JP6544427B2 - 熱硬化性樹脂組成物、硬化物、樹脂シート、封止構造体及びその製造方法、並びに、電子部品装置及びその製造方法 - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物、硬化物、樹脂シート、封止構造体及びその製造方法、並びに、電子部品装置及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、熱硬化性樹脂組成物、硬化物、樹脂シート、封止構造体及びその製造方法、並びに、電子部品装置及びその製造方法に関する。
近年増加しているスマートフォン、タブレットPC等の携帯電子機器では、軽薄短小化及び低価格化が著しい。このような携帯電子機器で使用される電子部品装置(半導体装置等)には、小型薄型化と共に低コスト化が求められている。
電子部品装置(半導体装置等)の小型薄型化及び低コスト化を実現するために、新たな実装方法が多々提案されている。例えば、半導体ウエハを個片化して作製した半導体素子を、適度な間隔を有するように再配置した後、コンプレッションモールド装置を用いて半導体素子を樹脂封止材(封止樹脂)で封止し、半導体素子の外側となる封止部分にも外部接続用の端子を設ける実装方法、及び、この実装方法により作製される半導体装置の開発が進められている。この実装方法では、パッケージ基板を必要としないことから半導体装置の薄型化が可能であり、半導体素子を再配置する数を増やし、一度に封止する面積を大きくすることで低コスト化も可能である(例えば、下記特許文献1〜4参照)。
電子機器で使用される半導体素子の封止は、例えば、液状又は固形の樹脂封止材を用いてモールド成形により行われるが、上述のような実装方法では、少量の樹脂封止材を均一かつ大面積に供給する必要がある。しかしながら、液状の樹脂封止材は粘性が高く、少量の樹脂封止材を均一かつ大面積に迅速に供給することが難しい。粉末状又は顆粒状の固形樹脂封止材は、前述の課題に加えて、樹脂封止材から生じる発塵による装置の汚染等が生じる場合がある。
特許第3616615号公報 特開2001−244372号公報 特開2001−127095号公報 米国特許出願公開第2007/205513号明細書
上述の方法の封止工程では、ステンレス、シリコン、ガラス等のキャリアに仮固定できるテープ等を用いて電子部品(半導体素子等)がキャリアに支持されている。その後、仮固定できるテープ等から電子部品が外されて、あたかも基板のように被封止体を用いて外部接続用の端子の作製が行われる。しかしながら、樹脂封止材の硬化物(成形物等)に対しては、取り扱い時、又は、封止後の工程において割れ等の不具合が生じる課題があり、特に、硬化物(成形物等)が薄くかつ大面積である場合にこのような不具合の発生が顕著である。
本発明は、前記事情を鑑みてなされたものであり、割れづらい硬化物を得ることが可能な熱硬化性樹脂組成物及びその硬化物を提供することを目的とする。また、本発明は、前記熱硬化性樹脂組成物を用いた樹脂シート、封止構造体及びその製造方法、並びに、電子部品装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、硬化物(成形物等)の割れ易さとフィラの充填量との関係を詳細に調べた。その結果、フィラの充填量が多くなるにしたがい割れ易くなることから、本発明者らは、硬化物(成形物等)中で、フィラ同士が樹脂を介さずに接触しているところを起点として割れが発生すると推定した。そこで、本発明者らは、フィラ同士を化学的に結合させることで、樹脂を介さずにフィラ同士が接触している部分でも割れの起点が生じなくなると考えた。本発明者らは、この着眼点のもとに鋭意検討した結果、熱硬化性樹脂組成物において、無機材料を含み、かつ、モノスルフィド基、マルチスルフィド基及びチオール基からなる群より選ばれる少なくとも1種を表面に有する第1の粒子と、不飽和二重結合を表面に有する第2の粒子とを併用することにより前記課題を解決できることを見出し、この知見に基づき本発明を完成するに至った。
本発明は、モノスルフィド基、マルチスルフィド基及びチオール基からなる群より選ばれる少なくとも1種を表面に有する第1の粒子と、不飽和二重結合を表面に有する第2の粒子と、を含有し、前記第1の粒子が無機材料を含む、熱硬化性樹脂組成物を提供する。
本発明に係る熱硬化性樹脂組成物によれば、割れづらい硬化物(成形物等)を得ることができる。第1の粒子のモノスルフィド基、マルチスルフィド基又はチオール基と、第2の粒子の不飽和二重結合とが反応することで、第2の粒子を介して第1の粒子同士が化学的に結合することにより、硬化物(成形物等)の割れが抑制されると考えられる。本発明に係る熱硬化性樹脂組成物によれば、被封止体の封止成形後における成形物の割れを抑制することができる。
前記第1の粒子は、モノスルフィド基、マルチスルフィド基及びチオール基からなる群より選ばれる少なくとも1種を有するシランカップリング剤に由来する構造を表面に有していてもよい。前記シランカップリング剤は、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドを含んでいてもよく、3−メルカプトプロピルトリエトキシシランを含んでいてもよい。前記無機材料は、シリカを含んでいてもよく、アルミナを含んでいてもよい。
前記第2の粒子は、不飽和二重結合を有する樹脂材料を含んでいてもよい。前記樹脂材料は、ブタジエン及びイソプレンからなる群より選ばれる少なくとも1種に由来する構造を有する化合物を含んでいてもよい。
前記第2の粒子は、無機材料を含むと共に、不飽和二重結合を有するシランカップリング剤に由来する構造を表面に有していてもよい。
前記第1の粒子の含有量は、前記第1の粒子及び前記第2の粒子の合計量を基準として50体積%以上であることが好ましい。
本発明に係る熱硬化性樹脂組成物は、エポキシ樹脂及び硬化剤を更に含有する態様、又は、エポキシ樹脂、硬化剤及び硬化促進剤を更に含有する態様であることが好ましい。25℃で液状であるエポキシ樹脂、及び、25℃で液状である硬化剤の含有量の合計は、前記エポキシ樹脂及び前記硬化剤の合計量を基準として30〜80質量%であることが好ましい。
樹脂封止材としては、フィルム状の絶縁材料を用いることができる。フィルム状の樹脂封止材は、フィルム厚みを調整することで少量の樹脂封止材を均一かつ大面積に供給することが可能であり、予めフィルム状の樹脂封止材を所望の寸法に裁断しておくことで迅速な供給も可能となる。このような観点から、本発明に係る熱硬化性樹脂組成物は、フィルム状であってもよい。フィルム状の熱硬化性樹脂組成物の厚みは、10〜1000μmであることが好ましい。フィルム状の熱硬化性樹脂組成物における有機溶剤の含有量は、0.2〜1.5質量%であることが好ましい。
本発明は、前記熱硬化性樹脂組成物の硬化物を提供する。
本発明は、支持体と、当該支持体上に配置された熱硬化性樹脂組成物層と、を備え、前記熱硬化性樹脂組成物層が前記熱硬化性樹脂組成物を含む、樹脂シートを提供する。
本発明は、被封止体と、当該被封止体の少なくとも一部を封止する封止部と、を備え、前記封止部が、前記熱硬化性樹脂組成物又はその硬化物を含む、封止構造体を提供する。本発明は、被封止体の少なくとも一部を封止する封止部を形成する工程を備え、前記封止部が、前記熱硬化性樹脂組成物又はその硬化物を含む、封止構造体の製造方法を提供する。
本発明は、前記熱硬化性樹脂組成物を加熱下で電子部品に押圧することにより、前記熱硬化性樹脂組成物に前記電子部品の少なくとも一部を埋め込む工程と、前記熱硬化性樹脂組成物を硬化させる工程と、をこの順に備える、電子部品装置の製造方法を提供する。本発明は、電子部品と、前記電子部品の少なくとも一部を封止する封止部と、を備え、前記封止部が、前記熱硬化性樹脂組成物又はその硬化物を含む、電子部品装置を提供する。本発明に係る電子部品装置及びその製造方法において前記電子部品は、半導体素子であってもよい。
本発明によれば、割れづらい硬化物を得ることが可能な熱硬化性樹脂組成物及びその硬化物を提供することができる。また、本発明によれば、前記熱硬化性樹脂組成物を用いた樹脂シート、封止構造体及びその製造方法、並びに、電子部品装置及びその製造方法を提供することができる。
本発明に係る熱硬化性樹脂組成物は、半導体素子(デバイス)の封止、プリント配線基板に配置された電子部品の埋め込み等に好適に用いることができる。さらに、本発明に係る熱硬化性樹脂組成物は、予め形成された銅配線等の埋め込み等に好適に用いることができる。また、本発明に係る熱硬化性樹脂組成物は、モールド成形に好適に用いることができることに加え、金型を必要としない成形方法(ラミネート、プレス等)にも好適に用いることができる。
本発明によれば、封止材としての熱硬化性樹脂組成物の応用を提供することができる。本発明によれば、電子部品の封止への熱硬化性樹脂組成物の応用を提供することができる。本発明によれば、半導体素子(デバイス)の封止への熱硬化性樹脂組成物の応用を提供することができる。本発明によれば、予め形成した銅配線等の埋め込みへの熱硬化性樹脂組成物の応用を提供することができる。本発明によれば、プリント配線基板に配置された電子部品の埋め込みへの熱硬化性樹脂組成物の応用を提供することができる。本発明によれば、モールド成形への熱硬化性樹脂組成物の応用を提供することができる。本発明によれば、金型を必要としない成形方法(ラミネート、プレス等)への熱硬化性樹脂組成物の応用を提供することができる。
割れを抑制する効果を説明するための図である。 割れを抑制する効果を説明するための図である。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。
なお、本明細書において、「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。本明細書に段階的に記載されている数値範囲において、ある段階の数値範囲の上限値又は下限値は、他の段階の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。本明細書に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。また、組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
本明細書において、「25℃で液状である化合物」(例えば、25℃で液状である熱硬化性樹脂(エポキシ樹脂等)、及び、25℃で液状である硬化剤)とは、E型粘度計で測定した25℃における粘度が400Pa・s以下である化合物を指す。
<熱硬化性樹脂組成物及び硬化物>
本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物は、(A)無機材料を含み、かつ、モノスルフィド基(モノスルフィド結合)、マルチスルフィド基(マルチスルフィド結合)及びチオール基(チオール結合)からなる群より選ばれる少なくとも1種(スルフィド構造及びチオール構造)を表面に有する第1の粒子(以下、場合により「(A)成分」)と、(B)不飽和二重結合を表面に有する第2の粒子(以下、場合により「(B)成分」という)と、を必須成分として含有する。本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物は、液状であってもよく、フィルム状であってもよい。本実施形態に係る硬化物は、本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物の硬化物である。
本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物(例えば、エポキシ樹脂を含有するエポキシ樹脂組成物)は、前記構成を有することにより、硬化後(成形後等)の割れを抑制できると共に、被封止体(半導体素子等の電子部品など)を良好に埋め込むことができる。
本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物の硬化物(成形物等)の割れ易さは、熱硬化性樹脂組成物を用いて作製した樹脂片の曲げ試験により定量的に評価できる。曲げ試験で得られる破断エネルギが大きいほど割れづらい。
硬化後の割れを抑制できる理由については明確ではないが、本発明者らは、一因として、下記の理由に起因して硬化後の割れが抑制されていると推測している。すなわち、従来の熱硬化性樹脂組成物では、図1(a)に示すように、硬化時の硬化収縮、硬化後の取り扱い時の負荷等により、フィラFと樹脂Rとの間に亀裂Cが入る場合がある。一方、本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物では、図1(b)に示すように、(A)成分である粒子Aが、(B)成分である粒子Bを介して結合することにより、樹脂R中において強固な架橋構造が形成される。これにより、強靭な硬化物を得ることが可能であることから、硬化時の硬化収縮、硬化後の取り扱い時の負荷等により亀裂が発生することが抑制される。
粒子Aと粒子Bとは、モノスルフィド基、マルチスルフィド基又はチオール基の硫黄原子を介して結合する。例えば、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドを用いた場合、図2(a)に示すように、テトラスルフィド基を含む構造が粒子Aの表面に形成される。そして、熱硬化時等において、図2(b)に示すように、粒子Aのテトラスルフィド基が開裂すると共に、硫黄原子と粒子Bの不飽和二重結合とが反応することにより、硫黄原子を介して粒子Aと粒子Bとが結合して架橋構造が形成される。
本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物は、(A)成分として、無機材料を含む第1の粒子を含有する。(A)成分は、モノスルフィド基、マルチスルフィド基及びチオール基からなる群より選ばれる少なくとも1種を表面に有する。マルチスルフィド基としては、ジスルフィド基(ジスルフィド結合)、トリスルフィド基(トリスルフィド結合)、テトラスルフィド基(テトラスルフィド結合)、その他のポリスルフィド基(ポリスルフィド結合)等が挙げられる。
無機材料を含む粒子(以下、「無機粒子」という)としては、従来公知の無機粒子が使用でき、特に限定されない。無機粒子の構成材料としては、硫酸バリウム、チタン酸バリウム、酸化ケイ素(シリカ)、タルク、クレー、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム(アルミナ)、水酸化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化アルミニウム等が挙げられる。無機粒子の構成材料としては、比較的小さい熱膨張率を有するために硬化物(硬化膜等)の所望の物性が得られ易い観点から、シリカが好ましい。シリカを含む無機粒子(シリカ粒子)としては、無定形シリカ、結晶性シリカ、溶融シリカ、球状シリカ等が挙げられる。無機粒子の構成材料としては、放熱性に優れる観点から、アルミナが好ましい。アルミナは、高い熱伝導率を有すると共に、小さい熱膨張率を有する。(A)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(A)成分中の無機材料の含有量は、50質量%以上であってもよく、90質量%以上であってもよく、95質量%以上であってもよく、98質量%以上であってもよく、99質量%以上であってもよい。
(A)成分としては、(B)成分の不飽和二重結合と反応して架橋構造を形成し易い観点から、モノスルフィド基、マルチスルフィド基及びチオール基からなる群より選ばれる少なくとも1種を有するシランカップリング剤で処理された無機粒子を用いることができる。すなわち、(A)成分は、モノスルフィド基、マルチスルフィド基及びチオール基からなる群より選ばれる少なくとも1種を有するシランカップリング剤に由来する構造を表面に有することができる。シランカップリング剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
スルフィド基(モノスルフィド基及びマルチスルフィド基からなる群より選ばれる少なくとも1種)を有するシランカップリング剤としては、スルフィド基を有する従来公知のシランカップリング剤を使用でき、特に限定されない。スルフィド基を有するシランカップリング剤としては、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3−オクタノイルチオ−1−プロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。スルフィド基を有するシランカップリング剤としては、市販品を用いてもよい。スルフィド基を有するシランカップリング剤の市販品としては、信越化学工業株式会社製の製品名「KBE−846」(ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、(CO)SiCSi(OC)、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製の製品名「A−LINK599」(3−オクタノイルチオ−1−プロピルトリエトキシシラン、CH(CHC(=O)SCHCHCHSi(OCHCH))等が挙げられる。
チオール基を有するシランカップリング剤としては、チオール基を有する従来公知のシランカップリング剤を使用でき、特に限定されない。チオール基を有するシランカップリング剤としては、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。チオール基を有するシランカップリング剤としては、市販品を用いてもよい。チオール基を有するシランカップリング剤の市販品としては、東レ・ダウコーニング株式会社製の製品名「Z−6920」(3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、HS(CHSi(OCHCH)等が挙げられる。
(A)成分の平均粒子径は、(A)成分の凝集が容易に抑制されて充分な分散が容易である観点、及び、熱硬化性樹脂組成物(例えば、フィルム状熱硬化性樹脂組成物)の作製においてワニス中での粒子の沈降が容易に抑制される観点から、下記の範囲であることが好ましい。(A)成分の平均粒子径の下限は、熱硬化性樹脂組成物(例えば、フィルム状熱硬化性樹脂組成物)の成形時の粘度が高くなることに起因する成形不良を抑制し易い観点から、好ましくは0.01μm以上であり、より好ましくは0.1μm以上であり、更に好ましくは0.3μm以上であり、特に好ましくは1μm以上であり、極めて好ましくは3μm以上である。(A)成分の平均粒子径の上限は、薄型の封止が容易である観点から、好ましくは50μm以下であり、より好ましくは25μm以下であり、更に好ましくは10μm以下であり、特に好ましくは7μm以下であり、極めて好ましくは5μm以下である。これらの観点から、(A)成分の平均粒子径は、好ましくは0.01〜50μmであり、より好ましくは0.1〜25μmであり、更に好ましくは0.3〜10μmであり、特に好ましくは1〜7μmであり、極めて好ましくは3〜5μmである。(A)成分の平均粒子径は、例えば、レーザー回折式等の粒度分布計により測定することができる。
(A)成分の含有量は、被封止体(半導体素子等の電子部品など)と封止部との熱膨張率の差によって封止構造体(半導体装置等の電子部品装置など)の反りが大きくなることを容易に防止できる観点、並びに、熱硬化性樹脂組成物(例えば、フィルム状エポキシ樹脂組成物等のフィルム状熱硬化性樹脂組成物)の作製の際に乾燥工程において割れが生じること、及び、熱硬化性樹脂組成物(例えば、フィルム状熱硬化性樹脂組成物)の溶融粘度の上昇により被封止体が充分に封止できなくなることを容易に抑制できる観点から、熱硬化性樹脂組成物の全量(溶剤を除く。溶剤を除く液状成分を含む全量)を基準として、下記の範囲であることが好ましい。(A)成分の含有量の下限は、好ましくは40質量%以上であり、より好ましくは50質量%以上であり、更に好ましくは60質量%以上であり、特に好ましくは70質量%以上である。(A)成分の含有量の上限は、好ましくは95質量%以下であり、より好ましくは90質量%以下であり、更に好ましくは85質量%以下である。これらの観点から、(A)成分の含有量は、好ましくは40〜95質量%以上であり、より好ましくは50〜95質量%であり、更に好ましくは60〜95質量%であり、特に好ましくは60〜90質量%であり、極めて好ましくは70〜90質量%であり、非常に好ましくは70〜85質量%である。
ところで、フィラの充填量を少なくすることで、硬化物の割れが低減される傾向にあるものの、熱硬化性樹脂組成物(例えば、フィルム状熱硬化性樹脂組成物)の熱膨張率又は硬化収縮が低減する場合がある。一方、本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物によれば、フィラ((A)成分)の充填量を低減させることなく、熱膨張率及び硬化収縮の低下を抑制しつつ硬化物の割れを抑制することができる。
(A)成分の含有量の下限は、(B)成分を介した化学結合が容易に得られることによって硬化物の割れが更に抑制される観点から、(A)成分及び(B)成分の合計量((A)成分及び(B)成分の総計100体積%)を基準として、好ましくは30体積%以上であり、より好ましくは40体積%以上であり、更に好ましくは50体積%以上である。(A)成分の含有量の上限は、(B)成分を介した化学結合が容易に得られることによって硬化物の割れが更に抑制される観点から、(A)成分及び(B)成分の合計量を基準として、好ましくは100体積%未満であり、より好ましくは99体積%以下であり、更に好ましくは95体積%以下であり、特に好ましくは90体積%以下であり、極めて好ましくは80体積%以下であり、非常に好ましくは70体積%以下であり、より一層好ましくは60体積%以下であり、更に好ましくは55体積%以下である。
本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物は、(B)成分として、不飽和二重結合(不飽和二重結合構造)を表面に有する第2の粒子を含有する。(B)成分は、表面(最外層)に加えて、粒子内部に不飽和二重結合を有していてもよい。(B)成分は、不飽和二重結合を有するシランカップリング剤による表面改質により得られる粒子(不飽和二重結合を有するシランカップリング剤に由来する構造を有する粒子)であってもよく、コア粒子(例えば、無機材料を含む粒子)と、不飽和二重結合を有する樹脂を含むシェル部(被覆部)とを有するコアシェル構造を備えていてもよい。
(B)成分としては、従来公知の粒子が使用でき、特に限定されない。(B)成分の構成材料としては、不飽和二重結合を有する材料(樹脂材料等)を用いてもよく、不飽和二重結合を有さない材料を用いてもよい。不飽和二重結合を有さない材料を用いる場合、不飽和二重結合を有するシランカップリング剤を用いることにより不飽和二重結合を導入することができる。(B)成分は、無機材料を含むと共に、不飽和二重結合を有するシランカップリング剤に由来する構造を表面に有する態様であってもよい。
(B)成分の構成材料としては、有機材料、無機材料等が挙げられる。有機材料としては、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、イソプレンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム等の樹脂材料などが挙げられる。無機材料としては、硫酸バリウム、チタン酸バリウム、酸化ケイ素(シリカ)、タルク、クレー、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム(アルミナ)、水酸化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化アルミニウム等が挙げられる。(B)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
樹脂材料(ゴム等)は柔軟性を有することから、(B)成分として樹脂材料を用いる場合、硬化収縮によって発生する内部応力が緩和される((B)成分に吸収される)ことにより、硬化後の割れを更に抑制することができる。(B)成分は、硬化後の割れが更に抑制される観点から、不飽和二重結合を有する樹脂材料として、ブタジエン及びイソプレンからなる群より選ばれる少なくとも1種に由来する構造を有する化合物を含んでいてもよい。
不飽和二重結合を有するシランカップリング剤としては、特に限定されず、不飽和二重結合を有する従来公知のシランカップリング剤を用いることができる。不飽和二重結合を有するシランカップリング剤としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。不飽和二重結合を有するシランカップリング剤としては、市販品を用いてもよい。不飽和二重結合を有するシランカップリング剤の市販品としては、信越化学工業株式会社製の商品名「KBM−1003」(ビニルトリメトキシシラン、(CHO)SiCH=CH)、「KBE−1003」(ビニルトリエトキシシラン、(CO)SiCH=CH)、「KBM−1403」(p−スチリルトリメトキシシラン、(CHO)Si(C)CH=CH)、「KBM−502」(3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、(CHO)Si(CH)COC(=O)C(CH)=CH」)等が挙げられる。シランカップリング剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(B)成分の平均粒子径は、(B)成分の凝集が容易に抑制されて充分な分散が容易である観点、及び、熱硬化性樹脂組成物(例えば、フィルム状熱硬化性樹脂組成物)の作製においてワニス中での粒子の沈降が容易に抑制される観点から、下記の範囲であることが好ましい。(B)成分の平均粒子径の下限は、好ましくは0.01μm以上であり、より好ましくは0.1μm以上であり、更に好ましくは0.3μm以上であり、特に好ましくは0.4μm以上であり、極めて好ましくは0.5μm以上である。(B)成分の平均粒子径の上限は、好ましくは50μm以下であり、より好ましくは25μm以下であり、更に好ましくは10μm以下であり、特に好ましくは6μm以下であり、極めて好ましくは3μm以下であり、非常に好ましくは1μm以下である。これらの観点から、(B)成分の平均粒子径は、好ましくは0.01〜50μmであり、より好ましくは0.1〜25μmであり、更に好ましくは0.3〜10μmであり、特に好ましくは0.4〜6μmであり、極めて好ましくは0.5〜3μmであり、非常に好ましくは0.5〜1μmである。(B)成分の平均粒子径は、例えば、レーザー回折式等の粒度分布計により測定することができる。
樹脂組成物の熱膨張率を下げる観点から、(B)成分が有機材料を含む場合、(B)成分の平均粒子径が(A)成分の平均粒子径よりも小さい((A)成分の平均粒子径>(B)成分の平均粒子径)ことが好ましい。一般に、有機材料を含む粒子は、高い柔軟性を有する。このように柔軟性の高い粒子は熱膨張率が高いため、粒子径の関係が「(A)成分の平均粒子径>(B)成分の平均粒子径」であることで、(A)成分の間において(B)成分が内部応力を緩和し易いことから、樹脂組成物の熱膨張率を下げることができる。
(B)成分の含有量は、ガラス転移温度が高く保持され易い観点、及び、熱硬化性樹脂組成物の溶融粘度の上昇により被封止体が充分に封止できなくなることを容易に抑制する観点から、熱硬化性樹脂組成物の全量(溶剤を除く。溶剤を除く液状成分を含む全量)を基準として、下記の範囲であることが好ましい。(B)成分の含有量の下限は、好ましくは0.1質量%以上であり、より好ましくは0.3質量%以上であり、更に好ましくは0.5質量%以上であり、特に好ましくは1質量%以上である。(B)成分の含有量の上限は、好ましくは30質量%以下であり、より好ましくは20質量%以下である。これらの観点から、(B)成分の含有量は、好ましくは0.1質量%以上であり、より好ましくは0.1〜30質量%であり、更に好ましくは0.3〜30質量%であり、特に好ましくは0.5〜30質量%であり、極めて好ましくは0.5〜20質量%であり、非常に好ましくは1〜20質量%である。
本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物は、(C)熱硬化性樹脂(以下、場合により「(C)成分」という)を含有することができる。本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物において、硬化後(成形後等)に割れづらい硬化物(成形物等)を得るためには、(A)成分と(B)成分とを併用すればよく、熱硬化性樹脂の種類は限定されない。
熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和イミド樹脂、シアネート樹脂、イソシアネート樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、オキセタン樹脂、アミノ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アリル樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂、シリコーン樹脂、トリアジン樹脂及びメラミン樹脂が挙げられる。熱硬化性樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
熱硬化性樹脂としては、諸特性のバランスに優れる観点から、エポキシ樹脂を好ましく用いることができる。エポキシ樹脂としては、特に限定されるものではないが、1分子中に2個以上のグリシジル基を有する樹脂が好ましい。エポキシ樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAP型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、ビスフェノールB型エポキシ樹脂、ビスフェノールBP型エポキシ樹脂、ビスフェノールC型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールG型エポキシ樹脂、ビスフェノールM型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールP型エポキシ樹脂、ビスフェノールPH型エポキシ樹脂、ビスフェノールTMC型エポキシ樹脂、ビスフェノールZ型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂(ヘキサンジオールビスフェノールSジグリシジルエーテル等)、ノボラック型エポキシ樹脂(クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂等)、ビフェニル型エポキシ樹脂(ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂等)、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(ジシクロペンタジエンアラルキル型エポキシ樹脂等)、ビキシレノール型エポキシ樹脂(ビキシレノールジグリシジルエーテル等)、複素環式エポキシ樹脂(トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート等)、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂(水添ビスフェノールAグリシジルエーテル等)、これらの二塩基酸変性ジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;脂肪族エポキシ樹脂;フェノール類と、フェノール性水酸基を有する芳香族アルデヒドとの縮合物のエポキシ化物などが挙げられる。
エポキシ樹脂としては、市販品を用いることができる。市販のエポキシ樹脂としては、DIC株式会社製EXA4700(4官能ナフタレン型エポキシ樹脂)及びエピクロンHP−4032;日本化薬株式会社製NC−7000(ナフタレン骨格含有多官能固形エポキシ樹脂)等のナフタレン型エポキシ樹脂;日本化薬株式会社製EPPN−502H(トリスフェノールエポキシ樹脂)等の、フェノール類と、フェノール性水酸基を有する芳香族アルデヒドとの縮合物のエポキシ化物(トリスフェノール型エポキシ樹脂);DIC株式会社製エピクロンHP−7200H(ジシクロペンタジエン骨格含有多官能固形エポキシ樹脂)等のジシクロペンタジエンアラルキル型エポキシ樹脂;日本化薬株式会社製NC−3000H(ビフェニル骨格含有多官能固形エポキシ樹脂)等のビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂;DIC株式会社製エピクロンN660及びエピクロンN690、日本化薬株式会社製EOCN−104S等のクレゾールノボラック型エポキシ樹脂;日産化学工業株式会社製TEPIC等のトリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート;DIC株式会社製エピクロン860、エピクロン900−IM、エピクロンEXA−4816及びエピクロンEXA−4822、旭チバ株式会社製アラルダイトAER280、東都化成株式会社製(新日鉄住金化学株式会社)製エポトートYD−134、三菱化学株式会社製JER834及びJER872、住友化学株式会社製ELA−134、ジャパンエポキシレジン株式会社(三菱化学株式会社)製エピコート807、815、825、827、828、834、1001、1004、1007及び1009、ダウケミカル社製DER−330、301及び361、並びに、東都化成株式会社(新日鉄住金化学株式会社)製YD8125及びYDF8170等のビスフェノールA型エポキシ樹脂;三菱化学株式会社製JER806等のビスフェノールF型エポキシ樹脂;DIC株式会社製エピクロンN−740等のフェノールノボラック型エポキシ樹脂;ナガセケムテックス株式会社製ナデコールDLC301等の脂肪族エポキシ樹脂などが挙げられる。これらのエポキシ樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
25℃で液状であるエポキシ樹脂としては、1分子中に2個以上のグリシジル基を有する樹脂が好ましく、ビスフェノール骨格を含む樹脂がより好ましく、ビスフェノールA、ビスフェノールB、ビスフェノールC、ビスフェノールE、ビスフェノールF、ビスフェノールG又はビスフェノールZ骨格を含む樹脂が更に好ましい。25℃で液状のエポキシ樹脂は、低分子量である場合が多く、エポキシ樹脂がフェノール骨格を有さない場合には耐熱性の観点では不利となる傾向にあるが、前記エポキシ樹脂は、熱安定性に優れるフェノール骨格を含むことから良好な耐熱性を得ることができる。
熱硬化性樹脂(エポキシ樹脂等)の含有量は、硬化物(硬化膜等)の物性に優れる観点から、熱硬化性樹脂組成物(エポキシ樹脂組成物等)の全量を基準として、下記の範囲であることが好ましい。熱硬化性樹脂の含有量の下限は、好ましくは3質量%以上であり、より好ましくは4質量%以上であり、更に好ましくは5質量%以上であり、特に好ましくは7質量%以上であり、極めて好ましくは10質量%以上である。熱硬化性樹脂の含有量の上限は、好ましくは30質量%以下であり、より好ましくは25質量%以下であり、更に好ましくは20質量%以下であり、特に好ましくは15質量%以下である。これらの観点から、熱硬化性樹脂の含有量は、好ましくは3〜30質量%であり、より好ましくは4〜25質量%であり、更に好ましくは5〜20質量%であり、特に好ましくは7〜15質量%であり、極めて好ましくは10〜15質量%である。
熱硬化性樹脂は、必要により、(D)硬化剤((A)〜(C)成分に該当する化合物を除く。以下、場合により「(D)成分」という)及び/又は(E)硬化促進剤((A)〜(D)成分に該当する化合物を除く。以下、場合により「(E)成分」という)と組み合わせて用いることができる。本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物は、(A)成分、(B)成分、(C)成分及び(D)成分を含有する熱硬化性樹脂組成物、又は、(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分及び(E)成分を含有する熱硬化性樹脂組成物であることが好ましく、(A)成分、(B)成分、エポキシ樹脂及び(D)成分を含有するエポキシ樹脂組成物、又は、(A)成分、(B)成分、エポキシ樹脂、(D)成分及び(E)成分を含有するエポキシ樹脂組成物であることがより好ましい。
(C)成分及び(D)成分のうち少なくとも一方は、25℃で液状である化合物を含むことができる。本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物において、25℃で液状である熱硬化性樹脂、及び、25℃で液状である硬化剤の含有量の合計の下限は、熱硬化性樹脂及び硬化剤の合計量(総質量)を基準として、熱硬化性樹脂組成物の充分なタックが得られ易いことからフィルム形成性に優れる観点から、好ましくは30質量%以上であり、より好ましくは40質量%以上であり、更に好ましくは50質量%以上である。前記含有量の合計の上限は、熱硬化性樹脂及び硬化剤の合計量を基準として、ガラス転移温度に優れる観点から、好ましくは80質量%以下であり、より好ましくは70質量%以下であり、更に好ましくは60質量%以下である。これらの観点から、前記含有量の合計は、熱硬化性樹脂及び硬化剤の合計量を基準として、好ましくは30〜80質量%であり、より好ましくは40〜70質量%であり、更に好ましくは50〜60質量%である。
エポキシ樹脂及び硬化剤のうち少なくとも一方は、25℃で液状である化合物を含むことができる。本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物において、25℃で液状であるエポキシ樹脂、及び、25℃で液状である硬化剤の含有量の合計の下限は、エポキシ樹脂及び硬化剤の合計量(総質量)を基準として、熱硬化性樹脂組成物の充分なタックが得られ易いことからフィルム形成性に優れる観点から、好ましくは30質量%以上であり、より好ましくは40質量%以上であり、更に好ましくは50質量%以上である。前記含有量の合計の上限は、エポキシ樹脂及び硬化剤の合計量を基準として、ガラス転移温度に優れる観点から、好ましくは80質量%以下であり、より好ましくは70質量%以下であり、更に好ましくは60質量%以下である。これらの観点から、前記含有量の合計は、エポキシ樹脂及び硬化剤の合計量を基準として、好ましくは30〜80質量%であり、より好ましくは40〜70質量%であり、更に好ましくは50〜60質量%である。
(D)成分である硬化剤としては、特に限定されるものではないが、グリシジル基との反応基を1分子中に2個以上有する化合物が好ましい。(D)成分としては、例えば、フェノール樹脂、酸無水物、イミダゾール化合物、脂肪族アミン及び脂環族アミンが挙げられる。(D)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
フェノール樹脂としては、1分子中に2個以上のフェノール性水酸基を有する樹脂であれば、特に制限されるものではなく、公知のフェノール樹脂を用いることができる。フェノール樹脂としては、フェノール類又はナフトール類と、アルデヒド類とを酸性触媒下で縮合あるいは共縮合させて得られる樹脂、ビフェニル骨格型フェノール樹脂、パラキシリレン変性フェノール樹脂、メタキシリレン・パラキシリレン変性フェノール樹脂、メラミン変性フェノール樹脂、テルペン変性フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂、シクロペンタジエン変性フェノール樹脂、多環芳香環変性フェノール樹脂、キシリレン変性ナフトール樹脂等が挙げられる。前記フェノール類としては、フェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシノール、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF等が挙げられる。ナフトール類としては、α−ナフトール、β−ナフトール、ジヒドロキシナフタレン等が挙げられる。アルデヒド類としては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド等が挙げられる。フェノール樹脂としては、例えばフェノールノボラック樹脂を用いることができる。
硬化剤としては、市販品を用いることができる。市販のフェノール樹脂としては、DIC株式会社製フェノライトLF2882、フェノライトLF2822、フェノライトTD−2090、フェノライトTD−2149、フェノライトVH−4150及びフェノライトVH4170;旭有機材工業株式会社製PAPS−PN2(分子量分布集約型フェノールノボラック樹脂);三井化学株式会社製XLC−LL及びXLC−4L;新日鉄住金化学株式会社製SN−100、SN−180、SN−300、SN−395及びSN−400;本州化学工業株式会社製TrisP−HAP、TrisP−PA、TriP−PHBA、CyRS−PRD4及びMTPC;エア・ウォーター株式会社製SKレジンHE910−10等が挙げられる。
25℃で液状である硬化剤としては、グリシジル基と反応する官能基を1分子中に2個以上有する化合物が好ましく、例えば、フェノール樹脂、酸無水物、イミダゾール化合物、脂肪族アミン及び脂環族アミンが挙げられる。これらの硬化剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
25℃で液状であるフェノール樹脂としては、ビスフェノール骨格を含む樹脂が好ましく、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD及びビスフェノールS等のビスフェノール類;4,4’−ジヒドロキシビフェニル等のジヒドロキシビフェニル類;ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル等のジヒドロキシフェニルエーテル類;これらのフェノール骨格の芳香環に直鎖アルキル基、分岐アルキル基、アリール基、ヒドロキシアルキル基、アリル基、環状脂肪族基等を導入した樹脂;前記ビスフェノール骨格の中央にある炭素原子に直鎖アルキル基、分岐アルキル基、アリル基、置換基の結合したアリル基、環状脂肪族基、又は、アルコキシカルボニル基等を導入した多環二官能フェノール類が挙げられる。
(D)成分の含有量は、未反応の(C)成分又は(D)成分が残存することに起因して硬化物(硬化膜等)の所望の物性が得られにくくなることを容易に防止する観点から、(C)成分(エポキシ樹脂等)100質量部に対して下記の範囲であることが好ましい。(D)成分の含有量は、好ましくは50質量部以上であり、より好ましくは75質量部以上であり、更に好ましくは100質量部以上である。(D)成分の含有量は、好ましくは200質量部以下であり、より好ましくは150質量部以下であり、更に好ましくは125質量部以下である。これらの観点から、(D)成分の含有量は、好ましくは50〜200質量部であり、より好ましくは75〜150質量部であり、更に好ましくは100〜125質量部である。
エポキシ樹脂のグリシジル基の当量と、(D)成分におけるグリシジル基と反応する官能基の当量との比([エポキシ樹脂のグリシジル基の当量]/[硬化剤におけるグリシジル基と反応する官能基の当量])は、未反応のエポキシ樹脂又は(D)成分が残存することに起因して硬化物(硬化膜等)の所望の物性が得られにくくなることを容易に防止する観点から、下記の範囲であることが好ましい。前記当量比の下限は、好ましくは0.7以上であり、より好ましくは0.8以上であり、更に好ましくは0.9以上である。前記当量比の上限は、好ましくは2.0以下であり、より好ましくは1.8以下であり、更に好ましくは1.7以下である。これらの観点から、前記当量比は、好ましくは0.7〜2.0であり、より好ましくは0.8〜1.8であり、更に好ましくは0.9〜1.7である。
(E)成分である硬化促進剤としては、特に制限されるものではないが、アミン系、イミダゾール系、尿素系又はリン系の硬化触媒が好ましい。アミン系の硬化触媒としては、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−5等が挙げられる。イミダゾール系の硬化触媒としては、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール等が挙げられる。尿素系の硬化触媒としては、3−フェニル−1,1−ジメチルウレア等が挙げられる。リン系の硬化触媒としては、トリフェニルホスフィン及びその付加反応物、(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルホスフィン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルホスフィン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)ホスフィン等が挙げられる。これらの中でも、特に、イミダゾール系の硬化促進剤は、誘導体が豊富であり、所望の活性温度を得易いことから好ましい。イミダゾール系の硬化促進剤としては、例えば、四国化成工業株式会社製の2PHZ−PW及び2P4MZ等の市販品が挙げられる。
(E)成分の含有量は、充分な硬化促進効果を容易に得ることができる観点、熱硬化性樹脂組成物(例えば、フィルム状エポキシ樹脂組成物等のフィルム状熱硬化性樹脂組成物)を作製する際の工程、又は、熱硬化性樹脂組成物(例えば、フィルム状エポキシ樹脂組成物等のフィルム状熱硬化性樹脂組成物)の保管中に、硬化が進行することを容易に抑制することができ、熱硬化性樹脂組成物(例えば、フィルム状エポキシ樹脂組成物等のフィルム状熱硬化性樹脂組成物)の割れ及び溶融粘度の上昇に伴う成形不良を容易に防止することができる観点から、(C)成分(エポキシ樹脂等)及び(D)成分の合計量(合計の質量)を基準として、下記の範囲であることが好ましい。(E)成分の含有量は、好ましくは0.01質量%以上であり、より好ましくは0.1質量%以上であり、更に好ましくは0.2質量%以上である。(E)成分の含有量は、好ましくは5質量%以下であり、より好ましくは3質量%以下であり、更に好ましくは1.5質量%以下であり、特に好ましくは1質量%以下であり、極めて好ましくは0.5質量%以下である。これらの観点から、(E)成分の含有量は、好ましくは0.01〜5質量%であり、より好ましくは0.1〜3質量%であり、更に好ましくは0.2〜1.5質量%であり、特に好ましくは0.2〜1質量%であり、極めて好ましくは0.2〜0.5質量%である。
本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物は、他の添加剤((A)成分〜(E)成分に該当する化合物を除く)を更に含有していてもよい。このような添加剤としては、加硫促進剤、加硫遅延剤(スコーチ防止剤)、顔料、染料、離型剤、酸化防止剤、応力緩和剤、カップリング剤、表面張力調整剤、イオン交換体、着色剤、難燃剤等を挙げることができる。加硫促進剤としては、チアゾール類、チオウレア類、チウラム類、ジチオカルバミン酸類、グアニジン類等を用いることができる。加硫遅延剤としては、チオフタルイミド類等を用いることができる。加硫促進剤又は加硫遅延剤を用いることにより、(A)成分と(B)成分との反応を調整することができる。但し、添加剤はこれらに限定されるものではなく、本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物は、必要に応じて当技術分野で周知の各種添加剤を含有していてもよい。
<フィルム状熱硬化性樹脂組成物及び樹脂シート>
本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物又はその硬化物は、フィルム状(フィルム状熱硬化性樹脂組成物又はその硬化物)であってもよい。本実施形態に係るフィルム状熱硬化性樹脂組成物は、本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物又はその硬化物を含んでいる。本実施形態に係るフィルム状熱硬化性樹脂組成物は、モールド成形による封止、金型を必要としない成形方法(ラミネート、プレス等)による封止などに用いることができる。
本実施形態に係るフィルム状熱硬化性樹脂組成物によれば、被封止体が大型化した場合であっても、液状又は固形(顆粒、粉体等)の樹脂封止材と比較して、被封止体上へ樹脂封止材(封止樹脂)を均一に供給することが可能であり、被封止体を容易に良好に封止することができる。また、顆粒又は粉体である樹脂封止材を用いた場合には、樹脂封止材が発塵源となり、装置又はクリーンルームが汚染されることがあるのに対し、本実施形態に係るフィルム状熱硬化性樹脂組成物によれば、発塵の問題を低減しつつ封止成形物を大型化することができる。
モールド成形では、樹脂封止材(封止樹脂)を金型内で成形するため、封止成形物を大型化するには、金型の大型化が必要となる。金型の大型化は、高い金型精度が求められることから技術面での難易度が上がると共に、金型の製造コストが大幅に増加する場合がある。これに対し、本実施形態に係るフィルム状熱硬化性樹脂組成物は、従来の封止成形方法であるモールド成形のみならず、金型を必要としない成形方法(ラミネート、プレス等)にも好適に用いることができる。
本実施形態に係るフィルム状熱硬化性樹脂組成物の厚みは、フィルム状熱硬化性樹脂組成物(フィルム状エポキシ樹脂組成物等)が割れることを防ぎ易い観点から、好ましくは10μm以上であり、より好ましくは25μm以上であり、更に好ましくは50μm以上である。本実施形態に係るフィルム状熱硬化性樹脂組成物(フィルム状エポキシ樹脂組成物等)の厚みは、フィルム状熱硬化性樹脂組成物の厚みのばらつきを抑え易い観点から、好ましくは1000μm以下であり、より好ましくは500μm以下であり、更に好ましくは300μm以下である。これらの観点から、本実施形態に係るフィルム状熱硬化性樹脂組成物の厚みは、好ましくは10〜1000μmであり、より好ましくは10〜500μmであり、更に好ましくは10〜300μmであり、特に好ましくは25〜300μmであり、極めて好ましくは50〜300μmである。
本実施形態に係るフィルム状熱硬化性樹脂組成物は、例えば、本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物又はその硬化物をフィルム状に成形することにより得ることができる。フィルム状熱硬化性樹脂組成物の製造方法としては、厚みを簡便に制御できる観点から、ワニス塗工法が好ましい。例えば、本実施形態に係るフィルム状熱硬化性樹脂組成物の製造方法は、必須成分と、必要に応じて用いられる各種任意成分とを溶剤に溶解・分散して得られるワニスを用いて塗膜を支持体上に形成する工程と、前記塗膜を加熱乾燥してフィルム状熱硬化性樹脂組成物を得る工程と、を備える。
本実施形態に係るフィルム状熱硬化性樹脂組成物は、例えば、各配合成分(必須成分、必要に応じて用いられる各種任意成分等)をニーダー、二本ロール、連続混練装置等で混練することで作製した固形樹脂組成物をシート状に押し出して得ることもできる。
溶剤としては、従来公知の有機溶剤が使用できる。有機溶剤としては、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、テルペン類、ハロゲン類、エステル類、ケトン類、アルコール類、アルデヒド類等が挙げられる。有機溶剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
有機溶剤としては、環境負荷が小さい観点、及び、熱硬化性樹脂を溶解し易い観点から、エステル類、ケトン類及びアルコール類からなる群より選ばれる少なくとも一種が好ましい。有機溶剤としては、室温(25℃)での揮発が少なく、乾燥時に除去し易い観点から、アセトン、メチルエチルケトン及びメチルイソブチルケトンからなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。
フィルム状熱硬化性樹脂組成物(フィルム状エポキシ樹脂組成物等)の製造に用いるワニスにおける有機溶剤の含有量は、ワニスの全量を基準として、好ましくは2〜30質量%であり、より好ましくは5〜25質量%である。含有量がこのような範囲であることにより、フィルム割れ等の不具合を容易に防止できると共に、充分な最低溶融粘度が得られ易い。また、粘着性が強くなりすぎて取扱性が低下する不具合、及び、熱硬化時における有機溶剤の揮発に伴う発泡等の不具合を容易に防止することができる。
フィルム状熱硬化性樹脂組成物中の有機溶剤の含有量は、フィルム状熱硬化性樹脂組成物の総質量を基準として、下記の範囲であることが好ましい。有機溶剤の含有量の下限は、フィルム形成性及び封止成形時の流動性に優れる観点から、好ましくは0.2質量%以上であり、より好ましくは0.5質量%以上であり、更に好ましくは0.8質量%以上である。有機溶剤の含有量の上限は、フィルム形成性及び硬化性に優れる観点から、好ましくは1.5質量%以下であり、より好ましくは1.3質量%以下であり、更に好ましくは1質量%以下である。これらの観点から、有機溶剤の含有量は、好ましくは0.2〜1.5質量%であり、より好ましくは0.5〜1.3質量%であり、更に好ましくは0.8〜1質量%である。フィルム状熱硬化性樹脂組成物中の有機溶剤の含有量は、加熱前後の質量変化量により測定することができる。フィルム状熱硬化性樹脂組成物中の有機溶剤の前記含有量は、25℃で液状である熱硬化性樹脂、及び、25℃で液状である硬化剤の含有量の合計が、熱硬化性樹脂及び硬化剤の合計量を基準として30〜80質量%である場合において前記範囲であることが好ましい。この場合、25℃で液状である熱硬化性樹脂、及び、25℃で液状である硬化剤の含有量の合計のより好ましい範囲は前記のとおりである。
ワニス塗工法においては、支持体にワニスを塗布して得られた塗膜を熱風吹き付け等によって加熱乾燥させることにより、フィルム状熱硬化性樹脂組成物を作製することができる。塗布に使用するコーティング方法としては、特に限定されないが、ダイコート、コンマコート等が挙げられる。
支持体としては、特に限定されるものではないが、高分子フィルム、金属箔等が挙げられる。高分子フィルムとしては、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等のポリオレフィンフィルム;ポリエチレンテレフタレートフィルム等のポリエステルフィルム;ポリ塩化ビニルフィルム;ポリカーボネートフィルム;アセチルセルロースフィルム;ポリイミドフィルム;ポリアミドフィルム;テトラフルオロエチレンフィルム等が挙げられる。金属箔としては、銅箔、アルミニウム箔等が挙げられる。
支持体の厚みは、特に限定されるものではないが、作業性及び乾燥性に優れる観点から、2〜200μmが好ましい。このような厚みであると、支持体が塗工時に切れる不具合、及び、ワニスの重さによって支持体が塗工時にたわむ不具合を容易に防止できる。また、塗工面及び裏面の両面から熱風が吹き付けられる乾燥機を用いる場合にワニス中の溶剤乾燥が妨げられる不具合の発生を抑制することもできる。
前記塗膜の加熱乾燥としては、全乾燥時間の25%以上の時間において、有機溶剤の沸点の±10℃の温度で塗膜を加熱することができる。加熱乾燥は、加熱温度が異なる2段階以上の工程で行うことができる。この場合、低い温度から加熱乾燥を行ってもよく、次段階の加熱温度は、前段階の加熱温度の+30℃以内に設定することができる。
本実施形態によれば、支持体と、当該支持体上に配置された熱硬化性樹脂組成物層と、を備え、前記熱硬化性樹脂組成物層が、本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物を含む、樹脂シート(封止シート)を提供することができる。封止シートは、熱硬化性樹脂組成物層(フィルム状熱硬化性樹脂組成物)の支持体側とは反対側に保護層(保護フィルム等)を更に備えていてもよい。すなわち、支持体上に設けられた熱硬化性樹脂組成物層(フィルム状熱硬化性樹脂組成物)上に、保護を目的とした保護層(保護フィルム等)を配置してもよい。保護層を配置することで、取扱性が更に向上し、巻き取りした場合において支持体の裏面に熱硬化性樹脂組成物層(フィルム状熱硬化性樹脂組成物)が張り付く不具合を回避することができる。
保護層としては、特に限定されるものではないが、高分子フィルム、金属箔等が挙げられる。高分子フィルムとしては、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等のポリオレフィンフィルム;ポリエチレンテレフタレートフィルム等のポリエステルフィルム;ポリ塩化ビニルフィルム;ポリカーボネートフィルム;アセチルセルロースフィルム;テトラフルオロエチレンフィルム等が挙げられる。金属箔としては、銅箔、アルミニウム箔等が挙げられる。
保護層の厚みは、特に限定されるものではないが、充分な保護効果を得る観点、及び、フィルム状熱硬化性樹脂組成物をロール状に巻き取った際の厚みを低減する観点から、12〜100μmが好ましい。
<封止構造体及びその製造方法>
本実施形態に係る封止構造体は、被封止体と、当該被封止体の少なくとも一部を封止する封止部と、を備え、前記封止部が、本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物又はその硬化物を含む。本実施形態に係る封止構造体の製造方法は、被封止体の少なくとも一部を封止する封止部を形成する封止工程を備え、前記封止部が、本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物又はその硬化物を含む。封止構造体としては、電子部品装置等が挙げられる。被封止体としては、電子部品等が挙げられる。
封止工程は、本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物を加熱下で被封止体に押圧することにより、熱硬化性樹脂組成物に被封止体の少なくとも一部を埋め込む工程を有していてもよい。封止工程は、熱硬化性樹脂組成物を硬化させる工程を更に有していてもよい。被封止体(電子部品等)の一部又は全部を熱硬化性樹脂組成物に埋め込むことができる。
本実施形態に係る電子部品装置は、電子部品と、前記電子部品の少なくとも一部を封止する封止部と、を備え、前記封止部が、本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物(エポキシ樹脂組成物等)又はその硬化物を含む。本実施形態に係る電子部品装置は、熱硬化性樹脂組成物(例えば、フィルム状熱硬化性樹脂組成物)を用いて電子部品が封止されてなる。電子部品としては、半導体素子等が挙げられる。電子部品を備える電子部品装置としては、例えば、半導体素子を備える半導体装置が挙げられる。
本実施形態に係る電子部品装置の製造方法は、例えば、熱硬化性樹脂組成物を加熱下で電子部品に押圧することにより、熱硬化性樹脂組成物(例えば、フィルム状熱硬化性樹脂組成物)に電子部品の少なくとも一部を埋め込む工程と、熱硬化性樹脂組成物を硬化させて封止部を得る工程と、をこの順に備える。すなわち、本実施形態に係る電子部品装置の製造方法は、例えば、熱硬化性樹脂組成物(例えば、フィルム状熱硬化性樹脂組成物)を加熱下で電子部品に押圧することにより、熱硬化性樹脂組成物に電子部品の少なくとも一部を埋め込む工程と、電子部品が埋め込まれた熱硬化性樹脂組成物を硬化させて封止部を得る工程と、を備える。本実施形態に係る半導体装置の製造方法は、例えば、熱硬化性樹脂組成物(例えば、フィルム状熱硬化性樹脂組成物)を加熱下で半導体素子に押圧することにより、熱硬化性樹脂組成物に半導体素子の少なくとも一部を埋め込む工程と、熱硬化性樹脂組成物を硬化させて封止部を得る工程と、をこの順に備える。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を行ってもよい。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
<フィルム状熱硬化性樹脂組成物の作製>
(実施例1)
10L容量のポリエチレン容器にメチルイソブチルケトン497.5gを入れた後、スルフィド基を有するシランカップリング剤で処理された無機粒子((A)成分、株式会社アドマテックス製の製品名:SX−E2(未処理のシリカ粒子)をKBE−846(製品名、信越化学工業株式会社製、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)で処理して得られた粒子、平均粒子径:5.8μm)3475g、及び、不飽和二重結合を表面に有する粒子((B)成分、JSR株式会社製、製品名:XSK−500、平均粒子径:0.5μm、スチレンブタジエンゴム粒子)25gを加えた。その後、撹拌羽根を用いて撹拌することにより、メチルイソブチルケトンに分散したシリカ粒子及びスチレンブタジエンゴム粒子を含有する分散液を調製した。この分散液に、25℃で液状であるビスフェノールF型エポキシ樹脂((C)熱硬化性樹脂、グリシジル基当量:160g/eq、粘度(25℃):2Pa・s)500g、及び、25℃で液状でないフェノールノボラック樹脂((D)硬化剤、旭有機材工業株式会社製、製品名:PAPS−PN2、フェノール性水酸基当量:104g/eq)500gを加えた後に撹拌した。ビスフェノールF型エポキシ樹脂及びフェノールノボラック樹脂が溶解した後、(E)硬化促進剤としてイミダゾール(四国化成工業株式会社製、製品名:2PHZ−PW、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール)2.5gを加えた。その後、1時間撹拌して混合液を調製した。この混合液をナイロン製♯200メッシュ(開口75μm)でろ過した。ろ液を採取してワニス状の熱硬化性樹脂組成物を得た。シリカ粒子の密度2.2g/cm、及び、スチレンブタジエンゴム粒子の密度0.94g/cmとして算出した結果、(A)成分及び(B)成分の合計量を基準として、(A)成分の含有量は98.3体積%であり、(B)成分の含有量は1.7体積%であった。
このワニス状の熱硬化性樹脂組成物を、塗工機を使用して、厚みが38μmの支持体(ポリエチレンテレフタレートフィルム)上に下記条件で塗布及び乾燥して、厚み100μmのフィルム状熱硬化性樹脂組成物(熱硬化性樹脂層)を作製した。その後、保護フィルム(ポリエチレンフィルム。厚み:50μm)をフィルム状熱硬化性樹脂組成物に積層することにより封止シートを得た。
塗布ヘッド方式:コンマコーター
塗布及び乾燥速度:4m/分
乾燥条件(温度/炉長):110℃/3.3m、130℃/3.3m、140℃/3.3m
(実施例2)
(A)成分の使用量を3250gへ変更すると共に(B)成分の使用量を250gへ変更したことを除き、実施例1と同様の方法により、厚み100μmのフィルム状熱硬化性樹脂組成物を作製した。(A)成分及び(B)成分の合計量を基準として、(A)成分の含有量は82.0体積%であり、(B)成分の含有量は18.0体積%であった。
(実施例3)
(A)成分の使用量を3100gへ変更すると共に(B)成分の使用量を400gへ変更したことを除き、実施例1と同様の方法により、厚み100μmのフィルム状熱硬化性樹脂組成物を作製した。(A)成分及び(B)成分の合計量を基準として、(A)成分の含有量は69.8体積%であり、(B)成分の含有量は30.2体積%であった。
(実施例4)
(A)成分の使用量を2900gへ変更すると共に(B)成分の使用量を600gへ変更したことを除き、実施例1と同様の方法により、厚み100μmのフィルム状熱硬化性樹脂組成物を作製した。(A)成分及び(B)成分の合計量を基準として、(A)成分の含有量は51.6体積%であり、(B)成分の含有量は48.4体積%であった。
(実施例5)
(A)成分のシランカップリング剤をZ−6920(製品名、東レ・ダウコーニング株式会社製、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン)へ変更したことを除き、実施例1と同様の方法により、厚み100μmのフィルム状熱硬化性樹脂組成物を作製した。
(実施例6)
(A)成分の使用量を1806gへ変更すると共に、(B)成分を、不飽和二重結合を有するシランカップリング剤で処理された無機粒子(株式会社アドマテックス製の製品名:SX−E2(未処理のシリカ粒子)をKBM−1003(製品名、信越化学工業株式会社製、ビニルトリメトキシシラン)で処理して得られた粒子、平均粒子径:5.8μm)1694gへ変更したことを除き、実施例1と同様の方法により、厚み100μmのフィルム状熱硬化性樹脂組成物を作製した。(A)成分及び(B)成分の合計量を基準として、(A)成分の含有量は51.6体積%であり、(B)成分の含有量は48.4体積%であった。
(実施例7)
(A)成分を、スルフィド基を有するシランカップリング剤で処理された無機粒子(デンカ株式会社製の製品名:DAW−50(未処理のアルミナ粒子)をKBE−846(製品名、信越化学工業株式会社製、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)で処理して得られた粒子、平均粒子径:5μm)6002gへ変更したことを除き、実施例1と同様の方法により、厚み100μmのフィルム状熱硬化性樹脂組成物を作製した。アルミナ粒子の密度3.8g/cmとして算出した結果、(A)成分及び(B)成分の合計量を基準として、(A)成分の含有量は98.3体積%であり、(B)成分の含有量は1.7体積%であった。
(比較例1)
(A)成分に代えて、無機粒子(株式会社アドマテックス製、製品名:SX−E2(シランカップリング未処理)、平均粒子径:5.8μm、シリカ粒子)へ変更したことを除き、実施例1と同様の方法により、厚み100μmのフィルム状熱硬化性樹脂組成物を作製した。
(比較例2)
(A)成分に代えて、アミノフェニル構造を有するシランカップリング剤で処理された無機粒子(株式会社アドマテックス製の製品名:SX−E2(未処理のシリカ粒子、平均粒子径:5.8μm)をKBM−573(製品名、信越化学工業株式会社製、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン)で処理して得られた粒子)へ変更したことを除き、実施例1と同様の方法により、厚み100μmのフィルム状熱硬化性樹脂組成物を作製した。
(比較例3)
(B)成分を用いることなく(A)成分の使用量を3500gへ変更したことを除き、実施例1と同様の方法により、厚み100μmのフィルム状熱硬化性樹脂組成物を作製した。
<フィルム状熱硬化性樹脂組成物中の有機溶剤の含有量の評価>
支持体上に設けられたフィルム状熱硬化性樹脂組成物(熱硬化性樹脂層)中の有機溶剤の含有量(揮発分、残留溶剤率)を以下の手順で算出した。
まず、封止シートを5cm角にカットした後、保護フィルムを剥がしてサンプルを得た。続いて、予め重さを測定したアルミニウムカップにサンプルを入れて重さを測定した(測定A)。次に、サンプルをアルミニウムカップに入れたまま、180℃のオーブンで10分間加熱した後、室温まで冷却した。そして、室温にて10分間放置した後の重さを測定した(測定B)。
別途用意した支持体を5cm角にカットした後、この支持体単体の重さを測定した。次に、測定A及び測定Bの値を用いて、支持体単体の重さ及びアルミニウムカップの重さを差し引いて、加熱前後のフィルム状エポキシ樹脂組成物単体の重さの差を求めた。この重さの差を、加熱により揮発した有機溶剤の量(フィルム状熱硬化性樹脂組成物中の残留溶剤量)として得た。そして、加熱前のフィルム状エポキシ樹脂組成物単体の重さに対する有機溶剤の量の割合を残留溶剤率として得た。測定結果を表1及び表2に示す。
<フィルム状熱硬化性樹脂組成物の割れ易さの評価>
フィルム状熱硬化性樹脂組成物を用いて下記の手順で作製した試験片の曲げ試験により、フィルム状熱硬化性樹脂組成物の割れ易さを定量的に評価した。曲げ試験で得られる破断エネルギが大きいほど割れづらいことを意味する。フィルム状熱硬化性樹脂組成物の破断エネルギは、テンシロン万能材料試験機(株式会社オリエンテック製 RTC−1350A)を用いて下記の手順で評価した。
[試験片の作製方法]
厚み3mmのナフロンシート(ニチアス株式会社製、製品名、ポリテトラフルオロエチレン)の中心部を長さ80mm、幅80mmにカットして、開口を有するナフロンシートを得た。開口の中に規定量のフィルム状熱硬化性樹脂組成物を入れた後、厚み3mmのナフロンシートで上下をはさみ、真空下(0.1kPa)、温度110℃、圧力0.1MPaで5分間プレスした。次に、プレスの圧力を常圧に戻し、厚み3mm、縦80mm、横80mmの樹脂板(フィルム状熱硬化性樹脂組成物から作製した樹脂板)を得た。その後、オーブンで180℃、2時間加熱することにより樹脂板を硬化した。そして、精密カッターで幅10mm、長さ60mm、厚み3mmに切断し、試験片を得た。
[破断エネルギの測定]
次いで、二つの支点(支点間距離:48mm)で試験片を支えた。支点間の中央に加圧くさびで荷重を加え、試験片が破断したときの荷重(P)を下記条件で測定した。荷重−たわみ曲線を作図し、前記曲線、縦軸及び横軸で囲まれた領域の面積から破断エネルギを算出した。測定結果を表1及び表2に示す。
ロードセル:500kgf(4.90kN)
クロスヘッド速度:0.5mm/分
測定温度:25℃
ワニス状の熱硬化性樹脂組成物及びフィルム状熱硬化性樹脂組成物の物性値等を表1及び表2に示す。25℃で液状であるエポキシ樹脂及び硬化剤の含有量は、エポキシ樹脂及び硬化剤の合計量を基準とした含有量である。「熱硬化性樹脂層中の有機溶剤の含有量」は、フィルム状熱硬化性樹脂組成物の全質量を基準とした含有量である。
Figure 0006544427
Figure 0006544427
実施例1は、(A)成分を用いない比較例1よりも高い破断エネルギを示した。これは、(A)成分のスルフィド基が(B)成分の不飽和二重結合と反応し、(B)成分を介して(A)成分のネットワークが形成されたことにより、破断エネルギが向上したと推定される。同様の理由から、実施例1では、(B)成分との結合部位を有さないシランカップリング剤で処理された無機粒子を用いる比較例2、及び、(B)成分を用いない比較例3と比べて高い破断エネルギが得られた。
実施例1〜4では、(A)成分及び(B)成分の割合が異なり、(B)成分の割合が多くなるほど、破断エネルギが大きくなった。これは、(B)成分が多いほど、(B)成分を介した(A)成分のネットワークがより密に形成されたことに加え、(B)成分の割合が増えることで低弾性率化したためと推定される。
実施例1の破断エネルギは、実施例5及び実施例6よりも大きい。これは、(A)成分と(B)成分との反応性の違いに起因していると推定される。
実施例1の破断エネルギは、実施例7よりも大きい。これは、シリカ粒子を用いることによりアルミナ粒子よりも低弾性率化したことに起因していると推定される。
A,B…粒子、C…亀裂、F…フィラ、R…樹脂。

Claims (21)

  1. モノスルフィド基及びマルチスルフィド基からなる群より選ばれる少なくとも1種を表面に有する第1の粒子と、
    不飽和二重結合を表面に有する第2の粒子と、
    エポキシ樹脂と、
    硬化剤と、を含有し、
    前記第1の粒子が無機材料を含む、フィルム状の封止用熱硬化性樹脂組成物。
  2. 前記第1の粒子が、モノスルフィド基及びマルチスルフィド基からなる群より選ばれる少なくとも1種を有するシランカップリング剤に由来する構造を表面に有する、請求項1に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  3. 前記シランカップリング剤が、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドを含む、請求項2に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  4. 前記無機材料がシリカを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  5. 前記無機材料がアルミナを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  6. 前記第2の粒子が、不飽和二重結合を有する樹脂材料を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  7. 前記樹脂材料が、ブタジエン及びイソプレンからなる群より選ばれる少なくとも1種に由来する構造を有する化合物を含む、請求項6に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  8. 前記第2の粒子が、無機材料を含むと共に、不飽和二重結合を有するシランカップリング剤に由来する構造を表面に有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  9. 前記第1の粒子の含有量が、前記第1の粒子及び前記第2の粒子の合計量を基準として50体積%以上である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  10. 硬化促進剤を更に含有する、請求項1〜9のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  11. 25℃で液状であるエポキシ樹脂、及び、25℃で液状である硬化剤の含有量の合計が、前記エポキシ樹脂及び前記硬化剤の合計量を基準として30〜80質量%である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  12. 厚みが10〜1000μmである、請求項1〜11のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  13. 有機溶剤の含有量が0.2〜1.5質量%である、請求項1〜12のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  14. 請求項1〜13のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物の硬化物。
  15. 支持体と、当該支持体上に配置された熱硬化性樹脂組成物層と、を備え、
    前記熱硬化性樹脂組成物層が、請求項1〜13のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物を含む、樹脂シート。
  16. 被封止体と、当該被封止体の少なくとも一部を封止する封止部と、を備え、
    前記封止部が、請求項1〜13のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物又はその硬化物を含む、封止構造体。
  17. 被封止体の少なくとも一部を封止する封止部を形成する工程を備え、
    前記封止部が、請求項1〜13のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物又はその硬化物を含む、封止構造体の製造方法。
  18. 請求項1〜13のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物を加熱下で電子部品に押圧することにより、前記熱硬化性樹脂組成物に前記電子部品の少なくとも一部を埋め込む工程と、
    前記熱硬化性樹脂組成物を硬化させる工程と、をこの順に備える、電子部品装置の製造方法。
  19. 前記電子部品が半導体素子である、請求項18に記載の電子部品装置の製造方法。
  20. 電子部品と、前記電子部品の少なくとも一部を封止する封止部と、を備え、
    前記封止部が、請求項1〜13のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物又はその硬化物を含む、電子部品装置。
  21. 前記電子部品が半導体素子である、請求項20に記載の電子部品装置。
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