JP2023166492A - 回折光学素子、これを用いた投影装置、及び計測装置 - Google Patents

回折光学素子、これを用いた投影装置、及び計測装置 Download PDF

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Abstract

【課題】広い視野角にわたって回折光の強度を均一化する光拡散技術を実現する。【解決手段】入射光を前記第1の方向に回折させる回折光学素子は、前記入射光のビーム径をFWHM、投影面までの距離をZ、前記第1の方向へ回折される回折光のうち最も外側の回折光の回折角をθ(MH)、外側から2番目の回折光の回折角をθ(MH-1)とすると、前記回折光学素子は、tanθ(MH)-tanθ(MH-1)<(FWHM/2Z)[1/cosθ(MH)+1/cosθ(MH-1)]を満たす位相パターンを有し、かつ[(A+1-A-1)/ADOE]2<1/NALLを満たすように設計された位相パターンを有し、A+1は二値化された前記基本ユニットの中で+1.0の値をもつ領域の面積、A-1は-1.0の値をもつ領域の面積、ADOEは前記回折光学素子の前記基本ユニットの面積であり、NALLは総スポット数である。【選択図】図8

Description

本発明は、回折光学素子、これを用いた投影装置、及び計測装置に関する。
回折光学素子は、光の回折現象を利用して入射光を様々なパターンで、様々な方向に分光する。回折光学素子は、小型で軽量ながら、レンズ、プリズム等の屈折光学素子と同様の光学機能を実現することができ、照明、非接触検査、光学計測等の多様な分野で利用されている。
複数の回折光を隣り合う回折光と重ねることで、投影領域を隙間なく埋める構成が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。また、主要強度分布を予め設定された立体角依存性の強度分布に変換する光学系において、光学素子を2枚用いてゼロ次光の影響を抑制する構成が提案されている(たとえば、特許文献2参照)。
特許第6387964号 特表2008-506995号公報
特許文献1では、回折光の重ね合わせだけが議論されており、これを実現する回折光学素子の具体的な構成は開示されていない。特許文献2でも、回折構造の具体的な条件は開示されていない。
一方、LiDAR(light detection and raging:光検出・測距)等の光を用いたセンシングや、プロジェクタ等の拡大投射系では、広い視野角で光を拡散させることが求められている。回折光学素子を用いて広角化を実現しようとする場合、広い視野角にわたって投影面での回折光の強度を均一にすることが重要になる。
本発明は、広い視野角にわたって投影面での回折光の強度を均一化する光拡散技術を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様では、基本ユニットが第1の方向に周期的に配列されて入射光を前記第1の方向に回折させる回折光学素子において、
前記回折光学素子は、前記第1の方向に回折された回折光のうち最も外側の回折光と、外側から2番目の回折光との間の分離角が、前記入射光の発散角よりも小さくなるように設計された位相パターンを有する。
本発明の第2の態様では、基本ユニットが二次元方向に周期的に配列されて入射光を前記二次元方向に回折させる回折光学素子において、
前記二次元方向に回折される回折光のうち、中心から最も遠いコーナー部で互いに隣接する4つの回折光の中央の角度座標を(ax、ay)、第1の方向で最も外側の回折光の回折角をθx(MHx)、前記第1の方向と直交する第2の方向で最も外側の回折光の回折角をθy(MHy)、前記二次元方向に回折される回折光の前記第1の方向の発散角をδx、前記二次元方向に回折される回折光の前記第2の方向の発散角をδyとすると、前記回折光学素子は、
[(ax-θx(MHx))/δx]2+[(ay-θy(MHy))/δy]2<1
を満たす位相パターンを有する。
本発明の第3の態様では、基本ユニットが第1の方向に周期的に配列されて入射光を前記第1の方向に回折させる回折光学素子において、
前記入射光のビーム径をFWHM、投影面までの距離をZ、前記第1の方向へ回折される回折光のうち最も外側の回折光の回折角をθ(MH)、外側から2番目の回折光の回折角をθ(MH-1)とすると、前記回折光学素子は、
tanθ(MH)-tanθ(MH-1)<(FWHM/2Z)[1/cosθ(MH)+1/cosθ(MH-1)]
を満たす位相パターンを有する。
本発明の第4の態様では、基本ユニットが二次元方向に周期的に配列されて入射光を前記二次元方向に回折させる回折光学素子において、
前記入射光の波長をλ、前記入射光のビーム径をFWHM、投影面までの距離をZ、前記回折光学素子の周期長をPとすると、前記周期長は、
λ×Z/(α×FWHM)<P<FWHM
を満たし、
前記回折光学素子は、当該回折光学素子によって形成される視野角が30°より小さいときはαの値が一定値となり、前記視野角が30°以上のときは前記αの値が前記視野角の関数として単調減少するように設計された位相パターンを有する。
上記の構成により、広い視野角にわたって回折光の強度を均一化する光拡散技術が実現する。
本発明の基本思想を説明する図である。 回折角ごとの分離角の相違を説明する図である。 回折角と次数間分離角の関係を示す図である。 図3の関係をスクリーン上での回折光の投射位置に再構成した図である。 投影面での回折光の重なり不足を示す図である。 投影面での回折光の一次元方向の重なりを示す図である。 発散光を用いるときに等距離面上で回折光が重なる条件を説明する図である。 平行光のときにスクリーン面で回折光が重なる条件を説明する図である。 図8の条件を説明する図である。 等距離面での二次元方向の回折光の重なり合いの条件を説明する図である。 スクリーン面への二次元方向の平行光の投射を説明する図である。 図11(B)のシミュレーション結果を(FWHM/Zsc)と(λ/P)の関係に再プロットした図である。 図12に基づいて傾きαをFOVの関数としてプロットした図である。 広角化したときの視野端での強度の低下を説明する図である。 広角化したときに均一な強度分布を維持するための第1の構成を示す図である。 二次元での回折次数間引きの例を示す図である。 図16の例で回折次数を間引かない一様分布のDOEパターンと等距離面での投影像及び強度分布を示す図である。 図16の例で回折次数を間引いたときのDOEパターンと等距離面での投影像及び強度分布を示す図である。 回折次数をx方向のみで間引くシミュレーション例を示す図である。 図19の例で回折次数を間引かないとき(一様分布)のDOEパターンと等距離面での投影像及び強度分布を示す図である。 図19の例で回折次数をx方向のみに間引いたときのDOEパターンと等距離面での投影像及び強度分布を示す図である。 広角化したときに均一な強度分布を維持するための第2の構成を示す図である。 強度補正の有無を3次元の強度分布図で示す図である。 広角での回折光の重ね合わせを考慮した補正関数H(θ)を示す図である。 図24の方法で強度補正したときの設計例を示す。 図25の設計範囲の絞り込みを説明する図である。 広角化にともなう0次光の影響を説明する図である。 回折光の重ね合わせを前提とした0次光の低減を説明する図である。 0次光の成分を除去する設計例を示す図である。 0次光の成分を除去するもうひとつの手段を示す。 投影装置における光学素子の多段構成を示す図である。 多段の光学系の構成例を示す図である。 多段の光学系の構成例を示す図である。 多段の光学系の構成例を示す図である。 多段の光学系の構成例を示す図である。 多段の光学系の構成例を示す図である。 目標投影像を得るためのDOE設計の概念を説明する図である。 IFTAを利用した設計例を示す。
図1は、本発明の基本思想を説明する図である。回折光学素子(DOE:Diffractive Optical Element)で広角拡散を実現するために、図1(B)に示すように、投影面40で回折光42が隙間なく重なり合うように回折スポット41の位置を設計する。
たとえば、図1(A)のように、光源30と回折光学素子20(以下、「DOE20」と略称する)を用いた投影装置10で投影面40を照射する場合、光源30から出力されたビームはDOE20を透過することで、多数の回折光42に分光され、所定の角度範囲にわたって拡散する。隣接する回折次数の回折光が投影面40で重なり合うように回折スポット41の位置を設計するのが、本発明の基本思想である。
「回折スポット」とは、DOE20によって各方向へ回折される光の中心強度(ピーク強度)を有する点である。「回折光」とは、回折スポットを中心とする一定範囲、たとえば回折スポットの中心強度の1/e2になる範囲もしくは半値全幅の強度分布の光ビームをいう。
ただし、回折角の大きさによって隣接する次数間の回折光の分離角が異なるため、すべての回折光42が投影面40で重なり合うように回折スポット41の位置を設計することは、容易ではない。
図1では平坦なスクリーン等の投影面40が描かれているが、一定の曲率半径で湾曲する投影面や、LiDAR等の計測装置で等距離面へ回折光を投射する場合も、回折次数に応じて分離角が変化するので、回折光を隙間なく重ね合わせる設計は容易ではない。
図2は、回折角に応じた分離角の変化を説明する図である。回折角θは、0次光(回折せずにDOE20を透過した光)と、各回折光の光軸とが成す角度とする。分離角は、隣接する次数の回折光の間の角度である。
波長λの光が周期長PのDOE20に垂直入射する場合、m次の回折光は、
m×λ=P×sinθ (1)
で表される。DOE20の周期長とは、DOE20を構成する複数の単位パターン(またはユニット構造)のサイズまたは繰り返し周期をいう。
DOE20によって回折された光が平坦なスクリーン面Sに投射される場合、0次光の近傍の回折光42はスクリーン面Sで重なり合うが、次数が上がるほど、すなわちスクリーンの端部へ向かうほど分離角が大きくなり、隣接する回折光42は重ならなくなる。参照としてスクリーン面Sの等距離面Eからのかい離を示す。
図3は、回折角と次数間分離角の関係を示す図である。図3(A)はDOE20の周期長Pが100μmのときの回折角と次数間分離角の関係を示す。図3(B)はDOE20の周期長Pが1000μmのときの回折角と次数間分離角の関係を示す。左側の縦軸は波長940nmの光を投射したときの分離角の回折角依存性、右側の縦軸は波長400nmの光を投射したときの分離角の回折角依存性である。
図3からわかるように、DOE20の周期長Pと波長λにかかわりなく、回折角が大きくなると次数間分離角は、指数関数的に増大する。ただし、DOE20の周期長Pが10倍になると、回折角が小さくなり、分離角は1/10程度になる。
DOE20で少なくとも120°の視野角、すなわち-60°から60°の回折角を実現する場合、図中の白矢印で示すように、0次光近傍の回折光と60°の回折光の間で、分離角は2倍に拡がる。視野角が90°の場合でも、0次光近傍の回折光と45°の回折光の間を比較すると、分離角は1.5倍以上になる。
図4は、図3の関係をスクリーン面Sでの回折光の投影位置に再構成した図である。図4(A)はDOE20の周期長Pが小さい場合、図4(B)はDOE20の周期長P'が大きい場合(P'>P)である。
図4(A)のように、DOE20のユニット構造201Sのサイズが小さく周期長Pが小さいときは回折角が大きく、スクリーン面Sもしくは等距離面Eで隣接する回折スポット41の間隔が拡がる。特に、広角側で回折光42同士が完全に分離する。図4(B)のように、DOE20のユニット構造201Lのサイズが大きく周期長P'が大きいときは回折角が小さくなるため、スクリーン面Sもしくは等距離面Eに回折スポット41が密に現れ、回折光42同士が重なる。
ユニット構造201S及び201Lには、格子パターン、二値化されたバイナリパターン、多値化された階段状のパターン等の位相パターンが形成されており、各ユニット構造201のパターンまたは空間分布に応じた位相変化が入射光に与えられて回折が起きる。
スクリーン面Sでの回折光42の重なりを確保するには、DOE20の周期長Pを大きくして回折角を小さくすればよい。しかし、十分な視野角を確保するのが困難になる。また、DOE20への入射ビーム31は、各ユニット構造201に形成されているパターンをすべてカバーする必要があり、周期長Pを大きくする場合でも、入射ビーム31の径の中に納まるという条件を維持しなければならない。
目的とする視野角にわたって投影面で回折光が重なり合い、かつ入射光によってDOE20のユニット構造201の全体が検知される適切な周期長Pの範囲を特定すれば、均一で効率的な投射が実現できる。ただし、投影面によっては、回折次数は必ずしも単純な格子配列にならないという点を考慮しなければならない。
図5は平坦な投影面での回折光の重なり不足を示す。球面等の等距離面への投射では、回折スポットは格子状に現れるが、平坦なスクリーン上では格子が歪む。特に、破線の領域Cで示すように、視野の端部での歪みが大きく、ギャップGで示すように回折光の重ね合わせが不十分になる。歪みの大きい領域Cでは、回折スポット41の座標が複雑でスポット位置の補正が困難である。
そこで、以下では、広角化を前提とした最適な視野角(FOV:Field of View)とDOE周期長の関係を検討する。等距離面への投影とスクリーン面への投影では、上述したように条件が異なるため、それぞれについて検討する。
図6(A)は、等距離面Eへの投影を示す。等距離面Eへの投影は、センシング、測距、計測など、比較的長いレンジの投影を想定している。この場合、投影装置10の光源30に発散光源を用いて、遠方までの投影を可能にする。本発明の広角投影を測距、計測等の技術に適用するときは、投影装置10と検出器50を組み合わせて計測装置100を構成してもよい。検出器50は、視野角内に存在する物体からの反射光を検知するので、等距離面においても拡散光が隙間なく配置されるのが望ましい。
図6(B)は、平坦なスクリーン面Sへの投影を示す。スクリーンが同じ曲率半径で湾曲しているときは図6(A)のような等距離面への投影になるが、以下の説明では、スクリーン面Sへの投影というときは、平坦な投影面への投影を意図するものとする。
スクリーン面Sでは、平行光を用いた比較的短距離の投影が想定される。光源30は、たとえばコリメート光を出力するレーザ光源である。平行光は、DOE20で回折された後も各回折方向でコリメート状態が保たれている。
平行な回折光がスクリーン面Sに投影されると、視野の中心から遠ざかるほどビームの断面形状が歪み、視野の端部で隣接する回折光MHと回折光MH-1のそれぞれの半径rMとrM-1に差が生じる。
<等距離面への投影;一次元>
図7は、等距離面への一次元の投影を説明する図である。ここでは、30°以上の視野角、好ましくは60°以上の視野角、より好ましくは120°以上の視野角を想定している。このような広い視野は測距、投影で有用であること、および、図3で示したように視野角が30°よりも小さいときは、分離角の変化が無視できる程度に小さいが、30°以上になると分離角の変化が顕著になるからである。
光源30が発散光源の場合、光源30から出力され、DOE20で回折された各次数の回折光も発散光32となる。発散光32の発散角をθdivとする。発散光32のビーム径は、距離と共に広がる。等距離面での回折光のビーム径をFWHMとする。ここで、ビーム径FWHMはビームの広がりを表わす半値全幅(Full Width Half Maximum)で表される。
等距離面に投射される回折光は、回折角に依存して分離角は変化するが、次数に応じたビーム歪みは無視できる程度に小さい。したがって、分離角の変化だけを考慮して、回折光が重なる条件を検討すればよい。
説明の簡単のために、まず一次元方向での回折を考える。図6(A)の状態で、等距離面Eで隣接する回折光が互いに重なるためには、視野の最も外側で隣接する回折光の間の分離角が、発散角θdivよりも小さければよい。
視野の最も外側の回折光(MH)の回折角をθ(MH)、外側から2番目の回折光(MH-1)の回折角をθ(MH-1)とすると、分離角はθ(MH)-θ(MH-1)である。したがって、
θ(MH)-θ(MH-1)<θdiv (2)
の条件が満たされればよい。図7を参照すると、発散角θdivは、投影面でのビーム径FWHMの半径と距離Zscを用いて、
Figure 2023166492000002
と表されてもよい。
したがって、式(2)の条件を、式(2)'にリライトしてもよい。
Figure 2023166492000003
広角を狙う場合、最も外側で隣接する次数の回折光の間の分離角がビームの発散角θdivの中に納まっているかぎり、視野内で一次元方向に隣接する回折光は、すべて等距離面で重なり合う。発散光源を用いた投影装置10で用いられるDOE20の位相パターンは、式(2)を満たすように、すなわち視野の最も外側で隣接する回折光(MH)と(MH-1)の分離角が光源30の発散角θdivよりも小さくなるように設計される。これにより、広い視野角での均一照射を実現できる。
<スクリーン面への投影;一次元>
図8は、平坦なスクリーン面に投射された回折光の重なりを示す。比較的短い距離でスクリーン面に投影する場合も、図7を参照して説明したのと同じ理由で、30°以上の視野角、好ましくは60°以上、より好ましくは120°以上の視野角を前提とする。
光源30の出力光が平行光33の場合、ビーム径FWHMは一定であるが、スクリーン面Sでは、図6(B)のように、回折角に応じて水平方向のビーム径が拡がる。スクリーン面で、視野角にわたって回折光が隙間なく重なり合うための条件は、
Figure 2023166492000004
である。ここで、ZscはDOE20からスクリーン面までの距離である。式(3)の条件を、図9を参照して説明する。
最も外側の回折光MHと、外側から2番目の回折光(MH-1)が一次元方向に重なり合うには、これら2つの回折光のスポット間の距離が、それぞれの回折光の半径の和よりも小さければよい。
図9(A)に示すように、回折光MHのスポット位置と回折光(MH-1)のスポット位置の間の距離は、Zsc(tanθ(MH)-tanθ(MH-1))である。
図9(B)で、角度θで回折された平行ビームの直径をFWHMとすると、スクリーン面Sでの回折光の水平方向の直径は、FWHM/cosθとなる。回折光MHの半径はFWHM/2cosθ(MH)、回折光(MH-1)の半径はFWHM/2cosθ(MH-1)である。
Zsc(tanθ(MH)-tanθ(MH-1))<FWHM(1/2cosθ(MH)+1/2cosθ(MH-1))
が満たされれば2つの回折光は重なり合うので、これを変形して式(3)が得られる。
投影装置10がスクリーン面Sへの投射に用いられ、光源30が平行光を出力する場合は、回折方向の最も外側で隣接する回折スポット間の距離が、これらの回折スポットで形成される回折光半径の和よりも小さくなるようにDOE20が設計される。
式(1)の一般条件m×λ=P×sinθに基づくと、m次の回折光の回折角θ(m)は、
θ(m)=arcsin(mλ/P) (4)
である。
視野内を回折光で敷き詰める場合、最も外側の回折光MHは、視野角をFOVとすると式(5)で表される。
Figure 2023166492000005
ここで、右辺の第1項の[(P/λ)sin(FOV/2)]は、最大の回折次数mmaxである。大括弧は整数化を表わすガウス記号であり、小数点以下を切り捨てる。
DOE20で回折された光の分離角が式(3)の条件を満たし、かつ、周期長Pを式(5)に従って設定することで、スクリーン面Sにおいて回折光を一次元方向に隙間なく投影し、広い視野角にわたって均一照射を実現できる。
<等距離面への投射;二次元へ拡張>
図10は、等距離面での二次元方向への回折光の重なりを説明する図である。発散光を用いて遠方まで投射する場合を想定する。
二次元方向の回折の場合、視野角FOVはx方向の視野角xFOVと、y方向の視野角yFOVで定義される。x方向とy方向で視野角FOVは必ずしも同じでなくてもよい。光源30の発光開口部の形状によっては、ビーム断面がy方向に長い楕円形状の発散光が出力される。
二次元方向の回折の場合、等距離面Eでx方向とy方向で互いに隣接する4つの回折光42の楕円が、これら4つの回折光42を含むエリアの中央ですべて重なりあうように回折スポット41を設計する。DOE20のコーナー210で回折される光、すなわち視野内で最も遠くに回折される光に着目して説明する。
x方向の最も外側の回折光の回折角をθx(MHx)、外側から2番目の回折光の回折角をθx(MHx-1)、y方向の最も外側の回折光の回折角をθy(MHy)、外側から2番目の回折光の回折角をθy(MHy-1)とする。
4つの回折光42が重なり合うエリアの中央の角度座標(ax、ay)は、x方向に隣接する2つの回折光42の回折角の中点と、y方向に隣接する2つの回折光42の回折角の中点である。
ax=[θx(MHx)+θx(MHx-1)]/2
ay=[θy(MHy)+θy(MHy-1)]/2
上記のエリアの中央の角度座標(ax,ay)が4つの楕円のすべてに含まれるための条件は、式(6)で表される。
Figure 2023166492000006
ここで、δxは回折光のx方向の発散角θxdiv、δyはy方向の発散角θydivである。視野の最も外側のコーナーで、x方向とy方向に隣接する回折光42が式(6)の条件を満たすことで、二次元の視野内に投影されるすべての回折光は、等距離面で隙間なく重なり合う。
DOE20の周期長P、すなわちDOE20に含まれるユニット構造201のサイズを大きくすると、投影面での隣接スポットとの間の距離が近くなって重なりやすくなる。しかし、ユニット構造201は、入射ビーム径の中に納まるサイズでなければならない。式(6)の条件は、ユニット構造201が入射ビームの中に納まる範囲内で、周期長Pをできるだけ大きくする設計条件である。
式(6)を満たすようにDOE20の位相パターンを設計することで、広い視野角での等距離面への二次元照射で、均一な強度分布が得られる。
<スクリーン面への投射;二次元へ拡張>
図11は、平行光を用いた短距離投影の二次元方向への回折を説明する図である。等距離面への2次元照射の場合、図10のように式(6)の条件が導かれる。
しかし、スクリーン面への投射の場合、図11(A)に示すように、外周部に向かうにつれて回折光42の楕円が歪んで回折スポット41の配置関係が複雑になる。
図11(B)は、スクリーン面への2次元照射における視野角FOVとDOE20の周期長Pの関係をシミュレートした結果である。DOE20からスクリーンまでの距離Zscを500mm、光源30の波長λを1μmとし、ビーム径FWHMを1.5mmから8.0mmの範囲で様々に変えて、DOE周期長の視野角依存性を計算する。視野角は、xFOV=xFOVとし、対角方向の回折次数が歪やすく最も条件が厳しい正方形の視野で計算する。
図11(B)から、ビーム径(mm)にかかわらず、大きな視野角で回折光を隙間なく重ね合わせるためには、DOE周期長(μm)を大きくする必要があることがわかる。
図12は、図11のシミュレーション結果を、FWHM/Zsc(ビーム径/距離)と、λ/P(波長/DOE周期長)の関係に置き換えた図である。図12の各特性ラインの傾きをαとする。たとえば、FOVが30°のときは、α=0.424である。広角化を目指すほど、αの値は小さくなる。
DOE20が動作するためには、DOE20のユニット構造201が完全に入射ビーム31に含まれなければならないので、周期長Pの上限値はビーム径FWHMで決まる。この条件は、
(1/FWHMi)<(1/Pi) (7)
で表現される。
また、目的とする視野角FOVを実現するには、縦軸のλ/Pの値は、図12の各ラインの傾きよりも下側の領域になければならない。したがって、
(λ/P)<α×(FWHMi/Zsc) (8)
という条件が導かれる。周期長Pの下限は、λ×(Zsc/FWHMi)となり、光源の設計とスクリーンまでの距離によって決まる。式(7)と式(8)から、周期長Pの範囲を、λ×Zsc/(α×FWHM)<P<FWHMと記載してもよい。
図13は、図12に基づいて、αをFOVの関数としてプロットした図である。視野角FOVが30°よりも小さいときは、α=0.424でほぼ一定である。
広角化のために、視野角FOVを30°以上にするときは、α(FOV)は式(9)で近似される。
α(FOV)=0.502-2.56×10-3(FOV)-6.34×10-6(FOV)2 (9)
ここで、FOV=max[xFOV、yFOV]であり、xFOVとyFOVが異なる場合はいずれか大きい方を選択する。
この例では、FOVの関数としてのαを2次多項式で近似しているが、この例に限定されない。FOVを30°以上、より好ましくは60°以上の領域で、αの値が単純減少するようなその他の関数に近似してもよい。
120°の視野角を実現する場合は、式(9)の変数に120°を代入してα=0.12を得る。周期長Pの下限は、α=0.12を式(8)に代入することで決まる。
FOVが30°よりも小さいときにαを一定値とし、FOVが30°以上のときはαを式(9)またはその他の単純減少関数で規定することで、2次元の広い視野角にわたってスクリーン面で均一な強度分布が得られる。
以上説明したように、投影の目的、態様に応じて、ターゲットとする視野角で、回折光が隙間なく並ぶようにDOE20を設計することで、広い視野角にわたって投影面をむらなく照射できる。
<広い視野角で均一強度を維持するための構成>
上述した基本設計により、投影面における回折光を隙間なく並べることができる。以下では、広角化した場合にも、投影面でより均一な強度分布を維持するための構成を説明する。
図14は、広角照射で回折光を重ね合わせた場合の端部での照射強度の低下を説明する図である。図14(A)は、等距離面Eとスクリーン面Sでの回折光の重なりを示す。図14(B)は、回折角の関数としての投影面での強度を示す。
等距離面Eでは、個々の回折光42の強度は回折角にかかわらず一定であるが、すべての回折光の総和である全体強度Tは、回折角が大きくなるほど低下する。
視野角が30°よりも小さい場合、すなわち最大回折角が15°未満のときは、上述したように分離角の変化が小さく、等距離面またはスクリーン面で回折光が重なり合って、ほぼ均一な強度分布を実現できる。
しかし、視野角を60°以上に拡げようとすると、上述した条件を満たすようにDOE20を設計して等距離面Eまたはスクリーン面Sに回折光を隙間なく配置する場合でも、視野の端部で光強度が低下する場合があり得る。これは、回折次数が大きくなるほど分離角の調整が難しくなることに起因する。
<第1の構成>
図15は、視野角を広くする場合に均一な強度分布を維持するための第1の構成を示す図である。第1の構成では、回折次数を間引くことで、広角の投影面で回折スポット間の分離角を平均化する。
図15(A)において、ラインAは間引き前の特性、領域Bに含まれるライン群は回折次数を間引いた後の特性である。次数を間引かないときは回折次数が一様に連続し、ラインAで示されるように、回折角が大きくなるほど分離角が増大する。
回折次数を間引くと、領域Bで示されるように、小さい回折角である程度の分離角が得られ、大きい回折角で分離角が低減されて、分離角が平均化される。
回折次数は、たとえばDOE20の周期長Pを大きくすることで、0次からN次の間で適宜次数を間引くことができる。一例として、回折次数を間引かないときの設計値は、
波長λ=940nm
DOEの周期長P=200μm
ビーム径FWHM=0.4°
である。回折次数を間引くときの設計値は、
波長λ=940nm
DOEの周期長P=2000μm
ビーム径FWHM=0.4°
である。光源の設計を変えずにDOEの周期長を調整することで、回折次数を間引いて広い視野にわたって分離角を平均化することができる。
図15(B)は、回折角の関数としての等距離面での一次元方向の強度(任意単位)を示す。次数を間引かないときは、ラインAで示すように、特に回折角が15°以上の領域で等距離面上での強度が低下するが、回折次数を間引くことで、ラインBのように回折角の全範囲、すなわち視野の全範囲にわたって等距離面での強度を一定範囲内に収めることができる。全視野にわたって分散角が平均化されたためである。
図16は、2次元での回折次数間引きのシミュレーション例を示す。この例では、波長λが1000nmの光源を用い、x方向、y方向ともにFOVを100°に設定する。回折次数を間引く前のDOE周期長を100μm、回折次数を間引く領域でのDOE周期長を500μmにする。
図16のライン1Aは、回折次数を間引かないときの特性、領域1Bの中のライン群は回折次数を間引いた時の特性を示す。ライン1Aで、回折角が15°近傍までは次数間の分離角は、ぼほ一定であるが、分離角が15°を超えると、次数間の分離角が大きくなる。x方向とy方向で回折次数を間引くことで、領域1Bに示すように、次数間の分離角を一定範囲に収めることができる。
図17(A)は、図16で回折次数を間引かないライン1Aの構成でのDOEパターンを示し、図17(B)は等距離面での投影像を示す。図17(C)は図17(B)のx軸方向の断面の強度分布を示す。光源波長λは1000nm、発散角をx方向に2deg、y方向に2degとし、DOEのx方向の周期長Pxと、y方向の周期長Pyは、ともに100μmに設定されている。図17(B)および図17(C)に示す投影像の強度分布では、原点から外周部に向かう方向に強度の低下が見られる。
図18(A)は、図16の構成で回折次数を間引いた領域1Bの構成でのDOEパターンを示し、図18(B)は、等距離面での投影像を示す。図18(C)は図18(B)のx方向の断面の強度分布を示す。光源波長λは1000nm、発散角をx方向に2deg、y方向に2degとし、DOEのx方向の周期長Pxとy方向の周期長Pyは、ともに500μmに設定されている。回折次数を間引くことで、原点から外周部に向かう強度の低下が抑えられ、回折次数を間引かない場合よりも均一な強度分布を得ることができる。
図19は、回折次数を一方向のみで間引く、さらに別のシミュレーション例を示す。この例で、x方向とy方向の一方(たとえばx方向)の視野角は120°と広いが、他方(たとえばy方向)の視野角は40°である。ライン2Aは、回折次数を間引かず回折次数が一様に連続するときの特性を示す。領域2Bに含まれるライン群は、回折次数をx方向にだけ間引き、y方向は間引かないときの特性を示す。
回折次数を間引かないときは、x方向のDOE周期長Pxと、y方向のDOE周期長Pyは、ともに100μmである。所定の方向で視野の全範囲にわたって強度の均一化を担保するために、所定の方向(この例ではx方向)のみで回折次数を間引く。具体的には、回折次数を間引く箇所のOEDの周期長Pxを500μmに設定し、y方向の周期長Pyを100μmに維持する。
図20(A)は、図19の構成で回折次数を間引かないライン2Aの構成でのDOEパターンを示し、図20(B)は等距離面での投影像を示す。図20(C)は図20(B)のx軸方向の断面の強度分布を示す。光源波長λは1000nm、発散角をx方向に2deg、y方向に2degとし、DOEは、x方向の視野角が120°、y方向の視野角が40°となるように、各ユニット構造のパターンが設計されている。周期長Pは、x方向、y方向ともに100μmである。
図21(A)は、図19の構成で回折次数をx方向のみに間引いた領域2BのDOEパターンを示し、図21(B)と等距離面での投影像を示す。図21(C)は図21(B)のx軸方向の断面の強度分布を示す。図21(A)において、DOEのx方向で次数を間引く箇所で、x方向の周期長Pxが500μm、y方向の周期長Pxが100μmのユニット構造が使用されている。このようにDOEを設計することで、図21(B)および図21(C)に示す2Bは、図20(B)および図20(C)に示す2Aに対して、視野全体の強度を均一化できる。
<第2の構成>
図22は、広角化したときにより均一な強度分布を維持するための第2の構成を示す。第2の構成では、あらかじめ回折光の重なりを考慮して、ユニット構造のパターンを一次元方向に強度補正する。換言すると、投影面での回折スポットの強度を調整する。
図22(A)で、強度補正がない場合、等距離面で個々の回折光42の強度は同じであるが、回折光の総和である全体強度Tは、分離角増大の影響により、視野の端部にいくほど低下する。ここでの設計値は、
光源波長λ=940nm
DOEの周期長P=200μm
ビーム径FWHM=1°
である。
そこで、図22(B)に示すように、投射領域の端部へいくほど回折光42の強度が強くなるように、回折次数ごとに強度を補正する。設計値は、図22(A)と同じく、光源波長λ=940nm、DOEの周期長P=200μm、ビーム径FWHM=1°である。
一例として、等距離面への投影の場合、一次元方向に回折角が大きくなるほど回折光の強度が1/cosθの割合で増加するようにDOE20のユニット構造201が調整される。これにより、等距離面上での回折光の全体強度Tは、全視野角の範囲にわたって均一になる。この補正は、視野角が30°未満と狭いときはそれほと必要とされないが、視野角が30°以上、特に60°以上のときに有効である。また、入射ビーム径が小さいときは、第1の構成のように周期長Pを大きくすることができないので、図22の方法が有効である。
図23は、強度補正の有無に応じた強度分布を3次元的に示す図である。図23(A)は2次元DOEで強度補正がないときの強度分布図、図23(B)は2次元方向に強度補正を行ったときの例である。FOVはx方向、y方向ともに60°である。
図23(A)のように強度補正をしない場合は、等距離面上の視野の端部で強度が低下し、特にコーナー部での強度の低下が大きい。
図23(B)のように、2次元方向に強度補正を行うことで、等距離面で視野の全体にわたって均等な強度分布が得られる。2次元方向に強度補正を行う場合は、たとえば、視野のコーナー部へ向かうほど1/cosθx・cosθyの割合で強度が強くなるように補正する。
図24は、広角での回折光の重なりを考慮した補正関数H(θ)を場合分けして示す図である。上述したように、等距離面への投影で1次元方向に強度補正する場合は、補正関数としてたとえば、
H(θ)=1/cosθ (10)
を用いる。
等距離面への投影で2次元方向に強度補正する場合は、補正関数として、たとえば、
H(θ)=1/cosθx・cosθy (11)
を用いる。
平坦なスクリーン面への投影で一次元方向に強度補正する場合は、たとえば、
H(θ)(1/cosθ)2 (12)
を用いる。スクリーン面への投影で、回折角の関数としての補正割合を大きくするのは、視野の端部に向かうほど分離角が大きくなるだけではなく、回折点からスポット位置までの距離も長くなりビームピロファイルが歪むからである。
平坦なスクリーン面への投影で、二次元方向に強度補正する場合は、たとえば、
H(θ)=(1/cosθ)3 (13)
を用いる。直交方向へ補正の次元が増加するからである。
これらの強度補正は、上述した各補正関数に厳密に従う必要はない。現実には、投影面に多くの回折光を重ねるため、規格化されたスポット強度I(θ)が経験的に、
0.4×H(θ)<I(θ)<1.6×H(θ) (14)
を満たせばよい。ここで、θ=0近傍の値が1に規格化されている。
式(14)の範囲は、回折光のスポット強度が、補正関数H(θ)で決まる強度の±60%の範囲まで許容可能であることを示す。
図25は、図24の方法で強度補正したときの設計例を示す。図25(A)は、DOEの位相パターンと回折次数のみの投影パターンを示す。x方向とy方向のFOVをともに52.6°に設定し、光源波長λを532nm、DOEの周期長Pを250μmで計算している。
補正関数H(θ)を設定しても、実際にはDOEまたはユニット構造201の製造ばらつきや、回折スポット数が多いことに起因して設計時に十分な最適化が得られないなどの理由により、図25(B)に示すように回折光のスポット強度はばらつく。図25(B)は式(14)の範囲での設計結果である。横軸は回折角θ(度)、縦軸は補正関数H(θ)による設計強度を考慮した投影面に投影されるスポット強度の比を示す。I(θ)/H(θ)の値が1のときは、設計時の理想的な強度分布が投影面で得られている。投影面でのスポット数は膨大であり、すべてのスポットを最適化するには、ある程度の強度ばらつきをもつ分布を許容する必要がある。マージンをとって下限を0.4、上限を1.6に設定したのが、式(14)の範囲である。
補正関数H(θ)を厳密に満たすのが最も好ましいが、製造誤差等のばらつきなどにより、これを正確に満たすことは事実上困難である。しかし、実用上は回折光の広がりの影響などにより多数の回折光が重なり合うことになるので、式(14)の範囲で強度補正をすることで、実用的な等距離面での投影パターンの強度の均一化を実現できる。
図26は、図25で得られる強度比の範囲を、実現可能かつ有用な範囲に絞り込む例を示す。図26(A)は、回折角θの関数としての回折光スポット強度I(θ)/H(θ)を示す。回折スポット設計値は、図25と同じく、xFOV=yFOV=52.6°、光源波長λは532nm、DOEの周期長Pは250μmである。図25と同じく、1±0.4の範囲に多くのデータ値が分布している。
実用的な範囲で強度設計を確実に行うために、式(14)を、
0.8×H(θ)<I(θ)<1.2×H(θ) (15)
の範囲に絞ってもよい。
図26(B)で、I(θ)/H(θ)で表されるスポット強度の分布をヒストグラムにすると、I(θ)/H(θ)の強度比の85%が0.8~1.2の範囲に分布する。この範囲の外で分布が変化しても、影響は無視できる程度に軽微である。したがって、実用的な強度補正の範囲として、式(15)の範囲に総スポットの85%以上のスポットが含まれることとしてもよい。
<0次光の低減>
次に、0次光の低減について説明する。
図27は、広角化にともなう0次光の影響を説明する図である。図の左側へ向かうほど拡散角(または視野角)が小さく、右側へ向かうほど拡散角(または視野角)が大きい。
拡散角度が小さいときは、0次光51の強度と回折光52の強度はほぼ同程度であり、0次光51の影響は小さい。一方、DOEの拡散角が大きくなると、単位面積当たりの照度が減り、相対的に0次光51が強調されるようになる。回折光の強度に比較して0次光51の強度が強くなり、中央の発光点が目立ってしまう。
実施形態のように、投影面で回折光が隙間なく配置されるように回折スポットを設計する場合でも、0次光51の影響を低減するのが望ましい。
図28は、回折光の重ね合わせを前提とした0次光の低減を説明する図である。比較例を示す図28(B)では、視野の中心に0次光の投影スポット55が存在する。これに対し、図28(A)の実施例では、DOEの設計段階で中心56における0次光の影響を除去して、広視野のときに0次光が強調される影響を低減する。設計で除去しきれない0次光の成分を、本来の0次光として利用する。
図29は、0次光の成分を除去する設計例を示す。DOE20の凹凸パターンを、ユニット構造201ごとに、デジタル化(二値化など)する。たとえば、ユニット構造201が上面202と下面203をもつ二値の格子構造の場合は、上面の値を+1.0、下面(溝の底面)の値を-1.0とする。ユニット構造201が階段上の溝をもつ多値構造の場合は、中間面を0.0に設定し、DOE面と垂直な方向で中間面よりも高い面の値を+1.0とし、中間面よりも低い領域の値を-1.0とする。
各ユニット構造で、+1.0の値をもつ領域と-1.0の値をもつ領域の差分のユニット面積に対する比の二乗を、投影する総スポット数NAllの逆数よりも小さくすることで、0次光成分を除去する。すなわち式(16)を満たすようにDOE20を設計する。
Figure 2023166492000007
ここで、A+1はユニット構造201の中で+1.0の値をもつ領域の面積、A-1はユニット構造201の中で-1.0の値をもつ領域の面積、ADOEはDOE20のユニット構造201の面積である。総スポットNALLは例えばNALL=MxMyとすることができ、Mxはx方向への回折光の総数、Myはy方向への回折光の総数である。
例えば、回折次数を間引くことなく一様に分布させる場合、第i番目の回折光Mは、次数mを用いて、M=2m+1で表され、mは、式(1)から、
=(P/λ)sin(FOV/2)とすることができる。
ユニット構造201ごとに、凸部と凹部が占める面積の差の割合をスポット総数の逆数よりも小さくすることで、0次光に強度をほとんど与えていないことと等価になる。これについて、以下で説明する。
投影像は、DOE20の位相パターンの離散フーリエ変換像である。したがって、投影像の電場E(mx,my)は式(17)で表される。
Figure 2023166492000008
ここで、1/NxNyは回折光エネルギーの総和を1にする規格化因子、U(Xj,Yj)はDOE場、φ(Xj,Yj)はDOE20の位相パターンである。DOE場はDOE20の位相パターンと等しいことを前提としている。
ゼロ次光を表わす(mx=0,my=0)における投影像の強度I(0,0)は、式(18)で表される。
Figure 2023166492000009
DOE位相が0とπの二値で表現されるバイナリ型構造を考えると、ゼロ次強度は、式(19)に読み替えることができる。
Figure 2023166492000010
ここで、N+1はU(Xj,Yj)=+1となるピクセル数、N-1はU(Xj,Yj)=-1となるピクセル数を表す。
一方、投影像に投影されるスポット強度分布が均一である場合、一個のスポットに割り当てられる強度は、規格化された強度の総和1を総スポット数NAllで平均化した値δIで与えられる。したがって、式(20)が得られる。
Figure 2023166492000011
例えば総スポットNAllは、NAll=MxMyとすることができる。Mxはx方向の回折次数の総和、Myはy方向の回折次数の総和である。
ゼロ次光を抑制する設計のために、ゼロ次光を周辺スポットよりも弱く設計するための目安は、少なくともゼロ次光の強度を表わす式(19)の値を、式(20)の平均強度よりも小さくすることである。この条件は、式(21)で表される。
Figure 2023166492000012
式(21)の不等式の左辺について考える。DOE20の位相パターンにおいて、N+1、N-1、NxNyの比は、以下のA+1、A-1、ADOEの比と等価となる。
+1→A+1:DOEユニット構造に含まれるU=+1となる総面積
-1→A-1:DOEユニット構造に含まれるU=-1となる総面積
NxNy→ADOE:DOEユニット構造の総面積
これにより、ゼロ次光抑制のための式(16)が導かれる。
図30は、0次光の成分を除去するもうひとつの手段を示す。図30(C)の比較例では、光源30からの光は垂直にDOE20に入射し、回折光52が投影される視野内で、光源30の光軸とDOE20の光軸上に0次光51が出現する。
これに対し、図30(A)の実施例では、DOE20に垂直に入射した光は、光軸から外れる方向に回折され、0次光51だけが光軸上へ透過する。これよって、投影面に向かう回折光52から0次光51を除去する。これは、回折方向が非対称となるようにDOE20のユニット構造201のパターンを形成することで実現される。たとえば、ユニット構造201に断面が非対称のブレーズを形成する、y方向に延びる溝を形成する等して、光をx方向に回折させる。
図30(B)の実施例では、DOE20に斜めに光を入射する。DOE20の法線に対する入射光の角度をθinとすると、式(1)は、
m×λ=P×(sinθ-sinθin) (1)'
となる。
0次光51は回折されずに直進して、DOE20を透過する。回折光52を0次光の光路から逸らすことで、投影面に投影される回折像から0次光51を除去できる。
広角の回折を前提とする場合、図29と図30の0次光除去の設計は特に有用である。
<光学素子の多段構成>
図31は、投影装置における光学素子の多段構成を示す図である。投影装置10Aは、光源30と、複数の光学素子20-1~20-3を光軸に沿って配置した光学系25を有する。多段構成の光学系25で、光学素子20-1~20-3の少なくともひとつは、実施形態のDOEである。この多段構成は、FOVの広角化と0次光低減の少なくとも一方を実現するために有効な構成である。
図32は、多段構成の光学系25Aを示す。光学系25Aは、光軸に沿って配置されるDOE1とDOE2を有する。DOE1とDOE2は、広い視野角にわたって回折光の重なりを実現するように各ユニット構造201の位相パターンが設計されている。
DOE1とDOE2は、互いに直交する方向に光を回折させ、トータルで2次元の広視野の投射領域を形成する。DOE1とDOE2の組み合わせパターン(a)~(c)のいずれを用いてもよい。
組み合わせパターン(a)では、y方向に延びる一次元の回折格子を有するDOE1で入射光をx方向に回折させ、x方向に延びる一次元の回折格子を有するDOE2で入射光をy方向に回折させる。これにより、x方向とy方向の2次元領域に光を投影できる。
組み合わせパターン(b)では、x方向に延びる一次元の回折格子を有するDOE1で入射光をy方向に回折させ、y方向に延びる一次元の回折格子を有するDOE2で入射光をx方向に回折させる。これにより、x方向とy方向の2次元領域に光を投影できる。
組み合わせパターン(c)では、互いに直交する斜めの回折格子を用いる。45°の角度で延びる一次元の回折格子を有するDOE1と、135°の角度で延びる一次元の回折格子を有するDOE2を組み合わせることで、2次元の領域に光を投影できる。図32の構成は、FOVの広角化と0次光低減の両方に対して有効である。
図33は、多段構成の光学系25Bを示す。光学系25Bは、広角のDOE1と狭角のDOE2を組み合わせたハイブリッド構成を有する。たとえば、DOE1に高いFOV値を持つディフューザを用い、DOE2にドットマトリックスまたは低いFOV値をもつディフューザを用いる。DOE1で拡散された拡散光を、ドットマトリックスまたは狭FOVのDOE2に入射させることで、0次光成分を拡散して、0次光の影響を緩和できる。
DOE1とDOE2の配置順序は図33の例に限定されず、逆でもよい。図33の構成は0次光の低減に特に有効である。
図34は、多段構成の光学系25Cを示す。光学系25Cは、狭角のDOE1と広角のDOE2を組み合わせたハイブリッド構成を有する。たとえば、DOE1に低いFOV値をもつディフューザを用い、DOE2に高いFOV値のドットマトリクスを用いる。拡散の小さい投影パターンをDOE2に入射し、DOE2で回折光をタイリングすることで、広いFOVで回折光が重なり合う投影パターンを実現する。また、入射光をDOE1とDOE2に通すことで、0次光の影響を低減できる。
DOE1とDOE2の配置順序は図34の例に限定されず、逆でもよい。図34の構成はFOVの広角化の0次光の低減の両方に有効である。
図35は、多段構成の光学系25Dを示す。光学系25Dは、広角のDOEと狭角の非DOEを組み合わせたハイブリッド構成を有する。たとえば、DOEに高いFOV値をもつディフューザを用い、非DOEに、回折機能を持たない低いFOV値のディフューザを用いる。高FOVのDOEで拡散されたパターンを、非DOEのディフューザに入射することで0次光が拡散され、0次光の影響を低減できる。
DOEと非DOEの配置順序は図35の例に限定されず、逆でもよい。図35の構成は0次光の低減に特に有効である。
図36は、多段構成の光学系25Eを示す。光学系25Eは、広角のDOEと狭角の非DOEを組み合わせたハイブリッド構成を有する。たとえば、DOEに高いFOV値をもつドットマトリックスを用い、非DOEに、回折機能を持たない低いFOV値のディフューザを用いる。高FOVのドットマトリックス型DOEで回折された投影パターンを非DOEのディフューザに入射することで、広い視野角で回折光を重ね合わせるとともに、0次光を拡散して0次光の影響を緩和できる。
DOEと非DOEの配置順序は図36の例に限定されず、逆でもよい。図36の構成はFOVの広角化と0次光の低減の両方に有効である。
<DOE位相パターンのフーリエ変換>
図37は、目標投影像を得るためのDOE設計の概念を説明する図である。投影像はDOE位相情報のフーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)像であるから、理想的には、投影像の逆フーリエ変換(IFFT:Inverse Fast Fourier Transform)の結果が所望のDOE位相情報となる。投影像を逆フーリエ変換することで、DOE20の位相パターンを知ることができる。
投影像の電場g(x',y')は、式(22)で表される。
Figure 2023166492000013
ここで、U(x)はDOE場を表わし、φ(x',y')はDOEの位相分布を表わす。
ただし、DOEの位相情報を表わすU(x)の絶対値は必ず1である。二値化の値が+1または-1であるという制約条件が生じるため、一度のIFFTフーリエ変換だけでDOEの位相分布が直ちに決まるわけではない。DOEの設計には、例えば図37に示すフーリエ変換と逆フーリエ変換を繰り返す反復フーリエ変換法(IFTA:Iterative Fourier Transform Algorithm)を用いることができる。
フーリエ変換と逆フーリエ変換を繰り返すことで、目標となる投影像に漸近させるDOEの位相情報を設計できる。
図38は、IFTAを利用した設計例を示す。図38(A)は目標像、図38(B)はIFTA法により設計されたDOEの位相パターン、図38(C)は回折次数に関する投影像である。図38(A)の目標像は、5点のスポットで形成されるパターンである。5点の座標は、たとえば(-1,-1)、(-1,1)、(0,0)、(1,-1)、(1,1)である。
この目標像を生成するために、IFTA法により設計されたDOEの位相パターンは、黒領域と灰色領域で形成されている。黒領域の位相値は0ラジアン、灰色領域の位相値はπラジアンである。
図38(B)のDOEの位相パターンを用いて投影された投影像は、U(x)で表されるDOE場をFFTした結果得られる像である。IFTA法によりDOEの位相パターンを設計することで、所望の投影像を得ることができる。
以上、特定の構成例に基づいて本発明を説明したが、本発明は上述した構成例に限定されない。たとえば、光源30とDOE20を有する投影装置10は、パッケージ内に光源30とDOE20が収容された投影モジュールであってもよい。投影装置10を計測装置100に適用する場合は、パッケージ内に投影装置10とPD等の検出器50を収容した計測モジュールにしてもよい。光源30としてレーザアレイを用い、各光源30に対応するDOE20を配置した投影モジュールにしてもよい。またPDアレイを組み合わせて計測装置100を構成してもよい。
いずれの場合も、回折光学素子20の位相パターンは所定の条件を満たすように設計されており、広い視野角にわたって投影面で回折光を重ね合わせて均一な強度分布を実現できる。また、0次光の影響を低減できる。
10 投影装置
20 回折光学素子(DOE)
25、25A~25E 光学系
30 光源
31 入射ビーム
32 発散光
33 平行光
40 投影面
41 回折スポット
42、52 回折光
50 検出器
51 0次光
100 計測装置
S スクリーン面
E 等距離面

Claims (6)

  1. 基本ユニットが第1の方向に周期的に配列されており、入射光を前記第1の方向に回折させる回折光学素子であって、
    前記入射光のビーム径をFWHM、投影面までの距離をZ、前記第1の方向へ回折される回折光のうち最も外側の回折光の回折角をθ(MH)、外側から2番目の回折光の回折角をθ(MH-1)とすると、前記回折光学素子は、
    tanθ(MH)-tanθ(MH-1)<(FWHM/2Z)[1/cosθ(MH)+1/cosθ(MH-1)]
    を満たす位相パターンを有し、かつ
    [(A+1-A-1)/ADOE<1/NALL
    を満たすように設計された位相パターンを有し、
    +1は二値化された前記基本ユニットの中で+1.0の値をもつ領域の面積、A-1は-1.0の値をもつ領域の面積、ADOEは前記回折光学素子の前記基本ユニットの面積であり、NALLは総スポット数であることを特徴とする回折光学素子。
  2. 前記位相パターンは、前記第1の方向に回折される回折光の回折角をθとすると、(1/cosθ)の割合で強度が強くなるように補正されている請求項1に記載の回折光学素子。
  3. 前記位相パターンの補正関数をH(θ)=(1/cosθ)とし、θ=0近傍の値が1に規格化された補正後の回折スポット強度をI(θ)とすると、前記位相パターンは、
    0.4×H(θ)<I(θ)<1.6×H(θ)
    の範囲で補正されている請求項1または2に記載の回折光学素子。
  4. 平行光を出射する光源と、
    前記光源の出射側に配置される回折光学素子と、
    を有し、
    前記回折光学素子は、第1の方向に周期的に配列された基本ユニットを有し、
    前記平行光のビーム径をFWHM、前記回折光学素子から投影面までの距離をZ、前記回折光学素子によって第1の方向へ回折される回折光のうち最も外側の回折光の回折角をθ(MH)、外側から2番目の回折光の回折角をθ(MH-1)とすると、前記回折光学素子は
    tanθ(MH)-tanθ(MH-1)<(FWHM/2Z)[1/cosθ(MH)+1/cosθ(MH-1)]
    を満たすように設計された位相パターンを有し、かつ
    [(A+1-A-1)/ADOE<1/NALL
    を満たすように設計された位相パターンを有し、
    +1は二値化された前記基本ユニットの中で+1.0の値をもつ領域の面積、A-1は-1.0の値をもつ領域の面積、ADOEは前記回折光学素子の前記基本ユニットの面積であり、NALLは総スポット数であることを特徴とする投影装置。
  5. 前記回折光学素子と同軸上に配置される第2光学素子、
    をさらに有し、
    前記第2光学素子は、回折機能を有する光学素子または回折機能を有さない拡散光学素子である請求項4に記載の投影装置。
  6. 請求項4または5に記載の投影装置と、
    前記投影装置の視野角内に存在する物体からの反射光を検知する検出器と、
    を有する計測装置。
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