JP2023174295A - 遠心圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】ラジアル軸受を効率良く冷却すること。【解決手段】軸路65は、吸入口22に連通する入口71を有している。軸路65は、軸路65におけるコンプレッサインペラ49の背面49aよりも入口71側に位置する部分において、入口71から離間するにつれて拡径する拡径路66を有している。コンプレッサインペラ49の回転によって加速された状態で吸入口22から軸路65の入口71を介して軸路65に導入された空気が、拡径路66を流れる。拡径路66を流れる空気は、減速することにより昇圧される。これにより、軸路65及び各径路75を通過してモータ室18内に導入される空気の圧力が高められる。よって、ディフューザ流路76によって空気が十分に昇圧される。このため、ディフューザ流路76によって昇圧された空気が第1ラジアル軸受51をスムーズに通過するため、第1ラジアル軸受51が効率良く冷却される。【選択図】図1

Description

本発明は、遠心圧縮機に関する。
遠心圧縮機は、コンプレッサインペラと、ロータと、モータと、ハウジングと、を備えている。コンプレッサインペラは、空気を圧縮する。ロータは、コンプレッサインペラに固定されている。モータは、コンプレッサインペラを回転させる。ハウジングは、インペラ室、モータ室、及び吸入口を有している。インペラ室は、コンプレッサインペラを収容する。モータ室は、モータを収容する。吸入口は、インペラ室に空気を吸入する。ロータの一部とハウジングに固定されるステータとがモータを構成する。また、遠心圧縮機は、ラジアル軸受を備えている。ラジアル軸受は、ロータをラジアル方向で回転可能に支持する。
ところで、このような遠心圧縮機において、ラジアル軸受の耐久性の向上を図るためには、ラジアル軸受を冷却することが望ましい。そこで、例えば特許文献1のように、遠心圧縮機が、軸路と、径路と、を備えている場合がある。軸路は、ロータの内部にロータの軸方向に延びている。軸路は、吸入口に連通する入口を有している。径路は、軸路と連通している。径路は、軸路からロータの径方向に延びている。径路は、モータ室内に連通している。そして、このような遠心圧縮機は、径路からモータ室内に導入された空気を昇圧するディフューザ流路を備えている。さらに、ハウジングは、吸入口から軸路及び径路を介してモータ室内に導入された空気をハウジング外に排出する排出口を有している。
これによれば、吸入口からの空気の一部が、軸路に導入されて軸路及び径路を流れる。径路を流れる空気は、ロータの回転に伴う遠心力によって加速されるとともに径路からモータ室内に導入される。径路からモータ室内に導入された空気は、ディフューザ流路によって昇圧される。そして、ディフューザ流路によって昇圧された空気がラジアル軸受を通過することにより、ラジアル軸受が空気によって冷却される。ラジアル軸受を冷却した空気は、排出口からハウジング外に排出される。
特許第6968253号公報
しかしながら、吸入口から軸路に導入された空気が径路を介してモータ室内に導入されるまでに、空気に圧力損失が生じると、ディフューザ流路によって空気を十分に昇圧することができなくなる虞がある。すると、モータ室内に導入された空気がラジアル軸受を通過し難くなってしまう。このため、ラジアル軸受の冷却が不十分になる虞がある。したがって、このような遠心圧縮機においては、ラジアル軸受を効率良く冷却することが望まれている。
上記課題を解決する遠心圧縮機は、空気を圧縮するコンプレッサインペラと、前記コンプレッサインペラに固定されたロータと、前記コンプレッサインペラを回転させるモータと、前記コンプレッサインペラを収容するインペラ室、前記モータを収容するモータ室、及び前記インペラ室に空気を吸入する吸入口を有するハウジングと、を備え、前記ロータの一部と前記ハウジングに固定されるステータとが前記モータを構成し、前記吸入口に連通する入口を有し、前記ロータの内部に前記ロータの軸方向に延びる軸路と、前記軸路と連通するとともに前記軸路から前記ロータの径方向に延び、前記モータ室内に連通する径路と、を備え、前記ハウジングは、前記吸入口から前記軸路及び前記径路を介して前記モータ室内に導入された空気を前記ハウジング外に排出する排出口を有し、前記ロータをラジアル方向で回転可能に支持するラジアル軸受と、前記径路から前記モータ室内に導入された空気を昇圧するディフューザ流路と、を備え、前記ディフューザ流路によって昇圧された空気によって前記ラジアル軸受が冷却される遠心圧縮機であって、前記軸路は、前記軸路における前記コンプレッサインペラの背面よりも前記入口側に位置する部分において、前記入口から離間するにつれて拡径する拡径路を有している。
これによれば、コンプレッサインペラの回転によって加速された状態で吸入口から軸路の入口を介して軸路に導入された空気が、拡径路を流れる。拡径路を流れる空気は、減速することにより昇圧される。これにより、軸路及び径路を通過してモータ室内に導入される空気の圧力を高めることができる。その結果、ディフューザ流路によって空気を十分に昇圧することができる。このため、ディフューザ流路によって昇圧された空気がラジアル軸受をスムーズに通過するため、ラジアル軸受が効率良く冷却される。そして、ラジアル軸受を冷却した後の空気は、排出口からハウジング外に排出される。以上により、ラジアル軸受を効率良く冷却することができる。
上記遠心圧縮機において、前記ロータは、筒部材と、前記筒部材の内側に固定される磁性体と、前記筒部材の軸方向で前記磁性体を挟んだ両側に設けられる第1軸部材及び第2軸部材と、を備え、前記コンプレッサインペラは、前記第1軸部材に連結されており、前記入口は、前記コンプレッサインペラにおける前記第1軸部材とは反対側の端面に開口しており、前記拡径路は、前記コンプレッサインペラに形成されており、前記コンプレッサインペラには、雌ねじ孔が形成されており、前記第1軸部材には、雄ねじが形成されており、前記雄ねじが前記雌ねじ孔に螺合されることにより、前記コンプレッサインペラが前記第1軸部材に締結されており、前記拡径路は、前記雌ねじ孔に連続しているとよい。
例えば、第1軸部材がコンプレッサインペラを貫通しており、第1軸部材におけるコンプレッサインペラから突出した部分にナットを螺合することにより、コンプレッサインペラと第1軸部材とを締結することが考えられる。この場合、第1軸部材における筒部材とは反対側の端面に軸路の入口が開口する。ここで、拡径路の孔径は、第1軸部材におけるコンプレッサインペラを貫通する部分の外径よりも小さくなる。つまり、拡径路の孔径が、第1軸部材におけるコンプレッサインペラを貫通する部分の外径に制約されることになる。
そこで、コンプレッサインペラに雌ねじ孔を形成するとともに、第1軸部材に雄ねじを形成した。そして、雄ねじが雌ねじ孔に螺合されることにより、コンプレッサインペラが第1軸部材に締結される構成とした。さらに、軸路の入口は、コンプレッサインペラにおける第1軸部材とは反対側の端面に開口しており、拡径路は、コンプレッサインペラに形成されている。拡径路は、雌ねじ孔に連続している。このようにすることで、拡径路の孔径を極力大きくすることができる。したがって、空気の圧力損失が小さくなるため、空気を効率良く昇圧させることができる。
上記遠心圧縮機において、前記軸路は、前記第1軸部材及び前記磁性体を貫通して、前記第2軸部材の内部に至り、前記径路は、前記軸路から前記第2軸部材の外周面に向けて延び、前記モータ室内に連通しているとよい。
これによれば、軸路を流れる空気によって、磁性体を冷却することができる。したがって、圧縮された空気よりも低温である空気によって、ラジアル軸受に加えて、磁性体を効率良く冷却することができる。
上記遠心圧縮機において、前記軸路は、前記第1軸部材の内部で前記コンプレッサインペラから離間するにつれて拡径する軸拡径路を有しているとよい。
これによれば、軸拡径路を流れる空気は、減速することにより昇圧される。これにより、軸路及び径路を通過してモータ室内に導入される空気の圧力をさらに高めることができる。その結果、ディフューザ流路によって空気を十分に昇圧し易くすることができる。
この発明によれば、ラジアル軸受を効率良く冷却することができる。
実施形態における遠心圧縮機の断面図である。 遠心圧縮機の一部分を拡大して示す断面図である。 遠心圧縮機の一部分を拡大して示す断面図である。 遠心圧縮機の一部分を拡大して示す断面図である。
以下、遠心圧縮機を具体化した一実施形態を図1~図4にしたがって説明する。本実施形態の遠心圧縮機は、燃料電池車に搭載されている。遠心圧縮機は、空気を圧縮する。
<遠心圧縮機10の基本構成>
図1に示すように、遠心圧縮機10は、ハウジング11を備えている。ハウジング11は、金属材料製である。ハウジング11は、例えば、アルミニウム製である。ハウジング11は、筒状である。ハウジング11は、モータハウジング12、コンプレッサハウジング13、タービンハウジング14、第1プレート15、第2プレート16、及びシールプレート17を有している。
モータハウジング12は、筒状である。モータハウジング12は、板状の端壁12aと、周壁12bと、を有している。周壁12bは、端壁12aの外周部から筒状に延びている。第1プレート15は、モータハウジング12の周壁12bの開口側の端部に連結されている。第1プレート15は、モータハウジング12の周壁12bの開口を閉塞している。そして、モータハウジング12の端壁12a及び周壁12bと第1プレート15とによって、モータ室18が区画されている。したがって、ハウジング11は、モータ室18を有している。
図2に示すように、第1プレート15は、第1凹部15c及び第2凹部15dを有している。第1凹部15c及び第2凹部15dは、第1プレート15におけるモータハウジング12とは反対側の端面15aに形成されている。第1凹部15c及び第2凹部15dは、円孔状である。第1凹部15cの内径は、第2凹部15dの内径よりも大きい。第2凹部15dは、第1凹部15cの底面15fに形成されている。第1凹部15cの軸線と第2凹部15dの軸線とは一致している。
シールプレート17は、第1凹部15cに嵌め込まれている。シールプレート17は、例えば、図示しないボルトによって第1プレート15に取り付けられている。シールプレート17は、第2凹部15dの開口を閉塞している。そして、シールプレート17と第2凹部15dとによって、スラスト軸受収容室19が区画されている。したがって、ハウジング11は、スラスト軸受収容室19を有している。また、シールプレート17は、シャフト挿通孔17hを有している。シャフト挿通孔17hは、シールプレート17の中央部に形成されている。シャフト挿通孔17hは、スラスト軸受収容室19に開口している。
第1プレート15は、第1ラジアル軸受保持部21を有している。したがって、ハウジング11は、第1ラジアル軸受保持部21を有している。第1ラジアル軸受保持部21は、円筒状である。第1ラジアル軸受保持部21は、第1プレート15におけるモータハウジング12側の端面15bの中央部からモータ室18内に突出している。第1ラジアル軸受保持部21は、モータ室18に連通している。第1ラジアル軸受保持部21は、第1プレート15を貫通して第2凹部15dの底面15hに開口している。したがって、第1ラジアル軸受保持部21は、スラスト軸受収容室19に連通している。第1ラジアル軸受保持部21の軸線は、第1凹部15cの軸線及び第2凹部15dの軸線と一致している。
コンプレッサハウジング13は、筒状である。コンプレッサハウジング13は、円孔状の吸入口22を有している。したがって、ハウジング11は、吸入口22を有している。コンプレッサハウジング13は、吸入口22の軸線が、シールプレート17のシャフト挿通孔17hの軸線と一致した状態で、第1プレート15の端面15aに連結されている。吸入口22は、コンプレッサハウジング13における第1プレート15とは反対側の端面に開口している。
コンプレッサハウジング13とシールプレート17との間には、インペラ室23と、吐出室24と、コンプレッサディフューザ流路25と、が形成されている。したがって、ハウジング11は、インペラ室23を有している。シールプレート17は、インペラ室23とスラスト軸受収容室19とを隔てている。インペラ室23は、吸入口22に連通している。インペラ室23は、吸入口22から離れるにつれて徐々に拡径していく略円錐台孔形状になっている。吐出室24は、インペラ室23の周囲で吸入口22の軸線周りに延びている。コンプレッサディフューザ流路25は、インペラ室23と吐出室24とを連通している。インペラ室23は、シールプレート17のシャフト挿通孔17hに連通している。
図3に示すように、モータハウジング12は、第2ラジアル軸受保持部26を有している。したがって、ハウジング11は、第2ラジアル軸受保持部26を有している。第2ラジアル軸受保持部26は、円筒状である。第2ラジアル軸受保持部26は、モータハウジング12の端壁12aの内面の中央部からモータ室18内に突出している。第2ラジアル軸受保持部26は、モータ室18に連通している。第2ラジアル軸受保持部26の内側は、モータハウジング12の端壁12aを貫通して端壁12aの外面に開口している。第1ラジアル軸受保持部21の軸線と第2ラジアル軸受保持部26の軸線とは一致している。
第2プレート16は、モータハウジング12の端壁12aの外面に連結されている。第2プレート16は、シャフト挿通孔16hを有している。シャフト挿通孔16hは、第2プレート16の中央部に形成されている。
タービンハウジング14は、筒状である。タービンハウジング14は、円孔状の吐出口27を有している。タービンハウジング14は、吐出口27の軸線が、第2プレート16のシャフト挿通孔16hの軸線と一致した状態で、第2プレート16におけるモータハウジング12とは反対側の端面16aに連結されている。吐出口27は、タービンハウジング14における第2プレート16とは反対側の端面に開口している。
タービンハウジング14と第2プレート16の端面16aとの間には、タービン室28と、タービンスクロール流路29と、連通通路30と、が形成されている。タービン室28は、吐出口27に連通している。タービンスクロール流路29は、タービン室28の周囲で吐出口27の軸線周りに延びている。連通通路30は、タービン室28とタービンスクロール流路29とを連通している。タービン室28は、第2プレート16のシャフト挿通孔16hに連通している。
図1に示すように、遠心圧縮機10は、モータ31を備えている。モータ31は、モータ室18に収容されている。したがって、モータ室18は、モータ31を収容する。そして、モータ31は、ハウジング11内に収容されている。
モータ31は、ステータ32と、ロータ33と、を備えている。したがって、遠心圧縮機10は、ロータ33を備えている。ステータ32は、筒状のステータコア34と、コイル35と、を有している。コイル35は、ステータコア34に巻回されている。ステータコア34は、モータハウジング12の周壁12bの内周面に固定されている。したがって、ステータ32は、ハウジング11に固定されている。ステータコア34の両端面には、コイル35の一部であるコイルエンド36がそれぞれ突出している。なお、以下の説明では、ステータコア34における第1プレート15側に位置するコイルエンド36を、「第1コイルエンド36a」と記載する。また、ステータコア34におけるモータハウジング12の端壁12a側に位置するコイルエンド36を、「第2コイルエンド36b」と記載する。
図4に示すように、ステータ32は、樹脂部37を有している。樹脂部37は、ステータコア34及びコイルエンド36を被覆している。樹脂部37は、第1樹脂部38、第2樹脂部39、及び第3樹脂部40を有している。したがって、ステータ32は、第1樹脂部38、第2樹脂部39、及び第3樹脂部40を備えている。第1樹脂部38は、第1コイルエンド36aを樹脂で覆う筒状である。第2樹脂部39は、第2コイルエンド36bを樹脂で覆う筒状である。第3樹脂部40は、ステータコア34の内周面を樹脂で覆う筒状である。第3樹脂部40は、ステータコア34の内側でステータコア34の軸方向に延びている。第3樹脂部40は、第1樹脂部38と第2樹脂部39とを接続している。第3樹脂部40の内周面は、第2樹脂部39から第1樹脂部38に向かうにつれて内径が拡径していく円錐孔になっている。
ロータ33は、ステータ32の内側に配置されている。ロータ33は、筒部材41と、磁性体である永久磁石42と、第1軸部材44及び第2軸部材45と、を備えている。筒部材41は、例えば、チタン合金製である。筒部材41は、筒部材41の軸線が直線状に延びる筒状である。筒部材41の軸方向は、ロータ33の軸方向でもある。また、筒部材41の径方向は、ロータ33の径方向でもある。筒部材41の外径は一定である。したがって、筒部材41の外周面は、ロータ33の軸方向に延びている。
永久磁石42は、円筒状である。永久磁石42は、筒部材41の内側に配置されている。永久磁石42の軸線は、筒部材41の軸線と一致している。永久磁石42は、筒部材41の内周面に圧入されている。したがって、永久磁石42は、筒部材41の内側に固定されている。永久磁石42は、永久磁石42の径方向に着磁されている。具体的には、永久磁石42は、永久磁石42の径方向で着磁されることにより永久磁石42の径方向の両側の部位にN極とS極とを有する円筒状である。
永久磁石42における軸線が延びる方向の長さは、筒部材41における軸線が延びる方向の長さよりも短い。永久磁石42の両端面は、筒部材41の内側に位置している。よって、筒部材41の軸方向に位置する両端部それぞれは、永久磁石42の両端面それぞれに対して軸方向へ突出している。そして、筒部材41の両端部は、ステータコア34の両端面それぞれに対して軸方向へ突出している。
図1に示すように、第1軸部材44及び第2軸部材45は、筒部材41の軸方向で永久磁石42を挟んだ両側に設けられている。第1軸部材44及び第2軸部材45は、例えば、鉄製である。
第1軸部材44は、円筒状である。第1軸部材44の第1端部は、筒部材41の第1端部の内側に挿入されている。第1軸部材44の第1端部は、筒部材41の第1端部の内周面に圧入されている。したがって、第1軸部材44は、筒部材41に固定されている。第1軸部材44の軸線は、筒部材41の軸線と一致している。図2に示すように、第1軸部材44の第2端部は、モータ室18から第1ラジアル軸受保持部21の内側、及びスラスト軸受収容室19を通過して、シャフト挿通孔17h内に突出している。第1軸部材44の第2端部の外周面には、雄ねじ44aが形成されている。
図3に示すように、第2軸部材45は、円筒状である。第2軸部材45の第1端部は、筒部材41の第2端部の内側に挿入されている。第2軸部材45の第1端部は、筒部材41の第2端部の内周面に圧入されている。したがって、第2軸部材45は、筒部材41に固定されている。第2軸部材45の軸線は、筒部材41の軸線と一致している。第2軸部材45の第2端部は、モータ室18から第2ラジアル軸受保持部26の内側、及びシャフト挿通孔16hを通過して、タービン室28内に突出している。
ロータ33において、筒部材41及び永久磁石42は、モータ31を構成している。したがって、ロータ33の一部とステータ32とがモータ31を構成している。
遠心圧縮機10は、支持部48を備えている。支持部48は、第1軸部材44の外周面から環状に突出している。支持部48は、円板状である。支持部48は、第1軸部材44の外周面から径方向外側へ環状に突出した状態で、第1軸部材44の外周面に固定されている。したがって、支持部48は、第1軸部材44とは別体である。支持部48は、スラスト軸受収容室19内に配置されている。支持部48は、第1軸部材44と一体的に回転する。
図2に示すように、遠心圧縮機10は、コンプレッサインペラ49を備えている。コンプレッサインペラ49は、第1軸部材44の第2端部に取り付けられている。したがって、コンプレッサインペラ49は、第1軸部材44に連結されている。よって、ロータ33は、コンプレッサインペラ49に固定されている。コンプレッサインペラ49は、第1軸部材44における支持部48よりも第1軸部材44の第2端部寄りに配置されている。コンプレッサインペラ49は、コンプレッサインペラ49における第1軸部材44側の端面である背面49aからコンプレッサインペラ49における第1軸部材44とは反対側の端面である先端面49bに向かうに従って徐々に縮径した筒状である。コンプレッサインペラ49は、インペラ室23に収容されている。したがって、インペラ室23は、コンプレッサインペラ49を収容する。コンプレッサインペラ49の外縁は、インペラ室23の内周面に沿って延びている。コンプレッサインペラ49は、第1軸部材44と一体的に回転することで空気を圧縮する。
コンプレッサインペラ49は、円筒状のボス部60を有している。ボス部60は、コンプレッサインペラ49の背面49aから突出している。ボス部60は、シャフト挿通孔17hの内側に挿入されている。ボス部60の内側は雌ねじ孔61になっている。したがって、コンプレッサインペラ49には、雌ねじ孔61が形成されている。そして、第1軸部材44の雄ねじ44aが雌ねじ孔61に螺合されることにより、コンプレッサインペラ49が第1軸部材44に締結されている。コンプレッサインペラ49の回転軸線は、第1軸部材44の軸線と一致している。
図3に示すように、遠心圧縮機10は、タービンホイール50を備えている。タービンホイール50は、第2軸部材45の第2端部に取り付けられている。タービンホイール50は、タービン室28に収容されている。タービンホイール50は、第2軸部材45と一体的に回転する。
図1に示すように、遠心圧縮機10は、第1ラジアル軸受51と、第2ラジアル軸受52と、を備えている。第1ラジアル軸受51は、円筒状である。第1ラジアル軸受51は、第1ラジアル軸受保持部21に保持されている。したがって、第1ラジアル軸受保持部21は、第1ラジアル軸受51を保持する。第2ラジアル軸受52は、円筒状である。第2ラジアル軸受52は、第2ラジアル軸受保持部26に保持されている。したがって、第2ラジアル軸受保持部26は、第2ラジアル軸受52を保持する。
第1ラジアル軸受51は、第1軸部材44をラジアル方向で回転可能に支持する。第2ラジアル軸受52は、第2軸部材45をラジアル方向で回転可能に支持する。第1ラジアル軸受51及び第2ラジアル軸受52は、筒部材41を筒部材41の軸方向で挟んだ両側の位置でロータ33をラジアル方向で回転可能に支持するラジアル軸受である。なお、「ラジアル方向」とは、筒部材41の軸方向に対して直交する方向である。
図2に示すように、遠心圧縮機10は、スラスト軸受53を備えている。スラスト軸受53は、スラスト軸受収容室19に収容されている。したがって、スラスト軸受収容室19は、スラスト軸受53を収容する。スラスト軸受53は、第1スラスト軸受部53aと、第2スラスト軸受部53bと、を含む。第1スラスト軸受部53a及び第2スラスト軸受部53bは、支持部48を挟み込むように配置されている。第1スラスト軸受部53aは、支持部48に対してコンプレッサインペラ49寄りに位置する。第2スラスト軸受部53bは、支持部48に対して第1ラジアル軸受51寄りに位置する。
そして、第1スラスト軸受部53a及び第2スラスト軸受部53bは、支持部48をスラスト方向で回転可能に支持する。したがって、スラスト軸受53は、コンプレッサインペラ49と第1ラジアル軸受51との間で支持部48を介してロータ33をスラスト方向で回転可能に支持する。なお、「スラスト方向」とは、筒部材41の軸方向に対して平行な方向である。このように、ロータ33は、ハウジング11に回転可能に支持されている。
遠心圧縮機10は、第1シール部材46を備えている。第1シール部材46は、シールプレート17のシャフト挿通孔17hとコンプレッサインペラ49のボス部60との間に設けられている。第1シール部材46は、インペラ室23からモータ室18に向かう空気の洩れを抑制する。遠心圧縮機10は、第2シール部材47を備えている。第2シール部材47は、第2プレート16のシャフト挿通孔16hと第2軸部材45との間に設けられている。第2シール部材47は、タービン室28からモータ室18に向かう空気の洩れを抑制する。第1シール部材46及び第2シール部材47は、例えば、シールリングである。
<燃料電池システム55>
図1に示すように、上記構成の遠心圧縮機10は、燃料電池車に搭載された燃料電池システム55の一部を構成している。燃料電池システム55は、遠心圧縮機10の他に、燃料電池スタック56と、供給流路57と、排出流路58と、を備えている。燃料電池スタック56は、図示しない複数の電池セルから構成されている。供給流路57は、吐出室24と燃料電池スタック56とを接続する。排出流路58は、燃料電池スタック56とタービンスクロール流路29とを接続する。
ロータ33が回転すると、コンプレッサインペラ49及びタービンホイール50がロータ33と一体的に回転する。したがって、モータ31は、コンプレッサインペラ49を回転させる。コンプレッサインペラ49が回転すると、吸入口22からインペラ室23に空気が吸入される。したがって、吸入口22は、インペラ室23に空気を吸入する。なお、吸入口22を流れる空気は、図示しないエアクリーナによって清浄化されている。
吸入口22から吸入された空気は、インペラ室23内でコンプレッサインペラ49によって圧縮されるとともにコンプレッサディフューザ流路25を通過して吐出室24から圧縮された空気として供給流路57へ吐出される。そして、吐出室24から供給流路57へ吐出された空気は、供給流路57を介して燃料電池スタック56に供給される。燃料電池スタック56に供給された空気は、燃料電池スタック56を発電するために使用される。その後、燃料電池スタック56を通過する空気は、燃料電池スタック56の排気として排出流路58へ排出される。
燃料電池スタック56の排気は、排出流路58を介してタービンスクロール流路29に吸入される。タービンスクロール流路29に吸入される燃料電池スタック56の排気は、連通通路30を通じてタービン室28に導入される。タービンホイール50は、タービン室28に導入された燃料電池スタック56の排気により回転する。ロータ33は、モータ31の駆動による回転に加え、燃料電池スタック56の排気により回転するタービンホイール50の回転によっても回転する。そして、燃料電池スタック56の排気によるタービンホイール50の回転によりロータ33の回転が補助される。タービン室28を通過した排気は、吐出口27から外部へ吐出される。
<軸路65>
遠心圧縮機10は、軸路65を備えている。軸路65は、拡径路66、中継路67と、軸拡径路68、磁性体内通路69、及び端路70を有している。
図2に示すように、拡径路66は、コンプレッサインペラ49に形成されている。拡径路66の軸線は、コンプレッサインペラ49の回転軸線と一致している。拡径路66の第1端は、コンプレッサインペラ49の先端面49bに開口して吸入口22に連通している。したがって、軸路65は、吸入口22に連通する入口71を有している。入口71は、コンプレッサインペラ49の先端面49bに開口している。拡径路66の第2端は、雌ねじ孔61に連続している。拡径路66は、拡径路66の第1端から第2端に向かうにつれて孔径が徐々に拡径していく円錐孔形状である。したがって、拡径路66は、コンプレッサインペラ49の先端面49bから背面49aに向かうにつれて孔径が徐々に拡径していく。
拡径路66は、軸路65における入口71からコンプレッサインペラ49の内部に位置する部分までを含む領域で入口71から離間するにつれて拡径し始める。拡径路66は、軸路65におけるコンプレッサインペラ49の背面49aよりも入口71側に位置する部分において、入口71から離間するにつれて拡径する。拡径路66の第1端は、軸路65の入口71である。したがって、本実施形態の拡径路66は、軸路65の入口71から拡径している。なお、「軸路65におけるコンプレッサインペラ49の内部に位置する部分」とは、軸路65におけるコンプレッサインペラ49に形成されている部分である。
中継路67は、第1軸部材44に形成されている。中継路67の第1端は、第1軸部材44におけるコンプレッサインペラ49側の端面に開口している。中継路67の第1端は、拡径路66の第2端に連通している。中継路67の第2端は、第1軸部材44の内部に位置している。中継路67は、第1端から第2端にかけて孔径が一定である。中継路67の軸線は、第1軸部材44の軸線と一致している。中継路67の孔径は、拡径路66の第2端の孔径と同じである。したがって、拡径路66の第2端と中継路67の第1端との境目には、段差が無い。
軸拡径路68は、第1軸部材44に形成されている。軸拡径路68は、第1軸部材44の内部でコンプレッサインペラ49から離間するにつれて拡径する。軸拡径路68の第1端は、中継路67に連通している。軸拡径路68の第2端は、第1軸部材44における筒部材41側の端面に開口している。したがって、軸路65は、第1軸部材44の内部を貫通している。軸拡径路68は、軸拡径路68の第1端から第2端に向かうにつれて孔径が徐々に拡径していく円錐孔形状である。したがって、軸拡径路68は、中継路67から離間するにつれて徐々に拡径していく。軸拡径路68の軸線は、第1軸部材44の軸線と一致している。したがって、軸拡径路68の軸線は、中継路67の軸線と一致している。
図4に示すように、磁性体内通路69は、永久磁石42の内部を永久磁石42の軸方向に貫通している。したがって、軸路65は、永久磁石42の内部を貫通している。磁性体内通路69は、円孔状である。磁性体内通路69の第1端は、軸拡径路68の第2端に連通している。磁性体内通路69の軸線は、軸拡径路68の軸線と一致している。
端路70は、第2軸部材45の内部を第2軸部材45の軸方向に延びている。端路70は、円孔状である。端路70の第1端は、磁性体内通路69の第2端に連通している。端路70の軸線は、磁性体内通路69の軸線と一致している。端路70の第2端は、第2軸部材45の内部に位置している。端路70の第2端は、第2軸部材45の内部で閉塞している。
このように、軸路65は、第1軸部材44の内部、永久磁石42の内部、及び第2軸部材45の内部を筒部材41の軸方向に延びている。したがって、軸路65は、ロータ33の内部にロータ33の軸方向に延びている。軸路65は、第1軸部材44及び永久磁石42を貫通して、第2軸部材45の内部に至る。そして、軸路65は、コンプレッサインペラ49の内部を貫通するとともに吸入口22に連通している。
<径路75>
図3に示すように、遠心圧縮機10は、複数の径路75を備えている。複数の径路75は、第2軸部材45に形成されている。複数の径路75は、端路70の第2端に連通している。したがって、各径路75は、軸路65と連通している。各径路75は、端路70から第2軸部材45の外周面に向けて延びている。したがって、各径路75は、軸路65から第2軸部材45の外周面に向けて延びている。複数の径路75は、端路70から放射状に延びている。各径路75の第1端は、端路70に連通している。各径路75の第2端は、第2軸部材45の外周面に開口して、モータ室18内に連通している。したがって、各径路75は、軸路65からロータ33の径方向に延び、モータ室18内に連通する。
拡径路66の第1端には、吸入口22からの空気が導入される。そして、吸入口22から拡径路66に導入された空気は、中継路67、軸拡径路68、磁性体内通路69、端路70、及び各径路75を介してモータ室18に導入される。
<ディフューザ流路76>
図4に示すように、遠心圧縮機10は、ディフューザ流路76を備えている。ディフューザ流路76は、第3樹脂部40の内周面と筒部材41の外周面との間に形成された空間である。したがって、ディフューザ流路76は、ステータ32とロータ33との間に設けられている。ディフューザ流路76は、ロータ33の軸方向において、第1ラジアル軸受保持部21と第2ラジアル軸受保持部26との間に位置している。ディフューザ流路76は、最も第2ラジアル軸受保持部26寄りの部分の流路断面積が最小となるように流路が絞られている。ディフューザ流路76は、最も第1ラジアル軸受保持部21寄りの部分の流路断面積が最大となる。したがって、ディフューザ流路76は、第2ラジアル軸受保持部26から第1ラジアル軸受保持部21に向けて流路断面積が漸次大きくなる。第3樹脂部40の内周面は、第2ラジアル軸受保持部26側から第1ラジアル軸受保持部21側に向かうにつれてロータ33から徐々に離間するようにロータ33の軸方向に対して斜めに延びている。そして、ディフューザ流路76は、各径路75からモータ室18内に導入された空気を昇圧しつつ第1ラジアル軸受保持部21内に流す。
<排出口80>
図2に示すように、ハウジング11は、排出口80を有している。排出口80は、第1プレート15に形成されている。排出口80は、モータ室18よりもインペラ室23寄りに配置されている。排出口80は、第1プレート15の内部を筒部材41の径方向に延びている。排出口80の第1端は、第1プレート15の外周面に開口している。排出口80の第2端は、第1プレート15の内部に位置している。排出口80は、吸入口22から軸路65及び各径路75を介してモータ室18内に導入された空気をハウジング11外に排出する。
ハウジング11には、第1排出路81と、第2排出路82と、第3排出路83と、第4排出路84と、が形成されている。第1排出路81は、第1プレート15の内部を貫通している。第1排出路81は、第1ラジアル軸受保持部21内と排出口80とを接続している。第1排出路81の第1端は、第1ラジアル軸受保持部21内に連通している。第1排出路81の第2端は、排出口80に連通している。第1排出路81は、第1ラジアル軸受保持部21内の空気を排出口80に向けて流す。
第2排出路82は、第1プレート15の内部を貫通している。第2排出路82は、モータ室18とスラスト軸受収容室19とを接続している。第2排出路82の第1端は、モータ室18内におけるステータ32よりも第1プレート15寄りの空間に連通している。第2排出路82の第2端は、第2凹部15dの内周面に開口している。そして、第2排出路82の第2端は、スラスト軸受収容室19に連通している。第2排出路82は、モータ室18内の空気をスラスト軸受収容室19に向けて流す。
第3排出路83は、シールプレート17の内部、及び第1プレート15の内部を貫通している。第3排出路83は、シャフト挿通孔17hと排出口80とを接続している。第3排出路83の第1端は、シャフト挿通孔17h内に連通している。第3排出路83の第2端は、排出口80に連通している。したがって、第3排出路83は、シャフト挿通孔17hを介してスラスト軸受収容室19に接続されている。第3排出路83は、スラスト軸受収容室19における第1スラスト軸受部53a寄りの壁部からスラスト軸受収容室19内の空気を排出口80に向けて流す。
図1に示すように、第4排出路84は、第2プレート16及びモータハウジング12を貫通している。第4排出路84は、シャフト挿通孔16hと排出口80とを接続している。第4排出路84の第1端は、シャフト挿通孔16h内に連通している。第4排出路84の第2端は、排出口80に連通している。第4排出路84は、シャフト挿通孔16h内の空気を排出口80に向けて流す。
[実施形態の作用]
次に、本実施形態の作用について説明する。
コンプレッサインペラ49の回転によって加速された状態で吸入口22から軸路65の入口71を介して軸路65に導入された空気が、拡径路66を流れる。拡径路66を流れた空気は、減速されることにより昇圧される。拡径路66によって昇圧された空気は、中継路67を介して軸拡径路68を流れる。軸拡径路68を流れる空気は、減速することにより昇圧される。
軸拡径路68によって昇圧された空気は、磁性体内通路69、端路70及び各径路75を流れる。各径路75を流れる空気は、モータ室18内に導入される。永久磁石42は、磁性体内通路69を流れる空気によって冷却される。よって、圧縮された空気よりも低温である空気によって永久磁石42が冷却される。
各径路75からモータ室18内に導入された空気の一部は、第2ラジアル軸受保持部26内を通過する。第2ラジアル軸受52は、第2ラジアル軸受保持部26内を通過する空気によって冷却される。第2ラジアル軸受保持部26内を通過した空気は、シャフト挿通孔16h及び第4排出路84を介して排出口80からモータ室18外へ排出される。
また、各径路75からモータ室18内に導入された空気の一部は、ディフューザ流路76によって昇圧されながら第1ラジアル軸受保持部21に向けて流れる。ディフューザ流路76を第1ラジアル軸受保持部21に向けて流れる空気の一部は、第1ラジアル軸受保持部21内を通過する。第1ラジアル軸受51は、第1ラジアル軸受保持部21内を通過する空気によって冷却される。第1ラジアル軸受保持部21内を通過した空気は、第1排出路81を介して排出口80からモータ室18外へ排出される。このように、モータ室18内においてディフューザ流路76を通過した空気は、第1ラジアル軸受保持部21内を通過し、その後、第1排出路81を介して排出口80からモータ室18外へ排出される。したがって、ディフューザ流路76によって昇圧された空気によって第1ラジアル軸受51が冷却される。
また、ディフューザ流路76を第1ラジアル軸受保持部21に向けて流れる空気の一部は、モータ室18内におけるステータ32よりも第1プレート15寄りの空間から第2排出路82を介してスラスト軸受収容室19内に流入する。そして、スラスト軸受収容室19内に流入した空気は、第1スラスト軸受部53aに向けて流れる空気と、第2スラスト軸受部53bに向けて流れる空気とに分岐される。
第1スラスト軸受部53aに向けて流れた空気は、第3排出路83を介して排出口80からモータ室18外へ排出される。第1スラスト軸受部53aは、スラスト軸受収容室19内を第1スラスト軸受部53aに向けて流れる空気によって冷却される。さらに、スラスト軸受収容室19と第1ラジアル軸受保持部21とは連通している。このため、第2スラスト軸受部53bに向けて流れた空気は、第1ラジアル軸受保持部21内に流入し、第1排出路81を介して排出口80からモータ室18外へ排出される。第2スラスト軸受部53bは、スラスト軸受収容室19内を第2スラスト軸受部53bに向けて流れる空気によって冷却される。
拡径路66を流れる空気は、減速することにより昇圧される。さらに、軸拡径路68を流れる空気は、減速することにより昇圧される。これにより、軸路65及び各径路75を通過してモータ室18内に導入される空気の圧力が高まる。その結果、ディフューザ流路76によって空気が十分に昇圧される。このため、ディフューザ流路76によって昇圧された空気が第1ラジアル軸受51をスムーズに通過するため、第1ラジアル軸受51が効率良く冷却される。
[実施形態の効果]
上記実施形態では以下の効果を得ることができる。
(1)軸路65は、吸入口22に連通する入口71を有している。軸路65は、軸路65におけるコンプレッサインペラ49の背面49aよりも入口71側に位置する部分において、入口71から離間するにつれて拡径する拡径路66を有している。これによれば、コンプレッサインペラ49の回転によって加速された状態で吸入口22から軸路65の入口71を介して軸路65に導入された空気が、拡径路66を流れる。拡径路66を流れる空気は、減速することにより昇圧される。これにより、軸路65及び各径路75を通過してモータ室18内に導入される空気の圧力を高めることができる。その結果、ディフューザ流路76によって空気を十分に昇圧することができる。このため、ディフューザ流路76によって昇圧された空気が第1ラジアル軸受51をスムーズに通過するため、第1ラジアル軸受51が効率良く冷却される。そして、第1ラジアル軸受51を冷却した後の空気は、排出口80からハウジング11外に排出される。以上により、第1ラジアル軸受51を効率良く冷却することができる。
(2)例えば、第1軸部材44がコンプレッサインペラ49を貫通しており、第1軸部材44におけるコンプレッサインペラ49から突出した部分にナットを螺合することにより、コンプレッサインペラ49と第1軸部材44とを締結することが考えられる。この場合、第1軸部材44における筒部材41とは反対側の端面に軸路65の入口71が開口する。ここで、拡径路66の孔径は、第1軸部材44におけるコンプレッサインペラ49を貫通する部分の外径よりも小さくなる。つまり、拡径路66の孔径が、第1軸部材44におけるコンプレッサインペラ49を貫通する部分の外径に制約されることになる。
そこで、コンプレッサインペラ49に雌ねじ孔61を形成するとともに、第1軸部材44に雄ねじ44aを形成した。そして、雄ねじ44aが雌ねじ孔61に螺合されることにより、コンプレッサインペラ49が第1軸部材44に締結される構成とした。さらに、軸路65の入口71は、コンプレッサインペラ49における第1軸部材44とは反対側の端面に開口しており、拡径路66は、コンプレッサインペラ49に形成されている。拡径路66は、雌ねじ孔61に連続している。このようにすることで、拡径路66の孔径を極力大きくすることができる。したがって、空気の圧力損失が小さくなるため、空気を効率良く昇圧させることができる。
(3)軸路65は、第1軸部材44及び永久磁石42を貫通して、第2軸部材45の内部に至る。各径路75は、軸路65から第2軸部材45の外周面に向けて延び、モータ室18内に連通している。これによれば、軸路65を流れる空気によって、永久磁石42を冷却することができる。したがって、圧縮された空気よりも低温である空気によって、第1ラジアル軸受51及び第2ラジアル軸受52に加えて、永久磁石42を効率良く冷却することができる。
(4)軸路65は、第1軸部材44の内部でコンプレッサインペラ49から離間するにつれて拡径する軸拡径路68を有している。これによれば、軸拡径路68を流れる空気は、減速することにより昇圧される。これにより、軸路65及び各径路75を通過してモータ室18内に導入される空気の圧力をさらに高めることができる。その結果、ディフューザ流路76によって空気を十分に昇圧し易くすることができる。
(5)中継路67の孔径は、拡径路66の第2端の孔径と同じである。したがって、拡径路66の第2端と中継路67の第1端との境目には、段差が無い。これによれば、例えば、中継路67の孔径が、拡径路66の第2端の孔径よりも小さく、拡径路66の第2端と中継路67の第1端との境目に段差が生じている場合のように、軸路65を流れる空気が段差に衝突して、圧力損失が発生してしまうことが無い。したがって、空気を効率良く昇圧させることができる。
[変更例]
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
○ 実施形態において、例えば、第1軸部材44がコンプレッサインペラ49を貫通しており、第1軸部材44におけるコンプレッサインペラ49から突出した部分にナットを螺合することにより、コンプレッサインペラ49と第1軸部材44とを締結してもよい。この場合、第1軸部材44における筒部材41とは反対側の端面に軸路65の入口71が開口する。拡径路66は、第1軸部材44に形成されている。拡径路66は、軸路65におけるコンプレッサインペラ49の背面49aよりも入口71側に位置する部分において、入口71から離間するにつれて拡径していればよい。
○ 実施形態において、軸路65が、第1軸部材44及び永久磁石42を貫通して、第2軸部材45の内部に至るまでロータ33の軸方向に延びていなくてもよい。例えば、軸路65が、第1軸部材44の内部まで延びるとともに、各径路75が、軸路65から第1軸部材44の外周面に向けて延び、モータ室18内に連通していてもよい。この場合、ディフューザ流路76は、最も第1ラジアル軸受保持部21寄りの部分の流路断面積が最小となるように流路が絞られている。ディフューザ流路76は、最も第2ラジアル軸受保持部26寄りの部分の流路断面積が最大となる。したがって、ディフューザ流路76は、第1ラジアル軸受保持部21から第2ラジアル軸受保持部26に向けて流路断面積が漸次大きくなる。そして、ディフューザ流路76は、各径路75からモータ室18内に導入された空気を昇圧しつつ第2ラジアル軸受保持部26内に流す。このようにして、ディフューザ流路76によって昇圧された空気によって第2ラジアル軸受52が冷却されるようにしてもよい。
○ 実施形態において、軸路65は、軸拡径路68を有していなくてもよい。したがって、軸路65における第1軸部材44を貫通する部分は、孔径が一定であってもよい。
○ 実施形態において、例えば、中継路67の孔径が、拡径路66の第2端の孔径よりも小さくてもよい。また、例えば、中継路67の孔径が、拡径路66の第2端の孔径よりも大きくてもよい。
○ 実施形態において、コンプレッサインペラ49は、ボス部60を有してなくてもよい。この場合、例えば、コンプレッサインペラ49の背面49aの中央部に雌ねじ孔61が形成されている。
○ 実施形態において、拡径路66の第1端が、軸路65の入口71ではなくてもよい。軸路65は、例えば、軸路65の入口71と拡径路66の第1端との間に孔径が一定の通路を有していてもよい。要は、拡径路66は、軸路65におけるコンプレッサインペラ49の背面49aよりも入口71側に位置する部分において、入口71から離間するにつれて拡径していればよい。
○ 実施形態において、排出口80が、例えば、モータハウジング12の周壁12bに形成されていてもよい。そして、排出口80が、モータ室18内におけるステータ32よりも第1プレート15寄りの空間に連通していてもよい。この場合、ハウジング11には、第1排出路81、第2排出路82、及び第3排出路83が形成されていなくてもよい。
○ 実施形態において、ステータコア34の内周面が樹脂によって覆われていなくてもよい。そして、ステータコア34の内周面が、第2コイルエンド36bから第1コイルエンド36aに向かうにつれて内径が拡径していく円錐孔になっていてもよい。このようにして、ステータコア34の内周面と筒部材41の外周面との間にディフューザ流路76が形成されていてもよい。
○ 実施形態において、第3樹脂部40の内周面の内径が一定であってもよい。そして、筒部材41の外周面が、第2軸部材45から第1軸部材44に向かうにつれて外径が拡径していく円錐面であってもよい。そして、第3樹脂部40の内周面と筒部材41の外周面との間にディフューザ流路76が形成されていてもよい。要は、ディフューザ流路76は、ステータ32とロータ33との間に設けられていればよい。
○ 実施形態において、径路75の数は特に限定されるものではない。
○ 実施形態において、樹脂部37は、第1樹脂部38及び第2樹脂部39を有していない構成であってもよい。要は、樹脂部37が、第1コイルエンド36a及び第2コイルエンド36bを覆っていない構成であってもよい。
○ 実施形態において、永久磁石42が、例えば、筒部材41の内周面に圧入されておらず、例えば、接着剤によって筒部材41の内周面に接着されていてもよい。要は、永久磁石42は、筒部材41の内側に固定されていればよい。
○ 実施形態において、遠心圧縮機10は、タービンホイール50を備えていない構成であってもよい。
○ 実施形態において、遠心圧縮機10は、タービンホイール50に代えて、コンプレッサインペラを備えている構成であってもよい。つまり、遠心圧縮機10は、第1軸部材44及び第2軸部材45それぞれにコンプレッサインペラが取り付けられており、一方のコンプレッサインペラによって圧縮された空気が、他方のコンプレッサインペラによって再び圧縮されるような構成であってもよい。
○ 実施形態において、磁性体としては、永久磁石42に限らず、例えば、積層コア、アモルファスコア、又は、圧粉コア等であってもよい。
○ 実施形態において、筒部材41が、例えば、炭素繊維強化プラスチックから構成されていてもよい。要は、筒部材41の材質は、特に限定されるものではない。
○ 実施形態において、遠心圧縮機10は、燃料電池車に搭載されていなくてもよい。要は、遠心圧縮機10は、車両に搭載されるものに限定されるものではない。
10…遠心圧縮機、11…ハウジング、18…モータ室、22…吸入口、23…インペラ室、31…モータ、32…ステータ、33…ロータ、41…筒部材、42…磁性体である永久磁石、44…第1軸部材、44a…雄ねじ、45…第2軸部材、49…コンプレッサインペラ、49a…背面、51…ラジアル軸受である第1ラジアル軸受、52…ラジアル軸受である第2ラジアル軸受、61…雌ねじ孔、65…軸路、66…拡径路、68…軸拡径路、71…入口、75…径路、76…ディフューザ流路、80…排出口。

Claims (4)

  1. 空気を圧縮するコンプレッサインペラと、
    前記コンプレッサインペラに固定されたロータと、
    前記コンプレッサインペラを回転させるモータと、
    前記コンプレッサインペラを収容するインペラ室、前記モータを収容するモータ室、及び前記インペラ室に空気を吸入する吸入口を有するハウジングと、を備え、
    前記ロータの一部と前記ハウジングに固定されるステータとが前記モータを構成し、
    前記吸入口に連通する入口を有し、前記ロータの内部に前記ロータの軸方向に延びる軸路と、
    前記軸路と連通するとともに前記軸路から前記ロータの径方向に延び、前記モータ室内に連通する径路と、を備え、
    前記ハウジングは、前記吸入口から前記軸路及び前記径路を介して前記モータ室内に導入された空気を前記ハウジング外に排出する排出口を有し、
    前記ロータをラジアル方向で回転可能に支持するラジアル軸受と、
    前記径路から前記モータ室内に導入された空気を昇圧するディフューザ流路と、を備え、
    前記ディフューザ流路によって昇圧された空気によって前記ラジアル軸受が冷却される遠心圧縮機であって、
    前記軸路は、前記軸路における前記コンプレッサインペラの背面よりも前記入口側に位置する部分において、前記入口から離間するにつれて拡径する拡径路を有していることを特徴とする遠心圧縮機。
  2. 前記ロータは、
    筒部材と、
    前記筒部材の内側に固定される磁性体と、
    前記筒部材の軸方向で前記磁性体を挟んだ両側に設けられる第1軸部材及び第2軸部材と、を備え、
    前記コンプレッサインペラは、前記第1軸部材に連結されており、
    前記入口は、前記コンプレッサインペラにおける前記第1軸部材とは反対側の端面に開口しており、
    前記拡径路は、前記コンプレッサインペラに形成されており、
    前記コンプレッサインペラには、雌ねじ孔が形成されており、
    前記第1軸部材には、雄ねじが形成されており、
    前記雄ねじが前記雌ねじ孔に螺合されることにより、前記コンプレッサインペラが前記第1軸部材に締結されており、
    前記拡径路は、前記雌ねじ孔に連続していることを特徴とする請求項1に記載の遠心圧縮機。
  3. 前記軸路は、前記第1軸部材及び前記磁性体を貫通して、前記第2軸部材の内部に至り、
    前記径路は、前記軸路から前記第2軸部材の外周面に向けて延び、前記モータ室内に連通していることを特徴とする請求項2に記載の遠心圧縮機。
  4. 前記軸路は、前記第1軸部材の内部で前記コンプレッサインペラから離間するにつれて拡径する軸拡径路を有していることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の遠心圧縮機。
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