JP2023175457A - 薬剤揮散器及びホルダー - Google Patents
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Abstract
【課題】揮散体に触れずに容易に揮散体の取り替えが可能であり、傾いたりなどしても薬液が液体収容器外に漏れるのを抑制できる薬剤揮散器を提供することを目的とする。【解決手段】薬剤揮散器1は、液体収容器2と、液体収容器2の上端開口20を介して液体収容器2に挿入される揮散体5と、吸上部50が液体収容器2内で薬液に浸漬しかつ揮散部51が液体収容器2外で露出するよう揮散体5を保持するホルダー6とを備え。ホルダー6は第一部材7及び第二部材8を備える。第一部材7及び第二部材8は、揮散体5が抜ける挿通孔64を形成するように並んで液体収容器2の上端開口20を覆う第一蓋部材70及び第二蓋部材80と、揮散部51を挟持する第一挟持部材71及び第二挟持部材81とを備え、かつ、第一挟持部材71及び第二挟持部材81が接近して揮散部51を挟持する閉状態と第一挟持部材71及び第二挟持部材81が離隔する開状態に開閉可能である。【選択図】図2
Description
本開示は、芳香液、消臭液などの液状薬剤(本開示では「薬液」という。)に含まれる薬剤成分を揮散させる薬剤揮散器、及び、揮散体を保持するホルダーに関する。
薬液を用いる薬剤揮散器は、薬液を収容する液体収容器と、液体収容器に挿入される揮散体とを備える。揮散体は、一部分が液体収容器内の薬液に浸漬し、他の一部分が液体収容器上で露出しており、液体収容器内の薬液を吸い上げて薬液中の薬剤成分を液体収容器上で揮散させる。これにより、芳香効果、消臭効果などの薬効を外部空間に付与する。
薬液を用いる薬剤揮散器として、特許文献1に記載の薬剤揮散器のように、帯状の揮散体を用いたものが従来から知られている。帯状の揮散体を用いた薬剤揮散器は、帯状の揮散体を保持するホルダーを備えている。帯状の揮散体は、自立性が低くそれ自体では起立できないため、ホルダーに保持されることで液体収容器内において起立した状態に維持される。
また、薬液を用いる他の薬剤揮散器として、特許文献2に記載の薬剤揮散器のように、棒状の揮散体を用いたものも従来から知られている。棒状の揮散体を用いた薬剤揮散器では、棒状の揮散体は自立性が高いため、液体収容器の口部に立てかけられることで液体収容器内において起立した状態に維持される。
薬液を用いる薬剤揮散器は、液体収容器内の薬液が少量になった場合に薬液を詰め替えることにより、再利用が可能である。再利用の際には、揮散体についても新しいものに取り替えることが望ましい。
しかし、従来の帯状の揮散体を用いた薬剤揮散器では、帯状の揮散体はホルダーに強く巻き付けられることでホルダーに取り付けられている。よって、使用済みの帯状の揮散体をホルダーから取り外したり、新しい帯状の揮散体をホルダーに取り付ける作業が困難かつ手間である。そのうえ、使用済みの帯状の揮散体をホルダーから取り外す際にユーザの手が汚れるといった課題がある。上述した課題により、従来の帯状の揮散体を用いた薬剤揮散器は、薬液を詰め替えて再利用することが困難であった。
一方、従来の棒状の揮散体を用いた薬剤揮散器では、使用済みの棒状の揮散体を新しいものに取り替える際に、液体収容器を逆さにすればユーザは手を汚すことなく使用済みの棒状の揮散体を容易に廃棄することができる。また、新しい棒状の揮散体は液体収容器に挿入するだけでよいため、揮散体の取り換え作業が簡単である。しかし、従来の棒状の揮散体を用いた薬剤揮散器では、例えば物体が接触するなどして傾いたり倒れたりすると、液体収容器の口部から薬液が漏れ出す可能性がある。このような課題を解決するため、例えば液体収容器の口部に中栓などを装着し、中栓を貫通するようにして棒状の揮散体を液体収容器に挿入することが考えられる。しかし、使用済みの帯状の揮散体を中栓から抜き取ったり、新しい帯状の揮散体を中栓に差し込む作業が困難かつ手間であり、ユーザに対して煩わしさを与える。そのうえ、使用済みの棒状の揮散体を中栓から抜き取る際にユーザの手が汚れるといった課題がある。
上記課題に着目して、本開示は、ユーザが使用済みの揮散体に直接触れることなくかつ容易に揮散体の取り替えを行うことができる薬剤揮散器、及び揮散体を保持するホルダーを提供することを目的とする。また、本開示は、傾いたり倒れたりしても液体収容器内の薬液が外部に漏れるのを抑制できる薬剤揮散器、及びホルダーを提供することを目的とする。
本開示の薬剤揮散器は、上記目的の達成のため、以下の項1に記載の薬剤揮散器を主題とする。
項1.揮発性を有する薬剤成分を含む液状薬剤を収容する液体収容器と、
前記液体収容器の上端開口を介して前記液体収容器に挿入される揮散体と、
前記液体収容器に取り外し可能に取り付けられており、前記揮散体の一部分が前記液体収容器内で前記液状薬剤に浸漬しかつ前記揮散体の他の一部分が前記液体収容器外で露出するように前記揮散体を保持するホルダーと、
を備え、
前記ホルダーは、第一部材及び第二部材を備え、
前記第一部材は、
第一蓋部材と、
第一挟持部材と、
を備え、
前記第二部材は、
前記第一蓋部材との間に前記揮散体が抜ける挿通孔を形成するように並び前記第一蓋部材とともに前記液体収容器の前記上端開口を覆う第二蓋部材と、
前記第一挟持部材とともに前記揮散体を挟持する第二挟持部材と、
を備え、
前記第一部材及び前記第二部材は、前記第一挟持部材及び前記第二挟持部材が接近して前記揮散体を挟持する閉状態と、前記第一挟持部材及び前記第二挟持部材が離隔する開状態とに開閉可能である、薬剤揮散器。
前記液体収容器の上端開口を介して前記液体収容器に挿入される揮散体と、
前記液体収容器に取り外し可能に取り付けられており、前記揮散体の一部分が前記液体収容器内で前記液状薬剤に浸漬しかつ前記揮散体の他の一部分が前記液体収容器外で露出するように前記揮散体を保持するホルダーと、
を備え、
前記ホルダーは、第一部材及び第二部材を備え、
前記第一部材は、
第一蓋部材と、
第一挟持部材と、
を備え、
前記第二部材は、
前記第一蓋部材との間に前記揮散体が抜ける挿通孔を形成するように並び前記第一蓋部材とともに前記液体収容器の前記上端開口を覆う第二蓋部材と、
前記第一挟持部材とともに前記揮散体を挟持する第二挟持部材と、
を備え、
前記第一部材及び前記第二部材は、前記第一挟持部材及び前記第二挟持部材が接近して前記揮散体を挟持する閉状態と、前記第一挟持部材及び前記第二挟持部材が離隔する開状態とに開閉可能である、薬剤揮散器。
また本開示の薬剤揮散器は、上記項1に記載の薬剤揮散器の好ましい態様として、以下の項2に記載の薬剤揮散器を包含する。
項2.前記第一部材は、前記第一挟持部材に対して前記第二挟持部材とは反対側に位置する第一把持部材をさらに備え、
前記第二部材は、前記第二挟持部材に対して前記第一挟持部材とは反対側に位置する第二把持部材をさらに備える、項1に記載の薬剤揮散器。
前記第二部材は、前記第二挟持部材に対して前記第一挟持部材とは反対側に位置する第二把持部材をさらに備える、項1に記載の薬剤揮散器。
また本開示の薬剤揮散器は、上記項1及び項2に記載の薬剤揮散器の好ましい態様として、以下の項3に記載の薬剤揮散器を包含する。
項3.前記第一部材は、前記揮散体の幅方向に沿って間隔をあけて配置される複数の前記第一挟持部材を備え、
前記第二部材は、前記揮散体の幅方向に沿って間隔をあけて配置される複数の前記第二挟持部材を備える、項1又は2に記載の薬剤揮散器。
前記第二部材は、前記揮散体の幅方向に沿って間隔をあけて配置される複数の前記第二挟持部材を備える、項1又は2に記載の薬剤揮散器。
また本開示の薬剤揮散器は、上記項1から項3に記載の薬剤揮散器の好ましい態様として、以下の項4に記載の薬剤揮散器を包含する。
項4.前記第一部材の一部分及び前記第二部材の一部分は、ヒンジにより接続されている、項1から3のいずれか一項に記載の薬剤揮散器。
また本開示の薬剤揮散器は、上記項2、上記項2を引用する項3及び上記項2を引用する項4に記載の薬剤揮散器の好ましい態様として、以下の項5に記載の薬剤揮散器を包含する。
項5.前記第一把持部材及び前記第二把持部材の少なくとも一方は、板状を呈しており、かつ、前記第一挟持部材及び前記第二挟持部材の方にへこむ凹部を含む、項2、項2を引用する項3及び項2を引用する項4のいずれか一項に記載の薬剤揮散器。
また本開示の薬剤揮散器は、上記項2、上記項2を引用する項3及び上記項2を引用する項4に記載の薬剤揮散器の好ましい態様として、以下の項6に記載の薬剤揮散器を包含する。
項6.前記第一把持部材及び前記第二把持部材の少なくとも一方は、板状を呈しており、かつ、前記揮散体の幅方向に沿う幅が狭くなるように湾曲した一対の側縁を備える、項2、項2を引用する項3及び項2を引用する項4のいずれか一項に記載の薬剤揮散器。
また本開示の薬剤揮散器は、上記項5に記載の薬剤揮散器の好ましい態様として、以下の項7に記載の薬剤揮散器を包含する。
項7.前記第一把持部材及び前記第二把持部材の少なくとも一方は、少なくとも前記凹部において前記揮散体の幅方向に沿う幅が狭くなるように湾曲する一対の側縁を備える、項5に記載の薬剤揮散器。
また本開示の薬剤揮散器は、上記項1から項7に記載の薬剤揮散器の好ましい態様として、以下の項8に記載の薬剤揮散器を包含する。
項8.前記第二蓋部材は、前記第一蓋部材と突き合わされる部分において前記第一蓋部材に向かって突き出る突出部を含み、
前記第一蓋部材は、前記第二蓋部材と突き合わされる部分において前記突出部が嵌まる形状の切欠部を含み、
前記突出部の一対の側縁は、先端に向うに連れて間隔が短くなるテーパ状である、項1から7のいずれか一項に記載の薬剤揮散器。
前記第一蓋部材は、前記第二蓋部材と突き合わされる部分において前記突出部が嵌まる形状の切欠部を含み、
前記突出部の一対の側縁は、先端に向うに連れて間隔が短くなるテーパ状である、項1から7のいずれか一項に記載の薬剤揮散器。
また本開示の薬剤揮散器は、上記項1から項8に記載の薬剤揮散器の好ましい態様として、以下の項9に記載の薬剤揮散器を包含する。
項9.前記第一部材は、前記第一蓋部材の下面に連接された第一嵌合部材をさらに備え、
前記第二部材は、前記第二蓋部材の下面に連接された第二嵌合部材であって、前記第一嵌合部材とともに前記液体収容器の前記上端開口の内側に嵌まる筒状体を形成する第二嵌合部材をさらに備える、項1から8のいずれか一項に記載の薬剤揮散器。
前記第二部材は、前記第二蓋部材の下面に連接された第二嵌合部材であって、前記第一嵌合部材とともに前記液体収容器の前記上端開口の内側に嵌まる筒状体を形成する第二嵌合部材をさらに備える、項1から8のいずれか一項に記載の薬剤揮散器。
また本開示の薬剤揮散器は、上記項9に記載の薬剤揮散器の好ましい態様として、以下の項10に記載の薬剤揮散器を包含する。
項10.前記第一蓋部材の上面に前記第一挟持部材が連接され、
前記第二蓋部材の上面に前記第二挟持部材が連接されている、項9に記載の薬剤揮散器。
前記第二蓋部材の上面に前記第二挟持部材が連接されている、項9に記載の薬剤揮散器。
また、本開示のホルダーは、上記目的の達成のため、以下の項11に記載のホルダーを主題とする。
項11.揮散体の一部分が液体収容器内で液状薬剤に浸漬しかつ前記揮散体の他の一部分が前記液体収容器外で露出するように前記揮散体を保持するホルダーであって、
第一部材及び第二部材を備え、
前記第一部材は、
第一蓋部材と、
第一挟持部材と、
を備え、
前記第二部材は、
前記第一蓋部材との間に前記揮散体が抜ける挿通孔を形成するように並び前記第一蓋部材とともに前記液体収容器の上端開口を覆う第二蓋部材と、
前記第一挟持部材とともに前記揮散体を挟持する第二挟持部材と、
を備え、
前記第一部材及び前記第二部材は、前記第一挟持部材及び前記第二挟持部材が接近して前記揮散体を挟持する閉状態と、前記第一挟持部材及び前記第二挟持部材が離隔する開状態とに開閉可能である、ホルダー。
第一部材及び第二部材を備え、
前記第一部材は、
第一蓋部材と、
第一挟持部材と、
を備え、
前記第二部材は、
前記第一蓋部材との間に前記揮散体が抜ける挿通孔を形成するように並び前記第一蓋部材とともに前記液体収容器の上端開口を覆う第二蓋部材と、
前記第一挟持部材とともに前記揮散体を挟持する第二挟持部材と、
を備え、
前記第一部材及び前記第二部材は、前記第一挟持部材及び前記第二挟持部材が接近して前記揮散体を挟持する閉状態と、前記第一挟持部材及び前記第二挟持部材が離隔する開状態とに開閉可能である、ホルダー。
本開示の薬剤揮散器及びホルダーによれば、ユーザが使用済みの揮散体に直接触れることなくかつ容易に揮散体の取り替えを行うことができる。また、本開示の薬剤揮散器及びホルダーによれば、傾いたり倒れたりしても液体収容器内の薬液が外部に漏れるのを抑制できる。
本開示の薬剤揮散器において、液体収容器は、揮散性を有する薬剤成分を含む薬液(液状薬剤)を収容している。液体収容器には、薬液を吸い上げ可能な揮散体が挿入されている。本開示の薬剤揮散器は、揮散体により液体収容器内の薬液を液体収容器の外側まで吸い上げて薬液中の薬剤成分を外部空間に揮散させる。本開示の薬剤揮散器は、室内又は車内などの空間の臭気による不快感をなくして快適な空間を生み出すために、芳香剤成分、消臭剤成分などの薬剤成分を自然に揮散させて芳香、消臭などの薬効を得る目的で使用される。本開示の薬剤揮散器の上述した使用目的はあくまでも一例である。
本開示のホルダーは、液体収容器に取り外し可能に取り付けられる。本開示のホルダーは、揮散体の一部分が液体収容器内で液状薬剤に浸漬しかつ揮散体の他の一部分が液体収容器外で露出するように、揮散体を保持する。
以下、本開示の薬剤揮散器及びホルダーの実施形態について、添付図面を参照して説明する。本開示では、自立する薬剤揮散器の高さ方向を上下方向とする。また、薬剤揮散器の内部の方向を内側、外部の方向を外側とする。
薬剤揮散器
図1から図3に示すように、薬剤揮散器1は、薬液を収容する液体収容器2、液体収容器2の上端開口20を介して液体収容器2に挿入される帯状の揮散体5、及び、揮散体5を保持するホルダー6を備える。薬剤揮散器1は、特に限定されないが、液体収容器2に取り外し可能に取り付けられるカバー10をさらに備える。薬剤揮散器1は、特に限定されないが、液体収容器2に取り外し可能に取り付けられるキャップをさらに備える。
図1から図3に示すように、薬剤揮散器1は、薬液を収容する液体収容器2、液体収容器2の上端開口20を介して液体収容器2に挿入される帯状の揮散体5、及び、揮散体5を保持するホルダー6を備える。薬剤揮散器1は、特に限定されないが、液体収容器2に取り外し可能に取り付けられるカバー10をさらに備える。薬剤揮散器1は、特に限定されないが、液体収容器2に取り外し可能に取り付けられるキャップをさらに備える。
揮散体5において、一部分50(以下、「吸上部50」という。)が液体収容器2の内側で薬液に浸漬し、他の一部分51(以下、「揮散部51」という。)が液体収容器2の外側で露出している。揮散体5の下端(吸上部50の先端)は、液体収容器2の内底面(後述する胴部3の底部30の内側面)に接触している。揮散体5は、液体収容器2の内側で薬液と接触する吸上部50において薬液を吸い上げて、液体収容器2の外側で露出する揮散部51において薬液中の薬剤成分を外部空間に揮散させる。これにより、例えば芳香効果、消臭効果などの薬効を外部空間に付与する。
ホルダー6は、液体収容器2に挿入した揮散体5を保持するために液体収容器2に取り外し可能に取り付けられる。帯状の揮散体5は、自立性が低くそれ自体では起立できない。そのため、揮散体5は、ホルダー6に保持されることで吸上部50が液体収容器2の内側において起立した状態に維持され、揮散部51が液体収容器2の外側に定置される。
カバー10は、薬剤揮散器1の使用時において、揮散体5の液体収容器2の外側で露出する揮散部51を外部から視認し難くするために液体収容器2に取り外し可能に取り付けられる。カバー10には複数の揮散孔100が形成されている。カバー10を液体収容器2に取り付けた状態では、揮散体5の揮散部51から揮散した薬液中の薬剤成分はカバー10の複数の揮散孔100を通過して外部空間に放出される。
キャップは、薬剤揮散器1の未使用時において、液体収容器2の上端開口20を塞ぐために液体収容器2に取り外し可能に取り付けられる。キャップにより液体収容器2内の薬液の収容空間21が密閉されることで、液体収容器2内の薬液は外部空間から遮断され、薬剤揮散器1の使用前に薬液中の薬剤成分が外部空間に揮散するのが防止される。キャップは、薬剤揮散器1の使用時には液体収容器2から取り外され、これにより露呈した液体収容器2の上端開口20からホルダー6を用いて揮散体5が液体収容器2に挿入される。
以下、薬液について説明した後、薬剤揮散器1の各構成部材について詳細に説明する。
薬液
薬液は、揮散性(薬効徐放性)を有する薬剤成分を含み、空気との接触により空気中に徐々に薬剤成分を揮散することで薬効を奏する。薬剤成分としては、例えば芳香剤成分、消臭剤成分、殺虫剤成分、防虫剤成分、忌避剤成分、抗菌剤成分などを挙げることができる。薬液は、これらの薬剤成分のうちの1つを単独で含むこともできるし、複数を組み合わせて含むこともできる。薬剤成分は揮散可能である限り、油性又は水性のいずれであってもよい。
薬液は、揮散性(薬効徐放性)を有する薬剤成分を含み、空気との接触により空気中に徐々に薬剤成分を揮散することで薬効を奏する。薬剤成分としては、例えば芳香剤成分、消臭剤成分、殺虫剤成分、防虫剤成分、忌避剤成分、抗菌剤成分などを挙げることができる。薬液は、これらの薬剤成分のうちの1つを単独で含むこともできるし、複数を組み合わせて含むこともできる。薬剤成分は揮散可能である限り、油性又は水性のいずれであってもよい。
薬液の色は、無色又は有色の透明であってもよいし、半透明又は不透明であってもよい。
薬液の粘度は、特に限定されないが、25℃環境下で、0.1mPa・s以上30mPa・s以下であることが好ましく、0.1mPa・s以上20mPa・s以下であることがより好ましく、0.1mPa・s以上10mPa・s以下であることがさらに好ましい。薬液の粘度は、振動式粘度計(VM-3OO-L セコニック社製)を用いて、25℃環境下で測定することができる。
液体収容器
図1から図3に示すように、液体収容器2は上端に開口20(本開示では「上端開口20」という。)を有し、内部に上端開口20から繋がる薬液の収容空間21を有する。揮散体5は、その吸上部50が液体収容器2の上端開口20から収容空間21に挿し込まれる。液体収容器2は、特に限定されないが、好ましくは一部分又は全体が透明又は半透明である。これにより外部から液体収容器2内の薬液の残量を確認することができる。液体収容器2は、特に限定されないが、例えば合成樹脂又はガラスなどで形成することができる。
図1から図3に示すように、液体収容器2は上端に開口20(本開示では「上端開口20」という。)を有し、内部に上端開口20から繋がる薬液の収容空間21を有する。揮散体5は、その吸上部50が液体収容器2の上端開口20から収容空間21に挿し込まれる。液体収容器2は、特に限定されないが、好ましくは一部分又は全体が透明又は半透明である。これにより外部から液体収容器2内の薬液の残量を確認することができる。液体収容器2は、特に限定されないが、例えば合成樹脂又はガラスなどで形成することができる。
液体収容器2は、中空かつ有底の胴部3、及び、上下両端が開口した筒状の口部4を含む。胴部3及び口部4は一体に形成されている。胴部3の内部空間が上述した収容空間21であり、口部4の上側の開口が上述した上端開口20である。
胴部
胴部3は、一体に形成された底部30、周壁部31及び肩部32を含む。
胴部3は、一体に形成された底部30、周壁部31及び肩部32を含む。
底部30は、特に限定されないが、底面視で円形状を呈する。底部30の外周縁に周壁部31の下端縁が繋がる。本実施形態では、底部30及び周壁部31は、丸みがつけられた角部33を介して繋がるが、底部30及び周壁部31の角は直角であってもよい。
周壁部31は、特に限定されないが、円筒状を呈しており、底部30から角部33を介して垂直に起立する。周壁部31は必ずしも底部30から垂直に起立する必要はなく、外側又は内側に傾斜しながら起立していてもよい。また、周壁部10は必ずしも上下方向に平坦に延びる必要はなく、外側又は内側に凸をなして湾曲していてもよい。
肩部32は、特に限定されないが、平面視で円形状を呈しており、周壁部31よりも一回り小さく、周壁部31との間に段差部34を有する。段差部34に繋がる肩部32の垂直面部には、複数の凹部35が周方向に等間隔に形成される。複数の凹部35は、後述するカバー10の複数の係合突起101(図3に示す)が入り込むことが可能である。それぞれの凹部35は、凹部35に入り込んだ係合突起101を引っ掛けてとめることにより、液体収容器2に取り付けられたカバー10を液体収容器2から容易に外れないよう両者を連結可能である。肩部32の平面部は、底部30と対向するよう肩部32の垂直面部の上端縁から内側に延びており、平面部の中央部において口部4が上方に延びるように繋がる。肩部32は、必ずしも周壁部31との間に段差部34を有する必要はない。また、肩部32は、カバー10及び液体収容器2を連結するために複数の凹部35を備えるが、カバー10及び液体収容器2の連結手段は複数の凹部35に限定されない。薬剤揮散器1の使用時に、カバー10を液体収容器2に取り付けない場合には、凹部35を含めた連結手段は肩部32に設ける必要はない。
口部
口部4は、特に限定されないが、円筒状を呈する。口部4は、胴部3の底部30の中央部の真上に位置する。口部4は必ずしも円筒状である必要はなく、平面視矩形状などの種々の形状の筒状とすることができる。
口部4は、特に限定されないが、円筒状を呈する。口部4は、胴部3の底部30の中央部の真上に位置する。口部4は必ずしも円筒状である必要はなく、平面視矩形状などの種々の形状の筒状とすることができる。
口部4の外周面には雄ねじ40(図3に示す)が形成されている。図示は省略するが、上述したキャップの内周面には雌ねじが形成されており、口部4の雄ねじ40はキャップの雌ねじと螺合する。これにより、液体収容器2の口部4に取り付けられたキャップを液体収容器2から容易に外れないよう両者を連結可能である。液体収容器2とキャップを連結する手段は特に限定されず、その他の種々の公知の手段を用いることができる。
揮散体
図1から図5に示すように、揮散体5は、所定の厚み及び幅を有しかつ厚み及び幅よりも長さが極めて大きい帯状の部材(以下、「帯材」という。)で形成されている。図3におおいて、左右方向が揮散体5の厚み方向であり、奥行方向が揮散体5の幅方向であり、上下方向が揮散体5の長さ方向である。帯材は、ともに長方体形状の幅狭部分及び幅広部分を含んでおり、幅狭部分が吸上部50を構成し、二つ折りされた幅広部分が揮散部51を構成する。
図1から図5に示すように、揮散体5は、所定の厚み及び幅を有しかつ厚み及び幅よりも長さが極めて大きい帯状の部材(以下、「帯材」という。)で形成されている。図3におおいて、左右方向が揮散体5の厚み方向であり、奥行方向が揮散体5の幅方向であり、上下方向が揮散体5の長さ方向である。帯材は、ともに長方体形状の幅狭部分及び幅広部分を含んでおり、幅狭部分が吸上部50を構成し、二つ折りされた幅広部分が揮散部51を構成する。
図5に示すように、揮散体5は、二つのスリット52を備える。二つのスリット52は、揮散体5の幅方向における端から中央に向かって延びるように設けられる。二つのスリット52は、特に限定されないが、揮散体5の長さ方向において同じ位置に設けられる。二つのスリット52は、好ましくは揮散部51の長さ方向の中央に設けられる。二つのスリット52の揮散体5の幅方向における長さは、特に限定されないが、略等しい。一方のスリット52から他方のスリット52までの距離は、特に限定されないが、吸上部50の幅に略等しい。揮散部51は、二つのスリット52の位置で折り曲げられる。揮散部51は、二つのスリット52が存在することによって容易に折り曲げることができる。さらに、揮散部51を折り曲げると、図5(B)に示すようにスリット52の内面が露出するため、揮散部51の外気と接触する面積(揮散面積)が大きくなる。図1及び図2に示すように、二つのスリット52は、揮散部51のうちの後述する第一挟持部材71及び第二挟持部材81によって挟まれる部分よりも外側に位置する。このため、揮散部51のうち二つのスリット52の周辺は、第一挟持部材71及び第二挟持部材81によって挟まれないので、図5(B)に示すように、揮散体5の幅方向における端で開くことができる。よって、揮散部51から効率よく薬液中の薬剤成分を揮散させることができる。
揮散体5は、必ずしも二つのスリット52を備えている必要はない。
折り曲げた状態での揮散部51の厚みは吸上部50の厚みのほぼ二倍である。以下において、揮散部51の厚みは、折り曲げた状態での揮散部51の厚みを意味する。揮散部51は吸上部50で吸い上げた薬液を多く保持可能な体積を有する。また、揮散部51の幅は吸上部50の幅よりも大きいため、揮散部51は多くの薬液を揮散可能な広い揮散面積を有する。吸上部50の長さは、特に限定されないが、揮散体5がホルダー6の保持された状態で、好ましくは液体収容器2の内底面に達することができる長さに設定される。これにより、液体収容器2内の薬液の残量が少なくなっても吸上部50による薬液の吸い上げが可能である。
揮散体5の素材は、毛細管現象により液体収容器2内の薬液を吸い上げることができ、かつ、吸い上げた薬液を外部空間に揮散させることができる限り、特に限定されない。例えば紙、布などを用いて揮散体5を形成することができ、好ましくはエアレイド法、ニードルパンチ法、スパンボンド法、スパンレース法などによって製造される不織布である。不織布は、ナイロン、レーヨン、ポリエステル(例えばポリエチレンテレフタレート)、ポリプロピレン、ポリエチレン、パルプなどの種々の繊維質材料を素材として挙げることができ、これらの材料は一種単独で用いてもよく、又は二種以上を組み合わせてもよい。
揮散体5は、本実施形態では帯状を呈しているが、揮散体5の形状は特に限定されない。揮散体5の形状は、揮散部51が液体収容器2の外側で露出し、吸上部50が液体収容器2の内側で薬液に浸漬するものであれば、種々の形状とすることができる。
ホルダー
図1から図4及び図6から図12に示すように、ホルダー6は、第一部材7及び第二部材8の組み合わせからなる。第一部材7及び第二部材8はいずれも可撓性及び弾性を有しており、例えば合成樹脂で形成することができる。
図1から図4及び図6から図12に示すように、ホルダー6は、第一部材7及び第二部材8の組み合わせからなる。第一部材7及び第二部材8はいずれも可撓性及び弾性を有しており、例えば合成樹脂で形成することができる。
第一部材7は、第一蓋部材70と、第一蓋部材70上の第一挟持部材71と、第一把持部材72と、第一嵌合部材73と、第一連結部材74と、第一補強部材75とを備える。第一把持部材72は、第一蓋部材70上で第一挟持部材71よりも外側(第二部材8とは反対側)に位置する。第一嵌合部材73は、第一蓋部材70の下面に連接されている。第一連結部材74は、第一挟持部材71の上端と第一把持部材72の上端とを連結する。第一補強部材75は、第一把持部材72を補強する。
第二部材8は、第二蓋部材80と、第二蓋部材80上の第二挟持部材81と、第二把持部材82と、第二嵌合部材83と、第二連結部材84と、第二補強部材85とを備える。第二把持部材82は、第二蓋部材80上で第二挟持部材81よりも外側(第一部材7とは反対側)に位置する。第二嵌合部材83は、第二蓋部材80の下面に連接されている。第二連結部材84は、第二挟持部材81の上端と第二把持部材82の上端を連結する。第二補強部材85は、第二把持部材82を補強する。
ホルダー6は、後述するが、第一挟持部材71及び第二挟持部材81により揮散部51を挟持することで、揮散体5を保持する。第一部材7及び第二部材8は、第一挟持部材71及び第二挟持部材81が接近して揮散部51を挟持する閉状態(図2、図11及び図15などを参照)と、第一挟持部材71及び第二挟持部材81が離隔して揮散部51を挟持しない開状態(図6及び図16などを参照)とに開閉可能である。
第一部材7及び第二部材8は、互いに完全に分離可能であることで開閉してもよいし、一部分同士が接続された状態で開閉可能とされていてもよい。本実施形態では、第一部材7及び第二部材8の上端同士がヒンジ9などで接続されている。第一部材7及び第二部材8の一方に対して他方がヒンジ9を中心に回転することで第一部材7及び第二部材8が開閉可能である。
蓋部材
第一蓋部材70及び第二蓋部材80は、同じ厚みを有しかつ平面視が略半円形状の板状を呈している。第一蓋部材70及び第二蓋部材80は、第一部材7及び第二部材8が閉状態にあるとき、間に挿通孔64を形成するように並ぶことで全体として円形状の板状体60を形成する。第一蓋部材70及び第二蓋部材80が並ぶとは、好ましくはそれぞれの上面同士、下面同士が面一となるように両者が水平に連なることをいう。第一蓋部材70及び第二蓋部材80は、並んで板状体60を形成することで液体収容器2の上端開口20を覆う。よって、板状体60を形成した状態の第一蓋部材70及び第二蓋部材80は、液体収容器2の上端開口20を閉じる蓋部として機能する。
第一蓋部材70及び第二蓋部材80は、同じ厚みを有しかつ平面視が略半円形状の板状を呈している。第一蓋部材70及び第二蓋部材80は、第一部材7及び第二部材8が閉状態にあるとき、間に挿通孔64を形成するように並ぶことで全体として円形状の板状体60を形成する。第一蓋部材70及び第二蓋部材80が並ぶとは、好ましくはそれぞれの上面同士、下面同士が面一となるように両者が水平に連なることをいう。第一蓋部材70及び第二蓋部材80は、並んで板状体60を形成することで液体収容器2の上端開口20を覆う。よって、板状体60を形成した状態の第一蓋部材70及び第二蓋部材80は、液体収容器2の上端開口20を閉じる蓋部として機能する。
第一蓋部材70及び第二蓋部材80からなる板状体60には、平面視における中央に挿通孔64が形成されている。挿通孔64は、揮散体5の吸上部50が通り抜けることが可能である。挿通孔64の形状は、特に限定されないが、好ましくは、揮散体5の吸上部50の断面形状と同じであり、本実施形態では長方形状である。
揮散体5の厚み方向に沿う挿通孔64の寸法(縦の長さ)は、特に限定されないが、板状体60上に位置する揮散部51の厚みよりも小さいことが好ましい。揮散体5の幅方向に沿う挿通孔64の寸法(横の長さ)は、板状体60上に位置する揮散部51の幅よりも小さいことが好ましい。これにより、揮散部51が板状体60に下方から支持され、揮散体5がホルダー6から抜け落ちるのを防止できる。また、揮散体5の厚み方向に沿う挿通孔64の寸法(縦の長さ)は、特に限定されないが、吸上部50の厚みと同じ又は吸上部50の厚みよりもやや小さいことが好ましい。揮散体5の幅方向に沿う挿通孔64の寸法(横の長さ)は、特に限定されないが、吸上部50の幅と同じ又は吸上部50の幅よりもやや小さいことが好ましい。これにより、吸上部50が板状体60の挿通孔64を形作る開口縁部と密接するため、不意に液体収容器2が倒れても液体収容器2内の薬液が挿通孔64から漏れ出すのを抑制できる。
板状体60の平面視形状、つまりは、第一蓋部材70及び第二蓋部材80の平面視形状は特に限定されるものではなく、板状体60が液体収容器2の上端開口20を覆うことができれば、種々の形状とすることができる。
第一蓋部材70及び第二蓋部材80が並んだ状態において、本実施形態では、第二蓋部材80は第一蓋部材70と突き合わされる部分に第一蓋部材70に向かって突き出る突出部86を含む。また、第一蓋部材70は第二蓋部材80と突き合わされる部分に第二蓋部材80の突出部86が嵌まり込む形状の切欠部76を含む。第一部材7及び第二部材8が閉状態とされるときに、第二蓋部材80の突出部86が第一蓋部材70の切欠部76に嵌まり込むことで、第一蓋部材70及び第二蓋部材80は互いに位置ずれすることなく板状体60の状態をキープできる。
第二蓋部材80の突出部86においては、一対の側縁860が先端に向うに連れて間隔が短くなるテーパ状に延びている。これにより、第一部材7及び第二部材8が閉状態とされて第一蓋部材70及び第二蓋部材80が水平に連なるときに、第二蓋部材80の突出部86が第一蓋部材70の切欠部76に嵌まり込みやすくなる。よって、第一蓋部材70及び第二蓋部材80をスムーズに板状体60とすることができる。
挟持部材
第一挟持部材71は第一蓋部材70の上面に連接されており、第二挟持部材81は第二蓋部材80の上面に連接されている。第一部材7及び第二部材8が上述した閉状態にあるとき、第一挟持部材71及び第二挟持部材81は互いに接近し、第一挟持部材71及び第二挟持部材81の間に揮散部51が配置される。第一挟持部材71及び第二挟持部材81の間の距離は、揮散部51の厚みよりも小さい。これにより、第一挟持部材71及び第二挟持部材81は、第一部材7及び第二部材8が閉状態とされて互いに接近することで揮散部51を挟持する。互いに接近した状態の第一挟持部材71及び第二挟持部材81は、揮散体5を保持する保持部として機能する。
第一挟持部材71は第一蓋部材70の上面に連接されており、第二挟持部材81は第二蓋部材80の上面に連接されている。第一部材7及び第二部材8が上述した閉状態にあるとき、第一挟持部材71及び第二挟持部材81は互いに接近し、第一挟持部材71及び第二挟持部材81の間に揮散部51が配置される。第一挟持部材71及び第二挟持部材81の間の距離は、揮散部51の厚みよりも小さい。これにより、第一挟持部材71及び第二挟持部材81は、第一部材7及び第二部材8が閉状態とされて互いに接近することで揮散部51を挟持する。互いに接近した状態の第一挟持部材71及び第二挟持部材81は、揮散体5を保持する保持部として機能する。
第一挟持部材71及び第二挟持部材81は、本実施形態では幅及び厚みを有しかつ上下方向に長く延びる縦長の板状を呈している。第一挟持部材71の上端は第一連結部材74に連接されており、第二挟持部材81の上端は第二連結部材84に連接されている。第一挟持部材71及び第二挟持部材81の形状は、必ずしも縦長の板状である必要はなく、第一挟持部材71及び第二挟持部材81によって揮散部51を挟持できれば、断面視形状が種々の形状の棒状などであってもよい。
第一部材7は、複数の第一挟持部材71を備え、複数の第一挟持部材71が揮散部51の幅方向に沿って複数が間隔をあけて配置されていることが好ましい。第二部材8は、複数の第二挟持部材81を備え、複数の第二挟持部材81が揮散部51の幅方向に沿って複数が間隔をあけて配置されていることが好ましい。これにより、複数の第一挟持部材71及び複数の第二挟持部材81によって揮散部51を強固に挟持することができる。そのうえ、一つの幅広の第一挟持部材71及び一つの幅広の第二挟持部材81で揮散部51を挟持する場合と比べて、複数の幅狭の第一挟持部材71及び複数の幅狭の第二挟持部材81で揮散部51を挟持すると、隣り合う第一挟持部材71の間及び隣り合う第二挟持部材81の間に露出口65が形成されるため、揮散部51の外気と接触する面積が増加する。よって、揮散部51から効率よく薬液中の薬剤成分を揮散させることができる。複数の第一挟持部材71及び複数の第二挟持部材81は対向配置されていてもよいし、対向せずに配置されていてもよい。図示例では、二つの第一挟持部材71及び二つの第二挟持部材81が対向配置されている。
把持部材
第一把持部材72は第一挟持部材71の外側(第二部材8とは反対側)において第一蓋部材70の上面に連接されている。第二把持部材82は第二挟持部材81の外側(第一部材7とは反対側)において第二蓋部材80の上面に連接されている。第一把持部材72は第一挟持部材71に対して揮散体5の方と反対側に位置している。第二把持部材82は第二挟持部材81に対して揮散体5の方と反対側に位置している。そのため、第一把持部材72及び第二把持部材82は、ユーザがホルダー6を手に持つ際の把持部として機能し、ホルダー6に保持された揮散体5に触れることなく手でしっかりとホルダー6を持つことを可能とする。
第一把持部材72は第一挟持部材71の外側(第二部材8とは反対側)において第一蓋部材70の上面に連接されている。第二把持部材82は第二挟持部材81の外側(第一部材7とは反対側)において第二蓋部材80の上面に連接されている。第一把持部材72は第一挟持部材71に対して揮散体5の方と反対側に位置している。第二把持部材82は第二挟持部材81に対して揮散体5の方と反対側に位置している。そのため、第一把持部材72及び第二把持部材82は、ユーザがホルダー6を手に持つ際の把持部として機能し、ホルダー6に保持された揮散体5に触れることなく手でしっかりとホルダー6を持つことを可能とする。
第一把持部材72及び第二把持部材82は、本実施形態では幅及び厚みを有しかつ上下方向に長く延びる縦長の板状を呈している。第一把持部材72の上側の部分は内側(第一挟持部材71側)に湾曲している。第二把持部材82の上側の部分は内側(第二挟持部材82側)に湾曲している。第一把持部材72の上端は第一連結部材74に連接されている。第二把持部材82の上端は第二連結部材84に連接されている。第一把持部材72及び第二把持部材82は、互いの主面が相対するように対向配置されている。第一把持部材72及び第二把持部材82の形状は、必ずしも縦長の板状である必要はなく、ユーザが把持することができれば、断面視形状が種々の形状の棒状などであってもよい。
本実施形態では、第一把持部材72は、上下方向における一部分において、第一挟持部材712の方に向かってへこむ凹部720を含む。また、第二把持部材82は、上下方向における一部分において、第二挟持部材81の方に向かってへこむ凹部820を含む。つまり、凹部720,820は内向きに凸状をなすように屈曲又は湾曲する。図14に示すように、ホルダー6で揮散体5を保持するために第一部材7及び第二部材8の一方を他方に対して下方に回転させて第一部材7及び第二部材8を閉状態とするとき、ユーザは片手の二本の指で外側から第一把持部材72及び第二把持部材82を挟み持つことが想定される。このとき、第一把持部材72及び第二把持部材82のそれぞれの一部分が凹部720,820とされていることで、ユーザはホルダー6の把持が容易となる。
凹部720,820は、ユーザの指の腹の膨らみに合うように緩やかに湾曲していることが好ましい。これにより、ユーザはホルダー6の把持がさらに容易となる。凹部720,820は、必ずしも湾曲している必要はなく、例えばV字に屈曲していてもよい。
また、凹部720,820は、それぞれ第一把持部材72及び第二把持部材82において第一蓋部材70及び第二蓋部材80に近い下端側に位置することが好ましい。本実施形態では、第一部材7及び第二部材8の一方を他方に対して下方に回転させて第一部材7及び第二部材8を閉状態とする。そのため、凹部720,820がそれぞれ第一把持部材72及び第二把持部材82の下端側に位置することにより、第一部材7及び第二部材8の閉操作がしやすくなる。
本実施形態では、第一把持部材72が凹部720を含みかつ第二把持部材82が凹部820を含むが、第一把持部材72及び第二把持部材82の少なくとも一方が凹部を含んでいればよい。
第一把持部材72及び第二把持部材82は、本実施形態では、上下方向における一部分において、それぞれ一対の側縁が括れている。つまり、第一把持部材72は、上下方向における一部分において、他の部分に比べて一対の側縁が次第に細くなるよう湾曲することで揮散体5の幅方向に沿う幅が狭まった括れを含む。また、第二把持部材82は、上下方向における一部分において、他の部分に比べて一対の側縁が次第に細くなるよう湾曲することで揮散体5の幅方向に沿う幅が狭まった括れを含む。図16に示すように、ホルダー6から揮散体5を取り外すために第一部材7及び第二部材8の一方を他方に対して上方に回転させて第一部材7及び第二部材8を開状態とするとき、ユーザは一方の手の二本の指で第一把持部材72の一対の側縁を挟み持ち、他方の手の二本の指で第二把持部材82の一対の側縁を挟み持つことが想定される。このとき、第一把持部材72及び第二把持部材82のそれぞれの一部分が括れていることで、ユーザはホルダー6の把持が容易となる。
括れは、ユーザの指の腹の膨らみに合うように緩やかに湾曲していることが好ましい。これにより、ユーザはホルダー6の把持がさらに容易となる。括れは、必ずしも湾曲している必要はなく、例えばV字に屈曲していてもよい。
括れは、第一把持部材72において第一蓋部材70に近い下端側に位置することが好ましい。また、括れは、第二把持部材82において第二蓋部材80に近い下端側に位置することが好ましい。本実施形態では、第一部材7及び第二部材8の一方を他方に対して上方に回転させて第一部材7及び第二部材8を開状態とする。そのため、括れがそれぞれ第一把持部材72及び第二把持部材82の下端側に位置することにより、第一部材7及び第二部材8の開操作がしやすくなる。本実施形態では、第一把持部材72及び第二把持部材82は、凹部720,820において一対の側縁が括れている。
本実施形態では、第一把持部材72の一対の側縁が括れかつ第二把持部材82の一対の側縁が括れているが、第一把持部材72及び第二把持部材82の少なくとも一方の一対の側縁が括れていればよい。
嵌合部材
第一嵌合部材73は、第一蓋部材70の外周縁よりも内側において第一蓋部材70の下面に連接されている。第二嵌合部材83は、第二蓋部材80の外周縁よりも内側において第二蓋部材80の下面に連接されている。第一嵌合部材73及び第二嵌合部材83は、それぞれ同じ肉厚を有しかつ平面視が略半円形状の筒状を呈する。第一部材7及び第二部材8が上述した閉状態にあるとき、第一嵌合部材73は、第二嵌合部材83とともに全体として円形状の筒状体63を形成する。筒状体63は、挿通孔64を囲む。第一嵌合部材73及び第二嵌合部材83は、一体化により筒状体63を形成することで液体収容器2の上端開口20の内側に嵌まり込む嵌合部として機能する。
第一嵌合部材73は、第一蓋部材70の外周縁よりも内側において第一蓋部材70の下面に連接されている。第二嵌合部材83は、第二蓋部材80の外周縁よりも内側において第二蓋部材80の下面に連接されている。第一嵌合部材73及び第二嵌合部材83は、それぞれ同じ肉厚を有しかつ平面視が略半円形状の筒状を呈する。第一部材7及び第二部材8が上述した閉状態にあるとき、第一嵌合部材73は、第二嵌合部材83とともに全体として円形状の筒状体63を形成する。筒状体63は、挿通孔64を囲む。第一嵌合部材73及び第二嵌合部材83は、一体化により筒状体63を形成することで液体収容器2の上端開口20の内側に嵌まり込む嵌合部として機能する。
第一嵌合部材73及び第二嵌合部材83は、一体化して液体収容器2の上端開口20の内側に嵌まり込むことで、互いに離隔するのが規制される。これにより、第一蓋部材70及び第二蓋部材80も互いに離隔せずに水平に連なる状態が維持される。そのため、第一蓋部材70及び第二蓋部材80からなる板状体60により液体収容器2の上端開口20を閉鎖し続けることができる。また、板状体60を液体収容器2の上端開口20の上側の定位置にキープすることができる。
第一嵌合部材73及び第二嵌合部材83からなる筒状体63の外径は液体収容器2の上端開口20(本実施形態では口部4の内径)と同じ又はやや小さく、筒状体63の外周面が液体収容器2の上端開口20を形作る開口縁部の内周面(本実施形態では口部4の内周面)と密接又は近接する。これにより、筒状体63は上端開口20の内側に抜き差し可能でありかつ上端開口20の内側で保持される。ここで、筒状体63が液体収容器2の上端開口20を形作る開口縁部と密接していれば、筒状体63が上端開口20から容易に抜け出ることがない。そのため、不意に液体収容器2が倒れても蓋部60により液体収容器2内の薬液が上端開口20から漏れ出すのを確実に抑制できる。
筒状体63の平面視形状、つまりは第一嵌合部材73及び第二嵌合部材83の平面視形状は特に限定されるものではなく、筒状体63が液体収容器2の上端開口20の内側に嵌まり込むことができれば、種々の形状とすることができる。
筒状体63は、図示は省略するが、液体収容器2の上端開口20を形作る開口縁部(本実施形態では口部4)が内側に嵌まり込んでもよい。この場合、筒状体63の内周面に口部4の雄ねじ40と螺合する雌ねじを形成し、両ねじによる締結で筒状体63を口部4に連結することが好ましい。これにより、第一嵌合部材73及び第二嵌合部材83は、互いに離隔するのが規制される。筒状体63と口部4を連結する手段は特に限定されず、その他の種々の公知の手段を用いることができる。
連結部材
第一連結部材74及び第二連結部材84は、本実施形態ではそれぞれ同じ大きさを有しかつ平面視が長方形状の板状を呈している。第一連結部材74は、第一部材7の上端に位置している。第一連結部材74の一方の長辺に二つの第一挟持部材71の上端が間をあけて連接される。第一連結部材74の二つの第一挟持部材71の間に第一把持部材72の上端が連接される。また、第二連結部材84は、第二部材8の上端に位置している。第二連結部材84の一方の長辺に二つの第二挟持部材81の上端が間をあけて連接される。第二連結部材84の二つの第二挟持部材81の間に第二把持部材82の上端が連接される。
第一連結部材74及び第二連結部材84は、本実施形態ではそれぞれ同じ大きさを有しかつ平面視が長方形状の板状を呈している。第一連結部材74は、第一部材7の上端に位置している。第一連結部材74の一方の長辺に二つの第一挟持部材71の上端が間をあけて連接される。第一連結部材74の二つの第一挟持部材71の間に第一把持部材72の上端が連接される。また、第二連結部材84は、第二部材8の上端に位置している。第二連結部材84の一方の長辺に二つの第二挟持部材81の上端が間をあけて連接される。第二連結部材84の二つの第二挟持部材81の間に第二把持部材82の上端が連接される。
第一連結部材74及び第二連結部材84は、他方の長辺(隣り合う長辺)においてヒンジ9を介して接続されている。ヒンジ9は、第一連結部材74の長辺及び第二連結部材84の長辺に沿って長くかつ厚みが極めて薄い板状を呈しており、容易に折れ曲がる可撓性を有している。ヒンジ9は、本実施形態では合成樹脂で第一連結部材74及び第二連結部材84に一体に形成されている。
第一部材7及び第二部材8は、上端においてヒンジ9により接続されおり、互いにヒンジ9周りに回転可能に連結されている。つまり、第一部材7及び第二部材8は、一方に対して他方を上方へ回転させることにより、第一挟持部材71及び第二挟持部材81が離隔して第一挟持部材71及び第二挟持部材81により揮散部51を挟持できない開状態となる。また、第一部材7及び第二部材8は、一方に対して他方を下方へ回転させることにより、第一挟持部材71及び第二挟持部材81が接近して第一挟持部材71及び第二挟持部材81により揮散体5の揮散部51を挟持できる閉状態となる。
ヒンジ9は、第一部材7及び第二部材8の一方に対して他方を上下方向へ回転できれば、上記形態に限定されない。例えば第一部材7と第二部材8を別々に形成し、これらを別途のヒンジ部材で連結してもよい。
補強部材
第一補強部材75は第一蓋部材70の上面に連接されている。第二補強部材85は第二蓋部材80の上面に連接されている。また、第一補強部材75は第一把持部材72の内側面にも連接されている。第二補強部材85は第二把持部材82の内側面にも連接されている。第一把持部材72は内側(第一挟持部材71側)に第一補強部材75が添えられており、第一補強部材75によって第一把持部材72の強度が高められている。第二把持部材82は内側(第二挟持部材81側)に第二補強部材85が添えられており、第二補強部材85によって第二把持部材82の強度が高められている。第一把持部材72及び第二把持部材82が外側から押圧力を受けた際に、第一補強部材75及び第二補強部材85がこの押圧力を一緒に受けて第一把持部材72及び第二把持部材82を支える。そのため、図14及び図15に示すように、ユーザが第一把持部材72及び第二把持部材82を手で把持した際に第一把持部材72及び第二把持部材82が強い押圧力を受けても、第一把持部材72及び第二把持部材82が内側に変形するのを抑制できる。
第一補強部材75は第一蓋部材70の上面に連接されている。第二補強部材85は第二蓋部材80の上面に連接されている。また、第一補強部材75は第一把持部材72の内側面にも連接されている。第二補強部材85は第二把持部材82の内側面にも連接されている。第一把持部材72は内側(第一挟持部材71側)に第一補強部材75が添えられており、第一補強部材75によって第一把持部材72の強度が高められている。第二把持部材82は内側(第二挟持部材81側)に第二補強部材85が添えられており、第二補強部材85によって第二把持部材82の強度が高められている。第一把持部材72及び第二把持部材82が外側から押圧力を受けた際に、第一補強部材75及び第二補強部材85がこの押圧力を一緒に受けて第一把持部材72及び第二把持部材82を支える。そのため、図14及び図15に示すように、ユーザが第一把持部材72及び第二把持部材82を手で把持した際に第一把持部材72及び第二把持部材82が強い押圧力を受けても、第一把持部材72及び第二把持部材82が内側に変形するのを抑制できる。
第一補強部材75及び第二補強部材85は、本実施形態では幅及び厚みを有しかつ上下方向に長く延びる縦長の板状を呈している。第一補強部材75は板状の第一把持部材72と直交している。第二補強部材85は板状の第二把持部材82と直交している。これにより、効率よく第一把持部材72及び第二把持部材82を補強することができる。
第一補強部材75及び第二補強部材85は、必ずしも板状の第一把持部材7及び板状の第二把持部材82と直交している必要はない。また、第一補強部材75及び第二補強部材85の数は特に限定されるものではなく、複数としてもよい。また、第一補強部材75及び第二補強部材85の形状は特に限定されるものではなく、第一把持部材72及び第二把持部材82を内側への変形を抑制可能に補強ができれば、種々の形状とすることができる。
薬剤揮散器の使用方法
次に、上述した薬剤揮散器1の使用方法について説明する。まず、使用開始前においては、図示は省略するが、液体収容器2の口部4にはキャップが装着されており、液体収容器2の上端開口20は閉じられている。そのため、使用開始時において、ユーザは、まず、液体収容器2の口部4からキャップを取り外す。
次に、上述した薬剤揮散器1の使用方法について説明する。まず、使用開始前においては、図示は省略するが、液体収容器2の口部4にはキャップが装着されており、液体収容器2の上端開口20は閉じられている。そのため、使用開始時において、ユーザは、まず、液体収容器2の口部4からキャップを取り外す。
次に、ユーザは、ホルダー6に揮散体5をセットする。具体的には、図13に示すように、ユーザは、第一部材7に対して第二部材8を上方に回転させて第一部材7及び第二部材8を開状態とし、例えば片方の手で第二把持部材82を持ちながらもう片方の手で第一蓋部材70上に揮散体5の揮散部51を載せる。そして、図14に示すように、ユーザは、第一部材7に対して第二部材8を下方に回転させて第一部材7及び第二部材8を閉状態とする。これにより、揮散体5は、揮散部51が第一挟持部材71及び第二挟持部材81により挟持されるため、ホルダー6に保持される。
次に、ユーザは、ホルダー6を液体収容器2に取り付ける。具体的には、図15に示すように、ユーザは、ホルダー6を片方の手で持ちながら揮散体5の吸上部50を液体収容器2の上端開口20から液体収容器2内に挿し込む。その後、ユーザは、第一嵌合部材73及び第二嵌合部材83からなる筒状体63を口部4の内側に嵌め込み、第一蓋部材70及び第二蓋部材80からなる板状体60で上端開口20を覆う。これにより、揮散体5は、吸上部50が液体収容器2内で薬液に浸漬し、揮散部51が液体収容器2上で露出する。よって、液体収容器2内の薬液は揮散体5により吸い上げられ、薬液中の薬剤成分が外部空間に連続的に揮散する。その結果、薬剤揮散器1の設置された空間を快適空間にすることができる。薬剤揮散器1の使用中は、必要に応じて液体収容器2にカバー10を取り付けることができる。
薬剤揮散器1の使用に伴い、液体収容器2内の薬液が少量になったり、揮散体5に界面活性剤などの不揮発成分が目詰まりすることで薬液の吸い上げ性能が低下したりした場合には、ユーザは、薬液の詰め替えを行ったり、揮散体5の取り替えを行うことで、再利用することができる。
揮散体5の取り替えにおいては、ユーザは、まず、カバー10を液体収容器2から取り外す。そして、図15に示すように、第一把持部材72及び第二把持部材82を例えば片方の手で持ちながらホルダー6を液体収容器2から取り外して、揮散体5を液体収容器2内から引き抜く。そして、図16に示すように、ユーザは、片方の手で第一把持部材72を持ち、もう片方の手で第二把持部材82を持って、第一部材7に対して第二部材8を上方に回転させて第一部材7及び第二部材8を開状態とする。これにより、揮散体5は、揮散部51が第一挟持部材71及び第二挟持部材81により挟持される状態が解除されて、ホルダー6から自然に落下する。よって、ユーザは、使用済みの揮散体5を手に触れることなくホルダー6から容易に取り外すことができる。
薬剤揮散器による作用・効果
上述した本実施形態の薬剤揮散器1においては、揮散体5を保持するホルダー6が第一部材7及び第二部材8を備えることを特徴とする。また、本実施形態の薬剤揮散器1においては、第一部材7及び第二部材8は、第一挟持部材71及び第二挟持部材82が接近して揮散体5の揮散部51を挟持する閉状態と、第一挟持部材71及び第二挟持部材81が離隔する開状態とに開閉可能であることを特徴とする。そのため、ユーザは、第一部材7及び第二部材8を開閉するだけで、ホルダー6に対する揮散体5の取り付け及び取り外し作業を容易に行うことができる。さらに、ユーザは、揮散体5の取り替え作業の際に、第一把持部材72及び第二把持部材82を手で持ったり、あるいは、第一蓋部材70及び第二蓋部材80を手で持ったり、第一部材7及び第二部材8のどこかの部分を手で持つことができる。これにより、ユーザは、使用済みの揮散体5に手が直接触れることなく揮散体5の取り替え作業を行うことができる。よって、本実施形態の薬剤揮散器1によれば、揮散体5の取り替え作業において揮散体5に付着した薬液でユーザの手が汚れるのを防止又は抑制できる。
上述した本実施形態の薬剤揮散器1においては、揮散体5を保持するホルダー6が第一部材7及び第二部材8を備えることを特徴とする。また、本実施形態の薬剤揮散器1においては、第一部材7及び第二部材8は、第一挟持部材71及び第二挟持部材82が接近して揮散体5の揮散部51を挟持する閉状態と、第一挟持部材71及び第二挟持部材81が離隔する開状態とに開閉可能であることを特徴とする。そのため、ユーザは、第一部材7及び第二部材8を開閉するだけで、ホルダー6に対する揮散体5の取り付け及び取り外し作業を容易に行うことができる。さらに、ユーザは、揮散体5の取り替え作業の際に、第一把持部材72及び第二把持部材82を手で持ったり、あるいは、第一蓋部材70及び第二蓋部材80を手で持ったり、第一部材7及び第二部材8のどこかの部分を手で持つことができる。これにより、ユーザは、使用済みの揮散体5に手が直接触れることなく揮散体5の取り替え作業を行うことができる。よって、本実施形態の薬剤揮散器1によれば、揮散体5の取り替え作業において揮散体5に付着した薬液でユーザの手が汚れるのを防止又は抑制できる。
さらに、本実施形態の薬剤揮散器1においては、第一部材7及び第二部材8が閉状態にあるとき、第一蓋部材70及び第二蓋部材80が水平に連なって液体収容器2の上端開口20を覆う板状体60を形成することを特徴とする。よって、使用時には液体収容器2の上端開口20が板状体60によって閉じられているため、液体収容器2が傾いたり倒れたりしても液体収容器2内の薬液が上端開口20から外部に漏れるのを防止又は抑制できる。
以上より、本開示によれば、ユーザが使用済みの揮散体5に直接触れることなくかつ容易に揮散体5の取り替えを行うことができ、傾いたり倒れたりしても液体収容器2内の薬液が外部に漏れるのを抑制できる薬剤揮散器1を提供可能である。
また、本実施形態の薬剤揮散器1においては、第一部材7及び第二部材8は、揮散体5を挟持する第一挟持部材71及び第二挟持部材81の外側(揮散体5とは反対側)に第一把持部材72及び第二把持部材82が配置されることを特徴とする。これにより、ユーザは、第一把持部材72及び第二把持部材82を手で持って第一部材7及び第二部材8を開操作することで、使用済みの揮散体5に手が直接触れることなく揮散体5の取り替え作業を行うことができる。よって、揮散体5の取り替え作業時に揮散体5に付着した薬液で手が汚れるのを防止できる。
また、本実施形態の薬剤揮散器1においては、第一部材7及び第二部材8が揮散体5の幅方向に沿って間隔をあけて配置される複数の第一挟持部材71及び複数の第二挟持部材81を備えることを特徴とする。これにより、複数の第一挟持部材71及び複数の第二挟持部材81によって揮散部51を強固に挟持することができる。さらに、隣り合う第一挟持部材71の間及び隣り合う第二挟持部材81の間に露出口65が形成されて、揮散部51の外気と接触する面積が増加するため、揮散部51から効率よく薬液中の薬剤成分を揮散させることができる。
また、本実施形態の薬剤揮散器1においては、第一部材7及び第二部材8は、一部分同士がヒンジ9により接続されていることを特徴とする。これにより、第一部材7及び第二部材8を互いに完全に分離させることなく容易な構造で両者を接続しながら開閉可能とすることができる。
また、本実施形態の薬剤揮散器1においては、第一把持部材72及び第二把持部材82の少なくとも一方は、板状を呈しており、かつ、内側(第一挟持部材71及び第二挟持部材81の方)にへこむ凹部720,820を含むことを特徴とする。これにより、図14に示すように、ユーザが第一把持部材72及び第二把持部材82を片手の二本の指で外側から挟み持つことでホルダー6を手で持つ際に、ホルダー6を持ちやすくすることができる。
また、本実施形態の薬剤揮散器1においては、第一把持部材72及び第二把持部材82の少なくとも一方は、揮散体5の幅方向に沿う幅が狭くなるように湾曲した一対の側縁を備えることを特徴とする。これにより、図16に示すように、ユーザが第一把持部材72及び第二把持部材82をそれぞれ二本の指で一対の側縁を挟み持つことでホルダー6を両手で持つ際に、ホルダー6を持ちやすくすることができる。
また、本実施形態の薬剤揮散器1においては、第二蓋部材80は、第一蓋部材70と突き合わされる部分に突出部86を含み、第一蓋部材70は、第二蓋部材80と突き合わされる部分に突出部86が嵌まる形状の切欠部76を含むことを特徴とする。また、本実施形態の薬剤揮散器1においては、突出部86の一対の側縁860は先端に向うに連れて間隔が短くなるテーパ状であることを特徴とする。これにより、ユーザが第一部材7及び第二部材8を閉操作とする際に、第二蓋部材80の突出部86が第一蓋部材70の切欠部76にスムーズに嵌まり込んで第一蓋部材70及び第二蓋部材80が水平に連なる。よって、ユーザは、難なくホルダー6の第一部材7及び第二部材8を閉状態とすることができる。
また、本実施形態の薬剤揮散器1においては、第一部材7及び第二部材8が閉状態にあるときに、液体収容器2の上端開口20を覆う第一蓋部材70及び第二蓋部材80の下面に第一嵌合部材73及び第二嵌合部材83が連接され、第一嵌合部材73及び第二嵌合部材83は液体収容器2の上端開口20の内側に嵌まる筒状体63を形成することを特徴とする。これにより、第一嵌合部材73及び第二嵌合部材83は互いに離隔するのが規制され、その結果、第一蓋部材70及び第二蓋部材80も互いに離隔せずに水平に連なる板状体60の状態が保持される。よって、板状体60により液体収容器2の上端開口20を閉鎖し続けることができるうえ、板状体60を液体収容器2の上端開口20の上側の定位置にキープすることができる。
また、本実施形態の薬剤揮散器1においては、第一蓋部材70の上面に第一挟持部材71が連接され、第二蓋部材80の上面に第二挟持部材81が連接されていることを特徴とする。第一蓋部材70及び第二蓋部材80は、第一嵌合部材73及び第二嵌合部材83が一体化して液体収容器2の上端開口20の内側に嵌まることで、互いに離隔せずに水平に連なる板状体60の状態が保持される。そのため、第一挟持部材71及び第二挟持部材81の間の距離が一定に保たれ、第一挟持部材71及び第二挟持部材81により揮散体5の揮散部51を一定の挟持力で挟持し続けることができる。
変形例
以上、本開示の薬剤揮散器及びホルダーの実施形態について説明したが、本開示の薬剤揮散器及びホルダーは上述した実施形態に限定されるものではなく、本開示の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変形が可能である。
以上、本開示の薬剤揮散器及びホルダーの実施形態について説明したが、本開示の薬剤揮散器及びホルダーは上述した実施形態に限定されるものではなく、本開示の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変形が可能である。
例えば、上述した実施形態の薬剤揮散器1では、揮散部51は帯材が二重に重ねられて形成されており、吸上部50の二倍の厚みを有する。これに対して一変形例の薬剤揮散器として、揮散部51は帯材が重なっておらずに吸上部50と同じ厚みを有していてもよい。
例えば、上述した実施形態の薬剤揮散器1では、揮散部51の幅が吸上部50の幅よりも広い。これに対して一変形例の薬剤揮散器として、揮散部51の幅と吸上部50の幅が同じであってもよい。
例えば、上述した実施形態の薬剤揮散器1及びホルダー6では、第一挟持部材71及び第二挟持部材81は第一蓋部材70及び第二蓋部材80の上面に連接されている。これに対して一変形例の薬剤揮散器及びホルダーとして、第一挟持部材71は第一蓋部材70の上面に連接されず、第二挟持部材81は第二蓋部材80の上面に連接されていなくてもよい。つまり、第一挟持部材71と第一蓋部材70との間及び第二挟持部材81と第二蓋部材80との間に間隔があいていてもよい。
例えば、上述した実施形態の薬剤揮散器1及びホルダー6では、第一把持部材73及び第二把持部材83は第一連結部材74及び第二連結部材84に連接されている。これに対して一変形例の薬剤揮散器及びホルダーとして、第一把持部材73は第一連結部材74に連接されず、第二把持部材83は第二連結部材84に連接されていなくてもよい。つまりは、第一把持部材73と第一連結部材74との間及び第二把持部材83と第二連結部材84との間に間隔があいていてもよい。
例えば、上述した実施形態の薬剤揮散器1及びホルダー6では、第一部材7及び第二部材8は、第一把持部材72及び第二挟持部材82、並びに、第一嵌合部材73及び第二嵌合部材83を備えている。これに対して一変形例の薬剤揮散器及びホルダーとして、第一部材7及び第二部材8は、第一把持部材72及び第二挟持部材81だけを備えていてもよいし、第一嵌合部材73及び第二嵌合部材83だけを備えていてもよく、あるいは、両方ともに備えていなくてもよい。また、一変形例の薬剤揮散器及びホルダーとして、第一部材7及び第二部材8は、第一把持部材72及び第二挟持部材8を備えていても、必ずしも第一補強部材75及び第二補強部材85を備えている必要はない。
例えば、上述した実施形態の薬剤揮散器1及びホルダー6では、第一部材7及び第二部材8は上端同士がヒンジ9により接続されていることで、開閉時に一方に対して他方を上下方向へ回転させることが可能である。これに対して一変形例の薬剤揮散器及びホルダーとして、第一部材7及び第二部材8は、水平面内で一方に対して他方が左右方向へ回転することで開閉するように、第一蓋部材70及び第二蓋部材80の一部分同士、又は第一嵌合部材73及び第二嵌合部材83の一部分同士をヒンジなどで接続するようにしてもよい。
例えば、上述した実施形態の薬剤揮散器1及びホルダー6では、第一部材7及び第二部材8は一方に対する他方の回転により開閉する。これに対して一変形例の薬剤揮散器及びホルダーとして、第一部材7及び第二部材8は、一方に対して他方が前後方向にスライドすることで開閉して、第一挟持部材71及び第二挟持部材81が接近及び離隔するようにしてもよい。
例えば、上述した実施形態の薬剤揮散器1及びホルダー6では、第一把持部材72及び第二把持部材82の少なくとも一方の一対の側縁は、掴みやすくするために、上下方向における一部分において括れている。つまり、一対の側縁において、揮散体5の幅方向に沿う幅は、下方に向かって次第に狭くなった後に次第に拡がっている。これに対して一変形例の薬剤揮散器及びホルダーとして、第一把持部材72及び第二把持部材82の少なくとも一方の一対の側縁は、少なくとも上下方向における一部分において、下方に向かって次第に幅狭となるように湾曲する、又は、上方に向かって次第に幅狭となるように湾曲していてもよい。
1 薬剤揮散器
2 液体収容器
20 液体収容器の上端開口
5 揮散体
50 揮散体の一部分(吸上部)
51 揮散体の他の一部分(揮散部)
6 ホルダー
60 板状体
63 筒状体
64 挿通孔
65 露出孔
7 第一部材
70 第一蓋部材
71 第一挟持部材
72 第一把持部材
720 凹部
73 第一嵌合部材
76 切欠部
8 第二部材
80 第二蓋部材
81 第二挟持部材
82 第二把持部材
820 凹部
83 第二嵌合部材
86 突出部
860 突出部の側縁
9 ヒンジ
2 液体収容器
20 液体収容器の上端開口
5 揮散体
50 揮散体の一部分(吸上部)
51 揮散体の他の一部分(揮散部)
6 ホルダー
60 板状体
63 筒状体
64 挿通孔
65 露出孔
7 第一部材
70 第一蓋部材
71 第一挟持部材
72 第一把持部材
720 凹部
73 第一嵌合部材
76 切欠部
8 第二部材
80 第二蓋部材
81 第二挟持部材
82 第二把持部材
820 凹部
83 第二嵌合部材
86 突出部
860 突出部の側縁
9 ヒンジ
Claims (10)
- 揮発性を有する薬剤成分を含む液状薬剤を収容する液体収容器と、
前記液体収容器の上端開口を介して前記液体収容器に挿入される揮散体と、
前記液体収容器に取り外し可能に取り付けられており、前記揮散体の一部分が前記液体収容器内で前記液状薬剤に浸漬しかつ前記揮散体の他の一部分が前記液体収容器外で露出するように前記揮散体を保持するホルダーと、
を備え、
前記ホルダーは、第一部材及び第二部材を備え、
前記第一部材は、
第一蓋部材と、
第一挟持部材と、
を備え、
前記第二部材は、
前記第一蓋部材との間に前記揮散体が抜ける挿通孔を形成するように並び前記第一蓋部材とともに前記液体収容器の前記上端開口を覆う第二蓋部材と、
前記第一挟持部材とともに前記揮散体を挟持する第二挟持部材と、
を備え、
前記第一部材及び前記第二部材は、前記第一挟持部材及び前記第二挟持部材が接近して前記揮散体を挟持する閉状態と、前記第一挟持部材及び前記第二挟持部材が離隔する開状態とに開閉可能である、薬剤揮散器。 - 前記第一部材は、前記第一挟持部材に対して前記第二挟持部材とは反対側に位置する第一把持部材をさらに備え、
前記第二部材は、前記第二挟持部材に対して前記第一挟持部材とは反対側に位置する第二把持部材をさらに備える、請求項1に記載の薬剤揮散器。 - 前記第一部材は、前記揮散体の幅方向に沿って間隔をあけて配置される複数の前記第一挟持部材を備え、
前記第二部材は、前記揮散体の幅方向に沿って間隔をあけて配置される複数の前記第二挟持部材を備える、請求項1に記載の薬剤揮散器。 - 前記第一部材の一部分及び前記第二部材の一部分は、ヒンジにより接続されている、請求項1に記載の薬剤揮散器。
- 前記第一把持部材及び前記第二把持部材の少なくとも一方は、板状を呈しており、かつ、前記第一挟持部材及び前記第二挟持部材の方にへこむ凹部を含む、請求項2に記載の薬剤揮散器。
- 前記第一把持部材及び前記第二把持部材の少なくとも一方は、板状を呈しており、かつ、少なくとも一部分において前記揮散体の幅方向に沿う幅が狭くなるように湾曲する一対の側縁を備える、請求項2に記載の薬剤揮散器。
- 前記第一把持部材及び前記第二把持部材の少なくとも一方は、少なくとも前記凹部において前記揮散体の幅方向に沿う幅が狭くなるように湾曲する一対の側縁を備える、請求項5に記載の薬剤揮散器。
- 前記第二蓋部材は、前記第一蓋部材と突き合わされる部分において前記第一蓋部材に向かって突き出る突出部を含み、
前記第一蓋部材は、前記第二蓋部材と突き合わされる部分において前記突出部が嵌まる形状の切欠部を含み、
前記突出部の一対の側縁は、先端に向うに連れて間隔が短くなるテーパ状である、請求項1から7のいずれか一項に記載の薬剤揮散器。 - 前記第一部材は、前記第一蓋部材の下面に連接された第一嵌合部材をさらに備え、
前記第二部材は、前記第二蓋部材の下面に連接された第二嵌合部材であって、前記第一嵌合部材とともに前記液体収容器の前記上端開口の内側に嵌まる筒状体を形成する第二嵌合部材をさらに備える、請求項1から7のいずれか一項に記載の薬剤揮散器。 - 揮散体の一部分が液体収容器内で液状薬剤に浸漬しかつ前記揮散体の他の一部分が前記液体収容器外で露出するように前記揮散体を保持するホルダーであって、
第一部材及び第二部材を備え、
前記第一部材は、
第一蓋部材と、
第一挟持部材と、
を備え、
前記第二部材は、
前記第一蓋部材との間に前記揮散体が抜ける挿通孔を形成するように並び前記第一蓋部材とともに前記液体収容器の上端開口を覆う第二蓋部材と、
前記第一挟持部材とともに前記揮散体を挟持する第二挟持部材と、
を備え、
前記第一部材及び前記第二部材は、前記第一挟持部材及び前記第二挟持部材が接近して前記揮散体を挟持する閉状態と、前記第一挟持部材及び前記第二挟持部材が離隔する開状態とに開閉可能である、ホルダー。
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