JP2023155884A - 押しボタンスイッチ - Google Patents
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Abstract
【課題】押しボタンスイッチにおいて、接点の不一致の発生を防止する。【解決手段】押しボタンスイッチ1において、押込み操作可能かつ復帰操作可能な押しボタン20と、押しボタン20の押込み操作によりそれぞれ開離状態に移行し、かつ押しボタン20の復帰操作によりそれぞれ接触状態に移行する第1および第2の接点対C1、C2と、押しボタン20の復帰操作時に押しボタン20に対して負荷を与えて当該負荷を解放させるとともに、押しボタン20の復帰操作方向への復帰速度を増加させるように作用する復帰速度増加手段とを設ける。各係合部材241、242の第2の傾斜面241a、242aは、復帰速度増加手段として機能するようにその傾斜角βが設定されている。【選択図】 図8
Description
本発明は、押しボタンスイッチに関し、詳細には、接点の不一致の発生を防止するための構造の改良に関する。
特許第3899281号公報には、押しボタンスイッチが記載されている。この押しボタンスイッチ(1)は、同公報の図1および図2に示すように、押しボタン(5)と、これを押込み操作可能に支持するボタン収容部(9)と、第1の接点(17)およびこれに接離可能な第2の接点(19)からなる接点対を複数有する接点収容部(7)とを備えている。ボタン収容部(9)および接点収容部(7)により、スイッチケース(3)が構成されている。ボタン収容部(9)内には、押しボタン(5)とともに移動する円筒体(45)が設けられている。
円筒体(45)の下端部には、外周に突出する突起(57)が設けられている。突起(57)の上下面には、傾斜面(61、59)がそれぞれ形成されている。一方、ボタン収容部(9)の下端寄りの位置には、円筒体(45)の軸線方向と概略直交する方向に移動可能な移動部材(37)が設けられている。移動部材(37)は、ばね(39)の弾性反発力の作用により円筒体(45)の側に向かって付勢されている。移動部材(37)の上下面には、突起(57)の各傾斜面(61、59)とそれぞれ係合し得る傾斜面(43、41)が形成されている。また、接点収容部(7)内には、第1、第2の接点(17、19)を開離方向に付勢する開離付勢手段としてのばね(31)が設けられている。
押しボタン(5)の押込み操作前においては、移動部材(37)の上側の傾斜面(41)が円筒体(45)の突起(57)の下側の傾斜面(59)と係合している(上記公報の図1参照)。また、このとき、第2の接点(19)は第1の接点(17)と接触していて接点はオンになっている。この状態から、操作者が押しボタン(5)を押し込むと、押しボタン(5)とともに移動する円筒体(45)が下方に移動しようとして、突起(57)の下側の傾斜面(59)が移動部材(37)の上側の傾斜面(41)を下方に押圧することにより、移動部材(37)がばね(39)による弾性反発力に抗して突起(57)と摺接しつつ徐々に外方に縮退する。そして、突起(57)の傾斜面(59)が移動部材(37)の傾斜面(41)を乗り越えると、円筒体(45)が下方に移動して押しボタン(5)が押し込まれるとともに、第2の接点(19)が第1の接点(17)から離反して接点がオフになる。押しボタン(5)の押込み操作後においては、移動部材(37)の下側の傾斜面(43)が円筒体(45)の突起(57)の上側の傾斜面(61)と係合している(上記公報の図2参照)。
次に、押しボタン(5)の押込み状態から(上記公報の図2参照)、押しボタン(5)を押込み前の位置に復帰操作する際には、操作者が押しボタン(5)を引っ張る。すると、押しボタン(5)とともに移動する円筒体(45)が上方に移動しようとして、突起(57)の上側の傾斜面(61)が移動部材(37)の下側の傾斜面(43)を上方に押圧することにより、移動部材(37)がばね(39)による弾性反発力に抗して突起(57)と摺接しつつ徐々に外方に縮退する。そして、突起(57)の傾斜面(61)が移動部材(37)の傾斜面(43)を乗り越えると、円筒体(45)が上方に移動して押しボタン(5)が引っ張り上げられるとともに、第2の接点(19)が第1の接点(17)に接触して接点がオンになる。押しボタン(5)の復帰操作後においては、移動部材(37)の上側の傾斜面(41)が円筒体(45)の突起(57)の下側の傾斜面(59)と係合している(上記公報の図1参照)。
上述した押しボタンスイッチ(1)においては、押しボタン(5)の復帰操作により接点をオン状態に戻す際に、複数の接点対のうちのいずれかの接点対が先にオン状態となり、そのとき、他の接点対がオフ状態のままという接点不一致の状態が発生する(すなわち、いずれかの接点対がオンとなった後、他の接点対が遅れてオンとなることにより、オンとなるタイミングにタイムラグが生じる)場合がある。このような接点不一致は、機械システム側では安全上エラーと判断されて、機械の再稼働ができなくなるため、このような接点不一致に対して効果的な対策の要請がある。
また、上記押しボタンスイッチ(1)のように、開離付勢手段としてのばね(31)が設けられている場合には、ばね(31)のばね力により第2の接点(19)が常時図示下方に付勢されていることにより、円筒体(45)も常時図示下方に付勢されている。そのため、押しボタン(5)の押込み操作時には、ばね(31)のばね力は押しボタン(5)の押込み操作をアシストするように作用するが、押しボタン(5)の復帰操作時には、ばね(31)のばね力に抗して押しボタン(5)を復帰操作させなければならず、その結果、復帰操作時に接点不一致が生じやすくなる。
本発明は、このような従来の実情に鑑みてなされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、接点の不一致の発生を防止できる押しボタンスイッチを提供することにある。
本発明に係る押しボタンスイッチは、押込み操作可能かつ復帰操作可能な押しボタンと、押しボタンの押込み操作によりそれぞれ開離状態に移行し、かつ押しボタンの復帰操作によりそれぞれ接触状態に移行する第1および第2の接点対と、押しボタンの復帰操作時に押しボタンに対して負荷を与えて当該負荷を解放させるとともに、押しボタンの復帰操作方向への復帰速度を増加させるように作用する復帰速度増加手段とを備えている。
本発明によれば、押しボタンの復帰操作時には、復帰速度増加手段により、押しボタンに対して負荷が作用して当該負荷が解放されるとともに、押しボタンの復帰操作方向への復帰速度が増加する。これにより、復帰操作時に第1、第2の接点対がそれぞれ接触状態に移行する際に双方の接点対間でタイムラグが生じるのを防止でき、その結果、接点の不一致の発生を防止できる。
本発明では、復帰速度増加手段が、押しボタンの側に設けられ、押しボタンとともに移動する第1の係合部と、押しボタンを保持するケースの側に設けられ、第1の係合部が係脱可能に係合し得る第2の係合部とを有している。第1、第2の係合部のうちの少なくとも一方の係合部の係合面は、押しボタンの復帰操作時に第1の係合部から第2の係合部に作用する荷重が徐々に大きくなるとともに、当該荷重を復帰操作方向およびこれと直交する方向に分解したとき、復帰操作方向の復帰操作分力がこれと直交する方向の直交分力より大きくなるように設定されている。
本発明によれば、押しボタンの復帰操作時には、押しボタンの復帰操作方向に作用する復帰操作分力が増大しており、押しボタンには、増大した復帰操作分力が復帰操作方向に作用している。これにより、復帰速度増加手段による負荷が解放された際には、押しボタンは、大きな加速度をもって復帰操作方向に急激に移動することができる。その結果、復帰操作時に第1、第2の接点対が接点の不一致を起こすのを確実に防止できるようになる。
本発明では、復帰速度増加手段が、押しボタンの側に設けられ、押しボタンとともに移動する少なくとも2つの第1の係合部と、押しボタンを保持するケースの側に設けられ、押しボタンの復帰操作時に第1の係合部がそれぞれ係脱可能に係合し得る少なくとも2つの第2の係合部とを有している。
本発明によれば、押しボタンの復帰操作時には、押しボタンとともに移動する少なくとも2つの第1の係合部がケース側の少なくとも2つの第2の係合部にそれぞれ係合するので、押しボタンの復帰操作方向に作用する復帰操作分力が増大しており、押しボタンには、増大した復帰操作分力が復帰操作方向に作用している。これにより、復帰速度増加手段による負荷が解放された際には、押しボタンは、大きな加速度をもって復帰操作方向に急激に移動することができる。その結果、復帰操作時に第1、第2の接点対が接点の不一致を起こすのを確実に防止できるようになる。
本発明では、復帰速度増加手段が、押しボタンの側に設けられ、押しボタンとともに移動する第1の係合部と、押しボタンを保持するケースの側に設けられ、第1の係合部が係脱可能に係合し得る第2の係合部と、押しボタンを復帰操作方向に付勢する付勢手段とを有している。
本発明によれば、押しボタンの復帰操作時には、付勢手段による付勢力が押しボタンの復帰操作方向に作用しており、押しボタンには、復帰操作方向の力が増大している。これにより、復帰速度増加手段による負荷が解放された際には、押しボタンは、大きな加速度をもって復帰操作方向に急激に移動することができる。その結果、復帰操作時に第1、第2の接点対が接点の不一致を起こすのを確実に防止できるようになる。
本発明では、復帰速度増加手段が、押しボタンの側に設けられ、押しボタンとともに移動する第1の係合部と、押しボタンを保持するケースの側に設けられ、第1の係合部が係脱可能に係合し得る第2の係合部と、ケースの側に設けられたチャンバと、押しボタンとともに移動するように設けられ、チャンバを2つの隔室に仕切るとともに、押しボタンの復帰操作時に内圧が増加した一方の隔室から他方の隔室へのエアの移動を許容する仕切り部材とを有している。
本発明によれば、押しボタンの復帰操作時には、仕切り部材がチャンバ内を移動することにより、チャンバの一方の隔室の内圧が増加して、押しボタンに対する負荷が増加する。また、復帰操作時には、仕切り部材の作用により、チャンバの一方の隔室から他方の隔室にエアが移動することにより、前記一方の隔室が減圧されて押しボタンに対する負荷が減少する。これにより、押しボタンは、大きな加速度をもって復帰操作方向に急激に移動することができる。その結果、復帰操作時に第1、第2の接点対が接点の不一致を起こすのを確実に防止できるようになる。
本発明では、第1の係合部が、押しボタンの軸部の軸方向に沿って離間配置された一対の傾斜面からなる凸部から構成され、第2の係合部が、凸部の各傾斜面にそれぞれ係合し得る第1、第2の傾斜面を有し、押しボタンの凸部に対して接近・離反可能に設けられた係合部材から構成されるとともに、係合部材を押しボタンの凸部の側に付勢する付勢部材が設けられている。
本発明では、押しボタンの凸部の各傾斜面の一方は、押込み操作時に係合部材の第1の傾斜面と係合し、押しボタンの凸部の各傾斜面の他方は、復帰操作時に係合部材の第2の傾斜面と係合している。
本発明では、第1の接点対が、押しボタンの軸部を挟んで一方の側に配置され、第2の接点対が押しボタンの軸部を挟んで他方の側に配置されている。
本発明では、第1および第2の接点対をそれぞれ開離方向に付勢する開離付勢手段をさらに備えている。
本発明では、開離付勢手段が、押しボタンの押込み操作の際に操作者による押込み操作をアシストし、かつ押しボタンの復帰操作の際に操作者による復帰操作に抗している。
本発明では、押しボタンスイッチが非常停止スイッチである。
以上のように本発明によれば、押しボタンの復帰操作時には、復帰速度増加手段により、押しボタンに対して負荷が作用して当該負荷が解放されるとともに、押しボタンの復帰操作方向への復帰速度が増加するので、復帰操作時に第1、第2の接点対がそれぞれ接触状態に移行する際に双方の接点対間でタイムラグが生じるのを防止でき、その結果、接点の不一致の発生を防止できる。
以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて説明する。
<第1の実施例>
図1ないし図12は、本発明の第1の実施例による押しボタンスイッチを説明するための図であり、図13ないし図15は、従来の押しボタンスイッチにおいて、本実施例の図10ないし図12にそれぞれ対応する構造を示している。また、図5ないし図9は、押しボタンスイッチの概略構成を模式的に示しており、図5、図6は押しボタンスイッチの接点がオンの状態を、図7ないし図9は押しボタンスイッチの接点がオフの状態をそれぞれ示している。なお、図3Aは図3のより詳細な構造を示す図であって、押しボタンの押込み操作後または復帰操作前の状態を示している(図3は押しボタンの押込み操作前の状態を示している)。
<第1の実施例>
図1ないし図12は、本発明の第1の実施例による押しボタンスイッチを説明するための図であり、図13ないし図15は、従来の押しボタンスイッチにおいて、本実施例の図10ないし図12にそれぞれ対応する構造を示している。また、図5ないし図9は、押しボタンスイッチの概略構成を模式的に示しており、図5、図6は押しボタンスイッチの接点がオンの状態を、図7ないし図9は押しボタンスイッチの接点がオフの状態をそれぞれ示している。なお、図3Aは図3のより詳細な構造を示す図であって、押しボタンの押込み操作後または復帰操作前の状態を示している(図3は押しボタンの押込み操作前の状態を示している)。
図1に示すように、押しボタンスイッチ1は、操作者が押込み操作可能かつ復帰操作可能な押しボタン20およびこれを保持する保持ケース21を有する操作ユニット2と、操作ユニット2に着脱可能に取り付けられ、接点(後述)を収容した収容ケース30を有する接点ユニット3とを備えている。押しボタンスイッチ1は、操作ユニット2のねじ部(図示せず)に螺合するロックナット4により、たとえば機械や制御機器等のパネルPに取り付けられるようになっている。
図5(図2ないし図4参照)に示すように、押しボタン20は、その背面20aから保持ケース21の貫通孔21aを挿通して延びる軸部22を有している。軸部22には大径の軸部22Aが連設されている。軸部22Aの先端には、導電板23が連結されており、導電板23の左右両端には、それぞれ可動接点31a、31bが取り付けられている。各可動接点31a、31bは、軸部22Aとともに軸方向(図5上下方向)に移動するようになっている。すなわち、各可動接点31a、31bは、押しボタン20の押込み操作方向(図5下方)およびこれと逆方向の復帰操作方向(同図上方)に移動可能に設けられている。
各可動接点31a、31bに対して上下に相対する位置には、各可動接点31a、31bと接離可能な固定接点32a、32bがそれぞれ配置されており、各固定接点32a、32bは、略L字状の導電部材33、34の一端に取り付けられている(図3、図3A参照)。各導電部材33、34の先端は、押しボタンスイッチ1の収容ケース30の外部まで延設されている(図1、図2参照)。図5に示す状態では、各固定接点32a、32bは、それぞれ対応する各可動接点31a、31bに接触している。このとき、各可動接点31a、31bはそれぞれコイルばね31c、31d(図3A)の付勢力により、各々対応する各固定接点32a、32bの側に付勢されており、各固定接点32a、32bに弾性的に当接している。
可動接点31aおよびこれに対応する固定接点32aにより第1の接点対C1が構成され、可動接点31bおよびこれに対応する固定接点32bにより第2の接点対C2が構成されている。第1の接点対C1は押しボタン20の軸部22Aを挟んで一方の側に配置され、第2の接点対C2は軸部22Aを挟んで他方の側に配置されている。第1、第2の接点対C1、C2は、押しボタン20の押込み操作により開離状態に移行し(図7ないし図9参照)、押しボタン20の復帰操作により、接触状態に移行するようになっている(図5、図6参照)。
この例では、導電板23は、図5の紙面奥側の位置にも配置されており(図4中の導電板23’参照)、当該導電板23’にも一対の可動接点が取り付けられている(図示せず)。同様に、導電部材33、34は、図5の紙面奥側の位置にも配置されており(図4中の導電部材33’、34’参照)、当該導電部材33’、34’にも、導電板23’の各可動接点と接離可能な一対の固定接点が取り付けられている(図示せず)。これらの可動接点および固定接点についても、収容ケース30の内部において、押しボタン20の軸部22Aを挟んで一方の側および他方の側にそれぞれ配置されてそれぞれ接点対を構成している。したがって、この例では、4つの接点対が設けられている。
また、図3Aに示す例では、第1、第2の接点対C1、C2をそれぞれ開離方向に付勢する開離付勢手段としての2つの開離付勢ばね271、272が設けられている。同図に示すように、各開離付勢ばね271、272は、第1、第2の接点対C1、C2の外側(つまり収容ケース30の内部において外周側)に配置されている。第1、第2の接点対C1、C2(他の接点対についても同様)は、図4中の一点鎖線に示すように、スイッチ中心となる点O1を中心とする円周上に配置されており、各開離付勢ばね271、272は、第1、第2の接点対C1、C2の半径方向外側(つまり円周の外側)に配置されている。なお、図3Aに示す例では、押しボタンスイッチ1の動作状態をモニターするモニター接点を構成するための固定端子5mおよび可動端子6mが併せて設けられている。
このように、2つ(またはそれ以上)の開離付勢ばねを設けることにより、複数の接点に対して開離付勢ばねによる開離方向の付勢力を十分に作用させることができ、各接点の接離(接触・開離)時の安定性を向上させることができる。また、接点が非接触となる開離方向に力を作用させるセーフティポテンシャル(登録商標)に必要な荷重をスイッチ中心に対して複数位置に分離することができ、これにより、開離方向への力の二重化(または多重化)の効果を持たせることができる。さらに、開離付勢ばねが、スイッチ中心から半径方向の距離を隔てて配置された各接点の半径方向外側に配置されていることにより、各接点の接離(接触・開離)時の安定性を一層向上させることができるとともに、押しボタンスイッチを短尺にすることができ、短胴型の押しボタンスイッチを実現できる。
図5(図2ないし図4参照)に示すように、押しボタン20の軸部22Aには、半径方向外方に突出する一対の凸部(第1の係合部)231、232が軸部22Aと一体に設けられている。
各凸部231、232は、軸部22Aを挟んで相対する位置、つまり軸部22Aの周方向に沿って180度(または略180度)離れた位置に配置されている。凸部231は、軸部22Aの軸方向に沿って離間配置されかつ先端側で互いに交差する一対の傾斜面231a、231bを先端に有しており、略三角形状の先端部を有している。同様に、凸部232は、軸部22Aの軸方向に沿って離間配置されかつ先端側で互いに交差する一対の傾斜面232a、232bを有しており、略三角形状の先端部を有している
図5(図2および図3参照)に示すように、押しボタン20の保持ケース21の側には、軸部22Aの各凸部231、232に対応する位置にそれぞれ係合部材(第2の係合部)241、242が設けられている。各係合部材241、242は、保持ケース21の内周側(つまり軸部22Aの外周側)において周方向に沿って180度(または略180度)離れた位置に配置されるとともに、それぞれガイド部251、252にスライド自在に支持されている。各係合部材241、242は、対応する各凸部231、232に対して接近・離反可能に設けられている。各ガイド部251、252内には、それぞればね(付勢部材)261、262が縮設されており、各ばね261、262の一端は各ガイド部251、252の側壁に圧接し、他端は各係合部材241、242に圧接している。これにより、各係合部材241、242は、軸部22Aに向かう方向に常時付勢されている。
係合部材241は、軸部22Aの軸方向に沿って離間配置されかつ先端側で互いに交差する一対の傾斜面(第1、第2の傾斜面)241b、241aを先端に有しており、略三角形状の先端部を有している。同様に、係合部材242は、軸部22Aの軸方向に沿って離間配置されかつ先端側で互いに交差する一対の傾斜面(第1、第2の傾斜面)242b、242aを先端に有しており、略三角形状の先端部を有している。
各係合部材241、242および各凸部231、232は、対応する各傾斜面を介して係脱可能に設けられている。図5および図6に示す状態では、凸部231、232の各傾斜面231b、232bが、係合部材241、242の各傾斜面(第1の傾斜面)241b、242bと係合しており、図7および図8に示す状態では、凸部231、232の各傾斜面231a、232aが、係合部材241、242の各傾斜面(第2の傾斜面)241a、242aと係合している。凸部231、232の各傾斜面231b、232bと係合部材241、242の各傾斜面(第1の傾斜面)241b、242bとの係合時には、ばね261、262の弾性反発力がそれぞれ係合部材241、242に作用していることにより、係合部材241、242はそれぞれ凸部231、232に対して弾性的に係合して押付力(押付荷重)を作用させている。
よって、ばね261、262および係合部材241、242は、凸部231、232を介して軸部22Aに対し(したがって押しボタン20に対し)負荷を与える負荷手段として機能している。また、図6および図7においては、係合部材241、242および凸部231、232間で互いの係合面が切り替わって係合状態が変化しており、このとき、負荷手段による負荷が解放されるようになっている。
ここで、凸部231、232の各傾斜面231a、232a、および、係合部材241、242の各傾斜面241a、242aのそれぞれの傾斜角について、図8の一部拡大図である図10を用いて説明する。
図10は、図8中の左側の凸部232および係合部材242の拡大図であって、凸部232の傾斜面232aが係合部材242の傾斜面242aに対して面接触して係合した状態を示している。また、同図中、符号Cは軸部22Aの軸線方向と一致する方向を示しており、軸線Cは、この例では、凸部232および係合部材242において、それぞれの三角形状先端部の先端の頂点の位置(つまり、各傾斜面の交差点の位置)に配置されている。なお、以下の図10についての説明(およびこれに関連する図11、図12についての説明)は、図8中の右側の凸部231および係合部材241についても同様に当てはまるので、ここでは、同図中の左側の凸部232および係合部材242についてのみ説明する。
図10に示すように、係合部材242の図示上側の傾斜面(第1の傾斜面)242bが軸線Cに対してなす鋭角側の傾斜角(つまり、図示例では、頂点を通る軸線Cから図示反時計回りに測った角度)をαとし、係合部材242の図示下側の傾斜面(第2の傾斜面)242aが軸線Cに対してなす鋭角側の傾斜角(つまり、図示例では、頂点を通る軸線Cから図示時計回りに測った角度)をβとするとき、好ましくは、
α=60°
50°<β<70°
に設定されている。なお、βの値としては、より好ましくは、
β=60°
に設定されている。ここでは、β=60°の例を図示している。
α=60°
50°<β<70°
に設定されている。なお、βの値としては、より好ましくは、
β=60°
に設定されている。ここでは、β=60°の例を図示している。
このとき、図10から分かるように、凸部232の図示上側の傾斜面232aが、頂点を通る軸線Cに対してなす鋭角側の傾斜角(つまり、軸線Cから図示時計回りに測った角度)は、βと等しくなる。また、凸部232の図示下側の傾斜面232bが軸線Cに対してなす鋭角側の傾斜角(つまり、軸線Cから図示反時計回りに測った角度)は、押しボタン20の押込み操作時に凸部232の図示下側の傾斜面232bが係合部材242の図示上側の傾斜面(第1の傾斜面)242bに対して面接触して係合することから(図5参照)、αと等しくなる。
次に、図11および図12は、押しボタン20の復帰操作時における凸部232および係合部材242の係合状態の変化を時系列的に示している。各図中、白抜き矢印Rは、押しボタン20の復帰操作時の軸部22Aの移動方向を示している。押しボタン20の復帰操作にともなって、凸部232および係合部材242の係合状態は図11から図12のように変化する。
図11に示すように、押しボタン20の復帰操作が開始されると、押しボタン20とともに軸部22Aが矢印R方向に移動しようとして、軸部22Aの凸部232の傾斜面232aから係合部材242の第2の傾斜面242aに押付力(押付荷重)が作用する。この押付荷重の大きさをF1とすると、押付荷重F1は、係合部材242の第2の傾斜面242aに対して垂直方向に作用する。
いま、押付荷重F1を軸部22Aの軸線C方向(つまり押しボタン20の復帰操作方向)およびこれと直交する方向に分解すると、復帰操作方向の復帰操作分力およびこれと直交する方向の直交分力は、図11から分かるように、
復帰操作分力=F1sinβ … (1)
直交分力=F1cosβ … (2)
と表せる。上記直交分力は、係合部材242をばね262の弾性反発力Sf1に抗して図11左方に押し戻す方向に作用している。
復帰操作分力=F1sinβ … (1)
直交分力=F1cosβ … (2)
と表せる。上記直交分力は、係合部材242をばね262の弾性反発力Sf1に抗して図11左方に押し戻す方向に作用している。
ここで、βは、上述したように、50°<β<70°(具体的にはβ=60°)であるから、
sinβ>cosβ
ゆえに、
F1sinβ>F1cosβ … (3)
よって、(1)~(3)式より、
復帰操作分力>直交分力 … (4)
となる。
sinβ>cosβ
ゆえに、
F1sinβ>F1cosβ … (3)
よって、(1)~(3)式より、
復帰操作分力>直交分力 … (4)
となる。
押しボタン20の復帰操作とともに軸部22Aが矢印R方向に移動するにつれて、軸部22Aの凸部232の傾斜面232aから係合部材242の第2の傾斜面242aに作用する押付力(押付荷重)が徐々に大きくなる。
図12に示すように、増加した押付荷重F2を軸部22Aの軸線C方向(つまり押しボタン20の復帰操作方向)およびこれと直交する方向に分解すると、復帰操作方向の復帰操作分力およびこれと直交する方向の直交分力は、図12から分かるように(図11の場合と同様にして)、
復帰操作分力=F2sinβ … (5)
直交分力=F2cosβ … (6)
と表せる。上記直交分力は、係合部材242をばね262の弾性反発力Sf2に抗して図12左方に押し戻す方向に作用している。押付荷重F2の増加にともなって上記直交分力も増加することにより、係合部材242が図示左方に移動しており、これにより、凸部232の傾斜面232aと係合部材242の第2の傾斜面242aとの間の傾斜面方向の係合長さが短くなっている(つまり接触面積が減少している)。また、係合部材242が図示左方に移動することにより、ばね262の弾性変形量(弾性縮み)が増加しており、ばね262の弾性反発力Sf2が増加している。
復帰操作分力=F2sinβ … (5)
直交分力=F2cosβ … (6)
と表せる。上記直交分力は、係合部材242をばね262の弾性反発力Sf2に抗して図12左方に押し戻す方向に作用している。押付荷重F2の増加にともなって上記直交分力も増加することにより、係合部材242が図示左方に移動しており、これにより、凸部232の傾斜面232aと係合部材242の第2の傾斜面242aとの間の傾斜面方向の係合長さが短くなっている(つまり接触面積が減少している)。また、係合部材242が図示左方に移動することにより、ばね262の弾性変形量(弾性縮み)が増加しており、ばね262の弾性反発力Sf2が増加している。
ここで、βは、上述したように、50°<β<70°(具体的にはβ=60°)であるから、
sinβ>cosβ
ゆえに、
F2sinβ>F2cosβ … (7)
よって、(5)~(7)式より、
復帰操作分力>直交分力 … (8)
となる。
さらに、
F2>F1 … (9)
であるから、
F2sinβ>F1sinβ … (10)
となる。
sinβ>cosβ
ゆえに、
F2sinβ>F2cosβ … (7)
よって、(5)~(7)式より、
復帰操作分力>直交分力 … (8)
となる。
さらに、
F2>F1 … (9)
であるから、
F2sinβ>F1sinβ … (10)
となる。
復帰操作が開始されると、軸部22Aの凸部232の傾斜面232aから係合部材242の第2の傾斜面242aに作用する押付荷重が徐々に大きくなることから((9)式参照)、(10)式は、復帰操作が開始されると、押しボタン20の復帰操作方向の復帰操作分力が次第に大きくなるということを表している。そして、この復帰操作分力は、凸部232の傾斜面232aと係合部材242の第2の傾斜面242aとの係合状態が外れる直前に最大となる。すなわち、このとき、凸部232に対する係合部材242の負荷が最大となる。
一方、従来の押しボタンスイッチにおいては、押しボタンの軸部の凸部およびこれに係合する係合部材の係合状態が図13ないし図15に示すようになっている。図13は本発明の第1の実施例中の図10に対応し、図14、図15は本発明の第1の実施例中の図11、図12にそれぞれ対応しており、各図中、同一符号は同一または相当部分を示している。
図13ないし図15は、凸部232の傾斜面232aが係合部材242の傾斜面242aに対して面接触して係合した状態を示している。図13に示すように、係合部材242の図示上側の傾斜面(第1の傾斜面)242bが、頂点を通る軸線Cに対してなす鋭角側の傾斜角(つまり、軸線Cから図示反時計回りに測った角度)をα’とし、係合部材242の図示下側の傾斜面(第2の傾斜面)242aが、頂点を通る軸線Cに対してなす鋭角側の傾斜角(つまり、軸線Cから図示時計回りに測った角度)をβ’とするとき、この例では、
α’=60°=α
β’=45°
に設定されている。
α’=60°=α
β’=45°
に設定されている。
このとき、凸部232の図示上側の傾斜面232aが、頂点を通る軸線Cに対してなす鋭角側の傾斜角(つまり、軸線Cから図示時計回りに測った角度)は、β’と等しくなる。また、凸部232の図示下側の傾斜面232bが、頂点を通る軸線Cに対してなす鋭角側の傾斜角(つまり、軸線Cから図示反時計回りに測った角度)は、押しボタン20の押込み操作時に凸部232の図示下側の傾斜面232bが係合部材242の図示上側の傾斜面(第1の傾斜面)242bに対して面接触して係合することからα’と等しくなる。
次に、図14および図15は、押しボタン20の復帰操作時における凸部232および係合部材242の係合状態の変化を時系列的に示しており、押しボタン20の復帰操作にともなって、凸部232および係合部材242の係合状態は図14から図15のように変化する。
図14に示すように、押しボタン20の復帰操作が開始されると、押しボタン20とともに軸部22Aが矢印R方向に移動しようとして、軸部22Aの凸部232の傾斜面232aから係合部材242の第2の傾斜面242aに押付力(押付荷重)が作用する。この押付荷重の大きさをF1’とすると、押付荷重F1’は、係合部材242の第2の傾斜面242aに対して垂直方向に作用する。
いま、押付荷重F1’を軸部22Aの軸線方向(つまり押しボタン20の復帰操作方向)およびこれと直交する方向に分解すると、復帰操作方向の復帰操作分力およびこれと直交する方向の直交分力は、図14から分かるように、
復帰操作分力=F1’sinβ’ … (11)
直交分力=F1’cosβ’ … (12)
と表せる。上記直交分力は、係合部材242をばね262の弾性反発力Sf1’に抗して図14左方に押し戻す方向に作用している。
復帰操作分力=F1’sinβ’ … (11)
直交分力=F1’cosβ’ … (12)
と表せる。上記直交分力は、係合部材242をばね262の弾性反発力Sf1’に抗して図14左方に押し戻す方向に作用している。
ここで、β’は、上述したように、β’=45°であるから、
sinβ’=cosβ’
ゆえに、
F1’sinβ’=F1’cosβ’ … (13)
よって、(1)~(3)式より、
復帰操作分力=直交分力 … (14)
となる。
sinβ’=cosβ’
ゆえに、
F1’sinβ’=F1’cosβ’ … (13)
よって、(1)~(3)式より、
復帰操作分力=直交分力 … (14)
となる。
押しボタン20の復帰操作とともに軸部22Aが矢印R方向に移動するにつれて、軸部22Aの凸部232の傾斜面232aから係合部材242の第2の傾斜面242aに作用する押付力(押付荷重)が徐々に大きくなる。
図15に示すように、増加した押付荷重F2’を軸部22Aの軸線方向(つまり押しボタン20の復帰操作方向)およびこれと直交する方向に分解すると、復帰操作方向の復帰操作分力およびこれと直交する方向の直交分力は、図15から分かるように(図14の場合と同様にして)、
復帰操作分力=F2’sinβ’ … (15)
直交分力=F2’cosβ’ … (16)
と表せる。上記直交分力は、係合部材242をばね262の弾性反発力Sf2’に抗して図15左方に押し戻す方向に作用している。押付荷重F2’の増加にともなって上記直交分力も増加することにより、係合部材242が図示左方に移動しており、これにより、凸部232の傾斜面232aと係合部材242の第2の傾斜面242aとの間の傾斜面方向の係合長さが短くなっている(つまり接触面積が減少している)。また、係合部材242が図示左方に移動することにより、ばね262の弾性変形量(弾性縮み)が増加しており、ばね262の弾性反発力Sf2’が増加している。
復帰操作分力=F2’sinβ’ … (15)
直交分力=F2’cosβ’ … (16)
と表せる。上記直交分力は、係合部材242をばね262の弾性反発力Sf2’に抗して図15左方に押し戻す方向に作用している。押付荷重F2’の増加にともなって上記直交分力も増加することにより、係合部材242が図示左方に移動しており、これにより、凸部232の傾斜面232aと係合部材242の第2の傾斜面242aとの間の傾斜面方向の係合長さが短くなっている(つまり接触面積が減少している)。また、係合部材242が図示左方に移動することにより、ばね262の弾性変形量(弾性縮み)が増加しており、ばね262の弾性反発力Sf2’が増加している。
ここで、β’は、上述したように、β’=45°であるから、
sinβ’=cosβ’
ゆえに、
F2’sinβ’=F2’cosβ’ … (17)
よって、(15)~(17)式より、
復帰操作分力=直交分力 … (18)
となる。
さらに、
F2’>F1’ … (19)
であるから、
F2’sinβ’>F1’sinβ’… (20)
となる。
sinβ’=cosβ’
ゆえに、
F2’sinβ’=F2’cosβ’ … (17)
よって、(15)~(17)式より、
復帰操作分力=直交分力 … (18)
となる。
さらに、
F2’>F1’ … (19)
であるから、
F2’sinβ’>F1’sinβ’… (20)
となる。
復帰操作が開始されると、軸部22Aの凸部232の傾斜面232aから係合部材242の第2の傾斜面242aに作用する押付荷重が徐々に大きくなることから((19)式より)、(20)式は、復帰操作が開始されると、押しボタン20の復帰操作方向の復帰操作分力が次第に大きくなるということを表している。そして、この復帰操作分力は、凸部232の傾斜面232aと係合部材242の第2の傾斜面242aとの係合状態が外れる直前に最大となる。
上述したように、本発明の第1の実施例では、50°<β<70°(具体的にはβ=60°)に設定され、従来においては、β’=45°に設定されているので、
sinβ>sinβ’… (21)
になっている。よって、凸部232の傾斜面232aから係合部材242の第2の傾斜面242aに同じ大きさの押付荷重が作用した場合(つまり、図11ないし図15中、F1=F1’またはF2=F2’)でも、
F1sinβ>F1’sinβ’… (22)
または、
F2sinβ>F2’sinβ’… (23)
になっている。
sinβ>sinβ’… (21)
になっている。よって、凸部232の傾斜面232aから係合部材242の第2の傾斜面242aに同じ大きさの押付荷重が作用した場合(つまり、図11ないし図15中、F1=F1’またはF2=F2’)でも、
F1sinβ>F1’sinβ’… (22)
または、
F2sinβ>F2’sinβ’… (23)
になっている。
このように、本発明の第1の実施例では、押しボタン20の復帰操作時に軸部22Aの凸部232の傾斜面232aから係合部材242の第2の傾斜面242aに押付力(押付荷重)が作用したとき、当該押付荷重を復帰操作方向およびこれと直交する方向に分解すると、上記(4)式および(8)式に示したように、復帰操作方向の復帰操作分力は、これと直交する方向の直交分力より大きくなっており(図11、図12参照)、さらに、従来の押しボタンスイッチにおける復帰操作方向の復帰操作分力より大きくなっている(図11ないし図14、(22)式および(23)式参照)。
したがって、本実施例によれば、押しボタン20の復帰操作時には、押しボタン20の復帰操作方向に作用する復帰操作分力が増大しており、押しボタン20には、増大した復帰操作分力が復帰操作方向に作用している。
また、図5に示す押しボタンスイッチ1においては、第1、第2の接点対C1、C2をそれぞれ開離方向に付勢する開離付勢手段としての開離付勢ばね27が軸部22に設けられている。開離付勢ばね27は、押しボタンスイッチ1の軸部22に縮設状態で取り付けられており、その一端は、大径の軸部22Aに圧接している。これにより、押しボタン20は、軸部22Aへのばね力の作用により、押込み操作方向に常時付勢されている。よって、開離付勢ばね27は、押しボタン20の押込み操作の際には、操作者による押込み操作をアシストするとともに、押しボタン20の復帰操作の際には、操作者による復帰操作に抗するように作用する。
次に、上述した押しボタンスイッチ1の作動について、図5ないし図9を用いて説明する。
まず、押しボタンスイッチ1の押しボタン20の押込み操作の際には、図5に示す押しボタン20の押込み操作前の状態(このとき、第1、第2の接点対C1、C2はオンの状態)から、操作者が押しボタン20を押し込む。すると、押しボタン20とともに移動する軸部22Aが図示下方に押し込まれる。このとき、軸部22Aの各凸部231、232の図示下側の各傾斜面231b、232bから各係合部材241、242の第1の傾斜面241b、242bに押付力(押付荷重)が作用して、この押付荷重により、図6に示すように、各係合部材241、242が各ばね261、262のばね力に抗して各ガイド部251、252内に徐々に縮退する。
まず、押しボタンスイッチ1の押しボタン20の押込み操作の際には、図5に示す押しボタン20の押込み操作前の状態(このとき、第1、第2の接点対C1、C2はオンの状態)から、操作者が押しボタン20を押し込む。すると、押しボタン20とともに移動する軸部22Aが図示下方に押し込まれる。このとき、軸部22Aの各凸部231、232の図示下側の各傾斜面231b、232bから各係合部材241、242の第1の傾斜面241b、242bに押付力(押付荷重)が作用して、この押付荷重により、図6に示すように、各係合部材241、242が各ばね261、262のばね力に抗して各ガイド部251、252内に徐々に縮退する。
図6に示す状態から、押しボタン20とともに軸部22Aがさらに押し込まれると、各係合部材241、242が各ばね261、262のばね力に抗して各ガイド部251、252内にさらに縮退することにより、凸部231、232の各傾斜面231b、232bと係合部材241、242の第1の傾斜面241b、242bとの係合状態が外れ、その結果、図7に示すように、各凸部231、232が各係合部材241、242を乗り越えて図示下方に移動する。これにより、第1、第2の接点対C1、C2はオフの状態に移行する。また、このとき、軸部22Aの各凸部231、232の図示上側の各傾斜面231a、232aには、各係合部材241、242の第2の傾斜面241a、242aの一部が係合している。
図7に示す状態からさらに押しボタン20が押し込まれると、図8に示すように、軸部22Aの各凸部231、232の図示上側の各傾斜面231a、232aに各係合部材241、242の第2の傾斜面241a、242aの全体が係合した状態をへて、図9に示すように、各凸部231、232の図示上側の各傾斜面231a、232aが各係合部材241、242の第2の傾斜面241a、242aから若干下方に離れた位置まで軸部22Aが移動する。図9は、押しボタン20の押込み操作が完了した状態を示している。
次に、押しボタンスイッチ1の押しボタン20の復帰操作の際には、図9に示す押しボタン20の押込み操作後の状態(このとき、第1、第2の接点対C1、C2はオフの状態)から、操作者が押しボタン20を押込み方向と逆方向に引っ張る。すると、押しボタン20とともに移動する軸部22Aが図示上方に引っ張り上げられて、図8に示すように、軸部22Aの各凸部231、232の図示上側の各傾斜面231a、232aが各係合部材241、242の第2の傾斜面241a、242aに当接して係合する。
このとき、図11を用いて説明したように、軸部22Aの各凸部231、232の図示上側の各傾斜面231a、232aから各係合部材241、242の第2の傾斜面241a、242aに押付力(押付荷重)が作用する。この状態から、押しボタン20および軸部22Aがさらに引っ張り上げられると、図12を用いて説明したように、凸部231、232の各傾斜面231a、232aから係合部材241、242の第2の傾斜面241a、242aに作用する押付荷重が大きくなり、この増加した押付荷重により、係合部材241、242が各ばね261、262のばね力に抗しつつ各ガイド部251、252内に縮退する(図7参照)。そして、凸部231、232の各傾斜面231a、232aと係合部材241、242の第2の傾斜面241a、242aとの係合状態が外れる直前に、凸部231、232から係合部材241、242に作用する押付荷重が最大となる。
図6は、凸部231、232の各傾斜面231a、232aと係合部材241、242の第2の傾斜面241a、242aとの係合状態が外れた状態を示しており、このとき、各凸部231、232の図示下側の各傾斜面231b、232bが各係合部材241、242の第1の傾斜面241b、242bに係合している。図7から図6に移行する途中で凸部231、232の各傾斜面231a、232aと係合部材241、242の第2の傾斜面241a、242aとの係合状態が外れるが、上述したように、係合状態が外れる直前に凸部231、232から係合部材241、242に作用する押付荷重が最大となるので、係合状態が外れた直後、各凸部231、232は、この最大の押付荷重の復帰操作方向成分である最大の復帰操作分力により、復帰操作方向に移動を開始する。
これにより、各凸部231、232および各係合部材241、242の係合状態が解除された直後、押しボタン20は、大きな加速度をもって復帰操作方向に急激に移動することができる。その結果、復帰操作時に第1、第2の接点対C1、C2が接点の不一致を起こすのを確実に防止できるようになる。なお、押しボタン20の復帰操作後、押しボタンスイッチ1は図5に示す状態に移行する。
このように本実施例においては、各係合部材241、242の第2の傾斜面241a、242aは、押しボタン20の復帰操作時に押しボタン20に対して負荷を与えて当該負荷を解放させるとともに、押しボタン20の復帰操作方向への復帰速度を増加させるように作用する復帰速度増加手段として機能しており、各係合部材241、242の第2の傾斜面241a、242aの傾斜角βは、押しボタン20の復帰速度増加機能を発揮するように設定されている。また、このような復帰速度増加手段を設けたことにより、押しボタン20の復帰操作時に開離付勢ばね27が復帰操作に抗するように作用している状態においても、押しボタン20の復帰操作方向への復帰速度を増加させることができ、これにより、第1、第2の接点対C1、C2が接点の不一致を起こすのを確実に防止できる。
<第2の実施例>
図16ないし図21は、本発明の第2の実施例による押しボタンスイッチを説明するための図である。これらの図において、前記第1の実施例と同一符号は同一または相当部分を示している。前記第1の実施例では、押しボタンを引っ張ることにより復帰操作を行ういわゆるプルリセットタイプの押しボタンスイッチについて説明したが、ここでは、押しボタンを回転させることにより復帰操作を行ういわゆるターンリセットタイプの押しボタンスイッチを例にとる。
図16ないし図21は、本発明の第2の実施例による押しボタンスイッチを説明するための図である。これらの図において、前記第1の実施例と同一符号は同一または相当部分を示している。前記第1の実施例では、押しボタンを引っ張ることにより復帰操作を行ういわゆるプルリセットタイプの押しボタンスイッチについて説明したが、ここでは、押しボタンを回転させることにより復帰操作を行ういわゆるターンリセットタイプの押しボタンスイッチを例にとる。
図16に示すように、押しボタンスイッチ1は、前記第1の実施例と同様に、操作者が押込み操作可能かつ復帰操作可能な押しボタン20およびこれを保持する保持ケース21を有する操作ユニット2と、操作ユニット2に着脱可能に取り付けられ、接点(図示せず)を収容した収容ケース30を有する接点ユニット3とを備えており、操作ユニット2のねじ部(図示せず)に螺合するロックナット4により、たとえば機械や制御機器等のパネルPに取り付けられるようになっている。なお、図16には、押しボタン20の押込み操作後の状態(接点オフの状態)が示されている。
保持ケース21の内部には、互いに交差する傾斜面28a、28bからなる係合面を有する係合部28が固定されている。係合部28の係合面は、これらの傾斜面28a、28bにより、扁平な凸状のV字状に形成されている。一方、押しボタン20には、互いに交差する傾斜面29a、29bからなる係合面を有する係合部29が押しボタン20と一体に連設されており、係合部29は、押しボタン20の回転とともに回転するようになっている。係合部29の係合面は、各傾斜面29a、29bにより、扁平な凹状のV字状に形成されている。なお、係合部28は、保持ケース21の周方向に沿って180度(または略180度)離れた位置にも配置されており、同様に、保持部29は、押しボタン20の周方向に沿って180度(または略180度)離れた位置にも配置されている。
押しボタン20の復帰操作時には、押しボタン20は、図16の右から左に向かう方向である復帰操作方向に回転可能になっている。また、押しボタン20の内部には復帰ばね(図示せず)が設けられており、復帰ばねは、押しボタン20を復帰操作方向と逆方向に常時付勢している。
次に、押しボタン20の復帰操作について、図16ないし図21を用いて説明する。
図16に示す押しボタン20の押込み操作後(接点オフ)の状態から、操作者が押しボタン20を復帰操作方向に回転させる。すると、押しボタン20とともに移動する係合部29の傾斜面29aが、図17に示すように、保持ケース21の側の係合部28の傾斜面28aに当接して係合する。
図16に示す押しボタン20の押込み操作後(接点オフ)の状態から、操作者が押しボタン20を復帰操作方向に回転させる。すると、押しボタン20とともに移動する係合部29の傾斜面29aが、図17に示すように、保持ケース21の側の係合部28の傾斜面28aに当接して係合する。
このとき、図17の一部拡大図である図18およびさらにその拡大図である図19に示すように、押しボタン20側の係合部29の傾斜面29aから保持ケース21側の係合部28の傾斜面28aに押付力(押付荷重)が作用する。この押付荷重の大きさをF3とすると、押付荷重F3は、傾斜面28aに対して垂直方向に作用する。
いま、押付荷重F3を押しボタン20の復帰操作方向(図18、図19左右方向)およびこれと直交する方向に分解すると、復帰操作方向の復帰操作分力およびこれと直交する方向の直交分力は、図19から分かるように、
復帰操作分力=F3cosθ … (24)
直交分力=F3sinθ … (25)
と表せる。ただし、θは、係合部28の傾斜面28aが押しボタン20の軸部の軸線方向の軸線Cに対してなす鋭角側の傾斜角(つまり、軸線Cから図示反時計回りに測った角度)である。図示例では、θ<45°に設定されている。
復帰操作分力=F3cosθ … (24)
直交分力=F3sinθ … (25)
と表せる。ただし、θは、係合部28の傾斜面28aが押しボタン20の軸部の軸線方向の軸線Cに対してなす鋭角側の傾斜角(つまり、軸線Cから図示反時計回りに測った角度)である。図示例では、θ<45°に設定されている。
また、図19から分かるように、
F3cosθ>F3sinθ … (26)
すなわち、
復帰操作分力>直交分力 … (27)
となっている。
F3cosθ>F3sinθ … (26)
すなわち、
復帰操作分力>直交分力 … (27)
となっている。
押しボタン20の復帰操作とともに係合部29が回転するにつれて、押しボタン20側の係合部29の傾斜面29aから保持ケース21側の係合部28の傾斜面28aに作用する押付力(押付荷重)が徐々に大きくなるとともに、係合部29が係合部28の傾斜面28aに沿って図示上方に徐々に移動する。そして、傾斜面29aと傾斜面28aとの係合状態が外れる直前に復帰操作分力が最大となる。すなわち、このとき、係合部29に対する係合部28の負荷が最大となる。その場合においても、上記(27)式の関係式が成立している。
一方、従来のターンリセットタイプの押しボタンスイッチにおいては、押しボタン20側の係合部および保持ケース21側の係合部の係合状態は、図20に示すようになっている。同図において、図19と同一符号は同一または相当部分を示している。
図20に示すように、押しボタン20側の係合部29’の傾斜面29’aから保持ケース21側の係合部28’の傾斜面28’aに押付力(押付荷重)が作用しており、この押付荷重の大きさをF3’とすると、押付荷重F3’は、傾斜面28’aに対して垂直方向に作用する。
いま、押付荷重F3’を押しボタン20の復帰操作方向(図20左右方向)およびおよびこれと直交する方向に分解すると、復帰操作方向の復帰操作分力およびこれと直交する方向の直交分力は、図20から分かるように、
復帰操作分力=F3’cosθ’ … (28)
直交分力=F3’sinθ’ … (29)
と表せる。ただし、θ’は、係合部28’の傾斜面28’aが押しボタン20の軸部の軸線方向の軸線Cに対してなす鋭角側の傾斜角(つまり、軸線Cから図示反時計回りに測った角度)である。図示例では、θ’>45°に設定されている。
復帰操作分力=F3’cosθ’ … (28)
直交分力=F3’sinθ’ … (29)
と表せる。ただし、θ’は、係合部28’の傾斜面28’aが押しボタン20の軸部の軸線方向の軸線Cに対してなす鋭角側の傾斜角(つまり、軸線Cから図示反時計回りに測った角度)である。図示例では、θ’>45°に設定されている。
また、図20から分かるように、
F3’cosθ’<F3’sinθ’ … (30)
すなわち、
復帰操作分力<直交分力 … (31)
となっている。
F3’cosθ’<F3’sinθ’ … (30)
すなわち、
復帰操作分力<直交分力 … (31)
となっている。
押しボタン20の復帰操作とともに係合部29’が回転するにつれて、押しボタン20側の係合部29’の傾斜面29’aから保持ケース21側の係合部28’の傾斜面28’aに作用する押付力(押付荷重)が徐々に大きくなるとともに、係合部29’が係合部28’の傾斜面28’aに沿って図示上方に徐々に移動する。そして、傾斜面29’aと傾斜面28’aとの係合状態が外れる直前に復帰操作分力が最大となる。すなわち、このとき、係合部29’に対する係合部28’の負荷が最大となる。その場合においても、上記(31)式の関係式が成立している。
ここで、係合部29’の傾斜面29’aから係合部28’の傾斜面28’aに図19中の押付荷重と同じ大きさの押付荷重を作用させた場合(つまり、図19、図20中、F3’=F3)でも、
F3cosθ>F3’ cosθ’… (32)
になっている。
F3cosθ>F3’ cosθ’… (32)
になっている。
このように、押しボタン20の復帰操作時に係合部29aの傾斜面29aから係合部28の傾斜面28aに押付荷重が作用したとき、当該押付荷重を復帰操作方向およびこれと直交する方向に分解すると、上記(27)式に示したように、復帰操作方向の復帰操作分力は、これと直交する方向の直交分力より大きくなっており(図19参照)、さらに、従来の押しボタンスイッチにおける復帰操作方向の復帰操作分力より大きくなっている(図19および図20、(32)式参照)。
したがって、押しボタン20の復帰操作時には、押しボタン20の復帰操作方向に作用する復帰操作分力が増大しており、押しボタン20には、増大した復帰操作分力が復帰操作方向に作用している。
押しボタン20の復帰操作が開始されると、軸部22Aの係合部29の傾斜面29aから係合部28の傾斜面28aに作用する押付荷重が徐々に大きくなることから、復帰操作が開始されると、押しボタン20の復帰操作方向の復帰操作分力が次第に大きくなるということを表している。そして、この復帰操作分力は、係合部29aの傾斜面29aと係合部28の傾斜面28aとの係合状態が外れる直前に最大となる。すなわち、このとき、係合部29aに対する係合部28aの負荷が最大となる。そして、係合部29aの傾斜面29aと係合部28の傾斜面28aとの係合状態が外れると、押しボタン20は、大きな加速度をもって復帰操作方向に急激に移動することができる。その結果、復帰操作時に各接点対が接点の不一致を起こすのを確実に防止できるようになる。
このように、本発明の第2の実施例によれば、係合部28の傾斜面28aは、押しボタン20の復帰操作時に押しボタン20に対して負荷を与えて当該負荷を解放させるとともに、押しボタン20の復帰操作方向への復帰速度を増加させるように作用する復帰速度増加手段として機能しており、係合部28の傾斜面28aの傾斜角θは、押しボタン20の復帰速度増加機能を発揮するように設定されている。また、このような復帰速度増加手段を設けたことにより、押しボタン20の復帰操作時に開離付勢ばね(図示せず)が復帰操作に抗するように作用している状態においても、押しボタン20の復帰操作方向への復帰速度を増加させることができ、これにより、第1、第2の接点対が接点の不一致を起こすのを確実に防止できる。なお、復帰操作後、係合部29の傾斜面29aは、係合部28の各傾斜面28a、28bが交差する頂点を越えて移動し、係合部28の傾斜面28bの上方に移動する(図21参照)。
なお、図示していないが、図16ないし図21に示した押しボタンスイッチ1は、前記第1の実施例に示したような復帰操作用のプルリセット機能も併せ持っていてもよい。すなわち、前記実施例に示したような軸部側の凸部および保持ケース21側の係合部材からなる係脱構造が押しボタンスイッチ1に設けられることにより、押しボタンスイッチ1が、ターンリセットおよびプルリセットの双方の機能を有するいわゆるツーウエイ方式であってもよい。
〔第1の変形例〕
図22および図23は、本発明の第1の変形例による押しボタンスイッチを説明するための図である。図22は押しボタンの復帰操作途中の状態を、図23は押しボタンの復帰操作後の状態をそれぞれ示している。これらの図において、前記第1の実施例と同一符号は同一または相当部分を示している。
図22および図23は、本発明の第1の変形例による押しボタンスイッチを説明するための図である。図22は押しボタンの復帰操作途中の状態を、図23は押しボタンの復帰操作後の状態をそれぞれ示している。これらの図において、前記第1の実施例と同一符号は同一または相当部分を示している。
図22に示すように、この第1の変形例による押しボタンスイッチにおいては、軸部22Aに少なくとも2つの凸部(第1の係合部)232、233が設けられている。各凸部232、233は、軸部22Aの軸方向に所定の間隔を隔てて配置されている。一方の凸部232は、図14と同様に、互いに交差する各傾斜面(係合面)232a、232bからなる先端部を有している。他方の凸部233は、図14と同様の傾斜面(係合面)233aと、これと交差しかつ軸部22Aの軸線方向に延びる平坦面233b’とからなる先端部を有している。
また、押しボタンの保持ケース側には、凸部232、233とそれぞれ係合する2つの係合部材(第2の係合部)242、243が上下方向に間隔を隔てて設けられている。係合部材242は、図14と同様に、凸部232の各傾斜面232a、232bとそれぞれ係合する第2の傾斜面(係合面)242a、242bを有している。係合部材243は、図14と同様の傾斜面(係合面)243aと、これと交差しかつ軸部22Aの軸方向に延びる平坦面243b’とを有している。
図22に示すように、押しボタンの復帰操作途中において、軸部22A側の各凸部232、233の各傾斜面232a、233aが押しボタンの保持ケース側の各係合部材242、243の各傾斜面242a、243aとそれぞれ係合した状態においては、各傾斜面232a、232aから各傾斜面242a、243aにそれぞれ押付力(押付荷重)F1’が作用している。この押付荷重F1’を軸部22Aの軸線方向(つまり押しボタン20の復帰操作方向)およびこれと直交する方向に分解すると、復帰操作方向の復帰操作分力およびこれと直交する方向の直交分力は、
復帰操作分力=F1’sinβ’ … (33)
直交分力=F1’cosβ’ … (34)
と表せる。上記直交分力は、それぞれ係合部材242、243をばね262の弾性反発力Sf1’に抗して図22左方に押し戻す方向に作用している。
復帰操作分力=F1’sinβ’ … (33)
直交分力=F1’cosβ’ … (34)
と表せる。上記直交分力は、それぞれ係合部材242、243をばね262の弾性反発力Sf1’に抗して図22左方に押し戻す方向に作用している。
ここで、β’=45°であるから、
sinβ’=cosβ’
ゆえに、
F1’sinβ’=F1’cosβ’ … (35)
よって、(33)~(34)式より、
復帰操作分力=直交分力 … (36)
となる。
sinβ’=cosβ’
ゆえに、
F1’sinβ’=F1’cosβ’ … (35)
よって、(33)~(34)式より、
復帰操作分力=直交分力 … (36)
となる。
押しボタンの復帰操作とともに軸部22Aが矢印R方向に移動するにつれて、軸部22Aの各凸部232、233の各傾斜面232a、233aから係合部材242、243の各傾斜面242a、243aに作用する押付力(押付荷重)が徐々に大きくなるので、押しボタン20の復帰操作方向の復帰操作分力も次第に大きくなる。そして、この復帰操作分力は、凸部232、233の各傾斜面232a、233aと係合部材242、243の各傾斜面242a、243aとの係合状態が外れる直前に最大となる。なお、その場合でも、(36)式の関係は維持されており、押付荷重の復帰操作分力は直交分力と等しくなっている。
すなわち、この第1の変形例では、前記第1の実施例と異なり、押付荷重の復帰操作分力は直交分力より大きくはない。しかしながら、軸部22Aに2つの凸部232、233を設けるとともに、押しボタンの復帰操作時に各凸部232、233とそれぞれ係合する2つの係合部材242、243を設けたので、各係合部材242、243からの負荷が増大している。
これにより、各凸部232、233および各係合部材242、243の係合状態が解除された直後、押しボタン20は、大きな加速度をもって復帰操作方向に急激に移動することができる。その結果、復帰操作時に第1、第2の接点対が接点の不一致を起こすのを確実に防止できるようになる。
押しボタン20の復帰操作後、押しボタンスイッチは図23に示す状態に移行する。このとき、軸部22A側の凸部232の傾斜面232bが押しボタンの保持ケース側の係合部材242の傾斜面242bと係合しており、軸部22A側の凸部233の軸方向の平坦面233b’は、押しボタンの保持ケース側の係合部材243の軸方向の平坦面243b’と係合している。
〔第2の変形例〕
図24ないし図26は、本発明の第2の変形例による押しボタンスイッチを説明するための図である。図24は押しボタンの復帰操作前の状態を、図25は押しボタンの復帰操作途中の状態を、、図26は押しボタンの復帰操作後の状態をそれぞれ示している。これらの図において、前記第1の実施例と同一符号は同一または相当部分を示している。
図24ないし図26は、本発明の第2の変形例による押しボタンスイッチを説明するための図である。図24は押しボタンの復帰操作前の状態を、図25は押しボタンの復帰操作途中の状態を、、図26は押しボタンの復帰操作後の状態をそれぞれ示している。これらの図において、前記第1の実施例と同一符号は同一または相当部分を示している。
この第2の変形例による押しボタンスイッチ1は、図24ないし図26に示すように、操作ユニット2の内部に磁性体からなるマグネットシート(または磁気プレート)50、51が設けられており、同様に、接点ユニット3の内部に磁性体からなるマグネットシート(または磁気プレート)52、53が設けられている。
マグネット50は、押しボタン2の内部に取り付けられており、押しボタン2とともに移動可能になっている。マグネット51は、保持ケース21の側において、マグネット50に対向配置されている。マグネット52は、収容ケース30の内部において、軸部22Aに取り付けられており、軸部22Aとともに移動可能になっている。マグネット53は、マグネット52に対向しつつ、収容ケース30の内部に取り付けられている。マグネット52、53は、この例では、軸部22Aを挟んで図示左右両側にそれぞれ配置されている。
各マグネット50、51、52、53の極性については、たとえば、マグネット50、51が同じ極性を有し、同様にマグネット52、53が同じ極性を有している。この場合、マグネット50、51間で反発力(斥力)が作用し、同様にマグネット52、53間で反発力(斥力)が作用している。
この場合には、押しボタン20の復帰操作時には、各マグネットシート(付勢手段)間に作用する磁気による反発力(付勢力)によって、押しボタン20を引っ張る側つまり復帰操作方向に付勢することができ、これにより、押しボタン20の復帰操作時に当該復帰操作をアシストすることができる。その結果、各凸部232、233および各係合部材242、243の係合状態が解除された直後、押しボタン20は、大きな加速度をもって復帰操作方向に急激に移動することができる。その結果、復帰操作時に各接点対が接点の不一致を起こすのを確実に防止できるようになる。
〔第3の変形例〕
図27ないし図30は、本発明の第3の変形例による押しボタンスイッチを説明するための図であって、図27は押しボタンの押込み操作前の状態を、図28は押しボタンの押込み操作後の状態または復帰操作前の状態を、図29および図30は押しボタンの復帰操作途中の状態をそれぞれ示している。これらの図において、前記第1の実施例と同一符号は同一または相当部分を示している。
図27ないし図30は、本発明の第3の変形例による押しボタンスイッチを説明するための図であって、図27は押しボタンの押込み操作前の状態を、図28は押しボタンの押込み操作後の状態または復帰操作前の状態を、図29および図30は押しボタンの復帰操作途中の状態をそれぞれ示している。これらの図において、前記第1の実施例と同一符号は同一または相当部分を示している。
この第3の変形例による押しボタンスイッチ1は、図27ないし図30に示すように、軸部22Aの図示下部の側方にチャンバ6を有している。チャンバ6は、隔壁で囲繞された隔室60を内部に有している。隔壁60の一部には、隔室60が外部と連通する貫通孔6aが形成されている。
軸部22Aの図示下部には、チャンバ6の隔室60に向かって側方に延びる延設部(仕切り部材)22Pが一体に連設されており、延設部22Pは、軸部22Aと一体になって移動するようになっている。延設部22Pは、チャンバ6の隔壁に貫通形成された上下方向の長孔(図示せず)を通って、隔室60内に進入している。延設部22Pとこれが挿通する長孔との間は、シール部材(図示せず)によってシールされている。延設部22Pの先端に形成された凹部22Paには、シール部材22sが装着されている。隔室60内において、延設部22Pの先端と対向する隔壁の内壁面60cの一部には、凹状部60dが形成されている。
シール部材22sの先端は、図28および図29に示すように、内壁面60cと当接してこれをシールすることにより、隔室60を延設部22Pより図示下側の下側隔室60Aと延設部22Pより図示上側の上側隔室60Bとに仕切る仕切位置と、図27および図30に示すように、凹状部60dと対向して凹状部60dとの間に間隙を形成することにより、上側隔室60Bと下側隔室60Aを連通させる連通位置とをとり得るようになっている。
軸部22Aの図示上部には、扁平なV字状の係合溝22V1、22V2が形成されている。係合溝22V1は、図示下側に配置されており、2つの傾斜面22a1、22a2から構成されている。係合溝22V2(第1の係合部)は、図示上側に配置されており、2つの傾斜面22a3、22a4から構成されている。これらの傾斜面としては、前記第1の実施例中の図10または図13に示したような傾斜角の組合せに限らず、その他の任意の適切な傾斜角の組合せを採用し得る。また、押しボタンの保持ケース側に設けられた係合部材242(第2の係合部)の先端部は、各係合溝22V1、22V2と係脱自在に係合するように設けられている。
次に、上記構成になる押しボタンスイッチの作動について説明する。
まず、押しボタンの押込み操作前の状態においては、図27に示すように、係合部材242の上側傾斜面242bが係合溝22V1の傾斜面22a2に係合し、係合部材242の下側傾斜面242aが係合溝22V1の傾斜面22a1に係合している。また、このとき、軸部22Aの延設部22Pの先端のシール部材22sは、凹状部60dと対向配置されている。
まず、押しボタンの押込み操作前の状態においては、図27に示すように、係合部材242の上側傾斜面242bが係合溝22V1の傾斜面22a2に係合し、係合部材242の下側傾斜面242aが係合溝22V1の傾斜面22a1に係合している。また、このとき、軸部22Aの延設部22Pの先端のシール部材22sは、凹状部60dと対向配置されている。
この状態から、操作者が押しボタンを押込み操作すると、図28に示すように、押しボタンとともに軸部22Aが図示下方に移動し、それにともなって延設部22Pも図示下方に移動する。その際、延設部22Pの先端のシール部材22sは、内壁面60cに当接しつつ下方に移動するが、このとき、圧縮される下側隔室60A内のエアは貫通孔6aから外部に放出される。これにより、軸部22Aの下方への移動はスムーズに行われる。また、軸部22Aの下方への移動により、係合部材242の先端部は、係合溝22V1を乗り越えて係合溝22V2との係合状態に移行する。
図28に示す押込み操作後の状態から、操作者が押しボタンを引っ張る復帰操作を行う。そのとき、図29に示すように、軸部22Aの上方への移動につれて、延設部22Pのシール部材22sの先端が隔壁の内壁面60cに当接しつつ、延設部22Pが徐々に上方に移動する。このとき、隔室60内の上側隔室60Bが徐々に加圧されて上側隔室60Bの内圧が増大することにより、押しボタンの復帰操作方向(図29上方)への負荷が増大する。そして、シール部材22sの先端が隔壁の内壁面60cに当接した状態から凹状部60dと対向する位置に移動しようとする直前(このとき、係合部材242の下側傾斜面242aは係合溝22V2の傾斜面22a3を乗り越えようとする直前)、押しボタンに対する負荷が最大になる。
図29に示す状態から、操作者が押しボタンをさらに引っ張ると、図30に示すように、シール部材22sの先端が隔壁の内壁面60cに当接した状態から凹状部60dと対向する位置に移動し、そのとき、シール部材22sの先端と凹状部60dとの間に間隙が形成されることで、内圧が増大していた上側隔室60Bからシール部材22sの先端と凹状部60dとの間の間隙を通ってエアが下側隔室60A内に移動する。これにより、上側隔室60Bの内圧が急激に減少するので、押しボタンに対する負荷が急激に減少する。その結果、係合部材242の下側傾斜面242aが係合溝22V2の傾斜面22a3を乗り越え、押しボタンは、大きな加速度をもって復帰操作方向に急激に移動することができる。このようにして、復帰操作時に各接点対が接点の不一致を起こすのを確実に防止できるようになる。
この第3の変形例においては、係合溝22V2、係合部材242および延設部22Pが、本発明による復帰速度増加手段として機能している。
〔第4の変形例〕
図31および図32は、本発明の第4の変形例による押しボタンスイッチを説明するための図であって、各図はいずれも押しボタンの復帰操作前の状態を示している。これらの図において、前記各実施例および各変形例と同一符号は同一または相当部分を示している。
図31および図32は、本発明の第4の変形例による押しボタンスイッチを説明するための図であって、各図はいずれも押しボタンの復帰操作前の状態を示している。これらの図において、前記各実施例および各変形例と同一符号は同一または相当部分を示している。
図31および図32において、(b)は、押しボタンスイッチの一部拡大縦断面概略図であって、保持ケース側の係合部材を示しており、(a)は(b)の係合部材が配置された位置を示している。図31(a)に示すように、同図(b)の係合部材242は、保持ケース21の中心Oの回りに周方向に沿って0°の位置およびこれと相対する180°の位置にそれぞれ設けられている。また、図32(a)に示すように、同図(b)の係合部材242’は、保持ケース21の中心Oの回りに周方向に沿って90°の位置およびこれと相対する270°の位置にそれぞれ設けられている。
図31(b)に示すように、押しボタン側の軸部22Aには、2つの係合溝22V1、22V2が形成されている。係合溝22V1は、互いに交差する一対の傾斜面22a1、22a2から構成され、係合溝22V1の図示上側に配置された係合溝22V2は、互いに交差する一対の傾斜面22a3、22a4から構成されている。同図に示す復帰操作前の状態においては、保持ケース21側の係合部材242において、互いに交差する一対の傾斜面242a、242bからなる先端部は、軸部22Aの係合溝22V2に係合している。
図32(b)に示すように、押しボタン側の軸部22Aには、一つの係合溝22V1と、曲面で形成された傾斜面22a3’およびこれに連設された軸方向の平坦状面22a4’とが形成されている。同図に示す復帰操作前の状態においては、保持ケース21側の係合部材242’の先端部を構成する傾斜面242’aは、軸部22Aの傾斜面22a3’に係合している。
押しボタンの復帰操作の際には、操作者が押しボタンとともに軸部22Aを図示上方に引っ張ると、図31(b)に示すように、保持ケース21の周方向において0°の位置およびこれに相対する180°の位置に配置された各係合部材242の先端部が、軸部22Aの係合溝22V2に係合した状態から、傾斜面22a3を乗り越えてその下方の係合溝22V1に係合する。一方、図32(b)に示すように、保持ケース21の周方向において90°の位置およびこれに相対する270°の位置に配置された各係合部材242’の先端部は、軸部22Aの曲面で形成された傾斜面22a3’に係合した状態から曲面を摺動することによって徐々に押圧され、傾斜面22a3’を乗り越えてその下方の係合溝22V1に係合する。
このように、この第4の変形例においては、押しボタンの復帰操作の際には、各係合部材242による負荷に加えて、各係合部材242’による負荷が作用しており、負荷が増大している。そして、係合部材242、242’の各傾斜面242a、242’aが対応する各傾斜面22a3を乗り越える直前に押しボタンには最大の負荷が作用しており、押しボタンの復帰操作方向に最大の操作復帰分力が作用している。
そのため、傾斜面242a、242’aが傾斜面22a3を乗り越えた直後、この最大の復帰操作分力により、押しボタンは、大きな加速度をもって復帰操作方向に急激に移動することができる。その結果、復帰操作時に各接点対が接点の不一致を起こすのを確実に防止できるようになる。
〔第5の変形例〕
図33ないし図36は、本発明の第5の変形例による押しボタンスイッチを説明するための図であって、ターンリセットタイプの押しボタンスイッチを示している。各図は、復帰操作時に押しボタンを回転させた際において、係合部材とこれが係合する係合溝との係合状態の変化を時系列的に示している。各図中、前記各実施例および各変形例と同一符号は同一または相当部分を示している。
図33ないし図36は、本発明の第5の変形例による押しボタンスイッチを説明するための図であって、ターンリセットタイプの押しボタンスイッチを示している。各図は、復帰操作時に押しボタンを回転させた際において、係合部材とこれが係合する係合溝との係合状態の変化を時系列的に示している。各図中、前記各実施例および各変形例と同一符号は同一または相当部分を示している。
図33は復帰操作前の状態、すなわち復帰操作時の押しボタンの回転角度が0°の状態を、図34は復帰操作時の押しボタンの回転角度が90°の状態を、図35は復帰操作時の押しボタンの回転角度が180°の状態を、図36は復帰操作時の押しボタンの回転角度が180°を超えた状態をそれぞれ示している。
各図に示すように、押しボタンのボス部22Bは、軸方向に隣り合って配置された扁平なV字状の第1、第2の係合溝22V1、22V2を有している。係合溝22V1は互いに交差する傾斜面22a1、22a2から構成され、係合溝V1の上側に配置された係合溝V2は、同様に、互いに交差する傾斜面22a3、22a4から構成されている。押しボタンの保持ケース側に設けられた係合部材242は、扁平なV字状の先端部を有しており、当該先端部は、互いに交差する傾斜面242a、242bから構成されている。係合部材242の先端部は、各係合溝V1、V2に係合可能になっている。
ボス部22Bの第1の22V1は、所定の深さを有しており、周方向位置により深さは変化しないが、第2の係合溝22V2の深さは、周方向位置により変化している。第2の係合溝22V2は、図33に示すように、復帰操作時の押しボタンの回転角度が0°のときに深さが最大となり、図34→図35→図36に示すように、復帰操作時の押しボタンの回転角度が0°→90°→180°と増加するにつれて、深さが徐々に減少している。そして、図36に示すように、復帰操作時の押しボタンの回転角度が180°を超えると、第2の係合溝22V2の深さはゼロになる。
復帰操作の際には、操作者が押しボタンを復帰操作方向に回転させると、押しボタンとともにボス部22Bが回転する。ボス部22Bの回転につれて、図33→図34→図35に示すように、係合部材242の先端部が係合するボス部22B側の係合溝22V2の深さが徐々に浅くなり、それにともなって、係合部材242がガイド部252内に縮退するので、復帰操作時に押しボタンに対する負荷が増大する。そして、係合部材242が係合する係合溝22V2の深さがゼロになったときに、当該負荷が最大となって、押しボタンの復帰操作方向に最大の操作復帰分力が作用する。
そのため、係合部材242の先端部が、図36に示すように、第1の係合溝V1内に進入する直前、この最大の復帰操作分力により、押しボタンは、大きな加速度をもって復帰操作方向に急激に移動することができる。その結果、復帰操作時に各接点対が接点の不一致を起こすのを確実に防止できるようになる。
〔第6の変形例〕
図37ないし図49は、本発明の第6の変形例による押しボタンスイッチを説明するための図であって、押しボタンの復帰操作形態がターンリセットタイプのものを示している。図37は押しボタンスイッチの一部切欠き斜視部分図であって、押しボタンの押込み操作後つまり復帰操作前の状態を示している。図38ないし図41は、押しボタンスイッチの各部の詳細を説明するための部分図、図42ないし図44は、押しボタンをターンリセットする際の各部の作動を時系列的に示す図、図45ないし図48は、押しボタンをターンリセットする際の軸部の凸部および係合部材の係合状態の変化を時系列的に示す図、図49は、係合部材との係合時における凸部の上側傾斜面の傾斜角の変化を説明するための図である。これらの図において、前記各実施例および各変形例と同一符号は同一または相当部分を示している。
図37ないし図49は、本発明の第6の変形例による押しボタンスイッチを説明するための図であって、押しボタンの復帰操作形態がターンリセットタイプのものを示している。図37は押しボタンスイッチの一部切欠き斜視部分図であって、押しボタンの押込み操作後つまり復帰操作前の状態を示している。図38ないし図41は、押しボタンスイッチの各部の詳細を説明するための部分図、図42ないし図44は、押しボタンをターンリセットする際の各部の作動を時系列的に示す図、図45ないし図48は、押しボタンをターンリセットする際の軸部の凸部および係合部材の係合状態の変化を時系列的に示す図、図49は、係合部材との係合時における凸部の上側傾斜面の傾斜角の変化を説明するための図である。これらの図において、前記各実施例および各変形例と同一符号は同一または相当部分を示している。
図37に示すように、押しボタン20の背面20aの中央部には、小径のボス部293が押しボタン20と一体に設けられており、ボス部293の先端には、大径のフランジ部294が連設されている。ボス部293およびフランジ部294は、軸方向(同図上下方向)に延びる軸部22の先端に開口形成された凹部に係合して固定されている。これにより、押しボタン20の回転による復帰操作時には、軸部22は押しボタン20とともに回転するようになっている。
押しボタン20の背面20aの外周側には、軸方向下方に突出する一対の突出部291、292が押しボタン20と一体に設けられている。一方、軸部22の外側方には、一対の係合部材241、242が設けられており(図38、図41参照)、各係合部材241、242は、軸部22を挟んで対向配置されている。また、各係合部材241、242は、軸部22の周りに周方向に配設された各ガイド部251、252にそれぞれスライド自在に収容されるとともに、ばね(後述)の弾性反発力により軸部22に向かう側に常時付勢されている。
軸部22の外周には、図38ないし図41に示すように、外方に突出しつつ周方向に沿って延びる一対の突条部(凸部)231、232が一体に設けられている。各突条部231、232は軸部22を挟んで対向配置されるとともに、周方向の空隙を隔てて配設されている。
突条部231は、図39および図40に示すように、互いに交差する上側傾斜面231aおよび下側傾斜面231bから形成されており、略三角形状の縦断面形状を有している。上側傾斜面231aは、始端側(図40左側)から終端側(同図右側)に向かうにしたがい、その傾斜角(傾き)が徐々に変化している。
上側傾斜面231aの傾きの変化について、図45ないし図48を用いて説明する。各図中、一点鎖線I、II、III、IVは、それぞれ上側傾斜面231aの傾きを示している。上側傾斜面231aの傾きは、始端側においては、図45中の一点鎖線Iに示すように、軸部22の軸線方向(同図上下方向)に対して最も緩やかになっている。始端側から終端側に向かう途中の段階では、図46および図47中の一点鎖線II、IIIに示すように、上側傾斜面231aの傾きは、軸部22の軸線方向(同図上下方向)に対して徐々に急になっている。終端側においては、図48中の一点鎖線IVに示すように、上側傾斜面231aの傾きは、軸部22の軸線方向(同図上下方向)に対して最も急峻になっている。
下側傾斜面231bについても、始端側(図40左側)から終端側(同図右側)に向かうにしたがい、その傾斜角(傾き)が徐々に変化している。下側傾斜面231bの傾きの変化については、図45ないし図49から分かるように、上側傾斜面231aの傾きの変化とは逆に、始端側では最も急峻であるが、始端側から終端側に向かうにしたがい徐々に緩やかになって、終端側では最も緩やかになっている。
一方、突条部232は、図39および図40に示すように、突条部231と同様に、互いに交差する上側傾斜面232aおよび下側傾斜面232bから形成されており、略三角形状の縦断面形状を有している。上側傾斜面232aおよび下側傾斜面232bは、始端側(図40紙面奥側の右側)から終端側(同図紙面奥側の左側)に向かうにしたがい、その傾斜角(傾き)が徐々に変化しており、その傾きの変化の仕方は、突条部231と同様である。
各ガイド部251、252には、図37、図42ないし図44に示すように、その上面において周方向に延びる係合部28a1、28a2が一体に設けられている。各係合部28a1、28a2の上面は、周方向に向かって徐々に高さが高くなる傾斜面になっている。図37に示す復帰操作前の状態においては、押しボタン20の各突出部291、292の下面は、それぞれ係合部28a1、28a2の上面に当接している。また、軸部22の各突条部231、232の上側傾斜面231a、232aは、それぞれ係合部材241、242の下側傾斜面に当接して係合している(図45参照)。
次に、押しボタン20の復帰操作について、図37、図42ないし図49を用いて説明する。
押しボタン20の復帰操作の際には、図37に示す状態から、操作者が押しボタン20を復帰操作方向である周方向(図示例では、押しボタン20の表面側から見て時計回りの向き)に回転させる。押しボタン20の回転により、軸部22が押しボタン20とともに回転する。
押しボタン20の復帰操作の際には、図37に示す状態から、操作者が押しボタン20を復帰操作方向である周方向(図示例では、押しボタン20の表面側から見て時計回りの向き)に回転させる。押しボタン20の回転により、軸部22が押しボタン20とともに回転する。
いま、図37に示す状態から、押しボタン20が周方向に略30°回転すると、図42に示す状態に移行する。このとき、押しボタン20の背面20a側の各突出部291、292は、その下面が係合部28a1、28a2の上面の傾斜面に当接しつつ、傾斜面の高さが高くなる側に向かって周方向に略30°移動している。また、傾斜面の高さの増加分に応じて、押しボタン20が軸部22とともに上方に移動しているが、このとき、押しボタン20とともに回転する軸部22の各突条部231、232の上側傾斜面231a、232aは、各係合部材241、242の下側傾斜面241a、242a(図41、図45)に当接しつつ、下側傾斜面241a、242aに沿ってその先端側に向かって移動している(図46参照)。
図42に示す状態から押しボタン20が周方向に略15°回転する(つまり、図37に示す状態からトータルで略45°回転する)と、図43に示す状態に移行する。このとき、押しボタン20の背面20a側の各突出部291、292は、その下面が係合部28a1、28a2の上面の傾斜面に当接しつつ、傾斜面の高さが高くなる側に向かって周方向にさらに略15°移動している。また、傾斜面の高さのさらなる増加分に応じて、押しボタン20が軸部22とともにさらに上方に移動しており、押しボタン20とともに回転する軸部22の各突条部231、232の上側傾斜面231a、232aは、各係合部材241、242の下側傾斜面241a、242a(図41、図45)に当接しつつ、下側傾斜面241a、242aに沿ってその先端側に向かってさらに移動して先端近傍位置に位置している(図47参照)。このとき、押しボタン20に対する各係合部材241、242の負荷は最大になっており、押しボタン20の復帰操作方向に最大の復帰操作分力が作用している。
図43に示す状態から押しボタン20が周方向に略45°回転する(つまり、図37に示す状態からトータルで略90°回転する)と、その回転途中で、各突条部231、232の上側傾斜面231a、232aと各係合部材241、242の下側傾斜面241a、242aとの係合状態が外れる。この係合状態が外れた直後、押しボタン20に作用していた最大の復帰操作分力により、押しボタン20は、大きな加速度をもって復帰操作方向に急激に移動することができる。これにより、復帰操作時に押しボタンスイッチ1の各接点対(図3、図4参照)が接点の不一致を起こすのを確実に防止できるようになる。なお、図43に示す状態から押しボタン20が周方向に略45°回転すると、図44に示す状態に移行して、押しボタン20の復帰操作が完了する。
ここで、復帰操作の際に、各係合部材241、242の下側傾斜面241a、242aと係合する各突条部231、232の上側傾斜面231a、232aの傾斜角の変化およびそれにともなう係合状態の変化について、図45ないし図48(さらに図37、図42ないし図44)を参照しつつ、図49を用いて説明する。ここでは、係合部材241および突条部231の係合状態を例にとって説明するが、係合部材242についても同様である。
図49中の一点鎖線Iは、図45中の係合部材241および突条部231の係合状態に対応しており、押しボタン20の復帰操作前の状態において、突条部231の上側傾斜面231aの傾きを示している。このとき、突条部231の上側傾斜面231aは、当該傾斜面の略全体にわたって、係合部材241の下側傾斜面241aに面接触している(図37参照)。
図49中の一点鎖線IIは、図46中の係合部材241および突条部231の係合状態に対応しており、押しボタン20が周方向に略30°回転した状態において、突条部231の上側傾斜面231aの傾きを示している。このとき、突条部231の上側傾斜面231aは、その先端側の一部の領域が係合部材241の下側傾斜面241aに接触している(図42参照)。
図49中の一点鎖線IIIは、図47中の係合部材241および突条部231の係合状態に対応しており、押しボタン20が周方向にトータルで略45°回転した状態において、突条部231の上側傾斜面231aの傾きを示している。このとき、突条部231の上側傾斜面231aは、先端が係合部材241の下側傾斜面241aに接触している(図43参照)。
図49中の一点鎖線IVは、図48中の係合部材241および突条部231の係合状態に対応しており、押しボタン20が周方向にトータルで略90°回転した状態において、突条部231の上側傾斜面231aの傾きを示している。このとき、突条部231の上側傾斜面231aは、係合部材241の下側傾斜面241aを乗り越えて上側傾斜面241bに係合している(図44参照)。
このように、押しボタン20が周方向にトータルで略45°回転した図43および図47に示す状態では、傾きが急峻になった突条部231の上側傾斜面231の先端が係合部材241の下側傾斜面241aに接触しており、突条部231の上側傾斜面231と係合部材241の下側傾斜面241aとの係合状態が外れにくくなっている。これにより、上側傾斜面231および下側傾斜面241aの係合状態が外れた直後、押しボタン20に対して、復帰操作方向に最大の復帰操作分力が作用することになる。
<第7の変形例>
図50ないし図58は、本発明の第7の変形例による押しボタンスイッチを説明するための図であって、押しボタンの復帰操作形態がプルリセットタイプのものを示している。図50は押しボタンスイッチの一部切欠き斜視部分図であって、押しボタンの押込み操作後つまり復帰操作前の状態を示している。図51ないし図54は、押しボタンスイッチの各部の詳細を説明するための部分図、図55ないし図58は、押しボタンをプルリセットする際の各部の作動を時系列的に示す図である。これらの図において、前記各実施例および各変形例(とくに前記第6の変形例)と同一符号は同一または相当部分を示している。
図50ないし図58は、本発明の第7の変形例による押しボタンスイッチを説明するための図であって、押しボタンの復帰操作形態がプルリセットタイプのものを示している。図50は押しボタンスイッチの一部切欠き斜視部分図であって、押しボタンの押込み操作後つまり復帰操作前の状態を示している。図51ないし図54は、押しボタンスイッチの各部の詳細を説明するための部分図、図55ないし図58は、押しボタンをプルリセットする際の各部の作動を時系列的に示す図である。これらの図において、前記各実施例および各変形例(とくに前記第6の変形例)と同一符号は同一または相当部分を示している。
図50に示すように、押しボタン20は、背面20a側中央のボス部293およびその先端のフランジ部294を介して軸部22の先端に固定されており、押しボタン20の引張りによる復帰操作時には、軸部22は押しボタン20とともに軸方向上方に移動するようになっている。
押しボタン20の背面20aの外周側には、一対の突出部291、292が設けられており、各突出部291、292は軸部22を挟んで対向配置されている。軸部22の外周には、図52ないし図54に示すように、外方に突出しつつ周方向に沿って所定の長さだけ延びる4つの突条部(凸部)231、232、231’、232’が設けられている。各突条部231、232、231’、232’は周方向に90°または実質的に90°の間隔で配置されている。各突条部231、232は軸部22を挟んで対向配置されており、同様に、各突条部231’、232’は軸部22を挟んで対向配置されている。
図52および図53に示すように、突条部231は、互いに交差する上側傾斜面231aおよび下側傾斜面231bから形成され、略三角形状の縦断面形状を有しており、突条部232は、互いに交差する上側傾斜面232aおよび下側傾斜面232bから形成され、略三角形状の縦断面形状を有している。同様に、突条部231’は、互いに交差する上側傾斜面231’aおよび下側傾斜面231’bから形成され、略三角形状の縦断面形状を有しており、突条部232’は、互いに交差する上側傾斜面232’aおよび下側傾斜面232’bから形成され、略三角形状の縦断面形状を有している。また、突条部231’、232’の各上側傾斜面231’a、232’aは、突条部231、232の各上側傾斜面231a、232aに対して、軸方向に若干下方の位置に配置されており、突条部231’、232’の各下側傾斜面231’b、232’bは、突条部231、232の各下側傾斜面231b、232bに対して、軸方向に若干下方の位置に配置されている。
図54に示すように、軸部22の半径方向外方において、各突条部231、232、231’、232’にそれぞれ対応する位置には、係合部材241、242、241’、242’が配置されている(図51参照)。各係合部材241、242、241’、242’は、周方向に90°または実質的に90°の間隔で配置されている。各係合部材241、241’はガイド部251にスライド自在に収容され、同様に、各係合部材242、242’はガイド部252にスライド自在に収容されている。なお、各ガイド部251、252は周方向に連設されて一体に構成されていてもよい。また、各突条部231、232、231’、232’の上側傾斜面および下側傾斜面、ならびに各係合部材241、242、241’、242’の傾斜面のそれぞれの傾斜角は、好ましくは前記第1の実施例の図10と同様になっている。
各ガイド部251、252の上には、図50に示すように、周方向に延びる一対の係合部28a1、28a2がそれぞれ設けられている。各係合部28a1、28a2は、周方向に向かって徐々に高さが高くなる傾斜面になっている。図50に示す復帰操作前の状態においては、押しボタン20の背面20a側の各突出部291、292の下面は、それぞれ係合部28a1、28a2の上面に当接している。また、このとき、軸部22の突条部231、232の各上側傾斜面231a、232aは、それぞれ係合部材241、242の下側傾斜面に当接して係合しているが(図50参照)、軸部22の突条部231’、232’の各上側傾斜面231’a、232’aと各係合部材241’、242’の下側傾斜面との間には、空隙が形成されている(図50、図51参照)。
次に、押しボタン20をプルリセットする際には、図50に示す状態から、操作者が押しボタン20を復帰操作方向(つまり軸方向上方)に引っ張る。すると、図50に示す状態から図55に示す状態に移行する。このとき、押しボタン20が上方に移動することで、押しボタン20の背面20a側の各突出部291、292の下面が、係合部28a1、28a2の上面の傾斜面からわずかに離れて上方に移動する。それにともなって、軸部22が押しボタン20とともに上方に移動し、その結果、軸部22の突条部231、232の各上側傾斜面231a、232aが、係合部材241、242の下側傾斜面に当接しつつ各下側傾斜面の先端側に向かって移動するとともに、軸部22の突条部231’、232’の各上側傾斜面231’a、232’aが、各係合部材241’、242’の下側傾斜面に当接する(図55参照)。
図55に示す状態から押しボタン20がさらに上方に移動すると、図56に示す状態に移行する。このとき、押しボタン20の背面20a側の各突出部291、292の下面が、係合部28a1、28a2の上面の傾斜面からさらに離れて上方に移動する。それにともなって、軸部22が押しボタン20とともにさらに上方に移動し、その結果、軸部22の突条部231、232の各上側傾斜面231a、232aが、係合部材241、242の下側傾斜面に当接しつつ各下側傾斜面の先端近傍の位置まで移動する。このとき、押しボタン20に対する各係合部材241、242の負荷は最大になっており、押しボタン20の復帰操作方向に最大の復帰操作分力が作用している。また、このとき、軸部22の突条部231’、232’の各上側傾斜面231’a、232’aが、係合部材241’、242’の下側傾斜面に当接しつつ各下側傾斜面の先端側に向かって移動する(図56参照)。
図56に示す状態から押しボタン20がさらに上方に移動すると、図57に示す状態に移行する。このとき、押しボタン20の背面20a側の各突出部291、292の下面が、係合部28a1、28a2の上面の傾斜面からさらに離れて上方に移動する。それにともなって、軸部22が押しボタン20とともにさらに上方に移動し、その結果、軸部22の突条部231、232の各上側傾斜面231a、232aと各係合部材241、242の下側傾斜面との係合状態が外れて、突条部231、232の各下側傾斜面231b、232bが各係合部材241、242の上側傾斜面と係合する。その一方、このとき、軸部22の突条部231’、232’の各上側傾斜面231’a、232’aが、係合部材241’、242’の下側傾斜面に当接しつつ各下側傾斜面の先端近傍の位置まで移動する(図57参照)。このとき、押しボタン20に対する各係合部材241’、242’の負荷は最大になっており、押しボタン20の復帰操作方向に最大の復帰操作分力が作用している。
図57に示す状態から押しボタン20がさらに上方に移動すると、図58に示す状態に移行する。このとき、押しボタン20の背面20a側の各突出部291、292の下面が、係合部28a1、28a2の上面の傾斜面からさらに離れて上方に移動する。それにともなって、軸部22が押しボタン20とともにさらに上方に移動し、その結果、軸部22の突条部231、232の各下側傾斜面231b、232bが各係合部材241、242の上側傾斜面から離れて上方に移動する。その一方、このとき、軸部22の突条部231’、232’の各上側傾斜面231’a、232’aと各係合部材241’、242’の下側傾斜面との係合状態が外れる。この係合状態が外れた直後、押しボタン20に作用していた最大の復帰操作分力により、押しボタン20は、大きな加速度をもって復帰操作方向に急激に移動することができる。このようにして、復帰操作時に各接点対(図5参照)が接点の不一致を起こすのを確実に防止できるようになる。押しボタン20が図58に示す状態に移行すると、押しボタン20の復帰操作が完了する。
〔第8の変形例〕
前記第1の実施例では、接点対として、第1および第2の接点対C1、C2という2つの接点対に加えて、さらに2つの接点対(つまり4つの接点対)が設けられた例を示したが、本発明は、これら以外の個数の接点対が設けられたものにも対応できる(上述した各実施例および各変形例においても同様)。
前記第1の実施例では、接点対として、第1および第2の接点対C1、C2という2つの接点対に加えて、さらに2つの接点対(つまり4つの接点対)が設けられた例を示したが、本発明は、これら以外の個数の接点対が設けられたものにも対応できる(上述した各実施例および各変形例においても同様)。
〔第9の変形例〕
前記第1の実施例では、2つの係合部材241、242が設けられた例を示したが、本発明においては、3つ以上の係合部材が設けられていてもよい(前記第7の変形例参照)。
前記第1の実施例では、2つの係合部材241、242が設けられた例を示したが、本発明においては、3つ以上の係合部材が設けられていてもよい(前記第7の変形例参照)。
〔第10の変形例〕
前記第1の実施例では、押しボタン20の復帰操作の際に互いに係合する凸部231、232および係合部材241、242の各係合面231a、241aおよび232a、242aが互いに面接触するように、各係合面231a、241aが同一または実質的に同一の傾斜角を有する傾斜面から構成されるとともに、各係合面232a、242aが同一または実質的に同一の傾斜角を有する傾斜面から構成されるようにした例を示したが、本発明の適用はこれに限定されない。
前記第1の実施例では、押しボタン20の復帰操作の際に互いに係合する凸部231、232および係合部材241、242の各係合面231a、241aおよび232a、242aが互いに面接触するように、各係合面231a、241aが同一または実質的に同一の傾斜角を有する傾斜面から構成されるとともに、各係合面232a、242aが同一または実質的に同一の傾斜角を有する傾斜面から構成されるようにした例を示したが、本発明の適用はこれに限定されない。
各係合面231a、241aのうちのいずれか一方の係合面については、他方の係合面に接する凸状円弧面から構成するようにしてもよい。同様に、各係合面232a、242aのうちのいずれか一方の係合面については、他方の係合面に接する凸状円弧面から構成するようにしてもよい。また、各係合面をいずれも平坦状面から構成するとともに、いずれか一方の係合面の平坦状面の傾斜角を他方の係合面の平坦状面の傾斜角と異ならせるようにしてもよい(前記第6の変形例参照)。
〔第11の変形例〕
前記第1の実施例では、開離付勢手段として開離付勢ばね27(または271、272)が設けられた例を示したが、本発明においては、開離付勢ばね27(または271、272)を省略することも可能である。
前記第1の実施例では、開離付勢手段として開離付勢ばね27(または271、272)が設けられた例を示したが、本発明においては、開離付勢ばね27(または271、272)を省略することも可能である。
〔第12の変形例〕
前記第1の変形例では、図22に示したように、各係合部材242、243の図示下側の傾斜面(第2の傾斜面)242a、243aが軸線Cに対してなす傾斜角β’が45°に設定された例を示したが、本発明の適用はこれに限定されない。
前記第1の変形例では、図22に示したように、各係合部材242、243の図示下側の傾斜面(第2の傾斜面)242a、243aが軸線Cに対してなす傾斜角β’が45°に設定された例を示したが、本発明の適用はこれに限定されない。
傾斜角β’としては、前記第1の実施例に示した傾斜角βと同様の傾斜角を採用するようにしてもよい。すなわち、β’の値としては、
50°<β’<70°
より好ましくは、
β’=60°
に設定されていてもよい。また、このように、双方の係合部材242、243に傾斜角βを適用する場合の他、各係合部材242、243のいずれか一方に傾斜角βを適用し、各係合部材242、243のいずれか他方に傾斜角β’を適用するようにしてもよい。
50°<β’<70°
より好ましくは、
β’=60°
に設定されていてもよい。また、このように、双方の係合部材242、243に傾斜角βを適用する場合の他、各係合部材242、243のいずれか一方に傾斜角βを適用し、各係合部材242、243のいずれか他方に傾斜角β’を適用するようにしてもよい。
〔第13の変形例〕
前記第2の変形例では、図24ないし図26に示したように、凸部(第1の係合部)232および係合部材(第2の係合部)242のそれぞれの傾斜面の傾斜角が前記第1の実施例の図10と同様の場合を示したが、これらの傾斜面の傾斜角は図13と同様でもよい。この場合においても、前記第2の変形例では、マグネットシートを対向配置したことで各マグネットシート(付勢手段)間に作用する磁気による反発力(付勢力)によって、押しボタン20を引っ張る側つまり復帰操作方向に付勢することができ、これにより、押しボタン20の復帰操作時に当該復帰操作をアシストして復帰操作速度を増加させることができる。
前記第2の変形例では、図24ないし図26に示したように、凸部(第1の係合部)232および係合部材(第2の係合部)242のそれぞれの傾斜面の傾斜角が前記第1の実施例の図10と同様の場合を示したが、これらの傾斜面の傾斜角は図13と同様でもよい。この場合においても、前記第2の変形例では、マグネットシートを対向配置したことで各マグネットシート(付勢手段)間に作用する磁気による反発力(付勢力)によって、押しボタン20を引っ張る側つまり復帰操作方向に付勢することができ、これにより、押しボタン20の復帰操作時に当該復帰操作をアシストして復帰操作速度を増加させることができる。
〔第14の変形例〕
前記第2の変形例では、同じ極性のマグネットシートを対向配置することにより、対向する各マグネットシート間に反発力(斥力)を作用させるようにした例を示したが、本発明の適用はこれに限定されない。
前記第2の変形例では、同じ極性のマグネットシートを対向配置することにより、対向する各マグネットシート間に反発力(斥力)を作用させるようにした例を示したが、本発明の適用はこれに限定されない。
たとえば収容ケース30に取り付けられるマグネットシート53として、マグネットシート52と異なる極性を有するものを用いるとともに、当該マグネットシート53を図24中のマグネットシート52の図示上方に所定の間隔を隔てて配置するようにしてもよい。この場合には、押しボタン20の復帰操作時には、押しボタン20とともに移動するマグネットシート52がマグネットシート53に接近するにつれて、両マグネットシート52、53間に磁力による吸引力(引力)が作用するので、押しボタン20を引っ張る側つまり復帰操作方向に付勢することができ、これにより、押しボタン20の復帰操作時に当該復帰操作をアシストすることができる。
〔その他の変形例〕
上述した各実施例および各変形例はあらゆる点で本発明の単なる例示としてのみみなされるべきものであって、限定的なものではない。本発明が関連する分野の当業者は、本明細書中に明示の記載はなくても、上述の教示内容を考慮するとき、本発明の精神および本質的な特徴部分から外れることなく、本発明の原理を採用する種々の変形例やその他の実施例を構築し得る。
上述した各実施例および各変形例はあらゆる点で本発明の単なる例示としてのみみなされるべきものであって、限定的なものではない。本発明が関連する分野の当業者は、本明細書中に明示の記載はなくても、上述の教示内容を考慮するとき、本発明の精神および本質的な特徴部分から外れることなく、本発明の原理を採用する種々の変形例やその他の実施例を構築し得る。
〔適用例およびその他の適用例〕
本発明に係る押しボタンスイッチの好ましい適用例は、非常停止スイッチであるが、本発明の適用は、非常停止スイッチに限定されず、その他の押しボタンスイッチにも適用可能である。
本発明に係る押しボタンスイッチの好ましい適用例は、非常停止スイッチであるが、本発明の適用は、非常停止スイッチに限定されず、その他の押しボタンスイッチにも適用可能である。
本発明は、押しボタンスイッチに有用であり、とくに、接点の不一致の発生を防止するための押しボタンスイッチに適している。
1: 押しボタンスイッチ
20: 押しボタン
21: 保持ケース(ケース)
22A: 軸部
22P: 延設部(仕切り部材)
22s: シール部材
22V2: 係合溝
231、232: 凸部(第1の係合部)
231’、232’: 突条部(凸部/第1の係合部)
231a、232a、231b、232b、231’a、232’a: 傾斜面(係合面)
241、242、241’、242’: 係合部材(第2の係合部)
241a、242a: 第2の傾斜面(係合面/復帰速度増加手段)
241b、242b: 第1の傾斜面(係合面)
261、262: ばね(付勢部材)
27: 開離付勢ばね(開離付勢手段)
28a: 傾斜面(復帰速度増加手段)
50、51: マグネットシート(復帰速度増加手段)
52、53: マグネットシート(復帰速度増加手段)
6: チャンバ
60、60A、60B: 隔室
60d: 凹状部
C1: 第1の接点対
C2: 第2の接点対
F1、F2: 荷重
F1sinβ、F2sinβ: 復帰操作分力
F1cosβ、F2cosβ: 直交分力
20: 押しボタン
21: 保持ケース(ケース)
22A: 軸部
22P: 延設部(仕切り部材)
22s: シール部材
22V2: 係合溝
231、232: 凸部(第1の係合部)
231’、232’: 突条部(凸部/第1の係合部)
231a、232a、231b、232b、231’a、232’a: 傾斜面(係合面)
241、242、241’、242’: 係合部材(第2の係合部)
241a、242a: 第2の傾斜面(係合面/復帰速度増加手段)
241b、242b: 第1の傾斜面(係合面)
261、262: ばね(付勢部材)
27: 開離付勢ばね(開離付勢手段)
28a: 傾斜面(復帰速度増加手段)
50、51: マグネットシート(復帰速度増加手段)
52、53: マグネットシート(復帰速度増加手段)
6: チャンバ
60、60A、60B: 隔室
60d: 凹状部
C1: 第1の接点対
C2: 第2の接点対
F1、F2: 荷重
F1sinβ、F2sinβ: 復帰操作分力
F1cosβ、F2cosβ: 直交分力
Claims (11)
- 押しボタンスイッチであって、
押込み操作可能かつ復帰操作可能な押しボタンと、
前記押しボタンの押込み操作によりそれぞれ開離状態に移行し、かつ前記押しボタンの復帰操作によりそれぞれ接触状態に移行する第1および第2の接点対と、
前記押しボタンの復帰操作時に前記押しボタンに対して負荷を与えて当該負荷を解放させるとともに、前記押しボタンの復帰操作方向への復帰速度を増加させるように作用する復帰速度増加手段と、
を備えた押しボタンスイッチ。 - 請求項1において、
前記復帰速度増加手段が、前記押しボタンの側に設けられ、前記押しボタンとともに移動する第1の係合部と、前記押しボタンを保持するケースの側に設けられ、前記第1の係合部が係脱可能に係合し得る第2の係合部とを有し、前記第1、第2の係合部のうちの少なくとも一方の係合部の係合面が、前記押しボタンの復帰操作時に前記第1の係合部から前記第2の係合部に作用する荷重が徐々に大きくなるとともに、前記荷重を復帰操作方向およびこれと直交する方向に分解したとき、復帰操作方向の復帰操作分力がこれと直交する方向の直交分力より大きくなるように設定されている、
ことを特徴とする押しボタンスイッチ。 - 請求項1において、
前記復帰速度増加手段が、前記押しボタンの側に設けられ、前記押しボタンとともに移動する少なくとも2つの第1の係合部と、前記押しボタンを保持するケースの側に設けられ、前記押しボタンの復帰操作時に前記第1の係合部がそれぞれ係脱可能に係合し得る少なくとも2つの第2の係合部とを有している、
ことを特徴とする押しボタンスイッチ。 - 請求項1において、
前記復帰速度増加手段が、前記押しボタンの側に設けられ、前記押しボタンとともに移動する第1の係合部と、前記押しボタンを保持するケースの側に設けられ、前記第1の係合部が係脱可能に係合し得る第2の係合部と、前記押しボタンを復帰操作方向に付勢する付勢手段とを有している、
ことを特徴とする押しボタンスイッチ。 - 請求項1において、
前記復帰速度増加手段が、前記押しボタンの側に設けられ、前記押しボタンとともに移動する第1の係合部と、前記押しボタンを保持するケースの側に設けられ、前記第1の係合部が係脱可能に係合し得る第2の係合部と、前記ケースの側に設けられたチャンバと、前記押しボタンとともに移動するように設けられ、前記チャンバを2つの隔室に仕切るとともに、前記押しボタンの復帰操作時に内圧が高まった一方の隔室から他方の隔室へのエアの移動を許容する仕切り部材とを有している、
ことを特徴とする押しボタンスイッチ。 - 請求項2において、
前記第1の係合部が、前記押しボタンの軸部の軸方向に沿って離間配置された一対の傾斜面からなる凸部から構成され、前記第2の係合部が、前記凸部の前記各傾斜面にそれぞれ係合し得る第1、第2の傾斜面を有し、前記押しボタンの前記凸部に対して接近・離反可能に設けられた係合部材から構成されるとともに、前記係合部材を前記押しボタンの前記凸部の側に付勢する付勢部材が設けられている、
ことを特徴とする押しボタンスイッチ。 - 請求項6において、
前記押しボタンの前記凸部の前記各傾斜面の一方は、押込み操作時に前記係合部材の前記第1の傾斜面と係合し、前記押しボタンの前記凸部の前記各傾斜面の他方は、復帰操作時に前記係合部材の前記第2の傾斜面と係合している、
ことを特徴とする押しボタンスイッチ。 - 請求項1において、
前記第1の接点対が、前記押しボタンの軸部を挟んで一方の側に配置され、前記第2の接点対が前記押しボタンの軸部を挟んで他方の側に配置されている、
ことを特徴とする押しボタンスイッチ。 - 請求項1において、
前記第1および第2の接点対をそれぞれ開離方向に付勢する開離付勢手段をさらに備えた、
ことを特徴とする押しボタンスイッチ。 - 請求項9において、
前記開離付勢手段が、前記押しボタンの押込み操作の際に操作者による押込み操作をアシストし、かつ前記押しボタンの復帰操作の際に操作者による復帰操作に抗している、
ことを特徴とする押しボタンスイッチ。 - 請求項1において、
当該押しボタンスイッチが非常停止スイッチである、
ことを特徴とする押しボタンスイッチ。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
TW112109158A TW202343496A (zh) | 2022-04-11 | 2023-03-13 | 按鈕開關 |
PCT/JP2023/010871 WO2023199701A1 (ja) | 2022-04-11 | 2023-03-20 | 押しボタンスイッチ |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022065439 | 2022-04-11 | ||
JP2022065439 | 2022-04-11 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2023155884A true JP2023155884A (ja) | 2023-10-23 |
Family
ID=88417776
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2023012582A Pending JP2023155884A (ja) | 2022-04-11 | 2023-01-31 | 押しボタンスイッチ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2023155884A (ja) |
-
2023
- 2023-01-31 JP JP2023012582A patent/JP2023155884A/ja active Pending
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