JP2023170837A - 鉄道車両 - Google Patents

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尚志 吉澤
Hisashi Yoshizawa
明昇 多原
Akinori Tahara
佑己 大島
Yuki Oshima
忠正 金保
Tadamasa Kaneyasu
慎二 木下
Shinji Kinoshita
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Abstract

Figure 2023170837000001
【課題】分割されることなく一つの部材として構成された内装材を、構体の寸法公差を吸収して取り付けることが可能な鉄道車両を提供する。
【解決手段】内装材は、可撓性を有する板状体であり、所定方向の一側に配置されて一側の内装材支持部に保持される一端側の端縁部と、所定方向の他側に配置されて他側の内装材支持部に保持される他端側の端縁部と、一端側の端縁部と他端側の端縁部との間で円弧状に湾曲する円弧部とを一体に備える。内装材の一端側および他端側の少なくとも一方では、端縁部と内装材支持部との間に弾性材が介在する。
【選択図】図3

Description

本発明は、鉄道車両に関する。
鉄道車両のような大規模な輸送機械においては、いかに製作性を向上し、製造現場での手戻り削減や、製造期間の短縮を行うかが重要である。近年では、軽量・高強度で、製作性の良い車体構造として、ダブルスキン構体と呼ばれる構造が多く採用されている。このダブルスキン構体は、アルミ合金製の一対の外板および内板と、それらを連結する接続リブとを有する中空押出形材で、台枠(床部)や側構体や屋根構体などのパネル材を製造した後、これらパネル材を6面体に組み立てた鉄道車両の構体である。ダブルスキン構体は、軽量かつ曲げ剛性が高く、さらに車両長手方向に同じ断面構造を持った押し出し型材を用いるため、製作性が良いという特長を持っている。
鉄道車両は、まず上記の6面体のダブルスキン構体を組み立て、そこに床下機器や内装材を取り付けていくという流れで製造が行われる。その際、ダブルスキン構体を6面体に組み立てた時の自重によって車両長手方向に構体がたわむ影響や、床構体と側構体と屋根構体とをそれぞれ溶接した時に生じる熱ひずみの影響、また床下機器を吊ることによる荷重などの様々な要因により、構体を組み立てた際の寸法公差が生じる場合がある。そのため、内装材を取り付ける際に、構体側の取付部と内装材側の取付部との間に位置ずれが発生し、製造現場にて手直しを行う必要があったり、現場にて位置合わせをした上で締結用の穴あけを行う必要があるなど、内装材の取り付け作業性が損なわれる場合があった。
これに対し、上記寸法公差を吸収する方法として、例えば特許文献1には、内装材である小天井板部材を天井部材と側部材とに二分割して取り付ける構造が開示されている。
特開平10-175543号公報
しかしながら上記の特許文献1の技術によれば、内装材が二分割されているため、部品点数が多くなってしまうという課題や、天井部材と側部材との間で内装材の表面が凹凸無く滑らかに連続せず、内装材の表面に広告用のシートなどを貼り付けた際に、広告の紙面が歪んでしまい見る者に違和感を与えるといった課題が生じる可能性があった。
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、分割されることなく一つの部材として構成された内装材を、構体の寸法公差を吸収して取り付けることが可能な鉄道車両の提供を目的としたものである。
上記目的を達成するために、代表的な本発明の鉄道車両の一つは、
車体を構成する構体に内装材が備えられる鉄道車両であって、
前記構体には、所定方向の一側の内装材支持部と前記所定方向の他側の内装材支持部とが前記所定方向に離間して設けられ、
前記内装材は、可撓性を有する板状体であり、前記所定方向の前記一側に配置されて前記一側の内装材支持部に保持される一端側の端縁部と、前記所定方向の前記他側に配置されて前記他側の内装材支持部に保持される他端側の端縁部と、前記一端側の端縁部と前記他端側の端縁部との間で円弧状に湾曲する円弧部とを一体に備え、
前記内装材の前記一端側および前記他端側の少なくとも一方では、前記端縁部と前記内装材支持部との間に弾性材が介在することにより達成される。
本発明によれば、構体を6面体に組み立てた時の寸法公差が大きい場合でも、構体の寸法公差を吸収可能な内装材の取り付け構造を有しているため、内装材を少ない工数で取り付けることができ、車両の製作性が向上する。また、内装材と構体との間に弾性材が介在しているので、内装材の振動に伴う車内騒音を抑制することができる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の実施の形態に係る鉄道車両の側面概略図である。 図1の断面A-Aにおける一般断面概略図である。 本発明の第1実施形態における天井内装材の斜視図である。 本発明の第1実施形態における水平部保持部の構成模式図である。 本発明の第1実施形態における水平部保持部の断面図である。 本発明の第2実施形態における天井内装材の斜視図である。 本発明の第2実施形態における水平部保持部の構成模式図である。 水平保持部の保持金具が部分的に切り欠かれた変形例の構成模式図である。 弾性材が車両長手方向に連続する他の変形例の構成模式図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。図1は本発明の実施の形態に係る鉄道車両1の側面概略図、図2は図1の断面A-Aにおける一般断面概略図である。
鉄道車両1の車体は、屋根構体11と、一対の側構体12と、床構体13と、一対の妻構体14とから構成されており、6面体を形成している。側構体12には窓15や側ドア16が設けられ、屋根構体11には空調装置17が搭載され、床構体13には床下機器18が吊り下げられる。鉄道車両1の車内には、天井内装材21、側内装材22、内装床23、腰掛け24、荷棚25、手すり26、空調ダクト27、および灯具28などが備えられる。屋根構体11と側構体12と床構体13とは、主にダブルスキン構体と呼ばれる中空押出型材で形成されており、軽量で曲げ剛性が高く、さらに車両長手方向に同じ断面構造を持った押し出し型材を用いるため、製作性が良いという特長を持っている。
鉄道車両1を組み立てる際には、まず屋根構体11と側構体12と床構体13と妻構体14とを溶接することにより、6面体を組み立てる。その際、6面体に組み立てた時の自重によって、車両長手方向に構体がたわむ影響や、屋根構体11と側構体12と床構体13とをそれぞれ溶接した時に生じる熱ひずみの影響、さらには床下機器18を吊り下げることによる荷重の影響などにより、構体を組み立てた際の寸法公差が生じる。寸法公差が生じた構体に、腰掛け24や荷棚25や手すり26や空調ダクト27などの内装品を取り付けるため、構体の寸法公差を吸収しながらこれらの内装品を取り付けていく必要がある。
特に天井内装材21については、一方の端は屋根構体11に設けられたカーテンレール30に、他方の端は側構体12に取り付けられた荷棚取付金具29に取り付けられるため、これらの取り付け部(カーテンレール30および荷棚取付金具29)が所定の寸法から外れていると、天井内装材21の取り付けがうまくできないという問題が生じる。そのため、製造現場にて手直しを行う必要があったり、現場にて構体側の取り付け部と内装材側の取り付け部の位置合わせを行い、内装材側または構体側の取り付け穴を現場にて穴加工した上で取り付ける、といったことを行う必要があり、製造現場での手戻りの原因となったり、内装材の取り付け作業性が損なわれる場合があった。
(第1実施形態)
上記課題を解決するための内装材の取り付け構造として、図3は本発明の第1実施形態における天井内装材21の構成を示したものである。天井内装材21は、水平部31と、垂直部32と、傾斜部37と、中間垂直部38と、傾斜部37と垂直部32とを接続する円弧部33とを一体に備える板状体である。天井内装材21が車体側に組み付けられた状態で、水平部31は、鉛直方向と略直交する。中間垂直部38は、水平部31の車両幅方向外側の端縁部から略鉛直下方へ延びる。傾斜部37は、中間垂直部38の下端縁部から車両幅方向外側下方へ傾斜して延びる。円弧部33は、傾斜部37の車両幅方向外側の端縁部から車両外側(構体側)へ膨出するように円弧状に湾曲して延びる。垂直部32は、円弧部33の下端縁部(車両幅方向外側の端縁部)から略鉛直下方へ延びる。後述するように、水平部31には水平部保持金具34が、垂直部32には垂直部保持金具35が、それぞれ弾性材36を介して備えられている。なお、以下の説明では、水平部保持金具34と垂直部保持金具35の両者を保持金具34,35と称する場合がある。
天井内装材21は、可撓性を有する材料によって、分割されることなく一つの部材として構成されている。中間部分に円弧部33を備える天井内装材21は、平板に比べてたわみ変形を容易に増大させることができる。可撓性を有する材料としては、例えばプラスチック樹脂製の単板や、発泡樹脂などの芯材にアルミ金属製などの薄い面板を両面に接着したサンドイッチパネルを用いることができるが、可撓性を有する材料はこれらに限定されない。また、弾性材36の材質としては、一例としてCRゴムや発泡ウレタンゴムなどのゴム系の材料を用いることができるが、弾性材36の材質はこれに限定されない。
次に、天井内装材21の水平部31に設ける水平部保持部(保持部)39について、図4及び図5を参照して説明する。図4は、第1実施形態における水平部保持部39の構成模式図であり、図5は、水平部保持部39の断面図である。水平部保持部39は、水平部保持金具(保持具)34と、スペーサ42と、弾性材36とによって構成される。
水平部保持金具34は、上下に離間して相対向する2つの対向板部50の一端縁部を連結板部51が連結する略コの字形の断面形状を有し、構体側に取り付けられる。水平部保持金具34は、金属板材を曲折して形成され、上下の対向板部50の離間幅を増減するように弾性変形可能である。上下の対向板部50には、後述するボルト43を挿通可能な穴部(ボルト挿通孔)34aが設けられている。
スペーサ42は、円筒形状を有し、天井内装材21の水平部31には、スペーサ42を挿通可能な円形状の穴部(スペーサ挿通孔)41が設けられている。スペーサ42の内径部には、ボルト43が挿通する。スペーサ42は、水平部31の穴部41を挿通した状態で、水平部保持金具34の上下の対向板部50の間に挿入され保持される。例えば、無負荷状態(弾性変形していない状態)での上下の対向板部50の離間幅(上下幅)よりもスペーサ42の高さを大きく設定し、スペーサ42を上下の対向板部50の間に嵌入することにより、水平部保持金具34が弾性変形して対向板部50の離間幅が拡がり、スペーサ42を上下の対向板部50によって挟持することができる。
弾性材36は、互いに離間して相対向する上部36aおよび下部36bと、上部36aおよび下部36bの一端側に配置される側部36cとからなる略コの字型の断面形状を有する。上部36aおよび下部36bには、スペーサ42を挿通可能な円形状の穴部36dが設けられている。弾性材36は、上部36aと下部36bとの間に天井内装材21の水平部31が挿入された状態で、水平部保持金具34の内側に嵌め込まれる。係る状態で、上部36aは、一方(上側)の対向板部50の内面に接触する。下部36bは、他方(下側)の対向板部50の内面に接触する。側部36cは、連結板部51の内面に近接または接触する。弾性材36の上部36aおよび下部36bは、2つの対向板部50と水平部31との間にそれぞれ介在して水平部31を上下方向から弾性支持する。
次に、図4を参照して、水平部保持部39の組み立て方法(水平部31への取り付け方法)について説明する。まず天井内装材21の水平部31のうち穴部41が設けられた領域に、水平方向外側から弾性材36を嵌め込む。その際に、水平部31の穴部41と弾性材36の上下の穴部36dとが上下に貫通(略全域が重なって連通)するように弾性材36の位置を調整する。次に、位置合わせされた穴部41および上下の穴部36dに、垂直方向下方よりスペーサ42を挿入して嵌め込む。最後に水平部保持金具34を水平方向外側から嵌め込むことによって、水平部保持部39が構成され、水平部31に取り付けられる(保持部取付状態)。水平部保持金具34を嵌め込む際には、水平部保持金具34の上下の穴部34aとスペーサ42の内径部とが上下に貫通(略全域が重なって連通)するように水平部保持金具34の位置を調整する。
スペーサ42の外径は、水平部保持金具34の上下の穴部34aの内径よりも大きく設定することが好適である。スペーサ42の外径を穴部34aの内径よりも大きく設定することにより、水平部保持金具34の穴部34aからスペーサ42が外部へ飛び出すのを防止することができる。また、スペーサ42の高さ方向の寸法と弾性材36の高さ方向の寸法(上部36aの上面と下部36bの下面との距離)とは、略同じ長さに設定し、水平部保持金具34の内側の高さ方向の寸法(上下の対向板部50の離間幅)は、スペーサ42および弾性材36の高さ方向の寸法よりもわずかに小さく(短く)設定することが好適である。上下の対向板部50の離間幅をスペーサ42および弾性材36の高さよりも短く設定することにより、水平部保持金具34を高さ方向にわずかに開きながら、弾性材36およびスペーサ42を水平部保持金具34の内側に嵌め込むことで、水平部保持金具34の上下の対向板部50が互いに近付こうとする(高さ方向に縮まろうとする)弾性力によって、水平部保持金具34が水平部31から簡単に外れることを防止することができる。
天井内装材21に水平部保持部39を設ける上記作業をあらかじめアウトワークで行っておくことで、天井内装材21を構体側に効率良く取り付けることができる。水平部31と同様に、天井内装材21の垂直部32にも、水平部保持部39と同様に構成された垂直部保持部(保持部)40が設けられる(図3参照)。垂直部保持部40は、垂直部保持金具(保持具)35と弾性材36とスペーサ42から構成される。天井内装材21に垂直部保持部40を設ける作業をあらかじめアウトワークで行なっておくことで、天井内装材21を構体側に効率良く取り付けることができる。なお、垂直部保持部40(垂直部保持金具35、弾性材36、スペーサ42)の構成は、水平部保持部39と同様であるため、詳細な説明を省略する。また、金属製の水平部保持金具34および垂直部保持金具35に代えて、金属以外の材料(例えば樹脂など)によって形成された保持具を用いてもよい。
図1において、屋根構体11にはカーテンレール(一側の内装材支持部)30が設けられ、側構体12には荷棚取付金具(他側の内装材支持部)29が設けられている。荷棚取付金具29は、カーテンレール30の車両幅方向(所定方向)の外側で、且つカーテンレール30よりも下方に配置されている。上述したように、天井内装材21は、車両幅方向内側上方の水平部(一側の端縁部)31と、車両幅方向外側下方の垂直部(他方の端縁部)32と、水平部31と垂直部32との間で円弧状に湾曲する円弧部33とを一体に備える。水平部31は、水平部保持部39を介してカーテンレール30に保持され、垂直部32は、垂直部保持部40を介して荷棚取付金具29に保持される。水平部31とカーテンレール30との間には、水平部保持部39の弾性材36が介在し、垂直部32と荷棚取付金具29との間には、垂直部保持部40の弾性材36が介在する。天井内装材21とカーテンレール30と荷棚取付金具29とは、車両長手方向(第2所定方向)にそれぞれ延設されている。図3に示すように、水平部31には、車両長手方向に沿って複数の水平部保持部39(弾性材36を含む)が離散的に配置され、水平部31は、車両長手方向の複数位置でカーテンレール30に弾性支持される。また垂直部32には、車両長手方向に沿って複数の垂直部保持部40(弾性材36を含む)が離散的に配置され、垂直部32は、車両長手方向の複数位置で荷棚取付金具29に弾性支持される。
次に、図5を参照して、水平部31(水平部保持部39)を構体側に取り付ける構造について説明する。カーテンレール30は、屋根構体11の一部として一体の押出型材で形成されており、その下壁に車両長手方向に沿うレール溝部を有する構造である。水平部31に取り付けられた水平部保持部39の水平部保持金具34は、スペーサ42および穴部34aを挿通するボルト43によってカーテンレール30に取り付けられる。
カーテンレール30は屋根構体11の一部を形成しているため、屋根構体11の寸法公差が大きいとカーテンレール30の位置もずれてしまい、側構体12からカーテンレール30までの車両幅方向の距離が所定の寸法から外れてしまうことになる。しかし、天井内装材21は可撓性を有しているため、天井内装材21を撓ませながら取り付けることで、水平部保持部39の取り付け穴(穴部34a)を、カーテンレール30の位置に合わせることができる。また、天井内装材21を撓ませて取り付けようとすると、屋根構体11およびカーテンレール30の締結面(下面)に対して水平部31が完全に平行な姿勢から傾く可能性があるが、水平部31には弾性材36を介して水平部保持金具34が嵌め込まれているため、水平部31の傾きのずれは弾性材36によって吸収され得る。このため、水平部保持金具34の上面とカーテンレール30の接触面とを平行に保つことができ、水平部保持金具34をカーテンレール30の締結面にしっかりと(強固に)ボルト締結することができる。
さらに、水平部保持金具34の内側にはスペーサ42が挿入されているため、ボルト43にナット44を締め付けていく過程で、ボルト43の軸力はスペーサ42で受け止められる。このため、ナット44が緩むことなく、水平部保持部39を所定の締結力で構体側に固定することができる。また、ナット44の締め付け時に、弾性材36を圧縮しすぎることもない。なお、ボルト43のボルト頭部は、カーテンレール30のレール溝部よりも大寸となっており、カーテンレール30内に挿入されて保持される。このとき、ボルト43のねじ軸部は、レール溝部から下方に突出する。ボルト43は、カーテンレール30の端部から挿入され、車両長手方向に移動可能である。ボルト43を組付け位置まで移動させたのちに、天井内装材21に係合させた水平部保持部39の穴部34aに、ボルト43のねじ軸部を貫通させ、露出した下端にナット44を螺合させて締結することで、水平部保持部39が構体側の所定位置に固定される。
天井内装材21の垂直部32についても水平部31と同様に、弾性材36を介して垂直部保持金具35が嵌め込まれて組付けられるため、側構体12および荷棚取付金具29の鉛直方向の位置が所定の寸法からずれたとしても、鉛直方向の位置ずれ及び傾き方向のずれを弾性材36によって吸収することができ、垂直部32を荷棚取付金具29にしっかりと固定することができる。
このように、本実施形態によれば、天井内装材21が可撓性を有しているために、カーテンレール30や荷棚取付金具29の位置が所定の寸法(設計上の基準位置を中心とした許容範囲)からずれたとしても、天井内装材21を撓ませることによって水平方向および鉛直方向の位置ずれを吸収できる。さらに、水平部31や垂直部32に弾性材36を介して保持金具34,35が嵌め込まれているため、傾き方向のずれについても弾性材36で吸収することができる。また、水平部保持金具34および垂直部保持金具35にスペーサ42が嵌め込まれているため、水平部31および垂直部32をカーテンレール30および荷棚取付金具29にしっかりとボルト固定することができる。
さらに、副次的な効果として、水平部31および垂直部32が弾性材36を介して支持されているため、屋根構体11や側構体12からの振動が天井内装材21に伝わりにくく、天井内装材21の振動に伴う車内騒音が抑制されるという効果も期待できる。弾性材36の上部36aおよび下部36bは、面外方向を柔に支持する防振材として主に機能し、側部36cは、天井内装材21のたわみ反力を保持する防振材として主に機能する。
また、水平部31の穴部41の内周面とスペーサ42の外周面との間に、水平部保持部39が水平部31に取り付けられた保持部取付状態において、穴部41の内周面の周方向の略全域がスペーサ42の外周面と接触しないように両者を離間させるクリアランス52を設けることが好適である。穴部41の内周面の周方向の略全域がスペーサ42の外周面から離間するので、屋根構体11の振動がカーテンレール30および保持金具34を介してスペーサ42まで伝わってきた時に、スペーサ42から水平部31への振動の伝達が遮断され、屋根構体11から天井内装材21への振動の伝達を抑制することができる。さらに必要に応じて、スペーサ42の外筒面と穴部41の内周面との間に弾性材を設けてもよい。弾性材を介在させることにより、スペーサ42と穴部41の内周面との接触に起因する騒音の発生をより確実に抑制することができる。垂直部32についても同様に、垂直部32の穴部41の内周面とスペーサ42の外周面との間に、保持部取付状態で両者を離間させるクリアランス52を設けることが好適であり、必要に応じて両者の間に弾性材を介在させてもよい。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態における保持金具の構成を図6および図7に示す。本実施形態では、水平部保持金具34および垂直部保持金具35として、車両長手方向に連続に押し出された型材を使用している。水平部31には、複数の穴部41が車両長手方向に沿って並んで配置される。水平部保持部39は、複数の穴部41を挿通する複数(穴部41と同数)のスペーサ42と、各穴部41に対応する複数の弾性材36とを備える。水平部保持金具34の上下の対向板部50には、複数のスペーサ42の内径部と連通する複数の穴部34aがそれぞれ設けられている。垂直部32および垂直部保持部40も、水平部31および水平部保持部39と同様に構成されている。
複数の穴部41と複数のスペーサ42と複数の弾性材36とに対して1つの保持金具34,35を設けているので、部品点数を減らすことができるとともに、保持金具34,35を構体側へより強固に固定することができる。また、第1実施形態と同様に、あらかじめアウトワークにより水平部31および垂直部32に複数の弾性材36を嵌め込み、そこにスペーサ42を装着し、外側から保持金具34,35を一度に嵌め込むことによって、天井内装材21に水平部保持部39および垂直部保持部40を一体化しておくことができる(図7参照)。これにより、弾性材36ごとに保持金具34,35を組み付ける手間が省ける。
また、複数の弾性材36を車両長手方向に沿って離散的に配置しているので、長尺化により弾性材36の柔軟性が低下することを防ぐことができ、柔軟な弾性材36によって水平部31や垂直部32の並進方向の位置ずれや傾きのずれを十分に吸収することができる。一方、弾性材36を車両長手方向に離散的に配置しているため、車両長手方向に並ぶ弾性材36の間には、隙間部45が存在する。屋根構体11や側構体12からの騒音が隙間部45を通って車内に抜けるのを防ぐ必要がある場合には、隙間部45に発泡シール材やスポンジ材などの柔らかい隙間充填材を詰めることにより、騒音が車内に抜けるのを防ぐことができる。
図8に示すように、第2実施形態の水平部保持金具34において、上下の対向板部50の一方(図示の例では下方)と連結板部51とを、弾性材36が挿入される部分だけを残して切欠いてもよく、同様の切欠き部分を垂直部保持金具35に設けてもよい。切欠き部分を設けることにより、保持金具34,35の重量を減らすことができる。
また、図9に示すように車両長手方向に連続して延びる弾性材36を用いてもよい。長尺化によって弾性材36の柔軟性が低下し、複数の弾性材36を設ける場合に比べて、水平部31や垂直部32の並進方向の位置ずれや傾きのずれを吸収する効果が薄れる可能性はあるが、弾性材36が介在しない場合との比較において、弾性材36による効果が損なわれることはない。
なお、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上述した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
例えば、上記実施形態では、水平部31と垂直部32の双方に保持部(水平部保持部39、垂直部保持部40)を設けたが、その一方のみに保持部を設け、他方を保持部以外の構造によって構体側に保持してもよい。
また、上記実施形態では、内装材として天井内装材21を例示したが、本発明の適用が可能な内装材は天井内装材21に限定されず、他の部位に取り付けられる内装材(例えば、側内装材22など)に対しても同様に適用することができる。
1…鉄道車両,11…屋根構体,12…側構体,13…床構体,14…妻構体,15…窓,16…側ドア,17…空調装置,18…床下機器,21…天井内装材,22…側内装材,23…内装床,24…腰掛け,25…荷棚,26…手すり,27…空調ダクト,28…灯具,29…荷棚取付金具,30…カーテンレール,31…水平部,32…垂直部,33…円弧部,34…水平部保持金具,35…垂直部保持金具,36…弾性材,37…傾斜部,38…中間垂直部,39…水平部保持部,40…垂直部保持部,41…穴部,42…スペーサ,43…ボルト,44…ナット,45…隙間部,50…対向板部,51…連結板部,52…クリアランス

Claims (7)

  1. 車体を構成する構体に内装材が備えられる鉄道車両であって、
    前記構体には、所定方向の一側の内装材支持部と前記所定方向の他側の内装材支持部とが前記所定方向に離間して設けられ、
    前記内装材は、可撓性を有する板状体であり、前記所定方向の前記一側に配置されて前記一側の内装材支持部に保持される一端側の端縁部と、前記所定方向の前記他側に配置されて前記他側の内装材支持部に保持される他端側の端縁部と、前記一端側の端縁部と前記他端側の端縁部との間で円弧状に湾曲する円弧部とを一体に備え、
    前記内装材の前記一端側および前記他端側の少なくとも一方では、前記端縁部と前記内装材支持部との間に弾性材が介在する
    ことを特徴とする鉄道車両。
  2. 請求項1に記載の鉄道車両において、
    前記内装材の前記少なくとも一方の端側の前記端縁部には、保持具とスペーサと前記弾性材とを備える保持部が設けられ、
    前記保持具は、互いに離間して相対向する2つの対向板部を有し、
    前記少なくとも一方の端側の前記端縁部には、前記スペーサが挿通するスペーサ挿通孔が設けられ、
    前記スペーサは、前記端縁部の前記スペーサ挿通孔を挿通した状態で、前記保持具の前記2つの対向板部の間に挿入されて保持され、
    前記弾性材は、前記2つの対向板部と前記端縁部との間に介在して前記端縁部を弾性支持し、
    前記少なくとも一方の端側の前記端縁部は、前記スペーサ挿通孔を挿通した前記スペーサが前記保持具の前記2つの対向板部の間に保持され、前記端縁部が前記弾性材に弾性支持された保持部取付状態で、前記保持具を前記内装材支持部に取り付けることによって前記内装材支持部に保持される
    ことを特徴とする鉄道車両。
  3. 請求項2に記載の鉄道車両において、
    前記保持具は、前記2つの対向板部の一端縁部を連結板部が連結する略コの字形の断面形状を有し、前記2つの対向板部の離間幅を増減するように弾性変形可能であり、
    前記スペーサは、前記保持具の前記2つの対向板部の間に嵌入されて前記2つの対向板部に挟持される
    ことを特徴とする鉄道車両。
  4. 請求項2に記載の鉄道車両において、
    前記スペーサは、筒形状を有し、
    前記保持具の前記2つの対向板部には、前記2つの対向板部の間に保持された前記スペーサの内径部と連通するボルト挿通孔がそれぞれ設けられ、
    前記保持具は、前記ボルト挿通孔および前記スペーサの前記内径部を挿通するボルトによって前記内装材支持部に取り付けられる
    ことを特徴とする鉄道車両。
  5. 請求項2に記載の鉄道車両において、
    前記スペーサの外周面と前記スペーサ挿通孔の内周面との間には、前記保持部取付状態で前記スペーサ挿通孔の前記内周面の周方向の略全域を前記スペーサの前記外周面から離間させるクリアランスが設けられている
    ことを特徴とする鉄道車両。
  6. 請求項1に記載の鉄道車両において、
    前記少なくとも一方の端側の前記端縁部は、前記所定方向と略直交する第2所定方向に延設され、
    前記少なくとも一方の端側の前記端縁部と前記内装材支持部との間には、複数の前記の弾性材が前記第2所定方向に沿って離散的に配置されている
    ことを特徴とする鉄道車両。
  7. 請求項4に記載の鉄道車両において、
    前記少なくとも一方の端側の前記端縁部は、前記所定方向と略直交する第2所定方向に延設され、
    前記少なくとも一方の端側の前記端縁部には、複数の前記スペーサ挿通孔が前記第2所定方向に沿って並んで配置され、
    前記保持部は、前記複数のスペーサ挿通孔を挿通する複数の前記スペーサを備え、
    前記保持具の前記2つの対向板部には、前記複数のスペーサの内径部と連通する複数の前記ボルト挿通孔がそれぞれ設けられている
    ことを特徴とする鉄道車両。
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