JP2023180296A - ポリ乳酸系複合繊維とその繊維からなる不織布 - Google Patents

ポリ乳酸系複合繊維とその繊維からなる不織布 Download PDF

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Abstract

【課題】幅広い加工温度においてバインダー性能を発揮するとともに熱収縮率も小さく、地合いや強力に優れた不織布を得ることが可能な生分解性を有する繊維を提供する。【解決手段】光学純度が異なる2種のポリ乳酸が複合してなる繊維であり、該複合繊維は、光学純度が低いが繊維表面の一部を形成するように複合されており、光学純度が異なる2種のポリ乳酸が、D体含有量の多く光学純度が低いポリL乳酸とD体含有量の少なく光学純度が高いポリL乳酸とからなる2種のポリL乳酸の組合せであり、該複合繊維の示差走査熱量測定において、光学純度が高いポリ乳酸に由来する融解ピークの高さb(Tm)と融解ピークの幅a(Tm)の比[b(Tm)/a(Tm)]が0.1以下であり、光学純度が低いポリ乳酸に由来する融解ピークが検出しないポリ乳酸系複合繊維。【選択図】 なし

Description

地球環境保護の観点から、脂肪族ポリエステルからなる生分解性繊維の開発が盛んに行われており、脂肪族ポリエステルの1種であるポリ乳酸は融点や結晶性が高いため衣料繊維や工業繊維として幅広い展開が進められている。加熱によって周囲の繊維と接着する特徴を有する、いわゆるバインダー繊維においても、ポリ乳酸からなるものが提案されている。2種の異なるポリ乳酸系重合体からなる複合バインダー繊維に関しては、特許文献1や2が提案されているが、これらのポリ乳酸複合繊維は結晶性が高いために、融点での加熱において流動性が乏しく、融点付近の限定的な範囲のみでしかバインダー性能を発揮しないという問題がある。
融点の低いポリ乳酸系重合体のみからなる全融バインダー繊維も提案されているが、このポリ乳酸繊維は結晶性が低いまたは非晶性であるために熱収縮率が大きく、不織布の作製時に地合いが悪くなるなどの問題がある。
特許第3355026号 特開2001-49533
限定的な範囲のみではなく、幅広い加工温度においてバインダー性能を発揮し、融点付近における流動性に優れ、熱収縮率も小さい繊維であるために、地合いや強力に優れた不織布を得ることが可能な生分解性を有するポリ乳酸系重合体からなる複合繊維を提供することを技術的な課題とする。
本発明は上記のような問題点を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、光学純度が異なる2種のポリ乳酸が複合してなる繊維であり、該複合繊維は、光学純度が低いが繊維表面の一部を形成するように複合されており、
光学純度が異なる2種のポリ乳酸が、D体含有量の多く光学純度が低いポリL乳酸とD体含有量の少なく光学純度が高いポリL乳酸とからなる2種のポリL乳酸の組合せ、または、L体含有量の多く光学純度が低いポリD乳酸とL体含有量の少なく光学純度が高いポリD乳酸とからなる2種のポリD乳酸の組合せのいずれかであり、
該複合繊維の示差走査熱量測定において、光学純度が高いポリ乳酸に由来する融解ピークの高さb(Tm)と融解ピークの幅a(Tm)の比[b(Tm)/a(Tm)]が0.1以下であり、光学純度が低いポリ乳酸に由来する融解ピークが検出しないことを特徴とするポリ乳酸系複合繊維を要旨とするものである。
本発明のポリ乳酸系複合繊維は、DSC測定にける昇温結晶化ピークと融解ピークが特定の範囲を満足するものであるため、幅広い加工温度にてバインダー性能を発揮し融点での流動性に優れるだけでなく、熱処理工程での収縮が小さく耐熱性に優れることを特徴とするため、接着強力や地合いに優れた不織布を得ることが可能となる。
次に、本発明を詳細に説明する。
本発明のポリ乳酸系複合繊維について説明する。本発明の複合繊維を構成するポリ乳酸系重合体は、L乳酸またはD乳酸またはそれらのブレンドによる光学異性体の重合体を主成分とするもので、異成分同士の共重合ではなく同一成分であるため、繊維を製造するに際して極めて製糸特性が優れる。
本発明の複合繊維は、光学純度が異なる2種のポリ乳酸が複合してなる繊維であり、該複合繊維は、光学純度が低いポリ乳酸が繊維表面の一部を形成するように複合され、繊維表面の一部を形成する光学純度の低いポリ乳酸が、バインダー機能をより発揮する。
本発明において、光学純度の異なる2種のポリ乳酸は、D体含有量の多く光学純度が低いポリL乳酸とD体含有量の少なく光学純度が高いポリL乳酸とからなる2種のポリL乳酸の組合せ、または、L体含有量の多く光学純度が低いポリD乳酸とL体含有量の少なく光学純度が高いポリD乳酸とからなる2種のポリD乳酸の組合せのいずれかである。
複合繊維を構成する2種のポリ乳酸として、ポリL乳酸により構成されるものは、L体を主成分とするものであるが、ポリL乳酸中のD体の含有量は、耐熱性や生分解性に影響する要因となり、また、D体の含有量が増えるに伴って結晶性が低下し、また融点降下が大きくなり、熱接着性は向上する。また、D体の含有量を適宜設定することにより、柔軟性や弾性回復性が改良され、熱収縮性が増大し、分解性やガラス転移温度の制御、他成分との接着性改良などができる。なお、これは、D体を主体とするポリD乳酸において、L体含有量を適宜設定することによっても同様の特性を示す。なお、L体とD体との含有量が同量(1:1)であると、最も結晶性が低下し、生分解速度も最も高くなる。
本発明において用いるポリ乳酸系重合体は、L体を主成分とするポリL乳酸またはD体を主成分とするポリD乳酸である。その中で、光学純度に差がある2種のポリL乳酸またはポリD乳酸を選定する。本発明においては、光学純度に差がある2種のポリL乳酸またはポリD乳酸について、光学純度の高いポリL乳酸、ポリD乳酸についてはポリL乳酸(H)、ポリD乳酸(H)と記載し、一方、光学純度の低いポリL乳酸、ポリD乳酸についてはポリL乳酸(L)、ポリD乳酸(L)と記載する。
ポリL乳酸(H)とポリL乳酸(L)とは、D体の含有量が異なり、ポリL乳酸(H)におけるD体の含有量がポリL乳酸におけるD体含有量よりも少ない。同様に、ポリD乳酸(H)とポリD乳酸(L)とは、L体の含有量が異なり、ポリD乳酸(H)におけるL体の含有量がポリD乳酸におけるL体含有量よりも少ない。ポリL乳酸(H)とポリL乳酸(L)とにおけるD体の含有量差は、5~20モル%であることが好ましい。2種のポリL乳酸からなる複合繊維において、D体の含有量差が5モル%より小さいと、2種のポリL乳酸における光学純度差が小さくなり、得られた複合繊維において熱バインダー特性が低下する傾向となり、熱接着処理において加熱の設定温度範囲が限定される傾向となり、複合繊維を適用する用途範囲が限られる傾向となる。一方、2種のポリL乳酸からなる複合繊維において、D体の含有量差が20モル%を超えると、ポリL乳酸(L)の非晶性が大きくなり過ぎる傾向となって、得られる複合繊維の熱収縮が極めて大きくなる。このような理由から、本発明においては、D体含有量が異なり光学純度が異なる2種のポリL乳酸からなる複合繊維において、ポリL乳酸(H)のD体含有量は0~8モル%、ポリL乳酸(L)のD体含有量は8~20モル%であり、かつポリL乳酸(H)とポリL乳酸(L)とのD体含有量差が5~20%であることが好ましく、より好ましくは、ポリL乳酸(H)のD体含有量が0~6モル%、ポリL乳酸(L)のD体含有量が8~18モル%であり、かつポリL乳酸(H)とポリL乳酸(L)とのD体含有量差が6~18モル%であり、さらに好ましくは、ポリL乳酸(H)のD体含有量が0~4モル%、ポリL乳酸(L)のD体含有量が8~16モル%であり、かつポリL乳酸(H)とポリL乳酸(L)とのD体含有量差が6~16%モル%であり、最も好ましくは、ポリL乳酸(H)のD体含有量が0~2モル%、ポリL乳酸(L)のD体含有量が8~14モル%であり、かつポリL乳酸(H)とポリL乳酸(L)とのD体含有量差が7~12モル%である。
なお、これは、D乳酸を主体とするポリD乳酸(H)とポリD乳酸(L)からなる複合繊維における光学純度差、L体含有量差、L体含有量についても同様であり、上記において、ポリD乳酸(H)とポリD乳酸(L)とのD体含有量差は、ポリD乳酸(H)とポリD乳酸(L)とのL体含有量差に読み替え、ポリL乳酸(H)およびポリL乳酸(L)のD体の含有量は、ポリD乳酸(H)およびポリD乳酸(L)のL体の含有量に読み替えるものとし、L体含有量が異なり光学純度が異なる2種のポリD乳酸からなる複合繊維において、ポリD乳酸(H)のL体含有量は0~8モル%、ポリD乳酸(L)のD体含有量は8~20モル%であり、かつポリD乳酸(H)とポリD乳酸(L)とのL体含有量差が5~20%であることが好ましく、より好ましくは、ポリD乳酸(H)のL体含有量が0~6モル%、ポリD乳酸(L)のL体含有量が8~18モル%であり、かつポリD乳酸(H)とポリD乳酸(L)とのL体含有量差が6~18モル%であり、さらに好ましくは、ポリD乳酸(H)のL体含有量が0~4モル%、ポリD乳酸(L)のL体含有量が8~16モル%であり、かつポリD乳酸(H)とポリD乳酸(L)とのL体含有量差が6~16%モル%であり、最も好ましくは、ポリD乳酸(H)のL体含有量が0~2モル%、ポリD乳酸(L)のL体含有量が8~14モル%であり、かつポリD乳酸(H)とポリD乳酸(L)とのL体含有量差が7~12モル%である。
本発明のポリ乳酸系複合繊維において、光学純度の高いポリL乳酸(H)またはポリD乳酸(H)の溶融粘度が1300~1700dPa・sであり、光学純度の低いポリL乳酸(L)またはポリD乳酸(L)の溶融粘度が1800~2200dPa・sであることが好ましい。本発明のポリ乳酸系複合繊維において、複合繊維を構成する光学純度の異なる2種のポリ乳酸が互いに上記の溶融粘度を満たすことにより、複合繊維を製造するに際して最も安定な状態で製糸することが可能となる。より具体的には、光学純度の低いポリ乳酸(ポリL乳酸(L)またはポリD乳酸(L))の溶融粘度の値を、光学純度の高いポリ乳酸(ポリL乳酸(H)またはポリD乳酸(H)の溶融粘度の値よりも大きくすることで、繊維表面に位置する光学純度の低いポリ乳酸の繊維配向を高めることができ、溶融紡糸時に繊維間の密着を防止しつつ、実用上使用可能な耐久性を有する熱バインダー性能を得ることができ、好ましい。光学純度の高いポリ乳酸の溶融粘度が1700dPa・sを超える、あるいは光学純度の低いポリ乳酸の溶融粘度が2200dPa・sを超えると、複合繊維を溶融紡糸するに際して曳糸性が著しく低下する傾向となり、曳糸性を改良するために紡糸温度を上げると、紡糸口金近傍で発煙が増加して紡糸環境を悪化したり、糸切れが増加することとなる。一方、光学純度の高いポリ乳酸の溶融粘度が1300dPa・s未満である、あるいは光学純度の低いポリ乳酸の溶融粘度が1800dPa・s未満であると、得られる繊維強度が低下したり、耐久性が低下したりして、複合繊維を適用しうる実用範囲や用途が限定される傾向となる。このような理由から、本発明においては、複合繊維を構成する光学純度の異なる2種のポリ乳酸の溶融粘度がそれぞれ上記の範囲を満足するものを採用することが好ましく、より好ましくは、光学純度の高いポリ乳酸の溶融粘度が1400~1600dPa・sであり、光学純度の低いポリ乳酸の溶融粘度が1900~2100dPa・sであり、さらに好ましくは、光学純度の高いポリ乳酸の溶融粘度が1450~1550dPa・sであり、光学純度の低いポリ乳酸の溶融粘度が1950~2050dPa・sである。本発明において、溶融粘度は、フローテスターを用いて、温度230 ℃、剪断速度1000sec-1の条件で測定した値である。ここで、溶融粘度の測定の温度条件を230℃としている理由は、溶融紡糸する際の設定温度と同程度の温度条件としていることにある。
本発明のポリ乳酸系複合繊維は、光学純度が低いポリ乳酸が繊維表面の一部を形成するように複合され、光学純度の低いポリ乳酸繊維表面に露出することを必要としている。光学純度の低いポリ乳酸成分にバインダー機能を発現させるためであり、繊維表面に露出することで、容易に他の繊維または素材との接触点を形成し、良好に熱接着可能となる。なお、繊維表面の一部を形成する複合断面形状としては、例えば芯鞘型、並列型、海島型、多層型など、各種の分割型複合断面が挙げられる。なかでも、芯鞘型複合断面とし、鞘部に光学純度の低いポリ乳酸を配し、芯部に光学純度の高いポリ乳酸を配した複合繊維が好ましい。また、光学純度の異なる2種のポリ乳酸の複合比は、適宜選択すればよいが、バインダー機能と耐熱性との両者を良好に兼ね備えることを考慮すると、4/6~6/4が好ましい。
本発明のポリ乳酸系複合繊維を構成するポリ乳酸には、発明の効果を損なわない範囲であれば、結晶核剤を含有させてもよい。結晶核剤としては、カーボンブラック、炭酸カルシウム、合成ケイ酸及びケイ酸塩、亜鉛華、ハイサイトクレー、カオリン、塩基性炭酸マグネシウム、マイカ、タルク、石英粉、ケイ藻土、ドロマイト粉、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、アルミナ、ケイ酸カルシウム、窒化ホウ素等、カルボキシル基の金属塩を有する低分子有機化合物、例えば、オクチル酸、トルイル酸、ヘプタン酸、ペラルゴン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルチミン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸、安息香酸、p-tert-ブチル安息香酸、テレフタル酸、テレフタル酸モノメチルエステル、イソフタル酸、イソフタル酸モノメチルエステル等の金属塩等が挙げられる。
本発明のポリ乳酸系複合繊維は示差走査熱量測定において、光学純度の高いポリ乳酸に由来する融解ピークを有し、融解ピークの高さb(Tm)と融解ピークの幅a(Tm)の比[b(Tm)/a(Tm)]が0.1以下であるとともに、光学純度の低いポリ乳酸に由来する融解ピークが検出されない。なお、ここで、b(Tm)は、融解ピークのベースラインの熱量B1(mW)と融解ピークのトップの熱量B2(mW)との差(B2-B1)を試料量(mg)で除した値であり、a(Tm)は、融点を示すDSC曲線に傾きが最大になる点で引いた接線とベースラインとの交点の高温側の温度A1(℃)と低温側の温度A2(℃)との差(A1-A2)である。
複合繊維の示差走査熱量測定において、光学純度の高いポリ乳酸に由来する融解ピークについての[b(Tm)/a(Tm)]が0.1以下であることにより、光学純度の高いポリ乳酸は、結晶性が高い性質を有するものであるが、複合繊維を構成する光学純度の高いポリ乳酸においては配向結晶化が進んでおらず結晶部の割合が小さく、光学純度の高いポリ乳酸の融点温度付近での加熱において、高いポリマー流動性を示すものとなり、光学純度の高いポリ乳酸も接着成分となって接着機能を発揮する。そして、複合繊維を構成する光学純度が高いポリ乳酸に由来する[b(Tm)/a(Tm)]が0.1以下であることにより、このポリ乳酸における結晶部と非晶部との両者を一定の範囲で存在させることにより、複合繊維の乾熱収縮率を抑制し、かつ耐熱性に優れる繊維とすることができる。前記した理由により、[b(Tm)/a(Tm)]について、好ましくは0.08以下であり、より好ましく0.06以下である。
また、複合繊維の示差走査熱量測定において、光学純度の低いポリ乳酸に由来する融解ピークが見られないことにより、光学純度が低いポリ乳酸には結晶部が存在しない状態であり、ガラス転移点付近で軟化して高いポリマー流動性を示すため、光学純度の低いポリ乳酸は、幅広い加工温度にてバインダー性能を発揮し、かつ高接着性能に優れるものとなる。示差走査熱量測定において、光学純度の低いポリ乳酸に由来する融解ピークが見られるものは、主たるバインダー成分として機能する光学純度の低いポリ乳酸にも結晶部が存在する状態であり、ガラス転移点付近での軟化が抑制されポリマー流動性が低下するため、本発明が目的とする接着強力が得られない。
本発明のポリ乳酸系複合繊維は示差走査熱量測定において、光学純度の高いポリ乳酸に由来する昇温結晶化ピークを有し、昇温化結晶化ピークの高さb(Tcc)と昇温結晶化ピークの幅a(Tcc)の比[b(Tcc)/a(Tcc)]が0.005以上0.015以下であることが好ましい。なお、ここで、b(Tcc)は、昇温結晶化ピークのベースラインの熱量B3(mW)と昇温結晶化ピークのトップの熱量B4(mW)との差(B3-B4)を試料量(mg)で除した値であり、a(Tcc)は、昇温結晶化を示すDSC曲線に傾きが最大になる点で引いた接線とベースラインとの交点の高温側の温度A3(℃)と低温側の温度A4(℃)との差(A3-A4)である。
複合繊維の示差走査熱量測定において、光学純度の高いポリ乳酸に由来する昇温結晶化ピークにおける[b(Tcc)/a(Tcc)]が0.005以上とすることにより、複合繊維を構成する光学純度の高いポリ乳酸においては配向結晶化した結晶部の割合が大きいものとならず、加熱した際のポリマー流動性が良好なものとなるため、複合繊維のバインダー機能が良好となって、不織布等の繊維製品を得る際の繊維同士の接着強力が良好となる。一方、前記[b(Tcc)/a(Tcc)]が0.015以下であることにより、非結晶部の割合が大きくなりすぎず、紡糸工程での応力緩和が生じにくく、複合繊維の乾熱収縮率が大きくならずに、また、熱接着処理の際に、良好な耐熱性を維持できる。[b(Tcc)/a(Tcc)]について、より好ましい値は0.007以上0.013以下であり、さらに好ましい値は0.008以上0.012以下である。
本発明において示差走査熱量測定は、示差走査型熱量計(パーキンエルマー社製Diamond DSC)を用い、繊維試料を約8.5mg秤量し、25℃から280℃まで昇温速度20℃/分で測定する。
本発明のポリ乳酸系複合繊維は、乾熱収縮率が60%以下であるとよく、好ましくは55%以下、より好ましくは50%以下、最も好ましくは45%以下である。なお、乾熱収縮率は85℃で15分間の条件で測定したものである。乾熱収縮率が60%以下であると、本発明の複合繊維を用いて不織布等の繊維製品を作製する工程における乾燥熱処理工程や熱接着工程において、繊維の熱収縮が小さいものとなり、取り扱い性が良好である。乾熱収縮率が60%を超えると、不織布等の繊維製品の作製工程において乾燥熱処理等において、繊維の収縮が大きいものとなり、得られる不織布等の繊維製品に斑が生じたり、強力が低いものとなりやすい。
上記した乾熱収縮率は以下のようにして測定する。約20mmに切り出した繊維に繊度(デシテックス)×45mgの荷重を掛けた状態で繊維長(処理前の繊維長N)を測定し、次に荷重を掛けない状態で85℃の箱型乾燥機内に静置して15分間熱処理を行い、短繊維に繊度(デシテックス)×45mgの荷重を掛けた状態で繊維長(処理後の繊維長M)を測定する。そして、処理前の繊維長Nと処理後の繊維長Mを用いて、乾熱収縮率(%)=〔1-(M/N)〕×100にて算出し、n=15として平均値を乾熱収縮率とする。
本発明のポリ乳酸系複合繊維は、フィラメントの形態であっても、繊維端を有する短繊維ステープルファイバー)やショートカット繊維の形態でもよい。短繊維としては、20~150mmの繊維長として、乾式不織布用のロングカット繊維や紡績用の短繊維として用いることができる。また、2~20mmの繊維長として、湿式不織布用ショートカット繊維として用いることができる。また、エアレイド不織布に適用する場合には、2~20mmの繊維長とするとよい。
本発明のポリ乳酸系複合繊維は、その単繊維繊度が0.3~20デシテックスであるのが好ましい。単繊維繊度が0.3デシテックス未満となると、繊維を溶融紡糸するに際して紡糸口金孔の精度向上や固化点の制御、吐出量の低減に伴う生産性の低下、糸切れが発生しやすくなる等の問題が生じ、好ましくない。一方、単繊維繊度が20デシテックスを超えると、繊度が大きくなることから、非結晶部が、熱接着工程において良好に溶融しない傾向となり、接着性が不十分となる可能性がある。
本発明のポリ乳酸複合繊維は、上記した光学純度差を有する2種のポリ乳酸を準備し、紡糸速度、延伸倍率を後述する条件とすることにより、複合繊維を構成するポリ乳酸の結晶性をコントロールし得ることができる。
スクリュー式押出機等を装備した複合紡糸設備を用いて、約230℃にて溶融紡糸し、糸条を冷却・固化し、500~1500m/分の速度で引き取る。得られた糸条を集束して糸条束とした後、ローラー間で延伸するにあたっての延伸倍率は、自然延伸倍率(NDR)以下で延伸する。すなわち、延伸倍率は、供給ローラーと引き取りローラーとの速度比(引き取りローラーの速度を供給ローラーの速度で除した値)であるが、1.00を超え1.50以下の延伸倍率とする。この際、供給ローラーと引き取りローラーのいずれも非加熱ローラーを用いるとよい。そして、延伸を施した糸条束に油剤を付与し、短繊維とするにあたっては、ロータリー式カッターに供給し、所望の繊維長に切断するとよい。
本発明のポリ乳酸系複合繊維は、不織布等の繊維製品において、バインダー繊維として好適に用いることができるものであり、繊維製品として不織布以外には紡績糸等が挙げられ、その他の繊維製品や繊維以外のものとを熱接着する用途に適用することもできる。
からなる不織布について説明する。
本発明のポリ乳酸系複合繊維は、不織布を得るにあたっては、他の繊維と混用するとよい。一般に、乾式不織布用ロングカット繊維は、機械捲縮が付与され、サーマルスルー不織布やスパンレース不織布、ニードルパンチ不織布などを得る際に用いることができ、これらの不織布は、衛材やオムツなどに用途に好適である。また、湿式用ショートカット繊維は、捲縮が付与されず、油剤などで繊維に水分散性を付与したものである。湿式不織布(抄紙)は、フィルターなどの用途に好適である。また、エアレイド不織布に適用する短繊維は、機械捲縮が付与され、かつ、2~20mmの繊維長がよく、このような形態及び繊維長を有する短繊維としてもよい。他の繊維と混用する場合の他の繊維としては、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維、ビニロン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、ポリ乳酸繊維、ポリアルキレンサクシネート繊維などの繊維形成性熱可塑性重合体からなる合成繊維、レーヨン、ポリノジツク、リヨセル、テンセルなどの再生繊維、アセテートなどの半合成繊維、また羊毛、絹、木綿、麻、木材パルプなどの天然繊維が採用される。その中でも、再生繊維、半合成繊維、天然繊維、脂肪肪族ポリエステルからなる繊維などの生分解性繊維と混用すれば、完全に生分解可能な繊維製品が得られるため、特に好ましい。
不織布を得る際には、本発明の複合繊維を少なくとも10質量%含有させることが好ましく、不織布は、該複合繊維によって構成繊維同士が熱接着されて形態が保持されているものである。本発明の複合繊維を少なくとも10質量%含有させることにより、不織布において、熱接着により良好に形態保持できる。上限は特に限定するものではなく、用途に応じて適宜選択すればよいが、50質量%以下が好ましい。
次に、本発明のポリ乳酸系複合短繊維からなる湿式不織布について説明する。本発明のポリ乳酸系複合繊維(湿式用にショートカットしたもの)を計量後、他の繊維とブレンドし、離解機に投入し、繊維を良く離解させた後、抄紙機に移行させ、適度な繊維濃度で抄紙する。抄紙したウエブは、脱水した後、ヤンキードライヤーやサーマルスルードライヤーにて乾燥すると共に、ポリ乳酸系複合繊維を構成する光学純度の低いポリ乳酸の軟化点以上で熱接着することによって、湿式不織布を製造することができる。本発明の不織布は、ポリ乳酸系複合繊維同士の接触点や、またはポリ乳酸系複合繊維が介在する箇所において、湿式不織布を構成する構成繊維間を熱融着させ、得られる不織布の強力が向上する。
次に、本発明について実施例により、さらに本発明を具体的に説明する。なお、実施例における各特性値の測定方法、評価方法は以下のとおりである。
(1)単繊維繊度
測定サンプルを20mmの長さに切断すること、繊維を100本取り出し、質量を測定すること、測定回数を4回とした以外は、JIS L1015 8.5.1 A法に準じて測定した。
(2)繊維の昇温結晶化ピーク、融解ピーク
上述した方法により測定し、得られた示差走査型熱量曲線より、検出したピークのb/aについては算出した。
(3)乾熱収縮率
上述した方法にて測定した。
(4)繊維長
測定数を25本とした以外は、JIS L1015 8.4.1 直接法(C法)に準じて測定した。
(5)溶融粘度
フローテスター(島津製作所製、型式CFT-500)を用いて、温度230 ℃、剪断速度1000sec-1の条件で測定した。
(6)D体含有量
ポリ乳酸を0.3g秤量し、1N-水酸化カリウム/メタノール溶液6mLに加え、65℃にて充分撹拌した。次いで、硫酸450μLを加えて、65℃にて撹拌し、ポリ乳酸を分解させ、サンプルとして5mLを計り取る。このサンプルに純水3mL、および、塩化メチレン13mLを混合して振り混ぜ、静置分離後、下部の有機層を約1.5mL採取し、孔径0.45μmのHPLC用ディスクフィルターでろ過後、HewletPackard製HP-6890SeriesGCsystemを用いてガスクロマトグラフィー測定する。乳酸メチルエステルの全ピーク面積に占めるD-乳酸メチルエステルのピーク面積の割合(%)を算出し、これをポリ乳酸のD-乳酸含有量(モル%)とする。
(7)不織布強力
得られた不織布を縦150mm、横25mmに切り出したサンプルを、オートグラフ(島津製作所製AG-50KNI)を用い、引張速度100mm/分、チャック間距離100mmの条件で不織布の強力を測定した。なおサンプル数はn=5とした。
(8)不織布の地合
得られた不織布の地合を目視により以下の3段階で評価した。
○:構成繊維の分布が均一であり、斑が非常に少ない
△:構成繊維の分布がやや不均一であり、斑がやや目立つ
×:構成繊維の分布が非常に不均一であり、斑が目立つ。
実施例1
融点160℃のポリL乳酸(H)と融点130℃のポリL乳酸(L)を準備し、溶融紡糸を行った(ポリL乳酸(H)のD体含有量は2.0モル%、溶融粘度は1492dPa・s、ポリL乳酸(L)のD体含有量は9.8モル%、溶融粘度は2019dPa・sである。)。すなわち、単軸のエクストルーダー型溶融押出し機2台を備えた複合紡糸装置を用い、直径0.35mm、孔数560個の紡糸孔を有する紡糸口金より紡糸温度230℃、単孔吐出量0.51g/分、芯/鞘複合比(質量比)=1/1で溶融紡出し、空気冷却装置にて冷却、油剤付与をしながら紡糸速度800m/分で巻取って、単繊繊度が6.3dtexのポリ乳酸複合繊維を得た。得られたポリ乳酸複合繊維を約11万dtexのトウとなし、延伸倍率1.00倍で延伸機(1段延伸、熱処理なし、供給ローラーおよび引き取りローラーのいずれも非加熱)に通した後に、仕上げ油剤を付与し、ドドラム式カッターにて5mm長に繊維を切断することで、単糸繊度6.3dtexのショートカットのポリ乳酸複合短繊維を得た。
次に、得られたポリ乳酸複合短繊維をバインダー繊維とし、針葉樹パルプを主体繊維として湿式不織布を作製した。すなわち、バインダー繊維と主体繊維を質量比50/50として水中へ分散させ、抄紙機へ供給した。抄紙ウェブを得た後、ヤンキードライヤーで乾燥熱処理(2分間)を行うことで、目付約35g/mの湿式不織布を得た。なお、ヤンキードライヤーで乾燥熱処理の際に、バインダー繊維を溶融させて、繊維同士を熱接着させた。また、ヤンキードライヤーでの熱処理時の設定温度は、110℃、130℃、150℃の3水準について行い、それぞれの熱処理設定温度による3水準の不織布を得た。
比較例1
実施例1において、紡糸速度600m/分で巻取り、全延伸倍率4.50倍で延伸機(2段延伸、熱処理あり、供給ローラー、延伸ローラー、引取ローラーのいずれも50~60℃の間の温度に設定)を通した以外は実施例1と同様にして、ポリ乳酸複合短繊維および不織布を得た。
比較例2
実施例1で用いた光学純度が低い融点130℃のポリL乳酸(L)のみを用いて、溶融紡糸を行った。すなわち、単軸のエクストルーダー型溶融押出し機を用い、直径0.27mm、孔数490個の紡糸孔を有する紡糸口金より紡糸温度230℃、単孔吐出量0.56g/分で溶融紡出し、空気冷却装置にて冷却、油剤付与をしながら紡糸速度850m/分で巻取って単繊維繊度が6.6dtexのポリ乳酸繊維(単相)を得た。得られたポリ乳酸繊維を約11万dtexのトウとなし、延伸倍率1.00倍で延伸機(1段延伸、熱処理なし、供給ローラーおよび引き取りローラーのいずれも非加熱)を通した後に、仕上げ油剤を付与し、ドラム式カッターにて5mm長に繊維を切断することで、単繊維繊度6.6dtexのポリ乳酸短繊維を得た。
得られたポリ乳酸短繊維を用いて、実施例1と同様にして、湿式不織布を得た。
比較例3
実施例1で用いた光学純度が低い融点130℃のポリL乳酸(L)のみを用いて、溶融紡糸を行った。すなわち、単軸のエクストルーダー型溶融押出し機を用い、直径0.50mm、孔数180個の紡糸孔を有する紡糸口金より紡糸温度230℃、単孔吐出量1.37g/分で溶融紡出し、空気冷却装置にて冷却、油剤付与をしながら紡糸速度850m/分で巻取って単繊維繊度が16.2dtexのポリ乳酸繊維を得た。得られたポリ乳酸繊維を約11万dtexのトウとなし、全延伸倍率2.48倍で延伸機(2段延伸、熱処理あり、供給ローラー、延伸ローラー、引取ローラーのいずれも50~60℃の間の温度に設定)を通した後に、仕上げ油剤を付与し、ドラム式カッターにて5mm長に繊維を切断することで、単繊維繊度6.6dtexのポリ乳酸短繊維を得た。
不織布については実施例1と同様にして得た。
評価結果を表1に記載する。
実施例1の本発明のポリ乳酸複合繊維は、DSC測定にて得られたDSC曲線において、ポリL乳酸(H)に由来する昇温結晶化ピークと融解ピークがあり、[b(Tm)/a(Tm)]の値は0.04、[b(Tcc)/a(Tcc)]の値は0.010であり、ポリL乳酸(L)に由来する融解ピークが見られないものであり、110℃、130℃、150℃の3水準の熱処理温度で処理したいずれの湿式不織布においても優れた強力を有するものであり、110~150℃という幅広い温度領域のいずれにおいても良好にバインダー性能を効果的に発揮し、かつ熱収縮率も低く、耐熱性に優れ、3水準のいずれのものにおいても地合いにも優れた不織布であった。
一方、比較例1で得られたポリ乳酸複合繊維は、繊維製造において延伸倍率4.50倍としたものであり、DSC測定にて得られたDSC曲線において、ポリL乳酸(H)に由来する昇温結晶化ピークは確認できず、また、融解ピークも明確でシャープな形状であり、[b(Tm)/a(Tm)]の値は0.13であり、また、ポリL乳酸(L)に由来する融解ピークも見られた。比較例1の湿式不織布は、熱処理温度が130℃、150℃により得られたものは良好な不織布強力を示したものの、熱処理温度が110℃により得られたものは不織布強力が劣り、ポリL乳酸(L)の融点以上という限定的な温度域でのみバインダー性能を発揮するものであって、本発明が目的とするものではなかった。
比較例2で得られたポリ乳酸繊維は、光学純度の低いポリL乳酸(L)のみからなる単相型の繊維であり、結晶化していないことから、結晶部による収縮抑制が作用されないため、熱収縮率が非常に高いものであり、また、作成した不織布は、110℃、130℃、150℃の3水準の熱処理温度で処理したいずれの湿式不織布においても、所々に孔があり、また所々に繊維が密集して、凹凸が激しく存在し、斑が激しく、地合いに劣るものであった。斑が激しいため、不織布強力は測定しなかった。
比較例3で得られたポリ乳酸繊維は、光学純度の低いポリL乳酸(L)のみからなる単相型の繊維であり、また、繊維製造において加え延伸倍率2.48倍としたものであり、結晶部による収縮抑制が作用しないだけでなく応力緩和も大きくなり熱収縮率が激しく、熱収縮率の測定が不能となった。また、作成した不織布は、110℃、130℃、150℃の3水準の熱処理温度で処理したいずれの湿式不織布においても、所々に孔が多数あり、また所々に繊維が密集して、凹凸が非常に激しく存在し、斑が非常に激しく、地合いに極めて劣るものであった。斑が激しいため、不織布強力は測定しなかった。

Claims (5)

  1. 光学純度が異なる2種のポリ乳酸が複合してなる繊維であり、該複合繊維は、光学純度が低いが繊維表面の一部を形成するように複合されており、
    光学純度が異なる2種のポリ乳酸が、D体含有量の多く光学純度が低いポリL乳酸とD体含有量の少なく光学純度が高いポリL乳酸とからなる2種のポリL乳酸の組合せ、または、L体含有量の多く光学純度が低いポリD乳酸とL体含有量の少なく光学純度が高いポリD乳酸とからなる2種のポリD乳酸の組合せのいずれかであり、
    該複合繊維の示差走査熱量測定において、光学純度が高いポリ乳酸に由来する融解ピークの高さb(Tm)と融解ピークの幅a(Tm)の比[b(Tm)/a(Tm)]が0.1以下であり、光学純度が低いポリ乳酸に由来する融解ピークが検出しないことを特徴とするポリ乳酸系複合繊維。
  2. 示差走査熱量測定において、光学純度が高いポリ乳酸に由来する昇温結晶化ピークの高さb(Tcc)と昇温結晶化ピークの幅a(Tcc)の比[b(Tcc)/a(Tcc)]が0.005以上0.015以下であることを特徴とする請求項1記載のポリ乳酸系複合繊維。
  3. 光学純度が異なる2種のポリ乳酸が、ポリL乳酸からなる組合せについては、D体含有量が多く光学純度が低いポリL乳酸のD体含有量が0~8モル%、D体含有量の少なく光学純度が高いポリL乳酸のD体含有量が8~20モル%、両者のD体含有量差が5~20モル%であり、
    光学純度が異なる2種のポリ乳酸が、ポリD乳酸からなる組合せについては、L体含有量が多く光学純度が低いポリD乳酸のL体含有量が0~8モル%、L体含有量の少なく光学純度が高いポリD乳酸のL体含有量が8~20モル%、両者のL体含有量差が5~20モル%であることを特徴とする請求項1または2記載のポリ乳酸系複合繊維。
  4. 温度230℃、せん断速度1000sec-1における溶融粘度が、光学純度の高いポリ乳酸は1300~1700dPa・s、光学純度の低いポリ乳酸は1800~2200dPa・sであることを特徴とする請求項1または請求項2記載のポリ乳酸系複合繊維。
  5. 請求項1または請求項2に記載のポリ乳酸系複合繊維がバインダー繊維として機能して構成繊維同士が熱接着してなることを特徴とする不織布。
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