JP2023144363A - ガス分離膜、ガス分離膜モジュール、及びガス製造方法 - Google Patents

ガス分離膜、ガス分離膜モジュール、及びガス製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】水素、ヘリウム等の分子径の小さなガスと他種ガスとの選択分離性を向上させたガス分離膜の提供。【解決手段】多孔性支持層上に分離機能層を有するガス分離膜であって、陽電子ビーム法により決定される、前記分離機能層の平均空孔半径R3[nm]、並びに、式2とNKP法により決定される、前記ガス分離膜の孔径dNKP[nm]が、式1を満たし、前記多孔性支持層は、緻密層を有し、前記緻密層の厚みは、400nm以上1000nm以下である、ガス分離膜。TIFF2023144363000012.tif21170TIFF2023144363000013.tif28170(ここで、「i」は水素、窒素、メタンのいずれかであり、「Pi」は25℃におけるガスiの透過度[nmol/m2/s/Pa]であり、Miはガスiの分子量、dk,iはガスiの動的分子径[nm]である。)【選択図】図1

Description

本発明は、ガス混合物の中の少なくとも一成分を選択分離可能なガス分離膜、ガス分離膜モジュール、及びそれを用いたガスの製造方法に関する。
近年クリーンなエネルギー源として、水素が注目されている。水素は、天然ガス及び石炭等の化石燃料を改質・ガス化し、主成分として水素と二酸化炭素などを含む混合ガスから不要ガスを除去することによって得られている。また、水を電気や光触媒によって分解し、水素と酸素、水蒸気を含む混合ガスから水素のみを取り出すことで得られている。また、水素はアンモニアを合成するハーバー・ボッシュ法にも用いられている。これは、水素と窒素を高温、高圧で反応させることでアンモニアを合成する方法であるが、生産プラントにおいて未反応の水素と窒素を分離回収するプロセスが必要である。
水素と他種ガスの分離には、圧力スウィング吸着法(PSA)が用いられてきた。しかしながらPSA法は、吸着剤の再生にかかるコストが課題となっている。低コストで混合ガスから特定のガスを濃縮させる方法として、素材の持つ気体透過性の違いを利用して、目的ガスを選択的に透過させる膜分離法が注目されている。
また、膜分離法が注目を集めている分野として、水蒸気を選択的に透過させる膜を用いた調湿プロセスが挙げられる。調湿プロセスとしては吸着法や冷凍法などが用いられてきたが、吸着剤の再生コストや装置の大型化といった課題がある。膜分離法の場合、運転が簡便であり、装置の小型化も容易であることから、新たな調湿プロセスとして注目されている。
低コストで混合ガスから特定のガスを濃縮させる方法として、素材の持つ気体透過性の違いを利用して、目的ガスを選択的に透過させる膜分離法が注目されている。
特許文献1には、単層構造をしたポリアラミド製ガス分離膜の機能層表面を、フッ素系のノニオン界面活性剤を含有した非溶媒に接触させ、膨潤させたのち乾燥させることにより、該膜のHe/N選択性を向上させる技術が開示されている。
特許文献2には、多孔性支持層に対し、非晶性樹脂を主成分とした半透膜層を含侵させることで欠陥の少ないガス分離膜を得られる技術が開示されている。
特許文献3には、ガスの選択分離性を有する第一の分離層に、フッ素原子の含有量の多い第二の分離膜を積層することで、二酸化炭素/メタンの選択分離性が高く、不純ガス暴露による性能低下が小さい膜を得られる技術が開示されている。
特開平3-186327号公報 特開2017-74580号公報 特開2019-162565号公報
しかしながら、従来の技術、つまり特許文献1~3に記載の技術では、二酸化炭素、酸素、窒素、メタン等の他種ガスの透過抵抗を効率的に高めることができず、水素、ヘリウム、水蒸気、アンモニア等の分子径の小さなガスの高い透過性と、二酸化炭素、酸素、窒素、メタン等の他種ガスとの高い選択分離性を両立できないという問題点がある。
特に特許文献2、3に記載の技術においては、二酸化炭素、酸素、窒素、メタン等の他種ガスの透過抵抗が十分でないため、選択分離性が不十分である。特許文献1に記載の技術においては、記載の処理によって高い選択分離性を得られる一方で、透過性を著しく低下させてしまうという欠点がある。
そこで本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、水素、ヘリウム、水蒸気、アンモニア等の分子径の小さなガスの高い透過性と二酸化炭素、酸素、窒素、メタン等の他種ガスとの高い選択分離性を両立可能なガス分離膜を提供することを目的とする。
本発明者らは上記の課題を解決するために鋭意検討を行った結果、ガス分離膜の性能、特に選択分離性を大幅に改善することに成功し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、以下の構成を要旨とするものである。
(1)
少なくとも多孔性支持層、及び前記多孔性支持層上に分離機能層を有するガス分離膜であって、
陽電子ビーム法により決定される、前記分離機能層の平均空孔半径R[nm]、並びに、式2とNKP(Normalized-Knudsen-based Permeance)法により決定される、前記ガス分離膜の孔径dNKP[nm]が、式1を満たし、
前記多孔性支持層は、緻密層を有し、
前記緻密層の厚みは、400nm以上1000nm以下である、ガス分離膜。
Figure 2023144363000002
Figure 2023144363000003
(ここで、「i」はH、N、CHのいずれかであり、「P」は25℃におけるガスiの透過度[nmol/m/s/Pa]であり、PHeは25℃におけるHeガスの透過度[nmol/m/s/Pa]であり、Mはガスiの分子量、MHeはHeガスの分子量であり、dk,iはガスiの動的分子径[nm]であり、dk,HeはHeガスの動的分子径[nm]である。)
(2)
前記分離機能層が架橋ポリアミドを含み、
前記ガス分離膜を以下の処理方法で処理した後に、処理済ガス分離膜に対してヘリウムを透過したときの透過度が、100[nmol/m/s/Pa]以上5000[nmol/m/s/Pa]以下である、前記(1)に記載のガス分離膜。
処理方法:仕込み濃度2wt%の次亜塩素酸ナトリウム水溶液に、25℃で24時間浸漬する方法。
(3)
前記平均空孔半径R[nm]が、0.20以上0.50以下である、(1)又は(2)のいずれかに記載のガス分離膜。
(4)
前記孔径dNKP[nm]が、0.30以上0.60以下である、前記(1)~(3)のいずれかに記載のガス分離膜。
(5)
前記(1)~(4)のいずれかに記載のガス分離膜、供給側流路材、および透過側流路材が、透過ガスを集積する中心管の周りに巻囲された、ガス分離膜モジュール。
(6)
前記(5)に記載のガス分離膜モジュールを用いたガス製造方法であって、
以下の工程1および工程2を含む、ガス製造方法。
工程1:前記ガス分離膜の一方の面に、水素、ヘリウム、水蒸気、アンモニアの少なくとも一方である軽ガスAと、前記軽ガスA以外のガスBとを含む混合ガスを供給する工程。
工程2:前記ガス分離膜の他方の面から、前記混合ガスよりもガスA/ガスBのモル比が大きいガスを得る工程。
本発明によれば、水素、ヘリウム、水蒸気、アンモニア等の分子径の小さなガスに対して高い選択分離性を有するガス分離膜、ガス分離膜モジュール及びそれらを用いたガス製造方法を提供することができる。
図1はガス分離膜の断面図の一例である。 図2は本発明のガス分離膜モジュールの実施の一形態を示す一部展開斜視図である。
1.ガス分離膜
本発明のガス分離膜は、少なくとも多孔性支持層、及び前記多孔性支持層上に分離機能層を有するガス分離膜であって、陽電子ビーム法により決定される、前記分離機能層の平均空孔半径R[nm]、並びに、式2とNKP(Normalized-Knudsen-based Permeance)法により決定される、前記ガス分離膜の孔径dNKP[nm]が、式1を満たし、前記多孔性支持層は、緻密層を有し、前記緻密層の厚みは、400nm以上1000nm以下である、ガス分離膜である。
Figure 2023144363000004
Figure 2023144363000005
(ここで、「i」はH、N、CHのいずれかであり、「P」は25℃におけるガスiの透過度[nmol/m/s/Pa]であり、PHeは25℃におけるHeガスの透過度[nmol/m/s/Pa]であり、Mはガスiの分子量、MHeはHeガスの分子量であり、dk,iはガスiの動的分子径[nm]であり、dk,HeはHeガスの動的分子径[nm]である。)
本実施形態のガス分離膜(51)は、図1に示すように、少なくとも多孔性支持層(52)、多孔性支持層上の分離機能層(53)を含む。また、基材(54)を有していてもよい。
分離機能層とは、ガス分離膜を構成する要素のうち、最も高いガスの選択分離性を有する構成要素を意味する。
また、本発明のガス分離膜は、特定の形状に限定されず、平膜状あるいは中空糸状、その他形状をとりうる。
陽電子ビーム法は、陽電子消滅寿命測定法の一つであり、陽電子が試料に入射してから消滅するまでの時間を測定し、その消滅時間から約0.1~10nmの空孔の大きさ、数密度、さらには空孔の大きさの分布に関する情報を非破壊的に評価する方法である。陽電子線源として放射性同位体(22Na)の代わりに陽電子ビームを用いる点が、通常の陽電子消滅法と異なり、数百nm厚程度の薄膜の測定を可能とした手法である。分離機能層の平均空孔半径R[nm]は、分離機能層を有する表面から陽電子を1keVの強さで打ち込んだ際の陽電子消滅寿命τから求められる。
本発明のガス分離膜の分離機能層の平均空孔半径R[nm]は、上記の陽電子の消滅寿命τに基づいて、以下の式3から求めている。式3は、厚さΔRの電子層にある平均空孔半径Rの空孔にオルソポジトロニウム(o-Ps)が存在すると仮定した場合の関係を示しており、ΔRは経験的に0.166nmと求められている(Nakanishi他,Journal of Polymer Science,Part B:Polymer Physics,Vol.27,p.1419,John Wiley & Sons,Inc.(1989)にその詳細が記載されている)。
Figure 2023144363000006
平均空孔半径R[nm]は0.20以上0.50以下が好ましく、0.22以上0.40以下がより好ましく、0.24以上0.32以下がさらに好ましい。平均空孔半径R[nm]が0.20以上であることで、膜を透過させたいガスの透過度を大きくすることができ、0.50以下であることで、ガスの分子径に応じた選択分離性を発現することが可能となる。
本発明のガス分離膜の孔径dNKP[nm]は、NKP(Normalized-Knudsen-based Permeance)法に基づき、以下の式(2)から求めている。NKP法とは、分子径の異なる多種類の非凝縮性ガスの膜透過流量を測定し、横軸にガスの動力学分子径、縦軸に膜透過流量をプロットし、(式2)でカーブフィッティングすることで孔径dNKP[nm]を算出する方法である。本明細書においては非凝縮性ガスとして、He、H、N、CHの4種のガスを用いる(Lie Meng他,Journal of Membrane Science,Vol.496,p.211-218,Department of Chemical Engineering, Graduate School of Engineering,Hiroshima University(2015)にその詳細が記載されている)。
Figure 2023144363000007
孔径dNKP[nm]は0.30以上、かつ、0.60以下が好ましく、0.32以上0.50以下がより好ましく、0.35以上0.40以下がさらに好ましい。孔径dNKP[nm]が0.30以上であることで、水素、ヘリウム、水蒸気、アンモニア等の分子径の小さなガスを透過する膜として利用でき、0.60以下であることで、ガスの分子径に応じた選択分離性を発現することができる。
一般に、ガス分離膜の分離機能層は孔径分布を有する。目的ガスの選択分離性に優れた適正サイズの孔径である適正孔のみを有することが理想的であるが、実際は選択分離性の低い粗大孔を有することが多く、選択分離性の向上のためには、粗大孔の寄与を低減することが重要である。
分離機能層の粗大孔の寄与が低減された膜においては、分離機能層の平均空孔半径R[nm]から求められる孔径(2R)に対し、NKP法によって算出される孔径dNKP[nm]が小さくなる。NKP法によって算出される孔径dNKP[nm]が、分離機能層の平均空孔半径R[nm]から求められる孔径(2R)に対し、0.40倍以上0.90倍以下であること、つまり式1を満たすことが好ましく、0.50倍以上0.85倍以下がより好ましく、0.60倍以上0.80倍以下であることがさらに好ましい。「孔径dNKP/孔径(2R)」が、0.40倍以上であることで、水素、ヘリウム、水蒸気、アンモニア等の分子径の小さなガスの透過を大きくすることができ、「孔径dNKP/孔径(2R)」を0.80倍以下とすることで、選択分離性を大きくすることができる。
分離機能層の粗大孔の寄与を低減する方法、つまり式1を満たすための方法としては、分離機能層表面へのコーティング、機能層及び/又は多孔性支持層への異種物質の吸着、製法の改良による支持膜の高密度化、加圧による多孔性支持層の圧密化、などが挙げられる。これらの手法で分離機能層以外の箇所にガス透過抵抗を付与することが粗大孔の寄与低減には重要となる。
粗大孔はガス透過抵抗が小さいため、ガス透過度が著しく大きい。一方、適正孔は粗大孔と比べるとはるかにガス透過抵抗が高く、ガス透過度が小さい。上述の方法を用いて分離機能層以外の箇所にガス透過抵抗を付与した場合、粗大孔からのガス透過は大幅に抑制されるが、適正孔の透過に与える影響は小さいため、粗大孔からのガス透過の寄与を低減することが可能となり、膜全体の選択分離性が向上する。

(1-1)基材
本発明のガス分離膜は基材を有していてもよい。基材はガスの分離選択透過能を持つ必要はなく、分離機能層を支持することで、ガス分離膜全体に強度を与えることができればよい。
基材を構成する樹脂としては特に限定されないが、ポリエステル系重合体、ポリアミド系重合体、ポリオレフィン系重合体、ポリスルフィド系重合体、あるいはこれらの混合物や共重合体などがあげられる。なかでも機械的強度および熱的安定性の高いポリエステル系重合体やポリスルフィド系重合体が、基材を構成する樹脂として特に好ましい。
基材の形態としては特に限定されないが、長繊維不織布、短繊維不織布といった不織布または織編物が好ましい。
基材は、通気量が0.5cc/cm/sec以上5.0cc/cm/sec以下であることが好ましい。基材の通気量が上記範囲内にあることにより、多孔性支持層となる高分子溶液が基材に含浸するため、基材との接着性が向上し、多孔性支持層の物理的安定性を高めることができる。
基材の厚みは、10~200μmの範囲内にあることが好ましく、より好ましくは30~120μmの範囲内である。なお、本発明において厚みとは、特に付記しない限り、膜状の試料の厚み方向断面(膜面方向に垂直な断面)で、膜面方向に20μm間隔で測定した20点の厚みの平均値である。

(1-2)多孔性支持層
本発明のガス分離膜は、多孔性支持層を有する。多孔性支持層は、ガスの選択分離性を持っていても、持たなくともよい。そして多孔性支持層は、基材上に配置されていてもよく、基材及び基材上の多孔性支持層をあわせて、支持膜という。
多孔性支持層の孔のサイズおよび分布は特に限定されないが、例えば、孔径は、多孔性支持層全体で均一であるか、あるいは多孔性支持層において分離機能層と接する側の表面からもう一方の面にかけて徐々に大きくなっていてもよい。
多孔性支持層の素材は特に限定されないが、例えば、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアミド、ポリアラミド、ポリエステル、セルロース系ポリマー、ビニルポリマー、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンスルフィドスルホン、ポリフェニレンスルホン、ポリフェニレンオキシド等のホモポリマー、あるいはコポリマーを単独あるいはブレンドして使用することができる。なかでも、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアラミドなどのホモポリマーあるいはコポリマーは、化学的、機械的、熱的安定性が高いので、多孔性支持層の素材として特に好ましい。そして多孔性支持層は、多孔性支持層100質量%中に、これらの素材を50質量%以上100質量%以下含むことが好ましい。
本発明の多孔性支持層は、緻密層を有する。緻密層の厚みは、支持膜抵抗に影響を与え、支持膜抵抗が大きいほどNやO、CHのような不要なガスの透過を抑制することが可能である。
緻密層の有無の確認法、及び緻密層の厚みの測定方法は、次の通りである。多孔質形態保持のための前処理として膜サンプルを液体窒素に浸漬して凍結させたものを、割断して乾燥させた後、膜断面に白金/パラジウムまたは四酸化ルテニウム、好ましくは四酸化ルテニウムを薄く蒸着し、観察サンプルを得る。その後、撮影倍率を100,000倍に設定し、膜断面の任意の断面写真を得る。この断面写真の範囲に対し、膜断面写真画像をimage-Jで読み込み、imageでtypeを8bitにする。Thresholdで閾値の最小値を0、最大値を115にして、範囲内(閾値が0以上115以下)を黒、それ以外を白として2値化処理を行う。そのうち表面から20nm毎に、黒と白の割合を計算して、断面方向あたりの黒部面積が10%未満である表面から始まる領域を緻密層と呼び、多孔性支持層の表面からこの境界(黒部面積が10%未満と10%以上の境界)までの連続する距離を緻密層の厚みとした。
・装置: 電解放出型電子顕微鏡 JEM-F200(JEOL製)
・測定条件:加速電圧200kV
ガス分離膜の十分な選択分離性を得るためには、緻密層の厚みは、400nm以上1000nm以下であることが好ましく、400nm以上600nm以下であることがさらに好ましい。400nm以上であることで支持膜の抵抗に起因した選択分離性を発現することができる。1000nm以下であることで、分子径の小さなガスの透過性の過剰な低下を抑制することが可能である。
基材と多孔性支持層の厚みは、ガス分離膜の強度及びそれをガス分離膜モジュールにしたときの充填密度に影響を与える。十分な機械的強度及び充填密度を得るためには、基材と多孔性支持層の厚みの合計、つまり基材と多孔性支持層からなる支持膜の厚みが、30μm以上300μm以下であることが好ましく、50μm以上250μm以下であるとより好ましい。また、多孔性支持層の厚みは、10μm以上200μm以下であることが好ましい。

(1-3)分離機能層
本発明のガス分離膜は、分離機能層を有する。
本発明の分離機能層は、ポリイミド、ポリアミド、ポリベンゾイミダゾール、ポリベンゾオキサゾール、ポリオキシエチレン、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルケトン、ポリケトン、テトラフルオロエチレンアモルファスポリマー、シリコーン、及びマクロポーラスポリマー(PIM)等のポリマーが考えられるが、ポリアミド、特に架橋ポリアミドを主成分とすることが好ましい。以下では架橋ポリアミドについて記述する。
分離機能層を構成する架橋ポリアミドは、多孔性支持層上で、多官能アミンと多官能ハロゲン化物との界面重縮合を行うことにより形成することができる。
本発明において、架橋ポリアミドを主成分とするとは、分離機能層100重量%において架橋ポリアミドが60重量%以上、好ましくは80重量%以上、より好ましくは90重量%以上100重量%以下を占めることを意味する。
分離機能層中の架橋ポリアミドは、全芳香族ポリアミドでも、全脂肪族ポリアミドでも、芳香族部分と脂肪族部分を併せ持っていてもよいが、より高い性能を発現するためには、全芳香族であることが好ましい。
多官能性アミンとは、具体的には多官能性芳香族アミンまたは多官能性脂肪族アミンである。多官能性芳香族アミンとは、一分子中に第一級アミノ基及び第二級アミノ基のうち少なくとも一方のアミノ基を2個以上有し、かつ、アミノ基のうち少なくとも1つは第一級アミノ基である芳香族アミンを意味する。また多官能性脂肪族アミンとは、一分子中に第一級アミノ基及び第二級アミノ基のうち少なくとも一方のアミノ基を2個以上有する脂肪族アミンを意味する。
例えば、多官能性芳香族アミンは、o-フェニレンジアミン、m-フェニレンジアミン、p-フェニレンジアミン、o-キシリレンジアミン、m-キシリレンジアミン、p-キシリレンジアミン、o-ジアミノピリジン、m-ジアミノピリジン、p-ジアミノピリジン等の2個のアミノ基がオルト位やメタ位、パラ位のいずれかの位置関係で芳香環に結合した多官能性芳香族アミン;1,3,5-トリアミノベンゼン、1,2,4-トリアミノベンゼン、3,5-ジアミノ安息香酸、3-アミノベンジルアミン、4-アミノベンジルアミン、2,4-ジアミノチオアニソール、1,3-ジアミノチオアニソール、1,3-ジアミノ-5-(ジメチルホスフィノ)ベンゼン、(3,5-ジアミノフェニル)ジメチルホスフィンオキシド、(2,4-ジアミノフェニル)ジメチルホスフィンオキシド、1,3-ジアミノ-5-(メチルスルホニル)ベンゼン、1,3-ジアミノ-4-(メチルスルホニル)ベンゼン、1,3-ジアミノ-5-ニトロソベンゼン、1,3-ジアミノ-4-ニトロソベンゼン、1,3-ジアミノ-5-(ヒドロキシアミノ)ベンゼン、1,3-ジアミノ-4-(ヒドロキシアミノ)ベンゼン等が挙げられる。
また、多官能性脂肪族アミンは、エチレンジアミン、1,3-ジアミノプロパン、1,4-ジアミノブタン、1,5-ジアミノペンタン、ピペラジン、2-メチルピペラジン、2,4-ジメチルピペラジン、2,5-ジメチルピペラジン、2,6-ジメチルピペラジン等が挙げられる。
これらの多官能性アミンは、単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
また、多官能性酸ハロゲン化物とは、具体的には多官能性芳香族酸ハロゲン化物または多官能性脂肪族酸ハロゲン化物である。
多官能性酸ハロゲン化物とは、多官能性カルボン酸誘導体とも表され、一分子中に少なくとも2個のハロゲン化カルボニル基を有する酸ハロゲン化物をいう。例えば、3官能酸ハロゲン化物では、トリメシン酸クロリド等を挙げることができ、2官能酸ハロゲン化物では、ビフェニルジカルボン酸ジクロリド、アゾベンゼンジカルボン酸ジクロリド、テレフタル酸クロリド、イソフタル酸クロリド、ナフタレンジカルボン酸ジクロリド、オキサリルクロリド等を挙げることができる。
多官能性アミンとの反応性を考慮すると、多官能性酸ハロゲン化物は多官能性酸塩化物であることが好ましく、また、ガス分離膜の選択分離性、耐熱性を考慮すると、一分子中に2~4個の塩化カルボニル基を有する多官能性酸塩化物であることが好ましい。
中でも、入手の容易性や取り扱いのしやすさの観点から、トリメシン酸クロリドがより好ましい。これらの多官能性酸ハロゲン化物は、単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
また、重縮合反応とは、具体的には界面重縮合である。
ここで、多官能性アミン及び多官能性酸ハロゲン化物の少なくとも一方が3官能以上の化合物を含んでいることが好ましい。
本発明のガス分離膜は、水の膜透過流束が0.01(m/m/日)以上0.50(m/m/日)以下であることが好ましく、0.02(m/m/日)以上0.30(m/m/日)以下であることがより好ましく、0.05(m/m/日)以上0.20(m/m/日)以下であることがさらに好ましい。水の透過流束が0.50(m/m/日)以下であることで、膜面内の粗大孔や欠点を抑制し、水素、ヘリウム、水蒸気、アンモニア等の分子径の小さなガスに対する選択分離性をより高く発現することできる。水の透過流束が0.01(m/m/日)以上であることで、水素、ヘリウム、水蒸気、アンモニア等の分子径の小さなガスに対する透過性を大きくすることができる。
本発明のガス分離膜は、分離機能層が架橋ポリアミドを主成分とし、ガス分離膜を以下の処理方法で処理した後に、処理済ガス分離膜に対してヘリウムを透過したときの透過度が、100[nmol/m/s/Pa]以上5000[nmol/m/s/Pa]以下であることが好ましい。
処理方法:仕込み濃度2wt%の次亜塩素酸ナトリウム水溶液に、25℃で24時間浸漬する方法。
ガス分離膜から架橋ポリアミドを主成分とする分離機能層を除去するための処理方法の詳細は次の通りである。
処理方法:仕込み濃度2wt%の次亜塩素酸ナトリウム水溶液に、25℃で24時間浸漬する方法。
本発明のガス分離膜を上記の処理方法によって処理することにより、分離機能層を除去したガス分離膜、すなわち処理済ガス分離膜を得ることができる。本発明のガス分離膜は、緻密層の厚みが厚く、支持膜の抵抗が大きいため、処理済ガス分離膜に対してヘリウムを透過させにくいという特徴を有する。具体的には、ISO 15105-1(2007)の圧力センサ法に準拠して、測定温度25℃で各ガスの単位時間当たりの透過側の圧力変化を測定する。ここで、供給側を100kPa、透過側を0kPaに設定し、供給側と透過側の圧力差を100kPaとする。続いて、透過したガスの透過速度Qを下記式により算出し、各成分のガスの透過速度の比として分離係数αを算出する。なお、STPは標準条件を意味する。
Q = [ガス透過流量(×10-6 cm・STP)]/[膜面積(cm)×時間(s)×圧力差(cmHg)
処理済ガス分離膜に対してヘリウムを透過したときの透過度は、100[nmol/m/s/Pa]以上5000[nmol/m/s/Pa]以下であることが好ましい。処理済ガス分離膜に対してヘリウムを透過したときの透過度が100[nmol/m/s/Pa]以上であることで、分子径の小さなガスの透過性の過剰な低下を抑制することが可能である。一方、処理済ガス分離膜に対してヘリウムを透過したときの透過度が5000[nmol/m/s/Pa]以下であることで、支持膜の抵抗に起因した選択分離性が発現することができる。

2.ガス分離膜の製造方法
次に、本発明のガス分離膜の製造方法について、例を挙げて説明する。
(2-1)支持膜の形成
基材と多孔性支持層との積層体を支持膜と称し、この場合について説明する。以下に挙げる例では、支持膜の形成方法は、多孔性支持層の構成成分であるポリマーをそのポリマーの良溶媒に溶解させることで、ポリマー溶液を調整する工程、基材にポリマー溶液を塗布する工程、及びポリマー溶液を凝固浴に浸漬させることでポリマーを湿式凝固させる工程を含む。凝固したポリマーが緻密層を有する多孔性支持層に相当する。
ポリマーとしてポリスルホン、ポリエーテルスルホンの少なくとも一方を用いる場合は、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)に溶解させることでポリマー溶液を得る。凝固浴としては水が好ましく用いられる。
また、ポリマーの一例であるアラミドは、酸クロリドおよびジアミンをモノマーとして用いる溶液重合または界面重合によって得られる。溶液重合では、溶媒としてDMF、N-メチルピロリドン(NMP)、ジメチルアセトアミド(DMAc)などの非プロトン性有機極性溶媒を用いることができる。単量体として酸クロリドとジアミンを使用してポリアミドを生成すると塩化水素が副生する。塩化水素を中和する場合には水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸リチウムなどの無機の中和剤、またエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、アンモニア、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、ジエタノールアミンなどの有機の中和剤が使用される。
(2-2)分離機能層の形成
分離機能層の主成分として架橋ポリアミドを用いる場合、その架橋ポリアミドは、支持膜上で多官能性アミンと多官能性酸ハロゲン化物との界面重縮合により形成される。
より具体的には、分離機能層の形成工程は以下の工程を有する。
(a)多官能性アミンを含有する水溶液を多孔性支持層上に塗布する工程。
(b)前記工程(a)後に、前記多孔性支持層に多官能性酸ハロゲン化物を含有する有機溶媒溶液を塗布する工程。
工程(a)において、多官能性アミン水溶液における多官能性アミンの濃度は0.1重量%以上20重量%以下の範囲内であることが好ましく、より好ましくは0.5重量%以上15重量%以下の範囲内である。多官能性アミンの濃度がこの範囲であると十分な選択分離性及びガス透過性を得ることができる。
多官能性アミン水溶液には、多官能性アミンと多官能性酸ハロゲン化物との反応を妨害しないものであれば、界面活性剤や有機溶媒、アルカリ性化合物、酸化防止剤等が含まれていてもよい。界面活性剤は、支持膜表面の濡れ性を向上させ、多官能性アミン水溶液と非極性溶媒との間の界面張力を減少させる効果がある。
多官能性アミン水溶液の多孔性支持層への塗布は、多孔性支持層上に均一にかつ連続的に行うことが好ましい。塗布とは、多孔性支持層に多官能性アミン水溶液を接触させることであり、具体的には、多官能性アミン水溶液の多孔性支持層表面へのコーティング、または支持膜の多官能性アミン水溶液への浸漬等である。コーティングとしては、滴下、噴霧、ローラー塗布等が挙げられる。
多孔性支持層上に多官能性アミン水溶液を塗布してから液切りするかまたは多官能酸ハロゲン化物を塗布するまでの時間(つまり多孔性支持層と多官能性アミン水溶液との接触時間)は、1秒以上10分間以下であることが好ましく、10秒以上3分間以下であるとさらに好ましい。
多官能アミン水溶液を多孔性支持層に塗布した後は、多孔性支持層上に液滴が残らないように液切りする。液滴が残存している箇所は膜欠点となって分離性能が低下することがあるが、液切りによってそれを防ぐことができる。多官能アミン水溶液塗布後の支持膜を垂直方向に把持して過剰の水溶液を自然流下させる方法や、エアーノズルから窒素などの気流を吹き付け、強制的に液切りする方法などを用いることができる。
工程(b)において、有機溶媒溶液中の多官能性酸ハロゲン化物の濃度は、0.01重量%以上10重量%以下の範囲内であると好ましく、0.02重量%以上2.0重量%以下の範囲内であるとさらに好ましい。0.01重量%以上とすることで十分な反応速度が得られ、また、10重量%以下とすることで副反応の発生を抑制することができるためである。
有機溶媒は、水と非混和性であり、かつ多官能性酸ハロゲン化物を溶解し、支持膜を破壊しないものが望ましく、多官能性アミン化合物及び多官能性酸ハロゲン化物に対して不活性であるものであればよい。好ましい例として、n-ヘキサン、n-オクタン、n-ノナン、n-デカン、n-ウンデカン、n-ドデカン、n-トリデカン、イソオクタン、イソデカン、イソドデカン等の炭化水素化合物、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
多官能酸ハロゲン化物溶液の多孔性支持層への塗布方法は、多官能アミン水溶液の多孔性支持層への塗布方法と同様に行えばよい。ただし、多官能酸ハロゲン化物の溶液は、多孔性支持層の片面のみに塗布することが好ましいので浸漬よりもコーティングにより塗布することが好ましい。
このとき、多官能酸ハロゲン化物の有機溶媒溶液を接触させた多孔性支持層を加熱してもよい。加熱処理する温度としては50℃以上180℃以下、好ましくは60℃以上160℃以下である。60℃以上で加熱することで、界面重合反応でのモノマー消費に伴う反応性の低下を熱による反応の促進効果で補うことができる。160℃以下で加熱することで溶媒が完全に揮発して反応効率が著しく低下するのを防ぐことができる。また、それぞれの時間の加熱処理時間は、5秒以上600秒以下であることが好ましい 。5秒以上とすることで反応の促進効果を得ることができ、600秒以下とすることで溶媒が完全に揮発することを防ぐことができる。
また、界面重縮合反応の途中に多官能性ハロゲン化物を追加し、多官能性アミンの消費を促進してもよい。
(化学修飾)
得られたガス分離膜に化学処理を行い、ポリアミドが有する末端アミノ基、または末端カルボキシル基を化学変換しても良い。
例えば二酸化炭素と親和性の低いニトロ基構造を導入することで、水素、ヘリウム、水蒸気、アンモニア等の分子径の小さなガスと二酸化炭素の選択分離性を向上させることができる。具体的には、水溶性の酸化剤をガス分離膜に接触させることが好ましく、水溶性の酸化剤としては、過酸化水素、過酢酸、過ホウ酸ナトリウム、ペルオキシ一硫酸カリウム等を挙げることができる。
水溶性の酸化剤とポリアミドの反応手段は特に限定されないが、例えば、水溶性の酸化剤を含む水溶液にポリアミドのガス分離膜を浸漬する方法が好ましい。
水溶性の酸化剤の濃度は0.1重量%~10重量%が好ましく、より好ましくは0.5~3重量%である。
水溶性の酸化剤を含む水溶液のpHは酸化剤の酸化力を十分発揮できる範囲であれば特に限定されないが、1.5~7.0の範囲であることが好ましい。
化学処理の方法としては、水溶性の酸化剤を含む水溶液を10℃以上100℃以下で処理することが好ましく、20℃以上80℃以下で処理することがより好ましい。温度を20℃以上とすることで反応の効率を向上させることができ、80℃以下とすることで酸化剤の分解を抑制することができる。
水溶性の酸化剤を含む水溶液とポリアミドの接触時間は30秒~1日が好ましく、実用性と反応効率の両立を考慮すると1分~30分がより好ましい。
水溶性の酸化剤を含む水溶液とポリアミドの接触後は酸化反応を停止させるため、ポリアミドを還元剤と接触させる。ここで還元剤とは、使用する酸化剤と酸化還元反応を起こすものであれば特に限定されないが、入手、取扱の容易さから亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウムのいずれかを用いるのが好ましい。また、それらは0.01~1重量%水溶液として用いるのが好ましい。
還元剤とポリアミドの接触時間は、酸化反応を停止させることができればよく、通常1分~20分が好ましい。
還元剤とポリアミドの接触後は、ポリアミドガス分離膜に残存する還元剤を洗い流すために水でリンスすることが好ましい。
なお、上記ニトロ基由来の官能基の存在は、ポリアミドをX線光電子分光法(XPS)分析することで求めることができる。具体的には、「Journal of Polymer Science」,Vol.26,559-572(1988)及び「日本接着学会誌」,Vol.27,No.4(1991)で例示されているX線光電子分光法(XPS)を用いることにより求めることができる。
XPSにより得られるN1sピークは、窒素原子の内殻電子に起因する。N1sピークは、N-C由来の成分及びNOx(x≧2)由来の成分から構成されると考えられるため、N1sピークを2つの成分でピーク分割を行い、N-C由来の成分は400eV付近に、NOx(x≧2)由来の成分は406eV付近に現れることから、ニトロ基の存在を検出することができる。
また、得られたポリアミドに含まれる芳香族環および窒素原子の少なくとも一方に化学処理を行い、フッ素原子を導入することで、水素、ヘリウム、水蒸気、アンモニア等の分子径の小さなガスとの親和性を高め、水素、ヘリウム、水蒸気、アンモニア等の分子径の小さなガスに対する選択分離性を向上させることができる。
具体的には、フッ素化剤を、ポリアミドを有するガス分離膜に接触させることが好ましく、フッ素化剤としては、1-クロロメチル-4-フルオロ-1,4-ジアゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン ビス(テトラフルオロボラート)(Selectfluor(登録商標))、N-フルオロベンゼンスルホンイミド、1-フルオロピリジニウムテトラフルオロボラートなどを挙げることができる。
フッ素化剤とポリアミドの反応手段は特に限定されないが、例えばフッ素化剤を含む水溶液(以下、「フッ素化剤水溶液」と記載することがある。)にポリアミドを有するガス分離膜を浸漬する方法が好ましい。
フッ素化剤水溶液中のフッ素化剤の濃度は0.01重量%~10重量%が好ましく、より好ましくは0.1~1重量%である。
化学処理の方法としてはフッ素化剤水溶液を10℃以上100℃以下、より好ましくは20℃以上80℃以下で処理することが望ましい。温度を10℃以上とすることで反応の効率を向上させることができ、100℃以下とすることでフッ素化剤の分解を抑制することができる。
フッ素化剤水溶液とポリアミドを有するガス分離膜の接触時間は30秒~1日が好ましく、実用性と反応効率の両立を考慮すると1分~30分がより好ましい。
なお、上記フッ素原子の存在は、ポリアミドをX線光電子分光法(XPS)分析することで求めることができる。具体的には、「Journal of Polymer Science」,Vol.26,559-572(1988)及び「日本接着学会誌」,Vol.27,No.4(1991)で例示されているX線光電子分光法(XPS)を用いることにより求めることができる。

3.ガス分離膜モジュール
(3-1)概要
本発明のガス分離膜は、平膜形状をとる場合、スパイラル型モジュールやスタック型モジュールに適用可能であり、中空糸形状をとる場合は中空糸型モジュールに適応可能であるが、以下ではスパイラル型モジュールについて記述する。
本発明のガス分離膜モジュールは、前述の本発明のガス分離膜、供給側流路材、及び透過側流路材が、透過ガスを集積する中心管の周りに巻囲された、ガス分離膜モジュールであり、以下、これの詳細について説明する。
なお、図2は、スパイラル型モジュール(50)を部分的に分解して示す斜視図である。図2に示すように、スパイラル型モジュール(50)は、中心管(55)、ガス分離膜(51),供給側流路材(56)、透過側流路材(57)を備える。

(3-2)中心管
中心管(55)は、側面に貫通孔が形成された中空の円筒状部材である。中心管(55)の材質はモジュール使用時の圧力、温度または供給側気体の種類に応じて劣化しないものであればよい。

(3-3)ガス分離膜
ガス分離膜(51)については上述したとおりである。ガス分離膜(51)は、供給側流路材(56)および透過側流路材(57)と重ねられ、中心管(55)の周囲にスパイラル状に巻回されている。
1個のスパイラル型モジュールは複数のガス分離膜(51)を備えることができる。巻回されたこれらの部材を備えることで、スパイラル型モジュール(50)は、中心管(55)の長手方向を長軸とする、概ね円柱状の外観を有する。
ガス分離膜(51)は、分離機能層側(供給側)の面同士が向かい合い、透過側の面同士が向かい合うように重ねられる。
ガス分離膜(51)の分離機能層側の面の間には供給側流路材(56)が挿入され、透過側の面の間には透過側流路材(57)が挿入される。
中心管(55)の長手方向の両端において、供給側流路は開放されている。つまり、スパイラル型モジュール(50)の一端には供給側入口が、他端には供給側出口が設けられる。一方で、供給側流路は、巻回方向内側の端部、つまり中心管側の端部において封止されている。封止は、ガス分離膜の折りたたみ、ホットメルトまたは化学的接着剤によるガス分離膜間の接着、レーザー等によるガス分離膜間の融着で形成される。

(3-4)流路材
(概要)
供給側流路材(56)および透過側流路材(57)は、ガス分離膜間で流路を確保するスペーサである。透過側流路材と供給側流路材とは、同じ部材であってもよいし、異なる部材であってもよい。以下、透過側流路材と供給側流路材とを「流路材」と総称する。
流路材としては、ネット、不織布、織物、編物、フィルム等多孔性のシートが挙げられる。シートの片面または両面に樹脂等で形成された突起を設けてもよい。また、ガス分離膜に突起を直接固着させて、この突起を流路材としてもよい。
流路材が、シートと突起とを有する場合、突起の形状は、ドットであってもよいし、曲線または直線状であってもよい。曲線または直線状であれば、ガスの流れをその形状に沿って制御することができる。突起の組成は、使用時の圧力、温度または供給側気体の種類に応じて劣化しないものであればよい。
(材料)
流路材は、熱可塑性樹脂で形成されていることが好ましい。ガス分離膜の損傷を抑制する観点から、熱可塑性樹脂は、ポリエステル、ナイロン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ABS(アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン)樹脂又はUV硬化性樹脂であることが好ましい。
(厚み)
供給側流路材および透過側流路材の少なくとも一方、好ましくは両方の厚みは1000μm以下であることが好ましく、700μm以下であることがさらに好ましく、400μm以下であることが特に好ましい。このように流路材を薄くすることで、曲げに対する剛性が低減し、割れにくくなる。また、流路材を薄くすることで、ガス分離膜モジュールの体積を維持しながら、充填できるガス分離膜の面積を大きくすることができる。

4.多孔性支持層の緻密層厚みの厚膜化
多孔性支持層の緻密層の厚みを厚膜化する、つまり緻密層の厚みを400nm以上1000nm以下とするためには、支持膜、あるいはガス分離膜を加圧してもよい。加圧の方法としては、特に限定されないが、例えば工程A~Dのいずれかで実施すればよい。
工程A:支持膜の形成後に、膜をニップロールに通すことによる加圧
工程B:分離機能層の形成後に、膜をニップロールに通すことによる加圧
工程C:供給側セルと透過側セルとを有するセルの間にガス分離膜を保持し、供給側セルからガスを供給することによる加圧
工程D:ガス分離膜モジュールの供給側からガスを供給することによる加圧
加圧の方法は、工程A~Dを単独、あるいは組み合わせてもよい。なかでも、膜表面の擦過を防ぐために、工程C、Dを用いるのが好ましい。
加圧する圧力は、0.5MPa以上10MPa以下、好ましくは2MPa以上7MPa以下である。0.5MPa以上で加圧することで、ガス分離膜全体が均一に押しつぶされ、多孔性支持層の緻密層の厚みが厚膜化し、支持膜抵抗が大きくなることによって高い選択分離性を発現できる。10MPa以下とすることで、ガス分離膜の分離機能層が流路材により受ける擦過や押し込みに起因する選択分離性の低下を抑制できる。
加圧する時間は、30秒から1日が好ましく、実用性と処理効率の両立を考慮すると1分から60分がより好ましい。

5.ガス製造方法
本発明のガス分離膜は、水素、ヘリウム、水蒸気、アンモニア等の分子径の小さなガスを選択的に透過すること可能であり、ガス製造方法に適用される。
本実施形態にかかるガス製造方法は、以下の工程を含む。
工程1:本発明のガス分離膜の一方の面に、水素、ヘリウム、水蒸気、アンモニアのうち少なくとも一種であるガスAと、ガスA以外のガスBとを含む混合ガスを供給する工程。
工程2:本発明のガス分離膜の他方の面から、前記混合ガスよりもガスA/ガスBのモル比が大きいガスを得る工程。
つまり、本製造方法によると、ガスAに対するガス分離膜の透過性と不要成分であるガスBとに対する透過性とが違うことを利用して、ガスAとガスBとの混合ガスから、ガスBの濃度が低減された透過ガスを得ることができる。
ガスBは具体的な種類に限定されないが、混合ガスは、ガスBとして、例えば、二酸化炭素、酸素、窒素、およびメタンの少なくとも一種のガスを含有することが好ましい。ガス分離膜は、水素及びヘリウムの透過度と二酸化炭素、酸素、窒素、およびメタンの透過度の差が大きいことにより、水素およびヘリウムを効率よく分離することができるためである。
本発明のガス製造方法においては、上述したスパイラル型ガス分離膜モジュールを用いることができる。また、本発明のガス製造方法においては、圧力容器は直列及び/または並列に接続され、上記圧力容器に収容して用いることもできる。
工程1で、供給ガスをコンプレッサーにより昇圧してガス分離膜(そのモジュール)に供給してもよいし、ガス分離用ガス分離膜の透過側をポンプで減圧してもよい。
また、複数のモジュールを直列に接続してもよい。複数のモジュールを使用する場合は、下流のモジュールには上流のモジュールの透過ガス、非透過ガスのいずれを供給してもよい。また、下流のモジュールの透過ガスまたは非透過ガスを、上流のモジュールの供給ガスと混合してもよい。透過ガスまたは非透過ガスを後段のモジュール、これをコンプレッサーで加圧してもよい。
ガスの供給圧力は特に限定されないが、0.1MPa~10MPaが好ましい。0.1MPa以上とすることでガスの透過速度が大きくなり、10MPa以下とすることでガス分離膜やそのモジュール部材が圧力変形することを防ぐことができる。「供給側の圧力/透過側の圧力」の値も特に限定されないが、2~20が好ましい。「供給側の圧力/透過側の圧力」の値を2以上にすることでガスの透過速度を大きくすることができ、20以下とすることで、供給側のコンプレッサー、または透過側のポンプの動力費を抑制することができる。
ガスの供給温度は特に限定されないが、0℃~200℃が好ましく、15℃~180℃がより好ましい。温度を15℃以上とすることで良好なガス透過性が得られ、180℃以下とすることで、ガス分離膜モジュールを構成する部材の熱変形を防ぐことができる。上記ガス分離膜をもちいれば、80℃以上、90℃以上、または100℃以上の温度でガスを供給することが可能である。

6.用途
本発明のガス分離膜モジュールは優れた分離性能を有しており、例えば水素と窒素などを含む混合ガスからの水素ガス分離、水素と酸素などを含む混合ガスからの水素ガス分離に好適である。
以下に実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。
特に言及しない場合は、温度条件は室温(25℃)である。
A.ガス分離膜の作製
(ガス分離膜X)
基材であるポリエステル不織布(通気量2.0cc/cm/sec)上に、ポリスルホン(PSf)の18重量%ジメチルホルムアミド(DMF)溶液を25℃の条件下で200μmの厚みでキャストし、ただちに純水中に浸漬して5分間放置することによって多孔性支持層を形成した。こうして、基材と多孔性支持層とを有する支持膜を作製した。
支持膜を6.0重量%のm-フェニレンジアミン(m-PDA)水溶液に2分間浸漬した。支持膜を垂直方向にゆっくりと引き上げ、エアーノズルから窒素を吹き付け多孔性支持層表面から余分な水溶液を取り除いた。
続いて、0.16重量%のトリメシン酸クロリド(TMC)を含むn-デカン溶液を、多孔性支持層の表面が完全に濡れるよう塗布して、25℃で30秒静置したのち、60℃で100秒静置した。その後、分離膜から余分な溶液を除去するために、該分離膜を垂直にして溶液を流化させ、さらに送付機を使い、25℃の空気を吹き付けて乾燥させることで液切りを行った。
(ガス分離膜Y)
基材であるポリエステル不織布(通気量2.0cc/cm/sec)上に、ポリスルホン(PSf)の15重量%ジメチルホルムアミド(DMF)溶液を25℃の条件下で200μmの厚みでキャストし、ただちに純水中に浸漬して5分間放置することによって多孔性支持層を形成した。こうして、基材と多孔性支持層とを有する支持膜を作製した。
支持膜を2.0重量%のm-フェニレンジアミン(m-PDA)水溶液に2分間浸漬した。支持膜を垂直方向にゆっくりと引き上げ、エアーノズルから窒素を吹き付け多孔性支持層表面から余分な水溶液を取り除いた。
続いて、0.04重量%のトリメシン酸クロリド(TMC)を含むn-デカン溶液を、多孔性支持層の表面が完全に濡れるよう塗布して、25℃で30秒静置した。その後、分離膜から余分な溶液を除去するために、該分離膜を垂直にして溶液を流化させ、さらに送付機を使い、25℃の空気を吹き付けて乾燥させることで液切りを行った。

B.ガス分離膜中の分離機能層の除去(処理済ガス分離膜の作製)
ガス分離膜を仕込み濃度2wt%の次亜塩素酸ナトリウム水溶液に、25℃で24時間浸漬することにより、分離機能層を除去し、処理済ガス分離膜を得た。
C.ガス透過度測定
供給側セルと透過側セルとを有する試験用セルの、供給側セルと透過側のセルとの間に分離膜を保持した。測定ガスとして、He、H、O、およびNを用い、ISO 15105-1(2007)の圧力センサ法に準拠して測定温度25℃で各ガスの単位時間当たりの透過側の圧力変化を測定した。ここで、供給側を100kPa、透過側を0kPaに設定し、供給側と透過側の圧力差を100kPaとした。続いて、透過したガスの透過速度Qを下記式により算出し、各成分のガスの透過速度の比として分離係数αを算出した。なお、STPは標準条件を意味する。
Q = [ガス透過流量(×10-6 cm・STP)]/[膜面積(cm)×時間(s)×圧力差(cmHg)
また、横軸にHe、H、N、CHの動力学分子径、縦軸にHe、H、N、CHの膜透過流量をプロットし、(式2)の左辺と右辺の誤差の二乗和を最小化する孔径dNKP[nm]を算出した。
D.ガス分離膜の孔径dNKP[nm]の算出
横軸にHe、H、N、CHの動力学分子径、縦軸にHe、H、N、CHの膜透過流量をプロットし、(式2)の左辺と右辺の誤差の二乗和を最小化する孔径dNKP[nm]を算出した。

E.陽電子ビーム法による分離機能層の平均空孔半径R[nm]の測定
各例における分離機能層の陽電子消滅寿命測定は、以下のように陽電子ビーム法を用いて行った。すなわち、減圧下室温で分離機能層を乾燥させ、1.5cm×1.5cm角に切断して検査試料とした。陽電子ビーム発生装置を装備した薄膜対応陽電子消滅寿命測定装置(この装置は、例えば、Radiation Physics and Chemistry,58,603,Pergamon(2000)で詳細に説明されている)にて、ビーム強度1keV、室温、真空下で、光電子増倍管を使用して二フッ化バリウム製シンチレーションカウンターにより総カウント数500万で検査試料を測定し、POSI TRONFITにより解析を行った。解析により得られた第4成分の平均陽電子消滅寿命τから、式3により平均空孔半径R[nm]を算出した。
(実施例1)
供給側セルと透過側セルとを有するセルの間にガス分離膜Xを保持し、供給側セルから0.5MPaの窒素ガスを30分間供給することによって加圧することにより、ガス分離膜を得た。このガス分離膜の性能評価を表1にまとめた。
Figure 2023144363000008
Figure 2023144363000009
(実施例2)
供給側セルと透過側セルとを有するセルの間にガス分離膜Xを保持し、供給側セルから2MPaの窒素ガスを30分間供給することによって加圧することにより、ガス分離膜を得た。このガス分離膜の性能評価を表1にまとめた。
(実施例3)
供給側セルと透過側セルとを有するセルの間にガス分離膜Xを保持し、供給側セルから7MPaの窒素ガスを30分間供給することによって加圧することにより、ガス分離膜を得た。このガス分離膜の性能評価を表1にまとめた。

(実施例4)
ガス分離膜をYとした以外は実施例1と同様の操作を行い、ガス分離膜を得た。このガス分離膜の性能評価を表1にまとめた。
(実施例5)
ガス分離膜をYとした以外は実施例2と同様の操作を行い、ガス分離膜を得た。このガス分離膜の性能評価を表1にまとめた。
(実施例6)
ガス分離膜をYとした以外は実施例3と同様の操作を行い、ガス分離膜を得た。このガス分離膜の性能評価を表1にまとめた。
(比較例1)
ガス分離膜Xに対し処理を行わず、そのまま性能評価をした。このガス分離膜の性能評価を表2にまとめた。
(比較例2)
ガス分離膜Yに対し処理を行わず、そのまま性能評価をした。このガス分離膜の性能評価を表2にまとめた。
本発明のガス分離用ガス分離膜モジュールは、混合ガスから特定のガスを分離、精製することに好適に用いられる。
50:スパイラル型モジュール
51:ガス分離膜
52:支持膜
53:分離機能層
54:基材
55:中心管
56:供給側流路材
57:透過側流路材
G1:混合ガス
G2:透過ガス
G3:濃縮ガス

Claims (6)

  1. 少なくとも多孔性支持層、及び前記多孔性支持層上に分離機能層を有するガス分離膜であって、
    陽電子ビーム法により決定される、前記分離機能層の平均空孔半径R[nm]、並びに、式2とNKP(Normalized-Knudsen-based Permeance)法により決定される、前記ガス分離膜の孔径dNKP[nm]が、式1を満たし、
    前記多孔性支持層は、緻密層を有し、
    前記緻密層の厚みは、400nm以上1000nm以下である、ガス分離膜。
    Figure 2023144363000010
    Figure 2023144363000011
    (ここで、「i」はH、N、CHのいずれかであり、「P」は25℃におけるガスiの透過度[nmol/m/s/Pa]であり、PHeは25℃におけるHeガスの透過度[nmol/m/s/Pa]であり、Mはガスiの分子量、MHeはHeガスの分子量であり、dk,iはガスiの動的分子径[nm]であり、dk,HeはHeガスの動的分子径[nm]である。)
  2. 前記分離機能層が架橋ポリアミドを主成分とし、
    前記ガス分離膜を以下の処理方法で処理した後に、処理済ガス分離膜に対してヘリウムを透過したときの透過度が、100[nmol/m/s/Pa]以上5000[nmol/m/s/Pa]以下である、請求項1に記載のガス分離膜。
    処理方法:仕込み濃度2wt%の次亜塩素酸ナトリウム水溶液に、25℃で24時間浸漬する方法。
  3. 前記平均空孔半径R[nm]が、0.20以上0.50以下である、請求項1又は2のいずれかに記載のガス分離膜。
  4. 前記孔径dNKP[nm]が、0.30以上0.60以下である、請求項1~3のいずれかに記載のガス分離膜。
  5. 請求項1~4のいずれかに記載のガス分離膜、供給側流路材、および透過側流路材が、透過ガスを集積する中心管の周りに巻囲された、ガス分離膜モジュール。
  6. 請求項5に記載のガス分離膜モジュールを用いたガス製造方法であって、
    以下の工程1および工程2を含む、ガス製造方法。
    工程1:前記ガス分離膜の一方の面に、水素、ヘリウム、水蒸気、アンモニアの少なくとも一方である軽ガスAと、前記軽ガスA以外のガスBとを含む混合ガスを供給する工程。
    工程2:前記ガス分離膜の他方の面から、前記混合ガスよりもガスA/ガスBのモル比が大きいガスを得る工程。
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