JP2023154158A - 真空バルブ - Google Patents
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Abstract
【課題】本願は、信頼性の高い真空バルブを提供するものである。
【解決手段】軸方向ストレート部分(5b,11b)と径方向ストレート部分(5a,11a)を有する金属端板(5,11)と、少なくとも金属端板(5,11)のいずれか一方の金属端板(5,11)と絶縁容器(1)との間に配置されて絶縁容器(1)に固着される電界緩和フランジ(6,12)を設け、電界緩和フランジ(6,12)は絶縁容器(1)との固着部(6a,12a)から軸方向に折り曲げられた第1折曲部(6b,12b)が形成され、電界緩和フランジ(6,12)の第1折曲部(6b,12b)は金属端板(5,11)の軸方向ストレート部分(5b,11b)の内側面に沿うよう接合されて取り付けられたものである。
【選択図】図1
【解決手段】軸方向ストレート部分(5b,11b)と径方向ストレート部分(5a,11a)を有する金属端板(5,11)と、少なくとも金属端板(5,11)のいずれか一方の金属端板(5,11)と絶縁容器(1)との間に配置されて絶縁容器(1)に固着される電界緩和フランジ(6,12)を設け、電界緩和フランジ(6,12)は絶縁容器(1)との固着部(6a,12a)から軸方向に折り曲げられた第1折曲部(6b,12b)が形成され、電界緩和フランジ(6,12)の第1折曲部(6b,12b)は金属端板(5,11)の軸方向ストレート部分(5b,11b)の内側面に沿うよう接合されて取り付けられたものである。
【選択図】図1
Description
本願は、真空バルブに関するものである。
真空遮断器あるいは真空開閉器などに搭載される真空バルブは、一般的に絶縁容器、シールド、固定側接点、固定側電極棒、固定側金属端板、可動側接点、可動側電極棒、ベローズカバー、ベローズ、可動側金属端板で構成されている。
前述の絶縁容器の両端面には、ロウ付け用のメタライズ層が設けられており、各金属端板と絶縁容器をロウ付けし、気密封着することで、絶縁容器の内部の真空状態を維持することが可能となる。
また、特許文献1に示す真空バルブには、電界緩和のために、絶縁容器と各金属端板の間にリング状の封着部材を設けることで、耐電圧性能が向上するようにしている。
上述した従来の真空バルブは、各金属端板と絶縁容器の間に電界緩和のための封着部材が設けられていない構成で、絶縁容器の両端面にあるメタライズ層が露出した構造の場合、耐電圧性能が低下する可能性があるため、特許文献1に示すように、封着部材を設けることで耐電圧性能を向上させた真空バルブがある。
しかし、電界緩和のため、特許文献1に示すように、絶縁容器と各金属端板の間にリング状の封着部材を設けた場合、耐電圧性能は向上するが、この真空バルブを加圧ガス中に配置した場合、ガスによる圧力によって各金属端板が変形する可能性があるという問題があった。
本願は、上記のような課題を解決するための技術を開示するものであり、その目的は、信頼性の高い真空バルブを提供するものである。
本願に開示される真空バルブは、両端面にメタライズ層を有する絶縁容器と、前記絶縁容器の一方側に配置された軸方向ストレート部分と径方向ストレート部分を有する固定側金属端板と、前記固定側金属端板に固着された固定側電極棒と、前記固定側電極棒に設けられた固定側接点と、前記絶縁容器の他方側に配置された軸方向ストレート部分と径方向ストレート部分を有する可動側金属端板と、前記可動側金属端板にベロ-ズを介して進退自在に設けられた可動側電極棒と、前記可動側電極棒に設けられ、前記固定側接点に接離される可動側接点とを有する真空バルブであって、少なくとも前記固定側金属端板と前記可動側金属端板のいずれか一方の金属端板と前記絶縁容器との間に配置されて前記絶縁容器に固着される電界緩和フランジを設け、前記電界緩和フランジは前記絶縁容器との固着部から軸方向に折り曲げられた第1折曲部が形成され、前記電界緩和フランジの前記第1折曲部は前記金属端板の軸方向ストレート部分の内側面に沿うよう接合されて取り付けられたものである。
本願に開示される真空バルブによれば、少なくとも固定側金属端板と可動側金属端板のいずれか一方の金属端板と絶縁容器との間に電界緩和フランジが配置され、電界緩和フランジは絶縁容器との固着部から軸方向に折り曲げられた第1折曲部が形成され、電界緩和フランジの第1折曲部は前記金属端板の軸方向ストレート部分の内側面に沿うよう接合されて取り付けられたことにより、信頼性の高い真空バルブを得ることができる。
実施の形態1.
以下、本願の実施の形態1を図1から図4に基づいて説明するが、各図において、同一、または相当部材、部位については同一符号を付して説明する。図1は実施の形態1に係る真空バルブを示す断面図である。図2は実施の形態1に係る真空バルブにおける固定側電界緩和フランジを示す図であり、(a)は断面図で、(b)は斜視図である。図3は実施の形態1に係る真空バルブにおける固定側電界緩和フランジと固定側金属端板と絶縁容器との組立状態を示す図であり、(a)は断面図で、(b)は斜視図である。図4は実施の形態1に係る真空バルブにおける寸法関係を示す断面図である。
以下、本願の実施の形態1を図1から図4に基づいて説明するが、各図において、同一、または相当部材、部位については同一符号を付して説明する。図1は実施の形態1に係る真空バルブを示す断面図である。図2は実施の形態1に係る真空バルブにおける固定側電界緩和フランジを示す図であり、(a)は断面図で、(b)は斜視図である。図3は実施の形態1に係る真空バルブにおける固定側電界緩和フランジと固定側金属端板と絶縁容器との組立状態を示す図であり、(a)は断面図で、(b)は斜視図である。図4は実施の形態1に係る真空バルブにおける寸法関係を示す断面図である。
図1に示すように、実施の形態1の真空バルブは、絶縁容器1の固定側端面にメタライズ層1aが設けられ、可動側端面にメタライズ層1bが設けられ、絶縁容器1内の中央部側に位置する固定側接点3を有する固定側電極棒4が固定側金属端板5の固定側貫通孔5cを貫通して配置されている。絶縁容器1内の中央部側に位置する固定側接点3に接離される可動側接点7を有する可動側電極棒8が可動側金属端板11の可動側貫通孔11cを貫通して配置されている。
絶縁容器1内の中央部側に固定側接点3と可動側接点7との接離に伴うアークなどが絶縁容器1の内面に付着するのを防止するシールド2が設けられている。可動側電極棒8にはベローズカバー9とベローズ10が設けられ、絶縁容器1内を真空状態に維持するようにしている。
固定側金属端板5は絶縁容器1の一方側に配置された固定側軸方向ストレート部分5bと固定側径方向ストレート部分5aを有している。固定側金属端板5の固定側軸方向ストレート部分5bの厚さは固定側金属端板5の固定側径方向ストレート部分5aの厚さよりも小さい厚さとした場合を示している。可動側金属端板11は絶縁容器1の他方側に配置された可動側軸方向ストレート部分11bと可動側径方向ストレート部分11aを有している。可動側金属端板11の可動側軸方向ストレート部分11bの厚さは可動側金属端板11の可動側径方向ストレート部分11aの厚さよりも小さい厚さとした場合を示している。
固定側金属端板5と絶縁容器1との間に配置されて絶縁容器1のメタライズ層1aに固着部6aが固着される固定側電界緩和フランジ6を設け、固定側電界緩和フランジ6は絶縁容器1との固定側固着部6aから軸方向に折り曲げられた固定側第1折曲部6bが形成され、固定側電界緩和フランジ6の固定側第1折曲部6bは固定側金属端板5の固定側軸方向ストレート部分5bの内側面に沿うよう接合されて取り付けられる。
可動側金属端板11と絶縁容器1との間に配置されて絶縁容器1のメタライズ層1bに可動側固着部12aが固着される可動側電界緩和フランジ12を設け、可動側電界緩和フランジ12は絶縁容器1との可動側固着部12aから軸方向に折り曲げられた可動側第1折曲部12bが形成され、可動側電界緩和フランジ12の可動側第1折曲部12bは可動側金属端板11の可動側軸方向ストレート部分11bの内側面に沿うよう接合されて取り付けられる。
固定側金属端板5、可動側金属端板11は固定側径方向ストレート部分5a、可動側径方向ストレート部分11aおよび曲面の厚さを厚くするために板材をプレス加工した後、絶縁容器1と固定側金属端板5、可動側金属端板11の平均線膨張係数の大きな差異から生じる絶縁容器1の割れを防ぐために絶縁容器1側の固定側軸方向ストレート部分5b、可動側軸方向ストレート部分11bを機械加工で削ることで厚さが細くなるように加工されている。
また、図2以降については、固定側金属端板5と固定側電界緩和フランジ6を主体に説明する。図2に示すように、固定側電界緩和フランジ6は絶縁容器1の平均線膨張係数に近い例えば銅などの金属を母材とした場合を示している。図4に示すように、絶縁容器1と固着される固定側電界緩和フランジ6の固定側固着部6aの底面の幅をaとし、絶縁容器1の厚さ幅をbとしたとき、aとbとの関係はa≧bであり、固定側電界緩和フランジ6の固定側第1折曲部6bの長さをcとし、固定側金属端板5の固定側軸方向ストレート部分5bの長さをdとしたとき、cとdとの関係はc≦dである。すなわち、固定側電界緩和フランジ6の固定側固着部6aの底面の幅aが絶縁容器1の厚さ幅bよりも大きい、もしくは同等の厚さ幅a≧bを有し、固定側電界緩和フランジ6の固定側第1折曲部6bの長さcが固定側金属端板5の固定側軸方向ストレート部分5bの長さdより短い、もしくは同等の長さc≦dになるように折り曲げて形成されている。
なお、詳細な図示はしていないが、可動側金属端板11および可動側電界緩和フランジ12についても、固定側金属端板5と固定側電界緩和フランジ6と同じ構造になっている。
上述したように、この実施の形態1に係る真空バルブは、固定側電界緩和フランジ6を絶縁容器1のメタライズ層1aを被うように固着させ、固定側電界緩和フランジ6の固定側第1折曲部6bの軸方向側面を固定側金属端板5の固定側軸方向ストレート部分5bの内側面に沿うように接合して配置する構造とする。また、可動側電界緩和フランジ12を絶縁容器1のメタライズ層1bを被うように固着させ、可動側電界緩和フランジ12の可動側第1折曲部12bの軸方向側面を可動側金属端板11の可動側軸方向ストレート部分11bの内側面に沿うように接合して配置する構造とする。
固定側電界緩和フランジ6、可動側電界緩和フランジ12を上述したような形状にすることで、絶縁容器1の端面のメタライズ層1a,1bの電界を緩和することが可能となり、耐電圧性能を向上させることができる。かつ固定側電界緩和フランジ6の固定側第1折曲部6bの軸方向側面を固定側金属端板5の固定側軸方向ストレート部分5bの内側面に沿うように接合するとともに可動側電界緩和フランジ12の可動側第1折曲部12bの軸方向側面を可動側金属端板11の可動側軸方向ストレート部分11bの内側面に沿うように接合することで、固定側金属端板5の部分および可動側金属端板11の部分における軸方向の厚みを増加することが可能となり、真空バルブを加圧ガス中に配置した場合でも、ガス圧による固定側金属端板5および可動側金属端板11の変形を抑制でき、機械的強度を向上させることができる。
また、固定側電界緩和フランジ6は固定側金属端板5に、及び可動側電界緩和フランジ12は可動側金属端板11にそれぞれ配置した場合について述べたが、これに限定されるものではなく、固定側金属端板5にだけ固定側電界緩和フランジ6を設けてもよく、あるいは可動側金属端板11にだけ可動側電界緩和フランジ12を設けてもよい。
実施の形態2.
本願の実施の形態2を図5および図6に基づいて説明するが、各図において、同一、または相当部材、部位については同一符号を付して説明する。図5は実施の形態2に係る真空バルブにおける固定側電界緩和フランジを示す図であり、(a)は断面図で、(b)は斜視図である。図6は実施の形態2に係る真空バルブにおける固定側電界緩和フランジと固定側金属端板と絶縁容器との組立状態を示す図であり、(a)は断面図で、(b)は斜視図である。
本願の実施の形態2を図5および図6に基づいて説明するが、各図において、同一、または相当部材、部位については同一符号を付して説明する。図5は実施の形態2に係る真空バルブにおける固定側電界緩和フランジを示す図であり、(a)は断面図で、(b)は斜視図である。図6は実施の形態2に係る真空バルブにおける固定側電界緩和フランジと固定側金属端板と絶縁容器との組立状態を示す図であり、(a)は断面図で、(b)は斜視図である。
本願の実施の形態2の真空バルブは、上述した実施の形態1と実質的に同様の構成である。実施の形態2においては、図5に示すように、例えば固定側電界緩和フランジ6の固定側第1折曲部6bの先端部は固定側金属端板5のR加工された曲面と同じR寸法に折り曲げられて固定側R加工部6cが形成されていることが特徴である。
固定側金属端板5は加工費が高価な機械加工(削り加工)を実施しないで済むように、絶縁容器1と固定側金属端板5の平均線膨張係数の大きな差異から生じる絶縁容器割れが発生しない厚さの板材でプレス加工を実施する。
また、図5に示すように、この固定側電界緩和フランジ6は絶縁容器1の平均線膨張係数に近い例えば銅などの金属を母材とし、上述した図4に示すように、固定側電界緩和フランジ6の固定側固着部6aの底面の幅をaとし、絶縁容器1の厚さ幅をbとしたとき、aとbとの関係はa≧bである。
また、固定側電界緩和フランジ6の固定側第1折曲部6bを固定側金属端板5の固定側軸方向ストレート部分5bの内側面に沿うように折り曲げた部分が固定側金属端板5の固定側軸方向ストレート部分5bを超えて、R加工された曲面の位置まで沿うよう接合されて取り付けられる。かつ固定側電界緩和フランジ6の固定側第1折曲部6bの先端部は固定側金属端板5のR加工された曲面と同じR寸法に折り曲げられて固定側R加工部6cが形成されている。
上述したように、この実施の形態2に係る真空バルブは、固定側電界緩和フランジ6を絶縁容器1のメタライズ層1aを被うように固着させ、固定側電界緩和フランジ6の固定側第1折曲部6bの軸方向側面を固定側金属端板5の固定側軸方向ストレート部分5bの内側面に沿うように接合および固定側電界緩和フランジ6の固定側R加工部6cを固定側金属端板5のR加工された曲面に沿うように接合して配置する構造とする。
固定側電界緩和フランジ6を上述したような形状にすることで、絶縁容器1の端面のメタライズ層1a,1bの電界を緩和することが可能となり、耐電圧性能を向上させることができる。かつ固定側電界緩和フランジ6の固定側第1折曲部6bの軸方向側面を固定側金属端板5の固定側軸方向ストレート部分5bの内側面に沿うように接合および固定側電界緩和フランジ6の固定側R加工部6cを固定側金属端板5のR加工された曲面に沿うように接合することで、固定側金属端板5の部分における軸方向の厚みを増加することが可能となり、真空バルブを加圧ガス中に配置した場合でも、ガス圧による固定側金属端板5の変形を抑制でき、機械的強度を向上させることができる。
また、図6に示すように、固定側電界緩和フランジ6の固定側R加工部6cに固定側金属端板5の固定側径方向ストレート部分に沿う固定側補強板13を配置して強度を高めている。
また、固定側金属端板5の加工時に加工費が高価な機械加工(削り加工)を実施しないで済むため、加工費の削減が図れる。
上述した説明は固定側金属端板5と固定側電界緩和フランジ6について述べたが、詳細な図示はしていないが、可動側金属端板11および可動側電界緩和フランジ12についても、固定側金属端板5と固定側電界緩和フランジ6と同じ構造になっている。
また、固定側電界緩和フランジ6は固定側金属端板5に、及び可動側電界緩和フランジ12は可動側金属端板11にそれぞれ配置した場合について述べたが、これに限定されるものではなく、固定側金属端板5にだけ固定側電界緩和フランジ6を設けてもよく、あるいは可動側金属端板11にだけ可動側電界緩和フランジ12を設けてもよい。
実施の形態3.
本願の実施の形態3を図7から図9に基づいて説明するが、各図において、同一、または相当部材、部位については同一符号を付して説明する。図7は実施の形態3に係る真空バルブにおける固定側電界緩和フランジを示す図であり、(a)は断面図で、(b)は斜視図である。図8は実施の形態3に係る真空バルブにおける固定側電界緩和フランジと固定側金属端板と絶縁容器との組立状態を示す図であり、(a)は断面図で、(b)は斜視図である。図9は実施の形態3に係る真空バルブにおける寸法関係を示す断面図である。
本願の実施の形態3を図7から図9に基づいて説明するが、各図において、同一、または相当部材、部位については同一符号を付して説明する。図7は実施の形態3に係る真空バルブにおける固定側電界緩和フランジを示す図であり、(a)は断面図で、(b)は斜視図である。図8は実施の形態3に係る真空バルブにおける固定側電界緩和フランジと固定側金属端板と絶縁容器との組立状態を示す図であり、(a)は断面図で、(b)は斜視図である。図9は実施の形態3に係る真空バルブにおける寸法関係を示す断面図である。
本願の実施の形態3の真空バルブは、図7に示すように、例えば固定側電界緩和フランジ6の固定側第1折曲部6bの先端部から連続した固定側径方向ストレート部分6dを設け、固定側径方向ストレート部分6dの中央部に固定側金属端板5の固定側貫通孔5cと同じ径の固定側貫通孔6eが形成されていることが特徴である。
固定側金属端板5は加工費が高価な機械加工(削り加工)を実施しないで済むように、絶縁容器1と固定側金属端板5の平均線膨張係数の大きな差異から生じる絶縁容器割れが発生しない厚さの板材でプレス加工を実施する。
また、図7に示すように、固定側電界緩和フランジ6は絶縁容器1の平均線膨張係数に近い例えば銅などの金属を母材とし、上述した図4に示すように、固定側電界緩和フランジ6の固定側固着部6aの底面の幅をaとし、絶縁容器1の厚さ幅をbとしたとき、aとbとの関係はa≧bである。
また、図9に示すように、固定側電界緩和フランジ6の固定側径方向ストレート部分6dの長さをeとし、固定側金属端板5の固定側径方向ストレート部分5aの長さをfとしたとき、eとfとの関係はe≦fである。
また、固定側電界緩和フランジ6の固定側第1折曲部6bが固定側金属端板5の固定側軸方向ストレート部分5bの内側面に沿うように接合および固定側電界緩和フランジ6の固定側径方向ストレート部分6dが固定側金属端板5の固定側径方向ストレート部分5aに沿うように接合されて取り付けられる。
上述したように、この実施の形態3に係る真空バルブは、固定側電界緩和フランジ6が絶縁容器1のメタライズ層1aを被うように固着され、固定側電界緩和フランジ6の固定側第1折曲部6bの軸方向側面を固定側金属端板5の固定側軸方向ストレート部分5bの内側面に沿うように接合および固定側電界緩和フランジ6の固定側径方向ストレート部分6dが固定側金属端板5の固定側径方向ストレート部分5aに沿うように接合されて配置する構造とする。
固定側電界緩和フランジ6を上述したような形状にすることで、絶縁容器1の端面のメタライズ層1a,1bの電界を緩和することが可能となり、耐電圧性能を向上させることができる。かつ固定側電界緩和フランジ6の固定側第1折曲部6bの軸方向側面を固定側金属端板5の固定側軸方向ストレート部分5bの内側面に沿うように接合および固定側電界緩和フランジ6の固定側径方向ストレート部分6dが固定側金属端板5の固定側径方向ストレート部分5aに沿うように接合することで、固定側金属端板5の部分における軸方向の厚みを増加することが可能となり、真空バルブを加圧ガス中に配置した場合でも、ガス圧による固定側金属端板5の変形を抑制でき、機械的強度を向上させることができる。
また、固定側金属端板5の加工時に加工費が高価な機械加工(削り加工)を実施しないで済むほか、固定側金属端板5の固定側径方向ストレート部分5aに配置する補強板も必要なくなるため、加工費および部品点数の削減が図れる。
上述した説明は固定側金属端板5と固定側電界緩和フランジ6について述べたが、詳細な図示はしていないが、可動側金属端板11および可動側電界緩和フランジ12についても、固定側金属端板5と固定側電界緩和フランジ6と同じ構造になっている。
また、固定側電界緩和フランジ6は固定側金属端板5に、及び可動側電界緩和フランジ12は可動側金属端板11にそれぞれ配置した場合について述べたが、これに限定されるものではなく、固定側金属端板5にだけ固定側電界緩和フランジ6を設けてもよく、あるいは可動側金属端板11にだけ可動側電界緩和フランジ12を設けてもよい。
実施の形態4.
本願の実施の形態4を図10および図11に基づいて説明するが、各図において、同一、または相当部材、部位については同一符号を付して説明する。図10は実施の形態4に係る真空バルブにおける固定側電界緩和フランジを示す図であり、(a)は断面図で、(b)は斜視図である。図11は実施の形態4に係る真空バルブにおける固定側電界緩和フランジと固定側金属端板と絶縁容器との組立状態を示す図であり、(a)は断面図で、(b)は斜視図である。
本願の実施の形態4を図10および図11に基づいて説明するが、各図において、同一、または相当部材、部位については同一符号を付して説明する。図10は実施の形態4に係る真空バルブにおける固定側電界緩和フランジを示す図であり、(a)は断面図で、(b)は斜視図である。図11は実施の形態4に係る真空バルブにおける固定側電界緩和フランジと固定側金属端板と絶縁容器との組立状態を示す図であり、(a)は断面図で、(b)は斜視図である。
本願の実施の形態4の真空バルブは、例えば固定側電界緩和フランジ6が固定側第1折曲部6bの先端部から内周側に向かって軸方向と直交する方向に折り曲げられた固定側第2折曲部6fを有し、固定側第2折曲部6fから固定側電界緩和フランジ6の固定側固着部6aに向かって折り曲げられた固定側第3折曲部6gを有し、固定側第3折曲部6gが絶縁容器1のメタライズ層1aを超える位置まで延在されたことが特徴である。
固定側金属端板5は加工費が高価な機械加工(削り加工)を実施しないで済むように、絶縁容器1と固定側金属端板5の平均線膨張係数の大きな差異から生じる絶縁容器割れが発生しない厚さの板材でプレス加工を実施する。
また、図10に示すように、固定側電界緩和フランジ6は絶縁容器1の平均線膨張係数に近い例えば銅などの金属を母材とし、上述した図4に示すように、固定側電界緩和フランジ6の固定側固着部6aの底面の幅をaとし、絶縁容器1の厚さ幅をbとしたとき、aとbとの関係はa≧bである。
固定側電界緩和フランジ6は絶縁容器1の平均線膨張係数に近い例えば銅などの金属を母材とし、上述した図4に示すように、固定側電界緩和フランジ6の固定側固着部6aの底面の幅をaとし、絶縁容器1の厚さ幅をbとしたとき、aとbとの関係はa≧bである。
上述したように、この実施の形態4に係る真空バルブは、固定側電界緩和フランジ6を絶縁容器1のメタライズ層1aを被うように固着させ、固定側電界緩和フランジ6の固定側第1折曲部6bの軸方向側面を固定側金属端板5の固定側軸方向ストレート部分5bの内側面に沿うように接合させるとともに、固定側電界緩和フランジ6の固定側第3折曲部6gを絶縁容器1のメタライズ層1aを超える位置まで延在させて絶縁容器1内に位置するようにした構造とする。
固定側電界緩和フランジ6を上述したような形状にすることで、絶縁容器1の端面のメタライズ層1a,1bの電界を緩和することが可能となり、耐電圧性能を向上させることができる。かつ固定側電界緩和フランジ6の固定側第1折曲部6bの軸方向側面を固定側金属端板5の固定側軸方向ストレート部分5bの内側面に沿うように接合させるとともに、固定側電界緩和フランジ6の固定側第3折曲部6gを絶縁容器1のメタライズ層1aを超える位置まで延在させて絶縁容器1内に位置するようにすることで、固定側金属端板5の部分における軸方向の厚みを増加することが可能となり、真空バルブを加圧ガス中に配置した場合でも、ガス圧による固定側金属端板5の変形を抑制でき、機械的強度を向上させることができる。
また、固定側電界緩和フランジ6の固定側第3折曲部6gの一部が絶縁容器1のメタライズ層1aの端面を超えて配置されることで、電流遮断時に発生する金属蒸気あるいは金属スパッタの飛散を抑制することが可能となり、絶縁容器1の内沿面の汚損防止を図ることができる。
また、固定側金属端板5の加工時に加工費が高価な機械加工(削り加工)を実施しないで済むため、加工費の削減が図れる。
上述した説明は固定側金属端板5と固定側電界緩和フランジ6について述べたが、詳細な図示はしていないが、可動側金属端板11および可動側電界緩和フランジ12についても、固定側金属端板5と固定側電界緩和フランジ6と同じ構造になっている。
また、固定側電界緩和フランジ6は固定側金属端板5に、及び可動側電界緩和フランジ12は可動側金属端板11にそれぞれ配置した場合について述べたが、これに限定されるものではなく、固定側金属端板5にだけ固定側電界緩和フランジ6を設けてもよく、あるいは可動側金属端板11にだけ可動側電界緩和フランジ12を設けてもよい。
実施の形態5.
本願の実施の形態5を図12から図14に基づいて説明するが、各図において、同一、または相当部材、部位については同一符号を付して説明する。図12は実施の形態5に係る真空バルブにおける固定側電界緩和フランジを示す図であり、(a)は断面図で、(b)は斜視図である。図13は実施の形態5に係る真空バルブにおける固定側電界緩和フランジと固定側金属端板と絶縁容器との組立状態を示す図であり、(a)は断面図で、(b)は斜視図である。図14は実施の形態5に係る真空バルブにおける寸法関係を示す断面図である。
本願の実施の形態5を図12から図14に基づいて説明するが、各図において、同一、または相当部材、部位については同一符号を付して説明する。図12は実施の形態5に係る真空バルブにおける固定側電界緩和フランジを示す図であり、(a)は断面図で、(b)は斜視図である。図13は実施の形態5に係る真空バルブにおける固定側電界緩和フランジと固定側金属端板と絶縁容器との組立状態を示す図であり、(a)は断面図で、(b)は斜視図である。図14は実施の形態5に係る真空バルブにおける寸法関係を示す断面図である。
本願の実施の形態5の真空バルブは、例えば固定側電界緩和フランジ6が固定側第1折曲部6bの先端部から内周側に向かって軸方向と直交する方向に折り曲げられた固定側第2折曲部6fを有し、固定側第2折曲部6fから固定側固着部6aに向かって折り曲げられた固定側第3折曲部6gを有し、固定側第3折曲部6gが絶縁容器1のメタライズ層1aを超える位置まで延在され、固定側電界緩和フランジ6の固定側固着部6aの外側が固定側第1折曲部6bと同方向に折り曲げられて固定側金属端板5の固定側軸方向ストレート部分5bの外側面に沿うよう接合されて取り付けられた固定側第4折曲部6hを有することが特徴である。なお、固定側金属端板5の固定側軸方向ストレート部分5bは固定側電界緩和フランジ6の固定側第1折曲部6bと固定側第4折曲部6hとの間に位置して配置されている。
固定側金属端板5は加工費が高価な機械加工(削り加工)を実施しないで済むように、絶縁容器1と固定側金属端板5の平均線膨張係数の大きな差異から生じる絶縁容器割れが発生しない厚さの板材でプレス加工を実施する。
図12に示すように、固定側電界緩和フランジ6は絶縁容器1の平均線膨張係数に近い例えば銅などの金属を母材とし、上述した図4に示すように、固定側電界緩和フランジ6の固定側固着部6aの底面の幅をaとし、絶縁容器1の厚さ幅をbとしたとき、aとbとの関係はa≧bである。
また、図14に示すように、固定側電界緩和フランジ6の固定側第4折曲部6hの長さをgとし、固定側金属端板5の固定側軸方向ストレート部分5bの長さをdとしたとき、gとdとの関係はg≦dである。
上述したように、この実施の形態5に係る真空バルブは、固定側電界緩和フランジ6を絶縁容器1のメタライズ層1aを被うように固着させ、固定側電界緩和フランジ6の固定側第1折曲部6bの軸方向側面を固定側金属端板5の固定側軸方向ストレート部分5bの内側面に沿うように接合させるとともに、固定側電界緩和フランジ6の固定側第3折曲部6gを絶縁容器1のメタライズ層1aを超える位置まで延在させて絶縁容器1内に位置するようにした構造とする。また、固定側電界緩和フランジ6の固定側第4折曲部6hを固定側第1折曲部6bと同方向に折り曲げて固定側金属端板5の固定側軸方向ストレート部分5bの外側面に沿うよう接合されて取り付けられた構造とする。これにより、固定側金属端板5の固定側軸方向ストレート部分5bは固定側電界緩和フランジ6の固定側第1折曲部6bと固定側第4折曲部6hとの間に配置された構造となり、固定側金属端板5と固定側電界緩和フランジ6との機械的強度が向上する。
固定側電界緩和フランジ6を上述したような形状にすることで、絶縁容器1の端面のメタライズ層1a,1bの電界を緩和することが可能となり、耐電圧性能を向上させることができる。かつ固定側電界緩和フランジ6の固定側第1折曲部6bの軸方向側面を固定側金属端板5の固定側軸方向ストレート部分5bの内側面に沿うように接合させるとともに、固定側電界緩和フランジ6の固定側第3折曲部6gを絶縁容器1のメタライズ層1aを超える位置まで延在させて絶縁容器1内に位置するように配置すること、および固定側電界緩和フランジ6の固定側第4折曲部6hを固定側第1折曲部6bと同方向に折り曲げて固定側金属端板5の固定側軸方向ストレート部分5bの外側面に沿うよう接合されて取り付けられたことで、固定側金属端板5の部分における軸方向の厚みを増加することが可能となり、真空バルブを加圧ガス中に配置した場合でも、ガス圧による固定側金属端板5の変形を抑制でき、機械的強度を向上させることができる。
また、固定側電界緩和フランジ6の固定側第3折曲部6gの一部が絶縁容器1のメタライズ層1aの端面を超えて配置されることで、電流遮断時に発生する金属蒸気あるいは金属スパッタの飛散を抑制することが可能となり、絶縁容器1の内沿面の汚損防止を図ることができる。
また、固定側金属端板5の加工時に加工費が高価な機械加工(削り加工)を実施しないで済むため、加工費の削減が図れる。
上述した説明は固定側金属端板5と固定側電界緩和フランジ6について述べたが、詳細な図示はしていないが、可動側金属端板11および可動側電界緩和フランジ12についても、固定側金属端板5と固定側電界緩和フランジ6と同じ構造になっている。
また、固定側電界緩和フランジ6は固定側金属端板5に、及び可動側電界緩和フランジ12は可動側金属端板11にそれぞれ配置した場合について述べたが、これに限定されるものではなく、固定側金属端板5にだけ固定側電界緩和フランジ6を設けてもよく、あるいは可動側金属端板11にだけ可動側電界緩和フランジ12を設けてもよい。
実施の形態6.
本願の実施の形態6を図15および図16に基づいて説明するが、各図において、同一、または相当部材、部位については同一符号を付して説明する。図15は実施の形態6に係る真空バルブにおける固定側電界緩和フランジを示す図であり、(a)は断面図で、(b)は斜視図である。図16は実施の形態6に係る真空バルブにおける固定側電界緩和フランジと固定側金属端板と絶縁容器との組立状態を示す図であり、(a)は断面図で、(b)は斜視図である。
本願の実施の形態6を図15および図16に基づいて説明するが、各図において、同一、または相当部材、部位については同一符号を付して説明する。図15は実施の形態6に係る真空バルブにおける固定側電界緩和フランジを示す図であり、(a)は断面図で、(b)は斜視図である。図16は実施の形態6に係る真空バルブにおける固定側電界緩和フランジと固定側金属端板と絶縁容器との組立状態を示す図であり、(a)は断面図で、(b)は斜視図である。
本願の実施の形態6の真空バルブは、上述した実施の形態5と実質的に同様の構成である。実施の形態6においては、図15に示すように、例えば固定側電界緩和フランジ6の固定側第4折曲部6hに固定側ネジ穴14が形成され、固定側電解緩和リング15は固定側電界緩和フランジ6の固定側第4折曲部6hに形成した固定側ネジ穴14に固定側ネジ16が螺入されて固定側電界緩和フランジ6の固定側第4折曲部6hに螺着されたことが特徴である。
固定側金属端板5は加工費が高価な機械加工(削り加工)を実施しないで済むように、絶縁容器1と固定側金属端板5の平均線膨張係数の大きな差異から生じる絶縁容器割れが発生しない厚さの板材でプレス加工を実施する。
図15に示すように、固定側電界緩和フランジ6は絶縁容器1の平均線膨張係数に近い例えば銅などの金属を母材とし、上述した図4に示すように、固定側電界緩和フランジ6の固定側固着部6aの底面の幅をaとし、絶縁容器1の厚さ幅をbとしたとき、aとbとの関係はa≧bである。また、上述した図14に示すように、固定側電界緩和フランジ6の固定側第4折曲部6hの長さをgとし、固定側金属端板5の固定側軸方向ストレート部分5bの長さをdとしたとき、gとdとの関係はg≦dである。
この実施の形態6に係る真空バルブは、上述した実施の形態5の構成に加え、固定側電界緩和フランジ6の固定側第4折曲部6hに固定側電解緩和リング15を固定側ネジ16により螺着したものである。
固定側電界緩和フランジ6を上述したような形状にすることで、絶縁容器1の端面のメタライズ層1a,1bの電界を緩和することが可能となり、耐電圧性能を向上させることができる。かつ固定側電界緩和フランジ6の固定側第1折曲部6bの軸方向側面を固定側金属端板5の固定側軸方向ストレート部分5bの内側面に沿うように接合させるとともに、固定側電界緩和フランジ6の固定側第3折曲部6gを絶縁容器1のメタライズ層1aを超える位置まで延在させて絶縁容器1内に位置するように配置すること、および固定側電界緩和フランジ6の固定側第4折曲部6hを固定側第1折曲部6bと同方向に折り曲げて固定側金属端板5の固定側軸方向ストレート部分5bの外側面に沿うよう接合されて取り付けられたことで、固定側金属端板5の部分における軸方向の厚みを増加することが可能となり、真空バルブを加圧ガス中に配置した場合でも、ガス圧による固定側金属端板5の変形を抑制でき、機械的強度を向上させることができる。
また、固定側電界緩和フランジ6の固定側第3折曲部6gの一部が絶縁容器1のメタライズ層1aの端面を超えて配置されることで、電流遮断時に発生する金属蒸気あるいは金属スパッタの飛散を抑制することが可能となり、絶縁容器1の内沿面の汚損防止を図ることができる。
また、固定側電界緩和フランジ6の固定側第4折曲部6hの側面に固定側ネジ穴14を設けたことで、真空バルブの外部に後付けで固定側電界緩和リング15を取り付けることが可能となり、真空バルブの外部の電界も緩和することができる。
また、固定側金属端板5の加工時に加工費が高価な機械加工(削り加工)を実施しないで済むため、加工費の削減が図れる。
上述した説明は固定側金属端板5と固定側電界緩和フランジ6について述べたが、詳細な図示はしていないが、可動側金属端板11および可動側電界緩和フランジ12についても、固定側金属端板5と固定側電界緩和フランジ6と同じ構造になっている。
また、固定側電界緩和フランジ6は固定側金属端板5に、及び可動側電界緩和フランジ12は可動側金属端板11にそれぞれ配置した場合について述べたが、これに限定されるものではなく、固定側金属端板5にだけ固定側電界緩和フランジ6を設けてもよく、あるいは可動側金属端板11にだけ可動側電界緩和フランジ12を設けてもよい。
実施の形態7.
本願の実施の形態7を図17および図18に基づいて説明するが、各図において、同一、または相当部材、部位については同一符号を付して説明する。図17は実施の形態7に係る真空バルブにおける固定側電界緩和フランジを示す図であり、(a)は断面図で、(b)は斜視図である。図18は実施の形態7に係る真空バルブにおける固定側電界緩和フランジと固定側金属端板と絶縁容器との組立状態を示す図であり、(a)は断面図で、(b)は斜視図である。
本願の実施の形態7を図17および図18に基づいて説明するが、各図において、同一、または相当部材、部位については同一符号を付して説明する。図17は実施の形態7に係る真空バルブにおける固定側電界緩和フランジを示す図であり、(a)は断面図で、(b)は斜視図である。図18は実施の形態7に係る真空バルブにおける固定側電界緩和フランジと固定側金属端板と絶縁容器との組立状態を示す図であり、(a)は断面図で、(b)は斜視図である。
本願の実施の形態7の真空バルブは、上述した実施の形態5の構成に加え、固定側電界緩和フランジ6の固定側第4折曲部6hから外周側に向かって軸方向と直交する方向に折り曲げられた固定側第5折曲部6iを有し、固定側第5折曲部6iから固定側固着部6aに向かって折り曲げられた固定側第6折曲部6jを有し、固定側第6折曲部6jが絶縁容器1のメタライズ層1aを超える位置まで延在され、固定側第6折曲部6jにメタライズ層1aの高さ位置付近にロウ付け後のロウまわりを確認するための固定側確認穴17が設けられたことが特徴である。
図17に示すように、固定側電界緩和フランジ6は絶縁容器1の平均線膨張係数に近い例えば銅などの金属を母材とし、上述した図4に示すように、固定側電界緩和フランジ6の固定側固着部6aの底面の幅をaとし、絶縁容器1の厚さ幅をbとしたとき、aとbとの関係はa≧bである。
この実施の形態7に係る真空バルブは、上述した実施の形態5の構成に加え、固定側電界緩和フランジ6の固定側第4折曲部6hの先端部に固定側第5折曲部6iを設け、固定側第5折曲部6iから固定側固着部6aに向かって折り曲げられた固定側第6折曲部6jを設け、固定側第6折曲部6jが絶縁容器1のメタライズ層1aを超える位置まで延在され、固定側第6折曲部6jにメタライズ層1aの高さ位置付近に固定側確認穴17を設け、固定側確認穴17からロウ付け後のロウまわりを確認するようにしている。
固定側電界緩和フランジ6を上述したような形状にすることで、絶縁容器1の端面のメタライズ層1a,1bの電界を緩和することが可能となり、耐電圧性能を向上させることができる。かつ固定側電界緩和フランジ6の固定側第1折曲部6bの軸方向側面を固定側金属端板5の固定側軸方向ストレート部分5bの内側面に沿うように接合させるとともに、固定側電界緩和フランジ6の固定側第3折曲部6gを絶縁容器1のメタライズ層1aを超える位置まで延在させて絶縁容器1内に位置するように配置すること、および固定側電界緩和フランジ6の固定側第4折曲部6hを固定側第1折曲部6bと同方向に折り曲げて固定側金属端板5の固定側軸方向ストレート部分5bの外側面に沿うよう接合されて取り付けられたことで、固定側金属端板5の部分における軸方向の厚みを増加することが可能となり、真空バルブを加圧ガス中に配置した場合でも、ガス圧による固定側金属端板5の変形を抑制でき、機械的強度を向上させることができる。
また、固定側電界緩和フランジ6の固定側第3折曲部6gの一部が絶縁容器1のメタライズ層1aの端面を超えて配置されることで、電流遮断時に発生する金属蒸気あるいは金属スパッタの飛散を抑制することが可能となり、絶縁容器1の内沿面の汚損防止を図ることができる。
また、固定側電界緩和フランジ6の固定側第6折曲部6jが絶縁容器1のメタライズ層1aを超える位置まで延在させて絶縁容器1外に位置するように配置することで、真空バルブの外部の電界も緩和することができる。
また、固定側金属端板5の加工時に加工費が高価な機械加工(削り加工)を実施しないで済むため、加工費の削減が図れる。
また、固定側電界緩和フランジ6の固定側第6折曲部6jの側面に固定側確認穴17を設けることで、ロウ付け後のロウまわりの状態を確認することができる。
上述した説明は固定側金属端板5と固定側電界緩和フランジ6について述べたが、詳細な図示はしていないが、可動側金属端板11および可動側電界緩和フランジ12についても、固定側金属端板5と固定側電界緩和フランジ6と同じ構造になっている。
また、固定側電界緩和フランジ6は固定側金属端板5に、及び可動側電界緩和フランジ12は可動側金属端板11にそれぞれ配置した場合について述べたが、これに限定されるものではなく、固定側金属端板5にだけ固定側電界緩和フランジ6を設けてもよく、あるいは可動側金属端板11にだけ可動側電界緩和フランジ12を設けてもよい。
実施の形態8.
本願の実施の形態8を図19から図21に基づいて説明するが、各図において、同一、または相当部材、部位については同一符号を付して説明する。図19は実施の形態8に係る真空バルブにおける固定側電界緩和フランジを示す図であり、(a)は断面図で、(b)は斜視図である。図20は実施の形態8に係る真空バルブにおける固定側電界緩和フランジと固定側金属端板と絶縁容器との組立状態を示す図であり、(a)は断面図で、(b)は斜視図である。図21は実施の形態8に係る真空バルブにおける寸法関係を示す断面図である。
本願の実施の形態8を図19から図21に基づいて説明するが、各図において、同一、または相当部材、部位については同一符号を付して説明する。図19は実施の形態8に係る真空バルブにおける固定側電界緩和フランジを示す図であり、(a)は断面図で、(b)は斜視図である。図20は実施の形態8に係る真空バルブにおける固定側電界緩和フランジと固定側金属端板と絶縁容器との組立状態を示す図であり、(a)は断面図で、(b)は斜視図である。図21は実施の形態8に係る真空バルブにおける寸法関係を示す断面図である。
本願の実施の形態8の真空バルブは、一例として上述した実施の形態7の構成に加え、例えば固定側電界緩和フランジ6の固定側固着部6aの底面に絶縁容器1に係合される固定側ザグリ部18が形成され、図21に示すように、絶縁容器1の厚さ幅をbとし、固定側ザグリ部18のザグリ幅をhとしたとき、bとhとの関係はb≦hであることが特徴である。
図19に示すように、固定側電界緩和フランジ6は絶縁容器1の平均線膨張係数に近い例えば銅などの金属を母材としている。固定側電界緩和フランジ6を上述したような形状にすることで、絶縁容器1の端面のメタライズ層1a,1bの電界を緩和することが可能となり、耐電圧性能を向上させることができる。かつ固定側電界緩和フランジ6の固定側第1折曲部6bの軸方向側面を固定側金属端板5の固定側軸方向ストレート部分5bの内側面に沿うように接合させるとともに、固定側電界緩和フランジ6の固定側第3折曲部6gを絶縁容器1のメタライズ層1aを超える位置まで延在させて絶縁容器1内に位置するように配置すること、および固定側電界緩和フランジ6の固定側第4折曲部6hを第1折曲部6bと同方向に折り曲げて固定側金属端板5の固定側軸方向ストレート部分5bの外側面に沿うよう接合されて取り付けられたことで、固定側金属端板5の部分における軸方向の厚みを増加することが可能となり、真空バルブを加圧ガス中に配置した場合でも、ガス圧による固定側金属端板5の変形を抑制でき、機械的強度を向上させることができる。
また、固定側電界緩和フランジ6の固定側第3折曲部6gの一部が絶縁容器1のメタライズ層1aの端面を超えて配置されることで、電流遮断時に発生する金属蒸気あるいは金属スパッタの飛散を抑制することが可能となり、絶縁容器1の内沿面の汚損防止を図ることができる。
また、固定側電界緩和フランジ6の固定側第6折曲部6jが絶縁容器1のメタライズ層1aを超える位置まで延在させて絶縁容器1外に位置するように配置することで、真空バルブの外部の電界も緩和することができる。
また、固定側金属端板5の加工時に加工費が高価な機械加工(削り加工)を実施しないで済むため、加工費の削減が図れる。
また、固定側電界緩和フランジ6の固定側第6折曲部6jの側面に固定側確認穴17を設けることで、ロウ付け後のロウまわりの状態を確認することができる。
また、固定側電界緩和フランジ6の固定側固着部6aの底面に絶縁容器1に係合される固定側ザグリ部18を設けたことにより、固定側電界緩和フランジ6と絶縁容器1との位置決めが可能となり、専用の位置決め治具を用いなくても容易に真空バルブを組み立てることができる。
上述した説明は固定側金属端板5と固定側電界緩和フランジ6について述べたが、詳細な図示はしていないが、可動側金属端板11および可動側電界緩和フランジ12についても、固定側金属端板5と固定側電界緩和フランジ6と同じ構造になっている。
また、固定側電界緩和フランジ6は固定側金属端板5に、及び可動側電界緩和フランジ12は可動側金属端板11にそれぞれ配置した場合について述べたが、これに限定されるものではなく、固定側金属端板5にだけ固定側電界緩和フランジ6を設けてもよく、あるいは可動側金属端板11にだけ可動側電界緩和フランジ12を設けてもよい。
本願は、様々な例示的な実施の形態及び実施例が記載されているが、1つ、または複数の実施の形態に記載された様々な特徴、態様、及び機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。
従って、例示されていない無数の変形例が、本願明細書に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
従って、例示されていない無数の変形例が、本願明細書に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
本願は、信頼性の高い真空バルブの実現に好適である。
1 絶縁容器、1a メタライズ層、1b メタライズ層、2 シールド、3 固定側接点、4 固定側電極棒、5 固定側金属端板、5a 固定側径方向ストレート部分、5b 固定側軸方向ストレート部分、6 固定側電界緩和フランジ、6a 固定側固着部、6b 固定側第1折曲部、6c 固定側R加工部、6d 固定側径方向ストレート部分、6f 固定側第2折曲部、6g 固定側第3折曲部、6h 固定側第4折曲部、6i 固定側第5折曲部、6j 固定側第6折曲部、7 可動側接点、8 可動側電極棒、9 ベローズカバー、10 ベローズ、11 可動側金属端板、11a 可動側径方向ストレート部分、11b 可動側軸方向ストレート部分、12 可動側電界緩和フランジ、12a 可動側固着部、12b 可動側第1折曲部、13 固定側補強板、15 固定側電界緩和リング、16 固定側ネジ、17 固定側確認穴、18 固定側ザグリ部
Claims (14)
- 両端面にメタライズ層を有する絶縁容器と、前記絶縁容器の一方側に配置された軸方向ストレート部分と径方向ストレート部分を有する固定側金属端板と、前記固定側金属端板に固着された固定側電極棒と、前記固定側電極棒に設けられた固定側接点と、前記絶縁容器の他方側に配置された軸方向ストレート部分と径方向ストレート部分を有する可動側金属端板と、前記可動側金属端板にベローズを介して進退自在に設けられた可動側電極棒と、前記可動側電極棒に設けられ、前記固定側接点に接離される可動側接点とを有する真空バルブであって、少なくとも前記固定側金属端板と前記可動側金属端板のいずれか一方の金属端板と前記絶縁容器との間に配置されて前記絶縁容器に固着される電界緩和フランジを設け、前記電界緩和フランジは前記絶縁容器との固着部から軸方向に折り曲げられた第1折曲部が形成され、前記電界緩和フランジの前記第1折曲部は前記金属端板の軸方向ストレート部分の内側面に沿って接合されたことを特徴とする真空バルブ。
- 前記電界緩和フランジの平均線膨張係数は前記絶縁容器の平均線膨張係数と同等の金属で構成されたことを特徴とする請求項1に記載の真空バルブ。
- 前記金属端板の前記軸方向ストレート部分の厚さは前記金属端板の前記径方向ストレート部分の厚さよりも小さく形成されたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の真空バルブ。
- 前記電界緩和フランジの前記固着部の底面の幅をaとし、前記絶縁容器の厚さ幅をbとしたとき、前記aと前記bとの関係はa≧bであり、前記電界緩和フランジの前記第1折曲部の長さをcとし、前記金属端板の軸方向ストレート部分の長さをdとしたとき、前記cと前記dとの関係はc≦dであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の真空バルブ。
- 前記電界緩和フランジの前記第1折曲部は前記金属端板のR加工された曲面と同じR寸法に折り曲げられたR加工部を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の真空バルブ。
- 前記電界緩和フランジの前記R加工部に補強版が設けられたことを特徴とする請求項5に記載の真空バルブ。
- 前記電界緩和フランジは前記第1折曲部から前記金属端板の前記径方向ストレート部分に沿って延在するストレート部分を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の真空バルブ。
- 前記電界緩和フランジの前記ストレート部分の長さをeとし、前記金属端板の前記径方向ストレート部分の長さをfとしたとき、前記eと前記fとの関係はe≦fであることを特徴とする請求項7に記載の真空バルブ。
- 前記電界緩和フランジは前記第1折曲部から内周側に向かって軸方向と直交する方向に折り曲げられた第2折曲部を有し、前記第2折曲部から前記固着部に向かって折り曲げられた第3折曲部を有し、前記第3折曲部が前記絶縁容器の前記メタライズ層を超える位置まで延在されたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の真空バルブ。
- 前記電界緩和フランジは前記第1折曲部から内周側に向かって軸方向と直交する方向に折り曲げられた第2折曲部を有し、前記第2折曲部から前記固着部に向かって折り曲げられた第3折曲部を有し、前記第3折曲部が前記絶縁容器の前記メタライズ層を超える位置まで延在され、前記電界緩和フランジの前記固着部の外側が前記第1折曲部と同方向に折り曲げられて前記金属端板の外側面に沿うよう接合されて取り付けられた第4折曲部を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の真空バルブ。
- 前記電界緩和フランジの前記第4折曲部の長さをgとし、前記金属端板の軸方向ストレート部分の長さをdとしたとき、前記gと前記dとの関係はg≦dであることを特徴とする請求項10に記載の真空バルブ。
- 前記電界緩和フランジの前記第4折曲部に電解緩和リングが螺着されたことを特徴とする請求項10に記載の真空バルブ。
- 前記電界緩和フランジの前記第4折曲部から外周側に向かって軸方向と直交する方向に折り曲げられた第5折曲部を有し、前記第5折曲部から前記固着部に向かって折り曲げられた第6折曲部を有し、前記第6折曲部が前記絶縁容器の前記メタライズ層を超える位置まで延在され、前記第6折曲部に前記メタライズ層の高さ位置に確認穴が形成されたことを特徴とする請求項10に記載の真空バルブ。
- 前記電界緩和フランジの前記固着部の底面に前記絶縁容器に係合されるザグリ部が形成され、前記絶縁容器の厚さ幅をbとし、前記ザグリ部のザグリ幅をhとしたとき、前記bと前記hとの関係はb≦hであることを特徴とする請求項10に記載の真空バルブ。
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