JP2023179969A - 帯電防止フィルム、これを用いた光学フィルム及び画像表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】安価に製造することができ、優れた可撓性を有し、且つ、耐熱性、透明性、帯電防止性を有した自立膜を提供する。【解決手段】自立膜としての帯電防止フィルムであって、エポキシ樹脂(A)と硬化促進剤(B)と導電性高分子(C)とを含んだ樹脂組成物の硬化物からなり、硬化促進剤(B)の量が、エポキシ樹脂(A)100質量%に対して0.005乃至5質量%であり、導電性高分子(C)の量が、エポキシ樹脂(A)と硬化促進剤(B)との合計量100質量%に対して0.4乃至8質量%の範囲内にある帯電防止フィルムが提供される。【選択図】図1

Description

本発明は、帯電防止フィルム、これを用いた光学フィルム及び画像表示装置に関する。
従来から、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、及びエレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイ等のフラットパネルディスプレイは、薄型及び軽量化が進められている。この薄型及び軽量化をさらに進める手段として、ガラス基板のプラスチックフィルムによる置き換えが検討されている。ガラス基板をプラスチックフィルムに置き換えることで、フラットパネルディスプレイをより薄く且つより軽くできるとともに、フラットパネルディスプレイに割れにくさや可撓性といった性質を付与できる。
最近、ガラス繊維布に透明な樹脂組成物を含浸させ、この樹脂組成物を硬化させてなる透明フィルムが提案されている(特許文献1乃至3を参照)。このような透明フィルムを製造する際には、ガラス繊維よりも屈折率の大きい高屈折率樹脂と、ガラス繊維よりも屈折率の小さい低屈折率樹脂とを、透明樹脂の硬化物の屈折率がガラス繊維の屈折率に近似するように混合して樹脂組成物を得る。そして、ガラス繊維布に樹脂組成物を含浸させ、これを乾燥させて樹脂組成物を半硬化させることによりプリプレグを得る。更に、このプリプレグを加熱しながら加圧成形することにより透明フィルムを得る。高屈折率樹脂及び低屈折率樹脂としては、エポキシ樹脂等が用いられている。また、耐熱性を向上させるために、樹脂組成物にはイミド樹脂を混合している。
このように、ガラス繊維の屈折率と樹脂組成物の硬化物の屈折率とをほぼ一致させることにより、透明フィルム内での光の屈折を抑えることができる。このような透明フィルムは、光学特性の点で、優れた視認性が要求されるディスプレイでの使用に適している。そして、この透明フィルムは、液晶ディスプレイ等に要求される透明性や寸法安定性といった一般物性に加えて、インジウムスズ酸化物(ITO)膜等の導電膜との密着性、表面平滑性、及びガスバリア性等の性能も付与し得る材料として注目されている。
特開2004-307851号公報 特開2009-066931号公報 特開2011-093966号公報 特開平2007-320093号公報 特開2002-40209号公報 特開平11-326602号公報 特開2006-178276号公報
しかしながら、上述した技術の何れも、ガラス繊維布などの基材を必要とするか、又は可撓性などに関して改善の余地がある。ガラス繊維布などの基材の使用は、透明性やコストの点で不利である。また、不十分な可撓性は、透明フィルムの応用を制限する。
一方、各種フラットパネルディスプレイに組み込まれている半導体及び電子機器の微細化・高集積化に伴い、静電気の発生が製品に色々な影響を与えている。例えば表面保護の目的で仕様される表面保護フィルムは各部材と貼り付けるために粘着剤などを塗布したり
し、積層して用いている。そして、液晶ディスプレイなどの組み込みが完了した後に、これらの保護フィルムを剥離、除去するが、この剥離時にいわゆる剥離帯電現象が発生する。この静電気によってゴミが付着、あるいは貼られた状態そのもので帯電し、ゴミなどが付着する問題がある。
これらのゴミの付着の問題は、例えば、製品の検査時に液晶部材自体の欠点であるのか、表面に付着したゴミによるものなのか判別が難しく、また、検査がスムーズ行えないなどの製造工程上の重大な問題でもあった。また、特に、近年の高精細ディスプレイなどでは、上記したゴミの付着による問題の他、剥離帯電によるディスプレイの電子素子の破壊といった問題も発生している。
このような静電気を効果的に除去するために、導電性物質を利用した帯電防止コーティング用組成物を、部材へ直接塗布した帯電防止膜や、基材フィルムへ導電性物質を塗布した帯電防止フィルムとして使用することが提案されている。このような帯電防止機能を発現する材料として、各種活性剤、親水性化合物、カーボンブラック、イオン導電性化合物、無機酸化物、π共役系の導電性ポリマー等がある。(特許文献4乃至7を参照)
しかしながら、上述した技術では基材フィルムに塗布した帯電防止層が搬送中の屈曲に耐えられず剥離することや、フレキシブルデバイス等の部材に使用する際に可撓性が足らず帯電防止層の割れや部材間の剥離により十分な帯電防止性が得られないなどの問題がある。また積層構成にすることによりフィルム厚みが増加し部材全体の厚みが増すことなどが問題となる。
本発明は、従来技術の欠点を解消するものであり、フレキシブルデバイス等の可撓性が要求される環境下で、優れた可撓性を有し、且つ、耐熱性、透明性、帯電防止性を有した自立膜を提供することにある。
本発明に係る自立膜としての帯電防止フィルムは、エポキシ樹脂(A)と硬化促進剤(B)と導電性高分子(C)とを含んだ樹脂組成物の硬化物からなり、硬化促進剤(B)の量が、エポキシ樹脂(A)100質量%に対して0.005乃至5質量%であり、導電性高分子(C)の量が、エポキシ樹脂(A)と硬化促進剤(B)との合計量100質量%に対して0.4乃至8質量%の範囲内にある。
エポキシ樹脂(A)は、エポキシ樹脂(A)の全量を100質量%としたとき、フェノキシ樹脂であるエポキシ樹脂(A1)50乃至100質量%と、分子内に2個以上のエポキシ基を有する、前記エポキシ樹脂(A1)とは異なるエポキシ樹脂(A2)0乃至50質量%とを含有する。
エポキシ樹脂(A1)はエポキシ当量が3000乃至20000g/当量であることが好ましい。
エポキシ樹脂(A2)はエポキシ当量が50乃至500g/当量であることが好ましい。
エポキシ樹脂(A1)は重量平均分子量が1000乃至100000であることが好ましい。
エポキシ樹脂(A2)は重量平均分子量が100乃至10000であることが好ましい。
硬化促進剤(B)がイミダゾール系骨格を有していても良い。
硬化促進剤(B)は2-エチル-4-メチルイミダゾールであっても良い。
導電性高分子が少なくともポリチオフェン類、ポリピロール類、ポリアニリン類のπ共役系導電性高分子からなることが好ましい。
表面抵抗率が3×10乃至1×1011Ω/sqの範囲内であることが好ましい。
全光線透過率Ttが90%以上であることが好ましい。
膜厚が1乃至250μmの範囲内にあることが好ましい。
本発明に係る光学フィルムは、上記の何れかの帯電防止フィルムを備えるものである。
本発明に係る画像表示装置は、上記の何れかの帯電防止フィルムを備えるものである。
本発明によれば、安価に製造することができ、透明性、耐熱性および可撓性に優れた自立膜としての帯電防止フィルム、これを用いた光学フィルム及び画像表示装置を提供できる。
本発明の一実施形態に係るフィルムを概略的に示す断面図。 フィルム製造装置の一例を概略的に示す図。
以下に、本発明の実施形態を詳細に説明する。但し、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
<フィルム>
図1は、本発明の一実施形態に係るフィルムを概略的に示す断面図である。
この帯電防止フィルム10は、透明な自立膜である。ここで使用する用語「自立膜」とは、基板などの支持体によって支持されなくとも、それ自体を単独で取り扱うことができるフィルムを意味している。また、ここで使用する用語「フィルム」は、薄層形状及び可撓性を有している物品を意味し、厚さの概念は含まない。
帯電防止フィルム10は、後述する樹脂組成物の硬化物からなる。即ち、帯電防止フィルム10は、ガラス、金属、炭素、タンパク質、セルロース、及び合成樹脂等の各種材料からなる織布又は不織布や、そのような材料からなる多孔質層を含んでいない。
<樹脂組成物>
樹脂組成物は、エポキシ樹脂(A)と、硬化促進剤(B)とを含んでいる。エポキシ樹脂(A)は、1種類の構造単位を有するエポキシ樹脂のみでもよいが、構造単位の異なる複数のエポキシ樹脂を組み合わせてもよい。具体的には、エポキシ樹脂(A)としては、フェノキシ樹脂であるエポキシ樹脂(A1)、または、エポキシ樹脂(A1)と、分子内に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂(A2)との混合物を使用することができる。以下に、各成分について説明する。
[エポキシ樹脂(A1)]
エポキシ樹脂(A1)は、フェノキシ樹脂である。エポキシ樹脂(A)の全量(100質量%とする)のうち、エポキシ樹脂(A1)は、50~100質量%、より好ましくは70~95質量%の範囲で含有されることが好ましい。
フェノキシ樹脂とは、通常、エピハロヒドリンと2価フェノール化合物とを反応させて得られる樹脂、または2価のエポキシ化合物と2価のフェノール化合物とを反応させて得られる樹脂を指す。本発明においては、これらのうち、特に重量平均分子量1000~100000の高分子量エポキシ樹脂であるフェノキシ樹脂が特に好ましい。
エポキシ樹脂(A1)としては、ナフタレン骨格、フルオレン骨格、ビフェニル骨格、アントラセン骨格、ピレン骨格、キサンテン骨格、アダマンタン骨格およびジシクロペンタジエン骨格からなる群から選択された少なくとも1つの骨格を有するフェノキシ樹脂が好ましい。中でも、耐熱性がより一層高められるので、フルオレン骨格および/またはビフェニル骨格を有するフェノキシ樹脂が特に好ましい。
上述のようにエポキシ樹脂(A1)は、構造単位の異なる複数のエポキシ樹脂を含むものであってもよい。
エポキシ樹脂(A1)のエポキシ当量は、3000乃至20000g/当量であることが好ましい。
本発明に用いられるフェノキシ樹脂は特に限定されず、公知のフェノキシ樹脂等を用いることができ、その具体例としては新日鉄住金化学社製FX280、FX293、三菱ケミカル社製jERYX8100、jERYX1256、jERYX6954、jERYX7200等が挙げられる。
[エポキシ樹脂(A2)]
上記エポキシ樹脂(A1)以外のエポキシ樹脂としては、分子内に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂であることが好ましい。
エポキシ樹脂(A2)としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、多官能フェノール型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらは1種を単独でまたは2種以上の混合体として使用することができる。
エポキシ樹脂(A2)は、溶融粘度制御の観点から、その重量平均分子量が、好ましくは、100~10000であり、より好ましくは、200~2000である。平均分子量が100より低いものでは、耐熱性が劣る傾向にあり、10000より高いと、エポキシ樹脂の融点が高くなり、作業性が低下する傾向がある。
エポキシ樹脂(A2)のエポキシ当量は、50乃至500g/当量であることが好ましい。
また、本発明において、エポキシ樹脂としては、その目的を損なわない範囲において、エポキシ樹脂(A1)とエポキシ樹脂(A2)以外のエポキシ樹脂(以下、他のエポキシ
樹脂)を使用してもよい。他のエポキシ樹脂の含有量は、エポキシ樹脂(A1)とエポキシ樹脂(A2)の合計に対して、通常、50質量%以下、好ましくは、30質量%以下である。
エポキシ樹脂(A1)の割合が50質量%以上であることにより、エポキシ樹脂(A1)を配合することによる可撓性を十分に得ることができ、所望の屈曲性を得ることができる。エポキシ樹脂(A1)と(A2)が混合されることで硬化性、硬化物の物性がさらに良くなり屈曲性は十分なものとなる。特に製膜過程でのタック低減により、ライン汚染を防止することができる。
[硬化促進剤(B)]
本発明のエポキシ樹脂組成物には硬化促進剤が好適に用いられる。
硬化促進剤としては、有機ホスフィン類系硬化促進剤、ホスホニウム塩系硬化促進剤、テトラフェニルボロン塩系硬化促進剤、金属系硬化促進剤、イミダゾール系硬化促進剤、アミン系硬化促進剤、有機酸ジヒドラジド硬化促進剤、ハロゲン化ホウ素アミン錯体系硬化促進剤などが挙げられる。
これらの硬化促進剤は1種のみで用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で混合して用いてもよい。
有機ホスフィン類系硬化促進剤、ホスホニウム塩系硬化促進剤、テトラフェニルボロン塩系硬化促進剤の中で、本発明のエポキシ樹脂組成物用硬化促進剤として使用可能な化合物としては、トリフェニルホスフィン、ジフェニル(p-トリル)ホスフィン、トリス(アルキルフェニル)ホスフィン、トリス(アルコキシフェニル)ホスフィン、トリス(アルキル・アルコキシフェニル)ホスフィン、トリス(ジアルキルフェニル)ホスフィン、トリス(トリアルキルフェニル)ホスフィン、トリス(テトラアルキルフェニル)ホスフィン、トリス(ジアルコキシフェニル)ホスフィン、トリス(トリアルコキシフェニル)ホスフィン、トリス(テトラアルコキシフェニル)ホスフィン、トリアルキルホスフィン、ジアルキルアリールホスフィン、アルキルジアリールホスフィン等の有機ホスフィン類又はこれら有機ホスフィン類と有機ボロン類との錯体やこれら有機ホスフィン類と無水マレイン酸、1,4-ベンゾキノン、2,5-トルキノン、1,4-ナフトキノン、2,3-ジメチルベンゾキノン、2,6-ジメチルベンゾキノン、2,3-ジメトキシ-5-メチル-1,4-ベンゾキノン、2,3-ジメトキシ-1,4-ベンゾキノン、フェニル-1,4-ベンゾキノン等のキノン化合物、ジアゾフェニルメタンなどの化合物を付加してなる化合物等が例示される。
エポキシ樹脂を効率的に硬化させる硬化促進剤として、金属系硬化促進剤、イミダゾール系硬化促進剤、アミン系硬化促進剤等も広く用いられている。
金属系硬化促進剤としては、特に制限されるものではなく、コバルト、銅、亜鉛、鉄、ニッケル、マンガン、スズ等の金属の有機金属錯体又は有機金属塩が挙げられる。有機金属錯体の具体例としては、コバルト(II)アセチルアセトナート、コバルト(III)アセチルアセトナート等の有機コバルト錯体、銅(II)アセチルアセトナート等の有機銅錯体、亜鉛(II)アセチルアセトナート等の有機亜鉛錯体、鉄(III)アセチルアセトナート等の有機鉄錯体、ニッケル(II)アセチルアセトナート等の有機ニッケル錯体、マンガン(II)アセチルアセトナート等の有機マンガン錯体などが挙げられる。有機金属塩としては、オクチル酸亜鉛、オクチル酸錫、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、ステアリン酸スズ、ステアリン酸亜鉛などが挙げられる。
金属系硬化促進剤としては、硬化性、溶剤溶解性の観点から、コバルト(II)アセチルアセトナート、コバルト(III)アセチルアセトナート、亜鉛(II)アセチルアセトナート、ナフテン酸亜鉛、鉄(III)アセチルアセトナートが好ましく、特にコバルト(III)アセチルアセトナート、ナフテン酸亜鉛が好ましい。
イミダゾール系硬化促進剤としては、例えば2-メチルイミダゾール、2-ウンデシルイミダゾール、2-ヘプタデシルイミダゾール、1,2-ジメチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、2-フェニル-4-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾール、 1-シアノエチル-2-エチル-4-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-ウンデシルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-エチル-4’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジンイソシアヌル酸付加物、2-フェニルイミダゾールイソシアヌル-a]ベンズイミダゾール、1-ドデシル-2-メチル-3-ベンジルイミダゾリウムク酸付加物、2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール、2-フェニル-4-メチル-5ヒドロキシメチルイミダゾール、2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[1,2-a]ベンズイミダゾール、2-メチルイミダゾリン、2-フェニルイミダゾリン等のイミダゾール化合物及びイミダゾール化合物とエポキシ樹脂とのアダクト体が挙げられる。
アミン系硬化促進剤としては、例えばトリエチルアミン、トリブチルアミンなどのトリアルキルアミン;4-ジメチルアミノピリジン、ベンジルジメチルアミン、2,4,6,-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8-ジアザビシクロ(5,4,0)-ウンデセン等のアミン化合物などが挙げられる。
硬化促進剤の含有量は、エポキシ樹脂(A)100質量%に対し、0.005~5質量%の範囲が好ましく、0.01~2質量%の範囲がより好ましい。0.005質量%未満では硬化が遅くなり熱硬化時間が長く必要となる傾向にあり、5質量%を超えると樹脂組成物の保存安定性が低下したり、熱膨張率が増加したりする傾向となる。
[導電性高分子(C)]
導電性高分子(C)は、π共役系導電性高分子であり、主鎖がπ共役系で構成されている有機高分子であれば特に制限されず、例えば例えば、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)、ポリ(3-メチルチオフェン)、ポリ(3-ヘキシルオキシチオフェン)、ポリ(3-メチル-4-メトキシチオフェン)等のポリチオフェン類、ポリ(3-ブチルピロール) やポリ(3-メチル-4-ヘキシルオキシピロール)等のポリピロール類、ポリ(2-メチルアニリン)やポリ(3-イソブチルアニリン)等のポリアニリン類を使用することができる。なかでも、導電性、透明性、安定性等の観点から、ポリチオフェン類およびポリアニリン類が好ましく、より好ましくはポリチオフェン類が挙げられる。
また、導電性高分子の添加量を、フィルムを構成する前記エポキシ樹脂(A)と前記硬化促進剤(B)との合計量100質量%に対して0.4~8質量%の範囲内にすることが好ましく、0.6~6質量%の範囲がより好ましい。0.4質量%未満では十分な帯電防止性が得られない傾向にあり、8質量%を超えると透明性が低下する傾向となる。
[その他の成分(D)]
樹脂組成物は、その他成分(D)として、上記成分(A)に該当しないエポキシ樹脂を含有してもよい。他のエポキシ樹脂を含むことにより、本発明のエポキシ樹脂組成物の強度、耐熱性等を更に向上させることができる。本発明のエポキシ樹脂組成物においては、他のエポキシ樹脂として、成分(A)以外のエポキシ樹脂を、その特徴に応じて特に制限なく用いることができる。
樹脂組成物は、その他成分(D)として、例えば、硬化性調整のためにビニルエーテル化合物のようなカチオン反応性化合物を更に含有していてもよい。また、樹脂組成物は、その低粘度化や反応速度調整のためにオキセタン化合物を更に含有していてもよい。また、樹脂組成物は、基材と樹脂組成物を硬化してなる層との密着性調整のためにラジカル反応性化合物を更に含有していてもよい。
樹脂組成物は、その他成分(D)として、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤(HALS等)、つや消し剤(シリカ、ガラス粉、金属酸化物等)、着色剤(染料、顔料等)、光拡散剤、低収縮剤、沈降防止剤、消泡剤、抗菌剤、防曇剤、分散剤、増粘剤、タレ止め剤、乾燥剤、レベリング剤、カップリング剤、付着促進剤、防錆顔料、熱安定剤、皮膜物質改質剤、スリップ剤、スリキズ剤、可塑剤、防カビ剤、防汚剤、難燃剤、重合防止剤、光重合促進剤、増感剤、熱開始剤(熱カチオン重合開始剤、熱ラジカル重合開始剤)、酸発生剤、及び離型剤等の添加剤の1以上を更に含有していてもよい。
その他成分(D)の量は、エポキシ樹脂(A1)と(A2)との合計量100質量部に対して、10質量部以下であることが好ましく、1質量部以下であることがより好ましい。
樹脂組成物は、加工時の粘度調整及び硬化させるときの取り扱い性などのための溶媒を含有していても良い。溶媒は、エポキシ樹脂を製造するときに用いた溶媒を利用しても良い。本発明のエポキシ樹脂組成物に含まれる溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル等のエステル類;エチレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類;N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド等のアミド類;メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類;ヘキサン、シクロヘキサン等のアルカン類;トルエン、キシレン等の芳香族類などが挙げられる。
溶媒を用いる場合の量は、溶媒残留により硬化物中にボイドが形成されやすいことから、少ないことが好ましい。一方、組成物の高粘度化に伴うクラックが発生し難い点では多いことが好ましい。これらの溶媒は、1種のみで用いても、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で用いても良い。
<樹脂組成物の調製>
上記の樹脂組成物は、上述した成分を均一に混合することにより得る。この混合には、例えば、特に限定されないが、ディスパーミキサ、ウルトラミキサ、ホモジナイザ、及び遊星攪拌脱泡機等の攪拌機を用いることができる。
<フィルムの製造>
図1に示す帯電防止フィルム10は、例えば、上記の樹脂組成物からなる塗膜を支持体上に形成し塗膜をベークに供して、塗膜を硬化させ、その後、硬化した膜を支持体から剥離することにより得る。また、必要に応じてベークの前に電離放射線を照射することができる。帯電防止フィルム10の製造には、例えば、図2に示す装置を利用することができる。
図2は、フィルム製造装置の一例を概略的に示す図である。
このフィルム製造装置100は、ロール・ツー・ロール式のダイコータである。このフィルム製造装置は、巻出ロール110と、キャリアフィルム120と、ガイドロール130a乃至130eと、バックアップロール140と、ダイヘッド150と、電離放射線照射機160と、ヒータ170と、剥離ロール180と、巻取ロール190a及び190bとを含んでいる。
巻出ロール110には、キャリアフィルム120が巻かれている。巻出ロール110は、キャリアフィルム120を巻き出す。
キャリアフィルム120は、ベルト形状を有している。キャリアフィルム120上には、上述した樹脂組成物を塗布し、このキャリアフィルム120上で樹脂組成物からなる塗膜の硬化を行う。
キャリアフィルム120は、樹脂組成物の硬化物を剥離可能に支持し得るものである。キャリアフィルム120としては、例えば、ポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファン、セルロースジアセテートフィルム、セルロースアセテートブチレートフィルム、セルロースアセテートフタレートフィルム、セルロースアセテートプロピオネートフィルム(CAPフィルム)、セルローストリアセテート及びセルロースナイトレート等のセルロースエステル類又はそれらの誘導体からなるフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレンビニルアルコールフィルム、シンジオタクティックポリスチレン系フィルム、ポリカーボネートフィルム、ノルボルネン樹脂系フィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリスルホン系フィルム、ポリエーテルケトンイミドフィルム、ポリアミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ナイロンフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム、アクリルフィルム、及びポリアリレート系フィルムを挙げることができる。
キャリアフィルム120の厚さは、制限を設けるわけではないが、6乃至700μmの範囲内にあることが好ましく、40乃至250μmの範囲内にあることがより好ましく、50乃至150μmの範囲内にあることが更に好ましい。
ガイドロール130a乃至130eは、巻出ロール110から巻き出されたキャリアフィルム120を、ダイヘッド150とバックアップロール140との間の領域、電離放射線照射機160の正面の領域、ヒータ170、及び巻取ロール190aへと順次案内する。
バックアップロール140は、ダイヘッド150と向き合うように設置されている。バックアップロール140は、ダイヘッド150とバックアップロール140との間を通過するキャリアフィルム120の裏面上を転動して、キャリアフィルム120とダイヘッド150との距離を一定に保つ役割を果たす。
ダイヘッド150は、ダイヘッド150とバックアップロール140との間を通過するキャリアフィルム120の表面上に樹脂組成物を供給する。これにより、キャリアフィルム120の表面上に、樹脂組成物からなる塗膜を形成する。
ここでは、樹脂組成物の塗工にダイヘッド150を利用するダイコート法について説明しているが、樹脂組成物の塗工には他の方法を利用してもよい。樹脂組成物の塗工には、例えば、ディッピング法、ワイヤーバーを使用する方法、ロールコート法、グラビアコー
ト法、リバースコート法、エアナイフコート法、コンマコート法、カーテン法、スクリーン印刷法、スプレーコート法、及びグラビアオフセット法等の周知の方法を用いることができる。
樹脂組成物からなる塗膜の硬化後の厚さ、即ち、帯電防止フィルム10の厚さは、1乃至250μmの範囲内にあることが好ましい。薄すぎる場合、帯電防止フィルム10の強度が低く、帯電防止フィルム10がキャリアフィルム120から剥離する際に破断してしまう可能性が高い。厚すぎる場合、反応熱が高くなることで硬化物の貯蔵弾性率が非常に高くなり、その結果、帯電防止フィルム10は、硬く脆い性状となり、可撓性が不十分となる可能性がある。
電離放射線照射機160は、キャリアフィルム120の表面と向き合うように設置されている。キャリアフィルム120上の塗膜に対して、電離放射線を照射する。キャリアフィルム120が電離放射線を透過させるものである場合、電離放射線照射機160は、キャリアフィルム120の裏面と向き合うように設置してもよい。
ここで、用語「電離放射線」は、樹脂組成物が含む成分、具体的には酸発生剤を分解(電離)させて、樹脂組成物中に酸を発生させ得る高エネルギーな放射線、例えば、X線又は紫外線を意味している。電離放射線としては、典型的には、紫外線を利用する。
樹脂組成物が酸発生剤を含有する場合、電離放射線照射機160は、塗膜に電離放射線を照射することにより、樹脂組成物が含んでいる酸発生剤を活性化させる。即ち、酸発生剤を分解(電離)させて、樹脂組成物中に酸を発生させる。酸は、樹脂組成物中での重合や架橋を促進する触媒としての役割を果たす。従って、塗膜への電離放射線照射により、樹脂組成物では重合や架橋が進行し、その結果、塗膜は硬化する。
電離放射線照射機160の光源としては、酸発生剤の分解に適した波長の光を放射するものを適宜選択する。この光源としては、400nm以下の波長を放射するランプが好ましい。そのようなランプとしては、例えば、ケミカルランプ、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、及び可視光ハロゲンランプが挙げられる。
電離放射線照射は、空気中で行ってもよいし、窒素及びアルゴン等の不活性ガス中で行ってもよい。
電離放射線の積算光量は、10乃至3000mJ/cmの範囲内とすることが好ましく、100乃至1000mJ/cmの範囲内とすることがより好ましく、200乃至500mJ/cmの範囲内とすることが更に好ましい。
ヒータ170は、電離放射線を照射した塗膜に対してベークを行い、塗膜を硬化させる。ベークを行うことにより、樹脂組成物中のエポキシ樹脂を架橋させる。ベークを行うと、帯電防止フィルム10における架橋密度を高めることができ、耐熱性が高まる。
ヒータ170による加熱には、例えば、熱風乾燥、熱ロール乾燥、高周波照射、及び赤外線照射等の加熱方法を、単独で又は2種類以上組み合わせて用いることができる。加熱温度は、80乃至200℃の範囲内とすることが好ましい。加熱時間は、0.5乃至60分の範囲内とすることが好ましい。
剥離ロール180は、キャリアフィルム120に支持された帯電防止フィルム10上を転動するように設置されている。剥離ロール180は、キャリアフィルム120の移動方向に対して、帯電防止フィルム10の移動方向を急激且つ大きく異ならしめ、これにより
、帯電防止フィルム10をキャリアフィルム120から剥離する。
巻取ロール190aは、帯電防止フィルム10を剥離したキャリアフィルム120を巻き取る。また、巻取ロール190bは、キャリアフィルム120から剥離した帯電防止フィルム10を巻き取る。
巻取ロール190aは、キャリアフィルム120に張力を与える。巻取ロール190aがキャリアフィルム120に与える張力は、キャリアフィルム120の厚さや材質によって異なるが、10乃至500N/mの範囲内とすることが好ましい。
上記の通り、この帯電防止フィルム10は、ガラス繊維布などの基材を含んでいない。従って、この帯電防止フィルム10は、ガラス繊維布などの基材を含んだフィルムと比較して、透明性やコストの点で有利である。また、この帯電防止フィルム10は、上述した樹脂組成物から得られる。このような帯電防止フィルム10は、帯電防止性、透明性、耐熱性及び可撓性に優れている。即ち、この帯電防止フィルム10は、安価に製造することができ、帯電防止性、透明性、耐熱性及び可撓性に優れた自立膜としてのフィルムである。
上述した帯電防止フィルム10は、例えば、フラットパネルディスプレイなどの画像表示装置において使用することができる。フラットパネルディスプレイとしては、例えば、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、及びELディスプレイを挙げることができる。また、前記画像表示方式の携帯電話等のフォルダブルデバイスにおいても使用することができる。帯電防止フィルム10は、画像表示装置において、例えば、保護フィルムや、TFT(Thin Film Transistor)基板、カラーフィルタ基板、及び封止基板などの基板(光学フィルム)として使用することができる。
以下に、本発明の実施例を記載する。但し、本発明は、以下に記載する事項に限定されるわけではない。
<実施例1>
図1に示す帯電防止フィルム10を以下の手順で作製した。
先ず、フェノキシ樹脂(A1)としてjER YX6954BH30(エポキシ当量11200g/当量、重量平均分子量Mw38700、固形分30wt%、三菱ケミカル社製)を用い、固形分100質量%に対し、硬化促進剤(B)であるjERキュアEMI24(固形分100wt%、三菱ケミカル社製)を0.005質量%、フェノキシ樹脂(A1)と硬化促進剤(B)の合計量100質量%に対して導電性高分子(C)としてポリチオフェン系の導電性ポリマー塗料セプルジーダSAS―F16(固形分2wt%、信越ポリマー社製)を6質量%となるように秤量して遊星攪拌脱泡機(マゼルスターKK5000、KURABO社製)を用いて15分間攪拌して、塗液を調製した。
次に、この塗液を用いて、前記フィルムの製造方法に準じた方法により、厚みが25μmの帯電防止フィルム10を製造した。ここでは、キャリアフィルム120として、厚さが100μmの離型処理されたポリエチレンテレフタレート(PET)製シート(TP03、パナック社製)を使用した。ベークは、160℃にて30分間にわたって行った。なお、キャリアフィルム120は、50N/mの張力で巻き取った。
<実施例2乃至3、比較例1乃至2>
以下の表1に示すように硬化促進剤(B)の量を変更したこと以外は、実施例1と同様
の方法によりフィルムを作製した。
<実施例4乃至9、比較例3乃至5>
エポキシ樹脂(A2)としてjER 157S65B80(エポキシ当量206g/当量、固形分80wt%、三菱ケミカル社製)を用い、エポキシ樹脂(A1)、エポキシ樹脂(A2)及び硬化促進剤(B)表1に示す固形分割合で混合した以外は、実施例1と同様の方法によりフィルムを作製した。
<実施例10乃至11、比較例6乃至7>
以下の表1に示すように硬化促進剤(B)及び導電性高分子(C)の量を変更したこと以外は、実施例1と同様の方法によりフィルムを作製した。
<比較例8>
材料をセロキサイド2021P(エポキシ当量137g/当量、固形分100wt%、ダイセル社製)とし、100質量%に対し光酸発生材としてCPI-101A(固形分50wt%、サンアプロ社製)を固形分比において0.5質量%となるように塗液を調整した。キャリアフィルム120として、厚さが75μmのポリエチレンテレフタレート(PET)製シート(T600、三菱樹脂社製)を使用した。電離放射線照射機160の光源としては、高圧水銀ランプ(アイグラフィックス(株)製)を使用した。露光は、積算光量が500mJ/cmとなるように行った。また、ポストベークは、160℃にて180秒間にわたって行った。
<比較例9>
材料をラジカル硬化性組成物であるBS575CB(荒川化学工業社製)とし、キャリアフィルム120として厚さが100μmの離型PETフィルム(TP03、パナック社製)に変更し、ポストベークを行わず電離放射線のみで硬化させたこと以外は、比較例6と同様の方法によりフィルムを作製した。
<評価方法>
(帯電防止性)
帯電防止性は、表面比抵抗により測定した。表面比抵抗の測定は、常態(23℃、相対湿度65%)において24時間放置後、その雰囲気下で、JIS-K-7194に準拠した形で、ロレスタ-EP(三菱化学株式会社製、型番:MCP-T360)を用いて実施した。単位は、Ω/sqである。本発明においては、1×1011Ω/sq以下のものが良好な帯電防止性を有するとして「〇」と判定し、1×1011Ω/sqを超える場合を「×」と判定した。
(Yellow Index)
分光透過率計(UV-VISIBLE SPECTROPHOTOMETER UV2450、SHIMADZU社製)を用い、ASTM E313に準じてYellow Index(以下YIと略記)を算出した。YIが2以下の場合を「○」と判定し、2を超える場合を「×」と判定した。
(全光線透過率)
ヘイズメーター(NDH7000SP、日本電色工業社製)を用い、ASTM D1003に準じて全光線透過率Ttを算出した。Ttが90%以上の場合を「○」と判定し、90%未満の場合を「×」と判定した。
(屈曲性)
面状体無負荷U字伸縮試験機(DMX-FS、YUASA社製)を用い、フィルムの曲
面が2mmφとなるように折り曲げ、1回/秒にて1000回繰り返した後のフィルムの状態を観察し、割れが生じなかったものを「〇」と判定し、割れが生じたものを「×」と判定した。
以下の表1に、評価結果を纏める。
Figure 2023179969000002
表1に示すように、実施例1乃至11に係るフィルムは、YI、Tt、屈曲性及び帯電防止性の全てについて優れた性能を示した。これに対し、比較例1乃至9に係るフィルムは、YI、Tt、屈曲性および帯電防止性の少なくとも1つの性能が不十分であった。
本発明はフラットパネルディスプレイやフォルダブルデバイス等に用いる帯電防止性フィルムとして利用できる。
10…帯電防止フィルム
100…フィルム製造装置
110…巻出ロール
120…キャリアフィルム
130a乃至130e…ガイドロール
140…バックアップロール
150…ダイヘッド
160…電離放射線照射機
170…ヒータ
180…剥離ロール
190a及び190b…巻取ロール

Claims (14)

  1. 自立膜としての帯電防止フィルムであって、エポキシ樹脂(A)と硬化促進剤(B)と導電性高分子(C)とを含んだ樹脂組成物の硬化物からなり、前記硬化促進剤(B)の量が、エポキシ樹脂(A)100質量%に対して0.005乃至5質量%であり、前記導電性高分子(C)の量が、前記エポキシ樹脂(A)と前記硬化促進剤(B)との合計量100質量%に対して0.4乃至8質量%の範囲内にある帯電防止フィルム。
  2. 前記エポキシ樹脂(A)は、前記エポキシ樹脂(A)の全量を100質量%としたとき、フェノキシ樹脂であるエポキシ樹脂(A1)50乃至100質量%と、分子内に2個以上のエポキシ基を有する、前記エポキシ樹脂(A1)とは異なるエポキシ樹脂(A2)0乃至50質量%とを含有する請求項1に記載の帯電防止フィルム。
  3. 前記エポキシ樹脂(A1)はエポキシ当量が3000乃至20000g/当量である請求項2に記載の帯電防止フィルム。
  4. 前記エポキシ樹脂(A2)はエポキシ当量が50乃至500g/当量である請求項2に記載の帯電防止フィルム。
  5. 前記エポキシ樹脂(A1)は重量平均分子量が1000乃至100000である請求項3に記載の帯電防止フィルム。
  6. 前記エポキシ樹脂(A2)は重量平均分子量が100乃至10000である請求項4に記載の帯電防止フィルム。
  7. 前記硬化促進剤(B)がイミダゾール系骨格を有する請求項1、5、6のいずれかに記載の帯電防止フィルム。
  8. 前記硬化促進剤(B)は2-エチル-4-メチルイミダゾールである請求項7に記載の帯電防止フィルム。
  9. 前期導電性高分子(C)が少なくともポリチオフェン類、ポリピロール類、ポリアニリン類のπ共役系導電性高分子からなる請求項8に記載の帯電防止フィルム。
  10. 表面抵抗率が3×10乃至1×1011Ω/sqの範囲である請求項9に記載の帯電防止フィルム。
  11. 全光線透過率Ttが90%以上である請求項10に記載の帯電防止フィルム。
  12. 膜厚が1乃至250μmの範囲内にある請求項11に記載の帯電防止フィルム。
  13. 請求項12に記載の帯電防止フィルムを備えた光学フィルム。
  14. 請求項13に記載の帯電防止フィルムを備えた画像表示装置。
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