JP2023157565A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】サイドウォールの外表面の凹凸を目立たなくさせるとともに、サイドウォールにおける美観性を高められる空気入りタイヤを提供する。【解決手段】サイドウォールの外表面に形成され、タイヤ周方向に沿って延びる帯状の装飾模様を備える。前記装飾模様は、タイヤ周方向に単位模様を繰り返し並べて形成されている。前記単位模様は、前記装飾模様よりもタイヤ径方向内側に中心を有する円弧が同心状に配列されてなる同心円弧状模様を含む。前記円弧の配列ピッチはタイヤ径方向外側に向かって大きくなっている。【選択図】図3

Description

本開示は、サイドウォールの外表面に帯状の装飾模様が形成された空気入りタイヤに関する。
空気入りタイヤは、種々のタイヤ構成部材を組み合わせて成形したグリーンタイヤを加硫成形することにより製造される。空気入りタイヤをインフレートした際、サイドウォールの外表面には、帯状をなすタイヤ構成部材(例えば、カーカス)のジョイント部分が局部的な凹凸となって現れることがあり、かかる凹凸はタイヤの外観品質を低下させる原因になりうる。
このような局部的な凹凸を目立たなくさせるため、サイドウォールの外表面に帯状の装飾模様を形成することが知られており、例えば特許文献1に記載されている。しかし、近年では、凹凸を目立たなくさせるだけでなく、装飾模様によってサイドウォールにおける美観性を高めるための更なる改良が望まれている。
特開2015-13605号公報
本開示は上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、サイドウォールの外表面の凹凸を目立たなくさせるとともに、サイドウォールにおける美観性を高められる空気入りタイヤを提供することにある。
本開示の空気入りタイヤは、
サイドウォールの外表面に形成され、タイヤ周方向に沿って延びる帯状の装飾模様を備え、
前記装飾模様は、タイヤ周方向に単位模様を繰り返し並べて形成されており、
前記単位模様は、前記装飾模様よりもタイヤ径方向内側に中心を有する円弧が同心状に配列されてなる同心円弧状模様を含み、
前記円弧の配列ピッチはタイヤ径方向外側に向かって大きくなっている。
本実施形態に係る空気入りタイヤの一例を概略的に示すタイヤ子午断面図 本実施形態に係る空気入りタイヤをタイヤ軸方向から見た正面図 装飾模様の一部を示す拡大図 単位模様を示す拡大図 図4のX-X矢視断面図 装飾模様の変形例を示す図 装飾模様の変形例を示す図 装飾模様の変形例を示す図 装飾模様の変形例を示す図 装飾模様の変形例を示す図 装飾模様の変形例を示す図
本開示の空気入りタイヤの実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1に示すように、空気入りタイヤTは、一対のビード部1と、一対のビード部1の各々からタイヤ径方向外側に延びる一対のサイドウォール2と、一対のサイドウォール2の各々のタイヤ径方向外側端に連なるトレッド3とを備える。タイヤTは、更に、一対のビード部1の間に設けられたカーカス4と、カーカス4のタイヤ径方向外側に積層されたベルト層5と、タイヤ内面に配設されたインナーライナー6とを備える。
ここで、タイヤ径方向は、タイヤTの直径に沿った方向であり、図1の上下方向に相当する。図1において上側がタイヤ径方向外側となり、下側がタイヤ径方向内側となる。タイヤ軸方向は、タイヤTの回転軸と平行な方向であり、図1の左右方向に相当する。タイヤ赤道面TEに近付く側がタイヤ軸方向内側となり、タイヤ赤道面TEから離れる側がタイヤ軸方向外側となる。タイヤ周方向は、タイヤTの回転軸周りの方向である。
ビード部1には、環状のビードコア1aが埋設されている。ビードコア1aは、鋼線などの収束体をゴムで被覆して形成されている。ビードコア1aのタイヤ径方向外側には、ビードフィラー1bが配置されている。ビードフィラー1bは、ビードコア1aからタイヤ径方向外側に延びた断面三角形状のゴムにより形成されている。ビードコア1a及びビードフィラー1bのタイヤ軸方向外側には、ビード部1の外表面を形成するリムストリップゴム7が設けられている。
カーカス4は、一対のビード部1の間に跨ってトロイド状に延在している。カーカス4は、ビードコア1a及びビードフィラー1bを挟み込むようにしてタイヤ軸方向の内側から外側に巻き上げられている。カーカス4は、カーカスコードをゴム被覆して形成されたカーカスプライにより形成される。カーカスコードは、タイヤ周方向に対して略直交する方向(例えば、タイヤ周方向に対して75~90度の角度となる方向)に引き揃えられている。カーカス4のタイヤ軸方向外側には、サイドウォール2の外表面を形成するサイドウォールゴム8が設けられている。
ベルト層5は、互いに積層された複数のベルトプライ5a,5bにより形成される。ベルトプライ5a,5bは、それぞれ、タイヤ周方向に対して傾斜する方向に引き揃えられたベルトコードをゴム被覆して形成されている。ベルトプライ5a,5bは、それらの間でベルトコードが互いに逆向きに交差するように積層されている。ベルト層5のタイヤ径方向外側には、トレッドゴム9が設けられている。トレッドゴム9には、周方向溝9aを含む溝部が設けられ、要求されるタイヤ性能や使用条件に応じたトレッドパターンが形成されている。
図2に示すように、サイドウォール2の外表面には、タイヤ周方向に沿って延びる帯状の装飾模様20が形成されている。図示の都合上、図2では、装飾模様20をグレーの塗り潰しによって描いているが、実際には図3に示すような模様が施されている。本実施形態において、装飾模様20は、タイヤ周方向に沿って円弧状(非環状)に延びているが、これに限られず、タイヤ周方向に沿って円環状に延びていてもよい。装飾模様20は、加硫成形によってサイドウォールゴム8に形成された凹凸模様で形成されている。
本実施形態では、装飾模様20が、タイヤ最大幅位置2Mを含むタイヤ径方向の一定領域に形成されている。よって、装飾模様20の内周縁20aはタイヤ最大幅位置2Mよりもタイヤ径方向内側に配置され、装飾模様20の外周縁20bはタイヤ最大幅位置2Mよりもタイヤ径方向外側に配置されている。タイヤ最大幅位置2Mは、タイヤ子午面におけるサイドウォール2のプロファイルラインがタイヤ軸方向においてタイヤ赤道面TEから最も離れる位置である。このプロファイルラインは、リムプロテクタなどの突起物を除いたサイドウォール2の輪郭である。
図3は、装飾模様20の一部を示す拡大図である。装飾模様20は、タイヤ周方向に単位模様30を繰り返し並べて形成されている。単位模様30は、タイヤ周方向に沿って一定のピッチ角度θ1で配置されている。ピッチ角度θ1は、タイヤ周方向に隣り合うタイヤ径方向線DL同士がなす角度である。タイヤ径方向線DLは、後述する円弧Arの中心Cを通ってタイヤ径方向に延びた仮想線である。ピッチ角度θ1は、好ましくは1度以上である。ピッチ角度θ1は、好ましくは5度以下であり、より好ましくは3度以上である。また、ピッチ角度θ1は、後述する範囲角度θ2よりも小さいことが好ましいが、これに限られない。
図4は、単位模様30を示す拡大図であり、装飾模様20を形成する複数の単位模様30のうち一つを抽出して描いたものである。単位模様30は、タイヤ周方向に沿った一定の範囲角度θ2で配置されている。範囲角度θ2は、例えば5~10度である。単位模様30は、装飾模様20よりもタイヤ径方向内側に中心Cを有する円弧Arが同心状に配列されてなる同心円弧状模様40を含む。図4では、単位模様30が同心円弧状模様40のみを含む例を示す。円弧Arの配列ピッチはタイヤ径方向外側(図4では上側)に向かって大きくなっている。
円弧Arの配列ピッチがタイヤ径方向外側に向かって大きくなっていることにより、装飾模様20におけるタイヤ径方向内側の領域では、比較的細かい要素によって複雑な模様が構成され、カーカス4などのタイヤ構成部材のジョイント部分に起因して生じるサイドウォール2の外表面の凹凸を目立たなくさせることができる。また、装飾模様20におけるタイヤ径方向外側の領域では、模様を構成する要素の延在方向がタイヤ周方向に近くなるため、タイヤ径方向に沿って現れがちなサイドウォール2の外表面の凹凸を目立たなくさせることができる。
装飾模様20におけるタイヤ径方向内側の領域では、円弧Arの配列ピッチが比較的小さいことにより、後述する突条31の隙間が小さくなるために光の乱反射の程度が変わり、相対的に暗く(黒く)視認される。これとは反対に、装飾模様20におけるタイヤ径方向外側の領域では、円弧Arの配列ピッチが比較的大きいことにより、相対的に明るく視認される。その結果、装飾模様20の中で黒色の濃淡をつけやすく、サイドウォール2における美観性を高めることができる。
ピッチ角度θ1が範囲角度θ2よりも小さい場合、図3のようにタイヤ周方向に隣り合う単位模様30が互いに重なり合う。これにより、円弧Ar同士の交点が増えて模様がより複雑になるため、サイドウォール2の外表面の凹凸を目立たなくさせる効果が高められる。また、その交点の周辺では相対的に暗く(黒く)視認されるので、装飾模様20の中で黒色の濃淡をつけやすくなり、サイドウォール2における美観性が高められる。かかる改善効果を高める観点から、本実施形態ではピッチ角度θ1を範囲角度θ2の半分よりも小さくしている。その結果、円弧Arの中心Cを通るタイヤ径方向線DLを越えて、タイヤ周方向に隣り合う単位模様30が互いに重なり合っている。
図4のように、本実施形態では、一つの同心円弧状模様40が5つの円弧Arによって形成されている。本明細書では、各円弧を「円弧Ar1~Ar5」と個別的に称しつつ、これらを一括して「円弧Ar」と総称する。一つの同心円弧状模様40を形成する円弧Arの個数は3以上が好ましく、5以上がより好ましい。また、一つの同心円弧状模様40を形成する円弧Arの個数は20以下が好ましく、10以下がより好ましい。尚、外周縁20bに達する円弧Ar5は二分されているが、それらの中心と半径は合致しているため1つの円弧Ar(円弧Ar5)として数える。
本実施形態では、同心円弧状模様40が、装飾模様20の内周縁20aから延びた円弧Arのみで形成されている。同心円弧状模様40を形成する円弧Ar1~Ar5の各々は、その両端が内周縁20aに接続されている。但し、これに限られず、内周縁20aに接続されずに装飾模様20内で終端したり、隣接する別の円弧等に端部が接続されたりした円弧が含まれていても構わない。同心円弧状模様40は、円弧Ar5のような、外周縁20bに達する円弧Arを含むことが好ましい。一つの同心円弧状模様40において外周縁20bに達する円弧Arの個数は3以下であることが好ましい。
既述の通り、円弧Arの配列ピッチはタイヤ径方向外側に向かって大きくなっている。図4に示した円弧Arの配列ピッチP1~P4は、例えばP1=3.0mm、P2=4.0mm、P3=5.0mm、P4=6.0mmである。この場合、隣り合う配列ピッチの差は1.0mmで一定であるが、これに限られず、不定であってもよい。サイドウォール2の美観性を高める効果を確保するうえで、隣り合う配列ピッチの差は0.5mm以上が好ましく、1.0mm以上がより好ましい。また、サイドウォール2の外表面の凹凸を目立たなくさせる効果を確保するうえで、隣り合う配列ピッチの差は8.0mm以下が好ましく、6.0mm以下がより好ましい。
円弧Arの配列ピッチがタイヤ径方向外側に向かって大きくなっていることにより、円弧Arの半径の変化量はタイヤ径方向外側に向けて大きくなる。一例において、円弧Ar1~Ar5の半径は、それぞれ5.0mm、8.0mm、12.0mm、17.0mm、23.0mmである。この場合、円弧Arの半径の変化量は3.0mm、4.0mm、5.0mm、6.0mmと次第に大きくなる。
本実施形態では、同心円弧状模様40を形成する円弧Ar1~Ar5の曲率が、タイヤ径方向外側に向かって小さくなっている。但し、これに限られず、例えば、或る円弧Arの曲率と、その円弧Arのタイヤ径方向内側に位置する円弧Arの曲率とを比べた場合に、タイヤ径方向外側に位置する円弧Arの曲率の方が大きくなっていてもよい。
本実施形態において、同心円弧状模様40(を含む単位模様30)は、図5に例示したようなタイヤ軸方向外側に突出した突条31により形成されている。突条31の幅W31は、例えば0.1~0.8mmである。突条31の突出高さH31は、例えば0.2mm以上である。円弧Arの配列ピッチに相当する突条31のピッチP31は、例えば0.5~8.0mmである。突条31の断面形状は三角形であるが、これに限られず、矩形や台形、三角形の頂点が丸められた形状など、他の形状でもよい。
本実施形態では、サイドウォール2の外表面に、プロファイルラインから凹んだ凹部22が帯状に設けられ、その凹部22内に装飾模様20が形成されている。これにより、装飾模様20を汚れや外傷から守り、外観性の向上を少しでも長く維持できる。図5では、プロファイルラインに沿った外表面を破線で示している。突条31は、凹部22の底面22aから突出している。内周縁20a及び外周縁20bは、それぞれ凹部22の壁面により形成される。凹部22の深さD22は、例えば0.2~1.5mmである。突条31の突出高さH31は深さD22よりも小さいが、これに限られず、深さD22と同じか、それより大きくても構わない。突条31は、凹部22の底面22aではなく、プロファイルラインに沿ったサイドウォール2の外表面から突出してもよい。
図6~11は、それぞれ装飾模様の変形例を示している。これらの変形例は、以下に説明する構成の他は、図3~5を参照して説明した装飾模様20と同様の構成であるため、共通点を省略して主に相違点について説明する。既に説明した構成と同一の構成には、同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
前述の実施形態では、タイヤ軸方向から見て、同心円弧状模様40を形成する円弧Arの各々が、真円(中心Cから等しく離れた点の軌跡からなる円)の円弧である例を示したが、これに限られず、楕円の円弧(即ち、楕円弧)であってもよい。したがって、例えば、同心円弧状模様40は、図6のように長軸をタイヤ径方向に向けた楕円弧である円弧Arが同心状に配列されてなる形態でもよい。また、例えば、同心円弧状模様40は、図7のように短軸をタイヤ径方向に向けた楕円弧である円弧Arが同心状に配列されてなる形態でもよい。
図6,7のように楕円弧である円弧Arによって同心円弧状模様40を形成することにより、装飾模様20の幅や長さ、ピッチ角度θ1範囲角度θ2などに照らして適切なサイズで同心円弧状模様40を形成しやすい。また、図6の形態によれば、単位模様30の重なる割合を維持しながらもピッチ角度を小さく設定することができるため、装飾模様20を構成する要素の数を増やすうえで都合がよい。図7の形態によれば、タイヤ周方向に延びる要素が増えることにより、タイヤ径方向に沿って現れがちなサイドウォール2の外表面の凹凸を目立たなくさせる効果が高められる。
図8は、単位模様30の配列のタイヤ径方向外側に、タイヤ周方向に繰り返し並べた単位模様50の配列を配置した例である。単位模様30に含まれる同心円弧状模様40と、単位模様50に含まれる同心円弧状模様60とが、タイヤ周方向に沿って千鳥状に配置されている。これによって更に複雑さを増した模様となり、サイドウォール2の外表面の凹凸を目立たなくさせる効果が高められる。同心円弧状模様60においても、円弧の配列ピッチがタイヤ径方向外側に向かって大きくなっている。同心円弧状模様60を形成する円弧は、同心円弧状模様40の最外側の円弧同士の交点に中心を有しているが、これに限られない。
図9は、単位模様30が、更に、円弧の中心Cを基準として放射状に延び且つ円弧Ar同士の交点を通る複数の直線71で形成された放射線状模様70を含む例を示す。曲線で形成された同心円弧状模様40に、直線71で形成された放射線状模様70を組み合わせることで、複雑さを増した模様となり、サイドウォール2の外表面の凹凸を目立たなくさせる効果が向上する。また、直線71が中心Cを基準にして延びているため、模様の重なりを効率的に発生させることができる。円弧Ar同士の交点を直線71が通ることは、適度な大きさで領域を分割して模様の複雑さを増すうえで有用である。直線71は、模様の重なりを多く発生させる観点から、円弧状模様40における最外側の円弧(図4の円弧Ar5)又は外周縁20bに到達することが好ましい。
図9では、放射線状模様70を含んだ一つの単位模様30を描いているが、タイヤ周方向に並べられた単位模様30の各々が放射線状模様70を含んでいたり、所定数(例えば、一つ又は二つ)置きに単位模様30が放射線状模様70を含んでいたりしてもよい。説明の都合上、内周縁20aよりタイヤ径方向内側(図9では下側)において放射線状模様70の要素を図示しているが、これらは実際には看取されないものである。また、区別を容易にするために、同心円弧状模様40よりも太い線で放射線状模様70を描いているが、これらの大小関係は特に限定されず、互いに同程度の太さであってもよい。後述する放射線状模様80,90においても同様である。
図10は、単位模様30が、更に、円弧の中心Cを基準として放射状に延び且つ円弧Ar同士の交点を通る複数の曲線81で形成された放射線状模様80を含む例を示す。これにより複雑さを増した模様となるため、サイドウォール2の外表面の凹凸を目立たなくさせることができる。曲線81は、タイヤ径方向外側に向けて凸となる円弧(又は楕円弧)によって形成されているが、これに限られない。その他は、図9に示した放射線状模様70と同様の構成や作用であるので、重複した説明を省略する。
図11は、単位模様30が、更に、円弧の中心Cを基準として放射状に延び且つ円弧Ar同士の交点を通る複数の屈曲線91で形成された放射線状模様90を含む例を示す。これにより単調さを減じて複雑さを増した模様となるため、サイドウォール2の外表面の凹凸を目立たなくさせることができる。その他は、図9に示した放射線状模様70と同様の構成や作用であるので、重複した説明を省略する。一つの放射線状模様を形成する線(直線71、曲線81又は屈曲線91)の本数は、4本以上が好ましく、8本以上がより好ましく、12本以上が更に好ましい。
[1]
以上のように、本開示の空気入りタイヤは、サイドウォール2の外表面に形成され、タイヤ周方向に沿って延びる帯状の装飾模様20を備え、その装飾模様20は、タイヤ周方向に単位模様30を繰り返し並べて形成されており、その単位模様30は、20装飾模様よりもタイヤ径方向内側に中心Cを有する円弧Arが同心状に配列されてなる同心円弧状模様40を含み、円弧Arの配列ピッチはタイヤ径方向外側に向かって大きくなっている。かかる構成によれば、サイドウォール2の外表面の凹凸を目立たなくさせるとともに、サイドウォール2における美観性を高めることができる。
[2]
上記[1]の空気入りタイヤにおいて、円弧Arの中心Cを通るタイヤ径方向線DLを越えて、タイヤ周方向に隣り合う単位模様30が互いに重なり合っていることが好ましい。かかる構成によれば、サイドウォール2の外表面の凹凸を一層目立たなくさせるとともに、サイドウォール2における美観性を一層高めることができる。
[3]
上記[1]又は[2]の空気入りタイヤにおいて、一つの同心円弧状模様40を形成する円弧Arの個数が20以下であることが好ましい。これにより、相対的に明るく視認される領域を適度に形成しやすくなるので、サイドウォール2における美観性を高めるうえで有用である。
[4]
上記[1]~[3]いずれか1つの空気入りタイヤにおいて、同心円弧状模様40は、装飾模様20の内周縁20aから延びた円弧Arのみで形成されていることが好ましい。かかる構成によれば、模様の重なりを効率的に発生させて複雑さを増すことにより、サイドウォール2の外表面の凹凸を目立たなくさせる効果が高められる。
[5]
上記[1]~[4]いずれか1つの空気入りタイヤにおいて、単位模様30は、更に、円弧Arの中心Cを基準として放射状に延び且つ円弧Ar同士の交点を通る複数の線(直線71、曲線81又は屈曲線91)で形成された放射線状模様(放射線状模様70、放射線状模様80又は放射線状模様90)を含むものでもよい。これにより、サイドウォール2の外表面の凹凸を目立たなくさせる効果を高めることができる。
以上、本開示の実施形態について説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限定されるものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した実施形態の説明だけではなく、特許請求の範囲によって示され、更には特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれる。
本開示の空気入りタイヤは、上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能である。上述した実施形態で採用されている各構成を、任意に組み合わせて採用しても構わない。
2 サイドウォール
20 装飾模様
20a 内周縁
30 単位模様
40 同心円弧状模様
70 放射線状模様
71 直線
80 放射線状模様
81 曲線
90 放射線状模様
91 屈曲線
Ar 円弧
C 円弧の中心
DL タイヤ径方向線

Claims (5)

  1. サイドウォールの外表面に形成され、タイヤ周方向に沿って延びる帯状の装飾模様を備え、
    前記装飾模様は、タイヤ周方向に単位模様を繰り返し並べて形成されており、
    前記単位模様は、前記装飾模様よりもタイヤ径方向内側に中心を有する円弧が同心状に配列されてなる同心円弧状模様を含み、
    前記円弧の配列ピッチはタイヤ径方向外側に向かって大きくなっている、空気入りタイヤ。
  2. 前記円弧の中心を通るタイヤ径方向線を越えて、タイヤ周方向に隣り合う前記単位模様が互いに重なり合っている、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 一つの前記同心円弧状模様を形成する前記円弧の個数が20以下である、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記同心円弧状模様は、前記装飾模様の内周縁から延びた前記円弧のみで形成されている、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記単位模様は、更に、前記円弧の中心を基準として放射状に延び且つ前記円弧同士の交点を通る複数の直線、曲線又は屈曲線で形成された放射線状模様を含む、請求項1に記載の空気入りタイヤ。

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