JP2023160405A - 燃料電池システム - Google Patents

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Yuki Mukohara
道夫 西川
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【課題】簡易な構成で排ガスおよび循環ガスの温度を調整可能な燃料電池システムを提供すること。【解決手段】燃料電池システムは、燃料電池10と、燃料電池に燃料ガスを供給する燃料供給流路30と、改質用原料を燃料ガスへ改質する改質器33と、改質器から燃料電池に向かって流れる燃料ガスの一部を、循環ガスとして改質器より上流側に導く燃料循環流路40と、排ガスを生成する燃焼器53と、排ガスを外部へ導く排ガス流路54と、循環ガスと空気とを熱交換させて循環ガスの温度を調整する第1熱交換部41と、排ガス流路を流れる排ガスと空気とを熱交換させて排ガスを調整する第2熱交換部60と、第1熱交換部および第2熱交換部において熱交換に用いられる空気を吹き出す送風機70と、を備える。第1熱交換部および第2熱交換部は、空気流れ方向において、少なくとも互いの一部が、重なる位置に配置されている燃料電池システム。【選択図】図1

Description

本開示は、燃料電池システムに関する。
従来、燃料電池と、改質用原料を改質ガスへ改質させる改質器と、燃料電池から排出される燃料オフガスおよび酸化剤オフガスを燃焼させて改質器を加熱する燃焼排ガスを生成する燃焼器と、を備えた燃料電池システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に記載の燃料電池システムは、燃焼器で生成した燃焼排ガスを冷却する第1の熱交換器および改質器で改質された改質ガスの一部を改質器の入口側へ戻すリサイクルガス管を流れるリサイクルガスを冷却する第2の熱交換器の2つの熱交換器を備える。
そして、第1熱交換器は、貯湯水を貯湯する貯湯タンク、貯湯水が流れる貯湯水循環ラインおよび貯湯水を循環させる貯湯水循環ポンプに接続されており、貯湯水循環ポンプによって循環される貯湯水と燃焼排ガスとを熱交換させる。また、第2熱交換器は、改質水を貯める水タンク、改質水が流れる水供給管および改質水を循環させる改質水ポンプに接続されており、改質水ポンプによって循環される改質水とリサイクルガスとを熱交換させる。
特開2016-12488号公報
ところで、特許文献1に記載の燃料電池システムのように、2つの熱交換器が互いに異なる冷媒を用いて排ガスおよびリサイクルガスの温度をそれぞれ調整する構成の場合、燃料電池システムの構成機器が増え、システムの大型化や製造コストの増加の要因となる。以下、燃焼器で生成されるガスを排ガスとも呼び、改質器で改質された改質ガスのうち、改質器の入口側へ戻されるガスを循環ガスと呼ぶ。
本開示は、簡易な構成で排ガスおよび循環ガスの温度を調整可能な燃料電池システムを提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、
燃料電池システムであって、
燃料ガスと酸化剤ガスとの電気化学反応により電気エネルギを出力する燃料電池(10)と、
燃料電池に燃料ガスを供給する燃料供給流路(30)と、
燃料供給流路を流れる改質用原料を燃料ガスへ改質して燃料電池へ供給する改質器(33)と、
改質器から燃料電池に向かって流れる燃料ガスの一部を、循環ガスとして燃料供給流路における改質器より上流側に導く燃料循環流路(40)と、
燃料電池から排出される燃料オフガスおよび酸化剤オフガスを燃焼させて排ガスを生成する燃焼器(53)と、
燃焼器に接続され、燃焼器で生成された排ガスを該燃料電池システムの外部へ導く排ガス流路(54)と、
循環ガスと空気とを熱交換させて循環ガスの温度を調整する第1熱交換部(41)と、
排ガス流路を流れる排ガスと空気とを熱交換させて排ガスを調整する第2熱交換部(60)と、
第1熱交換部および第2熱交換部において熱交換に用いられる空気を吹き出す送風機(70)と、を備え、
第1熱交換部および第2熱交換部は、送風機が吹き出す空気が流れる方向である空気流れ方向において、少なくとも互いの一部が、重なる位置に配置されている。
これによれば、第1熱交換部において循環ガスと送風機が吹き出す空気とを熱交換させて循環ガスの温度を調整できるとともに、第2熱交換部において排ガスと送風機が吹き出す空気とを熱交換させて循環ガスの温度を調整できる。このため、第1熱交換部および第2熱交換部が互いに異なる冷媒を用いて排ガスおよび循環ガスそれぞれの温度を調整する構成である場合に比較して簡易な構成で排ガスおよび循環ガスの温度を調整することができる。
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
第1実施形態に係る燃料電池システムの概略構成図である。 第1実施形態に係る燃料電池システムの制御装置を示す模式図である。 第1実施形態の燃料電池システムの制御装置が実行する制御処理を示すフローチャートである。 高外気温時の送風ファンの回転数と循環ガス温度との関係および送風ファンの回転数と排ガス温度との関係を示す図である。 低外気温時の送風ファンの回転数と循環ガス温度との関係および送風ファンの回転数と排ガス温度との関係を示す図である。 第2実施形態に係る燃料電池システムの概略構成図である。 第3実施形態に係る燃料電池システムの概略構成図である。 第2実施形態の循環ガス温度と第3実施形態の循環ガス温度とを比較した図である。 第4実施形態に係る燃料電池システムの概略構成図である。 第4実施形態に係る燃料電池システムの制御装置を示す模式図である。 第4実施形態の燃料電池システムの制御装置が実行する制御処理を示すフローチャートである。 第5実施形態に係る燃料電池システムの概略構成図である。 第6実施形態に係る燃料電池システムの概略構成図である。
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の実施形態において、先行する実施形態で説明した事項と同一もしくは均等である部分には、同一の参照符号を付し、その説明を省略する場合がある。また、実施形態において、構成要素の一部だけを説明している場合、構成要素の他の部分に関しては、先行する実施形態において説明した構成要素を適用することができる。以下の実施形態は、特に組み合わせに支障が生じない範囲であれば、特に明示していない場合であっても、各実施形態同士を部分的に組み合わせることができる。
(第1実施形態)
本実施形態について、図1~図5を参照して説明する。本実施形態の燃料電池システム1は、図1に示すように、固体酸化物型の燃料電池10を備えている。固体酸化物型の燃料電池10は、一般的にSOFC(Solid Oxide Fuel Cell の略)とも呼ばれ、作動温度が高温(例えば、500℃~1000℃)となるものである。
燃料電池10は、燃料ガスおよび酸化剤ガス(本例では空気の酸素)の電気化学反応により電気エネルギを出力する複数の発電セルを積層したスタック構造を有している。なお、発電セルの形状は、平板型および円筒型のいずれであってもよい。
図示しないが発電セルは、固体酸化物電解質、空気極(すなわち、カソード)、燃料極(すなわち、アノード)を含んで構成されている。発電セルは、炭化水素系の燃料である都市ガス(すなわち、メタンを主成分とするガス)を改質して生成される水素および一酸化炭素を燃料ガスとしている。なお、使用する燃料は、炭化水素系のガスであれば、都市ガス以外のガスが採用されていてもよい。
燃料電池10は、以下の反応式F1、F2に示す水素および酸素の電気化学反応により電気エネルギを出力する。
(燃料極)2H+2O2-→2HO+4e …(F1)
(空気極)O+4e→2O2- …(F2)
また、燃料電池10は、以下の反応式F3、F4に示す一酸化炭素および酸素の電気化学反応により電気エネルギを出力する。
(燃料極)2CO+2O2-→2CO+4e …(F3)
(空気極)O+4e→2O2- …(F4)
図示しないが、燃料電池10は、後述する改質器33、燃焼器53等とともに断熱性を有するハウジングの内側に配置されている。
燃料電池10は、空気入口部10aに、空気の流通経路である空気供給流路20が接続されている。空気供給流路20は配管等によって構成される。空気供給流路20には、燃料電池10に空気を圧送する不図示の圧送ブロワと、燃料電池10に供給する空気を加熱する不図示の空気予熱器とが設けられている。燃料電池10の空気入口部10aには、圧送ブロワによって空気予熱器が加熱した空気が供給される。
一方、燃料電池10は、燃料入口部10bに、燃料や燃料ガスの流通経路である燃料供給流路30が接続されている。燃料供給流路30は配管等によって構成される。燃料供給流路30には、上流側から順に、燃料ポンプ31、脱硫器32、改質器33が設けられている。
燃料ポンプ31は、システム外部から供給される改質用原料である燃料を燃料電池10側に向けて供給するためのポンプである。燃料ポンプ31は、吸い込んだ燃料を燃料供給流路30の下流側へ向けて吐出する。燃料ポンプ31は、制御装置100からの制御信号によって作動が制御される電動ポンプで構成されている。
脱硫器32は、燃料ポンプ31から供給される燃料に含まれる硫黄成分を除去するための装置である。本実施形態の脱硫器32は、燃料に含まれる硫黄成分を水素と反応させて原燃料から硫黄成分を除去する水添脱硫器が採用されている。水添脱硫器は、例えば、容器に水添脱硫剤が充填されて構成されるものである。水添脱硫剤として、例えば、硫黄化合物を硫化水素に変換する機能と硫化水素を吸着する機能を共に有するCuZn系触媒が用いられてもよい。
なお、水添脱硫剤は、これに限定されるものではなく、例えば、燃料中の硫黄化合物を硫化水素に変換するCoMo系触媒と、変換された硫化水素を吸着する吸着剤であるZnO系触媒およびCuZn系触媒の少なくともいずれか一方とで構成されてもよい。
ここで、水添脱硫器で構成される脱硫器32は、充填される水添脱硫剤の温度が高いほど除去可能な硫黄成分の量が多くなる傾向がある。このため、脱硫器32は、加熱された状態で用いられる。脱硫器32は、電気ヒータ等の加熱手段によって加熱される構成であってもよい。または、脱硫器32は、後述の燃焼器53で生成される排ガスを加熱源として加熱される構成であってもよい。
改質器33は、水蒸気を用いて燃料ポンプ31から供給された燃料を改質して燃料ガスを生成するものである。改質器33は、例えば、ロジウムやルテニウム等の貴金属を含む水蒸気改質触媒を含んで構成されている。
具体的には、改質器33は、燃料および水蒸気を混合した混合ガスを加熱するとともに、以下の反応式F5に示す改質反応、および反応式F6に示すシフト反応により燃料ガス(水素、一酸化炭素)を生成する。
CH+HO→CO+H …(F5)
CO+HO→CO+H …(F6)
ここで、改質器33における水蒸気改質は吸熱反応であり、高温となる条件下にて改質率が向上する特性を有している。このため、改質器33は、加熱された状態で用いられる。例えば、改質器33は、燃料電池10の発電時に周囲に放出される熱(放射熱)を吸熱できるように、燃料電池10の周囲に配設されていてもよい。または、改質器33は、後述の燃焼器53で生成される排ガスを加熱源として加熱される構成であってもよい。
図示しないが、燃料供給流路30には、燃料ポンプ31と改質器33との間に水供給経路が接続され、この水供給経路に、システム外部から水を供給する水ポンプ、改質器33へ供給する水蒸気を生成する気化器が設けられている。
また、燃料供給流路30には、改質器33よりも下流側を流れる燃料ガスの一部を燃料供給流路30における燃料ポンプ31よりも上流側に循環させる燃料循環流路40が接続されている。燃料循環流路40は、改質器33で生成された燃料ガスの一部が燃料ポンプ31の上流側に戻るように、上流側の端部が燃料供給流路30における改質器33の下流に接続され、下流側の端部が燃料供給流路30における燃料ポンプ31の上流に接続されている。
燃料循環流路40には、燃料循環流路40を流れる燃料ガスと空気とを熱交換させる第1熱交換部41と、燃料循環流路40を流れる燃料ガスの流量を制御する循環ガス調整弁42と、燃料循環流路40を流れる燃料ガスの温度を検出する循環ガス温度検出部43が設けられている。以下、燃料循環流路40を流れる燃料ガスを循環ガスとも呼ぶ。
第1熱交換部41は、循環ガスと後述する送風機70によって送風される空気とを熱交換させて循環ガスの温度を調整するとともに、この循環ガスに含まれる水分を凝縮させる凝縮器である。具体的に、第1熱交換部41は、気化器から供給された水蒸気を含む循環ガスを液体の水に凝縮することで、循環ガスを液水と気体とに分離する。
循環ガス調整弁42は、循環ガスの流量を調整する流量調整部材である。循環ガスの流量を調整することには、循環ガスの流量を0にすることが含まれる。循環ガス調整弁42は、燃料循環流路40を開閉するとともに、弁開度を調整することができる。循環ガス調整弁42は、制御装置100からの制御信号によって作動が制御される電磁弁で構成されている。本実施形態では、循環ガス調整弁42は、循環ガス調整部として機能する。
なお、循環ガスの流量を調整する流量調整部材として、循環ガス調整弁42の代わりに、燃料循環流路40を流れる燃料ガスの流量を調整する電動ポンプが設けられてもよい。この場合、当該電動ポンプは、制御装置100からの制御信号によって回転数が制御される。
循環ガス温度検出部43は、第1熱交換部41で空気と熱交換された循環ガスの温度を検出する温度センサである。循環ガス温度検出部43は、燃料循環流路40における第1熱交換部41より下流側に設けられており、第1熱交換部41を通過した循環ガスの温度を検出する。循環ガス温度検出部43は、制御装置100に接続されており、検出した循環ガスの温度に応じた検出信号を制御装置100へ出力する。以下、循環ガスの温度を循環ガス温度Taとも呼ぶ。
なお、循環ガス温度検出部43は、第1熱交換部41の内部に設けられ、第1熱交換部41から排出される際の循環ガスの温度を検出する構成であってもよい。
また、燃料電池10には、燃料電池10から排出するオフガスが流れるオフガス配管50が接続されている。具体的には、燃料電池10には、空気出口部10cに燃料電池10から排出される酸化剤オフガスが流れる空気排出配管51が接続される。また、燃料電池10には、燃料出口部10dに燃料電池10から排出される燃料オフガスが流れる燃料排出配管52が接続されている。
また、オフガス配管50には、燃焼器53が接続されている。燃焼器53は、燃料または燃料オフガスを燃焼させることで燃焼ガスを生成するものである。燃焼器53は、例えば、燃料電池10の発電時に、酸化剤オフガスおよび燃料オフガスを混合した混合ガスを可燃ガスとして燃焼させることで、燃焼ガスを生成する。図示しないが、燃焼器53は、燃料オフガスを燃焼させるためのバーナを有している。燃焼器53では、バーナの点火によって、燃料オフガスが燃焼されて高温の排ガスが生成される。
燃焼器53には、高温の排ガスを燃料電池システム1の外部へ排出させる排ガス流路54が接続されている。排ガス流路54には、排ガス流路54を流れる排ガスと空気とを熱交換させる第2熱交換部60と、排ガス流路54を流れる排ガスの温度を検出する排ガス温度検出部61が設けられている。
第2熱交換部60は、排ガスと後述する送風機70によって送風される空気とを熱交換させて排ガスの温度を調整する熱交換器である。具体的に、第2熱交換部60は、燃焼器53で生成された高温の燃焼ガスを送風機70によって送風される空気と熱交換させることで、この高温の燃料ガスを放熱する放熱器である。
排ガス温度検出部61は、第2熱交換部60で空気と熱交換された排ガスの温度を検出する温度センサである。排ガス温度検出部61は、排ガス流路54における第2熱交換部60より下流側に配置されており、第2熱交換部60を通過した排ガスの温度を検出する。排ガス温度検出部61は、制御装置100に接続されており、検出した排ガスの温度に応じた検出信号を制御装置100へ出力する。以下、排ガスの温度を排ガス温度Toとも呼ぶ。
なお、排ガス温度検出部61は、第2熱交換部60の内部に設けられており、第2熱交換部60から排出される際の排ガスの温度を検出する構成であってもよい。
また、燃料電池システム1は、第1熱交換部41および第2熱交換部60に向かって送風する送風機70および送風機70が吹き出す空気が流れるダクト71を備える。
送風機70は、燃料電池システム1の外部から燃料電池システム1の内部へ取り込んだ空気を吸い込み、吸い込んだ空気を吹き出すことで気流を発生させる送風装置である。本実施形態の送風機70は、例えば、ファン軸心に沿う方向から吸い込んだ空気を、ファン軸心に沿う方向に吹き出す軸流ファンで構成されている。以下、送風機70が吹き出す空気が流れる方向を空気流れ方向とも呼ぶ。
送風機70は、回転して気流を発生させる送風ファン70aおよび当該送風ファン70aを回転させるモータ70bを有する。送風機70は、送風ファン70aをモータ70bで駆動させる電動送風機で構成されている。送風ファン70aは、モータ70bから伝達される駆動力によって回転することで、気流を発生させる。
本実施形態の送風機70は、ダクト71の内部に設けられており、吸い込んだ空気をダクト71の空気流れ下流に向かって吹き出す。送風機70は、モータ70bが制御装置100に電気的に接続されており、制御装置100からモータ70bに送信される制御信号によって、送風ファン70aの回転数(すなわち、送風能力)が制御される。
ダクト71は、送風機70が吹き出す空気が流れる空気流路形成部である。ダクト71の内部には、送風機70、第1熱交換部41および第2熱交換部60が配置されている。具体的に、ダクト71の内部には、送風機70、第1熱交換部41、第2熱交換部60が空気流れ方向に沿って、この順に配置されている。そして、第1熱交換部41および第2熱交換部60は、ダクト71の内部において、少なくとも互いの一部が空気流れ方向に重なるように配置されている。このため、送風機70が吹き出す送風空気Aは、図1に示すように、第1熱交換部41を通過後、第2熱交換部60に流入する。すなわち、第1熱交換部41および第2熱交換部60は、空気流れ方向に沿って、直列に配置されている。
本実施形態では、第1熱交換部41および第2熱交換部60は、ダクト71の内部において、互いの全てが空気流れ方向に重なるように直列に配置されている。すなわち、第1熱交換部41および第2熱交換部60は、ダクト71の空気流れ方向の一方側から他方側に向かって投影させた際に、互いに重なるように配置されている。
そして、送風機70は、第1熱交換部41および第2熱交換部60より空気流れ上流側に配置されている。また、第1熱交換部41は、第2熱交換部60より空気流れ上流側に配置されている。より具体的に、第1熱交換部41および第2熱交換部60は、ダクト71の内部において、空気流れ方向において互いに重なるように配置されている。
このため、送風機70から吹き出された送風空気Aは、第1熱交換部41に吹き出され、第1熱交換部41において熱交換された後、第2熱交換部60に流入する。
なお、第1熱交換部41および第2熱交換部60は、ダクト71の内部において、互いの一部分のみが空気流れ方向に重なるように配置されてもよい。
次に、制御装置100について図2を参照して説明する。制御装置100は、プロセッサ、メモリを含むマイクロコンピュータと、その周辺回路で構成されている。制御装置100は、メモリに記憶された制御プログラムに基づいて各種演算、処理を行い出力側に接続された各種制御機器の作動を制御する。
制御装置100の入力側には、図2に示すように、循環ガス温度検出部43および排ガス温度検出部61を含む各種センサが接続されており、各種センサの検出結果に応じた検出信号が制御装置100に入力されるようになっている。また、制御装置100には、図示しない操作パネルが接続されている。この操作パネルには、燃料電池10の発電をオンオフするための運転スイッチ、燃料電池10の作動状態を表示するディスプレイ等が設けられている。
一方、制御装置100の出力側には、制御機器として、不図示の圧送ブロワ、燃料ポンプ31、循環ガス調整弁42、送風機70のモータ70b、燃焼器53の図示しないバーナ等が接続されている。これら制御機器は、制御装置100から出力される制御信号に応じて、その作動が制御される。
次に、燃料電池システム1の基本的な作動について説明する。燃料電池システム1は、図示しない運転スイッチがオンされると制御装置100によって燃料電池10から電気エネルギを出力させる発電処理が実行される。
この発電処理では、例えば、燃料電池10に対して発電に適した量の酸化剤ガスをおよび燃料ガスが供給されるように不図示の圧送ブロワおよび燃料ポンプ31が制御される。また、発電処理では、送風機70が、燃料電池10の発電において燃焼器53で生成される排ガスを冷却するための送風空気Aが発生させる。
燃料ポンプ31から吐出される燃料は、脱硫器32を通過する際に、加熱された脱硫器32によって加熱されるとともに、脱硫器32に充填された脱硫剤によって燃料に含まれる硫黄成分が除去される。脱硫器32にて硫黄成分が除去された燃料は、不図示の気化器において生成された水蒸気と混合されて改質器33に流入する。改質器33では、燃料および水蒸気の混合ガスが供給されると、前述の反応式F5、F6に示す反応により燃料ガス(水素、一酸化炭素)が生成される。また吸熱反応によって生成される燃料ガスは、改質器33に流入する燃料の温度より高い温度に加熱される。
改質器33で生成された燃料ガスは、循環ガス調整弁42が閉じている場合、燃料循環流路40へ流れることなく、その全てが燃料電池10へ流入する。これに対して、循環ガス調整弁42が開いている場合、改質器33で生成された燃料ガスは、その一部が循環ガスとして燃料循環流路40へ導かれ、残りの燃料ガスが燃料電池10へ流入する。
燃料循環流路40を流れる循環ガスは、第1熱交換部41において送風機70によって送風される空気と熱交換されて冷却されるとともに、凝縮されて液水と気体とに分離されて燃料供給流路30に戻される。循環ガス温度検出部43は、燃料循環流路40を流れ、第1熱交換部41を通過した後の循環ガス温度Taを検出し、循環ガス温度Taに応じた検出信号を制御装置100に送信する。
また、不図示の圧送ブロワから吹き出される酸化剤ガスを含む空気は、空気供給流路20を介して燃料電池10に流入される。
燃料電池10は、酸化剤ガスおよび燃料ガスが供給されると、前述の反応式F1~F4に示す反応により電気エネルギを出力する。この際、燃料電池10は、オフガス燃料および酸化剤オフガスを排出する。
燃料電池10から排出される酸化剤オフガスは、空気排出配管51を介して燃焼器53へ導かれる。また、燃料電池10から排出されるオフガス燃料は、燃料排出配管52を流れ燃焼器53へ導かれる。
そして、燃焼器53へ導かれた酸化剤オフガスおよびオフガス燃料は、可燃ガスとして燃焼器53で燃焼されて高温の排ガスが生成される。そして、燃焼器53で生成された高温の排ガスは、排ガス流路54を流れる。
排ガス流路54を流れる排ガスは、第2熱交換部60において送風機70によって送風される空気と熱交換されて冷却される。排ガス温度検出部61は、排ガス流路54を流れ、第2熱交換部60を通過した後の排ガス温度Toを検出し、排ガス温度Toに応じた検出信号を制御装置100に送信する。第2熱交換部60を通過して冷却された排ガスは、排出ガスとしてシステム外部に排出される。
ところで、改質器33において行われる水蒸気改質は吸熱反応であり、改質器33自身の温度が高いほど改質率が向上する特性を有している。ただし、改質器33自身の温度が低いと、水蒸気改質触媒に炭素が析出され易くなる。この改質器33における炭素析出は、水蒸気改質触媒の劣化や、燃料ガスを流す経路の閉塞を招く要因となる。
これに対して、本実施形態の燃料電池システム1では、循環ガス調整弁42が開いている場合、改質器33には、外部から供給される燃料に加えて燃料循環流路40を介して燃料供給流路30に戻される循環ガスが流入する。そして、燃料供給流路30に戻されるこの循環ガスは、燃料電池10の発電処理が行われる際に、脱硫器32および改質器33で加熱されて生成される燃料ガスの一部である。このため、循環ガスの温度が外部から供給される燃料の温度より高い場合、循環ガスによって改質器33に流入する燃料の温度が上昇するので、改質器33の脱硫剤を加熱することができる。
ここで、外部から供給される燃料の温度は、一般的に燃料電池システム1の外部の温度、すなわち、燃料電池システム1が設けられている場所の環境温度と同程度である。したがって、循環ガス温度Taが環境温度より高い温度であれば、改質器33に流入する燃料の温度を上昇させて改質器33を加熱することができる。
そして、循環ガス温度Taは、第1熱交換部41で循環ガスと空気とが熱交換される際の循環ガスから空気への放熱量が小さいほど高くできる。このため、第1熱交換部41における循環ガスから空気への放熱量を小さくするほど、改質器33の温度を上昇させることができる。そして、改質器33の温度を上昇させることで、改質器33の水蒸気改質触媒に炭素が析出され難くなる。したがって、送風機70の送風ファン70aの回転数を小さくして送風機70の送風能力を低下させるほど、改質器33の炭素析出の発生を抑制できる。
ただし、循環ガスが燃料供給流路30に流入する際に、循環ガスが燃料と混合されることによって、循環ガスは冷却される。そして、循環ガスは、冷却されると、再凝縮されて循環ガスに含まれる水分が凝縮水となって燃料と一体に燃料ポンプ31に流れる。しかし、燃料ポンプ31に凝縮水が流入すると、燃料ポンプ31が故障する虞がある。
循環ガスと燃料とが混合されることによって発生する凝縮水は、循環ガス温度Taと外部から供給される燃料の温度との差が大きいほど発生し易い。すなわち、第1熱交換部41を通過した循環ガス温度Taが高いほど、循環ガスと燃料とが混合される際に凝縮水が発生し易い。
このため、改質器33の炭素析出を回避するために、送風機70の送風能力を低下させて第1熱交換部41での循環ガスから空気への放熱量を小さくするほど、燃料ポンプ31に凝縮水が流入し易くなることが懸念される。
また、送風機70の送風能力を低下させると、第2熱交換部60での排ガスから空気への放熱量も小さくなる。これは、システム外部に排出される排出ガスが高温になる要因となる。このため、改質器33の炭素析出を回避するために送風機70の送風能力を低下させることは、排ガスが高温化されることが懸念される。
このため、本実施形態の燃料電池システム1は、改質器33の炭素析出を回避しつつ、上記懸念点を解消することを目的として、制御装置100が図3に示す制御処理を実行する。制御装置100は、以下に説明する制御処理を所定の制御周期毎に繰り返し実行する。
最初に、ステップS10において、制御装置100は、循環ガス温度検出部43から送信される検出信号に基づいて、循環ガス温度Taが目標加熱温度以上であるか否かを判定する。目標加熱温度は、循環ガスによって改質器33に流入する燃料の温度を上昇させて改質器33の炭素析出の発生を抑制するために必要な循環ガス温度Taであって予め制御装置100に定められる。本実施形態では、目標加熱温度は、例えば、50℃で定められている。なお、目標加熱温度は、改質器33の炭素析出の発生を抑制可能な温度であれば、50℃より低い温度(例えば40℃)で定められてもよいし、50℃より高い温度(例えば60℃)で定められてもよい。
制御装置100は、循環ガス温度検出部43から送信される検出信号に基づいて、循環ガス温度Taが目標加熱温度以上であると判定しない場合、ステップS20の処理を実行する。これに対して、制御装置100は、循環ガス温度Taが目標加熱温度以上であると判定した場合、ステップS40の処理を実行する。
ステップS20において、制御装置100は、送風機70の送風能力を低下させるための制御信号を送風機70のモータ70bに送信する。送風機70は、制御装置100から送信される制御信号に基づいて送風能力を減少させる。具体的に、送風機70は、制御装置100から送風能力を低下させるための制御信号が送信されると、送風ファン70aの回転数を減少させて、送風能力を減少させる。
ここで、送風ファン70aの回転数と循環ガス温度Taとの関係について、図4を参照して説明する。なお、図4では、送風ファン70aの回転数と循環ガス温度Taとの関係および送風ファン70aの回転数と排ガス温度Toとの関係を示す図であって、縦軸が循環ガス温度Taおよび排ガス温度Toの温度を示し、横軸が送風ファン70aの回転数を示す。
送風ファン70aの回転数を減少させて送風機70の送風能力を低下させるほど、第1熱交換部41を通過する空気の単位時間当たりの風量が減少する。このため、送風ファン70aの回転数を減少させて送風機70の送風能力を低下させるほど、第1熱交換部41で循環ガスと空気とが熱交換される際の循環ガスから空気への放熱量が小さくなる。したがって、送風ファン70aの回転数を減少させることで、図4に示すように、循環ガス温度Taの温度を上昇させることができる。
また、送風ファン70aの回転数を減少させて送風機70の送風能力を低下させるほど、第2熱交換部60を通過する空気の単位時間当たりの風量が減少する。このため、送風ファン70aの回転数を減少させて送風機70の送風能力を低下させるほど、第2熱交換部60で循環ガスと空気とが熱交換される際の循環ガスから空気への放熱量が小さくなる。したがって、送風ファン70aの回転数を減少させることで、図4に示すように、排ガス温度Toの温度も上昇する。
制御装置100は、ステップS20を実行後、ステップS30において、循環ガス温度検出部43から送信される検出信号に基づいて、再度循環ガス温度Taが目標加熱温度以上であるか否かを判定する。そして、制御装置100は、循環ガス温度Taが目標加熱温度以上であると判定しない場合、ステップS20の制御処理に戻る。制御装置100は、循環ガス温度Taが目標加熱温度以上になるまでステップS20およびステップS30を繰り返し実行する。そして、ステップS30において循環ガス温度Taが目標加熱温度以上であると判定した場合、ステップS40の処理を実行する。
ステップS40において、制御装置100は、循環ガス温度検出部43から送信される検出信号に基づいて、循環ガス温度Taが凝縮判定温度より低いか否かを判定する。また、制御装置100は、排ガス温度検出部61から送信される検出信号に基づいて、排ガス温度Toが冷却判定温度より低いか否かを判定する。制御装置100は、循環ガス温度Taが凝縮判定温度より低い、且つ、排ガス温度Toが冷却判定温度より低いと判定した場合、ステップS50の処理を実行する。これに対して、制御装置100は、循環ガス温度Taが凝縮判定温度より低い、且つ、排ガス温度Toが冷却判定温度より低いと判定しない場合、ステップS60の処理を実行する。
凝縮判定温度は、循環ガスを燃料供給流路30に流入させて燃料供給流路30を流れる燃料と混合させた際に、循環ガスが再凝縮され易い温度であるか否かを判定するための循環ガス温度Taであって、予め制御装置100に定められる。凝縮判定温度は、循環ガスの再凝縮が予想される温度のうち、最も高い温度である。本実施形態では、凝縮判定温度は、循環ガス温度Taと外部から供給される燃料の温度との差が15℃となるように定められている。
なお、凝縮判定温度は、循環ガスを燃料と混合させた際に、循環ガスが再凝縮し易いか否かを判定可能な温度であれば、循環ガス温度Taと燃料の温度との差が15℃より大きい値(例えば20℃)になるように設定されてもよい。また、循環ガス温度Taと燃料の温度との差が15℃より小さい値(例えば10℃)になるように凝縮判定温度が設定されてもよい。
また、冷却判定温度は、排出ガスとしてシステム外部に排出される排ガスが第2熱交換部60によって安全に排出するために必要な冷却温度まで冷却されたか否かを判定するための排ガス温度Toであって、予め制御装置100に定められる。冷却判定温度は、排ガスを安全に排出するために必要な温度のうち、最も高い温度である。本実施形態では、冷却判定温度は、例えば、70℃で定められている。
なお、冷却判定温度は、排ガスが安全な温度まで冷却されたか否かを判定可能な温度であれば、70℃より高い温度(例えば80℃)で設定されてもよいし、70℃より低い温度(例えば、60℃)で設定されてもよい。
制御装置100は、循環ガス温度Taが凝縮判定温度より低い場合および排ガス温度Toが冷却判定温度より低い場合のいずれの条件も成立すると、ステップS50の処理を実行する。
ステップS50において、制御装置100は、送風機70の送風能力を低下させるための制御信号を送風機70のモータ70bに送信する。送風機70は、制御装置100から送信される制御信号に基づいて送風能力を減少させる。具体的に、送風機70は、制御装置100から送風能力を低下させるための制御信号が送信されると、送風ファン70aの回転数を減少させて、送風能力を減少させる。
送風ファン70aの回転数を減少させると、上述の通り、第1熱交換部41で循環ガスと空気とが熱交換される際の循環ガスから空気への放熱量が小さくなるので、循環ガス温度Taの温度がさらに上昇する。
また、送風ファン70aの回転数を減少させると、上述の通り、第2熱交換部60で排ガスと空気とが熱交換される際の排ガスから空気への放熱量が小さくなるので、排ガス温度Toの温度がさらに上昇する。また、送風ファン70aの回転数を減少させることで、送風機70を作動させるための消費電力が抑制される。
ここで、ステップS50において設定される送風ファン70aの回転数は、送風ファン70aの回転数を減少させることで、循環ガス温度Taが凝縮判定温度に近づくとともに、排ガス温度Toが冷却判定温度に近づくように予め実験等によって設定される。また、ステップS50において設定される送風ファン70aの回転数は、送風ファン70aの回転数を減少させた際に、循環ガス温度Taが凝縮判定温度を超えない範囲内であって、且つ、排ガス温度Toが冷却判定温度を超えない範囲内となるように定められる。ステップS50において設定される送風ファン70aの回転数は、循環ガス温度検出部43が検出する循環ガス温度Taおよび排ガス温度検出部61が検出する排ガス温度Toに応じて予め異なる値で制御装置100に設定される。
また、本実施形態では、図4に示すように、循環ガス温度Taが凝縮判定温度になる際の送風ファン70aの回転数に比較して排ガス温度Toが冷却判定温度になる際の送風ファン70aの回転数のほうが大きくなっている。このため、ステップS50に設定される送風ファン70aの回転数は、循環ガス温度Taが目標加熱温度以上、且つ、排ガス温度Toが冷却判定温度より低くなるように設定される。例えば、ステップS50に設定される送風ファン70aの回転数は、排ガス温度Toが最も冷却判定温度に近づくように設定されてもよい。
これにより、図4に示すように、循環ガス温度Taが凝縮判定温度に近づくように送風機70によって制御される。また、排ガス温度Toが冷却判定温度に近づくように送風機70によって制御される。換言すれば、制御装置100は、循環ガス温度Taが凝縮判定温度に近づくように送風機70を制御するとともに、排ガス温度Toが冷却判定温度に近づくように送風機70を制御する。そして、排ガス温度Toが最も冷却判定温度に近づくように送風ファン70aの回転数を減少させることで、送風機70を作動させるための消費電力が抑制される。
ところで、凝縮判定温度および冷却判定温度は、燃料電池システム1の外部の温度、外部から供給される燃料の温度や燃料電池10の発電量(すなわち、燃料供給流路30を流れる燃料ガスの流量)などに影響を受ける。このため、送風ファン70aの回転数と循環ガス温度Taとの関係および送風ファン70aの回転数と排ガス温度Toとの関係は図4に示したものに限定されない。また目標加熱温度、凝縮判定温度および冷却判定温度は、図4に示したものに限定されない。
例えば、図4において、環境温度が夏などの比較的高い場合の送風ファン70aの回転数と循環ガス温度Taとの関係および送風ファン70aの回転数と排ガス温度Toとの関係を高外気温時の一例として示したとする。また、図5において、環境温度が冬などの比較的低い場合の送風ファン70aの回転数と循環ガス温度Taとの関係および送風ファン70aの回転数と排ガス温度Toとの関係を低外気温時の一例として示したとする。
この場合、送風機70によって送風される空気の温度および外部から供給される燃料の温度は、高外気温時に比較して低外気温時の方が低くなる。このため、送風ファン70aの回転数が同じ条件であれば、第1熱交換部41で循環ガスと空気とが熱交換される際の循環ガスから空気への放熱量は、高外気温時に比較して低外気温時の方が大きくなる。また、送風ファン70aの回転数が同じ条件であれば、第2熱交換部60で排ガスと空気とが熱交換される際の排ガスから空気への放熱量は、高外気温時に比較して低外気温時の方が大きくなる。
したがって、図4および図5を比較すると、循環ガス温度Taを目標加熱温度にするための送風ファン70aの回転数は、高外気温時に比較して低外気温時の方が小さくなる。また、循環ガス温度Taを凝縮判定温度とするための送風ファン70aの回転数は、高外気温時に比較して低外気温時の方が小さくなる。そして、排ガス温度Toを冷却判定温度にするための送風ファン70aの回転数は、高外気温時に比較して低外気温時の方が小さくなる。
そして、図5に示すように、循環ガス温度Taが凝縮判定温度になる際の送風ファン70aの回転数に比較して排ガス温度Toが冷却判定温度になる際の送風ファン70aの回転数のほうが小さくなっているとする。この場合、ステップS50において設定される送風ファン70aの回転数は、循環ガス温度Taが目標加熱温度以上、且つ、凝縮判定温度より低くなるように設定される。例えば、ステップS50に設定される送風ファン70aの回転数は、循環ガス温度Taが最も凝縮判定温度に近づくように設定されてもよい。
そして、制御装置100は、循環ガス温度Taが凝縮判定温度に近づくように送風機70を制御するとともに、排ガス温度Toが冷却判定温度に近づくように送風機70を制御する。そして、送風ファン70aの回転数を減少させることで、送風機70を作動させるための消費電力が抑制される。
なお、循環ガス温度Taが凝縮判定温度になる際の送風ファン70aの回転数に比較して排ガス温度Toが冷却判定温度になる際の送風ファン70aの回転数のほうが小さくなっている場合、循環ガス調整弁42の弁開度を減少させてもよい。循環ガス調整弁42の弁開度を減少させると、燃料循環流路40を流れる循環ガスが減少するため、送風ファン70aの回転数が一定の場合、循環ガス温度Taが低下する。
これにより、排ガス温度Toが冷却判定温度になる際の送風ファン70aの回転数より循環ガス温度Taが凝縮判定温度になる際の送風ファン70aの回転数を小さくすることができる。このため、ステップS50において設定される送風ファン70aの回転数を、排ガス温度Toが冷却判定温度に近づくように設定することができるので、送風機70を作動させるための消費電力をさらに抑制することができる。
また、制御装置100は、ステップS40で循環ガス温度Taが凝縮判定温度より低く、且つ、排ガス温度Toが冷却判定温度より低いと判定しない場合、ステップS60の処理を実行する。
ステップS60において、制御装置100は、送風機70の送風能力を増加させるための制御信号を送風機70のモータ70bに送信する。送風機70は、制御装置100から送信される制御信号に基づいて送風能力を増加させる。具体的に、送風機70は、制御装置100から送風能力を増加させるための制御信号が送信されると、送風ファン70aの回転数を増加させて、送風能力を増加させる。これにより、送風ファン70aの回転数を増加させることで、循環ガス温度Taの温度を低下させることができる。また、送風ファン70aの回転数を増加させることで、排ガス温度Toの温度を低下させることができる。
ここで、送風ファン70aの回転数と排ガス温度Toとの関係について、図4を参照して説明する。送風ファン70aの回転数を増加させて送風機70の送風能力を増加させるほど、第1熱交換部41で循環ガスと空気とが熱交換される際の循環ガスから空気への放熱量が大きくなる。また、送風ファン70aの回転数を増加させて送風機70の送風能力を増加させるほど、第2熱交換部60で排ガスと空気とが熱交換される際の排ガスから空気への放熱量が大きくなる。このため、図4に示すように、送風ファン70aの回転数を増加させることで、循環ガス温度Taおよび排ガス温度Toの温度が低下する。
制御装置100は、ステップS60を実行後、ステップS70において、循環ガス温度検出部43から送信される検出信号に基づいて、循環ガス温度Taが凝縮判定温度以上であるか否かを判定する。また、制御装置100は、排ガス温度検出部61から送信される検出信号に基づいて、排ガス温度Toが冷却判定温度以上であるか否かを判定する。
制御装置100は、循環ガス温度Taが凝縮判定温度以上、且つ、排ガス温度Toが冷却判定温度以上になるまでステップS60およびステップS70を繰り返し実行する。そして、ステップS70において循環ガス温度Taが凝縮判定温度以上、且つ、排ガス温度Toが冷却判定温度以上であると判定した場合、制御処理を終了する。これにより、循環ガス温度Taが凝縮判定温度より低くなるとともに、排ガス温度Toが冷却判定温度より低くなる。
以上の如く、本実施形態の燃料電池システム1において、第1熱交換部41および第2熱交換部60は、空気流れ方向において、互いが重なる位置に配置されている。
これによれば、第1熱交換部41において循環ガスと送風機70が吹き出す空気とを熱交換させて循環ガスの温度を調整できるとともに、第2熱交換部60において排ガスと送風機70が吹き出す空気とを熱交換させて循環ガスの温度を調整できる。このため、第1熱交換部41および第2熱交換部60が互いに異なる冷媒を用いて排ガスおよび循環ガスの温度をそれぞれ調整する構成の場合に比較して簡易な構成で排ガスおよび循環ガスの温度を調整することができる。
また、排ガスおよび循環ガスの温度を調整する送風機70の回転数によって、第1熱交換部41が循環ガスを凝縮する際に生じる凝縮水の量を調整することができる。
さらに、第1熱交換部41および第2熱交換部60が空気流れ方向に重ならない構成に比較して、ダクト71の空気流れ方向に直交する方向の断面積を小さくすることができる。すなわち、ダクト71の流路面積を小さくすることができる。したがって、ダクト71の流路面積が比較的小さくしても、第1熱交換部41および第2熱交換部60それぞれにおける空気流れ方向に直交する空気流入面の面積を充分に確保することができる。
また、上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)上記実施形態では、第1熱交換部41は、空気流れ方向において、第2熱交換部60より空気流れ上流側に配置されている。
ここで、第1熱交換部41は、燃料循環流路40を流れる循環ガスと空気と熱交換させる。そして、第1熱交換部41で熱交換される循環ガスは、改質器33から排出される燃料ガスのうちの一部の燃料ガスである。これに対して、第2熱交換部60は、排ガス流路54を流れる排ガスと空気とを熱交換させる。そして、第2熱交換部60で熱交換される排ガスは、燃料電池10から排出される燃料オフガスおよび酸化剤オフガスから生成される流体である。
このため、排ガス流路54を流れる排ガスの流量は、燃料循環流路40を流れる循環ガスの流量に比較して多くなる。したがって、第1熱交換部41において循環ガスと空気とが熱交換する際の熱量は、第2熱交換部60において排ガスと空気とが熱交換する際の熱量に比較して小さい。
すなわち、第1熱交換部41に流入する空気と第1熱交換部41から排出される空気との温度差は、第2熱交換部60に流入する空気と第2熱交換部60から排出される空気との温度差に比較して小さい。換言すれば、第1熱交換部41を通過する際に変化する空気の温度の変化量は、第2熱交換部60を通過する際に変化する空気の温度の変化量に比較して小さい。
このため、通過する際の空気の温度の変化量が小さい第1熱交換部41を、通過する際の空気の温度の変化量が大きい第2熱交換部60より空気流れ下流側に配置すると、第1熱交換部41へ流入させる空気の温度が、送風機70が吹き出した空気の温度から大きく乖離し易い。これにより、第1熱交換部41において循環ガスから空気への放熱量が制限され、第1熱交換部41において循環ガスと空気との熱交換がし難くなる虞がある。
これに対して、本実施形態によれば、通過する際の空気の温度の変化量が小さい第1熱交換部41を第2熱交換部60より空気流れ上流側に配置することで、第1熱交換部41において循環ガスと空気との熱交換がし易くなる。また、通過する際の空気の温度の変化量が小さい第1熱交換部41を通過した空気を用いて、第2熱交換部60において、排ガスとの熱交換を充分に行うことができる。
(2)上記実施形態では、送風機70は、空気流れ方向において、第1熱交換部41より上流側に配置されている。
これによれば、第1熱交換部41において循環ガスと空気との熱交換が行われる際に、循環ガスが凝縮されて発生する凝縮水が送風機70に付着することを回避できる。このため、凝縮水が付着することに起因する送風機70の故障を回避できる。
(3)上記実施形態では、排ガス温度Toを検出する排ガス温度検出部61と、送風機70の作動を制御する制御装置100と、を備える。送風機70は、回転して気流を発生させる送風ファン70aを有する。制御装置100は、排ガス温度Toが、冷却判定温度より低い場合、排ガス温度Toが必要冷却判定温度に近づくようにファンの回転数を小さくする。
これによれば、排ガス温度Toが冷却判定温度に近づくように送風ファン70aの回転数を小さくすることで、排ガスを排出可能な温度状態で維持しつつ、過剰な排ガスの冷却を回避することで、送風機70を動作させるための消費電力を抑制することができる。
(4)上記実施形態では、循環ガス温度Taを検出する循環ガス温度検出部43と、送風機70の作動を制御する制御装置100と、を備える。送風機70は、回転して気流を発生させる送風ファン70aを有する。制御装置100は、循環ガス温度Taが、目標加熱温度より低い場合、循環ガス温度Taが加熱温度以上になるように送風ファン70aの回転数を大きくする。
これによれば、循環ガス温度Taが目標加熱温度以上になるように送風ファン70aの回転数を大きくすることで、改質器33を循環ガスによって炭素析出が発生し難い温度まで加熱することができる。
(5)上記実施形態では、制御装置100は、循環ガス温度Taが、目標加熱温度より高い温度であって、凝縮判定温度より低い温度である場合、循環ガス温度Taが凝縮判定温度に近づくように送風ファン70aの回転数を小さくする。
これによれば、循環ガス温度Taが凝縮判定温度に近づくように送風ファン70aの回転数を小さくすることで、循環ガスが燃料と混合される際の凝縮水の発生を抑制しつつ、送風機70を動作させるための消費電力を抑制することができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について、図6を参照して説明する。本実施形態では、第2熱交換部60の構成が第1実施形態と相違している。これ以外は、第1実施形態と同様である。このため、本実施形態では、第1実施形態と異なる部分について主に説明し、第1実施形態と同様の部分について説明を省略することがある。
図6に示すように、本実施形態の第2熱交換部60は、冷媒が流れる冷媒流路601と、冷媒を循環させる冷媒循環部602と、排ガスと冷媒とを熱交換させる排気熱交換器603と、排気熱交換器603から排出される冷媒と空気とを熱交換させる放熱器604とを有する。
冷媒流路601は、第2熱交換部60において冷媒を循環させるための冷媒回路である。本実施形態の冷媒流路601を流れる冷媒は、空気に比較して熱伝達率が高い流体を用いることができる。冷媒は、例えば、エチレングリコールを含むLLCなどが用いられる。なお、LLCはLong Life Coolantの略称である。
冷媒循環部602は、冷媒流路601において冷媒を循環させるためのポンプである。冷媒循環部602は、吸い込んだ冷媒を冷媒流路601の下流側へ向けて吐出する。冷媒循環部602は、制御装置100からの制御信号によって作動が制御される電動ポンプで構成されている。
排気熱交換器603は、排ガス流路54に設けられ、排ガス流路54を流れる排ガスと冷媒流路601を流れる冷媒とを熱交換させることで、排ガスを放熱する熱交換部である。排気熱交換器603は、冷媒が流れる排気側冷媒通路603aと、排ガスが流れる排ガス通路603bとを有する。排気側冷媒通路603aは、冷媒流路601に接続される。排ガス通路603bは、排ガス流路54に接続される。排気熱交換器603は、排気側冷媒通路603aを流れる冷媒と、排ガス通路603bを流れる排ガスとを熱交換させることで、排ガスを冷却する。
なお、本実施形態の排ガス温度検出部61は、排ガス流路54における排気熱交換器603の下流側に配置されており、排気熱交換器603を通過した排ガスの温度を検出可能に構成されている。
放熱器604は、排気熱交換器603から排出される冷媒と送風機70が吹き出す空気とを熱交換させることで、排気熱交換器603において熱交換に用いられた冷媒を放熱する放熱部である。放熱器604は、冷媒が流れる放熱側冷媒通路604aを有する。放熱側冷媒通路604aは、冷媒流路601に接続される。
放熱器604は、ダクト71の内部に配置されている。具体的に、放熱器604は、ダクト71の内部において、送風機70および第1熱交換部41より空気流れ下流側に配置されている。そして、第1熱交換部41および放熱器604は、ダクト71の内部において、互いが空気流れ方向に重なるように配置されている。すなわち、第1熱交換部41および放熱器604は、ダクト71の空気流れ方向の一方側から他方側に向かって投影させた際に、互いに重なるように配置されている。このため、送風機70が吹き出す送風空気Aは、第1熱交換部41を通過後、放熱器604に流入する。すなわち、第1熱交換部41および放熱器604は、空気流れ方向に沿って、直列に配置されている。
そして、放熱器604は、ダクト71の内部において、送風機70が吹き出す空気と放熱側冷媒通路604aを流れる冷媒とを熱交換させることで、冷媒を冷却する。
これによれば、送風空気Aより熱伝達率が高い冷媒を介して送風機70が吹き出す空気と排ガスとを熱交換させることで、排ガスを冷却させ易くできる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について、図7および図8を参照して説明する。本実施形態では、放熱器604と第1熱交換部41との配置関係が第2実施形態と相違している。これ以外は、第2実施形態と同様である。このため、本実施形態では、第2実施形態と異なる部分について主に説明し、第2実施形態と同様の部分について説明を省略することがある。
図7に示すように、ダクト71の内部には、送風機70、放熱器604、第1熱交換部41が空気流れ方向に沿って、この順に配置されている。すなわち、第1熱交換部41は、ダクト71の内部において、送風機70および放熱器604より空気流れ下流側に配置されている。このため、送風機70が吹き出す送風空気Aは、放熱器604を通過後、第1熱交換部41に流入する。
このように第1熱交換部41および放熱器604を配置する理由について説明する。本実施形態の第2熱交換部60は、排気熱交換器603において高温の排ガスと冷媒とが熱交換されることによって冷媒が加熱される。そして、排ガスと熱交換されることで加熱された冷媒が放熱器604に流入する。このため、送風機70から吹き出された空気は、放熱器604においてこの加熱された冷媒と熱交換されることで、冷媒を介して排ガスの熱が伝達されて加熱される。
したがって、放熱器604より空気流れ下流側に配置される第1熱交換部41には、排ガスの熱で加熱された空気が流入する。これにより、第1熱交換部41において加熱された空気と循環ガスとを熱交換させることで、循環ガスを加熱することができる。なお、燃料電池システム1の外部の温度が高いほど、第1熱交換部41において加熱された空気の温度が高くなるため、循環ガス温度Taが高くなる。
これに対して、放熱器604が第1熱交換部41より空気流れ下流側に配置される第2実施形態では、第1熱交換部41には、送風機70から吹き出された空気が直接流入する。このため、第1熱交換部41には、燃料電池システム1の外部の温度と同程度の温度の空気が流入する。したがって、放熱器604が第1熱交換部41より空気流れ下流側に配置される第2実施形態では、第1熱交換部41に流入する空気の温度が本実施形態の構成における第1熱交換部41に流入する空気の温度に比較して低くなる。
このため、図8に示すように、放熱器604が第1熱交換部41より空気流れ下流側に配置される場合の循環ガス温度Taは、放熱器604が第1熱交換部41より空気流れ上流側に配置される場合の循環ガス温度Taに比較して低くなる。すなわち、図8に示すように、放熱器604が第1熱交換部41より空気流れ上流側に配置される本実施形態の循環ガス温度Taは、放熱器604が第1熱交換部41より空気流れ下流側に配置される第2実施形態の構成の循環ガス温度Taより上昇する。
なお、図8に示す実線が本実施形態の循環ガス温度Taを示し、破線が、第2実施形態の循環ガス温度Taを示す。
このため、本実施形態の燃料電池システム1の構成によれば、例えば、燃料電池システム1の外部の温度が比較的低い場合であっても、循環ガス温度Taを目標加熱温度より高い温度まで上昇させ易くなる。したがって、改質器33における炭素析出の発生を抑制し易くできる。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について、図9~図11を参照して説明する。本実施形態では、燃料電池システム1の外部の温度を検出する外気温検出部72を備える点と、送風機70の送風ファン70aの回転方向が正転方向および逆転方向に切り替え可能に構成されている点が第2実施形態と相違している。これ以外は、第2実施形態と同様である。このため、本実施形態では、第2実施形態と異なる部分について主に説明し、第2実施形態と同様の部分について説明を省略することがある。
外気温検出部72は、燃料電池システム1の外部の温度(すなわち、燃料電池システム1が設けられている場所の環境温度)を検出する温度センサである。外気温検出部72は、燃料電池システム1の外部に設けられている。外気温検出部72は、図10に示すように、制御装置100に接続されており、検出した燃料電池システム1の外部の温度に応じた検出信号を制御装置100へ出力する。以下、燃料電池システム1の外部の温度を外気温Tsとも呼ぶ。
また、本実施形態の送風機70は、モータ70bの回転方向が、制御装置100から出力される制御電圧によって、正転方向および逆転方向に切替可能に構成されている。これにより、本実施形態の送風機70は、モータ70bの回転方向が切り替えられることに伴って送風ファン70aの回転方向が切り替えられることで、ダクト71の内部を流れる送風空気Aの流れる方向を変更することができる。
本実施形態では、送風ファン70aが正転方向に回転する場合、図9に示すように、第1熱交換部41を通過後、放熱器604に流入するように送風空気A1が流れる。この場合、循環ガスは、第1熱交換部41において送風機70から吹き出された空気と熱交換することで冷却される。
これに対して、送風ファン70aが逆転方向に回転する場合、放熱器604を通過後、第1熱交換部41に流入するように送風空気A2が流れる。この場合、循環ガスは、第1熱交換部41において、放熱器604で加熱された空気と熱交換することで加熱される。
続いて、燃料電池システム1が発電処理を実行する際に制御装置100が実行する送風ファン70aの回転方向を決定するための制御処理を、図11を参照して説明する。
最初に、ステップS100において、制御装置100は、外気温検出部72から送信される検出信号に基づいて、外気温Tsが回転判定温度以下であるか否かを判定する。回転判定温度は、外気温Tsが比較的低く、循環ガスの加熱が必要となる外気温Tsであって予め制御装置100に定められる。本実施形態では、回転判定温度は、例えば、10℃で定められている。なお、回転判定温度は、循環ガスの加熱が必要か否かを判定可能な温度であれば、10℃より低い温度(例えば5℃)で定められてもよいし、10℃より高い温度(例えば15℃)で定められてもよい。
制御装置100は、外気温検出部72から送信される検出信号に基づいて、外気温Tsが回転判定温度以下であると判定しない場合、ステップS110において、送風ファン70aが正転方向に回転するための制御信号を送風機70に送信する。これに対して、外気温Tsが回転判定温度以下であると判定した場合、ステップS120において、送風ファン70aが逆転方向に回転するための制御信号を送風機70に送信する。
送風ファン70aが正転方向に回転する場合、図9に示すように、送風機70から吹き出された送風空気A1は、第1熱交換部41、放熱器604の順に流れる。これにより、第1熱交換部41は、循環ガスを送風機70から吹き出された空気と熱交換させることで、循環ガスを冷却することができる。
また、送風ファン70aが逆転方向に回転する場合、送風機70によって吸い込まれる送風空気A2は、放熱器604、第1熱交換部41の順に流れる。これにより、第1熱交換部41は、循環ガスを放熱器604で加熱された空気と熱交換させることで、循環ガスを加熱することができる。
これによれば、外気温Tsが比較的高い場合であって、循環ガスの冷却が必要な場合、送風機70が吹き出す空気によって循環ガスを冷却することができる。また、外気温Tsが比較的低い場合であって、循環ガスの加熱が必要な場合、放熱器604で加熱された空気によって循環ガスを加熱することができる。
(第5実施形態)
次に、第5実施形態について、図12を参照して説明する。本実施形態では、排ガス流路54の最下流部がダクト71の内部に配置されている点が第3実施形態と相違している。これ以外は、第3実施形態と同様である。このため、本実施形態では、第3実施形態と異なる部分について主に説明し、第3実施形態と同様の部分について説明を省略することがある。
図12に示すように、本実施形態の排ガス流路54は、最下流部がダクト71の内部に配置されている。すなわち、排ガス流路54における、排ガス流路54を流れる排ガスを排ガス流路54の外部へ吹き出す部位を排ガス吹出部54aとしたとき、排ガス吹出部54aがダクト71の内部に配置されている。具体的に、排ガス吹出部54aは、ダクト71の内部において、空気流れ方向における第1熱交換部41および放熱器604より空気流れる下流側に配置されている。
さらに具体的に、ダクト71の内部には、送風機70、放熱器604、第1熱交換部41、排ガス吹出部54aが空気流れ方向に沿って、この順に配置されている。このため、送風機70が吹き出す送風空気Aは、図12に示すように、放熱器604および第1熱交換部41を通過後、排ガス吹出部54aからダクト71の内部に排出される排ガスと混合される。
これによれば、排ガス吹出部54aから排出される排ガスを、放熱器604および第1熱交換部41を通過した空気と混合させることによって、さらに冷却させることができる。また、仮に排ガスに未反応の燃料ガスが含まれる場合であっても、放熱器604および第1熱交換部41を通過した空気と混合させることによって、混合後の気体に含まれる燃料ガスの濃度を低下させることができる。
(第6実施形態)
次に、第6実施形態について、図13を参照して説明する。本実施形態では、燃料供給流路30にオフガス循環流路80が接続されており、燃料供給流路30とオフガス循環流路80とが接続される部位にエジェクタ81が設けられている点が第1実施形態と相違している。これ以外は、第1実施形態と同様である。このため、本実施形態では、第1実施形態と異なる部分について主に説明し、第1実施形態と同様の部分について説明を省略することがある。
本実施形態の燃料排出配管52には、燃料電池10から排出された燃料オフガスの一部を改質器33の上流側に戻すオフガス循環流路80が接続されている。本実施形態のオフガス循環流路80は、燃料電池10から排出された燃料オフガスの一部が改質器33の上流側に戻るように、上流側の端部が燃料排出配管52に接続され、下流側の端部が燃料供給流路30における脱硫器32と改質器33との間に接続されている。以下、オフガス循環流路80を流れる燃料オフガスをリサイクルガスとも呼ぶ。
また、オフガス循環流路80には、リサイクルガスの流量を検出するリサイクル流量検出部82およびエジェクタ81が設けられている。リサイクル流量検出部82は、制御装置100に接続されており、検出したリサイクルガスの流量に応じた検出信号を制御装置100へ出力する。
エジェクタ81は、燃料供給流路30におけるオフガス循環流路80の下流側の端部が接続される部位に設けられている。エジェクタ81は、燃料供給流路30を流れる燃料を駆動流としてリサイクルガスを吸引して燃料ガスとともに改質器33に供給するものである。
具体的には、エジェクタ81は、流体を噴射するノズル部811、燃料電池10の出口側から流体を吸引する吸引部812、ノズル部811から噴射される流体と吸引部812から吸引される流体とを混合して改質器33に向けて吐出する吐出部813を有する。
ノズル部811は、流体を噴射可能な絞り構造を有している。ノズル部811は、絞り開度が固定された固定絞り構造で構成されている。また、吐出部813は、ノズル部811からの流体および吸引部812からの流体が混合された後に昇圧されるように流路断面積が下流側に向かって拡大している。なお、ノズル部811は、絞り開度が変化可能な可変絞り構造で構成されていてもよい。
エジェクタ81の吸引部812は、ノズル部811の出口側の負圧を利用して燃料電池10の出口側から流体を吸引するように構成されている。具体的には、吸引部812には、燃料電池10の燃料出口部10dから排出される燃料オフガスの一部が吸引されるように、燃料排出配管52から分岐するオフガス循環流路80が接続されている。
ここで、エジェクタ81は、駆動流としてノズル部811に流入する流体の質量流量の増加に伴って吸引部812から吸引される吸引流体の流量が増えるといった特性を有する。このため、エジェクタ81のノズル部811に流入する燃料ガスの質量流量を増加させることで、吸引部812から吸引される燃料オフガスの吸引流量を増加させることが可能となる。
例えば、循環ガス調整弁42を開弁して燃料循環流路40を流れる循環ガスの流量を増加させると、燃料供給流路30を流れる燃料ガスの流量が増加するため、エジェクタ81の駆動流の流量を増加させることができる。これにより、吸引部812から吸引される燃料オフガスの吸引流量を増加させることができる。すなわち、循環ガス調整弁42の弁開度を大きくしてリサイクルガスの流量を増加させることで、燃料電池システム1の外部からの燃料の供給量を増加させることなく、改質器33へ供給する燃料ガスの量を増加させることができる。
また、循環ガス調整弁42を開弁して燃料循環流路40を流れる循環ガスの流量を増加させると、循環ガスの流量を増加させる前に比較して循環ガス温度Taが低下する。制御装置100は、循環ガス温度検出部43から送信される検出信号から得られる循環ガス調整弁42が開弁された状態の循環ガス温度Taに基づいて、第1実施形態で説明したステップS10~ステップS70の制御処理を実行する。すなわち、制御装置100は、循環ガス調整弁42の作動によって変化する循環ガスの流量に応じて変化する循環ガス温度Taに基づいて、送風ファン70aの回転数を変化させる。
なお、制御装置100は、リサイクル流量検出部82から送信されるリサイクルガスの流量に応じた検出信号に基づいて、循環ガス調整弁42の弁開度を調整してもよい。
これによれば、循環ガス調整弁42の弁開度を調整して燃料循環流路40を流れる循環ガスを増加させることで、燃料電池システム1の外部からの燃料の供給量を増加させることなく、改質器33へ供給する燃料ガスの量を調整することができる。
(他の実施形態)
以上、本開示の代表的な実施形態について説明したが、本開示は、上述の実施形態に限定されることなく、例えば、以下のように種々変形可能である。
上述の実施形態では、送風機70が、空気流れ方向において、第1熱交換部41より空気流れ上流側に配置されている例について説明したが、これに限定されない。例えば、送風機70は、空気流れ方向において、第1熱交換部41より空気流れ下流側に配置されてもよい。
上述の実施形態では、制御装置100は、排ガス温度Toが、冷却判定温度より低い場合、排ガス温度Toが冷却判定温度に近づくように送風ファン70aの回転数を小さくする例について説明したが、これに限定されない。例えば、制御装置100は、排ガス温度Toが冷却判定温度より高い温度になるように送風ファン70aの回転数を制御してもよい。
上述の実施形態では、制御装置100は、循環ガス温度Taが、目標加熱温度より低い場合、循環ガス温度Taが目標加熱温度以上になるように送風ファン70aの回転数を小さくする例について説明したが、これに限定されない。例えば、制御装置100は、循環ガス温度Taが、目標加熱温度より低い温度になるように送風ファン70aの回転数を制御してもよい。
上述の実施形態では、制御装置100は、循環ガス温度Taが、凝縮判定温度より低い温度である場合、循環ガス温度Taが凝縮判定温度に近づくように送風ファン70aの回転数を小さくする例について説明したが、これに限定されない。例えば、制御装置100は、循環ガス温度Taが、凝縮判定温度より高い温度になるように送風ファン70aの回転数を制御してもよい。
上述の実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
上述の実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されない。
上述の実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されない。
10 燃料電池
30 燃料供給流路
33 改質器
40 燃料循環流路
41 第1熱交換部
53 燃焼器
54 排ガス流路
60 第2熱交換部
70 送風機

Claims (11)

  1. 燃料電池システムであって、
    燃料ガスと酸化剤ガスとの電気化学反応により電気エネルギを出力する燃料電池(10)と、
    前記燃料電池に前記燃料ガスを供給する燃料供給流路(30)と、
    前記燃料供給流路を流れる改質用原料を前記燃料ガスへ改質して前記燃料電池へ供給する改質器(33)と、
    前記改質器から前記燃料電池に向かって流れる前記燃料ガスの一部を、循環ガスとして前記燃料供給流路における前記改質器より上流側に導く燃料循環流路(40)と、
    前記燃料電池から排出される燃料オフガスおよび酸化剤オフガスを燃焼させて排ガスを生成する燃焼器(53)と、
    前記燃焼器に接続され、前記燃焼器で生成された前記排ガスを該燃料電池システムの外部へ導く排ガス流路(54)と、
    前記循環ガスと空気とを熱交換させて前記循環ガスの温度を調整する第1熱交換部(41)と、
    前記排ガス流路を流れる前記排ガスと空気とを熱交換させて前記排ガスを調整する第2熱交換部(60)と、
    前記第1熱交換部および前記第2熱交換部において熱交換に用いられる空気を吹き出す送風機(70)と、を備え、
    前記第1熱交換部および前記第2熱交換部は、前記送風機が吹き出す空気が流れる方向である空気流れ方向において、少なくとも互いの一部が、重なる位置に配置されている燃料電池システム。
  2. 前記第1熱交換部は、前記空気流れ方向において、前記第2熱交換部より空気流れ上流側に配置されている請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記第1熱交換部は、前記空気流れ方向において、前記第2熱交換部より空気流れ下流側に配置されている請求項1に記載の燃料電池システム。
  4. 前記送風機は、前記空気流れ方向において、前記第1熱交換部より空気流れ上流側に配置されている請求項1に記載の燃料電池システム。
  5. 前記送風機の作動を制御する制御装置(100)を備え、
    前記送風機は、回転して気流を発生させる送風ファン(70a)を含み、
    前記制御装置は、前記送風ファンの回転方向を切り替えることで、前記空気流れ方向を前記第1熱交換部から前記第2熱交換部に向かう方向および前記第2熱交換部から前記第1熱交換部に向かう方向のいずれかに変更する請求項1に記載の燃料電池システム。
  6. 前記第2熱交換部は、前記送風機が吹き出す空気より熱伝達率が高い冷媒が流れる冷媒流路(601)と、前記冷媒を循環させる冷媒循環部(602)と、前記排ガス流路に設けられ、前記排ガス流路を流れる前記排ガスと前記冷媒とを熱交換させる排気熱交換器(603)と、前記空気流れ方向において、前記第1熱交換部と重なる位置に設けられ、前記排気熱交換器から排出される前記冷媒と前記送風機が吹き出す空気とを熱交換させる放熱器(604)と、を含む請求項1に記載の燃料電池システム。
  7. 前記排ガス流路は、前記排ガス流路を流れる前記排ガスを前記排ガス流路の外部へ吹き出す排ガス吹出部(54a)を含み、
    前記排ガス吹出部は、前記空気流れ方向において、前記第1熱交換部および前記第2熱交換部より空気流れ下流側に配置される請求項1に記載の燃料電池システム。
  8. 前記第2熱交換部で熱交換された前記排ガスの温度である排ガス温度を検出する排ガス温度検出部(61)と、
    前記送風機の作動を制御する制御装置(100)と、を備え、
    前記送風機は、回転して気流を発生させる送風ファン(70a)を含み、
    前記制御装置は、前記排ガス温度が、前記排ガスが排出可能な温度であるか否かを判定する冷却判定温度より低い場合、前記排ガス温度が前記冷却判定温度に近づくように前記送風ファンの回転数を小さくする請求項1に記載の燃料電池システム。
  9. 前記第1熱交換部で熱交換された前記循環ガスの温度である循環ガス温度を検出する循環ガス温度検出部(43)と、
    前記送風機の作動を制御する制御装置(100)と、を備え、
    前記送風機は、回転して気流を発生させる送風ファン(70a)を含み、
    前記制御装置は、前記循環ガス温度が、前記改質器を加熱するために必要な目標加熱温度より低い場合、前記循環ガス温度が前記目標加熱温度以上になるように前記送風ファンの回転数を小さくする請求項1に記載の燃料電池システム。
  10. 前記制御装置は、前記循環ガス温度が、前記目標加熱温度より高い温度であって、前記循環ガスを前記燃料供給流路に流入させた際に前記循環ガスが凝縮し易い温度であるか否かを判定する凝縮判定温度より低い温度である場合、前記循環ガス温度が前記凝縮判定温度に近づくように前記送風ファンの回転数を小さくする請求項9に記載の燃料電池システム。
  11. 前記燃料供給流路における前記改質器より上流に設けられ、前記燃料供給流路を流れる流体を駆動流として噴射するノズル部(811)、前記燃料電池の燃料出口側から流体を吸引する吸引部(812)および前記ノズル部から噴射される流体と前記吸引部から吸引される流体とを混合して前記改質器に向けて吐出する吐出部(813)を有するエジェクタ(81)と、
    前記燃料電池から排出された未反応の燃料ガスを含む前記燃料オフガスの一部を前記吸引部に導くオフガス循環流路(80)と、
    前記燃料循環流路を流れる前記循環ガスの流量を調整する循環ガス調整部(42)を備え、
    前記制御装置は、前記循環ガス調整部の作動によって変化する前記循環ガスの流量に応じて変化する前記循環ガス温度に基づいて、前記送風ファンの回転数を変化させる請求項9または10に記載の燃料電池システム。
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