JP2023156242A - 液状組成物、プリプレグ、樹脂付き金属基材、配線板、及びシリカ粒子 - Google Patents

液状組成物、プリプレグ、樹脂付き金属基材、配線板、及びシリカ粒子 Download PDF

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Abstract

【課題】シリカ粒子の凝集を抑制できる液状組成物、前記液状組成物を用いたプリプレグ、樹脂付き金属基材、及び配線板、並びに前記液状組成物に用いられるシリカ粒子を提供する。【解決手段】熱硬化性樹脂と、メジアン径d50が0.5~20.0μmであり、d10に対するメジアン径d50の比が1.0超5.0以下であるシリカ粒子と、沸点が75℃以上であり、かつ酢酸ブチル基準の蒸発速度が0.3~4.0である溶剤と、を含み、回転数5rpmで測定される粘度を回転数60rpmで測定される粘度で除して算出されるチキソ比が3.0以下である、液状組成物、及び前記液状組成物を用いたプリプレグ、樹脂付き金属基材、配線板、並びに前記シリカ粒子。【選択図】なし

Description

本開示は、液状組成物、プリプレグ、樹脂付き金属基材、配線板、及びシリカ粒子に関する。
熱硬化性樹脂及びシリカ粒子を含む液状組成物は、プリント配線板に加工可能な金属張積層体が備える電気絶縁層の製造に使用されている(特許文献1及び2参照)。具体的には、金属基材層の表面に、上記液状組成物の半硬化物を電気絶縁層として積層した金属張積層体や、液状組成物を含浸させたガラスクロス等を電気絶縁層として、金属基材層の表面に積層した金属張積層体が使用されている。近年、プリント配線板が備える電気絶縁層には、より高度な、低誘電率、低誘電正接、低線膨張率等の特性が求められている。
特開2013-212956号公報 特開2015-36357号公報
そこで、熱硬化性樹脂及びシリカ粒子を含む液状組成物において、液状組成物から形成される成形体の低誘電特性、高温高湿体耐性などを向上させる観点から、シリカ粒子の添加量を増やして高充填とする手法が採られる場合がある。しかし、この場合、シリカ粒子の凝集性が高まって、シリカ粒子の液状組成物への含浸性が低下し、成形物におけるシリカ粒子の特性を十分に発揮できない場合があることを発明者は知見した。
かかる状況に鑑み、本開示は、シリカ粒子の凝集を抑制できる液状組成物、前記液状組成物を用いたプリプレグ、樹脂付き金属基材、及び配線板、並びに前記液状組成物に用いられるシリカ粒子を提供することに関する。
上記課題を解決するための手段は、以下の態様を含む。
<1> 熱硬化性樹脂と、メジアン径d50が0.5~20.0μmであり、10%粒径d10に対するメジアン径d50の比が1.0超5.0以下であるシリカ粒子と、沸点が75℃以上であり、かつ酢酸ブチル基準の蒸発速度が0.3~4.0である溶剤と、を含み、回転数1rpmで測定される粘度を回転数60rpmで測定される粘度で除して算出されるチキソ比が3.0以下である、液状組成物。
<2> 前記シリカ粒子のメジアン径d50が1.0~10.0μmである、<1>に記載の液状組成物。
<3> 前記シリカ粒子のメジアン径d50が1.0μm超5.0μm以下である、<1>又は<2>に記載の液状組成物。
<4> 前記シリカ粒子の10%粒径d10に対するメジアン径d50の比が1.2~2.4である、<1>~<3>のいずれか1項に記載の液状組成物。
<5> 前記熱硬化性樹脂100質量部に対する前記シリカ粒子の含有量が10~400質量部である、<1>~<4>のいずれか1項に記載の液状組成物。
<6> 前記熱硬化性樹脂が、エポキシ樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、又はオルトジビニルベンゼン樹脂である、<1>~<5>のいずれか1項に記載の液状組成物。
<7> 前記溶剤が、トルエン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン及びN-メチル-2-ピロリドンからなる群より選択される少なくとも1つを含む、<1>~<6>のいずれか1項に記載の液状組成物。
<8> <1>~<7>のいずれか1項に記載の液状組成物又はその半硬化物と、繊維質基材と、を含むプリプレグ。
<9> <1>~<7>のいずれか1項に記載の液状組成物若しくはその半硬化物又は<8>に記載のプリプレグと、金属基材層と、を含む樹脂付き金属基材。
<10> 前記金属基材層が、銅箔である、<9>に記載の樹脂付き金属基材。
<11> 前記銅箔の、前記液状組成物、前記半硬化物、又は前記プリプレグ側の面の最大高さ粗さRzが2μm以下である、<10>に記載の樹脂付き金属基材。
<12> <1>~<7>のいずれか1項に記載の液状組成物の硬化物と、金属配線と、を含む配線板。
<13> 熱硬化性樹脂を含む液状組成物のチキソトロピーを調整するために用いられる、メジアン径d50が0.5~20.0μmであり、10%粒径d10に対するメジアン径d50の比が1超5以下であるシリカ粒子。
<14> メジアン径d50が1.0μm超5.0μm以下である、<13>に記載のシリカ粒子。
<15> 前記比が1.2~2.4である、<13>又は<14>に記載のシリカ粒子。
本開示によれば、シリカ粒子の凝集を抑制できる液状組成物、前記液状組成物を用いたプリプレグ、樹脂付き金属基材、及び配線板、並びに前記液状組成物に用いられるシリカ粒子が提供される。
以下、本開示の実施形態を実施するための形態について詳細に説明する。但し、本開示の実施形態は以下の実施形態に限定されるものではない。以下の実施形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合を除き、必須ではない。数値及びその範囲についても同様であり、本開示の実施形態を制限するものではない。
本開示において「~」を用いて示された数値範囲には、「~」の前後に記載される数値がそれぞれ最小値及び最大値として含まれる。
本開示において各成分は該当する物質を複数種含んでいてもよい。組成物中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合、各成分の含有率又は含有量は、特に記載しない限り、組成物中に存在する当該複数種の物質の合計の含有率又は含有量を意味する。
本開示において各成分に該当する粒子は複数種含まれていてもよい。組成物中に各成分に該当する粒子が複数種存在する場合、各成分の粒子径は、特に記載しない限り、組成物中に存在する当該複数種の粒子の混合物についての値を意味する。
本開示において、「シリカ粒子」とは、特に断りがない限り、複数のシリカ粒子の群を指す。
本開示において、「メジアン径d50」(以下、単に「d50」とも記す。)は、レーザー回折式の粒度分布測定装置(例えば、マイクロトラック・ベル株式会社製「MT3300EXII」)により求められる粒子の体積基準累積50%径である。すなわち、レーザー回折・散乱法によって粒度分布を測定し、粒子の全体積を100%として累積カーブを求め、その累積カーブ上で累積体積が50%となる点の粒子径である。
本開示において、「10%粒径d10」(以下、単に「d10」とも記す。)は、レーザー回折式の粒度分布測定装置(例えば、マイクロトラック・ベル株式会社製「MT3300EXII」)により求められる粒子の体積基準累積10%径である。すなわち、レーザー回折・散乱法によって粒度分布を測定し、粒子の全体積を100%として累積カーブを求め、その累積カーブ上で小粒径側からの累積体積が10%となる点の粒子径である。
本開示において、「粒子径10μm以上の粒子割合」は、コールターカウンター法により得られる個数基準の粒度分布から求められる粒子割合である。50000個の粒子のうち、粒子径が10μm以上の粒子数を算出し、総測定粒子数に対する粒子径10μm以上の粒子の割合(個数ppm)を求める。
本開示において、粒子径の「変動係数」(以下、「CV値」とも記す。)は、粒子径の相対的なばらつきの指標であり、粒子径の標準偏差を平均値(粒子径のd50)で割った値を百分率で示したものである。粒子径の標準偏差及び平均値は、コールターカウンター法により得られる体積基準の粒度分布から求められる。
コールターカウンター法は、例えば、精密粒度分布測定装置Multisizer 4e、Beckman Coulter社製を使用して行う。
本開示において、「比表面積」は、比表面積・細孔分布測定装置(例えば、マイクロメリティック社製「トライスターII」等)を用いた窒素吸着法に基づくBET法により求める。
本開示において、「真球度」は、走査型電子顕微鏡(SEM)により写真撮影して得られる写真投影図における任意の100個の粒子について、それぞれの最大径(DL)と、これと直交する短径(DS)とを測定し、最大径(DL)に対する最小径(DS)の比(DS/DL)を算出した平均値で表す。
本開示において、「誘電正接」及び「誘電率」は、専用の装置(例えば、キーコム株式会社製「ベクトルネットワークアナライザ E5063A」)を用い、摂動方式共振器法にて測定する。
本開示において、「粘度」は、25℃において、回転式レオメータ(例えば、アントンパール(Anton paar)社製、モジュラーレオメーター PhysicaMCR-301)でせん断速度1rpmで30秒測定し、得られた30秒時点での粘度とする。
本開示において、「チキソ比」は、回転式レオメータを用いて、回転数1rpmで測定される粘度を回転数60rpmで測定される粘度で除して算出される。
本開示において、「重量平均分子量」は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて、ポリスチレン換算により求める。
本開示において、「表面張力」は、表面張力計を用いて、25℃の溶剤に対してウィルヘルミー法により測定する。
本開示において、「沸点」は、常圧1.013×10Paにおける沸点である。
本開示において、「蒸発速度」は、23℃における酢酸ブチルの蒸発速度を1としたときの相対的蒸発速度である。
本開示において、「液状組成物」とは、25℃において液状の組成物をいう。
本開示において、「半硬化物」とは、液状組成物の硬化物を示査走査熱分析測定した際に、熱硬化性樹脂の硬化に伴う発熱ピークが現れる状態にある硬化物を意味する。すなわち、半硬化物とは、未硬化の熱硬化性樹脂が残存している状態の硬化物を意味する。
本開示において、「硬化物」とは、液状組成物の硬化物を示査走査熱分析測定した際に、熱硬化性樹脂の硬化に伴う発熱ピークが現れない状態にある硬化物を意味する。すなわち、硬化物とは、未硬化の熱硬化性樹脂が残存していない状態の硬化物を意味する。
本開示において、最大高さ粗さRzは、JIS B 0601(2013)に準拠して測定する。
本開示の液状組成物(以下、「本組成物」とも記す。)は、熱硬化性樹脂と、d50が0.5~20.0μmであり、d10に対するd50の比(以下、「d50/d10」とも記す。)が1.0超5.0以下であるシリカ粒子と、沸点が75℃以上であり、かつ酢酸ブチル基準の蒸発速度(以下、単に「蒸発速度」とも記す。)が0.3~4.0である溶剤と、を含み、回転数1rpmで測定される粘度を回転数60rpmで測定される粘度で除して算出されるチキソ比(以下、単に「チキソ比」とも記す。)が3.0以下である。酢酸ブチル基準の蒸発速度とは、23℃における酢酸ブチルの蒸発速度を1としたときの相対的蒸発速度である。本組成物は、換言すれば、液状の熱硬化性組成物である。
本組成物は、加熱して使用する際においてもシリカ粒子の凝集が抑制され、高度な流動性と含浸性を示し、それから形成される成形物はシリカ特性を良好に発揮し得ることが見出された。この理由は必ずしも明らかではないが、以下のように推測される。低粘度の溶剤はシリカ粒子の微粒分(d10部分)の含浸性を向上させるため、シリカ粒子の高充填には有利と考えられる。しかしながら、シリカ粒子の微粒分が多いと、加熱における溶剤の揮発が緩慢になり、それがシリカ粒子の凝集を誘引し、その結果、成形物のシリカ特性が十分に向上しなくなると考えられる。一方、本組成物では、シリカ粒子のd50/d10が1.0超5.0以下であり、さらに溶剤の蒸発速度が所定範囲内であり、チキソ比が所定範囲内に調整されている。換言すれば、本組成物は、シリカ粒子の充填性及び溶剤の揮発性が良好にバランスした状態にある。これが、本組成物におけるシリカ粒子の凝集を抑制させるため、本組成物を加熱して成形物を成形しても、成形物中のシリカ粒子の凝集又は偏析が抑制され、シリカ粒子の特性が高度に発揮された成形物が得られると推測される。
本組成物は、熱硬化性樹脂を含有する。熱硬化性樹脂は1種を用いてもよく、2種以上を用いてもよい。熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、オルトジビニルベンゼン樹脂等が挙げられる。密着性、耐熱性等の観点から、熱硬化性樹脂は、エポキシ樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂又はオルトジビニルベンゼン樹脂が好ましい。
エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、多官能フェノールのジグリシジルエーテル化物、多官能アルコールのジグリシジルエーテル化物等が挙げられる。
ポリフェニレンエーテル樹脂は、変性ポリフェニレンエーテルであってもよく、未変性ポリフェニレンエーテルであってもよいが、密着性の観点からは、変性ポリフェニレンエーテルが好ましい。変性ポリフェニレンエーテルは、ポリフェニレンエーテル鎖又はポリフェニレンエーテル鎖の末端に結合する置換基を有する。置換基は、反応性基を有する基が好ましく、ビニル基、(メタ)アクリロイルオキシ基又はエポキシ基を有する基がより好ましい。
ポリフェニレンエーテル鎖中のフェニレン基の水素原子は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ホルミル基、アルキルカルボニル基、アルケニルカルボニル基又はアルキニルカルボニル基で置換されていてもよい。
密着性、誘電特性等の観点から、ポリフェニレンエーテル樹脂の重量平均分子量は、1000~7000が好ましく、1000~5000がより好ましく、1000~3000が更に好ましい。
密着性等の観点から、本組成物の総質量に対する熱硬化性樹脂の含有率は、10~40質量%が好ましく、15~35質量%がより好ましく、20~30質量%が更に好ましい。
本組成物はd50/d10が1.0超5.0以下であるシリカ粒子を含む。上述した作用機構を亢進させ、かつチキソ比が調整しやすくなる観点から、d50/d10は1.1~4.0が好ましく、1.2~2.4がより好ましく、1.3~2.2が更に好ましい。
同様の観点から、シリカ粒子のd50は0.5~20.0μmであり、1.0~10.0μmが好ましく、1.0μm超5.0μm以下がより好ましい。特に、シリカ粒子のd50が0.5μm以上であると、シリカ粒子の凝集が抑制できる。
同様の観点から、シリカ粒子のd10は、0.2~10.0μmが好ましく、0.5~5.0μmがより好ましく、1.0~2.5μmが更に好ましい。
本組成物に含まれるシリカ粒子の粒度分布は単峰性であることが好ましい。シリカ粒子の粒度分布が単峰性であることは、上述のレーザー回折・散乱法による粒度分布でピークが1つであることから確認できる。
本組成物におけるシリカ粒子の粒子径のCV値は30~80%が好ましく、シリカ粒子の凝集を抑える観点、成形物の表面平滑性に優れる観点等から、30~70%がより好ましく、30~60%が更に好ましく、35~55%が特に好ましい。
本組成物におけるシリカ粒子において、粒子径30μm以上の粒子割合は、500個数ppm以下が好ましく、特に成形物の表面平滑性に優れる観点から、300個数ppm以下がより好ましく、200個数ppm以下が更に好ましく、100個数ppm以下が特に好ましい。
シリカ粒子の凝集をより一層抑制し、本組成物をより安定させる観点から、シリカ粒子の比表面積は、0.1~3.5m/gが好ましく、0.3~3.0m/gがより好ましく、0.8~2.0m/gが更に好ましい。
同様の観点から、シリカ粒子の比表面積と、シリカ粒子のd50との積Aは、2.7~5.0μm・m/gが好ましく、2.9~4.5μm・m/gがより好ましい。
シリカ粒子に含まれる個々のシリカ粒子の形状は、分散安定性、流動性等の本組成物自体の物性と、密着性、低誘電正接等の本組成物から形成される成形物の物性とを高度にバランスさせる観点から、球状が好ましい。同様の観点から、球状シリカ粒子の真球度は、0.75以上が好ましく、0.90以上がより好ましく、0.93以上が更に好ましく、1.00が特に好ましい。また、シリカ粒子は、同様の観点から、無孔質粒子であることが好ましい。
樹脂付き金属基材をプリント配線板として使用した場合の回路における伝送損失を低減させる観点から、シリカ粒子の誘電正接は、周波数1GHzにおいて0.0020以下が好ましく、0.0010以下がより好ましく、0.0008以下が更に好ましい。
同様の観点から、シリカ粒子の誘電率は、周波数1GHzにおいて5.0以下が好ましく、4.5以下がより好ましく、4.1以下が更に好ましい。
個々のシリカ粒子は、シランカップリング剤によって処理されていてもよい。シリカ粒子の表面がシランカップリング剤によって処理されていることで、表面のシラノール基の残存量が少なくなり、表面が疎水化され、水分吸着を抑えて誘電損失を向上できるとともに、本組成物において熱硬化性樹脂との親和性が向上し、分散性、及び樹脂製膜後の強度を向上できる。
シランカップリング剤の種類としては、アミノシラン系カップリング剤、エポキシシラン系カップリング剤、メルカプトシラン系カップリング剤、シラン系カップリング剤、オルガノシラザン化合物等が挙げられる。シランカップリング剤は1種類を用いてもよいし2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
シランカップリング剤の付着量としては、シリカ粒子100質量部に対して、0.01~5質量部であることが好ましく、0.10~2質量部がより好ましい。
シリカ粒子の表面がシランカップリング剤で処理されていることはIRによるシランカップリング剤の置換基によるピークの検出により確認できる。また、シランカップリング剤の付着量は、炭素量により測定できる。
シリカ粒子は、チタン(Ti)を30~1500質量ppm含むのが好ましく、100~1000質量ppm含むのがより好ましく、100~500質量ppm含むのが更に好ましい。Tiは、シリカ粒子の製造において任意に含有させる成分である。シリカ粒子の製造時において、シリカ粒子の割れによる微粉の発生は、粒子の比表面積を増大させてしまう。シリカ粒子の製造時にTiを含ませることにより、焼成時に熱締まりしやすくさせ、粒子の割れを抑制できる。その結果、微粉の発生を抑制でき、シリカ粒子の母粒子表面に付着する付着粒子を少なくでき、よってシリカ粒子の比表面積が調整しやすくなる。Tiを30質量ppm以上含むことで焼成時に熱締りしやすいため割れによる微粉の発生を抑制でき、Ti含有量が1500質量ppm以下であると、前記効果が得られるとともにシラノール基量の増加を抑制し、誘電正接を上昇できる。
シリカ粒子は、本開示の効果を妨げない範囲において、チタン(Ti)以外の不純物元素を含んでいてもよい。不純物元素としては、Tiの他に、例えば、Na、K、Mg、Ca、Al、Fe等が挙げられる。不純物元素のうちアルカリ金属及びアルカリ土類金属の含有量は、総和が2000質量ppm以下であるのが好ましく、1000質量ppm以下がより好ましく、200質量ppm以下が更に好ましい。
シリカ粒子は、湿式法により製造されたシリカ粒子であるのが好ましい。湿式法とは、シリカ源として液体のものを用い、これをゲル化させることでシリカ粒子の原料を得る工程を含む方式を指す。湿式法を用いることで、シリカ粒子の形状を調整しやすくなる、特に球状のシリカ粒子が調整しやすくなり、粉砕等により粒子の形状を整える必要が無く、結果、比表面積の小さい粒子が得られやすい。また、湿式法は、平均粒径に対して大幅に小さい粒子が生成しにくく、焼成後に比表面積が小さくなりやすい傾向がある。また、湿式法では、シリカ源の不純物を調整することで、チタンなどの不純物元素の量を調整でき、さらに前述の不純物元素を、粒子中に均一に分散させた状態とすることができる。
湿式法としては、噴霧法、エマルション・ゲル化法等が挙げられる。エマルション・ゲル化法としては、例えば、シリカ前駆体を含む分散相と連続相とを乳化し、得られたエマルションをゲル化して球状のシリカ前駆体を得る。乳化方法としては、シリカ前駆体を含む分散相を連続相に微小孔部又は多孔質膜を介して供給しエマルションを作製する方法が好ましい。これによって、均一な液滴径のエマルションを作製して、結果として均一な粒子径の球状シリカ粒子が得られる。このような乳化方法としては、マイクロミキサー法や膜乳化法が挙げられる。例えば、マイクロミキサー法は国際公開第2013/062105号に開示されている。
シリカ粒子は、前記シリカ前駆体を熱処理することにより得られる。熱処理は、球状シリカ前駆体を焼き締め、シェルの緻密化を行うとともに、表面のシラノール基量を減らし、誘電正接を低下させる作用がある。熱処理の温度は、700℃以上が好ましい。また、粒子の凝集抑制という観点からは、1600℃以下が好ましい。また、得られたシリカ粒子をシランカップリング剤で表面処理してもよい。
シリカ粒子の偏在化抑制、吸水性低減、低誘電正接、密着性等の観点から、熱硬化性樹脂100質量部に対するシリカ粒子の含有量は、10~600質量部が好ましく、10~400質量部がより好ましく、50~300質量部が更に好ましく、70~250質量部が特に好ましい。特に、シリカ粒子を高充填とすることが望ましい場合には、前記シリカ粒子の含有量は、80質量部以上が好ましく、90質量部以上がより好ましく、100質量部以上であってもよい。
本組成物は溶剤を含む。溶剤は1種を用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
溶剤の沸点は75℃以上であり、上述した作用機構を亢進させる観点から、80℃以上が好ましく、90℃以上がより好ましい。沸点の上限は、特に限定されず、200℃以下とできる。
溶剤の蒸発速度は0.3~4.0であり、上述した作用機構を亢進させる観点から、0.4~2.0が好ましい。
シリカ粒子の偏在化抑制、吸水性低減等の観点から、溶剤の表面張力は、45mN/m以下が好ましく、40mN/m以下がより好ましく、35mN/m以下が更に好ましい。表面張力の下限は、特に限定されず、例えば5mN/mが挙げられる。
溶剤としては、トルエン(111℃、2.0)、メチルシクロヘキサン(101℃、3.20)、ノルマルへプタン(98℃、3.62)、m-キシレン(139℃、0.76)等の炭化水素類;エタノール(78℃、1.54)、イソプロピルアルコール(82℃、1.5)、1-プロピルアルコール(97℃、0.94)、イソブチルアルコール(107℃、0.64)、1-ブタノール(118℃、0.47)、2-ブタノール(100℃、0.89)等のアルコール類;酢酸プロピル(102℃、2.14)、酢酸イソブチル(118℃、1.45)、酢酸ブチル(126℃、基準値)等の酢酸エステル類;メチルエチルケトン(80℃、3.7)、メチルイソブチルケトン(116℃、1.6)、シクロヘキサノン(156℃、0.32)等のケトン類;エチレングリコールモノメチルエーテル(125℃、0.53)、エチレングリコールモノエチルエーテル(136℃、0.38)等のセロソルブ類;1-メトキシ-2-プロパノール(120℃、0.71)、1-メトキシプロピル-2-アセテート(146℃、0.44)、1-エトキシ-2-プロパノール(132℃、0.34)、3-エトキシプロピオン酸エチル(170℃、0.34)等のグリコールエーテル類;トリクロロエチレン(87℃、3.22)、テトラクロロエチレン(121℃、1.29)等の塩化炭化水素類;N-メチル-2-ピロリドン(202℃、0.3~4.0)などが挙げられる。なお、括弧内は、順に、沸点及び蒸発速度を示す。
なかでも、密着性等の観点から、溶剤は、トルエン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン及びN-メチル-2-ピロリドンからなる群より選択される少なくとも1つを含むことが好ましい。
本組成物は沸点が75℃以上であり蒸発速度が0.3~4.0である溶剤を含み、本開示の目的に反しない限り、その他の溶剤を含んでもよい。
その他の溶剤としては、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン等の炭化水素類;メタノール等のアルコール類;酢酸メチル、酢酸エチル等の酢酸エステル類;アセトン、ジイソブチルケトン、4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン、イソホロン等のケトン類;エチレングリコールモノ-ノルマルブチルエーテル、エチレングリコールモノ-t-ブチルエーテル、酢酸2-エトキシエチル等のセロソルブ類;3-メトキシ-3-メチルブタノール、3-メトキシ-3-メチルブチルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、3-メトキシブチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル等のグリコールエーテル類;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル類;ジクロロメタン、1,1,1-トリクロロエタン、1,1-ジクロロ-1-フルオロエタン等の塩化炭化水素類などが挙げられる。
本組成物に含まれる溶剤のうち、沸点が75℃以上であり蒸発速度が0.3~4.0である溶剤の割合は、70体積%以上が好ましく、80体積%以上がより好ましく、90体積%以上が更に好ましく、100体積%が特に好ましい。すなわち溶剤として75℃以上であり蒸発速度が0.3~4.0である溶剤のみを用いることが特に好ましい。
本組成物の総質量に対する溶剤の含有率は、特に限定されず、例えば10~60質量%でもよく、20~50質量%でもよく、30~40質量%でもよい。
本組成物における溶剤100質量部に対するシリカ粒子の含有量は、50~550質量部が好ましく、100~500質量部であってもよく、125~400質量部であってもよく、150~300質量部であってもよい。
本組成物は、硬化剤を1種又は2種以上含有してもよい。硬化剤は、熱の作用により熱硬化性樹脂の硬化反応を開始させる剤であり、具体的には、α,α’-ビス(t-ブチルパーオキシ-m-イソプロピル)ベンゼン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)-3-ヘキシン、過酸化ベンゾイル、3,3’,5,5’-テトラメチル-1,4-ジフェノキノン、クロラニル、2,4,6-トリ-t-ブチルフェノキシル、t-ブチルペルオキシイソプロピルモノカーボネート、アゾビスイソブチロニトリル等が挙げられる。熱硬化性樹脂100質量部に対する硬化剤の含有量は、0.1~5質量部が好ましい。
本組成物は、硬化促進剤を1種又は2種以上含有してもよい。硬化促進剤としては、トリアリルイソシアヌレート等のトリアルケニルイソシアヌレート化合物、分子中にアクリロイル基又はメタクリロイル基を2個以上有する多官能アクリル系化合物、分子中にビニル基を2個以上有する多官能ビニル化合物、分子中にビニルベンジル基を有するスチレン等のビニルベンジル化合物等が挙げられる。熱硬化性樹脂100質量部に対する硬化促進剤の含有量は、10~100質量部が好ましい。
本組成物は、可塑剤を1種又は2種以上含有してもよい。可塑剤としては、ブタジエン・スチレンコポリマー等が挙げられる。熱硬化性樹脂100質量部に対する可塑剤の含有量は、10~50質量部が好ましく、20~40質量部がより好ましい。
本組成物は、上記成分以外にも、その効果を損なわない範囲で、界面活性剤、チキソ性付与剤、pH調整剤、pH緩衝剤、粘度調節剤、消泡剤、シランカップリング剤、脱水剤、耐候剤、酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、帯電防止剤、増白剤、着色剤、導電材、離型剤、表面処理剤、難燃剤、各種有機又は無機フィラー等の他の成分をさらに含んでいてもよい。
シリカ粒子の凝集をより良好に抑制する観点から、25℃における回転数1rpmで測定される本組成物の粘度は、100~10000mPa・sが好ましく、130~5000mPa・sがより好ましく、150~3000mPa・sが更に好ましく、180~1500mPa・sが特に好ましく、200~1000mPa・sが最も好ましい。
本組成物のチキソ比は3.0以下であり、シリカ粒子の凝集をより良好に抑制する観点から、2.5以下が好ましく、2.0以下がより好ましい。チキソ比の下限は特に制限されず、1.0が挙げられる。
本開示のプリプレグは、本組成物又はその半硬化物と、繊維質基材と、を含む。繊維質基材としては、ガラスクロス、アラミドクロス、ポリエステルクロス、ガラス不織布、アラミド不織布、ポリエステル不織布、パルプ紙等が挙げられる。繊維質基材の厚さは、特に限定されるものではなく、3~10μmとできる。なお、本組成物については上記したため、ここでは記載を省略する。
本開示のプリプレグは、繊維質基材に、本組成物を塗布又は含浸させることにより製造できる。本組成物の塗布又は含浸後に、液状組成物を加熱し、半硬化させてもよい。
本開示の樹脂付き金属基材は、本組成物若しくはその半硬化物又は上記プリプレグと、金属基材層と、を含む。金属基材層は、本組成物若しくはその半硬化物又は上記プリプレグの一方の表面に設けられてもよく、両面に設けられてもよい。
金属基材層の種類は特に限定されるものではなく、金属基材層を構成する金属としては、銅、銅合金、ステンレス鋼、ニッケル、ニッケル合金(42合金も含む。)、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、チタン合金等が挙げられる。金属基材層は、金属箔であるのが好ましく、圧延銅箔、電解銅箔等の銅箔であるのがより好ましい。金属箔の表面は、防錆処理(クロメート等の酸化物皮膜等)されていてもよく、粗化処理されていてもよい。金属箔として、キャリア銅箔(厚さ:10~35μm)と、剥離層を介してキャリア銅箔表面に積層された極薄銅箔(厚さ:2~5μm)とからなるキャリア付金属箔を使用してもよい。金属基材層の表面は、シランカップリング剤により処理されていてもよい。この場合、金属基材層の表面の全体がシランカップリング剤により処理されていてもよく、金属基材層の表面の一部がシランカップリング剤により処理されていてもよい。シランカップリング剤としては、上記したものを使用できる。
金属基材層の厚さは1~40μmが好ましく、2~15μmがより好ましい。樹脂付き金属基材をプリント配線板として使用した場合の伝送損失を低減できる観点から、金属基材層(例えば銅箔)の最大高さ粗さ(Rz)は、2μm以下が好ましく、1.2μm以下がより好ましい。金属基材層(例えば銅箔)の、液状組成物、半硬化物、又はプリプレグ側の面のRzが上記範囲であることが好ましい。
一実施形態において、本開示の樹脂付き金属基材は、金属基材層の表面に、本組成物を塗布することにより製造できる。本組成物の塗布後に、液状組成物を加熱し、半硬化させてもよい。
他の実施形態において、本開示の樹脂付き金属基材は、金属基材層とプリプレグとを積層することにより製造できる。金属基材層とプリプレグとの積層方法としては、これらを熱圧着する方法等が挙げられる。
本開示の配線板は、本組成物の硬化物と、金属配線とを含む。金属配線としては、上記した金属基材層をエッチング等することにより製造したものを使用できる。
本開示の配線板は、上記樹脂付き金属基材が備える金属基材層をエッチングする方法、本組成物の硬化物表面に電解めっき法(セミアディティブ法(SAP法)、モディファイドセミアディティブ法(MSAP法)等)によってパターン回路に形成する方法等により製造できる。
一実施形態において、シリカ粒子は、熱硬化性樹脂を含む液状組成物のチキソトロピーを調整するために用いられ、d50が0.5~20.0μmであり、d50/d10が1.0超5.0以下である。シリカ粒子のd50、d50/d10、及びその他の詳細については上述したため、ここでは記載を省略する。
次に本開示の実施形態を実施例により具体的に説明するが、本開示の実施形態はこれらの実施例に限定されるものではない。
(シリカ粒子のd10及びd50の測定方法)
各例で用いたシリカ粒子のd10及びd50は、レーザー回折・散乱法により、粒度分布測定装置(マイクロトラック・ベル社製、MT3300EXII)を用いて測定した。具体的には、装置内で超音波照射を60秒間3回行うことでシリカ粒子を分散させてから測定を行った。d10及びd50は60秒間2回ずつ測定し、その平均値とした。シリカ粒子A~Dのd10及びd50、並びにd50/d10を表1にまとめた。
(シリカ粒子の比表面積の測定方法)
各例で用いたシリカ粒子を230℃で減圧乾燥して水分を完全に除去し、試料とした。この試料について、マイクロメリティック社製の自動比表面積・細孔分布測定装置「トライスターII」にて、窒素ガスを用いて多点BET法により比表面積を求めた。シリカ粒子A~Dの比表面積を表1にまとめた。
1.液状組成物を製造するための各成分の準備
[熱硬化性樹脂]
ポリフェニレンエーテル樹脂:ポリフェニレンエーテルの末端水酸基をメタクリル基で変性した変性ポリフェニレンエーテル、SABIC社製、Noryl SA9000、Mw1700、1分子あたりの官能基数2個
[シリカ粒子]
シリカ粒子A:球状シリカ前駆体として、湿式法で製造されたシリカ粉末1(AGCエスアイテック社製、H-31、d50=3.5μm)15gを、アルミナ坩堝に充填し、電気炉内温度1200℃にて1時間加熱処理し、室温(25℃)まで冷却し、めのう乳鉢で擂潰して、シリカ粒子Aを得た。
シリカ粒子B:球状シリカ前駆体として、湿式法で製造されたシリカ粉末2(鈴木油脂社製、E-2C、d50=2.5μm)15gを、アルミナ坩堝に充填し、電気炉内温度1200℃にて1時間加熱処理し、室温(25℃)まで冷却し、めのう乳鉢で擂潰して、シリカ粒子Bを得た。
シリカ粒子C:特開2018-145037号公報の実施例1に記載のシリカ粒子。
シリカ粒子D:VMC(Vaporized Metal Combustion)法で製造されたシリカ粒子(アドマテックス社製:SO-C)。
[溶剤]
トルエン:沸点111℃、蒸発速度2.0
ジイソブチルケトン(DIBK): 沸点168℃、蒸発速度0.2
2.液状組成物、プリプレグ及び樹脂付き金属基材の製造
<例1>
ポリフェニレンエーテル樹脂の59質量部、ブタジエン・スチレンランダムコポリマー(Cray Valley社製、Ricon100)の16質量部、トリアリルイソシアヌレート(硬化促進剤、三菱ケミカル社製、TAIC)の25質量部、α,α’-ジ(t-ブチルペルオキシ)ジイソプロピルベンゼン(硬化剤、日油社製、パーブチルP(登録商標)) の1質量部、シリカ粒子Aの55質量部、トルエンの80質量部をポリビンに入れ、Φ20mmのアルミナボールを入れて30rpmで12時間混合し、アルミナボールを除いて液状組成物を得た。回転式レオメータ(アントンパール(Anton paar)社製、モジュラーレオメーター PhysicaMCR-301)を用いて、上述した方法でチキソ比を求めた。液状組成物は、トルエンの100質量部に対してシリカ粒子Aを68.75質量部含み、ポリフェニレンエーテル樹脂の100質量部に対してシリカ粒子Aを93質量部含む。
液状組成物を、IPCスペック2116のガラスクロスに含浸塗工し、160℃で4分間加熱乾燥してプリプレグを得た。
プリプレグの両面に、厚さ18μmのキャリア付銅箔(銅箔の厚さ:3μm、Rz:2μm、三井金属社製、MT18E)を積層し、230℃、圧力30kg/cmで120分間加熱成形し、樹脂付き金属基材を得た。
<例2~4>
シリカ粒子及び溶剤として表1に記載のものを使用した以外は例1と同様にして、液状組成物、プリプレグ及び樹脂付き金属基材を製造した。
〔誘電率の標準偏差〕
誘電率は、キーコム株式会社製「ベクトルネットワークアナライザ E5063A」を用い、摂動方式共振器法にて測定した。得られたプリプレグの、短辺方向の中央部で、長辺方向Lから1L/4、2L/4、3L/4の箇所の誘電率を測定し、3点の標準偏差を求めた。測定結果を表1にまとめた。
なお、例1、2は実施例であり、例3~5は比較例である。
表1より、本組成物を用いたプリプレグでは誘電率の標準偏差が低く、シリカ粒子の凝集が抑制されていることがわかる。これにより、シリカ粒子を高充填とし、シリカ粒子の特性を良好に発揮できると考えられる。

Claims (15)

  1. 熱硬化性樹脂と、メジアン径d50が0.5~20.0μmであり、10%粒径d10に対するメジアン径d50の比が1.0超5.0以下であるシリカ粒子と、沸点が75℃以上であり、かつ酢酸ブチル基準の蒸発速度が0.3~4.0である溶剤と、を含み、回転数1rpmで測定される粘度を回転数60rpmで測定される粘度で除して算出されるチキソ比が3.0以下である、液状組成物。
  2. 前記シリカ粒子のメジアン径d50が1.0~10.0μmである、請求項1に記載の液状組成物。
  3. 前記シリカ粒子のメジアン径d50が1.0μm超5.0μm以下である、請求項1に記載の液状組成物。
  4. 前記シリカ粒子の10%粒径d10に対するメジアン径d50の比が1.2~2.4である、請求項1に記載の液状組成物。
  5. 前記熱硬化性樹脂100質量部に対する前記シリカ粒子の含有量が10~400質量部である、請求項1に記載の液状組成物。
  6. 前記熱硬化性樹脂が、エポキシ樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、又はオルトジビニルベンゼン樹脂である、請求項1に記載の液状組成物。
  7. 前記溶剤が、トルエン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン及びN-メチル-2-ピロリドンからなる群より選択される少なくとも1つを含む、請求項1に記載の液状組成物。
  8. 請求項1に記載の液状組成物又はその半硬化物と、繊維質基材と、を含むプリプレグ。
  9. 請求項1~7のいずれか1項に記載の液状組成物若しくはその半硬化物又は請求項8に記載のプリプレグと、金属基材層と、を含む樹脂付き金属基材。
  10. 前記金属基材層が、銅箔である、請求項9に記載の樹脂付き金属基材。
  11. 前記銅箔の、前記液状組成物、前記半硬化物、又は前記プリプレグ側の面の最大高さ粗さRzが2μm以下である、請求項10に記載の樹脂付き金属基材。
  12. 請求項1~7のいずれか1項に記載の液状組成物の硬化物と、金属配線と、を含む配線板。
  13. 熱硬化性樹脂を含む液状組成物のチキソトロピーを調整するために用いられる、メジアン径d50が0.5~20.0μmであり、10%粒径d10に対するメジアン径d50の比が1超5以下であるシリカ粒子。
  14. メジアン径d50が1.0μm超5.0μm以下である、請求項13に記載のシリカ粒子。
  15. 前記比が1.2~2.4である、請求項13に記載のシリカ粒子。
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