JP2023158561A - 配線基板、画像表示装置用積層体及び画像表示装置 - Google Patents

配線基板、画像表示装置用積層体及び画像表示装置 Download PDF

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誠司 武
Seiji Take
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Abstract

【課題】アンテナ性能の低下を抑制する配線基板、画像表示装置用積層体及び画像表示装置を提供する。【解決手段】画像表示装置60において、配線基板10は、第1面11aと第1面11aの反対側に位置する第2面11bとを含む基板11及びプライマー層15を有する誘電体層12と、誘電体層12の第1面11a側に配置されたメッシュ配線層20と、を備えている。基板11は、透明性を有している。誘電体層12の誘電正接は、0.002以下である。誘電体層12において、JIS K 0070:1992に準拠して測定された酸価は、1以下である。【選択図】図2

Description

本開示の実施の形態は、配線基板、画像表示装置用積層体及び画像表示装置に関する。
現在、スマートフォン、タブレット等の携帯端末機器の高機能、小型化、薄型化及び軽量化が進んでいる。これら携帯端末機器は、複数の通信帯域を使用するため、通信帯域に応じた複数のアンテナが必要とされる。例えば、携帯端末機器には、電話用アンテナ、WiFi(Wireless Fidelity)用アンテナ、3G(Generation)用アンテナ、4G(Generation)用アンテナ、LTE(Long Term Evolution)用アンテナ、Bluetooth(登録商標)用アンテナ、NFC(Near Field Communication)用アンテナ等の複数のアンテナが搭載されている。しかしながら、携帯端末機器の小型化に伴い、アンテナの搭載スペースは限られており、アンテナ設計の自由度は狭まっている。また、限られたスペース内にアンテナを内蔵していることから、電波感度が必ずしも満足できるものではない。
このため、携帯端末機器の表示領域に搭載できるフィルムアンテナが開発されている。このフィルムアンテナは、透明基材上にアンテナパターンが形成された透明アンテナにおいて、アンテナパターンが、不透明な導電体層の形成部としての導体部と、非形成部としての多数の開口部とによるメッシュ状の導電体メッシュ層によって形成されている。
特開2011-66610号公報
本実施の形態は、アンテナ性能の低下を抑制することが可能な、配線基板、画像表示装置用積層体及び画像表示装置を提供することを目的とする。
本開示の第1の態様は、第1面と前記第1面の反対側に位置する第2面とを含む基板を有する誘電体層と、前記誘電体層の前記第1面側に配置されたメッシュ配線層とを備え、前記基板は、透明性を有し、前記誘電体層の誘電正接は、0.002以下であり、前記誘電体層において、JIS K 0070:1992に準拠して測定された酸価は、1以下である、配線基板である。
本開示の第2の態様は、上述した第1の態様による配線基板において、前記誘電体層は、前記基板の前記第1面上に配置されたプライマー層を更に有していても良い。
本開示の第3の態様は、上述した第1の態様又は上述した第2の態様による配線基板において、前記誘電体層における金属元素の含有量は、0.1重量%以上1重量%以下であっても良い。
本開示の第4の態様は、上述した第1の態様から上述した第3の態様のそれぞれによる配線基板において、前記配線基板は、ミリ波送受信機能を有していても良く、前記メッシュ配線層は、アレイアンテナとして機能しても良い。
本開示の第5の態様は、上述した第1の態様から上述した第4の態様のそれぞれによる配線基板において、前記メッシュ配線層の周囲に、前記メッシュ配線層から電気的に独立したダミー配線層が設けられていても良い。
本開示の第6の態様は、上述した第5の態様による配線基板において、複数の前記ダミー配線層が設けられていても良く、前記メッシュ配線層及び前記ダミー配線層の開口率は、前記メッシュ配線層から、前記メッシュ配線層に遠い前記ダミー配線層に向けて段階的に大きくなっていても良い。
本開示の第7の態様は、上述した第1の態様から上述した第6の態様のそれぞれによる配線基板において、配線基板は、前記誘電体層の前記第1面側に配置され、前記メッシュ配線層を覆う保護層を更に備えていても良く、前記保護層の誘電正接は、0.002以下であっても良く、前記保護層において、JIS K 0070:1992に準拠して測定された酸価は、1以下であっても良い。
本開示の第8の態様は、上述した第1の態様から上述した第6の態様のそれぞれによる配線基板と、前記基板の前記第1面側に位置する第1接着層と、前記基板の前記第2面側に位置する第2接着層とを備え、前記第1接着層と前記第2接着層との間の一部領域に、前記基板の一部領域が配置され、前記第1接着層の誘電正接は、0.002以下であり、前記第1接着層において、JIS K 0070:1992に準拠して測定された酸価は、1以下である、画像表示装置用積層体である。
本開示の第9の態様は、上述した第7の態様による配線基板と、前記基板の前記第1面側に位置する第1接着層と、前記基板の前記第2面側に位置する第2接着層とを備え、前記第1接着層と前記第2接着層との間の一部領域に、前記基板の一部領域が配置されている、画像表示装置用積層体である。
本開示の第10の態様は、上述した第8の態様又は上述した第9の態様による画像表示装置用積層体と、前記画像表示装置用積層体に積層された表示装置とを備える、画像表示装置である。
本開示の実施の形態によると、アンテナ性能の低下を抑制できる。
図1は、一実施の形態による画像表示装置を示す平面図である。 図2は、一実施の形態による画像表示装置を示す断面図(図1のII-II線断面図)である。 図3は、一実施の形態による配線基板を示す平面図である。 図4は、一実施の形態による配線基板のメッシュ配線層を示す拡大平面図である。 図5は、一実施の形態による配線基板を示す断面図(図4のV-V線断面図)である。 図6は、一実施の形態による配線基板を示す断面図(図4のVI-VI線断面図)である。 図7(a)-(f)は、一実施の形態による配線基板の製造方法を示す断面図である。 図8(a)-(c)は、一実施の形態による画像表示装置用積層体の製造方法を示す断面図である。 図9は、変形例による画像表示装置用積層体を示す断面図である。 図10は、第1変形例による配線基板を示す平面図である。 図11は、第1変形例による配線基板を示す拡大平面図である。 図12は、第2変形例による配線基板を示す平面図である。 図13は、第2変形例による配線基板を示す拡大平面図である。 図14は、第3変形例による配線基板を示す平面図である。
まず、図1乃至図8により、一実施の形態について説明する。図1乃至図8は本実施の形態を示す図である。
以下に示す各図は、模式的に示した図である。そのため、各部の大きさ、形状は理解を容易にするために、適宜誇張している。また、技術思想を逸脱しない範囲において適宜変更して実施できる。なお、以下に示す各図において、同一部分には同一の符号を付しており、一部詳細な説明を省略する場合がある。また、本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値及び材料名は、実施の形態としての一例であり、これに限定されず、適宜選択して使用できる。本明細書において、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば平行や直交、垂直等の用語については、厳密に意味するところに加え、実質的に同じ状態も含めて解釈することとする。
以下の実施の形態において、「X方向」とは、画像表示装置の一辺に対して平行な方向である。「Y方向」とは、X方向に垂直かつ画像表示装置の他の一辺に対して平行な方向である。「Z方向」とは、X方向及びY方向の両方に垂直かつ画像表示装置の厚み方向に平行な方向である。「表面」とは、Z方向プラス側の面であって、画像表示装置の発光面側であり、観察者側を向く面をいう。「裏面」とは、Z方向マイナス側の面であって、画像表示装置の発光面及び観察者側を向く面と反対側の面をいう。
図1及び図2を参照して、本実施の形態による画像表示装置の構成について説明する。
図1及び図2に示すように、本実施の形態による画像表示装置60は、画像表示装置用積層体70と、画像表示装置用積層体70に積層された表示装置61と、を備えている。このうち画像表示装置用積層体70は、配線基板10と、第1透明接着層(第1接着層)95と、第2透明接着層(第2接着層)96と、を備えている。
配線基板10は、基板11を有する誘電体層12と、メッシュ配線層20とを備えている。このうち、誘電体層12は、プライマー層15を更に有していても良い。図2に示すように、誘電体層12の基板11は、第1面11aと第1面11aの反対側に位置する第2面11bとを含む。プライマー層15は、基板11の第1面11a上に配置されている。メッシュ配線層20は、誘電体層12の第1面11a側に配置されている。具体的には、メッシュ配線層20は、プライマー層15上に配置されている。また、メッシュ配線層20には、給電部40が電気的に接続されている。さらに、表示装置61に対してZ方向マイナス側には、通信モジュール63が配置されている。画像表示装置用積層体70と、表示装置61と、通信モジュール63とは、筐体62内に収容されている。
図1及び図2に示す画像表示装置60において、通信モジュール63を介して、所定の周波数の電波を送受信でき、通信を行うことができる。通信モジュール63は、ミリ波用アンテナ、電話用アンテナ、WiFi用アンテナ、3G用アンテナ、4G用アンテナ、5G用アンテナ、LTE用アンテナ、Bluetooth(登録商標)用アンテナ、NFC用アンテナ等のいずれかを含んでいても良い。このような画像表示装置60としては、例えばスマートフォン、タブレット等の携帯端末機器を挙げることができる。
図2に示すように、画像表示装置60は、発光面64を有している。画像表示装置60は、表示装置61に対して発光面64側(すなわち、Z方向プラス側)に位置する配線基板10と、表示装置61に対して発光面64の反対側(すなわち、Z方向マイナス側)に位置する通信モジュール63と、を備えている。
表示装置61は、例えば有機EL(Electro Luminescence)表示装置からなる。表示装置61は、例えば図示しない金属層、支持基材、樹脂基材、薄膜トランジスタ(TFT)、及び有機EL層を含んでいても良い。表示装置61上には、図示しないタッチセンサが配置されていても良い。なお、表示装置61は、有機EL表示装置に限られるものではない。例えば、表示装置61は、それ自体が発光する機能を持つ他の表示装置であっても良く、マイクロLED素子を含むマイクロLED表示装置であっても良い。また、表示装置61は、液晶を含む液晶表示装置であっても良い。
また、表示装置61上には、第2透明接着層96を介して配線基板10が配置されている。配線基板10上には、第1透明接着層95を介してカバーガラス75が配置されている。なお、第1透明接着層95とカバーガラス75との間には、図示しない加飾フィルム及び偏光板が配置されていても良い。
第1透明接着層95は、配線基板10をカバーガラス75に直接的又は間接的に接着する接着層である。この第1透明接着層95は、基板11の第1面11a側に位置している。また、本実施の形態では、第1透明接着層95は、配線基板10のメッシュ配線層20に接触している。第1透明接着層95は、光学透明性を有しており、OCA(Optical Clear Adhesive)層であっても良い。OCA層は、例えば以下のようにして作製された層である。まず、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の離型フィルム上に、重合性化合物を含む液状の硬化性接着層用組成物を塗布する。次に、これを例えば紫外線(UV)等を用いて硬化することにより、OCAシートを得る。このOCAシートを対象物に貼合した後、離型フィルムを剥離除去することにより、上記OCA層を得る。第1透明接着層95の材料は、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂又はウレタン系樹脂等であっても良い。とりわけ、第1透明接着層95は、アクリル系樹脂を含んでいても良い。この場合、第2透明接着層96が、アクリル系樹脂を含んでいることが好ましい。これにより、第1透明接着層95と第2透明接着層96との屈折率の差を実質的になくし、第1透明接着層95と第2透明接着層96との界面B4での可視光の反射をより確実に抑えることができる。
第1透明接着層95は、可視光線の透過率が85%以上であっても良く、90%以上であることが好ましい。なお、第1透明接着層95の可視光線の透過率の上限は特にないが、例えば100%以下であっても良い。第1透明接着層95の可視光線の透過率を上記範囲とすることにより、画像表示装置用積層体70の透明性を高め、画像表示装置60の表示装置61を視認しやすくできる。なお、可視光線とは、波長が400nm以上700nm以下の光線のことをいう。また、可視光線の透過率が85%以上であるとは、測定する部材(例えば第1透明接着層95)に対して吸光度の測定を行った際、400nm以上700nm以下の全波長領域で、その透過率が85%以上となることをいう。吸光度の測定は、公知の分光光度計(例えば、日本分光株式会社製の分光器:V-670)を用いて行うことができる。
第1透明接着層95の誘電正接は、0.002以下であることが好ましい。これにより、第1透明接着層95がメッシュ配線層20における電波の送受信に影響を与えてしまうことを効果的に抑制できる。このため、アンテナ性能が低下してしまうことを抑制できる。第1透明接着層95の誘電正接の下限は特に限定されないが、0超としても良い。基板11の誘電正接が上記範囲であることにより、とりわけメッシュ配線層20が送受信する電磁波(例えばミリ波)が高周波である場合に、電磁波の送受信に伴う利得の損失(すなわち、感度の低下)を小さくできる。なお、第1透明接着層95の誘電正接は、後述する、基板11の誘電正接を測定する方法と同様の方法により、IEC 62562に準拠して測定できる。
第1透明接着層95において、JIS K 0070:1992に準拠して測定された酸価は、1以下であることが好ましい。なお、酸価は、試料1gを中和するために必要な水酸化カリウム(KOH)のミリグラム数(mgKOH/g)を意味する。
ここで、メッシュ配線層20と当該メッシュ配線層20に接触する層との間において、経時的にマイグレーションが生じ得る。この場合、例えば、メッシュ配線層20に接触する第1透明接着層95内へ、メッシュ配線層20の金属成分が拡散し得る。また、第1透明接着層95の酸価が大きくなるほど、第1透明接着層95内へ拡散する金属成分の量が多くなる。すなわち、第1透明接着層95内の酸性分子によってメッシュ配線層20の金属がイオン化(溶解)することにより、金属成分が第1透明接着層95内へ拡散し得る。この場合、第1透明接着層95の酸性の度合いが高くなるほど、イオン化する金属が多くなる。言い換えれば、第1透明接着層95の酸価が大きくなるほど、イオン化する金属が多くなる。このため、第1透明接着層95の酸価が大きくなるほど、第1透明接着層95内へ拡散する金属成分の量が多くなる。そして、第1透明接着層95内へ金属成分が拡散した場合、第1透明接着層95の誘電損失が大きくなる。この場合、第1透明接着層95が、メッシュ配線層20における電波の送受信に悪影響を与えてしまう可能性がある。このため、アンテナ性能が低下してしまう可能性がある。とりわけ、メッシュ配線層20がミリ波を送受信する場合、第1透明接着層95の誘電損失が大きくなることによって、アンテナ性能が大幅に低下してしまう可能性がある。なお、本明細書中、「酸性分子」とは、有機高分子又は有機低分子に結合する酸性官能基を含む分子を意味する。酸性官能基の具体例としては、水酸基、アルデヒド基、カルボキシル基、硫酸基、硝酸基、ハロゲン基又はリン酸基等が挙げられる。分子の単位は、酸性官能基を含む分子を1分子とする。
これに対して、第1透明接着層95において、JIS K 0070:1992に準拠して測定された酸価が、1以下であることにより、メッシュ配線層20と第1透明接着層95との間におけるマイグレーションの発生を抑制できる。これにより、第1透明接着層95の誘電損失の増加を抑制できる。このため、第1透明接着層95が、メッシュ配線層20における電波の送受信に悪影響を与えてしまうことを抑制できる。この結果、アンテナ性能が低下してしまうことを抑制できる。
また、第1透明接着層95において、JIS K 0070:1992に準拠して測定された酸価が、1以下である場合、第1透明接着層95内の酸性分子を少なくできる。これにより、大気中の水分が、第1透明接着層95内の酸性分子によって第1透明接着層95内に取り込まれることを抑制できる。
第1透明接着層95における金属元素の含有量は、0.1重量%以上1重量%以下であることが好ましい。第1透明接着層95における金属元素の含有量が0.1重量%以上であることにより、第1透明接着層95とメッシュ配線層20との接着性を高めることができる。また、第1透明接着層95における金属元素の含有量が1重量%以下であることにより、第1透明接着層95における誘電損失を効果的に低減できる。これにより、第1透明接着層95がメッシュ配線層20における電波の送受信に影響を与えてしまうことを効果的に抑制できる。このため、アンテナ性能が低下してしまうことを抑制できる。また、第1透明接着層95における金属元素の含有量が1重量%以下であることにより、第1透明接着層95の透明性を確保できる。このため、配線基板10の不可視性を維持できる。なお、金属元素の含有量は、発光分光分析装置(日立ハイテクサイエンス社製、高分解能ICP発光分光分析装置、PS3500DDII)を用いて測定できる。
第1透明接着層95における水分の含有量は、0.01重量%以上0.1重量%以下であることが好ましい。第1透明接着層95における水分の含有量が0.01重量%以上であることにより、第1透明接着層95の柔軟性を高めることができる。また、第1透明接着層95における水分の含有量が0.1重量%以下であることにより、第1透明接着層95における誘電損失を効果的に低減できる。これにより、第1透明接着層95がメッシュ配線層20における電波の送受信に影響を与えてしまうことを効果的に抑制できる。このため、アンテナ性能が低下してしまうことを抑制できる。なお、水分の含有量は、水分計(日東精工アナリテック社製、カールフィッシャー水分測定器、CA-310)を用いて測定できる。
次に、配線基板10について説明する。配線基板10は、上述したように、表示装置61に対して発光面64側に配置されている。この場合、配線基板10は、第1透明接着層95と第2透明接着層96との間に位置する。より具体的には、第1透明接着層95と第2透明接着層96との間の一部領域に、配線基板10の基板11の一部領域が配置されている。この場合、第1透明接着層95、第2透明接着層96、表示装置61及びカバーガラス75は、それぞれ配線基板10の基板11よりも広い面積を有する。このように、配線基板10の基板11を、平面視で画像表示装置60の全面ではなく一部領域に配置することにより、画像表示装置60の全体としての厚みを薄くできる。
配線基板10は、上述したように、基板11と、基板11の第1面11a上に配置されたプライマー層15とを有する誘電体層12と、誘電体層12のプライマー層15上に配置されたメッシュ配線層20とを備えている。メッシュ配線層20には、給電部40が電気的に接続されている。給電部40は、図示しない給電線を介して、通信モジュール63に電気的に接続されている。また、配線基板10の一部は、第1透明接着層95と第2透明接着層96との間に配置されることなく、第1透明接着層95と第2透明接着層96との間から外方(すなわち、Y方向マイナス側)に突出する。具体的には、配線基板10のうち、給電部40が設けられている領域が外方に突出する。これにより、給電部40と通信モジュール63との電気的な接続を容易に行うことができる。一方、配線基板10のうち、メッシュ配線層20が設けられている領域は、第1透明接着層95と第2透明接着層96との間に位置する。なお、配線基板10の詳細については後述する。
第2透明接着層96は、表示装置61を配線基板10に直接的又は間接的に接着する接着層である。この第2透明接着層96は、基板11の第2面11b側に位置している。第2透明接着層96は、第1透明接着層95と同様に、光学透明性を有しており、OCA(Optical Clear Adhesive)層であっても良い。第2透明接着層96の材料は、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂又はウレタン系樹脂等であっても良い。とりわけ、第2透明接着層96は、アクリル系樹脂を含んでいても良い。これにより、第1透明接着層95と第2透明接着層96との屈折率の差を実質的になくし、第1透明接着層95と第2透明接着層96との界面B4での可視光の反射をより確実に抑えることができる。
第2透明接着層96は、可視光線(すなわち、波長400nm以上700nm以下の光線)の透過率が85%以上であっても良く、90%以上であることが好ましい。なお、第2透明接着層96の可視光線の透過率の上限は特にないが、例えば100%以下であっても良い。第2透明接着層96の可視光線の透過率を上記範囲とすることにより、画像表示装置用積層体70の透明性を高め、画像表示装置60の表示装置61を視認しやすくできる。
このような画像表示装置用積層体70において、プライマー層15の屈折率と、第1透明接着層95の屈折率との差は、0.1以下であり、0.05以下となることが好ましい。また、プライマー層15の屈折率と、基板11の屈折率との差は、0.1以下であり、0.05以下となることが好ましい。ここで、屈折率とは絶対屈折率をいい、JIS K-7142のA法に基づいて求めることができる。例えば、第1透明接着層95の材料がアクリル系樹脂(屈折率1.49)である場合、プライマー層15の屈折率を1.39以上1.59以下とする。このような材料としては、例えばフッ素樹脂、シリコーン系樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリイミド系樹脂、セルロース系樹脂等を挙げることができる。
このように、プライマー層15の屈折率と、第1透明接着層95の屈折率との差を0.1以下に抑えることにより、プライマー層15と第1透明接着層95との界面B1での可視光の反射を抑え、プライマー層15が設けられた基板11を観察者の肉眼で視認しにくくできる。また、プライマー層15の屈折率と、基板11の屈折率との差を0.1以下に抑えることにより、プライマー層15と基板11との界面B2での可視光の反射を抑え、基板11を観察者の肉眼で視認しにくくできる。
また、画像表示装置用積層体70において、基板11の屈折率と、第1透明接着層95の屈折率との差は、0.1以下であり、0.05以下となることが好ましい。また、第2透明接着層96の屈折率と、基板11の屈折率との差は、0.1以下であり、0.05以下となることが好ましい。さらに、第1透明接着層95の屈折率と、第2透明接着層96の屈折率との差は、0.1以下であることが好ましく、0.05以下であることがより好ましい。例えば、第1透明接着層95の材料と第2透明接着層96の材料とがアクリル系樹脂(屈折率1.49)である場合、基板11の屈折率を1.39以上1.59以下とする。このような材料としては、上述したように、例えばフッ素樹脂、シリコーン系樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリイミド系樹脂、セルロース系樹脂等を挙げることができる。
このように、第2透明接着層96の屈折率と、基板11の屈折率との差を0.1以下に抑えることにより、第2透明接着層96と基板11との界面B3での可視光の反射を抑え、基板11を観察者の肉眼で視認しにくくできる。さらに、第1透明接着層95の屈折率と、第2透明接着層96の屈折率との差を0.1以下に抑えることにより、第1透明接着層95と第2透明接着層96との界面B4での可視光の反射を抑え、第1透明接着層95と第2透明接着層96とを観察者の肉眼で視認しにくくできる。
とりわけ、第1透明接着層95の材料と第2透明接着層96の材料とが、互いに同一の材料であることが好ましい。これにより、第1透明接着層95と第2透明接着層96との屈折率の差をより小さくし、第1透明接着層95と第2透明接着層96との界面B4での可視光の反射を抑えることができる。
図2において、第1透明接着層95の厚みTと第2透明接着層96の厚みTとのうち少なくとも一方の厚みは、基板11の厚みTの1.5倍以上であっても良く、2倍以上であることが好ましく、2.5倍以上であることが更に好ましい。このように、基板11の厚みTに対して第1透明接着層95の厚みT又は第2透明接着層96の厚みTを十分に厚くすることにより、基板11と重なる領域で第1透明接着層95又は第2透明接着層96が厚み方向に変形し、基板11の厚みを吸収する。これにより、基板11の周縁において第1透明接着層95又は第2透明接着層96に段差が生じることを抑えることができ、基板11の存在を観察者が認識しにくくできる。
第1透明接着層95の厚みT及び第2透明接着層96の厚みTのうち少なくとも一方の厚みは、基板11の厚みTの10倍以下であることが好ましく、5倍以下であることが更に好ましい。これにより、第1透明接着層95の厚みT又は第2透明接着層96の厚みTが厚くなりすぎることがなく、画像表示装置60の全体としての厚みを薄くできる。
図2において、第1透明接着層95の厚みTと第2透明接着層96の厚みTとが、互いに同一であっても良い。この場合、第1透明接着層95の厚みT及び第2透明接着層96の厚みTは、それぞれ基板11の厚みTの1.5倍以上であっても良く、2.0倍以上であることが好ましい。すなわち、第1透明接着層95の厚みT及び第2透明接着層96の厚みTの合計(すなわち、T+T)は、基板11の厚みTの3倍以上となる。このように、基板11の厚みTに対して、第1透明接着層95及び第2透明接着層96の厚みT、Tの合計を十分に厚くすることにより、基板11と重なる領域で、第1透明接着層95及び第2透明接着層96が厚み方向に変形(収縮)する。これにより、第1透明接着層95及び第2透明接着層96が、基板11の厚みを吸収する。このため、基板11の周縁において、第1透明接着層95又は第2透明接着層96に段差が生じることを抑えることができ、基板11の存在を観察者が認識しにくくできる。
第1透明接着層95の厚みTと第2透明接着層96の厚みTとが互いに同一である場合、第1透明接着層95の厚みT及び第2透明接着層96の厚みTは、それぞれ基板11の厚みTの5倍以下であっても良く、3倍以下であることが好ましい。これにより、第1透明接着層95及び第2透明接着層96の両方の厚みT、Tが厚くなりすぎることがなく、画像表示装置60の全体としての厚みを薄くできる。
具体的には、基板11の厚みTは、例えば2μm以上であっても良く、10μm以上であっても良く、15μm以上であることが好ましい。基板11の厚みTを2μm以上とすることにより、配線基板10の強度を保持し、メッシュ配線層20の後述する第1方向配線21及び第2方向配線22が変形しにくいようにできる。また、基板11の厚みTは、例えば200μm以下であっても良く、50μm以下であっても良く、25μm以下であることが好ましい。基板11の厚みTを200μm以下とすることにより、基板11の周縁において第1透明接着層95及び第2透明接着層96に段差が生じることを抑え、基板11の存在を観察者が認識しにくくできる。また、基板11の厚みTを50μm以下とすることにより、基板11の周縁において第1透明接着層95及び第2透明接着層96に段差が生じることを更に抑え、基板11の存在を観察者がより認識しにくくできる。
第1透明接着層95の厚みTは、例えば15μm以上であっても良く、20μm以上であることが好ましい。第1透明接着層95の厚みTは、例えば500μm以下であっても良く、300μm以下であることが好ましく、250μm以下であることが更に好ましい。第2透明接着層96の厚みTは、例えば15μm以上であっても良く、20μm以上であることが好ましい。第2透明接着層96の厚みTは、例えば500μm以下であっても良く、300μm以下であることが好ましく、250μm以下であることが更に好ましい。
再度図2を参照すると、カバーガラス75は、第1透明接着層95上に直接的又は間接的に配置されている。このカバーガラス75は、光を透過するガラス製の部材である。カバーガラス75は、板状であり、カバーガラス75の形状は、平面視で矩形であっても良い。カバーガラス75の厚みは、例えば200μm以上1000μm以下であっても良く、300μm以上700μm以下であることが好ましい。カバーガラス75の長手方向(すなわち、Y方向)の長さは、例えば20mm以上500mm以下、望ましくは100mm以上200mm以下であっても良い。カバーガラス75の短手方向(すなわち、X方向)の長さは、20mm以上500mm以下、望ましくは50mm以上100mm以下であっても良い。
図1に示すように、画像表示装置60の形状は、平面視で、全体として略長方形であり、その長手方向がY方向に平行であり、その短手方向がX方向に平行となっている。画像表示装置60の長手方向(すなわち、Y方向)の長さLは、例えば20mm以上500mm以下、望ましくは100mm以上200mm以下の範囲で選択できる。画像表示装置60の短手方向(すなわち、X方向)の長さLは、例えば20mm以上500mm以下、望ましくは50mm以上100mm以下の範囲で選択できる。なお、画像表示装置60の平面形状は、その角部がそれぞれ丸みを帯びた長方形であっても良い。
次に、図3乃至図6を参照して、配線基板の構成について説明する。図3乃至図6は、本実施の形態による配線基板を示す図である。
図3に示すように、本実施の形態による配線基板10は、上述した画像表示装置60(図1及び図2参照)に用いられる基板である。配線基板10は、表示装置61よりも発光面64側であって、第1透明接着層95と第2透明接着層96との間に配置され得る。このような配線基板10は、上述したように、基板11と、基板11の第1面11a上に配置されたプライマー層15とを有する誘電体層12と、誘電体層12の第1面11a側に配置されたメッシュ配線層20とを備えている。誘電体層12は、メッシュ配線層20に接触している。また、メッシュ配線層20には、給電部40が電気的に接続されている。なお、誘電体層12は、プライマー層15を有していなくても良く、誘電体層12が、基板11のみによって構成されていても良い。
誘電体層12の基板11の形状は、平面視で略長方形であり、その第1方向がY方向に平行であり、第2方向がX方向に平行となっている。基板11は、透明性を有するとともに略平板状であり、その厚みは全体として略均一となっている。第1方向(すなわち、Y方向)における基板11の長さLは、例えば3mm以上300mm以下の範囲で選択できる。第2方向(すなわち、X方向)における基板11の長さL(図1参照)は、例えば3mm以上300mm以下の範囲で選択できる。なお、基板11の平面形状は、その角部がそれぞれ丸みを帯びた長方形であっても良い。
基板11の材料は、可視光線領域での透明性と電気絶縁性とを有する材料であれば良い。基板11の材料としては、例えば、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、セルロース系樹脂、又はフッ素樹脂材料等の有機絶縁性材料が用いられることが好ましい。ポリエステル系樹脂は、ポリエチレンテレフタレート等であっても良い。アクリル系樹脂は、ポリメチルメタクリレート等であっても良い。ポリオレフィン系樹脂は、シクロオレフィン重合体等であっても良い。セルロース系樹脂は、トリアセチルセルロース等であっても良い。フッ素樹脂材料は、PTFE又はPFA等であっても良い。例えば、基板11の材料としては、シクロオレフィンポリマー(例えば日本ゼオン社製ZF-16)、又はポリノルボルネンポリマー(住友ベークライト社製)等の有機絶縁性材料が用いられても良い。また、基板11の材料としては、用途に応じてガラス、又はセラミックス等が適宜選択されても良い。なお、基板11は、単一の層によって構成された例を図示したが、これに限定されず、複数の基材又は層が積層された構造であっても良い。また、基板11はフィルム状の部材であっても良く、板状の部材であっても良い。
基板11の誘電正接は、0.002以下であっても良く、0.001以下であることが好ましい。なお、基板11の誘電正接の下限は特に限定されないが、0超としても良い。基板11の誘電正接が上記範囲であることにより、とりわけメッシュ配線層20が送受信する電磁波(例えばミリ波)が高周波である場合に、電磁波の送受信に伴う利得の損失(すなわち、感度の低下)を小さくできる。
基板11の比誘電率は、特に制限はないが、2以上10以下であることが好ましい。基板11の比誘電率が2以上であることにより、基板11の材料の選択肢を多くできる。また、基板11の比誘電率が10以下であることにより、電磁波の送受信に伴う利得の損失を小さくできる。すなわち、基板11の比誘電率が大きくなった場合、基板11の厚みが電磁波の伝搬に与える影響が、大きくなる。また、電磁波の伝搬に悪影響がある場合、基板11の誘電正接が大きくなり、電磁波の送受信に伴う利得の損失が大きくなり得る。これに対して、基板11の比誘電率が10以下であることにより、基板11の厚みが電磁波の伝搬に与える影響を小さくできる。このため、電磁波の送受信に伴う利得の損失を小さくできる。とりわけメッシュ配線層20が送受信する電磁波(例えばミリ波)が高周波である場合に、電磁波の送受信に伴う利得の損失を小さくできる。
基板11の誘電正接及び比誘電率は、IEC 62562に準拠して測定できる。具体的には、まず、メッシュ配線層20が形成されてない部分の基板11を切り出して試験片を準備する。試験片の寸法は、幅10mm以上20mm以下、長さ50mm以上100mm以下とする。次に、IEC 62562に準拠し、誘電正接又は比誘電率を測定する。
本実施の形態では、基板11は、透明性を有している。本明細書中、「透明性を有する」とは、可視光線(すなわち、波長400nm以上700nm以下の光線)の透過率が85%以上であることを意味する。基板11は、可視光線の透過率が85%以上であっても良く、90%以上であることが好ましい。なお、基板11の可視光線の透過率の上限は特にないが、例えば100%以下であっても良い。基板11の可視光線の透過率を上記範囲とすることにより、配線基板10の透明性を高め、画像表示装置60の表示装置61を視認しやすくできる。
次に、誘電体層12のプライマー層15について説明する。プライマー層15は、メッシュ配線層20と、基板11との密着性を向上させる役割を果たす。本実施の形態では、プライマー層15は、基板11の第1面11aの略全域に設けられている。これにより、プライマー層15のパターニングが不要になる。このため、プロセス工程数を削減できる。なお、プライマー層15は、基板11の第1面11aのうち、メッシュ配線層20が設けられる領域のみに設けられていても良い。
このプライマー層15は、高分子材料を含んでいる。これにより、メッシュ配線層20と、基板11との密着性を効果的に向上できる。この場合、プライマー層15の材料としては、無色透明の高分子材料を用いることができる。
プライマー層15は、アクリル系樹脂又はポリエステル系樹脂を含んでいることが好ましい。これにより、メッシュ配線層20と、基板11との密着性をより効果的に向上できる。プライマー層15がアクリル系樹脂を含んでいる場合、アクリル系樹脂としては、アクリル酸、メタクリル酸及びこれらの誘導体をモノマー成分とするポリマーが挙げられる。アクリル系樹脂としては、例えば、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、2-エチルへキシルアクリレート、アクリルアミド、アクリロニトリル、ヒドロキシルアクリレート等を主成分として、これらと共重合可能なモノマー(例えば、スチレン、ジビニルベンゼン、アクリロニトリル等)を共重合したポリマーが用いられても良い。また、上記モノマーの他に、アクリル基若しくはメタクリル基を1分子に2個有するダイマー、又は、多官能ウレタンアクリレート等を、主成分となる樹脂に対して添加しても良く、エポキシ基を1分子に2個以上有する有機分子を主成分となる樹脂に対して添加しても良い。これにより、アクリル系樹脂を架橋することで、樹脂を硬化してプライマー層15を形成できる。硬化形成したプライマー層は、密着性に優れている。また、耐水性、耐酸性、耐アルカリ性若しくは耐溶剤性、又はこれらの組合せに優れた機能の発現も可能である。このため、メッシュ配線層20と基板11との密着性が、配線形成時又は経時的に低下することを抑制できる。
また、プライマー層15がポリエステル系樹脂を含んでいる場合、プライマー層15は、例えば、水酸基含有ポリエステル系樹脂を、水酸基と反応する硬化剤により架橋することで硬化させて形成できる。水酸基含有ポリエステル系樹脂としては、ポリエステルポリオールが挙げられ、硬化剤としては、ポリイソシアネート及び/又はポリイソシアネートプレポリマーが挙げられる。ポリエステルポリオールと、ポリイソシアネート及び/又はポリイソシアネートプレポリマーとを硬化させて形成したプライマー層15は、密着性に優れている。また、耐水性、耐酸性、耐アルカリ性若しくは耐溶剤性、又はこれらの組合せに優れた機能の発現も可能である。このため、メッシュ配線層20と基板11との密着性が、経時的に低下することを抑制できる。また、ポリエステルポリオールと、ポリイソシアネート及び/又はポリイソシアネートプレポリマーとを硬化させて形成したプライマー層15は、耐熱性に優れている。このため、プライマー層15の形成後に行われる各成膜工程等で発生する熱の影響を受けにくくでき、熱によるプライマー層15の白化又はクラック等の発生を抑制できる。
また、好ましいポリイソシアネート及び/又はポリイソシアネートプレポリマーの例として、IPDI系、XDI系、HDI系のポリイソシアネート及び/又はポリイソシアネートプレポリマーが挙げられる。これらを用いることにより、プライマー層15が黄変することを抑制できる。ここで、IPDI系とは、イソホロンジイソシアネートとその変性形態を意味し、XDI系とは、キシリレンジイソシアネートとその変性形態を意味し、HDI系とは、ヘキサメレチンジイソシアネートとその変性形態を意味する。変性形態の例として、トリメチロールプロパン(TMP)アダクト体、イソシアヌレート体、ビュレット体、アロファネート体等が挙げられる。
また、プライマー層15の高分子材料は、可視光線、紫外線、X線、電子線、α線、β線、γ線などを高分子材料に対して照射することにより架橋することで硬化されていても良い。これにより、プライマー層15の耐傷性及び耐熱性を向上できる。
また、プライマー層15は、可視光線(波長400nm以上700nm以下の光線)の透過率が85%以上であっても良く、90%以上であることが好ましい。なお、プライマー層15の可視光線の透過率の上限は特にないが、例えば100%以下であっても良い。プライマー層15の可視光線の透過率を上記範囲とすることにより、配線基板10の透明性を高め、画像表示装置60の表示装置61を視認しやすくできる。
プライマー層15の厚みT(Z方向の長さ、図5参照)は、0.05μm以上0.5μm以下であることが好ましい。プライマー層15の厚みTが0.05μm以上であることにより、メッシュ配線層20と、基板11との密着性を効果的に向上できる。また、プライマー層15の厚みTが0.5μm以下であることにより、配線基板10の透明性を確保できる。
次に、メッシュ配線層20について説明する。
本実施の形態において、メッシュ配線層20は、アンテナとしての機能をもつアンテナパターンからなっている。このメッシュ配線層20は、アレイアンテナとして機能する。このように、メッシュ配線層20が、アレイアンテナとして機能する場合、直進性の高いミリ波を送受信するミリ波用アンテナ性能を高めることができる。なお、アレイアンテナとは、複数のアンテナ素子(放射素子)を規則的に配置したアンテナであって、素子の励振の振幅及び位相を独立して制御できるアンテナをいう。
メッシュ配線層20は、基板11上に3つ形成されている(図1参照)。また、図3に示すように、メッシュ配線層20は、基板11の全面に存在するのではなく、基板11上の一部領域のみに存在していても良い。各々のメッシュ配線層20は、互いに同一形状を有していても良い。この場合、各々のメッシュ配線層20は、その長さ(すなわち、Y方向の長さ)Lの誤差及び幅(X方向の長さ)Wの誤差が、それぞれ10%内であることが好ましい。これにより、ミリ波用アンテナ性能を効果的に高めることができる。
このメッシュ配線層20は、所定の周波数帯に対応している。すなわち、メッシュ配線層20は、その長さ(Y方向の長さ)Lが特定の周波数帯に対応した長さとなっている。なお、対応する周波数帯が低周波であるほどメッシュ配線層20の長さLが長くなる。メッシュ配線層20は、ミリ波用アンテナの他、電話用アンテナ、WiFi用アンテナ、3G用アンテナ、4G用アンテナ、5G用アンテナ、LTE用アンテナ、Bluetooth(登録商標)用アンテナ、NFC用アンテナ等のいずれかに対応していても良い。なお、複数のメッシュ配線層20の長さが互いに異なり、それぞれ異なる周波数帯に対応しても良い。あるいは、各メッシュ配線層20は、例えばホバリング機能、指紋認証、ヒーター、ノイズカット(シールド)等の機能を果たしても良い。なお、ホバリング機能とは、使用者がディスプレイに直接触れなくても操作可能となる機能をいう。
メッシュ配線層20は、給電部40側の基端側部分20aと、基端側部分20aに接続された先端側部分20bとを有する。基端側部分20aは、給電部40に接続されている。基端側部分20aの形状と先端側部分20bの形状とは、それぞれ平面視で略長方形である。この場合、先端側部分20bの長さ(すなわち、Y方向距離)は基端側部分20aの長さ(すなわち、Y方向距離)よりも長く、先端側部分20bの幅(すなわち、X方向距離)は基端側部分20aの幅(すなわち、X方向距離)よりも広い。
メッシュ配線層20は、その長手方向がY方向に平行であり、その短手方向がX方向に平行となっている。メッシュ配線層20の長手方向(すなわち、Y方向)の長さLは、例えば3mm以上100mm以下の範囲で選択できる。メッシュ配線層20の先端側部分20bの短手方向(すなわち、X方向)の幅Wは、例えば1mm以上10mm以下の範囲で選択できる。とりわけ、メッシュ配線層20は、ミリ波用アンテナであっても良い。メッシュ配線層20がミリ波用アンテナである場合、メッシュ配線層20の長さLは、1mm以上、より好ましくは1.5mm以上の範囲で選択できる。メッシュ配線層20がミリ波用アンテナである場合、メッシュ配線層20の長さLは、10mm以下、より好ましくは5mm以下の範囲で選択できる。
メッシュ配線層20は、それぞれ金属線が格子状又は網目状に配置されたパターン形状を有している。このパターン形状は、X方向及びY方向に繰り返し配置されている。すなわちメッシュ配線層20は、第1方向(例えば、Y方向)に延びる部分(すなわち、第1方向配線21)と、第2方向(例えば、X方向)に延びる部分(すなわち、第2方向配線22)とから構成されるパターン形状を有している。
図4に示すように、メッシュ配線層20は、複数の配線を有している。具体的には、メッシュ配線層20は、アンテナとしての機能をもつ複数の第1方向配線(配線)21と、複数の第1方向配線21を連結する複数の第2方向配線(配線)22とを有している。複数の第1方向配線21と複数の第2方向配線22とは、全体として一体となって、格子状又は網目状の形状を形成している。各第1方向配線21は、メッシュ配線層20の長手方向(すなわち、Y方向)に直線状に延びている。各第2方向配線22は、メッシュ配線層20の幅方向(すなわち、X方向)に直線状に延びている。第1方向配線21は、所定の周波数帯に対応する長さL(図3参照)を有することにより、主としてアンテナとしての機能を発揮する。ここで、長さLは、上述したメッシュ配線層20の長さである。一方、第2方向配線22は、これらの第1方向配線21同士を連結することにより、第1方向配線21が断線したり、第1方向配線21と給電部40とが電気的に接続しなくなったりする不具合を抑える役割を果たす。
メッシュ配線層20においては、互いに隣接する第1方向配線21と、互いに隣接する第2方向配線22とに取り囲まれることにより、複数の開口部23が形成されている。また、第1方向配線21と第2方向配線22とは互いに等間隔に配置されている。すなわち複数の第1方向配線21は、互いに等間隔に配置され、そのピッチPは、例えば0.01mm以上1mm以下の範囲とすることができる。また、複数の第2方向配線22は、互いに等間隔に配置され、そのピッチPは、例えば0.01mm以上1mm以下の範囲とすることができる。このように、複数の第1方向配線21と複数の第2方向配線22とがそれぞれ等間隔に配置されていることにより、メッシュ配線層20内で開口部23の大きさにばらつきがなくなり、メッシュ配線層20を肉眼で視認しにくくできる。また、第1方向配線21のピッチPは、第2方向配線22のピッチPと等しい。このため、各開口部23は、それぞれ平面視略正方形状となっており、各開口部23からは、透明性を有するプライマー層15及び基板11が露出している。このため、各開口部23の面積を広くすることにより、配線基板10全体としての透明性を高めることができる。なお、各開口部23の一辺の長さLは、例えば0.01mm以上1mm以下の範囲とすることができる。なお、各第1方向配線21と各第2方向配線22とは、互いに直交しているが、これに限らず、互いに鋭角又は鈍角に交差していても良い。また、開口部23の形状は、全面で同一形状同一サイズとするのが好ましいが、場所によって変えるなど全面で均一としなくても良い。
図5に示すように、各第1方向配線21は、その長手方向に垂直な断面(すなわち、X方向断面)が略長方形又は略正方形となる形状を有している。この場合、第1方向配線21の断面形状は、第1方向配線21の長手方向(すなわち、Y方向)に沿って略均一となっている。図6に示すように、各第2方向配線22は、その長手方向に垂直な断面(すなわち、Y方向断面)が略長方形又は略正方形となる形状を有しており、上述した第1方向配線21の断面(すなわち、X方向断面)形状と略同一の形状を有している。この場合、第2方向配線22の断面形状は、第2方向配線22の長手方向(すなわち、X方向)に沿って略均一となっている。第1方向配線21の断面形状と第2方向配線22の断面形状とは、必ずしも略長方形又は略正方形でなくても良い。例えば、第1方向配線21の断面形状と第2方向配線22の断面形状とが、表面側(すなわち、Z方向プラス側)が裏面側(すなわち、Z方向マイナス側)よりも狭い略台形、あるいは、幅方向両側に位置する側面が湾曲した形状であっても良い。
本実施の形態において、第1方向配線21の線幅W(図5参照)及び第2方向配線22の線幅W(図6参照)は、特に限定されず、用途に応じて適宜選択できる。ここで、第1方向配線21の線幅Wは、その長手方向に垂直な断面における幅(すなわち、X方向の長さ)であり、第2方向配線22の線幅Wは、その長手方向に垂直な断面における幅(すなわち、Y方向の長さ)である。例えば、第1方向配線21の線幅Wは0.1μm以上5.0μm以下の範囲で選択でき、0.2μm以上2.0μm以下とすることが好ましい。また、第2方向配線22の線幅Wは、0.1μm以上5.0μm以下の範囲で選択でき、0.2μm以上2.0μm以下とすることが好ましい。
第1方向配線21の高さH(図5参照)及び第2方向配線22の高さH(図6参照)は特に限定されず、用途に応じて適宜選択できる。ここで、第1方向配線21の高さH及び第2方向配線22の高さHは、それぞれZ方向の長さである。第1方向配線21の高さH及び第2方向配線22の高さHは、それぞれ例えば0.1μm以上5.0μm以下の範囲で選択でき、0.2μm以上2.0μm以下とすることが好ましい。
第1方向配線21及び第2方向配線22の材料は、導電性を有する金属材料であれば良い。本実施の形態において第1方向配線21及び第2方向配線22の材料は銅であるが、これに限定されない。第1方向配線21及び第2方向配線22の材料は、例えば、金、銀、銅、白金、錫、アルミニウム、鉄若しくはニッケルなどの金属材料、又はこれらの金属を含む合金を用いることができる。また、第1方向配線21及び第2方向配線22は、電解めっき法によって形成されためっき層であっても良い。
メッシュ配線層20の全体の開口率Atは、例えば87%以上100%未満の範囲であっても良い。メッシュ配線層20の全体の開口率Atをこの範囲とすることにより、配線基板10の導電性と透明性を確保できる。メッシュ配線層20の全体の開口率Atは、95%以上100%未満であることが好ましい。これにより、配線基板10の導電性を確保しつつ、配線基板10の透明性を高くできる。なお、開口率とは、所定の領域(例えばメッシュ配線層20の全域)の単位面積に占める、開口領域の面積の割合(%)をいう。開口領域とは、第1方向配線21、第2方向配線22等の金属部分が存在せず、基板11が露出する領域をいう。
ところで、配線基板10に対して耐屈曲性試験を行った場合、メッシュ配線層20の抵抗値の増大量が20%以下となっても良く、10%以下となっても良い。耐屈曲性試験とは、円筒形マンドレル屈曲試験器を用いて、配線基板10を直径1mmの円筒の周囲に沿って180°曲げた後伸ばす作業を100回行う試験をいう。
具体的には、以下のように試験を行う。まず、メッシュ配線層20の長手方向両端間の電気抵抗値を測定する。このときの抵抗値をR0(Ω)とする。次に、配線基板10を円筒形マンドレル屈曲試験器の円筒に巻きつけ、配線基板10の長手方向両端が180°反対方向を向くようにする。その後、配線基板10を円筒から取り除き、平坦に伸ばす。この作業を100回繰り返す。その後、メッシュ配線層20の長手方向両端間の電気抵抗値を再度測定する。このときの抵抗値をR(Ω)とする。このとき((R-R)/R)×100(%)によって求めた値を抵抗値の増大量とする。この抵抗値の増大量が20%以下となることにより、配線基板10を湾曲又は屈曲して用いる場合に、配線基板10の耐久性を向上できる。
なお、図示しないが、プライマー層15上であって、メッシュ配線層20を覆うように保護層が形成されていても良い。保護層は、メッシュ配線層20を保護するものであり、基板11のうち少なくともメッシュ配線層20を覆うように形成される。保護層の材料としては、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエチル(メタ)アクリレート等のアクリル樹脂とそれらの変性樹脂と共重合体、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール等のポリビニル樹脂とそれらの共重合体、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリアミド、塩素化ポリオレフィン等の無色透明の絶縁性樹脂を用いることができる。
再度図3を参照すると、メッシュ配線層20に、給電部40が電気的に接続されている。この給電部40は、略長方形の導電性の薄板状部材からなる。給電部40の長手方向はX方向に平行であり、給電部40の短手方向はY方向に平行である。また、給電部40は、基板11の長手方向端部(すなわち、Y方向マイナス側端部)に配置されている。給電部40の材料は、例えば、金、銀、銅、白金、錫、アルミニウム、鉄若しくはニッケルなどの金属材料、又はこれらの金属を含む合金を用いることができる。この給電部40は、配線基板10が画像表示装置60(図1及び図2参照)に組み込まれた際、図示しない給電線を介して画像表示装置60の通信モジュール63と電気的に接続される。なお、給電部40は、基板11の第1面11aに設けられているが、これに限らず、給電部40の一部又は全部が基板11の周縁よりも外側に位置していても良い。また、給電部40を柔軟に形成することにより、給電部40が画像表示装置60の側面や裏面に回り込むように構成されていても良い。この場合、給電部40が、画像表示装置60の側面や裏面側で通信モジュール63と電気的に接続できても良い。
給電部40には、Y方向プラス側において、複数の第1方向配線21が電気的に接続されている。この場合、給電部40は、メッシュ配線層20と一体に形成されている。給電部40の厚み(Z方向の長さ)は、第1方向配線21の高さH(図5参照)及び第2方向配線22の高さH(図6参照)と同一とすることができ、例えば0.1μm以上5.0μm以下の範囲で選択することができる。
このような配線基板10において、上述した誘電体層12の誘電正接は、0.002以下である。これにより、誘電体層12がメッシュ配線層20における電波の送受信に影響を与えてしまうことを効果的に抑制できる。このため、アンテナ性能が低下してしまうことを抑制できる。誘電体層12の誘電正接の下限は特に限定されないが、0超としても良い。誘電体層12の誘電正接が上記範囲であることにより、とりわけメッシュ配線層20が送受信する電磁波(例えばミリ波)が高周波である場合に、電磁波の送受信に伴う利得の損失(すなわち、感度の低下)を小さくできる。なお、誘電体層12の誘電正接は、上述した、基板11の誘電正接を測定する方法と同様の方法により、IEC 62562に準拠して測定できる。
また、誘電体層12において、JIS K 0070:1992に準拠して測定された酸価は、1以下である。上述したように、メッシュ配線層20と当該メッシュ配線層20に接触する層との間において、経時的にマイグレーションが生じ得る。この場合、例えば、メッシュ配線層20に接触する誘電体層12内へ、メッシュ配線層20の金属成分が拡散し得る。また、誘電体層12の酸価が大きくなるほど、誘電体層12内へ拡散する金属成分の量が多くなる。そして、誘電体層12内へ金属成分が拡散した場合、誘電体層12の誘電損失が大きくなる。この場合、誘電体層12が、メッシュ配線層20における電波の送受信に悪影響を与えてしまう可能性がある。このため、アンテナ性能が低下してしまう可能性がある。
これに対して、誘電体層12において、JIS K 0070:1992に準拠して測定された酸価は、1以下であることにより、メッシュ配線層20と誘電体層12との間におけるマイグレーションの発生を抑制できる。これにより、誘電体層12の誘電損失の増加を抑制できる。このため、誘電体層12が、メッシュ配線層20における電波の送受信に悪影響を与えてしまうことを抑制できる。この結果、アンテナ性能が低下してしまうことを抑制できる。
さらに、誘電体層12における金属元素の含有量は、0.1重量%以上1重量%以下であることが好ましい。誘電体層12における金属元素の含有量が0.1重量%以上であることにより、誘電体層12とメッシュ配線層20との接着性を高めることができる。また、誘電体層12における金属元素の含有量が1重量%以下であることにより、誘電体層12における誘電損失を効果的に低減できる。これにより、誘電体層12がメッシュ配線層20における電波の送受信に影響を与えてしまうことを効果的に抑制できる。このため、アンテナ性能が低下してしまうことを抑制できる。また、誘電体層12における金属元素の含有量が1重量%以下であることにより、誘電体層12の透明性を確保できる。このため、配線基板10の不可視性を維持できる。
誘電体層12における水分の含有量は、0.01重量%以上0.1重量%以下であることが好ましい。誘電体層12における水分の含有量が0.01重量%以上であることにより、誘電体層12の柔軟性を高めることができる。また、誘電体層12における水分の含有量が0.1重量%以下であることにより、誘電体層12における誘電損失を効果的に低減できる。これにより、誘電体層12がメッシュ配線層20における電波の送受信に影響を与えてしまうことを効果的に抑制できる。このため、アンテナ性能が低下してしまうことを抑制できる。
[配線基板の製造方法]
次に、図7(a)-(f)及び図8(a)-(c)を参照して、本実施の形態による配線基板10の製造方法及び画像表示装置用積層体70の製造方法について説明する。図7(a)-(f)は、本実施の形態による配線基板10の製造方法を示す断面図である。図8(a)-(c)は、本実施の形態による画像表示装置用積層体70の製造方法を示す断面図である。
まず、透明性を有する基板11を準備する。
次に、図7(a)に示すように、基板11上にプライマー層15を形成することにより、誘電体層12を作製する。この際、プライマー層15は、基板11の第1面11aの略全域に形成されても良い。プライマー層15を形成する方法としては、ロールコート、グラビアコート、グラビアリバースコート、マイクログラビアコート、スロットダイコート、ダイコート、ナイフコート、インクジェットコート、ディスペンサーコート、キスコート、スプレーコート、スクリーン印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷を用いても良い。
次に、誘電体層12のプライマー層15上に、複数の第1方向配線21と、複数の第1方向配線21を連結する複数の第2方向配線22とを含むメッシュ配線層20を形成する。
この際、まず、図7(b)に示すように、プライマー層15の表面の略全域に金属箔51を積層する。本実施の形態において金属箔51の厚さは、0.1μm以上5.0μm以下であっても良い。本実施の形態において金属箔51は、銅を含んでいても良い。
次に、図7(c)に示すように、金属箔51の表面の略全域に光硬化性絶縁レジスト52を供給する。この光硬化性絶縁レジスト52としては、例えばアクリル樹脂、エポキシ系樹脂等の有機樹脂が挙げられる。
続いて、図7(d)に示すように、絶縁層54をフォトリソグラフィ法により形成する。この場合、フォトリソグラフィ法により光硬化性絶縁レジスト52をパターニングし、絶縁層54(レジストパターン)を形成する。この際、第1方向配線21及び第2方向配線22に対応する金属箔51が露出するように、絶縁層54を形成する。
次に、図7(e)に示すように、プライマー層15の表面上の、絶縁層54に覆われていない部分に位置する金属箔51を除去する。この際、塩化第二鉄、塩化第二銅、硫酸・塩酸等の強酸、過硫酸塩、過酸化水素若しくはこれらの水溶液、又はこれらの組合せ等を用いたウェット処理を行うことによって、プライマー層15の表面が露出するように金属箔51をエッチングする。
続いて、図7(f)に示すように、絶縁層54を除去する。この場合、過マンガン酸塩溶液やN-メチル-2-ピロリドン、酸又はアルカリ溶液等を用いたウェット処理や、酸素プラズマを用いたドライ処理を行うことによって、金属箔51上の絶縁層54を除去する。
このようにして、基板11を有する誘電体層12と、誘電体層12の第1面11a側に配置されたメッシュ配線層20とを有する配線基板10が得られる。この場合、メッシュ配線層20は、第1方向配線21及び第2方向配線22を含む。その後、配線基板10が、所望の大きさに切断される。
次に、第1透明接着層95と、配線基板10と、第2透明接着層96とを互いに積層する。この際、まず、図8(a)に示すように、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)の離型フィルム91と、離型フィルム91上に積層されたOCA層92(第1透明接着層95又は第2透明接着層96)とを含むOCAシート90を準備する。このとき、OCA層92は、重合性化合物を含む液状の硬化性接着層用組成物を離型フィルム91上に塗布し、これを例えば紫外線(UV)等を用いて硬化した層であっても良い。この硬化性接着層用組成物には、極性基含有モノマーが含まれている。
次に、図8(b)に示すように、OCAシート90のOCA層92を配線基板10に貼合する。これにより、OCA層92によって配線基板10を挟み込む。
その後、図8(c)に示すように、配線基板10に貼合されたOCAシート90のOCA層92から離型フィルム91を剥離除去することにより、互いに積層された第1透明接着層95(OCA層92)、配線基板10及び第2透明接着層96(OCA層92)が得られる。
このようにして、第1透明接着層95と、第2透明接着層96と、配線基板10と、を備える画像表示装置用積層体70が得られる。
その後、画像表示装置用積層体70に表示装置61を積層することにより、画像表示装置用積層体70と、画像表示装置用積層体70に積層された表示装置61と、を備える画像表示装置60が得られる(図1参照)。
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について述べる。
図1及び図2に示すように、配線基板10は、表示装置61を有する画像表示装置60に組み込まれる。このとき配線基板10は、表示装置61上に配置される。配線基板10のメッシュ配線層20は、給電部40を介して画像表示装置60の通信モジュール63に電気的に接続される。このようにして、メッシュ配線層20を介して、所定の周波数の電波を送受信でき、画像表示装置60を用いて通信を行うことができる。
本実施の形態によれば、誘電体層12の誘電正接が、0.002以下である。これにより、誘電体層12がメッシュ配線層20における電波の送受信に影響を与えてしまうことを効果的に抑制できる。このため、アンテナ性能が低下してしまうことを抑制できる。とりわけメッシュ配線層20が送受信する電磁波(例えばミリ波)が高周波である場合に、電磁波の送受信に伴う利得の損失(すなわち、感度の低下)を小さくできる。
また、誘電体層12において、JIS K 0070:1992に準拠して測定された酸価が、1以下である。これにより、メッシュ配線層20と誘電体層12との間におけるマイグレーションの発生を抑制できる。これにより、誘電体層12の誘電損失の増加を抑制できる。このため、誘電体層12が、メッシュ配線層20における電波の送受信に悪影響を与えてしまうことを抑制できる。この結果、アンテナ性能が低下してしまうことを抑制できる。
さらに、本実施の形態によれば、配線基板10が、基板11を有する誘電体層12と、誘電体層12の第1面11a側に配置されたメッシュ配線層20とを備えている。また、基板11が、透明性を有する。さらに、メッシュ配線層20が、不透明な導電体層の形成部としての導体部と、多数の開口部23とによるメッシュ状のパターンとを有している。このため、配線基板10の透明性が確保されている。これにより、配線基板10が表示装置61上に配置されたとき、メッシュ配線層20の開口部23から表示装置61を視認でき、表示装置61の視認性が妨げられることがない。
次に、画像表示装置用積層体70の変形例について説明する。
図9は、画像表示装置用積層体の変形例を示している。図9に示す変形例は、プライマー層15上に、メッシュ配線層20及び給電部40を覆うように保護層17が形成されている点が異なるものであり、他の構成は上述した図1乃至図8に示す形態と略同一である。図9において、図1乃至図8に示す形態と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
図9に示す変形例において、配線基板10は、誘電体層12の第1面11a側に配置され、メッシュ配線層20を覆う保護層17を更に備えている。この保護層17は、プライマー層15の表面上に形成されている。保護層17は、メッシュ配線層20及び給電部40を覆っている。すなわち、保護層17は、メッシュ配線層20及び給電部40に接触している。保護層17は、メッシュ配線層20及び給電部40を保護するものであり、プライマー層15の表面の略全域に形成されていても良い。
保護層17の厚みTは、0.05μm以上1.8μm以下であっても良い。保護層17の厚みTが0.05μm以上であることにより、保護層17の耐擦過性及び耐候性を高くできる。また、保護層17の厚みTが1.8μm以下であることにより、配線基板10及び画像表示装置用積層体70の厚みが厚くなりすぎることがなく、画像表示装置60の全体としての厚みを薄くできる。なお、本明細書中、保護層17の厚みTとは、給電部40の表面から保護層17の表面までのZ方向距離をいう。
保護層17の誘電正接は、0.002以下であることが好ましい。これにより、保護層17がメッシュ配線層20における電波の送受信に影響を与えてしまうことを効果的に抑制できる。このため、アンテナ性能が低下してしまうことを抑制できる。保護層17の誘電正接の下限は特に限定されないが、0超としても良い。保護層17の誘電正接が上記範囲であることにより、とりわけメッシュ配線層20が送受信する電磁波(例えばミリ波)が高周波である場合に、電磁波の送受信に伴う利得の損失(すなわち、感度の低下)を小さくできる。なお、保護層17の誘電正接は、基板11の比誘電率を測定する方法と同様の方法により、IEC 62562に準拠して測定できる。
また、保護層17において、JIS K 0070:1992に準拠して測定された酸価は、1以下であることが好ましい。これにより、メッシュ配線層20と保護層17との間におけるマイグレーションの発生を抑制できる。このため、保護層17の誘電損失の増加を抑制できる。この結果、保護層17が、メッシュ配線層20における電波の送受信に悪影響を与えてしまうことを抑制できる。このため、アンテナ性能が低下してしまうことを抑制できる。
保護層17における金属元素の含有量は、0.1重量%以上1重量%以下であることが好ましい。保護層17における金属元素の含有量が0.1重量%以上であることにより、保護層17とメッシュ配線層20との接着性を高めることができる。また、保護層17における金属元素の含有量が1重量%以下であることにより、保護層17における誘電損失を効果的に低減できる。これにより、保護層17がメッシュ配線層20における電波の送受信に影響を与えてしまうことを効果的に抑制できる。このため、アンテナ性能が低下してしまうことを抑制できる。また、保護層17における金属元素の含有量が1重量%以下であることにより、保護層17の透明性を確保できる。このため、配線基板10の不可視性を維持できる。
保護層17における水分の含有量は、0.01重量%以上0.1重量%以下であることが好ましい。保護層17における水分の含有量が0.01重量%以上であることにより、保護層17の柔軟性を高めることができる。また、保護層17における水分の含有量が0.1重量%以下であることにより、保護層17における誘電損失を効果的に低減できる。これにより、保護層17がメッシュ配線層20における電波の送受信に影響を与えてしまうことを効果的に抑制できる。このため、アンテナ性能が低下してしまうことを抑制できる。
保護層17の材料としては、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエチル(メタ)アクリレート等のアクリル樹脂とそれらの変性樹脂と共重合体、ポリエステル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール等のポリビニル樹脂とそれらの共重合体、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、塩素化ポリオレフィン等の無色透明の絶縁性樹脂を用いることができる。
保護層17は、特にアクリル樹脂又はポリエステル樹脂を含んでいることが好ましい。これにより、第1方向配線21及び第2方向配線22との間の密着性、又は、プライマー層15との間の密着性をより向上ができ、第1方向配線21及び第2方向配線22の耐擦過性及び耐候性を高くできる。また、配線基板10の不可視性及びアンテナ性能を維持できる。
さらに、保護層17は、二酸化ケイ素を含んでいることが好ましい。二酸化ケイ素は、粉末として樹脂に添加しても良い。または、蒸着法、スパッタリング法、CVD法等の手法により、樹脂を実質的に含有しない膜として形成しても良い。これにより、保護層17の表面の滑り性及び保護層17の反射防止性を向上できる。
このような保護層17を形成する方法としては、ロールコート、グラビアコート、グラビアリバースコート、マイクログラビアコート、スロットダイコート、ダイコート、ナイフコート、インクジェットコート、ディスペンサーコート、キスコート、スプレーコート、スクリーン印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷を用いても良い。
本変形例においても、保護層17が、メッシュ配線層20における電波の送受信に悪影響を与えてしまうことを抑制できる。このため、アンテナ性能が低下してしまうことを抑制できる。
次に、配線基板の変形例について説明する。
図10及び図11は、配線基板の第1変形例を示している。図10及び図11に示す変形例は、メッシュ配線層20の周囲にダミー配線層30が設けられている点が異なるものであり、他の構成は上述した図1乃至図9に示す形態と略同一である。図10及び図11において、図1乃至図9に示す形態と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
図10に示す配線基板10において、メッシュ配線層20の周囲に沿ってダミー配線層30が設けられている。このダミー配線層30は、メッシュ配線層20とは異なり、実質的にアンテナとしての機能を果たすことはない。
図11に示すように、ダミー配線層30は、所定の単位パターン形状をもつダミー配線30aの繰り返しから構成されている。すなわち、ダミー配線層30は、複数の同一形状のダミー配線30aを含んでおり、各ダミー配線30aは、それぞれメッシュ配線層20(すなわち、第1方向配線21及び第2方向配線22)から電気的に独立している。また、複数のダミー配線30aは、ダミー配線層30内の全域にわたって規則的に配置されている。複数のダミー配線30aは、互いに平面方向に離間するとともに、基板11上に突出して配置されている。すなわち各ダミー配線30aは、メッシュ配線層20、給電部40及び他のダミー配線30aから電気的に独立している。各ダミー配線30aの形状は、それぞれ平面視で略L字形である。
この場合、ダミー配線30aは、上述したメッシュ配線層20の単位パターン形状(図4参照)の一部が欠落した形状をもつ。これにより、メッシュ配線層20とダミー配線層30との相違を目視で認識しにくくでき、基板11上に配置されたメッシュ配線層20を見えにくくできる。
図11に示すように、ダミー配線30aは、第1方向配線21又は第2方向配線22に平行に延びている。具体的には、ダミー配線30aは、第1方向配線21と平行に延びる第1部分31aと、第2方向配線22と平行に延びる第2部分32aとを含んでいる。第1部分31aは、第1方向配線21の一部が欠落した形状をもつ。また、第2部分32aは、第2方向配線22の一部が欠落した形状をもつ。なお、第1部分31a及び第2部分32aのその他の構成は、第1方向配線21及び第2方向配線22の構成と同様であるため、ここでは詳細な説明は省略する。このように、ダミー配線30aが、第1方向配線21又は第2方向配線22に平行に延びていることにより、基板11上に配置されたメッシュ配線層20をさらに見えにくくできる。ダミー配線層30の開口率は、メッシュ配線層20の開口率と同一であっても良く、異なっていても良いが、メッシュ配線層20の開口率に近いことが好ましい。
このように、メッシュ配線層20の周囲に、メッシュ配線層20から電気的に独立したダミー配線層30が設けられていることにより、メッシュ配線層20の外縁を不明瞭にできる。これにより、画像表示装置60の表面上でメッシュ配線層20を見えにくくでき、画像表示装置60の使用者がメッシュ配線層20を肉眼で認識しにくくできる。
図12及び図13は、配線基板の第2変形例を示している。図12及び図13に示す変形例は、メッシュ配線層20の周囲に互いに開口率が異なる複数のダミー配線層30A、30Bが設けられている点が異なるものであり、他の構成は上述した図1乃至図11に示す形態と略同一である。図12及び図13において、図1乃至図11に示す形態と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
図12に示す配線基板10において、メッシュ配線層20の周囲に沿って互いに開口率が異なる複数(この場合は2つ)のダミー配線層30A、30B(すなわち、第1ダミー配線層30A及び第2ダミー配線層30B)が設けられている。具体的には、メッシュ配線層20の周囲に沿って第1ダミー配線層30Aが配置され、第1ダミー配線層30Aの周囲に沿って第2ダミー配線層30Bが配置されている。このダミー配線層30A、30Bは、メッシュ配線層20とは異なり、実質的にアンテナとしての機能を果たすことはない。
図13に示すように、第1ダミー配線層30Aは、所定の単位パターン形状をもつダミー配線30a1の繰り返しから構成されている。また、第2ダミー配線層30Bは、所定の単位パターン形状をもつダミー配線30a2の繰り返しから構成されている。すなわち、ダミー配線層30A、30Bは、それぞれ複数の同一形状のダミー配線30a1、30a2を含んでおり、各ダミー配線30a1、30a2は、それぞれメッシュ配線層20から電気的に独立している。また、ダミー配線30a1、30a2は、それぞれダミー配線層30A、30B内の全域にわたって規則的に配置されている。各ダミー配線30a1、30a2は、それぞれ互いに平面方向に離間するとともに、基板11上に突出して配置されている。各ダミー配線30a1、30a2は、それぞれメッシュ配線層20、給電部40及び他のダミー配線30a1、30a2から電気的に独立している。各ダミー配線30a1、30a2の形状は、それぞれ平面視で略L字形である。
この場合、ダミー配線30a1、30a2は、上述したメッシュ配線層20の単位パターン形状(図4参照)の一部が欠落した形状をもつ。これにより、メッシュ配線層20と第1ダミー配線層30Aとの相違、及び、第1ダミー配線層30Aと第2ダミー配線層30Bとの相違を目視で認識しにくくでき、基板11上に配置されたメッシュ配線層20を見えにくくできる。図13に示すように、ダミー配線30a1、30a2は、第1方向配線21又は第2方向配線22に平行に延びている。具体的には、ダミー配線30a1は、第1方向配線21と平行に延びる第1部分31a1と、第2方向配線22と平行に延びる第2部分32a1とを含んでいる。ダミー配線30a2は、第1方向配線21と平行に延びる第1部分31a2と、第2方向配線22と平行に延びる第2部分32a2とを含んでいる。
なお、第1ダミー配線層30Aの各ダミー配線30a1の面積は、第2ダミー配線層30Bの各ダミー配線30a2の面積よりも大きい。この場合、各ダミー配線30a1の線幅は各ダミー配線30a2の線幅と同一であるが、これに限らず、各ダミー配線30a1の線幅は各ダミー配線30a2の線幅よりも太くても良い。なお、ダミー配線30a1、30a2のその他の構成は、第1変形例におけるダミー配線30aの構成と同様であるため、ここでは詳細な説明は省略する。
本変形例では、メッシュ配線層20及び複数のダミー配線層30A、30Bの開口率は、メッシュ配線層20から、メッシュ配線層20に遠いダミー配線層30A、30Bに向けて段階的に大きくなっていることが好ましい。言い換えれば、各ダミー配線層の開口率は、メッシュ配線層20に近いものから遠いものに向けて、徐々に大きくなることが好ましい。この場合、第1ダミー配線層30Aの開口率は、メッシュ配線層20の開口率よりも大きいことが好ましい。第2ダミー配線層30Bの開口率は、第1ダミー配線層30Aの開口率よりも大きいことが好ましい。これにより、メッシュ配線層20及びダミー配線層30A、30Bの外縁をさらに不明瞭にできる。このため、画像表示装置60の表面上でメッシュ配線層20をさらに見えにくくできる。
このように、メッシュ配線層20から電気的に独立したダミー配線層30A、30Bが配置されていることにより、メッシュ配線層20の外縁をより不明瞭にできる。これにより、画像表示装置60の表面上でメッシュ配線層20を見えにくくでき、画像表示装置60の使用者がメッシュ配線層20を肉眼で認識しにくくできる。なお、メッシュ配線層20の周囲に、互いに開口率が異なる3つ以上のダミー配線層が設けられていても良い。
図14は、配線基板の第3変形例を示している。図14に示す変形例は、メッシュ配線層20の平面形状が異なるものであり、他の構成は上述した図1乃至図13に示す形態と略同一である。図14において、図1乃至図13に示す形態と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
図14は、第3変形例によるメッシュ配線層20を示す拡大平面図である。図14において、第1方向配線21と第2方向配線22とは、斜め(すなわち、非直角)に交わっており、各開口部23の形状は、平面視で菱形である。第1方向配線21及び第2方向配線22は、それぞれX方向及びY方向のいずれにも平行でないが、第1方向配線21及び第2方向配線22のうちのいずれか一方がX方向又はY方向に平行であっても良い。
[実施例]
次に、本実施の形態における具体的実施例について説明する。
(実施例1)
図2に示す構成をもつ配線基板を作製した。この場合、誘電体層の基板としては、厚み100μmのポリエチレンテレフタレート製基板を用いた。また、誘電体層のプライマー層としては、厚み0.1μmのポリエステル樹脂を用いた。また、第1方向配線及び第2方向配線として、銅配線をポリエステル樹脂上に形成した。さらに、保護層として、厚み25μmのアクリル樹脂を用いた。
次に、誘電体層の誘電正接を測定した。この際、誘電体層の誘電正接は、IEC 62562に準拠した方法により測定した。具体的には、まず、メッシュ配線層が形成されてない部分の誘電体層を切り出して試験片を準備した。試験片の寸法は、幅1mm、長さ100mmとした。そして、IEC 62562に準拠して、試験片の誘電正接を測定した。実施例1による配線基板において、誘電体層の誘電正接は、20GHzで0.0017であった。
次いで、誘電体層の酸価を測定した。この際、誘電体層の酸価は、JIS K 0070:1992に準拠した方法により測定した。具体的には、まず、メッシュ配線層に接触する誘電体層を切り出した。次に、誘電体層をメッシュ配線層から剥離して試験片を準備した。そして、JIS K 0070:1992に準拠して、試験片の酸価を測定した。実施例1による配線基板において、誘電体層の酸価は、0.2であった。
次に、誘電体層における金属元素の含有量を測定した。具体的には、まず、酸価を測定した誘電体層を洗浄後、硝酸により分解して試験片を準備した。この際、誘電体層における金属元素の含有量は、発光分光分析装置(日立ハイテクサイエンス社製、高分解能ICP発光分光分析装置、PS3500DDII)を用いて測定した。実施例1による配線基板において、誘電体層における金属元素の含有量は、0.2重量%であった。
次いで、アンテナ性能評価試験を行った。この際、まず、ネットワークアナライザー(KEYSIGHT社製 E5080B ENAベクトル・ネットワーク・アナライザ)の入力端子に評価対象の配線基板を取り付けた。また、このネットワークアナライザーの出力端子に標準アンテナとして28GHz用ヘリカルアンテナ(キャンドックスシステムズ社製)を取り付けた。次に、28GHzにおけるS21を測定した。また、入力端子と出力端子とに上記標準アンテナを取り付け、28GHzにおけるS21を測定した。そして、入力端子と出力端子とに上記標準アンテナを取り付けた場合を基準として、入力端子に配線基板を取り付け場合に、S21がどの程度変化するかを評価した。
(実施例2)
誘電体層の酸価が0.9であったこと、誘電体層における金属元素の含有量が、0.8重量%であったこと、以外は、実施例1と同様にして配線基板を作製し、アンテナ性能評価試験を行った。
(比較例1)
誘電体層の誘電正接が、0.003であったこと、以外は、実施例1と同様にして配線基板を作製し、アンテナ性能評価試験を行った。
(比較例2)
誘電体層の酸価が2.5であったこと、誘電体層における金属元素の含有量が、1.2重量%であったこと、以外は、実施例1と同様にして配線基板を作製し、アンテナ性能評価試験を行った。
以上の結果を表1に示す。表1の性能の欄において、「A(excellent)」は、28GHzにおけるS21が、標準アンテナに対してそれほど劣化しなかったことを意味する。また、「B(poor)」は、28GHzにおけるSパラメータ(S21)が、標準アンテナに対して非常に劣化したことを意味する。
Figure 2023158561000002
この結果、表1に示すように、比較例1及び比較例2による配線基板では、28GHzにおけるSパラメータ(S21)が、標準アンテナに対して非常に劣化していた。これに対して、実施例1及び実施例2による配線基板では、28GHzにおけるS21が、標準アンテナに対してそれほど劣化しなかった。このため、本実施の形態による配線基板では、アンテナ性能が低下することを効果的に抑制できることがわかった。
上記実施の形態及び各変形例に開示されている複数の構成要素を必要に応じて適宜組合せることも可能である。あるいは、上記実施の形態及び各変形例に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除しても良い。

Claims (10)

  1. 配線基板であって、
    第1面と前記第1面の反対側に位置する第2面とを含む基板を有する誘電体層と、
    前記誘電体層の前記第1面側に配置されたメッシュ配線層とを備え、
    前記基板は、透明性を有し、
    前記誘電体層の誘電正接は、0.002以下であり、
    前記誘電体層において、JIS K 0070:1992に準拠して測定された酸価は、1以下である、配線基板。
  2. 前記誘電体層は、前記基板の前記第1面上に配置されたプライマー層を更に有する、請求項1に記載の配線基板。
  3. 前記誘電体層における金属元素の含有量は、0.1重量%以上1重量%以下である、請求項1に記載の配線基板。
  4. 前記配線基板は、ミリ波送受信機能を有し、前記メッシュ配線層は、アレイアンテナとして機能する、請求項1に記載の配線基板。
  5. 前記メッシュ配線層の周囲に、前記メッシュ配線層から電気的に独立したダミー配線層が設けられている、請求項1に記載の配線基板。
  6. 複数の前記ダミー配線層が設けられ、前記メッシュ配線層及び前記ダミー配線層の開口率は、前記メッシュ配線層から、前記メッシュ配線層に遠い前記ダミー配線層に向けて段階的に大きくなっている、請求項5に記載の配線基板。
  7. 前記誘電体層の前記第1面側に配置され、前記メッシュ配線層を覆う保護層を更に備え、前記保護層の誘電正接は、0.002以下であり、前記保護層において、JIS K 0070:1992に準拠して測定された酸価は、1以下である、請求項1に記載の配線基板。
  8. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の配線基板と、
    前記基板の前記第1面側に位置する第1接着層と、
    前記基板の前記第2面側に位置する第2接着層とを備え、
    前記第1接着層と前記第2接着層との間の一部領域に、前記基板の一部領域が配置され、
    前記第1接着層の誘電正接は、0.002以下であり、
    前記第1接着層において、JIS K 0070:1992に準拠して測定された酸価は、1以下である、画像表示装置用積層体。
  9. 請求項7に記載の配線基板と、
    前記基板の前記第1面側に位置する第1接着層と、
    前記基板の前記第2面側に位置する第2接着層とを備え、
    前記第1接着層と前記第2接着層との間の一部領域に、前記基板の一部領域が配置されている、画像表示装置用積層体。
  10. 請求項8に記載の画像表示装置用積層体と、
    前記画像表示装置用積層体に積層された表示装置とを備える、画像表示装置。
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