JP2023153877A - 火災報知設備 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、受信機に火災感知器を接続して火災を監視する火災報知設備に関する。
従来、R型として知られた火災報知設備にあっては、受信機に、固有のアドレスが設定された伝送機能を有する火災感知器を接続し、通常監視状態では、感知器アドレスを順次指定した火災感知器の呼出しにより煙濃度や温度等の検出値を収集して監視しており、火災時には、火災感知器からの火災割込み信号に基づき、受信機から検索コマンドを発行して発報した火災感知器のアドレスを特定して検出値を収集し、検出値が所定の火報発報閾値を超えた場合に火災と判断して火災警報を出力させ、更に、排気装置、防火戸、消防機関への自動通報等の連動制御を行うようにしている。
また、従来の火災報知設備にあっては、火災感知器として、火災による煙を検知する光電式煙感知器が使用されており、従来の光電式煙感知器は、火災による煙に限らず、調理の煙やバスルームの湯気等により非火災報を発してしまうことがある。
このような火災以外の原因による非火災報を防止するため、2種類の波長の光を検煙空間に照射し、煙による散乱光について異なる波長の光強度の比を求めて煙の種類を判定し、煙識別の確度を高めて非火災報防止を確実なものとする所謂2波長方式の光電式煙感知器が提案されている(特許文献2)。
ところで、このような従来の2波長方式の光電式煙感知器を受信機に接続して火災を監視する場合、受信機で燻焼火災による白煙か燃焼火災による黒煙かを識別して火災警報を出力することで、火災の危険度に応じた対応が可能となる。
しかしながら、光電式煙感知器にバスルーム等からの湯気が流入した場合は、燻焼火災により発生する白煙に近い識別結果が出される場合があり、湯気等による非火災要因を白煙火災と判断して非火災報を出力する可能性が残されている。
本発明は、火災判断の確度を高めて非火災報防止を更に確実なものとする火災報知設備を提供することを目的とする。
(火災報知設備)
本発明は、警戒区域の火災を監視して警報する火災報知設備に於いて、
警戒区域の火災を検出して火災信号を送信する火災感知器と、
警戒区域における人の存否を検出して検出信号を送信する人検出手段と、
火災感知器からの火災信号及び人検出手段からの検出信号に基づき、危険度の低い火災及び警戒区域における人の存在を判別したときには火災警報を出力させずに注意警報を出力させる火報制御部と、
を備えたことを特徴とする。
本発明は、警戒区域の火災を監視して警報する火災報知設備に於いて、
警戒区域の火災を検出して火災信号を送信する火災感知器と、
警戒区域における人の存否を検出して検出信号を送信する人検出手段と、
火災感知器からの火災信号及び人検出手段からの検出信号に基づき、危険度の低い火災及び警戒区域における人の存在を判別したときには火災警報を出力させずに注意警報を出力させる火報制御部と、
を備えたことを特徴とする。
(火災警報)
火報制御部は、危険度の低い火災を判別した上で警戒区域における人の不存在を判別したとき及び危険度の高い火災を判別したときには火災警報を出力させる。
火報制御部は、危険度の低い火災を判別した上で警戒区域における人の不存在を判別したとき及び危険度の高い火災を判別したときには火災警報を出力させる。
(火災の危険度に対応した火災警報の出力)
火報制御部は、判別した火災の危険度に対応して異なる火災警報を出力させる。
火報制御部は、判別した火災の危険度に対応して異なる火災警報を出力させる。
(白煙火災及び黒煙火災)
火報制御部が判別する危険度の低い火災は白煙火災を含み、火報制御部が判別する危険度の高い火災は黒煙火災を含む。
火報制御部が判別する危険度の低い火災は白煙火災を含み、火報制御部が判別する危険度の高い火災は黒煙火災を含む。
(基本的な効果)
本発明は、警戒区域の火災を監視して警報する火災報知設備に於いて、警戒区域の火災を検出して火災信号を送信する火災感知器と、警戒区域における人の存否を検出して検出信号を送信する人検出手段と、火災感知器からの火災信号及び人検出手段からの検出信号に基づき、危険度の低い火災及び警戒区域における人の存在を判別したときには火災警報を出力させずに注意警報を出力させる火報制御部と、を備えたため、在室者によりバスルームや調理場等からの湯気等による非火災要因が発生している可能性が高い場合には、火災警報を出力するのではなく注意警報として注意を促すことに留めると共に、注意警報として在室者に報知することで非火災ではなく火災であった場合にも火災に対応させることを可能とする。
本発明は、警戒区域の火災を監視して警報する火災報知設備に於いて、警戒区域の火災を検出して火災信号を送信する火災感知器と、警戒区域における人の存否を検出して検出信号を送信する人検出手段と、火災感知器からの火災信号及び人検出手段からの検出信号に基づき、危険度の低い火災及び警戒区域における人の存在を判別したときには火災警報を出力させずに注意警報を出力させる火報制御部と、を備えたため、在室者によりバスルームや調理場等からの湯気等による非火災要因が発生している可能性が高い場合には、火災警報を出力するのではなく注意警報として注意を促すことに留めると共に、注意警報として在室者に報知することで非火災ではなく火災であった場合にも火災に対応させることを可能とする。
(火災警報の効果)
火報制御部は、危険度の低い火災を判別した上で警戒区域における人の不存在を判別したとき及び危険度の高い火災を判別したときには火災警報を出力させるため、在室者がいなくバスルームや調理場等からの湯気等による非火災要因が発生している可能性が低い場合や危険度の高い火災の場合には、火災に対して即座に対応することを可能とする。
火報制御部は、危険度の低い火災を判別した上で警戒区域における人の不存在を判別したとき及び危険度の高い火災を判別したときには火災警報を出力させるため、在室者がいなくバスルームや調理場等からの湯気等による非火災要因が発生している可能性が低い場合や危険度の高い火災の場合には、火災に対して即座に対応することを可能とする。
(火災の危険度に対応した火災警報の出力)
火報制御部は、判別した火災の危険度に対応して異なる火災警報を出力させるため、火災の状態に応じて必要な対処を可能とする。
火報制御部は、判別した火災の危険度に対応して異なる火災警報を出力させるため、火災の状態に応じて必要な対処を可能とする。
[火災報知設備]
(火災報知設備の概要)
図1は入退出管理システムと組み合わせた火災報知設備の実施形態を示した説明図である。図1に示すように、火災報知設備1が設置された施設の監視センター又は管理人室等には例えばR型の受信機10が設置され、受信機10から警戒区域に対し系統毎に分けて信号回線12-1~12-3が引き出されている。
(火災報知設備の概要)
図1は入退出管理システムと組み合わせた火災報知設備の実施形態を示した説明図である。図1に示すように、火災報知設備1が設置された施設の監視センター又は管理人室等には例えばR型の受信機10が設置され、受信機10から警戒区域に対し系統毎に分けて信号回線12-1~12-3が引き出されている。
信号回線12-1には固有のアドレスが設定された伝送機能を有する複数の光電式煙感知器14が接続されている。光電式煙感知器14は、第1波長λ1の光と第1散乱角θ1の設定による煙の散乱光の受光により第1の煙検出値A1を検出すると共に、第2波長λ2の光と第2散乱角θ2の設定による煙の散乱光の受光により第2の煙検出値A2を検出する機能を備えた所謂2波長方式の光電式煙感知器である。
ここで、第1の煙検出値A1と第2の煙検出値A2については、以下の説明では、単に煙検出値A1及び煙検出値A2という場合がある。
また、信号回線12-1には、所謂2波長方式の光電式煙感知器14以外に、伝送機能を備えた通常の光電式煙感知器や熱感知器が接続され、また、伝送機能を備えた中継器から引き出された感知器回線にオンオフ型の火災感知器や発信機が接続されるが、図示を省略している。
信号回線12-2,12-3には、固有のアドレスが設定された伝送機能を有する中継器16を介して地区音響装置18、排気装置20、防火戸22等の制御機器が接続されている。
地区音響装置18は受信機10からの制御により警戒区域に火災の発生を知らせる所定の地区音響警報を出力し、本実施形態にあっては、受信機10で白煙火災を認識した場合は、現場確認を促すメッセージを含む地区音響警報を出力し、また、受信機10で黒煙火災を識別した場合は、避難を促すメッセージを含む地区音響警報を出力する。
排気装置20は受信機10からの制御指示により起動され、警戒区域の換気を行う。防火戸22は受信機10からの制御指示により開放保持のラッチが解除されて閉鎖位置に作動され、火災が発生した区画を閉鎖して火災の拡大を抑制する。
信号回線12-1~12-3に接続される光電式煙感知器14や中継器16等の端末機器に設定される回線毎の最大アドレス数は例えば255としており、信号回線12-1~12-3の各々には最大255台の端末機器が接続できる。
(受信機の機能構成)
受信機10には、メインCPU26とサブCPU基板28-1~38-3が設けられ、サブCPU基板28-1~28-3の各々にはサブCPU30と伝送部32が設けられている。メインCPU26とサブCPU30は、シリアル転送バス34で接続されており、相互にデータを送受信する。
受信機10には、メインCPU26とサブCPU基板28-1~38-3が設けられ、サブCPU基板28-1~28-3の各々にはサブCPU30と伝送部32が設けられている。メインCPU26とサブCPU30は、シリアル転送バス34で接続されており、相互にデータを送受信する。
メインCPU26には、液晶表示パネル等を用いたタッチパネル付きのディスプレイ36、火災、ガス漏れ、障害の代表灯、LED表示灯等が設けられた表示部38、火災断定スイッチ、地区音響停止スイッチ、移報停止スイッチ等の火災監視に必要な各種のスイッチが設けられた操作部40、スピーカが設けられた音響警報部42、及び、移報部44が接続されている。
移報部44に対しては、図示しないが、非常放送装置や自動通報装置等が移報先として接続される。非常放送装置は受信機10からの移報信号により動作し、警戒区域に設置されたスピーカから火災の発生を知らせると共に避難誘導を行うための非常放送を出力する。なお、非常放送装置を起動する場合には、地区音響装置18による地区音響警報は停止される。自動通報装置は受信機10からの移報信号により動作し、公衆電話回線を介して消防機関に119番通話接続を行って火災発生を通報する。
更に、メインCPU26に対しては通信アダプタ45が接続され、通信アダプタ45は入退出管理システム100との間で信号を送受信する。
(入退出管理システム)
図2は入退出管理システムの概略を示した説明図である。図2に示すように、オフィスビルや工場等の施設に設置された入退出管理システム100は、センター装置102、クライアント104、ローカル制御盤108、入退室用のカードリーダ110及び電気錠112で構成される。
図2は入退出管理システムの概略を示した説明図である。図2に示すように、オフィスビルや工場等の施設に設置された入退出管理システム100は、センター装置102、クライアント104、ローカル制御盤108、入退室用のカードリーダ110及び電気錠112で構成される。
センター装置102は監視センターや管理人室等に設置され、またクライアント104は入退出管理業務を行う総務部門等に設置される。ローカル制御盤108は例えば施設の階毎に分けて設置されている。ローカル制御盤108はセンター装置102及びクライアント104とLAN回線106により接続されている。
カードリーダ110は各部屋の出入口となる扉の外側に配置されており、また、扉には電気錠112が設けられている。カードリーダ110及び電気錠112は同じ階に設置しているローカル制御盤108からの信号線に接続されている。
カードリーダ110は、利用者の携帯する磁気カード又は非接触ICカード等に記録された所定の利用者識別情報を読取って事前登録した利用者識別情報と照合し、照合一致により認証成功を判別した場合に認証信号をローカル制御盤108へ送信する。
ローカル制御盤108はカードリーダ110から認証信号を受信した場合は、LAN回線106を介してセンター装置102に認証信号を送信し、センター装置102で管理している入退出情報に出勤時刻又は退勤時刻を記録させる。また、ローカル制御盤108はカードリーダ110から認証信号を受信した場合は、対応する出入口に設けた電気錠112へ制御信号を出力して解錠制御し、入退室を可能とする。
センター装置102は、入退出管理システム100を設置した施設の地図などの管理情報を表示する機能に加え、在室者の状況を示す入退出情報を保存して管理するデータベースとしての機能を備えている。
クライアント104は、LAN回線106を介してセンター装置102及びローカル制御盤108と接続され、ローカル制御盤108を経由してカードリーダ110との間で磁気カードや非接触ICカードに対応した利用者識別情報の登録、削除、履歴検索などの各種設定や処理を行う。
これに加え本実施形態にあっては、センター装置102に通信アダプタ114が接続され、通信アダプタ114は図1に示した火災報知設備1の受信機10に設けられた通信アダプタ45に接続され、受信機10からの要求により在室者の状況を示す入退出管理信号を送信することができる。
[受信機の制御機能]
図1に示すように、受信機10のメインCPU26にはプログラムの実行により実現される機能として、火報制御部48が設けられる。
図1に示すように、受信機10のメインCPU26にはプログラムの実行により実現される機能として、火報制御部48が設けられる。
また、受信機10のサブCPU基板28-1~28-3に設けられたサブCPU30には、プログラムの実行により実現される機能として伝送制御部46が設けられる。サブCPU基板28-1のサブCPU30に設けられた伝送制御部46は、信号回線12-1に接続された2波長式の光電式煙感知器14で検出された第1の煙検出値A1と第2の煙検出値A2を収集する制御を行う。
また、サブCPU基板28-2、38-3の伝送制御部46は、それぞれの信号回線12-2,12-3に接続された地区音響装置18、排気装置20、防火戸22等の制御機器を接続する中継器16のアドレスを指定した制御信号の送信により火災連動制御を行う。
(感知器検出データの収集制御)
サブCPU基板28-1のサブCPU30に設けられた伝送制御部46は、伝送部32に指示して信号回線12-1に接続している光電式煙感知器14との間で所定の通信プロトコルに従って信号を送受信することで、検出データを収集する制御を行っている。
サブCPU基板28-1のサブCPU30に設けられた伝送制御部46は、伝送部32に指示して信号回線12-1に接続している光電式煙感知器14との間で所定の通信プロトコルに従って信号を送受信することで、検出データを収集する制御を行っている。
伝送部32から光電式煙感知器14に対する下り信号は電圧モードで伝送している。この電圧モードの信号は、信号回線12-1の線路電圧を例えば18ボルトと30ボルトの間で変化させる電圧パルスとして伝送される。
これに対し光電式煙感知器14から伝送部32に対する上り信号は電流モードで伝送される。この電流モードにあっては、信号回線12-1に伝送データのビット1のタイミングで信号電流を流し、いわゆる電流パルス列として上り信号が受信機10に伝送される。
サブCPU30の伝送制御部46によるデータ収集制御は、通常の監視中にあっては、一定周期毎に、伝送部32に指示して、一括AD変換コマンドを含むブロードキャストの一括AD変換信号を送信しており、この一括AD変換信号を受信した光電式煙感知器14は、検煙部から出力された第1の煙検出値A1と第2の煙検出値A2の煙検出値検出信号をAD変換によりデジタル煙検出値信号に変換して保持する。
続いて、サブCPU30の伝送制御部46は、端末アドレスを順次指定したポーリングコマンドを含む呼出信号を送信する。光電式煙感知器14は自己アドレスに一致するアドレスを持つ呼出信号を受信すると、そのとき保持している第1の煙検出値A1と第2の煙検出値A2を含む呼出応答信号を受信機10に送信する。
また、光電式煙感知器14が例えば煙濃度10%/mで火災発報する2種感度の煙感知器相当の場合、光電式煙感知器14に第1の煙検出値A1に対する注意表示閾値AP1thとして1種感度相当の煙濃度閾値、例えば煙濃度閾値5.0%/mを設定しており、検出された第1の煙検出値A1が注意表示閾値AP1th以上になると火災発報と判断し、受信機10に対し火災割込み信号を送信する。
なお、光電式煙感知器14に第2の煙検出値A2に対する注意表示閾値AP2thとして1種感度相当の煙濃度閾値、例えば煙濃度閾値5.0%/mを設定し、検出された第2の煙検出値A2が煙検出値データが注意表示閾値AP2th以上になると火災発報と判断し、受信機10に対し火災割込み信号を送信するようにしても良い。
サブCPU30の伝送制御部46は伝送部32を介して光電式煙感知器14からの火災割込み信号を受信すると、グループ検索コマンド信号を送信して火災発報した光電式煙感知器14を含むグループを特定し、続いて、グループ内検索コマンド信号を送信して火災発報した光電式煙感知器14のアドレスを特定して第1及び第2の煙検出値A1,A2を集中的に収集し、シリアル転送バス34を介してメインCPU26に送信する。
サブCPU30の伝送制御部46による第1及び第2の煙検出値A1,A2の集中的な収集は、一括AD変換信号の送信周期を短くし、一括AD変換信号を送信した後に火災発報した光電式煙感知器14のアドレスを指定した呼出信号の送信により、光電式煙感知器14の第1の煙検出値A1と第2の煙検出値A1を連続的に収集する。
(火報制御)
メインCPU26の火報制御部48は、サブCPU30から受信した第1の煙検出値A1と第2の煙検出値A2から比率R=A1/A2を算出し、所定の比率閾値Rthと比較することにより、R≧Rthの場合は白煙火災を判別し、R<Rthの場合に黒煙火災を判別する。なお、火報制御部48による白煙火災と黒煙火災の判別の詳細は、後の光電式煙感知器14の説明で明らかにされる。
メインCPU26の火報制御部48は、サブCPU30から受信した第1の煙検出値A1と第2の煙検出値A2から比率R=A1/A2を算出し、所定の比率閾値Rthと比較することにより、R≧Rthの場合は白煙火災を判別し、R<Rthの場合に黒煙火災を判別する。なお、火報制御部48による白煙火災と黒煙火災の判別の詳細は、後の光電式煙感知器14の説明で明らかにされる。
続いて、メインCPU26の火報制御部48は、通信アダプタ45に指示し、図2に示した入退出管理システム100のセンター装置102に通信アダプタ114を介して通信接続し、そのときセンター装置102で管理している在室者の状況を示す入退出管理情報を受信し、在室者の有無を判別する。
続いて、メインCPU26の火報制御部48は、例えば白煙火災を判別していたとすると、第1の煙検出値A1が例えば光電式煙感知器14の2種感度設定に対応した火災発報閾値A1th=10%/m以上の場合に、在室者の存在の有無に応じた火災警報制御を行う。
火報制御部48は、白煙火災を判別し、且つ、在室者の存在を判別したときは、何らかの非火災要因が存在するものと判断し、火災警報を出力せずに注意警報を出力する制御を行う。
また、火報制御部48は、白煙火災を判別し、且つ在室者の不存在を判別したときは、燻焼火災により白煙がゆっくりと増加している白煙火災と判断し、白煙火災を示す火災警報を出力する制御を行う。
火報制御部48による白煙火災を示す火災警報は、表示部38の火災代表灯を点灯し、音響警報部42のスピーカから火災発生を示す所定の主音響警報を出力させ、ディスプレイ36に火災が検出された感知器アドレスに基づき火災発生場所及び白煙火災を示す種別情報を含む火災警報情報を表示させ、更に、所定の白煙火災連動制御を行う。
火報制御部48による白煙火災連動制御は、火災発報した光電式煙感知器14のアドレスに対応した警戒区域の地区音響装置18のアドレス(即ち、地区音響装置18を接続した中継器16のアドレス)を指定した地区音響制御信号を送信し、アドレス指定した地区音響装置18を起動することで、白煙火災は火災初期段階の燻焼火災により白煙を発生する火災であることから、居住者等による現場確認を促す音声メッセージを含む地区音響警報を出力させる。
また、火報制御部48による白煙火災連動制御は、火災発報した光電式煙感知器14のアドレスに対応した警戒区域に設置している排気装置20のアドレス(即ち、排気装置20を接続した中継器16のアドレス)を指定して制御信号を送信し、排気装置20の起動により燻焼火災により発生している白煙を外部に排出して換気を行わせる。
一方、メインCPU26の火報制御部48が、例えば黒煙火災を判別していたとすると、急速に拡大する燃焼火災により黒煙が発生して危険度が高いと判断し、在室者の有無に関わらず、黒煙火災を示す火災警報を出力する制御を行う。
火報制御部48による黒煙火災を示す火災警報は、表示部38の火災代表灯を点灯し、音響警報部42のスピーカから火災発生を示す所定の主音響警報を出力させ、ディスプレイ36に火災が検出された感知器アドレスに基づき火災発生場所及び黒煙火災を示す種別情報を含む火災警報情報を表示させ、更に、所定の黒煙火災連動制御を行う。
火報制御部48による黒煙火災連動制御は、火災発報した光電式煙感知器14のアドレスに対応した警戒区域に設置している地区音響装置18、排気装置20、防火戸22の各々を接続した中継器16のアドレスを指定した制御信号の送信により、地区音響装置18、排気装置20、防火戸22を作動させる。
この黒煙火災の識別に基づく地区音響装置18の作動による地区音響警報は、黒煙火災は燃焼火災により黒煙が発生する火災の拡大が早く危険度が高いことから、居住者等の避難を促す音声メッセージを含む地区音響警報を出力する。また、黒煙火災の識別に基づく排気装置20の起動は火災発生区画の換気を行い、防火戸22の閉鎖起動は火災発生区画を閉鎖して火災拡大を抑制する。
更に、火報制御部48による黒煙火災連動制御として、移報部44に指示して図示しない非常放送装置や自動通報装置に移報信号を出力して連動制御を行う。非常放送装置は受信機10からの移報信号により起動し、警戒区域に設置しているスピーカから火災発生を知らせると共に避難を促す音声メッセージを含む非常放送を行う。このとき火報制御部48は地区音響装置18に対し停止信号を送信して地区音響警報の出力を停止させ、非常放送が確実に聞き取りできるようにする。
また、自動通報装置は受信機10からの移報信号により起動し、公衆電話回線を使用して119番の通話呼出により消防機関に火災発生を自動通報し、消火を要請する。
[光電式煙感知器]
(回路構成)
図3は図1の火災報知設備に設けられた光電式煙感知器の回路構成を示したブロック図である。図3に示すように、本実施形態の光電式煙感知器14は、CPU、メモリ及び各種の入出力ポートを備えたコンピュータ回路で構成される感知器制御部50、S端子とSC端子に接続された信号回線12を介して受信機10との間で信号を送受信する伝送部52、信号回線12を介して供給された電源電圧を所定の安定化電圧に変換して出力する電源部54、発光駆動部56、検煙部60、増幅回路部68,70で構成される。
(回路構成)
図3は図1の火災報知設備に設けられた光電式煙感知器の回路構成を示したブロック図である。図3に示すように、本実施形態の光電式煙感知器14は、CPU、メモリ及び各種の入出力ポートを備えたコンピュータ回路で構成される感知器制御部50、S端子とSC端子に接続された信号回線12を介して受信機10との間で信号を送受信する伝送部52、信号回線12を介して供給された電源電圧を所定の安定化電圧に変換して出力する電源部54、発光駆動部56、検煙部60、増幅回路部68,70で構成される。
検煙部60には第1波長λ1と第2波長λ2を含む光を同時に発する発光素子62が設けられる。発光素子62から発せられる第1波長λ1の光は中心波長を600nm以上に定め、また2波長λ2の光は中心波長を500nm以下に定めており、本実施形態にあっては、第1波長λ1を例えば700nmに定め、第2波長λ2を例えば450nmに定めている。
本実施形態にあっては、発光素子62として白色LED(白色発光ダイオード)を使用している。白色LEDは、例えば、青色LEDと蛍光体を組み合わせており、青色LEDの光を蛍光体に通して白色を発光させ、この発光色には、第1波長λ1=700nmの光と、第2波長λ2=450nmの光が含まれており、検煙部60内に、第1波長λ1と第2波長λ2の光を同時に照射することができる。
また、本実施形態の発光素子62としては、2色LED(2色発光ダイオード)を使用することもできる。2色LEDは、第1波長λ1=700nmの光を発する第1発光チップと、第2波長λ2=450nmの光を発する第2発光チップを備え、両者を同時に駆動することにより、第1波長λ1と第2波長λ2の光を検煙部60内に同時に照射することができる。
第1受光素子64には第1波長λ1に感度をもつフォトダイオ―ド(PD)が使用され、第2受光素子66には第2波長λ2に感度をもつフォトダイオ―ド(PD)が使用される。
また、第1受光素子64及び第2受光素子66としては、可視光波長帯域に感度をもつ広帯域フォトダイオードに、第1波長λ1と第2波長λ2のそれぞれの波長帯域のみを受光するフィルタ層をPDモールディング(透明カバー部材)に設けても良いし、広帯域フォトダイオードの前方に、第1波長λ1と第2波長λ2のそれぞれの波長帯域を透過するフィルタを配置しても良い。
増幅回路部68は第1受光素子64で受光された第1波長λ1の煙散乱光の受光信号を増幅し、感知器制御部50に第1の煙検出値A1となる受光信号を出力する。また、増幅回路部70は第2受光素子66で受光された煙散乱光の受光信号を増幅し、感知器制御部50に第2の煙検出値A2となる受光信号を出力する。
(検煙部)
図4は図3における検煙部の構造の実施形態を示した説明図である。図4に示すように、外部からの煙が流入する検煙部60内には発光素子62、第1受光素子64及び第2受光素子66が配置されている。
図4は図3における検煙部の構造の実施形態を示した説明図である。図4に示すように、外部からの煙が流入する検煙部60内には発光素子62、第1受光素子64及び第2受光素子66が配置されている。
例えば白色LEDを用いた発光素子62は、第1波長λ1及び第2波長λ2を含む光を光軸62a方向に照射し、前述したように、第1波長λ1の光は700nmに設定し、また、第2波長λ2の光は450nmに設定している。
発光素子62の光軸62aと第1受光素子64の光軸64aの交差で構成される第1散乱角θ1を20°~70°の範囲に定め、発光素子62の光軸62aと第1受光素子64の光軸64aが110°~160°の範囲の所定角度で交差するように配置している。
また、発光素子62の光軸62aと第2受光素子66の光軸66aの交差で構成される第2散乱角θ2を110°~150°の範囲に定め、発光素子62と第2受光素子66の光軸66aが30°~70°の範囲の所定角度で交差するように配置している。
本実施形態では、第1散乱角θ1は30°に定めていることから、発光素子62の光軸62aと第1受光素子64の光軸64aは例えば150°の交差角で交差するように配置され、また、第2散乱角θ2は120°に定めていることから、発光素子62の光軸62aと第2受光素子66の光軸66aは例えば60°の交差角で交差するように配置される。
第1受光素子64は発光素子62から発せられる第1波長λ1=700nmの光に感度をもつことから、発光素子62が第1波長λ1の光を発すると、検煙部60に流入した煙による散乱角θ1=30°の散乱光が第1受光素子64で受光され、第1の煙検出値A1が得られる。
また、第2受光素子66は発光素子62から発せられる第2波長λ2=450nmの光に感度をもつことから、発光素子62が第1波長λ1の光と同時に第2波長λ2の光を発すると、検煙部60に流入した煙による第2散乱角θ2=120°の散乱光が第2受光素子66で受光され、第2の煙検出値A2が同時に得られる。
図3に示した感知器制御部50は、伝送部52を介して受信機10からの一括AD変換信号を受信した場合、発光駆動部56に指示して発光素子62を駆動することにより、第1波長λ1と第2波長λ2を含む白色光を発し、第1波長λ1による第1散乱角θ1=30°の前方散乱光が第1受光素子64で受光され、これに対応して増幅回路部68から出力される第1の煙検出値A1をデジタルデータにAD変換して読み込んでメモリに記憶する。
同時に、第2波長λ2による第2散乱角θ2=120°の後方散乱光が第2受光素子66で受光されることから、感知器制御部50は、第2受光素子66の受光に対応して増幅回路部70から出力される第2の煙検出値A2をデジタルデータにAD変換して読み込んでメモリに記憶する。
続いて、感知器制御部50は、メモリに記憶した第1の煙検出値A1を、光電式煙感知器14の設定感度に対応して予め定められた注意表示閾値AP1thと比較し、第1の煙検出値A1が注意表示閾値AP1th以上の場合に火災発報と判断し、火災割込み信号を伝送部52に指示して受信機10に送信する制御を行う。
ここで、注意表示閾値AP1thは、前述したように、光電式煙感知器14が火災発報閾値A1thを10%/mとする2種感度相当の場合、例えば1種感度相当のAP1th=5%/mに設定される。また、光電式煙感知器14が火災発報閾値A1thを15%/mとする3種感度相当の場合、例えば2種感度相当のAPth=10%/mに設定される。
(白煙火災と黒煙火災の識別)
図5は綿灯芯とケロシンを燃焼した場合の煙に対する図4の検煙部構造により検出される煙検出値とその比率を示した説明図である。
図5は綿灯芯とケロシンを燃焼した場合の煙に対する図4の検煙部構造により検出される煙検出値とその比率を示した説明図である。
図5に示すように、第1の煙検出値A1は、第1波長λ1=700nmと第1散乱角θ1=30°による散乱光の受光出力となり、また、第2の煙検出値A2は、第2波長λ2=450nmと第2散乱角θ2=120°の散乱光による受光出力となる。
このような綿灯芯とケロシンの燃焼で測定された第1及び第2の煙検出値A1,A2の比率R=A1/A2を取ると、綿灯芯の場合はR=8.0となり、ケロシンの場合はR=2.3となり、綿灯芯とケロシンでは両者の比率Rに顕著な差異が表れ、比率Rに基づく煙の種類の識別が可能となる。
このため煙の種類を識別するための比率閾値Rthとして例えばRth=5を設定し、R≧5の場合は燻焼により白煙が発生している白煙火災と判断し、R<5の場合には燃焼により黒煙が発生している黒煙火災と判断することができる。
本実施形態にあっては、図1に示した受信機10が火災発報した光電式煙感知器14で検出された第1及び第2の煙検出値A1,A2を収集していることから、火報制御部48は、第1及び第2の煙検出値A1,A2の比率R=A1/A2を算出し、R≧5の場合は燻焼により白煙が発生している白煙火災と判断し、R<5の場合には燃焼による黒煙が発生している黒煙火災と判断する。
また、受信機10の火報制御部48は、第1及び第2の煙検出値A1,A2に基づき白煙火災と判断した場合、第1の煙検出値A1が2種感度の煙濃度10%/mに対応した火災発報閾値A1th以上の場合に火災確定と判断し、白煙火災を示す情報を含む火災警報を出力する制御を行う。
同様に、受信機10の火報制御部48は、第1及び第2の煙検出値A1,A2に基づき黒煙火災と判断した場合、第2の煙検出値A2が2種感度の煙濃度10%/mに対応した火災発報閾値A2th以上の場合に火災確定と判断し、黒煙火災を示す情報を含む火災警報を出力する制御を行う。
(非火災要因の識別)
図4に示した光電式煙感知器14の検煙部60に、非火災要因として、例えば、バスルーム等からの湯気が流入した場合、第1及び第2の煙検出値A1,A2の比率Rは、例えばR=10を超える大きな値を示す。
図4に示した光電式煙感知器14の検煙部60に、非火災要因として、例えば、バスルーム等からの湯気が流入した場合、第1及び第2の煙検出値A1,A2の比率Rは、例えばR=10を超える大きな値を示す。
このため湯気を識別するための非火災要因閾値RSthとして、例えばRSth=12を設定し、R≧12であれば湯気等の非火災要因であることを識別する。
このような第1及び第2の煙検出値A1,A2の比率Rに基づく非火災要因の判断も受信機10の火報制御部48で行われ、R≧12であれば湯気等の非火災要因であることを判断し、入退出管理システム100から取得した入退出検出信号に基づく警報制御を行う。
即ち、火報制御部48は、煙検出値A1,A2の比率Rに基づいて非火災要因を判別し、入退出検出信号に基づき在室者の存在を判別したときは、非火災要因を示す注意警報を出力せずに保留し、一方、非火災要因と在室者の不存在とを判別したときは非火災要因を示す注意警報を出力する制御を行う。
このため、バスルーム等からの湯気や調理の煙等による非火災報が判別されたときに在室者が存在していれば、在室者のバスルームの利用による湯気や調理の煙等であることから、注意警報は不要と判断して保留する。これに対し非火災要因を判別したときに在室者が不存在であれば、バスルーム等からの湯気や調理の煙等が放置された状況にあることから、注意警報を出して必要な対応を可能とする。
更に、本実施形態にあっては、人検出手段として、警戒区域の家電、給湯器、照明等の機器のスイッチ操作を検知するセンサを設けており、このセンサは機器のスイッチ操作を検知した場合に人の存在の有無を示す在室検出信号を受信機に送信する。
このため火報制御部48は、バスルームの湯沸かし器や照明のスイッチ、ガスレンジ等の調理機器のスイッチ、テレビやエアコン等の家電スイッチの操作を人感センサで検知し、それらが稼働している時には人が在室し、非火災要因を発する可能性があると考えられることから、火報制御部48は、煙検出値A1,A2の比率Rに基づいて非火災要因を判別し、受信機では非火災要因を示す注意警報を出力せずに保留し、並行して当該室の情報表示装置(図示せず)に非火災要因を示す注意警報を出力する制御を行う。
[火災報知設備の火災監視制御]
図6は図1の受信機における制御動作を示したフローチャートであり、図1に示した伝送制御部46及び火報制御部48による制御動作となる。また、図7は光電式煙感知器おける制御動作を示したフローチャートであり、感知器制御部50による制御動作となる。更に、図6、図7の制御は、受信機10側で白煙火災、黒煙火災又は非火災要因を識別することを特徴とする。
図6は図1の受信機における制御動作を示したフローチャートであり、図1に示した伝送制御部46及び火報制御部48による制御動作となる。また、図7は光電式煙感知器おける制御動作を示したフローチャートであり、感知器制御部50による制御動作となる。更に、図6、図7の制御は、受信機10側で白煙火災、黒煙火災又は非火災要因を識別することを特徴とする。
(受信機の制御)
図6に示すように、受信機10の伝送制御部46はステップS1で所定周期毎に全ての光電式煙感知器14を指定したブロードキャストの一括AD変換信号を信号回線12-1に送信し、光電式煙感知器14側で検出しているアナログ信号となる煙検出値A1,A2をデジタル信号にAD変換して記憶させ、続いて、光電式煙感知器14のアドレスを順次指定した呼出信号を送信し、呼出信号を受信した光電式煙感知器14が送信した呼出応答信号を受信し、光電式煙感知器14が正常に動作しているかどうかの状態を監視する呼出応答制御を行っている。
図6に示すように、受信機10の伝送制御部46はステップS1で所定周期毎に全ての光電式煙感知器14を指定したブロードキャストの一括AD変換信号を信号回線12-1に送信し、光電式煙感知器14側で検出しているアナログ信号となる煙検出値A1,A2をデジタル信号にAD変換して記憶させ、続いて、光電式煙感知器14のアドレスを順次指定した呼出信号を送信し、呼出信号を受信した光電式煙感知器14が送信した呼出応答信号を受信し、光電式煙感知器14が正常に動作しているかどうかの状態を監視する呼出応答制御を行っている。
続いて、伝送制御部46はステップS2で火災発報した光電式煙感知器14からの火災割込み信号の受信を判別するとステップS3に進み、グループ検索コマンド信号およびグループ内検索コマンド信号の送信により、火災割込み信号を送信した火災発報している光電式煙感知器14のアドレスを検索する。
続いて、伝送制御部46はステップS4に進み、一括AD変換信号の周期を短くすると共に火災割込み信号を送信した光電式煙感知器14のアドレスを指定した呼出信号の送信により、火災発報している光電式煙感知器14から第1及び第2の煙検出値A1,A2を繰り返し取得し、メインCPU26の火報制御部48に伝送する。
火報制御部48は、ステップS5で第1及び第2の煙検出値A1,A2の比率R=A1/A2を算出し、ステップS6で図5に基づいて予め設定した比率閾値Rth=5と比較し、R≧5であればステップS7に進んで白煙火災と判定し、R<5であればステップS12に進んで黒煙火災と判定する。なお、火報制御部48は、比率Rが非火災要因閾値RSth=12以上であれば、湯気による非火災要因と判別するが、図示を省略している。
続いて、火報制御部48はステップS6で比率Rが比率閾値Rth=5以上を判別した場合はステップS8に進み、入退出管理システム100から在室情報を取得し、ステップS9で在室者有りを判別した場合は、在室者の存在により何らかの非火災要因があるものと判断して火災警報を出力せずに注意警報を出力し、ステップS1からの監視処理を繰り返している。
一方、火災制御部48はステップS9で在室者なしを判別した場合はステップS10に進み、第1の煙検出値A1が火災発報閾値A1th以上となることを判別した場合、火災確定を判断してステップS11に進み、白煙火災が判別され、且つ、在室者の不存在が判別された場合であることから、白煙火災を示す火災警報を出力すると共に白煙火災に対応した連動制御を行う。
一方、火報制御部48はステップS6で比率Rが比率閾値Rth=5未満を判別した場合はステップS12に進んで黒煙火災を判定し、続いてステップS13に進み、第2の煙検出値A2が火災発報閾値A2th以上となることを判別した場合、火災確定を判断してステップS14に進み、黒煙火災が判別された場合であることから、室者の有無に関わらず黒煙火災を示す火災警報を出力すると共に黒煙火災に対応した連動制御を行う。
続いて火報制御部48はステップS15で火災復旧が判別されるまでステップS1からの処理を繰り返しており、火災復旧を判別するとステップS16で火災復旧信号を光電式煙感知器14に送信して復旧させてからステップS1に戻り、ステップS1からの制御を繰り返す。
(光電式煙感知器の制御)
図7に示すように、図2に示した光電式煙感知器14の感知器制御部50は、ステップS21で受信機10からの一括AD変換信号の受信を判別するとステップS22に進み、発光素子62の発光駆動により、第1波長λ1の光と第1散乱角θ1による散乱光の受光で検出された煙検出値A1と、第2波長λ2の光と第2散乱角θ2による散乱光の受光で検出された煙検出値A2を検出し、ステップS23でメモリに記憶する。
図7に示すように、図2に示した光電式煙感知器14の感知器制御部50は、ステップS21で受信機10からの一括AD変換信号の受信を判別するとステップS22に進み、発光素子62の発光駆動により、第1波長λ1の光と第1散乱角θ1による散乱光の受光で検出された煙検出値A1と、第2波長λ2の光と第2散乱角θ2による散乱光の受光で検出された煙検出値A2を検出し、ステップS23でメモリに記憶する。
続いて、感知器制御部50は、ステップS24で自己アドレスを指定した呼出信号の受信を判別すると、ステップS25に進んで感知器状態を示す呼出応答信号を送信し、受信機10に自己の状態を知らせる。
続いて、感知器制御部50はステップS26に進み、第1の煙検出値A1が2種感度に対応した注意表示閾値AP1th=5%/m以上を判別すると火災発報となり、ステップS27に進んで火災割込み信号を受信機10に送信し、続いて、受信機10から送信されたグループ検索コマンド及びグループ内検索コマンドの受信をステップS28で判別するとステップS29に進み、火災発報を示す検索応答信号を送信することで、受信機10に火災発報した光電式煙感知器14のアドレスを取得させる。
続いて、受信機10から一括AD変換信号とこれに続く火災発報アドレスを指定した呼出信号が短い周期で送信されることから、感知器制御部50はステップS30で一括AD変換信号と呼出信号の受信を判別するとステップS31に進み、発光素子62の発光駆動により、第1及び第2の煙検出値A1,A2を検出してメモリに記憶し、ステップS32で煙検出値A1,A2を含む呼出応答信号を受信機10に送信し、受信機10側で煙検出値A1,A2の比率Rを求め、白煙火災又は黒煙火災を識別させて、在室者の有無に基づき、火災警報制御を行わせる。
続いて、感知器制御部50はステップS33で受信機10からの火災復旧信号の受信を判別するまではステップS30からの処理を繰り返しており、火災復旧信号の受信を判別するとステップS1に戻り、同様な制御動作を繰り返す。
なお、図6及び図7の制御にあっては、受信機10側で白煙火災と黒煙火災を判別しているが、光電式煙感知器14側で白煙火災か黒煙火災かを判別し、白煙火災又は黒煙火災の識別情報を含む火災信号を受信機10に送信し、入退出管理システム100による在室者の有無と組み合わせた火災判断と火災警報制御を行わせるようにしても良い。
[人感センサと組み合わせた火災報知設備]
図8は人感センサと組み合わせた火災報知設備の実施形態を示した説明図である。図8に示すように、本実施形態にあっては、受信機10から引き出された信号回線12-1に中継器16を介して人検出手段として機能する人感センサ80を接続している。人感センサ80は焦電素子等により人体から発する赤外線エネルギーを受光し、人の有無を示す人検出信号を出力する。
図8は人感センサと組み合わせた火災報知設備の実施形態を示した説明図である。図8に示すように、本実施形態にあっては、受信機10から引き出された信号回線12-1に中継器16を介して人検出手段として機能する人感センサ80を接続している。人感センサ80は焦電素子等により人体から発する赤外線エネルギーを受光し、人の有無を示す人検出信号を出力する。
人感センサ80を接続した中継器16は、受信機10から送信された一括AD変換信号を受信した場合に、人感センサ80が出力している人検出信号をサンプリングして人検出情報を保持し、続いて受信機10から送信される人感センサ80を接続した中継器16のアドレスを指定した呼出信号を受信すると、そのとき保持している人検出情報を含む呼出応答信号を受信機10に送信する。
なお、人感センサ80は、光電式煙感知器14を設置している部屋等の警戒区画に設けられており、例えば非火災要因の発生が予想される厨房、喫煙室、バスルーム等の警戒区画に、光電式煙感知器14と共に人感センサ80が設置される。
受信機10のメインCPU26に設けられた火報制御部48は、人感センサ80の人検出情報と光電式煙感知器14に基づく白煙火災と黒煙火災の識別結果を組み合わせることにより、本実施例に固有な火災判断と警報制御を行う。
即ち、火報制御部48は、光電式煙感知器14で検出された煙検出値A1,A2の比率Rが比率閾値Rth=5以上となることで白煙火災を判別し、且つ、人感センサ80による検出された人の存在を判別したときは、何らかの非火災要因が存在するものと判断できることから、火災警報を出力せずに注意警報を出力する制御を行う。
また、火報制御部48は煙検出値A1,A2の比率Rに基づき白煙火災を判別し、且つ、人感センサ80による人の不存在を判別したときは、燻焼により白煙がゆっくりと増加している白煙火災と判断し、白煙火災を示す火災警報を出力する制御を行う。
一方、メインCPU26の火報制御部48は、煙検出値A1,A2の比率Rが比率閾値Rth=5を下回ることで黒煙火災を判別したときは、急速に拡大する燃焼火災により黒煙が発生して危険度が高いと判断できることから、人の存在の有無に関わらず、黒煙火災を示す火災警報を出力する制御を行う。
このように本実施形態にあっては、人感センサ80を喫煙室や調理室等の非火災要因の発生しやすい場所に光電式煙感知器14と共に設置しておくことで、例えば喫煙室で白煙と人の存在が判別されている場合はタバコの煙であることから火災警報を発せずに注意警報を出力して火災監視を継続し、また、白煙を判別したときに人が存在していない場合には、タバコが消えずに燻っていると判断して白煙火災を示す火災警報を出力し、更に、黒煙火災を判別した場合は、燃焼火災により危険が差し迫っていることから、人の存在の有無に関わらず黒煙火災を示す火災警報を出力して、迅速な避難を可能とする。
更に、火報制御部48は、煙検出値A1,A2の比率Rが非火災要因閾値RSth=12以上となることで非火災要因を判別し、且つ人感センサ80により検出された人の存在を判別したときは、非火災要因を示す注意警報を出力せずに保留する。なお、火災制御部48は所定時間を経過しても非火災要因が解消されない場合は、注意警報の出力保留を解除して非火災要因を示す注意警報を出力するようにしても良い。
一方、火報制御部48は、煙検出値A1,A2の比率Rに基づき非火災要因を判別し、且つ、人感センサ80による人の不存在を判別したときは、非火災要因を示す注意警報を出力する制御を行う。
このように非火災要因が識別された時に人が存在していれば、注意警報は不要と判断して保留し、一方、非火災要因を判別した時に人が不存在であれば、バスルーム等からの湯気や調理の煙等による非火災要因が放置された状況にあることから、注意警報を出して必要な対応を可能とする。
それ以外の火災報知設備1の構成及び機能は図1の実施形態と同じになることから、同一符号を付して、その説明は省略する。
[セキュリティシステムと組み合わせた火災報知設備]
図9はキュリティシステムと組み合わせた火災報知設備の実施形態を示した説明図である。図9に示すように、本実施形態の火災報知設備1は、図1の実施形態と基本的に同じであり、人検出手段として機能するセキュリティシステム200を組み合わせたことを特徴とする。
図9はキュリティシステムと組み合わせた火災報知設備の実施形態を示した説明図である。図9に示すように、本実施形態の火災報知設備1は、図1の実施形態と基本的に同じであり、人検出手段として機能するセキュリティシステム200を組み合わせたことを特徴とする。
セキュリティシステム200は、防犯受信盤202から引き出された信号回線204に防犯センサ206を接続しており、防犯センサ206は警戒区域に対する不審者の侵入を検知し、侵入者の有無を示す防犯検知信号を信号回線204を介して防犯受信盤202に送信し、盗難警報を出力させる。防犯センサ206としては、侵入者の発する赤外線エネルギーを検知するセンサや窓開放を検出するセンサ等が用いられる。
防犯受信盤202は通信アダプタ208を介して火災報知設備1の受信機10に設けられた通信アダプタ45に接続しており、受信機10のメインCPU26に設けられた火報制御部48は、セキュリティシステム200に対し通信アダプタ45,208を介して通信接続することで、防犯センサ206で検出している侵入者の有無を示す防犯監視情報を取得することができる。
受信機10のメインCPU26に設けられた火報制御部48は、セキュリティシステム200による侵入者の有無を示す防犯監視情報と光電式煙感知器14に基づく白煙火災と黒煙火災の識別結果を組み合わせることにより、本実施例に固有な火災判断と警報制御を行う。
即ち、火報制御部48は、光電式煙感知器14で検出された煙検出値A1,A2の比率Rが比率閾値Rth=5以上となることで白煙火災を判別し、且つ、セキュリティシステム200により検知された侵入者の存在を判別したときは、侵入者による放火で白煙が発生している可能性が高いと判断できることから、白煙火災を示す火災警報を出力する制御を行う。
一方、メインCPU26の火報制御部48が、煙検出値A1,A2の比率Rが比率閾値Rth=5を下回ることで黒煙火災を判別したときは、急速に拡大する燃焼火災により黒煙が発生して危険度が高いと判断できることから、侵入者の存在の有無に関わらず、黒煙火災を示す火災警報を出力する制御を行う。
また、火報制御部48は、煙検出値A1,A2の比率Rが非火災要因閾値RSth=12以上となることで非火災要因を判別し、且つ、セキュリティシステム200により検知された侵入者の不存在を判別したときは、非火災要因を示す注意警報を出力せず保留する制御を行う。
なお、火災制御部48は所定時間を経過しても非火災要因が解消されない場合は、注意警報の出力保留を解除して非火災要因を示す注意警報を出力するようにしても良い。
それ以外の火災報知設備1の構成及び機能は図1の実施形態と同じになることから、同一符号を付して、その説明は省略する。
[本発明の変形例]
(光電式煙感知器)
上記の実施形態は、図4に示したように、1つの発光素子と2つの受光素子を備えた検煙部構造の光電式煙感知器を例にとっているが、これに限定されず、異なる波長と散乱角の設定により第1及び第2の煙検出値A1,A2を得ることのできる検煙部構造の光電式煙感知器であればよく、例えば、特許文献2に示された2つの発光素子と1つの受光素子を備えた検煙部構造の光電式煙感知器であっても良い。
(光電式煙感知器)
上記の実施形態は、図4に示したように、1つの発光素子と2つの受光素子を備えた検煙部構造の光電式煙感知器を例にとっているが、これに限定されず、異なる波長と散乱角の設定により第1及び第2の煙検出値A1,A2を得ることのできる検煙部構造の光電式煙感知器であればよく、例えば、特許文献2に示された2つの発光素子と1つの受光素子を備えた検煙部構造の光電式煙感知器であっても良い。
また、上記の実施形態にあっては、光電式煙感知器は受信機からの一括AD変換信号を受信した場合に、発光素子の発光駆動により第1及び第2の煙検出値A1,A2を検出しているが、受信機からの指示によらず、光電式煙感知器自身で所定周期で発光素子を間欠的に発光駆動して第1及び第2の煙検出値A1,A2を検出するようにしても良い。
(P型火災報知設備)
上記の実施形態は、受信機とアドレスを設定した光電式煙感知器の間で信号を送受信して火災を監視するR型の火災報知設備を例にとっているが、光電式煙感知器の発報により、受信機からの指示を受けることなく白煙火災信号、黒煙火災信号又は非火災要因信号を受信機に送信して白煙火災警報、黒煙火災警報、又は非火災報注意警報を出力させるP型火災報知設備としても良い。
上記の実施形態は、受信機とアドレスを設定した光電式煙感知器の間で信号を送受信して火災を監視するR型の火災報知設備を例にとっているが、光電式煙感知器の発報により、受信機からの指示を受けることなく白煙火災信号、黒煙火災信号又は非火災要因信号を受信機に送信して白煙火災警報、黒煙火災警報、又は非火災報注意警報を出力させるP型火災報知設備としても良い。
このようなP型火災報知設備にあっては、光電式煙感知器により受信機からの信号回線に発報電流を流すことで、白煙火災信号、黒煙火災信号又は非火災要因信号を受信機に送信するが、白煙火災信号、黒煙火災信号又は非火災要因信号を識別するため、固有の周波数信号又はパルスコード信号を発報電流に重畳して流すことで、受信機は煙火災信号、黒煙火災信号又は非火災要因信号を識別して白煙火災警報、黒煙火災警報、又は非火災要因注意警報を出力させることができる。
また、P型火災報知設備における地区音響装置、排気装置、消火装置等の制御機器の連動制御は、回線単位に行うP型連動制御となる。
(非火災要因の判断)
上記の実施形態は、白煙及び黒煙の判断に加え、非火災要因の判断も行っているが、非火災要因の判断は行わず、白煙及び黒煙の判断だけを行うようにしても良い。
上記の実施形態は、白煙及び黒煙の判断に加え、非火災要因の判断も行っているが、非火災要因の判断は行わず、白煙及び黒煙の判断だけを行うようにしても良い。
(火災報知設備)
上記の実施形態は、受信機からの信号回線に光電式煙感知器を接続した有線システムを例にとっているが、受信機と光電式煙感知器の間を無線回線により接続する無線システムとしても良い。
上記の実施形態は、受信機からの信号回線に光電式煙感知器を接続した有線システムを例にとっているが、受信機と光電式煙感知器の間を無線回線により接続する無線システムとしても良い。
(比較判断)
上記の実施形態にあっては、例えば比率Rと比率閾値Rthの大小比較として、R≧Rthの場合とR<Rthの場合を示しているが、これ限定されず、R>Rthの場合とR≦Rthの場合の大小比較としても良い。他の値の大小比較も同様である。
上記の実施形態にあっては、例えば比率Rと比率閾値Rthの大小比較として、R≧Rthの場合とR<Rthの場合を示しているが、これ限定されず、R>Rthの場合とR≦Rthの場合の大小比較としても良い。他の値の大小比較も同様である。
(その他)
また、本発明は、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に、上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
また、本発明は、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に、上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
1:火災報知設備
10:受信機
12,12-1~12-3:信号回線
14:光電式煙感知器
16:中継器
18:地区音響装置
20:排気装置
22:防火戸
26:メインCPU
28-1~28-3:サブCPU基板
30:サブCPU
32:伝送部
34:シリアル転送バス
36:ディスプレイ
38:表示部
40:操作部
42:音響警報部
44:移報部
45,114,208:通信アダプタ
46:伝送制御部
48:火報制御部
50:感知器制御部
52:伝送部
54:電源部
56:発光駆動部
60:検煙部
62:発光素子
62a,64a,66a:光軸
64:第1受光素子
66:第2受光素子
68,70:増幅回路部
80:人感センサ
100:入退出管理システム
102:センター装置
104:クライアント
106:LAN回線
108:ローカル制御盤
110:カードリーダ
112:電気錠
200:セキュリティシステム
202:防犯受信盤
206:防犯センサ
10:受信機
12,12-1~12-3:信号回線
14:光電式煙感知器
16:中継器
18:地区音響装置
20:排気装置
22:防火戸
26:メインCPU
28-1~28-3:サブCPU基板
30:サブCPU
32:伝送部
34:シリアル転送バス
36:ディスプレイ
38:表示部
40:操作部
42:音響警報部
44:移報部
45,114,208:通信アダプタ
46:伝送制御部
48:火報制御部
50:感知器制御部
52:伝送部
54:電源部
56:発光駆動部
60:検煙部
62:発光素子
62a,64a,66a:光軸
64:第1受光素子
66:第2受光素子
68,70:増幅回路部
80:人感センサ
100:入退出管理システム
102:センター装置
104:クライアント
106:LAN回線
108:ローカル制御盤
110:カードリーダ
112:電気錠
200:セキュリティシステム
202:防犯受信盤
206:防犯センサ
Claims (4)
- 警戒区域の火災を監視して警報する火災報知設備に於いて、
前記警戒区域の火災を検出して火災信号を送信する火災感知器と、
前記警戒区域における人の存否を検出して検出信号を送信する人検出手段と、
前記火災感知器からの前記火災信号及び前記人検出手段からの前記検出信号に基づき、危険度の低い火災及び前記警戒区域における人の存在を判別したときには火災警報を出力させずに注意警報を出力させる火報制御部と、
を備えたことを特徴とする火災報知設備。
- 請求項1記載の火災報知設備に於いて、
前記火報制御部は、前記危険度の低い火災を判別した上で前記警戒区域における人の不存在を判別したとき及び危険度の高い火災を判別したときには火災警報を出力させることを特徴とする火災報知設備。
- 請求項2記載の火災報知設備に於いて、
前記火報制御部は、判別した火災の危険度に対応して異なる火災警報を出力させることを特徴とする火災報知設備。
- 請求項1乃至3何れに記載の火災報知設備に於いて、
前記火報制御部が判別する危険度の低い火災は白煙火災を含み、前記火報制御部が判別する危険度の高い火災は黒煙火災を含むことを特徴とする火災報知設備。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP3069465B2 (ja) * | 1993-04-30 | 2000-07-24 | 松下電工株式会社 | 火災警報システム |
JP4010455B2 (ja) * | 2003-04-24 | 2007-11-21 | ホーチキ株式会社 | 散乱光式煙感知器 |
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