JP2023158290A - 歯周病治療のための医薬組成物 - Google Patents

歯周病治療のための医薬組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2023158290A
JP2023158290A JP2022068031A JP2022068031A JP2023158290A JP 2023158290 A JP2023158290 A JP 2023158290A JP 2022068031 A JP2022068031 A JP 2022068031A JP 2022068031 A JP2022068031 A JP 2022068031A JP 2023158290 A JP2023158290 A JP 2023158290A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
therapeutic agent
periodontal disease
present
disease
pharmaceutical composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022068031A
Other languages
English (en)
Inventor
勝信 竹内
Katsunobu Takeuchi
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP2022068031A priority Critical patent/JP2023158290A/ja
Publication of JP2023158290A publication Critical patent/JP2023158290A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

【課題】歯周病を治療し得る新たな医薬組成物を提供すること。【解決手段】本発明として、例えば、抗ヘルペスウイルス薬を有効成分として含有する、歯周病を治療するための医薬組成物や、本発明医薬組成物を含有する、局所適用型の歯周病治療剤を挙げることができる。本発明治療剤の剤形としては、例えば、トローチ剤、軟膏剤、含嗽剤、注射剤を挙げることができる。本発明組成物または本発明治療剤は、歯周病治療または歯周病に付随する疾患治療のために用いる医薬組成物または治療剤として有用である。【選択図】なし

Description

本発明は、歯周病の治療薬の技術分野に属する。本発明は、抗ヘルペスウイルス薬を含有する医薬組成物等に関するものである。
歯周病は、細菌の感染によって引き起こされる口腔内の炎症性疾患として知られている。世界的に患者数の多い疾患であり、日本や米国では、人口の約70~80%が罹患しており、成人が歯を失う最大の原因と言われている。また、歯周病は、万病の元とも言われ、糖尿病や誤嚥性肺炎と関連性が高く、骨粗しょう症、脳梗塞、狭心症、心筋梗塞、心内膜炎、動脈硬化、早産、低体重児出産、肥満症・メタボリック症候群、アルツハイマー病、口腔がん、咽頭がん等との関連性も指摘されている(例えば、非特許文献1および2)。
歯周病の病態としては、まず歯垢(プラーク)中の口腔細菌(歯周病原菌)によって歯肉に炎症がひき起こされ、やがては歯を支えている骨(歯槽骨)が溶かされ、結果的に歯が失われるという経過を辿るのが一般である。治療法としては、病状が軽度の場合は歯周基本治療(歯垢・歯石除去、咬合調整等)があり、当該治療で完治することもあり得るが、中等度以上の場合は、基本治療に加え外科処置、再生療法(成長因子等を用いた歯周組織の再生、骨移植等)などが有効である。しかし、歯周病の原因は、歯周病原菌の他、環境因子、宿主因子、咬合因子などが複雑に関係しており、より良い治療法や治療薬の研究開発は、世界中で日々続いている。
一方、ヘルペス性疾患は、ウイルス(ヘルペスウイルス)の感染によって引き起こされる。ヘルペスウイルスは、直径150~200nm程度の大きさの二本鎖DNAウイルスである。当該ウイルスは、宿主細胞における複製により増殖することができるだけでなく、潜伏感染することもできるという特徴を有する。潜伏感染時においては、環状のウイルスDNAが宿主細胞の核内に保持され、ウイルスのタンパク質はほとんど産生されず、複製も起こらない。
ヘルペスウイルスに対しては、これまでに幾つかの抗ウイルス薬が開発されている。代表例として、アシクロビルを挙げることができる。アシクロビルをはじめこれまでに開発された抗ヘルペスウイルス薬は、主にヌクレオシドアナログ(核酸類似体)であり、感染細胞において活性種としてウイルスDNAポリメラーゼに取り込まれ、DNA伸長を阻害する。このようなDNAポリメラーゼ阻害作用により、抗ヘルペスウイルス薬はヘルペス性疾患に対して有効に作用し得る。しかし、外用剤として患部に局所適用する場合には潜伏感染するウイルス量を減らさないため、局所適用型製剤(外用剤)単独での使用は推奨されていない(例えば、非特許文献3)。
また、抗ヘルペスウイルス薬としては、生体内で代謝されて初めて薬理活性を発揮するいわゆるプロドラッグも提供されている。例えば、バラシクロビルは、アシクロビルのプロドラッグとして知られている。分子としては、アシクロビルのヒドロキシル基にL-バリンがエステル縮合したL-バリルエステルの化学構造を有しており、アシクロビルよりも体内への吸収率が高い。経口投与後、主に肝初回通過効果(エステラーゼ)によりアシクロビルとL-バリンとに加水分解され、抗ウイルス作用を発現する(例えば、非特許文献4)。このように、バラシクロビルは、肝臓でアシクロビルに変換されて初めて薬効を発揮するため、専ら経口投与型製剤として普及しており、外用剤として患部に局所適用しても抗ウイルス作用を十分には発現しないと考えられている。
日本歯周病学会編「歯周病と全身の健康」医歯薬出版 2016年 日本歯周病学会編「歯周治療の指針 2015」医歯薬出版 2016年 松尾 耳鼻咽喉科展望62巻3号p.134-143 2019年 バルトレックス(登録商標)錠500 添付文書 2020年 小方他 日本歯周病学会会誌56巻3号p.267-271 2014年
これまで、歯周病とヘルペス性疾患は、病原体も病態も全く異なる疾患であると考えられてきたが、非特許文献5では、歯周病原菌とヘルペスウイルスとの間の微生物間相互作用の可能性が述べられている。しかし、歯周病に対して、抗ヘルペスウイルス薬が有効であるとは全く知られていない。
本発明は、歯周病を治療し得る新たな医薬組成物を提供することを主な課題とする。
本発明者は、鋭意検討を重ねた結果、抗ヘルペスウイルス薬の投与、特に口腔内の患部への局所適用が、意外にも歯周病の治療に有効であることを見出し、本発明を完成するに到った。
本発明として、例えば、以下のものを挙げることができる。
[1]抗ヘルペスウイルス薬を有効成分として含有する、歯周病を治療するための医薬組成物。
[2]前記抗ヘルペスウイルス薬がバラシクロビルである、上記[1]に記載の医薬組成物。
[3]前記医薬組成物を含有する、局所適用型の歯周病治療剤。
[4]剤形が、トローチ剤、軟膏剤、含嗽剤、または注射剤である、上記[3]に記載の歯周病治療剤。
[5]前記医薬組成物を含有する、歯周病を治療することによって歯周病に付随する疾患を治療するための治療剤。
[6]前記疾患が、糖尿病、誤嚥性肺炎、骨粗しょう症、脳梗塞、狭心症、心筋梗塞、心内膜炎、動脈硬化、早産、低体重児出産、肥満症・メタボリック症候群、アルツハイマー病、口腔がん、咽頭がん、関節炎、関節リウマチ、腎炎、腎臓病、またはうつ病である、上記[5]に記載の治療剤。
[7]上記[3]または[4]に記載の治療剤を患者に投与する工程を含む、歯周病の治療方法。
[8]前記投与が、口腔内の患部への直接的な局所投与および/または経口投与である、上記[7]に記載の治療方法。
[9]治療剤の投与期間が6か月間~1年間の範囲内である、上記[7]または[8]に記載の治療方法
[10]上記[5]または[6]に記載の治療剤を患者に投与する工程を含む、歯周病を治療することによって歯周病に付随する疾患を治療する方法。
本発明によれば、歯周病を治療することができる。また、本発明によれば、歯周病に付随する疾患をも治療し得る。
以下、本発明について詳述する。
1 本発明に係る医薬組成物
本発明に係る医薬組成物(以下、「本発明組成物」という。)は、歯周病を治療するための医薬組成物であり、抗ヘルペスウイルス薬を有効成分として含有することを特徴とする。本発明組成物を有効成分として含有する薬剤は、歯周病やそれに付随する疾患を治療するための治療剤とすることができる。本発明においては、歯周病に付随する疾患は、本発明組成物を用いて歯周病を治療することによって治療することができる。
ここで「歯周病」とは、歯肉、セメント質、歯根膜、および歯槽骨からなる、いわゆる歯周組織において起こり得る炎症性疾患をいう。歯周病には、歯肉病変および歯周炎のいずれもが含まれる。具体的には、歯肉病変としては、例えば、プラーク性歯肉炎、非プラーク性歯肉病変、歯肉増殖等が挙げられる。また、歯周炎としては、慢性歯周炎、侵襲性(急速破壊性)歯周炎等が挙げられる。
上記の他、歯周病としては、例えば、壊死性歯周疾患(例:壊死性潰瘍性歯肉炎、壊死性潰瘍性歯周炎)、歯周組織の膿瘍(例:歯肉膿瘍、歯周膿瘍)、歯周-歯内病変、歯肉退縮、咬合性外傷(例:一次性咬合性外傷、二次性咬合性外傷)等の疾患が広く含まれる。
歯肉病変は、歯周炎の前段階と考えることができる。一般的には、プラーク性歯肉炎(歯肉病変の一種)から炎症が、セメント質、歯根膜、および歯槽骨に波及し、歯周炎へと進行することが通例である。
歯周炎は、例えば、プロービング検査により測定される歯周ポケット深さ(プロービングポケットデプス)をパラメータとして、炎症の程度により分類することができる。具体的には、歯周ポケット深さが4mm未満の場合を軽度歯周炎、歯周ポケット深さが4mm以上6mm未満の範囲内の場合を中等度歯周炎、歯周ポケット深さが6mm以上の場合を重度歯周炎として分類することができる。また例えば、プロービング時の歯茎(主にポケット底部)からの出血状態により、+(点状)、++(線状、滴状)等として病状を分類することもできる。他に例えば、ピンセット等を用いた歯の動揺度検査により、0(生理的動揺0.2mm以内)、1度(軽度、0.2~1mm)、2度(中等度、1~2mm)、3度(重度、2mm以上、または垂直方向の動揺)等として病状を分類することも可能である(Millerの分類)。
本明細書において「治療」とは、疾患の治癒および寛解のいずれをも含む概念であり、病状の改善や予防も含まれる。かかる予防には、疾患発症予防および増悪予防が含まれる。中でも、本発明組成物は、歯周病の病状改善または増悪予防において、より効果を奏し得る。また、予防には、長期治療または慢性期治療における予防も含まれる。本発明における治療は、歯周病または歯周病に付随する後述の疾患の治療であれば、特に制限はない。
本発明による治療効果は、例えば、歯周病(歯周炎)であれば、上記歯周ポケット深さをパラメータとして、炎症の程度の改善度合により客観的に評価することができる。他に例えば、上記の出血状態や歯の動揺度をパラメータとして、あるいは、医療従事者によるX線写真(レントゲン)検査の所見等により、評価することもできる。また、患者の知覚する不快感の改善度合により、主観的に評価することも可能である。
1.1 抗ヘルペスウイルス薬
本発明組成物は、抗ヘルペスウイルス薬を有効成分として含有する。ここで、ヘルペスウイルスとは、ヘルペスウイルス科に属するDNAウイルスのことをいい、ヒトを宿主とするα亜科、β亜科、およびγ亜科のいずれもが含まれる。
具体的には、α亜科ウイルスとしては、例えば、主に神経細胞に感染または潜伏する、単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)および2型(HSV-2)、ならびに水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)を挙げることができる。β亜科ウイルスとしては、例えば、主に単球やマクロファージに感染または潜伏する、ヒトサイトメガロウイルス(CMV)、ならびにヒトヘルペスウイルス6A型(HHV-6A)、6B型(HHV-6B)、および7型(HHV-7)を挙げることができる。γ亜科ウイルスとしては、例えば、主にB細胞に感染または潜伏する、EBウイルス(EBV)およびヒトヘルペスウイルス8型(HHV-8)を挙げることができる。
本発明組成物に含有され得る抗ヘルペスウイルス薬は、上記ヘルペスウイルスに対して抗ウイルス作用を発現し得る医薬成分であれば特に制限は無く、その作用機序は特には問わない。例えば、アシクロビル、バラシクロビル(アシクロビルのプロドラッグ)、ペンシクロビル、ファムシクロビル(ペンシクロビルのプロドラッグ)、アメナメビル、ビダラビン、ソリブジン、ブリブジンを挙げることができる。中でも、本発明組成物に含有される抗ヘルペスウイルス薬として、バラシクロビルは、吸収効率がよく用量や回数が少なくなり好ましい。本発明組成物は、これらの抗ヘルペスウイルス薬を一種または二種以上含有することができる。
本明細書において単に抗ヘルペスウイルス薬という場合、遊離型の上記各抗ヘルペスウイルス薬のみならず、医学的に許容される塩、溶媒和物、またはアナログ等であってもよい。また、結晶相、非晶質相、半結晶相も本発明に係る抗ヘルペスウイルス薬に含まれる。
本発明組成物は、有効成分以外に担体を適量含有することができる。当該担体として、例えば、固形、半固形または液状の希釈剤、充填剤、その他の処方用の助剤を挙げることができる。これらの担体を一種または二種以上含有することができる。
1.2 本発明に係る治療剤
本発明に係る治療剤(以下、「本発明治療剤」という。)は、本発明組成物を含有する。本発明治療剤は、歯周病を治療するために用いることができる。そのため、本発明治療剤として、典型的には、歯科用治療剤を挙げることができる。また、本発明治療剤は、歯周病を治療することによって、歯周病に付随する疾患を治療することができる。したがって、本発明治療剤は、歯周病に付随する疾患を治療するために用いることもできる。
本発明治療剤で治療し得る歯周病は、既述の通りであり、歯肉病変(プラーク性歯肉炎、非プラーク性歯肉病変、歯肉増殖等)および歯周炎(慢性歯周炎、侵襲性(急速破壊性)歯周炎等)のいずれもが含まれるのみならず、壊死性歯周疾患、歯周組織の膿瘍、歯周-歯内病変、歯肉退縮、咬合性外傷等の疾患が広く含まれる。
本発明治療剤で治療し得る、歯周病に付随する疾患としては、例えば、糖尿病、誤嚥性肺炎、骨粗しょう症、脳梗塞、狭心症、心筋梗塞、心内膜炎、動脈硬化、早産、低体重児出産、肥満症・メタボリック症候群、アルツハイマー病、口腔がん、咽頭がん、関節炎、関節リウマチ、腎炎、腎臓病、またはうつ病を挙げることができる。
本発明治療剤は、必要や目的に応じて任意の他の疾患治療薬を有効量含むことができる。当該疾患治療薬としては、例えば、歯周病に付随する上記疾患の治療薬が挙げられる。当該疾患治療薬は、一種であっても任意の二種以上の併用であってもよい。
1.3 投与経路
本発明治療剤の投与経路に特に制限はない。局所投与(例えば、経粘膜投与、経皮投与。)、経口投与、その他の非経口投与(例えば、静脈内投与、門脈内投与、皮下投与、点滴投与等の注射投与。)のいずれであってもよいが、本発明治療剤は、歯周病組織への局所適用型製剤であることが好ましい。
本発明治療剤の投与経路は、上記の中の一経路であっても二経路以上であってもよい。例えば、本発明治療剤がトローチ剤の態様である場合、投与経路は、歯周病組織への局所投与かつ経口投与とすることができる。
1.4 剤型
本発明治療剤の剤形は、上記の通り、その投与経路に応じて外用剤(局所適用型製剤)、内服製剤(経口投与製剤)、非経口投与製剤のいずれの形態をもとることができる。本発明治療剤は徐放性製剤であってもよい。中でも、本発明治療剤の剤形は、外用剤かつ内服製剤としてのトローチ剤であることが好ましい。
1.4.1 外用剤
本発明治療剤が外用剤の形態である場合、かかる外用剤としては、皮膚の局所表面に有効成分を直接投与できる剤形であれば特に制限されず、例えば、軟膏剤、液剤(含嗽剤、懸濁剤、乳剤、ローション剤等)、外用散剤を挙げることができる。
これらの製剤を調製するに際して、有効成分以外に、通常の外用剤を調製するのに使用される各種配合成分を適宜選択して使用することができる。そのような成分として、軟膏剤、クリーム剤、ゲル剤、ないしローション剤の場合には、白色ワセリン、黄色ワセリン、ラノリン、サラシミツロウ、セタノール、ステアリルアルコール、ステアリン酸、硬化油、ゲル化炭化水素、ポリエチレングリコール、流動パラフィン、スクワラン等の基剤;オレイン酸、ミリスチン酸イソプロピル、トリイソオクタン酸グリセリン、クロタミトン、セバシン酸ジエチル、アジピン酸ジイソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪族アルコール、植物油等の溶剤および溶解補助剤;トコフェロール誘導体、L-アスコルビン酸、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール等の酸化防止剤;パラヒドロキシ安息香酸エステル等の防腐剤;グリセリン、プロピレングリコール、ヒアルロン酸ナトリウム等の保湿剤;ポリオキ シエチレン誘導体、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、レシチン等の界面活性剤;カルボキシビニルポリマー、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩類、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等の増粘剤等を挙げることができる。さらに、所望により安定剤、保存剤、吸収促進剤、pH調整剤、その他の適当な添加剤を配合することができる。
外用散剤については、バレイショデンプン、コメデンプン、トウモロコシデンプン、タルク、酸化亜鉛等の賦形剤またはその他の適当な添加剤を配合することができる。この場合にあっても、さらに、所望により各種安定剤、保存剤、吸収促進剤、その他の適当な添加剤を配合することができる。
上記外用剤を調製する方法としては特に限定されず、所望の剤型に応じて、各成分および必要に応じた基剤成分をよく混練する等の常法により製造することができる。
上記外用剤は、例えば、軟膏剤、液剤(懸濁剤、乳剤、ローション剤等)、エアゾール剤および外用散剤の場合には、皮膚患部に塗布等により直接適用したり、あるいは、布等の支持体に塗布または含浸させて適用したりするなど、常法により使用することができる。
1.4.2 内服製剤(経口投与製剤)
本発明治療剤が内服製剤の形態である場合、かかる内服製剤としては、例えば、トローチ剤(錠剤)、末剤、カプセル剤、糖衣剤、顆粒剤、散剤、懸濁剤、液剤、シロップ剤、エリキシル剤を挙げることができる。
トローチ剤は、賦形剤を加えて粉末混合物を作り、顆粒化もしくはスラグ化し、次いで崩壊剤または滑沢剤を加えた後、打錠することにより製造することができる。
粉末混合物は、適当に粉末化された物質を上述の希釈剤やベースと混合することにより製造することができる。必要に応じて、結合剤(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール)、溶解遅延化剤(例えば、パラフィン)、再吸収剤(例えば、四級塩)、吸着剤(例えばベントナイト、カオリン)等を添加することができる。
粉末混合物は、まず結合剤、例えば、シロップ、澱粉糊、アラビアゴム、セルロース溶液または高分子物質溶液で湿らせ、攪拌混合し、これを乾燥、粉砕して顆粒とすることができる。このように粉末を顆粒化する代わりに、まず打錠機にかけた後、得られる不完全な形態のスラグを破砕して顆粒にすることも可能である。このようにして作られる顆粒に、滑沢剤としてステアリン酸、ステアリン酸塩、タルク、ミネラルオイル等を添加することにより、互いに付着することを防ぐことができる。
また、トローチ剤は、上述のように顆粒化やスラグ化の工程を経ることなく、有効成分を流動性の不活性担体と混合した後に直接打錠することによっても製造することができる。
こうして製造されたトローチ剤にフィルムコーティングや糖衣を施すことができる。シェラックの密閉被膜からなる透明または半透明の保護被覆、糖や高分子材料の被覆およびワックスよりなる磨上被覆をも用いることができる。
末剤は、有効成分を適当な細かさにすることにより製造することができる。
散剤は、有効成分を適当な細かさにし、次いで同様に細かくした医薬用担体、例えば、澱粉、マンニトールのような可食性炭水化物と混合することにより製造することができる。任意に風味剤、保存剤、分散剤、着色剤、香料等を添加することができる。
カプセル剤は、まず上述のようにして粉末状となった末剤や散剤あるいは錠剤の項で述べるように顆粒化したものを、例えば、ゼラチンカプセルのようなカプセル外皮の中へ充填することにより製造することができる。滑沢剤や流動化剤、例えば、コロイド状のシリカ、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、固形のポリエチレングリコールを粉末状のものに混合し、その後充填操作を行うことにより製造することもできる。崩壊剤や可溶化剤、例えば、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウムを添加すれば、カプセル剤が摂取されたときの医薬の有効性を改善することができる。また、有効成分の微粉末を植物油、ポリエチレングリコール、グリセリン、界面活性剤中に懸濁分散し、これをゼラチンシートで包んで軟カプセル剤とすることもできる。
他の経口投与製剤、例えば、液剤、シロップ剤、エリキシル剤もまたその一定量が有効成分を一定量含有するように用量単位形態にすることができる。
シロップ剤は、有効成分を適当な香味水溶液に溶解して製造することができる。エリキシル剤は、非毒性のアルコール性担体を用いることにより製造することができる。
懸濁剤は、有効成分等を非毒性担体中に分散させることにより製造することができる。必要に応じて、可溶化剤や乳化剤(例えば、エトキシ化されたイソステアリルアルコール類、ポリオキシエチレンソルビトールエステル類)、保存剤、風味付与剤(例えば、ペパーミント油、サッカリン)等を添加することができる。
必要であれば、経口投与のための用量単位処方をマイクロカプセル化することができる。当該処方はまた、被覆をしたり、高分子・ワックス等中に埋め込んだりすることにより作用時間の延長や持続放出をもたらすこともできる。
1.4.3 非経口投与製剤
本発明治療剤が非経口投与製剤の形態である場合、かかる非経口投与製剤としては、例えば、注射剤、点滴製剤を挙げることができる。注射剤は、用時調製の注射用キットないし点滴用キットであってもよい。
非経口投与製剤は、歯肉等の歯周組織・皮下・筋肉または静脈内注射用とした液状用量単位形態、例えば、溶液や懸濁液の形態をとることができる。当該非経口投与製剤は、一定量の有効成分を、注射の目的に適合する非毒性の液状担体、例えば、水性や油性の媒体に懸濁しまたは溶解し、次いで当該懸濁液または溶液を滅菌することにより製造することができる。注射液を等張にするために非毒性の塩や塩溶液を添加することができる。また、安定剤、保存剤、乳化剤等を添加することもできる。同様に点滴製剤とすることもできる。
2 本発明に係る治療方法
本発明に係る治療方法(以下、「本発明治療方法」という。)は、本発明治療剤を患者に投与する工程を含むことを特徴とする。本発明治療方法の対象疾患としては、直接的には歯周病であるが、歯周病を治療することによって、歯周病に付随する疾患を治療することができるから、歯周病に付随する疾患も挙げることができる。
本発明治療方法の対象となる歯周病は、既述の通りであり、歯肉病変(プラーク性歯肉炎、非プラーク性歯肉病変、歯肉増殖等)および歯周炎(慢性歯周炎、侵襲性(急速破壊性)歯周炎等)のいずれもが含まれるのみならず、壊死性歯周疾患、歯周組織の膿瘍、歯周-歯内病変、歯肉退縮、咬合性外傷等の疾患が広く含まれる。
本発明治療方法の対象となる、歯周病に付随する疾患としては、例えば、糖尿病、誤嚥性肺炎、骨粗しょう症、脳梗塞、狭心症、心筋梗塞、心内膜炎、動脈硬化、早産、低体重児出産、肥満症・メタボリック症候群、アルツハイマー病、口腔がん、咽頭がん、関節炎、関節リウマチ、腎炎、腎臓病、またはうつ病を挙げることができる。
本発明治療方法においては、必要や目的に応じて任意の他の疾患治療薬を有効量投与することができる。当該疾患治療薬としては、例えば、歯周病に付随する上記疾患の治療薬が挙げられる。当該疾患治療薬の投与は、一種であっても任意の二種以上の併用であってもよい。
本発明治療方法における治療薬の投与経路に特に制限はない。局所投与(例えば、経粘膜投与、経皮投与。)、経口投与、その他の非経口投与(例えば、静脈内投与、門脈内投与、皮下投与、点滴投与等の注射投与。)のいずれであってもよいが、本発明治療方法では、口腔内の患部(歯周病組織)への直接的な局所投与であることが好ましい。
本発明治療方法における投与経路は、上記の中の一経路であっても二経路以上であってもよい。本発明治療方法にてトローチ剤を患者に投与する場合、投与経路は、歯周病組織への直接的な局所投与かつ経口投与となる。本発明治療方法においてはこのような投与態様であることがより好ましい。
一般に、ヘルペスウイルスは、抗ウイルス薬を使用しても完全に死滅させることが容易ではなく、再発を繰り返しやすいことが知られている。また、歯周病は、長い年月を掛けて徐々に進行する疾患として知られている。ヘルペスウイルスおよび歯周病の当該特徴を考慮すると、本発明治療方法における本発明治療剤の投与期間はできる限り長くして、歯周病の回復が確認できるまでとすることが好ましい。本発明治療方法においては、ヘルペスウイルスに対するいわゆる抑制療法に準じて、一定量の抗ウイルス薬を毎日局所適用し続けるか、内服し続ける方法を適用することができる。例えば、バラシクロビルを用いる場合、1日1回~数回(例えば2回や3回)、7.5mg/kg~8.0mg/kgの範囲内の用量のバラシクロビルを、口腔剤(局所適用剤かつ経口剤)の態様の本発明治療剤として、約6か月間~1年間の期間に渡り継続して患者に投与する方法が適用できる。投与の際には、本発明治療剤を少量の水または唾液で溶かしながら口腔内で徐々に溶液化し、当該溶液を約10~30分間程度歯周病組織(患部)に接触させながら飲み続ける用法にて、患者に服用させることが好ましい。
以下、実施例を掲げて本発明を説明するが、本発明は以下の実施例等の態様に限定されるものではない。なお、以下の実施例では、バラシクロビルを有効成分とする下記治療剤を下記被験者に対して投与した。
・治療剤:ValtrexTM錠(グラクソ・スミスクライン社製)
・被験者:62歳男性、体重65.5kg、体脂肪率20.9%
[実施例1]本発明治療剤による歯周病の改善
(1)本発明治療剤の投与
被験者に対し、1日1回、500mg(有効成分)の治療剤を口腔剤として投与した。服用に当たっては、治療剤を少量の水または唾液で溶かして患部の歯周組織に薬剤が浸み込むようにしてから飲む方法を用いた。
(2)経過
投与期間1か月経過時に、患部の歯のグラつきが少なくなり、1か月半経過時には、患部の歯のグラつきおよび痛みが感じられなくなった。その後も治療剤の投与を継続し、2か月経過時では患部の歯肉が引き締まり、出血もなくなった。
(3)結果
治療剤の投与を継続するにつれ歯周病の病状は日々改善し、投与期間2カ月半経過時には、患部の歯を用いて強く噛んでもグラつきや痛み等は全く感じなくなった。これらの結果より、本発明治療剤は歯周病を改善することが明らかとなった。
[実施例2]本発明治療剤によるメタボリック症候群の改善
(1)本発明治療剤の投与
被験者に対し、上記実施例1と同様の用法および用量にて治療剤を投与した。
(2)経過
治療剤の投与を継続するにつれ、メタボリック症候群の症状は日々改善していった。
(3)結果
投与期間2カ月半経過時には、体重63.5kg、体脂肪率19.9%となり、メタボリック症候群の症状が大幅に改善した。これらの結果より、本発明治療剤は歯周病を改善することが明らかとなった。
本発明組成物、治療剤、または治療方法によれば、歯周病を治療することができる。また、これらの本発明によれば、歯周病に付随する疾患をも治療し得る。

Claims (6)

  1. 抗ヘルペスウイルス薬を有効成分として含有する、歯周病を治療するための医薬組成物。
  2. 前記抗ヘルペスウイルス薬がバラシクロビルである、請求項1に記載の医薬組成物。
  3. 前記医薬組成物を含有する、局所適用型の歯周病治療剤。
  4. 剤形が、トローチ剤、軟膏剤、含嗽剤、または注射剤である、請求項3に記載の歯周病治療剤。
  5. 前記医薬組成物を含有する、歯周病を治療することによって歯周病に付随する疾患を治療するための治療剤。
  6. 前記疾患が、糖尿病、誤嚥性肺炎、骨粗しょう症、脳梗塞、狭心症、心筋梗塞、心内膜炎、動脈硬化、早産、低体重児出産、肥満症・メタボリック症候群、アルツハイマー病、口腔がん、咽頭がん、関節炎、関節リウマチ、腎炎、腎臓病、またはうつ病である、請求項5に記載の治療剤。
JP2022068031A 2022-04-18 2022-04-18 歯周病治療のための医薬組成物 Pending JP2023158290A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022068031A JP2023158290A (ja) 2022-04-18 2022-04-18 歯周病治療のための医薬組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022068031A JP2023158290A (ja) 2022-04-18 2022-04-18 歯周病治療のための医薬組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023158290A true JP2023158290A (ja) 2023-10-30

Family

ID=88509334

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022068031A Pending JP2023158290A (ja) 2022-04-18 2022-04-18 歯周病治療のための医薬組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2023158290A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6824434B2 (ja) ネココロナウイルス感染を処置する方法
JP2004531468A5 (ja)
HU217136B (hu) Riluzol alkalmazása Parkinson-kór és Parkinson-szindrómák kezelésére szolgáló gyógyszerkészítmények előállítására
JP4097698B2 (ja) 一日一回の投与による陰部ヘルペス治療用医薬の製造のためのバラシクロビールの使用
JPH0635382B2 (ja) 抗不安薬としてのフルオキセチンの使用法
JPH06505231A (ja) 癌またはエイズの治療におけるキノンの使用
JP4394686B2 (ja) 唾液分泌促進用医薬組成物およびその使用
US10052328B2 (en) Therapeutic composition to treat lesions caused by Herpes Simplex Virus
Shafran et al. Topical undecylenic acid for herpes simplex labialis: a multicenter, placebo-controlled trial
JP2023158290A (ja) 歯周病治療のための医薬組成物
EA001325B1 (ru) Способы лечения и профилактики интерстициального цистита
NL194430C (nl) Niet-injecteerbaar farmaceutisch preparaat met anti-kankerwerking.
JP6959478B1 (ja) ポルフィリン症の予防又は治療剤
KR100740079B1 (ko) 당뇨병성 신경 장해용 의약 조성물
HUT50440A (en) Process for producing pharmaceutical compositions for treating schizophrenia
JPH11158066A (ja) イブプロフェン含有医薬製剤
JP6030069B2 (ja) 歯周病の予防及び/又は治療のための口腔内洗浄用組成物
HU226793B1 (en) Use of nucleoside analogs and cyclosporin a in the manufacture of combined preparation against herpes simplex virus infections
WO2004017973A1 (ja) 統合失調症治療剤
JPS6296424A (ja) 改良された抗炎症組成物
JPWO2006043336A1 (ja) 胃粘膜疾患の治療又は予防のための組成物
Schubert et al. Oral complications of hematopoietic cell transplantation
US20140186271A1 (en) Reducing dental caries
CN113242735A (zh) 使用氨基甲酸酯化合物预防、缓解或治疗并发的癫痫发作
MXPA06003056A (es) Tratamiento de tumores estromales gastrointestinales con imatinib y midostaurin.