[0001] 本願は、2019年10月31日付で中国国家知的産権局に出願された「アンテナ装置及び電子デバイス」と題する中国特許出願第201911054822.7号に対する優先権を主張しており、同出願の全体が参照により本件に組み込まれる。
[0002] 技術分野
本発明は、アンテナ技術の分野に関連し、特に、電子デバイスに適用されるアンテナ装置に関連する。
[0003] 多入力多出力(multi-input multi-output, MIMO)技術は、第5世代(5th generation, 5G)無線通信システムにおいて非常に重要な役割を果たす。しかしながら、携帯電話のような移動端末が良好なMIMOパフォーマンスを得ることは依然として大きな課題である。1つの理由は、移動端末内の非常に限られた空間は、MIMOアンテナがカバーできる周波数バンドや、高いパフォーマンスを制限してしまうことである。
[0004] 本発明の実施形態は、アンテナが小型化される場合に、より多くの周波数バンドをカバーすることが可能なアンテナ装置を提供する。
[0005] 第1態様によれば、本願は電子デバイスを提供し、電子デバイスはアンテナ装置を含む。アンテナ装置は、ストリップ導体を含むことが可能であり、給電点と接地点はストリップ導体に配置される。
[0006] 給電点はストリップ導体の中間位置に配置されてもよい。給電点は給電部に接続されてもよい。給電の正電極は給電点に接続されてもよく、給電の負電極はグランド(例えば、地板)に接続されてもてもよい。
[0007] ストリップ導体において、接地点は給電点の近傍に配置されてもよい。接地点は、接地スタブに接続されてもよい。接地スタブは、グランド(例えば、地板)に接続されるように構成されてもよい。ここで、近傍とは、給電点と接地スタブの接地端子Aとの間の長さが動作波長1の1/4未満であることを意味する。即ち、給電点と接地点との間の距離LBCと接地スタブの長さLCAの和は、動作波長1の1/4未満である。
[0008] ストリップ導体には、第1電流及び第2電流という異なる周波数の2つの電流が存在する。給電点の両側における第1電流の方向は反対であり、給電点の両側における第2電流の方向は同じである。第1電流はCMワイヤ・アンテナ・モードの電流であり、第2電流はDMワイヤ・アンテナ・モードの電流である。ストリップ導体には、第1電流及び第2電流という異なる周波数の2つの電流が存在する。従って、2つの異なる共振周波数を、ストリップ導体において生成することが可能である。第1態様では、上記第1電流は第1電流と言及されてもよく、上記第2電流は第2電流と言及されてもよい。
[0009] 動作波長1(即ち、CMワイヤ・アンテナ・モードの動作波長)は、第1電流の周波数f1に基づいて計算されてもよい。具体的には、空気中に放射された信号の動作波長1は:
波長 = 光速/f1
のようにして計算することができる。媒体中に放射された信号の動作波長1は、
波長 =(光速/√ε)/f1
のようにして計算することができる。ここで、εは媒体の比誘電率である。第1態様では、動作波長1は第1波長と言及されてもよい。
[0010] 第1態様で提供されるアンテナ設計ソリューションにおいて、アンテナが小型化される場合に複数の周波数バンドをカバーするために、1つのストリップ導体を使用して、CMワイヤ・アンテナ・モード及びDMワイヤ・アンテナ・モードという2つのワイヤ・アンテナ・モードを励起することができる、ということを知ることができる。
[0011] 第1態様に関し、幾つかの実施形態では、電子デバイスは、地板を含む可能性があり、具体的には接地スタブが地板に接続されてもよい。第3電流は地板上に分布する可能性があり、第3電流の周波数は、第1電流及び第2電流の周波数とは異なり、具体的には第1電流及び第2電流の周波数より低くてもよい。
[0012] 第1態様に関し、幾つかの実施形態では、電子デバイスは、金属ベゼルを含む可能性があり、ストリップ導体は、電子デバイスの金属ベゼルの一部分である。金属ベゼルの一部分は、電子デバイスのボトムに配置された金属ベゼル、又は電子デバイスのトップに配置された金属ベゼルであってもよい。
[0013] 第1態様に関し、幾つかの実施形態では、接地スタブは、金属ベゼルと地板を接続することができ、例えば、地板上に配置され且つストリップ導体に接続された金属ドームであってもよい。地板は、電子デバイスの印刷回路基板PCB地板と、電子デバイスの金属シャーシとを含むことが可能である。
[0014] 第1態様に関し、幾つかの実施形態では、給電点は、より多くの周波数バンドをカバーするために、ストリップ導体の中間位置からずれていてもよい。この場合、接地スタブは、給電点の近傍に配置される必要はないかもしれず、即ち、接地スタブは除去されてもよい。
[0015] ストリップ導体上に、異なる周波数を有する更に多くの電流が存在してもよい。
[0016] 第2態様によれば、本願は電子デバイスを提供し、電子デバイスはアンテナ装置を含んでもよい。アンテナ装置は、スロットが配置されている金属板を含むことができる。
[0017] 開口はスロットの第1の側の中間位置に配置されてもよい。スロットの第1位置において、給電部の正電極はスロットの第1の側に接続され、給電部の負電極はスロットの第2の側に接続される。第1位置は開口33の近傍に配置されてもよい。ここで、近傍とは、給電位置35と開口33との間の距離L3が動作波長2の1/4未満であることを意味してもよい。第2態様では、動作波長2は第1波長と言及されてもよい。
[0018] 金属板上には、スロットを囲む第1電流と第2電流が存在し、第1電流と第2電流の周波数は相違し、第1電流はスロットを囲んで同じ方向に分布し、第2電流はスロットを囲んで開口の両側で反対方向に分布している。第1電流はCMスロット・アンテナ・モードの電流であり、第2電流はDMスロット・アンテナ・モードの電流である。第1波長は第1電流の周波数によって決定される。
[0019] 第2態様で提供されるアンテナ設計ソリューションにおいて、アンテナが小型化される場合に複数の周波数バンドをカバーするために、1つのスロット導体を使用して、CMスロット・アンテナ・モード及びDMスロット・アンテナ・モードという2つのスロット・アンテナ・モードを励起することができる、ということを知ることができる。
[0020] 第2態様に関し、幾つかの実施形態では、電子デバイスは地板を含む可能性があり、具体的には金属板が地板であってもよい。地板は、電子デバイスの印刷回路基板PCB地板と、電子デバイスの金属シャーシとを含むことが可能である。
[0021] 第3態様によれば、本願は電子デバイスを提供し、電子デバイスはアンテナ装置を含んでもよい。アンテナ装置は、少なくとも1つのワイヤ・アンテナとスロット・アンテナを含むことが可能であり、スロット・アンテナは、スロットが配置されている金属板を含むことができる。
[0022] スロット・アンテナの中間地点に給電部が接続されてもよく、給電部の正電極はスロットの一方の側に接続され、給電部の負電極はスロットの他方の側に接続される。ワイヤ・アンテナは、金属板が配置されている平面に平行であり、ワイヤ・アンテナの金属板における投影とスロットとの交差部は、投影の中間位置に位置し、交差部とスロット・アンテナの中間位置との距離は第1波長の1/2より小さくてもよい。第1波長はスロット・アンテナの動作波長である。
[0023] スロットを包囲する第1電流はスロット・アンテナ上に分布することが可能であり、スロット・アンテナの中間位置の両側における第1電流の方向は反対向きであり;及び第2電流はワイヤ・アンテナにおいて同じ方向に分布している。
[0024] 第3態様で提供されるアンテナ設計ソリューションにおいて、複数の周波数バンドをカバーするために、給電スロット・アンテナはDMスロット・アンテナ・モードで動作し、DMワイヤ・アンテナ・モードで動作する1つ以上のワイヤ・アンテナに更に結合することができる、ということを知ることができる。更に、ワイヤ・アンテナは、背面カバーに配置されるフローティング・アンテナとして設計されてもよく、電子デバイス内のデザイン・スペースを占有せず、内部構成要素による影響をほとんど受けない。
[0025] 第3態様に関し、幾つかの実施形態では、ワイヤ・アンテナと金属板が配置されている平面との間の距離は、第1距離より小さくてもよく、例えば1ミリメートル未満であってもよい。より小さなカップリング距離は、より強いカップリング効果をもたらすことが理解されるべきである。スロット・アンテナがフローティング・ワイヤ・アンテナに結合されることが可能であるという条件の下で、カップリング距離の具体的な値は、本願において限定されない。
[0026] 第3態様に関し、幾つかの実施形態では、少なくとも1つのワイヤ・アンテナは、異なる長さの2つ以上のワイヤ・アンテナであってもよい。2つ以上のワイヤ・アンテナの金属板上の投影は、互いに平行である可能性がある。2つ以上のワイヤ・アンテナは、第1平面上に配置されてもよく、第1平面は、金属板が配置されている平面に平行であってもよい。2つ以上のワイヤ・アンテナは、異なる長さを有するので、2つ以上のワイヤ・アンテナに分布する第2電流の周波数も異なる。
[0027] 第3態様に関し、幾つかの実施形態では、ワイヤ・アンテナはフローティング・アンテナであり、背面カバーの内側表面に配置されるか、背面カバーの外側表面に配置されるか、又は背面カバーの中に構築されてもよい。例えば、ワイヤ・アンテナは、背面カバーの内側表面に貼り付けられた金属ストリップであってもよいし、或いは導電性銀ペーストを使用することにより背面カバーの内側表面に印刷されてもよい。
[0028] 第3態様に関し、幾つかの実施形態では、電子デバイスは地板を含んでもよく、金属板が地板であってもよい。地板は、電子デバイスの印刷回路基板PCB地板と、電子デバイスの金属シャーシとを含むことが可能である。
[0029] 第4態様によれば、本願は電子デバイスを提供し、電子デバイスはアンテナ装置を含む。アンテナ装置は、ワイヤ・アンテナとスロット・アンテナを含むことができる。
[0030] 給電部は、ワイヤ・アンテナの中間位置で接続されてもよく、即ち、ワイヤ・アンテナの給電位置はワイヤ・アンテナの中間位置であってもよい。具体的には、給電部の正電極は中間位置の一方の側に接続されてもよく、給電部の負電極は中間位置の他方の側に接続されてもよい。スロット・アンテナは、金属板とスロットを含んでもよい。スロット・アンテナは、金属板(例えば、PCB地板)に細長い孔を形成することによって形成されてもよい。スロットは、ポリマー、ガラス、セラミックス、又はこれらの材料の組み合わせのような材料で充填されてもよい。
[0031] ワイヤ・アンテナは、スロット・アンテナが配置されている平面に対して平行であり、且つスロット・アンテナのスロットに対して垂直であってもよい。平面は、スロット平面、即ち、金属板が配置されている平面と言及されてもよい。ワイヤ・アンテナのスロット平面における投影とスロット・アンテナのスロットとは、投影の中間位置で交差する可能性がある。ワイヤ・アンテナのスロット平面における投影とスロットとの交差部Aと、スロット・アンテナの中央位置Bとの間の距離L6は、動作波長4の1/8より大きく且つ動作波長4の1/2より小さくてもよい。動作波長4は、スロット・アンテナの動作波長である。第4態様では、動作波長4は第1波長と言及されてもよい。
[0032] スロットを囲む電流は、スロット・アンテナにおいて、スロット・アンテナの中間位置の両側で反対方向に分布し、電流は、ワイヤ・アンテナにおいて、中間位置の両側で同じ方向に分布する。
[0033] 第4態様で提供されるアンテナ設計ソリューションにおいて、複数の周波数バンドをカバーするために、給電ワイヤ・アンテナはDMスロット・アンテナ・モードで動作し、DMスロット・アンテナ・モードで動作するスロット・アンテナに更に結合することができる、ということを知ることができる。ワイヤ・アンテナは、背面カバーに配置されるフローティング・アンテナとして設計されてもよく、電子デバイス内のデザイン・スペースを占有せず、内部構成要素による影響をほとんど受けない。アンテナ構造において、給電ワイヤ・アンテナは、より多くの周波数バンドをカバーするために、異なるサイズのより多くのスロット・アンテナに更に結合されてもよい。
[0034] 第4態様に関し、幾つかの実施形態では、ワイヤ・アンテナはフローティング・アンテナであってもよく、背面カバーの内側表面に配置されるか、背面カバーの外側表面に配置されるか、又は背面カバーの中に構築されてもよい。例えば、ワイヤ・アンテナは、背面カバーの内側表面に貼り付けられた金属ストリップであってもよいし、或いは導電性銀ペーストを使用することにより背面カバーの内側表面に印刷されてもよい。
[0035] 第4態様に関し、幾つかの実施形態では、電子デバイスは地板を含んでもよく、金属板が地板であってもよい。地板は、電子デバイスの印刷回路基板PCB地板と、電子デバイスの金属シャーシとを含むことが可能である。
[0036] 第5態様によれば、本願は電子デバイスを提供し、電子デバイスはアンテナ装置を含んでもよい。アンテナ装置は、ワイヤ・アンテナとスロット・アンテナを含むことが可能である。
[0037] ワイヤ・アンテナは給電点を有し、給電点はワイヤ・アンテナの中間位置に配置されてもよい。給電点は給電部の正電極に接続され、給電部の負電極はグランドに接続される。スロット・アンテナは、スロットが配置されている金属板を含んでもよく、開口は、スロットの第1の側の中間位置に配置されてもよい。
[0038] ワイヤ・アンテナの中央位置において、ワイヤ・アンテナは、金属板が配置されている平面に対して垂直であってもよい。ワイヤ・アンテナに接続された給電部の正電極は、開口の一方の側に位置し、ワイヤ・アンテナに接続された給電部の負電極は開口の他方の側に位置する。
[0039] スロットを囲む電流は、スロット・アンテナにおいて同じ方向に分布することが可能であり、電流は、ワイヤ・アンテナにおいて、中央位置の両側で反対方向に分布することが可能である。
[0040] 第5態様で提供されるアンテナ設計ソリューションにおいて、複数の周波数バンドをカバーするために、給電ワイヤ・アンテナはCMワイヤ・アンテナ・モードで動作し、CMスロット・アンテナ・モードで動作するスロット・アンテナに更に結合することができる、ということを知ることができる。アンテナ構造において、給電ワイヤ・アンテナは、より多くの周波数バンドをカバーするために、異なるサイズのより多くのスロット・アンテナに更に結合されてもよい。
[0041] 第5態様に関し、幾つかの実施形態では、電子デバイスは地板を含んでもよく、金属板が地板であってもよい。地板は、電子デバイスの印刷回路基板PCB地板と、電子デバイスの金属シャーシとを含むことが可能である。
[0042] 第6態様によれば、本願は電子デバイスを提供し、電子デバイスはアンテナ装置を含んでもよい。アンテナ装置は、ワイヤ・アンテナとスロット・アンテナを含むことが可能であり、スロット・アンテナは、スロットが配置されている金属板を含む。
[0043] 開口はスロットの第1の側の中間位置に配置されてもよく、給電部は開口に接続されてもよく、給電部の正電極は開口の一方の側に接続され、給電部の負電極は開口の他方の側に接続され、
[0044] ワイヤ・アンテナの中央位置において、ワイヤ・アンテナは、金属板が配置されている平面に対して垂直であってもよい。ワイヤ・アンテナに接続された給電部の正電極は、開口の一方の側に位置してもよく、ワイヤ・アンテナに接続された給電部の負電極は開口の他方の側に位置してもよい。
[0045] スロットを囲む電流は、スロット・アンテナにおいて同じ方向に分布することが可能であり、電流は、ワイヤ・アンテナにおいて、中央位置の両側で反対方向に分布することが可能である。
[0046] 第6態様で提供されるアンテナ設計ソリューションにおいて、複数の周波数バンドをカバーするために、給電スロット・アンテナはCMスロット・アンテナ・モードで動作し、CMワイヤ・アンテナ・モードで動作するワイヤ・アンテナに更に結合することができる、ということを知ることができる。
[0047] 第6態様に関し、幾つかの実施形態では、電子デバイスは地板を含んでもよく、金属板が地板であってもよい。地板は、電子デバイスの印刷回路基板PCB地板と、電子デバイスの金属シャーシとを含むことが可能である。
[0048] 第7態様によれば、本願は電子デバイスを提供し、電子デバイスはアンテナ装置を含んでもよい。アンテナ装置は、ワイヤ・アンテナとスロット・アンテナを含むことが可能である。
[0049] ワイヤ・アンテナは給電点を有してもよく、給電点はワイヤ・アンテナの中間位置に配置されてもよい。給電点は給電部の正電極に接続され、給電部の負電極はグランドに接続される。スロット・アンテナは、スロットが配置されている金属板を含んでもよい。
[0050] ワイヤ・アンテナは、スロット・アンテナに対して平行であってもよく、ワイヤ・アンテナの中間位置とスロット・アンテナの中間位置との間の接続ラインは、ワイヤ・アンテナ及びスロット・アンテナの両方に対して垂直であってもよい。
[0051] 電流は、ワイヤ・アンテナにおいて、中間位置の両側で反対方向に分布することが可能であり、スロットを囲む電流は、スロット・アンテナにおいて、スロット・アンテナの中間位置の両側で反対方向に分布することが可能である。
[0052] 第7態様で提供されるアンテナ設計ソリューションにおいて、複数の周波数バンドをカバーするために、給電ワイヤ・アンテナはCMワイヤ・アンテナ・モードで動作し、DMスロット・アンテナ・モードで動作するスロット・アンテナに更に結合することができる、ということを知ることができる。アンテナ構造において、給電ワイヤ・アンテナは、更に、より多くの周波数バンドをカバーするために、異なるサイズのより多くのスロット・アンテナに結合されてもよい。
[0053] 第7態様に関し、幾つかの実施形態では、電子デバイスは地板を含んでもよく、金属板が地板であってもよい。地板は、電子デバイスの印刷回路基板PCB地板と、電子デバイスの金属シャーシとを含むことが可能である。
[0054] 第8態様によれば、本願は電子デバイスを提供し、電子デバイスはアンテナ装置を含む。アンテナ装置は、ワイヤ・アンテナとスロット・アンテナを含むことが可能である。
[0055] スロット・アンテナは、スロットが配置されている金属板を含んでもよい。給電点はスロット・アンテナの中間位置に配置されてもよく、給電部の正電極はスロット・アンテナの一方の側に接続され、給電部の負電極はスロット・アンテナの他方の側に接続される。
[0056] ワイヤ・アンテナは、スロット・アンテナに対して平行であってもよく、ワイヤ・アンテナの中間位置とスロット・アンテナの中間位置との間の接続ラインは、ワイヤ・アンテナ及びスロット・アンテナの両方に対して垂直であってもよい。
[0057] 電流は、ワイヤ・アンテナにおいて、中間位置の両側で反対方向に分布することが可能であり、スロットを囲む電流は、スロット・アンテナにおいて、スロット・アンテナの中間位置の両側で反対方向に分布することが可能である。
[0058] 第8態様で提供されるアンテナ設計ソリューションにおいて、複数の周波数バンドをカバーするために、給電スロット・アンテナはDMスロット・アンテナ・モードで動作し、CMワイヤ・アンテナ・モードで動作するワイヤ・アンテナに更に結合することができる、ということを知ることができる。アンテナ構造において、給電スロット・アンテナは、更に、より多くの周波数バンドをカバーするために、異なるサイズのより多くのスロット・アンテナに結合されてもよい。
[0059] 第8態様に関し、幾つかの実施形態では、電子デバイスは地板を含んでもよく、金属板が地板であってもよい。地板は、電子デバイスの印刷回路基板PCB地板と、電子デバイスの金属シャーシとを含むことが可能である。
[0060] 第9態様によれば、本願は電子デバイスを提供し、電子デバイスはアンテナ装置を含む。アンテナ装置は、ワイヤ・アンテナとスロット・アンテナを含むことが可能である。
[0061] 給電点は、ワイヤ・アンテナの中間位置に配置されてもよく、給電部の正電極は中間位置の一方の側に接続され、給電部の負電極は中間位置の他方の側に接続される。スロット・アンテナは、スロットが配置されている金属板を含んでもよく、開口はスロットの第1の側の中間位置に配置されてもよい。
[0062] ワイヤ・アンテナは、スロット・アンテナに対して平行であってもよく、ワイヤ・アンテナの中間位置とスロット・アンテナの中間位置との間の接続ラインは、ワイヤ・アンテナ及びスロット・アンテナの両方に対して垂直であってもよい。
[0063] 電流は、ワイヤ・アンテナにおいて、ワイヤ・アンテナの中間位置の両側で同じ方向に分布することが可能であり、スロットを囲む電流は、スロット・アンテナにおいて同じ方向に分布することが可能である。
[0064] 第9態様で提供されるアンテナ設計ソリューションにおいて、複数の周波数バンドをカバーするために、給電ワイヤ・アンテナはDMワイヤ・アンテナ・モードで動作し、CMスロット・アンテナ・モードで動作するスロット・アンテナに更に結合することができる、ということを知ることができる。ワイヤ・アンテナは、背面カバーに配置されるフローティング・アンテナとして設計されてもよく、電子デバイス内のデザイン・スペースを占有せず、内部構成要素による影響をほとんど受けない。アンテナ構造において、給電ワイヤ・アンテナは、より多くの周波数バンドをカバーするために、異なるサイズのより多くのスロット・アンテナに更に結合されてもよい。
[0065] 第9態様に関し、幾つかの実施形態では、電子デバイスは地板を含んでもよく、金属板が地板であってもよい。地板は、電子デバイスの印刷回路基板PCB地板と、電子デバイスの金属シャーシとを含むことが可能である。
[0066] 第10態様によれば、本願は電子デバイスを提供し、電子デバイスはアンテナ装置を含んでもよい。アンテナ装置は、ワイヤ・アンテナとスロット・アンテナを含むことが可能である。
[0067] スロット・アンテナは、スロットが配置されている金属板を含んでもよく、開口は、スロットの第1の側の中間位置に配置されてもよい。給電部が開口に接続されてもよく、給電部の正電極は開口の一方の側に接続され、給電部の負電極は開口の他方の側に接続される。
[0068] ワイヤ・アンテナは、スロット・アンテナに対して平行であってもよく、ワイヤ・アンテナの中間位置とスロット・アンテナの中間位置との間の接続ラインは、ワイヤ・アンテナ及びスロット・アンテナの両方に対して垂直であってもよい。
[0069] 電流は、ワイヤ・アンテナにおいて、ワイヤ・アンテナの中間位置の両側で同じ方向に分布することが可能であり、スロットを囲む電流は、スロット・アンテナにおいて同じ方向に分布することが可能である。
[0070] 第10態様で提供されるアンテナ設計ソリューションにおいて、複数の周波数バンドをカバーするために、給電スロット・アンテナはCMスロット・アンテナ・モードで動作し、DMワイヤ・アンテナ・モードで動作するワイヤ・アンテナに更に結合することができる、ということを知ることができる。ワイヤ・アンテナは、背面カバーに配置されるフローティング・アンテナとして設計されてもよく、電子デバイス内のデザイン・スペースを占有せず、内部構成要素による影響をほとんど受けない。アンテナ構造において、給電ワイヤ・アンテナは、より多くの周波数バンドをカバーするために、異なるサイズのより多くのスロット・アンテナに更に結合されてもよい。
[0071] 第10態様に関し、幾つかの実施形態では、電子デバイスは地板を含んでもよく、金属板が地板であってもよい。地板は、電子デバイスの印刷回路基板PCB地板と、電子デバイスの金属シャーシとを含むことが可能である。
[0072] 第11態様によれば、本願は電子デバイスを提供し、電子デバイスはアンテナ装置を含んでもよい。アンテナ装置は、ストリップ及びスロットを含むことが可能である。
[0073] ストリップとスロットは互いに平行であってもよい。スロットは、地板に細い孔を形成することによって形成されてもよい。スロットの第1の側は、ストリップに近接しており、開口が第1の側に配置されてもよい。開口は、具体的には、第1の側の中間位置に配置されてもよいし、又は中間位置からずれた位置に配置されてもよい。
[0074] ストリップは、接続点Bを有してもよく、接続点Bで接地スタブに接続されてもよい。接地スタブは、開口の一方端(端部C)においてストリップとスロットの第1の側を接続するように構成されてもよい。給電点Aは、ストリップ上に配置され、給電点Aは、給電部に接続されるように構成されてもよい。具体的には、給電部の正電極は給電点Aに接続され、給電部の負電極は開口の他方端(端部D)においてスロットの第1の側に接続される。
[0075] ストリップにおける給電点Aと接続点Bの間の距離L8は、動作波長5の1/4より小さくてもよい。動作波長5は、ストリップの動作波長であり、即ち、CMワイヤ・アンテナ・モードの動作波長である。第11態様では、動作波長5は第1波長と言及されてもよい。
[0076] 電流は、ストリップにおいて同じ方向に分布し、スロットを囲む電流は、金属板において同じ方向に分布する。
[0077] 第11態様で提供されるアンテナ設計ソリューションにおいて、CMワイヤ・アンテナとCMスロット・アンテナを組み合わせて、CMワイヤ・アンテナとCMスロット・アンテナの両方のストリップ特性を有するアンテナ構造を得ることができる、ということを知ることができる。CMワイヤ・アンテナ・モードとCMスロット・アンテナ・モードを励起し、複数の周波数バンドをカバーするために、シングル給電設計を利用することができる。
[0078] 第12態様によれば、本願は、電子デバイスを提供し、電子デバイスはアンテナ装置を含む。アンテナ装置は、ストリップ導体とスロットを含むことが可能である。
[0079] スロットは、ストリップ導体上に配置されてもよく、スロットのスロット方向は、ストリップ導体が延びる方向に垂直であってもよい。スロットは、ストリップ導体の中間位置においてストリップ導体に垂直であってもよい。給電部は、スロットの中間位置で接続されてもよく、給電部の正電極はスロットの一方の側に接続され、給電部の負電極はスロットの他方の側に接続される。
[0080] 電流は、ストリップ導体において、スロットの中間位置の両側で同じ方向に分布することが可能であり、スロットを囲む電流は、ストリップ導体において、スロットの中間位置の両側で反対方向に更に分布することが可能である。
[0081] 第12態様で提供されるアンテナ設計ソリューションにおいて、ストリップ導体は、DMワイヤ・アンテナとDMスロット・アンテナの両方のストリップ特徴を有するようにスロットを形成してもよく、アンテナが小型化される場合に複数の周波数バンドをカバーするように、DMワイヤ・アンテナ・モード及びDMスロット・アンテナ・モードという2つのスロット・アンテナ・モードを励起するために給電設計が使用されてもよい、ということを知ることができる。
[0082] 第13態様によれば、本願は、電子デバイスを提供し、電子デバイスはアンテナ装置を含む。アンテナ装置はストリップとスロットを含むことが可能である。
[0083] ストリップとスロットは互いに平行である。スロットは金属板上に配置される。第1ストリップはストリップの中間位置で接続され、第1ストリップはスロットの第1の側に接続されるように構成される。給電部は、スロットの中間位置に接続され、給電部の正電極はスロットの第1の側に接続され、給電部の負電極はスロットの第2の側に接続される。
[0084] 電流は、ストリップにおいて、ストリップの中間位置の両側で反対方向に分布し、スロットを囲む電流は、金属板において、スロットの中間位置の両側で反対方向に分布する。
[0085] 第13態様で提供されるアンテナ設計ソリューションにおいて、CMワイヤ・アンテナとDMスロット・アンテナの両方のストリップ特徴を有するアンテナ構造を、シングル給電設計との組み合わせで使用して、複数の周波数バンドをカバーするように、CMワイヤ・アンテナ・モード及びDMスロット・アンテナ・モードを励起することができる、ということを知ることができる。
[0086] 第14態様によれば、本願は電子デバイスを提供し、電子デバイスはアンテナ装置を含む。アンテナ装置はストリップとスロットを含むことが可能である。
[0087] ストリップとスロットは互いに平行であってもよい。スロットは、地板に細長い孔を形成することによって形成されてもよい。スロットの第1の側は、ストリップに近接しており、開口部が第1の側に配置されていてもよい。開口は、具体的には、第1の側の中間位置に配置されてもよいし、又は中間位置からずれた位置に配置されてもよい。
[0088] ストリップは、第1接続点と第2接続点を有していてもよい。ストリップは、第1接続点において第1ストリップに接続されてもよく、ストリップは、第2接続点で第2ストリップに接続されてもよい。第1ストリップは、開口の一方端(端部C)においてストリップとスロットの第1の側を接続するように構成されてもよい。第2ストリップは、開口の他方端(端部D)においてストリップとスロットの第1の側を接続するように構成されてもよい。
[0089] 給電部は開口において接続されてもよい。開口において、給電部の正電極が開口の一方端(端部C)で第1ストリップに接続され、給電部の負電極が開口の一方端(端部D)で第2ストリップに接続される。
[0090] 電流は、ストリップにおいて同じ方向に分布し、スロットを囲む電流は、金属板において同じ方向に分布する。
[0091] 第14態様で提供されるアンテナ設計ソリューションにおいて、DMワイヤ・アンテナとCMスロット・アンテナの両方のストリップ特徴を有するアンテナ構造を得るために、DMワイヤ・アンテナとCMスロット・アンテが組み合わせられる、ということを知ることができる。DMワイヤ・アンテナ・モードとCMスロット・アンテナ・モードを励起し、複数の周波数バンドをカバーするために、シングル給電設計を利用することができる。
[0092] 本願の実施態様における技術的ソリューションをより明確に説明するために、以下、本願の実施態様で使用される添付の図面を説明する。
[0093] 図1は本願によるアンテナ設計ソリューションが基礎とする電子デバイスの構造の概略図である。
[0094] 図2Aは、本願によるCMワイヤ・アンテナを示す。
[0095] 図2Bは、本願によるCMワイヤ・アンテナ・モードにおける電流及び電界分布の概略図を示す。
[0096] 図3Aは、本願によるDMワイヤ・アンテナを示す。
[0097] 図3Bは、本願によるDMワイヤ・アンテナ・モードにおける電流及び電界分布を示す。
[0098] 図4Aは、本願によるCMスロット・アンテナを示す。
[0099] 図4Bは、本願によるCMスロット・アンテナ・モードにおける電流、電界、及び磁気ストリームの分布を示す。
[0100] 図5Aは、本願によるDMスロット・アンテナを示す。
[0101] 図5Bは、本願によるDMスロット・アンテナ・モードにおける電流、電界、及び磁気ストリームの分布を示す。
[0102] 図6A及び6Bは、ストリップ導体の特徴的なモードを示す。
[0102] 図6A及び6Bは、ストリップ導体の特徴的なモードを示す。
[0103] 図7Aは、実施形態1によるアンテナ設計ソリューションを示す。
[0104] 図7B及び図7Cは、実施形態1によるアンテナ構造の電流分布を示す。
[0104] 図7B及び図7Cは、実施形態1によるアンテナ構造の電流分布を示す。
[0105] 図7Dは、実施形態1によるアンテナ設計ソリューションの実際のシステム全体における実装を示す。
[0106] 図7Eは、図7Dに示されるアンテナのS11シミュレーションを示す。
[0107] 図8Aは、実施形態1の拡張されたソリューションを示す。
[0108] 図8Bないし図8Eは、図8Aに示すアンテナ構造の電流分布を示す。
[0108] 図8Bないし図8Eは、図8Aに示すアンテナ構造の電流分布を示す。
[0108] 図8Bないし図8Eは、図8Aに示すアンテナ構造の電流分布を示す。
[0108] 図8Bないし図8Eは、図8Aに示すアンテナ構造の電流分布を示す。
[0109] 図9A及び図9Bは、スロット付き金属板の2つの特性モードを示す。
[0109] 図9A及び図9Bは、スロット付き金属板の2つの特性モードを示す。
[0110] 図10Aは、実施形態2によるアンテナ設計ソリューションを示す。
[0111] 図10B及び図10Cは、実施形態2によるアンテナ構造の電流分布を示す。
[0111] 図10B及び図10Cは、実施形態2によるアンテナ構造の電流分布を示す。
[0112] 図11Aは、実施形態1の拡張されたソリューションを示す。
[0113] 図11Bないし図11Eは、図11Aに示されるアンテナ構造の電流分布を示す。
[0113] 図11Bないし図11Eは、図11Aに示されるアンテナ構造の電流分布を示す。
[0113] 図11Bないし図11Eは、図11Aに示されるアンテナ構造の電流分布を示す。
[0113] 図11Bないし図11Eは、図11Aに示されるアンテナ構造の電流分布を示す。
[0114] 図12A及び図12Bは、実施形態3によるアンテナ設計ソリューションを示す。
[0114] 図12A及び図12Bは、実施形態3によるアンテナ設計ソリューションを示す。
[0115] 図12Cは、図12A及び図12Bに示されるアンテナ構造によって生成される共振モードを示す。
[0116] 図12Dないし図12Fは、図12Cにおける各々の共振の電流分布を示す。
[0116] 図12Dないし図12Fは、図12Cにおける各々の共振の電流分布を示す。
[0116] 図12Dないし図12Fは、図12Cにおける各々の共振の電流分布を示す。
[0117] 図13A及び図13Bは、実施形態4によるアンテナ設計ソリューションを示す。
[0117] 図13A及び図13Bは、実施形態4によるアンテナ設計ソリューションを示す。
[0118] 図13Cは、図13A及び図13Bに示されるアンテナ構造によって生成される共振モードを示す。
[0119] 図13D及び図13Eは、図13Cにおける各々の共振の電流分布を示す。
[0119] 図13D及び図13Eは、図13Cにおける各々の共振の電流分布を示す。
[0120] 図14A及び図14Bは、実施形態5によるアンテナ設計ソリューションを示す。
[0120] 図14A及び図14Bは、実施形態5によるアンテナ設計ソリューションを示す。
[0121] 図14Cは、図14A及び図14Bに示されるアンテナ構造によって生成される共振モードを示す。
[0122] 図14D及び図14Eは、図14Cにおける各々の共振の電流分布を示す。
[0122] 図14D及び図14Eは、図14Cにおける各々の共振の電流分布を示す。
[0123] 図15A及び図15Bは、実施形態7によるアンテナ設計ソリューションを示す。
[0123] 図15A及び図15Bは、実施形態7によるアンテナ設計ソリューションを示す。
[0124] 図15Cは、図15A及び図15Bに示されるアンテナ構造によって生成される共振モードを示す。
[0125] 図15D及び図15Eは、図15Cにおける各々の共振の電流分布を示す。
[0125] 図15D及び図15Eは、図15Cにおける各々の共振の電流分布を示す。
[0126] 図16は、実施形態8によるアンテナ設計ソリューションを示す。
[0127] 図17Aは、実施形態9によるアンテナ設計ソリューションを示す。
[0128] 図17B及び図17Cは、図17Aに示されるアンテナ構造のモード電流及びモード電界を示す。
[0128] 図17B及び図17Cは、図17Aに示されるアンテナ構造のモード電流及びモード電界を示す。
[0129] 図18は、実施形態10によるアンテナ設計ソリューションを示す。
[0130] 図19Aは、実施形態11によるアンテナ設計ソリューションを示す。
[0131] 図19Bは、図19Aに示されるアンテナ構造によって生成される共振モードを示す。
[0132] 図19C及び図19Dは、図19Bにおける幾つかの共振の電流分布を示す。
[0132] 図19C及び図19Dは、図19Bにおける幾つかの共振の電流分布を示す。
[0133] 図19Eは、図19Bにおける幾つかの共振の電流分布を示す。
[0134] 図20Aは、実施形態12によるアンテナ設計ソリューションを示す。
[0135] 図20B及び20Cは、図20Aに示されるアンテナ構造のモード電流及びモード電界を示す。
[0135] 図20B及び20Cは、図20Aに示されるアンテナ構造のモード電流及びモード電界を示す。
[0136] 図20Dは、実施形態12の拡張されたソリューションを示す。
[0137] 図20Eは、図20Dに示されるアンテナ構造によって生成される共振モードを示す。
[0138] 図20Fないし図20Hは、図20Eにおける各々の共振の電流分布を示す。
[0138] 図20Fないし図20Hは、図20Eにおける各々の共振の電流分布を示す。
[0138] 図20Fないし図20Hは、図20Eにおける各々の共振の電流分布を示す。
[0139] 図21Aは、実施形態13によるアンテナ設計ソリューションを示す。
[0140] 図21Bは、図21Aに示されるアンテナ構造によって生成される共振モードを示す。
[0141] 図21Cないし図21Eは、図21Bの各々の共振の電流分布を示す。
[0141] 図21Cないし図21Eは、図21Bの各々の共振の電流分布を示す。
[0141] 図21Cないし図21Eは、図21Bの各々の共振の電流分布を示す。
[0142] 図22Aは、実施形態14によるアンテナ設計ソリューションを示す。
[0143] 図22Bは、図22Aに示されるアンテナ構造によって生成される共振モードを示す。
[0144] 図22Cないし図22Eは、図22Bにおける各々の共振の電流分布を示す。
[0144] 図22Cないし図22Eは、図22Bにおける各々の共振の電流分布を示す。
[0144] 図22Cないし図22Eは、図22Bにおける各々の共振の電流分布を示す。
[0145] 以下、本発明の実施形態における添付図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
[0146] 本願で提供される技術的ソリューションは、ブルートゥース(Bluetooth, BT)通信技術、グローバル・ポジショニング・システム(global positioning system, GPS)通信技術、ワイヤレス・フィデリティ(wireless fidelity, Wi-Fi)通信技術、移動通信用グローバル・システム(global system for mobile communications, GSM)通信技術、ワイドバンド符号分割多元接続(wideband code division multiple access, WCDMA)通信技術、ロング・ターム・エボリューション(long term evolution, LTE)通信技術、5G通信技術、SUB-6G通信技術、及びその他の将来の通信技術、のうちの1つ以上を使用する電子デバイスに適用可能である。本願において、電子デバイスは、携帯電話、タブレット・コンピュータ、パーソナル・デジタル・アシスタント(personal digital assistant, PDA)などであってもよい。
[0147] 図1は、本願で提供されるアンテナ設計ソリューションが基礎とする電子デバイスの内部状況の一例を示す。図1に示すように、電子デバイス10は、カバー・ガラス13、ディスプレイ15、印刷回路基板PCB 17、ハウジング19、及び背面カバー21を含むことが可能である。
[0148] カバー・ガラス13はディスプレイ15の近くに配置されてもよく、ディスプレイ15を塵埃から保護するように主に構成されることが可能である。
[0149] 印刷回路基板PCB 17は、FR-4誘電体基板であってもよいし、又はロジャーズ(Rogers)誘電体基板であってもよいし、又はロジャーズとFR-4を混合する誘電体基板などであってもよい。ここで、FR-4は難燃性材料に対するグレード指定であり、ロジャーズ誘電体基板は高周波基板である。プリント回路基板PCB 17のうちの、ハウジング19に近い方の側に、金属層が配置されていてもよく、金属層は、PCB 17の表面における金属をエッチングすることによって形成されてもよい。金属層が、プリント回路基板PCB 17に担われている電子素子を接地するように構成され、ユーザーが感電してしまうことを防止したり、デバイスの損傷を防止したりしてもよい。金属層は、PCB地板と言及されてもよい。PCB接地板に加えて、電子デバイス10は、例えば金属シャーシのような、接地に使用される別の接地板を有していてもよい。
[0150] ハウジング19は、主に、システム全体を支持するように構成される。ハウジング19は、周辺導電性構造11を含むことが可能であり、構造11は、金属のような導電性材料で作成されてもよい。構造11は、電子デバイス10及びディスプレイ15の周囲に延びていてもよい。具体的には、構造11は、ディスプレイ15の四辺を囲んで、ディスプレイ15を固定することを支援することができる。実装において、金属材料で形成された構造11は、金属ベゼルの外観を形成するために電子デバイス10の金属ベゼルとして直接的に使用されてもよく、また、金属IDに適用可能である。別の実装において、プラスチック・ベゼルのような非金属ベゼルが、非金属ベゼルの外観を形成するために構造11の外面に更に配置されてもよく、また、非金属IDに適用可能である。
[0151] 背面カバー21は、金属材料で形成された背面カバーであってもよいし、或いはガラス背面カバー、プラスチック背面カバー、又はその他の非金属背面カバーのような非導電性材料で形成された背面カバーであってもよい。
[0152] 図1は、電子デバイス10に含まれる幾つかの構成要素を概略的に示しているだけに過ぎず、これらの構成要素の実際の形状、実際のサイズ、及び実際の構造は図1によって限定されない。
[0153] より快適な視覚的なフィーリングをユーザーにもたらすために、電子デバイス10は、ベゼル・レス・スクリーン工業デザイン(industry design, ID)を使用してもよい。ベゼル・レス・スクリーンとは、非常に大きなスクリーン対ボディ比(通常90%を越えるもの)を意味する。ベゼル・レス・スクリーンのベゼルの幅は、大幅に縮小され、電子デバイス10の内部構成要素、例えば、前面カメラ、電話受信機、指紋センサ、及びアンテナのようなものは、再配置されることを必要とする。特に、アンテナ設計では、クリアランス面積が縮小され、アンテナ・スペースは更に圧迫される。しかしながら、アンテナのサイズ、帯域幅、及び効率は、互いに相関し合い、互いに影響を及ぼし合う。アンテナのサイズ(スペース)が削減されると、アンテナの効率-帯域幅積(efficiency-bandwidth product)は確実に減少する。
[0154] 本願において提供されるアンテナ設計ソリューションは、より多くの周波数バンドをカバーすることが可能な小型化されたマルチモード・アンテナを実装することができる。
[0155] 先ず、4つのアンテナ・モードを本願で説明する。
[0156] 1. 共通モード(common mode, CM)ワイヤ・アンテナ・モード
[0157] 図2Aに示すように、ワイヤ・アンテナ101は、中間位置103において給電部に接続される。給電部の正電極は、ワイヤ・アンテナ101の中間位置103に接続され、給電部の負電極は、グランド(例えば、地板)に接続される。
[0158] 図2Bは、ワイヤ・アンテナ101の電流及び電界の分布を示す。図2(B)に示すように、電流は、中間位置103の両側で反対方向に対称的に分布し、電界は中間位置103の両側で同じ方向に分布している。図2Bに示すように、給電位置102における電流は、同じ方向に分布している。給電位置102における同じ方向の電流分布に基づいて、図2Aに示される給電は、ワイヤ・アンテナCM給電と言及されてもよい。図2Bに示すワイヤ・アンテナ・モードは、CMワイヤ・アンテナ・モードと言及されてもよい。図2Bに示される電流及び電界は、それぞれ、CMワイヤ・アンテナ・モードの電流及び電界と言及されてもよい。
[0159] CMワイヤ・アンテナ・モードの電流及び電界は、中間位置103の両側におけるワイヤ・アンテナ101の2つの水平ストリップによって、1/4波長アンテナとして生成される。電流は、ワイヤ・アンテナ101の中間位置103で強く、ワイヤ・アンテナ101の両端で弱い。電界は、ワイヤ・アンテナ101の中間位置103で弱く、ワイヤ・アンテナ101の両端で強い。
[0160] 2. 差動(differential mode, DM)ワイヤ・アンテナ・モード
[0161] 図3Aに示すように、ワイヤ・アンテナ104は、中間位置106において給電部に接続される。給電部の正電極は中間位置106の一方の側に接続され、給電部の負電極は中間位置106の他方の側に接続される。
[0162] 図3Bは、ワイヤ・アンテナ104の電流及び電界分布を示す。図3Bに示すように、電流は、中間位置106の両側で同じ向きに反対称的に分布し、電界は、中間位置106の両側で反対方向に分布している。図3Bに示されるように、給電位置105における電流は、反対方向に分布している。給電位置105における反対方向の電流分布に基づいて、図3Aに示される給電は、ワイヤ・アンテナDM給電と言及されてもよい。図3Bに示すワイヤ・アンテナ・モードは、DMワイヤ・アンテナ・モードと言及されてもよい。図3Bに示される電流及び電界は、それぞれ、DMワイヤ・アンテナ・モードの電流及び電界と言及されてもよい。
[0163] DMワイヤ・アンテナ・モードの電流及び電界は、半波長アンテナとして、ワイヤ・アンテナ104全体によって生成される。電流は、ワイヤ・アンテナ104の中間位置106で強く、ワイヤ・アンテナ104の両端で弱い。電界は、ワイヤ・アンテナ104の中間位置106で弱く、ワイヤ・アンテナ104の両端で強い。
[0164] 3. 共通(common mode, CM)スロット・アンテナ・モード
[0165] 図4Aに示すように、スロット・アンテナ108は、地板にスロットを形成することによって形成されてもよい。開口107はスロット109の一方の側に配置され、開口107は具体的にはその側の中間位置に配置されてもよい。給電部は、開口107に接続されてもよい。給電部の正電極は開口107の一方の側に接続され、給電部の負電極は開口107の他方の側に接続されてもよい。
[0166] 図4Bは、スロット・アンテナ108の電流、電界、及び磁気ストリーム分布を示す。図4Bに示すように、スロット109を囲む電流は、スロット109の周囲の導体(例えば、地板)上で同じ方向に分布し、電界は、スロット109の中間位置の両側で反対方向に分布し、磁気ストリームは、スロット109の中間位置の両側で反対方向に分布している。図4Bに示すように、開口107における電界(即ち、給電位置)は同じ方向にあり、開口107(即ち、供給位置)における磁気ストリームは同じ方向にある。開口107(給電位置)における同じ方向の磁気ストリームに基づいて、図4Aに示される給電は、スロット・アンテナCM給電と言及されてもよい。図4Bに示すスロット・アンテナ・モードは、CMスロット・アンテナ・モードとして言及されてもよい。図4Bに示される電界、電流、及び磁気ストリームは、それぞれ、CMスロット・アンテナ・モードの電界、電流、及び磁気ストリームと言及されてもよい。
[0167] CMスロット・アンテナ・モードの電流及び電界は、中間位置の両側でスロット・アンテナ108のスロット・アンテナ本体によって、1/4波長アンテナとして生成される。電流は、スロット・アンテナ108の中間位置で弱く、スロット・アンテナ108の両端で強い。電界は、スロット・アンテナ108の中間位置で強く、スロット・アンテナ108の両端で弱い。
[0168] 4. 差動モード(differential mode, DM)スロット・アンテナ・モード
[0169] 図5Aに示すように、スロット・アンテナ110は、地板にスロットを形成することによって形成されてもよい。給電部は、スロット・アンテナ110の中間位置112で接続されている。スロット114の一方の側の中間位置は、給電部の正電極に接続され、スロット114の他方の側の中間位置は、給電部の負電極に接続される。
[0170] 図5Bは、スロット・アンテナ110の電流、電界、及び磁気ストリーム分布を示す。図5Bに示すように、スロット114を囲む電流は、スロット114の周囲の導体(例えば、地板)上において、スロット114の中間位置の両側で反対方向に分布し、電界は、中間位置112の両側で反対方向に分布し、磁気ストリームは、中間位置112の両側で同じ方向に分布している。給電部における磁気ストリームは、反対方向に分布する(図示せず)。給電部において反対方向に分配する磁気ストリームに基づいて、図5Aに示される給電は、スロット・アンテナDM給電と言及されてもよい。図5Bに示されるスロット・アンテナ・モードは、DMスロット・アンテナ・モードと言及されてもよい。図5Bに示される電界、電流、及び磁気ストリームは、それぞれ、DMスロット・アンテナ・モードの電界、電流、及び磁気ストリームと言及されてもよい。
[0171] DMスロット・アンテナ・モードの電流及び電界は、スロット・アンテナ110全体によって、半波長アンテナとして生成される。電流は、スロット・アンテナ110の中間位置で弱く、スロット・アンテナ110の両端で強い。電界は、スロット・アンテナ110の中間位置で強く、スロット・アンテナ110の両端で弱い。
[0172] 本願は以下のアンテナ設計ソリューションを提供して、前述の4つのアンテナ・モードにおける複数のアンテナ・モードを統合し、より多くの周波数バンドをカバーし、アンテナを小型化する。
[0173] ソリューション1
[0174] ソリューション1では、前述の4つのアンテナ・モードにおける2つのアンテナ・モードを励起するために、特定の形状の導体に対して給電設計が実行される。このようにして、2つのアンテナ・モードが特定の形状の導体から励起されて、アンテナが小型化される場合に複数の周波数バンドをカバーすることができる。
[0175] ソリューション1は、給電を考慮せずに、任意の形状の導体が複数の特性モード(characteristic mode)を有することができる、という原理に基づいている。一つ以上の特性モードは、所望の特性モードを選択するために、給電設計を使用することによって強化されることが可能である。
[0176] 以下、添付の図面を参照しながら、ソリューション1の複数の実施形態を詳細に説明する。
実施形態1
[0177] 実施形態1では、ストリップ導体に関し、2つの所望の特性モードを励起するために給電設計を使用することができる。2つの望ましい特性モードは、図2A及び図2Bに示すCMワイヤ・アンテナ・モードと、図3A及び図3Bに示すDMワイヤ・アンテナ・モードである。換言すれば、CMワイヤ・アンテナ・モード及びDMワイヤ・アンテナ・モードは、ストリップ導体に関して給電設計を実行することによって、ストリップ導体の複数の特性モードから選択されることが可能である。
[0178] 図6A及び図6Bは、(給電を考慮していない)ストリップ導体111の2つの特性モードを示す。図6Aに示される特性モードは、CMワイヤ・アンテナ・モードであり、ストリップ導体111における電流は、CMワイヤ・アンテナ・モードの電流であり、即ち、ストリップ導体111における電流は反対方向に分布している。図6Bに示される特性モードは、DMワイヤ・アンテナ・モードであり、ストリップ導体111における電流は、DMワイヤ・アンテナ・モードの電流であり、即ち、ストリップ導体111における電流は同じ方向に分布している。
[0179] 図7Aは、実施形態1によるアンテナ設計ソリューションを示す。図7Aに示すように、実施形態1で提供されるワイヤ・アンテナは、ストリップ導体111、給電点113、及び接地点115を含むことが可能である。
[0180] 給電ポイント113は、ストリップ導体111の中間位置に配置されてもよい。給電点113は、給電部に接続されてもよい。給電部の正電極は、給電点113に接続されてもよく、給電部の負電極は、グランド(例えば、地板)に接続されてもよい。
[0181] ストリップ導体111において、接地点115は、給電点113の近傍に配置されてもよい。接地点115は、接地スタブ117に接続されてもよい。接地スタブ117は、グランド(例えば、地板)に接続されるように構成されてもよい。ここで、近傍は、給電点113と接地スタブ117の接地端子Aとの間の長さが、動作波長1の1/4より小さいことを意味していてもよい。即ち、給電点113と接地点115との間の距離LBCと、接地スタブ117の長さLCAとの和は、動作波長1の1/4より小さい。動作波長1は、図7Aに示すワイヤ・アンテナのCMワイヤ・アンテナ・モードの動作波長である。動作波長1の計算方法については、以下の内容で説明されており、ここでは説明しない。
[0182] 給電点113は、ストリップ導体111の中間位置に配置され、その結果、電流は、ストリップ導体111の中間位置で強く、ストリップ導体111の両端で弱くなる。これは、CMワイヤ・アンテナ・モードの電流強度分布とDMワイヤ・アンテナ・モードの電流強度との調和となる可能性があり、それにより、ストリップ導体111の2つの特性モード、即ち、CMワイヤ・アンテナ・モードとDMワイヤ・アンテナ・モードを良好に結合することができる。換言すれば、給電点113の設計は、図7Aに示されるワイヤ・アンテナを励起して、CMワイヤ・アンテナ・モード及びDMワイヤ・アンテナ・モードを生成することができる。
[0183] 図7B及び図7Cは、それぞれ、ストリップ導体111上に分布した、異なる周波数を有する2つの電流、即ち、電流116及び電流118を示す。給電点113の両側における電流116の方向は反対であり、給電点113の両側における電流118の方向は同じである。電流116はCMワイヤ・アンテナ・モードの電流であり、電流118はDMワイヤ・アンテナ・モードの電流である。電流116は、1/4波長モードの電流であって、給電点113の両側でストリップ導体111の水平ストリップ111-A及び111-Bによって生成される電流であり、電流118は、半波長モードの電流であって、ストリップ導体111全体によって生成される電流である。ストリップ導体111には、電流116と電流118という異なる周波数を有する2つの電流が存在する。即ち、2つの異なる共振周波数は、ストリップ導体111上で生成することが可能である。図7Aに示すワイヤ・アンテナは、少なくとも2つの異なる動作周波数バンドを有することができる。実施形態1では、電流116は第1電流と言及されてもよく、電流118は第2電流になってもよい。
[0184] 動作波長1(即ち、図7Aに示されるワイヤ・アンテナのCMワイヤ・アンテナ・モードの動作波長)は、電流116がCMワイヤ・アンテナ・モードの電流であるので、電流116の周波数f1に基づいて計算することが可能である。具体的には、空気中に放射された信号の動作波長1は、次のようにして計算することが可能である:
波長 = 光速/f1
媒体中に放射された信号の動作波長1は、次のようにして計算することが可能である:
波長 = (光速/√ε)/f1
ここで、εは媒体の比誘電定数である。実施形態1では、動作波長1は第1波長と言及されてもよい。
[0185] 図7Dは、実施形態1によるアンテナ設計ソリューションの実際のシステム全体における実装を示す。図7Dに示すように、ストリップ導体111は、電子デバイスの金属ベゼル、例えば、電子デバイスのトップ又はボトムに配置された金属ベゼルの一部分であってもよい。ストリップ導体111は、ストリップ導体111の中間位置で給電されてもよい。接地スタブ117は、金属ベゼルと地板を接続することができ、例えば、地板に配置され且つストリップ導体111に接続された金属ドームであってもよい。接地スタブ117は、給電点113の近傍に配置されてもよい。図7Eは、図7Dに示されるアンテナのS11シミュレーションを示す。図7Eに示されるように、アンテナは、実際には、共振“1”(LB1)、共振“2”(LB2)、及び共振“3”(LB2)という3つの共振を生成することができる。共振“1”は0.7 GHz付近、共振“2”は0.85 GHz付近、共振“3”は1.05 GHz付近にある。共振“2”は、ストリップ導体111の半波長モードによって生成される可能性があり、即ち、共振“2”は、DMワイヤ・アンテナ・モードの共振である。共振“3”は、ストリップ導体111の1/4波長モードによって生成される可能性があり、即ち、共振“3”は、CMワイヤ・アンテナ・モードの共振である。共振“1”は、ストリップ導体111の1/4波長モードによって励起される地板によって生成される可能性があり、電流120が地板上に分布している。電流120の周波数は、電流116及び電流118の周波数と相違する可能性があり、具体的には、電流116及び電流118の周波数よりも低い可能性がある。実施形態1において、電流120は第3電流と言及されてもよい。
[0186] 実施形態1で提供されるアンテナ設計ソリューションにおいて、アンテナが小型化される場合に複数の周波数バンドをカバーするために、1つのストリップ導体を使用して、2つのワイヤ・アンテナ・モード、即ちCMワイヤ・アンテナ・モードとDMワイヤ・アンテナ・モードを励起することができる、ということを知ることができる。
[0187] 実施形態1の拡張ソリューション
[0188] 図8Aに示されるように、給電点113は、より多くの周波数バンドをカバーするために、ストリップ導体111の中間位置からずれていてもよい。換言すれば、図8Aに示すアンテナ構造において、給電点113とストリップ導体111の一方端との間の距離L1は、給電点113とストリップ導体111の他方端との間の距離L2と等しくない。給電点113を分割ラインとして使用することによって、ストリップ導体111は、長ストリップと短ストリップに分割されてもよい。長ストリップは、図8AにおいてL2である長さの水平ストリップであり、短ストリップは、図8AにおいてL1である長さの水平ストリップである。図8Aに示すアンテナ構造では、接地スタブ117は、給電点113の近傍に配置されることは必須ではない可能性があり、即ち、接地スタブ117は除去されてもよい。
[0189] 図7Aの実施形態とは異なり、図8Aに示すアンテナ構造では、ストリップ導体111において、異なる周波数を有するより多くの電流、即ち図8Bないし図8Eにそれぞれ示すことができるような電流20、電流21、電流22、及び電流23が存在する可能性がある。ストリップ導体111において、電流20、電流22、及び電流23は、給電点113の両側で反対方向にある。電流21は、ストリップ導体111全体において同じ方向にある。電流20は、1/4波長モードの電流であって、長ストリップによって生成される電流である。電流21は、半波長モードの電流であって、ストリップ導体111全体によって生成される電流である。電流22は、1/4波長モードによる電流であって、短ストリップによって生成される電流である。電流23は、3/4波長モードの電流であって長ストリップによって生成される電流である。ストリップ導体111において、異なる周波数を有するより多くの電流が存在する可能性があるので、図8Aに示すアンテナ構造は、アンテナが小型化される場合に、より多くの動作周波数バンドをカバーする可能性がある。
実施形態2
[0190] 実施形態2では、特定のスロット導体に関し、2つの所望の特性モードを励起するために給電設計を使用することができる。2つの所望の特性モードは、図4A及び図4Bに示すCMスロット・アンテナ・モードと、図5A及び図5Bに示すDMスロット・アンテナ・モードである。換言すれば、CMワイヤ・アンテナ・モード及びDMワイヤ・アンテナ・モードは、特定のスロット導体に関して給電設計を実行することによって、特定のスロット導体の複数の特性モードから選択されることが可能である。
[0191] 図9A及び図9Bは、(給電を考慮していない)スロット付き金属板の2つの特性モードを示す。スロット付き金属板は、実施形態2で選択される特定のスロット付き導体であり、それは例えば地板であってもよい。スロット付き金属板は、スロット31を有し、スロット31は、地板に細長い孔を形成することによって達成されることが可能である。開口33は、スロット31の一方の側に配置され、具体的には開口33はその側の中央位置に配置されてもよい。開口33は、スロット31とスロット31外側の自由空間とを接続することができる。図9Aに示される特性モードはCMスロット・アンテナ・モードであり、図9Aに示される電流及び電界はCMスロット・アンテナ・モードの電流及び電界である。図9Bに示される特性モードは、DMスロット・アンテナ・モードであり、図9Bに示される電流及び電界は、DMスロット・アンテナ・モードの電流及び電界である。CMスロット・アンテナ・モード及びDMスロット・アンテナ・モードに加えて、図9A及び図9Bに示すスロット導体は、本件では説明しない別の特性モードを有する可能性がある。
[0192] 図10Aは、実施形態2によるアンテナ設計ソリューションを示す。図10Aに示すように、実施形態2で提供されるスロット・アンテナは、金属板とスロット31とを含んでもよい。
[0193] 金属板はグランド板であってもよい。スロット31は、金属板(例えば、地板)に細長い孔を形成することによって達成されてもよい。開口33は、スロット31の一方の側に配置されてもよく、具体的には開口33はその側の中央位置に配置されてもよい。スロット31は、ポリマー、ガラス、セラミックス、又はこれらの材料の組み合わせのような材料で充填されてもよい。開口33もまた、ポリマー、ガラス、セラミックス、又はこれらの材料の組み合わせのような材料で充填されてもよい。
[0194] 給電部は、スロット31の位置35で接続されてもよい。位置35において、給電部の正電極はスロット31の一方の側に接続され、給電部の負電極はスロット31の他方の側に接続される。実施形態2では、給電部の正電極に接続された側はスロット31の第1の側と言及されてもよく、給電部の負電極に接続された側はスロット31の第2の側と言及されてもよい。位置35は、開口33の近傍に配置されてもよい。ここで、近傍は、給電位置35と開口33との間の距離L3が動作波長2の1/4より小さいことを意味してもよい。動作波長2は、図10Aに示すスロット・アンテナのCMスロット・アンテナ・モードの動作波長である。動作波長2の計算方法は、以下の内容で説明され、ここでは説明しない。オプションとして、距離L3は、更に実際のシステム全体における実装を容易にするために、動作波長2の1/8より大きくてもよい。給電は、開口33の近傍で行われ、その結果、電流は、スロット31の中間位置の近傍で弱く、スロット31の両端で強い。これは、CMスロット・アンテナの1/4波長モードの電流強度分布とDMスロット・アンテナの半波長モードの電流強度との調和となる可能性があり、それにより、図10Aに示されるスロット付き金属板の特性モード、即ちCMスロット・アンテナ・モード及びDMスロット・アンテナ・モードを良好に結合する。
[0195] 給電位置35の設計は、図10Aに示されるスロット・アンテナを励起して、CMスロット・アンテナ・モードとDMスロット・アンテナ・モードを生成することができる。図10B及び図10Cに示すように、図10Aに示すスロット・アンテナにおいて、スロット31を囲む異なる周波数を有する2つの電流、即ち、電流36と電流38が存在する可能性がある。実施形態2では、電流36及び電流38は、それぞれ、第1電流及び第2電流と言及されてもよい。電流36は、スロット31を囲んで同じ方向に分布し、電流38は、スロット31を囲んで開口33の両側で反対方向に分布している。図10Aに示すスロット・アンテナにおいて、異なる周波数を有する電界、即ち、電界32と電界34が存在する可能性がある。スロット31において、電界32は、開口33の両側で反対方向に分布し、電流36と同じ周波数を有し、CMスロット・アンテナ・モードの電界である。スロット31において、電界34は、同じ方向に分布し、電流38と同じ周波数を有し、DMスロット・アンテナ・モードの電界である。電界34の周波数f3は、電界32の周波数f4よりも高い。図10Aに示すスロット・アンテナには、異なる周波数を有する2つの電界、即ち、電界32と電界34が存在する。従って、スロット・アンテナは、少なくとも2つの異なる動作周波数バンドを有する可能性がある。
[0196] 動作波長2(即ち、CMスロット・アンテナ・モードの動作波長)は、電界32がCMスロット・アンテナ・モードの電界であるので、電界32と電流36の周波数f4に基づいて計算することが可能である:
波長 = 光速/f4
媒体中に放射された信号の動作波長2は、次のようにして計算することが可能である:
波長 = (光速/√ε)/f1
ここで、εは媒体の比誘電定数である。実施形態2では、動作波長2は第1波長と言及されてもよい。
[0197] 実施形態2で提供されるアンテナ設計ソリューションにおいて、アンテナが小型化される場合に複数の周波数バンドをカバーするために、1つのスロット付き導体を使用して、2つのスロット・アンテナ・モード、即ちCMスロット・アンテナ・モードとDMスロット・アンテナ・モードを励起することができる、ということを知ることができる。
[0198] 実施形態2の拡張ソリューション
[0199] 図11Aに示すように、スロット31の開口33の位置は、より多くの周波数バンドをカバーするために、スロット31の開口側の中央位置からずれていてもよい。換言すれば、図11Aに示すスロット・アンテナ構造において、開口33とスロット31の一方短との間の距離L4は、開口33とスロット31の他方端との間の距離L5と等しくない。図11Aに示すスロット・アンテナは、開口33の位置を分割ラインとして使用することによって、長スロット本体と短スロット本体に分割されてもよい。長スロット本体は、図11AにおいてL4である長さのスロット本体であり、短スロット本体は、図11AにおいてL5である長さのスロット本体である。
[0200] 図11Aに示すスロット・アンテナ構造では、給電位置35は、開口33の近傍に設計することができる。近傍により表現される意味は実施形態2において説明されており、ここで再度説明しない。図10Aの実施形態とは異なり、図11Aに示されるスロット・アンテナでは、異なる周波数を有するより多くの電界、即ち図11Bないし図11Eにそれぞれ示すことができるような電界50、電界51、電界52、及び電界53が存在する可能性がある。電界50、電界51、電界52、及び電界53は、スロット31において反対方向に分布している。電界51は、水平ストリップ13において同じ方向に分布している。電界50は、1/4波長モードの電界であって、長スロット本体によって生成される電界である。電界51は、半波長モードの電界であって、スロット・アンテナ全体によって生成される電界である。電界52は、1/4波長モードの電界であって、短スロット本体によって生成される電界である。電界53は、1/4波長モードの電界であって、長スロット本体によって生成される電界である。図11Aに示されるスロット・アンテナ上には異なる周波数を有するより多くの電界が存在する可能性があるので、図11Aに示されるアンテナ構造は、アンテナが小型化される場合に、より多くの動作周波数バンドをカバーする可能性がある。
[0201] ソリューション2
[0202] ソリューション2では、結合されたアンテナ構造が、給電スロット・アンテナをワイヤ・アンテナに結合するか、又は給電ワイヤ・アンテナをスロット・アンテナに結合することによって形成され、前述の4つのアンテナ・モードにおけるワイヤ・アンテナ・モードとスロット・アンテナ・モードを組み合わせる。このようにして、アンテナが小型化される場合に複数の周波数バンドをカバーするために、1つのアンテナに給電することによって2つのアンテナ・モードを励起することができる。
[0203] 以下、添付の図面を参照しながら、ソリューション2の複数の実施形態を詳細に説明する。
実施形態3
[0204] 実施形態3では、給電アンテナは図5Aに示すDMスロット・アンテナであってもよく、結合アンテナは図3Aに示すDMワイヤ・アンテナであってもよく、DMスロット・アンテナ・モードとDMワイヤ・アンテナ・モードを励起することが可能である。
[0205] 図12A及び図12Bは、実施形態3によるアンテナ設計ソリューションを示す。図12Aはアンテナ設計ソリューションの三次元概略図であり、図12Bはアンテナ設計ソリューションの概略上面図である。図12A及び図12Bに示すように、実施形態3で提供されるアンテナ構造は、少なくとも1つのワイヤ・アンテナ61とスロット・アンテナ63を含むことが可能である。
[0206] ワイヤ・アンテナ61は、図3Aに示すDMワイヤ・アンテナであってもよい。ワイヤ・アンテナ61はフローティング・アンテナであってもよく、背面カバー21の内側表面に配置されるか、背面カバー21の外側表面に配置されるか、又は背面カバー21の中に構築されてもよい。例えば、ワイヤ・アンテナ61は、背面カバー21の内側表面に貼り付けられた金属ストリップであってもよいし、或いは導電性銀ペーストを使用することにより背面カバー21の内側表面に印刷されてもよい。
[0207] スロット・アンテナ63は、図5Aに示すDMスロット・アンテナであってもよい。スロット・アンテナ63は、金属板及びスロット60を含むことができる。スロット・アンテナ63は、金属板(例えば、PCB 17)に細長い孔を形成することによって形成されてもよい。給電部は、スロット・アンテナ63の中間位置65で接続されてもよく、即ちスロット・アンテナ63の給電位置65は、スロット・アンテナ63の中間位置であってもよい。具体的には、スロット60の一方の側の中間位置が給電部の正電極に接続されてもよく、スロット60の他方の側の中間位置が給電部の負電極に接続されてもよい。スロット60は、ポリマー、ガラス、セラミックス、又はこれらの材料の組み合わせのような材料で充填されてもよい。
[0208] ワイヤ・アンテナ61は、スロット・アンテナ63が配置されている平面に対して平行であり、且つスロット・アンテナ63のスロット60に対して垂直であってもよい。平面は、スロット平面、即ち、金属板が配置されている平面と言及されてもよい。ワイヤ・アンテナ61のスロット平面における投影とスロット・アンテナ63のスロット60とは、投影の中間位置で交差する可能性がある。ワイヤ・アンテナ61のスロット平面における投影とスロット60との交差部67と、スロット・アンテナ63の給電位置65との間の距離は、動作波長3の半分より小さくてもよい。動作波長3は、スロット・アンテナ63の動作波長である。第3実施形態では、動作波長3は第1波長と言及されてもよい。
[0209] ワイヤ・アンテナ61と給電スロット・アンテナ63との間のカップリング距離は、ワイヤ・アンテナ61とスロット・アンテナ63が配置されている平面との間の距離であってもよい。その距離は、第1距離未満、例えば1mm未満である。より小さなカップリング距離は、より強いカップリング効果をもたらすことが理解されるべきである。スロット・アンテナ63がフローティング・ワイヤ・アンテナ61に結合されることが可能であるという条件の下で、カップリング距離の具体的な値は、本願において限定されない。
[0210] ワイヤ・アンテナ61は、代替的に、給電スロット・アンテナ63が配置されている平面に平行でなくてもよいことが理解されるべきである。ワイヤ・アンテナ61が、給電スロット・アンテナ63が配置されている平面に平行でない場合に、給電スロット・アンテナ63はまた、フローティング・ワイヤ・アンテナ61に結合される可能性がある。この場合、カップリング効果は、給電スロット・アンテナ63が配置されている平面にワイヤ・アンテナ61が平行である場合のカップリング効果よりも弱い可能性がある。
[0211] 以下、図12A及び図12Bに示すアンテナ構造例によって生成されることが可能な共振モードを説明する。
[0212] 図12Cに関し、図12Cにおける“1”、“2”、“3”は、異なる共振を表現している。結合されたアンテナ構造は、1.6 GHz付近では共振“1”、2.5 GHz付近では共振“2”、3.9 GHz付近では共振“3”を生成することができる。具体的には、共振“1”は、スロット・アンテナ63の半波長モードによって生成される可能性があり、共振“2”は、より長いワイヤ・アンテナ61の半波長モードによって生成される可能性があり、共振“3”は、より短いワイヤ・アンテナ61の半波長モードによって生成される可能性がある。
[0213] 図12Dないし図12Fは、共振“1”、“2”、“3”の電流分布の例を示す。図12Dに示すように、共振“1”の電流71は、スロット60を囲んでスロット・アンテナ63において反対方向に分布し、具体的には給電点65の両側で反対方向に対称的に分布する。電流は、スロット60の中央付近で弱く、スロット60の両端付近で強い。実施形態3では、スロット63を囲む電流71は第1電流と言及されてもよい。図12Eに示すように、共振“2”の電流72は、長ワイヤ・アンテナ61において同じ方向に分布し、ワイヤ・アンテナ61の中央で強く、ワイヤ・アンテナ61の両端で弱い。図12Fに示すように、共振“3”の電流73は、短ワイヤ・アンテナ61において同じ方向に分布し、ワイヤ・アンテナ61の中央で強く、ワイヤ・アンテナ61の両端で弱い。実施形態3では、ワイヤ・アンテナ61における電流は第2電流と言及されてもよい。
[0214] スロット・アンテナ63が共振“1”を発生する波長モードは限定されず、共振“1”は代替的にスロット・アンテナ63の1波長モード、3/2波長モードなどによって生成されてもよい。長ワイヤ・アンテナ61が共振“2”を発生する波長モードは限定されず、共振“2”は代替的に長ワイヤ・アンテナ61の3/2波長モード、5/2波長モードなどによって生成されてもよい。短ワイヤ・アンテナ61が共振“3”を発生する波長モードは限定されず、共振“3”は代替的に短ワイヤ・アンテナ61の3/2波長モード、5/2波長モードなどによって生成されてもよい。
[0215] 図12A及び図12Bに示されるアンテナ構造の例では、異なる長さの2つのワイヤ・アンテナ61が存在する。これに限定されず、アンテナ構造は、代替的に、より多くのワイヤ・アンテナ61を有することが可能である。換言すれば、給電スロット・アンテナ63は、より多くの周波数バンドをカバーするために、2つより多くのワイヤ・アンテナ61に同時に結合されてもよい。代替的に、アンテナ構造は、唯1つのワイヤ・アンテナ61のみを有してもよい。異なる長さの2つ以上のワイヤ・アンテナ61のスロット平面における投影は、互いに平行であってもよい。オプションとして、2つ以上のワイヤ・アンテナ61は、同一平面上に配置されてもよく、その平面は、スロット平面に対して平行であってもよい。平面は第1平面と言及されてもよい。2つ以上のワイヤ・アンテナ61は、異なる長さを有するので、2つ以上のワイヤ・アンテナに分布する第2電流の周波数も異なる。
[0216] 図12Cに示される1.6 GHz周波数バンド、2.5 GHz周波数バンド、及び3.9 GHz周波数バンドに加えて、図12A及び図12Bに示されるアンテナ構造例は、アンテナ構造内のアンテナ放射器(例えば、スロット・アンテナ63及びワイヤ・アンテナ61)のサイズを調整することによって具体的に設定されることが可能な、別の周波数バンドの共振を発生することができる。
[0217] 本願において、周波数バンドは周波数レンジである。例えば、2.5 GHzの周波数バンドは、2.4835 GHzから2.5835 GHzの周波数レンジ、即ち、2.5 GHz近傍の周波数レンジであってもよい。
[0218] 実施形態3で提供されるアンテナ設計ソリューションにおいて、複数の周波数バンドをカバーするために、給電スロット・アンテナ63はDMスロット・アンテナ・モードで動作することが可能であり、且つDMワイヤ・アンテナ・モードで動作する1つ以上のワイヤ・アンテナ61に更に結合されてもよい、ということを知ることができる。更に、ワイヤ・アンテナ61は、背面カバーに配置されるフローティング・アンテナとして設計されてもよく、電子デバイス内のデザイン・スペースを占有せず、内部構成要素による影響をほとんど受けない。
実施形態4
[0219] 実施形態3と同様に、実施形態4に提供されるアンテナ構造もまた、DMワイヤ・アンテナ・モードとDMスロット・アンテナ・モードを励起することが可能である。実施形態3とは異なり、実施形態4における給電アンテナは、図3Aに示されるDMワイヤ・アンテナであってもよく、結合されるアンテナは、図5Aに示されるDMスロット・アンテナであってもよい。
[0220] 図13A及び図13Bは、実施形態4によるアンテナ設計ソリューションを示す。図13Aはアンテナ設計ソリューションの三次元概略図であり、図13Bはアンテナ設計ソリューションの概略上面図である。図12A及び図12Bに示すように、実施形態4で提供されるアンテナ構造は、ワイヤ・アンテナ81とスロット・アンテナ83を含むことが可能である。
[0221] ワイヤ・アンテナ81は、図3Aに示すDMワイヤ・アンテナであってもよい。給電部は、ワイヤ・アンテナ81の中間位置に接続されることが可能であり、即ちワイヤ・アンテナ81の給電位置85はワイヤ・アンテナ81の中間位置であってもよい。具体的には、給電部の正電極は中間位置の一方の側に接続されてもよく、給電部の負電極は中間位置の他方の側に接続されてもよい。ワイヤ・アンテナ81はフローティング・アンテナであってもよく、背面カバー21の内側表面に配置されてもよく、背面カバー21の外側表面に配置されてもよく、背面カバー21の中に構築されてもよい。
[0222] スロット・アンテナ83は、図5Aに示すDMスロット・アンテナであってもよい。スロット・アンテナ83は、金属板及びスロット80を含むことができる。スロット・アンテナ83は、金属板(例えば、PCB 17)に細長い孔を形成することによって形成されてもよい。スロット80は、ポリマー、ガラス、セラミックス、又はこれらの材料の組み合わせのような材料で充填されてもよい。
[0223] ワイヤ・アンテナ81は、スロット・アンテナ83が配置されている平面に対して平行であり、且つスロット・アンテナ83のスロット80に対して垂直であってもよい。平面は、スロット平面、即ち、金属板が配置されている平面と言及されてもよい。ワイヤ・アンテナ81のスロット平面における投影とスロット・アンテナ83のスロット80とは、投影の中間位置で交差する可能性がある。ワイヤ・アンテナ81のスロット平面における投影とスロット80との交差部Aと、スロット・アンテナ83の中間位置Bとの間の距離L6は、動作周波数4の1/8より大きく且つ動作波長4の半分より小さくてもよい。動作波長4は、スロット・アンテナ83の動作波長である。第4実施形態では、動作波長4は第1波長と言及されてもよい。
[0224] 給電ワイヤ・アンテナ81とスロット・アンテナ83との間のカップリング距離の関連する説明については、実施形態3を参照されたい。詳細はここでは説明しない。
[0225] 以下、図13A及び図13Bに示すアンテナ構造例によって生成されることが可能な共振モードを説明する。
[0226] 図12Cに関し、図12Cにおける“1”と“2”は、異なる共振を表現している。結合されたアンテナ構造は、1.5 GHz付近では共振“1”、2.1 GHz付近では共振“2”を生成することができる。具体的には、共振“1”は、ワイヤ・アンテナ81の半波長モードによって生成される可能性があり、共振“2”は、スロット・アンテナ83の半波長モードによって生成される可能性がある。
[0227] 図13D及び図13Eは、共振“1”と“2”の電流分布の例を示す。図13Dに示すように、共振“1”の電流91は、ワイヤ・アンテナ81において同じ方向に分布し、具体的にはワイヤ・アンテナ81の中央で強く、ワイヤ・アンテナ81の両端で弱い。図13Eに示すように、共振“2”の電流93は、スロット80を囲んでスロット・アンテナ83において反対方向に分布し、具体的には位置Bの両側で反対方向に分布する。電流は、位置B付近で弱く、スロット80の両端付近で強い。
[0228] 図13Cに示される1.5 GHz周波数バンド及び2.1 GHz周波数バンドに加えて、図13A及び図13Bに示されるアンテナ構造例は、アンテナ構造内のアンテナ放射器(例えば、スロット・アンテナ83及びワイヤ・アンテナ81)のサイズを調整することによって具体的に設定されることが可能な、別の周波数バンドの共振を発生することができる。
[0229] 実施形態4で提供されるアンテナ設計ソリューションにおいて、複数の周波数バンドをカバーするために、給電ワイヤ・アンテナ81はDMワイヤ・アンテナ・モードで動作し、且つDMスロット・アンテナ・モードで動作するスロット・アンテナ61に更に結合されてもよい、ということを知ることができる。更に、ワイヤ・アンテナ81は、背面カバーに配置されるフローティング・アンテナとして設計されてもよく、電子デバイス内のデザイン・スペースを占有せず、内部構成要素による影響をほとんど受けない。アンテナ構造において、給電ワイヤ・アンテナ81は、より多くの周波数バンドをカバーするために、異なるサイズのより多くのスロット・アンテナ83に更に結合されてもよい。
実施形態5
[0230] 実施形態5において、給電アンテナは、図2Aに示されるCMワイヤ・アンテナであってもよく、結合されるアンテナは、図4Aに示されるCMスロット・アンテナであってもよく、CMワイヤ・アンテナ・モードとCMスロット・アンテナ・モードが励起される可能性がある。
[0231] 図14A及び図14Bは、実施形態5によるアンテナ設計ソリューションを示す。図14A及び図14Bに示すように、実施形態5で提供されるアンテナ構造は、ワイヤ・アンテナ121とスロット・アンテナ123を含むことが可能である。
[0232] ワイヤ・アンテナ121は、図2Aに示すCMワイヤ・アンテナであってもよい。ワイヤ・アンテナ121の給電位置122は、ワイヤ・アンテナ121の中間位置に配置されてもよい。給電位置122は、給電部125に接続されてもよい。給電部125の正電極は給電位置122に接続されてもよく、給電部125の負電極はグランド(例えば、地板)に接続されてもよい。
[0233] スロット・アンテナ83は、図4Aに示すCMスロット・アンテナであってもよい。スロット・アンテナ123は、金属板に細長い孔を形成することによって形成されてもよい。スロット・アンテナ123は、スロット127を含むことが可能である。開口129は、スロット127のうちのワイヤ・アンテナ121に近接している側126に配置されてもよく、具体的には開口129はその側の中央位置に配置されてもよい。スロット80は、ポリマー、ガラス、セラミックス、又はこれらの材料の組み合わせのような材料で充填されてもよい。開口129もまた、ポリマー、ガラス、セラミックス、又はこれらの材料の組み合わせのような材料で充填されてもよい。
[0234] 給電ワイヤ・アンテナ121とスロット・アンテナ123は、給電ワイヤ・アンテナ121とスロット・アンテナ123の中間位置において、互いに近接して垂直であってもよい。具体的には、スロット・アンテナ123の上記の側126において、ワイヤ・アンテナ121は、スロット・アンテナ123が配置されている平面に対して垂直であってもよい。平面は、スロット平面、即ち、金属板が配置されている平面と言及されてもよい。スロット・アンテナ123が配置されている平面は、ワイヤ・アンテナ121の中間位置においてワイヤ・アンテナ121に対して垂直であってもよい。ワイヤ・アンテナ121に接続される給電部の正電極は、スロット・アンテナ123の開口129の一方の側に配置されてもよく、ワイヤ・アンテナ121に接続される給電の負電極は、スロット・アンテナ123の開口129の他方の側に配置されてもよい。
[0235] ワイヤ・アンテナ121とスロット・アンテナ123との間のカップリング距離は、スロット・アンテナ123が配置されている平面とワイヤ・アンテナ121との間の距離であってもよい。その距離は、特定の値、例えば1mm未満である。より小さなカップリング距離は、より強いカップリング効果をもたらすことが理解されるべきである。給電ワイヤ・アンテナ121がスロット・アンテナ123に結合されることが可能であるという条件の下で、カップリング距離の具体的な値は、本願において限定されない。
[0236] 以下、図14A及び図14Bに示すアンテナ構造例によって生成されることが可能な共振モードを説明する。
[0237] 図14Cに関し、図14Cにおける“1”と“2”は、異なる共振を表現している。結合されたアンテナ構造は、1.3 GHz付近では共振“1”、2.0 GHz付近では共振“2”を生成することができる。具体的には、共振“1”は、スロット・アンテナ123の1/4波長モードによって生成される可能性があり、共振“2”は、ワイヤ・アンテナ121の半波長モードによって生成される可能性がある。
[0238] 図14D及び図14Eは、共振“1”と“2”の電流分布の例を示す。図14Dに示すように、共振“1”の電流121は、スロット127を囲んでスロット・アンテナ123において同じ方向に分布している。具体的には電流はスロットの中央付近で弱く、スロット127の両端付近で強い。図14Eに示すように、共振“2”の電流123は、ワイヤ・アンテナ121において反対方向に分布し、具体的には、給電点125の両側で反対方向に対称的に分布する。電流は、ワイヤ・アンテナ121の中央で強く、ワイヤ・アンテナ121の両端で弱い。
[0239] スロット・アンテナ123が共振“1”を発生する波長モードは限定されず、共振“1”は代替的にスロット・アンテナ123の3/4波長モードなどによって生成されてもよい。ワイヤ・アンテナ121が共振“2”を発生する波長モードは限定されず、共振“2”は代替的にワイヤ・アンテナ121の3/4波長モードなどによって生成されてもよい。
[0240] 図14Cに示される1.3 GHz周波数バンド、2.0 GHz周波数バンドに加えて、図14Aに示されるアンテナ構造例は、アンテナ構造内のアンテナ放射器(例えば、スロット・アンテナ123及びワイヤ・アンテナ121)のサイズを調整することによって具体的に設定されることが可能な、別の周波数バンドの共振を発生することができる。
[0241] 実施形態5で提供されるアンテナ設計ソリューションにおいて、複数の周波数バンドをカバーするために、給電ワイヤ・アンテナ121はCMワイヤ・アンテナ・モードで動作し、且つDMスロット・アンテナ・モードで動作するスロット・アンテナ61に更に結合されてもよい、ということを知ることができる。アンテナ構造において、給電ワイヤ・アンテナ121は、より多くの周波数バンドをカバーするために、異なるサイズのより多くのスロット・アンテナ123に結合されてもよい。
実施形態6
[0242] 実施形態5と同様に、実施形態6で提供されるアンテナ構造も、CMワイヤ・アンテナ・モードとCMスロット・アンテナ・モードを励起することができる。実施形態5とは異なり、実施形態6における給電アンテナは、図4Aに示されるCMスロット・アンテナであってもよく、結合されるアンテナは、図2Aに示されるCMワイヤ・アンテナであってもよい。
[0243] 実施形態6で提供されるアンテナ構造におけるCMワイヤ・アンテナとCMスロット・アンテナとの間の位置関係については、実施形態5におけるワイヤ・アンテナ121とスロット・アンテナ123の間の位置関係を参照されたい。詳細はここでは説明しない。給電部は、CMスロット・アンテナの開口129に接続されてもよい。給電部の正電極は開口129の一方の側に接続されてもよく、給電部の負電極は開口129の他方の側に接続されてもよい。
実施形態7
[0244] 実施形態7において、給電アンテナは、図2Aに示されるCMワイヤ・アンテナであってもよく、結合されるアンテナは、図5Aに示されるDMスロット・アンテナであってもよく、CMワイヤ・アンテナ・モードとDMスロット・アンテナ・モードが励起される可能性がある。
[0245] 図15A及び図15Bは、実施形態7によるアンテナ設計ソリューションを示す。図15Aに示すように、実施形態7で提供されるアンテナ構造は、ワイヤ・アンテナ141とスロット・アンテナ143を含むことが可能である。図15Aにおいて、ワイヤ・アンテナ141とスロット・アンテナ143は、コプレーナであってもよい。図15Bにおいて、ワイヤ・アンテナ141の平面とスロット・アンテナ143の平面は、互いに垂直であってもよい。
[0246] ワイヤ・アンテナ141は、図2Aに示すCMワイヤ・アンテナであってもよい。ワイヤ・アンテナ141の給電位置142は、ワイヤ・アンテナ141の中間位置に配置されてもよい。給電位置142は給電部に接続されてもよい。給電部の正電極は給電位置142に接続されてもよく、給電部の負電極はグランド(例えば、地板)に接続されてもよい。
[0247] スロット・アンテナ143は、図5Aに示すDMスロット・アンテナであってもよい。スロット・アンテナ143は、金属板に細長い孔を形成することによって形成されてもよい。スロット・アンテナ143はスロット147を含むことができる。スロット147は、ポリマー、ガラス、セラミックス、又はこれらの材料の組み合わせのような材料で充填されてもよい。
[0248] 給電ワイヤ・アンテナ141とスロット・アンテナ143は、互いに近接して平行であってもよい。具体的には、ワイヤ・アンテナ141は、スロット・アンテナ143に対して平行であってもよく、ワイヤ・アンテナ141の中間位置とスロット・アンテナ143の中間位置との間の接続ラインは、ワイヤ・アンテナ141とスロット・アンテナ143の両方に対して垂直であってもよい。換言すれば、ワイヤ・アンテナ141とスロット147は、垂直二等分平面を共有する。
[0249] ワイヤ・アンテナ141とスロット・アンテナ143との間のカップリング距離は、ワイヤ・アンテナ141とスロット・アンテナ143との間の距離であってもよい。その距離は、特定の値、例えば5mm未満である。より小さなカップリング距離は、より強いカップリング効果をもたらすことが理解されるべきである。給電ワイヤ・アンテナ141がスロット・アンテナ143に結合されることが可能であるという条件の下で、カップリング距離の具体的な値は、本願において限定されない。
[0250] 以下、図15A及び図15Bに示すアンテナ構造例によって生成されることが可能な共振モードを説明する。
[0251] 図15Cに関し、図15Cにおける“1”と“2”は、異なる共振を表現している。結合されたアンテナ構造は、1.51 GHz付近では共振“1”、1.95 GHz付近では共振“2”を生成することができる。具体的には、共振“1”は、ワイヤ・アンテナ141の1/4波長モードによって生成される可能性があり、共振“2”は、スロット・アンテナ143の半波長モードによって生成される可能性がある。
[0252] 図15D及び図15Eは、共振“1”と“2”の電流分布の例を示す。図15Dに示すように、共振“1”の電流151は、ワイヤ・アンテナ141と地板に分布しており、即ち、ワイヤ・アンテナ141は、放射を生成するように地板を更に励起する。電流151は、ワイヤ・アンテナ141において反対方向に対称的に分布し、ワイヤ・アンテナ141の中央で強く、ワイヤ・アンテナ121の両端で弱い。図15Eに示すように、共振“2”の電流153は、スロット・アンテナ143において、スロット147を囲んで反対方向に分布し、具体的には、スロット147の中間位置の両側で反対方向に対称的に分布する。電流は、スロット147の中央付近では弱く、スロット147の両端付近では強い。
[0253] ワイヤ・アンテナ141が共振“1”を生成する波長モードは限定されず、共振“1”は代替的にワイヤ・アンテナ141の3/4波長モードなどによって生成されてもよい。スロット・アンテナ143が共振“2”を生成する波長モードは限定されず、共振“2”は代替的にスロット・アンテナ143の1波長モード、3/2波長モードなどによって生成されてもよい。
[0254] 図15Cに示される1.51 GHz周波数バンド、1.95 GHz周波数バンドに加えて、図15A及び図15Bに示されるアンテナ構造の例は、アンテナ構造内のアンテナ放射器(例えば、ワイヤ・アンテナ141及びスロット・アンテナ143)のサイズを調整することによって具体的に設定されることが可能な、別の周波数バンドの共振を発生することができる。
[0255] 実施形態7で提供されるアンテナ設計ソリューションにおいて、複数の周波数バンドをカバーするために、給電ワイヤ・アンテナ141はCMワイヤ・アンテナ・モードで動作し、且つDMスロット・アンテナ・モードで動作するスロット・アンテナ143に更に結合されてもよい、ということを知ることができる。アンテナ構造において、給電ワイヤ・アンテナ121は、より多くの周波数バンドをカバーするために、異なるサイズのより多くのスロット・アンテナ123に結合されてもよい。
実施形態8
[0256] 実施形態7と同様に、実施形態8で提供されるアンテナ構造も、CMワイヤ・アンテナ・モードとDMスロット・アンテナ・モードを励起することができる。実施形態7とは異なり、実施形態8における給電アンテナは、図5Aに示されるDMスロット・アンテナであってもよく、結合されるアンテナは、図2Aに示されるCMワイヤ・アンテナであってもよい。
[0257] 図16に示されるように、実施形態8で提供されるアンテナ構造におけるCMワイヤ・アンテナとDMスロット・アンテナとの間の位置関係については、実施形態7におけるワイヤ・アンテナ121とスロット・アンテナ123の間の位置関係を参照されたい。詳細はここでは説明しない。DMスロット・アンテナの給電部は、DMスロット・アンテナの中央位置に配置されてもよい。給電位置において、給電部の正電極はDMスロット・アンテナの一方の側に接続され、給電部の負電極はDMスロット・アンテナの他方の側に接続される。
実施形態9
[0258] 実施形態9において、給電アンテナは、図3Aに示されるDMワイヤ・アンテナであってもよく、結合されるアンテナは、図4Aに示されるCMスロット・アンテナであってもよく、DMワイヤ・アンテナ・モードとCMスロット・アンテナ・モードが励起される可能性がある。
[0259] 図17Aは、実施形態9によるアンテナ設計ソリューションを示す。図17Aに示すように、実施形態9で提供されるアンテナ構造は、ワイヤ・アンテナ161とスロット・アンテナ163を含むことが可能である。
[0260] ワイヤ・アンテナ161は、図3Aに示すDMワイヤ・アンテナであってもよい。給電部は、ワイヤ・アンテナ161の中間位置に接続されてもよく、即ちワイヤ・アンテナ161の給電位置165はワイヤ・アンテナ161の中間位置であってもよい。具体的には、給電部の正電極は中間位置の一方の側に接続されてもよく、給電部の負電極は中間位置の他方の側に接続されてもよい。ワイヤ・アンテナ161はフローティング・アンテナであってもよく、背面カバー21の内側表面に配置されてもよく、背面カバー21の外側表面に配置されてもよく、背面カバー21の中に構築されてもよい。
[0261] スロット・アンテナ163は、図4Aに示すCMスロット・アンテナであってもよい。スロット・アンテナ163は、金属板に細長い孔を形成することによって形成されてもよい。スロット・アンテナ167は、スロット167を含むことができる。開口169は、スロット167のうちのワイヤ・アンテナ161に近い側に配置されてもよく、開口169は、具体的にはその側の中央位置に配置されてもよい。スロット167は、ポリマー、ガラス、セラミックス、又はこれらの材料の組み合わせのような材料で充填されてもよい。開口169もまた、ポリマー、ガラス、セラミックス、又はこれらの材料の組み合わせのような材料で充填されてもよい。
[0262] 給電ワイヤ・アンテナ161とスロット・アンテナ163は、互いに近接して平行であってもよい。具体的には、ワイヤ・アンテナ161は、スロット・アンテナ163に対して平行であってもよく、ワイヤ・アンテナ161の中間位置とスロット・アンテナ163の中間位置との間の接続ラインは、ワイヤ・アンテナ161とスロット・アンテナ163の両方に対して垂直であってもよい。換言すれば、放射ストリップ141-Aとスロット147は、垂直二等分平面を共有する。
[0263] ワイヤ・アンテナ161とスロット・アンテナ163との間のカップリング距離は、ワイヤ・アンテナ161とスロット・アンテナ163との間の距離であってもよい。その距離は、特定の値、例えば5mm未満であってもよい。より小さなカップリング距離は、より強いカップリング効果をもたらすことが理解されるべきである。給電ワイヤ・アンテナ161がスロット・アンテナ163に結合されることが可能であるという条件の下で、カップリング距離の具体的な値は、本願において限定されない。
[0264] 図17B及び図17Cは、DMワイヤ・アンテナ・モードとCMスロット・アンテナ・モードの電流分布例を示す。図17Bに示すように、DMワイヤ・アンテナ・モードの電流171は、ワイヤ・アンテナ161において同じ方向に分布している。電流171は、ワイヤ・アンテナ161の中央で強く、ワイヤ・アンテナ161の両端で弱い。図17Cに示すように、CMスロット・アンテナ・モードの電流173は、スロット167を囲んでスロット・アンテナ163において同じ方向に分布している。電流173は、具体的には、スロット167の中央付近で弱く、スロット167の両端付近で強い。
[0265] 実施形態9で提供されるアンテナ設計ソリューションにおいては、複数の周波数バンドをカバーするために、給電ワイヤ・アンテナ161は、DMワイヤ・アンテナ・モードで動作し、CMスロット・アンテナ・モードで動作するスロット・アンテナ163に更に結合されてもよい。ワイヤ・アンテナ161は、背面カバーに配置されるフローティング・アンテナとして設計されてもよく、電子デバイス内のデザイン・スペースを占有せず、内部構成要素による影響をほとんど受けない。アンテナ構造において、給電ワイヤ・アンテナ161は、より多くの周波数バンドをカバーするために、異なるサイズのより多くのスロット・アンテナ163に更に結合されてもよい。
実施形態10
[0266] 実施形態9と同様に、実施形態10で提供されるアンテナ構造も、DMワイヤ・アンテナ・モードとCMスロット・アンテナ・モードを励起することができる。実施形態9とは異なり、実施形態10における給電アンテナは、図4Aに示されるCMスロット・アンテナであってもよく、結合されるアンテナは、図3Aに示されるDMワイヤ・アンテナであってもよい。
[0267] 図18に示されるように、実施形態10で提供されるアンテナ構造におけるDMワイヤ・アンテナとCMスロット・アンテナとの間の位置関係については、実施形態9におけるワイヤ・アンテナ161とスロット・アンテナ163の間の位置関係を参照されたい。詳細はここでは説明しない。給電部は、CMスロット・アンテナの開口に接続されてもよい。給電部の正電極は開口169の一方の側に接続されてもよく、給電部の負電極は開口169の他方の側に接続されてもよい。
[0268] ソリューション3
[0269] ソリューション3では、スロット・アンテナとワイヤ・アンテナを組み合わせて、スロット・アンテナとワイヤ・アンテナの両方のストリップ特徴を有するアンテナを取得し、それにより、ワイヤ・アンテナ・モードとスロット・アンテナ・モードとをもたらす。2つのアンテナ・モードは、アンテナが小型化される場合に複数の周波数バンドをカバーするために、シングル給電設計を使用することによって励起される。
[0270] 以下、添付の図面を参照しながら、ソリューション3の複数の実施形態を詳細に説明する。
実施形態11
[0271] 実施形態11では、CMワイヤ・アンテナとCMスロット・アンテナを組み合わせ、CMワイヤ・アンテナ・モードとCMスロット・アンテナ・モードの両方を有するアンテナ構造が得られる。CMワイヤ・アンテナ・モードとCMスロット・アンテナ・モードを励起するために、給電設計を使用することができる。
[0272] 図19Aは、実施形態11によるアンテナ設計ソリューションを示す。図19Aに示すように、実施形態11で提供されるアンテナ構造は、ストリップ181とスロット183を含んでもよい。
[0273] ストリップ181とスロット183は、互いに平行であってもよい。スロット183は、地板に細長い孔を形成することによって形成されてもよい。スロット183の183-A側はストリップ181に近接しており、開口185は183-A側に配置されていてもよい。開口185は、具体的には183-A側の中間位置に配置されてもよく、又は中間位置からずれた位置に配置されてもよい。この実施形態では、183-A側は第1の側と言及されてもよい。
[0274] ストリップ181は、接続点Bを有していてもよく、接続点Bにおいて接地スタブ187に接続されていてもよい。接地スタブ187は、開口185の一方端(端部C)で、ストリップ181とスロット183の183-A側を接続するように構成されてもよい。給電点Aがストリップ181に配置されていてもよく、給電点Aは、給電部に接続されるように構成されていてもよい。具体的には、給電部の正電極は給電点Aに接続され、給電部の負電極は開口185の他方端(端部D)でスロット183の183-A側に接続される。
[0275] ストリップ181における給電点Aと接続点Bとの間の距離L8は、動作波長5の1/4未満であってもよい。動作波長5は、ストリップ181の動作波長、即ち、CMワイヤ・アンテナ・モードの動作波長である。実施形態11では、動作波長5は第1波長と言及されてもよい。
[0276] 以下、図19Aに示すアンテナ構造例によって生成されることが可能な共振モードを説明する。
[0277] 図19Bに関し、図19Bにおける“1”,“2”,“3”,“4”,“5”は、異なる共振を表現している。アンテナ構造は、1.2 GHz付近では共振“1”、1.8 GHz付近では共振“2”、2.3 GHz付近では共振“3”、3.0 GHz付近では共振“4”、5.3 GHz付近では共振“5”を生成することができる。具体的には、共振“1”はストリップ181の1/4波長モードによって生成される可能性があり、CMワイヤ・アンテナ・モードの共振である。共振“2”はストリップ181の半波長モードによって生成される可能性があり、DMワイヤ・アンテナ・モードの共振である。共振“3”はストリップ181の1/4波長モードの倍周波数(2倍周波数)によって生成される可能性がある。共振“4”はスロット183の1/4波長モードによって生成される可能性があり、CMスロット・アンテナ・モードの共振である。共振“5”はスロット183の1/4波長モードの倍周波数によって生成される可能性がある。
[0278] 図19C及び図19Dは、共振“1”と“2”の電流分布の例を示す。図19Cに示すように、共振“1”の電流は、ストリップ181において反対方向に分布し、ストリップ181の中央で強く、ストリップ181の両端で弱い。共振“1”の電流は、ストリップ181の1/4波長モードによって生成される電流であり、CMワイヤ・アンテナ・モードの電流である。CMワイヤ・アンテナ・モードはまた、共振を発生させるために地板を励起する。図19Dに示すように、共鳴“2”の電流は、ストリップ181において同じ方向に分布し、ストリップ181の中央で強く、ストリップ181の両端で弱い。共振“4”の電流(図示せず)は、スロット183を囲んで同じ方向に分布し、スロット183の半波長モードによって生成される電流であり、DMワイヤ・アンテナ・モードの電流である。
[0279] 図19Eは、共振“4”の電界分布の例を示す。図19Eに示すように、共鳴“4”の電界は、スロット183において反対方向に分布し、スロット183の中央で強く、スロット183の両端で弱い。共振“4”の電界は、スロット183の1/4波長モードによって生成される電界であり、CMスロット・アンテナ・モードの電界である。
[0280] ストリップ181が共振“1”を発生する波長モードは限定されず、共振“1”は代替的にストリップ181の3/4波長モード等によって生成されてもよい。ストリップ181が共振“2”を発生する波長モードは限定されず、共鳴“2”は代替的にストリップ181の3/2波長モード、5/2波長モードなどによって生成されてもよい。スロット183が共振“4”を発生する波長モードは限定されず、共鳴“4”は代替的にスロット183の3/2波長モード、5/2波長モードなどによって生成されてもよい。
[0281] 図19Bに示される1.2 GHz周波数バンド、1.8 GHz周波数バンド、2.3 GHz周波数バンド、3.0 GHz周波数バンド、及び5.3 GHz周波数バンドに加えて、図19Aに示されるアンテナ構造例は、アンテナ構造内のストリップ(例えば、ストリップ181及びスロット183)のサイズを調整することによって具体的に設定されることが可能な、別の周波数バンドの共振を生成することができる。
[0282] 実施形態11で提供されるアンテナ設計ソリューションにおいて、CMワイヤ・アンテナとCMスロット・アンテナを組み合わせて、CMワイヤ・アンテナとCMスロット・アンテナの両方のストリップ特徴を有するアンテナ構造を得ることができる、ということを知ることができる。CMワイヤ・アンテナ・モードとCMスロット・アンテナ・モードを励起して、複数の周波数バンドをカバーするために、シングル給電設計を使用することができる。
実施形態12
[0283] 実施形態12では、DMワイヤ・アンテナとDMスロット・アンテナを組み合わせ、DMワイヤ・アンテナとDMスロット・アンテナの両方のストリップ特性を有するアンテナ構造が得られる。DMワイヤ・アンテナ・モードとDMスロット・アンテナ・モードを励起するために、給電設計を使用することができる。
[0284] 図20Aは、実施形態12によるアンテナ設計ソリューションを示す。図20Aに示すように、実施形態12で提供されるアンテナ構造は、ストリップ導体191とスロット193を含んでもよい。
[0285] スロット193は、ストリップ導体191に細長い孔を形成することによって形成されてもよい。スロット193のスロット方向は、ストリップ導体193の延在方向に垂直であってもよい。スロット193は、ストリップ導体193の中間位置において、ストリップ導体193に垂直であってもよい。給電部はスロット193の中間位置で接続され、給電部の正電極はスロット193の一方の側に接続され、給電部の負電極はスロット193の他方の側に接続される。
[0286] 図20B及び20Cは、図20Aに示されるアンテナ構造のモード電流とモード電界の例を示す。図20Bに示す電流は、スロット193の両側で同一方向に導体上に分布し、電流の方向は具体的にはストリップ導体191の延在方向と一致しており、電流はアンテナ構造のCMワイヤ・アンテナ・モードの電流である。図20Cに示す電流は、スロット193を囲んで反対方向に分布しており、アンテナ構造のCMスロット・アンテナ・モードの電流である。図20Cに示す電界は、スロット193において同じ方向に分布しており、アンテナ構造のCMスロット・アンテナ・モードの電界である。
[0287] 実施形態12で提供されるアンテナ設計ソリューションにおいて、ストリップ導体は、DMワイヤ・アンテナとDMスロット・アンテナの両方のストリップ特徴を有するようにスロットを形成していてもよく、また、アンテナが小型化される場合に複数の周波数帯域をカバーするために、2つのスロット・アンテナ・モード、即ち、DMワイヤ・アンテナ・モードとDMスロット・アンテナ・モードを励起するように、給電設計が使用されていてもよい、ということを知ることができる。
[0288] 実施形態12では、図20Dに示されるように、給電点Aは代替的にスロット193の中間位置から偏位した位置に配置されていてもよい。偏位した給電点Aは、スロット193を、短スロット本体193-Aと長スロット本体193-Bに分割することができる。この給電点偏位は、アンテナ構造が、より多くの周波数バンドをカバーすることを可能にする。以下、図20Dに示されるアンテナ構造の例によって生成されることが可能な共振モードを説明する。
[0289] 図20Eに関し、図20Eにおける“1”、“2”、“3”は、異なる共振を表現している。アンテナ構造は、1.5 GHz付近では共振“1”、2.4 GHz付近では共振“2”、4.6 GHz付近では共振“3”を生成することができる。具体的には、共振“1”はスロット193の半波長モードによって生成される可能性があり、共振“2”はストリップ導体191の半波長モードによって生成される可能性があり、共振“3”はスロット193の半波長モードの倍周波数(3倍周波数)によって生成されることが可能である。
[0290] 図20Fないし20Hは、共振“1”、“2”、“3”の電流分布の例を示す。図20Fに示すように、共振“1”の電流は、スロット193を囲んで反対方向に分布し、電流は、短スロット193-A周辺で強く、長スロット193-B周辺で弱い。図20Gに示すように、共振“2”の電流は、ストリップ導体191において同じ方向に分布し、ストリップ導体191の中央で強く、ストリップ導体191の両端で弱い。図20Hに示すように、共振“3”の電流は、スロット193を囲んで反対方向に分布し、電流は、長スロット193-B周辺で強く、短スロット193-A周辺で弱い。
[0291] スロット193が共振“1”を発生する波長モードは限定されず、また、共振“1”は代替的にスロット193の3/2波長モードなどによって生成されてもよい。ストリップ181が共振“2”を発生する波長モードは限定されず、また、共鳴“2”は代替的にストリップ導体191の3/2波長モード、5/2波長モードなどによって生成されてもよい。
[0292] 図20Eに示す1.5 GHzの周波数バンド、2.4 GHzの周波数バンド、及び4.6 GHzの周波数バンドに加えて、図20Dに示すアンテナ構造例は、アンテナ構造内のストリップ(例えば、ストリップ導体191及びスロット193)のサイズを調整することによって具体的に設定することが可能な、別の周波数バンドの共振を発生することができる。
実施形態13
[0293] 実施形態13では、CMワイヤ・アンテナとDMスロット・アンテナを組み合わせ、CMワイヤ・アンテナとDMスロット・アンテナの両方のストリップ特性を有するアンテナ構造が得られる。CMワイヤ・アンテナ・モードとDMスロット・アンテナ・モードを励起するために、給電設計を使用することができる。
[0294] 図21Aは実施形態13によるアンテナ設計ソリューションを示す。図21Aに示すように、実施形態13で提供されるアンテナ構造は、ストリップ201とスロット203を含んでもよい。
[0295] ストリップ201とスロット203は互いに平行であってもよい。スロット203は、地板に細長い孔を形成することによって形成されてもよい。ストリップ201は、接続点Bを有していてもよく、接続点Bにおいてストリップ205に接続されてもよい。ストリップ205は、スロット203の一方の側に接続されるように構成されていてもよい。具体的には接続点Bはストリップ201の中間位置に配置されてもよい。
[0296] 給電部スロット203の中間位置に接続されてもよい。中間位置では、給電部の正電極がスロット203の一方の側に接続され、給電部の負電極がスロット203の他方の側に接続される。
[0297] 以下、図21Aに示されるアンテナ構造例によって生成されることが可能な共振モードを説明する。
[0298] 図21Bに関し、図21Bにおける“1”、“2”、“3”は異なる共振を表現している。アンテナ構造は、1.45 GHz付近では共振“1”、2.0 GHz付近では共振“2”、3.6 GHz付近では共振“3”を生成することができる。具体的には、共振“1”は、スロット203の半波長モードによって生成される可能性があり、DMスロット・アンテナ・モードの共振である。共振“2”は、ストリップ201の1/4波長モードによって生成される可能性があり、CMワイヤ・アンテナ・モードの共振である。共振“3”は、スロット203の半波長モードの倍周波数(3倍周波数)によって生成される可能性がある。
[0299] 図21Cないし21Eは、共振“1”、“2”、“3”の電流分布の例を示す。図21Cに示すように、共振“1”の電流は、スロット203を囲んで反対方向に分布し、電流は、スロット203の両端で強く、スロット203の中央で弱い。共振“1”の電流は、スロット203の半波長モードによって生成される電流であり、DMスロット・アンテナ・モードの電流である。図21Dに示すように、共鳴“2”の電流は、ストリップ201において反対方向に分布し、ストリップ201の中央で強く、ストリップ201の両端で弱い。共振“2”の電流は、ストリップ201の1/4波長モードによって生成される電流であり、CMワイヤ・アンテナ・モードの電流である。図21Eに示すように、共鳴“3”の電流は、スロット203を囲んで反対方向に分布し、電流は、スロット203の両端で強く、スロット203の中央で弱い。共振“3”の電流は、スロット203の半波長モードの倍周波数(3倍周波数)によって生成される電流であり、DMスロット・アンテナ・モードの電流である。
[0300] スロット203が共振“1”を発生する波長モードは限定されず、共振“1”は代替的にスロット203の3/2波長モード等によって生成されてもよい。ストリップ201が共振“2”を発生する波長モードは限定されず、また、共振“2”は代替的にストリップ201の3/4波長モード等によって生成されてもよい。
[0301] 図21Bに示される1.45 GHzの周波数バンド、2.0 GHzの周波数バンド、及び3.6 GHzの周波数バンドに加えて、図21Aに示されるアンテナ構造の例は、アンテナ構造内のストリップ(例えば、ストリップ201及びスロット203)のサイズを調整することによって具体的に設定されることが可能な、別の周波数バンドの共振を生成することができる。
[0302] 実施形態13で提供されるアンテナ設計ソリューションにおいて、CMワイヤ・アンテナとDMスロット・アンテナを組み合わせて、CMワイヤ・アンテナとDMスロット・アンテナの両方のストリップ特徴を有するアンテナ構造を得ることができる、ということを知ることができる。CMワイヤ・アンテナ・モードとDMスロット・アンテナ・モードを励起して、複数の周波数バンドをカバーするために、シングル給電設計を使用することができる。
実施形態14
[0303] 実施形態14では、DMワイヤ・アンテナとCMスロット・アンテナを組み合わせ、DMワイヤ・アンテナとCMスロット・アンテナ両方のストリップ特性を有するアンテナ構造が得られる。DMワイヤ・アンテナ・モードとCMスロット・アンテナ・モードを励起するために、給電設計を使用することができる。
[0304] 図22Aは、実施形態14によるアンテナ設計ソリューションを示す。図22Aに示すように、実施形態14で提供されるアンテナ構造は、ストリップ211とスロット213を含んでもよい。
[0305] ストリップ211とスロット213は、互いに平行であってもよい。スロット183は、地板に細長い孔を形成することによって形成されてもよい。スロット213の213-A側は、ストリップ211に近接しており、開口215が、213-A側に配置されてもよい。具体的には、開口215は、213-A側の中間位置に配置されてもよく、又は中央位置からずれた位置に配置されてもよい。この実施形態では、213-A側は第1の側と言及されてもよい。
[0306] ストリップ211は、接続点Aと接続点Bを有していてもよい。ストリップ211は、接続点Aでストリップ217に接続されてもよく、ストリップ211は、接続点Bでストリップ219に接続されてもよい。ストリップ217は、開口215の一方端(端部C)でストリップ211とスロット213の213-A側を接続するように構成されてもよい。ストリップ219は、開口215の他方端(端部D)でストリップ211とスロット213の213-A側を接続するように構成されてもよい。本実施形態では、接続点A及び接続点Bはそれぞれ第1接続点及び第2接続点と言及されてもよい。本実施形態では、ストリップ217及びストリップ219はそれぞれ第1ストリップ及び第2ストリップと言及されてもよい。
[0307] 給電部は開口215に接続されてもよい。開口215において、給電部の正電極が開口215の一方端(端部C)でストリップ217に接続され、給電部の負電極が開口215の他方端(端部D)でストリップ219に接続される。
[0308] 以下、図22Aに示すアンテナ構造例によって生成されることが可能な共振モードを説明する。
[0309] 図22Bに関し、図22Bにおける“1”,“2”,“3”は、異なる共振を表現している。アンテナ構造は、2.28 GHz付近では共振“1”、3.5 GHz付近では共振“2”、5.7 GHz付近では共振“3”を生成することができる。具体的には、共振“1”は、ストリップ211の半波長モードによって生成される可能性があり、DMワイヤ・アンテナ・モードの共振である。共振“2”は、スロット213の1/4波長モードによって生成される可能性があり、CMスロット・アンテナ・モードの共振である。共振“3”は、ストリップ211の半波長モードの倍周波数(3倍周波数)によって生成される可能性がある。
[0310] 図22Cないし図22Eは、共振“1”,“2”,“3”の電流分布の例を示す。図22Cに示すように、共鳴“1”の電流は、ストリップ211において同じ方向に分布し、ストリップ211の中央で強く、ストリップ211の両端で弱い。共振“1”の電流は、ストリップ211の半波長モードによって生成される電流であり、DMワイヤ・アンテナ・モードの電流である。図22Dに示すように、共振“2”の電流は、スロット213を囲んで反対方向に分布し、電流は、スロット213の両端で強く、スロット213の中央で弱い。共振“2”の電流は、スロット213の1/4波長モードによって生成される電流であり、CMスロット・アンテナ・モードの電流である。図22Eに示すように、共鳴“3”の電流は、ストリップ211において同じ方向に分布し、ストリップ211の中央で強く、ストリップ211の両端で弱い。共振“3”の電流は、ストリップ211の半波長モードの倍周波数(3倍周波数)によって生成される電流であり、DMワイヤ・アンテナ・モードの電流である。
[0311] ストリップ211が共鳴“1”を生成する波長モードは限定されず、共鳴“1”は代替的にストリップ211の3/2波長モード等によって生成されてもよい。スロット213が共振“2”を発生する波長モードは限定されず、共振“2”は代替的にスロット213の3/4波長モード等によって生成されてもよい。
[0312] 図22Bに示される2.28 GHzの周波数バンド、3.5 GHzの周波数バンド、及び5.7 GHzの周波数バンドに加えて、図22Aに示すアンテナ構造例は、アンテナ構造内のストリップ(例えば、ストリップ211及びスロット213)のサイズを調整することによって具体的に設定されることが可能な、別の周波数バンドの共振を発生することができる。
[0313] スロット213の開口215が213-A側の中間位置から偏位した位置に配置される場合、図22Aに示すアンテナ構造例は、より多くの周波数バンドをカバーする可能性がある。
[0314] 実施形態14で提供されるアンテナ設計ソリューションにおいて、DMワイヤ・アンテナとCMスロット・アンテナを組み合わせて、DMワイヤ・アンテナとCMスロット・アンテナの両方のストリップ特徴を有するアンテナ構造を得ることができる、ということを知ることができる。DMワイヤ・アンテナ・モードとCMスロット・アンテナ・モードを励起して、複数の周波数バンドをカバーするために、シングル給電設計を使用することができる。
[0315] 前述の実施形態で言及される種々のスロットは、代替的に、PCB 17以外の地板(金属板)に細長い孔を形成することによって形成されてもよい。
[0316] 本願では、アンテナの波長モード(例えば、半波長モード又は1/4波長モード)における波長は、アンテナによって放射される信号の波長であってもよい。例えば、アンテナの半波長モードは、2.4 GHz周波数バンドで共振を生成することが可能であり、ここで、半波長モードにおける波長は、2.4 GHz周波数バンドにおいてアンテナによって放射される信号の波長である。空気中に放射された信号の波長は次のように計算することができることは理解されるべきである:
波長 = 光速/周波数
ここで、周波数は、放射された信号の周波数である。媒体中に放射された信号の動作波長は次のようにして計算されてもよい:
波長 =(光速/√ε)/周波数
ここで、εは媒体の比誘電率であり、周波数は、放射された信号の周波数である。
[0317] 前述の説明は、本願の単なる具体的な実装であるに過ぎず、本願の保護範囲を限定するようには意図されていない。本願で開示された技術的範囲内で当業者により容易に把握される如何なる変形や置換も、本願の保護範囲に含まれるものとする。従って、本願の保護範囲はクレームの保護範囲に従うものとする。
[0001] 本願は、2019年10月31日付で中国国家知的産権局に出願された「アンテナ装置及び電子デバイス」と題する中国特許出願第201911054822.7号に対する優先権を主張しており、同出願の全体が参照により本件に組み込まれる。
[0002] 技術分野
本発明は、アンテナ技術の分野に関連し、特に、電子デバイスに適用されるアンテナ装置に関連する。
[0003] 多入力多出力(multi-input multi-output, MIMO)技術は、第5世代(5th generation, 5G)無線通信システムにおいて非常に重要な役割を果たす。しかしながら、携帯電話のような移動端末が良好なMIMOパフォーマンスを得ることは依然として大きな課題である。1つの理由は、移動端末内の非常に限られた空間は、MIMOアンテナがカバーできる周波数バンドや、高いパフォーマンスを制限してしまうことである。
[0004] 本発明の実施形態は、アンテナが小型化される場合に、より多くの周波数バンドをカバーすることが可能なアンテナ装置を提供する。
[0005] 第1態様によれば、本願の実施形態は電子デバイスを提供し、電子デバイスはアンテナ装置を含む。アンテナ装置は、ストリップ導体を含むことが可能であり、給電点と接地点はストリップ導体に配置される。
[0006] 給電点はストリップ導体の中間位置に配置されてもよい。給電点は給電部に接続されてもよい。給電の正電極は給電点に接続されてもよく、給電の負電極はグランド(例えば、地板)に接続されてもてもよい。
[0007] ストリップ導体において、接地点は給電点の近傍に配置されてもよい。接地点は、接地スタブに接続されてもよい。接地スタブは、グランド(例えば、地板)に接続されるように構成されてもよい。ここで、近傍とは、給電点と接地スタブの接地端子Aとの間の長さが動作波長1の1/4未満であることを意味する。即ち、給電点と接地点との間の距離LBCと接地スタブの長さLCAの和は、動作波長1の1/4未満である。
[0008] ストリップ導体には、第1電流及び第2電流という異なる周波数の2つの電流が存在する。給電点の両側における第1電流の方向は反対であり、給電点の両側における第2電流の方向は同じである。第1電流はCMワイヤ・アンテナ・モードの電流であり、第2電流はDMワイヤ・アンテナ・モードの電流である。ストリップ導体には、第1電流及び第2電流という異なる周波数の2つの電流が存在する。従って、2つの異なる共振周波数を、ストリップ導体において生成することが可能である。第1態様では、上記第1電流は第1電流と言及されてもよく、上記第2電流は第2電流と言及されてもよい。
[0009] 動作波長1(即ち、CMワイヤ・アンテナ・モードの動作波長)は、第1電流の周波数f1に基づいて計算されてもよい。具体的には、空気中に放射された信号の動作波長1は:
波長 = 光速/f1
のようにして計算することができる。媒体中に放射された信号の動作波長1は、
波長 =(光速/√ε)/f1
のようにして計算することができる。ここで、εは媒体の比誘電率である。第1態様では、動作波長1は第1波長と言及されてもよい。
[0010] 第1態様で提供されるアンテナ設計ソリューションにおいて、アンテナが小型化される場合に複数の周波数バンドをカバーするために、1つのストリップ導体を使用して、CMワイヤ・アンテナ・モード及びDMワイヤ・アンテナ・モードという2つのワイヤ・アンテナ・モードを励起することができる、ということを知ることができる。
[0011] 第1態様に関し、幾つかの実施形態では、電子デバイスは、地板を含む可能性があり、具体的には接地スタブが地板に接続されてもよい。第3電流は地板上に分布する可能性があり、第3電流の周波数は、第1電流及び第2電流の周波数とは異なり、具体的には第1電流及び第2電流の周波数より低くてもよい。
[0012] 第1態様に関し、幾つかの実施形態では、電子デバイスは、金属ベゼルを含む可能性があり、ストリップ導体は、電子デバイスの金属ベゼルの一部分である。金属ベゼルの一部分は、電子デバイスのボトムに配置された金属ベゼル、又は電子デバイスのトップに配置された金属ベゼルであってもよい。
[0013] 第1態様に関し、幾つかの実施形態では、接地スタブは、金属ベゼルと地板を接続することができ、例えば、地板上に配置され且つストリップ導体に接続された金属ドームであってもよい。地板は、電子デバイスの印刷回路基板PCB地板と、電子デバイスの金属シャーシとを含むことが可能である。
[0014] 第1態様に関し、幾つかの実施形態では、給電点は、より多くの周波数バンドをカバーするために、ストリップ導体の中間位置からずれていてもよい。この場合、接地スタブは、給電点の近傍に配置される必要はないかもしれず、即ち、接地スタブは除去されてもよい。
[0015] ストリップ導体上に、異なる周波数を有する更に多くの電流が存在してもよい。
[0016] 第2態様によれば、本願の実施形態は電子デバイスを提供し、電子デバイスはアンテナ装置を含んでもよい。アンテナ装置は、スロットが配置されている金属板を含むことができる。
[0017] 開口はスロットの第1の側の中間位置に配置されてもよい。スロットの第1位置において、給電部の正電極はスロットの第1の側に接続され、給電部の負電極はスロットの第2の側に接続される。第1位置は開口33の近傍に配置されてもよい。ここで、近傍とは、給電位置35と開口33との間の距離L3が動作波長2の1/4未満であることを意味してもよい。第2態様では、動作波長2は第1波長と言及されてもよい。
[0018] 金属板上には、スロットを囲む第1電流と第2電流が存在し、第1電流と第2電流の周波数は相違し、第1電流はスロットを囲んで同じ方向に分布し、第2電流はスロットを囲んで開口の両側で反対方向に分布している。第1電流はCMスロット・アンテナ・モードの電流であり、第2電流はDMスロット・アンテナ・モードの電流である。第1波長は第1電流の周波数によって決定される。
[0019] 第2態様で提供されるアンテナ設計ソリューションにおいて、アンテナが小型化される場合に複数の周波数バンドをカバーするために、1つのスロット導体を使用して、CMスロット・アンテナ・モード及びDMスロット・アンテナ・モードという2つのスロット・アンテナ・モードを励起することができる、ということを知ることができる。
[0020] 第2態様に関し、幾つかの実施形態では、電子デバイスは地板を含む可能性があり、具体的には金属板が地板であってもよい。地板は、電子デバイスの印刷回路基板PCB地板と、電子デバイスの金属シャーシとを含むことが可能である。
[0021] 第3態様によれば、本願の実施形態は電子デバイスを提供し、電子デバイスはアンテナ装置を含んでもよい。アンテナ装置は、少なくとも1つのワイヤ・アンテナとスロット・アンテナを含むことが可能であり、スロット・アンテナは、スロットが配置されている金属板を含むことができる。
[0022] スロット・アンテナの中間地点に給電部が接続されてもよく、給電部の正電極はスロットの一方の側に接続され、給電部の負電極はスロットの他方の側に接続される。ワイヤ・アンテナは、金属板が配置されている平面に平行であり、ワイヤ・アンテナの金属板における投影とスロットとの交差部は、投影の中間位置に位置し、交差部とスロット・アンテナの中間位置との距離は第1波長の1/2より小さくてもよい。第1波長はスロット・アンテナの動作波長である。
[0023] スロットを包囲する第1電流はスロット・アンテナ上に分布することが可能であり、スロット・アンテナの中間位置の両側における第1電流の方向は反対向きであり;及び第2電流はワイヤ・アンテナにおいて同じ方向に分布している。
[0024] 第3態様で提供されるアンテナ設計ソリューションにおいて、複数の周波数バンドをカバーするために、給電スロット・アンテナはDMスロット・アンテナ・モードで動作し、DMワイヤ・アンテナ・モードで動作する1つ以上のワイヤ・アンテナに更に結合することができる、ということを知ることができる。更に、ワイヤ・アンテナは、背面カバーに配置されるフローティング・アンテナとして設計されてもよく、電子デバイス内のデザイン・スペースを占有せず、内部構成要素による影響をほとんど受けない。
[0025] 第3態様に関し、幾つかの実施形態では、ワイヤ・アンテナと金属板が配置されている平面との間の距離は、第1距離より小さくてもよく、例えば1ミリメートル未満であってもよい。より小さなカップリング距離は、より強いカップリング効果をもたらすことが理解されるべきである。スロット・アンテナがフローティング・ワイヤ・アンテナに結合されることが可能であるという条件の下で、カップリング距離の具体的な値は、本願において限定されない。
[0026] 第3態様に関し、幾つかの実施形態では、少なくとも1つのワイヤ・アンテナは、異なる長さの2つ以上のワイヤ・アンテナであってもよい。2つ以上のワイヤ・アンテナの金属板上の投影は、互いに平行である可能性がある。2つ以上のワイヤ・アンテナは、第1平面上に配置されてもよく、第1平面は、金属板が配置されている平面に平行であってもよい。2つ以上のワイヤ・アンテナは、異なる長さを有するので、2つ以上のワイヤ・アンテナに分布する第2電流の周波数も異なる。
[0027] 第3態様に関し、幾つかの実施形態では、ワイヤ・アンテナはフローティング・アンテナであり、背面カバーの内側表面に配置されるか、背面カバーの外側表面に配置されるか、又は背面カバーの中に構築されてもよい。例えば、ワイヤ・アンテナは、背面カバーの内側表面に貼り付けられた金属ストリップであってもよいし、或いは導電性銀ペーストを使用することにより背面カバーの内側表面に印刷されてもよい。
[0028] 第3態様に関し、幾つかの実施形態では、電子デバイスは地板を含んでもよく、金属板が地板であってもよい。地板は、電子デバイスの印刷回路基板PCB地板と、電子デバイスの金属シャーシとを含むことが可能である。
[0029] 第4態様によれば、本願の実施形態は電子デバイスを提供し、電子デバイスはアンテナ装置を含む。アンテナ装置は、ワイヤ・アンテナとスロット・アンテナを含むことができる。
[0030] 給電部は、ワイヤ・アンテナの中間位置で接続されてもよく、即ち、ワイヤ・アンテナの給電位置はワイヤ・アンテナの中間位置であってもよい。具体的には、給電部の正電極は中間位置の一方の側に接続されてもよく、給電部の負電極は中間位置の他方の側に接続されてもよい。スロット・アンテナは、金属板とスロットを含んでもよい。スロット・アンテナは、金属板(例えば、PCB地板)に細長い孔を形成することによって形成されてもよい。スロットは、ポリマー、ガラス、セラミックス、又はこれらの材料の組み合わせのような材料で充填されてもよい。
[0031] ワイヤ・アンテナは、スロット・アンテナが配置されている平面に対して平行であり、且つスロット・アンテナのスロットに対して垂直であってもよい。平面は、スロット平面、即ち、金属板が配置されている平面と言及されてもよい。ワイヤ・アンテナのスロット平面における投影とスロット・アンテナのスロットとは、投影の中間位置で交差する可能性がある。ワイヤ・アンテナのスロット平面における投影とスロットとの交差部Aと、スロット・アンテナの中央位置Bとの間の距離L6は、動作波長4の1/8より大きく且つ動作波長4の1/2より小さくてもよい。動作波長4は、スロット・アンテナの動作波長である。第4態様では、動作波長4は第1波長と言及されてもよい。
[0032] スロットを囲む電流は、スロット・アンテナにおいて、スロット・アンテナの中間位置の両側で反対方向に分布し、電流は、ワイヤ・アンテナにおいて、中間位置の両側で同じ方向に分布する。
[0033] 第4態様で提供されるアンテナ設計ソリューションにおいて、複数の周波数バンドをカバーするために、給電ワイヤ・アンテナはDMスロット・アンテナ・モードで動作し、DMスロット・アンテナ・モードで動作するスロット・アンテナに更に結合することができる、ということを知ることができる。ワイヤ・アンテナは、背面カバーに配置されるフローティング・アンテナとして設計されてもよく、電子デバイス内のデザイン・スペースを占有せず、内部構成要素による影響をほとんど受けない。アンテナ構造において、給電ワイヤ・アンテナは、より多くの周波数バンドをカバーするために、異なるサイズのより多くのスロット・アンテナに更に結合されてもよい。
[0034] 第4態様に関し、幾つかの実施形態では、ワイヤ・アンテナはフローティング・アンテナであってもよく、背面カバーの内側表面に配置されるか、背面カバーの外側表面に配置されるか、又は背面カバーの中に構築されてもよい。例えば、ワイヤ・アンテナは、背面カバーの内側表面に貼り付けられた金属ストリップであってもよいし、或いは導電性銀ペーストを使用することにより背面カバーの内側表面に印刷されてもよい。
[0035] 第4態様に関し、幾つかの実施形態では、電子デバイスは地板を含んでもよく、金属板が地板であってもよい。地板は、電子デバイスの印刷回路基板PCB地板と、電子デバイスの金属シャーシとを含むことが可能である。
[0036] 第5態様によれば、本願の実施形態は電子デバイスを提供し、電子デバイスはアンテナ装置を含んでもよい。アンテナ装置は、ワイヤ・アンテナとスロット・アンテナを含むことが可能である。
[0037] ワイヤ・アンテナは給電点を有し、給電点はワイヤ・アンテナの中間位置に配置されてもよい。給電点は給電部の正電極に接続され、給電部の負電極はグランドに接続される。スロット・アンテナは、スロットが配置されている金属板を含んでもよく、開口は、スロットの第1の側の中間位置に配置されてもよい。
[0038] ワイヤ・アンテナの中央位置において、ワイヤ・アンテナは、金属板が配置されている平面に対して垂直であってもよい。ワイヤ・アンテナに接続された給電部の正電極は、開口の一方の側に位置し、ワイヤ・アンテナに接続された給電部の負電極は開口の他方の側に位置する。
[0039] スロットを囲む電流は、スロット・アンテナにおいて同じ方向に分布することが可能であり、電流は、ワイヤ・アンテナにおいて、中央位置の両側で反対方向に分布することが可能である。
[0040] 第5態様で提供されるアンテナ設計ソリューションにおいて、複数の周波数バンドをカバーするために、給電ワイヤ・アンテナはCMワイヤ・アンテナ・モードで動作し、CMスロット・アンテナ・モードで動作するスロット・アンテナに更に結合することができる、ということを知ることができる。アンテナ構造において、給電ワイヤ・アンテナは、より多くの周波数バンドをカバーするために、異なるサイズのより多くのスロット・アンテナに更に結合されてもよい。
[0041] 第5態様に関し、幾つかの実施形態では、電子デバイスは地板を含んでもよく、金属板が地板であってもよい。地板は、電子デバイスの印刷回路基板PCB地板と、電子デバイスの金属シャーシとを含むことが可能である。
[0042] 第6態様によれば、本願の実施形態は電子デバイスを提供し、電子デバイスはアンテナ装置を含んでもよい。アンテナ装置は、ワイヤ・アンテナとスロット・アンテナを含むことが可能であり、スロット・アンテナは、スロットが配置されている金属板を含む。
[0043] 開口はスロットの第1の側の中間位置に配置されてもよく、給電部は開口に接続されてもよく、給電部の正電極は開口の一方の側に接続され、給電部の負電極は開口の他方の側に接続され、
[0044] ワイヤ・アンテナの中央位置において、ワイヤ・アンテナは、金属板が配置されている平面に対して垂直であってもよい。ワイヤ・アンテナに接続された給電部の正電極は、開口の一方の側に位置してもよく、ワイヤ・アンテナに接続された給電部の負電極は開口の他方の側に位置してもよい。
[0045] スロットを囲む電流は、スロット・アンテナにおいて同じ方向に分布することが可能であり、電流は、ワイヤ・アンテナにおいて、中央位置の両側で反対方向に分布することが可能である。
[0046] 第6態様で提供されるアンテナ設計ソリューションにおいて、複数の周波数バンドをカバーするために、給電スロット・アンテナはCMスロット・アンテナ・モードで動作し、CMワイヤ・アンテナ・モードで動作するワイヤ・アンテナに更に結合することができる、ということを知ることができる。
[0047] 第6態様に関し、幾つかの実施形態では、電子デバイスは地板を含んでもよく、金属板が地板であってもよい。地板は、電子デバイスの印刷回路基板PCB地板と、電子デバイスの金属シャーシとを含むことが可能である。
[0048] 第7態様によれば、本願の実施形態は電子デバイスを提供し、電子デバイスはアンテナ装置を含んでもよい。アンテナ装置は、ワイヤ・アンテナとスロット・アンテナを含むことが可能である。
[0049] ワイヤ・アンテナは給電点を有してもよく、給電点はワイヤ・アンテナの中間位置に配置されてもよい。給電点は給電部の正電極に接続され、給電部の負電極はグランドに接続される。スロット・アンテナは、スロットが配置されている金属板を含んでもよい。
[0050] ワイヤ・アンテナは、スロット・アンテナに対して平行であってもよく、ワイヤ・アンテナの中間位置とスロット・アンテナの中間位置との間の接続ラインは、ワイヤ・アンテナ及びスロット・アンテナの両方に対して垂直であってもよい。
[0051] 電流は、ワイヤ・アンテナにおいて、中間位置の両側で反対方向に分布することが可能であり、スロットを囲む電流は、スロット・アンテナにおいて、スロット・アンテナの中間位置の両側で反対方向に分布することが可能である。
[0052] 第7態様で提供されるアンテナ設計ソリューションにおいて、複数の周波数バンドをカバーするために、給電ワイヤ・アンテナはCMワイヤ・アンテナ・モードで動作し、DMスロット・アンテナ・モードで動作するスロット・アンテナに更に結合することができる、ということを知ることができる。アンテナ構造において、給電ワイヤ・アンテナは、更に、より多くの周波数バンドをカバーするために、異なるサイズのより多くのスロット・アンテナに結合されてもよい。
[0053] 第7態様に関し、幾つかの実施形態では、電子デバイスは地板を含んでもよく、金属板が地板であってもよい。地板は、電子デバイスの印刷回路基板PCB地板と、電子デバイスの金属シャーシとを含むことが可能である。
[0054] 第8態様によれば、本願の実施形態は電子デバイスを提供し、電子デバイスはアンテナ装置を含む。アンテナ装置は、ワイヤ・アンテナとスロット・アンテナを含むことが可能である。
[0055] スロット・アンテナは、スロットが配置されている金属板を含んでもよい。給電点はスロット・アンテナの中間位置に配置されてもよく、給電部の正電極はスロット・アンテナの一方の側に接続され、給電部の負電極はスロット・アンテナの他方の側に接続される。
[0056] ワイヤ・アンテナは、スロット・アンテナに対して平行であってもよく、ワイヤ・アンテナの中間位置とスロット・アンテナの中間位置との間の接続ラインは、ワイヤ・アンテナ及びスロット・アンテナの両方に対して垂直であってもよい。
[0057] 電流は、ワイヤ・アンテナにおいて、中間位置の両側で反対方向に分布することが可能であり、スロットを囲む電流は、スロット・アンテナにおいて、スロット・アンテナの中間位置の両側で反対方向に分布することが可能である。
[0058] 第8態様で提供されるアンテナ設計ソリューションにおいて、複数の周波数バンドをカバーするために、給電スロット・アンテナはDMスロット・アンテナ・モードで動作し、CMワイヤ・アンテナ・モードで動作するワイヤ・アンテナに更に結合することができる、ということを知ることができる。アンテナ構造において、給電スロット・アンテナは、更に、より多くの周波数バンドをカバーするために、異なるサイズのより多くのスロット・アンテナに結合されてもよい。
[0059] 第8態様に関し、幾つかの実施形態では、電子デバイスは地板を含んでもよく、金属板が地板であってもよい。地板は、電子デバイスの印刷回路基板PCB地板と、電子デバイスの金属シャーシとを含むことが可能である。
[0060] 第9態様によれば、本願の実施形態は電子デバイスを提供し、電子デバイスはアンテナ装置を含む。アンテナ装置は、ワイヤ・アンテナとスロット・アンテナを含むことが可能である。
[0061] 給電点は、ワイヤ・アンテナの中間位置に配置されてもよく、給電部の正電極は中間位置の一方の側に接続され、給電部の負電極は中間位置の他方の側に接続される。スロット・アンテナは、スロットが配置されている金属板を含んでもよく、開口はスロットの第1の側の中間位置に配置されてもよい。
[0062] ワイヤ・アンテナは、スロット・アンテナに対して平行であってもよく、ワイヤ・アンテナの中間位置とスロット・アンテナの中間位置との間の接続ラインは、ワイヤ・アンテナ及びスロット・アンテナの両方に対して垂直であってもよい。
[0063] 電流は、ワイヤ・アンテナにおいて、ワイヤ・アンテナの中間位置の両側で同じ方向に分布することが可能であり、スロットを囲む電流は、スロット・アンテナにおいて同じ方向に分布することが可能である。
[0064] 第9態様で提供されるアンテナ設計ソリューションにおいて、複数の周波数バンドをカバーするために、給電ワイヤ・アンテナはDMワイヤ・アンテナ・モードで動作し、CMスロット・アンテナ・モードで動作するスロット・アンテナに更に結合することができる、ということを知ることができる。ワイヤ・アンテナは、背面カバーに配置されるフローティング・アンテナとして設計されてもよく、電子デバイス内のデザイン・スペースを占有せず、内部構成要素による影響をほとんど受けない。アンテナ構造において、給電ワイヤ・アンテナは、より多くの周波数バンドをカバーするために、異なるサイズのより多くのスロット・アンテナに更に結合されてもよい。
[0065] 第9態様に関し、幾つかの実施形態では、電子デバイスは地板を含んでもよく、金属板が地板であってもよい。地板は、電子デバイスの印刷回路基板PCB地板と、電子デバイスの金属シャーシとを含むことが可能である。
[0066] 第10態様によれば、本願の実施形態は電子デバイスを提供し、電子デバイスはアンテナ装置を含んでもよい。アンテナ装置は、ワイヤ・アンテナとスロット・アンテナを含むことが可能である。
[0067] スロット・アンテナは、スロットが配置されている金属板を含んでもよく、開口は、スロットの第1の側の中間位置に配置されてもよい。給電部が開口に接続されてもよく、給電部の正電極は開口の一方の側に接続され、給電部の負電極は開口の他方の側に接続される。
[0068] ワイヤ・アンテナは、スロット・アンテナに対して平行であってもよく、ワイヤ・アンテナの中間位置とスロット・アンテナの中間位置との間の接続ラインは、ワイヤ・アンテナ及びスロット・アンテナの両方に対して垂直であってもよい。
[0069] 電流は、ワイヤ・アンテナにおいて、ワイヤ・アンテナの中間位置の両側で同じ方向に分布することが可能であり、スロットを囲む電流は、スロット・アンテナにおいて同じ方向に分布することが可能である。
[0070] 第10態様で提供されるアンテナ設計ソリューションにおいて、複数の周波数バンドをカバーするために、給電スロット・アンテナはCMスロット・アンテナ・モードで動作し、DMワイヤ・アンテナ・モードで動作するワイヤ・アンテナに更に結合することができる、ということを知ることができる。ワイヤ・アンテナは、背面カバーに配置されるフローティング・アンテナとして設計されてもよく、電子デバイス内のデザイン・スペースを占有せず、内部構成要素による影響をほとんど受けない。アンテナ構造において、給電ワイヤ・アンテナは、より多くの周波数バンドをカバーするために、異なるサイズのより多くのスロット・アンテナに更に結合されてもよい。
[0071] 第10態様に関し、幾つかの実施形態では、電子デバイスは地板を含んでもよく、金属板が地板であってもよい。地板は、電子デバイスの印刷回路基板PCB地板と、電子デバイスの金属シャーシとを含むことが可能である。
[0072] 第11態様によれば、本願の実施形態は電子デバイスを提供し、電子デバイスはアンテナ装置を含んでもよい。アンテナ装置は、ストリップ及びスロットを含むことが可能である。
[0073] ストリップとスロットは互いに平行であってもよい。スロットは、地板に細い孔を形成することによって形成されてもよい。スロットの第1の側は、ストリップに近接しており、開口が第1の側に配置されてもよい。開口は、具体的には、第1の側の中間位置に配置されてもよいし、又は中間位置からずれた位置に配置されてもよい。
[0074] ストリップは、接続点Bを有してもよく、接続点Bで接地スタブに接続されてもよい。接地スタブは、開口の一方端(端部C)においてストリップとスロットの第1の側を接続するように構成されてもよい。給電点Aは、ストリップ上に配置され、給電点Aは、給電部に接続されるように構成されてもよい。具体的には、給電部の正電極は給電点Aに接続され、給電部の負電極は開口の他方端(端部D)においてスロットの第1の側に接続される。
[0075] ストリップにおける給電点Aと接続点Bの間の距離L8は、動作波長5の1/4より小さくてもよい。動作波長5は、ストリップの動作波長であり、即ち、CMワイヤ・アンテナ・モードの動作波長である。第11態様では、動作波長5は第1波長と言及されてもよい。
[0076] 電流は、ストリップにおいて同じ方向に分布し、スロットを囲む電流は、金属板において同じ方向に分布する。
[0077] 第11態様で提供されるアンテナ設計ソリューションにおいて、CMワイヤ・アンテナとCMスロット・アンテナを組み合わせて、CMワイヤ・アンテナとCMスロット・アンテナの両方のストリップ特性を有するアンテナ構造を得ることができる、ということを知ることができる。CMワイヤ・アンテナ・モードとCMスロット・アンテナ・モードを励起し、複数の周波数バンドをカバーするために、シングル給電設計を利用することができる。
[0078] 第12態様によれば、本願の実施形態は、電子デバイスを提供し、電子デバイスはアンテナ装置を含む。アンテナ装置は、ストリップ導体とスロットを含むことが可能である。
[0079] スロットは、ストリップ導体上に配置されてもよく、スロットのスロット方向は、ストリップ導体が延びる方向に垂直であってもよい。スロットは、ストリップ導体の中間位置においてストリップ導体に垂直であってもよい。給電部は、スロットの中間位置で接続されてもよく、給電部の正電極はスロットの一方の側に接続され、給電部の負電極はスロットの他方の側に接続される。
[0080] 電流は、ストリップ導体において、スロットの中間位置の両側で同じ方向に分布することが可能であり、スロットを囲む電流は、ストリップ導体において、スロットの中間位置の両側で反対方向に更に分布することが可能である。
[0081] 第12態様で提供されるアンテナ設計ソリューションにおいて、ストリップ導体は、DMワイヤ・アンテナとDMスロット・アンテナの両方のストリップ特徴を有するようにスロットを形成してもよく、アンテナが小型化される場合に複数の周波数バンドをカバーするように、DMワイヤ・アンテナ・モード及びDMスロット・アンテナ・モードという2つのスロット・アンテナ・モードを励起するために給電設計が使用されてもよい、ということを知ることができる。
[0082] 第13態様によれば、本願の実施形態は、電子デバイスを提供し、電子デバイスはアンテナ装置を含む。アンテナ装置はストリップとスロットを含むことが可能である。
[0083] ストリップとスロットは互いに平行である。スロットは金属板上に配置される。第1ストリップはストリップの中間位置で接続され、第1ストリップはスロットの第1の側に接続されるように構成される。給電部は、スロットの中間位置に接続され、給電部の正電極はスロットの第1の側に接続され、給電部の負電極はスロットの第2の側に接続される。
[0084] 電流は、ストリップにおいて、ストリップの中間位置の両側で反対方向に分布し、スロットを囲む電流は、金属板において、スロットの中間位置の両側で反対方向に分布する。
[0085] 第13態様で提供されるアンテナ設計ソリューションにおいて、CMワイヤ・アンテナとDMスロット・アンテナの両方のストリップ特徴を有するアンテナ構造を、シングル給電設計との組み合わせで使用して、複数の周波数バンドをカバーするように、CMワイヤ・アンテナ・モード及びDMスロット・アンテナ・モードを励起することができる、ということを知ることができる。
[0086] 第14態様によれば、本願の実施形態は電子デバイスを提供し、電子デバイスはアンテナ装置を含む。アンテナ装置はストリップとスロットを含むことが可能である。
[0087] ストリップとスロットは互いに平行であってもよい。スロットは、地板に細長い孔を形成することによって形成されてもよい。スロットの第1の側は、ストリップに近接しており、開口部が第1の側に配置されていてもよい。開口は、具体的には、第1の側の中間位置に配置されてもよいし、又は中間位置からずれた位置に配置されてもよい。
[0088] ストリップは、第1接続点と第2接続点を有していてもよい。ストリップは、第1接続点において第1ストリップに接続されてもよく、ストリップは、第2接続点で第2ストリップに接続されてもよい。第1ストリップは、開口の一方端(端部C)においてストリップとスロットの第1の側を接続するように構成されてもよい。第2ストリップは、開口の他方端(端部D)においてストリップとスロットの第1の側を接続するように構成されてもよい。
[0089] 給電部は開口において接続されてもよい。開口において、給電部の正電極が開口の一方端(端部C)で第1ストリップに接続され、給電部の負電極が開口の一方端(端部D)で第2ストリップに接続される。
[0090] 電流は、ストリップにおいて同じ方向に分布し、スロットを囲む電流は、金属板において同じ方向に分布する。
[0091] 第14態様で提供されるアンテナ設計ソリューションにおいて、DMワイヤ・アンテナとCMスロット・アンテナの両方のストリップ特徴を有するアンテナ構造を得るために、DMワイヤ・アンテナとCMスロット・アンテが組み合わせられる、ということを知ることができる。DMワイヤ・アンテナ・モードとCMスロット・アンテナ・モードを励起し、複数の周波数バンドをカバーするために、シングル給電設計を利用することができる。
[0092] 本願の実施態様における技術的ソリューションをより明確に説明するために、以下、本願の実施態様で使用される添付の図面を説明する。
[0093] 図1は本願の実施形態によるアンテナ設計ソリューションが基礎とする電子デバイスの構造の概略図である。
[0094] 図2Aは、本願の実施形態によるCMワイヤ・アンテナを示す。
[0095] 図2Bは、本願の実施形態によるCMワイヤ・アンテナ・モードにおける電流及び電界分布の概略図を示す。
[0096] 図3Aは、本願の実施形態によるDMワイヤ・アンテナを示す。
[0097] 図3Bは、本願の実施形態によるDMワイヤ・アンテナ・モードにおける電流及び電界分布を示す。
[0098] 図4Aは、本願の実施形態によるCMスロット・アンテナを示す。
[0099] 図4Bは、本願の実施形態によるCMスロット・アンテナ・モードにおける電流、電界、及び磁気ストリームの分布を示す。
[0100] 図5Aは、本願の実施形態によるDMスロット・アンテナを示す。
[0101] 図5Bは、本願の実施形態によるDMスロット・アンテナ・モードにおける電流、電界、及び磁気ストリームの分布を示す。
[0102] 図6A及び6Bは、ストリップ導体の特徴的なモードを示す。
[0102] 図6A及び6Bは、ストリップ導体の特徴的なモードを示す。
[0103] 図7Aは、実施形態1によるアンテナ設計ソリューションを示す。
[0104] 図7B及び図7Cは、実施形態1によるアンテナ構造の電流分布を示す。
[0104] 図7B及び図7Cは、実施形態1によるアンテナ構造の電流分布を示す。
[0105] 図7Dは、実施形態1によるアンテナ設計ソリューションの実際のシステム全体における実装を示す。
[0106] 図7Eは、図7Dに示されるアンテナのS11シミュレーションを示す。
[0107] 図8Aは、実施形態1の拡張されたソリューションを示す。
[0108] 図8Bないし図8Eは、図8Aに示すアンテナ構造の電流分布を示す。
[0108] 図8Bないし図8Eは、図8Aに示すアンテナ構造の電流分布を示す。
[0108] 図8Bないし図8Eは、図8Aに示すアンテナ構造の電流分布を示す。
[0108] 図8Bないし図8Eは、図8Aに示すアンテナ構造の電流分布を示す。
[0109] 図9A及び図9Bは、スロット付き金属板の2つの特性モードを示す。
[0109] 図9A及び図9Bは、スロット付き金属板の2つの特性モードを示す。
[0110] 図10Aは、実施形態2によるアンテナ設計ソリューションを示す。
[0111] 図10B及び図10Cは、実施形態2によるアンテナ構造の電流分布を示す。
[0111] 図10B及び図10Cは、実施形態2によるアンテナ構造の電流分布を示す。
[0112] 図11Aは、実施形態1の拡張されたソリューションを示す。
[0113] 図11Bないし図11Eは、図11Aに示されるアンテナ構造の電流分布を示す。
[0113] 図11Bないし図11Eは、図11Aに示されるアンテナ構造の電流分布を示す。
[0113] 図11Bないし図11Eは、図11Aに示されるアンテナ構造の電流分布を示す。
[0113] 図11Bないし図11Eは、図11Aに示されるアンテナ構造の電流分布を示す。
[0114] 図12A及び図12Bは、実施形態3によるアンテナ設計ソリューションを示す。
[0114] 図12A及び図12Bは、実施形態3によるアンテナ設計ソリューションを示す。
[0115] 図12Cは、図12A及び図12Bに示されるアンテナ構造によって生成される共振モードを示す。
[0116] 図12Dないし図12Fは、図12Cにおける各々の共振の電流分布を示す。
[0116] 図12Dないし図12Fは、図12Cにおける各々の共振の電流分布を示す。
[0116] 図12Dないし図12Fは、図12Cにおける各々の共振の電流分布を示す。
[0117] 図13A及び図13Bは、実施形態4によるアンテナ設計ソリューションを示す。
[0117] 図13A及び図13Bは、実施形態4によるアンテナ設計ソリューションを示す。
[0118] 図13Cは、図13A及び図13Bに示されるアンテナ構造によって生成される共振モードを示す。
[0119] 図13D及び図13Eは、図13Cにおける各々の共振の電流分布を示す。
[0119] 図13D及び図13Eは、図13Cにおける各々の共振の電流分布を示す。
[0120] 図14A及び図14Bは、実施形態5によるアンテナ設計ソリューションを示す。
[0120] 図14A及び図14Bは、実施形態5によるアンテナ設計ソリューションを示す。
[0121] 図14Cは、図14A及び図14Bに示されるアンテナ構造によって生成される共振モードを示す。
[0122] 図14D及び図14Eは、図14Cにおける各々の共振の電流分布を示す。
[0122] 図14D及び図14Eは、図14Cにおける各々の共振の電流分布を示す。
[0123] 図15A及び図15Bは、実施形態7によるアンテナ設計ソリューションを示す。
[0123] 図15A及び図15Bは、実施形態7によるアンテナ設計ソリューションを示す。
[0124] 図15Cは、図15A及び図15Bに示されるアンテナ構造によって生成される共振モードを示す。
[0125] 図15D及び図15Eは、図15Cにおける各々の共振の電流分布を示す。
[0125] 図15D及び図15Eは、図15Cにおける各々の共振の電流分布を示す。
[0126] 図16は、実施形態8によるアンテナ設計ソリューションを示す。
[0127] 図17Aは、実施形態9によるアンテナ設計ソリューションを示す。
[0128] 図17B及び図17Cは、図17Aに示されるアンテナ構造のモード電流及びモード電界を示す。
[0128] 図17B及び図17Cは、図17Aに示されるアンテナ構造のモード電流及びモード電界を示す。
[0129] 図18は、実施形態10によるアンテナ設計ソリューションを示す。
[0130] 図19Aは、実施形態11によるアンテナ設計ソリューションを示す。
[0131] 図19Bは、図19Aに示されるアンテナ構造によって生成される共振モードを示す。
[0132] 図19C及び図19Dは、図19Bにおける幾つかの共振の電流分布を示す。
[0132] 図19C及び図19Dは、図19Bにおける幾つかの共振の電流分布を示す。
[0133] 図19Eは、図19Bにおける幾つかの共振の電流分布を示す。
[0134] 図20Aは、実施形態12によるアンテナ設計ソリューションを示す。
[0135] 図20B及び20Cは、図20Aに示されるアンテナ構造のモード電流及びモード電界を示す。
[0135] 図20B及び20Cは、図20Aに示されるアンテナ構造のモード電流及びモード電界を示す。
[0136] 図20Dは、実施形態12の拡張されたソリューションを示す。
[0137] 図20Eは、図20Dに示されるアンテナ構造によって生成される共振モードを示す。
[0138] 図20Fないし図20Hは、図20Eにおける各々の共振の電流分布を示す。
[0138] 図20Fないし図20Hは、図20Eにおける各々の共振の電流分布を示す。
[0138] 図20Fないし図20Hは、図20Eにおける各々の共振の電流分布を示す。
[0139] 図21Aは、実施形態13によるアンテナ設計ソリューションを示す。
[0140] 図21Bは、図21Aに示されるアンテナ構造によって生成される共振モードを示す。
[0141] 図21Cないし図21Eは、図21Bの各々の共振の電流分布を示す。
[0141] 図21Cないし図21Eは、図21Bの各々の共振の電流分布を示す。
[0141] 図21Cないし図21Eは、図21Bの各々の共振の電流分布を示す。
[0142] 図22Aは、実施形態14によるアンテナ設計ソリューションを示す。
[0143] 図22Bは、図22Aに示されるアンテナ構造によって生成される共振モードを示す。
[0144] 図22Cないし図22Eは、図22Bにおける各々の共振の電流分布を示す。
[0144] 図22Cないし図22Eは、図22Bにおける各々の共振の電流分布を示す。
[0144] 図22Cないし図22Eは、図22Bにおける各々の共振の電流分布を示す。
[0145] 以下、本発明の実施形態における添付図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
[0146] 本願の実施形態で提供される技術的ソリューションは、ブルートゥース(Bluetooth, BT)通信技術、グローバル・ポジショニング・システム(global positioning system, GPS)通信技術、ワイヤレス・フィデリティ(wireless fidelity, Wi-Fi)通信技術、移動通信用グローバル・システム(global system for mobile communications, GSM)通信技術、ワイドバンド符号分割多元接続(wideband code division multiple access, WCDMA)通信技術、ロング・ターム・エボリューション(long term evolution, LTE)通信技術、5G通信技術、SUB-6G通信技術、及びその他の将来の通信技術、のうちの1つ以上を使用する電子デバイスに適用可能である。本願の実施形態において、電子デバイスは、携帯電話、タブレット・コンピュータ、パーソナル・デジタル・アシスタント(personal digital assistant, PDA)などであってもよい。
[0147] 図1は、本願の実施形態で提供されるアンテナ設計ソリューションが基礎とする電子デバイスの内部状況の一例を示す。図1に示すように、電子デバイス10は、カバー・ガラス13、ディスプレイ15、印刷回路基板PCB 17、ハウジング19、及び背面カバー21を含むことが可能である。
[0148] カバー・ガラス13はディスプレイ15の近くに配置されてもよく、ディスプレイ15を塵埃から保護するように主に構成されることが可能である。
[0149] 印刷回路基板PCB 17は、FR-4誘電体基板であってもよいし、又はロジャーズ(Rogers)誘電体基板であってもよいし、又はロジャーズとFR-4を混合する誘電体基板などであってもよい。ここで、FR-4は難燃性材料に対するグレード指定であり、ロジャーズ誘電体基板は高周波基板である。プリント回路基板PCB 17のうちの、ハウジング19に近い方の側に、金属層が配置されていてもよく、金属層は、PCB 17の表面における金属をエッチングすることによって形成されてもよい。金属層が、プリント回路基板PCB 17に担われている電子素子を接地するように構成され、ユーザーが感電してしまうことを防止したり、デバイスの損傷を防止したりしてもよい。金属層は、PCB地板と言及されてもよい。PCB接地板に加えて、電子デバイス10は、例えば金属シャーシのような、接地に使用される別の接地板を有していてもよい。
[0150] ハウジング19は、主に、システム全体を支持するように構成される。ハウジング19は、周辺導電性構造11を含むことが可能であり、構造11は、金属のような導電性材料で作成されてもよい。構造11は、電子デバイス10及びディスプレイ15の周囲に延びていてもよい。具体的には、構造11は、ディスプレイ15の四辺を囲んで、ディスプレイ15を固定することを支援することができる。実装において、金属材料で形成された構造11は、金属ベゼルの外観を形成するために電子デバイス10の金属ベゼルとして直接的に使用されてもよく、また、金属IDに適用可能である。別の実装において、プラスチック・ベゼルのような非金属ベゼルが、非金属ベゼルの外観を形成するために構造11の外面に更に配置されてもよく、また、非金属IDに適用可能である。
[0151] 背面カバー21は、金属材料で形成された背面カバーであってもよいし、或いはガラス背面カバー、プラスチック背面カバー、又はその他の非金属背面カバーのような非導電性材料で形成された背面カバーであってもよい。
[0152] 図1は、電子デバイス10に含まれる幾つかの構成要素を概略的に示しているだけに過ぎず、これらの構成要素の実際の形状、実際のサイズ、及び実際の構造は図1によって限定されない。
[0153] より快適な視覚的なフィーリングをユーザーにもたらすために、電子デバイス10は、ベゼル・レス・スクリーン工業デザイン(industry design, ID)を使用してもよい。ベゼル・レス・スクリーンとは、非常に大きなスクリーン対ボディ比(通常90%を越えるもの)を意味する。ベゼル・レス・スクリーンのベゼルの幅は、大幅に縮小され、電子デバイス10の内部構成要素、例えば、前面カメラ、電話受信機、指紋センサ、及びアンテナのようなものは、再配置されることを必要とする。特に、アンテナ設計では、クリアランス面積が縮小され、アンテナ・スペースは更に圧迫される。しかしながら、アンテナのサイズ、帯域幅、及び効率は、互いに相関し合い、互いに影響を及ぼし合う。アンテナのサイズ(スペース)が削減されると、アンテナの効率-帯域幅積(efficiency-bandwidth product)は確実に減少する。
[0154] 本願の実施形態において提供されるアンテナ設計ソリューションは、より多くの周波数バンドをカバーすることが可能な小型化されたマルチモード・アンテナを実装することができる。
[0155] 先ず、4つのアンテナ・モードを本願の実施形態で説明する。
[0156] 1. 共通モード(common mode, CM)ワイヤ・アンテナ・モード
[0157] 図2Aに示すように、ワイヤ・アンテナ101は、中間位置103において給電部に接続される。給電部の正電極は、ワイヤ・アンテナ101の中間位置103に接続され、給電部の負電極は、グランド(例えば、地板)に接続される。
[0158] 図2Bは、ワイヤ・アンテナ101の電流及び電界の分布を示す。図2(B)に示すように、電流は、中間位置103の両側で反対方向に対称的に分布し、電界は中間位置103の両側で同じ方向に分布している。図2Bに示すように、給電位置102における電流は、同じ方向に分布している。給電位置102における同じ方向の電流分布に基づいて、図2Aに示される給電は、ワイヤ・アンテナCM給電と言及されてもよい。図2Bに示すワイヤ・アンテナ・モードは、CMワイヤ・アンテナ・モードと言及されてもよい。図2Bに示される電流及び電界は、それぞれ、CMワイヤ・アンテナ・モードの電流及び電界と言及されてもよい。
[0159] CMワイヤ・アンテナ・モードの電流及び電界は、中間位置103の両側におけるワイヤ・アンテナ101の2つの水平ストリップによって、1/4波長アンテナとして生成される。電流は、ワイヤ・アンテナ101の中間位置103で強く、ワイヤ・アンテナ101の両端で弱い。電界は、ワイヤ・アンテナ101の中間位置103で弱く、ワイヤ・アンテナ101の両端で強い。
[0160] 2. 差動(differential mode, DM)ワイヤ・アンテナ・モード
[0161] 図3Aに示すように、ワイヤ・アンテナ104は、中間位置106において給電部に接続される。給電部の正電極は中間位置106の一方の側に接続され、給電部の負電極は中間位置106の他方の側に接続される。
[0162] 図3Bは、ワイヤ・アンテナ104の電流及び電界分布を示す。図3Bに示すように、電流は、中間位置106の両側で同じ向きに反対称的に分布し、電界は、中間位置106の両側で反対方向に分布している。図3Bに示されるように、給電位置105における電流は、反対方向に分布している。給電位置105における反対方向の電流分布に基づいて、図3Aに示される給電は、ワイヤ・アンテナDM給電と言及されてもよい。図3Bに示すワイヤ・アンテナ・モードは、DMワイヤ・アンテナ・モードと言及されてもよい。図3Bに示される電流及び電界は、それぞれ、DMワイヤ・アンテナ・モードの電流及び電界と言及されてもよい。
[0163] DMワイヤ・アンテナ・モードの電流及び電界は、半波長アンテナとして、ワイヤ・アンテナ104全体によって生成される。電流は、ワイヤ・アンテナ104の中間位置106で強く、ワイヤ・アンテナ104の両端で弱い。電界は、ワイヤ・アンテナ104の中間位置106で弱く、ワイヤ・アンテナ104の両端で強い。
[0164] 3. 共通(common mode, CM)スロット・アンテナ・モード
[0165] 図4Aに示すように、スロット・アンテナ108は、地板にスロットを形成することによって形成されてもよい。開口107はスロット109の一方の側に配置され、開口107は具体的にはその側の中間位置に配置されてもよい。給電部は、開口107に接続されてもよい。給電部の正電極は開口107の一方の側に接続され、給電部の負電極は開口107の他方の側に接続されてもよい。
[0166] 図4Bは、スロット・アンテナ108の電流、電界、及び磁気ストリーム分布を示す。図4Bに示すように、スロット109を囲む電流は、スロット109の周囲の導体(例えば、地板)上で同じ方向に分布し、電界は、スロット109の中間位置の両側で反対方向に分布し、磁気ストリームは、スロット109の中間位置の両側で反対方向に分布している。図4Bに示すように、開口107における電界(即ち、給電位置)は同じ方向にあり、開口107(即ち、供給位置)における磁気ストリームは同じ方向にある。開口107(給電位置)における同じ方向の磁気ストリームに基づいて、図4Aに示される給電は、スロット・アンテナCM給電と言及されてもよい。図4Bに示すスロット・アンテナ・モードは、CMスロット・アンテナ・モードとして言及されてもよい。図4Bに示される電界、電流、及び磁気ストリームは、それぞれ、CMスロット・アンテナ・モードの電界、電流、及び磁気ストリームと言及されてもよい。
[0167] CMスロット・アンテナ・モードの電流及び電界は、中間位置の両側でスロット・アンテナ108のスロット・アンテナ本体によって、1/4波長アンテナとして生成される。電流は、スロット・アンテナ108の中間位置で弱く、スロット・アンテナ108の両端で強い。電界は、スロット・アンテナ108の中間位置で強く、スロット・アンテナ108の両端で弱い。
[0168] 4. 差動モード(differential mode, DM)スロット・アンテナ・モード
[0169] 図5Aに示すように、スロット・アンテナ110は、地板にスロットを形成することによって形成されてもよい。給電部は、スロット・アンテナ110の中間位置112で接続されている。スロット114の一方の側の中間位置は、給電部の正電極に接続され、スロット114の他方の側の中間位置は、給電部の負電極に接続される。
[0170] 図5Bは、スロット・アンテナ110の電流、電界、及び磁気ストリーム分布を示す。図5Bに示すように、スロット114を囲む電流は、スロット114の周囲の導体(例えば、地板)上において、スロット114の中間位置の両側で反対方向に分布し、電界は、中間位置112の両側で反対方向に分布し、磁気ストリームは、中間位置112の両側で同じ方向に分布している。給電部における磁気ストリームは、反対方向に分布する(図示せず)。給電部において反対方向に分配する磁気ストリームに基づいて、図5Aに示される給電は、スロット・アンテナDM給電と言及されてもよい。図5Bに示されるスロット・アンテナ・モードは、DMスロット・アンテナ・モードと言及されてもよい。図5Bに示される電界、電流、及び磁気ストリームは、それぞれ、DMスロット・アンテナ・モードの電界、電流、及び磁気ストリームと言及されてもよい。
[0171] DMスロット・アンテナ・モードの電流及び電界は、スロット・アンテナ110全体によって、半波長アンテナとして生成される。電流は、スロット・アンテナ110の中間位置で弱く、スロット・アンテナ110の両端で強い。電界は、スロット・アンテナ110の中間位置で強く、スロット・アンテナ110の両端で弱い。
[0172] 本願の実施形態は以下のアンテナ設計ソリューションを提供して、前述の4つのアンテナ・モードにおける複数のアンテナ・モードを統合し、より多くの周波数バンドをカバーし、アンテナを小型化する。
[0173] ソリューション1
[0174] ソリューション1では、前述の4つのアンテナ・モードにおける2つのアンテナ・モードを励起するために、特定の形状の導体に対して給電設計が実行される。このようにして、2つのアンテナ・モードが特定の形状の導体から励起されて、アンテナが小型化される場合に複数の周波数バンドをカバーすることができる。
[0175] ソリューション1は、給電を考慮せずに、任意の形状の導体が複数の特性モード(characteristic mode)を有することができる、という原理に基づいている。一つ以上の特性モードは、所望の特性モードを選択するために、給電設計を使用することによって強化されることが可能である。
[0176] 以下、添付の図面を参照しながら、ソリューション1の複数の実施形態を詳細に説明する。
実施形態1
[0177] 実施形態1では、ストリップ導体に関し、2つの所望の特性モードを励起するために給電設計を使用することができる。2つの望ましい特性モードは、図2A及び図2Bに示すCMワイヤ・アンテナ・モードと、図3A及び図3Bに示すDMワイヤ・アンテナ・モードである。換言すれば、CMワイヤ・アンテナ・モード及びDMワイヤ・アンテナ・モードは、ストリップ導体に関して給電設計を実行することによって、ストリップ導体の複数の特性モードから選択されることが可能である。
[0178] 図6A及び図6Bは、(給電を考慮していない)ストリップ導体111の2つの特性モードを示す。図6Aに示される特性モードは、CMワイヤ・アンテナ・モードであり、ストリップ導体111における電流は、CMワイヤ・アンテナ・モードの電流であり、即ち、ストリップ導体111における電流は反対方向に分布している。図6Bに示される特性モードは、DMワイヤ・アンテナ・モードであり、ストリップ導体111における電流は、DMワイヤ・アンテナ・モードの電流であり、即ち、ストリップ導体111における電流は同じ方向に分布している。
[0179] 図7Aは、実施形態1によるアンテナ設計ソリューションを示す。図7Aに示すように、実施形態1で提供されるワイヤ・アンテナは、ストリップ導体111、給電点113、及び接地点115を含むことが可能である。
[0180] 給電ポイント113は、ストリップ導体111の中間位置に配置されてもよい。給電点113は、給電部に接続されてもよい。給電部の正電極は、給電点113に接続されてもよく、給電部の負電極は、グランド(例えば、地板)に接続されてもよい。
[0181] ストリップ導体111において、接地点115は、給電点113の近傍に配置されてもよい。接地点115は、接地スタブ117に接続されてもよい。接地スタブ117は、グランド(例えば、地板)に接続されるように構成されてもよい。ここで、近傍は、給電点113と接地スタブ117の接地端子Aとの間の長さが、動作波長1の1/4より小さいことを意味していてもよい。即ち、給電点113と接地点115との間の距離LBCと、接地スタブ117の長さLCAとの和は、動作波長1の1/4より小さい。動作波長1は、図7Aに示すワイヤ・アンテナのCMワイヤ・アンテナ・モードの動作波長である。動作波長1の計算方法については、以下の内容で説明されており、ここでは説明しない。
[0182] 給電点113は、ストリップ導体111の中間位置に配置され、その結果、電流は、ストリップ導体111の中間位置で強く、ストリップ導体111の両端で弱くなる。これは、CMワイヤ・アンテナ・モードの電流強度分布とDMワイヤ・アンテナ・モードの電流強度との調和となる可能性があり、それにより、ストリップ導体111の2つの特性モード、即ち、CMワイヤ・アンテナ・モードとDMワイヤ・アンテナ・モードを良好に結合することができる。換言すれば、給電点113の設計は、図7Aに示されるワイヤ・アンテナを励起して、CMワイヤ・アンテナ・モード及びDMワイヤ・アンテナ・モードを生成することができる。
[0183] 図7B及び図7Cは、それぞれ、ストリップ導体111上に分布した、異なる周波数を有する2つの電流、即ち、電流116及び電流118を示す。給電点113の両側における電流116の方向は反対であり、給電点113の両側における電流118の方向は同じである。電流116はCMワイヤ・アンテナ・モードの電流であり、電流118はDMワイヤ・アンテナ・モードの電流である。電流116は、1/4波長モードの電流であって、給電点113の両側でストリップ導体111の水平ストリップ111-A及び111-Bによって生成される電流であり、電流118は、半波長モードの電流であって、ストリップ導体111全体によって生成される電流である。ストリップ導体111には、電流116と電流118という異なる周波数を有する2つの電流が存在する。即ち、2つの異なる共振周波数は、ストリップ導体111上で生成することが可能である。図7Aに示すワイヤ・アンテナは、少なくとも2つの異なる動作周波数バンドを有することができる。実施形態1では、電流116は第1電流と言及されてもよく、電流118は第2電流になってもよい。
[0184] 動作波長1(即ち、図7Aに示されるワイヤ・アンテナのCMワイヤ・アンテナ・モードの動作波長)は、電流116がCMワイヤ・アンテナ・モードの電流であるので、電流116の周波数f1に基づいて計算することが可能である。具体的には、空気中に放射された信号の動作波長1は、次のようにして計算することが可能である:
波長 = 光速/f1
媒体中に放射された信号の動作波長1は、次のようにして計算することが可能である:
波長 = (光速/√ε)/f1
ここで、εは媒体の比誘電定数である。実施形態1では、動作波長1は第1波長と言及されてもよい。
[0185] 図7Dは、実施形態1によるアンテナ設計ソリューションの実際のシステム全体における実装を示す。図7Dに示すように、ストリップ導体111は、電子デバイスの金属ベゼル、例えば、電子デバイスのトップ又はボトムに配置された金属ベゼルの一部分であってもよい。ストリップ導体111は、ストリップ導体111の中間位置で給電されてもよい。接地スタブ117は、金属ベゼルと地板を接続することができ、例えば、地板に配置され且つストリップ導体111に接続された金属ドームであってもよい。接地スタブ117は、給電点113の近傍に配置されてもよい。図7Eは、図7Dに示されるアンテナのS11シミュレーションを示す。図7Eに示されるように、アンテナは、実際には、共振“1”(LB1)、共振“2”(LB2)、及び共振“3”(LB2)という3つの共振を生成することができる。共振“1”は0.7 GHz付近、共振“2”は0.85 GHz付近、共振“3”は1.05 GHz付近にある。共振“2”は、ストリップ導体111の半波長モードによって生成される可能性があり、即ち、共振“2”は、DMワイヤ・アンテナ・モードの共振である。共振“3”は、ストリップ導体111の1/4波長モードによって生成される可能性があり、即ち、共振“3”は、CMワイヤ・アンテナ・モードの共振である。共振“1”は、ストリップ導体111の1/4波長モードによって励起される地板によって生成される可能性があり、電流120が地板上に分布している。電流120の周波数は、電流116及び電流118の周波数と相違する可能性があり、具体的には、電流116及び電流118の周波数よりも低い可能性がある。実施形態1において、電流120は第3電流と言及されてもよい。
[0186] 実施形態1で提供されるアンテナ設計ソリューションにおいて、アンテナが小型化される場合に複数の周波数バンドをカバーするために、1つのストリップ導体を使用して、2つのワイヤ・アンテナ・モード、即ちCMワイヤ・アンテナ・モードとDMワイヤ・アンテナ・モードを励起することができる、ということを知ることができる。
[0187] 実施形態1の拡張ソリューション
[0188] 図8Aに示されるように、給電点113は、より多くの周波数バンドをカバーするために、ストリップ導体111の中間位置からずれていてもよい。換言すれば、図8Aに示すアンテナ構造において、給電点113とストリップ導体111の一方端との間の距離L1は、給電点113とストリップ導体111の他方端との間の距離L2と等しくない。給電点113を分割ラインとして使用することによって、ストリップ導体111は、長ストリップと短ストリップに分割されてもよい。長ストリップは、図8AにおいてL2である長さの水平ストリップであり、短ストリップは、図8AにおいてL1である長さの水平ストリップである。図8Aに示すアンテナ構造では、接地スタブ117は、給電点113の近傍に配置されることは必須ではない可能性があり、即ち、接地スタブ117は除去されてもよい。
[0189] 図7Aの実施形態とは異なり、図8Aに示すアンテナ構造では、ストリップ導体111において、異なる周波数を有するより多くの電流、即ち図8Bないし図8Eにそれぞれ示すことができるような電流20、電流21、電流22、及び電流23が存在する可能性がある。ストリップ導体111において、電流20、電流22、及び電流23は、給電点113の両側で反対方向にある。電流21は、ストリップ導体111全体において同じ方向にある。電流20は、1/4波長モードの電流であって、長ストリップによって生成される電流である。電流21は、半波長モードの電流であって、ストリップ導体111全体によって生成される電流である。電流22は、1/4波長モードによる電流であって、短ストリップによって生成される電流である。電流23は、3/4波長モードの電流であって長ストリップによって生成される電流である。ストリップ導体111において、異なる周波数を有するより多くの電流が存在する可能性があるので、図8Aに示すアンテナ構造は、アンテナが小型化される場合に、より多くの動作周波数バンドをカバーする可能性がある。
実施形態2
[0190] 実施形態2では、特定のスロット導体に関し、2つの所望の特性モードを励起するために給電設計を使用することができる。2つの所望の特性モードは、図4A及び図4Bに示すCMスロット・アンテナ・モードと、図5A及び図5Bに示すDMスロット・アンテナ・モードである。換言すれば、CMワイヤ・アンテナ・モード及びDMワイヤ・アンテナ・モードは、特定のスロット導体に関して給電設計を実行することによって、特定のスロット導体の複数の特性モードから選択されることが可能である。
[0191] 図9A及び図9Bは、(給電を考慮していない)スロット付き金属板の2つの特性モードを示す。スロット付き金属板は、実施形態2で選択される特定のスロット付き導体であり、それは例えば地板であってもよい。スロット付き金属板は、スロット31を有し、スロット31は、地板に細長い孔を形成することによって達成されることが可能である。開口33は、スロット31の一方の側に配置され、具体的には開口33はその側の中央位置に配置されてもよい。開口33は、スロット31とスロット31外側の自由空間とを接続することができる。図9Aに示される特性モードはCMスロット・アンテナ・モードであり、図9Aに示される電流及び電界はCMスロット・アンテナ・モードの電流及び電界である。図9Bに示される特性モードは、DMスロット・アンテナ・モードであり、図9Bに示される電流及び電界は、DMスロット・アンテナ・モードの電流及び電界である。CMスロット・アンテナ・モード及びDMスロット・アンテナ・モードに加えて、図9A及び図9Bに示すスロット導体は、本件では説明しない別の特性モードを有する可能性がある。
[0192] 図10Aは、実施形態2によるアンテナ設計ソリューションを示す。図10Aに示すように、実施形態2で提供されるスロット・アンテナは、金属板とスロット31とを含んでもよい。
[0193] 金属板はグランド板であってもよい。スロット31は、金属板(例えば、地板)に細長い孔を形成することによって達成されてもよい。開口33は、スロット31の一方の側に配置されてもよく、具体的には開口33はその側の中央位置に配置されてもよい。スロット31は、ポリマー、ガラス、セラミックス、又はこれらの材料の組み合わせのような材料で充填されてもよい。開口33もまた、ポリマー、ガラス、セラミックス、又はこれらの材料の組み合わせのような材料で充填されてもよい。
[0194] 給電部は、スロット31の位置35で接続されてもよい。位置35において、給電部の正電極はスロット31の一方の側に接続され、給電部の負電極はスロット31の他方の側に接続される。実施形態2では、給電部の正電極に接続された側はスロット31の第1の側と言及されてもよく、給電部の負電極に接続された側はスロット31の第2の側と言及されてもよい。位置35は、開口33の近傍に配置されてもよい。ここで、近傍は、給電位置35と開口33との間の距離L3が動作波長2の1/4より小さいことを意味してもよい。動作波長2は、図10Aに示すスロット・アンテナのCMスロット・アンテナ・モードの動作波長である。動作波長2の計算方法は、以下の内容で説明され、ここでは説明しない。オプションとして、距離L3は、更に実際のシステム全体における実装を容易にするために、動作波長2の1/8より大きくてもよい。給電は、開口33の近傍で行われ、その結果、電流は、スロット31の中間位置の近傍で弱く、スロット31の両端で強い。これは、CMスロット・アンテナの1/4波長モードの電流強度分布とDMスロット・アンテナの半波長モードの電流強度との調和となる可能性があり、それにより、図10Aに示されるスロット付き金属板の特性モード、即ちCMスロット・アンテナ・モード及びDMスロット・アンテナ・モードを良好に結合する。
[0195] 給電位置35の設計は、図10Aに示されるスロット・アンテナを励起して、CMスロット・アンテナ・モードとDMスロット・アンテナ・モードを生成することができる。図10B及び図10Cに示すように、図10Aに示すスロット・アンテナにおいて、スロット31を囲む異なる周波数を有する2つの電流、即ち、電流36と電流38が存在する可能性がある。実施形態2では、電流36及び電流38は、それぞれ、第1電流及び第2電流と言及されてもよい。電流36は、スロット31を囲んで同じ方向に分布し、電流38は、スロット31を囲んで開口33の両側で反対方向に分布している。図10Aに示すスロット・アンテナにおいて、異なる周波数を有する電界、即ち、電界32と電界34が存在する可能性がある。スロット31において、電界32は、開口33の両側で反対方向に分布し、電流36と同じ周波数を有し、CMスロット・アンテナ・モードの電界である。スロット31において、電界34は、同じ方向に分布し、電流38と同じ周波数を有し、DMスロット・アンテナ・モードの電界である。電界34の周波数f3は、電界32の周波数f4よりも高い。図10Aに示すスロット・アンテナには、異なる周波数を有する2つの電界、即ち、電界32と電界34が存在する。従って、スロット・アンテナは、少なくとも2つの異なる動作周波数バンドを有する可能性がある。
[0196] 動作波長2(即ち、CMスロット・アンテナ・モードの動作波長)は、電界32がCMスロット・アンテナ・モードの電界であるので、電界32と電流36の周波数f4に基づいて計算することが可能である:
波長 = 光速/f4
媒体中に放射された信号の動作波長2は、次のようにして計算することが可能である:
波長 = (光速/√ε)/f1
ここで、εは媒体の比誘電定数である。実施形態2では、動作波長2は第1波長と言及されてもよい。
[0197] 実施形態2で提供されるアンテナ設計ソリューションにおいて、アンテナが小型化される場合に複数の周波数バンドをカバーするために、1つのスロット付き導体を使用して、2つのスロット・アンテナ・モード、即ちCMスロット・アンテナ・モードとDMスロット・アンテナ・モードを励起することができる、ということを知ることができる。
[0198] 実施形態2の拡張ソリューション
[0199] 図11Aに示すように、スロット31の開口33の位置は、より多くの周波数バンドをカバーするために、スロット31の開口側の中央位置からずれていてもよい。換言すれば、図11Aに示すスロット・アンテナ構造において、開口33とスロット31の一方短との間の距離L4は、開口33とスロット31の他方端との間の距離L5と等しくない。図11Aに示すスロット・アンテナは、開口33の位置を分割ラインとして使用することによって、長スロット本体と短スロット本体に分割されてもよい。長スロット本体は、図11AにおいてL4である長さのスロット本体であり、短スロット本体は、図11AにおいてL5である長さのスロット本体である。
[0200] 図11Aに示すスロット・アンテナ構造では、給電位置35は、開口33の近傍に設計することができる。近傍により表現される意味は実施形態2において説明されており、ここで再度説明しない。図10Aの実施形態とは異なり、図11Aに示されるスロット・アンテナでは、異なる周波数を有するより多くの電界、即ち図11Bないし図11Eにそれぞれ示すことができるような電界50、電界51、電界52、及び電界53が存在する可能性がある。電界50、電界51、電界52、及び電界53は、スロット31において反対方向に分布している。電界51は、水平ストリップ13において同じ方向に分布している。電界50は、1/4波長モードの電界であって、長スロット本体によって生成される電界である。電界51は、半波長モードの電界であって、スロット・アンテナ全体によって生成される電界である。電界52は、1/4波長モードの電界であって、短スロット本体によって生成される電界である。電界53は、1/4波長モードの電界であって、長スロット本体によって生成される電界である。図11Aに示されるスロット・アンテナ上には異なる周波数を有するより多くの電界が存在する可能性があるので、図11Aに示されるアンテナ構造は、アンテナが小型化される場合に、より多くの動作周波数バンドをカバーする可能性がある。
[0201] ソリューション2
[0202] ソリューション2では、結合されたアンテナ構造が、給電スロット・アンテナをワイヤ・アンテナに結合するか、又は給電ワイヤ・アンテナをスロット・アンテナに結合することによって形成され、前述の4つのアンテナ・モードにおけるワイヤ・アンテナ・モードとスロット・アンテナ・モードを組み合わせる。このようにして、アンテナが小型化される場合に複数の周波数バンドをカバーするために、1つのアンテナに給電することによって2つのアンテナ・モードを励起することができる。
[0203] 以下、添付の図面を参照しながら、ソリューション2の複数の実施形態を詳細に説明する。
実施形態3
[0204] 実施形態3では、給電アンテナは図5Aに示すDMスロット・アンテナであってもよく、結合アンテナは図3Aに示すDMワイヤ・アンテナであってもよく、DMスロット・アンテナ・モードとDMワイヤ・アンテナ・モードを励起することが可能である。
[0205] 図12A及び図12Bは、実施形態3によるアンテナ設計ソリューションを示す。図12Aはアンテナ設計ソリューションの三次元概略図であり、図12Bはアンテナ設計ソリューションの概略上面図である。図12A及び図12Bに示すように、実施形態3で提供されるアンテナ構造は、少なくとも1つのワイヤ・アンテナ61とスロット・アンテナ63を含むことが可能である。
[0206] ワイヤ・アンテナ61は、図3Aに示すDMワイヤ・アンテナであってもよい。ワイヤ・アンテナ61はフローティング・アンテナであってもよく、背面カバー21の内側表面に配置されるか、背面カバー21の外側表面に配置されるか、又は背面カバー21の中に構築されてもよい。例えば、ワイヤ・アンテナ61は、背面カバー21の内側表面に貼り付けられた金属ストリップであってもよいし、或いは導電性銀ペーストを使用することにより背面カバー21の内側表面に印刷されてもよい。
[0207] スロット・アンテナ63は、図5Aに示すDMスロット・アンテナであってもよい。スロット・アンテナ63は、金属板及びスロット60を含むことができる。スロット・アンテナ63は、金属板(例えば、PCB 17)に細長い孔を形成することによって形成されてもよい。給電部は、スロット・アンテナ63の中間位置65で接続されてもよく、即ちスロット・アンテナ63の給電位置65は、スロット・アンテナ63の中間位置であってもよい。具体的には、スロット60の一方の側の中間位置が給電部の正電極に接続されてもよく、スロット60の他方の側の中間位置が給電部の負電極に接続されてもよい。スロット60は、ポリマー、ガラス、セラミックス、又はこれらの材料の組み合わせのような材料で充填されてもよい。
[0208] ワイヤ・アンテナ61は、スロット・アンテナ63が配置されている平面に対して平行であり、且つスロット・アンテナ63のスロット60に対して垂直であってもよい。平面は、スロット平面、即ち、金属板が配置されている平面と言及されてもよい。ワイヤ・アンテナ61のスロット平面における投影とスロット・アンテナ63のスロット60とは、投影の中間位置で交差する可能性がある。ワイヤ・アンテナ61のスロット平面における投影とスロット60との交差部67と、スロット・アンテナ63の給電位置65との間の距離は、動作波長3の半分より小さくてもよい。動作波長3は、スロット・アンテナ63の動作波長である。第3実施形態では、動作波長3は第1波長と言及されてもよい。
[0209] ワイヤ・アンテナ61と給電スロット・アンテナ63との間のカップリング距離は、ワイヤ・アンテナ61とスロット・アンテナ63が配置されている平面との間の距離であってもよい。その距離は、第1距離未満、例えば1mm未満である。より小さなカップリング距離は、より強いカップリング効果をもたらすことが理解されるべきである。スロット・アンテナ63がフローティング・ワイヤ・アンテナ61に結合されることが可能であるという条件の下で、カップリング距離の具体的な値は、本願において限定されない。
[0210] ワイヤ・アンテナ61は、代替的に、給電スロット・アンテナ63が配置されている平面に平行でなくてもよいことが理解されるべきである。ワイヤ・アンテナ61が、給電スロット・アンテナ63が配置されている平面に平行でない場合に、給電スロット・アンテナ63はまた、フローティング・ワイヤ・アンテナ61に結合される可能性がある。この場合、カップリング効果は、給電スロット・アンテナ63が配置されている平面にワイヤ・アンテナ61が平行である場合のカップリング効果よりも弱い可能性がある。
[0211] 以下、図12A及び図12Bに示すアンテナ構造例によって生成されることが可能な共振モードを説明する。
[0212] 図12Cに関し、図12Cにおける“1”、“2”、“3”は、異なる共振を表現している。結合されたアンテナ構造は、1.6 GHz付近では共振“1”、2.5 GHz付近では共振“2”、3.9 GHz付近では共振“3”を生成することができる。具体的には、共振“1”は、スロット・アンテナ63の半波長モードによって生成される可能性があり、共振“2”は、より長いワイヤ・アンテナ61の半波長モードによって生成される可能性があり、共振“3”は、より短いワイヤ・アンテナ61の半波長モードによって生成される可能性がある。
[0213] 図12Dないし図12Fは、共振“1”、“2”、“3”の電流分布の例を示す。図12Dに示すように、共振“1”の電流71は、スロット60を囲んでスロット・アンテナ63において反対方向に分布し、具体的には給電点65の両側で反対方向に対称的に分布する。電流は、スロット60の中央付近で弱く、スロット60の両端付近で強い。実施形態3では、スロット63を囲む電流71は第1電流と言及されてもよい。図12Eに示すように、共振“2”の電流72は、長ワイヤ・アンテナ61において同じ方向に分布し、ワイヤ・アンテナ61の中央で強く、ワイヤ・アンテナ61の両端で弱い。図12Fに示すように、共振“3”の電流73は、短ワイヤ・アンテナ61において同じ方向に分布し、ワイヤ・アンテナ61の中央で強く、ワイヤ・アンテナ61の両端で弱い。実施形態3では、ワイヤ・アンテナ61における電流は第2電流と言及されてもよい。
[0214] スロット・アンテナ63が共振“1”を発生する波長モードは限定されず、共振“1”は代替的にスロット・アンテナ63の1波長モード、3/2波長モードなどによって生成されてもよい。長ワイヤ・アンテナ61が共振“2”を発生する波長モードは限定されず、共振“2”は代替的に長ワイヤ・アンテナ61の3/2波長モード、5/2波長モードなどによって生成されてもよい。短ワイヤ・アンテナ61が共振“3”を発生する波長モードは限定されず、共振“3”は代替的に短ワイヤ・アンテナ61の3/2波長モード、5/2波長モードなどによって生成されてもよい。
[0215] 図12A及び図12Bに示されるアンテナ構造の例では、異なる長さの2つのワイヤ・アンテナ61が存在する。これに限定されず、アンテナ構造は、代替的に、より多くのワイヤ・アンテナ61を有することが可能である。換言すれば、給電スロット・アンテナ63は、より多くの周波数バンドをカバーするために、2つより多くのワイヤ・アンテナ61に同時に結合されてもよい。代替的に、アンテナ構造は、唯1つのワイヤ・アンテナ61のみを有してもよい。異なる長さの2つ以上のワイヤ・アンテナ61のスロット平面における投影は、互いに平行であってもよい。オプションとして、2つ以上のワイヤ・アンテナ61は、同一平面上に配置されてもよく、その平面は、スロット平面に対して平行であってもよい。平面は第1平面と言及されてもよい。2つ以上のワイヤ・アンテナ61は、異なる長さを有するので、2つ以上のワイヤ・アンテナに分布する第2電流の周波数も異なる。
[0216] 図12Cに示される1.6 GHz周波数バンド、2.5 GHz周波数バンド、及び3.9 GHz周波数バンドに加えて、図12A及び図12Bに示されるアンテナ構造例は、アンテナ構造内のアンテナ放射器(例えば、スロット・アンテナ63及びワイヤ・アンテナ61)のサイズを調整することによって具体的に設定されることが可能な、別の周波数バンドの共振を発生することができる。
[0217] 本願の実施形態において、周波数バンドは周波数レンジである。例えば、2.5 GHzの周波数バンドは、2.4835 GHzから2.5835 GHzの周波数レンジ、即ち、2.5 GHz近傍の周波数レンジであってもよい。
[0218] 実施形態3で提供されるアンテナ設計ソリューションにおいて、複数の周波数バンドをカバーするために、給電スロット・アンテナ63はDMスロット・アンテナ・モードで動作することが可能であり、且つDMワイヤ・アンテナ・モードで動作する1つ以上のワイヤ・アンテナ61に更に結合されてもよい、ということを知ることができる。更に、ワイヤ・アンテナ61は、背面カバーに配置されるフローティング・アンテナとして設計されてもよく、電子デバイス内のデザイン・スペースを占有せず、内部構成要素による影響をほとんど受けない。
実施形態4
[0219] 実施形態3と同様に、実施形態4に提供されるアンテナ構造もまた、DMワイヤ・アンテナ・モードとDMスロット・アンテナ・モードを励起することが可能である。実施形態3とは異なり、実施形態4における給電アンテナは、図3Aに示されるDMワイヤ・アンテナであってもよく、結合されるアンテナは、図5Aに示されるDMスロット・アンテナであってもよい。
[0220] 図13A及び図13Bは、実施形態4によるアンテナ設計ソリューションを示す。図13Aはアンテナ設計ソリューションの三次元概略図であり、図13Bはアンテナ設計ソリューションの概略上面図である。図12A及び図12Bに示すように、実施形態4で提供されるアンテナ構造は、ワイヤ・アンテナ81とスロット・アンテナ83を含むことが可能である。
[0221] ワイヤ・アンテナ81は、図3Aに示すDMワイヤ・アンテナであってもよい。給電部は、ワイヤ・アンテナ81の中間位置に接続されることが可能であり、即ちワイヤ・アンテナ81の給電位置85はワイヤ・アンテナ81の中間位置であってもよい。具体的には、給電部の正電極は中間位置の一方の側に接続されてもよく、給電部の負電極は中間位置の他方の側に接続されてもよい。ワイヤ・アンテナ81はフローティング・アンテナであってもよく、背面カバー21の内側表面に配置されてもよく、背面カバー21の外側表面に配置されてもよく、背面カバー21の中に構築されてもよい。
[0222] スロット・アンテナ83は、図5Aに示すDMスロット・アンテナであってもよい。スロット・アンテナ83は、金属板及びスロット80を含むことができる。スロット・アンテナ83は、金属板(例えば、PCB 17)に細長い孔を形成することによって形成されてもよい。スロット80は、ポリマー、ガラス、セラミックス、又はこれらの材料の組み合わせのような材料で充填されてもよい。
[0223] ワイヤ・アンテナ81は、スロット・アンテナ83が配置されている平面に対して平行であり、且つスロット・アンテナ83のスロット80に対して垂直であってもよい。平面は、スロット平面、即ち、金属板が配置されている平面と言及されてもよい。ワイヤ・アンテナ81のスロット平面における投影とスロット・アンテナ83のスロット80とは、投影の中間位置で交差する可能性がある。ワイヤ・アンテナ81のスロット平面における投影とスロット80との交差部Aと、スロット・アンテナ83の中間位置Bとの間の距離L6は、動作周波数4の1/8より大きく且つ動作波長4の半分より小さくてもよい。動作波長4は、スロット・アンテナ83の動作波長である。第4実施形態では、動作波長4は第1波長と言及されてもよい。
[0224] 給電ワイヤ・アンテナ81とスロット・アンテナ83との間のカップリング距離の関連する説明については、実施形態3を参照されたい。詳細はここでは説明しない。
[0225] 以下、図13A及び図13Bに示すアンテナ構造例によって生成されることが可能な共振モードを説明する。
[0226] 図12Cに関し、図12Cにおける“1”と“2”は、異なる共振を表現している。結合されたアンテナ構造は、1.5 GHz付近では共振“1”、2.1 GHz付近では共振“2”を生成することができる。具体的には、共振“1”は、ワイヤ・アンテナ81の半波長モードによって生成される可能性があり、共振“2”は、スロット・アンテナ83の半波長モードによって生成される可能性がある。
[0227] 図13D及び図13Eは、共振“1”と“2”の電流分布の例を示す。図13Dに示すように、共振“1”の電流91は、ワイヤ・アンテナ81において同じ方向に分布し、具体的にはワイヤ・アンテナ81の中央で強く、ワイヤ・アンテナ81の両端で弱い。図13Eに示すように、共振“2”の電流93は、スロット80を囲んでスロット・アンテナ83において反対方向に分布し、具体的には位置Bの両側で反対方向に分布する。電流は、位置B付近で弱く、スロット80の両端付近で強い。
[0228] 図13Cに示される1.5 GHz周波数バンド及び2.1 GHz周波数バンドに加えて、図13A及び図13Bに示されるアンテナ構造例は、アンテナ構造内のアンテナ放射器(例えば、スロット・アンテナ83及びワイヤ・アンテナ81)のサイズを調整することによって具体的に設定されることが可能な、別の周波数バンドの共振を発生することができる。
[0229] 実施形態4で提供されるアンテナ設計ソリューションにおいて、複数の周波数バンドをカバーするために、給電ワイヤ・アンテナ81はDMワイヤ・アンテナ・モードで動作し、且つDMスロット・アンテナ・モードで動作するスロット・アンテナ61に更に結合されてもよい、ということを知ることができる。更に、ワイヤ・アンテナ81は、背面カバーに配置されるフローティング・アンテナとして設計されてもよく、電子デバイス内のデザイン・スペースを占有せず、内部構成要素による影響をほとんど受けない。アンテナ構造において、給電ワイヤ・アンテナ81は、より多くの周波数バンドをカバーするために、異なるサイズのより多くのスロット・アンテナ83に更に結合されてもよい。
実施形態5
[0230] 実施形態5において、給電アンテナは、図2Aに示されるCMワイヤ・アンテナであってもよく、結合されるアンテナは、図4Aに示されるCMスロット・アンテナであってもよく、CMワイヤ・アンテナ・モードとCMスロット・アンテナ・モードが励起される可能性がある。
[0231] 図14A及び図14Bは、実施形態5によるアンテナ設計ソリューションを示す。図14A及び図14Bに示すように、実施形態5で提供されるアンテナ構造は、ワイヤ・アンテナ121とスロット・アンテナ123を含むことが可能である。
[0232] ワイヤ・アンテナ121は、図2Aに示すCMワイヤ・アンテナであってもよい。ワイヤ・アンテナ121の給電位置122は、ワイヤ・アンテナ121の中間位置に配置されてもよい。給電位置122は、給電部125に接続されてもよい。給電部125の正電極は給電位置122に接続されてもよく、給電部125の負電極はグランド(例えば、地板)に接続されてもよい。
[0233] スロット・アンテナ83は、図4Aに示すCMスロット・アンテナであってもよい。スロット・アンテナ123は、金属板に細長い孔を形成することによって形成されてもよい。スロット・アンテナ123は、スロット127を含むことが可能である。開口129は、スロット127のうちのワイヤ・アンテナ121に近接している側126に配置されてもよく、具体的には開口129はその側の中央位置に配置されてもよい。スロット80は、ポリマー、ガラス、セラミックス、又はこれらの材料の組み合わせのような材料で充填されてもよい。開口129もまた、ポリマー、ガラス、セラミックス、又はこれらの材料の組み合わせのような材料で充填されてもよい。
[0234] 給電ワイヤ・アンテナ121とスロット・アンテナ123は、給電ワイヤ・アンテナ121とスロット・アンテナ123の中間位置において、互いに近接して垂直であってもよい。具体的には、スロット・アンテナ123の上記の側126において、ワイヤ・アンテナ121は、スロット・アンテナ123が配置されている平面に対して垂直であってもよい。平面は、スロット平面、即ち、金属板が配置されている平面と言及されてもよい。スロット・アンテナ123が配置されている平面は、ワイヤ・アンテナ121の中間位置においてワイヤ・アンテナ121に対して垂直であってもよい。ワイヤ・アンテナ121に接続される給電部の正電極は、スロット・アンテナ123の開口129の一方の側に配置されてもよく、ワイヤ・アンテナ121に接続される給電の負電極は、スロット・アンテナ123の開口129の他方の側に配置されてもよい。
[0235] ワイヤ・アンテナ121とスロット・アンテナ123との間のカップリング距離は、スロット・アンテナ123が配置されている平面とワイヤ・アンテナ121との間の距離であってもよい。その距離は、特定の値、例えば1mm未満である。より小さなカップリング距離は、より強いカップリング効果をもたらすことが理解されるべきである。給電ワイヤ・アンテナ121がスロット・アンテナ123に結合されることが可能であるという条件の下で、カップリング距離の具体的な値は、本願において限定されない。
[0236] 以下、図14A及び図14Bに示すアンテナ構造例によって生成されることが可能な共振モードを説明する。
[0237] 図14Cに関し、図14Cにおける“1”と“2”は、異なる共振を表現している。結合されたアンテナ構造は、1.3 GHz付近では共振“1”、2.0 GHz付近では共振“2”を生成することができる。具体的には、共振“1”は、スロット・アンテナ123の1/4波長モードによって生成される可能性があり、共振“2”は、ワイヤ・アンテナ121の半波長モードによって生成される可能性がある。
[0238] 図14D及び図14Eは、共振“1”と“2”の電流分布の例を示す。図14Dに示すように、共振“1”の電流121は、スロット127を囲んでスロット・アンテナ123において同じ方向に分布している。具体的には電流はスロットの中央付近で弱く、スロット127の両端付近で強い。図14Eに示すように、共振“2”の電流123は、ワイヤ・アンテナ121において反対方向に分布し、具体的には、給電点125の両側で反対方向に対称的に分布する。電流は、ワイヤ・アンテナ121の中央で強く、ワイヤ・アンテナ121の両端で弱い。
[0239] スロット・アンテナ123が共振“1”を発生する波長モードは限定されず、共振“1”は代替的にスロット・アンテナ123の3/4波長モードなどによって生成されてもよい。ワイヤ・アンテナ121が共振“2”を発生する波長モードは限定されず、共振“2”は代替的にワイヤ・アンテナ121の3/4波長モードなどによって生成されてもよい。
[0240] 図14Cに示される1.3 GHz周波数バンド、2.0 GHz周波数バンドに加えて、図14Aに示されるアンテナ構造例は、アンテナ構造内のアンテナ放射器(例えば、スロット・アンテナ123及びワイヤ・アンテナ121)のサイズを調整することによって具体的に設定されることが可能な、別の周波数バンドの共振を発生することができる。
[0241] 実施形態5で提供されるアンテナ設計ソリューションにおいて、複数の周波数バンドをカバーするために、給電ワイヤ・アンテナ121はCMワイヤ・アンテナ・モードで動作し、且つDMスロット・アンテナ・モードで動作するスロット・アンテナ61に更に結合されてもよい、ということを知ることができる。アンテナ構造において、給電ワイヤ・アンテナ121は、より多くの周波数バンドをカバーするために、異なるサイズのより多くのスロット・アンテナ123に結合されてもよい。
実施形態6
[0242] 実施形態5と同様に、実施形態6で提供されるアンテナ構造も、CMワイヤ・アンテナ・モードとCMスロット・アンテナ・モードを励起することができる。実施形態5とは異なり、実施形態6における給電アンテナは、図4Aに示されるCMスロット・アンテナであってもよく、結合されるアンテナは、図2Aに示されるCMワイヤ・アンテナであってもよい。
[0243] 実施形態6で提供されるアンテナ構造におけるCMワイヤ・アンテナとCMスロット・アンテナとの間の位置関係については、実施形態5におけるワイヤ・アンテナ121とスロット・アンテナ123の間の位置関係を参照されたい。詳細はここでは説明しない。給電部は、CMスロット・アンテナの開口129に接続されてもよい。給電部の正電極は開口129の一方の側に接続されてもよく、給電部の負電極は開口129の他方の側に接続されてもよい。
実施形態7
[0244] 実施形態7において、給電アンテナは、図2Aに示されるCMワイヤ・アンテナであってもよく、結合されるアンテナは、図5Aに示されるDMスロット・アンテナであってもよく、CMワイヤ・アンテナ・モードとDMスロット・アンテナ・モードが励起される可能性がある。
[0245] 図15A及び図15Bは、実施形態7によるアンテナ設計ソリューションを示す。図15Aに示すように、実施形態7で提供されるアンテナ構造は、ワイヤ・アンテナ141とスロット・アンテナ143を含むことが可能である。図15Aにおいて、ワイヤ・アンテナ141とスロット・アンテナ143は、コプレーナであってもよい。図15Bにおいて、ワイヤ・アンテナ141の平面とスロット・アンテナ143の平面は、互いに垂直であってもよい。
[0246] ワイヤ・アンテナ141は、図2Aに示すCMワイヤ・アンテナであってもよい。ワイヤ・アンテナ141の給電位置142は、ワイヤ・アンテナ141の中間位置に配置されてもよい。給電位置142は給電部に接続されてもよい。給電部の正電極は給電位置142に接続されてもよく、給電部の負電極はグランド(例えば、地板)に接続されてもよい。
[0247] スロット・アンテナ143は、図5Aに示すDMスロット・アンテナであってもよい。スロット・アンテナ143は、金属板に細長い孔を形成することによって形成されてもよい。スロット・アンテナ143はスロット147を含むことができる。スロット147は、ポリマー、ガラス、セラミックス、又はこれらの材料の組み合わせのような材料で充填されてもよい。
[0248] 給電ワイヤ・アンテナ141とスロット・アンテナ143は、互いに近接して平行であってもよい。具体的には、ワイヤ・アンテナ141は、スロット・アンテナ143に対して平行であってもよく、ワイヤ・アンテナ141の中間位置とスロット・アンテナ143の中間位置との間の接続ラインは、ワイヤ・アンテナ141とスロット・アンテナ143の両方に対して垂直であってもよい。換言すれば、ワイヤ・アンテナ141とスロット147は、垂直二等分平面を共有する。
[0249] ワイヤ・アンテナ141とスロット・アンテナ143との間のカップリング距離は、ワイヤ・アンテナ141とスロット・アンテナ143との間の距離であってもよい。その距離は、特定の値、例えば5mm未満である。より小さなカップリング距離は、より強いカップリング効果をもたらすことが理解されるべきである。給電ワイヤ・アンテナ141がスロット・アンテナ143に結合されることが可能であるという条件の下で、カップリング距離の具体的な値は、本願において限定されない。
[0250] 以下、図15A及び図15Bに示すアンテナ構造例によって生成されることが可能な共振モードを説明する。
[0251] 図15Cに関し、図15Cにおける“1”と“2”は、異なる共振を表現している。結合されたアンテナ構造は、1.51 GHz付近では共振“1”、1.95 GHz付近では共振“2”を生成することができる。具体的には、共振“1”は、ワイヤ・アンテナ141の1/4波長モードによって生成される可能性があり、共振“2”は、スロット・アンテナ143の半波長モードによって生成される可能性がある。
[0252] 図15D及び図15Eは、共振“1”と“2”の電流分布の例を示す。図15Dに示すように、共振“1”の電流151は、ワイヤ・アンテナ141と地板に分布しており、即ち、ワイヤ・アンテナ141は、放射を生成するように地板を更に励起する。電流151は、ワイヤ・アンテナ141において反対方向に対称的に分布し、ワイヤ・アンテナ141の中央で強く、ワイヤ・アンテナ121の両端で弱い。図15Eに示すように、共振“2”の電流153は、スロット・アンテナ143において、スロット147を囲んで反対方向に分布し、具体的には、スロット147の中間位置の両側で反対方向に対称的に分布する。電流は、スロット147の中央付近では弱く、スロット147の両端付近では強い。
[0253] ワイヤ・アンテナ141が共振“1”を生成する波長モードは限定されず、共振“1”は代替的にワイヤ・アンテナ141の3/4波長モードなどによって生成されてもよい。スロット・アンテナ143が共振“2”を生成する波長モードは限定されず、共振“2”は代替的にスロット・アンテナ143の1波長モード、3/2波長モードなどによって生成されてもよい。
[0254] 図15Cに示される1.51 GHz周波数バンド、1.95 GHz周波数バンドに加えて、図15A及び図15Bに示されるアンテナ構造の例は、アンテナ構造内のアンテナ放射器(例えば、ワイヤ・アンテナ141及びスロット・アンテナ143)のサイズを調整することによって具体的に設定されることが可能な、別の周波数バンドの共振を発生することができる。
[0255] 実施形態7で提供されるアンテナ設計ソリューションにおいて、複数の周波数バンドをカバーするために、給電ワイヤ・アンテナ141はCMワイヤ・アンテナ・モードで動作し、且つDMスロット・アンテナ・モードで動作するスロット・アンテナ143に更に結合されてもよい、ということを知ることができる。アンテナ構造において、給電ワイヤ・アンテナ121は、より多くの周波数バンドをカバーするために、異なるサイズのより多くのスロット・アンテナ123に結合されてもよい。
実施形態8
[0256] 実施形態7と同様に、実施形態8で提供されるアンテナ構造も、CMワイヤ・アンテナ・モードとDMスロット・アンテナ・モードを励起することができる。実施形態7とは異なり、実施形態8における給電アンテナは、図5Aに示されるDMスロット・アンテナであってもよく、結合されるアンテナは、図2Aに示されるCMワイヤ・アンテナであってもよい。
[0257] 図16に示されるように、実施形態8で提供されるアンテナ構造におけるCMワイヤ・アンテナとDMスロット・アンテナとの間の位置関係については、実施形態7におけるワイヤ・アンテナ121とスロット・アンテナ123の間の位置関係を参照されたい。詳細はここでは説明しない。DMスロット・アンテナの給電部は、DMスロット・アンテナの中央位置に配置されてもよい。給電位置において、給電部の正電極はDMスロット・アンテナの一方の側に接続され、給電部の負電極はDMスロット・アンテナの他方の側に接続される。
実施形態9
[0258] 実施形態9において、給電アンテナは、図3Aに示されるDMワイヤ・アンテナであってもよく、結合されるアンテナは、図4Aに示されるCMスロット・アンテナであってもよく、DMワイヤ・アンテナ・モードとCMスロット・アンテナ・モードが励起される可能性がある。
[0259] 図17Aは、実施形態9によるアンテナ設計ソリューションを示す。図17Aに示すように、実施形態9で提供されるアンテナ構造は、ワイヤ・アンテナ161とスロット・アンテナ163を含むことが可能である。
[0260] ワイヤ・アンテナ161は、図3Aに示すDMワイヤ・アンテナであってもよい。給電部は、ワイヤ・アンテナ161の中間位置に接続されてもよく、即ちワイヤ・アンテナ161の給電位置165はワイヤ・アンテナ161の中間位置であってもよい。具体的には、給電部の正電極は中間位置の一方の側に接続されてもよく、給電部の負電極は中間位置の他方の側に接続されてもよい。ワイヤ・アンテナ161はフローティング・アンテナであってもよく、背面カバー21の内側表面に配置されてもよく、背面カバー21の外側表面に配置されてもよく、背面カバー21の中に構築されてもよい。
[0261] スロット・アンテナ163は、図4Aに示すCMスロット・アンテナであってもよい。スロット・アンテナ163は、金属板に細長い孔を形成することによって形成されてもよい。スロット・アンテナ167は、スロット167を含むことができる。開口169は、スロット167のうちのワイヤ・アンテナ161に近い側に配置されてもよく、開口169は、具体的にはその側の中央位置に配置されてもよい。スロット167は、ポリマー、ガラス、セラミックス、又はこれらの材料の組み合わせのような材料で充填されてもよい。開口169もまた、ポリマー、ガラス、セラミックス、又はこれらの材料の組み合わせのような材料で充填されてもよい。
[0262] 給電ワイヤ・アンテナ161とスロット・アンテナ163は、互いに近接して平行であってもよい。具体的には、ワイヤ・アンテナ161は、スロット・アンテナ163に対して平行であってもよく、ワイヤ・アンテナ161の中間位置とスロット・アンテナ163の中間位置との間の接続ラインは、ワイヤ・アンテナ161とスロット・アンテナ163の両方に対して垂直であってもよい。換言すれば、放射ストリップ141-Aとスロット147は、垂直二等分平面を共有する。
[0263] ワイヤ・アンテナ161とスロット・アンテナ163との間のカップリング距離は、ワイヤ・アンテナ161とスロット・アンテナ163との間の距離であってもよい。その距離は、特定の値、例えば5mm未満であってもよい。より小さなカップリング距離は、より強いカップリング効果をもたらすことが理解されるべきである。給電ワイヤ・アンテナ161がスロット・アンテナ163に結合されることが可能であるという条件の下で、カップリング距離の具体的な値は、本願において限定されない。
[0264] 図17B及び図17Cは、DMワイヤ・アンテナ・モードとCMスロット・アンテナ・モードの電流分布例を示す。図17Bに示すように、DMワイヤ・アンテナ・モードの電流171は、ワイヤ・アンテナ161において同じ方向に分布している。電流171は、ワイヤ・アンテナ161の中央で強く、ワイヤ・アンテナ161の両端で弱い。図17Cに示すように、CMスロット・アンテナ・モードの電流173は、スロット167を囲んでスロット・アンテナ163において同じ方向に分布している。電流173は、具体的には、スロット167の中央付近で弱く、スロット167の両端付近で強い。
[0265] 実施形態9で提供されるアンテナ設計ソリューションにおいては、複数の周波数バンドをカバーするために、給電ワイヤ・アンテナ161は、DMワイヤ・アンテナ・モードで動作し、CMスロット・アンテナ・モードで動作するスロット・アンテナ163に更に結合されてもよい。ワイヤ・アンテナ161は、背面カバーに配置されるフローティング・アンテナとして設計されてもよく、電子デバイス内のデザイン・スペースを占有せず、内部構成要素による影響をほとんど受けない。アンテナ構造において、給電ワイヤ・アンテナ161は、より多くの周波数バンドをカバーするために、異なるサイズのより多くのスロット・アンテナ163に更に結合されてもよい。
実施形態10
[0266] 実施形態9と同様に、実施形態10で提供されるアンテナ構造も、DMワイヤ・アンテナ・モードとCMスロット・アンテナ・モードを励起することができる。実施形態9とは異なり、実施形態10における給電アンテナは、図4Aに示されるCMスロット・アンテナであってもよく、結合されるアンテナは、図3Aに示されるDMワイヤ・アンテナであってもよい。
[0267] 図18に示されるように、実施形態10で提供されるアンテナ構造におけるDMワイヤ・アンテナとCMスロット・アンテナとの間の位置関係については、実施形態9におけるワイヤ・アンテナ161とスロット・アンテナ163の間の位置関係を参照されたい。詳細はここでは説明しない。給電部は、CMスロット・アンテナの開口に接続されてもよい。給電部の正電極は開口169の一方の側に接続されてもよく、給電部の負電極は開口169の他方の側に接続されてもよい。
[0268] ソリューション3
[0269] ソリューション3では、スロット・アンテナとワイヤ・アンテナを組み合わせて、スロット・アンテナとワイヤ・アンテナの両方のストリップ特徴を有するアンテナを取得し、それにより、ワイヤ・アンテナ・モードとスロット・アンテナ・モードとをもたらす。2つのアンテナ・モードは、アンテナが小型化される場合に複数の周波数バンドをカバーするために、シングル給電設計を使用することによって励起される。
[0270] 以下、添付の図面を参照しながら、ソリューション3の複数の実施形態を詳細に説明する。
実施形態11
[0271] 実施形態11では、CMワイヤ・アンテナとCMスロット・アンテナを組み合わせ、CMワイヤ・アンテナ・モードとCMスロット・アンテナ・モードの両方を有するアンテナ構造が得られる。CMワイヤ・アンテナ・モードとCMスロット・アンテナ・モードを励起するために、給電設計を使用することができる。
[0272] 図19Aは、実施形態11によるアンテナ設計ソリューションを示す。図19Aに示すように、実施形態11で提供されるアンテナ構造は、ストリップ181とスロット183を含んでもよい。
[0273] ストリップ181とスロット183は、互いに平行であってもよい。スロット183は、地板に細長い孔を形成することによって形成されてもよい。スロット183の183-A側はストリップ181に近接しており、開口185は183-A側に配置されていてもよい。開口185は、具体的には183-A側の中間位置に配置されてもよく、又は中間位置からずれた位置に配置されてもよい。この実施形態では、183-A側は第1の側と言及されてもよい。
[0274] ストリップ181は、接続点Bを有していてもよく、接続点Bにおいて接地スタブ187に接続されていてもよい。接地スタブ187は、開口185の一方端(端部C)で、ストリップ181とスロット183の183-A側を接続するように構成されてもよい。給電点Aがストリップ181に配置されていてもよく、給電点Aは、給電部に接続されるように構成されていてもよい。具体的には、給電部の正電極は給電点Aに接続され、給電部の負電極は開口185の他方端(端部D)でスロット183の183-A側に接続される。
[0275] ストリップ181における給電点Aと接続点Bとの間の距離L8は、動作波長5の1/4未満であってもよい。動作波長5は、ストリップ181の動作波長、即ち、CMワイヤ・アンテナ・モードの動作波長である。実施形態11では、動作波長5は第1波長と言及されてもよい。
[0276] 以下、図19Aに示すアンテナ構造例によって生成されることが可能な共振モードを説明する。
[0277] 図19Bに関し、図19Bにおける“1”,“2”,“3”,“4”,“5”は、異なる共振を表現している。アンテナ構造は、1.2 GHz付近では共振“1”、1.8 GHz付近では共振“2”、2.3 GHz付近では共振“3”、3.0 GHz付近では共振“4”、5.3 GHz付近では共振“5”を生成することができる。具体的には、共振“1”はストリップ181の1/4波長モードによって生成される可能性があり、CMワイヤ・アンテナ・モードの共振である。共振“2”はストリップ181の半波長モードによって生成される可能性があり、DMワイヤ・アンテナ・モードの共振である。共振“3”はストリップ181の1/4波長モードの倍周波数(2倍周波数)によって生成される可能性がある。共振“4”はスロット183の1/4波長モードによって生成される可能性があり、CMスロット・アンテナ・モードの共振である。共振“5”はスロット183の1/4波長モードの倍周波数によって生成される可能性がある。
[0278] 図19C及び図19Dは、共振“1”と“2”の電流分布の例を示す。図19Cに示すように、共振“1”の電流は、ストリップ181において反対方向に分布し、ストリップ181の中央で強く、ストリップ181の両端で弱い。共振“1”の電流は、ストリップ181の1/4波長モードによって生成される電流であり、CMワイヤ・アンテナ・モードの電流である。CMワイヤ・アンテナ・モードはまた、共振を発生させるために地板を励起する。図19Dに示すように、共鳴“2”の電流は、ストリップ181において同じ方向に分布し、ストリップ181の中央で強く、ストリップ181の両端で弱い。共振“4”の電流(図示せず)は、スロット183を囲んで同じ方向に分布し、スロット183の半波長モードによって生成される電流であり、DMワイヤ・アンテナ・モードの電流である。
[0279] 図19Eは、共振“4”の電界分布の例を示す。図19Eに示すように、共鳴“4”の電界は、スロット183において反対方向に分布し、スロット183の中央で強く、スロット183の両端で弱い。共振“4”の電界は、スロット183の1/4波長モードによって生成される電界であり、CMスロット・アンテナ・モードの電界である。
[0280] ストリップ181が共振“1”を発生する波長モードは限定されず、共振“1”は代替的にストリップ181の3/4波長モード等によって生成されてもよい。ストリップ181が共振“2”を発生する波長モードは限定されず、共鳴“2”は代替的にストリップ181の3/2波長モード、5/2波長モードなどによって生成されてもよい。スロット183が共振“4”を発生する波長モードは限定されず、共鳴“4”は代替的にスロット183の3/2波長モード、5/2波長モードなどによって生成されてもよい。
[0281] 図19Bに示される1.2 GHz周波数バンド、1.8 GHz周波数バンド、2.3 GHz周波数バンド、3.0 GHz周波数バンド、及び5.3 GHz周波数バンドに加えて、図19Aに示されるアンテナ構造例は、アンテナ構造内のストリップ(例えば、ストリップ181及びスロット183)のサイズを調整することによって具体的に設定されることが可能な、別の周波数バンドの共振を生成することができる。
[0282] 実施形態11で提供されるアンテナ設計ソリューションにおいて、CMワイヤ・アンテナとCMスロット・アンテナを組み合わせて、CMワイヤ・アンテナとCMスロット・アンテナの両方のストリップ特徴を有するアンテナ構造を得ることができる、ということを知ることができる。CMワイヤ・アンテナ・モードとCMスロット・アンテナ・モードを励起して、複数の周波数バンドをカバーするために、シングル給電設計を使用することができる。
実施形態12
[0283] 実施形態12では、DMワイヤ・アンテナとDMスロット・アンテナを組み合わせ、DMワイヤ・アンテナとDMスロット・アンテナの両方のストリップ特性を有するアンテナ構造が得られる。DMワイヤ・アンテナ・モードとDMスロット・アンテナ・モードを励起するために、給電設計を使用することができる。
[0284] 図20Aは、実施形態12によるアンテナ設計ソリューションを示す。図20Aに示すように、実施形態12で提供されるアンテナ構造は、ストリップ導体191とスロット193を含んでもよい。
[0285] スロット193は、ストリップ導体191に細長い孔を形成することによって形成されてもよい。スロット193のスロット方向は、ストリップ導体193の延在方向に垂直であってもよい。スロット193は、ストリップ導体193の中間位置において、ストリップ導体193に垂直であってもよい。給電部はスロット193の中間位置で接続され、給電部の正電極はスロット193の一方の側に接続され、給電部の負電極はスロット193の他方の側に接続される。
[0286] 図20B及び20Cは、図20Aに示されるアンテナ構造のモード電流とモード電界の例を示す。図20Bに示す電流は、スロット193の両側で同一方向に導体上に分布し、電流の方向は具体的にはストリップ導体191の延在方向と一致しており、電流はアンテナ構造のCMワイヤ・アンテナ・モードの電流である。図20Cに示す電流は、スロット193を囲んで反対方向に分布しており、アンテナ構造のCMスロット・アンテナ・モードの電流である。図20Cに示す電界は、スロット193において同じ方向に分布しており、アンテナ構造のCMスロット・アンテナ・モードの電界である。
[0287] 実施形態12で提供されるアンテナ設計ソリューションにおいて、ストリップ導体は、DMワイヤ・アンテナとDMスロット・アンテナの両方のストリップ特徴を有するようにスロットを形成していてもよく、また、アンテナが小型化される場合に複数の周波数帯域をカバーするために、2つのスロット・アンテナ・モード、即ち、DMワイヤ・アンテナ・モードとDMスロット・アンテナ・モードを励起するように、給電設計が使用されていてもよい、ということを知ることができる。
[0288] 実施形態12では、図20Dに示されるように、給電点Aは代替的にスロット193の中間位置から偏位した位置に配置されていてもよい。偏位した給電点Aは、スロット193を、短スロット本体193-Aと長スロット本体193-Bに分割することができる。この給電点偏位は、アンテナ構造が、より多くの周波数バンドをカバーすることを可能にする。以下、図20Dに示されるアンテナ構造の例によって生成されることが可能な共振モードを説明する。
[0289] 図20Eに関し、図20Eにおける“1”、“2”、“3”は、異なる共振を表現している。アンテナ構造は、1.5 GHz付近では共振“1”、2.4 GHz付近では共振“2”、4.6 GHz付近では共振“3”を生成することができる。具体的には、共振“1”はスロット193の半波長モードによって生成される可能性があり、共振“2”はストリップ導体191の半波長モードによって生成される可能性があり、共振“3”はスロット193の半波長モードの倍周波数(3倍周波数)によって生成されることが可能である。
[0290] 図20Fないし20Hは、共振“1”、“2”、“3”の電流分布の例を示す。図20Fに示すように、共振“1”の電流は、スロット193を囲んで反対方向に分布し、電流は、短スロット193-A周辺で強く、長スロット193-B周辺で弱い。図20Gに示すように、共振“2”の電流は、ストリップ導体191において同じ方向に分布し、ストリップ導体191の中央で強く、ストリップ導体191の両端で弱い。図20Hに示すように、共振“3”の電流は、スロット193を囲んで反対方向に分布し、電流は、長スロット193-B周辺で強く、短スロット193-A周辺で弱い。
[0291] スロット193が共振“1”を発生する波長モードは限定されず、また、共振“1”は代替的にスロット193の3/2波長モードなどによって生成されてもよい。ストリップ181が共振“2”を発生する波長モードは限定されず、また、共鳴“2”は代替的にストリップ導体191の3/2波長モード、5/2波長モードなどによって生成されてもよい。
[0292] 図20Eに示す1.5 GHzの周波数バンド、2.4 GHzの周波数バンド、及び4.6 GHzの周波数バンドに加えて、図20Dに示すアンテナ構造例は、アンテナ構造内のストリップ(例えば、ストリップ導体191及びスロット193)のサイズを調整することによって具体的に設定することが可能な、別の周波数バンドの共振を発生することができる。
実施形態13
[0293] 実施形態13では、CMワイヤ・アンテナとDMスロット・アンテナを組み合わせ、CMワイヤ・アンテナとDMスロット・アンテナの両方のストリップ特性を有するアンテナ構造が得られる。CMワイヤ・アンテナ・モードとDMスロット・アンテナ・モードを励起するために、給電設計を使用することができる。
[0294] 図21Aは実施形態13によるアンテナ設計ソリューションを示す。図21Aに示すように、実施形態13で提供されるアンテナ構造は、ストリップ201とスロット203を含んでもよい。
[0295] ストリップ201とスロット203は互いに平行であってもよい。スロット203は、地板に細長い孔を形成することによって形成されてもよい。ストリップ201は、接続点Bを有していてもよく、接続点Bにおいてストリップ205に接続されてもよい。ストリップ205は、スロット203の一方の側に接続されるように構成されていてもよい。具体的には接続点Bはストリップ201の中間位置に配置されてもよい。
[0296] 給電部スロット203の中間位置に接続されてもよい。中間位置では、給電部の正電極がスロット203の一方の側に接続され、給電部の負電極がスロット203の他方の側に接続される。
[0297] 以下、図21Aに示されるアンテナ構造例によって生成されることが可能な共振モードを説明する。
[0298] 図21Bに関し、図21Bにおける“1”、“2”、“3”は異なる共振を表現している。アンテナ構造は、1.45 GHz付近では共振“1”、2.0 GHz付近では共振“2”、3.6 GHz付近では共振“3”を生成することができる。具体的には、共振“1”は、スロット203の半波長モードによって生成される可能性があり、DMスロット・アンテナ・モードの共振である。共振“2”は、ストリップ201の1/4波長モードによって生成される可能性があり、CMワイヤ・アンテナ・モードの共振である。共振“3”は、スロット203の半波長モードの倍周波数(3倍周波数)によって生成される可能性がある。
[0299] 図21Cないし21Eは、共振“1”、“2”、“3”の電流分布の例を示す。図21Cに示すように、共振“1”の電流は、スロット203を囲んで反対方向に分布し、電流は、スロット203の両端で強く、スロット203の中央で弱い。共振“1”の電流は、スロット203の半波長モードによって生成される電流であり、DMスロット・アンテナ・モードの電流である。図21Dに示すように、共鳴“2”の電流は、ストリップ201において反対方向に分布し、ストリップ201の中央で強く、ストリップ201の両端で弱い。共振“2”の電流は、ストリップ201の1/4波長モードによって生成される電流であり、CMワイヤ・アンテナ・モードの電流である。図21Eに示すように、共鳴“3”の電流は、スロット203を囲んで反対方向に分布し、電流は、スロット203の両端で強く、スロット203の中央で弱い。共振“3”の電流は、スロット203の半波長モードの倍周波数(3倍周波数)によって生成される電流であり、DMスロット・アンテナ・モードの電流である。
[0300] スロット203が共振“1”を発生する波長モードは限定されず、共振“1”は代替的にスロット203の3/2波長モード等によって生成されてもよい。ストリップ201が共振“2”を発生する波長モードは限定されず、また、共振“2”は代替的にストリップ201の3/4波長モード等によって生成されてもよい。
[0301] 図21Bに示される1.45 GHzの周波数バンド、2.0 GHzの周波数バンド、及び3.6 GHzの周波数バンドに加えて、図21Aに示されるアンテナ構造の例は、アンテナ構造内のストリップ(例えば、ストリップ201及びスロット203)のサイズを調整することによって具体的に設定されることが可能な、別の周波数バンドの共振を生成することができる。
[0302] 実施形態13で提供されるアンテナ設計ソリューションにおいて、CMワイヤ・アンテナとDMスロット・アンテナを組み合わせて、CMワイヤ・アンテナとDMスロット・アンテナの両方のストリップ特徴を有するアンテナ構造を得ることができる、ということを知ることができる。CMワイヤ・アンテナ・モードとDMスロット・アンテナ・モードを励起して、複数の周波数バンドをカバーするために、シングル給電設計を使用することができる。
実施形態14
[0303] 実施形態14では、DMワイヤ・アンテナとCMスロット・アンテナを組み合わせ、DMワイヤ・アンテナとCMスロット・アンテナ両方のストリップ特性を有するアンテナ構造が得られる。DMワイヤ・アンテナ・モードとCMスロット・アンテナ・モードを励起するために、給電設計を使用することができる。
[0304] 図22Aは、実施形態14によるアンテナ設計ソリューションを示す。図22Aに示すように、実施形態14で提供されるアンテナ構造は、ストリップ211とスロット213を含んでもよい。
[0305] ストリップ211とスロット213は、互いに平行であってもよい。スロット183は、地板に細長い孔を形成することによって形成されてもよい。スロット213の213-A側は、ストリップ211に近接しており、開口215が、213-A側に配置されてもよい。具体的には、開口215は、213-A側の中間位置に配置されてもよく、又は中央位置からずれた位置に配置されてもよい。この実施形態では、213-A側は第1の側と言及されてもよい。
[0306] ストリップ211は、接続点Aと接続点Bを有していてもよい。ストリップ211は、接続点Aでストリップ217に接続されてもよく、ストリップ211は、接続点Bでストリップ219に接続されてもよい。ストリップ217は、開口215の一方端(端部C)でストリップ211とスロット213の213-A側を接続するように構成されてもよい。ストリップ219は、開口215の他方端(端部D)でストリップ211とスロット213の213-A側を接続するように構成されてもよい。本実施形態では、接続点A及び接続点Bはそれぞれ第1接続点及び第2接続点と言及されてもよい。本実施形態では、ストリップ217及びストリップ219はそれぞれ第1ストリップ及び第2ストリップと言及されてもよい。
[0307] 給電部は開口215に接続されてもよい。開口215において、給電部の正電極が開口215の一方端(端部C)でストリップ217に接続され、給電部の負電極が開口215の他方端(端部D)でストリップ219に接続される。
[0308] 以下、図22Aに示すアンテナ構造例によって生成されることが可能な共振モードを説明する。
[0309] 図22Bに関し、図22Bにおける“1”,“2”,“3”は、異なる共振を表現している。アンテナ構造は、2.28 GHz付近では共振“1”、3.5 GHz付近では共振“2”、5.7 GHz付近では共振“3”を生成することができる。具体的には、共振“1”は、ストリップ211の半波長モードによって生成される可能性があり、DMワイヤ・アンテナ・モードの共振である。共振“2”は、スロット213の1/4波長モードによって生成される可能性があり、CMスロット・アンテナ・モードの共振である。共振“3”は、ストリップ211の半波長モードの倍周波数(3倍周波数)によって生成される可能性がある。
[0310] 図22Cないし図22Eは、共振“1”,“2”,“3”の電流分布の例を示す。図22Cに示すように、共鳴“1”の電流は、ストリップ211において同じ方向に分布し、ストリップ211の中央で強く、ストリップ211の両端で弱い。共振“1”の電流は、ストリップ211の半波長モードによって生成される電流であり、DMワイヤ・アンテナ・モードの電流である。図22Dに示すように、共振“2”の電流は、スロット213を囲んで反対方向に分布し、電流は、スロット213の両端で強く、スロット213の中央で弱い。共振“2”の電流は、スロット213の1/4波長モードによって生成される電流であり、CMスロット・アンテナ・モードの電流である。図22Eに示すように、共鳴“3”の電流は、ストリップ211において同じ方向に分布し、ストリップ211の中央で強く、ストリップ211の両端で弱い。共振“3”の電流は、ストリップ211の半波長モードの倍周波数(3倍周波数)によって生成される電流であり、DMワイヤ・アンテナ・モードの電流である。
[0311] ストリップ211が共鳴“1”を生成する波長モードは限定されず、共鳴“1”は代替的にストリップ211の3/2波長モード等によって生成されてもよい。スロット213が共振“2”を発生する波長モードは限定されず、共振“2”は代替的にスロット213の3/4波長モード等によって生成されてもよい。
[0312] 図22Bに示される2.28 GHzの周波数バンド、3.5 GHzの周波数バンド、及び5.7 GHzの周波数バンドに加えて、図22Aに示すアンテナ構造例は、アンテナ構造内のストリップ(例えば、ストリップ211及びスロット213)のサイズを調整することによって具体的に設定されることが可能な、別の周波数バンドの共振を発生することができる。
[0313] スロット213の開口215が213-A側の中間位置から偏位した位置に配置される場合、図22Aに示すアンテナ構造例は、より多くの周波数バンドをカバーする可能性がある。
[0314] 実施形態14で提供されるアンテナ設計ソリューションにおいて、DMワイヤ・アンテナとCMスロット・アンテナを組み合わせて、DMワイヤ・アンテナとCMスロット・アンテナの両方のストリップ特徴を有するアンテナ構造を得ることができる、ということを知ることができる。DMワイヤ・アンテナ・モードとCMスロット・アンテナ・モードを励起して、複数の周波数バンドをカバーするために、シングル給電設計を使用することができる。
[0315] 前述の実施形態で言及される種々のスロットは、代替的に、PCB 17以外の地板(金属板)に細長い孔を形成することによって形成されてもよい。
[0316] 本願の実施形態では、アンテナの波長モード(例えば、半波長モード又は1/4波長モード)における波長は、アンテナによって放射される信号の波長であってもよい。例えば、アンテナの半波長モードは、2.4 GHz周波数バンドで共振を生成することが可能であり、ここで、半波長モードにおける波長は、2.4 GHz周波数バンドにおいてアンテナによって放射される信号の波長である。空気中に放射された信号の波長は次のように計算することができることは理解されるべきである:
波長 = 光速/周波数
ここで、周波数は、放射された信号の周波数である。媒体中に放射された信号の動作波長は次のようにして計算されてもよい:
波長 =(光速/√ε)/周波数
ここで、εは媒体の比誘電率であり、周波数は、放射された信号の周波数である。
[0317] 前述の説明は、本願の単なる具体的な実装であるに過ぎず、本願の保護範囲を限定するようには意図されていない。本願で開示された技術的範囲内で当業者により容易に把握される如何なる変形や置換も、本願の保護範囲に含まれるものとする。従って、本願の保護範囲はクレームの保護範囲に従うものとする。