JP2018177599A - セメントモルタル・コンクリート組成物及びその製造方法 - Google Patents
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例えば、沈下ひび割れは、コンクリートにブリーディングが生じ、その影響でコンクリート表面が沈下し、その沈下量の差より発生するひび割れである。沈下ひび割れは、ブリーディングを抑制すれば低減させることが可能である。
収縮ひび割れの発生原因としては、コンクリート自体の自己収縮、乾燥収縮、水和熱がコンクリート構造物内部に蓄積されその後放熱して生じる温度収縮があり、これらが収縮ひび割れを発生させる原因である。
かかる収縮ひび割れは、例えば、強度を強くすると自己収縮が大きくなってしまい、ひび割れの抑制が困難となってしまう問題がある。
温度収縮は、セメントの水和熱によって上昇した構造物内部の温度が下降するときに発生する収縮であり、鉄筋等の拘束により引っ張り応力が発生して、ひび割れが発生する。
自己収縮は、セメントの水和反応によって生じる相体積変化である化学収縮と毛細管空隙を合わせた収縮であり、セメントが反応して固まるときに発生する。特に、急硬材のように急激にセメントが水和して固まる材料の自己収縮は特に大きく、ひび割れが発生しやすい。
また、急硬性成分であるC12A7を主成分としたクリンカを溶融し、その後これを急冷することによって、非晶質C12A7を得る方法もある。
更に、CAを主成分とするアルミナセメントクリンカは、C12A7を主成分としたクリンカに比べると、急硬性が劣る。
しかし、カルシウムアルミネートと石膏の急硬性成分とを含有するセメント組成物は、十分な急硬性を得るとともに、十分な流動性を有して可使時間を確保することが難しかった。
更に、水和反応を促進するとともに、自己収縮による初期収縮ひび割れの発生を有効に抑制するとともに、流動性を確保して施工性を良好にすることは困難であった。
本発明のセメントモルタル・コンクリート組成物は、(1)C12A7系鉱物を5〜40質量%、硫酸アルカリ化合物(硫酸ナトリウム換算)を0.5〜1.0質量%含み、炭酸リチウム(リチウム換算)/C12A7系鉱物相の含有量の質量比が0.05〜3(質量%)、カルシウム塩(水酸化カルシウム換算)/C12A7系鉱物相の含有量の質量比が3〜40(質量%)、石膏(無水石膏換算)/C12A7系鉱物相の含有量の質量比が0.6〜1.4であり、X線回折で測定したC12A7系鉱物相の結晶子径が150〜500nmで格子定数が11.940〜11.975Åであるセメント組成物、(2)グルコン酸塩及び(3)酒石酸及び/又は酒石酸塩を含み、前記セメント組成物の質量に対して、グルコン酸塩(グルコン酸換算)を外割で0.05〜0.6質量%及び前記酒石酸及び/又は酒石酸塩(酒石酸換算)を外割で0.05〜0.6質量%含むことを特徴とする、セメントモルタル・コンクリート組成物である。
かかるC12A7系鉱物相は、セメント組成物を調製する際に添加配合する、セメント用急硬性添加材由来のものであることが望ましい。
C12A7系鉱物相を含有することにより、好ましくは上記含有量で含むことで、十分な急硬性や優れた初期強度が得られるとともに、所望する十分な可使時間を有する、本発明の上記効果を得ることが可能となる。
なお、本発明に用いられるセメント組成物にはアーウィンは含まれない。
また、セメント組成物中におけるカルシウムアルミネート相であるC12A7系鉱物相の含有量は、例えば、下記X線回折/リートベルト法にて測定することができる。
C12A7系鉱物相の結晶子径がかかる範囲であると、優れた初期強度発現性及び可使時間を確保できる良好な流動性等を得ることができる。
前記結晶子径は、粉末X線回折にて測定した値であり、X線回折/リートベルト法(装置:ブルカー社製D4 Endeavor、解析ソフト:Topas)を用いて測定した数値である。
管電圧:45kV 管電流:40mA
格子定数をかかる範囲とすることで、所定の流動性を確保するとともに優れた急硬性を有することができる。
前記格子定数は、粉末X線回折にて測定した値であり、X線回折/リートベルト法(装置:パナリティカル社製X’Pert MPD、解析ソフト:HighScorePlus)を用いて、測定した値である。
管電圧:45kV 管電流:40mA
かかる石膏は、セメント組成物中、石膏/C12A7系鉱物相の含有量の質量比が0.6〜1.4、好ましくは0.8〜1.3となるような含有量で含まれる。但し、前記石膏含有量は、すべてCaSO4(無水石膏)に換算した合量として算出される量である。
またセメント組成物中における石膏の含有量は、例えば、上記X線回折/リートベルト法にて測定することができる。
かかる硫酸アルカリ化合物の含有量は、JCAS I−04に準じて、Na量やK量を測定して、すべてNa2SO4換算に換算した合量とし、セメント組成物中、0.5〜1.0質量%、好ましくは0.6〜1.0質量%で含有されることが望ましい。
石膏や硫酸アルカリを、上記範囲内で含有することにより、本発明の上記効果を、より有効に発現することが可能となる。
かかるカルシウム塩は、セメント組成物中、カルシウム塩(水酸化カルシウム換算)/C12A7系鉱物相の含有量の質量比が3〜40(質量%)、好ましくは5〜35(質量%)となるような含有量で含まれる。但し、前記カルシウム塩含有量は、すべて水酸化カルシウムに換算した合量として算出される量である。
また、セメント組成物中におけるカルシウム塩(水酸化カルシウム換算)の含有量は、例えば、上記記X線回折/リートベルト法にて測定することができ、炭酸リチウム(リチウム換算)の含有量は、例えば、ICP発光分光分析法を用いて測定することができる。
例えば、原料であるポルトランドセメント中のフッ素含有量はせいぜい0.05質量%であり、セメント用急硬性添加材中に含有されるフッ素含有量(0.5〜3.0質量%)に比べて極めて少ないため、得られるセメント組成物に含有されるフッ素は、下記セメント用急硬性添加材由来のものがほとんどである。
含有されるF量をかかる範囲とすることで、より優れた初期強度発現性を有し、可使時間を十分に確保することが可能となる。
また、酒石酸塩としては、例えば、酒石酸ナトリウム、酒石酸カリウム等が例示される。
従って、かかるC12A7系鉱物相は、X線回折で測定したC12A7系鉱物相の結晶子径が150〜500nmで格子定数は11.940〜11.975Åである。
その製法は特に限定されないが、具体的には、特定のセメント用急硬性添加材と、石膏と、硫酸アルカリ化合物と、カルシウム塩と炭酸リチウムと、セメントとを、C12A7系鉱物を5〜40質量%、硫酸アルカリ化合物を0.5〜1.0質量%含み、炭酸リチウム(リチウム換算)/C12A7系鉱物相の含有量の質量比が0.05〜3(質量%)、カルシウム塩(水酸化カルシウム換算)/C12A7系鉱物相の含有量の質量比が3〜40(質量%)、石膏(無水石膏換算)/C12A7系鉱物相の含有量の質量比が0.6〜1.4となるように配合し、均一に混合して、セメント組成物を調製する。
なお、得られるセメント用急硬性添加材中に含まれるTiやFeの原料となるもの(例えば、ベンガラ等)は積極的に配合しない。配合するセメント用急硬性添加材中に含まれるTiやFeは、上記配合原料中に不純物として含有されることにより、結果として含まれる場合もあるもので、積極的に含有されるものではない。
C12A7系鉱物相の結晶子径、格子定数をかかる範囲とするセメント用急硬性添加材をセメント組成物に含むことにより、水和活性を促進する一方で、20℃程度の常温環境下における水和活性による収縮を低減でき、優れた初期強度発現性及び可使時間を確保できる良好な流動性等を得ることができる。
前記結晶子径及び格子定数は、上記方法と同様の測定方法で測定した値である。
C3Aが5.0質量%を超えると、C12A7系鉱物相の含有量が減少するため、現場での後添加による十分な急硬性が得られず、初期強度が低下してしまう場合がある。
実質的に含まれないとは、これらの鉱物相が、原料中に含まれる不純物であるSiO2により生成される場合を妨げないという意味であり、積極的に生成して含有させるものではない。C2SとC2ASの合計含有量は多くとも10質量%、それ以下であることが望ましい。
これは、カルシウムアルミネート相であるC12A7系鉱物相の含有量を上記範囲から減少させないためである。
実質的に含まないとは、Tiが、原料中に含まれる不純物により生成される場合を妨げないという意味であり、積極的に含有させるものではない。
例えば、Tiの含有量をTiO2酸化物換算で1.0質量%以下、好ましくは0.5質量%以下とするものである。
すなわち、セメント用急硬性添加材は、一定量の融液相の生成を必要としないため、融液相の生成に関係があるTiを積極的に含む必要がないからである。
TiO2を実質的に含まず、多くとも上記含有量以下とすることにより、急硬性である初期強度発現性(施工後3時間後等)に優れることとなる。
TiO2換算でTiを1.0質量%を超えて含むと、C3Aが5.0質量%を超えて生成してしまい、本発明の効果が十分に得られない。
実質的に含まないとは、Feが、原料中に含まれる不純物により生成される場合を妨げないという意味であり、積極的に含有させるものではない。
例えば、Feの含有量をFe2O3酸化物換算で1.5質量%以下、好ましくは1.0質量%以下とするものである。
すなわち、セメント用急硬性添加材は、一定量の融液相の生成を必要としないため、融液相の生成に関係があるFeを積極的に含む必要がないからである。
Fe2O3を上記含有量を超えて含むと、C12A7系鉱物相の格子定数が大きくなり、急硬性である初期強度発現性(施工後3時間後等)が劣ることとなり、少ないほど好ましい。
セメント用急硬性添加材中に含まれるFの含有量を上記範囲とすることで、C12A7系鉱物相が安定に生成し、更にC12A7系鉱物相の格子定数が適正範囲となり水和活性を高めることができ、当該セメント用急硬性添加材をセメント等に後添加して得られるセメント組成物が、本発明の上記効果をより有効に発現することが可能となる。
このようにして得られたセメント用急硬性添加材は、一定量の融液相の生成を必要とすることがないため、C12A7系固溶体の水和活性が十分に発現することができるように、Ti、Fe等が実質的に含まれず、多くともこれらの含有量が上記含有量以下となるように調整されて、セメントに後添加して、急硬性である初期強度に優れるものとなる。
C12A7系鉱物相の結晶子径がかかる範囲であると、かかるセメント用急硬性添加材等を含有したセメント組成物を、グルコン酸塩や酒石酸等と配合されて得られるセメントモルタル・コンクリートが、良好な初期強度発現性を得ることができる。
また、ブレーン比表面積は、大きくしすぎると流動性に悪影響を及ぼし、粉砕時間を要して生産性が低下しコスト高になるので、5000〜7000cm2/gが望ましい。
また、粉砕する際に、粉砕助剤(ジエチレングリコール、トリエタノールアミン等)を添加してもよい。
また、必要に応じて添加される上記混和剤や骨材等は、均一に混合できればセメント等と同時に添加しても、順次添加しても、またモルタル等を調製する際の水と混練する際に添加しても、いずれの添加方法であっても特に限定されない。
更に、上記したように、必要に応じて、例えば、減水剤(アルキルアリルスルホン酸系、ナフタレンスルホン酸系、メラミンスルホン酸系、ポリカルボン酸系、AE減水剤、高性能減水剤、高性能AE減水剤も含む)や、液状または粉末状の混和剤や、細骨材(川砂、海砂、山砂、砕砂およびこれらの混合物)や、粗骨材(川砂利、海砂利、砕石およびこれらの混合物)等を配合することもできる。
特に、グルコン酸塩と、酒石酸又は酒石酸塩とは、セメントモルタル・コンクリートを調製する際に予め配合する水に溶解しておくことが望ましい。
また、必要に応じて添加される上記混和剤や骨材等は、均一に混合できればセメント等と同時に添加しても、順次添加しても、またモルタル等を調製する際の水と混練する際に添加しても、いずれの添加方法による添加であっても特に限定されない。
1)セメント用急硬性添加材の調製
セメント用急硬性添加材の目標化学組成が表1となるよう、CaCO3、SiO2、Al2O3、Fe2O3、MgO、TiO2、CaF2の各試薬を配合して混合粉砕することにより、各セメント用急硬性添加材原料を調製した。なお、ここで、SiO2、Fe2O3、TiO2は、実際に実機でセメント用急硬性添加材を製造する際に、生石灰、消石灰、石灰石等のカルシウム原料、水酸化アルミニウム、アルミナ、ボーキサイトやバンド頁岩等のアルミニウム原料、蛍石等のフッ素原料、必要に応じて配合されるドロマイト等のマグネシウム原料を用いると、不純物としてSiO2、Fe2O3、TiO2が結果として含まれる場合もあるため(積極的に含有させるものではない)、かかる場合を想定して用いたものである。
得られた各セメント用急硬性添加材を、蛍光X線分析装置(パナリティカル社製;Axios)を用いて、JIS R 5204に準じて分析して、含有されるTiO2、Fe2O3、F成分等の含有割合を測定した。
これらの結果を、表2に示す。
得られた各セメント用急硬性添加材をX線回折/リートベルト法(装置:パナリティカル社製X’Pert MPD、解析ソフト:HighScorePlus)を用いて、C12A7系及びC3A鉱物の含有割合及びC12A7系鉱物相の結晶の格子定数を測定した。
管電圧:45kV 管電流:40mA
その結果を表2に示す。ここで、C12A7系鉱物相の結晶の格子定数はC11A7CaF2の結晶構造を用いて測定した。
管電圧:45kV 管電流:40mA
その結果を表2に示す。
次いで、上記各セメント用急硬性添加材をブレーン比表面積が5200±200cm2/g程度に粉砕して、各セメント用急硬性添加材粉末を得た。
得られた各セメント用急硬性添加材粉末、無水石膏(商品名;ノンクレーブ、住友大阪セメント(株)製)、Na2SO4(芒硝:試薬)、消石灰(水酸化カルシウム:試薬)、炭酸リチウム(試薬)及び早強ポルトランドセメント(PC:住友大阪セメント株式会社製)を配合して、下記表3〜5に示すような含有割合の各セメント組成物を調製した。
なお、表3〜5中、炭酸リチウムはリチウム換算の数値を示す。
上記3)に記載の方法と同様の方法で、各セメント組成物中のC12A7系鉱物相(Q)の含有量及びC12A7系鉱物相の結晶の格子定数及び結晶子径を測定した。
これらの結果も表3〜5に示す。
なお、セメント組成物中のC12A7系鉱物相は、上記セメント用急硬性添加材由来のものである。
上記3)に記載のXRD/リートベルト方法と同様の方法で、各セメント組成物中の石膏及びカルシウム塩の含有量をそれぞれ測定した。但し、二水石膏及び半水石膏は無水石膏換算して、CaSO4量(石膏量)として、カルシウム塩は、水酸化カルシウムに換算して算出した。
その結果を表3〜5に示す。
各セメント組成物中の硫酸アルカリ化合物の含有量は、セメントの水溶性成分の分析方法(JCAS I−04)に準じてNa及びK量を測定し、それぞれNa2SO4及びK2SO4としてNa2SO4換算した合量を硫酸アルカリ化合物含有量とした
その結果を表3〜5に示す。
表3〜5に示した数値より各セメント組成物中のC12A7系鉱物相の含有量、消石灰の含有量、石膏(無水石膏換算)の含有量および炭酸リチウム(リチウム換算)の含有量より、消石灰(水酸化カルシウム)/C12A7系鉱物相(質量比:質量%)、石膏(無水石膏換算)/C12A7系鉱物相(質量比)、炭酸リチウム(リチウム換算)/C12A7系鉱物相(質量比:質量%)を算出した。
その結果を表3〜5に示す。
上記各セメント組成物(実施例1〜17、比較例1〜15、対照例)と、グルコン酸ナトリウムと酒石酸とを、表3〜5に記載の配合割合で配合して各セメントモルタル組成物を調製した。なお、表3〜5には、各セメント組成物100質量部に対して、外割で、グルコン酸ナトリウム(グルコン酸換算)と酒石酸を、下記表3〜5に示す配合割合で配合したものを各セメントモルタル組成物とした。なお、対照例としてのセメント組成物は、早強ポルトランドセメント(PC:住友大阪セメント株式会社製)そのものである。
なお、表3〜5中、グルコン酸ナトリウムはグルコン酸換算の数値を示す。
各セメントモルタル組成物(実施例1〜17、比較例1〜15、対照例)と細骨材(砂(珪砂))、水及び混和剤(花王(株)製、商品名:マイティ150)を、下記表6のとおり配合して均一に混練し、各モルタルを得た。
なお、セメントモルタル組成物中のグルコン酸ナトリウム及び酒石酸は予め水に溶解して用いた。
上記で得られた実施例1〜17、比較例1〜15及び対照例の各モルタルについて、20℃での3時間強度及び20℃でのフロー値を、JIS R 5201に準じて測定した。
その結果も、上記表3〜5に示す。
上記で得られた実施例1〜17、比較例1〜15及び対照例の各モルタルについて、以下のようにして、20℃でのひび割れ試験を実施した。
JSCE−F506(モルタルまたはセメントペーストの圧縮強度試験用円柱供試体の作り方)に準じてモルタル供試体を作製した。ただし、型枠は図1に示すように、円柱供試体用型枠(φ5×10cm)の上部に穴を空けボルトを差し込んで固定したものを使用した。ひび割れの評価は、混練3時間後の供試体上部表面(ボルト上面)に発生したひび割れの長さを5mm単位(切り上げ)で測定し、5mm以下の状態を合格とした。
これらの結果を表3〜5に示す。
Claims (4)
- (1)C12A7系鉱物を5〜40質量%、硫酸アルカリ化合物(硫酸ナトリウム換算)を0.5〜1.0質量%含み、炭酸リチウム(リチウム換算)/C12A7系鉱物相の含有量の質量比が0.05〜3(質量%)、カルシウム塩(水酸化カルシウム換算)/C12A7系鉱物相の含有量の質量比が3〜40(質量%)、石膏(無水石膏換算)/C12A7系鉱物相の含有量の質量比が0.6〜1.4であり、X線回折で測定したC12A7系鉱物相の結晶子径が150〜500nmで格子定数が11.940〜11.975Åであるセメント組成物、(2)グルコン酸塩及び(3)酒石酸又は酒石酸塩を含み、前記セメント組成物の質量に対して、グルコン酸塩(グルコン酸換算)を外割で0.05〜0.6質量%及び前記酒石酸又は酒石酸塩(酒石酸換算)を外割で0.05〜0.6質量%含むことを特徴とする、セメントモルタル・コンクリート組成物。
- 請求項1記載のセメントモルタル・コンクリート組成物において、前記C12A7系鉱物相はC11A7CaX2(Xはハロゲン)及びC12A7の混合相であることを特徴とする、セメントモルタル・コンクリート組成物。
- (1)C12A7系鉱物を5〜40質量%、硫酸アルカリ化合物(硫酸ナトリウム換算)を0.5〜1.0質量%含み、炭酸リチウム(リチウム換算)/C12A7系鉱物相の含有量の質量比が0.05〜3質量%、カルシウム塩(水酸化カルシウム)/C12A7系鉱物相の含有量の質量比が3〜40質量%、石膏(無水石膏換算)/C12A7系鉱物相の含有量の質量比が0.6〜1.4であり、X線回折で測定したC12A7系鉱物相の結晶子径が150〜500nmで格子定数が11.940〜11.975Åであるセメント組成物、(2)グルコン酸塩、及び(3)酒石酸又は酒石酸塩を、前記セメント組成物100質量部に対して、グルコン酸塩(グルコン酸換算)0.05〜0.6質量部、前記酒石酸または酒石酸塩(酒石酸換算)を0.05〜0.6質量部含まれるように配合することを特徴とする、セメントモルタル・コンクリート組成物の製造方法。
- 請求項3記載のセメントモルタル・コンクリート組成物の製造方法において、セメント用急硬性添加材は、原料を粉末化し、該粉末化原料を成形し、1250〜1400℃で焼成し、該焼成後の成形体を冷却速度40℃/分以下で冷却することにより、X線回折で測定したC12A7系鉱物相の結晶子径が150〜500nmでC12A7系鉱物相の格子定数が11.940〜11.975Åとして製造されることを特徴とする、セメントモルタル・コンクリート組成物の製造方法。
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