JP2023152726A - 組成物、膜及び表示装置 - Google Patents

組成物、膜及び表示装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2023152726A
JP2023152726A JP2023022292A JP2023022292A JP2023152726A JP 2023152726 A JP2023152726 A JP 2023152726A JP 2023022292 A JP2023022292 A JP 2023022292A JP 2023022292 A JP2023022292 A JP 2023022292A JP 2023152726 A JP2023152726 A JP 2023152726A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
meth
acrylate
mass
compound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2023022292A
Other languages
English (en)
Inventor
裕佳子 西川(良永)
Nishikawa, (Yoshinaga) Yukako
真芳 ▲徳▼田
Masayoshi Tokuda
崇夫 土谷
Takao Tsuchiya
めぐみ 早坂(駒田)
Hayasaka, (Komada) Megumi
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Chemical Co Ltd filed Critical Sumitomo Chemical Co Ltd
Publication of JP2023152726A publication Critical patent/JP2023152726A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F2/00Processes of polymerisation
    • C08F2/44Polymerisation in the presence of compounding ingredients, e.g. plasticisers, dyestuffs, fillers
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K3/00Use of inorganic substances as compounding ingredients
    • C08K3/01Use of inorganic substances as compounding ingredients characterized by their specific function
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K5/00Use of organic ingredients
    • C08K5/36Sulfur-, selenium-, or tellurium-containing compounds
    • C08K5/37Thiols
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K7/00Use of ingredients characterised by shape
    • C08K7/16Solid spheres
    • C08K7/18Solid spheres inorganic
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L101/00Compositions of unspecified macromolecular compounds
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09KMATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • C09K11/00Luminescent, e.g. electroluminescent, chemiluminescent materials
    • C09K11/02Use of particular materials as binders, particle coatings or suspension media therefor
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B5/00Optical elements other than lenses
    • G02B5/20Filters
    • GPHYSICS
    • G09EDUCATION; CRYPTOGRAPHY; DISPLAY; ADVERTISING; SEALS
    • G09FDISPLAYING; ADVERTISING; SIGNS; LABELS OR NAME-PLATES; SEALS
    • G09F9/00Indicating arrangements for variable information in which the information is built-up on a support by selection or combination of individual elements
    • G09F9/30Indicating arrangements for variable information in which the information is built-up on a support by selection or combination of individual elements in which the desired character or characters are formed by combining individual elements

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Theoretical Computer Science (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Electroluminescent Light Sources (AREA)
  • Polymerisation Methods In General (AREA)
  • Devices For Indicating Variable Information By Combining Individual Elements (AREA)
  • Optical Filters (AREA)

Abstract

【課題】半導体粒子を含む組成物であって、発光強度が良好な膜を形成することができる組成物、該組成物から形成される膜、及び、該膜を含む表示装置を提供する。【解決手段】半導体粒子(A)と樹脂(B)とを含む組成物であって、半導体粒子(A)の含有率が組成物の固形分の総量に対して30質量%超である組成物、該組成物から形成される膜、及び、該膜を含む表示装置が提供される。【選択図】なし

Description

本発明は、組成物及びそれから形成される膜、並びに該膜を含む表示装置に関する。
特許文献1には、量子ドット及び特定の構造単位を有する重合体を含む硬化性樹脂組成物、及び該硬化性樹脂組成物を用いて形成される波長変換膜が記載されている。
特開2016-065178号公報
表示装置の薄型化に伴い、これに用いる光学部材にも薄膜化が求められている。しかし、量子ドットを含有する組成物から形成される従来の波長変換膜は、薄膜化すると光学特性が低下する傾向にあった。
本発明の1つの目的は、半導体粒子を含む組成物であって、発光強度が良好な膜を形成することができる組成物を提供することにある。本発明の他の目的は、該組成物から形成される膜、及び、該膜を含む表示装置を提供することにある。
本発明は、以下に示される組成物、膜及び表示装置を提供する。
[1] 半導体粒子(A)と、樹脂(B)とを含む組成物であって、
前記半導体粒子(A)の含有率が、前記組成物の固形分の総量に対して30質量%超である、組成物。
[2] 前記固形分100質量部に対して60質量部以上の溶剤(I)をさらに含む、[1]に記載の組成物。
[3] 前記樹脂(B)の含有率に対する前記半導体粒子(A)の含有率の比が4.0以下である、[1]又は[2]に記載の組成物。
[4] チオール基含有化合物(H)をさらに含む、[1]~[3]のいずれかに記載の組成物。
[5] 前記固形分100g中に含まれるチオール基数が20.0mmol未満である、[4]に記載の組成物。
[6] 重合性化合物(C)をさらに含む、[1]~[5]のいずれかに記載の組成物。
[7] [1]~[6]のいずれかに記載の組成物から形成される膜。
[8] [7]に記載の膜を含む表示装置。
半導体粒子を含む組成物であって、発光強度が良好な膜を形成することができる組成物、該組成物から形成される膜、及び、該膜を含む表示装置を提供することができる。
<組成物>
本発明に係る組成物(以下、単に「組成物」ともいう。)は、半導体粒子(A)と、樹脂(B)とを含み、半導体粒子(A)の含有率が、該組成物の固形分の総量に対して30質量%超である。かかる組成物によれば、膜の厚みが比較的小さい場合であっても、発光強度が良好な膜を形成することができる。
以下、組成物に含まれる又は含まれ得る成分について説明する。なお、本明細書において組成物に含まれる、又は含まれ得る各成分として例示する化合物は、特に断りのない限り、単独で、又は、複数種を組み合わせて使用することができる。
[1]半導体粒子(A)
半導体粒子(A)は、一次光とは異なる波長の光を発し、好ましくは、一次光である青色の光の波長を、これとは異なる色の光の波長に変換する。半導体粒子(A)は、緑色又は赤色を発光することが好ましく、青色光を吸収して緑色又は赤色を発光することがより好ましい。
半導体粒子(A)は、例えば、605nm以上665nm以下の波長域に発光ピーク波長を有する光を発する赤色発光性の半導体粒子であってもよく、500nm以上560nm以下の波長域に発光ピーク波長を有する光を発する緑色発光性の半導体粒子であってよく、420nm以上480nm以下の波長域に発光ピーク波長を有する光を発する青色発光性の半導体粒子であってもよい。半導体粒子(A)は、好ましくは、赤色発光性の半導体粒子及び/又は緑色発光性の半導体粒子である。半導体粒子(A)の発光ピーク波長は、例えば、紫外可視分光光度計を用いて測定される発光スペクトルにおいて確認することできる。
半導体粒子(A)の発光スペクトルの半値全幅は、60nm以下であることが好ましく、より好ましくは55nm以下、さらに好ましくは50nm以下、特に好ましくは45nm以下である。これにより、より色純度の高い光を発することができる。半導体粒子(A)の発光スペクトルの半値全幅の下限は特に限定されないが、5nm以上であってもよく、15nm以上であってもよい。
半導体粒子(A)は、半導体結晶からなる粒子、好ましくは半導体結晶からなるナノ粒子である。半導体粒子(A)の好ましい例としては、半導体量子ドット(以下、「量子ドット」ともいう。)及びペロブスカイト型結晶構造を有する化合物(以下、「ペロブスカイト化合物」ともいう。)の粒子が挙げられ、より好ましくは量子ドットである。
量子ドットの平均粒径は、例えば0.5nm以上20nm以下、好ましくは1nm以上15nm以下(例えば2nm以上15nm以下)である。量子ドットのエネルギー状態はその大きさに依存するため、粒子径を変えることにより自由に発光波長を選択することが可能である。例えば、CdSeのみから構成される量子ドットの場合、粒子径が2.3nm、3.0nm、3.8nm、4.6nmであるときの発光スペクトルのピーク波長は、それぞれ528nm、570nm、592nm、637nmである。半導体粒子(A)の平均粒径は、走査透過型電子顕微鏡を用いて測定することができる。
量子ドットは、例えば、周期表第2族元素、第11族元素、第12族元素、第13族元素、第14族元素、第15族元素及び第16族元素からなる群より選択される1種又は2種以上の元素を含む半導体材料から構成することができる。
量子ドットを構成し得る半導体材料の具体例は、
SnS、SnS、SnSe、SnTe、PbS、PbSe、PbTe等の第14族元素と第16族元素との化合物;
GaN、GaP、GaAs、GaSb、InN、InP、InAs、InSb、InGaN、InGaP等の第13族元素と第15族元素との化合物;
Ga、Ga、GaSe、GaTe、In、In、InSe、InTe等の第13族元素と第16族元素との化合物;
ZnO、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdO、CdS、CdSe、CdTe、HgO、HgS、HgSe、HgTe、ZnSTe、ZnSeS、ZnSeTe、CdSTe、CdSeTe、HgSTe、HgSeS、HgSeTe等の第12族元素と第16族元素との化合物;
As、As、AsSe、AsTe、Sb、Sb、SbSe、SbTe、Bi、Bi、BiSe、BiTe等の第15族元素と第16族元素との化合物;
MgS、MgSe、MgTe、CaS、CaSe、CaTe、SrS、SrSe、SrTe、BaS、BaSe、BaTe等
の第2族元素と第16族元素との化合物;
Si、Ge等の第14族元素、第15族元素又は第16族元素の単体
を含む。
量子ドットは、単一の半導体材料からなる単層構造であってもよいし、単一の半導体材料からなる核粒子(コア層)の表面が、これとは異なる1種又は2種以上の半導体材料からなる被覆層(シェル層)によって被覆されたコアシェル構造であってもよい。後者の場合、シェル層を構成する半導体材料としては通常、コア層を構成する半導体材料よりもバンドギャップエネルギーが大きいものを用いる。量子ドットは、シェル層を2種以上有していてもよい。量子ドットの形状は特に限定されず、例えば、球状又は略球状、棒状、円盤状等であり得る。
ペロブスカイト化合物は、A、B及びXを成分とする、ペロブスカイト型結晶構造を有する化合物である。
Aは、ペロブスカイト型結晶構造において、Bを中心とする6面体の各頂点に位置する成分であって、1価の陽イオンである。
Xは、ペロブスカイト型結晶構造において、Bを中心とする8面体の各頂点に位置する成分を表し、ハロゲン化物イオン及びチオシアン酸イオンからなる群より選ばれる少なくとも一種のイオンである。
Bは、ペロブスカイト型結晶構造において、Aを頂点に配置する6面体及びXを頂点に配置する8面体の中心に位置する成分であって、金属イオンである。
ペロブスカイト化合物からなる半導体粒子の平均粒径は、良好に結晶構造を維持させる観点から、好ましくは3nm以上、より好ましくは4nm以上、さらに好ましくは5nm以上であり、また、通常50nm以下である。
A、B及びXを成分とするペロブスカイト化合物としては、特に限定されず、3次元構造、2次元構造、疑似2次元構造のいずれの構造を有する化合物であってもよい。
3次元構造の場合には、ペロブスカイト化合物は、ABX(3+δ)で表される。
2次元構造の場合には、ペロブスカイト化合物は、ABX(4+δ)で表される。
ここで、δは、Bの電荷バランスに応じて適宜変更が可能な数であり、-0.7以上0.7以下である。
ペロブスカイト化合物であって、ABX(3+δ)で表される、3次元構造のペロブスカイト型の結晶構造を有する化合物の好ましい具体例としては、
CHNHPbBr、CHNHPbCl、CHNHPbI、CHNHPbBr(3-y)(0<y<3)、CHNHPbBr(3-y)Cl(0<y<3)、(HN=CH-NH)PbBr、(HN=CH-NH)PbCl、(HN=CH-NH)PbI
CHNHPb(1-a)CaBr(0<a≦0.7)、CHNHPb(1-a)SrBr(0<a≦0.7)、CHNHPb(1-a)LaBr(3+δ)(0<a≦0.7,0<δ≦0.7)、CHNHPb(1-a)BaBr(0<a≦0.7)、CHNHPb(1-a)DyBr(3+δ)(0<a≦0.7,0<δ≦0.7)、
CHNHPb(1-a)NaBr(3+δ)(0<a≦0.7,-0.7≦δ<0)、CHNHPb(1-a)LiBr(3+δ)(0<a≦0.7,-0.7≦δ<0)、
CsPb(1-a)NaBr(3+δ)(0<a≦0.7,-0.7≦δ<0)、CsPb(1-a)LiBr(3+δ)(0<a≦0.7,-0.7≦δ<0)、
CHNHPb(1-a)NaBr(3+δ-y)(0<a≦0.7,-0.7≦δ<0,0<y<3)、CHNHPb(1-a)LiBr(3+δ-y)(0<a≦0.7,-0.7≦δ<0,0<y<3)、CHNHPb(1-a)NaBr(3+δ-y)Cl(0<a≦0.7,-0.7≦δ<0,0<y<3)、CHNHPb(1-a)LiBr(3+δ-y)Cl(0<a≦0.7,-0.7≦δ<0,0<y<3)、
(HN=CH-NH)Pb(1-a)NaBr(3+δ)(0<a≦0.7,-0.7≦δ<0)、(HN=CH-NH)Pb(1-a)LiBr(3+δ)(0<a≦0.7,-0.7≦δ<0)、(HN=CH-NH)Pb(1-a)NaBr(3+δ-y)(0<a≦0.7,-0.7≦δ<0,0<y<3)、(HN=CH-NH)Pb(1-a)NaBr(3+δ-y)Cl(0<a≦0.7,-0.7≦δ<0,0<y<3)、
CsPbBr、CsPbCl、CsPbI、CsPbBr(3-y)(0<y<3)、CsPbBr(3-y)Cl(0<y<3)、CHNHPbBr(3-y)Cl(0<y<3)、
CHNHPb(1-a)ZnBr(0<a≦0.7)、CHNHPb(1-a)AlBr(3+δ)(0<a≦0.7,0≦δ≦0.7)、CHNHPb(1-a)CoBr(0<a≦0.7)、CHNHPb(1-a)MnBr(0<a≦0.7)、CHNHPb(1-a)MgBr(0<a≦0.7)、
CsPb(1-a)ZnBr(0<a≦0.7)、CsPb(1-a)AlBr(3+δ)(0<a≦0.7,0<δ≦0.7)、CsPb(1-a)CoBr(0<a≦0.7)、CsPb(1-a)MnBr(0<a≦0.7)、CsPb(1-a)MgBr(0<a≦0.7)、
CHNHPb(1-a)ZnBr(3-y)(0<a≦0.7,0<y<3)、CHNHPb(1-a)AlBr(3+δ-y)(0<a≦0.7,0<δ≦0.7,0<y<3)、CHNHPb(1-a)CoBr(3-y)(0<a≦0.7,0<y<3)、CHNHPb(1-a)MnBr(3-y)(0<a≦0.7,0<y<3)、CHNHPb(1-a)MgBr(3-y)(0<a≦0.7,0<y<3)、CHNHPb(1-a)ZnBr(3-y)Cl(0<a≦0.7,0<y<3)、CHNHPb(1-a)AlBr(3+δ-y)Cl(0<a≦0.7,0<δ≦0.7,0<y<3)、CHNHPb(1-a)CoBr(3+δ-y)Cl(0<a≦0.7,0<y<3)、CHNHPb(1-a)MnBr(3-y)Cl(0<a≦0.7,0<y<3)、CHNHPb(1-a)MgBr(3-y)Cl(0<a≦0.7,0<y<3)、
(HN=CH-NH)ZnBr(0<a≦0.7)、(HN=CH-NH)MgBr(0<a≦0.7)、(HN=CH-NH)Pb(1-a)ZnBr(3-y)(0<a≦0.7,0<y<3)、(HN=CH-NH)Pb(1-a)ZnBr(3-y)Cl(0<a≦0.7,0<y<3)等が挙げられる。
ペロブスカイト化合物であって、ABX(4+δ)で表される、2次元構造のペロブスカイト型の結晶構造を有する化合物の好ましい具体例としては、
(CNHPbBr、(CNHPbCl、(CNHPbI、(C15NHPbBr、(C15NHPbCl、(C15NHPbI、(CNHPb(1-a)LiBr(4+δ)(0<a≦0.7,-0.7≦δ<0)、(CNHPb(1-a)NaBr(4+δ)(0<a≦0.7,-0.7≦δ<0)、(CNHPb(1-a)RbBr(4+δ)(0<a≦0.7,-0.7≦δ<0)、
(C15NHPb(1-a)NaBr(4+δ)(0<a≦0.7,-0.7≦δ<0)、(C15NHPb(1-a)LiBr(4+δ)(0<a≦0.7,-0.7≦δ<0)、(C15NHPb(1-a)RbaBr(4+δ)(0<a≦0.7,-0.7≦δ<0)、
(CNHPb(1-a)NaBr(4+δ-y)(0<a≦0.7,-0.7≦δ<0,0<y<4)、(CNHPb(1-a)LiBr(4+δ-y)(0<a≦0.7,-0.7≦δ<0,0<y<4)、(CNHPb(1-a)RbBr(4+δ-y)(0<a≦0.7,-0.7≦δ<0,0<y<4)、
(CNHPb(1-a)NaBr(4+δ-y)Cl(0<a≦0.7,-0.7≦δ<0,0<y<4)、(CNHPb(1-a)LiBr(4+δ-y)Cl(0<a≦0.7,-0.7≦δ<0,0<y<4)、(CNHPb(1-a)RbBr(4+δ-y)Cl(0<a≦0.7,-0.7≦δ<0,0<y<4)、
(CNHPbBr、(C15NHPbBr
(CNHPbBr(4-y)Cl(0<y<4)、(CNHPbBr(4-y)(0<y<4)、
(CNHPb(1-a)ZnBr(0<a≦0.7)、(CNHPb(1-a)MgBr(0<a≦0.7)、(CNHPb(1-a)CoBr(0<a≦0.7)、(CNHPb(1-a)MnBr(0<a≦0.7)、
(C15NHPb(1-a)ZnBr(0<a≦0.7)、(C15NHPb(1-a)MgBr(0<a≦0.7)、(C15NHPb(1-a)CoBr(0<a≦0.7)、(C15NHPb(1-a)MnBr(0<a≦0.7)、
(CNHPb(1-a)ZnBr(4-y)(0<a≦0.7,0<y<4)、(CNHPb(1-a)MgBr(4-y)(0<a≦0.7,0<y<4)、(CNHPb(1-a)CoBr(4-y)(0<a≦0.7,0<y<4)、(CNHPb(1-a)MnBr(4-y)(0<a≦0.7,0<y<4)、
(CNHPb(1-a)ZnBr(4-y)Cl(0<a≦0.7,0<y<4)、(CNHPb(1-a)MgBr(4-y)Cl(0<a≦0.7,0<y<4)、(CNHPb(1-a)CoBr(4-y)Cl(0<a≦0.7,0<y<4)、(CNHPb(1-a)MnBr(4-y)Cl(0<a≦0.7,0<y<4)等が挙げられる。
半導体粒子(A)は、半導体粒子に配位する有機配位子(G)を含む配位子含有半導体粒子であってもよい。有機配位子(G)は、例えば、半導体粒子に対する配位能を示す極性基を有する有機化合物であることができる。有機配位子(G)は、例えば半導体粒子の表面に配位することができる。
有機配位子(G)は、1種の配位子であってもよいし2種以上の配位子であってもよい。有機配位子(G)が極性基を有する有機化合物である場合、有機配位子(G)は通常、その極性基を介して半導体粒子に配位する。有機配位子(G)が配位していることは、有機配位子(G)に好適な分散媒に半導体粒子(A)が均一分散することから確認することができる。半導体粒子(A)として配位子含有半導体粒子を用いることは、半導体粒子(A)の安定性及び分散性、並びに、発光強度を向上させる観点から有利となり得る。
有機配位子(G)の極性基は、例えば、カルボキシ基(-COOH)及びアミノ基(-NH)からなる群より選択される少なくとも1種の基であることが好ましい。該群より選択される極性基は、半導体粒子への配位性を高めるうえで有利となり得る。中でも、発光強度を高める観点から、極性基は、カルボキシ基であることがより好ましい。有機配位子(G)は、1個又は2個以上の極性基を有し得る。
なお、上記極性基を有し、かつチオール基を有する化合物は、後述するチオール基含有化合物(H)に属するものとする。
有機配位子(G)は、例えば、下記式(x):
-R (x)
で表される有機化合物であることができる。式中、Xは上記の極性基であり、Rはヘテロ原子(N、O、S、ハロゲン原子等)を含んでいてもよい1価の炭化水素基である。該炭化水素基は、炭素-炭素二重結合等の不飽和結合を1個又は2個以上有していてもよい。該炭化水素基は、直鎖状、分岐鎖状又は環状構造を有していてもよい。該炭化水素基の炭素数は、例えば1以上40以下であり、1以上30以下であってもよい。該炭化水素基に含まれるメチレン基は、-O-、-S-、-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-、-C(=O)-NH-、-NH-等で置換されていてもよい。
基Rは、極性基を含んでいてもよい。該極性基の具体例については極性基Xに係る上記記述が引用される。
極性基Xとしてカルボキシ基を有する有機配位子の具体例として、ギ酸、酢酸、プロピオン酸のほか、飽和又は不飽和脂肪酸を挙げることができる。飽和又は不飽和脂肪酸の具体例は、ブチル酸、ペンタン酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸等の飽和脂肪酸;ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、イコセン酸、エルカ酸、ネルボン酸等の一価不飽和脂肪酸;リノール酸、α-リノレン酸、γ-リノレン酸、ステアドリン酸、ジホモ-γ-リノレン酸、アラキドン酸、エイコサテトラエン酸、ドコサジエン酸、アドレン酸(ドコサテトラエン酸)等の多価不飽和脂肪酸を含む。
極性基Xとしてアミノ基を有する有機配位子の具体例は、上で例示した極性基Xとしてカルボキシ基を有する有機配位子のカルボキシ基がアミノ基に置き換わった有機配位子を含む。
上記のほか、上記式(x)で表される有機配位子としては、化合物(G-1)及び化合物(G-2)が挙げられる。化合物(G-1)は、多価カルボン酸化合物である。半導体粒子(A)は、化合物(G-1)を1種のみ含んでいてもよいし2種以上含んでいてもよい。
化合物(G-1)としては、例えば、以下の化合物が挙げられる。
コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、オクタフルオロアジピン酸、アゼライン酸、ドデカン二酸、テトラデカン二酸、ヘキサデカン二酸、ヘプタデカン二酸、オクタデカン二酸、ノナデカン二酸、ドデカフルオロスベリン酸、3-エチル-3-メチルグルタル酸、ヘキサフルオログルタル酸、trans-3-ヘキセン二酸、セバシン酸、ヘキサデカフルオロセバシン酸、アセチレンジカルボン酸、trans-アコニット酸、1,3-アダマンタンジカルボン酸、ビシクロ[2.2.2]オクタン-1,4-ジカルボン酸、cis-4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸、1,1-シクロプロパンジカルボン酸、1,1-シクロブタンジカルボン酸、cis-又はtrans-1,3-シクロヘキサンジカルボン酸、cis-又はtrans-1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、1,1-シクロペンタン二酢酸、1,2,3,4-シクロペンタンテトラカルボン酸、デカヒドロ-1,4-ナフタレンジカルボン酸、2,3-ノルボルナンジカルボン酸、5-ノルボルネン-2,3-ジカルボン酸、フタル酸、3-フルオロフタル酸、イソフタル酸、テトラフルオロイソフタル酸、テレフタル酸、テトラフルオロテレフタル酸、2,5-ジメチルテレフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、2,3-ナフタレンジカルボン酸、1,4-ナフタレンジカルボン酸、1,1’-フェロセンジカルボン酸、2,2’-ビフェニルジカルボン酸、4,4’-ビフェニルジカルボン酸、2,5-フランジカルボン酸、ベンゾフェノン-2,4’-ジカルボン酸一水和物、ベンゾフェノン-4,4’-ジカルボン酸、2,3-ピラジンジカルボン酸、2,3-ピリジンジカルボン酸、2,4-ピリジンジカルボン酸、3,5-ピリジンジカルボン酸、2,5-ピリジンジカルボン酸、2,6-ピリジンジカルボン酸、3,4-ピリジンジカルボン酸、ピラゾール-3,5-ジカルボン酸一水和物、4,4’-スチルベンジカルボン酸、アントラキノン-2,3-ジカルボン酸、4-(カルボキシメチル)安息香酸、ケリドン酸一水和物、アゾベンゼン-4,4’-ジカルボン酸、アゾベンゼン-3,3’-ジカルボン酸、クロレンド酸、1H-イミダゾール-4,5-ジカルボン酸、2,2-ビス(4-カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,10-ビス(4-カルボキシフェノキシ)デカン、ジプロピルマロン酸、ジチオジグリコール酸、3,3’-ジチオジプロピオン酸、4,4’-ジチオジブタン酸、4,4’-ジカルボキシジフェニルエーテル、4,4’-ジカルボキシジフェニルスルホン、エチレングリコール ビス(4-カルボキシフェニル)エーテル、3,4-エチレンジオキシチオフェン-2,5-ジカルボン酸、4,4’-イソプロピリデンジフェノキシ酢酸、1,3-アセトンジカルボン酸、メチレンジサリチル酸、5,5’-チオジサリチル酸、トリス(2-カルボキシエチル)イソシアヌレート、テトラフルオロコハク酸、α,α,α’,α’-テトラメチル-1,3-ベンゼンジプロピオン酸、1,3,5-ベンゼントリカルボン酸等。
半導体粒子(A)の安定性及び分散性、並びに、発光強度を向上させる観点から、化合物(G-1)の分子量は、好ましくは3000以下、より好ましくは2500以下、さらに好ましくは2000以下、なおさらに好ましくは1000以下、特に好ましくは800以下、最も好ましくは500以下である。化合物(G-1)の分子量は、通常100以上である。
上記分子量は、数平均分子量であってもよいし重量平均分子量であってもよい。この場合、数平均分子量及び重量平均分子量はそれぞれ、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定される標準ポリスチレン換算の数平均分子量及び重量平均分子量である。
配位子含有半導体粒子が化合物(G-1)を含む場合、半導体粒子に対する化合物(G-1)の含有量比は、質量比で、好ましくは0.001以上1以下、より好ましくは0.01以上0.5以下、さらに好ましくは0.02以上0.45以下である。該含有量比がこの範囲にあると、半導体粒子(A)の安定性及び分散性、並びに、発光強度を向上させる観点から有利となり得る。
化合物(G-2)は、化合物(G-1)とは異なる化合物であって、ポリアルキレングリコール構造を含み、かつ極性基を分子末端に有する化合物である。分子末端とは、化合物(G-2)中、最も長い炭素鎖(炭素鎖中の炭素原子は、酸素原子等の他の原子に置き換わっていてもよい。)の末端であることが好ましい。
半導体粒子(A)は、化合物(G-2)を1種のみ含んでいてもよいし2種以上含んでいてもよい。半導体粒子(A)は、化合物(G-1)又は化合物(G-2)を含んでいてもよいし、化合物(G-1)及び化合物(G-2)を含んでいてもよい。
なお、ポリアルキレングリコール構造を含む多価カルボン酸化合物は、化合物(G-1)に属するものとする。
ポリアルキレングリコール構造とは、下記式:
Figure 2023152726000001

で表される構造をいう(nは2以上の整数)。式中、Rはアルキレン基であり、例えば、エチレン基、プロピレン基等が挙げられる。
化合物(G-2)の具体例として、下記式(G-2a)で表されるポリアルキレングリコール系化合物を挙げることができる。
Figure 2023152726000002
式(G-2a)中、Xは極性基であり、Yは1価の基であり、Zは2価又は3価の基である。nは2以上の整数である。mは1又は2である。Rはアルキレン基である。
極性基Xは、カルボキシ基(-COOH)及びアミノ基(-NH)からなる群より選択される少なくとも1種の基であることが好ましい。該群より選択される極性基は、半導体粒子への配位性を高めるうえで有利となり得る。中でも、半導体粒子(A)の安定性及び分散性、並びに、発光強度を向上させる観点から、極性基Xは、カルボキシ基であることがより好ましい。
基Yは1価の基である。基Yとしては特に制限されず、置換基(N、O、S、ハロゲン原子等)を有していてもよい1価の炭化水素基が挙げられる。該炭化水素基に含まれる-CH-は、-O-、-S-、-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-、-C(=O)-NH-、-NH-等で置換されていてもよい。上記炭化水素基の炭素数は、例えば1以上12以下である。該炭化水素基は、不飽和結合を有していてもよい。
基Yとしては、直鎖状、分岐鎖状又は環状構造を有する炭素数1以上12以下のアルキル基;直鎖状、分岐鎖状又は環状構造を有する炭素数1以上12以下のアルコキシ基等が挙げられる。該アルキル基及びアルコキシ基の炭素数は、好ましくは1以上8以下であり、より好ましくは1以上6以下であり、さらに好ましくは1以上4以下である。該アルキル基及びアルコキシ基に含まれる-CH-は、-O-、-S-、-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-、-C(=O)-NH-、-NH-等で置換されていてもよい。中でも、基Yは、炭素数が1以上4以下である直鎖状又は分岐鎖状のアルコキシ基であることが好ましく、炭素数が1以上4以下である直鎖状のアルコキシ基であることがより好ましい。
基Yは、極性基を含んでいてもよい。該極性基としては、カルボキシ基(-COOH)及びアミノ基(-NH)からなる群より選択される少なくとも1種の基が挙げられる。ただし上述のとおり、ポリアルキレングリコール構造を含む多価カルボン酸化合物は、化合物(G-1)に属するものとする。該極性基は、好ましくは基Yの末端に配置される。
基Zは2価又は3価の基である。基Zとしては特に制限されず、ヘテロ原子(N、O、S、ハロゲン原子等)を含んでいてもよい2価又は3価の炭化水素基が挙げられる。該炭化水素基の炭素数は、例えば1以上24以下である。該炭化水素基は、不飽和結合を有していてもよい。
2価の基である基Zとしては、直鎖状、分岐鎖状又は環状構造を有する炭素数1以上24以下のアルキレン基;直鎖状、分岐鎖状又は環状構造を有する炭素数1以上24以下のアルケニレン基等が挙げられる。該アルキル基及びアルケニレン基の炭素数は、好ましくは1以上12以下であり、より好ましくは1以上8以下であり、さらに好ましくは1以上4以下である。該アルキル基及びアルケニレン基に含まれる-CH-は、-O-、-S-、-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-、-C(=O)-NH-、-NH-等で置換されていてもよい。3価の基である基Zの例としては、上記2価の基である基Zから水素原子を1つ取り除いた基を挙げることができる。
基Zは、分岐構造を有していてもよい。分岐構造を有する基Zは、上記式(G-2a)に示されるポリアルキレングリコール構造を含む分岐鎖とは別の分岐鎖において、上記式(G-2a)に示されるポリアルキレングリコール構造とは別のポリアルキレングリコール構造を有していてもよい。
中でも、基Zは、炭素数が1以上6以下である直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基であることが好ましく、炭素数が1以上4以下である直鎖状のアルキレン基であることがより好ましい。
はアルキレン基であり、炭素数が1以上6以下である直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基であることが好ましく、炭素数が1以上4以下である直鎖状のアルキレン基であることがより好ましい。
式(G-2a)中のnは2以上の整数であり、好ましくは2以上540以下であり、より好ましくは2以上120以下であり、さらに好ましくは2以上60以下である。
化合物(G-2)の分子量は、例えば150以上10000以下程度であり得るが、半導体粒子(A)の安定性及び分散性、並びに、発光強度を向上させる観点から、150以上5000以下であることが好ましく、150以上4000以下であることがより好ましい。該分子量は、数平均分子量であってもよいし重量平均分子量であってもよい。この場合、数平均分子量及び重量平均分子量はそれぞれ、GPCにより測定される標準ポリスチレン換算の数平均分子量及び重量平均分子量である。
配位子含有半導体粒子が化合物(G-2)を含む場合、半導体粒子に対する化合物(G-2)の含有量比は、質量比で、好ましくは0.001以上2以下、より好ましくは0.01以上1.5以下、さらに好ましくは0.1以上1以下である。該含有量比がこの範囲にあると、半導体粒子(A)の安定性及び分散性、並びに、発光強度を向上させる観点から有利となり得る。
半導体粒子(A)が配位子含有半導体粒子である場合、半導体粒子に対する有機配位子の含有量の比は、質量比で、好ましくは0.001以上1以下、より好ましくは0.01以上0.8以下、さらに好ましくは0.02以上0.5以下である。該含有量比がこの範囲にあると、半導体粒子(A)の安定性及び分散性、並びに、発光強度を向上させる観点から有利となり得る。ここでいう有機配位子の含有量とは、すべての有機配位子の合計含有量である。
組成物における半導体粒子(A)(ただし、有機配位子(G)を含む配位子含有半導体粒子である場合には、有機配位子(G)は除く。)の含有率は、組成物の固形分の総量に対して30質量%超である。これにより、発光強度が良好な膜を形成することができる。発光強度向上の観点から、上記含有率は、組成物の固形分の総量に対して、好ましくは32質量%以上、より好ましくは35質量%以上、さらに好ましくは38質量%以上、なおさらに好ましくは40質量%以上であり、45質量%以上又は50質量%以上であってもよい。また、膜の残膜率(耐溶剤性)を向上させる観点から、上記含有率は、組成物の固形分の総量に対して、好ましくは70質量%以下、より好ましくは65質量%以下、さらに好ましくは60質量%以下、なおさらに好ましくは55質量%以下である。
本明細書において固形分の総量とは、組成物に含まれる成分のうち、溶剤(I)を除いた成分の合計を意味する。組成物の固形分中の含有率は、液体クロマトグラフィ又はガスクロマトグラフィ等の公知の分析手段で測定することができる。組成物の固形分中における各成分の含有率は、該組成物調製時の配合から算出されてもよい。
[2]樹脂(B)
樹脂(B)は、1種又は2種以上の樹脂を含むことができる。樹脂(B)としては、以下の樹脂[K1]~[K4]等が挙げられる。
樹脂[K1];不飽和カルボン酸及び不飽和カルボン酸無水物からなる群より選ばれる少なくとも1種(a)(以下、「(a)」ともいう。)と、(a)と共重合可能な単量体(c)(ただし、(a)とは異なる。)(以下、「(c)」ともいう。)との共重合体;
樹脂[K2];(a)と(c)との共重合体に炭素数2~4の環状エーテル構造とエチレン性不飽和結合とを有する単量体(b)(以下、「(b)」ともいう。)を反応させることにより得ることができる、(a)と(c)と(b)とに由来する構造を有する樹脂;
樹脂[K3];(b)と(c)との共重合体に(a)を反応させることにより得ることができる、(b)と(c)と(a)とに由来する構造を有する樹脂;
樹脂[K4];(b)と(c)との共重合体に(a)を反応させ、さらにカルボン酸無水物を反応させることにより得ることができる、(b)と(c)と(a)とカルボン酸無水物とに由来する構造を有する樹脂。
(a)としては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、o-、m-、p-ビニル安息香酸等の不飽和モノカルボン酸;
マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸、3-ビニルフタル酸、4-ビニルフタル酸、3,4,5,6-テトラヒドロフタル酸、1,2,3,6-テトラヒドロフタル酸、ジメチルテトラヒドロフタル酸、1,4-シクロヘキセンジカルボン酸等の不飽和ジカルボン酸;
メチル-5-ノルボルネン-2,3-ジカルボン酸、5-カルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5,6-ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-カルボキシ-5-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-カルボキシ-5-エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-カルボキシ-6-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-カルボキシ-6-エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン等のカルボキシ基を含有するビシクロ不飽和化合物;
無水マレイン酸、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、3-ビニルフタル酸無水物、4-ビニルフタル酸無水物、3,4,5,6-テトラヒドロフタル酸無水物、1,2,3,6-テトラヒドロフタル酸無水物、ジメチルテトラヒドロフタル酸無水物、5,6-ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン無水物等の不飽和ジカルボン酸無水物;
こはく酸モノ〔2-(メタ)アクリロイルオキシエチル〕、フタル酸モノ〔2-(メタ)アクリロイルオキシエチル〕等の2価以上の多価カルボン酸の不飽和モノ〔(メタ)アクリロイルオキシアルキル〕エステル;
α-(ヒドロキシメチル)(メタ)アクリル酸のような、同一分子中にヒドロキシ基及びカルボキシ基を含有する不飽和(メタ)アクリレート
等が挙げられる。
これらのうち、共重合反応性等の観点から、(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸等が好ましい。
本明細書において(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸及び/又はメタクリル酸を意味する。「(メタ)アクリロイル」、「(メタ)アクリレート」等においても同様である。
(b)は、例えば、炭素数2~4の環状エーテル構造(例えば、オキシラン環、オキセタン環及びテトラヒドロフラン環からなる群より選ばれる少なくとも1種)とエチレン性不飽和結合とを有する単量体である。(b)は、炭素数2~4の環状エーテル構造と(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する単量体であることが好ましい。
(b)としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、β-メチルグリシジル(メタ)アクリレート、β-エチルグリシジル(メタ)アクリレート、グリシジルビニルエーテル、o-ビニルベンジルグリシジルエーテル、m-ビニルベンジルグリシジルエーテル、p-ビニルベンジルグリシジルエーテル、α-メチル-o-ビニルベンジルグリシジルエーテル、α-メチル-m-ビニルベンジルグリシジルエーテル、α-メチル-p-ビニルベンジルグリシジルエーテル、2,3-ビス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,4-ビス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,5-ビス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,6-ビス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,3,4-トリス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,3,5-トリス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,3,6-トリス(グリシジルオキシメチル)スチレン、3,4,5-トリス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,4,6-トリス(グリシジルオキシメチル)スチレン等のオキシラン環とエチレン性不飽和結合とを有する単量体;
3-メチル-3-メタクリルロイルオキシメチルオキセタン、3-メチル-3-アクリロイルオキシメチルオキセタン、3-エチル-3-メタクリロイルオキシメチルオキセタン、3-エチル-3-アクリロイルオキシメチルオキセタン、3-メチル-3-メタクリロイルオキシエチルオキセタン、3-メチル-3-アクリロイルオキシエチルオキセタン、3-エチル-3-メタクリロイルオキシエチルオキセタン、3-エチル-3-アクリロイルオキシエチルオキセタン等のオキセタン環とエチレン性不飽和結合とを有する単量体;
テトラヒドロフルフリルアクリレート(例えば、ビスコートV#150、大阪有機化学工業(株)製)、テトラヒドロフルフリルメタクリレート等のテトラヒドロフラン環とエチレン性不飽和結合とを有する単量体
等が挙げられる。
樹脂[K2]~[K4]の製造時の反応性が高く、未反応の(b)が残存しにくいことから、(b)としては、オキシラン環とエチレン性不飽和結合とを有する単量体が好ましい。
(c)としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、sec-ブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2-メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン-8-イル(メタ)アクリレート(当該技術分野では、慣用名として「ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート」といわれている。また、「トリシクロデシル(メタ)アクリレート」という場合がある。)、トリシクロ[5.2.1.02,6]デセン-8-イル(メタ)アクリレート(当該技術分野では、慣用名として「ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート」といわれている。)、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、プロパルギル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ナフチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル;
2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル;
マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、イタコン酸ジエチル等のジカルボン酸ジエステル;
ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-ヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-ヒドロキシメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-(2’-ヒドロキシエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-メトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-エトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5,6-ジヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5,6-ジ(ヒドロキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5,6-ジ(2’-ヒドロキシエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5,6-ジメトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5,6-ジエトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-ヒドロキシ-5-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-ヒドロキシ-5-エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-ヒドロキシメチル-5-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-tert-ブトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-シクロヘキシルオキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-フェノキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5,6-ビス(tert-ブトキシカルボニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5,6-ビス(シクロヘキシルオキシカルボニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン等のビシクロ不飽和化合物;
N-フェニルマレイミド、N-シクロヘキシルマレイミド、N-ベンジルマレイミド、N-スクシンイミジル-3-マレイミドベンゾエート、N-スクシンイミジル-4-マレイミドブチレート、N-スクシンイミジル-6-マレイミドカプロエート、N-スクシンイミジル-3-マレイミドプロピオネート、N-(9-アクリジニル)マレイミド等のジカルボニルイミド誘導体;
スチレン、α-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、ビニルトルエン、p-メトキシスチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリルアミド、メタクリルアミド、酢酸ビニル、1,3-ブタジエンイソプレン、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン
等が挙げられる。
これらのうち、共重合反応性及び樹脂(B)の耐熱性の点からは、スチレン、ビニルトルエン、N-フェニルマレイミド、N-シクロヘキシルマレイミド、N-ベンジルマレイミド、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン等が好ましい。
樹脂[K1]において、それぞれに由来する構成単位の比率は、樹脂[K1]を構成する全構成単位中、
(a)に由来する構成単位;2モル%以上60モル%以下
(c)に由来する構成単位;40モル%以上98モル%以下
であることが好ましく、
(a)に由来する構成単位;10モル%以上50モル%以下(c)に由来する構成単位;50モル%以上90モル%以下
であることがより好ましい。
樹脂[K1]の構成単位の比率が上記の範囲にあると、組成物の保存安定性及び膜の耐溶剤性に優れる傾向がある。
なお、樹脂(B)が(a)に由来する構成単位を含む場合、(a)に由来する構成単位を2種以上を含むことができ、この場合、(a)に由来する構成単位の比率(モル基準の含有率)は、各構成単位の比率の総和である。(b)、(c)等の他の単量体に由来する構成単位についても同様である。
樹脂[K1]は、例えば、文献「高分子合成の実験法」(大津隆行著 発行所(株)化学同人 第1版第1刷 1972年3月1日発行)に記載された方法及び当該文献に記載された引用文献を参考にして製造することができる。
具体的には、(a)及び(c)の所定量、重合開始剤並びに溶剤等を反応容器中に入れて、例えば、窒素により酸素を置換することにより、脱酸素雰囲気にし、攪拌しながら、加熱及び保温する方法が挙げられる。
用いられる重合開始剤及び溶剤等は、特に限定されず、当該分野で通常使用されているものを使用することができる。例えば、重合開始剤としては、アゾ化合物(2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)等)や有機過酸化物(ベンゾイルペルオキシド等)が挙げられ、溶剤としては、各モノマーを溶解するものであればよく、組成物に含まれていてもよい溶剤(I)として後述する溶剤等が挙げられる。
得られた共重合体は、反応後の溶液をそのまま使用してもよいし、濃縮あるいは希釈した溶液を使用してもよいし、再沈殿等の方法で固体(粉体)として取り出したものを使用してもよい。重合の際の溶剤として後述の溶剤(I)を使用すれば、反応後の溶液をそのまま組成物の調製に使用することができるため、組成物の製造工程を簡略化できる。
樹脂[K2]は、(a)と(c)との共重合体に、(b)が有する炭素数2~4の環状エーテルを(a)が有するカルボン酸及び/又はカルボン酸無水物に付加させることにより製造することができる。
まず(a)と(c)との共重合体を、樹脂[K1]の製造方法として記載した方法と同様にして製造する。この場合、それぞれに由来する構成単位の比率は、樹脂[K1]について述べた比率と同じであることが好ましい。
次に、上記共重合体中の(a)に由来するカルボン酸及び/又はカルボン酸無水物の一部に、(b)が有する炭素数2~4の環状エーテルを反応させる。
(a)と(c)との共重合体の製造に引き続き、フラスコ内雰囲気を窒素から空気に置換し、(b)、カルボン酸又はカルボン酸無水物と環状エーテルとの反応触媒(例えば有機リン化合物、金属錯体、アミン化合物等)及び重合禁止剤(例えばハイドロキノン等)等の存在下、例えば60℃以上130℃以下で、1~10時間反応することにより、樹脂[K2]を製造することができる。
(b)の使用量は、(a)100モルに対して、好ましくは5モル以上80モル以下、より好ましくは10モル以上75モル以下である。この範囲にすることにより、組成物の保存安定性、並びに、膜の耐溶剤性、耐熱性及び機械強度のバランスが良好になる傾向がある。
反応触媒としての有機リン化合物としては、例えばトリフェニルホスフィン等が挙げられる。反応触媒としてのアミン化合物としては、例えば脂肪族第三級アミン化合物又は脂肪族第四級アンモニウム塩化合物等が使用可能であり、その具体例としては、例えばトリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、トリエチルアミン、テトラブチルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムクロリド等が挙げられる。膜の発光強度の観点から、反応触媒は、好ましくは有機リン化合物である。
反応触媒の使用量は、(a)、(b)及び(c)の合計量100質量部に対して、好ましくは0.001質量部以上5質量部以下である。
重合禁止剤の使用量は、(a)、(b)及び(c)の合計量100質量部に対して、好ましくは0.001質量部以上5質量部以下である。
仕込方法、反応温度及び時間等の反応条件は、製造設備や重合による発熱量等を考慮して適宜調整することができる。なお、重合条件と同様に、製造設備や重合による発熱量等を考慮し、仕込方法や反応温度を適宜調整することができる。
樹脂[K3]は、第一段階として、上述した樹脂[K1]の製造方法と同様にして、(b)と(c)との共重合体を得る。上記と同様に、得られた共重合体は、反応後の溶液をそのまま使用してもよいし、濃縮あるいは希釈した溶液を使用してもよいし、再沈殿等の方法で固体(粉体)として取り出したものを使用してもよい。
(b)及び(c)に由来する構成単位の比率は、上記共重合体を構成する全構成単位の合計モル数に対して、それぞれ、
(b)に由来する構成単位;5モル%以上95モル%以下
(c)に由来する構成単位;5モル%以上95モル%以下
であることが好ましく、
(b)に由来する構成単位;10モル%以上90モル%以下
(c)に由来する構成単位;10モル%以上90モル%以下
であることがより好ましい。
樹脂[K3]は、樹脂[K2]の製造方法と同様の条件で(b)と(c)との共重合体が有する(b)に由来する環状エーテルに、(a)が有するカルボン酸又はカルボン酸無水物を反応させることにより得ることができる。
上記共重合体に反応させる(a)の使用量は、(b)100モルに対して、5モル以上80モル以下が好ましい。
樹脂[K4]は、樹脂[K3]に、さらにカルボン酸無水物を反応させた樹脂である。環状エーテルとカルボン酸又はカルボン酸無水物との反応により発生するヒドロキシ基に、カルボン酸無水物を反応させる。
カルボン酸無水物としては、例えば、無水マレイン酸、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、3-ビニルフタル酸無水物、4-ビニルフタル酸無水物、3,4,5,6-テトラヒドロフタル酸無水物、1,2,3,6-テトラヒドロフタル酸無水物、ジメチルテトラヒドロフタル酸無水物、5,6-ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン無水物等が挙げられる。
カルボン酸無水物の使用量は、(a)の使用量1モルに対して、0.5モル以上1モル以下が好ましい。
樹脂[K1]、樹脂[K2]、樹脂[K3]及び樹脂[K4]としては、例えば、
ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン/(メタ)アクリル酸共重合体等の樹脂[K1];
ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体にグリシジル(メタ)アクリレートを付加させた樹脂、トリシクロデシル(メタ)アクリレート/スチレン/(メタ)アクリル酸共重合体にグリシジル(メタ)アクリレートを付加させた樹脂、トリシクロデシル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体にグリシジル(メタ)アクリレートを付加させた樹脂等の樹脂[K2];
トリシクロデシル(メタ)アクリレート/グリシジル(メタ)アクリレートの共重合体に(メタ)アクリル酸を反応させた樹脂、トリシクロデシル(メタ)アクリレート/スチレン/グリシジル(メタ)アクリレートの共重合体に(メタ)アクリル酸を反応させた樹脂等の樹脂[K3];
トリシクロデシル(メタ)アクリレート/グリシジル(メタ)アクリレートの共重合体に(メタ)アクリル酸を反応させた樹脂にさらにテトラヒドロフタル酸無水物を反応させた樹脂等の樹脂[K4]等が挙げられる。
樹脂(B)の更なる例として、特開2018-123274号公報に記載の樹脂が挙げられる。該樹脂としては、側鎖に二重結合を有するとともに、主鎖に、下記式(I)で表される構成単位(α)と、下記式(II)で表される構成単位(β)とを含み、さらに酸基を含む重合体(以下、「樹脂(Ba)」ともいう。)が挙げられる。
酸基は、例えば樹脂(Ba)が、酸基含有単量体(例えば(メタ)アクリル酸等)に由来する構成単位(γ)を含むことで、樹脂中に導入されたものであることができる。樹脂(Ba)は、好ましくは、主鎖骨格に構成単位(α)、(β)及び(γ)を含む。
Figure 2023152726000003

[式中、R及びRは、同一又は異なって、水素原子又は炭素数1~25の炭化水素基を表す。nは、式(I)で表される構成単位の平均繰り返し単位数を表し、1以上の数である。]
Figure 2023152726000004

[式中、Rは、同一又は異なって、水素原子又はメチル基を表す。Rは、同一又は異なって、炭素数4~20の直鎖状又は分岐鎖状炭化水素基を表す。mは、式(II)で表される構成単位の平均繰り返し単位数を表し、1以上の数である。]
樹脂(Ba)において、構成単位(α)の含有割合は、樹脂(Ba)の耐熱性や保存安定性の観点から、樹脂(Ba)の主鎖骨格を与える全単量体単位の総量100質量%に対し、例えば0.5質量%以上50質量%以下、好ましくは1質量%以上40質量%以下、より好ましくは5質量%以上30質量%以下である。式(I)中のnは、樹脂(Ba)中の構成単位(α)の平均繰り返し単位数を表し、構成単位(α)の含有割合が上記範囲内になるようにnを設定することができる。
構成単位(β)の含有割合は、膜の耐溶剤性の観点から、樹脂(Ba)の主鎖骨格を与える全単量体単位の総量100質量%に対し、例えば10質量%以上90質量%以下、好ましくは20質量%以上80質量%以下、より好ましくは30質量%以上75質量%以下である。式(II)中のmは、樹脂(Ba)中の構成単位(β)の平均繰り返し単位数を表し、構成単位(β)の含有割合が上述した範囲内になるようにmを設定することができる。
構成単位(γ)の含有割合は、溶剤(I)に対する樹脂(Ba)の溶解性の観点から、樹脂(Ba)の主鎖骨格を与える全単量体単位の総量100質量%に対し、例えば0.5質量%以上50質量%以下、好ましくは2質量%以上50質量%以下、より好ましくは5質量%以上45質量%以下である。
樹脂(B)の更なる例として、ポリアルキレングリコール化合物が挙げられる。ポリアルキレングリコール化合物としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等が挙げられる。
樹脂(B)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によって測定される標準ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が、好ましくは9000以下である。樹脂(B)が上記Mwを有することにより、膜の発光強度を向上させやすい傾向にある。樹脂(B)の標準ポリスチレン換算のMwは、例えば1000以上9000以下であり、膜の強度強度の観点から、好ましくは2000以上8500以下、より好ましくは3000以上8500以下である。
樹脂(B)のMwを上記範囲とするために、用いる原料の選択、仕込方法、反応温度及び時間等の反応条件を適宜組み合わせて調整することができる。
GPCによって測定される樹脂(B)の分子量分布[重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)]は、例えば1.0以上6.0以下であり、膜の発光強度を高める観点から、好ましくは1.2以上4.0以下である。
樹脂(B)の酸価は、膜の発光強度及び耐溶剤性を高める観点から、好ましくは90mgKOH/g以上150mgKOH/g以下、より好ましくは95mgKOH/g以上140mgKOH/g以下であり、さらに好ましくは100mgKOH/g以上130mgKOH/g以下である。酸価は、樹脂(B)1gを中和するに必要な水酸化カリウムの量(mg)として測定される値であり、例えば水酸化カリウム水溶液を用いて滴定することにより求めることができる。
樹脂(B)は、膜の発光強度を高める観点から、二重結合当量が、300g/eq以上2000g/eq以下の樹脂を含むことが好ましく、500g/eq以上1500g/eq以下である樹脂を含むことがより好ましい。300g/eq以上2000g/eq以下の二重結合当量を有する樹脂としては、(メタ)アクリル系樹脂が挙げられる。樹脂(B)は、好ましくは(メタ)アクリル系樹脂からなる。
組成物における樹脂(B)の含有率〔質量%〕に対する半導体粒子(A)の含有率〔質量%〕の比(半導体粒子(A)/樹脂(B))は、例えば6.0以下であり、好ましくは5.5以下、より好ましくは5.0以下、さらに好ましくは4.0以下、なおさらに好ましくは3.0以下である。中でも、膜の残膜率(耐溶剤性)を向上させる観点から、上記比は、好ましくは2.5未満、より好ましくは2.2以下、さらに好ましくは2.0以下、なおさらに好ましくは1.8以下である。また、発光強度向上の観点から、上記比は、好ましくは0.7超、より好ましくは0.8以上、さらに好ましくは1.0以上、なおさらに好ましくは1.2以上、特に好ましくは1.4以上である。
組成物における樹脂(B)の含有率は、組成物の固形分の総量に対して、例えば5質量%以上80質量%以下、好ましくは10質量%以上70質量%以下、より好ましくは15質量%以上60質量%以下であり、さらに好ましくは15質量%以上50質量%以下である。樹脂(B)の含有率が上記範囲であると、半導体粒子(A)が分散し易くなり、膜の発光強度が高くなりやすい傾向にあり、また、上記樹脂(B)の含有率に対する半導体粒子(A)の含有率の比を満たしやすくなる。
[3]重合性化合物(C)
組成物は、重合性化合物(C)を含むことができる。重合性化合物(C)は、後述する重合開始剤(D)から発生した活性ラジカル、酸等によって重合し得る化合物である。組成物は、重合性化合物(C)を2種以上含んでいてもよい。
重合性化合物(C)としては、光の照射によって硬化する光重合性化合物、及び、熱により硬化する熱重合性化合物が挙げられる。光重合性化合物としては、光の照射によって、ラジカル重合反応により硬化する光ラジカル重合性化合物、並びに光の照射によってカチオン重合反応により硬化する光カチオン重合性化合物等が挙げられる。光重合性化合物は、光ラジカル重合性化合物であることが好ましい。
光重合性化合物の重量平均分子量は、例えば150以上3000以下、好ましくは150以上2900以下、より好ましくは250以上1500以下である。
光ラジカル重合性化合物としては、重合性のエチレン性不飽和結合を有する化合物等が挙げられ、中でも(メタ)アクリレート化合物が好ましい。(メタ)アクリレート化合物としては、分子内に1個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する単官能(メタ)アクリレートモノマー(以下、「化合物(C-1)」ともいう。)、分子内に2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する2官能(メタ)アクリレートモノマー(以下、「化合物(C-2)」ともいう。)、及び、分子内に3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する多官能(メタ)アクリレートモノマー(以下、「化合物(C-3)」ともいう。)が挙げられる。
化合物(C-1)としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート(ラウリル(メタ)アクリレート)、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、コハク酸モノ(2-アクリロイルオキシエチル)、N-[2-(アクリロイルオキシ)エチル]フタルイミド、N-[2-(アクリロイルオキシ)エチル]テトラヒドロフタルイミド、2-(2-ビニロキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、ω-カルボキシ-ポリカプロラクトンモノアクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート(エトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート)、3,3,5-トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
化合物(C-2)としては、1,3-ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5-ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、3-メチル-1,5-ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,8-オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコ-ルヒドロキシピバリン酸エステルジ(メタ)アクリレ-ト、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートの2つの水酸基が(メタ)アクリロイルオキシ基によって置換されたジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール1モルに4モル以上のエチレンオキサイド若しくはプロピレンオキサイドを付加して得られるジオールの2つの水酸基が(メタ)アクリロイルオキシ基によって置換されたジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA1モルに2モルのエチレンオキサイド若しくはプロピレンオキサイドを付加して得られるジオールの2つの水酸基が(メタ)アクリロイルオキシ基によって置換されたジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン1モルに3モル以上のエチレンオキサイド若しくはプロピレンオキサイドを付加して得られるトリオールの2つの水酸基が(メタ)アクリロイルオキシ基によって置換されたジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA1モルに4モル以上のエチレンオキサイド若しくはプロピレンオキサイドを付加して得られるジオールの2つの水酸基が(メタ)アクリロイルオキシ基によって置換されたジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
化合物(C-3)としては、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトールデカ(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトールノナ(メタ)アクリレート、トリス(2-(メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、エチレングリコール変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エチレングリコール変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、プロピレングリコール変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、プロピレングリコール変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートコハク酸モノエステル、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートコハク酸モノエステル、ペンタエリスリトールトリアクリレートマレイン酸モノエステル、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートマレイン酸モノエステル等が挙げられる。
光カチオン重合性化合物としては、分子内に少なくとも1個のオキセタン環(4員環エーテル)を有する化合物(以下、単に「オキセタン化合物」ともいう。)、分子内に少なくとも1個のオキシラン環(3員環エーテル)を有する化合物(以下、単に「エポキシ化合物」ともいう。)、及びビニルエーテル化合物等が挙げられる。
オキセタン化合物としては、3-エチル-3-ヒドロキシメチルオキセタン、1,4-ビス〔(3-エチル-3-オキセタニル)メトキシメチル〕ベンゼン、3-エチル-3-(フェノキシメチル)オキセタン、ジ〔(3-エチル-3-オキセタニル)メチル〕エーテル、3-エチル-3-(2-エチルヘキシロキシメチル)オキセタン、フェノールノボラックオキセタン等が挙げられる。これらのオキセタン化合物は、市販品を容易に入手することが可能であり、市販品としては、いずれも東亞合成(株)から販売されている商品名で、“アロンオキセタン(登録商標) OXT-101”、“アロンオキセタン(登録商標) OXT-121”、“アロンオキセタン(登録商標) OXT-211”、“アロンオキセタン(登録商標) OXT-221”、“アロンオキセタン(登録商標)OXT-212”等が挙げられる。
エポキシ化合物としては、芳香族エポキシ化合物、脂環式環を有するポリオールのグリシジルエーテル、脂肪族エポキシ化合物、脂環式エポキシ化合物等が挙げられる。
芳香族エポキシ化合物としては、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、ビスフェールFのジグリシジルエーテル及びビスフェノールSのジグリシジルエーテル等のビスフェノール型エポキシ樹脂;フェノールノボラックエポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂及びヒドロキシベンズアルデヒドフェノールノボラックエポキシ樹脂等のノボラック型のエポキシ樹脂;テトラヒドロキシフェニルメタンのグリシジルエーテル、テトラヒドロキシベンゾフェノンのグリシジルエーテル及びエポキシ化ポリビニルフェノール等の多官能型のエポキシ樹脂等が挙げられる。
脂環式環を有するポリオールのグリシジルエーテルとしては、芳香族ポリオールを触媒の存在下、加圧下で芳香環に選択的に水素化反応を行うことにより得られる核水添ポリヒドロキシ化合物を、グリシジルエーテル化したものが挙げられる。芳香族ポリオールとしては、ビスフェノールA、ビスフェールF、ビスフェノールS等のビスフェノール型化合物;フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ヒドロキシベンズアルデヒドフェノールノボラック樹脂等のノボラック型樹脂;テトラヒドロキシジフェニルメタン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、ポリビニルフェノール等の多官能型の化合物等が挙げられる。これら芳香族ポリオールの芳香環に水素化反応を行って得られる脂環式ポリオールに、エピクロロヒドリンを反応させることにより、グリシジルエーテルとすることができる。このような脂環式環を有するポリオールのグリシジルエーテルのなかでも好ましいものとして、水素化されたビスフェノールAのジグリシジルエーテルが挙げられる。
脂肪族エポキシ化合物としては、脂肪族多価アルコール又はそのアルキレンオキサイド付加物のポリグリシジルエーテル等が挙げられる。具体的には、1,4-ブタンジオールのジグリシジルエーテル;1,6-ヘキサンジオールのジグリシジルエーテル;グリセリンのトリグリシジルエーテル;トリメチロールプロパンのトリグリシジルエーテル;ポリエチレングリコールのジグリシジルエーテル;プロピレングリコールのジグリシジルエーテル;ネオペンチルグリコールのジグリシジルエーテル;エチレングリコール、プロピレングリコール若しくはグリセリン等の脂肪族多価アルコールに1種又は2種以上のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイドやプロピレンオキサイド)を付加することにより得られるポリエーテルポリオールのポリグリシジルエーテル等が挙げられる。
脂環式エポキシ化合物は、脂環式環の炭素原子とともにオキシラン環を形成している構造を分子内に少なくとも1個有する化合物であり、“セロキサイド”シリーズ及び“サイクロマー”(全て、株式会社ダイセル製)、“サイラキュア UVR”シリーズ(ダウケミカル社製)等が使用できる。
ビニルエーテル化合物としては、2-ヒドロキシエチルビニルエーテル、トリエチレングリコールビニルモノエーテル、テトラエチレングリコールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等が挙げられる。
光重合性化合物は、分子内に3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する多官能(メタ)アクリレートモノマー(化合物(C-3))を含むことが好ましい。組成物が化合物(C-3)を含むことにより、膜の耐熱性及び機械的強度を高めることができ、さらには発光強度を向上させるうえでも有利となり得る。また、組成物が化合物(C-3)を含むことにより、組成物の硬化性を向上させ得る。
化合物(C-3)としては、分子内に3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有し、かつ、酸性官能基を有する化合物(C-3a)、分子内に3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有し、かつ、酸性官能基を有しない化合物(C-3b)が挙げられる。光重合性化合物は、化合物(C-3a)及び化合物(C-3b)の少なくとも1種を含むことが好ましく、化合物(C-3a)を2種以上、化合物(C-3b)を2種以上、又は化合物(C-3a)の少なくとも1種と化合物(C-3b)の少なくとも1種とを含んでいてもよい。上記酸性官能基としては、例えば、カルボキシ基、スルホン酸基、リン酸基等が挙げられる。中でも、酸性官能基は、カルボキシ基であることが好ましい。
化合物(C-3)1分子が有する(メタ)アクリロイルオキシ基の数は、例えば3以上6以下、好ましくは3以上5以下、より好ましくは3である。化合物(C-3a)1分子が有する酸性官能基の数は、1以上であり、好ましくは1である。2以上の酸性官能基を有する場合は、それぞれの酸性官能基は異なってもいてもよく同一であってもよいが、少なくとも1つのカルボキシ基を有することが好ましい。
化合物(D-3a)としては、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート又はジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等の3つ以上の(メタ)アクリロイルオキシ基及びヒドロキシ基を有する化合物と、ジカルボン酸とをエステル化して得られた化合物が挙げられる。該化合物としては、例えば、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートとコハク酸とをモノエステル化した化合物、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートとコハク酸とをモノエステル化した化合物、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートとマレイン酸とをモノエステル化した化合物、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートとマレイン酸とをモノエステル化した化合物等が挙げられる。中でも、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートとコハク酸とをモノエステル化した化合物が好ましい。
化合物(C-3a)の市販品としては、例えば、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートの二塩基酸無水物付加物を主成分とする東亞合成(株)製「アロニックス M-510」、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートの二塩基酸無水物付加物を主成分とする、東亞合成(株)製「アロニックス M-520D」等を挙げることができる。これらの市販品は、酸性官能基としてカルボキシ基を有する。
光重合性化合物が化合物(C-3)を含む場合、化合物(C-3)の含有率は、組成物の硬化性、膜の耐熱性及び発光強度等を高める観点から、光重合性化合物の総量に対して、5質量%以上であることが好ましく、より好ましくは10質量%以上、さらに好ましくは20質量%以上であり、30質量%以上、50質量%以上、70質量%以上、90質量%以上又は100質量%であってもよい。
光重合性化合物が化合物(C-3)を含む場合、化合物(C-3)の含有率は、組成物の硬化性、膜の耐熱性及び発光強度等を高める観点から、組成物の固形分の総量に対して、好ましくは1質量%以上50質量%以下、より好ましくは2質量%以上40質量%以下、さらに好ましくは5質量%以上30質量%以下、なおさらに好ましくは8質量%以上20質量%以下である。
光重合性化合物は、ビニルエーテル基と(メタ)アクリロイル基(好ましくは、(メタ)アクリロイルオキシ基)を同一分子内に有する(メタ)アクリレートモノマー(以下、「化合物(C-4)」ともいう。)を含んでいてもよい。組成物が化合物(C-4)を含むと、膜の発光強度を向上させるうえで有利なことがある。化合物(C-4)は、化合物(C-1)~化合物(C-3)のいずれかに属する化合物であり得る。
化合物(C-4)が有するビニルエーテル基の数は、1以上4以下であることが好ましく、より好ましくは1以上2以下、特に好ましくは1である。化合物(C-4)が有する(メタ)アクリロイル基の数は、1以上4以下であることが好ましく、より好ましくは1以上2以下、特に好ましくは1である。
化合物(C-4)としては、2-ビニロキシエチル(メタ)アクリレート、3-ビニロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ビニロキシプロピル(メタ)アクリレート、1-ビニロキシプロピル(メタ)アクリレート、1-メチル-2-ビニロキシエチル(メタ)アクリレート、4-ビニロキシブチル(メタ)アクリレート、3-ビニロキシブチル(メタ)アクリレート、2-ビニロキシブチル(メタ)アクリレート、1-メチル-3-ビニロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-メチル-3-ビニロキシプロピル(メタ)アクリレート、1-メチル-2-ビニロキシプロピル(メタ)アクリレート、1,1-ジメチル-2-ビニロキシエチル(メタ)アクリレート、6-ビニロキシヘキシル(メタ)アクリレート、4-ビニロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、(4-ビニロキシメチルシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレート、(3-ビニロキシメチルシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレート、(2-ビニロキシメチルシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレート、(4-ビニロキシメチルフェニル)メチル(メタ)アクリレート、(3-ビニロキシメチルフェニル)メチル(メタ)アクリレート、2-ビニロキシメチルフェニルメチル(メタ)アクリレート、2-(2-ビニロキシイソプロポキシ)エチル(メタ)アクリレート、2-(2-ビニロキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2-(2-ビニロキシエトキシ)プロピル(メタ)アクリレート、2-(2-ビニロキシイソプロポキシ)プロピル(メタ)アクリレート、2-(2-ビニロキシエトキシ)イソプロピル(メタ)アクリレート、2-(2-ビニロキシイソプロポキシ)イソプロピル(メタ)アクリレート、2-{2-(2-ビニロキシエトキシ)エトキシ}エチル(メタ)アクリレート、2-{2-(2-ビニロキシイソプロポキシ)エトキシ}エチル(メタ)アクリレート、2-{2-(2-ビニロキシイソプロポキシ)イソプロポキシ}エチル(メタ)アクリレート、2-{2-(2-ビニロキシエトキシ)エトキシ}プロピル(メタ)アクリレート、2-{2-(2-ビニロキシエトキシ)イソプロポキシ}プロピル(メタ)アクリレート、2-{2-(2-ビニロキシイソプロポキシ)エトキシ}プロピル(メタ)アクリレート、2-{2-(2-ビニロキシイソプロポキシ)イソプロポキシ}プロピル(メタ)アクリレート、2-{2-(2-ビニロキシエトキシ)エトキシ}イソプロピル(メタ)アクリレート、2-{2-(2-ビニロキシエトキシ)イソプロポキシ}イソプロピル(メタ)アクリレート、2-{2-(2-ビニロキシイソプロポキシ)エトキシ}イソプロピル(メタ)アクリレート、2-{2-(2-ビニロキシイソプロポキシ)イソプロポキシ}イソプロピル(メタ)アクリレート、2-[2-{2-(2-ビニロキシエトキシ)エトキシ}エトキシ]エチル(メタ)アクリレート、2-[2-{2-(2-ビニロキシイソプロポキシ)エトキシ}エトキシ]エチル(メタ)アクリレート、2-(2-[2-{2-(2-ビニロキシエトキシ)エトキシ}エトキシ]エトキシ)エチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
化合物(C-4)としては、ビニロキシC1-6アルキル(メタ)アクリレート又は(ビニロキシC1-4アルコキシ)C1-4アルキル(メタ)アクリレートが好ましく、(ビニロキシC1-4アルコキシ)C1-4アルキル(メタ)アクリレートがより好ましく、2-(2-ビニロキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレートが特に好ましい。
光重合性化合物が化合物(C-4)を含む場合、化合物(C-4)の含有率は、膜の発光強度を高める観点等から、光重合性化合物の総量に対して、5質量%以上であることが好ましく、より好ましくは10質量%以上、さらに好ましくは20質量%以上、なおさらに好ましくは25質量%以上であり、また、85質量%以下であることが好ましく、より好ましくは75質量%以下、さらに好ましくは65質量%以下、なおさらに好ましくは60質量%以下、特に好ましくは55質量%以下である。
光重合性化合物が化合物(C-4)を含む場合、化合物(C-4)の含有率は、膜の発光強度を高める観点等から、組成物の固形分の総量に対して、好ましくは3質量%以上50質量%以下、より好ましくは5質量%以上45質量%以下、さらに好ましくは10質量%以上40質量%以下、なおさらに好ましくは15質量%以上35質量%以下である。
光重合性化合物が化合物(C-1)を含む場合、化合物(C-1)の含有率は、光重合性化合物の総量に対して、5質量%以上であることが好ましく、より好ましくは10質量%以上、さらに好ましくは15質量%以上、なおさらに好ましくは20質量%以上、特に好ましくは25質量%以上であり、また、75質量%以下であることが好ましく、より好ましくは65質量%以下、さらに好ましくは60質量%以下、なおさらに好ましくは55質量%以下、特に好ましくは50質量%以下である。
光重合性化合物が化合物(C-1)を含む場合、化合物(C-1)の含有率は、組成物の固形分の総量に対して、好ましくは5質量%以上50質量%以下、より好ましくは8質量%以上45質量%以下、さらに好ましくは10質量%以上40質量%以下、なおさらに好ましくは15質量%以上35質量%以下である。
組成物が重合性化合物(C)を含む場合、組成物における重合性化合物(C)の含有率は、組成物の硬化性、膜の耐熱性及び発光強度等を高める観点から、組成物の固形分の総量に対して、好ましくは1質量%以上50質量%以下、より好ましくは2質量%以上40質量%以下、さらに好ましくは5質量%以上30質量%以下、なおさらに好ましくは8質量%以上20質量%以下である。
[4]重合開始剤(D)
組成物が重合性化合物(C)を含む場合、重合開始剤(D)をさらに含むことが好ましい。重合開始剤(D)は、光又は熱の作用により活性ラジカル、酸等を発生し、重合性化合物(C)の重合を開始し得る化合物である。組成物は、1種又は2種以上の重合開始剤(D)を含むことができる。
重合開始剤(D)としては、オキシム化合物、アルキルフェノン化合物、ビイミダゾール化合物、トリアジン化合物及びアシルホスフィン化合物等の光重合開始剤、アゾ系化合物や有機過酸化物等の熱重合開始剤が挙げられる。
オキシム化合物の一例は、下記式(1)で表される第1分子構造を有するオキシム化合物である。以下、該オキシム化合物を「オキシム化合物(1)」ともいう。
Figure 2023152726000005
重合開始剤(D)としてオキシム化合物(1)を含むことは、膜の発光強度を向上させる観点から有利となり得る。このような効果を奏することができる一因は、オキシム化合物(1)が有する特有の分子構造に起因して、オキシム化合物(1)が光重合を開始させる際に必要となるオキシム化合物(1)の開裂(分解)前後でのオキシム化合物(1)の吸収波長が大きく変化することから、オキシム化合物(1)は光ラジカル重合開始能力が高いことにあると推定される。
式(1)中、Rは、R11、OR11、COR11、SR11、CONR1213又はCNを表す。
11、R12及びR13は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1~20のアルキル基、炭素数6~30のアリール基、炭素数7~30のアラルキル基又は炭素数2~20の複素環基を表す。
11、R12又はR13で表わされる基の水素原子は、OR21、COR21、SR21、NR22Ra23、CONR2223、-NR22-OR23、-N(COR22)-OCOR23、-C(=N-OR21)-R22、-C(=N-OCOR21)-R22、CN、ハロゲン原子、又はCOOR21で置換されていてもよい。
21、R22及びR23は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1~20のアルキル基、炭素数6~30のアリール基、炭素数7~30のアラルキル基又は炭素数2~20の複素環基を表す。
21、R22又はR23で表される基の水素原子は、CN、ハロゲン原子、ヒドロキシ基又はカルボキシ基で置換されていてもよい。
11、R12、R13、R21、R22又はR23で表される基がアルキレン部分を有する場合、該アルキレン部分は、-O-、-S-、-COO-、-OCO-、-NR24-、-NR24CO-、-NR24COO-、-OCONR24-、-SCO-、-COS-、-OCS-又は-CSO-により1~5回中断されていてもよい。
24は、水素原子、炭素数1~20のアルキル基、炭素数6~30のアリール基、炭素数7~30のアラルキル基又は炭素数2~20の複素環基を表す。
11、R12、R13、R21、R22又はR23で表される基がアルキル部分を有する場合、該アルキル部分は、分枝鎖状であってもよく、環状であってもよく、また、R12とR13及びR22とR23はそれぞれ一緒になって環を形成していてもよい。
*は、オキシム化合物(1)が有する第1分子構造以外の他の分子構造である第2分子構造との結合手を表す。
式(1)中のR11、R12、R13、R21、R22、R23及びR24で表される炭素数1~20のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、tert-ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、イソオクチル基、2-エチルヘキシル基、tert-オクチル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、イソデシル基、ウンデシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、イコシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル、シクロヘキシルエチル基等が挙げられる。
式(1)中のR11、R12、R13、R21、R22、R23及びR24で表される炭素数6~30のアリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、エチルフェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、上記アルキル基で1つ以上置換されたフェニル基、ビフェニリル基、ナフチル基、アントリル基等が挙げられる。
式(1)中のR11、R12、R13、R21、R22、R23及びR24で表される炭素数7~30のアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、α-メチルベンジル基、α、α-ジメチルベンジル基、フェニルエチル基等が挙げられる。
式(1)中のR11、R12、R13、R21、R22、R23及びR24で表される炭素数2~20の複素環基としては、例えば、ピリジル基、ピリミジル基、フリル基、チエニル基、テトラヒドロフリル基、ジオキソラニル基、ベンゾオキサゾール-2-イル基、テトラヒドロピラニル基、ピロリジル基、イミダゾリジル基、ピラゾリジル基、チアゾリジル基、イソチアゾリジル基、オキサゾリジル基、イソオキサゾリジル基、ピペリジル基、ピペラジル基、モルホリニル基等が挙げられ、好ましくは5~7員複素環である。
式(1)中のR12とR13及びR22とR23はそれぞれ一緒になって環を形成していてもよいとは、R12とR13及びR22とR23はそれぞれ一緒になって接続する窒素原子、炭素原子又は酸素原子とともに環を形成していてもよいことを意味する。
式(1)中のRa12とRa13及びRa22とRa23が一緒になって形成し得る環としては、例えば、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロペンテン環、ベンゼン環、ピペリジン環、モルホリン環、ラクトン環、ラクタム環等が挙げられ、好ましくは5~7員環である。
式(1)中のR11、R12、R13、R21、R22及びR23が置換基として有してもよいハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。
式(1)中のRは、好ましくはR11であり、より好ましくは炭素数1~20のアルキル基であり、さらに好ましくは炭素数1~10のアルキル基であり、なおさらに好ましくは1~6のアルキル基である。
式(1)で表される第1分子構造に連結される第2分子構造の一例は、下記式(2)で表される構造である。第2分子構造とは、オキシム化合物(1)が有する上記第1分子構造以外の他の分子構造部分を意味する。
式(2)において「*」で表される結合手は、式(1)において「*」で表される結合手と直接結合している。すなわち、第2分子構造が式(2)で表される構造である場合、式(2)中の「-*」を有するベンゼン環と式(1)中の「-*」を有するカルボニル基とは直接結合している。
Figure 2023152726000006
式(2)中、R及びRは、それぞれ独立に、R11、OR11、SR11、COR11、CONR1213、NR12COR11、OCOR11、COOR11、SCOR11、OCSR11、COSR11、CSOR11、CN又はハロゲン原子を表す。
が複数存在するとき、それらは同じであっても異なっていてもよい。
が複数存在するとき、それらは同じであっても異なっていてもよい。
11、R12及びR13は、上記と同じ意味を表す。
s及びtは、それぞれ独立に、0~4の整数を表す。
Lは、硫黄原子、CR3132、CO又はNR33を表す。
31、R32及びR33は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1~20のアルキル基、炭素数6~30のアリール基又は炭素数7~30のアラルキル基を表す。
31、R32又はR33で表される基がアルキル部分を有する場合、該アルキル部分は、分枝鎖状であってもよく、環状であってもよく、R31、R32及びR33は、それぞれ独立に、隣接するどちらかのベンゼン環と一緒になって環を形成していてもよい。
は、ヒドロキシ基、カルボキシ基又は下記式(2-1)
Figure 2023152726000007

(式(2-1)中、Lは、-O-、-S-、-NR22-、-NR22CO-、-SO-、-CS-、-OCO-又は-COO-を表す。
22は、上記と同じ意味を表す。
は、炭素数1~20のアルキル基からv個の水素原子を除いた基、炭素数6~30のアリール基からv個の水素原子を除いた基、炭素数7~30のアラルキル基からv個の水素原子を除いた基又は炭素数2~20の複素環基からv個の水素原子を除いた基を表す。
で表される基がアルキレン部分を有する場合、該アルキレン部分は、-O-、-S-、-COO-、-OCO-、-NR22-、-NR22COO-、-OCONR22-、-SCO-、-COS-、-OCS-又は-CSO-により1~5回中断されていてもよく、該アルキレン部分は分枝鎖状であってもよく、環状であってもよい。
4aは、OR41、SR41、CONR4243、NR42COR43、OCOR41、COOR41、SCOR41、OCSR41、COSR41、CSOR41、CN又はハロゲン原子を表す。
4aが複数存在するとき、それらは同じであっても異なっていてもよい。
41、R42及びR43は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1~20のアルキル基、炭素数6~30のアリール基又は炭素数7~30のアラルキル基を表し、R41、R42及びR43で表される基がアルキル部分を有する場合、該アルキル部分は分枝鎖状であってもよく、環状であってもよく、R42とR43は、一緒になって環を形成していてもよい。
vは1~3の整数を表す。)
で表される基を表す。
*は、オキシム化合物(1)が有する第1分子構造との結合手を表す。
式(2)中のR11、R12、R13、R21、R22、R23、R24、R31、R32及びR33、並びに上記式(2-1)中のR22、R41、R42及びR43で表される炭素数1~20のアルキル基、炭素数6~30のアリール基、炭素数7~30のアラルキル基の例は、式(1)中のR11、R12、R13、R21、R22、R23及びR24についての例と同様である。
式(2)中のR11、R12、R13、R21、R22、R23、R24、並びに上記式(2-1)中のR22で表される炭素数2~20の複素環基の例は、式(1)中のR11、R12、R13、R21、R22、R23及びR24についての例と同様である。
式(2)中のR31、R32及びR33は、それぞれ独立に、隣接するどちらかのベンゼン環と一緒になって環を形成していてもよいとは、R31、R32及びR33は、それぞれ独立に、隣接するどちらかのベンゼン環と一緒になって接続する窒素原子とともに環を形成していてもよいことを意味する。
式(2)中のR31、R32及びR33が隣接するどちらかのベンゼン環と一緒になって形成し得る環の例は、式(1)中のRa12とRa13及びRa22とRa23が一緒になって形成し得る環についての例と同様である。
上記式(2-1)中のLは、炭素数1~20のアルキル基、炭素数6~30のアリール基、炭素数7~30のアラルキル基又は炭素数2~20の複素環基からv個の水素原子を除いた基を表す。
炭素数1~20のアルキル基からv個の水素原子を除いた基としては、例えば、vが1の場合、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、メチルエチレン基、ブチレン基、1-メチルプロピレン基、2-メチルプロピレン基、1,2-ジメチルプロピレン基、1,3-ジメチルプロピレン基、1-メチルブチレン基、2-メチルブチレン基、3-メチルブチレン基、4-メチルブチレン基、2,4-ジメチルブチレン基、1,3-ジメチルブチレン基、ペンチレン基、へキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基、ドデシレン基、トリデシレン基、テトラデシレン基、ペンタデシレン基、エタン-1,1-ジイル基、プロパン-2,2-ジイル基等のアルキレン基が挙げられる。
炭素数6~30のアリール基からv個の水素原子を除いた基としては、例えば、vが1の場合、1,2-フェニレン基、1,3-フェニレン基、1,4-フェニレン基、2,6-ナフチレン基、1,4-ナフチレン基、2,5-ジメチル-1,4-フェニレン基、ジフェニルメタン-4,4’-ジイル基、2,2-ジフェニルプロパン-4,4’-ジイル基、ジフェニルスルフィド-4,4’-ジイル基、ジフェニルスルホン-4,4’-ジイル基等のアリーレン基が挙げられる。
炭素数7~30のアラルキル基からv個の水素原子を除いた基としては、例えば、vが1の場合、下記式(a)で表される基及び下記式(b)で表される基等が挙げられる。
Figure 2023152726000008

[式(a)及び(b)中、L及びLは、炭素数1~10のアルキレン基を表し、L及びLは、単結合又は炭素数1~10のアルキレン基を表す。]
炭素数1~10のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、メチルエチレン基、ブチレン基、1-メチルプロピレン基、2-メチルプロピレン基、1,2-ジメチルプロピレン基、1,3-ジメチルプロピレン基、1-メチルブチレン基、2-メチルブチレン基、3-メチルブチレン基、4-メチルブチレン基、2,4-ジメチルブチレン基、1,3-ジメチルブチレン基、ペンチレン基、へキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基等が挙げられる。
炭素数2~20の複素環基からv個の水素原子を除いた基としては、例えば、vが1の場合、2,5-ピリジンジイル基、2,6-ピリジンジイル基、2,5-ピリミジンジイル基、2,5-チオフェンジイル基、3,4-テトラヒドロフランジイル基、2,5-テトラヒドロフランジイル基、2,5-フランジイル基、3,4-チアゾールジイル基、2,5-ベンゾフランジイル基、2,5-ベンゾチオフェンジイル基、N-メチルインドール-2,5-ジイル基、2,5-ベンゾチアゾールジイル基、2,5-ベンゾオキサゾールジイル基等の2価の複素環基が挙げられる。
式(2)中のR及びR、並びに上記式(2-1)中のR4aで表されるハロゲン原子の例としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。
溶剤(I)への溶解性及び組成物の現像性の観点から、式(2)で表される構造の好ましい例は、下記式(2a)で表される構造である。
Figure 2023152726000009

[式(2a)中、L’は、硫黄原子又はNR50を表し、R50は、直鎖状、分枝鎖状又は環状の炭素数1~20のアルキル基を表し、R、R、R、s及びtは、前記と同じ意味を表す。]
上記と同様の観点から、式(2)で表される構造の他の好ましい例は、下記式(2b)で表される構造である。
Figure 2023152726000010

[式(2b)中、R44は、ヒドロキシ基、カルボキシ基又は下記式(2-2)
Figure 2023152726000011

(式(2-2)中、L11は、-O-又は*-OCO-を表し、*はL12との結合手を表し、L12は、炭素数1~20のアルキレン基を表し、該アルキレン基は、1~3個の-O-により中断されていてもよく、R44aは、OR55又はCOOR55を表し、R55は、水素原子又は炭素数1~6のアルキル基を表す。)
で表される基を表す。]
44は、好ましくは、式(2-2)で表される基である。この場合、オキシム化合物(1)の溶剤(I)への溶解性及び組成物の現像性の点で有利となる。
12で表されるアルキレン基の炭素数は、好ましくは1~10であり、より好ましくは1~4である。
44aは、好ましくはヒドロキシ基又はカルボキシ基であり、より好ましくはヒドロキシ基である。
式(2)で表される第2分子構造を有するオキシム化合物(1)の製造方法は、特に限定されないが、例えば、特開2011-132215号公報に記載の方法で製造することができる。
式(1)で表される第1分子構造に連結される第2分子構造の他の一例は、下記式(3)で表される構造である。
式(3)において「*」で表される結合手は、式(1)において「*」で表される結合手と直接結合している。すなわち、第2分子構造が式(3)で表される構造である場合、式(3)中の「-*」を有するベンゼン環と式(1)中の「-*」を有するカルボニル基とは直接結合している。
Figure 2023152726000012
式(3)中、Rは、水素原子、炭素数1~20のアルキル基、炭素数6~30のアリール基、炭素数7~30のアリールアルキル基又は炭素数2~20の複素環基を表す。
で表される基がアルキル部分を有する場合、該アルキル部分は、分枝鎖状であってもよく、環状であってもよい。
で表される基の水素原子は、R21、OR21、COR21、SR21、NR2223、CONR2223、-NR22-OR23、-N(COR22)-OCOR23、NR22COR21、OCOR21、COOR21、-C(=N-OR21)-R22、-C(=N-OCOR21)-R22、SCOR21、OCSR21、COSR21、CSOR21、水酸基、ニトロ基、CN、ハロゲン原子、又はCOOR21で置換されていてもよい。
21、R22及びR23は、上記と同じ意味を表す。
21、R22又はR23で表される基の水素原子は、CN、ハロゲン原子、ヒドロキシ基又はカルボキシ基で置換されていてもよい。
21、R22及びR23で表される基がアルキレン部分を有する場合、該アルキレン部分は、-O-、-S-、-COO-、-OCO-、-NR24-、-NR24CO-、-NR24COO-、-OCONR24-、-SCO-、-COS-、-OCS-又は-CSO-により1~5回中断されていてもよい。
24は、上記と同じ意味を表す。
21、R22及びR23で表される基がアルキル部分を有する場合、該アルキル部分は、分枝鎖状であってもよく、環状であってもよく、また、R22とR23は一緒になって環を形成していてもよい。
、R、R及びRは、それぞれ独立に、R61、OR61、SR61、COR62、CONR6364、NR65COR61、OCOR61、COOR62、SCOR61、OCSR61、COSR62、CSOR61、水酸基、ニトロ基、CN又はハロゲン原子を表す。
61、R62、R63、R64及びR65は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1~20のアルキル基、炭素数6~30のアリール基、炭素数7~30のアリールアルキル基又は炭素数2~20の複素環基を表す。
61、R62、R63、R64又はR65で表わされる基の水素原子は、OR21、COR21、SR21、NR22Ra23、CONR2223、-NR22-OR23、-N(COR22)-OCOR23、-C(=N-OR21)-R22、-C(=N-OCOR21)-R22、CN、ハロゲン原子、又はCOOR21で置換されていてもよい。
とR、RとR及びRとRはそれぞれ一緒になって環を形成していてもよい。
*は、オキシム化合物(1)が有する第1分子構造との結合手を表す。
式(3)中のR、R21、R22、R23、R24、R61、R62、R63、R64及びR65で表される炭素数1~20のアルキル基、炭素数6~30のアリール基、炭素数7~30のアラルキル基、炭素数2~20の複素環基の例は、式(1)中のR11、R12、R13、R21、R22、R23及びR24についての例と同様である。
式(3)中のR22とR23は一緒になって環を形成していてもよいとは、R22とR23は一緒になって接続する窒素原子、炭素原子又は酸素原子とともに環を形成していてもよいことを意味する。
式(3)中のR22とR23が一緒になって形成し得る環の例は、式(1)中のRa12とRa13及びRa22とRa23が一緒になって形成し得る環についての例と同様である。
式(3)中のR、R、R及びRで表されるハロゲン原子、R、R21、R22、R23、R61、R62、R63、R64及びR65の水素原子を置換してもよいハロゲン原子の例としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。
溶剤(I)への溶解性及び組成物の現像性の観点から、1つの好ましい形態において、Rは、下記式(3-1)で表される基である。
Figure 2023152726000013

[式(3-1)中、Zは、炭素数1~20のアルキル基から1個の水素原子を除いた基、炭素数6~30のアリール基から1個の水素原子を除いた基、炭素数7~30のアラルキル基から1個の水素原子を除いた基又は炭素数2~20の複素環基から1個の水素原子を除いた基を表し、
Zで表される基がアルキレン部分を有する場合、該アルキレン部分は、-O-、-S-、-COO-、-OCO-、-NR24-、-NR24COO-、-OCONR24-、-SCO-、-COS-、-OCS-又は-CSO-により1~5回中断されていてもよく、該アルキレン部分は分枝鎖状であってもよく、環状であってもよく、
21、R22及びR24は、前記と同じ意味を表す。]
式(3-1)中のZは、上記と同様の観点から、好ましくは、メチレン基、エチレン又はフェニレン基である。
式(3-1)中のR21及びR22は、上記と同様の観点から、好ましくは、炭素数1~20のアルキル基又は炭素数6~30のアリール基であり、より好ましくは、メチル基、エチル基又はフェニル基である。
上記と同様の観点から、他の1つの好ましい形態において、Rは、ニトロ基である。
式(3)で表される第2分子構造を有するオキシム化合物(1)の製造方法は、特に限定されないが、例えば、特開2000-80068号公報及び特開2011-178776号公報に記載の方法で製造することができる。
式(1)で表される第1分子構造に連結される第2分子構造のさらに他の一例は、下記式(4)で表される構造である。
式(4)において「*」で表される結合手は、式(1)において「*」で表される結合手と直接結合している。すなわち、第2分子構造が式(4)で表される構造である場合、式(4)中の「-*」を有するベンゼン環と式(1)中の「-*」を有するカルボニル基とは直接結合している。
Figure 2023152726000014
式(4)中、R71は、水素原子、炭素数1~20のアルキル基、炭素数6~30のアリール基、炭素数7~30のアラルキル基又は炭素数2~20の複素環基を表す。
71で表される基がアルキル部分を有する場合、該アルキル部分は、分枝鎖状であってもよく、環状であってもよい。
71で表される基の水素原子は、R21、OR21、COR21、SR21、NR2223、CONR2223、-NR22-OR23、-N(COR22)-OCOR23、NR22COR21、OCOR21、COOR21、-C(=N-OR21)-R22、-C(=N-OCOR21)-R22、SCOR21、OCSR21、COSR21、CSOR21、水酸基、ニトロ基、CN、ハロゲン原子、又はCOOR21で置換されていてもよい。
21、R22及びR23は、前記と同じ意味を表す。
21、R22又はR23で表される基の水素原子は、CN、ハロゲン原子、ヒドロキシ基又はカルボキシ基で置換されていてもよい。
21、R22及びR23で表される基がアルキレン部分を有する場合、該アルキレン部分は、-O-、-S-、-COO-、-OCO-、-NR24-、-NR24CO-、-NR24COO-、-OCONR24-、-SCO-、-COS-、-OCS-又は-CSO-により1~5回中断されていてもよい。
24は、上記と同じ意味を表す。
21、R22及びR23で表される基がアルキル部分を有する場合、該アルキル部分は、分枝鎖状であってもよく、環状であってもよく、また、R22とR23は一緒になって環を形成していてもよい。
72、R73及び3個のR74は、それぞれ独立に、R61、OR61、SR61、COR62、CONR6364、NR65COR61、OCOR61、COOR62、SCOR61、OCSR61、COSR62、CSOR61、水酸基、ニトロ基、CN又はハロゲン原子を表す。
61、R62、R63、R64及びR65は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1~20のアルキル基、炭素数6~30のアリール基、炭素数7~30のアリールアルキル基又は炭素数2~20の複素環基を表す。
61、R62、R63、R64又はR65で表わされる基の水素原子は、OR21、COR21、SR21、NR22Ra23、CONR2223、-NR22-OR23、-N(COR22)-OCOR23、-C(=N-OR21)-R22、-C(=N-OCOR21)-R22、CN、ハロゲン原子、又はCOOR21で置換されていてもよい。
72とR73及び2個のR74はそれぞれ一緒になって環を形成していてもよい。
*は、オキシム化合物(1)が有する第1分子構造との結合手を表す。
式(4)中のR71、R21、R22、R23、R24、R61、R62、R63、R64及びR65で表される炭素数1~20のアルキル基、炭素数6~30のアリール基、炭素数7~30のアラルキル基、炭素数2~20の複素環基の例は、式(1)中のR11、R12、R13、R21、R22、R23及びR24についての例と同様である。
式(4)中のR22とR23は一緒になって環を形成していてもよいとは、R22とR23は一緒になって接続する窒素原子、炭素原子又は酸素原子とともに環を形成していてもよいことを意味する。
式(4)中のR22とR23が一緒になって形成し得る環の例は、式(1)中のRa12とRa13及びRa22とRa23が一緒になって形成し得る環についての例と同様である。
式(4)中のR72、R73及びR74で表されるハロゲン原子、R71、R21、R22、R23、R61、R62、R63、R64及びR65の水素原子を置換してもよいハロゲン原子の例としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。
式(4)で表される第2分子構造を有するオキシム化合物(1)の製造方法は、特に限定されないが、例えば、国際公開第2017/051680号及び国際公開第2020/004601号に記載の方法で製造することができる。
式(1)で表される第1分子構造に連結される第2分子構造のさらに他の一例は、下記式(5)で表される構造である。
式(5)において「*」で表される結合手は、式(1)において「*」で表される結合手と直接結合している。すなわち、第2分子構造が式(5)で表される構造である場合、式(5)中の「-*」を有するピロール環と式(1)中の「-*」を有するカルボニル基とは直接結合している。
Figure 2023152726000015
式(5)中、R81は、水素原子、炭素数1~20のアルキル基、炭素数6~30のアリール基、炭素数7~30のアラルキル基又は炭素数2~20の複素環基を表す。
81で表される基がアルキル部分を有する場合、該アルキル部分は、分枝鎖状であってもよく、環状であってもよい。
81で表される基の水素原子は、R21、OR21、COR21、SR21、NR2223、CONR2223、-NR22-OR23、-N(COR22)-OCOR23、NR22COR21、OCOR21、COOR21、-C(=N-OR21)-R22、-C(=N-OCOR21)-R22、SCOR21、OCSR21、COSR21、CSOR21、水酸基、ニトロ基、CN、ハロゲン原子、又はCOOR21で置換されていてもよい。
21、R22及びR23は、上記と同じ意味を表す。
21、R22又はR23で表される基の水素原子は、CN、ハロゲン原子、ヒドロキシ基又はカルボキシ基で置換されていてもよい。
21、R22及びR23で表される基がアルキレン部分を有する場合、該アルキレン部分は、-O-、-S-、-COO-、-OCO-、-NR24-、-NR24CO-、-NR24COO-、-OCONR24-、-SCO-、-COS-、-OCS-又は-CSO-により1~5回中断されていてもよい。
24は、上記と同じ意味を表す。
21、R22及びR23で表される基がアルキル部分を有する場合、該アルキル部分は、分枝鎖状であってもよく、環状であってもよく、また、R22とR23は一緒になって環を形成していてもよい。
82、R83、R84、R85及びR86は、それぞれ独立に、R61、OR61、SR61、COR62、CONR6364、NR65COR61、OCOR61、COOR62、SCOR61、OCSR61、COSR62、CSOR61、水酸基、ニトロ基、CN又はハロゲン原子を表す。
61、R62、R63、R64及びR65は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1~20のアルキル基、炭素数6~30のアリール基、炭素数7~30のアリールアルキル基又は炭素数2~20の複素環基を表す。
61、R62、R63、R64又はR65で表わされる基の水素原子は、OR21、COR21、SR21、NR22Ra23、CONR2223、-NR22-OR23、-N(COR22)-OCOR23、-C(=N-OR21)-R22、-C(=N-OCOR21)-R22、CN、ハロゲン原子、又はCOOR21で置換されていてもよい。
83とR84、R84とR85及びR85とR86はそれぞれ一緒になって環を形成していてもよい。
*は、オキシム化合物(1)が有する第1分子構造との結合手を表す。
式(5)中のR81、R21、R22、R23、R24、R61、R62、R63、R64及びR65で表される炭素数1~20のアルキル基、炭素数6~30のアリール基、炭素数7~30のアラルキル基、炭素数2~20の複素環基の例は、式(1)中のR11、R12、R13、R21、R22、R23及びR24についての例と同様である。
式(5)中のR22とR23は一緒になって環を形成していてもよいとは、R22とR23は一緒になって接続する窒素原子、炭素原子又は酸素原子とともに環を形成していてもよいことを意味する。
式(5)中のR22とR23が一緒になって形成し得る環の例は、式(1)中のRa12とRa13及びRa22とRa23が一緒になって形成し得る環についての例と同様である。
式(5)中のR82、R83、R84、R85及びR86で表されるハロゲン原子、R81、R21、R22、R23、R61、R62、R63、R64及びR65の水素原子を置換してもよいハロゲン原子の例としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。
式(5)で表される第2分子構造を有するオキシム化合物(1)の製造方法は、特に限定されないが、例えば、国際公開第2017/051680号及び国際公開第2020/004601号に記載の方法で製造することができる。
式(1)で表される第1分子構造に連結される第2分子構造のさらに他の一例は、下記式(6)で表される構造である。
式(6)において「*」で表される結合手は、式(1)において「*」で表される結合手と直接結合している。すなわち、第2分子構造が式(6)で表される構造である場合、式(6)中の「-*」を有するベンゼン環と式(1)中の「-*」を有するカルボニル基とは直接結合している。
Figure 2023152726000016
式(6)中、4個のR91、R92、R93、R94、R95、R96及びR97は、それぞれ独立に、R61、OR61、SR61、COR62、CONR6364、NR65COR61、OCOR61、COOR62、SCOR61、OCSR61、COSR62、CSOR61、水酸基、ニトロ基、CN又はハロゲン原子を表す。
61、R62、R63、R64及びR65は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1~20のアルキル基、炭素数6~30のアリール基、炭素数7~30のアリールアルキル基又は炭素数2~20の複素環基を表す。
61、R62、R63、R64又はR65で表わされる基の水素原子は、OR21、COR21、SR21、NR22Ra23、CONR2223、-NR22-OR23、-N(COR22)-OCOR23、-C(=N-OR21)-R22、-C(=N-OCOR21)-R22、CN、ハロゲン原子、又はCOOR21で置換されていてもよい。
21、R22及びR23は、上記と同じ意味を表す。
92とR93、R94とR95、R95とR96及びR96とR97はそれぞれ一緒になって環を形成していてもよい。
*は、オキシム化合物(1)が有する第1分子構造との結合手を表す。
式(6)中のR21、R22、R23、R61、R62、R63、R64及びR65で表される炭素数1~20のアルキル基、炭素数6~30のアリール基、炭素数7~30のアラルキル基、炭素数2~20の複素環基の例は、式(1)中のR11、R12、R13、R21、R22及びR23についての例と同様である。
式(6)中のR22とR23は一緒になって環を形成していてもよいとは、R22とR23は一緒になって接続する窒素原子、炭素原子又は酸素原子とともに環を形成していてもよいことを意味する。
式(6)中のR22とR23が一緒になって形成し得る環の例は、式(1)中のRa12とRa13及びRa22とRa23が一緒になって形成し得る環についての例と同様である。
式(6)中のR91、R92、R93、R94、R95、R96及びR97で表されるハロゲン原子、R21、R22、R23、R61、R62、R63、R64及びR65の水素原子を置換してもよいハロゲン原子の例としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。
式(6)で表される第2分子構造を有するオキシム化合物(1)の製造方法は、特に限定されないが、例えば、国際公開第2017/051680号及び国際公開第2020/004601号に記載の方法で製造することができる。
光重合開始剤の他の例は、オキシム化合物(1)以外の他の光重合開始剤である。他の光重合開始剤としては、オキシム化合物(1)以外のオキシム化合物、アルキルフェノン化合物、ビイミダゾール化合物、トリアジン化合物及びアシルホスフィン化合物が挙げられる。
オキシム化合物(1)以外のオキシム化合物としては、下記式(d1)で表される部分構造を有するオキシム化合物が挙げられる。*は結合手を表す。
Figure 2023152726000017
式(d1)で表される部分構造を有するオキシム化合物としては、例えば、N-ベンゾイルオキシ-1-(4-フェニルスルファニルフェニル)ブタン-1-オン-2-イミン、N-ベンゾイルオキシ-1-(4-フェニルスルファニルフェニル)オクタン-1-オン-2-イミン、N-ベンゾイルオキシ-1-(4-フェニルスルファニルフェニル)-3-シクロペンチルプロパン-1-オン-2-イミン、N-アセトキシ-1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]エタン-1-イミン、N-アセトキシ-1-[9-エチル-6-{2-メチル-4-(3,3-ジメチル-2,4-ジオキサシクロペンタニルメチルオキシ)ベンゾイル}-9H-カルバゾール-3-イル]エタン-1-イミン、N-アセトキシ-1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-3-シクロペンチルプロパン-1-イミン、N-ベンゾイルオキシ-1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-3-シクロペンチルプロパン-1-オン-2-イミン;特開2011-132215号公報、国際公開2008/78678号、国際公開2008/78686号、国際公開2012/132558号記載の化合物等が挙げられる。イルガキュア(登録商標)OXE01、同OXE02、同OXE03(以上、BASF社製)、N-1919、NCI-930、NCI-831(以上、ADEKA社製)等の市販品を用いてもよい。
中でも、式(d1)で表される部分構造を有するオキシム化合物は、N-ベンゾイルオキシ-1-(4-フェニルスルファニルフェニル)ブタン-1-オン-2-イミン、N-ベンゾイルオキシ-1-(4-フェニルスルファニルフェニル)オクタン-1-オン-2-イミン及びN-ベンゾイルオキシ-1-(4-フェニルスルファニルフェニル)-3-シクロペンチルプロパン-1-オン-2-イミンからなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましく、N-ベンゾイルオキシ-1-(4-フェニルスルファニルフェニル)オクタン-1-オン-2-イミンがより好ましい。
アルキルフェノン化合物は、下記式(d2)で表される部分構造又は下記式(d3)で表される部分構造を有する化合物である。これらの部分構造中、ベンゼン環は置換基を有していてもよい。
式(d2)で表される構造を有する化合物としては、2-メチル-2-モルホリノ-1-(4-メチルスルファニルフェニル)プロパン-1-オン、2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-2-ベンジルブタン-1-オン、2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-[4-(4-モルホリニル)フェニル]ブタン-1-オン等が挙げられる。OMNIRAD(登録商標)369、同907、同379(以上、IGM Resins社製)等の市販品を用いてもよい。
式(d3)で表される構造を有する化合物としては、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-〔4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル〕プロパン-1-オン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-(4-イソプロペニルフェニル)プロパン-1-オンのオリゴマー、α,α-ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール等が挙げられる。
感度の点で、アルキルフェノン化合物としては、式(d2)で表される構造を有する化合物が好ましい。
ビイミダゾール化合物としては、例えば、式(d5)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2023152726000019

[式(d5)中、R~Rは、置換基を有していてもよい炭素数6~10のアリール基を表す。]
炭素数6~10のアリール基としては、例えば、フェニル基、トルイル基、キシリル基、エチルフェニル基及びナフチル基等が挙げられ、好ましくはフェニル基である。
置換基としては、例えば、ハロゲン原子、炭素数1~4のアルコキシ基等が挙げられる。ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ、好ましくは塩素原子である。炭素数1~4のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等挙げられ、好ましくはメトキシ基である。
ビイミダゾール化合物としては、例えば、2,2’-ビス(2-クロロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラフェニルビイミダゾール、2,2’-ビス(2,3-ジクロロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラフェニルビイミダゾール(例えば、特開平06-75372号公報、特開平06-75373号公報等参照。)、2,2’-ビス(2-クロロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラフェニルビイミダゾール、2,2’-ビス(2-クロロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラ(アルコキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’-ビス(2-クロロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラ(ジアルコキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’-ビス(2-クロロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラ(トリアルコキシフェニル)ビイミダゾール(例えば、特公昭48-38403号公報、特開昭62-174204号公報等参照。)、4,4’5,5’-位のフェニル基がカルボアルコキシ基により置換されているイミダゾール化合物(例えば、特開平7-10913号公報等参照。)等が挙げられる。中でも、下記式で表される化合物又はこれらの混合物が好ましい。
Figure 2023152726000020
トリアジン化合物としては、例えば、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-(4-メトキシナフチル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-ピペロニル-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-(4-メトキシスチリル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-〔2-(5-メチルフラン-2-イル)エテニル〕-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-〔2-(フラン-2-イル)エテニル〕-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-〔2-(4-ジエルアミノ-2-メチルフェニル)エテニル〕-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-〔2-(3,4-ジメトキシフェニル)エテニル〕-1,3,5-トリアジン等が挙げられる。中でも、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-ピペロニル-1,3,5-トリアジンが好ましい。
アシルホスフィン化合物としては、例えば、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ジフェニルホスフィンオキサイド等が挙げられる。OMNIRAD(登録商標)819(IGM Resins社製)等の市販品を用いてもよい。
オキシム化合物(1)以外の他の光重合開始剤の別の例としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン化合物;ベンゾフェノン、o-ベンゾイル安息香酸メチル、4-フェニルベンゾフェノン、4-ベンゾイル-4’-メチルジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’-テトラ(tert-ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6-トリメチルベンゾフェノン、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン化合物;9,10-フェナンスレンキノン、2-エチルアントラキノン、カンファーキノン等のキノン化合物;10-ブチル-2-クロロアクリドン、ベンジル、フェニルグリオキシル酸メチル、チタノセン化合物等が挙げられる。
組成物が重合開始剤(D)を含む場合、組成物における重合開始剤(D)の含有率は、組成物の固形分の総量に対して、例えば0.01質量%以上20質量%以下であり、組成物の感度を高める観点、並びに膜の発光強度及び耐熱性を高める観点から、好ましくは0.1質量%以上15質量%以下、より好ましくは0.15質量%以上10質量%以下、さらに好ましくは0.2質量%以上8質量%以下であり、5質量%以下又は3質量%以下であってもよい。
[5]光散乱剤(E)
組成物は、光散乱剤(E)を含むことができる。該組成物から形成される膜は、光散乱性を示し得る。半導体粒子(A)に加えて光散乱剤(E)を含有する膜において、光散乱剤(E)は、半導体粒子(A)から発せされる光を散乱させることにより、発光強度を向上させる機能を有することができる。組成物は、光散乱剤(E)を2種以上含んでもよい。
光散乱剤(E)としては、金属又は金属酸化物の粒子、ガラス粒子等の無機粒子が挙げられる。金属酸化物としては、TiO、SiO、BaTiO、ZnO等が挙げられ、効率的に光を散乱することから、好ましくはTiOの粒子である。光散乱剤(E)の平均粒径(D50)は、例えば0.03μm以上20μm以下程度であり、好ましくは0.05μm以上1μm以下であり、より好ましくは0.05μm以上0.5μm以下である。光散乱剤(E)の平均粒径は、遠心沈降式分散安定性粒子径分布装置を用いて粒子径分布を測定し、体積基準のメディアン径(D50)として測定できる。
光散乱剤(E)としては、分散剤を用いて溶剤(I)の一部又は全部に予め光散乱剤を分散させたものを用いてもよい。分散剤としては市販品を用いることができる。市販品の例としては、
ビックケミー・ジャパン社製のDISPERBYK-101、102、103、106、107、108、109、110、111、116、118、130、140、154、161、162、163、164、165、166、170、171、174、180、181、182、183、184、185、190、192、2000、2001、2020、2025、2050、2070、2095、2150、2155;ANTI-TERRA-U、U100、203、204、250、;BYK-P104、P104S、P105、220S、6919;BYK-LPN6919、21116;LACTIMON、LACTIMON-WS;Bykumen等;
日本ルーブリゾール社製のSOLSPERSE-3000、9000、13000、13240、13650、13940、16000、17000、18000、20000、21000、24000、26000、27000、28000、31845、32000、32500、32550、33500、32600、34750、35100、36600、38500、41000、41090、53095、55000、76500等;
BASF社製のEFKA-46、47、48、452、4008、4009、4010、4015、4020、4047、4050、4055、4060、4080、4400、4401、4402、4403、4406、4408、4300、4310、4320、4330、4340、450、451、453、4540、4550、4560、4800、5010、5065、5066、5070、7500、7554、1101、120、150、1501、1502、1503等;
味の素ファインテクノ社製のアジスパーPA111、PB711、PB821、PB822、PB824等が挙げられる。
組成物における光散乱剤(E)の含有率は、組成物の固形分の総量に対して、例えば0.001質量%以上50質量%以下であり、膜の光散乱能及び発光強度を高める観点から、好ましくは1質量%以上30質量%以下、より好ましくは2質量%以上10質量%以下である。
[6]酸化防止剤(F)
組成物は、酸化防止剤(F)を含むことができる。酸化防止剤(F)としては、工業的に一般に使用される酸化防止剤であれば特に限定はなく、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、リン/フェノール複合型酸化防止剤及び硫黄系酸化防止剤等を用いることができる。酸化防止剤(F)は、2種以上を併用してもよい。
リン/フェノール複合型酸化防止剤は、分子中にリン原子とフェノール構造とをそれぞれ1以上有する化合物であることができる。膜の発光強度の観点から、酸化防止剤(F)は、リン/フェノール複合型酸化防止剤を含むことが好ましい。
フェノール系酸化防止剤としては、例えば、イルガノックス(登録商標)1010(Irganox 1010:ペンタエリスリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、BASF(株)製)、同1076(Irganox 1076:オクタデシル-3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、BASF(株)製)、同1330(Irganox 1330:3,3’,3’’,5,5’,5’’-ヘキサ-tert-ブチル-a,a’,a’’-(メシチレン-2,4,6-トリイル)トリ-p-クレゾール、BASF(株)製)、同3114(Irganox 3114:1,3,5-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン、BASF(株)製)、同3790(Irganox 3790:1,3,5-トリス((4-tert-ブチル-3-ヒドロキシ-2,6-キシリル)メチル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン、BASF(株)製)、同1035(Irganox 1035:チオジエチレンビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、BASF(株)製)、同1135(Irganox 1135:ベンゼンプロパン酸の3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-C7-C9側鎖アルキルエステル、BASF(株)製)、同1520L(Irganox 1520L:4,6-ビス(オクチルチオメチル)-o-クレゾール、BASF(株)製)、同3125(Irganox 3125、BASF(株)製)、同565(Irganox 565:2,4-ビス(n-オクチルチオ)-6-(4-ヒドロキシ-3’、5’-ジ-tert-ブチルアニリノ)-1,3,5-トリアジン、BASF(株)製)、アデカスタブ(登録商標)AO-80(アデカスタブ AO-80:3,9-ビス(2-(3-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ)-1,1-ジメチルエチル)-2,4,8,10-テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン、(株)ADEKA製)、スミライザー(登録商標)BHT、同GA-80、同GS(以上、住友化学(株)製)、サイアノックス(登録商標)1790(Cyanox 1790、(株)サイテック製)、ビタミンE(エーザイ(株)製)等が挙げられる。
リン系酸化防止剤としては、例えば、イルガフォス(登録商標)168(Irgafos 168:トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)フォスファイト、BASF(株)製)、同12(Irgafos 12:トリス[2-[[2,4,8,10-テトラ-tert-ブチルジベンゾ[d、f][1,3,2]ジオキサフォスフィン-6-イル]オキシ]エチル]アミン、BASF(株)製)、同38(Irgafos 38:ビス(2,4-ビス(1,1-ジメチルエチル)-6-メチルフェニル)エチルエステル亜りん酸、BASF(株)製)、アデカスタブ(登録商標)329K、同PEP36、同PEP-8(以上、(株)ADEKA製)、Sandstab P-EPQ(クラリアント社製)、Weston(登録商標)618、同619G(以上、GE社製)、Ultranox626(GE社製)等が挙げられる。
リン/フェノール複合型酸化防止剤としては、例えば、スミライザー(登録商標)GP(6-[3-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロポキシ]-2,4,8,10-テトラ-tert-ブチルジベンズ[d,f][1.3.2]ジオキサホスフェピン)(住友化学(株)製)等が挙げられる。
硫黄系酸化防止剤としては、例えば、チオジプロピオン酸ジラウリル、ジミリスチル又はジステアリール等のジアルキルチオジプロピオネート化合物及びテトラキス[メチレン(3-ドデシルチオ)プロピオネート]メタン等のポリオールのβ-アルキルメルカプトプロピオン酸エステル化合物等が挙げられる。
組成物が酸化防止剤(F)を含む場合、組成物における酸化防止剤(F)の含有率は、組成物の固形分の総量に対して、例えば0.05質量%以上20質量%以下、好ましくは0.1質量%以上15質量%以下、より好ましくは0.2質量%以上10質量%以下、さらに好ましくは0.5質量%以上5質量%以下である。
[7]チオール基含有化合物(H)
組成物は、チオール基含有化合物(H)を含むことができる。チオール基含有化合物(H)を含むことにより、膜の発光効率を高めることができる。チオール基含有化合物(H)は、チオール基を分子内に1個有する化合物であってもよいし、2個以上有する化合物であってもよい。組成物は、2種以上のチオール基含有化合物(H)を含んでいてもよい。
チオール基含有化合物(H)としては、例えば、
1-ブタンチオール、1-オクタンチオール、1-デカンチオール、1-ドデカンチオール、1-ヘキサデカンチオール、1-オクタデカンチオール等のアルカンチオール;
チオフェノール等の芳香族チオール;
メルカプト酢酸、3-メルカプトプロピオン酸、メルカプトコハク酸、2-メルカプトエタンスルホン酸塩等のカルボキシ基含有チオール及びその塩;
メルカプト酢酸メチル、メルカプト酢酸エチル、メルカプト酢酸2-エチルヘキシル、3-メルカプトプロピオン酸メチル、3-メルカプトプロピオン酸メトキシブチル、3-メルカプトプロピオン酸ヘキシル、3-メルカプトプロピオン酸2-エチルヘキシル、3-メルカプトプロピオン酸オクチル、3-メルカプトプロピオン酸ドデシル、3-メルカプトプロピオン酸オクタデシル、3-メルカプトプロピオン酸シクロヘキシル、3-メルカプトプロピオン酸トリデシル、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトプロピオネート)、トリス-[(3-メルカプトプロピオニルオキシ)-エチル]-イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)、テトラエチレングリコールビス(3-メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3-メルカプトプロピオネート)等のチオール基含有カルボン酸エステル;
2-メルカプトエタノール、3-メルカプト-1,2-プロパンジオール等の水酸基含有チオール;
1,3,4,6-テトラキス(2-メルカプトエチル)-3a,4,6,6a-テトラヒドロイミダゾ[4,5-d]イミダゾール-2,5(1H,3H)-ジオン、1,3,4,6-テトラキス(3-メルカプトプロピル)-3a,4,6,6a-テトラヒドロイミダゾ[4,5-d]イミダゾール-2,5(1H,3H)-ジオン等のチオール基含有グリコールウリル誘導体
等が挙げられる。
膜の発光効率を高める観点から、チオール基含有化合物(H)は、カルボキシ基含有チオール又はその塩を含むことが好ましい。また、膜の発光効率を高める観点から、チオール基含有化合物(H)は、チオール基を分子内に1個有する化合物を含むことが好ましい。
組成物の固形分100g中に含まれるチオール基数をα〔mmol〕とするとき、膜の発光効率を高める観点から、αは、好ましくはゼロ超であり、より好ましくは0.4以上、さらに好ましくは0.6以上、なおさらに好ましくは0.8以上である。また、αは、好ましくは20.0未満であり、より好ましくは18以下、さらに好ましくは16以下である。αが20.0未満であることにより、組成物の経時的な増粘を抑制することができる。
αは、組成物調製時の配合から算出されてもよい。あるいは、αは、組成物に含まれるチオール基を定量することによって求めることもできる。定量方法としては、例えば、ヨード液等の酸化剤による滴定法、銀塩又は水銀塩による滴定法、エルマン試薬を用いた吸光度測定法等が挙げられる。
組成物がチオール基含有化合物(H)を含む場合、組成物におけるチオール基含有化合物(H)の含有率は、組成物の固形分の総量に対して、発光効率向上の観点及び経時的な増粘抑制の観点から、好ましくは0.01質量%以上2.2質量%以下、より好ましくは0.05質量%以上2質量%以下、さらに好ましくは0.1質量%以上1.8質量%以下である。
[8]溶剤(I)
組成物は、溶剤(I)を含むことができる。溶剤(I)としては、例えば、エステル溶剤(分子内に-COO-を含み、-O-を含まない溶剤)、エーテル溶剤(分子内に-O-を含み、-COO-を含まない溶剤)、エーテルエステル溶剤(分子内に-COO-と-O-とを含む溶剤)、ケトン溶剤(分子内に-CO-を含み、-COO-を含まない溶剤)、アルコール溶剤(分子内にOHを含み、-O-、-CO-及びCOO-を含まない溶剤)、芳香族炭化水素溶剤、アミド溶剤、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。溶剤(I)は、2種以上を併用してもよい。
エステル溶剤としては、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n-ブチル、2-ヒドロキシイソブタン酸メチル、酢酸エチル、酢酸n-ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸n-ペンチル、酢酸イソペンチル、プロピオン酸n-ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸n-ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、シクロヘキサノールアセテート及びγ-ブチロラクトン等が挙げられる。
エーテル溶剤としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、3-メトキシ-1-ブタノール、3-メトキシ-3-メチルブタノール、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4-ジオキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、アニソール、フェネトール及びメチルアニソール等が挙げられる。
エーテルエステル溶剤としては、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、3-メトキシプロピオン酸メチル、3-メトキシプロピオン酸エチル、3-エトキシプロピオン酸メチル、3-エトキシプロピオン酸エチル、2-メトキシプロピオン酸メチル、2-メトキシプロピオン酸エチル、2-メトキシプロピオン酸プロピル、2-エトキシプロピオン酸メチル、2-エトキシプロピオン酸エチル、2-メトキシ-2-メチルプロピオン酸メチル、2-エトキシ-2-メチルプロピオン酸エチル、3-メトキシブチルアセテート、3-メチル-3-メトキシブチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート及びジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等が挙げられる。
ケトン溶剤としては、4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン、アセトン、2-ブタノン、2-ヘプタノン、3-ヘプタノン、4-ヘプタノン、4-メチル-2-ペンタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン及びイソホロン等が挙げられる。
アルコール溶剤としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール及びグリセリン等が挙げられる。芳香族炭化水素溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン及びメシチレン等が挙げられる。アミド溶剤としては、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド及びN-メチルピロリドン等が挙げられる。
溶剤(I)としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、3-エトキシプロピオン酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングコールモノエチルエーテル、4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン若しくはトルエン、又はこれらのうちの2種以上の混合物が好ましい。
組成物における溶剤(I)の含有率は、該組成物の総量に対する該組成物に含まれる全溶剤の合計質量の割合であり、組成物の固形分100質量部に対して、好ましくは60質量部以上、より好ましくは80質量部以上、さらに好ましくは100質量部以上、なおさらに好ましくは120質量部以上であり、また、好ましくは1000質量部以下、より好ましくは500質量部以下、さらに好ましくは300質量部以下、なおさらに好ましくは200質量部以下である。溶剤(I)の含有率が上記範囲内にあると、塗布時の組成物層の平坦性がより良好になり、また適切な膜厚の膜を形成しやすい傾向がある。
組成物の固形分濃度は、好ましくは5質量%以上60質量%以下、より好ましくは10質量%以上50質量%以下、さらに好ましくは20質量%以上45質量%以下である。組成物の固形分濃度の低いと薄膜を形成しやすい。
[9]その他の成分
組成物は、必要に応じて、重合禁止剤、充填剤、他の高分子化合物、密着促進剤、光安定剤、重合開始助剤、レベリング剤等、当該技術分野で公知の添加剤をさらに含んでいてもよい。
<組成物の製造方法>
組成物は、所定の成分、並びに必要に応じて使用される他の成分を混合する工程を含む方法によって製造することができる。組成物の製造方法は、樹脂(B)を調製する工程をさらに含むことができる。
組成物の製造方法は、配位子含有半導体粒子である半導体粒子(A)の分散液を調製する第1工程と、該分散液と他の所定の成分(並びに必要に応じて使用される他の成分)とを混合する第2工程とを含むことが好ましい。チオール基含有化合物(H)は通常、第2工程において、配位子含有半導体粒子を含む分散液と混合される。
組成物の25℃における粘度(組成物調製時の粘度)は、例えば1cP以上3000cP以下であり、組成物の塗布性及び形成される膜の外観を良好にする観点から、好ましくは2cP以上2000cP以下、より好ましくは5cP以上1000cP以下、さらに好ましくは10cP以上500cP以下、なおさらに好ましくは10cP以上100cP以下である。組成物の粘度は、Brookfield回転粘度計を用いて測定することができる。
<膜及びその製造方法>
本発明に係る膜は、上記本発明に係る組成物から形成される膜である。膜の製造方法は、例えば以下の工程を含む。
組成物を基板に塗布するか又は組成物をバンクが形成された基板における該バンクによって区画された領域に吐出することにより、組成物層を形成する工程、及び
組成物層を熱処理する工程。
膜は、基板全面に形成されていてもよいし、基板表面の一部に(例えばパターン状に)形成されていてもよい。
膜の製造方法は、上記工程以外の他の工程を含むことができる。他の工程としては、例えば、組成物層に対して光を照射する露光工程、露光工程後の組成物層に対して実施する現像工程等が挙げられる。
組成物層を形成する工程において、組成物を基板に塗布する方法としては、スピンコート法、スリットコート法、スリット アンド スピンコート法等が挙げられる。組成物を吐出することにより組成物層を形成する工程は、組成物を例えばインクジェット法により、バンクによって区画された領域に選択的に吐出及び付着させる工程であってよい。ステンシル印刷法、スクリーン印刷法、アプリケーターによる印刷塗工によりパターン状の組成物層を形成してもよい。
基板としては、石英ガラス、ホウケイ酸ガラス、アルミナケイ酸塩ガラス、表面をシリカコートしたソーダライムガラス等のガラス板や、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂板、シリコン、上記基板上にアルミニウム、銀、銀/銅/パラジウム合金薄膜等を形成したもの等が挙げられる。
パターン状の膜は、例えば、以下のようにして基材上に形成することができる。まず、組成物をマスクを介して基材上に塗布するか又はバンクによって区画された領域に吐出することによりパターン状の組成物層を形成する。
次に、組成物層を熱処理して膜を得る。この熱処理は、組成物層の乾燥工程(溶剤等の揮発成分を除去する工程)を含んでいてもよい。乾燥方法としては、加熱乾燥、減圧乾燥又はこれらの組み合わせが挙げられる。加熱乾燥の温度は、30℃以上120℃以下が好ましく、50℃以上110℃以下がより好ましい。加熱時間は、10秒間以上60分間以下であることが好ましく、30秒間以上30分間以下であることがより好ましい。減圧乾燥を行う場合は、50Pa以上150Pa以下の圧力下で行うことが好ましい。組成物層の乾燥は、例えば乾燥温度の異なる複数の乾燥工程を実施するなど、複数段で実施してもよい。
組成物層を熱処理する工程は、上記乾燥工程(プリベーク)とその後に実施されるポストベーク工程とを含んでいてもよい。ベーク工程における加熱温度は、150℃以上250℃以下が好ましく、160℃以上235℃以下がより好ましい。加熱時間は、1分間以上120分間以下が好ましく、10分間以上60分間以下がより好ましい。
組成物が硬化性である(重合性化合物(C)及び好ましくはさらに重合開始剤(D)を含む)場合、膜の製造方法は、好ましくは上記露光工程を含む。光硬化性の組成物から形成されるパターン状の硬化膜は、フォトリソグラフ法を用いる方法を例に挙げると、例えば、以下のようにして基材上に形成することができる。まず、組成物層を基材上に形成し、加熱乾燥(プリベーク)及び/又は減圧乾燥の乾燥工程を実施する。組成物層の形成方法及び乾燥方法としては、上記と同様の方法が挙げられる。
次に、組成物層は、目的のパターン形状を形成するためのフォトマスクを介して露光される。露光に用いられる光源としては、250nm以上450nm以下の波長の光を発生する光源が好ましい。例えば、該波長の光から、光重合開始剤の吸収波長に応じて、436nm付近、408nm付近、又は365nm付近の光をバンドパスフィルタにより選択的に取り出してもよい。光源として具体的には、水銀灯、発光ダイオード、メタルハライドランプ、ハロゲンランプ等が挙げられる。
露光面全体に均一に平行光線を照射することができたり、フォトマスクと組成物層が形成された基材との正確な位置合わせを行うことができたりするため、マスクアライナ及びステッパ等の露光装置を使用することが好ましい。露光された組成物層は、該組成物層に含まれる光重合性化合物等が重合することにより硬化する。
露光後の組成物層を現像液に接触させて上記現像工程を実施することにより、組成物層の未露光部が現像液に溶解して除去されて、パターン状の硬化膜が得られる。現像液としては、例えば、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化テトラメチルアンモニウム等のアルカリ性化合物の水溶液や有機溶剤が挙げられる。アルカリ性化合物の水溶液中の濃度は、好ましくは0.01質量%以上10質量%以下であり、より好ましくは0.03質量%以上5質量%以下である。有機溶剤としては、上述の溶剤(H)と同様のものが挙げられる。現像液は、界面活性剤を含んでいてもよい。
現像方法は、パドル法、ディッピング法及びスプレー法等のいずれでもよい。さらに現像時に基材を任意の角度に傾けてもよい。
現像により得られたパターン状の膜に対して、さらに加熱(ポストベーク)を行うことが好ましい。加熱温度は、150℃以上250℃以下が好ましく、160℃以上235℃以下がより好ましい。加熱時間は、1分間以上120分間以下が好ましく、10分間以上60分間以下がより好ましい。現像後に加熱を行うことにより、膜に含まれる未反応の光重合性化合物等の重合を進行させることができるため、より耐薬品性に優れた硬化膜を得ることができる。現像を行わない場合においても、露光された組成物層に対して、加熱(ポストベーク)をさらに行うことが好ましい。
一方、基材全面に膜を形成する方法としては、組成物層を基材に形成し、必要に応じて乾燥させ、該組成物層を加熱及び/又は該組成物層全面に露光する方法が挙げられる。
膜の膜厚は、特に限定されず、目的に応じて適宜選択すればよく、例えば1μm以上30μm以下であり、好ましくは3μm以上25μm以下、より好ましくは5μm以上25μm以下、さらに好ましくは5μm以上20μm以下である。パターン状の樹脂膜の形状及び寸法は特に制限されない。パターン状の樹脂膜は、例えばその平面視形状が方形形状である。本発明によれば、膜の厚みが比較的小さい場合であっても、発光強度が良好な膜を提供することができる。
膜は、良好な発光強度を示すことができる。膜は、後述の実施例の欄における測定方法に従って測定される発光強度が、好ましくは900μW以上、より好ましくは1000μW以上、さらに好ましくは1100μW以上、なおさらに好ましくは1200μW以上である。
<表示装置>
本発明に係る表示装置は、光源と上記膜とを少なくとも備える。表示装置としては、例えば、液晶表示装置、有機EL表示装置又は無機EL表示装置が挙げられ、具体的には、特開2006-309219号公報、特開2006-310303号公報、特開2013-15812号公報、特開2009-251129号公報、特開2014-2363号公報等に記載される表示装置が挙げられる。
一実施形態に係る表示装置は、青色光源であるバックライトと、バックライトの視認側に設けられる複数のパターンとを備える。複数のパターンは、赤色パターン、緑色パターン及び白色(透明、無彩色)のパターンであってよく、赤色パターン及び緑色パターンの少なくとも1つが本発明に係る膜であり得る。第1粒子(A-1)を含有する赤色パターン又は緑色パターンである有彩色のパターンは、入射された光の波長を変換して出射する機能を有する。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。例中の「%」及び「部」は、特記のない限り、質量%及び質量部である。
<測定・評価>
(1)樹脂(B)の重量平均分子量Mw及び数平均分子量Mn
樹脂(B)の重量平均分子量Mw及び数平均分子量Mnの測定は、GPC法により以下の条件で行った。
装置;K2479((株)島津製作所製)
カラム;SHIMADZU Shim-pack GPC-80M
カラム温度;40℃
溶媒;テトラヒドロフラン
流速;1.0mL/min
検出器;RI
校正用標準物質 ;TSK STANDARD POLYSTYRENE F-40、F-4、F-288、A-2500、A-500(東ソー(株)製)
(2)樹脂(B)の酸価
樹脂(B)溶液3gを精秤し、アセトン90gと水10gとの混合溶剤に溶解し、0.1規定のKOH水溶液を滴定液として用いて、自動滴定装置(平沼産業社製の商品名「COM-555」)により、樹脂(B)溶液の酸価を測定し、溶液の酸価と溶液の固形分とから固形分1g当たりの酸価Av〔mgKOH/g〕を求めた。
(3)樹脂(B)溶液の固形分
樹脂(B)溶液をアルミカップに約1gはかり取り、180℃で1時間乾燥した後、質量を測定した。その質量減少量から、樹脂(B)溶液の固形分〔質量%〕を求めた。
(4)膜の発光強度の評価
発光波長が444nmであるLEDランプ及び耐擦傷カバーを具備する狭指向角タイプのセンシングバックライト照明(OPFシリーズ;オプテックス・エフエー社製)をバックライトとして用意した。耐擦傷カバーを上に向けてバックライトを載置し、耐擦傷カバーの表面から高さ4cmの位置に、下記分光計に接続された発光を検出するための光ファイバーを設置した。バックライトの耐擦傷カバーの表面にリファレンスとしてのガラス基板(イーグル2000;コーニング社製)を配置した。この状態でバックライトを点灯させ、バックライトの全放射束(μW)がリファレンスのガラス基板(イーグル2000;コーニング社製)越しに5000μWとなるようにバックライトの光量を調節した。
次に、上記ガラス基板の表面に、組成物から作製した硬化膜を有する基板を配置した。この状態でバックライトを点灯させ、硬化膜から発せされる光について、波長485nm以上780nm以下の範囲における積算放射束として発光強度〔μW〕を測定した。発光強度の測定には、分光計Spectrum meter(Ocean Optics社製)を用いた。
表1に示される発光強度の値は、硬化膜の厚みが4μmである場合に換算したときの値であり、該換算値は下記式に従う。
発光強度(厚み4μm換算値)〔μW〕=(実測された発光強度〔μW〕)×4〔μm〕/(硬化膜の厚み〔μm〕)
硬化膜の厚みの測定は、触針式段差計(DektakXT、Bluker社製)を用いて、硬化膜の表面につけた傷の段差を測定することにより行った。
硬化膜を有する基板は、次のようにして作製した。5cm角のガラス基板(イーグル2000;コーニング社製)上に、組成物を、スピンコート法で膜厚が10μmになるように塗布した後、100℃で3分間プリベークして組成物層を形成した。この組成物層が形成された基板に対して、露光機(TME-150RSK;トプコン(株)製)を用いて、大気雰囲気下、80mJ/cmの露光量(365nm基準)で光照射し、現像後、180℃で60分間ポストベークを行うことにより硬化膜を有する基板を得た。
(5)膜の発光効率の評価
膜の発光効率はPL量子収率測定装置(自動制御電動モノクロ光源タイプ,C9920-02G;浜松ホトニクス社製)を使用して測定した。測定部は積分球ユニットを使用し、1cm角に切断した硬化膜のサンプルを積分球内に設置して、励起光をサンプル直上から当てることで得られた反射光を測定することにより発光効率を取得した。光源はキセノンランプを使用し、450nmの波長の光を励起光として用いた。上記硬化膜のサンプルは、上記(4)に記載の方法と同じ方法で作製した硬化膜を有する基板を1cm角に切断したものである。
表1の「発光効率」の欄に示される数値は、実施例10の発光効率を100%としたときの相対値〔%〕である。
(6)現像後の残膜率の評価
耐溶剤性試験として次の試験を行い、残膜率を測定して耐溶剤性を評価した。
5cm角のガラス基板(イーグル2000;コーニング社製)上に、組成物を、スピンコート法で膜厚が10μmになるように塗布した後、100℃で3分間プリベークして組成物層を形成した。この組成物層が形成された基板に対して、露光機(TME-150RSK;トプコン(株)製)を用いて、大気雰囲気下、80mJ/cmの露光量(365nm基準)で光照射し、現像後、180℃で60分間ポストベークを行うことにより硬化膜を有する基板を得た。
次に、硬化膜を有する基板を25℃のアセトンに5分間浸漬する試験を行い、下記式に従って残膜率を測定した。硬化膜の厚みの測定は、触針式段差計(DektakXT、Bluker社製)を用いて、硬化膜の表面につけた傷の段差を測定することにより行った。
残膜率(%)=100×(試験後の硬化膜の膜厚)/(試験前の硬化膜の膜厚)
(7)組成物の粘度μ(25℃)の測定及び増粘評価
Brookfield回転粘度計を用いて、25℃の恒温下、回転数3rpmの条件下で、実施例・比較例で調製した組成物の粘度〔cP〕を測定した。調製直後の組成物の粘度と、調製から10日間静置した組成物の粘度とを測定し、下記式に従って粘度の変化率(絶対値)を求めた。
粘度変化率〔%〕=100×|調製から10日間静置した組成物の粘度-調製直後の組成物の粘度|/(調製直後の組成物の粘度)
<製造例1:半導体粒子(A1)の分散液の調製>
有機配位子(G1)としてオレイン酸が配位したInP/ZnSeS量子ドットのトルエン分散液を準備した。分散液を減圧蒸留し、トルエンを除去した。固形分30部に対しシクロヘキシルアセテート70部を添加して、半導体粒子(A1)の分散液(固形分30%)を得た。
<製造例2:光散乱剤(E1)の分散液の調製>
酸化チタンナノ粒子70部に、DISPERBYK21116(ビックケミー・ジャパン製)を固形分で3部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、「PGMEA」という。)を全量が100部になるように加えた後、ペイントシェイカーで十分に分散するまで撹拌して、光散乱剤(E1)の分散液(固形分73%)を得た。
<製造例3:樹脂(B1)溶液の調製>
撹拌器、温度計付き還流冷却管、滴下ロート及び窒素導入管を具備したフラスコに、PGMEAを110部投入した後、窒素置換しながら撹拌し、80℃に昇温した。ジシクロペンタニルメタクリレート25部、メチルメタクリレート26部、メタクリル酸16部、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)11部をPGMEA110部に溶解した溶液を、滴下ロートからフラスコ中に滴下した後、80℃で3時間撹拌した。
次に、グリシジルメタクリレート16部、2、2’-メチレンビス(4-メチル-6-tert-ブチルフェノール)0.4部、トリフェニルホスフィン0.8部をフラスコ内に投入して110℃まで昇温、8時間撹拌することで重合体中のカルボン酸とエポキシ基とを反応させて、重合性不飽和結合を導入した。次いで、1,2,3,6-テトラヒドロフタル酸無水物17部を加え3時間反応を続けて、側鎖にカルボン酸基を導入した。反応液を室温まで冷却することで樹脂(B1)溶液を得た。
樹脂(B1)は、標準ポリスチレン換算の重量平均分子量Mwが7600、分子量分布が2.1、酸価が100mgKOH/gであり、樹脂(B1)溶液中の固形分は40質量%であった。
<実施例1~12、比較例1>
(1)組成物の調製
製造例1で得られた半導体粒子(A1)の分散液と、光散乱剤(E1)の分散液と、製造例3で得られた樹脂(B1)溶液と、表1に示される他の成分をそれぞれ所定量混合して、組成物を調製した。
添加量から求められる組成物における各成分の含有量は表1に示されるとおりである。表1において、溶剤(I)以外の成分は固形分換算の含有量(単位:質量部)である。溶剤(I)の含有量の単位は質量部である。例えば半導体粒子(A1)は、組成物の調製において半導体粒子(A1)の分散液として配合されているが、表1に示される含有量は、その分散液に含まれる半導体粒子(A1)それ自体の量である。表1における溶剤(I)には、組成物の調製に用いた分散液や溶液に含有される溶剤が含まれている。表1における光散乱剤(E1)の含有量は分散剤を含んでいる。
表1中の「(A)/(B)」は、樹脂(B)の含有率〔質量%〕に対する半導体粒子(A)の含有率〔質量%〕の比を表す。
表1に示される、組成物における有機配位子(G1)の含有量については、次の方法に従って製造例1で得られた半導体粒子(A1)の分散液における有機配位子(G1)の濃度を測定し、これに基づいて算出した。すなわち、半導体粒子(A1)の分散液を150℃で真空乾燥して溶媒を除去した後、残った固形分について、熱重量分析装置「TGDTA6200」を用いて、重量変化を昇温速度5℃/minで50℃から550℃まで測定した。50℃から500℃までの変化重量を有機配位子(G1)の重量として、半導体粒子(A1)の分散液における有機配位子(G1)の濃度を算出した。
組成物の配合組成から、組成物の固形分100g中に含まれるチオール基数をα〔mmol〕を求めた。結果を表1に示す。
(2)膜の作製
上記<測定・評価>の(4)~(6)に従って硬化膜を作製し、評価した。
上記<測定・評価>の(4)~(7)の評価結果を表1に併せて示す。
Figure 2023152726000021
表1に示される成分の略称の詳細は次のとおりである。
〔1〕有機配位子(G1):オレイン酸
〔2〕重合性化合物(C1):アロニックス M-510(光重合性化合物、カルボキシ基含有多官能(メタ)アクリレート、東亞合成(株)製、固形分100%)
〔3〕重合性化合物(C2):A-9550(光重合性化合物、ジペンタエリスリトールポリアクリレート、新中村化学工業株式会社製、固形分100%)
〔4〕重合開始剤(D1):下記式で表される光重合開始剤。特開2011-132215号公報に記載される方法により製造した(固形分100%)。
Figure 2023152726000022

〔5〕酸化防止剤(F1):Sumilizer-GP(リン/フェノール複合型酸化防止剤、住友化学社製、固形分100%)
〔6〕チオール基含有化合物(H1):BMPA(3-メルカプトプロピオン酸、SC有機化学社製、固形分100%)
〔7〕チオール基含有化合物(H2):TMMP(トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトプロピオネート)、SC有機化学社製、固形分100%)
〔8〕レベリング剤(J1):F-554(フッ素系レベリング剤、DIC社製、固形分100%)
〔9〕溶剤(I1):PGMEAとシクロヘキシルアセテートとの混合物

Claims (8)

  1. 半導体粒子(A)と、樹脂(B)とを含む組成物であって、
    前記半導体粒子(A)の含有率が、前記組成物の固形分の総量に対して30質量%超である、組成物。
  2. 前記固形分100質量部に対して60質量部以上の溶剤(I)をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記樹脂(B)の含有率に対する前記半導体粒子(A)の含有率の比が4.0以下である、請求項1に記載の組成物。
  4. チオール基含有化合物(H)をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
  5. 前記固形分100g中に含まれるチオール基数が20.0mmol未満である、請求項4に記載の組成物。
  6. 重合性化合物(C)をさらに含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の組成物。
  7. 請求項1~5のいずれか1項に記載の組成物から形成される膜。
  8. 請求項7に記載の膜を含む表示装置。
JP2023022292A 2022-03-31 2023-02-16 組成物、膜及び表示装置 Pending JP2023152726A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022059793 2022-03-31
JP2022059793 2022-03-31

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023152726A true JP2023152726A (ja) 2023-10-17

Family

ID=88201163

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2023022292A Pending JP2023152726A (ja) 2022-03-31 2023-02-16 組成物、膜及び表示装置

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP2023152726A (ja)
TW (1) TW202340386A (ja)
WO (1) WO2023189205A1 (ja)

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102151510B1 (ko) * 2016-07-20 2020-09-03 후지필름 가부시키가이샤 양자 도트 함유 조성물, 파장 변환 부재, 백라이트 유닛, 및 액정 표시 장치
KR102554285B1 (ko) * 2017-02-03 2023-07-10 동우 화인켐 주식회사 양자점 분산액, 자발광 감광성 수지 조성물, 컬러필터 및 화상표시장치
TWI748172B (zh) * 2018-03-26 2021-12-01 南韓商東友精細化工有限公司 光轉換樹脂組合物
KR102419673B1 (ko) * 2019-01-21 2022-07-08 삼성에스디아이 주식회사 양자점, 이를 포함하는 경화성 조성물, 상기 조성물을 이용하여 제조된 경화막, 상기 경화막을 포함하는 컬러필터, 디스플레이 장치 및 상기 경화막의 제조방법

Also Published As

Publication number Publication date
WO2023189205A1 (ja) 2023-10-05
TW202340386A (zh) 2023-10-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TW202138395A (zh) 硬化性樹脂組成物、硬化膜及顯示裝置
TW201840613A (zh) 聚合體及組成物
JP7406983B2 (ja) 組成物および表示装置
WO2021200277A1 (ja) 硬化性樹脂組成物及び表示装置
WO2021132331A1 (ja) 硬化性樹脂組成物および表示装置
WO2022044824A1 (ja) 積層体及び表示装置
WO2023189205A1 (ja) 組成物、膜及び表示装置
WO2023189203A1 (ja) 組成物、膜及び表示装置
WO2023189204A1 (ja) 組成物、膜及び表示装置
WO2022044823A1 (ja) 積層体及び表示装置
WO2024018770A1 (ja) 組成物、膜及び表示装置
WO2022044822A1 (ja) 樹脂組成物、樹脂膜及び表示装置
WO2023085059A1 (ja) 樹脂組成物、樹脂膜及び表示装置
WO2023085060A1 (ja) 樹脂組成物、樹脂膜及び表示装置
WO2023085058A1 (ja) 樹脂組成物、樹脂膜及び表示装置
WO2023120215A1 (ja) 組成物、膜及び表示装置
WO2023085061A1 (ja) 樹脂膜及び表示装置
WO2022230326A1 (ja) 硬化膜及び表示装置
US20240218244A1 (en) Cured film and display device
JP2024061630A (ja) 硬化性組成物、硬化膜及び表示装置
US20240166791A1 (en) Cured film and display device