JP2023081681A - 炭素材料、蓄電デバイス用電極材料、キャパシタ用電極シート、及び電気二重層キャパシタ - Google Patents

炭素材料、蓄電デバイス用電極材料、キャパシタ用電極シート、及び電気二重層キャパシタ Download PDF

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Abstract

【課題】蓄電デバイスの容量を高めることができ、しかも高電圧での容量維持率の低下を抑制することができる、炭素材料を提供する。【解決手段】蓄電デバイスの電極材料に用いられる炭素材料であって、前記炭素材料のBET比表面積が、1800m2/g以上、2500m2/g以下であり、前記炭素材料の酸性官能基含有量が、0.1meq/g以下である、炭素材料。【選択図】なし

Description

本発明は、炭素材料、並びに該炭素材料を用いた蓄電デバイス用電極材料、キャパシタ用電極シート、及び電気二重層キャパシタに関する。
近年、携帯機器、ハイブリッド自動車、電気自動車、家庭用蓄電用途等に向けて、キャパシタやリチウムイオン二次電池などの蓄電デバイスの研究開発が盛んに行われている。蓄電デバイスの電極材料としては、黒鉛、活性炭、カーボンナノファイバーあるいはカーボンナノチューブなどの炭素材料が、環境的側面から広く用いられている。
例えば、下記の特許文献1には、表面のRSが25μm以下であるアルミニウムエッチング箔の表面に、水蒸気賦活活性炭と2wt%~4wt%のラテックスを含有する分極性電極材料を塗布して分極性電極層を形成してなる電気二重層キャパシタ用電極が開示されている。
特開2010-87313号公報
しかしながら、特許文献1のように水蒸気賦活された活性炭を電極材料に用いた場合、キャパシタなどの蓄電デバイスの容量をなお十分に高めることができないという問題がある。特に、蓄電デバイスの容量を高めるために高比表面積の活性炭を電極材料に用いた場合、高比表面積の活性炭は金属カリウム塩により作製されるため、高電圧での容量維持率が低下し、信頼性が損なわれるという問題がある。
本発明の目的は、蓄電デバイスの容量を高めることができ、しかも高電圧での容量維持率の低下を抑制することができる、炭素材料、並びに該炭素材料を用いた蓄電デバイス用電極材料、キャパシタ用電極シート、及び電気二重層キャパシタを提供することにある。
本発明に係る炭素材料は、蓄電デバイスの電極材料に用いられる炭素材料であって、前記炭素材料のBET比表面積が、1800m/g以上、2500m/g以下であり、前記炭素材料の酸性官能基含有量が、0.1meq/g以下であることを特徴としている。
本発明に係る炭素材料の他の特定の局面では、前記炭素材料の粉体抵抗が、0.01Ω・cm以下である。
本発明に係る炭素材料のさらに他の特定の局面では、前記炭素材料が、グラフェン積層構造を有する炭素材料を含む。
本発明に係る炭素材料のさらに他の特定の局面では、前記炭素材料が、グラファイト構造を有し、かつエッジ部分においてグラファイトが部分的に剥離されている構造を有する、部分剥離型薄片化黒鉛を含む。
本発明に係る蓄電デバイス用電極材料は、本発明に従って構成される炭素材料を含む。
本発明に係るキャパシタ用電極シートは、本発明に従って構成される蓄電デバイス用電極材料を含む。
本発明に係る電気二重層キャパシタは、本発明に従って構成されるキャパシタ用電極シートを備える。
本発明によれば、蓄電デバイスの容量を高めることができ、しかも高電圧での容量維持率の低下を抑制することができる、炭素材料、並びに該炭素材料を用いた蓄電デバイス用電極材料、キャパシタ用電極シート、及び電気二重層キャパシタを提供することができる。
図1は、部分剥離型薄片化黒鉛の一例を示す模式図である。
以下、本発明の詳細を説明する。
[炭素材料]
本発明の炭素材料は、蓄電デバイスの電極材料に用いられる炭素材料である。上記炭素材料のBET比表面積は、1800m/g以上、2500m/g以下である。また、上記炭素材料の酸性官能基含有量は、0.1meq/g以下である。
炭素材料のBET比表面積は、窒素(N)の吸着量測定から得られる吸着等温線をBET法によって解析することにより算出することができる。
炭素材料の酸性官能基含有量は、Boehemの方法に従って測定することができる。具体的には、所定の量の炭素材料に水酸化ナトリウムなどの塩基を吸着させた溶液を作製し、作製した溶液を塩酸などの酸により逆適定することによって得られた塩基消費量から求めることができる。
本発明の炭素材料は、上記の構成を備えるので、蓄電デバイスの容量を高めることができ、しかも高電圧での容量維持率の低下を抑制することができる。これについては、以下のように説明することができる。
従来、水蒸気賦活された活性炭を電極材料に用いた場合、キャパシタなどの蓄電デバイスの容量をなお十分に高めることができないという問題があった。特に、蓄電デバイスの容量を高めるために高比表面積の活性炭を電極材料に用いた場合、高比表面積の活性炭は金属カリウム塩により作製されるため、高電圧での容量維持率が低下し、信頼性が損なわれるという問題があった。
これに対して、本発明者らは、高比表面積の炭素材料を用いた場合においても、炭素材料の酸性官能基含有量を0.1meq/g以下とすることにより、高電圧での容量維持率の低下を抑制することができることを見出した。
このように、本発明の炭素材料では、BET比表面積が、1800m/g以上、2500m/g以下であり、かつ酸性官能基含有量が、0.1meq/g以下であるので、蓄電デバイスの容量を高めることができ、しかも高電圧での容量維持率の低下を抑制することができる。
なお、蓄電デバイスとしては、特に限定されないが、非水電解質一次電池、水系電解質一次電池、非水電解質二次電池、水系電解質二次電池、コンデンサ、電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタ、デュアルカーボン電池、又は多価イオン電池などが例示される。なかでも、本発明の炭素材料は、蓄電デバイスの容量を高めることができ、しかも高電圧での容量維持率の低下を抑制することができるので、電気二重層キャパシタのようなキャパシタに好適に用いることができる。
本発明において、炭素材料のBET比表面積は、1800m/g以上、好ましくは1900m/g以上、より好ましくは2000m/g以上、2500m/g以下、好ましくは2300m/g以下、より好ましくは2100m/g以下である。炭素材料のBET比表面積が上記範囲内にある場合、蓄電デバイスの容量をより一層高めることができる。
本発明において、炭素材料の酸性官能基含有量は、0.1(0.10)meq/g以下、好ましくは0.08meq/g以下、より好ましくは0.05meq/g以下である。炭素材料の酸性官能基含有量が上記上限値以下である場合、蓄電デバイスにおける高電圧での容量維持率の低下をより一層抑制することができる。なお、炭素材料の酸性官能基含有量の下限値は、特に限定されず、例えば、0.005meq/gとすることができる。
本発明において、炭素材料の粉体密度は、好ましくは0.05g/cc以上、より好ましくは0.10g/cc以上、好ましくは0.50g/cc以下、より好ましくは0.40g/cc以下である。炭素材料の粉体密度が上記下限値以上である場合、蓄電デバイスの体積容量をより一層高めることができる。また、炭素材料の粉体密度が上記上限値以下である場合、蓄電デバイスの体積容量をより一層高めることができる。
炭素材料の粉体密度は、JIS Z 2512:2012に基づき、タップ密度を測定することにより求めることができる。例えば、タップ密度は、タッピング装置を用いて、タップストローク10mm、タップ回数1000回で測定することができる。
本発明において、炭素材料の粉体抵抗は、好ましくは0.05Ω・cm以下、より好ましくは0.03Ω・cm以下、さらに好ましくは0.01Ω・cm以下である。炭素材料の粉体抵抗が上記上限値以下である場合、蓄電デバイスの容量をより一層高めることができる。なお、炭素材料の粉体抵抗の下限値は、特に限定されず、例えば、0.001Ω・cmとすることができる。
炭素材料の粉体抵抗は、例えば、荷重12kNの条件で粉体抵抗測定システムを用いて測定することができる。
本発明においては、炭素材料の元素分析をしたときに、炭素材料における炭素原子数に対する酸素原子数の比(O/C比)、つまり酸素の含有量が、好ましくは5%以下、より好ましくは3%以下である。なお、炭素材料のO/C比の下限値は、特に限定されず、例えば、1%とすることができる。炭素材料のO/C比が上記範囲内にある場合、蓄電デバイスにおける高電圧での容量維持率の低下をより一層抑制することができる。
上記O/C比を算出するための炭素原子数及び酸素原子数は、X線光電子分光法(XPS)により求めることができる。X線光電子分光法(XPS)は、例えば、X線光電子分光分析装置(アルバックファイ社製、品番「PHI5000 Versa ProbeII」)を用いて測定することができる。また、XPSは、例えば、下記の条件で測定することができる。
X線源:単色化AlKα
光電子取出角:45°
分光器:静電同心半球型分析器
X線ビーム径:200μm
パスエネルギー:58.7eV
測定原子:炭素原子、酸素原子
(グラフェン積層構造を有する炭素材料)
本発明に係る炭素材料は、グラフェン積層構造を有する炭素材料を含んでいることが好ましい。この場合、蓄電デバイスの容量や出力特性をより一層向上させることができる。なお、炭素材料がグラフェン積層構造を有するか否かは、炭素材料のX線回折スペクトルについて、CuKα線(波長1.541Å)を用いて測定したときに、2θ=26°付近のピーク(グラフェン積層構造に由来するピーク)が観察されるか否かにより確認することができる。X線回折スペクトルは、広角X線回折法によって測定することができる。X線回折装置としては、例えば、SmartLab(リガク社製)を用いることができる。
本発明において、炭素材料中におけるグラフェン積層構造を有する炭素材料の含有量は、好ましくは1重量%以上、より好ましくは3重量%以上、好ましくは99重量%以下、より好ましくは95重量%以下である。グラフェン積層構造を有する炭素材料の含有量が上記下限値以上である場合、蓄電デバイスの出力特性をより一層向上させることができる。また、蓄電デバイスにおける高電圧での容量維持率の低下をより一層抑制することができる。また、グラフェン積層構造を有する炭素材料の含有量が上記上限値以下である場合、蓄電デバイスの容量をより一層向上させることができる。
また、炭素材料中におけるグラフェン積層構造を有する炭素材料の含有量は、例えば、熱重量分析(以下、TGと称する場合がある)によって加熱温度に伴う重量変化を測定し、算出することができる。例えば、後述するように、炭素材料が樹脂又は樹脂炭化物を含有する場合は、熱重量分析により樹脂又は樹脂炭化物の含有量を測定し、全体から樹脂又は樹脂炭化物の含有量を差し引いた値を、グラフェン積層構造を有する炭素材料の含有量とすることができる。
グラフェン積層構造を有する炭素材料としては、黒鉛又は薄片化黒鉛が挙げられる。
黒鉛とは、複数のグラフェンシートの積層体である。黒鉛のグラフェンシートの積層数は、通常、10万層~100万層程度である。黒鉛としては、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛又は膨張黒鉛などを用いることができる。膨張黒鉛は、通常の黒鉛よりもグラフェン層同士の層間距離が大きくなっている割合が高い。従って、黒鉛としては、膨張黒鉛を用いることが好ましい。
薄片化黒鉛とは、元の黒鉛を剥離処理して得られるものであり、元の黒鉛よりも薄いグラフェンシート積層体をいう。薄片化黒鉛におけるグラフェンシートの積層数は、元の黒鉛より少なければよい。なお、薄片化黒鉛は、酸化薄片化黒鉛であってもよい。
薄片化黒鉛において、グラフェンシートの積層数は、特に限定されないが、好ましくは2層以上、より好ましくは5層以上、好ましくは1000層以下、より好ましくは500層以下である。グラフェンシートの積層数が上記下限値以上である場合、液中で薄片化黒鉛がスクロールしたり、薄片化黒鉛同士がスタックしたりすることが抑制されるため、薄片化黒鉛の導電性をより一層高めることができる。グラフェンシートの積層数が上記上限値以下である場合、薄片化黒鉛の比表面積をより一層大きくすることができる。
グラフェン積層構造を有する炭素材料は、グラファイト構造を有し、かつ端縁のグラファイトが部分的に剥離されている構造を有する、部分剥離型薄片化黒鉛であることが好ましい。
より具体的に、「部分的にグラファイトが剥離されている」とは、グラフェンの積層体において、端縁からある程度内側までグラフェン層間が開いており、すなわち端縁(エッジ部分)にてグラファイトの一部が剥離していることをいう。また、中央側の部分ではグラファイト層が元の黒鉛又は一次薄片化黒鉛と同様に積層していることをいうものとする。従って、端縁にてグラファイトの一部が剥離している部分は、中央側の部分に連なっている。さらに、上記部分剥離型薄片化黒鉛には、端縁のグラファイトが剥離され薄片化したものが含まれていてもよい。
このように、部分剥離型薄片化黒鉛は、中央側の部分において、グラファイト層が元の黒鉛又は一次薄片化黒鉛と同様に積層されている。そのため、従来の酸化グラフェンやカーボンブラックより黒鉛化度が高く、導電性に優れている。従って、蓄電デバイスの電極に用いた場合、蓄電デバイスの出力特性や容量をより一層向上させることができる。
図1は、部分剥離型薄片化黒鉛の一例を示す模式図である。図1に示すように、部分剥離型薄片化黒鉛10では、エッジ部11が剥離されている構造を有する。一方、中央部12では、元の黒鉛又は一次薄片化黒鉛と同様のグラファイト構造を有する。また、エッジ部11において、剥離されているグラフェン層間に樹脂又は樹脂炭化物13が配置されている。なお、樹脂又は樹脂炭化物13は、完全除去されていてもよい。樹脂又は樹脂炭化物13については、後述するものとする。
なお、部分的にグラファイトが剥離されているか否かは、例えば、国際公開第2014/034156号に記載の薄片化黒鉛・樹脂複合材料などの公知の文献と同様に、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)による観察や、X線回折スペクトルにより確認することができる。
(樹脂及び樹脂炭化物)
本発明の炭素材料は、樹脂及び樹脂炭化物のうち少なくとも一方を含んでいてもよい。この場合、本発明の炭素材料は、グラフェン積層構造を有する炭素材料と、樹脂及び樹脂炭化物のうち少なくとも一方との複合体であることが望ましい。また、上記樹脂炭化物は、アモルファスカーボンであることが好ましい。X線回折法によって、アモルファスカーボンを測定した場合、2θ=26°付近にピークが検出されないことが好ましい。なお、樹脂の一部又は全部は、炭化されずに残存していてもよい。なお、上記樹脂は、炭化物を形成する目的で使用するものなので、蓄電デバイスの電極材料に用いられるバインダーとは区別されるものとする。
樹脂又は樹脂炭化物に用いられる樹脂としては、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、スチレンポリマー(ポリスチレン)、酢酸ビニルポリマー(ポリ酢酸ビニル)、ポリビニルアルコール、ポリグリシジルメタクリレート、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸、ポリエステル、スチレンブタジエンゴム、ポリイミド樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンなどのフッ素系ポリマー、でんぷんなどの天然高分子などが挙げられる。なお、樹脂又は樹脂炭化物に用いられる樹脂は、単独で用いてもよく、複数を併用してもよい。樹脂又は樹脂炭化物に用いられる樹脂としては、好ましくは、芳香族ポリエステルなどのポリエステル樹脂が挙げられる。また、樹脂又は樹脂炭化物に用いられる樹脂は、上記樹脂に加えて、水、クエン酸、ホウ酸、リン酸、硫酸、硝酸等の添加物を含んでいてもよい。
本発明において、炭素材料100重量%中に含まれる樹脂及び樹脂炭化物のうち少なくとも一方の含有量は、好ましくは1重量%以上、より好ましくは3重量%以上、さらに好ましくは10重量%以上、特に好ましくは15重量%以上、好ましくは99重量%以下、より好ましくは95重量%以下である。樹脂及び樹脂炭化物のうち少なくとも一方の含有量が上記下限値以上である場合、蓄電デバイスの容量をより一層高めることができる。また、樹脂及び樹脂炭化物のうち少なくとも一方の含有量が上記上限値以下である場合、蓄電デバイスの出力特性をより一層向上させることができる。また、蓄電デバイスにおける高電圧での容量維持率の低下をより一層抑制することができる。
なお、樹脂及び樹脂炭化物のうち少なくとも一方の含有量は、例えば熱重量分析(以下、TG)によって加熱温度に伴う重量変化を測定し、算出することができる。
(炭素材料の製造方法)
以下、本発明の炭素材料の製造方法の一例として、部分剥離型薄片化黒鉛の製造方法の一例について説明する。
部分剥離型薄片化黒鉛は、例えば、黒鉛または一次薄片化黒鉛と、樹脂とを含み、樹脂が黒鉛または一次薄片化黒鉛にグラフトまたは吸着により固定されている組成物を用意し、該組成物中に含まれている樹脂を、熱分解することにより得ることができる。なお、樹脂を熱分解させる際には、樹脂の一部を残存させながら熱分解してもよいし、樹脂を完全に除去してもよい。もっとも、樹脂の一部を残存させて、樹脂残存型の部分剥離型薄片化黒鉛として用いることが望ましい。樹脂残存型の部分剥離型薄片化黒鉛は、それ自体を本発明の炭素材料として用いてもよい。
部分剥離型薄片化黒鉛は、例えば、国際公開第2014/034156号に記載の薄片化黒鉛・樹脂複合材料の製造方法と同様の方法で製造することができる。すなわち、部分剥離型薄片化黒鉛は、例えば、黒鉛または一次薄片化黒鉛と、樹脂とを含む組成物を作製する工程と、上記組成物を熱分解する工程とを経ることにより、製造することができる。なお、一次薄片化黒鉛とは、各種方法により黒鉛を剥離することにより得られた薄片化黒鉛を広く含むものとする。
上記製造工程において、黒鉛又は一次薄片化黒鉛に混合される樹脂としては、特に限定されず、例えば、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、スチレンポリマー(ポリスチレン)、酢酸ビニルポリマー(ポリ酢酸ビニル)、ポリビニルアルコール、ポリグリシジルメタクリレート、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸、ポリエステル、ポリエステルポリオール、スチレンブタジエンゴム、ポリイミド樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンなどのフッ素系ポリマー、でんぷんなどの天然高分子などが挙げられる。なお、上記樹脂は、単独で用いてもよく、複数を併用してもよい。樹脂又は樹脂炭化物に用いられる樹脂としては、好ましくは芳香族ポリエステルなどの、ポリエステルポリオールが挙げられる。また、上記樹脂に加えて、水、クエン酸、ホウ酸、リン酸、硫酸、硝酸等の添加物を含んでいてもよい。
上記製造工程において、黒鉛又は一次薄片化黒鉛に混合される樹脂の配合量は、黒鉛又は一次薄片化黒鉛1重量部に対し、好ましくは50重量部以上、より好ましくは100重量部以上、好ましくは500重量部以下、より好ましくは250重量部以下である。
上記樹脂の熱分解における加熱の温度としては、樹脂の種類にもより特に限定されないが、例えば、150℃~800℃とすることができる。加熱時間としては、例えば、15分~5時間とすることができる。加熱温度としては、300℃~600℃であることが好ましく、加熱時間としては、30分~3時間であることが好ましい。また、上記加熱は、大気中で行ってもよく、窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気下で行ってもよい。もっとも、得られる部分剥離型薄片化黒鉛の導電性をより一層高める観点からは、上記加熱を窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気下で行うことが望ましい。また、上記加熱工程を複数回行ってもよい。
なお、炭素材料が部分剥離型薄片化黒鉛である場合、混合する樹脂の種類を変更することにより、炭素材料のBET比表面積を調整することができる。また、各種樹脂の配合比を変更することによって、熱分解の際の加熱温度及び加熱時間を制御することができる。また、上記樹脂の熱分解の際の加熱温度を高くしたり、加熱時間を長くしたりすることによっても、炭素材料のBET比表面積を大きくすることができる。
なお、部分剥離型薄片化黒鉛には、さらに賦活処理が施されてもよい。
賦活処理の方法としては、特に限定されず、薬品賦活法やガス賦活法が挙げられる。なかでも、ガス賦活法であることが好ましい。
ガス賦活法に用いる賦活剤としては、特に限定されず、例えば、二酸化炭素、水蒸気、燃焼ガスなどが挙げられる。なかでも、賦活剤は、二酸化炭素であることが好ましい。
また、ガス賦活法における賦活処理の温度としては、例えば、600℃~1200℃とすることができる。また、その温度における保持時間は、例えば、30分~300分とすることができる。
賦活処理の加熱において、樹脂の一部が炭化していてもよいし、樹脂が完全に炭化していてもよい。
このように炭素材料のBET比表面積は、上記樹脂の熱分解の際の加熱温度を高くしたり、加熱時間を長くしたりすることにより調整することができる。また、混合樹脂の種類を変更することにより、熱分解の際の加熱温度及び加熱時間を制御することができる。これにより、BET比表面積を調整することができる。また、炭素材料の酸性官能基含有量は、最適な賦活剤を選択することにより調整することができる。
[蓄電デバイス用電極材料、キャパシタ用電極シート、及び電気二重層キャパシタ]
本発明の蓄電デバイス用電極材料は、上述した本発明の炭素材料を含む。そのため、蓄電デバイスの容量を高めることができ、しかも高電圧での容量維持率の低下を抑制することができる。
蓄電デバイスとしては、特に限定されないが、非水電解質一次電池、水系電解質一次電池、非水電解質二次電池、水系電解質二次電池、コンデンサ、電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタ、デュアルカーボン電池、又は多価イオン電池などが例示される。なかでも、本発明の蓄電デバイス用電極材料は、蓄電デバイスの容量を高めることができ、しかも高電圧での容量維持率の低下を抑制することができるので、電気二重層キャパシタのようなキャパシタに好適に用いることができる。以下、本発明の蓄電デバイス用電極材料を電気二重層キャパシタに用いる場合について説明する。
なお、上記蓄電デバイス用電極材料は、本発明の炭素材料に必要に応じてバインダー樹脂や溶媒を含めて賦形することにより、キャパシタの電極シートとして用いることができる。
上記蓄電デバイス用電極材料の賦形は、例えば、圧延ローラーでシート化した後、乾燥することにより行うことができる。また、本発明の炭素材料とバインダー樹脂と溶媒とからなる塗液を集電体に塗工し、その後乾燥することにより行ってもよい。
バインダー樹脂としては、例えば、ポリブチラール、ポリテトラフルオロエチレン、スチレンブタジエンゴム、ポリイミド樹脂、アクリル系樹脂、ポリフッ化ビニリデンなどのフッ素系ポリマーや、水溶性のカルボキシメチルセルロースなどを用いることができる。これらのバインダー樹脂は、1種を単独で用いてもよく、複数種を併用してもよい。バインダー樹脂としては、好ましくは、スチレンブタジエンゴムと水溶性のカルボキシメチルセルロースとを用いることができる。スチレンブタジエンゴムと水溶性のカルボキシメチルセルロースとを用いた場合、炭素材料の分散性をより一層高めることができる。
バインダー樹脂の配合割合については、炭素材料100重量部に対し、10重量部~20重量部の範囲とすることが好ましく、1重量部~5重量部の範囲とすることがより好ましい。バインダー樹脂の配合割合を上記範囲内とすることにより、蓄電デバイスの容量をより一層向上させることができる。
本発明の蓄電デバイス用電極材料は、さらに導電助剤を含んでいてもよい。導電助剤としては、特に限定されず、例えば、グラフェン、粒状黒鉛化合物、繊維状黒鉛化合物、カーボンブラック、または活性炭を用いることができる。もっとも、本発明の蓄電デバイス用電極材料は、導電助剤を含んでいなくともよい。
導電助剤の配合割合については、特に限定されず、本発明の炭素材料100重量部に対し、10重量部~20重量部であることが好ましく、1重量部~5重量部であることがより好ましい。導電助剤の配合割合を上記範囲内とすることにより、蓄電デバイスの容量をより一層向上させることができる。
なお、上記溶媒としては、エタノール、N-メチルピロリドン(NMP)又は水等を使用することができる。
また、キャパシタの電解液としては、水系を用いてもよいし、非水系(有機系)を用いてもよい。
水系の電解液としては、例えば、溶媒に水を用い、電解質に硫酸や水酸化カリウムなどを用いた電解液が挙げられる。
他方、非水系の電解液としては、例えば、以下の溶媒や電解質、イオン性液体を用いた電解液を用いることができる。具体的に、溶媒としては、アセトニトリル、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、又はアクリロニトリル(AN)などが挙げられる。
また、電解質としては、6フッ化リン酸リチウム(LiPF)、4フッ化ホウ酸リチウム(LiBF)、4フッ化ホウ酸テトラエチルアンモニウム(TEABF)又は4フッ化ホウ酸トリエチルメチルアンモニウム(TEMABF)などが挙げられる。
さらに、イオン性液体としては、例えば、以下のカチオンとアニオンとを有するイオン性液体を用いることができる。カチオンとしては、イミダゾリウムイオン、ピリジニウムイオン、ピペリジウムイオン、ピロリジウムイオン、アンモニウムイオン、ホスホニウムイオンなどが挙げられる。アニオンとしては、4フッ化ホウ素イオン(BF )、6フッ化ホウ素イオン(BF )、4塩化アルミニウムイオン(AlCl )、6フッ化タンタルイオン(TaF )、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メタンイオン(C(CFSO )、ビスフルオロスルホニルイミド等が挙げられる。イオン性液体を用いた場合には、キャパシタにおいて、駆動電圧をより一層向上させ得る。つまりエネルギー密度をより一層高めることができる。
次に、本発明の具体的な実施例及び比較例を挙げることにより本発明を明らかにする。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
膨張黒鉛(東洋炭素社製、商品名「PFパウダー8」、BET比表面積=22m/g)1gと、ポリエステルポリオール(川崎化成工業社製、「RLK-087」)117gと、でんぷん(和光純薬社製)117gとを、ラボ・リューション(プライミクス社製)を用いて混合した。この操作により、ポリエステルポリオールを膨張黒鉛に吸着させた。このようにして、ポリエステルポリオールが膨張黒鉛に吸着されている組成物を用意した。
この組成物を窒素雰囲気下において400℃の温度で、1時間維持する加熱工程を実施した。それによって、上記ポリエステルポリオールを熱分解させて、部分剥離型薄片化黒鉛であるエッジ剥離型薄片化黒鉛を得た。この部分剥離型薄片化黒鉛には、ポリエステルポリオール(樹脂)の一部が残存している。
続いて、二酸化炭素雰囲気下において、温度(炭化・賦活温度)1040℃で、65分間保持することによって、賦活処理を施すことにより炭素材料を得た。
また、作製した炭素材料のBET比表面積は、1900m/gであった。なお、BET比表面積は、高精度ガス吸着量測定装置(マイクロトラック・ベル社製、品番「BELSORP-MAX」、窒素ガス)を用いて測定した。
また、得られた炭素材料の酸性官能基含有量を、Boehemの方法に従って測定した。具体的には、炭素材料1gに対し水酸化ナトリウム水溶液(0.05mol/L)を加え、4時間振とうさせた後、12時間静置した。作製した溶液に対し塩酸により逆適定することによって塩基消費量を求め、酸性官能基含有量を得た。実施例1では、炭素材料の酸性官能基含有量が0.05meq/g未満であった。
次に、得られた炭素材料を用いて塗工電極を作製した。具体的には、得られた炭素材料を自転公転式ミキサー(シンキー社製、品番「AR-100」)にて水中に分散させた。さらに、バインダー樹脂としてのカルボキシメチルセルロースと、スチレンブタジエンゴムとを、炭素材料90重量部に対して、それぞれ5重量部添加して、混合させて塗液を得た。得られた塗液を、アルミニウム箔上に塗工し、乾燥させることで、電極シートを作製した。
(実施例2)
実施例2では、電極シートを作製するに際し、炭素材料のうち5重量部の代わりに、導電助剤であるアセチレンブラック(デンカ社製、品番「Li-400」)5重量部を添加したこと以外は、実施例1と同様にして電極シートを作製した。
(実施例3)
膨張黒鉛(東洋炭素社製、商品名「PFパウダー8」、BET比表面積=22m/g)1gと、ポリエステルポリオール(川崎化成工業社製、「RLK-087」)117gと、でんぷん(和光純薬社製)117gとを混合した。この操作により、ポリエステルポリオールを膨張黒鉛に吸着させた。このようにして、ポリエステルポリオールが膨張黒鉛に吸着されている組成物を用意した。
この組成物を窒素雰囲気下において400℃の温度で、1時間維持する加熱工程を実施した。それによって、上記ポリエステルポリオールを熱分解させて、部分剥離型薄片化黒鉛であるエッジ剥離型薄片化黒鉛を得た。この部分剥離型薄片化黒鉛には、ポリエステルポリオール(樹脂)の一部が残存している。
続いて、二酸化炭素雰囲気下において、温度(炭化・賦活温度)1000℃で、140分間保持することによって、賦活処理を施すことにより炭素材料を得た。
また、実施例1と同様にして測定したBET比表面積は、2050m/gであった。
また、実施例1と同様にして測定した酸性官能基含有量は、0.05meq/g未満であった。
次に、実施例2と同様にして、電極シートを作製した。
(実施例4)
膨張黒鉛(東洋炭素社製、商品名「PFパウダー8」、BET比表面積=22m/g)1gと、ポリエステルポリオール(川崎化成工業社製、「RLK-087」)117gと、でんぷん(和光純薬社製)117gとを用いて混合した。この操作により、ポリエステルポリオールを膨張黒鉛に吸着させた。このようにして、ポリエステルポリオールが膨張黒鉛に吸着されている組成物を用意した。
この組成物を窒素雰囲気下において400℃の温度で、1時間維持する加熱工程を実施した。それによって、上記ポリエステルポリオールを熱分解させて、部分剥離型薄片化黒鉛であるエッジ剥離型薄片化黒鉛を得た。この部分剥離型薄片化黒鉛には、ポリエステルポリオール(樹脂)の一部が残存している。
続いて、二酸化炭素雰囲気下において、温度(炭化・賦活温度)1000℃で、150分間保持することによって、賦活処理を施すことにより炭素材料を得た。
また、実施例1と同様にして測定したBET比表面積は、2150m/gであった。
また、実施例1と同様にして測定した酸性官能基含有量は、0.05meq/g未満であった。
次に、実施例2と同様にして、電極シートを作製した。
(比較例1)
比較例1では、炭素材料として水蒸気賦活炭(クラレ社製、「YP-50F」)をそのまま用いたこと以外は、実施例2と同様にして電極シートを作製した。
(比較例2)
比較例2では、炭素材料としてアルカリ賦活炭(MCエバテック社製、「MSP-20X」)をそのまま用いたこと以外は、実施例2と同様にして電極シートを作製した。
(比較例3)
膨張黒鉛(東洋炭素社製、商品名「PFパウダー8」、BET比表面積=22m/g)1gと、ポリエステルポリオール(川崎化成工業社製、「RFK868」)250gとを、ホモミクサー(プライミクス社製)を用いて混合した。この操作により、ポリエステルポリオールを膨張黒鉛に吸着させた。このようにして、ポリエステルポリオールが膨張黒鉛に吸着されている組成物を用意した。
上記混合後に、上記組成物5.0gに対して、賦活剤としての炭酸カリウム10gをビーカー中でスパチュラにてよく混合した。それによって、炭酸カリウムの上記組成物に対する重量比を1倍とした(=含浸率1)。
この組成物を窒素雰囲気下において370℃の温度で、1時間維持する加熱工程を実施した。それによって、上記ポリエステルポリオールを熱分解させて、部分剥離型薄片化黒鉛を得た。この部分剥離型薄片化黒鉛には、ポリエステルポリオール(樹脂)の一部が残存している。
続いて、窒素雰囲気下において、温度(炭化・賦活温度)800℃で、60分間保持することにより、賦活処理を施した。最後に、熱水で中性に洗浄することにより、炭素材料を得た。
また、実施例1と同様にして測定したBET比表面積は、1242m/gであった。
また、実施例1と同様にして測定した酸性官能基含有量は、0.73meq/gであった。
次に、実施例1と同様にして、電極シートを作製した。
(比較例4)
膨張黒鉛(東洋炭素社製、商品名「PFパウダー8」、BET比表面積=22m/g)1gと、ポリエステルポリオール(川崎化成工業社製、「RLK087」)94gと、でんぷん(和光純薬社製)125gと、クエン酸(和光純薬社製)31gとを混合した。この操作により、ポリエステルポリオール及びでんぷんを膨張黒鉛に吸着させた。このようにして、ポリエステルポリオール及びでんぷんが膨張黒鉛に吸着されている組成物を用意した。
この組成物を窒素雰囲気下において370℃の温度で、1時間維持する加熱工程を実施した。それによって、上記ポリエステルポリオールを熱分解させて、部分剥離型薄片化黒鉛を得た。この部分剥離型薄片化黒鉛には、ポリエステルポリオールおよび架橋構造の一部が残存している。
続いて、二酸化炭素雰囲気下において、温度(炭化・賦活温度)950℃で、60分間保持することにより、賦活処理を施すことにより、炭素材料を得た。
また、実施例1と同様にして測定したBET比表面積は、980m/gであった。
また、実施例1と同様にして測定した酸性官能基含有量は、0.05meq/g未満であった。
次に、実施例1と同様にして、電極シートを作製した。
[キャパシタ評価]
実施例1~4及び比較例1~4で得られた電極シートを用いてキャパシタ評価を行った。上記の電極シート面積が3×3cmとなるようにカッターで切り出した。続いて、厚さ0.1mmのアルミ製の集電端子を超音波溶接により取り付けた。上記のようにして作製した両電極を厚さ30μm、面積4×4cmのセルロース製セパレーター(日本高度紙社製、商品名「TF45―30」)を介して、対向配置させた。その後、集電端子部が外部に露出するようにアルミニウムフィルムで外装してアルミニウムラミネートセルとした。このアルミニウムラミネートセルの1片から、電解液として1Mテトラエチルアンモニウム4フッ化ホウ素のアセトニトリル溶液を0.6ml注入してラミネートフィルムを封止することによって電気二重層キャパシタを作製した。これらの作業は、露点-70℃以下の環境で実施した。
電気二重層キャパシタの静電容量を測定するに際しては、制御電流値を10mA/g(電極重量1gあたり10mAの電流を流す)に設定し0V~3.0V間の繰り返し充放電特性測定を3サイクル実施した。それによって、得られた測定結果について、算出範囲を1.50V~3.0Vに設定した上で、下記式(1)を用いて静電容量を算出した。
C=I/(ΔV/Δt)…式(1)
(式(1)中、Cは静電容量であり単位はF、Iは放電電流値で単位はAである。ΔVは、計算範囲における開始電圧値と終了電圧値との差であって単位はVであり、ここでは範囲が3.0Vから1.50Vまでであることから1.50である。Δtは開始電圧値から終了電圧値になるまで放電するのに要する時間であり単位は秒である。)
電気二重層キャパシタのフロート試験は、70℃の恒温槽を用いて、3.0Vの一定電圧をかけた状態を100時間維持した。
容量維持率の評価:
また、上記により得られた重量当たりの静電容量から容量維持率を評価した。容量維持率の評価においては、フロート試験を行う前の静電容量(初期容量)をC、フロート試験を行った後の静電容量をCとし、C/C×100の値を算出した。
結果を下記の表1に示す。
Figure 2023081681000001
表1から明らかなように実施例1~4では、初期容量が25.6(F/g)以上であり、かつ高電圧(3.0V)での容量維持率が87.0%以上であった。一方、比較例1~4では、初期容量が25.6(F/g)未満であるか、高電圧(3.0V)での容量維持率が87.0%未満であった。
以上より、BET比表面積が、1800m/g以上、2500m/g以下であり、酸性官能基含有量が、0.1meq/g以下である、炭素材料を用いることにより、蓄電デバイスの容量を高めることができ、しかも高電圧での容量維持率の低下を抑制できることが確認できた。
10…部分剥離型薄片化黒鉛
11…エッジ部
12…中央部
13…樹脂又は樹脂炭化物

Claims (7)

  1. 蓄電デバイスの電極材料に用いられる炭素材料であって、
    前記炭素材料のBET比表面積が、1800m/g以上、2500m/g以下であり、
    前記炭素材料の酸性官能基含有量が、0.1meq/g以下である、炭素材料。
  2. 前記炭素材料の粉体抵抗が、0.01Ω・cm以下である、請求項1に記載の炭素材料。
  3. 前記炭素材料が、グラフェン積層構造を有する炭素材料を含む、請求項1又は2に記載の炭素材料。
  4. 前記炭素材料が、グラファイト構造を有し、かつエッジ部分においてグラファイトが部分的に剥離されている構造を有する、部分剥離型薄片化黒鉛を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の炭素材料。
  5. 請求項1~4のいずれか1項に記載の炭素材料を含む、蓄電デバイス用電極材料。
  6. 請求項5に記載の蓄電デバイス用電極材料を含む、キャパシタ用電極シート。
  7. 請求項6に記載のキャパシタ用電極シートを備える、電気二重層キャパシタ。
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