JP2023173676A - 誘導加熱溶着装置、制御方法、及び制御プログラム - Google Patents

誘導加熱溶着装置、制御方法、及び制御プログラム Download PDF

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Hiroyuki Shoji
哲雄 太田
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Abstract

【課題】水分が存在した場合であっても防水シートと防水シート固定具とを適切に溶着できる誘導加熱溶着装置を実現する。【解決手段】誘導加熱溶着装置9は、防水シート固定具6を誘導加熱する加熱コイル15と、センサSと、加熱コイルの作動を制御する加熱制御部と、センサSの出力に基づいて、防水シート8の下で水の沸騰が発生しているか否かを判定する沸騰判定部と、を備える。加熱制御部は、沸騰判定部が水の沸騰が発生していると判定した場合に、沸騰判定部が水の沸騰が発生していないと判定した後に加熱コイルの作動を停止させる。センサSは、振動センサ、音センサ、温度センサ等である。【選択図】図1

Description

本発明は、誘導加熱溶着装置に関する。
特許文献1に示されるように、従来から、陸屋根等に防水シートを敷設する工事において、誘導加熱溶着装置を用いた機械的固定工法が行われている。この工法では、まず、熱可塑性樹脂の接着層が設けられたディスク状のシート固定具が、防水下地にアンカー固定される。次に、防水シートを展開し、防水シートの上からシート固定具を誘導加熱溶着装置により加熱し、防水シートをシート固定具へ固定する。
特許第5385655号公報
シート固定具は、数十cmの間隔を空けて防水下地に多数配置されるので、シート固定具の配設には数日の工期を必要とする。そうすると、防水シートの展開の前に、降雨や降雪、結露等によりシート固定具の表面に水が付着する場合がある。
防水シートの敷設範囲は広大であり、シート固定具の表面の水分の全てを除去することは難しい。従って、水分が付着したシート固定具の上に防水シートが被せられ、その状態で誘導加熱溶着装置による防水シートの固定の工程が行われる可能性がある。防水シートとシート固定具との間に水が存在する状態でシート固定具が加熱されると、シート固定具の温度が十分に上昇せず、防水シートとシート固定具との溶着が適切に行われない可能性がある。
本発明の目的は、水分が存在した場合であっても防水シートと防水シート固定具とを適切に溶着できる誘導加熱溶着装置を実現することにある。
上述した課題を解決する手段として、本発明の誘導加熱溶着装置は、防水シートによって覆われた防水シート固定具を前記防水シートの上から電磁誘導によって加熱して前記防水シート固定具に前記防水シートを溶着する誘導加熱溶着装置であって、前記防水シート固定具を誘導加熱する加熱コイルと、センサと、前記加熱コイルの作動を制御する加熱制御部と、前記センサの出力に基づいて、前記防水シートの下で水の沸騰が発生しているか否かを判定する沸騰判定部と、を備え、前記加熱制御部は、前記沸騰判定部が水の沸騰が発生していると判定した場合に、前記沸騰判定部が水の沸騰が発生していないと判定した後に前記加熱コイルの作動を停止させることを特徴とする。
上述した課題を解決する手段として、本発明の制御方法は、防水シートによって覆われた防水シート固定具を前記防水シートの上から電磁誘導によって加熱して前記防水シート固定具に前記防水シートを溶着する誘導加熱溶着装置を制御する制御方法であって、前記誘導加熱溶着装置に設けられた加熱コイルの作動を開始して前記防水シート固定具を誘導加熱する加熱開始工程と、前記誘導加熱溶着装置に設けられたセンサの出力に基づいて、前記防水シートの下で水の沸騰が発生しているか否かを判定する第1沸騰判定工程と、前記第1沸騰判定工程にて水の沸騰が発生していると判定された場合に、前記センサの出力に基づいて前記防水シートの下で水の沸騰が発生しているか否かを継続的に判定する第2沸騰判定工程と、前記第2沸騰判定工程にて水の沸騰が発生していないと判定された後に前記加熱コイルの作動を停止させる加熱停止工程と、を含むことを特徴とする。
上述した課題を解決する手段として、本発明の制御プログラムは、防水シートによって覆われた防水シート固定具を前記防水シートの上から電磁誘導によって加熱して前記防水シート固定具に前記防水シートを溶着する誘導加熱溶着装置を制御するための制御プログラムであって、コンピュータにより実行されることにより、前記コンピュータが、前記誘導加熱溶着装置に設けられた加熱コイルの作動を開始して前記防水シート固定具を誘導加熱する加熱開始処理と、前記誘導加熱溶着装置に設けられたセンサの出力に基づいて、前記防水シートの下で水の沸騰が発生しているか否かを判定する第1沸騰判定処理と、前記第1沸騰判定処理にて水の沸騰が発生していると判定された場合に、前記センサの出力に基づいて前記防水シートの下で水の沸騰が発生しているか否かを継続的に判定する第2沸騰判定処理と、前記第2沸騰判定処理にて水の沸騰が発生していないと判定された後に前記加熱コイルの作動を停止させる加熱停止処理と、を実行することを特徴とする。
防水シート固定具の加熱中に水の沸騰が発生した場合、防水シート固定具の温度は100℃程度までしか上がらないので、水の沸騰中に防水シート固定具の加熱が終了すると、防水シートと防水シート固定具との溶着が不十分となる可能性が高い。上記の特徴構成によれば、水の沸騰が発生していると判定された場合には、水の沸騰が発生していないと判定された後に加熱コイルの作動が停止されるので、加熱コイルの作動が停止して防水シート固定具の加熱が終了するのは水の沸騰が終わった後となる。従って、水の沸騰により防水シート固定具の昇温が阻害されている間に加熱が終了して溶着が不完全になる事態の発生を抑制することができ、水分が存在した場合であっても防水シートと防水シート固定具とを適切に溶着することができる。
本発明において、前記センサとしての振動センサを備え、前記沸騰判定部は、前記振動センサが検出する振動の大きさが所定の振動閾値以上である場合に水の沸騰が発生していると判定し、前記振動閾値未満である場合に水の沸騰が発生していないと判定すると好ましい。
防水シートと防水シート固定具との間に水が存在して、防水シート固定具の加熱に伴って水が沸騰した場合、水の気化により防水シートが振動する。上記の特徴によれば、振動センサの出力により水の沸騰の有無が的確に判定される。
本発明において、前記防水シートに接触する接触部材を備え、前記振動センサは、前記接触部材の振動を検出すると好ましい。
上記の特徴によれば、接触部材の振動が振動センサにより検出されるので、水の沸騰の有無が的確に判定される。
本発明において、前記センサとしての音センサを備え、前記沸騰判定部は、前記音センサが検出する音の大きさが所定の音閾値以上である場合に水の沸騰が発生していると判定し、前記音閾値未満である場合に水の沸騰が発生していないと判定すると好ましい。
防水シートと防水シート固定具との間に水が存在して、防水シート固定具の加熱に伴って水が沸騰した場合、気泡の破裂や防水シートの振動等により音が発生する。上記の特徴によれば、音センサの出力により水の沸騰の有無が的確に判定される。
本発明において、前記センサとしての温度センサを備え、前記沸騰判定部は、前記温度センサの出力に基づいて水の沸騰が発生しているか否かを判定すると好ましい。
防水シートと防水シート固定具との間に水が存在して、防水シート固定具の加熱に伴って水が沸騰した場合、誘導加熱により生じた熱が水の昇温及び沸騰のために消費されるので、水が存在しない場合と比べて温度の変化の態様が異なる。上記の特徴によれば、温度センサの出力により水の沸騰の有無が的確に判定される。
本発明において、前記沸騰判定部は、前記温度センサが検出する前記防水シートの温度の上昇率が所定の上昇率閾値以下である場合に水の沸騰が発生していると判定し、前記上昇率閾値未満である場合に水の沸騰が発生していないと判定すると好ましい。
上記の特徴によれば、温度の上昇率に基づいて沸騰の判定が行われるので、水の沸騰の有無が的確に判定される。
本発明において、前記防水シートの温度を検出する停止判定用温度センサを更に備え、前記加熱制御部は、前記停止判定用温度センサが検出する温度が所定の設定温度に到達した場合に前記加熱コイルの作動を停止させると好ましい。
上記の特徴によれば、水の沸騰が発生した場合には、沸騰が終了した後に防水シートの温度が所定の設定温度に達すると加熱コイルの作動が停止されるので、防水シート固定具及び防水シートの温度が十分に上昇する。従って、水分が存在した場合であっても防水シートと防水シート固定具とを更に適切に溶着することができる。
誘導加熱溶着装置、防水シート、及び防水シート固定具を示す縦断面図である。 誘導加熱溶着装置を用いて防水シート固定具を加熱している状態を示す縦断面図である。 誘導加熱溶着装置の制御機能を示す機能ブロック図である。 加熱処理のフローを示すフローチャートである。
以下、本発明に係る誘導加熱溶着装置、制御方法、及び制御プログラムの実施の形態について、図面に基づいて説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。
まず、図1、図2を参照しながら、誘導加熱溶着装置9を用いて行われる防水シート接着工法について説明する。防水シート接着工法は、建築工事又は土木工事の防水作業、例えば陸屋根等の防水工事において、コンクリートや金属等の躯体上(以下、防水下地4と称する。)に防水シート8を張り、防水シート8を防水下地4に固定する工法である。
〔固定工程、配置工程〕
まず、図1に示されるように、防水下地4に防水シート固定具6を固定する工程(固定工程)、及び、防水シート固定具6の固定面6bに防水シート8を配置する工程(配置工程)が行なわれる。詳しくは、防水下地4の上に断熱パネル5を配置し、断熱パネル5の上に防水シート固定具6を配置し、固定部材7により防水下地4に防水シート固定具6を固定する。断熱パネル5は、例えば、イソシアネートのフォーム材で形成してあり、無数の独立気泡が内在している。また、適度な強度と断熱性とを備えている。
防水シート固定具6は、電磁誘導による加熱が可能な部材であり、例えば金属製の部材である。防水シート固定具6は、平板状の部材であり、本実施形態では円盤状の部材である。防水シート固定具6は、上に突出する突出部位6aを有する。突出部位6aの上面が、防水シート8が固定される面(固定面6b)である。本実施形態では、突出部位6aは円環形状であり、固定面6bは外縁6cと内縁6dとを有する円環形状である。本実施形態では、固定面6bにホットメルト接着層が設けられており、防水シート8の防水シート固定具6への接着はホットメルト接着層の熱溶着により行なわれる。なお、防水シート8の防水シート固定具6への接着が、防水シート8の融着(溶融及び固化)により行なわれてもよい。
固定部材7は、チューブワッシャ7aとビス7bとを備える。本実施形態では、チューブワッシャ7aを防水シート固定具6の中央の穴に通した状態でチューブワッシャ7aを断熱パネル5に上から貫入させ、チューブワッシャ7aにビス7bを挿入し、ビス7bを防水下地4に螺合させることにより、固定部材7が防水シート固定具6を防水下地4に固定する。
防水シート8は、可撓性及び防水性を有するシートである。防水シート8は、例えば塩化ビニル樹脂製のシートである。
〔接着工程〕
配置工程の後に、図2に示されるように、防水シート固定具6を加熱して防水シート8を防水シート固定具6に接着する工程(接着工程)が行なわれる。詳しくは、作業者が、手で誘導加熱溶着装置9を持ち、防水シート8の上から防水シート固定具6の上に誘導加熱溶着装置9を当てて、誘導加熱溶着装置9を作動させ、防水シート固定具6を加熱する。誘導加熱溶着装置9は、防水シート固定具6が加熱されると、固定面6bに設けられたホットメルト接着層の温度が上昇して軟化又は溶融する。これにより、防水シート固定具6と防水シート8とが接着される。
〔押圧工程〕
接着工程の後に、押圧具で防水シート8を押圧して防水シート8を防水シート固定具6に密着させる工程(押圧工程)が行なわれる。詳しくは、作業者が、手で押圧具を持ち、防水シート8の上から防水シート固定具6の上に押圧具を当てて、防水シート8を押圧する。押圧具に押されて、防水シート8が防水シート固定具6に密着する。
〔誘導加熱溶着装置〕
図1、図2、図3に示されるように、誘導加熱溶着装置9は、ケース11、ハンドル12、接触部材13、スイッチ14、加熱コイル15、停止判定用温度センサ16、ブザー17、ハーネス18、センサS、及び制御装置80を備える。誘導加熱溶着装置9は、電源や操作部等を備える本体(図示省略)を備える。ケース11と本体とがハーネス18により接続される。
ケース11は、円筒形状の部材である。
ハンドル12は、棒状の部材であって、接着工程を行う作業者が誘導加熱溶着装置9を把持するための持ち手である。ハンドル12は、ケース11の上部に配置されている。
接触部材13は、防水シート8に接触する部材である。接触部材13は、例えば、シリコンゴム製の円盤状の部材である。接触部材13は、弾性変形が可能な部材であってもよいし、硬い部材であってもよい。
スイッチ14は、作業者から加熱コイル15による加熱の開始の操作を受け付ける操作具である。スイッチ14は、本実施形態では、ケース11の上部に配置された押しボタンである。スイッチ14は、ハンドル12を把持した状態の作業者の手で操作が可能な位置に配置されている。スイッチ14は、ハンドル12の近傍に配置されている。
加熱コイル15は、平坦上に巻かれたコイルである。加熱コイル15は、ケース11の下部に配置されている。接着工程において誘導加熱溶着装置9が防水シート8の上に置かれたとき(図2)、加熱コイル15は固定部材7と向かい合う状態となる。加熱コイル15は、制御装置80により交流電圧が流されて、固定部材7を誘導加熱する。
停止判定用温度センサ16は、温度センサである。停止判定用温度センサ16は、ケース11の下部における接触部材13の近傍に配置されている。停止判定用温度センサ16は、接触部材13の温度を検出することにより、防水シート8の温度を検出する。
ブザー17は、制御装置80により制御されて、作業者への報知を行う。例えば、ブザー17は、加熱コイル15が作動しているときに警報音を発する。
ハーネス18は、ケース11と本体(図示省略)とを接続する。
センサSは、防水シート8の下で水の沸騰が発生しているか否かを判定するための情報を取得するセンサである。本実施形態では、センサSは振動センサであり、ケース11の下部における接触部材13の近傍に配置されている。センサSは、防水シート8に接触する接触部材13の振動を検知して、振動の大きさに対応する出力を制御装置80へ送る。
防水シート8と防水シート固定具6との間に水が存在して、防水シート固定具6の加熱に伴って水が沸騰した場合、水の気化により防水シート8が振動する。そうすると、接触部材13が振動して、その振動をセンサSが検知する。このようにして、振動センサであるセンサSの出力に基づいて防水シート8の下で水の沸騰が発生しているか否かを判定することが可能となる。
〔制御装置〕
制御装置80は、ECUであり、図3に示されるように、加熱制御部81、沸騰判定部82、及び報知制御部83を備えている。制御装置80は、センサS、スイッチ14、加熱コイル15、停止判定用温度センサ16、及びブザー17と接続され、これらを制御可能に構成されている。制御装置80は、上掲の機能部に対応するプログラムや制御パラメータ等を記憶するメモリ(HDDや不揮発性RAMなど。図示省略)と、当該プログラムを実行するCPU(コンピュータ、図示省略)と、を備えている。プログラムがCPUにより実行されることにより、各機能部の機能が実現される。制御装置80が、互いに通信可能な複数のECUにより構成されてもよい。
加熱制御部81は、加熱コイル15の作動を制御する。具体的には、加熱制御部81は、加熱コイル15への交流電流の供給を入切することにより、加熱コイル15の作動を開始・停止させる。
本実施形態では、加熱制御部81は、スイッチ14が操作されたことに応じて加熱コイル15の作動を開始させ、沸騰判定部82の判定結果、停止判定用温度センサ16の出力、及び時間経過に基づいて加熱コイル15の作動を停止させる。
沸騰判定部82は、センサSの出力に基づいて、防水シート8の下で水の沸騰が発生しているか否かを判定する。上述の通り、本実施形態では、センサSは振動センサである。沸騰判定部82は、センサSとしての振動センサが検出する振動の大きさが所定の振動閾値以上である場合に水の沸騰が発生していると判定し、振動閾値未満である場合に水の沸騰が発生していないと判定する。
そして加熱制御部81は、沸騰判定部82が水の沸騰が発生していると判定した場合に加熱を継続し、沸騰判定部82が水の沸騰が発生していないと判定した後に加熱コイル15の作動を停止させる。本実施形態では、加熱制御部81は、停止判定用温度センサ16が検出する温度が所定の設定温度に到達した場合に、加熱コイル15の作動を停止させる。設定温度は、例えば、30℃から70℃の間の適当な温度である。設定温度が天候や気温に基づいて自動設定されるように、加熱制御部81が構成されてもよい。
また本実施形態では、加熱制御部81は、沸騰判定部82が水の沸騰が発生していないと判定した場合には、停止判定用温度センサ16が検出する温度が所定の設定温度に到達した場合、又は加熱コイル15の作動を開始してから所定の設定時間が経過した場合に、加熱コイル15の作動を停止させる。設定時間は、例えば、10秒である。
〔加熱処理〕
図4のフローチャートを参照しながら、誘導加熱溶着装置9で行われる加熱処理について説明する。
オペレータがスイッチ14を操作すると、加熱制御部81が加熱コイル15の作動を開始させる。これにより、防水シート固定具6の誘導加熱が開始される(ステップ#01、加熱開始工程、加熱開始処理)。このとき、加熱制御部81は、加熱開始からの経過時間の計測を開始する。
沸騰判定部82が、誘導加熱溶着装置9に設けられたセンサSの出力に基づいて、防水シート8の下で水の沸騰が発生しているか否かを判定する(ステップ#02、第1沸騰判定工程、第1沸騰判定処理)。
沸騰が発生していないと判定されると(ステップ#02:No)、加熱制御部81は、停止判定用温度センサ16の出力に基づいて、防水シート8の温度が設定温度に到達したか否かを判定する(ステップ#03)。
設定温度に到達していないと判定されると(ステップ#03:No)、加熱制御部81は、加熱を開始してから設定時間が経過したか否かを判定する(ステップ#04)。
設定時間が経過していないと判定されると(ステップ#04:No)、ステップ#02が再び実行される。
設定温度に到達したと判定された場合(ステップ#03:Yes)、及び設定時間が経過したと判定された場合(ステップ#04:Yes)、加熱制御部81が加熱コイル15の作動を停止させる。これにより、防水シート固定具6の誘導加熱が終了する(ステップ#05)。
ステップ#02において沸騰が発生していると判定されると(ステップ#02:Yes)、沸騰判定部82は、沸騰が終了するまで、センサSの出力に基づいて防水シート8の下で水の沸騰が発生しているか否かを継続的に判定する(ステップ#06:No、第2沸騰判定工程、第2沸騰判定処理)。
ステップ#06において沸騰が終了、すなわち沸騰が発生していないと判定されると(ステップ#06:Yes)、加熱制御部81は、停止判定用温度センサ16の出力に基づいて、防水シート8の温度が設定温度に到達したか否かを判定する(ステップ#07)。
設定温度に到達するまで、ステップ#07が継続的に実行される(ステップ#07:No)。
設定温度に到達したと判定された場合(ステップ#07:Yes)、加熱制御部81が加熱コイル15の作動を停止させる。これにより、防水シート固定具6の誘導加熱が終了する(ステップ#05、加熱停止処理、加熱停止工程)。
ステップ#05の終了後、加熱処理は終了する。
すなわち、本実施形態の誘導加熱溶着装置9では、水の沸騰が発生していない場合には(ステップ#02:No)、設定温度への到達時(ステップ#03:Yes)又は所定の設定時間の経過時(ステップ#04:Yes)に、加熱が停止される(ステップ#05)。水の沸騰が発生した場合には(ステップ#02:Yes)、沸騰が終了するまでそのまま加熱を継続し(ステップ#06:No)、沸騰が終了した後に(ステップ#06:Yes)、加熱が停止される(ステップ#05)。
以上述べたとおり、誘導加熱溶着装置9では、加熱コイル15の作動を開始して防水シート固定具6を誘導加熱する加熱開始工程と、センサSの出力に基づいて防水シート8の下で水の沸騰が発生しているか否かを判定する第1沸騰判定工程と、第1沸騰判定工程にて水の沸騰が発生していると判定された場合に、センサSの出力に基づいて防水シート8の下で水の沸騰が発生しているか否かを継続的に判定する第2沸騰判定工程と、第2沸騰判定工程にて水の沸騰が発生していないと判定された後に加熱コイル15の作動を停止させる加熱停止工程と、を含む制御方法が実行される。
上述の制御方法は、制御装置80のCPUがメモリに記憶された制御プログラムを実行することにより実現される。制御プログラムがCPUにより実行されることにより、制御装置80が、加熱コイル15の作動を開始して防水シート固定具6を誘導加熱する加熱開始処理と、センサSの出力に基づいて、防水シート8の下で水の沸騰が発生しているか否かを判定する第1沸騰判定処理と、第1沸騰判定処理にて水の沸騰が発生していると判定された場合に、センサSの出力に基づいて防水シート8の下で水の沸騰が発生しているか否かを継続的に判定する第2沸騰判定処理と、第2沸騰判定処理にて水の沸騰が発生していないと判定された後に加熱コイル15の作動を停止させる加熱停止処理と、を実行する。
〔他の実施形態〕
以下、他の実施形態について説明する。なお、以降の説明では、上述の実施形態と同様の構成については同じ符号を付し、説明を省略する場合がある。
(1)本実施形態では、センサSは音センサであり、ケース11の下部における接触部材13の近傍に配置されている。センサSは、ケース11の周囲の音を検知して、音の大きさに対応する出力を制御装置80へ送る。
防水シート8と防水シート固定具6との間に水が存在して、防水シート固定具6の加熱に伴って水が沸騰した場合、気泡の破裂や防水シート8の振動等により音が発生する。その音をセンサSが検知する。このようにして、音センサであるセンサSの出力に基づいて防水シート8の下で水の沸騰が発生しているか否かを判定することが可能となる。
沸騰判定部82は、センサSとしての音センサが検出する音の大きさが所定の音閾値以上である場合に水の沸騰が発生していると判定し、音閾値未満である場合に水の沸騰が発生していないと判定する。
(2)本実施形態では、センサSは温度センサであり、ケース11の下部における接触部材13の近傍に配置されている。センサSは、接触部材13の温度を検出することにより、防水シート8の温度を検出して、温度に対応する出力を制御装置80へ送る。
防水シート8と防水シート固定具6との間に水が存在して、防水シート固定具6の加熱に伴って水が沸騰した場合、誘導加熱により生じた熱が水の昇温及び沸騰のために消費されるので、水が存在しない場合と比べて温度の変化の態様が異なる。センサSは防水シート8の温度を検知する。従って、温度センサであるセンサSの出力に基づいて防水シート8の下で水の沸騰が発生しているか否かを判定することが可能となる。
センサSと停止判定用温度センサ16とが、別々のセンサであってもよいし、1つのセンサで兼ねられてもよい。
沸騰判定部82は、センサSとしての温度センサの出力に基づいて水の沸騰が発生しているか否かを判定する。詳しくは、沸騰判定部82は、センサSとしての温度センサが検出する防水シート8の温度の上昇率が所定の上昇率閾値以下である場合に水の沸騰が発生していると判定し、上昇率閾値未満である場合に水の沸騰が発生していないと判定する。
防水シート8と防水シート固定具6との間に水が存在しない場合、温度の上昇率は比較的大きくなる。ここで防水シート8と防水シート固定具6との間に水が存在する場合を考える。水の比熱及び気化熱は比較的大きいため、水の昇温及び沸騰(気化)には比較的大きな熱量を要するため、温度の上昇率は比較的小さくなる。従って、温度の上昇率に基づいて水の沸騰が発生しているか否かを判定することが可能である。全ての水が気化して沸騰が終了すると、温度の上昇率は比較的大きくなる。従って、温度の上昇率に基づいて水の沸騰が終了したか否かを判定することが可能である。
(3)沸騰判定部82が、センサSとしての振動センサが検出する振動の周波数に基づいて水の沸騰が発生しているか否かを判定するように構成されてもよい。この場合、振動閾値は周波数に関する閾値である。また、沸騰判定部82が、所定の周波数範囲における振動の大きさが所定の振動閾値以上である場合に水の沸騰が発生していると判定するように構成されてもよい。この場合、誤検知を抑制することができ好ましい。
(4)沸騰判定部82が、センサSとしての音センサが検出する音の周波数に基づいて水の沸騰が発生しているか否かを判定するように構成されてもよい。この場合、音閾値は周波数に関する閾値である。
(5)沸騰判定部82が、センサSとしての温度センサが検知する温度が、加熱を開始してから所定時間が経過した時点で所定の温度閾値を超えたか否かに基づいて、水の沸騰が発生しているか否かを判定するように構成されてもよい。
(6)水の沸騰が発生し終了した後の加熱の停止が、沸騰の終了からの経過時間に基づいて行われるように、加熱制御部81が構成されてもよい。詳しくは、ステップ#07が以下のように行われるように、加熱制御部81が構成されてもよい。
加熱制御部81は、沸騰が終了したと判定(ステップ#06:Yes)された時点からの経過時間が、所定の終了時間を超えたか否かを判定する(ステップ#07)。終了時間は、例えば、3秒である。
経過時間が終了時間を超えるまで、ステップ#07が継続的に実行される(ステップ#07:No)。
経過時間が終了時間を超えたと判定された場合(ステップ#07:Yes)、加熱制御部81が加熱コイル15の作動を停止させる。これにより、防水シート固定具6の誘導加熱が終了する(ステップ#05、加熱停止処理、加熱停止工程)。
(7)水の沸騰が発生し終了した後の加熱の停止が、設定温度への到達に加えて、沸騰の終了からの経過時間に基づいて行われるように、加熱制御部81が構成されてもよい。この場合、加熱制御部81は、停止判定用温度センサ16が検出する温度が所定の設定温度に到達した場合、又は、沸騰が終了したと判定(ステップ#06:Yes)された時点からの経過時間が所定の制限時間(例えば、5秒)を超えた場合に、加熱コイル15の作動を停止させる。
(8)制御装置80が、オペレータから受け付けた人為操作に基づいて、振動閾値、音閾値、上昇率閾値、温度閾値、設定温度、設定時間、終了時間、及び制限時間を変更可能なように構成されてもよい。
(9)制御装置80が、ブザー17を制御して以下の旨をオペレータに報知するよう構成されてもよい。沸騰が発生している旨(ステップ#02:Yes)、沸騰が終了した旨(ステップ#06:Yes)、加熱が終了した旨(ステップ#05)。報知の態様は任意であるが、発音の開始及び停止、音高や音量、断続の長さ、断続の間隔などの変化による報知が可能である。
(10)上述の実施形態では、センサSが振動センサ、音センサ、及び温度センサである例が説明された。センサSが他の形式のセンサであってもよい。
本発明は、防水シート固定具を誘導加熱する誘導加熱溶着装置に適用可能である。
6 :防水シート固定具
8 :防水シート
9 :誘導加熱溶着装置
13 :接触部材
15 :加熱コイル
16 :停止判定用温度センサ
81 :加熱制御部
82 :沸騰判定部
S :センサ

Claims (9)

  1. 防水シートによって覆われた防水シート固定具を前記防水シートの上から電磁誘導によって加熱して前記防水シート固定具に前記防水シートを溶着する誘導加熱溶着装置であって、
    前記防水シート固定具を誘導加熱する加熱コイルと、
    センサと、
    前記加熱コイルの作動を制御する加熱制御部と、
    前記センサの出力に基づいて、前記防水シートの下で水の沸騰が発生しているか否かを判定する沸騰判定部と、を備え、
    前記加熱制御部は、前記沸騰判定部が水の沸騰が発生していると判定した場合に、前記沸騰判定部が水の沸騰が発生していないと判定した後に前記加熱コイルの作動を停止させる誘導加熱溶着装置。
  2. 前記センサとしての振動センサを備え、
    前記沸騰判定部は、前記振動センサが検出する振動の大きさが所定の振動閾値以上である場合に水の沸騰が発生していると判定し、前記振動閾値未満である場合に水の沸騰が発生していないと判定する請求項1に記載の誘導加熱溶着装置。
  3. 前記防水シートに接触する接触部材を備え、
    前記振動センサは、前記接触部材の振動を検出する請求項2に記載の誘導加熱溶着装置。
  4. 前記センサとしての音センサを備え、
    前記沸騰判定部は、前記音センサが検出する音の大きさが所定の音閾値以上である場合に水の沸騰が発生していると判定し、前記音閾値未満である場合に水の沸騰が発生していないと判定する請求項1に記載の誘導加熱溶着装置。
  5. 前記センサとしての温度センサを備え、
    前記沸騰判定部は、前記温度センサの出力に基づいて水の沸騰が発生しているか否かを判定する請求項1に記載の誘導加熱溶着装置。
  6. 前記沸騰判定部は、前記温度センサが検出する前記防水シートの温度の上昇率が所定の上昇率閾値以下である場合に水の沸騰が発生していると判定し、前記上昇率閾値未満である場合に水の沸騰が発生していないと判定する請求項5に記載の誘導加熱溶着装置。
  7. 前記防水シートの温度を検出する停止判定用温度センサを更に備え、
    前記加熱制御部は、前記停止判定用温度センサが検出する温度が所定の設定温度に到達した場合に前記加熱コイルの作動を停止させる請求項1から6のいずれか1項に記載の誘導加熱溶着装置。
  8. 防水シートによって覆われた防水シート固定具を前記防水シートの上から電磁誘導によって加熱して前記防水シート固定具に前記防水シートを溶着する誘導加熱溶着装置を制御する制御方法であって、
    前記誘導加熱溶着装置に設けられた加熱コイルの作動を開始して前記防水シート固定具を誘導加熱する加熱開始工程と、
    前記誘導加熱溶着装置に設けられたセンサの出力に基づいて、前記防水シートの下で水の沸騰が発生しているか否かを判定する第1沸騰判定工程と、
    前記第1沸騰判定工程にて水の沸騰が発生していると判定された場合に、前記センサの出力に基づいて前記防水シートの下で水の沸騰が発生しているか否かを継続的に判定する第2沸騰判定工程と、
    前記第2沸騰判定工程にて水の沸騰が発生していないと判定された後に前記加熱コイルの作動を停止させる加熱停止工程と、を含む制御方法。
  9. 防水シートによって覆われた防水シート固定具を前記防水シートの上から電磁誘導によって加熱して前記防水シート固定具に前記防水シートを溶着する誘導加熱溶着装置を制御するための制御プログラムであって、コンピュータにより実行されることにより、前記コンピュータが、
    前記誘導加熱溶着装置に設けられた加熱コイルの作動を開始して前記防水シート固定具を誘導加熱する加熱開始処理と、
    前記誘導加熱溶着装置に設けられたセンサの出力に基づいて、前記防水シートの下で水の沸騰が発生しているか否かを判定する第1沸騰判定処理と、
    前記第1沸騰判定処理にて水の沸騰が発生していると判定された場合に、前記センサの出力に基づいて前記防水シートの下で水の沸騰が発生しているか否かを継続的に判定する第2沸騰判定処理と、
    前記第2沸騰判定処理にて水の沸騰が発生していないと判定された後に前記加熱コイルの作動を停止させる加熱停止処理と、を実行する制御プログラム。

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