JP2023152935A - 樹脂組成物、硬化物、積層体、透明アンテナ、及び、画像表示装置 - Google Patents

樹脂組成物、硬化物、積層体、透明アンテナ、及び、画像表示装置 Download PDF

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大介 大槻
Daisuke Otsuki
剛 野尻
Takeshi Nojiri
佑太郎 高松
Yutaro Takamatsu
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Abstract

【課題】透明基材に対する優れた密着性を有する硬化物を得ることが可能な樹脂組成物等を提供する。【解決手段】(メタ)アクリル系重合体と、(メタ)アクリル化合物(前記(メタ)アクリル系重合体に該当する化合物を除く)と、重合開始剤と、を含有する、樹脂組成物。当該樹脂組成物の硬化物。基材フィルムと、当該基材フィルム上に配置された透明樹脂層と、を備え、前記透明樹脂層が、前記樹脂組成物及びその硬化物からなる群より選ばれる少なくとも一種を含む、積層体。透明基材110aと、透明基材110a上に配置された導電部材110bと、導電部材110b上に配置された被覆部材110cと、を備え、透明基材110a及び被覆部材110cからなる群より選ばれる少なくとも一種が前記樹脂組成物の硬化物を含む、透明アンテナ110。透明アンテナ110を備える、画像表示装置100。【選択図】図3

Description

本開示は、樹脂組成物、硬化物、積層体、透明アンテナ、画像表示装置等に関する。
電波を受信するためのアンテナは、画像表示装置(例えば、パソコン、ナビゲーションシステム、携帯電話、時計、電子辞書等の各種電子機器における画像表示装置)、自動車の構成部材、建物などに設置されている。例えば、アンテナを内蔵する画像表示装置が用いられる場合があり、近年、画像表示装置の小型化、薄型化、形状の多様化等に対応し、設計の尤度を確保するために、画像を表示するための画像表示部上に、透明で視認性が低いアンテナ(以下、「透明アンテナ」ともいう)を配置することが提案されている。透明アンテナを得るための部材に対しては、各種部材が検討されている(例えば、下記特許文献1参照)。
特開2011-091788号公報
透明アンテナの構成部材として、樹脂組成物の硬化物と、当該硬化物に当接する透明部材と、を有する積層体を用いる場合がある(例えば、透明基材と、透明基材上に配置された導電部材と、導電部材上に配置された被覆部材と、を備える透明アンテナにおいて、被覆部材を樹脂組成物の硬化物により形成する場合がある)。このような硬化物に対しては、透明部材に対する優れた密着性を有することが求められる。
本開示の一側面は、透明部材に対する優れた密着性を有する硬化物を得ることが可能な樹脂組成物を提供することを目的とする。本開示の他の一側面は、当該樹脂組成物の硬化物を提供することを目的とする。本開示の他の一側面は、当該樹脂組成物又はその硬化物を用いた積層体を提供することを目的とする。本開示の他の一側面は、当該樹脂組成物の硬化物を用いた透明アンテナを提供することを目的とする。本開示の他の一側面は、当該透明アンテナを用いた画像表示装置を提供することを目的とする。
本開示は、いくつかの側面において、下記の[1]~[11]等に関する。
[1](メタ)アクリル系重合体と、(メタ)アクリル化合物(前記(メタ)アクリル系重合体に該当する化合物を除く)と、重合開始剤と、を含有する、樹脂組成物。
[2]前記(メタ)アクリル系重合体が(メタ)アクリル酸を単量体単位として有する、[1]に記載の樹脂組成物。
[3]前記(メタ)アクリル系重合体が(メタ)アクリル酸アルキルを単量体単位として有する、[1]又は[2]に記載の樹脂組成物。
[4]前記(メタ)アクリル系重合体が、炭素数12以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルを単量体単位として有する、[1]~[3]のいずれか一つに記載の樹脂組成物。
[5]前記(メタ)アクリル化合物が単官能又は多官能の脂肪族(メタ)アクリル化合物を含む、[1]~[4]のいずれか一つに記載の樹脂組成物。
[6]前記(メタ)アクリル化合物が2官能(メタ)アクリル化合物を含む、[1]~[5]のいずれか一つに記載の樹脂組成物。
[7]前記(メタ)アクリル化合物が環状エーテル化合物を含む、[1]~[6]のいずれか一つに記載の樹脂組成物。
[8][1]~[7]のいずれか一つに記載の樹脂組成物の硬化物。
[9]基材フィルムと、当該基材フィルム上に配置された透明樹脂層と、を備え、前記透明樹脂層が、[1]~[7]のいずれか一つに記載の樹脂組成物及びその硬化物からなる群より選ばれる少なくとも一種を含む、積層体。
[10]透明基材と、当該透明基材上に配置された導電部材と、当該導電部材上に配置された被覆部材と、を備え、前記透明基材及び前記被覆部材からなる群より選ばれる少なくとも一種が、[1]~[7]のいずれか一つに記載の樹脂組成物の硬化物を含む、透明アンテナ。
[11][10]に記載の透明アンテナを備える、画像表示装置。
本開示の一側面によれば、透明部材に対する優れた密着性を有する硬化物を得ることが可能な樹脂組成物を提供することができる。本開示の他の一側面によれば、当該樹脂組成物の硬化物を提供することができる。本開示の他の一側面によれば、当該樹脂組成物又はその硬化物を用いた積層体を提供することができる。本開示の他の一側面によれば、当該樹脂組成物の硬化物を用いた透明アンテナを提供することができる。本開示の他の一側面によれば、当該透明アンテナを用いた画像表示装置を提供することができる。
積層体の例を示す模式断面図である。 積層体の例を示す模式断面図である。 画像表示装置の例を示す模式断面図である。 画像表示装置の例を示す模式断面図である。
以下、本開示の実施形態について詳細に説明する。但し、本開示は以下の実施形態に限定されるものではない。
本明細書において、「~」を用いて示された数値範囲は、「~」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。数値範囲の「A以上」とは、A、及び、Aを超える範囲を意味する。数値範囲の「A以下」とは、A、及び、A未満の範囲を意味する。本明細書に段階的に記載されている数値範囲において、ある段階の数値範囲の上限値又は下限値は、他の段階の数値範囲の上限値又は下限値と任意に組み合わせることができる。本明細書に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。「A又はB」とは、A及びBのどちらか一方を含んでいればよく、両方とも含んでいてもよい。本明細書に例示する材料は、特に断らない限り、一種を単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。本明細書において、組成物中の各成分の含有量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。「層」との語は、平面図として観察したときに、全面に形成されている形状の構造に加え、一部に形成されている形状の構造も包含される。「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の作用が達成されれば、本用語に含まれる。「(メタ)アクリル」とは、アクリル、及び、それに対応するメタクリルの少なくとも一方を意味する。「(メタ)アクリレート」等の他の類似の表現においても同様である。(メタ)アクリル化合物の含有量は、アクリル化合物及びメタクリル化合物の合計量を意味する。
本実施形態に係る樹脂組成物は、(メタ)アクリル系重合体と、(メタ)アクリル化合物((メタ)アクリル系重合体に該当する化合物を除く)と、重合開始剤と、を含有する。本実施形態に係る樹脂組成物は、透明アンテナ用の樹脂組成物として用いることができる。本実施形態に係る樹脂組成物は、硬化性(光硬化性、熱硬化性等)の樹脂組成物である。本実施形態に係る硬化物は、本実施形態に係る樹脂組成物を硬化(光硬化、熱硬化等)することにより得られ、本実施形態に係る樹脂組成物の硬化物(光硬化物、熱硬化物等)である。本実施形態に係る硬化物は、半硬化状態であってよく、完全硬化状態であってよい。
本実施形態に係る樹脂組成物によれば、透明部材(例えば透明基材)に対する優れた密着性を有する硬化物を得ることができる。(メタ)アクリル系重合体における(メタ)アクリル化合物の単量体単位と透明部材との間の結合(例えば水素結合)に由来する相互作用、及び、(メタ)アクリル化合物と透明部材との間の結合(例えば水素結合)に由来する相互作用によって優れた密着性が得られやすいと推察される。但し、優れた密着性が得られる要因は当該内容に限定されない。
ところで、透明部材(例えば透明基材)の構成材料として、例えばシクロオレフィンポリマー(COP:Cyclo Olefin Polymer)を用いる場合があることから、透明アンテナに用いられる硬化物に対しては、COP部材(例えばCOP基材)に対する優れた密着性を有することが求められる場合がある。これに対し、本実施形態に係る樹脂組成物の一態様によれば、COP部材(例えばCOP基材)に対する優れた密着性を有する硬化物を得ることができる。本実施形態に係る樹脂組成物の一態様によれば、後述の実施例におけるクロスカット試験において、例えば、0を超える(好ましくは30以上、50以上、80以上、90以上等)密着性を得ることができる。本実施形態に係る樹脂組成物は、シクロオレフィンポリマー以外の構成材料により形成された透明部材(例えば透明基材)に対して用いられてもよい。
透明アンテナは、高速大容量通信を達成するための高周波帯域の通信において用いることができる。高周波帯域の通信では、伝送損失が大きい傾向がある。そのため、透明アンテナの構成部材として、樹脂組成物の硬化物に対しては、優れた誘電特性を有することが求められる。本実施形態に係る樹脂組成物の一態様によれば、優れた比誘電率(低い比誘電率)を有する硬化物を得ることができる。また、本実施形態に係る樹脂組成物の一態様によれば、優れた誘電正接(低い誘電正接)を有する硬化物を得ることができる。
本実施形態に係る樹脂組成物の一態様によれば、優れた耐湿熱性を有する硬化物を得ることができる。例えば、本実施形態に係る樹脂組成物の一態様によれば、高温、高湿下に晒された場合であっても優れた透過率を有する硬化物を得ることが可能であり、高温、高湿下に晒された場合であっても優れたヘイズを有する硬化物を得ることができる。
本実施形態に係る樹脂組成物は、(メタ)アクリル系重合体を含有する。(メタ)アクリル系重合体は、(メタ)アクリル化合物((メタ)アクリロイル基を有する化合物)を単量体単位として有する重合体であり、(メタ)アクリル化合物の単量体単位((メタ)アクリル化合物に由来する単量体単位)を複数有する。複数の(メタ)アクリル化合物の単量体単位は、互いに同一であってよく、互いに異なってよい。
(メタ)アクリル化合物としては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。(メタ)アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸アルキル((メタ)アクリル酸アルキルエステル;(メタ)アクリル酸シクロアルキルに該当する化合物を除く)、(メタ)アクリル酸シクロアルキル((メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル)、(メタ)アクリル酸アリール((メタ)アクリル酸アリールエステル)、(メタ)アクリルアミド化合物(ジアセトンアクリルアミド等)、(メタ)アクリル酸グリシジルエステル、スチリル(メタ)アクリル酸などが挙げられる。(メタ)アクリル酸アリールとしては、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ナフチル等が挙げられる。(メタ)アクリル系重合体は、(メタ)アクリル酸アリールを単量体単位として有さなくてもよい。
(メタ)アクリル系重合体は、硬化物において優れた密着性、耐湿熱性(全光線透過率、ヘイズ等;以下、同様)及び誘電特性(比誘電率、誘電正接等;以下、同様)を得やすい観点から、(メタ)アクリル酸を単量体単位として有してよい。
(メタ)アクリル酸の単量体単位の含有量は、(メタ)アクリル系重合体を構成する単量体単位の全量を基準として下記の範囲であってよい。(メタ)アクリル酸の単量体単位の含有量は、硬化物において優れた密着性及び耐湿熱性を得やすい観点から、1質量%以上、3質量%以上、5質量%以上、6質量%以上、8質量%以上、10質量%以上、又は、12質量%以上であってよい。(メタ)アクリル酸の単量体単位の含有量は、硬化物において優れた誘電特性を得やすい観点から、50質量%以下、50質量%未満、45質量%以下、40質量%以下、35質量%以下、30質量%以下、25質量%以下、20質量%以下、18質量%以下、15質量%以下、12質量%以下、10質量%以下、8質量%以下、又は、6質量%以下であってよい。これらの観点から、(メタ)アクリル酸の単量体単位の含有量は、1~50質量%、5~30質量%、1~10質量%、又は、10~30質量%であってよい。
(メタ)アクリル系重合体は、硬化物において優れた密着性、耐湿熱性及び誘電特性を得やすい観点から、(メタ)アクリル酸アルキルを単量体単位として有してよい。(メタ)アクリル酸アルキルのアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、ラウリル基、ステアリル基(n-ステアリル基、イソステアリル基等)などが挙げられる。アルキル基は、各種構造異性体であってよい。
(メタ)アクリル系重合体は、硬化物における密着性、耐湿熱性及び誘電特性を調整できる観点から、下記の範囲の炭素数のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルを単量体単位として有してよい。アルキル基の炭素数は、1以上、2以上、3以上、4以上、6以上、8以上、10以上、12以上、14以上、16以上、又は、18以上であってよい。アルキル基の炭素数は、24以下、22以下、20以下、18以下、16以下、14以下、12以下、10以下、8以下、6以下、4以下、3以下、又は、2以下であってよい。これらの観点から、アルキル基の炭素数は、1~24、2~24、8~24、12~24、1~18、2~18、8~18、12~18、1~12、2~12、又は、8~12であってよい。
(メタ)アクリル酸アルキルのアルキル基は、置換基を有してよい。置換基としては、ヒドロキシ基、アミノ基、エポキシ基、フリル基、ハロゲノ基(フルオロ基、クロロ基、ブロモ基等)などが挙げられる。このような(メタ)アクリル酸アルキルとしては、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸2,2,2-トリフルオロエチル、(メタ)アクリル酸2,2,3,3-テトラフルオロプロピル、α-クロロ(メタ)アクリル酸、α-ブロモ(メタ)アクリル酸等が挙げられる。(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルとしては、(メタ)アクリル酸ヒドロキシメチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシペンチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシヘキシル等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステルの単量体単位の含有量、又は、(メタ)アクリル酸アルキルの単量体単位の含有量は、(メタ)アクリル系重合体を構成する単量体単位の全量を基準として下記の範囲であってよい。上述の単量体単位の含有量は、硬化物において優れた誘電特性を得やすい観点から、50質量%以上、50質量%超、55質量%以上、60質量%以上、65質量%以上、70質量%以上、75質量%以上、80質量%以上、82質量%以上、85質量%以上、88質量%以上、90質量%以上、92質量%以上、又は、94質量%以上であってよい。上述の単量体単位の含有量は、硬化物において優れた密着性及び耐湿熱性を得やすい観点から、99質量%以下、97質量%以下、95質量%以下、94質量%以下、92質量%以下、90質量%以下、又は、88質量%以下であってよい。これらの観点から、上述の単量体単位の含有量は、50~99質量%、70~95質量%、90~99質量%、又は、70~90質量%であってよい。
(メタ)アクリル系重合体は、その他の化合物を単量体単位として有してよい。このような化合物としては、スチレン化合物(スチレン、ビニルトルエン、α-メチルスチレン等)、ビニルアルコールのエーテル類(ビニル-n-ブチルエーテル等)、(メタ)アクリロニトリル、マレイン酸、マレイン酸無水物、マレイン酸モノエステル(マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノイソプロピル等)、フマール酸、ケイ皮酸、α-シアノケイ皮酸、イタコン酸、クロトン酸、プロピオール酸などが挙げられる。(メタ)アクリル系重合体は、スチレン化合物を単量体単位として有さなくてもよい。
(メタ)アクリル系重合体の重量平均分子量(Mw)は、下記の範囲であってよい。重量平均分子量は、樹脂組成物の優れた塗工性が得られやすい観点から、10000以上、20000以上、25000以上、30000以上、35000以上、40000以上、45000以上、50000以上、55000以上、60000以上、又は、65000以上であってよい。重量平均分子量は、100000以下、95000以下、90000以下、85000以下、80000以下、75000以下、70000以下、又は、65000以下であってよい。これらの観点から、重量平均分子量は、10000~100000、20000~90000、30000~80000、又は、40000~70000であってよい。重量平均分子量は、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により標準ポリスチレンの検量線を用いて測定することが可能であり、実施例に記載の条件で測定することができる。
(メタ)アクリル系重合体の含有量は、硬化物において優れた密着性、耐湿熱性及び誘電特性を得やすい観点から、樹脂組成物の全質量(有機溶剤の質量を除く)、又は、(メタ)アクリル系重合体、(メタ)アクリル化合物及び重合開始剤の合計量を基準として下記の範囲であってよい。(メタ)アクリル系重合体の含有量は、1質量%以上、5質量%以上、10質量%以上、15質量%以上、20質量%以上、25質量%以上、30質量%以上、35質量%以上、40質量%以上、45質量%以上、又は、50質量%以上であってよい。(メタ)アクリル系重合体の含有量は、90質量%以下、80質量%以下、75質量%以下、70質量%以下、65質量%以下、60質量%以下、55質量%以下、又は、52質量%以下であってよい。これらの観点から、(メタ)アクリル系重合体の含有量は、1~90質量%、10~70質量%、又は、30~60質量%であってよい。
(メタ)アクリル系重合体の含有量は、硬化物において優れた密着性、耐湿熱性及び誘電特性を得やすい観点から、(メタ)アクリル系重合体及び(メタ)アクリル化合物の合計量を基準として下記の範囲であってよい。(メタ)アクリル系重合体の含有量は、10質量%以上、15質量%以上、20質量%以上、25質量%以上、30質量%以上、35質量%以上、40質量%以上、45質量%以上、50質量%以上、又は、55質量%以上であってよい。(メタ)アクリル系重合体の含有量は、99質量%以下、95質量%以下、90質量%以下、85質量%以下、80質量%以下、75質量%以下、70質量%以下、65質量%以下、又は、60質量%以下であってよい。これらの観点から、(メタ)アクリル系重合体の含有量は、10~99質量%、20~80質量%、又は、30~70質量%であってよい。
本実施形態に係る樹脂組成物は、(メタ)アクリル化合物((メタ)アクリル系重合体に該当する化合物を除く)を含有する。(メタ)アクリル化合物は、(メタ)アクリロイル基を有する化合物である。(メタ)アクリル化合物は、エポキシ基を有さなくてよく、エポキシ基を有してもよい。
(メタ)アクリル化合物は、単官能(メタ)アクリル化合物、及び、多官能(メタ)アクリル化合物(2官能(メタ)アクリル化合物、又は、3官能以上の(メタ)アクリル化合物)からなる群より選ばれる少なくとも一種を含んでよい。例えば、「2官能(メタ)アクリル化合物」は、1分子中におけるアクリロイル基及びメタクリロイル基の合計が2である化合物を意味する。(メタ)アクリル化合物は、硬化物において優れた密着性、耐湿熱性及び誘電特性を得やすい観点から、2官能(メタ)アクリル化合物を含んでよい。
単官能(メタ)アクリル化合物としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチルヘプチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-クロロ-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、モノ(2-(メタ)アクリロイロキシエチル)スクシネート等の脂肪族(メタ)アクリレート;シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、モノ(2-(メタ)アクリロイロキシエチル)テトラヒドロフタレート、モノ(2-(メタ)アクリロイロキシエチル)ヘキサヒドロフタレート等の脂環式(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、o-ビフェニル(メタ)アクリレート、1-ナフチル(メタ)アクリレート、2-ナフチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、p-クミルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、o-フェニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、1-ナフトキシエチル(メタ)アクリレート、2-ナフトキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-(o-フェニルフェノキシ)プロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-(1-ナフトキシ)プロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-(2-ナフトキシ)プロピル(メタ)アクリレート等の芳香族(メタ)アクリレート;2-テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、N-(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタルイミド、2-(メタ)アクリロイロキシエチル-N-カルバゾール等の複素環式(メタ)アクリレート;(メタ)アクリロイル基含有ホスフェート(例えば(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート);これらのカプロラクトン変性体などが挙げられる。
2官能(メタ)アクリル化合物としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、3-メチル-1,5-ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、ノナンジオールジ(メタ)アクリレート(例えば1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート)、デカンジオールジ(メタ)アクリレート(例えば1,10-デカンジオールジ(メタ)アクリレート)、ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート(例えば1,12-ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート)、グリセリンジ(メタ)アクリレート、エトキシ化2-メチル-1,3-プロパンジオールジ(メタ)アクリレート等の脂肪族(メタ)アクリレート(例えばアルカンジオールジ(メタ)アクリレート);シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化プロポキシ化シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化プロポキシ化トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化水添ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化水添ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エトキシ化プロポキシ化水添ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エトキシ化水添ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化水添ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、エトキシ化プロポキシ化水添ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート等の脂環式(メタ)アクリレート;エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エトキシ化プロポキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、エトキシ化プロポキシ化ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAFジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ビスフェノールAFジ(メタ)アクリレート、エトキシ化プロポキシ化ビスフェノールAFジ(メタ)アクリレート、エトキシ化フルオレン型ジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化フルオレン型ジ(メタ)アクリレート、エトキシ化プロポキシ化フルオレン型ジ(メタ)アクリレート等の芳香族(メタ)アクリレート;ジオキサングリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化イソシアヌル酸ジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化イソシアヌル酸ジ(メタ)アクリレート、エトキシ化プロポキシ化イソシアヌル酸ジ(メタ)アクリレート等の複素環式(メタ)アクリレート;これらのカプロラクトン変性体;ネオペンチルグリコール型エポキシ(メタ)アクリレート等の脂肪族エポキシ(メタ)アクリレート;シクロヘキサンジメタノール型エポキシ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールF型エポキシ(メタ)アクリレート等の脂環式エポキシ(メタ)アクリレート;レゾルシノール型エポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノールF型エポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAF型エポキシ(メタ)アクリレート、フルオレン型エポキシ(メタ)アクリレート等の芳香族エポキシ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
3官能以上の(メタ)アクリル化合物としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化プロポキシ化ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化プロポキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エトキシ化ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の脂肪族(メタ)アクリレート;エトキシ化イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、エトキシ化プロポキシ化イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート等の複素環式(メタ)アクリレート;これらのカプロラクトン変性体;フェノールノボラック型エポキシ(メタ)アクリレート、クレゾールノボラック型エポキシ(メタ)アクリレート等の芳香族エポキシ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
(メタ)アクリル化合物は、硬化物において優れた密着性、耐湿熱性及び誘電特性を得やすい観点から、下記の範囲の炭素数のアルキル基を有する(メタ)アクリル化合物を含んでよい。アルキル基の炭素数は、1以上、3以上、5以上、6以上、8以上、9以上、10以上、11以上、又は、12以上であってよい。アルキル基の炭素数は、30以下、26以下、24以下、20以下、18以下、16以下、14以下、13以下、又は、12以下であってよい。これらの観点から、アルキル基の炭素数は、1~30、6~20、又は、8~16であってよい。
(メタ)アクリル化合物は、硬化物において優れた密着性、耐湿熱性及び誘電特性を得やすい観点から、次の特徴のうちの少なくとも一つを満たしてよい。(メタ)アクリル化合物は、単官能又は多官能(例えば2官能)の脂肪族(メタ)アクリル化合物(脂肪族(メタ)アクリレート)を含んでよい。(メタ)アクリル化合物は、2官能(メタ)アクリル化合物として脂環式(メタ)アクリル化合物(脂環式(メタ)アクリレート)を含んでよく、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレートを含んでよい。(メタ)アクリル化合物は、環状エーテル化合物を含んでよく、2官能(メタ)アクリル化合物として環状エーテル化合物を含んでよい。(メタ)アクリル化合物は、2官能(メタ)アクリル化合物として複素環式(メタ)アクリル化合物(複素環式(メタ)アクリレート)を含んでよく、ジオキサングリコールジ(メタ)アクリレートを含んでよい。(メタ)アクリル化合物は、(メタ)アクリロイル基含有ホスフェートを含んでよく、(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェートを含んでよい。
(メタ)アクリル化合物は、硬化物において優れた密着性、耐湿熱性及び誘電特性を得やすい観点から、分子量が下記の範囲である(メタ)アクリル化合物を含んでよい。(メタ)アクリル化合物の分子量は、80以上、100以上、120以上、150以上、180以上、200以上、220以上、250以上、280以上、300以上、又は、320以上であってよい。(メタ)アクリル化合物の分子量は、1000以下、800以下、600以下、550以下、500以下、450以下、400以下、350以下、330以下、又は、320以下であってよい。これらの観点から、(メタ)アクリル化合物の分子量は、80~1000、100~600、100~500、250~600、又は、200~400であってよい。
アクリル化合物の含有量は、硬化物において優れた密着性、耐湿熱性及び誘電特性を得やすい観点から、アクリル化合物及びメタクリル化合物の合計量(樹脂組成物に含まれるアクリル化合物及びメタクリル化合物の合計量;(メタ)アクリル系重合体の単量体単位を構成するアクリル化合物及びメタクリル化合物の含有量を除く)を基準として下記の範囲であってよい。アクリル化合物の含有量は、50質量%以上、50質量%超、60質量%以上、70質量%以上、80質量%以上、85質量%以上、90質量%以上、又は、95質量%以上であってよい。アクリル化合物の含有量は、100質量%未満、99質量%以下、98質量%以下、97質量%以下、又は、96質量%以下であってよい。これらの観点から、アクリル化合物の含有量は、50質量%以上100質量%未満、70~99質量%、又は、80~98質量%であってよい。
多官能(メタ)アクリル化合物の含有量は、硬化物において優れた密着性、耐湿熱性及び誘電特性を得やすい観点から、(メタ)アクリル化合物の全質量(樹脂組成物に含まれる(メタ)アクリル化合物の合計量;(メタ)アクリル系重合体の単量体単位を構成する(メタ)アクリル化合物の含有量を除く)を基準として下記の範囲であってよい。多官能(メタ)アクリル化合物の含有量は、50質量%以上、50質量%超、60質量%以上、70質量%以上、80質量%以上、85質量%以上、90質量%以上、又は、95質量%以上であってよい。多官能(メタ)アクリル化合物の含有量は、100質量%未満、99質量%以下、98質量%以下、97質量%以下、又は、96質量%以下であってよい。これらの観点から、多官能(メタ)アクリル化合物の含有量は、50質量%以上100質量%未満、70~99質量%、又は、80~98質量%であってよい。
(メタ)アクリル化合物の含有量、又は、多官能(メタ)アクリル化合物の含有量は、硬化物において優れた密着性、耐湿熱性及び誘電特性を得やすい観点から、樹脂組成物の全質量(有機溶剤の質量を除く)、又は、(メタ)アクリル系重合体、(メタ)アクリル化合物及び重合開始剤の合計量を基準として下記の範囲であってよい。上述の含有量は、70質量%以下、65質量%以下、60質量%以下、55質量%以下、50質量%以下、45質量%以下、又は、40質量%以下であってよい。上述の含有量は、1質量%以上、5質量%以上、10質量%以上、15質量%以上、20質量%以上、25質量%以上、30質量%以上、35質量%以上、又は、40質量%以上であってよい。これらの観点から、上述の含有量は、1~70質量%、10~60質量%、又は、20~50質量%であってよい。
(メタ)アクリル化合物の含有量、又は、多官能(メタ)アクリル化合物の含有量は、硬化物において優れた密着性、耐湿熱性及び誘電特性を得やすい観点から、(メタ)アクリル系重合体及び(メタ)アクリル化合物の合計量を基準として下記の範囲であってよい。上述の含有量は、90質量%以下、85質量%以下、80質量%以下、75質量%以下、70質量%以下、65質量%以下、60質量%以下、55質量%以下、50質量%以下、又は、45質量%以下であってよい。上述の含有量は、1質量%以上、5質量%以上、10質量%以上、15質量%以上、20質量%以上、25質量%以上、30質量%以上、35質量%以上、又は、40質量%以上であってよい。これらの観点から、上述の含有量は、1~90質量%、20~80質量%、又は、30~70質量%であってよい。
本実施形態に係る樹脂組成物は、重合開始剤を含有する。重合開始剤としては、活性光線(紫外線等)の照射、加熱などによって重合を開始させる化合物であれば特に制限はないが、例えば、光重合開始剤及び熱重合開始剤が挙げられる。光重合開始剤及び熱重合開始剤のうちの一方を用いてよく、光重合開始剤及び熱重合開始剤を併用してよい。重合開始剤は、常温硬化が可能な観点から、光重合開始剤であってよい。
光重合開始剤としては、光ラジカル発生剤、光塩基発生剤、光酸発生剤等が挙げられる。光重合開始剤は、硬化物において優れた密着性、耐湿熱性及び誘電特性を得やすい観点から、光ラジカル発生剤を含んでよい。
光重合開始剤としては、ビス(2,4,6,-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチル-ペンチルホスフィンオキシド、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド化合物;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾイン化合物;アセトフェノン、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、2,2-ジエトキシ-2-フェニルアセトフェノン、1,1-ジクロロアセトフェノン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-ブタノン-1、2-メチル-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルホリノ-1-プロパン、N,N-ジメチルアミノアセトフェノン等のアセトフェノン化合物;2-メチルアントラキノン、2-エチルアントラキノン、2-tert-ブチルアントラキノン、1-クロロアントラキノン、2-アミルアントラキノン、2-アミノアントラキノン等のアントラキノン化合物;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール化合物;ベンゾフェノン、メチルベンゾフェノン、4,4’-ジクロロベンゾフェノン、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、4-ベンゾイル-4’-メチルジフェニルサルファイド等のベンゾフェノン化合物;2-(o-クロロフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール二量体、2-(o-クロロフェニル)-4,5-ジ(m-メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2-(o-フルオロフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール二量体、2-(o-メトキシフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール二量体、2-(p-メトキシフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール二量体、2,4-ジ(p-メトキシフェニル)-5-フェニルイミダゾール二量体、2-(2,4-ジメトキシフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール二量体等のイミダゾール化合物;9-フェニルアクリジン、1,7-ビス(9,9’-アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン化合物;1,2-オクタンジオン-1-[4-(フェニルチオ)フェニル]-2-(O-ベンゾイルオキシム)、1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]エタノン1-(O-アセチルオキシム)、1-フェニル-1,2-プロパンジオン-2-[O-(エトキシカルボニル)オキシム]等のオキシムエステル化合物;及びN,N-ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、N,N-ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、ペンチル-4-ジメチルアミノベンゾエート、トリエチルアミン、トリエタノールアミン等の三級アミン化合物などが挙げられる。
光重合開始剤は、硬化物において優れた密着性、耐湿熱性及び誘電特性を得やすい観点から、アシルホスフィンオキサイド化合物及びアセトフェノン化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種を含んでよく、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド及び2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノンからなる群より選ばれる少なくとも一種を含んでよい。
熱重合開始剤としては、熱ラジカル重合開始剤、熱カチオン重合開始剤等が挙げられる。熱重合開始剤としては、ケトンパーオキシド、パーオキシケタール、ヒドロパーオキシド、ジアルキルパーオキシド、ジアシルパーオキシド、パーオキシカーボネート、パーオキシエステル、酸無水物、アゾ化合物等が挙げられる。
重合開始剤の含有量(光重合開始剤、熱重合開始剤等の重合開始剤の合計量;以下、同様)、又は、光重合開始剤の含有量は、樹脂組成物の全質量(有機溶剤の質量を除く)、(メタ)アクリル系重合体、(メタ)アクリル化合物及び重合開始剤の合計量、又は、(メタ)アクリル系重合体、(メタ)アクリル化合物及び光重合開始剤の合計量を基準として下記の範囲であってよい。重合開始剤の含有量、又は、光重合開始剤の含有量は、硬化物において優れた密着性、耐湿熱性及び誘電特性を得やすい観点、並びに、優れた硬化性を得やすい観点から、0.1質量%以上、0.5質量%以上、1質量%以上、3質量%以上、5質量%以上、6質量%以上、又は、8質量%以上であってよい。重合開始剤の含有量、又は、光重合開始剤の含有量は、硬化物において優れた密着性、耐湿熱性及び誘電特性を得やすい観点から、20質量%以下、18質量%以下、15質量%以下、12質量%以下、10質量%以下、又は、9質量%以下であってよい。これらの観点から、重合開始剤の含有量、又は、光重合開始剤の含有量は、0.1~20質量%、1~15質量%、又は、5~10質量%であってよい。
重合開始剤の含有量、又は、光重合開始剤の含有量は、(メタ)アクリル系重合体及び(メタ)アクリル化合物の合計量を基準として下記の範囲であってよい。重合開始剤の含有量、又は、光重合開始剤の含有量は、硬化物において優れた密着性、耐湿熱性及び誘電特性を得やすい観点、並びに、優れた硬化性を得やすい観点から、0.1質量%以上、0.5質量%以上、1質量%以上、3質量%以上、5質量%以上、6質量%以上、8質量%以上、又は、9質量%以上であってよい。重合開始剤の含有量、又は、光重合開始剤の含有量は、硬化物において優れた密着性、耐湿熱性及び誘電特性を得やすい観点から、20質量%以下、18質量%以下、15質量%以下、12質量%以下、又は、10質量%以下であってよい。これらの観点から、重合開始剤の含有量、又は、光重合開始剤の含有量は、0.1~20質量%、1~15質量%、又は、5~10質量%であってよい。
本実施形態に係る樹脂組成物は、テトラゾール化合物(テトラゾール環を有する化合物;(メタ)アクリル系重合体又は(メタ)アクリル化合物に該当する化合物を除く)を含有してよい。テトラゾール化合物を用いることにより、硬化物において優れた密着性を得やすい。
テトラゾール化合物としては、1H-テトラゾール、5-アミノ-1H-テトラゾール、5-メチル-1H-テトラゾール、5-(2-アミノフェニル)-1H-テトラゾール、5-フェニル-1H-テトラゾール、5-メルカプト-1H-テトラゾール、1-メチル-5-メルカプト-1H-テトラゾール、1-メチル-5-エチルテトラゾール、1-メチル-5-アミノテトラゾール、1-メチル-5-メルカプトテトラゾール、1-メチル-5-ベンゾイル-1H-テトラゾール、1-カルボキシメチル-5-アミノ-テトラゾール、1-シクロヘキシル-5-メルカプトテトラゾール、1-フェニルテトラゾール、1-フェニル-5-メルカプトテトラゾール、1-カルボキシメチル-5-メルカプトテトラゾール、1,5-ペンタメチレンテトラゾール、1-(2-ジメチルアミノエチル)-5-メルカプトテトラゾール、2-メトキシ-5-(5-トリフルオロメチル-1H-テトラゾール-1-イル)-ベンズアルデヒド等が挙げられる。テトラゾール化合物は、硬化物において優れた密着性を得やすい観点から、アミノ基及びメルカプト基からなる群より選ばれる少なくとも一種を有するテトラゾール化合物を含んでよく、5-アミノ-1H-テトラゾール、5-メルカプト-1H-テトラゾール及び1-メチル-5-メルカプト-1H-テトラゾールからなる群より選ばれる少なくとも一種を含んでよく、5-アミノ-1H-テトラゾール及び1-メチル-5-メルカプト-1H-テトラゾールからなる群より選ばれる少なくとも一種を含んでよく、5-アミノ-1H-テトラゾールを含んでよい。
テトラゾール化合物の含有量は、硬化物において優れた密着性を得やすい観点から、樹脂組成物の全質量(有機溶剤の質量を除く)、又は、(メタ)アクリル系重合体、(メタ)アクリル化合物及び重合開始剤の合計量を基準として下記の範囲であってよい。テトラゾール化合物の含有量は、0.01質量%以上、0.05質量%以上、0.1質量%以上、0.15質量%以上、0.2質量%以上、0.25質量%以上、0.3質量%以上、又は、0.35質量%以上であってよい。テトラゾール化合物の含有量は、5質量%以下、3質量%以下、2質量%以下、1質量%以下、0.8質量%以下、0.6質量%以下、0.5質量%以下、0.45質量%以下、又は、0.4質量%以下であってよい。これらの観点から、テトラゾール化合物の含有量は、0.01~5質量%、0.05~1質量%、又は、0.1~0.5質量%であってよい。
テトラゾール化合物の含有量は、硬化物において優れた密着性を得やすい観点から、(メタ)アクリル系重合体及び(メタ)アクリル化合物の合計量を基準として下記の範囲であってよい。テトラゾール化合物の含有量は、0.01質量%以上、0.05質量%以上、0.1質量%以上、0.15質量%以上、0.2質量%以上、0.25質量%以上、0.3質量%以上、又は、0.35質量%以上であってよい。テトラゾール化合物の含有量は、5質量%以下、3質量%以下、2質量%以下、1質量%以下、0.8質量%以下、0.6質量%以下、0.5質量%以下、0.45質量%以下、又は、0.4質量%以下であってよい。これらの観点から、テトラゾール化合物の含有量は、0.01~5質量%、0.05~1質量%、又は、0.1~0.5質量%であってよい。
本実施形態に係る樹脂組成物は、(メタ)アクリル系重合体、(メタ)アクリル化合物、重合開始剤及びテトラゾール化合物以外の添加剤を含有してよい。このような添加剤としては、重合性化合物、シラン化合物(例えばシランカップリング剤)、硬化促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可視光吸収剤、着色剤、可塑剤、安定剤、充填剤(フィラー)、還元剤、炭酸水素塩等が挙げられる。重合性化合物としては、ハロゲン化ビニリデン、ビニルエーテル、ビニルエステル、ビニルピリジン、ビニルアミド、アリール化ビニル等が挙げられる。還元剤としては、バナジルアセチルアセトネート、バナジウムアセチルアセトネート、コバルトアセチルアセトネート、銅アセチルアセトネート、ナフテン酸バナジル、ステアリン酸バナジル、ナフテン酸銅、酢酸銅、オクチル酸コバルト等が挙げられる。
充填剤(フィラー)の含有量は、(メタ)アクリル系重合体及び(メタ)アクリル化合物の合計量を基準として、100質量%以下、100質量%未満、50質量%以下、20質量%以下、20質量%未満、10質量%以下、1質量%以下、0.1質量%以下、又は、実質的に0質量%であってよい。還元剤の含有量は、(メタ)アクリル化合物100質量部に対して、0.01質量部以下、0.01質量部未満、0.001質量部以下、又は、実質的に0質量部であってよい。炭酸水素塩の含有量は、(メタ)アクリル化合物100質量部に対して、0.1質量部以下、0.1質量部未満、0.01質量部以下、0.001質量部以下、又は、実質的に0質量部であってよい。
本実施形態に係る樹脂組成物は、有機溶剤を含有してよい。本実施形態に係る樹脂組成物は、有機溶剤を用いて希釈することにより樹脂ワニスとして用いてよい。有機溶剤としては、トルエン、キシレン、メシチレン、クメン、p-シメン等の芳香族炭化水素;テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン等の環状エーテル;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン等のケトン;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、γ-ブチロラクトン等のエステル;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等の炭酸エステル;N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン等のアミドなどが挙げられる。
本実施形態に係る樹脂組成物を含む層、又は、本実施形態に係る硬化物における厚さ8μmあたりの全光線透過率は、90%以上又は91%以上であってよい。全光線透過率は、JIS K 7136に規定される方法に準拠して、例えば、日本電色工業株式会社製のNDH-5000(商品名)を用いて測定できる。以下に記載の全光線透過率についても同様の方法により測定できる。
本実施形態に係る積層体は、基材フィルム(支持フィルム)と、当該基材フィルム上に配置された透明樹脂層と、を備え、透明樹脂層が、本実施形態に係る樹脂組成物及びその硬化物からなる群より選ばれる少なくとも一種を含む。
基材フィルムの構成材料としては、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン、シクロオレフィンポリマー等)、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルフィド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィドなどが挙げられる。基材フィルムの厚さは、1~200μm、10~100μm、20~80μm、又は、20~50μmであってよい。
透明樹脂層の厚さは、優れた透過率を得やすい観点、及び、透明アンテナを薄型化しやすい観点から、1000μm以下、800μm以下、500μm以下、300μm以下、250μm以下、200μm以下、150μm以下、100μm以下、80μm以下、50μm以下、30μm以下、25μm以下、20μm以下、15μm以下、12μm以下、10μm以下、9μm以下、又は、8μm以下であってよい。透明樹脂層の厚さは、伝送損失を低減しやすい観点、及び、アンテナ特性が向上しやすい観点から、0.1μm以上、0.5μm以上、0.75μm以上、1μm以上、2μm以上、3μm以上、5μm以上、6μm以上、7μm以上、8μm以上、10μm以上、20μm以上、30μm以上、40μm以上、50μm以上、80μm以上、又は、100μm以上であってよい。これらの観点から、透明樹脂層の厚さは、0.1~1000μm、1~1000μm、10~500μm、20~200μm、50~200μm、0.1~500μm、0.1~100μm、0.5~250μm、0.5~150μm、0.75~100μm、1~50μm、2~30μm、3~20μm、又は、5~20μmであってよい。
本実施形態に係る積層体の第1態様は、透明樹脂層上に配置された保護フィルムを備えてよい。本実施形態に係る積層体の第2態様は、透明樹脂層上に配置された導電部材を備えてよい。
保護フィルムの構成材料としては、基材フィルムの構成材料として上述した構成材料を用いることができる。保護フィルムは、基材フィルムと同一のフィルムであってよく、基材フィルムと異なるフィルムであってよい。保護フィルムの厚さは、1~200μm、10~100μm、20~80μm、又は、20~50μmであってよい。
導電部材は、中実であってよく、パターン状の部分を有してよい(パターニングされていてよい)。パターン状の部分を有する導電部材(以下、「パターン状の導電部材」という)では、導電部材の一部又は全部がパターニングされていてよい(導電部材がパターン状の部分を有することに関する以下の記載についても同様)。パターン状の部分の形状としては、メッシュ状、渦状等が挙げられる。中実の導電部材を備える透明アンテナを用いる場合、導電部材はパターニング(例えばメッシュ加工)されなくてよい。パターン状(例えばメッシュ状)の導電部材は、ワイヤ(例えば金属ワイヤ)により構成されてよい。導電部材の構成材料としては、金属材料、炭素材料(例えばグラフェン)、導電性高分子等が挙げられる。金属材料としては、銅、銀、金等が挙げられる。導電部材は、優れた導電性を得やすい観点、及び、製造コストを低減しやすい観点から、銅を含有してよい。
導電部材は、単層であってよく、複数層であってよい。複数層の導電部材は、例えば、透明樹脂層上に配置された第1の導電部材(例えば金属部材)と、第1の導電部材上に配置された第2の導電部材(例えば金属部材)と、を有してよい。第1の導電部材及び第2の導電部材からなる群より選ばれる少なくとも一種は、中実であってよく、パターン状(例えばメッシュ状)の部分を有してよい。第2の導電部材は、第1の導電部材の汚れ、損傷等を抑制する保護層として用いることが可能であり、これにより、積層体の取扱性を向上させることもできる。第1の導電部材及び第2の導電部材からなる群より選ばれる少なくとも一種は、銅を含有してよい。
導電部材の厚さ(導電部材が複数層である場合は総厚)、第1の導電部材の厚さ、又は、第2の導電部材の厚さは、下記の範囲であってよい。厚さは、導電部材が欠けにくい観点、及び、中実の導電部材がパターニング(例えばメッシュ加工)される場合にはパターニングしやすい観点から、50μm以下、45μm以下、40μm以下、35μm以下、30μm以下、25μm以下、20μm以下、18μm以下、15μm以下、10μm以下、8μm以下、5μm以下、3μm以下、又は、2μm以下であってよい。厚さは、優れた伸びを得やすい観点から、0.1μm以上、0.3μm以上、0.5μm以上、0.8μm以上、1μm以上、1.2μm以上、1.5μm以上、又は、2μm以上であってよい。これらの観点から、厚さは、0.1~50μm、0.1~30μm、0.1~20μm、0.1~10μm、0.5~5μm、又は、1~3μmであってよい。
第1の導電部材の厚さは、第2の導電部材の厚さより小さくてよい。導電部材が複数層である場合、導電部材の厚さ(総厚)、又は、第2の導電部材の厚さは、3μm以上、5μm以上、8μm以上、10μm以上、15μm以上、18μm以上、又は、20μm以上であってよい。
第2態様に係る積層体は、導電部材上に配置された保護フィルムを備えてよい。保護フィルムとしては、第1態様に係る積層体における保護フィルムとして上述した保護フィルムを用いることができる。保護フィルムにおける導電部材側の面の少なくとも一部に離型処理が施されていてよく、保護フィルムにおける導電部材側の面の少なくとも一部に剥離層が配置されていてよい。例えば、第2態様に係る積層体は、基材フィルムと、透明樹脂層と、導電部材と、保護フィルムと、を備え、導電部材が単層であり、保護フィルムにおける導電部材側の面の少なくとも一部に離型処理が施されている態様であってよい。
第2態様に係る積層体は、感光性組成物及びその硬化物からなる群より選ばれる少なくとも一種を含む層として、導電部材上に配置された層Lを備えてよい。感光性組成物は、活性光線(紫外線等)に対する感光性を有しており、ポジ型の感光性を有してよく、ネガ型の感光性を有してよい。感光性組成物は、光照射によって硬化する光硬化性を有してよい。層Lは、光照射の前及び後のいずれであってもよく、未硬化部及び硬化部からなる群より選ばれる少なくとも一種を有してよい。層Lは、光照射の前及び後のいずれであってもよく、未露光部及び露光部からなる群より選ばれる少なくとも一種を有してよい。感光性組成物の構成材料は、特に限定されない。
図1及び図2は、積層体の例を示す模式断面図である。図1(a)の積層体10は、基材フィルム10aと、基材フィルム10a上に配置された透明樹脂層10bと、透明樹脂層10b上に配置された保護フィルム10cと、を備える。透明樹脂層10bは、本実施形態に係る樹脂組成物、又は、本実施形態に係る硬化物からなる。図1(b)の積層体20は、基材フィルム20aと、基材フィルム20a上に配置された透明樹脂層20bと、透明樹脂層20b上に配置された導電部材20cと、を備える。透明樹脂層20bは、本実施形態に係る樹脂組成物、又は、本実施形態に係る硬化物からなる。図2の積層体30は、基材フィルム30aと、基材フィルム30a上に配置された透明樹脂層30bと、透明樹脂層30b上に配置された導電部材30cと、導電部材30c上に配置された導電部材30dと、を備える。透明樹脂層30bは、本実施形態に係る樹脂組成物、又は、本実施形態に係る硬化物からなる。
本実施形態に係る樹脂組成物及びその硬化物は、透明アンテナ及びその製造方法において用いることができる。透明アンテナにおいて、本実施形態に係る樹脂組成物及びその硬化物の適用箇所は、特に限定されない。本実施形態に係る樹脂組成物を用いる場合について、以下、硬化工程において透明樹脂層の樹脂組成物を硬化することにより得られた基材を「透明基材」と称し、硬化工程において透明樹脂層の樹脂組成物を硬化する前の状態を含み得る層を「透明樹脂層」と称する。
本実施形態に係る透明アンテナの第1態様は、透明基材と、透明基材上に配置された導電部材と、導電部材上に配置された被覆部材(透明部材)と、を備え、透明基材が、本実施形態に係る樹脂組成物の硬化物を含む。第1態様に係る透明アンテナにおいて、被覆部材(透明部材)は、本実施形態に係る樹脂組成物の硬化物を含んでよく、本実施形態に係る樹脂組成物の硬化物を含まなくてもよい(本実施形態に係る樹脂組成物に該当しない樹脂組成物の硬化物を含んでよい)。本実施形態に係る透明アンテナの第2態様は、透明基材(透明部材)と、透明基材上に配置された導電部材と、導電部材上に配置された被覆部材と、を備え、被覆部材が、本実施形態に係る樹脂組成物の硬化物を含む。第2態様に係る透明アンテナにおいて、透明基材(透明部材)は、本実施形態に係る樹脂組成物の硬化物を含んでよく、本実施形態に係る樹脂組成物の硬化物を含まなくてもよい(本実施形態に係る樹脂組成物に該当しない樹脂組成物の硬化物を含んでよい)。本実施形態に係る透明アンテナは、透明基材と、透明基材上に配置された導電部材と、導電部材上に配置された被覆部材と、を備え、透明基材及び被覆部材からなる群より選ばれる少なくとも一種が、本実施形態に係る樹脂組成物の硬化物を含む態様であってよい。
本実施形態に係る透明アンテナにおいて、被覆部材は、導電部材の少なくとも一部(一部又は全部)の上に配置されてよい。被覆部材は、透明基材の少なくとも一部(一部又は全部)の上に配置されてよい。被覆部材は、導電部材上に配置された部分に加えて、導電部材上に配置されることなく透明基材上に配置された部分を有してよい。導電部材が透明基材の一部(例えば、透明基材の主面の一部)の上に配置されることにより、被覆部材(透明部材)は、透明基材及び導電部材上に配置されてよい。被覆部材は、導電部材を被覆することにより導電部材を保護することができる。被覆部材は、透明基材を被覆することにより透明基材を保護することができる。
被覆部材は、導電部材に当接してよい。被覆部材は、透明基材に当接してよく、透明基材に当接していなくてもよい。透明基材は、被覆部材とは異なる透明部材(例えば、後述の支持部材)に当接してよい。被覆部材は、透明基材とは異なる透明部材(例えば、後述の保護部材)に当接してよい。
本実施形態に係る透明アンテナにおいて、透明基材及び被覆部材からなる群より選ばれる少なくとも一種の部材は、本実施形態に係る樹脂組成物の硬化物を含むことができる。透明基材及び被覆部材のうちの一方の部材(以下、「部材A」という)が本実施形態に係る樹脂組成物の硬化物を含まない場合、部材Aは、厚さ8μmあたり90%以上又は91%以上の全光線透過率を有する材料により形成されてよい。部材Aの構成材料としては、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン、シクロオレフィンポリマー(COP)等)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルフィド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィドなどが挙げられる。例えば、部材Aは、シクロオレフィンポリマーを含んでよい。
本実施形態に係る透明アンテナにおいて、導電部材の構成としては、第2態様に係る積層体における導電部材に関して上述した構成を用いることができる。例えば、導電部材は、銅を含有してよい。導電部材は、中実であってよく、パターン状(例えばメッシュ状)の部分を有してよい。導電部材は、単層であってよい。透明基材の厚さとしては、本実施形態に係る積層体の透明樹脂層に関して上述した厚さを用いることができる。
本実施形態に係る透明アンテナは、透明基材を支持する支持部材を備えてよく、すなわち、支持部材と、支持部材上に配置された透明基材と、透明基材上に配置された導電部材と、を備えてよい。本実施形態に係る透明アンテナは、被覆部材上に配置された保護部材を備えてよく、すなわち、透明基材と、透明基材上に配置された導電部材と、導電部材上に配置された被覆部材と、被覆部材上に配置された保護部材と、を備えてよい。
支持部材及び保護部材の形状は、特に限定されず、フィルム状、基板状、不定形状等であってよい。支持部材及び保護部材の構成材料としては、樹脂材料、無機材料等が挙げられる。樹脂材料としては、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン、シクロオレフィンポリマー等)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルフィド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィドなどが挙げられる。無機材料としては、ガラス等が挙げられる。支持部材及び保護部材は、透明であることに限られず、透明部材(透明フィルム、透明基板等)であってよく、透明ではない部材であってよい。支持部材及び保護部材は、厚さ8μmあたり90%以上の全光線透過率を有する材料により形成されてよい。支持部材は、低誘電である観点から、ポリオレフィンを含んでよい。
本実施形態に係る透明アンテナの製造方法の第1態様は、透明樹脂層(導電部材を支持する透明樹脂層)と、透明樹脂層上に配置された導電部材と、を備える積層体における導電部材上に被覆部材を形成する被覆部材形成工程を備え、透明樹脂層及び被覆部材からなる群より選ばれる少なくとも一種が、本実施形態に係る樹脂組成物及びその硬化物からなる群より選ばれる少なくとも一種を含む。被覆部材形成工程では、本実施形態に係る樹脂組成物及びその硬化物からなる群より選ばれる少なくとも一種を導電部材上に供給することにより被覆部材を形成してよく、本実施形態に係る積層体の透明樹脂層を導電部材上に配置することにより被覆部材(透明樹脂層)を形成してよい。本実施形態に係る積層体を用いる場合、基材フィルム又は保護フィルムを除去した後に、本実施形態に係る積層体の透明樹脂層を導電部材上に配置してよい。被覆部材形成工程は、透明樹脂層(導電部材を支持する透明樹脂層)と、透明樹脂層の一部(例えば、透明樹脂層の主面における一部)の上に配置された導電部材と、を備える積層体における透明樹脂層及び導電部材上に、本実施形態に係る樹脂組成物及びその硬化物からなる群より選ばれる少なくとも一種を含む被覆部材を形成する工程であってよい。
第1態様に係る透明アンテナの製造方法は、被覆部材形成工程の前、被覆部材形成工程の後、又は、被覆部材形成工程の前後に、被覆部材(被覆部材の樹脂組成物)を硬化して硬化物を得る硬化工程を備えてよい。第1態様に係る透明アンテナの製造方法は、被覆部材形成工程の前、被覆部材形成工程の後、又は、被覆部材形成工程の前後に、導電部材を支持する透明樹脂層(透明樹脂層の樹脂組成物)を硬化して硬化物(透明基材)を得る硬化工程を備えてよい。被覆部材及び透明樹脂層(導電部材を支持する透明樹脂層)は、同一の硬化工程で硬化してよい。硬化工程では、未硬化の樹脂組成物に活性光線を照射して樹脂組成物を硬化させてよく、未硬化の樹脂組成物を加熱して樹脂組成物を硬化させてよい。活性光線としては、特に限定されないが、紫外線を用いてよく、波長365nmの紫外線を用いてよい。活性光線は、光透過フィルム(例えば、本実施形態に係る積層体の基材フィルム又は保護フィルム)を介して樹脂組成物に照射されてよい。以下で説明する透明アンテナの製造方法の他の態様における硬化工程は、第1態様に係る透明アンテナの製造方法における硬化工程と同様であってよい。
本実施形態に係る透明アンテナの製造方法の第2態様は、第2態様に係る透明アンテナを得る方法として、導電部材と、当該導電部材上に配置された被覆部材と、を備える積層体における導電部材が被覆部材よりも透明樹脂層側に位置する状態で積層体を透明樹脂層上に積層する積層工程を備え、透明樹脂層及び被覆部材からなる群より選ばれる少なくとも一種が、本実施形態に係る樹脂組成物及びその硬化物からなる群より選ばれる少なくとも一種を含む。導電部材と、当該導電部材上に配置された被覆部材と、を備える積層体としては、第2態様に係る積層体を用いることが可能であり、積層工程では、第2態様に係る積層体における透明樹脂層を被覆部材として配置することができる。
第2態様に係る透明アンテナの製造方法は、積層工程の前、積層工程の後、又は、積層工程の前後に、被覆部材(被覆部材の樹脂組成物)を硬化して硬化物を得る硬化工程を備えてよい。第2態様に係る透明アンテナの製造方法は、積層工程の前、積層工程の後、又は、積層工程の前後に、透明樹脂層(透明樹脂層の樹脂組成物)を硬化して硬化物(透明基材)を得る硬化工程を備えてよい。被覆部材及び透明樹脂層は、同一の硬化工程で硬化してよい。
第1態様及び第2態様に係る透明アンテナの製造方法において、透明樹脂層及び導電部材は、本実施形態に係る積層体及び透明アンテナに関して上述した透明樹脂層及び導電部材と同様である。透明樹脂層は、支持部材に支持されていてよい。被覆部材は、導電部材上に配置された部分に加えて、導電部材上に配置されることなく透明樹脂層上に配置された部分を有してよく、透明基材及び導電部材に当接してよい。
本実施形態に係る透明アンテナの製造方法の第3態様は、透明樹脂層(例えば、本実施形態に係る樹脂組成物及びその硬化物からなる群より選ばれる少なくとも一種を含む透明樹脂層)上に配置された導電部材(中実の導電部材)の少なくとも一部をパターニングする(例えばメッシュ状に加工する)加工工程を備える。加工工程では、透明樹脂層と、透明樹脂層上に配置された導電部材と、を備える積層体の導電部材上にパターン状のレジスト層が配置された状態で導電部材をエッチングすることによりパターン状(例えばメッシュ状)の導電部材を得てよい。レジスト層は、導電部材をエッチングした後に除去してよい。パターン状のレジスト層は、導電部材上に配置された感光層(感光性組成物を含む層)の未硬化部又は硬化部を除去することにより得ることができる。例えば、パターン状のレジスト層は、導電部材上に配置された感光層(感光性組成物を含む層)に活性光線(例えば紫外線)を照射(露光)した後、感光層の未露光部(感光層がネガ型の感光性を有する場合)又は露光部(感光層がポジ型の感光性を有する場合)を除去(現像)することにより得ることができる。感光層としては、上述の層Lを用いることができる。
透明樹脂層上に配置された導電部材を備える積層体は、透明樹脂層(例えば、本実施形態に係る樹脂組成物及びその硬化物からなる群より選ばれる少なくとも一種を含む透明樹脂層)上に導電部材を形成して得られてよく、例えば、第1態様に係る積層体の保護フィルムを除去した後に透明樹脂層上に導電部材を形成して得られてよい。透明樹脂層上に配置された導電部材を備える積層体は、第2態様に係る積層体であってもよい。
第3態様に係る透明アンテナの製造方法は、加工工程の前、加工工程の後、又は、加工工程の前後に、透明樹脂層(透明樹脂層の樹脂組成物)を硬化して硬化物(透明基材)を得る硬化工程を備えてよい。第3態様に係る透明アンテナの製造方法は、加工工程の後に、導電部材上に被覆部材を形成する被覆部材形成工程を備えてよく、被覆部材上に保護部材(例えば透明部材)を配置する工程を備えてよい。
本実施形態に係る透明アンテナの製造方法の第4態様は、透明樹脂層(例えば、本実施形態に係る樹脂組成物及びその硬化物からなる群より選ばれる少なくとも一種を含む透明樹脂層)上にパターン状のレジスト層が配置された状態でパターン状(例えばメッシュ状)の導電部材を形成する形成工程を備える。形成工程では、レジスト層をマスクとして用いて、めっき又はスパッタリングによりパターン状(例えばメッシュ状)の導電部材を形成してよい。レジスト層は、形成工程の後に除去してよい。第4態様に係る透明アンテナの製造方法は、形成工程の前、形成工程の後、又は、形成工程の前後に、透明樹脂層(透明樹脂層の樹脂組成物)を硬化して硬化物(透明基材)を得る硬化工程を備えてよい。第4態様に係る透明アンテナの製造方法は、形成工程の後に、導電部材上に被覆部材を形成する被覆部材形成工程を備えてよく、被覆部材上に保護部材(例えば透明部材)を配置する工程を備えてよい。
本実施形態に係る透明アンテナの製造方法の第5態様は、第2態様に係る積層体における基材フィルムを除去する除去工程を備える。第2態様に係る積層体における導電部材は、パターン状(例えばメッシュ状)の部分を有してよい。除去工程時の積層体の透明樹脂層が硬化物を含む場合(透明樹脂層が透明基材である場合)には、除去工程により、透明アンテナの一部として、透明基材及び導電部材(パターン状(例えばメッシュ状)の導電部材等)の積層体を得ることができる。第5態様に係る透明アンテナの製造方法は、除去工程の前、除去工程の後、又は、除去工程の前後に、透明樹脂層(透明樹脂層の樹脂組成物)を硬化して硬化物(透明基材)を得る硬化工程を備えてよい。第5態様に係る透明アンテナの製造方法は、除去工程の後に、導電部材上に被覆部材を形成する被覆部材形成工程を備えてよく、被覆部材上に保護部材(例えば透明部材)を配置する工程を備えてよい。
本実施形態に係る透明アンテナの製造方法の第6態様は、本実施形態に係る積層体における透明樹脂層を支持部材上に積層する積層工程を備える。支持部材としては、透明アンテナに関して上述した支持部材を用いることができる。積層工程では、本実施形態に係る積層体における基材フィルムが除去された状態で透明樹脂層を支持部材上に積層してよく、第1態様に係る積層体における保護フィルムが除去された状態で透明樹脂層を支持部材上に積層してよい。第6態様に係る透明アンテナの製造方法は、本実施形態に係る積層体における基材フィルムを除去する除去工程Aを備えてよく、第1態様に係る積層体における保護フィルムを除去する除去工程Bを備えてよい。
第2態様に係る積層体を用いる場合、積層工程では、透明樹脂層が導電部材よりも支持部材側に位置する状態で透明樹脂層及び導電部材を支持部材上に積層してよく、透明樹脂層が支持部材に接した状態で透明樹脂層及び導電部材を支持部材上に積層してよい。積層工程において導電部材は、中実であってよく、パターン状(例えばメッシュ状)の部分を有してよい。積層工程では、第2態様に係る積層体における基材フィルムが除去された状態で透明樹脂層及び導電部材を支持部材上に積層することができる。第2態様に係る積層体が、導電部材上に配置された保護フィルムを備えている場合、積層工程では、透明樹脂層が導電部材よりも支持部材側に位置する状態(導電部材が保護フィルムよりも透明樹脂層側に位置する状態)で透明樹脂層、導電部材及び保護フィルムを支持部材上に積層してよい。第2態様に係る積層体が、基材フィルムと、透明樹脂層と、導電部材と、保護フィルムと、を備える場合、第6態様に係る透明アンテナの製造方法は、除去工程A及び積層工程の後に、保護フィルムを除去する除去工程Bを備えてよい。第2態様に係る積層体が上述の層Lを備えている場合、積層工程では、透明樹脂層が導電部材よりも支持部材側に位置する状態で透明樹脂層、導電部材及び層Lを支持部材上に積層してよい。
ところで、支持部材と、支持部材上に配置された導電部材と、を有する積層体において支持部材と導電部材とを密着性よく積層する場合、支持部材に表面処理(プラズマ処理、コロナ処理等)を施す場合があり、積層体の製造過程が繁雑化し得る。例えば、支持部材の構成材料としてポリオレフィンを用いる場合、ポリオレフィンと導電部材(例えば、銅等の金属材料)との密着性が低いことから、充分な密着性を得るために表面処理を施すことが求められる場合がある。一方、第6態様に係る透明アンテナの製造方法によれば、透明基材を介して支持部材と導電部材との充分な密着性を得つつ、透明アンテナとして支持部材と導電部材との積層体(支持部材、透明基材及び導電部材を有する積層体)を得ることが可能であり、例えば、透明基材を介して、ポリオレフィンを含有する支持部材と、銅を含有する導電部材との充分な密着性を得つつ透明アンテナを得ることができる。また、第6態様に係る透明アンテナの製造方法によれば、第2態様に係る積層体を支持部材上に積層することにより透明樹脂層及び導電部材を一括して支持部材上に供給することが可能であり、透明アンテナを製造する度に支持部材上に各部材を形成することを要さず、簡便な手法により透明アンテナを得ることができる。第2態様に係る積層体が上述の層Lを備えている場合、第6態様に係る透明アンテナの製造方法によれば、第2態様に係る積層体を支持部材上に積層することにより透明樹脂層、導電部材及び層Lを一括して支持部材上に供給することが可能であり、透明アンテナを製造する度に支持部材上に各部材を形成することを要さず、簡便な手法により透明アンテナを得ることができる。さらに、第6態様に係る透明アンテナの製造方法によれば、透明樹脂層又は透明基材の構成材料として、優れた誘電特性(低い比誘電率、誘電正接等)を有する材料を用いることにより、優れたアンテナ特性を有する透明アンテナを得ることができる。
第6態様に係る透明アンテナの製造方法において、除去工程A、除去工程B及び積層工程における透明樹脂層は、未硬化であってよく、硬化物であってよい。第6態様に係る透明アンテナの製造方法は、除去工程Aの前、除去工程Bの前、積層工程の前、除去工程Aの後、除去工程Bの後、積層工程の後、除去工程Aの前後、除去工程Bの前後、又は、積層工程の前後に、透明樹脂層(透明樹脂層の樹脂組成物)を硬化して硬化物(透明基材)を得る硬化工程を備えてよい。
第6態様に係る透明アンテナの製造方法において、除去工程A、除去工程B及び積層工程における導電部材は、中実であってよく、パターン状(例えばメッシュ状)の部分を有してよい。導電部材が中実である場合、第6態様に係る透明アンテナの製造方法は、積層工程の後に、導電部材の少なくとも一部をパターニングする(例えばメッシュ状に加工する)加工工程Aを備えてよい。加工工程Aでは、パターン状のレジスト層をマスクとして用いて、導電部材の少なくとも一部をエッチングすることにより導電部材の少なくとも一部をパターニングしてよい。積層工程における導電部材がパターン状の部分を有する態様として、第6態様に係る透明アンテナの製造方法は、透明樹脂層と、当該透明樹脂層上に配置された導電部材と、を備える積層体における透明樹脂層が導電部材よりも支持部材側に位置する状態で積層体を支持部材上に積層する積層工程を備え、透明樹脂層が、本実施形態に係る樹脂組成物及びその硬化物からなる群より選ばれる少なくとも一種を含み、導電部材がパターン状の部分を有する態様であってよい。
第2態様に係る積層体が上述の層Lを備えている場合、第6態様に係る透明アンテナの製造方法は、積層工程の後、且つ、加工工程Aの前に、層Lの少なくとも一部をパターニングすることによりパターン状の層L(レジスト層)を得る加工工程Bを備えてよい。加工工程Bでは、未露光部(層Lがネガ型の感光性を有する場合)又は露光部(層Lがポジ型の感光性を有する場合)を除去(現像)することにより層Lの少なくとも一部をパターニングすることが可能であり、層Lを露光した後に未露光部又は露光部を除去(現像)することにより層Lの少なくとも一部をパターニングしてよい。第6態様に係る透明アンテナの製造方法は、積層工程の前に、層Lの少なくとも一部を露光する工程を備えてもよい。感光性組成物及びその硬化物からなる群より選ばれる少なくとも一種を含む層を備える積層体を用いた態様として、第6態様に係る透明アンテナの製造方法は、第1の層と、第2の層と、第1の層及び第2の層の間に配置された導電部材と、を備える積層体における第1の層が第2の層よりも支持部材側に位置する状態で積層体を支持部材上に積層する積層工程を備え、第1の層が、本実施形態に係る樹脂組成物及びその硬化物からなる群より選ばれる少なくとも一種を含み、第2の層が、感光性組成物及びその硬化物からなる群より選ばれる少なくとも一種を含む態様であってよい。
第6態様に係る透明アンテナの製造方法において、除去工程A、除去工程B及び積層工程における導電部材は、複数層であってよく、透明樹脂層上に配置された第1の導電部材と、第1の導電部材上に配置された第2の導電部材と、を有してよい。第1の導電部材及び第2の導電部材からなる群より選ばれる少なくとも一種は、中実であってよく、パターン状(例えばメッシュ状)の部分を有してよい。第1の導電部材及び第2の導電部材からなる群より選ばれる少なくとも一種は、銅を含有してよい。導電部材が第1の導電部材及び第2の導電部材を有する場合、積層工程では、第1の導電部材が第2の導電部材よりも支持部材側に位置する状態で透明樹脂層及び導電部材を支持部材上に積層してよい。第6態様に係る透明アンテナの製造方法は、積層工程の後に、第2の導電部材を除去する除去工程Cを備えてよい。除去工程Cでは、第2の導電部材を第1の導電部材から剥離することができる。第6態様に係る透明アンテナの製造方法は、除去工程Cの後に、第1の導電部材の少なくとも一部をパターニングする(例えばメッシュ状に加工する)加工工程を備えてよい。加工工程では、例えば、第1の導電部材上にパターン状のレジスト層が配置された状態で第1の導電部材をエッチングしてよい。第6態様に係る透明アンテナの製造方法は、除去工程Cの前、除去工程Cの後、又は、除去工程Cの前後に、透明樹脂層(透明樹脂層の樹脂組成物)を硬化して硬化物(透明基材)を得る硬化工程を備えてよい。
第6態様に係る透明アンテナの製造方法は、積層工程の前、積層工程の後、又は、積層工程の前後に、導電部材上に被覆部材を形成する被覆部材形成工程を備えてよく、被覆部材上に保護部材(例えば透明部材)を配置する工程を備えてよい。
本実施形態に係る透明アンテナの製造方法の第7態様は、上述の基材フィルムと、上述の透明樹脂層(例えば、本実施形態に係る樹脂組成物及びその硬化物からなる群より選ばれる少なくとも一種を含む透明樹脂層)と、第1の導電部材及び第2の導電部材を有する上述の導電部材と、を備える積層体(第2態様に係る積層体)を用いた透明アンテナの製造方法であって、第2態様に係る積層体における透明樹脂層が導電部材よりも支持部材側に位置しつつ透明樹脂層及び導電部材が支持部材上に積層された状態で第2の導電部材を除去する除去工程Cを備える。
第7態様に係る透明アンテナの製造方法は、除去工程Cの前、除去工程Cの後、又は、除去工程Cの前後に、透明樹脂層及び導電部材が支持部材上に積層された状態で透明樹脂層(透明樹脂層の樹脂組成物)を硬化して硬化物(透明基材)を得る硬化工程を備えてよい。硬化工程では、透明樹脂層が導電部材よりも支持部材側に位置しつつ透明樹脂層及び導電部材が支持部材上に積層された状態で透明樹脂層を硬化させてよい。第7態様に係る透明アンテナの製造方法は、第2の導電部材を除去した後(除去工程Cの後)に、第1の導電部材の少なくとも一部をパターニングする(例えばメッシュ状に加工する)加工工程を備えてよい。第7態様に係る透明アンテナの製造方法の一例は、第2態様に係る積層体として、上述の基材フィルムと、上述の透明樹脂層(未硬化の樹脂組成物を含む透明樹脂層)と、第1の導電部材及び第2の導電部材を有する上述の導電部材と、を備える積層体を用いた製造方法であって、上述の除去工程A(第1の除去工程)、積層工程、硬化工程及び除去工程C(第2の除去工程)を備える。第7態様に係る透明アンテナの製造方法において、第1の導電部材及び第2の導電部材からなる群より選ばれる少なくとも一種は、銅を含有してよい。また、積層体における第1の導電部材は、中実であってよく、パターン状(例えばメッシュ状)の部分を有してよい。
本実施形態に係る透明アンテナの製造方法の第8態様は、透明樹脂層(例えば、本実施形態に係る樹脂組成物及びその硬化物からなる群より選ばれる少なくとも一種を含む透明樹脂層)、導電部材及び保護フィルムがこの順に支持部材上に積層された状態で保護フィルムを除去する除去工程Bを備える。この場合、積層体は、例えば、導電部材が単層であり、保護フィルムにおける導電部材側の面の少なくとも一部に離型処理が施されている態様であってよい。第8態様に係る透明アンテナの製造方法は、除去工程Bの前に、第2態様に係る積層体における基材フィルムを除去する除去工程Aと、透明樹脂層、導電部材及び保護フィルムを支持部材上に積層する積層工程と、を備えてよい。第8態様に係る透明アンテナの製造方法は、除去工程Bの前、除去工程Bの後、又は、除去工程Bの前後に、透明樹脂層(透明樹脂層の樹脂組成物)を硬化して硬化物(透明基材)を得る硬化工程を備えてよい。
第8態様に係る透明アンテナの製造方法は、除去工程Cの後に、導電部材上に被覆部材を形成する被覆部材形成工程を備えてよく、被覆部材上に保護部材(例えば透明部材)を配置する工程を備えてよい。
上述した第1~8態様に係る透明アンテナの製造方法では、各態様に関して上述した工程、構成等を相互に組み合わせてよい。例えば、第7態様に係る透明アンテナの製造方法では、第6態様に係る透明アンテナの製造方法に関して上述した工程、構成等を用いることができる。
本実施形態に係る透明アンテナは、画像表示装置、自動車の構成部材(フロントガラス、リアガラス、サンルーフ、窓等)、建物などにおいて用いることができる。本実施形態に係る画像表示装置、自動車又は建物は、本実施形態に係る透明アンテナを備える。画像表示装置は、画像を表示する画像表示部と、画像表示部の周囲に位置するベゼル部(額縁部)と、を有してよく、透明アンテナが画像表示部に配置されていてよい。画像表示装置は、パソコン、ナビゲーションシステム(例えばカーナビゲーション)、携帯電話、時計、電子辞書等の各種電子機器に用いられてよい。
図3及び図4は、画像表示装置の例を示す模式断面図であり、画像表示装置の画像表示部の一部を示す。図3の画像表示装置100は、透明アンテナ110と、透明アンテナ110上に配置された保護部材120と、を備える。透明アンテナ110は、透明基材110aと、透明基材110a上に配置されたメッシュ状の導電部材110bと、透明基材110a及び導電部材110b上に配置された被覆部材110cと、を備える。図4の画像表示装置200は、透明アンテナ210と、透明アンテナ210上に配置された保護部材220と、を備える。透明アンテナ210は、透明部材210aと、透明部材210a上に配置された透明基材210bと、透明基材210b上に配置されたメッシュ状の導電部材210cと、透明基材210b及び導電部材210c上に配置された被覆部材210dと、を備える。被覆部材110c,210dは、透明基材110a,210b及び導電部材110b,210cを被覆している。
画像表示装置100において、透明基材110a及び被覆部材110cからなる群より選ばれる少なくとも一種は、本実施形態に係る樹脂組成物の硬化物を含み、例えば、本実施形態に係る樹脂組成物の硬化物からなる。透明基材110a及び被覆部材110cのうちの一方は、厚さ8μmあたり90%以上の全光線透過率を有する材料(例えば、シクロオレフィンポリマー等のポリオレフィン)により形成されてよい。画像表示装置200において、透明基材210b及び被覆部材210dからなる群より選ばれる少なくとも一種は、本実施形態に係る樹脂組成物の硬化物を含み、例えば、本実施形態に係る樹脂組成物の硬化物からなる。透明基材210b及び被覆部材210dのうちの一方は、厚さ8μmあたり90%以上の全光線透過率を有する材料により形成されてよい。導電部材110b,210cは、例えば、銅により形成されている。透明部材210aは、例えば、ポリオレフィンにより形成されている。保護部材120,220は、例えば、ガラス板であってよい。
以下、実施例及び比較例を用いて本開示について更に説明するが、本開示は以下の実施例に限定されるものではない。
<重合体の準備>
(重合体1)
撹拌機、冷却器、ガス導入管、滴下ロート及び温度計を備えたフラスコにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート80質量部及び乳酸エチル80質量部を加えた後、窒素ガスを導入しながら80℃で撹拌した。次いで、モノマ(メタクリル酸メチル58質量部、アクリル酸エチル30質量部、及び、メタクリル酸12質量部)、2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)(重合開始剤)3質量部と、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート44質量部、及び、乳酸エチル44質量部の混合物を3時間かけてフラスコ内に滴下した。その後、80℃で4時間撹拌した後、100℃で2時間撹拌した。その後、室温まで冷却して重合体1の溶液(固形分45質量%)を得た。重合体1の重量平均分子量(Mw)は65000であった。
重合体1の重量平均分子量は、GPCによって測定し、標準ポリスチレンの検量線を用いて換算した値である。重量平均分子量は、測定装置として東ソー株式会社製の「HLC-8320GPC」、カラムとして昭和電工マテリアルズ株式会社製の「Gelpack GL-A150-S/GL-A160-S」、溶離液としてテトラヒドロフランを用い、流量1mL/分、カラム温度40℃の条件で測定した。検量線は、標準ポリスチレンの5サンプルセット(東ソー株式会社製のPStQuick MP-H、PStQuick B)を用い、JIS K 7252-2(2016)に従いユニバーサルキャリブレーション曲線の3次式で近似した。
(重合体2)
モノマとして、メタクリル酸メチル58質量部、アクリル酸ラウリル36質量部、及び、メタクリル酸6質量部を用いたことを除き重合体1と同様の操作を行うことにより重合体2を得た。重合体2の重量平均分子量(Mw)は65000であった。
(重合体3)
モノマとして、メタクリル酸メチル58質量部、アクリル酸イソステアリル36質量部、及び、メタクリル酸6質量部を用いたことを除き重合体1と同様の操作を行うことにより重合体3を得た。重合体3の重量平均分子量(Mw)は65000であった。
(重合体4)
重合体4として、スチレン-ブタジエン系エラストマ(JSR株式会社製、商品名:ダイナロン2324P)を準備した。
<樹脂ワニスの調製>
(実施例1)
撹拌しながら、57質量部(固形分)の重合体1、32.25質量部のアクリル化合物1(トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、新中村化学工業株式会社製、商品名:A-DCP)、10.75質量部のアクリル化合物2(EO変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、日本化薬株式会社製、商品名:DPEA-12)、1質量部のメタクリル化合物1(2-メタクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、共栄社化学株式会社製、商品名:P-1M)、1質量部のメタクリル化合物2(メタクリロイル基含有ホスフェート、日本化薬株式会社製、商品名:PM-21)、9質量部の光重合開始剤1(2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、DKSHジャパン株式会社製、商品名:Lunacure TPO)、1質量部の光重合開始剤2(2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、IGM Resins社製、商品名:Omnirad 651)、8質量部のテトラゾール化合物溶液(5-アミノ-1H-テトラゾールのプロピレングリコールモノメチルエーテル溶液、溶液における5-アミノ-1H-テトラゾールの含有量:5質量%、5-アミノ-1H-テトラゾールの配合量:0.4質量部、千代田ケミカル株式会社製、商品名:B-6030)、及び、360質量部のトルエン(溶剤)を混合することにより樹脂ワニスを得た。
(実施例2)
アクリル化合物1及びアクリル化合物2に代えてアクリル化合物3(ジオキサングリコールジアクリレート、新中村化学工業株式会社製、商品名:A-DOG)43質量部を混合したことを除き実施例1と同様の操作を行うことにより樹脂ワニスを得た。
(実施例3)
重合体1に代えて重合体2を混合したことを除き実施例2と同様の操作を行うことにより樹脂ワニスを得た。
(実施例4)
重合体1に代えて重合体3を混合したことを除き実施例2と同様の操作を行うことにより樹脂ワニスを得た。
(比較例1)
撹拌しながら、80質量部の重合体4、20質量部のアクリル化合物3、1.5質量部の光重合開始剤3(ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、IGM Resins B.V.社製、商品名:Omnirad819)、及び、360質量部のトルエン(溶剤)を混合することにより樹脂ワニスを得た。
<積層フィルムの作製>
基材フィルムとして表面離型処理PETフィルム(藤森工業株式会社製、商品名:HTA、厚さ:75μm)を準備した。ナイフコータ(株式会社康井精機製、商品名:SNC-300)を用いて、このPETフィルムの離型処理面上に上述の樹脂ワニスを塗布した。次いで、乾燥機(株式会社二葉科学製、商品名:MSO-80TPS)中において100℃で10分乾燥することにより樹脂フィルムを形成した。塗工機のギャップを調節することにより、乾燥後の樹脂フィルムの厚さを8μmに調整した。続いて、保護フィルムとして表面離型処理PETフィルム(藤森工業株式会社製、商品名:BD、厚さ:75μm)を準備した後、保護フィルムの離型処理面を上述の樹脂フィルムに貼り付けることにより積層フィルムAを得た。
<評価>
下記の手順により密着性、耐湿熱性及び誘電特性を評価した。耐湿熱性及び誘電特性については、実施例についてのみ評価を行い、比較例については評価しなかった。結果を表1に示す。
(密着性)
ハードコート剤(HC剤、昭和電工マテリアルズ株式会社製、商品名:EL2000)をCOPフィルム(未処理、厚さ:100μm)に塗布することによりHC付きCOPフィルムを得た。次に、上述の積層フィルムAの保護フィルムを剥離して樹脂フィルムを露出させた後、ハンドローラを用いて、樹脂フィルムに上述のHC付きCOPフィルムのHC処理面を貼り付けることにより積層フィルムBを得た。その後、紫外線露光機(ミカサ株式会社製、商品名:ML-320FSAT)を用いて、HC付きCOPフィルム側から積層フィルムBの樹脂フィルムに対して紫外線(波長365nm)を2000mJ/cm照射することにより樹脂フィルムを光硬化した。さらに、積層フィルムBの基材フィルムを剥離することにより評価用積層体A(縦50mm、横50mm)を得た。
続いて、JIS K 5600-5-6に準じた方法によって樹脂フィルムの密着性を評価した。具体的には、まず、評価用積層体Aにおける樹脂フィルムが露出している面に、カッターの刃を当てて、1mm間隔で切り込みを11本入れた。次に、評価用積層体Aを90度回転させ、同様に、1mm間隔で切り込みを11本入れた。その後、切り込みを入れた部分にテープ(ニチバン株式会社製、商品名:CT405AP-24)を指で押し当てて、テープと樹脂フィルムの切り込みを入れた部分とを密着させた。最後に、テープを引き剥がし、切り込みを入れた部分(計100マス)に残っている樹脂フィルムのマスの数を数えた。以上の手順でクロスカット試験(25℃)を行うことにより密着性を評価した。
(耐湿熱性)
OCAテープ(3M製、8146、厚さ:75μm)の一方面側の軽剥離処理セパレータ(保護フィルム)を剥離することにより剥離面Aを露出させた後、ハンドローラを用いてこの剥離面Aをガラス板に貼合した。次いで、上述のOCAテープの他方面側の重剥離セパレータ(基材フィルム)を剥離することにより剥離面Bを露出させた。続いて、上述の積層フィルムAの保護フィルムを剥離した面に、ハンドローラを用いてこの剥離面Bを貼合した。さらに、積層フィルムAの基材フィルムを剥離した面に、ハンドローラを用いてCOPフィルム(厚さ:100μm)を貼合することにより積層フィルムCを得た。その後、紫外線露光機(ミカサ株式会社製、商品名:ML-320FSAT)を用いて、ガラス板側から積層フィルムCの樹脂フィルムに対して紫外線(波長365nm)を2000mJ/cm照射して樹脂フィルムを光硬化することにより評価用積層体B(縦50mm、横50mm)を得た。
続いて、耐湿熱性として、85℃、85%RHに100時間晒した前後における評価用積層体Bの全光線透過率(T.T.)及びヘイズ(Haze)を、JIS K 7136に準じた方法によって測定した。具体的には、25℃の環境下、評価用積層体Bのガラス板側から白色LEDランプを照射し、評価用積層体Bを透過した光の全光線透過率Ttと、評価用積層体B中で拡散され散乱した光の透過率Tdとを測定した。Tt及びTdを「式:ヘイズ=(Td/Tt)×100」に代入してヘイズを求めた。測定装置として日本電色工業株式会社製のNDH-5000(商品名)を用いた。
(誘電特性)
上述の積層フィルムAの保護フィルムを剥離した後、ハンドローラを用いて積層フィルムAの樹脂フィルムをCOPフィルム(未処理、厚さ:100μm)に貼り付けた。その後、紫外線露光機(ミカサ株式会社製、商品名:ML-320FSAT)を用いて、COPフィルム側から樹脂フィルムに対して紫外線(波長365nm)を2000mJ/cm照射して樹脂フィルムを光硬化することにより評価用積層体C(縦80mm、横80mm)を得た。
続いて、ベクトル型ネットワークアナライザ(アジレントテクノロジー社製、商品名:E8364B)及び10GHz共振器(EMラボ株式会社製、商品名:CP531)を用いて、25℃の環境下、スプリットポスト誘電体共振器法(SPDR法)により、上述の評価用積層体C全体の比誘電率(Dk@10GHz)及び誘電正接(Df@10GHz)を測定した。また、同様の手法により、上述の基材フィルム(縦80mm、横80mm)の比誘電率及び誘電正接を測定した。評価用積層体Cの測定結果から基材フィルムの測定結果を差し引くことにより、樹脂フィルム(硬化フィルム)及びCOPフィルムからなる積層体の比誘電率及び誘電正接を得た。
10,20,30…積層体、10a,20a,30a…基材フィルム、10b,20b,30b…透明樹脂層、10c…保護フィルム、20c,30c,30d,110b,210c…導電部材、100,200…画像表示装置、110,210…透明アンテナ、110a,210b…透明基材、110c,210d…被覆部材、120,220…保護部材、210a…透明部材。

Claims (11)

  1. (メタ)アクリル系重合体と、(メタ)アクリル化合物(前記(メタ)アクリル系重合体に該当する化合物を除く)と、重合開始剤と、を含有する、樹脂組成物。
  2. 前記(メタ)アクリル系重合体が(メタ)アクリル酸を単量体単位として有する、請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記(メタ)アクリル系重合体が(メタ)アクリル酸アルキルを単量体単位として有する、請求項1に記載の樹脂組成物。
  4. 前記(メタ)アクリル系重合体が、炭素数12以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルを単量体単位として有する、請求項1に記載の樹脂組成物。
  5. 前記(メタ)アクリル化合物が単官能又は多官能の脂肪族(メタ)アクリル化合物を含む、請求項1に記載の樹脂組成物。
  6. 前記(メタ)アクリル化合物が2官能(メタ)アクリル化合物を含む、請求項1に記載の樹脂組成物。
  7. 前記(メタ)アクリル化合物が環状エーテル化合物を含む、請求項1に記載の樹脂組成物。
  8. 請求項1~7のいずれか一項に記載の樹脂組成物の硬化物。
  9. 基材フィルムと、当該基材フィルム上に配置された透明樹脂層と、を備え、
    前記透明樹脂層が、請求項1~7のいずれか一項に記載の樹脂組成物及びその硬化物からなる群より選ばれる少なくとも一種を含む、積層体。
  10. 透明基材と、当該透明基材上に配置された導電部材と、当該導電部材上に配置された被覆部材と、を備え、
    前記透明基材及び前記被覆部材からなる群より選ばれる少なくとも一種が、請求項1~7のいずれか一項に記載の樹脂組成物の硬化物を含む、透明アンテナ。
  11. 請求項10に記載の透明アンテナを備える、画像表示装置。

JP2023052922A 2022-03-31 2023-03-29 樹脂組成物、硬化物、積層体、透明アンテナ、及び、画像表示装置 Pending JP2023152935A (ja)

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