JP2022054573A - ガス分離用複合分離膜、ガス分離用複合分離膜エレメント及びガス製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】水素およびヘリウム等の軽ガスと二酸化炭素、酸素、窒素、メタン等の他種ガスとの分離選択性を向上させる。【解決手段】基材と前記基材上の多孔性支持層とを有する支持膜、並びに、前記多孔性支持層上に設けられた架橋ポリアミド分離機能層(以下、分離機能層、という)を備えた複合分離膜であって、前記架橋ポリアミド分離機能層の末端アミノ基の数A、末端カルボキシ基の数B、アミド基の数Cが、(A+B)/C≦0.66を満たし、かつ、前記複合分離膜は、水素吸蔵能を有する化合物を含み、前記水素吸蔵能を有する化合物の平均粒子径は、1~80nmであることを特徴とする、ガス分離用複合分離膜。【選択図】図1
Description
本発明は、ポリアミド分離機能層を有する特定のガス分離用複合分離膜を用いて、ヘリウム、水素に代表される軽ガスと二酸化炭素、酸素、窒素等を分離するガス分離用複合分離膜、ガス分離用複合分離膜エレメント及びそれらを用いたガス製造方法に関する。
近年クリーンなエネルギー源として、水素が注目されている。水素は、天然ガス及び石炭等の化石燃料を改質・ガス化し、主成分として水素と二酸化炭素などを含む混合ガスから不要ガスを除去することによって得られている。また、水を電気や光触媒によって分解し、水素と酸素、水蒸気を含む混合ガスから水素のみを取り出すことで得られている。また、水素はアンモニアを合成するハーバー・ボッシュ法にも用いられている。これは、水素と窒素を高温、高圧で反応させることでアンモニアを合成する方法であるが、生産プラントにおいて未反応の水素と窒素を分離回収するプロセスが必要である。
低コストで混合ガスから特定のガスを濃縮させる方法として、素材の持つ気体透過性の違いを利用して、目的ガスを選択的に透過させる膜分離法が注目されている。非特許文献1には、界面重縮合反応により架橋芳香族ポリアミドを形成することで、極めて薄い機能層が形成されるため、高いガス透過度が得られる技術が開示されている。
Albo、外3名、‘Journal of Membrane Science’、449、2014年、p.109-118
しかしながら、上述した技術では、水素およびヘリウム等の軽ガスと二酸化炭素、酸素、窒素、メタン等の他種ガスとの分離選択性が低いので、分離効率が低いという問題点がある。
そこで本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、水素およびヘリウム等の軽ガスと二酸化炭素、酸素、窒素、メタン等の他種ガスとの分離選択性を向上させることを目的とする。
本発明者らは上記した課題を解決するために鋭意検討を行った結果、ガス分離用複合分離膜の性能、特に分離選択性を大幅に改善することに成功し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、以下の構成を要旨とするものである。
1)基材と前記基材上の多孔性支持層とを有する支持膜、並びに、前記多孔性支持層上に設けられた架橋ポリアミド分離機能層(以下、分離機能層、という)を備えた複合分離膜であって、
前記架橋ポリアミド分離機能層の末端アミノ基の数A、末端カルボキシ基の数B、アミド基の数Cが、(A+B)/C≦0.66を満たし、かつ、
前記複合分離膜は、水素吸蔵能を有する化合物を含み、
前記水素吸蔵能を有する化合物の平均粒子径は、1~80nmであることを特徴とする、ガス分離用複合分離膜。
すなわち本発明は、以下の構成を要旨とするものである。
1)基材と前記基材上の多孔性支持層とを有する支持膜、並びに、前記多孔性支持層上に設けられた架橋ポリアミド分離機能層(以下、分離機能層、という)を備えた複合分離膜であって、
前記架橋ポリアミド分離機能層の末端アミノ基の数A、末端カルボキシ基の数B、アミド基の数Cが、(A+B)/C≦0.66を満たし、かつ、
前記複合分離膜は、水素吸蔵能を有する化合物を含み、
前記水素吸蔵能を有する化合物の平均粒子径は、1~80nmであることを特徴とする、ガス分離用複合分離膜。
本発明によれば、水素およびヘリウム等の軽ガスに対して高い分離選択性を有するガス分離用複合分離膜、ガス分離用複合分離膜エレメント及びそれらを用いたガス製造方法を提供することができる。
1.ガス分離用複合分離膜
以下、本発明のガス分離用複合分離膜について詳細に説明する。
以下、本発明のガス分離用複合分離膜について詳細に説明する。
本実施形態のガス分離用複合分離膜51(以下単に「分離膜」と称する)は、図1に示すように、基材52、基材上の多孔性支持層53、多孔性支持層上の架橋ポリアミド分離機能層54を備える。またこの分離膜は、水素貯蔵能を有する化合物を含んでいる。
(1-1)基材
本発明の複合分離膜は、支持膜を有する。ここで支持膜とは、基材と基材上の多孔性支持層を有する膜を意味するので、本発明の複合分離膜は基材を有する。基材は、水素およびヘリウムを透過できるものであればよい。基材はガスの分離選択透過能を持つ必要はなく、分離機能層を支持することで、分離膜全体に強度を与えることができればよい。
本発明の複合分離膜は、支持膜を有する。ここで支持膜とは、基材と基材上の多孔性支持層を有する膜を意味するので、本発明の複合分離膜は基材を有する。基材は、水素およびヘリウムを透過できるものであればよい。基材はガスの分離選択透過能を持つ必要はなく、分離機能層を支持することで、分離膜全体に強度を与えることができればよい。
基材を構成する樹脂としては特に限定されないが、ポリエステル系重合体、ポリアミド系重合体、ポリオレフィン系重合体、ポリスルフィド系重合体、あるいはこれらの混合物や共重合体などがあげられる。なかでも機械的強度および熱的安定性の高いポリエステル系重合体やポリスルフィド系重合体が、基材を構成する樹脂として特に好ましい。
基材の形態としては特に限定されないが、長繊維不織布、短繊維不織布といった不織布または織編物が好ましい。
基材は、通気量が0.5cc/cm2/sec以上5.0cc/cm2/sec以下であることが好ましい。基材の通気量が上記範囲内にあることにより、多孔性支持層となる高分子溶液が基材に含浸するため、基材との接着性が向上し、支持膜の物理的安定性を高めることができる。
基材の厚みは10~200μmの範囲内にあることが好ましく、より好ましくは30~120μmの範囲内である。なお、本発明において厚みとは、特に付記しない限り、膜状の試料の厚み方向断面(膜面方向に垂直な断面)で、膜面方向に20μm間隔で測定した20点の厚みの平均値である。
(1-2)多孔性支持層
本発明の複合分離膜は、支持膜を有するが、前述のとおり支持膜とは、基材と基材上の多孔性支持層を有する膜を意味するので、本発明の複合分離膜は多孔性支持層を有する。多孔性支持層は、水素またはヘリウムを透過できるものであればよい。多孔性支持層は、ガスの分離選択透過能を持つ必要はなく、分離機能層を支持することで、分離膜全体に強度を与えることができればよい。そして多孔性支持層は、基材上に配置される。また基材と基材上の多孔性支持層とを有する膜のことを、支持膜という。
多孔性支持層の孔のサイズおよび分布は特に限定されないが、例えば、孔径は、多孔性支持層全体で均一であるか、あるいは多孔性支持層において分離機能層と接する側の表面からもう一方の面にかけて徐々に大きくなっていてもよい。
多孔性支持層の素材は特に限定されないが、例えば、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアミド、ポリアラミド、ポリエステル、セルロース系ポリマー、ビニルポリマー、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンスルフィドスルホン、ポリフェニレンスルホン、ポリフェニレンオキシド等のホモポリマー、あるいはコポリマーを単独あるいはブレンドして使用することができる。なかでも、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアラミドなどのホモポリマーあるいはコポリマーは、化学的、機械的、熱的安定性が高いので、多孔性支持層の素材として特に好ましい。そして多孔性支持層は、多孔性支持層100質量%中に、これらの素材を50質量%以上100質量%以下含むことが好ましい。
基材と多孔性支持層の厚みは、ガス分離用複合分離膜の強度及びそれをエレメントにしたときの充填密度に影響を与える。十分な機械的強度及び充填密度を得るためには、基材と多孔性支持層の厚みの合計、つまり基材と多孔性支持層を有する支持膜の厚みが、30μm以上300μm以下であることが好ましく、50μm以上250μm以下であるとより好ましい。また、多孔性支持層の厚みは、10μm以上200μm以下であることが好ましい。
(1-3)分離機能層
本発明の複合分離膜は、架橋ポリアミド分離機能層(以下、単に分離機能層という)を有する。この分離機能層は架橋ポリアミドを主成分として含有する。分離機能層を構成する架橋ポリアミドは、多孔性支持層上で、多官能アミンと多官能ハロゲン化物との界面重縮合を行うことにより形成することができる。
本発明において、架橋ポリアミドを主成分とするとは、分離機能層100重量%において架橋ポリアミドが60重量%以上、好ましくは80重量%以上、より好ましくは90重量%以上100重量%以下を占めることを意味する。
分離機能層中の架橋ポリアミドは、全芳香族ポリアミドでも、全脂肪族ポリアミドでも、芳香族部分と脂肪族部分を併せ持っていてもよいが、より高い性能を発現するためには、全芳香族であることが好ましい。
多官能性アミンとは、具体的には多官能性芳香族アミンまたは多官能性脂肪族アミンである。多官能性芳香族アミンとは、一分子中に第一級アミノ基及び第二級アミノ基のうち少なくとも一方のアミノ基を2個以上有し、かつ、アミノ基のうち少なくとも1つは第一級アミノ基である芳香族アミンを意味する。また多官能性脂肪族アミンとは、一分子中に第一級アミノ基及び第二級アミノ基のうち少なくとも一方のアミノ基を2個以上有する脂肪族アミンを意味する。
例えば、多官能性芳香族アミンは、o-フェニレンジアミン、m-フェニレンジアミン、p-フェニレンジアミン、o-キシリレンジアミン、m-キシリレンジアミン、p-キシリレンジアミン、o-ジアミノピリジン、m-ジアミノピリジン、p-ジアミノピリジン等の2個のアミノ基がオルト位やメタ位、パラ位のいずれかの位置関係で芳香環に結合した多官能性芳香族アミン;1,3,5-トリアミノベンゼン、1,2,4-トリアミノベンゼン、3,5-ジアミノ安息香酸、3-アミノベンジルアミン、4-アミノベンジルアミン、2,4-ジアミノチオアニソール、1,3-ジアミノチオアニソール、1,3-ジアミノ-5-(ジメチルホスフィノ)ベンゼン、(3,5-ジアミノフェニル)ジメチルホスフィンオキシド、(2,4-ジアミノフェニル)ジメチルホスフィンオキシド、1,3-ジアミノ-5-(メチルスルホニル)ベンゼン、1,3-ジアミノ-4-(メチルスルホニル)ベンゼン、1,3-ジアミノ-5-ニトロソベンゼン、1,3-ジアミノ-4-ニトロソベンゼン、1,3-ジアミノ-5-(ヒドロキシアミノ)ベンゼン、1,3-ジアミノ-4-(ヒドロキシアミノ)ベンゼン等が挙げられる。
また、多官能性脂肪族アミンは、エチレンジアミン、1,3-ジアミノプロパン、1,4-ジアミノブタン、1,5-ジアミノペンタン、ピペラジン、2-メチルピペラジン、2,4-ジメチルピペラジン、2,5-ジメチルピペラジン、2,6-ジメチルピペラジン等が挙げられる。
これらの多官能性アミンは、単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
また、多官能性酸ハロゲン化物とは、具体的には多官能性芳香族酸ハロゲン化物または多官能性脂肪族酸ハロゲン化物である。
多官能性酸ハロゲン化物とは、多官能性カルボン酸誘導体とも表され、一分子中に少なくとも2個のハロゲン化カルボニル基を有する酸ハロゲン化物をいう。例えば、3官能酸ハロゲン化物では、トリメシン酸クロリド等を挙げることができ、2官能酸ハロゲン化物では、ビフェニルジカルボン酸ジクロリド、アゾベンゼンジカルボン酸ジクロリド、テレフタル酸クロリド、イソフタル酸クロリド、ナフタレンジカルボン酸ジクロリド、オキサリルクロリド等を挙げることができる。
多官能性アミンとの反応性を考慮すると、多官能性酸ハロゲン化物は多官能性酸塩化物であることが好ましく、また、分離膜の選択分離性、耐熱性を考慮すると、一分子中に2~4個の塩化カルボニル基を有する多官能性酸塩化物であることが好ましい。
中でも、入手の容易性や取り扱いのしやすさの観点から、トリメシン酸クロリドがより好ましい。これらの多官能性酸ハロゲン化物は、単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
また、重縮合反応とは、具体的には界面重縮合である。
ここで、多官能性アミン及び多官能性酸ハロゲン化物の少なくとも一方が3官能以上の化合物を含んでいることが好ましい。
また、分離機能層の厚みは、十分な分離性能及びガス透過度を得るために、通常0.01~1μmの範囲内、好ましくは0.1~0.5μmの範囲内である。本発明における分離機能層を、以下、ポリアミド分離機能層とも記載する。
分離機能層に含まれる架橋ポリアミドにおいて、架橋ポリアミドが有する末端アミノ基の数A、末端カルボキシ基の数B、アミド基の数Cは、(A+B)/C≦0.66を満たす。
アミノ基とカルボキシ基は二酸化炭素との親和性が強い官能基であることが知られている。本発明者らは、架橋ポリアミド中のアミド基の数Cに対する、末端アミノ基の数Aと末端カルボキシ基の数Bの占める割合((A+B)/C)が小さくなる(具体的には、0.66以下)ことで分離機能層中での二酸化炭素との親和性が小さくなり、水素やヘリウムといった軽ガスの透過度を低下させることなく二酸化炭素の透過度のみが低下し、軽ガス/二酸化炭素の分離選択性が向上することを見出した。さらに、末端アミノ基の数と末端カルボキシ基の数の和に対し、アミド基の数の割合が本範囲を満たす場合、アミド結合同士の水素結合に起因する分離機能層の緻密性が向上し、(1-4)で記載する、水素吸蔵能を有する化合物の分離機能層中における保持性が高まり、水素吸蔵能を有する化合物の脱落を抑制し易くなる。使用中に水素吸蔵能を有する化合物が脱落すると、分離機能層に粗大な空間が発生し、二酸化炭素が透過しやすくなるが、本発明はこれを抑制可能である。また、末端アミノ基の数と末端カルボキシ基の数の和に対し、アミド基の数の割合が本範囲を満たす場合、アミノ基、カルボキシ基への二酸化炭素吸着量が低減されるため、水素吸蔵能を有する化合物による水素吸蔵の効果(水素吸蔵量)が増大し易いことを見出した。
(A+B)/Cは、軽ガス/二酸化炭素の分離選択性の観点から、0.65以下が好ましく、0.64以下がより好ましく、0.57以下がさらに好ましい。
また、架橋ポリアミド中のアミド基の数Cに対する、末端アミノ基の数Aと末端カルボキシ基の数Bの占める割合((A+B)/C)の下限は具体的な数値に限定されないが、例えば0.48以上であってもよい。
さらに、分離機能層に含まれる架橋ポリアミドにおいて、架橋ポリアミドが有する末端カルボキシ基の数Bとアミド基の数Cとの比率B/Cが0.35以下であることが好ましい。
B/Cが0.35以下であることで、軽ガス/二酸化炭素選択性がより向上する。その理由としては、(1)カルボキシ基が特に二酸化炭素親和性が高く、その数を低減することで架橋ポリアミドの二酸化炭素親和性を効果的に低下可能なため、(2)カルボキシ基はポリアミド分離機能層中でアミド基と水素結合を形成しているが、B/Cが0.35以下であることで、このような水素結合部位が少なくなり、軽ガスのみが通過できる流路が形成されるため、と考えられる。
また、比率B/Cの下限は特に限定はされないが、比率B/Cは、例えば0.22以上であることが好ましい。
ここで末端アミノ基の数A、末端カルボキシ基の数B、アミド基の数Cの比は、分離機能層の13C固体NMR測定より求めることができる。具体的には、ガス分離膜5m2から基材を剥離し、ポリアミド分離機能層と多孔性支持層を得た後、多孔性支持層を溶解及び除去し、ポリアミド分離機能層を得る。得られたポリアミド分離機能層をDD/MAS-13C固体NMR法により測定を行い、各官能基の炭素ピークまたは各官能基が結合している炭素ピークの積分値の比較から各官能基の数比を算出することができる。
(1-4)水素吸蔵能を有する化合物
本実施形態において、分離膜は、水素吸蔵能を有する化合物を含み、水素吸蔵能を有する化合物の平均粒子径は1~80nmであることが肝要である。つまり水素吸蔵能を有する化合物は、粒子として分離膜中に存在する。
分離膜が水素吸蔵能、つまり水素親和性を有する化合物を含むことで、分離膜自体の水素親和性を高めることができ、その結果、分離膜の水素透過性能が高まり、また分離選択性能を高めることができる。
水素吸蔵能を有する化合物とは、水素を取り込み、放出することができる性質を有する化合物である。
また水素吸蔵能を有する化合物の平均粒子径は1~80nmであることが肝要である。平均粒子径をこの範囲とすることで、水素吸蔵能を有する化合物が分離膜中に高分散し、また分離膜に致命的な欠点を形成させることがないため、高い分離性能を発現できる。またエレメント作成時に、分離膜表面が流路材により受ける擦過や押し込みによる膜性能の低下を抑制できる。水素吸蔵能を有する化合物の平均粒子径は2~60nmであることがより好ましく、3~40nmであることが更に好ましい。
また本実施形態において、水素吸蔵能を有する化合物としては、パラジウム、白金、ロジウム、ルテニウム、ニオブ、バナジウム、及びニッケルからなる群より選ばれる少なくとも一つであることが好ましく、中でもパラジウム(Pd)がより好ましい。
Pdが分離膜に含まれる場合では、界面重合時、分離機能層である架橋ポリアミドの成長促進させる効果が発現し、また水素吸蔵能も高いため、分離膜の性能を格段に高めることができるため、水素吸蔵能を有する化合物としてPdが特に好ましい。多官能アミンモノマーのアミノ基の不対電子対はPdに配位しやすい性質を持つため、Pd周辺には多官能アミンモノマーが凝集しやすいと考えられる。そのため、局所的に多官能アミンモノマーが高濃度化し、その結果、界面重合が促進され、分離機能層である架橋ポリアミドの生成が高効率化すると推定している。
なお、本発明においては、分離膜が水素吸蔵能を有する化合物を含みさえすれば、その含有する場所は特に限定されないが、好ましくは多孔性支持層の分離機能層側、及び、分離機能層中に水素吸蔵能を有する化合物が含まれる態様がより好ましい。
2.分離膜の製造方法
次に、上記分離膜の製造方法について説明する。
(2-1)支持膜の形成
基材と多孔性支持層との積層体を支持膜と称する。以下に挙げる例では、支持膜の形成方法は、多孔性支持層の構成成分であるポリマーをそのポリマーの良溶媒に溶解させることで、ポリマー溶液を調整する工程、基材にポリマー溶液を塗布する工程、及びポリマー溶液を凝固浴に浸漬させることでポリマーを湿式凝固させる工程を含む。凝固したポリマーが多孔性支持層に相当する。
基材と多孔性支持層との積層体を支持膜と称する。以下に挙げる例では、支持膜の形成方法は、多孔性支持層の構成成分であるポリマーをそのポリマーの良溶媒に溶解させることで、ポリマー溶液を調整する工程、基材にポリマー溶液を塗布する工程、及びポリマー溶液を凝固浴に浸漬させることでポリマーを湿式凝固させる工程を含む。凝固したポリマーが多孔性支持層に相当する。
ポリマーとしてポリスルホン、ポリエーテルスルホンの少なくとも一方を用いる場合は、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)に溶解させることでポリマー溶液を得る。凝固浴としては水が好ましく用いられる。
また、ポリマーの一例であるアラミドは、酸クロリドおよびジアミンをモノマーとして用いる溶液重合または界面重合によって得られる。溶液重合では、溶媒としてDMF、N-メチルピロリドン(NMP)、ジメチルアセトアミド(DMAc)などの非プロトン性有機極性溶媒を用いることができる。単量体として酸クロリドとジアミンを使用してポリアミドを生成すると塩化水素が副生する。塩化水素を中和する場合には水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸リチウムなどの無機の中和剤、またエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、アンモニア、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、ジエタノールアミンなどの有機の中和剤が使用される。
(2-2)分離機能層の形成
(ポリアミドの重縮合)
次に分離機能層の形成工程を説明する。分離機能層は、前記多孔性支持膜上で多官能性アミンと多官能性酸ハロゲン化物との界面重縮合により架橋ポリアミドを形成することで、形成される。
より具体的には、分離機能層の形成工程は以下の工程を有する。
(a)多官能性アミンを含有する水溶液を多孔性支持層上に塗布する工程。
(b)前記工程(a)後に、前記多孔性支持層に多官能性酸ハロゲン化物を含有する有機溶媒溶液を塗布する工程。
(a)多官能性アミンを含有する水溶液を多孔性支持層上に塗布する工程。
(b)前記工程(a)後に、前記多孔性支持層に多官能性酸ハロゲン化物を含有する有機溶媒溶液を塗布する工程。
工程(a)において、多官能性アミン水溶液における多官能性アミンの濃度は0.1重量%以上20重量%以下の範囲内であることが好ましく、より好ましくは0.5重量%以上15重量%以下の範囲内である。多官能性アミンの濃度がこの範囲であると十分な分離選択性及びガス透過性を得ることができる。
多官能性アミン水溶液には、多官能性アミンと多官能性酸ハロゲン化物との反応を妨害しないものであれば、界面活性剤や有機溶媒、アルカリ性化合物、酸化防止剤等が含まれていてもよい。界面活性剤は、支持膜表面の濡れ性を向上させ、多官能性アミン水溶液と非極性溶媒との間の界面張力を減少させる効果がある。
多官能性アミン水溶液の多孔性支持層への塗布は、多孔性支持層上に均一にかつ連続的に行うことが好ましい。塗布とは、多孔性支持層に多官能性アミン水溶液を接触させることであり、具体的には、多官能性アミン水溶液の多孔性支持層表面へのコーティング、または支持膜の多官能性アミン水溶液への浸漬等である。コーティングとしては、滴下、噴霧、ローラー塗布等が挙げられる。
多孔性支持層上に多官能性アミン水溶液を塗布してから液切りするかまたは多官能酸ハロゲン化物を塗布するまでの時間(つまり多孔性支持層と多官能性アミン水溶液との接触時間)は、1秒以上10分間以下であることが好ましく、10秒以上3分間以下であるとさらに好ましい。
多官能アミン水溶液を多孔性支持層に塗布した後は、多孔性支持層上に液滴が残らないように液切りする。液滴が残存している箇所は膜欠点となって分離性能が低下することがあるが、液切りによってそれを防ぐことができる。多官能アミン水溶液塗布後の支持膜を垂直方向に把持して過剰の水溶液を自然流下させる方法や、エアーノズルから窒素などの気流を吹き付け、強制的に液切りする方法などを用いることができる。
工程(b)において、有機溶媒溶液中の多官能性酸ハロゲン化物の濃度は、0.01重量%以上10重量%以下の範囲内であると好ましく、0.02重量%以上2.0重量%以下の範囲内であるとさらに好ましい。0.01重量%以上とすることで十分な反応速度が得られ、また、10重量%以下とすることで副反応の発生を抑制することができるためである。
有機溶媒は、水と非混和性であり、かつ多官能性酸ハロゲン化物を溶解し、支持膜を破壊しないものが望ましく、多官能性アミン化合物及び多官能性酸ハロゲン化物に対して不活性であるものであればよい。好ましい例として、n-ヘキサン、n-オクタン、n-ノナン、n-デカン、n-ウンデカン、n-ドデカン、n-トリデカン、イソオクタン、イソデカン、イソドデカン等の炭化水素化合物、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
多官能酸ハロゲン化物溶液の多孔性支持層への塗布方法は、多官能アミン水溶液の多孔性支持層への塗布方法と同様に行えばよい。ただし、多官能酸ハロゲン化物の溶液は、多孔性支持層の片面のみに塗布することが好ましいので浸漬よりもコーティングにより塗布することが好ましい。
このとき、多官能酸ハロゲン化物の有機溶媒溶液を接触させた多孔性支持層を加熱してもよい。加熱処理する温度としては50℃以上180℃以下、好ましくは60℃以上160℃以下である。60℃以上で加熱することで、界面重合反応でのモノマー消費に伴う反応性の低下を熱による反応の促進効果で補うことができる。160℃以下で加熱することで溶媒が完全に揮発して反応効率が著しく低下するのを防ぐことができる。また、それぞれの時間の加熱処理時間は、5秒以上600秒以下であることが好ましい 。5秒以上とすることで反応の促進効果を得ることができ、600秒以下とすることで溶媒が完全に揮発することを防ぐことができる。
また、界面重縮合反応の途中に多官能性ハロゲン化物を追加し、多官能性アミンの消費を促進してもよい。
(水素吸蔵能を有する化合物の添加)
分離膜に水素吸蔵能を有する化合物を含有させるためには、界面重合時に水素吸蔵能を有する化合物を添加することが好ましい。添加のタイミングとしては、(a)~(c)のいずれかで実施すればよい。
(a)多官能アミンを含有する水溶液を多孔性支持層上に塗布する前に、多孔性支持層上に水素吸蔵能を有する化合物を塗布
(b)多官能性アミン水溶液に水素吸蔵能を有する化合物を添加し、その多官能性アミン水溶液を多孔性支持層上に塗布
(c)多官能酸ハロゲン化物の有機溶媒に水素貯蔵能を有する化合物を添加し、その有機溶媒を多孔性支持層上に塗布
なかでも上述した分離機能層である架橋ポリアミドの成長促進させるために、(b)または(c)が好ましい。
(b)多官能性アミン水溶液に水素吸蔵能を有する化合物を添加し、その多官能性アミン水溶液を多孔性支持層上に塗布
(c)多官能酸ハロゲン化物の有機溶媒に水素貯蔵能を有する化合物を添加し、その有機溶媒を多孔性支持層上に塗布
なかでも上述した分離機能層である架橋ポリアミドの成長促進させるために、(b)または(c)が好ましい。
(化学修飾)
得られた分離膜に化学処理を行い、架橋ポリアミドが有する末端アミノ基、または末端カルボキシル基を化学変換しても良い。
例えば二酸化炭素と親和性の低いニトロ基構造を導入することで、軽ガスと二酸化炭素の分離選択性を向上させることができる。具体的には、水溶性の酸化剤を分離膜に接触させることが好ましく、水溶性の酸化剤としては、過酸化水素、過酢酸、過ホウ酸ナトリウム、ペルオキシ一硫酸カリウム等を挙げることができる。
水溶性の酸化剤と架橋ポリアミドの反応手段は特に限定されないが、例えば、水溶性の酸化剤を含む水溶液に架橋ポリアミドの分離膜を浸漬する方法が好ましい。
水溶性の酸化剤の濃度は0.1重量%~10重量%が好ましく、より好ましくは0.5~3重量%である。
水溶性の酸化剤を含む水溶液のpHは酸化剤の酸化力を十分発揮できる範囲であれば特に限定されないが、1.5~7.0の範囲であることが好ましい。
化学処理の方法としては、水溶性の酸化剤を含む水溶液を10℃以上100℃以下で処理することが好ましく、20℃以上80℃以下で処理することがより好ましい。温度を20℃以上とすることで反応の効率を向上させることができ、80℃以下とすることで酸化剤の分解を抑制することができる。
水溶性の酸化剤を含む水溶液と架橋ポリアミドの接触時間は30秒~1日が好ましく、実用性と反応効率の両立を考慮すると1分~30分がより好ましい。
水溶性の酸化剤を含む水溶液と架橋ポリアミドの接触後は酸化反応を停止させるため、架橋ポリアミドを還元剤と接触させる。ここで還元剤とは、使用する酸化剤と酸化還元反応を起こすものであれば特に限定されないが、入手、取扱の容易さから亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウムのいずれかを用いるのが好ましい。また、それらは0.01~1重量%水溶液として用いるのが好ましい。
還元剤と架橋ポリアミドの接触時間は、酸化反応を停止させることができればよく、通常1分~20分が好ましい。
還元剤と架橋ポリアミドの接触後は、架橋ポリアミド複合膜に残存する還元剤を洗い流すために水でリンスすることが好ましい。
なお、上記ニトロ基由来の官能基の存在は、ポリアミドをX線光電子分光法(XPS)分析することで求めることができる。具体的には、「Journal of Polymer Science」,Vol.26,559-572(1988)及び「日本接着学会誌」,Vol.27,No.4(1991)で例示されているX線光電子分光法(XPS)を用いることにより求めることができる。
XPSにより得られるN1sピークは、窒素原子の内殻電子に起因する。N1sピークは、N-C由来の成分及びNOx(x≧2)由来の成分から構成されると考えられるため、N1sピークを2つの成分でピーク分割を行い、N-C由来の成分は400eV付近に、NOx(x≧2)由来の成分は406eV付近に現れることから、ニトロ基の存在を検出することができる。
また、得られたポリアミドに含まれる芳香族環および窒素原子の少なくとも一方に化学処理を行い、フッ素原子を導入することで、水素およびヘリウムなどの軽ガスとの親和性を高め、軽ガスの分離選択性を向上させることができる。
具体的には、フッ素化剤を、ポリアミドを有する分離膜に接触させることが好ましく、フッ素化剤としては、1-クロロメチル-4-フルオロ-1,4-ジアゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン ビス(テトラフルオロボラート)(Selectfluor(登録商標))、N-フルオロベンゼンスルホンイミド、1-フルオロピリジニウムテトラフルオロボラートなどを挙げることができる。
フッ素化剤とポリアミドの反応手段は特に限定されないが、例えばフッ素化剤を含む水溶液(以下、「フッ素化剤水溶液」と記載することがある。)にポリアミドを有する分離膜を浸漬する方法が好ましい。
フッ素化剤水溶液中のフッ素化剤の濃度は0.01重量%~10重量%が好ましく、より好ましくは0.1~1重量%である。
化学処理の方法としてはフッ素化剤水溶液を10℃以上100℃以下、より好ましくは20℃以上80℃以下で処理することが望ましい。温度を10℃以上とすることで反応の効率を向上させることができ、100℃以下とすることでフッ素化剤の分解を抑制することができる。
フッ素化剤水溶液とポリアミドを有する分離膜の接触時間は30秒~1日が好ましく、実用性と反応効率の両立を考慮すると1分~30分がより好ましい。
なお、上記フッ素原子の存在は、ポリアミドをX線光電子分光法(XPS)分析することで求めることができる。具体的には、「Journal of Polymer Science」,Vol.26,559-572(1988)及び「日本接着学会誌」,Vol.27,No.4(1991)で例示されているX線光電子分光法(XPS)を用いることにより求めることができる。
3.ガス分離用複合分離膜エレメント
(3-1)概要
本発明のガス分離用複合分離膜エレメントは、前述の本発明のガス分離用複合分離膜、供給側流路材、及び透過側流路材が、透過ガスを集積する中心管の周りに巻囲された、ガス分離用複合分離膜エレメントであり、以下、これの詳細について説明する。図2は、スパイラル型エレメント50を部分的に分解して示す斜視図である。図2に示すように、スパイラル型エレメント50は、中心管55、分離膜51,供給側流路材56、透過側流路材57を備える。
(3-2)中心管
中心管55は、側面に貫通孔が形成された中空の円筒状部材である。中心管55の材質はエレメント使用時の圧力、温度または供給側気体の種類に応じて劣化しないものであればよい。
(3-3)分離膜
分離膜51については上述したとおりである。分離膜51は、供給側流路材56および透過側流路材57と重ねられ、中心管55の周囲にスパイラル状に巻回されている。
1個のスパイラル型エレメントは複数の分離膜51を備えることができる。巻回されたこれらの部材を備えることで、スパイラル型エレメント50は、中心管55の長手方向を長軸とする、概ね円柱状の外観を有する。
分離膜51は、分離機能層側(供給側)の面同士が向かい合い、かつ基材側(透過側)の面同士が向かい合うように重ねられる。
分離膜51の分離機能層側の面の間には供給側流路材56が挿入され、基材側の面の間には透過側流路材57が挿入される。よって、分離膜機能層側の面を「供給側の面」、基材側の面を「透過側の面」と称する。
中心管55の長手方向の両端において、供給側流路は開放されている。つまり、スパイラル型エレメント50の一端には供給側入口が、他端には供給側出口が設けられる。一方で、供給側流路は、巻回方向内側の端部、つまり中心管側の端部において封止されている。封止は、分離膜の折りたたみ、ホットメルトまたは化学的接着剤による分離膜間の接着、レーザー等による分離膜間の融着で形成される。
(3-4)流路材
(概要)
供給側流路材56および透過側流路材57は、分離膜間で流路を確保するスペーサである。透過側流路材と供給側流路材とは、同じ部材であってもよいし、異なる部材であってもよい。以下、透過側流路材と供給側流路材とを「流路材」と総称する。
流路材としては、ネット、不織布、織物、編物、フィルム等多孔性のシートが挙げられる。シートの片面または両面に樹脂等で形成された突起を設けてもよい。また、分離膜に突起を直接固着させて、この突起を流路材としてもよい。
流路材が、シートと突起とを有する場合、突起の形状は、ドットであってもよいし、曲線または直線状であってもよい。曲線または直線状であれば、ガスの流れをその形状に沿って制御することができる。突起の組成は、使用時の圧力、温度または供給側気体の種類に応じて劣化しないものであればよい。
(材料)
流路材は、熱可塑性樹脂で形成されていることが好ましい。分離膜の損傷を抑制する観点から、熱可塑性樹脂は、ポリエステル、ナイロン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ABS(アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン)樹脂又はUV硬化性樹脂であることが好ましい。
流路材は、熱可塑性樹脂で形成されていることが好ましい。分離膜の損傷を抑制する観点から、熱可塑性樹脂は、ポリエステル、ナイロン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ABS(アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン)樹脂又はUV硬化性樹脂であることが好ましい。
(厚み)
供給側流路材および透過側流路材の少なくとも一方、好ましくは両方の厚みは1000μm以下であることが好ましく、700μm以下であることがさらに好ましく、400μm以下であることが特に好ましい。このように流路材を薄くすることで、曲げに対する剛性が低減し、割れにくくなる。また、流路材を薄くすることで、複合分離膜エレメントの体積を維持しながら、充填できるガス分離用複合膜の面積を大きくすることができる。
供給側流路材および透過側流路材の少なくとも一方、好ましくは両方の厚みは1000μm以下であることが好ましく、700μm以下であることがさらに好ましく、400μm以下であることが特に好ましい。このように流路材を薄くすることで、曲げに対する剛性が低減し、割れにくくなる。また、流路材を薄くすることで、複合分離膜エレメントの体積を維持しながら、充填できるガス分離用複合膜の面積を大きくすることができる。
4.ガス製造方法
上述の分離膜は、水素、ヘリウムなどの軽ガスを選択的に透過すること可能であり、ガス製造方法に適用される。
本実施形態にかかるガス製造方法は、以下の工程を含む。
(1)前記分離膜の一方の面に、水素またはヘリウムの少なくとも一方である軽ガスAと、軽ガスA以外のガスBとを含む混合ガスを供給する工程。
(2)前記分離膜の他方の面から、前記混合ガスよりもガスA/ガスBのモル比が大きいガスを得る工程。
つまり、本製造方法によると、軽ガスAに対する分離膜の透過性と不要成分であるガスBとに対する透過性とが違うことを利用して、軽ガスAとガスBとの混合ガスから、ガスBの濃度が低減された透過ガスを得ることができる。
ガスBは具体的な種類に限定されないが、混合ガスは、ガスBとして、例えば、二酸化炭素、酸素、窒素、およびメタンの少なくとも一種のガスを含有することが好ましい。分離膜は、水素及びヘリウムの透過度と二酸化炭素、酸素、窒素、およびメタンの透過度の差が大きいことにより、水素およびヘリウムを効率よく分離することができるためである。
また、前記混合ガスが水蒸気を含有してもよい。水蒸気は膜に付着し、軽ガスの分離選択性を低下させる原因となるが、上記分離膜は、供給ガスに水蒸気が含有している場合においても、優れた軽ガス分離選択性を示す。
本発明のガス製造方法においては、上述したスパイラル型ガス分離膜エレメントを用いることができる。また、本発明のガス製造方法においては、圧力容器は直列及び/または並列に接続され、上記圧力容器に収容されたスパイラル型のガス分離膜エレメントを備えるガス分離膜モジュールを用いることもできる。
工程(1)で、供給ガスをコンプレッサーにより昇圧してガス分離膜(そのエレメントおよびモジュールを含む)に供給してもよいし、ガス分離膜の透過側をポンプで減圧してもよい。
また、複数のエレメントまたはモジュールを直列に接続してもよい。複数のエレメントまたはモジュールを使用する場合は、下流のモジュールには上流のモジュールの透過ガス、非透過ガスのいずれを供給してもよい。また、下流のモジュールの透過ガスまたは非透過ガスを、上流のモジュールの供給ガスと混合してもよい。透過ガスまたは非透過ガスを後段のモジュール、これをコンプレッサーで加圧してもよい。
ガスの供給圧力は特に限定されないが、0.1MPa~10MPaが好ましい。0.1MPa以上とすることでガスの透過速度が大きくなり、10MPa以下とすることでガス分離膜やそのエレメント、モジュール部材が圧力変形することを防ぐことができる。「供給側の圧力/透過側の圧力」の値も特に限定されないが、2~20が好ましい。「供給側の圧力/透過側の圧力」の値を2以上にすることでガスの透過速度を大きくすることができ、20以下とすることで、供給側のコンプレッサー、または透過側のポンプの動力費を抑制することができる。
ガスの供給温度は特に限定されないが、0℃~200℃が好ましく、15℃~180℃がより好ましい。温度を15℃以上とすることで良好なガス透過性が得られ、180℃以下とすることで、ガス分離用複合分離膜エレメントを構成する部材の熱変形を防ぐことができる。上記分離膜をもちいれば、80℃以上、90℃以上、または100℃以上の温度でガスを供給することが可能である。
5.用途
本発明のガス分離用複合分離膜エレメントは優れた分離性能を有しており、例えば水素と窒素などを含む混合ガスからの水素ガス分離、水素と酸素などを含む混合ガスからの水素ガス分離に好適である。
以下に実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。
(ガス透過度及び選択性の測定)
実施例及び比較例で得られたそれぞれのガス分離膜のガス透過度は、図3に示す装置を用いてJIS K 7126-2Bに則って測定を行った。
実施例及び比較例で得られたそれぞれのガス分離膜のガス透過度は、図3に示す装置を用いてJIS K 7126-2Bに則って測定を行った。
有効膜面積25cm2のガス分離膜がセットされ、供給側と透過側の2つのチャンバに隔てられた透過セルを温度80℃に保ち、供給側セルに原料ガスボンベからマスフローコントローラーで流量を100cm3/minに調節し、ヘリウム、水素、二酸化炭素のいずれかの純ガスを1atmで、透過側セルにスイープガスボンベからマスフローコントローラーで流量を100cm3/minに調節し、スイープガスであるアルゴンを1atmで流した。
バルブの方向を調節し、まずTCD(熱伝導度検出器)を有するガスクロマトグラフィーへ透過ガス(つまりヘリウム、水素、または二酸化炭素)とスイープガスとの混合物を送り、この混合物における透過ガスの濃度を分析した。続いて、バルブの方向を調節して透過ガスとスイープガスとの混合物の流量を石鹸膜流量計で測定した。こうして測定した流量と濃度からガス透過度を算出した。結果を表1に示す。
また、ヘリウムの透過度及び水素の透過度を二酸化炭素の透過度で除することにより、He/CO2選択性及びH2/CO2選択性を算出した。結果を表1に示す。
(カルボキシ基・アミノ基・アミド基の定量)
実施例及び比較例で得られたそれぞれのガス分離膜5m2から基材を手で物理的に剥離させ、多孔性支持層と分離機能層を回収した。回収した多孔性支持層と分離機能層を25℃で24時間静置することで乾燥させた後、ジクロロメタンの入ったビーカー内に少量ずつ加えて撹拌し、多孔性支持層を構成するポリマーを溶解させた。ビーカー内の不溶物を濾紙で回収した。この不溶物をジクロロメタンの入ったビーカー内に入れ撹拌し、ビーカー内の不溶物を回収した。
実施例及び比較例で得られたそれぞれのガス分離膜5m2から基材を手で物理的に剥離させ、多孔性支持層と分離機能層を回収した。回収した多孔性支持層と分離機能層を25℃で24時間静置することで乾燥させた後、ジクロロメタンの入ったビーカー内に少量ずつ加えて撹拌し、多孔性支持層を構成するポリマーを溶解させた。ビーカー内の不溶物を濾紙で回収した。この不溶物をジクロロメタンの入ったビーカー内に入れ撹拌し、ビーカー内の不溶物を回収した。
この作業を、ジクロロメタン溶液中に多孔性支持層を形成するポリマーの溶出が、薄層クロマトグラフィーのプレートにスポットした際、UV吸収で検出できなくなるまで繰り返した。回収した分離機能層は真空乾燥機で乾燥させ、残存するジクロロメタンを除去した。
得られた分離機能層は凍結粉砕によって粉末状の試料とし、固体NMR法測定に用いられる試料管内に封入して、CP/MAS法、及びDD/MAS法による13C固体NMR測定を行った。13C固体NMR測定には、Chemagnetics社製CMX-300を用いた。測定条件例を以下に示す。
基準物質:ポリジメチルシロキサン(内部基準:1.56ppm)
試料回転数:10.5kHz
パルス繰り返し時間:100s
得られたスペクトルから、各官能基が結合している炭素原子由来のピークごとにピーク分割を行い、分割されたピークの面積から(A+B)/C(Aは分離機能層中の架橋ポリアミドの末端アミノ基の数、Bは末端カルボキシ基の数、Cはアミド基の数)及びB/Cを求めた。結果を表1に示す。
試料回転数:10.5kHz
パルス繰り返し時間:100s
得られたスペクトルから、各官能基が結合している炭素原子由来のピークごとにピーク分割を行い、分割されたピークの面積から(A+B)/C(Aは分離機能層中の架橋ポリアミドの末端アミノ基の数、Bは末端カルボキシ基の数、Cはアミド基の数)及びB/Cを求めた。結果を表1に示す。
(比較例1)
ポリエステル不織布(通気量2.0cc/cm2/sec)上にポリスルホン(PSf)の16.0重量%DMF溶液を25℃の条件下で200μmの厚みでキャストし、ただちに純水中に浸漬して5分間放置することによって多孔性支持膜を作製した。
国際公開第2011/1057278号に記載の方法にならい、上述の操作によって得られた多孔性支持膜を、6重量%m-フェニレンジアミン含有水溶液中に2分間浸漬した。その後、該多孔性支持膜を垂直方向にゆっくりと引き上げ、エアーノズルから窒素を吹き付け多孔性支持膜表面から余分な水溶液を取り除いた。
さらに、トリメシン酸クロリド(TMC)0.16重量%を含む25℃のウンデカン溶液を表面が完全に濡れるように塗布して1分間静置した後、多孔性支持膜から余分な溶液を除去するために多孔性支持膜面を1分間鉛直に保持して液切りした。25℃のオーブンで120秒間静置し、50℃の温水で10時間洗浄した後、120℃のオーブンで30分間乾燥することによりガス分離膜を得た。
(比較例2)
TMCの溶媒をデカンとした以外は比較例1と同様の操作を行ってガス分離膜を得た。
(比較例3)
比較例1で得られた多孔性支持膜を、m-フェニレンジアミン2重量%、ラウリル硫酸ナトリウム0.15重量%の濃度で含有する水溶液に2分間浸漬した。その後、該多孔性支持膜を垂直方向にゆっくりと引き上げ、エアーノズルから窒素を吹き付け多孔性支持膜表面から余分な水溶液を取り除いた。
さらに、トリメシン酸クロリド(TMC)0.10重量%を含む25℃のヘキサン溶液を表面が完全に濡れるように塗布して1分間静置した後、多孔性支持膜から余分な溶液を除去するために膜面を1分間鉛直に保持して液切りした。25℃のオーブンで60秒間静置し、50℃の温水で10時間洗浄した後、120℃のオーブンで30分間乾燥することによりガス分離膜を得た。
(比較例4)
比較例1で得られた多孔性支持膜を、m-フェニレンジアミン3.0重量%、ラウリル硫酸ナトリウム0.15重量%、トリエチルアミン3.0重量%、カンファースルホン酸6.0重量%を含有した水溶液に2分間浸漬した。その後、該多孔性支持膜を垂直方向にゆっくりと引き上げ、エアーノズルから窒素を吹き付け、多孔性支持膜表面から余分な水溶液を取り除いた。
その後、トリメシン酸クロリド0.20重量%を含む25℃のヘキサン溶液を、多孔性支持膜表面が完全に濡れるように塗布した。1分間静置した後、多孔性支持膜から余分な溶液を除去するために膜面を1分間鉛直に保持して液切りした。その後、120℃のオーブンに3分間静置し、50℃の温水で10時間洗浄した後、120℃のオーブンで30分間乾燥することによりガス分離膜を得た。
(比較例5)
比較例1で得られた多孔性支持膜を、6重量%のm-フェニレンジアミン水溶液に2分間浸漬した。その後、該支持膜を垂直方向にゆっくりと引き上げ、エアーノズルから窒素を吹き付け多孔性支持膜表面から余分な水溶液を取り除いた。
さらに、トリメシン酸クロリド(TMC)0.16重量%を含む25℃のウンデカン溶液を表面が完全に濡れるように塗布して30秒間静置したのち、100℃のオーブンで60秒間静置し、50℃の温水で10時間洗浄した後に120℃のオーブンで30分間乾燥することでガス分離膜を得た。
(比較例6)
TMCの溶媒をデカンとした以外は実施例1と同様の操作を行ってガス分離膜を得た。
(比較例7)
比較例1で得られた多孔性支持膜を、6重量%のm-フェニレンジアミン水溶液に2分間浸漬した。その後、該支持膜を垂直方向にゆっくりと引き上げ、エアーノズルから窒素を吹き付け多孔性支持膜表面から余分な水溶液を取り除いた。
さらに、トリメシン酸クロリド(TMC)0.16重量%を含む25℃のデカン溶液を表面が完全に濡れるように塗布して30秒間静置したのち、100℃のオーブンで120秒間静置し、50℃の温水で10時間洗浄した後に120℃のオーブンで30分間乾燥することでガス分離膜を得た。
(比較例8)
比較例3で使用した、m-フェニレンジアミン2重量%、ラウリル硫酸ナトリウム0.15重量%の濃度で含有する水溶液を、m-フェニレンジアミン(m-PDA)2重量%/Pd(ルネサンス・エナジー・リサーチ社製ナノパラジウム分散液;溶媒:水/エタノール、分散剤:ポリビニルピロリドン、平均粒子径:6nm、Pdとして1重量%添加)混合水溶液とした以外は、比較例3と同様の操作を行ってガス分離膜を得た。
(比較例9)
比較例4で使用した、m-フェニレンジアミン3.0重量%、ラウリル硫酸ナトリウム0.15重量%、トリエチルアミン3.0重量%、カンファースルホン酸6.0重量%を含有した水溶液を、m-フェニレンジアミン(m-PDA)3.0重量%/Pd(ルネサンス・エナジー・リサーチ社製ナノパラジウム分散液;溶媒:水/エタノール、分散剤:ポリビニルピロリドン、平均粒子径:6nm、Pdとして1重量%添加)混合水溶液とした以外は、比較例4と同様の操作を行ってガス分離膜を得た。
(実施例1)
比較例1で得られた多孔性支持膜を、m-フェニレンジアミン(m-PDA)6重量%/Pd(ルネサンス・エナジー・リサーチ社製ナノパラジウム分散液;溶媒:水/エタノール、分散剤:ポリビニルピロリドン、平均粒子径:6nm、Pdとして1重量%添加)混合水溶液に2分間浸漬した。その後、該支持膜を垂直方向にゆっくりと引き上げ、エアーノズルから窒素を吹き付け多孔性支持膜表面から余分な水溶液を取り除いた。
さらに、トリメシン酸クロリド(TMC)0.16重量%を含む25℃のウンデカン溶液を表面が完全に濡れるように塗布して30秒間静置したのち、100℃のオーブンで60秒間静置し、50℃の温水で10時間洗浄した後に120℃のオーブンで30分間乾燥することでガス分離膜を得た。
(実施例2)
TMCの溶媒をデカンとした以外は実施例1と同様の操作を行ってガス分離膜を得た。
(実施例3)
比較例1で得られた多孔性支持膜を、m-フェニレンジアミン(m-PDA)6重量%/Pd(ルネサンス・エナジー・リサーチ社製ナノパラジウム分散液;溶媒:水/エタノール、分散剤:ポリビニルピロリドン、平均粒子径:6nm、Pdとして1重量%添加)混合水溶液に2分間浸漬した。その後、該支持膜を垂直方向にゆっくりと引き上げ、エアーノズルから窒素を吹き付け多孔性支持膜表面から余分な水溶液を取り除いた。
さらに、トリメシン酸クロリド(TMC)0.16重量%を含む25℃のデカン溶液を表面が完全に濡れるように塗布して30秒間静置したのち、100℃のオーブンで120秒間静置し、50℃の温水で10時間洗浄した後に120℃のオーブンで30分間乾燥することでガス分離膜を得た。
なお、表2において、実施例及び比較例の界面重合条件及び後処理条件をまとめた。
表1の結果から明らかなように、0.48≦(A+B)/C≦0.66を満たす実施例1~3のガス分離膜は、同様の官能来数比を有する比較例5~7と比較しても、優れたHe/CO2選択性と、特に優れたH2/CO2選択性を有しており、ガス分離膜として高い性能を有している。
一方、比較例3と8の比較,比較例4と9の比較、いずれの場合においても、それぞれの比較例において得られた膜は同様の官能来数比を有しており、構造上の違いはPdを含有するかどうかである。いずれの場合においても、Pdの含有により水素透過度は向上したが、0.48≦(A+B)/C≦0.66を満たさないため、(1-3)に記載の理由により、二酸化炭素の透過度が使用中にやや増加したため、H2/CO2選択性の向上はほとんど見られなかった。
さらに、実施例1と2を比較すると、(A+B)/Cがほぼ同程度であるが、B/Cが0.35以下になることにより、H2/CO2選択性がさらに向上しており、より高いガス分離性能を有していることが分かる。
これらの実施例に示されるガス分離膜を用いてガス分離モジュールを作製することにより、高い軽ガス/CO2選択性を発現させることができる。
本発明のガス分離用複合分離膜エレメントは、混合ガスから特定のガスを分離、精製することに好適に用いられる。
50:スパイラル型エレメント
51:複合分離膜
52:基材
53:多孔性支持膜
54:分離機能層
55:中心管
56:供給側流路材
57:透過側流路材
G1:混合ガス
G2:透過ガス
G3:濃縮ガス
80:分離膜を装着した透過セル
81:原料ガスボンベ
82:原料ガスマスフローコントローラ
83:スイープガスボンベ
84:スイープガスマスフローコントローラ
85:バルブ
86:ガスクロマトグラフィー
87:石鹸膜流量計
51:複合分離膜
52:基材
53:多孔性支持膜
54:分離機能層
55:中心管
56:供給側流路材
57:透過側流路材
G1:混合ガス
G2:透過ガス
G3:濃縮ガス
80:分離膜を装着した透過セル
81:原料ガスボンベ
82:原料ガスマスフローコントローラ
83:スイープガスボンベ
84:スイープガスマスフローコントローラ
85:バルブ
86:ガスクロマトグラフィー
87:石鹸膜流量計
Claims (7)
- 基材と前記基材上の多孔性支持層とを有する支持膜、並びに、前記多孔性支持層上に設けられた架橋ポリアミド分離機能層(以下、分離機能層、という)を備えた複合分離膜であって、
前記分離機能層の末端アミノ基の数A、末端カルボキシ基の数B、アミド基の数Cが、(A+B)/C≦0.66を満たし、かつ、
前記複合分離膜は、水素吸蔵能を有する化合物を含み、
前記水素吸蔵能を有する化合物の平均粒子径は、1~80nmであることを特徴とする、ガス分離用複合分離膜。 - 前記水素吸蔵能を有する化合物が、パラジウム、白金、ロジウム、ルテニウム、ニオブ、バナジウム、及びニッケルからなる群より選ばれる少なくとも一つである、請求項1に記載のガス分離用複合分離膜。
- 前記分離機能層の末端アミノ基の数A、末端カルボキシ基の数B、アミド基の数Cが、0.48≦(A+B)/Cを満たす、請求項1~2のいずれか1項に記載のガス分離用複合分離膜。
- 前記分離機能層の末端カルボキシ基の数B、アミド基の数Cが、B/C≦0.35を満たす、請求項1~3のいずれか1項に記載のガス分離用複合分離膜。
- 前記分離機能層の末端カルボキシ基の数B、アミド基の数Cが、0.22≦B/Cを満たす、請求項1~4のいずれか1項に記載のガス分離用複合分離膜。
- 請求項1~5のいずれかに記載のガス分離用複合分離膜、供給側流路材、及び透過側流路材が、透過ガスを集積する中心管の周りに巻囲された、ガス分離用複合分離膜エレメント。
- 請求項6に記載のガス分離用複合分離膜エレメントを用いたガス製造方法であって、以下の(1)及び(2)の工程を含む、ガス製造方法。
(1)前記ガス分離用複合分離膜の一方の面に、水素またはヘリウムの少なくとも一方である軽ガスAと、軽ガスA以外のガスBとを含む混合ガスを供給する工程。
(2)前記ガス分離用複合分離膜の他方の面から、前記混合ガスよりもガスA/ガスBのモル比が大きいガスを得る工程。
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