JP2023158645A - 発毛または育毛のための新規な医薬および方法 - Google Patents

発毛または育毛のための新規な医薬および方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、発毛および/または育毛のための新規な医薬組成物、組み合わせ薬剤、および製剤、を提供することを目的とする。【解決手段】本発明は、医薬的に有効な量のオキシトシン、および医薬的に許容し得る担体を含む、頭髪などの発毛および/または育毛のための医薬組成物、を提供する。該医薬組成物は、適宜、更に1つ以上のKATPチャネル開口薬を含み得る。【選択図】なし

Description

本発明は、発毛および/または育毛のための新規な医薬、及びそのための方法に関する。具体的には、有効成分として、オキシトシン、および必要に応じてKATPチャネル開口薬を含む、新規な医薬組成物、薬剤、および方法等に関する。
オキシトシンは、現在、分娩促進薬の注射薬として使用されている。しかし、近年、オキシトシンは、摂食抑制作用を有することが知られ、よって、肥満またはメタボリック症候群などの疾患の改善作用を有することが知られる(非特許文献1~3)。また、オキシトシンは、自閉症、統合失調症、うつ病などの精神疾患の改善作用を有することも知られる(非特許文献2)。
しかしながら、これまでに、オキシトシンを有効成分として用いた、毛髪などの発毛および/または育毛のための医薬は知られていない。
Maejima Y等著, AGING, December 2011, Vol, 3, No. 12 Maejima Y等著, Neuroendocrinology DOI: 10.1159/000371636 Maejima Y等著, Scientific Reports, DOI: 10.1038/s41598-017-09318-7
本発明の目的は、発毛および/または育毛のための新規な医薬および方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、今回、毛根および毛母細胞においてオキシトシンの受容体が存在することを初めて見出した。そして、かかる知見に基づいて、有効成分としてオキシトシンを単独で、あるいは必要に応じて、KATPチャネル開口薬を組み合わせて、投与することで、これらオキシトシン受容体を発現させ、毛髪などの発毛および/または育毛を観察することができることを初めて見出し、本発明を完成した。すなわち、本発明は、医薬的に有効な量のオキシトシン、必要に応じて、医薬的に有効な量のKATPチャネル開口薬、および医薬的に許容し得る担体を含む、発毛および/または育毛のための医薬組成物、を提供する。従って、本発明の医薬組成物によれば、毛髪の発毛および/または育毛のための、新規な医薬及び方法を提供することが可能となる。
すなわち、本発明は、以下の態様を包含するが、これらに限定されるものではない。
(医薬組成物)
項[1] 医薬的に有効な量のオキシトシン、および医薬的に許容し得る担体を含む、発毛および/または育毛のための医薬組成物。
項[2] 医薬的に有効な量の1つ以上のKATPチャネル開口薬を更に含む、項[1]に記載の医薬組成物。
項[3] 該KATPチャネル開口薬が、ニコランジル、ミノキシジル、およびジアゾキサイドからなる群から選ばれる1つ以上の化合物である、項[2]記載の医薬組成物。
項[4] 該医薬的に許容し得る担体の少なくとも1つが、皮膚浸透剤である、項[1]~項[3]のいずれか1つに記載の医薬組成物。
項[5] 該皮膚浸透剤が、メチルグリオキサールおよびプロピレングリコールからなる群から選ばれる1つ以上の化合物である、項[1]~項[4]のいずれか1つに記載の医薬組成物。
項[6] 頭髪の発毛および/または育毛のための、項[1]~項[5]のいずれか1つに記載の医薬組成物。
(組み合わせ剤)
本発明はまた、以下の態様をも包含するが、これらに限定されるものではない。
項[7] 活性成分としての医薬的に有効な量のオキシトシンおよび医薬的に許容し得る担体を含む第1薬剤、および
活性成分としての医薬的に有効な量の1つ以上のKATPチャネル開口薬および医薬的に許容し得る担体を含む、第2薬剤、
の組み合わせを含む、発毛および/または育毛のための薬剤。
項[8] 該KATPチャネル開口薬が、ニコランジル、ミノキシジル、およびジアゾキサイドからなる群から選ばれる1つ以上の化合物である、項[7]記載の薬剤。
項[9] 第1薬剤および/または第2薬剤における、それぞれの該医薬的に許容し得る担体の少なくとも1つが、皮膚浸透剤である、項[7]または項[8]のいずれかに記載の薬剤。
項[10] 該皮膚浸透剤が、メチルグリオキサールおよびプロピレングリコールからなる群から選ばれる1つ以上の化合物である、項[7]~項[9]のいずれか1つに記載の薬剤。
項[11] オキシトシンを含む第1薬剤を、1つ以上のKATPチャネル開口薬を含む第2薬剤の、投与と同時、投与前、または投与後に投与する、項[7]~項[10]のいずれか1つに記載の薬剤。
(製剤)
項[12] 項[1]~項[6]のいずれか1つに医薬組成物、または項[7]~項[11]のいずれか1つに薬剤、を含む、処置を必要とする被験者のための医薬製剤。
項[13] 皮膚外用剤である、項[12]に記載の医薬製剤。
項[13-2] 皮膚外用剤が、外用液剤、軟膏剤、クリーム剤、ローション剤、スプレー剤である、項[13]に記載の医薬製剤。
項[14] 被験者はヒトである、項[12]に記載の医薬製剤。
項[15] 被験者は、禿髪症または禿頭病を患っているヒトである、項[14]に記載の医薬製剤。
(方法)
本発明はまた、以下の態様をも包含するが、これらに限定されるものではない。
項[16] 医薬的に有効な量のオキシトシン、および必要に応じて、医薬的に有効な量の1つ以上のKATPチャネル開口薬を被験者に投与することを含む、発毛および/または育毛のための方法。
項[17] 被験者はヒトである、項[16]に記載の方法。
項[18] 被験者は、禿髪症または禿頭病を患っているヒトである、項[16]または[17]に記載の方法。
(使用)
項[19] 被験者における発毛および/または育毛のための製剤を製造するための、医薬的に有効な量のオキシトシンの単独、または医薬的に有効な量の1つ以上のKATPチャネル開口薬と組み合わせた使用。
項[20] 被験者における発毛および/または育毛のための、医薬的に有効な量のオキシトシの単独での使用、または医薬的に有効な量の1つ以上のKATPチャネル開口薬との組み合わせ使用。
本発明の、有効成分としてのオキシトシンの、単独、または1つ以上のKATPチャネル開口薬との組み合わせによる使用により、発毛および/または育毛の有意な効果を得ることが可能となる。
図1は、剃毛したマウスに対して、オキシトシンを含有する試験液を投与した場合、またはオキシトシンを投与しなかった場合(つまり、オキシトシンを含有しないコントロール試験液を投与した場合)での、発毛の促進効果を調べた結果を示す図面である。
(定義)
本明細書で使用する用語「オキシトシン」とは、9個のアミノ酸で構成されるペプチドホルモンの1種である。受容体は、子宮、乳腺、腎臓、心臓、胸腺、膵臓、脂肪組織での発現が確認されているものの、毛母・毛根細胞での発現は報告されていなかった。本願の発明者は今回初めて、毛母および毛根の細胞にオキシトシンの受容体が存在することを見出した。
本明細書で使用する用語「KATPチャネル開口薬」とは、ATP感受性 Kチャネルのことを意味する。これは、血管拡張薬であることも知られるため、発毛および/または育毛の有意な効果を奏することが期待される。本発明で使用する、KATPチャネル開口薬の具体例としては、ジアゾキサイド、ミノキシジル、ニコランジル等を挙げられるが、好ましくはニコランジルが挙げられる。
本発明で使用する、オキシトシンの医薬的に有効な量とは、特に断らない限り限定されるものではないが、例えば、患者の体重1kg当たり、1日0.01mg~1mgが挙げられる。
本発明で使用する、KATPチャネル開口薬の医薬的に有効な量とは、特に断らない限り限定されるものではないが、例えば、患者の体重1kg当たり、1つ以上のKATPチャネル開口薬の合計量として、1日0.01mg~1mgが挙げられる。
本発明の医薬組成物は、医薬的に有効な量のオキシトシン、および医薬的に許容し得る担体、および適宜、医薬的に有効な量の1つ以上のKATPチャネル開口薬、を含む。好ましくは、医薬的に有効な量の1つ以上のKATPチャネル開口薬は、本発明の医薬組成物中に含まれる。
本発明の1態様によれば、本発明の医薬組成物を被験者(例えば、ヒト)に投与する場合には、該医薬組成物は、1日に1~10回、1~5回、1~3回、1~2回、または1回、投与し得る。あるいは、本発明の医薬組成物は、数日内に1~3回、1~2回、または1回、あるいは、1週間内に、1~3回、1~2回、または1回、あるいは、数週間(例えば、2~3週間)内に、1~3回、1~2回、または1回、投与してもよい。投与回数は、投与後の効果、あるいは副作用(例えば、炎症)を考慮して、調整してもよい。
本発明の1態様によれば、本発明の医薬組成物を被験者(例えば、ヒト)に投与する場合には、該医薬組成物は、数日間、数週間、数カ月間、数年間、あるいは数十年間、投与してもよい。投与期間は、上記の投与回数、投与後の効果、あるいは副作用(例えば、炎症)を考慮して調整してもよい。奏される効果等に応じて、投与期間は適宜、変わり得て、例えば、数週間、数カ月間、数年間、または数十年間、好ましくは、数週間、数カ月間、または数年間、であり得る。また、一定期間中断後に、投与を再開することもできる。
本発明の医薬組成物、薬剤、または医薬製剤は、医薬的に許容し得る担体を含む。該医薬的に許容し得る担体は、使用される剤形によって変わり得るが、製剤上、通常使用される担体が挙げられる。例えば、本発明の医薬組成物、薬剤、または医薬製剤が皮膚外用剤(例えば、軟膏剤、クリーム剤、外用液剤)として使用される場合には、医薬的に許容し得る担体として、界面活性剤(アニオン性、ノニオン性、カチオン性、および、両性の界面活性剤を含む)、高級脂肪酸、油脂、pH安定剤、酸化防止剤、キレート剤、溶剤等、またはこれらの2つ以上の物質の組み合わせが挙げられ、例えば、毛髪用の公知の組成物、薬剤または医薬製剤において通常使用されている、医薬的に許容し得る担体を挙げられる。
本発明で使用される医薬的に許容し得る担体としては、好ましくは、皮膚浸透剤を挙げられる。皮膚浸透剤は、本発明の活性成分の皮膚(例えば頭皮)または毛髪の内部への浸透を促進する、成分をいう。浸透剤の例としては、アミン類、アルコール類、および界面活性剤等、またはこれらの2つ以上の物質の組み合わせが挙げられる。
アミン類の具体例としては、尿素、およびアルコールアミン類(例えば、モノエタノールアミンなど)、およびこれら2つ以上の物質の組み合わせが挙げられる。アルコール類の具体例としては、低級アルコール(例えば、エタノール)、高級アルコール(例えば、ステアリルアルコール、およびラウリルアルコール)、および多価アルコール(例えば、エチレングリコール、およびメチルグリオキサール)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。皮膚浸透剤の具体例としては、アルコール類が挙げられ、好ましくは多価アルコールが挙げられ、より好ましくはプロピレングリコールおよびメチルグリオキサールからなる群から選ばれる1以上の化合物が挙げられる。皮膚への最適な浸透度になるように、例えば、プロピレングリコールおよびメチルグリオキサールの、本発明の活性成分に対する配合比率を調整してもよい。
本発明の1態様によれば、メチルグリオキサールまたはプロピレングリコールは、医薬組成物の総重量に対して、重量比として、0.1~10%の範囲が挙げられるが、特に限定されるものではない。
発毛の機序としては、毛乳頭細胞からの指令によって、毛母細胞は毛細血管から運ばれてきた酸素および/または栄養素をエネルギーにして、増殖および/または分化を繰り返し、これが上の方へと伸びていくことで髪の毛は成長する、と考えられている。より具体的には、毛母細胞の表面のオキシトシン受容体を刺激し、発毛を促進する;また、上述の通り血管拡張薬として知られるKATPチャネル開口薬により毛乳頭から毛母細胞を刺激するVEGF(血管内皮細胞増殖因子)またはIGF-1(インスリン様成長因子)による血流亢進により血行が促進される、といった機序により、発毛および育毛が期待できる。よって、発毛および育毛の総合的な機序としては、オキシトシンと、KATPチャネル開口薬によって毛乳頭から算出されるVEGFまたはIGF-1によって毛母細胞を刺激し、加えて、KATPチャネル開口薬による血流促進で酸素・栄養素の供給を増大させ、合理的に育毛を促進させる、ことからなる。更に、皮膚浸透剤を適宜用いて、薬剤(例えば、オキシトシンまたはKATPチャネル開口薬)の皮膚(例えば頭皮)への浸透を増大させ、最適化する。
本発明の医薬組成物を対象の被験者に投与(例えば、塗布)する場合、皮膚浸透剤を医薬組成物中に含有させた医薬組成物の形態で、被験者に供してもよく、あるいは、医薬組成物を投与(例えば、塗布)する前に事前に、同時に、あるいは事後に、皮膚浸透剤を被験者に供してもよい。事前に供することが好ましい。
本発明における発毛および育毛の対象の毛は、全身の毛が挙げられるが、とりわけ、ヒトの頭髪が挙げられる。また、男性および女性の頭髪が挙げられるが、より好ましくは男性の頭髪が挙げられる。
(組み合わせ剤)
本発明は、有効成分としての、オキシトシンを、1つ以上のKATPチャネル開口薬と、組み合わせて、つまり、併用して、使用することができる。
本発明の1実施態様によれば、
本発明の発毛および/または育毛のための薬剤とは、
活性成分としての医薬的に有効な量のオキシトシンおよび医薬的に許容し得る担体を含む第1薬剤、および
活性成分としての医薬的に有効な量の1つ以上のKATPチャネル開口薬および医薬的に許容し得る担体を含む、第2薬剤、
の組み合わせを含む。
本発明の1態様によれば、該組み合わせ剤において、オキシトシンの医薬的に有効な量とは、特に断らない限り限定されるものではないが、例えば、患者の体重1kg当たり、1日0.01mg~1mgが挙げられる。
本発明で使用する、KATPチャネル開口薬の医薬的に有効な量とは、特に断らない限り限定されるものではないが、例えば、KATPチャネル開口薬としての化合物の使用量の合計量が患者の体重1kg当たり、1日0.01mg~1mgが挙げられる。
本発明の1実施態様によれば、オキシトシンと、1つ以上のKATPチャネル開口薬とを併用する場合、オキシトシン量と、1つ以上のKATPチャネル開口薬の合計量とを、配合量または含有量について、重量比で、1:100~100:1、1:50~50:1、1:20~20:1、または1:10~10:1であり得る。
本発明の1態様によれば、本発明の薬剤(すなわち、組み合わせ剤)を被験者(例えば、ヒト)に投与する場合には、該薬剤(すなわち、組み合わせ剤)は、1日に1~10回、1~5回、1~3回、1~2回、または1回、投与し得る。あるいは、本発明の医薬組成物は、数日内に1~3回、1~2回、または1回、あるいは、1週間内に、1~3回、1~2回、または1回、あるいは、数週間(例えば、2~3週間)内に、1~3回、1~2回、または1回、投与してもよい。ここで、オキシトシンを含む第1薬剤の投与回数と、KATPチャネル開口薬を含む第2薬剤の投与回数は、同一回数であってよく、あるいは、異なる回数であってもよい。投与回数は、投与後の効果、あるいは副作用(例えば、炎症)を考慮して、調整してもよい。
本発明の薬剤(すなわち、組み合わせ剤)において、オキシトシンを含む第1薬剤は、1つ以上のKATPチャネル開口薬を含む第2薬剤の、投与と同時に、投与の前、または投与後に投与してもよい。
本発明の薬剤(例えば、組み合わせ剤)において使用される、医薬的に許容し得る担体としては、上記の医薬組成物において上述の通りである。
(製剤)
本明細書中で「医薬製剤」と呼称する場合には、特に断らない限り、上記の医薬組成物、および/または薬剤、のいずれか、または両方を包含する。
本発明の1実施態様によれば、本発明の医薬組成物、組み合わせ剤、または医薬製剤は製剤上よく知られる剤形に製剤化される、例えば、皮膚外用剤が挙げられるが、これに限定されるものではない。皮膚外用剤の例としては、例えば、局所外用剤などが挙げられ、具体的には、外用液剤、軟膏剤、クリーム剤、ローション剤、スプレー剤などを挙げられる。
本発明の薬剤(組み合わせ剤)を対象の被験者に投与(例えば、塗布)する場合、皮膚浸透剤をそれぞれまたは一方の第1薬剤または第2薬剤中に含有させた薬剤の形態で、被験者に供してもよく、あるいは、第1薬剤または/および第2薬剤を投与(例えば、塗布)する前に事前に、同時に、あるいは事後に、皮膚浸透剤を被験者に供してもよい。第1薬剤および第2薬剤の両方を供する前に、事前に、皮膚浸透剤を供することが好ましい。
皮膚浸透剤を、第1薬剤および/または第2薬剤と同時に供しない場合には、時間的に数秒~数時間以内で、好ましくは数秒~数十分間以内で、より好ましくは数秒~数分間以内に、供することが挙げられる。
本発明の医薬用途の適用し得る被験者は、哺乳動物(例えば、霊長類(例えば、ヒト)、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、マウス、またはラットを挙げられるが、これらに限定されない)を意味し、ヒトであることが好ましく、より好ましくは、禿髪症または禿頭病を患っている人が挙げられる。
本発明の意図する用途および/または効果は、哺乳動物(例えば、ペットおよび家畜を含むが、ヒトが特に好ましい)の毛(頭髪が特に好ましい)の発毛および/または育毛が挙げられる。
本発明の医薬組成物、組み合わせ剤、または医薬製剤は、必要に応じて、オキシトシン以外の発毛または育毛の活性物質、をさらに配合し、あるいは併用してもよい。それらの他の発毛または育毛の活性物質としては、例えば公知の活性物質であり得て、具体的には、生薬(例えば、センブリ)および/または合成薬(例えば、フィナステリド)を挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書中で使用する、「約」または「およそ」とは、当業者によって決定される特定の値についての許容可能な誤差を意味しており、当該誤差は、当該値がどのように測定されたか、または決定されたかに部分的に依存する。ある実施形態において、「約」または「およそ」という用語は、標準偏差が1、2、3または4の範囲内であることを意味する。例えば、所定の値または範囲の50%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、0.1%、または0.05%以内を意味する。
以下、本発明を、実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの例のみに限定されるものではない。
(試験例1)
発毛および/または育毛試験
マウス(約3か月~約1年齢)の背部を完全に剃毛したうえで、所定量の0.9%プロピレングリコールに対して0.001%のオキシトシンを加えた組成物を調製した。かかる組成物の適量を、剃毛部に塗布を行った。対象群にはオキシトシンを含まない0.9%プロピレングリコールのみ(コントロール)を塗布した。塗布は1日に2回、朝(例えば、起床後の午前6時~11時頃)と夕(例えば、午後4時~11時)に行われ、14日間にわたって継続した。2回の塗布は薬物の効果が最大発揮できるように、少なくとも6時間以上、好ましくは少なくとも8時間以上、間隔をあけて、実施した。その結果、オキシトシン含有群を塗布されたマウスにおいて有意に発毛が促進されることを確認した。
試験結果を、図1に示す。
オキシトシンを塗布した群を「オキシトシン群」として観察結果を上方に示し、また、オキシトシンなしのコントロールを塗布した群を「コントロール群」として観察結果を下方に示す。
塗布1日前の剃毛した日を「0日前(Day 0)」、塗布4日目を「4日目(Day 4)」、塗布12日目を「12日目(Day 12)」、および14日間塗布後の15日目を「15日目(Day 15)」と略称する。
観察結果より、12日目および15日目の観察結果より、コントロール群の場合にはほとんど全く発毛は観察されなかったが、オキシトシン群の場合には、有意な発毛が観察された。
これにより、オキシトシンを単独で用いた場合には、発毛効果が確認された。
本発明によれば、オキシトシンを単独、または適宜KATPチャネル開口薬と組み合わせて、使用することにより、有意な発毛および/または育毛を示す医薬を提供することができる。

Claims (15)

  1. 医薬的に有効な量のオキシトシン、および医薬的に許容し得る担体を含む、発毛および/または育毛のための医薬組成物。
  2. 医薬的に有効な量の1つ以上のKATPチャネル開口薬を更に含む、請求項1に記載の医薬組成物。
  3. 該KATPチャネル開口薬が、ニコランジル、ミノキシジル、およびジアゾキサイドからなる群から選ばれる1つ以上の化合物である、請求項2に記載の医薬組成物。
  4. 該医薬的に許容し得る担体の少なくとも1つが、皮膚浸透剤である、請求項1~3のいずれか1つに記載の医薬組成物。
  5. 該皮膚浸透剤が、メチルグリオキサールおよびプロピレングリコールからなる群から選ばれる1つ以上の化合物である、請求項1~4のいずれか1つに記載の医薬組成物。
  6. 頭髪の発毛および/または育毛のための、請求項1~5のいずれか1つに記載の医薬組成物。
  7. 活性成分としての医薬的に有効な量のオキシトシンおよび医薬的に許容し得る担体を含む第1薬剤、および
    活性成分としての医薬的に有効な量の1つ以上のKATPチャネル開口薬、および医薬的に許容し得る担体を含む、第2薬剤、
    の組み合わせを含む、発毛および/または育毛のための薬剤。
  8. 該KATPチャネル開口薬が、ニコランジル、ミノキシジル、およびジアゾキサイドからなる群から選ばれる1つ以上の化合物である、請求項7に記載の薬剤。
  9. 第1薬剤および/または第2薬剤における、それぞれの該医薬的に許容し得る担体の少なくとも1つが、皮膚浸透剤である、請求項7または8のいずれかに記載の薬剤。
  10. 該皮膚浸透剤が、メチルグリオキサールおよびプロピレングリコールからなる群から選ばれる1つ以上の化合物である、請求項7~9のいずれか1つに記載の薬剤。
  11. オキシトシンを含む第1薬剤を、1つ以上のKATPチャネル開口薬を含む第2薬剤の、投与と同時、投与前、または投与後に投与する、請求項7~10のいずれか1つに記載の薬剤。
  12. 請求項1~6のいずれか1つに記載の医薬組成物、または請求項7~11のいずれか1つに記載の薬剤、を含む、処置を必要とする被験者のための医薬製剤。
  13. 皮膚外用剤である、請求項12に記載の医薬製剤。
  14. 被験者はヒトである、請求項12に記載の医薬製剤。
  15. 被験者は、禿髪症または禿頭病を患っているヒトである、請求項14に記載の医薬製剤。
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