JP2023169037A - 車椅子と自転車の結合補助具及びそれを用いた車椅子付き自転車 - Google Patents
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Abstract
【課題】自転車と車椅子を大きく改造することなく容易に結合することできるとともに、小さな力で操舵ができ安定した走行が可能な車椅子付き自転車を提供すること。【解決手段】車椅子と前輪を外した自転車とを結合するための車椅子付き自転車の結合補助具は、車椅子の左右の主輪軸間に架け渡した車椅子側固定部と、自転車のフロントフォークを連結した自転車側固定部と、該自転車側固定部と前記車椅子側固定部とを回転自在に結合するジョイント部とからなり、前記ジョイント部が前記車椅子側固定部に対して前傾した状態で自転車側固定部を結合することで、操舵軸と主輪とのキャスター角がマイナスになるようにしたので、ハンドルを軽く回すことができて、安定した操舵性を得ることができる。【選択図】図1
Description
本発明は、自転車のフロント部分に車椅子を結合するための結合補助具及びそれを用いた車椅子付き自転車に関するものである。
高齢者や身障者の車椅子を押して移動する際は、車椅子を押す介助者の労力に頼っているが、大柄な人を乗せた車椅子を小柄な人が押したり、近年では少子高齢化の影響で老々介護も増加しているので、高齢者が車椅子を押す状況も増えてきており、介助者の労力を軽減する必要性が高まっている。
以前より、車椅子を押して楽に移動するために、自転車のフロント部分に車椅子を取り付けた自転車が、先行技術文献にあるように多々発明されているが普及はしていない。この理由としては、フロント部に人を乗せるために重量がかかり、左右に操舵する際にハンドルが重く、安定した操舵がし難いことが原因と考えられる。
上記特許文献1及び2には、前輪を外した自転車と車椅子を結合した車椅子付き自転車が開示されている。特許文献1では、自転車のハンドル支軸が取付板等を介して車椅子の把手パイプに締着され、ボルト締めによって両者の着脱が可能となる。
また、特許文献2では、自転車のハンドルから伸びるフロントフォークと車椅子のティッピングレバーを連結部材により着脱が可能に連結することができる。
また、特許文献2では、自転車のハンドルから伸びるフロントフォークと車椅子のティッピングレバーを連結部材により着脱が可能に連結することができる。
しかし、特許文献1及び2の何れもハンドル軸と車輪の接地面からの垂直線とがなすキャスター角がプラスになっていて、直進性は良くなる分、左右に曲がる際には大きな力がかかる。例えば、ハンドルを右に操舵すると自転車本体は遠心力を受けて左に傾斜するため、ハンドルが重くなると共に車体が不安定になる。
特に、普通の自転車とは異なり、前輪に当たる部分に車椅子を取付け人間が座るため、過大な重量がかかり、前輪を安定して操舵することができない。
特に、普通の自転車とは異なり、前輪に当たる部分に車椅子を取付け人間が座るため、過大な重量がかかり、前輪を安定して操舵することができない。
本発明の結合補助具を用いることで、前輪を外した自転車と車椅子を大きく改造することなく容易に結合することできるとともに、車椅子を小さな力で操舵ができ安定した走行が可能な車椅子付き自転車を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明では、前輪を外した自転車と車椅子を結合する結合補助具において、両者を回転自在に結合するジョイント部を前傾させることで操舵軸と前輪となる主輪のキャスター角がマイナスになるようにした。
すなわち請求項1の発明では、車椅子と前輪を外した自転車とを結合する結合補助具は、車椅子の左右の主輪軸間に架け渡したバー材と、自転車のフロントフォークを連結した自転車側固定部と、該自転車側固定部と前記バー材とを結合するジョイント部とからなり、前記ジョイント部が前記バー材に対して前傾して自転車側固定部を結合していることを特徴とする。
請求項2の発明の車椅子付き自転車は、請求項1に記載の結合補助具を用いたことを特徴とする。
請求項3の発明では、請求項2に記載の車椅子付き自転車において、自転車側固定部とフレームとを固定プレートで結合したことを特徴とする。
請求項4の発明では、請求項2又は3に記載の車椅子付き自転車のフロントフォークの先端が進行方向の後方に向かって湾曲していることを特徴とする。
請求項5の発明では、請求項2乃至4に記載の車椅子付き自転車の主輪及び後輪の少なくとも一方に電動アシスト機構を装着したことを特徴とする。
以上説明したように、請求項1の発明の結合補助具は、車椅子の左右の主輪軸間に架け渡したバー材と、自転車のフロントフォークを連結した自転車側固定部と、該自転車側固定部と前記バー材とを回転自在に結合するジョイント部とからなり、前記ジョイント部が前記バー材に対して前傾した状態で自転車側固定部を結合していることによって、操舵軸と主輪とのキャスター角がマイナスになるようにした。そのため直進性は若干劣るものの、そもそも低速でゆっくりと移動するのが目的なので全く問題なく、前に人が乗っているにもかかわらず、左右に曲がる際にはハンドルを軽く回すことができて、安定した操舵性を得ることができる。
請求項2の発明の車椅子付き自転車は、請求項1に記載の結合補助具を用いたことにより、請求項1に記載の操舵性が軽く安定した効果が得られる。
請求項3の発明では、請求項1に記載の車椅子付き自転車の自転車側固定部とフレームとを固定プレートで結合したことで、フロントフォークだけでなくフレームも自転車側固定部に結合され、自転車に部分的にねじれ等が発生することなく、ハンドルも安定して回転させることができ、良好な操舵性が得られる。
請求項4の発明では、請求項2又は3に記載の車椅子付き自転車のフロントフォークの先端が進行方向の後方に向かって湾曲していることによって、自転車と車椅子の位置をより近づけることができるので、車椅子側に設けたハンドルやブレーキを自転車に座った状態で楽に操作することができる。また、自転車側の仮想回転軸が地面に接する位置が、左右の主輪の接地面を結ぶ線上と一致するため自転車と車椅子が一体化して無理な応力がかからずに、主輪を軽い力で回転することができる。
請求項5の発明では、請求項2乃至4に記載の車椅子付き自転車の主輪及び後輪の少なくとも一方に電動アシスト機構を装着することで、ペダルをより軽く踏み込むだけで動かすことができる。特に前輪側(主輪)に人間の体重がかかるので、電動アシスト機構によって、疲労も少なくなり、安全に人を乗せて運ぶことができる。
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して説明する。なお、本実施形態は一例に過ぎず、これに限定されるものではない。
図1は、車椅子Aと自転車Bを結合した本発明の車椅子付き自転車の全体を示した斜視図である。図2は、結合部分を分かりやすく示した斜視図で、図3は、結合する前の車椅子を後方から見た斜視図である。なお、車椅子及び自転車の本来の構造部分で改良を加えない部分については、特に説明はしない。また、電動アシスト機構については、市販品を取り付けることができるので、図示せず説明も省略した。
本発明の車椅子付き自転車は大きく分けて、車椅子Aと自転車Bと結合補助具Cからなる。特に、結合補助具Cを用いて市販の車椅子と前輪を外した自転車をボルトとナットで結合するだけで簡単に組み立てることができ、外せば直ぐに車椅子として使用することができる。
図1、2に示すように、自転車Bのフロントフォーク6から前輪(図示しない)を外し、結合補助具C(車椅子側固定部1、ジョイント部2、自転車側固定部3からなる)を介して車椅子Aと結合一体化して車椅子付き自転車が得られる。結合補助具Cについては、図4乃至図10に部品の詳細が示される。
図3は、結合前の車椅子の状態を示している。主輪軸部結合凸部41は、少なくとも両端の内側にめねじを切った管又は棒状物の両端にナットを溶接した物で、主輪から内側に突出する主輪軸のおねじに前記めねじ部分を螺合することで、図のように主輪軸部結合凸部41を主輪の左右2か所の内側部分に固定する。
図6乃至8に示すように、車椅子側固定部1は、バー材11と左右に取り付ける略L字状の主輪軸固定片15とジョイント部2と結合するためのジョイント部固定片13とからなる。バー材11の左右端部には、主輪軸固定片15と結合するための主輪軸固定片結合孔14が穿孔されている。バー材11は全長に亘って折曲げ片12を設けることで曲げに強い構造としている。
また、バー材11の中央部分にジョイント部固定片13を介してジョイント部2が溶接されている。ジョイント軸21は内側に固定ピン挿入空洞22が穿孔されており、バー材11に対して前傾するように溶接されている。図9、図11に記載されている一点鎖線は、車椅子が左右に曲がる際のハンドル91の回転軸Lを示している。すなわち、回転軸Lは操舵軸であり、主輪とのキャスター角がマイナスになるようにしたため直進性は若干劣るものの、前に人が乗っているにもかかわらず、左右に曲がる際にはハンドル91を軽く回すことができて、安定した操舵性を得ることができる。そもそも低速でゆっくりと移動するのが目的なので、直進性については全く問題ないレベルである。
図9乃至図11は、ジョイント部2及び自転車側固定部3を示す。図10からわかるようにジョイント軸連結片23は、自転車側固定片31の中央部分に溶接されている。なお、図9と図11はジョイント部2の結合状態がわかりやすいように、前傾した状態で図示している。
ジョイント軸連結片23は、中央部分に固定ピン挿入孔24が穿孔され、自転車側固定片31にはフロントフォーク固定凸部32とフロントフォーク結合軸33が設けられている。
ジョイント軸連結片23の固定ピン挿入孔24にジョイント軸21の固定ピン挿入空洞22を合わせて、図5に示すように固定ピン25を差し込んで、車椅子側固定部1と自転車側固定部3を回転自在に結合する。
図4に示すように、組み立てられた結合補助具Cを車椅子Aに取り付ける。主輪軸固定片15を主輪軸部結合凸部41に主輪軸固定孔16に通してボルトで固定する。その後、主輪軸固定片結合ねじ17を主輪軸固定片結合孔14に通してナットで固定して左右共にバー材11を車椅子Bに結合する。
次に、結合補助具Cを自転車Bに取り付ける。フロントフォーク6から前輪を外して、図11に示すように先端部の切り欠きをフロントフォーク固定凸部32、フロントフォーク結合軸33に嵌合させる。フロントフォーク結合軸33はフロントフォーク6をナットで自転車側固定片31に結合するもので、フロントフォーク固定凸部32はフロントフォーク6が前後にぶれないようにするための凸部である。
これによって、車椅子Aと自転車Bは結合される。ジョイント部3は、車椅子側固定部1と 自転車側固定部3が固定ピン25によって、回転自在に結合される。
図1、図2に示すように、固定プレート7で自転車のフレーム5と自転車側固定部3のフロントフォーク結合軸33のおねじ部分にナットで固定する(図4参照)。これによって、フレーム5とフロントフォーク6が一体化されて結合補助具に強固に結合され部分的にねじれ等が発生することなく、ハンドル9も安定して回転させることができ、良好な操舵性が得られる。
また、フロントフォークは通常の自転車とは逆向きに取付けており、下端が進行方向の後方に向かって湾曲していることによって、自転車と車椅子の位置をより近づけることができるので、車椅子側に設けたハンドル91やブレーキ92を自転車に座った状態で楽に操作することができる。
さらに、図12はフロントフォークと主輪付近の側面図で、フロントフォーク6から地面に向かって伸びる自転車側の仮想回転軸Xが地面と接する部分Yは、左右の主輪4が地面と接する部分の延長線の中央に該当する。これによって、自転車側の仮想回転軸と主輪の回転中心が一致するため無理な応力がかからずに、主輪を軽い力で回転することができる。
図示はしていないが、車椅子付き自転車の主輪4(車椅子側)及び後輪8の少なくとも一方に電動アシスト機構を装着することで、より軽く踏み込むだけで動かすことができる。通常の自転車にはないように、前輪側に人間の体重がかかるので、電動アシスト機構によって、漕ぎ出しもスムースで疲労も少なくなり、安全に人を乗せて運ぶことができる。特に車椅子用に市販されている小型軽量のインホイールモーターを主輪4に装着することで、重量のかかる前側を楽に動かすことができる。
本発明による車椅子付き自転車は、少ない労力で車椅子による解除ができ、軽い操舵力で安定した操作ができ、結合補助具によって市販の自転車と車椅子を簡単に結合することができるので、介助用の車椅子として有用である。
A.車椅子
B.自転車
C.結合補助具
1.車椅子側固定部
11.バー材 13.ジョイント部固定片 15.主輪軸固定片
2.ジョイント部
21.ジョイント軸 23.ジョイント軸連結片 25.固定ピン
3.自転車側固定部
31.自転車側固定片 33. フロントフォーク結合軸
4.主輪
41.主輪軸部結合凸部
5.フレーム
6.フロントフォーク
7.固定プレート
B.自転車
C.結合補助具
1.車椅子側固定部
11.バー材 13.ジョイント部固定片 15.主輪軸固定片
2.ジョイント部
21.ジョイント軸 23.ジョイント軸連結片 25.固定ピン
3.自転車側固定部
31.自転車側固定片 33. フロントフォーク結合軸
4.主輪
41.主輪軸部結合凸部
5.フレーム
6.フロントフォーク
7.固定プレート
Claims (5)
- 車椅子と前輪を外した自転車とを結合する結合補助具であって、該結合補助具は、車椅子の左右の主輪軸間に架け渡した車椅子側固定部と、自転車のフロントフォークを連結した自転車側固定部と、該自転車側固定部と前記車椅子側固定部とを回転自在に結合するジョイント部とからなり、前記ジョイント部が前記車椅子側固定部に対して前傾した状態で自転車側固定部を結合していることを特徴とする結合補助具。
- 請求項1に記載の結合補助具を用いたことを特徴とする車椅子付き自転車。
- 自転車側固定部とフレームとを固定プレートで結合したことを特徴とする請求項2に記載の車椅子付き自転車。
- フロントフォークの先端が進行方向の後方に向かって湾曲していることを特徴とする請求項2又は3に記載の車椅子付き自転車。
- 主輪及び後輪の少なくとも一方に電動アシスト機構を装着したことを特徴とする請求項2乃至4に記載の車椅子付き自転車。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022080488A JP2023169037A (ja) | 2022-05-16 | 2022-05-16 | 車椅子と自転車の結合補助具及びそれを用いた車椅子付き自転車 |
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- 2022-05-16 JP JP2022080488A patent/JP2023169037A/ja active Pending
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