JP2023149593A - 駆動システム、ターボ圧縮機、冷凍装置 - Google Patents

駆動システム、ターボ圧縮機、冷凍装置 Download PDF

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Abstract

【課題】シャフトを非接触で支持する前にシャフトの回転角を検出する。【解決手段】タッチダウン軸受(50)は、支持部(11)によるシャフト(20)の非接触での支持が行われない場合に、シャフト(20)と接触してシャフト(20)を回転可能に支持する。回転角センサ(60)は、シャフト(20)の被測定部(25)の回転角に応じた信号を出力する。制御部(80)は、支持部(11)によるシャフト(20)の非接触での支持が行われる前に行われる起動処理において、シャフト(20)がタッチダウン軸受(50)と接触した状態で回転するように駆動部(12)を制御し、回転角センサ(60)から出力された信号に基づいてシャフト(20)の回転角を検出する。【選択図】図6

Description

本開示は、駆動システム、ターボ圧縮機、冷凍装置に関する。
特許文献1には、電動機と制御器と電流センサとを備える電動機システムが開示されている。電動機は、回転軸を有する回転子を浮上させて非接触支持するベアリングレスモータを構成する。
国際公開第2015/019463号
特許文献1には、シャフトを非接触で支持する前にシャフトの回転角を検出することについて、何ら開示も示唆もない。
本開示の第1の態様は、駆動システムに関し、この駆動システムは、被測定部(25)を有するシャフト(20)と、電磁力により前記シャフト(20)を非接触で支持する支持部(11)と、電磁力により前記シャフト(20)を回転駆動させる駆動部(12)と、前記支持部(11)による前記シャフト(20)の非接触での支持が行われない場合に、前記シャフト(20)と接触して前記シャフト(20)を回転可能に支持するタッチダウン軸受(50)と、前記被測定部(25)の回転角に応じた信号を出力する回転角センサ(60)と、前記支持部(11)による前記シャフト(20)の非接触での支持が行われる前に起動処理を行う制御部(80)とを備え、前記制御部(80)は、前記起動処理において、前記シャフト(20)が前記タッチダウン軸受(50)と接触した状態で回転するように前記駆動部(12)を制御し、前記回転角センサ(60)から出力された信号に基づいて前記シャフト(20)の回転角を検出する。
第1の態様では、起動処理を行うことにより、シャフト(20)を非接触で支持する前にシャフト(20)の回転角を検出することができる。
本開示の第2の態様は、第1の態様の駆動システムにおいて、前記回転角センサ(60)は、前記被測定部(25)との距離に応じた信号を出力するギャップセンサであり、前記被測定部(25)は、前記シャフト(20)の回転角の変化に応じて前記回転角センサ(60)との距離が変化するように構成される駆動システムである。
第2の態様では、シャフト(20)の回転角が変化すると、シャフト(20)の被測定部(25)と回転角センサ(60)との間の距離が変化し、その結果、回転角センサ(60)から出力される信号が変化する。したがって、回転角センサ(60)から出力される信号に基づいてシャフト(20)の回転角を検出することができる。
本開示の第3の態様は、第2の態様の駆動システムにおいて、前記制御部(80)は、前記起動処理において、前記電磁力により前記シャフト(20)が移動して前記被測定部(25)が前記回転角センサ(60)に近づくように前記支持部(11)を制御する駆動システムである。
第3の態様では、起動処理において、回転角センサ(60)とシャフト(20)の被測定部(25)との間の距離を、起動処理の開始時における回転角センサ(60)とシャフト(20)の被測定部(25)との間の距離よりも短くすることができる。これにより、起動処理において、回転角センサ(60)の距離変化に応じた信号変化を大きくすることができ、回転角センサ(60)の出力信号に基づいてシャフト(20)の回転角を検出する処理の精度を向上させることができる。
本開示の第4の態様は、第3の態様の駆動システムにおいて、前記制御部(80)は、前記起動処理において、前記被測定部(25)が前記回転角センサ(60)に近づいた状態が維持されるように前記支持部(11)を制御しながら、前記シャフト(20)が回転するように前記駆動部(12)を制御する駆動システムである。
第4の態様では、起動処理において、回転角センサ(60)とシャフト(20)の被測定部(25)との間の距離をが「起動処理の開始時における回転角センサ(60)とシャフト(20)の被測定部(25)との間の距離」よりも短くなる状態を維持することができる。これにより、起動処理において、回転角センサ(60)の距離変化に応じた信号変化が大きくなる状態を維持することができるので、回転角センサ(60)の出力信号に基づいてシャフト(20)の回転角を検出する処理の精度を継続的に向上させることができる。
本開示の第5の態様は、第2の態様の駆動システムにおいて、前記回転角センサ(60)は、前記支持部(11)による前記シャフト(20)の非接触での支持が行われないときの前記回転角センサ(60)と前記被測定部(25)との間の距離(G1)が、前記支持部(11)により非接触で支持された前記シャフト(20)の位置が基準位置であるときの前記回転角センサ(60)と前記被測定部(25)との間の距離(G0)以下となるように、配置される駆動システムである。
第5の態様では、シャフト(20)がタッチダウン状態(タッチダウン軸受(50)と接触した状態)となる起動処理において、回転角センサ(60)とシャフト(20)の被測定部(25)との間の距離を、支持部(11)により非接触で支持されたシャフト(20)の位置が基準位置であるときの回転角センサ(60)とシャフト(20)の被測定部(25)との間の距離(G0)以下にすることができる。これにより、起動処理において、回転角センサ(60)の距離変化に応じた信号変化が小さくなり過ぎないようにすることができるので、回転角センサ(60)の出力信号に基づいてシャフト(20)の回転角を検出する処理の精度の低下を抑制することができる。
本開示の第6の態様は、第2~第5の態様のいずれか1つの駆動システムにおいて、前記シャフト(20)との距離に応じた信号を出力するギャップセンサである位置センサ(70)を備え、前記回転角センサ(60)のダイナミックレンジは、前記位置センサ(70)のダイナミックレンジと同一である駆動システムである。
第6の態様では、回転角センサ(60)となるギャップセンサの種類と位置センサ(70)となるギャップセンサの種類とを統一することができる。これにより、センサの調達コストを削減することができる。
本開示の第7の態様は、第2~第6の態様のいずれか1つの駆動システムにおいて、前記被測定部(25)には、前記シャフト(20)の周方向に所定間隔で配列された複数の第1段差部(201)が設けられ、前記複数の第1段差部(201)の1つは、前記シャフト(20)の回転基準を検出するための第2段差部(202)を兼ねている駆動システムである。
第7の態様では、シャフト(20)の被測定部(25)に第1段差部(201)と第2段差部(202)を別々に設ける場合よりも、回転角センサ(60)の数を削減することができる。これにより、センサに要するコストを削減することができる。
本開示の第8の態様は、第1~第7の態様のいずれか1つの駆動システムにおいて、支持巻線(35)と駆動巻線(36)とを有するベアリングレスモータ(30)を備え、前記支持巻線(35)は、通電により前記シャフト(20)を非接触で支持するための電磁力を発生させる巻線であり、前記支持部(11)として機能し、前記駆動巻線(36)は、通電により前記シャフト(20)を回転駆動させるための電磁力を発生させる巻線であり、前記駆動部(12)として機能する駆動システムである。
本開示の第9の態様は、第1~第8の態様のいずれか1つの駆動システムを備えるターボ圧縮機に関する。
本開示の第10の態様は、第9の態様のターボ圧縮機を備える冷凍装置に関する。
図1は、実施形態のターボ圧縮機の構成を例示する断面図である。 図2は、シャフトの被測定部の第1軸部の構成を例示する断面図である。 図3は、シャフトの被測定部の第2軸部の構成を例示する断面図である。 図4は、ベアリングレスモータの構成を例示する断面図である。 図5は、ラジアル磁気軸受の構成を例示する断面図である。 図6は、実施形態におけるシャフトのタッチダウン状態を例示する断面図である。 図7は、実施形態における回転角センサの出力信号とシャフトの回転角の変化とを例示するグラフである。 図8は、実施形態の起動処理を例示するフローチャートである。 図9は、回転角センサの配置を例示する断面図である。 図10は、ギャップセンサの出力特性を例示するグラフである。 図11は、実施形態の変形例2のターボ圧縮機の構成を例示する断面図である。 図12は、実施形態の変形例2におけるシャフトの近接状態を例示する断面図である。 図13は、実施形態の変形例2の起動処理を例示するフローチャートである。 図14は、実施形態の変形例3のターボ圧縮機の構成を例示する断面図である。 図15は、実施形態の変形例3におけるシャフトのタッチダウン状態を例示する断面図である。 図16は、実施形態の変形例3におけるシャフトの近接状態を例示する断面図である。 図17は、実施形態の変形例4におけるシャフトの被測定部の第1軸部の構成を例示する断面図である。 図18は、実施形態の変形例4における回転角センサの出力信号とシャフトの回転角の変化とを例示するグラフである。 図19は、冷凍装置の構成を例示する概略図である。 図20は、シャフトの被測定部の変形例を例示する断面図である。
以下、図面を参照して実施の形態を詳しく説明する。なお、図中同一または相当部分には同一の符号を付しその説明は繰り返さない。
(ターボ圧縮機)
図1は、実施形態のターボ圧縮機(1)の構成を例示する。ターボ圧縮機(1)は、流体を吸入して圧縮し、圧縮された流体を吐出する。この例では、ターボ圧縮機(1)は、ケーシング(2)と、インペラ(3)と、駆動システム(10)とを備える。駆動システム(10)は、シャフト(20)と、ベアリングレスモータ(30)と、磁気軸受(40)と、タッチダウン軸受(50)とを備える。
以下の説明では、部材の軸線の方向を、その部材の「軸方向」と記載する。部材の軸線と直交する方向を、その部材の「径方向」と記載する。部材の軸線周りの方向を、その部材の「周方向」と記載する。例えば、シャフト(20)の軸方向は、シャフト(20)の回転軸線の方向である。シャフト(20)の径方向は、シャフト(20)の回転軸線と直交する方向である。シャフト(20)の周方向は、シャフト(20)の回転軸線周りの方向である。
〔ケーシング〕
ケーシング(2)は、両端が閉塞された円筒状に形成される。ケーシング(2)内の空間は、壁部(2a)により2つの空間に区画され、一方の空間がインペラ室(S1)を構成し、他方の空間がモータ室(S2)を構成する。インペラ室(S1)には、インペラ(3)が収容される。モータ室(S2)には、ベアリングレスモータ(30)と磁気軸受(40)とタッチダウン軸受(50)とが収容され、これらがモータ室(S2)の内周壁に固定される。この例では、ケーシング(2)は、ケーシング(2)の軸線(円筒軸線)が水平向きとなるように配置される。
〔シャフト〕
シャフト(20)は、ケーシング(2)内に収容される。シャフト(20)は、インペラ室(S1)から壁部(2a)を貫通してモータ室(S2)まで延びる。シャフト(20)の一端部には、インペラ(3)が固定される。例えば、シャフト(20)は、鉄などの磁性材料により構成される。
この例では、シャフト(20)は、円盤部(21)と、凹部(22)と、被測定部(25)とを有する。円盤部(21)は、シャフト(20)の他端部に設けられる。凹部(22)は、シャフト(20)の他端部の近傍に設けられる。凹部(22)は、シャフト(20)の全周にわたって形成される。被測定部(25)は、シャフト(20)の一端部と凹部(22)との間に設けられる。
被測定部(25)は、シャフト(20)の回転角の変化に応じて後述する回転角センサ(60)との距離が変化するように構成される。この例では、被測定部(25)は、軸状に形成される。被測定部(25)には、複数の第1段差部(201)と、第2段差部(202)とが設けられる。
複数の第1段差部(201)は、シャフト(20)の周方向に所定間隔で配列される。複数の第1段差部(201)は、シャフト(20)の回転角の変化を検出するために設けられる。
図2に示すように、この例では、8つの第1段差部(201)がシャフト(20)の周方向において等間隔に設けられる。第1段差部(201)は、凹部(溝)である。シャフト(20)の被測定部(25)のうち第1段差部(201)が設けられた軸部(以下では「第1軸部」と記載)は、後述する第1回転角センサ(61)の測定対象となる。
第2段差部(202)は、シャフト(20)の軸方向において第1軸部(複数の第1段差部(201)が設けられた軸部)と隣り合う軸部に設けられる。第2段差部(202)は、シャフト(20)の回転基準を検出するために設けられる。
図3に示すように、この例では、1つの第2段差部(202)が設けられる。第2段差部(202)は、凹部(溝)である。シャフト(20)の被測定部(25)のうち第2段差部(202)が設けられた軸部(以下では「第2軸部」と記載)は、後述する第2回転角センサ(62)の測定対象となる。
〔インペラ〕
インペラ(3)は、複数の羽根を有し、外形が略円錐形状となるように形成される。インペラ(3)は、シャフト(20)の一端部に固定された状態で、インペラ室(S1)に収容される。インペラ室(S1)には、吸入管(P1)と吐出管(P2)とが接続される。吸入管(P1)は、流体を外部からインペラ室(S1)に導くために設けられる。吐出管(P2)は、インペラ室(S1)内で圧縮された高圧の流体を外部に導くために設けられる。この例では、インペラ(3)とインペラ室(S1)とが圧縮機構を構成する。
〔ベアリングレスモータ〕
ベアリングレスモータ(30)は、ロータ(31)とステータ(32)とを有し、電磁力によりシャフト(20)を非接触で支持し、且つ、シャフト(20)を回転駆動させる。ロータ(31)は、シャフト(20)に固定され、ステータ(32)は、ケーシング(2)の内周壁に固定される。この例では、ベアリングレスモータ(30)は、シャフト(20)の一端部(インペラ(3)が固定された端部)と被測定部(25)との間に配置される。
具体的には、ベアリングレスモータ(30)は、支持巻線(35)と駆動巻線(36)とを有する。支持巻線(35)と駆動巻線(36)は、ステータ(32)に設けられる。
支持巻線(35)は、通電によりシャフト(20)を非接触で支持するための電磁力を発生させる巻線である。支持巻線(35)は、電磁力によりシャフト(20)を非接触で支持する支持部(11)として機能する。支持巻線(35)は、支持部(11)の一例である。
駆動巻線(36)は、通電によりシャフト(20)を回転駆動させるための電磁力を発生させる巻線である。駆動巻線(36)は、電磁力によりシャフト(20)を回転駆動させる駆動部(12)として機能する。駆動巻線(36)は、駆動部(12)の一例である。
図4に示すように、この例では、ベアリングレスモータ(30)は、コンセクエントポール型のベアリングレスモータにより構成される。
〈ロータ〉
ロータ(31)は、ロータコア(310)と、複数の永久磁石(311)とを有する。ロータコア(310)は、磁性材料により構成され、円柱状に形成される。例えば、ロータコア(310)は、円板状の電磁鋼板が積層された積層コアにより構成される。ロータコア(310)の中央部には、シャフト(20)を挿通するためのシャフト孔が設けられる。複数の永久磁石(311)は、ロータ(31)の周方向において所定の角度ピッチで配置される。
この例では、ロータ(31)には、4つの永久磁石(311)が設けられる。4つの永久磁石(311)は、ロータ(31)の周方向において90°の角度ピッチで配置されてロータコア(310)の外周部(外周面の近傍)に埋設される。また、4つの永久磁石(311)は、ロータコア(310)の外周面に沿う円弧状に形成され、外周面側がN極となる。
このような構成により、ロータコア(310)の外周部のうちロータ(31)の周方向において4つの永久磁石(311)の間に位置する部分が擬似的にS極となる。なお、4つの永久磁石(311)の外周面側がS極となってもよい。この場合、ロータコア(310)の外周部のうちロータ(31)の周方向において4つの永久磁石(311)の間に位置する部分が擬似的にN極となる。
〈ステータ〉
ステータ(32)は、ロータ(31)と所定のエアギャップを隔てて対向する。ステータ(32)は、ステータコア(320)と、支持巻線(35)と、駆動巻線(36)とを有する。ステータコア(320)は、磁性材料により構成される。例えば、ステータコア(320)は、円環状の電磁鋼板が積層された積層コアにより構成される。ステータコア(320)は、円筒状に形成されたバックヨークと、バックヨークの内周面に設けられる複数のティース(図示省略)とを有する。
支持巻線(35)は、ステータコア(320)のティースのうち径方向外側の部分に巻回される。この例では、ベアリングレスモータ(30)には、3種類の支持巻線(35)が設けられる。具体的には、図4において太い実線で囲まれた支持巻線(35)は、U相の支持巻線を構成する。図4において太い破線で囲まれた支持巻線(35)は、V相の支持巻線を構成する。図4において細い実線で囲まれた支持巻線(35)は、W相の支持巻線を構成する。
駆動巻線(36)は、ステータコア(320)のティースのうち径方向内側の部分に巻回される。この例では、ベアリングレスモータ(30)には、3種類の駆動巻線(36)が設けられる。具体的には、図4において太い実線で囲まれた駆動巻線(36)は、U相の駆動巻線を構成する。図4において太い破線で囲まれた駆動巻線(36)は、V相の駆動巻線を構成する。図4において細い実線で囲まれた駆動巻線(36)は、W相の駆動巻線を構成する。
〔磁気軸受〕
磁気軸受(40)は、複数の電磁石を有し、その複数の電磁石の電磁力によりシャフト(20)を非接触で支持する。磁気軸受(40)は、電磁力によりシャフト(20)の位置を制御する。磁気軸受(40)は、電磁力によりシャフト(20)を非接触で支持する支持部(11)として機能する。磁気軸受(40)は、支持部(11)の一例である。この例では、磁気軸受(40)として、ラジアル磁気軸受(41)とスラスト磁気軸受(42)とが設けられる。
〈ラジアル磁気軸受〉
ラジアル磁気軸受(41)は、電磁力によりシャフト(20)の径方向位置を非接触で制御する。この例では、ラジアル磁気軸受(41)は、ベアリングレスモータ(30)とシャフト(20)の被測定部(25)との間に配置される。
図5に示すように、この例では、ラジアル磁気軸受(41)は、第1ラジアル電磁石(41a)と、第2ラジアル電磁石(41b)と、第3ラジアル電磁石(41c)と、第4ラジアル電磁石(41d)とを有する。第1ラジアル電磁石(41a)と第2ラジアル電磁石(41b)は、シャフト(20)を挟んで互いに対向する。第3ラジアル電磁石(41c)と第4ラジアル電磁石(41d)は、シャフト(20)を挟んで互いに対向する。第3ラジアル電磁石(41c)と第4ラジアル電磁石(41d)との対向方向は、第1ラジアル電磁石(41a)と第2ラジアル電磁石(41b)との対向方向と直交する。
具体的には、ラジアル磁気軸受(41)は、コア(410)と、複数の巻線(415)とを有する。コア(410)は、磁性材料により構成され、円筒状に形成される。コア(410)は、円筒状に形成されたバックヨーク(411)と、バックヨーク(411)の内周面に設けられる複数のティース(412)とを有する。複数の巻線(415)は、複数のティース(412)に巻回される。ティース(412)に巻線(415)が巻回されることで、ラジアル電磁石が構成される。
第1~第4ラジアル電磁石(41a~41d)の巻線(415)を通電することにより、ラジアル磁気軸受(41)の径方向においてシャフト(20)を非接触で支持するための電磁力が発生する。そして、第1ラジアル電磁石(41a)および第2ラジアル電磁石(41b)の巻線(415)を流れる電流を制御することにより、第1ラジアル電磁石(41a)と第2ラジアル電磁石(41b)との対向方向におけるシャフト(20)の位置が制御される。また、第3ラジアル電磁石(41c)および第4ラジアル電磁石(41d)の巻線(415)を流れる電流を制御することにより、第3ラジアル電磁石(41c)と第4ラジアル電磁石(41d)との対向方向におけるシャフト(20)の位置が制御される。
この例では、ラジアル磁気軸受(41)は、ラジアル磁気軸受(41)の軸線がベアリングレスモータ(30)のステータ(32)の軸線と一致するように配置される。
〈スラスト磁気軸受〉
スラスト磁気軸受(42)は、電磁力によりシャフト(20)の軸方向位置を非接触で制御する。図1に示すように、この例では、スラスト磁気軸受(42)は、第1スラスト電磁石(42a)と、第2スラスト電磁石(42b)とを有する。第1スラスト電磁石(42a)と第2スラスト電磁石(42b)は、シャフト(20)の円盤部(21)を挟んで互いに対向する。
具体的には、第1スラスト電磁石(42a)は、円環状に形成されたコアと、円環状に巻回された巻線とを有する。例えば、第1スラスト電磁石(42a)のコアには、円環状の溝が形成され、第1スラスト電磁石(42a)のコイルは、第1スラスト電磁石(42a)のコアの溝に収容される。第2スラスト電磁石(42b)の構成は、第1スラスト電磁石(42a)の構成と同様である。
第1スラスト電磁石(42a)および第2スラスト電磁石(42b)の巻線を通電することにより、スラスト磁気軸受(42)の軸方向においてシャフト(20)を非接触で支持するための電磁力が発生する。そして、第1スラスト電磁石(42a)および第2スラスト電磁石(42b)の巻線を流れる電流を制御することにより、第1スラスト電磁石(42a)と第2スラスト電磁石(42b)との対向方向におけるシャフト(20)の位置が制御される。
〔シャフトの基準位置〕
例えば、ターボ圧縮機(1)の運転中において、シャフト(20)の位置が予め定められた基準位置となるように、支持部(11)が制御される。この例では、基準位置は、シャフト(20)の回転軸線が予め定められた基準軸線と一致し、且つ、シャフト(20)の軸方向位置が予め定められた基準軸方向位置となるときのシャフト(20)の位置である。基準軸線は、ベアリングレスモータ(30)のステータ(32)の軸線である。基準軸方向位置は、シャフト(20)の円盤部(21)がスラスト磁気軸受(42)の第1スラスト電磁石(42a)と第2スラスト電磁石(42b)との間の中心位置である。
〔タッチダウン軸受〕
タッチダウン軸受(50)は、支持部(11)によるシャフト(20)の非接触での支持が行われない場合に、シャフト(20)と接触してシャフト(20)を回転可能に支持する。この例では、タッチダウン軸受(50)として、ラジアルタッチダウン軸受(51)とラジアルスラストタッチダウン軸受(52)とが設けられる。
〈ラジアルタッチダウン軸受〉
ラジアルタッチダウン軸受(51)は、円環状に形成される。ラジアルタッチダウン軸受(51)には、シャフト(20)が挿通される。この例では、ラジアルタッチダウン軸受(51)は、シャフト(20)の一端部(インペラ(3)が固定された端部)とベアリングレスモータ(30)との間に配置される。具体的には、ラジアルタッチダウン軸受(51)は、ケーシング(2)の壁部(2a)に配置される。
ラジアルタッチダウン軸受(51)は、ラジアルタッチダウン軸受(51)の軸線が基準軸線(具体的にはベアリングレスモータ(30)のステータ(32)の軸線およびラジアル磁気軸受(41)の軸線)と一致するように配置される。ラジアルタッチダウン軸受(51)の内径は、ラジアル磁気軸受(41)の内径(ティース(412)の先端と接する仮想の円筒面の径)よりも小さい。
シャフト(20)の位置が基準位置である場合、ラジアルスラストタッチダウン軸受(52)とシャフト(20)との間の隙間は、「ラジアル磁気軸受(41)とシャフト(20)との間の隙間」および「ベアリングレスモータ(30)のロータ(31)とステータ(32)との間の隙間」の各々よりも狭い。
この例では、ラジアルタッチダウン軸受(51)は、ラジアルタッチダウン軸受(51)の内周面がラジアルタッチダウン軸受(51)の径方向に移動するシャフト(20)と接触してシャフト(20)を回転可能に支持する。また、シャフト(20)とラジアルタッチダウン軸受(51)の内周面との接触により、「ベアリングレスモータ(30)のロータ(31)とステータ(32)との接触」および「シャフト(20)とラジアル磁気軸受(41)との接触」を回避することができる。
〈ラジアルスラストタッチダウン軸受〉
ラジアルスラストタッチダウン軸受(52)は、円環状に形成される。ラジアルスラストタッチダウン軸受(52)には、シャフト(20)が挿通される。この例では、ラジアルスラストタッチダウン軸受(52)は、シャフト(20)の被測定部(25)とスラスト磁気軸受(42)との間に配置される。具体的には、ラジアルスラストタッチダウン軸受(52)は、シャフト(20)の凹部(22)と対向するように配置される。
ラジアルスラストタッチダウン軸受(52)は、ラジアルスラストタッチダウン軸受(52)の軸線が基準軸線(具体的にはベアリングレスモータ(30)のステータ(32)の軸線およびラジアル磁気軸受(41)の軸線)と一致するように配置される。
この例では、ラジアルスラストタッチダウン軸受(52)は、シャフト(20)の凹部(22)と対向する。具体的には、ラジアルスラストタッチダウン軸受(52)の内周面は、シャフト(20)の凹部(22)の底面と対向し、ラジアルスラストタッチダウン軸受(52)の軸方向の両端面は、シャフト(20)の凹部(22)の両側面と対向する。
シャフト(20)の位置が基準位置である場合、ラジアルスラストタッチダウン軸受(52)とシャフト(20)の凹部(22)の底面との間の隙間は、「ラジアル磁気軸受(41)とシャフト(20)との間の隙間」および「ベアリングレスモータ(30)のロータ(31)とステータ(32)との間の隙間」の各々よりも狭い。
また、シャフト(20)の位置が基準位置である場合、ラジアルスラストタッチダウン軸受(52)とシャフト(20)の凹部(22)の一側面との間の隙間は、スラスト磁気軸受(42)の第1スラスト電磁石(42a)とシャフト(20)の円盤部(21)との間の隙間よりも狭い。ラジアルスラストタッチダウン軸受(52)とシャフト(20)の凹部(22)の他側面との間の隙間は、スラスト磁気軸受(42)の第2スラスト電磁石(42b)とシャフト(20)の円盤部(21)との間の隙間よりも狭い。
この例では、ラジアルスラストタッチダウン軸受(52)は、ラジアルスラストタッチダウン軸受(52)の内周面がラジアルスラストタッチダウン軸受(52)の径方向に移動するシャフト(20)の凹部(22)の底面と接触してシャフト(20)を回転可能に支持する。また、シャフト(20)の凹部(22)の底面とラジアルスラストタッチダウン軸受(52)の内周面との接触により、「ベアリングレスモータ(30)のロータ(31)とステータ(32)との接触」および「シャフト(20)とラジアル磁気軸受(41)との接触」を回避することができる。
また、この例では、ラジアルスラストタッチダウン軸受(52)は、ラジアルスラストタッチダウン軸受(52)の軸方向の端面がラジアルスラストタッチダウン軸受(52)の軸方向に移動するシャフト(20)の凹部(22)の側面と接触してシャフト(20)を回転可能に支持する。また、シャフト(20)の凹部(22)の側面とラジアルスラストタッチダウン軸受(52)との接触により、シャフト(20)の円盤部(21)とスラスト磁気軸受(42)との接触を回避することができる。
〔タッチダウン状態〕
以下の説明では、シャフト(20)がタッチダウン軸受(50)と接触している状態を「タッチダウン状態」と記載する。図6に示すように、この例では、タッチダウン状態は、シャフト(20)がラジアルタッチダウン軸受(51)と接触し、且つ、シャフト(20)の凹部(22)の底面がラジアルスラストタッチダウン軸受(52)と接触している状態である。
〔各種センサ〕
また、駆動システム(10)は、回転角センサ(60)、位置センサ(70)、電流センサ(図示省略)などの各種センサを備える。
〔回転角センサ〕
回転角センサ(60)は、シャフト(20)の被測定部(25)の回転角に応じた信号を出力する。この例では、回転角センサ(60)は、被測定部(25)との距離に応じた信号を出力するギャップセンサである。例えば、このギャップセンサは、渦電流式のギャップセンサである。
具体的には、この例では、回転角センサ(60)として、第1回転角センサ(61)と第2回転角センサ(62)とが設けられる。第1回転角センサ(61)および第2回転角センサ(62)の各々は、測定対象との間の距離に応じた信号を出力するギャップセンサである。ギャップセンサと測定対象との間の距離が長くなるほど、ギャップセンサから出力される信号のレベル(振幅値)が高くなる。
第1回転角センサ(61)は、シャフト(20)の被測定部(25)の第1軸部(第1段差部(201)が設けられた軸部)と対向するように配置され、シャフト(20)の被測定部(25)の第1軸部との距離に応じた信号を出力する。図2に示すように、シャフト(20)の位置が基準位置である場合、第1軸部のうち第1段差部(201)と第1回転角センサ(61)との間の距離(D11)は、第1軸部のうち第1段差部(201)を除く残りの部分と第1回転角センサ(61)との間の距離(D10)よりも長い。したがって、第1回転角センサ(61)から出力される信号のレベル(振幅値)は、第1回転角センサ(61)と第1段差部(201)とが対向すると高くなる。
第2回転角センサ(62)は、シャフト(20)の被測定部(25)の第2軸部(第2段差部(202)が設けられた軸部)と対向するように配置され、シャフト(20)の被測定部(25)の第2軸部との距離に応じた信号を出力する。図3に示すように、シャフト(20)の位置が基準位置である場合、第2軸部のうち第2段差部(202)と第2回転角センサ(62)との間の距離(D21)は、第2軸部のうち第2段差部(202)を除く残りの部分と第2回転角センサ(62)との間の距離(D20)よりも長い。したがって、第2回転角センサ(62)から出力される信号のレベル(振幅値)は、第2回転角センサ(62)と第2段差部(202)とが対向すると高くなる。
なお、この例では、第1回転角センサ(61)および第2回転角センサ(62)は、シャフト(20)の鉛直下方に配置される。また、第1回転角センサ(61)および第2回転角センサ(62)は、基準軸線を向くように配置される。
〔位置センサ〕
位置センサ(70)は、シャフト(20)の位置に応じた信号を出力する。この例では、位置センサ(70)は、シャフト(20)との距離に応じた信号を出力するギャップセンサである。
具体的には、この例では、位置センサ(70)として、ラジアル位置センサ(71)とスラスト位置センサ(72)とが設けられる。ラジアル位置センサ(71)およびスラスト位置センサ(72)の各々は、測定対象との間の距離に応じた信号を出力するギャップセンサである。ギャップセンサと測定対象との間の距離が長くなるほど、ギャップセンサから出力される信号のレベル(振幅値)が高くなる。
ラジアル位置センサ(71)は、シャフト(20)の径方向位置に応じた信号を出力する。この例では、ラジアル位置センサ(71)は、シャフト(20)の被測定部(25)のうち「第1段差部(201)および第2段差部(202)のどちらも設けられない軸部(以下では「円筒面部分」と記載)」と対向するように配置され、シャフト(20)の被測定部(25)の円筒面部分との距離に応じた信号を出力する。
なお、ラジアル位置センサ(71)として、2種類のラジアル位置センサ(第1ラジアル位置センサ(71)と第2ラジアル位置センサ(71))とが設けられる。第1ラジアル位置センサ(71)は、ラジアル磁気軸受(41)の第1ラジアル電磁石(41a)と第2ラジアル電磁石(41b)との対向方向におけるシャフト(20)の位置に応じた信号を出力する。第2ラジアル位置センサ(71)は、ラジアル磁気軸受(41)の第3ラジアル電磁石(41c)と第4ラジアル電磁石(41d)との対向方向におけるシャフト(20)の位置に応じた信号を出力する。また、ラジアル位置センサ(71)は、基準軸線を向くように配置される。
スラスト位置センサ(72)は、シャフト(20)の軸方向位置に応じた信号を出力する。この例では、スラスト位置センサ(72)は、シャフト(20)の他端面と対向するように配置され、シャフト(20)の他端面との距離に応じた信号を出力する。
〔制御部〕
また、駆動システム(10)は、制御部(80)を備える。制御部(80)は、駆動システム(10)に設けられた各種センサと信号線により接続され、各種センサから出力された信号を受信する。制御部(80)は、駆動システム(10)の構成要素と信号線により接続され、駆動システム(10)の構成要素を制御する。この例では、制御部(80)は、ベアリングレスモータ(30)、ラジアル磁気軸受(41)、スラスト磁気軸受(42)、第1回転角センサ(61)、第2回転角センサ(62)、ラジアル位置センサ(71)、スラスト位置センサ(72)と信号線により接続される。
また、制御部(80)は、運転を開始するための起動指示などの各種指示を受ける。そして、制御部(80)は、各種指示および各種センサから出力された信号に基づいて、各種処理を行う。
例えば、制御部(80)は、プロセッサ、プロセッサと電気的に接続されてプロセッサを動作させるためのプログラムを記憶するメモリ、プロセッサの指令に応じて電力を供給する電源部などを含む。
〔位置制御〕
制御部(80)は、支持部(11)によるシャフト(20)の非接触での支持が行われている場合に、浮上位置制御を行う。浮上位置制御では、制御部(80)は、位置センサ(70)から出力された信号に基づいてシャフト(20)の位置を検出し、シャフト(20)の位置が予め定められた基準位置となるように支持部(11)を制御する。
具体的には、制御部(80)は、ラジアル位置センサ(71)から出力された信号に基づいて、シャフト(20)の径方向位置(回転軸線の位置)を検出し、シャフト(20)の径方向位置が予め定められた基準径方向位置(基準軸線の位置)となるように、ベアリングレスモータ(30)の支持巻線(35)に流れる電流と、ラジアル磁気軸受(41)の巻線(415)に流れる電流とを制御する。また、制御部(80)は、スラスト位置センサ(72)から出力された信号に基づいて、シャフト(20)の軸方向位置を検出し、シャフト(20)の軸方向位置が予め定められた基準軸方向位置となるように、スラスト磁気軸受(42)の巻線に流れる電流を制御する。
〔回転角検出〕
また、制御部(80)は、駆動部(12)によるシャフト(20)の回転駆動が行われている場合に、回転角センサ(60)から出力された信号に基づいて、シャフト(20)の回転角を検出する。この例では、制御部(80)は、以下のように、シャフト(20)の回転角を検出する。
制御部(80)は、第1回転角センサ(61)から出力された信号に基づいて、シャフト(20)の回転角の変化を検出する。以下では、第1回転角センサ(61)から出力された信号を「第1センサ信号(SS1)」と記載する。
具体的には、図7に示すように、制御部(80)は、第1センサ信号(SS1)のレベル(振幅値)と予め定められた第1閾値(Th1)とを比較し、その比較の結果に応じて第1結果信号(PP1)を生成する。制御部(80)は、第1センサ信号(SS1)のレベルが第1閾値(Th1)を上回ると、第1結果信号(PP1)のレベルをローレベルからハイレベルへ遷移させ、第1センサ信号(SS1)のレベルが第1閾値(Th1)を下回ると、第1結果信号(PP1)のレベルをハイレベルからローレベルへ遷移させる。
なお、第1閾値(Th1)は、例えば、シャフト(20)の被測定部(25)の第1軸部のうち第1段差部(201)と第1回転角センサ(61)とが対向しているときの第1センサ信号(SS1)のレベルよりも低く、且つ、シャフト(20)の被測定部(25)の第1軸部のうち第1段差部(201)を除く残りの部分と第1回転角センサ(61)とが対向しているときの第1センサ信号(SS1)のレベルよりも高いレベルに設定される。
また、制御部(80)は、第2回転角センサ(62)から出力された信号に基づいて、シャフト(20)の回転基準(回転角の基準)を検出する。以下では、第2回転角センサ(62)から出力された信号を「第2センサ信号(SS2)」と記載する。
具体的には、図7に示すように、制御部(80)は、第2センサ信号(SS2)のレベル(振幅値)と予め定められた第2閾値(Th2)とを比較し、その比較の結果に応じて第2結果信号(PP2)を生成する。制御部(80)は、第2センサ信号(SS2)のレベルが第2閾値(Th2)を上回ると、第2結果信号(PP2)のレベルをローレベルからハイレベルへ遷移させ、第2センサ信号(SS2)のレベルが第2閾値(Th2)を下回ると、第2結果信号(PP2)のレベルをハイレベルからローレベルへ遷移させる。
なお、第2閾値(Th1)は、例えば、シャフト(20)の被測定部(25)の第2軸部のうち第2段差部(202)と第2回転角センサ(62)とが対向しているときの第2センサ信号(SS2)のレベルよりも低く、且つ、シャフト(20)の被測定部(25)の第2軸部のうち第2段差部(202)を除く残りの部分と第2回転角センサ(62)とが対向しているときの第2センサ信号(SS2)のレベルよりも高いレベルに設定される。
そして、制御部(80)は、第1センサ信号(SS1)に基づいて検出された「シャフト(20)の回転角の変化」と、第2センサ信号(SS2)に基づいて検出された「シャフト(20)の回転基準」とに基づいて、シャフト(20)の回転角を検出する。
具体的には、図7に示すように、第2結果信号(PP2)のレベルがローレベルからハイレベルに遷移すると、制御部(80)は、シャフト(20)の回転角を「0°」にする。そして、制御部(80)は、第1結果信号(PP1)のレベルがローレベルからハイレベルに遷移する毎に、シャフト(20)の回転角を所定量(この例では45°)だけ増加させる。このようにして、シャフト(20)の回転角が検出される。
〔起動処理〕
また、制御部(80)は、支持部(11)によるシャフト(20)の非接触での支持が行われる前に、起動処理を行う。起動処理では、制御部(80)は、において、シャフト(20)がタッチダウン軸受(50)と接触した状態で回転するように駆動部(12)を制御し、回転角センサ(60)から出力された信号に基づいてシャフト(20)の回転角を検出する。
次に、図8を参照して、起動処理について説明する。例えば、制御部(80)は、運転を開始するための起動指示を受けると、次の動作を行う。
〈ステップ(ST11)〉
まず、制御部(80)は、シャフト(20)がタッチダウン軸受(50)と接触した状態で回転するように、駆動部(12)を制御する。また、制御部(80)は、タッチダウン軸受(50)と接触した状態で回転するシャフト(20)の回転速度が一定となるように、駆動部(12)を制御する。
この例では、制御部(80)は、ベアリングレスモータ(30)の駆動巻線(36)に電流を供給する。これにより、シャフト(20)は、タッチダウン状態のまま回転する。そして、制御部(80)は、シャフト(20)の回転速度が一定となるように、ベアリングレスモータ(30)の駆動巻線(36)に供給される電流を制御する。
〈ステップ(ST12)〉
次に、制御部(80)は、回転角センサ(60)から出力された信号に基づいて、シャフト(20)の回転角を検出する。この例では、制御部(80)は、第1回転角センサ(61)から出力された第1センサ信号(SS1)と、第2回転角センサ(62)から出力された第2センサ信号(SS2)とに基づいて、シャフト(20)の回転角を検出する。
シャフト(20)の回転角の検出が完了すると、制御部(80)は、起動処理を終了する。起動処理が終了すると、制御部(80)は、支持部(11)によるシャフト(20)の非接触での支持が行われるように、支持部(11)を制御する。
〔実施形態の効果〕
以上のように、実施形態では、制御部(80)は、支持部(11)によるシャフト(20)の非接触での支持が行われる前に、起動処理を行う。起動処理では、制御部(80)は、シャフト(20)がタッチダウン軸受(50)と接触した状態で回転するように駆動部(12)を制御し、回転角センサ(60)から出力された信号に基づいてシャフト(20)の回転角を検出する。
上記の構成により、シャフト(20)が非接触で支持される前にシャフト(20)の回転角を検出することができる。
また、シャフト(20)が非接触で支持される前にシャフト(20)の回転角を検出することにより、支持部(11)によるシャフト(20)の非接触での支持を開始する際に、シャフト(20)の回転角に応じた制御を行うことができる。
例えば、シャフト(20)の非接触での支持を開始するためにベアリングレスモータ(30)が使用される場合、シャフト(20)の回転角に基づいて、シャフト(20)に固定されたロータ(31)の磁極の位置を検出することができる。これにより、シャフト(20)を非接触で支持するための電磁力(シャフト(20)を基準位置へ向けて移動させることが可能な電磁力)が発生するように、ベアリングレスモータ(30)の支持巻線(35)を流れる電流を適切に制御することができる。
また、シャフト(20)の回転角を検出することにより、シャフト(20)を回転駆動させるための電磁力が発生するように、ベアリングレスモータ(30)の駆動巻線(36)を流れる電流を適切に制御することができる。
このように、シャフト(20)を非接触で支持するための制御(浮上制御)と、シャフト(20)を回転駆動させるための制御(回転制御)とを安定して行うことができる。
また、実施形態では、回転角センサ(60)は、シャフト(20)の被測定部(25)との距離に応じた信号を出力するギャップセンサである。シャフト(20)の被測定部(25)は、シャフト(20)の回転角の変化に応じて回転角センサ(60)との距離が変化するように構成される。
上記の構成により、シャフト(20)の回転角が変化すると、シャフト(20)の被測定部(25)と回転角センサ(60)との間の距離が変化し、その結果、回転角センサ(60)から出力される信号が変化する。したがって、回転角センサ(60)から出力される信号に基づいてシャフト(20)の回転角を検出することができる。
(実施形態の変形例1)
実施形態の変形例1のターボ圧縮機(1)は、回転角センサ(60)の配置と性能が実施形態のターボ圧縮機(1)と異なる。実施形態の変形例1のターボ圧縮機(1)のその他の構成および処理は、実施形態のターボ圧縮機(1)の構成および処理と同様である。
図9に示すように、実施形態の変形例1では、回転角センサ(60)は、「支持部(11)によるシャフト(20)の非接触での支持が行われないときの回転角センサ(60)とシャフト(20)の被測定部(25)との間の距離(G1)」が「支持部(11)により非接触で支持されたシャフト(20)の位置が基準位置であるときの回転角センサ(60)とシャフト(20)の被測定部(25)との間の距離(G0)」以下となるように、配置される。具体的には、第1回転角センサ(61)および第1回転角センサ(61)は、次のように配置される。
第1回転角センサ(61)は、「支持部(11)によるシャフト(20)の非接触での支持が行われないときの第1回転角センサ(61)とシャフト(20)の被測定部(25)の第1軸部(第1段差部(201)が設けられた軸部)との間の距離(G1)」が「支持部(11)により非接触で支持されたシャフト(20)の位置が基準位置であるときの第1回転角センサ(61)とシャフト(20)の被測定部(25)の第1軸部との間の距離(G0)」以下となるように配置される。
第2回転角センサ(62)は、「支持部(11)によるシャフト(20)の非接触での支持が行われないときの第2回転角センサ(62)とシャフト(20)の被測定部(25)の第2軸部(第2段差部(202)が設けられた軸部)との間の距離」が「支持部(11)により非接触で支持されたシャフト(20)の位置が基準位置であるときの第2回転角センサ(62)とシャフト(20)の被測定部(25)の第2軸部との間の距離」以下となるように配置される。
また、実施形態の変形例1では、回転角センサ(60)のダイナミックレンジは、位置センサ(70)のダイナミックレンジと同一である。具体的には、第1回転角センサ(61)および第2回転角センサ(62)の各々であるギャップセンサのダイナミックレンジは、ラジアル位置センサ(71)であるギャップセンサのダイナミックレンジと同一である。
〔ギャップセンサの出力特性〕
図10は、ギャップセンサの出力特性を例示する。横軸は、ギャップセンサと測定対象との間の距離(ギャップ)を示し、縦軸は、ギャップセンサから出力される信号のレベル(振幅値)を示す。以下では、ギャップセンサと測定対象との間の距離の変化を「距離変化」と記載し、ギャップセンサから出力される信号のレベルの変化を「信号変化」と記載する。
図10に示すように、ギャップセンサと測定対象との間の距離が短くなるほど、ギャップセンサの距離変化に応じた信号変化が大きくなる。例えば、ギャップセンサと測定対象との間の距離が比較的に短いときの距離変化を「第1距離変化(ΔGA)」とし、ギャップセンサと測定対象との間の距離が比較的に長いときの距離変化を「第2距離変化(ΔGB)」とすると、第1距離変化(ΔGA)に応じた第1信号変化(ΔSA)は、第2距離変化(ΔGB)に応じた第2信号変化(ΔSB)よりも大きい。なお、第2距離変化(ΔGB)の変化量は、第1距離変化(ΔGA)の変化量と同一である。
このように、ギャップセンサと測定対象との間の距離が短くなるほど、ギャップセンサの距離変化に応じた信号変化が大きくなる。したがって、ギャップセンサである回転角センサ(60)とシャフト(20)の被測定部(25)との間の距離が短くなるほど、回転角センサ(60)の距離変化に応じた信号変化が大きくなり、その結果、回転角センサ(60)から出力された信号に基づくシャフト(20)の回転角の検出の精度が向上する。
〔実施形態の変形例1の効果〕
以上のように、実施形態の変形例1では、回転角センサ(60)は、「支持部(11)によるシャフト(20)の非接触での支持が行われないときの回転角センサ(60)とシャフト(20)の被測定部(25)との間の距離(G1)」が「支持部(11)により非接触で支持されたシャフト(20)の位置が基準位置であるときの回転角センサ(60)とシャフト(20)の被測定部(25)との間の距離(G0)」以下となるように、配置される。
上記の構成により、シャフト(20)がタッチダウン状態(タッチダウン軸受(50)と接触した状態)となる起動処理において、回転角センサ(60)とシャフト(20)の被測定部(25)との間の距離を、支持部(11)により非接触で支持されたシャフト(20)の位置が基準位置であるときの回転角センサ(60)とシャフト(20)の被測定部(25)との間の距離(G0)以下にすることができる。これにより、起動処理において、回転角センサ(60)の距離変化に応じた信号変化が小さくなり過ぎないようにすることができるので、回転角センサ(60)の出力信号に基づいてシャフト(20)の回転角を検出する処理の精度の低下を抑制することができる。
また、実施形態の変形例1では、回転角センサ(60)のダイナミックレンジは、位置センサ(70)のダイナミックレンジと同一である。
上記の構成により、回転角センサ(60)となるギャップセンサの種類と位置センサ(70)となるギャップセンサの種類とを統一することができる。言い換えると、同種のギャップセンサを用いて回転角センサ(60)と位置センサ(70)とを構成することができる。これにより、センサの調達コストを削減することができる。
(実施形態の変形例2)
図11は、実施形態の変形例2のターボ圧縮機(1)の構成を例示する。実施形態の変形例2のターボ圧縮機(1)は、回転角センサ(60)の配置と起動処理とが実施形態のターボ圧縮機(1)と異なる。実施形態の変形例2のターボ圧縮機(1)のその他の構成および処理は、実施形態のターボ圧縮機(1)の構成および処理と同様である。なお、図11では、シャフト(20)は、タッチダウン状態である。
実施形態の変形例2では、シャフト(20)がタッチダウン状態であるときの回転角センサ(60)とシャフト(20)の被測定部(25)との間の距離は、シャフト(20)の位置が基準位置であるときの回転角センサ(60)とシャフト(20)の被測定部(25)との間の距離よりも長い。この例では、第1回転角センサ(61)および第2回転角センサ(62)は、シャフト(20)の鉛直上方に配置される。
そして、実施形態の変形例2では、制御部(80)は、起動処理において、電磁力によりシャフト(20)が移動してシャフト(20)の被測定部(25)が回転角センサ(60)に近づくように支持部(11)を制御する。
また、実施形態の変形例2では、制御部(80)は、起動処理において、シャフト(20)の被測定部(25)が回転角センサ(60)に近づいた状態が維持されるように支持部(11)を制御しながら、シャフト(20)が回転するように駆動部(12)を制御する。
〔近接状態〕
以下の説明では、シャフト(20)の被測定部(25)が回転角センサ(60)に近づいた状態を「近接状態」と記載する。なお、シャフト(20)は、近接状態においてタッチダウン軸受(50)と接触している。
図12に示すように、この例では、シャフト(20)の近接状態は、支持部(11)の電磁力によりシャフト(20)が鉛直上方に移動してシャフト(20)の被測定部(25)が起動処理の開始時のタッチダウン状態よりも回転角センサ(60)に近づいた状態である。シャフト(20)が近接状態である場合、ラジアルタッチダウン軸受(51)は、シャフト(20)と接触し、ラジアルスラストタッチダウン軸受(52)は、シャフト(20)の凹部(22)の底面と接触する。
なお、この例では、シャフト(20)が近接状態であるときの回転角センサ(60)とシャフト(20)の被測定部(25)との間の距離は、支持部(11)により非接触で支持されたシャフト(20)の位置が基準位置であるときの回転角センサ(60)とシャフト(20)の被測定部(25)との間の距離(G0)(図9参照)以下である。
具体的には、シャフト(20)が近接状態であるときの第1回転角センサ(61)とシャフト(20)の被測定部(25)の第1軸部(第1段差部(201)が設けられた軸部)との間の距離は、支持部(11)により非接触で支持されたシャフト(20)の位置が基準位置であるときの第1回転角センサ(61)とシャフト(20)の被測定部(25)の第1軸部との間の距離(G0)以下となる。
また、シャフト(20)が近接状態であるときの第2回転角センサ(62)とシャフト(20)の被測定部(25)の第2軸部(第2段差部(202)が設けられた軸部)との間の距離は、支持部(11)により非接触で支持されたシャフト(20)の位置が基準位置であるときの第2回転角センサ(62)とシャフト(20)の被測定部(25)の第2軸部との間の距離以下となる。
〔起動処理〕
次に、図13を参照して、実施形態の変形例2の起動処理について説明する。例えば、制御部(80)は、運転を開始するための起動指示を受けると、次の動作を行う。
〈ステップ(S20)〉
まず、制御部(80)は、電磁力によりシャフト(20)が移動してシャフト(20)の被測定部(25)が回転角センサ(60)に近づくように、支持部(11)を制御する。
この例では、制御部(80)は、シャフト(20)を鉛直上方に移動させるための電磁力が発生するように、ラジアル磁気軸受(41)の巻線(415)に電流を供給し、ラジアル磁気軸受(41)の巻線(415)に供給される電流を制御する。これにより、シャフト(20)が鉛直上方に移動して近接状態(図12参照)となる。
〈ステップ(S21)〉
次に、制御部(80)は、起動処理において、シャフト(20)の被測定部(25)が回転角センサ(60)に近づいた状態が維持されるように支持部(11)を制御しながら、シャフト(20)が回転するように駆動部(12)を制御する。また、制御部(80)は、タッチダウン軸受(50)と接触した状態で回転するシャフト(20)の回転速度が一定となるように、駆動部(12)を制御する。
この例では、制御部(80)は、ラジアル磁気軸受(41)の巻線(415)への電流の供給を継続しながら、ベアリングレスモータ(30)の駆動巻線(36)に電流を供給する。これにより、シャフト(20)は、近接状態のまま回転する。そして、制御部(80)は、シャフト(20)の回転速度が一定となるように、ベアリングレスモータ(30)の駆動巻線(36)に供給される電流を制御する。
〈ステップ(S22)〉
次に、ステップ(S12)と同様に、制御部(80)は、回転角センサ(60)から出力された信号に基づいて、シャフト(20)の回転角を検出する。シャフト(20)の回転角の検出が完了すると、制御部(80)は、起動処理を終了する。起動処理が終了すると、制御部(80)は、支持部(11)によるシャフト(20)の非接触での支持が行われるように、支持部(11)を制御する。
〔実施形態の変形例2の効果〕
以上のように、実施形態の変形例2では、制御部(80)は、起動処理において、電磁力によりシャフト(20)が移動してシャフト(20)の被測定部(25)が回転角センサ(60)に近づくように支持部(11)を制御する。
上記の構成により、起動処理において、回転角センサ(60)とシャフト(20)の被測定部(25)との間の距離を、起動処理の開始時における回転角センサ(60)とシャフト(20)の被測定部(25)との間の距離よりも短くすることができる。これにより、起動処理において、回転角センサ(60)の距離変化に応じた信号変化を大きくすることができ、回転角センサ(60)の出力信号に基づいてシャフト(20)の回転角を検出する処理の精度を向上させることができる。
また、実施形態の変形例2では、制御部(80)は、起動処理において、シャフト(20)の被測定部(25)が回転角センサ(60)に近づいた状態が維持されるように支持部(11)を制御しながら、シャフト(20)が回転するように駆動部(12)を制御する。
上記の構成により、起動処理において、回転角センサ(60)とシャフト(20)の被測定部(25)との間の距離が「起動処理の開始時における回転角センサ(60)とシャフト(20)の被測定部(25)との間の距離」よりも短くなる状態を維持することができる。これにより、起動処理において、回転角センサ(60)の距離変化に応じた信号変化が大きくなる状態を維持することができるので、回転角センサ(60)の出力信号に基づいてシャフト(20)の回転角を検出する処理の精度を継続的に向上させることができる。
なお、実施形態の変形例2において、回転角センサ(60)のダイナミックレンジは、位置センサ(70)のダイナミックレンジと同一であってもよい。具体的には、第1回転角センサ(61)および第2回転角センサ(62)の各々であるギャップセンサのダイナミックレンジは、ラジアル位置センサ(71)であるギャップセンサのダイナミックレンジと同一であってもよい。
(実施形態の変形例3)
図14は、実施形態の変形例3のターボ圧縮機(1)の構成を例示する。実施形態の変形例3のターボ圧縮機(1)は、「ターボ圧縮機(1)の向き」と「シャフト(20)の被測定部(25)」と「第2回転角センサ(62)の配置」と「起動処理」とが実施形態のターボ圧縮機(1)と異なる。実施形態の変形例3のターボ圧縮機(1)のその他の構成および処理は、実施形態のターボ圧縮機(1)の構成および処理と同様である。
〔ターボ圧縮機の向き〕
実施形態の変形例3では、ケーシング(2)は、ケーシング(2)の軸線(円筒軸線)が鉛直向きとなるように配置される。この例では、ケーシング(2)は、シャフト(20)の一端部(インペラ(3)が固定された端部)が上側となるように配置される。
〔シャフトの被測定部〕
実施形態の変形例3では、シャフト(20)の被測定部(25)は、第1被測定部(26)と第2被測定部(27)とを含む。第1被測定部(26)は、シャフト(20)の一端部と凹部(22)との間に設けられる。第2被測定部(27)は、シャフト(20)の一端部と第1被測定部(26)との間に設けられる。この例では、第1被測定部(26)は、ラジアル磁気軸受(41)とシャフト(20)の凹部(22)との間に設けられる。第2被測定部(27)は、ベアリングレスモータ(30)とラジアル磁気軸受(41)との間に設けられる。
第1被測定部(26)は、シャフト(20)の回転角の変化に応じて第1回転角センサ(61)との距離が変化するように構成される。具体的には、第1被測定部(26)は、軸状に形成される。第1被測定部(26)には、複数の第1段差部(201)が設けられる。シャフト(20)の第1被測定部(26)のうち第1段差部(201)が設けられた軸部は、第1回転角センサ(61)の測定対象となる。
第2被測定部(27)は、シャフト(20)の回転角の変化に応じて第2回転角センサ(62)との距離が変化するように構成される。具体的には、第2被測定部(27)は、円盤状に形成される。第2被測定部(27)の軸方向の一端面(上側の側面)には、第2段差部(202)が設けられる。第2被測定部(27)は、第2回転角センサ(62)の測定対象となる。
〔第2回転角センサ〕
実施形態の変形例3では、第2回転角センサ(62)は、第2被測定部(27)の軸方向の一端面(上側の側面)と対向するように配置され、第2被測定部(27)の軸方向の一端面との距離に応じた信号を出力する。シャフト(20)の位置が基準位置である場合、第2被測定部(27)の軸方向の一端面のうち第2段差部(202)と第2回転角センサ(62)との間の距離は、第2被測定部(27)の軸方向の一端面のうち第2段差部(202)を除く残りの部分と第2回転角センサ(62)との間の距離(D20)よりも長い。したがって、第2回転角センサ(62)から出力される信号のレベル(振幅値)は、第2回転角センサ(62)と第2段差部(202)とが対向すると高くなる。
〔タッチダウン状態〕
図15に示すように、実施形態の変形例3において、シャフト(20)のタッチダウン状態は、シャフト(20)の凹部(22)の一側面(上側の側面)がラジアルスラストタッチダウン軸受(52)と接触している状態である。
〔近接状態〕
図16に示すように、実施形態の変形例3において、シャフト(20)の近接状態は、支持部(11)の電磁力によりシャフト(20)が鉛直上方に移動してシャフト(20)の第2被測定部(27)が起動処理の開始時のタッチダウン状態よりも第2回転角センサ(62)に近づいた状態である。
なお、実施形態の変形例3では、スラスト磁気軸受(42)は、電磁力によりシャフト(20)を非接触で支持する支持部(11)として機能する。スラスト磁気軸受(42)は、支持部(11)の一例である。
〔起動処理〕
実施形態の変形例3の起動処理は、実施形態の変形例2の起動処理(図13参照)と同様である。制御部(80)は、起動処理において、電磁力によりシャフト(20)が移動してシャフト(20)の被測定部(25)が回転角センサ(60)に近づくように支持部(11)を制御する。また、制御部(80)は、起動処理において、シャフト(20)の被測定部(25)が回転角センサ(60)に近づいた状態が維持されるように支持部(11)を制御しながら、シャフト(20)が回転するように駆動部(12)を制御する。
具体的には、まず、ステップ(S20)において、制御部(80)は、シャフト(20)を鉛直上方に移動させるための電磁力が発生するように、スラスト磁気軸受(42)の巻線に電流を供給し、スラスト磁気軸受(42)の巻線に供給される電流を制御する。これにより、シャフト(20)が鉛直上方に移動して近接状態(図16参照)となる。
次に、ステップ(S21)において、制御部(80)は、スラスト磁気軸受(42)の巻線への電流の供給を継続しながら、ベアリングレスモータ(30)の駆動巻線(36)に電流を供給する。これにより、シャフト(20)は、近接状態のまま回転する。そして、制御部(80)は、シャフト(20)の回転速度が一定となるように、ベアリングレスモータ(30)の駆動巻線(36)に供給される電流を制御する。
次に、ステップ(S22)において、制御部(80)は、回転角センサ(60)から出力された信号に基づいて、シャフト(20)の回転角を検出する。シャフト(20)の回転角の検出が完了すると、制御部(80)は、起動処理を終了する。起動処理が終了すると、制御部(80)は、支持部(11)によるシャフト(20)の非接触での支持が行われるように、支持部(11)を制御する。
〔実施形態の変形例3の効果〕
実施形態の変形例3では、実施形態の変形例2と同様の効果を得ることができる。
なお、実施形態の変形例3において、回転角センサ(60)のダイナミックレンジは、位置センサ(70)のダイナミックレンジと同一であってもよい。具体的には、第1回転角センサ(61)であるギャップセンサのダイナミックレンジは、ラジアル位置センサ(71)であるギャップセンサのダイナミックレンジと同一であってもよい。第2回転角センサ(62)であるギャップセンサのダイナミックレンジは、スラスト位置センサ(72)であるギャップセンサのダイナミックレンジと同一であってもよい。
また、実施形態の変形例3のステップ(S20)において、制御部(80)は、シャフト(20)を鉛直上方に移動させるための電磁力が発生するようにスラスト磁気軸受(42)を制御しながら、シャフト(20)を第1回転角センサ(61)に近づく方向(図16の例では左方)に移動させるための電磁力が発生するようにラジアル磁気軸受(41)を制御してもよい。これにより、起動処理において、シャフト(20)の第1被測定部(26)を第1回転角センサ(61)に近づけることができ、且つ、シャフト(20)の第2被測定部(27)を第2回転角センサ(62)に近づけることができる。
また、実施形態の変形例3において、ケーシング(2)は、ケーシング(2)の軸線(円筒軸線)が水平向きとなるように配置されてもよい。この場合、制御部(80)は、起動処理において、シャフト(20)の第1被測定部(26)の第1軸部(第1段差部(201)が設けられた軸部)が第1回転角センサ(61)に近づき、且つ、シャフト(20)の第2被測定部(27)が第2回転角センサ(62)に近づくように、支持部(11)を制御してもよい。具体的には、制御部(80)は、起動処理において、シャフト(20)の第1被測定部(26)の第1軸部が第1回転角センサ(61)に近づくようにラジアル磁気軸受(41)を制御し、シャフト(20)の第2被測定部(27)が第2回転角センサ(62)に近づくようにスラスト磁気軸受(42)を制御してもよい。
(実施形態の変形例4)
実施形態の変形例4のターボ圧縮機(1)は、「シャフト(20)の被測定部(25)」と「回転角センサ(60)」と「シャフト(20)の回転角を検出するための処理」とが実施形態のターボ圧縮機(1)と異なる。実施形態の変形例4のターボ圧縮機(1)のその他の構成および処理は、実施形態のターボ圧縮機(1)の構成および処理と同様である。
〔シャフトの被測定部〕
実施形態の変形例4では、シャフト(20)の被測定部(25)に設けられた複数の第1段差部(201)の1つは、第2段差部(202)を兼ねている。図17に示すように、この例では、第1段差部(201)は、凹部である。第2段差部(202)として兼用される第1段差部(201)は、第2段差部(202)として兼用されない他の第1段差部(201)よりも深い凹部である。なお、実施形態の変形例4では、シャフト(20)の被測定部(25)の第2軸部(第2段差部(202)のみが設けられる軸部)は、省略されている。
〔回転角センサ〕
実施形態の変形例4では、回転角センサ(60)は、1つの回転角センサにより構成される。この例では、回転角センサ(60)は、測定対象との間の距離に応じた信号を出力するギャップセンサである。
回転角センサ(60)は、シャフト(20)の被測定部(25)の第1軸部(第1段差部(201)が設けられた軸部)との距離に応じた信号を出力する。
図17に示すように、シャフト(20)の位置が基準位置である場合、第1軸部のうち「第2段差部(202)として兼用されない第1段差部(201)」と回転角センサ(60)との間の距離(D11)は、第1軸部のうち第1段差部(201)を除く残りの部分と回転角センサ(60)との間の距離(D10)よりも長い。また、第1軸部のうち「第2段差部(202)として兼用される第1段差部(201)」と回転角センサ(60)との間の距離は、第1軸部のうち「第2段差部(202)として兼用されない第1段差部(201)」と回転角センサ(60)との間の距離(D11)よりも長い。
したがって、回転角センサ(60)から出力される信号のレベル(振幅値)は、回転角センサ(60)と第1段差部(201)とが対向すると高くなる。また、第2段差部(202)として兼用される第1段差部(201)と回転角センサ(60)とが対向するときに回転角センサ(60)から出力される信号のレベルは、第2段差部(202)として兼用されない第1段差部(201)と回転角センサ(60)とが対向するときに回転角センサ(60)から出力される信号のレベルよりも高い。
〔回転角検出〕
実施形態の変形例4では、制御部(80)は、以下のように、回転角センサ(60)から出力された信号のレベル(振幅値)と予め定められた2種類の閾値(第1閾値(Th1)と第2閾値(Th2))との比較の結果に基づいて、シャフト(20)の回転角を検出する。第2閾値(Th2)は、第1閾値(Th1)よりも高い。以下では、回転角センサ(60)から出力された信号を「センサ信号(SS)」と記載する。
具体的には、図18に示すように、制御部(80)は、センサ信号(SS)のレベルと第1閾値(Th1)とを比較し、その比較の結果に応じて第1結果信号(PP1)を生成する。制御部(80)は、センサ信号(SS)のレベルが第1閾値(Th1)を上回ると、第1結果信号(PP1)のレベルをローレベルからハイレベルへ遷移させ、センサ信号(SS)のレベルが第1閾値(Th1)を下回ると、第1結果信号(PP1)のレベルをハイレベルからローレベルへ遷移させる。
なお、第1閾値(Th1)は、例えば、シャフト(20)の被測定部(25)の第1軸部のうち「第2段差部(202)として兼用されない第1段差部(201)」と回転角センサ(60)とが対向しているときのセンサ信号(SS)のレベルよりも低く、且つ、シャフト(20)の被測定部(25)の第1軸部のうち第1段差部(201)を除く残りの部分と回転角センサ(60)とが対向しているときのセンサ信号(SS)のレベルよりも高いレベルに設定される。
また、制御部(80)は、センサ信号(SS)のレベルと第2閾値(Th2)とを比較し、その比較の結果に応じて第2結果信号(PP2)を生成する。制御部(80)は、センサ信号(SS)のレベルが第2閾値(Th2)を上回ると、第2結果信号(PP2)のレベルをローレベルからハイレベルへ遷移させ、センサ信号(SS)のレベルが第2閾値(Th2)を下回ると、第2結果信号(PP2)のレベルをハイレベルからローレベルへ遷移させる。
なお、第2閾値(Th2)は、例えば、シャフト(20)の被測定部(25)の第1軸部のうち「第2段差部(202)として兼用される第1段差部(201)」と回転角センサ(60)とが対向しているときのセンサ信号(SS)のレベルよりも低く、且つ、第1閾値(Th1)よりも高いレベルに設定される。
そして、図18に示すように、第2結果信号(PP2)のレベルがローレベルからハイレベルに遷移すると、制御部(80)は、シャフト(20)の回転角を「0°」にする。また、制御部(80)は、第1結果信号(PP1)のレベルがローレベルからハイレベルに遷移する毎に、シャフト(20)の回転角を所定量(この例では45°)だけ増加させる。このようにして、シャフト(20)の回転角が検出される。
〔実施形態の変形例4の効果〕
以上のように、実施形態の変形例4では、シャフト(20)の被測定部(25)に設けられた複数の第1段差部(201)の1つは、第2段差部(202)を兼ねている。
上記の構成により、シャフト(20)の被測定部(25)に第1段差部(201)と第2段差部(202)とを別々に設ける場合よりも、回転角センサ(60)の数を削減することができる。これにより、センサに要するコストを削減することができる。
(冷凍装置)
図19は、冷凍装置(RR)の構成を例示する。冷凍装置(RR)は、冷媒が充填された冷媒回路(RR1)を有する。冷媒回路(RR1)は、ターボ圧縮機(1)と、放熱器(RR5)と、減圧機構(RR6)と、蒸発器(RR7)とを有する。この例では、減圧機構(RR6)は、膨張弁である。冷媒回路(RR1)は、蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行う。
冷凍サイクルでは、ターボ圧縮機(1)から吐出された冷媒は、放熱器(RR5)において放熱する。放熱器(RR5)から流出した冷媒は、減圧機構(RR6)において減圧され、蒸発器(RR7)において蒸発する。そして、蒸発器(RR7)から流出した冷媒は、ターボ圧縮機(1)に吸入される。
この例では、冷凍装置(RR)は、空気調和機である。空気調和機は、冷房専用機であってもよいし、暖房専用機であってもよい。また、空気調和機は、冷房と暖房とを切り換える空気調和機であってもよい。この場合、空気調和機は、冷媒の循環方向を切り換える切換機構(例えば四方切換弁)を有する。また、冷凍装置(RR)は、給湯器、チラーユニット、庫内の空気を冷却する冷却装置などであってもよい。冷却装置は、冷蔵庫、冷凍庫、コンテナなどの内部の空気を冷却する。
(その他の実施形態)
以上の説明では、駆動システム(10)がベアリングレスモータ(30)と磁気軸受(40)(具体的にはラジアル磁気軸受(41)とスラスト磁気軸受(42))とを備える場合を例に挙げたが、これに限定されない。
例えば、駆動システム(10)は、ラジアル磁気軸受(41)の代わりに、もう1つのベアリングレスモータ(30)を備えてもよい。このベアリングレスモータ(30)の支持巻線(35)は、支持部(11)として機能する。このベアリングレスモータ(30)の駆動巻線(36)は、駆動部(12)として機能する。
または、駆動システム(10)は、ベアリングレスモータ(30)の代わりに、もう1つのラジアル磁気軸受(41)と、シャフト(20)の回転駆動のみを行うモータとを備えてもよい。このラジアル磁気軸受(41)は、支持部(11)として機能する。このモータは、駆動部(12)として機能する。
また、以上の説明では、第1段差部(201)が凹部である場合を例に挙げたが、これに限定されない。例えば、第1段差部(201)は、凸部であってもよい。第2段差部(202)についても同様である。
また、以上の説明では、ギャップセンサが渦電流式のギャップセンサである場合を例に挙げたが、これに限定されない。例えば、ギャップセンサは、超音波式、光学式などの他の方式のギャップセンサであってもよい。また、シャフト(20)の被測定部(25)に磁性体が含まれている場合、ギャップセンサとしてホール素子が使用されてもよい。
また、実施形態の説明では、シャフト(20)の軸方向において「複数の第1段差部(201)が設けられた第1軸部」と「第2段差部(202)が設けられた第2軸部」とが隣り合う場合を例に挙げたが、これに限定されない。例えば、第2軸部は、第1軸部から離れた位置に配置されてもよい。
また、実施形態の変形例2の説明では、電磁力によりシャフト(20)が移動してシャフト(20)の被測定部(25)が回転角センサ(60)に近づくように支持部(11)を制御した後に、シャフト(20)が回転するように駆動部(12)を制御する場合を例に挙げたが、これに限定されない。例えば、制御部(80)は、シャフト(20)が回転するように駆動部(12)を制御しながら、電磁力によりシャフト(20)が移動してシャフト(20)の被測定部(25)が回転角センサ(60)に近づくように支持部(11)を制御してもよい。実施形態の変形例3についても同様である。
また、実施形態の変形例4の説明では、「第2段差部(202)として兼用される第1段差部(201)」が「第2段差部(202)として兼用されない他の第1段差部(201)」よりも深い凹部である場合を例に挙げたが、これに限定されない。第2段差部(202)として兼用される第1段差部(201)は、第2段差部(202)として兼用されない他の第1段差部(201)よりも浅い凹部であってもよい。
また、以上の説明では、シャフト(20)の被測定部(25)に第1段差部(201)と第2段差部(202)とが設けられる場合を例に挙げたが、これに限定されない。例えば、図20に示すように、被測定部(25)は、曲面部(28)と、平面部(29)とを有してもよい。曲面部(28)は、平面視(シャフト(20)の軸方向から見た場合)において、シャフト(20)の周方向に一周するインボリュート曲線となるように湾曲する。平面部(29)は、曲面部(28)の一端からシャフト(20)の径方向に延びて平面部(29)の他端に至る。このような構成により、シャフト(20)の回転角の変化に応じて被測定部(25)の曲面部(28)と回転角センサ(60)との距離を連続的に変化させることができる。これにより、シャフト(20)の回転角の変化を検出することができる。また、被測定部(25)の平面部(29)において被測定部(25)と回転角センサ(60)との距離を急峻に変化させることができる。これにより、シャフト(20)の回転基準を検出することができる。
また、実施形態および変形例を説明したが、特許請求の範囲の趣旨および範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。また、以上の実施形態、変形例、その他の実施形態に係る要素を適宜組み合わせたり、置換したりしてもよい。
以上説明したように、本開示は、駆動システム、ターボ圧縮機、冷凍装置として有用である。
1 ターボ圧縮機
2 ケーシング
3 インペラ
10 駆動システム
11 支持部
12 駆動部
20 シャフト
25 被測定部
201 第1段差部
202 第2段差部
30 ベアリングレスモータ
31 ロータ
32 ステータ
35 支持巻線
36 駆動巻線
40 磁気軸受
41 ラジアル磁気軸受
42 スラスト磁気軸受
50 タッチダウン軸受
60 回転角センサ
61 第1回転角センサ
62 第2回転角センサ
70 位置センサ
71 ラジアル位置センサ
72 スラスト位置センサ
80 制御部

Claims (10)

  1. 被測定部(25)を有するシャフト(20)と、
    電磁力により前記シャフト(20)を非接触で支持する支持部(11)と、
    電磁力により前記シャフト(20)を回転駆動させる駆動部(12)と、
    前記支持部(11)による前記シャフト(20)の非接触での支持が行われない場合に、前記シャフト(20)と接触して前記シャフト(20)を回転可能に支持するタッチダウン軸受(50)と、
    前記被測定部(25)の回転角に応じた信号を出力する回転角センサ(60)と、
    前記支持部(11)による前記シャフト(20)の非接触での支持が行われる前に起動処理を行う制御部(80)とを備え、
    前記制御部(80)は、前記起動処理において、前記シャフト(20)が前記タッチダウン軸受(50)と接触した状態で回転するように前記駆動部(12)を制御し、前記回転角センサ(60)から出力された信号に基づいて前記シャフト(20)の回転角を検出する
    駆動システム。
  2. 請求項1の駆動システムにおいて、
    前記回転角センサ(60)は、前記被測定部(25)との距離に応じた信号を出力するギャップセンサであり、
    前記被測定部(25)は、前記シャフト(20)の回転角の変化に応じて前記回転角センサ(60)との距離が変化するように構成される
    駆動システム。
  3. 請求項2の駆動システムにおいて、
    前記制御部(80)は、前記起動処理において、前記電磁力により前記シャフト(20)が移動して前記被測定部(25)が前記回転角センサ(60)に近づくように前記支持部(11)を制御する
    駆動システム。
  4. 請求項3の駆動システムにおいて、
    前記制御部(80)は、前記起動処理において、前記被測定部(25)が前記回転角センサ(60)に近づいた状態が維持されるように前記支持部(11)を制御しながら、前記シャフト(20)が回転するように前記駆動部(12)を制御する
    駆動システム。
  5. 請求項2の駆動システムにおいて、
    前記回転角センサ(60)は、前記支持部(11)による前記シャフト(20)の非接触での支持が行われないときの前記回転角センサ(60)と前記被測定部(25)との間の距離(G1)が、前記支持部(11)により非接触で支持された前記シャフト(20)の位置が基準位置であるときの前記回転角センサ(60)と前記被測定部(25)との間の距離(G0)以下となるように、配置される
    駆動システム。
  6. 請求項2~5のいずれか1つの駆動システムにおいて、
    前記シャフト(20)との距離に応じた信号を出力するギャップセンサである位置センサ(70)を備え、
    前記回転角センサ(60)のダイナミックレンジは、前記位置センサ(70)のダイナミックレンジと同一である
    駆動システム。
  7. 請求項2~6のいずれか1つの駆動システムにおいて、
    前記被測定部(25)には、前記シャフト(20)の周方向に所定間隔で配列された複数の第1段差部(201)が設けられ、
    前記複数の第1段差部(201)の1つは、前記シャフト(20)の回転基準を検出するための第2段差部(202)を兼ねている
    駆動システム。
  8. 請求項1~7のいずれか1つの駆動システムにおいて、
    支持巻線(35)と駆動巻線(36)とを有するベアリングレスモータ(30)を備え、
    前記支持巻線(35)は、通電により前記シャフト(20)を非接触で支持するための電磁力を発生させる巻線であり、前記支持部(11)として機能し、
    前記駆動巻線(36)は、通電により前記シャフト(20)を回転駆動させるための電磁力を発生させる巻線であり、前記駆動部(12)として機能する
    駆動システム。
  9. 請求項1~8のいずれか1つの駆動システムを備えるターボ圧縮機。
  10. 請求項9のターボ圧縮機を備える冷凍装置。
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