JP2023149146A - 二液硬化型ポリウレタン樹脂組成物 - Google Patents

二液硬化型ポリウレタン樹脂組成物 Download PDF

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一仁 高田
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泰範 藤本
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Abstract

【課題】バイオマス由来の原料を用いながら、低誘電特性と硬度を両立する。【解決手段】実施形態に係る二液硬化型ポリウレタン樹脂組成物は、ポリオールを含む第1成分と、ポリイソシアネートを含む第2成分と、を有し、前記ポリオールが、カルダノールポリオールとファルネセンポリオールとを含む。【選択図】なし

Description

本発明は、二液硬化型ポリウレタン樹脂組成物、およびそれを用いた電気電子部品に関する。
従来、電子回路基板や電子部品は、外的要因から保護するためにポリウレタン樹脂組成物を用いて封止することが行われている。このようなポリウレタン樹脂組成物の原料は一般に石油由来のもので構成されている。地球温暖化等の環境問題に配慮するという観点から、植物などのバイオマス由来の原料を用いることが望まれている。
バイオマス由来の原料を用いたものとして、特許文献1には、ポリオール化合物として、ヒマシ油系ポリオール化合物とともに、ポリファルネセンポリオール化合物を用いることが開示されている。
特許第6678903号公報
本発明者らの検討によれば、ポリオールとして、ファルネセンポリオールとヒマシ油系ポリオールを用いた場合、低誘電特性には優れるものの、十分な硬度が得られないことが判明した。
本発明の実施形態は、以上の点に鑑み、バイオマス由来の原料を用いながら、低誘電特性と硬度を両立することができる二液硬化型ポリウレタン樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明は以下に示される実施形態を含む。
[1] ポリオールを含む第1成分と、ポリイソシアネートを含む第2成分と、を有し、前記ポリオールが、カルダノールポリオールとファルネセンポリオールとを含む、二液硬化型ポリウレタン樹脂組成物。
[2] 前記カルダノールポリオールと前記ファルネセンポリオールの質量比が10:90~80:20である、[1]に記載の二液硬化型ポリウレタン樹脂組成物。
[3] 前記カルダノールポリオールがノボラック型カルダノールポリオールである、[1]または[2]に記載の二液硬化型ポリウレタン樹脂組成物。
[4] 前記ファルネセンポリオールがポリファルネセンジオールである、[1]~[3]のいずれか1項に記載の二液硬化型ポリウレタン樹脂組成物。
[5] 前記ポリイソシアネートが、1,5-ペンタメチレンジイソシアネートおよび/またはその誘導体を含む、[1]~[4]のいずれか1項に記載の二液硬化型ポリウレタン樹脂組成物。
[6] 硬化物のバイオマス度が60%以上である、[1]~[5]のいずれか1項に記載の二液硬化型ポリウレタン樹脂組成物。
[7] 電気電子部品封止用である、[1]~[6]のいずれか1項に記載の二液硬化型ポリウレタン樹脂組成物。
[8] 上記[1]~[7]のいずれか1項に記載の二液硬化型ポリウレタン樹脂組成物を用いて樹脂封止された電気電子部品。
本発明の実施形態によれば、バイオマス由来の原料を用いながら、低誘電特性と硬度を両立することができる。
本実施形態に係る二液硬化型ポリウレタン樹脂組成物は、ポリオール(A)を含む第1成分と、ポリイソシアネート(B)を含む第2成分と、を有するポリウレタン樹脂組成物であって、前記ポリオール(A)が、カルダノールポリオール(A1)とファルネセンポリオール(A2)とを含むものである。
<第1成分>
[カルダノールポリオール(A1)]
第1成分に含まれるポリオール(A)には、カルダノールポリオール(A1)が用いられる。カルダノールポリオール(A1)は、カルダノールから合成されるカルダノール由来のポリオールである。カルダノールは、カシューナッツシェルリキッド(以下、CNSLという。)の主要な成分であり、ベンゼン環にヒドロキシ基と炭素数15の直鎖炭化水素基とが結合した化合物である。CNSLは、カシューナッツの殻に含まれる油状成分である。天然のCNSLは、アナカルド酸を主成分とするが、搾油後に加熱処理することでアナカルド酸が脱炭酸されてカルダノールとなる。
カルダノールポリオール(A1)としては、ノボラック型カルダノールポリオールを用いることが好ましい。ノボラック型カルダノールポリオールとは、カルダノールをホルムアルデヒドなどのアルデヒド化合物により縮合反応させ、得られた縮合物にエチレンオキシドなどのエポキシ化合物を付加反応させることにより得られるポリオールである。ノボラック型カルダノールポリオールとしては、下記式(1)で表されるものを用いることができる。
Figure 2023149146000001
式(1)中、Rは、炭素数15の直鎖炭化水素基を表し、飽和炭化水素基でもよく不飽和炭化水素基でもよい。具体的には、Rとしては、-(CH14CH、-(CHCH=CH(CHCH、-(CHCH=CHCHCH=CH(CHCH、-(CHCH=CHCHCH=CH(CHCH=CHが挙げられる。1分子中に含まれる複数のRは互いに同一でも異なってもよい。
式(1)中、Rは、水素原子または炭素数1~8のアルキル基を表し、好ましくは水素原子または炭素数1~2のアルキル基であり、さらに好ましくは水素原子である。1分子中に複数のRが含まれる場合、それらは互いに同一でも異なってもよい。
式(1)中、Rは、水素原子、ハロゲン原子、または置換基を有してもよい炭化水素基が挙げられる。ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。炭化水素基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール基、アラルキル基等が挙げられる。該炭化水素基の炭素数は1~8であることが好ましい。上記置換基としては、例えば、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基等が挙げられる。Rは、好ましくは水素原子またはメチル基である。1分子中に含まれる複数のRは互いに同一でも異なってもよい。
式(1)中、nは0以上の数を表す。nは1以上であることが好ましく、より好ましくは1.5以上である。nの上限は特に限定されず、例えば50以下でもよく、20以下でもよく、10以下でもよい。
カルダノールポリオール(A1)の水酸基価は、特に限定されないが、80~250mgKOH/gであることが好ましく、より好ましくは100~220mgKOH/gであり、130~200mgKOH/gでもよい。本明細書において、水酸基価(OHV)はJIS K1557-1:2007のA法に準じて測定される。
カルダノールポリオール(A1)の平均官能基数(1分子中に含まれるヒドロキシ基の数)は、2.0以上であり、好ましくは2.2~8.0であり、より好ましくは2.5~5.0であり、3.0~4.5でもよい。
本明細書において、平均官能基数は、JIS K7252-1:2016に準じたGPC法(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法)により測定される数平均分子量(Mn)と、水酸基価(mgKOH/g)とから、下記式より算出される値である。
平均官能基数={(水酸基価)×(Mn)}/(56.11×1000)
ここで、Mnは、GPC法による測定において、標準ポリスチレンの分子量と溶出時間から作成した検量線を用いて、測定試料の溶出時間から算出される。測定条件としては、例えばカラムにTSKgel Hxl(東ソー株式会社)を用いて、移動相はTHF(テトラヒドロフラン)、移動相流量は1.0mL/min、カラム温度は40℃、試料注入量は50μL、試料濃度は0.2質量%である。
[ファルネセンポリオール(A2)]
第1成分に含まれるポリオール(A)には、上記カルダノールポリオール(A1)とともにファルネセンポリオール(A2)が用いられる。ファルネセンポリオール(A2)は、ファルネセンから合成されるファルネセン由来のポリオールである。ファルネセンは、セスキテルペンに分類される化合物であり、植物から得られるバイオマス由来の原料である。ファルネセンとしては、α-ファルネセンでもよく、β-ファルネセンでもよく、両者を併用してもよい。
ファルネセンポリオール(A2)としては、ポリファルネセンジオールを用いることが好ましい。ポリファルネセンジオールとは、ファルネセンを含むモノマーを重合してなる重合体の両末端がヒドロキシ基で官能化されたものであり、水素添加されたものであってもよい。上記重合体は、ファルネセンのホモポリマーでもよく、ファルネセンと他のモノマーとの共重合体でもよい。前記他のモノマーとしては、ファルネセン以外のジエンモノマーやビニルモノマーが例示される。上記重合体中におけるファルネセン由来の構造単位の含有量は、特に限定されず、例えば10~100質量%でもよく、30~100質量%でもよく、50~100質量%でもよく、70~100質量%でもよい。好ましくはファルネセン由来の構造単位の含有量は100質量%であり、すなわち、ファルネセンのホモポリマーの両末端にヒドロキシ基を持つジオールである。
一実施形態において、ポリファルネセンジオールとしては、β-ファルネセンをアニオン重合してなる重合体の両末端がヒドロキシ基で官能化されたもの、またはそれを水素添加したものが好ましく用いられる。好ましい実施形態として、β-ファルネセンのホモポリマーからなる水素添加されていないポリファルネセンジオールとして、下記式(2)で表されるものを用いてもよい。
Figure 2023149146000002
式(2)中、Rは、[X]で表されるファルネセンの重合体とOHとを繋ぐ連結基であり、例えば炭素数1~8(好ましくは炭素数1~3)のアルカンジイル基が挙げられる。
式(2)中、[X]はβ-ファルネセン由来の構造単位であり、具体的には、下記式(3)で表される1,4-トランス構造単位、式(4)で表される1,4-シス構造単位、式(5)で表される3,4-付加構造単位、式(6)で表される1,2-付加構造単位が挙げられる。これらのいずれか1種でもよく、2種以上組み合わせて含まれてもよい。
Figure 2023149146000003
一実施形態において、[X]は、式(3)または式(4)で表される1,4-付加構造単位と式(5)で表される3,4-付加構造単位で構成されてもよい。例えば、ポリファルネセンジオールのミクロ構造は、1,4-付加構造単位40~80質量%(より好ましくは50~70質量%)と3,4-付加構造単位20~60質量%(より好ましくは30~50質量%)で構成されてもよい。ここで、これら構造単位の含有量はHNMRにより求めることができる。
ファルネセンポリオール(A2)の水酸基価は、特に限定されないが、10~100mgKOH/gであることが好ましく、より好ましくは20~70mgKOH/gであり、30~50mgKOH/gでもよい。
[ポリオール(A)]
ポリオール(A)は、カルダノールポリオール(A1)およびファルネセンポリオール(A2)のみで構成されてもよく、また、これらに加えてさらに他のポリオール(A3)を含有してもよい。好ましくは、バイオマス度を高める観点から、ポリオール(A)は、カルダノールポリオール(A1)およびファルネセンポリオール(A2)のみで構成されることである。
上記他のポリオール(A3)としては特に限定されず、分子内に複数の水酸基を持つ化合物であって、カルダノールポリオール(A1)およびファルネセンポリオール(A2)以外の各種ポリオールが挙げられる。具体的には、ポリブタジエンポリオール、ヒマシ油系ポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ダイマー酸ポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、アクリルポリオール、ポリイソプレンポリオール、水添ポリイソプレンポリオールなどが挙げられる。他のポリオール(A3)としては、また、一般に架橋剤として用いられている低分子量ポリオールでもよく、例えば分子量300以下の多価アルコール、具体的には、N,N-ビス(2-ヒドロキシプロピル)アニリン、ヒドロキノン-ビス(β-ヒドロキシエチル)エーテル、レゾルシノール-ビス(β-ヒドロキシエチル)エーテル等の芳香族アルコール、エチレングリコール、1,4-ブタンジオール、オクタンジオール、トリメチロールプロパン、トリイソプロパノールアミン等の脂肪族アルコールが挙げられる。
一実施形態として、他のポリオール(A3)としてポリブタジエンポリオールを用いてもよい。ポリブタジエンポリオールは、分子中にポリブタジエン構造と少なくとも2つのヒドロキシ基を有するものである。ポリブタジエンポリオールの水酸基価は、特に限定されず、例えば10~200mgKOH/gでもよく、15~150mgKOH/gでもよく、20~120mgKOH/gでもよい。
ポリオール(A)100質量%中におけるカルダノールポリオール(A1)の含有量は、例えば10質量%以上であることが好ましく、より好ましくは20質量%以上であり、さらに好ましくは30質量%以上であり、40質量%以上でもよい。カルダノールポリオール(A1)の含有量を増やすことにより、硬化後のポリウレタン樹脂の硬度を高めることができる。カルダノールポリオール(A1)の含有量は、例えば80質量%以下であることが好ましく、より好ましくは70質量%以下であり、さらに好ましくは60質量%以下である。
ポリオール(A)100質量%中におけるファルネセンポリオール(A2)の含有量は、例えば20質量%以上であることが好ましく、より好ましくは30質量%以上であり、さらに好ましくは40質量%以上である。ファルネセンポリオール(A2)の含有量を増やすことにより、低誘電特性を高めることができる。ファルネセンポリオール(A2)の含有量は、例えば90質量%以下であることが好ましく、より好ましくは80質量%以下であり、さらに好ましくは70質量%以下であり、60質量%以下でもよい。
カルダノールポリオール(A1)とファルネセンポリオール(A2)の質量比(A1):(A2)は、10:90~80:20であることが好ましい。質量比をこのような数値範囲に設定することにより、低誘電特性と硬度との両立効果が得られやすくなる。上記質量比(A1):(A2)は、より好ましくは20:80~70:30であり、さらに好ましくは30:70~60:40であり、40:60~60:40でもよい。
ポリオール(A)にポリブタジエンポリオールなどの他のポリオール(A3)を含有させる場合、ポリオール(A)100質量%中における当該他のポリオール(A3)の含有量は、例えば、5~50質量%でもよく、10~40質量%でもよい。
[その他の成分]
第1成分には、上記した各成分の他に、必要に応じて、例えば、触媒、可塑剤、酸化防止剤、整泡剤、希釈剤、難燃剤、紫外線吸収剤、着色剤、充填剤などの各種添加剤を、本実施形態の目的を損なわない範囲で加えることができる。
触媒としては、例えば、有機スズ触媒、有機鉛触媒、有機ビスマス触媒などの金属触媒、アミン触媒などの各種ウレタン重合触媒を用いることができる。
可塑剤としては、例えば、ジオクチルフタレート、ジイソノニルフタレート、ジウンデシルフタレートなどのフタル酸ジエステル、ジオクチルアジペート、ジイソノニルアジペートなどのアジピン酸ジエステル、トリオクチルトリメリテート、トリイソノニルトリメリテートなどのトリメリット酸エステル、テトラオクチルピロメリテート、テトライソノニルピロメリテートなどのピロメリット酸エステル、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェートなどリン酸トリエステルなどが挙げられ、これらはいずれか一種または二種以上組み合わせて用いることができる。可塑剤の含有量は、特に限定されず、例えば、ポリオール(A)100質量部に対して、0.5~10質量%でもよい。
<第2成分>
[ポリイソシアネート(B)]
第2成分に含まれるポリイソシアネート(B)としては、特に限定されず、1分子中に2つ以上のイソシアネート基を有する種々のポリイソシアネート化合物を用いることができる。ポリイソシアネート(B)としては、例えば、脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネート、および芳香族ポリイソシアネートが挙げられ、これらをいずれか1種用いても2種以上併用してもよい。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2-メチルペンタン-1,5-ジイソシアネート、3-メチルペンタン-1,5-ジイソシアネート、およびこれらの誘導体が挙げられる。
脂環式ポリイソシアネートとしては、例えば、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、水添キシリレンジイソシアネート、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,4-シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、1,3-ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、およびこれらの誘導体が挙げられる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート(TDI、例えば2,4-TDI、2,6-TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI、例えばモノメリックMDI、ポリメリックMDI)、4,4’-ジベンジルジイソシアネート、1,5-ナフチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、1,3-フェニレンジイソシアネート、1,4-フェニレンジイソシアネート、およびこれらの誘導体が挙げられる。
上記誘導体としては、例えば、イソシアヌレート変性体、アロファネート変性体、ビュレット変性体、アダクト変性体、カルボジイミド変性体などが挙げられる。
一実施形態において、ポリイソシアネート(B)としてはバイオマス由来ポリイソシアネートを用いることが好ましく、具体的には、ポリイソシアネート(B)は1,5-ペンタメチレンジイソシアネートおよび/またはその誘導体を含むことが好ましい。1,5-ペンタメチレンジイソシアネートおよびその誘導体は、植物由来のバイオマス原料から合成することができ、硬化物のバイオマス度を高めることができる。また、低誘電特性と硬度の両立効果を高めることができると考えられる。1,5-ペンタメチレンジイソシアネートの誘導体としては、イソシアヌレート変性体、アロファネート変性体、ビュレット変性体、アダクト変性体、カルボジイミド変性体などが挙げられ、好ましくはイソシアヌレート変性体である。
一実施形態において、ポリイソシアネート(B)として1,5-ペンタメチレンジイソシアネートおよび/またはその誘導体を用いる場合、その量は特に限定されないが、ポリイソシアネート(B)100質量%中30質量%以上好ましく、より好ましくは50質量%以上であり、更に好ましくは80質量%以上であり、100質量%でもよい。
ポリイソシアネート(B)は、2官能のもののみで構成されてもよく、3官能以上のものを含んでもよいが、好ましくは3官能以上のポリイソシアネートを含むことである。
ポリイソシアネート(B)のイソシアネート価は、例えば100~700mgKOH/gでもよく、200~500mgKOH/gでもよく、300~450mgKOH/gでもよい。本明細書において、イソシアネート価(NCOV)は、JIS K1603-1:2007のA法に準拠して測定されるイソシアネート含有率を用いて、イソシアネート価={(イソシアネート含有率)×56110}/(42.02×100)により算出される。
[その他の成分]
第2成分はポリイソシアネート(B)のみで構成してもよく、また、ポリイソシアネート(B)の他に、必要に応じて、例えば、触媒、酸化防止剤、整泡剤、希釈剤、難燃剤、紫外線吸収剤、着色剤、充填剤、可塑剤などの各種添加剤を、本実施形態の目的を損なわない範囲で加えてもよい。
<二液硬化型ポリウレタン樹脂組成物>
本実施形態に係る二液硬化型ポリウレタン樹脂組成物は、通常は、第1成分としての第1液と第2成分としての第2液とで構成されるが、第1成分および第2成分の他に、任意成分としての上記その他の成分を含む第3成分を第3液として備えてもよい。
該二液硬化型ポリウレタン樹脂組成物は、第1成分と第2成分をそれぞれ調製することにより製造することができ、すなわち、第1成分と第2成分はそれぞれ別の容器に充填されたものでもよい。別々の容器に充填された第1成分と第2成分は、使用時に混合されることによりポリオール(A)とポリイソシアネート(B)が反応してポリウレタン樹脂が形成され、硬化してもよい。その際、加熱により硬化させてもよい。実施形態に係る二液硬化型ポリウレタン樹脂組成物は、第1成分と第2成分を混合して得られたものであってもよく、硬化前の液状でもよく、硬化していてもよい。
該二液硬化型ポリウレタン樹脂組成物において、ポリイソシアネート(B)の含有量は、特に限定されず、例えば、ポリオール(A)100質量部に対して、5~70質量部でもよく、10~50質量部でもよい。
該二液硬化型ポリウレタン樹脂組成物において、NCO/OH(インデックス)は、特に限定されず、例えば0.60~1.50でもよく、0.80~1.40でもよく、1.00~1.30でもよく、1.05~1.20でもよい。ここで、NCO/OHは、ポリオール(A)に含まれるヒドロキシ基に対する、ポリイソシアネート(B)に含まれるイソシアネート基のモル比である。NCO/OHは、ポリオール(A)の水酸基価とポリイソシアネート(B)のイソシアネート価を用いて算出される。
該二液硬化型ポリウレタン樹脂組成物は、硬化物のバイオマス度が60%以上であることが好ましい。バイオマス度は、より好ましくは70%以上であり、さらに好ましくは80%以上である。バイオマス度は高いほど好ましいため、上限は特に限定されないが、例えば95%以下でもよい。
本明細書において硬化物のバイオマス度は、二液硬化型ポリウレタン樹脂組成物を構成する各バイオマス由来原料のバイオコンテント(%)を、その質量比(即ち、硬化物の全質量に対する当該バイオマス由来原料の質量比)に応じて加算して得られる値である。ここで、各バイオマス由来原料のバイオコンテント(%)はASTM D6866-21に準拠して測定される。
例えば、カルダノールポリオール(A1)のバイオコンテント(%)をC、硬化物の全質量に対するカルダノールポリオール(A1)の質量比(質量%)をDとする。ファルネセンポリオール(A2)のバイオコンテント(%)をC、硬化物の全質量に対するファルネセンポリオール(A2)の質量比(質量%)をDとする。バイオマス由来ポリイソシアネートのバイオコンテント(%)をC、硬化物の全質量に対するバイオマス由来ポリイソシアネートの質量比(質量%)をDとする。そのとき、硬化物のバイオマス度は下記式により算出される。
バイオマス度(%)=C×D/100+C×D/100+C×D/100
<二液硬化型ポリウレタン樹脂組成物の用途>
本実施形態に係る二液硬化型ポリウレタン樹脂組成物の用途は、特に限定されないが、電気電子部品の封止のために用いられることが好ましい。電気電子部品としては、例えば、トランスコイル、チョークコイルおよびリアクトルコイルなどの変圧器、機器制御基板、センサ、無線通信部品などが挙げられる。該二液硬化型ポリウレタン樹脂組成物は、低誘電特性に優れ(すなわち誘電率が低く)電波の影響を受けにくい。そのため、該二液硬化型ポリウレタン樹脂組成物は、無線通信を行う無線通信部品を外部環境から保護するために当該無線通信部品を樹脂封止、すなわち被覆する封止材として用いられることが好ましい。例えば、検知した情報を無線通信により送信するセンサの封止材として用いてもよい。
本実施形態に係る二液硬化型ポリウレタン樹脂組成物を用いて樹脂封止された電気電子部品は、例えば、電気洗濯機、便座、湯沸し器、浄水器、風呂、食器洗浄機、太陽光パネル、電動工具、自動車、バイクなどに使用することができる。
以下、実施例及び比較例に基づいて、二液硬化型ポリウレタン樹脂組成物について詳細に説明するが、本発明はこれにより限定されない。
実施例及び比較例において使用した原料を以下に示す。
[ポリオール(A)]
・ファルネセンポリオール1:上記式(2)で表されるポリファルネセンジオール、クレイバレー社製「KRASOL F3000(製品名)」、水酸基価37mgKOH/g、数平均分子量(Mn)3000、ミクロ構造(1,4-付加構造単位60質量%、3,4-付加構造単位40質量%)、バイオコンテント97%
・カルダノールポリオール1:上記式(1)で表されるノボラック型カルダノールポリオール、カードライト社製「Cardolite NX-9001LV(製品名)」、水酸基価175mgKOH/g、平均官能基数3.8、バイオコンテント91.4%
・カルダノールポリオール2:上記式(1)で表されるノボラック型カルダノールポリオール、カードライト社製「Cardolite LITE-9001(製品名)」、水酸基価160mgKOH/g、平均官能基数4.3、バイオコンテント88%
・ポリブタジエンポリオール:EVONIK社製「ポリベストHT(製品名)」、水酸基価47mgKOH/g、数平均分子量(Mn)2800
・ヒマシ油系ポリオール:伊藤製油(株)製「ヒマシ油(製品名)」、水酸基価161mgKOH/g、Mn1500、バイオコンテント100%
・ポリエーテルポリオール:ポリプロピレングリコール、AGC(株)製「エクセノール903(製品名)」、水酸基価112mgKOH/g、Mn941
・イソプレングリコール:水酸基価1079mgKOH/g、分子量104
・オクタンジオール:水酸基価768mgKOH/g、分子量146
・ジプロピレングリコール:水酸基価836mgKOH/g、分子量134
[ポリイソシアネート(B)]
・ポリイソシアネート1:1,5-ペンタメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート変性体、三井化学(株)製「スタビオD-376N(製品名)」、イソシアネート価321mgKOH/g、バイオコンテント67%
・ポリイソシアネート2:ポリメリックMDI、BASF INOACポリウレタン(株)製「ルプラネートM5S(製品名)」、イソシアネート価428mgKOH/g
・ポリイソシアネート3:HDIイソシアヌレート変性体、旭化成(株)製「デュラネートTLA-100(製品名)」、イソシアネート価311mgKOH/g
[その他の成分]
・スズ系触媒:日東化成(株)製「ネオスタンU-810(製品名)」
・可塑剤:フタル酸ジウンデシル、新日本理化(株)製「サンソサイザーDUP(製品名)」
[実施例1~8及び比較例1~8]
下記表1および表2に示す配合(質量部)により、各実施例及び各比較例の二液硬化型ポリウレタン樹脂組成物を調製した。調製に際しては、表1および表2に示す第1成分を所定量秤量し、適宜熱をかけて溶かし込みながら攪拌混合を行い、混合後、25℃に調整した。続いて、この混合物に25℃に調整した第2成分を、表1および表2に記載のとおりの配合比(第1成分100質量部に対する第2成分の質量部)およびNCO/OH(インデックス)にて加えて攪拌混合し、脱泡した。
表1および表2中に、各二液硬化型ポリウレタン樹脂組成物について、硬化物のバイオマス度の値を示した。
各二液硬化型ポリウレタン樹脂組成物について、相溶性、誘電率、および硬度を測定・評価した。測定・評価方法は以下のとおりである。
[相溶性]
第1成分を混合した後の液の様子を確認して、ポリオールの相溶性を下記基準により評価した。該評価において第1成分に分離が発生したDおよびEについては、ポリオールの相溶性が不良であり、二液硬化型ポリウレタン樹脂組成物としての測定・評価を実施することができないため、誘電率および硬度の評価は実施しなかった。
A:透明
B:若干の濁りあり
C:濁りあり
D:30分以上経過後に分離発生
E:30分未満で分離発生
[誘電率]
JIS C2138:2007に準拠して1MHz時の誘電率を測定した。詳細には、上記脱泡後の二液硬化型ポリウレタン樹脂組成物を厚み3mmの金型に流し、80℃にて16時間(一晩)養生し、3mm厚の樹脂シートを作製した。該樹脂シートを50mm×50mm×3mmのシートに切り分け、測定用サンプルとした。測定は、アジレント・テクノロジー(株)製の装置(本体の型式:E4980A、名称:Precision LCR Meter。電極部分の型式:16451B、名称:DIELECTRIC TEST FIXTURE)を用いて実施し、周波数1MHz時の誘電率(比誘電率)の値を測定した。
[硬度]
JIS K7215:1986記載のタイプAデュロメータを使用して測定した。詳細には、上記脱泡後の二液硬化型ポリウレタン樹脂組成物を200mLカップに流し、80℃にて16時間(一晩)養生し、樹脂硬化物を作製した。試験片厚さは6mm以上、幅は約25mm以上とした。試験は平たんで堅固な面に試験片を置き、デュロメータの加圧基準面を、試料表面に平行を保ちながら、衝撃を伴うことなく、できるだけ速やかに試料表面に押し付け,加圧基準面と試料とをよく密着させた。その後、速やかに指示装置の指針の最大指示値を読み取り、下記基準により評価した。
A:硬度が25以上
B:硬度が20以上25未満
C:硬度が15以上20未満
D:硬度が10以上15未満
E:硬度が10未満
Figure 2023149146000004
Figure 2023149146000005
結果は表1および表2に示すとおりである。ポリオールとしてファルネセンポリオールのみを用い、カルダノールポリオールを併用していない比較例1および比較例2では、低誘電特性には優れていたものの、十分な硬度が得られなかった。ファルネセンポリオールとヒマシ油系ポリオールを併用した比較例3についても、十分な硬度が得られなかった。一方、ファルネセンポリオールとポリエーテルポリオールを併用した比較例4では、十分な硬度は得られたものの、誘電率が大幅に増大し、低誘電特性に劣っていた。ファルネセンポリオールとイソプレングリコール、オクタンジオールまたはジプロピレングリコールを併用した比較例5,6,8では、第1成分の相溶性が劣っていた。ポリオールとしてカルダノールポリオールのみを用い、ファルネセンポリオールを併用していない比較例7では、十分な硬度は得られたものの低誘電特性に劣っていた。
これに対し、ポリオールとしてカルダノールポリオールとファルネセンポリオールを併用した実施例1~8であると、誘電率が3.1以下であり、優れた低誘電特性を有するとともに、硬度評価がA~Cであり、十分な硬度を得ることができた。また、これら実施例1~8は、いずれもバイオマス度が60%以上であり、バイオマス由来の原料を用いながら、低誘電特性と硬度を両立することができた。
実施例1と実施例4,8との対比より、ポリイソシアネートとして1,5-ペンタメチレンジイソシアネートおよび/またはその誘導体を用いた場合、バイオマス度が高くなるだけでなく、硬度が高く、低誘電特性と硬度の両立効果に優れていた。
なお、明細書に記載の種々の数値範囲は、それぞれそれらの上限値と下限値を任意に組み合わせることができ、それら全ての組み合わせが好ましい数値範囲として本明細書に記載されているものとする。また、「X~Y」との数値範囲の記載は、X以上Y以下を意味する。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これら実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその省略、置き換え、変更などは、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。

Claims (8)

  1. ポリオールを含む第1成分と、ポリイソシアネートを含む第2成分と、を有し、
    前記ポリオールが、カルダノールポリオールとファルネセンポリオールとを含む、
    二液硬化型ポリウレタン樹脂組成物。
  2. 前記カルダノールポリオールと前記ファルネセンポリオールの質量比が10:90~80:20である、請求項1に記載の二液硬化型ポリウレタン樹脂組成物。
  3. 前記カルダノールポリオールがノボラック型カルダノールポリオールである、請求項1または2に記載の二液硬化型ポリウレタン樹脂組成物。
  4. 前記ファルネセンポリオールがポリファルネセンジオールである、請求項1~3のいずれか1項に記載の二液硬化型ポリウレタン樹脂組成物。
  5. 前記ポリイソシアネートが、1,5-ペンタメチレンジイソシアネートおよび/またはその誘導体を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の二液硬化型ポリウレタン樹脂組成物。
  6. 硬化物のバイオマス度が60%以上である、請求項1~5のいずれか1項に記載の二液硬化型ポリウレタン樹脂組成物。
  7. 電気電子部品封止用である、請求項1~6のいずれか1項に記載の二液硬化型ポリウレタン樹脂組成物。
  8. 請求項1~7のいずれか1項に記載の二液硬化型ポリウレタン樹脂組成物を用いて樹脂封止された電気電子部品。

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