JP2023174598A - 回転電気機械の回転子 - Google Patents

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Abstract

【課題】質量が小さく、回転慣性が低い、回転電気機械用の回転子を提供する。【解決手段】回転電気機械用の回転子(4)であって、外面(9)及び中央空洞を有する支持シリンダ(8)と、軸方向に配向され、支持シリンダ(8)の外面(9)上に載置され、回転軸を中心に互いに隣接して配置され、閉じたリングを形成する複数の永久磁石(6)と、支持シリンダ(8)の軸方向両端部に固定され、支持シリンダ(8)の中央空洞の内側に部分的に配置された、2つのサイドディスク(15)と、を含む回転子(4)。【選択図】図4

Description

関連出願の相互参照
本特許出願は、2022年5月27日に出願されたイタリア特許出願第102022000011189号の優先権を主張し、その全開示は参照により本明細書に組み込まれる。
本発明は、回転電気機械の回転子に関する。
本発明は、車両に搭載され、(電気エネルギーを吸収して機械的トルクを発生させる)モータ、又は(機械エネルギーを電気エネルギーに変換する)発電機として使用することができる、自動車動力用の回転電気機械において、有利な用途を見出すものである。
自動車動力用の回転電気機械は、中心回転軸の周りを回転するように回転式に取り付けられたシャフト、一般に永久磁石を有し、シャフトと共に回転するようにシャフトに取り付けられた回転子、及び、回転子を内側に囲むように回転子の周りに配置された、固定子を備える。
米国特許出願第2003011262A1号には、内部空間のある中央コアを有する、回転電気機械用の回転子が開示されており、永久磁石がそのコア上に配置されている。
米国特許出願第2021242735A1号には、閉じたリングを形成するように回転軸の周りに互いに隣接して配置された、複数の磁気要素を有する回転電気機械用の回転子が開示されている。各磁気要素は複数の永久磁石からなり、これらはハルバッハ配列に従って、軸方向に互いに連続して配置される。
ドイツ国特許出願102012011002A1号には、管状の中央要素と、中央要素に嵌合された2つのフランジ付き側部とを有する、回転電気機械用の回転子が開示されている。
米国特許出願第2003011262号 米国特許出願第2021242735号 ドイツ国特許出願10201201102号
本発明の目的は、特に質量が小さく、回転慣性が低い、回転電気機械用の回転子を提供することである。
本発明によれば、添付の特許請求の範囲による、回転電気機械用の回転子が提供される。
添付の特許請求の範囲は、本発明の好ましい実施形態を記載し、説明の不可欠な部分を形成する。
ここで、その非限定的な実施形態を示す添付の図面を参照して、本発明の説明を行う。
本発明による回転子を備える、回転電気機械の概略縦断面図である。 図1の回転子の斜視図である。 図1の回転子の縦断面図である。 より明瞭にするためにいくつかの部品を省略した、図1の回転子の分解斜視図である。
図1において、番号1は、全体として、自動車動力用の同期電気機械を示しており、この電気機械は可逆電気機械(すなわち、電気モータとして、電気エネルギーを吸収して機械的トルクを発生させ、発電機として、機械エネルギーを吸収して電気エネルギーを発生させることができる電気機械)である。
電気機械1は、少なくとも2つの駆動輪を備える電気駆動車両又はハイブリッド駆動車両(すなわち、二輪駆動又は四輪駆動の電気車両又はハイブリッド車両)に装備するのに適したものである。特に、電気機械1は、(直接的に、又は場合によってはクラッチを備えたドライブトレインによって)駆動輪に接続することができる。すなわち、電気機械1と駆動輪との間に直接的な接続を設けることができ、単純な減速機を設けることができ、あるいは、接続/切断装置(例えば、クラッチ)を設けることもできる。
電気機械1は、回転式に取り付けられて中心回転軸3の周りを回転するシャフト2、シャフト2に嵌合されてシャフト2と共に回転する、永久磁石を有する回転子4、及び、回転子4の周りに配置されて回転子4を内側に囲む、管状の円筒形状を有する、固定子5を備える(あるいは、回転子4を外側に配置することもできる)。
回転子4と固定子5との間には、厚さの小さい環状のエアギャップ(通常、回転子4が固定子5の内側で総合的に安全に回転できるようにするための、必要最低限のもの)が画定されている。
図3及び図4によれば、回転子4は、軸方向に配向され、回転軸3の周りに互いに並んで配置されて閉じたリングを形成する、複数の永久磁石6を備える。永久磁石6は、表面に配列されている。すなわち、永久磁石6は、回転子4の外面の領域に配置され、回転子4に設けられたスロットには挿入されない。
閉じたリングを構築する一連の永久磁石6は、永久磁石6の内側で径方向に磁場を無効にし、永久磁石6の外側で径方向に磁場を最大にするために、ハルバッハ配列による円周方向の配列を必要とする。言い換えれば、永久磁石6は、永久磁石6の内側で(シャフト2に向かって)径方向に磁場を無効にし、永久磁石6の外側で(固定子5の磁気コアに向かって)径方向に磁場を最大にするように配置される。すなわち、永久磁石6は、永久磁石6の内側で径方向に磁場を無効にし、永久磁石6の外側で径方向に磁場を最大にするように、ハルバッハ配列に従って、互いに連続して円周方向に配列される。
ハルバッハ配列とは、配列の一方の側(この実施形態では径方向外側)で磁場を増強し、他方の側(この実施形態では径方向内側)で干渉によって磁場を相殺する(無効化する)ように配列された、永久磁石6の特別な接合(配列)である。好ましい実施形態によれば、ハルバッハ配列は、時計回り方向の円周方向に配置されたNS方向を有する永久磁石6、外側(すなわち、中心回転軸3から離れる方向)に向かって径方向に配置されたNS方向を有する、後続の永久磁石6、反時計回り方向の円周方向に配置されたNS方向を有する、後続の永久磁石6、及び、内側(すなわち、中心回転軸3に近づく方向)に向かって径方向に配置されたNS方向を有する、後続の永久磁石6の、4つの(又はより多くの)永久磁石6のセットを、周期的に繰り返すことを伴う。
別の実施形態によれば、永久磁石6はハルバッハ配列に従って配列されない。
好ましい実施形態によれば、各永久磁石6は、モノリス状(すなわち、-当初から-分割されていない、不可分の磁性材料の単一片からなるもの)ではなく、軸方向に順次配列した(永久磁石6よりも小さい)永久磁石7を、軸方向に連続させることによって形成される。すなわち、各永久磁石6は、軸方向に順次配置された(永久磁石6よりも小さい)複数の永久磁石7からなる。特に、各永久磁石6には、概して前後に並んだ20個から60個の永久磁石7がある。
各永久磁石6において、永久磁石6を構成するすべての永久磁石7は、同一の向きを有し、すなわち、磁場の観点からすべて等しく配向される。言い換えれば、同一の永久磁石6において、永久磁石6を構成する永久磁石7は、全く同じように配向された磁場を有する。
添付の図面に示される実施形態では、永久磁石6は、交互に、長方形形状の断面及び等脚台形形状の断面を有する。本明細書に示されていない別の実施形態によれば、永久磁石6はすべて、(明らかに、リングを構築するために向きを互い違いにした)等脚台形形状の同じ断面を有する。
図3及び図4によれば、回転子4は、永久磁石6を収容する支持シリンダ8を備える。特に、支持シリンダ8は、永久磁石6が載置される外面9を有する。言い換えれば、永久磁石6は、支持シリンダ8の外側の表面上に配列される。好ましい実施形態によれば、支持シリンダ8の外面9は切子面を有する。すなわち複数の平坦面からなり、各々が対応する永久磁石6のための平坦な支持部を提供する。
支持シリンダ8は、シャフト2に結合され(すなわち、角度的に一体になるように拘束され)、それらは共に単一のブロックを形成する。好ましい実施形態によれば、シャフト2は、2つのハーフシャフト10及び11で構成され、各ハーフシャフトは、他方のハーフシャフトから分離して離間され、支持シリンダ8に単独で結合(固定)される。言い換えれば、各ハーフシャフト10又は11は、他方のハーフシャフト10又は11から独立して分離しており、他方のハーフシャフト10又は11から独立して支持シリンダ8に結合(固定)される(2つのハーフシャフト10及び11は、互いに所定の距離に配置されているため、接触しない)。特に、支持シリンダ8は内部が中空であり、貫通した中央空洞12を有し、その中に2つのハーフシャフト10及び11が挿入される。好ましい実施形態によれば、ハーフシャフト10又は11は各々、干渉を介して(特に、高い締結力を得るための焼き嵌め、冷やし嵌めによって)支持シリンダ8内(すなわち、支持シリンダ8の中央空洞12内)に打ち込まれる。
好ましい実施形態によれば、支持シリンダ8の中央空洞12の内部にある2つの端部領域には、対応するハーフシャフト10及び11が当接する2つの環状当接部13が得られる。すなわち、2つの環状当接部13は、ハーフシャフト10及び11を支持シリンダ8の中央空洞12に挿入するための制限止め具(座部)である。特に、各ハーフシャフト10又は11は、支持シリンダ8の中央空洞12内に干渉によって打ち込まれ、対応する環状当接部13に当接する、取付けリング14によって内部で終了する。
ハーフシャフト10は、支持軸受けに取り付けられるように成形される。更に、ハーフシャフト10はまた、運動の伝達装置に接続されるように成形され、したがって、スプライン加工を有する。ハーフシャフト11は、別の支持軸受けに取り付けられるように成形される。更に、ハーフシャフト11はまた、角度位置センサ(特に、レゾルバに)に接続されるように成形される。
図3及び図4によれば、回転子4は、支持シリンダ8の2つの対向する端部でシャフト2の周りに配置され、(とりわけ)互いに束ねられた永久磁石6を収容し、必要に応じて保持するように設計された、一対のサイドディスク15(バランスディスクとしても知られる)を備える。言い換えれば、2つのサイドディスク15は、回転子4の2つの対向する端部を構成し、永久磁石6を軸方向に圧縮したままにして、永久磁石6を互いに束ねた状態に保つことができる。
可能な実施形態によれば、サイドディスク15は、バランス開口部を有するように設計される。これは、回転軸3の周りで回転子4のバランスをとるものであり、円筒状穿孔又はフライス加工によって製造される。回転子4を高回転速度で動作させ、同時に動作寿命を長く保証するためには、動作中に発生する、シャフト2を支持する軸受けが吸収しなければならない振動を、最小限に抑える必要がある。この目的のために、回転子4は、多くの場合、回転中に振動を発生させる(避けがたい構造的公差による)不均衡を低減するために、細かくバランスをとる必要がある。回転子4がバランスをとることができるようにするために、2つのサイドディスク15が使用される。バランス開口部によって質量の非対称性が調整されるため、サイドディスク15は、バランス調整要素として機能する(バランス開口部は、止まり開口部又は貫通開口部とすることができ、径方向又は軸方向に配置することができる)。
バランス穴の存在、数、配置、及び深さは、明らかに完全に任意であり、その製造プロセス終了時における回転子4の(構造的公差による)実際の不均衡に依存するため、回転子4によって全面的に変わる可能性がある。理論的に言えば、構造的公差の組み合わせが好都合な場合には、その製造プロセス終了時に、回転軸3の周りの不均衡から受ける影響は補正を必要としないほど小さいものにすぎないため、回転子4はバランス穴を全く必要としない。
各サイドディスク15は、中央に、対応するハーフシャフト10又は11が(接触せずに)配置される、貫通孔16を有する。更に、各サイドディスク15は、(両方とも同じ貫通孔16を通じて中央で交差する)外側リング17及び内側リング18からなり、隙間のない単一の不可分な本体を形成する。各サイドディスク15において、外側リング17は、内側リング18の直径よりも大きい直径を有し、支持シリンダ8の外面9を越えて延在し、したがって、永久磁石6のための軸方向収容要素を画定する。一方、各サイドディスク15において、内側リング18は支持シリンダ8に結合されて単一のブロックを形成する(すなわち、角度的に一体であるように拘束される)。すなわち、各サイドディスク15において、外側リング17は、永久磁石6を軸方向に収容する機能及びバランス機能を有し(すなわち、バランス開口部は、外側リング17上に得られる)、一方で、内側リング18は、支持シリンダ8への機械的結合部として機能する。
好ましい実施形態によれば、各サイドディスク15は、対応するハーフシャフト10又は11に隣接し、対応するハーフシャフト10又は11よりも外側で径方向に、干渉(特に、高い締結力を得るための焼き嵌め、冷やし嵌めによって)によって、支持シリンダ8内(すなわち、支持シリンダ8の中央空洞12内)に打ち込まれる。好ましい実施形態によれば、支持シリンダ8の中央空洞12の内部にある2つの端部領域には、対応するサイドディスク15の内側リング18が当接する、2つの環状当接部19が得られる。すなわち、2つの環状当接部19は、対応するサイドディスク15の内側リング18を支持シリンダ8の中央空洞12に挿入するための制限止め具(座部)である。各環状当接部19は、対応する環状当接部13よりも軸方向外側に配置され、対応する環状当接部13の直径よりも大きい直径を有する。
好ましい実施形態によれば、サイドディスク15は、支持シリンダ8に対して軸方向に衝突する。すなわち、サイドディスク15は、永久磁石6ではなく支持シリンダ8に軸方向に「接触」して、永久磁石6を押圧する代わりに、支持シリンダ8を軸方向に直接押圧する。
上述した開示により、2つのハーフシャフト10及び11は、互いに独立しており、互いに分離しており、また、それぞれのサイドディスク15から独立しており、分離していることが明らかである。更に、2つのハーフシャフト10及び11は、それぞれのサイドディスク15とは独立して、支持シリンダ8の中央空洞12の両端に単独で挿入され、支持シリンダ8と単一のブロックを形成する。各サイドディスク15は、中央に貫通孔を有し、対応するハーフシャフト10又は11は、クリアランスをもって、すなわち相互に接触することなく、その貫通孔を介して配置される。好ましい実施形態によれば、各サイドディスク15は、対応するハーフシャフト10又は11と(軸方向又は径方向に)接触点を有さない。すなわち、各サイドディスク15と、対応するハーフシャフト10又は11との間には、軸方向を向く表面、又は径方向を向く表面のいずれにも接触点がない。
回転子4は、内部が中空であり、永久磁石6を支持シリンダ8と接触させて保持するように永久磁石6の周りに配置された、円筒形の収容要素20を備える。すなわち、収容要素20は、遠心力によって永久磁石6が固定子5の磁気コアに押し付けられるのを防止するために、永久磁石6を径方向に収容するように、外側で永久磁石6を覆うものである。好ましい実施形態によれば、収容要素20は、干渉を介して永久磁石6の周りに打ち込まれる、複合材料製の管状要素からなる。あるいは、収容要素20は、プラスチック材料、軽量の非強磁性金属材料(例えば、アルミニウム、チタン又はマグネシウム)、又は(可能性は低いが)強磁性金属材料で作製される。更に別の場合には、収容要素20は、永久磁石6の周りに螺旋状に巻かれた、樹脂結合フィラメントからなる。
可能な実施形態によれば、収容要素20は、単一のモノリス状部品(すなわち、隙間のない部品)からなる。あるいは、収容要素20は2つ又はそれ以上の部品からなり、これらは互いに分離かつ独立し、互いに隣接して配置される。この実施形態では、収容要素20を構成する異なる部品は、永久磁石6の周りに単独で取り付けられ、(上述したように、所与の干渉によって行われる)作業に必要な力が全体的に低減される。
一般的に言えば、ハーフシャフト10は、回転子4によって生成又は吸収されたトルクを伝達できなければならないため、高抵抗鋼(又は機械的特徴に関して同等の別の材料)で作製される。一方、ハーフシャフト11は、回転子4によって生成又は吸収されたトルクを伝達しないため、ハーフシャフト10の鋼材よりも抵抗が小さい、鋼材又は他の金属材料で作製される。
支持シリンダ8は、磁性金属材料(鋼)、非磁性材料(例えば、ステンレス鋼、アルミニウム、チタン、又はマグネシウムなど)、あるいは、更には非金属材料(典型的には、必要な抵抗を有するための、炭素繊維などの複合材料)で作製される。上述したように、永久磁石6のハルバッハ配列によって永久磁石6の内部の磁場はゼロであり、したがって、支持シリンダ8は大きな磁場の影響を受けない。結果として、支持シリンダ8は必ずしも強磁性特性を有する必要がない。磁性金属材料で作製された支持シリンダ8では、永久磁石6が磁気吸引によって支持シリンダ8の外面9に付着するため、回転子4の組立てが単純化し、したがって、組立て中に、それらを支持シリンダ8の外面9上に、より容易に配置することができる。
サイドディスク15は、通常、必要な耐性を有し、回転子4の正確な平衡を可能にし、同時に、永久磁石6によって生成される磁場を乱さないように、非磁性ステンレス鋼で作製される(サイドディスク15から材料を除去することによって、効果的な平衡作用を確実にすることができるように、サイドディスク15は所与の質量を有さなければならない)。
可能な実施形態によれば、各永久磁石6において、単独の永久磁石7は、寄生電流による電力損失を低減するために、(電気絶縁体である)取付け接着剤を挿入することによって、互いに接着される。言い換えれば、各永久磁石6は、(電気絶縁体である)取付け接着剤を使用して、単一の永久磁石7を互いに接着することによって得られる。
好ましい実施形態によれば、永久磁石6は、支持シリンダ8の外面9に直接取り付けられる。特に、各永久磁石6は、好ましくは、(支持シリンダ8の外面9を介して、同じ永久磁石6の異なる永久磁石7が「短絡」することを回避するために)電気絶縁体である取付け用接着剤によって、支持シリンダ8の外面9に接着される。言い換えれば、支持シリンダ8の外面9と永久磁石6との間には、取付け用接着剤によって構築された、電気絶縁層が介在している。
取付け用接着剤は、永久磁石6を下にある支持シリンダ8の外面9から電気的に絶縁する機能を有し、特に、回転子4を構築しつつ、永久磁石6を支持シリンダ8の外面9に接続する機能を有する(回転子4の高速回転時には、取付け用接着剤が遠心力に耐えられないため、永久磁石6の機械的保持は、収容要素20によって保証される)。
本明細書に記載の実施形態は、互いに組み合わせることができ、そのために本発明の保護範囲を超えることはない。
上述した回転子4には、数々の利点がある。
第1に、上述した回転子4は、性能の利点のために、小さい質量及び低い回転慣性の両方を有する(特に、回転慣性が低いことで、ドライブトレイン全体の動的応力が低減される)。
更に、上述した回転子4は、革新的な材料(特に、複合材料)を使用して、かつて到達されたことのない性能/質量比を保証する。特に、上述した回転子4は、回転子4を構成する主要部品(支持シリンダ8、ハーフシャフト10、ハーフシャフト11、サイドディスク15)に、異なる材料を使用する。このようにして、各主要部品(支持シリンダ8、ハーフシャフト10、ハーフシャフト11、サイドディスク15)を、使用時に発生する機械的応力に抵抗し、性能/質量比を最適化するのに最も適した材料で作製することができる。特に、サイド(バランス)ディスク15は、より小さい機械的特性を有する、非磁性材料で作製することができる。
上記で開示した回転子4では、サイドディスク15が干渉を介して支持シリンダ8の中央空洞12内に打ち込まれることで、支持シリンダ8に対する2つのサイドディスク15の、すべての追加の機械的接続(例えば、溶接など)が排除され、サイドディスク15の支持シリンダ8への接続が単純化されることもあって、質量及び慣性が著しく低減されることを特徴とする。
上記で開示した回転子4において、サイドディスク15と支持シリンダ8との間の機械的接続は、非常に単純かつ軽量であるにもかかわらず、回転子4の回転中に作用する遠心力がサイドディスク15の内側リング18を支持シリンダ8に押し付け、したがって、その接続を(弱めることなく)補強するのに役立つため、大きな安定性及び安全性も保証される。結果として、この解決策は、サイドディスク15に作用する遠心力が特に高い値に達することになる、大口径の回転子4を製造するのに特に適している。
上述した回転子4は、高エネルギー効率(すなわち、入力された機械的又は電気的な力と、出力された電気的又は機械的な力との間の高い効率)を保証する。この点に関して、収容要素20が存在することで、精度の高い径方向の位置決め及び真円度が保証され、回転子4と固定子5との間に存在するエアギャップが最小化されることを、指摘しておくべきである。
最後に、上述した回転子4は、単純な形状の、少数の構成要素からなるため、製造が簡単であり、自動化工程においても互いに迅速に組み合わせることができる。
1 電気機械
2 シャフト
3 回転軸
4 回転子
5 固定子
6 永久磁石
7 永久磁石
8 支持シリンダ
9 外面
10 ハーフシャフト
11 ハーフシャフト
12 中央空洞
13 環状当接部
14 取付けリング
15 サイドディスク
16 貫通孔
17 外側リング
18 内側リング
19 環状当接部
20 収容要素

Claims (15)

  1. 回転電気機械(1)用の回転子(4)であって、
    外面(9)及び中央空洞(12)を有する、支持シリンダ(8)と、
    前記支持シリンダ(8)の前記外面(9)上に載置され、回転軸(3)を中心として互いに隣接して配置され、閉じたリングを形成する、複数の主永久磁石(6)と、
    前記支持シリンダ(8)の軸方向両端に固定され、各々が前記支持シリンダ(8)の前記中央空洞(12)の内側に部分的に配置される、2つのサイドディスク(15)と、
    互いに独立して分離している2つのハーフシャフト(10、11)と
    を備え、
    2つの前記ハーフシャフト(10、11)が、それぞれの前記サイドディスク(15)から独立して分離され、それぞれの前記サイドディスク(15)から独立して、前記支持シリンダ(8)の前記中央空洞(12)の両端に単独で挿入されて、前記支持シリンダ(8)と単一のブロックを形成し、
    前記サイドディスク(15)の各々が、中央に貫通孔を有し、対応する前記ハーフシャフト(10、11)が、クリアランスをもって、すなわち相互接触することなく、その貫通孔を介して配置されることを特徴とする、回転子(4)。
  2. 前記サイドディスク(15)の各々が、対応する前記ハーフシャフト(10、11)との接触点を有さない、請求項1に記載の回転子(4)。
  3. 前記サイドディスク(15)の各々が、隙間のない単一の不可分な本体を形成する、外側リング(17)及び内側リング(18)からなる、請求項1に記載の回転子(4)。
  4. 前記サイドディスク(15)の各々の前記内側リング(18)が、前記外側リング(17)の直径よりも小さい直径を有し、前記支持シリンダ(8)への機械的接続を得るために、前記支持シリンダ(8)の前記中央空洞(12)の内側に配置される、請求項3に記載の回転子(4)。
  5. 前記支持シリンダ(8)の前記中央空洞(12)が、対応する前記サイドディスク(15)の前記内側リング(18)が当接する、2つの第1の環状当接部(19)を有する、請求項4に記載の回転子(4)。
  6. 前記サイドディスク(15)の各々の前記外側リング(17)が、前記内側リング(18)の直径よりも大きい直径を有し、前記支持シリンダ(8)の前記外面(9)を越えて延在し、前記主永久磁石(6)の軸方向の閉じ込めを画定する、請求項3に記載の回転子(4)。
  7. 前記ハーフシャフト(10、11)の各々が、干渉によって前記支持シリンダ(8)の前記中央空洞(12)内に打ち込まれ、
    前記サイドディスク(15)の各々が、前記ハーフシャフト(10、11)のそれぞれとは別個かつ独立に、干渉によって前記支持シリンダ(8)の前記中央空洞(12)内に打ち込まれる、請求項1から6のいずれか一項に記載の回転子(4)。
  8. 前記支持シリンダ(8)の前記中央空洞(12)が、対応する前記サイドディスク(15)の前記内側リング(18)が当接する、2つの前記第1の環状当接部(19)を有し、
    前記支持シリンダ(8)の前記中央空洞(12)が、対応する前記ハーフシャフト(10、11)が当接する、2つの第2の環状当接部(13)を有する、請求項7に記載の回転子(4)。
  9. 前記第1の環状当接部(19)の各々が、対応する前記第2の環状当接部(13)よりも軸方向外側に配置され、対応する前記第2の環状当接部(13)の直径よりも大きい直径を有する、請求項8に記載の回転子(4)。
  10. 第1のハーフシャフト(10)が、第2のハーフシャフト(11)を構成する材料とは異なる材料で作製される、請求項1から6のいずれか一項に記載の回転子(4)。
  11. 前記支持シリンダ(8)が、2つの前記ハーフシャフト(10、11)を構成する材料とは異なる材料で作製される、請求項1から6のいずれか一項に記載の回転子(4)。
  12. 前記支持シリンダ(8)が、2つの前記サイドディスク(15)を構成する材料とは異なる材料で作製される、請求項1から6のいずれか一項に記載の回転子(4)。
  13. 前記主永久磁石(6)の各々が、軸方向に互いに連続して配置された、複数の第2の永久磁石(7)からなる、請求項1から6のいずれか一項に記載の回転子(4)。
  14. 前記主永久磁石(6)が、前記主永久磁石(6)の内側で径方向に磁場を無効にし、前記主永久磁石(6)の外側で径方向に磁場を最大にするように、ハルバッハ配列に従って、互いに連続して円周方向に配列される、請求項1から6のいずれか一項に記載の回転子(4)。
  15. 前記ハルバッハ配列が、時計回り方向の円周方向に配置されたNS方向を有する主永久磁石(6)、外側に向かって径方向に配置されたNS方向を有する後続の主永久磁石(6)、反時計回り方向の円周方向に配置されたNS方向を有する後続の主永久磁石(6)、及び、内側に向かって径方向に配置されたNS方向を有する後続の主永久磁石(6)からなる、4つの主永久磁石(6)のセットを、周期的に繰り返すことを伴う、請求項14に記載の回転子(4)。
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