JP2023160549A - 画像処理装置、画像処理方法、プログラム、スリーブ印刷版の製造方法、および缶の製造方法 - Google Patents

画像処理装置、画像処理方法、プログラム、スリーブ印刷版の製造方法、および缶の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】見栄えの悪化を抑制可能な技術を提供すること。【解決手段】網点を含む背景画像と、背景画像に重畳された重畳画像とで構成される処理対象画像のうちの背景画像から、重畳画像が重なる重畳領域を抜いた第1背景画像を生成する第1背景画像生成部と、第1背景画像生成部により生成された第1背景画像に対し、重畳領域を縁取る縁取り部を設けた第2背景画像を生成する第2背景画像生成部と、処理対象画像のうちの重畳画像を生成する重畳画像生成部と、を備えた画像処理装置である。【選択図】図6

Description

本発明は、画像処理装置、画像処理方法、プログラム、スリーブ印刷版の製造方法、および缶の製造方法に関する。
網点を含む背景画像に文字画像を重畳させた画像を缶に印刷することがある。この場合、背景画像を示す背景画像パターンと文字画像を示す文字画像パターンとがそれぞれ異なるスリーブ体に形成されることで、缶に画像が印刷される。
特開2021-160304号公報
網点を含む背景画像に文字画像を重畳させた画像を缶に印刷した場合、網点が文字の中に入りこんで可読性を下げる場合がある。具体的に、図15を用いて説明する。図15(A)は、缶に印刷する元の画像である処理対象画像を示す。処理対象画像は、図15(A)に示されるように、「缶」という文字画像と、網点を含む背景画像で構成される。なお、図15に示される画像が缶に印刷された場合の実際のサイズは、4mm×2mm程度である。
図15(B)は、実際に缶に印刷された画像を示す図である。図15(B)に示されるように、見当がずれて、網点が文字の中に入りこんでしまい、可読性が著しく悪化することが示されている。こうした現象は、文字に限るものではなく、網点を含む背景画像に重畳される画像全般で発生するため、見栄えが悪化するという問題があった。
上記事情に鑑み、本発明は、見栄えの悪化を抑制可能な技術を提供することを目的としている。
本発明の一態様は、網点を含む背景画像と、前記背景画像に重畳された重畳画像とで構成される処理対象画像のうちの前記背景画像から、前記重畳画像が重なる重畳領域を抜いた第1背景画像を生成する第1背景画像生成部と、前記第1背景画像生成部により生成された前記第1背景画像に対し、重畳領域を縁取る縁取り部を設けた第2背景画像を生成する第2背景画像生成部と、前記処理対象画像のうちの前記重畳画像を生成する重畳画像生成部と、を備えた画像処理装置である。
本発明の一態様は、網点を含む背景画像と、前記背景画像に重畳された重畳画像とで構成される処理対象画像のうちの前記背景画像から、前記重畳画像が重なる重畳領域を抜いた第1背景画像を生成する第1背景画像生成ステップと、前記第1背景画像生成ステップにより生成された前記第1背景画像に対し、重畳領域を縁取る縁取りステップを設けた第2背景画像を生成する第2背景画像生成ステップと、前記処理対象画像のうちの前記重畳画像を生成する重畳画像生成ステップと、を備えた画像処理方法である。
本発明の一態様は、画像処理装置としてコンピュータを機能させるプログラムであって、前記コンピュータを網点を含む背景画像と、前記背景画像に重畳された重畳画像とで構成される処理対象画像のうちの前記背景画像から、前記重畳画像が重なる重畳領域を抜いた第1背景画像を生成する第1背景画像生成部と、前記第1背景画像生成部により生成された前記第1背景画像に対し、重畳領域を縁取る縁取り部を設けた第2背景画像を生成する第2背景画像生成部と、前記処理対象画像のうちの前記重畳画像を生成する重畳画像生成部と、して機能させることを特徴とするプログラムである。
本発明の一態様は、スリーブ印刷版の製造方法であって、円筒状をなすスリーブ体に画像パターンを形成する画像パターン形成工程を有し、外周面に前記スリーブ体が装着可能な回転ドラムと、前記回転ドラムに装着された前記スリーブ体に対してレーザ光を照射するレーザ光照射部と、を備えたレーザ加工機を用いて、前記画像パターン形成工程を、同一の前記回転ドラムに前記スリーブ体を装着した状態で行い、前記画像パターンは、上記画像処理装置で生成された第2背景画像および重畳画像に基づくものであり、前記第2背景画像および前記重畳画像に基づいて、前記画像パターン形成工程を実施するスリーブ印刷版の製造方法である。
本発明の一態様は、缶の製造方法であって、円筒状の筒体の外面に印刷を施す印刷工程を備え、前記印刷工程では、上記製造方法で製造されたスリーブ印刷版を用いる印刷装置で印刷される缶の製造方法である。
画像処理装置の機能構成を表す機能ブロック図である。 缶に印刷される画像の一部と拡大した拡大画像を示す図である。 処理対象画像、第1背景画像、および第2背景画像の一例を示す図である。 重畳画像の一例、および実際の缶への印刷例を示す図である。 画像処理装置により行われる処理の流れを示すフローチャートである。 「製造」の印刷例を示す図である。 3行からなる文字列の印刷例を示す図である。 スリーブ印刷版の斜視説明図である。 スリーブ印刷版を軸線方向から見た説明図である。 スリーブ印刷版の製造方法を実施するレーザ加工装置の概略図である。 スリーブ印刷版が使用される印刷装置の概略図である。 スリーブ印刷版が装着されるシリンダの概略図である。 スリーブ印刷版を装着する状態を示す説明図である。 スリーブ印刷版を装着する状態を示す説明図である。 従来技術を説明するための図である。
以下、本発明の具体的な構成例について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態に係る画像処理装置100の機能構成を表す機能ブロック図である。画像処理装置100は、バスで接続されたCPU(Central Processing Unit)やメモリなどの記憶装置や補助記憶装置などを備え、画像処理プログラムを実行することによって通信部110、操作表示部115、制御部120、および画像データ記憶部140を備える装置として機能する。なお、通信部110、操作表示部115、制御部120、および画像データ記憶部140の各機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されてもよい。
画像処理プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記憶装置である。画像処理プログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
通信部110は、ネットワークインタフェースである。通信部110はLAN(Local Area Network)やインターネットなどを介して他装置と通信する。例えば、通信部110は、他装置から画像データを受信したり、他装置に画像処理済みの画像データを送信する。操作表示部115は、画像処理装置100の操作者による操作入力を受け付けたり、操作者に対し各種情報を表示する。各種情報の表示は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro-Luminescence)などにより行われる。
画像データ記憶部140は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。画像データ記憶部140は、処理対象画像を示すラスタイメージ処理前の画像データや画像処理装置により生成されたラスタイメージ処理後の画像データを記憶する。
図1における制御部120は画像処理装置100の各部の動作を制御する。制御部120は、例えばCPU等のプロセッサ、およびRAMを備えた装置により実行される。制御部120は、画像処理プログラムを実行することによって、取得部121、第1背景画像生成部122、第2背景画像生成部123、重畳画像生成部124、および出力部125として機能する。
取得部121は、処理対象画像を取得する。取得部121は、例えば通信部110を介して他装置から処理対象画像を取得したり、予め画像データ記憶部140に記憶されている処理対象画像を取得する。本実施形態における処理対象画像は、網点を含む背景画像と、背景画像に重畳された重畳画像とで構成される。重畳画像は、文字を示す文字画像である。なお、処理対象画像は、網点を含む背景画像と、背景画像に重畳された重畳画像とを少なくとも含めばよく、これら以外の画像をさらに含んでいてもよい。なお、本実施形態における「網点」とは、画像や文字を構成する最小単位(ドット)の1つのみで構成される網点ではなく、複数の上記最小単位で構成された、見た目が1つの点の網点を示す。
第1背景画像生成部122は、処理対象画像のうちの背景画像から、重畳画像が重なる重畳領域を抜いた第1背景画像を生成する。第2背景画像生成部123は、第1背景画像生成部122により生成された第1背景画像に対し、重畳領域を縁取る縁取り部を設けた第2背景画像を生成する。なお、本実施形態において、第2背景画像生成部123は、縁取り部の色を網点と同じ色としている。縁取り部を網点と異なる色とする場合には、第2背景画像生成部123は、縁取り部に対応するラスタデータを生成する。なお、文字に縁取り部を設けることがあり、これを文字括りと表現することがあるが、本実施形態における縁取り部は、この文字括りを含むものである。
重畳画像生成部124は、処理対象画像のうちの重畳画像を生成する。すなわち、重畳画像は、処理対象画像から背景画像を取り除いた画像である。
第1背景画像、第2背景画像、および重畳画像の具体例について説明する。図2は、缶に印刷される画像例を示す図である。図2には、缶に印刷される画像の一部を示す画像500と、画像500に含まれる文字「缶」を拡大した拡大画像501とが示されている。画像500の背景には、網点が含まれないが、背景画像は網点を含む画像として処理されるものとする。したがって、画像500の背景に網点を含ませた画像(後述の図3(A)参照)が処理対象画像である。
出力部125は、第2背景画像を、ラスタデータとして画像データ記憶部140に記憶する。以下の説明では、第2背景画像のラスタデータを背景ラスタデータとも表現する。出力部125は、重畳画像を、ラスタデータとして画像データ記憶部140に記憶する。以下の説明では、重畳画像のラスタデータを文字ラスタデータとも表現する。出力部125は、画像データ記憶部140に記憶された背景ラスタデータや文字ラスタデータを画像データ記憶部140や他装置(例えば、後述のレーザ加工装置)に出力する。
図3は、処理対象画像、第1背景画像、および第2背景画像の一例を示す図である。図3(A)は、処理対象画像の一例を示す図である。図3(A)に示されるように処理対象画像には、複数の網点510と、「缶」を示す重畳画像511とが含まれる。図3(B)は、第1背景画像の一例を示す図である。図3(B)に示されるように、第1背景画像は、重畳画像511が抜かれた画像である。抜かれた領域を重畳領域512としている。
なお、本実施形態では、処理対象画像における背景画像の定義を、重畳画像が重畳される領域が抜かれていない画像(重畳される領域にも網点がある画像)としているが、処理対象画像における背景画像の定義を、処理対象画像から重畳画像511が抜かれた画像とする場合には、処理対象画像における背景画像と、第1背景画像は一致する。後者の定義の場合、第1背景画像生成部122は、単に背景画像を第1背景画像として生成すればよい。
図3(C)は、第2背景画像の一例と、第2背景画像の一部を拡大した拡大図513を示す図である。図3(C)に示されるように、重畳領域512を縁取る縁取り部514が幅Wで設けられる。なお、上述したように、縁取り部の色を網点と同じ色としてもよい。縁取り部の色を網点と同じ色とすることで、より自然に見栄えの悪化を抑制することができる。縁取り部の色を網点と異なる色とした場合であっても、網点が文字の中に入りこむことがないため、見栄えの悪化を抑制することができる。
図4は、重畳画像の一例、および実際の缶への印刷例を示す図である。図4(A)は、重畳画像を示す図である。上述したように、重畳画像は処理対象画像から背景画像を取り除いた画像である。図4(B)は、缶への印刷例を示す図である。缶への印刷では、まず背景ラスタデータに基づく画像パターンが形成されたスリーブ印刷版(以下、「背景スリーブ」ともいう)と、文字ラスタデータに基づく画像パターンが形成されたスリーブ印刷版(以下、「文字スリーブ」ともいう)とが後述のレーザ加工装置によって製造される。
そして、後述するオフセット印刷装置に背景スリーブおよび文字スリーブが嵌着されることで、画像が缶に印刷される。印刷は高速で行われるため、背景と文字との印刷位置に多少のずれが生じることがあるが、縁取り部514によりずれが吸収されることにより、網点が文字の中に入りこむことがないため、見栄えの悪化を抑制することができる。
縁取り部514の幅Wとして、例えば、ずれの最大値からオフセット印刷装置で印刷可能な最小の幅(例えば、0.03mmなど)の間の値が挙げられる。なお、ずれの最大値は、厳密な最大値でなくてもよく、想定される最大値であってもよい。例えば、幅Wは、所定の個数だけサンプリングされたずれに基づき定まる平均値であってもよい。または、幅Wは、他の統計量(標準偏差σなど)に基づく値(例えば、ずれが正規分布に従っているとした場合、幅W=平均値+2×σ(=ずれの約97.7%が含まれる値))であってもよい。
以上説明した画像処理装置100による処理の流れをフローチャートを用いて説明する。図5は、画像処理装置100により行われる処理の流れを示すフローチャートである。
図5において、取得部121は、処理対象画像を取得する(ステップS101)。第1背景画像生成部122は、処理対象画像のうちの背景画像から、重畳画像が重なる重畳領域を抜いた第1背景画像(図3(B)参照)を生成する(ステップS102)。第2背景画像生成部123は、第1背景画像生成部122により生成された第1背景画像に対し、重畳領域を縁取る縁取り部を設けた第2背景画像(図3(C)参照)を生成する(ステップS103)。上述したように、生成された第2背景画像は、背景ラスタデータとして画像データ記憶部140に記憶される。
重畳画像生成部124は、処理対象画像のうちの重畳画像(図4(A)参照)を生成する(ステップS104)。上述したように、生成された重畳画像は、文字ラスタデータとして画像データ記憶部140に記憶される。出力部125は、画像データ記憶部140に記憶された背景ラスタデータと文字ラスタデータとを、画像データ記憶部140に記憶する(ステップS105)。なお、背景ラスタデータと文字ラスタデータの出力先として、画像データ記憶部140の他に、後述のレーザ加工装置が挙げられる。
以上説明した実施形態では、わかりやすくするための1文字(「缶」)への適用例を図示したが、複数の文字に本実施形態を適用した場合の印刷例を、従来技術による印刷例とともに示す。
図6は、「製造」の印刷例を示す図である。図6(A)は、従来技術による印刷例を示し、図6(B)は、本実施形態を適用した場合の印刷例を示す。図6(A)に示されるように、従来技術では網点が文字の中に入り込むなどして、著しく見栄えが悪化しているが、本実施形態を適用した場合には、見栄えの悪化が抑制されていることがひと目でわかる。
図7は、3行からなる文字列の印刷例を示す図である。図7(A)は、従来技術による印刷例を示し、図7(B)は、本実施形態を適用した場合の印刷例を示す。図7(A)に示されるように、従来技術では網点が文字の中に入り込むなどして、著しく見栄えが悪化しているが、本実施形態を適用した場合には、見栄えの悪化が抑制されていることがひと目でわかる。図7は、図6と比較して、実際に印刷される文字の大きさに近いものとなっているが、この大きさになっても見栄えの悪化が抑制されていることがわかる。
なお、従来より文字に縁取りを設ける印刷は存在するが、その目的はデザインとしての縁取りである。そのため、従来技術における縁取りの色は、背景の色に用いられていない色が用いられる。一方、本実施形態における作用効果は、縁取り部によって網点が文字の中に入り込むことを抑制するとともに、印刷のずれも吸収することで、見栄えの悪化を抑制するもので、従来技術とは作用効果が異なる。例えば、従来技術における縁取り部は、人の目で目視できる太さであるが、本実施形態では、網点が文字の中に入り込むことが抑制可能であったり、印刷のずれも吸収可能であれば、縁取り部は人の目で目視できない程度の太さであってもよい。
このようにして出力された背景ラスタデータと文字ラスタデータは、レーザ加工装置50で後述する第2画像データとして用いられる。レーザ加工装置50の説明に先立ち、まずレーザ加工装置50により加工されるスリーブ印刷版30について説明する。
スリーブ印刷版30は、図8及び図9に示すように、軸線Oに沿って延びる円筒状をなすスリーブ体31と、スリーブ体31の外周側に配設された版材32と、を備えている。
スリーブ体31は、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂で形成されており、外径が100mm以上300mm以下、軸線O方向長さが50mm以上600mm以下、肉厚が0.1mm以上1.0mm以下とされている。
版材32は、例えばレーザ光による彫刻が可能な感光性樹脂からなり、肉厚が0.5mm以上1.0mm以下の円筒状をなしている。この版材32の外周面には、画像パターンを有する凸版33が刻設されている。本実施形態では、図8及び図9に示すように、2つの凸版33が180°対向位置に形成されている。
そして、スリーブ印刷版30の軸線O方向一端側(図8において左側)部分には、後述するオフセット印刷装置80のシリンダ21に立設されたガイドピン24と係合することによって、シリンダ21との周方向相対位置、軸線O方向相対位置を案内する位置決め用切欠部34が形成されている。
本実施形態では、図8及び図9に示すように、4つの位置決め用切欠部34a,34b,34c,34dが、周方向に90°間隔で形成されている。
位置決め用切欠部34a,34cは、凸版33が形成されていない非画像部の中間位置にそれぞれ形成され、互いに180°対向位置に配設されている。
位置決め用切欠部34b,34dは、凸版33が形成された画像部の中間位置にそれぞれ形成され、互いに180°対向位置に配設されている。なお、この位置決め用切欠部34B,34においては、その開口端(軸線O方向一端側部分)にブリッジ部35が形成されている。
すなわち、位置決め用切欠部34a,34b,34c、34dは、90°間隔で軸対称に配置されているのである。
次に、本実施形態であるスリーブ印刷版30を製造する際に用いられるレーザ加工装置50について、図10を参照にして説明する。
このレーザ加工装置50は、図10に示すように、円筒状をなすスリーブ素体40が装着される円筒面51Aを有する回転ドラム51及びこの回転ドラム51を回転可能に支持する軸支部52を有するスリーブ素体支持部53と、回転ドラム51を軸線Nを中心に回動させる回転駆動部55と、回転ドラム51に装着されたスリーブ素体40に対してレーザ光を照射するレーザ光照射部60と、このレーザ光照射部60を回転ドラム51の軸線Nに平行な方向に移動させる直動部65と、これら回転ドラム51、直動部65及びレーザ光照射部60の動作を制御する制御部70と、を備えている。
直動部65は、回転ドラム51の軸線Nに平行な方向に延在するガイドバー66と、このガイドバー66に沿って移動する支持部材67と、支持部材67の位置情報(軸線N方向位置情報Z)を得る軸線方向位置センサ68と、を備えている。
そして、レーザ光照射部60は、直動部65の支持部材67に支持され、軸線Nに平行な方向に移動可能な構成とされている。また、このレーザ光照射部60には、レーザ光の出力を調整する出力調整器61が設けられている。なお、本実施形態においては、レーザ光照射部60は炭酸ガスレーザで構成されている。
制御部70は、位置決め用切欠部形成位置及び形状と切断位置及び形状を示す第1画像データ及び凸版33の画像パターンの位置及び形状を示す第2画像データを記憶する記憶手段71と、第1画像データに基づいて、切断及び位置決め用切欠部を形成する際のレーザ光のエネルギー密度と第2画像データに基づいて凸版33の画像パターンを形成する際のレーザ光のエネルギー密度とを、それぞれ調整するエネルギー密度調整部72と、を備えている。
そして、第1画像データ及び第2画像データに基づいて、回転ドラム51、直動部65及びレーザ光照射部60の動作を制御し、スリーブ素体40の切断、位置決め用切欠部34の形成、凸版33の形成を行う。上述したように、第2画像データは、画像処理装置100から出力された背景ラスタデータと文字ラスタデータである。第2画像データの取得方法として、例えばレーザ加工装置50に通信手段を設け、この通信手段によって画像処理装置100と通信可能に構成することでレーザ加工装置50が間引き後画像データを取得する方法が挙げられる。
次に、このような構成とされたレーザ加工装置50を用いたスリーブ印刷版30の製造方法について説明する。
まず、回転ドラム51の円筒面51Aにスリーブ素体40を装着する。このとき、スリーブ素体40の一端を回転ドラム51に嵌め込み、この状態でエア噴出機構によってエア孔からエアを噴出する。すると、このエアによってスリーブ素体40が拡径され、回転ドラム51にスリーブ素体40が装着される。このとき、スリーブ素体40の軸線Oと回転ドラム51の軸線Nが一致することになる。
次に、位置決め用切欠部形成位置及び形状と切断位置及び形状を示す第1画像データと、凸版33の画像パターンの位置及び形状を示す第2画像データと、を記憶手段71に記憶させる。
そして、制御部70において、これら第1画像データ及び第2画像データに基づいて、回転ドラム51、直動部65及びレーザ光照射部60の動作を制御する。
レーザ光照射部60からスリーブ素体40に向けてレーザ光を照射しながら、回転ドラム51を回転駆動部55によって回転させるとともに直動部65によって軸線N方向に移動させることにより、スリーブ素体40の外周面全体をレーザ光照射部60によって走査させる。
ここで、第1画像データに該当する箇所では、エネルギー密度調整部72から出力調整器61に指令信号が発信されてレーザ光の出力が高く設定され、スリーブ素体40の肉厚全体が除去されることになる。これにより、スリーブ素体40の切断及び位置決め用切欠部34の形成が行われる。
一方、第2画像データに該当する箇所では、エネルギー密度調整部72から出力調整器61に指令信号が発信されてレーザ光の出力が低く設定され、スリーブ素体40の肉厚の一部が除去されることになる。これにより、スリーブ素体40に凸版33の画像パターンが形成される。
このように、レーザ光の出力を調整することでレーザ光のエネルギー密度が調整され、スリーブ素体40の外周面全体をレーザ光照射部60によって1回走査させることによって、スリーブ素体40の切断、位置決め用切欠部34の形成及び凸版33の画像パターンの形成が行われる。
以上のようにして、本実施形態であるスリーブ印刷版30が製造される。上述したように、背景ラスタデータに基づく背景スリーブと、文字ラスタデータに基づく文字スリーブとが製造される。なお、縁取り部を網点と異なる色とする場合には、縁取り部に対応するスリーブ印刷版が製造される。
次に、本実施形態であるスリーブ印刷版30を使用するオフセット印刷装置80について説明する。オフセット印刷装置80の概略を図11に示す。このオフセット印刷装置80は、円筒状をなす缶の外周面に印刷を施す缶の印刷装置である。
オフセット印刷装置80は、複数配置されたインク付着機構81と、缶移動機構91とで概略構成されている。
インク付着機構81は、インクを供給するインカーユニット84と、このインカーユニット84に接触してインクを写し取った後、缶胴90の外周面に接触して該インクを印刷する(付着させる)ブランケット83を複数枚備えるブランケットホイール82とから構成される。
インカーユニット84は、インク源85と、インク源85に接触してインクを受けるダクティングロール86と、このダクティングロール86に接続して複数のローラからなるインキ練りロール87と、このインキ練りロール87に接続するインキ付けロール88と、このインキ付けロール88に接続する版胴20とからなり、版胴20の外周面には缶胴90に転写する画像パターンを備えたスリーブ印刷版30が配設されている。ブランケットホイール82の外周面には、ブランケット83が複数枚備えられており、このブランケット83は、版胴20の外周面に配設されたスリーブ印刷版30の凸版33に接触するとともに、缶胴90に接触する構成とされている。背景スリーブと文字スリーブは、図11に示される複数の版胴20のうちの異なる版胴20にそれぞれ配設される。
缶移動機構91は、缶胴90を取り入れる缶シュータ92と、この缶シュータ92から供給された缶胴90を回転自在に保持するマンドレル93と、このマンドレル93に装着された缶胴90を、順次、インク付着機構81方向に回転移動させるマンドレルターレット94とで構成されている。
版胴20は、図13及び図14に示すように、円柱状をなし、印刷装置80のシャフト部95に片持ち状態で回転自在に支持されるシリンダ21を有しており、このシリンダ21の外周側に、本実施形態であるスリーブ印刷版30が嵌着される。ここで、スリーブ印刷版30の内径とシリンダ21の外径とは略同一に設定されている。なお、シリンダ21の外周面にはエア孔22が複数形成されており、シリンダ21の端面に形成された導入孔23からエアを供給してエア孔22から噴出させることにより、スリーブ印刷版30の内径を押し広げてシリンダ21への着脱を行うように構成されている。すなわち、スリーブ印刷版30が元の内径に戻ろうとする収縮力によってシリンダ21の外周面にスリーブ印刷版30が強く密着することにより、スリーブ印刷版30とシリンダ21とが固定されているのである。
そして、シリンダ21には、その外周面のシャフト部95側に、径方向外方に向けて突出したガイドピン24が設けられており、ガイドピン24にスリーブ印刷版30の位置決め用切欠部34が係合され、スリーブ印刷版30とシリンダ21との周方向位置及び軸線O方向位置が決定される構成とされている。
ここで、本実施形態では、図12に示すように、ガイドピン24は、シリンダ21の外周面に穿設されたピン孔25に着脱可能に装着されている。シリンダ21には、2つのピン孔25a,25bが周方向に90°間隔で形成されており、この2つのピン孔25a,25bに選択的にガイドピン24を装着する構成とされている。
ここで、スリーブ印刷版30の非画像部の中間位置に形成された位置決め用切欠部34a,34cを使用する場合には、図13に示すように、ピン孔25aに装着されたガイドピン24を使用する。
一方、スリーブ印刷版30の画像部の中間位置に形成された位置決め用切欠部34b,34dを使用する場合には、図14に示すように、ピン孔25bに装着されたガイドピン24を使用する。
すなわち、ガイドピン24は、スリーブ印刷版30に形成された複数の位置決め用切欠部34a、34b、34c、34dに対応するように、周方向位置が変更可能とされているのである。
このようにしてスリーブ印刷版30が配設されたオフセット印刷装置80においては、各々のインカーユニット84のインク源85から各々異なった色のインクが、ダクティングロール86、インキ練りロール87、インキ付けロール88を介して、版胴20の外周面に配設された凸版33に付着させられ、これら各色のインクが、回転するブランケットホイール82上のブランケット83にパターンとして乗せられ、このパターンがマンドレル93に保持された缶胴90に接触しながら印刷される。
以上説明したように、本実施形態によれば、縁取り部によって網点が文字の中に入り込むことを抑制するとともに、印刷のずれも吸収することで、見栄えの悪化を抑制することができる。また、縁取り部の色を網点と同じ色とすることで、より自然に見栄えの悪化を抑制することができる。特に、重畳画像が文字を示す文字画像の場合には、図6、図7などに示したように文字の可読性を高めることができる。
以上説明した実施形態では、画像処理装置100が生成したラスタデータを用いて凸版印刷を行う例について説明したが、ラスタデータを用いて印刷を行う印刷装置であれば本実施形態を適用可能である。例えば、版に凹凸がほとんど存在しない平板を用いる平版印刷装置や、インクジェットプリンタや、電子写真方式のプリンタにも本実施形態を適用できる。
また、本実施形態では、スリーブ印刷版30として、4つの位置決め用切欠部34a,34b,34c,34dが設けられたスリーブ印刷版を用いたが、位置決め用切欠部は4つに限るものではなく、1つ以上であればよい。
上述した実施形態における画像処理装置100の機能をコンピュータで実現するようにしても良い。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
30 スリーブ印刷版
31 スリーブ体
32 版材
33 凸版
50 レーザ加工装置
60 レーザ光照射部
61 出力調整器
70 制御部
71 記憶手段
80 オフセット印刷装置
90 缶胴
100 画像処理装置
110 通信部
115 操作表示部
120 制御部
121 取得部
122 第1背景画像生成部
123 第2背景画像生成部
124 重畳画像生成部
125 出力部
140 画像データ記憶部

Claims (11)

  1. 網点を含む背景画像と、前記背景画像に重畳された重畳画像とで構成される処理対象画像のうちの前記背景画像から、前記重畳画像が重なる重畳領域を抜いた第1背景画像を生成する第1背景画像生成部と、
    前記第1背景画像生成部により生成された前記第1背景画像に対し、重畳領域を縁取る縁取り部を設けた第2背景画像を生成する第2背景画像生成部と、
    前記処理対象画像のうちの前記重畳画像を生成する重畳画像生成部と、
    を備えた画像処理装置。
  2. 前記第2背景画像生成部は、前記縁取り部の色を前記網点と同じ色とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記重畳画像は、文字を示す文字画像である請求項1または請求項2に記載の画像処理装置。
  4. 網点を含む背景画像と、前記背景画像に重畳された重畳画像とで構成される処理対象画像のうちの前記背景画像から、前記重畳画像が重なる重畳領域を抜いた第1背景画像を生成する第1背景画像生成ステップと、
    前記第1背景画像生成ステップにより生成された前記第1背景画像に対し、重畳領域を縁取る縁取りステップを設けた第2背景画像を生成する第2背景画像生成ステップと、
    前記処理対象画像のうちの前記重畳画像を生成する重畳画像生成ステップと、
    を備えた画像処理方法。
  5. 前記第2背景画像生成ステップは、前記縁取り部の色を前記網点と同じ色とする請求項4に記載の画像処理方法。
  6. 前記重畳画像は、文字を示す文字画像である請求項4または請求項5に記載の画像処理方法。
  7. 画像処理装置としてコンピュータを機能させるプログラムであって、
    前記コンピュータを、
    網点を含む背景画像と、前記背景画像に重畳された重畳画像とで構成される処理対象画像のうちの前記背景画像から、前記重畳画像が重なる重畳領域を抜いた第1背景画像を生成する第1背景画像生成部と、
    前記第1背景画像生成部により生成された前記第1背景画像に対し、重畳領域を縁取る縁取り部を設けた第2背景画像を生成する第2背景画像生成部と、
    前記処理対象画像のうちの前記重畳画像を生成する重畳画像生成部と、
    して機能させることを特徴とするプログラム。
  8. 前記第2背景画像生成部は、前記縁取り部の色を前記網点と同じ色とする請求項7に記載のプログラム。
  9. 前記重畳画像は、文字を示す文字画像である請求項7または請求項8に記載のプログラム。
  10. スリーブ印刷版の製造方法であって、
    円筒状をなすスリーブ体に画像パターンを形成する画像パターン形成工程を有し、
    外周面に前記スリーブ体が装着可能な回転ドラムと、前記回転ドラムに装着された前記スリーブ体に対してレーザ光を照射するレーザ光照射部と、を備えたレーザ加工機を用いて、前記画像パターン形成工程を、同一の前記回転ドラムに前記スリーブ体を装着した状態で行い、
    前記画像パターンは、請求項1または請求項2に記載の画像処理装置で生成された第2背景画像および重畳画像に基づくものであり、前記第2背景画像および前記重畳画像に基づいて、前記画像パターン形成工程を実施するスリーブ印刷版の製造方法。
  11. 缶の製造方法であって、
    円筒状の筒体の外面に印刷を施す印刷工程を備え、
    前記印刷工程では、請求項10に記載の製造方法で製造されたスリーブ印刷版を用いる印刷装置で印刷される缶の製造方法。
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