JP2023176374A - 誘導炉および誘導炉の状態取得方法 - Google Patents

誘導炉および誘導炉の状態取得方法 Download PDF

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Abstract

【課題】目視また測定などの作業者による炉の確認作業を行わなくても、炉の状態を取得可能な誘導炉を提供する。【解決手段】この誘導炉100は、耐火物によって形成され、溶解原料Mが内側に投入される炉本体部10と、炉本体部10の外周を取り囲むように巻回され、誘導加熱によって溶解原料を溶解させる誘導加熱コイル20と、制御部30とを備える。制御部30は、誘導加熱コイル20の負荷抵抗値または電圧に基づいて、炉の状態を取得する制御を行う。【選択図】図1

Description

この発明は、誘導炉および誘導炉の状態取得方法に関し、特に、耐火物によって形成され、溶解原料が内側に投入される炉本体部を備える誘導炉および誘導炉の状態取得方法に関する。
従来、耐火物によって形成され、溶解原料が内側に投入される炉本体部を備える誘導炉が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
上記特許文献1には、耐火物によって形成され、溶解原料が内側に投入される炉本体部と、誘導コイルとを備える誘導炉が開示されている。この誘導炉は、誘導加熱コイルによる誘導加熱によって、炉本体部の内側に投入された溶解原料を溶解させている。
特表2012-505365号公報
ここで、上記特許文献1には記載されていないが、従来の誘導炉においては、炉本体部の内側における溶解原料の溶解状態、および、炉本体部の劣化の状態などの炉の状態を取得するために、目視また測定などの作業者による炉の確認作業を行う必要がある。そのため、目視また測定などの作業者による炉の確認作業を行わなくても、炉の状態を取得可能な誘導炉および誘導炉の状態取得方法が望まれている。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、目視また測定などの作業者による炉の確認作業を行わなくても、炉の状態を取得可能な誘導炉および誘導炉の状態取得方法を提供することである。
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面による誘導炉は、耐火物によって形成され、溶解原料が内側に投入される炉本体部と、炉本体部の外周を取り囲むように巻回され、誘導加熱によって溶解原料を溶解させる誘導加熱コイルと、誘導加熱コイルの負荷抵抗値または電圧に基づいて、炉の状態を取得する制御を行う制御部と、を備える。
上記第1の局面による誘導炉は、上記のように、誘導加熱コイルの負荷抵抗値または電圧に基づいて、炉の状態を取得する制御を制御部によって行う。ここで、本願発明者は、炉本体部の内側における溶解原料の溶解状態、および、炉本体部の劣化の状態などの炉の状態の変化に応じて、誘導加熱コイルの負荷抵抗値および電圧が変化する点に着目して、炉の状態と誘導加熱コイルの負荷抵抗値との間の関係に基づいて、炉の状態を制御部によって取得することができることを見出した。これにより、誘導加熱コイルの負荷抵抗値または電圧に基づいて、制御部による炉の状態が取得されるので、目視また測定などの作業者による炉の確認作業を行わなくても、炉の状態を取得することができる。
上記第1の局面による誘導炉において、好ましくは、制御部は、誘導加熱コイルの負荷抵抗値に基づいて、炉本体部の劣化の状態、および、炉本体部の内側における溶解原料の溶解状態の少なくとも一方を含む炉の状態を取得する制御を行う。このように構成すれば、作業者による炉の確認作業を行わなくても、炉本体部の劣化の状態、および、炉本体部の内側における溶解原料の溶解状態の少なくとも一方を制御部によって取得することができる。
上記第1の局面による誘導炉において、好ましくは、制御部は、所定期間毎の負荷抵抗値の変化に基づいて、炉本体部の劣化の状態を取得する。このように構成すれば、所定期間毎の負荷抵抗値の変化から、炉本体部の劣化の推移を取得することができる。
この場合、好ましくは、制御部は、所定期間毎の負荷抵抗値の変化としての所定期間毎の負荷抵抗値の最低値の変化に基づいて、炉本体部の劣化の状態を取得する。このように構成すれば、所定期間内において、異常に高い負荷抵抗値(ノイズ)が取得された場合でも、ノイズによる影響を排除することができる。その結果、より精度よく炉本体部の劣化の状態を取得することができる。
上記第1の局面による誘導炉において、好ましくは、制御部は、溶解原料の投入開始から出湯までの稼働中における単位時間当たりの負荷抵抗値の変化に基づいて、炉本体部の内側における溶解原料の溶解状態を取得する。このように構成すれば、誘導炉の稼働中において、炉本体部の内側における溶解原料の溶解状態の変化を取得することができる。
上記制御部が溶解原料の投入開始から出湯までの稼働中における単位時間当たりの負荷抵抗値の変化に基づいて、炉本体部の内側における溶解原料の溶解状態を取得する構成において、好ましくは、制御部は、溶解原料の投入開始から出湯までの稼働中における単位時間当たりの負荷抵抗値の減少に基づいて、炉本体部の内側における溶解原料が過少の状態であるか否かを判定する制御を行う。このように構成すれば、制御部によって、炉本体部の内側における溶解原料が過少の状態であると判定された場合に、溶解原料を投入することによって、効率よく溶解原料を溶解させることができる。その結果、炉本体部の定格容量分の溶解原料をより短時間で溶解させることができるので、誘導加熱コイルの消費電力の増大を抑制することができる。
この場合、制御部は、炉本体部の内側における溶解原料が過少の状態が所定時間以上継続する場合には、溶解原料が炉本体部内においてアーチを形成することにより、溶解原料が落下しない棚吊り状態であると判定する制御を行う。このように構成すれば、作業者が目視によって確認しなくても、棚吊り状態であることが制御部によって検知される。その結果、炉の状態が棚吊り状態となった場合に、作業者は、迅速に棚吊り状態を解消する処置を行うことができる。
上記第1の局面による誘導炉において、好ましくは、制御部は、誘導加熱コイルの負荷抵抗値に基づいて、炉本体部の劣化の状態、および、炉本体部の内側における溶解原料の溶解状態の両方を含む炉の状態を取得する制御を行う。このように構成すれば、作業者による炉の確認作業を行わなくても、誘導加熱コイルの負荷抵抗値に基づいて、炉本体部の劣化の状態、および、炉本体部の内側における溶解原料の溶解状態の両方を制御部によって取得することができる。また、炉本体部の劣化の状態、および、炉本体部の内側における溶解原料の溶解状態のいずれも、誘導加熱コイルの負荷抵抗値に基づいて取得することができる。これにより、異なる指標に基づいて取得する場合に比べて、炉本体部の劣化の状態、および、炉本体部の内側における溶解原料の溶解状態の両方をより容易に取得することができる。
上記第1の局面による誘導炉において、好ましくは、誘導加熱コイルは、炉本体部の深さ方向に沿って並んで配置される複数の誘導加熱コイルを含み、制御部は、複数の誘導加熱コイルの各々の負荷抵抗値に基づいて、深さ方向における複数の誘導加熱コイルの各々の位置に対応する炉本体部の劣化の状態、および、深さ方向における複数の誘導加熱コイルの各々の位置に対応する炉本体部の内側における溶解原料の溶解状態のうちの少なくとも一方を取得する制御を行う。このように構成すれば、深さ方向における複数の誘導加熱コイルの各々の位置に対応する炉本体部の劣化の状態を取得する制御が行われる場合には、1つの誘導加熱コイルの負荷抵抗値に基づいて、炉本体部全体の劣化の状態を取得する場合に比べて、炉本体部に発生する局所的な劣化(摩耗)および劣化(摩耗)の発生箇所を容易に取得することができる。また、深さ方向における複数の誘導加熱コイルの各々の位置に対応する炉本体部の内側における溶解原料の溶解状態を取得する制御が行われる場合には、深さ方向における溶解原料の溶解状態の変化を取得することができる。その結果、棚吊り状態などの炉本体部の内側における異常箇所を容易に発見することができる。
上記第1の局面による誘導炉において、好ましくは、制御部は、取得した炉の状態の情報を出力し、制御部が出力した炉の状態の情報に基づいて、炉の状態を報知する報知部をさらに備える。このように構成すれば、報知部による報知によって、作業者は、炉の状態を容易に把握することができる。
この発明の第2の局面による誘導炉の状態取得方法は、耐火物によって形成される炉本体部の外周を取り囲むように巻回される誘導加熱コイルの誘導加熱によって、溶解原料を溶解させる誘導加熱ステップと、誘導加熱コイルの負荷抵抗値を取得する取得ステップと、取得ステップにおいて取得した負荷抵抗値に基づいて、炉の状態を取得する状態取得ステップと、を備える。
上記第2の局面による誘導炉の状態取得方法では、上記のように、負荷抵抗値に基づいて、炉の状態を取得されるので、目視また測定などの作業者による炉の確認作業を行わなくても、炉の状態を取得することができる。
本発明によれば、上記のように、目視また測定などの作業者による炉の確認作業を行わなくても、炉の状態を取得可能な誘導炉および誘導炉の状態取得方法を提供することができる。
本発明の第1実施形態による誘導炉を示した模式図である。 耐火物(炉本体部)厚さの推移の一例を示したグラフである。 炉本体部厚さと負荷抵抗値変化率との関係を示したグラフである。 第1実施形態による誘導炉の表示部による表示の一例を示した図である。 第1実施形態の表示部に表示される耐火物(炉本体部)厚さの推移のグラフの一例を示した図である。 1サイクルにおける負荷抵抗値の変化を示したグラフ、および、1サイクルにおける負荷抵抗値変化率の変化を示したグラフの対応を示した図である。 材料過少状態における表示の一例を示した図である。 棚吊り状態における表示の一例を示した図である。 第1実施形態の制御部による耐火物厚さ(摩耗度)取得処理の一例を示したフローチャートである。 第1実施形態の制御部による炉内状態取得処理の一例を示したフローチャートである。 本発明の第2実施形態による誘導炉を示した模式図である。 第2実施形態による誘導炉において、局所的な摩耗が発生した場合の深さ方向における負荷抵抗値の変化を示した図である。 第2実施形態による誘導炉において、棚吊り状態が発生した場合の深さ方向における負荷抵抗値の変化を示した図である。
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
図1を参照して、本発明の第1実施形態による誘導炉100の全体構成について説明する。
誘導炉100は、炉本体部10と、誘導加熱コイル20と、制御部30とを備える。また、誘導炉100は、電流検出部40と、記憶部50とを備える。
炉本体部10は、耐火物によって形成され、溶解原料Mが内側に投入される。炉本体部10は、たとえば、アルミナ、または、シリカなどのセラミックスを含む耐火物によって形成された坩堝である。また、溶解原料Mは、たとえば、金属である。誘導加熱コイル20は、炉本体部10の外周を取り囲むように巻回され、誘導加熱によって溶解原料Mを溶解させる。溶解原料Mは、炉本体部10の内側において溶解して、溶湯Maとなる。
なお、本明細書中においては、炉本体部10の深さ方向をY方向とする。そして、炉本体部10に対して炉蓋11が配置される側をY1方向とし、炉本体部10の底壁10a側をY2方向とする。また、Y方向と直交するX方向における一方側をX1方向とし、X方向における他方側をX2方向とする。そして、X方向に沿った軸線回りに、炉本体部10全体が傾くことによって、出湯口10bから溶湯Maが出湯する。
制御部30は、誘導炉100全体の制御を行う。制御部30は、誘導加熱コイル20の負荷抵抗値に基づいて、炉の状態を取得する制御を行う。また、制御部30は、取得した炉の状態の情報を出力する。第1実施形態では、制御部30は、炉の状態として、炉本体部10(耐火物)の劣化の状態、および、炉本体部10の内側における溶解原料Mの溶解状態を取得する制御を行う。制御部30は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)などを含む。制御部30は、たとえば、プロセッサである。
電流検出部40は、誘導加熱コイル20に流れる電流を検出する。制御部30は、電流検出部40によって検出された電流値に基づいて、誘導加熱コイル20に流れる電流を制御するフィードバック制御を行う。また、制御部30は、電流検出部40によって検出された電流値に基づいて、誘導加熱コイル20の負荷抵抗値を取得する。具体的には、制御部30は、使用電力を電流値の二乗で除算することによって、誘導加熱コイル20の負荷抵抗値を算出する。
記憶部50は、不揮発性のメモリ、ハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)、または、SSD(Solid State Drive)などを含む。記憶部50には、制御部30による各種制御を行うためのプログラムが記憶されている。また、記憶部50には、制御部30が取得した誘導加熱コイル20の負荷抵抗値が記憶される。
また、誘導炉100は、表示部61と、警告ランプ62と、ブザー63とを備える。表示部61、警告ランプ62およびブザー63は、制御部30が出力した炉の状態の情報に基づいて、炉の状態を報知する。なお、表示部61、警告ランプ62およびブザー63は、特許請求の範囲の「報知部」の一例である。
表示部61は、炉本体部10の内側における溶解原料Mの溶解状態に異常(炉内異常)が発生した場合に、画像の表示によって、炉本体部10の内側における溶解原料Mの溶解状態の異常の発生を作業者に報知する。表示部61は、たとえば、液晶ディスプレイまたは有機ELディスプレイを含む。また、表示部61は、炉本体部10の劣化の状態を画像によって表示する。表示部61による表示の詳細については後述する。
警告ランプ62は、炉本体部10の内側における溶解原料Mの溶解状態に異常が発生した場合に、点灯または点滅することによって、炉本体部10の内側における溶解原料Mの溶解状態の異常の発生を作業者に報知する。
ブザー63は、炉本体部10の内側における溶解原料Mの溶解状態に異常が発生した場合に、炉本体部10の内側における溶解原料Mの溶解状態の異常の発生を音によって、作業者に報知する。
また、誘導炉100は、操作部70を備える。操作部70は、操作盤、または、表示部61に設けられるタッチパネルなどの入力装置を含む。操作部70は、作業者による入力操作を受け付け、受け付けた入力操作に基づく信号を制御部30に出力する。
また、誘導炉100は、炉本体部10内の溶湯Maを含む溶解原料Mの重量を測定する重量測定部を備えてもよい。
制御部30は、誘導加熱コイル20の負荷抵抗値に基づいて、炉本体部10の劣化の状態を含む炉の状態を取得する制御を行う。また、制御部30は、誘導加熱コイル20の負荷抵抗値に基づいて、炉本体部10の内側における溶解原料Mの溶解状態を含む炉の状態を取得する制御を行う。すなわち、第1実施形態では、制御部30は、誘導加熱コイル20の負荷抵抗値に基づいて、炉本体部10の劣化の状態、および、炉本体部10の内側における溶解原料Mの溶解状態の両方を含む炉の状態を取得する制御を行う。
(炉本体部の劣化の状態の取得および表示)
耐火物(炉本体部10)は、誘導炉100の稼働に伴って、摩耗して劣化していく。そして、炉本体部10の摩耗による劣化が、推奨される基準値まで進行した場合には、摩耗した炉本体部10を作り直すリライニング(再築炉)が行われる。したがって、適切なリライニング(再築炉)の時期を把握するために、炉本体部10の摩耗による劣化状態を取得する必要がある。
ここで、炉本体部10の摩耗による劣化が進行すると、誘導加熱コイル20の負荷抵抗値は増大する。具体的には、炉本体部10が摩耗すると炉本体部10の厚みが小さくなり、誘導加熱コイル20と溶湯Ma(溶解原料M)との間の距離が短くなる。そして、誘導加熱コイル20と溶湯Ma(溶解原料M)との間の距離が短くなり、誘導加熱コイル20と溶湯Ma(溶解原料M)との間の電気的な結合が強くなることに起因して、見かけの抵抗値が大きくなる。すなわち、炉本体部10の厚みの変化と、誘導加熱コイル20の負荷抵抗値との間には相関関係がある。そのため、溶解を繰り返し、耐火物(炉本体部10)が摩耗すると負荷抵抗が大きくなり、図2に示すように、摩耗した炉本体部10を作り直すリライニング(再築炉)が行われると、炉本体部10の厚みが増し(基準値に戻り)、誘導加熱コイル20の負荷抵抗値が小さくなる。
また、誘導炉100の炉本体部10の設計時における計算において、耐火物によって形成される炉本体部10の厚み(誘導加熱コイル20と溶湯Maとの間の距離)から、負荷抵抗値が算出される。すなわち、様々な炉本体部10の厚みに応じた負荷抵抗値が算出される。そして、炉本体部10の厚み(誘導加熱コイル20と溶湯Maとの間の距離)と、算出した負荷抵抗値とに基づいて、図3に示すようなグラフを作成することができる。そして、図3に示すようなグラフにより、誘導加熱コイル20の負荷抵抗値から耐火物(炉本体部10)の厚みを算出するためのパラメータを取得することができる。
制御部30は、所定期間毎の負荷抵抗値の変化に基づいて、炉本体部10の劣化の状態を取得する。具体的には、制御部30は、所定期間毎の負荷抵抗値の変化としての所定期間毎の負荷抵抗値の最低値の変化に基づいて、炉本体部10の劣化の状態を取得する。たとえば、制御部30は、誘導炉100の稼働日毎に負荷抵抗値の最低値を取得する。そして、制御部30は、取得した稼働日毎の負荷抵抗値の最低値を記憶部50に記憶させる。制御部30は、記憶部50に記憶させた稼働日ごとの負荷抵抗値の最低値に基づいて、耐火物(炉本体部10)の厚さを取得して、稼働日ごとの耐火物の厚さ(摩耗度)の推移を作成する。具体的には、制御部30は、築炉時またはリライニング(再築炉)時などの摩耗前の耐火物の厚みを100%(基準値)とした稼働日毎の耐火物の厚さの推移を作成する。
表示部61には、図4に示すように、誘導炉100による消費電力などを示す画像61aが表示される。また、画像61aには、誘導炉100による消費電力などとともに、耐火物(炉本体部10)の摩耗度が示される。図4に示す例では、耐火物(炉本体部10)の摩耗度として、基準となる耐火物の厚みに対する現在の耐火物の厚みの割合である「95%」が示されている。
また、作業者は、操作部70を介して、「推移詳細」を確認する操作を行うことによって、稼働日毎の耐火物の厚さ(摩耗度)の推移を把握することができる。具体的には、図5に示すように、制御部30によって作成された稼働日毎の耐火物の厚さの推移を示すグラフ61bが、制御部30の制御によって表示部61に表示される。そして、作業者は、表示部61に表示される稼働日毎の耐火物の厚さの推移を示すグラフ61b、または、表示部61に表示される耐火物の厚さ(摩耗度)に基づく数値を視認することによって、稼働日毎の耐火物の厚さの推移を容易に把握することができる。なお、グラフ61b(図5参照)は、縦軸を耐火物厚さとして示しているが、縦軸を摩耗度として示してもよい。
制御部30は、溶解原料Mの投入開始から出湯までの稼働中における単位時間当たりの負荷抵抗値の変化に基づいて、炉本体部10の内側における溶解原料Mの溶解状態を取得する。具体的には、制御部30は、溶解原料Mの投入開始から出湯までの稼働中における単位時間当たりの負荷抵抗値の減少に基づいて、炉本体部10の内側における溶解原料Mが過少の状態であるか否かを判定する制御を行う。
(炉内状態の取得および表示)
ここで、溶解原料Mが溶解して溶湯Maの状態になることによって、炉本体部10の内側に投入された溶解原料Mの体積は溶解前に比べて減少する。そして、炉本体部10の定格容量に対して、溶湯Maの状態を含む溶解原料Mの体積が小さい場合には、電気的な結合状態が弱くなり見かけ上の抵抗値が低下する。すなわち、炉本体部10の定格容量に対して、溶解原料Mが十分に投入されている場合には、誘導加熱コイル20の負荷抵抗値は高くなる。一方で、炉本体部10の定格容量に対して、溶解原料Mが十分に投入されていない場合には、誘導加熱コイル20の負荷抵抗値は低くなる。
制御部30は、溶解原料Mの炉本体部10への投入開始から、誘導炉100の定格容量分の溶解原料Mが溶湯Maになり、出湯口10bから出湯されるまでの1サイクル(1チャージ)中において、所定の時間間隔毎に誘導加熱コイル20の負荷抵抗値を取得する。制御部30は、たとえば、数分毎から数秒毎の所定の時間間隔毎に誘導加熱コイル20の負荷抵抗値を取得する。また、制御部30は、定格電力が与えられている場合における負荷抵抗値を所定の時間間隔毎に取得する。また、制御部30は、1サイクルにおける負荷抵抗値の最低値を記憶部50に記憶させる制御を行う。具体的には、炉本体部10内に定格重量分の溶解原料M(溶湯Ma)が収まっており、かつ、定格電力が与えられている場合における負荷抵抗値の最低値を、1サイクル毎に記憶部50に記憶させる制御を行う。なお、溶解原料Mの重量は、溶湯Maの湯面高さを、センサを用いて計測することによって取得されてもよいし、作業者が炉本体部10に投入した溶解原料Mの重量を入力することによって取得されてもよい。また、誘導炉100が、溶解原料Mの重量を測定する重量測定部を備える場合には、重量測定部の測定結果に基づいて、溶解原料Mの重量が取得されてもよい。また、電力の取得については、たとえば、受電点電力が用いられる。そして、制御部30は、サイクル毎の負荷抵抗値の最低値のうち、1稼働日における負荷抵抗値の最低値を記憶部50に記憶させる制御を行う。
そして、制御部30は、溶解原料Mの投入開始から出湯までの稼働中における単位時間当たりの負荷抵抗値の減少率が、所定の材料過少閾値を超えた場合には、炉本体部10の内側における溶解原料Mが過少の状態であると判定して、炉内異常警報を発する制御を行う。図6に示す例では、負荷抵抗値変化率が、前回測定時の値から、所定の材料過少閾値を超えるようにマイナス方向に変化した経過時間t1、t3およびt5に各々において、炉内異常警報が発せられる。
表示部61は、制御部30が出力した炉の状態の情報に基づいて、炉の状態が材料過少状態であることを表示する。具体的には、制御部30によって炉本体部10の内側における溶解原料Mが過少の状態である材料過少状態であると判定された場合には、図7に示すように、炉内異常警報として、info欄に「材料過少」と示された画像61cを表示部61に表示する制御が制御部30によって行われる。また、警告ランプ62およびブザー63は、制御部30によって材料過少状態であると判定された場合には、炉内異常警報として、警告ランプ62およびブザー63による報知が制御部30によって行われる。
そして、制御部30は、溶解原料Mの追加投入などに起因して、溶解原料Mの投入開始から出湯までの稼働中における単位時間当たりの負荷抵抗値が上昇に転じた場合には、炉内異常警報を解除する制御を行う。図6に示す例では、経過時間t2、t4およびt6において、経過時間t1、t3およびt5のそれぞれにおいて発せられた炉内異常警報を解除する制御が制御部30によって行われる。
また、制御部30は、溶解原料Mが過少の状態であるか否かに加えて、溶解原料M(溶解原料Mb)が炉本体部10内においてアーチを形成(構築)することにより、溶解原料Mが落下しない棚吊り状態(図13参照)であるか否かを判定する制御を行う。具体的には、溶解原料Mbは、誘導加熱によって発生する渦電流が、複数の溶解原料M同士の点接触部分に流れ、複数の溶解原料M同士がスポット溶接されることに起因して、炉本体部10内において、複数の溶解原料M同士が絡まるようにして、アーチを形成している。
制御部30は、炉本体部10の内側における溶解原料Mが過少の状態が所定時間以上継続する場合には、棚吊り状態であると判定する制御を行う。具体的には、制御部30は、炉本体部10の内側における溶解原料Mが過少の状態が所定時間以上継続した場合に、棚吊り状態であると判定する。また、制御部30は、炉本体部10の内側における溶解原料Mが過少の状態が所定時間以上継続した場合、かつ、溶解原料Mの投入開始から出湯までの稼働中における単位時間当たりの負荷抵抗値の減少が、所定の材料過少閾値よりも大きな値に設定された所定の棚吊り閾値を超えた場合に、棚吊り状態であると判定してもよい。
表示部61は、制御部30が出力した炉の状態の情報に基づいて、炉の状態が棚吊り状態であることを表示する。具体的には、制御部30によって棚吊り状態であると判定された場合には、図8に示すように、炉内異常警報として、info欄に「棚吊り発生」と示された画像61dを表示部61に表示する制御が制御部30によって行われる。また、警告ランプ62およびブザー63は、制御部30によって棚吊り状態であると判定された場合には、炉内異常警報として、警告ランプ62およびブザー63による報知が制御部30によって引き続き行われる。なお、警告ランプ62による報知は、材料過少状態であると判定されている場合と、棚吊り状態であると判定されている場合との間において、点灯または点滅するランプの色を変える、または、点灯と点滅とを切り替えるなどして報知の方法を変更する。また、ブザー63による報知は、材料過少状態であると判定されている場合と、棚吊り状態であると判定されている場合との間において、発する音を変更するなどして報知の方法を変更する。なお、制御部30は、表示部61、警告ランプ62およびブザー63の各々による報知の有無を切り替え可能である。
そして、制御部30が炉内異常警報を発する制御を行ってから、所定の稼働停止閾値を超える時間が経過した場合には、制御部30の制御によって、誘導炉100の稼働が停止する。具体的には、制御部30の制御によって、誘導加熱コイル20による誘導加熱が停止させられる。
(耐火物厚さ取得処理)
図9を参照して、制御部30による耐火物厚さ(摩耗度)取得処理の処理フローについて説明する。
ステップS1において、誘導炉100は、誘導加熱コイル20による誘導加熱を開始する。ステップS1では、耐火物によって形成される炉本体部10の外周を取り囲むように巻回される誘導加熱コイル20の誘導加熱によって、溶解原料Mが溶解する。なお、ステップS1は、特許請求の範囲の「誘導加熱ステップ」の一例である。
ステップS2において、誘導加熱コイル20の負荷抵抗値が取得される。制御部30は、電流検出部40によって検出した誘導加熱コイル20の電流値を用いて、誘導加熱コイル20の負荷抵抗値を算出する。なお、ステップS2は、特許請求の範囲の「取得ステップ」の一例である。
ステップS3において、負荷抵抗値の最低値が取得される。ステップS3では、制御部30が算出(取得)した負荷抵抗値のうち、稼働日毎などの所定期間毎の最低値を取得する。そして、制御部30が取得した所定期間毎の負荷抵抗値の最低値は、記憶部50に記憶される。
ステップS4において、耐火物の厚さ(摩耗度)が取得される。ステップS4では、制御部30が、ステップS2~S3において取得した負荷抵抗値に基づいて、炉本体部10の劣化状態(炉の状態)として、耐火物(炉本体部10)の厚さを取得する。具体的には、制御部30は、記憶部50に記憶された所定期間(稼働日)毎の負荷抵抗値の最低値に基づいて取得した所定期間毎の耐火物の厚さをプロットした耐火物の厚さの推移(図5参照)を作成する。なお、ステップS4は、特許請求の範囲の「状態取得ステップ」の一例である。
(炉内状態取得処理)
図10を参照して、制御部30による炉内状態取得処理の処理フローについて説明する。
ステップS11において、誘導炉100は、誘導加熱コイル20による誘導加熱を開始する。ステップS11では、耐火物によって形成される炉本体部10の外周を取り囲むように巻回される誘導加熱コイル20の誘導加熱によって、溶解原料Mが溶解する。なお、ステップS11は、特許請求の範囲の「誘導加熱ステップ」の一例である。
ステップS12において、誘導加熱コイル20の負荷抵抗値が取得される。なお、ステップS12は、特許請求の範囲の「取得ステップ」の一例である。
ステップS13において、炉内状態が取得される。ステップS13では、ステップS12において取得した負荷抵抗値に基づいて、制御部30が炉本体部10の内側における溶解原料Mの溶解状態(炉の状態)を取得する。なお、ステップS13は、特許請求の範囲の「状態取得ステップ」の一例である。
ステップS14において、材料過少であるか否かが判定される。ステップS14では、前述したように、制御部30は、溶解原料Mの投入開始から出湯までの稼働中における単位時間当たりの負荷抵抗値の減少に基づいて、炉本体部10の内側における溶解原料Mが過少の状態であるか否かを判定する制御を行う。ステップS14において、材料過少であると判定された場合には、処理ステップは、ステップS15に移行する。また、ステップS14において、材料過少でないと判定された場合には、ステップS14の処理が繰り返される。
ステップS15において、材料過少状態であることが報知される。ステップS15では、制御部30の制御によって、前述したような、表示部61、警告ランプ62およびブザー63による材料過少状態の報知が行われる。
ステップS16において、材料過少状態が所定時間以上継続しているか否かが判定される。ステップS16では、前述したように、制御部30は、炉本体部10の内側における溶解原料Mが過少の状態が所定時間以上継続する場合には、棚吊り状態であると判定する制御を行う。ステップS16において、材料過少状態が所定時間以上継続していると判定された場合には、処理ステップは、ステップS17に移行する。また、ステップS16において、材料過少状態が所定時間以上継続していないと判定された場合には、処理ステップは、ステップS14に戻る。
ステップS17において、棚吊り状態であることが報知される。ステップS17では、制御部30の制御によって、前述したような、表示部61、警告ランプ62およびブザー63による棚吊り状態の報知が行われる。
ステップS18において、炉内異常が所定時間以上継続しているか否かが判定される。ステップS18では、前述したように、制御部30は、炉内異常警報を発する制御を行ってから、所定の稼働停止閾値を超える時間が経過しているか否かを判定する制御を行う。ステップS18において、炉内異常警報を発する制御を行ってから、所定の稼働停止閾値を超える時間が経過して、炉内異常が所定時間以上継続していると判定された場合には、処理ステップは、ステップS19に移行する。また、ステップS18において、炉内異常が所定時間以上継続していないと判定された場合には、処理ステップは、ステップS14に戻る。
ステップS19において、誘導炉100の稼働が停止される。ステップS19では、制御部30の制御によって、誘導炉100の稼働が停止する。
(第1実施形態の効果)
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第1実施形態では、誘導加熱コイル20の負荷抵抗値に基づいて、炉の状態が取得される。これにより、誘導加熱コイル20の負荷抵抗値に基づいて、制御部30による炉の状態が取得されるので、目視また測定などの作業者による炉の確認作業を行わなくても、炉の状態を取得することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、制御部30は、誘導加熱コイル20の負荷抵抗値に基づいて、炉本体部10の劣化の状態、および、炉本体部10の内側における溶解原料Mの溶解状態の両方を含む炉の状態を取得する制御を行う。これにより、作業者による炉の確認作業を行わなくても、炉本体部10の劣化の状態、および、炉本体部10の内側における溶解原料Mの溶解状態の両方を制御部30によって取得することができる。また、炉本体部10の劣化の状態、および、炉本体部10の内側における溶解原料Mの溶解状態のいずれも、誘導加熱コイル20の負荷抵抗値に基づいて取得することができる。これにより、異なる指標に基づいて取得する場合に比べて、炉本体部10の劣化の状態、および、炉本体部10の内側における溶解原料Mの溶解状態の両方をより容易に取得することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、制御部30は、所定期間毎の負荷抵抗値の変化に基づいて、炉本体部10の劣化の状態を取得する。これにより、所定期間毎の負荷抵抗値の変化から、炉本体部10の劣化の推移を取得することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、制御部30は、所定期間毎の負荷抵抗値の変化としての所定期間毎の負荷抵抗値の最低値の変化に基づいて、炉本体部10の劣化の状態を取得する。これにより、所定期間内において、異常に高い負荷抵抗値(ノイズ)が取得された場合でも、ノイズによる影響を排除することができる。その結果、より精度よく炉本体部10の劣化の状態を取得することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、制御部30は、溶解原料Mの投入開始から出湯までの稼働中における単位時間当たりの負荷抵抗値の変化に基づいて、炉本体部10の内側における溶解原料Mの溶解状態を取得する。これにより、誘導炉100の稼働中において、炉本体部10の内側における溶解原料Mの溶解状態の変化を取得することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、制御部30は、溶解原料Mの投入開始から出湯までの稼働中における単位時間当たりの負荷抵抗値の減少に基づいて、炉本体部10の内側における溶解原料Mが過少の状態であるか否かを判定する制御を行う。これにより、制御部30によって、炉本体部10の内側における溶解原料Mが過少の状態であると判定された場合に、溶解原料Mを投入することによって、効率よく溶解原料Mを溶解させることができる。その結果、炉本体部10の定格容量分の溶解原料Mをより短時間で溶解させることができるので、誘導加熱コイル20の消費電力の増大を抑制することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、制御部30は、炉本体部10の内側における溶解原料Mが過少の状態が所定時間以上継続する場合には、溶解原料Mが炉本体部10内においてアーチを形成することにより、溶解原料Mが落下しない棚吊り状態であると判定する制御を行う。これにより、作業者が目視によって確認しなくても、棚吊り状態であることが制御部30によって検知される。その結果、炉の状態が棚吊り状態となった場合に、作業者は、迅速に棚吊り状態を解消する処置を行うことができる。
また、第1実施形態では、上記のように、制御部30は、取得した炉の状態の情報を出力する。そして、誘導炉100は、制御部30が出力した炉の状態の情報に基づいて、炉の状態を報知する表示部61、警告ランプ62およびブザー63を備える。これにより、表示部61、警告ランプ62およびブザー63による報知によって、作業者は、炉の状態を容易に把握することができる。
[第2実施形態]
図11~図13を参照して、本発明の第2実施形態による誘導炉200の構成について説明する。なお、第1実施形態と同様の構成については、同じ符号を付し、説明を省略する。
第2実施形態において、図11に示すように、誘導炉200は、誘導加熱コイル220および検出部240を備える。誘導加熱コイル220は、炉本体部10の深さ方向(Y方向)に沿って並んで配置される誘導加熱コイル21、22、23、24、25、26、27および28を含む。なお、誘導加熱コイル21、22、23、24、25、26、27および28は、特許請求の範囲の「複数の誘導加熱コイル」の一例である。
また、検出部240は、誘導加熱コイル21、22、23、24、25、26、27および28のそれぞれに対応して設けられる検出器41、42、43、44、45、46、47および48を含む。
誘導炉200の制御部30は、誘導加熱コイル21~28の各々の負荷抵抗値を取得する。また、誘導炉200の制御部30は、誘導加熱コイル21~28の各々の負荷抵抗値から誘導加熱コイル220全体の負荷抵抗値を取得する。これにより、深さ方向(Y方向)における誘導加熱コイル21~28の各々の位置に対応する位置の炉本体部10の劣化の状態、および、炉本体部10の内側における溶解原料Mの溶解状態に加えて、炉本体部10全体の劣化の状態、および、炉本体部10の内側全体における溶解原料Mの溶解状態を取得することができる。
第2実施形態では、制御部30は、誘導加熱コイル21~28の各々の負荷抵抗値に基づいて、深さ方向(Y方向)における誘導加熱コイル21~28の各々の位置に対応する炉本体部10の劣化の状態を取得する制御を行う。
図12に示すように、炉本体部10の内壁10cにおいて、誘導加熱コイル26に対応する箇所に局所的な摩耗Kが発生して、誘導加熱コイル26に対応する箇所の炉本体部10(耐火物)の厚みが、他の箇所に比べて小さくなっている場合には、溶湯Maと誘導加熱コイル26との間の距離が、他の箇所に比べて短くなる。そのため、誘導加熱コイル26の負荷抵抗値が、誘導加熱コイル21~26および28に比べて大きくなる。これにより、深さ方向(Y方向)において、局所的な摩耗Kが発生している位置を特定することができる。
また、第2実施形態では、制御部30は、誘導加熱コイル21~28の各々の負荷抵抗値に基づいて、深さ方向(Y方向)における誘導加熱コイル21~28の各々の位置に対応する炉本体部10の内側における溶解原料Mの溶解状態を取得する制御を行う。
溶解原料Mbが棚吊り状態になっている部分の負荷抵抗値は、溶解原料Mが溶湯Maになっている部分の負荷抵抗値に比べて大きくなる。具体的には、図13に示すような例では、誘導加熱コイル22の負荷抵抗値は、誘導加熱コイル24~28の負荷抵抗値に比べて大きくなる。また、溶解原料Mbが棚吊り状態になっている部分と、溶解原料Mが溶湯Maになっている部分との間に形成される空気の領域A1の負荷抵抗値は、溶解原料Mが溶湯Maになっている部分の負荷抵抗値よりも小さくなる。また、溶解原料Mbが棚吊り状態になっている部分のY1方向側に形成される空気の領域A2の負荷抵抗値は、溶解原料Mが溶湯Maになっている部分の負荷抵抗値よりも小さくなる。具体的には、図13に示すような例では、誘導加熱コイル21および23の負荷抵抗値は、誘導加熱コイル24~28の負荷抵抗値に比べて小さくなる。
また、炉本体部10に投入されている溶解原料Mの重量、および、使用した電力量(与えたエネルギー量)に基づいて、溶湯Maである否かを推定することができる。具体的には、使用した電力量によって溶解原料Mの重量を除算した値と、溶解原料Mの物性値とによって、溶解原料Mの温度を算出して、溶解原料Mの状態を推定することができる。これにより、深さ方向(Y方向)における誘導加熱コイル21~28の各々の位置において、溶解原料Mの溶解状態を制御部30によって推定することができる。
第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
(第2実施形態の効果)
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第2実施形態では、上記第1実施形態と同様に、目視また測定などの作業者による炉の確認作業を行わなくても、炉の状態を取得することができる。
また、第2実施形態では、上記のように、誘導加熱コイル220は、炉本体部10の深さ方向(Y方向)に沿って並んで配置される誘導加熱コイル21~28を含む。そして、制御部30は、誘導加熱コイル21~28の各々の負荷抵抗値に基づいて、深さ方向における誘導加熱コイル21~28の各々の位置に対応する炉本体部10の劣化の状態、および、深さ方向における誘導加熱コイル21~28の各々の位置に対応する炉本体部10の内側における溶解原料Mの溶解状態の両方を取得する制御を行う。これにより、深さ方向における誘導加熱コイル21~28の各々の位置に対応する炉本体部10の劣化の状態が取得されるので、1つの誘導加熱コイルの負荷抵抗値に基づいて、炉本体部10全体の劣化の状態を取得する場合に比べて、炉本体部10に発生する局所的な摩耗Kおよび局所的な摩耗Kの発生箇所を容易に発見することができる。また、深さ方向における誘導加熱コイル21~28の各々の位置に対応する炉本体部10の内側における溶解原料Mの溶解状態が取得されるので、深さ方向における溶解原料Mの溶解状態の変化を取得することができる。その結果、棚吊り状態などの炉本体部10の内側における異常箇所を容易に発見することができる。
第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
[変形例]
今回開示された実施形態は、全ての点で例示であり制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記第1および第2実施形態では、誘導加熱コイル20の負荷抵抗値に基づいて、炉本体部10の劣化の状態、および、炉本体部10の内側における溶解原料Mの溶解状態の両方を含む炉の状態を取得する制御を行う例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、制御部は、誘導加熱コイルの負荷抵抗値に基づいて、炉本体部の劣化の状態のみを炉の状態として取得してもよい。また、制御部は、誘導加熱コイルの負荷抵抗値に基づいて、炉本体部の内側における溶解原料の溶解状態のみを炉の状態として取得してもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、制御部30は、所定期間毎の負荷抵抗値の変化に基づいて、炉本体部10の劣化の状態を取得する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、負荷抵抗値と予め設定された閾値との比較によって、炉本体部の劣化の状態が取得されてもよい。この場合、負荷抵抗値と予め設定された閾値との比較によって、炉本体部の劣化の状態がリライニング(再築炉)の基準を超えていると制御部によって判定された場合に、報知部による報知が行われてもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、制御部30は、所定期間毎の負荷抵抗値の変化としての所定期間毎の負荷抵抗値の最低値の変化に基づいて、炉本体部10の劣化の状態を取得する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御部は、所定期間毎の負荷抵抗値の平均値の変化に基づいて、炉本体部の劣化の状態を取得してもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、制御部30は、溶解原料Mの投入開始から出湯までの稼働中における単位時間当たりの負荷抵抗値の減少に基づいて、炉本体部10の内側における溶解原料Mが過少の状態であるか否かを判定する制御を行う例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御部は、溶解材料の投入開始からの経過時間に対する負荷抵抗値に基づいて、炉本体部の内側における溶解原料が過少の状態であるか否かを判定する制御を行ってもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、制御部30は、炉本体部10の内側における溶解原料Mが過少の状態が所定時間以上継続する場合には、棚吊り状態であると判定する制御を行う例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御部は、炉本体部の内側における溶解原料が過少の状態と、棚吊り状態とを個別に判定してもよい。
また、上記第2実施形態では、制御部30は、深さ方向における誘導加熱コイル21~28の各々の位置に対応する炉本体部10の劣化の状態、および、深さ方向における誘導加熱コイル21~28の各々の位置に対応する炉本体部10の内側における溶解原料Mの溶解状態の両方を取得する制御を行う例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御部は、深さ方向における複数の誘導加熱コイルの各々の位置に対応する炉本体部の劣化の状態のみを取得してもよい。また、制御部は、深さ方向における複数の誘導加熱コイルの各々の位置に対応する炉本体部の内側における溶解原料の溶解状態のみを取得してもよい。
また、上記第2実施形態では、誘導炉200は、炉本体部10の深さ方向(Y方向)に沿って並んで配置される8つのコイル(誘導加熱コイル21~28)を備える例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、炉本体部の深さ方向に沿って並んで配置される誘導加熱コイルは、2つ以上7つ以下であってもよいし、9つ以上であってもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、誘導炉100は、制御部30が出力した炉の状態の情報に基づいて、炉の状態を報知する表示部61、警告ランプ62およびブザー63を備える例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御部が出力した炉の状態の情報を、誘導炉とは別個に設けられるPC(Personal Computer)、タブレット端末、または、スマートフォンなどの情報端末が取得して、誘導炉とは別個に設けられる情報端末によって炉の状態が報知されてもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、説明の便宜上、本発明による耐火物厚さ(摩耗度)取得処理および炉内状態取得処理を処理フローに沿って順番に処理を行うフロー駆動型のフローチャートを用いて説明したが、本発明はこれに限られない。本発明では、耐火物厚さ取得処理および炉内状態取得処理における処理動作は、イベント単位で処理を実行するイベント駆動型(イベントドリブン型)の処理により行われてもよい。この場合、耐火物厚さ取得処理および炉内状態取得処理における処理動作は、完全なイベント駆動型により行われてもよいし、イベント駆動およびフロー駆動を組み合わせて行われてもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、制御部30は、炉本体部10の劣化の状態として、炉本体部10の摩耗による劣化を取得する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御部は、ひび割れなどの摩耗以外の劣化を炉本体部の劣化の状態として取得してもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、誘導加熱コイル20の負荷抵抗値に基づいて、炉の状態が取得される例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、誘導加熱コイルの電圧に基づいて、炉本体部の劣化の状態、および、炉本体部の内側における溶解原料の溶解状態などの炉の状態が取得されてもよい。この場合、誘導加熱コイルの電圧に基づいて、制御部による炉の状態が取得されるので、目視また測定などの作業者による炉の確認作業を行わなくても、炉の状態を取得することができる。
10 炉本体部
10c 内壁
20、220 誘導加熱コイル
21~28 誘導加熱コイル
30 制御部
61 表示部(報知部)
62 警告ランプ(報知部)
63 ブザー(報知部)
100、200 誘導炉
M 溶解原料

Claims (11)

  1. 耐火物によって形成され、溶解原料が内側に投入される炉本体部と、
    前記炉本体部の外周を取り囲むように巻回され、誘導加熱によって前記溶解原料を溶解させる誘導加熱コイルと、
    前記誘導加熱コイルの負荷抵抗値または電圧に基づいて、炉の状態を取得する制御を行う制御部と、を備える誘導炉。
  2. 前記制御部は、前記誘導加熱コイルの前記負荷抵抗値に基づいて、前記炉本体部の劣化の状態、および、前記炉本体部の内側における前記溶解原料の溶解状態の少なくとも一方を含む前記炉の状態を取得する制御を行う、請求項1に記載の誘導炉。
  3. 前記制御部は、所定期間毎の前記負荷抵抗値の変化に基づいて、前記炉本体部の劣化の状態を取得する、請求項1に記載の誘導炉。
  4. 前記制御部は、前記所定期間毎の前記負荷抵抗値の変化としての前記所定期間毎の前記負荷抵抗値の最低値の変化に基づいて、前記炉本体部の劣化の状態を取得する、請求項3に記載の誘導炉。
  5. 前記制御部は、前記溶解原料の投入開始から出湯までの稼働中における単位時間当たりの前記負荷抵抗値の変化に基づいて、前記炉本体部の内側における前記溶解原料の溶解状態を取得する、請求項1に記載の誘導炉。
  6. 前記制御部は、前記溶解原料の投入開始から出湯までの稼働中における単位時間当たりの前記負荷抵抗値の減少に基づいて、前記炉本体部の内側における前記溶解原料が過少の状態であるか否かを判定する制御を行う、請求項5に記載の誘導炉。
  7. 前記制御部は、前記炉本体部の内側における前記溶解原料が過少の状態が所定時間以上継続する場合には、前記溶解原料が前記炉本体部内においてアーチを形成することにより、前記溶解原料が落下しない棚吊り状態であると判定する制御を行う、請求項6に記載の誘導炉。
  8. 前記制御部は、前記誘導加熱コイルの前記負荷抵抗値に基づいて、前記炉本体部の劣化の状態、および、前記炉本体部の内側における前記溶解原料の溶解状態の両方を含む前記炉の状態を取得する制御を行う、請求項1に記載の誘導炉。
  9. 前記誘導加熱コイルは、前記炉本体部の深さ方向に沿って並んで配置される複数の前記誘導加熱コイルを含み、
    前記制御部は、前記複数の誘導加熱コイルの各々の前記負荷抵抗値に基づいて、前記深さ方向における前記複数の誘導加熱コイルの各々の位置に対応する前記炉本体部の劣化の状態、および、前記深さ方向における前記複数の誘導加熱コイルの各々の位置に対応する前記炉本体部の内側における前記溶解原料の溶解状態のうちの少なくとも一方を取得する制御を行う、請求項1に記載の誘導炉。
  10. 前記制御部は、取得した前記炉の状態の情報を出力し、
    前記制御部が出力した前記炉の状態の情報に基づいて、前記炉の状態を報知する報知部をさらに備える、請求項1~9のいずれか1項に記載の誘導炉。
  11. 耐火物によって形成される炉本体部の外周を取り囲むように巻回される誘導加熱コイルの誘導加熱によって、溶解原料を溶解させる誘導加熱ステップと、
    前記誘導加熱コイルの負荷抵抗値を取得する取得ステップと、
    前記取得ステップにおいて取得した前記負荷抵抗値に基づいて、炉の状態を取得する状態取得ステップと、を備える誘導炉の状態取得方法。
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