JP2020162345A - 電動機システム - Google Patents

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JP2020162345A JP2019060784A JP2019060784A JP2020162345A JP 2020162345 A JP2020162345 A JP 2020162345A JP 2019060784 A JP2019060784 A JP 2019060784A JP 2019060784 A JP2019060784 A JP 2019060784A JP 2020162345 A JP2020162345 A JP 2020162345A
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貴晃 小野
Takaaki Ono
貴晃 小野
裕介 入野
Yusuke Irino
裕介 入野
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Abstract

【課題】電動機システムにおいて、低コストにスキュー構造を実現する。【解決手段】第1電動機(60)の固定子である第1固定子(64)の磁極が、周方向において最も近い、第2電動機(70)の固定子である第2固定子(74)の磁極に対して周方向位置の位相をずらして、第1固定子(64)および第2固定子(74)によってスキューを形成する第1構成、及び、第1電動機(60)の回転子(61)の磁極が、周方向において最も近くて同極性となる、第2電動機(70)の回転子(71)の磁極に対して周方向位置の位相をずらして、第1電動機(60)の回転子(61)および第2電動機(70)の回転子(71)によってスキューを形成する第2構成の少なくとも一方の構成を採用する。【選択図】図5

Description

本開示は、電動機システムに関するものである。
電動機では、コギングトルクを低減するために、積層コアにスキュー構造を採用したものがある(例えば特許文献1を参照)。
特許第3619885号公報
電動機のスキューは、構造が複雑で組み立てにくい。従来のスキュー構造は、電動機のコストアップに繋がる。
本開示の目的は、電動機システムにおいて、低コストにスキュー構造を実現することにある。
本開示の第1の態様は、
駆動軸(30)と、それぞれが前記駆動軸(30)を回転駆動する第1電動機(60)および第2電動機(70)と、を備え、各電動機(60,70)の固定子(64,74)には、磁極を形成するコイル(66a〜66c,67a〜67c,76a〜76c,77a〜77c)が設けられ、前記第1電動機(60)の固定子である第1固定子(64)の磁極が、周方向において最も近い、前記第2電動機(70)の固定子である第2固定子(74)の磁極に対して周方向位置の位相をずらして、前記第1固定子(64)および前記第2固定子(74)によってスキューを形成する第1構成および、前記第1電動機(60)の回転子(61)の磁極が、周方向において最も近くて同極性となる、前記第2電動機(70)の回転子(71)の磁極に対して周方向位置の位相をずらして、第1電動機(60)の回転子(61)および前記第2電動機(70)の回転子(71)によってスキューを形成する第2構成の少なくとも一方の構成が採用されていることを特徴とする電動機システムである。
第1の態様では、第1構成および第2構成の少なくとも一方の構成によってスキューが構成される。何れの構成も従来のスキュー構造と比べ製造が容易である。換言すると、電動機システムにおいて、低コストにスキュー構造を実現できる。
本開示の第2の態様は、第1の態様において、前記第1構成および前記第2構成の少なくとも一方に基づく前記磁極の位相のずれに応じて、前記コイル(66a〜66c,67a〜67c,76a〜76c,77a〜77c)の電流の位相または電圧の位相を制御する制御部(90)を備えていることを特徴とする電動機システムである。
第2の態様では、スキューに応じてコイルに流す電流または電圧の位相が制御される。
本開示の第3の態様は、第1または第2の態様において、前記第1固定子(64)および前記第2固定子(74)は、前記磁極を形成するコイルとして、回転磁界を発生させるための駆動用コイル(66a〜66c)と、前記駆動軸(30)を支持する電磁力を発生する支持用コイル(77a〜77c)とを備えていることを特徴とする電動機システムである。
第3の態様では、いわゆるベアリングレスモータにおいて、低コストにスキュー構造を実現できる。
本開示の第4の態様は、第3の態様において、前記第1構成が採用されており、
前記第1固定子(64)のそれぞれの駆動用コイル(66a〜66c)が、周方向に最も近い前記第2固定子(74)の駆動用コイル(76a〜76c)に対して、周方向位置の位相をずらして、前記第1固定子(64)の駆動用コイル(66a〜66c)と第2固定子(74)の駆動用コイル(76a〜76c)によってスキューを形成する構成、
および、
前記第1固定子(64)のそれぞれの支持用コイル(67a〜67c)が、周方向において最も近くて同極性となる前記第2固定子(74)の支持用コイル(77a〜77c)に対して、周方向位置の位相をずらして、第1固定子(64)の支持用コイル(67a〜67c)および前記第2固定子(74)の支持用コイル(77a〜77c)によってスキューを形成する構成の少なくとも一方の構成が採用されていることを特徴とする電動機システムである。
第4の態様では、駆動用コイル、または支持用コイルの周方向位置の設定に応じて、スキュー構造が実現される。
本開示の第5の態様は、第2の態様において、前記第1電動機(60)および前記第2電動機(70)の一方に対し、その固定子の磁極とその回転子の磁極との相対位置を示す値を出力する位置特定部(80)を備え、
前記制御部(90)は、
前記第1電動機(60)および前記第2電動機(70)の一方に対し、前記相対位置を示す値を用いて前記コイルの電流または電圧の位相を制御し、他方に対し、前記第1構成および前記第2構成の少なくとも一方に起因する周方向位置の位相のずれに応じて、前記相対位置を示す値を補正して前記コイルの電流または電圧の位相を制御することを特徴とする電動機システムである。
第5の態様では、ひとつの位置特定部(80)を、複数の電動機(60,70)で共用できる。
本開示の第6の態様は、第4の態様において、前記第1固定子(64)の支持用コイル(67a〜67c)および前記第2固定子(74)の支持用コイル(77a〜77c)によってスキューを形成する構成が採用され、前記第1電動機(60)および前記第2電動機(70)のそれぞれにおける支持用コイル(67a〜67c,77a〜77c)の電磁力を制御する支持用コイル制御部(90b)を備え、前記支持用コイル制御部(90b)は、前記第1構成および前記第2構成の少なくとも一方に起因する周方向位置の位相のずれに応じて、前記第1固定子(64)における支持用コイル(67a〜67c)の電磁力の方向、および前記第2固定子(74)における支持用コイル(77a〜77c)の電磁力の方向の少なくとも一方を修正することを特徴とする電動機システムである。
第6の態様では、スキューに起因する、支持用コイル(77a〜77c)の電磁力のずれが修正される。
図1は、ターボ圧縮機の構成例を示す断面図である。 図2は、第1ベアリングレスモータの断面図である。 図3は、第2ベアリングレスモータの断面図である。 図4は、第1固定子の構成を示す。 図5は、第2固定子の構成を示す。 図6は、実施形態1の変形例1にかかる第2固定子の構成を示す。 図7は、スキューの形成による効果を示す。 図8は、スキューの形成による効果を示す。 図9は、実施形態1の変形例2にかかる第2固定子の構成を示す。 図10は、実施形態2にかかる第1回転子と、第2回転子の断面図である。 図11は、実施形態2の変形例1にかかる第1回転子と第2回転子の断面図を示す。 図12は、実施形態2の変形例2にかかる第1回転子と第2回転子の断面図である。 図13は、並進制御における指令値の補正の概念を説明する図である。 図14は、回転制御における指令値の補正の概念を説明する図である。 図15は、ティースの周方向位置の位相を第1固定子と第2固定子とで異ならせてスキューを構成した例である。
《実施形態1》
電動機システムの実施形態について説明する。この電動機システムは、ターボ圧縮機に搭載されている。ターボ圧縮機は、冷媒回路(図示せず)に設けられて冷媒を圧縮する。本実施形態の電動機システムでは、2つのベアリングレスモータによって、スキューを形成している。スキューの形成については後に詳述する。
〈ターボ圧縮機の構成〉
図1は、ターボ圧縮機(1)の構成例を示す断面図である。図1に示すように、ターボ圧縮機(1)は、ケーシング(10)、インペラ(20)、および電動機システム(2)を備えている。電動機システム(2)は、駆動軸(30)、タッチダウン軸受(40,41)、スラスト磁気軸受(50)、制御部(90)、電源部(91)、第1ベアリングレスモータ(60)、第2ベアリングレスモータ(70)、および回転角度センサ(80)を有する。
第1ベアリングレスモータ(60)と第2ベアリングレスモータ(70)とは、駆動軸(30)の軸方向に並んで配置される。第1ベアリングレスモータ(60)は、第1電動機を構成している。第2ベアリングレスモータ(70)は、第2電動機を構成している。第1ベアリングレスモータ(60)と第2ベアリングレスモータ(70)とは、駆動軸(30)を回転駆動する。
なお、本明細書の説明において、「軸方向」とは、駆動軸(30)の軸心の方向のことである。「径方向」とは、軸方向と直交する方向のことである。「外周側」とは、駆動軸(30)の軸心からより遠い側のことである。「内周側」とは、駆動軸(30)の軸心により近い側のことである。「周方向」とは、駆動軸(30)の軸心まわりに回る方向である。
−ケーシング−
ケーシング(10)は、両端が閉塞された円筒状に形成されている。ケーシング(10)は、円筒軸線が水平向きとなるように配置されている。ケーシング(10)内の空間は、壁部(11)によって区画されている。壁部(11)よりも右側の空間は、インペラ(20)を収容するインペラ室(12)である。壁部(11)よりも左側の空間は、第1ベアリングレスモータ(60)および第2ベアリングレスモータ(70)を収容する電動機室(14)である。ケーシング(10)内を軸方向に延びる駆動軸(30)が、インペラ(20)と第1および第2ベアリングレスモータ(60,70)とを連結している。
−インペラ−
インペラ(20)は、複数の羽根によって外形が略円錐形状となるように形成されている。インペラ(20)は、駆動軸(30)の一端に固定されている。インペラ(20)は、インペラ室(12)に収容されている。インペラ室(12)には、吸入管(15)および吐出管(16)が接続されている。インペラ室(12)の外周部には、圧縮空間(13)が形成されている。吸入管(15)は、冷媒を外部からインペラ室(12)内に導くために設けられている。吐出管(16)は、インペラ室(12)内で圧縮された高圧の冷媒を外部へ戻すために設けられている。
−タッチダウン軸受−
ターボ圧縮機(1)には2つのタッチダウン軸受(40,41)が設けられている。一方のタッチダウン軸受(40)は、駆動軸(30)の一端(図1の右側端)の近傍に設けられている。他方のタッチダウン軸受(41)は、駆動軸(30)の他端の近傍に設けられている。これらのタッチダウン軸受(40,41)は、第1および第2ベアリングレスモータ(60,70)が非通電であるとき(換言すると、駆動軸(30)が浮上していないとき)に駆動軸(30)を支持するように構成されている。
−スラスト磁気軸受−
図1に示すように、スラスト磁気軸受(50)は、第1電磁石(51)および第2電磁石(52)を有する。駆動軸(30)の他端部(換言すると、インペラ(20)が固定された一端部とは反対側の端部)には、円板状の部分(以下、円板部(31))がある。スラスト磁気軸受(50)は、円板部(31)を電磁力によって支持するように構成されている。
スラスト磁気軸受(50)では、第1電磁石(51)および第2電磁石(52)に流れる電流が制御される。これにより、電動機システム(2)では、第1電磁石(51)および第2電磁石(52)の対向方向(換言すると、軸方向または図1の左右方向)における駆動軸(30)の被支持部(円板部(31))の位置を制御することができる。
−制御部−
制御部(90)は、例えば、マイクロコンピュータ(図示せず)と、そのマイクロコンピュータを動作させるプログラムを格納したメモリティバイスとを有している。制御部(90)は、電源部(91)を介して、スラスト磁気軸受(50)、第1ベアリングレスモータ(60)、及び第2ベアリングレスモータ(70)を制御する。制御部(90)は、前記マイクロコンピュータが前記プログラムを実行することによって、駆動用コイル制御部(90a)、支持用コイル制御部(90b)、およびスラスト磁気軸受制御(90c)として機能する。
駆動用コイル制御部(90a)は、第1および第2ベアリングレスモータ(60,70)の駆動用コイル(66a〜66c,76a〜76c)を制御する。支持用コイル制御部(90b)は、第1および第2ベアリングレスモータ(60,70)の支持用コイル(67a〜67c,77a〜77c)を制御する。駆動用コイル制御部(90a)、および支持用コイル制御部(90b)による制御については後に詳述する。
スラスト磁気軸受制御(90c)は、スラスト磁気軸受(50)に供給する電圧を制御する。スラスト磁気軸受制御(90c)は、駆動軸(30)の軸方向の位置が所望の位置となるようにスラスト電圧指令値を生成する。より具体的には、制御部(90)は、円板部(31)とスラスト磁気軸受(50)との間のギャップを検出可能なギャップセンサ(図示せず)の検出値に基づいて、スラスト電圧指令値を生成する。スラスト電圧指令値は、電源部(91)に出力される。
−電源部−
電源部(91)は、例えば、PWM(Pulse Width Modulation)アンプによって構成する。電源部(91)は、制御部(90)の指示に基づいて、スラスト磁気軸受(50)、および第1および第2ベアリングレスモータ(60,70)に、前記指示に応じた電圧をそれぞれ供給する。
−第1ベアリングレスモータ−
第1ベアリングレスモータ(60)は、第2ベアリングレスモータ(70)よりも、インペラ(20)に近い位置に配置される。第1ベアリングレスモータ(60)は、電磁力によって駆動軸(30)を回転駆動し、かつ駆動軸(30)のラジアル荷重を非接触で支持するように構成されている。第1ベアリングレスモータ(60)は、回転子(以下、第1回転子(61)という)と固定子(以下、第1固定子(64))を有する。第1回転子(61)は、駆動軸(30)に固定されている。第1固定子(64)は、ケーシング(10)の内周壁に固定されている。
図2に、第1ベアリングレスモータ(60)の断面図(駆動軸(30)に直交する断面)を示す。図2に示すように、第1ベアリングレスモータ(60)は、表面磁石型のベアリングレスモータである。第1固定子(64)は、固定子コア(65)、駆動用コイル(66a〜66c)、および支持用コイル(67a〜67c)を有する。固定子コア(65)は、バックヨーク部(65a)、および複数のティース(図2では、図示は省略)を含んでいる。
固定子コア(65)には、24個のティースが設けられている。駆動用コイル(66a〜66c)および支持用コイル(67a〜67c)は、ティースに巻回されている。図2では、駆動用コイル(66a〜66c)および支持用コイル(67a〜67c)との位置関係を模式的に示している。これらのコイル(66a〜66c,67a〜67c)の正確な位置関係については、スキューの形成の説明とともに後述する。
第1回転子(61)は、回転子コア(62)、複数の永久磁石(63)、および保護部材(68)を有する。永久磁石(63)は、この例では、4つ設けられている。これらの永久磁石(63)は、回転子コア(62)の外周面に設けられている。保護部材(68)は、各永久磁石(63)の外周を囲んでいる。第1固定子(64)のティースと、第1回転子(61)の保護部材(68)との間には、所定のエアギャップが形成されている。
固定子コア(65)は、磁性材料(例えば、積層鋼板)で構成されている。第1固定子(64)のバックヨーク部(65a)は、円筒状に形成されている。駆動用コイル(66a〜66c)および支持用コイル(67a〜67c)は、各ティースに分布巻方式で巻回されている。
駆動用コイル(66a〜66c)は、支持用コイル(67a〜67c)よりも内周側においてティースに巻回されている。駆動用コイル(66a〜66c)は、図2において太実線で囲んで示すU相駆動用コイル(66a)、太破線で囲んで示すV相駆動用コイル(66b)、および、細実線で囲んで示すW相駆動用コイル(66c)とから構成されている。支持用コイル(67a〜67c)は、図2において太実線で囲んで示すU相支持用コイル(67a)、太破線で囲んで示すV相支持用コイル(67b)、および、細実線で囲んで示すW相支持用コイル(67c)とから構成されている。
回転子コア(62)は、円筒状である。回転子コア(62)の中央部には駆動軸(30)を通す貫通孔が形成されている。回転子コア(62)は、磁性材料(例えば、積層鋼板)で構成されている。回転子コア(62)の外周面には、この外周面に沿った形状を有する4つの永久磁石(63)が設けられている。これら4つの永久磁石(63)は、同形状である。
これらの永久磁石(63)は、第1回転子(61)の外周面に、90°の角度ピッチで設けられている。第1回転子(61)では、周方向において、N極とS極とが交互に現れるように、各永久磁石(63)の極性(磁極の向き)が定められている。保護部材(68)は、円筒状に形成されている。保護部材(68)は、4つの永久磁石(63)の外周に設けられている。
−第2ベアリングレスモータ−
第2ベアリングレスモータ(70)は、第1ベアリングレスモータ(60)よりも、インペラ(20)から遠い位置に配置されている。第2ベアリングレスモータ(70)は、電磁力によって駆動軸(30)を回転駆動し、かつ駆動軸(30)のラジアル荷重を非接触で支持するように構成されている。第2ベアリングレスモータ(70)は、回転子(以下、第2回転子(71))と固定子(以下、第2固定子(74))を有する。第2回転子(71)は、駆動軸(30)に固定されている。第2固定子(74)は、ケーシング(10)の内周壁に固定されている。
図3に、第2ベアリングレスモータ(70)の断面図(駆動軸(30)に直交する断面)を示す。図3に示すように、第2ベアリングレスモータ(70)は、表面磁石型のベアリングレスモータである。第2固定子(74)は、固定子コア(75)、駆動用コイル(76a〜76c)、および支持用コイル(77a〜77c)を有する。固定子コア(75)は、バックヨーク部(75a)、および複数のティース(図示は省略)を含んでいる。
この例では、固定子コア(75)には、24個のティースが設けられている。第2固定子(74)は、第1固定子(64)と磁極数が同じである。
駆動用コイル(76a〜76c)および支持用コイル(77a〜77c)は、ティースに巻回されている。図3では、駆動用コイル(76a〜76c)と支持用コイル(77a〜77c)の位置関係を模式的に示している。これらのコイル(76a〜76c,77a〜77c)の位置関係については、スキューの形成の説明とともに後述する。
第2回転子(71)は、回転子コア(72)、複数の永久磁石(73)、および保護部材(78)を有する。永久磁石(73)は、この例では、4つ設けられている。第2回転子(71)は、第1回転子(61)と磁極数が同じである。
これらの永久磁石(73)は、回転子コア(62)の外周面に設けられている。保護部材(68)は、各永久磁石(73)の外周を囲んでいる。第2固定子(74)のティースと、第2回転子(71)の保護部材(78)との間には、所定のエアギャップが形成されている。
第2固定子(74)の固定子コア(75)は、磁性材料(例えば、積層鋼板)で構成される。第2固定子(74)のバックヨーク部(75a)は、円筒状に形成されている。駆動用コイル(76a〜76c)および支持用コイル(77a〜77c)は、各ティースに分布巻方式で巻回されている。
駆動用コイル(76a〜76c)は、支持用コイル(77a〜77c)よりも内周側においてティースに巻回されている。駆動用コイル(76a〜76c)は、図3において太実線で囲んで示すU相駆動用コイル(76a)と、太破線で囲んで示すV相駆動用コイル(76b)と、細実線で囲んで示すW相駆動用コイル(76c)とから構成される。
支持用コイル(77a〜77c)は、図3において太実線で囲んで示すU相支持用コイル(77a)と、太破線で囲んで示すV相支持用コイル(77b)と、細実線で囲んで示すW相支持用コイル(77c)とから構成されている。
回転子コア(72)は、円筒状である。回転子コア(72)の中央部には駆動軸(30)を通す貫通孔が形成されている。回転子コア(72)は、磁性材料(例えば、積層鋼板)で構成されている。回転子コア(72)の外周面には、この外周面に沿った形状を有する4つの永久磁石(73)が設けられている。これら4つの永久磁石(73)は、同形状である。
これらの永久磁石(73)は、第2回転子(71)の外周面に90°の角度ピッチで設けられている。第2回転子(71)では、周方向において、N極とS極とが交互に現れるように、各永久磁石(63)の極性(磁極の向き)が定められている。保護部材(78)は、円筒状に形成されている。保護部材(68)は、4つの永久磁石(63)の外周に設けられている。
−回転角度センサ(位置特定部)−
回転角度センサ(80)は、第1固定子(64)の磁極と第1回転子(61)の磁極との相対位置を示す値(ここでは、回転角度値と呼ぶ)を出力する。回転角度センサ(80)は、回転角度値を制御部(90)に出力する。
回転角度センサ(80)は、第2固定子(74)の磁極と第2回転子(71)の磁極との相対位置を示す値を回転角度値として出力するように構成してもよい。換言すると、回転角度センサ(80)は、第1および第2ベアリングレスモータ(60,70)の何れか一方を基準として回転角度値を出力する。回転角度センサ(80)の設置位置は、任意である。図1に示した位置には限定されない。
〈スキューの形成〉
電動機システム(2)では、第1固定子(64)と、第2固定子(74)とを用いてスキューを形成する構成(以下、第1構成)を採用している。
本実施形態では、第1回転子(61)と第2回転子(71)は、同極性となる磁極の周方向における位置の位相が同じである。それに対して、第1固定子(64)と第2固定子(74)とについて、駆動用コイル(66a〜66c,76a〜76c)によって生ずる同じ向きの磁束を比べると、周方向の位相が互いにずれている。
図4、図5を用いて第1構成の具体例を示す。図4に、第1固定子(64)の構成を示す。図4に示すように、第1固定子(64)は、24個のティース(t)を備えている。図5に、第2固定子(74)の構成を示す。図5に示すように、第2固定子(74)も24個のティース(t)を備えている。
ティース(t)とティース(t)の間の空間は、コイル(66a〜66c,67a〜67c,76a〜76c,77a〜77c)を収容するスロット(s1〜s24)である。スロット(s1〜s24)も24個ある。本実施形態では、第1固定子(64)と第2固定子(74)とは、同じ参照符合のスロット(s1〜s24)同士の周方向位置が同位相となるように、ケーシング(10)に固定されている。軸方向から第1および第2固定子(64,74)を見ると、同じ参照符合のスロット(s1〜s24)が重なって見える。
図4には、U相駆動用コイル(66a)とU相支持用コイル(67a)とを代表で記載してある(他のコイルは図示を省略)。図4に示すように、U相支持用コイル(67a)は、8つのスロット(s1〜s3,s24,s12〜s15)に収容されている。U相駆動用コイル(66a)は、8つのスロット(s4,s5,s10,s11,s16,s17s22,s23)に収容されている。
図5でも、U相駆動用コイル(76a)とU相支持用コイル(77a)とを代表で記載してある(他のコイルは図示を省略)。図5に示すように、第2固定子(74)でも、U相支持用コイル(77a)は、8つのスロット(s1〜s3,s24,s12〜s15)に収容されている。図4、図5には、第1固定子(64)のコイルの位置と第2固定子(74)のコイルの位置とを比較できるように、センターライン(CL)を記載してある。第2固定子(74)では、U相支持用コイル(77a)の周方向における位置は、第1固定子(64)のU相支持用コイル(67a)と周方向の位置が同じである。
V相、W相についても、第1固定子(64)と第2固定子(74)とは、支持用コイル(67a〜67c,77a〜77c)の周方向の位置が同じである。換言すると、第1固定子(64)と第2固定子(74)について、支持用コイル(67a〜67c,77a〜77c)への通電に応じて生成される同方向の磁束を比べると、周方向の位相が同じである。
第2固定子(74)のU相駆動用コイル(76a)は、8つのスロット(S5,s6,s11,s12,s17,s18,s23.s24)に収容されている。第2固定子(74)のU相駆動用コイル(76a)は、第1固定子(64)のU相駆動用コイル(66a)とは、周方向位置の位相が互いにずれている。V相、W相についても、第1固定子(64)と第2固定子(74)とは、駆動用コイル(66a〜66c,76a〜76c)の周方向位置の位相が互いにずれている。換言すると、第1固定子(64)と第2固定子(74)とは、駆動用コイル(66a〜66c,76a〜76c)への通電に応じて生成される磁束の周方向における位相が異なっている。
〈本実施形態の効果〉
以上の通り、本実施形態では、駆動用コイル(66a〜66c,76a〜76c)の周方向の配置によってスキューを形成している。換言すると、固定子(64,74)の磁極の周方向位置によってスキューを形成している。固定子(64,74)の磁極の周方向位置の位相は、駆動用コイル(66a〜66c,76a〜76c)への通電に応じて生成される磁束の周方向における位相が対応する。以上の構成により、電動機システムにおいて、低コストにスキュー構造を実現できる。
《実施形態1の変形例1》
実施形態1の変形例1として、第2固定子(74)の他の例を説明する。図6に、実施形態1の変形例1にかかる第2固定子(74)の構成を示す。本変形例では、第1固定子(64)の構成は、実施形態1の第1固定子(64)の構成と同じである(図4参照)。
図6には、第2固定子(74)におけるU相駆動用コイル(66a)とU相支持用コイル(67a)とを代表で記載してある(他のコイルは図示を省略)。第2固定子(74)の駆動用コイル(76a〜76c)は、第1固定子(64)の駆動用コイル(66a〜66c)と同じ参照符合のスロット(s1〜s24)に収容されている。図6には、第2固定子(74)のコイルの位置を第1固定子(64)のコイルの位置(図4参照)と比較できるように、センターライン(CL)を記載してある。
例えば、第1固定子(64)のU相駆動用コイル(66a)と第2固定子(74)のU相駆動用コイル(76a)は、互いに同位相の周方向位置にある8つのスロット(s4,s5,s10,s11,s16,s17s22,s23)に収容されている(図6参照)。この構成では、第1固定子(64)と第2固定子(74)について、駆動用コイル(66a〜66c,76a〜76c)によって生ずる同じ向きの磁束を比べると、周方向の位相が同じになる。
第2固定子(74)の支持用コイル(77a〜77c)は、第1固定子(64)の支持用コイル(67a〜67c)に対して、周方向位置の位相がずれている。例えば、第2固定子(74)におけるU相支持用コイル(77a)は、8つのスロット(s1〜s4,s13〜s16)に収容されている。第2固定子(74)における支持用コイル(77a〜77c)は、第1固定子(64)に対して、スロットひとつ分だけ周方向位置の位相がずれている。換言すると、第1固定子(64)と第2固定子(74)とは、支持用コイル(67a〜67c,77a〜77c)への通電に応じて生成される磁束の周方向における位相が異なっている。
〈本変形例における効果〉
以上の構成では、固定子(64,74)の支持用コイル(67a〜67c,77a〜77c)によってスキューが形成されている。換言すると、固定子(64,74)の磁極の周方向位置によってスキューを形成している。固定子(64,74)の磁極の周方向位置の位相は、支持用コイル(67a〜67c,77a〜77c)への通電に応じて生成される磁束の周方向における位相が対応する。図7、および図8にスキューの形成による効果を示す。図7は、所定方向における支持力(絶対値の変動)のリプルをスキューの有無で評価した図である。図7は、第2ベアリングレスモータ(70)の評価結果である。図7の縦軸は支持力である。縦軸の支持力は、第2ベアリングレスモータ(70)の支持力の合力である。横軸は、駆動軸(30)の回転角度である。
図8は、角度誤差(駆動軸(30)の向きの変動)をスキューの有無で評価した図である。図8の縦軸は角度誤差である。ここで、「角度誤差」とは、以下の(2)で規定される向きの、(1)で規定される向きに対する角度である。(2)の支持力には、駆動軸(30)に対して、本来与えようとしている成分に加えて、本来与える必要のない変動の成分が加わっている。
(1)駆動軸(30)に対して、本来与えようとしている支持力の向き
(2)駆動軸(30)に対して、実際に発生する支持力の向き
図7、および図8から分かるように、電動機システム(2)では、支持力の変動、および角度誤差を低減できている。
《実施形態1の変形例2》
実施形態1の変形例2として、第2固定子(74)の他の例を説明する。図9に、実施形態1の変形例2にかかる第2固定子(74)の構成を示す。本変形例では、第1固定子(64)の構成は、実施形態1の第1固定子(64)の構成と同じである(図4参照)。
図9には、U相駆動用コイル(66a)とU相支持用コイル(67a)とを代表で記載してある(他のコイルは図示を省略)。図9には、第2固定子(74)のコイルの位置を第1固定子(64)のコイルの位置(図4参照)と比較できるように、センターライン(CL)を記載してある。本変形例では、第2固定子(74)の支持用コイル(77a〜77c)は、第1固定子(64)の支持用コイル(67a〜67c)に対して、周方向位置の位相がずれている。第2固定子(74)の駆動用コイル(76a〜76c)も第1固定子(64)の駆動用コイル(66a〜66c)に対して、周方向位置の位相がずれている。換言すると、第1固定子(64)と第2固定子(74)とは、支持用コイル(67a〜67c,77a〜77c)への通電に応じて生成される磁束の周方向における位相が異なり、かつ駆動用コイル(66a〜66c,76a〜76c)への通電に応じて生成される磁束の周方向における位相が異なっている。
換言すると、本変形例は、実施形態1と、実施形態1の変形例2とを組み合わせたものに相当する。この構成では、支持用コイル(67a〜67c,77a〜77c)によるスキューに基づく効果と、駆動用コイル(66a〜66c,76a〜76c)によるスキューに基づく効果との双方を得ることができる。
《実施形態2》
実施形態2では、第1回転子(61)と第2回転子(71)とによってスキューを形成する構成(以下、第2構成という)の例を説明する。
図10は、実施形態2にかかる第1回転子(61)と、第2回転子(71)の断面図である。図10では、説明の便宜のため、駆動軸(30)に固定された状態の第1回転子(61)と第2回転子(71)とを上下二段に並べて表記してある。図10では、上段が第1回転子(61)であり、下段が第2回転子(71)である。第1回転子(61)は、複数の永久磁石(63)を備えている。第2回転子(71)も複数の永久磁石(73)を備えている。第1回転子(61)、および第2回転子(71)は、表面磁石型の回転子である。第1回転子(61)の磁極数と、第2回転子(71)の磁極数は同数である。図10では、各永久磁石(63,73)における外周面の極性(SまたはN)を図示してある。
図10に示すように、第1回転子(61)の永久磁石(63)と第2回転子(71)の永久磁石(73)とは、駆動軸(30)に固定された状態において、周方向位置の位相が互いにずれている。こうすることで、本実施形態ではスキューが形成される。この構成においてもスキューによって得られる効果を得ることができる。
このスキューは、第1回転子(61)及び第2回転子(71)を駆動軸(30)へ固定する際に、それぞれの回転方向の位相を調整すれば実現できる。換言すると、従来のスキュー構造を実現するよりも低コストに実現できる。
《実施形態2の変形例1》
2つの回転子(61,71)によってスキューを形成する構成は、埋め込み磁石構造の回転子でも実現できる。図11に、実施形態2の変形例1にかかる第1回転子(61)と第2回転子(71)とを断面図で示す。図11でも説明の便宜のため、駆動軸(30)に固定された状態の第1回転子(61)と第2回転子(71)を上下二段に並べて表記してある。図11では、上段が第1回転子(61)であり、下段が第2回転子(71)である。この例は、二極の回転子(61,71)の例である。図11では、各永久磁石(63,73)における外周側の極性を図示してある。この構成においてもスキューによって得られる効果を得ることができる。
このスキュー構造も、第1回転子(61)及び第2回転子(71)を駆動軸(30)へ固定する際に、それぞれの回転方向の位相を調整すれば実現できる。換言すると、従来のスキュー構造を実現するよりも低コストに実現できる。
《実施形態2の変形例2》
図12は、実施形態2の変形例2にかかる第1回転子(61)と第2回転子(71)の断面図である。図11でも説明の便宜のため、駆動軸(30)に固定された状態の第1回転子(61)と第2回転子(71)を上下二段に並べて表記してある。図11では、上段が第1回転子(61)であり、下段が第2回転子(71)である。この例は、二極の回転子(61,71)の例である。
図12に示すように、第1回転子(61)と第2回転子(71)とは、永久磁石(63,73)を固定するスロット(62a,72a)の周方向位置が同位相である。図12では、各永久磁石(63,73)における外周側の極性を図示してある。この構成においてもスキューによって得られる効果を得ることができる。
このスキュー構造も、永久磁石(63,73)を回転子コア(62,72)にセットする向きを調整することで実現できる。換言すると、従来のスキュー構造を実現するよりも低コストに実現できる。第1回転子(61)の回転子コア(62)と、第2回転子(71)の回転子コア(62)に同一のキーを設けても、スキューを形成できる。
《実施形態3》
実施形態3では、電動機システム(2)における制御の例を説明する。主には、制御部(90)の機能、および動作を説明する。
制御部(90)は、前記第1構成および前記第2構成の少なくとも一方に基づく磁極の位相のずれに応じて、コイル(66a〜66c,67a〜67c,76a〜76c,77a〜77c)の電流の位相または電圧の位相を制御する。
この実施形態では、制御部(90)(詳しくは駆動用コイル制御部(90a)および支持用コイル制御部(90b))は、第1ベアリングレスモータ(60)に対しては、回転角度センサ(80)が検出した回転角度値を用いてコイル(66a〜66c,67a〜67c)の電流の位相を制御する。制御部(90)は、第2ベアリングレスモータ(70)に対しては、第1構成および第2構成の少なくとも一方に起因する周方向位置の位相のずれに応じて、前記回転角度値を補正してコイル(76a〜76c,77a〜77c)の電流の位相または電圧の位相を制御する。換言すると、制御部(90)は、第1回転子(61)の位置を基準にして第2回転子(71)を制御している。
具体的には、駆動用コイル制御部(90a)および支持用コイル制御部(90b)は、第2ベアリングレスモータ(70)に対する制御を行う場合には、スキューの量に応じて前記回転角度値を増加あるいは減少させる。制御部(90)は、このように補正した回転角度値を基にして、第2ベアリングレスモータ(70)の各コイル(76a〜76c,77a〜77c)に流すべき電流の位相または電圧の位相を制御する。
本実施形態の構成により、電動機システム(2)が複数の電動機(60,70)を備えていても、回転角度センサ(80)(位置特定部)はひとつ設けるのみでよい。換言すると、この制御を採用したことによって、電動機システム(2)のコストの低減が可能になる。
制御部(90)では、第2ベアリングレスモータ(70)を基準にして制御を行ってもよい。具体的には、制御部(90)において、第2ベアリングレスモータ(70)に対しては、回転角度センサ(80)が検出した回転角度値を用いてコイル(76a〜76c,77a〜77c)の電流の位相または電圧の位相を制御する。第1ベアリングレスモータ(60)に対しては、第1構成および第2構成の少なくとも一方に起因する周方向位置の位相のずれに応じて、前記回転角度値を補正してコイル(66a〜66c,67a〜67c)の電流の位相または電圧の位相を制御する。
《実施形態4》
実施形態4でも、電動機システム(2)における制御の例を説明する。ここでも主には、制御部(90)の機能、および動作を説明する。本実施形態では、制御部(90)は、前記回転角度値を補正する代わりに、電源部(91)に対する指令値を補正する。
この場合においても、制御部(90)(詳しくは支持用コイル制御部(90b))は、一方のベアリングレスモータ(基準ベアリングレスモータという)を基準として、指令値を生成する。他方のベアリングレスモータに対しては、基準ベアリングレスモータ用の指令値を補正して、指令値を生成する。基準ベアリングレスモータは、第1および第2ベアリングレスモータ(60,70)の何れでもよい。具体的には、支持用コイル制御部(90b)は、以下のように機能する。
ベアリングレスモータの浮上制御(駆動軸(30)の支持の制御)には、一例として、駆動軸(30)の重心変位と、駆動軸(30)の重心周りの回転量を制御する方法がある(以下、モード制御という)。モード制御では、ベアリングレスモータの支持力を並進成分と回転成分に分けて制御を行う。ここで、「並進成分」とは、駆動軸(30)の重心を変位させる成分である。「回転成分」とは、重心回りの回転変位を生じさせる成分である。
本実施形態の制御部(90)には、モード制御が実装されている。具体的には、支持用コイル制御部(90b)によって、支持用コイル(67a〜67c,77a〜77c)における電磁力制御として、並進制御と、回転制御(回転成分の制御)とを行う。
支持用コイル制御部(90b)は、並進制御においては、第1固定子(64)の電磁力の方向と、第2固定子(74)の電磁力の方向が同じ方向となるように、電流または電圧の指令値をスキューの量に応じて補正する(図13参照)。支持用コイル制御部(90b)は、回転制御においては、第1固定子(64)の電磁力の方向と、第2固定子(74)の電磁力の方向が逆方向となるように、電流または電圧の指令値をスキューの量に応じて補正する(図14参照)。
《その他の実施形態》
前記実施形態や変形例の構成の適用は、ベアリングレスモータ(駆動軸を非接触で支持する機能を有した電動機)には限定されない。駆動軸を非接触で支持する機能がない電動機でも、前記実施形態および変形例を適用できる。
スキュー構造は、第1固定子(64)のティースの周方向位置と第2固定子(74)のティース(t)の周方向位置とを互いにずらすことで実現してもよい。図15は、ティースの周方向位置の位相を、第1固定子(64)と第2固定子(74)とで異ならせてスキューを構成した例である。図15は、駆動軸(30)を浮上させる機能がない電動機(支持用コイルを備えていない電動機)の例である。
図15では、説明の便宜のため、ケーシング(10)に固定された状態の第1固定子(64)と第2固定子(74)を上下二段に並べて表記してある。図15では、上段が第1固定子(64)であり、下段が第2固定子(74)である。図15では、駆動用コイル(66a〜66c,76a〜76c)の記載を省略してある。
図15に示すように、第1固定子(64)のティース(t)と第2回転子(71)のティース(t)とは、ケーシング(10)に固定された状態において、周方向位置の位相が互いにずれている。こうすることで、固定子(64,74)によってスキューが形成される。この構成においてもスキューによって得られる効果を得ることができる。勿論、図15の構成は、ベアリングレスモータに適用してもよい。
回転角度値は、実際にセンサ(前記の例では回転角度センサ(80))で検出する他に、回転角度値に関連する他の情報から推定した推定値を用いてもよい。
駆動用コイル(66a〜66c)および支持用コイル(67a〜67c)は、各ティースに集中巻方式で巻回してもよい。
電動機システム(2)は、ターボ圧縮機(1)以外の用途に適用してもよい。
電動機システム(2)には、電動機を3つ以上設けてもよい。
以上、実施形態および変形例を説明したが、特許請求の範囲の趣旨および範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。以上の実施形態および変形例は、本開示の対象の機能を損なわない限り、適宜組み合わせたり、置換したりしてもよい。
以上説明したように、本開示は、電動機システムについて有用である。
2 電動機システム
30 駆動軸
60 第1ベアリングレスモータ(第1電動機)
61 第1回転子(回転子)
64 第1固定子(固定子)
66a〜66c 駆動用コイル
67a〜67c 支持用コイル
70 第2ベアリングレスモータ(第2電動機)
71 第2回転子(回転子)
74 第2固定子(固定子)
76a〜76c 駆動用コイル
77a〜77c 支持用コイル
80 回転角度センサ(位置特定部)
90 制御部
90b 支持用コイル制御部

Claims (6)

  1. 駆動軸(30)と、
    それぞれが前記駆動軸(30)を回転駆動する第1電動機(60)および第2電動機(70)と、
    を備え、
    各電動機(60,70)の固定子(64,74)には、磁極を形成するコイル(66a〜66c,67a〜67c,76a〜76c,77a〜77c)が設けられ、
    前記第1電動機(60)の固定子である第1固定子(64)の磁極が、周方向において最も近い、前記第2電動機(70)の固定子である第2固定子(74)の磁極に対して周方向位置の位相をずらして、前記第1固定子(64)および前記第2固定子(74)によってスキューを形成する第1構成
    および、
    前記第1電動機(60)の回転子(61)の磁極が、周方向において最も近くて同極性となる、前記第2電動機(70)の回転子(71)の磁極に対して周方向位置の位相をずらして、第1電動機(60)の回転子(61)および前記第2電動機(70)の回転子(71)によってスキューを形成する第2構成
    の少なくとも一方の構成が採用されていることを特徴とする電動機システム。
  2. 請求項1において、
    前記第1構成および前記第2構成の少なくとも一方に基づく前記磁極の位相のずれに応じて、前記コイル(66a〜66c,67a〜67c,76a〜76c,77a〜77c)の電流の位相または電圧の位相を制御する制御部(90)を備えていることを特徴とする電動機システム。
  3. 請求項1または請求項2において、
    前記第1固定子(64)および前記第2固定子(74)は、前記磁極を形成するコイルとして、回転磁界を発生させるための駆動用コイル(66a〜66c)と、前記駆動軸(30)を支持する電磁力を発生する支持用コイル(77a〜77c)とを備えていることを特徴とする電動機システム。
  4. 請求項3において、
    前記第1構成が採用されており、
    前記第1固定子(64)のそれぞれの駆動用コイル(66a〜66c)が、周方向に最も近い前記第2固定子(74)の駆動用コイル(76a〜76c)に対して、周方向位置の位相をずらして、前記第1固定子(64)の駆動用コイル(66a〜66c)と第2固定子(74)の駆動用コイル(76a〜76c)によってスキューを形成する構成、
    および、
    前記第1固定子(64)のそれぞれの支持用コイル(67a〜67c)が、周方向において最も近くて同極性となる前記第2固定子(74)の支持用コイル(77a〜77c)に対して、周方向位置の位相をずらして、第1固定子(64)の支持用コイル(67a〜67c)および前記第2固定子(74)の支持用コイル(77a〜77c)によってスキューを形成する構成の少なくとも一方の構成が採用されていることを特徴とする電動機システム。
  5. 請求項2において、
    前記第1電動機(60)および前記第2電動機(70)の一方に対し、その固定子の磁極とその回転子の磁極との相対位置を示す値を出力する位置特定部(80)を備え、
    前記制御部(90)は、
    前記第1電動機(60)および前記第2電動機(70)の一方に対し、前記相対位置を示す値を用いて前記コイルの電流または電圧の位相を制御し、他方に対し、前記第1構成および前記第2構成の少なくとも一方に起因する周方向位置の位相のずれに応じて、前記相対位置を示す値を補正して前記コイルの電流または電圧の位相を制御することを特徴とする電動機システム。
  6. 請求項4において、
    前記第1固定子(64)の支持用コイル(67a〜67c)および前記第2固定子(74)の支持用コイル(77a〜77c)によってスキューを形成する構成が採用され、
    前記第1電動機(60)および前記第2電動機(70)のそれぞれにおける支持用コイル(67a〜67c,77a〜77c)の電磁力を制御する支持用コイル制御部(90b)を備え、
    前記支持用コイル制御部(90b)は、
    前記第1構成および前記第2構成の少なくとも一方に起因する周方向位置の位相のずれに応じて、前記第1固定子(64)における支持用コイル(67a〜67c)の電磁力の方向、および前記第2固定子(74)における支持用コイル(77a〜77c)の電磁力の方向の少なくとも一方を修正することを特徴とする電動機システム。
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