JP2023156858A - 配線基板、モジュール及び画像表示装置 - Google Patents

配線基板、モジュール及び画像表示装置 Download PDF

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Seiji Take
慶太 飯村
Keita Iimura
光政 小岩
Mitsumasa Koiwa
浩 山本
Hiroshi Yamamoto
秀俊 飯岡
Hidetoshi Iioka
公一 中野
Koichi Nakano
裕也 丸山
Hironari Maruyama
建太 小林
Kenta Kobayashi
恵理子 甲斐
Eriko KAI
可成 青野
Kanari Aono
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Abstract

【課題】給電線と給電部との接続性を向上させることが可能な、配線基板、モジュール及び画像表示装置を提供する。【解決手段】配線基板10は、第1面11aと第1面11aの反対側に位置する第2面11bとを含む基板11と、基板11の第1面11a上に互いに離間して配置された複数のメッシュ配線部20と、メッシュ配線部20に電気的に接続された給電部40と、を備えている。配線基板10は、電磁波送受信機能を有している。基板11は、透明性を有している。メッシュ配線部20は、アンテナとして構成されている。給電部40に、線状に延びる複数の第1切り欠き部45が形成されている。【選択図】図3

Description

本開示の実施の形態は、配線基板、モジュール及び画像表示装置に関する。
現在、スマートフォン、タブレット等の携帯端末機器の高機能、小型化、薄型化及び軽量化が進んでいる。これら携帯端末機器は、複数の通信帯域を使用するため、通信帯域に応じた複数のアンテナが必要とされる。例えば、携帯端末機器には、電話用アンテナ、WiFi(Wireless Fidelity)用アンテナ、3G(Generation)用アンテナ、4G(Generation)用アンテナ、LTE(Long Term Evolution)用アンテナ、Bluetooth(登録商標)用アンテナ、NFC(Near Field Communication)用アンテナ等の複数のアンテナが搭載されている。しかしながら、携帯端末機器の小型化に伴い、アンテナの搭載スペースは限られており、アンテナ設計の自由度は狭まっている。また、限られたスペース内にアンテナを内蔵していることから、電波感度が必ずしも満足できるものではない。
このため、携帯端末機器の表示領域に搭載できるフィルムアンテナが開発されている。このフィルムアンテナは、透明基材上にアンテナパターンが形成された透明アンテナにおいて、アンテナパターンが、不透明な導電体層の形成部としての導体部と、非形成部としての多数の開口部とによるメッシュ状の導電体メッシュ層によって形成されている。
特開2011-66610号公報
ところで、フィルムアンテナにおいては、導電体メッシュ層を外部の機器に電気的に接続させるための給電部に、給電線が接続されている。この場合、給電部と給電線との接続性を向上させることが求められている。
本実施の形態は、給電線と給電部との接続性を向上させることが可能な、配線基板、モジュール及び画像表示装置を提供することを目的とする。
本実施の形態の第1の態様は、第1面と前記第1面の反対側に位置する第2面とを含む基板と、前記基板の前記第1面上に互いに離間して配置された複数のメッシュ配線部と、前記メッシュ配線部に電気的に接続された複数の給電部と、を備え、前記配線基板は、電磁波送受信機能を有し、前記基板は、透明性を有し、前記メッシュ配線部は、アンテナとして構成されており、各々の前記メッシュ配線部と、各々の給電部とは、それぞれ個別に接続されており、前記給電部に、線状に延びる複数の第1切り欠き部が形成されている、配線基板である。
本実施の形態の第2の態様は、上述した第1の態様による配線基板において、前記配線基板はミリ波送受信機能を有していても良く、前記メッシュ配線部は、アレイアンテナとして構成されていても良い。
本実施の形態の第3の態様は、上述した第1の態様又は上述した第2の態様による配線基板において、前記給電部は、前記メッシュ配線部に接続する第1端部と、前記第1端部とは反対側の第2端部とを有していても良く、複数の前記第1切り欠き部は、前記第2端部から前記第1端部へ向かう方向に沿って、前記第2端部から延びていても良い。
本実施の形態の第4の態様は、上述した第1の態様から上述した第3の態様のそれぞれによる配線基板において、配線基板は、前記基板の前記第1面上に配置されたグランド部を更に備えていても良く、前記グランド部に、線状に延びる複数の第2切り欠き部が形成されていても良い。
本実施の形態の第5の態様は、上述した第1の態様から上述した第4の態様のそれぞれによる配線基板において、前記第1切り欠き部に、前記第1切り欠き部を分断する分断部が形成されていても良い。
本実施の形態の第6の態様は、上述した第1の態様から上述した第5の態様のそれぞれによる配線基板において、前記メッシュ配線部同士の距離は、1mm以上5mm以下であっても良い。
本実施の形態の第7の態様は、上述した第1の態様から上述した第6の態様のそれぞれによる配線基板において、前記メッシュ配線部の周囲に、前記メッシュ配線部から電気的に独立したダミー配線部が設けられていても良い。
本実施の形態の第8の態様は、上述した第7の態様による配線基板において、複数の前記ダミー配線部が設けられていても良く、前記メッシュ配線部及び前記ダミー配線部の開口率は、前記メッシュ配線部から、前記メッシュ配線部に遠い前記ダミー配線部に向けて段階的に大きくなっていても良い。
本実施の形態の第9の態様は、上述した第1の態様から上述した第8の態様のそれぞれによる配線基板と、前記配線基板の前記給電部に電気的に接続された給電線とを備えた、モジュールである。
本実施の形態の第10の態様は、上述した第9の態様によるモジュールにおいて、前記給電線は、基材と、前記基材に積層された金属配線部とを有していても良く、前記金属配線部に、線状に延びる複数の第3切り欠き部が形成されていても良く、前記第3切り欠き部の幅は、前記第1切り欠き部の幅以下であり、平面視において、前記第3切り欠き部は、前記第1切り欠き部に沿って延びるとともに、前記第1切り欠き部に重なっていても良い。
本実施の形態の第11の態様は、上述した第9の態様又は上述した第10の態様によるモジュールにおいて、前記給電線は、導電粒子を含む異方性導電フィルムを介して、前記給電部に電気的に接続されていても良く、前記第1切り欠き部の幅は、前記導電粒子の平均粒子径の0.5倍以上1倍以下であっても良い。
本実施の形態の第12の態様は、上述した第9の態様から上述した第11の態様のそれぞれによるモジュールと、前記モジュールの前記配線基板に積層された表示装置と、を備えた、画像表示装置である。
本開示の実施の形態によると、給電線と給電部との接続性を向上できる。
図1は、一実施の形態による画像表示装置を示す平面図である。 図2は、一実施の形態による画像表示装置を示す断面図(図1のII-II線断面図)である。 図3は、一実施の形態による配線基板を示す平面図である。 図4は、一実施の形態による配線基板を示す拡大平面図である。 図5は、一実施の形態による配線基板を示す断面図(図4のV-V線断面図)である。 図6は、一実施の形態による配線基板を示す断面図(図4のVI-VI線断面図)である。 図7は、一実施の形態によるモジュールを示す平面図である。 図8は、一実施の形態によるモジュールを示す断面図(図7のVIII-VIII線断面図)である。 図9は、一実施の形態によるモジュールを示す分解斜視図である。 図10(a)-(f)は、一実施の形態による配線基板の製造方法を示す断面図である。 図11(a)-(c)は、一実施の形態によるモジュールの製造方法を示す断面図である。 図12(a)-(c)は、一実施の形態による画像表示装置の製造方法を示す断面図である。 図13は、第1変形例による配線基板を示す平面図である。 図14は、第2変形例による配線基板を示す拡大平面図である。 図15は、第3変形例による配線基板を示す平面図である。 図16は、第3変形例による配線基板を示す拡大平面図である。 図17は、第4変形例による配線基板を示す平面図である。 図18は、第4変形例による配線基板を示す拡大平面図である。 図19は、第5変形例による配線基板を示す平面図である。
まず、図1乃至図12により、一実施の形態について説明する。図1乃至図12は本実施の形態を示す図である。
以下に示す各図は、模式的に示した図である。そのため、各部の大きさ、形状は理解を容易にするために、適宜誇張している。また、技術思想を逸脱しない範囲において適宜変更して実施できる。なお、以下に示す各図において、同一部分には同一の符号を付しており、一部詳細な説明を省略する場合がある。また、本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値及び材料名は、実施の形態としての一例であり、これに限定されず、適宜選択して使用できる。本明細書において、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば平行や直交、垂直等の用語については、厳密に意味するところに加え、実質的に同じ状態も含めて解釈することとする。
以下の実施の形態において、「X方向」とは、画像表示装置の一辺に対して平行な方向である。「Y方向」とは、X方向に垂直かつ画像表示装置の他の一辺に対して平行な方向である。「Z方向」とは、X方向及びY方向の両方に垂直かつ画像表示装置の厚み方向に平行な方向である。「表面」とは、Z方向プラス側の面であって、画像表示装置の発光面側であり、観察者側を向く面をいう。「裏面」とは、Z方向マイナス側の面であって、画像表示装置の発光面及び観察者側を向く面と反対側の面をいう。なお、本実施の形態において、メッシュ配線部20が、電波送受信機能(アンテナとしての機能)を有するメッシュ配線部である場合を例にとって説明するが、メッシュ配線部20は電波送受信機能を有していなくても良い。
図1及び図2を参照して、本実施の形態による画像表示装置の構成について説明する。
図1及び図2に示すように、本実施の形態による画像表示装置60は、モジュール80Aと、モジュール80Aに積層された表示装置(ディスプレイ)61と、を備えている。
このうちモジュール80Aは、配線基板10と、配線基板10の後述する給電部40に電気的に接続された給電線85とを備えている。また、モジュール80Aと、後述する第1透明接着層(第1接着層)95と、後述する第2透明接着層(第2接着層)96とによって、画像表示装置用積層体70が構成されている。
モジュール80Aの配線基板10は、基板11と、メッシュ配線部20と、給電部40とを有する。図2に示すように、基板11は、第1面11aと第1面11aの反対側に位置する第2面11bとを含む。メッシュ配線部20は、基板11の第1面11a上に複数配置されている。また、各々のメッシュ配線部20には、給電部40が電気的に接続されている。さらに、表示装置61に対してZ方向マイナス側には、通信モジュール63が配置されている。画像表示装置用積層体70と、表示装置61と、通信モジュール63とは、筐体62内に収容されている。
図1及び図2に示す画像表示装置60において、通信モジュール63を介して、所定の周波数の電波を送受信でき、通信を行うことができる。通信モジュール63は、ミリ波用アンテナ、電話用アンテナ、WiFi用アンテナ、3G用アンテナ、4G用アンテナ、5G用アンテナ、LTE用アンテナ、Bluetooth(登録商標)用アンテナ、NFC用アンテナ等のいずれかを含んでいても良い。このような画像表示装置60としては、例えばスマートフォン、タブレット等の携帯端末機器を挙げることができる。
図2に示すように、画像表示装置60は、発光面64を有している。画像表示装置60は、表示装置61に対して発光面64側(Z方向プラス側)に位置する配線基板10と、表示装置61に対して発光面64の反対側(Z方向マイナス側)に位置する通信モジュール63と、を備えている。
表示装置61は、例えば有機EL(Electro Luminescence)表示装置からなる。
表示装置61は、例えば図示しない金属層、支持基材、樹脂基材、薄膜トランジスタ(TFT)、及び有機EL層を含んでいても良い。表示装置61上には、図示しないタッチセンサが配置されていても良い。また、表示装置61上には、第2透明接着層96を介して配線基板10が配置されている。なお、表示装置61は、有機EL表示装置に限られるものではない。例えば、表示装置61は、それ自体が発光する機能を持つ他の表示装置であっても良く、マイクロLED素子を含むマイクロLED表示装置であっても良い。また、表示装置61は、液晶を含む液晶表示装置であっても良い。
配線基板10上には、第1透明接着層95を介してカバーガラス75が配置されている。なお、第1透明接着層95とカバーガラス75との間には、図示しない加飾フィルム及び偏光板が配置されていても良い。
第1透明接着層95は、配線基板10をカバーガラス75に直接的又は間接的に接着する接着層である。この第1透明接着層95は、基板11の第1面11a側に位置している。第1透明接着層95は、光学透明性を有しており、OCA(Optical Clear Adhesive)層であっても良い。OCA層は、例えば以下のようにして作製された層である。まず、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の離型フィルム上に、重合性化合物を含む液状の硬化性接着層用組成物を塗布する。次に、これを例えば紫外線(UV)等を用いて硬化することにより、OCAシートを得る。このOCAシートを対象物に貼合した後、離型フィルムを剥離除去することにより、上記OCA層を得る。第1透明接着層95の材料は、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂又はウレタン系樹脂等であっても良い。とりわけ、第1透明接着層95は、アクリル系樹脂を含んでいても良い。この場合、第2透明接着層96が、アクリル系樹脂を含んでいることが好ましい。これにより、第1透明接着層95と第2透明接着層96との屈折率の差を実質的になくし、第1透明接着層95と第2透明接着層96との界面B3での可視光の反射をより確実に抑えることができる。
第1透明接着層95は、可視光線の透過率が85%以上であっても良く、90%以上であることが好ましい。なお、第1透明接着層95の可視光線の透過率の上限は特にないが、例えば100%以下であっても良い。第1透明接着層95の可視光線の透過率を上記範囲とすることにより、画像表示装置用積層体70の透明性を高め、画像表示装置60の表示装置61を視認しやすくできる。なお、可視光線とは、波長が400nm以上700nm以下の光線のことをいう。また、可視光線の透過率が85%以上であるとは、測定する部材(例えば第1透明接着層95)に対して吸光度の測定を行った際、400nm以上700nm以下の全波長領域で、その透過率が85%以上となることをいう。吸光度の測定は、公知の分光光度計(例えば、日本分光株式会社製の分光器:V-670)を用いて行うことができる。
配線基板10は、上述したように、表示装置61に対して発光面64側に配置されている。この場合、配線基板10は、第1透明接着層95と第2透明接着層96との間に位置する。より具体的には、第1透明接着層95と第2透明接着層96との間の一部領域に、配線基板10の基板11の一部領域が配置されている。この場合、第1透明接着層95、第2透明接着層96、表示装置61及びカバーガラス75は、それぞれ配線基板10の基板11よりも広い面積を有する。このように、配線基板10の基板11を、平面視で画像表示装置60の全面ではなく一部領域に配置することにより、画像表示装置60の全体としての厚みを薄くできる。
配線基板10は、上述したように、透明性を有する基板11と、基板11の第1面11a上に互いに離間して配置された複数のメッシュ配線部20と、複数の給電部40とを有する。メッシュ配線部20には、給電部40が電気的に接続されている。この場合、各々のメッシュ配線部20と、各々の給電部40とは、それぞれ個別に接続されている。給電部40は、給電線85を介して、通信モジュール63に電気的に接続されている。また、配線基板10の一部は、第1透明接着層95と第2透明接着層96との間に配置されることなく、第1透明接着層95と第2透明接着層96との間から外方(Y方向マイナス側)に突出する。具体的には、配線基板10のうち、給電部40が設けられている領域が外方に突出する。これにより、給電部40と通信モジュール63との電気的な接続を容易に行うことができる。一方、配線基板10のうち、メッシュ配線部20が設けられている領域は、第1透明接着層95と第2透明接着層96との間に位置する。なお、配線基板10及び給電線85の詳細については後述する。
第2透明接着層96は、表示装置61を配線基板10に直接的又は間接的に接着する接着層である。この第2透明接着層96は、基板11の第2面11b側に位置している。第2透明接着層96は、第1透明接着層95と同様に、光学透明性を有しており、OCA(Optical Clear Adhesive)層であっても良い。第2透明接着層96の材料は、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂又はウレタン系樹脂等であっても良い。とりわけ、第2透明接着層96は、アクリル系樹脂を含んでいても良い。これにより、第1透明接着層95と第2透明接着層96との屈折率の差を実質的になくし、第1透明接着層95と第2透明接着層96との界面B3での可視光の反射をより確実に抑えることができる。
第2透明接着層96は、可視光線(波長400nm以上700nm以下の光線)の透過率が85%以上であっても良く、90%以上であることが好ましい。なお、第2透明接着層96の可視光線の透過率の上限は特にないが、例えば100%以下であっても良い。第2透明接着層96の可視光線の透過率を上記範囲とすることにより、画像表示装置用積層体70の透明性を高め、画像表示装置60の表示装置61を視認しやすくできる。
このような画像表示装置60において、基板11の屈折率と、第1透明接着層95の屈折率との差は、0.1以下であり、0.05以下となることが好ましい。また、基板11の屈折率と、第2透明接着層96の屈折率との差は、0.1以下であり、0.05以下となることが好ましい。さらに、第1透明接着層95の屈折率と、第2透明接着層96の屈折率との差は、0.1以下であることが好ましく、0.05以下であることがより好ましい。例えば、第1透明接着層95の材料と第2透明接着層96の材料とが、屈折率が1.49であるアクリル系樹脂である場合、基板11の屈折率を1.39以上1.59以下とする。このような材料としては、例えばフッ素樹脂、シリコーン系樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリイミド系樹脂、セルロース系樹脂等を挙げることができる。
このように、基板11の屈折率と、第1透明接着層95の屈折率との差を0.1以下に抑えることにより、基板11と第1透明接着層95との界面B1での可視光の反射を抑え、基板11を観察者の肉眼で視認しにくくできる。また、基板11の屈折率と、第2透明接着層96の屈折率との差を0.1以下に抑えることにより、基板11と第2透明接着層96との界面B2での可視光の反射を抑え、基板11を観察者の肉眼で視認しにくくできる。さらに、第1透明接着層95の屈折率と、第2透明接着層96の屈折率との差を0.1以下に抑えることにより、第1透明接着層95と第2透明接着層96との界面B3での可視光の反射を抑えることができる。このため、第1透明接着層95と第2透明接着層96とを観察者の肉眼で視認しにくくできる。
とりわけ、第1透明接着層95の材料と第2透明接着層96の材料とが、互いに同一の材料であることが好ましい。これにより、第1透明接着層95と第2透明接着層96との屈折率の差をより小さくし、第1透明接着層95と第2透明接着層96との界面B3での可視光の反射を抑えることができる。
図2において、第1透明接着層95の厚みTと第2透明接着層96の厚みTとのうち少なくとも一方の厚みは、基板11の厚みTの1.5倍以上であっても良く、2倍以上であることが好ましく、2.5倍以上であることが更に好ましい。このように、基板11の厚みTに対して第1透明接着層95の厚みT又は第2透明接着層96の厚みTを十分に厚くすることにより、基板11と重なる領域で第1透明接着層95又は第2透明接着層96が厚み方向に変形し、基板11の厚みを吸収する。これにより、基板11の周縁において第1透明接着層95又は第2透明接着層96に段差が生じることを抑えることができ、基板11の存在を観察者が認識しにくくできる。
第1透明接着層95の厚みT及び第2透明接着層96の厚みTのうち少なくとも一方の厚みは、基板11の厚みTの10倍以下であることが好ましく、5倍以下であることが更に好ましい。これにより、第1透明接着層95の厚みT又は第2透明接着層96の厚みTが厚くなりすぎることがなく、画像表示装置60の全体としての厚みを薄くできる。
図2において、第1透明接着層95の厚みTと第2透明接着層96の厚みTとが、互いに同一であっても良い。この場合、第1透明接着層95の厚みT及び第2透明接着層96の厚みTは、それぞれ基板11の厚みTの1.5倍以上であっても良く、2.0倍以上であることが好ましい。すなわち、第1透明接着層95の厚みT及び第2透明接着層96の厚みTの合計(T+T)は、基板11の厚みTの3倍以上となる。このように、基板11の厚みTに対して、第1透明接着層95及び第2透明接着層96の厚みT、Tの合計を十分に厚くすることにより、基板11と重なる領域で、第1透明接着層95及び第2透明接着層96が厚み方向に変形(収縮)する。これにより、第1透明接着層95及び第2透明接着層96が、基板11の厚みを吸収する。このため、基板11の周縁において、第1透明接着層95又は第2透明接着層96に段差が生じることを抑えることができ、基板11の存在を観察者が認識しにくくできる。
第1透明接着層95の厚みTと第2透明接着層96の厚みTとが互いに同一である場合、第1透明接着層95の厚みT及び第2透明接着層96の厚みTは、それぞれ基板11の厚みTの5倍以下であっても良く、3倍以下であることが好ましい。これにより、第1透明接着層95及び第2透明接着層96の両方の厚みT、Tが厚くなりすぎることがなく、画像表示装置60の全体としての厚みを薄くできる。
具体的には、基板11の厚みTは、例えば2μm以上であっても良く、10μm以上であっても良く、15μm以上であることが好ましい。基板11の厚みTを2μm以上とすることにより、配線基板10の強度を保持し、メッシュ配線部20の後述する第1方向配線21及び第2方向配線22が変形しにくいようにできる。また、基板11の厚みTは、例えば200μm以下であっても良く、50μm以下であっても良く、25μm以下であることが好ましい。基板11の厚みTを200μm以下とすることにより、基板11の周縁において第1透明接着層95及び第2透明接着層96に段差が生じることを抑え、基板11の存在を観察者が認識しにくくできる。また、基板11の厚みTを50μm以下とすることにより、基板11の周縁において第1透明接着層95及び第2透明接着層96に段差が生じることを更に抑え、基板11の存在を観察者がより認識しにくくできる。
第1透明接着層95の厚みTは、例えば15μm以上であっても良く、20μm以上であることが好ましい。第1透明接着層95の厚みTは、例えば500μm以下であっても良く、300μm以下であることが好ましく、250μm以下であることが更に好ましい。第2透明接着層96の厚みTは、例えば15μm以上であっても良く、20μm以上であることが好ましい。第2透明接着層96の厚みTは、例えば500μm以下であっても良く、300μm以下であることが好ましく、250μm以下であることが更に好ましい。
再度図2を参照すると、カバーガラス75は、第1透明接着層95上に直接的又は間接的に配置されている。このカバーガラス75は、光を透過するガラス製の部材である。カバーガラス75は、板状であり、カバーガラス75の形状は、平面視で矩形であってもよい。カバーガラス75の厚みは、例えば200μm以上1000μm以下であっても良く、300μm以上700μm以下であることが好ましい。カバーガラス75の長手方向(Y方向)の長さは、例えば20mm以上500mm以下、望ましくは100mm以上200mm以下であっても良い。カバーガラス75の短手方向(X方向)の長さは、20mm以上500mm以下、望ましくは50mm以上100mm以下であっても良い。
図1に示すように、画像表示装置60の形状は、平面視で、全体として略長方形であり、その長手方向がY方向に平行であり、その短手方向がX方向に平行となっている。画像表示装置60の長手方向(Y方向)の長さLは、例えば20mm以上500mm以下、望ましくは100mm以上200mm以下の範囲で選択できる。画像表示装置60の短手方向(X方向)の長さLは、例えば20mm以上500mm以下、望ましくは50mm以上100mm以下の範囲で選択できる。なお、画像表示装置60の平面形状は、その角部がそれぞれ丸みを帯びた長方形であっても良い。
次に、図3乃至図6を参照して、配線基板の構成について説明する。図3乃至図6は、本実施の形態による配線基板を示す図である。
本実施の形態による配線基板10は、上述した画像表示装置60(図1及び図2参照)に用いられる基板である。配線基板10は、表示装置61よりも発光面64側であって、第1透明接着層95と第2透明接着層96との間に配置され得る。図3に示すように、このような配線基板10は、上述したように、透明性を有する基板11と、基板11上に互いに離間して配置された複数のメッシュ配線部20と、複数の給電部40とを有する。また、メッシュ配線部20には、給電部40が電気的に接続されている。各々のメッシュ配線部20と、各々の給電部40とは、それぞれ個別に接続されている。
基板11の形状は、平面視で略長方形である。図示された例においては、その長手方向がX方向に平行であり、その短手方向がY方向に平行となっている。基板11は、透明性を有するとともに略平板状であり、その厚みは全体として略均一となっている。画像表示装置60の長手方向(Y方向)における基板11の長さL(図1及び図3参照)は、例えば10mm以上200mm以下の範囲で選択できる。画像表示装置60の短手方向(X方向)における基板11の長さL(図1参照)は、例えば3mm以上100mm以下の範囲で選択できる。なお、基板11の平面形状は、その角部がそれぞれ丸みを帯びた長方形であっても良い。
基板11の材料は、可視光線領域での透明性と電気絶縁性とを有する材料であればよい。
基板11の材料としては、例えば、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、セルロース系樹脂、又はフッ素樹脂材料等の有機絶縁性材料が用いられることが好ましい。ポリエステル系樹脂は、ポリエチレンテレフタレート等であっても良い。アクリル系樹脂は、ポリメチルメタクリレート等であっても良い。ポリオレフィン系樹脂は、シクロオレフィン重合体等であっても良い。セルロース系樹脂は、トリアセチルセルロース等であっても良い。フッ素樹脂材料は、PTFE又はPFA等であっても良い。例えば、基板11の材料としては、シクロオレフィンポリマー(例えば日本ゼオン社製ZF-16)、又はポリノルボルネンポリマー(住友ベークライト社製)等の有機絶縁性材料が用いられても良い。また、基板11の材料としては、用途に応じてガラス、又はセラミックス等が適宜選択されても良い。なお、基板11は、単一の層によって構成された例を図示したが、これに限定されず、複数の基材又は層が積層された構造であっても良い。また、基板11はフィルム状の部材であっても良く、板状の部材であっても良い。
基板11の誘電正接は、0.002以下であることが好ましい。基板11の誘電正接が上記範囲であることにより、とりわけメッシュ配線部20が送受信する電磁波(例えばミリ波)が高周波である場合に、電磁波の送受信に伴う利得の損失(感度の低下)を小さくできる。
基板11の比誘電率は、2以上10以下であることが好ましい。基板11の比誘電率が2以上であることにより、基板11の材料の選択肢を多くできる。また、基板11の比誘電率が10以下であることにより、電磁波の送受信に伴う利得の損失を小さくできる。すなわち、基板11の比誘電率が大きくなった場合、基板11の厚みが電磁波の伝搬に与える影響が、大きくなる。また、電磁波の伝搬に悪影響がある場合、基板11の誘電正接が大きくなり、電磁波の送受信に伴う利得の損失が大きくなり得る。これに対して、基板11の比誘電率が10以下であることにより、基板11の厚みが電磁波の伝搬に与える影響を小さくできる。このため、電磁波の送受信に伴う利得の損失を小さくできる。とりわけメッシュ配線部20が送受信する電磁波(例えばミリ波)が高周波である場合に、電磁波の送受信に伴う利得の損失を小さくできる。
基板11の誘電正接及び比誘電率は、IEC 62562に準拠して測定できる。具体的には、まず、メッシュ配線部20が形成されてない部分の基板11を切り出して試験片を準備する。又は、メッシュ配線部20が形成された基板11を切り出し、エッチング等によりメッシュ配線部20を除去しても良い。試験片の寸法は、幅10mm以上20mm以下、長さ50mm以上100mm以下とする。次に、IEC 62562に準拠し、誘電正接又は比誘電率を測定する。基板11の誘電正接及び比誘電率は、ASTM D150に準拠して測定されても良い。
本実施の形態では、基板11は、透明性を有している。本明細書中、「透明性を有する」とは、可視光線(波長400nm以上700nm以下の光線)の透過率が85%以上であることを意味する。基板11は、可視光線の透過率が85%以上であっても良く、90%以上であることが好ましい。なお、基板11の可視光線の透過率の上限は特にないが、例えば100%以下であっても良い。基板11の可視光線の透過率を上記範囲とすることにより、配線基板10の透明性を高め、画像表示装置60の表示装置61を視認しやすくできる。
本実施の形態において、メッシュ配線部20は、アンテナとしての機能をもつアンテナパターンからなっている。このメッシュ配線部20は、アレイアンテナとして構成されていても良い。このように、メッシュ配線部20を、アレイアンテナとして構成する場合、直進性の高いミリ波を送受信するミリ波用アンテナ性能を高めることができる。なお、アレイアンテナとは、複数のアンテナ素子(放射素子)を規則的に配置したアンテナであって、素子の励振の振幅及び位相を独立して制御できるアンテナをいう。
図3に示すように、メッシュ配線部20は、基板11上に複数形成されている。メッシュ配線部20は、4つ以上設けられていることが好ましい。図示された例においては、メッシュ配線部20は、基板11上に4つ形成されている(図1参照)。また、図3に示すように、メッシュ配線部20は、基板11の全面に存在するのではなく、基板11上の一部領域のみに存在していても良い。各々のメッシュ配線部20は、互いに同一形状を有していても良い。この場合、各々のメッシュ配線部20は、後述する先端側部分20bの長さ(Y方向距離)Lの誤差及び幅(X方向距離)Wの誤差が、それぞれ10%内であることが好ましい。これにより、ミリ波用アンテナ性能を効果的に高めることができる。
メッシュ配線部20は、給電部40側の基端側部分(電送部)20aと、基端側部分20aに接続された先端側部分(送受信部)20bとを有する。基端側部分20aは、給電部40に接続されている。基端側部分20aの形状と先端側部分20bの形状とは、それぞれ平面視で略長方形である。この場合、先端側部分20bの長さ(Y方向距離)は基端側部分20aの長さ(Y方向距離)と略同一であり、先端側部分20bの幅(X方向距離)は基端側部分20aの幅(X方向距離)よりも広い。
このメッシュ配線部20の先端側部分20bは、所定の周波数帯に対応している。すなわち、先端側部分20bは、その長さ(Y方向距離)Lが特定の周波数帯に対応した長さとなっている。なお、対応する周波数帯が低周波であるほど先端側部分20bの長さLが長くなる。メッシュ配線部20は、ミリ波用アンテナの他、電話用アンテナ、WiFi用アンテナ、3G用アンテナ、4G用アンテナ、5G用アンテナ、LTE用アンテナ、Bluetooth(登録商標)用アンテナ、NFC用アンテナ等のいずれかに対応していても良い。なお、複数の先端側部分20bの長さが互いに異なり、それぞれ異なる周波数帯に対応しても良い。あるいは、配線基板10が電波送受信機能を有していない場合、各メッシュ配線部20は、例えばホバリング機能、指紋認証、ヒーター、ノイズカット(シールド)等の機能を果たしても良い。なお、ホバリング機能とは、使用者がディスプレイに直接触れなくても操作可能となる機能をいう。
先端側部分20bは、その長手方向がX方向に平行であり、その短手方向がY方向に平行となっている。先端側部分20bのY方向の長さLは、例えば1mm以上100mm以下の範囲で選択できる。先端側部分20bのX方向の幅Wは、例えば1mm以上100mm以下の範囲で選択できる。とりわけ、メッシュ配線部20がミリ波用アンテナである場合、先端側部分20bの長さLは、1mm以上、より好ましくは1.5mm以上の範囲で選択できる。メッシュ配線部20がミリ波用アンテナである場合、先端側部分20bの長さLは、10mm以下、より好ましくは5mm以下の範囲で選択できる。
メッシュ配線部20同士の距離は、1mm以上5mm以下であることが好ましい。すなわち、先端側部分20b同士の距離D20b(図3参照)は、1mm以上5mm以下であることが好ましい。先端側部分20b同士の距離D20bが1mm以上であることにより、アンテナ素子間における、電磁波の意図しない干渉を抑制できる。先端側部分20b同士の距離D20bが5mm以下であることにより、メッシュ配線部20が構成するアレイアンテナ全体のサイズを小さくできる。例えば、メッシュ配線部20が28GHzのミリ波用アンテナの場合、先端側部分20b同士の距離D20bは、3.5mmであっても良い。また、メッシュ配線部20が60GHzのミリ波用アンテナの場合、先端側部分20b同士の距離D20bは、1.6mmであっても良い。
図4に示すように、メッシュ配線部20は、それぞれ金属線が格子状又は網目状に配置されたパターン形状を有している。このパターン形状は、X方向及びY方向に繰り返し配置されている。すなわちメッシュ配線部20は、第1方向(例えば、Y方向)に延びる部分(後述する第1方向配線21)と、第2方向(例えば、X方向)に延びる部分(後述する第2方向配線22)とから構成されるパターン形状を有している。
メッシュ配線部20は、複数の配線を有している。具体的には、メッシュ配線部20は、複数の第1方向配線21と、複数の第1方向配線21を連結する複数の第2方向配線22とを有している。複数の第1方向配線21と複数の第2方向配線22とは、全体として一体となって、格子状又は網目状の形状を形成している。各第1方向配線21は、メッシュ配線部20の長手方向(Y方向)に延びている。各第2方向配線は、メッシュ配線部20の幅方向(X方向)に直線状に延びている。なお、第1方向配線21及び第2方向配線22は、それぞれX方向及びY方向のいずれにも平行でない方向に延びていても良い。
メッシュ配線部20においては、互いに隣接する第1方向配線21と、互いに隣接する第2方向配線22とに取り囲まれることにより、複数の開口部23が形成されている。各開口部23の平面形状は、それぞれ、平面視で略菱形である。各開口部23からは、透明性を有する基板11が露出している。これにより、配線基板10全体としての透明性を高めることができる。
メッシュ配線部20においては、互いに隣接する第1方向配線21と、互いに隣接する第2方向配線22とに取り囲まれることにより、複数の開口部23が形成されている。また、第1方向配線21と第2方向配線22とは互いに等間隔に配置されている。すなわち複数の第1方向配線21は、互いに等間隔に配置され、そのピッチPは、例えば0.01mm以上1mm以下の範囲とすることができる。また、複数の第2方向配線22は、互いに等間隔に配置され、そのピッチPは、例えば0.01mm以上1mm以下の範囲とすることができる。このように、複数の第1方向配線21と複数の第2方向配線22とがそれぞれ等間隔に配置されていることにより、メッシュ配線部20内で開口部23の大きさにばらつきがなくなり、メッシュ配線部20を肉眼で視認しにくくできる。また、第1方向配線21のピッチPは、第2方向配線22のピッチPと等しい。このため、各開口部23は、それぞれ平面視略正方形状となっており、各開口部23からは、透明性を有する基板11が露出している。このため、各開口部23の面積を広くすることにより、配線基板10全体としての透明性を高めることができる。なお、各開口部23の一辺の長さLは、例えば0.01mm以上1mm以下の範囲とすることができる。なお、各第1方向配線21と各第2方向配線22とは、互いに直交しているが、これに限らず、互いに鋭角又は鈍角に交差していても良い。また、開口部23の形状は、全面で同一形状同一サイズとするのが好ましいが、場所によって変えるなど全面で均一としなくても良い。
図5に示すように、各第1方向配線21は、その長手方向に垂直な断面(X方向断面)が略長方形又は略正方形となる形状を有している。この場合、第1方向配線21の断面形状は、第1方向配線21の長手方向(Y方向)に沿って略均一となっている。図6に示すように、各第2方向配線22は、その長手方向に垂直な断面(Y方向断面)が略長方形又は略正方形であり、上述した第1方向配線21の断面(X方向断面)形状と略同一の形状を有している。この場合、第2方向配線22の断面形状は、第2方向配線22の長手方向(X方向)に沿って略均一となっている。第1方向配線21の断面形状と第2方向配線22の断面形状とは、必ずしも略長方形又は略正方形でなくても良い。例えば、第1方向配線21の断面形状と第2方向配線22の断面形状とが、表面側(Z方向プラス側)が裏面側(Z方向マイナス側)よりも狭い略台形、あるいは、長手方向両側に位置する側面が湾曲した形状であっても良い。
本実施の形態において、第1方向配線21の線幅W(図5参照)及び第2方向配線22の線幅W(図6参照)は、特に限定されず、用途に応じて適宜選択できる。ここで、第1方向配線21の線幅Wは、その長手方向に垂直な断面における幅(X方向距離)であり、第2方向配線22の線幅Wは、その長手方向に垂直な断面における幅(Y方向距離)である。例えば、第1方向配線21の線幅Wは0.1μm以上5.0μm以下の範囲で選択でき、0.2μm以上2.0μm以下とすることが好ましい。また、第2方向配線22の線幅Wは、0.1μm以上5.0μm以下の範囲で選択でき、0.2μm以上2.0μm以下とすることが好ましい。
第1方向配線21の高さH(図5参照)及び第2方向配線22の高さH(図6参照)は特に限定されず、用途に応じて適宜選択できる。ここで、第1方向配線21の高さH及び第2方向配線22の高さHは、それぞれZ方向の長さである。第1方向配線21の高さH及び第2方向配線22の高さHは、それぞれ例えば0.1μm以上の範囲で選択でき、0.2μm以上であることが好ましい。第1方向配線21の高さH及び第2方向配線22の高さHは、それぞれ例えば5.0μm以下の範囲で選択でき、2.0μm以下であることが好ましい。
第1方向配線21及び第2方向配線22の材料は、導電性を有する金属材料であれば良い。本実施の形態において第1方向配線21及び第2方向配線22の材料は銅であるが、これに限定されない。第1方向配線21及び第2方向配線22の材料は、例えば、金、銀、銅、白金、錫、アルミニウム、鉄若しくはニッケルなどの金属材料、又はこれらの金属を含む合金を用いることができる。また、第1方向配線21及び第2方向配線22は、電解めっき法によって形成されためっき層であっても良い。
メッシュ配線部20の全体の開口率Atは、例えば87%以上100%未満の範囲であってもよい。メッシュ配線部20の全体の開口率Atをこの範囲とすることにより、配線基板10の導電性と透明性を確保できる。メッシュ配線部20の全体の開口率Atは、95%以上100%未満であることが好ましい。これにより、配線基板10の導電性を確保しつつ、配線基板10の透明性を高くできる。なお、開口率とは、所定の領域(例えばメッシュ配線部20の全域)の単位面積に占める、開口領域の面積の割合(%)をいう。開口領域とは、第1方向配線21、第2方向配線22等の金属部分が存在せず、基板11が露出する領域をいう。
なお、図示しないが、基板11の第1面11a上であって、メッシュ配線部20を覆うように保護層が形成されていても良い。保護層は、メッシュ配線部20を保護するものであり、基板11のうち少なくともメッシュ配線部20を覆うように形成される。保護層の材料としては、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエチル(メタ)アクリレート等のアクリル樹脂とそれらの変性樹脂と共重合体、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール等のポリビニル樹脂とそれらの共重合体、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリアミド、塩素化ポリオレフィン等の無色透明の絶縁性樹脂を用いることができる。
再度図3及び図4を参照すると、メッシュ配線部20に、給電部40が電気的に接続されている。この給電部40は、略長方形の導電性の薄板状部材からなる。給電部40の長手方向はX方向に平行であり、給電部40の短手方向はY方向に平行である。給電部40は、メッシュ配線部20に接続する第1端部41と、第1端部41とは反対側の第2端部42とを有している。
給電部40の短手方向(Y方向)の長さL(図3参照)は、例えば1mm以上100mm以下の範囲で選択できる。給電部40の長手方向(X方向)の幅W(図3参照)は、例えば0.2mm以上であっても良い。ここで、給電部40の幅Wが0.2mm以上である場合のように、給電部40の幅Wが所定の値以上である場合、後述する表皮効果により、給電部40を流れる電流は、給電部40の外面側の一部の領域のみを流れるようになる。一方、本実施の形態では、後述するように、給電部40に第1切り欠き部45が形成されている。このため、給電部40の幅Wが0.2mm以上である場合であっても、給電部40において、電流が流れる領域を広くできる。このため、給電部40を流れる電流を分散させることができる。この結果、給電部40の劣化を抑制できる。このような給電部40の幅Wは、例えば0.2mm以上100mm以下の範囲で選択できる。
また、給電部40は、基板11の長手方向端部(Y方向マイナス側端部)に配置されている。給電部40の材料は、例えば、金、銀、銅、白金、錫、アルミニウム、鉄若しくはニッケルなどの金属材料、又はこれらの金属を含む合金を用いることができる。
この給電部40は、配線基板10が画像表示装置60(図1及び図2参照)に組み込まれた際、給電線85を介して画像表示装置60の通信モジュール63と電気的に接続される。なお、給電部40は、基板11の第1面11aに設けられているが、これに限らず、給電部40の一部又は全部が基板11の周縁よりも外側に位置していても良い。また、給電部40を柔軟に形成することにより、給電部40が画像表示装置60の側面や裏面に回り込むように構成されていても良い。この場合、給電部40が、画像表示装置60の側面や裏面側で通信モジュール63と電気的に接続できても良い。
図4に示すように、給電部40には、Y方向プラス側において、複数の第1方向配線21が電気的に接続されている。この場合、給電部40は、メッシュ配線部20と一体に形成されている。給電部40の厚みT(Z方向距離、図6参照)は、第1方向配線21の高さH(図5参照)及び第2方向配線22の高さH(図6参照)と同一とすることができ、例えば0.1μm以上5.0μm以下の範囲で選択できる。
ここで、給電部40に、線状に延びる複数の第1切り欠き部45が形成されている。この第1切り欠き部45は、給電線85を給電部40に取り付ける際に、給電線85の後述する異方性導電フィルム85cの樹脂材料を、給電線85と給電部40との間から逃がす役割を果たす。また、第1切り欠き部45は、給電線85を給電部40に取り付ける際に、給電線85と給電部40との間に入り込んだ空気を、給電線85と給電部40との間から逃がす役割を果たす。すなわち、給電部40に第1切り欠き部45を形成することにより、給電線85を給電部40に圧着する際に、異方性導電フィルム85cの樹脂材料、及び給電線85と給電部40との間に入り込んだ空気が、第1切り欠き部45に沿って流れるようになる。これにより、給電線85を給電部40に取り付ける際に、異方性導電フィルム85cの樹脂材料と給電部40との間に空気が入り込む、いわゆる泡噛みを抑制できるとともに、給電線85と給電部40との密着性を向上できる。
また、給電線85を給電部40に取り付けた際、給電線85の樹脂材料の一部は、第1切り欠き部45内に進入する。さらに、第1切り欠き部45内に進入した樹脂材料の一部は、第1切り欠き部45内で硬化する。そして、第1切り欠き部45内で硬化した樹脂材料は、アンカーとしての役割を果たす。このため、給電線85が給電部40に強く密着し、給電線85が給電部40から剥離しないようにできる。
また、給電部40に第1切り欠き部45を形成することにより、給電部40の劣化を抑制できる。すなわち、給電部40に第1切り欠き部45を形成することにより、後述する表皮効果により、給電部40において、電流が流れる領域が広くなる。このため、給電部40を流れる電流を分散させることができる。この結果、給電部40の劣化を抑制できる。
一般に、交流電流を導体に流したとき、周波数が高くなるほど、導体の中心部分には電流が流れにくくなり、導体の外面を電流が流れるようになる。このように、導体に交流電流を流したときに外面にのみ電流が流れる現象のことを表皮効果という。また、表皮深さとは、最も電流が流れやすい導体の外面の電流に対して、1/e(約0.37)倍に減衰する、導体の外面からの深さのことをいう。この表皮深さδは、一般に下記の式によって求めることができる。
Figure 2023156858000002
なお、上記式中、ωは角周波数(=2πf)、μは透磁率(真空中では4π×10-7[H/m])、σは導体の導電率(銅の場合は5.8×10[S/m])を意味する。銅の導体の表皮深さδは、周波数が0.8GHzの場合、δ=約2.3μmであり、周波数が2.4GHzの場合、δ=約1.3μmであり、周波数が4.4GHzの場合、δ=約1.0μmであり、周波数が6GHzの場合、δ=約0.85μmである。また、5G用のアンテナが送受信する電波(ミリ波)は、例えば4G用のアンテナが送受信する電波と比べて高周波(28GHz以上39GHz以下)である。そして、例えば電流の周波数が28GHz以上39GHz以下である場合、δ=約0.3μm以上約0.4μm以下となる。
このように、電流は、導体の外面から表皮深さδに相当する深さの間を流れる。このため、とりわけメッシュ配線部20が送受信する電波が高周波(例えば28GHz以上39GHz以下)である場合、表皮深さδが小さくなるため、給電部40の外面を平滑にすることが好ましい。一方、給電部40には給電線85が接続される。このため、給電部40と給電線85との密着力を向上させることが好ましい。上述したように、本実施の形態では、給電部40に複数の第1切り欠き部45が形成されている。このため、給電部40の外面を平滑にした場合であっても、給電部40と給電線85との密着力を向上できる。
次に、第1切り欠き部45について詳細に説明する。図3及び図4に示すように、図示された例においては、第1切り欠き部45は、給電部40に7つ形成されている。第1切り欠き部45は、給電部40を厚み方向(Z方向)に貫通しており、各々の第1切り欠き部45からは、透明性を有する基板11が露出している。なお、給電部40に形成される第1切り欠き部45の個数は、これに限られない。例えば、第1切り欠き部45は、給電部40に2つ以上6つ以下形成されていても良く、8つ以上形成されていても良い。
複数の第1切り欠き部45は、メッシュ配線部20の長手方向(Y方向)に沿って延びていても良い。この場合、第1切り欠き部45は、電流が流れる方向に沿って延びるようになる。このため、給電部40を流れる電流を効果的に分散させることができる。この場合、各々の第1切り欠き部45は、直線状に延びていても良い。メッシュ配線部20の長手方向(Y方向)における第1切り欠き部45の長さL(図4参照)は、例えば、0.5mm以上99.9mm以下の範囲とすることができる。
また、メッシュ配線部20の短手方向(X方向)における第1切り欠き部45の幅W(図4参照)は、給電線85の後述する導電粒子85dの平均粒子径の0.5倍以上1倍以下であることが好ましい。これにより、給電線85を給電部40に接続する際に、後述する異方性導電フィルム85cの樹脂材料が流動した場合に、異方性導電フィルム85cの導電粒子85dが、第1切り欠き部45に干渉する。このため、第1切り欠き部45が、異方性導電フィルム85cの導電粒子85dの移動を抑制できる。第1切り欠き部45の幅Wは、例えば、0.01mm以上0.5mm以下の範囲とすることができる。
複数の第1切り欠き部45は、第2端部42から第1端部41へ向かう方向(メッシュ配線部20の長手方向(Y方向))に沿って、第2端部42から延びている。これにより、給電線85を給電部40に圧着する際に、異方性導電フィルム85cの樹脂材料、及び給電線85と給電部40との間に入り込んだ空気を、第2端部42を介して、給電線85と給電部40との間から逃がしやすくできる。また、第1切り欠き部45を形成することによって、表皮効果により、特にミリ波等の高周波電流が第1切り欠き部45の両側(X方向における両側)を流れるようになる。これにより、第1切り欠き部45が形成されていない場合と比較して、給電部40を流れる電流を分散させることができる。このため、給電部40の縁部の劣化を抑制できる。図示された例においては、各々の第1切り欠き部45は、Y方向において、給電部40の全域に形成されているのではなく、Y方向において、給電部40の一部領域のみに形成されている。このため、各々の第1切り欠き部45は、給電部40の途中で終端している。なお、各々の第1切り欠き部45は、Y方向において、給電部40の全域に形成されていても良い。
第1切り欠き部45は、互いに等間隔に形成されていても良い。第1切り欠き部45のピッチPは、例えば0.01mm以上0.5mm以下の範囲とすることができる。このように、複数の第1切り欠き部45が互いに等間隔に形成されていることにより、給電部40における電流分布のムラを抑制できる。
なお、第1切り欠き部45は、メッシュ配線部20の幅方向(X方向)に沿って延びていても良い。また、第1切り欠き部45は、X方向及びY方向のいずれにも平行でない方向に沿って延びていても良い。また、各々の第1切り欠き部45は、折れ線状に延びていても良く、曲線状に延びていても良く、波線状に延びていても良い。また、各々の第1切り欠き部45は、それぞれ異なる方向に延びていても良い。とりわけ、第1切り欠き部45は、給電部40の中心から放射状に延びていても良い。これにより、給電線85を給電部40に接続する際に、後述する異方性導電フィルム85cの樹脂材料の流動性を向上できる。
また、第1切り欠き部45において、幅Wが変化していても良い。特に、給電部40の中心から外側に向かって、第1切り欠き部45の幅Wが広くなっていても良い。給電部40の中心から外側に向かって幅Wが広くなることにより、給電線85を給電部40に接続する際に、後述する異方性導電フィルム85cの樹脂材料の流動性を更に向上できる。
各々の第1切り欠き部45は、互いに同一形状を有していても良く、互いに異なる形状を有していても良い。例えば、各々の第1切り欠き部45の幅Wは、互いに異なっていても良い。
次に、図7乃至図9を参照して、モジュールの構成について説明する。図7乃至図9は、本実施の形態によるモジュールを示す図である。
図7に示すように、モジュール80Aは、上述した配線基板10と、異方性導電フィルム85cを介して、給電部40に電気的に接続された給電線85とを備えている。上述したように、モジュール80Aが表示装置61を有する画像表示装置60に組み込まれた際、配線基板10の給電部40は、給電線85を介して、画像表示装置60の通信モジュール63に電気的に接続される。
給電線85は、平面視で略長方形状を有している。この場合、給電線85の幅(X方向距離)は、給電部40の幅(X方向距離)と略同一であっても良い。また、給電線85の面積は、給電部40の面積と略同一であっても良い。これにより、給電線85の電気抵抗と、給電部40の電気抵抗とを互いに近づけることができる。このため、給電線85と給電部40との間において、インピーダンス整合を容易にとることができ、給電線85と給電部40との間の電気的な接続性の低下を抑制できる。
給電線85は、異方性導電フィルム(ACF)85cを介して、配線基板10に圧着されている。図8に示すように、異方性導電フィルム85cは、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂材料と、導電粒子85dとを含んでいる。図示された例においては、異方性導電フィルム85cは、給電部40の一部を覆っている。これにより、給電部40の腐食等を抑制できる。
異方性導電フィルム85cは、給電部40に対向するように配置されている。そして、導電粒子85dの一部が、給電部40に接触している。これにより、給電線85が給電部40に電気的に接続されている。なお、異方性導電フィルム85cの一部は、給電線85を配線基板10に圧着する際に、給電線85の周囲に溶出していてもよい。また、導電粒子85dの粒子径は、3μm以上10μm以下であっても良く、例えば、7μm程度であってもよい。導電粒子85dの平均粒子径を測定する場合、まず、給電部40から給電線85を剥離することにより、異方性導電フィルム85cの樹脂材料から複数の導電粒子85dを露出させる。次に、露出した複数の導電粒子85dを、走査電子顕微鏡(SEM)を用いて撮影する。次いで、得られた画像から複数の導電粒子85dの粒子径を測定する。そして、測定値の平均値を導電粒子85dの平均粒子径とする。測定する導電粒子85dの数は、10個以上100個以下とする。なお、1つの給電線85において、測定できる導電粒子85dの数が9個以下であった場合、他の給電線85の導電粒子85dの粒子径を用いて、導電粒子85dの平均粒子径を算出する。また、導電粒子85dが異方性導電フィルム85cの樹脂材料から露出していない場合、走査電子顕微鏡を用いることにより、異方性導電フィルム85cの樹脂材料内の導電粒子85dの形を撮影する。
給電線85は、例えば、フレキシブルプリント基板であってもよい。図8に示すように、給電線85は、基材85aと、基材85aに積層された金属配線部85bとを有している。このうち、基材85aは、例えばポリイミド等の樹脂材料や液晶ポリマーを含んでいてもよい。
金属配線部85bは、例えば、銅を含んでいてもよい。この金属配線部85bは、導電粒子85dを介して、給電部40と電気的に接続されている。
図9に示すように、金属配線部85bに、線状に延びる複数の第3切り欠き部86が形成されていても良い。これにより、表皮効果により、金属配線部85bにおいて、電流が流れる領域が広くなる。このため、金属配線部85bを流れる電流を分散させることができる。この結果、金属配線部85bの劣化を抑制できる。なお、図9において、図面を明瞭にするために、異方性導電フィルム85cの図示を省略している。
また、第3切り欠き部86の幅W(図7参照)は、第1切り欠き部45の幅W以下であっても良く、平面視において、第3切り欠き部86は、第1切り欠き部45に沿って延びていても良く、第1切り欠き部45に重なっていても良い。これにより、給電線85を給電部40に接続する際に、異方性導電フィルム85cの樹脂材料が流動した場合であっても、異方性導電フィルム85cの導電粒子85dが、第1切り欠き部45及び第3切り欠き部86に干渉する。このため、第1切り欠き部45及び第3切り欠き部86が、異方性導電フィルム85cの導電粒子85dの移動を抑制できる。第3切り欠き部86の幅Wは、例えば、0.002mm以上2mm以下の範囲とすることができる。
この場合、図9に示すように、第3切り欠き部86は、金属配線部85bに7つ形成されている。第3切り欠き部86は、金属配線部85bを厚み方向(Z方向)に貫通しており、各々の第3切り欠き部86からは、基材85aが露出している。なお、金属配線部85bに形成される第3切り欠き部86の個数は、これに限られない。例えば、第3切り欠き部86は、金属配線部85bに2つ以上6つ以下形成されていても良く、8つ以上形成されていても良い。
複数の第3切り欠き部86は、メッシュ配線部20の長手方向(Y方向)に沿って延びていても良い。この場合、第3切り欠き部86は、電流が流れる方向に沿って延びるようになる。このため、金属配線部85bを流れる電流を効果的に分散させることができる。
第3切り欠き部86は、金属配線部85bの端部のうち、Y方向プラス側の端部から延びていても良い。図7に示すように、図示された例においては、各々の第3切り欠き部86は、Y方向において、金属配線部85bの全域に形成されているのではなく、Y方向において、金属配線部85bの一部領域のみに形成されている。このため、各々の第3切り欠き部86は、金属配線部85bの途中で終端している。なお、各々の第3切り欠き部86は、Y方向において、金属配線部85bの全域に形成されていても良い。また、第3切り欠き部86の長さL、ピッチP及び形状等は、第1切り欠き部45の長さL、ピッチP及び形状等と同様であっても良い。すなわち、第3切り欠き部86は、メッシュ配線部20の幅方向(X方向)に沿って延びていても良い。また、第3切り欠き部86は、X方向及びY方向のいずれにも平行でない方向に沿って延びていても良い。また、各々の第3切り欠き部86は、折れ線状に延びていても良く、曲線状に延びていても良く、波線状に延びていても良い。また、各々の第3切り欠き部86は、それぞれ異なる方向に延びていても良い。とりわけ、第3切り欠き部86は、給電線85を給電部40に圧着した際に、給電部40の中心から放射状に延びるように、金属配線部85bに形成されていても良い。これにより、給電線85を給電部40に接続する際に、異方性導電フィルム85cの樹脂材料の流動性を向上できる。
また、第3切り欠き部86において、幅Wが変化していても良い。特に、給電線85を給電部40に圧着した際に、第3切り欠き部86の幅Wが給電部40の中心から外側に向かって広くなるように、第3切り欠き部86が金属配線部85bに形成されていても良い。給電部40の中心から外側に向かって幅Wが広くなることにより、給電線85を給電部40に接続する際に、異方性導電フィルム85cの樹脂材料の流動性を更に向上できる。
各々の第3切り欠き部86は、互いに同一形状を有していても良く、互いに異なる形状を有していても良い。例えば、各々の第3切り欠き部86の幅Wは、互いに異なっていても良い。
次に、図10(a)-(f)、図11(a)-(c)及び図12(a)-(c)を参照して、本実施の形態による配線基板10の製造方法、モジュール80Aの製造方法及び画像表示装置60の製造方法について説明する。図10(a)-(f)は、本実施の形態による配線基板10の製造方法を示す断面図である。図11(a)-(c)は、本実施の形態によるモジュール80Aの製造方法を示す断面図である。図12(a)-(c)は、本実施の形態による画像表示装置60の製造方法を示す断面図である。
まず、図10(a)に示すように、第1面11aと第1面11aの反対側に位置する第2面11bとを含む基板11を準備する。基板11は、透明性を有する。
次に、基板11の第1面11a上に、メッシュ配線部20と、メッシュ配線部20に電気的に接続された給電部40とを形成する。
この際、まず、図10(b)に示すように、基板11の第1面11aの略全域に金属箔51を積層する。本実施の形態において金属箔51の厚さは、0.1μm以上5.0μm以下であっても良い。本実施の形態において金属箔51は、銅を含んでいても良い。
次に、図10(c)に示すように、金属箔51の表面の略全域に光硬化性絶縁レジスト52を供給する。この光硬化性絶縁レジスト52としては、例えばアクリル樹脂、エポキシ系樹脂等の有機樹脂が挙げられる。
続いて、図10(d)に示すように、絶縁層54をフォトリソグラフィ法により形成する。この場合、フォトリソグラフィ法により光硬化性絶縁レジスト52をパターニングし、絶縁層54(レジストパターン)を形成する。この際、第1方向配線21及び第2方向配線22に対応する金属箔51が露出するように、絶縁層54を形成する。
次に、図10(e)に示すように、基板11の第1面11a上の、絶縁層54に覆われていない部分に位置する金属箔51を除去する。この際、塩化第二鉄、塩化第二銅、硫酸・塩酸等の強酸、過硫酸塩、過酸化水素若しくはこれらの水溶液、又はこれらの組合せ等を用いたウェット処理を行うことによって、基板11の第1面11aが露出するように金属箔51をエッチングする。
続いて、図10(f)に示すように、絶縁層54を除去する。この場合、過マンガン酸塩溶液やN-メチル-2-ピロリドン、酸又はアルカリ溶液等を用いたウェット処理や、酸素プラズマを用いたドライ処理を行うことによって、金属箔51上の絶縁層54を除去する。
このようにして、基板11と、基板11の第1面11a上に設けられたメッシュ配線部20とを有する配線基板10が得られる。この場合、メッシュ配線部20は、第1方向配線21及び第2方向配線22を含む。このとき、金属箔の一部によって、給電部40が形成されても良い。この場合、絶縁層54をフォトリソグラフィ法により形成する際に、絶縁層54の形状を適宜設定することにより、所望の位置に第1切り欠き部45を形成できる。あるいは、平板状の給電部40を別途準備し、この給電部40をメッシュ配線部20に電気的に接続しても良い。この場合、第1切り欠き部45は、例えば切削等の機械加工によって形成されても良い。
次に、図11(a)-(c)を参照して、本実施の形態によるモジュールの製造方法について説明する。
まず、図11(a)に示すように、配線基板10を準備する。この際、例えば、図10(a)-(f)に示す方法により、配線基板10を作製する。
次に、導電粒子85dを含む異方性導電フィルム85cを介して、給電線85を給電部40に電気的に接続する。この際、まず、図11(b)に示すように、配線基板10上に異方性導電フィルム85cを配置する。このとき、異方性導電フィルム85cは、給電部40に対向するように配置される。
次いで、図11(c)に示すように、給電線85を配線基板10に圧着させる。このとき、給電線85に対して圧力及び熱を加えることにより、給電線85を配線基板10に圧着させる。そして、導電粒子85dの一部が、給電部40に接触する。このようにして、給電線85が給電部40に電気的に接続される。給電線85を配線基板10に圧着させる際、異方性導電フィルム85cが、給電部40の少なくとも一部を覆うように、給電線85を配線基板10に圧着させる。このとき、異方性導電フィルム85cの一部が、給電線85の周囲に溶出し得る。
また、本実施の形態では、給電部40に、線状に延びる複数の第1切り欠き部45が形成されている。これにより、給電線85を給電部40に圧着する際に、異方性導電フィルム85cの樹脂材料、及び給電線85と給電部40との間に入り込んだ空気が、第1切り欠き部45に沿って、給電線85と給電部40との間から逃がされる。
また、給電線85を給電部40に取り付けた際、給電線85の樹脂材料の一部は、第1切り欠き部45内に進入する。さらに、第1切り欠き部45内に進入した樹脂材料の一部は、第1切り欠き部45内で硬化する。このため、給電線85が給電部40に強く密着する。
このようにして、配線基板10と、導電粒子85dを含む異方性導電フィルム85cを介して、給電部40に電気的に接続された給電線85と、を備えるモジュール80Aが得られる。
次に、図12(a)-(c)を参照して、本実施の形態による画像表示装置60の製造方法について説明する。
次に、第1透明接着層95と、モジュール80Aの配線基板10と、第2透明接着層96とを互いに積層する。この際、まず、図12(a)に示すように、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)の離型フィルム91と、離型フィルム91上に積層されたOCA層92(第1透明接着層95又は第2透明接着層96)とを含むOCAシート90を準備する。このとき、OCA層92は、重合性化合物を含む液状の硬化性接着層用組成物を離型フィルム91上に塗布し、これを例えば紫外線(UV)等を用いて硬化した層であってもよい。この硬化性接着層用組成物には、極性基含有モノマーが含まれている。
次に、図12(b)に示すように、OCAシート90のOCA層92を配線基板10に貼合する。これにより、OCA層92によって配線基板10を挟み込む。
その後、図12(c)に示すように、配線基板10に貼合されたOCAシート90のOCA層92から離型フィルム91を剥離除去することにより、互いに積層された第1透明接着層95(OCA層92)、配線基板10及び第2透明接着層96(OCA層92)が得られる。
このようにして、第1透明接着層95と、第2透明接着層96と、配線基板10を備えるモジュール80Aと、を備える画像表示装置用積層体70が得られる。
その後、画像表示装置用積層体70に表示装置61を積層することにより、モジュール80Aと、モジュール80Aの配線基板10に積層された表示装置61と、を備える画像表示装置60が得られる。
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について述べる。
図1及び図2に示すように、配線基板10は、表示装置61を有する画像表示装置60に組み込まれる。このとき配線基板10は、表示装置61上に配置される。配線基板10のメッシュ配線部20は、給電部40及び給電線85を介して画像表示装置60の通信モジュール63に電気的に接続される。このようにして、メッシュ配線部20を介して、所定の周波数の電波を送受信でき、画像表示装置60を用いて通信を行うことができる。
本実施の形態では、給電部40に、線状に延びる複数の第1切り欠き部45が形成されている。これにより、給電線85と給電部40との密着性を向上できる。
ここで、金属製の給電部40と給電線85の樹脂材料とは、材料が異なるため、その密着力は必ずしも強固ではない。このため、例えば、給電部40に第1切り欠き部45のような切り欠き部が形成されておらず、給電部40の表面が平坦面である場合、給電線85と給電部40との密着性が低下し得る。
これに対して、給電線85と給電部40との密着性を向上させるために、給電部40に、給電部40を厚み方向(Z方向)に貫通する複数の貫通孔を形成する場合がある。この場合、貫通孔内に、異方性導電フィルムの樹脂材料の一部を進入させることができる。これにより、貫通孔内に進入した樹脂材料の一部がアンカーとなって、給電線85が給電部40に強固に結合する。一方、給電部40に複数の貫通孔を形成した場合、給電部40と給電線85との間に入り込んだ空気、及び異方性導電フィルムの樹脂材料を、給電部40と給電線85との間から逃がすことが難しくなる可能性がある。
これに対して本実施の形態によれば、給電部40に、線状に延びる複数の第1切り欠き部45が形成されている。これにより、給電線85を給電部40に圧着する際に、異方性導電フィルム85cの樹脂材料、及び給電線85と給電部40との間に入り込んだ空気が、第1切り欠き部45に沿って流れるようになる。このため、異方性導電フィルム85cの樹脂材料、及び給電線85と給電部40との間に入り込んだ空気を、給電線85と給電部40との間から逃がすことができる。この結果、給電線85を給電部40に取り付ける際に、異方性導電フィルム85cの樹脂材料と給電部40との間に空気が入り込む、いわゆる泡噛みを抑制できるとともに、給電線85と給電部40との密着性を向上できる。
また、給電線85を給電部40に取り付けた際、給電線85の樹脂材料の一部は、第1切り欠き部45内に進入する。さらに、第1切り欠き部45内に進入した樹脂材料の一部は、第1切り欠き部45内で硬化する。そして、第1切り欠き部45内で硬化した樹脂材料は、アンカーとしての役割を果たす。このため、給電線85が給電部40に強く密着し、給電線85が給電部40から剥離しないようにできる。
また、給電部40に第1切り欠き部45を形成することにより、給電部40の劣化を抑制できる。すなわち、給電部40に第1切り欠き部45を形成することにより、表皮効果により、給電部40において、電流が流れる領域が広くなる。このため、給電部40を流れる電流を分散させることができ、給電部40の劣化を抑制できる。
また、配線基板10が、基板11と、基板11上に配置されたメッシュ配線部20とを備えている。また、基板11が、透明性を有する。さらに、メッシュ配線部20が、不透明な導電体層の形成部としての導体部と、多数の開口部23とによるメッシュ状のパターンとを有している。このため、配線基板10の透明性が確保されている。これにより、配線基板10が表示装置61上に配置されたとき、メッシュ配線部20の開口部23から表示装置61を視認でき、表示装置61の視認性が妨げられることがない。
また、本実施の形態によれば、複数の第1切り欠き部45が、メッシュ配線部20の長手方向に沿って延びている。この場合、第1切り欠き部45は、電流が流れる方向に沿って延びるようになる。このため、給電部40を流れる電流を効果的に分散させることができる。
また、本実施の形態によれば、給電部40が、メッシュ配線部20に接続する第1端部41と、第1端部41とは反対側の第2端部42とを有している。また、複数の第1切り欠き部45が、第2端部42から第1端部41へ向かう方向(メッシュ配線部20の長手方向)に沿って、第2端部42から延びている。これにより、給電線85を給電部40に圧着する際に、異方性導電フィルム85cの樹脂材料、及び給電線85と給電部40との間に入り込んだ空気を、第2端部42を介して、給電線85と給電部40との間から逃がしやすくできる。また、第1切り欠き部45が、電流の流れに悪影響を及ぼすことを抑制できる。
さらに、本実施の形態によれば、給電線85の金属配線部85bに、線状に延びる複数の第3切り欠き部86が形成されている。これにより、金属配線部85bにおいて、電流が流れる領域が広くなる。このため、金属配線部85bを流れる電流を分散させることができる。この結果、金属配線部85bの劣化を抑制できる。また、平面視において、第3切り欠き部86は、第1切り欠き部45に沿って延びているとともに、第1切り欠き部45に重なっている。これにより、給電線85を給電部40に接続する際に、異方性導電フィルム85cの樹脂材料が流動した場合であっても、異方性導電フィルム85cの導電粒子85dが、第1切り欠き部45及び第3切り欠き部86に干渉する。このため、第1切り欠き部45が、異方性導電フィルム85cの導電粒子85dの移動を抑制できる。
次に、配線基板の変形例について説明する。
図13は、配線基板の第1変形例を示している。図13に示す変形例は、配線基板10がグランド部50を更に備えている点が異なるものであり、他の構成は上述した図1乃至図12に示す形態と略同一である。図13において、図1乃至図12に示す形態と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
図13に示す配線基板10において、配線基板10は、基板11の第1面11a上に配置されたグランド部(GND)50を更に備えている。この場合、グランド部50は、X方向の両側からメッシュ配線部20を挟み込むように、基板11の第1面11a上に複数配置されていても良い。
グランド部50は、例えば、略長方形の導電性の薄板状部材からなる。グランド部50の長手方向はX方向に平行であっても良く、Y方向に平行であっても良い。図示された例においては、グランド部50の長手方向はY方向に平行である。
また、グランド部50は、基板11の長手方向端部(Y方向マイナス側端部)に配置されている。グランド部50の材料は、例えば、金、銀、銅、白金、錫、アルミニウム、鉄若しくはニッケルなどの金属材料、又はこれらの金属を含む合金を用いることができる。グランド部50は、給電部40と同様の方法により形成されても良い。
ここで、グランド部50に、線状に延びる複数の第2切り欠き部55が形成されている。これにより、表皮効果により、グランド部50において、電流が流れる領域が広くなる。このため、グランド部50を流れる電流を分散させることができる。この結果、グランド部50の劣化を抑制できる。
図13に示すように、図示された例においては、第2切り欠き部55は、各々のグランド部50に3つずつ形成されている。第1切り欠き部45は、グランド部50を厚み方向(Z方向)に貫通しており、各々の第2切り欠き部55からは、透明性を有する基板11が露出している。なお、グランド部50に形成される第2切り欠き部55の個数は、これに限られない。例えば、第2切り欠き部55は、各々のグランド部50に2つずつ形成されていても良く、4つ以上ずつ形成されていても良い。
複数の第2切り欠き部55は、メッシュ配線部20の長手方向(Y方向)に沿って延びていても良い。
第2切り欠き部55は、グランド部50の端部のうち、Y方向マイナス側の端部から延びていても良い。図示された例においては、各々の第2切り欠き部55は、Y方向において、グランド部50の全域に形成されているのではなく、Y方向において、グランド部50の一部領域のみに形成されている。このため、各々の第2切り欠き部55は、グランド部50の途中で終端している。なお、各々の第2切り欠き部55は、Y方向において、グランド部50の全域に形成されていても良い。また、第2切り欠き部55の長さL、幅W、ピッチP及び形状等は、第1切り欠き部45の長さL、幅W、ピッチP及び形状等と同様であっても良い。すなわち、第2切り欠き部55は、メッシュ配線部20の幅方向(X方向)に沿って延びていても良い。また、第2切り欠き部55は、X方向及びY方向のいずれにも平行でない方向に沿って延びていても良い。また、各々の第2切り欠き部55は、折れ線状に延びていても良く、曲線状に延びていても良く、波線状に延びていても良い。また、各々の第2切り欠き部55は、それぞれ異なる方向に延びていても良い。
また、第2切り欠き部55において、幅Wが変化していても良い。さらに、各々の第2切り欠き部55は、互いに同一形状を有していても良く、互いに異なる形状を有していても良い。例えば、各々の第2切り欠き部55の幅Wは、互いに異なっていても良い。
図14は、配線基板の第2変形例を示している。図14に示す変形例は、第1切り欠き部45に、第1切り欠き部45を分断する分断部46が形成されている点が異なるものであり、他の構成は上述した図1乃至図13に示す形態と略同一である。図14において、図1乃至図13に示す形態と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
図14に示す配線基板10において、第1切り欠き部45に、第1切り欠き部45を分断する分断部46が形成されている。この場合、給電部40を流れる電流は、分断部46にも流れるようになる。これにより、給電部40における電流分布のムラを抑制できる。この分断部46は、第1切り欠き部45を形成する際に、例えば、上述した絶縁層54(図10(d)参照)の形状を適宜設定することにより、形成できる。分断部46の厚みは、給電部40の厚みT(図6参照)と等しくなっていても良い。
また、メッシュ配線部20の長手方向(Y方向)における分断部46の長さLは、0.5μm以上100μm以下であっても良く、一例として、1μmであっても良い。分断部46の長さLが100μm以下であることにより、給電部40と給電線85との間に入り込んだ空気、及び異方性導電フィルムの樹脂材料を、給電部40と給電線85との間から逃がしやすくできる。
図15及び図16は、配線基板の第3変形例を示している。図15及び図16に示す変形例は、メッシュ配線部20の周囲にダミー配線部30が設けられている点が異なるものであり、他の構成は上述した図1乃至図14に示す形態と略同一である。図15及び図16において、図1乃至図14に示す形態と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
図15に示す配線基板10において、メッシュ配線部20の周囲に沿ってダミー配線部30が設けられている。このダミー配線部30は、メッシュ配線部20とは異なり、実質的にアンテナとしての機能を果たすことはない。
図16に示すように、ダミー配線部30は、所定のパターン形状をもつダミー配線30aの繰り返しから構成されている。すなわち、ダミー配線部30は、複数のダミー配線30aを含んでおり、各ダミー配線30aは、それぞれメッシュ配線部20(第1方向配線21及び第2方向配線22)から電気的に独立している。また、複数のダミー配線30aは、ダミー配線部30内の全域にわたって規則的に配置されている。複数のダミー配線30aは、互いに平面方向に離間するとともに、基板11上に突出して配置されている。すなわち各ダミー配線30aは、メッシュ配線部20、給電部40及び他のダミー配線30aから電気的に独立している。各ダミー配線30aの形状は、それぞれ平面視で略L字形である。
この場合、ダミー配線30aは、上述したメッシュ配線部20のパターン形状の一部が欠落した形状をもつ。これにより、メッシュ配線部20とダミー配線部30との相違を目視で認識しにくくでき、基板11上に配置されたメッシュ配線部20を見えにくくできる。図16に示すように、ダミー配線30aは、第1方向配線21又は第2方向配線22に平行に延びている。具体的には、ダミー配線30aは、第1方向配線21と平行に延びる第1部分31aと、第2方向配線22と平行に延びる第2部分32aとを含んでいる。このように、ダミー配線30aが、第1方向配線21又は第2方向配線22に平行に延びていることにより、基板11上に配置されたメッシュ配線部20をさらに見えにくくできる。ダミー配線部30の開口率は、メッシュ配線部20の開口率と同一であっても良く、異なっていても良いが、メッシュ配線部20の開口率に近いことが好ましい。
本変形例のように、メッシュ配線部20の周囲に、メッシュ配線部20から電気的に独立したダミー配線部30が設けられていることにより、メッシュ配線部20の外縁を不明瞭にできる。これにより、画像表示装置60の表面上でメッシュ配線部20を見えにくくでき、画像表示装置60の使用者がメッシュ配線部20を肉眼で認識しにくくできる。
図17及び図18は、配線基板の第4変形例を示している。図17及び図18に示す変形例は、メッシュ配線部20の周囲に互いに開口率が異なる複数のダミー配線部30A、30Bが設けられている点が異なるものであり、他の構成は上述した図1乃至図16に示す形態と略同一である。図17及び図18において、図1乃至図16に示す形態と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
図17に示す配線基板10において、メッシュ配線部20の周囲に沿って互いに開口率が異なる複数(この場合は2つ)のダミー配線部30A、30B(第1ダミー配線部30A及び第2ダミー配線部30B)が設けられている。具体的には、メッシュ配線部20の周囲に沿って第1ダミー配線部30Aが配置され、第1ダミー配線部30Aの周囲に沿って第2ダミー配線部30Bが配置されている。このダミー配線部30A、30Bは、メッシュ配線部20とは異なり、実質的にアンテナとしての機能を果たすことはない。
図18に示すように、第1ダミー配線部30Aは、所定のパターン形状をもつダミー配線30a1の繰り返しから構成されている。また、第2ダミー配線部30Bは、所定のパターン形状をもつダミー配線30a2の繰り返しから構成されている。すなわち、ダミー配線部30A、30Bは、それぞれ複数のダミー配線30a1、30a2を含んでおり、各ダミー配線30a1、30a2は、それぞれメッシュ配線部20から電気的に独立している。また、ダミー配線30a1、30a2は、それぞれダミー配線部30A、30B内の全域にわたって規則的に配置されている。各ダミー配線30a1、30a2は、それぞれ互いに平面方向に離間するとともに、基板11上に突出して配置されている。各ダミー配線30a1、30a2は、それぞれメッシュ配線部20、給電部40及び他のダミー配線30a1、30a2から電気的に独立している。各ダミー配線30a1、30a2の形状は、それぞれ平面視で略L字形である。
この場合、ダミー配線30a1、30a2は、上述したメッシュ配線部20のパターン形状の一部が欠落した形状をもつ。これにより、メッシュ配線部20と第1ダミー配線部30Aとの相違、及び、第1ダミー配線部30Aと第2ダミー配線部30Bとの相違を目視で認識しにくくでき、基板11上に配置されたメッシュ配線部20を見えにくくできる。図18に示すように、ダミー配線30a1、30a2は、第1方向配線21又は第2方向配線22に平行に延びている。具体的には、ダミー配線30a1は、第1方向配線21と平行に延びる第1部分31a1と、第2方向配線22と平行に延びる第2部分32a1とを含んでいる。ダミー配線30a2は、第1方向配線21と平行に延びる第1部分31a2と、第2方向配線22と平行に延びる第2部分32a2とを含んでいる。
なお、第1ダミー配線部30Aの各ダミー配線30a1の面積は、第2ダミー配線部30Bの各ダミー配線30a2の面積よりも大きい。この場合、各ダミー配線30a1の線幅は各ダミー配線30a2の線幅と同一であるが、これに限らず、各ダミー配線30a1の線幅は各ダミー配線30a2の線幅よりも太くても良い。なお、ダミー配線30a1、30a2のその他の構成は、第3変形例におけるダミー配線30aの構成と同様であるため、ここでは詳細な説明は省略する。
本変形例では、メッシュ配線部20及び複数のダミー配線部30A、30Bの開口率は、メッシュ配線部20から、メッシュ配線部20に遠いダミー配線部30A、30Bに向けて段階的に大きくなっていることが好ましい。言い換えれば、各ダミー配線部の開口率は、メッシュ配線部20に近いものから遠いものに向けて、徐々に大きくなることが好ましい。この場合、第1ダミー配線部30Aの開口率は、メッシュ配線部20の開口率よりも大きいことが好ましい。第2ダミー配線部30Bの開口率は、第1ダミー配線部30Aの開口率よりも大きいことが好ましい。これにより、メッシュ配線部20及びダミー配線部30A、30Bの外縁をさらに不明瞭にできる。このため、画像表示装置60の表面上でメッシュ配線部20をさらに見えにくくできる。
このように、メッシュ配線部20から電気的に独立したダミー配線部30A、30Bが配置されていることにより、メッシュ配線部20の外縁をより不明瞭にできる。これにより、画像表示装置60の表面上でメッシュ配線部20を見えにくくでき、画像表示装置60の使用者がメッシュ配線部20を肉眼で認識しにくくできる。なお、メッシュ配線部20の周囲に、互いに開口率が異なる3つ以上のダミー配線部が設けられていても良い。
図19は、配線基板の第5変形例を示している。図19に示す変形例は、メッシュ配線部20の平面形状が異なるものであり、他の構成は上述した図1乃至図18に示す形態と略同一である。図19において、図1乃至図18に示す形態と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
図19において、第1方向配線21と第2方向配線22とは、斜め(非直角)に交わっており、各開口部23は、平面視で菱形状に形成されている。第1方向配線21及び第2方向配線22は、それぞれX方向及びY方向のいずれにも平行でないが、第1方向配線21及び第2方向配線22のうちのいずれか一方がX方向又はY方向に平行であっても良い。
上記実施の形態及び各変形例に開示されている複数の構成要素を必要に応じて適宜組合せることも可能である。あるいは、上記実施の形態及び各変形例に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除しても良い。

Claims (12)

  1. 配線基板であって、
    第1面と前記第1面の反対側に位置する第2面とを含む基板と、
    前記基板の前記第1面上に互いに離間して配置された複数のメッシュ配線部と、
    前記メッシュ配線部に電気的に接続された複数の給電部と、を備え、
    前記配線基板は、電磁波送受信機能を有し、
    前記基板は、透明性を有し、
    前記メッシュ配線部は、アンテナとして構成されており、
    各々の前記メッシュ配線部と、各々の給電部とは、それぞれ個別に接続されており、
    前記給電部に、線状に延びる複数の第1切り欠き部が形成されている、配線基板。
  2. 前記配線基板はミリ波送受信機能を有し、前記メッシュ配線部は、アレイアンテナとして構成されている、請求項1に記載の配線基板。
  3. 前記給電部は、前記メッシュ配線部に接続する第1端部と、前記第1端部とは反対側の第2端部とを有し、複数の前記第1切り欠き部は、前記第2端部から前記第1端部へ向かう方向に沿って、前記第2端部から延びている、請求項1に記載の配線基板。
  4. 前記基板の前記第1面上に配置されたグランド部を更に備え、前記グランド部に、線状に延びる複数の第2切り欠き部が形成されている、請求項1に記載の配線基板。
  5. 前記第1切り欠き部に、前記第1切り欠き部を分断する分断部が形成されている、請求項1に記載の配線基板。
  6. 前記メッシュ配線部同士の距離は、1mm以上5mm以下である、請求項1に記載の配線基板。
  7. 前記メッシュ配線部の周囲に、前記メッシュ配線部から電気的に独立したダミー配線部が設けられている、請求項1に記載の配線基板。
  8. 複数の前記ダミー配線部が設けられ、前記メッシュ配線部及び前記ダミー配線部の開口率は、前記メッシュ配線部から、前記メッシュ配線部に遠い前記ダミー配線部に向けて段階的に大きくなっている、請求項7に記載の配線基板。
  9. 請求項1乃至8のいずれか一項に記載の配線基板と、
    前記配線基板の前記給電部に電気的に接続された給電線とを備えた、モジュール。
  10. 前記給電線は、基材と、前記基材に積層された金属配線部とを有し、前記金属配線部に、線状に延びる複数の第3切り欠き部が形成されており、前記第3切り欠き部の幅は、前記第1切り欠き部の幅以下であり、平面視において、前記第3切り欠き部は、前記第1切り欠き部に沿って延びるとともに、前記第1切り欠き部に重なっている、請求項9に記載のモジュール。
  11. 前記給電線は、導電粒子を含む異方性導電フィルムを介して、前記給電部に電気的に接続されており、前記第1切り欠き部の幅は、前記導電粒子の平均粒子径の0.5倍以上1倍以下である、請求項9に記載のモジュール。
  12. 請求項9に記載のモジュールと、
    前記モジュールの前記配線基板に積層された表示装置と、を備えた、画像表示装置。
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