JP2006206696A - エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 Download PDF

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JP2006206696A JP2005018941A JP2005018941A JP2006206696A JP 2006206696 A JP2006206696 A JP 2006206696A JP 2005018941 A JP2005018941 A JP 2005018941A JP 2005018941 A JP2005018941 A JP 2005018941A JP 2006206696 A JP2006206696 A JP 2006206696A
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【課題】 ハロゲン系難燃剤、アンチモン化合物を使用しないで、難燃性を維持しつつ、Ni/Pdめっき製フレームに対して良好な成形性を得て、耐半田クラック性、難燃性に優れる半導体封止用エポキシ樹脂組成物及びこれを用いた半導体装置を提供する。
【解決手段】 ビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル樹脂、硬化促進剤、無機充填材、ポリブタジエン又はアクリロニトリル含有ゴムから選ばれる低応力剤、メルカプト基又はスルフィド基を有するトリメトキシシラン、及びメルカプト基又はスルフィド基を有するトリエトキシシランからなるカップリング剤を必須成分とし、全エポキシ樹脂組成物中に上記無機充填材が80〜92重量%、上記低応力剤が0.1〜3重量%、上記カップリング剤が0.1〜1重量%配合することを特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物。

Description

本発明は、半導体封止用エポキシ樹脂組成物及びこれを用いた半導体装置に関するものである。
従来からダイオード、トランジスタ、集積回路等の電子部品は、主にエポキシ樹脂組成物を用いて封止されている。特に集積回路では、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、及び溶融シリカ、結晶シリカ等の無機充填材を配合した耐熱性、耐湿性に優れたエポキシ樹脂組成物が用いられている。
ところが近年、電子機器の小型化、軽量化、高性能化の市場動向に伴い、半導体素子の高集積化が年々進み、また半導体装置の表面実装化が促進されるなかで、半導体素子の封止に用いられているエポキシ樹脂組成物への要求は益々厳しいものとなってきている。半導体装置の表面実装化が一般的となって、地球環境に配慮した企業活動の重視によって、有害性の恐れのある物質の削減・撤廃の動きがあり、ハロゲン系難燃剤、アンチモン化合物を使用しないで、難燃性に優れたエポキシ樹脂組成物の開発の要求があり、該要求を満たす難燃性に優れたエポキシ樹脂組成物として、構造中に多数の芳香環をもつ樹脂を使用する手法が検討されてきた(例えば、特許文献1参照。)。
更に、環境負荷物質の撤廃の一環として、鉛を含まない半田への代替が進められている現状では、鉛を含まない半田が従来の半田に比べ融点が高いため、表面実装時のリフロー温度は、従来より20℃程度高く260℃が必要とされ、この半田リフロー温度の変更によって、エポキシ樹脂組成物の硬化物とパッドとの界面での剥離、半導体素子と半導体樹脂ペーストとの界面での剥離に起因する半導体装置のクラックの問題が生じてきた。特に、鉛フリー化においてはNi/Pdめっき製のリードフレームが使用されるようになり、現在主流であるCu製リードフレームと比べ、リードフレームとエポキシ樹脂組成物との剥離の問題が特に多く生じてきた。
この半田クラックや剥離に対しては、半田リフロー処理前の半導体装置自身が吸湿し、半田リフロー処理時の高温下でその水分が水蒸気爆発を起こすことによって生じると考えられており、それを防ぐために、エポキシ樹脂組成物中の無機充填材を高充填させることで低吸湿化、高強度化、低熱膨張化を達成し耐半田クラック性を向上させ、低溶融粘度の樹脂を使用して、成形時に低粘度で高流動性を維持させる手法がある(例えば、特許文献2参照。)。この手法を用いることにより耐半田クラック性がかなり改良されるが、無機充填材の充填割合の増加と共に、流動性が犠牲になりパッケージ内に空隙が生じやすくなる欠点があった。そこで、アミノシラン等の各種カップリング剤を添加して流動性と耐半田クラック性の両立を図る手法も提案されている(例えば、特許文献3参照。)が、金めっき、銀めっき等各種めっきされた各接合部分とエポキシ樹脂組成物の硬化物の界面での剥離が容易に発生し、特に、鉛フリー化環境対応として、Ni/Pdめっき製のリードフレームが使用されてきている昨今では、リードフレームとエポキシ樹脂組成物の硬化物の界面での剥離が抑えられず、Ni/Pdめっき製のリードフレームに対して十分に良好な耐半田クラック性を備えた半導体封止用エポキシ樹脂組成物は得られるには至らなかった。
特開平11−140277号公報(2〜11頁) 特開昭64−65116号公報(1〜7頁) 特開平2−218735号公報(1〜9頁)
本発明は、ハロゲン系難燃剤、アンチモン化合物を使用しないで、難燃性を維持しつつ、Ni/Pdめっき製リードフレームに対して良好な成形性を得て、耐半田クラック性に優れる半導体封止用エポキシ樹脂組成物及びこれを用いた半導体装置を提供するものである。
本発明は、
[1] (A)一般式(1)で示されるエポキシ樹脂、(B)一般式(2)で示されるフェノール樹脂、(C)硬化促進剤、(D)無機充填材、(E)ポリブタジエン又はアクリロニトリル含有ゴムから選ばれる低応力剤、(F)一般式(3)又は一般式(4)で示されるトリメトキシシラン及び一般式(5)又は一般式(6)で示されるトリエトキシシランからなるカップリング剤を必須成分とし、全エポキシ樹脂組成物中に上記無機充填材が80〜92重量%、上記低応力剤が0.1〜3重量%、上記カップリング剤が0.1〜1重量%配合することを特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物、
Figure 2006206696
(式中のX1、X2は、炭素数1〜4のアルキル基から選択される基であり、互いに同一であっても、異なっていても良い。a、bは0〜4の整数、nは平均値で1〜5の正数)
Figure 2006206696
(式中のY1、Y2は、炭素数1〜4のアルキル基から選択される基であり、互いに同一であっても、異なっていても良い。a、bは0〜4の整数、nは平均値で1〜5の正数)
Figure 2006206696
(n、mは平均値で1〜5の正数)
Figure 2006206696
(n、mは平均値で1〜5の正数)
[2] 第[1]項記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物を用いて半導体素子を封止してなることを特徴とする半導体装置、
である。
本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物は、ハロゲン系難燃剤、アンチモン化合物を使用しないで、難燃性を維持しつつ、Ni/Pdめっき製リードフレームに対して良好な成形性を得て、耐半田クラック性に優れる。
本願発明は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、硬化促進剤、無機充填材、低応力剤、トリメトキシシラン及びトリエトキシシランからなるカップリング剤を必須成分とするエポキシ樹脂組成物であって、ハロゲン系難燃剤、アンチモン化合物を使用しないで、難燃性を維持しつつ、Ni/Pdめっき製リードフレームに対して良好な成形性を得て、耐半田クラック性に優れる半導体封止用エポキシ樹脂組成物及びこれを用いた半導体装置についてである。
本発明で用いられる一般式(1)で示されるエポキシ樹脂は、1分子中にエポキシ基を2個以上有し、各エポキシ基間に疎水性構造を有することを特徴とする。一般式(1)で示されるエポキシ樹脂を用いたエポキシ樹脂組成物の硬化物は、エポキシ基間の疎水性構造により架橋点間距離が長いためガラス転移温度を越えた高温域での弾性率が低く、表面実装型半導体装置の封止材に良く使用されているビフェニル型エポキシ樹脂を用いたエポキシ樹脂組成物と比較しても、疎水性構造を多く含むことから、吸水率がより低いという特徴があり、このことにより260℃での表面実装の半田付け時における熱応力にも耐え得るという特徴を発現できるものである。また、エポキシ基間の疎水性構造により架橋点間距離が長いことで、エポキシ樹脂組成物の硬化物は燃焼時の温度では非常に軟らかくなっているため、燃焼時に硬化物の内部で発生する熱分解ガスが、硬化物の層をゴムのように膨張させて発泡層を形成し、この発泡層による未燃焼部への酸素の遮断と断熱作用によって、難燃性が非常に高いという特徴を有している。一般式(1)で示されるエポキシ樹脂の具体例を以下に示すが、これらに限定されるものでない。
Figure 2006206696
(式中のnは平均値で、1〜5の正数)
また本発明では、一般式(1)で示されるエポキシ樹脂を用いることによる特徴を損なわない範囲で、他のエポキシ樹脂を併用してもよい。併用できるエポキシ樹脂としては、分子内にエポキシ基を有するモノマー、オリゴマー、及びポリマー全般を言う。例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂(フェニレン骨格を有する)、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂(フェニレン骨格、ビフェニレン骨格等を有する)
、ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、トリアジン核含有エポキシ樹脂等が挙げられ、これらは1種類を単独で用いても2種類以上を併用してもよい。
一般式(1)で示されるエポキシ樹脂の配合量としては、全エポキシ樹脂中に70重量%以上が好ましい。下限値を下回ると、燃焼しやすくなったり、吸湿率が高くなったり、高弾性化による耐半田クラック性の低下が起こる可能性がある。
本発明で用いられる一般式(2)で示されるフェノール樹脂は、1分子中にフェノール性水酸基を2個以上有し、各フェノール性水酸基間に疎水性構造を有することを特徴とする。一般式(2)で示されるフェノール樹脂を用いたエポキシ樹脂組成物の硬化物は、疎水性の構造を多く含むことから吸湿率が低く、また架橋密度が低いためガラス転移温度を越えた高温域での弾性率が低いという特徴があり、表面実装の半田付け時における熱応力を低減し、耐半田クラック性、半田処理後の基材との密着性に優れるという特徴を有している。また、フェノール性水酸基間の疎水性構造により架橋点間距離が長いことで、エポキシ樹脂組成物の硬化物は燃焼時の温度では非常に軟らかくなっているため、燃焼時に硬化物の内部で発生する熱分解ガスが、硬化物の層をゴムのように膨張させて発泡層を形成し、この発泡層による未燃焼部への酸素の遮断と断熱作用によって、難燃性が非常に高いという特徴を有している。一般式(2)で示されるフェノール樹脂の具体例を以下に示すが、これらに限定されるものでない。
Figure 2006206696
(式中のnは平均値で、1〜5の正数)
本発明では、一般式(2)で示されるフェノール樹脂を用いることによる特徴を損なわない範囲で、他のフェノール樹脂を併用してもよい。併用できるフェノール樹脂としては、分子内にフェノール性水酸基を有するモノマー、オリゴマー、及びポリマー全般を言う。例えば、フェノールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂(フェニレン骨格等を有する)、ナフトールアラルキル樹脂(フェニレン、ビフェニレン骨格等を有する)、テルペン変性フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂、ビスフェノールA、トリフェノールメタン型樹脂等が挙げられ、これらは1種類を単独で用いても2種類以上を併用してもよい。
一般式(2)で示されるフェノール樹脂としては、全フェノール樹脂中に70重量%以上が好ましい。下限値を下回ると、流動性、硬化性、難燃性の低下や十分な強度を得ることが出来ず、耐半田クラック性の低下が起こる可能性がある。
一般式(1)で示されるエポキシ樹脂と一般式(2)で示されるフェノール樹脂とを組み合わせることで、吸湿後の半田処理での耐半田クラック性、難燃性等の点で高い効果が得られるが、Ni/Pdめっき製のリードフレームでは、十分な耐半田クラック性を得ることが出来ないため、更にエポキシ樹脂組成物とNi/Pdめっき製のリードフレームとの密着性の向上とエポキシ樹脂組成物の低応力化を行う必要がある。
本発明で用いられる硬化促進剤としては、エポキシ基とフェノール性水酸基との硬化反応を促進させるものであればよく、一般に封止材料に使用されているものを広く使用することができる。例えば、トリブチルアミン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7等のジアザビシクロアルケン及びその誘導体、トリブチルアミン、ベンジルジメチルアミン等のアミン系化合物、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウム・テトラ安息香酸ボレート、テトラフェニルホスホニウム・テトラナフトイックアシッドボレート、テトラフェニルホスホニウム・テトラナフトイルオキシボレート、テトラフェニルホスホニウム・テトラナフチルオキシボレート等のテトラ置換ホスホニウム・テトラ置換ボレート、トリフェニルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン等の有機リン系化合物、2−メチルイミダゾール等のイミダゾール化合物等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの硬化促進剤は1種類を単独で用いても2種類以上を併用してもよい。これらの内では、特に1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7が、各種基材に対する密着性の向上のために有効であり、更にテトラフェニルホスホニウム・テトラナフトイックアシッドボレートは、エポキシ樹脂組成物の常温保管特性を大幅に向上させる効果がある。
本発明で用いられる無機充填材としては、一般に封止材料に使用されているものを広く使用することができ、例えば、溶融シリカ、球状シリカ、結晶シリカ、2次凝集シリカ、多孔質シリカ、2次凝集シリカ又は多孔質シリカを粉砕したシリカ、アルミナ、窒化珪素等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは1種類を単独で用いても2種類以上を併用してもよい。特に、溶融シリカ、結晶シリカが好ましい。
又無機充填材の形状としては、破砕状でも球状でもかまわないが、耐半田クラック性を向上させるために高充填する点や、流動性、機械強度及び熱的特性のバランスの点から球状溶融シリカが好ましい。
最大粒径としては75μm以下が好ましく、平均粒径としては5〜25μmが好ましい。粒度分布としては広いものが、成形時のエポキシ樹脂組成物の溶融粘度を低減するために有効である。更にシランカップリング剤等で予め表面処理をしたものを用いてもよい。また必要に応じて溶融球状シリカをカップリング剤やエポキシ樹脂或いはフェノール樹脂で予め処理して用いてもよく、処理の方法としては、溶剤を用いて混合した後に溶媒を除去する方法や直接溶融球状シリカに添加し、混合機を用いて処理する方法等がある。
無機充填材の配合量としては、全エポキシ樹脂組成物中に80〜92重量%が好ましい。下限値を下回ると、エポキシ樹脂やフェノール樹脂の樹脂配合量が増えるため、YAGレーザー捺印性、バリ特性の低下、更には高温保管特性や電気的耐湿信頼性が悪くなる。また、エポキシ樹脂組成物の硬化物の吸湿量が増大し、半田処理温度での強度が低下してしまうため、半田処理時に半導体装置にクラックが生じやすくなったりもする。一方、上限値を越えると、エポキシ樹脂組成物の成形時の流動性が低下し、成形時に未充填や半導体素子のパッドシフト、高粘度化による半導体装置内の金線変形等の不都合が発生し易くなる可能性がある。無機充填材はなるべく多く配合した方が、エポキシ樹脂組成物の硬化物の吸湿率が減少し、耐半田クラック性が向上、また、難燃性が向上するので、成形時の流動性が許容される範囲内でなるべく多く配合した方が好ましい。
本発明に用いるポリブタジエン又はアクリロニトリル含有ゴムから選ばれる低応力剤は、エポキシ樹脂及びフェノール樹脂硬化剤と反応するカルボキシル基、エポキシ基又はフェノール性水酸基を含有しているものが、強度の低下を抑えながら低弾性率性を付与できる点で好ましく、特に、Niめっき層、Ni/Pdめっき層又はNi/Pd/Auめっき層を含有するリードフレームのように界面の反応性が少なくエポキシ樹脂組成物と十分な密着力を得ることが出来ないような場合には、エポキシ樹脂組成物の低弾性化を行うことにより耐半田クラック性試験時におけるエポキシ樹脂組成物の硬化物とリードフレーム界面の剥離防止に効果がある。低応力剤の粒径は5〜50000nmであり、下限値を下回ると海島構造としての応力分散が充分でなく、上限値を越えると分散性に劣り、また、ミクロ的なストレスが大きくなり、好ましくない。
本発明に用いるポリブタジエン又はアクリロニトリル含有ゴムの添加量は、全エポキシ樹脂組成物に対し、0.1〜3重量%であり、より好ましくは、0.2〜1重量%である。添加量が下限値を下回ると低弾性率化が不十分なため、耐半田クラック性が低下し、上限値を越えると樹脂組成物の充分な流動性、難燃性が得られず、また強度の低下及び吸湿量が向上して耐半田クラック性が低下するため、好ましくない。
本発明において一般式(3)又は一般式(4)で示されるトリメトキシシラン及び一般式(5)又は一般式(6)で示されるトリエトキシシランのカップリング剤の併用は必須である。どちらか一方だけ配合していてもNi/Pdめっき製のリードフレームに対して成形性及び耐半田クラック性が十分でない。具体的には、一般式(3)又は一般式(4)で示されるトリメトキシシランのみでは、成形直後の密着性が高すぎて、ゲートブレークの際、成形品のランナーをリードフレームから引き剥がすことが出来ず、ランナー折れやフレーム変形が発生し、成形性に異常を来たす恐れがある。一方、一般式(5)又は一般式(6)で示されるメルカプトトリエトキシシランのみでは、成形品の硬化前後の密着が十分でなく、耐半田クラック性が劣る。
両者を併用することにより、Ni/Pdめっき製のリードフレームに対して良好な成形性及び耐半田クラック性を得ることが出来る。一般式(3)又は一般式(4)及び一般式(5)又は一般式(6)で示されるカップリング剤の具体例を以下に示すが、これらに限定されるものでない。
Figure 2006206696
Figure 2006206696
また配合量は、両者の合計量で全エポキシ樹脂組成物中0.1〜1重量%が望ましく、より好ましくは0.2〜0.5重量%である。下限値または上限値から外れると、十分な成形性または耐半田クラック性が得られない可能性がある。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、(A)〜(F)成分の他、必要に応じて酸化ビスマス水和物等の無機イオン交換体、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の金属酸化物等の環境対応難燃剤、カーボンブラック、ベンガラ等の着色剤、天然ワックス、合成ワックス、高級脂肪酸及びその金属塩類もしくはパラフィン等の離型剤、酸化防止剤、合成ゴムやシリコーンゴム等の低応力化成分、アミノシラン、エポキシシラン、アルキルシラン、ウレイドシラン、ビニルシラン等のシランカップリング剤やチタネートカップリング剤、シリコーンオイル等の各種添加剤を適宜配合しても差し支えない。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、(A)〜(F)成分、及びその他の添加剤等、ミキサー等を用いて常温混合し、ロール、ニーダー、押出機等の混練機で加熱混練、冷却後粉砕して得られる。本発明のエポキシ樹脂組成物は、電気部品或いは電子部品であるトランジスタ、集積回路等の被覆・絶縁・封止等に適用することができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物を用いて、半導体素子等の電子部品を封止し、半導体装置を製造するには、トランスファーモールド、コンプレッションモールド、インジェクションモールド等の成形方法で成形硬化すればよい。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。各成分の配合割合は重量部とする。
<実施例1>
エポキシ樹脂a:式(17)で示されるエポキシ樹脂(日本化薬(株)製、NC3000P、軟化点58℃、エポキシ当量273) 7.40重量部
Figure 2006206696
フェノール樹脂c:式(18)で示されるフェノール樹脂(明和化成(株)製、MEH7851SS、軟化点107℃、水酸基当量203) 5.45重量部
Figure 2006206696
1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7(以下、DBUという)
0.35重量部
溶融球状シリカ(平均粒径20μm、最大粒径75μm) 85.00重量部
ポリブタジエン含有ゴム:(日本石油(株)製、E−1800) 0.50重量部
γ−メルカプトトリプロピルメトキシシラン:((株)チッソ製、S810、以下、カップリング剤Aという) 0.20重量部
γ−メルカプトトリプロピルエトキシシラン:(日本ユニカー(株)製、A1891、以下、カップリング剤Bという) 0.20重量部
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン 0.20重量部
カーボンブラック 0.30重量部
カルナバワックス 0.40重量部
をミキサーを用いて常温で混合し、70〜110℃でロールを用いて混練して、冷却後粉砕し、タブレット化してエポキシ樹脂組成物を得た。このエポキシ樹脂組成物を以下の方法で評価した。結果を表1に示す。
評価方法
・スパイラルフロー:EMMI−1−66に準じたスパイラルフロー測定用の金型を用いて、金型温度175℃、注入圧力6.9MPa、硬化時間120秒の条件で測定した。単位はcm。
・ゲートブレーク性:トランスファー成形機を用いて、金型温度175℃、注入圧力9.3MPa、硬化時間60秒の条件でのNi/Pdめっき製リードフレーム(新光電機(株)製)の176pLQFP(パッケージサイズ24mm×24mm×厚さ1.4mm、半導体素子のサイズ9.5mm×9.5mm)を成形し、フレームと成形品ランナーを引き剥がした時に、きれいに剥がれたものを○、ランナー折れやフレーム変形が生じたものを×で表した。
・熱時曲げ強度・熱時曲げ弾性率:トランスファー成形機を用いて、金型温度175℃、注入圧力9.8MPa、硬化時間120秒で試験片(幅10mm、厚さ4mm、長さ80mm)を成形し、ポストキュアとして175℃で8時間処理した後、熱時(260℃)曲げ強度及び熱時曲げ弾性率をJIS K 6911に準じて測定した。単位はいずれもN/mm2
・密着強度:トランスファー成形機を用いて、金型温度175℃、注入圧力9.8MPa、硬化時間120秒でのNi/Pdめっき製フレーム上に直径3.6mm、高さ3mmの密着強度試験片を成形し、成形直後に測定した時を密着強度1、175℃8時間硬化後に測定した時を密着強度2として、自動せん断強度測定装置(DAGE社製、PC2400)を用いて、エポキシ樹脂組成物の硬化物とフレームとの常温時(25℃)のせん断密着強度(せん断速度0.3mm/sec)を測定した。単位はいずれもN/mm2
・吸湿率:トランスファー成形機を用いて金型温度175℃、注入圧力9.8MPa、硬化時間120秒で直径50mm、厚さ3mmの円盤状試験片を成形し、ポストキュアとして175℃で8時間処理した。試験片の吸湿処理前と、85℃、相対湿度85%の環境下で168時間吸湿処理した後の重量変化を測定し、試験片の吸湿率を百分率で示した。単位は重量%。
・耐半田クラック性:トランスファー成形機を用いて、金型温度175℃、注入圧力9.3MPa、硬化時間60秒の条件でNi/Pdめっき製リードフレーム(新光電機(株)製)の176pLQFP(パッケージサイズ24mm×24mm×厚さ1.4mm、半導体素子のサイズ7.0mm×7.0mm)を成形し、ポストキュアとして175℃で、8時間処理したパッケージ10個を85℃、相対湿度60%の環境下で168時間放置し、その後260℃の半田槽に10秒間浸漬した。処理後の内部の剥離又はクラックの有無を超音波探傷機で観察し、不良パッケージの個数を数えた。不良パッケージの個数がn個であるときn/10と表示した。
・難燃性:トランスファー成形機を用いて、金型温度175℃、注入圧力9.8MPa、硬化時間120秒で試験片を成形し、ポストキュアとして175℃で8時間処理した後、UL−94垂直試験(試験片厚さ1/8inch)を行い、難燃性を判定した。
<実施例2〜6、比較例1〜9>
実施例1以外で用いた材料を以下に示す。
エポキシ樹脂b:式(19)を主成分とするエポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製、YX−4000K、融点105℃、エポキシ当量185)
Figure 2006206696
フェノール樹脂d:式(20)で示されるフェノール樹脂(三井化学(株)製、XLC−LL、軟化点79℃、水酸基当量165)
Figure 2006206696
表1、2の配合に従い、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を得、実施例1と同様にして評価した。結果を表1、2に示す。
Figure 2006206696
Figure 2006206696
本発明によると、ハロゲン系難燃剤、アンチモン化合物を使用しないで、難燃性を維持しつつ、Ni/Pdめっき製リードフレームに対して良好な成形性、密着性を得て、耐半田クラック性に優れる半導体封止用エポキシ樹脂を用いた半導体装置が得られるので、鉛フリー半田対応時にフレームとエポキシ樹脂組成物の硬化物の界面での剥離が発生せず、耐半田クラック性に優れた半導体装置等に好適に用いることができる。

Claims (2)

  1. (A)一般式(1)で示されるエポキシ樹脂、(B)一般式(2)で示されるフェノール樹脂、(C)硬化促進剤、(D)無機充填材、(E)ポリブタジエン又はアクリロニトリル含有ゴムから選ばれる低応力剤、(F)一般式(3)又は一般式(4)で示されるトリメトキシシラン及び一般式(5)又は一般式(6)で示されるトリエトキシシランからなるカップリング剤を必須成分とし、全エポキシ樹脂組成物中に上記無機充填材が80〜92重量%、上記低応力剤が0.1〜3重量%、上記カップリング剤が0.1〜1重量%配合することを特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
    Figure 2006206696
    (式中のX1、X2は、炭素数1〜4のアルキル基から選択される基であり、互いに同一であっても、異なっていても良い。a、bは0〜4の整数、nは平均値で1〜5の正数)
    Figure 2006206696
    (式中のY1、Y2は、炭素数1〜4のアルキル基から選択される基であり、互いに同一であっても、異なっていても良い。a、bは0〜4の整数、nは平均値で1〜5の正数)
    Figure 2006206696
    (n、mは平均値で1〜5の正数)
    Figure 2006206696
    (n、mは平均値で1〜5の正数)
  2. 請求項1記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物を用いて半導体素子を封止してなることを特徴とする半導体装置。
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