(第1実施形態)
この発明における押ボタンスイッチを非常停止用に適用した場合の第1実施形態について図1及び図2を参照して説明する。但し、図1及び図2はそれぞれ押ボタンの押し込み前後における断面図である。
図1,2に示すように、この種の非常停止用押ボタンスイッチ1は、スイッチケース3と押ボタン5とを備えている。
スイッチケース3は、いずれも樹脂製の接点収容部7とボタン収容部9とを備え、例えばボタン収容部9が図示しない制御パネル等に着脱自在に取り付けられ、接点収容部7が裏面側からボタン収容部9に接合されるようになっている。ここで、接点収容部7とボタン収容部9とは一体的に構成されていても構わない。
接点収容部7は断面凹字状を成し、この接点収容部7の内側ほぼ中央部には、接点収容部7の内部を上下に仕切る仕切板11が一体に形成され、この仕切板11の中央には透孔13が透設されている。
更に、L字状を成す一対の導電部材15の水平部分が仕切板11の下面に沿って配設され、両導電部材15の垂直部分の下端部が接点収容部7の底面を貫通して外部に導出されている。そして、両導電部材15の水平部分の先端下面にはそれぞれ第1の接点17が固着され、接点収容部7の内部であって導電部材15の水平部分下方には導電板19が配設され、この導電板19の両端上面に両第1の接点17に接離自在に第2の接点21が固着されている。
ところで、接点収容部7内には、開閉部であるほぼ柱状の連動体23が上下動自在に配設され、この連動体23の上部が透孔13に遊挿されて仕切板11の上方に導出され、連動体23の下端部は、接点収容部7の底面に透設された透孔25を介して接点収容部7の下方へ突出するようになっている。但し、連動体23の下端部は接点収容部7の下方へ突出する構成でなくてもよく、接点収容部7内で上下動できる構成であっても構わない。
このとき、連動体23の下端には係合突起27が一体的に形成される一方、接点収容部7の底面であって透孔25の周縁の一部には、接点収容部7の内方つまり上方に向かって立設するL字状の係合部29が一体的に形成され、開離付勢手段としてのばね31の両端が、接点収容部7の係合部29の上端と連動体23の係合突起27とに係止され、このばね31により連動体23が下方に付勢されている。尚、係合部29はL字状に限定されるものではない。
更に、連動体23のほぼ中央部には、導電板19の厚みより若干大なる溝幅の水平方向への凹状溝33が形成され、この凹状溝33に導電板19が嵌挿されて連動体23と一緒に導電板19が上下に移動するようになっており、連動体23及び導電板19を介して、上記したばね31の付勢力より第1の接点17に接触している第2の接点21が非接触となる開離方向(ここでは、下方)に付勢されているのである。
ボタン収容部9はほぼ円筒状を有し、その下端部が接点収容部7の上端部内側に挿入されて接合されている。このボタン収容部9の中央部やや下寄りの内周には、所定間隔を隔てて中心軸方向に向かって開口した凹状部35が形成され、この凹状部35には移動部材37が中心軸方向に移動自在に配設され、中心付勢手段であるばね39により各移動部材37が中心軸方向に付勢されており、これらの移動部材37の上端部及び下端部には、それぞれ斜め下向き及び斜め上向きの傾斜面41,43が形成されている。尚、本実施形態では移動部材37を2個設けた場合を例示しているが1個或いは3個以上であってもよく、その個数は限定されるものではない。
また、ボタン収容部9の内側には本発明における操作部である円筒体45が上下に移動自在に収容され、この円筒体45の下端には水平方向への延出片47が一体に形成され、連動体23の上端に形成された凹状の係止溝49にこの延出片47の先端が嵌挿して係止し、これによって円筒体45と連動体23が一緒に上下に移動する。ここで、延出片47及び係止溝49により、本発明における連結部が構成されている。
そして、円筒体45の外周下端部には外側フランジ51が一体に形成され、外側フランジ51の上方位置においてボタン収容部9に内側フランジ53が一体に形成され、ボタン付勢手段としてのばね55が円筒体45の外周に巻回されると共に、両フランジ51,53にばね55の両端が配設され、このばね55の付勢力により外側フランジ51を介して円筒体45が下方、つまり押ボタン5の押込方向に付勢されている。
更に、円筒体45の外周下端部の各移動部材37それぞれにほぼ対向する位置には、突起57が形成され、各突起57の下面及び上面に、それぞれ斜め上向き及び斜め下向きの傾斜面59,61が形成され、各移動部材37の上、下の傾斜面41,43それぞれに、各突起57の下、上の傾斜面59,61それぞれが摺接するようになっている。ここで、各移動部材37、各ばね39及び各突起57により、本発明における保持手段が構成されている。
そして、押ボタン5の円筒状を成す軸部63が円筒体45の上端に配設され、ボタン収容部9の上端部内周に沿って円筒体45と一緒に軸部63が上下するようになっている。そして、押ボタン5を押込操作することにより、係止フランジ65を介して円筒体45がボタン収容部9内を下方に押し込まれる。尚、軸部63と円筒体45とは、ねじ構造により接合されていてもよい。また、押ボタン5の操作に若干の遊びを持たせて誤操作防止をしたり、いわゆるなぞり操作を可能にするために、軸部63の下端面と係止フランジ65の上面との間にばねを介挿した構造であってもよい。
ところで、押ボタン5を押込操作していない状態では、ばね55は圧縮されて大きなエネルギを保持した状態にあり、円筒体45に対してばね55の下方への付勢力が強く作用し、押ボタン5が円筒体45と共に押込方向である下方に付勢された状態にあるが、各移動部材37の上傾斜面41に各突起57の下傾斜面59が当接し、この当接により円筒体45の下方への移動が規制されるため、押ボタン5が円筒体45と共に非押込状態に保持される。
尚、この非押込状態では、図1に示すように、連動体23は上動している状態に保持されるため、第1、第2の接点17,21は接触状態に保持されている。
このような非押込状態から押ボタン5が押込操作されると、この押込操作に円筒体45が下動し、これにより円筒体45の各突起57の下傾斜面59が各移動部材37の上傾斜面41に摺接し、円筒体45の下動に伴って各移動部材37がばね39の付勢力に抗して両凹状部35内に押し込まれるため、円筒体45の各突起57の下傾斜面59が各移動部材37の上傾斜面41を乗り越えるようにして円筒体45が押ボタン5と共に更に下動する。
そして、円筒体45の下動に連動して連動体23が下動し、それまで接触していた第1、第2の接点17,21が強制的に開離され、やがて図2に示すように、各突起57が各移動部材37を完全に乗り越えてしまうと、各突起57の上傾斜面61が各移動部材37の下傾斜面43の下方に位置する状態となり、ばね55により、押ボタン5が円筒体45と共に押込状態に維持され、第1、第2の接点17,21が開離したままとなる。ここで、ばね55は圧縮されて大きなエネルギを保った状態から解放されてエネルギの小さな状態になる。円筒体45の各突起47の上傾斜面61と移動部材37の下傾斜面43は、押ボタン5の上方への遊びを防止する役目を有している。
こうして、第1、第2の接点17,21が開離したままとなることで、外部装置である工作機械等の回路を開路することができるのである。
このとき、押ボタン5の押込操作に伴う円筒体45の下動初期には、それまで圧縮されて大きなエネルギを保っていた開離付勢手段であるばね31が、圧縮状態から解放されるため、連動体23、円筒体45及び第2の接点21が開離方向である下方に付勢される。このとき、ばね55の付勢力が同時に作用して連動体23、円筒体45及び第2の接点21が開離方向である下方に付勢される。
そして、押ボタン5を完全に押し込んで円筒体45の下動が完了すれば、ばね31,55は圧縮状態から解放されてそのエネルギが小さくなるため、連動体23、円筒体45及び第2の接点21に対するばね31,55の付勢力は小さい状態となる。
尚、この押込状態を解除するには、例えば押ボタン5をスイッチケース3から引き抜く方向に少し引っ張り、または、押ボタン5を回転することにより円筒体45を引き上げ、これにより押込時とは逆に、円筒体45の各突起57の上傾斜面61が各移動部材37の下傾斜面43に摺接しつつ円筒体45が押ボタン5と共に上動し、各移動部材37がばね39の付勢力に抗して凹状部35内に押し込まれ、やがて各突起57が各移動部材37を完全に乗り越えるまで上動すると、各移動部材37がばね39の付勢により凹状部35から押し出され、円筒体45の各突起57の下傾斜面59が各移動部材37の上傾斜面41に摺接しつつ円筒体45が押ボタン5と共に更に上動し、押ボタン5が元の非押込状態に復帰される。
また、押ボタン5の押込時に、移動部材37を円筒状にし、この円筒状の移動部材37の内周に傾斜面を有する内側突起を設けると共に、この内側突起をねじりコイルばねで円周方向に付勢しておき、円筒体45の外側に設けた外側突起を、押ボタン5の押し込みにより、移動部材37側の内側突起の傾斜面に摺接させて円筒状移動部材37をねじりコイルばねに抗して回転させ、これによりボタン5の押込操作を許容するようにしてもよい。更に、内周がカム面を成す凹部と、この凹部の内周に摺接する凸部との組み合わせにより、押ボタン5を元の非押込状態に容易に戻すために押ボタン5を回転させる際のガイドとしても構わない。
以上のような構成において、開離付勢手段であるばね31の付勢力により、接触状態の第1、第2接点17,21が非接触となる開離方向に付勢され、押ボタン5の押込操作後におけるばね31による付勢力が押込操作前よりも小さくなるように設定されているため、押ボタンスイッチ1のいずれかの部分が破損するといった異常が発生して第1、第2の接点17,21が接触状態に戻ろうとしても、押ボタン5の押込操作前におけるばね31の大きな付勢力が作用することとなり、その結果第1、第2の接点17,21が接触状態に戻ることはなく、外部装置の通電回路を開路したままとなる。また、接点収容部7がボタン収容部9から外れた場合でも、上記と同様に、ばね31の付勢力により第1、第2の接点17,21が接触状態に戻ることはない。
従って、第1実施形態によれば、ばね31を設けるのみで、押ボタンスイッチ1のいずれかの部分が破損するなどの異常が生じて第1、第2の接点17,21が接触状態に戻ろうとしたときに、押ボタン5の押込操作前におけるばね31の大きな付勢力の作用により、第1、第2の接点17,21が接触状態に戻るのを防止することができ、外部装置の通電回路を開路したままに保持しておくことができる。
また、各移動部材37、ばね39及び各突起57により、押ボタン5の非操作時には押ボタン5がばね55の付勢力に抗して非押込状態に保持され、押ボタン5の押込操作時にはばね55の付勢力により押ボタン5の押込状態への移行が許容されるため、押ボタンスイッチ1のいずれかの部分が破損しても、押ボタン5が非操作状態に戻ることを防止でき、第1、第2の接点17,21の接触状態への復帰をより確実に防止することができる。
更に、保持手段としての各移動部材37、各ばね39及び各突起57により、押ボタン5を非押込状態に保持し、押ボタン5の押込状態への移行を許容するため、押ボタン5の押込操作により、連動体23、円筒体45及び第2の接点21に対するばね31,55の付勢力が押込操作前よりも小さい状態で、第1、第2の接点17,21が開離したままとすることができる。
また、延出片47及び係止溝49により、円筒体45及び連動体23を連結しているため、円筒体45及び連動体23を簡単に分離することができ、押ボタンスイッチ1のメンテナンス作業を容易に行うことができる。
なお、第1実施形態の変形例として、連動体23に形成する凹状溝33の溝幅を導電板19の厚みよりもかなり大きくし、凹状溝33の内下面と導電板19の下面との間にばねを介挿し、このばねにより導電板19を上方に付勢して、接触状態にある第1、第2の接点17,21を最適な接圧で接触するようにしても構わない。
また、第1、第2の接点17,21は、いわゆるタクトスイッチタイプを構成していてもよい。具体的には、ラバー部材を介して第1の接点17を両導電部材15に取り付け、このラバー部材の可撓性により、第1、第2の接点17,21の最適な接圧を得るように構成するのが好ましい。
一方、ラバー部材を介して第2の接点21を導電板19に取り付け、ばね31に代えてこのラバー部材を開離付勢手段として使用し、その弾性力を利用して第2の接点21に対して非接触となる開離方向(図1,2では下方)への付勢力を与えるようにしてもよい。ここで、ラバー部材の弾性力が不足する場合には、ばねや磁石を併用して第2の接点21に対する開離方向への付勢力を与えるようにしてもよい。
更に、連動体23の上半部に空間を形成し、開離付勢手段としてのばね31をこの空間内に収容し、スイッチケース3側に固着した作動片によりこのばね31の付勢力を連動体23に対して開離方向である下方に与えるようにしてもよい。
このとき、ばねに代えて一対の磁石の反発力を利用してこのような開離付勢手段としての付勢力を連動体23に与えるようにしてもよい。
また、第1実施形態のその他の変形例として、保持手段を構成する各移動部材37、各ばね39及び各突起57を、ボタン付勢手段であるばね55よりも上位に配設してもよく、ばね55の付勢力に代えて磁石の反発力を利用してもよい。
更に、各移動部材37及び各ばね39に相当する弾性部材をスイッチケース3のボタン収容部9側に設けても構わない。
また、各移動部材37に相当する移動部材を180゜対向する位置に一対設け、両移動部材の両端それぞれを一対のばねより接合し、これら両ばねのばね力により両移動部材間に連動体23を挟持するようにし、連動体23の下動時に突起57により両移動部材を押し広げるような構成としてもよい。
更に、各移動部材37に相当する移動部材を180゜対向する位置に一対設け、両移動部材に外側からばね性を有するC−リングやリング状ゴムを装着し、C−リングやリング状ゴムのばね力により両移動部材間に連動体23を挟持するようにし、連動体23の下動時に突起57により両移動部材を押し広げるような構成としても構わない。
また、円筒体45と連動体23との連結は、延出片47及び係止溝49によるもの以外に、磁力を利用して連結したり、E−リングと称される補強部材を用いて着脱自在に連結するようにしてもよい。
(第2実施形態)
この発明の第2実施形態について図3及び図4を参照して説明する。但し、図3及び図4はそれぞれ押ボタンの押し込み前後における接点周辺部分の断面図である。尚、本実施形態における押ボタンスイッチの基本的な構成は上記した第1実施形態とほぼ同じであるため、以下では図1,2も参照しつつ、主として第1実施形態と相違する点について説明する。
図3,4に示すように、本実施形態における押ボタンスイッチ1は、いわゆるスナップアクションタイプであり、スイッチケース3の接点収容部7内には、開閉部であるほぼ柱状の連動体71が上下動自在に配設され、この連動体71の上部が透孔13に遊挿されて仕切板11の上方に導出され、連動体71の下端部は、接点収容部7の底面ほぼ中央に当接された透孔25を介して接点収容部7の下方へ突出するようになっている。
このとき、連動体71の下端部に一体に形成された突起73と仕切板11の下面とにその両端がそれぞれ係止されて開離付勢手段としてのばね75が配設され、このばね75により連動体71が開離方向である下方に付勢されている。尚、連動体71の上端には、上記した円筒体45の延出片47の先端が嵌挿して係止する凹状の係止溝77が形成され、これによって円筒体45と連動体71が一体となって上下に移動する。この係止溝77及び延出片47により、本発明における連結部が構成される。
そして、図3,4に示すように、L字状を成す導電部材79の水平部分が仕切板11の下面に沿って配設され、この導電部材79の垂直部分の下端部が接点収容部7の底面を貫通して外部に導出され、導電部材79の水平部分の先端下面には第1の接点に相当する常閉接点81が固着されている。
また、L字状を成すもう一つの導電部材83が、接点収容部7の底面に貫設されて下端部が外部に導出され、接点収容部7内における導電部材83の水平部分が接点収容部7の底面に沿って配設され、導電部材83の水平部分の先端上面に常開接点85が固着されている。
更に、接点収容部7の底面であって導電部材83と透孔25との間には支持部材87が貫設され、接点収容部7内部の支持部材87の先端には、作動体89の左端部及び可動体91の右端部が回転自在に支持され、可動体91の右端部の上下面には第2の接点に相当する可動接点93が固着され、作動体89の右端部及び下動体91の左端部には、作動付勢手段としてのばね95の両端がそれぞれ係止され、このばね95の付勢力により、作動体89の右端部及び可動体91の左端部が共に上方(本発明における一方向に相当)に付勢され、作動体89の右端部は、連動体71に形成された突起99の下面に当接している。
そして、図3に示すように、押ボタン5の押込操作により連動体71が下動すると、作動体89の右端部が下方に押されて作動体89がばね95の付勢力に抗して回転する。
やがて、押ボタン5を押し込みに伴う作動体89の右端部の回転量が、ばね95の付勢力による作動体89及び可動体91への付勢方向をそれまでの上方から下方に反転するデッドポイントに達すると、図4に示すように、可動接点93が常閉接点81との接触状態から常開接点85との接触状態に切り換わり、常閉接点81、可動接点93が開離したままとなる。尚、この押ボタン5の非押込状態への復帰は、第1実施形態と同様に行えばよい。
従って、第2実施形態によれば、第1実施形態と同様に、押ボタン5を押込操作すると、押ボタン5の押込操作に伴って連動体71が移動し、この連動体71の移動により作動体89の右端部が回転し、ばね95に抗した作動体89の右端部の回転量が、ばね95の付勢力による可動体89への付勢方向を上方から下方に切り換えるデッドポイントに達した後は、可動接点93を常閉接点81に接触した状態から常開接点85に接触した状態にして、押ボタンスイッチ1のいずれかの部分が破損しても、常閉接点81及び可動接点93の接触状態への戻りを防止することが可能なスナップアクションタイプのスイッチを得ることができる。
なお、第2実施形態の変形例として、図3,4では作動体89の右端部及び可動体91の左端部が共に上方に付勢されて上向きの“く”字状を形成するようにばね95を配設した場合について説明したが、作動体89及び可動体91が下向きの“く”字状を形成するようにばね95を配設してもよい。
また、第2実施形態において、ばね75に代えて、第1実施形態におけるばね31と同様にばねを設けてもよく、逆に第1実施形態において、ばね31に代えて、第2実施形態におけるばね75と同様にばねを設けてもよい。
(第3実施形態)
この発明の第3実施形態について図5を参照して説明する。但し、本実施形態における押ボタンスイッチの基本的な構成は上記した第1実施形態とほぼ同じであるため、以下では図1ないし図4も参照しつつ、主として第1実施形態と相違する点について説明する。
図5に示すように、本実施形態における押ボタンスイッチ1は、近接スイッチなどの非接触型の接点構造を有するタイプであり、連動体23に被検知部としてのマグネット101を取り付けると共に、スイッチケース3の接点収容部7内にマグネット101の磁気を検知してオンする検知部としてのリードスイッチ103を配設し、リードスイッチ103の両端を接点収容部7の底面から外部に導出して図示しない外部装置である工作機械等の通電回路に接続する。
このとき、押ボタン5を押し込んでいない状態では、リードスイッチ103がマグネット101に近接してオン状態になり、押ボタン5を押し込むと、リードスイッチ103がマグネット101から開離してオフ状態になるようにリードスイッチ103及びマグネット101の位置関係を設定しておく。尚、連動体23がばね31により開離方向である下方に付勢されているのは第2実施形態と同様である。尚、検知部は、磁気素子やホール素子であってもよい。
従って、第3実施形態によれば、第1実施形態と同様、押ボタンスイッチ1のいずれかの部分が破損しても、リードスイッチ103及びマグネット101が近接状態に戻るのを防止することができる。
なお、検知部であるリードスイッチ103を連動体23に取り付け、被検知部であるマグネット101を接点収容部7内に固定しておき、連動体23の移動に伴うリードスイッチ103の移動によって、リードスイッチ103がオン、オフするようにしても構わない。但し、この場合には、リードスイッチ103の移動により外部装置の通電回路との接続不良が発生しない対策をとっておくのが望ましい。
(第4実施形態)
この発明の第4実施形態について図6及び図7を参照して説明する。但し、図6及び図7はそれぞれ押ボタンの押し込み前後における押ボタン部分の断面図である。尚、本実施形態における押ボタンスイッチの基本的な構成は上記した第1実施形態とほぼ同じであるため、以下では図1ないし図4も参照しつつ、主として第1実施形態と相違する点について説明する。
本実施形態における押ボタンスイッチ1では、押ボタン5をスイッチケース3に対して押込可能に収容する構造が第1実施形態と相違している。より詳細には、図6に示すように、スイッチケース3のボタン収容部9の上端部内周における180゜の対向位置に一対の凹部105を形成し、これら両凹部105内に反転付勢手段としてのばね107を介して摺動体109をそれぞれ収容すると共に、押ボタン5及び円筒部45を一体化した構造にし、一対の連結体111の両端を押ボタン5と両摺動体109とにそれぞれ回転自在に枢支する。尚、両摺動体109及び両連結体111が、本発明における支持手段に相当する。
このとき、押ボタン5の下端は連動体23の上端部に連結しておき、この連結状態で、図6に示すように、両ばね107の付勢力が両摺動体109及び両連結体111を介して押ボタン5に対して非押込方向である上方への押上力として作用するように設定しておき、押ボタン5を非押込状態に保持する。
一方、押ボタン5の押込操作時には、押ボタン5の押し込みに伴う下動によって、両連結体111それぞれにより両ばね107に抗して両摺動体109を両凹部105内にそれぞれ押し込み、やがて図7に示すように、押ボタン5の押し込みが完了すると、両ばね107の付勢力が両摺動体109及び両連結体111を介して押ボタン5に対して押込方向である下方への押込力として作用し、このときのばね107の付勢力によって押ボタン5が押込状態に保持され、第1、第2の接点17,21が開離したままとなる。このとき、特に非押込状態における付勢力は押込状態よりも大きくて押ボタン5を非押込状態に保持できるように、各ばね107の付勢力を設定しておくのが望ましい。本実施形態では、凹部105、ばね107、摺動体109、連結体111をそれぞれ2個として説明したが、これらは1個或いは3個以上であってもよく、その個数は限定されるものではない。
従って、第4実施形態によれば、上記した第1実施形態と同等の効果を得ることができるのは勿論のこと、支持手段としての摺動体109及び連結体111、並びに、反転付勢手段としてのばね107の組み合わせによって、押ボタン5の非操作時には押ボタン5を非押込状態に保持し、押ボタン5の押込操作時には押ボタン5を押込状態に保持することができる。
なお、第4実施形態の変形例として、支持手段として上下面が異なる磁極に着磁されたリング状の磁石を押ボタン5の外周に埋設すると共に、反転付勢手段として上下面が異なる磁極に着磁されたリング状の磁石をボタン収容部9の上端部内周に埋設し、押ボタン5側の磁石の下面側の磁極と、ボタン収容部9側の上面側の磁極とが同じになり、かつ、押ボタン5の非押込状態時に押ボタン5側の磁石がボタン収容部9側の磁石よりも上位に位置するように配設し、これら磁石の磁気的な反発力を利用して押ボタン5を非押込状態に保持するようにしても構わない。
(第5実施形態)
この発明の第5実施形態について図8及び図9を参照して説明する。但し、図8は一部の断面図、図9は異なる一部の概略図である。尚、本実施形態における押ボタンスイッチの基本的な構成は上記した第1実施形態とほぼ同じであるため、以下では図1ないし図4も参照しつつ、主として第1実施形態と相違する点について説明する。
本実施形態における押ボタンスイッチ1では、押ボタン5をスイッチケース3に対して押込可能に収容する構造が第1実施形態と相違している。より詳細には、第1実施形態で用いた各移動部材37、各ばね39及び各突起57から成る保持手段に代えて、図8及び図9に示すように、円筒体45を介して押ボタン5を押込方向に付勢するばね55の上位であって係止フランジ65よりも下位位置における円筒体45の上端部外周の複数箇所に、上下方向の2条ずつのスリット113を形成し、両スリット113間に外方に向かって山状に突出した弾性を有する複数の突部115を、樹脂成型により円筒体45に一体形成し、ボタン収容部9に形成された内側フランジ53の先端の上下面に、各突部115が摺接する傾斜面117,119を形成している。
ここで、各突部115は、自身の弾性力によって突部115自身を外方に付勢するものであるため、各突部115が本発明における移動部材及び保持手段、並びに、外方付勢手段に相当する。
そして、押ボタン5の非押込状態では、各突部115の下面側が内側フランジ53の先端上面に当接し、各突部115のばね力により、ばね55に抗して押ボタン5の非押込状態に保持できるように、各突部115及びばね55のばね力を設定しておく。
一方、押ボタン5の押込操作すれば、各突部115が自身のばね力に抗して内側に押し込まれながら、各突部115が内側フランジ53の先端上面の傾斜面117を摺接し、やがて各突部115が内側フランジ53の先端を乗り越え、押ボタン5の押し込みが完了すると、各突部115の上面側が内側フランジ53の先端下面の傾斜面119の下方に位置し、第1、第2の接点17,21が開離したままとなる。尚、ここでは突部115を複数として説明したが、その個数は限定されるものではない。
従って、第5実施形態によれば、上記した第1実施形態と同等の効果を得ることができるのは勿論のこと、各突部115の外方への付勢により、押ボタン5の非操作時には突部115が外方に向かって移動してボタン収容部9の内側フランジ53の先端上面の傾斜面117に係止するため、これにより押ボタン5をばね55に抗して非押込状態に保持することができる。
一方、押ボタン5の押込操作時には、各突部115が自身の弾性力に抗して中心軸方向に移動するため、押ボタン5の押込状態への移行を許容することができる。
なお、第5実施形態の変形例として、各突部115に代えて、円筒体45の上端部外周に出没自在に移動部材を複数設け、これら各移動部材をばね等の外方付勢手段により外方に付勢するようにしてもよい。
(第6実施形態)
この発明の第6実施形態について一部の断面を表わす図10を参照して説明する。但し、本実施形態における押ボタンスイッチの基本的な構成は上記した第1実施形態とほぼ同じであるため、以下では図1ないし図4も参照しつつ、主として第1実施形態と相違する点について説明する。
本実施形態における押ボタンスイッチ1では、押ボタン5をスイッチケース3に対して押込可能に収容する構造が第1実施形態と相違している。より詳細には、第1実施形態で用いた各移動部材37、各ばね39及び各突起57から成る保持手段に代えて、図10に示すように、押ボタン5の軸部63の内側に、中心付勢手段であるねじりコイルばね121により外方に向かって回動自在に一対の移動部材123が配設され、両移動部材123の上面には斜め下向きの傾斜面125が形成されると共に、押ボタン5の軸部63の下端部内周に一対の突起127が形成され、押ボタン5の非押込時に、これら両突起127の下面に形成された斜め上向きの傾斜面129に両移動部材123の傾斜面125が摺接するようになっている。
このとき、ねじりコイルばね121の中央の支点部は、例えばスイッチケース3の内側に設けられて押ボタン5の軸部63内に導入された係合部に係合され、これにより押ボタン5の押込動作に対して、両移動部材123はスイッチケース3と同様の相対動作をする。尚、ねじりコイルばね121及び両移動部材123両突起127により、本発明における保持手段が構成されている。
そして、押ボタン5の非押込状態では、図10(a)に示すように、両突起127の傾斜面129に両移動部材123の傾斜面125が当接し、ばね121の付勢力によって両移動部材123が外方へ押し広げられるように付勢されることにより、両移動部材123が両突起127に係止して押ボタン5が非押込状態に保持される。
この状態から、押ボタン5が押込操作されると、図10(b)に示すように、両突起127の傾斜面129に両移動部材123の傾斜面125が摺接し、両移動部材123がばね121の付勢力に抗して互いに接近する方向に押し縮められ、押ボタン5が次第に下動していき、やがて両突起127が両移動部材123を乗り越えると、図10(c)に示すように、両移動部材123に対してばね121による外方へ押し広げる付勢力が作用して、両移動部材123が互いに離れる方向に押し広げられ、両移動部材123の下面が両突起127の上面の上方にそれぞれ位置した状態となり、第1、第2の接点17,21が開離したままとなる。尚、押ボタン5を非押込状態に復帰するには、押ボタン5を回転して両移動部材123を両突起127それぞれの上方位置からずらしてから引っ張るか、或いは、両移動部材123の下面及び両突起127の上面にそれぞれ摺接可能な傾斜面を形成し、これらの傾斜面を摺接させつつ押ボタン5を引っ張るか、または、回転動作を用いて引っ張ればよい。ここでは、移動部材123、突起127をそれぞれ2個として説明したが、これらは1個或いは3個以上であってもよく、その個数は限定されるものではない。
従って、第6実施形態によれば、上記した第1実施形態と同等の効果を得ることができるのは勿論のこと、ねじりコイルばね121による両移動部材123の外方への付勢により、押ボタン5の非操作時には両移動部材123が外方へ押し広げられて両突起127それぞれに当接するため、これにより押ボタン5をボタン付勢手段の付勢力に抗して非押込状態に保持することができる。
一方、押ボタン5の押込操作時には、両移動部材123がねじりコイルばね121に抗して内方に押し縮められるため、押ボタン5の押込状態への移行を許容することができる。
なお、第6実施形態の変形例として、ねじりコイルばね121に代えて、周知の圧縮コイルばねや磁石を外方付勢手段として用いても構わない。
(第7実施形態)
この発明の第7実施形態について一部の断面を表わす図11及び図12を参照して説明する。但し、図11は一部の分解状態における斜視図、図12は図11の一部の底面図である。尚、本実施形態における押ボタンスイッチの基本的な構成は上記した第1実施形態とほぼ同じであるため、以下では図1ないし図4も参照しつつ、主として第1実施形態と相違する点について説明する。
本実施形態における押ボタンスイッチ1では、連動体23と円筒体45とを連結する構造が第1実施形態と相違している。より詳細には、図11に示すように、操作部である円筒体45の下端に一対の翼状片131を形成すると共に、連動体23の上端にも同様の一対の翼状片133を形成し、これら円筒体45側の翼状片131と連動体23側の翼状片133の位相を90゜ずらして配設する。尚、このときの位相のずれは90゜に限定されるものではない。
また、図12に示すように、中空円柱状の係合部材135の上下面に互いに90゜位相をずらして挿入孔137,139を透設し、図11に示すように、上側の挿入孔137から円筒体45側の翼状片131を係合部材135の内側に挿入すると共に、下側の挿入孔139から連動体23側の翼状片133を挿入し、翼状片131,133が挿入孔137,139から抜けないように係合部材135を回転し、これにより円筒体45と連動体23とを連結している。尚、挿入孔137,139の位相のずれも90゜に限定されるものではない。ここで、翼状片131,133及び係合部材135により、本発明における連結部が構成されている。
このとき、係合部材135を係合時とは逆方向に回転して翼状片131,133を挿入孔137,139から抜き出せるようにすることで、円筒体45と連動体23との連結が解除される。
従って、第7実施形態によれば、上記した第1実施形態と同等の効果を得ることができるのは勿論のこと、円筒体45及び連動体23を簡単に分離することができることから、押ボタンスイッチ1のメンテナンス作業を容易に行うことができる。
なお、第7実施形態の変形例として、挿入孔137及びこれに嵌挿される翼状片131をなくして円筒体45と係合部材135とを一体的に接合し、係合部材135の挿入孔139に連動体23の翼状片133を嵌挿するようにしてもよく、これとは逆に、挿入孔139及びこれに嵌挿される翼状片133をなくして連動体23と係合部材135とを一体的に接合し、係合部材135の挿入孔137に円筒体45の翼状片131を嵌挿するようにしてもよい。
(第8実施形態)
この発明の第8実施形態について一部の断面を表わす図13及び図14を参照して説明する。但し、図13は一部の分解状態における斜視図、図14は動作説明図である。尚、本実施形態における押ボタンスイッチの基本的な構成は上記した第1実施形態とほぼ同じであるため、以下では図1ないし図4も参照しつつ、主として第1実施形態と相違する点について説明する。
本実施形態における押ボタンスイッチ1では、連動体23と円筒体45とを連結する構造が第1実施形態と相違している。より詳細には、図13に示すように、円筒体45の全体或いは下端の一部を柱状体45’にすると共に、連動体23も柱状にし、立方体状の中空ケース141の一内側面に磁石143を固着し、ケース141内に磁石143と対向する側面の反対側面に凹部145が形成された係合部材147を配設し、この係合部材147の磁石141に対向する側面に磁石143と反発する磁石149を埋設する。
そして、柱状体45’の下端及び連動体23の上端に切欠部151,153を形成して鈎状にしておき、図14(a),(b)に示すように、ケース141の上下面からそれぞれ柱状体45’の下端及び連動体23の上端を挿入して、両磁石141,149の反発力を利用して柱状体45’及び連動体23の切欠部151,153に係合部材147の凹部145の先端部分を係脱自在に嵌挿、係合して柱状体45’及び連動体23を連結する。
このとき、切欠部151,153は凹部145に対峙する向きに形成されている。尚、ケース141、磁石143、係合部材147及び後述する解除部材155により、本発明における連結部が構成されている。
一方、柱状体45’及び連動体23の連結を解除するために、ケース141に解除部材155を貫設し、ケース141の外部にこの解除部材155の先端を導出し、解除部材155をケース141内に押し込むことによって係合部材147を磁石143方向に押し込んで切欠部151,153から凹部145の先端部分を外し、これにより柱状体45’及び連動体23の連結を解除する。
従って、第8実施形態によれば、上記した第1実施形態と同等の効果を得ることができるのは勿論のこと、上記した第7実施形態と同様、柱状体45’及び連動体23を簡単に分離することができることから、押ボタンスイッチ1のメンテナンス作業を容易に行うことができる。
また、係合部材147が磁石143に摺接することがないため、摺接によって、係合部材147や柱状体45’、連動体23等の摩耗や破損が発生するおそれは全くない。
なお、第8実施形態の変形例として、図13,14に示す係合部材147に代えて、図15に示すように、柱状体45’及び連動体23の切欠部151,153を磁石143と対向する向きと反対向きに形成しておき、先端がケース141の外部に導出された解除部材157と一体化された磁性材から成る係合部材159を切欠部151,153に係合することにより、柱状体45’及び連動体23を連結すると共に、磁石143による吸引力により係合部材159を吸引してこの連結状態を保持するようにしてもよい。
ここで、柱状体45’及び連動体23の連結を解除するには、解除部材157をケース141から引き抜くように引っ張れば、係合部材159が切欠部151,153から外れて柱状体45’及び連動体23の連結が解除される。尚、本実施形態では、柱状体45’に代えて円筒体を用いてもよく、その形状も特定のものに限定されるものではない。
(第9実施形態)
この発明の第9実施形態について一部の断面を表わす図16及び図17を参照して説明する。但し、図16は一部の分解状態における正面図、図17は図16の一部の斜視図である。尚、本実施形態における押ボタンスイッチの基本的な構成は上記した第1、第8実施形態とほぼ同じであるため、以下では図1ないし図4並びに図13及び図14も参照しつつ、主として第1、第8実施形態と相違する点について説明する。
本実施形態における押ボタンスイッチ1では、連動体23と柱状体45’とを連結する構造が第1実施形態と相違している。より詳細には、図16,17に示すように、立方体状の中空ケース161の一内側面にばね163の一端を固着すると共に、ばね163と対向する側面を反対側面に2条のレール165が形成されたレール部材167をケース161内に配設してばね163の他端をこのレール部材167に固着し、レール部材167のレール165に沿って移動自在に係合部材169を配設すると共に、係合部材169のレール165に対向する側面の反対側面に凹部171を形成し、柱状体45’の下端及び連動体23の上端に切欠部151,153に係合部材169の凹部171の先端部分を係脱自在に嵌挿、係合して柱状体45’及び連動体23を連結する。尚、レール165は1条でもよく、更にレール165はなくても構わない。
一方、柱状体45’及び連動体23の連結を解除するために、ケース161に解除部材173を貫設し、ケース161の外部にこの解除部材173の先端を導出し、解除部材173をケース161内に押し込むことによって係合部材169をばね163の付勢力に抗して押し込んで切欠部151,153から凹部171の先端部分を外し、これにより柱状体45’及び連動体23の連結を解除する。尚、ケース161、ばね163、レール部材167、係合部材169及び解除部材173により、本発明における連結部が構成されている。ここで、本実施形態では、柱状体45’に代えて円筒体を用いてもよく、その形状も特定のものに限定されるものではない。
従って、第9実施形態によれば、上記した第1実施形態と同等の効果を得ることができるのは勿論のこと、上記した第8実施形態と同様、柱状体45’及び連動体23を簡単に分離することができることから、押ボタンスイッチ1のメンテナンス作業を容易に行うことができる。
また、本発明は上記した各実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。
例えば、押ボタン5、円筒体45または柱状体45’及び連動体23は別個に形成されたものを一体化可能に構成されていてもよく、押ボタン5、円筒体45または柱状体45’及び連動体23はひとつの部材により構成されていても構わない。
また、上記したようにスイッチケース3の接点収容部7とボタン収容部9とは接合される構造であり、特に接点収容部7には第1、第2の接点等が収容され、ボタン収容部9には円筒体45または柱状体45’や押ボタン5が収容された後に接合されるため、例えば図1に示されるように、接合前にはばね31は伸びた状態にあって接点収容部7内における第1、第2の接点17,21は開離している。この状態から接点収容部7をボタン収容部9に接合して第1、第2の接点17,21を接触状態にするには、何らかの手段により連動体23をばね31の付勢力に抗して押ボタン5側に引き込む必要がある。
そこで、図18(a)に示すように、連動体23の上端を筒状にし、円筒体45または柱状体45’の下端に連動体23の上端内側に挿脱自在の挿入部181を設け、この挿入部181の外周に少なくとも1個の突起183を設け、連動体23の上端には、例えば“し”字状のガイド溝185を形成しておき、接合時に接点収容部7をボタン収容部9方向に押し込むことで、挿入部181を連動体23の上端に嵌挿させて突起183をガイド溝185上部に嵌挿させ、その後同図(b)に示すように、接点収容部7を回転して突起183をガイド溝185の奥部にまで移動させて係止させ、これによりばね31の付勢力に抗して連動体23を円筒体45または柱状体45’側に引き込むのが望ましい。
但し、連動体23は接点収容部7と一緒に回転するようにしておく。こうすれば、接点収容部7をボタン収容部9に接合する際に、簡単に第1、第2の接点17,21を接触した状態にすることができる。この場合、接点収容部7とボタン収容部9を嵌合させるようにしてもよい。尚、接点収容部7を回転させて外すと、円筒体45または柱状体45’と連動体23(ガイド溝185と挿入部181の係合)が外れる。
また、接点が非接触式であっても同様であり、ガイド溝185と突起183との形成部位は逆であってもよい。更に、必ずしもガイド溝に限定されるものではなく、カム構造にしてもよく、円筒体45または柱状体45’に連動体23が係止される構造であればよい。また、接点収容部7を回転させずに連動体23だけを回転させることができる構造にしてもよい。
更に、上記した各実施形態では、非常停止用に用いる押ボタンスイッチ1の例を示しているが、非常停止用に限らず、常閉の第1,第2の接点を押込操作により開離するいわゆる常閉スイッチとして使用することも勿論可能であって、上記した各実施形態と同等の効果を得ることができる。また、押ボタンを押込方向に付勢するばね55も省略してもよい。なお、操作部は、円筒体でも柱状体でもよく、その形状は特定のものに限定されることはない。