JP2023154302A - 炭素材料、ハイブリッドキャパシタ用電極材料、ハイブリッドキャパシタ用電極、及びハイブリッドキャパシタ - Google Patents

炭素材料、ハイブリッドキャパシタ用電極材料、ハイブリッドキャパシタ用電極、及びハイブリッドキャパシタ Download PDF

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Abstract

【課題】蓄電デバイスの容量を高めつつ、出力特性を効果的に向上させることができる、炭素材料を提供する。【解決手段】蓄電デバイスの電極材料に用いられる炭素材料であって、前記炭素材料のBET比表面積が、30m2/g以上、500m2/g以下であり、前記炭素材料中におけるグラフェン積層構造を有する炭素材料の含有量が、70重量%以上、99.5重量%以下であり、空隙径が50nm以上、1μm以下の多孔質構造を有する、炭素材料。【選択図】なし

Description

本発明は、炭素材料、並びに該炭素材料を用いたハイブリッドキャパシタ用電極材料、ハイブリッドキャパシタ用電極、及びハイブリッドキャパシタに関する。
携帯機器、ハイブリッド自動車、電気自動車、家庭用蓄電用途等に向けて、キャパシタやリチウムイオン二次電池などの蓄電デバイスの研究開発が盛んに行われている。蓄電デバイスの電極材料としては、黒鉛、活性炭、カーボンナノファイバー、あるいはカーボンナノチューブなどの炭素材料が、環境的側面から広く用いられている。
下記の特許文献1には、樹脂残存部分剥離型薄片化黒鉛と、バインダー樹脂とを含む、キャパシタ用電極材が開示されている。特許文献1では、樹脂残存部分剥離型薄片化黒鉛が、部分的にグラファイトが剥離されている構造を有しており、かつ熱分解された樹脂が一部残存しているものであることが記載されている。また、特許文献1には、上記キャパシタ用電極材を用いた電気二重層キャパシタが開示されている。
国際公開第2015/098758号
近年、黒鉛の層間にイオンをインターカレーションさせることを原理とする蓄電池の開発が進められている。例えば、リチウムイオン二次電池の負極と電気二重層キャパシタの正極とを組み合わせた構造を有する、ハイブリッドキャパシタとしてリチウムイオンキャパシタが注目を集めている。リチウムイオンキャパシタを含めたハイブリッドキャパシタにおいては、原理上、前述の黒鉛系材料を用いることで高容量化が可能である一方で、出力特性が制限されている。
本発明の目的は、蓄電デバイスの容量を高めつつ、出力特性を効果的に向上させることができる、炭素材料、並びに該炭素材料を用いたハイブリッドキャパシタ用電極材料、ハイブリッドキャパシタ用電極、及びハイブリッドキャパシタを提供することにある。
本発明に係る炭素材料は、蓄電デバイスの電極材料に用いられる炭素材料であって、前記炭素材料のBET比表面積が、30m/g以上、500m/g以下であり、前記炭素材料中におけるグラフェン積層構造を有する炭素材料の含有量が、70重量%以上、99.5重量%以下であり、空隙径が50nm以上、1μm以下の多孔質構造を有する。
本発明に係る炭素材料のある特定の局面では、前記グラフェン積層構造を有する炭素材料が、黒鉛又は薄片化黒鉛である。
本発明に係る炭素材料の他の特定の局面では、前記グラフェン積層構造を有する炭素材料が、グラファイト構造を有し、かつ端縁のグラファイトが部分的に剥離されている構造を有する、部分剥離型薄片化黒鉛である。
本発明に係る炭素材料のさらに他の特定の局面では、前記炭素材料が、さらに樹脂及び樹脂炭化物のうち少なくとも一方を含む。
本発明に係る炭素材料のさらに他の特定の局面では、前記炭素材料中における前記樹脂及び樹脂炭化物のうち少なくとも一方の含有量が、0.5重量%以上、30重量%以下である。
本発明に係るハイブリッドキャパシタ用電極材料は、本発明に従って構成される炭素材料を含む。
本発明に係るハイブリッドキャパシタ用電極は、本発明に従って構成されるハイブリッドキャパシタ用電極材料を含む。
本発明に係るハイブリッドキャパシタは、本発明に従って構成されるハイブリッドキャパシタ用電極を備える。
本発明によれば、蓄電デバイスの容量を高めつつ、出力特性を効果的に向上させることができる、炭素材料、並びに該炭素材料を用いたハイブリッドキャパシタ用電極材料、ハイブリッドキャパシタ用電極、及びハイブリッドキャパシタを提供することができる。
図1は、部分剥離型薄片化黒鉛の一例を示す模式図である。 図2は、実施例1で作製した炭素材料の倍率50000倍の走査型電子顕微鏡写真である。 図3は、実施例3で作製した炭素材料の倍率50000倍の走査型電子顕微鏡写真である。 図4は、比較例1の炭素材料の倍率50000倍の走査型電子顕微鏡写真である。
以下、本発明の詳細を説明する。
[炭素材料]
本発明の炭素材料は、蓄電デバイスの電極材料に用いられる炭素材料である。上記炭素材料のBET比表面積は、30m/g以上、500m/g以下である。上記炭素材料は、グラフェン積層構造を有する炭素材料を含む。上記炭素材料中におけるグラフェン積層構造を有する炭素材料の含有量は、70重量%以上、99.5重量%以下である。また、上記炭素材料は、空隙径が50nm以上、1μm以下の多孔質構造を有する。
炭素材料のBET比表面積は、窒素(N)の吸着量測定から得られる吸着等温線をBET法によって解析することにより算出することができる。
炭素材料がグラフェン積層構造を有するか否かは、炭素材料のX線回折スペクトルについて、CuKα線(波長1.541Å)を用いて測定したときに、2θ=26°付近のピーク(グラフェン積層構造に由来するピーク)が観察されるか否かにより確認することができる。X線回折スペクトルは、広角X線回折法によって測定することができる。X線回折装置としては、例えば、SmartLab(リガク社製)を用いることができる。
また、炭素材料中におけるグラフェン積層構造を有する炭素材料の含有量は、例えば、熱重量分析(以下、TGと称する場合がある)によって加熱温度に伴う重量変化を測定し、算出することができる。例えば、後述するように、炭素材料が樹脂又は樹脂炭化物を含有する場合は、熱重量分析により樹脂又は樹脂炭化物の含有量を測定し、全体から樹脂又は樹脂炭化物の含有量を差し引いた値を、グラフェン積層構造を有する炭素材料の含有量とすることができる。
空隙径は、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察することにより測定することができ、50個~100個の空隙の平均値から求めることができる。
本発明においては、炭素材料のBET比表面積が、30m/g以上、500m/g以下であり、炭素材料中におけるグラフェン積層構造を有する炭素材料の含有量が、70重量%以上、99.5重量%以下であるため、炭素材料の導電性を高めることができる。また、イオンを取り込むことのできる層間を多く有することから容量を高めることができる。さらに、炭素材料が、空隙径が50nm以上、1μm以下と大きい多孔質構造を有するため、電解液及びイオンの浸透性並びに、拡散性を高めることができる。従って、本発明の炭素材料によれば、蓄電デバイスの容量を高めつつ、出力特性を効果的に向上させることができる。
なお、蓄電デバイスとしては、特に限定されないが、非水電解質一次電池、水系電解質一次電池、非水電解質二次電池、水系電解質二次電池、コンデンサ、電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタ、デュアルカーボン電池、又は多価イオン電池などが例示される。
本発明の炭素材料は、蓄電デバイスの容量を高めつつ、出力特性を効果的に向上させることができるので、ハイブリッドキャパシタの電極材料に好適に用いることができる。
本発明において、炭素材料のBET比表面積は、30m/g以上、好ましくは100m/g以上、より好ましくは150m/g以上、500m/g以下、好ましくは400m/g以下、より好ましくは350m/g以下、さらに好ましくは300m/g以下である。炭素材料のBET比表面積が上記下限値以上である場合、蓄電デバイスの容量をより一層高めることができる。また、炭素材料のBET比表面積が上記上限値以下である場合、蓄電デバイスの出力特性をより一層効果的に向上させることができる。
本発明において、炭素材料中におけるグラフェン積層構造を有する炭素材料の含有量は、好ましくは70重量%以上、より好ましくは80重量%以上、好ましくは99.5重量%以下、より好ましくは95重量%以下である。グラフェン積層構造を有する炭素材料の含有量が上記下限値以上である場合、蓄電デバイスの出力特性をより一層効果的に向上させることができる。また、グラフェン積層構造を有する炭素材料の含有量が上記上限値以下である場合、蓄電デバイスの容量をより一層高めることができる。
本発明において、炭素材料の空隙径は、50nm以上、より好ましくは100nm以上、1μm以下、好ましくは500nm以下、より好ましくは400nm以下、さらに好ましくは300nm以下である。炭素材料の空隙径が上記範囲内である場合、蓄電デバイスの出力特性をより一層効果的に向上させることができる。
(グラフェン積層構造を有する炭素材料)
グラフェン積層構造を有する炭素材料としては、黒鉛又は薄片化黒鉛が挙げられる。
黒鉛とは、複数のグラフェンシートの積層体である。黒鉛のグラフェンシートの積層数は、通常、10万層~100万層程度である。黒鉛としては、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛又は膨張黒鉛などを用いることができる。膨張黒鉛は、通常の黒鉛よりもグラフェン層同士の層間距離が大きくなっている割合が高い。従って、黒鉛としては、膨張黒鉛を用いることが好ましい。
薄片化黒鉛とは、元の黒鉛を剥離処理して得られるものであり、元の黒鉛よりも薄いグラフェンシート積層体をいう。薄片化黒鉛におけるグラフェンシートの積層数は、元の黒鉛より少なければよい。なお、薄片化黒鉛は、酸化薄片化黒鉛であってもよい。
薄片化黒鉛において、グラフェンシートの積層数は、特に限定されないが、好ましくは2層以上、より好ましくは5層以上、好ましくは1000層以下、より好ましくは500層以下である。グラフェンシートの積層数が上記下限値以上である場合、液中で薄片化黒鉛がスクロールしたり、薄片化黒鉛同士がスタックしたりすることが抑制されるため、薄片化黒鉛の導電性をより一層高めることができる。グラフェンシートの積層数が上記上限値以下である場合、薄片化黒鉛の比表面積をより一層大きくすることができる。
グラフェン積層構造を有する炭素材料は、グラファイト構造を有し、かつ端縁のグラファイトが部分的に剥離されている構造を有する、部分剥離型薄片化黒鉛であることが好ましい。
より具体的に、「グラファイトが部分的に剥離されている」とは、グラフェンの積層体において、端縁からある程度内側までグラフェン層間が開いており、すなわち端縁(エッジ部分)にてグラファイトの一部が剥離していることをいう。また、中央側の部分ではグラファイト層が元の黒鉛又は一次薄片化黒鉛と同様に積層していることをいうものとする。従って、端縁にてグラファイトの一部が剥離している部分は、中央側の部分に連なっている。さらに、上記部分剥離型薄片化黒鉛には、端縁のグラファイトが剥離され薄片化したものが含まれていてもよい。
このように、部分剥離型薄片化黒鉛は、中央側の部分において、グラファイト層が元の黒鉛又は一次薄片化黒鉛と同様に積層されている。そのため、従来の酸化グラフェンやカーボンブラックより黒鉛化度が高く、導電性に優れている。従って、蓄電デバイスの電極に用いた場合、電極内での電子伝導性をより一層大きくすることができ、より一層大きな電流での充放電が可能となる。
図1は、部分剥離型薄片化黒鉛の一例を示す模式図である。図1に示すように、部分剥離型薄片化黒鉛10では、エッジ部11が剥離されている構造を有する。一方、中央部12では、元の黒鉛又は一次薄片化黒鉛と同様のグラファイト構造を有する。また、エッジ部11において、剥離されているグラフェン層間に樹脂又は樹脂炭化物13が配置されている。なお、樹脂又は樹脂炭化物13は、完全除去されていてもよい。樹脂又は樹脂炭化物13については、後述するものとする。
なお、部分的にグラファイトが剥離されているか否かは、例えば、国際公開第2014/034156号に記載の薄片化黒鉛・樹脂複合材料と同様に、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)による観察や、X線回折スペクトルにより確認することができる。
(樹脂及び樹脂炭化物)
本発明の炭素材料は、樹脂及び樹脂炭化物のうち少なくとも一方を含んでいてもよい。上記樹脂炭化物は、アモルファスカーボンであることが好ましい。X線回折法によって、アモルファスカーボンを測定した場合、2θ=26°付近にピークが検出されないことが好ましい。なお、樹脂の一部又は全部は、炭化されずに残存していてもよい。なお、上記樹脂は、炭化物を形成する目的で使用するものなので、蓄電デバイスの電極材料に用いられるバインダーとは区別されるものとする。
樹脂又は樹脂炭化物に用いられる樹脂としては、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、スチレンポリマー(ポリスチレン)、酢酸ビニルポリマー(ポリ酢酸ビニル)、ポリビニルアルコール、ポリグリシジルメタクリレート、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸、ポリエステル、スチレンブタジエンゴム、ポリイミド樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンなどのフッ素系ポリマー、でんぷんなどの天然高分子などが挙げられる。なお、樹脂又は樹脂炭化物に用いられる樹脂は、単独で用いてもよく、複数を併用してもよい。樹脂又は樹脂炭化物に用いられる樹脂としては、好ましくは、芳香族ポリエステルなどのポリエステル樹脂が挙げられる。また、樹脂又は樹脂炭化物に用いられる樹脂は、上記樹脂に加えて、水、クエン酸、ホウ酸、リン酸、硫酸、硝酸等の添加物を含んでいてもよい。
本発明において、炭素材料中における樹脂及び樹脂炭化物のうち少なくとも一方の含有量は、好ましくは0.5重量%以上、より好ましくは5重量%以上、さらに好ましくは10重量%以上、好ましくは30重量%以下、より好ましくは20重量%以下である。樹脂及び樹脂炭化物のうち少なくとも一方の含有量が上記下限値以上である場合、蓄電デバイスの容量をより一層高めることができる。また、樹脂及び樹脂炭化物のうち少なくとも一方の含有量が上記上限値以下である場合、蓄電デバイスの出力特性をより一層効果的に向上させることができる。
なお、樹脂及び樹脂炭化物のうち少なくとも一方の含有量は、例えば熱重量分析(以下、TGと称する場合がある)によって加熱温度に伴う重量変化を測定し、算出することができる。
(炭素材料の製造方法)
以下、本発明の炭素材料の製造方法の一例として、部分剥離型薄片化黒鉛の製造方法の一例について説明する。
部分剥離型薄片化黒鉛は、例えば、黒鉛または一次薄片化黒鉛と、樹脂とを含み、樹脂が黒鉛または一次薄片化黒鉛にグラフトまたは吸着により固定されている組成物を用意し、該組成物中に含まれている樹脂を、熱分解することにより得ることができる。なお、樹脂を熱分解させる際には、樹脂の一部を残存させながら熱分解してもよいし、樹脂を完全に除去してもよい。もっとも、樹脂の一部を残存させて、樹脂残存型の部分剥離型薄片化黒鉛として用いることが望ましい。樹脂残存型の部分剥離型薄片化黒鉛であれば、それ自体を本発明の炭素材料として用いることができる。
部分剥離型薄片化黒鉛は、例えば、国際公開第2014/034156号に記載の薄片化黒鉛・樹脂複合材料の製造方法と同様の方法で製造することができる。すなわち、例えば、黒鉛または一次薄片化黒鉛と、樹脂とを含む組成物を作製する工程と、上記組成物を熱分解する工程とを経ることにより、製造することができる。なお、一次薄片化黒鉛とは、各種方法により黒鉛を剥離することにより得られた薄片化黒鉛を広く含むものとする。
上記製造工程において、黒鉛又は一次薄片化黒鉛に混合される樹脂としては、特に限定されず、例えば、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、スチレンポリマー(ポリスチレン)、酢酸ビニルポリマー(ポリ酢酸ビニル)、ポリビニルアルコール、ポリグリシジルメタクリレート、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸、ポリエステル、ポリエステルポリオール、スチレンブタジエンゴム、ポリイミド樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンなどのフッ素系ポリマー、でんぷんなどの天然高分子などが挙げられる。なお、上記樹脂は、単独で用いてもよく、複数を併用してもよい。好ましくは、ポリエステルポリオールが挙げられる。また、上記樹脂に加えて、水、クエン酸、ホウ酸、リン酸、硫酸、硝酸等の添加物を含んでいてもよい。
上記製造工程において、黒鉛又は一次薄片化黒鉛に混合される樹脂の配合量は、黒鉛又は一次薄片化黒鉛100重量部に対し、好ましくは50重量部以上、より好ましくは100重量部以上、好ましくは1000重量部以下、より好ましくは500重量部以下である。
上記樹脂の熱分解における加熱温度としては、樹脂の種類にもより特に限定されないが、例えば、150℃~800℃とすることができる。加熱時間としては、例えば、15分~5時間とすることができる。加熱温度としては、300℃~600℃であることが好ましく、加熱時間としては、30分~3時間であることが好ましい。また、上記加熱は、大気中で行ってもよく、窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気下で行ってもよい。もっとも、得られる部分剥離型薄片化黒鉛の導電性をより一層高める観点からは、上記加熱を窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気下で行うことが望ましい。また、上記加熱工程を複数回行ってもよい。
なお、炭素材料が部分剥離型薄片化黒鉛である場合、混合する樹脂の配合量を少なくすることにより、BET比表面積を小さくすることができ、グラフェン積層構造を有する炭素材料の含有量を多くすることができる。また、例えば、上記樹脂の熱分解の際の加熱温度を低くしたり、加熱時間を短くしたりすることによっても、BET比表面積を小さくすることができる。炭素材料の空隙径は、混合する樹脂の配合量を変更することにより、制御することができる。例えば、ある特定の局面において、樹脂量を増やすことで、空隙径を拡張することができる。また、樹脂の熱分解における加熱温度や加熱時間を変更することによっても、炭素材料の空隙径の大きさを制御することができる。例えば、ある特定の局面において、加熱温度を高くすることで、空隙径を拡張することができる。また、樹脂の種類を変更することによっても、BET比表面積、グラフェン積層構造を有する炭素材料の含有量、及空隙径の大きさを制御することができる。
なお、部分剥離型薄片化黒鉛には、さらに賦活処理が施されてもよい。
賦活処理の方法としては、特に限定されず、薬品賦活法やガス賦活法が挙げられる。なかでも、アルカリまたはガス賦活法であることが好ましい。
アルカリ賦活法で用いる賦活剤としては、特に限定されず、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、又は炭酸カリウムなどが挙げられる。なかでも、賦活剤は、炭酸カリウムであることが好ましい。
アルカリ賦活法においては、このような賦活剤と部分剥離型薄片化黒鉛とを混合し、賦活処理が行われる。この際、賦活剤と部分剥離型薄片化黒鉛とは、物理的に混合させた状態で賦活処理をしてもよいし、部分剥離型薄片化黒鉛に賦活剤を含浸させた状態で賦活処理をしてもよい。
また、アルカリ賦活法における賦活処理の温度としては、例えば、600℃~1000℃とすることができる。また、その温度における保持時間は、例えば、30分~300分とすることができる。なお、賦活処理は、窒素ガスやアルゴンガスなどの不活性ガス雰囲気下で行うことが望ましい。
ガス賦活法で用いる賦活剤としては、特に限定されず、例えば、二酸化炭素、水蒸気、燃焼ガスなどが挙げられる。
また、ガス賦活法における賦活処理の温度としては、例えば、600℃~1500℃とすることができる。また、その温度における保持時間は、例えば、30分~300分とすることができる。
賦活処理の加熱において、樹脂の一部が炭化していてもよいし、樹脂が完全に炭化していてもよい。
[ハイブリッドキャパシタ用電極材料、ハイブリッドキャパシタ用電極、ハイブリッドキャパシタ]
本発明のハイブリッドキャパシタ用電極材料は、上述した本発明の炭素材料を含む。そのため、ハイブリッドキャパシタの容量を高めつつ、出力特性を効果的に向上させることができる。なお、上記ハイブリッドキャパシタ用電極材料は、正極材料であってもよく負極材料であってもよい。
なお、上記ハイブリッドキャパシタ用電極材料は、本発明の炭素材料に必要に応じてバインダー樹脂や、導電助剤、溶媒を含めて賦形することにより、ハイブリッドキャパシタ用電極として用いることができる。また、このハイブリッドキャパシタ用電極を用いて、ハイブリッドキャパシタを得ることができる。
上記ハイブリッドキャパシタ用電極材料の賦形は、例えば、圧延ローラーでシート化した後、乾燥することにより行うことができる。また、本発明の炭素材料と、必要に応じてバインダー樹脂、導電助剤、溶媒とからなる塗液を集電体に塗工し、その後乾燥することにより行ってもよい。
バインダー樹脂としては、例えば、ポリブチラール、ポリテトラフルオロエチレン、スチレンブタジエンゴム、ポリイミド樹脂、アクリル系樹脂、ポリフッ化ビニリデンなどのフッ素系ポリマーや、水溶性のカルボキシメチルセルロースなどを用いることができる。これらのバインダー樹脂は、1種を単独で用いてもよく、複数種を併用してもよい。バインダー樹脂としては、好ましくは、スチレンブタジエンゴムと水溶性のカルボキシメチルセルロースを用いることができる。スチレンブタジエンゴムと水溶性のカルボキシメチルセルロースを用いた場合、炭素材料の分散性をより一層高めることができる。
バインダー樹脂の配合割合については、特に限定されず、炭素材料100重量部に対し、0.5重量部~20重量部であることが好ましく、1重量部~5重量部であることがより好ましい。バインダー樹脂の配合割合を上記範囲内とすることにより、ハイブリッドキャパシタの静電容量をより一層高めることができる。
導電助剤としては、例えば、グラフェン、粒状黒鉛化合物、繊維状黒鉛化合物、カーボンブラック、又は活性炭が挙げられる。
上記グラフェンは、酸化グラフェンであってもよいし、酸化グラフェンを還元したものであってもよい。
上記粒状黒鉛化合物としては、特に限定されず、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、又は膨張黒鉛などが挙げられる。
上記カーボンブラックとしては、特に限定されず、例えば、ファーネスブラック、ケッチェンブラック、又はアセチレンブラックなどが挙げられる。
導電助剤の配合割合については、特に限定されず、炭素材料100重量部に対し、0.5重量部~20重量部であることが好ましく、1重量部~10重量部であることがより好ましい。導電助剤の配合割合を上記範囲内とすることにより、ハイブリッドキャパシタの出力特性をより一層向上させることができる。
溶媒としては、例えば、エタノール、N-メチルピロリドン(NMP)又は水等を使用することができる。
また、ハイブリッドキャパシタを作製する場合、電解液としては、水系を用いてもよいし、非水系(有機系)を用いてもよい。
水系の電解液としては、例えば、溶媒に水を用い、電解質に硫酸や水酸化カリウムなどを用いた電解液が挙げられる。
他方、非水系の電解液としては、例えば、以下の溶媒や電解質、イオン性液体を用いた電解液を用いることができる。具体的に、溶媒としては、アセトニトリル、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、又はアクリロニトリル(AN)などが挙げられる。
また、電解質としては、6フッ化リン酸リチウム(LiPF)、4フッ化ホウ酸リチウム(LiBF)、4フッ化ホウ酸テトラエチルアンモニウム(TEABF)又は4フッ化ホウ酸トリエチルメチルアンモニウム(TEMABF)などが挙げられる。
さらに、イオン性液体としては、例えば、以下のカチオンとアニオンとを有するイオン性液体を用いることができる。カチオンとしては、イミダゾリウムイオン、ピリジニウムイオン、ピペリジウムイオン、ピロリジウムイオン、アンモニウムイオン、ホスホニウムイオンなどが挙げられる。アニオンとしては、4フッ化ホウ素イオン(BF )、6フッ化ホウ素イオン(BF )、4塩化アルミニウムイオン(AlCl )、6フッ化タンタルイオン(TaF )、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メタンイオン(C(CFSO )、ビスフルオロスルホニルイミド等が挙げられる。イオン性液体を用いた場合には、ハイブリッドキャパシタにおいて、駆動電圧をより一層向上させ得る。つまりエネルギー密度をより一層高めることができる。
次に、本発明の具体的な実施例及び比較例を挙げることにより本発明を明らかにする。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
膨張黒鉛(東洋炭素社製、商品名「PFパウダー8」、BET比表面積=22m/g)2gと、ポリエステルポリオール(川崎化成工業社製、「RLK-087」)2gと、でんぷん(和光純薬社製)2gとを、ホモミクサー(プライミクス社製)を用いて混合した。この操作により、ポリエステルポリオールを膨張黒鉛に吸着させた。このようにして、ポリエステルポリオールが膨張黒鉛に吸着されている組成物を用意した。
この組成物を窒素雰囲気下において500℃の温度で、1時間維持する加熱工程を実施した。それによって、上記ポリエステルポリオールを熱分解させて、部分剥離型薄片化黒鉛を得た。この部分剥離型薄片化黒鉛には、ポリエステルポリオール(樹脂)の一部が残存している。
続いて、二酸化炭素雰囲気下において、温度(炭化・賦活温度)950℃で、60分間保持することによって、賦活処理を施すことにより炭素材料を得た。
図2は、実施例1で作製した炭素材料の倍率50000倍の走査型電子顕微鏡写真(SEM写真)である。なお、走査型電子顕微鏡(SEM)としては、日立ハイテクフィールディング社製、品番「S-3400S」を用い、加速電圧3kVの条件で観察した。図2に示す任意の空隙50個~100個の空隙径を測定し、その平均値を求めたところ、50nmであった。
また、作製した炭素材料のBET比表面積は、221m/gであった。なお、BET比表面積は、高精度ガス吸着量測定装置(マイクロトラック・ベル社製、品番「BELSORP-MAX」、窒素ガス)を用いて測定した。
また、作製した炭素材料中のグラフェン積層構造を有する炭素材料の含有量は、88重量%であった。グラフェン積層構造を有する炭素材料の含有量を求めるに際しては、まず、TG(日立ハイテクサイエンス社製、品番「STA7300」)を用いて、350℃~650℃の範囲で重量減少した分を樹脂又は樹脂炭化物の含有量として算出した。次に、全体量から樹脂又は樹脂炭化物の含有量を差し引くことにより、グラフェン積層構造を有する炭素材料の含有量を得た。
次に、作製した炭素材料を用いて塗工電極を作製した。具体的には、得られた炭素材料90重量部に対してバインダー樹脂としての水溶性のカルボキシメチルセルロース(固形分濃度1重量%、ダイセルファインケム社製、品番「#2200」)を5重量部添加した。さらに、バインダー樹脂としてのスチレンブタジエンゴム(固形分濃度48.5%、JSR社製、品番「TRD2001」)を5重量部添加し、混合させて塗液を得た。得られた塗液を、銅箔(20μm)上に塗工し、乾燥させることで、電極シートを作製した。
次に、ハイブリッドキャパシタ向けの負極電極としての充放電効率特性を評価するために、金属リチウムを用いたハーフセルを作製した。上記のようにして作製した電極シートを直径11mmで打ち抜き、樹脂製の固定治具と直径16mmで打ち抜いたセパレーター(ポリプロピレン系の微多孔膜、16μm)を介して、直径14mmで打抜いた金属リチウムと対向させた。ここに電解液(1.0 mol/L LiPF EC/EDC/EMC=3:4:3、富士薬品工業社製、品番「LIPASTE-3E3MEC4DEC/PE1」)を注入し、かしめることでコインセルを作製した。この操作は、全てドライルーム(露点-40℃以下)内で行った。
(充放電試験)
充放電測定において電圧が下がる工程を放電とし、電圧が上がる工程を充電と定義した。上記のように組み立てたコインセルにおいて、電圧が0V~2.0Vの範囲でレートが0.2Cの条件にて充放電テストを行った(充放電試験機:東洋システム社製、TOSCAT3100)。具体的には、動作確認のため、25℃±2℃の環境下にて、コインセルを接続し、無負荷の状態で12時間放置した。その後に、0.2Cの電流で定電流・定電圧(CCCV)放電(放電終止電圧:0V、CV STOP:5時間、あるいは電流値が0.02C到着、放電休止時間:1分)、及び、0.2Cの電流で定電流(CC)充電(充電終止電圧:2.0V、充電後休止時間:1分)の条件で充放電を5回繰り返した。それによって、設計通りに容量が発現することを確認した。
続けて、充放電特性評価は、0.2C、1Cの電流でCC放電を3回繰り返し、各放電電流における放電容量を得た。これらの放電容量と下記(1)式を用いて容量維持率(%)を算出した。
[各電流(C)で得られた放電容量の平均値/0.2Cで得られた放電容量の平均値]×100・・・式(1)
また、その後、出力特性を評価するために、同様にして、1Cでの充放電テストを行った。本実施例においては、このとき、0.2Cでの容量に対して、1Cで発現した容量の割合をレート特性として評価をした。
充放電特性は、以下の評価基準で評価した。
<評価基準>
(容量)
〇…容量が290mAh/gを超える
△…容量が250mAh/g以上、290mAh/g以下
×…容量が200mAh/g以上、250mAh/g未満
××…容量が200mAh未満
(レート特性)
◎…レート特性が30%を超える
〇…レート特性が20%以上30%以下
△…レート特性が15%以上20%未満
×…レート特性が15%未満
(実施例2)
電極シートを作製するに際し、炭素材料100重量部に対して、導電助剤であるアセチレンブラック(デンカ社製、品番「Li-400」)を10重量部添加したこと以外は、実施例1と同様にして、コインセルを作製し、充放電特性評価を行った。
(実施例3)
膨張黒鉛(東洋炭素社製、商品名「PFパウダー8」、BET比表面積=22m/g)2gと、ポリエステルポリオール(川崎化成工業社製、「RLK-087」)5.6gと、50質量%濃度のでんぷん(和光純薬社製)水溶液4.8gとを、ホモミクサー(プライミクス社製)を用いて混合した。この操作により、ポリエステルポリオールを膨張黒鉛に吸着させた。このようにして、ポリエステルポリオールが膨張黒鉛に吸着されている組成物を用意した。
この組成物を窒素雰囲気下において400℃の温度で、1時間維持する加熱工程を実施した。それによって、上記ポリエステルポリオールを熱分解させて、部分剥離型薄片化黒鉛を得た。この部分剥離型薄片化黒鉛には、ポリエステルポリオール(樹脂)の一部が残存している。
続いて、二酸化炭素雰囲気下において、温度(炭化・賦活温度)950℃で、30分間保持することによって、賦活処理を施すことにより炭素材料を得た。
図3は、実施例3で作製した炭素材料の倍率50000倍の走査型電子顕微鏡写真(SEM写真)である。図3に示す任意の空隙50個~100個の空隙径を測定し、その平均値を求めたところ、200nmであった。また、実施例1と同様にして測定したBET比表面積は373m/gであり、グラフェン積層構造を有する炭素材料の含有量は85重量%であった。
次に、実施例1と同様にして、電極シート及びコインセルを作製し、充放電特性評価を行った。
(比較例1)
炭素材料として、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB、大阪ガスケミカル社製)をそのまま用いたこと以外は、実施例1と同様にしてコインセルを作製し、充放電特性評価を行った。
図4に示すように、メソカーボンマイクロビーズについて実施例1と同様にしてSEM写真を観察したところ、空隙径が50nm以上、1μm以下の多孔質構造は観察されなかった。また、実施例1と同様にして測定したBET比表面積は3m/gであり、グラフェン積層構造を有する炭素材料の含有量は100重量%であった。
(比較例2)
電極シートを作製するに際し、炭素材料100重量部に対して、導電助剤であるアセチレンブラック(デンカ社製、品番「Li-400」)を10重量部添加したこと以外は、比較例1と同様にして、コインセルを作製した。
(比較例3)
膨張黒鉛(東洋炭素社製、商品名「PFパウダー8」、BET比表面積=22m/g)2gと、ポリエステルポリオール(川崎化成工業社製、「RLK-087」)4gとを、ホモミクサー(プライミクス社製)を用いて混合した。この操作により、ポリエステルポリオールを膨張黒鉛に吸着させた。このようにして、ポリエステルポリオールが膨張黒鉛に吸着されている組成物を用意した。
この組成物を窒素雰囲気下において400℃の温度で、1時間維持する加熱工程を実施した。それによって、上記ポリエステルポリオールを熱分解させて、部分剥離型薄片化黒鉛を得た。この部分剥離型薄片化黒鉛には、ポリエステルポリオール(樹脂)の一部が残存している。
続いて、二酸化炭素雰囲気下において、温度(炭化・賦活温度)950℃で、60分間保持することによって、賦活処理を施すことにより炭素材料を得た。
実施例1と同様にしてSEM(走査型電子顕微鏡)観察を行ったところ、空隙径が50nm以上、1μm以下の多孔質構造は観察されなかった。また、BET比表面積は114m/gであり、グラフェン積層構造を有する炭素材料の含有量は90重量%であった。
その他の点は、実施例1と同様にして、コインセルを作製し、充放電特性評価を行った。
(比較例4)
膨張黒鉛(東洋炭素社製、商品名「PFパウダー8」、BET比表面積=22m/g)2gと、ポリエステルポリオール(川崎化成工業社製、「RLK-087」)4gと、50質量%濃度のでんぷん(和光純薬社製)水溶液8gとを、ホモミクサー(プライミクス社製)を用いて混合した。この操作により、ポリエステルポリオールを膨張黒鉛に吸着させた。このようにして、ポリエステルポリオールが膨張黒鉛に吸着されている組成物を用意した。
この組成物を窒素雰囲気下において400℃の温度で、1時間維持する加熱工程を実施した。それによって、上記ポリエステルポリオールを熱分解させて、部分剥離型薄片化黒鉛を得た。この部分剥離型薄片化黒鉛には、ポリエステルポリオール(樹脂)の一部が残存している。
続いて、二酸化炭素雰囲気下において、温度(炭化・賦活温度)950℃で、30分間保持することによって、賦活処理を施すことにより炭素材料を得た。
実施例1と同様にして測定したところ、空隙径が50nm以上、1μm以下の多孔質構造は観察されなかった。BET比表面積は458m/gであり、グラフェン積層構造を有する炭素材料の含有量は74重量%であった。
次に、実施例1と同様にして、電極シート及びコインセルを作製し、充放電特性評価を行った。
(比較例5)
膨張黒鉛(東洋炭素社製、商品名「PFパウダー8」、BET比表面積=22m/g)2gと、ポリエステルポリオール(川崎化成工業社製、「RLK-087」)2.4gと、質量パーセント濃度50%のでんぷん(和光純薬社製)水溶液11.2gとを、ホモミクサー(プライミクス社製)を用いて混合した。この操作により、ポリエステルポリオールを膨張黒鉛に吸着させた。このようにして、ポリエステルポリオールが膨張黒鉛に吸着されている組成物を用意した。
この組成物を窒素雰囲気下において400℃の温度で、1時間維持する加熱工程を実施した。それによって、上記ポリエステルポリオールを熱分解させて、部分剥離型薄片化黒鉛を得た。この部分剥離型薄片化黒鉛には、ポリエステルポリオール(樹脂)の一部が残存している。
続いて、二酸化炭素雰囲気下において、温度(炭化・賦活温度)950℃で、30分間保持することによって、賦活処理を施すことにより炭素材料を得た。
実施例1と同様にして測定した空隙径は100nm、BET比表面積は534m/gであり、グラフェン積層構造を有する炭素材料の含有量は70重量%であった。
次に、実施例1と同様にして、電極シート及びコインセルを作製し、充放電特性評価を行った。
結果を下記の表1に示す。
Figure 2023154302000001
10…部分剥離型薄片化黒鉛
11…エッジ部
12…中央部
13…樹脂又は樹脂炭化物

Claims (8)

  1. 蓄電デバイスの電極材料に用いられる炭素材料であって、
    前記炭素材料のBET比表面積が、30m/g以上、500m/g以下であり、
    前記炭素材料中におけるグラフェン積層構造を有する炭素材料の含有量が、70重量%以上、99.5重量%以下であり、
    空隙径が50nm以上、1μm以下の多孔質構造を有する、炭素材料。
  2. 前記グラフェン積層構造を有する炭素材料が、黒鉛又は薄片化黒鉛である、請求項1に記載の炭素材料。
  3. 前記グラフェン積層構造を有する炭素材料が、グラファイト構造を有し、かつ端縁のグラファイトが部分的に剥離されている構造を有する、部分剥離型薄片化黒鉛である、請求項1又は2に記載の炭素材料。
  4. 前記炭素材料が、さらに樹脂及び樹脂炭化物のうち少なくとも一方を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の炭素材料。
  5. 前記炭素材料中における前記樹脂及び樹脂炭化物のうち少なくとも一方の含有量が、0.5重量%以上、30重量%以下である、請求項4に記載の炭素材料。
  6. 請求項1~5のいずれか1項に記載の炭素材料を含む、ハイブリッドキャパシタ用電極材料。
  7. 請求項6に記載のハイブリッドキャパシタ用電極材料を含む、ハイブリッドキャパシタ用電極。
  8. 請求項7に記載のハイブリッドキャパシタ用電極を備える、ハイブリッドキャパシタ。
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