JP2023184240A - 水硬性組成物 - Google Patents

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Kohei Shimada
桂一郎 佐川
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Abstract

【課題】流動保持性と硬化体の強度に優れたジオポリマー型の水硬性組成物を提供する。【解決手段】(A)細骨材、(B)メタケイ酸塩、(C)アルミナシリカ微粉末、(D)炭酸カリウム及び(E)水を含有する、水硬性組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、水硬性組成物、及び硬化体の製造方法に関する。
近年、SDGs実現のため、ESG観点から環境に配慮したインフラ整備が目指されており、炭酸カルシウムの焼成に伴いCOを排出するセメントを低減した、環境調和型の水硬性組成物に関する技術開発が進んでいる。
その一例として、ケイ酸アルミニウムのようなケイ酸塩を含む高炉スラグ微粉末等を、アルカリ溶液を用いて硬化させる、ジオポリマーと称される水硬性組成物が注目を集めている。
ジオポリマーは、ケイ酸アルミニウムのアルカリによる溶解、水和生成物の形成により硬化するため、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等、強塩基性のアルカリ刺激剤を併用するほど、優れた強度発現性を示す。
特許文献1には、アルミナシリカ微粉末を用いたジオポリマーの硬化促進剤として、ケイ酸ナトリウムと炭酸ナトリウムの混合物を用いることが開示されている。
特許文献2には、a成分:重炭酸ナトリウム、b成分:重炭酸カリウム、c成分:形態が粉末状のナフタレンスルホン酸系化合物、リグニンスルホン酸系化合物、オキシポリカルボン酸系化合物及びメラミンスルホン酸系化合物よりなる群から選ばれた少なくとも一種並びにd成分:炭酸アルカリ金属塩を、所定の割合で含有する、珪酸塩系土質安定用薬液における重炭酸塩系硬化剤が開示されている。
また、非特許文献1には、ジオポリマーの定義、材料、メカニズム、課題、可能性が開示されている。
非特許文献2には、アルカリ溶液を用いずに、アルミナシリカ微粉末と、粉体のアルカリ化合物と、骨材を配合して成る一剤型のジオポリマーが開示されている。
米国特許出願公開第2015/0321954号明細書 特開2002-88365号公報
コンクリート工学、56巻、5号、409-414頁、公益社団法人 日本コンクリート工学会、2018年5月発行 Cement and Concrete Research、103巻、21-34頁、Elsevier B.V.、2017年11月発行
しかしながら、メタケイ酸塩とアルミナシリカ微粉末とを用いたジオポリマーで強塩基性のアルカリ刺激剤を併用すると、流動保持性が低下して、例えば顕著に硬化が促進されて可使時間が短くなり、作業性が損なわれるという課題があった。
本発明は、流動保持性と硬化体の強度に優れたジオポリマー型の水硬性組成物を提供する。
本発明は、(A)細骨材〔以下、(A)成分という〕、(B)メタケイ酸塩〔以下、(B)成分という〕、(C)アルミナシリカ微粉末〔以下、(C)成分という〕、(D)炭酸カリウム〔以下、(D)成分という〕及び(E)水〔以下、(E)成分という〕を含有する、水硬性組成物に関する。
また、本発明は、前記本発明の水硬性組成物を養生して硬化体を得る、硬化体の製造方法に関する。
本発明によれば、流動保持性と硬化体の強度に優れたジオポリマー型の水硬性組成物が提供される。
本発明は、産業副産物や廃棄物の有効活用、CO排出量低減などに寄与することから、近年、持続的な社会実現のために提唱されているSDGsの、例えば、No.7、9、11、12、13などに貢献する技術となり得ると考えられる。
実施例及び比較例の結果を示すグラフ
本発明者らは、細骨材、メタケイ酸塩、アルミナシリカ微粉末及び水を配合してなる水硬性組成物に、炭酸カリウムを添加することで、水硬性組成物の流動保持性が向上し、例えば、水硬性スラリーとしての適切な可使時間が確保できるとともに、かかる水硬性組成物の硬化体が十分な強度を発現することを見出した。このような効果が発現する理由は必ずしも定かではないが、以下のように推測される。
前述の通りジオポリマーは、ケイ酸アルミニウムのアルカリによる溶解、次ぐ水和生成物の形成により形成される。強度発現に寄与する代表的な水和生成物としては、C-S(A)-Hと呼ばれる、カルシウム、アルミニウム、ケイ素の酸化物の複合体が挙げられる。この水和生成物は、高pH下かつカルシウムイオンが溶存する環境下で急速に成長することが知られているが、本発明では、炭酸カリウムが、一般的なアルカリ刺激剤に比してその水溶液のpHが低いことにより、C-S(A)-Hの急激な生成に伴う流動性の低下を抑制しながら、アルミナシリカ微粉末由来の過剰なカルシウムイオンを炭酸カルシウムとして固化(硬化)させることによって、水硬性スラリーとしての流動保持性と硬化体の強度発現性を両立せしめたものと考察される。
<水硬性組成物>
本発明の水硬性組成物は、(A)成分の細骨材と、(B)成分のメタケイ酸塩と、(C)成分のアルミナシリカ微粉末と、(D)成分の炭酸カリウムと、(E)成分の水とを含有する。
(A)成分は、細骨材である。(A)成分は、天然砂であってもよく、人工砂であってもよい。
天然砂としては、天然砂としては、例えば、川砂、陸砂、山砂、海砂、石灰砂、珪砂、クロマイト砂、ジルコン砂、オリビン砂、アルミナ砂、天然軽量細骨材、及びこれらの砕砂等が挙げられる。
人工砂としては、例えば、高炉スラグ細骨材、フェロニッケルスラグ細骨材、人工軽量細骨材、再生細骨材、合成ムライト砂、SiOを主成分とするSiO系の人工砂、Alを主成分とするAl系の人工砂、SiO/Al系の人工砂、SiO/MgO系の人工砂、SiO/Al/ZrO系の人工砂、SiO/Al/Fe系の人工砂等が挙げられる。ここで、主成分とは、砂の含有成分の中で最も多い成分をいう。
これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(A)成分は、川砂、陸砂、山砂、海砂、石灰砂、珪砂、高炉スラグ細骨材、フェロニッケルスラグ細骨材、人工軽量細骨材、天然軽量細骨材及び再生細骨材から選ばれる1種以上が好ましい。これらは、砕砂であってよい。
細骨材の非晶化度は、水硬性組成物(水硬性スラリー)のワーカビリティーの観点から、30%以下が好ましく、20%以下がより好ましく、10%以下が更に好ましく、5%以下がより更に好ましい。
細骨材の非晶化度の下限は限定されないが、例えば、0%以上であり、1%以上であってもよい。
(A)成分の非晶化度の制御方法には様々な手法があるが、一般には溶融物を急冷させるような製造方法を用いることが好ましい。例えば、原料を溶融させ、エアーで風砕させ急冷する方法や、火炎中において処理し、急冷させる方法がある。いずれにおいても、冷却方法は材質、粒径によって様々な速度で適宜選択されればよい。また、一旦結晶化したものを熱処理と冷却処理にて非晶化させる方法も考えられる。これらの中でも、加熱と冷却が容易に制御できる火炎溶融法を用いたものが好ましい。
(A)成分の非晶化度は、下記に示されるX線回折法によって求めることができる。
細骨材を乳鉢で粉砕し、粉末X線回折装置のX線ガラスホルダーに圧着して測定する。粉末X線回折装置は、理学電機社製MultiFlex(光源CuKα線、管電圧40kV、管電流40mA)を用い、2θ=5~90°の範囲で走査間隔0.01°、走査速度2°/min、スリット DS1、SS1、RS0.3mmにて行う。2θ=10°~50°の範囲で、低角度側及び高角度側のX線強度を直線で結び、直線下の面積をバックグラウンドとし、機器付属のソフトを用いて結晶化度を求め、100から引いて非晶化度とする。具体的には、バックグラウンドより上の面積について、非晶質ピーク(ハロー)と各結晶性成分をカーブフィッティングにより分離し、それぞれの面積を求め、下記式にて非晶化度(%)を計算する。
非晶化度(%)=ハローの面積/(結晶性成分面積+ハロー面積)×100
(A)成分は、水硬性組成物の流動保持性を良好にさせる観点から、球状であることが好ましい。ここで、本実施形態に係る球状とはボールのような丸い形状をしたものをいい、より具体的には、球形度が好ましくは0.80以上、より好ましくは0.85以上、更に好ましくは0.90以上、更により好ましくは0.95以上、より更に好ましくは0.97以上のものをいう。本実施形態に係る細骨材の球形度が上記下限値以上であると、流動保持性の観点から好ましい。更に、本実施形態に係る細骨材の球形度が上記下限値以上であると、表面がより平滑になる点からも好ましい。
また、球形度の上限値については、具体的には1以下である。
(A)成分の球形度は、光学顕微鏡又はデジタルスコープ(例えば、キーエンス社製、VH-8000型)により得られた粒子の像(写真)を画像解析することにより、粒子の粒子投影断面の面積及び該断面の周囲長を求め、次いで、〔粒子投影断面の面積(mm)と同じ面積の真円の円周長(mm)〕/〔粒子投影断面の周囲長(mm)〕を計算し、任意の50個の粒子につき、それぞれ得られた値を平均して求めることができる。
(A)成分の平均粒子径は、水硬性組成物のワーカビリティーの観点から、0.1mm以上が好ましく、0.5mm以上がより好ましく、そして、水硬性組成物のワーカビリティーの観点から、5.0mm以下が好ましく、2.0mm以下がより好ましく、1.0mm以下が更に好ましい。
(A)成分の平均粒子径は、下記方法により測定することができる。
(平均粒子径の測定方法)
粒子の粒子投影断面からの球形度=1の場合は直径(mm)を測定し、一方、球形度<1の場合はランダムに配向させた粒子の長軸径(mm)と短軸径(mm)を測定して(長軸径+短軸径)/2を求め、任意の100個の粒子につき、それぞれ得られた値を平均して平均粒子径(mm)とする。長軸径と短軸径は、以下のように定義される。粒子を平面上に安定させ、その粒子の平面上への投影像を2本の平行線ではさんだとき、その平行線の間隔が最小となる粒子の幅を短軸径といい、一方、この平行線に直角な方向の2本の平行線で粒子をはさむときの距離を長軸径という。
粒子の長軸径と短軸径は、光学顕微鏡又はデジタルスコープ(例えば、キーエンス社製、VH-8000型)により該粒子の像(写真)を撮影し、得られた像を画像解析することにより求めることができる。
本発明の水硬性組成物は、該組成物100質量部に対して、(A)成分を、水硬性組成物の硬化体の強度発現性の観点から、例えば10質量部以上、更に20質量部以上、更に30質量部以上、そして、水硬性組成物のワーカビリティーの観点から、90質量部以下、更に80質量部以下、更に70質量部以下含有することができる。
次に、(B)成分のメタケイ酸塩について説明する。
メタケイ酸塩としては、メタケイ酸ナトリウムの濃厚水溶液、いわゆる水ガラス(例えば組成式NaSiO・nHO、n=1.3~4.0)を例示することができる。また、メタケイ酸ナトリウム5水和物、メタケイ酸ナトリウム9水和物、メタケイ酸カリウム5水和物、メタケイ酸カリウム9水和物及びメタケイ酸マグネシウム5水和物等の固体のメタケイ酸塩水和物を例示することができる。(B)成分は、水ガラス、メタケイ酸ナトリウム5水和物及びメタケイ酸ナトリウム9水和物から選ばれる1種以上が好ましい。
本発明の水硬性組成物は、該組成物100質量部に対して、(B)成分を、水硬性組成物の硬化体の強度発現性の観点から、例えば0.1質量部以上、更に0.5質量部以上、更に1.0質量部以上、そして、20質量部以下、更に15質量部以下、更に10質量部以下含有することができる。
本発明の水硬性組成物は、水硬性組成物の硬化体の強度発現性の観点から、(B)成分を、(A)成分100質量部に対して、例えば、0.05質量部以上、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上、更に好ましくは1質量部以上、更により好ましくは2質量部以上、そして、例えば10質量部以下、好ましくは8質量部以下、より好ましくは6質量部以下含有することができる。
次に、(C)成分のアルミナシリカ微粉末について説明する。
(C)成分のアルミナシリカ微粉末としては、例えば、アルミノシリケート(xMO・yAl・zSiO・nHO、Mはアルカリ金属)を含有する微粉末が挙げられる。
(C)成分は、アルカリ化合物及び/又はその水溶液との接触により、アルミニウムやケイ素等の陽イオンを溶出し、それらの供給源となる作用を有する。
(C)成分は、アルミナ(Al)とシリカ(SiO)のモル比が、水硬性組成物の硬化体の強度発現性の観点から、アルミナ/シリカで、例えば、0.05以上、更に0.10以上、そして、1.00以下、更に0.50以下であってよい。
(C)成分のアルミナシリカ微粉末の好適な例として、1)高炉スラグ微粉末、フライアッシュ、クリンカアッシュ、流動床石炭灰、都市ごみ焼却灰溶融スラグ微粉末、赤泥、及び下水汚泥焼却灰溶融スラグ微粉末などの産業廃棄物・副産物、2)メタカオリンなどの天然アルミノシリケート鉱物及び粘土とその焼物、3)火山灰などを挙げることが出来る。これらのうち、上記1)の産業廃棄物は、他の成分と比較して、産地制限がなく、かつ産業廃棄物資源の有効利用にもつながり、特に好適である。
(C)成分は、高炉スラグ微粉末、フライアッシュ、メタカオリン、もみ殻焼却灰、やし殻焼却灰、都市ゴミ焼却灰及び下水汚泥焼却灰から選ばれる1種以上が挙げられる。(C)成分は、高炉スラグ微粉末及びフライアッシュから選ばれる1種以上が好ましい。
本発明では、(C)成分を2種以上使用することができる。本発明において、(C)成分を2種以上使用する場合、例えば、(C)成分として、高炉スラグ微粉末、フライアッシュ、メタカオリン、もみ殻焼却灰、やし殻焼却灰、都市ゴミ焼却灰及び下水汚泥焼却灰から選ばれる2種以上を使用する場合、水硬性組成物の硬化体の強度発現性の観点から、本発明の水硬性組成物は(C)成分として高炉スラグ微粉末を含有することが好ましい。
本発明の水硬性組成物が(C)成分を2種以上含有し、(C)成分として高炉スラグ微粉末を含有する場合、水硬性組成物の硬化体の強度発現性の観点から、(C)成分中の高炉スラグ微粉末の割合は、(C)成分100質量部に対して、例えば、10質量部以上、好ましくは20質量部以上、より好ましくは30質量部以上、そして、例えば90質量部以下であり、好ましくは80質量部以下、より好ましくは70質量部以下である。本発明の水硬性組成物は、(C)成分として、(C1)高炉スラグ微粉末と、(C2)フライアッシュ、メタカオリン、もみ殻焼却灰、やし殻焼却灰、都市ゴミ焼却灰及び下水汚泥焼却灰から選ばれる1種以上と、を含有することが好ましい。(C2)は、フライアッシュが好ましい。
高炉スラグ微粉末は、高炉で鉄を精製する際の副産物で、酸化カルシウム(CaO)、シリカ(SiO)、アルミナ(Al)を主成分とし、JIS A 6206に規格が規定されている。本発明において、特に使用する高炉スラグ微粉末は、CaOの含有率が30質量%以上60質量%以下の範囲にあるものが好ましい。
フライアッシュは、シリカ(SiO)、アルミナ(Al)を主成分とし、JIS A 6201において、粒度やフロー値に基づきI~IV種(JIS A6201)に規格が規定されている。その粒度が細かく反応性に富むJIS I種、II種が適している。フライアッシュ中のCaOの含有率は、10.1質量%以下であってよい。
(C)成分は、ブレーン比表面積(cm/g)が、水硬性スラリーの硬化体の強度発現性の観点から、例えば1,500以上、好ましくは2,000以上、より好ましくは2,500以上、更に好ましくは3,000以上、より更に好ましくは、3,500以上、そして、粉末状水硬性組成物のハンドリング性の観点から、例えば8,000以下、好ましくは7,500以下、より好ましくは7,000以下、更に好ましくは6,500以下、より更に好ましくは6,000以下である。(C)成分のブレーン比表面積は、JIS R 5201に規定されるブレーン空気透過装置を用いて測定、算出される。
本発明の水硬性組成物は、該組成物100質量部に対して、(C)成分を、水硬性組成物の硬化体の強度発現性の観点から、例えば5質量部以上、更に10質量部以上、更に20質量部以上、そして、60質量部以下、更に50質量部以下、更に40質量部以下含有することができる。
(D)成分は炭酸カリウムである。(D)成分は、アルカリ刺激剤として機能し得る。
本発明の水硬性組成物は、該組成物100質量部に対して、(D)成分を、水硬性組成物の硬化体の強度発現性の観点から、例えば0.1質量部以上、更に0.5質量部以上、更に1.0質量部以上、そして、15質量部以下、更に10質量部以下、更に5質量部以下含有することができる。
本発明の水硬性組成物は、水硬性組成物の硬化体の強度発現性の観点から、(D)成分の含有量が、(B)成分100質量部に対して、例えば、20質量部以上、更に40質量部以上、更に60質量部以上、そして、250質量部以下、更に230質量部以下、更に210質量部以下であってよい。
(E)成分は水である。本発明の水硬性組成物は、該組成物100質量部に対して、(E)成分を、水硬性組成物のワーカビリティーの観点から、例えば5.0質量部以上、更に7.5質量部以上、更に10.0質量部以上、そして、水硬性組成物の硬化体の強度発現性の観点から、40.0質量部以下、更に30.0質量部以下、更に20.0質量部以下含有することができる。
本発明の水硬性組成物は、(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分及び(E)以外の任意成分を含有することができる。任意成分としては、例えば、減水剤、空気連行剤、流動化剤、硬化促進剤(アルカリ刺激剤)、消泡剤、急結剤、収縮低減剤、硬化遅延剤、防錆剤などが挙げられる。本発明の水硬性組成物は、これら任意成分の1種又は2種以上を含んでいてもよい。
本発明の水硬性組成物は、セメントを任意に含有することができるが、セメントは初期の硬化速度に影響を及ぼすのでその含有量には注意を要する。また、セメント量を低減した水硬性組成物を提供するという観点で、セメントの含有量は少ない方が好ましい。本発明の水硬性組成物は、セメントを任意に含有し、セメントの含有量が、(C)成分100質量部に対して、30質量部未満、更に20質量部以下、更に10以下、更に1質量部以下であってよく、0質量部、つまりセメントを含有しなくてもよい。ここで、セメントは、例えば、ポルトランドセメント、白色ポルトランドセメント、混合セメント、エコセメント、アルミナセメント、超速硬セメント、グラウト用セメント、油井セメント等が挙げられる。本発明の水硬性組成物は、ポルトランドセメントの含有量が、(C)成分に対して前記範囲であってよい。
本発明の水硬性組成物は、(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分及び(E)成分を配合してなる水硬性組成物であってよい。この場合、各成分の配合量は、該組成物の配合成分の全量を100質量部として、それぞれの成分で示した含有量の範囲から選択できる。本発明の水硬性組成物は、ジオポリマー用組成物であってよい。本発明の水硬性組成物は、(A)~(E)成分を混合することで製造できる。各成分の混合順序には特に限定はない。
<硬化体の製造方法>
本発明は、前記本発明の水硬性組成物を養生して硬化体を得る、硬化体の製造方法に関する。
本発明では、前記水硬性組成物の養生は、ジオポリマーの硬化体を得る一般的な条件で行うことができる。本発明では、養生温度は、例えば、20℃以上、更に30℃以上、更に40℃以上、そして、80℃以下、更に70℃以下とすることができる。また、工程(II)では、養生時間は、例えば、1時間以上28日以下とすることができる。
実施例、比較例に用いた成分を以下に示す。
(A)成分:山砂(京都市城陽産、表乾比重2.54、粗粒率2.73、非晶化度1.1%、球形度0.86、平均粒子径0.6mm、絶乾状態)
(B)成分:メタケイ酸ナトリウム9水和物(富士フイルム和光純薬株式会社製)
(C)成分
(C-1):高炉スラグ微粉末(ブレーン比表面積:4,200cm/g、アルミナ/シリカモル比=0.25)
(C-2):フライアッシュ(JIS II種、ブレーン比表面積:3,500cm/g、アルミナ/シリカモル比=0.26)
(D)成分
(D-1):炭酸カリウム(富士フイルム和光純薬株式会社製)
(D’)成分((D)成分の比較成分)
(D’-1):水酸化ナトリウム(富士フイルム和光純薬株式会社製)
(D’-2):水酸化カリウム(富士フイルム和光純薬株式会社製)
(D’-3):炭酸ナトリウム(富士フイルム和光純薬株式会社製)
(E)成分:上水道水(和歌山市上水)
<実施例及び比較例>
(1)水硬性組成物及びその硬化体の調製
(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分、(D’)成分、(E)成分を、表1の質量部で、JIS R 5201記載のホバート式ミキサーに添加し、140rpmで180秒間混合することで、実施例及び比較例の水硬性組成物を調製した。
(2)可使時間の評価
(1)の通り調製した水硬性組成物の調製直後のモルタルフロー及び調製30分後のモルタルフローを、それぞれ、JIS R 5201に準じて測定、記録した。調製30分後のモルタルフローは、調製した水硬性組成物に湿らせたタオルをかぶせ、暗所で20℃で30分間静置した後、上記ミキサーにより140rpmで10秒間再撹拌した後、測定した。下記式に基づいて30分後のフロー保持率を算出して可使時間の指標とした。この値が大きい程、一定時間経過後の加工性に優れ、可使時間が長いと評価できる。結果を表1に示す。
フロー保持率(%)=〔F0/F30〕×100
F0:調製直後のモルタルフロー
F30:調製30分後のモルタルフロー
(3)強度の評価
(1)の通り調製した調製直後の水硬性組成物を用い、JSCE-F 506に準じてφ5×10cmのモルタル供試体を作成し、20℃、7日の封緘養生の後脱型し、JSCE-G 505に準じて圧縮強度試験を実施し、n=2の平均値として一軸圧縮強度(N/mm)を記録した。結果を表1に示す。
表1の結果を図1にまとめた。
表1及び図1からわかるように、実施例1~2は、比較例1~4に比して、優れた流動保持性及び強度発現性を示した。比較例2~4のように、アルカリ刺激剤として機能し得る成分を用いても、本発明の(D)成分の炭酸カリウムのように流動保持性と強度を両立できないことがわかる。これは、前述の通り、本発明で用いる(D)成分の炭酸カリウムが、比較として用いた(D’)成分に比してその水溶液のpHが低いことで、C-S(A)-Hの急激な生成に伴う可使時間の低下を抑制しながら、アルミナシリカ微粉末由来の過剰なカルシウムイオンを炭酸カルシウムとして硬化させたことで得られる効果であると考察される。

Claims (8)

  1. (A)細骨材〔以下、(A)成分という〕、(B)メタケイ酸塩〔以下、(B)成分という〕、(C)アルミナシリカ微粉末〔以下、(C)成分という〕、(D)炭酸カリウム〔以下、(D)成分という〕及び(E)水〔以下、(E)成分という〕を含有する、水硬性組成物。
  2. (A)成分が、川砂、陸砂、山砂、海砂、石灰砂、珪砂、高炉スラグ細骨材、フェロニッケルスラグ細骨材、人工軽量細骨材、天然軽量細骨材及び再生細骨材から選ばれる1種以上である、請求項1に記載の水硬性組成物。
  3. (C)成分が、高炉スラグ微粉末、フライアッシュ、メタカオリン、もみ殻焼却灰、やし殻焼却灰、都市ゴミ焼却灰及び下水汚泥焼却灰から選ばれる1種以上である、請求項1又は2に記載の水硬性組成物。
  4. (B)成分が、水ガラス、メタケイ酸ナトリウム5水和物及びメタケイ酸ナトリウム9水和物から選ばれる1種以上である、請求項1~3の何れか1項に記載の水硬性組成物。
  5. セメントを任意に含有し、セメントの含有量が、(C)成分100質量部に対して、30質量部未満である、請求項1~4の何れか1項に記載の水硬性組成物。
  6. (D)成分の含有量が、(B)成分100質量部に対して、50質量部以上300質量部以下である、請求項1~5の何れか1項に記載の水硬性組成物。
  7. 請求項1~6の何れか1項に記載の水硬性組成物を養生して硬化体を得る、硬化体の製造方法。
  8. 前記水硬性組成物を20℃以上で養生し硬化体を得る、請求項7に記載の硬化体の製造方法。
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