JP2023147123A - 液体吐出ヘッド及び記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】駆動ICへの放熱板の取り付けを容易にする。【解決手段】液体吐出ヘッドは、吐出部材、フレキシブル基板及び、放熱部を備える。吐出部材は、液体を吐出する複数のノズル、複数のノズルから液体を吐出させる複数の素子、及び、複数の素子それぞれに電気的に接続された複数の端子を有する。フレキシブル基板は、複数の端子に対応する複数の配線及び複数の配線に接続されて複数の素子を駆動する駆動ICを有する。放熱部は、駆動ICに隣接して配置される。フレキシブル基板は、駆動ICが配置される第1面及び第1の面の反対側の第2面を有し、駆動ICが配置される領域の第1面が第2面の側に折り返された状態で駆動ICが放熱部と接触する。【選択図】図3

Description

開示の実施形態は、液体吐出ヘッド及び記録装置に関する。
印刷装置として、インクジェット記録方式を利用したインクジェットプリンタやインクジェットプロッタが知られている。このようなインクジェット方式の印刷装置には、液体を吐出させるための液体吐出ヘッドが搭載されている。
かかる液体吐出ヘッドは、例えば、液体を吐出する吐出部材に接続される可撓性のフレキシブル基板を有している。フレキシブル基板には、吐出部材に設けられた素子を駆動する駆動ICが実装されている。駆動ICは発熱するため、放熱板に押し当てられる。
特開2012-123288号公報
上記の液体吐出ヘッドには、駆動ICへの放熱板の取り付けを容易にするという点で更なる改善の余地がある。
本実施形態の一態様は、上記に鑑みてなされたものであって、駆動ICへの放熱板の取り付けを容易にする液体吐出ヘッド及び記録装置を提供することを目的とする。
実施形態の一態様による液体吐出ヘッドは、吐出部材、フレキシブル基板及び、放熱部を備える。吐出部材は、液体を吐出する複数のノズル、複数のノズルから液体を吐出させる複数の素子、及び、複数の素子それぞれに電気的に接続された複数の端子を有する。フレキシブル基板は、複数の端子に対応する複数の配線及び複数の配線に接続されて複数の素子を駆動する駆動ICを有する。放熱部は、駆動ICに隣接して配置される。フレキシブル基板は、駆動ICが配置される第1面及び第1の面の反対側の第2面を有し、駆動ICが配置される領域の第1面が第2面の側に折り返された状態で駆動ICが放熱部と接触する。
実施形態の一態様によれば、フレキシブル基板に実装された駆動ICへの放熱板の取り付けを容易に行うことができる。
図1は、実施形態に係るプリンタの概略的な正面を模式的に示す正面図である。 図2は、実施形態に係るプリンタの概略的な平面を模式的に示す平面図である。 図3は、実施形態に係る液体吐出ヘッドの内部構成を示す側面模式図である。 図4は、実施形態に係る中継基板の側断面を示す模式図である。 図5は、実施形態に係る中継基板の平面を模式的に表す平面図である。 図6は、実施形態に係るフレキシブル基板を示す模式図である。 図7は、実施形態に係るフレキシブル基板を示す模式図である。 図8は、実施形態に係るフレキシブル基板を示す模式平面図である。 図9は、実施形態に係る支持部を示す模式側面図である。 図10は、実施形態に係る支持部を示す模式側面図である。
以下、添付図面を参照して、本願の開示する液体吐出ヘッド及び記録装置の実施形態について説明する。なお、以下に示す実施形態により本開示が限定されるものではない。また、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係、各要素の比率などは、現実と異なる場合があることに留意する必要がある。さらに、図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。
また、以下に示す実施形態では、「一定」、「直交」、「垂直」あるいは「平行」といった表現が用いられる場合があるが、これらの表現は、厳密に「一定」、「直交」、「垂直」あるいは「平行」であることを要しない。すなわち、上記した各表現は、たとえば製造精度、設置精度などのずれを許容するものとする。
また、各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
従来の液体吐出ヘッドには、駆動ICへの放熱板の取り付けを容易にするという点で更なる改善の余地がある。例えば、液体を吐出する吐出部材と駆動ICを有するフレキシブル基板とを中継基板を介して接続した場合、吐出部材等を筐体に収納する際に駆動ICが内側(吐出部材の側)に向いてしまうことで、駆動ICを放熱板に押し当てる構造が取りづらくなるおそれがある。このようなことから、フレキシブル基板に実装された駆動ICへの放熱板の取り付けを容易に行うことができる技術の提供が期待される。
<プリンタの構成>
まず、図1および図2を参照して実施形態に係る記録装置の一例であるプリンタ1の概要について説明する。図1は、実施形態に係るプリンタ1の概略的な正面を模式的に示す正面図である。図2は、実施形態に係るプリンタ1の概略的な平面を模式的に示す平面図である。実施形態に係るプリンタ1は、たとえば、カラーインクジェットプリンタである。
図1に示すように、プリンタ1は、給紙ローラ2と、ガイドローラ3と、塗布機4と、ヘッドケース5と、複数の搬送ローラ6と、複数のフレーム7と、複数の液体吐出ヘッド8と、搬送ローラ9と、乾燥機10と、搬送ローラ11と、センサ部12と、回収ローラ13とを備える。搬送ローラ6は、搬送部の一例である。
さらに、プリンタ1は、プリンタ1の各部を制御する制御部14を有している。制御部14は、給紙ローラ2、ガイドローラ3、塗布機4、ヘッドケース5、複数の搬送ローラ6、複数のフレーム7、複数の液体吐出ヘッド8、搬送ローラ9、乾燥機10、搬送ローラ11、センサ部12および回収ローラ13の動作を制御する。
プリンタ1は、印刷用紙Pに液滴を着弾させることにより、印刷用紙Pに画像や文字の記録を行う。印刷用紙Pは、記録媒体の一例である。印刷用紙Pは、使用前において給紙ローラ2に巻かれた状態になっている。プリンタ1は、印刷用紙Pを、給紙ローラ2からガイドローラ3および塗布機4を介してヘッドケース5の内部に搬送する。
塗布機4は、コーティング剤を印刷用紙Pに一様に塗布する。これにより、印刷用紙Pに表面処理を施すことができることから、プリンタ1の印刷品質を向上させることができる。
ヘッドケース5は、複数の搬送ローラ6と、複数のフレーム7と、複数の液体吐出ヘッド8とを収容する。ヘッドケース5の内部には、印刷用紙Pが出入りする部分などの一部において外部と繋がっている他は、外部と隔離された空間が形成されている。
ヘッドケース5の内部空間は、必要に応じて、温度、湿度、および気圧などの制御因子のうち、少なくとも1つが制御部14によって制御される。搬送ローラ6は、ヘッドケース5の内部で印刷用紙Pを液体吐出ヘッド8の近傍に搬送する。
フレーム7は、矩形状の平板であり、搬送ローラ6で搬送される印刷用紙Pの上方に近接して位置している。また、図2に示すように、フレーム7は、長手方向が印刷用紙Pの搬送方向に直交するように位置している。そして、ヘッドケース5の内部には、複数(たとえば、4つ)のフレーム7が、印刷用紙Pの搬送方向に沿って所定の間隔で位置している。
液体吐出ヘッド8には、図示しない液体タンクから液体、たとえば、インクが供給される。液体吐出ヘッド8は、液体タンクから供給される液体を吐出する。
制御部14は、画像や文字などのデータに基づいて液体吐出ヘッド8を制御し、印刷用紙Pに向けて液体を吐出させる。液体吐出ヘッド8と印刷用紙Pとの間の距離は、たとえば、0.5~20mm程度である。
液体吐出ヘッド8は、フレーム7に固定されている。液体吐出ヘッド8は、長手方向が印刷用紙Pの搬送方向に直交するように位置している。
すなわち、実施形態に係るプリンタ1は、プリンタ1の内部に液体吐出ヘッド8が固定されている、いわゆるラインプリンタである。なお、実施形態に係るプリンタ1は、ラインプリンタに限られず、いわゆるシリアルプリンタであってもよい。
シリアルプリンタとは、液体吐出ヘッド8を、印刷用紙Pの搬送方向に交差する方向、たとえば、略直交する方向に往復させるなどして移動させながら記録する動作と、印刷用紙Pの搬送とを交互に行う方式のプリンタである。
図2に示すように、1つのフレーム7に複数(たとえば、5つ)の液体吐出ヘッド8が固定されている。図2では、印刷用紙Pの搬送方向の前方に3つ、後方に2つの液体吐出ヘッド8が位置している例を示しており、印刷用紙Pの搬送方向において、それぞれの液体吐出ヘッド8の中心が重ならないように液体吐出ヘッド8が位置している。
そして、1つのフレーム7に位置する複数の液体吐出ヘッド8によって、ヘッド群8Aが構成されている。4つのヘッド群8Aは、印刷用紙Pの搬送方向に沿って位置している。同じヘッド群8Aに属する液体吐出ヘッド8には、4色のインクが供給される。これにより、プリンタ1は、4つのヘッド群8Aを用いて4色のインクによる印刷を行うことができる。
各液体吐出ヘッド8から吐出されるインクの色は、たとえば、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、シアン(C)およびブラック(K)である。制御部14は、各液体吐出ヘッド8を制御して複数色のインクを印刷用紙Pに吐出することにより、印刷用紙Pにカラー画像を印刷することができる。
なお、印刷用紙Pの表面処理をするために、液体吐出ヘッド8からコーティング剤を印刷用紙Pに吐出してもよい。
また、1つのヘッド群8Aに含まれる液体吐出ヘッド8の個数や、プリンタ1に搭載されているヘッド群8Aの個数は、印刷する対象や印刷条件に応じて適宜変更可能である。たとえば、1つの液体吐出ヘッド8で印刷可能な範囲を印刷するのであれば、プリンタ1に搭載されている液体吐出ヘッド8の個数は1つでもよい。
ヘッドケース5の内部で印刷処理された印刷用紙Pは、搬送ローラ9によってヘッドケース5の外部に搬送され、乾燥機10の内部を通る。乾燥機10は、印刷処理された印刷用紙Pを乾燥する。乾燥機10で乾燥された印刷用紙Pは、搬送ローラ11で搬送されて、回収ローラ13で回収される。
プリンタ1では、乾燥機10で印刷用紙Pを乾燥することにより、回収ローラ13において、重なって巻き取られる印刷用紙P同士が接着したり、未乾燥の液体が擦れたりすることを抑制することができる。
センサ部12は、位置センサや速度センサ、温度センサなどにより構成されている。制御部14は、センサ部12からの情報に基づいて、プリンタ1の各部における状態を判断し、プリンタ1の各部を制御することができる。
ここまで説明したプリンタ1では、印刷対象(すなわち、記録媒体)として印刷用紙Pを用いた場合について示したが、プリンタ1における印刷対象は印刷用紙Pに限られず、ロール状の布などを印刷対象としてもよい。
また、プリンタ1は、印刷用紙Pを直接搬送する代わりに、搬送ベルト上に載せて搬送するものであってもよい。搬送ベルトを用いることで、プリンタ1は、枚葉紙や裁断された布、木材、タイルなどを印刷対象とすることができる。
また、プリンタ1は、液体吐出ヘッド8から導電性の粒子を含む液体を吐出するようにして、電子機器の配線パターンなどを印刷してもよい。また、プリンタ1は、液体吐出ヘッド8から反応容器などに向けて所定量の液体の化学薬剤や化学薬剤を含んだ液体を吐出させて、化学薬品を作製してもよい。
また、プリンタ1は、液体吐出ヘッド8をクリーニングするクリーニング部を備えていてもよい。クリーニング部は、たとえば、ワイピング処理やキャッピング処理によって液体吐出ヘッド8の洗浄を行う。
ワイピング処理とは、たとえば、柔軟性のあるワイパーで、液体が吐出される部位の面を払拭することで、液体吐出ヘッド8に付着していた液体を取り除く処理である。
また、キャッピング処理は、たとえば、次のように実施する。まず、液体を吐出される部位、を覆うようにキャップを被せる(これをキャッピングという)。これにより、液体を吐出される部位とキャップとの間に、略密閉された空間が形成される。
次に、このような密閉された空間で液体の吐出を繰り返す。これにより、液体を吐出させる吐出孔(ノズル)に詰まっていた、標準状態よりも粘度が高い液体や異物などを取り除くことができる。
<液体吐出ヘッドの構成>
次に、図3を参照して実施形態に係る液体吐出ヘッド8の構成について説明する。図3は、実施形態に係る液体吐出ヘッド8の内部構成を示す側面模式図である。図3においては、液体吐出ヘッド8の長手方向と直交する側面が示されている。
液体吐出ヘッド8は、吐出部材20と、サポート基板30と、中継基板40と、フレキシブル基板50と、駆動IC100と、マニホールド31と、リザーバ32と、放熱部80と、支持部90と、駆動基板110と、筐体120とを備える。
以下の説明において、便宜的に、液体吐出ヘッド8において吐出部材20が設けられる方向を「下」と表記し、吐出部材20に対してサポート基板30が設けられる方向を「上」と表記する場合がある。
リザーバ32は、液体を貯留するものである。また、マニホールド31は、印刷用紙Pの搬送方向である副走査方向に直交し、かつ印刷用紙Pに平行な方向である主走査方向の両端部に開口(不図示)が設けられている。液体供給部材は、内部に流路を有しており、リザーバ32から開口を介して液体が供給される。
サポート基板30は、吐出部材20の上に位置している。サポート基板30は、内部に流路を有しており、マニホールド31から供給される液体を吐出部材20に供給する。また、サポート基板30は、吐出部材20よりも厚い所定の厚みを有し、吐出部材20を補強する機能を有している。
吐出部材20は、略平板形状であり、サポート基板30に隣接する第1面と、第1面の反対側に位置する第2面とを有している。第1面は、不図示の開口を有し、サポート基板30からかかる開口を介して吐出部材20の内部に液体が供給される。第2面には、印刷用紙Pに液体を吐出する複数の吐出孔が位置している。吐出部材20は、第1面から第2面に液体を流す流路を内部に有している。
吐出部材20は、複数の変位素子を有している。複数の変位素子は、吐出部材20の第1面上に位置している。
中継基板40は、吐出部材20の第1面上のサポート基板30を挟む2つの位置それぞれに位置している。中継基板40の一端部は、吐出部材20と電気的に接続され、中継基板40の他端部は、フレキシブル基板50と電気的に接続されている。中継基板40は、フレキシブル基板50によって伝達された信号を吐出部材20へ中継する機能を有する。また、中継基板40は、吐出部材20側の端子に対してフレキシブル基板50側の端子のピッチを広げた構成を採ることができる。これにより、吐出部材20及びフレキシブル基板50の間の接続の信頼性を向上させることができる。また、中継基板40は、吐出部材20の第1面からの高さがサポート基板30よりも低い。これにより、サポート基板30上に液体供給部材を設置する際に、中継基板40と液体供給部材とが干渉する可能性を低減することができることから、液体供給部材のレイアウトの自由度を向上することができる。
フレキシブル基板50は、可撓性を有する配線基板であり、中継基板40毎に配置される。このフレキシブル基板50は、吐出部材20の制御信号等を中継基板40に伝達する。フレキシブル基板50の一端部は、中継基板40と電気的に接続され、フレキシブル基板50の他端部は、サポート基板30よりも上方に引き出されており、駆動基板110の駆動基板コネクタ111と電気的に接続されている。なお、フレキシブル基板50は、後述する駆動IC100が配置される第1面及び第1の面の反対側の第2面を有する。
駆動IC100は、フレキシブル基板50に搭載(配置)されている。駆動IC100は、制御部14(図1参照)から送られた駆動信号に基づいて、吐出部材20における各変位素子を駆動させる。これにより、駆動IC100は、液体吐出ヘッド8の駆動を制御することができる。
同図に表したように、駆動IC100が配置されたフレキシブル基板50の領域が第2面の側に折り返される。
放熱部80は、駆動IC100を放熱するものである。この放熱部80は、駆動IC100に隣接して配置されて駆動IC100の熱を放熱する。同図の放熱部80は、板状に構成される例を表したものである。この板状の放熱部80の一方の面が駆動IC100に接触し、他方の面が筐体120に当接する。駆動IC100の熱は、放熱部80を介して筐体120に伝熱されて放熱される。
支持部90は、駆動IC100を放熱部80に圧接させるものである。この支持部90は、フレキシブル基板50を介して駆動IC100を放熱部80に圧接する。これにより、駆動IC100及び放熱部80の間の熱抵抗を低減することができる。同図の支持部90は、左右の駆動IC100をそれぞれ押圧する例を表したものである。
駆動基板110は、液体吐出ヘッド8を駆動するものである。この駆動基板110には、駆動IC100の制御信号を生成する回路を備える。駆動IC100の制御信号は、駆動基板コネクタ111を介してフレキシブル基板50に供給される。
同図に表したように、フレキシブル基板50の端部の一部が駆動基板コネクタ111に接続され、他の一部が中継基板40に接続される。フレキシブル基板50の中継基板40と接続される端部の領域を第1の領域と称する。また、フレキシブル基板50の駆動基板コネクタ111に接続される領域を第2の領域と称する。この第2の領域は、駆動IC100の信号を伝達する配線が配置される端部の領域に相当する。
筐体120は、吐出部材20、サポート基板30、中継基板40、フレキシブル基板50、駆動IC100、マニホールド31、リザーバ32、放熱部80、支持部90及び駆動基板110を収容するものである。また、上述のように筐体120は、駆動IC100の熱の放熱を更に行う。
なお、図3は、液体吐出ヘッド8の構成の一例を示すものであり、図3に示した部材以外の部材をさらに含んでもよい。
<中継基板の構成>
次に、図4及び5を参照して実施形態に係る中継基板40の構成について説明する。図4は、実施形態に係る中継基板40の側断面を示す模式図である。図5は、実施形態に係る中継基板40の平面を模式的に表す平面図である。
図4に示すように、中継基板40には、吐出部材20及びフレキシブル基板50が接続される。吐出部材20の端部には、複数の端子21が配置される。また、フレキシブル基板50の端部には、複数の端子61が配置される。
中継基板40は、複数のパッド41及び複数のパッド42と、配線43を備える。パッド41は、吐出部材20の端子21と接合されるパッドである。また、パッド42は、フレキシブル基板50の端子61と接合されるパッドである。配線43は、パッド41及び42毎に配置され、パッド41及びパッド42を接続する配線である。端子21及びパッド41の間並びに端子61及びパッド42の間は、導電性接合材によって接合されている。この導電性接合材としては、たとえば、異方性導電フィルム(ACF:Anisotropic Conductive Film)を用いることができる。
なお、フレキシブル基板50の端子61には配線62が接続される。同図に表したように、フレキシブル基板50は、吐出部材20における液体の吐出方向とは逆の方向に曲げられる。
図5に示すように、中継基板40の一端側に複数のパッド41が配置され、他端側に複数のパッド42が配置される。複数の配線43は、パッド41及びパッド42を1対1に接続する。前述のように、複数のパッド41のピッチに対して広いピッチに複数のパッド42が配置される。
<フレキシブル基板の構成>
次に、図6乃至8を参照して実施形態に係るフレキシブル基板50の構成について説明する。図6及び7は、実施形態に係るフレキシブル基板50を示す模式図である。図8は、実施形態に係るフレキシブル基板50を示す模式平面図である。
図6に示すように、フレキシブル基板50は、中継基板40と接続される第1の領域51と駆動基板コネクタ111に接続される第2の領域52を備える。第1の領域51及び第2の領域52の間は、切り欠き部53により分離される。同図のフレキシブル基板50は、第1の領域51の両側に第2の領域52a及び第2の領域52bを備える例を表したものである。第1の領域51及び第2の領域52aの間は、切り欠き部53aにより分離される。また、第1の領域51及び第2の領域52bの間は、切り欠き部53bにより分離される。
なお、同図は、第1面から見たフレキシブル基板50の構成を表した図である。この第1面には駆動IC100が配置される。
図7に示すように、フレキシブル基板50における駆動IC100が配置される領域の第1面が第2面の側に折り返される。なお、第1面が第2面の側に折り返された結果、第1の領域51と第2の領域52a及び52bとは、異なる向きに配置される。なお、同図の第1の領域51は、中継基板40の方向に更に曲げられる様子を表したものである。
図8に示すように、フレキシブル基板50の第1の領域51には、複数の端子66が配置される。また、フレキシブル基板50の第2の領域52aには複数の端子61aが配置され、第2の領域52bには複数の端子61bが配置される。また、図6において説明した様に、第1の領域51及び第2の領域52aの間は切り欠き部53aにより分離され、第1の領域51及び第2の領域52bの間は切り欠き部53bにより分離される。
なお、同図の切り欠き部53a及び53bには、分離部が配置される。この分離部は、切り欠き部の開口部近傍に配置されて切り欠き部を分離するものである。切り欠き部53aには分離部54aが配置され、切り欠き部53bには分離部54bが配置される。この分離部54a及び54bを配置することにより、液体吐出ヘッド8の製造工程におけるフレキシブル基板50を取り扱う際の強度を向上させることができる。
同図の点線の領域は、駆動IC100が配置される領域55を表す。この領域55には、駆動IC100のパッド63及び64が配置される。パッド63は、駆動基板110からの信号や電源等が入力されるパッドであり、配線62を介して端子61a及び61bと接続される。パッド64は、吐出部材20の信号が出力されるパッドであり、配線65を介して端子66と接続される。配線62や65は、例えば、銅(Cu)により構成することができる。
同図の切り欠き部53a及び53bは、端部が切り欠き部53a等の伸長方向に湾曲した曲線により構成される例を表したものである。これにより、切り欠き部53a等の端部に応力が掛かる際の強度を向上させることができる。
また、切り欠き部53a等の端部の近傍には、補強用の配線68を配置することもできる。この配線68は、Cu等により構成されて比較的広い幅に構成される配線パターンである。この配線68を配置することにより、切り欠き部53a等の端部の強度を更に向上させることができる。
また、切り欠き部53a等の端部の近傍に基準電位を伝達する配線67を配置することもできる。この配線67は、比較的広い幅に構成される配線である。この配線67を配置することにより、切り欠き部53a等の端部の強度を更に向上させることができる。なお、配線67には、電源を供給する配線を適用することもできる。
また、同図の破線は、フレキシブル基板50が折り返される曲げ領域56を表す。同図に表したように、この曲げ領域56における配線65のピッチを他の領域より広くすることができる。これにより、曲げ領域56におけるフレキシブル基板50の強度を向上させることができる。
<支持部の構成>
次に、図9及び10を参照して実施形態に係る支持部90の構成について説明する。図9及び10は、実施形態に係る支持部90を示す模式側面図である。
図9に示すように、支持部90は、2つに折り返されて重なったフレキシブル基板50を介して駆動IC100を放熱部80に圧接する構成を採ることができる。曲げ領域56が支持部90に掛からない構成を採ることにより、フレキシブル基板50の強度を向上させることができる。また、駆動IC100の熱をフレキシブル基板50により伝熱させることもできる。
図10に示すように、支持部90の底部近傍に開口部91を形成し、この開口部91に折り返されたフレキシブル基板50の第1の領域51を通す構成を採ることもできる。この場合、フレキシブル基板50は、支持部90における駆動IC100を圧接する領域を挟む形状に折り返される。これにより、フレキシブル基板50の曲げ領域56の屈曲を緩和することができ、フレキシブル基板50の負担を軽減して強度を向上させることができる。
<各種変形例>
図3において、2組の中継基板40、フレキシブル基板50及び放熱部80の一方を省略する構成を採ることもできる。
図6乃至8において、第2の領域52a及び52bの何れか一方を省略する構成を採ることもできる。
以上のように、実施形態に係る液体吐出ヘッド(例えば、液体吐出ヘッド8)は、吐出部材(例えば、吐出部材20)、フレキシブル基板(例えば、フレキシブル基板50)及びを備える。吐出部材は、液体を吐出する複数のノズルと、複数のノズルから液体を吐出させる複数の素子と、複数の素子それぞれに電気的に接続された複数の端子とを有する。フレキシブル基板は、複数の端子に対応する複数の配線及び複数の配線に接続されて複数の素子を駆動する駆動IC(例えば、駆動IC100)を有する。中継基板は、駆動ICに隣接して配置される放熱部(例えば、放熱部80)と、吐出部材とフレキシブル基板とを電気的に接続する。フレキシブル基板は、駆動ICが配置される第1面及び第1の面の反対側の第2面を有し、駆動ICが配置される領域の第1面が第2面の側に折り返される。これにより、駆動ICが外側に配置されるため、駆動ICへの放熱板の取り付けを容易に行うことができる。
吐出部材とフレキシブル基板とを電気的に接続する中継基板(例えば、中継基板40)を備え、また、フレキシブル基板は、中継基板と接続される端部の領域である第1の領域(第1の領域51)と、駆動ICの信号を伝達する配線が配置される端部の領域である第2の領域(例えば、第2の領域52a及び52b)と、第1の領域及び第2の領域を分離する切り欠き部(例えば、切り欠き部53a及び53bょとを有してもよい。これにより、中継基板に接続される領域及び駆動ICの信号を伝達する配線が配置される端部の領域を一体に形成することができる。
また、フレキシブル基板は、端部が曲線により構成される切り欠き部を有してもよい。これにより、フレキシブル基板の強度を向上させることができる。
また、フレキシブル基板は、切り欠き部の端部の近傍に補強のための配線(例えば、配線68)が配置されてもよい。これにより、フレキシブル基板の強度を向上させることができる。
また、フレキシブル基板は、切り欠き部の端部の近傍に基準電位を伝達する配線(例えば、配線67)が配置されてもよい。これにより、フレキシブル基板の強度を向上させることができる。
また、フレキシブル基板は、切り欠き部の開口部近傍に配置されて切り欠き部を分離する分離部(例えば、分離部54a及び54b)を更に有してもよい。これにより、フレキシブル基板を取り扱う際の強度を向上させることができる。
また、フレキシブル基板は、駆動ICの信号を供給する駆動基板と接続するための端子(例えば、端子61a及び61b)が第2の領域の端部に配置されてもよい。これにより、フレキシブル基板を中継基板および駆動基板の間における信号伝達に適用することができ、液体吐出ヘッドを小型化することができる。
また、フレキシブル基板は、折り返された曲げ領域(例えば、曲げ領域56)において他の領域よりピッチが広い複数の配線が配置されてもよい。これにより、フレキシブル基板の強度を向上させることができる。
また、フレキシブル基板を介して駆動ICを放熱部に圧接させる支持部(例えば、支持部90)を更に備えてもよい。これにより、駆動IC及び放熱部の間の熱抵抗を低減することができる。
また、支持部は、折り返された状態で重なったフレキシブル基板を介して駆動ICを放熱部に圧接してもよい。これにより、駆動ICの熱を吐出部材に伝熱させることができ、駆動ICを更に放熱することができる。
また、支持部は、自身を挟む形状に折り返されたフレキシブル基板を介して駆動ICを放熱部に圧接してもよい。これにより、フレキシブル基板の強度を向上させることができる。
また、フレキシブル基板は、吐出部材における液体の吐出方向とは逆の方向に曲げられてもよい。これにより、液体吐出ヘッドを小型化することができる。
また、この第1の態様において、放熱部が配置される筐体(例えば、筐体120)を更に備えてもよい。これにより、放熱部の熱を筐体に逃がすことができ、駆動ICを更に放熱することができる。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細及び代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲及びその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神又は範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
8 液体吐出ヘッド
20 吐出部材
40 中継基板
50 フレキシブル基板
51 第1の領域
52、52a、52b 第2の領域
53、53a、53b 切り欠き部
54a、54b 分離部
56 曲げ領域
80 放熱部
90 支持部
100 駆動IC
110 駆動基板
111 駆動基板コネクタ
120 筐体

Claims (14)

  1. 液体を吐出する複数のノズル、前記複数のノズルから液体を吐出させる複数の素子、及び、前記複数の素子のそれぞれに電気的に接続された複数の端子を有する吐出部材と、
    前記複数の端子に対応する複数の配線及び前記複数の配線に接続されて前記複数の素子を駆動する駆動ICを有するフレキシブル基板と、
    前記駆動ICに隣接して配置される放熱部と
    を備え、
    前記フレキシブル基板は、
    前記駆動ICが配置される第1面及び前記第1面の反対側の第2面を有し、
    前記駆動ICが配置される領域の前記第1面が前記第2面の側に折り返された状態で前記駆動ICが前記放熱部と接触する、
    液体吐出ヘッド。
  2. 前記吐出部材と前記フレキシブル基板とを電気的に接続する中継基板を備え、
    前記フレキシブル基板は、前記中継基板と接続される端部の領域である第1の領域と、前記駆動ICの信号を伝達する配線が配置される端部の領域である第2の領域と、前記第1の領域及び前記第2の領域を分離する切り欠き部とを有する請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  3. 前記フレキシブル基板は、端部が曲線により構成される前記切り欠き部を有する請求項2に記載の液体吐出ヘッド。
  4. 前記フレキシブル基板は、前記切り欠き部の端部の近傍に補強のための配線が配置される請求項2に記載の液体吐出ヘッド。
  5. 前記フレキシブル基板は、前記切り欠き部の端部の近傍に基準電位を伝達する配線が配置される請求項2に記載の液体吐出ヘッド。
  6. 前記フレキシブル基板は、前記切り欠き部の開口部近傍に配置されて前記切り欠き部を分離する分離部を更に有する請求項2に記載の液体吐出ヘッド。
  7. 前記フレキシブル基板は、前記駆動ICの信号を供給する駆動基板と接続するための端子が前記第2の領域の端部に配置される請求項2に記載の液体吐出ヘッド。
  8. 前記フレキシブル基板は、前記折り返された曲げ領域において他の領域よりピッチが広い前記複数の配線が配置される請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  9. 前記フレキシブル基板を介して前記駆動ICを前記放熱部に圧接させる支持部を更に備える請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  10. 前記支持部は、前記折り返された状態で重なった前記フレキシブル基板を介して前記駆動ICを前記放熱部に圧接する請求項9に記載の液体吐出ヘッド。
  11. 前記支持部は、自身を挟む形状に前記折り返された前記フレキシブル基板を介して前記駆動ICを前記放熱部に圧接する請求項9に記載の液体吐出ヘッド。
  12. 前記フレキシブル基板は、前記吐出部材における前記液体の吐出方向とは逆の方向に曲げられる請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  13. 前記放熱部が配置される筐体を更に備える請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  14. 請求項1~13の何れか1つに記載の液体吐出ヘッドを備える記録装置。
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