JP2023152859A - 放熱シート積層体、及び放熱シート積層体の製造方法 - Google Patents

放熱シート積層体、及び放熱シート積層体の製造方法 Download PDF

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由布子 尾関(浜口)
Ozeki, (Hamaguchi) Yuko
朗 渡邉
Akira Watanabe
俊行 田中
Toshiyuki Tanaka
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Abstract

【課題】ロール状に巻き取った際のハンドリング性が良好であり、かつベースフィルムとの密着性が良い放熱シート積層体、及び放熱シート積層体の製造方法を提供する。【解決手段】おもて面と裏面とを有し、該おもて面と該裏面との接着力が異なるベースフィルムと、フィラーを含む絶縁性樹脂シートと、を積層した放熱シート積層体であって、前記絶縁性樹脂シートが、前記ベースフィルムのおもて面と裏面とのうち接着力が強い面に積層されている、放熱シート積層体。【選択図】なし

Description

本発明は、放熱シート積層体と、放熱シート積層体の製造方法に関する。
近年、鉄道、自動車、一般家電などの様々な分野で使用されているパワー半導体デバイスの実用化に向けて、種々の課題が指摘されているが、その内の一つにデバイスから発する熱の放熱問題がある。この問題は、一般的に、高温で作動させることにより高出力・高密度化が可能なパワー半導体デバイスの信頼性に影響を与える。デバイスのスイッチングに伴う発熱などは、信頼性を低下させることが懸念されている。
いかに放熱させるかという課題を解決する一つの手法として、高熱伝導性のエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂と高熱伝導性無機フィラーを用いた放熱シートが提案されている。例えば、特許文献1では、Tgが60℃以下の樹脂と窒化ホウ素フィラーを含有する放熱樹脂シートであって、窒化ホウ素フィラーの含有量が30vоl%以上60vоl%以下である放熱樹脂シートが提案されている。
特許文献2では、樹脂及び凝集無機フィラーを含む樹脂組成物であって、樹脂組成物の硬化後の85度85%RHでの重量増加率をX(質量%)、無機フィラーを除く樹脂組成物の硬化物の200℃における貯蔵弾性率Y(Pa)が所定の式を満たす樹脂組成物が提案されており、剥離剤処理されたポリエチレンテレフタレート等の基材上にスラリー状の樹脂組成物を塗布してシート状の樹脂組成物を形成できることが記載されている。
特許文献3では、熱伝導性無機フィラーを45体積%以上、エポキシ樹脂を10~25質量%、イソシアネート系架橋剤を0.02~1質量%含有する熱伝導シートが提案されており、熱伝導性無機フィラーや樹脂を含む塗液を離型フィルム上に塗布し乾燥させて熱伝導シートを形成し、さらに熱伝導シートの上に別の離型フィルムを貼合して使用することが好ましいことが記載されている。
特開2017-36415号公報 特開2020-63438号公報 特開2020-198334号公報
放熱シートは、剥離剤処理等により表面と裏面の接着力が異なるベースフィルムを基材として、基材表面のうち接着力が弱い面に、無機フィラーを含むスラリー状の樹脂組成物を塗布し、乾燥させて放熱シート積層体とすることができる。また、さらに別のベースフィルムを放熱シートの上に貼合して使用することができるが、放熱シートの両面をベースフィルムで挟んだ状態であるため、ロール状に巻き取った際のロール径が大きくなり、重量も大きく、ハンドリング性が良好ではなかった。
放熱シートの上に別のベースフィルムを貼合しない場合、ロール状に巻き取った際に、放熱シートがベースフィルムの裏面に貼りつき、ベースフィルムの塗布した面から剥がれるため、シートに欠陥が生じやすいという課題があった。
本発明は、上記課題を解決するものであり、ロール状に巻き取った際のハンドリング性
が良好であり、かつベースフィルムとの密着性が良い放熱シート積層体、及び放熱シート積層体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく検討し、おもて面と裏面との接着力が異なるベースフィルムの接着力が強い面に絶縁シートを積層することで、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下の[1]~[9]に関する。
[1]おもて面と裏面とを有し、該おもて面と該裏面との接着力が異なるベースフィルムと、
フィラーを含む絶縁性樹脂シートと、を積層した放熱シート積層体であって、
前記絶縁性樹脂シートが、前記ベースフィルムのおもて面と裏面とのうち接着力が強い面に積層されている、放熱シート積層体。
[2]前記ベースフィルムのおもて面と裏面のうち、前記絶縁性樹脂シートが積層されている面の反対面が、剥離剤処理されている、[1]に記載の放熱シート積層体。
[3]前記ベースフィルムが、ポリエチレンテレフタレートを基材とするフィルムである、[1]又は[2]に記載の放熱シート積層体。
[4]前記ベースフィルムの厚みが5μm以上500μm以下である、[1]~[3]のいずれかに記載の放熱シート積層体。
[5]前記絶縁性樹脂シートが、エポキシ樹脂を含む、[1]~[4]のいずれかに記載の放熱シート積層体。
[6]前記絶縁性樹脂シートが、無機フィラーを含む、[1]~[5]のいずれかに記載の放熱シート積層体。
[7]前記絶縁性樹脂シートが、フィラーを30重量%以上含む、[1]~[6]のいずれかに記載の放熱シート積層体。
[8]JIS K 6854-1:1999に準拠して測定される、前記絶縁性樹脂シートと前記ベースフィルムとの剥離力が、前記ベースフィルムの接着力が弱い面に前記絶縁性樹脂シートを積層させた場合の剥離力に対して3倍以上である、[1]~[7]のいずれかに記載の放熱シート積層体。
[9]ベースフィルムの片面に対して剥離剤処理するステップ、及び前記ベースフィルムの剥離剤処理されていない面に無機フィラーを含む絶縁性樹脂シートを積層させるステップ、を含む、放熱シート積層体の製造方法。
[10]前記絶縁性樹脂シートを積層させるステップは、無機フィラーを含むスラリー状の樹脂組成物を前記ベースフィルムに塗布し、乾燥させるステップである、[9]に記載の放熱シート積層体の製造方法。
[11]前記スラリー状の樹脂組成物の固形分濃度は、70重量%以下である、[10]に記載の放熱シート積層体の製造方法。
本発明によれば、ロール状に巻き取った際のハンドリングが良好であり、かつベースフィルムとの密着性の良い放熱シート積層体を提供することができる。
数値範囲を表す「XX以上YY以下」や「XX~YY」の記載は、特に断りのない限り、端点である下限及び上限を含む数値範囲を意味する。数値範囲が段階的に記載されている場合、各数値範囲の上限及び下限は任意に組み合わせることができる。
<放熱シート積層体>
本発明の一形態はベースフィルムと絶縁性樹脂シートを積層した放熱シート積層体である。ベースフィルムは、おもて面と裏面とを有し、おもて面と裏面との接着力が異なる。
絶縁性樹脂シートは、フィラーを含み、ベースフィルムのおもて面と裏面とのうち接着力が強い面に積層されている。本形態の放熱シート積層体は、従来の放熱シート積層体と比較して、ロール状に巻き取った際のハンドリングが良好であり、かつベースフィルムとの密着性が良い。
本形態の放熱シート積層体は、半導体デバイスとして用いることができる。特に、高温で作動させることにより高出力かつ高密度化が可能なパワー半導体デバイスにおいて好適に用いることができる。
<ベースフィルム>
本形態の放熱シート積層体は、ベースフィルムを含有する。ベースフィルムは、例えば、ポリエチレン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルナフタレート、メチルペンテンフィルム等の樹脂、コート紙、コート布、アルミ等の金属、を基材とするフィルムが使用できるが、(経済性に優れ、腰があり、ハンドリング性)の観点からポリエチレンテレフタレートを基材とするフィルムが好ましい。これらのフィルムは1種で用いてもよく、2種以上組み合わせて多層フィルムとしてもよい。
ベースフィルムはおもて面と裏面とを有し、おもて面と裏面との接着力が異なり、ベースフィルムのおもて面と裏面とのうち、接着力が強い面に絶縁性樹脂シートが積層されている。ベースフィルムの、絶縁性樹脂シートが積層されている面の反対面は、剥離剤処理されていることが好ましい。剥離剤は、例えばシリコーン系、シリカ系、フッ素系、パラフィン系等の公知の剥離剤が挙げられる。
絶縁性樹脂シートが積層されている面の反対面が剥離剤処理されていることで、放熱シート積層体をロール状に巻き取った際、絶縁性樹脂シートがベースフィルムの裏面に貼りつくことを抑制できるため、絶縁性樹脂シートがベースフィルムとの密着性が良い。
JIS K 6854-1:1999に準拠して測定される、絶縁性樹脂シートとベースフィルムとの剥離力は、ベースフィルムの接着力が弱い面に絶縁性樹脂シートを積層させた場合の剥離力に対して、1.5倍以上であることが好ましく、3倍以上であることがより好ましく、6倍以上であることがさらに好ましく、通常100倍以下であり、50倍以下であることが好ましく、20倍以下であることがより好ましい。
ベースフィルムの接着力が弱い面に絶縁性樹脂シートを積層させた場合の剥離力に対する、絶縁性シートとベースフィルムとの剥離力が上記下限値以上であることで、放熱シート積層体をロール状に巻き取った際、絶縁性樹脂シートがベースフィルムの裏面に貼りつくことを抑制できるため、絶縁性樹脂シートがベースフィルムと良く密着している。
ベースフィルムの接着力が弱い面に絶縁性樹脂シートを積層させた場合の剥離力に対する、絶縁性シートとベースフィルムとの剥離力の制御方法は特に限定されないが、ベースフィルムのおもて面と裏面とのうち、絶縁性樹脂シートが積層されている面の反対面のみが剥離剤処理されていてもよく、絶縁性樹脂シートが積層されている面と反対面が種類の異なる剥離剤処理をされていてもよく、絶縁性樹脂シートが積層されている面と反対面が程度の異なる剥離剤処理をされていてもよい。
ベースフィルムの厚みの下限値は、5μm以上であることが好ましく、10μm以上であることがより好ましく、20μm以上であることがさらに好ましい。また、ベースフィルムの厚みの上限値は、500μm以下であることが好ましく、300μm以下であることがより好ましく、200μm以下であることがさらに好ましい。
ベースフィルムの厚みが上記下限値以上であることで、テンションをかけたときにしわやよれが起こりづらく、蛇行しにくくなる。ベースフィルムの厚みが上記上限値以下であ
ることで、ロール状に巻き取った際のロール径及び重量を小さくでき、ハンドリング性が向上する。
<絶縁性樹脂シート>
本形態の放熱シート積層体は、フィラーを含む絶縁性樹脂シートを含有する。絶縁性樹脂シートは、少なくともフィラーと樹脂とを含有するシートである。
絶縁性樹脂シートの厚みの下限値は、50μm以上であることが好ましく、80μm以上であることがより好ましく、100μm以上であることがさらに好ましい。また、絶縁性樹脂シートの厚みの上限値は、800μm以下であることが好ましく、600μm以下であることがより好ましく、500μm以下であることがさらに好ましい。
絶縁性樹脂シートの厚みが上記下限値以上であることで、耐電圧特性が得られ、絶縁破壊電圧が向上する傾向にある。絶縁性樹脂シートの厚みが上記上限値以下であることで、ロール状に巻き取った際のロール径及び重量を小さくでき、ハンドリング性が向上するほか、デバイスの小型化や薄型化が達成でき、絶縁性樹脂シートの熱抵抗を抑制できる傾向にある。
<フィラー>
本形態の放熱シート積層体は、フィラーを含む絶縁性樹脂シートを含有する。絶縁性樹脂シートは、熱伝導率10W/m・K以上のフィラーを含むことが好ましく、熱伝導率20W/m・K以上のフィラーを含むことがより好ましい。
絶縁性樹脂シートが、上記範囲の熱伝導率を有するフィラーを含むことで、絶縁性樹脂シートの熱伝導性がより向上する。
上記の熱伝導率を充足する観点から、絶縁性樹脂シートは、無機フィラーを含むことが好ましいが、絶縁性樹脂シートは、無機フィラー以外のフィラーをさらに含んでいてもよい。
また、絶縁性樹脂シートは、凝集無機フィラーを含むことがさらに好ましい。凝集無機フィラーは、電気絶縁性のものが使用でき、金属酸化物及び金属窒化物から選ばれる少なくとも1種の無機粒子から構成されるものが挙げられる。
金属酸化物の例としては、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化カルシウム、酸化亜鉛、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化イッテルビウム、サイアロン(ケイ素、アルミニウム、酸素、窒素からなるセラミックス)等が挙げられる。
金属窒化物の例としては、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素等が挙げられる。
絶縁性樹脂シートは、体積抵抗率が1×1013Ω・cm以上の凝集無機フィラーを含むことが好ましく、体積抵抗率が1×1014Ω・cm以上の凝集無機フィラーを含むことがより好ましい。中でも、絶縁性樹脂シートは、電気絶縁性の観点から、金属酸化物及び金属窒化物から選ばれる少なくとも1種の無機粒子から構成される凝集無機フィラーを含むことが好ましい。
このような金属酸化物や金属窒化物として、具体的には、アルミナ(Al、体積抵抗率1×1014Ω・cm)、窒化アルミニウム(AlN、体積抵抗率1×1014Ω・cm)、窒化ホウ素(BN、体積抵抗率1×1014Ω・cm)、窒化ケイ素(Si、体積抵抗率1×1014Ω・cm)、シリカ(SiO、体積抵抗率1×1014Ω・cm)などが挙げられる。中でも、絶縁性樹脂シートは、熱伝導率と耐水性のバランスの観点から、アルミナ及び窒化ホウ素から選ばれる少なくとも1種の凝集粒子を含むこ
とが好ましく、窒化ホウ素凝集粒子を含むことがより好ましい。
凝集無機フィラーは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で用いてもよい。
絶縁性樹脂シート中におけるフィラーの含有量の下限値は、通常10重量%以上であり、30重量%以上であることが好ましく、40重量%以上であることがより好ましく、45重量%以上であることがさらに好ましい。また、フィラーの含有量の上限値は、99重量%以下であることが好ましく、90重量%以下であることがより好ましく、80重量%以下であることがさらに好ましい。
絶縁性樹脂シート中におけるフィラーの含有量が上記下限値以上であることで、より高い熱伝導性の向上効果や線膨張係数の制御効果を得ることができる。フィラーの含有量が上記上限値以下であることで、絶縁性樹脂シートの成形性や放熱シート積層体における界面接着性が向上する傾向にある。
<樹脂>
絶縁性樹脂シートに用いる樹脂としては特に限定されないが、製造容易性の観点から、熱硬化性樹脂であることが好ましい。
熱硬化性樹脂としては、具体的には、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、マレイミド樹脂等が挙げられる。これらの中で、粘度、耐熱性、吸湿性、取扱い性の観点から、エポキシ樹脂が好ましい。エポキシ樹脂としては、例えば、エポキシ基含有ケイ素化合物、脂肪族型エポキシ樹脂、ビスフェノールA又はF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、多官能型エポキシ樹脂、高分子型エポキシ樹脂等が挙げられる。
絶縁性樹脂シート中における樹脂の含有量の下限値は、1重量%以上であることが好ましく、10重量%以上であることがより好ましく、20重量%以上であることがさらに好ましい。また、樹脂の含有量の上限値は、通常90重量%以下であり、70重量%以下であることが好ましく、60重量%以下であることがより好ましく、55重量%以下であることがさらに好ましい。
絶縁性樹脂シート中における樹脂の含有量が上記下限値以上であることで、絶縁性樹脂シートの成形性が良好となる。樹脂の含有量が上記上限値以下であることで、フィラーの含有量を確保することができ、より高い熱伝導性の向上効果を得ることができる。
<エポキシ樹脂>
エポキシ樹脂とは、分子内に1個以上のオキシラン環(エポキシ基)を有する化合物の総称である。また、エポキシ樹脂に含まれるオキシラン環(エポキシ基)は脂環式エポキシ基、グリシジル基のどちらでも構わないが、反応速度もしくは耐熱性の観点から、グリシジル基であることがより好ましい。
絶縁性樹脂シートに用いるエポキシ樹脂は、芳香族オキシラン環(エポキシ基)含有化合物であってもよい。その具体例としては、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、ビスフェノールS、テトラメチルビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールF、テトラメチルビスフェノールAD、テトラメチルビスフェノールS、テトラフルオロビスフェノールAなどのビスフェノール類をグリシジル化したビスフェノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型のエポキシ樹脂、ジヒドロキシナフタレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレンなどの2価のフェノール類をグリシジル化したエポキシ樹脂、1,1,1-トリス(4-ヒドロキシフェニル)メタンなどのトリスフェノール類をグリシジル化したエポキシ樹脂、1,1,2,2-テトラキス(4-ヒドロキシ
フェニル)エタンなどのテトラキスフェノール類をグリシジル化したエポキシ樹脂、フェノールノボラック、クレゾールノボラック、ビスフェノールA、ノボラック、臭素化ビスフェノールAノボラックなどのノボラック類をグリシジル化したノボラック型エポキシ樹脂などが挙げられる。
絶縁性樹脂シートに含まれる全樹脂成分100重量%中の、エポキシ樹脂含有量の下限値は、20重量%以上であることが好ましく、45重量%以上であることがより好ましい。全樹脂成分100重量%中の、エポキシ樹脂の含有量の上限値は特に限定されず、100重量%であってもよい。
絶縁性樹脂シートに含まれる全樹脂成分100重量%中の、エポキシ樹脂含有量が上記範囲内であることで、絶縁性樹脂シートの高弾性化と、高温高湿度下における重量増加率(吸湿性)のコントロールが容易となる。
以下に絶縁性樹脂シートで用いるエポキシ樹脂として好適なエポキシ樹脂について説明する。
<多官能エポキシ樹脂>
絶縁性樹脂シートは、一分子中に3個以上のオキシラン環(エポキシ基)を有するエポキシ樹脂(以下、「多官能エポキシ樹脂」と称す場合がある。)を含むことが好ましい。絶縁性樹脂シートが、多官能エポキシ樹脂を含むことにより、極性の高いオキシラン環(エポキシ基)を高密度で導入することが可能であり、それにより、ファンデルワールス力や水素結合といった物理的相互作用の効果が増す。
熱硬化後の硬化物の貯蔵弾性率を高くする、特にパワー半導体など発熱量の多い場合に重要になる高温時の貯蔵弾性率を高くする観点からは、分子内に3個以上のオキシラン環(エポキシ基)を有するエポキシ樹脂が好ましく、さらに分子内に4個以上のグリシジル基を有するエポキシ樹脂がより好ましい。分子内に複数のオキシラン環(エポキシ基)、特にグリシジル基を有することで、硬化物の架橋密度が向上し、得られる樹脂硬化物がより高強度となる。それにより、繰り返しリフロー試験において樹脂硬化物に内部応力が発生した際に、樹脂硬化物が変形したり、破壊したりせずに、形態を保持することで、樹脂硬化物内にボイド等の空隙が発生するのを抑制することができる。多官能エポキシ樹脂の一分子中のオキシラン環(エポキシ基)の数の上限は特にないが、10個以下が好ましく、8個以下がより好ましい。
また、多官能エポキシ樹脂の分子量は特に限定されないが、1,000以下であることが好ましく、800以下であることがより好ましく、600以下であることがさらに好ましい。また、多官能エポキシ樹脂の分子量は100以上であることが好ましく、150以上であることがより好ましく、特に150~600であることが好ましい。
多官能エポキシ樹脂としては、具体的にはエポキシ基を3つ以上有するエポキシ樹脂が好ましく、例えばナガセケムテックス社製の、EX321L、DLC301、DLC402等、三菱ケミカル社製jER152、jER1030S、jER604、jER630等、昭和電工社製ショウフリーPETG、ショウフリーBATG等を用いることができる。これらの多官能エポキシ樹脂は1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
<特定エポキシ樹脂>
絶縁性樹脂シートは、ビフェニル構造を有する重量平均分子量が10,000以上であるエポキシ樹脂(以下、「特定エポキシ樹脂」と称す場合がある。)を含むことが好ましい。
なお、以下において、「有機基」とは、炭素原子を含む基であれば如何なる基であって
もよい。有機基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アリール基等が挙げられ、それらはハロゲン原子や、ヘテロ原子を有する基や、他の炭化水素基で置換されていても構わない。
ビフェニル構造を有する重量平均分子量が10,000以上である特定エポキシ樹脂は、好ましくは下記構造式(1)で表される構造(以下、「構造(1)」と称す場合がある。)及び下記構造式(2)で表される構造(以下、「構造(2)」と称す場合がある。)から選ばれる少なくとも一つの構造をさらに有することが好ましい。
(式(1)中、R及びRはそれぞれ有機基を表し、式(2)中、Rは2価の環状有機基を表す。)
また、ビフェニル構造を有する重量平均分子量が10,000以上である特定エポキシ樹脂は、下記構造式(3)で表される構造(以下、「構造(3)」と称す場合がある。)を有することが好ましい。
(式(3)中、R、R、R、Rは、それぞれ独立に分子量15以上の有機基を表す。)
上記式(1)において、R及びRのうちの少なくとも一方は、分子量が16以上、特に分子量16~1000の有機基であることが好ましい。例えば、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、フルオレニル基等のアリール基が挙げられる。
及びRは共に分子量16以上の有機基であってもよく、一方が分子量16以上の
有機基で、他方が分子量15以下の有機基又は水素原子であってもよい。好ましくは、R及びRうちの一方が分子量16以上の有機基で他方が分子量15以下の有機基であり、特にいずれか一方がメチル基で、他方がフェニル基であることが好ましい。これらの基であることで、樹脂粘度等の取扱い性の制御が容易になり、絶縁性樹脂シートの強度が向上する傾向にある。
式(2)において、Rは2価の環状有機基であり、ベンゼン環構造、ナフタレン環構造、フルオレン環構造等の芳香族環構造であってもよいし、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン等の脂肪族環構造であってもよい。また、それらは独立に、炭化水素基、又はハロゲン原子等の置換基を有していても構わない。
の2価の結合部は、単一の炭素原子にある2価基であっても構わないし、異なる炭素原子にある2価基であっても構わない。好ましくは、炭素数6~100の2価の芳香族基、シクロプロパンやシクロヘキサンのような炭素数2~100のシクロアルカンに由来する2価の基が挙げられる。Rは特に下記構造式(4)で表される3,3,5-トリメチル-1,1-シクロヘキシレン基であることが、樹脂粘度等の取扱い性の制御や硬化物の強度の観点から好ましい。
式(3)において、R、R、R、Rは、それぞれ独立に分子量15以上の有機基である。好ましくは分子量15~1000のアルキル基であり、特にR、R、R、Rのすべてがメチル基であることが、樹脂粘度等の取扱い性の制御や硬化物の強度の観点から好ましい。
特定エポキシ樹脂は、構造(1)及び構造(2)のいずれか一方とビフェニル構造とを含むエポキシ樹脂であることが好ましく、特に構造(1)及び構造(2)のいずれか一方と、構造(3)とを含むエポキシ樹脂であることがより好ましい。特定エポキシ樹脂がこれらの構造を含むことで、絶縁性樹脂シートの吸湿性を抑制し、且つ絶縁性樹脂シートの強度性能を優れたものにし、それらの性能を両立することが可能となる。
このような特定エポキシ樹脂は、一般的なビスフェノールA骨格又はビスフェノールF骨格を有するエポキシ樹脂と比較して、疎水性の炭化水素及び芳香族構造を多く含むため、特定エポキシ樹脂を配合することにより、樹脂組成物の硬化物の吸湿量を低減することができる。
また、吸湿量を低減するという観点から、特定エポキシ樹脂は疎水性構造である構造(1)、(2)、(3)を多く含むものが好ましい。
特定エポキシ樹脂の重量平均分子量は、10,000以上であることが好ましく、20,000以上であることがより好ましく、25,000以上であることがさらに好ましい。また、80,000以下であることが好ましく、70,000以下であることがより好ましく、25,000以上70,000以下であることが特に好ましい。
また、特定エポキシ樹脂はより疎水性であることが好ましく、エポキシ当量は大きい方がよい。具体的には特定エポキシ樹脂のエポキシ当量は3,000g/当量以上が好ましく、4,000g/当量以上がより好ましく、5,000g/当量以上がさらに好ましい。また、特定エポキシ樹脂のエポキシ当量は20,000g/当量以下が好ましく、5,000g/当量以上20,000g/当量以下であることがより好ましい。
なお、ここで、エポキシ樹脂の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定されたポリスチレン換算の値である。
また、エポキシ当量は、「1当量のエポキシ基を含むエポキシ樹脂の重量」と定義され、JIS K7236に準じて測定することができる。
このような特定エポキシ樹脂は、1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。特定エポキシ樹脂は複数のエポキシ基を有していてもよい。
絶縁性樹脂シートに含まれる全樹脂成分100重量%中の、特定エポキシ樹脂の含有量の下限値は5重量%以上であることが好ましく、10重量%以上であることがより好ましい。全樹脂成分100重量%中の、特定エポキシ樹脂の含有量の上限値は、50重量%以下であることが好ましく、40重量%以下であることがより好ましい。
絶縁性樹脂シートに含まれる全樹脂成分100重量%中の、特定エポキシ樹脂含有量が上記下限値以上であると、絶縁性樹脂シートの塗布が容易になり、得られる絶縁性樹脂シートの柔軟性が得られる傾向にある。特定エポキシ樹脂含有量が上記上限値以下であると、絶縁性樹脂シートの貯蔵弾性率が向上又は維持される。
<特定エポキシ樹脂と多官能エポキシ樹脂の含有量比>
絶縁性樹脂シートは、エポキシ樹脂として、特定エポキシ樹脂と多官能エポキシ樹脂とを共に含有することが、絶縁性樹脂シートの高弾性化と低吸湿化を両立させる上で好ましい。
<硬化剤>
絶縁性樹脂シートは、硬化剤を含んでいてもよい。硬化剤としては特に限定されないが、用いる熱硬化性樹脂の種類に応じて選択使用される。熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂の場合、一般的にエポキシ樹脂硬化剤として知られているものはすべて使用できる。例えば、フェノール系硬化剤、脂肪族アミン、ポリエーテルアミン、脂環式アミン、芳香族アミンなどのアミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤、アミド系硬化剤、第3級アミン、イミダゾール及びその誘導体、有機ホスフィン類、ホスホニウム塩、テトラフェニルボロン塩、有機酸ジヒドラジド、ハロゲン化ホウ素アミン錯体、ポリメルカプタン系硬化剤、イソシアネート系硬化剤、ブロックイソシアネート系硬化剤等が挙げられる。
硬化剤の具体例としては、WO2013/081061に例示されたものを用いることができる。これらの硬化剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で混合して用いてもよい。硬化剤の中でも、イミダゾール又はその誘導体やジシアンジアミン化合物が好適に用いられる。
硬化剤の含有量は、マトリクス樹脂100質量部に対して、通常0.1~60質量部であり、0.5~40質量部が好ましい。
フェノール系硬化剤は、特に限定されない。フェノール系硬化剤の具体例としては、フェノールノボラック、o-クレゾールノボラック、p-クレゾールノボラック、t-ブチルフェノールノボラック、ジシクロペンタジエンクレゾール、ポリパラビニルフェノール、ビスフェノールA型ノボラック、キシリレン変性ノボラック、デカリン変性ノボラック、ポリ(ジ-o-ヒドロキシフェニル)メタン、ポリ(ジ-m-ヒドロキシフェニル)メ
タン、又はポリ(ジ-p-ヒドロキシフェニル)メタン等が挙げられる。なかでも、樹脂組成物の柔軟性及び難燃性をより一層の向上、樹脂硬化物の力学物性及び耐熱性向上のためには剛直な主鎖骨格を持つノボラック型フェノール系硬化剤やトリアジン骨格を有するフェノール系硬化剤が好ましい。また、未硬化の樹脂組成物の柔軟性及び樹脂硬化物の靭性向上のためにはアリール基を有するフェノール系硬化剤が好ましい。
フェノール系硬化剤の市販品としては、MEH-8005、MEH-8000H及びNEH-8015(以上いずれも明和化成社製)、YLH903(三菱ケミカル社製)、LA-7052、LA-7054、LA-7751、LA-1356及びLA-3018-50P(以上いずれも大日本インキ社製)、並びにPSM6200、PS6313及びPS6492(群栄化学工業社製)等が挙げられる。
酸無水物系硬化剤は、例えば芳香族骨格を有する酸無水物、該酸無水物の水添加物又は該酸無水物の変性物を用いてもよい。芳香族骨格を有する酸無水物、該酸無水物の水添加物又は該酸無水物の変性物の具体的な例としては、SMAレジンEF30及びSMAレジンEF60(以上いずれもサートマー・ジャパン社製)、ODPA-M及びPEPA(以上いずれもマナック社製)、リカジットMTA-10、リカジットTMTA、リカジットTMEG-200、リカジットTMEG-500、リカジットTMEG-S、リカジットTH、リカジットMH-700、リカジットMT-500、リカジットDSDA及びリカジットTDA-100(以上いずれも新日本理化社製)、EPICLON B4400、及びEPICLON B570(以上いずれも大日本インキ化学社製)などが挙げられる。
酸無水物系硬化剤は、例えば脂環式骨格を有する酸無水物、該酸無水物の水添加物又は該酸無水物の変性物を用いてもよい。多脂環式骨格を有する酸無水物、該酸無水物の水添加物もしくは該酸無水物の変性物、又はテルペン系化合物と無水マレイン酸との付加反応により得られる脂環式骨格を有する酸無水物、該酸無水物の水添加物又は該酸無水物の変性物であることが好ましい。具体的な例としては、リカジットHNA及びリカジットHNA-100(以上いずれも新日本理化社製)、並びにエピキュアYH306及びエピキュアYH309(以上いずれも三菱ケミカル社製)等が挙げられる。
絶縁性樹脂シートが硬化剤を含む場合、絶縁性樹脂シートに含まれる全樹脂成分100重量%中の、硬化剤の含有量の上限値は70重量%以下であることが好ましく、55重量%以下であることがより好ましい。
また、絶縁性樹脂シート中の全エポキシ当量に対して、硬化剤の含有量の上限値は70%当量以下であることが好ましく、55%当量以下であることがより好ましく、45%当量以下であることがさらに好ましい。
硬化剤の含有量が上記上限値以下であることで、硬化反応が効果的に進行し、架橋密度を向上させ、強度を増すことができ、さらに製膜性が向上する。
<硬化促進剤>
絶縁性樹脂シートは、硬化促進剤を含んでいてもよい。硬化速度や硬化物の物性などを調整する観点から、絶縁性樹脂シートは、上記硬化剤と共に硬化促進剤を含有することが好ましい。
硬化促進剤は特に限定されないが、用いる樹脂や硬化剤の種類に応じて適宜に選ばれる。硬化促進剤の具体例としては、イミダゾール類、鎖状または環状の3級アミン、有機リン系化合物、4級ホスホニウム塩類又は有機酸塩等のジアザビシクロアルケン類等が挙げられる。また、有機金属化合物類、4級アンモニウム塩類又は金属ハロゲン化物等を用いることもできる。
有機金属化合物類としては、オクチル酸亜鉛、オクチル酸錫又はアルミニウムアセチルアセトン錯体等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して
用いてもよい。
中でも、特に保存安定性、耐熱性、硬化速度の観点から、イミダゾールを有する化合物(「イミダゾール系化合物」と称する)が好ましい。
好ましいイミダゾール系化合物としては、例えば2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、1-ベンジル-2-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾール、1-シアノエチル-2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-フェニル-4-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-ウンデシルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-エチル-4’メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジンイソシアヌル酸付加物、2-フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール、2-フェニル-4-メチル-5-ヒドロキシメチルイミダゾール等を挙げることができる。
これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。これらの硬化促進剤は、通常、エポキシ樹脂100質量部に対して0.1~5質量部の範囲で用いられる。
絶縁性樹脂シートが硬化促進剤を含む場合、絶縁性樹脂シートに含まれる全樹脂成分100重量%中に、硬化促進剤を0.1~10重量%含むことが好ましく、0.1~5重量%含むことがより好ましい。
硬化促進剤の含有量が上記下限値以上であると、硬化反応の進行を十分に促進して良好に硬化させることができる。硬化促進剤の含有量が上記上限値以下であると、硬化速度が速すぎることがなく、従って、絶縁性樹脂シートの保存安定性を良好なものとすることができる。
<溶剤>
絶縁性樹脂シートは、後述する「(B)のステップ」において使用する溶剤を含有していてもよい。
絶縁性樹脂シートが含有し得る溶剤の例としては、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどが挙げられる。これらの溶剤は、1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
絶縁性樹脂シートが有機溶剤を含有する場合、その含有量は、絶縁性樹脂シート作製時の取り扱い性、硬化前の形状、乾燥条件等に応じて適宜決定される。絶縁性樹脂シートが溶剤を含む場合、絶縁性樹脂シートの固形分濃度は95重量%以上であることが好ましく、98重量%以上であることがより好ましく、99重量%以上であることがさらに好ましい。
<放熱シート積層体の製造方法>
本発明の一形態は放熱シート積層体の製造方法であり、下記の(A)~(B)のステップを含む。
(A)ベースフィルムの片面に対して剥離剤処理するステップ。
(B)上記ベースフィルムの剥離剤処理されていない面に無機フィラーを含む絶縁性樹脂
シートを積層させるステップ。
上記(A)のステップでは、上述の<ベースフィルム>の項に記載されたベースフィルムの片面に対して、公知の剥離剤を使用して剥離剤処理を行う。剥離剤処理の方法は特に限定されず、公知の剥離剤処理の方法を用いることができる。
上記(B)のステップでは、上記のベースフィルムの剥離剤処理されていない面に無機フィラーを含む絶縁性樹脂シートを積層させる。積層させる方法は特に限定されないが、例えば、無機フィラーを含むスラリー状の樹脂組成物を、上記のベースフィルムの剥離剤処理されていない面に塗布して塗膜を形成する方法が挙げられる。
以下、無機フィラーを含むスラリー状の樹脂組成物を用いた、絶縁性樹脂シートの積層方法について説明する。
<無機フィラーを含むスラリー状の樹脂組成物を用いた絶縁性樹脂シートの積層方法>
無機フィラーを含むスラリー状の樹脂組成物を用いた絶縁性樹脂シートの積層方法は、上記の(A)及び下記の(B-1)のステップを含む。
(B-1)上記ベースフィルムの剥離剤処理されていない面に、無機フィラーを含むスラリー状の樹脂組成物を塗布し、乾燥させることで、絶縁性樹脂シートを積層させるステップ。
無機フィラーを含むスラリー状の樹脂組成物は、少なくとも、上述の<フィラー>の項に記載された無機フィラーと、上述の<樹脂>の項に記載された樹脂と、上述の<溶剤>の項に記載された溶剤と、を少なくとも含み、上述の<硬化剤>の項に記載された硬化剤をさらに含んでもよく、上述の<硬化促進剤>をさらに含んでもよい。
無機フィラーを含むスラリー状の樹脂組成物は、固形分濃度が10~90重量%であることが好ましく、40~80重量%であることが好ましい。スラリー状の樹脂組成物の固形分濃度を低く、溶剤の割合を高くすることで塗布後の膜の凹凸を抑えることができる。一方、固形分濃度を低く、溶剤の割合を高くした場合、剥離面処理を施した基材の表面にスラリーを塗布する際の溶剤によるハジキが特に発生しやすくなる。例えば固形分濃度が75重量%以下、さらに70重量%以下の場合、特にハジキが発生しやすく塗布が困難となる傾向にある。このような場合であっても、本発明のように接着力が高い面、すなわち剥離剤処理がされていない面にスラリーを塗布することでハジキの発生を抑制することができる。
無機フィラーを含むスラリー状の樹脂組成物を用いて、ディップ法、スピンコート法、スプレーコート法、ブレード法、その他の任意の方法でベースフィルムの剥離剤処理されていない面上に塗膜を形成する。スラリー状の樹脂組成物の塗布には、スピンコーター、スリットコーター、ダイコーター、ブレードコーターなどの塗布装置を用いることができる。このような塗布装置により、ベースフィルムの剥離剤処理されていない面上に所定の膜厚の塗膜を均一に形成することが可能である。
無機フィラーを含むスラリー状の樹脂組成物を塗布することにより形成された塗膜を、溶剤や低分子成分の除去のために、通常10~150℃、好ましくは25~140℃、より好ましくは30~130℃の温度で乾燥して、無機フィラーを含むシート状の樹脂組成物を得る。
乾燥温度が上記上限値以下であることで、無機フィラーを含むスラリー状の樹脂組成物中の樹脂の硬化が抑制され、その後の加圧工程でシート状の樹脂組成物中の樹脂が流動ししボイドを除去しやすくなる傾向にある。乾燥温度が上記下限値以上であることで、効果的に溶剤を取り除くことができ生産性が向上する傾向にある。
乾燥時間は、特に限定されず、無機フィラーを含むスラリー状の樹脂組成物の状態、乾燥環境等によって適宜調整することができる。乾燥時間は、好ましくは1分以上であり、より好ましくは2分以上、さらに好ましくは5分以上、よりさらに好ましくは10分以上である。乾燥時間は、好ましくは24時間以下であり、より好ましくは10時間以下であり、さらに好ましくは4時間以下であり、特に好ましくは2時間以下である。
乾燥時間が上記下限値以上であることで、十分に溶剤が除去でき、残留溶剤が樹脂硬化物内のボイドとなることを抑制できる傾向にある。乾燥時間が上記上限値以下であることで、生産性が向上し、製造コストを抑制できる傾向にある。
乾燥工程の後には、無機フィラー同士を接合させ熱伝導パスを形成する目的、シート内のボイドや空隙をなくす目的、ベースフィルムとの密着性を向上させる目的等から、得られたシート状の樹脂組成物に加圧工程を行うことが望ましい。
加圧工程は、ベースフィルム上の無機フィラーを含むシート状の樹脂組成物に2MPa以上の加重をかけて実施することが望ましい。加重は、好ましくは5MPa以上であり、より好ましくは7MPa以上であり、さらに好ましくは9MPa以上である。また、加重は、好ましくは1500MPa以下であり、より好ましくは1000MPa以下であり、さらに好ましくは800MPa以下である。
加圧時の加重を上記上限値以下とすることにより、無機フィラーの二次粒子が破壊することなく、シート状の樹脂硬化物中に空隙などがない高い熱伝導性を有する絶縁性樹脂シートを得ることができる。加重を上記下限値以上とすることにより、凝集無機フィラー間の接触が良好となり、熱伝導パスを形成しやすくなるため、高い熱伝導性を有する絶縁性樹脂シートを得ることができる。
加圧工程におけるベースフィルム上のシート状の樹脂組成物の加熱温度は特に限定されない。加熱温度は、好ましくは20℃以上であり、より好ましくは40℃以上、さらに好ましくは60℃以上である。加熱温度は、好ましくは200℃以下であり、より好ましくは150℃以下、さらに好ましくは120℃以下、特に好ましくは100℃以下である。
この温度範囲で加圧工程を行うことにより、シート状の樹脂組成物中の樹脂の溶融粘度を低下させることができ、絶縁性樹脂シート内のボイドや空隙をより低減することができる。また、上記上限値以下で加熱することで、シート状の樹脂組成物及び絶縁性樹脂シート中の有機成分の分解、残留溶剤により発生するボイドを抑制できる傾向にある。
加圧工程の時間は、特に限定されない。加圧工程の時間は、好ましくは30秒以上であり、より好ましくは1分以上、さらに好ましくは3分以上、特に好ましくは5分以上である。加圧工程の時間は、好ましくは1時間以下であり、より好ましくは30分以下、さらに好ましくは20分以下である。
加圧時間が上記上限値以下であることで、絶縁性樹脂シートの製造時間が抑制でき、生産コストを短縮できる傾向にある。加圧時間が上記下限値以上であることで、絶縁性樹脂シート内の空隙やボイドを十分に取り除くことができ、熱伝達性能や耐電圧特性を向上できる傾向にある。
以下、実施例及び比較例によって、本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例及び比較例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
[原材料]
実施例及び比較例で用いた原材料は以下の通りである。
<樹脂>
樹脂1:特開2006-176658号公報の実施例に開示されるエポキシ樹脂の製造方法に準拠して製造した、構造(2)(R=構造(4))及び構造(3)(R,R,R,R=メチル基)を有する特定エポキシ樹脂
ポリスチレン換算の重量平均分子量:30,000
エポキシ当量:9,000g/当量
樹脂2:ナガセケムテックス社製 一分子当たりグリシジル基を4個以上有する構造を含む多官能エポキシ樹脂
分子量:約400
樹脂3:三菱ケミカル社製 ビフェニル型固体エポキシ樹脂
樹脂4:三菱ケミカル社製 ビスフェノールA型液体エポキシ樹脂
樹脂5:三菱ケミカル社製 ビスフェノールF型高分子エポキシ樹脂 質量平均分子量約60,000
<フィラー>
フィラー1:国際公開第2015/119198号に開示される窒化ホウ素凝集粒子の製造方法に準拠して製造した、カードハウス構造を有する窒化ホウ素凝集粒子。
(平均粒子径(D50)45μm、最大粒子径(Dmax)90μm)
フィラー2:MOMENTIVE社製球状窒化ホウ素凝集粒子 PTX25
平均粒径25μm カードハウス構造ではない
フィラー3:アドマッテクス社製 球状アルミナ粒子
体積平均粒子径:6.5μm
熱伝導率:20~30W/m・K
フィラー4:昭和電工社製 球状アルミナ粒子
体積平均粒子径:(D50)約20μm
熱伝導率:20~30W/m・K
<硬化剤>
硬化剤1:明和化成社製 MEH-8000H
フェノール樹脂系硬化剤
<硬化促進剤>
硬化促進剤1:四国化成社製 2E4MZ-A
2,4-ジアミノ-6-[2’-エチル-4’-メチルイミダゾリル-(17’)]-エチル-s-トリアジン
(窒素原子を含有する複素環構造としてトリアジン環を有する化合物)
分子量:247
硬化促進剤2:四国化成社製 2PHZ-PW
2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール
硬化促進剤3:四国化成社製 2E4MZ
2-エチル-4-メチルイミダゾール
<PETフィルム>
PETフィルム1:三菱ケミカル社製 MRV38(V04)
JISZ0237:2009に準拠したテープ剥離強度試験において測定した結果、テープ剥離強度が弱い面は20mN/cm、強い面は2100mN/cmである。テープ剥離強度が弱い面は、シリコーン系の剥離剤処理がなされている。
<実施例1~2>
自転公転式撹拌装置を用いて、樹脂1~5、フィラー1~4、硬化剤1、硬化促進剤1~2を、表1に記載の通りに混合してスラリー状の樹脂組成物を調製した。上記スラリー状の樹脂組成物を調製する際、スラリーのうち、固形分濃度が62.8重量%となるように、メチルエチルケトンとシクロヘキサノンを各18.6重量%ずつ用いた。
得られたスラリー状の樹脂組成物をスリットダイから押し出して、PETフィルム1のテープ剥離強度の強い面をおもて面として、おもて面に塗布し、60℃で3分、100℃で3分、120℃で3分間加熱乾燥を行って放熱シート積層体を得た。
乾燥後の放熱シート積層体はロール状に巻き取り、4℃で24時間冷蔵保管した。保管後に巻き戻した所、PETフィルム1の裏側に絶縁性樹脂シートが貼りつくことはなかった。
この放熱シート積層体を所定の大きさにカットし、42℃、140MPaで10分間加圧を行い、厚さ150μmの放熱シート積層体を得た。
得られた放熱シート積層体を60×25mmにカットし、150×25mmで厚み0.5mmの銅板に、絶縁性樹脂シートが積層された面を対向させて貼り合わせた。100MPaの圧力で加圧し、120℃にて30分間、さらに175℃で30分間加熱してエポキシ樹脂を硬化させた。
<比較例1>
スラリー状の樹脂組成物を、PETフィルム1のテープ剥離強度が弱い面をおもて面として、おもて面に塗布した以外は実施例1~3と同様にして、放熱シート積層体を得た。塗布後は溶剤による弾きが発生し、端部の厚みが厚くなった。乾燥後の放熱シート積層体はロール状に巻き取り、4℃で24時間冷蔵保管した。保管後に巻き戻した所、PETフィルム1の裏側に絶縁性樹脂シートが貼りつき、シートに欠陥が生じた。
<比較例2>
スラリー状の樹脂組成物を、剥離剤処理されていないPETフィルム(三菱ケミカル製ポリエステルフィルムT100-188(テープ剥離強度はおもて面、裏面共に3300
mN/cm))に塗布した以外は実施例1~2と同様にして、放熱シート積層体を得た。
乾燥後の放熱シート積層体を重ねて4℃で24時間冷蔵保管した。保管後に重ねた面を剥がして観察した所、PETフィルムの裏側に絶縁性樹脂シートが貼りつき、シートに欠陥が生じた。
<シート剥離強度>
下記、剥離試験で得られた剥離強度をPETフィルムのおもて面の剥離強度とした。実施例1~2、比較例1~2で得られた硬化後の放熱シート積層体を用いて、JIS6854-1:1999に準拠し、PETフィルムと絶縁性樹脂シートの界面の破壊について角度90度にて剥離試験を実施した。引っ張り速度は50mm/minで4点測定し、剥離開始10mmから50mmまで剥離した部分の平均剥離強度をシート幅の25mmで除した値をおもて面の剥離強度とした。
また、実施例1~2と比較例1~2と同様の樹脂組成物を、実施例1~2と比較例1~2で用いたのと同じPETフィルムの反対側の面に同様の方法で塗布、乾燥、硬化して得られた積層体を用いて、上記おもて面の剥離強度と同様にして測定した値を裏面の剥離強度とした。おもて面と裏面の剥離強度の結果を表2に示す。
下記式(5)によって、放熱シート積層体のおもて面と裏面の強度比を算出し、結果を表2に示す。
強度比=おもて面の剥離強度/裏面の剥離強度・・・・式(5)
表2に記載の通り、ベースフィルムの剥離強度が強い面に樹脂組成物を塗布した実施例1~2は、塗布性が良好かつ、絶縁性樹脂シートの貼りつきも無く裏移りが見られなかった。
しかし、ベースフィルムの剥離強度が弱い面に樹脂組成物を塗布した比較例1は、溶剤による弾きが発生して端部の厚みが厚くなり、塗布性は良好ではなかった。また、上記の通り絶縁性樹脂シートが貼りつき裏移りが見られた。おもて面と裏面とで剥離強度が同じベースフィルムを使用した比較例2は、塗布性は良好であったものの、上記の通り絶縁性樹脂シートが貼りつき裏移りが見られた。

Claims (11)

  1. おもて面と裏面とを有し、該おもて面と該裏面との接着力が異なるベースフィルムと、
    フィラーを含む絶縁性樹脂シートと、を積層した放熱シート積層体であって、
    前記絶縁性樹脂シートが、前記ベースフィルムのおもて面と裏面とのうち接着力が強い面に積層されている、放熱シート積層体。
  2. 前記ベースフィルムのおもて面と裏面のうち、前記絶縁性樹脂シートが積層されている面の反対面が、剥離剤処理されている、請求項1に記載の放熱シート積層体。
  3. 前記ベースフィルムが、ポリエチレンテレフタレートを基材とするフィルムである、請求項1又は2に記載の放熱シート積層体。
  4. 前記ベースフィルムの厚みが5μm以上500μm以下である、請求項1又は2に記載の放熱シート積層体。
  5. 前記絶縁性樹脂シートが、エポキシ樹脂を含む、請求項1又は2に記載の放熱シート積層体。
  6. 前記絶縁性樹脂シートが、無機フィラーを含む、請求項1又は2に記載の放熱シート積層体。
  7. 前記絶縁性樹脂シートが、フィラーを30重量%以上含む、請求項1又は2に記載の放熱シート積層体。
  8. JIS K 6854-1:1999に準拠して測定される、前記絶縁性樹脂シートと前記ベースフィルムとの剥離力が、前記ベースフィルムの接着力が弱い面に前記絶縁性樹脂シートを積層させた場合の剥離力に対して3倍以上である、請求項1又は2に記載の放熱シート積層体。
  9. ベースフィルムの片面に対して剥離剤処理するステップ、及び前記ベースフィルムの剥離剤処理されていない面に無機フィラーを含む絶縁性樹脂シートを積層させるステップ、を含む、放熱シート積層体の製造方法。
  10. 前記絶縁性樹脂シートを積層させるステップは、無機フィラーを含むスラリー状の樹脂組成物を前記ベースフィルムに塗布し、乾燥させるステップである、請求項9に記載の放熱シート積層体の製造方法。
  11. 前記スラリー状の樹脂組成物の固形分濃度は、70重量%以下である、請求項10に記載の放熱シート積層体の製造方法。
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