JP2023145852A - 二酸化炭素回収設備、及び二酸化炭素回収方法 - Google Patents

二酸化炭素回収設備、及び二酸化炭素回収方法 Download PDF

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Abstract

【課題】排気ガス中から高濃度の二酸化炭素を回収しつつも、設備の設置面積の増加及び設備コストの増加を抑える。【解決手段】二酸化炭素吸着物が内部に充填されている吸着塔と、前記吸着塔内を真空吸引する吸引機と、前記吸引機の吐出口に接続されている吐出ラインと、前記吐出ラインに接続されている二酸化炭素回収ラインと、前記二酸化炭素回収ラインに設けられている回収ガス弁と、前記吐出ラインに接続されている非回収ガスラインと、前記非回収ガスラインに設けられている非回収ガス弁と、制御装置と、を備える。制御装置は、前記吸着塔内の圧力が予め定められた回収圧力を基準にして低真空の場合に、前記回収ガス弁を閉じて、前記非回収ガス弁を開け、前記吸着塔内の圧力が前記回収圧力を基準にして高真空の場合に、前記非回収ガス弁を閉じて、前記回収ガス弁を開ける。【選択図】図1

Description

本開示は、二酸化炭素回収設備、及び二酸化炭素回収方法に関する。
地球環境保全の観点から二酸化炭素の排出量を削減するため、排気ガス中に含まれている二酸化炭素を回収する設備が検討されている。
排気ガスから二酸化炭素を回収する設備としては、例えば、以下の非特許文献1に開示されている設備がある。この設備は、送風機と、除湿器と、第一段吸着塔と、第一吸引機と、第二段吸着塔と、第二吸引機と、を備える。送風機は、排気ガスを除湿塔に送る。除湿塔は、排気ガス中の水分を除去する。第一段吸着塔及び第二段吸着塔は、内部に二酸化炭素を吸着可能な吸着剤が充填されている。第一段吸着塔は、除湿器を通過した排気ガス中の二酸化炭素を吸着する。第一吸引機は、第一段吸着塔内を真空吸引して、第一段吸着塔内の吸着剤から二酸化炭素を離脱させ、この二酸化炭素を含むガスを第二段吸着塔に送る。第二段吸着塔は、第一吸引機を介して、第一段吸着塔からのガス中の二酸化炭素を吸着する。第二吸引機は、第二段吸着塔内を真空吸引して、第二段吸着塔内の吸着剤から二酸化炭素を離脱させ、この二酸化炭素を含むガスをタンクに送る。なお、排気ガスを連続処理するため、第一段吸着塔及び第二段吸着塔は、いずれも、複数基存在する必要がある。
この設備では、二段階で二酸化炭素の吸着を実行するので、高濃度の二酸化炭素を回収できる。
「三菱重工技報 Vol.35 No.6 (1998-11)」、三菱重工業株式会社、1998年11月、p406~409
非特許文献1に記載の設備は、高濃度の二酸化炭素を回収するために、第一段吸着塔、第一吸引機、第二段吸着塔、第二吸引機を備えている。このため、非特許文献1に記載の設備では、設備を構成する機器数が多くなり、設備の設置面積が大きくなる上に、設備コストが嵩む。
そこで、本開示は、排気ガス中から高濃度の二酸化炭素を回収しつつも、設備の設置面積の増加及び設備コストの増加を抑えることができる二酸化炭素回収設備、及び二酸化炭素回収方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための発明に係る一態様としての二酸化炭素回収設備は、
少なくとも窒素と二酸化炭素を含む排気ガスから二酸化炭素を回収可能な二酸化炭素回収設備において、高圧下で二酸化炭素を吸着し、低圧下で二酸化炭素を放出できる二酸化炭素吸着剤で形成されている二酸化炭素吸着物が内部に充填されている吸着塔と、前記吸着塔内に前記排気ガスを送る送風機と、前記吸着塔内を真空吸引する吸引機と、前記吸引機の吐出口に接続されている吐出ラインと、前記吐出ラインに接続されている二酸化炭素回収ラインと、前記二酸化炭素回収ラインに設けられている回収ガス弁と、前記吐出ラインに接続されている非回収ガスラインと、前記非回収ガスラインに設けられている非回収ガス弁と、前記吸着塔内の圧力が予め定められた回収圧力を基準にして低真空の場合又は低真空であると想定される場合に、前記回収ガス弁を閉じて、前記非回収ガス弁を開け、前記吸着塔内の圧力が前記回収圧力を基準にして高真空の場合又は高真空であると想定される場合に、前記非回収ガス弁を閉じて、前記回収ガス弁を開ける制御装置と、を備える。
発明者は、吸着塔内を真空吸引し、そのときの吸着塔内の圧力に応じた吸引ガス中のガス成分を分析した。発明者は、この分析により、以下の現象を見つけた。吸着塔内の真空度が低い場合、吸引ガス中の窒素濃度が高く、吸引ガス中の二酸化炭素濃度が低い。吸着塔41内の真空度を高めると、次第に、吸引ガス中の窒素濃度が低くなり、吸引ガス中の二酸化炭素濃度が高くなる。この現象は、二酸化炭素吸着物に対する二酸化炭素の吸着力が、二酸化炭素吸着物に対する窒素の吸着力より高いためである、と考えられる。
そこで、発明者は、以上の現象に基づき、第一態様における二酸化炭素回収設備を想到した。本態様では、吸着塔内の圧力が予め定められた回収圧力を基準にして低真空の場合又は低真空であると想定される場合には、吸引ガスをタンク等に回収せず、吸着塔内の圧力が回収圧力を基準にして高真空の場合又は高真空であると想定される場合には、吸引ガスをタンク等に回収するようにした。このため、本態様では、高濃度の二酸化炭素を回収できる。
また、本態様では、非特許文献1に記載の設備のように、第一段吸着塔及び第二段吸着塔を設けなくても、以上のように、高濃度の二酸化炭素を回収できるので、設備を構成する機器数を抑えることができる。よって、本態様では、設備の設置面積の増加及び設備コストの増加を抑えることができる。
さらに、本態様では、二段階で吸着工程を実行しなくても、高濃度の二酸化炭素を回収できるので、排気ガス中から二酸化炭素を回収する時間を短くすることができる。
上記目的を達成するための発明に係る一態様としての二酸化炭素回収方法は、
少なくとも窒素と二酸化炭素を含む排気ガスから二酸化炭素を回収する二酸化炭素回収方法において、高圧下で二酸化炭素を吸着し、低圧下で二酸化炭素を放出できる二酸化炭素吸着剤で形成されている二酸化炭素吸着物が内部に充填されている吸着塔内に、前記排気ガスを流入させて、前記二酸化炭素吸着剤に前記排気ガス中の二酸化炭素を吸着させる吸着工程と、前記吸着塔内を真空吸引して、前記二酸化炭素吸着剤に吸着していた二酸化炭素を前記二酸化炭素吸着剤から離脱させる離脱工程と、を実行する。前記離脱工程は、前記吸着塔からのガスを回収ガスとして、回収ガスタンクに導く二酸化炭素回収工程と、前記吸着塔からのガスを非回収ガスとして前記回収ガスタンクを除く場所に導く非回収ガス流通工程と、前記二酸化炭素回収工程及び前記非回収ガス流通工程の実行を制御する制御工程と、を含む。前記制御工程では、前記吸着塔内の圧力が予め定められた回収圧力を基準にして高真空の場合又は高真空であると想定される場合に、前記二酸化炭素回収工程を実行させ、前記吸着塔内の圧力が前記回収圧力を基準にして低真空である場合又は低真空であると想定される場合に、前記非回収ガス流通工程を実行させる。
本態様では、前記一態様における二酸化炭素回収設備と同様の効果を得ることができる。すなわち、本態様でも、非特許文献1に記載の設備のように、第一段吸着塔及び第二段吸着塔を設けなくても、高濃度の二酸炭素を回収できる。また、本態様でも、排気ガス中から二酸化炭素を回収する時間を短くすることができる。
本開示の一態様によれば、排気ガス中から高濃度の二酸化炭素を回収しつつも、設備の設置面積の増加及び設備コストの増加を抑えることができる。
本開示に係る第一実施形態における二酸化炭素回収設備の系統図(その1)である。 本開示に係る第一実施形態における二酸化炭素回収設備の系統図(その2)である。 本開示に係る一実施形態における二酸化炭素吸着物の要部斜視図である。 本開示に係る第一実施形態における二酸化炭素回収設備の動作を示すフローチャートである。 NaXタイプのゼオライトを用いたときの分析結果を示す説明図である。 LiXタイプのゼオライトを用いたときの分析結果を示す説明図である。 CaXタイプのゼオライトを用いたときの分析結果を示す説明図である。 本開示に係る第一実施形態における吸収塔内のゲージ圧の時間経過に伴う変化を示すグラフである。 本開示に係る第二実施形態における二酸化炭素回収設備の系統図である。 本開示に係る第二実施形態における二酸化炭素回収設備の動作を示すフローチャートである。 本開示に係る第三実施形態における二酸化炭素回収設備の系統図である。 本開示に係る第三実施形態における二酸化炭素回収設備の動作を示すフローチャートである。 本開示に係る第三実施形態における吸収塔内のゲージ圧の時間経過に伴う変化を示すグラフである。 本開示に係る第四実施形態における二酸化炭素回収設備の系統図である。 本開示に係る第四実施形態における一態様の吸引機の構成を示す説明図である。 本開示に係る第四実施形態における他態様の吸引機の構成を示す説明図である。 本開示に係る第四実施形態における二酸化炭素回収設備の動作を示すフローチャートである。 本開示に係る第四実施形態における吸収塔内のゲージ圧の時間経過に伴う変化を示すグラフである。 本開示に係る第五実施形態における二酸化炭素回収設備の系統図である。 本開示に係る第五実施形態における二酸化炭素回収設備の動作を示すフローチャートである。 本開示に係る第五実施形態における吸収塔内のゲージ圧の時間経過に伴う変化を示すグラフである。
本開示に係る二酸化炭素回収設備の各種実施形態及び各種変形例について、図面を参照して以下に説明する。
「第一実施形態」
二酸化炭素回収設備の第一実施形態について、図1~図8を参照して説明する。
本実施形態における二酸化炭素回収設備は、図1に示すように、排気ガス発生源1からの排気ガス中から二酸化炭素を回収する設備である。排気ガス発生源1としては、例えば、焼却炉、ボイラー、ガスタービン等がある。排気ガス発生源1からの排気ガスの組成は、例えば、以下の通りである。
:75.9vol%、O:9.6vol%、CO:5.4vol%、HO:9.2vol%
この二酸化炭素回収設備は、前処理装置10と、二酸化炭素回収装置40と、を備える。前処理装置10は、排気ガスから二酸化炭素回収装置40での二酸化炭素回収を阻害する成分を除去する装置である。二酸化炭素回収装置40は、前処理装置10からの排気ガスから、主として二酸化炭素を回収する装置である。
前処理装置10は、二基の除湿塔11を備える。二基の除湿塔11は、いずれも、容器12と、容器12内に充填されている水分吸着物15と、を有する。水分吸着物15は、水分を吸着可能な水分吸着剤で形成されている。水分吸着剤としては、例えば、活性アルミナ、シリカゲル、ゼオライト等がある。二基の除湿塔11の容器12は、いずれも、第一口13と第二口14とを有する。第一口13は、容器12中で水分吸着物15を基準にして一方の側に形成され、第二口14は、容器12中で水分吸着物15を基準にして他方の側に形成されている。なお、以下では、二基の除湿塔11のうち、一基の除湿塔11を第一除湿塔11aとし、残りの一基の除湿塔11を第二除湿塔11bとする。
二酸化炭素回収装置40は、三基の吸着塔41を備える。三基の吸着塔41は、いずれも、容器42と、容器42内に充填されている二酸化炭素吸着物45と、を有する。二酸化炭素吸着物45は、高圧下で二酸化炭素を吸着し、低圧下で二酸化炭素を離脱させることができる二酸化炭素吸着剤で形成されている。本実施形態における二酸化炭素吸着剤は、ゼオライトである。三基の吸着塔41の容器42は、いずれも、第一口43と第二口44とを有する。第一口43は、容器42中で二酸化炭素吸着物45を基準にして一方の側に形成され、第二口44は、容器42中で二酸化炭素吸着物45を基準にして他方の側に形成されている。なお、以下では、三基の吸着塔41のうち、一基の吸着塔41を第一吸着塔41aとし、他の一基の吸着塔41を第二吸着塔41bとし、残りの一基の吸着塔41を第三吸着塔41cとする。二酸化炭素吸着物45は、図3に示すように、互に同じ方向に貫通した複数の貫通孔46が形成されている多孔構造物である。なお、図3に示す多孔構造物をハニカム構造体ということもある。
二酸化炭素吸着剤の一種であるゼオライトは、二酸化炭素のみならず、水分も吸着可能である。このため、排気ガス中に水分が含まれている場合、ゼオライトによる二酸化炭素の吸着能力が低下する。そこで、本実施形態では、前処理装置10で、排気ガス中の水分を除去する。
前処理装置10は、前述の第一除湿塔11a及び第二除湿塔11bの他、送風機16と、除湿真空ポンプ17と、排気ガスライン20と、乾燥排気ガスライン23と、水分リッチガスライン27と、オフガスライン30と、第一排気ガス弁35aと、第二排気ガス弁35bと、除湿側第一乾燥排気ガス弁36aと、除湿側第二乾燥排気ガス弁36bと、第一水分リッチガス弁37aと、第二水分リッチガス弁37bと、除湿側第一オフガス弁38aと、除湿側第二オフガス弁38bと、を有する。
排気ガスライン20は、主排気ガスライン21と、第一排気ガスライン22aと、第二排気ガスライン22bと、を有する。主排気ガスライン21の一端は、排気ガス発生源1に接続されている。主排気ガスライン21の他端には、第一排気ガスライン22aの一端及び第二排気ガスライン22bの一端が接続されている。よって、第一排気ガスライン22a及び第二排気ガスライン22bは、主排気ガスライン21から分岐したラインである。主排気ガスライン21には、送風機16が設けられている。第一排気ガスライン22aの他端は、第一除湿塔11aの第一口13に接続され、第二排気ガスライン22bの他端は、第二除湿塔11bの第一口13に接続されている。第一排気ガスライン22aには、第一排気ガス弁35aが設けられている。第二排気ガスライン22bには、第二排気ガス弁35bが設けられている。
乾燥排気ガスライン23は、除湿側第一乾燥排気ガスライン24aと、除湿側第二乾燥排気ガスライン24bと、主乾燥排気ガスライン25と、回収側第一乾燥排気ガスライン26aと、回収側第二乾燥排気ガスライン26bと、回収側第三乾燥排気ガスライン26cと、を有する。除湿側第一乾燥排気ガスライン24aの一端は、第一除湿塔11aの第二口14に接続され、除湿側第二乾燥排気ガスライン24bの一端は、第二除湿塔11bの第二口14に接続されている。除湿側第一乾燥排気ガスライン24aには、除湿側第一乾燥排気ガス弁36aが設けられている。除湿側第二乾燥排気ガスライン24bには、除湿側第二乾燥排気ガス弁36bが設けられている。除湿側第一乾燥排気ガスライン24aの他端及び除湿側第二乾燥排気ガスライン24bの他端には、主乾燥排気ガスライン25の一端が接続されている。主乾燥排気ガスライン25の他端には、回収側第一乾燥排気ガスライン26aの一端、回収側第二乾燥排気ガスライン26bの一端、及び回収側第三乾燥排気ガスライン26cの一端が接続されている。よって、回収側第一乾燥排気ガスライン26a、回収側第二乾燥排気ガスライン26b、及び回収側第三乾燥排気ガスライン26cは、主乾燥排気ガスライン25から分岐したラインである。回収側第一乾燥排気ガスライン26aの他端は、第一吸着塔41aの第一口43に接続されている。回収側第二乾燥排気ガスライン26bの他端は、第二吸着塔41bの第一口43に接続されている。回収側第三乾燥排気ガスライン26cの他端は、第三吸着塔41cの第一口43に接続されている。
水分リッチガスライン27は、第一水分リッチガスライン28aと、第二水分リッチガスライン28bと、主水分リッチガスライン29と、を有する。第一水分リッチガスライン28aの一端は、第一排気ガスライン22a中で、第一排気ガス弁35aよりも第一除湿塔11a側の位置に接続されている。第二水分リッチガスライン28bの一端は、第二排気ガスライン22b中で、第二排気ガス弁35bよりも第二除湿塔11b側の位置に接続されている。第一水分リッチガスライン28aには、第一水分リッチガス弁37aが設けられ、第二水分リッチガスライン28bには、第二水分リッチガス弁37bが設けられている。第一水分リッチガスライン28aの他端及び第二水分リッチガスライン28bの他端には、主水分リッチガスライン29の一端が接続されている。この主水分リッチガスライン29の他端には、除湿真空ポンプ17の吸込口が接続されている。
オフガスライン30は、回収側第一オフガスライン31aと、回収側第二オフガスライン31bと、回収側第三オフガスライン31cと、主オフガスライン32と、除湿側第一オフガスライン33aと、除湿側第二オフガスライン33bと、を有する。回収側第一オフガスライン31aの一端は、第一吸着塔41aの第二口44に接続されている。回収側第二オフガスライン31bの一端は、第二吸着塔41bの第二口44に接続されている。回収側第三オフガスライン31cの一端は、第三吸着塔41cの第二口44に接続されている。回収側第一オフガスライン31aの他端、回収側第二オフガスライン31bの他端、及び回収側第三オフガスライン31cの他端は、主オフガスライン32の一端側の部分に接続されている。主オフガスライン32の他端には、除湿側第一オフガスライン33aの一端、及び除湿側第二オフガスライン33bの一端が接続されている。除湿側第一オフガスライン33aの他端は、第一除湿塔11aの第二口14に接続されている。除湿側第二オフガスライン33bの他端は、第二除湿塔11bの第二口14に接続されている。除湿側第一オフガスライン33aには、除湿側第一オフガス弁38aが設けられている。除湿側第二オフガスライン33bには、除湿側第二オフガス弁38bが設けられている。
二酸化炭素回収装置40は、前述の第一吸着塔41a、第二吸着塔41b、及び第三吸着塔41cの他、送風機16と、乾燥排気ガスライン23と、吸引機50と、回収側第一乾燥排気ガス弁56aと、回収側第二乾燥排気ガス弁56bと、回収側第三乾燥排気ガス弁56cと、第一吸引弁57aと、第二吸引弁57bと、第三吸引弁57cと、回収側第一オフガス弁58aと、回収側第二オフガス弁58bと、回収側第三オフガス弁58cと、回収ガス弁60と、非回収ガス弁61と、回収ガスタンク63と、吸引ライン65と、オフガスライン30と、吐出ライン68と、二酸化炭素回収ライン70と、非回収ガスライン71と、制御装置80と、を備える。
二酸化炭素回収装置40の構成要素のうち、送風機16、乾燥排気ガスライン23、及びオフガスライン30は、二酸化炭素回収装置40の構成要素であると共に、前処理装置10の構成要素でもある。
回収側第一乾燥排気ガス弁56aは、前述の回収側第一乾燥排気ガスライン26aに設けられている。回収側第二乾燥排気ガス弁56bは、前述の回収側第二乾燥排気ガスライン26bに設けられている。回収側第三乾燥排気ガス弁56cは、前述の回収側第三乾燥排気ガスライン26cに設けられている。回収側第一オフガス弁58aは、前述の回収側第一オフガスライン31aに設けられている。回収側第二オフガス弁58bは、前述の回収側第二オフガスライン31bに設けられている。回収側第三オフガス弁58cは、前述の回収側第三オフガスライン31cに設けられている。
吸引ライン65は、第一吸引ライン66aと、第二吸引ライン66bと、第三吸引ライン66cと、主吸引ライン67と、を有する。第一吸引ライン66aの一端は、回収側第一乾燥排気ガスライン26a中で、回収側第一乾燥排気ガス弁56aよりも第一吸着塔41a側の位置に接続されている。第一吸引ライン66aには、第一吸引弁57aが設けられている。第二吸引ライン66bの一端は、回収側第二乾燥排気ガスライン26b中で、回収側第二乾燥排気ガス弁56bよりも第二吸着塔41b側の位置に接続されている。第二吸引ライン66bには、第二吸引弁57bが設けられている。第三吸引ライン66cの一端は、回収側第三乾燥排気ガスライン26c中で、回収側第三乾燥排気ガス弁56cよりも第三吸着塔41c側の位置に接続されている。第三吸引ライン66cには、第三吸引弁57cが設けられている。第一吸引ライン66aの他端、第二吸引ライン66bの他端、及び第三吸引ライン66cの他端は、主吸引ライン67の一端側の部分に接続されている。主吸引ライン67の他端は、吸引機50の吸込口に接続されている。
吸引機50は、例えば、真空ポンプである。
吐出ライン68の一端は、吸引機50の吐出口に接続されている。吐出ライン68の他端には、二酸化炭素回収ライン70の一端及び非回収ガスライン71の一端が接続されている。非回収ガスライン71は、端部が開放されている非回収ガス放出ライン72aを有する。非回収ガス弁61は、非回収ガス放出ライン72aに設けられている放出弁62aを有する。二酸化炭素回収ライン70の他端は、回収ガスタンク63に接続されている。二酸化炭素回収ライン70には、回収ガス弁60が設けられている。
制御装置80は、3基の吸着塔41毎に設けられている圧力計81と、圧力計81で検知された圧力に基づき、回収ガス弁60及び放出弁62aの動作を制御する弁制御器82と、を有する。
次に、以上で説明した二酸化炭素回収設備の動作について、図4に示すフローチャートに従って説明する。
二酸化炭素回収設備は、前処理S10と、二酸化炭素回収処理S20とを実行する。前処理S10は、前処理装置10により実行され、二酸化炭素回収処理S20は、二酸化炭素回収装置40により実行される。
前処理S10では、除湿工程S11及び再生工程S12が実行される。仮に、第一除湿塔11a内の水分吸着物15の水分吸着量が極めて少なく、第二除湿塔11b内の水分吸着物15の水分吸着量が多いとする。この場合、図1に示すように、第一排気ガス弁35aが開状態、第二排気ガス弁35bが閉状態、除湿側第一乾燥排気ガス弁36aが開状態、除湿側第二乾燥排気ガス弁36bが閉状態、第一水分リッチガス弁37aが閉状態、第二水分リッチガス弁37bが開状態、除湿側第一オフガス弁38aが閉状態、除湿側第二オフガス弁38bが開状態になる。
この場合、排気ガス発生源1からの排気ガスは、主排気ガスライン21、送風機16、第一排気ガスライン22a、及び第一排気ガス弁35aを介して、第一除湿塔11a内に流入する。第一除湿塔11a内に流入した排気ガスは、第一除湿塔11a内の水分吸着物15を通過する過程で、排気ガス中に含まれている水分の多くが水分吸着物15に吸着され、残りは、乾燥排気ガスとして、第一除湿塔11aから排気される。すなわち、第一除湿塔11aでは、排気ガスの除湿が行われる。この乾燥排気ガスは、除湿側第一乾燥排気ガスライン24a、除湿側第一乾燥排気ガス弁36a、主乾燥排気ガスライン25を介して、二酸化炭素回収装置40へ送られる(除湿工程S11)。
さらに、この場合、二酸化炭素回収装置40から、水分の少ないオフガスが、主オフガスライン32、除湿側第二オフガスライン33b、除湿側第二オフガス弁38bを介して、第二除湿塔11b内に流入する。第二除湿塔11b内に流入したオフガスは、第二除湿塔11b内の水分吸着物15を通過する過程で、この水分吸着物15から水分を離脱させて、水分ともに第二除湿塔11bから排気される。すなわち、第二除湿塔11bでは、水分吸着物15の再生が行われる。水分を含むオフガスは、水分リッチガスとして、第二水分リッチガスライン28b、第二水分リッチガス弁37b、主水分リッチガスライン29、及び除湿真空ポンプ17を介して、外部に放出される(再生工程S12)。なお、水分リッチガスの放出先としては、大気であってもよいし、タンクであってもよい。
以上のように、第一除湿塔11aで除湿工程S11が実行されると、第一除湿塔11a内の水分吸着物15の水分吸着量が多くなる。また、第二除湿塔11bで再生工程S12が実行されると、第二除湿塔11b内の水分吸着物15の水分吸着量が極めて少なくなる。
また、仮に、第一除湿塔11a内の水分吸着物15の水分吸着量が多く、第二除湿塔11b内の水分吸着物15の水分吸着量が極めて少ないとする。この場合、図2に示すように、第一排気ガス弁35aが閉状態、第二排気ガス弁35bが開状態、除湿側第一乾燥排気ガス弁36aが閉状態、除湿側第二乾燥排気ガス弁36bが開状態、第一水分リッチガス弁37aが開状態、第二水分リッチガス弁37bが閉状態、除湿側第一オフガス弁38aが開状態、除湿側第二オフガス弁38bが閉状態になる。
この場合、排気ガス発生源1からの排気ガスは、主排気ガスライン21、送風機16、第二排気ガスライン22b、及び第二排気ガス弁35bを介して、第二除湿塔11b内に流入する。第二除湿塔11b内に流入した排気ガスは、第二除湿塔11b内の水分吸着物15を通過する過程で、排気ガス中に含まれている水分の多くが水分吸着物15に吸着され、残りは、乾燥排気ガスとして、第二除湿塔11bから排気される。すなわち、第二除湿塔11bでは、排気ガスの除湿が行われる。この乾燥排気ガスは、除湿側第二乾燥排気ガスライン24b、除湿側第二乾燥排気ガス弁36b、主乾燥排気ガスライン25を介して、二酸化炭素回収装置40へ送られる(除湿工程S11)。
さらに、この場合、二酸化炭素回収装置40から、水分の少ないオフガスが、主オフガスライン32、除湿側第一オフガスライン33a、除湿側第一オフガス弁38aを介して、第一除湿塔11a内に流入する。第一除湿塔11a内に流入したオフガスは、第一除湿塔11a内の水分吸着物15を通過する過程で、この水分吸着物15から水分を離脱させて、水分ともに第一除湿塔11aから排気される。すなわち、第一除湿塔11aでは、水分吸着物15の再生が行われる。水分を含むオフガスは、水分リッチガスとして、第一水分リッチガスライン28a、第一水分リッチガス弁37a、主水分リッチガスライン29、及び除湿真空ポンプ17を介して、外部に放出される(再生工程S12)。
以上のように、前処理装置10の第一除湿塔11a及び第二除湿塔11bでは、除湿工程S11後に、再生工程S12が実行され、再生工程S12後に除湿工程S11が実行される。また、第一除湿塔11aで除湿工程S11が実行されている場合、第二除湿塔11bで再生工程S12が実行される。また、第二除湿塔11bで除湿工程S11が実行されている場合、第一除湿塔11aで再生工程S12が実行される。このため、本実施形態では、排気ガス中の水分を連続的に除去することができる。
二酸化炭素回収処理S20では、吸着工程S21、離脱工程S22、及び昇圧工程S32が実行される。仮に、第一吸着塔41a内の二酸化炭素吸着物45及び第二吸着塔41b内の二酸化炭素吸着物45の二酸化炭素吸着量が極めて少なく、第三吸着塔41c内の二酸化炭素吸着物45の二酸化炭素吸着量が多いとする。さらに、第一吸着塔41a内は負圧で、第二吸着塔41b内はほぼ大気圧であるとする。この場合、図1に示すように、回収側第一乾燥排気ガス弁56aが閉状態、回収側第二乾燥排気ガス弁56bが開状態、回収側第三乾燥排気ガス弁56cが閉状態、第一吸引弁57aが閉状態、第二吸引弁57bが閉状態、第三吸引弁57cが開状態、回収側第一オフガス弁58aが半開状態、回収側第二オフガス弁58bが開状態、回収側第三オフガス弁58cが閉状態になる。
この場合、前処理装置10からの乾燥排気ガスは、主乾燥排気ガスライン25、回収側第二乾燥排気ガスライン26b、回収側第二乾燥排気ガス弁56bを介して、第二吸着塔41b内に流入する。第二吸着塔41b内に流入した乾燥排気ガスは、第二吸着塔41b内の二酸化炭素吸着物45を通過する過程で、乾燥排気ガス中に含まれている二酸化炭素の多くが二酸化炭素吸着物45に吸着され、残りはオフガスとして、第二吸着塔41bから排気される。すなわち、第二吸着塔41b内の二酸化炭素吸着物45は、乾燥排気ガス中の二酸化炭素を吸着する(吸着工程S21)。二酸化炭素吸着物45は、前述したように、多孔構造物である。このため、第二吸着塔41b内でのガスの流れで、流動化せず、吸着塔41内からの二酸化炭素吸着物45の流出を回避することができる。第二吸着塔41bから排気されたオフガスの一部は、回収側第二オフガスライン31b、回収側第二オフガス弁58b、主オフガスライン32を介して、再生工程S12中の除湿塔11に送られる。
また、第二吸着塔41bから排気されたオフガスの残りの一部は、回収側第二オフガスライン31b、回収側第二オフガス弁58b、主オフガスライン32、回収側第一オフガスライン31a、回収側第一オフガス弁58aを介して、第一吸着塔41a内に送られる。この結果、第一吸着塔41a内は、負圧からほぼ大気圧に昇圧される(昇圧工程S32)。
さらに、この場合、第三吸着塔41c内が、第三吸引ライン66c、第三吸引弁57c、及び主吸引ライン67を介して、吸引機50により真空吸引される。この結果、第三吸着塔41c内の二酸化炭素吸着物45に吸着していた二酸化炭素が離脱し、吸引機50から吐出される(離脱工程S22)。なお、離脱工程S22については、後ほど、詳細に説明する。
以上のように、第二吸着塔41bで吸着工程S21が実行されると、第二吸着塔41b内の二酸化炭素吸着物45の二酸化炭素吸着量が多くなる。また、第三吸着塔41cで離脱工程S22が実行されると、第三吸着塔41c内の二酸化炭素吸着物45の二酸化炭素吸着量が極めて少なくなると共に、第三吸着塔41c内が負圧になる。また、第一吸着塔41aで昇圧工程S32が実行されると、第一吸着塔41a内がほぼ大気圧になる。なお、このとき、第一吸着塔41a内の二酸化炭素吸着物45の二酸化炭素吸着量は極めて少ない。
また、仮に、第一吸着塔41a内の二酸化炭素吸着物45及び第三吸着塔41c内の二酸化炭素吸着物45の二酸化炭素吸着量が極めて少なく、第二吸着塔41b内の二酸化炭素吸着物45の二酸化炭素吸着量が多いとする。さらに、第一吸着塔41a内はほぼ大気圧で、第三吸着塔41c内は負圧であるとする。この場合、図2に示すように、回収側第一乾燥排気ガス弁56aが開状態、回収側第二乾燥排気ガス弁56bが閉状態、回収側第三乾燥排気ガス弁56cが閉状態、第一吸引弁57aが閉状態、第二吸引弁57bが開状態、第三吸引弁57cが閉状態、回収側第一オフガス弁58aが開状態、回収側第二オフガス弁58bが閉状態、回収側第三オフガス弁58cが半開状態になる。
この場合、前処理装置10からの乾燥排気ガスは、主乾燥排気ガスライン25、回収側第一乾燥排気ガスライン26a、回収側第一乾燥排気ガス弁56aを介して、第一吸着塔41a内に流入する。第一吸着塔41a内に流入した乾燥排気ガスは、第一吸着塔41a内の二酸化炭素吸着物45を通過する過程で、乾燥排気ガス中に含まれている二酸化炭素の多くが二酸化炭素吸着物45に吸着され、残りはオフガスとして、第一吸着塔41aから排気される。すなわち、第一吸着塔41aは、乾燥排気ガス中の二酸化炭素を吸着する(吸着工程S21)。第一吸着塔41aから排気されたオフガスの一部は、回収側第一オフガスライン31a、回収側第一オフガス弁58a、主オフガスライン32を介して、再生工程S12中の除湿塔11に送られる。
また、第一吸着塔41aから排気されたオフガスの残りの一部は、回収側第一オフガスライン31a、回収側第一オフガス弁58a、主オフガスライン32、回収側第三オフガスライン31c、回収側第三オフガス弁58cを介して、第三吸着塔41c内に送られる。この結果、第三吸着塔41c内は、負圧からほぼ大気圧に昇圧される(昇圧工程S32)。
さらに、この場合、第二吸着塔41b内が、第二吸引ライン66b、第二吸引弁57b、及び主吸引ライン67を介して、吸引機50により真空吸引される。この結果、第二吸着塔41b内の二酸化炭素吸着物45に吸着していた二酸化炭素が離脱し、吸引機50から吐出される(離脱工程S22)。
以上のように、二酸化炭素回収装置40の第一吸着塔41a、第二吸着塔41b、及び第三吸着塔41cでは、吸着工程S21後に離脱工程S22が実行され、離脱工程S22後に昇圧工程S32が実行され、昇圧工程S32後に吸着工程S21が実行される。また、第二吸着塔41bで吸着工程S21が実行されている場合、第三吸着塔41cで離脱工程S22が実行され、第一吸着塔41aで昇圧工程S32が実行される。また、第二吸着塔41b内の二酸化炭素吸着物45の二酸化炭素吸着量が多くなると、この第二吸着塔41bで離脱工程S22が実行され、第三吸着塔41cで昇圧工程S32が実行され、第一吸着塔41aで吸着工程S21が実行される。このため、本実施形態では、乾燥排気ガス中の二酸化炭素を連続的に回収することができる。
本実施形態では、前述したように、離脱工程S22後に昇圧工程S32が実行される。離脱工程S22後の吸着塔41内の真空度は高い。このため、仮に、真空度が高い状態のまま、吸着工程S21を実行すると、吸着塔41内に排気ガスを送っても、二酸化炭素吸着物45中を排気ガスが吹き抜け、二酸化炭素の吸着効率が低下する。そこで、本実施形態では、離脱工程S22後に昇圧工程S32を実行し、その後に吸着工程S21を実行する。
ところで、本実施形態で二酸化炭素吸着剤として用いているゼオライトは、結晶性アルミノケイ酸塩の総称である。このゼオライトの化学式は、以下のように表すことができる。
Me/xO・Al・mSiO・nHO Me:X価の陽イオン
ゼオライトの結晶構造は、一様ではなく、例えば、A型、X型、Y型、ベータ型等がある。また、以上の化学式で示されるMeとして、Naイオン、Liイオン、Caイオン等が用いられる。よって、ゼオライトには、その結晶構造の違いや、陽イオンの違いにより、各種タイプのゼオライトが存在する。例えば、結晶構造がX型で、MeとしてNaイオンを用いたゼオライトは、NaXタイプとして表される。また、結晶構造がX型で、MeとしてLiイオンを用いたゼオライトは、LiXタイプとして表され、結晶構造がX型で、MeとしてCaイオンを用いたゼオライトは、CaXタイプとして表される。
発明者は、吸着塔41内を真空吸引し、そのときの吸着塔41内のゲージ圧に応じた吸引ガス中のガス成分を分析した。このガス分析結果を図5~図7に示す。なお、図5は、NaXタイプのゼオライトを用いたときの分析結果を示す。図6は、LiaXタイプのゼオライトを用いたときの分析結果を示す。図7は、CaXタイプのゼオライトを用いたときの分析結果を示す。
図5~図7に示すように、いずれのタイプのゼオライトであって、吸着塔41内の真空度が低い場合、言い換えると、吸着塔41内のゲージ圧が高い場合、吸引ガス中の窒素濃度が高く、吸引ガス中の二酸化炭素濃度が低い。吸着塔41内の真空度を高めると、言い換えると、吸着塔41内のゲージ圧を低くすると、次第に、吸引ガス中の窒素濃度が低くなり、吸引ガス中の二酸化炭素濃度が高くなる。例えば、吸着塔41内のゲージ圧が-80kPaの場合、いずれもタイプのゼオライトであっても、吸引ガス中の二酸化炭素の濃度は、ほぼ80%になる。
発明者は、以上の分析結果から、吸着塔41内の圧力が予め定められた回収圧力Pcを基準にして低真空の場合には、吸引ガスをタンク等に回収せず、吸着塔41内の圧力が回収圧力Pcを基準にして、高真空の場合には、吸引ガスをタンク等に回収して、高濃度の二酸化炭素を回収できるようにした。なお、本実施形態及び以下の各実施形態では、回収圧力Pcを-80kPaGとしている。
前述の離脱工程S22は、図4に示すように、制御工程S23と、非回収ガス流通工程S27と、二酸化炭素回収工程S31と、を含む。制御工程S23は、離脱工程S22中の吸着塔41内の圧力を圧力計81で検知する圧力検知工程S24と、圧力計81で検知された圧力に基づき弁制御器82が回収ガス弁60及び放出弁62aの開閉を制御するガス流通制御工程S26と、を含む。また、非回収ガス流通工程S27は、吸引機50からの吸引ガスを大気に放出する非回収ガス放出工程S28を含む。
離脱工程S22の実行対象である吸着塔41内が吸引機50により真空吸引されると、図8に示すように、時間経過に伴って、吸着塔41内のゲージ圧が次第に低下する、言い換えると吸着塔41内の真空度が次第に高まる。弁制御器82は、圧力計81で検知された吸着塔41内の圧力が回収圧力Pcを基準にして低真空の場合に、回収ガス弁60に対して閉指示を与え、放出弁62aに開指示を与える(ガス流通制御工程S26)。この結果、回収ガス弁60は閉状態になり、放出弁62aが開状態になって、吸引機50からの吸引ガスは、非回収ガス放出ライン72a及び放出弁62aを介して、大気に放出される(非回収ガス放出工程S28)。
吸着塔41内のゲージ圧が次第に低下して、圧力計81で検知された吸着塔41内の圧力が回収圧力Pcを基準にして高真空になると、弁制御器82は、回収ガス弁60に開指示を与え、放出弁62aに閉指示を与える(ガス流通制御工程S26)。この結果、回収ガス弁60は開状態になり、放出弁62aが閉状態になって、吸引機50からの吸引ガスは、二酸化炭素回収ライン70及び回収ガス弁60を介して、回収ガスタンク63に回収される(二酸化炭素回収工程S31)。
以上のように、本実施形態では、吸着塔41内の圧力が回収圧力Pcを基準にして高真空になると、吸引機50からの吸引ガスを回収ガスタンク63に導く。前述したように、吸着塔41内の真空度が回収圧力Pc(-80kPaG)より高真空の場合、吸引ガス中の二酸化炭素の濃度はほぼ80%以上になる。よって、本実施形態では、高濃度の二酸化炭素を回収することができる。
また、本実施形態では、前述の非特許文献1に記載の設備のように、第一段吸着塔及び第二段吸着塔を設けなくても、以上のように、高濃度の二酸化炭素を回収できるので、設備を構成する機器数を抑えることができる。よって、本実施形態では、設備の設置面積の増加及び設備コストの増加を抑えることができる。
さらに、本実施形態では、二段階で吸着工程S21を実行しなくても、高濃度の二酸化炭素を回収できるので、排気ガス中から二酸化炭素を回収する時間を短くすることができる。
「第二実施形態」
二酸化炭素回収設備の第二実施形態について、図9及び図10を参照して説明する。
本実施形態における二酸化炭素回収設備は、図9に示すように、第一実施形態における二酸化炭素回収設備と同様、前処理装置10と、二酸化炭素回収装置40aと、を備える。本実施形態の前処理装置10は、第一実施形態における前処理装置10と同じである。一方、本実施形態における二酸化炭素回収装置40aは、第一実施形態における二酸化炭素回収装置40と異なる。
第一実施形態における二酸化炭素回収装置40では、非回収ガスライン71が非回収ガス放出ライン72aを有し、非回収ガス弁61が放出弁62aを有する。一方、本実施形態における二酸化炭素回収装置40aでは、非回収ガスライン71aがリサイクルライン72bを有し、非回収ガス弁61aがリサイクル弁62bを有する。このため、制御装置80aが有する弁制御器82aの動作も、第一実施形態における制御装置80が有する弁制御器82の動作と異なる。
リサイクルライン72bの一端は、吐出ライン68の他端に接続され、リサイクルライン72bの他端は、主乾燥排気ガスライン25に接続されている。このリサイクルライン72bには、前述のリサイクル弁62bが設けられている。
すなわち、本実施形態では、第一実施形態における非回収ガス放出ライン72aの替りにリサイクルライン72bが設けられ、第一実施形態における放出弁62aの替りにリサイクル弁62bが設けられている。
次に、本実施形態における二酸化炭素回収設備の動作について、図10に示すフローチャートに従って説明する。
本実施形態における二酸化炭素回収設備も、第一実施形態における二酸化炭素回収設備と同様、前処理S10と、二酸化炭素回収処理S20aとを実行する。前処理S10は、第一実施形態における前処理S10と同じである。一方、二酸化炭素回収処理S20aは、第一実施形態における二酸化炭素回収処理S20と異なる。
本実施形態における二酸化炭素回収処理S20aも、第一実施形態における二酸化炭素回収処理S20と同様、吸着工程S21と、離脱工程S22aと、昇圧工程S32を含む。本実施形態における吸着工程S21は、第一実施形態における吸着工程S21と同じである。また、本実施形態における昇圧工程S32は、第一実施形態における昇圧工程S32と同じである。本実施形態における離脱工程S22aも、第一実施形態における離脱工程S22と同様、制御工程S23aと、非回収ガス流通工程S27aと、二酸化炭素回収工程S31と、を含む。本実施形態における制御工程S23aも、第一実施形態における制御工程S23と同様、圧力検知工程S24と、ガス流通制御工程S26aと、を含む。但し、本実施形態では、前述したように、第一実施形態における放出弁62aの替りにリサイクル弁62bが設けられているため、弁制御器82aによるガス流通制御工程S26aでの制御内容が第一実施形態におけるガス流通制御工程S26と異なる。さらに、非回収ガス流通工程S27aは、第一実施形態における非回収ガス流通工程S27の非回収ガス放出工程S28の替りに、リサイクル工程S29を含む。
離脱工程S22aの実行対象である吸着塔41内が吸引機50により真空吸引されると、図8を用いて前述したように、時間経過に伴って、吸着塔41内のゲージ圧が次第に低下する、言い換えると吸着塔41内の真空度が次第に高まる。弁制御器82aは、圧力計81で検知された吸着塔41内の圧力が回収圧力Pcを基準にして低真空の場合に、回収ガス弁60に対して閉指示を与え、リサイクル弁62bに開指示を与える(ガス流通制御工程S26a)。この結果、回収ガス弁60は閉状態になり、リサイクル弁62bが開状態になって、吸引機50からの吸引ガスは、リサイクルライン72b、リサイクル弁62b、及び主乾燥排気ガスライン25を介して、吸着工程S21の実行対象である吸着塔41内に流入する(リサイクル工程S29)。
離脱工程S22aの実行対象である吸着塔41内の圧力が回収圧力Pcよりも低真空である場合も、吸引ガス中には、二酸化炭素が含まれている。そこで、本実施形態では、吸着塔41内の圧力が回収圧力Pcを基準にして低真空の場合に、乾燥排気ガスと共に吸引機50からの吸引ガスを、吸着工程S21の実行対象である吸着塔41内に流入させ、この吸引ガス中の二酸化炭素を吸着塔41内の二酸化炭素吸着物45に吸着させる。
吸着塔41内のゲージ圧がさらに低下して、圧力計81で検知された吸着塔41内の圧力が回収圧力Pcを基準にして高真空になると、弁制御器82aは、回収ガス弁60に開指示を与え、放出弁62aに閉指示を与える(ガス流通制御工程S26a)。この結果、回収ガス弁60は開状態になり、放出弁62aが閉状態になって、吸引機50からの吸引ガスは、二酸化炭素回収ライン70及び回収ガス弁60を介して、回収ガスタンク63に回収される(二酸化炭素回収工程S31)。
以上のように、本実施形態でも、第一実施形態と同様、吸着塔41内の圧力が回収圧力Pcを基準にして高真空になると、吸引機50からの吸引ガスを回収ガスタンク63に導く。よって、本実施形態でも、第一実施形態と同様、高濃度の二酸化炭素を回収することができる。このため、本実施形態でも、第一実施形態と同様、設備の設置面積の増加及び設備コストの増加を抑えることができる。さらに、本実施形態でも、排気ガス中から二酸化炭素を回収する時間を短くすることができる。
また、本実施形態では、以上で説明したように、離脱工程S22aの実行対象である吸着塔41内の圧力が回収圧力Pcよりも低真空である場合、吸引機50からの吸引ガスを、大気に放出せず、吸着工程S21の実行対象である吸着塔41内に流入させる。このため、本実施形態では、第一実施形態よりも、二酸化炭素の放出量を減らすことができる。
「第三実施形態」
二酸化炭素回収設備の第三実施形態について、図11~図13を参照して説明する。
本実施形態における二酸化炭素回収設備は、図11に示すように、以上の各実施形態における二酸化炭素回収設備と同様、前処理装置10と、二酸化炭素回収装置40bと、を備える。本実施形態の前処理装置10は、第一実施形態における前処理装置10と同じである。一方、本実施形態における二酸化炭素回収装置40bは、第一実施形態における二酸化炭素回収装置40と異なる。
第一実施形態における二酸化炭素回収装置40では、非回収ガスライン71が非回収ガス放出ライン72aを有し、非回収ガス弁61が放出弁62aを有する。一方、本実施形態における二酸化炭素回収装置40bでは、非回収ガスライン71bが非回収ガス放出ライン72aの他にリサイクルライン72bを有する。また、本実施形態における非回収ガス弁61bは、放出弁62aの他にリサイクル弁62bを有する。このため、制御装置80bが有する弁制御器82bの動作も第一実施形態における制御装置80が有する弁制御器82の動作と異なる。
第二実施形態と同様、リサイクルライン72bの一端は、吐出ライン68の他端に接続され、リサイクルライン72bの他端は、主乾燥排気ガスライン25に接続されている。このリサイクルライン72bには、前述のリサイクル弁62bが設けられている。
次に、本実施形態における二酸化炭素回収設備の動作について、図12に示すフローチャートに従って説明する。
本実施形態における二酸化炭素回収設備も、第一実施形態における二酸化炭素回収設備と同様、前処理S10と、二酸化炭素回収処理S20bとを実行する。前処理S10は、第一実施形態における前処理S10と同じである。一方、二酸化炭素回収処理S20bは、第一実施形態における二酸化炭素回収処理S20と異なる。
本実施形態における二酸化炭素回収処理S20bも、第一実施形態における二酸化炭素回収処理S20と同様、吸着工程S21と、離脱工程S22bと、昇圧工程S32を含む。本実施形態における吸着工程S21は、第一実施形態における吸着工程S21と同じである。また、本実施形態における昇圧工程S32は、第一実施形態における昇圧工程S32と同じである。本実施形態における離脱工程S22bも、第一実施形態における離脱工程S22と同様、制御工程S23bと、非回収ガス流通工程S27bと、二酸化炭素回収工程S31と、を含む。本実施形態における制御工程S23bも、第一実施形態における制御工程S23と同様、圧力検知工程S24と、ガス流通制御工程S26bと、を含む。但し、本実施形態では、前述したように、回収ガス弁60が放出弁62aの他にリサイクル弁62bを有するため、弁制御器82bによるガス流通制御工程S26bでの制御内容が第一実施形態におけるガス流通制御工程S26と異なる。さらに、本実施形態における非回収ガス流通工程S27bは、非回収ガス放出工程S28bの他にリサイクル工程S29bを含む。
離脱工程S22bの実行対象である吸着塔41内が吸引機50により真空吸引されると、図13に示すように、時間経過に伴って、吸着塔41内のゲージ圧が次第に低下する、言い換えると吸着塔41内の真空度が次第に高まる。弁制御器82bは、圧力計81で検知された吸着塔41内の圧力がリサイクル圧力Prより低真空である場合に、放出弁62aに開指示を与え、リサイクル弁62b及び回収ガス弁60に閉指示を与える(ガス流通制御工程S26b)。この結果、リサイクル弁62b及び回収ガス弁60は閉状態になり、放出弁62aが開状態になって、吸引機50からの吸引ガスは、非回収ガス放出ライン72a及び放出弁62aを介して、大気に放出される(非回収ガス放出工程S28b)。
なお、前述のリサイクル圧力Prは、回収圧力Pcと大気圧との間の圧力であって、回収圧力Pcよりも大気圧に近い圧力である。さらに、このリサイクル圧力Prは、このリサイクル圧力Prより低真空の場合に、吸引機50からの吸引ガス中の二酸化炭素濃度が乾燥排気ガス中の二酸化炭素濃度よりも低くなる、圧力である。このリサイクル圧力Prは、例えば、-10kPaGである。
吸着塔41内のゲージ圧がさらに低下して、圧力計81で検知された吸着塔41内の圧力がリサイクル圧力Prより高真空で且つ回収圧力Pcより低真空になると、弁制御器82bは、リサイクル弁62bに開指示を与え、放出弁62a及び回収ガス弁60に閉指示を与える(ガス流通制御工程S26b)。この結果、放出弁62a及び回収ガス弁60は閉状態になり、リサイクル弁62bが開状態になって、吸引機50からの吸引ガスは、リサイクルライン72b、リサイクル弁62b、主乾燥排気ガスライン25を介して、吸着工程S21の実行対象である吸着塔41内に流入する(リサイクル工程S29b)。
吸着塔41内のゲージ圧がさらに低下して、圧力計81で検知された吸着塔41内の圧力が回収圧力Pcを基準にして高真空になると、弁制御器82bは、回収ガス弁60に開指示を与え、放出弁62a及びリサイクル弁62bに閉指示を与える(ガス流通制御工程S26b)。この結果、回収ガス弁60は開状態になり、放出弁62a及びリサイクル弁62bが閉状態になって、吸引機50からの吸引ガスは、二酸化炭素回収ライン70及び回収ガス弁60を介して、回収ガスタンク63に回収される(二酸化炭素回収工程S31)。
以上のように、本実施形態でも、以上の各実施形態と同様、吸着塔41内の圧力が回収圧力Pcを基準にして高真空になると、吸引機50からの吸引ガスを回収ガスタンク63に導く。よって、本実施形態でも、以上の各実施形態と同様、高濃度の二酸化炭素を回収することができる。このため、本実施形態でも、以上の各実施形態と同様、設備の設置面積の増加及び設備コストの増加を抑えることができる。さらに、本実施形態でも、排気ガス中から二酸化炭素を回収する時間を短くすることができる。
また、本実施形態では、以上で説明したように、離脱工程S22bの実行対象である吸着塔41内の圧力がリサイクル圧力Prより高真空で且つ回収圧力Pcより低真空である場合、吸引機50からの吸引ガスを、大気に放出せず、吸着工程S21の実行対象である吸着塔41内に流入させる。このため、本実施形態では、第一実施形態よりも、二酸化炭素の放出量を減らすことができる。
ここで、離脱工程S22bの実行対象である吸着塔41内の圧力がリサイクル圧力Prより低真空である場合、吸引機50からの吸引ガス中の二酸化炭素濃度は、乾燥排気ガス中の二酸化炭素濃度よりも低い。よって、二酸化炭素を大気に放出する量はわずかである。また、仮に、吸引機50からの吸引ガスを、吸着工程S21の実行対象である吸着塔41内に流入させたとすると、吸着工程S21の実行対象である吸着塔41内には、乾燥排気ガスと共に、この乾燥排気ガスより二酸化炭素濃度が低いガスが流入することになる。この場合、吸着工程S21の実行対象である吸着塔41内の二酸化炭素吸着物45による二酸化炭素の吸着効率が低下する。本実施形態では、以上の観点から、離脱工程S22bの実行対象である吸着塔41内の圧力がリサイクル圧力Prより低真空である場合、吸引機50からの吸引ガスを大気に放出することにしている。
「第四実施形態」
二酸化炭素回収設備の第四実施形態について、図14~図18を参照して説明する。
本実施形態における二酸化炭素回収設備は、図14に示すように、以上の各実施形態における二酸化炭素回収設備と同様、前処理装置10と、二酸化炭素回収装置40cと、を備える。本実施形態の前処理装置10は、第一実施形態における前処理装置10と同じである。一方、本実施形態における二酸化炭素回収装置40cは、第三実施形態における二酸化炭素回収装置40bの変形例である。
本実施形態における吸引機50xは、吸引力を変えることが可能な吸引機である。また、本実施形態における制御装置80cは、第三実施形態における制御装置80bの圧力計81及び弁制御器82bの他に、吸引機50の動作を制御する吸引機制御器83を有する。
吸引力を変えることが可能な吸引機50xとしては、例えば、図15に示す吸引機xaや図16に示す吸引機50xbがある。図15に示す吸引機50xaは、吸引機本体51と、この吸引機本体51を駆動するモータ52と、モータ52の回転数を制御するインバータ53と、を有する。この吸引機50xaでは、インバータ53によりモータ52の回転数が変えられることにより、吸引機本体51の吸引力が変化する。また、図16に示す吸引機50xbは、第一吸引機本体51aと、この第一吸引機本体51aを駆動する第一モータ52aと、第一モータ52aの駆動を制御する第一スイッチ54aと、第二吸引機本体51bと、この第二吸引機本体51bを駆動する第二モータ52bと、第二モータ52bの駆動を制御する第二スイッチ54bと、を有する。このため、第一スイッチ54a及び第二スイッチ54bを制御することで、第一吸引機本体51aが動作している状態から第二吸引機本体51bが動作している状態に切り替えることができる。第二吸引機本体51bの吸引力は、第一吸引機本体51aの吸引力よりも高い。このため、この吸引機50xbでは、第一吸引機本体51aが動作している状態から第二吸引機本体51bが動作している状態に切り替えることで、吸引機50xbの吸引力が変化する。第一吸引機本体51a及び第二吸引機本体51bとしては、例えば、真空ポンプが考えられる。なお、第一吸引機本体51aの吸引力は第二吸引機本体51bの吸引力より低いため、この第一吸引機本体51aはブロワーであってもよい。
本実施形態における非回収ガスライン71bは、第三実施形態における非回収ガスライン71bと同じである。すなわち、本実施形態における非回収ガスライン71bも、非回収ガス放出ライン72aとリサイクルライン72bとを有する。また、本実施形態における非回収ガス弁61bは、第三実施形態における非回収ガス弁61bと同じである。すなわち、本実施形態における非回収ガス弁61bも、放出弁62aとリサイクル弁62bとを有する。
本実施形態における二酸化炭素回収処理S20cも、図17に示すように、第三実施形態における二酸化炭素回収処理S20bと同様、吸着工程S21と、離脱工程S22cと、昇圧工程S32を含む。本実施形態における吸着工程S21は、第三実施形態における吸着工程S21と同じである。また、本実施形態における昇圧工程S32は、第三実施形態における昇圧工程S32と同じである。本実施形態における離脱工程S22cも、第三実施形態における離脱工程S22bと同様、制御工程S23cと、非回収ガス流通工程S27bと、二酸化炭素回収工程S31と、を含む。本実施形態における制御工程S23cも、第三実施形態における制御工程S23bと同様、圧力検知工程S24と、ガス流通制御工程S26bと、を含む。さらに、本実施形態における制御工程S23cは、吸引力制御工程S25を含む。すなわち、本実施形態における制御工程S23cは、圧力検知工程S24と、吸引力制御工程S25と、ガス流通制御工程S26bと、を含む。本実施形態における非回収ガス流通工程S27bは、第三実施形態における非回収ガス流通工程S27bと同様、非回収ガス放出工程S28bとリサイクル工程S29bとを含む。本実施形態における二酸化炭素回収工程S31は、第三実施形態における二酸化炭素回収工程S31と同じである。
離脱工程S22cの実行対象である吸着塔41内が吸引機50により真空吸引されると、図18に示すように、時間経過に伴って、吸着塔41内のゲージ圧が次第に低下する、言い換えると吸着塔41内の真空度が次第に高まる。弁制御器82bは、圧力計81で検知された吸着塔41内の圧力がリサイクル圧力Prより低真空である場合に、第三実施形態と同様、放出弁62aに開指示を与え、リサイクル弁62b及び回収ガス弁60に閉指示を与える(ガス流通制御工程S26b)。この結果、リサイクル弁62b及び回収ガス弁60は閉状態になり、放出弁62aが開状態になって、吸引機50からの吸引ガスは、非回収ガス放出ライン72a及び放出弁62aを介して、大気に放出される(非回収ガス放出工程S28b)。
吸着塔41内のゲージ圧がさらに低下して、圧力計81で検知された吸着塔41内の圧力がリサイクル圧力Prより高真空で且つ回収圧力Pcより低真空になると、弁制御器82bは、リサイクル弁62bに開指示を与え、放出弁62a及び回収ガス弁60に閉指示を与える(ガス流通制御工程S26b)。この結果、放出弁62a及び回収ガス弁60は閉状態になり、リサイクル弁62bが開状態になって、吸引機50からの吸引ガスは、リサイクルライン72b、リサイクル弁62b、主乾燥排気ガスライン25を介して、吸着工程S21の実行対象である吸着塔41内に流入する(リサイクル工程S29b)。
圧力計81で検知された吸着塔41内の圧力が吸引力変更圧力Psになると、吸引機制御器83は、吸引機50xに対して吸引力が高まるよう指示する(吸引力制御工程S25)。この結果、吸引機50xの吸引力が高まり、図18に示すように、吸着塔41内の圧力が急激に低下する。
なお、前述の吸引力変更圧力Psは、回収圧力Pcと大気圧との間の圧力であって、大気圧よりも回収圧力Pcに近い圧力、又は、回収圧力Pcと同じ圧力である。この吸引力変更圧力Psは、例えば、-70kPaGである。
吸着塔41内のゲージ圧がさらに低下して、圧力計81で検知された吸着塔41内の圧力が回収圧力Pcを基準にして高真空になると、弁制御器82bは、回収ガス弁60に開指示を与え、放出弁62a及びリサイクル弁62bに閉指示を与える(ガス流通制御工程S26b)。この結果、回収ガス弁60は開状態になり、放出弁62a及びリサイクル弁62bが閉状態になって、吸引機50xからの吸引ガスは、二酸化炭素回収ライン70及び回収ガス弁60を介して、回収ガスタンク63に回収される(二酸化炭素回収工程S31)。
以上のように、本実施形態でも、以上の各実施形態と同様、吸着塔41内の圧力が回収圧力Pcを基準にして高真空になると、吸引機50xからの吸引ガスを回収ガスタンク63に導く。よって、本実施形態でも、以上の各実施形態と同様、高濃度の二酸化炭素を回収することができる。このため、本実施形態でも、以上の各実施形態と同様、設備の設置面積の増加及び設備コストの増加を抑えることができる。さらに、本実施形態でも、排気ガス中から二酸化炭素を回収する時間を短くすることができる。
また、本実施形態でも、第三実施形態と同様に、非回収ガス放出工程S28b及びリサイクル工程S29bを実行するので、第三実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、本実施形態では、回収圧力Pcに近い圧力、又は回収圧力Pcと同じ圧力である吸引力変更圧力Psになると、吸引機50xによる吸引力を高めるため、この吸引力変更圧力Psになった以降、前述したように、吸着塔41内の圧力が急激に低下する。このため、本実施形態では、第三実施形態よりも、二酸化炭素回収工程S31の実行時間を短くすることができる。
なお、本実施形態は、第三実施形態の変形例であるが、本実施形態における特徴構成を第一実施形態や第二実施形態に適用してもよい。すなわち、第一実施形態及び第二実施形態における吸引機として、吸引力を変更可能な吸引機50xを用い、この吸引機50xの吸引力を吸引機制御器83で制御するようにしてもよい。
「第五実施形態」
二酸化炭素回収設備の第五実施形態について、図19~図21を参照して説明する。
本実施形態における二酸化炭素回収設備は、図19に示すように、以上の各実施形態における二酸化炭素回収設備と同様、前処理装置10と、二酸化炭素回収装置40dと、を備える。本実施形態の前処理装置10は、第一実施形態における前処理装置10と同じである。一方、本実施形態における二酸化炭素回収装置40dは、第三実施形態における二酸化炭素回収装置40bの変形例である。
本実施形態における吸引機50xも、第四実施形態における吸引機50xと同様、吸引力を変えることが可能な吸引機である。また、本実施形態における制御装置80dは、第三実施形態における制御装置80bの弁制御器82bの他に、吸引機50xの動作を制御する吸引機制御器83dを有する。但し、本実施形態における制御装置80dは、第三実施形態における制御装置80bの圧力計81を有していない。よって、本実施形態における制御装置80dは、第四実施形態における制御装置80cの構成要素から圧力計81を除いた装置である。
本実施形態における非回収ガスライン71bは、第三実施形態及び第四実施形態における非回収ガスライン71bと同じである。すなわち、本実施形態における非回収ガスライン71bも、非回収ガス放出ライン72aとリサイクルライン72bとを有する。また、本実施形態における非回収ガス弁61bは、第三実施形態及び第四実施形態における非回収ガス弁61bと同じである。すなわち、本実施形態における非回収ガス弁61bも、放出弁62aとリサイクル弁62bとを有する。
本実施形態における二酸化炭素回収処理S20dも、図20に示すように、第三実施形態における二酸化炭素回収処理S20cと同様、吸着工程S21と、離脱工程S22dと、昇圧工程S32を含む。本実施形態における吸着工程S21は、第三実施形態における吸着工程S21と同じである。また、本実施形態における昇圧工程S32は、第三実施形態における昇圧工程S32と同じである。本実施形態における離脱工程S22dも、第三実施形態における離脱工程S22cと同様、制御工程S23dと、非回収ガス流通工程S27bと、二酸化炭素回収工程S31と、を含む。本実施形態における制御工程S23dも、第三実施形態における制御工程S23bと同様、ガス流通制御工程S26bを含む。さらに、本実施形態における制御工程S23dは、第四実施形態における制御工程S23cと同様、吸引力制御工程S25dを含む。すなわち、本実施形態における制御工程S23dは、ガス流通制御工程S26bと吸引力制御工程S25dとを含む。なお、本実施形態における制御工程S23dは、第三実施形態及び第四実施形態における制御工程S23b,S23cと異なり、圧力検知工程S24を含まない。本実施形態における非回収ガス流通工程S27bは、第三実施形態及び第四実施形態における非回収ガス流通工程S27bと同様、非回収ガス放出工程S28bとリサイクル工程S29bとを含む。本実施形態における二酸化炭素回収工程S31は、第三実施形態及び第四実施形態における二酸化炭素回収工程S31と同じである。
離脱工程S22dの実行対象である吸着塔41内が吸引機50xにより真空吸引されると、図21に示すように、時間経過に伴って、吸着塔41内のゲージ圧が次第に低下する、言い換えると吸着塔41内の真空度が次第に高まる。
本実施形態における弁制御器82b及び吸引機制御器83dの制御動作は、離脱工程S22dの実行対象である吸着塔41内が真空吸引され始めてからの時間で管理される。この時間としては、第一時間T1と第二時間T2とがある。図21に示すように、第一時間T1は、離脱工程S22dの実行対象である吸着塔41内が真空吸引され始めてから、吸着塔41内の圧力が前述のリサイクル圧力Prになったと想定される時間である。第二時間T2は、離脱工程S22dの実行対象である吸着塔41内が真空吸引され始めてから、吸着塔41内の圧力が前述の吸引力変更圧力Psになったと想定される時間である。よって、本実施形態における弁制御器82b及び吸引機制御器83dは、第一時間T1経過するまでは、吸着塔41内の圧力がリサイクル圧力Prより低真空であるとして動作する。また、本実施形態における弁制御器82b及び吸引機制御器83dは、第一時間T1経過した後であって、第二時間T2経過するまでは、吸着塔41内の圧力がリサイクル圧力Prより高真空で且つ回収圧力Pcより低真空であるとして動作する。さらに、本実施形態における弁制御器82b及び吸引機制御器83dは、第二時間T2経過した後に、吸着塔41内の圧力が回収圧力Pcより高真空であるとして動作する。
弁制御器82bは、離脱工程S22dの実行対象である吸着塔41内が真空吸引され始めてから第一時間T1経過するまでは、放出弁62aに開指示を与え、リサイクル弁62b及び回収ガス弁60に閉指示を与える(ガス流通制御工程S26b)。この結果、リサイクル弁62b及び回収ガス弁60は閉状態になり、放出弁62aが開状態になって、吸引機50xからの吸引ガスは、非回収ガス放出ライン72a及び放出弁62aを介して、大気に放出される(非回収ガス放出工程S28b)。つまり、離脱工程S22dの実行対象である吸着塔41内の圧力がリサイクル圧力Prになったと想定されるまでは、第三実施形態及び第四実施形態と同様、非回収ガス放出工程S28bが実行される。
離脱工程S22dの実行対象である吸着塔41内が真空吸引され始めてから第二時間T2経過すると、吸引機制御器83dは、吸引機50xに対して吸引力が高まるよう指示する(吸引力制御工程S25d)。この結果、吸引機50xの吸引力が高まり、図21に示すように、吸着塔41内の圧力が急激に低下する。つまり、離脱工程S22dの実行対象である吸着塔41内が吸引力変更圧力Psになったと想定されると、吸引力制御工程S25dが実行される。
弁制御器82bは、離脱工程S22dの実行対象である吸着塔41内が真空吸引され始めてから第一時間T1経過した後であって、第二時間T2経過して吸引力が高められるまでは、リサイクル弁62bに開指示を与え、放出弁62a及び回収ガス弁60に閉指示を与える(ガス流通制御工程S26b)。この結果、放出弁62a及び回収ガス弁60は閉状態になり、リサイクル弁62bが開状態になって、吸引機50xからの吸引ガスは、リサイクルライン72b、リサイクル弁62b、主乾燥排気ガスライン25を介して、吸着工程S21の実行対象である吸着塔41内に流入する(リサイクル工程S29b)。つまり、離脱工程S22dの実行対象である吸着塔41内がリサイクル圧力Prより高真空で回収圧力Pcより低真空である想定される間は、第三実施形態及び第四実施形態と同様、リサイクル工程S29bが実行される。
離脱工程S22dの実行対象である吸着塔41内が真空吸引され始めてから第二時間T2経過して吸引力が高められると、弁制御器82bは、回収ガス弁60に開指示を与え、放出弁62a及びリサイクル弁62bに閉指示を与える(ガス流通制御工程S26b)。この結果、回収ガス弁60は開状態になり、放出弁62a及びリサイクル弁62bが閉状態になって、吸引機50xからの吸引ガスは、二酸化炭素回収ライン70及び回収ガス弁60を介して、回収ガスタンク63に回収される(二酸化炭素回収工程S31)。つまり、離脱工程S22dの実行対象である吸着塔41内が回収圧力Pcになったと想定されると、二酸化炭素回収工程S31が実行される。
以上のように、本実施形態では、吸着塔41内の圧力が回収圧力Pcを基準にして高真空になったと想定されると、吸引機50xからの吸引ガスを回収ガスタンク63に導く。よって、本実施形態でも、以上の各実施形態と同様、高濃度の二酸化炭素を回収することができる。このため、本実施形態でも、以上の各実施形態と同様、設備の設置面積の増加及び設備コストの増加を抑えることができる。さらに、本実施形態でも、排気ガス中から二酸化炭素を回収する時間を短くすることができる。
また、本実施形態でも、第三実施形態と同様に、非回収ガス放出工程S28b及びリサイクル工程S29bを実行するので、第三実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、本実施形態では、吸引力変更圧力Psになったと想定される第二時間T2を経過すると、吸引機50xによる吸引力を高めるため、このとき以降、前述したように、吸着塔41内の圧力が急激に低下する。このため、本実施形態では、第四実施形態と同様、第三実施形態よりも、二酸化炭素回収工程S31の実行時間を短くすることができる。
また、本実施形態では、第四実施形態のように、圧力計81を必要としないので、第四実施形態よりも設備コストを抑えることができる。
なお、本実施形態は、第三実施形態の変形例であるが、本実施形態における特徴構成を第一実施形態や第二実施形態に適用してもよい。すなわち、第一実施形態及び第二実施形態における吸引機として、吸引力を変更可能な吸引機50xを用い、この吸引機50xの吸引力を吸引機制御器83dで制御するようにしてもよい。
例えば、本実施形態における特徴構成を第一実施形態に適用した形態では、吸着塔41内の圧力が回収圧力Pcより低真空であると想定される場合に、非回収ガス放出工程S28が実行され、吸着塔41内の圧力が回収圧力Pcより高真空であると想定される場合に、二酸化炭素回収工程S31が実行される。
また、本実施形態における特徴構成を第二実施形態に適用した形態では、吸着塔41内の圧力が回収圧力Pcより低真空であると想定される場合に、リサイクル工程S29が実行され、吸着塔41内の圧力が回収圧力Pcより高真空であると想定される場合に、二酸化炭素回収工程S31が実行される。
「変形例」
以上の実施形態における二酸化炭素回収設備は、いずれも、前処理装置10を備えている。しかしながら、排気ガス発生源1からの排気ガス中の水分が極めて少ない場合には、前処理装置10を省いてもよい。この場合、以上の各実施形態のおける主乾燥排気ガスライン25の一端が排気ガス発生源1に接続され、この主乾燥排気ガスライン25に送風機16が設けられる。
以上の各実施形態における吸着塔41の二酸化炭素吸着物45として多孔構造物の吸着物を用いている。しかしながら、二酸化炭素吸着物として、小径(例えば、0.1mm~5.0mm)の多数の球形体(ビーズ状)や、最大寸法が小寸法(例えば、0.1mm~5.0mm)の多数のペレットや、粉末を用いてもよい。但し、二酸化炭素吸着物として、多数の球形体や多数のペレットや粉末を用いた場合、吸着塔41内の流れで流動化し、吸着塔41から流出する可能性がある。一方で、これらの二酸化炭素吸着物を用いた場合、吸着塔41内が高真空のときに、この吸着塔41内に排気ガスを送っても、多数の二酸化炭素吸着物間を排気ガスが吹き抜けることがなくなる。このため、これら二酸化炭素吸着物を用いた場合には、離脱工程後の昇圧工程を省いてもよい。
以上の各実施形態における回収圧力Pcは-80kPaGである。しかしながら、吸引ガス中の二酸化炭素に関する所望の濃度によっては、回収圧力Pcを-75~-95kPaG中のいずれかの値にしてもよい。
以上、本開示の実施形態について詳述したが、本開示は上記実施形態に限定されるものではない。特許請求の範囲に規定された内容及びその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲において、種々の追加、変更、置き換え、部分的削除等が可能である。
「付記」
以上の実施形態及び変形例における二酸化炭素回収設備は、例えば、以下のように把握される。
(1)第一態様における二酸化炭素回収設備は、
少なくとも窒素と二酸化炭素を含む排気ガスから二酸化炭素を回収可能な二酸化炭素回収設備において、高圧下で二酸化炭素を吸着し、低圧下で二酸化炭素を放出できる二酸化炭素吸着剤で形成されている二酸化炭素吸着物45が内部に充填されている吸着塔41と、前記吸着塔41内に前記排気ガスを送る送風機16と、前記吸着塔41内を真空吸引する吸引機50,50xと、前記吸引機50,50xの吐出口に接続されている吐出ライン68と、前記吐出ライン68に接続されている二酸化炭素回収ライン70と、前記二酸化炭素回収ライン70に設けられている回収ガス弁60と、前記吐出ライン68に接続されている非回収ガスライン71と、前記非回収ガスライン71に設けられている非回収ガス弁61,61a,61bと、前記吸着塔41内の圧力が予め定められた回収圧力Pcを基準にして低真空の場合又は低真空であると想定される場合に、前記回収ガス弁60を閉じて、前記非回収ガス弁61,61a,61bを開け、前記吸着塔41内の圧力が前記回収圧力Pcを基準にして高真空の場合又は高真空であると想定される場合に、前記非回収ガス弁61,61a,61bを閉じて、前記回収ガス弁60を開ける制御装置80,80a,80b,80c,80dと、を備える。
発明者は、吸着塔41内を真空吸引し、そのときの吸着塔41内の圧力に応じた吸引ガス中のガス成分を分析した。発明者は、この分析により、以下の現象を見つけた。吸着塔41内の真空度が低い場合、吸引ガス中の窒素濃度が高く、吸引ガス中の二酸化炭素濃度が低い。吸着塔41内の真空度を高めると、次第に、吸引ガス中の窒素濃度が低くなり、吸引ガス中の二酸化炭素濃度が高くなる。この現象は、二酸化炭素吸着物45に対する二酸化炭素の吸着力が、二酸化炭素吸着物45に対する窒素の吸着力より高いためである、と考えられる。
そこで、発明者は、以上の現象に基づき、第一態様における二酸化炭素回収設備を想到した。本態様では、吸着塔41内の圧力が予め定められた回収圧力Pcを基準にして低真空の場合又は低真空であると想定される場合には、吸引ガスをタンク等に回収せず、吸着塔41内の圧力が回収圧力Pcを基準にして高真空の場合又は高真空であると想定される場合には、吸引ガスをタンク等に回収するようにした。このため、本態様では、高濃度の二酸化炭素を回収できる。
また、本態様では、非特許文献1に記載の設備のように、第一段吸着塔及び第二段吸着塔を設けなくても、以上のように、高濃度の二酸化炭素を回収できるので、設備を構成する機器数を抑えることができる。よって、本態様では、設備の設置面積の増加及び設備コストの増加を抑えることができる。
さらに、本態様では、二段階で吸着工程を実行しなくても、高濃度の二酸化炭素を回収できるので、排気ガス中から二酸化炭素を回収する時間を短くすることができる。
(2)第二態様における二酸化炭素回収設備は、
前記第一態様における二酸化炭素回収設備において、前記制御装置80,80a,80b,80cは、前記吸着塔41内の圧力を検知できる圧力計81と、前記圧力計81で検知された圧力に基づき、前記回収ガス弁60及び前記非回収ガス弁61,61a,61bの開閉を制御する弁制御器82,82a,82bと、を有する。
(3)第三態様における二酸化炭素回収設備は、
前記第二態様における二酸化炭素回収設備において、前記制御装置80cは、前記圧力計81で検知された圧力に基づき、前記吸引機50xの動作を制御する吸引機制御器83を有する。前記吸引機制御器83は、前記圧力計81で検知された圧力が前記回収圧力Pcよりも高く且つ大気圧よりも前記回収圧力Pcに近い圧力又は前記回収圧力Pcである吸引力変更圧力Psになると、前記吸引機50xの吸引力が高まるよう前記吸引機50xを動作させる。
本態様では、吸着塔41内の圧力が吸引力変更圧力Psになると、吸引機50xの吸引力が高まる。このため、本態様では、このときから吸着塔41内の圧力が急激に低下する。よって、本態様では、二酸化炭素回収工程S31の開始時に、吸着塔41内の圧力が急激に低下していることになり、この二酸化炭素回収工程S31の実行時間を短くすることができる。
(4)第四態様における二酸化炭素回収設備は、
前記第一態様における二酸化炭素回収設備において、前記制御装置80dは、前記吸引機50xの動作を制御する吸引機制御器83dと、前記回収ガス弁60及び前記非回収ガス弁61bの開閉を制御する弁制御器82bと、を有する。前記吸引機制御器83dは、前記吸引機50xにより前記吸着塔41内を真空吸引させてから予め定められた時間T2が経過すると、前記吸引機50xの吸引力が高まるよう前記吸引機50xを動作させる。前記弁制御器82bは、前記吸引機制御器83dが前記吸引機50xの吸引力を高める以前は前記吸着塔41内の圧力が前記回収圧力Pcよりも低真空であるとして、前記回収ガス弁60を閉じて、前記非回収ガス弁61bを開け、前記吸引機制御器83dが前記吸引機50xの吸引力を高めた後は前記吸着塔41内の圧力が前記回収圧力Pcよりも高真空であるとして、前記非回収ガス弁61bを閉じて、前記回収ガス弁60を開ける。
本態様では、吸引機50xにより吸着塔41内を真空吸引させてから予め定められた時間T2が経過すると、吸引機50xの吸引力が高まる。このため、本態様では、このときから吸着塔41内の圧力が急激に低下する。よって、本態様では、第三態様と同様、二酸化炭素回収工程S31の開始時に、吸着塔41内の圧力を急激に低下させることが可能になり、この二酸化炭素回収工程S31の実行時間を短くすることができる。
(5)第五態様における二酸化炭素回収設備は、
前記第一態様から前記第四態様のうちのいずれか一態様における二酸化炭素回収設備において、前記非回収ガスライン71は、端部が開放されている非回収ガス放出ライン72aを有する。前記非回収ガス弁61は、前記非回収ガス放出ライン72aに設けられている放出弁62aを有する。前記制御装置80,80b、80c、80dは、前記吸着塔41内の圧力が前記回収圧力Pcを基準にして低真空の場合又は低真空であると想定される場合に、前記放出弁62aを開け、前記吸着塔41内の圧力が前記回収圧力Pcを基準にして高真空の場合又は高真空であると想定される場合に、前記放出弁62aを閉じる。
本態様では、吸着塔41内の圧力が回収圧力Pcを基準にして低真空の場合又は低真空であると想定されると、放出弁62aが開き、非回収ガス放出ライン72a及び放出弁62aを介して、吸引機50,50xにより吸引された吸引ガスが大気に放出される。また、本態様では、吸着塔41内の圧力が回収圧力Pcを基準にして高真空の場合又は高真空であると想定されると、放出弁62aが閉じ、回収ガス弁60が開き、二酸化炭素回収ライン70及び回収ガス弁60を介して、吸引ガスがタンク等に回収される。
(6)第六態様における二酸化炭素回収設備は、
前記第一態様から前記第四態様のうちのいずれか一態様における二酸化炭素回収設備において、前記排気ガス中に含まれている水分を除去できる前処理装置10をさらに備える。前記前処理装置10は、前記送風機16からの前記排気ガス中に含まれている水分を除去可能な除湿塔11と、前記除湿塔11を通った前記排気ガスである乾燥排気ガスを前記吸着塔41に導く乾燥排気ガスライン23と、を備える。前記非回収ガスライン71は、前記乾燥排気ガスライン23に接続されているリサイクルライン72bを有する。前記非回収ガス弁61aは、前記リサイクルライン72bに設けられているリサイクル弁62bを有する。前記制御装置80a,80b,80c,80dは、前記吸着塔41内の圧力が前記回収圧力Pcよりも低真空の場合又は低真空でると想定される場合に、前記リサイクル弁62bを開け、前記吸着塔41内の圧力が前記回収圧力Pcよりも高真空の場合又は高真空であると想定される場合に、前記リサイクル弁62bを閉じる。
本態様では、吸着塔41内の圧力が回収圧力Pcを基準にして低真空の場合又は低真空であると想定される場合、リサイクル弁62bが開き、リサイクルライン72b、リサイクル弁62b、乾燥排気ガスライン23を介して、吸引機50,50xにより吸引された吸引ガスが、二酸化炭素の吸着工程S21中の吸着塔41に送られる。また、本態様では、吸着塔41内の圧力が回収圧力Pcを基準にして高真空の場合又は高真空であると想定されると、リサイクル弁62bが閉じ、回収ガス弁60が開き、二酸化炭素回収ライン70及び回収ガス弁60を介して、吸引ガスがタンク等に回収される。吸着塔41内の圧力が回収圧力Pcを基準にして低真空の場合又は低真空であると想定される場合でも、吸引ガス中には二酸化炭素が含まれる。本態様では、吸着塔41内の圧力が回収圧力Pcを基準にして低真空の場合又は低真空であると想定される場合、吸引ガスを大気に放出せず、この吸引ガスを二酸化炭素の吸着工程S21中の吸着塔41に送る。よって、本態様では、二酸化炭素の放出量を減らすことができる。
(7)第七態様における二酸化炭素回収設備は、
前記第一態様から前記第四態様のうちのいずれか一態様における二酸化炭素回収設備において、前記排気ガス中に含まれている水分を除去できる前処理装置10をさらに備える。前記前処理装置10は、前記送風機16からの前記排気ガス中に含まれている水分を除去可能な除湿塔11と、前記除湿塔11を通った前記排気ガスである乾燥排気ガスを前記吸着塔41に導く乾燥排気ガスライン23と、を備える。前記非回収ガスライン71bは、端部が開放されている非回収ガス放出ライン72aと、前記乾燥排気ガスライン23に接続されているリサイクルライン72bと、を有する。前記非回収ガス弁61bは、前記非回収ガス放出ライン72aに設けられている放出弁62aと、前記リサイクルライン72bに設けられているリサイクル弁62bと、を有する。前記制御装置80b,80c,80dは、前記吸着塔41内の圧力が前記回収圧力Pcより低真空で且つ前記回収圧力Pcよりも大気圧に近いリサイクル圧力Prより低真空である場合、又は前記リサイクル圧力Prより低真空であると想定される場合に、前記放出弁62aを開け、前記リサイクル弁62bを閉じる。前記制御装置80b,80c,80dは、前記吸着塔41内の圧力が前記回収圧力Pcより低真空で且つ前記リサイクル圧力Prより高真空である場合、又は、前記回収圧力Pcより低真空で且つ前記リサイクル圧力Prより高真空であると想定される場合に、前記放出弁62aを閉じ、前記リサイクル弁62bを開ける。前記制御装置80b,80c,80dは、前記吸着塔41内の圧力が前記回収圧力Pcよりも高真空の場合又は高真空であると想定される場合に、前記放出弁62a及び前記リサイクル弁62bを閉じる。
本態様では、吸着塔41内の圧力がリサイクル圧力Prを基準にして低真空の場合又はリサイクル圧力Prより低真空であると想定される場合、放出弁62aが開き、リサイクル弁62bが閉じて、非回収ガス放出ライン72a及び放出弁62aを介して、吸引機50,50xにより吸引された吸引ガスが大気に放出される。また、本態様では、吸着塔41内の圧力が回収圧力Pcより低真空で且つリサイクル圧力Prより高真空である場合、又は、回収圧力Pcより低真空で且つリサイクル圧力Prより高真空であると想定される場合に、放出弁62aが閉じ、リサイクル弁62bが開いて、リサイクルライン72b、リサイクル弁62b、乾燥排気ガスライン23を介して、吸引機50,50xにより吸引された吸引ガスが、二酸化炭素の吸着工程S21中の吸着塔41に送られる。また、本態様では、吸着塔41内の圧力が回収圧力Pcを基準にして高真空の場合又は高真空であると想定されると、放出弁62a及びリサイクル弁62bが閉じ、回収ガス弁60が開き、二酸化炭素回収ライン70及び回収ガス弁60を介して、吸引ガスがタンク等に回収される。
吸着塔41内の圧力が回収圧力Pcを基準にして低真空の場合又は低真空であると想定される場合でも、吸引ガス中には二酸化炭素が含まれる。本態様では、吸着塔41内の圧力が回収圧力Pcより低真空で且つリサイクル圧力Prより高真空である場合、又は、回収圧力Pcより低真空で且つリサイクル圧力Prより高真空であると想定される場合に、吸引ガスは大気に放出されず、この吸引ガスが二酸化炭素の吸着工程S21中の吸着塔41に送られる。よって、本態様では、二酸化炭素の放出量を減らすことができる。また、本態様では、リサイクルライン72bを介して、二酸化炭素の吸着工程S21中の吸着塔41に送られるガス中の二酸化炭素濃度は、タンク等に回収されるガス中の二酸化炭素濃度より低いものの、大気に放出されるガス中の二酸化炭素濃度より高くなる。よって、二酸化炭素の吸着工程S21中の吸着塔41内には二酸化炭素濃度が高いガスが送られる。このため、本態様では、二酸化炭素の吸着工程S21中の吸着塔41内の二酸化炭素吸着物45による二酸化炭素の吸着率を高めることができる。
(8)第八態様における二酸化炭素回収設備は、
前記第一態様から前記第七態様のうちのいずれか一態様における前記二酸化炭素吸着剤はゼオライトである。
(9)第九態様における二酸化炭素回収設備は、
前記第八態様における二酸化炭素回収設備において、前記回収圧力Pcは、-75~-95kPaGである。
(10)第十態様における二酸化炭素回収設備は、
前記第一態様から前記第九態様のうちのいずれか一態様における二酸化炭素回収設備において、前記二酸化炭素吸着物45は、互に同じ方向に貫通した複数の貫通孔46が形成されている多孔構造物である。
本態様では、二酸化炭素吸着物45が多孔構造物であるため、吸着塔41内でのガスの流れで、流動化せず、吸着塔41内からの二酸化炭素吸着物45の流出を回避することができる。
以上の実施形態及び変形例における二酸化炭素回収方法は、例えば、以下のように把握される。
(11)第十一態様における二酸化炭素回収方法は、
少なくとも窒素と二酸化炭素を含む排気ガスから二酸化炭素を回収する二酸化炭素回収方法において、高圧下で二酸化炭素を吸着し、低圧下で二酸化炭素を放出できる二酸化炭素吸着剤で形成されている二酸化炭素吸着物45が内部に充填されている吸着塔41内に、前記排気ガスを流入させて、前記二酸化炭素吸着剤に前記排気ガス中の二酸化炭素を吸着させる吸着工程S21と、前記吸着塔41内を真空吸引して、前記二酸化炭素吸着剤に吸着していた二酸化炭素を前記二酸化炭素吸着剤から離脱させる離脱工程S22,S22a,S22b,S22c,S22dと、を実行する。前記離脱工程S22,S22a,S22b,S22c,S22dは、前記吸着塔41からのガスを回収ガスとして、回収ガスタンク63に導く二酸化炭素回収工程S31と、前記吸着塔41からのガスを非回収ガスとして前記回収ガスタンク63を除く場所に導く非回収ガス流通工程S27,S27a,S27bと、前記二酸化炭素回収工程S31及び前記非回収ガス流通工程S27,S27a,S27bの実行を制御する制御工程S23,S23a,S23b,S23c,S23dと、を含む。前記制御工程S23,S23a,S23b,S23c,S23dでは、前記吸着塔41内の圧力が予め定められた回収圧力Pcを基準にして高真空の場合又は高真空であると想定される場合に、前記二酸化炭素回収工程S31を実行させ、前記吸着塔41内の圧力が前記回収圧力Pcを基準にして低真空である場合又は低真空であると想定される場合に、前記非回収ガス流通工程S27,S27a,S27bを実行させる。
本態様では、前記第一態様における二酸化炭素回収設備と同様の効果を得ることができる。すなわち、本態様でも、非特許文献1に記載の設備のように、第一段吸着塔及び第二段吸着塔を設けなくても、高濃度の二酸炭素を回収できる。また、本態様でも、排気ガス中から二酸化炭素を回収する時間を短くすることができる。
(12)第十二態様における二酸化炭素回収方法は、
前記第十一態様における二酸化炭素回収方法において、前記制御工程S23,S23a,S23b,S23cは、前記吸着塔41内の圧力を検知する圧力検知工程S24と、前記圧力検知工程S24で検知された圧力に基づき、前記二酸化炭素回収工程S31と前記非回収ガス流通工程S27,S27a,S27bとのうち一方の工程を実行させるガス流通制御工程S26,S26a,S26bと、を含む。
(13)第十三態様における二酸化炭素回収方法は、
前記第十二態様における二酸化炭素回収方法において、前記制御工程S23cは、前記吸着塔41内を真空吸引する吸引力を制御する吸引力制御工程S25を含む。前記吸引力制御工程S25では、前記圧力検知工程S24で検知された圧力が、前記回収圧力Pcよりも高く且つ大気圧よりも前記回収圧力Pcに近い圧力又は前記回収圧力Pcである吸引力変更圧力Psになると、前記吸引力を高める。
本態様では、前記第三態様における二酸化炭素回収設備と同様、二酸化炭素回収工程S31の実行時間を短くすることができる。
(14)第十四態様における二酸化炭素回収方法は、
前記第十一態様における二酸化炭素回収方法において、前記制御工程S23dは、前記吸着塔41内を真空吸引する吸引力を制御する吸引力制御工程S25dと、前記二酸化炭素回収工程S31と前記非回収ガス流通工程S27とのうち一方の工程を実行させるガス流通制御工程S26bと、を含む。前記吸引力制御工程S25dでは、前記吸着塔41内を真空吸引し始めてから予め定められた時間T2が経過すると、前記吸引力を高める。前記ガス流通制御工程S26bでは、前記吸引力制御工程S25dで前記吸引力を高める以前は前記吸着塔41内の圧力が前記回収圧力Pcよりも低真空であるとして、前記非回収ガス流通工程S27を実行させ、前記吸引力制御工程S25dで前記吸引力を高めた後は前記吸着塔41内の圧力が前記回収圧力Pcよりも高真空であるとして、前記二酸化炭素回収工程S31を実行させる。
本態様では、前記第四態様における二酸化炭素回収設備と同様、二酸化炭素回収工程S31の実行時間を短くすることができる。
(15)第十五態様における二酸化炭素回収方法は、
前記第十一態様から前記第十四態様のうちのいずれか一態様における二酸化炭素回収方法において、前記非回収ガス流通工程S27,S27bは、前記非回収ガスを大気に放出する非回収ガス放出工程S28,S28bを含む。前記制御工程S23,S23b,S23c,S23dでは、前記吸着塔41内の圧力が前記回収圧力Pcを基準にして低真空の場合又は低真空であると想定される場合に、前記非回収ガス放出工程S28,S28bを実行させ、前記吸着塔41内の圧力が前記回収圧力Pcを基準にして高真空の場合又は高真空であると想定される場合に、前記非回収ガス放出工程S28,S28bを実行させない。
本態様では、前記第五態様における二酸化炭素回収設備と同様の効果を得ることができる。
(16)第十六態様における二酸化炭素回収方法は、
前記第十一態様から前記第十四態様のうちのいずれか一態様における二酸化炭素回収方法において、前記排気ガス中に含まれている水分を除去する前処理S10をさらに実行する。前記前処理S10は、前記排気ガスを除湿塔11内に送って、前記排気ガス中の水分を除去し、前記除湿塔11を通った前記排気ガスである乾燥排気ガスを前記吸着塔41に導く除湿工程S11を含む。前記非回収ガス流通工程S27a,S27bは、前記非回収ガスを前記乾燥排気ガス中に混入させるリサイクル工程S29,S29bを含む。前記制御工程S23a,S23b,S23c,S23dでは、前記吸着塔41内の圧力が前記回収圧力Pcを基準にして低真空の場合又は低真空であると想定される場合に、前記リサイクル工程S29,S29bを実行させ、前記吸着塔41内の圧力が前記回収圧力Pcを基準にして高真空の場合又は高真空であると想定される場合に、前記リサイクル工程S29,S29bを実行させない。
本態様では、前記第六態様における二酸化炭素回収設備と同様、二酸化炭素の放出量を減らすことができる。
(17)第十七態様における二酸化炭素回収方法は、
前記第十一態様から前記第十四態様のうちのいずれか一態様における二酸化炭素回収方法において、前記排気ガス中に含まれている水分を除去する前処理S10をさらに実行する。前記前処理S10は、前記排気ガスを除湿塔11内に送って、前記排気ガス中の水分を除去し、前記除湿塔11を通った排気ガスである乾燥排気ガスを前記吸着塔41に導く除湿工程S11を含む。前記非回収ガス流通工程S27b,S27c,S27dは、前記非回収ガスを大気に放出する非回収ガス放出工程S28bと、前記非回収ガスを前記乾燥排気ガス中に混入させるリサイクル工程S29bと、を含む。前記制御工程S23b,S23c,S23dでは、前記吸着塔41内の圧力が前記回収圧力Pcより低真空で且つ前記回収圧力Pcよりも大気圧に近いリサイクル圧力Prより低真空である場合、又は前記リサイクル圧力Prより低真空であると想定される場合に、前記非回収ガス放出工程S28bを実行させ、前記リサイクル工程S29bを実行させない。前記制御工程S23b,S23c,S23dでは、前記吸着塔41内の圧力が前記回収圧力Pcより低真空で且つ前記リサイクル圧力Prより高真空である場合、又は、前記回収圧力Pcより低真空で且つ前記リサイクル圧力Prより高真空であると想定される場合に、前記非回収ガス放出工程S28bを実行させず、前記リサイクル工程S29bを実行させる。前記制御工程S23b,S23c,S23dでは、前記吸着塔41内の圧力が前記回収圧力Pcより高真空である場合又は高真空であると想定される場合、前記非回収ガス放出工程S28b及び前記リサイクル工程S29bを実行させない。
本態様では、前記第七態様における二酸化炭素回収設備と同様、二酸化炭素の放出量を減らすことができる。さらに、本態様では、二酸化炭素の吸着工程S21中の吸着塔41内の二酸化炭素吸着物45による二酸化炭素の吸着率を高めることができる。
(18)第十八態様における二酸化炭素回収方法は、
前記第十一態様から前記第十七態様のうちのいずれか一態様における二酸化炭素回収方法において、前記二酸化炭素吸着剤としてゼオライトを用いる。
(19)第十九態様における二酸化炭素回収方法は、
前記第十八態様における二酸化炭素回収方法において、前記回収圧力Pcは、-75~-95kPaGである。
1:排気ガス発生源
10:前処理装置
11:除湿塔
11a:第一除湿塔
11b:第二除湿塔
12:容器
13:第一口
14:第二口
15:水分吸着物
16:送風機
17:除湿真空ポンプ
20:排気ガスライン
21:主排気ガスライン
22a:第一排気ガスライン
22b:第二排気ガスライン
23:乾燥排気ガスライン
24a:除湿側第一乾燥排気ガスライン
24b:除湿側第二乾燥排気ガスライン
25:主乾燥排気ガスライン
26a:回収側第一乾燥排気ガスライン
26b:回収側第二乾燥排気ガスライン
26c:回収側第三乾燥排気ガスライン
27:水分リッチガスライン
28a:第一水分リッチガスライン
28b:第二水分リッチガスライン
29:主水分リッチガスライン
30:オフガスライン
31a:回収側第一オフガスライン
31b:回収側第二オフガスライン
31c:回収側第三オフガスライン
32:主オフガスライン
33a:除湿側第一オフガスライン
33b:除湿側第二オフガスライン
35a:第一排気ガス弁
35b:第二排気ガス弁
36a:除湿側第一乾燥排気ガス弁
36b:除湿側第二乾燥排気ガス弁
37a:第一水分リッチガス弁
37b:第二水分リッチガス弁
38a:除湿側第一オフガス弁
38b:除湿側第二オフガス弁
40,40a,40b,40c,40d:二酸化炭素回収装置
41:吸着塔
41a:第一吸着塔
41b:第二吸着塔
41c:第三吸着塔
42:容器
43:第一口
44:第二口
45:二酸化炭素吸着物
46:貫通孔
50,50x,50xa,50xb:吸引機
51:吸引機本体
51a:第一吸引機本体
51b:第二吸引機本体
52:モータ
52a:第一モータ
52b:第二モータ
53:インバータ
54a:第一スイッチ
54b:第二スイッチ
56a:回収側第一乾燥排気ガス弁
56b:回収側第二乾燥排気ガス弁
56c:回収側第三乾燥排気ガス弁
57a:第一吸引弁
57b:第二吸引弁
57c:第三吸引弁
58a:回収側第一オフガス弁
58b:回収側第二オフガス弁
58c:回収側第三オフガス弁
60:回収ガス弁
61,61a,61b:非回収ガス弁
62a:放出弁
62b:リサイクル弁
63:回収ガスタンク
65:吸引ライン
66a:第一吸引ライン
66b:第二吸引ライン
66c:第三吸引ライン
67:主吸引ライン
68:吐出ライン
70:二酸化炭素回収ライン
71,71a,71b:非回収ガスライン
72a:非回収ガス放出ライン
72b:リサイクルライン
80,80a,80b,80c,80d:制御装置
81:圧力計
82,82a,82b:弁制御器
83,83d:吸引機制御器

Claims (19)

  1. 少なくとも窒素と二酸化炭素を含む排気ガスから二酸化炭素を回収可能な二酸化炭素回収設備において、
    高圧下で二酸化炭素を吸着し、低圧下で二酸化炭素を放出できる二酸化炭素吸着剤で形成されている二酸化炭素吸着物が内部に充填されている吸着塔と、
    前記吸着塔内に前記排気ガスを送る送風機と、
    前記吸着塔内を真空吸引する吸引機と、
    前記吸引機の吐出口に接続されている吐出ラインと、
    前記吐出ラインに接続されている二酸化炭素回収ラインと、
    前記二酸化炭素回収ラインに設けられている回収ガス弁と、
    前記吐出ラインに接続されている非回収ガスラインと、
    前記非回収ガスラインに設けられている非回収ガス弁と、
    前記吸着塔内の圧力が予め定められた回収圧力を基準にして低真空の場合又は低真空であると想定される場合に、前記回収ガス弁を閉じて、前記非回収ガス弁を開け、前記吸着塔内の圧力が前記回収圧力を基準にして高真空の場合又は高真空であると想定される場合に、前記非回収ガス弁を閉じて、前記回収ガス弁を開ける制御装置と、
    を備える二酸化炭素回収設備。
  2. 請求項1に記載の二酸化炭素回収設備において、
    前記制御装置は、前記吸着塔内の圧力を検知できる圧力計と、前記圧力計で検知された圧力に基づき、前記回収ガス弁及び前記非回収ガス弁の開閉を制御する弁制御器と、を有する、
    二酸化炭素回収設備。
  3. 請求項2に記載の二酸化炭素回収設備において、
    前記制御装置は、前記圧力計で検知された圧力に基づき、前記吸引機の動作を制御する吸引機制御器を有し、
    前記吸引機制御器は、前記圧力計で検知された圧力が前記回収圧力よりも高く且つ大気圧よりも前記回収圧力に近い圧力又は前記回収圧力である吸引力変更圧力になると、前記吸引機の吸引力が高まるよう前記吸引機を動作させる、
    二酸化炭素回収設備。
  4. 請求項1に記載の二酸化炭素回収設備において、
    前記制御装置は、前記吸引機の動作を制御する吸引機制御器と、前記回収ガス弁及び前記非回収ガス弁の開閉を制御する弁制御器と、を有し、
    前記吸引機制御器は、前記吸引機により前記吸着塔内を真空吸引させてから予め定められた時間が経過すると、前記吸引機の吸引力が高まるよう前記吸引機を動作させ、
    前記弁制御器は、前記吸引機制御器が前記吸引機の吸引力を高める以前は前記吸着塔内の圧力が前記回収圧力よりも低真空であるとして、前記回収ガス弁を閉じて、前記非回収ガス弁を開け、前記吸引機制御器が前記吸引機の吸引力を高めた後は前記吸着塔内の圧力が前記回収圧力よりも高真空であるとして、前記非回収ガス弁を閉じて、前記回収ガス弁を開ける、
    二酸化炭素回収設備。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載の二酸化炭素回収設備において、
    前記非回収ガスラインは、端部が開放されている非回収ガス放出ラインを有し、
    前記非回収ガス弁は、前記非回収ガス放出ラインに設けられている放出弁を有し、
    前記制御装置は、前記吸着塔内の圧力が前記回収圧力を基準にして低真空の場合又は低真空であると想定される場合に、前記放出弁を開け、前記吸着塔内の圧力が前記回収圧力を基準にして高真空の場合又は高真空であると想定される場合に、前記放出弁を閉じる、
    二酸化炭素回収設備。
  6. 請求項1から4のいずれか一項に記載の二酸化炭素回収設備において、
    前記排気ガス中に含まれている水分を除去できる前処理装置をさらに備え、
    前記前処理装置は、前記送風機からの前記排気ガス中に含まれている水分を除去可能な除湿塔と、前記除湿塔を通った前記排気ガスである乾燥排気ガスを前記吸着塔に導く乾燥排気ガスラインと、を備え、
    前記非回収ガスラインは、前記乾燥排気ガスラインに接続されているリサイクルラインを有し、
    前記非回収ガス弁は、前記リサイクルラインに設けられているリサイクル弁を有し、
    前記制御装置は、前記吸着塔内の圧力が前記回収圧力よりも低真空の場合又は低真空でると想定される場合に、前記リサイクル弁を開け、前記吸着塔内の圧力が前記回収圧力よりも高真空の場合又は高真空であると想定される場合に、前記リサイクル弁を閉じる、
    二酸化炭素回収設備。
  7. 請求項1から4のいずれか一項に記載の二酸化炭素回収設備において、
    前記排気ガス中に含まれている水分を除去できる前処理装置をさらに備え、
    前記前処理装置は、前記送風機からの前記排気ガス中に含まれている水分を除去可能な除湿塔と、前記除湿塔を通った前記排気ガスである乾燥排気ガスを前記吸着塔に導く乾燥排気ガスラインと、を備え、
    前記非回収ガスラインは、端部が開放されている非回収ガス放出ラインと、前記乾燥排気ガスラインに接続されているリサイクルラインと、を有し、
    前記非回収ガス弁は、前記非回収ガス放出ラインに設けられている放出弁と、前記リサイクルラインに設けられているリサイクル弁と、を有し、
    前記制御装置は、
    前記吸着塔内の圧力が前記回収圧力より低真空で且つ前記回収圧力よりも大気圧に近いリサイクル圧力より低真空である場合、又は前記リサイクル圧力より低真空であると想定される場合に、前記放出弁を開け、前記リサイクル弁を閉じ、
    前記吸着塔内の圧力が前記回収圧力より低真空で且つ前記リサイクル圧力より高真空である場合、又は、前記回収圧力より低真空で且つ前記リサイクル圧力より高真空であると想定される場合に、前記放出弁を閉じ、前記リサイクル弁を開け、
    前記吸着塔内の圧力が前記回収圧力よりも高真空の場合又は高真空であると想定される場合に、前記放出弁及び前記リサイクル弁を閉じる、
    二酸化炭素回収設備。
  8. 請求項1から7のいずれか一項に記載の二酸化炭素回収設備において、
    前記二酸化炭素吸着剤はゼオライトである、
    二酸化炭素回収設備。
  9. 請求項8に記載の二酸化炭素回収設備において、
    前記回収圧力は、-75~-95kPaGである、
    二酸化炭素回収設備。
  10. 請求項1から9のいずれか一項に記載の二酸化炭素回収設備において、
    前記二酸化炭素吸着物は、互に同じ方向に貫通した複数の貫通孔が形成されている多孔構造物である、
    二酸化炭素回収設備。
  11. 少なくとも窒素と二酸化炭素を含む排気ガスから二酸化炭素を回収する二酸化炭素回収方法において、
    高圧下で二酸化炭素を吸着し、低圧下で二酸化炭素を放出できる二酸化炭素吸着剤で形成されている二酸化炭素吸着物が内部に充填されている吸着塔内に、前記排気ガスを流入させて、前記二酸化炭素吸着剤に前記排気ガス中の二酸化炭素を吸着させる吸着工程と、
    前記吸着塔内を真空吸引して、前記二酸化炭素吸着剤に吸着していた二酸化炭素を前記二酸化炭素吸着剤から離脱させる離脱工程と、
    を実行し、
    前記離脱工程は、前記吸着塔からのガスを回収ガスとして、回収ガスタンクに導く二酸化炭素回収工程と、前記吸着塔からのガスを非回収ガスとして前記回収ガスタンクを除く場所に導く非回収ガス流通工程と、前記二酸化炭素回収工程及び前記非回収ガス流通工程の実行を制御する制御工程と、を含み、
    前記制御工程では、前記吸着塔内の圧力が予め定められた回収圧力を基準にして高真空の場合又は高真空であると想定される場合に、前記二酸化炭素回収工程を実行させ、前記吸着塔内の圧力が前記回収圧力を基準にして低真空である場合又は低真空であると想定される場合に、前記非回収ガス流通工程を実行させる、
    二酸化炭素回収方法。
  12. 請求項11に記載の二酸化炭素回収方法において、
    前記制御工程は、前記吸着塔内の圧力を検知する圧力検知工程と、前記圧力検知工程で検知された圧力に基づき、前記二酸化炭素回収工程と前記非回収ガス流通工程とのうち一方の工程を実行させるガス流通制御工程と、を含む、
    二酸化炭素回収方法。
  13. 請求項12に記載の二酸化炭素回収方法において、
    前記制御工程は、前記吸着塔内を真空吸引する吸引力を制御する吸引力制御工程を含み、
    前記吸引力制御工程では、前記圧力検知工程で検知された圧力が、前記回収圧力よりも高く且つ大気圧よりも前記回収圧力に近い圧力又は前記回収圧力である吸引力変更圧力になると、前記吸引力を高める、
    二酸化炭素回収方法。
  14. 請求項11に記載の二酸化炭素回収方法において、
    前記制御工程は、前記吸着塔内を真空吸引する吸引力を制御する吸引力制御工程と、前記二酸化炭素回収工程と前記非回収ガス流通工程とのうち一方の工程を実行させるガス流通制御工程と、を含み、
    前記吸引力制御工程では、前記吸着塔内を真空吸引し始めてから予め定められた時間が経過すると、前記吸引力を高め、
    前記ガス流通制御工程では、前記吸引力制御工程で前記吸引力を高める以前は前記吸着塔内の圧力が前記回収圧力よりも低真空であるとして、前記非回収ガス流通工程を実行させ、前記吸引力制御工程で前記吸引力を高めた後は前記吸着塔内の圧力が前記回収圧力よりも高真空であるとして、前記二酸化炭素回収工程を実行させる、
    二酸化炭素回収方法。
  15. 請求項11から14のいずれか一項に記載の二酸化炭素回収方法において、
    前記非回収ガス流通工程は、前記非回収ガスを大気に放出する非回収ガス放出工程を含み、
    前記制御工程では、前記吸着塔内の圧力が前記回収圧力を基準にして低真空の場合又は低真空であると想定される場合に、前記非回収ガス放出工程を実行させ、前記吸着塔内の圧力が前記回収圧力を基準にして高真空の場合又は高真空であると想定される場合に、前記非回収ガス放出工程を実行させない、
    二酸化炭素回収方法。
  16. 請求項11から14のいずれか一項に記載の二酸化炭素回収方法において、
    前記排気ガス中に含まれている水分を除去する前処理をさらに実行し、
    前記前処理は、前記排気ガスを除湿塔内に送って、前記排気ガス中の水分を除去し、前記除湿塔を通った前記排気ガスである乾燥排気ガスを前記吸着塔に導く除湿工程を含み、
    前記非回収ガス流通工程は、前記非回収ガスを前記乾燥排気ガス中に混入させるリサイクル工程を含み、
    前記制御工程では、前記吸着塔内の圧力が前記回収圧力を基準にして低真空の場合又は低真空であると想定される場合に、前記リサイクル工程を実行させ、前記吸着塔内の圧力が前記回収圧力を基準にして高真空の場合又は高真空であると想定される場合に、前記リサイクル工程を実行させない、
    二酸化炭素回収方法。
  17. 請求項11から14のいずれか一項に記載の二酸化炭素回収方法において、
    前記排気ガス中に含まれている水分を除去する前処理をさらに実行し、
    前記前処理は、前記排気ガスを除湿塔内に送って、前記排気ガス中の水分を除去し、前記除湿塔を通った排気ガスである乾燥排気ガスを前記吸着塔に導く除湿工程を含み、
    前記非回収ガス流通工程は、前記非回収ガスを大気に放出する非回収ガス放出工程と、前記非回収ガスを前記乾燥排気ガス中に混入させるリサイクル工程と、を含み、
    前記制御工程では、
    前記吸着塔内の圧力が前記回収圧力より低真空で且つ前記回収圧力よりも大気圧に近いリサイクル圧力より低真空である場合、又は前記リサイクル圧力より低真空であると想定される場合に、前記非回収ガス放出工程を実行させ、前記リサイクル工程を実行させず、
    前記吸着塔内の圧力が前記回収圧力より低真空で且つ前記リサイクル圧力より高真空である場合、又は、前記回収圧力より低真空で且つ前記リサイクル圧力より高真空であると想定される場合に、前記非回収ガス放出工程を実行させず、前記リサイクル工程を実行させ、
    前記吸着塔内の圧力が前記回収圧力より高真空である場合又は高真空であると想定される場合、前記非回収ガス放出工程及び前記リサイクル工程を実行させない、
    二酸化炭素回収方法。
  18. 請求項11から17のいずれか一項に記載の二酸化炭素回収方法において、
    前記二酸化炭素吸着剤としてゼオライトを用いる、
    二酸化炭素回収方法。
  19. 請求項18に記載の二酸化炭素回収方法において、
    前記回収圧力は、-75~-95kPaGである、
    二酸化炭素回収方法。
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