JP2023155222A - 措置具 - Google Patents
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Abstract
【課題】長尺体同士の隙間があっても確実に閉塞できる措置具を提供する。【解決手段】建築物の区画体2に区画貫通孔3が形成され、区画貫通孔3に複数の長尺体1A,1Bが挿通される区画貫通構造に用いられる措置具であって、区画貫通孔3内に挿通可能で、かつ、筒状のスリーブ部材4と、スリーブ部材4に対して軸方向外方向きに延設され、かつ、スリーブ部材4を挿通する長尺体1A,1Bに対して縮径可能な筒状のカバー部材5と、前記スリーブ部材4の内面に配置される熱膨張材42と、を備え、カバー部材5は、軸方向の先端部に、周方向に間隔を空けて複数の切込みが形成され、周方向で隣り合う切込み同士の間が舌片状の閉塞片56になっている。【選択図】図2
Description
本発明は、建築物の仕切り部に設けられる床や壁等の区画体に区画貫通孔が形成され、該区画貫通孔に長尺体が挿通される区画貫通構造に用いられる措置具に関する。
従来から、建築物の仕切り部に設けられる区画体に形成された貫通孔にスリーブを固定し、固定したスリーブの内部に媒体としての長尺体の一例である配管を挿通する。続いて、スリーブの内部に熱膨張性材料からなるシート状成形体を設置してから、スリーブの一方の端部を該スリーブの外面と配管の外面とに亘ってシール部材を貼り付けることでシールする(例えば特許文献1)。
上記特許文献1のシール部材では、前記配管(長尺体)が複数本である場合に、大小異なる径を有する複数本の配管が存在することが多いため、配管同士の間に生ずる谷間となる隙間が無くなるように、配管の外周面に沿わせることが難しい。そのため、配管同士の隙間を十分にシールすることができず、耐火性能が低下してしまい、早期改善が望まれている。
本発明は前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、長尺体同士の隙間があっても確実に閉塞できる措置具を提供するものである。
本発明の措置具は、前述の課題解決のために、建築物の区画体に区画貫通孔が形成され、該区画貫通孔に少なくとも1本の長尺体が挿通される区画貫通構造に用いられる措置具であって、前記区画貫通孔に挿通可能で、かつ、筒状のスリーブ部材と、該スリーブ部材に対して軸方向外方向きに延設され、かつ、該スリーブ部材を挿通する前記長尺体に対して縮径可能な筒状のカバー部材と、前記スリーブ部材の内面に配置される熱膨張材と、を備え、前記カバー部材は、軸方向の先端部に、周方向に間隔を空けて複数の切込みが形成され、周方向で隣り合う前記切込み同士の間が舌片状の閉塞片になっていることを特徴としている。
本発明によれば、カバー部材を長尺体に対して縮径させて長尺体を覆うと、長尺体同士に発生する隙間に舌片状の閉塞片が入り込む。これにより、長尺体同士の隙間を舌片状の閉塞片で確実に閉塞することができる。
又、本発明の措置具として、前記切込みは、軸方向と交差する斜め切込みを含んでいてもよい。
上記のように、切込みが、軸方向と交差する斜め切込みを含んでいることによって、閉塞片における前記斜め切込みに対応する部分が軸方向に交差する斜め形状になるので、長尺体同士の隙間に閉塞片が入り込み易い。
又、本発明の措置具として、前記切込みは、前記斜め切込みの先端側に軸方向に沿う直線切込みを含んでいてもよい。
上記のように、切込みが、斜め切込みと斜め切込みの先端側に軸方向に沿う直線切込みとを含んでいることによって、閉塞片が斜め切込みに対応する部分が斜め形状となりつつ、この先端側の直線切込みに対応する部分が軸方向に沿った直線形状となるので、長尺体同士の隙間に閉塞片が入り込んで長尺体の間の隙間を確実に閉塞する。
又、本発明の措置具として、前記カバー部材の先端部は、縮径形状を保形する保形手段が設けられていてもよい。
上記のように、カバー部材の先端部は、縮径形状を保形する保形手段が設けられていることによって、カバー部材の先端部が縮径形状を維持しやすく、舌片状の閉塞片が長尺体同士の隙間に入り込んだ姿勢を維持しやすい。
又、本発明の措置具して、前記保形手段は、前記カバー部材の先端部を重ね構造とすることで形成されていてもよい。
上記のように、保形手段は、カバー部材の先端部を重ね構造とすることで形成されることによって、カバー部材の先端部の保形性能を高めることができる。これにより、舌片状の閉塞片が長尺体同士の隙間に入り込んだ姿勢を維持しやすい。
又、本発明の措置具は、前記保形手段は、前記カバー部材の先端部に、縮径形状を維持する線材が設けられていてもよい。
上記のように、カバー部材の先端部に、縮径形状を維持する線材を設けることで、カバー部材の先端部の保形性能を高めることができる。
又、本発明の措置具は、前記カバー部材が、前記長尺体に対して非接着であってもよい。
長尺体が熱膨張又は熱収縮により伸縮した場合に、カバー部材が、長尺体に対して非接着であると、長尺体の伸縮を許容しながら、舌片状の閉塞片が長尺体同士の隙間に入り込んだ姿勢を維持しやすい。
本発明によれば、周方向で隣り合う切込み同士の間が舌片状の閉塞片になっていることによって、長尺体同士の隙間があっても確実に閉塞できる措置具を提供することができる。
以下、本発明の区画貫通構造に用いられる措置具の実施形態を図面に基づいて説明する。
区画貫通構造では、建築物の仕切り部に設けられる区画体である床又は壁に区画貫通孔が形成され、区画貫通孔に長尺体が挿通される。前記挿通された長尺体と区画貫通孔との間には、隙間が発生しており、この隙間をなくすために措置具が用いられる。この実施形態では、壁を例に挙げて説明する。
措置具Hは、図1~図3に示すように、大きさが異なる3本の長尺体である配管1A,1B,1Cに外装されるとともに壁(区画体)2に形成された円形の区画貫通孔3に挿入可能に構成される円筒状のスリーブ部材4と、スリーブ部材4に対して軸方向外方向きに延設され、かつ、スリーブ部材4を挿通する複数(図3では3本)の配管1A,1B,1Cに対して縮径可能な円筒状のカバー部材5と、を備えている。尚、前記配管1A,1B,1Cのうちの2本の配管1A,1Bには、断熱材6A,6Bが巻き付けられている。前記長尺体としては、冷媒管、熱媒管、給湯管、給水管、排水管、油圧配管、ガス管、電線管、電線(電源線や信号線)、ケーブル等が挙げられる。壁2は、2枚の壁2A,2Bが軸方向に間隔を置いて設置されて内部中空の壁に構成されている。
スリーブ部材4は、金属製(例えば、鋼製)の薄板状体をリング状に丸めることで円筒状に構成されるスリーブ本体41と、スリーブ本体41の内面41Aに貼り付けられる熱膨張材42と、スリーブ本体41の軸方向一端部(図2では右側端部)の外面41Bに貼り付けられる隙間隠し部43と、を備えている。したがって、スリーブ本体41を区画貫通孔3の内径寸法に対応した外径寸法になるように丸めることで区画貫通孔3に挿通可能に構成できる。スリーブ本体41を区画貫通孔3に挿通した後は、縮径させたスリーブ本体41が弾性復元力により外側に拡開することによって、スリーブ本体41を区画貫通孔3に押し付けてスリーブ本体41と区画貫通孔3との間に隙間が発生することがなく、スリーブ本体41と区画貫通孔3とを遮蔽することができる。
また、スリーブ本体41は、軸方向と直交する周方向の寸法が、区画貫通孔3の直径寸法よりも大きな寸法を有し、軸方向の寸法が区画貫通孔3の軸方向の寸法よりも長い寸法を有している。また、スリーブ本体41には、図4に示すように、スリーブ本体41に貼り付けられた熱膨張材42の軸方向略中央部付近に、周方向全周に亘って間隔を置いて複数の長孔41a,41bが2列形成されている。これら2列の長孔41a,41bは、それぞれ平行に形成され、かつ、千鳥状に配置され、しかも、周方向で隣り合う一方(図4の上側)の長孔41aと他方(図4の下側)の長孔41bとが軸方向で重複するように長さが設定されている。つまり、スリーブ本体41の周方向のどの部分においても長孔41a又は41bが存在する。したがって、熱膨張材42が膨張した場合に、長孔41a,41bを通してスリーブ本体41の外部側へ熱膨張材42の一部が膨出して、壁2の貫通孔3とスリーブ本体41の外面との隙間を埋めることができるようになっている。
熱膨張材42は、スリーブ本体41の軸方向と直交する周方向全域に亘る周方向の寸法を有し、軸方向一端から軸方向他端までの軸方向全域に亘る寸法を有している。したがって、スリーブ本体41が区画貫通孔3内に挿通された状態において、熱膨張材42の軸方向一端及び軸方向他端の両方とも区画貫通孔3の軸方向外側へ突出した状態になっている。尚、この実施形態では、熱膨張材42を、スリーブ本体41の軸方向一端から軸方向他端までの軸方向全域に亘る寸法にしたが、軸方向全域よりも短い寸法にしてもよい。
また、熱膨張材42は、熱膨張性(加熱により体積が増加する性質)と耐火性(熱に耐えやすい性質、溶融温度が高く燃えにくい性質)とを有する部材である。熱膨張材42としては、公知の材質のものを特に制限なく用いることができ、例えばパテ状部材(熱膨張性パテ状耐火材)を用いることができる。また、熱膨張材42は、例えば所定温度(例えば180℃)以上に加熱された際に、その厚み方向に膨張して配管1A,1B,1Cの外面(2本の配管1A,1Bは、断熱材6A,6Bの外面1a,1b、残る配管1Cの外面1c)とスリーブ本体41の内面41Aとの間の隙間を埋めることで区画貫通孔3の一方側で発生した火炎が区画貫通孔3の他方側へ移動することを防止する。このように、スリーブ部材4が熱膨張材42を含むことで、スリーブ部材4が熱膨張性を有することとなる。
隙間隠し部43は、例えば、スポンジ、柔らかいゴム、発泡ポリウレタン等発泡材などの復元可能に変形可能な帯状の弾性部材から構成され、貫通孔3とスリーブ本体41の外面との間の隙間を隠す目的で使用されているが、スリーブ本体41を区画貫通孔3内に挿入したときに、区画貫通孔3を構成する一方の壁2Aの壁面2aに当接して区画貫通孔3内に対するスリーブ本体41の位置決めを行うためのストッパとしても機能する。
また、隙間隠し部43は、スリーブ本体41の軸方向一端部の外面に接着剤により貼り付けられている。そして、スリーブ本体41を縮径した際にその縮径状態を維持することができるようにスリーブ本体41の外面に貼り付けることができるようにしている。具体的には、図4に示すように、隙間隠し部43の一端部が、スリーブ本体41の一端部から周方向外側に延出する延出部43Aを備え、かつ、隙間隠し部43の他端部がスリーブ本体41の他端部よりも一端部側に位置するように、隙間隠し部43がスリーブ本体41に貼り付けられている。したがって、スリーブ本体41を区画貫通孔3内に挿入できる外径寸法になるように縮径した状態で、隙間隠し部43の延出部43Aをスリーブ本体41の他端部の外面に貼り付けることによって、スリーブ本体41を縮径した状態を維持できる。尚、延出部43Aの内面には、接着剤(図示せず)が塗布され、その接着剤が剥離紙(図示せず)で覆われており、延出部43Aをスリーブ本体41の他端部の外面に貼り付ける際には、隙間隠し部43の延出部43Aの先端と隙間隠し部43の他端との間に隙間が発生しないように、延出部43Aを切断して周方向の長さ調整を行ったうえで剥離紙を外して隙間隠し部43の延出部43Aをスリーブ本体41の他端部の外面に貼り付けて、スリーブ本体41を縮径した状態を維持するとともに、途切れることがない環状の隙間隠し部43を構成する(図3参照)。
カバー部材5は、例えば難燃性を有する1枚のアルミガラスクロスから構成されたカバー本体51と、カバー本体51の先端部側の内面に備えるカバー側熱膨張材52と、カバー側熱膨張材52よりも先端側に配置され先端部を縮径形状に保形するための保形手段53と、該保形手段53をカバー本体51の内面に固定し、かつ、配管1A,1B,1Cとカバー本体51の内面51Aとの間の隙間を埋めるための発泡材54と、を備えている。
図1に示すように、カバー本体51の軸方向の先端部に、周方向に間隔を空けて複数の切込み55を形成することによって、周方向で隣り合う切込み55,55同士の間が舌片状の閉塞片56に構成されている。また、カバー本体51の基端部が、スリーブ本体41の軸方向一端部の外面に周方向全域に亘って接着剤により貼り付けられている。そして、カバー本体51の周方向一端部には、スリーブ本体41の周方向一端部から周方向外側に延びる延出部51Bを備えている。したがって、スリーブ本体41をリング状に丸めて縮径させた時に、カバー本体51の重ね合わせ部分で隙間が発生しないように、延出部51Bをカバー本体51の周方向他端部の外面51Cに接着剤により貼り付けている。尚、延出部51Bの内面51bに接着剤(図示せず)が塗布されていて、図示していない剥離紙が取り付けられている。そして、延出部51Bをスリーブ本体41の周方向他端部の外面に貼り付ける際に、剥離紙を剥すことになる。
各切込み55は、軸方向と交差する斜め切込み55Aと、斜め切込み55Aの先端側に軸方向に沿う直線切込み55Bと、を備えている。更に詳細に説明すれば、図6(a)に示すように、軸方向に沿う2倍の長さの直線切込み55Bと、直線切込み55Bの軸方向両端のそれぞれから軸方向と交差する斜め切込み55A,55Aと、を形成し、2倍の直線切込み55Bの長さ方向半分の長さの時点の折り返し部55C(点線参照)で折り返すことで2枚の閉塞片56,56からなる重ね構造を構成している(図6(b)参照)。このようにカバー本体51の先端部を重ね構造とすることで、カバー本体51の先端部を縮径形状にした時の該縮径形状を保形する前記保形手段53を構成している。このように、切込み55が、斜め切込み55Aと斜め切込み55Aの先端側に直線切込み55Bとを含んでいることによって、閉塞片56が斜め切込み55Aに対応する部分が斜め形状となりつつ、この先端側の直線切込み55Bに対応する部分が軸方向に沿った直線形状となるので、配管1A,1B,1C同士の隙間S(図3では3か所)に閉塞片56が入り込んで配管1A,1B,1Cの間の隙間Sを確実に閉塞する。これにより、耐火性能が低下することを防止できる。また、カバー本体51の先端55Tから直線切込み55Bが始まっているので、作業者が折り返し部55C(点線参照)で折り返す時に、多少ずれて折り返したとしても、ずれが目立ち難いだけでなく、先端55Tに対して鋭角部ができないので、先端55Tが尖ったり、毛羽立ち難くすることができる。
カバー側熱膨張材52は、カバー本体51の周方向全域に亘る寸法を有する帯状体から構成され、前記熱膨張材42と同一の材料から構成されている。カバー側熱膨張材52は、前述したように、例えば所定温度(例えば180℃)以上に加熱された際に、その厚み方向に膨張して配管1A,1B,1Cの外面とカバー本体51の内面51Aとの間の隙間を埋めることで区画貫通孔3の一方側で発生した火炎が区画貫通孔3の他方側へ移動することを防止する。
保形手段53は、カバー本体51の先端部が縮径された状態を維持する線材としての金属製のワイヤ53Aから構成されている。このワイヤ53Aは、前述したように発泡材54でカバー本体51の先端部の内面に固定されており、スリーブ本体41を縮径した(丸めた)ときに環状に構成され、カバー本体51の先端部の保形性能を高めることができる。また、ワイヤ53Aを設けることで、カバー本体51の先端部が縮径形状を維持しやすく、舌片状の閉塞片56が配管1A,1B,1C同士の隙間Sに入り込んだ姿勢を維持しやすい。この実施形態では、線材(ワイヤ53A)とカバー本体51の先端部の重ね構造の両方を保形手段53としているが、いずれか一方のみを設けて実施してもよい。
発泡材54は、例えば、1本の帯状のスポンジから構成されているが、柔らかいゴム、発泡ポリウレタン等発泡材などの復元可能に変形可能な帯状の弾性部材から構成されていてもよい。この発泡材54は、カバー本体51を縮径したときに、配管1A,1B,1Cとカバー本体51の内面51Aとの間の隙間を埋める。
上記のように構成された措置具Hを区画貫通孔3に取り付けて配管1A,1B,1C同士間の隙間Sを覆う手順について説明する。
まず、図4及び図5に示す措置具を用意し、措置具のスリーブ本体41を丸めて区画貫通孔3に挿通可能な大きさになるように調整し、調整後に隙間隠し部43の延出部43A(図4参照)をスリーブ本体41の他端部の外面41Bに貼り付けてスリーブ本体41を縮径した状態を維持する。続いて、カバー本体51の延出部51B(図4、図5参照)をカバー本体51の周方向他端部の外面51C(図4、図5参照)に貼り付ける。こののち、区画貫通孔3に円筒状になったスリーブ本体41をカバー部材5側とは反対側の基端側から挿通する。この挿通しているときに、スリーブ本体41の隙間隠し部43が区画貫通孔3の一方の壁2Aの壁面2aに当接する。これによりスリーブ本体41の区画貫通孔3への挿通が完了する。
次に、措置具Hに配管1A,1B,1Cを挿通させてから、カバー本体51の先端部を縮径させてカバー本体51の内面51Aを配管1A,1B,1Cの外面1a,1b,1cに当接させる(図1参照)。この時、閉塞片56が径方向で隣り合う径の異なる配管1B,1C及び1C,1A並びに1B,1A同士間のそれぞれの隙間Sに入り込んで該隙間Sを確実に閉塞することができる(図3参照)。本発明では、カバー本体51が配管1A,1B,1Cに対して非接着であるため、配管1A,1B,1Cが熱膨張又は熱収縮により伸縮した場合でも、カバー本体51が、配管1A,1B,1Cの伸縮を許容しながら、舌片状の閉塞片56が配管1B,1C及び1C,1A並びに1B,1A同士の隙間Sに入り込んだ姿勢を維持しやすい。
尚、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
前記実施形態では、スリーブ部材4に別体のカバー部材5を取り付けたが、スリーブ部材4とカバー部材5とが一体になった1つの部材から構成してもよい。
また、前記実施形態では、カバー本体51を配管1A,1B,1Cに対して非接着としたが、カバー本体51を配管1A,1B,1Cに接着剤により接着してもよいし、カバー本体51を配管1A,1B,1Cに粘着テープ又はバンド等を用いて固定してもよい。
また、前記実施形態では、切込み55を、斜め切込み55Aと斜め切込み55Aの先端側の直線切込み55Bとから構成したが、切込み55を、斜め切込み55Aのみで構成してもよい。詳述すれば、図7(a)に示すように、軸方向と交差する2本の斜め切込み55A,55AからなるV字状の切込み55を形成し、これらの2本の斜め切込み55A,55Aの頂点を折り返し部55C(点線参照)で折り返すことで2枚の閉塞片56,56からなる重ね構造を構成している(図7(b)参照)。このようにカバー本体51の先端部を重ね構造とすることで、カバー本体51の先端部を縮径形状にした時の該縮径形状を保形する前記保形手段53(図8参照)を構成している。このように、切込み55が、カバー本体51の先端55Tから斜め切込み55Aを備えることによって、閉塞片56における斜め切込み55Aに対応する部分が軸方向に交差する斜め形状になるので、配管1B,1C及び1C,1A並びに1B,1A同士の隙間Sに閉塞片56が入り込みやすい。これにより、耐火性能が低下することを防止できる。
また、前記実施形態では、区画貫通孔3が円形状であったが、矩形状であってもよいし、楕円状や多角形状であってもよい。この場合、区画貫通孔3の形状に合わせた形状の措置具を作製することになる。
また、前記実施形態では、カバー本体51の先端部を2枚の閉塞片56,56からなる重ね構造にしたが、3枚以上の任意の枚数の閉塞片からなる重ね構造にしてもよいし、重ねないで1枚の閉塞片から構成してもよい。また、前記重ね構造としては、折り返し構造に限定されない。例えば、複数枚を縫い合わせる又は貼り合わせて重ね構造とすることもできる。
また、前記実施形態では、区画貫通孔3に措置具Hを取り付けてから配管1A,1B,1Cを措置具Hに挿通させたが、区画貫通孔3に配管1A,1B,1Cを挿通させた後に、措置具Hを区画貫通孔3に取り付けてもよい。
また、前記実施形態では、区画体が水平方向に区画貫通孔3が形成された壁2から構成したが、上下方向に区画貫通孔が形成される床から構成してもよい。
また、前記実施形態では、薄板状体をリング状に丸めることで筒状のスリーブ部材4を構成したが、筒状に形成されたスリーブ部材であってもよい。この場合、外径寸法を調整可能な機構を備えたスリーブ部材に構成することが好ましい。また、C型形状(C字形状)のスリーブ部材であってもよい。
1A,1B,1C…配管(長尺体)、1a,1b,1c…外面、2,2A,2B…壁(区画体)、2a…壁面、3…区画貫通孔、4…スリーブ部材、5…カバー部材、6A,6B…断熱材、41…スリーブ本体、41A…内面、41B…外面、41a,41b…長孔、42…熱膨張材、43…隙間隠し部、43A…延出部、51…カバー本体、51A…内面、51B…延出部、51C…外面、51b…内面、52…カバー側熱膨張材、53…保形手段、53A…ワイヤ(線材)、54…発泡材、55…切込み、55A…斜め切込み、55B…直線切込み、55C…折り返し部、55T…先端、56…閉塞片、H…措置具、S…隙間
Claims (7)
- 建築物の区画体に区画貫通孔が形成され、該区画貫通孔に少なくとも1本の長尺体が挿通される区画貫通構造に用いられる措置具であって、
前記区画貫通孔に挿通可能で、かつ、筒状のスリーブ部材と、該スリーブ部材に対して軸方向外方向きに延設され、かつ、該スリーブ部材を挿通する前記長尺体に対して縮径可能な筒状のカバー部材と、前記スリーブ部材の内面に配置される熱膨張材と、を備え、
前記カバー部材は、軸方向の先端部に、周方向に間隔を空けて複数の切込みが形成され、周方向で隣り合う前記切込み同士の間が舌片状の閉塞片になっていることを特徴とする措置具。 - 前記切込みは、軸方向と交差する斜め切込みを含んでいることを特徴とする請求項1に記載の措置具。
- 前記切込みは、前記斜め切込みの先端側に軸方向に沿う直線切込みを含んでいることを特徴とする請求項2に記載の措置具。
- 前記カバー部材の先端部には、縮径形状を保形する保形手段が設けられていることを特徴とする請求項1~3のうちのいずれか1項に記載の措置具。
- 前記保形手段は、前記カバー部材の先端部を重ね構造とすることで形成されることを特徴とする請求項4に記載の措置具。
- 前記保形手段は、前記カバー部材の先端部に、縮径形状を維持する線材が設けられることで構成されることを特徴とする請求項4に記載の措置具。
- 前記カバー部材は、前記長尺体に対して非接着であることを特徴とする請求項1~3のうちのいずれか1項に記載の措置具。
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