JP2023154588A - 燃料電池システム - Google Patents

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康弘 長田
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Abstract

【課題】安定的な硫黄成分の除去を行うための温度まで脱硫器を加熱可能な燃料電池システムを提供すること。【解決手段】燃料電池システムは、燃料供給流路30と、燃焼器73が生成した排ガスの熱を利用して水を気化させる水蒸発器42と、改質器33と、水蒸発器への水の供給量を調整する水量調整部41と、燃料に含まれる硫黄成分を除去する脱硫器32と、水量調整部を制御する制御装置100と、を備える。制御装置は、温度検出部321が検出する脱硫器温度が所定温度以下の場合、水蒸発器へ供給される水の供給量が減少するように水量調整部を制御する。または、燃料電池システムは、空気供給流路20と、排ガスの熱を利用して空気を加熱する空気予熱器22と、空気予熱器への空気の供給量を調整する空気量調整部21と、を備える。制御装置は、脱硫器温度が所定温度以下の場合、空気予熱器へ供給される空気の供給量が減少するように空気量調整部を制御する。【選択図】図1

Description

本開示は、燃料電池システムに関する。
従来、燃焼部と、燃料電池と、不純物除去器と、空気熱交換器と、蒸発器と、改質器とを備えた燃料電池システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。この燃料電池システムにおいて、燃焼器は、燃料電池の発電反応に利用されなかった未反応燃料ガスと空気とを燃焼させて高温の排ガスを生成する。そして、この燃料電池システムは、燃焼器が生成した高温の排ガスの熱エネルギを不純物除去器、空気熱交換器、蒸発器、改質器等の各種構成機器において熱利用することで高効率な運転を実現している。
例えば、排ガスの熱エネルギは、水添脱硫方式の不純物除去器が原料ガスに含まれる硫黄成分を除去する際の熱交換や、空気熱交換器が燃料電池に供給する空気を加熱する際の熱交換に用いられる。また、排ガスの熱エネルギは、蒸発器が外部から供給される水を気化させて水蒸気を生成する際や、改質器が吸熱反応である水蒸気改質反応を行う際に用いられる。
特開2018-113260号公報
ところで、燃料電池システムの高効率化に伴い、燃料電池の発電時における燃料ガスの供給量に対する燃料ガスの消費量の割合が上昇すると、未反応燃料ガスの排出量が減少し、未反応燃料ガスと空気とを燃焼させることによって生成される排ガスの温度が低下する。すると、燃料電池システムの高効率な運転を実現するために排ガスの熱エネルギを各種構成機器において熱利用する際に、その排ガスの温度では不足する虞がある。
例えば、不純物除去器として機能する脱硫器において原料ガスに含まれる硫黄成分を安定して除去するためには、排ガスの温度によって脱硫器が200℃や300℃の高温まで加熱されることが望ましい。しかし、燃料電池システムの高効率化に伴い排ガスの温度が低下すると、その排ガスの温度によって脱硫器を安定的な硫黄成分の除去を行うための温度まで加熱できない虞がある。
本開示は、安定的な硫黄成分の除去を行うための温度まで脱硫器を加熱可能な燃料電池システムを提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、
燃料電池システムであって、
燃料ガスと酸化剤ガスとの電気化学反応により電気エネルギを出力する燃料電池(10)と、
燃料電池に燃料ガスを供給する燃料供給流路(30)と、
燃料電池から排出される燃料オフガスおよび酸化剤オフガスを燃焼させて高温の排ガスを生成する燃焼器(73)と、
燃焼器で生成された排ガスが流れる排ガス流路(75)と、
排ガス流路に設けられるとともに、燃焼器で生成された排ガスの熱を利用して、外部から供給される水を水蒸気へ気化させる水蒸発器(42)と、
水蒸発器で気化された水蒸気を用いて燃料供給流路を流れる燃料を燃料ガスへ改質して燃料電池へ供給する改質器(33)と、
水蒸発器への水の供給量を調整する水量調整部(41)と、
排ガス流路における水蒸発器より下流側に設けられるとともに、水蒸発器を通過した高温の排ガスを利用して燃料に含まれる硫黄成分を除去する脱硫器(32)と、
脱硫器に関する温度である脱硫器温度を検出する温度検出部(321)と、
水量調整部を制御する制御装置(100)と、を備え、
制御装置は、温度検出部が検出する脱硫器温度が所定温度以下の場合、水蒸発器へ供給される水の供給量が減少するように水量調整部を制御する。
これによれば、脱硫器温度が所定温度以下の場合、水蒸発器へ供給する水の供給量を減少させることによって水蒸発器が水を気化する際の水への放熱量が減少するので、水蒸発器より下流側の脱硫器に流入する排ガスの温度を上昇させることができる。このため、脱硫器を安定的な硫黄成分の除去を行うための温度まで加熱することができる。
また、請求項6に記載の発明は、
燃料電池システムであって、
燃料ガスと酸化剤ガスとの電気化学反応により電気エネルギを出力する燃料電池(10)と、
外部から供給され、酸化剤ガスを含む空気を燃料電池に供給する空気供給流路(20)と、
燃料電池から排出される燃料オフガスおよび酸化剤オフガスを燃焼させて高温の排ガスを生成する燃焼器(73)と、
燃焼器で生成された排ガスが流れる排ガス流路(75)と、
排ガス流路に設けられるとともに、燃焼器で生成された排ガスの熱を利用して、空気供給流路を流れる空気を加熱する空気予熱器(22)と、
空気予熱器への空気の供給量を調整する空気量調整部(21)と、
排ガス流路における空気予熱器より下流側に設けられるとともに、空気予熱器を通過した高温の排ガスを利用して外部から供給される燃料に含まれる硫黄成分を除去する脱硫器(32)と、
脱硫器に関する温度である脱硫器温度を検出する温度検出部(321)と、
空気量調整部を制御する制御装置(100)と、を備え、
制御装置は、温度検出部が検出する脱硫器温度が所定温度以下の場合、空気予熱器へ供給される空気の供給量が減少するように空気量調整部を制御する。
これによれば、脱硫器温度が所定温度以下の場合、空気予熱器へ供給する空気の供給量を減少させることによって空気予熱器が空気を加熱する際の空気への放熱量が減少するので、空気予熱器より下流側の脱硫器に流入する排ガスの温度を上昇させることができる。このため、脱硫器を安定的な硫黄成分の除去を行うための温度まで加熱することができる。
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
第1実施形態に係る燃料電池システムの概略構成図である。 第1実施形態に係る燃料電池システムの制御装置を示す模式図である。 第1実施形態の燃料電池システムの制御装置が実行する制御処理を示すフローチャートである。 水蒸発器への水供給量と脱硫器温度の関係を示す図である。 水蒸発器への水供給量とS/Cの関係を示す図である。 第1実施形態の第1の変形例に係る燃料電池システムの概略構成図である。 第1実施形態の第2の変形例に係る燃料電池システムの概略構成図である。 第1実施形態の第3の変形例に係る燃料電池システムの概略構成図である。 第2実施形態に係る燃料電池システムの概略構成図である。 第2実施形態の変形例に係る燃料電池システムの概略構成図である。 第2実施形態の変形例に係る燃料電池システムの概略構成図である。 第3実施形態に係る燃料電池システムの概略構成図である。 第3実施形態の燃料電池システムの制御装置が実行する制御処理を示すフローチャートである。 空気予熱器への空気供給量と脱硫器温度の関係を示す図である。 空気予熱器への空気供給量と空気利用率の関係を示す図である。 第3実施形態の第1の変形例に係る燃料電池システムの概略構成図である。 第3実施形態の第2の変形例に係る燃料電池システムの概略構成図である。 第3実施形態の第3の変形例に係る燃料電池システムの概略構成図である。 第4実施形態に係る燃料電池システムの概略構成図である。 第4実施形態の変形例に係る燃料電池システムの概略構成図である。
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の実施形態において、先行する実施形態で説明した事項と同一もしくは均等である部分には、同一の参照符号を付し、その説明を省略する場合がある。また、実施形態において、構成要素の一部だけを説明している場合、構成要素の他の部分に関しては、先行する実施形態において説明した構成要素を適用することができる。以下の実施形態は、特に組み合わせに支障が生じない範囲であれば、特に明示していない場合であっても、各実施形態同士を部分的に組み合わせることができる。
(第1実施形態)
本実施形態について、図1~図5を参照して説明する。本実施形態の燃料電池システム1は、図1に示すように、固体酸化物型の燃料電池10を備えている。固体酸化物型の燃料電池10は、一般的にSOFC(Solid Oxide Fuel Cell の略)とも呼ばれ、作動温度が高温(例えば、500℃~1000℃)となるものである。
燃料電池10は、燃料ガスおよび酸化剤ガス(本例では空気の酸素)の電気化学反応により電気エネルギを出力する複数の発電セルを積層したスタック構造を有している。なお、発電セルの形状は、平板型および円筒型のいずれであってもよい。
図示しないが発電セルは、固体酸化物電解質、空気極(すなわち、カソード)、燃料極(すなわち、アノード)を含んで構成されている。発電セルは、炭化水素系の燃料である都市ガス(すなわち、メタンを主成分とするガス)を改質して生成される水素および一酸化炭素を燃料ガスとしている。なお、使用する燃料は、炭化水素系のガスであれば、都市ガス以外のガスが採用されていてもよい。
燃料電池10は、以下の反応式F1、F2に示す水素および酸素の電気化学反応により電気エネルギを出力する。
(燃料極)2H2+2O2-→2H2O+4e- …(F1)
(空気極)O2+4e-→2O2- …(F2)
また、燃料電池10は、以下の反応式F3、F4に示す一酸化炭素および酸素の電気化学反応により電気エネルギを出力する。
(燃料極)2CO+2O2-→2CO2+4e- …(F3)
(空気極)O2+4e-→2O2- …(F4)
図示しないが、燃料電池10は、後述する空気予熱器22、改質器33、燃焼器73等とともに断熱性を有するハウジングの内側に配置されている。燃料電池10は、起動時に後述する燃焼器73によって暖機される。なお、燃料電池システム1では、ハウジングの内側に配置された機器がホットモジュールを構成している。
燃料電池10は、空気入口部10aに、空気の流通経路である空気供給流路20が接続されている。空気供給流路20は配管等によって構成される。空気供給流路20には、燃料電池10に空気を圧送する圧送ブロワ21と、燃料電池10に供給する空気を加熱する空気予熱器22とが設けられている。
圧送ブロワ21は、燃料電池システム1の外部の空気を吸い込んで燃料電池10に供給する酸化剤ポンプである。圧送ブロワ21は、吸い込んだ空気を空気供給流路20の下流側へ向けて吐出する。圧送ブロワ21は、後述する制御装置100からの制御信号によって作動が制御される電動式のブロワで構成されている。すなわち、圧送ブロワ21は、制御装置100から送信される制御信号に応じてポンプの回転数が変更されることで自身の圧送能力が調整される。本実施形態では、圧送ブロワ21が空気予熱器22への空気の供給量を調整する空気量調整部を構成する。
空気予熱器22は、圧送ブロワ21から圧送された空気を後述する燃焼器73で生成された燃焼ガスと熱交換させて加熱する熱交換器である。空気予熱器22は、燃料電池10に供給する空気と燃料ガスとの温度差を縮小して、燃料電池10の発電効率の向上を図るために設けられている。
一方、燃料電池10は、燃料入口部10bに、燃料や燃料ガスの流通経路である燃料供給流路30が接続されている。燃料供給流路30は配管等によって構成される。燃料供給流路30には、上流側から順に、燃料ポンプ31、脱硫器32、改質器33が設けられている。
燃料ポンプ31は、外部から供給される燃料を燃料電池10側に向けて供給するためのポンプである。燃料ポンプ31は、吸い込んだ燃料を燃料供給流路30の下流側へ向けて吐出する。燃料ポンプ31は、制御装置100からの制御信号によって作動が制御される電動ポンプで構成されている。すなわち、燃料ポンプ31は、制御装置100から送信される制御信号に応じてポンプの回転数が変更されることで燃料の供給能力が調整される。
脱硫器32は、燃料ポンプ31から供給される燃料に含まれる硫黄成分を除去するための装置である。本実施形態の脱硫器32は、燃料に含まれる硫黄成分を水素と反応させて原燃料から硫黄成分を除去する水添脱硫器が採用されている。水添脱硫器は、例えば、容器に水添脱硫剤が充填されて構成されるものである。水添脱硫剤として、例えば、硫黄化合物を硫化水素に変換する機能と硫化水素を吸着する機能を共に有するCuZn系触媒が用いられてもよい。脱硫器32の水添脱硫剤は、後述するように燃焼器73で生成された後述の排ガスと熱交換されて加熱される。
なお、水添脱硫剤は、これに限定されるものではなく、例えば、燃料中の硫黄化合物を硫化水素に変換するCoMo系触媒と、変換された硫化水素を吸着する吸着剤であるZnO系触媒およびCuZn系触媒の少なくともいずれか一方とで構成されてもよい。
脱硫器32には、脱硫器32内部の温度を検出する脱硫器温度センサ321が設置されている。脱硫器温度センサ321は、脱硫器32に流入する排ガスによって加熱される脱硫器32の温度を検出する温度センサである。脱硫器温度センサ321は、制御装置100に接続されており、検出した脱硫器32の温度に応じた検出信号を制御装置100へ出力する。
なお、脱硫器温度センサ321は、脱硫器32の内部温度を直接検出するものに限らず、脱硫器32の内部を流れる排ガスが脱硫器32から排出される際の温度を検出することで、間接的に脱硫器32の内部の温度を検出するように構成されていてもよい。また、脱硫器温度センサ321は、排ガスが流れる流路における脱硫器32のすぐ下流に設置されて脱硫器32から排出される際の排ガスの温度を検出することで、間接的に脱硫器32の内部の温度を検出するように構成されていてもよい。本実施形態では、脱硫器温度センサ321が脱硫器32に関する温度である脱硫器温度を検出する温度検出部として機能する。
改質器33は、水蒸発器42で気化された水蒸気を用いて燃料ポンプ31から供給された燃料を改質して燃料ガスを生成するものである。改質器33は、例えば、ロジウムやルテニウム等の貴金属を含む水蒸気改質触媒を含んで構成されている。
具体的には、改質器33は、燃料および水蒸気を混合した混合ガスを燃焼器73で生成された後述の排ガスと熱交換させて加熱するとともに、以下の反応式F5に示す改質反応、および反応式F6に示すシフト反応により燃料ガス(水素、一酸化炭素)を生成する。
CH4+H2O→CO+H2 …(F5)
CO+H2O→CO2+H2 …(F6)
ここで、改質器33における水蒸気改質は吸熱反応であり、高温となる条件下にて改質率が向上する特性を有している。このため、改質器33は、燃料電池10の発電時に周囲に放出される熱(放射熱)を吸熱できるように、燃料電池10の周囲に配設されていてもよい。
また、燃料供給流路30には、脱硫器32と改質器33との間に水供給流路40が接続されている。水供給流路40には、水ポンプ41および水蒸発器42が設けられている。
水ポンプ41は、燃料電池システム1の外部から水蒸発器42に水を供給するポンプである。水ポンプ41は、吸い込んだ水を水供給流路40の下流側へ向けて吐出する。水ポンプ41は、制御装置100からの制御信号によって作動が制御される電動ポンプで構成されている。すなわち、水ポンプ41は、制御装置100から送信される制御信号に応じてポンプの回転数が変更されることで水の供給能力が調整される。本実施形態では、水ポンプ41が水蒸発器42への水の供給量を調整する水量調整部を構成する。
水蒸発器42は、水ポンプ41からの水を水蒸気(すなわち、気体)にする蒸発機能を有する。具体的には、水蒸発器42は、水ポンプ41から供給される水を燃焼器73で生成された排ガスと熱交換させて気化させる蒸発器で構成されている。
また、燃料電池10には、燃料電池10から排出するオフガスが流れるオフガス配管70が接続されている。具体的には、燃料電池10には、空気出口部10cに燃料電池10から排出される酸化剤オフガスが流れる空気排出配管71が接続される。また、燃料電池10には、燃料出口部10dに燃料電池10から排出される燃料オフガスが流れる燃料排出配管72が接続されている。空気排出配管71を流れる酸化剤オフガスには、燃料電池10の電気化学反応に利用されなかった未反応酸化剤ガス(すなわち、酸素)が含まれる。また、燃料排出配管72を流れる燃料オフガスには、燃料電池10の電気化学反応に利用されなかった未反応燃料ガスおよび電気化学反応によって生じる水蒸気が含まれる。
また、燃料排出配管72には、燃料電池10から排出された燃料オフガスの一部を改質器33の上流側に戻す燃料循環流路50が接続されている。本実施形態の燃料循環流路50は、燃料電池10から排出された燃料オフガスの一部が改質器33の上流側に戻るように、上流側の端部が燃料排出配管72に接続され、下流側の端部が燃料供給流路30における水蒸発器42と改質器33との間に接続されている。燃料循環流路50には、燃料循環ポンプ51、ガス濃度センサ52および循環燃料流量計53が設けられている。
燃料循環ポンプ51は、燃料循環流路50に燃料オフガスを流すためのポンプである。燃料循環ポンプ51は、吸い込んだ燃料オフガスを燃料循環流路50の下流側へ向けて吐出することで、燃料電池10から排出される燃料オフガスの一部を燃料循環流路50を介して改質器33へ戻す。
また、燃料循環ポンプ51は、制御装置100からの制御信号によって作動が制御される電動ポンプで構成されている。すなわち、燃料循環ポンプ51は、制御装置100から送信される制御信号に応じてポンプの回転数が変更されることで、燃料電池10から排出される燃料オフガスの流量に対する燃料循環流路50を介して改質器33へ戻す燃料オフガスの流量を調整する。以下、燃料電池10から排出される燃料オフガスの流量と燃料循環流路50を介して改質器33へ戻される燃料オフガスの流量との比を燃料循環率Frとも呼ぶ。燃料循環率Frは、以下の数式1から算出することができる。
(数1)
燃料循環率Fr=循環燃料量GRi/オフ燃料量GRo
数式1における循環燃料量GRiは、燃料循環流路50を介して改質器33へ循環される燃料オフガスの流量である。また、数式1におけるオフ燃料量GRoは、燃料電池10から排出される燃料オフガスの流量である。
例えば、燃料循環ポンプ51が回転しない場合、燃料電池10から排出される燃料オフガスは、燃料循環流路50へ流れることなく、全て燃焼器73へ流れる。この場合、燃料循環率Frは0%となる。これに対して、燃料循環ポンプ51が所定の回転数で回転することによって、燃料電池10から排出される燃料オフガスの半分が燃料循環流路50を介して改質器33へ流れ、残りの半分が燃焼器73へ流れる場合、燃料循環率Frは50%となる。本実施形態では、燃料循環ポンプ51が燃料循環流路50を流れる燃料オフガスの流量を調整する循環燃料量調整部を構成する。
ガス濃度センサ52は、燃料循環流路50を流れる燃料オフガスに含まれる炭素を含む一酸化炭素、二酸化炭素および水素、水蒸気などのそれぞれの濃度を検出する濃度センサである。ガス濃度センサ52は、制御装置100に接続されており、検出した燃料オフガスに含まれる炭素の濃度および水蒸気の濃度に応じた検出信号を制御装置100へ出力する。本実施形態では、ガス濃度センサ52が改質器33へ供給される燃料オフガスに含まれる炭素の量に関する情報を検出する炭素量検出部および改質器33へ供給される燃料オフガスに含まれる水蒸気の量に関する情報を検出する水蒸気量検出部として機能する。
なお、ガス濃度センサ52は、燃料オフガスに含まれる炭素の濃度を検出する濃度センサと、燃料オフガスに含まれる水蒸気の濃度を検出する濃度センサとが互いに別体で構成されていてもよい。
循環燃料流量計53は、燃料循環流路50を流れる燃料オフガスの流量を検出する流量センサである。循環燃料流量計53は、制御装置100に接続されており、検出した燃料オフガスの流量に応じた検出信号を制御装置100へ出力する。
また、オフガス配管70には、燃焼器73が接続されている。燃焼器73は、燃料または燃料オフガスを燃焼させることで改質器33等を昇温させる燃焼ガスを生成するものである。燃焼器73は、例えば、燃料電池10の発電時に、酸化剤オフガスおよび燃料オフガスを混合した混合ガスを可燃ガスとして燃焼させることで、燃料電池システム1の各構成機器を昇温させるための燃焼ガスを生成する。図示しないが、燃焼器73は、燃料オフガスを燃焼させるためのバーナを有している。燃焼器73では、バーナの点火によって、燃料オフガスが燃焼されて高温の排ガスが生成される。
燃焼器73には、高温の排ガスを流通させる排ガス流路75が接続されている。排ガス流路75は、内部を流れる排ガスの熱を有効活用すべく、上流側から順に、改質器33、空気予熱器22、水蒸発器42、脱硫器32の順に接続されている。なお、排ガスを各構成機器に流す順序は、各構成機器にて必要とされる熱量等に応じて変更してもよい。
次に、制御装置100について図2を参照して説明する。制御装置100は、プロセッサ、メモリを含むマイクロコンピュータと、その周辺回路で構成されている。制御装置100は、メモリに記憶された制御プログラムに基づいて各種演算、処理を行い出力側に接続された各種制御機器の作動を制御する。
制御装置100の入力側には、脱硫器温度センサ321、ガス濃度センサ52および循環燃料流量計53を含む各種センサが接続されており、各種センサの検出結果に応じた検出信号が制御装置100に入力されるようになっている。また、制御装置100には、図示しない操作パネルが接続されている。この操作パネルには、燃料電池10の発電をオンオフするための運転スイッチ、燃料電池10の作動状態を表示するディスプレイ等が設けられている。
一方、制御装置100の出力側には、制御機器として、圧送ブロワ21、燃料ポンプ31、水ポンプ41、燃料循環ポンプ51、燃焼器73の図示しないバーナ等が接続されている。これら制御機器は、制御装置100から出力される制御信号に応じて、その作動が制御される。
次に、燃料電池システム1の基本的な作動について説明する。燃料電池システム1は、図示しない運転スイッチがオンされると制御装置100によって燃料電池10から電気エネルギを出力させる発電処理が実行される。
この発電処理では、例えば、燃料電池10に対して発電に適した量の酸化剤ガスをおよび燃料ガスが供給されるように圧送ブロワ21、燃料ポンプ31、水ポンプ41が制御される。
燃料ポンプ31から吐出される燃料は、脱硫器32にて燃料に含まれる硫黄成分が除去される。脱硫器32にて硫黄成分が除去された燃料は、その後、水蒸発器42において水蒸発器42で気化された水(すなわち、水蒸気)と混合された後、改質器33に流入する。改質器33では、燃料および水蒸気の混合ガスが供給されると、前述の反応式F5、F6に示す反応により燃料ガス(水素、一酸化炭素)が生成される。そして、改質器33で生成された燃料ガスは、燃料電池10に流入する。
また、圧送ブロワ21から吹き出される酸化剤ガスを含む空気は、空気予熱器22に流入し、燃焼ガスとの熱交換によって昇温する。そして、空気予熱器22を通過した空気は、燃料電池10に流入される。
燃料電池10は、酸化剤ガスおよび燃料ガスが供給されると、前述の反応式F1~F4に示す反応により電気エネルギを出力する。この際、燃料電池10は、オフガス燃料および酸化剤オフガスを排出する。
燃料電池10から排出されるオフガス燃料は、燃料循環ポンプ51が動作していない場合、燃料循環流路50へ流れることなく、その全てが燃料排出配管72を流れ燃焼器73へ導かれる。また、燃料電池10から排出されるオフガス燃料は、燃料循環ポンプ51が動作している場合、その一部が燃料循環流路50を介して改質器33へ導かれ、残りが燃料排出配管72を介して燃焼器73へ導かれる。
また、燃料電池10から排出される酸化剤オフガスは、その全てが空気排出配管71を介して燃焼器73へ導かれる。
そして、燃焼器73へ導かれたオフガス燃料および酸化剤オフガスは、可燃ガスとして燃焼器73で燃焼されて高温の排ガスが生成される。そして、燃焼器73で生成された高温の排ガスは、排ガス流路75を流れる際に改質器33、空気予熱器22、水蒸発器42、脱硫器32の順に通過するとともに、通過する際にこれら改質器33、空気予熱器22、水蒸発器42、脱硫器32に放熱する。すなわち、燃焼器73で生成された高温の排ガスは、改質器33、空気予熱器22、水蒸発器42、脱硫器32の加熱源として利用される。これにより、改質器33、空気予熱器22、水蒸発器42、脱硫器32それぞれを加熱するための機器を用いることなく昇温させることができ、燃料電池システム1の高効率化を実現することができる。
そして、改質器33、空気予熱器22、水蒸発器42、脱硫器32を通過した排ガスは、排出ガスとしてシステム外部に排出される。
排ガス流路75を改質器33、空気予熱器22、水蒸発器42、脱硫器32の順に通過して流れる高温の排ガスは、これらの各構成機器を通過する毎に放熱して温度が低下していく。このため、空気予熱器22に流入する際の排ガスの温度は、改質器33に流入する際の排ガスの温度より低く、水蒸発器42に流入する際の排ガスの温度は、空気予熱器22に流入する際の排ガスの温度より低くなる。また、脱硫器32に流入する際の排ガスの温度は、水蒸発器42に流入する際の排ガスの温度より低くなる。すなわち、脱硫器32に流入する際の排ガスの温度は、改質器33、空気予熱器22、水蒸発器42それぞれに流入するいずれの排ガスの温度に比較して最も低くなる。
ところで、燃料電池システム1の高効率化に伴い、燃料電池10に供給される燃料ガスの供給量に対する燃料電池10の発電で消費される燃料ガスの消費量の割合が上昇すると、燃料電池10から燃焼器73へ排出されるオフガス燃料が減少する。これにより、燃焼器73へ導かれたオフガス燃料および酸化剤オフガスを燃焼させることによって生成される排ガスの温度が低下する。このため、排ガスから改質器33、空気予熱器22、水蒸発器42、脱硫器32それぞれへ放熱される放熱量が減少する。
しかし、脱硫器32が燃料に含まれる硫黄成分を安定して除去するためには、脱硫器32の温度を200℃や300℃の高温まで加熱させる必要がある。これに対して、燃料電池システム1の高効率化に伴い、燃焼器73で生成される排ガスの温度が低下すると、脱硫器32を、200℃や300℃の高温まで加熱させることができなくなる虞がある。仮に、燃料電池システム1の効率を低下させると、燃焼器73で生成する排ガスの温度を上昇させることが可能であるが、燃料電池システム1の効率を低下させることは望ましくない。
このため、本実施形態の燃料電池システム1は、燃料に含まれる硫黄成分を安定して除去可能な温度まで脱硫器32を加熱することを目的として、制御装置100が図3に示す制御処理を実行する。制御装置100は、以下に説明する制御処理を所定の制御周期毎に繰り返し実行する。
最初に、ステップS10において、制御装置100は、脱硫器温度センサ321から送信される検出信号に基づいて、水ポンプ41の供給能力を低下させる条件が成立したか否かを判定する。水ポンプ41の供給能力を低下させる条件は、例えば、脱硫器温度が、低下判定温度以下である場合に成立する。
低下判定温度は、脱硫器32が燃料に含まれる硫黄成分を安定して除去可能な温度まで加熱されているか否かを判定するための所定温度であって、予め制御装置100に定められる。本実施形態では、低下判定温度は、例えば、250℃で定められている。なお、低下判定温度は、脱硫器32が燃料に含まれる硫黄成分を安定して除去可能な温度であれば、250℃より低い温度(例えば220℃)で定められてもよいし、250℃より高い温度(例えば280℃)で定められてもよい。
制御装置100は、脱硫器温度センサ321から送信される検出信号に基づいて、脱硫器温度が250℃以下であると判定した場合、ステップS20を実行する。これに対して、制御装置100は、脱硫器温度が250℃以下であると判定しない場合、ステップS50を実行する。
ステップS20において、制御装置100は、水ポンプ41の水の供給能力を低下させるための制御信号を水ポンプ41に送信する。水ポンプ41は、制御装置100から送信される制御信号に基づいて水蒸発器42へ供給する水の供給量を減少させる。具体的に、水ポンプ41は、制御装置100から水の供給能力を低下させるための制御信号が送信されると、ポンプの回転数を低下させて、水蒸発器42への水の供給量を減少させる。
水ポンプ41から水蒸発器42への水の供給量が減少すると、燃焼器73で生成された高温の排ガスが水蒸発器42を通過する際の排ガスから水蒸発器42への放熱量が減少する。これにより、排ガス流路75における水蒸発器42より下流側に設けられた脱硫器32へ流入する排ガスの温度が上昇する。ここで、発電処理が実行される際に最初に設定される燃料電池10の発電に適した水ポンプ41から水蒸発器42への水の供給量を水供給量Wfとし、ステップS20で減少される水の量を水減少量aとする。ステップS20における処理を実行することで、水ポンプ41から水蒸発器42への水の供給量を水供給量Wfから水減少量aだけ減少させることで、図4に示すように、脱硫器温度を上昇させることができる。
ここで、ステップS20において水ポンプ41が減少させる水減少量aは、水蒸発器42への水の供給量を減少させることで、脱硫器32が硫黄成分を安定して除去するために必要な温度より高い温度まで加熱されるように設定される。したがって、水ポンプ41が減少させる水減少量aは、脱硫器温度センサ321が検出する脱硫器温度に応じて予め異なる値で制御装置100に設定されている。制御装置100は、脱硫器温度に応じた制御信号を水ポンプ41に送信することで、水ポンプ41から水蒸発器42への水の供給量を水供給量Wfから脱硫器温度に応じた水減少量aだけ減少させる。これにより、脱硫器温度は、図4に示すように、脱硫器32が硫黄成分を安定して除去可能な硫黄除去必要温度より高い温度まで上昇する。
ところで、水ポンプ41から水蒸発器42への水の供給量を減少させると、水蒸発器42から改質器33への水蒸気の供給量が減少する。そして、改質器33への水蒸気の供給量が減少すると、改質器33へ供給される燃料ガスに含まれる炭素の量の割合に対して水蒸気の量の割合が少なくなる。
そして、改質器33へ供給される燃料ガスに含まれる炭素の量に対する水蒸気の量の比であるスチームカーボン比が所定値より小さくなると、改質器33が水蒸気改質を行う際、改質触媒に炭素が析出され易くなる。この改質器33における炭素析出は、改質触媒の劣化や、燃料ガスを流す経路の閉塞を招く要因となる。以下、改質器33へ供給される燃料ガスに含まれる炭素の量に対する水蒸気の量の比であるスチームカーボン比をS/Cとも呼ぶ。S/Cは、以下の数式2から算出することができる。
(数2)
S/C=改質器入口水蒸気量Va/改質器入口炭素量Ca
数式2における改質器入口水蒸気量Vaは、改質器33へ導入される水蒸気の量である。また、数式2における改質器入口炭素量Caは、改質器33へ導入される炭素の量である。
なお、改質器33へ供給される燃料ガスには水素が含まれるところ、燃焼ガスに含まれる水素は、燃焼ガスに含まれる二酸化炭素との化学反応によって水蒸気となりえる。このため、燃焼ガスに含まれる水素の量が多いほど、改質器33に炭素析出がされ難くなる。したがって、S/Cを算出するにあたり、数式2における改質器入口水蒸気量Vaを改質器33へ導入される水蒸気の量と改質器33へ導入される水素の量の合計値としてもよい。この場合、改質器33へ導入される水素の量は、ガス濃度センサ52が検出する燃料オフガスに含まれる水素、水蒸気の濃度を用いて算出してもよい。
ここで、改質触媒に炭素が析出され易くなるS/Cの所定値を炭素析出限界値とする。そして、水ポンプ41から水蒸発器42への水の供給量を減少させることで、図5に示すように、S/Cが炭素析出限界値より小さくなる虞がある。しかし、改質器33における炭素析出の発生を回避するため、水ポンプ41から水蒸発器42への水の供給量を減少させた場合であっても、S/Cを炭素析出限界値以上とすることが望ましい。
ただし、改質器33への水蒸気の供給量を増加させるため、水供給流路40とは別に改質器33へ水蒸気を供給する流路を追加することは、燃料電池システム1の構成機器の増加や水の消費量の増加の要因となるため好ましくない。したがって、水ポンプ41から水蒸発器42への水の供給量を減少させることに起因する改質器33の炭素析出の発生を抑制しつつ、構成機器の増加や水の消費量の増加を回避するため、制御装置100は、ステップS30およびステップS40の処理を実行する。
ステップS30において、制御装置100は、改質器33へ供給される燃料ガスの量および水蒸気の量から算出されるS/Cに基づいて、燃料循環ポンプ51の回転数を増加させる条件が成立したか否かを判定する。燃料循環ポンプ51の回転数を増加させる条件は、例えば、S/Cの値が燃料循環判定値より小さい場合に成立する。
燃料循環判定値は、改質器33の改質触媒に炭素が析出され易くなるか否かを判定するためのS/Cの所定値であって、制御装置100に予め定められる。本実施形態では、燃料循環判定値は、例えば、2.5で定められている。なお、燃料循環判定値は、改質器33の改質触媒に炭素が析出され易くなるか否かを判定可能な値であれば、2.5より低い値(例えば2.2)で定められてもよいし、2.5より高い値(例えば2.8)で定められてもよい。
制御装置100は、燃料循環判定値が2.5より小さくないと判定した場合、燃料循環ポンプ51の回転数を変化させることなく、ステップS10に戻る。これに対して、制御装置100は、燃料循環判定値が2.5より小さいと判定した場合、ステップS40を実行する。
具体的には、ステップS40において、制御装置100は、燃料循環ポンプ51の回転数を増加させるための制御信号を燃料循環ポンプ51に送信する。燃料循環ポンプ51は、制御装置100から送信される制御信号に基づいて、ポンプの回転数を増加させる。そして、燃料循環ポンプ51が回転していない状態から回転する状態に変化すると、燃料電池10から排出された燃料オフガスの一部が燃料循環流路50を介して改質器33へ戻される。換言すれば、制御装置100は、燃料循環判定値が2.5より小さい場合、燃料循環流路50を循環する燃料オフガスの流量が上昇するように燃料循環ポンプ51を制御する。
これにより、燃料循環ポンプ51を回転させることによって、改質器33には、燃料ポンプ31によって供給される燃料ガスとともに、燃料電池10の電気化学反応によって生じる水蒸気が含まれる燃料オフガスが流入される。
そして、この燃料オフガスを改質器33に流入させることによって、燃料オフガスに含まれる水蒸気を改質器33へ供給させることができるため、S/Cが上昇する。制御装置100は、ステップS40を実行後、再度ステップS30を実行し、S/Cが燃料循環判定値より小さいか否かを判定する。制御装置100は、S/Cが燃料循環判定値である2.5以上になるまでステップS30およびステップS40を繰り返し実行する。
また、燃料電池10から排出された燃料オフガスの一部が燃料循環流路50を流れると、ガス濃度センサ52は、燃料循環流路50を流れる燃料オフガスに含まれる炭素の濃度および水蒸気の濃度に応じた検出信号を制御装置100へ出力する。そして、循環燃料流量計53は、燃料循環流路50を流れる燃料オフガスの流量に応じた検出信号を制御装置100へ出力する。
ところで、燃料循環ポンプ51が回転している状態で実行するステップS30の処理において、制御装置100によって燃料循環判定値が2.5より小さいと判定される場合、制御装置100は、燃料循環ポンプ51の回転数をさらに増加させる。これにより、燃料電池10から排出される燃料オフガスのうち改質器33へ戻る燃料オフガスの割合が増加する。すなわち、燃料循環ポンプ51の回転数が増加することで燃料循環率Frが上昇する。このように、本実施形態の燃料電池システム1は、S/Cが2.5以上になるまで燃料循環ポンプ51の回転数を増加させていく。これにより、図5に示すように、水ポンプ41から水蒸発器42への水の供給量を減少させた場合であっても、燃料電池システム1は、S/Cが2.5以上になるように改質器33へ充分な水蒸気の量を供給することができる。
なお、燃料循環ポンプ51の回転数を増加させるか否かの判定に用いられるS/Cは、上述のように、改質器33へ供給される燃料ガスおよび燃料オフガスに含まれる炭素の量に対する水蒸気の量の比である。このため、S/Cは、改質器33へ導入される燃料ガス、燃料オフガスおよび水蒸気の量によって定まる。以下に、S/Cの算出方法について、説明する。
燃料循環ポンプ51が回転していない状態では、S/Cは、燃料ポンプ31によって改質器33へ供給される燃料ガスに含まれる炭素の量と、水ポンプ41によって供給される水から生成されて改質器33へ供給される水蒸気の量によって定まる。なお、S/Cの算出に水素の量を用いる場合、S/Cは、燃料ポンプ31によって改質器33へ供給される燃料ガスに含まれる炭素の量および水素の量と、水ポンプ41によって供給される水から生成されて改質器33へ供給される水蒸気の量によって定まる。
燃料ポンプ31によって改質器33へ供給される燃料ガスに含まれる炭素の量は、燃料ポンプ31が供給する燃料の供給量によって定まる。そして、燃料ポンプ31が供給する燃料の供給量は、燃料電池10の発電処理が実行される際に制御装置100によって燃料電池10の発電に適した流量で最初に設定される値である。
このため、制御装置100は、燃料循環ポンプ51が回転していない状態における改質器33へ供給される炭素の量を、自身が定める燃料の供給量から得ることができる。すなわち、燃料循環ポンプ51が回転していない状態では、改質器入口炭素量Caは、燃料電池10の発電処理の際に定まる既知の値である。
そして、水ポンプ41によって改質器33へ供給される水蒸気の量は、水ポンプ41が供給する水の供給量によって定まる。そして、水ポンプ41が供給する水の供給量は、燃料電池10の発電処理が実行される際に最初に制御装置100によって燃料電池10の発電に適した流量で最初に設定される値である。
このため、制御装置100は、燃料循環ポンプ51が回転していない状態における改質器33へ供給される水蒸気の量を、自身が定める水の供給量から得ることができる。すなわち、燃料循環ポンプ51が回転していない状態では、改質器入口水蒸気量Vaは、燃料電池10の発電処理の際に定まる既知の値である。
以上より、燃料循環ポンプ51が回転していない状態では、ステップS30において、制御装置100は、これら2つの既知の値である改質器入口炭素量Caおよび改質器入口水蒸気量Vaに基づいてS/Cを算出する。そして、制御装置100は、算出して得られるS/Cが燃料循環判定値の2.5より小さいか否かを判定する。
これに対して、燃料循環ポンプ51が回転している状態では、改質器33には、燃料ポンプ31によって供給される燃料ガスに加えて、燃料電池10が排出される燃料オフガスの一部が流入される。すなわち、燃料循環ポンプ51が回転している状態では、改質器33には、燃料循環流路50を介して供給される燃料オフガスに含まれる炭素および水蒸気が供給される。
このため、改質器入口炭素量Caは、燃料循環ポンプ51が回転していない状態に比較して、燃料循環流路50を介して改質器33へ供給される燃料オフガスに含まれる炭素の量だけ増加する。換言すれば、燃料循環ポンプ51が回転している状態の改質器入口炭素量Caは、燃料ポンプ31によって供給される燃料ガスに含まれる炭素の量と燃料循環ポンプ51によって供給される燃料オフガスに含まれる炭素の量の合計値である。
そして、燃料オフガスに含まれる炭素の量は、燃料循環流路50を流れる燃料オフガスの炭素の濃度の値と燃料循環流路50を流れる燃料オフガスの流量の値を乗算することによって算出することができる。このため、燃料オフガスに含まれる炭素の量は、ガス濃度センサ52が検出する燃料オフガスに含まれる炭素の濃度に応じた検出値と循環燃料流量計53が検出する燃料オフガスの流量に応じた検出値を用いて算出することができる。
また、改質器入口水蒸気量Vaは、燃料循環ポンプ51が回転していない状態に比較して、燃料循環流路50を介して改質器33へ供給される燃料オフガスに含まれる水蒸気の量だけ増加する。換言すれば、燃料循環ポンプ51が回転している状態の改質器入口水蒸気量Vaは、水ポンプ41によって供給される燃料ガスに含まれる水蒸気の量と燃料循環ポンプ51によって供給される燃料オフガスに含まれる水蒸気の量の合計値である。
そして、燃料オフガスに含まれる水蒸気の量は、燃料循環流路50を流れる燃料オフガスの水蒸気の濃度の値と燃料循環流路50を流れる燃料オフガスの流量の値を乗算することによって算出することができる。このため、燃料オフガスに含まれる水蒸気の量は、ガス濃度センサ52が検出する燃料オフガスに含まれる水蒸気の濃度に応じた検出値と循環燃料流量計53が検出する燃料オフガスの流量に応じた検出値を用いて算出することができる。
以上より、燃料循環ポンプ51が回転している状態では、ステップS30において、制御装置100は、ガス濃度センサ52が検出する炭素の濃度および循環燃料流量計53が検出する燃料オフガスの流量から得られる炭素の量を算出する。そして、制御装置100は、当該算出して得られる炭素の量と、燃料電池10の発電処理が実行される際に定まる燃料の供給量から定まる炭素の量とを和算することで改質器入口炭素量Caを算出する。
また、制御装置100は、ガス濃度センサ52が検出する水蒸気の濃度および循環燃料流量計53が検出する燃料オフガスの流量から得られる水蒸気の量を算出する。そして、制御装置100は、当該算出して得られる水蒸気の量と、燃料電池10の発電処理が実行される際に定まる水の供給量から定まる水蒸気の量とを和算することで改質器入口水蒸気量Vaを算出する。
制御装置100は、得られたこれら改質器入口炭素量Caおよび改質器入口水蒸気量Vaに基づいてS/Cを算出し、当該S/Cが燃料循環判定値の2.5より小さいか否かを判定する。本実施形態では、ガス濃度センサ52、循環燃料流量計53および制御装置100がカーボン比検出部として機能する。
図3に戻り、ステップS50において、制御装置100は、脱硫器温度センサ321から送信される検出信号に基づいて、水ポンプ41の供給能力を上昇させる条件が成立したか否かを判定する。水ポンプ41の供給能力を上昇させる条件は、例えば、脱硫器温度が、過熱判定温度以上である場合に成立する。
過熱判定温度は、水蒸発器42への水の供給量を減少させた際に脱硫器32が必要以上に過熱されているか否かを判定するための判定温度であって、予め制御装置100に定められる。過熱判定温度は、低下判定温度より高い温度であって、本実施形態では、例えば、300℃で定められている。なお、過熱判定温度は、脱硫器32の仕様等によって、300℃より低い温度(例えば290℃)で定められてもよいし、300℃より高い温度(例えば330℃)で定められてもよい。
制御装置100は、脱硫器温度センサ321から送信される検出信号に基づいて、脱硫器温度が300℃以上であると判定した場合、ステップS60を実行する。これに対して、制御装置100は、脱硫器温度が300℃以上であると判定しない場合、ステップS60をスキップする。
ステップS60において、制御装置100は、水ポンプ41の水の供給能力を上昇させるための制御信号を水ポンプ41に送信する。水ポンプ41は、制御装置100から送信される制御信号に基づいて水蒸発器42へ供給する水の供給量を上昇させる。具体的に、水ポンプ41は、制御装置100から水の供給能力を上昇させるための制御信号が送信されると、ポンプの回転数を上昇させて、水蒸発器42への水の供給量を上昇させる。
水ポンプ41から水蒸発器42への水の供給量が上昇すると、燃焼器73で生成された高温の排ガスが水蒸発器42を通過する際の排ガスから水蒸発器42への放熱量が上昇する。これにより、排ガス流路75における水蒸発器42より下流側に設けられた脱硫器32へ流入する排ガスの温度が低下するため、脱硫器温度を低下させることができる。このため、脱硫器32が必要以上に過熱されることで脱硫器32が故障することを回避することができる。
ここで、ステップS60において上昇される水ポンプ41の水の供給能力の上昇量は、水蒸発器42への水の供給量を上昇させて過熱された脱硫器温度を低下させても脱硫器32が硫黄成分を安定して除去可能な温度となるように設定される。したがって、水ポンプ41の水の供給能力の上昇量は、脱硫器温度センサ321が検出する脱硫器温度に応じて予め異なる値で制御装置100に設定されている。制御装置100は、脱硫器温度に応じた制御信号を水ポンプ41に送信することで、水ポンプ41から水蒸発器42への水の供給量を上昇させて、脱硫器32の故障を回避するとともに、脱硫器32が硫黄成分を安定して除去可能な温度まで低下させる。
以上の如く、本実施形態の燃料電池システム1において、脱硫器温度センサ321が検出する脱硫器温度が所定温度である低下判定温度以下の場合、制御装置100は、水蒸発器42へ供給される水の供給量が減少するように水ポンプ41を制御する。
これによれば、脱硫器温度が低下判定温度以下の場合、水蒸発器42へ供給する水の供給量を減少させることによって水蒸発器42が水を気化する際の水への放熱量が減少するので、水蒸発器42より下流側の脱硫器32に流入する排ガスの温度が上昇する。このため、脱硫器32の温度を脱硫器32が安定的な硫黄成分の除去を行うための温度まで加熱することができる。
また、上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)上記実施形態では、制御装置100は、S/Cが所定値である燃料循環判定値より小さい場合、燃料循環流路50を循環する燃料オフガスの流量が上昇するように燃料循環ポンプ51を制御する。
このように制御する理由として、水蒸発器42へ供給する水の供給量を減少させると、水蒸発器42から改質器33への水蒸気の供給量が減少し、S/Cが低下するため、改質器33が水蒸気改質を行う際に、改質器33の触媒に炭素析出が発生する虞がある。これに対して、水蒸気を含む燃料オフガスの一部を改質器33へ循環させることで、水供給流路40とは別に改質器33へ水蒸気を供給する流路を追加することなく、改質器33へ流入する水蒸気の量を増やすことができるので、S/Cを上昇させることができる。このため、燃料電池システム1の構成機器の増加や水の消費量の増加を回避しつつ、水蒸発器42へ供給する水の減少に伴う改質器33の炭素析出の発生を抑制することができる。
(2)上記実施形態では、燃料循環流路50を流れる燃料オフガスの流量を調整する燃料循環ポンプ51が制御装置100からの制御信号によって動作する電動ポンプで構成されている。そして、制御装置100は、S/Cが燃料循環判定値より小さい場合、燃料循環ポンプ51の回転数を増加させる。
これによれば、燃料循環ポンプ51を電動ポンプによって構成することで燃料循環流路50を流れる燃料オフガスの流量を容易に調整することができる。
(第1実施形態の第1の変形例)
上述の第1実施形態では、燃料循環流路50を流れる燃料オフガスに含まれる炭素の濃度および水蒸気の濃度をガス濃度センサ52が検出する例について説明したが、これに限定されない。例えば、燃料循環流路50を流れる燃料オフガスに含まれる炭素の濃度および水蒸気の濃度は、燃料電池10が出力する電気エネルギの電流値、燃料ポンプ31が供給する燃料の量、水ポンプ41が供給する水の量、燃料循環流路50を流れる燃料オフガスの流量と相関関係を有する。
ここで、燃料循環流路50を流れる燃料オフガスの流量は、循環燃料流量計53が検出する検出値から得ることができる。また、燃料ポンプ31が供給する燃料の量および水ポンプ41が供給する水の量は、発電処理が実行される際に制御装置100によって燃料電池10の発電に適した値で設定される。このため、燃料ポンプ31が供給する燃料の量および水ポンプ41が供給する水の量は、発電処理が実行される際に設定される設定値から得ることができる。したがって、燃料循環流路50を流れる燃料オフガスに含まれる炭素の濃度および水蒸気の濃度は、燃料電池10が出力する電気エネルギの電流値を検出することで推定することができる。
以上のことから、燃料電池システム1は、図6に示すように、上述の第1実施形態におけるガス濃度センサ52を廃して、燃料電池10の電気化学反応によって出力される電気エネルギを検出するためのエネルギ検出部11を有する構成であってもよい。
当該エネルギ検出部11は、燃料電池10が出力する電流値を検出する電流センサで構成されている。エネルギ検出部11は、燃料電池10および制御装置100に接続される。そして、エネルギ検出部11は、検出した燃料電池10が出力する電流値に応じた検出信号を制御装置100へ送信する。
なお、エネルギ検出部11は、燃料電池10が出力する電圧値を検出する電圧センサおよび電力値を検出する電力センサを有する構成であってもよい。この場合、エネルギ検出部11は、燃料電池10が出力する電圧値および電力値に基づいて燃料電池10が出力する電流値を算出し、算出した電流値に応じた検出信号を制御装置100へ送信する構成であってもよい。または、エネルギ検出部11は、燃料電池10が出力する電圧値および電力値に応じた検出信号を制御装置100へ送信し、制御装置100において電圧値および電力値に基づいて燃料電池10が出力する電流値が算出される構成であってもよい。
制御装置100は、ステップS30において、燃料オフガスに含まれる炭素の量および水蒸気の量を算出するにあたり、まず、燃料循環流路50を流れる燃料オフガスに含まれる炭素の濃度および水蒸気の濃度を推定する。制御装置100は、炭素の濃度および水蒸気の濃度を、エネルギ検出部11が検出する電流値と、燃料ポンプ31が供給する燃料の量と、水ポンプ41が供給する水の量と、循環燃料流量計53が検出する検出値とを用いて推定する。
そして、制御装置100は、推定した炭素の濃度の値と循環燃料流量計53が検出する燃料オフガスの流量の値とを乗算することで燃料オフガスに含まれる炭素の量を算出する。また、制御装置100は、推定した水蒸気の濃度の値と循環燃料流量計53が検出する燃料オフガスの流量の値とを乗算することで燃料オフガスに含まれる水蒸気の量を算出する。そして、このようにして算出される燃料オフガスに含まれる炭素の量および水蒸気の量を用いて、制御装置100は、ステップS30においてS/Cを算出することができる。
なお、このような燃料電池システム1の構成においては、エネルギ検出部11および制御装置100が改質器33へ供給される燃料オフガスに含まれる炭素の量に関する情報を検出する炭素量検出部として機能する。また、エネルギ検出部11および制御装置100は、改質器33へ供給される燃料オフガスに含まれる水蒸気の量に関する情報を検出する水蒸気量検出部としても機能する。そして、エネルギ検出部11、循環燃料流量計53および制御装置100がS/Cを検出するカーボン比検出部として機能する。
(第1実施形態の第2の変形例)
上述の第1実施形態では、燃料循環流路50を流れる燃料オフガスの流量を循環燃料流量計53が検出する例について説明したが、これに限定されない。例えば、燃料循環流路50を流れる燃料オフガスの流量は、第1の変形例で説明したように、燃料電池10が出力する電気エネルギの電流値、燃料ポンプ31が供給する燃料の量、水ポンプ41が供給する水の量、燃料循環流路50を流れる燃料オフガスに含まれる炭素の濃度および水蒸気の濃度と相関関係を有する。
ここで、燃料循環流路50を流れる燃料オフガスに含まれる炭素の濃度および水蒸気の濃度は、ガス濃度センサ52が検出する検出値から得ることができる。また、燃料ポンプ31が供給する燃料の量および水ポンプ41が供給する水の量は、発電処理が実行される際に設定される設定値から得ることができる。したがって、燃料循環流路50を流れる燃料オフガスの流量は、燃料電池10が出力する電気エネルギの電流値を検出することで推定することができる。
以上のことから、燃料電池システム1は、図7に示すように、上述の第1実施形態における循環燃料流量計53を廃して、燃料電池10の電気化学反応によって出力される電気エネルギを検出するためのエネルギ検出部11を有する構成であってもよい。当該エネルギ検出部11は、第1の変形例で説明したエネルギ検出部11と構成が同様であるため詳細な説明は省略する。
制御装置100は、ステップS30において、燃料オフガスに含まれる炭素の量および水蒸気の量を算出するにあたり、まず、燃料循環流路50を流れる燃料オフガスの流量を推定する。制御装置100は、燃料循環流路50を流れる燃料オフガスの流量を、エネルギ検出部11が検出する電流値と、燃料ポンプ31が供給する燃料の量と、水ポンプ41が供給する水の量と、ガス濃度センサ52が検出する検出値とを用いて推定する。
そして、制御装置100は、推定した燃料オフガスの流量の値と、ガス濃度センサ52が検出する燃料オフガスに含まれる炭素の濃度の値とを乗算することで燃料オフガスに含まれる炭素の量を算出する。また、制御装置100は、推定した燃料オフガスの流量の値と、ガス濃度センサ52が検出する燃料オフガスに含まれる水蒸気の濃度の値とを乗算することで燃料オフガスに含まれる水蒸気の量を算出する。そして、このようにして算出される燃料オフガスに含まれる炭素の量および水蒸気の量を用いて、制御装置100は、ステップS30においてS/Cを算出することができる。
なお、このような燃料電池システム1の構成においては、エネルギ検出部11および制御装置100が改質器33へ供給される燃料オフガスに含まれる炭素の量に関する情報を検出する炭素量検出部として機能する。また、エネルギ検出部11および制御装置100は、改質器33へ供給される燃料オフガスに含まれる水蒸気の量に関する情報を検出する水蒸気量検出部としても機能する。そして、エネルギ検出部11、ガス濃度センサ52および制御装置100がS/Cを検出するカーボン比検出部として機能する。
(第1実施形態の第3の変形例)
上述の第1実施形態では、燃料循環流路50を流れる燃料オフガスの流量を循環燃料流量計53が検出する例について説明したが、これに限定されない。例えば、燃料循環流路50を流れる燃料オフガスの流量は、燃料循環ポンプ51の回転数と燃料循環流路50を流れる燃料オフガスの圧力とを用いて算出することができる。なお、燃料循環ポンプ51の回転数は、制御装置100から送信する制御信号によって制御されるため、既知の値である。
このため、燃料電池システム1は、図8に示すように、上述の第1実施形態における循環燃料流量計53を廃して、燃料循環流路50を流れる燃料オフガスの圧力を検出する循環燃料圧力センサ54を有する構成であってもよい。この場合、当該循環燃料圧力センサ54は、燃料循環流路50に設けられるとともに、制御装置100に接続される。そして、循環燃料圧力センサ54は、検出した燃料循環流路50を流れる燃料オフガスの圧力に応じた検出信号を制御装置100へ送信する。
制御装置100は、ステップS30において、燃料オフガスに含まれる炭素の量および水蒸気の量を算出するにあたり、燃料循環ポンプ51の回転数と、循環燃料圧力センサ54が検出する検出値とから燃料循環流路50を流れる燃料オフガスの流量を算出する。
そして、制御装置100は、算出して得られた燃料循環流路50を流れる燃料オフガスの流量の値とガス濃度センサ52が検出する燃料オフガスに含まれる炭素の濃度の値とを乗算することで燃料オフガスに含まれる炭素の量を算出する。また、制御装置100は、算出して得られた燃料循環流路50を流れる燃料オフガスの流量の値とガス濃度センサ52が検出する燃料オフガスに含まれる水蒸気の濃度の値とを乗算することで燃料オフガスに含まれる水蒸気の量を算出する。そして、このようにして算出される燃料オフガスに含まれる炭素の量および水蒸気の量を用いて、制御装置100は、ステップS30においてS/Cを算出することができる。
なお、このような燃料電池システム1の構成においては、循環燃料圧力センサ54および制御装置100が改質器33へ供給される燃料オフガスに含まれる炭素の量に関する情報を検出する炭素量検出部として機能する。また、循環燃料圧力センサ54および制御装置100は、改質器33へ供給される燃料オフガスに含まれる水蒸気の量に関する情報を検出する水蒸気量検出部としても機能する。そして、ガス濃度センサ52、循環燃料圧力センサ54および制御装置100がS/Cを検出するカーボン比検出部として機能する。
(第1実施形態の第4の変形例)
上述の第1実施形態では、S/Cを改質器33へ導入される水蒸気の量および改質器33へ導入される炭素の量に基づいて算出する例について説明したが、これに限定されない。改質器33へ供給される燃料ガスには水素が含まれるところ、燃焼ガスに含まれる水素は、燃焼ガスに含まれる二酸化炭素との化学反応によって水蒸気となりえる。このため、燃焼ガスに含まれる水素の量が多いほど、改質器33に炭素析出がされ難くなる。
したがって、改質器33へ導入される水蒸気の量および改質器33へ導入される炭素の量に加えて、改質器33へ導入される水素の量を用いてS/Cを算出してもよい。具体的に、数式2における改質器入口水蒸気量Vaを改質器33へ導入される水蒸気の量と改質器33へ導入される水素の量の合計値としてもよい。
この場合、改質器33へ導入される水素の量は、ガス濃度センサ52が検出する燃料オフガスに含まれる水素、水蒸気の濃度を用いて算出してもよい。具体的に、燃料循環流路50を流れる燃料オフガスに含まれる水素の量を、ガス濃度センサ52が検出する燃料オフガスに含まれる水素の濃度の値と、循環燃料流量計53が検出する燃料オフガスの流量に応じた値を乗算することによって算出してもよい。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について、図9を参照して説明する。本実施形態では、燃料循環流路50から燃料循環ポンプ51が廃されており、廃された燃料循環ポンプ51の代わりにエジェクタ80が燃料循環流路50に配置されている。そして、燃料供給流路30に、燃料アシスト流路55が接続されている点が第1実施形態と相違している。これ以外は、第1実施形態と同様である。このため、本実施形態では、第1実施形態と異なる部分について主に説明し、第1実施形態と同様の部分について説明を省略することがある。
エジェクタ80は、燃料循環流路50における燃料供給流路30が接続される部位に設けられている。エジェクタ80は、燃料供給流路30を流れる燃料を駆動流として燃料循環流路50を流れる燃料オフガスを吸引して燃料ガスとともに改質器33に供給するものである。
具体的には、エジェクタ80は、流体を噴射するノズル部801、燃料電池10の出口側から流体を吸引する吸引部802、ノズル部801から噴射される流体と吸引部802から吸引される流体とを混合して改質器33に向けて吐出する吐出部803を有する。
ノズル部801は、流体を噴射可能な絞り構造を有している。ノズル部801は、絞り開度が固定された固定絞り構造で構成されている。また、吐出部803は、ノズル部801からの流体および吸引部802からの流体が混合された後に昇圧されるように流路断面積が下流側に向かって拡大している。
エジェクタ80の吸引部802は、ノズル部801の出口側の負圧を利用して燃料電池10の出口側から流体を吸引するように構成されている。具体的には、吸引部802には、燃料電池10の燃料出口部10dから排出される燃料オフガスの一部が吸引されるように、燃料排出配管72から分岐する燃料循環流路50が接続されている。
燃料アシスト流路55は、燃料供給流路30における改質器33よりも下流側を流れる燃料ガスの一部を燃料供給流路30における燃料ポンプ31よりも上流側に循環させる燃料ガス流路である。燃料アシスト流路55は、一端側が燃料供給流路30における改質器33より下流側に接続されており、他端側が燃料供給流路30における燃料ポンプ31よりも上流側に接続されている。燃料アシスト流路55は、改質器33で生成された燃料ガスの一部をエジェクタ80よりも上流側の燃料供給流路30に循環させる。
また、燃料アシスト流路55には、燃料アシスト流路55を流れる燃料ガスの流量を制御するアシスト燃料調整弁56が設けられている。アシスト燃料調整弁56は、燃料アシスト流路55を流れる燃料ガスの流量を調整する流量調整部材である。アシスト燃料調整弁56は、制御装置100からの制御信号によって作動が制御される電磁弁で構成されている。
なお、燃料アシスト流路55を流れる燃料ガスの流量を調整する流量調整部材として、アシスト燃料調整弁56の代わりに、燃料アシスト流路55を流れる燃料ガスの流量を調整する電動ポンプが設けられてもよい。この場合、当該電動ポンプは、制御装置100からの制御信号によって回転数が制御される。
ここで、エジェクタ80は、駆動流としてノズル部801に流入する流体の質量流量の増加に伴って吸引部802から吸引される吸引流体の流量が増えるといった特性を有する。このため、エジェクタ80のノズル部801に流入する燃料ガスの質量流量を増加させることで、吸引部802から吸引される燃料オフガスの吸引流量を増加させることが可能となる。
例えば、アシスト燃料調整弁56を開弁して燃料アシスト流路55を流れる燃料ガスを増加させると、燃料供給流路30を流れる燃料ガスの流量が増加するため、エジェクタ80の駆動流の流量を増加させることができる。これにより、吸引部802から吸引される燃料オフガスの吸引流量を増加させることができる。すなわち、アシスト燃料調整弁56の開度を大きくして燃料循環流路50を流れる燃料ガスを増加させることで、システム外部からの燃料の供給量を増加させることなく、改質器33へ供給する水蒸気の量を増加させることができる。アシスト燃料調整弁56は、吸引部802から吸引される燃料オフガスの吸引量を調整する吸引燃料量調整部として機能する。
このように構成される本実施形態の燃料電池システム1において、改質器33には、吸引部802から吸引され、ノズル部801から流入する燃料ガスと混合される燃料オフガスを流入させることができる。これにより、水ポンプ41の回転数を低下させて、水蒸発器42への水の供給量を減少させても、水蒸気が含まれる燃料オフガスを改質器33へ流入させることによって、S/Cを上昇させることができる。
また、制御装置100は、第1実施形態において説明したステップS30の制御処理において、燃料循環判定値が2.5より小さいと判定した場合、アシスト燃料調整弁56の開度を増加させる。換言すれば、制御装置100は、S/Cが燃料循環判定値より小さい場合、燃料循環流路50を循環する燃料オフガスの流量が上昇するようにアシスト燃料調整弁56を制御する。
具体的には、制御装置100は、アシスト燃料調整弁56の開度を増加させるための制御信号をアシスト燃料調整弁56に送信する。アシスト燃料調整弁56は、制御装置100から送信される制御信号に基づいて、自身の開度を増加させる。
これにより、燃料アシスト流路55を流れる燃料ガスが増加して燃料供給流路30を流れる燃料ガスの流量を増加させることができるため、エジェクタ80の駆動流の流量を増加させることができる。したがって、吸引部802から吸引される燃料オフガスの吸引流量が増加されるため、S/Cをさらに上昇させることができる。
また、燃料循環流路50には高温の燃料オフガスが流れるところ、温度の耐久性に優れるエジェクタ80によって燃料オフガスを循環させることで、燃料オフガスを循環させる機器の故障の発生を抑制できる。
(第2実施形態の変形例)
上述の第2実施形態では、アシスト燃料調整弁56が燃料アシスト流路55を流れる燃料ガスの流量を増加させることで、改質器33へ供給する水蒸気の量を増加させる例について説明したが、これに限定されない。
例えば、エジェクタ80のノズル部801を、絞り開度を変更可能な可変絞り構造で構成し、当該ノズル部801の絞り開度を調整することによって駆動流としてノズル部801に流入する燃料ガスの流速を調整してもよい。ノズル部801の絞り開度は、例えば、制御装置100からの制御信号によって変更することができる。
これによれば、当該ノズル部801の絞り開度を減少させて燃料供給流路30を流れる燃料ガスの流速を増加させることで、吸引部802から吸引される燃料オフガスの吸引流量を増加させることができる。これにより、改質器33へ供給する水蒸気の量を増加させることができる。
または、図10に示すように、燃料供給流路30を流れる燃料ガスを加熱する加熱部81を燃料供給流路30に設け、加熱部81が燃料供給流路30を流れる燃料ガスを加熱することで、駆動流としてノズル部801に流入する燃料ガスの流速を調整してもよい。加熱部81は、例えば、電気ヒータを用いることができる。そして、加熱部81の発熱量は、例えば、制御装置100からの制御信号によって調整してもよい。
これによれば、加熱部81によって燃料供給流路30を流れる燃料ガスの温度を上昇させてノズル部801に流入する燃料ガスの流速を増加させることで、吸引部802から吸引される燃料オフガスの吸引流量を増加させることができる。これにより、改質器33へ供給する水蒸気の量を増加させることができる。
または、図11に示すように、燃料電池システム1は、燃料供給流路30に不活性ガスを導くための不活性ガス供給経路82および不活性ガス供給経路82を流れる不活性ガスの流量を調整する不活性ガスポンプ83を設ける構成であってもよい。そして、不活性ガスポンプ83が燃料供給流路30に不活性ガスを流入させて燃料供給流路30を流れる流体の流量を調整することで、駆動流としてノズル部801に流入する流体の流速を調整してもよい。不活性ガスは、燃料電池10の電気化学反応に作用しない流体(例えば、窒素ガス)を用いることができる。不活性ガスポンプ83は、例えば、制御装置100からの制御信号によって作動が制御される電動ポンプを用いることができる。
これによれば、不活性ガスポンプ83の回転数を増加させ、不活性ガス供給経路82を流れる不活性ガスの流量を増加させてノズル部801に流入する流体の流量を増加させることで、吸引部802から吸引される燃料オフガスの吸引流量を増加させることができる。これにより、改質器33へ供給する水蒸気の量を増加させることができる。
なお、上記で示した変形例では、エジェクタ80、加熱部81、不活性ガスポンプ83が燃料循環流路50を流れる燃料オフガスの流量を調整する循環燃料量調整部を構成する。また、加熱部81および不活性ガスポンプ83は、吸引部802から吸引される燃料オフガスの吸引量を調整する吸引燃料量調整部としても機能する。また、上記で示した変形例の燃料電池システム1は、燃料アシスト流路55およびアシスト燃料調整弁56を廃する構成であってもよいし、有する構成であってもよい。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について、図12を参照して説明する。本実施形態では、燃料循環流路50、燃料循環ポンプ51、ガス濃度センサ52、循環燃料流量計53が廃され、代わりに酸素循環流路60、酸素循環ポンプ61、酸素濃度センサ62、循環酸素流量計63が設けられている点が第1実施形態と相違している。これ以外は、第1実施形態と同様である。このため、本実施形態では、第1実施形態と異なる部分について主に説明し、第1実施形態と同様の部分について説明を省略することがある。
図12に示すように、空気排出配管71には、燃料電池10から排出された酸化剤オフガスの一部を燃料電池10の上流側に戻す酸素循環流路60が接続されている。本実施形態の酸素循環流路60は、燃料電池10から排出された酸化剤オフガスの一部が燃料電池10の上流側に戻るように、上流側の端部が空気排出配管71に接続されている。そして、酸素循環流路60は、下流側の端部が空気供給流路20における空気予熱器22と燃料電池10との間に接続されている。酸素循環流路60には、酸素循環ポンプ61、酸素濃度センサ62および循環酸素流量計63が設けられている。
酸素循環ポンプ61は、酸素循環流路60に酸化剤オフガスを流すためのポンプである。酸素循環ポンプ61が酸素循環流路60を循環させる酸化剤オフガスには、未反応酸化剤ガス(すなわち、酸素)が含まれている。酸素循環ポンプ61は、吸い込んだ酸化剤オフガスを酸素循環流路60の下流側へ向けて吐出することで、燃料電池10から排出される酸化剤オフガスの一部を酸素循環流路60を介して燃料電池10の空気入口部10aへ戻す。本実施形態では、酸素循環ポンプ61が酸素循環流路60を流れる酸化剤オフガスの流量を調整する循環酸化剤量調整部を構成する。
本実施形態の酸素循環ポンプ61は、制御装置100からの制御信号によって作動が制御される電動ポンプで構成されている。すなわち、酸素循環ポンプ61は、制御装置100から送信される制御信号に応じてポンプの回転数が変更されることで、燃料電池10から排出される酸化剤オフガスの流量に対する酸素循環流路60を介して燃料電池10へ戻す酸化剤オフガスの流量を調整する。以下、燃料電池10から排出される酸化剤オフガスの流量に対する酸素循環流路60を介して燃料電池10の空気入口部10aへ戻す酸化剤オフガスの流量の比を空気循環率Arとも呼ぶ。空気循環率Arは、以下の数式3から算出することができる。
(数3)
空気循環率Ar=空気循環量ARi/オフ空気量ARo
数式3における空気循環量ARiは、酸素循環流路60を介して燃料電池10へ循環される酸化剤オフガスの循環量である。また、数式3におけるオフ空気量ARoは、燃料電池10から排出される酸化剤オフガスの量である。
ところで、燃料電池10から排出される酸化剤オフガスには、燃料電池10の電気化学反応に利用されなかった未反応酸化剤ガスが含まれる。このため、燃料電池10から排出された酸化剤オフガスを燃料電池10の空気入口部10aへ戻すことで、この未反応酸化剤ガスを燃料電池10の電気化学反応に利用することができる。
例えば、酸素循環ポンプ61が回転しない場合、燃料電池10から排出される酸化剤オフガスは、酸素循環流路60を介して再度燃料電池10へ戻されることなく、全て燃焼器73へ流れる。これに対して、酸素循環ポンプ61を回転させて燃料電池10から排出される酸化剤オフガスの一部を酸素循環流路60を介して再度燃料電池10へ循環させることで燃料電池10へ供給する酸化剤ガスの流量を増加させることができる。
ただし、燃料電池10が発電する際に消費される酸化剤ガスの量は、燃料電池10での電流の掃引する量によって定まる。このため、酸素循環ポンプ61を循環させて燃料電池10へ供給する酸化剤ガスの流量を増加させた場合であっても、燃料電池10へ供給される燃料ガスの量が一定であれば、燃料電池10が発電する際に消費される酸化剤ガスの量は増加しない。
このため、酸素循環ポンプ61によって増加させた際の燃料電池10への酸化剤ガスの供給量のうち、燃料電池10の発電によって消費される酸化剤ガスの消費量の割合は、酸素循環ポンプ61によって増加させる前に比較して小さくなる。換言すれば、酸化剤オフガスを酸素循環流路60を介して燃料電池10へ循環させると、燃料電池10へ供給する酸化剤ガスに含まれる酸素の量に対する燃料電池10で消費される酸素の量の割合が小さくなる。
ここで、燃料電池10へ供給する酸素の量と燃料電池10の電気化学反応で消費される酸素の量の比を空気利用率Uaとする。空気利用率Uaは、以下の数式4から算出することができる。
(数4)
空気利用率Ua=消費酸素量Oc/供給酸素量Os
数式4における消費酸素量Ocは、燃料電池10の電気化学反応で消費される酸素の量である。また、数式4における供給酸素量Osは、燃料電池10へ供給する酸素の量である。
そして、空気利用率Uaは、酸素循環流路60を介して燃料電池10へ循環される酸化剤オフガスの量が多いほど小さくなる。すなわち、酸素循環ポンプ61のポンプの回転量を増加させて空気循環率Arを大きくすることで燃料電池10へ循環させる酸化剤オフガスの量を増加させるほど空気利用率Uaはさらに小さくなる。
酸素濃度センサ62は、酸素循環流路60を流れる酸化剤オフガスに含まれる酸素の濃度を検出する濃度センサである。酸素濃度センサ62は、制御装置100に接続されており、検出した酸化剤オフガスに含まれる酸素の濃度に応じた検出信号を制御装置100へ出力する。
循環酸素流量計63は、酸素循環流路60を流れる酸化剤オフガスの流量を検出する流量センサである。循環酸素流量計63は、制御装置100に接続されており、検出した酸化剤オフガスの流量に応じた検出信号を制御装置100へ出力する。
また、本実施形態の燃料電池10には、燃料電池10の電気化学反応によって出力される電気エネルギを検出するためのエネルギ検出部11が接続されている。本実施形態のエネルギ検出部11は、燃料電池10が出力する電流値を検出する電流センサで構成されている。エネルギ検出部11は、制御装置100に接続されており、検出した燃料電池10が出力する電流値に応じた検出信号を制御装置100へ出力する。
なお、エネルギ検出部11は、燃料電池10が出力する電圧値を検出する電圧センサおよび電力値を検出する電力センサを有する構成であってもよい。この場合、エネルギ検出部11は、燃料電池10が出力する電圧値および電力値に基づいて燃料電池10が出力する電流値を算出し、算出した電流値に応じた検出信号を制御装置100へ送信する構成であってもよい。または、エネルギ検出部11は、燃料電池10が出力する電圧値および電力値に応じた検出信号を制御装置100へ送信し、制御装置100において電圧値および電力値に基づいて燃料電池10が出力する電流値が算出される構成であってもよい。
このように構成される本実施形態の燃料電池システム1において、燃料に含まれる硫黄成分を安定して除去可能な温度まで脱硫器32を加熱することを目的として、制御装置100は、図13に示す制御処理を実行する。
まず、制御装置100は、第1実施形態におけるステップS10と同様の処理を実行する。そして、制御装置100は、脱硫器温度センサ321から送信される検出信号に基づいて、脱硫器温度が250℃以下であると判定した場合、ステップS22を実行する。これに対して、制御装置100は、脱硫器温度が250℃以下であると判定しない場合、第1実施形態におけるステップS50と同様の処理を実行する。
ステップS22において、制御装置100は、圧送ブロワ21の空気の圧送能力を低下させるための制御信号を圧送ブロワ21に送信する。圧送ブロワ21は、制御装置100から送信される制御信号に基づいて空気予熱器22へ圧送する空気の供給量を減少させる。具体的に、圧送ブロワ21は、制御装置100から空気の圧送能力を低下させるための制御信号が送信されると、ポンプの回転数を低下させて、空気予熱器22への空気の供給量を減少させる。
圧送ブロワ21から空気予熱器22への空気の供給量が減少すると、燃焼器73で生成された高温の排ガスが空気予熱器22を通過する際の排ガスから空気予熱器22への放熱量が減少する。これにより、排ガス流路75における空気予熱器22より下流側に設けられた脱硫器32へ流入する排ガスの温度が上昇するため、図14に示すように、脱硫器温度を上昇させることができる。ここで、発電処理が実行される際に最初に設定される燃料電池10の発電に適した圧送ブロワ21から空気予熱器22への空気の供給量を空気供給量Afとし、ステップS22で減少される空気の量を空気減少量bとする。ステップS22における処理を実行することで、図14に示すように、圧送ブロワ21から空気予熱器22への空気の供給量を空気供給量Afから空気減少量bだけ減少させることで脱硫器温度を上昇させることができる。
ここで、ステップS22において圧送ブロワ21が減少させる空気減少量bは、空気予熱器22への空気の供給量を減少させることで、脱硫器32が硫黄成分を安定して除去するために必要な温度まで加熱されるように設定される。したがって、圧送ブロワ21が減少させる空気減少量bは、脱硫器温度センサ321が検出する脱硫器温度に応じて予め異なる値で制御装置100に設定されている。制御装置100は、脱硫器温度に応じた制御信号を圧送ブロワ21に送信することで、圧送ブロワ21から空気予熱器22への空気の供給量を減少させて、脱硫器32が硫黄成分を安定して除去可能な温度まで上昇させる。
ところで、圧送ブロワ21から空気予熱器22への空気の供給量を減少させると、空気予熱器22を介して燃料電池10へ供給される空気の量が減少する。そして、燃料電池10への空気の供給量が減少すると、燃料電池10へ供給する酸化剤ガスの量(すなわち、酸素の量)が減少する。
しかし、上述したように、燃料電池10が発電する際に消費される酸化剤ガスの量は、燃料電池10での電流の掃引する量によって定まる。このため、燃料電池10への空気の供給量が減少すると、燃料電池10へ供給される空気に含まれる酸化剤ガスの量に対する燃料電池10で消費される酸化剤ガスの量の割合が大きくなる。すなわち、燃料電池10への空気の供給量が減少すると、空気利用率Uaが大きくなる。
また、燃料電池10への空気の供給量が減少して空気利用率Uaが所定値より大きくなると、燃料電池10が発電する際に酸素が不足する虞がある。燃料電池10が発電する際の酸素不足は、発電セルが化学反応を起こす際に酸素欠乏が生じ、燃料電池10が劣化する要因となる。このため、燃料電池システム1は、燃料電池10が化学反応を行う際に必要な酸素量よりも所定の余剰量だけ多い酸素の量を燃料電池10へ供給できるように、燃料電池10へ充分な空気の量を供給することが望ましい。換言すれば、燃料電池システム1は、燃料電池10が酸素欠乏によって劣化することを回避し易くするため、空気利用率Uaが所定値よりも小さくなるように燃料電池10へ酸素を供給することが望ましい。
ここで、燃料電池10に酸素欠乏が生じ易くなる空気利用率Uaの上限値を酸素必要量下限値とする。そして、制御装置100がステップS22の処理を実行して圧送ブロワ21から空気予熱器22への空気の供給量を減少させることで、図15に示すように、空気利用率Uaが酸素必要量下限値より大きくなる虞がある。しかし、燃料電池10が劣化することを回避するため、圧送ブロワ21から空気予熱器22への空気の供給量を減少させた場合であっても、空気利用率Uaが酸素必要量下限値以下となるに、燃料電池10へ充分な酸素の量を供給することが望ましい。
ただし、燃料電池10への酸素の供給量を増加させるため、空気供給流路20とは別に燃料電池10へ空気を供給する流路を追加して外部からの空気の供給量を増加させることは、燃料電池システム1の効率悪化の要因となるため好ましくない。したがって、本実施形態では、酸素欠乏に起因する燃料電池10の劣化を抑制しつつ、効率の悪化を回避するため、制御装置100は、ステップS32およびステップS42の処理を実行する。
ステップS32において、制御装置100は、燃料電池10へ供給される空気の量および燃料電池10で消費される酸素の量から算出される空気利用率Uaに基づいて、酸素循環ポンプ61の回転数を増加させる条件が成立したか否かを判定する。酸素循環ポンプ61の回転数を増加させる条件は、例えば、空気利用率Uaが空気循環判定値より大きい場合に成立する。
空気循環判定値は、酸素欠乏に起因する燃料電池10の劣化が生じやすいか否かを判定するための空気利用率Uaの所定値であって、制御装置100に予め定められる。本実施形態では、酸素必要量下限値は、例えば、50%で定められている。なお、酸素必要量下限値は、酸素欠乏に起因する燃料電池10の劣化が生じやすいか否かを判定可能な値であれば、50%より低い値(例えば45%)で定められてもよいし、50%より高い値(例えば60%)で定められてもよい。
制御装置100は、空気利用率Uaが50%より大きいと判定しない場合、酸素循環ポンプ61の回転数を変化させることなく、ステップS10に戻る。これに対して、制御装置100は、空気利用率Uaが50%より大きいと判定した場合、ステップS42を実行する。
具体的には、ステップS42において、制御装置100は、酸素循環ポンプ61の回転数を増加させるための制御信号を酸素循環ポンプ61に送信する。酸素循環ポンプ61は、制御装置100から送信される制御信号に基づいて、ポンプの回転数を増加させる。そして、酸素循環ポンプ61が回転していない状態から回転する状態に変化させると、燃料電池10から排出された酸化剤オフガスの一部が酸素循環流路60を流れて燃料電池10の入口側へ戻される。換言すれば、制御装置100は、空気利用率Uaが50%より小さい場合、酸素循環流路60を循環する空気の流量が上昇するように酸素循環ポンプ61を制御する。
これにより、酸素循環ポンプ61を回転させることによって、燃料電池10には、圧送ブロワ21によって供給される酸化剤ガスとともに、燃料電池10の電気化学反応に利用されなかった未反応酸化剤ガスが含まれる酸化剤オフガスが流入される。
そして、この酸化剤オフガスを燃料電池10に流入させることによって、燃料電池10へ供給される酸化剤ガスの量に対する燃料電池10で消費される酸化剤ガスの量の割合が小さくなり、空気利用率Uaが低下する。
制御装置100は、ステップS42を実行後、再度ステップS32を実行し、空気利用率Uaが酸素必要量下限値より大きいか否かを判定する。このように、制御装置100は、空気利用率Uaが酸素必要量下限値である50%以下になるまでステップS32およびステップS42を繰り返し実行する。
また、燃料電池10から排出された酸化剤オフガスの一部が酸素循環流路60を流れると、酸素濃度センサ62は、酸素循環流路60を流れる酸化剤オフガスに含まれる酸素の濃度に応じた検出信号を制御装置100へ出力する。そして、循環酸素流量計63は、酸素循環流路60を流れる酸化剤オフガスの流量に応じた検出信号を制御装置100へ出力する。
ここで、酸素循環ポンプ61が回転している状態で実行するステップS32の処理において、空気利用率Uaが50%より大きいと判定する場合、制御装置100は、酸素循環ポンプ61の回転数をさらに増加させる。これにより、燃料電池10から排出される酸化剤オフガスのうち燃料電池10へ戻る酸化剤オフガスの割合が増加して空気循環率Arが上昇し、空気利用率Uaが低下する。このように、本実施形態の燃料電池システム1は、空気利用率Uaが50%以下になるまで酸素循環ポンプ61の回転数を増加させていく。これにより、圧送ブロワ21から空気予熱器22への空気の供給量を減少させた場合であっても、図15に示すように、燃料電池システム1は、空気利用率Uaが50%以下になるように燃料電池10へ充分な酸素の量を供給することができる。
ところで、酸素循環ポンプ61の回転数を増加させるか否かの判定に用いられる空気利用率Uaは、上述のように、供給酸素量Osに対する消費酸素量Ocの比である。以下に、空気利用率Uaの算出方法について説明する。
消費酸素量Ocは、燃料電池10が発電することによって得られる電気エネルギの電流値に基づいて算出することができる。このため、消費酸素量Ocは、エネルギ検出部11が検出する検出値に基づいて算出することができる。本実施形態では、エネルギ検出部11が燃料電池10の電気化学反応で消費される酸素の量に関する情報を検出する消費酸素量検出部として機能する。
また、供給酸素量Osは、酸素循環ポンプ61が回転していない状態では、圧送ブロワ21によって燃料電池10へ供給される空気に含まれる酸素の量であって、圧送ブロワ21の圧送能力によって定まる。そして、一般的な雰囲気下における単位立方メートルあたりの空気に含まれる酸素の量は、凡そ定まっており、周知である。また、圧送ブロワ21が燃料電池10へ供給する空気の流量は、燃料電池10の発電処理が実行される際に制御装置100によって燃料電池10の発電に適した流量で最初に設定される値である。
このため、制御装置100は、酸素循環ポンプ61が回転していない状態における圧送ブロワ21が圧送する空気の量を、自身が定める空気の供給量から得ることができ、この空気の供給量から燃料電池10へ供給される空気に含まれる酸素の量をえることができる。すなわち、酸素循環ポンプ61が回転していない状態では、供給酸素量Osは、燃料電池10の発電処理の際に定まる既知の値である。
このため、酸素循環ポンプ61が回転していない状態では、ステップS32において、制御装置100は、エネルギ検出部11が検出する電流値および圧送ブロワ21の圧送能力を用いて算出される空気利用率Uaが50%より大きいか否かを判定する。
また、酸素循環ポンプ61が回転している状態では、燃料電池10には、圧送ブロワ21によって供給される空気に含まれる酸素に加えて酸素循環ポンプ61によって供給される酸化剤オフガスに含まれる酸素が供給される。このため、酸素循環ポンプ61が回転している状態では、酸素循環ポンプ61が回転していない状態に比較して燃料電池10へ供給される酸素の量が増加する。具体的に、酸素循環ポンプ61が回転している状態では、酸素循環流路60を介して燃料電池10へ流れる酸化剤オフガスに含まれる酸素の量だけ燃料電池10へ供給される酸素の量が増加する。
そして、酸化剤オフガスに含まれる酸素の量は、酸素循環流路60を流れる酸化剤オフガスの流量の値と酸素循環流路60を流れる酸化剤オフガスの酸素の濃度の値とを乗算することによって算出することができる。このため、酸化剤オフガスに含まれる酸素の量は、循環酸素流量計63が検出する酸化剤オフガスの流量に応じた検出値と酸素濃度センサ62が検出する酸化剤オフガスに含まれる酸素の濃度に応じた検出値を用いて出することができる。
以上より、酸素循環ポンプ61が回転している状態では、ステップS32において、制御装置100は、循環酸素流量計63が検出する酸化剤オフガスの流量および酸素濃度センサ62が検出する酸素の濃度から得られる酸素の量を算出する。制御装置100は、当該算出して得られる酸素の量と、燃料電池10の発電処理が実行される際に定まる空気の供給量から定まる酸素の量とを和算することで供給酸素量Osを算出する。本実施形態では、酸素濃度センサ62、循環酸素流量計63および制御装置100が燃料電池10に供給される酸素の量に関する情報を検出する供給酸素量検出部として機能する。
このため、酸素循環ポンプ61が回転している状態では、ステップS32において、制御装置100は、エネルギ検出部11の検出値、循環酸素流量計63の検出値および酸素濃度センサ62の検出値に基づいて空気利用率Uaを算出する。そして、制御装置100は、算出した空気利用率Uaが50%より大きいか否かを判定する。本実施形態では、エネルギ検出部11、酸素濃度センサ62、循環酸素流量計63および制御装置100が空気利用率検出部として機能する。
図13に戻り、ステップS50は、制御装置100は、第1実施形態のステップS50と同様に、脱硫器温度センサ321から送信される検出信号に基づいて、脱硫器温度が、300℃度以上であるか否かを判定する。制御装置100は、脱硫器温度が300℃以上であると判定した場合、ステップS62を実行する。これに対して、制御装置100は、脱硫器温度が300℃以上であると判定しない場合、ステップS62をスキップする。
ステップS62において、制御装置100は、圧送ブロワ21の圧送能力を上昇させるための制御信号を圧送ブロワ21に送信する。圧送ブロワ21は、制御装置100から送信される制御信号に基づいて空気予熱器22へ供給する空気の供給量を上昇させる。具体的に、圧送ブロワ21は、制御装置100から空気の供給能力を上昇させるための制御信号が送信されると、ポンプの回転数を上昇させて、空気予熱器22への空気の供給量を上昇させる。
圧送ブロワ21から空気予熱器22への空気の供給量が上昇すると、燃焼器73で生成された高温の排ガスが空気予熱器22を通過する際の排ガスから空気予熱器22への放熱量が上昇する。これにより、排ガス流路75における空気予熱器22より下流側に設けられた脱硫器32へ流入する排ガスの温度が低下するため、脱硫器温度を低下させることができる。
ここで、ステップS62において上昇される圧送ブロワ21の空気の圧送能力の上昇量は、空気予熱器22への空気の供給量を上昇させて過熱された脱硫器温度を低下させても脱硫器32が硫黄成分を安定して除去可能な温度となるように設定される。したがって、圧送ブロワ21の空気の圧送能力の上昇量は、脱硫器温度センサ321が検出する脱硫器温度に応じて予め異なる値で制御装置100に設定されている。制御装置100は、脱硫器温度に応じた制御信号を圧送ブロワ21に送信することで、圧送ブロワ21から空気予熱器22への空気の供給量を上昇させて、脱硫器32の故障を回避するとともに、脱硫器32が硫黄成分を安定して除去可能な温度まで低下させる。
以上の如く、本実施形態の燃料電池システム1において、脱硫器温度センサ321が検出する脱硫器温度が所定温度である低下判定温度以下の場合、制御装置100は、空気予熱器22へ供給される空気の供給量が減少するように圧送ブロワ21を制御する。
これによれば、脱硫器温度が低下判定温度以下の場合、空気予熱器22へ供給する空気の供給量を減少させることによって空気予熱器22が空気を加熱する際の空気への放熱量が減少ので、空気予熱器22より下流側の脱硫器32に流入する排ガスの温度が上昇する。このため、脱硫器32の温度を脱硫器32が安定的な硫黄成分の除去を行うための温度まで加熱することができる。
また、上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)上記実施形態では、制御装置100は、空気利用率Uaが酸素必要量下限値より大きい場合、酸素循環流路60を循環する酸化剤オフガスの流量が上昇するように酸素循環ポンプ61を制御する。
このように制御する理由として、空気予熱器22へ供給する空気の供給量を減少させると、空気予熱器22から燃料電池10への酸化剤ガスの供給量が減少する。そして、燃料電池10への酸化剤ガスの供給量が減少すると、空気利用率Uaが上昇するため、燃料電池10が発電する際に酸素欠乏が生じ、燃料電池10が劣化する虞がある。これに対して、未反応の酸化剤ガスを含む酸化剤オフガスの一部を燃料電池10へ循環させることで、空気供給流路20とは別に燃料電池10へ空気を供給する流路を追加することなく、燃料電池10へ流入する酸素の量を増やして、空気利用率Uaを低下させることができる。このため、燃料電池システム1の構成機器の増加や空気の消費量の増加を回避しつつ、空気予熱器22へ供給する空気の減少に伴う燃料電池10の劣化を抑制することができる。
(2)上記実施形態では、酸素循環流路60を流れる酸化剤オフガスの流量を調整する酸素循環ポンプ61が制御装置100からの制御信号によって動作する電動ポンプで構成されている。そして、制御装置100は、空気利用率Uaが酸素必要量下限値以上の場合、酸素循環ポンプ61の回転数を増加させる。
これによれば、酸素循環ポンプ61を電動ポンプによって構成することで酸素循環流路60を流れる酸化剤オフガスの流量を容易に調整することができる。
(第3実施形態の第1の変形例)
上述の第3実施形態では、酸素循環流路60を流れる酸化剤オフガスに含まれる酸素の濃度を酸素濃度センサ62が検出する例について説明したが、これに限定されない。例えば、酸素循環流路60を流れる酸化剤オフガスに含まれる酸素の濃度は、燃料電池10が出力する電気エネルギの電流値および酸素循環流路60を流れる酸化剤オフガスの量と相関関係を有する。
ここで、酸素循環流路60を流れる酸化剤オフガスの量は、循環酸素流量計63が検出する検出値から得ることができる。また、燃料電池10が出力する電気エネルギの電流値は、エネルギ検出部11が検出する検出値から得ることができる。以上のことから、燃料電池システム1は、図16に示すように、上述の第3実施形態における酸素濃度センサ62を廃する構成であってもよい。
制御装置100は、ステップS32において、酸化剤オフガスに含まれる酸素の量を算出するにあたり、まず、酸素循環流路60を流れる酸化剤オフガスに含まれる酸素の濃度を推定する。制御装置100は、酸素の濃度を、エネルギ検出部11が検出する電流値と、循環酸素流量計63が検出する検出値とを用いて推定する。
そして、制御装置100は、循環酸素流量計63が検出する空気の流量の値と推定した酸化剤オフガスに含まれる酸素の濃度の値とを乗算することで酸化剤オフガスに含まれる酸素の量を算出する。そして、このようにして算出される酸化剤オフガスに含まれる酸素の量を用いて、制御装置100は、ステップS32において空気利用率Uaを算出することができる。
なお、このような燃料電池システム1の構成においては、エネルギ検出部11、循環酸素流量計63および制御装置100が空気利用率Uaを検出する空気利用率検出部として機能する。
(第3実施形態の第2の変形例)
上述の第3実施形態では、酸素循環流路60を流れる酸化剤オフガスの流量を循環酸素流量計63が検出する例について説明したが、これに限定されない。例えば、酸素循環流路60を流れる酸化剤オフガスの流量は、第1の変形例で説明したように、燃料電池10が出力する電気エネルギの電流値および酸素循環流路60を流れる酸化剤オフガスに含まれる酸素の濃度と相関関係を有する。
ここで、酸素循環流路60を流れる酸化剤オフガスに含まれる酸素の濃度は、酸素濃度センサ62が検出する検出値から得ることができる。また、燃料電池10が出力する電気エネルギの電流値は、エネルギ検出部11が検出する検出値から得ることができる。以上のことから、燃料電池システム1は、図17に示すように、上述の第3実施形態における循環酸素流量計63を廃する構成であってもよい。
制御装置100は、ステップS32において、酸化剤オフガスに含まれる酸素の量を算出するにあたり、まず、酸素循環流路60を流れる酸化剤オフガスの流量を推定する。制御装置100は、酸素循環流路60を流れる酸化剤オフガスの流量を、エネルギ検出部11が検出する電流値と、酸素濃度センサ62が検出する検出値とを用いて推定する。
そして、制御装置100は、酸素濃度センサ62が検出する酸化剤オフガスに含まれる酸素の濃度の値と推定した酸素循環流路60を流れる酸化剤オフガスの流量の値とを乗算することで酸化剤オフガスに含まれる酸素の量を算出する。そして、このようにして算出される酸化剤オフガスに含まれる酸素の量を用いて、制御装置100は、ステップS32において空気利用率Uaを算出することができる。
なお、このような燃料電池システム1の構成においては、エネルギ検出部11、酸素濃度センサ62および制御装置100が空気利用率Uaを検出する空気利用率検出部として機能する。
(第3実施形態の第3の変形例)
上述の第3実施形態では、酸素循環流路60を流れる酸化剤オフガスの流量を循環酸素流量計63が検出する例について説明したが、これに限定されない。例えば、酸素循環流路60を流れる酸化剤オフガスの流量は、酸素循環ポンプ61の回転数と酸素循環流路60を流れる酸化剤オフガスの圧力とを用いて算出することができる。なお、酸素循環ポンプ61の回転数は、制御装置100から送信する制御信号によって制御されるため、既知の値である。
このため、燃料電池システム1は、図18に示すように、上述の第1実施形態における循環酸素流量計63を廃して、酸素循環流路60を流れる酸化剤オフガスの圧力を検出する循環空気圧力センサ64を有する構成であってもよい。この場合、当該循環空気圧力センサ64は、酸素循環流路60に設けられるとともに、制御装置100に接続される。そして、循環空気圧力センサ64は、検出した酸素循環流路60を流れる酸化剤オフガスの圧力に応じた検出信号を制御装置100へ送信する。
制御装置100は、ステップS32において、酸化剤オフガスに含まれる酸素の量を算出するにあたり、まず、酸素循環ポンプ61の回転数と、循環空気圧力センサ64が検出する検出値とから酸素循環流路60を流れる酸化剤オフガスの流量を算出する。そして、制御装置100は、算出して得られた酸素循環流路60を流れる酸化剤オフガスの流量の値と酸素濃度センサ62が検出する酸化剤オフガスに含まれる酸素の濃度の値とを乗算することで酸化剤オフガスに含まれる酸素の量を算出する。そして、このようにして算出される酸化剤オフガスに含まれる酸素の量を用いて、制御装置100は、ステップS32において空気利用率Uaを算出することができる。
なお、このような燃料電池システム1の構成においては、酸素濃度センサ62、循環空気圧力センサ64および制御装置100が空気利用率検出部として機能する。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について、図19を参照して説明する。本実施形態では、酸素循環流路60から酸素循環ポンプ61が廃されており、廃された酸素循環ポンプ61の代わりにエジェクタ80が酸素循環流路60に配置されている。そして、空気供給流路20に、空気アシスト流路65が接続されている点が第3実施形態と相違している。これ以外は、第3実施形態と同様である。このため、本実施形態では、第3実施形態と異なる部分について主に説明し、第3実施形態と同様の部分について説明を省略することがある。
エジェクタ80は、第2実施形態で説明したエジェクタ80と構成が同様である。エジェクタ80は、酸素循環流路60における空気供給流路20に接続される部位に設けられている。エジェクタ80は、空気供給流路20を流れる空気を駆動流として酸素循環流路60を流れる酸化剤オフガスを吸引して空気とともに燃料電池10に供給可能に設けられている。
このため、本実施形態のエジェクタ80の吸引部802は、燃料電池10の空気出口部10cから排出される酸化剤オフガスの一部が吸引されるように、空気排出配管71から分岐する酸素循環流路60が接続されている。また、ノズル部801は、空気供給流路20における空気予熱器22の出口側に接続されている。吐出部803は、空気供給流路20における燃料電池10の空気入口部10a側に接続されている。
空気アシスト流路65は、燃料電池10から排出された酸化剤オフガスの一部を空気供給流路20における空気予熱器22よりも上流側に循環させる酸化剤オフガス流路である。空気アシスト流路65は、一端側が空気排出配管71に接続されており、他端側が空気供給流路20における圧送ブロワ21よりも上流側に接続されている。空気アシスト流路65は、燃料電池10から排出された酸化剤オフガスの一部をエジェクタ80よりも上流側の空気供給流路20に循環させる。
また、空気アシスト流路65には、空気アシスト流路65を流れる酸化剤オフガスの流量を制御するアシスト空気調整弁66が設けられている。アシスト空気調整弁66は、空気アシスト流路65を流れる酸化剤オフガスの流量を調整する流量調整部材である。アシスト空気調整弁66は、制御装置100からの制御信号によって作動が制御される電磁弁で構成されている。
なお、空気アシスト流路65を流れる酸化剤オフガスの流量を調整する流量調整部材として、アシスト空気調整弁66の代わりに、空気アシスト流路65を流れる空気の流量を調整する電動ポンプが設けられてもよい。この場合、当該電動ポンプは、制御装置100からの制御信号によって回転数が制御される。
ここで、エジェクタ80は、駆動流としてノズル部801に流入する流体の質量流量の増加に伴って吸引部802から吸引される吸引流体の流量が増えるといった特性を有する。このため、エジェクタ80のノズル部801に流入する空気の質量流量を増加させることで、吸引部802から吸引される酸化剤オフガスの吸引流量を増加させることが可能となる。
例えば、アシスト空気調整弁66を開弁して空気アシスト流路65を流れる空気を増加させると、空気供給流路20を流れる空気の流量が増加するため、エジェクタ80の駆動流を増加させることができる。これにより、吸引部802から吸引される酸化剤オフガスの吸引流量を増加させることができる。すなわち、アシスト空気調整弁66の開度を大きくして酸素循環流路60を流れる酸化剤オフガスを増加させることで、システム外部からの空気の供給量を増加させることなく、燃料電池10へ供給する酸素の量を増加させることができる。アシスト空気調整弁66は、吸引部802から吸引される酸化剤オフガスの吸引量を調整する吸引空気量調整部として機能する。
このように構成される本実施形態の燃料電池システム1において、燃料電池10には、吸引部802から吸引され、ノズル部801から流入する空気と混合される酸化剤オフガスを流入させることができる。これにより、圧送ブロワ21の回転数を低下させて、空気予熱器22への空気の供給量を減少させても、未反応酸化剤ガスが含まれる酸化剤オフガスを空気予熱器22へ流入させることによって、空気利用率Uaを低下させることができる。
また、制御装置100は、第3実施形態において説明したステップS32の制御処理において、空気利用率Uaが50%より大きいと判定した場合、アシスト空気調整弁66の開度を増加させる。換言すれば、制御装置100は、空気利用率Uaが酸素必要量下限値より大きい場合、酸素循環流路60を循環する酸化剤オフガスの流量が上昇するようにアシスト空気調整弁66を制御する。
具体的には、制御装置100は、アシスト空気調整弁66の開度を増加させるための制御信号をアシスト空気調整弁66に送信する。アシスト空気調整弁66は、制御装置100から送信される制御信号に基づいて、自身の開度を増加させる。
これにより、空気アシスト流路65を流れる酸化剤オフガスが増加して空気供給流路20を流れる流体の流量を増加させることができるため、エジェクタ80の駆動流の流量を増加させることができる。したがって、吸引部802から吸引される酸化剤オフガスの吸引流量が増加されるため、空気利用率Uaをさらに低下させることができる。
また、酸素循環流路60には高温の燃料オフガスが流れるところ、温度の耐久性に優れるエジェクタ80によって酸化剤オフガスを循環させることで、酸化剤オフガスを循環させる機器の故障の発生を抑制できる。
(第4実施形態の変形例)
上述の第4実施形態では、アシスト空気調整弁66が空気アシスト流路65を流れる酸化剤オフガスの流量を増加させることで、燃料電池10へ供給する酸素の量を増加させる例について説明したが、これに限定されない。
例えば、エジェクタ80のノズル部801を、絞り開度を変更可能な可変絞り構造で構成し、当該ノズル部801の絞り開度を調整することによって駆動流としてノズル部801に流入する空気の流速を調整してもよい。ノズル部801の絞り開度は、例えば、制御装置100からの制御信号によって変更することができる。
これによれば、当該ノズル部801の絞り開度を減少させて空気供給流路20を流れる空気の流速を増加させることで、吸引部802から吸引される酸化剤オフガスの吸引流量を増加させることができる。これにより、燃料電池10へ供給する酸素の量を増加させることができる。
または、図20に示すように、空気供給流路20を流れる空気を加熱する加熱部81を空気供給流路20に設け、加熱部81が空気供給流路20を流れる空気を加熱することで、駆動流としてノズル部801に流入する空気の流速を調整してもよい。加熱部81は、例えば、電気ヒータを用いることができる。そして、加熱部81の発熱量は、例えば、制御装置100からの制御信号によって調整してもよい。
これによれば、加熱部81によって空気供給流路20を流れる空気の温度を上昇させてノズル部801に流入する空気の流速を増加させることで、吸引部802から吸引される酸化剤オフガスの吸引流量を増加させることができる。これにより、燃料電池10へ供給する酸素の量を増加させることができる。
なお、これらの変形例では、エジェクタ80および加熱部81が酸素循環流路60を流れる酸化剤オフガスの流量を調整する循環酸化剤量調整部を構成する。また、加熱部81は、吸引部802から吸引される酸化剤オフガスの吸引量を調整する吸引燃料量調整部としても機能する。また、上記で示した変形例の燃料電池システム1は、空気アシスト流路65およびアシスト空気調整弁66を廃する構成であってもよいし、有する構成であってよい。
(他の実施形態)
以上、本開示の代表的な実施形態について説明したが、本開示は、上述の実施形態に限定されることなく、例えば、以下のように種々変形可能である。
上述の第1実施形態および第2実施形態では、燃料電池システム1が燃料循環流路50および燃料循環流路50を流れる燃料オフガスの流量を調整する循環燃料量調整部を有する例について説明したが、これに限定されない。例えば、燃料電池システム1は、燃料循環流路50および循環燃料量調整部を有さない構成であってもよい。この場合、制御装置100は、ステップS30およびステップS40の処理を実行しない。
上述の第3実施形態および第4実施形態では、燃料電池システム1が酸素循環流路60および酸素循環流路60を流れる酸化剤オフガスの流量を調整する循環酸化剤量調整部を有する例について説明したが、これに限定されない。例えば、燃料電池システム1は、酸素循環流路60および循環酸化剤量調整部を有さない構成であってもよい。この場合、制御装置100は、ステップS32およびステップS42の処理を実行しない。
上述の実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
上述の実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されない。
上述の実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されない。
10 燃料電池
30 燃料供給流路
32 脱硫器
33 改質器
41 水量調整部
42 水蒸発器
73 燃焼器
75 排出流路
100 制御装置
321 温度検出部

Claims (10)

  1. 燃料電池システムであって、
    燃料ガスと酸化剤ガスとの電気化学反応により電気エネルギを出力する燃料電池(10)と、
    前記燃料電池に前記燃料ガスを供給する燃料供給流路(30)と、
    前記燃料電池から排出される燃料オフガスおよび酸化剤オフガスを燃焼させて高温の排ガスを生成する燃焼器(73)と、
    前記燃焼器で生成された前記排ガスが流れる排ガス流路(75)と、
    前記排ガス流路に設けられるとともに、前記燃焼器で生成された前記排ガスの熱を利用して、外部から供給される水を水蒸気へ気化させる水蒸発器(42)と、
    前記水蒸発器で気化された前記水蒸気を用いて前記燃料供給流路を流れる燃料を前記燃料ガスへ改質して前記燃料電池へ供給する改質器(33)と、
    前記水蒸発器への水の供給量を調整する水量調整部(41)と、
    前記排ガス流路における前記水蒸発器より下流側に設けられるとともに、前記水蒸発器を通過した高温の前記排ガスを利用して前記燃料に含まれる硫黄成分を除去する脱硫器(32)と、
    前記脱硫器に関する温度である脱硫器温度を検出する温度検出部(321)と、
    前記水量調整部を制御する制御装置(100)と、を備え、
    前記制御装置は、前記温度検出部が検出する前記脱硫器温度が所定温度以下の場合、前記水蒸発器へ供給される水の供給量が減少するように前記水量調整部を制御する燃料電池システム。
  2. 前記燃料電池から排出され、前記燃料電池における電気化学反応に用いられなかった未反応燃料ガスを含む前記燃料オフガスの一部を前記燃料供給流路における前記改質器より上流側へ導く燃料循環流路(50)と、
    前記燃料循環流路を流れる前記燃料オフガスの流量を調整する循環燃料量調整部(51、56、80、81、83)と、
    前記改質器へ供給される前記燃料ガスおよび前記燃料オフガスそれぞれに含まれる炭素の量に対する前記改質器へ供給される前記燃料ガスおよび前記燃料オフガスそれぞれに含まれる前記水蒸気の量の比であるスチームカーボン比を検出するカーボン比検出部(11、52、53、54、100)と、を備え、
    前記制御装置は、前記カーボン比検出部が検出する前記スチームカーボン比が所定値より小さい場合、前記燃料循環流路を循環する前記燃料オフガスの流量が上昇するように前記循環燃料量調整部を制御する請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記循環燃料量調整部は、前記制御装置からの制御信号によって前記燃料循環流路を流れる前記燃料オフガスの流量を調整する電動ポンプ(51)であって、
    前記制御装置は、前記カーボン比検出部が検出する前記スチームカーボン比が前記所定値より小さい場合、前記電動ポンプの回転数を増加させる請求項2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記循環燃料量調整部は、前記燃料供給流路を流れる前記燃料ガスを駆動流として噴射するノズル部(801)、前記燃料循環流路を流れる前記燃料オフガスを吸引する吸引部(802)および前記ノズル部から噴射される前記燃料ガスと前記吸引部から吸引される前記燃料オフガスとを混合して前記改質器に向けて吐出する吐出部(803)を有するエジェクタ(80)と、前記吸引部から吸引される前記燃料オフガスの吸引量を調整する吸引燃料量調整部(56、81、83)と、を有し、
    前記制御装置は、前記カーボン比検出部が検出する前記スチームカーボン比が前記所定値より小さい場合、前記吸引部から吸引される前記燃料オフガスの吸引量が増加するように前記吸引燃料量調整部を制御する請求項2に記載の燃料電池システム。
  5. 前記カーボン比検出部は、前記改質器へ供給される炭素の量に関する情報を検出する炭素量検出部(11、52、54、100)と、前記改質器へ供給される前記水蒸気の量に関する情報を検出する水蒸気量検出部(11、52、54、100)とを含み、
    前記制御装置は、前記炭素量検出部が検出する検出値および前記水蒸気量検出部が検出する検出値を用いて前記スチームカーボン比を算出する請求項2ないし4のいずれか1つに記載の燃料電池システム。
  6. 燃料電池システムであって、
    燃料ガスと酸化剤ガスとの電気化学反応により電気エネルギを出力する燃料電池(10)と、
    外部から供給され、前記酸化剤ガスを含む空気を前記燃料電池に供給する空気供給流路(20)と、
    前記燃料電池から排出される燃料オフガスおよび酸化剤オフガスを燃焼させて高温の排ガスを生成する燃焼器(73)と、
    前記燃焼器で生成された前記排ガスが流れる排ガス流路(75)と、
    前記排ガス流路に設けられるとともに、前記燃焼器で生成された前記排ガスの熱を利用して、前記空気供給流路を流れる前記空気を加熱する空気予熱器(22)と、
    前記空気予熱器への前記空気の供給量を調整する空気量調整部(21)と、
    前記排ガス流路における前記空気予熱器より下流側に設けられるとともに、前記空気予熱器を通過した高温の前記排ガスを利用して外部から供給される燃料に含まれる硫黄成分を除去する脱硫器(32)と、
    前記脱硫器に関する温度である脱硫器温度を検出する温度検出部(321)と、
    前記空気量調整部を制御する制御装置(100)と、を備え、
    前記制御装置は、前記温度検出部が検出する前記脱硫器温度が所定温度以下の場合、前記空気予熱器へ供給される前記空気の供給量が減少するように前記空気量調整部を制御する燃料電池システム。
  7. 前記燃料電池から排出され、前記燃料電池における電気化学反応に用いられなかった未反応酸化剤ガスを含む前記酸化剤オフガスの一部を前記空気供給流路における前記燃料電池より上流側へ導く酸素循環流路(60)と、
    前記酸素循環流路を流れる前記酸化剤オフガスの流量を調整する循環酸化剤量調整部(61、66、80、81)と、
    前記燃料電池に供給される前記空気および前記酸化剤オフガスに含まれる酸素の量のうち、前記燃料電池の電気化学反応で消費される酸素の量の比である空気利用率を検出する空気利用率検出部(11、62、63、64、100)と、を備え、
    前記制御装置は、前記空気利用率検出部が検出する前記空気利用率が所定値より大きい場合、前記酸素循環流路を循環する前記酸化剤オフガスの流量が上昇するように前記循環酸化剤量調整部を制御する請求項6に記載の燃料電池システム。
  8. 前記循環酸化剤量調整部は、前記制御装置からの制御信号によって前記酸素循環流路を流れる前記酸化剤オフガスの流量を調整する電動ポンプ(61)であって、
    前記制御装置は、前記空気利用率検出部が検出する前記空気利用率が前記所定値より大きい場合、前記電動ポンプの回転数を増加させる請求項7に記載の燃料電池システム。
  9. 前記循環酸化剤量調整部は、前記空気供給流路を流れる前記空気を駆動流として噴射するノズル部(801)、前記酸素循環流路を流れる前記酸化剤オフガスを吸引する吸引部(802)および前記ノズル部から噴射される前記空気と前記吸引部から吸引される前記酸化剤オフガスとを混合して前記燃料電池に向けて吐出する吐出部(803)を有するエジェクタ(80)と、前記吸引部から吸引される前記酸化剤オフガスの吸引量を調整する吸引空気量調整部(66、81)と、を有し、
    前記制御装置は、前記空気利用率検出部が検出する前記空気利用率が前記所定値より大きい場合、前記吸引部から吸引される前記酸化剤オフガスの吸引量が増加するように前記吸引空気量調整部を制御する請求項7に記載の燃料電池システム。
  10. 前記空気利用率検出部は、前記燃料電池に供給される酸素の量に関する情報を検出する供給酸素量検出部(62、63、100)と、前記燃料電池の電気化学反応で消費される酸素の量に関する情報を検出する消費酸素量検出部(11)とを含み、
    前記制御装置は、前記供給酸素量検出部が検出する検出値および前記消費酸素量検出部が検出する検出値を用いて前記空気利用率を算出する請求項7ないし9のいずれか1つに記載の燃料電池システム。
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