その後減圧下にて濃縮して、生成物(320mg、97%収率)を固体として得た。LCMS(ESI) m/z[M+H]C3548に対する計算値632.4;実測値633.3。
中間体12。(2S)-3-メチル-2-[メチル(4-(プロパ-2-エノイル)-1-オキサ-4,9-ジアザスピロ[5.5]ウンデカン-9-カルボニル)アミノ]ブタン酸の合成
工程1。0℃で、ジトリクロロメチルカーボネート(135mg、0.45mmol)とDCM(1mL)の混合物に、メチル(2S)-3-メチル-2-(メチルアミノ)ブタノエート(200mg、1.4mmol)及びピリジン(327mg、4.1mmol)の、DCM(1mL)との混合物を滴加した。混合物を0℃で1時間撹拌した後、tert-ブチル1-オキサ-4,9-ジアザスピロ[5.5]ウンデカン-4-カルボキシレート(353mg、1.4mmol)、TEA(418mg、4.1mmol)の、DCM(2mL)溶液を0℃で滴加した。混合物を0℃で1時間撹拌した後、減圧下にて濃縮した。ブライン(20mL)を残渣に添加し、混合物でをDCM抽出した(3×20mL)。合わせた有機層を無水NaSOで乾燥させて濾過し、濾液を減圧下にて濃縮し、残渣を分取HPLCにより精製して、tert-ブチル9-{[(2S)-1-メトキシ-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル](メチル)カルバモイル}-1-オキサ-4,9-ジアザスピロ[5.5]ウンデカン-4-カルボキシレート(335mg、57%収率)を固体として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]2137に対する計算値427.3;実測値428.2。
工程2。0℃で、tert-ブチル9-{[(2S)-1-メトキシ-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル](メチル)カルバモイル}-1-オキサ-4,9-ジアザスピロ[5.5]ウンデカン-4-カルボキシレート(330mg、0.77mmol)の、DCM(2.4mL)との混合物にTFA(0.8mL)を滴加した。混合物を0℃で時間撹拌した後、飽和NaHCOでpH約7まで塩基性化し、混合物をDCMで抽出した(3×10mL)。合わせた有機層をブラインで洗浄し(3×10mL)、無水NaSOで乾燥させて濾過し、濾液を減圧下にて濃縮して、メチル(2S)-3-メチル-2-[メチル(1-オキサ-4,9-ジアザスピロ[5.5]ウンデカン-9-カルボニル)アミノ]ブタノエート(280mg、粗)を淡黄色固体として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]1629に対する計算値327.2;実測値328.1。
工程3。0℃で、メチル(2S)-3-メチル-2-[メチル(1-オキサ-4,9-ジアザスピロ[5.5]ウンデカン-9-カルボニル)アミノ]ブタノエート(270mg、0.83mmol)及びTEA(1.67g、16.5mmol)の、DCM(3mL)との混合物に、塩化アクリロイル(75mg、0.83mmol)を滴加した。混合物を0℃で1時間撹拌した後、減圧下にて濃縮し、残渣を分取HPLCにより精製して、メチル(2S)-3-メチル-2-[メチル(4-(プロパ-2-エノイル)-1-オキサ-4,9-ジアザスピロ[5.5]ウンデカン-9-カルボニル)アミノ]ブタノエート(230mg、73%収率)を固体として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]1931に対する計算値381.2;実測値382.2。
工程4。0℃で、メチル(2S)-3-メチル-2-[メチル(4-(プロパ-2-エノイル)-1-オキサ-4,9-ジアザスピロ[5.5]ウンデカン-9-カルボニル)アミノ]ブタノエート(220mg、0.58mmol)の、THF(1.9mL)及びHO(0.6mL)との混合物に、LiOH(21mg、0.87mmol)を添加した。混合物を0℃で1日間撹拌した後、塩酸でpH約4まで酸性化して、混合物をDCMで抽出した(3×20mL)。合わせた有機層を無水NaSOで乾燥させて濾過し、濾液を減圧下で濃縮して(2S)-3-メチル-2-[メチル(4-(プロパ-2-エノイル)-1-オキサ-4,9-ジアザスピロ[5.5]ウンデカン-9-カルボニル)アミノ]ブタン酸(137g、65%収率)を固体として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]1829に対する計算値367.2;実測値368.2。
中間体13。メチルN-((S)-3-アクリロイル-2-メチル-1-オキサ-3,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-8-カルボニル)-N-メチル-L-バリネート、及びメチルN-((R)-3-アクリロイル-2-メチル-1-オキサ-3,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-8-カルボニル)-N-メチル-L-バリネートの合成
工程1。tert-ブチル4-(アミノメチル)-4-ヒドリキシピペリジン-1-カルボキシレート(5.0g、21.7mmol)の、DCM(50mL)との混合物に、MgSO(10g)、CsCO(7.07g、21.7mmol)、及びアセトアルデヒド(0.96g、21.7mmol)を添加した。混合物を室温で2時間撹拌した後、濾過し、濾塊をEtOAcで洗浄した(5×100mL)。濾液を減圧下にて濃縮し、tert-ブチル2-メチル-1-オキサ-3,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-8-カルボキシレート(6g)を油として得、これを直接、次工程にて使用した。LCMS(ESI):m/z [M+H]1324に対する計算値256.2;実測値257.4。
工程2。0℃で、tert-ブチル2-メチル-1-オキサ-3,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-8-カルボキシレート(5.9g、23.0mmol)の、DCM(50mL)との混合物に、TEA(6.99g、69.1mmol)及び塩化アクリロイル(2.08g、23.0mmol)を添加した。混合物を0℃で30分間撹拌した後、氷/HOを添加して混合物をEtOAcで抽出した(4×30mL)。合わせた有機層を無水NaSOで乾燥させて濾過し、濾液を減圧下にて濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、tert-ブチル3-アクリロイル-2-メチル-1-オキサ-3,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-8-カルボキシレート(2.7g、38%)を油として得た。
工程3。0℃で、tert-ブチル3-アクリロイル-2-メチル-1-オキサ-3,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-8-カルボキシレート(2.65g、8.5mmol)の、DCM(26mL)との混合物に、TFA(13mL)を添加した。混合物を0℃で1時間撹拌した後、減圧下にて濃縮し、1-(2-メチル-1-オキサ-3,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-3-イル)プロパ-2-エン-1-オン(4.8g)を油として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]1118に対する計算値210.1;実測値211.2。
工程4。0℃で、BTC(0.40g、1.4mmol)の、DCM(10mL)との混合物に、メチルメチル-L-バリネートHCl(0.73g、4.1mmol)及びピリジン(1.28g、16.2mmol)の、DCM(7mL)溶液を添加した。混合物を0℃で1時間撹拌した後、TEA(4.10g、40.5mmol)及び1-(2-メチル-1-オキサ-3,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-3-イル)プロパ-2-エン-1-オン(1.70g、8.1mmol)のDCM溶液を添加した。混合物を0℃で2時間撹拌した後、氷/HOを添加して混合物をEtOAcで抽出した(3×20mL)。合わせた有機層を無水NaSOで乾燥させて濾過し、濾液を減圧下にて濃縮した。残渣を分取TLC及び分取HPLCにより精製し、メチルN-((S)-3-アクリロイル-2-メチル-1-オキサ-3,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-8-カルボニル)-N-メチル-L-バリネート(750mg)及びメチルN-((R)-3-アクリロイル-2-メチル-1-オキサ-3,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-8-カルボニル)-N-メチル-L-バリネート(730mg)を油として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]1931に対する計算値381.2;実測値382.2。
中間体14。(2S)-3-メチル-2-{メチル[1-メチル-3-(プロパ-2-エノイル)-1,3,8-トリアザスピロ[4.5]デカン-8-イル]カルボニルアミノ}ブタン酸・リチウム塩の合成
工程1。0℃で、tert-ブチル[4-シアノ-4-(メチルアミノ)ピペリジン-1-イル]ホルメート(14.4g、63mmol)及びピリジン(8g、125.6mmol)の、THF(200mL)との混合物に、TFAA(15.8g、75.2mmol)を添加した。混合物を室温まで温めて1時間撹拌した後、減圧下にて濃縮した。残渣をEtOAc(100mL)に溶解させ、1N HCl(100mL)で洗浄した後、NaSOで乾燥させ、濾過した。tert-ブチル4-シアノ-4-(2,2,2-トリ濾液を減圧下にて濃縮し、粗残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、tert-ブチル4-シアノ-4-(2,2,2-トリフルオロ-N-メチルアセトアミド)ピペリジン-1-カルボキシレート(15.9g、71%収率)を固体として得た。LCMS(ESI):m/z [M+Na]1420NaOに対する計算値358.1;実測値358.2。
工程2。tert-ブチル4-シアノ-4-(2,2,2-トリフルオロ-N-メチルアセトアミド)ピペリジン-1-カルボキシレート(9.6g、28mmol)のEtOH(100mL)及びラネーNi(2g)との混合物を、H雰囲気下(15psi)で16時間撹拌した。混合物を濾過し、濾液を減圧下にて濃縮し、粗残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、tert-ブチル4-(アミノメチル)-4-(2,2,2-トリフルオロ- -メチルアセトアミドピペリジン-1-カルボキシレート(3.9g、40%収率)を固体として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]1424に対する計算値339.2;実測値340.2。
工程3。tert-ブチル4-(アミノメチル)-4-(2,2,2-トリフルオロ- -メチルアセトアミドピペリジン-1-カルボキシレート(3.9g、12mmol)の、MeOH(40mL)及びHO(8mL)との混合物に、KOH(3.45g、60mmol)を添加した。混合物を80℃まで加熱して1時間撹拌した後、減圧下にて濃縮してMeOHを除去した。水をDCMで抽出しDCM(30mL×3)、合わせた有機層をNaSOで乾燥させて濾過した。濾液を減圧下にて濃縮し、tert-ブチル4-(アミノメチル)-4-(メチルアミノ)ピペリジン-1-カルボキシレート(2.9g、92%収率)を固体として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]1225に対する計算値243.2;実測値244.2。
工程4。[4-(アミノメチル)-4-(メチルアミノ)ピペリジン-1-イル]tert-ブチルホルメート(1.4g、5.7mmol)の、EtO(15mL)との混合物に、パラホルムアルデヒド(0.77g、25.6mmol)を添加した。混合物を室温で1時間撹拌した後、濾過し、濾塊をDCMで洗浄した。濾液を減圧下にて濃縮し、tert-ブチル{1-メチル-1,3,8-トリアザスピロ[4.5]デカン-8-イル}ホルメート(1.2g、77%収率)を油として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]1325に対する計算値255.2;実測値256.3。
工程5。0℃で、tert-ブチル{1-メチル-1,3,8-トリアザスピロ[4.5]デカン-8-イル}ホルメート(1.4g、5.5mmol)、NaHCO(1.16g、13.7mmol)の、HO(15mL)及びDCM(15mL)との混合物に、プロパ-2-エノイルクロリド(0.55g、6mmol)を添加した。混合物を0℃で1時間撹拌した後、HO(30mL)を添加し、混合物をDCMで抽出した(50mL×3)。得られた有機層をブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥させて濾過した。濾液を減圧下にて濃縮し、粗残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、tert-ブチル[1-メチル-3-(プロパ-2-エノイル)-1,3,8-トリアザスピロ[4.5]デカン-8-イル]ホルメート(0.8g,43%収率)を油として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]1627に対する計算値309.2;実測値310.3。
工程6。tert-ブチル[1-メチル-3-(プロパ-2-エノイル)-1,3,8-トリアザスピロ[4.5]デカン-8-イル]ホルメート(800mg、2.6mmol)の、DCM(6mL)との混合物に、TFA(2mL)を添加した。混合物を室温で1時間撹拌した後、減圧下にて濃縮し、1-{1-メチル-1,3,8-トリアザスピロ[4.5]デカン-3-イル}プロパ-2-エン-1-オン(540mg)を得、これを直接に、次工程にて使用した。LCMS(ESI):m/z [M+H]1119Oに対する計算値209.2;実測値210.3。
工程7。0℃で、1-{1-メチル-1,3,8-トリアザスピロ[4.5]デカン-3-イル}プロパ-2-エン-1-オン(540mg、2.6mmol)及びメチル(2S)-2-[(クロロカルボニル)(メチル)アミノ]-3-メチルブタノエート(589mg、2.83mmol)の、DCM(10mL)との混合物に、TEA(781mg、7.74mmol)を添加した。混合物を0℃で1時間撹拌した後、HO(30mL)を添加し、混合物をDCMで抽出した(50mL×3)。得られた有機層をブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥させて濾過した。濾液を減圧下にて濃縮し、粗残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、メチル(2S)-3-メチル-2-{メチル[1-アン油を得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]1932に対する計算値380.2;実測値381.3。
工程8。メチル(2S)-3-メチル-2-{メチル[1-メチル-3-(プロパ-2-エノイル)-1,3,8-トリアザスピロ[4.5]デカン-8-イル]カルバモイルアミノ}ブタノエート(600mg、1.6mmol)の、THF(3mL)との混合物に、LiOH(75.5mg、3.15mmol)の水(2mL)溶液を添加した。混合物を室温で1時間撹拌した後、凍結乾燥させ、(2S)-3-メチル-2-{メチル[1-メチル-3-(プロパ-2-エノイル)-1,3,8-トリアザスピロ[4.5]デカン-8-イル]カルボニルアミノ}ブタン酸・リチウム塩(500mg、78%収率)を固体として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]1830に対する計算値366.2;実測値367.2。
中間体15。(2S)-3-メチル-2-{メチル[3-(プロパ-2-エノイル)-1-オキサ-3,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-8-イル]カルボニルアミノ}ブタン酸の合成
工程1。tert-ブチル4-(アミノメチル)-4-ヒドリキシピペリジン-1-カルボキシレート(26g、112.9mmol)の、MeOH(52mL)及び3M NaOH(260mL)との混合物に、HCHO(HOに37重量%;52mL)を添加した。混合物を室温で16時間撹拌した後、DCMで抽出した(100mL×3)。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し減圧下にて濃縮してtert-ブチル1-オキサ-3,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-8-カルボキシレート(28.8g)を油として得た。粗生成物を直接、次工程にて使用した。LCMS(ESI):m/z [M+H]1222に対する計算値242.2;実測値243.2。
工程2。0℃で、tert-ブチル1-オキサ-3,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-8-カルボキシレート(14.4g、59.4mmol)及びNaHCO(14.97g、178.2mmol)の、DCM(75mL)及びHO(75mL)との混合物に、プロパ-2-エノイルクロリド(8.06g、89.1mmol)を添加した。混合物を0℃で1時間撹拌した後、DCMで抽出した(50mL×3)。合わせた有機層を減圧下にて濃縮し、粗残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、tert-ブチル3-(プロパ-2-エノイル)-1-オキサ-3,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-8-カルボキシレート(10g、54%収率)を油として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]+C1524に対する計算値296.2;実測値297.2。
工程3。tert-ブチル3-(プロパ-2-エノイル)-1-オキサ-3,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-8-カルボキシレート(1.0g、3.4mmol)の、DCM(6mL)との混合物に、TFA(2mL)を添加した。混合物を室温で1時間撹拌した後、減圧下にて濃縮し、1-{1-オキサ-3,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-3-イル}プロパ-2-エン-1-オン(0.67g)を油として得た。生成物を、次工程に直接使用した。LCMS(ESI):m/z [M+H]1016に対する計算値196.1;実測値197.1。
工程4。0℃で、メチル(2S)-2-[(クロロカルボニル)アミノ]-3-メチルブタノエート(0.66g、3.4mmol)及びTEA(1.72g、17mmol)の、DCM(10mL)との混合物に、1-{1-オキサ-3,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-3-イル}プロパ-2-エン-1-オン(0.67g、3.4mmol)を添加した。混合物を0℃で1時間撹拌した後、HO(30mL)を添加し、混合物をDCMで抽出した(30mL)。合わせた有機層を減圧下にて濃縮し、粗残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、メチル(2S)-3-メチル-2-{メチル[3-(プロパ-2-エノイル)-1-オキサ-3,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-8-イル]カルボニルアミノ}ブタノエート(600mg、47%収率)を油として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]1829に対する計算値365.2;実測値368.3。
工程5。メチル(2S)-3-メチル-2-{メチル[3-(プロパ-2-エノイル)-1-オキサ-3,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-8-イル]カルボニルアミノ}ブタノエート(600mg、1.63mmol)の、THF(5mL)との混合物に、水酸化リチウム(78mg、3.3mmol)の水(5mL)溶液を添加した。混合物を室温で4時間撹拌したあと、1N HClでpHを約4に調整し、DCMで抽出した(20mL×3)。合わせた有機層を減圧下にて濃縮し、(2S)-3-メチル-2-{メチル[3-(プロパ-2-エノイル)-1-オキサ-3,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-8-イル]カルボニルアミノ}ブタン酸(500mg)を油として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]1727に対する計算値353.2;実測値354.2。
中間体16。(2S)-3-メチル-2-{メチル[4-(プロパ-2-エノイル)-1-プロピル-1,4,9-トリアザスピロ[5.5]ウンデカン-9-イル]カルボニルアミノ}ブタン酸・リチウム塩の合成
工程1。tert-ブチル9-{3-[(ホルミルオキシ)メチル]フェニル}-1,4,9-トリアザスピロ[5.5]ウンデカン-4-カルボキシレート(1.0g、2.6mmol)及びプロパナール(0.3g、5.2mmol)の、DCM(10mL)との混合物を、室温で20分間撹拌した。(NaBH(OAc))(1.1g、5.2mmol)を添加し、混合物を室温で1時間撹拌した後、HO(20mL)を添加し、混合物をDCMで抽出した(20mL×3)。合わせた有機層をブラインで洗浄し(20mL)、無水NaSOで乾燥させて濾過した。濾液を減圧下にて濃縮し、粗残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、tert-ブチル9-{3-[(ホルミルオキシ)メチル]フェニル}-1-プロピル-1,4,9-トリアザスピロ[5.5]ウンデカン-4-カルボキシレート(0.7g、62%収率)を油として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]2437に対する計算値431.3;実測値432.3。
工程2。tert-ブチル9-{3-[(ホルミルオキシ)メチル]フェニル}-1-プロピル-1,4,9-トリアザスピロ[5.5]ウンデカン-4-カルボキシレート(600mg、1.39mmol)及び10% Pd/C(148mg、1.39mmol)の、THF(10mL)との混合物を、H2の雰囲気下(15psi)で、室温で1時間撹拌した。混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮して、tert-ブチル1-プロピル-1,4,9-トリアザスピロ[5.5]ウンデカン-4-カルボキシレート(500mg)を、油として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]1631に対する計算値297.2;実測値298.2。
工程3。0℃で、メチル(2S)-2-[(クロロカルボニル)(メチル)アミノ]-3-メチルブタノエート(314mg、1.5mmol)の、DCM(5mL)との混合物に、TEA(458mg、4.5mmol)及びtert-ブチル1-プロピル-1,4,9-トリアザスピロ[5.5]ウンデカン-4-カルボキシレート(450mg、1.5mmol)を添加した。混合物を0℃で1時間撹拌した後、HO(20mL)を添加し、混合物をDCMで抽出した(200mL×3)。合わせた有機層をブラインで洗浄し(20mL)、無水NaSOで乾燥させて濾過した。濾液を減圧下にて濃縮し、粗残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、tert-ブチル9-{[(2S)-1-メトキシ-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル](メチル)カルバモイル}-1-プロピル-1,4,9-トリアザスピロ[5.5]ウンデカン-4-カルボキシレート(650mg、83%収率)を油として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]2444に対する計算値468.3;実測値469.3。
工程4。0℃で、tert-ブチル9-{[(2S)-1-メトキシ-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル](メチル)カルバモイル}-1-プロピル-1,4,9-トリアザスピロ[5.5]ウンデカン-4-カルボキシレート(550mg、1.17mmol)の、DCM(6mL)との混合物に、TFA(2mL)を添加した。混合物を0℃で15分間撹拌した後、減圧下にて濃縮し、メチル(2S)-3-メチル-2-[メチル({1-プロピル-1,4,9-トリアザスピロ[5.5]ウンデカン-9-イル}カルボニル)アミノ]ブタノエート(435mg)を得、これを直接、次工程にて使用した。LCMS(ESI):m/z [M+H]1936に対する計算値368.3;実測値369.3。
工程5。0℃で、メチル(2S)-3-メチル-2-[メチル({1-プロピル-1,4,9-トリアザスピロ[5.5]ウンデカン-9-イル}カルボニル)アミノ]ブタノエート(435mg、1.18mmol)の、DCM(5mL)及びHO(5mL)との混合物に、NaHCO(991mg、11.8mmol)及びプロパ-2-エノイルクロリド(214mg、2.36mmol)を添加した。混合物を0℃で1時間撹拌した後、H2O(20mL)を添加し、混合物をDCMで抽出した(200mL×3)。合わせた有機層をブラインで洗浄し(20mL)、無水NaSOで乾燥させて濾過した。濾液を減圧下にて濃縮し、粗残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、メチル(2S)-3-メチル-2-{メチル[4-(プロパ-2-エノイル)-1-プロピル-1,4,9-トリアザスピロ[5.5]ウンデカン-9-イル]カルボニルアミノ}ブタノエート(460mg、83%収率)を油として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]2238に対する計算値422.3;実測値423.3。
工程6。メチル(2S)-3-メチル-2-{メチル[4-(プロパ-2-エノイル)-1-プロピル-1,4,9-トリアザスピロ[5.5]ウンデカン-9-イル]カルボニルアミノ}ブタノエート(100mg、0.24mmol)の、THF(1mL)との混合物に、LiOH(11.3mg、0.47mmol)の、HO(1.5mL)との混合物を添加した。混合物を室温で4時間撹拌した後、凍結乾燥させ、(2S)-3-メチル-2-{メチル[4-(プロパ-2-エノイル)-1-プロピル-1,4,9-トリアザスピロ[5.5]ウンデカン-9-イル]カルボニルアミノ}ブタン酸・リチウム塩(96mg)を固体として得、これを直接、次工程にて使用した。LCMS(ESI):m/z [M+H]2136に対する計算値408.2;実測値409.3。
中間体17。N-((S)-3-アクリロイル-4-メチル-1-オキサ-3,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-8-カルボニル)-N-メチル-L-バリンメチルエステルの合成
工程1。0℃で、ニトロエタン(1L)の溶液に、tert-ブチル(4-オキソピペリジン-1-イル)ホルメート(200g、1mol、1当量)及びTBD(13.9g、0.1mol、0.1当量)を添加した。反応混合物を20℃で16時間撹拌した。得られた混合物を減圧下にて濃縮し、残った残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、tert-ブチル4-ヒドロキシ-4-(1-ニトロフェニル)ピペリジン-1-カルボキシレート(135g、収率49%)を白色固体として得た。ESI-MS m/z = 299.2[M+H];MWの計算値:274.15。
工程2。室温で、tert-ブチル4-ヒドロキシ-4-(1-ニトロフェニル)ピペリジン-1-カルボキシレート(135g、0.49mol、1当量)及びHCOONH(269g、4.3mol、8.7当量)の、MeOH(1350mL)溶液に、Pd/C(13.6g、0.13mol、0.26当量)及びAcOH(0.29g、4.9mmol、0.01当量)を添加した。反応混合物を16時間撹拌した後、混合物を、TEA(4.96g、0.1当量)によりpHの値を8に調整し、濾過した。濾塊をDCM/MeOH(200mL、5/1)で洗浄した。濾液を減圧下にて濃縮し、アルカリ性シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、tert-ブチル4-(1-アミノエチル)-4-ヒドリキシピペリジン-1-カルボキシレート(135g、収率89%)を白色固体として得た。ESI-MS m/z = 189.3[M+H];MWの計算値:244.34。
工程3。[4-(1-アミノエチル)-4-ヒドロピペリジン-1-イル]tert-ブチルホルメート(40g、0.16mol、1当量)の、ACN(800mL)溶液に、MgSO(39.1g、0.33mol、2当量)、CsCO(79.7g、0.25mol、1.5当量)、及び(HCHO)n(19.6g、0.65mol、4当量)を添加した。混合物を50℃で2時間、N下にて撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を減圧下にて濃縮して、tert-ブチル{4-メチル-1-オキサ-3,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-8-イル}ホルメート(40g、収率97%)を無色の油として得た。ESI-MS m/z = 257.3[M+H];MWの計算値:256.35。
工程4。0℃で、tert-ブチル{4-メチル-1-オキサ-3,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-8-イル}ホルメート(40g、155.4mmol、1当量)及びNaHCO(52.2g、621.6mmol、3当量)の、DCM(500mL)及びHO(500mL)との混合物に、プロパ-2-エノイルクロリド(15.5g、170.9mmol、1当量)を滴加し、0℃で1時間撹拌した。得られたを濾過し、濾液をDCMで抽出した(200mL×2)。有機相をブラインで洗浄し(100mL)、減圧下にて濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィーにより精製し、tert-ブチル[4-メチル-3-(プロパ-2-エノイル)-1-オキサ-3,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-8-イル]ホルメート(33g、収率68%)を無色の油として得た。ESI-MS m/z = 311.1[M+H];MWの計算値:310.39。
工程5。0℃で、tert-ブチル[4-メチル-3-(プロパ-2-エノイル)-1-オキサ-3,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-8-イル]ホルメート(200g、0.64mol、1当量)の、TFA/DCM(700mL、1/3、2L)との混合物を撹拌した。混合物を減圧下で、0~10℃で濃縮し、粗1-(4-メチル-1-オキサ-3,8-アザスピロ[4.5]デカン-3-イル)プロパ-2-エン-1-オン(350g、TFA塩、純度36%)を得た。ESI-MS m/z = 211.2[M+H];MWの計算値:210.28。
工程6。0℃で、メチル(2S)-3-メチル-2-(メチルアミノ)ブタノエート(63g、0.345mol、1当量)及びDIEA(360g、2.8mol、8当量)の、DCM(600mL)に、BTC(36.5g、0.14mol、0.4当量)を小分けにして添加した。次に、反応混合物を-40℃まで冷却し、1-{4-メチル-1-オキサ-3,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-3-イル}プロパ-2-エン-1-オン(TFA塩、36%、175g、0.32mol、0.92当量)の、300mLのDCM溶液を滴加した。次に、反応混合物を室温まで温め、12時間室温で撹拌した。次いで、反応混合物を減圧下にて濃縮し、残った残渣をEA(0.5L)で希釈した。混合物をブライン(200mL×2)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、減圧下にて濃縮して粗残渣を得た。残渣をクロマトグラフィーにより精製し、メチルN-(3-アクリロイル-4-メチル-1-オキサ-3,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-8-カルボニル)-N-メチル-L-バリネートをラセミ混合物(168g、64%収率)として得た。ラセミ生成物(85g)の一部を、キラルSFCを用いて分離し、N-((S)-3-アクリロイル-4-メチル-1-オキサ-3,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-8-カルボニル)-N-メチル-L-バリンメチルエステルを得た。ESI-MS m/z=382.2 [M+H]、MWの計算値:381.2。H NMR(400MHz,CDOD)δ6.72 - 6.24 (m, 2H), 5.85- 5.70 (m,1H), 5.22 -4.99 (m, 2H),4.01 (d, J= 6.5 Hz,1H), 3.88 (d,J = 10.4 Hz, 1H), 3.69(s, 3H), 3.51- 3.40 (m,2H), 3.25 -3.06 (m, 2H),2.96 (s, 3H),2.26 - 2.15 (m, 1H), 1.82- 1.63 (m,4H), 1.19 (dd,J = 6.5, 2.3 Hz, 3H),0.95 (dd, J= 12.3, 6.6Hz, 6H)。
中間体18。メチル(2S)-2-[(3-{3-[(ホルミルオキシ)メチル]フェニル}-1-オキサ-3,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-8-イル)カルボニル(メチル)アミノ]-3-メチルブタノエートの合成
工程1。tert-ブチル{1-オキサ-3,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-8-イル}ホルメート(2g、8.2mmol、1当量)及びNaHCO(2.1g、25mmol、3当量)の、DCM/HO=1/1(20mL)溶液に、CbzCl(1.7g、9.8mmol、1.2当量)を添加した。混合物を0℃で20分間撹拌した。反応混合物をHO(20mL)で処理し、DCMで抽出した(30mL×3)。合わせた有機層を水(20mL)及びブライン(20mL)で洗浄した後、NaSOで乾燥させて濾過し、減圧下にて濃縮して粗生成物を得た。粗生成物をクロマトグラフィーにより精製して、tert-ブチル(3-{3-[(ホルミルオキシ)メチル]フェニル}-1-オキサ-3,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-8-イル)ホルメート(2g、61%収率)を無色の油として得た。ESI-MS m/z: 399.3 [M+Na];MWの計算値:376.2
工程2。20℃で、tert-ブチル(3-{3-[(ホルミルオキシ)メチル]フェニル}-1-オキサ-3,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-8-イル)ホルメート(2g、5.3mmol、1当量)の、DCM(12mL)溶液に、TFA(6g、53mmol、10当量)を添加した。反応混合物を20℃で40分間撹拌した。次に、反応混合物を濃縮して黄色の油を得た。黄色油をDCM(30mL)に溶解させ、飽和NaHCO水溶液でpH=8~9に調整した。得られた混合物をDCMで抽出し(30mL×3)、合わせた有機層を水(20mL)及びブライン(20mL)で洗浄した。有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下にて濃縮して(3-{1-オキサ-3,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-3-イル}フェニル)メチルホルメート(1.5g、98%収率)を白色固体として得た。ESI-MS m/z: 277.3[M+H];MWの計算値:276.2。
工程3。メチル(2S)-2-[(クロロカルボニル)(メチル)アミノ]-3-メチルブタノエート(1.1g、5.1mmol、1当量)及びTEA(1.6g、15mmol、3当量)の、DCM(20mL)溶液に、(3-{1-オキサ-3,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-3-イル}フェニル)メチルホルメート(1.4g、5.1mmol、1当量)。混合物を0℃で0.5時間撹拌した。混合物をHO(20mL)で処理し、DCMで抽出し(30mL×3)て、合わせた有機層を水(20mL)及びブライン(20mL)で洗浄した。有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下にて濃縮して粗生成物を得た。粗生成物をクロマトグラフィーにより精製して、メチル(2S)-2-[(3-{3-[(ホルミルオキシ)メチル]フェニル}-1-オキサ-3,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-8-イル)カルボニル(メチル)アミノ]-3-メチルブタノエート(1.7g、70%収率)を黄色油として得た。ESI-MS m/z: 448.3[M+H];MWの計算値:447.2。
工程4。メチル(2S)-2-[(3-{3-[(ホルミルオキシ)メチル]フェニル}-1-オキサ-3,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-8-イル)カルボニル(メチル)アミノ]-3-メチルブタノエート(400mg、0.89mmol、1当量)の、THF(1mL)溶液に、LiOH(64mg、2.7mmol、3当量)のHO(1.5mL)溶液を添加した。混合物を20℃で12時間撹拌した。得られた溶液を、1N HClでpH=6に調整し、DCMで抽出した(30mL×3)。合わせた有機層を水(20mL)及び(20mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させて濾過し、減圧下にて濃縮して、(2S)-2-[(3-{3-[(ホルミルオキシ)メチル]フェニル}-1-オキサ-3,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-8-イル)カルボニル(メチル)アミノ]-3-メチル酪酸(380mg、88%収率)を黄色油として得た。ESI-MS m/z: 434.3[M+H];MWの計算値:433.2
中間体19。(2S)-3-メチル-2-{メチル[7-(プロパ-2-エノイル)-5-オキサ-2,7-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-イル]カルボニルアミノ}ブタン酸の合成
工程1。tert-ブチル3-オキソアゼチジン-1-カルボキシレート(10g、0.058mol、1当量)の、EtOH(30mL)溶液に、CHNO(12mL)及びトリエチルアミン(0.59g、0.0058mol、0.1当量)を添加した。得られた混合物を16時間、20℃で撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、tert-ブチル3-ヒドロキシ-3-(ニトロメチル)アゼチジン-1-カルボキシレート(13.5g、95%収率)を黄色固体として得た。ESI-MS m/z: 255.1 [M+Na];MWの計算値:232.11
工程2。tert-ブチル3-ヒドロキシ-3-(ニトロメチル)アゼチジン-1-カルボキシレート(13.5g、0.058mol、1.0当量)の、MeOH(100mL)溶液に、Pd/C(1g)を添加した。次に、反応混合物を20℃で16時間、水素下にて(15psi)撹拌した。得られた混合物を濾過し、濾液を濃縮してtert-ブチル3-(アミノメチル)-3-ヒドロキシアゼチジン-1-カルボキシレート(12g、97%収率)を白色固体として得た。ESI-MS m/z: 103.2 [M+Na];MWの計算値:202.13
工程3。tert-ブチル3-(アミノメチル)-3-ヒドロキシアゼチジン-1-カルボキシレート(1.5g、7.4mmol、1.0eq)の、MeOH(3mL)、及びNaOH(15mL、2mol/Lの水溶液)の溶液に、HCHO(3mL)(HOに37重量%)を添加し、反応混合物を16時間、20℃で撹拌した。得られた溶液をDCMで抽出した(3*10mL)。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、減圧下にて濃縮し、tert-ブチル5-オキサ-2,7-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシレート(1g、粗)を黄色固体として得た。粗生成物を直接、次工程にて使用した。ESI-MS m/z = 215.1 [M+H];MWの計算値:214.13
工程3。0℃で、プロパ-2-エノイルクロリド(633mg、7.0mmol、1.5当量)を、tert-ブチル5-オキサ-2,7-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシレート(1.0g、4.7mmol、1.0当量)及びNaHCO(1.2g、14mmol、3.0当量)の、DCM(5mL)及びHO(5mL)の溶液に添加した。得られた混合物を0℃で1時間撹拌した。次に、混合物をDCM(20mL)で希釈し、水(20mL)及びブライン(20mL)で洗浄した。有機相を収集し、NaSOで乾燥させて濾過し、濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィーにより精製し、tert-ブチル7-(プロパ-2-エノイル)-5-オキサ-2,7-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシレート(660mg、50%収率)を白色固体として得た。ESI-MS m/z = 269.1[M+H];MWの計算値:268.14
工程4。20℃で、tert-ブチル7-(プロパ-2-エノイル)-5-オキサ-2,7-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシレート(660mg、2.46mmol、1.0当量)の、DCM(6mL)溶液にTFA(2mL)を添加した。得られた溶液を20℃で1時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、1-{5-オキサ-2,7-ジアザスピロ[3.4]オクタン-7-イル}プロパ-2-エン-1-オン(510mg、粗)を黄色固体として得た。本粗生成物を、さらに精製することなく次の工程で使用した。ESI-MS m/z = 169.2[M+H];MWの計算値:168.09。
工程5。0℃で、メチル(2S)-3-メチル-2-(メチルアミノ)ブタノエート(357mg、2.5mmol、1.0当量)のDCM(5mL)溶液に、トリエチルアミン(1492mg、14.7mmol、6当量)及びトリホスゲン(365mg、1.23mmol、0.5当量)を添加した。得られた溶液を0℃で1時間撹拌した。混合物を直接、次工程にて使用した。
工程6。0℃で、メチル(2S)-2-[(クロロカルボニル)(メチル)アミノ]-3-メチルブタノエート(509mg、2.46mmol、1当量)及びトリエチルアミン(1492mg、14.7mmol、6当量)の、DCM(15mL)溶液に、1-{5-オキサ-2,7-ジアザスピロ[3.4]オクタン-7-イル}プロパ-2-エン-1-オン(413mg、2.46mmol、1当量)を添加した。混合物を0℃で0.5時間撹拌した。次に、混合物をDCM(20mL)で希釈し、HO(30*2mL)で洗浄した。有機層をNaSOで乾燥させ、減圧下にて濃縮した。得られた残渣をクロマトグラフィーにより精製し、メチル(2S)-3-メチル-2-{メチル[7-(プロパ-2-エノイル)-5-オキサ-2,7-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-イル]カルボニルアミノ}ブタノエート(605mg、69%収率)を白色固体として得た。ESI-MS m/z = 340.2[M+H];MWの計算値:339.18
工程7。メチル(2S)-3-メチル-2-{メチル[7-(プロパ-2-エノイル)-5-オキサ-2,7-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-イル]カルボニルアミノ}ブタノエート(300mg、0.88mmol、1.0当量)の、DCE(10mL)溶液に、水酸化トリメチルすず(1.9g、10.6mmol、12当量)を添加した。反応混合物を85℃で16時間撹拌した。次に、反応混合物をDCM(10mL)で希釈した。得られた混合物を1N HCl(10mL)で洗浄し、有機層をNaSOで乾燥させ、減圧下にて濃縮した。得られた残渣をクロマトグラフィーにより精製し、(2S)-3-メチル-2-{メチル[7-(プロパ-2-エノイル)-5-オキサ-2,7-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-イル]カルボニルアミノ}ブタン酸(200mg、66%収率)を白色固体として得た。ESI-MS m/z = 326.1[M+H]+;MWの計算値:325.16
中間体P1及びP2。(2S)-3-メチル-2-{メチル[3-(プロパ-2-エノイル)-1-オキサ-3,7-ジアザスピロ[4.4]ノナン-7-イル]カルボニルアミノ}ブタノエート(P1+P2)の合成
工程1。tert-ブチル3-オキソピロリジン-1-カルボキシレート(10g、0.058mol、1当量)のEtOH(30mL)溶液に、CHNO(12mL)及びトリエチルアミン(0.59g、5.8mol、0.1当量)を添加した。反応混合物を16時間、20℃で撹拌した。その後、混合物を減圧下にて濃縮し、tert-ブチル3-ヒドロキシ-3-(ニトロメチル)ピロリジン-1-カルボキシレート(13.3g、80%収率)を黄色固体として得た。ESI-MS m/z: 269.1 [M+Na];MWの計算値:246.12
工程2。tert-ブチル3-ヒドロキシ-3-(ニトロメチル)ピロリジン-1-カルボキシレート(9.7g、0.039mol、1.0当量)の、EtOH(100mL)及びTHF(20mL)溶液に、ラネーNi(2g)及びNH・HO(3mL、純度:28~30%)を添加した。得られた反応混合物を20℃で4時間、水素下にて(15psi)撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を濃縮してtert-ブチル3-(アミノメチル)-3-ヒドロキシピロリジン-1-カルボキシレート(9.3g、87%収率)を黄色油として得た。ESI-MS m/z: 117.3 [M+Na];MWの計算値:216.15
工程3。tert-ブチル3-(アミノメチル)-3-ヒドロキシピロリジン-1-カルボキシレート(9g、41.6mmol、1当量)の、MeOH(20mL)及び3N NaOH(100mL)の溶液に、HCHO(20mL、HOに37重量%)を添加した。反応混合物を16時間、20℃で撹拌した。その後、得られた溶液をDCMで抽出し(3*100mL)、合わせた有機層をNaSOで乾燥させて濾過し、減圧下にて濃縮してtert-ブチル1-オキサ-3,7-ジアザスピロ[4.4]ノナン-7-カルボキシレート(6.1g、粗)を無色の油として得た。粗生成物を直接、次工程にて使用した。ESI-MS m/z: 129.3 [M+Na];MWの計算値:228.15
工程4。0℃で、プロパ-2-エノイルクロリド(3.6g、40mmol、1.5当量)を、tert-ブチル1-オキサ-3,7-ジアザスピロ[4.4]ノナン-7-カルボキシレート(6.1g、26.7mmol、1.0当量)及びNaHCO(6.7g、80mmol、3当量)の、DCM(60mL)及びHO(60mL)の溶液に添加した。反応混合物を0℃で1時間撹拌した。次に、混合物をDCM(100mL)で希釈し、水(100mL)及びブライン(100mL)で洗浄した。有機相を収集し、NaSOで乾燥させて濾過し、濃縮した。得られた残渣をクロマトグラフィーにより精製して、tert-ブチル3-(プロパ-2-エノイル)-1-オキサ-3,7-ジアザスピロ[4.4]ノナン-7-カルボキシレート(2.4g、30%収率)を白色固体として得た。ESI-MS m/z: 305.1 [M+Na];MWの計算値:282.16
工程5。20℃で、tert-ブチル3-(プロパ-2-エノイル)-1-オキサ-3,7-ジアザスピロ[4.4]ノナン-7-カルボキシレート(2.4g、8.5mmol、1.0当量)のDCM(30mL)溶液を、TFA(10mL)に添加した。得られた溶液を20℃で1時間撹拌した。反応混合物を20℃で1時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、1-{1-オキサ-3,7-ジアザスピロ[4.4]ノナン-3-イル}プロパ-2-エン-1-オン(1.6g、粗)を黄色固体として得た。粗生成物を、さらに精製することなく次の工程で使用した。ESI-MS m/z = 183.1[M+H];MWの計算値:182.22。
工程6。0℃で、メチル(2S)-2-[(クロロカルボニル)(メチル)アミノ]-3-メチルブタノエート(1.75g、8.5mmol、1.0当量)及びトリエチルアミン(5131mg、51mmol、6.0当量)の、DCM(20mL)溶液に、1-{1-オキサ-3,7-ジアザスピロ[4.4]ノナン-3-イル}プロパ-2-エン-1-オン(1540mg、8.5mmol、1.0当量)を添加した。混合物を0℃で0.5時間撹拌した。混合物をDCM(1000mL)で希釈し、HO(100*2mL)で洗浄した。有機層をNaSOで乾燥させ、減圧下にて濃縮した。得られた残渣をクロマトグラフィーにより精製し、メチル(2S)-3-メチル-2-{メチル[3-(プロパ-2-エノイル)-1-オキサ-3,7-ジアザスピロ[4.4]ノナン-7-イル]カルボニルアミノ}ブタノエート(1.78g、56%収率)を白色固体として得た。所望の生成物をキラル分割(クロマトグラフィーカラム:chiralpak-AD 移動相:CO-MeOH(0.1%DEA))により分離し、メチル(2S)-3-メチル-2-{メチル[(5S)-3-(プロパ-2-エノイル)-1-オキサ-3,7-ジアザスピロ[4.4]ノナン-7-イル]カルボニルアミノ}ブタノエート(P1、800mg;P2、780mg)を得た。ESI-MS m/z = 354.2[M+H];MWの計算値:353.20
中間体P1-OH。(2S)-3-メチル-2-{メチル[(5R)-3-(プロパ-2-エノイル)-1-オキサ-3,7-ジアザスピロ[4.4]ノナン-7-イル]カルボキシアミノ}ブタン酸の合成
工程1。P1メチル(2S)-3-メチル-2-{メチル[(5S)-3-(プロパ-2-エノイル)-1-オキサ-3,7-ジアザスピロ[4.4]ノナン-7-イル]カルボニルアミノ}ブタノエート(330mg、0.93mmol、1.0当量)の、DCE(10mL)溶液に、水酸化トリメチルすず(2.5g、14mmol、15当量)を添加した。反応混合物を85℃で16時間撹拌した。次に、反応混合物をDCM(10mL)で希釈し、得られた混合物を1N HCl(10mL)で洗浄した。有機層をNaSOで乾燥させ、減圧下にて濃縮した。得られた残渣をクロマトグラフィーにより精製して、(2S)-3-メチル-2-{メチル[(5R)-3-(プロパ-2-エノイル)-1-オキサ-3,7-ジアザスピロ[4.4]ノナン-7-イル]カルボキシアミノ}ブタン酸(150mg、45%収率)を白色固体として得た。ESI-MS m/z = 340.2[M+H]+;MWの計算値:339.18
中間体P2-OH。(2S)-3-メチル-2-{メチル[(5S)-3-(プロパ-2-エノイル)-1-オキサ-3,7-ジアザスピロ[4.4]ノナン-7-イル]カルボニルアミノ}ブタン酸の合成
85℃で、(P2)メチル(2S)-3-メチル-2-{メチル[3-(プロパ-2-エノイル)-1-オキサ-3,7-ジアザスピロ[4.4]ノナン-7-イル]カルボニルアミノ}ブタノエート(165mg、0.47mmol、1.0当量)及び(Me)SnOH(1.7g、9.3mmol、20当量)の、DCE(2mL)との混合物を、25時間撹拌した。混合物をDCM(20mL)で希釈し、次いで1N HCl(20mL)、水(15mL)、及びブライン(15mL)で洗浄した。有機相を収集し、NaSOで乾燥させて濾過し、濃縮した。得られた残渣をクロマトグラフィーにより精製して、(2S)-3-メチル-2-{メチル[(5S)-3-(プロパ-2-エノイル)-1-オキサ-3,7-ジアザスピロ[4.4]ノナン-7-イル]カルボニルアミノ}ブタン酸(100mg、60%収率)をオフホワイト固体として得た。ESI-MS m/z:340.2[M+H]。MWの計算値:339.18
実施例1。1-(4-(ジメチルアミノ)-4-メチルペンタ-2-イノイル)-N-((2S)-1-(((6S,4S,Z)-1-エチル-1-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-10,10-ジメチル-5,7-ジオキソ-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-2(5,3)-オキサジアゾラ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナシクロウンデカファン-4-イル)アミノ)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)-4-フルオロ-N-メチルピペリジン-4-カルボキサミドの合成
工程1。COの雰囲気下で、(2M)-5-ブロモ-3-[3-[(tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ]-2,2-ジメチルプロピル]-1-エチル-2-[2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル]インドール(10.0g、14.6mmol)、Pd(dppf)Cl・DCM(1.19g、1.46mmol)及びTEA(2.66g、26.3mmol)の、DMF(50mL)及びMeOH(1mL)との混合物を100℃まで加熱し、一晩撹拌した。HO(100mL)を添加し、混合物をEtOAcで抽出した(3×100mL)。合わせた有機層を無水NaSOで乾燥させて濾過した。濾液を減圧下にて濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、(2M)-3-[3-[(tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ]-2,2-ジメチルプロピル]-1-エチル-2-[2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル]インドール-5-カルボキシレート(8.0g、74%収率)を泡状物として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]4150Siに対する計算値662.4;実測値663.4。
工程2。0℃で、(2M)-3-[3-[(tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ]-2,2-ジメチルプロピル]-1-エチル-2-[2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル]インドール-5-カルボキシレート(3.90g、5.9mmol)の、THF(10mL)及びMeOH(30mL)との混合物に、LiOH(0.70g、29.2mmol)の、HO(30mL)を滴加した。混合物を室温まで温めて3時間撹拌した後、塩酸でpHを約7まで酸性化し、混合物をEtOAcで抽出した(3×20mL)。合わせた有機層をブラインで洗浄し(2×20mL)、無水NaSOで乾燥させて濾過し、濾液を減圧下にて濃縮して、(2M)-3-[3-[(tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ]-2,2-ジメチルプロピル]-1-エチル-2-[2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル]インドール-5-カルボン酸(2.89g)を固体として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]4048Siに対する計算値648.3;実測値649.3。
工程3。0℃で、(2M)-3-[3-[(tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ]-2,2-ジメチルプロピル]-1-エチル-2-[2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル]インドール-5-カルボン酸(2.00g、3.1mmol)及びKCO(0.85g、6.2mmol)の、DCM(20mL)との混合物に、イソプロピルクロロホルメート(0.76g、6.2mmol)を滴加した。混合物を室温で45分撹拌した後、HOを添加して、混合物をEtOAcで抽出した(3×50mL)。合わせた有機層を無水NaSOで乾燥させて濾過し、濾液を減圧下にて濃縮した。残渣をDCM(20mL)に溶解させ、エチル[(Z)-N-ヒドロキシカルバムイミドイル]ホルメート(0.81g、6.2mmol)及びKCO(0.85g、6.2mmol)を添加した。混合物を室温で2時間撹拌した後、HOを添加して混合物をEtOAcで抽出した(3×30mL)。合わせた有機層を無水NaSOで乾燥させて濾過した。濾液を減圧下にて濃縮し、残渣を分取HPLCにより精製して、エチル[(Z)-N-[(Z)-(2M)-3-[3-[(tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ]-2,2-ジメチルプロピル]-1-エチル-2-[2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル]インドール-5-カルバムイミドイル]ホルメート(1.23g、45%収率)を固体として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]4454Siに対する計算値762.4;実測値763.3。
工程4。エチル[(Z)-N-[(Z)-(2M)-3-[3-[(tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ]-2,2-ジメチルプロピル]-1-エチル-2-[2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル]インドール-5-カルバムイミドイル]ホルメート(1.30g、1.7mmol)を150℃まで加熱して4時間撹拌した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、エチル5-[(2M)-3-[3-[(tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ]-2,2-ジメチルプロピル]-1-エチル-2-[2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル]インドール-5-イル]-1,2,4-オキサジアゾール-3-カルボキシレート(600mg、28%収率)を固体として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]4452Siに対する計算値744.4;実測値745.3。
工程5。0℃で、エチル5-[(2M)-3-[3-[(tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ]-2,2-ジメチルプロピル]-1-エチル-2-[2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル]インドール-5-イル]-1,2,4-オキサジアゾール-3-カルボキシレート(1.1g、1.5mmol)の、EtOH(6mL)及びTHF(6mL)との混合物に、NaBH(112mg、3.0mmol)を小分けにして添加した。混合物を室温で1時間撹拌した後、混合物を0℃まで冷却し、飽和NHClを添加して、混合物をEtOAc(30mL)で抽出した。有機層をブライン(20mL)で洗浄して、無水NaSOで乾燥させて濾過し、濾液を減圧下にて濃縮して、[5-[(2M)-3-[3-[(tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ]-2,2-ジメチルプロピル]-1-エチル-2-[2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル]インドール-5-イル]-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]メタノール(900mg、78%収率)を固体として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]4250Siに対する計算値702.4;実測値703.4。
工程6。[5-[(2M)-3-[3-[(tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ]-2,2-ジメチルプロピル]-1-エチル-2-[2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル]インドール-5-イル]-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]メタノール(900mg、1.3mmol)及びPhP(504mg、1.92mmol)の、DCM(9mL)との混合物に、CBr(637mg、1.92mmol)を添加した。混合物を室温で3時間撹拌した後、HOを添加して混合物をEtOAcで抽出した(10mL)。合わせた有機層をブライン(10mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させて濾過した。濾液を減圧下にて濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、(2M)-5-[3-(ブロモメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル]-3-[3-[(tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ]-2,2-ジメチルプロピル]-1-エチル-2-[2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル]インドール(700mg、36%収率)を固体として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]4249BrNSiに対する計算値764.3;実測値765.2。
工程7。0℃で、(2M)-5-[3-(ブロモメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル]-3-[3-[(tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ]-2,2-ジメチルプロピル]-1-エチル-2-[2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル]インドール(1.0g、1.3mmol)及びtert-ブチル2-[(ジフェニルメチリデン)アミノ]アセテート(579mg、2.0mmol)の、トルエン(4.2mL)及びDCM(1.8mL)との混合物に、KOH(7.0g、124.8mmol)の水(2mL)溶液、及びシンコナニウム(158mg、0.26mmol)を添加した。混合物を室温まで温めて3時間撹拌した後、HOを添加して混合物をEtOAcで抽出した(10mL)。合わせた有機層をブラインで洗浄し(5mL)、無水NaSOで乾燥させて濾過した。濾液を減圧下にて濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、tert-ブチル3-[5-[(2M)-3-[3-[(tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ]-2,2-ジメチルプロピル]-1-エチル-2-[2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル]インドール-5-イル]-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]-2-[(ジフェニルメチリデン)アミノ]プロパノエート(350mg、25%収率)を固体として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]6169Siに対する計算値979.5;実測値980.4。
工程8。0℃で、tert-ブチル3-[5-[(2M)-3-[3-[(tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ]-2,2-ジメチルプロピル]-1-エチル-2-[2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル]インドール-5-イル]-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]-2-[(ジフェニルメチリデン)アミノ]プロパノエート(1.80g、1.8mmol)の、DCM(18mL)との混合物に、TFA(18mL)を滴加した。混合物を室温まで温めて2時間撹拌した後、減圧下にて濃縮し、2-アミノ-3-[5-[(2M)-3-[3-[(tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ]-22,2-ジメチルプロピル]-1-エチル-2-[2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル]インドール-5-イル]-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]プロパン酸(4g)を油として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]4453Siに対する計算値759.4;実測値760.2。
工程9。2-アミノ-3-[5-[(2M)-3-[3-[(tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ]-22,2-ジメチルプロピル]-1-エチル-2-[2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル]インドール-5-イル]-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]プロパン酸(4.0g、5.3mmol)及びNaHCO(2.65g、30mmol)の、THF(20mL)及びHO(20mL)との混合物に、BocO(1.72g、7.9mmol)を滴加した。混合物を室温で2時間撹拌した後、HOを添加して混合物をEtOAcで抽出した(3×50mL)。合わせた有機層を無水NaSOで乾燥させて濾過した。濾液を減圧下にて濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、2-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-3-[5-[(2M)-3-[3-[(tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ]-2,2-ジメチルプロピル]-1-エチル-2-[2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル]インドール-5-イル]-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]プロパン酸(1.2g、21%収率)を固体として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]4961Siに対する計算値859.4;実測値860.2。
工程10。0℃、N雰囲気下で、2-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-3-[5-[(2M)-3-[3-[(tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ]-2,2-ジメチルプロピル]-1-エチル-2-[2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル]インドール-5-イル]-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]プロパン酸(1.00g、1.2mmol)、メチル(3S)-1,2-ジアジナン-3-カルボキシレート(0.34g、2.3mmol)、HOBT(0.08g、0.6mmol)及びDIPEA(1.50g、11.6mmol)の、DCM(10mL)との混合物に、EDCI(0.33g、1.7mmol)を小分けにして添加した。混合物を室温まで温めて2時間撹拌した後、HO(50mL)を添加して、混合物をEtOAcで抽出した(3×50mL)。合わせた有機層を無水NaSOで乾燥させて濾過した。濾液を減圧下にて濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、メチル(3S)-1-[(2S)-2-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-3-[5-(3-[3-[(tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ]-2,2-ジメチルプロピル]-1-エチル-2-[2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル]インドール-5-イル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]プロパノイル]-1,2-ジアジナン-3-カルボキシレート(800mg、63%収率)を固体として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]5571Siに対する計算値985.5;実測値986.6。
工程11。0℃、N雰囲気下で、メチル(3S)-1-[(2S)-2-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-3-[5-(3-[3-[(tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ]-2,2-ジメチルプロピル]-1-エチル-2-[2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル]インドール-5-イル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]プロパノイル]-1,2-ジアジナン-3-カルボキシレート(800mg、0.8mmol)の、THF(5mL)との混合物に、TBAFのTHF(5mL)溶液(1M)を滴加した。混合物を60℃まで加熱して一晩撹拌した後、HO(100mL)を添加し、混合物をEtOAcで抽出した(3×50mL)。合わせた有機層を無水NaSOで乾燥させて濾過し、濾液を減圧下にて濃縮して、(3S)-1-[(2S)-2-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-3-[5-[(2M)-1-エチル-3-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)-2-[2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル]インドール-5-イル]-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]プロパノイル]-1,2-ジアジナン-3-カルボン酸(680mg)を固体として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]3851に対する計算値733.3;実測値734.3。
工程12。0℃、N雰囲気下で、(3S)-1-[(2S)-2-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-3-[5-[(2M)-1-エチル-3-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)-2-[2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル]インドール-5-イル]-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]プロパノイル]-1,2-ジアジナン-3-カルボン酸(500mg、0.68mmol)、HOBt(460mg、3.4mmol)、及びDIPEA(2.64g、20.4mmol)の、DCM(100mL)との混合物に、EDCI(2.61g、13.6mmol)を小分けにして添加した。混合物を室温まで温めて一晩撹拌した後、減圧下にて濃縮し、残渣を分取TLCにより精製して、tert-ブチル((6S,4S,Z)-11-エチル-12-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-10,10-ジメチル-5,7-ジオキソ-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-2(5,3)-オキサジアゾラ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナシクロウンデカファン-4-イル)カルバメート(22mg、18%収率)を固体として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]3849に対する計算値715.4;実測値716.2。
工程13。0℃、N雰囲気下で、tert-ブチル((6S,4S,Z)-1-エチル-1-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-10,10-ジメチル-5,7-ジオキソ-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-2(5,3)-オキサジアゾラ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナシクロウンデカファン-4-イル)カルバメート(20mg、0.03mmol)の、DCM(0.30mL)との混合物に、TFA(0.1mL)を滴加した。混合物を室温まで温めて1時間撹拌した後、減圧下にて濃縮し、(6S,4S,Z)-4-アミノ-1-エチル-1-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-10,10-ジメチル-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-2(5,3)-オキサジアゾラ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナシクロウンデカファン-5,7-ジオン(30mg)を油として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]3341に対する計算値615.3;実測値616.4。
工程14。0℃、N雰囲気下で、(6S,4S,Z)-4-アミノ-1-エチル-1-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-10,10-ジメチル-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-2(5,3)-オキサジアゾラ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナシクロウンデカファン-5,7-ジオン(20mg、0.03mmol)、DIPEA(42mg、0.33mmol)、及び(2S)-2-(1-[1-[4-(ジメチルアミノ)-4-メチルペンタ-2-イノイル]-4-フルオロピペリジン-4-イル]-N-メチルホルムアミド)-3-メチルブタン酸(19mg、0.05mmol)の、DMF(1mL)との混合物に、HATU(16mg、0.04mmol)を小分けにして添加した。混合物を室温まで温めて1時間撹拌した後、分取HPLCにより精製し、1-(4-(ジメチルアミノ)-4-メチルペンタ-2-イノイル)-N-((2S)-1-(((6S,4S,Z)-1-エチル-1-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-10,10-ジメチル-5,7-ジオキソ-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-2(5,3)-オキサジアゾラ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナシクロウンデカファン-4-イル)アミノ)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)-4-フルオロ-N-メチルピペリジン-4-カルボキサミド(2.4mg、7%収率)を固体として得た。LCMS(ESI):m/z[M+H]5371FN10に対する計算値994.5;実測値995.4;H NMR(400MHz,DMSO-d)δ8.78 (dd, J= 4.7, 1.7Hz, 1H), 8.63(s, 1H), 8.33(s, 1H), 7.95- 7.68 (m,3H), 7.55 (dd,J = 7.7, 4.7 Hz, 1H),5.79 (s, 1H),5.07 (d, J= 11.7 Hz,1H), 4.62 (d,J = 10.3 Hz, 1H), 4.34- 4.20 (m,7H), 3.70 -3.49 (m, 3H),3.23 (s, 3H),3.17 - 3.03 (m, 5H), 2.98- 2.89 (m,3H), 2.77 (t,J = 12.2 Hz, 1H), 2.46- 2.41 (m,1H), 2.20 (dd,J = 10.7, 6.6 Hz, 7H),2.15 - 2.03 (m, 5H), 1.81(d, J = 12.5 Hz, 1H),1.65 (d, J= 13.0 Hz,1H), 1.53 (d,J = 11.9 Hz, 1H), 1.37(t, J = 6.3 Hz, 9H),1.03 - 0.86 (m, 10H), 0.88- 0.80 (m,2H), 0.80 -0.74 (m, 3H).
実施例2。1-(4-(ジメチルアミノ)-4-メチルペンタ-2-イノイル)-N-((2S)-1-(((6S,4S,Z)-1-エチル-1-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-10,10-ジメチル-5,7-ジオキソ-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-2(3,5)-オキサジアゾラ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナシクロウンデカファン-4-イル)アミノ)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)-4-フルオロ-N-メチルピペリジン-4-カルボキサミドの合成
工程1。0℃で、3-ホルミル-1H-インドール-5-カルボニトリル(24.8g、145.7mmol)の、EtOH(248mL)との混合物に、NaBH(8.05g、218.6mmol)を小分けにして添加した。混合物を0℃で2時間撹拌した後、飽和NHCl(500mL)を添加し、揮発物を減圧下で除去した。混合物をDCMで抽出し(3×200mL)、合わせた有機層を水で洗浄し(3×200mL)て、無水NaSOで乾燥させて濾過した。濾液を減圧下にて濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、3-(ヒドロキシメチル)-1H-インドール-5-カルボニトリル(21g、84%収率)を固体として得た。LCMS(ESI):m/z [M-H]10Oに対する計算値172.1;実測値171.1。
工程2。-40℃、Ar雰囲気下で、3-(ヒドロキシメチル)-1H-インドール-5-カルボニトリル(20.0g、116.2mmol)の、THF(200mL)との混合物に、[(1-メトキシ-2-メチルプロパ-1-エン-1-イル)オキシ]トリメチルシラン(50.62g、290.4mmol)及びTMSOTf(19.36g、87.1mmol)を滴加した。混合物を-40℃で2時間撹拌した後、ブライン(200mL)を0℃で添加した。水層と有機層を分配し、有機層をEtOAcで抽出した(3×200mL)。合わせた有機層を減圧下にて濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、メチル3-(5-シアノ-1H-インドール-3-イル)-2,2-ジメチルプロパノエート(22g、74%収率)を固体として得た。LCMS(ESI):m/z [M-H]1516に対する計算値256.1;実測値255.1。
工程3。0℃で、メチル3-(5-シアノ-1H-インドール-3-イル)-2,2-ジメチルプロパノエート(22g、85.8mmol)の、THF(220mL)との混合物に、LiAlHのTHF(171.7mL、171.7mmol)溶液(1M)を滴加した。混合物を0℃で2時間撹拌した後、NaSO・10HOを添加し、混合物を濾過して濾塊をDCMで洗浄した(3×300mL)。濾液を減圧下にて濃縮し、3-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)-1H-インドール-5-カルボニトリル(12.8g、65%収率)を固体として得た。LCMS(ESI):m/z [M-H]1416Oに対する計算値228.1;実測値255.1。
工程4。0℃で、3-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)-1H-インドール-5-カルボニトリル(15.0g、65.7mmol)の、DCM(150mL)との混合物に、イミダゾール(11.18g、164.3mmol)及びTBDPSCl(23.48g、85.4mmol)を添加した。混合物を室温まで温めて一晩撹拌した後、減圧下にて濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、3-[3-[(tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ]-2,2-ジメチルプロピル]-1H-インドール-5-カルボニトリル(30g、97%収率)を油として得た。LCMS(ESI):m/z [M-H]3034OSiに対する計算値466.2;実測値465.2。
工程5。0℃、N雰囲気下で、3-[3-[(tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ]-2,2-ジメチルプロピル]-1H-インドール-5-カルボニトリル(18.0g、38.6mmol)の、THF(180mL)との混合物に、NaHCO(3.89g、46.3mmol)、AgOTf(10.9g、42.4mmol)、及びI(8.81g、34.7mmol)を添加した。混合物を0℃で2時間撹拌した後、5%のNa水溶液を添加し、混合物をEtOAcで抽出した(3×200mL)。合わせた有機層を水で洗浄し(3×200mL)て、無水NaSOで乾燥させて濾過した。濾液を減圧下にて濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、3-[3-[(tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ]-2,2-ジメチルプロピル]-2-ヨード-1H-インドール-5-カルボニトリル(18.2g、80%収率)を固体として得た。LCMS(ESI):m/z [M+Na]3033INNaOSiに対する計算値615.1;実測値615.0。
工程6。Ar雰囲気下で、3-[3-[(tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ]-2,2-ジメチルプロピル]-2-ヨード-1H-インドール-5-カルボニトリル(18.2g、30.7mmol)及び2-[(1S)-1-メトキシエチル]-3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピリジン(32.33g、122.9mmol)の、1,4-ジオキサン(150mL)及びHO(30mL)との混合物に、KCO(10.60g、76.8mmol)、Pd(dppf)Cl(4.49g、6.1mmol)を添加した。混合物を50℃まで加熱して3時間撹拌した後、減圧下にて濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、3-[3-[(tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ]-2,2-ジメチルプロピル]-2-[2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル]-1H-インドール-5-カルボニトリル(20g)を油として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]3843Siに対する計算値601.3;実測値602.3。
工程7。0℃で、3-[3-[(tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ]-2,2-ジメチルプロピル]-2-[2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル]-1H-インドール-5-カルボニトリル(22.0g、36.6mmol)の、DMF(220mL)との混合物に、CsCO(35.73g、109.7mmol)及びEtI(34.21g、219.3mmol)を添加した。混合物を0℃で2時間撹拌した後、HOを添加して混合物をEtOAcで抽出した(300mL)。有機層をHOで洗浄し(3×300mL)、無水NaSOで乾燥させて濾過した。濾液を減圧下にて濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、3-[3-[(tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ]-2,2-ジメチルプロピル]-1-エチル-2-[2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル]インドール-5-カルボニトリル(15.6g、63%収率)を油として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]4047Siに対する計算値629.3;実測値630.0。
工程8。3-[3-[(tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ]-2,2-ジメチルプロピル]-1-エチル-2-[2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル]インドール-5-カルボニトリル(15.60g、24.8mmol)の、MeOH(156mL)との混合物に、NHOH(HOに50%)(9.81g、296.9mmol)を添加した。混合物を50℃まで加熱して3時間撹拌した後、減圧下にて濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、3-[3-[(tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ]-2,2-ジメチルプロピル]-1-エチル-N-ヒドロキシ-2-[2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル]インドール-5-カルボキシイミドアミド(14.6g、89%収率)を油として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]4050Siに対する計算値662.4;実測値663.2。
工程9。-5℃で、3-[3-[(tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ]-2,2-ジメチルプロピル]-1-エチル-N-ヒドロキシ-2-[2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル]インドール-5-カルボキシイミドアミド(14.60g、22.0mmol)の、DCM(146mL)との混合物に、DIPEA(14.23g、110.1mmol)、HOBt(0.60g、4.4mmol)、続けてEDC.HCl(5.07g、26.4mmol)を小分けにして2分にわたり添加した。混合物を室温まで温めて2時間撹拌した後、減圧下にて濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、4-(3-[3-[(tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ]-2,2-ジメチルプロピル]-1-エチル-2-[2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル]インドール-5-イル)メタンイミドアミド1-メチル(2S)-2-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]ブタンジオエート(18.1g、92%収率)を油として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]5065Siに対する計算値891.5;実測値892.3。
工程10。4-(3-[3-[(tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ]-2,2-ジメチルプロピル]-1-エチル-2-[2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル]インドール-5-イル)メタンイミドアミド1-メチル(2S)-2-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]ブタンジオエート(18g、20.2mmol)の、1,4-ジオキサン(900mL)との混合物を90℃まで加熱し、3時間撹拌した。混合物を減圧下にて濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、メチル2-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-3-[3-(3-{3-[(tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ]-2,2-ジメチルプロピル}-1-エチル-2-{2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル}インドール-5-イル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル]プロパノエート(16.5g、94%収率)を油として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]5063Siに対する計算値873.4;実測値874.4。
工程11。メチル2-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-3-[3-(3-{3-[(tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ]-2,2-ジメチルプロピル}-1-エチル-2-{2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル}インドール-5-イル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル]プロパノエート(18g、20.6mmol)の、THF(180mL)との混合物に、TBAFのTHF(180mL)溶液(1M)を滴加した。混合物を60℃まで添加し、一晩撹拌した後、HOを添加し、混合物をDCMで抽出した(3×200mL)。合わせた有機層をブラインで洗浄し(6×300mL)、無水NaSOで乾燥させて濾過し、濾液を減圧下にて濃縮し、2-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-3-{3-[(2M)-1-エチル-3-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)-2-{2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル}インドール-5-イル]-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル}プロパン酸(14g)を油として得た。LCMS(ESI):m/z [M-H]3343に対する計算値621.3;実測値620.3。
工程12。0℃で、2-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-3-{3-[(2M)-1-エチル-3-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)-2-{2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル}インドール-5-イル]-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル}プロパン酸(14g、22.5mmol)の、MeOH(140mL)との混合物に、TMSCHN(12.86g、112.6mmol)を添加した。混合物を0℃で2時間撹拌した後、減圧下にて濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、メチル(2R)-2-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-3-{3-[(2M)-1-エチル-3-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)-2-{2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル}インドール-5-イル]-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル}プロパノエート(3.5g、25%収率)を油として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]3445に対する計算値635.3;実測値636.4。
工程13。メチル(2R)-2-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-3-{3-[(2M)-1-エチル-3-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)-2-{2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル}インドール-5-イル]-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル}プロパノエート(2.0g、3.2mmol)の、1,4-ジオキサン(20mL)との混合物に、HClの1,4-ジオキサン(20mL)溶液を添加した。混合物を室温で1時間撹拌した後、減圧下にて濃縮し、メチル(2R)-2-アミノ-3-{3-[(2M)-1-エチル-3-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)-2-{2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル}インド-ル-5-イル]-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル}プロパノエート(1.5g、89%収率)を固体として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]2937に対する計算値535.3;実測値536.4。
工程14。0℃で、メチル(2R)-2-アミノ-3-{3-[(2M)-1-エチル-3-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)-2-{2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル}インド-ル-5-イル]-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル}プロパノエート(3.0g、5.6mmol)の、THF(30mL)及びHO(6mL)との混合物に、NaHCO(1.18g、14.0mmol)及びアリルクロロカルボネート(1.01g、8.4mmol)を添加した。混合物を0℃で2時間撹拌した後、減圧下にて濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、メチル3-{3-[(2M)-1-エチル-3-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)-2-{2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル}インドール-5-イル]-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル}-2-{[(プロパ-2-エン-1-イルオキシ)カルボニル]アミノ}プロパノエート(1.5g、43%収率)を固体として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]3341に対する計算値619.3;実測値620.4。
工程15。0℃で、メチル3-{3-[(2M)-1-エチル-3-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)-2-{2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル}インドール-5-イル]-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル}-2-{[(プロパ-2-エン-1-イルオキシ)カルボニル]アミノ}プロパノエート(1.5g、2.1mmol)の、THF(15mL)との混合物に、LiOH(16mg、6.8mmol)の水(15mL)溶液を添加した。混合物を0℃で1時間撹拌した後、塩酸でpHを約4まで酸性化し、DCMで抽出した(3×30mL)。合わせた有機層をブラインで洗浄し(3×30mL)、無水NaSOで乾燥させて濾過し、濾液を減圧下にて濃縮して、(2R)-3-[3-[(2M)-1-エチル-3-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)-2-[2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル]インドール-5-イル]-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル]-2-[[(プロパ-2-エン-1-イルオキシ)カルボニル]アミノ]プロパン酸(1.46g)を固体として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]3239に対する計算値605.3;実測値606.3。
工程16。0℃で、(2R)-3-[3-[(2M)-1-エチル-3-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)-2-[2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル]インドール-5-イル]-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル]-2-[[(プロパ-2-エン-1-イルオキシ)カルボニル]アミノ]プロパン酸(1.46g、2.4mmol)の、DCM(15mL)との混合物に、(Z)-N,N’-ジイソプロピルtert-ブトキシメタンイミドアミド(2.41g、12.1mmol)を添加した。混合物を40℃まで添加し、一晩撹拌した後、HOを添加し、混合物をDCMで抽出した(3×20mL)。合わせた有機層をNHCl水溶液で洗浄し(3×40mL)、無水NaSOで乾燥させて濾過し、濾液を減圧下にて濃縮して、tert-ブチル3-{3-[(2M)-1-エチル-3-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)-2-{2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル}インドール-5-イル]-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル}-2-{[(プロパ-2-エン-1-イルオキシ)カルボニル]アミノ}プロパノエート(2.3g)を固体として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]3647に対する計算値661.4;実測値662.4。
工程17。-5℃で、tert-ブチル3-{3-[(2M)-1-エチル-3-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)-2-{2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル}インドール-5-イル]-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル}-2-{[(プロパ-2-エン-1-イルオキシ)カルボニル]アミノ}プロパノエート(2.30g、3.5mmol)の、DCM(23mL)との混合物に、DMAP(85mg、0.7mmol)、(3S)-1,2-ビス(tert-ブトキシカルボニル)-1,2-ジアジナン-3-カルボン酸(3.44g、10.4mmol)、及びEDCI(0.87g、4.5mmol)を小分けして添加した。混合物を室温まで温めて2時間撹拌した後、減圧下にて濃縮して、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、3-(2-[[(2M)-5-[5-[(2R)-3-(tert-ブトキシ)-3-オキソ-2-[[(プロパ-2-エン-1-イルオキシ)カルボニル]アミノ]プロピル]-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]-1-エチル-2-[2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル]インドール-3-イル]メチル]-2-メチルプロピル)1,2-ジ-tert-ブチル(3S)-1,2-ジアジナン-1,2,3-トリカルボキシレート(2.29g、68%収率)を固体として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]517112に対する計算値973.5;実測値974.4。
工程18。0℃で、3-(2-[[(2M)-5-[5-[(2R)-3-(tert-ブトキシ)-3-オキソ-2-[[(プロパ-2-エン-1-イルオキシ)カルボニル]アミノ]プロピル]-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]-1-エチル-2-[2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル]インドール-3-イル]メチル]-2-メチルプロピル)1,2-ジ-tert-ブチル(3S)-1,2-ジアジナン-1,2,3-トリカルボキシレート(2.29g、2.4mmol)の、DCM(30mL)との混合物に、TFA(10mL)を滴加した。混合物を0℃で5時間撹拌した後、減圧下にて濃縮した。混合物を、飽和NaHCOでpHを約7まで塩基性化し、DCMで抽出した(3×300mL)。合わせた有機層をHOで洗浄し(3×60mL)、無水NaSOで乾燥させて濾過し、濾液を減圧下にて濃縮して、3-{3-[(2M)-3-{3-[(3S)-1,2-ジアジナン-3-カルボニルオキシ]-2,2-ジメチルプロピル}-1-エチル-2-{2-[(1S)-1-メトキシ]ピリジン-3-イル}インドール-5-イル]-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル}-2-{[(プロパ-2-エン-1-イルオキシ)カルボニル]アミノ}プロパン酸(1.4g、83%収率)を固体として得た。LCMS(ESI):m/z [M-H]3747に対する計算値717.4;実測値716.5。
工程19。0℃で、3-{3-[(2M)-3-{3-[(3S)-1,2-ジアジナン-3-カルボニルオキシ]-2,2-ジメチルプロピル}-1-エチル-2-{2-[(1S)-1-メトキシ]ピリジン-3-イル}インドール-5-イル]-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル}-2-{[(プロパ-2-エン-1-イルオキシ)カルボニル]アミノ}プロパン酸(720mg、1.0mmol)の、DCM(7.2mL)との混合物に、DIPEA(3.89g、30.1mmol)及びHATU(4.58g、12.0mmol)を添加した。混合物を室温まで温めて一晩撹拌した後、減圧下にて濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、プロパ-2-エン-1-イルN-[(7S,13S,19M)-21-エチル-20-[2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル]-17,17-ジメチル-8,14-ジオキソ-4,15-ジオキサ-3,9,21,27,28-ペンタアザペンタシクロ[17.5.2.1^[2,5].1^[9,13].0^[22,26]]オクタデカ-1(25),2,5(28),19,22(26),23-ヘキサエン-7イル]カルバメート(230mg、33%収率)を固体として得た。LCMS(ESI):m/z [M-H]3745に対する計算値699.3;実測値699.9。
Ar雰囲気下で、アリル((6S,4S,Z)-1-エチル-1-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-10,10-ジメチル-5,7-ジオキソ-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-2(3,5)-オキサジアゾラ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナシクロウンデカファン-4-イル)カルバメート(135mg、0.19mmol)の、THF(1.35mL)との混合物に、モルホリン(50mg、0.58mmol)及びPd(PPh(22.29mg、0.019mmol)を添加した。混合物を35℃まで加熱して4時間撹拌した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより直接精製して、(6S,4S,Z)-4-アミノ-1-エチル-1-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-10,10-ジメチル-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-2(3,5)-オキサジアゾラ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナシクロウンデカファン-5,7-ジオン(120mg)を固体として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]3341に対する計算値615.3;実測値616.4。
工程21。0℃で、(6S,4S,Z)-4-アミノ-1-エチル-1-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-10,10-ジメチル-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-2(3,5)-オキサジアゾラ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナシクロウンデカファン-5,7-ジオン(100mg、0.16mmol)の、DMF(1mL)との混合物に、DIPEA(315mg、2.44mmol)、(2S)-2-(1-[1-[4-(ジメチルアミノ)-4-メチルペンタ-2-イノイル]-4-フルオロピペリジン-4-イル]-N-メチルホルムアミド)-3-メチルブタン酸(129mg、0.32mmol)、及びCOMU(104mg、0.24mmol)を添加した。混合物を0℃で1時間撹拌した後、分取HPLCにより精製し、1-(4-(ジメチルアミノ)-4-メチルペンタ-2-イノイル)-N-((2S)-1-(((6S,4S,Z)-1-エチル-1-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-10,10-ジメチル-5,7-ジオキソ-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-2(3,5)-オキサジアゾラ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナシクロウンデカファン-4-イル)アミノ)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)-4-フルオロ-N-メチルピペリジン-4-カルボキサミド(25mg、15%収率)を固体として得た。LCMS(ESI):m/z[M-H]5371FN10に対する計算値994.5;実測値995.8;H NMR(400MHz,DMSO-d)δ8.78 (dd, J= 4.8, 1.8Hz, 1H), 8.45(d, J = 17.0 Hz, 2H),7.86 - 7.75 (m, 2H), 7.71(d, J = 8.7 Hz, 1H),7.54 (dd, J= 7.7, 4.7Hz, 1H), 5.69(s, 1H), 5.16(d, J = 11.8 Hz, 1H),4.71 - 4.49 (m, 1H), 4.41- 4.06 (m,7H), 3.68 -3.47 (m, 3H),3.23 (s, 4H),3.15 - 3.05 (m, 3H), 2.94(d, J = 11.1 Hz, 2H),2.79 - 2.61 (m, 1H), 2.45- 2.37 (m,1H), 2.26 -1.95 (m, 12H),1.85 - 1.63 (m, 2H), 1.57- 1.42 (m,1H), 1.39 -1.24 (m, 9H),1.03 - 0.71 (m, 12H), 0.34(s, 3H).
実施例3。(4aR,7aS)-4-アクリロイル-N-((2S)-1-(((2R,6S,4S)-1-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-10,10-ジメチル-5,7-ジオキソ-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(3,1)-ピペリジナシクロウンデカファン-4-イル)アミノ)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)-N-メチルヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-6(2H)-カルボキサミドの合成
工程1。N雰囲気下で、3-[(2M)-5-ブロモ-2-[2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル]-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)インドール-3-イル]-2,2-ジメチルプロパン-1-オール(10.0g、20.0mmol)及びtert-ブチル3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-5,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-1-カルボキシレート(9.29g、30.0mmol)の、1,4-ジオキサン(85mL)及びHO(17mL)との混合物に、Pd(dppf)Cl(0.73g、1.0mmol)及びKCO(6.92g、50.1mmol)を小分けにして添加した。混合物を80℃まで加熱して3時間撹拌した後、混合物をEtOAcで抽出した(3×100mL)。合わせた有機層をブラインで洗浄し(3×100mL)、無水NaSOで乾燥させて濾過した。濾液を減圧下にて濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、tert-ブチル3-[(2M)-3-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)-2-[2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル]-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)インドール-5-イル]-5,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-1-カルボキシレート(9.0g、67%収率)を固体として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]3342に対する計算値601.3;実測値602.3。
工程2。tert-ブチル3-[(2M)-3-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)-2-[2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル]-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)インドール-5-イル]-5,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-1-カルボキシレート(6.00g、10.0mmol)及びPd/C(605mg、5.7mmol)の、THF(60mL)との混合物を、H雰囲気下で一晩撹拌した。混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮して、tert-ブチル3-[(2M)-3-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)-2-[2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル]-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)インド-ル-5-イル]ピペリジン-1-カルボキシレート(5.8g)を油として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]3344に対する計算値603.3;実測値604.3。
工程3。0℃、N雰囲気下で、tert-ブチル3-[(2M)-3-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)-2-[2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル]-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)インド-ル-5-イル]ピペリジン-1-カルボキシレート(5.70g、9.4mmol)の、1,4-ジオキサン(30mL)トの混合物に、HClの1,4-ジオキサン(30mL)溶液を添加した。混合物を0℃で2時間撹拌した後、NaHCO水溶液を添加して混合物をEtOAcで抽出した(3×20mL)。合わせた有機層をブラインで洗浄し(3×20mL)、無水NaSOで乾燥させて濾過し、濾液を減圧下にて濃縮して、3-[(2M)-2-[2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル]-5-(ピペリジン-3-イル)-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)インドール-3-イル]-2,2-ジメチルプロパン-1-オール(4.8g)を油として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]2836に対する計算値503.3;実測値504.3。
工程4。N雰囲気下で、3-[(2M)-2-[2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル]-5-(ピペリジン-3-イル)-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)インドール-3-イル]-2,2-ジメチルプロパン-1-オール(4.6g、9.1mmol)の、DMF(46mL)との混合物に、tert-ブチルN-[(3S)-2-オキソオキセタン-3-イル]カルバメート(3.46g、18.3mmol)及びCsCO(7.44g、22.8mmol)を添加した。混合物を40℃まで加熱して2時間撹拌した後、HOを添加し、混合物をEtOAcで抽出した(3×50mL)。合わせた有機層をブラインで洗浄し(3×50mL)、無水NaSOで乾燥させて濾過した。濾液を減圧下にて濃縮し、残渣を分取HPLCにより精製して、(2S)-2-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-3-[3-[(2M)-3-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)-2-[2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル]-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)インドール-5-イル]ピペリジン-1-イル]プロパン酸(2.7g、39%収率)を固体として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]3649に対する計算値690.4;実測値691.1。
工程5。0℃、N雰囲気下で、メチル(3S)-1,2-ジアジナン-3-カルボキシレート(835mg、5.79mmol)の、DCM(20mL)との混合物に、NMM(2.93g、29.0mmol)、(2S)-2-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-3-[3-[(2M)-3-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)-2-[2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル]-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)インドール-5-イル]ピペリジン-1-イル]プロパン酸(2.00g、2.9mmol)、EDCI(833mg、4.3mmol)、及びHOBT(196mg、1.5mmol)を小分けにして添加した。混合物を室温で時間撹拌した後、HOを添加して混合物をDCMで抽出した(3×10mL)。合わせた有機層をブラインで洗浄し(3×10mL)、無水NaSOで乾燥させて濾過した。濾液を減圧下にて濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、メチル(3S)-1-[(2S)-2-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-3-[3-[(2M)-3-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)-2-[2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル]-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)インドール-5-イル]ピペリジン-1-イル]プロパノイル]-1,2-ジアジナン-3-カルボキシレート(2.0g、72%収率)を固体として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]4259に対する計算値816.4;実測値817.5。
工程6。N雰囲気下で、メチル(3S)-1-[(2S)-2-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-3-[3-[(2M)-3-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)-2-[2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル]-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)インドール-5-イル]ピペリジン-1-イル]プロパノイル]-1,2-ジアジナン-3-カルボキシレート(2.0g、2.5mmol)の、THF(20mL)との混合物に、1MのLiOH(12.24mL、12.24mmol)を添加した。混合物を室温で撹拌した後、1MのHClでpHを約6まで酸性化し、混合物をEtOAcで抽出した(3×10mL)。合わせた有機層をブラインで洗浄し(3×10mL)、無水NaSOで乾燥させて濾過し、濾液を減圧下にて濃縮して、(3S)-1-[(2S)-2-[(tert-ブトキシカルボニルl)アミノ]-3-[3-[(2M)-3-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)-2-[2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル]-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)インドール-5-イル]ピペリジン-1-イル]プロパノイル]-1,2-ジアジナン-3-カルボン酸(1.8g)を固体として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]4157に対する計算値802.4;実測値803.5。
工程7。0℃、N雰囲気下で、(3S)-1-[(2S)-2-[(tert-ブトキシカルボニルl)アミノ]-3-[3-[(2M)-3-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)-2-[2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル]-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)インドール-5-イル]ピペリジン-1-イル]プロパノイル]-1,2-ジアジナン-3-カルボン酸(1.80g、2.2mmol)の、DCM(360mL)との混合物に、DIPEA(8.69g、67.3mmol)、HOBT(1.51g、11.2mmol)、及びEDCI(8.60g、44.8mmol)を小分けして添加した。混合物を室温で時間撹拌し、HOを添加して混合物をDCMで抽出した(3×10mL)。合わせた有機層をブラインで洗浄し(3×10mL)、無水NaSOで乾燥させて濾過した。濾液を減圧下にて濃縮して、残渣を分取TLCにより精製し、tert-ブチル((6S, 4S)-1-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-10,10-ジメチル-5,7-ジオキソ-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(3,1)-ピペリジナシクロウンデカファン-4-イル)カルバメートの、2つのジアステレオマー(160mg、9%収率)及び(140mg、8%収率)を、共に固体として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]4155に対する計算値784.4;実測値785.7。
工程8。0℃、N雰囲気下で、tert-ブチル((6S,4S)-1-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-10,10-ジメチル-5,7-ジオキソ-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(3,1)-ピペリジナシクロウンデカファン-4-イル)カルバメート(170mg、0.21mmol)の、DCM(2mL)との混合物に、TFA(0.6mL)を添加した。混合物を0℃で2時間撹拌した後、NaHCO飽和水溶液でpHを約8まで酸性化し、DCMで抽出した(3×10mL)。合わせた有機層をブラインで洗浄し(3×10mL)、無水NaSOで乾燥させて濾過し、濾液を減圧下にて濃縮して、(2R,6S,4S)-4-アミノ-1-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-10,10-ジメチル-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(3,1)-ピペリジナシクロウンデカファン-5,7-ジオン(160mg)を油として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]3647に対する計算値684.4;実測値685.4。
工程9。0℃、N雰囲気下で、(2R,6S,4S)-4-アミノ-1-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-10,10-ジメチル-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(3,1)-ピペリジナシクロウンデカファン-5,7-ジオン(150mg、0.22mmol)の、DMF(2mL)との混合物に、DIPEA(283mg、2.2mmol)、(2S)-2-[(4aR,7aS)-4-(tert-ブトキシカルボニル)-ヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-6-カルボニル(メチル)アミノ]-3-メチルブタン酸(127mg、0.33mmol)、及びHATU(100mg、0.26mmol)を小分けして添加した。混合物を室温まで温めて2時間撹拌した後、HOを添加して、混合物をEtOAcで抽出した(3×10mL)。合わせた有機層をブラインで洗浄し(3×10mL)、無水NaSOで乾燥させて濾過した。濾液を減圧下にて濃縮して、残渣を分取TLCにより精製し、tert-ブチル(4aR,7aS)-6-(((2S)-1-(((2R,6S,4S)-1-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-10,10-ジメチル-5,7-ジオキソ-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(3,1)-ピペリジナシクロウンデカファン-4-イル)アミノ)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)(メチル)カルバモイル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-4(4aH)-カルボキシレート(150mg、52%収率)を固体として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]5476に対する計算値1051.6;実測値1052.5。
工程10。0℃、N雰囲気下で、tert-ブチル(4aR,7aS)-6-(((2S)-1-(((2R,6S,4S)-1-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-10,10-ジメチル-5,7-ジオキソ-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(3,1)-ピペリジナシクロウンデカファン-4-イル)アミノ)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)(メチル)カルバモイル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-4(4aH)-カルボキシレート(150mg、0.14mmol)の、DCM(2mL)との混合物に、TFA(0.70mL)を添加した。混合物を室温まで温めて2時間撹拌した後、飽和NaHCOでpHを約8まで酸性化して、混合物をDCMで抽出した(3×10mL)。合わせた有機層をブラインで洗浄し(3×10mL)、無水NaSOで乾燥させて濾過し、濾液を減圧下にて濃縮して、(4aR,7aS)-N-((2S)-1-(((2R,6S,4S)-1-(2-((S)-1-メトキシメチル)ピリジン-3-イル)-10,10-ジメチル-5,7-ジオキソ-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)--6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(3,1)-ピペリジナシクロウンデカファン-4-イル)アミノ)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)-N-メチルヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-6(2H)-カルボキサミド(130mg)を油として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]4968に対する計算値951.5;実測値952.6。
工程11。0℃、N雰囲気下で、(4aR,7aS)-N-((2S)-1-(((2R,6S,4S)-1-(2-((S)-1-メトキシメチル)ピリジン-3-イル)-10,10-ジメチル-5,7-ジオキソ-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)--6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(3,1)-ピペリジナシクロウンデカファン-4-イル)アミノ)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)-N-メチルヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-6(2H)-カルボキサミド(120mg、0.13mmol)の、DMF(2mL)との混合物に、DIPEA(163mg、1.2 mmol)、アクリル酸(13.6mg、0.19mmol)、及びHATU(57.5mg、0.15mmol)を小分けして添加した。混合物を室温まで温めて2時間撹拌した後、HOを添加して、混合物をEtOAcで抽出した(3×10mL)。合わせた有機層をブラインで洗浄し(3×10mL)、無水NaSOで乾燥させて濾過した。濾液を減圧下にて濃縮し、残渣を分取HPLCにより精製して、(4aR,7aS)-4-アクリロイル-N-((2S)-1-(((2R,6S,4S)-1-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-10,10-ジメチル-5,7-ジオキソ-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(3,1)-ピペリジナシクロウンデカファン-4-イル)アミノ)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)-N-メチルヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-6(2H)-カルボキサミド(16mg、12%収率)を固体として得た。LCMS(ESI):m/z[M+H]5270に対する計算値1005.5;実測値1006.9;H NMR(300MHz,DMSO-d)δ8.83 (dd, J= 4.7, 1.7Hz, 1H), 7.84(t, J = 7.4 Hz, 2H),7.71 (d, J= 8.5 Hz,1H), 7.60 (dd,J = 7.8, 4.7 Hz, 1H),7.40 (s, 1H),7.24 (d, J= 8.5 Hz,1H), 6.94 -6.79 (m, 1H),6.25 (d, J= 16.7 Hz,1H), 5.87 -5.77 (m, 2H),5.77 (s, 1H),5.59 - 5.42 (m, 1H), 5.34(d, J = 12.0 Hz, 1H),4.83 (s, 2H),4.31 (d, J= 12.9 Hz,1H), 4.22 (d,J = 6.8 Hz, 1H), 4.10- 4.01 (m,2H), 3.93 (d,J = 11.3 Hz, 5H), 3.82- 3.62 (m,4H), 3.67 -3.56 (m, 4H),3.59 - 3.44 (m, 5H), 3.44- 3.31 (m,1H), 3.23 (d,J = 5.7 Hz, 4H), 3.09(s, 1H), 2.88- 2.69 (m,7H), 2.73 -2.59 (m, 3H),2.35 (m, 2H), 2.29 (s,1H), 2.12 (s,4H), 2.06 (s,1H), 1.84 (s,1H), 1.74 -1.56 (m, 4H),1.45 (d, J= 6.1 Hz,3H), 1.35 -1.04 (m, 1H),1.05 - 0.91 (m, 2H), 0.92- 0.63 (m,8H), 0.43 (s,3H).
実施例4。(4aR,7aS)-4-アクリロイル-N-((2S)-1-(((2S,6S,4S)-1-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-10,10-ジメチル-5,7-ジオキソ-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(5,3)-インドーラ- 6(1,3)-ピリダジナ-2(3,1)-ピペリジナシクロウンデカファン-4-イル)アミノ)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)-N-メチルヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-6(2H)-カルボキサミドの合成
工程1。0℃で、tert-ブチル((2S,6S,4S)-1-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-10,10-ジメチル-5,7-ジオキソ-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(3,1)-ピペリジナシクロウンデカファン-4-イル)カルバメート(200mg、0.26mmol)の、DCM(2mL)との混合物に、TFA(0.7mL)を添加した。混合物を0℃で2時間撹拌した後、飽和NaHCOでpHを約8まで酸性化し、DCMで抽出した(3×10mL)。合わせた有機層をブラインで洗浄し(3×10mL)、無水NaSOで乾燥させて濾過し、濾液を減圧下にて濃縮して、(2S,6S,4S)-4-アミノ-1-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-10,10-ジメチル-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(3,1)-ピペリジナシクロウンデカファン-5,7-ジオン(200mg)を油として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]3647に対する計算値684.4;実測値985.4。
工程2。0℃、N雰囲気下で、(2S,6S,4S)-4-アミノ-1-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-10,10-ジメチル-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(3,1)-ピペリジナシクロウンデカファン-5,7-ジオン(200mg、0.29mmol)の、DMF(2mL)との混合物に、DIPEA(378mg、2.9mmol)、(2S)-2-[(4aR,7aS)-4-(tert-ブトキシカルボニル)-ヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-6-カルボニル(メチル)アミノ]-3-メチルブタン酸(169mg、0.44mmol)及びHATU(133mg、0.35mmol)を添加した。混合物を室温まで温めて2時間撹拌した後、HOを添加して、混合物をEtOAcで抽出した(3×10mL)。合わせた有機層をブラインで洗浄し(3×10mL)、無水NaSOで乾燥させて濾過した。tert-ブチル(4aR,7aS)-6-(((2S)-1-(((2S,6S,4S)-1-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-10,10-ジメチル-5,7-ジオキソ-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(3,1)-ピペリジナシクロウンデカファン-4-イル)アミノ)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)(メチル)カルバモイル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-4(4aH)-カルボキシレート(230mg、67%収率)を固体として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]5476に対する計算値1051.6;実測値1052.6。
工程3。0℃、N雰囲気下で、tert-ブチル(4aR,7aS)-6-(((2S)-1-(((2S,6S,4S)-1-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-10,10-ジメチル-5,7-ジオキソ-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(3,1)-ピペリジナシクロウンデカファン-4-イル)アミノ)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)(メチル)カルバモイル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-4(4aH)-カルボキシレート(230mg、0.22mmol)の、DCM(3mL)との混合物に、TFAを添加した。混合物を室温まで温めて2時間撹拌した後、HOを添加して、混合物をDCMで抽出した(3×10mL)。合わせた有機層をブラインで洗浄し(3×10mL)、無水NaSOで乾燥させて濾過し、濾液を減圧下にて濃縮して、(4aR,7aS)-N-((2S)-1-(((2S,6S,4S)-1-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-10,10-ジメチル-5,7-ジオキソ-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(3,1)-ピペリジナシクロウンデカファン-4-イル)アミノ)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)-N-メチルヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-6(2H)-カルボキサミド(220mg)を固体として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]4968に対する計算値951.5;実測値952.5。
工程4。0℃、N雰囲気下で、(4aR,7aS)-N-((2S)-1-(((2S,6S,4S)-1-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-10,10-ジメチル-5,7-ジオキソ-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(3,1)-ピペリジナシクロウンデカファン-4-イル)アミノ)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)-N-メチルヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-6(2H)-カルボキサミド(220mg、0.23mmol)の、ACN(3mL)との混合物に、DIPEA(299mg、2.3mmol)、アクリル酸(25mg、0.35mmol)、及びCIP(77mg、0.28mmol)を添加した。混合物を室温まで温めて1時間撹拌した後、HOを添加して、混合物をDCMで抽出した(3×50mL)。合わせた有機層をブラインで洗浄し(3×10mL)、無水NaSOで乾燥させて濾過した。濾液を減圧下にて濃縮し、粗残渣を分取HPLCにより精製して、(4aR,7aS)-4-アクリロイル-N-((2S)-1-(((2S,6S,4S)-1-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-10,10-ジメチル-5,7-ジオキソ-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(5,3)-インドーラ- 6(1,3)-ピリダジナ-2(3,1)-ピペリジナシクロウンデカファン-4-イル)アミノ)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)-N-メチルヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-6(2H)-カルボキサミド(20mg、8%収率)を固体として得た。LCMS(ESI):m/z[M+H]5270に対する計算値1005.5;実測値1006.9;H NMR(300MHz,DMSO-d)δ8.75 (dd, J= 4.7, 1.8Hz, 1H), 7.77(d, J = 7.9 Hz, 1H),7.67 (t, J= 9.2 Hz,2H), 7.58 -7.48 (m, 2H),7.17 (d, J= 8.6 Hz,1H), 6.86 (dd,J = 17.2, 10.6 Hz, 1H),6.20 (d, J= 16.5 Hz,1H), 5.80 -5.59 (m, 2H),5.48 (s, 1H),5.11 (d, J= 11.7 Hz,1H), 4.73 (d,J = 15.3 Hz, 2H), 4.35(d, J = 12.8 Hz, 1H),4.21 - 4.04 (m, 2H), 3.99- 3.71 (m,6H), 3.67 -3.49 (m, 3H),3.30 - 3.05 (m, 7H), 3.04- 2.91 (m,3H), 2.77 -2.60 (m, 9H),2.09 (d, J= 42.2 Hz,5H), 1.81 (d,J = 28.6 Hz, 2H), 1.64- 1.56 (m,5H), 1.40 (d,J = 6.1 Hz, 3H), 0.95(s, 3H), 0.82(t, J = 6.4 Hz, 6H),0.21 (s, 3H).
実施例5。4-アクリロイル-N-((2S)-1-(((6S,4S,Z)-1-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-10,10-ジメチル-5,7-ジオキソ-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-2(4,2)-オキサゾラ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナシクロウンデカファン-4-イル)アミノ)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)-N-メチル-1-オキサ-4,9-ジアザスピロ[5.5]ウンデカン-9-カルボキサミドの合成
工程1。Ar雰囲気下で、(S)-3-(3-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)-2,2-ジメチルプロピル)-2-(2-(1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インドール(6.3g、8.0mmol)及び4-ヨード-2-(トリイソプロピルシリル)-1,3-オキサゾール(8.46g、24.1mmol)の、1,4-ジオキサン(60mL)及びHO(12mL)との混合物に、KPO(4.26g、20.1mmol)及びPd(dppf)Cl(0.59g、0.80mmol)を添加した。混合物を70℃まで加熱して2時間撹拌した後、減圧下にて濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、(S)-4-(3-(3-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)-2,2-ジメチルプロピル)-2-(2-(1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インドール-5-イル)-2-(トリイソプロピルシリル)オキサゾール(8.84g)を油として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]5166Siに対する計算値881.5;実測値882.5。
工程2。0℃で、(2M)-3-[3-[(tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ]-2,2-ジメチルプロピル]-2-[2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル]-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-5-[2-トリイソプロピルシリル)-1,3-オキサゾール-4-イル]インドール(8.84g、10.0mmol)の、THF(90mL)との混合物に、TBAFのTHF(10.0mL、10.0mmol)溶液(1M)を添加した。混合物を0℃で1時間撹拌した後、飽和NHClで洗浄した(3×100mL)。合わせた水層をEtOAcで抽出し(3×100mL)、合わせた有機層を無水NaSO4で乾燥させて濾過した。濾液を減圧下にて濃縮し、(2M)-3-[3-[(tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ]-2,2-ジメチルプロピル]-2-[2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル]-5-(1,3-オキサゾール-4-イル)-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)インドール(8.4g)を油として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]4246Siに対する計算値725.3;実測値726.4。
工程3。0℃、N雰囲気下で、(2M)-3-[3-[(tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ]-2,2-ジメチルプロピル]-2-[2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル]-5-(1,3-オキサゾール-4-イル)-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)インドール(4.5g、6.2mmol)の、THF(45mL)との混合物に、1MのTMPMgCl・LiCl(12.2mL、12.2mmol)を滴加した。混合物を室温まで温めて1時間撹拌した後、I(1.89g、7.4mmol)の、THF(10mL)との混合物を滴加した。混合物を室温で1時間撹拌した後、0℃まで再冷却して飽和NHClを添加し、混合物をEtOAcで抽出した(3×10mL)。合わせた有機層をブラインで洗浄し(2×10mL)、無水NaSOで乾燥させて濾過した。濾液を減圧下にて濃縮して、残渣を分取TLCにより精製し、(S)-4-(3-(3-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)-2,2-ジメチルプロピル)-2-(2-(1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インドール-5-イル)-2-ヨードオキサゾール(3.0g、57%収率)を固体として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]4245INSiに対する計算値851.2;実測値852.3。
工程4。Ar雰囲気下で、Zn(645mg、9.9mmol)の、DMF(10mL)との混合物にI(125mg、0.49mmol)を添加した。混合物を45℃まで加熱して30分間撹拌した後、メチル(2R)-2-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-3-ヨードプロパノエート(1.22g、3.7mmol)のDMF(5mL)溶液を、45℃で滴加した。混合物を45℃で2時間撹拌した後、0℃まで冷却し、(S)-4-(3-(3-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)-2,2-ジメチルプロピル)-2-(2-(1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インドール-5-イル)-2-ヨードオキサゾール(2.1g、2.5mmol)、次いで、Pd(PPhCl(173mg、0.25mmol)のDMF(20mL)溶液を滴加した。混合物を75℃まで加熱して2時間撹拌した後、ブライン(20mL)を添加し、混合物をEtOAcで抽出した(3×50mL)。合わせた有機層をブラインで洗浄し(3×10mL)、無水NaSOで乾燥させて濾過した。濾液を減圧下にて濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、メチル(S)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-(4-(3-(3-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)-2,2-ジメチルプロピル)-2-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インドール-5-イル)オキサゾール-2-イル)プロパノエート(1.6g、70%収率)を油として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]5161Siに対する計算値926.4;実測値927.5。
工程5。0℃で、(S)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-(4-(3-(3-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)-2,2-ジメチルプロピル)-2-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インドール-5-イル)オキサゾール-2-イル)プロパノエート(2.4g、2.6mmol)の、DCM(1.8mL)との混合物に、TFA(0.6mL)を添加した。混合物を0℃で1時間撹拌した後、飽和NaHCOを添加し、混合物をDCM/MeOHで抽出した(10:1、3×50mL)。合わせた有機層をブラインで洗浄し(3×20mL)、無水NaSOで乾燥させて濾過し、濾液を減圧下にて濃縮して、メチル(S)-2-アミノ-3-(4-(3-(3-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)-2,2-ジメチルプロピル)-2-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インドール-5-イル)オキサゾール-2-イル)プロパノエート(2.1g、98%収率)を固体として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]4653Siに対する計算値826.4;実測値827.5。
工程6。0℃で、(S)-2-アミノ-3-(4-(3-(3-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)-2,2-ジメチルプロピル)-2-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インドール-5-イル)オキサゾール-2-イル)プロパノエート(2.1g、2.5mmol)の、THF(15mL)及びHO(5mL)との混合物に、NaHCO(0.64g、7.6mmol)及びベンジル(2,5-ジオキソピロリジン-1イル)カーボネート(0.95g、3.8mmol)を添加した。混合物を0℃で1時間撹拌した後、EtOAc(20mL)を添加し、混合物をブラインで洗浄した(3×10mL)。有機層を減圧下にて濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、メチル(S)-2-(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)-3-(4-(3-(3-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)-2,2-ジメチルプロピル)-2-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インドール-5-イル)オキサゾール-2-イル)プロパノエート(2.2g、90%収率)を固体として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]5459Siに対する計算値960.4;実測値961.4。
工程7。0℃で、メチル(S)-2-(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)-3-(4-(3-(3-((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)-2,2-ジメチルプロピル)-2-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インドール-5-イル)オキサゾール-2-イル)プロパノエート(2.2g、2.3mmol)の、ACN(11mL)との混合物に、HF-ピリジン(11mL、122mmol)を添加した。混合物を室温まで温めて1時間撹拌した後、飽和NaHCOでpHを約7まで塩基性化した。水層と有機層を分配し、有機層を減圧下にて濃縮して、メチル(S)-2-(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)-3-(4-(3-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)-2-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インドール-5-イル)オキサゾール-2-イル)プロパノエート(1.7g)を固体として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]3841に対する計算値722.3;実測値723.3。
工程8。0℃で、メチル(S)-2-(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)-3-(4-(3-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)-2-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インドール-5-イル)オキサゾール-2-イル)プロパノエート(1.7g、2.4mmol)の、THF(1.2mL)及びHO(0.4mL)との混合物に、LiOH(0.08g、3.5mmol)を添加した。混合物を0℃で一晩撹拌した後、塩酸でpHを約4まで酸性化した。混合物をDCM/MeOHで抽出した(10:1、3×20mL)。合わせた有機層を無水NaSOで乾燥させて濾過し、濾液を減圧下にて濃縮して、(2S)-2-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-3-{4-[(2M)-3-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)-2-{2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル}-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)インドール-5-イル]-1,3-オキサゾール-2-イル}プロパン酸(1.5g、90%収率)を油として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]3739に対する計算値708.3;実測値709.3。
工程9。(2S)-2-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-3-{4-[(2M)-3-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)-2-{2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル}-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)インドール-5-イル]-1,3-オキサゾール-2-イル}プロパン酸(1.5g、2.1mmol)の、DCM(15mL)及び(Z)-N,N’-ジイソプロピルtert-ブトキシメタンイミドアミド(2.12mL、10.6mmol)との混合物に。混合物を40℃まで加熱して3時間撹拌した後、減圧下にて濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、tert-ブチル(S)-2-(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)-3-(4-(3-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)-2-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インドール-5-イル)オキサゾール-2-イル)プロパノエート(1.6g、99%収率)を固体として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]4147に対する計算値764.3;実測値765.3。
工程10。0℃で、tert-ブチル(S)-2-(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)-3-(4-(3-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)-2-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インドール-5-イル)オキサゾール-2-イル)プロパノエート(1.8g、2.4mmol)の、DCM(16mL)との混合物に、(3S)-1,2-ビス(tert-ブトキシカルボニル)-1,2-ジアジナン-3-カルボン酸(1.04g、3.1mmol)及びDCC(0.65g、3.1mmol)を添加した。混合物を0℃で1時間撹拌した後、減圧下にて濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、3-(3-(5-(2-((S)-2-(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)-3-(tert-ブトキシ)-3-オキソプロピル)オキサゾール-4-イル)-2-(2-((S)-1-テトラヒドロピリダジン)ピリジン-3-イル)-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インドール-3-イル)-2,2-ジメチルプロピル)1,2-ジ-tert-ブチル(S)-テトラヒドロピリダジン-1,2,3-トリカルボキシレート(1.8g、80%収率)を固体として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]567112に対する計算値1076.5;実測値1077.4。
工程11。0℃で、3-(3-(5-(2-((S)-2-(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)-3-(tert-ブトキシ)-3-オキソプロピル)オキサゾール-4-イル)-2-(2-((S)-1-テトラヒドロピリダジン)ピリジン-3-イル)-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インドール-3-イル)-2,2-ジメチルプロピル)1,2-ジ-tert-ブチル(S)-テトラヒドロピリダジン-1,2,3-トリカルボキシレート(1.8g、1.7mmol)の、DCM(15mL)との混合物に、TFA(5mL)を添加した。混合物を0℃で1時間撹拌した後、飽和NaHCOを添加し、混合物をEtOAcで抽出した(3×100mL)。合わせた有機層をブラインで洗浄し(3×10mL)、無水NaSOで乾燥させて濾過し、濾液を減圧下にて濃縮して、(S)-2-(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)-3-(4-(3-(3-(((S)-ヘキサヒドロピラジン-3-カルボニル)オキシ)-2,2-ジメチルプロピル)-2-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インドール-5-イル)オキサゾール-2-イル)プロパン酸(1.27g、93%収率)を固体として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]4247に対する計算値820.3;実測値821.4。
工程12。0℃で、(S)-2-(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)-3-(4-(3-(3-(((S)-ヘキサヒドロピラジン-3-カルボニル)オキシ)-2,2-ジメチルプロピル)-2-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インドール-5-イル)オキサゾール-2-イル)プロパン酸(870mg、1.1mmol)及びDIPEA(4.1g、31.8mmol)の、DCM(175mL)との混合物に、HOBt(1.15g、8.5mmol)及びEDCI(8.13g、42.4mmol)を小分けにして、15分にわたり添加した。混合物を室温まで温めて一晩撹拌した後、減圧下にて濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、ベンジル((6S,4S,Z)-1-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-10,10-ジメチル-5,7-ジオキソ-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-2(4,2)-オキサゾラ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナシクロウンデカファン-4-イル)カルバメート(180mg、21%収率)を固体として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]4245に対する計算値802.3;実測値803.4。
工程13。ベンジル((6S,4S,Z)-1-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-10,10-ジメチル-5,7-ジオキソ-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-2(4,2)-オキサゾラ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナシクロウンデカファン-4-イル)カルバメート(150mg、0.19mmol)及び10% Pd/C(0.1g)の、THF(2mL)との混合物を、35℃、H雰囲気下(バルーン)で1時間、撹拌した。混合物をセライトパッドに通して濾過し、濾液を減圧下にて濃縮して、(6S,4S,Z)-4-アミノ-1-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-10,10-ジメチル-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-2(4,2)-オキサゾラ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナシクロウンデカファン-5,7-ジオン(112g、90%収率)を固体として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]3439に対する計算値668.3;実測値669.3。
工程14。0℃で、(6S,4S,Z)-4-アミノ-2-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-10,10-ジメチル-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-2(4,2)-オキサゾラ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナシクロウンデカファン-5,7-ジオン(91mg、0.14mmol)の、ACN(1mL)との混合物に、DIPEA(352mg、2.7mmol)、及び(2S)-3-メチル-2-[メチル(4-(プロパ-2-エノイル)-1-オキサ-4,9-ジアザスピロ[5.5]ウンデカン-9-カルボニル)アミノ]ブタン酸(75mg、0.20mmol)、及び2-クロロ-1,3-ジメチル-4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾール-3-イウム;ヘキサフルオロホスフェート(V)(46mg、0.16mmol)を添加した。濾混合物を0℃で1時間撹拌した後、減圧下にて濃縮し、残渣を分取HPLCにより精製して、4-アクリロイル-N-((2S)-1-(((6S,4S,Z)-1-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-10,10-ジメチル-5,7-ジオキソ-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-2(4,2)-オキサゾラ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナシクロウンデカファン-4-イル)アミノ)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)-N-メチル-1-オキサ-4,9-ジアザスピロ[5.5]ウンデカン-9-カルボキサミド(29.6mg、21%収率)を固体として得た。LCMS(ESI):m/z[M+H]5266に対する計算値1017.5;実測値1018.7;H NMR(400MHz,DMSO-d)δ8.77 (dd, J= 4.7, 1.8Hz, 1H), 8.45- 8.21 (m,3H), 7.94 -7.70 (m, 2H),7.63 (d, J= 7.6 Hz,1H), 7.54 (m,1H), 6.84 (t,J = 13.8 Hz, 1H), 6.16(d, J = 16.5 Hz, 1H),5.70 (d, J= 10.5 Hz,1H), 5.62 -5.50 (m, 2H),5.08 (d, J= 11.9 Hz,1H), 4.94 -4.75 (m, 1H),4.35 (td, J= 12.1, 3.2Hz, 1H), 4.34- 4.15 (m,2H), 3.94 -3.80 (m, 1H),3.65 (d, J= 5.0 Hz,2H), 3.57 -3.48 (m,6H), 3.28(s, 4H), 3.19- 2.93 (m,4H), 2.93 -2.62 (m, 5H),2.40 (d, J= 14.4 Hz,1H), 2.20 -2.04 (m, 2H),1.86 - 1.57 (m,5H), 1.58 -1.40 (m, 2H),1.37 (d, J= 6.1 Hz,3H), 0.98 -0.77 (m, 9H),0.28 (s, 3H).
実施例6。4-アクリロイル-N-((2S)-1-(((6S,4S)-1-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-10,10-ジメチル-5,7-ジオキソ-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(3,1)-アゼチジナシクロウンデカファン-4-イル)アミノ)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)-N-メチル-1-オキサ-4,9-ジアザスピロ[5.5]ウンデカン-9-ルボキサミドの合成
工程1。撹拌棒を取り付けた40mLのバイアル瓶に、光触媒Ir[dF(CF)ppy](dtbbpy)PF(62mg、0.055mmol)、メチル4-ブロモベンゾエート(1.5g、2.8mmol)、4-ブロモテトラヒドロピラン(981mg、4.2mmol)、トリス(トリメチルシリル)シラン(689mg、2.8mmol)、及び無水炭酸ナトリウム(587mg、5.54mmol)を添加した。バイアル瓶を封止して、N雰囲気下に置いた後、DME(15mL)を添加した。別個のバイアル瓶に、NiCl・グライム(6.1mg、0.028mmol)及び4,4’-ジ-tert-ブチル-2,2’-ビピリジン(7.4mg、0.028mmol)を添加した。触媒バイアル瓶を封止し、NでパージしてDME(2mL)を添加した後、本混合物を5分間超音波処理し、その後、混合物を光触媒に添加した。混合物をNで10分間脱気した後、混合物を封止し、34W青色LEDランプの照射をしながら撹拌した(7cm離れた所から、冷却ファンにより反応温度を室温に維持しながら)。混合物を室温で6時間撹拌した後、HOを添加して混合物をEtOAcで抽出した(3×30mL)。合わせた有機層をブラインで洗浄し(30mL)、無水NaSOで乾燥させて濾過した。濾液を減圧下にて濃縮し、粗残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、tert-ブチル3-[(2M)-3-[3-(アセチルオキシ)-2,2-ジメチルプロピル]-2-{2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル}-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)インドール-5-イル]アゼチジン-1-カルボキシレート(700mg、41%収率)を固体として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]3342に対する計算値617.3;実測値618.4。
工程2。0℃で、tert-ブチル3-[(2M)-3-[3-(アセチルオキシ)-2,2-ジメチルプロピル]-2-{2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル}-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)インドール-5-イル]アゼチジン-1-カルボキシレート(800mg、1.3mmol)の、DCM(8mL)との混合物に、TFA(2.95g、25.9mmol)を添加した。混合物を室温まで温めて2時間撹拌した後、減圧下にて濃縮し、残渣を飽和NaHCOで、pHを約8まで塩基性化し、EtOAcで抽出した(3×30mL)。合わせた有機層をブラインで洗浄し(30mL)、無水NaSOで乾燥させて濾過し、濾液を減圧下にて濃縮して、3-[(2M)-5-(アゼチジン-3-イル)-2-{2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル}-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)インドール-3-イル]-2,2-ジメチルプロピルアセテート(650mg、97%)を固体として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]2834に対する計算値517.3;実測値518.3。
工程3。3-[(2M)-5-(アゼチジン-3-イル)-2-{2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル}-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)インドール-3-イル]-2,2-ジメチルプロピルアセテート(900mg、1.7mmol)の、DMF(9mL)との混合物に、tert-ブチルN-[(3S)-2-オキソオキセタン-3-イル]カルバメート(488mg、2.6mmol)及びCsCO(567mg、1.7mmol)を添加した。混合物を40℃まで加熱して2時間撹拌した後、HOを添加し、混合物をEtOAcで抽出した(3×30mL)。合わせた有機層をブラインで洗浄し(30mL)、無水Na2SO4で乾燥させて濾過した。濾過後、濾液を減圧下にて濃縮した。濾液を減圧下にて濃縮し、粗残渣を分取HPLCにより精製して、(2S)-3-{3-[(2M)-3-[3-(アセチルオキシ)-2,2-ジメチルプロピル]-2-{2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル}-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)インドール-5-イル]アゼチジン-1-イル}-2-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]プロパン酸(400mg、33%収率)を固体として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]3647に対する計算値704.3;実測値705.4。
工程4。0℃で、(2S)-3-{3-[(2M)-3-[3-(アセチルオキシ)-2,2-ジメチルプロピル]-2-{2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル}-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)インドール-5-イル]アゼチジン-1-イル}-2-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]プロパン酸(400mg、0.57mmol)の、THF(2.8mL)との混合物に、1MのLiOH(2.84mL、2.84mmol)を添加した。混合物を0℃で2時間撹拌した後、DCM(30mL)で希釈した。有機層をHOで洗浄し(3×30mL)、合わせた水層を、1MのHClでpHを約5まで酸性化した後、EtOAcで抽出した(3×40mL)。合わせた有機層をブラインで洗浄し(40mL)、無水NaSOで乾燥させて濾過し、濾液を減圧下にて濃縮して、(2S)-2-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-3-{3-[(2M)-3-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)-2-{2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル}-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)インドール-5-イル]アゼチジン-1-イル}プロパン酸(300mg、80%)を固体として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]3445に対する計算値662.3;実測値663.4。
工程5。0℃で、(2S)-2-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-3-{3-[(2M)-3-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)-2-{2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル}-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)インドール-5-イル]アゼチジン-1-イル}プロパン酸(300mg、0.45mmol)の、DCM(3mL)との混合物に、DIPEA(351mg、2.7mmol)、メチル(3S)-1,2-ジアジナン-3-カルボキシレート(131mg、0.91mmol)、及びHATU(258mg、0.68mmol)を添加した。混合物を0℃で3時間撹拌した後、HOを添加して混合物をDCMで抽出した(3×30mL)。合わせた有機層を無水NaSOで乾燥させて濾過し、濾液を減圧下にて濃縮し、粗残渣を分取TLCにより精製して、メチル(3S)-1-[(2S)-2-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-3-{3-[(2M)-3-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)-2-{2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル}-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)インドール-5-イル]アゼチジン-1-イル}プロパノイル]-1,2-ジアジナン-3-カルボキシレート(290mg、81%)を固体として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]4055に対する計算値788.4;実測値789.5。
工程6。0℃で、メチル(3S)-1-[(2S)-2-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-3-{3-[(2M)-3-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)-2-{2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル}-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)インドール-5-イル]アゼチジン-1-イル}プロパノイル]-1,2-ジアジナン-3-カルボキシレート(290mg、0.37mmol)の、THF(1.8mL)との混合物に、1MのLiOH(1.84mL、1.84mmol)を添加した。混合物を0℃で1時間撹拌した後、DCM(20mL)を添加し、混合物をHOで洗浄した(3×30mL)。合わせた水層を、1MのHClでpHを約5まで酸性化し、混合物をEtOAcで抽出した(3×60mL)。合わせた有機層を無水NaSOで乾燥させて濾過し、濾液を減圧下にて濃縮して、(3S)-1-[(2S)-2-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-3-{3-[(2M)-3-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)-2-{2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル}-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)インドール-5-イル]アゼチジン-1-イル}プロパノイル]-1,2-ジアジナン-3-カルボン酸(230mg、81%収率)を固体として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]3953に対する計算値774.4;実測値775.5。
工程7。(3S)-1-[(2S)-2-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-3-{3-[(2M)-3-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)-2-{2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル}-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)インドール-5-イル]アゼチジン-1-イル}プロパノイル]-1,2-ジアジナン-3-カルボン酸(280mg、0.36mmol)の、DCM(56mL)との混合物に、DIPEA(1.4g、10.8mmol)、HOBT(293mg、2.2mmol)、及びEDCI(2.1g、10.8mmol)を添加した。混合物を30℃まで温めて一晩撹拌し、HOを添加して、混合物をDCMで抽出した(3×50mL)。合わせた有機層を無水NaSOで乾燥させて濾過し、濾液を減圧下にて濃縮し、残渣を分取TLCにより精製して、tert-ブチル((63S,4S)-1-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-10,10-ジメチル-5,7-ジオキソ-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(3,1)-アゼチジナシクロウンデカファン-4-イル)カルバメート(100mg、37%収率)を固体として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]3951に対する計算値756.4;実測値757.4。
工程8。混合物を0℃で4時間撹拌した後、減圧下にて濃縮し、(6S,4S)-4-アミノ-1-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-10,10-ジメチル-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(3,1)-アゼチジナシクロウンデカファン-5,7-ジオン(80mg、92%収率)を固体として得た。混合物を0℃で4時間撹拌した後、減圧下にて濃縮し、(6S,4S)-4-アミノ-1-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-10,10-ジメチル-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(3,1)-アゼチジナシクロウンデカファン-5,7-ジオン(80mg、92%収率)を固体として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]3443に対する計算値656.3;実測値657.5。
工程9。0℃で、(6S,4S)-4-アミノ-1-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-10,10-ジメチル-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(3,1)-アゼチジナシクロウンデカファン-5,7-ジオン(90mg、0.14mmol)の、DMF(2mL)との混合物に、DIPEA(106mg、0.82mmol)、(2S)-3-メチル-2-[メチル(4-(プロパ-2-エノイル)-1-オキサ-4,9-ジアザスピロ[5.5]ウンデカン-9-カルボニル)アミノ]ブタン酸(76mg、0.21mmol)、及びCOMU(88mg、0.21mmol)を添加した。混合物を0℃で1時間撹拌した後、HOを添加して混合物をEtOAcで抽出した(3×20mL)。合わせた有機層をブラインで洗浄し(20mL)、無水NaSOで乾燥させて濾過した。濾液を減圧下にて濃縮し、残渣を分取HPLCにより精製して、4-アクリロイル-N-((2S)-1-(((6S,4S)-1-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-10,10-ジメチル-5,7-ジオキソ-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(3,1)-アゼチジナシクロウンデカファン-4-イル)アミノ)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)-N-メチル-1-オキサ-4,9-ジアザスピロ[5.5]ウンデカン-9-カルボキサミド(37mg、27%収率)を固体として得た。LCMS(ESI):m/z[M+H]5270に対する計算値1005.5;実測値1006.8;H NMR(400MHz,DMSO-d)δ8.73 (dd, J= 4.7, 1.8Hz, 1H), 7.80(s, 1H), 7.71- 7.69(m, 2H), 7.58- 7.46 (m,2H), 7.10 (d,J = 8.4 Hz, 1H), 6.86- 6.71 (m,1H), 6.11 (dd,J = 16.3, 9.7 Hz, 1H),5.65 (t, J= 8.3 Hz,1H), 5.46 (dq,J = 17.2, 8.8 Hz, 1H),5.29 - 5.15 (m, 2H), 4.87- 4.74 (m,1H), 4.23 (d,J = 12.3 Hz, 1H), 4.11(q, J = 6.0 Hz, 1H),4.07 - 3.97 (m, 1H), 3.86- 3.71 (m,2H), 3.61 -3.47 (m, 12H),3.23 (m, 5H),3.07 - 2.87 (m, 5H), 2.78(s, 3H), 2.76- 2.66 (m,1H), 2.32 (d,J = 14.4 Hz, 1H), 2.18- 2.05 (m,1H), 2.04 -1.94 (m, 1H),1.78 (d, J= 10.0 Hz,1H), 1.71 (d,J = 13.3 Hz, 1H), 1.58(dd, J = 16.6, 6.9 Hz,4H), 1.48 -1.38 (m, 1H),1.32 (d, J= 6.0 Hz,3H), 0.88 -0.75 (m, 9H),0.24 (s, 3H).
実施例7。(2R)-3-アクリロイル-N-((2S)-1-(((6S,4S)-1-エチル-1-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリミジン-3-イル)-10,10-ジメチル-5,7-ジオキソ-2,2,2,2,6,6,6,6,6,6-デカヒドロ-1H-8-オキサ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(5,1)-ピリジナシクロデカファン-4-イル)アミノ)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)-N,2-ジメチル-1-オキサ-3,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-8-カルボキサミドの合成
工程1。メチルN-((R)-3-アクリロイル-2-メチル-1-オキサ-3,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-8-カルボニル)-N-メチル-L-バリネート(430mg、1.127mmol、1.00当量)の、THF(4mL)及びHO(4mL)との混合物に、NaOH(225mg、5.6mmol)を添加した。混合物を室温で16時間、室温で撹拌した後、1MのHClでpHを約5まで酸性化し、混合物をEtOAcで抽出した(4×10mL)。合わせた有機層をブラインで洗浄し(3mL)、無水NaSOで乾燥させて濾過し、濾液を減圧下にて濃縮して、N-((R)-3-アクリロイル-2-メチル-1-オキサ-3,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-8-カルボニル)-N-メチル-L-バリン(300mg)を固体として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]1829に対する計算値365.2;実測値368.3。
工程2。0℃で、tert-ブチル((6S,4S)-1-エチル-1-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-10,10-ジメチル-5,7-ジオキソ-2,2,2,2,6,6,6,6,6,6-デカヒドロ-1H-8-オキサ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(5,1)-ピリジナシクロデカファン-4-イル)カルバメート(1.0g、1.4mmol)の、DCM(10mL)との混合物に、HClの1,4-ジオキサン(5mL)溶液を添加した。混合物を0℃で2時間撹拌した後、減圧下にて濃縮し、(6S,4S)-4-アミノ-1-エチル-1-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-10,10-ジメチル-2,2,2,2,6,6,6,6,6,6-デカヒドロ-1H-8-オキサ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(5,1)-ピリジナシクロデカファン-5,7-ジオンHCl(1.0g)を固体として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]3648に対する計算値628.1;実測値629.6。
工程3。0℃で、(6S,4S)-4-アミノ-1-エチル-1-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-10,10-ジメチル-2,2,2,2,6,6,6,6,6,6-デカヒドロ-1H-8-オキサ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(5,1)-ピリジナシクロデカファン-5,7-ジオンHCl(460mg、0.73mmol)及びN-((R)-3-アクリロイル-2-メチル-1-オキサ-3,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-8-カルボニル)-N-メチル-L-バリン(269mg、0.73mmol)の、DMF(5mL)との混合物に、DIPEA(2.84g、22.0mmol)及びCOMU(282mg、0.66mmol)を添加した。混合物を0℃で1時間撹拌した後、HOを添加して混合物をEtOAcで抽出した(5×10mL)。合わせた有機層をブラインで洗浄し(3×6mL)、無水NaSOで乾燥させて濾過した。濾液を減圧下にて濃縮し、残渣を分取HPLCにより精製して、(2R)-3-アクリロイル-N-((2S)-1-(((6S,4S)-1-エチル-1-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリミジン-3-イル)-10,10-ジメチル-5,7-ジオキソ-2,2,2,2,6,6,6,6,6,6-デカヒドロ-1H-8-オキサ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(5,1)-ピリジナシクロデカファン-4-イル)アミノ)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)-N,2-ジメチル-1-オキサ-3,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-8-カルボキサミド(50mg、7%収率)を固体として得た。LCMS(ESI):m/z[M+H]5475に対する計算値977.6;実測値978.6;H NMR(400MHz,DMSO-d)δ8.83-8.67 (m, 1H), 7.89(dd, J = 18.7, 8.2 Hz,2H), 7.62 -7.33 (m, 4H),6.57 (dd, J= 16.7, 10.3Hz, 1H), 6.38- 6.11 (m,2H), 5.75 (d,J = 9.8 Hz, 2H), 5.61(d, J = 11.8 Hz, 1H),5.35 (d, J= 5.5 Hz,1H), 4.30 (d,J = 12.7 Hz, 1H), 4.16(q, J = 6.2 Hz, 1H),4.04 (s, 2H),3.92 - 3.68 (m, 4H), 3.63(s, 2H), 3.18(d, J = 61.5 Hz, 6H),2.95 (d, J= 33.8 Hz,5H), 2.78 (t,J = 11.8 Hz, 1H), 2.64(d, J = 24.7 Hz, 7H),2.42 - 1.83 (m, 7H), 1.89- 1.45 (m,7H), 1.40 (dd,J = 11.9, 5.7 Hz, 6H),1.10 (t, J= 7.0 Hz,3H), 0.94 -0.64 (m, 9H),0.52 (s, 3H).
実施例8。3-アクリロイル-N-((2S)-1-(((2S,6S,4S)-1-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-10,10-ジメチル-5,7-ジオキソ-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(3,1)-ピロリジナシクロウンデカファン-4-イル)アミノ)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)-N-メチル-1-オキサ-3,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-8-カルボキサミドの合成
工程1。Ar雰囲気下で、(S)-3-(5-ブロモ-2-(2-(1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インドール-3-イル)-2,2-ジメチルプロピルアセテート(10g、18.5mmol)及びtert-ブチル3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-カルボキシレート(8.18g、27.7mmol)の、ジオキサン(100mL)及びHO(20mL)との混合物に、Pd(dtbpf)Cl(1.20g、1.85mmol)及びKPO(9.80g、46.2mmol)を添加した。混合物を85℃まで加熱して1時間撹拌した後、EtOAcで抽出した(10mL)。合わせた有機層をブラインで洗浄し(8×5mL)、無水NaSOで乾燥させて濾過した。濾液を減圧下にて濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、tert-ブチル(S)-3-(3-(3-アセトキシ-2,2-ジメチルプロピル)-2-(2-(1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インドール-5-イル)-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-カルボキシレート(13g、89%収率)を油として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]3442に対する計算値629.3;実測値630.4。
工程2。tert-ブチル(S)-3-(3-(3-アセトキシ-2,2-ジメチルプロピル)-2-(2-(1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インドール-5-イル)-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-カルボキシレート(10.75g、17.1mmol)及びPd(OH)/C(3.2g、22.8mmol)の、MeOH(100mL)との混合物を、40℃、及び、Hの大気圧下で2時間撹拌した。混合物を濾過して濾塊をDCMで洗浄した(10×10mL)。濾液を減圧下にて濃縮し、残渣を分取HPLCにより精製して、tert-ブチル3-(3-(3-アセトキシ-2,2-ジメチルプロピル)-2-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インドール-5-イル)ピロリジン-1-カルボキシレート(6.4g、56%収率)を油として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]3444に対する計算値631.3;実測値632.4。
工程3。tert-ブチル3-(3-(3-アセトキシ-2,2-ジメチルプロピル)-2-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インドール-5-イル)ピロリジン-1-カルボキシレート(7.0g、11.1mmol)の、ジオキサン(70mL)との混合物に、HClの1,4-ジオキサン(17.5mL)溶液を添加した。混合物を室温で1時間撹拌した後、減圧下にて濃縮し、3-(2-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-5-(ピロリジン-3-イル)-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インドール-3-イル)-2,2-ジメチルプロピルアセテート(7.6g)を油として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]2936に対する計算値531.3;実測値532.5。
工程4。3-(2-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-5-(ピロリジン-3-イル)-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インドール-3-イル)-2,2-ジメチルプロピルアセテート(7.7g、14.5mmol)の、ACN(80mL)との混合物に、tert-ブチル(S)-(2-オキソオキセタン-3-イル)カルバメート(4.07g、21.7mmol)及びCsCO(11.80g、36.2mmol)を添加した。混合物を40℃まで加熱して2時間撹拌した後、濃HClでpHを約7まで酸性化し、混合物をEtOAc(500mL)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し(3×100mL)、無水NaSOで乾燥させて濾過した。濾液を減圧下にて濃縮し、残渣を分取HPLCにより精製して、(2S)-3-(3-(3-(3-アセトキシ-2,2-ジメチルプロピル)-2-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インドール-5-イル)ピロリジン-1-イル)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロパン酸(2.3g、19%収率)を油として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]3749に対する計算値718.4;実測値719.5。
工程5。0℃、N雰囲気下で、メチル(S)-ヘキサヒドロピリダジン-3-カルボキシレート(0.69g、4.8mmol)、DIPEA(16.54g、128mmol)、及び(2S)-3-(3-(3-(3-アセトキシ-2,2-ジメチルプロピル)-2-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インドール-5-イル)ピロリジン-1-イル)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロパン酸(2.3g、3.2mmol)の、DCM(60mL)との混合物に、HATU(1.46g、3.84mmol)を小分けにして添加した。得られた混合物を室温まで温めて1時間撹拌し、HOを添加して混合物をEtOAcで抽出した(200mL)。合わせた有機層をブラインで洗浄し(3×400mL)、無水NaSOで乾燥させて濾過した。濾液を減圧下にて濃縮し、残渣を分取HPLCにより精製して、メチル(3S)-1-((2S)-3-(3-(3-(3-アセトキシ-2,2-ジメチルプロピル)-2-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-yl)-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インドール-5-イル)ピロリジン-1-イル)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロパノイル)ヘキサヒドロピリダジン-3-カルボキシレート(2g、70%収率)を油として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]4359に対する計算値844.4;実測値845.6。
メチル(3S)-1-((2S)-3-(3-(3-(3-アセトキシ-2,2-ジメチルプロピル)-2-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-yl)-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インドール-5-イル)ピロリジン-1-イル)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロパノイル)ヘキサヒドロピリダジン-3-カルボキシレート(2.0g、2.4mmol)及びLiOH(0.28g、11.8mmol)の、HO(10mL)及びMeOH(20mL)との混合物を、室温で撹拌した。混合物を塩酸で、pHを約6まで酸性化して、混合物をDCMで抽出した(4mL)。合わせた有機層をブラインで洗浄し(6×4mL)、無水NaSOで乾燥させて濾過し、濾液を減圧下にて濃縮して、(3S)-1-((2S)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-(3-(3-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)-2-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インドール-5-イル)ピロリジン-1-イル)プロパノイル)ヘキサヒドロピリダジン-3-カルボン酸(1.9g)を油として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]4055に対する計算値788.4;実測値789.4。
工程7。N雰囲気下で、(3S)-1-((2S)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-(3-(3-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)-2-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インドール-5-イル)ピロリジン-1-イル)プロパノイル)ヘキサヒドロピリダジン-3-カルボン酸(1.87g、2.4mmol)の、DCM(340mL)との混合物に、DIPEA(9.19g、71.1mmol)、HOBt(1.60g、11.9mmol)、及びEDCI(9.09g、47.4mmol)を添加した。混合物を室温で一晩撹拌した後、HOを添加して、混合物をDCMで抽出した(2×mL)。合わせた有機層をブラインで洗浄し(3×3mL)、無水NaSOで乾燥させて濾過した。濾液を減圧下にて濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、tert-ブチル((6S,4S)-12-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-10,10-ジメチル-5,7-ジオキソ-1-(2,2,2-トリフルオロエチル-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(3,1)-ピロリジナシクロウンデカファン-4-イル)カルバメート(410mg、21%収率)を固体として得た。
工程8。ジアステレオマーを、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて分離し、対応する各異性体を得た。
異性体1のデータ(1:1石油エーテル/EtOAcにてR=0.4):LCMS(ESI):m/z[M+H]4053に対する計算値770.4;実測値771.4。
異性体2のデータ(1:1石油エーテル/EtOAcにてR=0.7):LCMS(ESI):m/z[M+H]4053に対する計算値770.4;実測値771.4。
工程9。0℃で、tert-ブチル((6S,4S)-12-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-10,10-ジメチル-5,7-ジオキソ-1-(2,2,2-トリフルオロエチル-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(3,1)-ピロリジナシクロウンデカファン-4-イル)カルバメート(410mg、0.53mmol)の、DCM(5mL)との混合物に、TFA(1.7mL、22.9mmol)を添加した。混合物を室温まで温めて1時間撹拌した後、飽和NaHCOでpHを約6まで塩基性化し、混合物をEtOAcで抽出した(6×3mL)。合わせた有機層をブラインで洗浄し(5×3mL)、無水NaSOで乾燥させて濾過し、濾液を減圧下にて濃縮して、(2S,6S,4S)-4-アミノ-12-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-10,10-ジメチル-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(3,1)-ピロリジナシクロウンデカファン-5,7-ジオン(390mg)を固体として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]3545に対する計算値670.4;実測値671.7。
工程10。0℃、N雰囲気下で、(2S,6S,4S)-4-アミノ-12-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-10,10-ジメチル-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(3,1)-ピロリジナシクロウンデカファン-5,7-ジオン(270mg、0.4mmol)及びDIPEA(2.1g、16.1mmol)の、DCM(3mL)との混合物に、(2S)-3-メチル-2-[メチル(3-(プロパ-2-エノイル)-1-オキサ-3,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-8-カルボニル)アミノ]ブタン酸(142mg、0.4mmol)、及びCIP(227mg、0.81mmol)を添加した。混合物を室温で30分撹拌した後、HOを添加して、混合物をEtOAcで抽出した(4×30mL)。合わせた有機層をブラインで洗浄し(5×30mL)、無水NaSOで乾燥させて濾過した。濾液を減圧下にて濃縮し、残渣を分取HPLCにより精製して、3-アクリロイル-N-((2S)-1-(((2S,6S,4S)-1-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-10,10-ジメチル-5,7-ジオキソ-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(3,1)-ピロリジナシクロウンデカファン-4-イル)アミノ)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)-N-メチル-1-オキサ-3,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-8-カルボキサミド(45mg、10%収率)を固体として得た。LCMS(ESI):m/z[M+H]5270に対する計算値1005.5;実測値1006.9;H NMR(400MHz,DMSO-d)δ8.76 (dd, J= 4.7, 1.8Hz, 1H), 7.81(d, J = 8.8 Hz, 1H),7.74 (d, J= 7.7 Hz,1H), 7.60 (d,J = 8.4 Hz, 1H), 7.58- 7.50 (m,2H), 7.13 (d,J = 8.2 Hz, 1H), 6.54(dd, J = 16.8, 10.3 Hz,1H), 6.24 -6.14 (m, 1H),5.74 (td, J= 10.2, 2.3Hz, 1H), 5.58(q, J = 6.9 Hz, 1H),5.46 (dt, J= 17.2, 8.7Hz, 1H), 5.13(d, J = 13.2 Hz, 2H),5.01 (s, 1H),4.81 (dt, J= 18.2, 9.0Hz, 1H), 4.31(d, J = 12.4 Hz, 1H),4.20 (q, J= 6.0 Hz,1H), 3.87 (s,1H), 3.80 (d,J = 11.0 Hz, 1H), 3.67(s, 2H), 3.60- 3.55 (m,1H), 3.45 (s,1H), 3.12 (dt,J = 17.2, 9.6 Hz, 3H),2.76 (d, J= 13.0 Hz,5H), 2.61 (q,J = 7.8, 6.9 Hz, 2H),2.42 (d, J= 14.4 Hz,1H), 2.29 -1.87 (m, 4H),1.80 (t, J= 12.5 Hz,3H), 1.65 (dt,J = 22.2, 8.9 Hz, 3H),1.58 - 1.48 (m, 2H), 1.38(d, J = 6.0 Hz, 3H),0.98 - 0.83 (m, 6H), 0.81(d, J = 6.6 Hz, 3H),0.26 (s, 3H).
実施例9。4-アクリロイル-N-((2S)-1-(((6S,4S)-1-エチル-1-(2-((S)-1-メトキシエチル)-5-((R)-オクタヒドロ-2H-ピリド[1,2-a]ピラジン-2-イル)ピリジン-3-イル)-10,10-ジメチル-5,7-ジオキソ-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(1,3)-ベンゼナシクロウンデカファン-4-イル)アミノ)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)-N-メチル-1-オキサ-4,9-ジアザスピロ[5.5]ウンデカン-9-カルボキサミドの合成
工程1。O雰囲気下で、(S)-(5-(3-(3-アセトキシ-2,2-ジメチルプロピル)-5-ブロモ-1-エチル-1H-インドール-2-イル)-6-(1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)ボロン酸(7.7g、14.5mmol)及び(R)-オクタヒドロ-2H-ピリド[1,2-a]ピラジン(3.9g、27.8mmol)の、DCM(230mL)との混合物に、TEA(14.7g、145.3mmol)及び4Åのモレキュラーシーブ(26g)を添加した。混合物を室温で30分間撹拌した後、Cu(OAc)(2.4g、13.2mmol)を添加し、混合物を40℃まで加熱して一晩撹拌した。氷/H2Oを添加し、混合物をEtOAcで抽出した(5×200mL)。合わせた有機層をブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥させて濾過した。濾液を減圧下にて濃縮して、残渣を精製し、3-(5-ブロモ-1-エチル-2-(2-((S)-1-メトキシエチル)-5-((R)-オクタヒドロ-2H-ピリド[1,2-a]ピラジン-2-イル)ピリジン-3-イル)-1H-インドール-3-イル)-2,2-ジメチルプロピルアセテート(3.5g、27%収率)を固体として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]3345BrNに対する計算値624.3;実測値625.5。
工程2。3-(5-ブロモ-1-エチル-2-(2-((S)-1-メトキシエチル)-5-((R)-オクタヒドロ-2H-ピリド[1,2-a]ピラジン-2-イル)ピリジン-3-イル)-1H-インドール-3-イル)-2,2-ジメチルプロピルアセテート(1.9g、3.0mmol)及びメチル(S)-1-((S)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-(3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)プロパノイル)ヘキサヒドロピリダジン-3-カルボキシレート(1.89g、3.6mmol)の、ジオキサン(19mL)及びHO(3.8mL)との混合物に、KCO(1.05g、7.6mmol)及びPd(dtbpf)Cl(395mg、0.61mmol)を添加した。混合物を70℃まで加熱して3時間撹拌した後、EtOAc(40mL)で希釈し、氷/HOを添加して混合物EtOAcで抽出した(3×10mL)。合わせた有機層をブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥させて濾過した。濾液を減圧下にて濃縮して、残渣を精製し、メチル(S)-1-((S)-3-(3-(3-(3-アセトキシ-2,2-ジメチルプロピル)-1-エチル-2-(2-((S)-1-メトキシエチル)-5-((R)-オクタヒドロ-2H-ピリド[1,2-a]ピラジン-2-イル)ピリジン-3-イル)-1H-インドール-5-イル)フェニル)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロパノイル)ヘキサヒドロピリダジン-3-カルボキシレート(1.1g、29%収率)を固体として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]5373に対する計算値935.6;実測値936.8。
工程3。0℃で、メチル(S)-1-((S)-3-(3-(3-(3-アセトキシ-2,2-ジメチルプロピル)-1-エチル-2-(2-((S)-1-メトキシエチル)-5-((R)-オクタヒドロ-2H-ピリド[1,2-a]ピラジン-2-イル)ピリジン-3-イル)-1H-インドール-5-イル)フェニル)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロパノイル)ヘキサヒドロピリダジン-3-カルボキシレート(900mg、0.92mmol)の、THF(4.5mL)、MeOH(4.5mL)、及びHO(4.5mL)との混合物に、LiOH・HO(89mg、3.7mmol)を添加した。混合物を室温まで温めて3時間撹拌した後、氷/HO(10mL)を添加し、混合物を、クエン酸でpHを約5まで酸性化し、混合物をEtOAcで抽出した(3×20mL)。合わせた有機層をブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥させて濾過し、濾液を減圧下にて濃縮して、(S)-1-((S)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-(3-(1-エチル-3-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)-2-(2-((S)-1-メトキシエチル)-5-((R)-オクタヒドロ-2H-ピリド[1,2-a]ピラジン-2-イル)ピリジン-3-イル)-1H-インドール-5-イル)フェニル)プロパノイル)ヘキサヒドロピリダジン-3-カルボン酸(900mg)を固体として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]5069に対する計算値879.5;実測値880.6。
工程4。0℃で、(S)-1-((S)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-(3-(1-エチル-3-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)-2-(2-((S)-1-メトキシエチル)-5-((R)-オクタヒドロ-2H-ピリド[1,2-a]ピラジン-2-イル)ピリジン-3-イル)-1H-インドール-5-イル)フェニル)プロパノイル)ヘキサヒドロピリダジン-3-カルボン酸(670mg、0.76mmol)の、DCM(67mL)との混合物に、DIPEA(3.94g、30.4mmol)、EDCI(4.4g、22.8mmol)、及びHOBT(514mg、3.8mmol)を添加した。混合物を室温まで温めて一晩撹拌した後、氷/HO(100mL)を添加して、混合物をEtOAcで抽出した(3×100mL)。合わせた有機層を飽和NHClで洗浄し(3×100mL)、無水NaSOで乾燥させて濾過した。濾液を減圧下にて濃縮して、残渣を精製し、tert-ブチル((6S,4S)-1-エチル-1-(2-((S)-1-メトキシエチル)-5-((R)-オクタヒドロ-2H-ピリド[1,2-a]ピラジン-2-イル)ピリジン-3-イル)-10,10-ジメチル-5,7-ジオキソ-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(1,3)-ベンゼナシクロウンデカファン-4-イル)カルバメート(450mg、62%収率)を固体として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]5067に対する計算値861.5;実測値862.7。
工程5。0℃で、tert-ブチル((6S,4S)-1-エチル-1-(2-((S)-1-メトキシエチル)-5-((R)-オクタヒドロ-2H-ピリド[1,2-a]ピラジン-2-イル)ピリジン-3-イル)-10,10-ジメチル-5,7-ジオキソ-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(1,3)-ベンゼナシクロウンデカファン-4-イル)カルバメート(230mg、0.27mmol)の、DCM(2mL)との混合物に、TFA(1mL)を滴加した。混合物を0℃で1時間撹拌した後、0℃で、飽和NaHCOでpHを約8まで塩基性化し、混合物をEtOAcで抽出した(3×30mL)。合わせた有機層をブラインで洗浄し(3×30mL)、無水NaSOで乾燥させて濾過し、濾液を減圧下にて濃縮して、(6S,4S)-4-アミノ-11-エチル-1-(2-((S)-1-メトキシエチル)-5-((R)-オクタヒドロ-2H-ピリド[1,2-a]ピラジン-2-イル)ピリジン-3-イル)-10,10-ジメチル-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(1,3)-ベンゼナシクロウンデカファン-5,7-ジオン(300mg)を固体として、これを次工程にてさらに精製することなく使用した。LCMS(ESI):m/z [M+H]4559に対する計算値761.5;実測値762.8。
工程6。Arの雰囲気下、0℃で、(63S,4S)-4-アミノ-1-エチル-1-(2-((S)-1-メトキシエチル)-5-((R)-オクタヒドロ-2H-ピリド[1,2-a]ピラジン-2-イル)ピリジン-3-イル)-10,10-ジメチル-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(1,3)-ベンゼナシクロウンデカファン-5,7-ジオン(300mg、0.39mmol)、及び(2S)-2-[4-(tert-ブトキシカルボニル)-1-オキサ-4,9-ジアザスピロ[5.5]ウンデカン-9-カルボニル(メチル)アミノ]-3-メチルブタン酸(211mg、0.51mmol)の、DMF(3mL)との混合物に、DIPEA(1.53g、11.8mmol)及びCOMU(168mg、0.39mmol)の、DMF(0.1mL)溶液を滴加した。混合物を0℃で1時間撹拌した後、氷/HO(3mL)を添加して混合物をEtOAcで抽出した(3×30mL)。合わせた有機層をブラインで洗浄し(3×30mL)、無水NaSOで乾燥させて濾過した。濾濾液を減圧下にて濃縮して、残渣を精製し、tert-ブチル9-(((2S)-1-(((6S,4S)-1-エチル-1-(2-((S)-1-メトキシエチル)-5-((R)-オクタヒドロ-2H-ピリド[1,2-a]ピラジン-2-イル)ピリジン-3-イル)-10,10-ジメチル-5,7-ジオキソ-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(1,3)-ベンゼナシクロウンデカファン-4-イル)アミノ)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)(メチル)カルバモイル)-1-オキサ-4,9-ジアザスピロ[5.5]ウンデカン-4-カルボキシレート(200mg、59%収率)を固体として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]659210に対する計算値1156.7;実測値1158.2。
工程7。tert-ブチル9-(((2S)-1-(((6S,4S)-1-エチル-1-(2-((S)-1-メトキシエチル)-5-((R)-オクタヒドロ-2H-ピリド[1,2-a]ピラジン-2-イル)ピリジン-3-イル)-10,10-ジメチル-5,7-ジオキソ-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(1,3)-ベンゼナシクロウンデカファン-4-イル)アミノ)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)(メチル)カルバモイル)-1-オキサ-4,9-ジアザスピロ[5.5]ウンデカン-4-カルボキシレート(200mg、0.17mmol)及びZnBr(195mg、0.87mmol)の、DCM(4mL)との混合物を35℃まで加熱し、一晩撹拌した。氷/HO(5mL)を添加して、混合物を0℃で、飽和NaHCOでpHを約8まで塩基性化した後、EtOAcで抽出した(3×30mL)。合わせた有機層をブラインで洗浄し(3×30mL)、無水NaSOで乾燥させて濾過し、濾液を減圧下にて濃縮して、N-((2S)-1-(((6S,4S)-1-エチル-1-(2-((S)-1-メトキシエチル)-5-((R)-オクタヒドロ-2H-ピリド[1,2-a]ピラジン-2-イル)ピリジン-3-イル)-10,10-ジメチル-5,7-ジオキソ-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(1,3)-ベンゼナシクロウンデカファン-4-イル)アミノ)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)-N-メチル-1-オキサ-4,9-ジアザスピロ[5.5]ウンデカン-9-カルボキサミド(200mg)を固体として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]608410に対する計算値1056.7;実測値1058.1。
工程8。混合物を0℃でさらに1時間撹拌した後、減圧下にて濃縮し、粗残渣を分取HPLCにより精製して、4-アクリロイル-N-((2S)-1-(((6S,4S)-1-エチル-1-(2-((S)-1-メトキシエチル)-5-((R)-オクタヒドロ-2H-ピリド[1,2-a]ピラジン-2-イル)ピリジン-3-イル)-10,10-ジメチル-5,7-ジオキソ-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(1,3)-ベンゼナシクロウンデカファン-4-イル)アミノ)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)-N-メチル-1-オキサ-4,9-ジアザスピロ[5.5]ウンデカン-9-カルボキサミド(40mg、19%収率)を固体として得た。濾液を減圧下にて濃縮し、残渣を分取HPLCにより精製して、(3S)-1-アクリロイル-N-((2S)-1-(((6S,4S)-2-(ジフルオロメチル)-1-エチル-1-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-10,10-ジメチル-5,7-ジオキソ-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(1,3)-ベンゼナシクロウンデカファン-4-イル)アミノ)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)-N-N-メチルピロリジン-3-カルボキサミド(58mg、36%収率)を固体として得た。LCMS(ESI):m/z[M+H]638610に対する計算値1110.7;実測値1112.1;H NMR(400MHz,DMSO-d)δ8.46 (d, J= 2.8 Hz,1H), 8.17 -8.05 (m, 1H),7.98 (s, 1H),7.86 (s, 1H),7.74 - 7.54 (m, 3H), 7.27- 7.19 (m,2H), 7.01 -6.81 (m,2H), 6.28- 6.11 (m,1H), 5.73 (d,J = 10.3 Hz, 1H), 5.43(d, J = 9.4 Hz, 2H),4.40 - 4.17 (m, 2H), 4.10(dq, J = 21.9, 7.1, 6.5Hz, 2H), 3.95(t, J = 12.0 Hz, 1H),3.77 (dt, J= 25.3, 13.0Hz, 3H), 3.69- 3.64 (m,3H), 3.64 -3.55 (m, 3H),3.54 - 3.48 (m, 2H), 3.15(d, J = 11.7 Hz, 2H),3.07 (s, 3H),2.97 - 2.89 (m, 1H), 2.79(m, 4H), 2.66(s, 1H), 2.56(s, 3H), 2.42(d, J = 11.1 Hz, 1H),2.23 (td, J= 11.6, 3.2Hz, 1H), 2.07- 1.89 (m,4H), 1.82 (d,J = 12.2 Hz, 1H), 1.77- 1.63 (m,4H), 1.59 (d,J = 12.6 Hz, 3H), 1.47(d, J = 13.1 Hz, 2H),1.36 (d, J= 6.1 Hz,3H), 1.19 (m,3H), 1.00 (t,J = 7.1 Hz, 3H), 0.90- 0.70 (m,9H), 0.57 (s,3H).
実施例10。(3S)-1-アクリロイル-N-((2S)-1-(((6S)-1-エチル-1-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-10,10-ジメチル-2,2-ジオキシド-5,7-ジオキソ-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-2(4,2)-チオモルホリナ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナシクロウンデカファン-4-イル)アミノ)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)-N-N-メチルピロリジン-3-カルボキサミドの合成
工程1。tert-ブチル2-(ヒドロキシメチル)チオモルホリン-4-カルボキシレート1,1-ジオキシド(17.8g、60mmol)の、DCM(200mL)との混合物に、デス-マーチンペルヨージナン(56.6g、130mmol)を添加した。混合物を室温で2時間撹拌した後、濾過し、濾液を減圧下にて濃縮して、tert-ブチル2-ホルミルチオモルホリン-4-カルボキシレート1,1-ジオキシド(30g)をシロップとして得、これをさらに精製することなく次工程で使用した。LCMS(ESI):m/z[M-Bu+H]NOSに対する計算値207.2;実測値208.0;H NMR(400MHz,CDCl)δ9.88(s, 1H), 4.17(d, J = 39.4, 33.7 Hz,4H), 3.15 (d,J = 34.2 Hz, 3H), 1.48(s, 10H).
工程2。0℃で、tert-ブチル2-ホルミルチオモルホリン-4-カルボキシレート1,1-ジオキシド(58g、60mmol)の、ACN(400mL)との混合物に、1,1,3,3-テトラメチルグアニジン(30.5g、200mmol)及びメチル2-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-2-(ジメトキシホスホリル)アセテート(43.8g、130mmol)を添加した。混合物を室温まで温めて2時間撹拌した後、減圧下にて濃縮した。残渣をEtOAc(200mL)で希釈し、HOで洗浄し(150mL×3)た後、乾燥させて濾過した。濾液を減圧下にて濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、tert-ブチル2-(2-(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)-3-メトキシ-3-オキソプロパ-1-エン-1-イル)チオモルホリン-4-カルボキシレート1,1-ジオキシド(8g、2工程にわたり25%収率)をシロップとして得た。LCMS(ESI):m/z [M+Na]2128NaOSに対する計算値491.2;実測値491.2。
工程3。tert-ブチル2-(2-(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)-3-メトキシ-3-オキソプロパ-1-エン-1-イル)チオモルホリン-4-カルボキシレート(8g、17.0mmol)、10% Pd/C(4g)、及びNHCl(9.1g、170mmol)の、MeOH(200mL)との混合物を、室温、H雰囲気下で48時間撹拌した。混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮して、tert-ブチル2-(2-アミノ-3-メトキシ-3-オキソプロピル)チオモルホリン-4-カルボキシレート1,1-ジオキシド(6.3g)を油として得、これを次工程でさらに精製することなく使用した。LCMS(ESI):m/z [M+H]1324Sに対する計算値336.1;実測値337.1。
工程4。0℃で、tert-ブチル2-(2-アミノ-3-メトキシ-3-オキソプロピル)チオモルホリン-4-カルボキシレート1,1-ジオキシド(6.3g、10mmol)及び(2S)-2-({3-[(ホルミルオキシ)メチル]フェニル}(メチル)アミノ)-3-メチルブタン酸(5g、10mmol)の、無水DMF(20mL)との混合物に、DIPEA(49.2g、30mmol)及びHATU(7.2g、10mmol)を添加した。混合物を0℃で1時間撹拌した後、EtOAc(100mL)で希釈し、HOで洗浄した(50mL×3)。合わせた有機層を減圧下にて濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、tert-ブチル2-(2-((S)-2-(((ベンジルオキシ)カルボニル)(メチル)アミノ)-3-メチルブタンアミド)-3-メトキシ-3-オキソプロピル)チオモルホリン-4-カルボキシレート1,1-ジオキシド(5g、2工程にわたり57%収率)を油として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]2741Sに対する計算値583.3;実測値584.3。
工程5。0℃で、tert-ブチル2-(2-((S)-2-(((ベンジルオキシ)カルボニル)(メチル)アミノ)-3-メチルブタンアミド)-3-メトキシ-3-オキソプロピル)チオモルホリン-4-カルボキシレート1,1-ジオキシド(12g、20mmol)の、DCM(80mL)との混合物に、TFA(20mL)を添加した。混合物を室温まで温めて1.5時間撹拌した後、減圧下にて濃縮した。残渣をEtOAc(50mL)で希釈し、飽和NaCOで、pHを約9に調整した。有機層を減圧下にて濃縮し、メチル2-((S)-2-(((ベンジルオキシ)カルボニル)(メチル)アミノ)-3-メチルブタンアミド)-3-(1,1-ジオキシドチオモルホリン-2-イル)プロパノエート(9.1g、収率94%)をシロップとして得、これをさらに精製することなく次工程で使用した。LCMS(ESI):m/z [M+H]2233Sに対する計算値483.1;実測値484.2。
工程6。室温で、メチル2-((S)-2-(((ベンジルオキシ)カルボニル)(メチル)アミノ)-3-メチルブタンアミド)-3-(1,1-ジオキシドチオモルホリン-2-イル)プロパノエート(5.9g、12mmol)の、DCM(50mL)との混合物に、(3-{3-[(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]-2,2-ジメチルプロピル}-1-エチル-2-{2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル}インドール-5-イル)ボランジオール、Cu(OAc)(2.2g、12mmol)、及びピリジン(2.8g、36mmol)を添加した。混合物を室温で48時間撹拌した後、混合物を濾過し、濾液をEtOAc(30mL)で希釈して、HOで洗浄した(80mL×3)。有機層を減圧下にて濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、メチル2-((S)-2-(((ベンジルオキシ)カルボニル)(メチル)アミノ)-3-メチルブタンアミド)-3-(4-((R)-3-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2,2-ジメチルプロピル)-1-エチル-2-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-1H-インドール-5-イル)-1,1-ジオキシドチオモルホリン-2-イル)プロパノエート(7.59g、66%収率)を油として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]5175SSiに対する計算値961.5;実測値962.3。
工程7。0℃で、メチル2-((S)-2-(((ベンジルオキシ)カルボニル)(メチル)アミノ)-3-メチルブタンアミド)-3-(4-((R)-3-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2,2-ジメチルプロピル)-1-エチル-2-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-1H-インドール-5-イル)-1,1-ジオキシドチオモルホリン-2-イル)プロパノエート(7.59g、7.9mmol)の、THF(40mL)との混合物に、LiOH(0.38g、16mmol)の水(8mL)溶液を添加した。混合物を0℃で1.5時間撹拌した後、3MのHCl(5mL)で、pHを約7に調整し、混合物をブライン(15mL)で希釈してEtOAcで抽出した(50mL×3)。合わせた有機層を減圧下にて濃縮し、2-((S)-2-(((ベンジルオキシ)カルボニル)(メチル)アミノ)-3-メチルブタンアミド)-3-(4-((R)-3-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2,2-ジメチルプロピル)-1-エチル-2-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-1H-インドール-5-イル)-1,1-ジオキシドチオモルホリン-2-イル)プロパン酸(7.4g、98%収率)をシロップとして得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]5073SSiに対する計算値947.5;実測値948.4。
工程8。0℃で、2-((S)-2-(((ベンジルオキシ)カルボニル)(メチル)アミノ)-3-メチルブタンアミド)-3-(4-((R)-3-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2,2-ジメチルプロピル)-1-エチル-2-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-1H-インドール-5-イル)-1,1-ジオキシドチオモルホリン-2-イル)プロパン酸(7.4g、7.8mmol)の、DMF(50mL)との混合物に、メチル(3S)-1,2-ジアジナン-3-カルボキシレートジヒドロクロリド(2.6g、12mmol)、DIPEA(20g、160mmol)、及びHATU(4.6g、12mmol)を添加した。混合物を0℃で2時間撹拌した後、EtOAc(300mL)で希釈し、HOで洗浄した(100mL×2)。合わせた有機層を減圧下にて濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、(3S)-メチル1-(2-((S)-2-(((ベンジルオキシ)カルボニル)(メチル)アミノ)-3-メチルブタンアミド)-3-(4-((R)-3-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2,2-ジメチルプロピル)-1-エチル-2-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-1H-インドール-5-イル)-1,1-ジオキシドチオモルホリン-2-イル)プロパノイル)ヘキサヒドロピリダジン-3-カルボキシレート(8.08g、96%収率)をシロップとして得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]568310SSiに対する計算値1073.6;実測値1074.5。
工程9。TBAFのTHF(38mL、38mmol)溶液(1M)とAcOH(2.3g、38mmol)との混合物に、(3S)-メチル1-(2-((S)-2-(((ベンジルオキシ)カルボニル)(メチル)アミノ)-3-メチルブタンアミド)-3-(4-((R)-3-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2,2-ジメチルプロピル)-1-エチル-2-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-1H-インドール-5-イル)-1,1-ジオキシドチオモルホリン-2-イル)プロパノイル)ヘキサヒドロピリダジン-3-カルボキシレート(8.08g、7.5mmol)を添加した。混合物を55℃まで加熱して16時間撹拌した後、EtOAc(200mL)で希釈し、HOで洗浄した(150mL×2)。合わせた有機層を減圧下にて濃縮し、(3S)-メチル1-(2-((S)-2-(((ベンジルオキシ)カルボニル)(メチル)アミノ)-3-メチルブタンアミド)-3-(4-((R)-1-エチル-3-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)-2-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-1H-インドール-5-イル)-1,1-ジオキシドチオモルホリン-2-イル)プロパノイル)ヘキサヒドロピリダジン-3-カルボキシレート(7.2g、99%収率)をシロップとして得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]506910Sに対する計算値959.5;実測値960.3。
工程10。(3S)-メチル1-(2-((S)-2-(((ベンジルオキシ)カルボニル)(メチル)アミノ)-3-メチルブタンアミド)-3-(4-((R)-1-エチル-3-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)-2-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-1H-インドール-5-イル)-1,1-ジオキシドチオモルホリン-2-イル)プロパノイル)ヘキサヒドロピリダジン-3-カルボキシレート(7.2g、7.5mol)の、DCE(30mL)との混合物に、MeSnOH(6.7g、38mmol)を添加した。混合物を65℃まで加熱して16時間撹拌した後、濾過し、濾液を減圧下にて濃縮して、(3S)-1-(2-((S)-2-(((ベンジルオキシ)カルボにリ)(メチル)アミノ)-3-メチルブタンアミド)-3-(4-((R)-1-1-エチル-3-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)-2-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-1H-インドール-5-イル)-1,1-ジオキシドチオモルホリン-2-イル)プロパノイル)ヘキサヒドロピリダジン-3-カルボン酸(13g)を油として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]496710Sに対する計算値945.5;実測値946.4。
工程11。0℃で、(3S)-1-(2-((S)-2-(((ベンジルオキシ)カルボにリ)(メチル)アミノ)-3-メチルブタンアミド)-3-(4-((R)-1-1-エチル-3-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)-2-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-1H-インドール-5-イル)-1,1-ジオキシドチオモルホリン-2-イル)プロパノイル)ヘキサヒドロピリダジン-3-カルボン酸(13g、7.4mmol;約55%純度)の、DCM(400mL)との混合物に、DIPEA(38g、300mmol)、HOBT(10g、74mmol)、及びEDCI(42g、220mmol)を添加した。混合物を室温まで温めて48時間撹拌した後、減圧下にて濃縮し、残渣をEtOAc(200mL)で希釈し、HOで洗浄した(100mL×2)。有機層を減圧下にて濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、ベンジル((2S)-1-(((6S)-1-エチル-1-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-10,10-ジメチル-2,2-ジオキシド-5,7-ジオキソ-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-2(4,2)-チオモルホリナ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナシクロウンデカファン-4-イル)アミノ)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)(メチル)カルバメート[4つの異性体;異性体1と異性体2の混合物、1.6g;異性体3(651mg、9.5%収率);異性体4(332mg、4.8%収率)]を得た。異性体1と異性体2の混合物を、分取HPLCによりさらに精製して、異性体1(470mg、6.8%収率)及び異性体2(797mg、12%収率)を得た。
異性体1のデータ:LCMS(ESI):m/z[M+H]4965Sに対する計算値927.5;実測値928.4;H NMR(400MHz,CDOD)δ8.74 (dd, J= 4.8, 1.6Hz, 1H), 8.36- 8.13 (m,1H), 7.91 (dd,J = 7.8, 1.7 Hz, 1H),7.52 (dd, J= 7.8, 4.8Hz, 1H), 7.45- 7.25 (m,6H), 7.21 -7.07 (m, J= 8.8 Hz,1H), 5.59 -5.40 (m, 2H),5.28 - 5.05 (m, 2H), 4.45(d, 1H), 4.17(d, J = 11.0 Hz, 1H),4.13 - 3.97 (m, 2H), 3.97- 3.62 (m,6H), 3.50 -3.34 (m, 2H),3.27 - 3.04 (m, 4H), 3.01- 2.83 (m,4H), 2.78 (s,2H), 2.64 -2.32 (m, 2H),2.24 - 1.90 (m, 5H), 1.84- 1.65 (m,2H), 1.46 (dd,J = 16.6, 6.6 Hz, 3H),1.36 - 1.17 (m, 4H), 1.02(s, 2H), 0.94- 0.70 (m,6H), 0.58 (s,3H).
異性体2のデータ:LCMS(ESI):m/z[M+H]4965Sに対する計算値927.5;実測値928.4;H NMR(400MHz,CDOD)δ8.71 (dd, J= 4.8, 1.6Hz, 1H), 8.18- 8.01 (m,1H), 7.83 (dd,J = 7.7, 1.6 Hz, 1H),7.52 (dd, J= 7.7, 4.9Hz, 1H), 7.45- 7.23 (m,6H), 7.20 (s,1H), 7.06 (dd,J = 8.9, 2.1 Hz, 1H),5.66 - 5.50 (m, 1H), 5.29- 5.05 (m,2H), 4.36 -4.18 (m, 3H),4.17 - 4.09 (m, 2H), 4.05- 3.86 (m, 5H), 3.75(d, J = 16.6 Hz, 1H),3.54 - 3.36 (m, 2H), 3.27(s, 1H), 3.21- 3.06 (m,4H), 3.03 -2.91 (m, 1H),2.88 (s, 3H),2.81 - 2.63 (m, 2H), 2.47- 2.35 (m,1H), 2.34 -2.09 (m, 3H),2.00 - 1.93 (m, 1H), 1.86(d, J = 10.2 Hz, 1H),1.79 - 1.63 (m, 2H), 1.43(d, J = 6.2 Hz, 3H),1.28 (s, 1H),1.01 (d, J= 5.7 Hz,3H), 0.91 -0.77 (m, 10H),0.57 (s, 3H).
異性体3のデータ:LCMS(ESI):m/z[M+H]4965Sに対する計算値927.5;実測値928.4;H NMR(400MHz,CDOD)δ8.79 - 8.66 (m, 1H), 8.17- 8.04 (m,1H), 7.88 (dd,J = 19.8, 5.4 Hz, 1H),7.52 (dd, J= 7.7, 4.8Hz, 1H), 7.45- 7.16 (m,7H), 7.15 -6.98 (m, 1H),5.50 - 5.38 (m, 1H), 5.16(d, J = 8.2 Hz, 2H),4.32 (d, J= 12.0 Hz,1H), 4.24 -4.16 (m, 1H),4.14 - 4.02 (m, 2H), 4.00- 3.72 (m,5H), 3.62 (dd,J = 30.7, 6.5 Hz, 2H),3.28 - 3.14 (m, 2H), 3.11- 2.92 (m,5H), 2.88 (d,J = 6.7 Hz, 3H), 2.74- 2.54 (m,1H), 2.52 -2.12 (m, 4H),1.94 - 1.65 (m, 2H), 1.61- 1.47 (m,1H), 1.43 (d,J = 6.3 Hz, 3H), 1.38- 1.25 (m,2H), 1.18 (t,J = 6.9 Hz, 3H), 0.98- 0.73 (m,9H), 0.68 (s,3H).
異性体4のデータ:LCMS(ESI):m/z[M+H]4965Sに対する計算値927.5;実測値928.4;H NMR(400MHz,CDOD)δ8.79 - 8.61 (m, 1H), 8.21(d, J = 47.9 Hz, 1H),7.92 (dd, J= 7.7, 1.6Hz, 1H), 7.64- 7.46 (m,2H), 7.44 -7.20 (m, 5H),7.07 (d, J= 8.7 Hz,1H), 5.84 -5.45 (m, 1H),5.26 - 5.02 (m, 2H), 4.42- 3.38 (m,11H), 3.27 -3.06 (m, 4H),3.05 - 2.94 (m, 3H), 2.93- 2.70 (m,4H), 2.53 (t,1H), 2.27 -2.09 (m, 2H),2.01 (d, J= 3.8 Hz,1H), 1.87 -1.54 (m, 3H),1.52 - 1.26 (m, 3H), 1.26- 0.98 (m,4H), 0.97 -0.40 (m, 12H).
工程12。ベンジル((2S)-1-(((6S)-1-エチル-1-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-10,10-ジメチル-2,2-ジオキシド-5,7-ジオキソ-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-2(4,2)-チオモルホリナ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナシクロウンデカファン-4-イル)アミノ)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)(メチル)カルバメート(異性体1;380mg、0.41mmol)、Pd/C(HO100mg)と50重量%)、及びNHCl(220mg、4.1mmol)の、MeOH(10mL)との混合物を、15℃で10時間撹拌した。混合物を濾過し、濾液を減圧下にて濃縮して残渣を飽和NaHCO3(20mL)で希釈して、DCMで抽出した(20mL×5)。混合物を濾過し、濾液を減圧下にて濃縮して残渣を飽和NaHCO(20mL)で希釈して、DCMで抽出した(20mL×5)。合わせた有機層をNaSOで乾燥させて濾過し、濾液を減圧下にて濃縮して、(2S)-N-((6S)-1-エチル-1-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-10,10-ジメチル-2,2-ジオキシド-5,7-ジオキソ-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-2(4,2)-チオモルホリナ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナシクロウンデカファン-4-イル)-3-メチル-2-(メチルアミノ)ブタンアミド(300mg、92%収率)を固体として得、さらに精製することなく次工程にて使用した。LCMS(ESI):m/z [M+H]4159Sに対する計算値793.4;実測値794.4。
同様の反応を、異性体2、3、及び4を出発物質として使用して行い、対応する生成物を得た。
異性体2のデータ:(170mg、0.18mmol)から開始し、(140mg、98%収率)を得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]4159Sに対する計算値793.4;実測値794.4。
異性体3のデータ:(390mg、0.42mmol)から開始し、(300mg、90%収率)を得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]4159Sに対する計算値793.4;実測値794.3。
異性体4のデータ:(240mg、0.26mmol)から開始し、(200mg、96%収率)を得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]4159Sに対する計算値793.4;実測値794.3。
工程13。0℃で、(2S)-N-((6S)-1-エチル-1-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-10,10-ジメチル-2,2-ジオキシド-5,7-ジオキソ-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-2(4,2)-チオモルホリナ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナシクロウンデカファン-4-イル)-3-メチル-2-(メチルアミノ)ブタンアミド異性体1;120mg、0.15mmol)及び(3S)-1-{3-[(ホルミルオキシ)メチル]フェニル}ピロリジン-3-カルボン酸(56mg、0.23mmol)の、DMF(5mL)との混合物に、DIPEA(390mg、3mmol)及びHATU(87mg、0.23mmol)を添加した。混合物を0℃で1時間撹拌した後、EtOAc(20mL)で希釈し、HOで洗浄した(20mL×2)。有機層ををNaSOで乾燥させて濾過し、濾液を減圧下にて濃縮して、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、ベンジル(3S)-3-(((2S)-1-(((6S)-1-エチル-1-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-10,10-ジメチル-2,2-ジオキシド-5,7-ジオキソ-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-2(4,2)-チオモルホリナ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナシクロウンデカファン-4-イル)アミノ)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)(メチル)カルバモイル)ピロリジン-1-カルボキシレート(111mg、72%収率)を固体として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]547210Sに対する計算値1024.5;実測値1025.3。
同様の反応を、異性体2、3、及び4を出発物質として使用して行い、対応する生成物を得た。
異性体2のデータ:(150mg、0.19mmol)から開始し、(120mg、62%収率)を得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]547210Sに対する計算値1024.5;実測値1025.4。
異性体3のデータ:(300mg、0.38mmol)から開始し、(300mg、77%収率)を得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]547210Sに対する計算値1024.5;実測値1025.5。
異性体4のデータ:(199mg、0.25mmol)から開始し、(220mg、85%収率)を得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]547210Sに対する計算値1024.5;実測値1025.4。
工程14。ベンジル(3S)-3-(((2S)-1-(((6S)-1-エチル-1-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-10,10-ジメチル-2,2-ジオキシド-5,7-ジオキソ-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-2(4,2)-チオモルホリナ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナシクロウンデカファン-4-イル)アミノ)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)(メチル)カルバモイル)ピロリジン-1-カルボキシレート(異性体1;111mg、0.11mmol)、Pd/C(HO(30mg)と50重量%、及びNHCl(60mg、1.1mmol)の、MeOH(20mL)との混合物を、15℃で10時間撹拌した。混合物を濾過し、濾液を減圧下にて濃縮して、残渣をDCM(20mL)で希釈し、飽和NaHCOで洗浄した。有機層をNaSOで乾燥させて濾過し、濾液を減圧下にて濃縮して、(3S)-N-((2S)-1-(((6S)-1-エチル-1-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-10,10-ジメチル-2,2-ジオキシド-5,7-ジオキソ-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-2(4,2)-チオモルホリナ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナシクロウンデカファン-4-イル)アミノ)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)-N-メチルピロリジン-3-カルボキサミド(77mg、79%収率)を固体として得、これをさらに精製することなく次工程で使用した。LCMS(ESI):m/z [M+H]4666Sに対する計算値890.5;実測値891.4。
同様の反応を、異性体2、3、及び4を出発物質として使用して行い、対応する生成物を得た。
異性体2のデータ:(120mg、0.12mmol)から開始し、(85mg、89%収率)を得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]4666Sに対する計算値890.5;実測値891.4。
異性体3のデータ:(300mg、0.34mmol)から開始し、(220mg、73%収率)を得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]4666Sに対する計算値890.5;実測値891.5。
(220mg、0.21mmol)から開始し、(147mg、71%収率)を得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]4666Sに対する計算値890.5;実測値891.4。
工程15。0℃で、(3S)-N-((2S)-1-(((6S)-1-エチル-1-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-10,10-ジメチル-2,2-ジオキシド-5,7-ジオキソ-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-2(4,2)-チオモルホリナ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナシクロウンデカファン-4-イル)アミノ)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)-N-メチルピロリジン-3-カルボキサミド(異性体1;77mg、0.086mmol)の、DCM(2mL)との混合物に、飽和NaHCO(2mL)、及びプロパ-2-エノイルクロリド(7mg、0.077mmol)のDCM(1mL)溶液を添加した。混合物を0℃で30分間撹拌した後、HOを添加し、混合物をDCMで抽出した(10mL×3)。合わせた有機層をNaSOで乾燥させて濾過し、濾液を減圧下にて濃縮し、残渣を分取TLCにより精製して、(3S)-1-アクリロイル-N-((2S)-1-(((6S)-1-エチル-1-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-10,10-ジメチル-2,2-ジオキシド-5,7-ジオキソ-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-2(4,2)-チオモルホリナ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナシクロウンデカファン-4-イル)アミノ)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)-N-N-メチルピロリジン-3-カルボキサミド(23mg、28%収率)を固体として得た。LCMS(ESI):m/z[M+H]4968Sに対する計算値944.5;実測値945.4;H NMR(400MHz,CDOD)δ8.75 - 8.74 (m, 1H), 7.92- 7.90 (m,1H), 7.54 -7.51 (m, 1H),7.43 (dd, J= 8.8, 2.2Hz, 1H), 7.34(d, J = 3.2 Hz, 1H),7.25 - 7.15 (m, 1H), 6.71- 6.60 (m,1H), 6.32 -6.25 (m, 1H),5.77 (dd, J= 10.5, 1.9Hz, 1H), 5.53- 5.48 (m,1H), 4.62 (dd,J = 24.9, 11.1 Hz, 1H),4.45 (s, 1H),4.13 - 4.03 (m, 3H), 3.89- 3.76 (m,6H), 3.69 -3.63 (m, 2H),3.60 - 3.35 (m, 3H), 3.25- 3.21 (m,3H), 3.13 -3.11 (m, 1H),3.00 (d, J= 2.3 Hz,5H), 2.90 (d,J = 3.5 Hz, 2H), 2.25- 2.20 (m,2H), 2.16 -2.09 (m, 3H),2.04 - 1.94 (m, 2H), 1.80- 1.72 (m,2H), 1.46 -1.43 (m, 3H),1.29 (m, 3H),1.26 - 1.22(m, 3H), 1.01 -0.98 (m, 3H),0.95 - 0.88(m, 3 H), 0.84- 0.81(m, 3H),0.62 - 0.59 (m, 2H)。
同様の反応を、異性体2、3、及び4を出発物質として使用して行い、対応する生成物を得た。
異性体2のデータ:(110mg、0.12mmol)から開始し、(24.5mg、21%収率)を得た。LCMS(ESI):m/z[M+H]4968Sに対する計算値944.5;実測値945.3;H NMR(400MHz,CDOD)δ8.71 (dd, J= 4.8, 1.7Hz, 1H), 7.91- 7.78 (m,1H), 7.52 (dd,J = 7.7, 4.9 Hz, 1H),7.45 - 7.36 (m, 1H), 7.25- 7.03 (m,2H), 6.65 -6.56 (m, 1H),6.30 - 6.22 (m, 1H), 5.76-5.70(m, 1H), 5.67- 5.48 (m,1H), 5.27 (dd,J = 11.7, 8.2 Hz, 1H),4.69 (dd, J= 10.9, 3.3Hz, 1H), 4.37- 4.28 (m,1H), 4.26 -4.18 (m, 1H),4.18 - 3.98 (m, 3H), 3.97- 3.83 (m,4H), 3.82 -3.62 (m, 4H),3.60 - 3.41 (m, 3H), 3.28- 3.20 (m,2H), 3.14 (d,J = 10.4 Hz, 3H), 3.06(d, J = 4.8 Hz, 3H),2.96 (s, 1H),2.89 - 2.77 (m, 1H), 2.73- 2.55 (m,1H), 2.48 -2.34 (m, 1H),2.33 - 2.18 (m, 3H), 2.13- 1.95 (m,2H), 1.90 -1.84 (m, 1H),1.80 - 1.67 (m, 2H), 1.43(m, 3H), 1.27(s, 1H), 1.14- 0.95 (m,4H), 0.94 -0.85 (m, 4H),0.82 (d, J= 6.2 Hz,5H), 0.56 (d,J = 8.7 Hz, 3H).
異性体3のデータ:(120mg、0.13mmol)から開始し、(32mg、11%収率)を得た。LCMS(ESI):m/z[M+H]4968Sに対する計算値944.5;実測値945.5;H NMR(400MHz,CDOD)δ8.73 (dt, J= 3.8, 1.9Hz, 1H), 7.93- 7.86 (m,1H), 7.53 (dd,J = 7.7, 4.9 Hz, 1H),7.40 (dd, J= 8.8, 2.3Hz, 1H), 7.28(d, J = 9.6 Hz, 1H),7.13 - 6.99 (m, 1H), 6.65(ddd, J = 35.6, 16.8, 10.5Hz, 1H), 6.28(ddd, J = 16.8, 4.9, 1.9Hz, 1H), 5.75(td, J = 10.4, 1.9 Hz,1H), 5.53 -5.34 (m, 1H),4.63 (dd, J= 13.4, 11.3Hz, 1H), 4.26(d, J = 11.1 Hz, 1H),4.12 - 4.01 (m, 2H), 4.00- 3.82 (m,5H), 3.82 -3.45 (m, 7H),3.41 - 3.33 (m, 1H), 3.14- 3.02 (m,4H), 3.02 -2.87 (m, 5H),2.62 - 2.34 (m, 3H), 2.33- 2.17 (m,3H), 2.10 -1.94 (m, 1H),1.69 - 1.52 (m, 1H), 1.46- 1.39 (m,3H), 1.27 (s,2H), 1.23 -1.16 (m, 3H),1.16 - 1.01 (m, 2H), 0.96- 0.90 (m,3H), 0.88 -0.74 (m, 6H),0.73 - 0.63 (m, 3H).
異性体4のデータ:(147mg、0.16mmol)から開始し、(47.2mg、31%収率)を得た。LCMS(ESI):m/z[M+H]4968Sに対する計算値944.5;実測値945.3;H NMR(400MHz,CDOD)δ8.73 - 8.72 (m, 1H), 7.92(dd, J = 7.8, 1.6 Hz,1H), 7.53 -7.50 (m, 1H),7.49 - 7.46 (m, 1H), 7.41- 7.38 (m,1H), 7.07 (d,J = 8.8 Hz, 1H), 6.65- 6.56 (m,1H), 6.28 -6.23 (m, 1H),5.76 - 5.71 (m, 2H), 4.59- 4.55 (m,1H), 4.34 -4.30 (m, 1H),4.13 - 4.03 (m, 4H), 3.88- 3.72 (m,6H), 3.68 -3.48 (m, 5H),3.30 - 3.20 (m, 4H), 3.08- 3.07 (m,3H), 3.02 (d,J = 4.1 Hz, 4H), 2.55- 2.53 (m,1H), 2.34 -2.19 (m, 3H),2.11 - 2.00 (m, 3H), 1.90- 1.88 (m,1H), 1.76 -1.74 (m,2H), 1.44 (d,J = 6.3 Hz, 3H), 1.29(s, 1H), 1.23- 1.20 (m,3H), 0.91 -0.86 (m, 3H),0.78 - 0.75 (m, 5H), 0.69- 0.66 (m,3H).
実施例11。3-アクロイルーN-((2S)-1(((2S,6S,4S)―1―エチルー1―(2―((S)-1-メトキシエチル)ピリジンー3-イル)―10,10-ジメチルー5,7-ジオキソー6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロー1H-8-オキサー2(4,2)-モルホリナー1(5,3)-インドーラー6(1,3)―ピリダジナシクロウンデカファンー4-イル)アミノ)―3―メチルー1-オキソブタンー2―イル)―N,1―ジメチルー1,3,8-トリアザスピロ[4.5]デカン-8-カルボキサミドの合成
0℃で、(2S,6S,4S)-4-アミノ-1-エチル-1-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-10,10-ジメチル-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-2(4,2)-モルホリナ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナシクロウンデカファン-5,7-ジオン(150mg、0.24mmol)及び(2S)-3-メチル-2-{メチル[1-methyl-3-(プロパ-2-エノイル)-1,3,8-トリアザスピロ[4.5]デカン-8-イル]カルボニルアミノ}ブタノエート・リチウム塩(132mg、0.36mmol)の、DMF(5mL)との混合物に、HATU(108mg、0.28mmol)、及びDIPEA(459mg、3.5mmol)を添加した。
混合物を0℃で1時間撹拌した後、EtOAc(30mL)で希釈し、HO(10mL×2)及びブライン(10mL)で洗浄した。有機層をNaSOで乾燥させて濾過した。濾液を減圧下にて濃縮し、粗残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー及び分取HPLCにより精製して、3-アクリロイル-N-((2S)-1-(((2S,6S,4S)-1-エチル-1-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-10,10-ジメチル-5,7-ジオキソ-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-2(4,2)-モルホリナ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナシクロウンデカファン-4-イル)アミノ)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)-N,1-ジメチル-1,3,8-トリアザスピロ[4.5]デカン-8-カルボキサミド(6.9g、3%収率)を固体として得た。LCMS(ESI):m/z[M+H]537610に対する計算値890.6;実測値367.2;H NMR(400MHz,CDOD)δ8.71 (dd, J= 4.8, 1.6Hz, 1H), 7.86(dd, J = 7.8, 1.6 Hz,1H), 7.51 (dd,J = 7.8, 4.8 Hz, 1H),7.39 (d, J= 8.8 Hz,1H), 7.14 -7.04 (m, 2H),6.67 - 6.44 (m, 1H), 6.31(d, J = 16.8 Hz, 1H),5.81 - 5.75 (m, 1H), 5.65(d, J = 9.0 Hz, 1H),4.51 - 4.13 (m, 2H), 4.33(s, 1H), 4.27- 4.18 (m,1H), 4.17 -4.08 (m, 1H),3.96 - 3.87 (m, 3H), 3.87- 3.77 (m,3H), 3.76 -3.65 (m, 4H),3.64 - 3.51 (m, 3H), 3.28- 3.24 (m,1H), 3.16 (s,3H), 3.10 -3.02 (m, 1H),2.99 - 2.90 (m, 2H), 2.87- 2.74 (m,5H), 2.70 -2.53 (m, 2H),2.40 - 2.30 (m, 3H), 2.27- 2.18 (m,1H), 2.14 -2.05 (m, 2H),1.98 - 1.88 (m, 3H), 1.79- 1.68 (m,2H), 1.65 -1.47 (m, 3H),1.44 (d, J= 6.4 Hz,3H), 1.04 (t,J = 6.8 Hz, 3H), 0.95(d, J = 6.4 Hz, 3H),0.88 (d, J= 6.4 Hz,3H), 0.80 -0.60 (m, 6H).
実施例12。2-アクリロイル-N-((2S)-1-(((6S,4S)-1-エチル-1-(2-((S)-1-メトキシエチル)-5-((R)-オクタヒドロ-2H-ピリド[1,2-a]ピリダジン-2-イル)ピリジン-3-イル)-10,10-ジメチル-5,7-ジオキソ-2,2,2,2,6,6,6,6,6,6-デカヒドロ-1H-8-オキサ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(5,1)-ピリジナシクロデカファン-4-イル)アミノ)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)-N-メチル-2,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-8-カルボキサミドの合成
工程1。0℃で、(6S,4S)-4-アミノ-1-エチル-1-(2-((S)-1-メトキシエチル)-5-((R)-オクタヒドロ-2H-ピリド[1,2-a]ピラジン-2-イル)ピリジン-3-イル)-10,10-ジメチル-2,2,2,2,6,6,6,6,6,6-デカヒドロ-1H-8-オキサ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(5,1)-ピリジナシクロデカファン-5,7-ジオン(150mg、0.23mmol)の、DMF(2mL)との混合物に、(2S)-2-({2-[(tert-ブトキシ)カルボニル]-2,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-8-イル}カルボニル(メチル)アミノ)-3-メチルブタン酸(125mg、0.30mmol)、DIPEA(310mg、2.34mmol)、及びHATU(134mg、0.35mmol)を添加した。混合物を0℃で1時間撹拌した後、HO(150mL)、及びEtOAcで抽出した(150mL×2)。合わせた有機層をHO(50mL)、ブライン(50mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させて濾過した。濾液を減圧下にて濃縮し、粗残渣を分取TLCにより精製して、tert-ブチル8-(((2S)-1-(((6S,4S)-1-エチル-1-(2-((S)-1-メトキシエチル)-5-((R)-オクタヒドロ-2H-ピリド[1,2-a]ピラジン-2-イル)ピリジン-3-イル)-10,10-ジメチル-5,7-ジオキソ-2,2,2,2,6,6,6,6,6,6-デカヒドロ-1H-8-オキサ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(5,1)-ピリジナシクロデカファン-4-イル)アミノ)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)(メチル)カルバモイル)-2,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-2-カルボキシレート(130mg、40%収率)を固体として得た。LCMS(ESI):m/z [M+H]649511に対する計算値1145.7;実測値1146.7。
工程2。0℃で、tert-ブチル8-(((2S)-1-(((6S,4S)-1-エチル-1-(2-((S)-1-メトキシエチル)-5-((R)-オクタヒドロ-2H-ピリド[1,2-a]ピラジン-2-イル)ピリジン-3-イル)-10,10-ジメチル-5,7-ジオキソ-2,2,2,2,6,6,6,6,6,6-デカヒドロ-1H-8-オキサ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(5,1)-ピリジナシクロデカファン-4-イル)アミノ)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)(メチル)カルバモイル)-2,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-2-カルボキシレート(130mg、0.12mmol)の、DCM(1.0mL)との混合物に、TFA(0.5mL)を添加した。混合物を0℃で1時間撹拌した後、DCM(5mL)で希釈し、飽和NaHCOを添加して、pHを約9に調整した。プロパ-2-エノイルクロリド(10mg、0.11mmol)のDCM溶液を0℃で添加し、混合物を0℃で15分間撹拌した。混合物をHO(50mL)に注ぎ、DCMで抽出した(150mL×2)。合わせた有機層をHO(50mL)、ブライン(50mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させて濾過した。濾液を減圧下にて濃縮し、粗残渣を分取TLCにより精製して、2-アクリロイル-N-((2S)-1-(((6S,4S)-1-エチル-1-(2-((S)-1-メトキシエチル)-5-((R)-オクタヒドロ-2H-ピリド[1,2-a]ピリダジン-2-イル)ピリジン-3-イル)-10,10-ジメチル-5,7-ジオキソ-2,2,2,2,6,6,6,6,6,6-デカヒドロ-1H-8-オキサ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(5,1)-ピリジナシクロデカファン-4-イル)アミノ)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)-N-メチル-2,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-8-カルボキサミドを固体として得た。LCMS(ESI):m/z[M+H]628911に対する計算値1099.7;実測値1100.6;H NMR(400MHz,CDOD)δ8.45 (d, J= 2.8 Hz,1H), 7.54 (d,J = 9.2 Hz, 2H), 7.42(d, J = 8.4 Hz, 2H),6.65 (m, 1H),6.41 - 6.21 (m, 2H), 5.93(dd, J = 7.6, 3.8 Hz,1H), 5.81 -5.75 (m, 1H),4.50 (d, J= 12.8 Hz,1H), 4.20 -4.04 (m, 3H),3.98 - 3.71 (m, 8H), 3.63- 3.48 (m,2H), 3.46 -3.36 (m, 2H),3.30 - 3.15 (m, 3H), 3.12- 2.97 (m,6H), 2.93 -2.76 (m, 6H),2.64 (t, J= 11.2 Hz,2H), 2.55 (d,J = 11.6 Hz, 9H), 2.45- 2.12 (m,4H), 1.99 -1.83 (m, 2H),1.80 - 1.55 (m, 10H), 1.48- 1.29 (m,6H), 1.22 (t,J = 7.0 Hz, 3H), 0.93(dd, J = 22.8, 6.4 Hz,9H), 0.72 (s,3H).
実施例13。3-アクリロイル-N-((2S)-1-(((2S,6S,4S)-1-エチル-1-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-10,10-ジメチル-5,7-ジオキソ-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-2(4,2)-モルホリナ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナシクロウンデカファン-4-イル)アミノ)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)-N-メチル-1-オキサ-3,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-8-カルボキサミドの合成
(2S,6S,4S)-4-アミノ-1-エチル-1-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-10,10-ジメチル-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-2(4,2)-モルホリナ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナシクロウンデカファン-5,7-ジオン(450mg、0.7mmol)の混合物に。混合物を0℃で1時間撹拌した後、HO(20mL)を添加し、混合物をEtOAcで抽出した(30mL×3)。合わせた有機層をブラインで洗浄し(20mL)、無水NaSOで乾燥させて濾過した。濾液を減圧下にて濃縮し、粗残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー及び分取HPLCにより精製して、3-アクリロイル-N-((2S)-1-(((2S,6S,4S)-1-エチル-1-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-10,10-ジメチル-5,7-ジオキソ-6,6,6,6,6,6-ヘキサヒドロ-1H-8-オキサ-2(4,2)-モルホリナ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナシクロウンデカファン-4-イル)アミノ)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)-N-メチル-1-オキサ-3,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-8-カルボキサミド(297mg、40%収率)を固体として得た。LCMS(ESI):m/z[M+H]5273に対する計算値967.6;実測値968.6;H NMR(400MHz,CDOD)δ8.72 - 8.69 (m, 1H), 8.10(d, J = 6.4 Hz, 1H),7.89 - 7.80 (m, 1H), 7.56- 7.47 (m,1H), 7.45 -7.35 (m, 1H),7.17 - 7.01 (m, 2H), 6.62- 6.45 (m,1H), 6.32 (s,1H), 5.85 -5.71 (m, 1H),5.64 (d, J= 8.8 Hz,1H), 5.19 (s,1H), 5.10 (s,1H), 4.46 (d,J = 12.4 Hz, 1H), 4.25- 4.03 (m,2H), 3.99 -3.61 (m, 8H),3.61 - 3.33 (m, 6H), 3.29- 3.18 (m,2H), 3.15 (s,3H), 2.99 -2.71 (m, 6H),2.68 - 2.46 (m, 2H), 2.30- 2.17 (m,1H), 2.12 -2.02 (m, 2H),1.96 - 1.54 (m, 8H), 1.43(d, J = 6.4 Hz, 3H),1.15 - 0.97 (m, 3H), 0.96- 0.79 (m,6H), 0.77 -0.53 (m, 6H).
実施例14。4-アクリロイル-N-((2S)-1-(((6S,4S)-1-エチル-1-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-10,10-ジメチル-5,7-ジオキソ-2,2,2,2,6,6,6,6,6,6-デカヒドロ-1H-8-オキサ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(5,1)-ピリジナシクロデカファン-4-イル)アミノ)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)-N-メチル-1-1-プロピル-1,4,9-トリアザスピロ[5.5]ウンデカン-9-カルボキサミドの合成
0℃で、(6S,4S)-4-アミノ-1-エチル-1-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-10,10-ジメチル-2,2,2,2,6,6,6,6,6,6-デカヒドロ-1H-8-オキサ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(5,1)-ピリジナシクロデカファン-5,7-ジオン(113mg、0.18mmol)及び(2S)-3-メチル-2-{メチル[4-(プロパ-2-エノイル)-1-プロピル-1,4,9-トリアザスピロ[5.5]ウンデカン-9-イル]カルボニルアミノ}ブタン酸・リチウム塩(88mg、0.22mmol)の、DMF(2mL)との混合物に、DIPEA(464mg、3.6mmol)及びHATU(82mg、0.23mmol)を添加した。混合物を0℃で1時間撹拌した後、HO(20mL)を添加し、混合物をDCMで抽出した(200mL×3)。合わせた有機層をブラインで洗浄し(20mL)、無水NaSOで乾燥させて濾過した。濾液を減圧下にて濃縮し、粗残渣を分取HPLCにより精製して、4-アクリロイル-N-((2S)-1-(((6S,4S)-1-エチル-1-(2-((S)-1-メトキシエチル)ピリジン-3-イル)-10,10-ジメチル-5,7-ジオキソ-2,2,2,2,6,6,6,6,6,6-デカヒドロ-1H-8-オキサ-1(5,3)-インドーラ-6(1,3)-ピリダジナ-2(5,1)-ピリジナシクロデカファン-4-イル)アミノ)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)-N-メチル-1-1-プロピル-1,4,9-トリアザスピロ[5.5]ウンデカン-9-カルボキサミド(26mg、14%収率)を固体として得た。LCMS(ESI):m/z[M+H]578210に対する計算値1018.6;実測値1019.6;H NMR(400MHz,CDOD)δ8.73 (dd, J= 8.0, 4.0Hz, 1H), 7.90(dd, J = 8.0, 4.0 Hz,1H), 7.54 -7.51 (m, 3H),7.41 - 7.38 (m, 1H), 6.90- 6.74 (m,1H), 6.30 -6.18 (m, 2H),5.91 - 5.88 (m, 1H), 5.80- 5.75 (m,1H), 4.59 -4.46 (m, 1H),4.10 - 3.47 (m, 15H), 3.19- 2.72 (m,17H), 2.42 -2.15 (m, 8H),2.08 - 1.63 (m, 7H), 1.48- 1.44 (m,6H), 1.16 (t,J = 6.4Hz, 3H), 0.93- 0.86 (m,9H), 0.66 (s,3H).
実施例15。(2S)-N-[(6S,8S,14S,20M)-21-[5-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)-2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル]-22-エチル-18,18-ジメチル-9,15-ジオキソ-5,16-ジオキサ-2,10,22,28-テトラアザペンタシクロ[18.5.2.1.11014.02327]ノナコサ-1(26),20,23(27),24-テトラエン-8-イル]-3-メチル-2-{メチル[3-(プロパ-2-エノイル)-1-オキサ-3,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-8-カルボニル]アミノ}ブタンアミドの合成
-5~0℃で、((6S,8S,14S)-8-アミノ-21-[5-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)-2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル]-22-エチル-18,18-ジメチル-5,16-ジオキサ-2,10,22,28-テトラアザペンタシクロ[18.5.2.1^{2,6}.1^{10,14}.0^{23,27}]ノナコサ-1(26),20,23(27),24-テトラエン-9,15-ジオン(60mg、0.08mmol、1当量)及び(2S)-3-メチル-2-{メチル[3-(プロパ-2-エノイル)-1-オキサ-3,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-8-イル]カルボニルアミノ}ブタン酸(42mg、0.119mmol、1.5当量)の、DMF(3mL)溶液に、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(205mg、1.59mmol、20当量)、続けてHATU(60mg、0.159mmol、2当量)を添加した。この反応物を、-5~0℃で1時間撹拌した。反応混合物を水(5mL)でクエンチし、EAで抽出した(10mL×3)。合わせた有機相を水(10mL×1)、及びブライン(10mL×1)で洗浄した。有機相を濃縮乾固し、得られた残渣をクロマトグラフィーにより精製して、(2S)-N-[(6S,8S,14S,20M)-21-[5-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)-2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル]-22-エチル-18,18-ジメチル-9,15-ジオキソ-5,16-ジオキサ-2,10,22,28-テトラアザペンタシクロ[18.5.2.1.11014.02327]ノナコサ-1(26),20,23(27),24-テトラエン-8-イル]-3-メチル-2-{メチル[3-(プロパ-2-エノイル)-1-オキサ-3,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-8-カルボニル]アミノ}ブタンアミド(16mg、18%収率)を白色固体として得た。ESI-MS m/z = 1092.6[M+H];MWの計算値:1091.7;H NMR(400MHz,CD3OD)δ8.29 (d, J= 2.9 Hz,1H), 7.25 (dd,J = 22.5, 5.9 Hz, 2H),7.06 - 6.91 (m, 2H), 6.51- 6.16 (m,2H), 5.75 -5.63 (m, 1H),5.55 (d, J= 8.9 Hz,1H), 5.09 (d,J = 5.0 Hz, 1H), 5.00(s, 1H), 4.57- 4.32 (m,2H), 4.09 -3.95 (m, 2H),3.98 - 3.50 (m, 9H), 3.52- 3.21 (m,7H), 3.23 -3.03 (m, 8H),3.03 (s, 3H),2.85 (dd, J= 26.6, 15.7Hz, 2H), 2.69(d, J = 14.8 Hz, 2H),2.61 - 2.41 (m, 2H), 2.22- 2.07 (m,1H), 1.99 (dd,J = 18.3, 12.0 Hz, 2H),1.94 - 1.09 (m, 13H), 0.98(t, J = 6.9 Hz, 3H),0.81 (dd, J= 27.0, 6.5Hz, 6H), 0.64(d, J = 28.9 Hz, 6H),0.50 - 0.32 (m, 4H).
実施例16。(2S)-N-[(8S,14S,20M)-22-エチル-21-{2-[(1S)-1-メトキシエチル]-5-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピリジン-3-イル}-18,18-ジメチル-9,15-ジオキソ-16-オキサ-6,10,22,28-テトラアザペンタシクロ[18.5.2.1.11014.02327]ノナコサ-1(26),2,20,23(27),24-ペンタエン-8-イル]-3-メチル-2-{メチル[3-(プロパ-2-エノイル)-1-オキサ-3,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-8-カルボニル]アミノ}ブタンアミドの合成
0℃で、(8S)-8-アミノ-22-エチル-21-{2-[(1S)-1-メトキシエチル]-5-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピリジン-3-イル}-18,18-ジメチル-16-オキサ-6,10,22,28-テトラアザペンタシクロ[18.5.2.1^{2,6}.1^{10,14}.0^{23,27}]ノナコサ-1(26),2,20,23(27),24-ペンタエン-9,15-ジオン(70mg、0.10mmol、1.0当量)及び(2S)-3-メチル-2-{メチル[3-(プロパ-2-エノイル)-1-オキサ-3,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-8-イル]カルボニルアミノ}ブタン酸(40mg、0.12mmol、1.2当量)の、DMF(2mL)溶液に、HATU(44mg、0.12mmol、1.2当量)及びDIEA(187mg、1.44mmol、15.0当量)を添加した。反応混合物を0℃で1時間撹拌した。溶液をクロマトグラフィーにより精製し、(2S)-N-[(8S,14S,20M)-22-エチル-21-{2-[(1S)-1-メトキシエチル]-5-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピリジン-3-イル}-18,18-ジメチル-9,15-ジオキソ-16-オキサ-6,10,22,28-テトラアザペンタシクロ[18.5.2.1.11014.02327]ノナコサ-1(26),2,20,23(27),24-ペンタエン-8-イル]-3-メチル-2-{メチル[3-(プロパ-2-エノイル)-1-オキサ-3,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-8-カルボニル]アミノ}ブタンアミド(20.5mg、18%収率)を白色固体として得た。ESI-MS m/z = 1062.5[M+H];MWの計算値:1061.64。H NMR(400MHz,CDOD)δ8.43 (d, J= 2.8 Hz,1H), 7. 58 - 7.49 (m,2H), 7.45- 7.35(m,2H), 6. 65 - 6. 41 (m, 1H), 6.38 - 6. 32 (m, 1H),6. 29 (s, 1H), 5. 91 (dd, J = 8.8, 2.6 Hz,1H), 5. 84 - 5.78 (m,1H), 5. 21 (dd, J = 7.6, 4.0 Hz,1H), 5. 12 (q, J = 6.0 Hz, 1H),4. 50 (d, J = 13.2 Hz, 1H), 4.18 - 3. 02 (m, 3H),3. 00 - 3. 81 (m, 4H), 3. 76 - 3.70 (m,1H), 3. 59 (s, 1H), 3.52 - 3. 42 (m, 2H),3.42- 3.34 (m,6H), 3.28- 3.20(m, 2H), 3.14-3.07 (m, 1H),3.06 - 2.98 (m, 3H), 2.90-2.74 (m, 7H),2.70 - 2.62 (m, 4H), 2.62 - 2. 56 (m, 1H),2.44- 2.29 (m,6H), 2.26- 2.17(m, 1H), 2.16- 2.09 (m,1H), 2.00 -1.90 (m, 1H),1.89- 1.78 (m,3H), 1.76- 1.64(m, 3H), 1.44(d, J = 6.4 Hz, 3H),1.21 (t, J= 7.2 Hz,2H), 0.95 (d,J = 6.4 Hz, 3H), 0.92- 0.82(m, 6H),0.71 (s, 3H).
実施例17。(2S)-N-[(6S,8S,14S,20P)-22-エチル-21-{2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル}-18,18-ジメチル-9,15-ジオキソ-5,16-ジオキサ-2,10,22,28-テトラアザペンタシクロ[18.5.2.1.11014.02327]ノナコサ-1(26),20,23(27),24-テトラエン-8-イル]-2-({3-[(2E)-4-フルオロブタ-2-エノイル]-1-オキサ-3,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-8-カルボニル}(メチル)アミノ)-3-メチルブタンアミドの合成
工程1。0℃で、(2S)-2-[(3-{3-[(ホルミルオキシ)メチル]フェニル}-1-オキサ-3,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-8-イル)カルボニル(メチル)アミノ]-3-メチル酪酸(308mg、0.71mmol、1.5当量)、及び(6S,8S,14S)-8-アミノ-22-エチル-21-{2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル}-18,18-ジメチル-5,16-ジオキサ-2,10,22,28-テトラアザペンタシクロ[18.5.2.1^{2,6}.1^{10,14}.0^{23,27}]ノナコサ-1(26),20,23(27),24-テトラエン-9,15-ジオン(300mg、0.47mmol、1当量)の、DMF(3mL)溶液に、DIEA(184mg、1.4mmol、3当量)、及びHATU(216mg、0.57mmol、1.2当量)を添加した。混合物を0℃で0.5時間撹拌した。反応混合物をHO(30mL)でクエンチし、EtOAcで抽出し(20mL×3)て、合わせた有機層を水(20mL)、ブライン(20mL)で洗浄して、NaSOで乾燥させた。混合物を濾過し、減圧下にて濃縮した。得られた残渣をクロマトグラフィーにより精製し、[3-(8-{[(1S)-1-{[(6S,8S,14S)-22-エチル-21-{2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3イル}-18,18-ジメチル-9,15-ジオキソ-5,16-ジオキサ-2,10,22,28-テトラアザペンタシクロ[18.5.2.1^{2,6}.1^{10,14}.0^{23,27}]ノナコサ-1(26),20,23(27),24-テトラエン-8-イル]カルバモイル}-2-メチルプロピル](メチル)カルバモイル}-1-オキサ-3,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-3-イル)フェニル]メチルホルメート(300mg、60%収率)を白色固体として得た。ESI-MS m/z: 1048.5[M+H];MWの計算値:1047.6
工程2。[3-(8-{[(1S)-1-{[(6S,8S,14S)-22-エチル-21-{2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3イル}-18,18-ジメチル-9,15-ジオキソ-5,16-ジオキサ-2,10,22,28-テトラアザペンタシクロ[18.5.2.1^{2,6}.1^{10,14}.0^{23,27}]ノナコサ-1(26),20,23(27),24-テトラエン-8-イル]カルバモイル}-2-メチルプロピル](メチル)カルバモイル}-1-オキサ-3,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-3-イル)フェニル]メチルホルメート(300mg、0.29mmol、1当量)の、i-PrOH(10mL)溶液に、20% Pd(OH)/C(30mg、60%水)を添加した。混合物を20℃で、20分間、H(15psi)雰囲気下で撹拌した。混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮して、(2S)-N-[(6S,8S,14S)-22-エチル-21-{2-[(1S)-1-メトキシメチル]ピリジン-3-イル}-18,18-ジメチル-9,15-ジオキソ-5,16-ジオキサ-2,10,22,28-テトラアザペンタシクロ[18.5.2.1^{2,6}.1^{10,14}.0^{23,27}]ノナコサ-1(26),20,23(27),24-テトラエン-8-イル]-3-メチル-2-[メチル({1-オキサ-3,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-8-イル}カルボニル)アミノ]ブタンアミド(200mg、61%収率)を褐色油として得た。ESI-MS m/z: 914.4[M+H];MWの計算値:913.5
工程3。0℃で、(2S)-N-[(6S,8S,14S)-22-エチル-21-{2-[(1S)-1-メトキシメチル]ピリジン-3-イル}-18,18-ジメチル-9,15-ジオキソ-5,16-ジオキサ-2,10,22,28-テトラアザペンタシクロ[18.5.2.1^{2,6}.1^{10,14}.0^{23,27}]ノナコサ-1(26),20,23(27),24-テトラエン-8-イル]-3-メチル-2-[メチル({1-オキサ-3,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-8-イル}カルボニル)アミノ]ブタンアミド(200mg、0.22mmol、1当量)、(2E)-4-フルオロブタ-2-エン酸(23mg、0.22mmol、1当量)、及びTEA(111mg、0.11mmol、5当量)の、DMF(3mL)溶液に、TP(278mg、0.44mmol、2当量50% EtOAc)を添加した。反応混合物を0℃で0.5時間撹拌した。次に、反応混合物を水(20mL)でクエンチし、得られた混合物をEtOAcで抽出した(15mL×4)。合わせた有機相をブラインで洗浄し(10mL×4)、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて濾過し、減圧下にて濃縮した。得られた残渣をクロマトグラフィーにより精製して、(2S)-N-[(6S,8S,14S,20P)-22-エチル-21-{2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル}-18,18-ジメチル-9,15-ジオキソ-5,16-ジオキサ-2,10,22,28-テトラアザペンタシクロ[18.5.2.1.11014.02327]ノナコサ-1(26),20,23(27),24-テトラエン-8-イル]-2-({3-[(2E)-4-フルオロブタ-2-エノイル]-1-オキサ-3,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-8-カルボニル}(メチル)アミノ)-3-メチルブタンアミド(56.7mg、26%収率)を白色固体として得た。ESI-MS m/z: 1000.6 [M+H]、MWの計算値:999.6。H NMR(400MHz,CDOD)δ8.74 (dd, J= 4.8, 1.6Hz, 1H), 8.15(d, J = 6.0 Hz, 1H),7.89 (dd, J= 8.0, 1.6Hz, 1H), 7.54(dd, J = 8.0, 4.8 Hz,1H), 7.41 (d,J = 9.2 Hz, 1H), 7.13- 7.09 (m,2H), 7.02 -6.88 (m, 1H),6.51 - 6.26 (m, 1H), 5.73- 5.60 (m,1H), 5.29 -5.01 (m, 4H),4.49 (d, J= 12.8 Hz,1H), 4.30 -4.21 (m, 1H),4.17 - 4.11 (m, 1H), 4.02- 3.78 (m,6H), 3.72 -3.67 (m, 2H),3.64 - 3.56 (m, 2H), 3.54- 3.45 (m,2H), 3.44 -3.36 (m, 2H),3.31 - 3.24 (m, 2H), 3.19(s, 3H), 3.00- 2.91 (m,1H), 2.90 -2.74 (m, 5H),2.71 - 2.54 (m, 2H), 2.29- 2.21 (m,1H), 2.17 -2.05 (m, 2H),1.98 - 1.85 (m, 4H), 1.77- 1.72 (m,3H), 1.69 -1.60 (m, 1H),1.46 (d, J= 6.0 Hz,3H), 1.07 (t,J = 6.4 Hz, 3H), 0.96(d, J = 6.4 Hz, 3H),0.91 (d, J= 7.6 Hz,3H), 0.83 -0.58 (m, 6H).
実施例18。(2S)-N-[(6S,8S,14S,20M)-22-エチル-21-{2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル}-18,18-ジメチル-9,15-ジオキソ-5,16-ジオキサ-2,10,22,28-テトラアザペンタシクロ[18.5.2.1.11014.02327]ノナコサ-1(26),20,23(27),24-テトラエン-8-イル]-3-メチル-2-{メチル[7-(プロパ-2-エノイル)-5-オキサ-2,7-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボニル]アミノ}ブタンアミドの合成
0℃で、(6S,8S,14S)-8-アミノ-22-エチル-21-{2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル}-18,18-ジメチル-5,16-ジオキサ-2,10,22,28-テトラアザペンタシクロ[18.5.2.1^{2,6}.1^{10,14}.0^{23,27}]ノナコサ-1(26),20,23(27),24-テトラエン-9,15-ジオン(250mg、0.40mmol、1.0当量)及び(2S)-3-メチル-2-{メチル[7-(プロパ-2-エノイル)-5-オキサ-2,7-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-イル]カルボニルアミノ}ブタン酸(200mg、0.60mmol、1.5当量)の、DMF(4mL)溶液に、HATU(180mg、0.47mmol、1.2当量)及びDIEA(766mg、5.2mmol、15当量)を滴加した。反応混合物を0℃で1時間撹拌した。溶液をクロマトグラフィーにより精製して、(2S)-N-[(6S,8S,14S,20M)-22-エチル-21-{2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル}-18,18-ジメチル-9,15-ジオキソ-5,16-ジオキサ-2,10,22,28-テトラアザペンタシクロ[18.5.2.1.11014.02327]ノナコサ-1(26),20,23(27),24-テトラエン-8-イル]-3-メチル-2-{メチル[7-(プロパ-2-エノイル)-5-オキサ-2,7-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボニル]アミノ}ブタンアミド(124.3mg、収率33%)を白色固体として得た。ESI-MS m/z = 940.5[M+H];MWの計算値:939.52。H NMR(400MHz,CD3OD)δ8.71 (dd, J= 4.8, 1.6Hz, 1H), 7.86(dd, J = 7.6, 1.6 Hz,1H), 7.51 (dd,J = 7.6, 4.8 Hz, 1H),7.39 (d, J= 8.8 Hz,1H), 7.16 -7.05 (m, 2H),6.61 - 6.27 (m, 2H), 5.86- 5.76 (m,1H), 5.67 -5.58 (m, 1H),5.18 (s, 1H),5.09 (s, 1H),4.46 (d, J= 11.6 Hz,1H), 4.29 -4.19 (m, 3H),4.18 - 4.10 (m, 3H), 4.07(d, J = 9.6 Hz, 1H),3.99 - 3.90 (m, 3H), 3.89- 3.82 (m,1H), 3.82 -3.78 (m, 2H),3.77 - 3.66 (m, 2H), 3.54(d, J = 11.6 Hz, 1H),3.16 (s, 3H),2.94 (t, J= 10.8 Hz,1H), 2.85 -2.74 (m, 5H),2.71 - 2.64 (m, 1H), 2.63- 2.49 (m,1H), 2.26 -2.16 (m, 1H),2.15 - 2.05 (m, 2H), 1.92(d, J = 14.8 Hz, 2H),1.81 - 1.69 (m, 1H), 1.68- 1.56 (m,1H), 1.44 (d,J = 6.4 Hz, 3H), 1.33(d, J = 6.4 Hz, 2H),1.04 (t, J= 6.8 Hz,3H), 0.95 (d,J = 6.4 Hz, 3H), 0.88(d, J = 6.4 Hz, 3H),0.76 (s, 3H),0.68 (s, 3H).
実施例19。(2S)-N-[(6S,8S,14S,20M)-22-エチル-21-{2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル}-18,18-ジメチル-9,15-ジオキソ-5,16-ジオキサ-2,10,22,28-テトラアザペンタシクロ[18.5.2.1.11014.02327]ノナコサ-1(26),20,23(27),24-テトラエン-8-イル]-3-メチル-2-{メチル[(5S)-3-(プロパ-2-エノイル)-1-オキサ-3,7-ジアザスピロ[4.4]ノナン-7-カルボニル]アミノ}ブタンアミドの合成
0℃で、(6S,8S,14S)-8-アミノ-22-エチル-21-{2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル}-18,18-ジメチル-5,16-ジオキサ-2,10,22,28-テトラアザペンタシクロ[18.5.2.1^{2,6}.1^{10,14}.0^{23,27}]ノナコサ-1(26),20,23(27),24-テトラエン-9,15-ジオン(160mg、0.25mmol、1.0当量)及び(2S)-3-メチル-2-{メチル[(5S)-3-(プロパ-2-エノイル)-1-オキサ-3,7-ジアザスピロ[4.4]ノナン-7-イル]カルボニルアミノ}ブタン酸(137mg、0.4mmol、1.6当量)の、DMF(4mL)溶液に、HATU(115mg、0.3mmol、1.2当量)及びDIEA(490mg、3.7mmol、15.0当量)を滴加した。反応混合物を0℃で1時間撹拌した。溶液をクロマトグラフィーにより精製して、(2S)-N-[(6S,8S,14S,20M)-22-エチル-21-{2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル}-18,18-ジメチル-9,15-ジオキソ-5,16-ジオキサ-2,10,22,28-テトラアザペンタシクロ[18.5.2.1.11014.02327]ノナコサ-1(26),20,23(27),24-テトラエン-8-イル]-3-メチル-2-{メチル[(5S)-3-(プロパ-2-エノイル)-1-オキサ-3,7-ジアザスピロ[4.4]ノナン-7-カルボニル]アミノ}ブタンアミド(65.5mg、収率27%)を白色固体として得た。ESI-MS m/z = 954.5[M+H];MWの計算値:953.54。H NMR(400MHz,CDOD)δ8.71 (dd, J= 4.8, 1.6Hz, 1H), 7.86(dd, J = 7.6, 1.6 Hz,1H), 7.51 (dd,J = 7.6, 4.8 Hz, 1H),7.39 (d, J= 8.8 Hz,1H), 7.16 -7.02 (m, 2H),6.61 - 6.36 (m, 1H), 6.36- 6.27 (m,1H), 5.83 -5.76 (m, 1H),5.64 (d, J= 7.6 Hz,1H), 5.21 (dd,J = 11.2, 4.0 Hz, 1H),5.11 (q, J= 6.0 Hz,1H), 4.47 (d,J = 12.0 Hz, 1H), 4.25- 4.18(m, 1H),4.17 - 4.12 (m, 1H), 4.04(d, J = 11.2 Hz, 1H),3.97 - 3.64 (m, 11H), 3.55(d, J = 11.6 Hz, 1H),3.50 - 3.40 (m, 2H), 3.26(s, 1H), 3.15(s, 3H), 2.98- 2.75 (m,6H), 2.68 -2.49 (m, 2H),2.25 - 2.15 (m, 2H), 2.15- 2.01 (m,3H), 1.92 (d,J = 14.8 Hz, 2H), 1.81- 1.59 (m,2H), 1.44 (d,J = 6.0 Hz, 3H), 1.05(t, J = 6.4 Hz, 3H),1.00 - 0.85 (m, 6H), 0.80- 0.60 (m,6H).
実施例20。(2S)-N-[(6S,8S,14S,20M)-22-エチル-21-{2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル}-18,18-ジメチル-9,15-ジオキソ-5,16-ジオキサ-2,10,22,28-テトラアザペンタシクロ[18.5.2.1.11014.02327]ノナコサ-1(26),20,23(27),24-テトラエン-8-イル]-3-メチル-2-{メチル[(5R)-3-(プロパ-2-エノイル)-1-オキサ-3,7-ジアザスピロ[4.4]ノナン-7-カルボニル]アミノ}ブタンアミドの合成の合成
0℃で、(6S,8S,14S)-8-アミノ-22-エチル-21-{2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル}-18,18-ジメチル-5,16-ジオキサ-2,10,22,28-テトラアザペンタシクロ[18.5.2.1^{2,6}.1^{10,14}.0^{23,27}]ノナコサ-1(26),20,23(27),24-テトラエン-9,15-ジオン(160mg、0.25mmol、1.0当量)、及び(2S)-3-メチル-2-{メチル[3-(プロパ-2-エノイル)-1-オキサ-3,7-ジアザスピロ[4.4]ノナン-7-イル]カルボニルアミノ}ブタン酸(103mg、0.30mmol、1.2当量)、及びDIPEA(653mg、5.1mmol、20当量)の、DMF(1mL)溶液に、HATU(96mg、0.25mmol、1.0当量)を添加し、その後、混合物を0~5℃で1時間撹拌した。混合物をEA(20mL)で希釈した後、水(20mL*2)及びブライン(20mL)で洗浄した。有機相を収集し、NaSOで乾燥させて濾過し、濃縮した。得られた残渣をクロマトグラフィーにより精製して、(2S)-N-[(6S,8S,14S)-22-エチル-21-{2-[(1S)-1-メトキシエチル]ピリジン-3-イル}-18,18-ジメチル-9,15-ジオキソ-5,16-ジオキサ-2,10,22,28-テトラアザペンタシクロ[18.5.2.1^{2,6}.1^{10,14}.0^{23,27}]ノナコサ-1(26),20,23(27),24-テトラエン-8-イル]-3-メチル-2-{メチル[(5R)-3-(プロパ-2-エノイル)-1-オキサ-3,7-ジアザスピロ[4.4]ノナン-7-イル]カルボニルアミノ}ブタンアミド(92mg、38%収率)をオフホワイト固体として得た。ESI-MS m/z:340.2[M+H]。ESI-MS m/z: 954.4 [M+H]+。MWの計算値:953.54。1H NMR(400MHz,MeOD)δ8.72 - 8.70 (m, 1H), 7.85- 7.82 (m,1H), 7.51 -7.51 (m, 1H),7.38 (d, J= 8.8 Hz,1H), 7.15 -7.01 (m, 2H),6.59 - 6.41 (m, 1H), 6.35- 6.27 (m,1H), 5.85 -5.73 (m, 1H),5.64 (d, J= 8.8 Hz,1H), 5.19 -5.10 (m, 1H),5.10 (s, 1H),4.46 (d, J= 12.0 Hz,1H), 4.23 -4.11 (m, 2H),3.92 - 3.82 (m, 7H), 3.76- 3.63 (m,4H), 3.50 -3.49 (m, 4H),3.26 (s, 1H),3.15 (s, 3H),2.95 - 2.74 (m, 1H), 2.88- 2.73 (m,5H), 2.65 -2.54 (m, 2H),2.29 - 2.18 (m, 1H), 2.23- 2.02 (m,4H), 1.92 (d,J = 14.8 Hz, 2H), 1.73- 1.62 (m,2H), 1.43 (d,J = 6.4 Hz, 3H), 1.10- 1.02 (m,3H), 0.94 (d,J = 6.4 Hz, 3H), 0.88(d, J = 6.8 Hz, 3H),0.60 - 0.50 (m, 6H).
一致するペアの分析
図1A及び1Bは、式BBの化合物(右の点)、及び、式AAの、対応する化合物(左の点)の、2つの異なる細胞ベースのアッセイにおける効能を比較し、式中、(式AAの)水素は、(式BBにおいて)(S)Meで置換されている。y軸は、H358細胞株で測定した、pERK EC50(図1A)またはCTG IC50(図1B)を示す。アッセイのプロトコルは、以下のとおりである。結合した点は、Hと(S)Me置換とのみが異なる、一致したペアを示す。予想外なことに、式BBの各化合物は、式AAの、対応する化合物と比較して、細胞アッセイにおける効能の増加を示した。
立体異性体
本発明の式Iの化合物は、立体異性体(例えば、エナンチオマー、ジアステレオマー、またはアトロプ異性体)を形成し得る。本発明の化合物(例えば、式Iaの化合物)の特定の立体異性体は、他の異性体よりも、改善された生物活性(例えば、K-Ras G12CもしくはK-Ras G13C pERK力価アッセイにおけるIC50の低下、細胞生存能アッセイにおけるIC50の低下、Raf-Ras結合アッセイにおけるIC50の低下、K-Ras G12CもしくはK-Ras G13C架橋アッセイにおける架橋割合の増加、本明細書に記載するバイオアッセイにより測定される任意の改善されたアッセイ、または、このような性質の組み合わせ)を有し得る。それ故、立体化学純度が増加した調製物を作製するのが望ましい。
アトロプ異性体の分離
メチル基を付加する(例えば、図1Aまたは図1Bにおける式BBの化合物)ことで、アトロプ異性体分離を可能にする予想外の効果が生み出された。図2Aに示すように、式AAの化合物(水素のみを含有する)は、重なり合った、分離不可能な2つのアトロプ異性体を示す。メチル基を付加して、式BBの化合物を形成することにより、アトロプ異性体を、従来のクロマトグラフィー法により速やかに分離することができる(図2B)。化合物が既にジアステレオマーである場合を考慮すると、別の(メチル基を付加することにより)立体中心炭素を付加することで、容易な分離が可能となることは予想外であった。
さらに、式BBにメチル基が存在することで、中間体1のアトロプ異性体分離が可能となる。中間体1はジアステレオアトロプ異性体を含有し、これらは従来の手段により分離可能であるが、デスメチル中間体1では、(例えば、キラルクロマトグラフィーを用いて)エナンチオマーを根気強く分離することが求められる。
立体異性体の活性
式Iの化合物は、式CC及び式DDに示すとおり、ピリジル基の立体化学が異なるアトロプ異性体を形成し得る。
式CC及び式DDのアトロプ異性体は、異なる効力を示す。一般に、式CCのピリジル立体化学を有するアトロプ異性体は、表4に示すとおり、式DDの対応する化合物よりも増加した効力を示す。表4のアッセイは全て、本明細書に記載するK-Ras G12C細胞株で実施される。
生物学的アッセイ
本明細書の表1に記載する、全てではないが10個の化合物が、後述するH358(K-Ras G12C)pERK効力アッセイにおいて、1μM以下のIC50を示した。10個の化合物が、1μMを超えた(A36、A37、A38、A121、A124、A128、A136、A189、A191、A192)。化合物A130のIC50は、0.89μMを超えた。本明細書の表1に記載する化合物は、後述するMiaPaCa-2(K-Ras G13C)pERK効力アッセイにおいて、3μM以下のIC50を示した。
表1の、全てではないが5個の化合物が、後述する細胞生存能アッセイ(NCI-H358(K-Ras G12C))において、1μM未満のIC50を示した。5個の化合物が、1μMを超えた(A38、A39、A128、A191、A192)。
表1の全ての化合物が、後述するRaf-Ras(FRETまたはMOA)結合アッセイ(再び、K-Ras G12C)において、3.5μM未満のIC50を示した。表1の、全てではないが3個の化合物が、後述するRaf-Ras(FRETまたはMOA)結合アッセイ(再び、K-Ras G13C)において、1.5μM未満のIC50を示した。3個の化合物が1.5μMを超えた(A169、A171、A175)。
A168及びA170を除く、表1の全ての化合物が、K-Ras G12CまたはK-Ras G13Cに関して後述する架橋アッセイにおいて、4時間のインキュベーション時間枠の下で、0を超える架橋割合を示した。
効力アッセイ:pERK
このアッセイの目的は、細胞内でK-Rasを阻害する試験化合物の能力を測定することであった。K-Rasの活性化は、トレオニン202及びチロシン204(pERK)でERKのリン酸化を誘発する。本手順は、試験化合物に対応する、細胞pERKの増加を測定する。NCI-H358において後述する手順は、K-Ras G12Cに適用可能である。
注: 本プロトコルは、他の細胞株を置換することで行い、例えば、AsPC-1(K-Ras G12D)、Capan-1(K-Ras G12V)、またはNCI-H1355(K-Ras G13C)を含む、他のRasバリアントの阻害剤を識別することができる。
NCI-H358細胞を、ATCCにより推奨されている培地と手順を使用して、増殖及び維持した。化合物添加の前日に、細胞を384ウェル細胞培養プレート(40μL/ウェル)に播種し、37℃、5%CO2のインキュベーター中で一晩増殖させた。試験化合物を、DMSO中で10回3倍希釈し、10mMの高濃度で調製した。アッセイ当日に、Echo550液体ハンドラー(LabCyte(登録商標))を使用して、40nLの試験化合物を細胞培養プレートの各ウェルに添加した。試験化合物の濃度は2通りで試験した。化合物の添加後、細胞を4時間、37℃、5%CO2でインキュベートした。インキュベーション後、培地を除去し、細胞をリン酸緩衝生理食塩水で1回洗浄した。
いくつかの実験では、細胞のpERKレベルを、AlphaLISA SureFire Ultra p-ERK1/2アッセイキット(PerkinElmer)を使用して決定した。細胞を25μLの溶解緩衝液中に溶解し、室温、600RPMで振盪した。溶解物(10μL)を384ウェルOpti-plate(PerkinElmer)に移し、5μLの受容体ミックスを添加した。暗室で2時間インキュベーションした後、5μLのドナー混合物を添加し、プレートを密閉し、2時間室温でインキュベートした。シグナルをEnvisionプレートリーダー(PerkinElmer)上で、標準的なAlphaLISA設定を用いて読み取った。生データの分析を、Excel(Microsoft)及びPrism(GraphPad)で行った。シグナルを化合物濃度の10の対数に対してプロットし、IC50を4パラメータのシグモイド濃度応答モデルを適合することによって決定した。
他の実験では、細胞pERKを、In-Cell Westernにより測定した。化合物処理の後、細胞を200μLのトリス緩衝生理食塩水(TBS)で2回洗浄し、150μLの、TBS中の4%パラホルムアルデヒドで15分間固定した。固定した細胞を、0.1%のTriton X-100(TBST)を含有するTBSで5分間、4回洗浄し、その後、60分間室温で、100μLのOdysseyブロッキング緩衝液(LI-COR)でブロックした。一次抗体(pERK、CST-4730、Cell Signaling Technology)を、ブロッキング緩衝液中で1:200に希釈し、50μLを各ウェルに添加して、一晩4℃でインキュベートした。細胞をTBSTで5分間、4回洗浄した。二次抗体(IR-800CWウサギ、LI-COR、1:800に希釈)及びDNA株DRAQ5(LI-COR、1:2000に希釈)を添加し、1~2時間室温でインキュベートした。細胞をTBSTで5分間、4回洗浄した。プレートを、Li-COR Odyssey CLx Imagerで走査した。生データの分析を、Excel(Microsoft)及びPrism(GraphPad)で行った。シグナルを化合物濃度の10の対数に対してプロットし、IC50を4パラメータのシグモイド濃度応答モデルを適合することによって決定した。
G13Cに関して、別のpERKアッセイプロトコルは以下のとおりである。
注: 本プロトコルは、他の細胞株を置換することで行い、例えば、AsPC-1(K-Ras G12D)、Capan-1(K-Ras G12V)、またはNCI-H358(K-Ras G12C)を含む、他のRasバリアントの阻害剤を同定することができる。
MIA PaCa-2 KRAS G13C A12細胞を、ATCCにより推奨されている培地と手順を使用して、増殖及び維持した。化合物添加の前日に、細胞を384ウェル細胞培養プレート(8,000cells/40μL/ウェル)に播種し、37℃、5%CO2のインキュベーター中で一晩増殖させた。試験化合物を、DMSO中で10回3倍希釈し、10、1、または0.1mMの高濃度で調製した。アッセイ当日に、Echo550液体ハンドラー(LabCyte(登録商標))を使用して、40nLの試験化合物を細胞培養プレートの各ウェルに添加した。試験化合物の濃度は2通りで試験した。化合物の添加後、細胞を4時間、37℃、5%CO2でインキュベートした。インキュベーション後、培地を除去し、細胞をリン酸緩衝生理食塩水で1回洗浄した。
いくつかの実験では、細胞のpERKレベルを、AlphaLISA SureFire Ultra p-ERK1/2アッセイキット(PerkinElmer)を使用して決定した。細胞を25μLの溶解緩衝液中に溶解し、室温、600RPMで振盪した。溶解物(10μL)を384ウェルOpti-plate(PerkinElmer)に移し、5μLの受容体ミックスを添加した。暗室で2時間インキュベーションした後、5μLのドナー混合物を添加し、プレートを密閉し、2時間室温でインキュベートした。シグナルをEnvisionプレートリーダー(PerkinElmer)上で、標準的なAlphaLISA設定を用いて読み取った。生データの分析を、Genedata Screener及びPrism(GraphPad)で行った。以下の計算:((試料シグナル-平均低対照)/(平均DMSO-平均低対照))*100により、データを正規化した。シグナルを化合物濃度の10の対数に対してプロットし、IC50を4パラメータのシグモイド濃度応答モデルを適合することによって決定した。
他の実験では、細胞pERKを、In-Cell Westernにより測定した。化合物処理の後、細胞を200μLのトリス緩衝生理食塩水(TBS)で2回洗浄し、150μLの、TBS中の4%パラホルムアルデヒドで15分間固定した。固定した細胞を、0.1%のTriton X-100(TBST)を含有するTBSで5分間、4回洗浄し、その後、60分間室温で、100μLのOdysseyブロッキング緩衝液(LI-COR)でブロックした。一次抗体(pERK、CST-4730、Cell Signaling Technology)を、ブロッキング緩衝液中で1:200に希釈し、50μLを各ウェルに添加して、一晩4℃でインキュベートした。細胞をTBSTで5分間、4回洗浄した。二次抗体(IR-800CWウサギ、LI-COR、1:800に希釈)及びDNA株DRAQ5(LI-COR、1:2000に希釈)を添加し、1~2時間室温でインキュベートした。細胞をTBSTで5分間、4回洗浄した。プレートを、Li-COR Odyssey CLx Imagerで走査した。生データの分析を、Excel(Microsoft)及びPrism(GraphPad)で行った。シグナルを化合物濃度の10の対数に対してプロットし、IC50を4パラメータのシグモイド濃度応答モデルを適合することによって決定した。
RAS変異体がん細胞株での細胞生存能の測定
プロトコル:CellTiter-Glo(登録商標)細胞生存能アッセイ
注:以下のプロトコルは、本発明の化合物に対応するK-Ras変異体がん細胞株の細胞生存能を監視するための手順について記載する。他のRASアイソフォームを用いることができるが、播種される細胞の数は、用いる細胞株に基づいて変化する。
本細胞アッセイの目的は、CellTiter-Glo(登録商標)2.0試薬(Promega)を用いて、エンドポイントに存在するATPの量を定量化することにより、5日の処理期間にわたり、3種類のヒトがん細胞株(NCI-H358(K-Ras G12C)、AsPC-1(K-Ras G12D)、及びCapan-1(K-Ras G12V))の増殖における、試験化合物の効果を測定することであった。
細胞を、384ウェルアッセイプレート中の40μLの増殖培地に、250cells/ウェルで播種し、5%CO、37℃で、加湿雰囲気で一晩インキュベートした。アッセイ日に、試験化合物の10mMの原液をまず、100%DMSOで希釈し、3mM溶液にした。十分混合した化合物の溶液(15μL)を、30μLの100%DMSOを含有する次のウェルに移し、9濃度の3倍連続希釈液が作られる(10μMの開始アッセイ濃度)まで繰り返した。試験化合物(132.5nL)を直接、細胞を含有するアッセイプレートに分配した。プレートを15秒間300rpmで振盪し、遠心分離にかけて、5%CO、37℃で5日間、加湿雰囲気でインキュベートした。5日目に、アッセイプレート及びその内容物を室温まで、約30分間平衡した。CellTiter-Glo(登録商標)2.0試薬(25μL)を添加し、プレート内容物を2分間、オービタルシェーカーで混合した後、室温で10分間インキュベートした。ルミネセンスを、PerkinElmer Enspireを用いて測定した。データは、以下により正規化した:(サンプルのシグナル/平均DMSO)*100。データを、4パラメータロジスティックフィットを使用して適合した。
別のCTGアッセイプロトコルを、MIA PaCa-2 KRAS G13C A12に関して用いた(特に、K-Ras G13Cは、以下のとおりである。注:他のRASアイソフォームを用いることができる(例えば、NCI-H358(K-Ras G12C)、AsPC-1(K-Ras G12D)、及びCapan-1(K-Ras G12V))が、播種する細胞の数は、用いる細胞株に基づき変化する)。
本細胞アッセイの目的は、CellTiter-Glo(登録商標)2.0試薬(Promega)を用いて、エンドポイントに存在するATPの量を定量化することにより、5日の処理期間にわたり、ヒトがん細胞株の増殖における、試験化合物の効果を測定することであった。
細胞を、384ウェルアッセイプレート中の40μLの増殖培地に、250cells/ウェルで播種し、5%CO、37℃で、加湿雰囲気で一晩インキュベートした。試験化合物を、DMSO中で9ポイント、3倍希釈、10、1、または0.1mMの高濃度で調製した。アッセイ日に、試験化合物(40nL)を直接、細胞を含有するアッセイプレートに分配した。プレートを15秒間300rpmで振盪し、遠心分離にかけて、5%CO、37℃で5日間、加湿雰囲気でインキュベートした。5日目に、アッセイプレート及びその内容物を室温まで、約30分間平衡した。CellTiter-Glo(登録商標)2.0試薬(25μL)を添加し、プレート内容物を2分間、オービタルシェーカーで混合した後、室温で10分間インキュベートした。ルミネセンスを、PerkinElmer Enspireを用いて測定した。データは、以下により正規化した:(サンプルのシグナル/平均DMSO)*100。データを、4パラメータロジスティックフィットを使用して適合した。
本発明の化合物による、K-Rasとの、B-Raf Ras-結合ドメイン(BRAFRBD)相互作用の破壊(FRETアッセイまたはMOAアッセイ)
注:-以下のプロトコルは、本発明の化合物による、BRAFRBDへのK-Ras G12C(GMP-PNP)結合の破壊を監視するための手順について記載する。本プロトコルは、他のRasタンパク質またはヌクレオチドで実行することもまた可能である。
本バイオケミカルアッセイの目的は、試験化合物が、ヌクレオチドロードK-RasアイソフォームとサイクロフィリンAとの間での3元複合体形成を容易にする能力を測定することであった;得られる3元複合体は、BRAFRBD構築物への結合を破壊し、RAFエフェクターを介してのK-Rasシグナル伝達を阻害する。データをIC50値として報告した。
25mMのHEPES(pH7.3)を含有するアッセイバッファー内で、0.002%のTween20、0.1%のBSA、100mMのNaCl及び5mMのMgCl、タグ無しサイクロフィリンA、His6-K-RasGMPPNP、ならびにGST-BRAFRBDを、それぞれ25μM、12.5nM、及び50nMの終濃度にて、384ウェルアッセイプレートで組み合わせた。化合物は、30μMの終濃度から開始する、10点3倍希釈系列としてプレートウェルに存在した。25℃で3時間のインキュベーションの後、抗His Eu-W1024と抗GSTアロフィコシアニンの混合物を、それぞれ10nM及び50nMの終濃度にてアッセイサンプルウェルに添加し、反応物をさらに1.5時間インキュベートした。TR-FRETシグナルを、マイクロプレートリーダー(励起320nm、蛍光665/615nm)で読み取った。K-Ras:RAF複合体の破壊を促進する化合物は、DMSO対照ウェルに対して、TR-FRET比率の低下を誘発するものとして識別された。
Rasタンパク質の、本発明の化合物との架橋による、コンジュゲートの形成
以下の架橋アッセイは、本発明の化合物と、Rasタンパク質とによる、共有付加化合物形成の判定方法について記載する。
(注-以下のプロトコルは、本発明の化合物に対するK-Ras G12C(GMP-PNP)の架橋を監視するための手順について記載する)。本プロトコルは、他のRasタンパク質またはヌクレオチドで実行することもまた可能である)。
本バイオケミカルアッセイの目的は、試験化合物が、ヌクレオチドロードK-Rasアイソフォームを共有標識する能力を測定することであった。12.5mMのHEPES(pH7.4)を含有するアッセイバッファー内で、75mMのNaCl、1mMのMgCl、1mM BME、5μMのサイクロフィリンA及び2μMの試験化合物、5μMのGMP-PNPロードK-Ras(1-169)G12Cの原液を10倍希釈し、0.5μMの終濃度を得る。最終のサンプル体積は100μLであった。
サンプルを最大24時間の期間、25℃でインキュベートした後、10μLの5%ギ酸を添加してクエンチした。クエンチしたサンプルをベンチトップ遠心分離器で15分間、15000rpmで遠心分離にかけた後、10μLのアリコートを逆相C4カラムに注入し、移動相中のアセトニトリル勾配を増加させながら、質量分析計に溶出した。Waters MassLynx MSソフトウェアを用いてローデータの分析を行い、結合割合は、標識及び未標識K-Rasに対する、逆畳み込みを行ったタンパク質ピークから計算した。
インビトロ細胞増殖パネル
細胞増殖を阻害するための効力を、標準的な方法を用いてCrownBioで評価することができる。手短に言うと、細胞株を適切な培地で培養した後、3Dメチルセルロースにプレーティングする。細胞増殖の阻害を、培養の5日後に、CellTiter-Glo(登録商標)により測定すると、化合物の濃度は増加している。化合物の効力を、50%阻害濃度(絶対IC50)として報告する。
アッセイは7日にわたり行った。1日目に、2D培養液中の細胞を、対数増殖中に回収して、1×105cells/mLで培地に懸濁する。高い、または低い細胞密度を、最適化の前を基準にして、いくつかの細胞株に対して用いる。3.5mLの細胞懸濁液を、1%メチルセルロースを含有する6.5%の増殖培地と混合し、0.65%メチルセルロース中に細胞懸濁液を得る。90μLのこの懸濁液を、2つの96ウェルプレートのウェルに分配する。一方のプレートを、0日目での読み取りに用い、他方のプレートをエンドポイント実験のために用いる。プレートを一晩、37℃、5%CO2でインキュベートする。2日目に、(t0読み取り用の)一方のプレートを取り除き、10μLの増殖培地、及び、100μLのCellTiter-Glo(登録商標)試薬を、各ウェルに添加する。混合、及び10分のインキュベーション後、ルミネセンスをEnVision Multi-Label Reader(Perkin Elmer)に記録する。化合物の最大終濃度が10μMとなるように、DMSO中の化合物を増殖培地に希釈し、連続4倍希釈を行い、9点希釈系列を生成する。10倍の終濃度での、10μLの化合物溶液を、第2のプレートのウェルに添加する。次に、プレートを120時間、37℃、及び5%CO2でインキュベートする。7日目にプレートを取り除き、100μLのCellTiter-Glo(登録商標)試薬を各ウェルに添加し、混合、及び10分のインキュベーション後、ルミネセンスをEnVision Multi-Label Reader(Perkin Elmer)に記録する。化合物応答に対するIC50を測定するために、データをGeneData Screenerにエクスポートし、シグモイド濃度応答モデルによりモデリングする。
流出トランスポーターの発現差異により、所与のRas変異を有する細胞株全てが等しく、当該変異を標的化するRas阻害剤に対して感度が高いわけではない可能性があり、増殖、または他の理由により、Ras経路活性化における依存が変化する。これは、KRAS G12C変異を有するにもかかわらず、KRAS G12C(OFF)阻害剤MRTX-849に対して不応性である細胞株KYSE-410(Hallin et al.,Cancer Discovery 10:54-71(2020))、及び、KRAS G12C(OFF)阻害剤AMG510に対して不応性である細胞株SW1573(Canon et al.,Nature 575:217-223(2019))により例示されている。
本発明は、その具体的実施形態と関連して説明されているが、さらなる修正が可能であり、本願は、一般に本発明の原理に従う、本発明の任意の変形例、用途、または適合を対象とすることを目的としており、本開示からのそのような逸脱を含むことは、本発明が関連する既知または慣例的実践の範囲内であり、本明細書で記載される不可欠な特徴に適用され得ることを理解されるであろう。
優先権出願の米国出願第63/184,599号を含む、全ての公報、特許、及び特許出願は、各個別出版物、特許、または特許出願が、その全体で参照することにより組み込まれるように特異的かつ個別に示された場合と同一の程度に、それらの全体で参照することにより本明細書に組み込まれる。

Claims (26)

  1. 式Iの構造を有する化合物、またはその薬学的に許容される塩:

    [式中、Aは、任意に置換された3~6員のヘテロシクロアルキレン、任意に置換された3~6員のシクロアルキレン、任意に置換された6員のアリーレン、または、任意に置換された5~6員のヘテロアリーレンであり、
    は存在しないか、またはリンカーであり、
    Wは、ビニルケトン、ビニルスルホン、イノン、またはアルキニルスルホンを含む架橋基であり、
    は、水素、任意に置換された3~10員のヘテロシクロアルキル、または任意に置換されたC-Cヘテロアルキルであり、
    は、任意に置換されたC-Cアルキルであり、かつ
    は、任意に置換されたC-Cアルキル、または任意に置換されたC-Cヘテロアルキルである]。
  2. Aは、任意に置換されたチアゾール、任意に置換されたオキサゾール、任意に置換されたモルホリノ、任意に置換されたピロリジニル、任意に置換されたピリジル、任意に置換されたアゼチジニル、任意に置換されたピラジニル、任意に置換されたピリミジン、任意に置換されたピペリジニル、任意に置換されたオキサジアゾール、任意に置換されたチアジアゾール、任意に置換されたトリアゾール、任意に置換されたチオモルホリノ、または、任意に置換されたフェニルである、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  3. は、

    である、請求項1または2に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  4. は、任意に置換されたC-Cアルキルである、請求項1~3のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  5. は、任意に置換されたC-Cヘテロアルキルである、請求項1~3のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  6. Aは、任意に置換された5~10員のヘテロアリーレンである、請求項1~5のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  7. Aは、任意に置換されたフェニルである、請求項1~5のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  8. Aは、任意に置換された3~6員のヘテロシクロアルキレンである、請求項1~5のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  9. 前記リンカーは、式IIIの構造を有する、請求項1~8のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩:
    -(B-(C-(B-(D)-(B-(C-(B-A
    式III
    [式中、Aは、リンカーとCH(R)との間の結合であり;Aは、Wとリンカーとの間の結合であり;B、B、B、及びBはそれぞれ独立して、任意に置換されたC-Cアルキレン、任意に置換されたC-Cヘテロアルキレン、O、S、及びNRから選択され;各Rは独立して、水素、任意に置換されたC-Cアルキル、任意に置換されたC-Cアルケニル、任意に置換されたC-Cアルキニル、任意に置換された3~14員のヘテロシクロアルキル、任意に置換された6~10員のアリール、または、任意に置換されたC-Cヘテロアルキルであり;C及びCはそれぞれ独立して、カルボニル、チオカルボニル、スルホニル、またはホスホリルから選択され;f、g、h、i、j、及びkはそれぞれ独立して、0または1であり;Dは、任意に置換されたC-C10アルキレン、任意に置換されたC-C10アルケニレン、任意に置換されたC-C10アルキニレン、任意に置換された3~14員のヘテロシクロアルキレン、任意に置換された5~10員のヘテロアリーレン、任意に置換された3~8員のシクロアルキレン、任意に置換された6~10員のアリーレン、任意に置換されたC-C10ポリエチレングリコレン、もしくは、任意に置換されたC-C10ヘテロアルキレン、または、A-(B-(C-(B-を-(B-(C-(B-Aに結合させる化学結合である。]。
  10. 前記リンカーは、環式部分であるか、またはこれを含む、請求項1~9のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  11. 前記リンカーは、式IIIaの構造を有する、請求項10に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩:

    [式中、oは0または1であり、
    は、水素、任意に置換されたC-Cアルキル、任意に置換された3~8員のシクロアルキレン、または任意に置換された3~8員のヘテロシクロアルキレンであり、
    は存在しないか、任意に置換されたC-Cアルキレン、O、NCH、または任意に置換されたC-Cヘテロアルキレンであり、
    Cyは、任意に置換された3~8員のシクロアルキレン、任意に置換された3~12員のヘテロシクロアルキレン、任意に置換された6~10員のアリーレン、または任意に置換された5~10員のヘテロアリーレンであり、かつ、
    は存在しないか、-SO-、-NH-、任意に置換されたC-Cアルキレン、任意に置換されたC-Cヘテロアルキレン、または、任意に置換された3~6員のヘテロシクロアルキレンである。]。
  12. 前記化合物は、表2における化合物ではない、請求項1~11のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  13. 式II-5の構造を有する、請求項1~12のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩:

    [式中、Cyは、任意に置換されたスピロ環式の8~11員のヘテロシクロアルキレン、または、任意に置換された二環式の7~9員のヘテロシクロアルキレンであり、かつ、
    式中、Wは、ビニルケトンまたはビニルスルホンを含む。]。
  14. Wは、ビニルケトンを含む架橋基である、請求項1~13のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  15. Wは、ビニルスルホンを含む架橋基である、請求項1~13のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  16. Wは、イノンを含む架橋基である、請求項1~13のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  17. 式II-6の構造を有する、請求項16に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩:

    [式中、QはCH、NR、またはOであり、
    はCO、NR、またはOであり、かつ、
    Zは、任意に置換された3~6員のヘテロシクロアルキレン、または、任意に置換された5~10員のヘテロアリーレンであるか、あるいは
    式中、Q-Q-Zは、任意に置換された9~10員のスピロ環式ヘテロシクロアルキレンである。]。
  18. 表1から選択される化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  19. 請求項1~18のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される賦形剤とを含む、医薬組成物。
  20. 式Vの構造を含むコンジュゲート、またはその塩:
    M-L-P
    式V
    [式中、Lはリンカーであり、
    Pは、一価の有機部分であり、
    Mは、式VIaの構造を有する。]

    [式中、Aは、任意に置換された3~6員のヘテロシクロアルキレン、任意に置換された3~6員のシクロアルキレン、任意に置換された6員のアリーレン、または、任意に置換された5~6員のヘテロアリーレンであり、
    は、任意に置換されたC-Cアルキルであり、
    は、任意に置換されたC-Cアルキル、または任意に置換されたC-Cヘテロアルキルであり、
    はO、C(R11、NR12、S、またはSOであり、
    rは1または2であり、
    各tは独立して0、1、または2であり、
    11及びR12はそれぞれ独立して、水素、任意に置換されたC-Cアルキル、任意に置換されたC-Cヘテロアルキル、または任意に置換された3~5員のシクロアルキルであり、
    各R13は独立して、-CHであり、かつ、
    、R、及びRはそれぞれ独立して、水素、任意に置換されたC-Cアルキル、任意に置換されたC-Cヘテロアルキル、任意に置換された3~6員のシクロアルキル、任意に置換された3~6員のヘテロシクロアルキルから選択されるか、あるいは
    及びRは、それらが結合する原子と組み合わさり、任意に置換された3~8員のシクロアルキル、または、任意に置換された3~8員のヘテロシクロアルキルを形成するか、あるいは
    及びRは、それらが結合する原子と組み合わさり、任意に置換された3~8員のシクロアルキル、または、任意に置換された3~8員のヘテロシクロアルキルを形成する。]。
  21. 式Vの構造を含むコンジュゲート、またはその塩:
    M-L-P
    式V
    [式中、Lはリンカーであり、
    Pは、一価の有機部分であり、
    Mは、式VIbの構造を有する。]

    [式中、Aは、任意に置換された3~6員のヘテロシクロアルキレン、任意に置換された3~6員のシクロアルキレン、任意に置換された6員のアリーレン、または、任意に置換された5~10員のヘテロアリーレンであり、
    は、任意に置換されたC-Cアルキルであり、
    は、任意に置換されたC-Cアルキル、または任意に置換されたC-Cヘテロアルキルであり、
    14はフルオロ、水素、またはC-Cアルキルであり、
    uは0または1であり、かつ、
    、R、及びRはそれぞれ独立して、水素、任意に置換されたC-Cアルキル、任意に置換されたC-Cヘテロアルキル、任意に置換された3~6員のシクロアルキル、任意に置換された3~6員のヘテロシクロアルキルから選択されるか、あるいは
    及びRは、それらが結合する原子と組み合わさり、任意に置換された3~8員のシクロアルキル、または、任意に置換された3~8員のヘテロシクロアルキルを形成するか、あるいは
    及びRは、それらが結合する原子と組み合わさり、任意に置換された3~8員のシクロアルキル、または、任意に置換された3~8員のヘテロシクロアルキルを形成する]。
  22. 式Vの構造を含むコンジュゲート、またはその塩:
    M-L-P
    式V
    [式中、Lはリンカーであり、
    Pは、一価の有機部分であり、
    Mは、式VIcの構造を有する。]

    [式中、Aは、任意に置換された3~6員のヘテロシクロアルキレン、任意に置換された3~6員のシクロアルキレン、任意に置換された6員のアリーレン、または、任意に置換された5~10員のヘテロアリーレンであり、
    は、任意に置換されたC-Cアルキルであり、
    は、任意に置換されたC-Cアルキル、または任意に置換されたC-Cヘテロアルキルであり、かつ、
    、R、及びRはそれぞれ独立して、水素、任意に置換されたC-Cアルキル、任意に置換されたC-Cヘテロアルキル、任意に置換された3~6員のシクロアルキル、任意に置換された3~6員のヘテロシクロアルキルから選択されるか、あるいは
    及びRは、それらが結合する原子と組み合わさり、任意に置換された3~8員のシクロアルキル、または、任意に置換された3~8員のヘテロシクロアルキルを形成するか、あるいは
    及びRは、それらが結合する原子と組み合わさり、任意に置換された3~8員のシクロアルキル、または、任意に置換された3~8員のヘテロシクロアルキルを形成する]。
  23. 式Vの構造を含むコンジュゲート、またはその塩:
    M-L-P
    式V
    [式中、Lはリンカーであり、
    Pは、一価の有機部分であり、
    Mは、式VIdの構造を有する。]

    [式中、Aは、任意に置換された3~6員のヘテロシクロアルキレン、任意に置換された3~6員のシクロアルキレン、任意に置換された6員のアリーレン、または、任意に置換された5~10員のヘテロアリーレンであり、
    は、任意に置換されたC-Cアルキルであり、
    は、任意に置換されたC-Cアルキル、または任意に置換されたC-Cヘテロアルキルであり、かつ、
    、R、及びRはそれぞれ独立して、水素、任意に置換されたC-Cアルキル、任意に置換されたC-Cヘテロアルキル、任意に置換された3~6員のシクロアルキル、任意に置換された3~6員のヘテロシクロアルキルから選択されるか、あるいは
    及びRは、それらが結合する原子と組み合わさり、任意に置換された3~8員のシクロアルキル、または、任意に置換された3~8員のヘテロシクロアルキルを形成するか、あるいは
    及びRは、それらが結合する原子と組み合わさり、任意に置換された3~8員のシクロアルキル、または、任意に置換された3~8員のヘテロシクロアルキルを形成する。]。
  24. がんの治療を必要とする対象における、がんの治療方法であって、前記方法が、前記対象に、治療に有効な量の、請求項1~18のいずれか1項に記載の化合物、もしくはその薬学的に許容される塩、または、請求項19に記載の医薬組成物を投与することを含む、前記方法。
  25. Rasタンパク質関連疾患の治療を必要とする対象における、Rasタンパク質関連疾患の治療方法であって、前記方法が、前記対象に、治療に有効な量の、請求項1~18のいずれか1項に記載の化合物、もしくはその薬学的に許容される塩、または、請求項19に記載の医薬組成物を投与することを含む、前記方法。
  26. 細胞内でのRasタンパク質の阻害方法であって、前記方法が、前記細胞を、治療に有効な量の、請求項1~18のいずれか1項に記載の化合物、もしくはその薬学的に許容される塩、または、請求項19に記載の医薬組成物を接触させることを含む、前記方法。
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