JP2023152032A - 電気光学用組成物、高分子化合物、化合物、電気光学膜、及び電気光学素子 - Google Patents

電気光学用組成物、高分子化合物、化合物、電気光学膜、及び電気光学素子 Download PDF

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Abstract

【課題】ポーリング処理時の吸光度変化率が大きい電気光学膜を形成することが可能な電気光学用組成物を提供すること。【解決手段】式(1)で表される構造単位を有する高分子化合物と、電気光学活性を有する有機化合物とを含む、電気光学用組成物。TIFF2023152032000069.tif58149[R1~R4は、H、ハロゲン原子等を表す。L1は、アルキレン基、アリーレン基、ビニレン基等を表す。aは、0~5の整数を表す。A1は、電子求引性基を表す。]【選択図】なし

Description

本発明は、電気光学用組成物、高分子化合物、化合物、電気光学膜、及び電気光学素子に関する。
電気光学効果は、物質に電場を印加した時に屈折率が変化する現象であり、一次の電気光学(EO)効果はポッケルス効果とも呼ばれる。EO効果は光通信のキーデバイスである電気信号を光信号に変換する光変調器に使われている物理現象であり、電気光学(EO)材料は、超高速光変調器、光スイッチ、高速デジタルシグナル伝送、光配線、センサー等の様々な応用が期待されている。
電気光学(EO)活性を有する化合物(EO化合物)は、反転対称心を欠いた状態に配置することでEO効果を発現する。したがって、EO化合物を光学素子に用いる場合、このEO化合物を一定の配向状態にして用いられる。この配向状態を作り出すために、EO化合物をマトリックス樹脂(高分子化合物)と混合し、この混合物をマトリックス樹脂のガラス転移温度付近の温度に加熱して高電圧を印加する。これによりEO化合物の双極子を配向させ、その後冷却してマトリックス樹脂を固めて上記の配向状態を固定化する(いわゆるポーリング(poling)処理が行われる。
EO化合物としては、従来、ニオブ酸リチウム、リン酸水素カリウム等の無機化合物が広く利用され、実用化されている。しかし、近年では、無機化合物に比べてEO効果が高く、応答速度、光損傷しきい値、分子設計の自由度、量産性等においても優位性のある、EO活性を有する有機化合物(有機EO色素)が着目され、研究成果も多数報告されている。
例えば、特許文献1には、シアノ基とジシアノメチリデン基とがピロリン環の環構成炭素原子に結合してなる特定構造のトリシアノピロリン系電子アクセプターユニット(電子求引性基)と、この電子アクセプターユニットと結合する特定構造の電子ドナーユニット(電子供与性基)とを有する有機化合物が、電気光学性能に優れ、熱安定性を有することが記載されている。
また、特許文献2には、シアノ基とジシアノメチリデン基とがピロリン環の環構成炭素原子に結合してなる特定構造のトリシアノピロリン系電子アクセプターユニット(電子求引性基)と、この電子アクセプターユニットに対してアゾ基を含む特定構造の共役鎖で結合する特定構造の電子ドナーユニット(電子供与性基)とを有する有機化合物が、電気光学性能に優れ、耐熱性及び耐光性にも優れることが記載されている。
米国特許第7307173号明細書 特許第5826206号公報
一般的な光学素子は、上記のように、EO活性を有する有機化合物と、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート等のマトリックス樹脂とを含む電気光学(EO)用組成物からから製造される電気光学(EO)膜をマトリックス樹脂のガラス転移温度以上に加熱した状態でポーリング処理することで製造される。
しかしながら、EO膜中のEO活性を有する有機化合物の含有量を大きくすると、EO活性を有する有機化合物同士の会合が促進され、ポーリング処理前後の電界方向と同一方向で測定したEO膜の吸光度変化率の絶対値と正の相関がある配向度の低下が生じ、EO効果が飽和し、高いEO効果が得られないという課題があった。
そこで、本発明は、ポーリング処理時の吸光度変化率が大きい電気光学膜を形成することが可能な電気光学用組成物を提供することを主な目的とする。
本発明者らは上記の課題に鑑み鋭意検討を重ねた結果、マトリックス樹脂として作用する、分子内に特定の構造を有する高分子化合物と、EO活性を有する有機化合物とを含む組成物より製造されるEO膜が、ポーリング処理前後で大きい吸光度変化率を示すことを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、以下の[1]~[5]の電気光学用組成物、[6]の高分子化合物、[7]の化合物、[8]の電気光学膜、及び[9]の電気光学素子を提供する。
[1]下記式(1)で表される構造単位及び下記式(2)で表される構造単位の少なくとも一方を有する高分子化合物と、
電気光学活性を有する有機化合物と、
を含む、電気光学用組成物。
Figure 2023152032000001

[式(1)中、R、R、R、及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、フルオロアルキル基、又はアリール基を表し、これらの基は、置換基を有していてもよい。
は、アルキレン基、アリーレン基、ビニレン基、-O-、-C(O)-、-C(O)O-、-NHC(O)-、-NHC(O)NH-、又は-NHC(O)O-を表し、これらの基は、置換基を有していてもよい。なお、-C(O)O-、-NHC(O)-、又は-NHC(O)O-は、隣接する基と任意の方向で結合していてもよい。
aは、0~5の整数を表す。
aが2以上である場合、複数存在するLは、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
は、電子求引性基を表す。
*は、結合位置を表す。]
Figure 2023152032000002

[式(2)中、Rは、水素原子又はメチル基を表す。
は、アルキレン基、アリーレン基、ビニレン基、-O-、又は-C(O)-を表し、これらの基は、置換基を有していてもよい。
bは、0~5の整数を表す。
bが2以上である場合、複数存在するLは、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
は、前記Aと同義である。
*は、結合位置を表す。]
[2]前記Aは、Aを有する誘導体として下記式(4)で表される化合物を仮定したときに、当該化合物について算出される双極子モーメントが5~25Dとなる基である、[1]に記載の電気光学用組成物。
Figure 2023152032000003

[式(4)中、Aは前記と同義である。]
[3]前記Aが、分子内に少なくとも1個のシアノ基を有する基、分子内に少なくとも1個のニトロ基を有する基、並びに分子内に少なくとも1個のフッ素原子を有する基からなる群より選ばれる1種の基である、[2]に記載の電気光学用組成物。
[4]前記Aが、式(5)で表される基又は式(6)で表される基の少なくとも一方の基である、[1]~[3]のいずれかに記載の電気光学用組成物。
Figure 2023152032000004

[式(5)中、Lは、-C(R)(R)-又は-C(O)-を表す。
及びRは、それぞれ独立に、アルキル基、フルオロアルキル基、又はアリール基を表し、これらの基は、置換基を有していてもよい。
は、-O-又は-NR-を表す。
は、アルキル基を表し、この基は、置換基を有していてもよい。
*は、結合位置を表す。]
Figure 2023152032000005

[式(6)中、R10は、水素原子、シアノ基、アルキル基、シアノアルキル基、又はアリール基を表す。
*は、結合位置を表す。]
[5]前記高分子化合物が、下記式(7)で表される構造単位及び下記式(8)で表される構造単位の少なくとも一方をさらに有する、[1]~[4]のいずれかに記載の電気光学用組成物。
Figure 2023152032000006

[式(7)中、R11は、水素原子又はメチル基を表す。
12は、アルキル基、フルオロアルキル基、又はアリール基を表し、これらの基は、置換基を有していてもよい。
*は、結合位置を表す。]
Figure 2023152032000007

[式(8)中、R13、R14、R15、R16、及びR17は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ハロアルキル基、アルコキシ基、アリール基、又はホルミル基を表し、これらの基は、置換基を有していてもよい。
*は、結合位置を表す。]
[6]下記式(9)で表される構造単位を有する、高分子化合物。
Figure 2023152032000008

[式(9)中、R18、R19、R20、及びR21は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、又はアリール基を表し、これらの基は、置換基を有していてもよい。
22及びR23は、それぞれ独立に、アルキル基、フルオロアルキル基、又はアリール基を表し、これらの基は、置換基を有していてもよい。
*は、結合位置を表す。]
[7]下記式(10)で表される、化合物。
Figure 2023152032000009

[式(10)中、R24、R25、R26、及びR27は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、又はアリール基を表し、これらの基は、置換基を有していてもよい。
28及びR29は、それぞれ独立に、アルキル基、フルオロアルキル基、又はアリール基を表し、これらの基は、置換基を有していてもよい。]
[8][1]~[5]のいずれかに記載の電気光学用組成物を形成材料とする、電気光学膜。
[9][8]に記載の電気光学膜を備える、電気光学素子。
本発明によれば、ポーリング処理時の吸光度変化率が大きい電気光学膜を形成することが可能な電気光学用組成物が提供される。また、本発明によれば、電気光学用組成物のマトリックス樹脂として有用な高分子化合物及び当該高分子化合物の原料となる化合物が提供される。さらに、本発明によれば、このような電気光学用組成物を用いた電気光学膜及び電気光学素子が提供される。
以下、本実施形態の好適な実施形態について詳細に説明する。
<共通する用語の説明>
以下、本明細書で共通して用いられる用語は、特記しない限り、以下の意味である。
「高分子化合物」とは、分子中に同じ「構造単位」を2個以上含む化合物を意味する。いわゆる2量体も高分子化合物に該当する。高分子化合物中に2個以上含まれる構造単位は、一般に、「繰り返し単位」とも呼ばれる。高分子化合物のポリスチレン換算の重量平均分子量は、通常、1×10~1×10である。
高分子化合物は、ブロック共重合体、ランダム共重合体、交互共重合体、又はグラフト共重合体のいずれであってもよいし、その他の態様であってもよい。
「アルキル基」は、直鎖アルキル基、分岐アルキル基、又は環状アルキル基(シクロアルキル基)のいずれであってもよい。直鎖アルキル基の炭素原子数は、通常1~20であり、分岐アルキル基の炭素原子数は、通常3~20であり、環状アルキル基の炭素原子数は、通常3~20である。アルキル基は、置換基を有していてもよい。なお、アルキル基の炭素原子数には、置換基の炭素原子数は含まれない。
直鎖アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ヘキシル基、n-オクチル基、n-ドデシル基、n-ヘキサデシル基等が挙げられる。
分岐アルキル基としては、例えば、イソプロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、2-エチルヘキシル基、3,7-ジメチルオクチル基、2-ヘキシルデシル基、2-オクチルドデシル基、2-デシルテトラデシル基等が挙げられる。
環状アルキル基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基等が挙げられる。
置換基を有しているアルキル基としては、例えば、メトキシエチル基、ベンジル基、トリフルオロメチル基、パーフルオロヘキシル基、クロロメチル基が挙げられる。
「アルコキシ基」は、直鎖アルコキシ基、分岐アルコキシ基、又は環状アルコキシ基(シクロアルコキシ基)のいずれであってもよい。直鎖アルコキシ基の炭素原子数は、通常1~30であり、分岐アルコキシ基の炭素原子数は、通常3~30であり、環状アルコキシ基の炭素原子数は、通常3~20である。アルコキシ基は、置換基を有していてもよい。なお、アルコキシ基の炭素原子数には、置換基の炭素原子数は含まれない。
アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n-プロピルオキシ基、n-ブチルオキシ基、n-ヘキシルオキシ基、n-オクチルオキシ基、n-ドデシルオキシ基、n-ヘキサデシルオキシ基等の直鎖アルコキシ基;イソプロピルオキシ基、イソブチルオキシ基、sec-ブチルオキシ基、tert-ブチルオキシ基、2-エチルヘキシルオキシ基、3,7-ジメチルオクチルオキシ基、2-ヘキシルデシルオキシ基、2-オクチルドデシルオキシ基、2-デシルテトラデシルオキシ基等の分岐アルコキシ基;シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等の環状アルコキシ基が挙げられる。
「アリール基」は、芳香族炭化水素から環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子1個を除いた残りの原子団である。芳香族炭化水素の炭素原子数は、通常6~60であり、好ましくは6~20である。アリール基は、置換基を有していてもよい。なお、アリール基の炭素原子数には、置換基の炭素原子数は含まれない。
芳香族炭化水素には、ベンゼン、ベンゼンを含む炭化水素縮合環化合物、ベンゼン及びベンゼンを含む炭化水素縮合環化合物からなる群から選ばれる2個以上が直接結合した化合物が含まれる。
アリール基としては、例えば、フェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基、1-アントラセニル基、2-アントラセニル基、9-アントラセニル基、1-ピレニル基、2-ピレニル基、4-ピレニル基、2-フルオレニル基、3-フルオレニル基、4-フルオレニル基、4-フェニルフェニル基が挙げられる。
「ヘテロアリール基」は、芳香族複素環式化合物から環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子1個を除いた残りの原子団である。芳香族複素環式化合物の炭素原子数は、通常6~20である。ヘテロアリール基は、置換基を有していてもよい。なお、ヘテロアリール基の炭素原子数には、置換基の炭素原子数は含まれない。
ヘテロアリール基としては、フラン、チオフェン、ピロール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、イミダゾール、ピラゾール、フラザン、トリアゾール、チアジアゾール、オキサジアゾール、テトラゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ベンゾチオフェン、インドール、イソインドール、インドリジン、イソキノリン、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾール、インダゾール、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、キナゾリジン、シンノリン、フタラジン、プリン、プテリジン、カルバゾール、フェナントリジン、アクリジン、β-カルボリン、ペリミジン、フェナントロリン等の芳香族複素環式化合物から、環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子1個を除いた基が挙げられる。
「アリールオキシ基」は、上記の「アリール基」を有する基である。芳香族炭化水素の炭素原子数は、通常6~60であり、好ましくは6~20である。アリール基は、置換基を有していてもよい。なお、アリール基の炭素原子数には、置換基の炭素原子数は含まれない。
「ハロゲン原子」としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子が挙げられる。
「フルオロアルキル基」は、上記の「アルキル基」において、少なくとも1個の水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基を意味する。フルオロアルキル基としては、例えば、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2-フルオロエチル基、1,2-ジフルオロエチル基等が挙げられる。
「ハロアルキル基」は、上記の「アルキル基」において、少なくとも1個の水素原子がハロゲン原子で置換されたアルキル基を意味する。ハロアルキル基としては、例えば、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2-フルオロエチル基、1,2-ジフルオロエチル基、クロロメチル基、2-クロロエチル基、1,2-ジクロロエチル基、ブロモメチル基、2-ブロモエチル基、1-ブロモプロピル基、2-ブロモプロピル基、3-ブロモプロピル基、ヨードメチル基等が挙げられる。
「シアノアルキル基」は、上記の「アルキル基」基において、少なくとも1個の水素原子がシアノ基で置換されたアルキル基である。シアノアルキル基としては、例えば、シアノメチル基、ジシアノメチル基、シアノエチル基が挙げられる。
「ハロアリール基」は、上記の「アリール基」において、少なくとも1個の水素原子がハロゲン原子で置換されたアリール基を意味する。ハロアリール基としては、例えば、ペンタフルオロフェニル基が挙げられる。
「アルキルチオ基」は、直鎖アルキルチオ基、分岐アルキルチオ基、又は環状アルキルチオ基基(シクロアルキルチオ基)のいずれであってもよい。直鎖アルキルチオ基の炭素原子数は、通常1~30であり、分岐アルキルチオ基の炭素原子数は、通常3~30であり、環状アルキルチオ基の炭素原子数は、通常3~20である。アルキルチオ基は、置換基を有していてもよい。なお、アルコキシ基の炭素原子数には、置換基の炭素原子数は含まれない。
アルキルチオ基としては、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、ブチルチオ基、イソブチルチオ基、tert-ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、ヘプチルチオ基、オクチルチオ基、2-エチルヘキシルチオ基、ノニルチオ基、デシルチオ基、3,7-ジメチルオクチルチオ基、ラウリルチオ基、シクロプロピルチオ基、シクロペンチルチオ基、シクロヘキシルチオ基、アダマンチルチオ基等が挙げられる。
「1価の複素環基」としては、例えば、チエニル基、ピロリル基、フリル基、ピリジル基、ピペリジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、及び、これらの基における水素原子の一部又は全部が置換基(例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基)等で置換された基が挙げられる。
「アミノ基」は、置換基を有していてもよく、置換アミノ基(すなわち、第2級アミノ基又は第3級アミノ基、より好ましくは第3級アミノ基)が好ましい。アミノ基が有する置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基が好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。アミノ基が有する置換基が複数存在する場合、それらは同一で異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する窒素原子とともに環を形成していてもよい。
「置換シリル基」は、置換基を有していてもよいアルキル基、又は、置換基を有していてもよいアリール基を有するシリル基を意味する。置換シリル基の具体例としては、メチルシリル基、エチルシリル基、フェニルシリル基等の一置換シリル基;ジメチルシリル基、ジエチルシリル基、ジフェニルシリル基等の二置換シリル基;トリメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、トリ-n-ブチルシリル基、トリ-tert-ブチルシリル基、トリ-イソブチルシリル基、tert-ブチル-ジメチルシリル基、トリ-n-ペンチルシリル基等の三置換シリル基などが挙げられる。
「アラルキル基」としては、例えば、1個以上のアラルキル基で置換されたアルキル基等が挙げられる。アラルキル基の具体例としては、例えば、ベンジル基、1-フェニルエチル基、フェネチル基、1-ナフチルメチル基、2-ナフチルメチル基、1-ナフチルエチル基、2-ナフチルエチル基等が挙げられる。
「アラルキル基」は、上記の「アルキル基」基において、少なくとも1個の水素原子が上記の「アリール基」で置換されたアルキル基である。アラルキル基の具体例としては、例えば、ベンジル基、1-フェニルエチル基、フェネチル基、1-ナフチルメチル基、2-ナフチルメチル基、1-ナフチルエチル基、2-ナフチルエチル基等が挙げられる。
「アラルキルオキシ基」のアラルキル基は、上記の「アラルキル基」と同様のものが例示される。
「アルケニル基」は、例えば、炭素原子数2~20のアルケニル基が挙げられる。アルケニル基の具体例としては、エテニル基、1-プロペニル基、2-プロペニル基、1-メチルエテニル基、1-ブテニル基、2-ブテニル基、3-ブテニル基、1-メチル-1-プロペニル基、1-メチル-2-プロペニル基、2-メチル-1-プロペニル基、2-メチル-2-プロペニル基等が挙げられる。アルケニル基は、置換基を有していてもよい。
「アルケニルオキシ基」のアルケニル基は、上記の「アルケニル基」と同様のものが例示される。
「アルキニル基」としては、例えば、炭素原子数3~20のアルキニル基が挙げられる。アルキニル基の具体例としては、2-プロピニル基、1-メチルー2-プロピニル基、1,1-ジメチル-2-プロピニル基、2-ブチニル基、3-ブチニル基、1-ペンチニル基、2-ペンチニル基、3-ペンチニル基、4-ペンチニル基等が挙げられる。アルキニル基は、置換基を有していてもよい。
「アルキニルオキシ基」のアルキニル基は、上記の「アルキニル基」と同様のものが例示される。
「アルキレン基」は、直鎖アルキレン基、分岐アルキレン基、又は環状アルキレン基(シクロアルキレン基)のいずれであってもよい。直鎖アルキレン基の炭素原子数は、通常1~20であり、分岐アルキレン基の炭素原子数は、通常3~20であり、環状アルキレン基の炭素原子数は、通常3~20である。アルキレン基は、置換基を有していてもよい。なお、アルキレン基の炭素原子数には、置換基の炭素原子数は含まれない。
アルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピルレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、イソプロピレン基、イソブチレン基、ジメチルプロピレン基、シクロプロピレン基、シクロブチレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基が挙げられる。
「アリーレン基」は、芳香族炭化水素から環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子2個を除いた残りの原子団である。芳香族炭化水素の炭素原子数は、通常6~20である。アリーレン基は、置換基を有していてもよい。なお、アリーレン基の炭素原子数には、置換基の炭素原子数は含まれない。
アリーレン基としては、例えば、フェニレン基、ナフチレン基、アンスリレン基、ジメチルフェニレン基、トリメチルフェニレン基、フェニレンメチレン基、フェニレンジメチレン基、フェニレントリメチレン基、フェニレンテトラメチレン基、メチルナフチレン基、ジメチルナフチレン基、トリメチルナフチレン基、ビニルナフチレン基、エテニルナフチレン基、メチルアンスリレン基、エチルアンスリレン基が挙げられる。
「ヘテロアリーレン基」は、芳香族複素環式化合物から環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子2個を除いた残りの原子団である。芳香族複素環式化合物の炭素原子数は、通常6~20である。ヘテロアリーレン基は、置換基を有していてもよい。なお、ヘテロアリーレン基の炭素原子数には、置換基の炭素原子数は含まれない。
ヘテロアリーレン基としては、フラン、チオフェン、ピロール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、イミダゾール、ピラゾール、フラザン、トリアゾール、チアジアゾール、オキサジアゾール、テトラゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ベンゾチオフェン、インドール、イソインドール、インドリジン、イソキノリン、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾール、インダゾール、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、キナゾリジン、シンノリン、フタラジン、プリン、プテリジン、カルバゾール、フェナントリジン、アクリジン、β-カルボリン、ペリミジン、フェナントロリン等の芳香族複素環式化合物から、環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子2個を除いた基が挙げられる。
「置換基」としては、例えば、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、アリール基、1価の複素環基、アルコキシ基、アミノ基、置換アミノ基等が挙げられる。
[電気光学用組成物]
本実施形態の電気光学用組成物は、特定の高分子化合物と、電気光学活性を有する有機化合物とを含む。本実施形態のEO用組成物は、EO素子(例えば、光変調素子)に用いられるEO膜の形成に有用である。
<高分子化合物(マトリックス樹脂)>
高分子化合物(マトリックス樹脂)は、下記式(1)で表される構造単位及び下記式(2)で表される構造単位の少なくとも一方を有する。
Figure 2023152032000010
、R、R、及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、フルオロアルキル基、又はアリール基を表し、これらの基は、置換基を有していてもよい。アルキル基の炭素原子数は、1~20であってよい。フルオロアルキル基の炭素原子数は、1~20であってよい。アリール基の炭素原子数は、6~20であってよい。R、R、R、及びRは、一実施形態において、水素原子である。
は、アルキレン基、アリーレン基、ビニレン基、-O-、-C(O)-、-C(O)O-、-NHC(O)-、-NHC(O)NH-、又は-NHC(O)O-を表し、これらの基は、置換基を有していてもよい。なお、-C(O)O-、-NHC(O)-、又は-NHC(O)O-は、隣接する基と任意の方向で結合していてもよい。アルキレン基の炭素原子数は、1~20であってよい。アリーレン基の炭素原子数は、6~20であってよい。ビニレン基は、-(R50)C=C(R51)-で表される基である。R50及びR51は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表し、好ましくは水素原子である。Lは、一実施形態において、ビニレン基である。
aは、0~5の整数を表す。aが2以上である場合、複数存在するLは、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。aは、好ましくは0~3の整数である。aは、一実施形態において、0又は1である。
電子求引性基Aは、例えば、Aを有する誘導体として下記式(4)で表される化合物を仮定したときに、当該化合物について算出される双極子モーメントが5~25D(デバイ)となる基であってよい。式(4)で表される化合物は、式(1)で表される構造単位におけるベンゼン環の骨格に類似しているイソプロピル基とAとから構成される化合物である。
Figure 2023152032000011
式(4)中、Aは前記と同義である。
式(4)で表される化合物の双極子モーメントμは、例えば、Gaussian社製の量子化学計算プログラムであるGaussian09により計算することによって算出することができる。より詳細には、式(4)で表される化合物の双極子モーメントμは、M062X/6-31+g(d)条件の下、pcm計算(溶媒としてクロロホルムを指定)により構造最適化計算を実施することによって算出することができる。
式(4)で表される化合物の双極子モーメントは、好ましくは5D以上であり、より好ましくは6D以上であり、さらに好ましくは7D以上である。式(4)で表される化合物の双極子モーメントが5D以上であると、EO活性を有する有機化合物との双極子相互作用が充分となり、EO活性を有する有機化合物同士の会合を抑制でき、配向度が向上する傾向にある。式(4)で表される化合物の双極子モーメントは、好ましくは25D以下であり、より好ましくは23D以下であり、さらに好ましくは20D以下である。式(4)で表される化合物の双極子モーメントが25D以下であると、EO活性を有する有機化合物の超分極効果が阻害され難く、有機EO効果が向上する傾向にある。
このような双極子モーメントの条件を満たす電子求引性基Aは、例えば、分子内に少なくとも1個のシアノ基(-CN基)を有する基、分子内に少なくとも1個のニトロ基(-NO基)を有する基、並びに分子内に少なくとも1個のフッ素原子を有する基からなる群より選ばれる1種の基であってよい。
分子内に少なくとも1個のシアノ基を有する基としては、シアノ基、シアノフェニル基、ジシアノフェニル基、シアノメチル基、ジシアノメチル基、シアノメチルカルボニルオキシ基、式(5)で表される基、式(6)で表される基が挙げられる。
Figure 2023152032000012
は、-C(R)(R)-又は-C(O)-を表す。R及びRは、それぞれ独立に、アルキル基、フルオロアルキル基、又はアリール基を表し、これらの基は、置換基を有していてもよい。アルキル基の炭素原子数は、1~20であってよい。フルオロアルキル基の炭素原子数は、1~20であってよい。アリール基の炭素原子数は、6~20であってよい。
は、-O-又は-NR-を表す。Rは、アルキル基を表し、この基は、置換基を有していてもよい。アルキル基の炭素原子数は、1~20であってよい。
及びLの組み合わせは、一実施形態において、Lが-C(R)(R)-であり、かつLが-O-である組み合わせである。このとき、Rは、トリフルオロメチル基であってよく、Rは、アリール基であってよい。
式(5)で表される基としては、例えば、4-(4-シアノ-5-(ジシアノメチレン)-2-フェニル-2-(トリフルオロメチル)-2,5-ジヒドロフラン-3-イル)ブテ-3-エン-1-イル基、4-(4-シアノ-5-(ジシアノメチレン)-2,2-ジメチル-2,5-ジヒドロフラン-3-イル)ブテ-3-エン-1-イル基、2-(3-シアノ-1-メチル-5-オキソ-1,5-ジヒドロ-2H-ピロール-2-イリデン)マロノニトリル基が挙げられる。
Figure 2023152032000013
10は、水素原子、シアノ基、アルキル基、シアノアルキル基、又はアリール基を表す。アルキル基の炭素原子数は、1~20であってよい。シアノアルキル基の炭素原子数は、1~20であってよい。なお、シアノアルキル基の炭素原子数には、シアノ基の炭素原子数は含まれない。アリール基の炭素原子数は、6~20であってよい。R10は、一実施形態において、水素原子である。
式(6)で表される基としては、例えば、2,2-ジシアノビニル基、1,2,2-トリシアノビニル基、2,2-ジシアノ-1-メチルビニル基、2,2-ジシアノ-1-トリフルオロメチルビニル基、1-(4-シアノフェニル)-2,2-ジシアノビニル基、1-(4-ニトロフェニル)-2,2-ジシアノビニル基が挙げられる。
分子内に少なくとも1個のニトロ基を有する基としては、例えば、ニトロ基、4-ニトロフェニル基、3,5-ジニトロフェニル基、3,5-ジニトロ-4-メチルフェニル基、4-ニトロナフチル基が挙げられる。
分子内に少なくとも1個のフッ素原子を有する基としては、例えば、トリフルオロメチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基、ペンタフルオロフェニル基、トリフルオロメチルオキシカルボニル基が挙げられる。
電子求引性基Aは、好ましくは、分子内に少なくとも1個のシアノ基を有する基及び分子内に少なくとも1個のニトロ基を有する基からなる群より選ばれる1種の基であり、より好ましくは分子内に少なくとも1個のシアノ基を有する基であり、さらに好ましくは式(5)で表される基又は式(6)で表される基である。
式(1)で表される構造単位は、好ましくは下記式(9)で表される構造単位である。すなわち、高分子化合物(マトリックス樹脂)は、式(9)で表される構造単位を有するものであってもよい。
Figure 2023152032000014
18、R19、R20、及びR21は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、又はアリール基を表し、これらの基は、置換基を有していてもよい。アルキル基の炭素原子数は、1~20であってよい。フルオロアルキル基の炭素原子数は、1~20であってよい。アリール基の炭素原子数は、6~20であってよい。R18、R19、R20、及びR21は、一実施形態において、水素原子である。
22及びR23は、それぞれ独立に、アルキル基、フルオロアルキル基、又はアリール基を表し、これらの基は、置換基を有していてもよい。アルキル基の炭素原子数は、1~20であってよい。フルオロアルキル基の炭素原子数は、1~20であってよい。アリール基の炭素原子数は、6~20であってよい。一実施形態において、R22は、トリフルオロメチル基であり、R23は、アリール基である。
式(1)で表される構造単位及び式(2)で表される構造単位の含有量は、高分子化合物の構造単位全量を基準として、5~80モル%であってよい。当該含有量が、高分子化合物の構造単位全量を基準として、5モル%以上であると、EO活性を有する有機化合物と双極子相互作用し易くなる傾向にあり、80モル%以下であると、EO活性を有する有機化合物を高分子化合物中に分散させ易くなり、会合を抑制し易くなる傾向にある。当該含有量は、高分子化合物の構造単位全量を基準として、好ましくは7モル%以上であり、より好ましくは10モル%以上であり、さらに好ましくは15モル%以上であり、好ましくは70モル%以下であり、より好ましくは65モル%以下であり、さらに好ましくは60モル%以下である。
Figure 2023152032000015
は、水素原子又はメチル基を表す。
は、アルキレン基、アリーレン基、ビニレン基、-O-、又は-C(O)-を表し、これらの基は、置換基を有していてもよい。アルキレン基の炭素原子数は、1~20であってよい。アリーレン基の炭素原子数は、6~20であってよい。ビニレン基は、-(R60)C=C(R61)-で表される基である。R60及びR61は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表し、好ましくは水素原子である。
bは、0~5の整数を表す。bが2以上である場合、複数存在するLは、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。bは、好ましくは1~4の整数である。bは、一実施形態において、2又は3である。
は、前記Aと同義である。
高分子化合物(マトリックス樹脂)は、下記式(7)で表される構造単位及び下記式(8)で表される構造単位の少なくとも一方をさらに有することが好ましい。
Figure 2023152032000016
11は、水素原子又はメチル基を表す。R12は、アルキル基、フルオロアルキル基、又はアリール基を表し、これらの基は、置換基を有していてもよい。アルキル基の炭素原子数は、1~20であってよい。フルオロアルキル基の炭素原子数は、1~20であってよい。アリール基の炭素原子数は、6~20であってよい。
Figure 2023152032000017
13、R14、R15、R16、及びR17は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ハロアルキル基、アルコキシ基、アリール基、又はホルミル基(-C(O)H基)を表し、これらの基は、置換基を有していてもよい。アルキル基の炭素原子数は、1~20であってよい。ハロアルキル基の炭素原子数は、1~20であってよい。アルコキシ基の炭素原子数は、1~20であってよい。アリール基の炭素原子数は、6~20であってよい。
式(7)で表される構造単位及び式(8)で表される構造単位の含有量は、高分子化合物の構造単位全量を基準として、20~95モル%であってよい。当該含有量は、高分子化合物の構造単位全量を基準として、好ましくは30モル%以上であり、より好ましくは35モル%以上であり、さらに好ましくは40モル%以上であり、好ましくは93モル%以下であり、より好ましくは90モル%以下であり、さらに好ましくは85モル%以下である。
高分子化合物(マトリックス樹脂)は、式(1)で表される構造単位、式(2)で表される構造単位、式(7)で表される構造単位、及び式(8)で表される構造単位に加えて、その他の重合性単量体に由来する構造単位をさらに有していてもよい。その他の重合性単量体としては、例えば、式(2)で表される構造単位及び式(7)で表される構造単位を与える単量体以外のアクリル酸エステル及びその誘導体、式(2)で表される構造単位及び式(7)で表される構造単位を与える単量体以外のメタアクリル酸エステル及びその誘導体、有機カルボン酸のビニルエステル及びその誘導体、有機カルボン酸のアリルエステル及びその誘導体、フマル酸のジアルキルエステル及びその誘導体、マレイン酸のジアルキルエステル及びその誘導体、イタコン酸のジアルキルエステル及びその誘導体、有機カルボン酸のN-ビニルアミド誘導体、末端不飽和炭化水素及びその誘導体、不飽和炭化水素基を含む有機ゲルマニウム誘導体が挙げられる。
式(2)で表される構造単位及び式(7)で表される構造単位を与える単量体以外のアクリル酸エステル及びその誘導体としては、例えば、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、1,4-ブタンジオールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールペンタアクリレート、N,N-ジメチルアクリルアミド、N,N-ジエチルアクリルアミド、N-アクリロイルモルホリンが挙げられる。
式(2)で表される構造単位及び式(7)で表される構造単位を与える単量体以外のメタアクリル酸エステル及びその誘導体としては、例えば、エチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、1,4-ブタンジオールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールペンタメタクリレート、N,N-ジメチルメタアクリルアミド、N,N-ジエチルメタアクリルアミド、N-メタアクリロイルモルホリンが挙げられる。
有機カルボン酸のビニルエステル及びその誘導体としては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル、アジピン酸ジビニルが挙げられる。
有機カルボン酸のアリルエステル及びその誘導体としては、例えば、酢酸アリル、安息香酸アリル、アジピン酸ジアリル、テレフタル酸ジアリル、イソフタル酸ジアリル、フタル酸ジアリルが挙げられる。
フマル酸のジアルキルエステル及びその誘導体としては、例えば、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジイソプロピル、フマル酸ジ-sec-ブチル、フマル酸ジイソブチル、フマル酸ジ-n-ブチル、フマル酸ジ-2-エチルヘキシル、フマル酸ジベンジルが挙げられる。
マレイン酸のジアルキルエステル及びその誘導体としては、例えば、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジイソプロピル、マレイン酸ジ-sec-ブチル、マレイン酸ジイソブチル、マレイン酸ジ-n-ブチル、マレイン酸ジ-2-エチルヘキシル、マレイン酸ジベンジルが挙げられる。
イタコン酸のジアルキルエステル及びその誘導体としては、例えば、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸ジイソプロピル、イタコン酸ジ-sec-ブチル、イタコン酸ジイソブチル、イタコン酸ジ-n-ブチル、イタコン酸ジ-2-エチルヘキシル、イタコン酸ジベンジルが挙げられる。
有機カルボン酸のN-ビニルアミド誘導体としては、例えば、N-メチル-N-ビニルアセトアミドが挙げられる。
末端不飽和炭化水素及びその誘導体としては、例えば、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、ビニルシクロヘキサン、塩化ビニル、アリルアルコ-ルが挙げられる。
不飽和炭化水素基を含む有機ゲルマニウム誘導体としては、例えば、アリルトリメチルゲルマニウム、アリルトリエチルゲルマニウム、アリルトリブチルゲルマニウム、トリメチルビニルゲルマニウム、トリエチルビニルゲルマニウムが挙げられる。
その他の重合性単量体に由来する構造単位の含有量は、高分子化合物の構造単位全量を基準として、0~20モル%であってよい。
式(1)で表される構造単位を有する高分子化合物(マトリックス樹脂)としては、例えば、ポリ[メチルメタクリレートCO-2-(3-シアノ-5-フェニル-5-(トリフルオロメチル)-4-(4-ビニルスチリル)フラン-2(5H)-イリデン)マロノニトリル];ポリ[メチルメタクリレートCO-2-(3-シアノ-5、5-ジメチル-4-(4-ビニルスチリル)フラン-2(5H)-イリデン)マロノニトリル];ポリ[アダマンチルメタクリレートCO-2-(3-シアノ-5-フェニル-5-(トリフルオロメチル)-4-(4-ビニルスチリル)フラン-2(5H)-イリデン)マロノニトリル];ポリ[アダマンチルメタクリレートCO-2-(3-シアノ-5、5-ジメチル-4-(4-ビニルスチリル)フラン-2(5H)-イリデン)マロノニトリル];ポリ[スチレン-CO-2-(3-シアノ-5-フェニル-5-(トリフルオロメチル)-4-(4-ビニルスチリル)フラン-2(5H)-イリデン)マロノニトリル];ポリ[スチレン-CO-2-(3-シアノ-5、5-ジメチル-4-(4-ビニルスチリル)フラン-2(5H)-イリデン)マロノニトリル];ポリ[メチルメタクリレートCO-2-(3-シアノ-5-フェニル-5-(トリフルオロメチル)-4-(4-ビニルスチリル)フラン-2(5H)-イリデン)マロノニトリル-CO-クロロメチルスチレン];ポリ[メチルメタクリレートCO-2-(3-シアノ-5、5-ジメチル-4-(4-ビニルスチリル)フラン-2(5H)-イリデン)マロノニトリル-CO-クロロメチルスチレン];ポリ[アダマンチルメタクリレートCO-2-(3-シアノ-5-フェニル-5-(トリフルオロメチル)-4-(4-ビニルスチリル)フラン-2(5H)-イリデン)マロノニトリル-CO-クロロメチルスチレン];ポリ[アダマンチルメタクリレートCO-2-(3-シアノ-5、5-ジメチル-4-(4-ビニルスチリル)フラン-2(5H)-イリデン)マロノニトリル-CO-クロロメチルスチレン];ポリ[スチレン-CO-2-(3-シアノ-5-フェニル-5-(トリフルオロメチル)-4-(4-ビニルスチリル)フラン-2(5H)-イリデン)マロノニトリル-CO-クロロメチルスチレン];ポリ[スチレン-CO-2-(3-シアノ-5、5-ジメチル-4-(4-ビニルスチリル)フラン-2(5H)-イリデン)マロノニトリル-CO-クロロメチルスチレン]が挙げられる。なお、「-CO-」は、共重合体であることを示す記号である。
式(2)で表される構造単位を有する高分子化合物(マトリックス樹脂)としては、例えば、ポリ[メチルメタクリレートCO-4-(4-シアノ-5-(ジシアノメチレン)-2-フェニル-2-(トリフルオロメチル)-2,5-ジヒドロフラン-3-イル)ブテ-3-エン-1-イル メタクリレート];ポリ[メチルメタクリレートCO-4-(4-シアノ-5-(ジシアノメチレン)-2,2-ジメチル-2,5-ジヒドロフラン-3-イル)ブテー3-エン-1-イル メタクリレート];ポリ[メチルメタクリレートCO-4,4-ジシアノブテ-3-エン-1-イル メタクリレート];ポリ[アダマンチルメタクリレートCO-4-(4-シアノ-5-(ジシアノメチレン)-2-フェニル-2-(トリフルオロメチル)-2,5-ジヒドロフラン-3-イル)ブテ-3-エン-1-イル メタクリレート];ポリ[アダマンチルメタクリレートCO-4-(4-シアノ-5-(ジシアノメチレン)-2,2-ジメチル-2,5-ジヒドロフラン-3-イル)ブテ-3-エン-1-イル メタクリレート];ポリ[アダマンチルメタクリレートCO-4,4-ジシアノブテ-3-エン-1-イル メタクリレート];ポリ[スチレン-CO-4-(4-シアノ-5-(ジシアノメチレン)-2-フェニル-2-(トリフルオロメチル)-2,5-ジヒドロフラン-3-イル)ブテ-3-エン-1-イル メタクリレート];ポリ[スチレン-CO-4-(4-シアノ-5-(ジシアノメチレン)-2,2-ジメチル-2,5-ジヒドロフラン-3-イル)ブテ-3-エン-1-イル メタクリレート];ポリ[スチレン-CO-4,4-ジシアノブテ-3-エン-1-イル メタクリレート];ポリ[メチルメタクリレートCO-4-(4-シアノ-5-(ジシアノメチレン)-2-フェニル-2-(トリフルオロメチル)-2,5-ジヒドロフラン-3-イル)ブテ-3-エン-1-イル メタクリレートCO-クロロメチルスチレン];ポリ[メチルメタクリレートCO-4-(4-シアノ-5-(ジシアノメチレン)-2,2-ジメチル-2,5-ジヒドロフラン-3-イル)ブテ-3-エン-1-イル メタクリレートCO-クロロメチルスチレン];ポリ[メチルメタクリレートCO-4,4-ジシアノブテ-3-エン-1-イル メタクリレートCO-クロロメチルスチレン];ポリ[アダマンチルメタクリレートCO-4-(4-シアノ-5-(ジシアノメチレン)-2-フェニル-2-(トリフルオロメチル)-2,5-ジヒドロフラン-3-イル)ブテ-3-エン-1-イル メタクリレートCO-クロロメチルスチレン];ポリ[アダマンチルメタクリレートCO-4-(4-シアノ-5-(ジシアノメチレン)-2,2-ジメチル-2,5-ジヒドロフラン-3-イル)ブテ-3-エン-1-イル メタクリレートCO-クロロメチルスチレン];ポリ[アダマンチルメタクリレートCO-4,4-ジシアノブテ-3-エン-1-イル メタクリレートCO-クロロメチルスチレン];ポリ[スチレン-CO-4-(4-シアノ-5-(ジシアノメチレン)-2-フェニル-2-(トリフルオロメチル)-2,5-ジヒドロフラン-3-イル)ブテ-3-エン-1-イル メタクリレートCO-クロロメチルスチレン];ポリ[スチレン-CO-4-(4-シアノ-5-(ジシアノメチレン)-2,2-ジメチル-2,5-ジヒドロフラン-3-イル)ブテ-3-エンー1-イル メタクリレートCO-クロロメチルスチレン];ポリ[スチレン-CO-4,4-ジシアノブテ-3-エン-1-イル メタクリレートCO-クロロメチルスチレン];ポリ[スチレン-CO-4-(4-シアノ-5-(ジシアノメチレン)-2-フェニル-2-(トリフルオロメチル)-2,5-ジヒドロフラン-3-イル)ブテ-3-エン-1-イル メタクリレートCO-クロロメチルスチレン-CO-4-ホルミルスチレン];ポリ[スチレン-CO-4-(4-シアノ-5-(ジシアノメチレン)-2,2-ジメチル-2,5-ジヒドロフラン-3-イル)ブテ-3-エンー1-イル メタクリレートCO-クロロメチルスチレン-CO-4-ホルミルスチレン];ポリ[スチレン-CO-4,4-ジシアノブテ-3-エン-1-イル メタクリレートCO-クロロメチルスチレン-CO-4-ホルミルスチレン]が挙げられる。なお、「-CO-」は、共重合体であることを示す記号である。
<高分子化合物(マトリックス樹脂)の製造方法>
本実施形態の高分子化合物は、例えば、式(1)で表される構造単位を与える重合性単量体(下記式(1A)で表される化合物)、式(2)で表される構造単位を与える重合性単量体(下記式(2A)で表される化合物)、式(7)で表される構造単位を与える重合性単量体(下記式(7A)で表される化合物)、式(8)で表される構造単位を与える重合性単量体(下記式(8A)で表される化合物)、その他の重合性単量体等を、光ラジカル重合開始剤、熱ラジカル重合開始剤等のラジカル重合開始剤の存在下で重合させることにより製造することができる。
Figure 2023152032000018
式(1A)中、R、R、R、R、L、a、及びAは、前記と同義である。
式(1A)で表される化合物は、例えば、官能基Zを有するスチレン化合物(式(1A-a)で表される化合物)と、官能基Zと反応して-(L)a-を与えることが可能な官能基Zを有する化合物(式(1A-b)で表される化合物)と反応させることによって得ることができる。あるいは、式(1A)で表される化合物は、官能基Zと反応して-(L)a-を与えることが可能な官能基Zを有するスチレン化合物(式(1A-c)で表される化合物)と、官能基Zを有する化合物(式(1A-d)で表される化合物)と反応させることによって得ることもできる。
Figure 2023152032000019
Figure 2023152032000020
式(1A-a)、式(1A-b)、式(1A-c)、及び式(1A-d)中、R、R、R、R、L、a、及びAは、前記と同義である。
官能基Zは、例えば、カルボニル基(-C(O)R基(Rはアルキル基を表す。))、ホルミル基(-C(O)H基)、カルボキシル基(-C(O)OH基)、酸クロライド基(-C(O)Cl基)、又はイソシアネート基(-NCO基)であってよい。Zは、好ましくは、ホルミル基、酸クロライド基、又はイソシアネート基である。
官能基Zは、例えば、メチル基、水酸基、アミノ基、メルカプト基、又は活性メチレン基を有する基であってよい。Zは、好ましくは、メチル基、水酸基、又はシアノメチル基である。
式(1A-a)で表される化合物としては、例えば、4-ビニルベンズアルデヒド、4-ビニルアセトフェノン、4-ビニル安息香酸、4-ビニル安息香酸クロライド、4-ビニルフェニルイソシアネートが挙げられる。
式(1A-b)で表される化合物としては、例えば、2-(3-シアノ-4-メチル-5-フェニル-5-(トリフルオロメチル)フラン-2(5H)-イリデン)マロノニトリル、2-(3-シアノ-4-メチル-5、5-ジメチル)フラン-2(5H)-イリデン)マロノニトリル、2-(3-シアノ-4-(ヒドロキシメチル)-5-フェニル-5-(トリフルオロメチル)フラン-2(5H)-イリデン)マロノニトリル、2-(3-シアノ-4-(ヒドロキシメチル)-5、5-ジメチル)フラン-2(5H)-イリデン)マロノニトリル、マロノニトリル等が挙げられる。
式(1A-c)で表される化合物としては、例えば、4-ビニルベンゼンプロパナール、4-ビニルベンゼンブタナール、4-ビニルベンゼンプロパン酸、4-ビニルベンゼンブタン酸、4-ビニルベンゼンアセチルクロライド等が挙げられる。
式(1A-d)で表される化合物としては、例えば、2-(3-シアノ-4-メチル-5-フェニル-5-(トリフルオロメチル)フラン-2(5H)-イリデン)マロノニトリル、2-(3-シアノ-4-メチル-5、5-ジメチル)フラン-2(5H)-イリデン)マロノニトリル等が挙げられる。
式(1A-a)で表される化合物と式(1A-b)で表される化合物とを反応させる場合、及び、式(1A-c)で表される化合物と式(1A-d)で表される化合物とを反応させる場合、反応を促進させる観点から、触媒、縮合剤等を添加してもよい。
触媒としては、例えば、有機塩基性化合物、無機塩基性化合物が挙げられる。有機塩基性化合物としては、例えば、アミン化合物が挙げられる。無機塩基性化合物としては、例えば、金属アルコキシド、金属水素化物、金属炭酸塩が挙げられる。
アミン化合物としては、例えば、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジイソプロピルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピペラジン、ピペリジン、ジアザビシクロウンデセンが挙げられる。
金属アルコキシドとしては、例えば、ナトリウムエトキシド、カリウムt-ブトキシドが挙げられる。金属水素化物としては、例えば、水素化ナトリウムが挙げられる。金属炭酸塩としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウムが挙げられる。
縮合剤としては、例えば、N,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミド、N,N’-ジイソプロピルカルボジイミド等が挙げられる。
式(1A)で表される化合物としては、例えば、2-(3-シアノ-5-フェニル-5-(トリフルオロメチル)-4-(4-ビニルスチリル)フラン-2(5H)-イリデン)マロノニトリル、2-(3-シアノ-5、5-ジメチル-4-(4-ビニルスチリル)フラン-2(5H)-イリデン)マロノニトリル、2-(4-ビニルベンジリデン)マロノニトリルが挙げられる。
式(1A)で表される化合物としては、例えば、下記式(10)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2023152032000021
24、R25、R26、及びR27は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、又はアリール基を表し、これらの基は、置換基を有していてもよい。
28及びR29は、それぞれ独立に、アルキル基、フルオロアルキル基、又はアリール基を表し、これらの基は、置換基を有していてもよい。
Figure 2023152032000022
式(2A)中、R、L、b、及びAは、前記と同義である。
式(2A)で表される化合物は、例えば、官能基Zを有する、アクリレート化合物又はメタクリレート化合物(式(2A-a)で表される化合物)と、官能基Zと反応して-O-(L)b-を与えることが可能な官能基Zを有する化合物(式(2A-b)で表される化合物)と反応させることによって得ることができる。あるいは、式(2A)で表される化合物は、官能基Zと反応して-O-(L)b-を与えることが可能な官能基Zを有する、アクリレート化合物又はメタクリレート化合物(式(2A-c)で表される化合物)と、官能基Zを有する化合物(式(2A-d)で表される化合物)と反応させることによって得ることもできる。
Figure 2023152032000023
Figure 2023152032000024
式(2A-a)、式(2A-b)、式(2A-c)、及び式(2A-d)中、R、L、b、及びAは、前記と同義である。
官能基Zは、例えば、水酸基、アルコキシ基、ハロゲン原子等の、水、アルコール、ハロゲン化水素等を脱離してエステル縮合する基、オキソアルキルオキシ基、ベンジルオキソブチルオキシ基等の、Z上に求電子性基を有する基などが挙げられる。
官能基Zとしては、式(1A-b)中の官能基Zと同様のものが例示される。
式(2A-a)で表される化合物としては、例えば、アクリル酸、アクリル酸クロライド、メタアクリル酸、メタアクリル酸クロライド、3-オキソブチルアクリレート、3-オキソブチルメタクリレート、4-ホルミルベンジルアクリレート、4-ホルミルベンジルメタクリレートが挙げられる。
式(2A-b)で表される化合物としては、例えば、式(1A-b)で表される化合物で例示した化合物が挙げられる。
式(2A-c)で表される化合物としては、例えば、3-オキソブチルアクリレート、3-オキソブチルメタクリレート、4-ホルミルベンジルアクリレート、4-ホルミルベンジルメタクリレートが挙げられる。
式(2A-d)で表される化合物としては、例えば、式(1A-d)で表される化合物で例示した化合物が挙げられる。
式(2A-a)で表される化合物と式(2A-b)で表される化合物とを反応させる場合、及び、式(2A-c)で表される化合物と式(2A-d)で表される化合物とを反応させる場合、反応を促進させる観点から、触媒、縮合剤等を添加してもよい。触媒及び縮合剤は、上記と同様であってよい。
式(2A)で表される化合物としては、例えば、4-(4-シアノ-5-(ジシアノメチレン)-2-フェニル-2-(トリフルオロメチル)-2,5-ジヒドロフラン-3-イル)ブテ-3-エン-1-イル メタクリレート、4-(4-シアノ-5-(ジシアノメチレン)-2、2-ジメチル-2,5-ジヒドロフラン-3-イル)ブテ-3-エン-1-イル メタクリレートが挙げられる。
Figure 2023152032000025
式(7A)中、R11及びR12は、前記と同義である。
Figure 2023152032000026
式(8A)中、R13、R14、R15、R16、及びR17は、前記と同義である。
光ラジカル重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、2,2-ジエトキシアセトフェノン、4-イソプロピル-2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオフェノン、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオフェノン、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、ベンゾフェノン、メチル(o-ベンゾイル)ベンゾエート、1-フェニル-1,2-プロパンジオン-2-(o-エトキシカルボニル)オキシム、1-フェニル-1,2-プロパンジオン-2-(o-ベンゾイル)オキシム、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインオクチルエーテル、ベンジル、ベンジルジメチルケタール、ベンジルジエチルケタール、ジアセチル等のカルボニル化合物;メチルアントラキノン、クロロアントラキノン、クロロチオキサントン、2-メチルチオキサントン、2-イソプロピルチオキサントン等のアントラキノン誘導体及びチオキサントン誘導体;ジフェニルジスルフィド、ジチオカーバメート等の硫黄化合物が挙げられる。
重合反応を開始させるエネルギーとして光エネルギーを用いる場合、重合性単量体に照射する光の波長は、通常、360nm以上であり、360~450nmであることが好ましい。
熱ラジカル重合開始剤としては、ラジカル重合の開始剤となる化合物であれば特に制限されないが、例えば、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、2,2’-アゾビスイソバレロニトリル、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、4,4’-アゾビス(4-シアノバレリックアシッド)、1、1’-アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2’-アゾビス(2-メチルプロパン)、2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩等のアゾ系化合物;メチルエチルケトンパーオキシド、メチルイソブチルケトンパーオキシド、シクロヘキサノンパーオキシド、アセチルアセトンパーオキシド等のケトンパーオキシド化合物;イソブチルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、2,4-ジクロロベンゾイルパーオキシド、o-メチルベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、p-クロロベンゾイルパーオキシド等のジアシルパーオキシド化合物;2,4,4-トリメチルペンチル-2-ヒドロパーオキシド、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキシド、クメンヒドロパーオキシド、tert-ブチルヒドロパーオキシド等のヒドロパーオキシド化合物;ジクミルパーオキシド、tert-ブチルクミルパーオキシド、ジ-tert-ブチルパーオキシド、トリス(tert-ブチルパーオキシ)トリアジン等のジアルキルパーオキシド化合物;1,1-ジ-tert-ブチルパーオキシシクロヘキサン、2,2-ジ(tert-ブチルパーオキシ)ブタン等のパーオキシケタール化合物;tert-ブチルパーオキシピバレート、tert-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、tert-ブチルパーオキシイソブチレート、ジ-tert-ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート、ジ-tert-ブチルパーオキシアゼレート、tert-ブチルパーオキシ-3,5,5-トリメチルヘキサノエート、tert-ブチルパーオキシアセテート、tert-ブチルパーオキシベンゾエート、ジ-tert-ブチルパーオキシトリメチルアジペート等のアルキルパーエステル化合物;ジイソプロピルパーオキシジカーボネ-ト、ジ-sec-ブチルパーオキシジカーボネート、tert-ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート等のパーオキシカーボネート化合物が挙げられる。
ラジカル重合開始剤は、汎用性の観点から、熱ラジカル重合開始剤であることが好ましい。
ラジカル重合は、通常、溶媒の存在下で行われる。溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、ジメトキシエタン、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミド等の有機溶媒、水が挙げられる。溶媒は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。溶媒の使用量は、通常、重合性単量体の合計100質量部に対して、10~100000質量部である。
ラジカル重合の反応温度は、通常-100~200℃である。ラジカル重合の反応時間は、通常、1時間以上である。
本実施形態の高分子化合物は、例えば、官能基Zを有するスチレン化合物(式(1A-a)又は式(1A-c)で表される化合物)に由来する構造単位、及び、官能基Zを有する、アクリレート化合物又はメタクリレート化合物(式(2A-a)又は式(2A-c)で表される化合物)に由来する構造単位の少なくとも一方を有する前駆体高分子化合物を合成した後、下記反応式のとおり、前駆体高分子化合物と、官能基Zと反応して-(L)a-を与えることが可能な官能基Zを有する化合物(式(1A-b)又は式(1A-d)で表される化合物)、又は、官能基Zと反応して-O-(L)b-を与えることが可能な官能基Zを有する化合物(式(2A-b)又は式(2A-d)で表される化合物)とを反応させることによっても得ることができる。
Figure 2023152032000027
Figure 2023152032000028
Figure 2023152032000029
Figure 2023152032000030
前駆体高分子化合物の合成において使用されるラジカル重合性開始剤、溶媒等は、上記と同様であってよい。前駆体高分子化合物と、式(1A-b)若しくは式(1A-d)で表される化合物、又は、式(2A-b)若しくは式(2A-d)で表される化合物との反応において使用される触媒、縮合剤等は、上記と同様であってよい。
<電気光学活性を有する有機化合物>
EO活性を有する有機化合物は、電気光学分野で公知の有機化合物を使用することができる。ここで、有機化合物は、構成元素として、典型金属元素及び遷移金属元素を含まない化合物を意味する。EO活性を有する有機化合物は、電子供与性基と電子求引性基とを単結合又は2価の共役系連結基で連結する構造を有する化合物であってよく、下記式(3)で表される化合物であってもよい。
Figure 2023152032000031
式(3)中、Dは、電子供与性基を表す。
Xは、2価の共役系連結基又は単結合を表す。
Aは、電子求引性基を表す。
・電子求引性基A
Aは、電子求引性基(アクセプター構造を有する基)であり、例えば、下記式(a1)で表される基であってよい。
Figure 2023152032000032
式(a1)中、E及びEは、それぞれ独立に、-C(R81)(R82)-、-C(O)-、-O-、又は-NR83-を表す。ただし、E及びEの少なくとも一方は、-O-又は-NR83-である。*は、結合位置を表す。
81及びR82は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、ハロアルキル基、アリール基、ハロアリール基を表す。
83は、水素原子又はアルキル基を表す。
は、所望の電気光学特性が得られ易いことから、好ましくは、-O-又は-NR83-である。Eは、電子求引性を高めてEO係数を向上させる観点から、-C(CF)(Ph)-(Ph:フェニル基)、-C(CH-、又は-C(O)-であり、より好ましくは、-C(CF)(Ph)-又は-C(O)-であり、さらに好ましくは-C(CF)(Ph)-である。EとEとの組み合わせは、合成上の観点から、好ましくは、-O-と-C(CF)(Ph)-との組み合わせ、-O-と-C(CH-との組み合わせ、又は-NR83-と-C(O)-との組み合わせ、より好ましくは-O-と-C(CF)(Ph)-との組み合わせである。
・連結基(連結結合)X
Xは、2価の共役系連結基又は単結合を表す。ここで、2価の共役系連結基は、一方の結合位置から他の一方の結合位置まで共役系がつながっている2価の連結基を意味する。Xは、好ましくは2価の共役系連結基である。
Xとしての2価の共役系連結基としては、例えば、下記式(x1)で表される連結基が挙げられる。
Figure 2023152032000033
式(x1)中、Xは、アリーレン基;ヘテロアリーレン基;2価の多環式縮合環基;-CRX1=CRX2-;-C≡C-;-N=N-;-アリーレン基-Y-;-ヘテロアリーレン基-Y-等が挙げられる。これらの基は、置換基を有していてもよい。Xが複数存在する場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。Xが複数存在し、-CRX1=CRX2-同士が互いに隣接する場合、それらのRX1同士は、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。kxは、1~10の整数を表す。*は、結合位置を表す。
X1及びRX2は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、又はアリール基を表す。RX1及びRX2は、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。
Yは、-O-、-S-、又は-NRX3-を表す。RX3は、水素原子、アルキル基、又はアリール基を表す。
2価の共役系連結基は、好ましくは2価の多環式縮合環基又はヘテロアリーレン基である。2価の多環式縮合環基は、好ましくはチオフェン環を2以上有する。チオフェン環の数は、好ましくは2~10、より好ましくは2~8、さらに好ましくは2~6である。なお、チオフェンが縮環した縮環チオフェンにおいては、縮環したチオフェンの数がチオフェン環の数である。例えば、2のチオフェンが縮環したチエノチオフェンは、チオフェン環を2と数える。
2価の多環式縮合環基は、構成元素としてsp3炭素原子、窒素原子、及びケイ素原子からなる群より選ばれる少なくとも1種を有していてもよい。すなわち、2価の多環式縮合環基は、当該環内に-C(R)(R)-で表される基、当該環内に-N(R)-で表される基、及び当該環内に-Si(R)(R)-で表される基からなる群より選ばれる少なくとも1種を有していてもよい。-C(R)(R)-における炭素原子は、R及びRの一方がアルキル基等であり、他の一方が水素原子である3級炭素原子、又は、R及びRの両方がアルキル基等である4級炭素原子であってよく、好ましく4級炭素原子である。
、R、R、R、及びRは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、又は1価の複素環基を表す。これらの基は置換基を有していてもよい。
ヘテロアリーレン基は、好ましくは、チオフェンから環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子2個を除いた基である。
kxは、1~10の整数を表す。kxは、好ましくは1~3、より好ましくは1又は2、さらに好ましくは1である。
・電子供与性基D
Dは、電子供与性基(ドナー構造を有する基)である。電子供与性基Dは、上記の電子求引性基Aとしての式(a1)で表される基に対して、相対的に電子供与性を示す基であり得る。
電子供与性基Dとしては、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、ヒドロキシ基、アミノ基、置換アミノ基、置換シリル基が挙げられる。また、電子供与性基Dは、これらの基(アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、ヒドロキシ基、アミノ基、置換アミノ基、及び置換シリル基)の群から選ばれる少なくとも1種の基で置換された、アルケニル基、アリール基、アルキニル基、又はヘテロアリール基等であってもよい。これらの基は、置換基を有していてもよい。
これらの中でも、電子供与性基Dは、好ましくは、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、ヒドロキシ基、アミノ基、及び置換アミノ基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基で置換された、アリール基又はヘテロアリール基、より好ましくは、当該群より選ばれる少なくとも1種の基で置換されたアリール基、さらに好ましくは、アルコキシ基及び置換アミノ基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基で置換されたアリール基である。アリール基又はヘテロアリール基の置換数は、合成上の観点から好ましくは1であり、超分極率を向上させる観点から好ましくは2又は3である。
電子供与性基Dは、好ましくは下記式(d1)で表される基である。
Figure 2023152032000034
式(d1)中、R84及びR85は、それぞれ独立に、アルキル基、ハロアルキル基、アシルオキシアルキル基、トリアルキルシリルオキシアルキル基、アリールジアルキルシリルオキシアルキル基、アルキルジアリールシリルオキシアルキル基、アリール基、-R91-OH(R91は2価の炭化水素基を表す。)、-R92-NH(R92は2価の炭化水素基を表す。)、-R93-SH(R93は2価の炭化水素基を表す。)、又は-R94-NCO(R94は2価の炭化水素基を表す。)を表す。これらの基は置換基を有していてもよい。R84及びR85は、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。*は、結合位置を表す。
84及びR85としてのアシルオキシアルキル基としては、例えば、1個以上のアシルオキシ基で置換されたアルキル基等が挙げられる。アシルオキシアルキル基の炭素原子数は、好ましくは2~20、より好ましくは3~10、さらに好ましくは3~7である。
84及びR85としてのトリアルキルシリルオキシアルキル基、アリールジアルキルシリルオキシアルキル基、アルキルジアリールシリルオキシアルキル基としては、例えば、1個以上のトリアルキルシリルオキシ基で置換されたアルキル基、1個以上のアリールジアルキルシリルオキシ基で置換されたアルキル基、1個以上のアルキルジアリールシリルオキシ基で置換されたアルキル基等が挙げられる。トリアルキルシリルオキシアルキル基、アリールジアルキルシリルオキシアルキル基、アルキルジアリールシリルオキシアルキル基の炭素原子数は、好ましくは5~25、より好ましくは10~22、さらに好ましくは12~20である。
84及びR85において、R91、R92、R93、及びR94としての2価の炭化水素基としては、例えば、アルカンジイル基、シクロアルカンジイル基等が挙げられる。アルカンジイル基の具体例としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基、デカメチレン基、ドデカメチレン基等の直鎖状のアルカンジイル基;プロピレン基、イソプロピレン基、イソブチレン基、2-メチルトリメチレン基、イソペンチレン基、イソへキシレン基、イソオクチレン基、2-エチルへキシレン基及びイソデシレン基等の分岐状のアルカンジイル基が挙げられる。シクロアルカンジイル基の具体例としては、シクロプロピレン基、シクロペンチレン基、シクロへキシレン基、シクロドデシレン基が挙げられる。アルカンジイル基の炭素原子数は、好ましくは1~20、より好ましくは1~10、さらに好ましくは1~5である。シクロアルカンジイル基の炭素原子数は、好ましくは3~20である。
84及びR85は、好ましくは、炭素原子数1~10のアルキル基、炭素原子数3~10のアシルオキシアルキル基、炭素原子数5~10のシリルオキシアルキル基、炭素原子数6~10のアリール基、-R91-OH(R91は炭素原子数1~10のアルカンジイル基を表す。)、-R92-NH(R92は炭素原子数1~10のアルカンジイル基を表す。)、-R93-SH(R93は炭素原子数1~10のアルカンジイル基を表す。)、又は-R94-NCO(式中、R94は炭素原子数1~10のアルカンジイル基を表す。)、より好ましくは、炭素原子数1~5のアルキル基、炭素原子数3~7のアシルオキシアルキル基、炭素原子数6~9のシリルオキシアルキル基、-R91-OH(R91は炭素原子数1~5のアルカンジイル基を表す。)、-R92-NH(R92は炭素原子数1~5のアルカンジイル基を表す。)、-R93-SH(R93は炭素原子数1~5のアルカンジイル基を表す。)、又は-R94-NCO(式中、R94は炭素原子数1~5のアルカンジイル基を表す。)である。
84及びR85は、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。R84及びR85が互いに結合して環を形成している場合、安定性の確保の観点から、好ましくは5員環又は6員環である。環は、好ましくは脂肪族環である。
86は、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、トリアルキルシリルオキシアルキル基、アリールジアルキルシリルオキシアルキル基、アルキルジアリールシリルオキシアルキル基、アルケニルオキシ基、アルキニルオキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、スルファニル基、イソシアネート基、-R101-OH(R101は2価の炭化水素基を表す。)、-O-R102-OH(R102は2価の炭化水素基を表す。)、-R103-NH(R103は2価の炭化水素基を表す。)、-R104-SH(R104は2価の炭化水素基を表す。)、-R105-NCO(R105は2価の炭化水素基を表す。)、又は-OC(=O)R106(R106は1価の炭化水素基を表す。)を表す。これらの基は架橋性基を有していてもよい。R86が複数存在する場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。R86は、R84又はR85と互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。
86としてのトリアルキルシリルオキシアルキル基、アリールジアルキルシリルオキシアルキル基、アルキルジアリールシリルオキシアルキル基は、R84及びR85で例示したトリアルキルシリルオキシアルキル基、アリールジアルキルシリルオキシアルキル基、アルキルジアリールシリルオキシアルキル基と同様であってよい。
86において、R101、R102、R103、R104、及びR105としての2価の炭化水素基は、R91、R92、R93、及びR94で例示した2価の炭化水素基と同様であってよい。
86において、R106としての1価の炭化水素基は、アルキル基であってよい。
kは、0~4の整数を表す。kは、好ましくは0又は1、より好ましくは0である。
nは、0又は1を表す。nは、好ましくは1である。
86は、R84又はR85と互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。R86とR84又はR85とが互いに結合して環を形成している場合、安定性の確保の観点から、好ましくは5員環又は6員環である。環は、好ましくは脂肪族環である。
式(3)で表される化合物としては、式(3)-1~式(3)-8で表される化合物が例示される。これらの基はさらに置換基を有していてもよい。なお、alkylはアルキル基を意味する。
Figure 2023152032000035
Figure 2023152032000036
Figure 2023152032000037
Figure 2023152032000038
EO活性を有する有機化合物の含有量は、上記の高分子化合物の合計100質量部に対して、10~100質量部であってよい。当該含有量が、上記の高分子化合物の合計100質量部に対して、10質量部以上であると、所望のEO素子を得易い傾向にあり、100質量部以下であると、EO活性を有する有機化合物の会合が抑制される傾向にある。当該含有量は、上記の高分子化合物の合計100質量部に対して、好ましくは20質量部以上であり、より好ましくは25質量部以上であり、さらに好ましくは30質量部以上であり、好ましくは90質量部以下であり、より好ましくは80質量部以下であり、さらに好ましくは70質量部以下である。
本実施形態のEO用組成物は、上記の高分子化合物及び上記のEO活性を有する有機化合物に加えて、有機溶媒及び添加剤からなる群より選ばれる少なくとも1種を含んでいてもよい。
有機溶媒としては、混合又は粘度調節のために使用される。EO用組成物が有機溶媒をさらに含むことにより、EO用組成物は、インク組成物として用いることができる。溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒、ヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素系溶媒、ペンテン等の不飽和炭化水素系溶媒、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、アセトン等のケトン系溶媒、ブチルアセテート等のアセテート系溶媒、イソプロピルアルコール、2-ブタノール等のアルコール系溶媒、クロロホルム、クロロベンゼン等のハロゲン系溶媒、又は、これらを2種以上混合した混合溶媒が挙げられる。有機溶媒の沸点は、一実施形態において、120~280℃である。
EO用組成物が有機溶媒を含む場合、固形成分(EO用組成物から有機溶媒を除いた成分)の含有量は、EO用組成物の全量を基準として、好ましくは1~80質量%であり、より好ましくは5~60質量%である。
添加剤としては、例えば、架橋剤、レベリング剤、界面活性剤、粘度調節剤、硬化反応を促進するための硬化促進剤等が挙げられる。
[電気光学膜及び電気光学素子]
本実施形態のEO膜及びEO素子は、公知の方法(例えば、Oh et al.,IEEE Journal of Selected Topics in Quantum Electronics,Vol.7,No.5,pp.826-835,Sept./Oct.2001;Dalton et al.,Journal of Materials Chemistry,1999,9,pp.1905-1920;戒能俊邦、電子情報通信学会論文誌,CVol.J84-C,No.9,pp.744-755,2001年9月;Ma et al.,Advanced Materials,Vol.14,No.19,2002,pp.1339-1365等に記載の方法)によって製造することができる。
EO膜は、上記の高分子化合物と、上記のEO活性を有する有機化合物と、有機溶媒と、必要に応じて、添加剤とを混合することによって、EO用組成物(インク組成物)を調製する工程と、EO用組成物(インク組成物)を基材上に塗布することによりEO膜を形成する工程とを備える方法によって得ることができる。
混合は、通常の撹拌機、分散機を用いて行うことができる。
EO用組成物(インク組成物)を基材上に塗布する方法としては、例えば、スピンコート法、ダイコート法、スクリーン印刷法、インクジェット印刷法が挙げられる。また、塗布後に必要に応じて乾燥させることにより、塗布されたEO用組成物(インク組成物)に含まれる溶媒を除去することができる。
乾燥は、ホットプレート、真空乾燥機、循環式焼成炉、ベルトコンベア式焼成炉等を用いて行うことができる。乾燥は、50~120℃の加熱条件下で1~30分間行うことが好ましい。
加熱は、電熱ヒーター、遠赤外線ヒーター、オイルヒーター、熱水ヒーター等を用いて行うことができる。
EO素子は、透明電極上にEO膜を形成する工程と、得られたEO膜上に透明電極を形成する工程と、形成されたEO膜を加熱しながらポーリング処理する工程とを備える方法によって得ることができる。
透明電極としては、例えば、ITO電極、IZO電極等が挙げられる。
EO素子の製造方法において、ポーリング処理する際の温度(ポーリング温度)は、上記の高分子化合物(マトリックス樹脂)のガラス転移温度(Tg)により適宜調整される。ポーリング温度は、通常、(Tg-20)℃~(Tg+20)℃であり、好ましくは(Tg-15)℃~(Tg+10)℃であり、さらに好ましくは(Tg-10)℃~(Tg+5)℃である。ポーリング温度が上記の範囲にあると、EO活性を有する有機化合物を良好に電界の方向に配向させることができる。ポーリング温度が(Tg-20)℃以上であると、EO活性を有する有機化合物の運動が高分子化合物により阻害されることなく、電界方向に配向し易い傾向にあり、ポーリング温度が(Tg+20)℃以下であると、高分子化合物の流動性が適度となり、ポーリング処理中にEO活性を有する有機化合物が破壊されることを防ぐことできる。
EO素子の製造方法において、ポーリング処理する際の加熱は、例えば、ヒーター、オーブンを用いて行うことができる。
EO素子の配向度((cosθ))は、例えば、公知の方法(L.R.Dalton et al.,Chem.Matter.2011,23,430)に基づき、ポーリング処理前後の吸光度及びランジュバン関数を用いて求めることができる。
EO素子のEO効果値(r33)は、例えば、公知の方法(Toshiki Yamada et al.,OPTICS EXPRESS,21,29240(2013))に基づき、測定することができる。
本実施形態のEO素子の用途は、光変調器(超高速用途、光インターコネクト用途、光信号処理用途等)に加えて、例えば、光スイッチ、光メモリー、波長変換器、マイクロ波、ミリ波、テラヘルツ波等の電界センサー、筋電、脳波等の生体電位センサー、光空間変調器、光スキャナなどが挙げられる。本実施形態のEO素子は、電子回路との組み合わせによって電子回路間の光による信号伝達等にも用いることができる。
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例において、高分子化合物のポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、移動層にテトラヒドロフランを用い、下記のゲル浸透クロマトグラフフィー(GPC)により求めた。なお、GPCの測定条件は、次のとおりである。
測定する高分子化合物を約0.05質量%の濃度でテトラヒドロフランに溶解させ、GPC装置(株式会社島津製作所製)に10μL注入した。移動相は、0.6mL/分の流量で流した。カラムとして、Tskgel super HM-Hと、TSKgel Super AWM-Hと、Tskgel super H2000(いずれも東ソー株式会社製)の各1本を直列につないで用いた。検出器にはRI検出器を用いた。
合成例1
(前駆体高分子化合物1の合成)
50mLの耐圧容器(ACE GLASS社製)に、メチルメタクリレート(東京化成工業株式会社製)5.00g、4-クロロメチルスチレン(東京化成工業株式会社製)2.31g、OTazo-15(大塚化学株式会社製)0.22g、及びシクロヘキサノン(東京化成工業株式会社製)11.29gを加えた後、溶存酸素を取り除くためにアルゴンガスでバブリングし、密栓した。耐圧容器を80℃のオイルバス中に浸し、8時間ラジカル重合させた。反応混合物をメタノール中に注いで沈殿物を濾別し、真空乾燥することによって、前駆体高分子化合物1を白色粉末として得た。得量は、8.90gであった。NMR分析より、前駆体高分子化合物1は、下記の構造単位を有する高分子化合物であった。なお、下記の構造単位における括弧の添え数字は構造単位のモル分率を示す。前駆体高分子化合物1の重量平均分子量は、28000であった。
Figure 2023152032000039
合成例2
(前駆体高分子化合物2の合成)
50mLの耐圧容器(ACE GLASS社製)に、メチルメタクリレート(東京化成工業株式会社製)10.00g、4-クロロメチルスチレン(東京化成工業株式会社製)4.62g、OTazo-15(大塚化学株式会社製)0.44g、及びシクロペンタノン(東京化成工業株式会社製)22.59gを加えた後、溶存酸素を取り除くためにアルゴンガスでバブリングし、密栓した。耐圧容器を80℃のオイルバス中に浸し、8時間ラジカル重合させた。反応混合物をメタノール中に注いで沈殿物を濾別し、真空乾燥することによって、前駆体高分子化合物2を白色粉末として得た。得量は、14.88gであった。NMR分析より、前駆体高分子化合物2は、下記の構造単位を有する高分子化合物であった。なお、下記の構造単位における括弧の添え数字は構造単位のモル分率を示す。前駆体高分子化合物2の重量平均分子量は、32000であった。
Figure 2023152032000040
合成例3
(前駆体高分子化合物3の合成)
上部に三方コックを付けたジムロートの付いた300mLナスフラスコに、前駆体高分子化合物1 5.00g、N-メチルモルホリン-N-オキシド(アルドリッチ社製)3.77g、及び超脱水テトラヒドロフラン(富士フイルム和光純薬株式会社製)200mLを加え、さらに撹拌子を入れ、内部を窒素置換した。反応混合物の入ったナスフラスコをオイルバスに浸漬し、還流下8時間反応させた。反応終了後、ロータリーエバポレーターで反応混合物を約50mLまで濃縮し、濃縮物をメタノール中に注いで重合物を再沈殿させ、真空乾燥することによって、前駆体高分子化合物3を白色粉体として得た。得量は、3.49gであった。NMR分析より、前駆体高分子化合物3は、下記の構造単位を有する高分子化合物であった。なお、下記の構造単位における括弧の添え数字は構造単位のモル分率を示す。前駆体高分子化合物3の重量平均分子量は、28000であった。
Figure 2023152032000041
合成例4
(前駆体高分子化合物4の合成)
上部に三方コックを付けたジムロートの付いた300mLナスフラスコに、前駆体高分子化合物2 2.08g、N-メチルモルホリン-N-オキシド(アルドリッチ社製)0.25g、及び超脱水テトラヒドロフラン(富士フイルム和光純薬株式会社製)100mLを加え、さらに撹拌子を入れ、内部を窒素置換した。反応混合物の入ったナスフラスコをオイルバスに浸漬し、還流下8時間反応させた。反応終了後、ロータリーエバポレーターで反応混合物を約30mLまで濃縮し、濃縮物をメタノール中に注いで重合物を再沈殿させ、真空乾燥することによって、前駆体高分子化合物4を白色粉体として得た。得量は、1.77gであった。NMR分析より、前駆体高分子化合物4は、下記の構造単位を有する高分子化合物であった。なお、下記の構造単位における括弧の添え数字は構造単位のモル分率を示す。前駆体高分子化合物4の重量平均分子量は、33000であった。
Figure 2023152032000042
合成例5
(前駆体高分子化合物5の合成)
上部に三方コックを付けたジムロートの付いた300mLナスフラスコに、前駆体高分子化合物1 3.01g、N-メチルモルホリン-N-オキシド(アルドリッチ社製)2.27g、及び超脱水テトラヒドロフラン(富士フイルム和光純薬株式会社製)100mLを加え、さらに撹拌子を入れ、内部を窒素置換した。反応混合物の入ったナスフラスコをオイルバスに浸漬し、還流下9時間30分間反応させた。反応終了後、ロータリーエバポレーターで反応混合物を約30mLまで濃縮し、濃縮物をメタノール中に注いで重合物を再沈殿させ、真空乾燥することによって、前駆体高分子化合物5を白色粉体として得た。得量は、2.63gであった。NMR分析より、前駆体高分子化合物5は、下記の構造単位を有する高分子化合物であった。なお、下記の構造単位における括弧の添え数字は構造単位のモル分率を示す。前駆体高分子化合物5の重量平均分子量は、24000であった。
Figure 2023152032000043
実施例1-1
(高分子化合物1の合成)
三方コックを取り付けた300mLナスフラスコに、前駆体高分子化合物3 3.00g、2-(3-シアノ-4-メチル-5-フェニル-5-(トリフルオロメチル)フラン-2(5H)-イリデン)マロノニトリル(シャンハイケミカル社製)1.08g、超脱水エタノール(富士フイルム和光純薬株式会社製)60mL、及び超脱水クロロホルム(関東化学株式会社製)60mLを加え、さらに撹拌子を入れ、窒素雰囲気下、室温(25℃)で撹拌し、8時間反応させた。反応終了後、ロータリーエバポレーターで反応混合物を濃縮し、得られた固体をテトラヒドロフランに再溶解し、得られたテトラヒドロフラン溶液をメタノール中に注いで重合物を再沈殿させ、真空乾燥することによって、高分子化合物1を淡黄色粉体として得た。得量は、1.45gであった。NMR分析より、高分子化合物1は、下記の構造単位を有する高分子化合物であった。なお、下記の構造単位における括弧の添え数字は構造単位のモル分率を示す。高分子化合物1の重量平均分子量は、38000であった。
Figure 2023152032000044
(双極子モーメントの計算)
下記式(4-1)で表される化合物の双極子モーメントμをGaussian社製の量子化学計算プログラムであるGaussian09により計算することによって算出した。M062X/6-31+g(d)条件の下、pcm計算(溶媒としてクロロホルムを指定)により構造最適化計算を実施した。式(4-1)で表される化合物の双極子モーメントμは、13.6Dであった。
Figure 2023152032000045
実施例1-2
(高分子化合物2の合成)
三方コックを取り付けた200mLナスフラスコに、前駆体高分子化合物4 1.00g、2-(3-シアノ-4-メチル-5-フェニル-5-(トリフルオロメチル)フラン-2(5H)-イリデン)マロノニトリル(シャンハイケミカル社製)を0.12g、超脱水エタノール(富士フイルム和光純薬株式会社製)30mL、及び超脱水クロロホルム(関東化学株式会社製)30mLを加え、さらに撹拌子を入れ、窒素雰囲気下、室温(25℃)で撹拌し、8時間反応させた。反応終了後、ロータリーエバポレーターで反応混合物を濃縮し、得られた固体をテトラヒドロフランに再溶解し、得られたテトラヒドロフラン溶液をメタノール中に注いで重合物を再沈殿させ、真空乾燥することによって、高分子化合物2を淡黄色粉体として得た。得量は、0.95gであった。NMR分析より、高分子化合物2は、下記の構造単位を有する高分子化合物であった。なお、下記の構造単位における括弧の添え数字は構造単位のモル分率を示す。高分子化合物2の重量平均分子量は、33000であった。
Figure 2023152032000046
実施例1-3
(高分子化合物3の合成)
三方コックを取り付けた200mLナスフラスコに、前駆体高分子化合物5 1.00g、マロノニトリル(東京化成工業株式会社製)0.08g、触媒量のジイソプロピルアミン(東京化成工業株式会社製)、及び超脱水テトラヒドロフラン(富士フイルム和光純薬株式会社製)50mLを加え、さらに撹拌子を入れ、窒素雰囲気下、室温(25℃)で撹拌し、8時間反応させた。反応終了後、反応混合物をイソプロピルアルコール中に注いで重合物を再沈殿させ、濾別後真空乾燥することによって、高分子化合物3を淡黄色粉体として得た。得量は、0.79gであった。なお、下記の構造単位における括弧の添え数字は構造単位のモル分率を示す。高分子化合物3の重量平均分子量は、42000であった。
Figure 2023152032000047
(双極子モーメントの計算)
下記式(4-2)で表される化合物の双極子モーメントμを、式(4-1)で表される化合物と同様にして、構造最適化計算を実施した。式(4-2)で表される化合物の双極子モーメントμは、7.1Dであった。
Figure 2023152032000048
参考例1
(重合性単量体1の合成)
上部に三方コックを付けたジムロートの付いた300mL三口フラスコに、4-シアノスチレン(富士フイルム和光純薬株式会社製)3.35g及び脱水トルエン(関東化学株式会社製)150mLを加え、さらに撹拌子を入れ、内部を窒素置換した。反応混合物の入ったナスフラスコを氷浴に浸漬し、51.87mLの1M DIBAL-Hトルエン溶液(東京化成工業株式会社製)をガスタイトシリンジで25分間かけて滴下した。滴下終了後、氷浴下で30分間撹拌し、氷浴を外して室温(25℃)でさらに1時間30分間撹拌して反応させた。反応終了後、再度フラスコを氷浴に浸漬して反応混合物を冷却した。湿潤シリカゲルを加えて反応をクエンチし、発泡が収まった後、イオン交換水100mLを加え、さらに、濃塩酸を水層が酸性になるまで加えた。フラスコを氷浴から外し、室温で3時間撹拌した。反応混合物を500mLの分液ロートに移し、水層を除去した後、有機層を50mLのイオン交換水で3回洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、不溶物を濾別し、濾液を500mLのナスフラスコに移し、ロータリーエバポレーターで濃縮した。得られた濃縮物をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル)で精製して目的物の重合性単量体1を淡黄色液体として得た。得量は、3.18g(93%)であった。得られた重合性単量体1の同定データを以下に示す。
Figure 2023152032000049
H-NMR(400MHz,CDCOCD):δ(ppm)=10.02(s,1H),7.89(d,2H),7.68(d,2H),6.93-6.84(dd,1H),6.05(d,1H),5.46(d,1H).
参考例2
(重合性単量体2の合成)
上部に三方コックを付けたジムロートの付いた300mL三口フラスコに、4-ヒドロキシメチルベンズアルデヒドシアノスチレン(東京化成工業株式会社製)5.07g、トリエチルアミン(富士フイルム和光純薬株式会社製)7.54g、及び脱水テトラヒドロフラン(関東化学株式会社製)100mLを加え、さらに撹拌子を入れ、内部を窒素置換した。反応混合物の入ったナスフラスコを氷浴に浸漬し、メタアクリロイルクロライド(東京化成工業株式会社製)4.67gをガスタイトシリンジで5分間かけて滴下した。滴下終了後、氷浴下で30分間撹拌し、氷浴を外して室温でさらに8時間撹拌して反応させた。反応終了後、炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて反応をクエンチし、反応混合物を300mLのナスフラスコに移し、ロータリーエバポレーターで濃縮した。得られた濃縮物を500mLの分液ロートに移し、生成物をジエチルエーテル100mLで抽出し、有機層をイオン交換水50mLで3回水洗した。得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、不溶物を濾別し、濾液をロータリーエバポレーターで濃縮して目的物の重合性単量体2を淡黄色液体として得た。得量は、8.17g(107%)であった。得られた重合性単量体2の同定データを以下に示す。
Figure 2023152032000050
H-NMR(400MHz,CDCOCD):δ(ppm)=10.06(s,1H),7.95(d,2H),7.65(d,2H),6.26(s,1H),5.68(s,1H),5.32(s,2H),1.96(s,3H).
実施例2
(重合性単量体3の合成)
三方コックを取り付けた100mLナスフラスコに、重合性単量体1 2.00g、2-(3-シアノ-4-メチル-5-フェニル-5-(トリフルオロメチル)フラン-2(5H)-イリデン)マロノニトリル(シャンハイケミカル社製)4.77g、超脱水エタノ-ル(富士フイルム和光純薬株式会社製)100mL、超脱水クロロホルム(関東化学株式会社製)100mLを加え、さらに撹拌子を入れ、窒素雰囲気下、室温で撹拌し、48時間反応させた。反応終了後、ロータリーエバポレーターで反応混合物を濃縮し、重合性単量体3を黄色粘調液体として得た。得量は、6.17gであった。
Figure 2023152032000051
H-NMR(400MHz,CDCOCD):δ(ppm)=7.85(d,2H),7.64(d,2H),7.32-7.03(m,5H),6.93-6.84(dd,1H),6.05(d,1H),5.34(m,2H),5.46(d,1H).
合成例6
(前駆体高分子化合物6の合成)
125mLの耐圧容器(ACE GLASS社製)に、メチルメタクリレート(東京化成工業株式会社製)6.00g、重合性単量体2 8.16g、OTazo-15(大塚化学株式会社製)0.42g、及びシクロペンタノン(東京化成工業株式会社製)34.03gを加えた後、溶存酸素を取り除くためにアルゴンガスでバブリングし、密栓した。耐圧容器を80℃のオイルバス中に浸し、9時間30分間ラジカル重合させた。反応混合物をイソプロピルアルコール中に注いで沈殿物を濾別し、ジエチルエーテルで洗浄した後、真空乾燥することによって、前駆体高分子化合物6を白色粉末として得た。得量は、9.96gであった。NMR分析より、前駆体高分子化合物6は、下記の構造単位を有する高分子化合物であった。なお、下記の構造単位における括弧の添え数字は構造単位のモル分率を示す。前駆体高分子化合物6の重量平均分子量は、40000であった。
Figure 2023152032000052
合成例7
(前駆体高分子化合物7の合成)
50mLの耐圧容器(ACE GLASS社製)に、メチルメタクリレート(東京化成工業株式会社製)1.52g、重合性単量体1 0.50g、OTazo-15(大塚化学株式会社製)0.06g、及びシクロペンタノン(東京化成工業株式会社製)8.30gを加えた後、溶存酸素を取り除くためにアルゴンガスでバブリングし、密栓した。耐圧容器を80℃のオイルバス中に浸し、6時間ラジカル重合させた。反応混合物をメタノール中に注いで沈殿物を濾別し、真空乾燥して、前駆体高分子化合物7を白色粉末として得た。得量は、1.27gであった。NMR分析より、前駆体高分子化合物7は、下記の構造単位を有する高分子化合物であった。なお、下記の構造単位における括弧の添え数字は構造単位のモル分率を示す。前駆体高分子化合物7の重量平均分子量は、21000であった。
Figure 2023152032000053
実施例1-4
(高分子化合物4の合成)
三方コックを取り付けた100mLナスフラスコに、前駆体高分子化合物6 2.00g、2-(3-シアノ-4-メチル-5-フェニル-5-(トリフルオロメチル)フラン-2(5H)-イリデン)マロノニトリル(シャンハイケミカル社製)2.67g、超脱水エタノール(富士フイルム和光純薬株式会社製)40mL、及び超脱水クロロホルム(関東化学株式会社製)40mLを加え、さらに撹拌子を入れ、窒素雰囲気下、室温(25℃)で撹拌し、48時間反応させた。反応終了後、ロータリーエバポレーターで反応混合物を濃縮し、濃縮物をテトラヒドロフランに再溶解し、得られたテトラヒドロフラン溶液をメタノール中に注いで重合物を再沈殿させた。得られた沈殿物を濾別し、真空乾燥することによって高分子化合物4を黄色粉体として得た。得量は、2.25gであった。NMR分析より、高分子化合物4は、下記の構造単位を有する高分子化合物であった。なお、下記の構造単位における括弧の添え数字は構造単位のモル分率を示す。高分子化合物4の重量平均分子量は、24000であった。
Figure 2023152032000054
実施例1-5
(高分子化合物5の合成)
三方コックを取り付けた100mLナスフラスコに、前駆体高分子化合物7 1.27g、2-(3-シアノ-4-メチル-5-フェニル-5-(トリフルオロメチル)フラン-2(5H)-イリデン)マロノニトリル(シャンハイケミカル社製)1.98g、超脱水エタノール(富士フイルム和光純薬株式会社製)15mL、及び超脱水クロロホルム(関東化学株式会社製)15mLを加え、さらに撹拌子を入れ、窒素雰囲気下、室温(25℃)で撹拌し、48時間反応させた。反応終了後、ロータリーエバポレーターで反応混合物を濃縮し、濃縮物をテトラヒドロフランに再溶解し、得られたテトラヒドロフラン溶液をメタノール中に注いで重合物を再沈殿させた。得られた沈殿物を濾別し、真空乾燥して高分子化合物5を淡黄色粉体として得た。得量は、1.10gであった。NMR分析より、高分子化合物5は、下記の構造単位を有する高分子化合物であった。なお、下記の構造単位における括弧の添え数字は構造単位のモル分率を示す。高分子化合物5の重量平均分子量は、25000であった。
Figure 2023152032000055
比較例1-1
(高分子化合物6の合成)
50mLの耐圧容器(ACE GLASS社製)に、メチルメタクリレート(東京化成工業株式会社製)5.00g、2,3,4,5,6-ペンタフルオロスチレン(アルドリッチ社製)4.62g、OTazo-15(大塚化学株式会社製)0.24g、及びシクロペンタノン(東京化成工業株式会社製)19.18gを加えた後、溶存酸素を取り除くためにアルゴンガスでバブリングし、密栓した。耐圧容器を80℃のオイルバス中に浸し、18時間ラジカル重合させた。反応混合物をイソプロピルアルコール中に注いで沈殿物を濾別し、真空乾燥することによって、高分子化合物6を白色粉末として得た。得量は、6.83gであった。NMR分析より、高分子化合物6は、下記の構造単位を有する高分子化合物であった。なお、下記の構造単位における括弧の添え数字は構造単位のモル分率を示す。高分子化合物6の重量平均分子量は、34000であった。
Figure 2023152032000056
(双極子モーメントの計算)
下記式(4-3)で表される化合物の双極子モーメントμを、式(4-1)で表される化合物と同様にして、構造最適化計算を実施した。式(4-3)で表される化合物の双極子モーメントμは、2.5Dであった。
Figure 2023152032000057
実施例3-1
(電気光学用組成物の調製)
1mlサンプル瓶に、高分子化合物1 18.6mg、NEO-823(東京化成工業株式会社製)10.0mg、及びクロロベンゼン(東京化成工業株式会社製)66.7mg、さらに撹拌子を入れ、室温(25℃)で、マグネティックスターラーで撹拌し、得られた溶液をPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)製の0.2μmシリンジフィルターでろ過して電気光学用組成物(インク組成物)を調製した。
Figure 2023152032000058
(電気光学素子の作製)
ガラス基板上に堆積された透明電極(ITO(酸化インジウムスズ))上に、電気光学用組成物をスピンコートし、ホットプレート上90℃、2分間加熱、乾燥して、膜厚が約1μmの電気光学膜を形成した。形成した電気光学膜上に、スパッタリング法により、透明電極(IZO(酸化インジウム亜鉛))を堆積させて電気光学素子を作製した。
(配向度の算出)
電気光学素子を40V/μmの電界強度でポーリング処理し、電気光学膜のポーリング処理前後の吸光度から下記式に基づき、吸光度変化率を下記式から算出した。吸光度の測定には、UV-VIS-NIR分光光度計Agilent Cary 5000(アジレント・テクノロジー株式会社製)を用いた。実施例3-1の電気光学膜の吸光度変化率は、-10.8%であった。
吸光度変化率(%)=[(ポーリング処理後の吸光度-ポーリング処理前の吸光度)/ポーリング処理前の吸光度]×100
実施例3-2
高分子化合物1を高分子化合物2に変更した以外は、実施例3-1と同様にして、実施例3-2の電気光学膜を備える電気光学素子を作製し、電気光学膜の吸光度変化率を算出した。実施例3-2の電気光学膜の吸光度変化率は、-8.6%であった。
実施例3-3
高分子化合物1を高分子化合物3に変更した以外は、実施例3-1と同様にして、実施例3-3の電気光学膜を備える電気光学素子を作製し、電気光学膜の吸光度変化率を算出した。実施例3-3の電気光学膜の吸光度変化率は、-6.5%であった。
実施例3-4
高分子化合物1を高分子化合物4に変更した以外は、実施例3-1と同様にして、実施例3-4の電気光学膜を備える電気光学素子を作製し、電気光学膜の吸光度変化率を算出した。実施例3-4の電気光学膜の吸光度変化率は、-7.6%であった。
実施例3-5
高分子化合物1を高分子化合物5に変更した以外は、実施例3-1と同様にして、実施例3-5の電気光学膜を備える電気光学素子を作製し、電気光学膜の吸光度変化率を算出した。実施例3-5の電気光学膜の吸光度変化率は、-5.7%であった。
比較例3-1
高分子化合物1をポリメチルメタクリレート(東京化成工業株式会社製)に変更した以外は、実施例3-1と同様にして、比較例3-1の電気光学膜を備える電気光学素子を作製し、電気光学膜の吸光度変化率を算出した。比較例3-1の電気光学膜の吸光度変化率は、-5.0%であった。
比較例3-2
高分子化合物1を高分子化合物6に変更した以外は、実施例3-1と同様にして、比較例3-2の電気光学膜を備える電気光学素子を作製し、電気光学膜の吸光度変化率を算出した。比較例3-2の電気光学膜の吸光度変化率は、-4.4%であった。
Figure 2023152032000059
表1に示すとおり、実施例3-1~3-5の電気光学膜の吸光度変化率は、比較例3-1、3-2の電気光学膜の吸光度変化率に比べて大きかった。このことから、本発明の電気光学用組成物は、ポーリング処理時の吸光度変化率が大きい電気光学膜を形成することが可能であることが確認された。

Claims (9)

  1. 下記式(1)で表される構造単位及び下記式(2)で表される構造単位の少なくとも一方を有する高分子化合物と、
    電気光学活性を有する有機化合物と、
    を含む、電気光学用組成物。
    Figure 2023152032000060

    [式(1)中、R、R、R、及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、フルオロアルキル基、又はアリール基を表し、これらの基は、置換基を有していてもよい。
    は、アルキレン基、アリーレン基、ビニレン基、-O-、-C(O)-、-C(O)O-、-NHC(O)-、-NHC(O)NH-、又は-NHC(O)O-を表し、これらの基は、置換基を有していてもよい。なお、-C(O)O-、-NHC(O)-、又は-NHC(O)O-は、隣接する基と任意の方向で結合していてもよい。
    aは、0~5の整数を表す。
    aが2以上である場合、複数存在するLは、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
    は、電子求引性基を表す。
    *は、結合位置を表す。]
    Figure 2023152032000061

    [式(2)中、Rは、水素原子又はメチル基を表す。
    は、アルキレン基、アリーレン基、ビニレン基、-O-、又は-C(O)-を表し、これらの基は、置換基を有していてもよい。
    bは、0~5の整数を表す。
    bが2以上である場合、複数存在するLは、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
    は、前記Aと同義である。
    *は、結合位置を表す。]
  2. 前記Aは、Aを有する誘導体として下記式(4)で表される化合物を仮定したときに、当該化合物について算出される双極子モーメントが5~25Dとなる基である、請求項1に記載の電気光学用組成物。
    Figure 2023152032000062

    [式(4)中、Aは前記と同義である。]
  3. 前記Aが、分子内に少なくとも1個のシアノ基を有する基、分子内に少なくとも1個のニトロ基を有する基、並びに分子内に少なくとも1個のフッ素原子を有する基からなる群より選ばれる1種の基である、請求項2に記載の電気光学用組成物。
  4. 前記Aが、式(5)で表される基又は式(6)で表される基の少なくとも一方の基である、請求項1に記載の電気光学用組成物。
    Figure 2023152032000063

    [式(5)中、Lは、-C(R)(R)-又は-C(O)-を表す。
    及びRは、それぞれ独立に、アルキル基、フルオロアルキル基、又はアリール基を表し、これらの基は、置換基を有していてもよい。
    は、-O-又は-NR-を表す。
    は、アルキル基を表し、この基は、置換基を有していてもよい。
    *は、結合位置を表す。]
    Figure 2023152032000064

    [式(6)中、R10は、水素原子、シアノ基、アルキル基、シアノアルキル基、又はアリール基を表す。
    *は、結合位置を表す。]
  5. 前記高分子化合物が、下記式(7)で表される構造単位及び下記式(8)で表される構造単位の少なくとも一方をさらに有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の電気光学用組成物。
    Figure 2023152032000065

    [式(7)中、R11は、水素原子又はメチル基を表す。
    12は、アルキル基、フルオロアルキル基、又はアリール基を表し、これらの基は、置換基を有していてもよい。
    *は、結合位置を表す。]
    Figure 2023152032000066

    [式(8)中、R13、R14、R15、R16、及びR17は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ハロアルキル基、アルコキシ基、アリール基、又はホルミル基を表し、これらの基は、置換基を有していてもよい。
    *は、結合位置を表す。]
  6. 下記式(9)で表される構造単位を有する、高分子化合物。
    Figure 2023152032000067

    [式(9)中、R18、R19、R20、及びR21は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、又はアリール基を表し、これらの基は、置換基を有していてもよい。
    22及びR23は、それぞれ独立に、アルキル基、フルオロアルキル基、又はアリール基を表し、これらの基は、置換基を有していてもよい。
    *は、結合位置を表す。]
  7. 下記式(10)で表される、化合物。
    Figure 2023152032000068

    [式(10)中、R24、R25、R26、及びR27は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、又はアリール基を表し、これらの基は、置換基を有していてもよい。
    28及びR29は、それぞれ独立に、アルキル基、フルオロアルキル基、又はアリール基を表し、これらの基は、置換基を有していてもよい。]
  8. 請求項1~4のいずれか一項に記載の電気光学用組成物を形成材料とする、電気光学膜。
  9. 請求項8に記載の電気光学膜を備える、電気光学素子。
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